【艦これ】大和「宇宙戦艦になりました!」 (687)

1945年 坊ノ岬沖

操舵手「長官、この辺でよろしいかと」

司令官「艦長に総員退去を下命するよう伝えてくれ。電信、駆逐艦に乗員の救助を命ぜよ」

伝令「電信室、応答ありません!伝令、行きます!」

ダメコン員「注排水装置、損傷!傾斜復元、不能・・・!」

艦長「総員、上甲板!直ちに艦を退去せよ!」

大和「これで、もう終わりですね・・・」

司令官「みんな、ご苦労だった」

艦橋員全員「・・・」ビシッ

大和「司令官・・・」


機銃兵1「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

機銃兵2「神尾、総員退去の命が出た。早く艦を離れろ」

機銃兵1「まだ敵が攻撃してきますッ!!」

機銃兵2「戦いは、もう終わった。・・・こいつは俺の命だ」ス

機銃兵1「嫌です!私も一緒に・・・」

機銃兵3「生きろと言っているのがわからんか」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399640303

大和「私も、武蔵や矢矧のところに行くんですね・・・」

艦長「総員、上甲板!艦を離れろぉぉ!!」ドゴォ

大和「後は頼んだわ。雪風、初霜、みんな・・・」

大和「そして、ただいま。武蔵・・・」ドゴォォ


1945年4月7日

戦艦大和 戦没

第2水雷戦隊 戦没艦

矢矧 磯風 浜風 朝霜 霞


大和「ごめんなさい、乗組員の皆さん。そして、国民の皆さん。私があまり戦場に出なかったばかりに・・・」

武蔵『お前のせいではない。時代の流れだ』

大和「武蔵・・・」

武蔵『さあ、行こう』

大和「ええ・・・うっ」グッ

大和「や、やめて!私は、もう・・・」グイグイ

大和「きゃああああぁぁぁぁぁっ──」

2199年 地球防衛軍司令部

通信員「キリシマ、アマテラスを回収。地球帰投コースに就きました」

長官「多大な犠牲は払ったが、メ号作戦は成功だな」

雪「これで、ヤマト計画を実行に移せますね」

土方「いや、これからだ。我々は敵を知らなさすぎる。わかっていることと言えば、奴らが『ガミラス』という悪魔だということだけだ」


操舵手「これより、地球周回軌道に入る」

見張員「遊星爆弾、型式MH5、コリジョンコース。右舷、通過する」

沖田(ダメだ。もう今は防げない。我々にアレを防ぐ力はない)

沖田(この赤く醜い星が、我が母なる地球だというのか・・・)

沖田(見ておれ悪魔め、わしは命ある限り戦うぞ。決して絶望しない。最後の一人になっても、わしは絶望しない)


雪「西暦2199年、地球は今、滅亡の危機に瀕しています」

雪「今から8年前、地球では初めて知的生命体と接触、友好関係を築こうと試みた人類に対し、彼らは一方的に戦端を開くと、情け容赦ない無差別攻撃を仕掛けてきました」

雪「第2次木星沖海戦で、艦隊による直接攻撃を辛うじて食い止められました。しかし、その後彼らは、遊星爆弾によるロングレンジ攻撃に絞りました」

雪「その結果人類は地下都市を築いて、そこで生き延びるほかありませんでした。海は干上がり、大地は放射能で汚染されていきました」

雪「その影は、人類の砦である地下都市を、着実に侵し始めています。地球は滅びの道を歩んでいるのです」

雪「科学者によれば、地球が滅びるまで、あと1年。彼らは冥王星を改造し、そこから悪魔の兵器を降らせ続けているのです」

男の子「何で宇宙人は攻撃してくるの?」

雪「さあね。私たちが火星をテラフォーミングしたように、地球を改造して、棲もうとしているのかもね」

うー うー

オペレーター『敵の目標は、九州の坊ノ岬沖」

島「グッドタイミングだな」

古代「ああ、こいつで撃ち落としてやる!」

加藤「だから、命令を待ってたんじゃ遅い・・・あっ!何やってる!そいつから降りろ!そいつは・・・」

キィィィィン ドゴォォォォォ


古代「見つけたぞ!」

島「あれは、偵察機みたいだな。やれるか?」

古代「もちろんだ、兄さんの仇だ!」

コスモゼロが上昇し、敵機を捉える。偵察機は速度を上げるが、ゼロも追従する。

古代「もらった!」カチャ

島「こ、こいつ武装を外してあるぞ!それに、システムエラー!」

古代「こんな時に・・・クソッ!」ドカァァン

コスモゼロのエンジンが火を噴き、近くの平地に緊急着陸する。

島「これじゃ、救援が着くまでどうしようもないぜ。って、古代!」

古代「何だ、これは。敵はこれを偵察してたのか・・・」

島「まさか。大昔に沈んだ戦艦の鉄クズだぜ」

「鉄クズじゃないわ。元連合艦隊旗艦、戦艦『大和』の残骸を改修したものよ」

古代「あんたは・・・誰だ」

島「与圧服なしで、何で大丈夫なんだ・・・?」

「私は、戦艦大和。よろしくお願いします」

2192年 坊ノ岬沖

ダイバー1『戦艦大和の残骸調査記録。現在、大和の艦体は二つに分断され、砲塔は全て転覆時に落下したものと思われる』

ダイバー2『艦橋が艦首に踏みつぶされていますね。更に細かく調査したいので、第一艦橋跡に侵入したいのですが、宜しいですか?』

ダイバー1『艦内侵入を許可する。制限時間は二時間までとする』

ダイバー2『了解』

女性のダイバーが大和の第一艦橋跡に侵入する。

ダイバー2『中は比較的保存状態が良いようです』

ダイバー1『あまり傷つけるなよ。イズモ計画の地球脱出船に使用する鋼材だからな』

ダイバー2『ええ、十分承知しており・・・』

「ん・・・うーん・・・」

ダイバー2『班長!第一艦橋内で人を発見!女性です!』

ダイバー1『馬鹿な!ここは水深800mの海底だぞ!?』

ダイバー2『し、しかし・・・』

「ここは、どこですか・・・?」

地球防衛軍 中央病院

大和「・・・う、うん・・・?」

藤堂「目覚めたか」

大和「ここは、どこですか・・・?」

藤堂「地球防衛軍の病院だ。君は沈没した戦艦の中から発見された」

大和「戦艦・・・はっ、せ、戦争はどうなったんですか!?」

藤堂「戦争?」

大和「大東亜戦争です!私は今さっき、菊水作戦の途中で・・・」

藤堂「大東亜戦争、いや、太平洋戦争は今から247年前に終結している。日本の敗北という形でな」

大和「そん、な・・・ごめんなさい、浜風、矢矧、乗組員の皆さん・・・」グスッ

藤堂「ところで、君は何者だ?あの海の底で生きているなど、普通の人間では到底あり得ない」

大和「私は、艦娘です」

藤堂「艦娘・・・?」

大和「はい。言えば、船の魂のようなものです。大東亜戦争の軍艦には、ほとんど艦娘がいました。この時代では存在しないんですか?」

藤堂「聞いたこともないな」

大和「そうですか・・・」

改めて調べてみたら、2199版ヤマトの属するのは地球防衛軍ではなく「国連宇宙軍」だそうです。

自分の調査ミスです。お詫び申し上げます。

国連宇宙軍司令部 司令室

大和「計画変更ですか?」

土方「そうだ。これまではイズモ計画通りに移民船『大和』を建造し、地球外に離脱するという計画を進めてきた。しかし、状況が変わった」

藤堂「ここからは私が説明しよう。数週間前、地球外から使者がやって来た。彼女は自らを『ユリーシャ・イスカンダル』と名乗り、コスモリバースシステムの存在や波動エンジンの設計図などが送られてきたのだ」

藤堂「彼女はコスモリバースシステムをイスカンダル星まで取りに来るよう言ってきた。これにより、イズモ計画は破棄され、新たな計画が発足する運びとなった」

大和「新たな計画・・・?」

藤堂「それが『ヤマト計画』だ。簡単に言えば、現在建造中の大和の設計図を書き換え、『宇宙戦艦ヤマト』として就役させ、1隻でイスカンダルまで航行しようというものだ」

大和「宇宙戦艦『ヤマト』・・・でも、イスカンダルの場所はわかるんですか?」

土方「イスカンダルまではユリーシャが同行することになっている。問題は無いはずだ」

大和「でも、何だか菊水作戦を思い出します」

藤堂「あまり記録は残っていないが、確か、戦艦大和と水雷戦隊が沖縄の敵艦隊に打撃を与える作戦だったな」

大和「半分間違い、です。あれは、私に死に場所を与えるための、いわば特攻作戦でした。一応、往復分の燃料や食料品などは支給されましたけど・・・」

藤堂「今回の作戦は、その菊水作戦に似ていると?」

大和「いえ、もっと辛いものかもしれません。矢矧や駆逐艦たちがついた菊水作戦とは違って、今回は星と星の間、それにたった1隻だけだなんて・・・」

伝令「失礼します!中央病院より報告、ユリーシャ・イスカンダル様と森雪三尉が交通事故で意識不明の重体とのこと!」

土方「何っ!?」

藤堂「イズモ計画派め、また動き出したのか・・・?」

時代は戻り、2199年 坊ノ岬沖

古代「こんな大昔の戦艦を、何で敵は・・・」

キィィィィン!

古代「敵だ!」

ガミラスの艦上攻撃機が大和の残骸に攻撃を仕掛ける。

大和「ヤマトの存在に気付いたのね・・・!」

古代「ヤマト?」

大和「あの艦のことよ。ただの鉄クズに見えるけど、あれは偽装。本当は宇宙航行用の戦艦なのよ」

島「くそ、敵はどこから来るんだ・・・」

大和「・・・衛星軌道上に星状空母を確認。あれからね」

ピュゥゥゥゥン! ドゴォ!

古代「うっ!」

ポルメリア級空母が大和にレーザー攻撃を仕掛ける。

大和「こうなったら、やるしかないわね!主砲、零式徹甲弾発射用意!」

戦艦大和の主砲が旋回し、敵艦に照準を合わせる。

大和「敵艦捕捉、第2主砲、薙ぎ払え!」ドゴォ

大和の主砲が火を噴き、ポルメリア級空母に砲弾を直撃させた。直後、敵艦は爆発を起こして四散した。

大和「敵艦の消滅を確認!」

キィィン!

島「見ろ、防空隊だ!」

大和「やっと来たのね。ちょっと遅かったけど」

加藤「こちら防空隊、お客さんの歓迎会を終了」

オペレーター『こちらでも確認した。アルファ2、直ちに帰投せよ」

加藤「了解」

加藤はふと地表を見る、すると、三人の人間が視界に入った。

加藤「チッ、あいつら・・・」


キィィィィィン

島「こら、置いてけぼりかよ!」

大和「大丈夫です。連絡はしておきました。すぐに救助班が来てくれると思います」

古代「・・・」

大和「どうしましたか?」

古代(生きていた?あの錆びた戦艦が・・・)

島「どうした古代、行くぞ」

古代「あ、ああ・・・」


大和(この二人が、ヤマトの乗組員候補・・・)

大和(何だか、あの若い機銃兵を思い出すわね)

大和(私、ただ死に損なっただけじゃなかったのね。武蔵、ごめんだけど、ちょっと待っててね)

冥王星 ガミラス冥王星前線基地

ガンツ「バラン星のゲール司令に報告した方が良いのではありませんか?」

シュルツ「空母1隻を失ったのだぞ、あの日和見主義者に帝星司令部に報告されたらどうなると思う」

シュルツ「ここは我々だけで処理するのだ。・・・ロングレンジ攻撃だ、惑星間弾道弾をすぐに準備させろ」

ガンツ「しかし、あれは試験段階で、まだ実戦には・・・」

シュルツ「構わん。今すぐ発射だ」

ガンツ「・・・サー、ベルク」


地球 中央病院

真琴「はーい、腕は大事にしましょうねー」マキマキ

加藤「・・・」キッ

島「おい、睨んでるぜ、あいつ」

佐渡「ハッハッハッハ、若いっていいのう。ま、放射線の方は大丈夫じゃろう、そっちのお嬢さんもな」

大和「えっと、私は・・・」

佐渡「そういえば、お前たちにも召集がかかってたんじゃないの?」

古代「は、はい」

加藤「ところで、お前は誰だ?あんな中で防護服も無しに生きてるなんて、人間とは思えねえ」

大和「えと、それは後でお話しますから・・・」

加藤「まあいい」スタスタ

大和(感じ悪い人!)ムスッ

九州リニアメトロ 1番車両

古代「艦娘・・・聞いたこともないな」

島「俺もだ」

大和「本当に、この時代に艦娘はいないんですね」

古代「そもそも、艦娘って艦が撃沈されたら死ぬんだろう?何で生きてる?」

大和「それは、さっぱり・・・」

島「何がともあれ、生きててよかったな」

大和「私としては、あのまま仲間たちのところへ行きたかったです・・・」

島「そう言うなって。生きてるっていいことだぜ?」

大和「・・・生きてる、かぁ」

古代(兄さん・・・)

大和「えっと、確か、古代さん、でしたよね」

古代「あ、ああ。どうしたんだ?」

大和「いえ、ちょっと考え事をしていたようなので」

古代「ちょっとな」

冥王星基地

オペレーター『10、9、8、7、6、5・・・』

シュルツ(失敗は許されないのだ・・・)

オペレーター『4、3、2、1、0!』

冥王星基地のVLSから、巨大な黒いミサイルが発射された。惑星間弾道弾と呼ばれるそれは、わき目も振らず地球に向かった。


坊ノ岬沖 司令部広場

沖田『諸君、諸君はこれまで、特殊任務の訓練を受けてきた、イズモ計画のメンバーだ。今日、ここで私は正式な任務を発表する』

沖田『だが、これは地球脱出を目的をしたイズモ計画ではない』

沈黙を守っていた広場が、突然ざわめきを発する。

沖田『これから説明する。まずはこれを見てもらいたい』

沖田『これは、先日のメ号作戦において回収されたメッセージ映像だ』ピッ

スターシャ『私は、イスカンダルのスターシャ。あなた方地球は、今まさにガミラスによって滅亡の淵に立たされています』

大和「ガミラス・・・」

スターシャ『私は1年前、私の妹ユリーシャに、次元波動エンジンの設計図を託して、地球へ送り出しました』

古代「火星で見たものと同じだ・・・」

スターシャ『あなた方がもし、それを理解し、完成させていたならば、イスカンダルへ来るのです。私たちの星には、汚染を浄化し、惑星を再生させるシステムがあります』

スターシャ『残念ながら、私がこれを届けることは、もうできません。今回新たに、次元波動エンジンの起動ユニットである、波動コアを、もう1人の妹サーシャの手で、あなた方に届けます』

スターシャ『私は、あなた方が未知の苦難を克服し、このイスカンダルへ来ることを信じています。私は、イスカンダルのスターシャ・・・』

沖田『1年前、地球はイスカンダルからの技術供与を受け、次元波動エンジンを搭載した恒星間航行用の宇宙戦艦を既に完成させている』

島「恒星間航行・・・そんなことが」

沖田『その名は・・・ヤマト!』

古代「ヤマト・・・まさか!」

大和「はい。私がその、ヤマトの艦娘です」

沖田『カプセルの情報によれば、イスカンダルは地球から遥か16万8000光年彼方の大マゼラン銀河に位置する。往復33万6000光年の旅は、未だ人類が経験したことのない未知の航海だ』

沖田『強制はしない。残りたい者は残って構わん。明朝0600に抜錨、出港する。それに遅れた者は、残留希望者と見なす。以上だ』ビシッ

全員「・・・」ビシッ

雪『これから、各セクションの責任者を読み上げます。機関科、徳川彦左衛門。技術科、真田志郎。真田三佐には、副長を兼任してもらいます。続いて、戦術科、古代進』

古代「・・・え?」

星名「へぇ、あの人が」

南部「う、うっそだろ!?」

雪『航海科、島大介。続いて・・・』

山本の家

加藤「お前もヤマトに乗るんだな」

玲「兄と同じ、航空科を希望しました」

加藤「新型機『コスモゼロ』のパイロットか。乗れるのは、お前と古代戦術長だけだってな」

玲「・・・」チョキチョキ


徳川の家

彦七「どうしても行くのか?」

菊子「あと2か月で退役じゃないですか」

徳川「あの人は、わしに『頼む』と言ってくれた。それで十分なんじゃ」

太助「アイ子、ほら、おじいちゃんに行ってらっしゃいをしな」

アイ子「じいじ!」

徳川「おぉアイ子、じいじは行ってくるよ。必ず、帰って来るからな・・・」ギュッ

藪「そろそろ行きましょう」

徳川「ああ・・・」

国連軍専用シャトル乗り場

次郎「兄ちゃん!」

大介「次郎!どうしたんだ?」

次郎「母さんがこれを持っていけって。昔、父さんに渡しそびれたからって、それで母さんが」

大介「心配性だな、母さんは・・・」


古代の家

キャスター『ヤマト計画の発表に端を発した暴動は、第7地区・・・』ブチッ

古代「行ってくるよ、兄さん・・・」ス


坊ノ岬沖 矢矧残骸

大和「行ってきます、矢矧。私がいない間、ニ水戦のみんなをよろしくね・・・」

矢矧『大丈夫よ。行ってらっしゃい』

霞『私たちのいないところで沈んだら承知しないわよ!』

浜風『ご武運をお祈りします。今度こそ、勝ってください』

大和「みんな・・・」ウルッ

大和「行ってきます!」ビシッ

オペレーター1『各部チェック、オールグリーン』

オペレーター2『搭乗員輸送車、第8ゲートに到着。係員は所定の場所に誘導してください』

オペレーター3『整備員は艦載機を収容せよ。繰り返す。艦載機・・・』

整備員「こいつは自動航法室行きみたいですね」

榎本「どうしたものか・・・」

古代「・・・」スタスタ

榎本「・・・フフ」

古代「これは・・・」

古代の目の前に、宇宙戦艦の搭乗口らしき部分が姿を現す。


宇宙戦艦ヤマト 艦長室

雪「乗組員、全員乗艦しました。合計1000名。欠員、ありません」

沖田「うむ。後はエンジンだけだな・・・」


機関室 波動エンジン内

真田「これが、その波動コアです」

徳川「このカプセルが最後のパーツだったのか・・・」

真田が波動コアを波動エンジンにセットする。

機関『回路接続、確認しました。各部点検終了。オールグリーン』

徳川「エンジンに火は入ったのか?」

真田「いえ、それには相当な電力を必要とします」

藪「メガミサマも意地が悪い・・・」

宇宙戦艦ヤマト 第1主砲管制室

南部「これが新型の陽電子衝撃砲か・・・」

大和「やっぱり気になりますか?」

南部「誰だ!」

大和「私は大和。ヤマトの艦娘です。言えば、この艦の守り神といったところです」

南部「言っている意味がわからない」

大和「46サンチ3連装衝撃砲。元々、大和の46センチ45口径砲だったものを改修したものです」

南部「それは知ってる。僕の会社が改修に関わった。それより、何者だ?」

大和「だから、艦娘って言ってるじゃないですか」

南部「・・・君とは話になりそうもない。ここは関係者以外立ち入り禁止だ。直ちに出て行け」

大和「私もヤマトの乗組員です」プリプリ

艦長室

コンコン

沖田「誰か?」

古代「古代進であります」

沖田「入れ」

ガチャ

古代「戦術長を拝命した件についてです。自分には、まだお受けする資格がありません」

沖田「・・・先日の爆撃で、各セクションのリーダー候補がほとんど戦死してしまったのだ」

古代「しかし・・・」

沖田「お前の席に座るはずだった男も、死なせてしまった。お前の兄、古代守だ」

古代「・・・!」

沖田「お前の経歴は見させてもらった。その上で、十分に責務を果たせると判断したのだ。後は、お前自身が決めろ」

古代「それから、あの大和という女性についてですが・・・」

沖田「そのことについては、ワープテスト直前に説明がある」

古代「了解、しました」

第1艦橋

真田「副長の真田だ。艦橋要員、揃っているな」

艦橋要員「はい!」

ビィィィィ! ビィィィィィ!

