凛「りんよりダメなやつがきた」 (384)

これは凛ちゃんや花陽ちゃん達が、まだ小学生だった頃の話…


【りんよりダメなやつがきた】


凛「ただいま!」

凛ママ「お帰りなさい凛ちゃん」

凛ママ「あら、ばかに楽しそうね?」

凛「きょう、転校生が入ったんだにゃー」

凛ママ「かっこいい男の子?」

凛「ううん、女の子」

凛「それもぜんぜんパッとしない子だにゃー」

凛「それがどうして嬉しいの?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399641992

凛「凛は知らない人相手には人見知りするでしょ?」

凛「ところがその子、知ってる人相手にも人見知りするんだって!」

凛「かけっこも凛より遅いし、もちろん逆上がりも懸垂も出来ないし…」

凛「この世に凛よりダメな子がいたなんてなんて素晴らしいことだにゃー!」

ピーンポーン

「り…凛ちゃんいますか…?」

凛「かよちんがきたにゃー!」

花陽「お…お邪魔します…」

凛「一緒に宿題する約束なんだー」

花陽「う、うん」

凛「パッパッとかたづけて、遊びに行くにゃー」

花陽「パッパッなんてできないよ…私、遅いんだ」

凛ママ「なんにしても、勉強するのはいいことね」

凛「一題出来た。答えを照らし合わせるにゃー」

花陽「そ…そうだね…あのね、凛ちゃん……」

凛「って…えっ……」

凛「ゼンブオワッチャッタノォ!?」

花陽「うん…」

凛「だ…大事なのは合ってるかどうかだにゃー!」

凛「ママぁ!かよちんのと凛のとどっちの答えがあってる?」





凛「………」

花陽「り…凛ちゃん…次の問題にとりかかろうよ」

凛「………うん」

凛「………ファア~ア」

凛「くたびれた」

花陽「えぇっ!?まだ半分もできてないよ!?」

凛「夜やればいいにゃー。遊びに行こうよ」

凛「ほのちゃんとこへ行くにゃー」


穂乃果の家

凛「ほのちゃーん!一緒に遊ぶにゃー!」

穂乃果「凛ちゃん!あれ?その子は?」

凛「転校生のかよちんだにゃー」

花陽「こ、小泉花陽です!」

穂乃果「花陽ちゃんって言うんだ。よろしくね」

花陽「は、はい!」

穂乃果「なにして遊ぶの?」

凛「えっと…かけっこなんてどう?」

穂乃果「えー?そんなのつまんないよー」

凛「じゃ、二人で走るから審判を頼むにゃー」

花陽「えぇっ!?私走るのは…」

穂乃果「いくよー!」

花陽「ま…待って…!」

穂乃果「位置についてー!」

穂乃果「よーい!ドン!」

凛「にゃにゃにゃにゃにゃにゃー!」ダダダ

花陽「凛ちゃん!待ってー…!」

凛「わあい勝ったにゃー!」

穂乃果「凛ちゃん速ーい!」

花陽「……はぁ……はぁ……」

凛「じゃあ次はー」

「こら穂乃果ー!」

穂乃果「げっ!お母さん!」

ほのママ「店番する約束だったでしょうが!」

穂乃果「痛い痛い!引っ張らないで!」

穂乃果「穂乃果はお母さんの奴隷じゃないのにー!!」ズル ズル

花陽「す…凄いなぁ……」

翌日

花陽「凛ちゃーん…遅刻しちゃうよー」

凛「ね、寝坊したにゃー!」

凛「かよちん待ってー!!」



学校

先生「星空!今月に入って何度目だ!小泉!二日目から遅刻するとは何事だ!」

先生「二人とも廊下に立ってなさい!」


凛「一緒に遅刻してくれるなんてかよちんは優しいにゃー」

凛「かよちん。これからは協定を結ぶにゃー」

花陽「協定?」

凛「揃って0点取ったり、忘れ物したり」

凛「仲良く行くにゃー」

花陽「そんな…私は出来れば百点取りたいし、忘れ物もしたくないよ……」

凛「………」








凛「凛に逆らうなんて生意気だにゃー」

「凛ちゃん」

凛「」ビクッ

ガキ大将「ライブや」

にこ「鞄を置いたらすぐに来なさいよ」

ガキ大将「KKEとの大事なライブなんや。もしへまをやったらわしわししちゃうよ」

凛(こ…怖いにゃあ……)

凛「あ、あの……今日はママの用で……」



凛「そうだ!代わりにかよちんを誘ったら?」

凛「ただいまー」

凛「どんなライブになるやら想像するだけで笑っちゃうにゃー」

ガラッ

真姫「待ちなさい。凛」

凛「なんで真姫ちゃんが凛のお部屋の押し入れにいるの」

真姫「これを見なさい」

凛「何か面白い物出すの?」

真姫「配役いれかえビデオ」

真姫「この間からの凛と花陽を記録してあるわ」

凛「へぇ」

ピッ

凛『わあい勝ったにゃー!』

凛「凛がかよちんとかけっこで遊んでる場面だにゃー」

真姫「配役を入れ替えるわ」

カチ

凛「あれれ、かよちんが凛になって凛がにこちゃんになったにゃー」

にこ『わあい勝ったにこー!』

真姫「同じ配役で他にも見せるわ」

にこ『にこのかわりに凛を誘いなさいよ!』

にこ『どんなライブになるやら、想像するだけで笑っちゃうにこー』

凛「………!!」

凛「もういい!見たく無い!」

凛「………」

ガチャッ

真姫「どこへ行く気?」





空き地

ガキ大将「花陽ちゃんがへまやったお陰で負けたんよ」

にこ「覚悟しなさい!」

花陽「だ…誰か……!」

凛「!!」

凛「ま…真姫ちゃんに……!!」

ワシワシッ

花陽「誰か助けてぇっ!」

凛「…!!」

凛「や…やめてっ!」

凛「かよちんを推薦した凛の責任だにゃー!」

ガキ大将「ほう…良い度胸やね……」


ワシワシッ!






凛「ただ…いま……」フラフラ

真姫「よくわしわしされたわ」ポン

凛「真姫ちゃん……」

凛「なんでずっと凛のお家にいるの」

数日後

花陽「せっかく友達になれたのに、また転校する事になったの……」

花陽「今まで、凛ちゃんほど仲良くしてくれた友達はいなかった……」

花陽「勉強やスポーツをいっしょにやってくれたり…」

花陽「ときにはいじめっ子からかばってくれたり……」

花陽「私、凛ちゃんの事忘れない…!」ダッ

凛「あっ…かよちん!」

凛「………」

凛「あんなふうに言われると恥ずかしいにゃー…穴があったら入りたいよ……」

真姫「そう、分かったわ」

凛「えっ?」





凛「物の例えを本気にするなんて酷いにゃー!」

凛「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!」

真姫「まったく…例えなんだったらそう言いなさいよ」

凛「普通は分かるよ!」

凛「それより、これでかよちんとお別れなんて嫌だにゃー!」

凛「真姫ちゃんなんとかならないのー!?」

真姫「なるわよ」

凛「えっ」

ピポパ プルルルルル

ガチャッ

真姫「もしもしパパ?真姫だけど」

真姫「あのね、○○って会社なんだけど……」

真姫「そう。うん、お願い」

凛「………?」

真姫「お待たせ。なんとかなったわよ」

凛「えっ」

花陽「凛ちゃ~ん!」

凛「かよちん!?」

花陽「あのね!お父さんの転勤が無くなってね!」

花陽「転校しなくても良くなったの~!」

凛「えっ…えぇぇぇぇぇぇ!?」

花陽「私たち、ずっと友達だよ~!」

凛「う、うん!凛とかよちんはこれからもずっと一緒だにゃー!」







お し ま い

【りんよりダメなやつがきた】はこれで終了です。

次回は

【凛ちゃんのなが~い家出】
【恐怖ののんたんシチュー】

のどちらかを予定しています。扱いの悪かったメンバーも次回以降は良い扱いにしていくつもりです。
レスで希望があった方を書きたいと思っていますが、レスが付かなければ適当に自分で決めて書きます。

どっちもかなり気になるんだが…

>>23
選ばれ無かった方もあとで余裕があれば書こうと思っています

今回は
【グルメテーブルかけ】
【恐怖ののんたんシチュー】の二本です

【グルメテーブルかけ】

凛ママ「またこんなに散らかして!」

凛ママ「ほらお掃除するから退きなさい!」

凛ママ「洗濯もしないと……」

凛「ごはんまだあ?」

真姫「お腹すいたぁ!」

凛「なんで真姫ちゃんが凛のお家にいるの」

凛ママ「お洗濯が済むまで待ってよ」

凛ママ「はぁ…もし私がいなかったら、この家はどうなるのかしら…」

凛ママ「散らかしっぱなしの家の中で飢え死にするかもしれないわね…」

プルルルルル

凛ママ「もしもしはいはい……」

凛ママ「えっ、ほんと!」

凛「どうしたにゃー?」

凛ママ「お母さんが急病で……」

凛「ええっ!?お婆ちゃんが!?」

真姫「おばさん、すぐに行ってあげた方が良いわ」

凛ママ「そうね真姫ちゃん…」

凛ママ「あ、でもご飯作らないと……」

凛「凛が作るから心配いらないにゃー」

真姫「あなたご飯なんて作ったことあるの?」

凛「ないよ?」

真姫「私も家事なんてやったこと無いわよ」

凛「大丈夫。人間一生懸命やれば出来ない事はないにゃー」

凛「何を作ろうかにゃー」

冷蔵庫「ガチャ」

凛「………」

凛「ラーメンの出前でも取るにゃー」

真姫「そうね」

プルルルルル

凛「………」

凛「どこも休みにゃー……」

真姫「どうするのよぉ!」

凛「お腹がすいて死にそうだにゃー…」

真姫「…………」

真姫「そうよ!あれがあったわ!」

真姫「グルメテーブルかけ」

真姫「こう広げて…何が食べたい?」

凛「食べられさえすればなんでもいいにゃー……」

真姫「じゃあ…トマトソースパスタとラーメン!」

ジ・ジ・ジ・ジ・・・

ポコッ

凛「食べ物が出て来たにゃー!」

真姫「食べてみなさい」

凛「………」モグモグ

凛「うんめぇにゃー!」

凛「真姫ちゃん凄いにゃー!」

真姫「ふふん」

真姫「デザートも出すわ」

真姫「チョコレートとマカロン!」

ジ・ジ・ジ・ジ・・・

ポコッ!

