リィン「ワンナイト人狼?」 【閃の軌跡】 (23)

 初SSなので至らないところもあるかもしれませんがよろしくお願いします。

<ルーレ行き列車内>

リィン「ワンナイト人浪?」

クロウ「ああ、いつもブレードばかりしてるから、たまには違うゲームでもと思ってな」

リィン「そうだな。ちょっとブレードにも飽きが来ていたところだし、たまには違うゲームもいいな」

アリサ「そうね。大体、リィンはいつも列車に乗るとみんなにブレード挑んでいるから一番ブレードやってるわよね。飽きが来るのも当然よ」

エリオット「みんなにきっちり一回ずつ挑んでるよね」

リィン「ははっ、そうだな」

フィー「……眠い」


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マキアス「ところで先輩。ワンナイト人狼ってどんなゲームなんですか?」

クロウ「ああ、ワンナイト人浪ってのはな、ある平和な村に人の姿をした狼……人狼がやってきたって設定のゲームだ」

マキアス「人の形をした魔獣……。恐ろしいな……」

クロウ「設定だから現実にはいないぞ。……それでプレイヤーは三人でもできるが、まあ四人以上いた方が面白いな」

クロウ「それでプレイヤーは一人一人役職が割り振られる。村人、人狼、占い師、怪盗だな」

マキアス「怪盗紳士ブルブラン?」

クロウ「あの変態とは関係ない」

クロウ「それじゃ役職の説明だな。村人はただの人だ。人浪が誰なのかを推理していけばいい」

クロウ「占い師は誰か一人か、余ったカードを見ることができる」

クロウ「怪盗は誰か一人と役職を入れ替えることができる。ただ、何もしないという選択肢もある」

クロウ「そして人浪。この役職についたら、村人にバレないように潜伏しないといけない」


クロウ「次はゲームの流れの説明だな」

クロウ「まず最初に自分の役職を確認する」

クロウ「そして次にGMが夜になりましたと宣言したら、みんな目を伏せる」

クロウ「……あ、言っておくがリィン。気を感じるのは無しだからな」

リィン「どうしてだ?」

クロウ「おまえ気を感じると、目つぶってても誰が動いたか分かるだろ。それじゃゲームが成り立たない」

リィン「そういうことか。……ならゲームの間はOFFにしとくよ」

エリオット(気ってOFFとかできるんだ……。ますます分からないな)

