和久井留美「トレーナーさんへファッションアドバイス?」 (27)

※アイドルマスターシンデレラガールズのSSです

※名称は一部略称を用いていますのでご注意ください

マスタートレーナー → マス
ベテラントレーナー → ベテ
トレーナー → トレ
ルーキートレーナー → ルキ

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――――――――――――事務所


トレ「そうです」

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トレーナー(23)

留美「そんな必要ないじゃない。トレさんは十分、素敵だと思うけど」

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和久井留美(26)

トレ「それじゃ、ダメなんです。私、留美さんみたいな知的な色っぽい女の人になりたいんです」

留美「よくわからないわね……」

トレ「留美さんから見て、私はどういう風に見えます?」

留美「どうって……カワイイと思うわよ」

トレ「それです!」

留美「わ、びっくりした」

トレ「もう、私も23ですし……カワイイってのはちょっと違うかなって」

留美「贅沢な事言うのね」

トレ「すいません……でも、留美さんしかいなくて」


留美「マスさんじゃダメなの?」

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マスタートレーナー(28)

トレ「マス姉さんは服には無頓着で……いつもタンクトップなんです」

留美「ああ……確かにそれしか見ないわ。よく風邪引かないわね」

トレ「姉さんはここ二十年、風邪引くどころか虫歯すらないんです」

留美「どんな体してるのよ……ベテさんはどう? 年齢も近いじゃない」

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ベテラントレーナー(26)

トレ「ベテ姉さんも普段はジャージです」

留美「さすがに休日は外出したりするでしょ?」

トレ「部屋に閉じこもって株の売買してますから、外に出ることはあまりないですね」

留美「中学生じゃない……じゃあ、ルキちゃんは? あの子は活動的だし若い感性持ってるでしょ?」

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ルーキートレーナー(19)

トレ「ルキは活動的だし外にも出ますが……その幼くて」

留美「何か問題が?」

トレ「たまに街中で警察に補導されたりします。中学生に間違われて」

留美「……」


トレ「お願いです! もう留美さんしかいないんです!」

留美「お、落ち着いて! とにかく、他の人にも聞いてみましょう? それからでもいいじゃない」

トレ「ううう……」


留美(なんでそんなに焦ってるのかしら?)


――――――――――――更衣室

留美「こんにちは」

志乃「あら、留美?」

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柊志乃(31)

トレ「こ、こんにちは……」

礼子「トレさんも? 珍しい組み合わせね」

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高橋礼子(31)

留美「志乃さん、またワイン飲んでる」

志乃「シャワーはもう浴びたわ。これから礼子と食事に行くのよ。その食前酒」

礼子「私はこれから浴びるところよ。あなた達も一緒に食事に行く?」

留美「遠慮しておきます。また、午前様になりそうなんで」

トレ「わ、私も……ちょっと……」

礼子「なによ、つれない子たちねえ」

志乃「何か私達に用事かしら?」

留美「ああ、そうでした。実は、トレさんが今のイメージから脱却したいそうなので、いいアイデアはないかと」

志乃「へぇ……」

礼子「うふふ……」


トレ「……えっと……やっぱりお手間をとらせないほうが……」


がしっ


志乃「あら、逃げちゃダメよ」

礼子「私達がなんでも教えて……あ・げ・る♪」

トレ「で、でも……」

礼子「志乃、そのままシャワー室に連れて行くわよ」

志乃「承知」

トレ「な、な、なんでシャワー室に?!」

礼子「女のお洒落は下着からっていうじゃない。とっておきのものを用意してあるの」

志乃「あら? トレさんお肌スベスベ……うふふ、うらやましいわ」

トレ「きゃあああ!! そ、そんなとこ……さわらないでえええ!!」



留美(やはり、こうなったわね)


――――――――――――15分後


礼子「できたわよ」

留美「ずいぶん長かったですね」

礼子「志乃がセクハラばかりするから」

志乃「あら? 礼子だって耳に息を吹きかけてたじゃない」

留美「それでトレさんは?」

礼子「ここよ」


しゃっ


トレ「ううう……恥ずかしい」

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参考画像

留美「……」


礼子「どうかしら、留美? 私の見立ては?」

留美「昔のニュースで見ました。ジュリアナファッションってやつですね」

礼子「おだまり。今ハリウッドセレブでは流行りの衣装よ」

志乃「どうかしら、トレさん?」

トレ「は、恥ずかしいです……歩くたびに見えそうで……」

志乃「それがいいのよ。むしろ見せて歩くの」

トレ「よくないです! これはちょっと……」

礼子「よかったら次の合コン一緒に行きましょ? これなら男がたんまり釣れるわ」

トレ「お、お断りします!!」


留美(これは失敗ね。真逆の方に行っちゃった)


がちゃ


楓「こんにちは」

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高垣楓(25)

留美「あら、楓」

トレ「楓さん、こんにちは」

楓「お二人が一緒なんて珍しいですね」

トレ「ええ、まあ……」

留美「そうだ、楓に頼んでみましょうか?」ヒソヒソ

トレ「え?」

留美「楓はモデルもやっているからファッションには詳しいはずよ」

トレ「そうですね」


留美「ねえ、楓?」

楓「はい、どうしました?」

留美「今、トレさんに似合うコーデを探してるんだけど」

楓「あら、素敵ですね」

留美「あなたから何か提案はないかしら?」

楓「そうですね……やっぱりコーディネイトは」

留美「こうでねえと、ってのは無しよ」

楓「」


トレ「ダメですよ、留美さん!」

留美「どうしたのよ?」

トレ「楓さんはダジャレを遮られると落ち込むんです」


ふぁさ


楓「……」

トレ「ああっ、楓さん! 不貞寝しないでください。謝りますから!」



留美(……めんどくさい子ね)


