ジャン「ベン・トー?」(296)

※進撃の巨人で、ベン・トーのパロディです。
※進撃の巨人10巻までのネタバレがあるかもしれません。

休暇日 朝

食堂

マルコ「やあ、ジャン。今起きたのかい?」

ジャン「ああ。マルコは休みなのに早いな」

マルコ「慣れかな。目が覚めちゃうんだ」

ジャン「そんなもんか。ところで……」

マルコ「ミカサならいないよ」

ジャン「ばっ、違ぇよ。最近、休暇日の夜は人が少なくないかって聞こうとしたんだよ」

マルコ「あぁ、そうだね。ミカサもいないしね」

ジャン「ミカサのことはいいんだよ」

マルコ「でも、そうか。ジャンは知らなかったんだね」

ジャン「何か知ってるのか?」

マルコ「知りたければ、市場の夕市に行って見ると良いよ」

ジャン「夕市って、晩飯とか売ってるところだろ?」

ジャン「いないやつら、全員あそこで飯食ってんのか?」

マルコ「行ってみれば分かるよ、ベントー売り場に」

ジャン「ベン・トー?」

市場 夕方

ジャン(ベントーってあれだろ? )

ジャン(ガキのころに、バスケットにパン入れて、お袋に持たされた奴だろ)

ジャン(そんなもん、わざわざ買いに行くほどのものか?)

ワイワイ ガヤガヤ

ジャン(おっと、ここか)

ジャン(確かに、見慣れた顔がチラホラあるけど、全員弁当売り場から離れてるぞ?)

ジャン(ミーナもいるな。あいつはキョロキョロしてる)

ジャン「お前も飯買いにきたのか?」

ミーナ「あ、ジャンだ。最近ね、アニが美味しそうなお弁当食べてるから、気になって着てみたんだ」

ジャン「アニもか。案外、愛好者が多いな」

ミーナ「クリスタとかユミルも、たまに食べてるみたい。そんなに美味しいのかな」

ジャン「これが、その弁当か。思ってたのと違うな」

ミーナ「1つずつ残ってるけど、全部種類が違うんだね」

ジャン「何々? 

    ”肉を喰らえ!他には何もいらない!骨付き肉セット”

    ”たかが芋、されど芋、芋を侮るな!芋の限界に挑むポテト詰め合わせ5種”

    ”肉と野菜をパンで挟む。これで全てだ。これが《全て》だ!ジューシーハンバーガー”」

ジャン(名前が長えよ)

ジャン「しかし、結構うまそうだな」

ミーナ「独身の人なんかは、結構買っていくみたいだね」

ジャン「このリボンは何だ?」

ミーナ「張り紙に書いてあるよ」
ミーナ「白色のリボンがついてるのは三割引で買えるんだって、お得だね!」

ジャン「手にとって、よく見てみるか。芋5種ってどんなのなんだ」スッ

ミーナ「ポテトサラダ、煮っ転がし、芋餅、ポテトフライ、大学芋。本当に芋だけだね」

ジャン「芋ばっかりは、流石にちょっとキツいな。戻すか」ソッ

ジャン(ん? 隣に人が? )

            ブタ     オオカミ
マルコ「ジャン、君は家畜か? 餓狼か?」


ジャン「な、何いってんだ?」

    オオカミ
ユミル「餓狼は生きろ」ガッ

    ブタ
アニ 「家畜は死ね」ゴスッ


ジャン(な…に、が……? )
ミーナ「」

~~

ジャン「がっ…!」

ハンジ「目が覚めたね?」

ジャン「頭が痛え、何だったんだ……?」

ジャン「ここは……」

ハンジ「市場の裏口だよ」

ジャン「あ、あなたは!?」

ハンジ「ハンジ・ゾエ。調査兵団の分隊長。ちょっと場所を借りて寝かせてたんだ」

ジャン「じ、自分は、ジャン・キルシュタイン訓練兵であります!」

ハンジ「あ、そういうのはいいよ。今は、私も君も休暇中だしさ」

ジャン「は、はぁ。あの、なんで自分は市場で寝てたんでしょうか?」

ハンジ「君たち、手にとったお弁当を、また陳列棚に戻したでしょう。だからさ」

ハンジ「君たち……あ、そうだ。ミーナは」

ハンジ「連れの子なら、まだ寝てるよ」

ミーナ「うーん……エル×リヴァ…」

ハンジ「何か不穏な寝言を呟いてるけど」

ジャン「それよりも、俺たちが寝ていた理由がわかるんですか?」

         ブタ
ハンジ「君たちが、家畜だからさ」

ジャン「その言葉、あの時、マルコがいつの間にか横にいて……」

ジャン「そうだ。その後殴られて、確かユミルとアニだった」

ハンジ「へぇ、あれが見えたんだ。目が良いね」

            ブタ   オオカミ
ジャン「教えてください、家畜とか餓狼って何ですか!?」


ハンジ「私も含めた餓狼は、半額弁当を得るために戦っているんだよ」

ジャン「……?」

ハンジ「古くは騎士とも呼ばれていたらしいけど、今は餓狼として定着し」

ジャン「ちょ、ちょっと待ってください!俺たちは、半額弁当の為に殴られたんですか!?」

ハンジ「君たちが殴られたのは、家畜だから。礼儀を持たず誇りも懸けない者の蔑称だよ」

ジャン「……?」

ジャン「……?」

ミーナ「…豚小屋…ぃん…家畜ぃか……です」ムニャムニャ

ハンジ「色々あるけどね。

    ・神が売場から消える前に駆けるなかれ

    ・その夜に己が食す以上に狩るなかれ

    でも、一番大切なのは、”礼儀を持ちて誇りを懸けよ”」

ハンジ「それが出来ないものは、家畜だよ」

ジャン「礼儀と誇り……」

ハンジ「干し芋をあげるから、連れの子が起きたら、分けて食べなさい」

ジャン「……ありがとう、ございます」

ハンジ「もし、これに懲りなかったら、次の休暇日も来てごらん。もう少し教えてあげるよ」

次の特別休暇日

食堂

ジャン「マルコ、俺は今日も夕市に行くつもりだ」

マルコ「そうか。君も、餓狼になるんだね」

ジャン「まだ、よく分かんねえけどな」

マルコ「じゃあ、一つだけアドバイスだ。敬礼の意味は覚えてるよね?」

ジャン「あぁ、心臓を捧げるんだろ。コニーが間違えた奴だ」

マルコ「そう。僕らは公に心臓を捧げた身だ」


マルコ「けれど、胃袋までは、捧げていない」


ジャン「お、おう」ゾク
ジャン(なんだ、この迫力)

マルコ「それだけ覚えててくれれば、そのうち弁当も取れるんじゃないかな」

ジャン「マルコは行かないのか?」

マルコ「今日は、腹の虫が鳴かないからね」

ジャン「……?」

夕市

ジャン(ついたぜ。弁当売り場)

ジャン(前回、失敗したからな、遠くから様子を見よう)

ユミル「ヨメニナレー」ハハハ

クリスタ「ユミルッタラー」フフフ

ジャン(ユミルとクリスタだ。あのアマ、この間は思い切りぶん殴りやがって)

ジャン(弁当売り場まで来たな。通り過ぎるのか? )


ユミル「……」ギラ
クリスタ「……」ギラ

ジャン(怖え。目が本気だ)

クリスタ「角煮スペシャル」スタスタ

ユミル「ふんわりオムレツ」テクテク


ジャン(何だ…? 俺も見に行ってみるか)

ジャン(さっきの二人みたいに、横目でチラっと見ればいいんだな)

ジャン(今日の弁当は、二つ。既に3割引の白いリボンが巻いてある。

    ”雲みたいにふ~わふわ。蜂蜜みたいにとろ~り。天使のふんわりオムレツ♪”

    ”食べろ!そして生きろッ!転がり落ちる岩のようにッ!ロックンロール角煮スペシャル”


ジャン(テンションの落差が激し過ぎる)

ジャン(さっきの二人は、自分の獲物を明かして、かち合わなければ、協力するって意思表示か)

ジャン(今の角煮、岩と名乗るだけはあるぜ、すごい肉の塊だ)ジュルリ

ジャン(近過ぎるところにいると、また殴られそうだ。さっきのところに戻ろう)


ジャン「ん?」

ハンジ「やぁ、やっぱり来たね」

ミーナ「ジャンも来てたんだ」

ジャン「ハンジさん、とミーナ」

ハンジ「さっき、そこでばったり会ってね。つい話し込んじゃったよ」

ミーナ「ジャンは、今日もお弁当を?」

ジャン「あぁ、この間は、よく分からないまま殴られて終わったからな」
ジャン「このまま引き下がれねえ」

ハンジ「意気込みは買うけど、あまり気追わないほうがいい」
ハンジ「腹の虫の加護が得られない」

ミーナ「はらのむし?」

ジャン(今日、マルコも言ってたな)
ジャン「腹の虫って何ですか?」

ハンジ「そうだねぇ。君たち、兵舎の食堂のご飯は美味しいかい?」

ミーナ「いやぁ、あれはお世辞にも」

ジャン「美味いとは言えないです」

ハンジ「でも、営舎10周しないとご飯抜き、って言われたら?」

ミーナ「10周走ります」

ハンジ「そう、あんな食事でも、営舎10周分の活力にはなるんだよ」

ミーナ「もしそれが、美味しい弁当なら!」

ハンジ「そういうことさ。なに、参加すれば、実感できるよ」

ギィ バタン

ハンジ「来たよ、半額神だ」

ミーナ「神様?」

ハンジ「売れ切れそうか、売れ残りそうか、そのギリギリのバランスを見極める神さ」

ジャン「手に持っているのは、赤いリボン」

ハンジ「あれが、半額の証だ」

ミーナ「残ってるお弁当2つとも、結んでますね」

ジャン「”神が売場から消える前に駆けるなかれ”か」

ハンジ「よく覚えていたね、神が消えてからが、勝負だよ」

ミーナ「神様が、戻っていきます」

ギィ

ハンジ「需要と供給の狭間、その僅かなクロスポイントを、駆ける者達」


バタン

        オオカミ
ハンジ「それが、餓狼だ」

ドドドドド

ジャン(地鳴り? 違う、餓狼の足音だ!)

