界「ただいまー、おみやげだぞ!」幼咲「わぁい!」 (51)

幼照「プリンだ!」ヨダレー

宮永母「もー、お父さんったら、また甘いもの買ってきて。」

幼咲「お母さんだって、嬉しそうだよー。」

界「ははは、ちゃんと歯を磨けよ。」

幼照「お父さん大好きー!」

幼咲「私、お父さんのお嫁さんになるー!」

宮永母「だめよー、お父さんは、私のなんだからー。」

界「あはは、参ったなぁ!」

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現在

界「ただいまー、咲ー?おみやげ買ってきたぞー。」

シーン…

界「咲ー?いないのか?明かりをつけてっ、と…」

界「ん?」

メモ『お父さんへ、今日は和ちゃんのおうちへお泊りにいってきます。冷蔵庫の中のものを適当に食べてください 咲』

界「なんだ…友達のところへ行ったのか…まぁ、ご飯作ってくれるだけ感謝、と。」

冷蔵庫パカッ

界「…」

バタン

界「おかしいな…」

パカッ

界「はは…冷蔵庫の中に卵しかないや…」



界「コンビニ行くか…」グス

咲「ただいまー…うわっ」ビクッ

界(三角座り)「……」

咲「ど…どうしたの?お父さん?」

界(三角座り)「咲まで俺を見捨てるんだ…」

咲「へ?」

界「俺みたいな駄目親父…家族に見捨てられてのたれ死ぬのがお似合いなんだ…」

界「咲…俺に愛想が尽きたんなら、母さんのところで暮らしてもいいんだぞ…照とも仲直りしたんだろ?」

咲「な、何言ってるの!?お父さん!?お母さんは東京だよ。」

界「白糸台に転校したらどうだ?お前ほど麻雀の力があれば、編入も何とかなるんじゃないか?」

咲「そんなオカルトあるわけないでしょ!私、清澄が好きだし、お父さんを置いてはいけないよぉ。」

界「夕飯に卵一個しかないんじゃ、説得力無いぜ。」

咲「何言ってるの?ちゃんと煮物を作っておいた…あ!?」タタタッ

界「?」

咲「ごめんごめん。すぐあっためられるように電子レンジに入れたんだった。メモ間違えちゃったよ!」テヘ

界「やっぱり俺の事なんてー!」ウワァン

別の日 夕飯時

咲「この前はごめんねーお父さん。今日は夕飯を豪勢にしてみたよ。」

界「うん…」

咲「そうだ、ビール飲む?」

界「もらう…」

咲「私、お風呂に入ってくるけど、ビールは飲み過ぎちゃ駄目だよ。」

咲「おとうさーん、お風呂あがったよ。ってまだ飲んでたの?飲み過ぎだよ!」

界「ヒック…あれ?母さん?」

咲「えっ?」

界「母さん、戻って来てくれたんだな!」ギュ

咲「わわぁ!?」

界「うっうっ…母さん、俺が悪かったよー、どこにも行かないでくれぇ。」スリスリ

咲「ちょっ、髭が当たって痛いってば。それに私、お母さん似というよりお父さん似だよ!?」

界「ん?何だぁ…咲か…ちぇっ!」

咲「娘にセクハラしといて何て言い草なの!」

この間界と咲の親子セックスを書いた人?

界「うぅ…母さんが恋しいよう、会いたいよう…」

咲「もう。私と間違えるくらいなら、仲直りして好きなだけいちゃついてればいいのに…。」

界「咲…照に連絡して、母さんを連れてきてもらうようお願いしてよ…」

咲「え?そりゃ帰ってきてほしいけど…お父さん、自分でお母さんに言いなよ。」

界「どうせ俺なんかが言ったって…」ベソベソ

咲「駄目だ、こりゃ…」

>>12
それは違う人のですね。
雑談スレで泣き言言って痛がられたのは俺。

咲「ちゃんと気持ちを伝えれば、お母さんも戻ってきてくれるよ。」

界「フン、どーだかな。俺は世間からも鬼畜親父として見られてるらしいし…」ドンヨリ

咲(また…メタなことを言い出したなぁ…)
咲「あー、ごめん。私が負けたらお年玉を取られて、勝ったら怒られるって言っちゃったから…ホントはお年玉は貯金に回されて、怒られたっていっても負けたときに嫌味を言われたくらいだけどね…。」

界「俺、数コマしか出てないのに、すごい嫌われよう…」グスン

咲「お姉ちゃんの載ってる雑誌を投げて渡したのがマイナスだったね。」

界「ちょっとかっこつけただけじゃんよー。」

咲「普通は『娘の載ってる雑誌がすぐ出てくる』『ページ数まで覚えてる』って、どんな親バカだって気がするけどね。」

界「照の映ってる写真とか全部スクラップしてるんだぞ!」ズラー

界「去年とか照が優勝したときだって、電話でお祝いしたし…」

咲「えー、私が行ったときは一言も話してくれなかったのに、お父さんだけずるい!」

咲「ともかく!周りにどう思われてるかは知らないけど、お母さんと仲直りしたいなら、電話くらい自分でしなさい!」メッ

界「でも…でも…もし『今更何言ってるの』とか言われたら、俺立ち直れねーよ。」モジモジ

咲「その時は私とお姉ちゃんでフォローするから。まずは勇気出して頑張ってみようよ。」ナデナデ

界「そ、そうだな…よーし、俺頑張るよ!」

咲(大丈夫かな…この人…)

