小咲「一条君と春が恋人関係に…」 (30)

小咲(一条君と春(小野寺の妹)が恋人になった…)

小咲(もちろん、体裁上は千棘ちゃんと一条君が恋人って事になってるんだけど…)

小咲(でも、実際は毎日一条君と春は一緒に会ってて…)


小咲「いいなぁ…」


小咲(でも、私は一条君が春の事を好きになったんだから、応援するって決めたんだ…)

小咲(うん!私は一条君が好きだけど…私は妹を応援する!)


小咲(…)

小咲(そう決めたはずだったんだけど…)




楽「よう小野寺。邪魔するぜ」

小咲「う、うん」


小咲「…」

小咲「………………」

小咲(あーーーーーーーーーー//)カァー

小咲(一条君が毎日うちに来るなんて、どんな拷問ーーーーーーー!?)

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■次の日

小咲「というわけなんだ…」

るり「あっそう」

小咲「『あっそう』って、助けてよ!るりちゃん!」

るり「春が彼女になったって聞いて、小咲が心配だったんだけど、元気そうでなによりだわ」

小咲「で、でも大変なんだよ!」

るり「何が?」

小咲「毎日、デートの後に私にノロケ話をしてくるの!」

るり「へぇ~。それで一条君の話が聞けて嬉しいと」

小咲「それはそうなんだけど…って、違うの!」

るり「まぁ、春に一言、言っておいた方がよさそうね」

小咲「ご、ごめんね。一条君の事だと、春に話にくくて」

るり「いいわ。気にしないで」

■夕方 春の部屋

春「るりさん、お久しぶりです」

るり「久しぶり。今日は春に用があるの」

春「え?」

るり「直球で言うけど、小咲がノロケ話をするなってうるさいのよ」

小咲「るりちゃん!?直球すぎだよ!」

春「え?ノロケ話?」

るり「毎日デートの後してるんでしょ?それを辞めてほしいって」


春「してません!ノロケ話なんて!」

るり「え?」

春「そもそも、あの人がどうしてーーーーもって、言うから付き合ってるだけで」

春「私は何とも思ってませんし」

春「それに私はお姉ちゃんが、あの人に相応しくないから諦めてほしくて、仕方なく恋人になっただけなんです!」

るり「そうなの?」

春「ええ、そうなんですよ!もう面倒な男でして!」

るり「ところで、あのお菓子は食べていいの?」

小咲「あっ、あれは新作のお菓子だよね。ついに完成したんだ」

春「うん。あとは味見してお姉ちゃんに仕上げてもらおうと思ってたの」

るり「じゃあ、味見するわね」

春「え?」

小咲「私もちょっと食べてみようかな~♪」


春「だ、だめーーーーーー!」

るり「え?」

春「あっ」

小咲「?」


春「そ、それは…その…ま、まだ味に自信がないので、あの人に先に毒見させようと…」

るり「毒見?」

春「そう!毒見!一条先輩に毒見させて、問題なかったら、るりさんとお姉ちゃんにも」

小咲「…」

るり「あー。そうよね。そういうことね」

春「そ、そうなんですよ。毒見が必要ですよね。やっぱり」

るり「普通、好きな人に一番に食べて貰いたいものね。ごめんなさい。気付かなくて」

春「なっ!?」

小咲「ちょっと複雑だったけど、春が一条君を大切にしてくれて、私は嬉しいな♪」