クロウ「それで夜は役職持ちが順番に行動していく」

クロウ「まずは占い師だな。さっきも言ったとおり、誰か一人の役職か、あまりのカード二枚を見ることができる」

クロウ「次に人浪のターンだ。人浪は顔を上げて、仲間を確認できる。ただ、一人だけってこともあるがな」

クロウ「最後に怪盗のターンだ。誰か一人とカードを変えるか、変えないかを選択」

クロウ「それが終わったらGMが、夜が明けたことを宣言」

クロウ「みんな顔を上げて昼の時間が始まる」

クロウ「昼の時間は議論の時間だ」

クロウ「みんなで話し合って、誰が人狼なのかを考えていく。占い師と怪盗は自分が確認した他人の役職を言ったりして議論の手助けをする」

アリサ「けど、占い師が人狼を見たのならすぐにゲームは終わるわよね?」

クロウ「そうならないためにも、人狼なのに占い師を騙ったりして場をかき乱す」

クロウ「相手が言っていることが本当なのか、嘘なのか。それを推理するのも人狼の醍醐味の一つだ」

クロウ「それで、あらかじめ決めておいた議論の時間が終わったら投票の時間だ」

クロウ「GMの合図で人狼だと思った人を指さす。一番指名の多かった奴が処刑される」

クロウ「処刑されたのが人狼だったら人間側、つまり村人、占い師、怪盗の勝ち。処刑されたのが村人だったら人狼の勝ちだ」

リィン「けど、投票が同数だったらどうするんだ?」

クロウ「その場合はどちらも処刑だ。その内、一人でも人狼が含まれていたら人狼の負けになる」

アリサ「結構人狼が不利な条件に見えるけど……」

クロウ「まあ、やってみれば分かるとは思うが、村人の連戦連勝とはなかなか行かないな」

リィン「大体ルールは分かったな」

エリオット「僕も同じく」

アリサ「細かいところがちょっとだけど、やっている内に慣れるでしょう」

フィー「私も」

マキアス「僕も分かったとは思うが……最初はGMをしてもいいか?」

クロウ「何でだ?」

マキアス「一回ゲームを外から見た方が立ち回り方がよく分かるゲームだな、と思ったからだ」

クロウ「そうか。……じゃあ、お言葉に甘えてマキアスがGM、プレイヤー五人ってことだな」

クロウ「じゃあ、マキアス。このカードをみんなに配ってくれ。それとGMの進行のさせ方がこれに書いてある」

マキアス「分かった」

 マキアスがカードを配り終わる。

 カード内訳、村人三枚、占い師一枚、怪盗一枚、人狼二枚。計七枚。

リィン「へえ」

エリオット「僕はこれかー」

アリサ「ふうん」

フィー「……分かった」

クロウ「なるほどな」

マキアス「ところで先輩。この余った二枚のカードはどうすればいいんですか?」

クロウ「ああ、それは真ん中に置いてくれ。みんなも役職を確認したら自分の前にカードを置いてくれ」

 みんながカードを置く。

マキアス「それじゃあ始めるとするか」

マキアス「夜になりました。みなさん顔を伏せてください」

マキアス「占い師は目を覚まし、誰かを選び、占ってください」

 ………………。

 …………。

 ……。

マキアス「人狼は目を覚まし、人狼同士で目配せしてください」

 ………………。

 …………。

 ……。

マキアス「怪盗は目を覚まし、誰かの心を盗んでください」

 ………………。

 …………。

 ……。

マキアス「朝になりました、みなさん起きてください」

クロウ「さて、ゲームの始まりだな」

フィー「…………zzz」

アリサ「ほら、フィー。起きなさい」

エリオット「今の短時間で寝てたんだ……」

フィー「……ん、朝?」

リィン「ははっ、フィーは相変わらずだな」

リィン「……じゃあ議論の開始といきたいけど、まず何を話せばいいんだ?」

クロウ「最初は占い師と怪盗の話を聞くべきだろう。この中で占い師と怪盗はいなかったのか?」

アリサ「私が占い師だったわよ」

クロウ「他に自分が占い師だって人はいないのか?」

「………………」

クロウ「いないみたいだな。……それでアリサ、結果はどうだったか?」

アリサ「エリオットを占って怪盗だったわ」

エリオット「そうだね、僕は怪盗だったよ」

クロウ「それで、誰と交換……の前に、他に自分が怪盗だって人はいないのか?」

「………………」

クロウ「じゃあエリオット。誰と交換したんだ?」

エリオット「アリサと交換したよ。アリサの言っている通り、占い師だったよ」

アリサ「まあ、当然よね。私は人狼じゃないんだから」

クロウ「そうか。……しかし、まずいことになったな」

フィー「どうして?」

リィン「つまりこういうことだろう、クロウ。今エリオットとアリサの二人がお互いを役職持ちだと言っている。お互いの証言

が一致しているから、信憑性も高い」

リィン「けど、それは俺たち三人に対して何の情報も無いってことになる」

リィン「推理のしようが無い以上、三人のうち誰が人狼なのか勘で当てるしか無いってことだ」

クロウ「ああ、そういうことだ」

クロウ「一応他に、アリサとエリオットがどちらも人狼でかばいあっているという可能性もあるが」

クロウ「他に役職持ちが誰も出ていない以上、二枚とも配られていないという可能性も低いから無いだろう」

クロウ(もう一つある可能性も残ってるが……人狼初心者のやつらに言っても混乱するだろうし言わなくて良いか)

