響「自分、臭いって言われてるけどさ」 (33)

響「それを逆手にとって売りに出せば人気でるんじゃないか!?自分って頭いいなー!」

春香「え?」

伊織「自分を見直したほうがいいわよ響」

真「自棄になるな響、響は臭くなんかないよ」

響「な、なんでみんなそんな対応するんだー!?」



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伊織「強がらなくていいのよ響。アンタは臭くなんかない。自分の芯をしっかり持ちなさい」

響「うがー、違うぞ!自分はそういうことを言いたいんじゃないぞ!」

春香「じゃあなんなの響ちゃん?」

響「自分のその変な噂を利用して更に自分を売り込みたいって言ってるんさー!」

真「それは止めた方がいいよ。響には悪いけど響がにおいを売りに出して営業するのは逆効果になると思う」

響「それはどういうことだよ真。もしかして自分ホントに臭うか…?」

真「そんなわけないだろ!そうじゃなくてボクが言いたいのは…」

P「いや、それはいい案かもしれないぞ真」

春香「プロデューサーさん!」


響「ホントか、プロデューサー!」

真「いやでもプロデューサー…」

P「真の言いたいことはわかる。そんなことしたら響のことを臭いっていう奴らがそれをネタにしてつけあがるだけって言いたいんだろう?
しかしもし上手くいったら響の『臭い』というイメージを払拭でき、新たに新規ファンを手に入れることができる」

真「それはそうですけど…」

響「流石プロデューサーは話がわかるぞ!」

伊織「それで、どういう方法で売りに出すっていうの?」

響「うん!自分を『○○の香り!我那覇響!』って感じに売りに出すんさー!」

伊織「うん。それで?」

響「それで終わりさー!」

伊織「はぁ?それだけぇ?」

響「それだけだぞ?」

P「うん、いいなそれ」

春香「何言ってるんですかプロデューサーさん!止めてくださいよ!」


P「響はネット上では臭いと被害を受けている。我那覇響の検索候補に出てきたことがあるくらいだ。それは同時にそれだけ響の『におい』に世間が注目しているということだ。そんな響が自分の『におい』を主体とした売り込みをしてきたら世間はどう思う?」

真「そりゃあ、面白がる人が出てきて話題になるでしょうね」

P「それだよ!話題になれば響に興味のなかった人たちも響に興味を持つだろう?でも実際に会ってみたら『臭くない、むしろいい香り!響大好き!』ってなるだろう??ファンが増えるだろう!?」

伊織「ネタと知ってて便乗する人たちもいるけどね…。どう売り込むかってのも大事だし」

P「それでも話題になればいいのさ。そもそも響のことを臭いっていう人たちは一部を除いてはみんな響のこと大好きだから。皆ツンデレなだけでいじめられてる響かわいいってなってるだけだから」

伊織「それツンデレって言うのかしら…」

P「とにかく!そういう人たちもいるってことだよ。なんだかんだ言ってみんな響のことが好きなんだよ」

春香「なんか少し話が逸れた気がしましたけど、そもそもそんなうまくいきますかねぇ…」

P「とにかく話題になればいいんだよ。そうすればメディアも響に食いつく」

響「そうだぞ、とにかく自分のカッコいい名前を考えるぞ!」

伊織「私たちも考えるのね…まぁ、いいけど」


真「それで、響はどんな感じの芸名?がいいの?」

響「そうだなー。かっこよくて、まさに自分!って感じのがいいな!」

春香「あはは…。ずいぶん抽象的だね…」

伊織「まずは響の匂いってどんなのか考えてみない?みんな響の匂いについてどう思う?」

P「俺は響はお日様の香りだと思うぞ(当社比)」

伊織「あんたの意見はイマイチ頼りにならないわね」

P「ぬ、だったらいま響の匂いを嗅いでみたらいいんじゃないか?」

響「え!?」

伊織「そうね、それがいいわ」

響「ち、ちょっとそれは恥ずかしいぞ…」

P「我慢しろ響。これもお前のためだ」スーッハーッ

響「え、ちょ、ちょっとプロデューサー、やめ…」

伊織「あんたは駄目よ、プロデューサー」

P「ええ、なんで!?」

伊織「通報されたいの?」

P「…大人しくしてます」


伊織「それじゃ失礼するわね響」

響「うう…お手柔らかにお願いします…」

春香(かわいい)