春「ちょっとお姉ちゃんまで!勘違い!勘違いだって!誰があんな人なんか!」

小咲「はいはい」

春「何でニヤニヤしてるの!?お姉ちゃん!」

■夜 一条楽の家

ピンポーン

楽「はーい」

ガチャッ

楽「おぉ!春ちゃん!こんな夜遅くにどうしたんだ?」

春「なんで来てくれなかったんですか?」

楽「え?」

春「なんで今日は私の家に来てくれなかったんですか!」

楽「いや、宮本から『今日は春を借りるから』って聞いててさ」


春「最初に言いましたよね!恋人の条件として『毎日会うこと』って!」

楽「いや、朝一緒に登校しただろ?」

春「そうですか!じゃあさようなら!」

楽「ごめん!悪かったからちょっと待ってくれ!」

春「何ですか?通報しますよ?」

楽「実はさ、今から会いに行こうと思ってたんだ!」

春「嘘ですね」

楽「いや、ほらこれを渡そうと思ってさ」

スッ

春「こ、これは…?」

楽「えーと、髪留め?シュシュっていうのか?とにかくそれだ」

春「…」

楽「ほら、オレ達付き合って、ちょうど一週間だろ?だから記念にと思ってな」

春「はぁ…まったくだめですね…」

楽「え?」

春「一週間記念なら、普通にデートにでも誘ってくれた方が嬉しいんですよ」

春「いや、別に嬉しいとかじゃなくて、一般論で」

楽「そうだったか…わりぃ…」

春「まぁ、でも」



春「これは貰っておきます。使わないと勿体ないので」

楽「…ああ、そうしてくれると嬉しいぜ」

春「では、帰りますね」

楽「あっ。送っていこうか?」

春「そんなの当たり前です!いちいち聞かないでください!」

楽「へいへい」


春(プレゼントとか…まったく安易な人なんだから…)

春(でも…)


春「~♪」

■次の日

小咲「あれ?それ新しい髪留め?」

春「うん。貰ったの」

小咲「よかったね。凄く似合ってると思うよ」

春「べ、別に似合ってなんかないよ!」

小咲「あっ、もしかして一条君に貰ったの?良かったね」

春「お姉ちゃん!?なんで私が先輩に物を貰うと嬉しいと思うの!?」


小咲(春のアホ毛が嬉しそうにピコピコ動いてて可愛いなぁ~)

春「なんでニヤニヤしてるの!?お姉ちゃんってば!」

■登校中

楽「おはよう。春ちゃん、小野寺」

小咲「おはよう、一条君」

春「おはようございます。先輩」


楽「…」

小咲「…」

春「…//」カァー

春(うぅ…やっぱり、いきなりプレゼントして貰ったものを着けるなんて、大胆だったかな…)

春(で、でも、せっかく貰ったものだし…)

春(そう!これは礼儀として着けてるだけで、別に褒めてほしくて着けたわけじゃ!)


春「…」チラッ

楽「…」ジー

春「っ//」カァー

春(見られてる!みられてる!ミラレテル!!!!)

春(どうしよう!どうしよう!どうしよう//)ドキドキ

春(お、お姉ちゃん助けて…//)


小咲(一条君にあんなに見つめられて…いいなぁ…)

楽(何故か知らんが、春ちゃんのアホ毛が犬の尻尾みたいに動いて…可愛いな)

■放課後

千棘「あー春ちゃんだー……って、どうかしたの?」

春「いえ、別に…」

千棘「?」


春(とうとう、先輩に褒められる事なく一日が…)

春(別に褒めてほしいわけじゃないけど、彼女が勇気を出して着けてきたのに、気付かないってどういう事!)