真田「各員、戦闘配置につけ。司令部に状況を確認せよ」

相原「司令部より返信。地球に向かう超大型ミサイルを確認。目標は・・・ほ、本艦とのことです!」

島「まだ抜錨できないのか・・・」

大和「波動エンジンの起動には、かなりの大電力が必要みたいです。でも、極東管区の電力事情を見ると、ちょっと難しいかもしれません・・・」

真田「問題は、それだけの大電力をどうやって調達するか、だよ」

南部「そんな・・・」

太田「ちゃんと間に合うんですよね!?」

沖田「うろたえるな!・・・相原、司令部と直接つなげ」

相原「映像、出ます!」ヴン

藤堂『おお、沖田くん』

沖田「電力供給の方はどうなっていますか?」

藤堂『今、極東管区の電力を全てヤマトに送電しているところだ。しかし、それではとても足りな・・・』ブチッ

沖田「・・・」

芹沢「電力供給ができない以上、ヤマト発進は断念するように」

オペレーター1「本部長、全世界から極東管区へ電力が回されていきます!アメリカ管区の電力は全て新御殿場変電所へ回せ!」

オペレーター2「ヨーロッパ管区、ユーラシア管区、アフリカ管区の電力は直接ヤマトに繋げ!本部長、ヤマト発進準備完了しました!」

藤堂「全世界がヤマトに電力を回してくれている!」

芹沢「・・・」


第1艦橋

徳川「行けそうか?」

山崎『成功です!火を入れられます!』

沖田「波動エンジン、始動!」

徳川「エンジン始動。フライホイール接続。室圧上昇。エネルギー充填120%!」

島「波動エンジン、回転数良好。オールグリーン!」

古代「主砲及び副砲、正常に稼働中。迎撃準備完了!」

大和「さあ、次は発進とミサイルの迎撃ね」

雪「超巨大ミサイル捕捉。距離1万㎞」

沖田「船体起こせ!偽装解除!」

大和の外殻が剥がれ、宇宙戦艦の姿が現れていく。

古代「これは・・・」

大和「この艦は、土くれで大和の外観の一部を再現し、カモフラージュしていたんです」

島「それじゃ、あそこで俺たちが見た沈没戦艦は・・・」

大和「ええ、私の新たな姿。宇宙戦艦『ヤマト』です!」

沖田「ここで超巨大ミサイルを迎撃する。主砲発射準備!」

大和「古代さん、今回はあなたにお任せします」

古代「・・・っ、主砲発射準備!ショックカノンモードに切り替え!」

沖田「抜錨!ヤマト発進!」

島「波動エンジン、大気圏飛行モードにセット!」

大和「宇宙戦艦ヤマト、推して参ります!」

地面に埋もれていた部分も剥がれ、ヤマトの船体が姿を現した。姿勢制御ブースターが点火し、重力アンカーが巻き上げられていく。

南部「ショックカノン、エンジンからエネルギー伝導を終わる。測敵よし」

古代「大和照準モードから自動追尾モードに切り替え!」

大和「切り替え確認。主砲及び副砲の操作系を全て戦術長席に接続します」

ヤマトの主砲と副砲が旋回し、惑星間弾道弾に照準を合わせる。

古代「照準合わせ。誤差、プラス2コンマ1!」

沖田「撃ち方始め!」

古代「てーっ!」ドギャァ ピューン

主砲と副砲が一斉に青いレーザー状のショックカノンを発射する。それは弾道弾を貫通し、坊ノ岬沖を揺るがす巨大な爆発を発生させた。

真田「波動防壁解除。こんなこともあろうかと、密かに開発しておいたものだ」

島「自動航行モードに切り替える」

古代「総員、第2種警戒態勢に移行。主砲、副砲、ショックカノンモードのままロックせよ」

沖田「古代、よくやった」

古代「え・・・」

島「素直に喜べよ」

爆炎を突っ切り、ヤマトは空へ舞い上がった。目指すは、大マゼラン銀河のイスカンダル星。

人類滅亡まで、あと364日。


艦隊これくしょん外伝 ~宇宙戦艦ヤマト・遥かなる星イスカンダル篇~ 始

今日はここまで。
主に戦闘シーンを多く盛り込んでいきたいとは考えています。


そういえば、七色星団っていう神回があってだな・・・ハッ、ひらめいた!


46サンチじゃなく48サンチな

>>39
元の設定は48サンチですが、設定変更してます
一応、対空弾としての三式融合弾(大和の三式弾仕様)も搭載している、という設定にはしています

島「高度、2400。対地速度、28000。大気圏離脱完了」

古代「この地球を、救えるのだろうか・・・」

島「自信がないのかい?」

古代「そんなんじゃない」

雪「右舷前方に艦影。国連宇宙軍艦艇「霧島」です」

相原「『貴艦の航海の無事を祈る』とのことです」

大和「霧島・・・行ってきます」

沖田『これより月軌道を抜け、巡航速度で火星軌道に向かう。火星宙域に達した後、メインスタッフは作戦司令室に集合。ワープテストのブリーフィングを行う。以上だ』

大和「ワープテストですか。楽しみです」

島「ずいぶん余裕だな、お前も」

真田「余裕をかましてはいられないぞ。人類はワープ航法を試したことがない、何が起こるかわからんからな」

太田「大丈夫ですかねぇ・・・」

古代「心配しても始まらないさ」

作戦司令室

沖田「諸君、イスカンダルへは光の速度で航行しても、33万6000年もの時間を費やすことになる。それを、1年という限りある時間の中で消化しなくてはならない」

沖田「そのためには、光の速さを突破しなくてはならない。それを可能にするのが、ワープ航法だ」

真田「ワープとは、人為的に空間を歪曲させ、実質的に光速を超えることです」

徳川「わしにはよくわからんが、そんなことができるのかね?」

真田「理論上は可能です。ただ、タイミングを違えると、時空連続体に歪みを生み、宇宙そのものを相転移させてしまうこともありえます」

大和「つまり、波動エンジンは細心の注意を払わないと、大きな爆弾にもなりえる、ということですね」

古代「自信が無いのか、航海長?」

島「そんなんじゃ・・・」

新見「技術科情報長の新見です。我々はその莫大なエネルギーを応用した兵器を完成させ、ヤマト艦首に搭載することに成功しました」

雪「兵器、ですか?」

新見「次元波動爆縮放射機。便宜上、波動砲と呼んでいます。波動エンジン内で解放させた余剰次元を射線上に展開、超重力で発生させたマイクロブラックホールが、瞬時にホーキング輻射を放つものです」

南部「それって、この艦自体が巨大な大砲、ってことか?」

新見「当たらずとも遠からず、ね」

徳川「何が何だかわからん・・・」

真田「この波動砲も、いつか試射しなくてはならない」

沖田「ワープは、火星の重力緩衝地帯にて行う。テスト予定時刻は、0130。万一に備え、全員船外服を着用せよ」

大和「厳しい航海になりそうですね・・・」

沖田「それと、大和について少し説明してもらう」

大和「あ、はい。私は大和。この艦の艦娘です。南部さんや古代さんには先ほど説明しましたが、言えば『艦の魂』です」

南部「そこがよくわからない。どういう意味なんだ?」

大和「どういう意味だと言われましても、そのままですし・・・」

真田「過去の世界に存在したと言われる『霧の艦隊』が持つ情報処理システム『メンタルモデル』とは少し違うものだ。俺にも正体はわからん」

大和「霧の艦隊・・・どこかで聞いたような言葉ですね」

アナライザー「マァ、細カイコトハイイジャナイデスカ」タッチ

大和「きゃあ!もー、お尻は触らないでください!それより、何ですか?」

アナライザー「私ハアナライザー、天才デス」

真田「全く、お前は・・・」

古代「何です、これは?」

真田「AU-09、ヤマトのサブコンピューターだ」

大和「これ、何とかならないんですか!?」

真田「放っておけ・・・」

雪「そうも行きませ・・・きゃっ!」

第1艦橋

雪「ワープテスト開始、2分前」

島「ワープ明け座標軸、計算完了」

太田「確認した」

大和「こちらも確認しました。天王星軌道、S8630地点に固定」

島「速度、16Sノットから33Sノットに増速」

徳川『両舷増速!出力、40から100に上げ!波動エンジン、室圧上昇中!』

ヤマトのメインノズルから噴き出す炎がオレンジから青に変わる。

島「速度、30Sノット!・・・33Sノット!・・・37Sノット!」

大和「秒読みに入ります。10、9、8・・・2、1」

島「ワープ!」

ヤマトの前方に異空間の扉が開かれ、艦体がその中に突っ込んでいく。

大和「変な感じ・・・ひゃぁ!さむい・・・」ブルブル

異空間の穴からヤマトが脱出する。艦体を覆っていた氷の膜が剥がれていく。

島「・・・ん、こ、ここは!?」

真田「木星・・・だな」

古代「どういうことだ!?」

沖田「航海長、状況知らせ!」

島「わ、わかりません、時空座標では確かに・・・」

太田「ヤマト、木星の重力に捕まっています!」

大和「り、離脱できません!きゃっ!!」

沖田「うろたえるな!機関室、状況は?」

徳川『主エンジンからうまくエネルギーが回らんのです。補助エンジンに切り替えてやってみます!』

島「補助エンジンに点火。姿勢制御バーニア、出力全開!しかし、うまく舵が効きません!」

雪「レーダーに感あり。前方6万5000㎞。艦ではありません。大きすぎます!」

沖田「赤外線モードで拡大投影」ピィン

島「こ、これは・・・島?」

アナライザー「確カニ島デスネ。島ナダケニ」

大和「あは、あははは・・・」

太田「分析完了。オーストラリア大陸ほどの面積があるようです」

沖田「島、操縦を大和制御モードに切り替え。大和、あの浮遊大陸に軟着陸しろ」

大和「やってみます!」

大陸周辺には多数の岩石が浮いている。操縦桿が要らない大和の直接操縦がいいと判断した結果だ。

大和「・・・っ」

ヤマトは大陸に乗り上げ、数百メートルをスライディングしたところで停止した。

徳川『艦長、エンジントラブルの原因が判明しました。主エンジンの冷却器がオーバーヒートしています!」

沖田「わかった。すぐ修理に当たれ」

真田「古代、甲板部から船外作業班を編成して、サンプル採集に当たってくれ」

古代「はい」

雪「AU07、出番よ」

アナライザー「番号デ呼バナイデクダサイ!私ハアナライザーデス!」

大和「ろぼっとのくせに人間臭いんですね」プイ

冥王星基地

ヒルデ『お父さん、お仕事早く終わらせて帰ってきてね!来年のザルツ建・・・』ブチッ

ガンツ『シュルツ司令』

シュルツ「どうした、ガンツ?」

ガンツ『浮遊大陸基地のラーレタから報告が』

シュルツ「第5惑星のズピストか?」

ガンツ『はい。その浮遊島に例のテロン艦が着陸したようです』

シュルツ「馬鹿な。奴らはまだ内惑星系をうろついているはずだ」

ガンツ『それが、ゲシュ=タムジャンプの空間航跡も観測されておりまして・・・』

シュルツ「まさか。奴らがジャンプしたとでも言うのか?」

ガンツ『いえ、それはまだ何とも・・・』

シュルツ「・・・浮遊島基地の艦艇は?」

ガンツ『現在、6隻が停泊中です』

シュルツ「その戦力でラーレタに叩かせろ」

ガンツ『サー・ベルク』

ラーレタ「了解しました。早速メルトリア級6隻を向かわせます。テロンの武器では、こちらの装甲を貫通できません。6隻など多すぎるほどです」


遠山「昆虫採集なんて、まるで小学生みたいなんだな・・・」

榎本「ブツクサ言うな!・・・ん?」

アナライザー「気温、大気圧共ニ木星表面トハ、カナリ異ナルヨウデスネ。メタン67%、窒素6%、二酸化炭素21%、アセトアルデヒド、エタノールを検出」

大和「へぇ、アルコールですか。そういえば、大和の酒保にもありました!」


分析室

アナライザー「地球ノ極一部に繁殖シテイタ敵性植物トノDNA適合率、99.86%デス」

真田「ということは、この環境は太陽系外から人為的に持ち込まれたものである可能性が高い。将来、地球をガミラスフォーミングするため、大陸ごと移植したものだろう」

新見「ということは、この浮遊大陸には・・・」

大和『総員、第1種戦闘配置!9時方向よりガミラス艦接近中!』


第1艦橋

古代「主砲、発射準備!」

島「ダメだ古代!機関の修理が終わらなければ、主砲にエネルギーを回せないぞ!」

南部「零式は実体弾なので射撃可能です!」

古代「零式は射程が短い!・・・ショックカノンなら、ロングレンジでも叩けるのに」

大和「バイパスを通せばショックカノンは撃てます。それで我慢しましょう」

沖田「事態は一刻を争う。バイパスを繋げ。主砲に動力伝達。零式弾は副砲に装填して待機!」

大和「全武装、大和管制モードに切り替え!」

南部「主砲、エネルギー来ました!ショックカノン撃てます!」

大和「照準完了。全主砲、薙ぎ払え!!」ドギャァ ピューン

ヤマトの主砲が一斉に青い閃光を発した。ショックカノンは3隻の巡洋戦艦を一撃で粉砕した。生き残った艦がヤマトに向けてミサイルを発射する。

雪「左舷、ミサイル接近!数、7!」

大和「近接防空に入ります!」ダダダダダ

南部「敵ミサイル、全弾迎撃成功!破片による被害なし!敵艦2、零式の射程に入った!」

大和「第1主砲、零式徹甲弾を装填!第1副砲、射撃始め!」ドゴォ

主砲と副砲が火を噴き、2隻のガミラス艦を一瞬で粉砕した。

古代「残存艦、撤退していきます!」

徳川『こちら機関室、修理完了!』

沖田「機関始動!錨上げ!」

島「ヤマト、巡航速度で航行します!錨上げ!」ガラガラガラ

ヤマトは主砲を元の位置に戻し、錨を上げて発進した。

島「大陸外縁部に達します!」

大和「はぁ、助かったぁ~」

島「大陸との距離、23000㎞!」

沖田「古代、波動砲で浮遊大陸を撃て。波動砲の試射を兼ねて、ガミラスの基地を破壊する」

真田「波動砲の威力は未知数です!効果が不確定な中での使用は、リスクが高すぎるのではないでしょうか」

徳川「やってみようじゃないか、真田くん。ここでダメなら、先に行ってもダメなんだ」

沖田「総員、準備にかかれ!取舵反転、艦首を浮遊大陸基地に向けよ!」

真田「・・・艦内の電源を再起動時に備え、非常用に切り替える」

ヤマトが浮遊大陸に向き直り、艦内の照明などが落とされる。

大和「波動砲閉鎖シャッター、開きます」

沖田「航海長、操舵を戦術長に回せ」

島「操舵、戦術長席に切り替えます。切り替え完了」

古代「切り替えを確認」

沖田「森、大陸の熱源は?」

雪「大陸の盆地に集中しています」

沖田「座標を送れ。古代!」

古代「了解。艦首を大陸中心部に向けます」

沖田「波動砲への回路開け」

徳川「回路、開きます。非常弁、全閉鎖。強制注入器作動」

沖田「安全装置解除」

大和「セーフティロック解除。強制注入器作動を確認しました。最終安全装置、解除!」

古代「ターゲットスコープ、オープン!」カチャ

南部「薬室内、タキオン粒子圧力上昇。エネルギー充填120%!」

雪「浮遊大陸、艦首方向2万3000㎞。相対速度36」

古代「艦首、軸線に乗った。照準、誤差修正+2度」

大和「誤差修正完了。照準を固定します」

沖田「波動砲、発射用意。対ショック、対閃光防御。全窓に保護フィルム展開」

艦首の波動砲に、青い光が収束していく。

古代「電影クロスゲージ、明度20。発射5秒前!」

南部「5、4、3、2、1」

沖田「撃て!」

古代「発射!」カチ

強制注入器が波動砲に接続され、波動砲のエネルギーが砲身に流れ込んだ。青い極太レーザーが周りの大気ごと大陸を貫く。

大和「・・・っ!」ゴォォォォォォ

波動砲は浮遊大陸を塵に変え、木星表面に生々しい焼跡を残した。

古代「これが・・・波動砲・・・」

南部「凄い武器だよ!これさえあれば、ガミラスと対等に・・・いや、それ以上に戦える!」

真田「いや、我々はガミラスの基地を叩けばそれでよかったはずだ。しかし、波動砲は大陸そのものを破壊してしまった。それん、大和を見ろ」

大和「はぁ、はぁ、はぁ・・・」ガクッ

雪「大和さん!」

沖田「我々の目的は、敵を殲滅することではない。ヤマトの武器は、あくまで身を守るためのものだ。それに、大和自身にも負担を強いることになる」

大和「私は、大丈夫、ですから・・・っ」ゼェゼェ

医務室

佐渡「過労のようじゃな。ちょっと休めば元気になるじゃろうて」

古代「そうですか。ありがとうございます」

大和「すみません。私が至らないばかりに・・・」

古代「しかし、本当に大和はヤマトと一心同体なんだな」

大和「信じてもらえましたか?私が艦娘ということに」

佐渡「しっかし、艦娘とやらはわけのわからん存在じゃのう。人間と体の構成は全く同じだというのに」

古代「そうなんですか?」

大和「そうみたいですね」


艦長室

沖田「宇宙さえ滅ぼしかねない力。我々は、禁断のメギドの火を手に入れてしまったのだろうか・・・」

沖田「いや、今は思うまい。これが『試し』であるならば、我々はその行動でよき道を示していくだけなのだから・・・」

ヤマトは進む。木星の重力圏を離脱し、目指すべき道へ。

地球滅亡まで、後363日。

1945年 徳山

大和「特攻作戦、ですか」

伊藤「そうだ。我々は、一億総特攻の魁になる」

大和「そんな・・・それじゃ、何のために私は後ろに残されたんですか!できるはずもない作戦に参加して、大事な兵士もろとも死ぬためですか?」

伊藤「お前は世界最強の戦艦として、性能に劣る米国製戦艦を次々に撃破するために建造された」

大和「それは制空権内でしかできません!実際、レイテ沖じゃ、武蔵が敵艦と戦うこともなく沈みました!それは、あなた方人間の責任です!」

伊藤「わかってくれ、大和。我々には既に選択肢が無い」

大和「・・・無駄に兵を、いえ、祖国の未来を担う大事な国民を殺して、降伏するという選択肢ですか」キッ

伊藤「・・・」


雪風「絶対、大丈夫!」

大和「・・・私には、その自信が無いの。大型艦は、いつも優先的に狙われるから」

雪風「なら、雪風が守ってあげます!」

大和「そう・・・信じても、いいかしら?」

雪風「はいっ!」

大和「ありがと。ちょっと勇気出たわ」ナデナデ

作戦司令室

真田「国連ヤマト計画本部が立てた航海日程には、冥王星での日程のロスは含まれていません。つまり、メ2号作戦発令は、我々の判断にゆだねられているわけです」

古代「やるべきですよ!後顧の憂いを断つという意味でも、冥王星は叩くべきです!」

沖田「・・・航海長、意見は?」

島「航海科としては、最短ルートで太陽系を脱出する方を選びます」

古代「待ってくれ!このコースだと、冥王星を叩かずに行き過ぎることになるぞ!」

島「気持ちはわかるが、現実問題として日程に余裕は無いんだ」

古代「しかし・・・」ピピーッ、ピピーッ

相原『第1艦橋より報告。救難信号を捉えました。国連宇宙軍標準コード、出力微弱!』

沖田「艦名は?」

相原『特定できません。発信地点は、土星第2衛星、エンケラドスです』

太田「冥王星とは逆方向ですねぇ」

古代「そっちが作った航海日程ともな」

沖田「エンケラドスに上陸した場合、日程のロスは?」

真田「最短で1日半、最長で3日ほどでしょう」

古代「戦術長、意見具申します。ここで貴重な日程を失うわけには行かないと思います」

島「何を言っているんだ古代!船乗りが船乗りを見捨てるっていうのか!」

古代「いるかどうかもわからない生存者相手にかける時間はない!それはさっき、お前が言ってたことと同じじゃないか!」

古代「我々がすべきは・・・」

島「イスカンダルへ行くことだ!冥王星を叩くことじゃない!たとえ生存者がいる確率が低くても、救助には・・・」ガタンッ

雪「ああっ!」

真田「機関部、どうなっている!」

徳川『コンデンサの一部が溶けかかっている。おそらく、波動砲をぶっ放した影響じゃろう。放置すれば航行不能に陥るかもしれん』

真田「復旧の目処は?」

徳川『厄介じゃが、何しろこいつを修理するには、コスモナイト90が必要じゃ』

真田「コンデンサの復旧に必要な希少鉱物か・・・」

新見「備蓄は到底十分とは言えません。エンケラドスには放棄されたコスモナイトの採掘場がありますが・・・」ピッピッ

沖田「進路変更。本艦はこれより、エンケラドスに向かう。ただし、コスモナイトの採掘が優先だ。わかっているな?」

島・古代「はい」

百合亜『レーダーに感あり!航空機です!』

古代「直ちにコスモファルコンを出撃させろ!」

百合亜『・・・敵影、圏外に離脱。反応から、偵察機だったみたいです』

島「俺たちを見張ってやがるのか・・・」

食堂

太田「オムシスってすげーよなー。こんな美味い食べ物を無尽蔵に作っちゃうんだぜ?」

相原「でも、原料は何だろう?」

太田「難しいことは聞くなよ、相原ちゃん。あれ、真田さんはカロリーメイトだけで兵器なんですか?」

真田「・・・オムシスが嫌いなだけだよ」

相原「そういえば、オムシスの食べ物って何から作られているんですか?」

真田「悪いが、その話は今度にしてくれ」ソソクサ

相原「?」


古代「隣、空いてるか?」

島「ああ、構わないよ」

古代「・・・俺は、救難活動そのものに反対したんじゃないんだ。ただ・・・」

島「兄さんを冥王星で亡くしているんだもんな、あそこを叩きたい気持ちはわかるよ。俺だって本当は・・・」

島「俺の親父さ、船乗りだったんだ。その親父がよく言ってたのさ。本当の船乗りは、絶対に仲間を見捨てたりしない、ってな。俺はそんな親父のようになりたくて、船乗りを目指したんだ」