真「くんくん…」

響「うう…」

伊織「うん…そうね、いい香りよ」

春香「そうだね、いい香り」

真「でもなんて例えればいいのかわからないな」

春香「うん、そのためにももう少し嗅ぐ必要があるね」

響「まだ嗅ぐのか!?うう、早く終わってほしいぞ…」

伊織「それにしても響の髪は綺麗ね…」

真「サラサラだけど柔らかくもある…羨ましいなぁこういう髪質って」

響「そりゃあ自分は完璧だからな!髪の手入れも完璧さー!三人も自分を見習えばいいと思うぞ!」

春香「あ、いまのちょっとムカついたなー」ハムッ

響「ふわぁっちょっと春香!耳たぶを噛むのはやめてほしいさー…」

春香「えー、もしかして響ちゃんって、耳たぶが弱かったり…?」

響「ちが…でもやめ…」

春香「聞こえないなぁ?」

響「ひぇあ…んんっ…」













P「こういう展開ってもの凄くいい…よくない?」


伊織「結局、答えらしい答えは見つからなかったわ」

春香「人の髪の匂いってもの凄く例え辛いものだよね」

響「うう…辱めを受けた気分だぞ…」

真「受けた気分じゃなくて、実際受けたんだよ響」

P「四人でなんだか楽しそうだねぇー…?俺も混ぜてくれよぉ…」

伊織「あんたは駄目よ」

P「なんでだ!」

伊織「セクハラって知ってる?」

P「響が同意してくれればいいだろ!」

伊織「同意するわけないでしょ!ていうか、目の前で大の大人が少女の髪に顔つっこんでハァハァ言ってるとこなんて見てられるかこの変態!!ド変態!変態大人!!」

真「話をもどそう!拉致が明かないよ!」


伊織「ふぅ…そうね、馬鹿の相手をしすぎたわ。それじゃあ次はどうするの?」

春香「今度は響ちゃんの出身に視点を当ててみようよ。沖縄にいい感じのものがあるかもしれないよ?」

伊織「うーん、そうね…シークワーサーなんてどう?果実だからフレッシュな感じがしていいんじゃない?」

響「伊織、違うぞ」

伊織「なにがよ。この伊織ちゃんになにか間違いでもあるわけ?」

響「全然違うぞ。正しくは『シークワーサー』じゃなくて、『シークヮーサー』だぞ」


伊織「な…だからなによ!今はそんなことどうでもいいじゃない!」

響「どうでもいいとはなんだ!大事なことだぞ!」

伊織「なによ!」ガタッ

響「なんだよ!」ガタッ

春香「待った待った、落ち着いて二人とも。響ちゃんもわかったから座って、ね?伊織、オレンジジュースあるけど飲む?もちろん果汁100%だよ」

伊織「ふんっ、じゃあいただくわ」

響「むー…。 …でも伊織ってあれだな、イカの香りがしていいかおりだな」

伊織「!?」ブッ


真「な、ななななななな///」

P「え、それマジ!?ちょっと嗅がせていおりん!」ガタッ

春香「ちょっとプロデューサーさんは黙っててください」ポパピプペ【110番】

警察「警察だ!」

P「ぬわあああああああああああああああああああ」

響「プロデューサー!?どうしたんだみんな!?」

春香「ね、ねぇ響ちゃん、それどういう意味かな?」

響「だから、伊織がイカ臭いからいいかおりなんだぞ!」

春香「ごめん、本当に意味がわからない」

伊織「ああああんた、それ本気で言ってるわけ!?流石に許せないわよ!」

響「え、そこまで怒るかふつう?大したこと言ってないぞ?」

伊織「誰から聞いてもたいしたことよ!」

真「」///


春香「響ちゃんもうちょっと分かり易く説明してくれる?」

響「こんなこともわからないのか?仕方ないなー紙に書いて説明してあげるぞ」

春香(滅茶苦茶ムカつくのに愛らしいのはなぜだろうか)