ミーナ「すごい……」

ハンジ「君達は初戦だ。腹の虫の加護も弱い」
ハンジ「怪我をしないようにだけ、気をつけなさい」

ミーナ「ハンジさん、すごい勢いで行っちゃった。もう殴り合いしてる」バキ ドカッ

ジャン(何で、立体起動もつけてない人間が、何メートルも飛び上がったり出来るんだ!?)

ミーナ「ジャンは、どうする?」

ジャン「俺は……」


ジャン(たかが飯だ。怪我をしてまで欲しがるもんじゃねえ)

ジャン(あの肉の塊は、ちょっと惜しいが……)グゥ

ジャン(思い返しても、あの角煮、美味そうだったなぁ)グゥゥ

ジャン(まぶたに浮かんで、消えねえぞ!)グゥゥゥ

ジャン「俺は、行く!」

ミーナ「ジャン!?」

ジャン「うおおおお」

ハンジ「来たね!」

ジャン(こいつら、マジで殴り合いしてる。男も女も関係ない)

ハンジ「私は、オムライスだよ」

ジャン「自分は、角煮です!」

ハンジ「」ニッ
ジャン「」ニッ

ジャン(走った勢いを乗せて、ハンジさんの横にいる男を蹴り飛ばす!)ゴス
ジャン(壁まで吹っ飛んだ!? )

ハンジ「腹の虫の加護を得たようだね」

ジャン「これが…」

ハンジ「しかし、それは周りも同じことだ。気を抜かないようにね!」バキ

ジャン「絶対に、食ってやる!」ドンッ




ジャン(人数が多いぞ!全員倒さないと、弁当に手が届かない!)ハァハァ


----ッ!


ジャン(何だ!? 空気が変わった……? )ハァハァ

ハンジ「まさか……」キョロキョロ

ジャン(あそこを歩いてるのは、芋女? )

サシャ「パァン…」ブツブツ

ハンジ「腹が減りすぎて正気を失ってる!大猪だ!」

          オオジシ
ジャン「なんですか、大猪って」

ハンジ「誇りも礼節も持たない家畜だけど、餓狼にも匹敵しうる力を持つものをそう呼ぶんだ」

ジャン「強いんですか?」

ハンジ「私は、前に腕を食いちぎられそうになった」

ジャン「」ゾォ

ハンジ「何よりも恐ろしいのは、大猪が通った後に、弁当が残らないことだ」

ジャン「残らないって……」

ハンジ「腕に食いつかれたとき、お弁当は7つもあったんだ」

ハンジ「でも、痛みに腕を振り解いて、次に見たときにはもう、ひとつも残って無かった」

ジャン「ハンジさん、急いで止めないと!」

ハンジ「力で、どうこうなる相手じゃないんだよ。残念だけど」

ジャン「そんな……!」

ライナー「俺達が時間を稼ぐ!」

ベルトルト「ライナー、やるんだな!? 今ここで!」

ジャン(ライナーとベルトルト!?いたのか!)

ライナー「うおおおおおおお」

ジャン(何だ? ライナーが…甲殻に包まれてる…?」

ベルトルト「どりゃあああああ」

ジャン(ベルトルトの体が、光ったと思ったら、大きく膨らんでいる…!)

ガツ!、ガツン!

サシャ「パァ…ン?」

ジャン(二人掛りで、サシャを押さえつけている!)

ハンジ「二つ名持ちがいたか!」

ジャン「二つ名?」

ハンジ「”仮面”ライナーと、”光の巨体”ベルトラマンだよ」

ジャン「体が変形してますけど、あれも虫の加護ですか!?」

ハンジ「分からないけど、個人差じゃないかな」

ジャン「そうですか」ナットク

サシャ「パァン……?」


グパァァァ


ベルトルト「おいおい、人間の口が、こんなに開くのかよ」ドンビキ

ライナー「俺達が、言えた義理じゃないさ」

サシャ「」スゥ…


ズプン


ハンジ「消えた!?」

ジャン「いえ、二人を通り抜けてます!」

ライナー「マ、マジかよ」

ベルトルト「まさか、体を食われるなんて…」

ジャン(一瞬しか見えなかったが、頭から、二人に突っ込んで)
ジャン(口に入るものを喰い散らかして、体ごと突き抜けた!)ブルッ


アニ「あんたら、大丈夫かい?」

ライナー「ああ、何とかな」

ベルトルト「持っていかれたのは、増えた部分だけだ」

サシャ「パァン…?」クンクン

ハンジ「べ、弁当を、死守するんだ!」


ザワザワ
(無理だ……)(あんなの、勝てっこない)

ザワザワザワ
(今のうちに、逃げたほうが……)

ザワザワザワザワ
(俺、弁当食うために、食われたくねえよ……)

ジャン(戦うことが怖いんだ、戦うことを拒否している…!)
ジャン(こうなったら、俺がやるしか!)グッ


「真正面からぶつかる必要は無い」ズバン


サシャ「パ?」グラリ

ハンジ「今の動き……まさか!」

「コイツは、本能で食い物を求めてるだけだ」
「もっと早くの段階で、体の向きを変えてやれば、どこか違うところに誘導できた」

ハンジ「リヴァイ!」

ジャン(リヴァイ…!人類最強の!? )

リヴァイ「今回は、対処が遅すぎたな」

サシャ「パァ……ン」フラフラ

リヴァイ「これは持論だが」ガン

サシャ「うぐ」

リヴァイ「躾に一番効くのは痛みだと思う」グググ

サシャ「う、ううう。お腹が痛いです…」

ジャン(芋女が正気に戻った!)

リヴァイ「メガネの横にいるお前」

ジャン「は、はい!」

リヴァイ「はやく弁当をとっちまえ」

ジャン「は、はい!」ダッ

ジャン(皆、あっけに取られて動けねえ!)

ジャン(そうでなくても、食われる恐怖に支配されていたんだ)

ジャン(俺が、一歩先に角煮弁当を頂く!)

ジャン(あと3歩!)

ジャン(2歩!)

ジャン(いチ)ガン

クリスタ「ごめんね、ジャン」

ユミル「悪ぃな、これは私らのだ」

ジャン(そん、な……)ドサ



ハンジ「漁夫の利を持っていかれちゃったね」

ジャン(あと少し、だったのに……)

ハンジ「弁当を手に取ったものが勝者だ」

ジャン「オレは……次こそ弁当を獲る」

ハンジ「そうだね」クスッ

リヴァイ「クソメガネ、弁当を食い損ねたぞ。奢れ」

ハンジ「ちょっ、私のせいじゃないでしょう!?」

リヴァイ「そこのガキにだ」チッ

ハンジ「……そうだね」ニッ

ハンジ「ジャン、ご飯を食べに行こう」

ジャン「……はい」

ハンジ「安くて美味しい麺屋さんがあるんだ。うどんって知ってる?」

ミーナ「私も行っても、いいですか? もちろん、自分で払いますから!」

ハンジ「いいよ!一緒に行こう!みんなリヴァイの奢りだ!」ヤホーイ

リヴァイ「おいコラ、クソメガネ。何言ってやがる」

ハンジ「皆ついでおいでー」

ミーナ「…あの、ちゃんと、自分で払いますから」オズオズ

リヴァイ「ガキが金の心配をするな。ついてこい」

ジャン(カッコイイ…)
ミーナ(カッコイイ…)

二人は、この日から半額弁当を巡る戦いに身を投じるようになる。
ジャンが弁当を手にするのは、もう少し後の話。

ミーナ「そういえば、サシャが倒れたままだけど大丈夫かな?」

ハンジ「干し芋おいてきたから、大丈夫じゃないかな?」

(つづく)

続きは明日の夜の予定です。
フリガナずれてスイマセンでした。

休暇日 朝

ジャン「よう、マルコ」

マルコ「おはよう、ジャン。今日は早いね」

ジャン「たまにはな」

マルコ「それで? 何か聞きたいことがあるんだろう?」

ジャン「すげぇな、お見通しか」

マルコ「休暇日の朝だから、もしかして、と思ってね」

ジャン「この間、ライナーとベルトルトが、"二つ名"持ちって呼ばれてた」
ジャン「"二つ名"って何だ?」

マルコ「あの二人に出会ったんだね。驚いたろう」

ジャン「いきなり変身したからな。腹の虫ってのは底が知れないぜ」

マルコ「"二つ名"って言うのは、夕市でのあだ名みたいなものさ」

ジャン「確かに、体の特徴を捉えた名前だったな、仮面ライナーとベルトラマンだったか」

マルコ「ベルトルトは、"光の巨体"が二つ名なんだけどね」
マルコ「どうしてか名前の方も変わっちゃったんだ」

ジャン「他にも二つ名持ちはいるのか?」

マルコ「沢山いるよ。一番有名なのは、"人類最強"リヴァイ兵長かな」

ジャン(リヴァイ兵長……他の餓狼とは、実力が桁違いだった)

マルコ「それに、ジャン」

ジャン「オレ?」


    ・・・
マルコ「君以外の訓練兵団、上位成績者は、全員二つ名持ちだ」


ジャン「」
ジャン(冗談じゃねえぞ、いつのまに、そんなことになってんだ)

ジャン「……ミカサは、何て二つ名なんだ?」

マルコ「彼女は必ずチームを組んで参戦する。主にエレンと一緒だね」

ジャン(死に急ぎ野郎がぁ……)ギギギ

          ウォールマリア
マルコ「二つ名は、"壁の乙女"」

ジャン「縁起が悪くねえか?」

マルコ「弁当を二の次でエレンを守ろうとするから、いつの間にかね」

ジャン「死に急ぎ野郎は?」

マルコ「ミカサという茨の壁に守られる"いばら姫"って呼ばれてるよ。蔑称さ」

ジャン「ははっ。そいつは傑作じゃねえか」

マルコ「良くも悪くも、二つ名は、目立つ人間につくものだからね」

ジャン「必ずしも、強い奴に付くわけじゃねえのか」

マルコ「主席のミカサも、ペアの時なら、付け入る隙は結構あるもんだよ」

ジャン「他にあと5人もいるのか」

ジャン(サシャは餓狼じゃなくて、大猪だったが)