凛「お腹が膨れたにゃー」

真姫「もうとても食べられないわね」

凛「もっと出したい!」

真姫「出しても食べられなきゃもったいないわ」

凛「それならみんなにご馳走するにゃー」

空き地

凛「ご注文は?」

花陽「私は…白いご飯が良いな」

海未「穂乃果の家のお饅頭でお願いします」

ことり「私はチーズケーキ」

絵里「私はチョコレートケーキが良いわ」

穂乃果「じゃあ…穂乃果はカレーライス!」

海未「穂乃果…もう三時ですよ?カレーライスなんて……」

穂乃果「えー?だって食べたいんだもん」

凛「………」

凛「かよちん書いて」

花陽「エェッ!?」

ジ・ジ・ジ・ジ・・・

穂乃果「出た!」

ことり「おいしそう!」

凛「ま、食べてみて」

絵里「ハラショー!美味しいわ!」

海未「穂乃果の家の味そのものです!」

穂乃果「おいしい!おいしいよ!凛ちゃん真姫ちゃん!」

穂乃果「ほら、ことりちゃんも食べてみて!」

ことり「凄い…ほんとにおいしい……!」



にこ「………?」

にこ「あんた達、空き地で何やってるのよ」

凛「にこちゃん!」

穂乃果「真姫ちゃんのグルメテーブルかけ、凄いんだよ!」

にこ「グルメテーブルかけ?」

真姫「名前を言うだけでその料理が出て来る秘密道具よ」

にこ「ふーん?」

穂乃果「にこちゃんも食べてみなよ!すっごく美味しいよ!」

にこ「嫌よ」

穂乃果「えっ……」

にこ「あんた達馬鹿ね、そんな道具で作った料理よりも人が作った料理の方が美味しいに決まってるわ」

真姫「む……」

にこ「そんな道具で出したカレー、せいぜいレトルトレベルよ!」

ことり「そんなことは無いと思うけど……」

凛「食べてみたら分かるにゃー」

にこ「嫌よ!貧乏舌が移るわ!」

絵里「にこ、その位にして置いた方が良いわよ?」

にこ「絵里まで何よ!!!!!!!!!!!!」

真姫「……惨めね」

にこ「むっ……」

にこ「良いわ!あんた達全員明日にこの家に来なさい!」

にこ「本物のカレーを食べさせてやろうじゃない!」ダッ

海未「……行ってしまいましたね」

ことり「にこちゃん変にプライド高い所あるから……」

花陽「ちょっとかわいそうかも……」

絵里「そうね……」

真姫「自業自得よ」

凛「今頃慌てふためいているに違いないにゃー」

凛「明日どんなカレーが出て来るか見物だにゃー」

穂乃果「あ、カレー冷めてる」

翌日

穂乃果「凄い!凄い美味しいよ!」

ことり「こんな美味しいカレー初めて……!」

海未「美味しい…美味しいです…!」

絵里「ハラショー…」

凛「美味しいね、かよちん!」クチャクチャ

花陽「うん!ご飯おかわり!」

真姫「ふっ……完敗ね」

穂乃果「にこちゃんって凄いんだね!見直したよ!」

にこ「ふん!当然よ!」



お し ま い







ガキ大将「料理、か………」

ガキ大将「スピリチュアルやね」

【恐怖ののんたんシチュー】

ガキ大将「人間は趣味を広く持たなくちゃいけない」

凛「えっ」

ガキ大将「カードがうちにそう告げたんよ」

穂乃果「それで料理の研究を?」

ガキ大将「そう」

ガキ大将「やってみると面白いね」

ことり「希ちゃん凄ーい」

ガキ大将「そこで」

ガキ大将「夕方からのんたん料理研究発表会を開こうと思うんよ」

凛「それはうれしいにゃー」

凛「かよちんも行くよね?」

花陽「うん、楽しみだね」

にこ「仕方無いわねーにこも行ってあげるわ」

ガキ大将「じゃあ5時頃に来てね」

穂乃果「楽しみにしてるよ」





凛「ただいま~」

凛ママ「お帰りなさい。ちょうどお昼ご飯出来たところよ」

凛「わーい、お腹ぺこぺこにゃー」

真姫「凛、ちゃんと手洗いうがいして来なさい」

凛「なんで真姫ちゃんが凛のお家で普通にご飯食べようとしてるの」

凛「えぇー?焼き魚なのぉー?」

真姫「何が気に入らないのよ。美味しいわよ」

凛「凛はお魚嫌いだにゃー」

凛ママ「凛ちゃん、好き嫌いは駄目よ」

凛「誰にだって好き嫌いはあるにゃー」

凛ママ「そんな事無いわよ。花陽ちゃんはなんでもよく食べるそうじゃない」

凛「かよちんは特別なの!」

凛「嫌いな物は嫌いにゃー!」

凛ママ「良いから食べなさい!」

真姫「まったく……」
ゴソゴソ

真姫「味のもとのもと」

凛「あじのもとのもと?」

真姫「これをかけるとどんな不味い料理も美味しくなるわよ」

凛「どんな不味い料理でも?」

真姫「そうよ。例えばことりの料理でも」

パッ パッ

凛「あっ、食べないって言ってるのに」

ぷ~ん

凛「……美味しそうな匂いだにゃー」

凛「でも駄目だよ」

凛「凛はお魚が嫌いなせって……お魚は嫌いだにゃー」

凛「……で、でも……美味しそうだにゃー…」

凛「………」








凛「もう我慢出来ない!」

凛「美味しい!こ、こんな美味しいの食べたことないにゃー!」

夕方 ガキ大将の家

ガキ大将「よしきた」

ガキ大将「今日はたっぷり食べて貰うから楽しみにしててね」

花陽「ご飯はありますか!?」

ガキ大将「もちろん炊いてあるよ」

凛「良かったね、かよちん」

花陽「うん!」

ガキ大将「悪いんやけどもうちょっと待っててくれる?」

にこ「あまりにこにーを待たせるんじゃ無いわよ」

ガキ大将「すぐ出来るからね」

穂乃果「何が出て来るか楽しみだねー」

ことり「穂乃果ちゃんがそう思うなら私も楽しみだよ」

穂乃果「ことりちゃん…もうちょっと主体性を持ちなよ」


ぷう~~~~ん

穂乃果「!?」

ことり「!?」

にこ「!?」

花陽「!?」

凛「!?」

凛「不気味な臭いが漂って来るにゃー……」

ガキ大将「お待たせー」

にこ「あの…これは?」

ガキ大将「牛カルビと焼き肉のタレと納豆と噂のチョコレートと穂むらの大福とチーズケーキと…その他いろいろや」

ガキ大将「のんたんシチューと呼んでね」

穂乃果「シチューの鍋にチーズケーキ入れたの!?」

ことり「ありえない……」

花陽「ありえないデス…」

ガキ大将「とにかく食べてみて」

ガキ大将「さあさあ。遠慮しないで」

にこ「いただきま……」

ことり「あ、ごめんね希ちゃん。御手洗い借りても良い?」

ガキ大将「ええよ。場所分かる?」

ことり「う、うん……」

ことり「………ごめんね」ボソッ

穂乃果「?」

花陽「ことりちゃん…戻ってこないね」

ガキ大将「せやね…このままやと料理が冷めるし…先に食べても」

穂乃果「あっ、穂乃果ちょっと様子見て来るね!」

ガキ大将「そう?じゃあお願いしとくわ」

穂乃果「ことりちゃーん!」

にこ「………」

凛「………」

花陽「………」

穂乃果「あっーー!!大変!ことりちゃんどこにもいないよ!」

にこ「なんですって!?」

凛「逃げたんだにゃー!!」

(・8・) 「ごめんチュン」

ガキ大将「急用で帰っちゃったんやね……」

ガキ大将「残念やけど……ことりちゃんの分はみんなに食べて貰うよ」

花陽「誰か…助ケテ……」

「「「いただきます」」」

にこ「うっ…」

ガキ大将「どう?うまい?美味しい?どっち?」

にこ「………凄い!」

穂乃果「す、すっごくお、美味しいよ!」

ガキ大将「あんまりうまそうには見えないね」

ガキ大将「うち、お世辞は嫌いなんやけど……」

クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ

ガキ大将「!」

凛「………」クチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャクチャ

凛「こんな美味しい物初めて食べたにゃー!おかわり!」

花陽「こっちもおかわりデス!」

ガキ大将「!!」

ガキ大将「君達だけや!分かってくれるのは!」

ガキ大将「二人はうちの親友や!心の友や!」

ガキ大将「ありったけ食べてね」

凛「分かったにゃー」

パッパッ

にこ「ちょっと!今かけたのは何よ!」

凛「にゃ?」

にこ「化学調味料なんてにこの目が黒い内は許さないわよ!」

ガキ大将「凛ちゃん?ちょっと見せてくれる?」

ガシッ

凛「な、なんでもないにゃー」

ドバッ

ガキ大将「ゲホッゲホッ!な、何!?」

ガキ大将「ーーー!!」

にこ「………」ジー

穂乃果「………」ジー

花陽「………」ジー

凛「………」ジー





海未「全く…穂乃果とことりはどこに遊びに行ったのでしょうか……」

ことり「海未ちゃーん!」

海未「ことり!」

ワー ワー ワー ギャー

海未「おや?なにやら騒がしいですね?」

チラッ

ガキ大将「だ、誰か助けてー!!」

にこ「こらー!待ちなさい!」

凛「希ちゃん美味しそうにゃー!」

穂乃果「ちょっと味見させてー!」

花陽「希ちゃんでご飯3杯は行けそうデス…!」

海未「」

ことり「」


海未「ま…待って下さい!私も食べます!」

(・8・) 「ことりのおやつにしちゃうチュン」

ガキ大将「トホホ…もう料理なんてこりごりやー!!」







お し ま い

これで今回はおしまいです。
読んで下さった方、ご指摘して下さった方、ありがとうございました。


次回は
【のんたんに乗って】
【凛ちゃんのなが~い家出】
のどちらかの予定です。
どちらかを希望される方がいれば、より多い方を書きたいと思います。

個人的には、真姫ちゃんがいっぱいの回がみたい

>>62

それは是非やりたいですね。
実はちょっと温めているのですが、真姫ちゃんだけで話を展開させていくのはなかなかどうして難しいのです

【のんたんに乗って】

凛「大きな希ちゃんだにゃー」

真姫「乗ってみて」

凛「よいしょ…」

凛「わー高いにゃー!」

凛「かよちんも早くー!」

花陽「わ…私は良いよ……」

真姫「そう?じゃあ少し離れてて」

花陽「……?うん」

真姫「凛、捕まっていなさいよ」

カタカタカタ ッターン!

ピョーン!

凛「希ちゃんが飛んだにゃー!」

カタカタカタ カタカタカタ
カタカタカタ カタカタカタ

ビューン!!

真姫「叩けば叩くほど高く、そして速く飛ぶわよ」

凛「凄いにゃー!」

凛「インターネッツは偉大だにゃー」

真姫「そうね。インターネットはとても便利」

真姫「現代の日本で生活していくには欠かせない物となりつつあるわ」

凛「凛もパソコン欲しいにゃあ」

真姫「待って。凛、あなた…パソコンをただの便利な物だと思ってるでしょ」

凛「違うの?」

真姫「インターネットは便利であると共に、とても危険な存在でもあるわ」

凛「えぇっ!?」

真姫「例えば…動画を見たり、公式で配信されている漫画を読む位なら問題無いでしょうね」

真姫「でもブログや匿名掲示板…これらはとても危険よ」

真姫「もし個人情報でも載せよう物ならあっと言う間に拡散されるわ」

真姫「他人の記事や書き込みによって間違えた情報や思想を植え付けられる事もあるわ」

凛「なにも知らない人が見たらどんなに間違った情報でもそれが真実になり得るんだね」

凛「インターネットは怖いにゃー」

真姫「でもインターネッツは悪いことばかりじゃないわ」

真姫「さっきも言ったけど、インターネットはとても便利よ」

真姫「遠くの人や外国の人と電話を使わずとも気軽に連絡を取れるなんて昔じゃ考えられなかった事よ」

凛「凛もやってみたいけど、さっきの危険性の話を聞くとやっぱり怖いにゃー」

真姫「それじゃあ今度、パソコンの正しい使い方について勉強しましょうね」

凛「はーい!分かったにゃー!」




凛「ところで真姫ちゃん…」

真姫「なによ」

凛「これどんどんスピード落ちてるんだけど……」

凛「…このままじゃ真っ逆様じゃないかにゃー」

真姫「………」




真姫「ヴェェ」

亜里沙「お姉ちゃん、あれ何?」

絵里「ハラショー…」



凛「どうするの!?死んじゃうよー!」

真姫「慌てない!今希を叩くわ」

カタカタカタ ポロッ

凛「あー!落ちちゃったにゃー!」

真姫「ヴェェ」

凛「真姫ちゃんどうするのー!?」

真姫「ヴェェ」

凛「もう駄目だにゃー!落ちるー!!」

真姫「ヴェェ」

ヒューーーーーーー

ドスン!!

にこ「ぐえっ」

真姫「ナイスキャッチ」

凛「やったにゃー!流石にこちゃん!」

にこ「痛いわよ!!」





お し ま い

次回は

【バイバイン】の予定です

【バイバイン】

海未「お邪魔します」

凛「海未ちゃん。どうしたにゃー?」

海未「実は…真姫にお願いがあって来たのです」

凛「なんで真姫ちゃんへの用事で凛のお家に来るの」

ガラッ

真姫「誰かと思ったら海未じゃない」

真姫「ウチに来るなんて珍しいわね」

凛「ここ凛のお家だよね」

海未「あぁ!真姫!」

海未「お願いします!助けて下さい!」

真姫「ヴェェ」

真姫「なんなのよ一体!」

海未「これを見て下さい」

凛「お饅頭だにゃー」

海未「違います」

海未「穂乃果の家のお饅頭です」

凛「えっ…」

凛「お饅頭…だよね?」

海未「穂乃果の家のお饅頭です」

凛「あっ………」

凛「………」

海未「穂乃果の家のお饅頭です」

真姫「それで?このおま…穂乃果の家のお饅頭がどうしたって言うのよ」

海未「この穂乃果の家のお饅頭…食べたら究極の美味しいですが、無くなってしまうでしょう」

海未「ですが、食べなければ無くなりませんが美味しくありません」

真姫「………」

凛「………」

海未「食べてもなくならないように出来ないでしょうか……」

真姫「そんな事なら……」ゴソゴソ

海未「何か出してくれますか!?」

真姫「『バイバイン』なんでも増やす薬よ」

海未「かければ良いんですか?」

真姫「…やっぱり止めた。危ないから」

海未「どうしてですか!!」

海未「穂乃果の家のお饅頭が増える事の何が危ないんですか!!!!!!!!」グイッ

真姫「ヴェェ」

海未「そんな事言わず、増やして下さい!!!!!!!!!!!」

真姫「じゃあ一つ約束して」

真姫「薬で増やした穂乃果の家のお饅頭は残さず食べるのよ」

海未「勿論です!!!!!!!!!!!!」

ポトッ

海未「………………」

海未「あの、全く増えないのですが………」

真姫「五分ごとに倍になるのよ」

真姫「初めの五分で一つが二つに……」

海未「分かりました!次の五分で四つですね!」

真姫「そうよ」

凛「四個が八個になって八個が……」

凛「ええと…たくさんになるんだにゃー」

真姫「そろそろ五分ね」

プク

ムクムクムク

パカッ

海未「増えました!感激です!!」

凛「じゃあ凛一つ貰うにゃー」

海未「待って下さい!!」

凛「にゃ?」

海未「凛、あなたは馬鹿ですか」

海未「今食べたらそれっきりですよ。あと五分待てば四個になります」

凛「………いらない!」

凛「かよちんの所に遊びに行って来るにゃー」

パカッ

海未「四個になりました」

海未「いつも一つ残しておけば…」クチャクチャ

パカッ

海未「いつまでも」クチャクチャ

海未「食べ続けられますね」クチャクチャ

海未「うっぷ……」

海未「流石に嫌になって来ました」

海未「真姫も食べて下さ……」

海未「いつの間にかいなくなってしまいました」

海未「仕方ありませんね。不本意ですが……」

プルルルル

海未「もしもし、私です。お願いします。みんなで穂乃果の家のお饅頭を食べに来て下さい。大急ぎで」

ことり「こんなに食べていいの?」

絵里「悪いわね」

ガキ大将「ウチ、全部食べちゃうよ」

にこ「にこも遠慮しないわよ」

海未「お喋りしてる間にも増えています!」

海未「早く食べて下さい!!」

パカッ





海未「残して貰っては困ります!」

絵里「もう食べられないわ」

にこ「体中が甘ったるくなったわよ」

海未「お願いします!食べて下さい!!」

ガキ大将「あんまりしつこいとわしわしするよ!」

海未「ひぇっ」

ことり「それじゃ帰るね」

絵里「ごちそうさま。美味しかったわ」

海未「待って下さい!」

バタン!

海未「ああああああ……どうしましょう……」

海未「かくなる上はゴミ箱に……」

ガチャ

凛「あれ?海未ちゃんどうしたにゃー?」

花陽「お邪魔シマス…」

海未「凛!花陽!」

真姫「海未、残さずに食べた?」

海未「はい…みんなのお陰でなんとか……」

真姫「そう。良かったわ」

凛「残ってたらどれくらい大変な事になってたの?」

真姫「一つの穂乃果の家のお饅頭が五分毎に倍になると一時間でいくつになると思う?」

凛「さあ……百個位?」

真姫「とんでもない!四千九十六個よ!」

真姫「二時間で千六百七十七万七千二百十六個…」

真姫「…それから僅か十五分で……一億個を超すわ」

海未「そ…そんなに恐ろしい道具だったとは……」

花陽「怖いデス……」

凛「でも大丈夫にゃー!」

真姫「そうね。ちゃんと全部食べたんでしょ?」

真姫「だったら問題は何も無いわ」



プルルルル プルルルル

凛「電話だにゃー」

ガチャ

凛「もしもし、星空です!」






にこ『ちょっとどうなってるのよ!』

にこ『あんたの家で食べた穂乃果の家のお饅頭…ややこしいわね!とにかくあのお饅頭!!』

にこ『一つコッソリ持ち帰ったら、いつの間にか家を埋め尽くす程に増えてるのよ!』

にこ『さっさと真姫に言って助けにガチャッ ツー ツー ツー ツー





お し ま い

ラブライブ!の時間になんとか間に合いました。
次回は

【きれいなのんたん】です

【きれいなのんたん】

凛「ただいまー」

ガチャッ

真姫「り~~~~~~ん!!」

凛「真姫ちゃん!?」

凛「なんで凛のお家に……ってそれより、なんで泣いてるの!?」

真姫「ママが私のトマト食べたあ!!」

凛「えぇっ!?」

凛「………」

凛「………えっ?」

凛ママ「真姫ちゃんごめんなさいね。知らなかったのよ……」

凛「えぇー…」

凛「真姫ちゃん。泣き止んで」

凛「また今度買って貰えば良いにゃー」

真姫「このトマトがいいんだもん……」

真姫「そうだ!あれを使って……」

真姫「『きこりの泉』」

凛「それなあに」

真姫「『正直な樵』という童話があるでしょう」

凛「樵……?」

真姫「きこりって読むのよ」

凛「知らなかったにゃー」

真姫「また一つ賢くなったわね」

凛「うん!」

真姫「きこりがオノを泉に落としてね…」





ピカッ

きこり「ハラショー……」

女神「あんたが落としたのはこの金のオノ?」

女神「それとも銀のオノ?」

きこり「いいえ女神様。私が落としたのは鉄のオノです」

女神「あんたは正直みたいね。ご褒美に三本ともあげるわ」

女神「にこに感謝しなさい!」

きこり「あ…ありがとうございます!」

きこり「これで妹に美味しいご飯を食べさせてあげられます!」





真姫「という話よ」

凛「へー」

真姫「食べかけのトマトを落とす」ボチャッ

ゴボゴボ

真姫「すると女神ロボットが出て来るわ」

(後光)

女神「あなたが落としたのは…」

女神「この徳谷トマトですか?」

真姫「いいえ。食べかけのトマトです」

女神「あなたは正直な人です」

女神「この高級フルーツトマトの徳谷トマトをあげましょう」

ボチャッ

凛「やったにゃー!」

凛「食べかけの方は返してくれないの?」

真姫「そこは童話と少し違うわ」

真姫「凛も取り替えたい物があったら使って良いわよ」

凛「ほんと!?」

凛「じゃあこの運動靴を……」

ボチャッ

女神「あなたが落としたのはこの『瞬足』ですか?」

凛「もっとぼろっちいのだにゃー」

女神「あなたは正直な人です」

女神「『瞬足』をあげましょう」

凛「わーい!真姫ちゃんありがとう!」

凛「みんなにも使わせてあげるにゃー」




凛「なんでも良いものと取り替えてくれるんだよ!」

穂乃果「すごーい!」

海未「是非使わせて下さい!」

(・8・) 「ことりはママに買って貰えるから必要ないチュン」

花陽「家に帰って取ってくるね」

凛「みんな大喜びだにゃー」

真姫「そうね」

ガキ大将「ウチが一番乗りやね」

凛「希ちゃんは何を取り替えて貰うの?」

ガキ大将「ウチはこのカード」

凛「わぁーボロボロだにゃー」

ガキ大将「もう長いこと使ってるからね」

凛「希ちゃんは物持ちが良いにゃー」

ガキ大将「それじゃあ早速…」

ボチャッ

女神「落としたのはこのピカピカのタロットカードですか」

ガキ大将「そんなピカピカやない。もっとボロボロのカードや」

女神「このピカピカのカードをあげましょう」

ガキ大将「おおきに」

凛「良かったね。希ちゃん」

にこ「ちょっと!終わったんなら早く退きなさいよ!」

ガキ大将「にこちゃん」

真姫「凄い大荷物ね」

凛「にこちゃんは二個も年上なのにみっともないにゃー」

にこ「五月蝿い!重いんだから早くしなさいよ!」

よろ よろ

にこ「重いっ」

ザンブッ

凛「にこちゃんが泉に落ちた!」

ガキ大将「大変や!すぐに助けないと!」

ユラユラ…

真姫「……!」

真姫「待って!」

ザバァッ

にこ「はぁ…はぁ…死ぬかと思ったわよ!」

凛「自力で這い上がって来たにゃー」

ガキ大将「ほらにこっち。うちに捕まって」

にこ「あ…ありがと……」



穂乃果「お待たせー!」

海未「何かあったのですか?」

真姫「別に何も無いわよ」

ザバザバ

にこ「なっ何!?」

女神「……オ待ちなサイ」

女神「……逃ガしハしませン……」

凛「ひいっ!?化け物だにゃー!!」

真姫「にこちゃんが逃げた事を怒っているんだわ……!」

穂乃果「あれ!?ことりちゃんがいない!」

穂乃果「ことりちゃん!?ことりちゃーん!!」

(・8・) 「お先にチュン」

海未「どうするのですか!?」

花陽「誰か…助けて……」




ガキ大将「真姫ちゃん。にこっちをお願い」

ガキ大将「凛ちゃんはみんなの誘導や」

凛「希ちゃん!?」

真姫「何をする気!?」

ガキ大将「さぁかかって来るんや化け物……」

希「ウチの友達には!指一本触れさせんよ!!」凛っ!