響「まず『水瀬伊織』だろ?それと『イカ』だろ?『水瀬伊織』+『イカ』=『みなせいおり』+『イカ』=『みなせイいカおり』…『水瀬いい香り』!だぞ!どうだ!」

春香「……は?」

響「へっへーん!自分凄いだろー!」

春香「は?」

響「へ?」

伊織「響……あんたねぇ……」

響「も、もしかしてつまらなかったか?」

伊織「つまらないっていうレベルじゃないわよ!」

響「そ、そんなにくだらなかったか!?ごめん、でもなんでそんな怒るんだ!?」

伊織「くだらないとかそういう問題じゃなくて…ああ、もういいわよなんでも!」


真「伊織がイカの香りかぁ…うぷぷ」

伊織「なに笑ってるのよ顔真っ赤にして気絶してた人が。何を想像してたのかしらぁ?」

真「な、なにもやらしい想像なんかしてないやい!」

伊織「やらしいだなんて一言も言ってないんだけど?」

真「そ、それは…い、伊織だって初めは動揺してたじゃないか!なんで動揺してたんだよ!」

伊織「私がイカの香りはありえないけど、誰が何の香りなのか考えるのって面白いわね。他の765プロのアイドルたちはどんな香りになるのかしら?」

真「露骨に話を逸らすな!」

響「うーん、他の人の考えるのは難しいけど、真は汗の香りって感じだな!」

真「は?それって汗臭いってこと?」

響「いやそういう意味じゃなくて、『運動後の爽やかな香り』ってことだぞ!」

真「それってやっぱり汗臭いってことじゃないかー!」

伊織「にひひ♪いいじゃない汗の香り。あんたにピッタリよ」

真「なんだとイカいおりん!するめでも食べてろよ!」

伊織「きーっ、イカいおりんって何よ汗くさまこと!」

春香「二人とも落ち着いて!あ、あーっ、だったら私ってどんな香りなんだろーなー気になるなぁー」

伊織「春香はケーキとかクッキーとかそんなんじゃないの?」

真「お菓子の香りだね」

響「うん」

春香「うん。 え、終わり?(いじられないのはいじられないでなんだか寂しいなぁ…)」

伊織「なに?いじってほしかったの?リボンの香りがよかった?」

春香「ううん、そうじゃないよ。 わっほーいクッキーかーうれしいなー」


真「で、なにか他に意見ある?」

響「あ、あの!自分、一つ案があるぞ!」

真「なに?」

響「自分自身のにおい、出身ときたから次は自分の周りのもののにおいなんてどう?」

伊織「それって凄く難しいわよ。自分の周りのにおいってイメージしづらいし、自分じゃ分からないものじゃない?」

響「ふっふーん。それが自分は簡単にイメージできちゃうんだなー」

春香「響ちゃんのイメージはどんな感じなの?」

響「自分としては家族を売りにしたいさー。だから動物の香りだなんてどう!?ね!いい案でしょ!」

伊織「却下。」

響「うぎゃー、なんでなんで!」

春香「流石にそれは同意できないかな…」


真「流石に動物の香りはいい香りって感じはしなくないか?」

響「なに言ってるんだ、自分の家族はいい香りだよ!臭くなんかないぞ!」

真「臭いとは言ってないけど…世間一般じゃ『自分は動物の香りがプンプンします!』なんて言う人は自分は臭いですって自己紹介してるようなもんだと思うけど」

春香「確かに多くの人にはいいイメージは持たれないかもね」

響「えー、確かに少し臭いが気になる動物もいるけど…でも動物たちはみんながみんな臭いわけじゃないぞ!」

真「そうなんだけどさ…うーん、そうだね。例えば、動物園っていい香りする?」

響「うーん、いい香りはしないぞ」

真「いい香りがしないものを自分の名前にしてどうするのさ」

響「確かに…」

春香「じゃあこの案もダメってことで…他になにかない?」

伊織「ないわ…。このままならシークヮーサーの香りで決まりね」

春香「なんだかパッとしないね…ただのシークヮーサー好きな地元アイドルって感じがする」

響「はぁ…一体自分、どうすればいいんだ…」


真「……あのさ、一ついい?」

伊織「?なによ、まだ何か案があるの?」

真「いや、ちょっと違うんだけどさ…芸名につけるとかそんなんじゃなくて、別の売り方でいくってのはどう?」

春香「どういうことなの?」

真「例えば、『響の匂い付き消しゴム』とかそういう商品出すってことだよ」

春香「ええ…」

響「それはちょっと…ドン引きだぞ…」

真「例えだよ、例え!この路線ならそんな感じで出していこ!ね!」

伊織「出していこって言われても、アイドルの匂い付き商品ってなんかいかがわしいわよ…」

春香「それに響のイメージアップに繋がらなくない?むしろイメージダウンの要因になるかも」

真「うーん…じゃあ、握手会とかサイン会とか、ファンと接することを多くすればいいんじゃないかな?そうしたら響は臭くないことに気付いて臭いだなんて言う輩は減ると思うけど」