ジャン「そんだけいるにしては、夕市で見かけない奴が結構いるな」

マルコ「夕市は一つだけじゃないからね」

マルコ「その時々で狩場を変える人もいれば、一箇所に住み着くこともある」

ジャン(今度、違う夕市に行って見るか・・・)

マルコ「ミカサ達は、マダムの店に良く行ってるらしいよ」

ジャン「マダム?」

マルコ「半額神の愛称さ。トロスト・マムの店って聞いたこと無いかい?」

ジャン「いや、知らないな」

ミーナ「はい!私、知ってます!」

ジャン「ミーナ!?」

ミーナ「私が案内するよ」

ジャン「いつから居たんだよ」

ミーナ「割と最初のほうから」ヘヘヘ

ジャン「普通に声かけて来いよ」

ミーナ「次からはそうするよ。」

ジャン「そうしてくれ。じゃあマダムの店に行って見るか」

マルコ「隙はあると言ったけど、手ごわいことに変わりは無いよ」

ジャン「分かっているさ。骨身に染みて、な」

夕方
市場「トロスト・マム」

ジャン(さぁて、今日はミカサもいるはずだ)ワクワク

ジャン(忌々しいことに、死に急ぎ野郎も一緒だろうけどな)

ジャン(まずは、弁当売り場に下見だ)

ミーナ「あ、ハンジさんだ」

ハンジ「あれ? 今日はこっちなんだ」

リヴァイ「お前か」

ジャン「り、リヴァイ兵長!?」ビシ!

ミーナ「!」ビシ!

リヴァイ「敬礼はいらん。俺もメガネも勤務時間外だ」

ハンジ「今日はどうしてこっちに来たんだい?」

ミーナ「他にも夕市があるって聞いたんで、ここに」

リヴァイ「ろくに弁当を取れ無いうちから、あちこち行くのは関心しない」

ジャン「は、はい」

ハンジ「今の君は、家畜ではないけど、餓狼でもない」

リヴァイ「そういう奴らは、犬と呼ばれる」

ミーナ「犬、ですか」

ハンジ「なぁに、実力を見せてやれば、そんなことをいう奴もいなくなるさ」

ハンジ「二つ名がついたりするかもね」ニヤッ

ミーナ「そういえば、リヴァイ兵長も、二つ名付いてますよね?」

ハンジ「知ってるんだ? "人類最強"」

リヴァイ「くだらねぇ」チッ

ハンジ「カッコいいでしょう!私が付けてあげたんだよ」

リヴァイ「おいメガネ、お前にもあるだろう。立派なのが」

ジャン「ハンジさんも二つ名が?」

ハンジ「……」

リヴァイ「"奇行種"」

ハンジ「……」ポロポロ

リヴァイ「俺の二つ名が余りにも酷えから、クソメガネにも付けてやったんだ」

ミーナ(意外と大人気ない)


ハンジ「お弁当、見に行こうか」ポロポロ

ジャン「ええ」

ミーナ(気まずい)

リヴァイ「俺はもう見てきた。おい、ジャンって言ったか?」

ジャン「は、はい!」

リヴァイ「俺は、理由の無いことはしない」

ジャン「?」

ハンジ「行かないのー?」

ジャン「行きます!リヴァイ兵長、失礼します!」
ジャン(理由・・・…。弁当のことか?)

ハンジ「今日は、結構残ってるみたいだね」

ミーナ「4つ、いえ、5つありますね」

ハンジ「……」チラ
ジャン「……」チラ
ミーナ「……」チラ

ジャン(今日の弁当は3種類、2種が2個ずつあるな)

    ”季節の野菜12品目弁当”

    ”チーズハンバーグ弁当”

ジャン(1個だけ異様にデカイ。何だコレは…)

    ”超大型巨人弁当”

ミーナ(まさかの巨人のキャラ弁)

ジャン(他の二つはまともな分、ぶっ飛び具合がハンパないな)

ジャン「俺はハンバーグ」

ミーナ「私は野菜」

ハンジ「」

ミーナ「……ハンジさん?」

ハンジ「え?何か言った?」

ジャン「あの、俺はハンバーグにしますけど、ハンジさんは何を?」

ハンジ「何をって、それはもう…・…最高に滾るヤツをだよ!」

ジャン「」
ミーナ「」
ハンジ「」フーフー

リヴァイ「そいつは巨人弁当だ」

ジャン 「ハンジさんは、どうしたんですか?」

リヴァイ「あの弁当は、無駄に造詣の出来が良いからな。興奮してるんだろ」

ミーナ 「ハンジさんは、巨人が好きなんですか?」

リヴァイ「憎んでいるそうだが、愛憎は表裏一体らしい」

ジャン 「すいません、良く分かりません」

リヴァイ「俺もわからん」

ハンジ 「ひどいなぁ」

ジャン 「リヴァイ兵長は何を狙うんですか?」

リヴァイ「俺は季節の野菜弁当だ」

ハンジ 「もうオッサンだからね。脂っこいのはキツいんだよ」

リヴァイ「黙れ、"奇行種"」

ジャン(かち合わずに済んだ……)

ジャン(他の餓狼は、誰か来てるのか?)キョロキョロ


ハンジ 「気になる?誰がいるのか」

ジャン 「はい、訓練兵も来ているそうなので」

リヴァイ「"壁"と"姫"がいるな、それと"猫"もだ」

ジャン 「ミカサとエレン! と誰だ?」

ハンジ 「知り合いかい?」

ジャン 「ええ、まぁ」

ハンジ 「訓練兵だと、"馬鹿"もいるね。坊主の子」

ミーナ (コニーだ)

途中でスイマセン。今日はここまでです。

ジャン 「ミーナは争奪戦に参加するのか?」

ミーナ 「うん!この間ね、ジャンとハンジさんが共闘してるのを見てて、何か良いな!って思ったの」

ジャン 「そのあと、芋女に荒らされたけどな」

ミーナ 「結果じゃなくてさ。そういう経験を、私もしてみたいんだよ」

ハンジ 「二つ名が無い餓狼も、沢山来てるみたいだ。巨人弁当とられないかなぁ」

リヴァイ「あんなもん、わざわざ狙うのはお前くらいだ」

ミーナ (せっかく作った人には悪いけど、あれは売れ残るよ)

ジャン (ミカサ……)

バタン

リヴァイ「きたぞ。半額神だ」

ミーナ 「やっぱり女の人なんですね」

ハンジ 「店主にして神、通称マダムさ」

ミーナ 「貫禄ありますね、これぞマダムって感じで」

マダム (……)ムー?

ミーナ 「あれ、リボンを結ばないですよ?」

マダム (……)スタスタ


バタン

ミーナ 「何もしないで、戻って行っちゃった」

ハンジ 「……なんてことだ。弁当が残りすぎたんだ」

ジャン 「え?」

ミーナ 「半額にならないってことですか?」

ハンジ 「需要と供給のバランスが、合わなかったんだ」

ミーナ 「そんなぁ……」ガクリ

リヴァイ「そういうことも、ある」

ジャン 「他の店に行きますか?」

ハンジ 「いや、もう少し待とう」

リヴァイ「神の判断が変わることに賭けるか」

ジャン (? 誰か…陳列棚に近づいていく)


ダズ  「…………」


ミーナ 「……ダズだ」

ジャン 「まさか、あいつ、3割引で、妥協しようとしてるのか」

リヴァイ「……」チッ

ハンジ 「それが彼の判断なら、我々には止めようがない」


ダズ  「……」スッ


ミーナ 「手を出した…」

ジャン 「いや、まだだ。手にとってねえ」

ハンジ 「彼は今、自分と戦っている」


ダズ  「……ぅぅっ」プルプル


ミーナ 「がんばれ、自分に負けるな!」

ジャン 「お前はそんなところで諦める奴じゃねえだろ!」


ダズ  「……っ」グッ


ミーナ 「涙流してる……」

ジャン 「耐えろ!耐えてくれ!」


ダズ  「……」


ミーナ 「戻っていった!」

ジャン 「良くやった!お前は自分に、勝ったんだ!」

リヴァイ「……」フゥ


ギィ

ジャン 「?」

ミーナ 「マダム?」


バタン


マダム(……)テクテク

リヴァイ「あんなものを見せられたんだ。神も動かざるを得ない」

ハンジ 「彼の勇気が、奇跡を起こしたんだ」


マダム(……)ニコニコ


ミーナ「5つとも、赤いリボンが巻かれていく」

ジャン「……長かった」

ハンジ「待っててね。超大型巨人弁当!」

ジャン(リヴァイ兵長が争奪戦に参加するのを見るのは、これが始めてだ)
ジャン(どんな戦い方をするんだろう)

マダム(……)


バタン


ドドドド
ドドドドドドド
ドドドドド゙ドドドドド

マダム(……)


バタン


ドドドド
ドドドドドドド
ドドドドド゙ドドドドド

ミーナ 「この前よりも、迫力がある」

ハンジ 「みんな、さっきの彼を見て、腹の虫の加護が上がってるんだ」

ジャン 「ダズが先頭に抜け出した!」

ハンジ 「勇気ある彼か!」

リヴァイ「見事だった」シュッ

ジャン (兵長が消えた!?)

ハンジ 「上だよ」

※今更ですが、トロスト・マムは築地のセリ市場のような壁の無い建物のイメージです。


ミーナ「すごく、高い」ポカン

ジャン「高すぎる。天井にぶつかる!」

リヴァイ「見事だったが、勝負は別だ」クルン

ガッ

ジャン(反転して、天井を足蹴に急下降した!)