お し ま い

次回は
【穂乃果を止める穂乃果】
【くろうみそ】

のどちらかを予定しています。

【くろうみそ】

穂乃果「………」

穂乃果「………」

穂乃果「ふぁ~…」

穂乃果「………」チラッ

穂乃果「zzz……」

穂乃果「………」チラッ

穂乃果「♪~」

穂乃果「時間だ!」

穂乃果「一時間机に向かったから遊ぼーっと」

ガチャッ

海未「………」

穂乃果「………海未ちゃん!?」

海未「穂乃果…さっきから見ていましたよ」

海未「どうしてあなたはそう勉強に身が入らないのです」

穂乃果「あの…なるべく短く済まさない……?」

穂乃果「お説教なんて面白いもんじゃないし…長々やると、このSSの人気が落ちちゃうよ?」

海未「いいえ3レスほどやります!!」

海未「いつもそうですが、あなたのやっている事を見ていると……」

海未「嫌なこと、面倒な事、苦しい事から逃げようとばかりしています」クチャクチャ

海未「楽な道ばかり選びたがっているんです」

海未「ちょうど、水が低い所、低い所と流れて行くように」

海未「それじゃいけないんです。気がついてみたら、どん底まで落ちていた。なんて事になってしまいます」

海未「ふぅ…お饅頭美味しいです」

穂乃果「あ、おかわり持ってこようか?」

海未「結構です。話を続けますよ」

海未「『人生とは、重い荷物を持って坂道を登るような物』と言った人がいます」

海未「『人生にはいつも向かい風が吹いている』と言った人もいます」

海未「『艱難汝を玉にす』という言葉を知っていますか」

海未「苦しみ悩んでこそ立派な人間になれるという意味です」

海未「『我に七難八苦を与えたまえ』と、月に祈った人を知っていますか」

海未「山中鹿之助という侍です」

海未「自分をうんと辛い目に遭わせて下さいと祈ったんです」

海未「『憂きことのなおこの上につもれかし限りある身の力試さん』という歌を知っていますか」

海未「悩み事よやってこい。自分の力には限りがあるが、精一杯頑張るぞ!という意味です」

海未「昔の人達はこうして強くたくましい自分を育て上げました」

海未「あなたも男ならやってみなさい!逃げたりしないで」

穂乃果「女だよ」

海未「辛いこと苦しいことに」

海未「ドンとぶつかって行きなさい!!」ドン!

穂乃果「む!」

穂乃果「ほ…穂乃果は……」

穂乃果「海未ちゃんの言葉で目が覚めたような気がするよ」

穂乃果「やるよ!穂乃果は!!」

穂乃果「ドンとぶつかるよ!」

海未「分かってくれて嬉しいです!」





海未「という訳で何か良い道具はありませんか?」

真姫「あなたねぇ……」

穂乃果「真姫ちゃん!穂乃果は玉になるよ!!」

真姫「簡単にその気になるんだから……」

穂乃果「真姫ちゃーん!お願ーい」スリスリ

真姫「う…」

ガチャッ

凛「ただい…」

真姫「凛!?」

バタン!

穂乃果「真姫ちゃーん……」スリスリ

真姫「わ、分かったから離れて!」

真姫「『くろうみそ』」

真姫「この味噌を舐めると何をするにも酷く苦労する事になるわ」

ペロッ

穂乃果「これでいいの?」

真姫「それでいいわ」

真姫「さあ、なんでも良いからやってみて」

海未「穂乃果、何をしますか?」

穂乃果「では……」

穂乃果「家に帰っておやつを食べる!」

穂乃果「断固として食べてみせるよ!」

雪穂「お姉ちゃんお帰りー」

雪穂「おやつあるよ」

穂乃果「はーい」

穂乃果「いただきまー…」

ほのママ「穂乃果、ちゃんと手洗ったの?」

穂乃果「むー…今洗う所!」

穂乃果「穂乃果はくじけないよ」

ほのママ「ちゃんと石鹸つけるのよ」

穂乃果「分かってるよ。もううるさいなあ……」

穂乃果「あれ…石鹸がないよ!?」

ほのママ「あらやだ。切れてたんだわ」

ほのママ「穂乃果、買ってきて」

穂乃果「えー…」

雪穂「あ、お姉ちゃん。ついでに亜里沙にお饅頭届けて来て」

穂乃果「えー…自分で行っ……」

穂乃果「おっと」

穂乃果「仕方ないなー」



穂乃果「ちょっとおやつを食べようと思っただけで…」

穂乃果「でも穂乃果は負けないよ!」

【本日定休日】

穂乃果「今日は一斉休業だった!」

穂乃果「へこたれる物か!」

穂乃果「あらゆる困難を乗り越え、穂乃果はおやつを食べてみせるよ!」



穂乃果「遂に!町外れで開いてる店を見つけたよ!!」





穂乃果「ところで、ここから絵里ちゃんの家まではたっぷり一キロはあるよね……」

亜里沙「ハラショー!」

亜里沙「美味しいです!お饅頭!」

穂乃果「よ、良かったね……」

亜里沙「お姉ちゃんが言ってたんです!」

亜里沙「雪穂の家のお饅頭が美味しくて、ついお腹一杯食べちゃったって!」

穂乃果「そ、そう……」

亜里沙「ハラショー!」

亜里沙「あのお姉ちゃんがですよ!!」

穂乃果「う、うん。ハラショーだね」

亜里沙「ハラショー!」

穂乃果「………」

亜里沙「ハラショー!」

穂乃果「………」

亜里沙「ハラショォォォォォォォォォォォ!!」

穂乃果「絵里ちゃーん!!何とかしてー!!」

穂乃果「はぁ…やっと帰って来られた……」

海未「お邪魔していますよ。穂乃果」

ことり「お邪魔してます♪」

穂乃果「海未ちゃん。ことりちゃん」

海未「どうです?穂乃果」

海未「苦労して食べるおやつは一段と美味しいでしょう」

穂乃果「でも……」

ことり「でも?」

穂乃果「疑問を感じるなあ…たかがおやつを食べるために」

穂乃果「こんなに苦労するなんて割が合わないよ」

海未「あなたという人は……」

ことり「穂乃果チャン……」

穂乃果「海未ちゃんはそう言うけどさ」

穂乃果「この味噌を一舐めしたら考えが変わると思うよ」

海未「貸して下さい!!」

パクパク

穂乃果「ああっそんなに食べちゃって!」

ことり「苦労しちゃうよ」

海未「そんなもの恐れる私ではありません」

海未「『苦労は金を出しても買え』と昔の人は言っています」

海未「ほら、ことりも」

ことり「え、私も?」

海未「当然です」

翌日

海未「昨日は酷い目に遭いました……」

穂乃果「でしょ?」

海未「ですが穂乃果…私の考えは変わりませんよ」

穂乃果「えー…」

ことり「………」

ことり「………はぁ……」

穂乃果「……ことりちゃん?」

ことり「あ、穂乃果ちゃん……」

穂乃果「どうしたの?何かあった?」

ことり「うん……」

ことり「あのね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん」

ことり「ママの学校がね、生徒数が少なくて、数年後には廃校になるかもって……」






お し ま い

次回は
【穂乃果を止める穂乃果】です

明日は用事があるので木曜日になります。
リクエストがあれば、書けそうなネタであれば応えようと思います。

【穂乃果を止める穂乃果】

ガー

凛「かっこいいにゃー!」

にこ「そのラジコンにこにも貸しなさいよ!」

凛「嫌だにゃー」

にこ「ちょっと!」

穂乃果「ポルシェ935ターボか」

穂乃果「こっちはランチパック全種類」

穂乃果「前からの夢だったんだ。ランチパックを全種類制覇することが」

穂乃果「さあ5袋目に挑戦するよー!」モグモグ

穂乃果「ゲープ……もうだめ……」

真姫「………」

花陽「………」

穂乃果「うわー!そりゃそうだ!」

穂乃果「どんなに好きだって全種類食べられる訳がない!」

穂乃果「漫画にすれば良かった…だからあのとき迷ったんだ。取り返しのつかないことを……」

真姫「ちょっと花陽…あれ、どうしたの?」

花陽「えっとね…」

真姫「なに?店の手伝いで思いがけずお小遣いもらったから?」

真姫「かねての夢のどっちかを果たそうと思って?」

真姫「ランチパックをいっぺんに食べる方を選んだ!?」

真姫「………馬鹿ね…」

花陽「………うん」

穂乃果「………」

花陽「穂乃果ちゃん…やっちゃった事は仕方ないよ」

穂乃果「………」

真姫「そうね。これに懲りてこれからは……」

穂乃果「えへへへへへ……」べ~

まきぱな「!?」

穂乃果「穂乃果がそれ程バカだと思ってる?おあいにく様!」

穂乃果「ちゃあんと考えてあるんだ。失敗したらなんべんでもやり直せるもんね」

穂乃果「『タイムマシン』があるから」

まきぱな「!!?」

穂乃果「一時間前の穂乃果に漫画を買わせよーっと」

穂乃果「ランチパック四つも食べて得しちゃった!」

真姫「あっ、待って!」

穂乃果「え?」

花陽「穂乃果ちゃん。過去を勝手に変えるのはいけない事なんだよ」

穂乃果「どうして?」

真姫「当たり前よ!」

真姫「良い!?みんなが自分に都合よく過去を変えようとしたらどうなると思う!?」

真姫「歴史がめちゃめちゃにこんがらがっちゃうわ!!」

穂乃果「うわっ、凛ちゃんの机汚いね」ガラッ

穂乃果「真姫ちゃんも花陽ちゃんも大げさだなあ」

穂乃果「歴史とランチパックと何の関係があるの?」

花陽「それは……」

真姫「それに歴史には勢いがあって、ちょっとやそっとじゃ変えられないわ」

穂乃果「いいからいいから」

穂乃果「一時間前へ!」

-1穂乃果「こんなに貰って良いの!?ありがとう!」

-1穂乃果「貯金が貯まった!信じられないような大金だ!」

-1穂乃果「欲しかった漫画が買える!」

-1穂乃果「ランチパックだって制覇出来る!」

-1穂乃果「どっちが良いか迷うなあ…」

-1穂乃果「少女漫画なんてちょっと子どもっぽいかな」

-1穂乃果「よし、スタイリッシュなランチパックに決めた!」



穂乃果「………」

真姫「ああいう馬鹿なのよね」

花陽「真姫ちゃん…」シー

穂乃果「ランチパックは絶対駄目だよ!」

-1穂乃果「うわっ!?」

穂乃果「ランチパック全種類なんてバカげたことやめてよ!」

-1穂乃果「なに?一時間後の穂乃果?」

-1穂乃果「嫌だよー。もうランチパックに決めたんだから」

穂乃果「実際に食べてみたんだよ!」

穂乃果「四袋でもう見るのも嫌になった!」

穂乃果「日持ちもしないし最悪だよ!」

-1穂乃果「言われてみれば確かにそうかも……」

穂乃果「分かってくれたんだね!」

穂乃果「良い?漫画だよ!漫画!!」

-1穂乃果「分かったよ!任せて!」





花陽「良かったね。穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん!ほらね、真姫ちゃん。簡単だったでしょ?」

真姫「さあ、どうかしら」

穂乃果「過去が変われば現在も変わるはずだよね」

穂乃果「このランチパックが消えて…」

穂乃果「漫画が現れるよ!」

真姫「………」

花陽「………」

穂乃果「………」

花陽「……変わらない、ね」

穂乃果「おかしいよ!」

穂乃果「一時間前の穂乃果が漫画を買えばここにあるのは漫画であるはずなのに!」

真姫「………」

穂乃果「もう一回見て来る!」

穂乃果「あれ…いない」

穂乃果「ちゃんと漫画を買いに行ったのかな?」

穂乃果「なんだか胸騒ぎがする……」

絵里「………」

穂乃果「あ、絵里ちゃーん!」

絵里「あら穂乃果」

絵里「って、あなたさっき……」

穂乃果「穂乃果を見かけなかった!?」

絵里「それなら本屋の方へ行ったけど……」

穂乃果「本当!?ありがとう!」

絵里「え、えぇ……」

絵里「………」

絵里「ハラショー……」

本屋

穂乃果「……いない」

希「」

穂乃果「あ、希ちゃん!」

希「えっ……ほ、穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「ねえ、穂乃果見なかった!?」

希「それなら、さっきもう一人の穂乃果ちゃんが店に入ろうとしてたんやけどね」

希「そしたらさらにもう一人の穂乃果ちゃんがやって来てな、言い合いの末に二人でスーパーの方に向かって行ったんよ」

穂乃果「さらにもう一人!?」

穂乃果「もー何がどうなってるの!?」ダッ

希「………」

希「スピリチュアルやね」

スーパー

穂乃果「待ったーーー!」

-1穂乃果「!?」

??穂乃果「!?」

穂乃果「余計な口出しして、一体いつの穂乃果!?」

+1穂乃果「穂乃果は穂乃果より更に一時間後の穂乃果だよ」

+1穂乃果「前から読みたかった漫画をまとめ買いしたらどうなったと思う!?」

+1穂乃果「もうメッチャクチャな駄作だよ!」

+1穂乃果「よく考えたら『クリスチーネ剛田』って名前からして地雷だよ!」

穂乃果「まとめ買いなんてするから!」





-1穂乃果「だ、駄目だよ二人とも!」

-1穂乃果「こんな事で穂乃果同士が血を流すなんて下らないよ!」

+2穂乃果「待ってー……」フラフラ

穂乃果達「!?」

+3穂乃果「穂乃果達~……」

+4穂乃果「早く止めた方がいいよ~……」

穂乃果「えぇっ!?2~4時間後の穂乃果達!?」

-1穂乃果「三人共服がボロボロだよ!?」

+2穂乃果「実はこの後……」

穂乃果「えぇっ!?三人それぞれ、喧嘩に気を取られてる間に『丁寧語で話す人』『脳が溶けそうな声の人』『デコが広くてオーラのある人』に拉致監禁されるの!?」

穂乃果達「」ゾー





穂乃果「というわけでお金は戻って来たんだけど……」

穂乃果「結局このお金は何に使えば良いんだろう……」

花陽「いっそ、使わないで取っておいたら?」

穂乃果「えー?それじゃつまんないよー…」

花陽「え、えーと…じゃあ……」

ガラッ

雪穂「ただいまー」

穂乃果「あ、雪穂」

雪穂「お姉ちゃーん。お姉ちゃんに似合いそうな服売ってたから、買ってきたんだけど……」

真姫「ちょうど良かったじゃない」

穂乃果「うーん…そうだね」

穂乃果「ありがとう雪穂。お金後で渡すね」

雪穂「そう?じゃあ、はいこれ」

穂乃果「どんな服かな~?」ガサゴソ





『ほ』





お し ま い

次回は
【凛ちゃんのなが~い家出】
【無人島へ家出】のどちらかです

【凛ちゃんのなが~い家出】

凛ママ「あんたなんかもう、うちの子じゃありません!!」

凛ママ「出て行きなさい!!」

凛「言われなくても出て行くよ!」

凛「誰がこんな家に!」



真姫「………」

凛「止めないで真姫ちゃん!」

凛「ずっと我慢してたけど、もうたくさんにゃ!」

凛「いくら親でもあんな酷いこと言って良い筈ないよ!」

凛「きっと凛が居なくなったら思い知るよ…」

凛「凛がかけがえのない一人娘だってこと…」

真姫「………」

凛「真姫ちゃんにはお世話になったね」

凛「忘れないよ」グスン

真姫「………」

凛「じゃあ体に気をつけてね……」

凛「凛の部屋は好きに使って良いから……」

真姫「………」

真姫「ま、たまには一人になって苦労してみるのも良いかもね」

真姫「どれだけ続くか怪しい物だけど」

凛「ただいまー」

真姫「ヴェェ!?」

真姫「あなた、もう家出やめたの!?」

凛「やめたわけじゃ無いけど…ちょっと相談があるにゃー」

真姫「なによ」

凛「今夜見たいテレビがあって……晩御飯も食べたいし……」

凛「六時頃には帰ろうと思うんだけど……」

真姫「!?」

真姫「テレビ見に帰る家出なんて聞いた事ないわ」

凛「そこが相談だにゃー」

凛「ちょっと凛が留守にしただけでママがオロオロ心配するような道具ってない?」

真姫「そんなのあるわけ……!」

真姫「……あったわ」

真姫「『時間ナガナガ光線』」

真姫「楽しい事を時間をたっぷり掛けて味わう為の機械よ」

真姫「光を浴びると十分が一時間に感じられるわ」

凛「すごーい!早速作ってみよーっと!」

凛ママ「………」

ビカッ

凛ママ「……?」

凛「行って来まーす!」

真姫「いい加減で帰ってらっしゃい」

凛「ああ、自由って良いにゃー」

凛「凛はこれからどこへ行って何をしても自由なんだ~」

凛「……ところでどこに行こう」


穂乃果「あれ…凛ちゃん、どこに行くの?」

ことり「凄い荷物だけど……」

凛「穂乃果ちゃん!ことりちゃん!」

凛「実はね……」

穂乃果「えっ!?家出!?」

穂乃果「えらいよ凛ちゃん!!」

穂乃果「ああ!穂乃果も家出したいと何度夢見た事だろう!」

穂乃果「それを凛ちゃんはついに!ついに!!」

凛(こんなにウケるとは思わなかったにゃー)