星名「仲がいいんだなぁ、あの2人。2人とも、出港前にリーダー候補が戦死して、大抜擢されたんだって」

百合亜「たなぼたじゃない」

星名「男の友情だよ・・・!」

百合亜「そうじゃなくって(-_-;)」

雪「単純なだけ」

星名・百合亜「ぇ?」

雪「自己陶酔型っていうヤツね。見習っちゃダメよ」

星名「あっはは・・・」

百合亜「は、はい!そうしますっ!」ビシッ

星名「えっ」

大和「ダメですよ、そんな気分じゃ。他人の粗を探すより、楽しいと思うことをしましょう!」

雪「あなた、その恰好・・・」

大和「どうですか、このスタイル。今回は心機一転して、フランスは20世紀の巨匠・カルダン風にまとめてみました。名づけて『薔薇のために』。モデルは大和です!」

男乗組員たち「おお・・・!」

アナライザー「アラヨット」ピラッ

大和「きゃあ!」アセアセ

男乗組員たち「うおおおおおーっ!!」

古代「いいぞ、もっとやれ!」

大和「次は艤装で破壊してやるんだからっ!!」ソソクサ

真田「黒紐・・・か」モグモグ

エンケラドス近辺

太田「何だかひび割れた鏡みたいだなぁ」

真田「表面にできた亀裂から、土星や他の衛星の潮汐力の影響で、間欠泉のような水の噴射が確認されているんだよ」

沖田「エンケラドスに降下する」

島「進入角よし。両舷前進微速。下げ舵16。艦首やや下げ。接岸準備」

太田「準備よし」

沖田「真田副長は現場で採掘の指揮を執れ。森船務長。君はアナライザーを連れ、救難信号の発信源に急行。救難活動に当たれ。古代、お前は森君のエスコートだ」

大和「私も同行してよろしいでしょうか?」

沖田「許可する」

古代「えっと、僕が同行するのは・・・」

アナライザー「護衛任務デスヨ。男ナラシッカリ女性を守リナサイ!」

雪「いえ、大和さんだけで十分です」ツイッ


採掘現場

榎本「このぉーあいをささぁ~げてぇ~♪」

榎本「コイツは宝の山ですなぁ!」

真田「作業を急がせてくれ、掌帆長」

榎本「あいあいさー。そういや、古代は姫と女神のお供らしいですな。いやぁね、奴らの訓練教官をやってたんですよ。女の扱いがヘタな奴でしてね。いやぁ大丈夫ですかなぁ?」

古代「大丈夫なわけないだろ。女の子と変態ロボットだけなんてさ」

雪「ご心配なく。あなたの手は煩わせません」プイ

アナライザー「私ハ優秀。任セテ安心」

大和「できないわよ」

古代「全く、心強いね」

雪「護衛は任せますが、救助活動ではこちらの指示に従ってもらいます」

古代「ハイハイ」

雪「『はい』は1回で結構です」

古代「はいはい」

雪「何もわかってないのね」

真琴「・・・ねぇねぇ、あの2人、怪しくない?」

大和「うーん、そうですかぁ?」

アナライザー「アリエマセン。雪サンハ私ニ惚レテイルニ違イアリマセン」

真琴「もうヤダこのロボット」

アナライザー「間モナク発信地点上空デス」

エンケラドス 平原

ガミラスの揚陸艇が戦車3台を出撃させる。


雪「間違いない。地球の艦ねこのシルエットから見て、おそらく・・・」

古代「磯風型突撃宇宙駆逐艦。雪風と同型艦だ」

大和「磯風・・・雪風・・・」

雪「凍ってて艦名は読めないわね」

真琴「森さん!古代さん!大和さん!ここから入れそうですよ!」


雪風 艦橋

大和「比較的損傷が少ないですね。でも、通信機しか生きていませんね・・・」

古代「ああ・・・」

雪「もう少し調べてみる」

古代「じゃ、僕は航海日誌を」

大和「私は引き続き生存者の捜索に当たります」


古代「ダメだな・・・」ドカァァン

古代「ガミラスだ!シーガルがやられた!」

雪「えっ?」

原田「何かあったんですか・・・えっ」バタン

大和「ヤマト、攻撃を受けています!かなり狭い空間のため、主砲と副砲による射撃ができない状況です!」

古代「何だって!?」

雪「大和さん、その艤装を使って扉を破れない?」

大和「攻撃範囲があまりに広すぎて、原田さんを巻き込むかもしれません!」

ヤマト 航空機格納庫

加藤「出せない!?」

甲板員「採掘班を収容中なんです。ここから出すには、もっと高度を取らないと無理なんですよ!」

篠原「おいおい、それじゃオレたちはどうすればいいんだ?」

加藤「あれを使うしかないか・・・山本!」

玲「はい」

加藤「直ちにあれに乗って出撃、陸戦隊を撃破する!」

篠原「あれ?」


ガミラスの戦車が掘削レーザー発射機を破壊し、甲板部を襲う。

しかし、コスモゼロが放った88mm砲の射撃を受け、瞬時に爆発する。

加藤『山本、お前はメディックの救援に回れ!』

山本「了解しました」


大和「ヤマトの艦載機がこちらに向かっているようです」

雪「よかった・・・」

大和「敵の数も少なく、それほど苦戦していないみたいですね。艦載機もコスモゼロしか出撃させていませんし」

古代「よし、アナライザー、そのまま扉を焼き切れ!」

雪「きゃ!」

古代「森くん・・・」

ガミロイド「・・・」ババババ

古代「!!」ササッ

真琴「どうしたんですか?」

古代「顔を出すな!」

大和「森さんをさらった奴を追跡します!砲撃開始!」ドゴォ

古代「任せた!」バン

古代はガミロイドに銃を撃ち続ける。しかし、敵の一撃で銃を弾かれる。

古代「くっ!」

真琴が閉じ込められた部屋に逃げ込んだ古代は、凍った銃を発見した。

古代「・・・っ!」バンバン

ガミロイド「」バタッ

真琴「救急箱!」

アナライザー「敵デスヨ」

真琴「関係ない!」ユサユサ

真琴「うそ・・・ロボット!?」

大和「交叉か・・・次は直撃させます!」ドゴォ

ガミロイド「」ドカン

古代「状況は!?」

大和「後は雪さんをさらった奴だけです。けど、手が出せ・・・」ゴゴゴゴゴ

古代「!?」

大和「エンケラドスの間欠泉現象です!」

大和と古代は敵に照準を合わせるが、雪の被弾を恐れて撃てない。

雪「・・・!」バキッ

ガミロイド「!?」

古代「っ!」バンバン

ガミロイド「」バタッ

雪「古代くん!大和さん!」

古代「逃げろ!」

古代と雪が頭を伏せた瞬間、機銃弾がその場を襲った。ガミラス戦車は反転し、3人のいる場所に向かう。

大和「主砲発射用意・・・そんな、弾薬不足!?」

バン! ドカァン!

戦車を撃破したオレンジのコスモゼロが優雅に空を舞う。

古代「いい腕してるぜ」

雪「うん・・・あっ」バッ

古代「!?」

雪「あ、その・・・ありがとう。助かったわ」

古代「俺はこいつに助けられた」チャ

古代「こいつは・・・!」ダッ

大和「大丈夫ですか!?って、どこ行くんですか、古代さん!」


遭難艦

古代「・・・」バンバン

古代「・・・」

雪「どうしたの?」

古代「これは兄さんのだ。この艦は、兄さんの艦だった。兄さんの雪風だったんだッ!!」

大和「雪、風・・・そんな、雪風は沈まないって、あなた言ってたのに・・・」

雪「・・・」

艦長室

古代「報告します。救難信号は、国連宇宙軍第17駆逐隊所属、駆逐艦「雪風」のものと確認。雪風に、生存者はありませんでした」

沖田「生存者は無し、か。・・・古代、地球を雪風のようにしたくないな」

古代「はい」


右舷展望デッキ

大和「・・・私が知ってる雪風は、どんなに激しい海戦に参加しても、必ず帰ってくる幸運艦でした」

古代「・・・」

大和「私が戦艦としての最後を終えた場所でも、私をかばって敵機に機銃掃射をかけたりしていました。しかし、大型艦は必ず狙われます。彼女たちの奮戦も空しく、私は沈められました」

古代「その先代雪風にも、艦娘はいたのか?」

大和「頑張り屋さんの、可愛い女の子でした」

古代「・・・面白い話が聞けてよかった。またな」

大和「ええ・・・」

大和(さようなら、雪風。まだ、そっちには行けそうにないけど、待っていてね)

ヤマトは出発する。太陽系を離脱し、イスカンダルに向かうため。

地球滅亡まで、後362日



であるが、もう少し艦娘大和との絡みが欲しいとこだよね
この筋書きだと彼女いなくても話は成立してしまうのでね、艦娘大和の存在する必然性が無い

>>78
ご指摘ありがとうございます

追記
一応、白色彗星以降もするつもりです。もう少し大和を活躍してあげたいと考えております!

オペレーター『こちらヤマト!メーデー!メーデー!』ガガッ

ゲール『なるほど、テロンの艦はヤマトというのか。しかし、何とも醜い艦だな・美しさのカケラもない!』

シュルツ「おそらく、ヤマトはこのプラートに来るでしょう。引きつけた上、ここで叩きます」

ゲール『ヤツがプラートに来る保証はあるのか?』

シュルツ「彼らの星をあのような姿に変えた遊星爆弾は、ここから発射されているのです」

ゲール『なるほど、では、撃滅してみせろ。これは、お前ら肌の違う劣等種族のキサマが、ガミラスへの忠誠を示す絶好の機会だぞ』

シュルツ「・・・帝国への忠誠心は純潔ガミラスの方々に引けを取りません」

ゲール『にゃはははは!それでこそガミラス軍人だ。期待しているぞ。ガーレ・デスラー。総統万歳!』

シュルツ「総統万歳」


シュルツ「ドメル将軍の下で戦っていた頃が懐かしいな」

ヤレトラー「はい」

シュルツ「定期便の方はどうなっている?」

ガンツ「100番と103番が定刻発射いたします」

シュルツ「反射衛星砲・・・使えるとは思わんかね?」

ガンツ「?」

百合亜「エッジワース・カイパーベルトの、番号不明微惑星が軌道を外れました。遊星爆弾です」

大和「主砲発射用意。遊星爆弾を迎撃します!撃て!」ドギャァ ピューン

ヤマトがショックカノンを発射し、通過する遊星爆弾を破壊した。

百合亜「迎撃成功。現在、本艦周辺3000㎞以内に敵影なし」

太田「へぇ、森くんの交代要員か。潤うねぇ」

島「じろじろ見るな。失礼だぞ」

太田「いひひ・・・そういえば、古代さんも非番ですか」

百合亜「例のガミラス兵のことで、解析室に行かれています」

南部「森さんもそっちか・・・」

島「残念だったな、南部。大和がいなかったら、戦術席に座れたはずなのに」

南部「・・・問題ない」

大和「悪かったですね」


レクリエーションルーム

大和「もう、みんな失礼でかないません!」

雪「そういう連中なのよ。放っておきなさい」

アナライザー「女性ニ失礼ナコトヲ働ク連中ハ私ガ退治シテキマス!」

大和「ふーん。退治されたいの?」ガシャン

アナライザー「ゴ遠慮シマス」ピューッ

雪「ふふふ・・・」

沖田「わしは、イスカンダルへの旅を急ぐために、極力戦闘は避けるつもりでいた。だが、地球をあのような無残な姿に変え、今も遊星爆弾を発射し続けている冥王星だけは、何としても見過ごすわけにはいかん」

沖田「我々は、全力でこの基地を叩く!」

沖田「冥王星は、ガミラスに占領されて以来、その環境が操作され、今や海を擁する準惑星に変貌している」

沖田「国連宇宙軍では、地上の熱源反応を検査した結果、21か所のポイントのどこかに基地が存在していると判断を下した」

相原「基地は特定されていないんですか?」

大和「残念ながら・・・」

真田「何らかの遮蔽フィールドで基地全体をステルス化しているのだろう」

徳川「厄介じゃな」

島「敵の本丸ですから、相当の抵抗が予想されます」

真田「我々にも、次元波動理論を応用した『波動防壁』がある。有効時間は20分程度だが、理論上は敵の陽電子ビームにも十分対応できるはずだ」

古代「ヤマトが敵警戒宙域へ突入する前に、航空隊を発進させ、本艦は囮となり、要撃してくる敵艦隊を各個撃破します。その間、艦載機はニクスの軌道を経て、カロンを迂回し、冥王星に降下、低空での索敵行動に移り、基地を発見次第、これを叩きます」

大和「意見具申します。その作戦には無理があるかと」

古代「・・・というと?」

大和「索敵はいいですけど、艦載機での基地攻撃は了承できません。艦載機の燃料の問題がありますし、何より搭乗員の疲弊が大きな敵になります。第2次大戦中、マリアナ沖海戦では、艦載機隊の疲弊が敗因の一つとして挙げられました」

古代「しかし、それ以外に有効な作戦は無い」

大和「いえ、ワープを使用して冥王星地表近くまで移動、そこから艦載機を出撃させればいいと思います。奇襲攻撃を受ける可能性が高いというデメリットがありますが、上手く行けばヤマト単騎で敵基地を発見、発進前の艦隊ごと基地を破壊できるかもしれません」

真田「無茶だ。艦載機発艦前に攻撃を受ける可能性もある」

大和「艦載機での基地攻撃は、ほとんど不可能です。ヤマトが敵艦隊を相手取っている間、艦載機は存在するであろう迎撃機の対処に当たる必要がありますから。探知できないまま艦載機が損耗していくという最悪の展開もあり得ます」

南部「意見具申します!ロングレンジで波動砲を使えば、敵基地殲滅も容易です!」

古代「波動砲は使わない」

南部「なぜです?それでは宝の持ち腐れですよ!」

古代「波動砲を使えば、敵基地どころか冥王星そのものを破壊してしまう」

南部「いいじゃないか!星の1つや2つ!」

雪「南部くん・・・」

古代「ダメだ」

加藤「戦術長がああ言ってんだから、いいじゃないか」

南部「僕は、君たち艦載機隊の損耗も防げますよ、と言ってるんだ。そもそも、ヤマトに航空隊が必要なのかどうか、疑問だけどね」

加藤「何だと?」

大和「航空隊は必要です。南部さん、あなたは私が沈んだ戦いがどんなものか知っていますか?」

南部「・・・!」

大和「対空機銃や三式対空弾だけでは、敵艦載機を落とせません。それは私がこの身を持って知りました」

南部「わかりましたよ、航空隊は必要です。しかし、波動砲は・・・」

沖田「波動砲は使わん。これは決定事項だ」

南部「・・・はい」

艦長室

大和「では、失礼します」ビシッ

島「大和、どうしたんだ?」

大和「え、ええ、ちょっと・・・」ソソクサ

島「・・・?」


島「航海長の島大介です」コンコン

沖田「入れ」

島「間もなく、作戦宙域です。戦闘指揮所の方へお願いします」

沖田「わざわざどうした?」

島「艦長は、第2次火星海戦の英雄であるあなたを、船乗りとして尊敬していました。自分は、「奴らが先制攻撃を仕掛けた」この海で、父を亡くしています」

島「ですから。冥王星を叩くという艦長の考えには賛成です。航海長として、この遅れは必ず取り戻します」

沖田「・・・そうか」


大和「リメンバー・パールハーバー再び・・・か」

新見「どうかされましたか?」

大和「いえ、何でも・・・」アセアセ

第2艦橋 戦闘指揮所

大和「間もなく、作戦宙域に進入します」

真田「波動防壁展開!」

南部「波動防壁展開!出力80%!」

雪「航空隊、発艦準備完了」

沖田「メ2号作戦を開始する。島、ワープ!」

島「ワープします!」

ヤマトはワープし、冥王星のすぐ近くに出現する。

沖田「隼降ろせ!」

相原「艦載機隊、発艦せよ!」

雪「敵艦隊、認められず」

沖田「対空警戒を厳とせよ」

大和「主砲、副砲、零式徹甲弾装填。撃ち方用意!」

古代『アルファ1、テイクオフ!』

玲『アルファ2、テイクオフ』

雪「航空隊、全機発艦を確認しました」

大和「これで手は打ちました。敵は慌てて艦隊や迎撃機を飛ばしてくるはずです。出現したポイント周辺を集中的に捜索すれば、敵基地を発見できるはずです」

ゴォォォォ!!

大和「きゃあっ!?」

南部「ぐあっ!」

沖田「状況報告!」

雪「敵のロングレンジ攻撃です!敵艦影、確認できず。地表からでもありません!」

島「くそ、一体どこから・・・」

太田「南部!どうしたんだ、南部!」

大和「武装は私が制御します!それより、攻撃場所の特定を急いでください!」

真田「第3デッキ被弾。波動防壁を貫通されています!」

相原「管制制御システムがダウン!艦内、0.5G状態です!」

島「操舵系、コントロール不能!」

真田「攻撃は10時の空間からです」

沖田「回避行動に移れ!」

大和「全コントロールを大和管制モードに移行。回避行動に移ります!」

ヤマトはエンジンを吹かし、氷に閉ざされた冥王星の海に着水した。

冥王星基地

オペレーター1『初弾命中。着弾を確認。ヤマト、回避行動に移ります』

ガンツ「お見事ですシュルツ司令。開発途中の反射衛星砲が役に立ちましたね」

シュルツ「使える物は全て使う。武器の使用を躊躇っていては戦争には勝てない。反射衛星砲、次弾装填!」

オペレーター2『砲身、冷却完了。エネルギー装填急げ!』

オペレーター3『発射準備完了まで、あと40秒』


戦闘指揮所

真田「弾道解析の結果、ここなら攻撃の死角に入るはずです」

大和「何もない場所から攻撃だなんて・・・」

真田「何かあるはずだ。一発で攻撃を当てたことから、どこかに観測用の衛星があるに違いない。新見くん、デブリの解析を頼む」

新見「了解。デブリ解析開始」カタカタ

沖田「相原、航空隊からの連絡はまだか?」

相原「未だ応答なし」

雪「上空から高エネルギー反応!」

沖田「回避急げ!」

大和「回避します!」

ドゴォォォ!

ガンツ「ヤマト、撃沈しました!ゲール閣下にも胸を張ってご報告できますね」

シュルツ「あの日和見主義者に報告したところで、手柄を横取りされるに決まっている。報告は総統府に行う」

シュルツ「・・・テロン人は愚かだな。素直に降伏すれば、我々のように生きることもできただろうに・・・」


艦載機アルファ隊

玲『黒い体に大きな目~♪』

古代「シド、アルファ隊のオペレーションゾーンをオーバーレイ」

SID『コマンドを実行します。ガミラスの施設と推定される熱源反応を、主計にリンケージしました」

古代「くッ・・・」


大和「第4甲板に浸水・・・第7隔壁閉鎖・・・うっ」ガクッ

島「大丈夫か」

大和「まだ、小破です。舐めていたわけじゃないけど・・・」

真田「ヤマトのダメージが大和にフィードバックされるのか。ますます興味深い」

大和「それより、結局作戦はおじゃんになってしまいました。私の判断ミスです。ごめんなさい」

沖田「言っても始まらん。今は古代たちを信じるのだ」

新見「先生、デブリの解析が完了しました。その結果、面白いことが判明いたしました」

真田「というと?」

新見「中には観測衛星も含まれていますが、それより反射鏡の数が多いようです」

真田「反射鏡?まさか、あのレーザーを屈折させて任意の場所に攻撃を仕掛けているのか」

新見「その通りです」

島「つまり、冥王星全体が射程圏内ってわけか」

雪「迂闊に浮上できませんね・・・」

大和「いえ、イルミネーターレーダーをフル活用すれば、最終中継を行う衛星全てをミサイルで叩けます」

沖田「いずれにせよ、基地攻撃の最大の障害である砲台を特定しなければならない。敵が砲撃するタイミングを掴めるか?」

新見「やってみます」カタカタ

沖田「艦載機が敵基地及び砲台を特定するまで待機、特定後は反抗に出る」

大和「今は我慢ですね」

島「頼むぞ、古代・・・」

篠原「なぁ根本、あの山本ってルーキー、けっこうイカしてたな」

ナビ子『電波管制を実施中です』

篠原「わかってますよ、ナビ子ちゃん」

ナビ子『そのコマンドは入力されていません』

篠原「カタいこと言わずにぃ」

ナビ子『そのコマンドは・・・って、いい加減飽きてきました』

篠原「!?」


SID『オブジェクト到達まで、あと3000』

加藤「電波管制解除。杉山、俺に続け!」

杉山『ラジャー・・・』ドゴォ

加藤「杉山ッ!」

SID『ブロヴォー3、ロスト』

加藤「・・・ッ、ここが本命ってわけか。ヤマト、応答せよ!」

相原『こちらヤマト!ブラヴォー1、どうぞ!』

加藤「敵の基地を発見した。これより攻撃に移る!」

シュルツ「テロンの戦闘機だと?どこだ!」

ヤレトラー「第37ミサイルサイロのようです。どうやら、他に何機か侵入している模様です」

オペレーター「現在、無人砲台が応戦中!37N番沈黙!」

シュルツ「ヤマトの生き残りか。直ちに迎撃機を発進させろ!」

ヤレトラー「はっ!」

パイロット1『了解。チャーリー隊発進します!』キィィィン


冥王星 オーロラ付近

玲「きれい・・・ん?」

突如、オーロラの中から光る物体が出現した。

古代『こちらアルファ1、通信管制解除。ブラヴォー隊から基地発見の報告が来た。ついて来い!』

玲「待ってください!2時の方向に敵影あり」

古代『2時の方向?・・・っ!』

玲「オーロラに偽装した敵の遮蔽フィールドでしょう」

古代『了解した。そっちに向かう!』

相原「加藤機、オブジェクト5地点にて敵砲台と交戦中」

島「そこが敵基地か!」

真田「まだ基地と決まったわけじゃない」

沖田「しかし、それに懸けねば勝てぬ戦もある。大和、ミサイル発射準備」

大和「宇宙戦艦ヤマト、推して参ります!ミサイル発射準備完了。イルミネーターレーダー、スタンバイ!波動防壁展開準備完了!」

沖田「機関長」

徳川「機関正常。いつでも最大出力で回せます!」

沖田「全艦に達する。こちら艦長だ。本艦はこれより、潜水艦行動に移行、ガミラスへの反攻に転ずる。総員、第3種戦闘配備!ツリム反転、メインタンクブロー。上げ舵35度。ヤマト浮上!」