ダズ「」ズバン

ミーナ「うわ、痛そう」

ジャン(……首の付け根を一撃だ。あんなの食らったら、もう立てない)

餓狼a「」
餓狼b「」

ジャン(先頭の足が止まった!)

ハンジ「いくぞお!」ウフフ

ハンジ「巨人弁当ぉ!ウヘヘヘ」クネクネ

餓狼c 「うわ、変な動きなのに速い!」バシーン

餓狼d 「走り方が気持ち悪い、けど速い!」バシーン

餓狼a「させるk ぐわ!」バシーン

餓狼b「食r ゴフ!」バシーン


ミーナ(走ってるだけなのに、前を塞ぐ餓狼を弾き飛ばしてる!)

ジャン(キモいけど凄い)

リヴァイ「意味の無いことはしない、と言っただろう」

ミーナ 「あれ? リヴァイ兵長」

ジャン 「さっきまで、ずっと前方にいたのに」

リヴァイ「アレの走り方は、奇行種に酷似している」

ミーナ 「あー」ナットク
ジャン 「なるほど」ナットク

リヴァイ「俺はもう弁当を取った。お前らも最善を尽くせ」

ジャン (いつの間に)

ミーナ (凄い!)


ハンジ 「やったー!超大型巨人弁当とったぞー!」

ジャン (いつの間に!)

ミーナ (凄いけどキモい!)

ジャン「弁当は残り3つだ。俺が取る!」ダッ

ミーナ「私も!」ダッ


ジャン(先頭集団に突っ込む!)

アニ「あんたら、調査兵団とつるんでるのか」ガッ

ミーナ「キャア!」

ジャン「ミーナ!」

エレン「人の心配してる場合じゃないぜ!」ゴス

ジャン「うぐっ」


ジャン「出やがったな、死に急ぎ野郎!」ドカッ

ミカサ「エレンに危害を加えるものは、削ぐ!」バキッ

ジャン「ミカサ!」

アニ「……」

アニ「この人数に、ミカサがいるんじゃ、分が悪いね」シュゥゥゥ

ジャン(蒸気!? いや、ライナーと同じ変身か!?)

エレン「最初から全力で来たな! "キャッツ"アニ!」

ミーナ("キャッツ"……リヴァイ兵長の言ってた"猫"は、アニだ!)

ジャン(姿が変わったが……ライナーやベルトルト程じゃねぇ!)
ジャン(力で押せるか!?)

エレン「ミカサ、鳴かれる前に!」

ミカサ「ダメ、間に合わない!」

アニ『ニ゙ャアアアアアアアアアアアア』

ジャン「な、何だ!?」

ミーナ「猫の鳴き声!?」


ニャー、ニャーニャー、ニャー


ミーナ「うわ、猫が、集まってきた!」

ジャン「アニが、鳴き声で呼んだのか!?」

ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー
ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニーニャー、ニャー
ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー

ミーナ「あっという間に、沢山……!」

ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー
ニャー、ニャーニャー、ニャー

猫「」ジー

ジャン「」ゾク

猫「」ジー

ミーナ「猫に、見張られてる……」

猫「」ジー
ミカサ「エレン、動いてはいけない。一気に襲われる」


猫「」ジー
エレン「前に、コニーが襲われてるのを見たからな、動けねえよ」

猫「」ジー
コニー「ん? 誰も行かないのか?」ヒョコヒョコ


猫「ナァァァァゴ」

ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー
ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー
              ニャー、ニャーニャー、ニャー
コニー「ギャアアア!!」    ニャー、ニャーニャー、ニャー
             ニャー、ニャーニャー、ニャー
ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー
ニャー、ニャーニャー、ニャーニャー、ニャー


エレン「コニィィィィ!!」

ジャン「馬鹿野郎!死に急ぎやがって!」

アニ 「あんたらは猫がいなくなってから、精々がんばりなよ」ゲット

ミカサ「エレンのチーズハンバーグを奪う、泥棒猫め!」


ニャー、ニャーニャー、ニャー
ニャー、ニャー……

ミーナ「アニと一緒に、猫が帰っていくよ」

ジャン「クソ!あと2個しかねえ!」ダッ


エレン「させねえよ!」ガン!

ジャン「邪魔するんじゃねえ!」ブン!

ミカサ「エレンのチーズハンバーグは渡さない!」ブォン

ジャン(例えミカサだろうと!)
ジャン「ミーナ!行け!」

ジャン「この場では、腹の虫の加護を得たものが強者!」

ミーナ「エレンの為だけに戦ってる人には、負けないよ!」ゲシッ

ミカサ「」フンッ

ミーナ「え?」バチンッ


ドカッ


ジャン「腹に攻撃したミーナが、逆に吹っ飛ばされた!?」

ミーナ「」チーン

ミカサ「勘違いされては困る」

エレン「ミカサは、尋常じゃない腹筋を維持する為に、弁当を争奪に来ているんだ!」

ミカサ「……///」

ジャン「そんな、まさか…!?」

ミカサ「腹の虫の加護は、人一倍受けている」

ジャン「クソ!」ダッ

ミカサ「させない!」ダッ

エレン「!? ミカサ!足元だ!」

ミカサ「分かった!ジャンの足元を攻撃する!」

ジャン(避けるのが間に合わねえ!)

エレン「違う!お前の足元に、コニーがいる!」

ミカサ「!?」

コニー「あー、酷え目にあった」ヒョコッ

ミカサ(回避が、間に合わないっ)

コニー「お、まだ弁当あるじゃん!」フラフラ-

ミカサ「仕方ない!足場にさせてもらう!」


コニー「ギャアアア!」ベシン


エレン「コニィィィイイ!」

ジャン(ミカサがコニーを蹴飛ばして低く跳んだ!弁当の陳列棚にぶつかるぞ!)

ミカサ「くっ、体制が崩れた!」ズザッ

ジャン(持ち直したか……いや)

エレン「ミカサ……右手を見ろ!」

ミカサ「?……これは……」

ジャン(ミカサは、いきなり出てきたコニーを蹴飛ばして、方向も決めずに跳んだ。
    蹴り具合が良かったのか、かなりの距離を移動した。
    そして、体制を崩し、思わず側にあったものを掴んだ)

ミカサ「……"季節の野菜12品目弁当"」

ジャン(餓狼の誇りに懸けて、ミカサは争奪戦に参加することが出来ない!)
ジャン「この勝負、貰った!」

エレン「俺を忘れてんじゃねえぞ!」バキィ

ジャン「死に急ぎが!丁度良い、潰してやるよ!」ドカァ

ミカサ「エレン!」

エレン「ミカサ!お前は手を出すな!餓狼の誇りを忘れたのか!」

ミカサ「違う!他の餓狼達が後ろから……!」


ドドドドドド


ジャン(ハンジさんと、アニの猫にやられてた奴らが復活したか!)

ジャン「……チッ」ダッ

エレン「逃げるのか!」ダッ

ジャン「お前の相手なんか、してらんねぇんだよ!」

ジャン(弁当は、残り一個しかない! 手に入れるのは、俺だ!)

エレン「俺が先に手に入れてやる!」

ミカサ(二人が同時に陳列棚に到着した!)


ジャン(身長の差が出たな!俺のほうが腕が長い!)

エレン(くっ!指一本分、届かない!)

ジャン(よし、貰った・・・!)ニヤッ

エレン(畜生! 俺はこんなところで……!)


カッ!!


ジャン「な……?」

ミカサ「エレンの腕が!?」

エレン「なんだ、これ……」

ジャン「巨大化した」
ジャン(こいつも変身するのか!? アニ達みたいに)

ジャン(……弁当は!?)
ジャン(陳列棚に、無い!まさか!?)

エレン「俺の勝ちみたいだな」ニヤリ

ジャン「ぐ……」

ジャン(片腕だけ巨大化した、その指先に、ちゃっかり弁当をつまんでやがる)

ミカサ「エレン!」

エレン「ミカサ、悪いけど、指先から弁当とってくれ。動かせないんだ」

ミカサ「分かった。腕は……?」

エレン「巨大化した腕の中に、元の腕がある。無理やり引っ張れば、取れそうだ」シュウウ

ミカサ「お弁当は取った。巨大化した部分も、すぐに消えていくみたい」

エレン「ベルトラマンと、同じ種類の腹の虫の加護なのか?」

ミカサ「わからない。戻ってアルミンに相談してみよう」

ジャン (……あいつらも分かってねえのか)

ハンジ 「いやぁ、惜しかったねえ」

ジャン 「……いいえ、アイツの方が腹の虫の加護を得ていた。それだけです」

リヴァイ「わかってるなら良い。いくぞ」

ジャン 「あの、どこへ?」

ハンジ 「私の巨人弁当、大きすぎて食べきれないから、一緒に食べよう」

ジャン 「あの。オレは……」

ハンジ 「いいからいいから、ほら、ミーナも起こしてつれてきて!」

ジャン 「は、はい」

小出しでスミマセン。
今日はここまで。

調査兵団 詰め所

ハンジ 「君達の教官には、私とリヴァイから言ってあるから、帰りが遅くても大丈夫だよ」

ミーナ 「お二人は凄いですね。あっという間にお弁当手に入れて。私なんか全然でした」

ハンジ 「最初のころは、誰でもそうさ」

リヴァイ「クソメガネも、最初はお前らよりも酷かった」

ミーナ 「そうなんですか?」

ハンジ 「その話はともかく!お弁当食べようよ!」ドシン

ミーナ 「は、はい。それにしても、随分ずっしりしてますね」

ジャン 「超大型巨人が、壁から顔を出してるところがモチーフか」

ミーナ 「壁はパンで作ってありますね」

ハンジ 「巨人は、いろんな種類の肉を組み合わせてあるみたいだ」

ミーナ 「ひぃ!」

ジャン 「どうした?」

ミーナ 「今、巨人の目が動いたような……」

ジャン 「んなわけねえだろ。巨人に怯えすぎだ」

ジャン 「ん?なんだこの紙……」

     "お召し上がりの際は、水平に設置して紐を引いてください"