穂乃果「大体親なんて威張り過ぎなんだよ!」

穂乃果「穂乃果、いっつも頭にきてるもん!」

穂乃果「凛ちゃん頑張って!穂乃果達も協力するから!」

穂乃果「ね、ことりちゃん!」

ことり「うーん…穂乃果ちゃんがそう言うなら……」

穂乃果「当分穂乃果の家に居て」

穂乃果「ママや雪穂に見つからないようにね」

凛「ありがとう穂乃果ちゃん!」

凛「穂乃果ちゃんは親切だにゃー」

凛「あ、この漫画面白いにゃー」

凛「ママはどんな顔してるかな?」

凛「ちょっと見て来よう」

凛「エヘエヘ……」

TV「♪~」

凛「あれ~?のんきにテレビなんか見てる」

凛「せっかく凛が家出したのに……」

真姫「まだ二十分しか経ってないわ」

真姫「ママにとっても二時間ね」

凛「また後で見にくるよ」

凛「……そうだ!」

凛「一々見に来なくても済む道具貸してよ!」

真姫「………はぁ」



凛「そろそろ四十分だよ!」

凛「ママはどんな顔してるかにゃー」

カチッ

凛ママ「……(真顔)」

凛ママ「真姫ちゃん」

真姫「……」ビクッ

凛ママ「凛ちゃん何処へ行ったか知らない?」

真姫「………知らない」

凛ママ「……宿題もほったらかしで本当にしようのない子」

凛「…まあ四十分ならこんな所だよね……」

凛「五十分……」

凛「ほら、イライラし始めたよ」

凛ママ『ほんとにもう……』

凛ママ『帰って来たらもう……』

凛ママ『ただじゃおかないから!!』



凛「………」

凛「帰ろかな……」ブルッ

凛「いや、ここで挫けちゃ駄目だよね」

凛「絶対に負けられないにゃー!」

凛「一時間経った」

凛「あ、どこかに出掛けるにゃー」

ことり『凛ちゃんですか?』

穂乃果『穂乃果知らない』





花陽『ご、ごめんなさい…分かりません』

凛ママ『そう…ありがとうね。花陽ちゃん』





凛ママ『おかしい……何かあったんじゃないかしら』

凛ママ『交通事故とか……』

真姫『心配要らないわ。その内帰るから』

凛「あっ、真姫ちゃん余計な事を!」

凛ママ『どうしてあんたに分かるのよ!』

凛ママ『無責任な事言わないで!!』

真姫『………ごめんなさい』





お巡りさん『えっ、誘拐事件かも!?』

凛ママ『家を出て百二十分も経つんです!』

お巡りちゃん『二時間位じゃ行方不明とは言えませんな』

凛ママ『そんな………』

凛ママ『こんなに親に心配掛けて!!』

凛ママ『帰って来たら絶対に許さないわ!』

凛ママ『絶対に!!』

凛「ヒェー……」

凛「帰るにゃー」


ガラッ

穂乃果「凛ちゃん、ご飯のお饅頭だよ」

凛「穂乃果ちゃん…それが……」

穂乃果「家出を止めた!?」

凛「うん……」

凛ママ『神様、凛をお返し下さい。無事に帰ってさえくれたら……神様』

穂乃果「えっ、こんなに心配してるの!?」

ことり「穂乃果ちゃん…すぐに帰らせてあげないと」

穂乃果「そうだね……」

凛「二人ともありがとう。凛は帰るにゃー…」




凛「はぁ…どんなに叱られるんだろう……」

真姫「凛!大変だったのよ!」

凛「真姫ちゃん、ごめんね」

真姫「謝るなら他に相手がいるでしょ」

凛「うん……」

凛「ごめんなさい」

凛ママ「………」




凛ママ「こんな時間までどこをほっつき歩いてたの!!」

凛ママ「あんたなんかもう、うちの子じゃありません!!」

凛「」




お し ま い

次回、【無人島へ家出】に続く

【無人島へ家出】

凛「………」

真姫「………zzz」

凛「………」ガサゴソ

真姫「……ん…」

凛「!?」ビクッ

真姫「………スー…スー……」

凛「………ホッ…」

ガチャッ



凛「………真姫ちゃん、バイバイ」

凛「どこへ行こう……」

凛「見つかって連れ戻されちゃつまんないし……」

凛「いっそ人気のない無人島に行きたいにゃー」

凛「でもそんな簡単に見つからないよね」

凛「簡単に見つかった!」


凛「着陸!」

凛「なかなか良さそうな島だにゃー」

凛「くたびれた……」

凛「探検は明日にして寝ようっと」

凛「暖かい。かなり南の島みたい」

凛「柔らかな草むら……」

凛「」グウ……

(・8・) チュンチュン

(・8・) チュンチュン

ジリリリリリリリ

ポカポカッ

凛「わあ、寝坊した。ごめんなさい!」

凛「あれ…凛は家出したんだから、誰かに怒られるわけが無いんだ」

凛「真姫ちゃんから借りてきたこの道具…ただの目覚ましだったの…?」



凛「あの岩から島を見渡せそうだにゃー」

凛「わあ、綺麗な島だにゃー」

凛「今日からここで自由にのびのびと暮らすんだー」

グー

凛「あ、そうだ」

凛「真姫ちゃんから勝手に色々借りてきたけど……」

凛「食べ物を作る道具は無いかな……」

凛「これはなんだろう」

『ピピピピーピーピピピピ』

凛「なにこれ」

凛「こっちのは…」

『ズー』

凛「掃除機ー…?」

『では次の問題』

『勉強中に余所見するな!』

凛「ろくなのないにゃー」

凛「あ、ピストルがある」

凛「魚…は食べられないし……」

凛「ヤシの実があった!」

凛「美味しそうだにゃー」

パンパパン

凛「………」

凛「無人島で手品やったって仕方ないよー……」

凛「揺すっても駄目だし……」

凛「登っても……」

ズルッ

凛「駄目だーー…!」

凛「家に帰ろうかな……」

凛「いや、弱気になっちゃ駄目だ!」

凛「固い決心で家出したんだからやり抜くにゃー!」

凛「………」

凛「お腹も空いたけど…それより喉が渇いたよ…」

凛「水!そうだ!水が無くちゃ生きて行けない!」

凛「『モグラ手袋』を持って来たのは、凛の頭の良いとこだよ」

凛「穴を掘ると水が湧くんだー」

ザクッ ザク

凛「出ないね」







凛「出たぁ!」

ガブリッ

凛「しょっぱい!」

凛「海水だにゃー!」

凛「この島には真水が全然無いんだ!」

凛「こんな所にいたら死んじゃうよ!」

凛「凛もう帰る!!」

カチッ

ブルン

凛「わぁ、タケコプターが!」

凛「待ってー!」

凛「もう帰れない!」

凛「この島で日干しになって死ぬんだにゃー!」

凛「わぁ~~~!!」

ザー ザー

凛「あ………」

凛「傘があったっけ」

バッ

ザァー

凛「………」ビチャビチャ

凛「変な傘!さっきの穴に入るにゃー」

凛「そうだ、この中で暮らせば良いんだ」

傘「ザァー」

凛「水はこれでよし」

ドスン

凛「木がめり込んで低くなってる!」

凛「なんとか暮らして行けば」

凛「きっと真姫ちゃんが助けに来て暮れるよね」

凛「凛は信じてるにゃー」







凛「一週間経ったけど来ない」

凛「明日はきっと来るよ」





凛「1ヶ月……来ないにゃー」

凛「明日こそ来ると思うけど……」





凛「一年経ったけど……まだ来ない」

凛「まさか永久に来ないんじゃ……」

翌日

凛「あーお魚美味しい」

凛「はぁ……」

凛「久し振りに島の中を探検してみようかな……」



凛「あ…あれぇ!?誰か居る!」

凛「え…あれって……」






凛「ま…真姫ちゃん!?」

真姫「ヴェェ!?」

真姫「凛!?なんでこんな所に居るのよ!」

凛「真姫ちゃんこそ!」

真姫「だってこの島……」

チラッ

真姫「うちの別荘があるのよ」

凛「え…えぇぇぇぇぇぇ!?」

凛「そんなぁぁぁぁぁぁ………」

凛「家に帰れるなんて夢みたい!」

真姫「さ、入りましょ」

凛「ま…待って!」

真姫「なによ」

凛「入るのが怖いよ……」

凛「一年間もどこへ行ってたって怒られるよきっと」

真姫「だから、タイムマシンで家出した晩へ戻れば良いわ」

真姫「凛は家出なんかしなかった事になるわよ」

凛「だって凛は大人になってるよ」

真姫「だから、タイム風呂敷で包めば……」

真姫「元通りよ」

凛「やったー!」

翌日

凛「かーよちんっ!!」ガシッ

花陽「り……凛ちゃん!?」

花陽「ど、どうしたの?急に…」

凛「えへへ…かよちんに久し振りに会えて嬉しいよー」

花陽「え?凛ちゃん…昨日も……」

凛「あっ……なんでもない!」



穂乃果「でさー昨日海未ちゃんがねー」

海未「ほ、穂乃果!その話は……!」

(・8・) 「笑えるチュン」

凛「あ!穂乃果ちゃん!海未ちゃん!ことりちゃーん!」

花陽「凛ちゃん……?」

穂乃果「ねぇ…なんか今日凛ちゃん変じゃない?」

絵里「そうね…まるで久し振りにあったみたいに話すし」

穂乃果「そうそう、それに…話し方もいつもと違うような……」

花陽「そういえば…今日は語尾に『にゃー』が無いような……」

穂乃果「おおっ!それだよ花陽ちゃん!」

凛「♪~」

絵里「ちょうど凛が来たわよ」

穂乃果「おーい、凛ちゃーん!」

凛「穂乃果ちゃん!どうしたの?」

穂乃果「ちょっと語尾に『にゃー』を付けて喋ってみてよ!」

凛「えっ?」

絵里「直球ね……」

花陽「あ、あのね…凛ちゃん。いつもにゃーにゃー言ってるのに、今日はどうしたのかなって思って……」

凛「あ……」

凛「え、ええと……」



凛「にゃ……にゃー………///」

長い間人と話さなかったために、にゃー口調で話すのが恥ずかしくなった凛ちゃんなのであった。





お し ま い

どうしよう
あまり良いネタがないなあ

【時限バカ弾】

絵里「この間、亜里沙と東京ディ○ニーラ○ドへ行ってきたの」

花陽「私は夏休みに凛ちゃんと真姫ちゃんと行くんだ。面白かった?」

凛「暑いし、混雑してて大変だったでしょ?」

絵里「そんなこと無いわよ」

絵里「私は非常に楽しかったわ」

花陽「ねぇ絵里ちゃん。何が一番良かった?」

絵里「そうね……やっぱり立体映像かしら」

凛「映像がええぞー……なんちゃって」
シラーーー

絵里「………」

花陽「………」

絵里「ーーーゴホン」

絵里「とにかくあの大スクリーンの迫力は…」

凛「大スクリーンより、アイスクリームの方が美味しいにゃー」

絵里「………」

花陽「………」

凛「アハ…………」

花陽「凛ちゃん…今、絵里ちゃんが良いお話してるから、ね?」

凛「む……」

絵里「凛…馬鹿な事言って人の邪魔をするのは良くないわ」

凛「むむ……」カチーン

花陽「絵里ちゃんはかっこよくて、勉強も運動も出来て、やっぱり凄いね」

絵里「あら、そんなこと無いわ」

絵里「私は花陽だってとっても可愛いと思うわ」

花陽「そ…そうかな……」



凛「………」

凛「馬鹿な事………」

凛「ただいまー…」

凛ママ「凛ちゃん」

凛ママ「折り入って話があります」

凛ママ「ランドセルを下ろしたら降りていらっしゃい」

凛「あわわ……」



真姫「ふぅん、これからお説教?」

凛「あの顔つきじゃ二時間は掛かりそうだよー…」

凛「お願い真姫ちゃん!」

凛「五分ぐらいで終わらせて!」

凛ママ「凛!!」

凛「はいはいはい!」

凛ママ「座りなさい」

凛「またまた、そんな怖い顔しちゃって」

凛「明るく楽しくパーッと行くにゃー」

凛ママ「………」キッ

真姫「『時限バカ弾』」

真姫「タイマーを五分後にセットして……」

凛ママ「あんたという人は………」

真姫「………」ソー

ピタッ

カチ カチ カチ

カチ カチ カチ

ポンッ

凛ママ「………」

凛「………?」








凛ママ「ベロベロバァー!!」

凛「」

凛ママ「オッペケペッポー」

凛「」

凛ママ「ペッポッポー」

凛「」

凛ママ「アジャラカモクレン!!!!!!!!!!」

凛「」

凛ママ「はっ」

凛「ママはひょうきんだにゃー」パチパチ

凛ママ「……続きはまた今度にします」

真姫「バカ弾が破裂すると、馬鹿なことをやらずにはいられなくなるのよ」

凛「少し分けて!」

真姫「また……」

真姫「くれぐれも悪用するんじゃないわよー」

凛「そのセリフはもうコ○ンで聞き飽きたにゃー」

凛「よーし、絵里ちゃんにこれをつけて」

凛「かよちんの前で馬鹿な真似をさせるにゃー」

希「ねえことりちゃん。ウチらのデュエット曲が出来たんやけど」

にこ「特別にあんたに聴かせてあげるわ」

ことり「わ……わーい……」

凛「テスト!」ポイポイッ



希「今度の新曲は少女達の恋心を歌ったラブソングや」

にこ「良いと思ったら遠慮なく泣きなさいよ」

ことり「う……うん」


『ズルい!ズルい!ズルい事は!』

『しちゃ駄目なのよこーらこら!』

ことり「………」オエー

『真面目にーポンッ

にこ希「スイスイスー」

(・8・) 「」

にこ希「ダララ」

(・8・) 「」

にこ希「ギッチョンチョンノパーイパイ」

(・8・) 「」

にこ希「………はっ」

ことり「………クスクス」

にこ「ちょっとぉ!これは笑う歌じゃないでしょ!?」

ことり「ど…どうかな……」

凛「成功だにゃー」

ピンポーン ピンポーン

凛「えーりちゃん!」

ガチャッ

絵里「あら、凛」

絵里「どうしたの?」

凛「一緒にかよちんにお家に行かない?」

絵里「良いわよ」

凛「早く!爆発しない内に!」ポイッ

絵里「?」

バシャッ

凛「あ、ごめん」

絵里「昨日は雨だったものね…」

絵里「気にしないで。このぐらい洗濯すればすぐに落ちるわ」

凛「うん…」

絵里「着替えて来るから待っててね」

凛「あ、時間が……」





絵里「お待たせ」

凛「汚れた服は?」

絵里「亜里沙に渡して来たわ」






『パッパラパー!!』

絵里「亜里沙の声だわ!」

凛「絵里ちゃんは気にしなくて良いの!!」





花陽「いらっしゃい」

絵里「お邪魔するわ」

凛「お邪魔するにゃー!」ポイッ

凛(もうすぐ…絵里ちゃんが馬鹿な事を……)

