にこ「プロジェクトLL ~私達で作るラブライブ!~」 (60)

※地の文が少しあります
※オリキャラ有り・A-RISEの性格や口調は本物とは別物で、三人ともにこ推し
※二期は観てないので矛盾があったらサラッと流し推奨。BD発売まで我慢
※にこの過去が実際とはちょっと違います・本編よりも真姫がにこデレまくり
※アニメの時間軸からちょっとズレてます。ラブライブは七月初めだったとしますが、廃校は撤回されてるという矛盾には目を瞑ってください。ラブライブ出場条件の【赤点を回避せよ! 期待度☆】も期末テストから実力テストだったことにします。合宿は金土日でしたことにします(金曜日は創立記念日)

この物語はにこまき推しです。ベースは基本的にアニメ。大好物のほのうみは我慢! ネタがある部分はキャラ崩壊してますが仕様です。一部回胴界ネタがありますがスルー推奨。ことりって腹黒が似合うと思うの。キャラのメタ発言は「クックック……許してやろうじゃないか。寛容な精神で」って感じで御容赦を。それでは開幕

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──音ノ木坂アイドル研究部


にこ「……アッと言う間に二人になっちゃったわね」

??「そうだね」

にこ「音ノ木坂学院アイドル研究部か。お笑いよね、元々は八人で立ち上げた部だったのに。一月も持たずに部員は二人」

??「でもほら、ここは部員が辞めても部から同好会への格下げはないんだし。そんなに気にしてちゃ駄目だよ」

にこ「愛奈は強いのね。私は……」

愛奈「にこにーは部長なんだからもっと強気でいいのよ。ほらほら、元気出して」

にこ「元気なんて出ないわよ」

愛奈「アイドルは辛いときでも笑うのよ」

にこ「……」


──翌日


愛奈「私ね考えたのよ」

にこ「何をよ」

愛奈「にこにーの魅力を引き立てるポーズ。アイドルにはそういう武器が必要でしょ?」

にこ「それはあるに越したことないけど。どんなのよ?」

愛奈「こほんっ……では、初披露これがにこちゃんのアイドルポーズ。にっこにっこにー♪」

にこ「……」

愛奈「なぁに? そのどっ引きって顔は」

にこ「流石にあざと過ぎない?」

愛奈「それくらいがいいのよ。にこにーは無駄に体格とかを気にしすぎなの。可愛いんだからソレを磨いて武器にしなきゃ」

にこ「…………それもそうね」

愛奈「勿論このポーズだけじゃ威力に乏しいから、もっとあざといのを考えないと」

にこ「はぁ!? これ以上何しろってのよ。いいわ、さっさとダンスの練習するわよ。二人組のアイドルだっているんだし。負けないわ!」


── 一月後


にこ「にっこにっこにー♪ あなたのハートににこにこにー♪ 笑顔を届ける矢澤にこにこー♪ にこにーって覚えてラブニコ♪」

愛奈「完璧! これでにこにーの魅力は108倍よ」

にこ「煩悩の数って怪しすぎるわよ。てか、愛奈の方はどうなのよ。人のことだけ考えてないで何かあるんでしょうね?」

愛奈「あざといのは一人居ればいいのよ。だから私は普通路線」

にこ「なっ! あっ、あんたねぇぇぇ!」

愛奈「あははっ。にこにーが怒った逃げろー!」

にこ「待ちなさ~い!」

愛奈「元気出たみたいで良かった」

──そして


にこ「てんこう?」

愛奈「うん。お父さんの仕事の都合で。ごめんね、にこにー」

にこ「……そ、んな」

愛奈「夏休み入って直ぐに向こうに引っ越すことになったの」

にこ「……それじゃ、どうするのよ。音ノ木坂アイドル研究部のスクールアイドルとしてのデビューはどうするのよ!」

愛奈「ごめん」

にこ「ごめんじゃないわよ! 私はどうするのかって聞いてるのよ!?」

愛奈「…………にこにー。私はどうすることも出来ない。だけど、約束したい」

にこ「何をよ!」

愛奈「私の転校する横浜の学校にはスクールアイドルがないの。だけど、私は転校したら向こうでアイドル研究部を立ち上げる。にこにーみたいに。三年になる時には形にしてラブライブに出場してみせる。だから、三年生の時のラブライブ本戦で再会しましょう」

にこ「……やってやるわよ! 部員なんて新入生がにこのアダルトな魅力に勝手に寄ってくるんだから!」

愛奈「にこにーはプリティ路線だよ」

にこ「うっさい! 部長の大変さで挫折するんじゃないわよ!」

愛奈「そういう風になりそうな時はにこにーを思い出すよ」

にこ「……フンッ! もう横浜でも横須賀でもシベリアでも勝手に行けばいいのよ!」

愛奈「まだ二週間あるからそれまではにこにーのあざとさが身に付くまで練習させなきゃ」

にこ「うっさい! 今日は立てなくなる程練習するんだから。覚悟しなさいよね」



『でも、愛奈との約束はμ'sのラブライブ不参加で叶うことはなかった。勿論、そのことで穂乃果やことりに文句を言うつもりもない。その資格は《私》にはない。二年生の時に離れていく部員達の事を、何よりも転校してしまった愛奈のことを思い出してしまい部員を勧誘することも出来なかったのだ。ただ《私》は部室に一人引きこもり、部活で仲間が居る人間を妬むことしか出来なかった』

『約束を大事に想いながら、叶える努力が出来ない。そんな苦しい一年が過ぎて春。自分を差し置いてこの音ノ木坂学院でスクールアイドルを立ち上げた後輩がいた。ふざけんじゃないと最初は思った。愛奈が重視していたキャラ性を全く理解してないし、ダンスも歌もまだまだのくせに』

『だから辞めさせようとした。本心は愛奈と二人で頑張ってた時を思い出されて苦しかったから。今思えばツマラナイ嫉妬だ。約束を大事に思いながら勇気がなく、邪魔をしようとした。最低だ。本来なら自分から手を差し伸べるくらいしないといけなかったのに。愛奈なら出来ただろう』

『《私》には出来なかったことを穂乃果は簡単にやってのけた。愛奈が去ってから初めて仲間が出来た。もう一度スクールアイドルになれた。……約束は果たせなかったけど、とても感謝している。それに、不謹慎だけどμ'sの解散の危機になった時後輩の凛と花陽が《私》の誘いに頷いて一緒にスクールアイドルを続けてくれると返事をくれた時、嬉しくて泣きそうになった。実際に家で泣いて妹のこころとここあに心配された。とにかく、愛奈と二人でしていた練習が無駄ではなかったと証明してもらえたのだから』

──ラブライブ終了後 7月8日


絵里「他校の生徒?」

モブ生徒会員「はい。誰かを待っているみたいです。制服はこの辺じゃ見たことのないもので」

絵里「そう。わざわざ報告してくれてありがとう。私が行って話を聞いてくるわ」

モブ生徒会員「お願いします。それではわたしはこれで失礼します」

絵里「ということだから、希は先に部室に行っていて」

希「えりち。カードが告げてるんや。希望が大きな輪の様に広がっていくのを感じる」

絵里「希望? 悪い感じじゃないならそれにこしたことはないわね。それじゃ行っていくるわ」


──校門前


絵里「……あら、貴女どこかで」

愛奈「こんにちは。絢瀬絵里さん」

絵里「ごめんなさい。見覚えはあるのだけど、ちょっと名前が出てこなくて」

愛奈「仕方ないですよ。一年の夏までしか音ノ木坂に通ってなかったから。あ、私は森愛奈です」

絵里「本日はどんな御用で?」

愛奈「μ'sのにこにーに会いにきました」

絵里「にこに? ファンなのかしら?」

愛奈「くすっ。そうですね。一番のファンであり、一番のライバルだと思います。にこにーに愛奈が話があるって伝えてもらえれば通じる筈です」

絵里(……本来なら電話でにこに確認して、ここに来てもらうののだけど。希のカードが希望と言ってたし、直接連れて行っても平気よね。って、私も随分と希のスピリチュアルに毒されたわね)

絵里「じゃあこっちに来てもらえるかしら? 一枚だけプリントにサイン貰えれば部室まで案内するわ。来客用のスリッパも勿論貸すし」

愛奈「ありがとう」

──部室


にこ「──嘘っ」

愛奈「本当。にこにー久しぶり」

にこ「愛奈! どうしたのよ。何、何かあったの!」

愛奈「道場破りみたいな感じ? μ'sに決闘を申し込みに来たの」

にこ「はぁっ!?」

真姫「誰よアイツ。にこちゃんの《只の知り合い》みたいだけど」

海未「今の真姫は只の知り合いの部分を凄く強調しましたね。まるでμ'sに絵里が入った後の希の『九人や。《うちを入れて》』みたいでしたよ。アレは見事な倒置法でした」キリッ!

穂乃果「わわっ! 海未ちゃん、それは海未ちゃんじゃなくって中の人のネタだよ!」アセアセ

希「……ええんよ。うちは気にしてへんから。くっすん」

絵里「思いっきり気にしてるわね。あの人は元音ノ木坂の生徒みたい」

ことり「もしかしてにこちゃんが立ち上げたスクールアイドルのメンバーだったのかな?」ピヨピヨ

にこ「あんた達うるさいわよ! 愛奈との話が出来ないでしょ。全くもう」

愛奈「私とにこにーの二人だけの頃と違ってすごく賑やかね」

にこ「……まぁね。そっちはどうだったの?」

愛奈「転入したては全然駄目だった。二年目は漸く人が入ってきたんだけど、こっちでの一年目と同じ結果。正直、にこにーとの約束忘れてスクールアイドル辞めようかなって思ったんだけどね、一人戻ってきてくれたんだ。それで頑張ることが出来て、今年入ってきた子達と上手くいってラブライブ本戦にいけたわ」

にこ「そっか……。約束、守れなくてごめん」ペコリ

愛奈「ううん。19位まで上り詰めてたのに突然名前が消えたから驚いたけど、何か遭ったんでしょ?」

にこ「色々あったのよ」

愛奈「ま、わたし達も一回戦敗退だからμ'sが上がってきてても当たる前に終わってたんだけどね」

にこ「……」

愛奈「それでね、卒業したらスクールアイドルはおしまいでしょ? だから夏休みを利用して音ノ木坂と私の学校でライブ対決しましょう」

にこ「いいわね、それ。約束を破った分、勝って詫びてあげるわ」ニヤリ

愛奈「世の中そんなに甘くないわよ」

ことり(その台詞聞くとファーストライブの穂乃果ちゃん思い出すなぁ)キュン

穂乃果「だったらさ、他のスクールアイドルにも呼びかけて私達でラブライブを開いちゃおうよ! 舞台は講堂で本物とは比べられないくらい地味だけど、みんなで盛り上がりたいの。勝ち負けだけじゃなくて、にこちゃんがいつも言ってる来てくれたお客さん全員が笑顔になれるステージを魅せたい!」

愛奈「にこにー……素敵な後輩を見つけたんだね」

にこ「そ、そんなことないわよ。大体このバカの所為でラブライブに出場出来なくなったんだから」

穂乃果「あぅ」グサッ

にこ「でも、本物のラブライブより伝説的な最高の盛り上がったライブを魅せた伝説の中の伝説の偽ラブライブ伝説! 略してデンデンデンデンを開催するわ。穂乃果、ことり……あんた達二人は今回の宣伝部長として扱き使うから覚悟なさい」