ミーナ 「どういうこと?」

ハンジ 「やってみよう」ピッ


ブシュウウウウウ

モクモク

ジャン 「うぉ!?」

ミーナ 「なにこれ!」


弁当巨人「」グググ


リヴァイ「!」ガタッ

ジャン 「巨人が!?」ガタッ

ミーナ 「動いた!?」ガタッ

ハンジ 「まさかっ!?」ガタッ

ミーナ 「肉の巨人がパンの壁を越えようとしています!」

ジャン 「どうなってるんだ……?」

ハンジ 「ねえ、触っても良い!?いいよねえ!?いいでしょう!?」

ジャン 「危ないですよ!?」


ジュウウ


ハンジ 「これ!!すッッげぇ熱いッ!!」

ジャン 「行き急ぎすぎですよ!」

ハンジ 「でも、わかった!生石灰だ!」

ミーナ 「なんですか、それ?」

リヴァイ「生石灰は、水と反応して急激に熱を発生する」

ジャン 「最初の蒸気は、それですか」

ミーナ 「巨人が壁を越えるように動いたのは、どうしてですか?」

ハンジ 「弁当箱の下に紙袋が仕込んであって、蒸気がそこに逃げるように作ってあるんだ」

ミーナ 「あ、蒸気で紙袋が膨らんだから……!」

ハンジ 「中底を押し上げて、巨人の顔が持ち上がるって寸法だよ」

ジャン 「パンの側の底板は固定してあるから、巨人だけ持ち上がるんですね」

ハンジ 「それに、巨人の眼球はバターで出来てる。熱で溶けて、肉を香ばしく焼き上げる仕掛けだ」

ミーナ 「目が動いたように見えたのは……」

ハンジ 「室温で少し溶けたんだろうね」

ミーナ 「それが動いたように見えたんだ。気のせいじゃなかったんだ」

ハンジ 「この中底の板が薄い鉄板になってるのもポイントだよ」
ハンジ 「一度持ち上がったら、冷めても中底が下に戻らないんだ」


ジュウウウ

ジャン 「しかし、これ」

ミーナ 「めちゃめちゃ良い匂いがしますね」

ハンジ 「肉の焼ける匂いだね、この匂いはベーコンかな」クンクン

ミーナ 「ハンジさん……」ウルウル

ハンジ 「いいよ、謎も解けたし、みんなで巨人を食べよう!」ヒャッホー

ミーナ 「いただきます!」
ハンジ 「いただきます!」
ジャン 「いただきます!」

ミーナ 「ふほふあふいへふへほ、おひいいへふ!」(凄く熱いけど美味しいです!)

ハンジ 「うんまーい!バターの脂が染み込んでるね!」

ジャン 「巨人の指は腸詰めですよ!しかも、今焼いたばかりのアツアツ!」

ミーナ 「腸詰めも美味しいです!噛み付くと、パリンッって肉汁があふれ出て!」

ハンジ 「顔面はベーコンの他にチャーシューもあるよ!口に入れた瞬間、ほどけていく……」

リヴァイ「……」チラッチラッ

ハンジ 「リヴァイの野菜弁当はどう?美味しい?」

リヴァイ「お前ら、肉ばっかりじゃ栄養偏るぞ。俺の野菜弁当を分けてやる。野菜も食え」

ミーナ 「え、あ……?」

ジャン 「ありがとうございます?」

ハンジ 「リヴァイは偏屈だから、お弁当交換しようって素直に言えないんだよ」プークスクス

リヴァイ「適当なこと言ってるんじゃねえぞ、クソメガネ」

ハンジ 「いいよいいよ、みんなで食べよう。そのほうが美味しいから!」

リヴァイ「……貰うぞ。あぁ、美味いな」モグモグ

ミーナ (可愛いなこの人)



ハンジ 「いやぁ、超大型巨人もあっという間に駆逐されちゃったねえ」ゲフッ

ミーナ 「あとは、パンが残ってますから、食べちゃいましょう」

リヴァイ「ジャン、お前が食え。俺はもういらん。胸焼けがする」

ジャン 「はい、頂きます」モグモグ

ミーナ 「私も頂きます」モグモグ

ジャン 「こ、これは!?」

ミーナ 「この味は……」

ハンジ 「底板が持ち上がったから、肉汁を全部パンが吸い取ってたんだ」フフフ

ジャン 「いえ、ハンジさん。違うんです」

ミーナ 「このパン、シュガートーストです!」

ハンジ 「なんだって!?」

リヴァイ「」ガタッ

ジャン 「予め、パンと鉄板が接するところに砂糖が敷いてあったんです」

ミーナ 「そこに肉汁が流れ込んできて焼かれて」

ジャン 「砂糖の甘みと、肉の旨みが……たまらなく、美味い!」

ハンジ 「ミぃナ!そのパン食べていいぃぃぃ!?」

ミーナ 「元々ハンジさんのお弁当ですよ」クスクス

ハンジ 「あぁ、本当に美味いね。きっと、この弁当のメインディッシュは、このパンなんだ。」

ミーナ 「バター、肉汁、脂、全ての旨みが流されてパンに到達するように計算されています」

ジャン 「そして加工肉で塩を堪能した舌に、急激に襲い来る甘み」

ハンジ 「全てに無駄が無い。これを作った人は、本当にただの料理人なのかな?」
ハンジ 「技術局にスカウトしたいくらいだ」

リヴァイ「おい、お前ら」

ハンジ 「なんだい?胃薬が必要かな?」ニヤニヤ

リヴァイ「言わせんな。俺にもパンを一枚よこせ」チッ

ミーナ 「どうぞ!」フフフ



ハンジ 「さて、お弁当も食べたところで、君達に話があるんだ」

ジャン 「なんでしょう」

ハンジ 「今度、お祭りがあるのは知っているね?」

ミーナ 「はい、昼間は訓練兵も警備として駆り出されますけど」

ハンジ 「その日、特別な弁当が販売される」

ジャン 「そんなこと、分かるんですか?」

ミーナ 「どんなお弁当なんですか?」

リヴァイ「毎年、必ず、兵団をモチーフにしている」

ミーナ 「兵団って……」

ハンジ 「憲兵団、駐屯兵団、そして我等が調査兵団。それぞれをモチーフに、毎年オリジナル弁当を作ることが決まっているんだ」

ジャン 「マダムの店が売りに出すんですか?」

ハンジ 「いいや、マダムの店も売るけれど、複数の店が担当する兵団を持ち回りで決める」

リヴァイ「俺とクソメガネは、毎年これを買うために手分けをして争奪戦に参加している」

ハンジ 「ただね、今年は運悪く部下がお祭りに駆り出されちゃって、人が足りないんだ」

ミーナ 「もしかして」

ジャン 「俺たちに弁当を取って来いという話では…」

リヴァイ「話が早いな」

ミーナ 「私達、まだ一回もお弁当取れたこと無いですよ!」

ハンジ 「その実力はあると思っている」

ジャン 「そんなことを任されても……」

リヴァイ「聞き方が悪かったか?やるかやらないか、どっちだ?」

ミーナ 「……」

ジャン 「……やります」

ミーナ 「ジャン!そんな簡単に答えて大丈夫なの!?」

ジャン 「弁当が取れるか、わからないけど……俺は、その弁当を食べてみたい!」

リヴァイ「お前はどうする」

ミーナ 「……私も、食べてみたいです」

ハンジ 「いい答えだね。じゃあ、お祭り当日、この詰め所に集合だ」

リヴァイ「警備任務が終了次第、集まれ」

ジャン 「はっ」
ミーナ 「はっ」

翌日トロスト・マム

アルミン「こんにちは、マダム。え、あのお弁当売れたんですか?」

マダム (……)ニコニコ

アルミン「いや、僕も仕掛けを考えた手前、気にしてたんですよ。で、買った人はどんな?」

マダム (……)ニコニコ

アルミン「ええ、そうですか。メガネの、キモい動きの」

マダム (……)?

アルミン「いいえ、何でもないです」

マダム (……)ニコニコ

アルミン「ただ、予想通りだっただけです」ニコッ

(つづく)