伊織「ファンサービスを増やすってことね。でもそれってただのアイドルとしての活動じゃない?別に今の響の評判を逆利用したってわけじゃあないじゃないの」

真「そう…そうなんだよ。結局何をするにもまずは基本をこなさないと上手くいかないんじゃないかな…?」

響「!うん…そうだな。その通りだ。ありがとう真!自分、どうすればいいか分かった気がするぞ!」


春香「どうするつもりなの、響ちゃん?」

響「真の言う通り、基本をこなして自分がアイドルとしてもっと成長すればいいんだ!」

春香「それじゃ普通じゃない?」

響「それでいいんだ!自分、臭いって言われてるのを逆に利用するとかなんだか難しいことばっかり考えてたけど、そんなことしなくても自分自身が成長すればファンも自然と自分を見てくれて、イメージアップにも繋がるんじゃないかな?」

伊織「まぁそうね。アイドルとしてのレベルが高くなれば見てくれる人は確実に増えるからね」

真「例えどんなに話題を作って注目を集めても、それに見合った存在じゃなきゃ失望させるだけだからね…」

春香「周りが光をくれるんじゃなくて、自分自身が光り輝き、人々を振り向かせる存在…それがトップアイドルなのかもしれないね」

響「そう!どんなに注目を浴びても、実力が足りなかったら駄目なんだ!だったら自分を磨いて、みんなの視線を全部自分に集められるくらい輝いてみせるぞ!」

伊織「そんなことあんたに言われなくてもわかってるわよ。 …でもたまにはあんたも言うじゃない。少しだけ見直したわ」

響「なんだそれ、今まで自分をどう見てたんだ」

伊織「まぁまぁやるわねってくらいかしら」

響「うがー、ムカつくけど伊織のほうが売れてるから言い返せないぞ…」


真「とにかくまず自分を研ぐ!なまくら刀じゃ斬れるものも斬れないからね」

春香「あはは…注目を集めるのは大事だけどね。でも、それだけじゃトップアイドルにはなれない。実力がなかったら頂点に立つことはできないんだから」

響「うんうん!まず自分がレベルアップするにはどうすればいいか考えよう!そうして積み重ねていけばいつかトップアイドルになれる気がするさー!」

春香「でも臭いって言われてるのはほっといていいの響ちゃん?気にならないの?」

響「あー、その点はプロデューサーに任せるぞ。それに自分のこと馬鹿にするのは本当は自分のことが好きだからってさっきプロデューサーが言ってたからきっと大丈夫!」

伊織「あんた、あんなやつの言うこと信じるわけ?」

響「プロデューサーは少し変態だけど、自分に嘘はつかない信じられるやつだぞ!」

伊織「(なんか適当なこと言ってセクハラしてそうだけど…)あんたがそう言うならそうなのかもしれないわね」

響「だろ?あー、スッキリした!早くレッスンに行きたい気分だぞ!」

春香「えへへ…私はなんだかお腹空いてきちゃった」

真「春香も?実はボクもなんだ…」

伊織「そういえば丁度お昼時ね。ほら、さっさと食事にでも行きましょ」

響「そうだな!あ、そうだ。イカ食べたいから海鮮料理屋なんてどうだイカりん?」

伊織「馬鹿にしてるつもり?あとイカりん言うな」

真「お昼だからもう少しフレッシュというか、さっぱりしたものが食べたいなーなんて…」

伊織「自分の汗でも煎じて飲んでれば?さっぱりしてるんじゃない?」

真「伊織?」

春香「はいはいストップストーップ!もう、すぐ喧嘩するんだから…。 あとなんだか忘れてる気がするんだけど…」

真「春香?何してるの?置いてくよー?」

春香「わっ、ちょっと待って~置いてかないで~!」














―――――――――警察署―――――――――

P「俺のこと忘れてた、イカみん?」

伊織「イカみん言うな!」





終わりですありがとうございました
伊織がちょっと意地悪すぎた気がしたなぁ?
自分はイカの刺身が大好きです

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