花陽「そうそう、絵里ちゃんが好きそうな本があるんだ」

絵里「あら、どんな本かしら」

花陽「今持って来るね」

花陽「………?」

花陽「絵里ちゃん、背中に何か……」

凛「あっ!かよちん駄目!」

ポンッ



凛「ナンジャラモンジャラホニャラカピー」ブボボモワッ

絵里「………」

花陽「………」



お し ま い

おまけ1

【真姫ちゃんだらけ】

凛「真姫ちゃーん!これあげるにゃー!」

真姫「ハーゲンダッツ…トマトチェリー味?」

真姫「どういう風邪の吹き回し?」

凛「ねぇ真姫ちゃん……」

凛「凛、真姫ちゃんの事、大好きだよ」

真姫「な…何よ急に……」

凛「真姫ちゃんは……凛の事どう思ってる?」

真姫「それは……ヴェェ……」

真姫「嫌い、じゃないけど……」

凛「ほんと!?」

真姫「ヴェ!!?」

凛「じゃあ、大好きな凛のために、この宿題代わりにお願い!!」

ドサッ

真姫「だ、大好きなんて言ってない!」

真姫「それに、なんで私がやらなきゃいけないわけ!?」

真姫「宿題ぐらい自分で……」

凛「でも真姫ちゃん…もうハーゲンダッツ食べちゃったでしょ?」

凛「それ…高かったんだよ?」

真姫「う…あなたねぇ……」

凛「じゃあ凛隣の部屋で寝てるからよろしくにゃー」

真姫「あっ凛!」

真姫「……マッタクー…」

凛「ムニャムニャ…かよちんのおにぎり、美味しいにゃー……」

ワー ワー

凛「むにゃ…」パチリ

凛「…なんだか隣が騒がしいにゃー」

ガラッ

ソー

真姫「待ちなさい!ぶち殺してやるわ!!」

真姫「きゃあ!自分殺し!!」

真姫「自分同士の争いは醜い物ね」

真姫「早く終わらせて帰りましょ」



凛「………」

凛「見なかった事にするにゃー」

翌日

凛「ファー…よく寝たにゃー」

真姫「」

凛「真姫ちゃん!?どうしたの!?」

凛「ボロボロだよ!?」

真姫「………これ」

凛「これは…宿題?」

真姫「なんとか……終わらせたわよ……」

凛「真姫ちゃん…」

凛「ありがとう!真姫ちゃん!お礼にハーゲンダッツ買ってあげるからね」

真姫「ふふ…私は…トマトチェリーしか認めないわ……」


真姫「…よ……」ガクッ


凛「真姫ちゃん!?真姫ちゃーん!!」






みんなで食べよう!
ハーゲンダッツ スプーンベジ!


お し ま い

おまけ2

【悪魔のパスポート】

凛「真姫ちゃん。それなあに?」

真姫「これは【悪魔のパスポート】よ」

真姫「それさえ見せれば、どんな悪いことをしても良いという恐ろしいパスポートよ」

凛「どんな悪いことをしても?」

真姫「そう、どんなに悪いことをしても」

凛「へー…怖い道具だね」

凛「でも、ちょっと使ってる所を見たいにゃー」

真姫「そうね……例えば……」

ガチャッ

凛ママ「凛ちゃん。帰ってるの?」

凛ママ「って、あなた、また勝手に人の家に上がり込んで!!」

凛「えっ」

真姫「………」サッ

ビカッ ビカ ビカ

凛ママ「」

凛ママ「あら真姫ちゃんいらっしゃい」

凛ママ「ゆっくりしていってね。今おやつを持ってきてあげる」

バタンッ

真姫「ほらね」

凛「ちょっと待って」







お し ま い

ようやくエリーチカをメインに置けました。
皆さんありがとうございます。
書けるかは分かりませんが、これからも良い案があればお願いします。

次回は【にこちゃんの別荘】です

【にこちゃんの別荘】

穂乃果「へぇー!真姫ちゃんちって別荘持ってるんだー!」

真姫「そんな大した物じゃ無いわよ」

海未「そうなのですか?」

ことり「確か、花陽ちゃんと凛ちゃんも一緒に行ったんだよね」

凛「すっごい大きかったよ!」

凛「ね、かよちん!」

花陽「うん。広すぎてびっくりしちゃった」

真姫「ちょっと凛!花陽まで……」

穂乃果「良いなぁ~」

穂乃果「ねぇ、今度穂乃果達も連れていってよ!」

真姫「ヴェェ!?」

海未「穂乃果、図々しいですよ」

穂乃果「え~?だって真姫ちゃんの別荘行ってみたいんだもん!」

穂乃果「真姫ちゃ~ん!」スリスリ

真姫「わ、分かったから、離れて!!」

穂乃果「やったぁー!」

穂乃果「ことりちゃんも行くよね!?」

ことり「私は穂乃果ちゃんが行くならどこにでも♪」

凛「また海で遊べるにゃー!」

花陽「良かったね、凛ちゃん」

海未「………」

穂乃果「海未ちゃん、お土産買って帰るからね」

海未「なっ……」

穂乃果「海未ちゃんは行かないんだよね?」

穂乃果「さっき穂乃果に図々しいって言ってたもん」

穂乃果「ね?ことりちゃん」

ことり「う、うん……」

海未「そ……そんな……」

海未「ま、待って下さい!私も行きたいです!」

穂乃果「………」ニヤニヤ



真姫「はぁ……なんでこうなるのよ……」






にこ「へぇー……真姫ちゃんちも別荘持ってるんだーー」

今更だけど>>1の最後間違えてた
×凛「
○凛ママ「

真姫「うわ……」

穂乃果「“も”?」

ことり「ということは……」

にこ「にこも持っているのよねーー」

にこ「別荘」


凛「ふーん」

海未「では日にちを決めましょう」

ことり「何を用意すれば良いのかな?」

にこ「ちょっとぉ!!」

穂乃果「え…何?」

にこ「にこが別荘持ってるってのよ!?『ふーん』ってなによ!!」

にこ「もっと何かあるでしょ!!」

凛「にこちゃん凄ーい」

凛「凛トランプ持って行くにゃー」

花陽「じゃあ私、UNO持って行くね」

穂乃果「真姫ちゃんの別荘ってどこにあるの?」

真姫「○○○の辺りよ」




にこ「………」

続きは明日か明後日の夜にやります

にこ「もっと何か言いなさいよ!!」

穂乃果「えー?例えば?」

にこ「『私も行きたいなー』とか『にこちゃんが羨ましいなー』とか、あるでしょ!!」

海未「私も是非行ってみたいですね」

海未「…行ける物なら」

ことり「にこちゃんが羨ましいなー」

ことり「…特に頭の中が」

にこ「………」

にこ「あ!あんたたち、まさか信じてないわけじゃないでしょうね!?」

凛「だって……ねぇ?」

花陽「うん……」

にこ「なによ!!言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!!」

凛「にこちゃん……目立ちたいからって嘘つくの良くないよ」

にこ「………」

海未「何故すぐにバレる嘘をつくのですか」

にこ「………」

にこ「う、嘘じゃないわよ!」

真姫「じゃあ連れて行って」

にこ「えっ」

真姫「本当にあるんでしょ?じゃあ連れて行ってよ」

にこ「……じょ…上等よ!!」

にこ「全員連れてってやるわよ!!」





凛「…にこちゃん、どうするんだろう」

真姫「…別荘なんて持っていないのは間違いないし」

真姫「適当に言い訳して逃げるか……それとも…」

ピーンポーン

凛「お客さんだにゃー」

ガチャッ

にこ「すみませんでしたーーー!!」





真姫「泣きついて来るか、ね」

凛「にこちゃーん…なんであんな嘘ついちゃったのー?」

にこ「仕方ないでしょ!ちょっと気を引こうと思ったら後に退けなくなったのよ!」

にこ「それより、早く助けなさいよ!」

真姫「はぁ……まぁ良いわ。そろそろ来るだろうと思ってたし」

真姫「『箱庭シリーズ』」

にこ「箱庭!?あんた、にこの事馬鹿にしてるんじゃないでしょうね!?」

真姫「……『スモールライト』」

ピカッ

にこ「まぶしっ!」

にこ「急に何するのよ!?」

にこ「ってデカっ!?」

凛「にこちゃんが小さくなったんだよ」

にこ「はぁ!?」

真姫「後ろを見てみなさい」

にこ「後ろ?何があるってのよ?」クルッ

にこ「………」


にこ「青い海……」

にこ「白い砂浜……」

にこ「そして立派な別荘……!」

凛「さっきの箱庭だにゃー」

真姫「どう?これで満足?」

にこ「そ…そうね……これなら……」

にこ「あっ!駄目よ!」

にこ「良く見たら周りの景色でバレバレじゃない!」

凛「そういえばそうだね」

真姫「それも考えてあるわよ」

真姫「『室内旅行機』」

真姫「これがあれば、部屋の中の景色を変える事が出来るわ」

真姫「ただし、変わるのは本当に見た目だけで、実際に触れる事は出来ないから注意が必要ね」

にこ「おお……!」
にこ「ありがとうございます!ありがとうございます!」

真姫「全く…助けるのは今度だけよ」

数日後

穂乃果「ねぇ、なんで凛ちゃんの家に集まってるの?」

にこ「どうだって良いでしょ!」

にこ「それより、これをつけなさい」

海未「これは……?」

にこ「目隠しよ」

花陽「な、なんで……?」

にこ「黙って着ければ良いのよ!」

ことり「……?」

にこ「よし、全員着けたわね」

にこ「今よ、真姫」ボソッ

真姫「………」

ピカッ

にこ「まっすぐ歩いて……」

にこ「ストップよ!」

にこ「目隠し取って良いわよ」

バッ

穂乃果「うわぁ~!」

ことり「綺麗な海……」

海未「まさか本当にあるとは……」

花陽「どこでもドアを使ったの?」

にこ「ま、まあ…そんなところよ」





海未「さあ穂乃果、早速遠泳を始めましょう!」

穂乃果「嫌だよー普通に遊びたいもん」

穂乃果「私はことりちゃんとビーチボールで遊んでるから、海未ちゃん一人で泳いでよ」

海未「何を言っているんですか。穂乃果、あなた最近たるんでいますよ」

穂乃果「えー…そうかなーー」




真姫「にこちゃん、あれマズいわよ」

にこ「えっ?……あ!」

にこ「待ちなさい!」

穂乃果「え、どうしたの?にこちゃん」

にこ「遠泳なんて禁止に決まってるでしょ!」

穂乃果「おぉっ!」

海未「な、何故ですか!」

にこ「えっ」

にこ「ええと……」

真姫「………はぁ」

真姫「子どもだけで遠くまで泳ぐのは危ないって事よ」

真姫「そう言いたかったのよね?にこちゃん」

にこ「えっ、あ…そ、そうよ!」

凛「に、にこちゃんはしっかりしてるにゃー!」

海未「…言われてみれば、確かにそうですね……」

海未「分かりました。遠泳は諦めましょう」

にこ「ほっ……」

にこ「………?」

穂乃果「………尊☆敬」キラキラ

にこ「!?」ビクッ





凛「かよちん早くー!」

花陽「り、凛ちゃん待って~!」



穂乃果「いっくよー!」

バン!

穂乃果「あっ」

海未「全く…どこに飛ばしているのですか」

ことり「私取ってくるね」

穂乃果「ごめんね、ことりちゃん」



真姫「なんとか誤魔化せそうね」

にこ「そうね………」

ガチャッ

希「凛ちゃん真姫ちゃん。遊びに来たよ」

真姫「」

にこ「」

凛「」

穂乃果「お………」

穂乃果「おっきな希ちゃんが来た!」

(・8・) 「化け物チュン。逃げるチュン」

海未「全員、走って逃げますよ!」

花陽「だ、誰か助けて~~!」

にこ「ま、待って!!」

真姫「………台無しね」

凛「希ちゃん……」

希「あれ?みんな小さくなって何やってるん?」

ツルッ

希「あぁ~!凛ちゃんの部屋が汚いせいでつまづいて転ぶー!」

真姫「凛、私達も逃げるわよ!」

凛「う、うん」

希「もう駄目や!箱庭の上に倒れるー!」




グシャッ

にこ「ぐぇっ」

希「ナイスキャッチ!」

凛「さすがにこちゃんだにゃー」

にこ「痛いわよ!」





お し ま い

一度に完結させられず、申し訳ございませんでした。

次はどうしようかな。木曜日の予定です。

『メロディーガス』

凛「ここに一本の紐があります」

凛「この紐を……どうやるんだったっけ」

凛「こうやって……」

凛「それともこうだったかな」

凛「いや、そうじゃなくてこう………」




ガチャッ

真姫「やっぱり悪魔のパスポートは便利ね」

凛「真姫ちゃん助けてぇ!!」ジタバタ

真姫「………」

凛「弱っちゃったにゃー……」

真姫「なにが?」

凛「今度、みんなで忘年会をやるでしょ?」

真姫「そういえばそうだったわね」

真姫「それで?さっきの紐はなんなのよ」

凛「さっき聞いたんだけどね、隠し芸をやらされるんだって」

真姫「隠し芸?」

凛「せめて手品でもと思ったんだけど…全然出来ないんだー」

凛「また、にこちゃんなんかに馬鹿にされると思うと、悔しくて!」

真姫「なら、凄い隠し芸を教えてあげる」

凛「えっ」

真姫「簡単にすぐ出来て、みんながあっと驚くわよ」

凛「助かるにゃー。教えて、教えて」

真姫「ちょっと支度してくるわ」

凛「うん!」

ガチャッ

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」ソワソワ

凛「真姫ちゃん、まだー?」

真姫「もうちょっと」

凛「………」

ガチャッ

真姫「モファ」ニッコリ

凛「なんで口をテープで塞いでるの?」

真姫「ウファモアモアヘファヘファ」

凛「なにいってんだか、わかんない」

真姫「」ドンウォリードンウォリーイマカラチョウセンシャ

凛「あれぇ、口を閉じて歌ってる」

凛「いつもの真姫ちゃんの棒演技じゃないよ」

凛「まるでプロの歌手みたいな歌声だにゃー」

真姫「」ダーリンベイベー!

凛「凄いにゃー!どうやったの!?」

ビリッ

真姫「簡単なことよ」

凛「うんうん」

真姫「この音楽イモを食べればいいの」

凛「うんうん……」

凛「…うん?」

真姫「食べてから10分経つとガスが溜まって……」

凛「………」

凛「真姫ちゃんちょっと待って」

凛「まさか、さっきの歌はおn…」

真姫「下品ね…メロディーガスと言って」

凛「とんでもない!みんなの前でおならをするなんて!」

真姫「あ、そう」

真姫「嫌なら別に良いわ」

凛「………」

凛「ま、待って!」
凛「他に思いつかないにゃー」

凛「やっぱりお願い」

希「今日もパンが美味い!」ムシャムシャ

穂乃果「」

絵里「上手いわね」

海未「穂乃果にそっくりです」

穂乃果「穂乃果、いっつもあんな感じなの……?

ことり「うん」

凛「希ちゃん凄いにゃー」

にこ「なに呑気に笑ってんのよ」

にこ「次はあんたの番でしょ」

凛「う、うん……」

凛「どうしてもやらなきゃ駄目……?」

にこ「当然でしょ!」

凛「支度してくる……」

花陽「凛ちゃん、何をするつもりかな?」

にこ「なんにも出来なくて逃げ出すんじゃない?」

ことり「それはないと思うけど……」

真姫「………」

真姫「私、ちょっと様子を見て来るわ」






凛「………」パクパク

凛「このお芋美味しいにゃー」

真姫「凛!」

凛「真姫ちゃん」

真姫「!!」

真姫「あなた、全部食べたわけ!?」

凛「美味しかったよ」

真姫「ほんの一口で良かったのよ!」

真姫「そんなにガバガバ食べたら、メロディーどころか……」





真姫「ガス爆発が起きるわ!!」ドン!