今日はここまで。
続きは多分明日です。

ミスター味っ子の駅弁対決だね?ニヤリとさせられたよ

>>172

ミスター味っ子の話は知らなかったです。
実際に加熱式弁当を食べたことがあったので、そこから妄想しました。

参考)
ttp://ekibento.jp/study-kanetsuekiben.htm


お祭り当日 朝

マルコ「おはようジャン」

ジャン「ようマルコ。今夜も争奪戦には行かないのか?」

マルコ「いや、今日は出るつもりだよ」

ジャン「じゃあ、特別な弁当が狙いか」

マルコ「あぁ、今日は凄い戦いになりそうだからね」

ジャン「ミカサも来るだろうな。それと死に急ぎも」

マルコ「今日はそれに加えて、間違いなくアルミンが来る」

ジャン「アルミンは、そんなに強くないだろう?」

マルコ「単体の力なら最弱だろうね」

ジャン「じゃあ、なんでそんなに」

マルコ「アルミンは、必ずエレン、ミカサと組む」

ジャン「アルミンは、そんなに強くないだろう?」

マルコ「単体の力なら最弱だろうね」

ジャン「じゃあ、なんでそんなに」

マルコ「アルミンは、必ずエレン、ミカサと組む」

ジャン「それは想定できる範囲だな」

マルコ「3人が組んだ時の弁当取得率は、100%だ」

ジャン「な!?」

マルコ「エレンとミカサは、二つ名があったろう?」

ジャン「"壁の乙女"と"いばら姫"だったか」

マルコ「3人が組むとまったく別の二つ名が付く」

    キング     クイーン     ポーン
マルコ「王のアルミン、女王のミカサ、兵士のエレン」

ジャン「チェスの駒かよ」

マルコ「アルミンはチェスの名手だよ。常に10手先、20手先まで読んで動いている」

マルコ「盤上の全ての動きは、アルミンの予想通りになるんだ」

ジャン「…そうか」

マルコ「アルミンが参加するなら、弁当が4つ以上残ることを祈るしかない」

調査兵団詰め所 夜

ハンジ 「さて、君達に担当して貰う弁当について話そうか」

ジャン 「はい」

ミーナ 「はいっ」

ハンジ 「ジャン、君には憲兵団弁当を取ってもらいたい。場所はマダムの店だ」

ジャン 「分かりました。けど、何でオレがそこを?」

リヴァイ「お前、訓練所を出たら、憲兵団志望だろ」

ハンジ 「無事に憲兵団に行けるようにね。まぁゲン担ぎだよ」

ミーナ 「へいちょー、はんじさん…」ブワッ

ジャン 「オレの為に、ありがとうございます…」ジーン

リヴァイ「実力で考えた結果だ。勘違いするな」チッ

ハンジ 「ミーナはリヴァイと一緒に行ってね」

ミーナ 「はいっ」

ハンジ 「私は単独で動く」

リヴァイ「弁当は、取れても取れなくても戻って来い」

ハンジ 「健闘を祈るよ」

ジャン 「はっ」
ミーナ 「はっ」

トロスト・マム

マルコ「ジャンじゃないか」

ジャン「マルコ、お前もここに来てたのか」

マルコ「憲兵団弁当だからね、ゲン担ぎさ」

ジャン「マルコも憲兵団志望だったな」

マルコ「しかし、それも厳しいね」

ジャン「もう弱音かよ」

マルコ「陳列棚を見てきたらわかるよ」

ジャン「あぁ、そうするよ」テクテク


ジャン(弁当の残りは……)

ジャン(なっ!? 1個しか残ってねえ!)

ジャン(確かに憲兵団弁当と書いてあるな。

    "バラの憲兵団弁当"

    中身は……コロッケだ)パァァ

ジャン(残り1つでも、是が非でも、手に入れてやる)

ジャン (……!)

エレン 「……」
ミカサ 「……」
アルミン「……」ニコ

ジャン(あいつら、憲兵団志望でもないのに、ここに来てるのか……?)

マルコ「気づいたみたいだね」スッ

ジャン「あぁ、あいつ等、調査兵団弁当を取りに行ったと思ってたぜ」

マルコ「この間、エレンが変身したことは聞いているよ」

ジャン「あいつらも、わけわかんねえって顔してたけどな」

マルコ「アルミンは、今回それを完成させて参戦するはずだ」

ジャン「死に急ぎ野郎の力試しってことか?」

マルコ「憲兵団を狙いに来るのは、憲兵団志望の訓練兵が多い」

マルコ「強すぎる相手に当たる可能性が少ない、実験だよ」

ジャン「御しやすい駒か。舐められたもんだな」

マルコ「それだけの自信があるのさ。今回のゲームに」

ジャン「チェスならそうかもな。だがな、盤上には乗らない」

マルコ「どういうことだい?」

ジャン「トランプなら王に勝てるカードがあるってことだ」

マルコ「何か、策があるんだね」

ジャン「マルコ、手を組むぞ」

マルコ「あぁ、勿論だ。それでも勝てるか分からないけれど」

ジャン「ここにいる訓練兵にも声を掛けるぞ、ミカサたちを倒さなければ、勝負にもならない」

マルコ「しかし、全員が話に乗るかどうか……」

ジャン「マルコが持ちかけたほうが乗るやつが多い」
           エース
ジャン「頼んだぜ、マルコ」

マルコ(ジャン、君は本当に、指揮官タイプだよ)ハァ

マルコ「人を、その気にさせるのが……上手い」



ジャン「結局、応じた中で二つ名持ちはコニーとクリスタ、サシャだけか」

マルコ「他の皆は、別の店に行ったみたいだ」

ジャン「アニも憲兵団志望だっただろう」

マルコ「彼女がゲン担ぎなんかすると思うかい?」

ジャン「まぁ、確かにな」

コニー「おい、ジャン」

ジャン「コニーか。計画はわかってるな?」

コニー「あぁ、俺が弁当を取れば良いんだろ?」

ジャン「違えよ!何聞いてたんだよ!」

コニー「何でお前、怒ってんだよ」

ジャン「やっぱりお前は"馬鹿"だな!」

コニー「何言ってんだよ、わかんねえぞ!」

ジャン「もう一回言うぞ、お前はサシャと一緒に居ろ。それだけで良い」

コニー「おう!」


バタン

マルコ 「マダムが来た」

ジャン 「いいか、ミカサ達が動く前に、アルミンさえ潰せばどうにかなる」

ユミル 「私の嫁にかかってるんだな」

クリスタ「もうプレッシャーかけないでよ、ユミル」

ジャン 「よし配置についてくれ」

マルコ 「みんな、後はよろしくね」タタタッ

マダム(……)ニコニコ

ジャン 「なんだ? 赤いリボンじゃねえぞ?」

ユミル 「草か?」

クリスタ「ううん、葉っぱを繋いでリボンにしてるみたい」

ジャン 「祭りの日……だからか?」

クリスタ「特別なリボンなのかもね」


バタン

ドドドドド

ジャン「いくぞ!」

スミマセン。続きは明日です。

ジャン(電撃戦を仕掛ける!)

マルコ(遊撃に出たミカサを、速攻でジャンと僕が足止めする!)

ミカサ「二人掛かり!?」

ジャン「いくらミカサでも、同時に二人相手は分が悪いだろう!」ガッ

マルコ「僕たちも、一応成績上位者なんだ!」ガッ

ミカサ「……驚いた。アルミンの予想通り」ガシッ

ジャン「!?」
マルコ「!?」

ミカサ「今は、ユミルとクリスタが、アルミンを狙っているはず」ゲシッ

ジャン「だが、分かったところで、助けには戻らせねえ!」ブンッ

ミカサ「その必要は無い」ヒョイ

マルコ「まさか、エレンが?」

ジャン「ユミル、クリスタ!気をつけろ!読まれてるぞ!」

ユミル 「読まれてたってよぉ、関係ねえな!」

クリスタ「いくよ、ユミル!」ズアア

エレン 「ユミルを踏み台にして、飛び上がった!?」

ユミル 「クリスタの二つ名、"天使"を体感しな!」

エレン 「アルミン!頭上からクリスタがくるぞ!」

アルミン「て、天使だ……」ポー

エレン 「アルミン!」ドバァ

アルミン「ハッ。見蕩れてしまった!?」

ユミル 「エレンが庇ったか。だけど、これでエレンはリタイアだ」

アルミン「正直、予想以上の美しさだった。でもエレンはリタイアしない」キリッ

エレン 「何とか変身が間に合った……」

ユミル 「なに!?」

クリスタ「エレンの両腕と上胸が、巨大化してる!?」

アルミン「プロモーションだよ」ドヤァ

クリスタ「兵士の駒が、一度だけ昇格できるルール……」

アルミン「ライナーの甲殻と、ベルトルトの巨体化の中間くらいかな」
アルミン「"兵士"でも、"いばら姫"でも無い」
                    ナイト
アルミン「鎧と槍を手に入れた。王を守る"騎士"だよ」

クリスタ「ユミル、もう一回いくよ!」

ユミル 「あぁ!通用するまで、何度でもやってやらぁ!」

ジャン 「クリスタ、ユミル、一旦戻れ!危険だ!」

クリスタ「ジャン、でも!」

ジャン 「コニーの野郎、やっぱり"馬鹿"だ。全く話を聞いてねえ」

マルコ 「サシャが、一人でそこに近づいてるんだ!」

サシャ 「パァン?」フラフラ

ユミル 「ゲッ!大猪だ。退くぞ!」

クリスタ「う、うん」

コニー 「今、呼んだか?」ヒョコヒョコ

ジャン(リヴァイ兵長が言ってたな)

《真正面から迎え撃つ必要は無い》

ジャン「コニーは"馬鹿"だが、逆にタイミングが良かった」

ジャン「キングに勝てるカードは、エースの他に、もう1枚ある」
    ジョーカー
ジャン「切り札を切らせてもらうぜ……!」

ジャン「サシャ! 干し芋をやるぞ!」

サシャ「」ドォッ

アルミン「!?」
ミカサ 「!」
エレン 「!」ザクシュ

コニー 「ギャアアアアア」ズパン

ジャン 「っ!」パァン

ジャン(芋と一緒に、腕ごと持って行かれるかと思った)ゾクリ

サシャ 「これは……パァン!? ではないですけど、いただきます!」ガツガツ

マルコ 「エサで、一直線にサシャを呼び寄せのか……」

アルミン「"騎士"の鎧が、食いちぎられた!?」

ジャン 「サシャは、ライナーの甲殻も食い破ったことがある。行けると思ったぜ」

エレン 「ぐぅううう!」シュウウウウ

アルミン「まさか、大猪を武器に使うなんてね……今日は予想を裏切られたばかりだよ」
アルミン「でも、まだ終わったわけでは」

ミカサ 「アルミン!エレンの様子が!」

エレン 「うあああああああ!」シュウウウウ

アルミン「ま、まずい、"姫"が目覚める!ミカサ!」

ミカサ 「エレン!落ち着い」

カッ!!