ことほの「はーい」ホノカチャントイッショ♪

希「にこっち。最高に楽しそうやね」

にこ「当然よ」

絵里「理事長に参加の許可をまずは取らないといけないわね。生徒会長としてこちらは話を通しておくわ」

愛奈「でもにこにー。本物のラブライブの後だから参加をする学校があるかどうかも不明だから期待し過ぎないでね」

にこ「……分かってる。でも、少なくとも最高のグループが2つも参加するのよ? 伝説になるに決まってるじゃない」

愛奈「最高……か」

にこ「何よ、ラブライブ初戦敗退を思い出してるの? それって約束の相手であるμ'sがいなかったから力が抜けた結果でしょ?」

愛奈「にこにー」

にこ「愛奈」

真姫「ちょっと何変な空気を出してるのよ」

絵里「……ハラショー」

海未「真姫、それはちょっとKYですよ」

希「見当違いやけど可愛いからええやん」

愛奈「ふふふっ。可愛い、にこにー愛されてるのね。これ以上嫉妬されたら困るから早速大体の案を纏めちゃいましょうか? 絵里さんって呼んでもいい?」

絵里「ええ、私も愛奈さんと呼んでも?」

愛奈「構いません。参加の募集や場所や日時。その辺だけでも大体を決めておきましょう」

穂乃果「なんだか凄いね? ことりちゃん、海未ちゃん♪」

ことり「宣伝部長だから頑張らなきゃね☆」ピィィ♪

海未「私も力になりますから何でも言ってください」

凛「みなぎってきたにゃー!」

花陽「まさか私達であのラブライブを開催しちゃうなんて……夢みたいっ」

希「正に《夢》やね。皆で叶える夢物語」

にこ「でも、夢は見るものでも語るものでもない。現実で魅せるライブこそが夢なのよ」

真姫「……気合入れすぎて空回りしないでよね」

にこ「穂乃果の二の舞なんて踏まないわよ」

穂乃果「……ガーン」

真姫「それを言うならば二の舞を演じるですよ」

ことり「ああっん、穂乃果ちゃんがまたショックでダメージ受けてる。でもそんな穂乃果ちゃんも可愛い☆」ハァハァ

 その日の内に【皆で叶える夢物語 ~私達で作るラブライブ!~】開催の報せと希望校からの参加を受け付ける旨を新しく作ったサイトで発表した。次の日には両校のホームページにもそのリンクが設置された。

あんじゅ「ねぇ、これ見てみて~」

ツバサ「何よあんじゅ。また何か面白いものでもみつけたの?」

英玲奈「どれかしら?」

ツバサ「音ノ木坂ってこないだのライブの所よね?」

英玲奈「そうね」

ツバサ「なんだか面白そう」

あんじゅ「あたし参加したいな」

英玲奈「私も気になるわね。ツバサはどう思う?」

ツバサ「ん、まぁ借りは返さないとね」

あんじゅ「え~? 何か借りてたっけ?」

ツバサ「私達三人の休憩時間を奪った借りよ。特にプリティにこにー」

英玲奈「衣装から普段着に着替えるのも忘れて魅入ってしまったものね。本当ににこが小さくて可愛かったわ」

あんじゅ「じゃあ参加ってことで学校に話進めておくね~。にこちゃんに会うの楽しみだなぁ」

ツバサ「ま、他に参加するアイドルがいなくても勝つのは私達だからね。来たお客さん全員をA-RISEの虜にするわ」

 翌々日。μ's全員が驚きの声を上げることになった。参加アイドル希望の一グループ目がまさかの本家ラブライブで圧倒的実力を魅せて優勝したA-RISE。

穂乃果「す、凄いよ! あのA-RISEが参加だなんて」

海未「μ'sの母親が穂乃果とするならば、その父親がA-RISEですからね。考え深い物があります」

ことり「衣装は任せて! 前回のお詫びという訳じゃないけど、とびっきりの衣装を作ってみせるから」キュピーン☆

にこ「スクールアイドルの頂点が参加……。ふっふっふ。これもにこのカリスマ的魅力がA-RISEを動かしたに違いないわ。にっこにっこにー♪」

真姫「ってそんなワケある筈ないじゃない」

にこ「ツッコミ早っ!」

絵里「もしにこの魅力だったとしたら感謝ね。尤も、そんなことありえないけど」

希「……なんやろ。うちもありえんと思うのやけど、カードがにこっちのお陰と言ってるんよ」

μ's「…………ハラショー」

にこ「ほっ、ほらみなさい。にこにこにここの溢れ出るアイルーパワーのおかげげげなのっよん」

凛「めちゃくちゃ動揺してるにゃー。アイルービ○ゴはゴミにゃ♪」

花陽「解ります。にこ先輩の動揺は痛いほど解ります」

絵里「あ、もう一つ参加希望のグループからメールがきたわ」

海未「本当ですかっ!?」

希「どれどれ……これはコメントが随分と可愛いなぁ」

絵里「ええ、そうね。ラブライブでは500位以下でしたが参加希望してもいいですかって。にこ、どう思う?」

にこ「本家のラブライブの順位なんて関係ないわ。喜んで参加して欲しいって返信しておいて」

穂乃果「……ほのか、初めてにこちゃんが先輩に見えた」キラキラ

にこ「失礼ね!」

真姫「に、にこちゃん!」ギュッ

にこ「ぎゃっ! まっ、真姫ちゃん。なにいきなり抱きついてるのよ。離しなさいよ」

真姫「最初は身体と比例してプライドが高い先輩だと思ってたけど、こんな心の広いにこちゃんに育つなんて!」

にこ「プライドの高さだけで言えば真姫ちゃんだって同じでしょ! ってか、滅茶苦茶失礼よ!///」

ことり「にこちゃん文句言ってる割には顔が真っ赤だねぇ」コケー

穂乃果「本当。こないだ海未ちゃんのラブアローシュートを目撃しちゃった時の海未ちゃんみたいに赤くなってる」

花陽「ラブアロシュート? なんですか、それは?」

凛「なんだかカッコ良いにゃー」

海未「穂乃果! あれは秘密にするって言ったではないですか!!///」

穂乃果「あ、ごめんごめん」

にこ「何和気藹々としてんのよ! 早くにこを助けなさいよ!」

絵里「そのままでいいじゃない。微笑ましいし」

希「それに、にこっちの口が緩んでるみたいやし」

にこ「真姫ちゃん! いい加減にしないとバリツを使うわよ」

(ラララ~ララ~ラ~ララ~)

海未「それは私の技です。それに偽BGM的にソレはバル○ですよ」

絵里「ラブライブと関係ないネタ使ってると、かしこいかわいいIQ230京のエリーチカが逮捕するわよ!」

希「なんでホームズの技が海未ちゃんのなん?」

穂乃果「三人してキャラ崩壊し過ぎだよ」

ことり「これだと穂乃果ちゃんがボケる暇がないね」チュン

穂乃果「って、ことりちゃんそれどういう意味?」

花陽「そう言えばこないだ海未ちゃんが部室で一人で『ら~ぶら~ぶちゅっちゅっちゅっ♪』って恥ずかしい歌を歌ってたの見ました」ソロエテクレテアリガトー

海未「────」ガクッ

凛「恥ずかしさの余り海未ちゃんがダウンしたにゃ」

──聖モブ女学院高等部


モブ子「ね、見てみて。自分達でラブライブを開催だって」

モブ美「……卒業前の思い出作りとして参加してみる? 本物のラブライブは腰が引けてエントリー出来なかったけど、参加者もお客さんも少なそうなこのラブライブならやれそう」

モブ子「そう、だね。卒業したら別々の学部に行くことになるんだし。参加してみようか?」

モブ美「二人きりで始めて、一度も誰かに披露することなく終わると思ってたけど……感謝しないとね」

モブ子「うん! 約二年半の練習の成果全部出して……解散しよっか」

モブ美「ええ。エスカレーターとはいえ時期も時期だものね。寧ろ引退が遅いくらい」

モブ子「それくらい楽しかったから」

モブ美「そうね。色んなスクールアイドルを真似て踊って歌って……。それだけじゃ満足出来なくなって頑張って作詞して、下手だけど作曲して。振り付けなんて他所に比べたら拙いしダサいけど」

モブ子「でも、私は大好きだよ」

モブ美「ええ、私も大好きよ」

Wモブ「あはははっ」

モブ子「じゃあ、エントリーのメール送るね」

モブ美「最後のクリックは二人で押しましょう」

モブ子「うん」

Wモブ「参加……クリック!」


 結果だけ伝えると、この二人が引退するのは卒業式の日となった。予想とは段違いで多くの名の知れた参加者の中で極度の緊張をしていたが、そんな二人をにこと穂乃果が見つけて話を聞き、辞退を申し出ようとしていた二人の言葉を穂乃果が今回のラブライブの目玉企画を口にして遮られた。

 A-RISE(ラブライブ1位)のあんじゅ。Littele Tokyo(2位)の亜美。北海道のgirlish season(3位)の美弥。沖縄のLucky(4位)の七瀬。そしてμ'sのにこ・真姫。計六人がバックダンサーを勤める流れになったのだ。もう二人は緊張を通り越して完全にハイになって、最初で最後となるステージで全部を魅せつけた。これは今回のラブライブの伝説の一つとなった。

 そのステージを見ていた同じ学院の一年生達が二人の同好会に入り、部に昇格して二人が卒業式の日まで指導に明け暮れることになる。その二年後、聖モブ女学院高等部は本家のラブライブ本戦に出場を果たすことになるのだが、それはまた別のお話。

──音ノ木坂学院


穂乃果「なんだか凄いね。宣伝効果出すぎって感じだよ」

ことり「A-RISE参加っていうのが絶大の宣伝効果だよね」コケコッコー

海未「今回の大会のパトロンを申し出る企業までありますよ」

絵里「まさかここまで大きくなるとは思わなかったわね」

真姫「今回のラブライブ上位20組が全エントリーって本物のラブライブの再現じゃない」

花陽「花陽感激です! まさか自分達で立ち上げたラブライブが本物並みになるなんてっ!」

凛「かよちん違うよ。μ'sが出るんだから本物以上にゃ!」

にこ「今凛がいいことを言ったわ。もうこれは本物以上のラブライブよ。妥当A-RISE!」

穂乃果「あのさー、私ちょっと考えたんだ」

希「何か思いついたん?」

穂乃果「うん。これって本物のラブライブじゃないでしょ? だから、普段は絶対に出来ないことをやりたいなって思うんだー」

にこ「絶対出来ないことって何よ?」

穂乃果「うん。えっとね、あくまで例えばだよ? μ'sのメンバーとA-RISEが一緒になって歌うとか、メンバーを入れ替えて歌ったりとか。事前に承諾得て練習しないとだけど、お祭りみたいに賑やかな夢の中で輝きたいんだ。寝てみる夢は共有できないけど、現実で叶える夢は共有できると思うんだよ。このラブライブは私達が共有できる看板に偽りなしの夢物語にしたいんだ」キラキラ

ことり「穂乃果ちゃん///」トサカキュン!!

海未「全く……いつもいつも穂乃果は」ニコリ

真姫「流石μ'sのリーダーね」フフッ

花陽「素晴らしいですっ!」パァァ!

