ジャン「調査兵団に入って…… とにかく巨人をぶっ殺したいです」(81)

ジャン「ジャン・キルしたいン!! なんつって…… ハハ」

マルコ「……」

ベルトルト「……」

ライナー「……」

アルミン「……」

エレン「……」

コニー「…… お前が何言ってんのかわかんなかったが…… それはオレがバカだからじゃねぇよな?」

ジャン「…… いいから黙っていてくれ…… バカ」

エレン「なぁ……」

ジャン「何だよ……」

※直接的な物は極力避けるつもりですが、ネタバレあります。 範囲は原作10巻まで。

エレン「ジャン…… お前が間の悪いバカで…… クソつまんない冗談を言ってるわけじゃない可能性もまだ…… あるから」

ジャン「…………」

エレン「説明しろ…… 今の…… どういう意味だ?」

ジャン「……」

マルコ「……」

ベルトルト「……」

ライナー「……」

アルミン「……」

コニー「……」

エレン「……」

ジャン「オ……」

ジャン「オレは逆に教えて欲しい…… この抱腹絶倒のギャグを聞いておいて……」

ジャン「真顔を保っていられる秘訣とかをよぉ!!!」ダッ

エレン「あっ…… おい!」

アルミン「……」

マルコ「ジャン……」

ベルトルト「エレン…… 今のは君が悪いよ」

エレン「そうだな…… 謝っておかないと」

アルミン「それならいい方法があるよ」

エレン「?」

ジャン「ったく、あのお子様どもには分かんねぇんだよ!」ズンズン

ジャン「……ん」

ミカサ「だからエレンに言ってあげた…… 『私はあなたのミカサ』って」

サシャ「へぇ……」

ミカサ「これは味方とミカサをかけた高等なシャレ。エレンも顔を真っ赤にして笑うのを堪えていた。アルミンは鼻で笑った」

サシャ「えーと つまり…… そのパンもらってもいいって事ですか?」

ユミル「そうかそうか、つまりお前はそういう奴だったんだな」

クリスタ「違うってば! 離してよユミルぅ~」

ミーナ「足の角度はこう?」

アニ「違う…… こう」

わいわいがやがや

ジャン「…………」

ジャン「おい…… お前ら」

サシャ「はい?」

ミカサ「そしたらカルラおばさんがこう言った。『ミカサがいると助カルラ~』と。これは恐らくカルラとかるわを」

ユミル「あぁん?」

クリスタ「なあにジャン?」

ミーナ「うん?」

アニ「…………」

ジャン「オ…… オレさぁ……」

ジャン「なんか…… 今…… とにかく巨人をぶっ殺したい気分でいっぱいなんだ…… つまり今のオレは」

ジャン「ジャン・キルしたいン!! なんつって…… ハハ」

ミカサ「……」

サシャ「……」

ユミル「……」

クリスタ「……」

ミーナ「……」

アニ「……」

ジャン「……」

アニ「まったく…… 驚いたよ……」

アニ「一体いつからあんたは1.7m級巨人になったの……?」

ジャン「……」

クリスタ「やめなよ…… ジャンは疲れてるんだよ」

ユミル「そうか?」

クリスタ「最近の訓練すごく厳しいもん…… 仕方ないよ」

ミカサ「? ……」

サシャ「こ…… この芋食べます? ジャン……」

アニ「……」

ミーナ「……」

ジャン「オレは……」ガクッ

ジャン(オレは夢か幻でも見ようとしてたのか? 普通に考えれば簡単に分かる)

ジャン(こんなクソつまんない冗談がウケっこねぇって事ぐらい……)