春「…」イライラ

千棘「あー、もしかして、あいつの事?」

春「…………いえ、別に」

千棘「許してやってよ」

春「え?」

千棘「確かにあいつは超がつくほど鈍感で鈍くてバカでまぬけだけど…」

春「…」

千棘「でも、悪い奴じゃないと思うんだ。だから許してやって」

春「…」

千棘「ね?」

春「別に怒ってませんが…桐崎先輩がそこまで言うなら」

千棘「えへへ。ありがとう」

春「いえ…その私こそ、ありがとうございました。相談に乗ってくれて」

■帰り道

スタスタスタ

楽「でさー」

春「そうなんですね」


楽「あっ、そういえば言い忘れてたんだが」

春「?」

楽「その髪留め可愛いな。スゲー似合ってると思う」

春「っ~//」カァー


春「って、褒めるなら、最初に褒めてください!今更褒められても嬉しくなんかありません!」

楽「顔真っ赤でそんな事を言われても説得力がないぞ?」

春「なってません!これは夕日のせいです!」


楽「あー…というか、褒めるの遅くなってすまん」

春「話が前後してますが、その通りです!」

楽「いや、あの…その…あまりにもさ…」

春「なんですか!?」

楽「春ちゃんが可愛くて…その褒めるの遅くなっちまった//」

春「なっ//」


春「って、顔真っ赤にして何をバカみたいな事を!」

楽「いや、春ちゃんも顔真っ赤だって」

春「これは夕日のせいです!」

楽「じゃあオレも夕日のせいだ!」

春「いーえ!先輩のは夕日のせいなんかじゃありません!」


「----!」


「--!」

■1ヶ月後

春「---!!!」

楽「--!!」

小咲「あれ?またケンカ?どうしたの?」


春「お姉ちゃん!いいところに!」

楽「小野寺!聞いてくれ!」


春「一条先輩が、私の作った和菓子が美味しいっていうんだよ!」

小咲「え?」

春「一条先輩が作ったケーキのほうが美味しいよね!?」

楽「いーや!絶対に春ちゃんが作った和菓子の方が美味しいって!」


春「お姉ちゃんはどっちが美味しいと思う!?」
楽「小野寺はどっちが美味しいと思う!?」


小咲「えーと、その…ご馳走さまです」

■別の日 昼食の時間

るり「あれ?春も来てるの?珍しいわね…」

春「はい!今日は特別です!」


楽「ふふふふふ。ついにこの時間が来たか!」

春「へぇ…覚悟は決まってるようですね」

るり「?」


楽「てやーっ!オレの一条楽スペシャル弁当をくらえ!」

春「なんの!愛情たっぷり彼女弁当を食べてみてください!」


パクッ

楽「う、うめぇ!」

春「なっ!ただのおにぎりがここまで美味しくなるなんて…」


楽「くっ!春ちゃんも腕を上げたな…」

春「先輩こそ…今日は互角ですね」


るり「なにこれ…」

■数分後

るり「え?別れる?」

春「はい。なんというか、この人と恋人関係も面倒になってきたんで」

春「そもそも私は好きで付き合ってるわけじゃありませんし…」

春「そこで、一条先輩と話をして、『お弁当勝負でオレに勝ったら別れてもいいよ』って」

春「それで、今日から毎日お弁当交換を…」


るり「あなた…『愛情たっぷり彼女弁当を食べてみてください』とか言ってたくせに…」

春「え?い、言ってませんよ!」

小咲「実を言うとね。一条君とお弁当交換をしたくて、無茶苦茶な理由を…」

春「お、お姉ちゃん!?」

るり「ふーん」

春「もう!違うんですってば!」

■別の日

楽「え?春ちゃんと上手くいってるかって?」

春「って、先輩方なにを聞いてるんですか!?」

千棘「いやー、普段ケンカばかりだから、心配になってきちゃってねー」

つぐみ「ふんっ、私はまだ貴様がお嬢以外と付き合ってるなど認めてないんだが…(以下略)」

集「あーそれオレも気になるなー。楽、全然春ちゃんの事話してくれないしー」

小咲「…」

るり「小咲?」


楽「あー、まぁ、二人っきりの時はなー?」

春「こっち見ないでください!」


楽「例えば、オレが座ってると、必ずオレの膝の上に座って…」

春「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

楽「って、びっくりするだろ!」

春「な、なにを適当な事を!」


楽「他にもオレが違う女子の話をしたら、すっごいヤキモチを…」

春「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

楽「だから、びっくりするだろ!」

春「み、みなさん!これは一条先輩の妄想…そう夢で!」


千棘「あー、想像以上に仲良くやってて、びっくりだわ」

るり「そうね。ご馳走さま」

つぐみ(膝の上に座って…か//)

小咲(うぅ…部屋が隣だから、毎日聞こえてくるんだよね。このやり取り…)

集「アハハハハ」

春「ち、違うんですーーーーーーーーーー!!!!」

ごめん、キムチのところから読むのやめたんだけど、今こんな可愛い子ヒロインなの?

■放課後 春の部屋

楽「え?」

春「だ、だから!今日はいっぱい傷付いたんです!責任取ってください!」

楽「えーと…どうすればいいのかな…」

春「ギュッって!」

楽「え?」


春「だから、ギュってしてください!まったくあなたは、それくらいもわからないんですか!!」

楽(こ、この子は赤面しながら、何を…//)

春「早く!するんですか!?しないんですか!?」


ギュッ


春「っ//」

楽「こ、これでいい?//」

春「急に抱きつかないでください!びっくりしたじゃないですか!」

楽「ご、ごめん」

春「だから、もうちょっと…もうちょっとだけそのままで…」

楽「お、おう//」

ギュウウウウウ

春「はぅ……//」


小咲(うぅ…なんでウチの壁、こんなに薄いのぉー)