凛「ええっ!?」

真姫「ウチに帰るわよ」

凛「う、うん」

にこ「ふん、そんなとこだろうと思ったわ」

真姫「………ッ!?」

凛「にこ…ちゃん……」

にこ「逃げるなんて許さないわよ」

グイグイ

凛「ま、まずいにゃー!」

凛「誰か助ケテ……!」

凛「ああ、そろそろガスが!」

ブスッ ブスッ

真姫「…仕方ないわ。出来るだけ我慢して」

真姫「ガスを小出しにするのよ」

凛「うん……」

凛「」チイサナシグナルリンリンリンガベー

にこ「あっあっ」

穂乃果「口を閉じて歌うの?」

絵里「やるじゃない」

凛「」キコエターラーブボッウナズイーテービビッビビッ

にこ「いやに雑音が入るわね」

ことり「ねえ、なんか臭わない?」

希「スピリチュアルやね」

凛「」オヘーンジークダサイーブボボモワッ

真姫「元栓を締めるわ!」

凛「」ブッ ブッ ブッ

凛「もう駄目だにゃー!!」ダッ

にこ「あっ、また逃げる!」

希「潰してわしわしするよ!」

凛「ひぃっ」バボン!!

花陽「の、希ちゃんが吹っ飛んだ!?」

希「だ、誰か助けてー!!」






グシャッ

にこ「ぐえっ」

希「ナイスキャッチ!」

海未「流石はにこですね」

にこ「痛いわよ!!」




お し ま い

今後のラインナップ(暫定)

【ビョードーばくだん】
【歩け歩け月までも】
【ヘソリンスタンド】
【さようなら真姫ちゃん】

【歩け歩け月までも】

凛「………」モゾモゾ

真姫「凛、どうしたの?」

真姫「こんな夜中に起き出して」

凛「いろいろ人生について考えていたら眠れなくて……」

真姫「ジンセイ?」

凛「せっかくこの世に生まれたからには、歴史に名を残したいにゃー」

凛「だれもやってないような事をして……」

真姫「ふーん」

凛「あれこれ考えていると眠れなくて………」

真姫「ふわぁーあ……私はもう寝るわ」

凛「………何か…歴史に名を残すようなことを………」











翌朝

凛「わー!寝坊した!」

凛「学校に遅れちゃうにゃー!」

真姫「下らないことで夜更かしするからよ」

凛「もう絶対に間に合わないよー!!」

真姫「はぁ……まあ、将来について考えるのは悪いことじゃないし、今度だけ助けてあげるわ」

真姫「『道路光線』」

凛「道路光線?」

真姫「光で道路を作るのよ」

真姫「一直線だから近道になるわ」

凛「へー」

真姫「しかも、この道路の中は四次元世界になっているから」

真姫「なんでも突き抜けて行くわ」

凛「真姫ちゃんありがとう!これならなんとか間に合いそうだにゃー!」

凛「行ってきまあす!」

真姫「行ってらっしゃい」

真姫「………」

真姫「……こんな風に凛や花陽、他のみんなと一緒に居られるのも…後少しね……」

真姫「……帰るための準備をしなきゃ…」







凛「~♪」タッタッタッ

先生「根本さん」

「はい」

先生「野口さん」

「はい」

先生「星空さん」

シーン…

花陽(凛ちゃん、また遅刻……)

先生「星空さん!!」


凛「はいっ!」

凛「はいはいはぁい!」

先生「はいは一回で結構」

先生「席に着きなさい」

凛「はーい!」

花陽「………ホッ」

凛「真姫ちゃーん!」

凛「滑り込みセーフだったよ!」

真姫「良かったわね」

凛「そればかりじゃないよ」

凛「歴史に名を残す、大計画を思いついたんだ!」

真姫「大計画?」

凛「あのね、光線道路を使って」


凛「月まで歩いて行くにゃー!」

真姫「ヴェェ!?」

真姫「凛…あなた、すぐそういうムチャクチャを……」

凛「やってみないと分からないよ」

ガサゴソ

凛「ええと月までの距離は……」

真姫「およそ38万kmよ」

凛「じゃあ、無理のないよう毎晩三時間だけ歩くにゃー!」

凛「一時間に5kmっして、1日……」

真姫「………15kmよ」

凛「そう、15km!」

真姫「それだけ歩いたら、どこでもドアで帰って寝るにゃー」

凛「次の日にはまたその続きを歩くんだー」

凛「そしたらいつかは月に届くよ!」

凛「38万kmを15kmで割ると………」

凛「……あー………」

真姫「………25333日」

真姫「約70年掛かるわ」

凛「ね!?長生きすれば、なんとか行けそうだよ!」

凛「凛はやるよ!」

凛「世界で最初の徒歩月旅行者になってみせるにゃー!!」

真姫「……長生きするわ」

凛「ほんと!?ありがとう真姫ちゃん!」

真姫「………」

凛「月が出た!」

凛「真姫ちゃん、四次元ポケットにどこでもドアを入れて貸して」

真姫「仕方ないわね……」

凛「歴史的な第一歩だよ!写真撮って!」

真姫「はいはい」

凛「行って来まーす!」

真姫「……いつまで続くかしらね」




凛「かよちーん!行って来るにゃー!」

花陽「えっ!?凛ちゃん!」

花陽「どうして宙に浮かんでるの……!?」

凛「ちょっと月まで行って来るにゃー」





凛「……?」

凛「……だんだん歩きにくくなってきたよ?」

凛「ちょっと休むにゃー」

凛「ふー……」

ズルッ

凛「!?」

凛「あっ……」

凛「月が高く昇るにつれて……」

凛「この道路は垂直になるんだ!!」

凛「わー!わー!」

凛「誰か助ケテー!!」

ヒューーーーーーーーーー

にこ「たまには夜中の散歩も良いわね」

ピカーーーッ

にこ「……?」

にこ「何よ…あの光」

にこ「凛の家の方からね」





にこ「ちょっとあんた達!!」

真姫「にこちゃん!?」

にこ「こんな時間にこんな眩しい光!近所迷惑でしょ!?」



ヒューーーーーーーーーー

ドスンッ グシャッ

にこ「ぐえっ」

凛「ナイスキャッチ!」

真姫「流石はにこちゃんね」

にこ「痛いわよ!!」




お し ま い

次回は本来ならリクエスト?のあった【ホンワカキャップ】をやりたかったのですが、あれは色々とマズいので代わりに【ヘソリンガス】をお送りします

おつ

>>255の最後の台詞凛ちゃんだよね?

>>261

そうですね。指摘ありがとうございます。
またやってもうた

にこ「はぁ……」

花陽「にこちゃん、今日は元気ないね」

凛「珍しいにゃー。何かあったの?」

にこ「うるさいわね……にこにも色々あるのよ」

凛「ふーん……」

にこ「用がないならもう行くわよ」

凛「うん…バイバイ」

花陽「バイバイ、にこちゃん」

にこ「はぁ………」



花陽「ちょっと心配だね……」

凛「真姫ちゃんに相談してみるにゃー」





花陽「…というわけなの……」

真姫「にこちゃんに元気がない、ねぇ……」

凛「真姫ちゃん、何か良い道具ない?」

真姫「あるにはあるけど……」ガサゴソ

凛「何か出すの!?」

真姫「………」

真姫「やっぱりなんでもないわ」

凛「ウソ!どうしてやめるの!?」

真姫「何も無いって言ってるでしょ!」

真姫「大体、にこちゃんは普段騒がしいんだから、たまには静かでも良いんじゃない?」

凛「真姫ちゃんは冷たいにゃー…」

真姫「冷たくて結構」

花陽「真姫ちゃん…なんとかにこちゃんを助けてあげられないかな……?」

真姫「無理よ」

花陽「真姫ちゃん……」ウルウル

真姫「うっ………」

花陽「………」ウルウル

凛「あー!真姫ちゃんがかよちんを泣かしたー!!」

真姫「ヴェェ……」

真姫「あーもう!分かりました!」

真姫「出すわよ!出せば良いんでしょ!」

真姫「『ヘソリンスタンド』」

花陽「ヘソリン…?」

真姫「これはへそから送り込むガスよ」

真姫「心や体の痛みを消すことが出来るわ」

凛「凄いにゃー!」

凛「試しに使って見ようよ!」

真姫「あまりオススメは出来ないわよ」

凛「良いから良いから」

真姫「そう。じゃあおへそを出して」

プシュッ

凛「………」

花陽「ど、どう……?」

凛「なんだか………」

凛「目の前が明るくなって……バラ色に見えて来た!」

凛「幸せな気持ちだにゃー!!」

真姫「そう。それじゃあ、もっと試すわよ」

真姫「ママー!凛が0点の答案を隠していたわ!」

凛ママ「何ですって!?」

ガミガミガミガミ

凛「………」

真姫「怖い?」

凛「ちっとも怖くないにゃー!」

花陽「えぇっ!?関係のない私でも怖いのに……」

凛「不思議と何を言われても気にならないにゃー」

凛ママ「なっ……」

凛ママ「はぁ……もう良いわ……」

テクテク

真姫「………」ボールポイッ

凛「!」ツルッ

ドテン!

花陽「だ、大丈夫!?」

凛「痛くもなんともないよ!」

花陽「えぇっ!?」

真姫「…ガスの効き目は30分間続くわ」

凛「ありがとう真姫ちゃん!」

凛「これならきっとにこちゃんも元気になるよ!」





凛「ヘソリンを吸えばこの世は天国!!」

【ヘソリンガス】

凛「………」ニコニコ

穂乃果「………」トボトボ

凛「穂乃果ちゃーん!」ニコニコ

穂乃果「あ………凛ちゃん…」

凛「どうしたの?元気ないよ?」ニコニコ

穂乃果「あのね……」

凛「ふうん、お母さんにこっぴどく叱られたんだ」ニコニコ

穂乃果「もう死にたくなったよ……」

凛「そうだ!穂乃果ちゃん、ちょっと凛のお家に来て!」ニコニコ

プシュー

穂乃果「ママに叱られたって、それがどうした!!」ニコニコ

凛「そうだよ!」ニコニコ

穂乃果「ねぇ凛ちゃん、ヘソリンスタンドをみんなにも使わせてあげようよ!」ニコニコ

凛「それは名案だにゃー!」ニコニコ

海未「はぁ……」ズキズキ

穂乃果「海未ちゃん、どうしたの?」ニコニコ

海未「穂乃果……恥ずかしながら、虫歯が出来てしまったみたいで、歯が痛いのです……」

穂乃果「それならヘソリンガスでケロッと直るよ!」ニコニコ

凛「おへそを出すにゃー!」ニコニコ

海未「じ、自分でやります!」

プシュー

海未「嘘みたいです」ニコニコ

穂乃果「30分経ったらまたおいで」ニコニコ





穂乃果「これなら秋葉原で通り魔に刺されても痛くないよね!」ニコニコ

希「絵を見せてくるお姉さんに着いていっても平気やね」ニコニコ

海未「う……」ズキズキ

ことり「海未ちゃん?」ニコニコ

海未「い、痛いです!は、早くヘソリンを下さい!」ズキズキ

穂乃果「海未ちゃん!すぐに入れてあげるからね!」ニコニコ

プシュー

海未「あ……ありがとうございます。痛みがなくなりました」ニコニコ

凛「良かったにゃー」ニコニコ




花陽「え、絵里ちゃん……これって………」

絵里「えぇ。間違い無いわね……」

にこ「ちょっとあんたたち!」

穂乃果「にこちゃん」ニコニコ

にこ「気持ち悪いわね……何集まってニヤニヤしてるのよ」

海未「全てはこのヘソリンガスのお陰です」ニコニコ

海未「このガスを使用すれば一瞬で気持ち良く、スカッとした気分になれるんですよ」ニコニコ

希「にこっちも使ってみたらええよ」ニコニコ

にこ「ヘソリンガス?気持ち良くなれる?何よそれ」

にこ「危ない物じゃないでしょうね?」

穂乃果「平気平気。みんな使ってるんだよ?」ニコニコ

ことり「このガスをおへそに入れれば、痛みも悩みも全部吹き飛ぶよ♪」ニコニコ

にこ「でも……」

凛「試しに一回だけ試してみるにゃー!」ニコニコ

凛「それで合わなかったら止めれば良いんだよ!」ニコニコ

にこ「……それもそうね……」

にこ「………じゃあ、一回だけ…………」

プシュー

にこ「………」

凛「どう?」ニコニコ


にこ「にっこにこにー!!」ニコニコ

凛「気に入ってもらえて何よりだにゃー」ニコニコ

にこ「不思議ね…心が洗われた気分だわ……」ニコニコ

凛「にこちゃんは心が汚いもんね」ニコニコ

にこ「なんですってー!!」ニコニコ

凛「怒られても全然怖くないにゃー」ニコニコ

にこ「正直怒る気も起きないわー」ニコニコ

にこ「ただいまー」ニコニコ

こころ「あー!」

ここあ「だー!」

にこ「………」ニコニコ

にこママ「あらにこちゃん、遅かったわね」

にこ「ちょっとね」ニコニコ

にこ「ねぇママ、今日ね」ニコニコ

にこママ「にこちゃん。今ママね、こころとここあの世話で忙しいのよ」

にこ「……そう」ニコニコ

にこ「………」ニコニコ

にこ「ふー…」ニコニコ

にこ「!」ニコニコ

にこ「ねぇ、そこに置いてあったにこのCDなんだけど……」ニコニコ

にこママ「ああそれなら…」チラッ

にこ「え…」ニコニコ

にこ「これ…割れてるの?」ニコニコ

にこママ「さっきここあが落としちゃったのよ」

ここあ「ハーイ」

にこ「……そう」ニコニコ

にこママ「許してあげてね。お姉ちゃんなんだから」

にこ「………」ニコニコ

にこ「仕方ないわね。ここあはまだ小さいんだから」ニコニコ

にこ「仕方ないわね。にこはお姉ちゃんなんだから」ニコニコ

にこ「仕方ないわね…大切なCDだったけど………」ニコニコ



ズキッ

にこ「………!」

にこ「もう30分………!?」

ズキッ ズキッ

にこ「痛い……」

にこ「怪我なんてしてないのに……!!」

にこ「……………痛いッ!!」





にこ「ああああああああああああああああああああ!!!!」





にこ「凛!ヘソリンガスを使わせて!」

凛「良いけど……にこちゃん、お金持ってるの?」ニコニコ

にこ「はぁ!?あんた、お金取る気!?」

凛「真姫ちゃんが言ってたんだー」ニコニコ

凛「“ヘソリンガスは独自のルートでしか仕入れられない”」ニコニコ

凛「だから…“取引先の事情によって価格は大きく変わる”」ニコニコ

にこ「……!」

にこ「わ、分かったわよ!」

にこ「それで、いくら払えって言うの!?」

凛「今は一回100円だにゃー」ニコニコ

にこ「30分100円!?」

にこ「………」




プシュー

数日後

にこ「どうしよう…もうあまりお金に余裕がない……」ソワソワ

にこ「こうなったら…次のお小遣いまで我慢するしか……」ソワソワ

にこ「………」イライラ

にこ「ああもう!イライラする!」

バァン!!

こころ「う……」

こころ「うぇーん!!」

にこママ「にこ!!こころが泣いちゃったじゃない!!」

にこ「………」

凛「今日からヘソリンガスは一回200円だにゃー」ニコニコ

にこ「なっ……ちょっとどういう事よ!」

にこ「昨日までは100円だったじゃない!!」

凛「凛に言われても困るにゃー」ニコニコ

凛「でも」ニコニコ

凛「別ににこちゃんが払えなくても、凛は全然困らないんだよ?」ニコニコ

にこ「………!」




チャリーン

プシュー

にこ「嘘……」

にこ「もうヘソリン代がない……!」

にこ「どうすれば……」

ズキッ

にこ「うっ…痛い……!」

ズキッ

ズキッ

にこ「う…あ…ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」







にこ「………そうだ」

にこ「………心の傷を癒やす方法が無いなら……」

にこ「…………心の傷その物を無くせば良いんだ……………」

絵里「あら、にこ」

にこ「………絵里」

絵里「奇遇ね。妹さんを連れてお散歩?」

にこ「………ええ。そんな所よ」

こころ「馬武!」

ここあ「チャーンチャーン!」

絵里「ふふ…かわいいわね…」

絵里「私も妹の世話をしていたから、にこを見ると少し懐かしい気持ちになるわ」

にこ「………そう」



にこ「……それじゃ、もう行くから」

絵里「そこの坂を下るの?」

絵里「それなら手伝うわ。ベビーカーじゃその坂は辛いでしょう?」

にこ「………ううん」

にこ「………もう…良いの……」

絵里「にこ?何を……」






にこ「………ごめんね」

…トン

シャー-------!!