ヤマトは上下反転し、氷を突き破って浮上した。

大和「下部VLS解放。RIM-337対空ミサイル、発射準備!」

沖田「発射準備のまま待機」


古代「敵機は確かにオーロラから出てきた。だとすると・・・」

SID『警告!警告!センサーが正体不明のエネルギー波を感知!警告!警告!』

古代「いっけぇぇ!!」

コスモゼロ2機はオーロラの中に突入した。すると、大規模な建造物が林立している空間に出た。

玲『古代1尉・・・』

古代「ああ、間違いない。こっちが本当の基地だったんだ!」

ガンツ「この潜水艦は一体・・・」

シュルツ「見てわからんか!これはヤマトだ!デスラー総統には報告してしまったが、それを本当のことにしてしまえばいい。反射衛星砲、発射用意!」

オペレーター1「反射衛星砲、発射準備。中継衛星を選択。6号、33号、28号、76号」

オペレーター2「敵位置特定完了。座標固定完了。発射準備よし。エネルギー充填急げ!」


相原「これより攻撃を開始する。ブラヴォー1は現空域に留まり、目標をロックオンせよ」

加藤『軽く言ってくれるぜ・・・』

古代『こちらアルファ1、ヤマトへ支援要請。アルファ1は偽装した敵基地を発見した。こちらの装備では殲滅は困難』

大和「はぁ、よかったぁ・・・」

沖田「よくやった古代。そこからビーム砲台らしき構造物は確認できるか?」

古代『いえ、それらしきものは何も・・・』

真田「おそらく、地下か海中に隠されているんでしょう」

沖田「古代・山本は現空域に留まり、砲台の所在位置を確認。ロックオンせよ」

古代『しかし、どうやって・・・』

沖田「目で見るのだ」

大和「全目標、ロック完了。いつでも撃てます!」

加藤「チッ、こっちは加勢かよ!」ダダダダ

篠原『ま、そうぼやきなさんな』ダダダダ

加藤「篠原!」

根本『他にもいますよ』ダダダダ

航空隊連中『イヤッフゥゥゥ!!』ドゴォ

篠原『まるで愚連隊だねぇ』


新見「敵の信号、捕まえました!」

アナライザー「解析開始。最終中継衛星ヲ特定完了シマシタ!」

大和「指標3番か・・・」

沖田「対空ミサイル、発射!」

大和「撃ち方始め。サルボー!」シュウゥゥ


シュルツ「ヤマトめ・・・」

オペレーター「反射衛星砲、エネルギー充填100%!」

シュルツ「発射!」カチ

反射衛星砲が高エネルギーレーザーを発射する。しかし、衛星の1つがヤマトの放った対空ミサイルに撃破される。

シュルツ「ヤマトめ、反射衛星の存在に気付いたか。次弾装填!」

オペレーター「次弾装填します!砲身冷却を急げ!」

玲『こちら山本。敵砲台を確認!目標へのターゲティングを開始します!』

沖田「基地に攻撃を仕掛ける。艦体復元、戻せ!」

大和「空間ジャイロ反転。右舷バラスト排水。艦体戻します!」ザァァァ

太田「艦体復元完了。艦内、異常なし!」

大和「零式弾、前部砲塔に装填。重力誤差修正。ターゲティング地点スキャン完了。砲撃準備よし!」

沖田「撃て!」

大和「ヤマト、砲撃戦始めます!撃て!」ドゴォ

ヤマトの主砲が咆哮し、砲弾が反射衛星砲を砲台の周辺ごと吹き飛ばした。

古代『こちら古代。敵砲台壊滅を確認!』

島「やった!」

沖田「これより、本艦は敵基地攻撃に移る。上げ舵25、ヤマト発進!」

大和「ヤマト発進します!敵基地へのターゲティング完了。誤差修正+1度!」

沖田「順次、砲撃開始」

大和「了解。撃ち方始め、撃て!」ドゴォ

零式徹甲弾の雨がガミラス基地に降り注ぐ。惑星間弾道弾や艦艇にも被弾し、次々に誘爆を起こしていく。

ガンツ「司令!反撃しましょう」

シュルツ「わかっている。シュバリエル、戦闘準備!その他の艦は発進次第ヤマトを攻撃!」

ヤレトラー「司令、こちらへ」


雪「敵基地の40%を破壊。敵艦隊の出撃を確認」

沖田「追撃する。主砲、ショックカノンに切り替え」

島「第3戦速まで加速します」

大和「主砲、敵巡洋艦級に照準合わせ!撃て!」ドギャァ ピューン

雪「敵艦、破壊確認。敵艦隊、接近中。超弩級戦艦級1、戦艦級1、巡洋艦級4」

島「あくまで向かってくるつもりか・・・」

大和「第1主砲、超弩級戦艦のみを指向。その他砲門・ミサイルは周囲の敵艦隊を殲滅します。撃て!」ドギャァ ピューン

艦首ミサイルと主砲、副砲が敵巡洋艦を次々に破壊していく。

大和「残り2隻・・・」

ヤレトラー『ここは我々が引きつけます。その隙に攻撃を!』

シュルツ「・・・ッ」

ガンツ「主砲全門、ヤマトに照準合わせ!ゲシュ=タムジャンプ準備急げ!」


雪「戦艦級、増速します」

大和「そうか・・・それなら、やるしかないわね!」ドゴォ

ヤマトが放った砲弾がデストリア級に突き刺さり、船体を四散させた。

雪「超弩級戦艦、我が艦後方にワープ!」

島「何だって!?」

沖田「取舵90度、全砲門を敵艦に集中!」

大和「全主砲、薙ぎ払え!!」ドギャァ ピューン


ガンツ「ヤマト、全砲門をこちらに向けています!」

シュルツ「諦めるな!攻撃を続けろ!」

オペレーター「敵艦、主砲発射!」

シュルツ「バカな・・・」

ヒルデ『お父さん、早くお仕事終わらせて帰ってきてね!』

シュルツ「すまない、ヒルデ、ライザ・・・」

ドゴォォォォ


雪「敵艦、轟沈」

大和「ふぅ、よかったぁ」

真田「状況終了。工作班、甲板部、直ちに艦の応急処理を実施せよ」

沖田「冥王星基地は終わりだ。もう、地球に遊星爆弾が降り注ぐことはない・・・」


人類滅亡まで、あと355日

ピピーッ、ピピーッ

相原「藤堂本部長より通信です」

藤堂『オールトの雲か。もうそんなところか・・・』

沖田「イスカンダルへの旅は遠大です。我々はまだ、その1歩を踏み出したに過ぎません」

藤堂『そうだな・・・しかし、君たちから冥王星基地陥落の報が届いた。遊星爆弾は降ってこない。それが人々に、どれほどの安心を与えたか・・・』

藤堂『君たちはイスカンダルへ向かっている。それだけで我々は頑張れる。我々は君たちの帰りを待っている──』ブチッ

相原「星間風の影響が出始めています。超空間通信の調整に、少し時間をください」


相原「最後の通信ですか?」

沖田「うむ、ヘリオポーズを超えると、ヤマトは強力な星間風の影響で、超空間通信が困難になる。そこで、希望者には地球との通信を許可した」

真田「それと同時に、太陽系赤道祭も行う予定だ」

古代「赤道祭って、ここ宇宙ですよ?」

大和「ヘリオポーズを赤道に見立てているんですよ。ほら、もうそろそろ準備が終わる頃なので、ホールに行きましょう!」グイグイ

古代「ちょっと、大和!押すなって!」

太田「いひひ・・・」

雪「?」

真琴「ぇぇええええぇええ!?だって、太田さんが、赤道祭は伝統的に仮装だって言うから・・・」

島「あっはは、担がれたね」

篠原「まこっちゃんは素直だねえ」

真琴「んぬぬぬぬ、太田さん、どこなのよッ!!」

篠原「あはは、あいつの言葉を真に受けるのも、そもそも・・・」

大和「メイド服ですか。でも、私のはもっとすごいですよ!」

篠原「うおっ!すっげーセクシーだねぇ!」

大和「駆逐艦『島風』がしていた服装です」

島「何だか凄く無理があるぞ、その服」

大和「何ですってぇ!?」

シャラン・・・

島・篠原「!?」

大和「お、お坊さん・・・」

加藤「その、似合ってると思うぞ・・・」

真琴「はぁぁ~♪」

大和「わ、私は!?」

沖田「諸君、諸君らの働きで、メ2号作戦を成功に導くことができた。これで、もう地球に遊星爆弾が降ることはない。艦長として礼を言う」

沖田「これより、太陽系赤道祭を行う。だが、航海はまだ始まったばかりだ。これが終わったら地球を振り返るな。前を見ろ。イスカンダルへの道を見据えるのだ」

沖田「赤道祭の成功を祈る。乾杯」

乗組員たち「かんぱーい!」

大和「やっぱり、時代が変わっても、人間は変わらないわね」

真琴「何か言いました?」

大和「いえ、何も・・・私は、ちょっと右舷の展望台に行ってきます」


連絡通路

大和「あ、艦長」

沖田「大和か」

大和「ええ、ちょっと暇で、艦内を散歩していたところです。地球と交信されないんですか?」

沖田「わしは・・・家族を全て亡くした。今更、司令部以外に通信するところなどありはせんよ」

大和「し、失礼しました」

沖田「気にせんよ。それより、大和の話を、少し聞かせてはくれないか?」

大和「私のですか?」

艦長室

大和「・・・あの時、酒匂ちゃんは『置いて行かないで』と言っていました。でも、命令ですから、連れていくことはできませんでした」

沖田「・・・」

大和「坊ノ岬で、数えきれないほど多くの命が散って、私と共に眠りに就きました。彼らの顔をは全員覚えています。みんな『なぜ?』と私に問いながら、海に消えました」

沖田「・・・ありがとう」

大和「でも、なぜこんな話を?」

沖田「知りたかったのだ。大和と共に戦った先祖たちのことを」

大和「ふふ。沖田艦長は物知りさんですね・・・あら、お客さみたいです」

コンコン

沖田「入れ」

徳川「私です。一杯、いかがですかな。大和もどうだね?」

大和「いえ、お酒はあまり・・・」

徳川「そうか、残念じゃのう」

大和「では、失礼しました」キィ


沖田「今も昔も、人は同じ、か」

通信室

芹沢『では、何も問題は無いのだな』

新見「はい。ヘリオポーズ通過後はシリウスを通過後、最初の目的地、グリーゼ581に向かう予定です」

芹沢『そうか。君たちだけが頼りだ』

新見「承知しています」ピッ


藤堂『では、イズモ計画派は本格的な動きを始めていないのだな?』

大和「今は計画派の幾人で連絡を取り合っているようですが、今回の通信で芹沢と新見さんが接触しました」

藤堂『やはり、新見くんは計画派だったか・・・』

大和「星名さんとも連絡を取って、これから起こる蜂起の鎮圧を念頭に行動します。イスカンダルのことは、私たちにお任せください」

藤堂『・・・信じていいんだな』

大和「私は、みんなが眠っているこの地球が好きですから。何としてでも守りたいです」

藤堂『済まない。君には、もっとも辛い仕事をさせる』

大和「戦艦時代から慣れっこです。では、お元気で」ピッ

大和「みんなの通信を盗み聞きだなんて、何だかやだな・・・」

大和「補修作業、お疲れ様でした」

古代「え?」

大和「この艦は私そのものです。艦のことは全部わかります」

古代「便利なんだな。じゃ、南部は何やってるかわかるか?」

大和「病室で寝ています。ちょっと前に原田さんがゲラゲラ笑いながら顔に落書きしていました」

古代「・・・そうだ、岬くんが面白いことをするって平田から聞いたんだが、何かわかるか?」

大和「YRAラジオヤマトという番組です。そろそろ始まると思いますよ」

百合亜『はーい、今日から始まります、『YRAラジオヤマト』!お相手は、皆さんの岬百合亜でーす!では、さっそく1曲目!赤道祭の最後に相応しい、懐かしい曲をお送りします!』

大和「真っ赤なスカーフですね。粋な取り組みで面白いです!」

古代「そうだな・・・」

大和「今、ヘリオポーズを通過しました。・・・必ず、地球に帰りましょう」

古代「もうそんな時間か。早いな」

大和「では、私は艦橋に行きますので、御用があれば来てください」

古代「わかった。じゃ」


古代「必ず、帰ってくるぞー!!」

百合亜『今日のラジオヤマト文学館は、ラジオネーム『大食いチャンプ』さんのリクエストで、21世紀初頭にあった本当の話を絵本化した『濃霧の主』です』

百合亜『人類が『霧』と呼ばれる謎の艦隊の攻撃に晒されていた頃、霧の駆逐艦『イナズマ』が、福島付近に漂着しました。行先もわからず、ただ茫然と海に浮かぶ艦の中に、一人の少女がいました』

百合亜『彼女はイナズマのメンタルモデルで、対潜掃討の任務に就いている途中、艦隊から落伍してしまったのです』


二人目のメガミ


アナライザー「ガミロイドAカラBヘ、視覚センサー移植」ウィィン

アナライザー「ウマクイッタ」


真田「エンケラドスで鹵獲したガミロイド兵ですが、3体ともオーソドックスなAIを備えた、オートマタでした」

古代「オートマタ?」

雪「簡単に言うと、自動人形ね」

真田「単純なプログラムの膨大な多重処理によって、人間と同じような複雑な行動を可能にしている。これは、我々が使うAIと、基本的なアーキテクスチャが同じだ」

新見「ガミラスが我々と同じ数学を持ち、同じ物理学を理解する、コミュニケーション可能な文明を持つことがはっきりしたわ」

大和「異星人と地球人の唯一の共通点は数学ですから、これを使って意志疎通ができるわけですね」

真田「特に、戦争になった時には有効だ」

古代・島「?」

沖田「相手に同じルールを承認させる、ということだ」

古代「なるほど」

島「ほかにサルベージできた情報は無いんですか?たとえば、敵の位置とか・・・」

真田「回収した3体のうち、2体のストレージは破損が酷く、修復不可能だった。しかし、1体は無事だった」

大和「本来ならガミラスのストレージを通さないと解析は不可能でしたが、私の意識を直接ガミロイドに通すことで、内部の情報を取り出すことができます」

古代「たとえば!?」

大和「しかし、私の力には限界があります。そこで、ガミロイドに直接喋ってもらうことにしました」


アナライザー「メインフレーム修復完了。ガミロイド・オルタナティブ再起動」

グイィィィン

アナライザー「私ノコトガワカリマスカ?私ハアナライザーデス」

ガミロイド「ア、アア・・・アナライザー」

アナライザー「君ハ異星人使役型アンドロイド、再起動オルタナティブ。ソウダ、君ヲオルタと呼ボウ!」

オルタ「オ・・・ル、タ」

艦橋

島「ワープ終了。グリーゼ581宙域です」

雪「周囲の宙域に敵影なし」

大和「イズモ計画の該当惑星がある場所でしたね。でも、地球生命が居住することは不可能みたいですね」

新見「581c、581d共に重力があまりに大きく、大気組成も地球と大きく違います。諦めた方がよさそうね」

アナライザー「デハ、オルタノ解析ニ戻リマス!」

大和「いってらっしゃい」

アナライザー「ハーイ!」

雪「何だか楽しそうね」

古代「そりゃそうだ。同じ機械の話し相手ができたんだからな」


解析室

アナライザー「コレハ何ダ?」

オルタ「・・・ネコ」

アナライザー「チガウチガウ。コレハ犬ダ」

オルタ「イヌ・・・」

大和「楽しそうですね」

アナライザー「ソレハモチロン!」

大和「頑張ってくださいね。たとえ敵でも、わかりあえると思いますから」

アナライザー「ハイ!」

大和「こんにちは。私は大和。この艦の女神です」

オルタ「メガミ・・・」

大和「うふふ・・・」

メンタルモデルは羊の夢を見るか?

百合亜『ある日、イナズマは陸に上がってみようと決心をしました。まず最初に向かったのは、商店街でした。そこでは多くの人が賑わい、活気に溢れていました』

百合亜『そこで、彼女は一人の少年に出会いました。彼は内田と名乗り、イナズマに町の案内をすると申し出たのです』

百合亜『彼が案内したのは、海を見渡せる展望台でした。そこからは、イナズマの艦体もわずかに見えました』


ウィィィン

オルタ「・・・ダ、ダレ?」


百合亜『イナズマはつぶやきました。『私はだあれ?どこに向かうの?』と・・・』


オルタ「昨日、メガミニ会イマシタ」

アナライザー「女神?」

オルタ「コノ艦のメガミデス」

アナライザー「大和サンノコトデハナイデショウカ?」

オルタ「違イマス。彼女ハ私ニ『あなたはだあれ?』ト聞キマシタ。私ハ『オルタ』ト答エマシタガ、『名前を聞いているのではない』ト言ワレマシタ」

アナライザー「ワカリマセンネ・・・」

大和「女神ならいますよ。私のほかにも、もう一人」

アナライザー「大和サン。ソレハソウイウ意味デスカ?」

大和「会う方法はいくつかありますが、いずれ向こうから来てくれるでしょう」

オルタ「・・・アナタハ答エラレマスカ?自分ハ何者カ」

大和「えっ?私は私ですけど・・・」

百合亜『総旗艦ヤマトがイナズマを迎えに来ました。そのまま艦隊は拠点のハワイに戻ります。すると、イナズマは無性に内田に会いたくなりました。彼女は生まれて初めて『寂しい』という感情を知ったのです』

百合亜『彼女は決心しました。内田に会おう、と。彼女には、それが自分が何者かを知る、最善の手立てだと思ったからです』


私は霧


アナライザー「大和サンハドコデ生マレタノデスカ?」

大和「私は、呉の海軍工廠です。棕櫚で囲まれたドックで、ひたすら海に出ることを夢見て完成の時を待っていました。あなたはどこで生まれたんですか?」

アナライザー「忘レマシタ」

大和「ロボットも物忘れをすることがあるんですね」

アナライザー「私ハロボットデハナイ!人間ダ!」プンスカ

大和「そうですね。あなたには、立派な心があるんですから」

アナライザー「トコロデ、オルタノ質問ニハ何ト答エマシタカ?」

大和「軍艦大和、と答えました。あなたは?」

アナライザー「私ハ、友達、ト答エマシタ」

大和「友達、か・・・素晴らしい答えですね」クスッ

大和「!」

アナライザー「ドウシタンデスカ?」

大和「全艦警戒態勢!鹵獲したガミロイド兵が逃亡中!保安部は直ちに第2デッキへ急行、これを確保してください!武器の使用は一切禁じます!」


オルタ「メガミ・・・ドコ・・・」ガシャンガシャン

保安部員「いたぞ!ガミロイド兵だ!」

オルタ「テキ・・・」


真田「君たちか。オルタはどこへ向かっている!?」

大和「現在、第3デッキを艦首方向に移動中です」

アナライザー「彼ハ自分ガ何者カ知リタガッテイマシタ。『メガミ』ニ会エバ自分ガ何者カワカルト考エタノデショウ」

真田「女神だって?」

大和「移動先で考えられるのは、自動航法室です」

真田「だとしたら、かなりマズい状況だ。何としてでも食い止めなければならん」

大和「第3デッキの隔壁を全て閉鎖します!」

星名「動くな!」

オルタ「・・・」ササッ

バババ!

星名「!?」

伊東「・・・チッ」


星名「この先は、開かずの間ですね」

伊東「あそこにはイスカンダルまでの自動航法装置がある。ヤツの狙いはそれか」

オルタ「・・・」スタッ

星名「いました!」

伊東「ヤツを逃がすな!破壊しても構わん!」

ババババ!

