絵理「覚悟のマッサージ」 (24)


876プロ 事務所


絵理「ただいま……」トテトテ

 ポスンッ

絵理「フー……疲れた」


愛「絵理さーん! もう大丈夫ですよ! 疲れはバッチリとりますから!」ガシャーン!


絵理「愛ちゃん、そんなに勢いよくドアを開けたら、壊れちゃう?」サラッ

愛「あっ、いけない……」

絵理(この事務所、いつか崩れるだろうなぁ……)

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絵理「それで、愛ちゃんは出番を待っていたかのように会議室にいたわけだけど?」

愛「はい! 絵理さんが疲れて戻ってくるのを待っていました!」

絵理「会議室に大きな鏡とか見えるんだけど」

愛「ただ待ってるのって勿体無いですよ! だから、自主トレしてました!」

絵理「愛ちゃんは偉いね」ナデナデ

愛「えへへー///」



愛「というわけで、マッサージですよ、絵理さん!」

絵理(愛ちゃんは力強そうだなぁ……どうなるだろ?)


――シミュレーション開始――

愛「絵理さん凝ってますねー」グッグッ

絵理(この身体に日高神拳は通じないこの身体に日高神拳は通じないこの身体に日高神拳は通じない私の秘孔の位置は表裏逆表裏逆表裏逆……)

愛「そんな絵理さんのために! あたしは秘策を用意してきました!」バーン!

絵理「ひうっ!?」

愛「あたし、考えたんです。どうすれば絵理さんに気持ちよくなってもらえるかって。やっぱり、力が分散するとよくないと思うんです!」

絵理「あ、愛ちゃん?」

愛「だから、受けてください! あたしの――」


――シミュレーション中断――

絵理(……ピンチ、シミュレーションの中の私が死んでしまう)

絵理(……!)

絵理(そうだ、こうすれば……)


――シミュレーション改変して続行――

愛「全力のマッサージです!」

涼「遠慮! 遠慮するから愛ちゃん! お願いやめ……」

愛「てぇりゃ~~~~~!」グッ…グリッ

涼「ぎゃおおおおおおおおん!?」

愛「ふーっ、スッキリしたぁ。涼さんもスッキリしましたか?」

涼「う……うん」


――シミュレーション終了――


絵理(涼さんの犠牲を増やさないためにも、できればお断りしたい。でも……)

愛「……」キラキラ

絵理(罪悪感が……妹系は、こういう時有利?)

絵理「折角待ってくれてたんだし、お言葉に甘えちゃう?」

愛「甘えましょー! そうしーましょー!」パタパタ

絵理「しーましょー」トテトテ


絵理(……折れちゃった)

絵理(これから骨を折っちゃう可能性もあるけど……)

絵理(……覚悟を決めよう)

絵理(尾崎さん……サイネリア……みんな……絶対、生還するから)

絵理(昔の私じゃ、ない!)グッ

愛「絵理さん肩に力入ってますよ? リラックスしてくれないとダメですよ?」


絵理(というわけで、仮眠室から引っ張って来た布団の上)

愛「なんだか本格的でワクワクしますねー!」

絵理「うん。ドキドキする」

絵理(うつ伏せで愛ちゃんが見えないから凄いドキドキしてる。怖い)

愛「まずは絵理さん、身体から力を抜いてくださいねー!」

絵理(無理)

絵理「えっと……いい、と思う?」グググッ…

愛「どうして拳を握ってるんですか?」



絵理「ちょ、ちょっと緊張しちゃって……」

愛「大丈夫ですよー。あたしに任せてください!」

絵理(愛ちゃんだからなんだけどなぁ)

愛「とりあえず始めちゃいますね」

絵理(……あ)

絵理(突然すぎて確認を忘れてた)

絵理(愛ちゃんはマッサージができるのかどうか……それ以前に、愛ちゃんの言うマッサージは私が知っているそれなのか)


絵理「愛ちゃん」

愛「なんです?」ワキワキ

絵理「愛ちゃんは誰からマッサージを習ったの?」

愛「ママからよくしてもらったので、それで」

絵理(あ、これ人類が受けちゃダメなマッサージな気がする)

愛「まずは肩から……」


絵理(来る……愛ちゃんが、来る)

絵理(愛ちゃんのパワーに満ちた小さな手が来る)

絵理「……」ゴゴゴゴゴ

愛「絵理さん、凄く力が入ってますね。そんなに疲れてるのかな……? よーし! めいっぱい頑張らなきゃ!」

絵理(警戒心が招いた更なるピンチだった)

愛「そーーーれ!」グッ

絵理「ひうっ!?」ビクッ


愛「っしょ、よいっしょ……」グッグッ

絵理「ん……」ダラッ

絵理(……思ったより、普通?)

愛「~~~~♪」グッグッ

絵理(……小さな手で刺激されて、なんだかゆるくて、気持ちいい)

愛「っしょ、っしょ」グッグッ

絵理(……ゆるくて、拍子抜けして、なんだか疲れが表に出てきたような……最近、頑張りすぎてた気もするし)



絵理(愛ちゃんが触るところが、疲れてるって、よく分かる)

絵理(……こんなに疲労が溜まってたんだ)

絵理(……休もう、ちょっとだけ)

絵理(今だけ、愛ちゃんに任せよう……)

愛「力抜けてきましたね! もっとゆる~くなって大丈夫ですよ」

絵理「うん……」



―――
――


愛「しょっと、これで終わりです!」グッ

絵理(……疲れ、取れたのかな? よく分からない……)

愛「あっ、仕上げ仕上げ!」

絵理「仕上げ?」ムクッ

愛「絵理さん、そのままの姿勢でお願いしますねー」ギュムッ

絵理「……仕上げ?」

絵理(抱きしめられて頭を撫でられてる……これって、舞さんが愛ちゃんにやってることなのかな?)

愛「いつもお疲れさまです、絵理さん。たまにはちゃーんと休んで、疲れとってくださいねー。頑張ってるのはみんな知ってますから」ナデナデ


愛「はい! これにて完全終了ー! パチパチパチー!」

絵理「パチパチ」

愛「どーでした? 絵理さん、疲れとれました?」

絵理「……うん。ちょっと、癒された、かも?」

愛「よかったぁ。実は家族以外にやるの初めてだから緊張してたんです」

絵理「……私も、ちょっと覚悟決めてたから」

愛「覚悟? ……よく分かんないけど、なによりです!」

絵理(……また、やってもらいたいな)


涼「ただいま戻りま――」

愛「涼さんおかえりなさーい! 疲れはもう大丈夫、しっかりとりますからねー!」



絵理(とれるかどうかは分からないけど、愛ちゃんにやってもらうのは、いい気がする)

絵理(……)

絵理(尾崎さんにもやってあげよう)


おわり

終わりです

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