とある魔術のおてぃぬすたん (373)

新約10巻ネタバレ注意
短編集のつもり

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オティヌス「ん…朝か…」

オティヌス「おい、起きろ。おい」ペチペチ

上条「んあー…っておい。オティヌス、お前またここで寝てたのか。俺に押し潰されたらどうするんだよ」

オティヌス「ふん、私はそんなヘマはしない」

上条「よく言うよ、こんな小っこくなっちまって」ポムポム

オティヌス「指一本で撫でられるとは中々屈辱的だな……」

上条「よし、インデックス起こしに行くか。ほれ、肩に乗れよ」

オティヌス「よっと」ポスン

上条「落ちるなよー」

オティヌス「頭にしがみついておくから大丈夫だ」ノッシノシ

オティヌス「おお、髪の毛がツンツンしてて掴まりやすい」

上条「そすか…」

上条「おーいインデックスー起きろ。朝だぞー」

オティヌス「早くしろ、私は腹が空いているんだ」

禁書「むぅ…おはようとうま、オティヌス……ってあれ?オティヌスは?」

オティヌス「ここだ」

禁書「あ、今日のとうまやけに髪が潰れてると思ったらオティヌスが乗ってたんだね」

オティヌス「なかなか快適だぞ、ここは」

上条「光栄ですよー…」

禁書「私も乗って見たいんだよ!」

上条「止めてくださいインデックスさん」

上条「はい飯」コト

禁書「」モグモグ

上条「一瞬で平らげやがった……」

オティヌス「もくもく……ふぅ、おい、私はもういいぞ」

上条「お前は逆にそれだけでいいのか」

オティヌス「いいんだ」

禁書「そんなのだから大きくなれないんだよ。とうま、おかわり」

上条「いや、こいつが小さくなったのは飯の量関係ないだろ……」

オティヌス「胸の大きさは勝っているがな」

禁書「……」

上条「おいおい、朝っぱらから険悪なムードにすんなよ二人とも…」

条「行ってきまーす」バタン

禁書「行ってらっしゃーい」

スフィンクス「にゃー」


上条「はぁ…俺、進級できるのかなぁ……」スタスタ

オティヌス「何とかなるんじゃないか」ヒョコ

上条「うわぁ!お、お前くっついてきてたのか!?」

オティヌス「あの部屋に居ても退屈なんでな。お前と一緒にいればそれも解消されるだろう」

上条「ま、まさか毎日来る気か…」

オティヌス「何か問題でも?」

上条「お前は俺のねーちゃんか何かですか」

オティヌス「何を言ってるんだ。私とお前は『理解者』だろうが」ペシペシ

上条「……はは、そうだ。そうだな!」


学校にて


上条「おい、今から教室入るけどあまり出てくるなよ?クラスが大騒ぎになっちまう」

オティヌス「分かってる」

上条「みんなおはよー」ガラッ

「おお…上条だ」

「上条が昨日に引き続き学校に……?」

オティヌス「お前どんだけ学校に行ってなかったんだ」ボソボソ

上条「お前のせいでもあるからな!?」

青ピ「何をぼそぼそしゃべっとんのカミやん」

上条「ああ、いや、何でもないんだ!ははは……」

授業中


上条「……」カキカキ

オティヌス「」ピョコ

上条(……?あれ、分かんねえ…やべえ…)

オティヌス「ここはこうだ」トントン

上条「え、お、おお…すげえなお前……」

オティヌス「これくらい一般教養の範囲だが」

上条「くぅ……」

オティヌス「まぁそう落ち込むな。私が手取り足取り教えてやろう」

上条「ああ、ありがとな。なんかどこぞの妖精みたいだな。困った時に助けてくれる感じの」

オティヌス「ふふ、ティンカーベルか。悪くない」

上条「あんなにヤキモチ妬かないだろお前は」ハハハ

オティヌス「『理解者』のくせにそういうところは分かってないのか……まぁお前はそう言う人間か」

上条「?」


小萌「上条ちゃーん、さっきから何ボソボソ言ってるんですかー……あれ?」

上条「げ!?ま、まずい!隠れろオティヌス!」ボソボソ

オティヌス「とう」ピョン

小萌「あ、あれ…今上条ちゃんの机に15センチくらいの女の子がいたような……」

上条「や、やだなー先生。ここは学園都市ですよ?そんなオカルトありえませんって」

小萌「で、ですよねー…」

オティヌス「あの教師の方がよほどオカルトだがな」ボソッ

上条「しーっ!」

こんな感じでほのぼの続けていきます
オティヌスが死ななくて本当に良かった…

投下します


昼休み


上条「さて、パン買いに行こうっと」

オティヌス「私の分も頼んだぞ」

上条「何がいいんだ?」

オティヌス「ジャムパンはあるか?」

上条「んー…まぁ行ってみないと分からねーな。そういえばお前、デンマークでジャムパン勝手に食べられてえらくご機嫌斜めだったよな」

オティヌス「私が食べるはずだったのにあのおっさんが食べるからだ。お前も気付いていたなら止めろまったく」ペチペチ

上条「いやぁ、俺も気づかなくてさ」

オティヌス「まったくしょうがないやつめ」ペシペシ

上条「よし、ジャムパン確保」

オティヌス「でかした。さっさと食べよう」

上条「つっても人が少ないところ探しに行かなきゃな。じゃないと大騒ぎになっちまうし」

オティヌス「それならトイレでいいだろう?ほら、さっさと行け」

上条「やだよ!俺がいじめられててトイレしか安心できる場所が無いみたいじゃねーか!」

オティヌス「じゃあどこで食べるんだ。正直トイレくらいしか残されていないような」

上条「えー……と、目立たない校舎裏とか?」

オティヌス「ほう、そこは本当に人が来ないんだろうな?」

上条「多分……」

オティヌス「まぁいい、とりあえずそこに行こう。ほら、出発だ」グイグイ

上条「髪の毛をレバーみたいに動かすなって。ハゲたらどうすんだ」

オティヌス「掴みやすい髪の毛だったのでつい」

校舎裏


上条「おっ、良かった。誰もいなさそうだぞ」

オティヌス「よし」

上条「はいジャムパン」

オティヌス「デカすぎて持ちにくい。ちぎってくれ」

上条「ああ、ごめんごめん。はい」スッ

オティヌス「」モフモフ

上条「……」ジー

オティヌス「……?な、何だ?」

上条「小っちゃくて可愛らしいなぁと」

オティヌス「なっ!////」

上条「何かこう、なんとも言えない気持ちになるんだよ、小さいお前を見てるとさ」

オティヌス「このロリコンが」

上条「ちょっと違うと思う」

オティヌス「ま、私にゾッコンなのは悪い事じゃないけどな」

上条「あはは」

オティヌス「……はぁ」

上条「どうしたオティヌス。お腹いっぱいになったのか?」

オティヌス「ああ……」

上条「仕方ねえな……ほら、寄越せよ」

オティヌス「え?」

上条「もったいないだろ?俺が食べるよ」

オティヌス(……なるほど、私と間接キスがしたいのか?素直に言えばいいものを…///)