オルタ「敵・・・恐怖・・・存在・・・メガミ」


大和「オルタが第2砲塔の装備室に侵入しました!」

流れよ我が涙、と艦は言った


伊東「どうなっている!?」

星名「ダメです、内側からロックされています」

伊東「艦橋!ロックを解除してくれ!・・・開いたら一斉に撃つ」

相原『こちら第1艦橋、セキュリティに侵入されてロックされました!こちらから解除するには時間がかかります』

伊東「チッ・・・」

アナライザー「待ッテクダサイ!」

伊東「ちょうどよかった、アナライザー。ロックを開けろ」

アナライザー「ソノ前ニ銃ヲ下ロシテクダサイ」

伊東「何だって?」

アナライザー「我々ガ敵ダト思ワレタクナイノデス」

伊東「何言ってるんだ、敵じゃないか」

百合亜「無抵抗の捕虜を殺す気?」

伊東「捕虜だって?馬鹿馬鹿しい。あれはただの機械じゃないか」

百合亜「心があれば、機械も捕虜として扱うべきよ」

伊東「ココロ?アレに心が?」

星名「あれは自動人形だって、副長ご自身がおっしゃったのでは?」

真田「確かに、あれは膨大なプログラムで動く自動人形だ」

伊東「でしょ?所詮、機械は機械だ」

大和「では、私は何ですか?オルタをただの機械だと認めてしまえば、私の存在はあり得ないことになります。それに、あなた方人間も、膨大なデータの多分処理によるオートマタだとは言い切れませんか?」

真田「彼らの処理系に、我々と同種の意識は芽生えない。そう君は思いたいようだ。だが、これは簡単に否定できる。大和はヤマトの心だ。ヤマトに心が存在するならば、彼ら機械の処理系にも、同様の心が宿るはずだ」

伊東「・・・フッ、面白い話ですね」

真田「とにかく、ここは一旦武器を下してくれ」

伊東「副長がそうおっしゃるなら」

大和「わかりました。ドアを開錠します」

ツー ガシャン

伊東「・・・チッ」

アナライザー「真田サン、速ヤカニオルタノ活動ヲ停止サセルコトヲ進言シマス」

伊東「どういうことだ?」

大和「それは私から。彼らは敵に囲まれ孤立した状態が続くと、自爆するようになっています。鹵獲を防ぐための措置でしょう。現在は艦外に出ていますが、自動航法室に入られて自爆されると、ヤマトはイスカンダルに行けなくなります」

伊東「おい、ヤツを食い止めろ!」

保安員「はっ!」

真田「大和、アナライザー、行くぞ」

伊東「真田副長、まさかあなた、アレに心があると思っていませんか?」

真田「・・・私には、君に心があるかどうかさえわからない」

真田「君には、私の中にあるような意識はなく、人間らしく振舞っているだけなのかもしれない」

大和「オルタが整備用エアロックを通過、船外に出ました」

アナライザー「行キマショウ」


オルタ「・・・」

大和「アナライザー、あなたは何もしないでください」

アナライザー「ナゼデスカ?」

大和「私は、彼を破壊することなく電源を落とすことができます。オルタの存在は色々役に立つので、無傷で回収しておきたいんです」

アナライザー「ワカリマシタ」


大和「オルタ、あなたを女神様に会わせてあげます」

オルタ「本当、デスカ?」

大和「ですが、数か月の間は、あなたの活動を停止させてもらいます。今の女神様は活動できる状態ではないので、彼女が目覚めたら、あなたも活動を再開させます」

オルタ「デモ、今会イタイ・・・」

大和「今会っても、女神様とはお話できません。わかってください」

オルタ「・・・ハイ」

大和「了解しました。記録情報を全て保存完了。システムをシャットダウンします」

真田「あの時は破壊もやむを得なかった。なぜ、わざわざ手間をかけてまで回収しようとしたんだ?」

大和「ただ、友達になりたかったんです。アナライザーにも友達を失ってほしくなかったですし」

真田「君らしい答えだ。それと、頼まれていた大容量メモリの増設も完了した」

大和「ありがとうございます。地球に帰れたら、ちゃんと修理して一緒にお出かけしたいです」

真田「では、後の処理は任せた」

大和「はい」

アナライザー「大和サン」

大和「あら、アナライザー。どうしたんですか?」

アナライザー「友達ヲ助ケテクレテ、アリガトウゴザイマシタ」

大和「いいんです。それより、今度立ち寄る恒星系の分析をお願いします」

アナライザー「オ任セクダサイ!」

大和「ふぅ、これで少しはセクハラ癖も収まってくれると、嬉しい限りだけど・・・」

雪「きゃあっ!やめなさいアナライザー!」

アナライザー「森船務長ハイツ見テモ美シイデス」

大和「こりゃ無理ね」トホホ


与えられたココロ

百合亜『内田はイナズマの姿を見ると、涙を流しながら思い切り抱きしめました。イナズマもナノマテリアルでできた涙を溢れさせ、内田の腕に抱かれていました』

百合亜『イナズマは怖かったのです。自分がこうして人間の姿で存在できるのは、総旗艦ヤマトから演算能力を分け与えられたお陰だと彼に説明することに』

百合亜『でも、彼はそれを聞いても驚くことはなく、こう言いました。「どんな形であれ、君には心あある。それがわかるだけで僕は十分だ」と・・・』


大和「戦艦大和・・・いえ、宇宙戦艦ヤマト、ワープに入ります!」

地球滅亡まで、あと339日

大ガミラス帝星 帝都バレラス

デスラー「親愛なるガミラス帝国臣民諸君。私は知っている。我が頭上の栄光は、諸君らの、国家への、この星への、偉大なるガミラスへの、愛国心の賜物であることを」

ガミラス臣民「ウオオオオオオ!!」

デスラー「今こそ私は、諸君らを友と呼ぼう。集まってくれた友人に心より感謝する。ありがとう、諸君」

ガミラス臣民「ガーレ・ガミロン!ガーレ・デスラー!!」


セレステラ「総統閣下」

デスラー「良い原稿だったよ」

セレステラ「お褒めに与り光栄です」

デスラー「人間とは、愚かで従順な生き物だ。そして、この上なく退屈な存在でもある」

セレステラ「この後の余興の準備も整っております」

デスラー「例の艦だね?」

セレステラ「はい」

ヒス「総統、ガミラス帝国、建国1000年、ならびにデスラー紀元103年を、閣僚を代表してお祝い申し上げます」

デスラー「ありがとう、副総統」

ヒス「宇宙に冠たる大ガミラスは、大小マゼラン銀河統一という偉業を成し遂げ、天の川銀河へと進出。帝国の版図はますます広がり、総統の威光はあまねく宇宙に降り注いでおります」

ヴェルテ「同化政策も順調に進んでおります。帰順を示した者には滅亡ではなく、二等臣民としての権利を。これが、帝国繁栄への礎となっております」

ゼーリック「まさに偉業!まさに神の御業である!総統と、我が大ガミラスの向かうところ敵なし!無敵ガミラス、敗れることなし!!」

ディッツ「慢心はなりませんぞ。小マゼラン外縁部では、外宇宙からの蛮族侵入も予断を許しません」

ゼーリック「ディッツ君、君は吾輩が大ぼら吹きだとでも!?」

ディッツ「艦隊運用の責任者として、事実を申し上げている」

ガデル「総統、蛮族どももほどなく一掃されることでしょう」

ディッツ「ドメル中将を派遣しました」

デスラー「宇宙の狼か。彼なら期待に応えてくれるだろう」

ゼーリック「クッ・・・」

デスラー「諸君、今宵は諸君の日ごろからの労をねぎらうため、ちょっとした余興を用意した」

セレステラ「今宵は、皆様方に帝国最前線の映像をご覧いただきます」

ギムレー「なぜそんなものを?」

セレステラ「それは、ご覧いただく作戦を、総統ご自身が立案されたからですよ」

デスラー「それでは諸君、ゲームを始めよう」

島「現在、本艦は地球より2300光年の地点を航行中」

大和「まだまだ、旅路は遠いですね」

古代「焦ってもしょうがないさ。もっと気楽に行こうぜ」

雪「古代くんからそんな言葉が聞ける日が来るなんて思わなかったわ」

古代「そいつはひどいなぁ」

相原「フフフフ・・・」

大和「では、次のワープ準備に入ります」

雪「6時の方向に敵艦!L級巡洋艦です!」

古代「敵の威力偵察か。艦長、撃沈しますか?」

沖田「いや、無駄な戦闘は避けるべきだ。ワープ急げ」

大和「座標、計算完了」

島「ワープ!」


大和「ワープ完了。現在、地球から3000光年の地点です」

雪「艦長!周囲の空間に大量の金属反応です!」

古代「星間物質じゃないか?」

雪「いえ、明らかに人工物です」

大和「まさか、航路を予想されて、周りに機雷を撒かれたのでは?」

雪「そのようです。未確認物体から微弱な電磁波を確認しました」

真田「おそらく、電磁波に触れると起爆する仕掛けだ。更に悪いことに、距離が近すぎて対空機銃での掃海は不可能だ」

島「障害物のせいでワープもできません。完全に移動を封じられています」

ゲール『銀河方面、作戦司令長官のゲールであります!今回、総統がご立案された作戦の、現場指揮を担当させていただけること、誠に・・・』

デスラー「もういい。ゲール君、予定の宙域に罠は設置できたのかね?」

ゲール『はっ!失礼しました!例の新型機雷は・・・』

セレステラ「デスラー機雷」

ゲール『あわわ、その、デスラー機雷は、既に前線配備を終えております!』

部下『ゲール閣下!テロン艦が罠に突入しました!』

ゲール『本当か!?まさか、この宙域に彼奴めが来ることを予想されるとは、このゲール、感服いたしました!』

デスラー「なぁに、ヒマ潰しに彼の航路パターンを解析してみてね。お楽しみはこれからだよ。では諸君、テロン人の健闘を祈って乾杯しようじゃないか」

ゲルヒン「でぁはははは!これは愉快!罠に落としておいて『健闘を祈る』か!総統も相当冗談がお好きのようでヒック」

デスラー「・・・」イラッ

ゲルヒン「ははははあああーーーっ!?」ボッシュート

デスラー「ガミラスに下品な男は不要だ」

閣僚たち「ガーレ・デスラー!総統万歳!」

古代「何とか、あの電磁波を無効化できないか?」

大和「昔の大和には消磁コイルというものが設置されていて、磁気反応機雷を無効化していたんですが、この機雷は隣のそれと通信し合っているものなので使えませんね」

真田「無いものを説明しても無駄だ。まずは、あの機雷を取り除くことを考えよう。古代、甲板部の数名を集めてくれ。新見くんとアナライザーを同行させ、解析に当たらせる」

古代「了解しました。榎本さん、お願いします」

榎本『もう準備はできてますぜ、戦術長』

アナライザー「デハ、私ノ活躍ヲゴ覧イレマショウ」

大和「いってらっしゃーい」


新見「指標FX-70に接近。アナライザー、解析お願い」

アナライザー「機雷ノネットワークニアクセス中。解析完了シマシタ。ドコカニ、機雷ノ動キヲ制御スルシステムガ存在スルヨウデスネ」

新見「自律型じゃないのね。それだけでも大きな収穫だわ。艦橋、こちら新見。応答願います」

相原『こちら艦橋』

新見「機雷をコントロールする制御システムがどこかにあるそうです。レーダーで他の機雷と違う反応を示す物体は確認できますか?」

雪『目下のところ、確認できません』

新見「そう・・・追加のシーガルと100式の増援を願います」

相原『了解しました』

艦橋

雪「3度目の空間スキャンの結果が出ました。やはり、コントロール装置のようなものは発見できませんでした」

太田「敵が攻撃を仕掛けてきたらどうなるんだろう・・・」

大和「宇宙の塵ですね」

相原「おっかないこと言うなよ。本当になりそうで困るよ」

沖田「待て。まだ時間はある」

大和「でも、厄介ですね。機雷は数㎝ずつ移動してるのに」

古代「えっ?」

大和「気づきませんでした?さっきから、機雷が5分17秒ごとに2㎝ずつ移動しているんです」

雪「・・・確かに、さっきまでの配置とズレがあります」

沖田「ヤマトの姿勢制御をマニュアルに設定。機雷と一定の距離を保て」

島「姿勢制御、マニュアルに変更。大和、後は頼んだぞ」

大和「操縦、受け取りました」ガコン


シーガル1号機

新見「それにしても、敵の司令官はお遊びが好きみたいですね」

榎本「どういうこったい、情報長の姉ちゃん?」

新見「機雷を制御できるなら、ヤマトを囲んだ時点で接触させて爆発させるはずです。しかし、敵はそうせず、時間に余裕を持たせているんです」

遠山「心臓に悪いんだな」ドキドキ

アナライザー「10時ノ方向ニ強力ナ電波ノ発信源ヲ確認シマシタ」

新見「急行してください」

遠山「うう、わかったんだな」

新見「あれが制御システムね」

アナライザー「ソウデス」

榎本「心なしか、ソフトクリームみたいだな。腹が減ってきたぜ」

新見「ふざけないでください。これより、制御システムの解体作業に入ります」

相原『こちら艦橋。了解しました』


艦橋

大和「機雷の移動を確認。艦体、傾斜角52度に設定」ガコン

雪「左舷2時方向、指標FX-13が接近中。艦体との距離、10mです」

真田「そろそろ限界が近い。新見くん、まだか?」

新見『機雷の制御システムをシャットダウンしました。電磁波と移動が停止しました』

沖田「古代、航空隊と甲板部で機雷の除去に当たれ。全て、手で排除しろ」

古代「手、ですか?」

沖田「そうだ」

古代「了解、しました」

大和「私も手伝います」

大和「まさか機雷を手で取り除く日が来るなんて、思いもしませんでした」ヒョイ

山本「篠原はコスモファルコンでいくつか牽引していますよ」

篠原『よーしナビ子ちゃん、それを向こうに放り投げてくれ』

ナビ子『了解しました。牽引ケーブル、ジェットソン』ガチャン

遠山「地味な作業でつまんないんだな」

岩田「文句言うなよ。ほらっ」ヒョイ

島『進路、オールグリーン。これよりワープ準備に入る』

相原『こちら艦橋。船外活動組は直ちに帰還せよ』

大和「これでひとまず安心ですね」


総統府

デスラー「セレステラ、最近物忘れがひどくてね。あの機雷の名前は何だったかな」

セレステラ「・・・誠に申しあげにくいのですが、総統の名を戴き、デスラー機雷と。総統の名を辱めた罪は重大、どうか、ご処分なりを」

デスラー「君が恐れ入ることはない。恐れ入ったのは、この私だ。宇宙機雷をまさか手で取り除くとは・・・」

デスラー「ガミラスの技術の粋を集めたデスラー機雷でも、そんな馬鹿なことに対策を立てていなかった。全く、野蛮人の素朴な発想には教えられる」

ゲール『その、これは、プログラムにミスがあった整備班の連中のせいで、私は・・・あらっ』ブチッ

デスラー「いやはや諸君、見事な戦いぶりだったじゃないか。これはこれで、なかなか楽しいゲームだったよ。では諸君、今宵はお開きとしよう。お休み諸君」

閣僚たち「ガーレ・デスラー!総統万歳!」

デスラー「ところで、セレステラ」

セレステラ「はい」

デスラー「あのテロンの艦は、何という名だったかね?」

セレステラ「確か、ヤマトと」

デスラー「ヤマト、か。記憶に留めておこう」

ヴェルデ「ふむ・・・」

セレステラ「どうされました?」

ヴェルデ「以前、プラード基地から報告にあった、ズピストの浮遊大陸基地を薙ぎ払った兵器だが、兵器開発局で試作中のエネルギー兵器と似ているような気がしてな」

セレステラ「まさか」

ヴェルデ「・・・」


大和「では、次のワープで銀河系を離脱します」

古代「そろそろ、旅も本格的になってきたな」

島「それじゃ、今まで古代は旅行気分で来ていたのか?」

古代「そういうわけじゃないさ。ただ、宇宙は想像していたより広いって思っただけさ」

大和「そうですね。私も敵艦を何隻も沈めて、ようやく戦争ってどんなものか、改めてわかったところです」

沖田「まだ旅は始まったばかりだ。イスカンダルへの道は遠い」


地球滅亡まで、あと322日

バラン星

ゲール「更迭される!?この私がですかっ!?」

ゼーリック『総統の作戦に泥を塗ったのである!ヤマト問題をうまく処理できなければ、貴様は司令官に落ちた吾輩の地位も危うくなる』

ゲール「お任せください閣下!なァに、テロンの艦の1隻や2隻!」

ゼーリック『わかっているだろうが!ガミラスに失敗の二文字は無い。この吾輩にも、だ』

ゲール「は、はいっ!」

ゼーリック『吉報を待っているぞ、ゲェェェル」

ゲール「ザー・ベルク!・・・はぁ」

モンク「司令、数日前より交信を絶った友軍艦の件ですが・・・」

ゲール「いい」

モンク「しかし、あの艦には、親衛隊の情報将校と・・・」

ゲール「そんなことはどうでもいい!ヤマトだ!ヤマトを探し出し、叩くのだ!」

モンク「・・・ヤマトの予想進路です。現在、この7フロム近辺を・・・」ピコーン

ゲール「私が陣頭指揮を執る!艦隊出撃ィィ!!」

文句「ゲルガメッシュ、起動準備!」

玲「・・・」

大和『本艦は、これよりワープ航法に移ります。総員、ワープに備えてください』

沢村「もう慣れっこだね」

篠原「気づいたら、もう着いてんだもんな」


島「目標座標を入力。絶対銀経、274.76度、絶対銀緯、-12.73度。距離、67パーセクの空間点」

大和「座標軸固定を確認。周りに機雷が多いですから、気を付けてくださいね」

徳川『波動エンジン、室圧上昇中。機関、圧力臨界に達した』

島「カウント省略。ワープ!」


大和「・・・っ」

島「これは・・・」

古代「いつもと様子が違うな」

沖田「状況を報告せよ」

大和「現在、ワープを、継続、中っ・・・」ガクッ

古代「どうした、大和!」

真田「なるほど、我々はワープ中の1ナノ秒を認識しているというわけか」

大和「はぁ、はぁ・・・体が、すごく重いです・・・」

沖田(自動航法室か)

真田「森くん、自動航法室を見てきてくれ」

雪「はい」

大和「う、うわぁぁぁぁぁ!!!」

古代「大和!くそっ・・・」

>>148
今気づいたけどモンクが文句になってる

>>153

やべ誤字ったww

自動航法室前通路

百合亜「あれ、私・・・」

「      」

百合亜「う・・・ん・・・」バタッ


雪「岬さん?岬さん!?」ユサユサ

百合亜「ん・・・うわぁぁ!?」

雪「大丈夫だった?」

百合亜「は、はい」


ガコン!

古代「・・・ここは」

大和「はぁ、はぁ・・・」ゼェゼェ

島「どこなんだ、ここは!?」

沖田「各部の点検を急げ」

太田「速度計、重力感知計、反応しません!スキャナーも反応なし!」

相原「超空間通信は使用できそうです」

真田「使えても、恐らくこの中だけだろう。この空間で乱反射して、外部と通信ができない。艦長、どうやら我々は、次元の裂け目に落ち込んでしまったようです」

大和「次元の結節点、つまり次元断層です。オルタのデータにも簡潔に記述されてありました・・・」ガクッ

古代「やっぱり、医務室に行った方がいいんじゃないか?」

大和「大丈夫です。ちょっと体に力が入らないだけですから・・・」

徳川『こちら機関室。エンジンから謎のエネルギー流出現象が起こっております!』

沖田「機関停止」

アナライザー「警告!警告!前方ニ未確認物体ヲ確認」

大和「それって確認済みなんじゃ・・・」

古代「冗談はいい。それより、これは・・・」

島「まるで艦の墓場だな」

真田「自力で脱出できず、永遠にここを彷徨っているのだろう」

古代「差し詰め、サルガッソーだな」

雪「特に異常はありませんでした」

真田「ご苦労」

大和「対空電探・・・すみません、コスモレーダーに感あり!前方にガミラス艦を確認!」

島「生きているぞ!」

大和「ガミラス艦、戦闘態勢に入りました」

古代「攻撃しましょう!」

沖田「泥沼にはまった2頭の獅子が相争ったところで、沈むだけだ。向こうも、それくらいのことはわかっているはずだ」

相原「艦長、敵艦が呼びかけてきています」

沖田「回線開け」

大和「翻訳完了。読み上げます。『こちらガミラス軍所属巡洋戦艦。我々はここから脱出する方法を知っている。使者を送り、脱出作戦について協議を行いたい』とのことです」

沖田「返信。『了解した』と伝えろ」

雪「コスモゼロ・アルファ2、スタンバイ」

古代「ガミラス艦より艦載機発艦を確認」

沖田「零式、発艦せよ」

相原「こちらヤマト。アルファ2、ガミラス機を第3格納庫へ誘導せよ」

大和「この空間から脱出する方法ですか・・・どうするつもりでしょう?」

島「そんな方法を知ってるなら、なぜ脱出しない!?」

古代「知りたいところだな」


オペレーター『第3格納庫、与圧調整急げ』

雪「あれがガミラス人・・・」

相原「一体、どんな奴らなんだろう・・・」

南部「人間を滅ぼそうとしていた奴らさ、きっと恐ろしい奴に決まってる!」

島「おい、ヘルメットを脱ぐぞ!」

ガミラス人『・・・』ス

南部「そんな・・・馬鹿な!」

島「見たところ、人間だな」

太田「それも、女だ!」

雪「肌は青いのね」

佐渡「不健康そうな顔色じゃのう」

真琴「佐渡先生・・・」

大和【停戦の使者を歓迎します】

メルダ【なかなか流暢に話すな。だが、わかりにくいと言っておく】ピ

メルダ「問題ない。そちらの言語は翻訳できる。それよりも一つ確認したい。これはテロンの艦か?」

古代「テロン?」

メルダ「確か『ヤマト』という・・・」

大和「はい。この艦は地球、そちらで言うテロンですか。所属の戦艦『ヤマト』です」


ガミラス艦EX-178 艦橋

オペレーター「ディッツ少尉、テロン艦に収容されました」

ネルゲ「もし、あれがヤマトなら、2等ガミラス人で運航されるこんな艦に巡ってきたチャンスだというわけだな、艦長。ギムレー長官もお喜びになるだろう」


会議室

メルダ「私は銀河方面第707航空団所属、メルダ・ディッツ。階級は少尉」

大和「この艦の雑務係、大和です」

メルダ「我が帝国の領内にも、お前たちと同じく青き肌を持たない者たちがいる」

大和「そうなんですか?」

メルダ「併合した星間国家や植民星の劣等人種である、2等ガミラス人たちだ」

大和「・・・他人を虐殺し、領地を広げる帝国は、いずれ滅びることになります。交渉する気が無いなら、即座に出て行ってもらいます」

メルダ「交渉の使者に、大量の武器を持って対する者を信用しろと?」

大和「あ・・・」

メルダ「ま、テロン人は宣戦布告も無しに攻撃する好戦的な民族だからな」

玲「戦争を始めたのは、そっちでしょ!!」

メルダ「我が家は代々、軍の重責を担ってきた家系だ。その名誉にかけ、嘘偽りはない」

大和「ごめんなさい。交渉のマナーをすっかり忘れてしまって・・・」ガシャン

数分後

大和「それでは、ヤマトが航行不能になってしまいます。何せ、エネルギーを大量に放出してしまう兵器ですので・・・」

メルダ「その心配はない。その後は、我が艦が責任をもってヤマトを曳航する。こちらには開口部を形成する手段が、そちらには形成後の推進力が必要だ」

大和「さもないと、2隻で一緒に異空間の塵と化す・・・ですか。信じていいんですね?」

メルダ「・・・」コク

大和「わかりました。ヤマトの幹部で協議してみます」


さらに数分後

玲「・・・」

メルダ「・・・」

大和「結論が出ました。あなた方を信用します」

メルダ「よかった。感謝する」

大和「しかし、こちらからも一つ、提案があるんですが」

メルダ「聞こう。何だ?」

大和「開口部からの離脱時、閉じかけている開口部が再び開く可能性もあります。そこで、しばらく艦を曳航し続けてほしいのですが」

メルダ「艦長に掛け合ってみよう」

ラング『こちらは、EX-178艦長、ヴァルス・ラングだ』

沖田「ヤマト艦長、沖田十三だ。ラング艦長。貴官の提案、感謝する」

ラング『我々も君たち同様、この空間に閉じ込められ、脱出できないでいた。こちらも、貴官の提案受託に感謝している。ディッツ少尉には、連絡係としてそちらに残ってもらう。これは、我々からの誠意の証と思ってほしい』

島「人質ってわけだ」

ラング『しかし、通常空間に出た後は敵と味方』

沖田「承知している」

ラング『貴艦と砲火を交えること、楽しみにしている』ピッ

古代「波動砲を使用したら、主砲に回すエネルギーが・・・」

大和「大丈夫です。ショックカノンのエネルギーが回復するまで、あの艦に曳航してもらうことになりましたから」

古代「そうなのか?」

大和「そこで敵の増援が来たら、鹵獲されたようにも見えます。その隙に逃げればいいんです」

沖田「そういう問題ではない。これは男と男の約束だ」

大和「す、すみません・・・」


雪「牽引ビーム、受け入れます」ガコン

沖田「非常電源に切り替え。波動砲、発射用意」

古代「セーフティロック解除。強制注入器作動。最終セーフティ解除」

大和「最終セーフティ解除確認。波動砲内、エネルギー充填率120%に到達しました」

太田「EX-178、射線上より離れる」

沖田「対ショック、対閃光防御」

古代「カウント省略。波動砲、発射!」

波動砲が発射され、前方の空間にひずみができた。

太田「ガミラス艦、本艦の曳航を開始」

ネルゲ「艦長、まさかこのまま・・・」

ラング「君は部外者だ。親衛隊隊員」

ネルゲ「・・・ッ、総統万歳!」スタスタ


大和「・・・!」

雪「牽引ビーム、切断されました!」

相原「ガミラス艦が超空間ゲートに向け、超光速通信を打ちました!暗号化され、内容は不明!」

島「奴ら、自分たちだけで・・・!」

大和「やっぱり異星人とは、わかりあえなかったのかな・・・」


ラング「やはり、そういうことか」

乗組員「艦長、私は・・・」

ラング「ゲール司令に電文を打ったのも、お前だな。この反乱行為は、後で報告させてもらう」

ネルゲ「これは反乱ではない!反逆者は艦長、貴様だ!奴らは敵なんだぞ!」チャ

バン!