凛「すっごく楽しいそうだにゃー!」ピョンピョン

希「にこっちどう思う?」ニヤニヤ

にこ「…………っ」ウルウル

絵里「感極まって声が出ないみたいね。私はすごく面白いプランだと思うわ。そういうサプライズをお客さんに提供するっていうのはにこの信念に基づいているし。ただ、距離的に近いとはいえアイドルの格という意味ではμ'sとA-RISEは埋められない差があるわ。他のアイドルと組む話を──」

にこ「──待ちなさい。にこは部長なのよ。リーダーがそういう提案したなら部長であるにこがUTXに乗り込んで話をつけてくるわ!」

真姫「にこちゃん危険よ」

花陽「それにUTXのセキュリティは万全で、関係者でなければ入ることすら出来ないし」

ことり「いくらにこちゃんがギャグキャラでも捕まったら終わりなんだよ?」クルックー

にこ「ちょっとことり! あんた何気なく毒吐くわよね。誰も不正侵入や特攻するつもりはないわよ。受付に言ってμ'sのにこが呼んでるって伝えて貰えば入れるなり、来るなりするわよ」

海未「あなたはどこのVIPですか」

絵里「にこに一任するわ。アイドルへの執念はこの部では一番長いわけだし」

にこ「執念言うんじゃないわよ!」

花陽「くっ……長さでは勝てない」

凛「かよちんは相変わらずアイドルに関する時は性格が変わるにゃー」

──UTX学院前


にこ「……相変わらずムカつく建物ね」

真姫「憎まれ口叩かないの。喧嘩しに行くわけじゃないんだから」

にこ「そうだけど……やっぱり色々と思うことがあるのよ。廃校騒ぎの原因は間違いなくここの所為だし」

真姫「そのお陰で穂乃果がμ'sを結成して私達がこうして出会えたんじゃない」

にこ「……それもそうよね」

真姫「こういうと失礼になるかもしれないけどね、もしにこちゃんがUTXに入れるくらいに余裕のある家庭だったらって考えるとね、今の家庭ににこちゃんが生まれたことを感謝しちゃうわ」

にこ「超嫌味ね」

真姫「違うわよ。だって、そうなったら私とにこちゃんは敵にはなれても仲間にはなれなかっただもの」

にこ「《私》もね、今となってはUTXに入れなくて良かったって思ってるわ。望まれた環境にいたら今みたいに自分達で大会を開こうなんて考えられなかったもの。アイドルって与えられた環境で笑顔を与える仕事。一から環境を作っていくだなんて一生の思い出よ。皆に出逢えた事、今回の事、穂乃果には感謝しきれないわね」マジメナトキハワタシケイジョシ

真姫「普段は尊敬の欠片も抱けないけどね、ふふっ」

にこ「……ただ、穂乃果には少し嫉妬もするわ」

真姫「にこちゃんにはにこちゃんの魅力があるわよ。穂乃果に負けないくらいの魅力がね」

にこ「さ、そろそろ行きましょう。A-RISEがにこに会いたくて待ちわびてるわよ」

真姫「待ってないわよ。連絡先知らないんだから」

──受付前


受付嬢「何か御用でしょうか?」

にこ「すっいません。私、音ノ木坂学園でスクールアイドルμ'sをしてます矢澤にこと申しますが、A-RISEのメンバーは今おりますでしょうか?」

真姫(緊張してるにこちゃんも可愛いわね。それに、μ'sを微妙にミーズって発音してたわ。学園じゃなくて学院だし。ちなみに私・にこちゃん・絵里・海未。この四人は名前呼び捨て組みだけど、私とにこちゃんはお互い《だけ》ちゃん付けで呼んでるの。これがどう意味なのか分かるかしら?///)

受付嬢「矢澤にこ様ですね。話は伺っております。失礼ですが身分を証明出来る物はございますか?」

真姫(え……伺ってる? これは絵里と希の仕業ね。メールで参加のやり取りあったのだから私達が来る前に直接A-RISEに連絡を入れて許可を取っておいたんだわ。それを私達には報せないなんて……お陰で可愛いにこちゃんが見えたから許してあげるけど)

にこ「えと、がくせいしょっでよろしいでしょうか?

受付嬢「構いません」

にこ「で、ではっ……これを」

受付嬢「確認させていただきます」

真姫(にこちゃんは音ノ木坂だからこそのびのびとやれてるのね。さっきも言ったけどもしUTXに入ってたら萎縮して空回りし続けてたかも。つまり、ミーとにこちゃんは出会う運命パト…///)キュイン♪

受付嬢「確認が取れました。只今案内の者をお呼び致しますのでもう暫くお待ちください」

にこ「はい……。ということよ。待ちましょう」

真姫「物凄く緊張してたわよ」

にこ「……ちょっとだけ緊張したわね」

真姫「私に任せてくれれば良かったのに。私は病院によく行くから、人馴れしてるし」

にこ「真姫ちゃんが人馴れぇ~?」

真姫「なっ、何よ!」

にこ「そうやって直ぐ声を荒げる辺りアイドルとしてもお医者さんとしても修行が足りないにこ」

真姫「うるさいわね。さっきのにこちゃんよりマシよ」

にこ「うっ……」

真姫(直ぐに丸め込めまれるにこちゃん可愛いわ///)

──A-RISE前


にこ「はっははははじめましって! 音ノ木坂学院でにこをしてるμ'sです。本日は良い天気でありがとうございます」

真姫(花陽が来たがってたけど、絵里が止めたのは正解だったわね。緊張と暴走でA-RISEが参加取り止めになって色々問題が起きたかもしれないわ)

真姫「同じく音ノ木坂学院アイドル研究部μ's。一年の西木野真姫よ。よろしく」

あんじゅ「にこちゃん可愛い。私は優木あんじゅっていうのよろしくね」

ツバサ「私は綺羅ツバサ。苗字は固いから名前で呼んでね、にこにー」

統堂英玲奈「私も名前でいい。よろしく、にこ」

にこ「よろしくお願いしますニコ」

真姫(ムッ……何よ、私は無視なわけ? ていうか、にこちゃんに釘付け過ぎない?)カミノケクルクル

ツバサ「まずは最初にすべき事から片付けよっか。そっちの生徒会長からはにこにーから聞いてくれってことだったけど」

にこ(落ち着け。落ち着くのよにこ。相手は私の憧れのスクールアイドルってだけよ。毎日見てる顔じゃない。緊張することなんてないわ。まずは呼吸を整えてからね)

にこ「…………」スーハースーハー

あんじゅ(超可愛いなぁ)

英玲奈(連れて帰りたい)

ツバサ(交渉事を提示される前に無条件降伏しちゃいそう)

真姫(A-RISEって思ってたよりも危ないメンバーなのかも。野獣の様な目で私のにこちゃんを見てるわ。責任を持って無事にこちゃんを家まで送り届けなくちゃ。ただ、にこちゃんちのマンションはエレベーターがないから不便なのよね)

にこ「今日はお願いがあって来たの。まずは始めに私達が提案したラブライブに参加してくれてありがとう」ペコリ

ツバサ「お礼なんていいよ。出たいと思ったから出るだけだし」

にこ「A-RISEが出るというだけで参加希望が爆発的に上がったわ。今のところ何日間連続で開くことになりそうなの。必然的に夏休みの最中ってことになるわ」

英玲奈「どういう風に採点を決めるの?」

にこ「それなんだけど、今回はそういうのなしでいこうかと検討してるの。ううん、ここからが今回の問題なんだけどね……」

にこ(緊張でつっかえつっかえになったり、頭が真っ白になったりすると真姫ちゃんがフォローしてくれて、穂乃果が提案した事を無事伝える事が出来たわ。そして、肝心な合同的な物はどうか提案出来た)

あんじゅ「面白いことを考える子がいるのね。私は賛成(にこちゃんと組むわ)」

英玲奈「……私もいいと思う(にこと組もう)」

ツバサ「私も同じ意見(にこにーと組める)」

にこ「本当にっ!?」

真姫「ヴェェ!!」

にこ「ありがとう。その次いでで悪いんだけど。こっちは本当に嫌だったらいいんだけど……。人数少なかったり、人前で歌うのが初めてとかのグループもあると思うのよ。失敗しても最高の思い出になるようにバックダンサーで踊ったりして欲しいの。勿論メインとしては代表の私達二校がメインでそういうのを受け持つけど、うちはラブライブに出場出来なかったからA-RISEみたいな有名な人と一緒にステージに上がれたってだけで一生の思い出になると思うの。ううん、なるわ!」クワッ!

A-RISE「……」

にこ「参加日に暇を持て余して他にやることがないって時だけでいいから。気が向いたら」

英玲奈「私達はまだプロじゃない。だからこそ、そういう自由な事をしても良いわよね?」

あんじゅ「他のスクールアイドルの子達とバックで踊るなんて面白そう」

ツバサ「本当に愉快なことを思いつくものだね。参加日以外でも、暇を持て余してたら参加させてもらうよ。で、一体誰の発想なんだい?」

にこ「普段は頭の中にお花畑咲いてるような子だけど、μ'sの自慢のリーダーの穂乃果よ!!」ドヤァ

A-RISE(超絶!! 可愛い!!)オセー

真姫(しかし穂乃果って本当に凄いわね。話に口を出しただけでスクールアイドル界が大いに動く大会になって、提案した案まで実現可能になっていく。勿論、にこちゃんの交渉あっての結果だけど)

にこ(無事にやり遂げたわ。これで部長としての威厳が保たれた。でも、今夜はヤバイわね。興奮して絶対に眠れないわ。って、しまったあぁぁっ! にことしたことが色紙を持参するの忘れた! A-RISEに会うのに色紙を持ってこないなんて、失礼だし究極的に悲しいし。制服に書いて貰う訳にもいかない……。こうなったらパンツしかないわ!!)キリッ

──音ノ木坂学院


絵里「ハラショー」

穂乃果「結果出た?」

絵里「ええ。参加グループ全405グループ。人数が1658人」

ことり「すご~い♪」ハーイ

真姫「物凄い人数ね」

海未「日数や時間の配分が大変そうです。楽器を使わない分まだマシですが」

希「これはもう特設ステージ組み立てて野外でやるしかないんとちゃう? 屋台とかファングッズの出店とかスポンサーになってくれる所に権利渡せばWINWINになるんちゃうかな?」

花陽「利益を考えるのならば伝伝伝みたいに撮影したものを後に販売というのが一番だと思います」

凛「それはかよちんが欲しいからにゃー」

花陽「当然だよ! これはもうにこちゃんが言う通り。伝伝伝伝と言えるくらいの奇跡の祭典! スクールアイドルがメジャーになって始まったラブライブその全てを超える最初で最後の桃源郷!!」

凛「暴走したかよちんも凜は好きだにゃー」

ことり「仮設住宅みたいなものも作って貰わないと着替えとか困るよね。衣装の管理もあるから鍵を掛けられないとだし。警備も必要だと思うの」チュン

絵里「そうよね。人が多くなれば治安の維持も大切だものね。生徒会の仕事より何倍もハードね」

にこ「他に任せられる人がいればいいんだけど。絵里だって明日から始まるA-RISEとの合同練習で一杯いっぱいになるだろうし」

海未「ですが責任重大なことですから安易に人に任せるということも出来ませんよ。それに、信用出来てこれだけの事柄を解決出来るような人物なんて居る訳がありません」

穂乃果「……あれ? 信頼できて、こういうのが得意な人? いるよいる!」

ことり「本当? 穂乃果ちゃん♪」チャーン

絵里「本当なの?」

にこ「にこは嫌な予感しかしないわ」

真姫「私もにこちゃんと同じ。ありえない名前が出てきそう」

穂乃果「ことりちゃんのお母さん!」

ことり「ぴぃぃぃっ」バブー

──理事長室


理事長「それで、私にお願いしたいと?」

絵里「はい。一応これもスクールアイドルの問題ですので。大本を正せば学校の責任者の理事長に手伝って貰うのはおかしなことじゃないと思いまして(自分で言ってて何だけど十分におかしいわよー)」

理事長「……自分で言ってる意味分かってる?」

絵里「分かってます(頭が痛いほどに……)」

理事長「…………しょうがないわね。スクールアイドルの活動を潰そうとしていた貴女に対してそれを拒否してたのは私。おまけにあなた達は廃校を撤回させる活躍をした。子どもの頑張りに答えない親は失格ね。それに、これは流石に子ども達に任せられる内容ではないみたいですし。任されます」

絵里「本当ですかっ!?」

理事長「正し、夏休み前の期末テストで赤点を取るようなことはないようにくれぐれもしっかり勉強させてくださいね?」

絵里(……この件とは別の意味で難しい条件だわ。希の話では同じ条件で実力テストを乗り切ったらしいけど、A-RISEとの練習ありの中でだから難易度は比べるまでもないわ。それに実力テストと期末テストでは範囲の広さが違うし。私と希……それから誰かもう一人にお願いしてマンツーマンで教えていくしかないわね)

理事長「駄目そう?」

絵里「いえ。目処はつきました。今回の件よろしくお願いします」ペコリ

──μ's部室


穂乃果「そ、そんなぁぁぁ!」ガーン

凛「意地悪だにゃぁぁぁ!」ズーン

にこ「にっこにっこにー♪」

希「にこっち。誤魔化そうとしても無駄やで。なんならわしわししたろか?」

にこ「ひぃっ! 冗談よ。勉強すればいいんでしょ」ビクビク

海未「では穂乃果の勉強は私がみましょう。前回は途中までほとんどことりに丸投げになってしまいましたから」

ことり「大丈夫だよ? 海未ちゃんは部活に作詞に家のことに自分の勉強じゃ大変でしょう? 今回も私に任せて大丈夫だよ」ミダレヅキ!