上条「?」

オティヌス「ほ、ほら。くれてやる」

上条「おう」モグモグ

オティヌス「美味いか?」

上条「ん?ああ、美味いけど」

オティヌス「そ、そうか……良かった」

下校時間



上条「よし、さっさと帰るか」


シーン


上条「……あれ?オティヌス?」

上条「……はぐれたのか?おいおいおい……まずいぞこりゃ」

上条「正直見つけるはかなり難しいな……なんたって今のアイツ小さいしなぁ」

上条「……ぐだぐだ言ってても仕方ねえな。さっさと探しに行かなきゃ!」ダッ


上条「おーいオティヌスー」

上条「オティヌスーいたら返事してくれー」

小萌「どうしたんですか上条ちゃん。何か探し物ですか?」

上条「はい、そうなんですよ」

小萌「何を探してるんですか?」

上条「ええと……15センチくらいの金髪碧眼の……人形、です」

小萌「あ!もしかして授業中にそのお人形出してましたね?眼帯の女の子の」

上条「えーっと……はい」


小萌「上条ちゃん、授業中にお人形遊びしたら駄目なのですよ?」

上条「遊んでたわけじゃいけど……すいません」

小萌「それにしても上条ちゃんにお人形遊びの趣味があったなんて……」

上条「え、いや、ちが……」

小萌「いえいえ、別に軽蔑してないのですよ!?趣味は人それぞれですから……まぁとにかく授業中のお人形遊びは控えてください!」

上条「は、はい……」

小萌「先生も一応探してみるのですよー。それじゃまた明日なのです」

上条「し、失礼します……」

上条「……俺の趣味がお人形遊びになっちまった…普通に考えてそんな男子高校生いねえよ……」

上条「これから小萌先生から妙な目を向けられることになりそうだなぁ……はぁ……」

上条「……いや、とにかくオティヌスを探さなきゃ。あいつきっと一人で心細いはずだ。俺が見つけないと」

続く

投下します

〇おてぃぬすたんに服を



上条「オティヌスー!おーい、オティヌスー!」

オティヌス「おーい…ここだ」

上条「うわ、木の枝に引っかかってたのか!気づかなかった……今助けるぞ」ヒョイ

オティヌス「ふぅ、お前の頭の上はやはり落ち着くなぁ」ポンポン

上条「なんであんなところに引っかかってたんだよ」

オティヌス「お前の頭の上でジャンプしてたらマントが枝に引っかかってしまったんだ」

上条「なぜジャンプをしてたのかはともかく、すぐ言えよな。結構探したぞ」

オティヌス「ふふ、ちょっとした悪戯心だよ。お前は無性に困らせたくなる奴だからな」

上条「おいおい……」

上条「とにかく、そのマント邪魔じゃないのか?」

オティヌス「まぁ不便なことは多いが」

上条「前々から思ってたんだよ。もっと普通の服を用意してあげなきゃなって」

上条「明日ちゃんとした服を用意するから今日は辛抱してくれ」

オティヌス「それは良いがこの服がちゃんとしてないみたいな言い方はやめろ」

上条「いや、どう見てもそれ服っつーよりビキニみたいなもんだし」

オティヌス「う、うるさい!」ベシベシ

上条「ちょ、痛い!結構痛い!」

オティヌス「この、この!」

上条の部屋


上条「明日は休みだしオティヌス用の服でも買いに行くか」

オティヌス「しかしこのサイズの服などどうするつもりだ?」

上条「人形用の服とか売ってる店あるだろ?あそこで買おうかと」

オティヌス「15センチくらいだが大丈夫か?」

上条「うーん…まぁとりあえず行って見なきゃ分からねえな」

上条「おいインデックス、明日は何か用事あるのか?」

禁書「明日はあいさと一緒に遊ぶんだよ」

上条「へえ、珍しいな。残念だけど二人で行くことになったぞオティヌス」

オティヌス「全然残念じゃないが」


翌日


上条「うわ…俺みたいな男子高校生が入れるような雰囲気の店じゃないぞこれ……」

オティヌス「立ち止まっていても仕方ないだろう。さぁ、行け」

上条「…腹括るしかねえな……」スタスタ

上条「うお、結構あるなぁ。順番に見ていこうぜオティヌス」

オティヌス「だが……やはり人形用なだけあってどれもキラキラしすぎじゃないか?」

上条「確かに。しかも15センチくらいのはあまり置いてないな。20センチくらいがほとんどだ」

上条「15センチくらいの服って言ったらこれくらいしか……」

オティヌス「なっ!こ、こんなモコモコしたのを私が!?」

上条「とりあえず着てみろって。俺が似合うかどうか判断するから」

上条(十中八九似合うだろうけど)


オティヌス「き、着てみたが……どうだ…?」

上条「おお、想像以上に可愛いぞ!まるで本物の人形みたいだ」

オティヌス「そ、そうか…///じゃあこれを買うとしよう」

上条「分かった。そうだ、これからのために服の作り方を学んでおこう。この手作りガイドブックも一緒に買うか」

オティヌス「お、お前が服を作ってくれるのか?」

上条「そっちのほうが将来的に安く済むし、お前とはこれからもずっと一緒だから覚えてて損は無いだろ?」ニコッ

オティヌス「……ああ、そうだな。私とお前はこれから先もずっと一緒だからな」クスッ

上条「さて、買い物も終わったし帰るか」

オティヌス「そうだな」

上条「どうだオティヌス、その服は」

オティヌス「まぁ少し暑苦しい気もするが、悪くないな」

上条「そりゃ良かった」


オティヌス「…………なぁ」

上条「んー?どうした、頭の上で正座なんかして」

オティヌス「ありがとう」

上条「どうしたんだよ、改まってさ。服のことなら気にするなって」

オティヌス「服のことだけじゃないさ。色々、全部、ありがとう」

上条「…………どういたしまして」ニコッ


上条「さて、ここからは人通りが多いからちょっとポケットの中入っててくれ」

オティヌス「何故だ?このままじゃ駄目なのか?」

上条「そりゃ目立つからな。ポケットのほうが安全だ」

オティヌス「却下だ。窮屈だし酔いそうだ」

上条「えー頼むよオティヌス」

オティヌス「頭の上で良いだろう」

上条「お前のそのモコモコの服ってほら、真っ白じゃん。俺の髪の色だとかなり目立つんだって」

オティヌス「じゃあ肩に乗るよ」

上条「どんだけポケット嫌なの!?」

オティヌス「決まりだ。肩に乗る。はい決まり」

上条「なんつー強引な……まぁお前らしいけど」

上条「じゃあ乗れよ。頭よりは目立たない……のか…?いや、なんかもう疲れたわ。よし、乗れ」

オティヌス「とうっ」ピョン

上条「落ちんなよ」

オティヌス「ああ。ここも頭の上に負けず劣らず良い場所だ。風が気持ちいい」

上条「なんか肩に乗ってると本格的に妖精っぽいなお前」

オティヌス「それは褒めてるのか?」

上条「さぁ、どうだろうな」

オティヌス「煮え切らないやつめ……」

上条「はは、たまにはな」

上条「さ、とにかく帰ろう。お前も色々疲れただろ」

オティヌス「そうだな……」

「おい……あいつこの前の動画で見たぞ」

「ほんとだ……どうして肩にモコモコした人形を……?」

「病んでるのか本物なのか……」


ザワザワ


上条(……めちゃくちゃ恥ずかしい……オティヌスは俺の顔に寄りかかってぐっすりだし……)


オティヌス「」スヤスヤ


上条「……」チラッ

上条(はぁ……ったく、気持ちよさそうに寝てるな。これじゃ起こすわけにもいかないし、このまま突っ切るか……)


ザワザワ


上条(ぐぅ…そのうち妙な噂が立ちそうで怖い……)

オティヌス「」スヤスヤ

続く

投下します


上条の部屋


禁書「おかえりー」

上条「おうインデックス、帰ってたのか」

禁書「わー!オティヌスがもこもこしてるんだよ!」

上条「おーい、ちょっと静かにしてやってくれ。こいつ今おねむなんだよ」

禁書「わわっ、気付かなかったんだよ」

上条「小さい体になって色々大変だろうからなぁ」

禁書「そうだねー」


オティヌス「」スヤスヤ


上条(はは、無邪気な寝顔……)