エレン 『……』

アルミン「あぁ……」

ユミル 「全身が、巨大化した?」

ジャン 「おいおい、変身は一回だけじゃねえのかよ」

エレン 『お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙』

ミカサ 「エレン、痛いけど、我慢し」ゴフッ

ジャン 「あの野郎、いきなりミカサを殴りやがったぞ!?」

マルコ 「制御、できていないのか……?」

ユミル 「どういうことだ!アルミン!」

アルミン「耐久力を調べるために、あえてミカサの攻撃を受け続けた時、一回だけ同じ状態になった」

ジャン 「ああ!?何やってんだ!?あいつは実験動物じゃねえぞ!」

アルミン「エレンの為にやったんだ!エレンが強くなる為に!」

ジャン 「ミカサも止めなかったのかよ!?」

アルミン「エレンが一番強くなる為にやったんだ。ミカサも反対するはずない!」

ジャン 「アルミン、お前、そんなやつだったのか!?」

アルミン「僕は!エレンが、誰よりも強くなりたいと思っていることを知ってる!」

ジャン 「座学トップの頭は、そんなことするための物か!?」

アルミン「その為なら、僕は、何を投げ打っても構わない!」

ジャン 「クソッ、それでアイツは、言うこと聞かねえのか!?」

アルミン「言葉は通じない。今のエレンは、きっと大猪でも止められない」

ユミル 「"いばら姫"は、随分と寝相が悪いんだな!」

サシャ 「あれエレンなんですか?」モグモグ

            アマゾン
アルミン「寝起きの悪い"女闘士"だよ」

ユミル 「洒落たこと言ってる場合かよ」

マルコ 「前のときはどうやって沈静化を?」

アルミン「ミカサが、無理やり気絶させたんだけど……」

ユミル 「今、ミカサが一撃でふっ飛ばされちまったぞ!?」

マルコ 「打つ手、無しか……」

アルミン「巨大化した部分は、時間経過と共にエレンの体と一体化していくんだ……」

クリスタ「じゃあ、このまま放っておいたら!?」

ジャン 「あぁ畜生!やるしかねえ!」

マルコ 「ジャン!?」

ジャン 「クリスタ、もう一回いけるか?」

クリスタ「うん、いつでも大丈夫!」

ジャン 「おい芋女、食い物くれてやったんだ。少しは役に立て」

サシャ 「そんなに言われては仕方ないですね」フゥ

ユミル 「相変わらずムカツク顔しやがるな、コイツは」

ミカサ 「私も行く。エレンを止められるのは、私しかいない」フラフラ

ジャン 「普段なら止めるけどよ、あんまり無茶すんな」

ユミル 「マルコも来いよ、アンタ"不死鳥"なんだろ?」

              アマゾン
マルコ 「ボクなんかが、"野獣"に勝てるかな」

アルミン「ダメだよ、みんな……」

ジャン 「さぁて、駆逐してやるぜ! 死に急ぎ野郎!!」

アルミン「エレンに勝てるわけ無いんだ……!」


エレン 『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙』






サシャ 「」
ユミル 「」
クリスタ「」
ミカサ 「」
マルコ 「」

ジャン 「クソッ、化け物め……」ガクッ


アルミン「……エレンが、最強だ」アハハハハハハハハハハハハ

コニー 「あー酷い目にあった」ヒョコ

アルミン「エレンはせかいでイチバンなんだ!」

コニー 「ん?みんな倒れてるのか?」

アルミン「だれも、エレンにはかてないんだ」

コニー 「おい、アルミン」

アルミン「やあ、コニー。エレンは、さいきょうなんだ」

コニー 「なに言ってんだよ?」

アルミン「エレンにかてる、おおかみなんていないのさ」

コニー 「……アルミン、どうしたんだ?」

アルミン「エレンが!エレンの…!」

コニー 「ちょっと落ち着けよ。アルミン頭良いんだろ?」

アルミン「ボクは!」

コニー 「お前は、何で泣いてんだよ?」

アルミン「え?」ポロポロ

コニー 「俺は"馬鹿"だから分かんねえよ」

アルミン「ボクは………………ボクの………………」

コニー 「教えてくれアルミン。俺は、どうしたら良いんだ?」

アルミン「………………………………………………僕……を……さい」

コニー 「聞こえねぇぞ」


アルミン「僕の、友達を、助けてください!」ポロポロ




コニー 「おう!」



(つづく)

続きはたぶん明日。
書いてる方も分からなくなってきたんで、意味不明だったらスミマセン。

コニー「よお、エレンか?」

エレン『……』

コニー「ずいぶん、体がでっかくなったな」

エレン『……』

コニー「周りのやつ等、倒したのもエレンか?」

エレン『……』

コニー「アルミン、泣いてたぞ」

エレン『……』

コニー「何とか言えよ、この野郎!」ズバン

エレン『……』ギロリ


エレン『あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!』


コニー「うお、ビビッた」ビクン

エレン『あ゙あ゙あ゙!!!』ブオン

コニー「殴り合いね! 分かりやすくていいや!!」ゲシッ

エレン『お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!』ガッ

コニー「痛ってえええ!なぁ!」ゴスッ

エレン『うおおお!!』ガツン




アルミン「コニー、もうやめてよ、死んじゃうよ」

コニー 「あー、聞こえねえ」ボロッ

エレン 「あああ!!」ガツン

アルミン「お願いだよ!もう、何回殴られてるか!」

コニー 「"馬鹿"だからな、2回目からは忘れちまったよ!」ブンッ

エレン 「うおおおお!」ゲシッ

コニー 「そんで、同じことしか出来ねえんだ!」ブンッ

エレン 「おおおお……」シュウウウ

コニー 「もう終わりか?」

エレン 「うあああああ!!!!」ドスン

コニー 「ゴフッ。まだやるのね」スクッ

アルミン「コニー、もう立たないで……」ベソベソ

コニー 「何で俺、殴り合いしてるんだっけ」

エレン 「ああああ……」シュウウ

コニー 「やべぇ、頭がクラクラしてきた」

エレン 「こおおおお!!!」ガシッ

コニー 「ちょっと頭、貸してくれ、なぁ!」ヘッドバッ

エレン 「がっ!?」シュウウウウウ

アルミン「エレンの変身が解ける……」

コニー 「思い出した。サシャんところに、いくんだった……」バタッ

アルミン「コニー!?」ズリズリ

コニー 「……ひどい、目にあった」zzzz

アルミン「寝てるだけだ、良かった」クラッ バタン

マルコ「ジャン、聞こえるかい?」

ジャン「あぁ」

マルコ「コニーがやったみたいだ」

ジャン「そうか」

マルコ「僕らの知らない、2枚目の切り札が潜んでたみたいだね」
       ジョーカー
ジャン「とんだ道化師だ」

マルコ「でも、僕は、もうダメそうだ。腹の虫の加護も切れた」

ジャン「オレも立ち上がるのは無理だ」

マルコ「今にも気が遠くなりそうだけど、2つ言いたいことがある」

ジャン「なんだ?」

マルコ「1つ目。僕の二つ名をまだ言ってなかったね」

ジャン「知ってるよ。"不死鳥"だろ。まぁ復活はしそうにないけどな」フン

マルコ「不死鳥は、その血を飲んだ者に永遠の命を与えるんだ」

ジャン「それなら、捧げれば、王も欲しがるかもな」ハハッ

マルコ「2つ目だ。今日の弁当、リボンじゃなくて葉っぱが編んであったろう?」

ジャン「あぁ、祭りの日仕様だろう?」

マルコ「違うんだ。祭りの日以外にも出ることはある。あれは月桂冠の証さ」

ジャン「ゲッケイカン?」

マルコ「作り手が、自信を持って送り出す。特別な弁当の証だよ」

マルコ「月桂冠を手に入れることは、餓狼として最高の誉れだ」

マルコ「理由は色々あるけど、味が格別であることは間違いないよ」

ジャン「言うのが遅えよ」

マルコ「バラの憲兵団弁当。バラって言うのは、バラ肉かな?さぞかしジューシーなんだろうね」

ジャン「どうしたんだよ、やめろよ」

マルコ「それに、凄い大きさだった。あの中に、ぎゅっと旨みを詰め込んでるんだ」

ジャン「おい、止めろよ!」グゥ

マルコ「衣のサクっとした感触、食べた瞬間に肉汁が溢れ出る。どれも極上の味であることは請け合いだ」

ジャン「腹の虫が収まらねえだろ!」ギュルルル

マルコ「血は与えた。今なら立ち上がれるだろう?」フフッ

ジャン「全く……」

マルコ「……弁当を、取ってくれ」ガクッ

ジャン「どうしてくれるんだ」


ジャン「腹が、減ってきたじゃねえか!」グググ

エレン「……」ボー

ジャン「おい、死に急ぎ野郎」フラフラ

エレン「……?」

ジャン「この状況に、何か言うことはねえのか?」

エレン「……わからないけど、わかる」

ジャン「あ?」

エレン「何でこうなってるのか分からないけど、これをやったのは俺だ」
エレン「何が起きたんだとか、申し訳ないとか、どうしたら良いか、色々あるけど、」
エレン「一番言いたいのは」

エレン「腹が、減った」グゥ

ジャン「ははっ。そうかい。そうだよなぁ」

ジャン「俺もだ」グー

エレン「……」ニヤ
ジャン「……」ヘッ


ジャン「退けよ、エレン・イェーガー」ギュルルルル

エレン「来いよ、ジャン・キルシュタイン」グゥー


ジャン「ああああああああ!!」
エレン「うおおおおおおお!!」

調査兵団 詰め所

ミーナ 「ジャン、遅いですねぇ」

ハンジ 「取れなくても、戻るようにいって言ってあるけど、もしかして売り場で伸びてるのかな」

リヴァイ「おい、ミーナ。様子を見に行って」

ハンジ 「おおお!やったね!リヴァイもずっと心配してたんだよ!」

ジャン 「え?」

リヴァイ「クソメガネ、出鱈目言ってんじゃねえぞ」ギロリ

ジャン 「で、ですよね」

ミーナ 「本当に心配してたんだよ」コソ

ジャン 「……そうか」ニヤ

リヴァイ「お前ら、何笑ってやがる」

ジャン 「いえ、何も!」

ミーナ 「わ、私も取れたんだ!見てこれ!」

      ヒナドリ    テリヤキ
     "訓練兵団の通過儀礼(ハニーマスタード)弁当"


ジャン 「おお……!これは美味そうだな!」

ミーナ 「リヴァイ兵長に助けてもらって、やっとだけどね」

ジャン 「ハンジさんは、どんなのですか?」

ハンジ 「私のは、調査兵団モチーフだよ。

     "俺たちは籠の中の鳥じゃない!今、大空へ羽ばたけ!自由への翼!調査兵団 手羽先弁当"」

ジャン (鶏の手羽じゃ飛べねえだろ。美味そうだけど)