絵里「え……」

にこ(これで……もうにこは傷つかない……)

にこ(ママだって…にこに構ってくれるように………)





ガチャ

にこ『………』

にこママ『ほらにこちゃん、近くにいらっしゃい』

にこ『う…うん……』

にこ『…かわいい……!』

にこママ『二人共にこちゃんの妹よ』

にこ『にこの妹……』

にこ『…よ、よろしくね…こころ、ここあ』

にこ『にこがあなた達のお姉ちゃんよ』ニッコリ

こころあ『キャッキャッ』
にこ『わぁ…笑った……』

にこ『ふふ……』ニコニコ





にこ「!!」

にこ「こころ!!ここあ!!」

絵里「危ない!塀にぶつかるわ!」

にこ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダダダダダ

にこ「こころ!!ここあー!!」ガシッ

にこ「掴んだ!」

にこ「ッ!」

ドンガラガッシャーン!!

絵里「にこ!!」

にこ「ナ…ナイスキャッチ……」

絵里「………ホッ」

絵里「ほら、私の手に掴まって」

にこ「に…にこより……こころとここあは……!?」

絵里「大丈夫よ。二人とも怪我は無いわ」

にこ「そう……良かった……」

絵里「ねえ、にこ」

絵里「……二人を庇って潰されて、どう感じた?」

にこ「………痛いわよ」

絵里「じゃあ…二人を抱えた時はどう感じた?」

にこ「………軽かった」

にこ「……二人いるのに……希より………凛より、ずっと軽かった………」

絵里「…そうね。赤ちゃんはとっても軽いわ」

絵里「そして、たくさんの人に愛される事で重く…そして、大きくなって行くのよ」

絵里「あなたも私も……そして他のみんなも…そうして成長してきたの」



にこ「………うん」

絵里「お姉さんがどうして先に産まれてくるか知ってる?」

にこ「………知らない」

にこ「……先に産まれてくるから姉なんじゃないの?」

絵里「そうね」

絵里「でも、私はそれだけじゃないと思う」

絵里「私達が先に産まれて来たのはね…」

絵里「後から産まれて来る、弟や妹を守るためなのよ」

にこ「………!!」

にこ「……にこは…駄目なお姉ちゃんね………」

絵里「確かに、にこは大きな間違いを犯してしまったわ」

絵里「それでも、これから立派なお姉さんになれれば、それで良いのよ」

絵里「だって…あなたの妹さんはまだそんなに小さくて……まだまだ愛を必要としているんだから」

にこ「………」ポロ…ポロ…

にこ「こころ…ここあ……ごめんね……」ポロポロ

にこ「にこ…これからは良いお姉ちゃんになるからね……」ポロポロ

にこ「二人がどこに行っても胸を張って自慢出来るような、立派なお姉ちゃんに…きっとなるから………」ポロポロ

ここあ「ね…」

にこ「え…?」

ここあ「ねぇねぇ……」

こころ「ねーねー……」

にこ「……喋った」

にこ「………今、にこの事を呼んだの!?」

こころあ「キャッキャッ」

絵里「ふふ…お姉さんとして、認められちゃったみたいね」

絵里「一度お姉さんになったら、もう逃げる事は出来ないわよ?」

にこ「ふふ…臨む所よ……」

にこ「にこは絶対に世界一のお姉ちゃんになってみせるわ!」




お し ま い

今回の矢澤にこさんの場合は、家族の絆により、奇跡的にヘソリンガスを克服する事が出来ましたが、もしあなたが同じ立場になった時、矢澤にこさんと同様にヘソリンガスを克服することが出来たでしょうか?多くのケースでは克服する事が出来ずに、今現在もヘソリンガスへの依存心と戦っているのです。
ヘソリンガスの恐ろしい所は、「一回だけ」のつもりが、たったそれだけで依存症になってしまうという点です。
皆さんは、ヘソリンガスを絶対に使用せず、また、他人から薦められてもはっきりと断る強い意志を持つよう心掛けましょう。






次回は火曜日の予定ですが
【ビョードーばくだん】と
【ポータブル国会】のどちらかになると思います。

【ポータブル国会】

凛「真姫ちゃ~~ん!!」

真姫「何よ。大声で呼ばないで」

凛「真姫ちゃんに馬鹿にされたにゃー!」

凛「何か仕返し出来る道具出して!」

真姫「………はぁ」

真姫「あなたね…そんな理由で私が道具を出すと思う?」

真姫「秘密道具は喧嘩の道具じゃないのよ?」

真姫「馬鹿にされたって相手にしなきゃ良いでしょ」

凛「でも、言われっぱなしは悔しいにゃー…」

真姫「確かに…他人を悪く言うのを放って置くのも良くないわね……」

真姫「たとえ言われているのが自分で無くても、人の悪口は気分が悪いわ」

凛「でしょ?」

凛「真姫ちゃんの道具でにこちゃんを懲らしめてやるにゃー!」

真姫「待って。わざわざ懲らしめ無くても止める方法があるわ」

凛「え?」

ガサゴソ

真姫「『ポータブル国会』」

真姫「この機械に法案を入れると、日本中でそれが守られるの」

真姫「これがあれば悪口なんて言えないように出来るわよ」

凛「早速試してみるにゃー!」

カキカキ

凛「出来た!」

真姫「そしたら法案袋に入れて……」

真姫「そこに差し込むのよ」

凛「こう?」

ガチャッ

真姫「これで良いわ」

凛「便利な道具だにゃー」

真姫「所で、なんて書いたの?」

凛「えっと……」





『へんなしゃべり方で話したら死けいにする法案』





お し ま い

ごめんなさい
>>298は真姫ちゃんでなくにこちゃんでした
真姫ちゃんに罪を押しつけるなんて矢澤って奴はとんでもない奴ですよ

【コーモン錠】

凛「コーモン?」

凛「……なんかばっちぃ感じ」

真姫「ばっちくなんか無いわ」

真姫「水戸黄門って知ってるでしょ?」

真姫「あれと同じ効き目があるの」

凛「凛、水戸黄門なんて見たことないよ」

真姫「悪い殿様や役人に向かって『我こそは水戸黄門であるぞ』と名乗る」

真姫「すると、それまで威張っていた悪者はいっぺんに恐れ入ってしまうのよ」

凛「ほんとかなあ……」

パクッ

凛「オエーーー!!」

凛「これで凛の名前を言えば……」

真姫「り、凛様!?」ガァンッ

真姫「恐れ入りました」ハハーッ

凛「」

凛「………す、凄い効き目だにゃー…」

凛「早速にこちゃんを屈服させに行くにゃー!」

真姫「行ってらっしゃいませ!」

凛「真姫ちゃん、もう良いよ」

穂乃果「あ、凛ちゃん。ちょうど良いところに!」

凛「穂乃果ちゃん、どうしたの?」

穂乃果「これからことりちゃんの家で三人用のゲームで遊ぶんだけど、凛ちゃんも来ない?」

凛「うーん……」

凛「行きたいけど、凛はにこちゃんに用があるからまた今度に……」

凛「あっ」

穂乃果「ハハーッ!!」フカブカ

凛「ほ、穂乃果ちゃん止めてーー!」

凛「にこちゃん!遂に見つけたにゃー!」

にこ「何?また馬鹿にされに来たの?」

にこ「あんたの口癖、頭がどうかしてるとしか……」

凛「凛。」





にこ「えーーーーーっ!?」

にこ「あなたは凛様!?」

にこ「恐れ入りました!!」フカブカ

凛「にこちゃんを屈服させるのは最高に気持ち良いにゃー」

テクテク


凛「フンフンフーン♪」


テクテク


凛「……恋のシグナルリンリンリンガベー♪」


テクテク


民衆「「「!?」」」

ピタッ






お し ま い

今後の予定は
【ビョードーばくだん】と【さようなら真姫ちゃん】です
多分【さようなら真姫ちゃん】で最終回になると思います

【ビョードーばくだん】

真姫「『ビョードーばくだん』」

真姫「周りのみんなを、誰かに合わせる爆弾よ」

凛「?」

真姫「例えば、にこちゃんを標準にすれば、みんなにこちゃんと同じになって…」

真姫「爆発させれば、その灰を被った人はみんな、にこちゃんみたいに頭悪くて弱くてずっこけて……」

凛「うーん、素晴らしい道具だにゃー」

真姫「これで凛を標準にすれば、にこちゃんに馬鹿にされずに済むと思うわ」

真姫「………気は進まないけど」

凛「真姫ちゃん。それ、どういう意味?」


真姫「…で、使うの?使わないの?」

凛「もちろん使うにゃー!」

真姫「そう、それじゃあ早速始めるわよ」

真姫「まずは爪の垢ををほじくる」

ホジホジ

凛「なんか汚いにゃー」

真姫「…それを煎じた汁を爆弾に詰める」

凛「お湯を沸かして来るにゃー」

真姫「その必要は無いわ」

凛「え?」

真姫「時間短縮の為に、今回はこちらにあらかじめ用意しておいた凛の爪の垢汁を使用します」

凛「真姫ちゃんは準備が良いにゃー」







凛「あれ?」

真姫「出来た爆弾を発射台にセットして……」

真姫「高い場所に移動するわよ」

凛「うん」

真姫「どこでもドア」

ガチャ

凛「ここは?」

真姫「秋葉原のラジオ会館屋上」

真姫「…私がこの時代に来て、初めて訪れた場所よ」

凛「……?」

真姫「……さっさと発射するわよ」

凛「う、うん……」

真姫「…3」

凛「…2」

真姫凛「…1」





真姫凛「発射!!」

ポコッ




パカッ

凛「灰が……」

真姫「凛の垢が町中に広がっているわ」

凛「やめて」



真姫「効き目は明日の朝頃から出ると思うわ」

真姫「今日はもう帰るわよ」

凛「楽しみだにゃー」

真姫「……変なことにならないと良いけど」

翌朝

凛「わあっ、寝過ぎた!」

凛「真姫ちゃんどうして起こしてくれなかったのー!?」

真姫「知らない。私も寝てたのよ」

ガチャ!

凛「行って来まーす!」

バタン!



凛「また先生に怒られるにゃー!」

花陽「り、凛ちゃ~ん……」

凛「かよちん!」

凛「かよちんが遅刻なんて珍しいにゃー」

花陽「今日に限って寝坊しちゃって……」

穂乃果「遅刻しちゃうよー!」

(・8・) 「間に合わないチュン」

海未「わ、私が遅刻するなんて……」

凛「あれ…みんな遅刻!?」

教室

先生「すまんすまん遅刻だ!」

凛「先生にまで効くなんて凄いだにゃー」

先生「宿題を集める。忘れた者は、廊下へ立つにゃー」

凛(あっ……忘れちゃった)

モブA「やっべー宿題忘れちまったにゃー」

モブB「モブBもだにゃー」

ゾロゾロ

ガラーン

先生「」

先生「もういい!授業にならないから全員入るにゃー!」

先生「星空!この問題を解いてみるにゃー」

凛「分かりませーん^^;」

先生「じゃあ…小泉!解いてみろ」

花陽「あ、……ええと……」

花陽「わ、分からないにゃー……」

先生「なんだぁ!?こんな簡単な問題が誰にも解けんのか!?」

凛(凛に解けない問題は誰にも解けないにゃー)ニヤニヤ

先生「あれ……」

先生「…先生にも解けないにゃー……」

体育

先生「今日は100m走をやるにゃー」

凛「やったー!凛は走るのが大好きにゃー!」

花陽「は、花陽はちょっと苦手にゃー……」

凛「大丈夫大丈夫!」

凛「ほら、次は凛達の番だよ!」

花陽「う、うん……」

先生「位置についてー…」

先生「……よーい」

先生「ドン!!」ピッ


凛(今回も一位は貰ったにゃー)タッタッタッ

凛(かよちんには悪いけど……)チラッ

凛「……!」






凛「なん……だと………?」

凛「かよちんが背後にいない…だと……?」

凛「莫迦な……それではかよちんは一体どこに……」

花陽「り、凛ちゃん待って~」トテトテ


凛「ッ…!?」ハッ

凛「嘘…だろ……?」




凛「かよちんが凛の隣に並んで走っているなんて……」

凛「!」

凛「まさか……ビョードーばくだんか……!?」

花陽「凛ちゃ~ん」トテトテ

凛「疾い……!!」

凛「ただいまー」

凛「『瞬足』のおかげでなんとか勝てたにゃー……」

ガチャッ

シーン……

凛「真姫ちゃん?」

凛「いないのー?」


ガチャ

真姫「ただいま」

凛「真姫ちゃん」

真姫「あら凛。帰ってたのね」

凛「うん。真姫ちゃんはどこに行ってたの?」



真姫「………」



真姫「ちょっと外を走ってたのよ」

夕方

凛ママ「ただいまー」

凛「ママ、帰って来るの遅いにゃー!」

凛ママ「ごめんね、ちょっと近所の奥様方と外で遊んでたのよ」

凛「それで、ご飯は?」

凛ママ「あらいやだ。買い物忘れちゃったにゃー」

凛「えぇー!?」

凛「真姫ちゃん!今すぐ元に戻して!」

凛「このままだと、日本は終わりだにゃー!」

真姫「心配しなくても、明日には効き目が消えてるわ」

凛「本当!?」

翌朝

凛「ん……」

凛「ふわぁーあ……よく寝たにゃー……」

凛「あ、そうだ!ママは!?」

ガラッ

凛ママ「あら凛ちゃん。今日は早いのね」

凛ママ「ご飯出来るから、顔洗ってらっしゃい」

凛「良かった。元通りにゃー」

凛「顔洗って来たよー」

凛ママ「凛ちゃん。真姫ちゃん起こしてくれる?」

凛ママ「普段ならもう起きてるんだけど、今日はまだみたいなの」

凛「分かったにゃー」


ガチャッ

凛「真姫ちゃーん、朝だよーー」

真姫「………」

凛「って、もう起きてたの?」

凛「もうご飯だってママが……」

真姫「凛」

凛「え?」

真姫「聞いて欲しい事があるの」

凛「…うん……?」

真姫「あのね、私……」








真姫「未来に帰る事になったわ」





お し ま い

凛「えっ……」

真姫「こないだから……」

真姫「言おう言おうと思ってたけど……」

真姫「……未来に帰る事になったの」

凛「………」

凛「真姫ちゃんが……未来の世界に……?」

真姫「………」コクリ

凛「嘘……」

真姫「………」

凛「嘘だよね?未来に行ったりなんかしないよね?」

真姫「……本当よ」

凛「嘘だよ!」

凛「だって、何故かいつも凛のお家にいるけど、真姫ちゃんの家だってこの時代に……」

凛「真姫ちゃんのお家の別荘にだって……!」

真姫「………」

真姫「……私は、元々パパとママとこの時代にやって来たのよ」

凛「………」

真姫「家なんて道具でなんとでも出来るし…そうでなくとも、私のパパは未来の医者……家の一軒や二軒、どうとでもなるわ」

真姫「凛の家にずっと居たのは、この時代の暮らしを勉強するため」

凛「………!」

凛「…真姫ちゃ「凛ちゃーん。真姫ちゃーん。ご飯よー!」

凛「………」

真姫「ほら凛。行くわよ」

凛「……うん」



【さようなら真姫ちゃん】

凛ママ「凛ちゃん、ご飯食べたら学校の準備をするのよ」

凛「………」

凛「………うん」

凛ママ「あなた最近遅刻してばかりなんだから……」

凛「………」

凛ママ「……凛ちゃん?」

凛「凛…今日は学校行きたくない……」

真姫「……!」

凛ママ「何言ってるの!」

凛ママ「ほら、すぐに準備しなさい!」

凛「だって……!」チラッ

真姫「………」

凛「!」ハッ

凛「………ごちそうさま」

凛ママ「あ、待って。凛ちゃん」

凛「………何」

凛ママ「あなた、ママがこの前買ってきた服、全然着てないでしょ」

凛(なんでこんな時にそんな話……)

凛「………だって、あんなの凛に似合わないよ」

凛ママ「良いから今日はあれを着て行きなさい」

凛ママ「せっかく買ったのに、もったいないでしょ」

凛「………」

凛「はぁ……」

真姫「何がそんなに気に入らないのよ」

凛「だってスカートなんて、凛に似合わないよー……」

真姫「そういえば…凛がスカートを履いてる所、一度も見てないわね」

真姫「私は結構似合うと思うわよ?」

凛「そんなこと……」

真姫「とにかく、今日だけでも履いて行ったら?」

凛「うん………」

花陽「うわぁ~!かわいいよ!」

花陽「凛ちゃんスカート凄い似合うよ!」

凛「…そうかな?エヘヘヘ……」





モブA「あー!スカートだ!」

モブB「いっつもズボンなのにー!」

モブC「スカート持ってたんだー」

凛「………」

花陽「………」

モブ達「校門まで競争ー!」ダダダ



凛「…や、やっぱり……凛、着替えて来るね」ダッ

花陽「あ……凛ちゃん……」

ガチャ

真姫「…凛」

真姫「どうしたの?忘れ物?」

凛「……真姫ちゃん。何やってるの」

真姫「………未来へ帰る準備よ」

凛「……ッ!!」

凛「…もう、決まった事なの」

真姫「……そうよ」

真姫「……三日後にはもうお別れ」

凛「………」

凛(……そうだ。かよちんを待たせてたんだ)

ヌギッ

真姫「着替えるの?」

凛「…うん」

真姫「どうして?」

凛「……男子にからかわれた」

凛「やっぱり凛には…似合わないよ……」

真姫「…情けないわね」

凛「え?」

真姫「そんなの、無視していれば良いでしょ」

凛「…うるさい……真姫ちゃんには分からないよ……」

真姫「もうすぐ私がいなくなって、助けたくても助けられなくなるんだから」

凛「………」

真姫「それくらいの事で……」

凛「うるさい!!真姫ちゃんの馬鹿!!」ダッ

バタン!!