〇上条さんと小さな服



上条「なぁインデックス。お前が欲しい服ってのはどんなのだ?」

禁書「服?私はどちらかというと食べ物の方が……」

上条「いやいや、そうじゃなくってさ。俺今度オティヌスの服を作ろうと思ってな」

禁書「あー、普通のお店じゃ売ってないもんね」

上条「だろ?だから俺が作るうえでお前の意見も色々参考にしたいなって」

禁書「なるほどー」

上条「で、どうだ?こんな服の柄だったら嬉しいなって感じのある?」

禁書「うーん、私はそういうのはあまり詳しくないから上手く言えないんだよ」

禁書「でもオティヌスは大人っぽい服が似合う気がするかも。今着てるもこもこなのもとっても可愛いんだけどね」

上条「なるほど……大人っぽい服か…ありがとう!参考にするよ」

禁書「頑張ってねとうま」

上条「おう!」

上条「う~ん……チャレンジしてみたはいいけどやっぱり難しいな」

上条「いや、服を作るのが簡単じゃないことくらい最初から分かってたはずだろ。ここが踏ん張りどころだ」

上条「よし、もうひと頑張りだ!」

オティヌス「おい、さっきから何をしているんだ?」

上条「服作ってんだ」

オティヌス「服?私の?」

上条「お前以外で誰のを作るんだよ」

オティヌス「そ、そうか……あまり無理しなくていいんだぞ?」

上条「俺が好きでやってることだから大丈夫だ」

オティヌス「ならいいんだが…」

上条「完成、楽しみにしててくれよ」ニコッ

オティヌス「ああ、楽しみにしているよ」クスッ

深夜



禁書「……わぅ?明りついてる……」ボー

上条「……」

禁書「と、とうま!ずっとここで服を作ってたの?」

上条「ん……まぁな。もう少しで良いのが出来そうなんだよ……」

禁書「だからってこんな夜中まで……ううん、とうまは何言っても曲げないもんね。今回もそうなんでしょ」

上条「はは、まあな」

禁書「オティヌス、喜んでくれるといいね」

上条「ああ、そうだな……」ウトウト


翌朝


禁書「ふわぁ…」ムクッ

禁書「とうま、寝ちゃってる……あ、でもこれ…服、きちんと完成させてるんだよ……!」


上条「」スースー


禁書「ふぅ、ほんととうまはどうしようもないんだよ。今日は学校なのに」

禁書「でも、きっとオティヌスは喜んでくれるはずなんだよ」

禁書「だってとうま、あんなに頑張っていたんだから」ニコッ


オティヌス「あれ?こいつはまだ寝ているのか」

禁書「あ、オティヌス」

オティヌス「今日は学校だろう。まったくこいつは……」

禁書「ふふ、これを見たらそんなこと言えなくなるんだよ」

オティヌス「?」

禁書「じゃーん!」

オティヌス「!」


――――――――――

―――――


上条「ん……あれ、俺寝てたのか…」ゴシゴシ

オティヌス「おい」

上条「よう、おはようオティヌス………あれ?お前、その服……」

オティヌス「ああ。お前が作ってくれた服だ」

オティヌス「中々私の好みだぞ?」クルッ

上条「……すごく、似合ってる」


オティヌス「ありがとう」ニコッ


上条「!」

上条「……はは、頑張った甲斐があったよ……オティヌス」

オティヌス「ふふふっ……そうか?」

上条「ああ、疲れが吹っ飛んだ」ニカッ


上条「よし!張り切って学校……ん?あれ、そういえば今何時だ?」

オティヌス「十一時だ」

上条「完っ全に遅刻じゃねえか!!留年一歩手前だってのに!今からでも行かなきゃ!!」

オティヌス「ああ、今日はクラスの奴らにこの服を披露しなくてはならないからな」フフン

上条「いやクラスの奴らに見つかったら困るんだけど!?ていうかもっと早く起こしてくれよ!インデックスもオティヌスも!!」

オティヌス「あんまり気持ち良さそうに寝ていたものだから……なぁ?」

禁書「ねー」

上条「………いよいよ留年が現実的になってきたな…」

オティヌス「大袈裟な奴だ」

続く

投下します

〇おてぃぬすたんと小さな部屋



上条「こんな小さな部屋でもオティヌスにとっては結構辛そうだよな」

オティヌス「いや、別に対して辛くないが」

禁書「廊下も長く感じるのかな」

上条「そうだろうな…」

オティヌス「いや、そこまで…」

上条「何か良い案は無いかなー」

禁書「うーん…」

オティヌス「無視か」

上条「あ、良い案思いついた!」

禁書「え!?なに!?」ワクワク

オティヌス(どことなく芝居臭いな……)

上条「ドールハウスだ!オティヌスの身長に合ったドールハウスがあれば……!!」

禁書「おお!それならオティヌスも疲れることなく生活できるんだよ!すごいよとうま!」

オティヌス「まずはその白々しい芝居を止めろ」

上条「い、いやぁ、別に芝居なんかじゃ……」

オティヌス「お前たちドールハウスに憧れを抱いてるだけだろう?」

禁書「実は住んでみたいんだよ」

上条「俺も」

オティヌス「馬鹿しかいないのか」

オティヌス「ドールハウスなど必要ない。それにこの部屋のどこに置くんだそんな物」

上条「でも冗談抜きで気になってるんだ。疲れるだろこのままじゃ」

禁書「何かいい手段はないかな」

上条「うーん」

オティヌス「私は今のままで構わない」

上条「俺は気になるんだよ」

禁書「あ、今度こそ良い案を思いついたんだよ!」

上条「え、ホントかインデックス!」

禁書「スフィンクスに乗せてもらえば移動が楽になるんだよ」

オティヌス「断固として却下だ」

禁書「良い案だと思ったのになー」

オティヌス「あの猫、執拗に私を追いかけまわすからな」

上条「仲良くしろよ」

オティヌス「私にすぐ飛びかかる癖を直したら考えてやる」

オティヌス「それに私にはもう移動手段があるから心配ない」

上条「そんなのあったか?」

オティヌス「お前だよ」

上条「俺かよ」

オティヌス「お前の体は居心地がいいんだ。お前以上はいない」

上条「そうなのか?」

オティヌス「ああ、間違いない」

上条「まぁ……じゃあ俺がオティヌスを運ぶっつーことでいいのか?」

オティヌス「前からそうだっただろうに、何をいまさら」

上条「俺がいるときは全然こき使ってくれてもいいけど、俺がいない時はインデックスを頼れよ」

オティヌス「」チラッ

禁書「私は構わないんだよー!」

上条「な?」

オティヌス「……ああ、そうさせてもらおう」


〇上条さんとインデックスさん



禁書「とうまー!」ドタドタ

上条「どうしたんだよインデックス」

禁書「プリンが食べたいんだよ!」

上条「んだよそんなことか……」

禁書「聞き捨てならないんだよ!」

上条「もう寝ろよ。夜だぞ」

禁書「もー!買ってよとうまー!」

上条「おやすみーインデックス」スタスタ

オティヌス(今日もこっそり忍び込むか……)コソコソ

禁書「プリン食べたいー!」

つづく

投下しm

色々あって遅れましたすみませんとうかします

禁書「まったく!とうまはまったく!最近オティヌスに構ってばかりで私に冷たい気がするんだよ!」


禁書「本当、最近私への扱いが悪い気がするんだよ」


禁書「とうま……」


禁書「……」


禁書「zzz……」


翌朝


上条「起きろインデックス、朝だぞ」

禁書「むにゃ~……」

オティヌス「朝食はもう出来ているらしいぞ」ピョンピョン

禁書「うん……」

上条「ん?どうかしたのかインデックス」

禁書「ううん……」


禁書「顔洗ってくるんだよ……」テテテ

上条「…………元気ないな……?」

オティヌス「そうか?いつも通りだと思ったがな」

上条「本気で言ってんのか?明らかにいつもと違っただろ」

オティヌス「いつも一緒にいたお前には分かっただけだ。私には分からなかった」

上条「……そうか」

上条(インデックスの奴、どうしたんだ?)


禁書「……」モグモグ

上条「……」

オティヌス「」モフモフ

上条「……インデックス。今日はやけに食べるの遅いけどどうかしたのか?」

禁書「ううん……元気だよ」

上条「そ、そうか……」

オティヌス「お前、何かしでかしたんじゃないのか?」ボソッ

上条(ええー……何かしたかな…)

禁書「ごちそうさま」

上条「お、おう」


上条「それじゃ学校行ってくる」

禁書「うん、いってらっしゃい」

オティヌス「よし、出発だ…おっと!」グラッ

上条「よっ」パシッ

上条「気を付けろよオティヌス。ちゃんと俺につかまってろ」ポスン

オティヌス「あ、ああ…すまない////」カァァ

禁書「……」


禁書「はぁー」ゴロン

禁書「最近のとうまは本当にオティヌスのことばっかり」

スフィンクス「にゃー」

禁書「ねぇスフィンクス。もしかしてとうまは私のこと邪魔だと思ってるのかな?」

スフィンクス「にゃー」

禁書「……私が邪魔者…かぁ…」

禁書「あんまり……考えたくないかも」

スフィンクス「にゃー」


禁書「ねぇスフィンクス。私はどうしたらいいと思う?」

スフィンクス「」ゴロン

禁書「……寝ちゃった」

禁書「私もお昼寝しよう……」

禁書「目が覚めれば何か変わっているかも……なんてね」

禁書「はぁ……」

――――――――――――

―――――


禁書「ん……」パチッ

禁書「わっ!もう夕方なんだよ!」

禁書「……お腹すいたんだよ…」グゥー

禁書「れいぞうこ……」ガチャ

禁書「あれ……プリンがあるんだよ」

上条「よう、起きたかインデックス」

禁書「とうま!帰ってきてたの!?」


上条「そのプリン、お前のだから」

禁書「う、うん……でも、どうして……?」

禁書(とうまにとって私はじゃm)

上条「どうしてって……お前がプリン食べたいって言ってたし」

上条「それにさ、お前が何で元気ないのか俺にはよく分かんねえけど、でも」

上条「お前が落ち込んでると……お前がいつもみたいに笑ってないと、俺の調子も狂うっていうか……」

上条「とにかくそれ食べて元気出せよ、インデックス」ナデナデ

禁書(とうま……!!)