ハンジ 「手羽先じゃ飛べないけど、有無を言わさぬ勢いはあるよね」

ジャン 「そうすると、リヴァイ兵長は駐屯兵団モチーフですか?」

リヴァイ「ああ」

          セカイ   ザンコク    ウツクシ
      "この麻婆豆腐は激辛だ。そして美味い。駐屯兵団弁当"

ミーナ 「一角獣のキャラ弁ですか。馬の部分は白米で、角の部分は、何ですかこれ?」

ハンジ 「八角を分けたものだね。貴重な香辛料だよ」

ミーナ 「なんだか、見てるだけで涎が出てきますね」

リヴァイ「一口だけなら、照り焼きと交換してやっても良い」

ミーナ 「是非、お願いします!」

ハンジ 「それで、ジャンのは?」

ジャン 「憲兵団モチーフの"バラの憲兵団弁当"です」

リヴァイ「……! 月桂冠じゃねえか」

ミーナ 「ゲッケイカン?」

ハンジ 「初めてのお弁当が月桂冠だなんて、凄いよ!」

ミーナ 「すごいお弁当なんですか?」

ハンジ 「半額神が、自信を持ってることを証明するものだからね」

リヴァイ「外れることが無いどころか、大当たりだ」

ハンジ 「ずいぶんと大きいコロッケが2つ入ってるけど、どのへんがバラなの?」

ジャン 「多分、中にバラ肉が入ってるんじゃないかと思うんですけど」

ハンジ 「なるほどね。じゃあ、早速みんな食べてみようか!」

「「いただきます」」

ジャン (木のフォークが付属してるから、これで食べろってことだろうな)

ジャン (まず、本当にバラ肉が入ってるか、確かめてみたい)ウズウズ

ジャン (フォークをコロッケの真ん中に刺して、半分に割る……ん?)

ジャン (コロッケにしては、抵抗があるな。冷えて硬くなっちまったのか?)

ジャン (いや、違う。これは、コロッケのタネに、バラ肉を巻いてある!
     これに火を通す為には、低温でじっくりと揚げなければいけないはずだ。
     効率よく、沢山売るための弁当の作り方じゃない。
     思い切りかぶりついた方が良さそうだ)

ガブリ


サク

トロォ…

ジャン (!?)
ジャン (冷めているのに、衣がサクサクしている。
     それに、噛み切ったところから肉汁があふれ出る!
     タネにもバラ肉が混ぜ込んだあるんだ!
     そうか、バラ肉で巻いてあるから、中の肉汁が染み出さないで、
     内側に閉じ込められたままになっている。正に、内地の王を守る憲兵団のバラだな。

サクサク
ムシャムシャ

サクサク
ムシャムシャ

ジャン (ここで、付け合せのキャベツ。
     あえて千切りではなく、葉を手でちぎってある)


パリパリ

パリパリ

ジャン (コロッケとは全く別の食感。口の中の脂が流されていく。
     肉の旨みと、キャベツの甘み。
     飽きさせるということが無い)ニヤリ

ジャン (これは、いくらでも食べられるぜ!)

ミーナ 「ねえ、ジャン。その食べかけのでいいから、私の照り焼きと交換しない?」

ジャン 「ん? おお、そうだな。そっちのも一切れくれ」

ハンジ 「私もだ!手羽先と交換しよう!」

リヴァイ「……」チラ

ジャン 「……」

ジャン (俺の分のコロッケが無くなっちまうが、仕方ねえ)

ジャン 「あの、リヴァイ兵長。俺も、麻婆豆腐食べてみたいんで、交換して頂けませんか」

リヴァイ「仕方ねえな」パアア

ジャン (可愛いな、この人)

ハンジ 「うはー、肉汁が!たまらん!」

ミーナ 「うーん、サクサクだね!」

リヴァイ「美味い」サクサク

ジャン (まあ、いいか)

ジャン (ミーナと交換した照り焼きを食べてみよう)

ジャン (粒マスタードのツンとする刺激臭がほのかに香る)

ジャン (これは、一口で食ったほうが美味そうだ)

パクリ

ジャン (柔らかい!これが、雛鶏の肉か。
     ハチミツの爽やかな甘みと、控えめな辛さのマスタードが、食欲を刺激する。
     口の中で溶けて行くようだ)モグモグ

ハァ

ジャン (あっと言う間になくなってしまった。もう一切れ貰いたい)

ジャン (……クレ)ジー

ミーナ (……ダメ)フルフル

ジャン (チッ。ハンジさんと交換した手羽先を食べるか)

ムシャリ

ジャン (これは……旨い! 雛鶏とは違う旨さだ!
     しっかりと成長した鶏の風格。
     噛み締めるたびに、肉の旨みがあふれ出てくる!
     甘辛のタレが、味覚を刺激して、咀嚼が止まらない)ムシャムシャ

ムシャムシャ

フゥ

ジャン (どれもこれも、外れが無い。
     違う美味さで食欲を刺激してくる)

ジャン (リヴァイ兵長の麻婆豆腐を貰おう)

ジャン 「……頂きます」パクリ

ガツン!

ジャン (!?)

ジャン (ガツンと来た!)

ジャン (鼻の奥に突き抜ける、香辛料のパンチ!)

ジャン (鮮烈で鋭さのある辛味!涙出てきた)

ジャン 「あの、もう一口いいですか?」

リヴァイ「仕方ねえ」フン

ジャン 「ありがとうございます」パクリ

ガツン!

ジャン (またガツンと来た!)

ジャン (暫くしてからビリビリと脳髄に染み込む痺れ!)

ジャン (これは……白米が食べたくなる!)ジュル

ジャン (コロッケ弁当が米でよかった。これ以上、リヴァイ兵長からは貰えない)

ジャン (なんで麻婆豆腐と食べる米って、こんなに安心するんだろう)

ジャン (麻婆豆腐の辛さと、米の甘みのコラボレーションが原因か)

ジャン (理屈なんてどうでもいい、とにかく……美味い!)


フゥ

ジャン 「ご馳走様でした」

ミーナ 「どれも美味しかったねぇ」

ハンジ 「生きている喜びを実感するよ」

リヴァイ「また暫く戻れねえからな、食い溜めておけ」

ジャン 「え?」

ミーナ 「ハンジさん、いなくなっちゃうんですか?」

ハンジ 「リヴァイもね。また壁外調査に出るんだ」

リヴァイ「元々、祭りまでの休暇の予定だったからな」

ハンジ 「ジャンとミーナのおかげで、美味しいお弁当が食べられたよ」

ミーナ 「そんな……」

リヴァイ「俺たちは、また戻ってくる」

ハンジ 「そのときはまた、一緒にお弁当を取りに行こう」

ジャン 「…はい!」

ミーナ 「…はい」メソメソ

リヴァイ「泣くな、鬱陶しい」

ミーナ 「ずびばぜん」ベソベソ

リヴァイ「手を出せ」チッ

ミーナ 「? はい」スッ

リヴァイ「約束しよう、俺は必ず!!戻ってくる!!」

ハンジ 「私もだよ」

ミーナ 「はいっ」ブワッ

リヴァイ「ジャン、こいつの面倒を見ておけ」

ジャン 「は、はい!」

ハンジ 「今日はもう、戻って休みなさい」

ミーナ 「ハンジさん、リヴァイ兵長、ありがとうございました」ベソベソ

ジャン 「俺も、ありがとうございました」

ハンジ 「次に会うときも、また夕市かな」

リヴァイ「狙いの弁当がかち合えば、その時は敵だ」

ハンジ 「いい子達だったね」

リヴァイ「お前と違ってな」フン

帰り道

ミーナ「これからもお弁当、沢山取ろうね」

ジャン「あぁ」

ミーナ「ハンジさんと、リヴァイ兵長と一緒に、またお弁当食べようね」

ジャン「あぁ」

ミーナ「しばらく、二人ともいないんだよね……」

ジャン「あぁ」

ミーナ「……ジャン、泣いてるの?」

ジャン「ばっ、違えよ。こっち見るんじゃねえよ」ゴシゴシ

ミーナ「ふふふ、そういえば、なんでそんなにボロボロなの?」

ジャン「そうだよ、元はといえばエレンの野郎が……」

ソレデソレデ?
アルミント、ミカサガ……


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エレン・イェーガー
 市場内で暴れ回った為、トロスト・マムに半年間の出入り禁止。

アルミン・アルレルト
 コニーの隣で倒れてるところを、頬を染めたクリスタに興味深げに観察される。

ミカサ・アッカーマン
 クリスタを押しのけて、エレンとアルミンを回収。
 男子寮のベッドに押し込んで、久しぶりに三人で寝る。

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ユミル
 クリスタを連れて帰宅、一緒に干し芋を食べる。

クリスタ・レンズ
 最近、アルミンとコニーの関係が気になる。

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コニー・スプリンガー
 全治2週間と診断されるも、1日寝たら治った。
 エレンとアルミン、ミカサから謝罪と感謝の言葉を受けるも、
 本人曰く「何のことか覚えてない」

サシャ・ブラウス
 起きたら誰も居なくて、少し寂しい思いをするが、
 ポケットに干し芋が入っていたので、誰かに感謝しながら食べた。

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マルコ・ポット
 不死鳥は己が燃え尽きた灰から、再び生まれて永遠を生きる。
 例え自分が燃え尽き、灰になったとしても、
 そこから受け継がれるものもあるはずだと、彼は信じている。
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(おわり)

乙!
ところで>>247の後が抜けてね?他スレにあったんだが

60 名前:以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/02(火) 22:28:38
バタン

ジャン 「遅くなりました」ボロッ

ミーナ 「ジャン!どうしたの!?」

ハンジ 「こいつはまた、こっぴどくやられたね」

ミーナ 「お弁当取れなかったの?」

リヴァイ「こいつの顔が、芋掴んで帰ってきた顔にみえるのか?」

>>289

アバババ。申し訳ない誤爆してたみたいです。

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