アリサ「そうね。……まあ、私からすればエリオットは信頼できるから、他の三人の誰かが怪しいということになるけど」

エリオット「僕もだね」

フィー「……私は村人だから、アリサとエリオットの発言を信頼するとリィンとクロウのどちらかが怪しいと思う」

リィン「それを言うなら俺も村人だから、クロウとフィーのどちらか……あるいは両方が人狼じゃないのかって疑ってる」

クロウ「俺も村人……って、人狼だったとして自分が人狼だと言う訳にいかないから、そう言うしかないが……」

クロウ「っと、そういえば言い忘れていたことがあったな」

エリオット「何か追加ルールでもあるの?」

クロウ「ああ。この中に人狼がいない……つまり、伏せられた二枚の中に人狼が二枚ともある場合だ」

リィン「そういえばその場合については言ってなかったな」

アリサ「そのときは誰を指させばいいの?」

クロウ「お互いに指さしあうか、順繰りに指さすかでみんなの投票数を同じにするんだ。そうなれば処刑が起きない」

クロウ「それで本当に人狼がいなかった場合、全員の勝利だ」

アリサ「全員の勝利……。ふふっ、それって何か良いわね」

フィー「お互いを疑うゲームなのに、信頼が必要」

エリオット「信じることと疑うことは、表と裏の関係だからね」

クロウ「人狼が二枚とも配られないことはままあるが、一戦目からとは珍しいな」

リィン「………………」

クロウ「俺、リィン、フィーの三人とも村人だと言っているし、これは平和の可能性が結構高いんじゃないか?」


アリサ「そうね。じゃあ誰を指させばいいの?」

クロウ「時計回りでいいんじゃないか?」

フィー「だったら私はアリサに」

アリサ「エリオットを指させばいいのね」

エリオット「僕はクロウか」

クロウ「俺はリィン、おまえだな」

リィン「じゃあ俺はフィーを指さすからな」

マキアス「議論が終わったようだな……ええと」

マキアス「議論の時間を終了します。人狼だと思う人を指さしてください」

 結果 ()内は得票数

フィー(0) → アリサ

アリサ(1) → エリオット

エリオット(1) → クロウ

クロウ(2) → リィン

リィン(1) → クロウ


 クロウが処刑されました。

 投票の結果が出ると、みんな目を見張らせた。

アリサ「……え?」

フィー「リィン……」

エリオット「えっと……」

クロウ「……おいおいどういうことだよ、リィン」

リィン「どういうことも何も、クロウが人狼だと思ったから指さしただけだ」

アリサ(リィンすごいわね。これで本当に平和だったらクロウからの信頼ガタ落ちよ)コソコソ

エリオット(二人ならまあ大丈夫だと思うけど……。それにしても思い切ったことをするなあ……)コソコソ

リィン「それで、どうなんだクロウ?」

クロウ「………………」

一同「………………」







クロウ「ああ、俺が人狼だ」

クロウ「どうして分かったんだ? 騙されてると思ったんだが」

リィン「……アリサとエリオットが二人とも人狼じゃないかって疑ったとき、クロウは他に役職持ちがいないからその可能性が

低いって言った」

リィン「そして平和じゃないかってなったとき、人狼が二枚とも伏せられていることはままあることだって言った」

リィン「七枚中の特定二枚が伏せられている確率は同じなのにな」

リィン「平和にはなりやすいって印象操作をしたかったんだろう?」

リィン「平和になって得するのは人狼だ。そこから俺はクロウが人狼じゃないかと推測した。……どうだ、間違っているか?」

クロウ「ははっ……そんな細かいところを突かれるとはな」

リィン「どうして……何故こんなことを!?」

クロウ「オイオイ……何か忘れちゃいねえか?」

クロウ「これは騙された方が負け。そういうゲームだっただろう」

クロウ「俺は人狼……」

クロウ「村人クロウ・アームブラストはただのフェイクさ」

リィン「ッ――ふざけるなッ!」

リィン「俺たちと一緒に議論した時間は!」

リィン「全部偽物だって言うのかよ!?」

リィン「平和だったらいいなって話し合ったのも嘘だったって本気で言うのかよ!?」

クロウ「それは……」

クロウ「ああ――その通りだ」







アリサ(えっと、たかがゲームの勝敗よね……?)コソコソ