海未「いえ、私は平気です。勉強は穂乃果に教えながらで復習になりますし、作詞も穂乃果が悩んでいる間に考えたりすれば十分です。だから私に任せてください。ことりは衣装作りに専念してください。それにバイトもあるでしょうから。ことりの方が大変でしょう」ニコリ

ことり「えぇ? ことりは平気だよ。それにバイトは留学するからって辞めてあるし。衣装だって作り出せればさくさく進むし、疲れてても出来るし。海未ちゃんの場合部活にしろ、お家での日舞の練習にしろ身体を使うから大変でしょう?」ハカイコウセン!

海未「それくらいで苦になるような鍛え方はしてませんよ。それに、こういう面での穂乃果のお世話をするのは私と相場が決まってます。ことりは留学の準備で学校を休んでたので自身の遅れを取り戻すことに専念してください」キッパリ

ことり「」ハンドウデウゴケナイ

希「穂乃果ちゃんは実に愛されてるなー」

凛「あれは海未ちゃんが空気読めてないだけにも見えるにゃ」

花陽「で、でも。海未ちゃんが一番好きな友達って穂乃果ちゃんだろうし。そういう意味では無意識に反応してるのかもしれないよぉ」ドキドキ

絵里「ほ~ら。凛は自分のことをまずは考えなさい。私と希、どちらから勉強教わりたいの?」ニッコリ

凛「うにゃ~……凜はかよちんに教えて欲しいにゃー」

花陽「私っ?」

希「それはちょっと難しいで。体力不足の花陽ちゃんには合同練習の後で教えるんは難しいだろうし」

凛「……だったら凜は絵里ちゃんがいいにゃー」

絵里「分かったわ。私が面倒見るからには全教科80点を目指すから覚悟してね」

凛「うにゃ~~~~~」

希「ということでうちが担当するんはにこっちになったみたいやで」

にこ「うげっ! よりによって希ぃ」

希「ソレどういう意味なん? わしわしMAXで身体に聞いた方がいいんやろうか?」

にこ「ちっ、違うの! にこは…………そう、にこは只大好きな真姫ちゃんに教えて欲しいだけラブニコ!」アセアセ

真姫「ヴェェェェ!!/// な、何言ってるの。イミワカンナイ」カァァァ

希「残念やけど真姫ちゃんは一年生やからにこっちの勉強をみる事はできんよ」

にこ「……ガクリ」

希「燃え尽きるんは期末テストが終わってからや」

絵里「違うわよ希。私達のラブライブが終了する日までよ。その後は何日か休みを入れるから英気をやしなって」

にこ「おにぃぃ」

凛「あくまにゃぁ」

絵里「穂乃果よりマシだと思うけど?」

海未「ということですので、朝起きて練習に行くまでにする勉強がことり、練習が終わってから眠る前までの勉強が私が担当することになりました。しっかりとするのですよ」

ことり「モーニングコールは任せてね」チュンチュン♪

穂乃果「私の輝かしい日常生活が」ガクッ

希「二人もああなりたいん? うちらは全然OKやけど」

にこ「ひぃっ! 冗談じゃないわ。私はこころとここあのお世話があるし、朝からなんてこられたら超迷惑よ」

凛「凛も朝はかよちんの顔を見るまで起きていないも同じだから遠慮するにゃー」

絵里「テストが終わって夏休みになっても、練習がきつくなるとは思うわ。でも、今回のことが終わったら何か御褒美を考えるから頑張って」

凛「だったらまた皆でお泊りにいきたいにゃー。今度は完全に遊びだけで!」

花陽「で、でも……枕投げはもう……嫌だよぉ」ガクガク

絵里「」

にこ「」

真姫「」

凛「」

希「うちはアレはアレで面白い思ったけどなー。むしろ枕という武器がなかったらどんな動きが出来るのか、いや出来てしまうのか。スピリチュアルにも似た何かを垣間見ることが出来そうやし」

花陽「だ、誰か助けてっ!」

──μ's & A-RISE


海未「流石現スクールアイドルの頂点。一つ一つの動きが流暢でまるで演舞のようです。映像を観てその凄さを知ってましたが……。いえ、ですがこちらにはそんなA-RISEを含めて『子どもの遊び』と言っていた絵里がいます。大丈夫です」

穂乃果「見事に海未ちゃんが混乱してるねー」

希「えりちは随分と大胆なこと言ってたんやね」

真姫「そんなことより問題なのはどうしてにこちゃんにばかりあんなにベタベタしてるのかってことよ!」

花陽「そうです! わ、わたしもあんな風にA-RISEのメンバーに囲まれたい……は、鼻血が出ちゃいそう///」

凛「かよちんには凛がいるにゃ」

ことり「はい、穂乃果ちゃん。こまめに汗を拭かないと駄目だよ?」フキフキ

穂乃果「ありがとう。そうだよね、また風邪引いたりしちゃわないようにしないとね」

ことり「そうだね。勉強での疲れもあるし、夜は早めに寝て朝は早く起きるスタイルにすれば風邪は引かないよっ」チューン♪

絵里「ハラショー。……意外とことりって腹黒いわね」

花陽「感激過ぎてカレーが食べたくなってきました。勿論白いご飯とカレーは分けて下さい。花陽感激!!」

凛「じゃあ凜はラーメンが食べたいにゃー!」

希「ほんならうちは寿司やね。他にも宇宙とかハンバーガーやらマンボウにバニー……黒ウェイトレスにGにオカマのキスミー。って、スピリチュアル過ぎて何がなんだか分からんね」

絵里「希までキャラ崩壊……。どうすれば」海未「だっだだ、大丈夫に決まってます。だって絵里は何年もブランクがある上に結果が残せなかったにも関わらず『子どもの遊びじゃないのよ、そこのA-RISE』って言えてしまうくらいの兵ですからね!」

絵里「待ちなさい海未! そんなことまでは言ってないわ。キャラ崩壊はことりと真姫だけで十分よ。私が言ったのは素人よ。どうせ私が入っても結局19位が関の山だったわ! うわぁ──ん! エリチカ、おうちに帰る!!!」

にこ「最後に一緒に歌うとして、その前に最低二回は入り混じった組み合わせでやりたいのよ」

あんじゅ「こっちが三人でそちらが九人だから、1:3で組んで3チームかな? それとお互いの曲を使うから最低二曲ずつ?」

英玲奈「でもにこは部長だから全部出た方がいいんじゃないかしら?」

ツバサ「そうだね。1:3が一つ。1:3+にこにーが二つのチームが理想かしら」

にこ「えぇっ!? にこが全部出るの? にこの練習量が半端ないことになるんだけど」

英玲奈「大丈夫。身体に教え込むから」

真姫(か、身体に教え込むですって! 私のにこちゃんに何をするつもりよ。ふざけんじゃないわよ。たかだか高校生が医者の娘の私より人体の構造を把握してると思ってんの?)

花陽「ヒッ! なんだか真姫ちゃんが怖い……ダレカタスケテー」

にこ「言いたくはないのだけど、テストの方の勉強を疎かにできないのよね。だからこっちだけに集中する訳にはいかないのよ」

英玲奈「勉強なら私がみてあげるわ。去年の範囲くらいなら余裕よ」

にこ「は? 去年??」

あんじゅ「私だって力になれるわ」

にこ「ちょっと待って。あんた達もしかして……にこのこと年下と勘違いしてない?」

A-RISE「……あ」

あんじゅ「そう言えば年上だったよね」

英玲奈「忘れていたわ」

ツバサ「そうだったね」

英玲奈「でも、三年の夏までの範囲くらいなら教えられる筈よ」

にこ「」A-RISEの活動で忙しいのにそこまで勉強出来るの!?←魂の叫び

英玲奈「プロのアイドルになったら何が必要になるか分からないし」

にこ「」にっこにっこにー♪ ←現実逃避中

あんじゅ「最低限は出来た方がいいものね」

ツバサ「にこにー……アイドルに勉強なんて要らないわよね」ポンポン

にこ「ツバサちゃんとはいい友達になれそうだわ!」

真姫(私の方がにこちゃんと親しいわよ。大体リーダーの癖に勉強出来ないとかありえないし!)

穂乃果「くしゅっ!」

ことり「風邪かな? 汗をもっと丹念に拭くね」フッキフッキ♪

穂乃果「ことりちゃん、ごめんねー。でも、別に寒気とかないし噂でもされたのかも」

真姫(…………うちのリーダーも大概だったわね)

──にこちゃんの墓~にこちゃん何で死んでしもうたんやろ~


穂乃果「ほのかね、ここに来るたびに思い出すんだー。あの忘れられない夢のような夏の日々を」

凛「凛もだにゃー。すっごく楽しくて、一生忘れられない眩しい日々だった」

穂乃果「実を言うとね、にこちゃんならゾンビになって生き返るんじゃないかって思ってたんだ」

凛「生前より元気になっても不思議じゃないにゃー」

穂乃果「現実って厳しいよね。世の中そんなに甘くないっ!」

凛「にこちゃんは今でもあの夏で待ってるにゃ」


海未「いつまでも現実逃避してないで次の応用問題です。穂乃果はただでさえ他の教科も怪しいんですから。一番苦手な数学を早めに覚えてください」

希「次ボケたら二人共わしわしMAXいくからね~」

真姫「……いつもなら一緒になってボケるにこちゃんが無心で勉強してるのが奇跡よね」

花陽「というか、ふざけてる余裕がないというのが正直なところかと」

絵里「A-RISEに押し切られてにこの出番だけ多いものねぇ。唯一の救いといえば、今回のラブライブは5日日間連続で開催されるから失敗しても印象が薄らぐということかしら」

ことり「それってにこちゃんが失敗すること前提で話してますよね」クックー

絵里「まぁね。でも、今回は来てくれたお客さんだけじゃなくて、私達も楽しむステージって流れになってるから。失敗もいい思い出になると思うわ。力みすぎて失敗はしなかったけど終わった後に何も記憶に残ってないって状態よりマシだと思う。……私が昔そうだったから」

ことり「クロウトキドリ、マケイヌ、エリーチカ」チュン

花陽「」

絵里「──ヱ? 今、ことり何か言った?」

ことり「ナンデモナイノヨ!」チュンチュンチュン!

花陽(……ことりちゃんって実は怖い!?)

絵里「そうそう、昨日A-RISEから連絡が入ったんだけどね、μ'sとは別にA-RISEはLittele Tokyoと組んで歌ってくれるって話よ」

花陽「本当ですかっ!? 嗚呼……素晴らしい、素晴らしすぎます! 例えるなら魚沼産コシヒカリをオカズにササニシキを食べるようなものです! こないだのラブライブの1位と2位の奇跡のコラボレーションだなんて、花陽もうお腹空いてきました! 白いご飯炊かなきゃ!!」バビューン!