ミカサ「……」

サシャ「ジャン……」

クリスタ「……」

ユミル「……」ケラケラ

アニ「……」

ミーナ「……」クスクス

エレン「ここに居たのか…… おいジャン」

ジャン「なんだよ…… 頼むからこれ以上…… オレのことを嫌いにさせないでくれ……」

エレン「一回しか言わないからよく聞けよ…… よし、頼むベルトルト」

ベルトルト「……」コクッ

ベルトルト「エレン大変だ! 巨人が現れて君の家が潰された!!」

エレン「何だって!? 俺の家ーガー!? そいつは…… エレンこっちゃー!!」

ジャン「……」

ミカサ「……」

サシャ「……」

アニ「……」

ミーナ「……」

クリスタ「……」

ユミル「……」

ベルトルト「……」

エレン「イェーガー、家ーガー…… えらいこっちゃ えれーっちゃ えれんこっちゃ……」

ジャン「なぁエレン」

エレン「…… 何だよ……」

ジャン「オレはお前の事イイ奴だと思ってたよ…… 本物の勇敢さを持ってるしな」

ジャン「ただちょっと嫉妬して素直になれなかっただけなんだ……」

エレン「ああ…… オレも喧嘩腰だったな」

ジャン「これで手打ちにしよう…… これからもよろしくな」ガシッ

エレン「ああ」ガシッ

アルミン「熱い友情の握手……」

ミーナ「……!」

コニー「これで一安心だな」

ライナー「ああ」

マルコ「そうだね」

アルミン「よかったよ…… 雨降って地固まる これでむしろ訓練の空気も良くなる筈だ」

ミカサ「……ふふ」

アルミン「……!?」

ミカサ「ふふ…… エレン、そのシャレ面白い……」ツンツン

サシャ「ん? 何ですかミカサ…… そのパンくれるんですか?」

ミカサ「とても面白い…… ので、ほら、サシャも遠慮せずに笑うといい…… ふふ」

サシャ「はい! 面白いですエレンそれ! あは! あはははは!」モグモグ

ユミル「……クックック! ダッハッハッハ!」

クリスタ「みんなが笑うとつられちゃうなぁ…… あははは」

ライナー「そ…… そうだな、ハハハ!」

ベルトルト「ライナー何す…… 分かったよ! あっはっはっは!」

ミーナ「……うふふふ」

アニ「……」

hahahahahahahahahahahahaha!!!

アルミン「!?」

エレン「……!?」

ジャン「…………」

アルミン「これは…… まずいぞ」

エレン「え?」

ジャン「おいコニー…… こっちに来い」

コニー「なんだよ……?」

ジャン「…………」ジョリジョリジョリジョリ!

コニー「!? オ…… オイ! 人の頭で何拭ったんだお前……!?」

ジャン「人との…… 信頼だ……」

アルミン(やはりまずい…… これではエレンとジャンの間に決定的な壁が築かれてしまう!)

アルミン(そりゃ、元々エレンと馬が合わない馬面だけど…… ここで決定的な破綻を起こしてしまえばどうなる事か……)

アルミン(今まではエレン自身に何の咎もないからジャンは嫌味や挑発程度にとどめていたけど)

アルミン(ここで大きな壁を作ってしまえば…… ジャンの理性のタガが外れるかもしれない)

アルミン(もし本格的な嫌がらせが始まって…… それがミカサの耳に入ればジャンはジャンクという名の方が相応しい肉塊になるだろう)

アルミン(いやむしろ…… ミカサの耳に入らない内にエレンが大きい怪我でも負うのが危険か……?)

アルミン(くそ…… エレ…… えらい事になってきた……)

アルミン(とにかく! エレンとジャンの仲を取り持たなければ! 今ここで! ろくな事にならない!)

アルミン(……まずはこの賑やかな空気を破壊する! 多少の犠牲は覚悟の上だ!)

アルミン「そういえばライナー! この間サシャから特に理由のない暴力を受けたんだって!?」

ライナー「!? あ…… あぁ! そうなんだ!」

アルミン「そいつは…… 辛イナー!!!」

ジャン「……?」

コニー「……」

エレン「……」

ミカサ「……」

ユミル「……」

クリスタ「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

ミーナ「……」

アニ「……」

マルコ「……」

アルミン(やった!)

サシャ「……ぷぷっ」

アルミン「!?」

サシャ「あは…… あははは!」

クリスタ「うふふふ……」

hahahahahahahahahahahahaha!!!

アルミン「な、何で笑っちゃうんだよぉぉぉ!」

サシャ「何ですか特に理由の無い暴力って…… あははは!」

アルミン「笑いどころも違うッッッッッ」

ジャン「……」

アルミン「そ…… そんな目で僕を見るな!」

アルミン(…… よし!)

アルミン「ク…… クリスタ! クリスタってホント女神だよね!」

クリスタ「えっ!?」

アルミン「うわあ! 女神のオーラが眩しすぎて…… めがみえない!!!」

ユミル「…… ダハハハハ! ナイスジョークだぜアルミン!」

ライナー「ハハハハハ!」

アルミン「くっ……」

hahahahahahahahahahahahaha!!!

アルミン(今のは捨て駒だな…… クリスタを使っておいてスベらせてもらえる筈が無かった ユミルや…… ライナーに)

クリスタ「女神だなんてそんな……」クネクネ

アルミン(クリスタかわいい)

アルミン(……)

アルミン(よし!)