フィー(どうしてここまで盛り上がってるんだろう?)コソコソ

エリオット(リィンってほら、ちょっと感情的なところがあるから)コソコソ

エリオット「それよりマキアス。GMなんだから勝敗の宣言をしないと」

マキアス「………………っ、あ、ああ。そ、そうだな」

アリサ(どうしてマキアス笑い出す一歩手前みたいな感じになってるの?)コソコソ

フィー(分からない)コソコソ

マキアス「……くっ。それでは勝敗を発表する」

フィー(この場合どっちの勝ちだっけ?)コソコソ

アリサ(えっと、人狼のクロウが処刑されたから村人の勝r)コソコソ





マキアス「人狼側の勝利です」

マキアス「村人を食い殺した人狼は次の村へと向かいました」

アリサ「えっ?」

リィン「……どういうことだ?」

フィー「???」

リィン(もしかしてクロウが嘘をついていたということか? ……けど何のために?)

クロウ「……っ!! エリオットやりやがったな!?」

 クロウがカードをめくる。

 めくられたカード『怪盗』





エリオット「えへへ、僕の勝ちだね」

 エリオットがカードをめくる。

 めくられたカード『人狼』

マキアス「駄目だ、もう我慢できない」ブハッ!

リィン「……えっと」

アリサ「どうして? 私が見たときは怪盗だったのに」

エリオット「簡単なことだよ。僕は最初は怪盗だった。けど、クロウとカードを入れ替わって人狼になったんだ」

アリサ「私と入れ替えたってのは嘘だったのね……」

フィー「けど、それならアリサとカードを入れ替えてないのに何故占い師と分かったの?」

エリオット「COした順番を思い出してよ。まず、アリサが僕を怪盗だと言ったでしょ」

エリオット「実際僕は最初怪盗だったから、アリサが人狼じゃなくて本当の占い師だろうと推測できる」

エリオット「だからそれに合わせてアリサと交代したって言ったんだ。正直にクロウと交換して人狼だったって言ったら処刑されて負けるからね」

クロウ「ちっ、見事に騙されたぜ」

クロウ「こういうことがあるからCOの順番は怪盗からするべきだけど、すっかり忘れてたな」

クロウ「……それにしても、あそこまで自然に嘘をつけるとは、エリオット、おまえ人狼やったことあるだろ」

エリオット「音楽学校に行ってたときに友達が持ってきたことがあってね」

エリオット「あのときはハマったなあ。練習を忘れて、一日中やってたよ」

エリオット「経験者だって言ったら、警戒されると思って黙ってたんだ」

リィン「……すっかり騙されたよ、エリオット」

クロウ「あれ、なんか俺の時と反応違くね?」

マキアス「くっ…………ふっ…………」

フィー「ところでマキアスはどうしたの?」

エリオット「マキアスGMだったから、ゲームの流れ全部把握してたでしょ。だから投票が終わった時点で僕が一人勝ちなのも

分かってたんだ」

エリオット「それなのにリィンとクロウがあんな掛け合いを始めるからツボに入ったんじゃない」

アリサ「だから笑いをこらえてたのね」

クロウ「ああもう、もう一回だ、もう一回」

クロウ「やられっぱなしは性に合わないんだよ!」

エリオット「えへへ、受けて立つよ」

リィン「俺だって今度は負けないぞ」

アリサ「私もよ」

フィー「……どうでもいいけど、エリオットに負けっぱなしなのは何か癪かな」

マキアス「僕も参加したいけど……GMがいないとゲームが進まないよな」

クロウ「ああ、それなら俺がプレイヤーとGM掛け持ちする」

クロウ「別にGMがいなくても誰も不正なんてしないだろ」

クロウ「つうことで次のゲームを始めるとするか」

……………………

……………

……

 結局、ルーレに着くまでずっとワンナイト人狼をしたリィンたちだった。

一ゲーム目終了です。
今回ははっきり言ってルール説明とリィンとクロウの最終章改変バージョンの掛け合いがしたいだけでした。
人狼らしさが欠片もありません。

次はまたプレイヤーを変えてやりたいです。
人数も増やして、騙し騙される人狼らしさのあるゲームを描きたいと思ってます。

更新日は未定です。なるべく近いうちに書きたいです。

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