絵里「あ……行っちゃったわね。まだ報告することはあったんだけど」

真姫「後で私から伝えておくから話して頂戴」

絵里「他のグループの子もノリがよくって、3位と4位だった沖縄と北海道の子達も早めにこっちに来て練習するって」

花陽「ソレッ! 本当ですかっ!?」シュタッ!

真姫「ひっ!」ビクッ

絵里「お、驚いたわ。さっき出て行ったのに、よく聞こえてたわね」

凛「アイドル関連の話になるとかよちんイヤーは地獄耳なんだにゃー。かよちんウィングで空も飛べるにゃー」

絵里「ハラショー」

花陽「ああっ、私もうっ……μ'sに入って本当によかっ……た」ガクリ

ことり「花陽ちゃんが何かをやり遂げた顔で眠りに……。まだ何もしてないのに死ぬなんてなんて……ザコキャラ」ダイゴカイニンキトウヒョウノコトナンテキニシテナイピヨ!!

凛「かよちっ──ひゃぁぁっ!」

希「言った筈やん? 今度はわしわしするって」ワシワシ

凛「はぁっんぅ、誰か助けてにゃー!」

穂乃果「……うみちゃ~ん。ほのかのおまんじゅう食べていいから休憩しよう」

海未「確かに私の好物は穂むらのおまんじゅうですがそんな賄賂は受け付けません」

ことり「ほ、ほのマン///」ビクンビクッ!!

真姫「ほら、にこちゃん頑張って。今日のノルマまであと20ページよ」

にこ「」

海未「穂乃果、そこもここも間違ってますよ。集中力が足りてない証拠です。これが終わったら家の道場で精神統一でもしましょう。それから夜の勉強をすれば効率が上がる筈です」

穂乃果「下がるよ~」

ことり「穂乃果ちゃんと夜の勉強///」モウラメェェ!!!

希「かくして、彼女達の受難は続くってところやね」

──100万回死んだにこ


にこ「生きてるーーーーーー!!」バンザーイ

絵里「ハラショー。正直な話、にこの赤点を出した際の理事長への土下座の覚悟は既に出来ていたのだけど……」

希「うちのカードもにこっちが赤点取ることを予言してたんよ? 正に運命を自分の手で勝ち取った奇跡やね」

ことり「おめでとー」ピヨッ!

海未「にこは大変良く頑張りました。穂乃果も凛もきちんと結果を残して素晴らしかったですよ」

穂乃果「……うみみちゃ~ん、夢に出てきて勉強させるのもうヤメて」シロメ

凛「もうわしわしは嫌だにゃー」シロメ

ことり「はぁ~ん♪ 白目で絶望してる穂乃果ちゃんもトサカキュンキュンしちゃう♪」ハァハァハァ

花陽「ほら凛ちゃん。この花陽特製おにぎりを食べて元気だして、ね?」

凛「……パクパク…………元気一杯だにゃー! ありがとう、かよちん!」

花陽「どういたしまして」ニッコリ

真姫(……どうしてこういう時ににこちゃんだけ元気なのよ。落ち込んでれば花陽がしたみたいに元気付けられたのに。空気を読まないんだから!)ツンツン

ことり「ほら元気出して穂乃果ちゃん。元気出してくれないと……ことりのおやつにしちゃうぞっ☆」ホッペプニプニ

穂乃果「あぅあぅあ~」

海未「穂乃果! ここからがスタートなんですよ? そんな調子でどうするんですか」

にこ「そうよ! これからが真夏の祭典への道が始まるのよ。アンタはリーダーなんだからしっかりしなさいよね。私なんてあんたより沢山の事を覚えなきゃいけないんだから」

絵里「とは言っても、今日ばかりは軽めの練習で終えてあげるくらいしてもいいんじゃないかしら。切り替えをしっかり出来ないと身に付かなくなるし」

希「そうやね。無理に詰め込んでも良い事ないし」

ことり「ということだから穂乃果ちゃん。今日はことりの家に泊まりに来ない? マッサージしてあジュル」コケコッコー♪

真姫(どうして今の件で最後まで言えなくなるくらいに涎が溜まるのよ。イミワカンナイ……。でもそうね、私がにこちゃんのお風呂上りにマッサージすることを想像してみれば…………ヤバイわね。私はことりみたいなレズじゃないけど。口の中に涎が溜まるわ)

海未「でしたら私も御一緒しましょう。二人は御存知ですが、私は疲れに良く効くツボを心得ていますから」

穂乃果「いっらないいらないっ! 海未ちゃんのアレってすっっっごく痛いんだもん。ほのかあんな痛いの二度と受けない!」

ことり「ぴぃぃっ! ことりも嫌だよぉ!」バッサバッサ

海未「良薬口に苦しと同じです。痛いからこそ効いている証拠ではないですか。夏休みに入ったら本格的な練習になるのですから、今残ってる疲れは全て解消させます」

ことほの「」ガクリ

凛「かよちんも凛の家に泊まりにくるにゃー」

花陽「へ、平日だからお母さんの許可もらえるかなぁ?」

凛「凛も一緒に説得するから大丈夫にゃ」

希「みんな仲良しやねぇ」

絵里「英気を養うという意味では理想的ね」

希「うちらもお泊り会する?」

絵里「希が家に来たら亜里沙がはしゃいで遅くまで寝なそうだから残念だけど遠慮しておくわ。夏休みになったら是非泊まりに来て頂戴。これは他の子よ? 特に海未は一度は泊まりにきてね?」

希「ほな、夏休みに行かせてもらうわ」

海未「私もですか? ええ、絵里がいいのであれば三人でお邪魔させてもらいます」

真姫(家に泊まりに行くとか誰かがくるとかは実は経験がないのよね。だから合宿の時はどうしたらいいか分からなくて、素直になれずににこちゃんと一番離れてたし。しかし、これはいいチャンスだわ。周りがみんな誘ってるのだからここで私がにこちゃんを誘ってあげても不自然じゃない。ううん、誘わない方が失礼よね!!)

海未「にこも一緒にどうですか? これから一番疲れるにこにこそ必要だと思いま──」

真姫「──だめぇぇぇぇぇ!!!」

うみにこ「っ!?」

真姫「あ……」カァァァァ

海未「なるほど、そうでしたか。先約があったみたいですね」

にこ「え、ええ。実はそうなのよ。だから二年生組のお泊りには参加できないニコ☆(はぁ~危なかったわ。真姫ちゃんが機転を利かせて嘘を吐いてくれなかったらせっかく生き抜いたのに、信者海未ところだったわ)」シンジャウダヨー

真姫(やったわ! 海未のお陰で恥ずかしい思いもしたけど、にこちゃんとお泊りの約束が出来たわ。これはもう海未信者になっちゃうところね)

希(今にこっちと真姫ちゃんの微妙なシンクロを感じたけど、かなり間違った考えしてそうやな。どっちかの背中押しておかないと些細な行き違いでこじれるかもやし。ここは単純──こほん、真姫ちゃんよりも年上のにこっちの背中にしておこうかな)プッシュボタンヲオスンダー!

絵里(希がお世話顔になってるわ。希ってここが共学だったら隠れファンが多そうよね。隠れだから普段は海未とか真姫を推してるんだけど、恋心は掴まれてる感じ。1位には前に出ようとしない希の性格的になれないけど、かなり根強い人気がありそう。人気投票とかあったら私は希に投票するわ!)

花陽(あ、希ちゃんがお母さん顔になってる。あの顔を見ると炊きたてご飯にお味噌汁が食べたくなるんだよね。えへへ///)

凛(かよちんがご飯食べたいモードの顔になってるにゃー。凜もラーメンが食べたくなってきた!)

海未(にこと真姫はお互い素直になれないでいながらも、気付けば一緒に居るから不思議です。もし、私が幼い頃に穂乃果やことりに出会えなかったら……。もしかしたらこの二人以上に素直になれない不器用な性格になってたのかもしれません)

ほのこと「」ホーホケキョ

──アニメはほのこと推しだからうみみちゃんが可哀想


にこ「にっこにっこにー♪」

真姫「随分と嬉しそうね」

にこ「テストさえ終わってしまえばもう怖いものなんてないわ。それに、体力面だけでなく精神面を鍛えるという意味では今回の経験はアイドルになってからの血肉、にこの歴史になると思うの。お正月の二日目と三日目にライブが入ってたって乗り切れるみたいな感じで!」

真姫「イミワカンナイ」

希「意味分からんついでにちょこっとだけにこっち借りてくで」グイッ

にこ「ひぃっ!! な、何よ希。もう戦争(テスト勉強)は終わった筈でしょ」

希「甘いでにこっち。戦争(青春群像)はこれからやん。真姫ちゃんは部室でちょっとばかし待っててな」

にこ「ちょっと。にこの同意を得ずに話を進めって、にこの話を聞きなさ~い!!」ズルズル

真姫「……なによ、あれ」ムスー

絵里「希を怒らないであげて。にこに余計なお節介焼いてるだけだから。そんなお節介に私はいつも救われてる。真姫だって覚えがあるんじゃない?」

真姫「ないわけじゃないけど」

絵里「だったらそんな怖い顔してないの。スクールアイドルなんだから笑顔を心がけなきゃ。別ににこのことを取って食べたりはしないわよ」

真姫「でも希ってにこちゃんの胸を揉んだりするじゃない! 羨ましい!」

絵里「本音まで漏れてるわよ。あれは希なりのスキンシップっていうか、希パワー注入の意味合いがあるの」

真姫「じゃあマッキーパワー注入☆ ってキャラになれば合法的ににこちゃんの胸を揉めるってこと!?」

絵里(ハラショー。にこのあの胸板を触りたいって……どれだけにこのことが好きなのよ)

穂乃果「三人でお泊りなんて久々だねー♪」

ことり「そうだね。最近はあっても穂乃果ちゃんと二人きりでだったものね」ピュー♪

海未「そう言われればそうですね。前回の勉強の時も穂乃果の家に泊まりに行ったのは私だけでしたし」

穂乃果「…………あれも思い出したくない辛さだったなー」

海未「授業中に寝ているからこんな皺寄せがくるんですよ。きちんと毎日勉強していけばテスト前に詰め込まなくても結果がついてくる物です」

穂乃果「それは出来る人の理論だよ」ブーブー

ことり「賢くないから穂乃果ちゃんは可愛いんだよ。気にしちゃ駄目☆」ニコニコ

穂乃果「うわーん! ことりちゃんにバカって言われたー」

海未「確かにことりの言うことも一理……いえ、十理ありますね」フフッ

穂乃果「ぶーっ! 海未ちゃんまで~。ほのかもう知らない!!」プンスカ!!

ことり「ごめんごめん。穂乃果ちゃんは良い所も駄目な所も魅力的って言いたかったの。ことりは穂乃果ちゃんの全部好きだよ」キャー///

雪穂「」

海未「だからこそ穂乃果の周りにはいつも人が集まるのでしょうね。私も穂乃果のことが好きですから不貞腐れないでください」

穂乃果「ほのかもね、ことりちゃんと海未ちゃんの事大好きだよ! いつか離れ離れになるとしても、絶対にこの絆は変わらないって信じてる!」キラキラ

ことり「うん!」チュン☆

海未「はい!」ニッコリ

雪穂「」

穂乃果「じゃあ、海未ちゃんと出逢ったあの公園に寄って行こうよ。競走だよ、ドーン!」ニッポンイチー

ことり「あぁん! ずる~い。待ってよ穂乃果ちゃ~ん」タッタッタッ

海未「ふふっ。ひきょ──くしゅん! 卑怯ですよ、穂乃果!」タッタッタッ

雪穂(……お姉ちゃん達は昔からそうだけど、声を掛けられないくらい恥ずかしいこと平気で言い合うんだよね。こうして発見すると恥ずかしいったらないし。でも、ちょっと羨ましい。…………私も、音ノ木坂に入ればあそこまで深い絆の仲間が出来るのかな? むぅ~……お姉ちゃんの妹じゃなかったらUTX一択なのに。もう少し悩もう。亜里沙は音ノ木坂で決まりみたいだけど。もう! お姉ちゃんがスクールアイドルなんて始めなければ自分でなりたいなんて思わなかったのにー!! 今日からダイエットだ!)

──にこの歴史にまた1ページ


にこ「それで話って何よ? 帰ってこころとここあと遊んであげようと思ってたのに」

希「やっぱり……にこっちは常に変わらず残念やねぇ」

にこ「なに人の顔を見ながらしみじみ失礼なこと言ってるのよ。喧嘩売ってんの!?」

希「ほんまのことやん。真姫ちゃんはにこを家に泊める気満々なんよ?」

にこ「はぁ? どうして真姫ちゃんが??」

希「さっき真姫ちゃんがにこっちを誘ったやん」

にこ「でもアレはにこが園田家に伝わる秘孔圧しから救う為に咄嗟に言っただけよ」ノッタラバ!!?

希「…………はぁ~。こんなこと言いたくないけど、真姫ちゃんはそんな器用な子やないよ? ある部分ではにこっちよりも不器用だし」

にこ「い、言われればそうね」

希「せやろ? にこっちのお母さんは平日は何時くらいに帰ってくるん?」

にこ「大体七時頃ね。だから泊まるにしてもこころとここあの食事を作って、お母さんが帰ってくるまで待たないとだけど」

希「なんなら真姫ちゃんも夕食に誘っておけばいいやん。ていうか、このままスーパーで買い物していけばバッチリや。お母さん帰ってきたら真姫ちゃんに行けばいいし」

にこ「……で、でも平日に泊まりに行くなんて迷惑なんじゃ」

希「大丈夫や! 教師や医者といった親だとそういう一般常識には厳しいから」

にこ「なら安心──って! 全然ダメって事じゃない」クワッ

希「うん、ダメやね。でもな、うちは大切な人の為に両親にも立ち向かうっていうのは若い内に経験しておいた方がいいと思うんや。特に真姫ちゃんって一度も親に逆らうようなことしてこなかったと思うし」

にこ「あの性格ならそうでしょうね。穂乃果の本当に凄いところは今のメンバーを全員集めたところよね。あんたの手助けがあったとはいえ」

希「ううん、それも確かにあるけど。にこっちがたった一人になっても尚、諦めなかったからや。だからこそμ'sの運命は開けた。いつだか海未ちゃんがμ'sの母親を穂乃果とするなら父親はA-RISEだって言ってたけど、《私》は母親がにこっちで父親が穂乃果ちゃんだと思ってるよ」マジメナトキハワタシケイジョシ

にこ「な、何恥ずかしいこと言ってんのよ/// そういうのキャラじゃないでしょ。恥ずかしいのは穂乃果のバカさと海未の歌詞だけで十分よ」ヒキョ--クシュン!

希「せやね。ただ、言わせてもらえれば……今回のことだって発案は穂乃果ちゃんだけど、にこっちとあいっちの二人が居たからこそ生まれたことやん」

にこ「なんだか無駄に責任を背負わされてるんだけど」

希「そういう責任を大事なメンバーと一緒にいることで預けられるんよ? 明日に差し支えないようにしながらも、沢山語り合ってみるとええよ」

にこ「ま、それもこれも真姫ちゃんが両親を攻略出来たらの話よね」

希「そこは大丈夫や!」

にこ「いつものスピリチュアルってやつ?」

希「いいや。乙女の勘や」フフフ

にこ「……あんたの存在その物がスピリチュアルな気がするわ。主人公にすると書き手が大変苦労するタイプよ」

希「それはうちにとっては褒め言葉や。それじゃ長くなっちゃったし戻ろっか」

にこ(希って普段前に出ない性格だから損よね。すっごいいい奴なんだけど、人気投票とかあったら普段仲良い子……つまりはにこなら真姫ちゃんに入れちゃうし。二人に投票ってシステムだったら間違いなく上位になれそう。勿論にこも入れてあげるわ)

希「ごめんごめん。ちょっと長引いてしまったわ」

真姫「遅いわよ!」ツンツン

絵里(……生きた心地がしなかったわ)

にこ「お待たせ。真姫ちゃん、許してラブニコ☆」

真姫「別ににこちゃんの所為じゃないし。にこちゃんには怒ってないわ///」

絵里「にこは手強かった?」ボソッ

希「にこっちやからね。えりちに比べれば大変だった」ボソッ

真姫「余計な時間取られたし、さっさと帰るわよ、にこちゃん」ガシッ

にこ「ちょっと真姫ちゃん、早いってば~」

絵里「行っちゃったわね。あ、そうだ希。一つだけいいかしら?」

希「なんや?」

絵里「自分の身を案じるならにこにだけはわしわししないで上げて」

希「分かった。お仕置きすする時は真姫ちゃんに任せよう」

絵里「ええ、それがいいわ」

希「今日はいつも以上に疲れたから焼肉食べたいわ」

絵里「泊まりは今度だけど、良かったら家に食べに来ない? リクエストにお答えして夕食は焼肉にするわよ?」

希「ええな。じゃあお邪魔させてもらうわ」

絵里「しっかり体力つけて夏と来月の大会に向けて頑張りましょう」

──淫夢から覚めたお姫様

にこ「自分が気持ち良くなって出した物がそんなに美味しいニコ? 完全な変態ね」

真姫「はぁはぁはぁっ、んっはぁはぁ……にこちゃんの物になるから、キス。真姫にキスしてぇ」

にこ「主人の唇をねだるなんて自分の立場が分かってないニコ? まぁいいわ。今日だけは特別にキスしてあげる」

真姫「にこちゃん……」

にこ「……真姫ちゃん」


真姫「って! 何よこの夢!!」クワッ!

にこ「……スーハー」ZZZ

真姫「……に、にこちゃんと一緒に寝たからってなんであんな夢を。分かってるわよ、一緒にお風呂に入ったからよ。って、別に初めてじゃないし。合宿でだって一緒に入ったもの。でも、あの時は一番遠くに離れてたし。だからってこんな変な夢を見るとかイミワカンナイ!!」

にこ「……にこはぁ……ろっくあいどるになるにこー」zzz

真姫「いつロックに目覚めたのよ。それを言うならトップアイドルでしょ」

にこ「スー……スー……」zzz

真姫「にこちゃんはまだ寝ている。これって…………チャンスなのかしら?」イナ!

真姫「熱すぎなのかしら? そうよ! 夢で色々されて最後がお預けだったんだからキスくらい。というか、女の子同士のキスくらい絶対当然普通であるべきだってこないだレズのことりが熱弁してたものね」

にこ「……あかいせんめんき……あたまにのせたえりが……スピー」zzz

真姫「友達でしかもスクールアイドル同士で《お互いだけ》をちゃん付けで呼び合う仲なんだものしてない方がおかしかったのよ」ダイジダカラニカイメヨ!!

真姫「……と、特別な意味なんてないんだからね。夢の中のにこちゃんが悪いんだから。だから……一度くらい許してよ…………にこ、ちゃん……チュッ」

にこ「……ん、ぅ……」zzz

真姫「………………い、一度したらもう一度するくらいありよね/// ううん、しない方が失礼だわ。というわけで……もう一回!」ハカセー

真姫「いくわよ。いくったらいく! にこちゃん、にこちゃん……柔らかくて、思ってたよりもしっとりして吸い付くその唇……チュッ」

にこ「……ん、スー」zzz

真姫「はぁはぁはぁ…………。二回目は一回目の倍の4秒くらいキスしちゃったわ。いや、待って。きっとことりなら『何を言ってるちゅん? キスは最低30秒経たないとキスにカウントしないちゅん!』とか言いそうだわ」クチュン! コトリチャンカゼー? ウウン、キットダレカノウワサダヨ!

真姫「そんな訳だから目を瞑って心の中で30秒数えましょう。……指が震えてるわ。今になって緊張が波のように全身を巡ってるわ。でも、真のキスをするまでは……ということで、いただきます」チュッ

にこ「」

真姫「」

にこ(どういこうと!? ちいがわよ。違う、どういうこと! なんで、目を覚ましたら目の前に真姫ちゃんの顔があって、唇に感じたことない柔らかくて、吸い付くようなくすぐったさと瑞々しさがって、違うわ。何事なの!?)

真姫「ンッ…………はぁ~♪ ……あ゙」サー

にこ「お、おはよう」パチクリ

真姫(ど、どうしよう)

にこ(どうすればいいのよ)

真姫「わ、私の名前は真の姫と書いて真姫よ。物語のお姫様っていつも王子様のキスを待つ側だけど、あれは男女差別。真の姫足るもの王子様に自分からキスするんだって名付けられたのが私よ!」

にこ「そ、そうなんだ……。え、で?」

真姫「でって何がよ! イミワカンナイ!!」

にこ「わったしの方が意味分からないんだけど!?」

真姫「つ、つまりアレなのよ。真の姫のキスで目覚めたってことは──にこちゃんが私の王子様なのよ!!」

にこ「」

真姫(生まれてきて初めて、死にたいと思ったわ・・・)

──ほのうみこと


海未「流石に一つのベッドで三人でとなるときつかったですね」

穂乃果「でもすっごく楽しかった!」

ことり「そうだね。くすっ」ホノカチャンマンナカイエーイ♪

穂乃果「どうかしたの?」

ことり「ううん、こうして三人で寝てから起きると穂乃果ちゃんがお漏らししたことを思い出すなって」キュンキュン

穂乃果「ぎゃうーーーっ!」

海未「あの時は大変でしたね」

ことり「海未ちゃんあの頃からしっかりしてたよね。濡れたお布団を自分で片付けようとしてたし」アノフトンハイマナラタイセツナタカラモノダッタノニ

穂乃果「」

海未「そうですね。私がしっかりしていたというよりも、二人の分も私がしっかりしなきゃいけないと心がけて行動してましたから」

ことり「海未ちゃんって将来おっちょこちょいの《男性》と結婚しそうだね」ツッツク!

海未「どうでしょうね。正直結婚と言われても全くピンときませんね。なんというか、気が付いたらいかず後家で穂乃果やことりの子どもの面倒とかみてそうな気もしますが」

穂乃果「えぇっ!? 海未ちゃん結婚しないの!?」

海未「しないとは言ってませんけど、全然想像出来ないという話です」

ことり「でも海未ちゃんは家元の娘だから──くちゅん!」クチュン!

穂乃果「ことりちゃん風邪ー?」

ことり「ううん、きっと誰かの噂だよ!」ハンニンハレズ

海未「体調管理はこれから徹底しないといけませんね」

穂乃果「二の舞を踏むわけにはいかないもんね!」ドヤァ

海未「二の舞は演じるもので踏めるものではないです。得意げな顔をしてにこと同じ間違いをしないでください」

ことり「手洗いうがいにこまめに着替えだね」クェー!