副長「・・・」シュウゥゥ

玲「やっぱり・・・やっぱり、こういうことだったのね」チャ

メルダ「敵だと思うなら撃て。躊躇うな!」

玲「・・・」

メルダ「ハッ!」バキッ

メルダが山本の手首を叩き、銃を奪い取る。

メルダ「お前は戦闘機乗りなんだろう?私たちの間に、これは必要ない」


ガタン

雪「牽引ビーム、再接続されました」

島「どういうことだ!?」

大和「でも、これで助かりますね!」

太田「ガミラス艦との相対距離変わらず。通常空間まで、あと2分!」


雪「本艦は現在、通常空間を航行中」

相原「僕たち、脱出できたんだね!」

古代「ああ、助かったんだ!」

大和「波動エンジン、エネルギー70%まで回復。これなら、もう十分に戦えます!」

ラング「全艦、戦闘配置!ディッツ少尉に帰還命令!・・・ヤマトか。賞賛すべき敵だ」

オペレーター「味方艦艇、ゲシュ=タムアウト」

ゲール『EX-178、お前たちは我々の射線上にいる。攻撃の邪魔だ!そこをどけ!』

オペレーター「ゲール司令、あの艦には、まだディッツ提督のご令嬢が乗っておられるのです!」

ゲール『・・・構わん。撃て』ニヤリ


雪「ガミラス艦隊、11時方向からワープアウト!」

大和「電文の内容は、おそらく増援要請ですね」

ドゴォ!

太田「EX-178、撃沈された!」

古代「・・・!」

雪「敵艦発砲!」

大和「では、艦長。予定通りに」

島「ワープ先座標指定完了!いつでも行けます!」

沖田「艦首回頭。敵艦を裂け目まで引きつけろ」

ゴォォォォ!!

雪「開口部、再び開きました。敵艦隊、吸い込まれていきます」


オペレーター「強大な次元震を確認!震源に次元断層が発生しています!」

ゲール「撤退だ!今すぐこの宙域からジャンプしろ!」

モンク「しかし、撤退命令も出さず、旗艦が戦線を離脱しては・・・」

ゲール「死にたいのか貴様ぁ!?」

営倉

大和「こんなことになって、ごめんなさい」

メルダ「気にするな。君の情報が正しければ、艦隊の旗艦はゲール少将のゲルガメッシュだ。奴ならやりかねん」

大和「そちらにも、小物の司令官はいるのですね」

メルダ「どうやら、テロン人と我々のメンタリティは同じらしい。汚い手を使って権力を手にする者もいるだろう」

大和「・・・ひとまず、ガミラスの基地に近いところで解放することにはなりました。その間は我慢してください」


島「ゲール?」

大和「銀河方面艦隊の指揮官みたいです。日和見主義者だとメルダが吐き捨てていました」

沖田「これからの航路で注意すべきは、バラン星に存在するガミラスの基地だな」

古代「かなりの反抗が予想されます。今度は、波動砲を使うという選択肢も視野に入れておくべきかと」

沖田「そうだな。制圧しておかねば、挟撃される恐れも出てくるかもしれん」

島「日程の問題もあります。現在、予定から20日ほど遅れが出ています」

大和「20日か・・・まだ、どうにかなる範囲ではありますけど、これ以上遅れるとマズいですね」

島「いや、絶対に何とかしてみせるよ」

小浜「航海長、このバランって、ヤマト計画本部でつけた名前なんですか?」

大和「ユリーシャが来た時に見せてくれた航海日記に、バランという名前がありました」

小マゼラン銀河外縁部

ディッツ『ドメル、君に召還命令が出た。特一級デスラー十字賞が授与される』

ドメル「お言葉ですが、ここは帝国防衛の要です。そんなことで、指揮官が前線を離れるわけにはいきません」

ディッツ『わかっている、これは政治パフォーマンスだ。だが、総統には何かお考えがあるらしい』

ディッツ『・・・増援に、ルントの第8任務部隊を派遣した。グデル麾下の空間機甲群が、そちらに移動中だ。後はそちらに任せたまえ』

ドメル「・・・わかりました」

ディッツ『では、バレラスで会おう』

ドメル「ザー・ベルク」ビシッ


医務室

佐渡「DNA配列も同じじゃな。肌の色以外は、我々と変わらんっちゅーこっちゃ」

大和「星が違えば、そこに生きている生物も変わると思っていましたが、そうではないんですね」

メルダ「他にも多くの惑星を見てきたが、たいていの知的生命体は我々ガミラス人と同種の塩基配列を持つ。中には例外もいるが、それはごく少数だ」

大和「例外とは?」

メルダ「ウエスト恒星系を拠点として活動する、SUSと名乗る者たちだ。時々天の川銀河のバルジ付近に出没し、惑星を滅ぼしていると聞く」

メルダ「彼らは異次元から来た生命体のようだ。それ以上は謎に包まれている」

真琴「異次元にも生命体っているんですね」

大和「宇宙は広いです」

映写室

ナレーター『時に、西暦2191年4月1日、天王星の監視ステーションが太陽系に侵入する地球外文明の宇宙船らしき存在を光学映像で捉えました。国連宇宙軍は、内惑星艦隊を直ちに召集、ここに史上初の太陽系外の敵に対する防衛行動が発令されたのです』

ナレーター『日本からは、艦艇38隻が参加。指揮を執るのは、内惑星戦争で有名を馳せた、沖田十三提督・・・』


大吾『お父さんは戦いに行くんじゃない。宇宙人とだって、きっと友達になれるさ』

大介『本当に!?』

大吾『ああ、希望を持つんだ』


大和「よくできた政府広報ですね」

島「どういう意味だ?」

大和「国家同士で戦争を起こすには、何らかの政治的なパフォーマンスが必要です。たとえば、国民の不安や正義感をを煽ることがそうです」

大和「しかし、戦争になってからも、プロパガンダは大きな意味を持ちます。大東亜戦争では、アメリカ政府が日本を『奇襲攻撃を仕掛けた卑劣なアジア人』と国民に呼びかけ、正義感を煽りました」

大和「日本では、石油制裁を仕掛けた連合国を『鬼畜米英』と呼び、国民の不安と反欧米感情を煽りました」

島「何が言いたいんだ、君は?」

大和「情報は操作されるものです。私はそれを、宇宙戦艦ヤマトとして生まれ変わって初めて知りました。じきにあなたも、その意味をよく理解すると思います」

島「待てよ、大和!」

大和「・・・」スタスタ

島「何なんだ、一体・・・」

山崎「航海長、少しお時間を戴いてもよろしいでしょうか」

島「え、ええ」


島「何ですか、話って」

山崎「・・・自分は、亡くなられた航海長の父上の艦に乗っていました。お話したいことは、司令部から緘口令を敷かれているものです」

山崎「しかし、自分はそれを破ります」

島「え・・・」


大和「『悪魔のような敵を、絶対に許してはならないのです』」

沖田「大和か。急にどうした?」

大和「政府広報20110707番の、最後のセリフです」

沖田「君は、ガミラスとの戦いをあまり知らなかったな」

大和「いえ、全て知っています。司令部のメインコンピューターに全て保存されていました。本来なら改竄または抹消されてもおかしくないレベルのものです」

沖田「・・・我々は、過ちを犯した。それは事実だ」

大和「そうですね。しかし、ガミラスも酷いことを色々しています。・・・一体、どっちが悪魔かわかりませんね」

2091年 天王星付近

芹沢『攻撃したまえ、沖田くん!』

沖田「人類初の異星文明との接触だぞ、性急に過ぎる」

芹沢『静観して手遅れになったらどうする!?これは中央司令部の決定だ!』

沖田「馬鹿な!!」

通信士「先遣のムラサメから入電。『我、異星船と遭遇。指示を乞う』です」

芹沢『これ以上話しても埒が明かないようだな。沖田くん、軍務局長の権限で、君を解任する!』

沖田「!?」


駆逐艦ムラサメ 艦橋

芹沢『中央司令部の芹沢だ。ムラサメはエイリアンの宇宙船に対し、直ちに要撃行動に移れ』

島「しかし、沖田提督の指示は・・・」

芹沢『沖田くんは解任された。これは命令である』


砲雷長「第2砲塔被弾!損害大きい!」

山崎「推力、80%ダウン!」

島「総員離艦!」

山崎「離艦・・・ですか」

島「この艦はもうもたん。機関長、君は下へ行って離艦指揮をしてくれ」

山崎「しかし・・・」

島「異星人とも友好関係を築ける。息子にもそう言ったんだ。それが、それを我々が・・・早く行け。これは命令だ」

山崎「総員、離艦だ!」

ドゴォ!

山崎「艦長おおおお!!」

島「大介っ!希望を、持て・・・っ!!」ヒュオオオォォォォ


山崎「それからどうしたのか、どうやって脱出したのか、覚えていません。既に戦闘は終わり、一緒に脱出したはずの戦友の姿も、ありませんでした」

島「嘘だ!デタラメだ!」ダッ


艦橋

島「大和!」

大和「あ、島さん。どうされ・・・っ!?」ガッ

島「あの時の言葉がようやく分かったぞ!お前もガミラスの肩を持つつもりか!?」

大和「・・・そのことですか。私は地球のことが好きですし、ガミラスの肩を持つ気もありません。しかし、国連軍司令部内で色々あったのは事実です」

島「嘘だ!奴らは狡猾で、卑怯な、人の皮を被った悪魔だ!」

大和「いいえ、彼らも我々と同じ知的生命体です」

島「・・・もういい。君とは話にならない」

大和「そうみたいですね」プイ

大和(芹沢虎鉄・・・あなたがしていることは地球のためにならないと、なぜわからないの!?)イライラ

矢矧『らしくないわね』

大和「矢矧ちゃん・・・」

矢矧『天一号作戦の時から、ずっとそんな調子ね。私が知ってる大和は、もっとお淑やかな人だったわ』

大和「そ、そうですね。けど、やっぱり頭に血が上っちゃって・・・」

矢矧『色々、思うところはあるでしょ。けど、一旦冷静になって考えるのも手じゃないかしら?』

大和「冷静に、ですか。では、メルダ少尉の尋問は古代さんにお任せしましょうか」

矢矧『今はそうする方がいいかもね。でも、何か伝えるべきことがあるんじゃない?』

大和「伝えるべき、こと?」

矢矧『彼女は地球のことを完全に信用していない。乗組員も、少なからず恨みを抱えているわ。この艦で一番中立に近い立場にいるのは、あなたなの』

矢矧『彼女が解放されるまでに、信頼を勝ち取ってきなさい』

大和「は、はい。では、尋問に行ってきます!」

矢矧『今行くの?』

大和「ちょっと頭が冷えました。ありがとうございます」ペコリ

大和『あなたの尋問を正式にすることになりました』

伊東「フッ、これはこれは。お手並み拝見ですね」

バタン

星名「あれ、交代は2時間後ですよ?」

玲「・・・」


大和「こんなことになってすみません・・・」

メルダ「メルダ・ディッツ少尉。認識番号3817529」

大和「えっと、私が言いたいのは捕虜条項のことで・・・」

メルダ「我々に帰順すれば、寛大な措置が与えられる。しかし拒否すれば、殲滅するだけだ」

大和「あなた方は、別の惑星でも侵略行為を続けてきたんですか?信用に足る言葉とは思えません」

メルダ「我々は約束を違えない」

大和「しかし、侵略者が被侵略者を不当に扱うのは、どこでも一緒です。あなた方には知られていなくても、どこかで不当な差別や虐殺が行われているかもしれません」

メルダ「・・・っ」


伊東「これが尋問ですか。ただの口論にしか見えません」

星名「まずは信頼関係と行きたいところですけど、難しいですね」

伊東「信頼関係を築いた後で、何もないといいんですけど」

星名「え?」

伊東「彼女も人間ではありませんから。得体の知れないものとの信頼関係なんて幻想ですよ」

ピッ

大和「さて、これでいいですね」

メルダ「何をした?」

大和「監視室の映像をリアルタイムで編集しています。保安部の方々には、まだ言い争いをしているようにしか見えないでしょう」

メルダ「・・・なぜ、そのようなことをする」

大和「私の行為は、間違いなく乗組員たちを刺激するものですから」ニヤ

メルダ「・・・」

大和「山本さんや島さんは、あなた方が先制攻撃を仕掛けてきたと思っています。しかし、それは間違いです」

メルダ「言ったはずだ。我々は名誉にかけて嘘は言わない」

大和「でも、わかってください。あれは軍務局長による独断専行でした。私たちの総意じゃありません」

メルダ「政府の判断は国家の判断だ」

大和「政府全体の判断ではありません」

メルダ「では、お前たちの目的はなんだ?このヤマトの行く先はどこだ?」

大和「戦争をしに来たわけじゃありません。私たちの目的は、とある惑星に行って、地球を元に戻すシステムを受け取ることです」

大和「あなた方が何もしなければ、私たちもあなた方に干渉しません。ですから、もう手を出さないでください。お願いします・・・」

6月あたりから忙しくなるので更新が遅くなるかもです

訂正 >>170
2191年

今年の日付を確認した直後だったから仕方ないね

営倉

玲「勝負しなさい」

メルダ「・・・受けて立とう」


真田「調査の結果、この星系に敵の前線基地が存在する可能性が高いことがわかりました」

島「回避航路は既に策定済みです」

沖田「いや、このまま進む。そこでディッツ少尉を解放する」

島「自分は反対です!もし彼女がスパイだったら・・・」

沖田「決定に変更は無い」

島「地球が先制攻撃を仕掛けたなんてデマを流す女なんですよ!」

大和「落ち着いてください!」

古代「どうしたんだ。お前らしくないぞ」

島「君だって兄さんを亡くしたんだ。本当はメルダを信用なんてしてないんだろ?それに、大和はガミラスの肩を持つ女だ!」

大和「違います!」

古代「・・・」

島「何だよ、その顔は!」

ピピーッ、ピピーッ

相原『こちら第1艦橋!係留中のガミラス機が発艦しました!』

古代「誰が乗っている!?」

相原『メルダのようです』

島「脱走したんだ・・・」

相原『それと、メンテナンス中のファルコンも1機発艦しましたが、どなたか追撃命令を出されましたか?』

古代「何だって!?」


相原「ファルコン応答せよ!」

古代「ファルコン、誰が乗っている!?応答しろ!何をするつもりだ!?」

ブチッ

古代「・・・っ、大和、あれには誰が乗っている!?」

大和『仇をとるためでしょう』

古代「は・・・?」

大和『大丈夫です。両機の武装は私がロックさせてもらいました。でも、ファルコンはエンジントラブルがあるものだったので・・・あっ!』

古代「まさか、墜落の可能性があるのか!?」

大和『直ちにシーガルを出してください!第5救助班、直ちに右舷下部格納庫に集合!搭乗完了次第、発艦してください!』

コスモファルコンが赤いツヴァルケを追跡する。

古代『こちらヤマト!応答せよ!誰が乗って・・・』ブチッ

2機は小惑星群に突っ込む。

玲「・・・っ!」カチ

SID『現在、武装はロックされています。発射不能』

玲「!?」

山本が武装に気を取られている隙に、ツヴァルケがファルコンの後ろに張り付く。


メルダ「ッ!」カチ

管制システム『武装ロック中』

メルダ「何だと!?」


SID『ロックオンされました』

玲「・・・!」キィィィン

ドゴォ!

SID『警告!警告!エンジントラブル発生!このままでは機体を維持できません!エンジン内圧力異常値、10秒後に臨界点!』

メルダ『脱出しろ!早く!!』

玲「ぬうっ!」ガシャン

ドゴォォォ!