上条「うんっ!!ありがとう、とうま!」ニコッ

上条(やっと笑ってくれた……)ホッ


禁書「とうまにも一口あげるんだよ!」

上条「いいよ、俺は。腹減ってんだろ」

禁書「あげるったらあげるんだよ!絶対だよ!」

上条「分かったよ、ありがとうなインデックス」ナデナデ

禁書「オティヌスにもあげるんだよ!」

上条「ああ、あいつきっと喜ぶよ」

禁書「えへへ~」ニコニコ


〇おてぃぬすたんとかくれんぼ



オティヌス「おい、暇だぞ」

上条「インデックスは遊びに行ったしなー」

オティヌス「暇だぞ」

上条「分かったって。でもなーんにもすること無いぞ。おとなしく俺と一緒に昼寝でもしようぜ」

オティヌス「それは後だ。まだ午前10時だぞ」

上条「でもすることないだろ。体が小さいと遊ぶ手段も限られてくるからな」

オティヌス「……いや、この体でも、そしてこの部屋でも暇をつぶせるものを思いついたぞ」

上条「なんだよそれ」

オティヌス「かくれんぼだ」


上条「かくれんぼ?何か意外だな、お前がかくれんぼって」

オティヌス「別にいいだろうが。さぁ、私が隠れるからお前は目を瞑って数を数えろ」

上条「はいはい」

オティヌス「しかしあれだな。ただ遊ぶだけじゃつまらない」

上条「俺はつまんなくないから。罰ゲームとかは無しな」

オティヌス「…………」

オティヌス「で、罰ゲームの内容だが」

上条「おい」

オティヌス「ありきたりだが、負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くというのはどうだ?」

上条「えぇ……前に御坂とその条件で勝負して、罰ゲームさせられたしなぁ……」

オティヌス「何っ!?」

上条「な、何だよ、急に大声出して……」

オティヌス「一体何をさせられたんだ!?ま、まさか……!」

上条「いや、別に大したことはしてないぞ」

オティヌス「そ、そうか……」ホッ

上条「どうかしたのかよ」

オティヌス「うるさい、この鈍感が」

上条「……?」

つづく

投下します

オティヌス「制限時間は20分。それまでに私を見つければお前の勝ちだ。逆に逃げ切れば私の勝ち。では今から隠れるからな?目を瞑っていろよ」タタッ

上条「へいへい」

上条「いーち、にー、さーん」

オティヌス(あいつが絶対に見つけられない場所に隠れてやる。罰ゲームを行使するのは私だ!)

上条「しー、ごー、ろーく」

オティヌス(この身長を最大限に生かせる場所か!?いや、逆に私が絶対に隠れないような目立つ場所か!?)

上条「しーち、はーち、きゅー」

オティヌス(よし、決めた!)

上条「じゅー……もういいかー?」


シーン


上条「返事くらいしろよオティヌスー」


オティヌス(心苦しいが、勝つためだ。ここは良心を捨て去り確実に勝利を収める!)


上条「……ま、探すか。返事しないってことはそれほど本気ってことだしな」


上条「ここかー?」ガチャ


オティヌス(一番最初にトイレの中を探すってどういうことだこいつ……)


上条「あれ、ここじゃなかったか……」スタスタ

上条(あいつ小さいからそれを生かした場所だよな、きっと)

上条「ここだろ?」パコッ


オティヌス(どうして便座の裏だと思うんだ!?)


上条「あっれー?おかしいなー」


オティヌス(おかしいなーじゃない!お前は私にどんなイメージを持ってるんだ!!)


上条「オティちゃーん、オティヌスちゃーん」

上条(んー…分かんないな。逆にアイツが絶対隠れそうにない場所とかか?)

上条「そうか、分かったぞ!!」

上条(あいつが絶対に隠れそうにない場所……ここだっ!!)


オティヌス「」プチッ


オティヌス「私がゴミ箱に隠れてると思うのかお前はぁぁぁぁぁ!!!」


上条「!?」ビクッ


上条「あ」


オティヌス「あ」


上条「オティヌスちゃんみーつけた!」


オティヌス「……ちくしょう」


上条「あぁ、20分間俺の後ろに付いて回って逃げ切ろうって作戦だったのか。どうりで見つからなかったはずだ」


オティヌス「たとえお前の後ろに付いてなくてもゴミ箱やトイレには絶対隠れなかったけどな」


上条「それにしても馬鹿だなーお前。自分から場所をばらすなんて」

オティヌス「お前がゴミ箱なんぞ漁るからだ。ふざけていたのか?」

上条「まさか!大真面目だったっての」

オティヌス「ちっ……まぁいい。で、何だ?」

上条「何だって何だよ」

オティヌス「罰ゲーム。私が言い出したことだ。逃げるつもりはない」

上条「あぁ、罰ゲームか……」

オティヌス「何でも言ってみろ。お前の頼みなら、どんなことでも出来る限り尽くすぞ」


上条「そうだな……じゃあオティヌス。命令だ」

オティヌス「ああ」

上条「今から俺と一緒に昼寝しよう。これで罰ゲーム終了な」

オティヌス「そ、そんなことでいいのか!?」

上条「いいんだよ」

オティヌス(もっと踏み込んだ内容を期待していたのだが……)

上条「さ、遊んで疲れただろ。寝ようぜー」スタスタ

オティヌス(ふふ……まぁ、コイツらしいな)クスッ

オティヌス「では、私はお前の体をベッド代わりにするとしよう」

上条「はは、お前の好きにしろよ」

オティヌス「ああ、そうする」ニコッ

つづく

投下します
30レス近くあるので注意


○おてぃぬすたんと写真




オティヌス「」モグモグ


パシャッ


オティヌス「!?」

上条「あー、反応しなくていいぞ。そのままそのまま」

オティヌス「どうしてお前は写真を撮っているんだ?」

上条「いやぁ、なんか急に思い立ってさ。こういう日常を写真として残しておきたいなって」

上条「俺たち写真とかほとんど無いもんなぁ」

禁書「たしかにそうかも」

上条「だからさ、こうして日々の生活の記録を撮っておこうと思って」

禁書「後で見返すときっと楽しいんだよ」

オティヌス「…そうだな……」

上条「ていうことでオティヌス、そのまま食べててくれ」

オティヌス「ああ、分かった」


パシャッ


禁書「とうまー!スフィンクスがお茶をこぼしちゃったんだよ!」

上条「何ィ!?ま、とりあえず撮っとくか」パシャ

禁書「もう!写真撮ってないで早くー!」

上条「焦るなって」パシャシャ

禁書「あ!とうま、今私を撮ったの!?」

上条「はは、すげー仏頂面」

禁書「もー!!」

上条「ははは、おい見ろよオティヌス」

オティヌス「ふふ、本当だな」クスッ


スフィンクス「にゃー」

オティヌス「おわっ!コイツ、今度は私を狙って!?」

上条「おっ、シャッターチャンス!」パシャ

オティヌス「こ、こら!早く助けろ!」ダダダ

スフィンクス「にゃー」

上条「あはは、咥えられてる」

オティヌス「笑い事じゃない!まったく!」ブラーン


―――――――――――――

―――――――


上条「だいぶ写真も多くなってきたな」

禁書「みんな楽しそうなんだよ」

上条「あれ?俺とオティヌスが二人で映ってる写真だ……」

オティヌス「!!」

オティヌス「み、見せてくれ!」ガバッ

上条「はは、ホントに妖精みたいだ。肩にちょこんって座ってて可愛い」ナデナデ

オティヌス「ま、まぁ悪くない写真だな////」ニヨニヨ

禁書「私が撮ったんだよ!」

オティヌス「ほう、中々いい仕事をしたじゃないか」

禁書「私ととうまのツーショットも撮って欲しいんだよ」

オティヌス「断る」


上条「写真ってさ、俺達が死んだ後もずっと残るもんだろ?」

上条「それならなるべく多い方がいいよ」

上条「その時の一瞬をこうやって切り取って、ずっと残していくのってすげえことだと思わないか?」

禁書「私も思うんだよ!」




オティヌス「!」




オティヌス(そうか……)