穂乃果「うん! 絶対にあの時みたいに迷惑かけたりしないから」

ことり「穂乃果ちゃん」トサカキュン☆

海未「穂乃果……」

穂乃果「ささ、早く着替えちゃおう。平日に泊まったから遅刻しましたじゃ次から許してもらえなくなっちゃう」

海未「そうですね。しかし、穂乃果が朝からそんなことを言えるなんて……今日は雨ですか?」フフッ

ことり「そうかも♪」チュンチュン♪

穂乃果「もうっ! 海未ちゃんもことりちゃんも……だ~いすきっ☆」

──そして、真実は事件現場に戻る


にこ「」

真姫「」

にこ(どうすればいいのよ。……あ、お母さんきちんとこころとここあ起こしたかしら? 直接学校行くよりも一応家を覗いて来た方がいいかもしれないわね)

真姫(あのお喋りなにこちゃんが黙り込んで早数分。どうしよう……相当に怒ってるってことよね。夢で出てきたにこちゃんが可愛くみえるくらいに腸が煮え繰り返ってるのかも。今にこちゃんの中で私は何度も何度も……自業自得とはいえどうしよう)

にこ(現実逃避してる場合じゃないわ。結局あれよね、ことりか希かにきっと友達同士ならキスして当然とか嘘吐かれて、それを真面目な真姫ちゃんが「それくらい当然よ!」とか言って試しちゃったってことよね。だったら答えは簡単ね)

にこ「朝ごはんはどうすればいいのかしら?」

真姫「へっ? あさ、ごはん?」

にこ「そうよ、朝ごはんよ。今日は平日で学校があるんだから食べなきゃダメよ。無理なダイエットはアイドルの敵よ!」ニッコリ

真姫(許してくれたの? それとも内心では……)

にこ「何気にしてるのよ。私はね、見た目通り真姫ちゃんより年上な上に妹が二人もいるのよ。甘えん坊の上にキス魔だからしょっちゅうキスされるの。気にしてないわ」

真姫(気にして、ない……それはそれでショックだわ)

にこ「ま、まぁ……。妹達と違って真姫ちゃんは年が近いし、勝手は違うけど。ほら、まぁ……アレよ。するならきちんと起きてる時にしなさい」

真姫「え、またしていいの?」

にこ「え゙」

にこまき(しまった!)

にこ「真姫ちゃんがどうしてもにこのこと好きだからキスしたいって言うのなら……してあげても構わないわ」

真姫「……ありがと///」

にこ(え? 何でこのタイミングでお礼を言われてるの? 今の真姫ちゃんは流れが読めないわ)

真姫(これってつまりにこちゃんは押せば押し倒せるってことよね。別に私はレズじゃないからそんなことをするつもりもないけど。念のためよ。人生ってどうなるか分からないし)

真姫「とりあえず──おはよう、私の王子様」

王子様「」

真の姫「」

真姫(正直、死にたいって思った)パート2

王子(本気で今日の真姫ちゃんは手強い。穂乃果ウィルスにでもやられてるんじゃないかしら? 今日はなるべく一緒に居てあげるニコ。それにしても……真姫ちゃんの唇、気持ちよかったわ///)

真姫(ダメだわ。今日はなるべくにこちゃんとは距離をおきましょう。他の人の前で王子様とか言っちゃったら本気で[ピーーー]る。それはそれとして……にこちゃんの唇、言葉に出来ない程幸せだったわ///)

──残機ある限りにこは戦う。


にこ「……にこー」ガクリ

穂乃果「にこちゃん! しっかりして!」ユサユサ

海未「まだ休憩には早いですよ」

にこ「昨日皆との練習が終わった後、ツバサに呼ばれてA-RISEと合同練習してたのよねぇ。お陰で若干寝不足なの。もうにこの残機はないわ」ガクッ

海未「残機尽きる所か残機をストックすら出来てないじゃないですか。休むにしてももう少し頑張ってからにしてください」

穂乃果「でも海未ちゃん。今無理させて本番で倒れたら……」

海未「穂乃果の気持ちは痛いくらい分かります。ですが最低限のノルマは達してもらわないと示しがつきません。只でさえA-RISEのスケジュールの空きが少なくて追いつくのに必死なのに」

にこ「急がば回れよ」

海未「止まってるじゃないですか」

にこ「世の中そんなに甘くないわね。でも、そんな世界がにこは嫌いじゃなかったわ」

穂乃果「にこちゃーーーん!」

海未「穂乃果もふざけないで下さい。パート練習を疎かにして失敗したら恥を掻くのはにこなんですよ?」

穂乃果「それもそうか! ほらにこちゃん起きて。最高の思い出作るためだよ」

にこ「それもそうね……よっと。面倒掛けたわね。にこの残機は後99体はいるからもう安心よ」

海未「ですが無理はしないで下さいね。にこが抜けたらμ'sだけでなくA-RISEにも愛奈さん達にも迷惑をかけることになりますし、最悪は私達のラブライブ自体が暗礁に乗り上げる可能性があります」

にこ「鞭の後に傷口に塩塗ってから鞭でまた叩かれた気分よ。やってやるわよ。アイドルなんてものは華やかに見えても超過酷スケジュールを笑顔でこなさないといけない職種だし。見に来てくれるお客さんの為にもにこは頑張るわ。私達のラブライブはこれからよ──」


にこ「──もうだめっ! 残機尽きたわ」アオムケパタリ

海未「少し早いですが食事休憩にしましょう。今の動きですと身体も頭も覚えないでしょうし」

穂乃果「にこちゃん、ファイトだよっ!」

にこ「休憩に入った時にファイトって言われても困るわよ。……でも、結局これって自業自得なのよね。愛奈が転校して一人になった後に勧誘出来なかったのは仕方なかったにしろ、練習をきちんとこなしておくべきだった。自分ひとりになったからって緩めたり、やらない日があったり。もしμ'sに入れてないままだったら、にこは絶対にアイドルにはなれなかった。だから、今はすっっっごく疲れてるんだけど、嬉しいの。憧れていたA-RISEと仲良くなって練習も一緒に出来るんだもの」

穂乃果「くぅ~! 今日もパンが美味しい!」

海未「穂乃果、パンだけではダメですよ。こっちのサラダは穂乃果の為の物ですからきちんと食べて下さいね。あと、秘伝の健康ドリンクもありますので苦いの我慢して飲んでください」

穂乃果「…………ちゅん」

海未「ことりの真似してもダメですよ」

にこ「あんた達! 部長のありがたい言葉をスルーして、日陰に避難して勝手に食事してるんじゃないわよ!」

穂乃果「にこちゃんあんな元気だよ。更に元気になってもらう為に私の分の健康ドリンクを飲んで貰おうよ!」

海未「ダメです。にこには悪いですがこれは本当は持ち出し厳禁なんですよ? だけど穂乃果の為にと言ったら許可が出ました。うちの両親は何故か穂乃果には甘いですからね」

にこ(なんだか知らないけど助かったみたいね)

穂乃果「今から海未ちゃん家に行って何か悪い事して嫌われてくる」

海未「いけません」ガシッ

穂乃果「離して海未ちゃん! これも私が生き残る為なの!!」

海未「だったら尚のこと飲んでください」ググッ

にこ「あんた達本当に仲いいわよね……。そういえば、あんた達幼馴染はキスとかするの?」

穂乃果「しないよ?」

海未「すっ、するわけがないじゃないですか! わったし達は女の子同士なんですよ。何を考えてるんですか!!///」

にこ「え、ことりも?」

穂乃果「するわけないよー」

海未「当然です!!」カァァ

穂乃果「でも小学生の頃にしたことあるよね?」

海未「あれは穂乃果が勝手にしたことで、私に他意はありません///」

にこ(……ど、どうしよう。仲いいから普通にしてるのかと思ってたのに。て、これってにこと真姫ちゃんがおかしいってことなんじゃないかしら? あの日から二度もキスしてるんだけど)

にこ「例えばだけど、スクールアイドル同士がキスしてたらどう思うニコ?」

海未「普通に気持ち悪いんじゃないですか」キッパリ

穂乃果「私は仲良しさんなんだなーってしか思わないけどなぁ」

にこ(けっこう常識のある方の海未が即答したわ。頭のネジが緩い穂乃果が出した答えがにこと同じだなんて……。これはちょっと本格的に考えるべきなのかもしれないわね。あ、でも一つ質問を変えてみましょう)

にこ「じゃあそれが海未と穂乃果だったらどう思う?」

穂乃果「仲が良い証拠だね」ニッコリ

にこ(穂乃果の頭に恋愛はまだ存在しないから当然ね。むしろ中学で共学だったなら一人くらいには告白されててもおかしくなさそうだけど……中学の時の話ってそういえば聞いたことないわね)

海未「///」

にこ「それで海未はどう思うの?」

海未「いえ、それは……でも、しかし、相手が穂乃果ならば……いえ、何を考えてるんですか私……///」

にこ「即答できないでその反応の時点で有りってことね」

穂乃果「海未ちゃんは恥ずかしがり屋さんだからねー」

にこ(良かった。そこまでおかしいって訳じゃないみたいね。ただ、人に言うようなことでもないと。相談出来る仲間がいるって本当に素晴らしいことね)

海未「さぁ! 穂乃果。もう何だか訳がわからなくなってきたので、私の分の健康ドリンクまで飲んでいいですよ。いいえ、飲まなければダメです。許しません。さぁ、飲むんですよ!!」

穂乃果「ひぃぃぃっ!」

にこ(尊い犠牲に黙祷……)

にこ(けっこう常識のある方の海未が即答したわ。頭のネジが緩い穂乃果が出した答えがにこと同じだなんて……。これはちょっと本格的に考えるべきなのかもしれないわね。あ、でも一つ質問を変えてみましょう)

にこ「じゃあそれが海未と穂乃果だったらどう思う?」

穂乃果「仲が良い証拠だね」ニッコリ

にこ(穂乃果の頭に恋愛はまだ存在しないから当然ね。むしろ中学で共学だったなら一人くらいには告白されててもおかしくなさそうだけど……中学の時の話ってそういえば聞いたことないわね)

海未「///」

にこ「それで海未はどう思うの?」

海未「いえ、それは……でも、しかし、相手が穂乃果ならば……いえ、何を考えてるんですか私……///」

にこ「即答できないでその反応の時点で有りってことね」

穂乃果「海未ちゃんは恥ずかしがり屋さんだからねー」

にこ(良かった。そこまでおかしいって訳じゃないみたいね。ただ、人に言うようなことでもないと。相談出来る仲間がいるって本当に素晴らしいことね)

海未「さぁ! 穂乃果。もう何だか訳がわからなくなってきたので、私の分の健康ドリンクまで飲んでいいですよ。いいえ、飲まなければダメです。許しません。さぁ、飲むんですよ!!」

穂乃果「ひぃぃぃっ!」

にこ(尊い犠牲に黙祷……)

──そして、物語は《夢》に集い終幕を下ろす


絵里「ハラショー。久々の出番だわ」

希「うちはいい仕事してる筈なんやけど、出番少ないわ」

凛「凛たちなんてもっと久々だにゃー」

花陽「もう出番無しで終わっちゃうんじゃないかっと思ってた」ウルウル

穂乃果「もうみんなー! せっかく舞台ができたのにどうしてそんな反応なの!」プンスカ

ことり「ぴょんぴょん跳ねながら怒ってる穂乃果ちゃん可愛い♪」キュインキュイン

海未「溢れ出る喜びを抑えきれてない証拠ですね」フフッ

にこ「この舞台からが本当の意味でのμ'sの始まりになるのね」

真姫「秋葉での路上ライブ以外は全部敷地内でのライブだったものね」

絵里「ええ、そうね。そして、その気持ちを持っているのはμ'sだけでなく数多くのグループも一緒だと思うの。だから時間がある時はステージに夢中にならずに、不安そうにしている子に声を掛けて上げて。こんなに大きな大会になるとは思ってなくて参加することを希望したグループも少なくない筈だわ。立ち上げの私達でさえ予想してなかったのだから」

にこ「えぇっ!」

花陽「そ、んなぁっ!!」

希「えりちも何もずっと見回りしろとは言ってへんよ。見たいグループが出てたら当然見ても良い。だけど、私達は主催者側としての自覚を忘れちゃいけないってことや」

絵里「体力と予定に差し支えない場合は希望によってバックダンサーをすることも忘れないでね? 私達も、参加してくれる他のスクールアイドルも、当然来てくれたお客さんも。全員が満足して、思い出に残る最高のステージにしましょう」