真姫「!!」

真姫「………」

「「「真姫(ちゃん)が未来に帰る!?」」」

凛「………うん」

花陽「そんな…真姫ちゃんが……」

穂乃果「ほ、本当なの!?」

凛「うん…真姫ちゃんが言ってた」

凛「……三日後には帰るって…」

海未「三日後……随分急ですね」

ことり「もっと前から話してくれれば良かったのに……」

絵里「仕方ないわよ」

絵里「凛だって今朝初めて聞いたんでしょ?」

凛「………」コクリ

絵里「きっと、真姫も話し辛かったのね」

絵里「凛に花陽…それに、私達みんなとお別れするのが悲しくて、今日まで話せずにいたんじゃ無いかしら」

海未「そうですね…むしろ、今朝凛に話した事を褒めるべきかもしれません」

花陽「うん……」



穂乃果「………」

穂乃果「よし、送別会をやろう!」

凛「えっ?」

ことり「送別会…良いかも!」

花陽「真姫ちゃん、きっと喜ぶよ!」

絵里「学校が違う希とにこには私から連絡しておくわ」

凛「………」

海未「それでは、今日の放課後から準備を始めましょう」

穂乃果「じゃあ穂乃果、家の和菓子たくさん持っていくよ!」

ことり「私は飾りを作るね」

花陽「ことりちゃん。私も手伝うよ」

ことり「ありがとう。花陽ちゃん♪」

凛「………んで………なの………」ボソッ

絵里「凛?」

凛「………なんで平気なの……!?」

凛「真姫ちゃんが居なくなっちゃうのに………!!」

凛「なんでみんな平気なの!?」

凛「なんでそんな…楽しそうにしていられるの!?」

凛「真姫ちゃんが居なくなっちゃうのに………!!」ポロ…ポロ…

花陽「凛ちゃん……」

凛「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ポロポロ

ダッ

穂乃果「!」

穂乃果「凛ちゃんっ!!」

翌日

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

凛「………」

にこ「全く……情けないわねー」

凛「………」

にこ「…今、みんな真姫ちゃんの送別会の準備をしてるわ」

凛「………」

にこ「真姫ちゃんと一番の仲良しだったあんたが…そんなでどうするのよ」

凛「………」

にこ「みんな、寂しいのを…悲しいのを我慢してるのよ…」

凛「………」

にこ「真姫ちゃんが悲しまないように…笑顔で帰れるようにしてるのよ……」

凛「………」

にこ「なのにあんたが…あんたが泣いててどうするのよ!」

凛「………」

にこ「あんたがしっかりしないと………」







にこ「真姫ちゃんは、安心して未来に帰れないのよ!!」

凛「………!」

凛「真姫ちゃんが…安心して帰れない……」

凛「そんなの…嫌だ……!」

にこ「…じゃあ……行くわよ」

凛「うん……!」







凛「みんなー!凛も手伝うにゃー!!」

花陽「凛ちゃん!」

絵里「待っていたわ」

海未「遅いですよ!凛!」

希「もう時間はないよ!」

穂乃果「ようし、やろう!!」

凛「行っくにゃー!!」





凛「ほら真姫ちゃん!早く早くー!」

真姫「ちょ、ちょっと何よ凛!花陽!」


凛「行けば分かるにゃー!」

真姫「押さないで!何があるって言うの!?」

花陽「真姫ちゃん、ここだよ」

真姫「……?」

真姫「何よこの部屋……」

ガラッ





『さようなら真姫ちゃん』

真姫「えっ……」

真姫「何よこれ……」

凛「真姫ちゃんが帰るって言ったら、みんなが送別会をやろうって!」

真姫「みんなが……?」

真姫「…大袈裟なのよ……まったく………」

にこ「何よあんた照れてるわけ?」

真姫「べ、別に照れてなんかいません!」

穂乃果「さあ真姫ちゃん座って!」

穂乃果「送別会を始めるよ!」





真姫ちゃんの送別会は大いに盛り上がった。

そして……



穂乃果「もうこんな時間かぁ……」

ことり「そろそろ終わりにしないとね……」

海未「ええ、名残惜しいですが……」

真姫「…その、みんなありがとう」

真姫「凄く…嬉しかった」

花陽「良かった……」

絵里「そう言って貰えて嬉しいわ」

希「未来に帰っても元気でいるんよ」

真姫「ええ」

真姫「それじゃ、凛の家に……」

にこ「真姫ちゃん!」

真姫「…?」

にこ「その………今まで、楽しかったわ……」

にこ「また来なさいよ!!」

真姫「…ええ、もちろん」

凛「今日は楽しかったね」

真姫「そうね」

真姫「驚いたわ。いつの間にか、あんな準備してたなんて」

凛「みんなで頑張って準備したんだよ!」

凛「みんな、真姫ちゃんの事が大好きなんだにゃー!」

真姫「………そう」

真姫「ところで、今日はスカートなのね」

凛「うん!」

凛「凛、もう何を言われても気にしないよ!」

真姫「そう……」

真姫「…良かったわ。これでもう思い残す事はないわね……」

凛「………」

凛「真姫ちゃん。今日は一緒に寝るにゃー」

真姫「お断りよ」

凛「ええっ!?」

真姫「あなた、酷い寝相だもの」

真姫「わざわざ蹴られたくありません」

凛「えぇー…?」

真姫「冗談よ」

凛「な、なんだ冗談かー…」

凛「真姫ちゃん酷いにゃー……」

凛(今まで…楽しかったなぁ……)

凛(……本当に、楽しかった………)

凛「………」ポロポロ



真姫「凛……?」

凛「ごめんね……真姫ちゃん………」ポロポロ

凛「最後まで笑って送りたかったけど……やっぱり無理だったよ」ポロポロ


真姫「………」

ポロ…

凛「……!」

真姫「……せっかく我慢してたのに…」ポロポロ

真姫「凛のせいで……涙が止まらなくなったじゃない……」ポロポロ

凛「………!」

凛「真姫ちゃん!」ポロポロ

凛「お願い!行かないで!」ポロポロ

凛「ずっと…ずっと凛と一緒にいて!!」ポロポロ

真姫「私だって…帰りたくなんか無い……」ポロポロ

真姫「ずっと……みんなと一緒にいたい………」ポロポロ

真姫「でも………!」ポロポロ

凛「………!」

凛「真姫ちゃーーーーーーーん!!」ダキッ





私達は二人、延々と泣き続けた。

いつ頃だったか、凛が泣きつかれて眠った頃……



私は、凛の部屋から姿を消した。

それと共に…みんなの記憶から、そして、この時代から………私の存在は消えて無くなった。

チュンチュン

『ほ』

穂乃果「あれ?こんな変な服持ってたっけ?」




ことり「ママ、最近忙しそうだね……」

親鳥「だ…大丈夫よ。ことりは気にしないで小学校に行ってらっしゃい」




海未「はぁ……今日も穂乃果の家のお饅頭は美味しいですね……」

海未「一度で良いから、お腹一杯になるまで食べてみたいものです」

海未「!」

海未「このお饅頭…『ほむまん』という名前はどうでしょうか」

海未「早速穂乃果に提案してみましょう」

キャッキャッ

にこママ「二人共本当にお姉ちゃんが好きなのねぇ」

にこ「当然よ。にこは最高のお姉ちゃんなんだから」

にこ「あ、もうこんな時間。行ってきます!」

にこママ「行ってらっしゃい」

にこ「しっかりお留守番するのよ!こころ!ここあ!」

キャッキャッ





希「え…また転勤……?」

希ママ「えぇ……」

希パパ「堪忍な。希」

希「………」

希「仕方ないよ。仕事やからね……」

希「……ウチの事は気にしなくてええんよ」

………夢を見た。

凄く凄く、楽しい夢。

どんな夢だったかは忘れたけれど、凄く楽しかった事だけは覚えてる。


ポロッ…


その涙の原因は分からなかった。

でも、朝起きて隣に誰もいない。


…そんな当たり前の事が、何故だかとてつもなく悲しかった。






ピーンポーン

かよちんが来た。

すぐに着替えて、顔を洗って、パンかおにぎりでも食べながら学校に行こう。

凛「着替え……あ………」

凛「スカートなんて…似合わないよね………」

バサッ






お し ま い

未来の世界にはとある決まりがあった。


過去の世界に滞在した者は、未来へ帰る際に、関わった現地の人間の未来に関する記憶を消去しなければならない。


…もうみんなは私の事なんて覚えていないだろう。

別にこの時代に友人がいない訳じゃない。

しかし、私にとって一番大切な友人は、ここにはいなかった。

いや、最早私の一番の友人なんてこの世界のどこにも、どの時代にもいないのだ。

会いたい。



もう向こうにとって、私は友人でもなんでもない。

そんな事は分かっていた。

しかし、再び会いたいという思いは膨れ上がる一方だった。




ーーーそれを見つけたのはそんな時だった。

今の私が、再び過去の世界で暮らせるようになる唯一の手段。



その方法は…




“未来の全てを棄てること ”

私はパパとママに相談した。

パパは私に聞いた。

「自分の事をなにも覚えていない人間に会うために、この時代の便利な暮らし、秘密道具の全てを棄てる。その覚悟があるのか?」と。

私は頷いた。


「なら…再びあの時代に行こう」

「…パパもお前と共に……あの時代の人間となろう」

ママもそれに続いた。


その時私には、二人が前々から過去の世界で暮らす覚悟を決めていたように見えた。

【帰って来た真姫ちゃん】

なんの刺激のない日々……

少し前までは、途轍もなく面白い何かがあったような気がするけど…何も思い出せない。

花陽「希ちゃんが引っ越して、もう一週間だね」

凛「…うん」

花陽「希ちゃんがいないとちょっと寂しいな」

凛「…そうだね。凛も希ちゃんが居なくて寂しいよ」

凛「でもそれだけじゃないんだ」

凛「他に、大切な何かを忘れてるような……」

花陽「え…?」


「……見つけた」


「凛!花陽!」


りんぱな「え?」

真姫「………」

花陽「え、ええと………」

凛「だ、誰ですか……?」

凛「なんで凛とかよちんの名前を……!?」

真姫「………ッ」

凛「…行こ、かよちん」

花陽「え?でも凛ちゃん……」

グイッ

真姫「あっ、待って!!」

真姫「………」




凛「あの赤い頭見た?絶対不良だよ」

花陽「駄目だよ凛ちゃん。聞こえちゃうよ」


真姫「………」






お し ま い

私は空っぽになった。

この時代に私の居場所など無い。

『ーー僕はついて行けるだろうか』

『ーー君のいない世界のスピードに』


これは、私の好きなとある偉人の言葉だ。

確か…今、この時代ならまだ生きているはずだ。

私はこの時、この言葉が大きな間違いであることに気がついた。


凛達と居た時はあんなにあっと言う間に時間が過ぎていたのに…

私は…あまりにもゆっくりと進む時間に、耐えられそうになかった。

【School Idol Diary】

22世紀


パラッ


これでようやく二冊目の日記も終わりか。


〈西木野真姫〉


それがこの日記の持ち主であり……


私の御先祖様の名前だ。


この日記はある日、私が物置の整理をしているときに見つけた物だ。


紙で出来た書物。


たったそれだけで私の興味を惹くのには充分な理由になる。


何故なら、紙の本というのは遥か昔に流行っていた電子書籍、その更に昔に存在していた、いわば前時代の遺物だからである。

それに名前だ。

西木野真姫という名は以前から知っていた。

便利な暮らしを棄て、大昔の原始的な暮らしを選んだ大馬鹿者として、親戚の集まりでよく酒の肴にされていたものだ。

パラッ パラッ

なんだこれは。

あれからの彼女の日記は、どれも取り留めのない内容だった。

そのまま五年。
なんだ、時間が掛かるかと思ったがそんなことは無かったな。
ペラッ ペラッ

ん?

高校入学直後の日記か……

『凛や花陽と同じクラスになったが、なかなか話し掛けられない』

おお、同じクラスになったのか……

『穂乃果に声を掛けられた』

『急だったのでつい、邪険に扱ってしまった』

穂乃果というと、彼女の一つ上、和菓子屋の少女か。

どうやらスクールアイドルとやらを始めようとしているらしい。


『穂乃果達に頼まれて、曲を作る事にした』

『今度のライブが、成功しますように』

『ライブは失敗だった』

『観客は花陽一人。しかし、それでも穂乃果達はたった一人の観客の為に歌った』

『今すぐ駆けつけたかった。けれど、そんな事、出来るはずがなかった』

『それから希と絵里を見た』

『希はあまり変わっていなかったが、絵里はなんだが堅い…焦っているような感じがした』

『花陽が私の家にやって来た』

『全然変わっていない事に安心すると共に、少し心配になった』





『スクールアイドルになりたいのに、勇気を出せない花陽に声の出し方を教えた』





『今日は花陽と話していたら、後から凛が来た』

おお、遂に来たか。

『そんなつもりは無かったけど、何故か険悪な感じになってしまい、結果的に無理矢理花陽を穂乃果の所に連れて行ってしまう形になった』

『そして……コンコン!

む…誰だ?

今、良いところなのだが……

まあ仕方ない。中に通すとしよう

「どうぞ」

「ドクター!頼まれていた物が出来たぜ!」

ドクター「ああ君か。早かったな」

「構造が案外簡単だったんでね」

「ほら、これが頼まれていた品だぜ」

ドクター「助かるよ」

「なぁに。今度診察料でも薬でもタダにしてくれりゃ良いさ」

ドクター「ふむ。考えておこう」

「じゃあ俺は失礼するぜ!」

ドクター「ああ、また頼む」

彼に頼んだのは、BDレコーダーとやらの調達、修理だ。

この日記に挟まっていた一枚のBD。

私はそれがどうしても気になっていた。

ピッ

これで良いのか?

おお、流れ始めた。

しかし、このBDという物は随分と画質が悪いんだな

まあ、見れないレベルではないが……



ケースにはこう書かれていた。

『μ's ラブライブにて』

μ's……確か、9人の女神という意味だったか

なるほど、画面に映る少女達は確かに女神その物のように見えた。

………ふぅ

…西木野真姫はここで幸せを掴んだ。


彼女の笑顔がそれを物語っていた。



私にはもうじき娘が生まれる。

娘にも彼女のようにやりたいことを見つけ、幸せを掴んで欲しい物だ。

そうだ、娘には彼女の名前を貰うとしようか。

先祖から名前を貰う。何もおかしな事は無いだろう。

そして、いつかは彼女を笑顔にしたあの時代へ、家族を連れて行ってみたい物だな。


ペラッ

中断していた日記のページを捲る。

どうやらこのページで日記は終わりのようだ。




最後のページにはこう書かれていた。




『そして……私は帰って来た』







お し ま い

これでおしまいです。

ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年06月01日 (日) 23:28:29   ID: X6Ykdxhd

なんか感動できる話だなー、

2 :  SS好きの774さん   2014年08月14日 (木) 19:08:52   ID: Tni3A-up

最初のやつってドラえもんやん

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom