クルス「CGプロで働きたいです」(21)

クルス(僕の名前はクルス・シルト、いままでは姉さんと一緒にいたんだけど姉さんが書き置きだけを残してどこかにいってしまったんだ。風の噂でアイドル業界にいることはわかったんだけどこの業界は一筋縄じゃいかない。だから僕は今急成長中のシンデレラガールズプロに面接にきたんだ)

モバp「クルス君だっけ? 君はスタッフとして働きたいんだよね?」

クルス「そうですけど」

モバp「ところでクルス君って何歳かな?」

クルス(高校生ぐらいがちょうどいいかな? 14じゃ雇ってもらえないかもだし)「16ですけど」

モバp「本当に?」

クルス「ほ、本当です」

モバp「今から私が言うことに年齢は特に関係ないんだ……けどどうしてしつこく聞くかと言うとね」

モバp「私にだけは無駄な嘘はついてほしくないんだ。だからもう一度聞くよ。年齢は?」

クルス(姉さんを探すにはこの業界に入らなくちゃいけないんだ。なら今この人の信用を失うのはよくないかな)

クルス「14歳です」

モバp「正直に言ってくれてありがとう」

クルス「年齢が関係ないって本当ですか?」

モバp「ああ、ところでクルス君、ご両親は? 14歳ってことはまだ中学生だろうに」

クルス「両親はいません……中学には最近はいってません……」

モバp「いってないのか。それはなんでか言える?」

クルス「すみません」

モバp「いや、いいんだ。でもう中学校にはいきたくないのかな?」

クルス「そういうわけじゃないんです。中学以上に重要なことがあって」

モバp「それがこの事務所と関係があるんだけど理由は言えないんだよね?」

クルス「やっぱりだめですか?」

モバp「このぐらいなら全然大丈夫、うちはヤのつく家の娘や元走り屋がアイドルやってるから」

モバp「いいね。やっぱり勘だね」

モバp「ティン、ときた。クルス君、アイドルにならないか?」

クルス「はい!? 男性アイドルですか?」

モバp「いや? 女装して女の子としてアイドルするんだ! 俺の勘がそう囁いてる……っとテンションが上がりすぎたごめんごめん」

クルス「女装なんてすぐにバレますよ!」

モバp「いいやバレないね。誓っていい」

クルス「いいやバレますよ! 第1に僕に女装なんかしても似合いませんよ」

モバp「そうかな? してみてからちょっと考えようか」

クルス「やるだけなら」

モバp「似合ってたらアイドルやってくれるかな?」

クルス「どうせ似合いませんからいいですよ」

モバp「それじゃちひろさんに話つけてくるから」

────女装完了────

ちひろ「良い仕事しました」

モバp「お疲れ様です。でどうでした?」

ちひろ「あの子凄いですよ。化粧なしであれですもの完璧に騙せます」

モバp「思った通りです! いやー結構好きなんですよ女装の似合う男の子がね」

ちひろ「ホモなんですか?」

モバp「恋愛対象には入りません」

ちひろ「安心しました。っと遅いですねクルス君、まだ鏡見てるのかな?」

モバp「ちょうどいいんで俺が行ってきますよ」

ちひろ「ところでアイドルさせて、もし男とバレたら大変じゃないですか?」

モバp「大丈夫です。そのころにはファンは十分に鍛えられてますから」

ちひろ「そういうものですか?」

モバp「そういうものです。それじゃ迎えに行きますね」

クルス(こ、これが僕なのか……はっそうかこれが化粧の魔力か)

モバp「ちなみに化粧なしでそれらしいよ」

クルス「っ!」

モバp「やっぱり、勘は頼りになるな。で約束通りアイドルしてくれるかな?」

クルス「で、でもこんなのすぐに準備できないんじゃ」

ちひろ「ウィッグ付けて毛の処理を忘れないように……後は軽い化粧も……はステージぐらいで十分だから専門の人がいるから大丈夫。はい、1人でかつ十分短時間でできますよ」