界「もしもし?」

宮永母「……珍しいわね。あなたが電話してくるなんて。」

界「ん…ちょっとな…元気でやってるかと思って。」

宮永母「まあね。あなたがいなくても元気よ。」

界「そうか…」グスン

宮永母「あなたはそうでもなさそうね…私がいなくてベソかいてるんじゃない?そろそろ私の大切さがわかったかしら?」

界「さ、さみしくなんかねーよ…っと、本題を忘れてた。宅配便でお菓子を送っといたから、照が寮から帰ってきたときにでも一緒に食べてくれ。」

宮永母「どういう風の吹き回し?」

界「へへっ!今日は結婚記念日だろ!ちょっとサプライズをな!」キリッ

宮永母「…………あっ、そ、そうね。忘れ…てないわよ、えぇ。」

界「…」ガチャン

一一一一

咲「あ、お父さん…電話終わった?お母さんは何て…?」

界(三角座り)「……」ズーン

咲「お父さん!?どうしたの!?お父さーん!」

界「…」ソワソワ ソワソワ

咲(お父さんが頑張った?おかげで、お母さんとお姉ちゃんが帰ってくることになりました。お母さんのほうが一日早く帰ってくるんだけど…お父さんたら朝からソワソワしちゃって…)

界「まだかな、まだかな?」

咲「落ち着いてよ…お父さん。」

界「この日のために服を新調したんだけど似合うか?」

咲「その前にその不精髭をなんとかして…」

宮永母「…」ガラガラッ

界「来たっ!母さーん、待ってたよー!」カケヨリ

咲「お母さん!お帰りなさい!」

宮永母「咲っ、久しぶりっ!」ダキシメ

咲「えへへ」

界「…」ポツン

宮永母「久しぶりの長野の家ね…」

咲「うん、あがってあがって。」


界「……あの、その…」

宮永母「…」

界「…」ショボン

宮永母「…ただいま」ポツリ

界「……おかえり!」

咲「お父さんとお母さんがこの家にいるのっていつぶりだろう?」

宮永母「そうねー…」

咲「あっ…今日は私…部屋に引きこもってるから、二人は夜通し存分に仲良くしてね。」

宮永母「もう…何言ってるのよ。」

界「いや、夜通しはダメだ。」

咲「え?」

界「母さん、長い移動で疲れたろ?今日は早く休まないと…」

宮永母「あら…ありがとう」キョトン

咲「わーおとうさんやさしー」

界「そ、そうか?デヘヘ…」





咲(はぁ…折角のチャンスなのに押しが弱いんだから…)ヤレヤレ

翌朝

宮永母「おはよう」

界「おはよ、よく眠れたか?」

宮永母「おかげさまで…って、あなたが朝食作ってるの?」

界「ふふふ、いつも咲に頼りっぱなしってわけじゃないぞ。」

咲(いっつも私に任せっぱなしなのに、お母さんの前だけ調子いいなー。まぁ、せめて華をもたせてあげようか。)

宮永母「あなた…いつもは咲に任せっぱなしでしょ…」

界「ギク」(あれ?なんでわかるんだ?)

宮永母「炊飯器のタイマーがかかってないわよ。昨夜のうちにセットしときなさいよ。」

界「しまったぁ!!」

咲「もー」

咲(結局、朝食はお母さんにも手伝ってもらって、有り合わせで作りました。)

宮永母「あやうく朝食抜きになるところだったわね。」

咲「お父さんには悪いけど、お母さんと料理ができてたのしかったなぁ。」

宮永母「あらあら。」

界(三角座り)「……」

照「ただいまー」

咲「お姉ちゃんだっ!」


咲「おかえりー!」ヒシッ

照「ただいま」ダキシメ

宮永母「ふふ…お帰り、って私が言うのも変ね。」

界(三角座り)「やぁ照…久しぶりだな。母さんににて美人になったな…ハハ…ハ…。」

照「お父さん…どうしたの?」

咲「今朝、お母さんの前で格好つけようとして、盛大に失敗したの…」

照「あー…」ナットク

照「ねぇ、咲…」チョイチョイ

咲「なぁに?」

照「今朝は失敗したみたいだけど、お父さんとお母さんうまくやってる?」

咲「お父さんが、めんどくさいヘタレのせいで、うまくヤッてはいないかな…」

照「二人の仲がうまくいくように、私達がとりもってあげないと…」

咲「うまくイけばいいねぇ」

夕飯後

照「じゃ、後片付けはやっとくから、お母さん達は部屋で休んでてよ。」

界「あ、あぁ、ありがとう。」

照「あと、これ使ってみて…」

宮永母「アロマ?」

照「リラックスできるんだって…」

宮永母「そう…ありがと…使ってみるわ。」


咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん、あのアロマって何?」

照「気分が高翌揚するんだって。雰囲気づくりになると思って…」

咲「なるほどなるほど」

界「ん?母さん、それは?」

宮永母「照からもらったアロマよ。折角だから使ってみましょう。」


ポワポワーン


界(おや?この香り…何だか気がたかぶってくるな。)

宮永母(あら…何か妙な気分に…)

界(よし、この勢いで母さんと仲良くなろう!)

界「な、なぁ、母さん。東京で一人で暮らすってのは淋しくないか?」

宮永母「な…なによ、突然。」

界「女一人ってのも大変だろ?」

宮永母「こっちであなたの面倒みるのも大変なんだけど…」ズバァ

界「」

宮永母「それにねぇ、向こうにも親切な知り合いも出来たし…」

界「えっ、そうなの?」

宮永母「私が落とした財布を拾って届けてくれてね。謝礼金もいらないって言ってくれた好青年でねー。」

界「お、男!?」

宮永母「何か御礼をさせてっていったら、『付き合ってほしい』って言われちゃって…」

界「………な、なかなかユーモアのある人だなぁ。何て返事したの?」

宮永母「もちろんOKしたわよ。」

界「え、俺達、離れて暮らしてるけど離婚したわけじゃないよな…な、何で付き合うんだよ。」

宮永母「別にいいでしょ、それくらい」

界「……な、なんだよ、ちくしょう!そんな事話すために帰ってきたのかよっ!」ガバッ

宮永母「きゃっ」

界「ちくしょう!いい年して別居中の嫁さんに未練タラタラのみっともない駄目親父だって、自分でもわかってるけど…」

宮永母「ちょっと、どうし…むぅ」チュウウ-

界「ぷはぁ…俺はおまえの事が一番好きなんだ。誰にもわたさねーぞ!」

宮永母「えぇ?ちょっ!?何か勘違いしてない?」

界「……えっ?」

宮永母「付き合ったって…その人の恋人さんへのプレゼント選びに買い物を手伝っただけよ。色恋沙汰じゃないわよ…。」

界「……」ポカン

宮永母「そんなに怒り狂うほど嫉妬しちゃった?」

界「すまん…やっぱ俺は駄目親父だ…」ショボン

宮永母「ホントにね…やっぱり私がついててあげないといけない駄目夫ねぇ…」ナデナデ

界「か、母さん…」ウワーン

宮永母「あっ、こら、調子に乗って胸に顔埋めるなぁ!」

界「デヘヘ」

その頃、扉越しの廊下

咲(あー、びっくりしたー。お母さんが堂々と浮気宣言したのかと思ったよ。でも誤解も解けて、お父さんの気持ちが、ちょっとはお母さんに伝わったかな…)ノゾキミ

咲(ん?)ノゾキミ

咲(うわ…仲良くなるかな?とは思ったけど、二人で盛り始めちゃった…)

咲(お父さんたら、あんなに激しくお母さんにむしゃぶりついて…激しすぎると嫌われちゃうよー)ノゾキヤメナイ

照「でもお母さんも満更ではなさそう…」

咲「そうだねぇ…って、お姉ちゃん!?」

照「シーッ」

咲「どうしてお姉ちゃんまで?」

照「急に言い争いが聞こえたから、様子を見に来たの…そうしたら両親がお楽しみ中だった……何を言ってるかわからないと思うけど、私も何が起きたかわからなかった…だから私も覗いてく。」





照「お父さん達、頑張るね。」

咲「もう4回戦くらいだよ。」

照「勢いでしちゃってるみたいだけど…ちゃんと避妊してるのかな?」

咲「あー、もしかして私もお姉ちゃんになっちゃうのかな?」

照「ところでお父さん明日仕事じゃないのかな。」

咲「どうせ明日の朝はげっそりしてるだろうから、私達で朝食作らないとねー」

翌朝

咲「あ、お父さん、お母さん、おはよー。朝ごはん出来てるよ。」

界「あ、ああ、おはよう」ゲッソリ

宮永母「あ、朝ごはん作ってくれてたのね…」ゲッソリ

照「朝から疲れた顔してないで、ご飯食べて元気出して!」営業スマイル





両親(ほっ…娘達には気付かれなかったみたいだ…)

照咲(気付かないふりするのも大変だなぁ…)

仕事帰り

界「ふー、お土産にプリンを買ったぞ。帰ったら、昔みたいに喜んでくれるかな。『お父さん大好きー』って…。」



界「ただいまー、おみやげだぞ!」


シーン…


界「あれ?照と咲はまだ夏休みで、母さんもまだ長野にいる予定なのに……ん?」


メモ『お父さんへ。お母さんとお姉ちゃんと外で食事することになりました!今度はちゃんと冷蔵庫にご飯いれておいたよ。安心してね。  咲』



界(三角座り)「……」グスン

カン

界さんが、咲には優しいが、照には辛く当たってた…とかいう真相は勘弁してほしい。駄目親父でもいいから家族が幸せにならないと咲さんが不憫だ。

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