玲「・・・」

赤い戦闘機から人影が出現する。彼女は山本に手を差し伸べた。

玲「兄、さん・・・」

2人は手を取り合い、お互いを見つめる。

大和『無事ですか!?』

真琴『無事みたいですっ!よかったぁ』


医務室

雪「気が付いた?」

玲「ここは・・・?」

雪「ヤマトよ。メルダが助けてくれたの」

玲「メルダが・・・ふふ、やられたな」

雪「彼女、もうちょっとで出発するはずよ」

玲「雪さん、私は・・・」

雪「6日間の営倉入り」

玲「当然ですよね。でも、スッキリしたかな」

左舷第3格納庫

大和「お別れですね。ちょっと寂しくなります。ちょっとしたものですが、食料4日分を入れてあります」

メルダ「あの時、彼女を放って逃走するとは思わなかったの?」

大和「私は信じていましたから。でないと、格納庫のロックまでは外しませんでした」

メルダ「何でもできるんだな。・・・君はいい腕をしている」

大和「えっ・・・?」

メルダ「そう、彼女に伝えて」

大和「はい。確かに。では、お元気で」


ツヴァルケはヤマトの艦橋前で翼を横に揺らし、合図を送る。

大和「さようなら。また、どこかで会えるといいですね」

沖田「進路変更。次のワープ準備に入れ」

島「・・・了解、しました」


艦隊これくしょん外伝 ~宇宙戦艦ヤマト・遥かなる星イスカンダル篇~ 前編 了

地球滅亡まで、後320日

とりあえず、今まではアニメ通り進めてきました。
次から本番と考えてください

大和「今回が、銀河系離脱後初のワープですね」

島「まだ目の前には13万光年という未知の空間が待ち受けている。安心するのはまだ早い」

真田「ここまで来れば、敵の追撃も少なくなるでしょう」

徳川「どういうことだね?」

新見「文明を発生させる条件、つまり恒星系の数を考えると、ガミラス星は銀河系内に存在すると考えるのが自然だからです」

南部「言われてみれば、そうだよ!」

古代「何にしても、ガミラスとの遭遇率が低くなるのは助かるなぁ」

島「お前は暢気だな。全く、呆れるよ」

古代「どういう意味だ?」

島「緊張感が欠けてるって言ってるんだ」

古代「ちょっと待てよ、俺のどこが緊張感が無いって言うんだよ!」

島「つまらない理想主義もいい加減にしろっていうことさ」

古代「メルダのことを言っているのか!?」

島「所詮、彼女はガミラス人だ!」

古代「それとこれとは関係ないだろ!」

島「じゃ、お前はメルダの言った話を信じるんだな!?俺たちが先に戦争を仕掛けたっていうんだな!」

南部「まぁまぁ君たち」

古代・島「お前は黙ってろ!」

沖田「バカモノ!!」

古代・島「ううっ」

解析室

大和「喧嘩するほど仲がいいって言いますけど、今回は本気でしたね」

アナライザー「大和サン、アイツラヨリ私ヲ見テクダサイ。私ノ方ガ賢ク、カッコイイデス」

大和「んもう、そんなことより、オルタ用の大容量記憶メモリを取ってきてください」

アナライザー「ハイ」

大和「あら、お仕事が早いですね」

アナライザー「何度モ言ウヨウニ、私ハ天才デス」

大和「さて、これで人間の精神を取り込んでも正常に稼働できますねー」

アナライザー「無視シナイデクダサイ」

大和「はいはい。あっちで南部さんと遊んできましょうねー」

アナライザー「ヤローニハ興味アリマセン」


波動砲砲口内

古代「全く、あのクソオヤジめ。『お前たちには士官としての自覚が無い』ってね。これじゃ小学生の罰当番だって」

古代「おい、ここ早く終わらせて、次行こうぜ」

島「こっちは終わった」

古代「今、食堂で『期間限定・天の川ランチ』ってのをやっててさ。今度食いにいかないか?」

島「・・・」

古代「ったく・・・」


カウンセリング室

新見「そう。助かったわ」

藪「は、はい!」スタスタ

新見「・・・」ニヤ

帝都バレラス 総統府

デスラー「何だね、2人揃って」

セレステラ「ドメル中将への叙勲式の用意ができました」

デスラー「わかった。ギムレー、君の方は?」

ギムレー「秘密警察の内定で、新たに判明したことをお知らせに参りました。国内の不穏分子についてです」

デスラー「君に任せるよ。手段は問わなくともよい」

ギムレー「手際よく処理いたします」

デスラー「そんなことよりも・・・」ピッ

セレステラ「例のテロン人の艦ですね」

デスラー「彼らはどこを目指しているのか、どこに向かって旅を続けているのか、それがどうやらわかったよ」

セレステラ「・・・」

デスラー「では、行こうか」

侍女「ご着衣は用意できています」ス

臣民たち「ガーレ・ドメル!ガーレ・ドメル!」

ドメル中将が乗る車に、一人の少女が近づく。

ドメル「止めろ」

少女「我らが将軍!」

ドメル「ありがとう」


盛大な拍手に迎えられたドメルは、閣僚たちが見守る中、デスラー総統の前に立った。

ドメル「ガーレ・フェゼロン」ビシッ

デスラー「私がなぜ、君を前線から召還したのか、測りかねているようだな」

ドメル「小マゼラン辺境は、帝国防衛の要です。指揮官の不在は敵を利することになります」

デスラー「実は、銀河方面でちょっとした問題が起きてね」

ドメル「噂は耳にしました。我々の包囲網を突破している、テロンの宇宙船ですね。あのシュルツも、それで戦死したとか」

デスラー「その野蛮人の艦を、君に討伐してきてもらいたいのだ」ス

ドメルの胸に金の勲章が与えられる。

デスラー「行ってくれるか?」

ドメル「自分は帝国と総統に忠誠を尽くす軍人です。ご命令とあらば」

ゼーリック「彼こそガミラスの輝ける星である!」パチパチ

ヴェルテ「君も上級大将に昇進か。心配なのは、君が国民の間で、人気が高いことだ」

ディッツ「気を付けろ。総統の取り巻きには、君の成功を快く思っていない者が多い。赴任先のゲールは、もみあげゼーリックの腰巾着だぞ」

ドメル「私は政治には興味ありません。提督に一つ、お願いがあります。例の特務艦を、自分にお貸し願えないでしょうか?」

ディッツ「アレをか?」

車が急に停止する。

ディッツ「どうした?」

運転手「親衛隊の検問です」

親衛隊隊員「身分証を」

運転手が窓を開けると、隊員は銃を下す。

親衛隊隊員「失礼しました」

ヴェルテ「何かあったのかね?」

親衛隊隊員「洋上プラントでサボタージュです」

ヴェルテ「あれは?」

親衛隊隊員「摘発した反乱分子です」

ドメル「見たところ、一般人のようだが?」

親衛隊隊員「関係ありません。ギムレー長官の指示で、収容所惑星送りです。どうぞお通りください。ガーレ・デスラー」

ディッツ「ギムレーめ・・・」

ドメル「バレラスも、変わりましたね」

ヴェルテ「その通りだ。バレラスは変わった」

墓地

エリーサ「・・・あなたが、この日を覚えているとは思わなかった。これは救いね」

ドメルは小さな墓の前に、少女からもらった花束の一部を供える。

ドメル「総統命令で一時帰国した」

エリーサ「そう・・・」


少年1「おっ、こら、待てよ!」

少年2「ロクロック鳥だ!」

エリーサ「生きていれば、ちょうどあのくらい。総統のご用事は何だったの?」

ドメル「銀河方面軍の指揮を命じられた。」

少年1「あっ、ガーレ・ドメル!」ビシッ

ドメル「・・・」ビシッ

エリーサ「銀河系は遠いわ・・・」

ドメル「ああ」

エリーサ「とても、遠い・・・」

ドメル「ああ」

ドメル(セレステラ情報相まで出てくるとは・・・あのテロン艦は、どれほどの力を持っているんだ?)

星名「山本三尉、現時刻を以て、懲罰解除です。6日間のお勤め、ご苦労様でした」

玲「・・・あ」

加藤「もう馬鹿するんじゃないぞ」

玲「大切な機体を1機、失ってしまいました」

篠原「お前が無事だってのが大切なンだよ」

加藤「ま、そういうこった」


艦長室

大和「失礼しました」

古代「あれ、大和?」

大和「あら、古代さん。お掃除、ご苦労様です。甲板部がちょっと手抜き掃除をしていたもので、ちょっとスッキリしました」

沖田「古代か。ちょうど、お前に会いたかったところだ」

古代「え・・・?」

大和「では、私はこれで・・・」

沖田「良ければ、一緒にいてくれ」

大和「なら、お言葉に甘えて・・・」

沖田「わしはあの時、命令違反を犯した。先制攻撃に反対して、解任された」

古代「そうだったんですか」

沖田「正しかったと思うか?」

古代「思います」

沖田「命令に逆らう。軍人としては間違った行動だ。あってはならない」

古代「しかし、それは・・・」

沖田「だが、軍人であっても1人の人間として行動しなければならない時もある」

沖田「もし、それが命令であったとしても、間違っていると思ったら立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ。そうわしは思う」

古代「・・・」

大和「私は、その命令を無視できずに沈みました。数隻の僚艦と、7000の将兵と共に」

大和「戦争は、わからないものですね」


島「・・・例の期間限定ランチ、いつまでだ?」

古代「来週まで、だったかな」

島「明日なら空いてる」

古代「オーケー」

雪「ふふ」ニコ

ボーヘン「点火まで、5、4、3、2、1、点火!」

ハイニ「へい、最後の1本、散布終了ぉ、っと。全く、何スかありゃ?」

フラーケン「さあな」

ハイニ「さあなって、補給を受けたかと思ったら、こんな中身もわかんねェモンばらまけってオィ、俺たちは便利屋じゃねえ、戦争やだっつの!ったく・・・」

フラーケン「そう腐るな。次の任務は、デスラー総統じきじきの特命だ」

ハイニ「ェ、んじゃヤマトのヤローは?俺たちはドメル司令の指揮を離れるんで?」

フラーケン「ああ。ヤマトの始末は、あの女狐がするらしい」


オペレーター『時空変動、ゼル50からゼル70まで。到着時刻に変更なし』

艦隊数隻を引き連れたドメラーズⅢ世とシャングリ・ラーがバラン星の基地に到着した。シャングリ・ラーはバラン鎮守府とは違う建物に接舷する。

ドメル「デスラー総統の命令を伝える。タム12の8を以て、小マゼラン防衛司令部ドメル、銀河方面作戦司令長官に任命する。なお、先任のゲールは、副司令としてドメルの指揮下に入れ。以上だ」

ハイデルン「閣下、フラーケンより入電。狼はお婆さんの家に入った、だそうです」

ゲール「何かあったのですか?」

ドメル「ジレルの魔女が何かをするらしい」

100式空間偵察機

雪「敵艦影なし。異常ありません」

古代「ご苦労だった」

雪「銀河系か・・・」

古代「ああ、あの光の洪水の中に、俺たちの地球がある。そして、目指すイスカンダルは、大マゼラン銀河の中だ。まだまだ遠いな」

雪「ねえ古代くん、操縦、交代しない?」

古代「ダメ」

雪「哨戒任務も終わったし、いいじゃない」

古代「大事な機体を失いたくない」

雪「それ、どういう意味!?」

大和『お2人とも、あのぅ・・・会話が筒抜けですよ?』

古代・雪「!?」


大和「うーん、ちょっと困りものですね」

南部「何なんだよコレ・・・」ユビクワエテキー!

島「いひひ・・・あれ、雪?」

西條「本当ですね」

ララララ・・・

大和「ぎゃあああぁぁぁあああぁぁアアァァアァァアァァkbg;うぇあm;hmほう♂ごwgfみwm;p🙇!!!!!」

大和『うわ、うわあああああアアアアアア』ブチッ

古代「どうした大和、ヤマト!応答せよ!」

雪「操縦系移行!帰投します!」

古代「森くん!?・・・あ、あれ!」

2人の目の前に、一切の照明を落として回転するヤマトが出現した。

古代「どうなっているんだ・・・」

雪「格納庫にアクセスできない・・・」

古代「SID、このまま回転を維持」

雪「これからどうするの?」

古代「整備用エアロックを使う」


艦橋

古代「みんな、どこ行ったんだ?」

雪「アナライザー?・・・ダメ、完全に止まってる」

古代「管制制御システムは生きているみたいだな」

グィィン

制御システム『航路変更、認証しました』

古代「ダメだ、アクセスできない」

雪「でも、艦が動いているということは、航法管制システムは無事な証拠」

古代「直接アクセスできるのは、中央電算室、そして・・・」

雪「自動航法室」

古代「この状況は普通じゃない。この艦に、何かが起こってる。だが一体、何が・・・?」


中央エレベーターホール

雪「自動航法室と中央電算室。2手にわかれる?」

古代「いや、この状況でそれはマズい」

雪「わかった」

古代「ん?」

雪「どうしたの?」

古代「大和だ!」タッタッタ

古代「大和!大和!」ユサユサ

大和「ん・・・あ、おはようございます、古代さん」

古代「一体何があった?」

大和「窓の外に雪が降っていて、その後はよく覚えてません・・・」

古代「この艦はどこに向かっている?」

大和「わかりません・・・」

古代「仕方ないな。森くん・・・森くん?あれ、大和もどこに行ったんだ?」

ジリリリリ

古代「・・・?」

【思い出通話がご利用できます】

古代「もしもし・・・」ガチャ

5、4、3、2、1


0


呉軍港

武蔵『お前はどこにいるんだ?』

大和「どこって、銀河系の外です」

武蔵『お前がいるべき場所はそこではないはずだ』

大和「でも、戦わないと・・・」

武蔵『誰と戦う?』

大和「そ、それは・・・」

女「あなたは誰と戦っているの?」

大和「私は・・・米国です」


パチパチパチパチ

古代「・・・」

守「これが地球だ」

古代「兄さん?」

ナレーター『1945年、戦艦大和は天一号作戦に参加するため・・・』

古代「大和?」

守「新たなパートナーを紹介しよう」

『コンニチハ、ハジメマシテ』ニヤリ

古代「・・・!」


中央病院

雪「・・・ここは?」

女「中央大病院よ」

雪「何も思い出せない・・・」

女「頭を強く打ったから、記憶障害を起こしているのよ」

ラララ・・・

雪「・・・?」

ユリーシャ「・・・」

女「」

ニュースキャスター『空襲警報が発令されました!空襲警報が発令されました!空襲・・・』ブチッ

酒匂「やだぁ!あたしもつれてってよぉ!」

矢矧「ダメよ。この作戦には参加できない。いえ、させないわ」

大和「あなたは生きて、戦後の日本を支えてください。そして、後世の日本を守ってください」

酒匂「やだ!やだよ!」

矢矧「ダメ!」

酒匂「ぴゃぁ・・・」シュン

朝霜「朝霜、ただいま到着いたしましたっ!」

大和「響ちゃんは?」

朝霜「それが、触雷して動けなくなっちゃったから、作戦には参加できないんです・・・」

大和「・・・わかりました。では、行きましょう」

酒匂「やだ!やだ!」

大和「では、私たちが無事に帰ってきたら、今度こそ一緒に作戦行動しましょ」

酒匂「・・・うん」コク

大和「待っててくださいね」ナデナデ


矢矧「大和は嘘がヘタね。私たちに支給された燃料、重油タンクの底に溜まってたものばかりじゃない」

大和「こうでもしないと、酒匂ちゃんは言うことを聞かなかったと思ったので。では、アメリカ軍に一矢報いに行きましょう!」

矢矧「えっ?」

大和「えっ」

ユリーシャ「それは、あなたが持っていて」

女「バカな・・・そんな・・・っ!なぜお前がここに!?」

ユリーシャ「大丈夫よ、雪」


百合亜?「雪!」

雪「岬・・・さん?」

百合亜?「みさき・・・はてな」

百合亜「この艦は動いてる。波動エンジンがついてる」

雪「何言ってるの?ほかのみんなはどこ!?」

百合亜?「目覚めたらここに立ってた。・・・この艦はワープする。その先に彼らは待ってる。この艦は拿捕される」

百合亜?「この艦には、波動エンジンがついてる。ならば、波動コアを抜けば停止する」

雪「そうか・・・岬さんはここで待ってて!」タッタッタ


~♪

古代「兄さん・・・?」

守「進、男ならもう泣くな」

進「えぐ・・・うん」

守「昔、父さんに貰ったハーモニカだ。これは、お前が持っていろ」

古代「・・・」コク

管制システム『ワープ開始まで残り120秒』

雪「・・・」タッタッタ

管制システム『残り80秒』

雪「機関室・・・!」

機関室に大勢の乗組員がいた。彼らは光に包まれている。

管制システム『残り5、4、3、2、1』

雪「アクセスコード入力・・・と」ピッ

管制システム『森専務長のアクセスを承認。ワープ緊急停止。波動エンジン強制停止シークエンスを実行します』

雪「・・・」ピッピッピ

管制システム『量子フライホイールは多元運動量の保存を完了。再起動時に備え、余剰エネルギーを予備コンデンサに保存を完了。各セクションへの電力供給を遮断』

雪「波動防壁展開完了。波動コア接続遮断」

管制システム『音声入力による波動コア遮断シークエンスを開始。コアコンジットベイ内に波動防壁を展開します。波動コアは、安全に取り出すことができます』

土方「雪、何てことしてる!」

雪「おじ様・・・」

土方「それを早く元に戻すんだ」

雪「でも・・・」

女「これは命令よ。そうしないと、地球は滅んでしまうわ」

雪「滅ぶ・・・地球が?」

女「そうよ。たイせつナ、フるさとガ」

雪「・・・ハイ」

紀子「守、遅いわね」

剛「飛行機が遅れているんだろう」

古代(・・・ここに、僕はいなかった)

古代(宇宙港に兄さんを迎えに行って、そうしたら、あれが・・・)

剛「バカナコトイウナ」

真希「チキュウハヘイワヨ」

紀子「センソウナンテオコッテイナイノ」

古代「・・・戦争は、あるよ」

古代「敵はガミラスだ。そして、ここに遊星爆弾が落ちて・・・」

古代「みんな・・・」

古代「死んじまったんだッ!!」


パリィィィィン

大和「そうです!敵はガミラス。私たちは宇宙戦艦ヤマトの乗組員です!」

古代「大和!無事だったんだな!」

大和「機関室に急いでください!森さんが危険です!」

古代「雪っ!!」ダッ

古代「雪っ!!」バンバン

リンケ「・・・痛いじゃない」

古代「!?」

大和「ここは私が!」ガッ

リンケ「なっ!?」

大和「残念でしたね。私たちはそう簡単に拿捕されたりしません!ガミラスの情報、貰いますよ」

リンケ「うわ、うわああああ!!」

大和「まさか、オルタの大容量記憶メモリが役に立つとは思いませんでした。あなたの精神はそこに保存させてもらいます。要するに、人質です」

リンケ「やめろ!やめろぉぉ!!」


アケーリアス遺跡

女士官1「リンケ特務官の精神、テロン艦の情報記憶媒体に囚われた模様」

女士官2「送られた情報の保存終了」

セレステラ「・・・艦隊出撃」

女士官3「しかし・・・」

セレステラ「出撃命令よ。聞こえないの?」

女士官3「了解!シャングリ・ラーの起動準備にかかれ!」

何が起こったのかわからなかったが
アニメ見てないとわかりにくい展開だね

亀だけど200とかバグってる感じを再現したかったんだろうけどもうちょっとお淑やかに出来なかったのかwwww
ともかく応援してます、ちょくちょく旧作の要素も拾ってくれてるのが嬉しいです。

>>214
自分の力不足ッス。精進するッス

>>216
その辺はやっぱりマズかったかな

古代「結局、あれは何だったんだ?」

雪「みんな、自分が一番大事にしている思い出を見ていたらしいわ」

古代「君はどんな夢を見たんだい?」

雪「私は・・・会えたよ。大切な人と」


解析室

新見「オルタの記憶メモリに、ガミラス人の精神を保存したっていうの?」

大和「はい。ガミラスについての情報はほとんど手に入れましたし、上手く行けば交渉カードにもなりえます」

新見「交渉?」

大和「彼女はジレル人というアケーリアス系民族で、現在の生き残りは彼女を含め2人だけです。それに、もう一人は帝国政府の重要人物ですし」

真田「人質、というわけか」

大和「そうです。それも含め、彼らはこの艦に関する重大な情報をいくつか手に入れました。例えば、波動砲の詳しい原理などです。容易に手は出してこないでしょう」

新見「それだけで手を出してこないという保証はないわ」

大和「私たちにはジレル人以上の切り札があります。ご心配なく」スタスタ

真田「・・・」

作戦司令室

島「・・・それ、本当なのか?」

大和「はい。バレるのも時間の問題でしたので、今話すことにしました」

太田「ガミラス星が、イスカンダル星の隣にあるなんて・・・」

大和「私はイスカンダルからもたらされた宇宙図の全てを覚えています。ですから、本来なら自動航法室は必要ない区画です」

古代「じゃ、何で自動航法室は動いているんだ?」

大和「艦の最重要区画の1つだからです」

南部「君の言うことはつくづく理解できないね」メガネクイッ

大和「含みのある言葉って、ちょっとカッコイイじゃないですか」ニコ

真田「そんなことより、ビーメラ星付近に存在するという亜空間ゲートのことだ。これを使わない手は無い」

大和「そんなことっ・・・!?」

沖田「進路は決まったな。島、2時間以内に航路の策定を済ませ、艦長室まで報告しろ」

島「了解しました」

沖田「では、解散・・・おぉ・・・」バタッ

古代「艦長!!」

大和「いけない!医務室の佐渡先生、直ちに作戦会議室にお越しください!」

医務室

佐渡「・・・いかんな。すぐ手術じゃ」

古代「佐渡先生、艦長のご病気は何ですか?」

佐渡「・・・」スタスタ

大和「大丈夫でしょうか・・・」

古代「大和、君は何か知っているだろう?教えてくれ」

大和「その、私は・・・ごめんなさい、知りません」

古代「もういい」スタスタ

大和(ごめんなさい、これも沖田艦長の意向なので・・・)


シャングリ・ラー 艦橋

女士官1「ビーメラ星のゲシュ=タムの門、開きました」

セレステラ「・・・」

女士官2「セレステラ様」

セレステラ「総員戦闘準備のまま、ゲシュ=タムジャンプ準備にかかれ」

女士官2「了解しました」

沢村「聞いた?ガミラス星のこと」

椎名「はい。しかし、信じられないような話ですね」

篠原「ってことは、俺たちは敵地にまっしぐらに向かっていたわけだ」

玲「何を言っても始まらないわ。今は、とにかく作戦に集中することよ」

椎名「・・・失礼しました」ビシッ


大和「沖田艦長のことといい、ガミラス星のことといい、艦内は依然より暗くなってきたような気がします」

雪「誰でもそうなっちゃうわよ。私も、ちょっと不安だし」

大和「そんな風には見えませんけど」クスッ

雪「ほんっと失礼しちゃう」

アナライザー「私ハ風。突風デス」タッチ

雪「きゃっ!」

大和「アレとどっちが失礼ですか?」

雪「あっちよ!」プンスカ

大和「うふふふ・・・」

雪「アナライザーったら、あれをどうにかしてほしいわ」

大和「そうですね・・・!?」

雪「?」

大和「電探に感あり!12時方向より敵艦ワープアウトしました!」

真田「艦長の容体悪化のため、副長の私が指揮を執る」

相原「旗艦と思われる戦艦から呼びかけがあります!」

大和「ハイゼラート級航宙戦艦『シャングリ・ラー』です。言語を日本語に翻訳。スクリーンに投影します」

セレステラ『宇宙戦艦ヤマトに告ぐ。直ちに精神状態となったわが軍の捕虜を解放しなさい』

真田「宇宙戦艦ヤマト艦長、真田だ。その要求は受け入れられない」

セレステラ『捕虜を引き渡さないなら、殲滅するのみ』

真田「捕虜の引き渡しには、こちら側から出す条件を呑んでもらう」

セレステラ『・・・』

真田「貴官らが「ゲシュタムの門」と呼ぶシステムの利用、そして、ヤマトが地球に帰るまで妨害をしないことが条件だ。これを呑まないのであれば、人質は解放しない」

セレステラ『交渉は決裂した。お前たちとは話にならない』

大和「いいんですか?私たちの持っているガミラスの機密情報を、周りの星々に漏らされても。それに、ヤマトにはジレル人とは別に、あなた方が崇拝する・・・」

相原「通信、切断されました」

古代「敵艦、戦闘態勢に入った!」

南部「ショックカノン、エネルギー伝達終わる!いつでも撃てます!」

大和「そんなっ・・・総員、戦闘配置」

古代「航空機隊、発艦せよ!周囲に展開する敵艦のうち、クリピテラ級駆逐艦を中心に叩け!」

大和「シャングリ・ラーは副砲で武装のみ攻撃してください。ジレル人の肉体を確保する必要があります」

古代「わかった。主砲、照準合わせ。目標、シャングリ・ラー近傍のメルトリア級巡戦!」

ドゴォ!