アルミン「ねえサシャ! サシャはミカサが先輩だったら何て呼ぶの?」

サシャ「え? ミカサさん…… ですか?」

アルミン「そうかなあ! 僕が思うにこう呼ぶんじゃないかな…… 『ミカサシャん』って!!!」

hahahahahahahahahahahahaha!!!

アルミン(くそっ! 正直自分でもちょっと面白い!)

アルミン(ダメダメこんなんじゃあ!)

アルミン「ねえミーナ!」

ミーナ「なにアルミン?」

アルミン「うるさいよミーナ! この…… メスブタ! こっちミーナ!!」

hahahahahahahahahahahahaha!!!

アルミン「笑ったら可哀想でしょぉぉぉ!!!」

アルミン「マルコ! そういえば君さっきから黙ってるね!」

マルコ「え……」

アルミン「君こういう空気苦手!? こういう空気になると黙っちゃう子? 黙る子? だマルコなの!?」

hahahahahahahahahahahahaha!!!

アルミン「君達が黙れよッッッッッ」

アルミン(こうなったらどつかれて無理やりオトすしかない!)

アルミン「アニ! 僕アニがお兄さんになってくれたら良いな! ……兄だけにッ!!!」

アニ「……」

アルミン(大丈夫…… 受身なら練習した……)

アニ「アルミン……」

アルミン「はい……」

アニ「嬉しいよ」

アルミン「!?」

アニ「だったらアルミンは…… 私の妹だね」ガシッ

アルミン「ちょっと待ってアニ! どこに連れて行く気!?」ズルズル

アルミン「離してよアニ!! 僕達はまだ話し合うことができる!!」ズルズル

アルミン「ていうか何その…… 持ってるそれ…… うさ耳?」ズルズル

アルミン「ライナーが持ってた? ……ウサミミン!? やかましいわ!!」ズルズル

アルミン「ハァ…… ハァ……」

アルミン(まずい! この空気の力は予想外だった!)

アルミン(は…… そうだ! 逆に考えよう! とにかくジャンの心を持ち上げればいいんだ!)

アルミン(つまり…… この空気を利用して、ジャンを主役にした冗談で笑いを取ればいい!)

アルミン(とにかくジャンをヒーローにするんだ…… 誰が言うかは問題じゃない!)

アルミン(よし!)

アルミン「ジャンの家の真似します!『ババァ!! ノックしろよッ!!』『さっきしたジャン』!!!」

ジャン「……」

コニー「……」

エレン「……」

ミカサ「? ……」

サシャ「……」

ユミル「……」

クリスタ「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

ミーナ「……」

アニ「……」

マルコ「……」

アルミン「予想通りだよッッッッッ」ダン!

クリスタ「ジャンって…… そういう事言うんだね」

ミーナ「最低……」

ジャン「!?」

アルミン「!?」

サシャ「もう…… ジャンのパンには手を付けないことにします」

ジャン「!?」

アルミン「!?」

アニ「ジャンが憲兵団に行くなら…… 私はやめようかな」

ジャン「!?」

アルミン「!?」

ミカサ「私はジャンを…… キルしたいン」

ジャン「!?」

アルミン「!?」

アルミン「ジャンが…… か 考えられる限りの軽蔑を受けている……」

ジャン「……」フラッ

アルミン「ち…… 違うんだジャン! 待ってくれ!」

アルミン「うわあ胃痛がする! いっつぅー!!!」キリキリキリ

ジャン「……」

アルミン「待ってよジャン!」

ガチャ

ジャン「!?」

キース「今しがた大きな騒ぎがあったようだが…… 誰か説明してもらおうか……」ギィィィィ

キース「……」コツコツ

アルミン(教官…… 結果的にジャンを引き止めてくれたのはありがとうございます)

アルミン(でもまずいぞ…… このまま部屋に帰されたりしたらチャンスは無くなる……)

アルミン(何か手立ては……)

ミカサ「……」スッ

キース「……」

ミカサ「サシャが放屁した音です」

サシャ「えっ!?」

キース「へー」

「「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」」

キース「ブラウス……」

サシャ「は、はい! 何でしょう!」

キース「貴様の屁の音…… 大キースぎるな……」

「「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」」

キース「貴様らも少しは慎みを覚えろ」ギィィィ

アルミン(シャレだけ置いて帰っていったぞ…… 本当は僕たちの話聞いてたんじゃないか?)