にこ「とはいっても、まだステージが組み終えただけで開催は明日からだけどね」

絵里「色んなスクールアイドルが会場を下見にくるわ。にこと花陽は我を忘れて盛り上がらないようにね」

にこ「善処するわ」

花陽「極力気を付けてみる」

穂乃果「すっごくダメそうだから二人にはフォロー付けた方がいいね」

真姫「私がにこちゃんをフォローするわ」

凛「当然凛がかよちんをフォローするにゃー」

絵里「二人だけに言うつもりはないけど、自分達の足りない部分は皆で補っていきましょう。私達は一人じゃない。九人揃ってμ's。だけど誤解しないで、μ'sなら無敵なんてことはないわ。些細な行き違いで崩れてしまいそうになるのも絆の怖いところ。でもね、だったらどうすればいいのか……リーダーの穂乃果分かる?」

穂乃果「他の人を巻き込めばいいんだよ! 今回のだって元々μ'sだけの立ち上げじゃないんだし、ことりちゃんのお母さんも巻き込んでるし!」

絵里「ええ、その通り。私達はまだ高校生。出来る範囲は限られているわ。だから無理だと思ったら力を貸してくれる人に頼るのもまた一つの力なのよ。最終日が終わったら二週間くらいとはいえ短い夏休みが待ってる。なんて考えてこの大会で燃え尽きちゃダメだからね? 練習はこの大会の後も続けていくんだから」

にこ「確かに絵里の言う通りね。でも、無敵じゃない弱さが目立つ私達だからこそ、弱さを強さに変えらて行ける。アイドルに取ってこれに勝る成長は他にはないわ」

絵里「その通りよ」

理事長「いいお話してるわね。……絢瀬さんも最初からそういう視点と気持ちを持っていれば生徒会に活動許可をあげられたんだけどね」フフッ

ことり「お母さん!」チュンチュン

穂乃果「ことりちゃんのお母さんだー!」

理事長「ふふ、元気一杯ね。今回の大会の最終資料を絢瀬さんに渡しておくわね」

海未「質問があるんですがよろしいですか?」

理事長「ええ、いいわよ」

海未「チケットの販売とかの話は聞いてないのですが、完売はしたのですか?」

理事長「あら、話してなかったかしら? 今回のライブは無料よ。チケットもなし」

μ's「!?」

海未「ですが、この設備だけでも相当の費用が掛かっている筈ですよ?」

理事長「勿論回収出来るからこその投資よ。この大会の始まり方が既に向こうにとっては美味しい話なのよ。スクールアイドルの二校が自ら立ち上げた大会。そこに名乗りを上げた日本列島津々浦々のスクールアイドル達。これは今でさえスクールアイドルの注目度は高いのに、この大会が成功に終われば更なる注目度を集められるわ。要はCMね。当然ながら撮影した物を編集して売り出すみたい。その権利は当然全て向こうのものね」

絵里「それくらいで回収出来るものなのかしら?」

にこ「出来るわ。当然でしょ? 部室にもある私の伝伝伝がいくらで取引されてると思ってるの? いいえ、お金を出しても手に入らないのが現状よ」

花陽「その通りなんです!!」チナミダ

にこ「今回は前に冗談で言った本物の伝伝伝伝よ。というか、普通じゃありえない豪華な組み合わせ。自由度の高さでいうならもはや二度と見ることの出来ないような代物よ。見に来ただけじゃ物足りない。映像で何度も見て目に脳に焼き付けたいと思うのがスクールアイドルファンとしての常識よ!」

花陽「全くその通りです! 生で見たから満足出来るファンなんてファンじゃありません。そんなものはにわかです! 何度も何度も繰り返し見ることによって最初の内は気付けないようなアイドルの些細な機微・気配り等に初めて気付くことができるんです! どれくらい販売するか分かりませんが、相当数生産しないことには予約開始直後に完売になります!!」

穂乃果「す、すごいね。あの二人……背中が燃えてる」

ことり「こういう人たちの前で笑顔で歌わないとダメなんだね」チュン

海未「何度も何度も見られる。一瞬ですら失敗出来ないですね」

凛「かよちんのアイドル物を見てる時は修羅になるにゃー。でもそんなかよちんも素敵にゃー」

真姫「好きな事に真っ直ぐ走れるのって私はいいと思うわ(私の場合は好きとか嫌いとか関係なしに医者にならなきゃだもの)」

にこ「っていうことはよ! 数年後にこの舞台が映画になる可能性が十分あるわ! 今の時代アイドルが映画に出るのは当たり前。つまり、つまりよ。花陽! 私達がアイドルになってから指名される可能性があるわ!」

花陽「──わ、私がアイドルデビューの後に劇場デビュー!?」

にこ「伝説の立役者であるアイドルを二人起用! 再現される伝説のステージ。今日このシーンすらも映画の1シーンになってるかもしれないわ! 燃えてきたにこーーーー!」

花陽「私ももう我慢できません。思わず『ごはーーーん!』って叫んじゃいたくなるくらいにみなぎってきました!!」ピッコロサン!

にこ「いいわ、叫びましょう。舞台の上から叫べるのは私達アイドルの特権よ!!」

花陽「そうですね、アイドルだからこそしていいこと、出来ることですね!!」

絵里「意味もなく、観客もなくで叫ぶアイドルってどうなのよ」

凛「でも凛もなんだか叫びたい気分だにゃー!」

穂乃果「だったら私も叫んじゃう!」

ことり「穂乃果ちゃんが叫ぶなら私もちゅん!」ニッコリ

海未「……わ、私はやりませんよ?」

希「日本人は和を大切にするもんやで。やる流れなんだから海未ちゃんもせんとあかんよ!」

海未「そんなっ!?」カァァァァ!

絵里「……はぁ。まったくμ'sっておかしな方向に結束力が高いわよね」

理事長「ふふふっ。若いっていいわねぇ」

にこ「じゃあいっせいのでそれぞれの《夢》を叫ぶのよ!」

海未「夢は叫ぶものではないです。前言ってたではないですか」

穂乃果「違うよ海未ちゃん。明日から私達の夢が始まるんだもん。だから今日ここで新しい夢を叫ぶのはとってもいいことなんだよ」

海未「意味が分かりませんが……こうなった穂乃果を止めることは無理ですね」

にこ「それから、今回のステージは成功するんだからそんなつまんないことを夢として叫ぶんじゃないわよ」

絵里「……う」

にこ「それじゃあ覚悟を決めなさい。皆の《夢》を叫ぶのよ、いっせーの!!」

「《私》は絶対にアイドルになるにこー!」

「私、頑張ってアイドルになります!」

「一生一緒にいて、穂乃果ちゃん大好きー!」トサカキュイン♪

「ほっ穂乃果ーー!」カァァ!

「にこちゃん大好きー!」カァァァァァ!!

「かよちんとずっと一緒にゃーー!」

「音ノ木坂学院がきっと続きますように!」

「一度でいいから人気投票で上位になれますように!」

凛「真姫ちゃん大胆だにゃー」

真姫「ヴェェェェ!!/// ちっ、違うわよ。夢がないから咄嗟ににこちゃんを応援しようとしたら言葉を間違えただけ!////」

ことり「海未ちゃん……なんで夢が穂乃果ちゃんの名前なの?」ニラミツケル! ウミノボウギョリョクガサガッタ

海未「なんとなく出てきたのが穂乃果の名前だっただけですっ! そこに深い意味なんてありませんよ///」

にこ「花陽、一緒に頑張りましょう。先にアイドルになって待ってるからね(真姫ちゃん……どうして夢がにこへの告白なのよぉ/////)」

花陽「うんっ! 絶対にアイドルになってみせるね。凛ちゃんもずっと仲良くしてね」

凛「勿論だにゃー」

希「えりちは相変わらずやね。ちょっと願い方がおかしいところが正にえりちや」

絵里「そういう希こそなによ、人気投票って。最後の最後でメタ発言って」

希「違うで。今回の大会でも人気投票があるんよ。そこで上位に入りたいってことや」

海未「と、いうか穂乃果が叫んでなかったようですが」

ことり「そういえば!」フォー!

にこ「どういうことよ!」

凛「叫ばないなんてずるいにゃ!」

花陽「きちんと叫ばないと」

希「穂乃果ちゃんは叫ぶの推進派やったやん」

絵里「何かあったの?」



穂乃果「ううん、だって私の《夢》はね


────μ'sの皆の夢が叶いますように!!!」

にこ「って、何どさくさに紛れて主人公ポジションで幕を下ろそうとしてるのよ。この作品の主人公はにこなんだから、そんな上手いことさせないわよ」

真姫「そうよ! それに私とにこちゃんの関係がまだじゃない。せめて恋人関係になって終わるべきよ!」

ことり「そうだよそうだよ。海未ちゃんがどうして穂乃果ちゃんの名前が咄嗟に出てきたのかを詳しく取り調べてからじゃないと終われないちゅん!」チュンチュンチュン

海未「ひぃっ! 終わりましょう。直ぐに終わりましょう。って、ことり顔が近いです。瞳に光が映ってなくて怖いですっ! ダレカタスケテーッ」ヒィィィ

花陽「って、それ私の台詞」

凛「最後までグダグダにゃー」

理事長「ほんとうに、若いっていいわねぇ」

希「理事長も十分若いですやん。こっそりと舞台で歌ったりせえへん?」

穂乃果「皆仲良しだー!」バンザーイ

絵里「仲良しっていうかこれは……ううん、きっと仲良しでいいのよね」


真姫「ということでにこちゃん! 告白したんだから返事しなさいよね!///」

にこ「に、にこは…………アイドルに恋愛はNG! だけど、真姫ちゃんが大好き!!」///


 μ'sの新しい夢 新しい関係 真夏の祭典は明日、幕を開ける──。 終幕

 A-RISEのキャラがよく分からないので活躍させたいけど出来ませんでした。無念……。一応口調は最終回のぼっち穂乃果がART突入前の勝利者インタビューを参考。初ラブライブSSだったから花陽が敬語に戻ってたりとか、凛の活躍の場がなかったりとか、ことりで遊んだりとか、雪穂と違って亜里沙を出せなかったこととか、色々突っ込む所あると思いますが、

佐藤「俺も出番なかったぜ。エリーチカ先生。遅刻したんで叱ってください」

真姫ママ「家に泊まりに来たのに私も出番がなかったわ」

亜里沙「海未さんのこと慕ってるからハブられました。そんなにほのうみが良いんですかっ?」ウルウル

穂乃果ママン「ふぁらしもふぁかったわねー」モグモグ

 全部寛大なラブライブ愛で流して、ほのうみマンセーと叫びましょう! ほのうみのうみヘタレ攻めは最高だぜ!

海未「さぁ、穂乃果! 本編ではことりとベタベタし過ぎでしたから調整しないといけません。ほのうみは世界一です。それを証明する為にも……ひとつになりましょう。コーホーコーホー」オトメチョウジンウミミ100マンアイドルパワー

穂乃果「う、海未ちゃん。呼吸の仕方が半分人間半分ロボットの超人になってるよ」

海未「えぇいうるさいです! こうなったらいつもの二倍の笑顔。いつもより二倍の弓引き。そして、穂乃果への愛情をいつもの三倍込めて……うっみうっみうー! これで1200万ラブアローシュート!」バァン♪

穂乃果「ぐぇっ!」グサッ!

海未「これで穂乃果は今まで以上の私との愛に目覚める筈です。これこそが私達のスタート」

穂乃果「トッピロキー! キロキロー!」ダッシュ!!

海未「きゃっ! 私の穂乃果が野生化しちゃいました。追いかけなければ! 待ってください穂乃果~」 おしまい

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