――――――――――――廊下


留美「結局これといったものはなかったわね」

トレ「すいません……お手を煩わせて…」

留美「別にいいんだけど。でも、どうしてそんなに自分を変えたいの?」

トレ「……なんとなくです。これでいいのかなって、ふと思って」

留美「今でも十分じゃない」

トレ「私も留美さんのような大人の色気があればなと……」

留美「色気ねぇ……誰かに見せたいとか?」

トレ「!!……そ、そんなこと……」


留美(真っ赤になっちゃった。わかりやすいわね)


留美「仕方ない……私の私服で良ければ貸してあげる」

トレ「本当ですか?」

留美「身長は私のほうが高いけど、それ以外のサイズはあまり変わらないから大丈夫でしょ」

トレ「ありがとうございます! 恩に着ます!」

留美「私服といっても、スーツよ? そんな大それたものじゃないけど」

トレ「はい!」


――――――――――――更衣室


留美「これでどうかしら?」

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参考画像

トレ「わぁ……素敵」

留美「パンツじゃなくてタイトスカートだけど苦しくない?」

トレ「平気です」

留美「そう。それならよかった」

トレ「あ、あの……それでですね……この服……」

留美「わかってるわよ」

トレ「え?」

留美「見せたいんでしょ? しばらく貸してあげるからいってらっしゃい」

トレ「ど、どうしてわかったんです?」

留美「女の勘よ。トレさんもそういうところを磨いたほうがいいわ」

トレ「べ、勉強になります」


――――――――――――事務所


がちゃ


トレ「し、失礼します」


留美(……覗きは趣味じゃないけど、心配でついてきちゃった)

留美(Pくん、いないのかしら?)


P「はーい、トレさんですか?」

トレ「あ、はい……Pさん、どこにいるんです?」

P「ちょっと机の下の配線をですね……少々お待ちを」

トレ「は、はい……」


留美(何故か私まで緊張しちゃうわね……)


P「よし、お待たせしましたトレさん……あれ? その服……」

トレ「ど……どうですか?」

P「!!……と、トレさん……」

トレ「あっ! は、はいっ!!」


留美(Pくんの様子が変ね……ふらふらとトレさんに近づいてる)


がしっ


トレ「ひっ!!」

P「トレさんっ!!……僕……僕……」

トレ「Pさん……?」


留美(うそっ? なんでそんなに積極的? 効果ありすぎでしょ??)


P「トレさん!! 僕に悪いところがあったら何でも言ってください!! 絶対直します!!」

トレ「へ?」


留美(何を言ってるの?)


P「僕はまだヒヨッコです。至らないところもあるかと思います。だけど、必ず役に立ってみせます!!」

トレ「あ、あの……」

P「だから!!!」

トレ「は、は、はいっ!」


P「転職なんて考えないでください!! 何でも条件を言ってくだされば改善しますので!!」


トレ「」


留美(……バカ)


――――――――――――休憩室


トレ「はぁ……」

留美「そんなに落ち込まないでよ……私も責任感じちゃうじゃない」

トレ「そんなつもりは……」

留美「でも、リクルートスーツに見られるなんて思わなかったわ。予想以上の鈍さね、彼」

トレ「……いいんです。年齢的にもそうですよね。私じゃそうなっちゃいます」

留美「うーん……」

トレ「でも、ひとつ良かったことがあるんです」

留美「良かったこと?」

トレ「Pさんにあんな間近で、『お前が必要だ』って言ってもらえるなんて……ちょっと嬉しかったです」

留美「はいはい、ごちそうさま」

トレ「あ、あ、そ、そういう意味じゃ……」

留美「わかってるって……でもね」

トレ「はい?」


留美「何度も言うようだけど、トレさんはそのままでいいと思うわ」

トレ「そうですか?」

留美「あなたは私みたいな色気がほしいって言ったわね?」

トレ「はい」

留美「私もよくわからないけど、色気ってそういうことじゃないと思うの」

トレ「?」

留美「私は別に色気が欲しくてこういう格好してるわけじゃないし、いつの間にかこうなってたという方が早いわね」

留美「社会に出て色々なものを見て、聞いて、体験してこうなったの。アイドルの活動もそれに含まれるわ」

トレ「……はい」

留美「なんとなくだけど……色気や美しさって、こちらが出すものでなく、いつの間にか醸しだされてる。そんな気がするわ」

トレ「……なるほど」

留美「だから、あなたもたくさん経験をして色々なことがわかってくれば、私には出せない色気も出ると思うの」

トレ「あ、ありがとうございます」


留美「その為には、たくさん恋もしましょう。きっとあの鈍感男にも伝わる日が来るわよ」

トレ「る、留美さん!」

留美「あと、私も……」

トレ「えっ?」

留美「……なんでもないわ。お互い頑張りましょう」

トレ「はいっ!」


留美(これでいいのよね……)


――――――――――――後日、事務所


P「留美さん、現場に行く準備出来てます?」

留美「もちろんよ」

P「それじゃあ、出発しましょうね」

留美「あっ、ちょっとまって」

P「? 紙を丸めてどうしたんです?」

留美「Pくん、頭を出して」

P「?? こうですか?」


ぽこっ


P「いたっ!」

留美「これでいいわ。行きましょう」

P「???」



留美(ライバル増やすなんて私もお人好しよね)

留美(でも、負けないからね)




おわり

※これでおわりです
昨晩夢の中で「るみとれで書けよハゲ」と神のお告げがありましたので急いで書きました
もう少し、アイドル出したかったのですが申し訳ないです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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