ジャン「……」

エレン「……」

アルミン(今ならまだ教官がうろついてる可能性もある…… ジャンもうかつにここを出れない筈だ)

アルミン(だから…… 今のうちにどうにか…… しないと)

ベルトルト「……」チラッ

ライナー「……」コクッ

コニー「ん?」

ライナー「お…… オイ!? コニーの奴どこに行った!?」

コニー「あ? ずっとここに居るだろうが……」

ライナー「おお居たのか…… こんなとコニー!」

ベルトルト「と ところでみんな…… 血液型は何型?」

ベルトルト「僕は…… 超o型! なんちゃって……」

エレン「? ……」

ライナー「伝わるわけねぇだろ……」

ベルトルト「あ…… そうか」

アニ「……」ププッ

バタン

ジャン 「遅くなりました」ボロッ

ミーナ 「ジャン!どうしたの!?」

ハンジ 「こいつはまた、こっぴどくやられたね」

ミーナ 「お弁当取れなかったの?」

リヴァイ「こいつの顔が、芋掴んで帰ってきた顔にみえるのか?」

アルミン(ライナーやベルトルトが時間を稼いでくれてる内に…… なんとか)

アルミン(考えろ……! 何か……!)

エレン「なあ…… ジャン」

アルミン「!」

ジャン「……」

アルミン(そ…… そうだよ 簡単な事じゃないか)

アルミン(エレンとジャンの問題なんだ エレンが謝ればいいんだよ……)

アルミン(空気は…… 教官が整えてくれた)

エレン「オレ…… 別に嫌がらせとか…… 意地悪しようと思って『どういう意味だ?』なんて聞いたんじゃないんだ」

ジャン「…………」

エレン「ただ…… お前がさ…… 『巨人を倒したい』なんて言って…… それでさ」

エレン「ちょっと…… 嬉しかったんだ ほら お前立体起動上手いし……」

ジャン「……」

エレン「お前が居てくれたら百人力だし…… 巨人を遠ざける為じゃなくて…… 倒す為の立体起動ならお前に教わりたいとも思うし……」

エレン「だからさ…… ジャンもしお前が…… 冗談じゃなくて本気で言ってるんだったらいいなと思って……」

ジャン「……」

エレン「というか…… 冗談としても結構面白かったと…… オレは思うぞ?」

ジャン「……」

エレン「……」

ミカサ「……ジャン」

アルミン(やめろミカサ 君が介入すると絶対ろくな事にならない)

ミカサ「その心構えは立派…… つまり 巨人をたくさん倒そうというのは」

ミカサ「エレンも巨人を駆逐したがっているので…… 例えばジャン」

ミカサ「あなたが巨人を倒すならそれは…… エレンの味方をする事になる」

ミカサ「エレンを助けるという事はつまり…… ジャンあなたが……」

ミカサ「巨人を倒し続ける限りは…… 私はあなたのミカサ」

ジャン「!!」

アルミン(ミカサ…… 君は…… またそれか……)

アルミン(イントネーションから見ても…… 君は…… 味方とミカサをかけたクソつまんない冗談を言ったつもりなんだろうけど……)

アルミン(それは…… 普通の人には……)

ジャン「お…… おうっ!!!!!」

アルミン(『i’m yours』って…… 言ってるようにしか思えないんだよ……)

ミカサ「その意気…… そうだエレンが小さかった頃の話をしよう…… よく泣く子だった。えれーんえれーんと」

アルミン(また話が変な方向に……)

ジャン「ハッハッハ! なぁエレン」バンバン

エレン「お おう」

ミカサ「するとカルラおばさんがこう言った……『必ず~♪ 僕らは出会うだろう♪ ってそれはカル」

ジャン「巨人…… ぶっ殺したくてたまらねぇなぁ! なぁオイ!」バンバン

エレン「ああ…… そうだな!」

ジャン「って事はさぁ…… 今のオレは何者だ!?」

エレン「……」

ジャン「……」

アルミン「……」

ミカサ「……」

マルコ「……」

ベルトルト「……」

ライナー「……」

コニー「……」

サシャ「……」

ユミル「……」

クリスタ「……」

ミーナ「……」

アニ「……」

エレン「……」

ジャン「……」

エレン「え? 言わねぇよ スベるの恥ずかしいし」

~fin~

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「ジャンジャンプ」ピョーン

ジャン「……」

ジャン「コレいけんじゃねぇか?」

continue to next loop...

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お疲れ様でした。読んでくれた方はありがとう。

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