■別の日

千棘「…え?」

つぐみ「その…クロード様から、超高性能嘘発見機を…今度は小型でして…」

千棘「これで楽が私を愛してないというのを、暴けって事?」

つぐみ「はい。でもまぁ、現状が現状ですし、クロード様には嘘の報告をしようと思うのですが」

千棘「ごめんね。つぐみ…嘘の報告とか辛い思いをさせて」

つぐみ「いえ、これもお嬢の為ですから」

千棘「つぐみ…」

つぐみ「お嬢…」


春「って、これはなんですか?」ヒョイ

千棘「え?」

つぐみ「こ、これはですね」

春「わぁー、可愛い指輪ですね。ちょっと着けてみていいですか?」

千棘「あっ、これはね」

つぐみ「どうぞ。着けてみてください」

春「わぁー。ありがとうございます♪」

千棘「って、つぐみ!?」ボソボソ

つぐみ「一条楽とどうなってるか気になりませんか?」ボソボソ

千棘「た、確かに気になるけど」ボソボソ

>>16
9巻~12巻(最新刊)でちょくちょく出てくる
可愛いからよかったらチェックしてみて

楽「おーい。そこに集まって何をしてるんだー?」

春「ゲッ」ビー

つぐみ「一条楽!?」

千棘「ああ、つぐみが変わった指輪を持ってきてね」

楽「へぇー。春ちゃんが着けてるやつ?似合ってるな」


春「はぁ?別に一条先輩に褒められても嬉しくないんですけど」ビー

千棘「…」

つぐみ「…」


楽「そういえば、たい焼きを買って来たんだが食うか?」

春「…先輩…もしかして、私に食べ物を買ってくれば、喜ぶとか勘違いしてません?」ビー

楽「うーん。まぁ、正直言うと喜んで欲しいんだけどさ…」


楽「その、春ちゃんの笑顔を見ると、オレもその…なんだ…嬉しいんだよな」

春「っ!?」

楽「えーと…まぁ、そういう事なんだけどさ…」


ギュッ


楽「え?手を握って…」

春「ほら、だったらさっさと行きますよ!」

楽「え?え?」

春「私を一杯喜ばせてくれるんでしょ?ちょうどたまたまお腹が減ってましたし」ビー

楽「お、おう。お腹が減ってたなら仕方ないよな」

春「ええ、お腹ペコペコで仕方ありませんから」ビー

春「一条先輩のおススメに連れて行って下さい!」

>>19マジかよ……このssだけ見るとどストライクなんだが

何回もすまんけど最近面白い?

春「ちなみに、美味しくなかったら承知しませんよ!」ビー

楽「ハハッ。大丈夫。春ちゃんとデートしたいから、常に美味しいところはチェックしてるんだよな」

春「なっ!………チェックとか…どんだけ暇人なんですか…」ビー

楽「じゃあ、行こうぜ。あまり遅くなるとお母さんも心配するしさ」

春「私のお母さんを『お母さん』って呼ばないでください!イラッっとします!」ビー

楽「悪かったから怒るなってば」

春「ほら、早く行きましょう」



つぐみ「…」

千棘「…」

つぐみ「指輪どうしましょう?」

千棘「ま、まぁ、明日にしましょう。私にはあれを邪魔する気にならないわ」

つぐみ「そうですね…」

「なっ!この味は!」

「どうだ!美味いだろ!」




「って、なっ!これすごくうまいな!」

「ふふふふふふ。私だって日々お店の研究を…」

「オレの為にそこまでやってくれてたのか…素直に嬉しいぜ」

「なっ!?違います!これはあくまで私の!自分自身が食べたい為に!」ビー

「へぇ~」


「なんでニヤニヤしてるんですか!?すっごくムカつきます!」

「いや、春ちゃんが顔真っ赤にして否定するからさ。可愛くて可愛いくて…な?」

「な、ななっ!」

「それにオレの為に、そんなに一生懸命、店を探してくれたのかと思うと嬉しくて…」

「違うって言ってるでしょう!」ビー

「大丈夫。わかってるって」



「わかってない!絶対にわかってません!別れましょう!絶対に別れてやるーーーー!」ビー


「はいはい。弁当勝負に勝ったらな」

「絶対に明日こそは勝ってやりますからねーーーーーーー!!!!」ビー








       終わり

これにて終わりになります。
読んでくれてありがとうございました!
また、機会があればよろしくお願いします!

>>21
すまん、見落としてた
あくまで個人的意見+単行本派の意見だが最近のニセコイは面白いと思うぞ

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