オティヌス(お前は、いつか必ず……)

オティヌス(…………)


●魔神オティヌスの苦悩





上条「最近オティヌスの元気がない気がする……」

禁書「そうかな?」

上条「何か、違うんだよな……よそよそしいっていうかさ……」

禁書「私は特に何も思わなかったけれど……とうまが言うならそうなんだろうね」

禁書「何せとうまとオティヌスは ず っ と 一 緒 だったんだからねっ!」

上条「何で怒ってんだよ……」


上条「う~ん……俺、オティヌスに何か妙なことしたかな?何か気に入らないことでもあったのか?」

禁書「女々しいんだよ!」

上条「うぐっ!う、うるせー!俺はオティヌスを大切にしてんだよ!」

禁書「ふーん?私は?」

上条「お、お前も大切だよ。二人とも俺にとって守るべき存在だ」

禁書「ふふふ、なら安心かも」

上条「とにかくだ。オティヌスの元気がないのは見過ごせないよな」

上条「よぉし!俺がオティヌスを必ず元気にしてやる!」


上条「おーいオティヌス。どこだー?」ドタドタ

上条「いないな……あいつ、まさか一人で抜け出したのか?」

上条「……危険すぎる!だってあいつ、あんなに小さいのに!しかも今日は雨だぞ!!」

上条「インデックス!俺ちょっとオティヌス探してくる!」

禁書「う、うん!気を付けてね」

上条「オティヌス……無事でいてくれよ」タタッ




ザアアアアアアアアアア・・・



オティヌス「…………」スタスタ


オティヌス「……はぁ」


オティヌス「私は……」


オティヌス「…………」


オティヌス「……くしゅん」


オティヌス「…………さむい」


上条「はぁっ、はぁっ……見つけた!オティヌス!」



オティヌス「!」


オティヌス「…………お前、傘はどうしたんだ。ずぶ濡れじゃないか」



上条「そのセリフ、そっくりそのまま返すよ」ハハ

オティヌス「……ふふ、私が傘など持てるはずがないだろう」

上条「俺が最近作っただろ?まぁ傘じゃなくてかっぱだけどな。ほら、持ってきたぞ」ニコッ

オティヌス「……優しいな、お前は」

上条「は?何がだよ。いいから早くこれ着ろって」

オティヌス「…………ああ」

上条「歩き疲れただろ?俺の肩に乗れよ」

オティヌス「いいのか?」

上条「早く乗れ。一緒に帰るぞ」ニコッ

オティヌス「……ああ」



オティヌス(お前は優しい奴だ。そんなお前と、私はずっと一緒に居たい。ずっとずっと、一緒に……)


オティヌス(だけど)


オティヌス(それはきっと、どう足掻いたって、叶わない願いだから……)


ザアアアアアアアアアア



上条「どうして一人で、こんな雨の中出たりしたんだよ?」


オティヌス「さぁな……」


上条「おいおい……」


オティヌス「…………」


上条「…………」


上条「……なぁオティヌス」


オティヌス「何だ」


上条「何か……悩みでもあんのか?」


オティヌス「…………」


上条「あるなら、俺でよければ相談に乗るよ」


オティヌス「……お前にだけは、できない」


上条「ん?今なんて……」


オティヌス「お前にだけはできない、と」


オティヌス「そう言ったんだ」




ザアアアアアアアアアアアア




●上条当麻の決意



上条「」ズーン


禁書「……」


上条「」ズーン


禁書「……」


上条「はぁ~~~~~……」


禁書「とうま!さっきからうっとおしいかも!」

上条「……俺ってそんなに頼りない?」

禁書「そ、そんなことないと思うけど……」

上条「でも、オティヌスからは頼りにされてないってことだよなぁ……」

禁書「オティヌスは……どうして話さないのかな」

上条「…………」

上条「どうしてだろうな……」

上条「きっと……とてつもない悩みなんだろう」

上条「それでも……それでも、俺になら話してくれると思ってたのに…………」

上条「結局自惚れてただけか……あはは……」

禁書「とうま」

上条「んー?」

禁書「確かにオティヌスはとうまに悩みを打ち明けてくれなかったんだよ」

上条「言われなくても、分かってるよ……」

禁書「ううん、重要なのはこの後。きっと私がオティヌスに尋ねても打ち明けてくれないと思うんだよ」

上条「……?」

禁書「オティヌスの悩みを解決してあげられるのはとうまだけだと思うんだよ」

上条「……でも俺は、きっぱり言われたんだ。お前にだけは言えないって……ん?お前に『だけ』は……?」

禁書「そうだよ」コクリ

禁書「今のオティヌスはきっと、とうまのことで悩んでる。苦しんでる。だからそれを解決できるのは、とうましかいない」


上条「…………!!!」

上条「俺、行ってくるよ!今度こそオティヌスを助ける!!」

禁書「うん、それでこそとうまだよ」

上条「ありがとう、インデックス。お前のおかげで道が見えた。お前ももう、立派なシスターさんだな」ニコッ

禁書「ふふ、そうだと嬉しいな」

上条「ああ、間違いない。俺が断言する……大食いと噛み付きさえなければ」

禁書「とうま?」

上条「何でもないです」


上条「じゃあ行ってくる!!」


禁書「うん、行ってらっしゃい」


●魔神オティヌスの涙






オティヌス「…………」


上条「何黄昏てんだよ、オティヌス」


オティヌス「……お前か」


上条「1人でこんなところまで来やがって。大変だったろ」


オティヌス「……別に」


上条「こんな高い橋の手すりなんかに座ってたら危ないぞ?」


オティヌス「……そうだな」


上条「…………なぁオティヌス」


オティヌス「どうした?」


上条「お前、なんで最近元気ないんだよ」


オティヌス「……別に」


上条「……そっか」


上条「じゃあもう一つ質問だ」

上条「どうして最近俺を避けるんだよ。しまいにゃ泣くぞ」

オティヌス「……別に、避けてなんて…………」

上条「お前が急に俺を避けるようになったのって、確かあの時だよな?」



上条「俺達の日常の写真を三人で見てた、あの日」

オティヌス「っ!」



上条「……なぁ、俺、何か気に入らないことしたか?そうなら謝る。だから……」



オティヌス「何も無いと言っているだろうがっ!!!!」


上条「……いいや、何も無いならそこまで声を荒げるわけないだろ」

オティヌス「……!!お前はっ……!お前には話せない!!言ったはずだ!!」

上条「でも俺は聞きたいんだ」

オティヌス「うるさい!!何度も言わせるな!!お前には話さない!!」

上条「どうして俺には話せないんだ」



オティヌス「それは………!!!」


オティヌス「……それは………………」ウルッ


オティヌス「ぐすっ……それ……は……ひぐっ…」ポロポロ



上条「聞かせてくれ、オティヌス」




上条「俺達は、世界でふたりぼっちの『理解者』同士だろ」ニコッ




オティヌス「…………っ!!!」ポロポロ


オティヌス「私は……人間じゃない……ぐすっ…魔神なんだ…」


上条「だからなんだってんだ?今更そんなことどうだっていいだろ」


オティヌス「……お前は、あと百年も経たずに……寿命で死ぬだろう」


上条「まぁそうだな。人間なんて、みんな……」


オティヌス「……私はその後もずっと生き続けるんだ………」


上条「!」


オティヌス「私はいくつもの世界を渡ってようやく……ようやく、お前という『理解者』を得たんだ……」


オティヌス「お前とずっと一緒に……それこそ永遠に一緒に居たいと……そう思っていた」


オティヌス「だけどそれは……絶対に叶わないから……」


上条「…………」


オティヌス「……なぁ…おい……」


上条「……何だ」

オティヌス「私はっ!!!」


オティヌス「お前が死んだあと、私はどうすればいい!?」


オティヌス「ひとりぼっちで………お前のいない世界で!!私はどう生きていけばいい!!?」


オティヌス「なぁ……教えてくれよ……」ポロポロ


オティヌス「私は……お前無しで生きていける自信がないんだ……」


オティヌス「怖いんだ……どうしようもなく…」


オティヌス「ぐすっ……ひっく……うぅ…」


上条「…………」


上条「俺はいつか死ぬ。それは間違いない。でも、俺とお前はずっと一緒だ」


オティヌス「そんな都合のいいことがあるものか……死んだらお前の声を聞くことも、顔を見ることもできなくなる……」


上条「そんな脆いもんじゃねえだろ、俺達は」


上条「声が聞こえなくても、顔を見ることが出来なくても。それで全部崩れちまうようなもんじゃないだろ」


オティヌス「だがお前はもういなくなってしまっているんだぞ!?ずっと一緒なんて……!!」


オティヌス「…………不可能だ…」ポツリ



上条「いるよ、たぶん。お前の頭ん中に」



上条「お前が俺のことを覚えている限り、俺がお前と一緒に過ごした時間や思い出はお前の中にある」


上条「そしてお前は魔神だ。百年そこらで記憶があやふやになるような頭の出来じゃねえだろ」




上条「だからさ、オティヌス。きっと俺とお前は、ずっと一緒だ」ニコッ




オティヌス「…………!!」


オティヌス「……ふふ、そうか……、私の頭の中で……心の中で……お前は私とずっと一緒に居てくれると……そういうことか…」ポロポロ


上条「少なくとも俺はそう思ってる。気休めかもしれないけどさ」


オティヌス「いや…ありがとう……少し気楽になれたようだ……」


上条「まぁ、それにさ。今からそんなの悩まなくたっていいだろ。俺が生きてるうちは、必ずお前の隣にいるから」


上条「だから、とりあえず今は笑えよ、オティヌス」ニコッ


オティヌス「ぐすっ……ああ……ああ……!!笑うよ……」


上条「それでよし」ナデナデ


オティヌス「……ふふ」


上条「よし、乗れよ。二人で一緒に帰ろう。インデックスも待ってるからな」


オティヌス「ああ……!」


ガチャ


インデックス「おかえりとうま、それにオティヌス!待ってたんだよ!」

上条「ただいまインデックス」

オティヌス「……ただいま」



上条「おかえりオティヌス」

オティヌス「……ああ、ただいま」

上条「これからもよろしくな」ニコッ

オティヌス「………こちらこそ、だ」



オティヌス(心に刻もう……こいつの笑顔を)

オティヌス(この瞬間を……)

つづく
次回は「おてぃぬすたんとオナホール」
読んでくれた人ありがとう更新は未定

投下します


○おてぃぬすたんとオナホール



上条「」ジー

オティヌス「ん?どうかしたのか?」

上条「え?あ、いや、何でもないんだ、ははは」

上条(なぜだろう……最近オティヌスを見てると妙な気持ちになる……)

上条「トイレ行ってくる」スタスタ

オティヌス「いちいち言わなくていい」


ジャー


上条「ふぅ……」スタスタ

オティヌス「長かったな。腹でも下したか?」

上条「いや、お腹は痛くありませんよ」

上条「強いて痛むとすれば……心、ですかね」

オティヌス「は?何を言っているんだ?そしてなぜ私と目を合わせない?」

上条「……」

オティヌス「な、何か喋ったらどうだ……」

上条「……」


プルルルルルル


青ピ『どしたんカミやん。僕に電話なんて珍しい……』

上条「頼む!青髪ピアス!!」

青ピ『……ただ事じゃなさそうやな……取り敢えず聞くわ』

上条「俺にお勧めのオナホを教えてくれ!!!」

青ピ『……なるほど』ニヤッ

青ピ『そんなん協力せんわけにはいかんやろ、カミやん!』

青ピ『まかしとき!僕がカミやんにとって最っ高のオナホを見つけたるわ!』

上条「さすが頼りになるぜ!頼んだぞ!」


翌日


プルルルル


上条「!き、きたか!?」

オティヌス「?」

上条「も、もしもし」

青ピ『カミやん……ついに最高のオナホを見つけたで……カミやんのオーダーとほぼ一致しとる……』

上条「ど、どうした…?声が震えてんじゃねえか…」

青ピ『ふっ……たった一日寝ないで研究してただけや…』

上条「お、お前ってやつは………!!」


青ピ『なぁに……友達がオナホデビューしようって時は全力で支える……それが僕のポリシーやからな』

上条「……っ!ありがとう、本当に。お前が友達で良かった」

青ピ『そう言ってもらえると……僕も……zzzz』ドサッ


ツーツーツー


上条「ありがとう……ゆっくり休んでくれ……」ホロリ

オティヌス「誰との電話だ?」

上条「大切な親友さ……」ニヤッ

オティヌス(女じゃないだろうな……)


学校


上条「……」ソワソワ

オティヌス(何だこいつ……)

上条「よし、そろそろ集合の時間だな」

オティヌス「ん?」

上条「ごめんオティヌス、ちょっとの間机の中で待っててくれ。人と会う約束があるんだ」

オティヌス「は?お、おい、まて……」

上条「すぐ戻ってくるから」タタッ

オティヌス(まさか……まさか…女…!?いや、あいつは私の隣にずっといてくれると言っていたはず……)モンモン


校舎裏



上条「青髪ピアス!」タタッ

青ピ「おーカミやん。時間通りやな。じゃあさっそくやけど、これがお望みの品や」

上条「おお、これが……!」

青ピ「そう、数々のロリ系オナホの中でもマニアの中では最高の名器と噂されるのがこのオナホ……『ようせいさんのちいさなあそこ』!!」

上条「これがあの伝説の……」

青ピ「ファンの間じゃ『フェアリー』の愛称で親しまれとるこのオナホ……なんやけど、ちょっと扱いにくいんや」

上条「?」

青ピ「まぁ見てもらった方が早いわ。ちょいと開けるで」

上条「ああ、構わないけど」


青ピ「ほら、見てみ」

上条「小さい穴だな……」

青ピ「そや。名前の通りこのオナホは極限まで妖精さんサイズを再現しとる」

上条(確かにオナホの大きさは15センチくらい……だが穴は数センチくらい『フェアリー』のがデカイ気がする。あくまでも俺の予想でしかないが…)

上条(あれ?俺は何と比べてるんだ?)

青ピ「『フェアリー』は見ての通りこの小ささや。使用回数は一回こっきり……一度使えば壊れてしまうんや」

青ピ「それでも人気が高いんは……「めっちゃくちゃ気持ちいい」……これに尽きる…!!」

青ピ「一度使ったロリ系オナホ愛好者は、もうこれから離れられへん……らしいで」

上条「……」ゴクリ

青ピ「カミやん……覚悟はええな?」

上条「覚悟はある!俺は使う!!」

青ピ「それでこそ僕の友達や……」フッ


青ピ「ではこれより『ようせいさんのちいさなあそこ』授与式を行います」

上条「はいししょー!」

青ピ「あなたは『ようせいさんのちいさなあそこ』を受け取る覚悟はありますか?」

上条「あります!」

青ピ「あなたは『ようせいさんのちいさなあそこ』のリピーターになることを誓いますか?」

上条「誓います!」

青ピ「あなたは『ようせいさんのちいさなあそこ』を永遠に愛し、そして敬うことを誓いますか?」

上条「……え?いや、それはどうかな……」

青ピ「……まぁええわ。カミやんもいつか本気で愛すべき女性が出来るかもしれんからな。この質問は酷ってもんやな」

上条「す、すまん……」

青ピ「では授けます。オナニストに幸あれ」スッ

上条「感謝します……ししょー!!」

――――――――

―――――


上条「いやーオティヌス、待たせたな」

オティヌス「……どこに行っていた」

上条「ん?校舎裏だけど」

オティヌス「何をしていたか答えろ」

上条「え!?い、いやぁ……まぁ…あれだ。すごく大切なものを貰ったんだ」ニヤッ

オティヌス「!?」


オティヌス(ま、まさか……本当に…女!?)

下校時間



上条「♪」スタスタ

オティヌス「随分機嫌がいいんだな……そんな大事そうに鞄を抱えて」

上条「まぁな!」

オティヌス「…………大切なモノ、というやつが入っているからか?」

上条「そうだぞ」ニヤッ

オティヌス「……それは、一体何なんだ?何を貰った?」

上条「うぇあ!?あー……っと、とにかく大切なもんだよ!」アセアセ



オティヌス(……)



上条「ただいまー」

禁書「おかえりとうま、オティヌス」

オティヌス「……」




禁書「ねーとうま。今日のごはんは何かな?」

上条「今日は麻婆豆腐だぞ」

禁書「わーい!」

上条「今から作るからな……ん?あ、ネギ買い忘れた」

禁書「えー!?」


禁書「ネギのない麻婆豆腐なんて私は認めないんだよ」

上条「はいはい分かりましたよ。今から買ってくるから待ってろ」

禁書「頼むんだよ」


バタン


禁書「さて、テレビでも見ながら待ってるんだよ」グデー

オティヌス(今がチャンスだ……!あいつの鞄の中身を探ってやる!!)

オティヌス(もし女のニオイがしそうな物があれば……その時は……!!)ゴゴゴ


禁書「ん……ちょっと眠くなってきたんだよ……」ウトウト

オティヌス(好都合だ。今こそあいつの秘密を暴くっ!)タタッ

オティヌス(あいつは一体何を貰ったっていうんだ!?)ガサゴソ




『ようせいさんのちいさなあそこ』




オティヌス(…………)

オティヌス(……これは………………)



ガチャ


上条「財布忘れたー………!!?!?!?」


上条「おっ、お、オ、オティヌスさん!?何を持ってんですか!?」

オティヌス「おい」

上条「はっ、はいなんでしょう!?」

オティヌス「これは一体何なんだ?」キョトン

上条(……占めた!!オティヌスは今持ってるのがオナホだと気付いていない!!!)

上条「あーそれな!最近発売した新型の……」

オティヌス「とでも言うと思ったかこのド変態がぁぁぁぁぁっ!!!」ブン

上条「俺の『フェアリー』がぁぁぁ!!」


パコッ


禁書「ん……むにゃ……何か頭に当たったんだよ」ヒョイ

禁書「……なにこれ?」


上条(まずい!純粋なインデックスが汚れちまうっ!!)


上条「インデックス!それをこっちに寄越せ!それはお前が持っちゃいけないもんなんだ!!」

禁書「え?そうなの?」

オティヌス「渡すな!それはオナホだ!オナホなんだぞ!!」

禁書「おなほ?」

上条「ばっかオティヌスお前、そーゆうのあいつに教えんなって!!教育に悪いだろうが!」

オティヌス「ならオナホなんて貰うんじゃない!!」

禁書「???」


禁書「よく分からないけど、怪しそうなのは確かなんだよ」

上条「くっ!」

禁書「だからこれは責任を持って私が管理しておくんだよ」

上条「か、勘弁してくれよインデックス……」

オティヌス「いっそのこと処分した方がいいんじゃないか?」

禁書「それもそうかも」

上条「なっ……!?や、やめっ」





―――カミやん……ついに最高のオナホを見つけたで


―――友達がオナホデビューしようって時は全力で支える……それが僕のポリシーやからな


―――オナニストに幸あれ





上条「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


上条(俺が腕を伸ばした時には、もう遅かった)



上条(親友から貰った大切な『フェアリー』の穴は……俺の目の前で……)



上条(インデックスの手によって……)



上条(引き裂かれた……)



禁書「あれ?なんだかこの小さい穴の入り口が裂けたんだよ?」

オティヌス「それでいいんだ……それでな」


―――――――――

――――


上条「」


オティヌス「…………」


上条「」


オティヌス「…………」


オティヌス「いくらなんでも落ち込みすぎだろう……体育座りするなよ……」


上条「……」


オティヌス「何とか言ったらどうなんだ……」


上条「……」


オティヌス「……悪かったよ。だがお前にはオナホなんて使って欲しくなかったんだ」


上条「……」


オティヌス「お前にはオナホなんて必要ない」


上条「……」


オティヌス「その……わ、私がいるだろう……/////」ゴニョゴニョ


上条「……zzz」グー


オティヌス「何だ……寝てたのか」






オティヌス「……ばか」

続く
そろそろ終わる予定

投下します
最終回です

○上条さんとおてぃぬすたん




禁書「むにゃ……」スヤスヤ


オティヌス「…………」


オティヌス「……あ、紙が置いてある」


オティヌス「……」


オティヌス「…………あいつが私のために作った専用のペン……何処に行ったかな」


オティヌス「……」キョロキョロ


オティヌス「……お、あった」


オティヌス「…………」


オティヌス「……」カキカキ


オティヌス「……」ジー


オティヌス「………………ふふふ」ニヤニヤ




上条「はーさっぱりしたー」ホカホカ

オティヌス「!!?」ガタタタン




上条「お?どうかしたのかオティヌス」

オティヌス「べっ、別に!」カサカサ

上条「何だその紙?」

オティヌス「何でもない!!」

翌朝


オティヌス「……」ポー


オティヌス「……」チラッ


上条「あ……オティ……ぐー」ムニャムニャ


オティヌス「……私の名前……呼んだか?」


上条「んー……」


オティヌス「……寝言、か。紛らわしいやつめ……」


オティヌス「とにかくアレを処理しなくては……」テクテク


禁書「zzz……」


オティヌス「んー……お、あった」


オティヌス(ゴミ箱に捨てたらバレるかもしれないからな……こうして折って……)


オティヌス(よし、紙飛行機完成っと)


オティヌス(この棒でベランダの鍵を開けて……机の上に立って……と)


オティヌス(ふんっ)ブン


スイー


オティヌス(ふぅ、綺麗に飛んでいったな。これで処理成功か……)


オティヌス(あとは風が運んでくれるだろう……)


上条「オティヌスおはよー」スタスタ


オティヌス「あ、ああ。おはよう」

すみません眠いのでまた明日

投下します

――――――――――

――――



上条「いやー今日はいい天気だなぁ」


オティヌス「ん、そうだな」


上条「見てみろよ。この丁度いい暖かさで早くもインデックスが二度寝してるぞ」


オティヌス「あれは別に珍しくないだろう」


上条「はは、それもそうか」


オティヌス「こんなに良い天気なんだ。二人で散歩にでも行こう」


上条「インデックスは?」


オティヌス「気持ち良さそうに寝ているそいつを無理矢理叩き起こす気か?」


上条「あー……確かに」


オティヌス「大丈夫だ。そんなに長くは歩かないだろう?」


上条「それもそうだな。じゃあインデックス、少しの間待っててくれよ?」ナデナデ


禁書「うー……」ムニャ

オティヌス「今日はどこに乗ろうか……」


上条「肩でいいんじゃないっすかね……」


オティヌス「頭か……肩か……ううむ」


上条「肩……」


オティヌス「ま、今日は風が気持ち良さそうだし肩にする」


上条「ほっ」

―――――――――――

―――――


ザワザワ


「おい、アイツこの前の中継の……」

「うん、たぶん…」

「何で人形乗せてんだよ……」



上条(……やっべえな)


上条(もう騒がれるのに慣れちまった……)


上条(これは地味に問題だろ……)


オティヌス「どうかしたのか?」ボソッ


上条「なんでもないですよー……」


上条「少し人の少ない場所へ行こうか」


オティヌス「そうだな。こう人が多くてはお前と話すことも難しい」


上条「よし、じゃあここはさっさと突っ切るぞ」


オティヌス「ああ」



ザワザワ


「あいつ何か人形に向かってぶつぶつ呟いてたぞ」

「それいつもらしいよ」

「マジかよ……」


上条「ふぅ……ようやく人気のない道まで来れたな」


オティヌス「これでお前と堂々と話せる」


上条「いや、油断は禁物だぞ」


「あれ、そこにいるのは……」


上条(噂をすれば知り合いか…)


小萌「上条ちゃん……」


上条「先生…」

小萌「あ、あの、上条ちゃん?お人形さんとお話しするのはおうちだけにした方が……」


上条「えっ!?あ、あの…」


小萌「前は軽蔑しないって言いましたけど……その、お外でお人形さんとお話しするのはどうかなーって……先生は思うのですよー…」


上条(うわぁ…めちゃくちゃ気遣ってくれてるよ……すげえ申し訳ない…)


小萌「お人形さんが好きなのは分かりますけど、限度ってものが……ね?」ニコッ


上条(笑顔が胸に刺さる……!!)