モバp「だそうだよ?」

クルス(もうこれしかないのかな?……)

クルス「わかりました。アイドルやらせてもらいます」

モバp「よし!」

モバp「まぁ、レッスンとかは来週からでいいかな?」

ちひろ「明日からじゃだめなんですか?」

モバp「とりあえずクルス君には女子寮に入って貰う」

ちひクル「っえ?」

モバp「今の状態だと簡単にボロが出そうだから常に気を配ると言う意味でね。それと家が変わるわけだから中学校も転校してもらう。もちろん女性徒として」

モバp「前の中学校だとバレるかもしれないからね」

クルス「そんなことしたら僕つかまっちゃいますよ!」

ちひろ「まぁ私立なら金さえ握らせれば余裕ですけどクルス君の内なる狼が暴走しませんかね?」

モバp「それはもうクルス君を信用するしかないですよ」

クルス「で、でも」

モバp「やるなら徹底的にだ。幸いアイドルだからそんなに学校に通うこともないからね。まぁ人気になればだけど」

モバp「あ、あと今日からクルス君の名前は山田ちゃんね」

クルス「本名だとバレるからってのはわかりますけどなんで山田なんですか?」

モバp「なんとなく」

ちひろ「なんとなくでいいなら下の名前はセツナちゃんにしましょう」

モバp「なんとなくいいんじゃないですか?」

クルス「人の名前をなんとなくで済まさないでください」

モバp「いいじゃないかセツナ」

ちひろ「まだましなほうよ? 山田ちゃん」


クルス(こうして半ば強制的に引っ越しと転校をさせられた。これも姉さんを探すため我慢しなくちゃ)

クルス(僕の名前は山田セツナ山田セツナ山田セツナ山田セツナ山田セツナ……よし、覚えた)

クルス(女装をするのも慣れて来てしまった。確か今日からレッスンだって言われてたよね。プロデューサーさんは一度事務所に来てくれって行ってたし)ガチャ

未央「おっ、山田ちゃんおはよー」

クルス「本田さん、おはようございます」

未央「本田さんなんてやめて未央って呼んでね」

クルス「本田さんは先輩ですから」

未央「むむむ、なら先輩命令だよ。私のことは未央って呼びなさい」

クルス「わ、わかりました。未央さん」

未央「うんうん、それじゃ山田ちゃん一緒に朝ごはん食べよ」

クルス「はい」

未央「うづきんと奈緒が一緒だけど大丈夫?」

クルス「大丈夫です」

未央「それじゃ行こう」

────女子寮食堂────

未央「やーやー諸君待たせたね」

卯月「そんな待ってないよ。あっ山田さんも一緒なんだね」

奈緒「取り敢えずメシとってこいよ」

未央「ほいほーい」

クルス「確か朝食って交代制で作ってるんですよね」

未央「そうだよー、料理が下手な人と上手い人とで組んでやってくんだよー。山田ちゃんは料理得意?」

クルス「人並み程度ですけど」

未央「おっ、そうなんだ。私はあまり上手くなくてね。羨ましいよ」

クルス「僕でよければお手伝いしますよ」

未央「おっ! 本当に? それなら寮長に一緒のグループにしてもらえるように頼んでくるよ」

クルス「寮長って誰なんですか?」

未央「木場真奈美さんだよーカッコいい人だから見ればわかるよ」

真奈美「女性に対してカッコいいと言うのは褒め言葉として受け取っていいのかね」

未央「あっ、木場さん、勿論褒め言葉ですよ」

真奈美「それならありがたくちょうだいしておこうかな」

クルス(確かに木場さんってカッコいいなーなんか姉さんと近いものを感じるよ)

真奈美「調理のグループだけど山田君を未央君のグループに入るのだけど大丈夫だ」

未央「さっすが木場さん、話がわかるー」

真奈美「さぁせっかく今日のグループが作ってくれた料理だ。冷めないうちに食べなさい」

未央「はーい、山田ちゃん二人も待ってるし行こう」

クルス「は、はい」

未央「二人共お待ったせー」

奈緒「ようやく来たか。それじゃ飯食べようぜ」

卯月「そうだね。それじゃいただきます」

三人「いただきます」

未央「そういえば山田ちゃんの今日の予定ってどうなってるの?」

クルス「えっと…事務所に行ってプロデューサーさんに会ってからレッスンです」

奈緒「レッスン前にpに会いにいく用事って言うとあれかな」

未央「あれしかないね」

卯月「あれですね」

クルス「あれってなんですか?」

三人「タイプ分けだよ」

クルス「タイプ分けですか?」

奈緒「そうタイプ分け、タイプはキュート・クール・パッションの3つだ」

未央「タイプ事に売り出し方が変わるってことはないよ。しっかりその子にあったプロデュースされるから安心してね」

卯月「タイプはこんな感じの一面が大きいって言うのをわかりやすく言ってるだけだから」

未央「でタイプ事に月に1回小さいけどライブがあるから山田ちゃんの初お仕事はそこかな?」

奈緒「タイプ分けはpの独断と偏見だから必ずしもそうだってわけじゃないんだけどな」

卯月「ファンのみなさんはそういうのも楽しんでいますよね」

未央「だねーりーななんかそうだもん」

奈緒「『なんで李衣菜クールなんだよ! どう見てもキュートだろ』ってな感じで言ってるのをよく聞くよ」

クルス「そうなんですか…あ、そういえば先輩アイドルの人でなんか気をつけることってありますか?」

奈緒「ん? 気をつけること? なんでそんなのを聞くんだよ」

クルス「怒らせちゃいけないから言っちゃいけない事とかを一応」

未央「んーそうだねー。菜々さんの年齢に疑問を抱かないことかな」

クルス「年齢ですか…」

未央「菜々さんのことは1回年齢聞けばなんとなくわかるから」

奈緒「あとは愛海だな…」

未央「あー…」

卯月「そうですね。愛海ちゃんには気をつけたほうがいいよ」

クルス「愛海さんですか?」

奈緒「あいつはいきなり胸を揉んでくるからな」

未央「この事務所にいて被害に遭ってないのって礼子さんと志乃さんと早苗さんとあと誰だっけ?」

卯月「あとはまゆちゃんとか紗江さんとかかな」

奈緒「あと清良さんもだな。ありゃ以外と多いな」

クルス「胸をですか…」

クルス(触られたらさすがにバレるよー)

卯月「あとはとくに気をつけるべきことはないよね」

奈緒「あとは常識の範囲内で注意してれば全然平気だな」

クルス「ありがとうございます」


――――食後――――

未央「じゃみんな食べたみたいだしじゃまずは事務所行こうか」

奈緒「あ、アタシはこのまま直で仕事だわ」

卯月「あれ? そうなの」

奈緒「時間的にも余裕はそんなないからじゃお先」

未央「それじゃ私たちは事務所行こうか」

卯月「はい」

――――事務所――――

モバp「おっ、ようやく来たか山田ちゃん」

クルス「ようやくってえ? まだ時間前ですよね?」

モバp「楽しみすぎてちょっと早めに来ちゃったよ」

未央「それ完璧に私事じゃん…」

モバp「いやーっとレッスンだっけなこの後、ならもう言っちゃうか。簡単な事だし」

卯月「タイプ分けですね」

モバp「そうだ、それで山田セツナ…君のタイプは」

モバp「パッションだ」

未央「おおおお、ようこそ私達のパッションへ」

クルス「パッションですか…」

モバp「そうだ、お前の内なるパッションに俺はアイドルの道を見た」

卯月「むむむ、パッションですか。私はキュートですが山田さんのこと応援しますよ」

未央「よーし、山田ちゃんパッションの先輩として今度パッションの仲間を紹介しよう」

モバp「その前にレッスンだろ、ほら行っておいで」

三人「はーい」

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