小萌「そ、それじゃあ先生はこれで帰るのですよー」


上条「何か…すみませんでした…」


上条「」


オティヌス「何を放心してるんだ」


上条「いや……俺の高校生活に暗雲が…」


オティヌス「今に始まったことじゃないだろうに」


上条「それはそれで問題だ!!」


オティヌス「とにかく、そんなに悩むほどの問題じゃないと思うぞ」


上条「お前が家で待っててくれりゃ全部済む話なんだけど」


オティヌス「……………………仕方ないだろう、暇なんだから」


上条「インデックスと遊べよ。アイツも暇そうだぞ」


オティヌス「……鈍感め」ボソッ


上条「?」

上条「さて、とにかくそこらへん歩いていくか」


オティヌス「ああ」


上条「そうだ、今度また服作ってやるよ。どんなのがいい?」


オティヌス「もう十着以上作ってもらったから別にいい」


上条「何言ってんだ、もうすぐ季節が変わる頃だろうが。今持ってる服のままで乗り切れると思うなよ」


オティヌス「さてはお前、楽しんでるな?」


上条「はは、上手く作れるようになると楽しいんだよなーこれが」


オティヌス「ふふ、物好きなやつめ」


上条「ちょっと公園で一休みするか」


オティヌス「そうだな。少し喉が渇いた」


上条「何か飲む?」


オティヌス「そうだな……ん?」


上条「どした?……あ、あれは……」


「うー!」ピョンピョン


上条「ちっさい女の子が飛んでる……ああ、風船が木に引っ掛かっちゃったのか」


オティヌス「あれじゃ届かないだろうな」


上条「よし、俺行ってくる。そこのベンチで待ってろ」


オティヌス「相変わらずお人好しだな」ポスン


上条「大丈夫か?俺が登って取るよ、安心しな」


「ありがとーおにーちゃん!!」


上条「よっ」


上条(よし……ん?風船とは別に引っかかってる……紙飛行機か?小さいな……)


「おにーちゃん大丈夫ー?」


上条「ん、おー。今降りるよ」





オティヌス「ん?あいつ風船の他に何を持って…?」


「おにーちゃんありがとー!」


上条「気を付けて帰れよー」


上条「……さてと、どうすっかなこれ」


上条「そうだ、中に持ち主の名前が書いてあるかも」ガサッ





オティヌス「ちょっと待ったぁぁぁ!!」テテテ




上条「うお!何だよオティヌス、びっくりしただろ」


オティヌス「そ、その紙飛行機、渡せ!!」


上条「え?なんで?」


オティヌス「何でもだ!!」


上条「ほらよ」


オティヌス「」パシッ


オティヌス「」ジィー


上条「お前のだったか?」


オティヌス「……」


オティヌス「…………わ、私のだった」


上条「へー、こんな偶然あるもんなんだな。なんて書いてあるんだ?」


オティヌス「……さぁな」


上条「んだよ、はっきりしねえな」


オティヌス「秘密の一つや二つ、誰にでもあるだろう」


上条「んー、まぁそれもそうか」


タタタッ


禁書「あ!やっと見つけたんだよ!」


上条「お、インデックス」


禁書「もー!出かけるなら私も誘ってよー!!」


上条「わりぃ。お前が気持ち良さそうに寝てたから」


禁書「スフィンクスも怒ってるんだよ!ほら!」


スフィンクス「にゃー」


上条「あんまり怒ってなくね?」


スフィンクス「にゃー」ピョン


オティヌス「げっ」

スフィンクス「にゃおーん」


オティヌス「ちぃっ!懲りないなまったく!!」ダッ


禁書「ぷんぷんなんだよ!!」


上条「むしろ喜んでるだろあれ……ん?」カサッ


上条「紙飛行機……オティヌスのヤツ落としたのか」


上条(……これ、何が書いてあるんだ?気になる……)


上条「」チラッ



オティヌス「ちっ!まだ追ってくるか!」

スフィンクス「にゃーん」



上条(よし…ちょっとだけ見てみよう……)カサカサッ


上条(……)ジー


上条(……………………)





上条「っ!?//////」ボフッ


スフィンクス「にゃーん」テテテッ


禁書「あースフィンクスー。どこ行くのー待ってよー」パタパタ


オティヌス「はぁ……まったくあの猫ときたら……」テテテ


オティヌス「おい、肩に乗せてくれ。疲れた」


上条「お、おう……」


オティヌス「ふぅっ……やはりお前の肩は落ち着くな」


上条「そ、そうですか……」


オティヌス「ん?どうした、そんなに顔を赤くして」


上条「え、えーっとですね……オティヌスさん…そのぉ……////」


オティヌス「?」チラッ



オティヌス「あっ!?////お、お前、紙飛行機の中を見たな!?////」



上条「す、すみません……///」


オティヌス「はーっ……まったく、お前と言う奴は……」


オティヌス「……で、どうだった?///」ズイッ


上条「え?」


オティヌス「だから!そこに書いてあるのを見て、お前はどう思ったのか聞いているんだ!///」


上条「え!?あー……あれだよ」


オティヌス「どれだ?」ズイッ



上条「よ、よろしくな/////」ニコッ



オティヌス「!!!!」





オティヌス「………………ふふ」

オティヌス「じゃあ、そこに書いてある未来を目指して、二人で歩いていこうか」ニコッ






おしまい


これにて完結です
読んでくれた人ありがとうございます
完結まで時間かかってすいませんでした

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月12日 (月) 21:37:49   ID: uyZ9HoOi

最高‼

2 :  SS好きの774さん   2014年05月12日 (月) 23:09:03   ID: FH1HHU0C

新約10巻は本当にやばかったなww新約初のそげぶがカッコよすぎた!

3 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 14:43:50   ID: X_R-obES

面白い
この作者は素直にすごい

4 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 15:06:59   ID: X_R-obES

圧倒的速さと面白さを両立させてるもんなぁ

5 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 17:28:42   ID: lwnjr6Fh

確かに凄いがコメント一つでまとめろよ笑

6 :  SS好きの774さん   2014年05月24日 (土) 01:43:32   ID: INGNvZ8X

どう考えてもニートでタダ飯大食らいのインさんは当麻にとって邪魔だろwww

家事を手伝え。バイトしろ。買い物ぐらい行け。

そうすれば好感度上がるから。

7 :  SS好きの774さん   2014年05月24日 (土) 06:25:59   ID: Z5cCOLER

インデックス叩きをコメント欄でやる馬鹿
アンチスレでも行っとけ

8 :  SS好きの774さん   2014年05月24日 (土) 10:20:12   ID: heYwVvzB

※6
改行する意味あんの?

9 :  SS好きの774さん   2014年05月25日 (日) 02:36:08   ID: V65cEp5Z

ほのぼの最高過ぎやな

10 :  SS好きの774さん   2014年05月26日 (月) 23:28:01   ID: t1qkjugv

更新遅いなー

11 :  SS好きの774さん   2014年05月28日 (水) 00:03:01   ID: a8iCuqZQ

おもしれー

12 :  SS好きの774さん   2014年05月31日 (土) 08:04:25   ID: ix7GChpO

面白いな

13 :  SS好きの774さん   2014年06月03日 (火) 18:33:02   ID: ITD-2cw9

この作者さんすげーな

14 :  SS好きの774さん   2014年06月06日 (金) 18:12:30   ID: Ea_APgFV

すごい面白かった!

15 :  SS好きの774さん   2014年07月02日 (水) 23:55:10   ID: BTYYeB4h

面白かった!作者さんGJ!!

16 :  SS好きの774さん   2014年08月01日 (金) 23:11:10   ID: D33ZG_3D

おもしろかったわ 乙

17 :  SS好きの774さん   2014年09月13日 (土) 07:00:20   ID: iZG6-sj0

この作者の書くオティSSは至高だな
これはあと10回くらい読みたい。

18 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 22:51:07   ID: YbmgcNm4

本当にこの作品を生み出してくれたことに感謝

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