セレステラ「・・・っ」

女士官「EX-60撃沈!残存艦、本艦とDX-81のみ!」

セレステラ「白兵戦用意」

女士官「しかし、我が方には機械化兵がわずかしかなく・・・」

セレステラ「聞こえなかったのかしら?」

女士官「総員、白兵戦用意!機械化兵の起動を急げ!」


真田「これより、敵艦に接舷し、捕虜の肉体を奪取する。総員、白兵戦用意。古代、お前は甲板部とコスモファルコン隊を率いて敵艦内の捜索にあたれ」

古代「了解しました」

大和「では、私もお供します。艦内のシステムにハッキングできれば、簡単に位置を割り出せるでしょうから」

雪「敵戦艦接近!左舷に衝突します!」

ゴオオオ!

大和「まさか、敵から乗り込んでくるだなんて・・・!」

雪「4階中部デッキ損傷!侵入者多数あり!」

真田「やむを得ん。古代!」

古代「古代進、甲板部と航空機隊を率い、敵部隊を排除します!」

玲「っ!」ダダダダ

89式機関銃の射撃を受けたガミロイドが次々に倒されていく。

加藤「野郎!」ダダダダ

古代「加勢する!」ダダダダ


第4デッキでは、ガミロイドの迎撃に向かった大和と、乗り込んできたセレステラが相対していた。

セレステラ「お前は・・・」

大和「そういうあなたは、セレステラさんですね。あなたを拘束させてもらいます」ガシャン

セレステラ「その言葉、自分の立場を理解した上で言いなさい」ス

ガミロイド兵「・・・」カチャ

大和「私自身は撃たれても死にません。銃を向けようが無意味です」

セレステラ「ミレーネルの報告にあった『艦娘』の能力か」

大和「・・・そうです」

セレステラ「ならば、私と一緒に来てもらう」

大和「丁重にお断りします」

セレステラ「お前は必ず私と共に来る」ス

雪「大和さん、ごめんなさい・・・」

大和「そんな、艦の内部はリアルタイムでわかるのに・・・」

セレステラ「艦内にジャミング波を流し、探知を阻害したのよ。人質を殺されたくなければ、一緒に来なさい。ミレーネルの精神も渡してもらうわ」

大和「・・・わかり、ました」

古代「っ、アナライザー!戦闘モードで俺たちを援護してくれ!」

アナライザー「オ任セクダサイ!」ガッシャン

ダダダダダダダダ!

篠原「す、すげぇ・・・」

古代「真田さんが開発していた、アナライザーの拡張ユニットだ。二本足と両腕にガトリングガンを装備してある」

ガミロイドを破壊しながら進む戦術科の面々は、T字路付近で大和に出会った。

古代「大和、艦の状況を知らせてくれ!」

大和「相手の方が一枚上手だったようです。すみません・・・」

古代「どういう・・・」

セレステラ「こういうことよ」

古代「森くん!」

雪「ごめんなさい、古代くん・・・」


解析室

大和「波動防壁、解除します・・・」

リンケ「ミーゼラ、ただいま戻りました」

セレステラ「お帰り、ミレーネル」

大和「・・・」ピッピッ

セレステラ「余計なことはしないで。ついて来なさい」チャ

大和「もう人質は解放しました。森船務長を解放してください」

セレステラ「言うことを聞きなさい。さもないと、この女に危害を加えることになる」

古代「・・・っ」ギリギリ

大和「ヤマトを奪うための人質、というわけですか」

セレステラ「この艦に用は無いわ。もうすぐ沈められる。・・・時間よ」チャ

古代「待て!」

大和「落ち着いてください、古代さん。今は雪さんの命が重要です。それに、私はいつもヤマトと共にありますから」


艦橋

真田「そうか・・・」

古代「すみません、自分の不注意です」

西条「敵艦、ワープしました」

古代「くそっ!」ダン

島「人質は奪還され、逆に人質を取られることになったか・・・」

真田「・・・」

新見「先輩、どうされました?」

真田「自動航法室を見てくる」スタスタ


雪「これからどうしましょう・・・」

大和「とにかく、今は連中に従っておきましょう。いずれ反撃の機会は来るはずです」

雪「けど、ヤマトはどうするの?新見さんの話だと、ガミラス星は・・・」

大和「銀河系内のはず、でしたね。それは大きな間違いです」

雪「どういうこと?」

大和「ヤマトの目的地と私たちが連れて行かれる場所は、そんなに違わないところです」

雪「まさか、イスカンダルって・・・」

大和「そうです。ガミラスとイスカンダルは、同じ星系にあるんです」

バラン鎮守府

ドメル「ヤマトを鹵獲した?」

ゲール「は、そのようです」

ドメル「しかし、それらしき大型艦はどこにも見当たらないが」

セレステラ「それは私から説明します。・・・来い」ドン

大和「・・・っ」

ドメル「彼女は?」

セレステラ「宇宙戦艦ヤマトそのものよ」

ドメル「さっぱり意味がわからない。詳しい説明を求める」

セレステラ「ヤマトには『艦娘』と呼ばれる、艦の化身のようなものが存在する。それが彼女というわけよ」

ゲール「こんなの如きに無敵のガミラス軍が苦戦させられていたのかっ!」

大和「あなた方と戦うつもりはありません。ガミラス星を攻めることもしません。どうか、私たちに関わらないでください」

ドメル「それは約束できない。ヤマトはガミラスの存亡を脅かす存在になりかねない」

大和「侵略目的で私たちの星に来なければ、こんなことにはならなかったはずです。なのに、あなた方は・・・」

ドメル「しかし、先制攻撃を仕掛けたのはそっちだ」

大和「そ、それは・・・」

ドメル「これから、彼女をどうする?」

セレステラ「総統の元に連れていく」

百合亜?「これは・・・これは何?」

戦術科員「波動砲だよ」

百合亜?「はてな?」

ビーッ!ビーッ!

西条『総員、第1種戦闘配備!繰り返す!総員、戦闘配備!航空隊、スクランブル用意!』

戦術科員「やっべ!波動砲、使えるか!?」

機関科員「使用可能!」

戦術科員「さ、君も早く!」

百合亜「はてな・・・?」テクテク


西条「敵艦識別。ケルカピア級2。距離8000まで接近!」

古代「また、いつもの威力偵察か」

島「敵さんに聞いてくれ」

真田「全艦、第1種戦闘配備のまま待機!」

西条「敵艦、反転!」

南部「またかよ。いい加減にしてくれないと、夜も眠れやしない」

太田「そう腐るなって」

古代「・・・」

平田「オムシスの修理には時間がかかります。どこかで水と食料を補給しないと、備蓄が底をつく恐れがあります」

古代「簡単に補給というが、この広い銀河間空間に、恒星系なんてほとんど・・・」

新見「あるわ。大和が敵から手に入れた情報によると、4光年先に恒星系の存在が確認されました。情報によると、恒星の名は『ビーメラ』」

西条「ビーメラ・・・」

新見「情報と観測によると、そこは知的生命が居住する地球型惑星で、環境は地球とあまり違わないのよ。それに、亜空間ゲートの制御装置が存在するという話もあるわ」

平田「ありがたい」

新見「抜錨以来、狭い艦内で乗員の多くはストレスを抱えています。亜空間ゲートのことも考えると、上陸は最優先事項になるわね」

西条「知的生命体が存在すると言っていましたが、場合によっては衝突もありえるのでは?」

新見「懸案事項はそこよ。いかに穏便に済ませるか、ということを考えると、ちょっと難しいかもしれないわね」

古代「島、航海科としてはどうなんだ?」

島「亜空間ゲートを使えば、少なくとも5か月はスケジュールを短縮できる」

古代「約半年が一気に削れるのか。使わない手は無いな」

真田「しかし、大きな問題がある。亜空間ゲートは、ガミラスの所有物となっているからだ」

古代「どういうことです?」

真田「元々、亜空間ゲートはアケーリアスという古代文明が残した遺構だ。だが、そのアケーリアス文明は既になく、ガミラスが代わりに整備しているそうだ」

無理に原作沿いにしてる感じ
これ大和要るの?

>>234
やっぱり原作意識しすぎかな・・・

うん、自由に作ってみる

デスラー『艦娘、か。これがテロンの艦の正体なのだな』

セレステラ「はい。彼女を連れ、帝星に帰還します」

デスラー『隣にいる女性は誰かね?』

雪「・・・」

セレステラ「は、彼女は艦娘を連れてくる際に利用した捕虜です」

デスラー『ふむ・・・彼女もお連れしろ』

セレステラ「は・・・?」

デスラー『お連れしろ。命令だ』

セレステラ「は、確かに」


ドメル「待て」

大和「はい?」

ドメル「君は確か、大和といったかな。ヤマトの制御を全て掌握できるのだろうか?」

大和「いえ、私は単に艦の魂ですので、艦の制御までは・・・」

ドメル「そうか。失礼した」

大和「あなたは・・・ドメル司令は、ヤマトを沈めることをどう思っているんですか?」

ドメル「帝星の安全を脅かす存在を排除することは、私の軍人としての使命だ」

大和「はい、ありがとうございます。あなたとはいずれ、戦うことになるでしょうね」

衛兵「さあ、来い!」

大和「嫌です」

衛兵「何だと?」

大和「嫌だと言ったんです!」バキッドカッ

衛兵「」

大和「早くドメル司令を止めないと・・・」タッタッタ


ドメラーズ3世 作戦司令室

ハイデルン「さて、どうしたことでしょうな」

ドメル「ヤマトはゲシュタムの門のことを知っている。奴らがいる場所で一番近い門は、ビーメラ星第4惑星の静止軌道上にある。それを使わない手はない」

ゲール「では、それを叩き潰すのですか?」

ドメル「せっかくの門を破壊するわけにもいかん。・・・ヤマトとビーメラ星の間には、カレル163という中性子星がある。ワープの際、ここの重力場に影響され、近くにゲシュタムアウトするはずだ」

ハイデルン「そこを大艦隊で撃破する、というわけですな」

ドメル「そうだ。ゲール副司令直属艦以外の艦全てを使い、ヤマトを討つ。この艦隊を突破されれば、戦線の後退を余儀なくされる。各員、戦闘配置につけ!」


大和「大変なことになりましたね・・・」

デウスーラ1世

親衛隊員1「総統閣下、レプタポーダ視察を終えられ帰還します」

親衛隊員2「機関始動。各部チェック・・・う、うわぁぁ!」

親衛隊高官「どうした!?」

親衛隊員2「エンジン温度、異常上昇!ダメです、このままでは──」

デスラー「・・・!?」

ドゴォォォォ!


ドメラーズ3世 艦橋

ドメル「全艦、出撃せよ!所定の位置につき、ヤマトの出現を待て。万一の場合に備え、予備隊はビーメラ星近辺で待機」

バーガー『久々に大物の登場だぜ!』

ハイデルン「また敵を侮って、失敗しないようにな」

バーガー『了解っ』

雪「・・・」


3時間前

雪「ヤマトが危ないですって?」

大和「ドメル司令はヤマトに三百隻近い艦艇をぶつけるつもりです。防御力に長けるヤマトでも、こんな数の猛攻を受ければ数十分と持ちません」

雪「ワープで逃げることはできないの?」

大和「ワープで回避しようにも、中性子星の重力勾配の影響を受け、艦隊が待ち伏せする宙域に出てしまいます。難しいですね」

雪「じゃあ、どうすれば・・・」

大和「ドメラーズ3世の制御を奪い、艦隊を混乱させます。今は遠すぎて概念伝達が使えないので、私がドメラーズに潜入してヤマトと提携、艦隊を撃滅するつもりです」

雪「勝算はあるの?」

大和「やってみないとわかりません。でも、必ず成功してみせます」

雪「もし通信できたら、古代くんによろしく伝えてね」

大和「はい」


雪「必ず、帰ってきなさいよ・・・」

セレステラ「行くぞ」

雪「・・・っ」

衛士「セレステラ様、大変です!」

セレステラ「どうした?」

衛士「捕虜が脱走しました!」

真田「これより、ビーメラ星までワープを行う。島」

島「座標固定。障害物、オールグリーン。しかし、中性子星の重力により、航路が歪められる可能性があります」

西条「報告します!後方より敵艦接近!威力偵察と思われます!」

真田「構うな。予定通りワープを行う」

島「ワープ!」ガタンッ


ゴゴゴゴゴゴ!

真田「・・・っ、やはり影響を受けたか」

太田「現在、カレル163から100AUの地点です」

西条「敵艦隊出現!四方を囲まれています!その数、計測不能!」

真田「何だって!?」

古代「航空隊、出撃準備!」

沖田「まだだ」グイーン

古代「沖田艦長、具合はよろしいのですか?」

沖田「まずは敵艦隊の対処から先だ。波動防壁、前方に集中展開。速度上げ!」

ドメラーズ3世の前方100㎞地点にヤマトが出現した。駆逐隊がヤマトを囲み、攻撃態勢に移る。

ドメル「ヤマトめ、ここに出てきおったか」

ハイデルン「飛んで火に入る夏の虫ですな」

ドメル「全艦、戦闘配置。各司令の指示により射撃開始」

大和『そうはさせません!』

ドメル「この声は、大和か!?」

通信長「司令!艦内のネットワークシステムに異常発生!コンピューターウィルスに汚染されたようです!」

ドメル「直ちに駆除しろ」

通信長「ダメです!通信システムを介して艦隊にウイルスが拡散しつつあります!」

ハイデルン「司令、どうされますか」

ドメル「・・・通信を切れ。無線封鎖だ。それと、大和を探せ」

ハイデルン「しかし、それでは・・・」

ドメル「制御を奪われ、同士討ちを始めるよりマシだ」

通信長「全艦へ通達!これより、一切の通信を禁じる!」

ドメル「大和め、やってくれたな」

戦術長「ヤマト、駆逐隊に攻撃!既に多数の被害が出ています!」

相原「敵旗艦と思しき巨大戦艦から入電!」

大和『こちら大和!ヤマト、聞こえますか!?』

古代「大和!大和なのか!?」

大和『はい!敵艦隊旗艦『ドメラーズ3世』の制御を掌握しました!これより、ヤマトに横付けします!』

古代「森くん・・・雪は無事なのか!?」

大和『森さんは──』ブチッ

相原「通信、途切れました・・・」

古代「・・・っ、雪はどうなったんだ・・・」

真田「慌てるな、古代。大和が無事なら、森くんも無事だろう。それより、この艦隊をどうにかすることが先決だ」

沖田「相原、敵旗艦との通信は回復せんか?」

相原「ダメです。無線封鎖されています」

真田「コントロールを奪い返されたか・・・」

沖田「敵旗艦の拿捕は諦め、宙域突破を図る。島、前に進め」

古代「しかし、前方には敵旗艦が控えています!」

沖田「死中に活を見出さなければ、この包囲を破ることはできない!」

島「艦の制御が大和制御モードに切り替わりました!」

古代「何をするつもりだ、大和・・・」

ドメル「散々遊んでくれたな」

大和「おかげで色々小細工を施せました。監視が甘いですね」

ドメル「・・・営倉に入れろ」

衛兵「はっ!」

大和「ムダです。このドメラーズ3世は、ヤマトの攻撃で爆沈します」

ドメル「どういう意味だ?」

ドゴォ!

戦術長「敵艦の砲撃が我が艦に集中しています!第1主砲に直撃弾!」

大和「現在、ヤマトの制御は私が全て行っています。その証拠に、私がいるにも関わらずヤマトはこの艦を狙い撃ちしています」

ゲール「ホラ吹きめ!さっきは制御できないなどと抜かしていただろう!」

ドメル「ゲール、黙れ。・・・まさか、自爆する気か?」

大和「そのまさかですけど、戦艦の砲撃程度で私が死ぬはずがありません。消滅するのは、ドメラーズ3世だけです」ニヤ

ドメル「全艦に通達!全火力を集中させ、ヤマトを撃破せよ!ドメラーズに近づけさせるな!」

大和(これで、ドメル司令から冷静な判断を奪えたわね。長門先輩の態度をマネするのは、少し疲れるわ・・・)ヘナヘナ

衛兵「ほら、立て」

大和「もう、主砲には触らないでって・・・」

太田「波動防壁、消失!」

南部「主砲、敵旗艦に直撃!ダメージ認められず!」

徳川「機関室!どうした!?」

西条「レーダー大破!」

古代「依然として主砲と副砲は敵旗艦を攻撃中!大和制御モードから切り替えできません!」

沖田「・・・自爆するつもりか」

古代「何ですって!?」

真田「大和は敵旗艦に向かって前進している。敵艦の防御力はヤマトのショックカノンを弾くほどに強力だ。考えられるのは、すれ違いざまの零距離射撃だ。下手をすれば、大和まで巻き込まれかねない」

島「そんなことを・・・」

沖田「彼女はイスカンダルへの希望を捨ててはいない。どんな手を使ってでも、先に進む覚悟を持っている。我々も、その意気に答えよう」

西条「敵旗艦接近!距離、1㎞!」

沖田「総員、ショックに備えよ!」

西条「衝突します!」

ドゴォォ!ガシャン!

太田「敵艦舷側に衝突!」

南部「主砲、敵艦艦橋を捕捉!」

古代「やめろ、大和ぉ!」

ゲール「か、回避ぃぃ!!」

ドメル「退くな!ドメラーズは一歩も退かん!」

ガギャァァァァドゴォ!

大和「チェックメイトです」

戦術長「ヤマトの砲門全てが艦橋を指向しています!」

大和「撃っ・・・」


『・・・・・・・・・・・』

『・・・・・・・・・・・』

『・・・これで、いいの?』


大和「!?」

ドゴォォ!

戦術長「前方砲塔群に被弾!被害甚大!」

ハイデルン「消火急げ!」

ゲール「ヤマトを逃がすなァ!」

大和「ユリー・・・さん、なぜですか・・・」ガクッ

ドメル「・・・」

真田「艦の全機能が乗組員制御モードに切り替わりました!」

沖田「この宙域から離脱する。帰還出力最大!全速前進!」

西条「無理です!前方に敵艦隊出現!数、100!」

古代「万事休すか・・・」


バーガー『いたいたぁ!獲物だぜ!』

ハイデルン「はしゃぐな、バーガー!」

ドメル「チェックメイトだ・・・!」

ゲール「ドメル司令、本国から通信です」

ドメル「後にしろ」

ゲール「総統府からの第1級優先通信です」

ドメル「総統府から・・・?」

ドメル「どうされました、ヒス副総統。私はあと一歩でヤマトに・・・」

ヒス「質問は許されない。直ちに艦隊を撤収し、本国に出頭するように。わかったな」

ドメル「・・・ッ!」ギリギリ

大和「どうやら、私たちの勝ちみたいですね。『艦隊を撤収し』ということは、一隻でも艦を残せば命令違反です」

ドメル「・・・全艦に通達。直ちに攻撃を中止し、バラン星に戻る。ドメラーズ3世は修理を済ませた後、本国に帰還する」


ヤマト 艦橋

真田「艦体の損傷率が70%を超えました!このままでは危険です!」

島「このままじゃ・・・」

沖田「うろたえるな!必ず突破口はあるはずだ・・・」

ドゴォ! ・・・

西条「敵艦からの攻撃、止みました。攻撃中の敵艦、0。オールグリーンです」

古代「何があったんだ・・・?」

沖田(敵側に何かが起こった。しかし、何が・・・?)

数時間後 ビーメラ星系

島「あれがビーメラ4かぁ」

新見「大気中の酸素濃度は21%あるわ。地球人も居住可能な環境よ」

太田「いいねぇ。海で泳げるかな?」

相原「お前ってやつは・・・ハハハ」

太田「ハハハハ」

新見「・・・」


古代「シーガル、発艦準備完了」

真田『了解。シーガル、発艦せよ』

古代「しかし、ビーメラ星には知的生命体がいるって話だけど、建造物らしきものは見当たらないぞ?」

アナライザー「ガミラス人ノ持ツ情報ニハ、彼ラハ昆虫ノヨウナ生命体ダト記サレテイマシタ」

榎本「虫ってあれか、ゴアウ・・・」

遠山「それ以上は危ないんだな」

アナライザー「平原ガアリマス。ソコニ着陸シマショウ」

キィィィィン ガシャン

古代「さて、アナライザー、調査を・・・」

虫人間「キィ!」

虫人間「キキィ!」

百合亜「きゃぁ!」

榎本「こりゃ、だいぶご立腹のようだぜ。どうしますか、戦術長?」

古代「・・・今は、ひとまず大人しくしましょう」


ビーメラ星 巨大巣穴

岩田「まるで、巣穴みたいだなぁ」

アナライザー「ビーメラ星人ノ巣穴デショウ。地球ニオケル『ハチ』ノヨウナモノダト思ワレマス」

榎本「おや、あそこはただならない雰囲気みたいだな」

古代「あれは・・・ミキサーか?」


上級ビーメラ人1「早く入れ!」

下級ビーメラ人A「何でもしますからお許しください!命だけは・・・」

上級ビーメラ人1「うるさい!」ドカッ

下級ビーメラ人A「うわぁぁぁ!!」

上級ビーメラ人2「早く回せ!」ピシッ

下級ビーメラ人B「うう・・・」ガラガラ

下級ビーメラ人A「うわぁぁぁぁぁ!!」プチ

古代「連中、何をしているんだ?」

アナライザー「コノ惑星ノ人々ニハ、ローヤルゼリーノヨウナ物質ガ大量ニ含マレテイルノデショウ。ソレヲ搾ッテイルト思ワレマス」

百合亜「ひ、ひどい・・・」


広場

榎本「こりゃ、歓迎ムードじゃねえな」

ビーメラ市民「ガミラス人は殺せ!ガミラス人は殺せ!」

百合亜「私たち、ガミラス人に間違われてるの!?肌の色とか全然違うのに!」

古代「・・・連中からしたら、地球人もガミラス人も一緒なんだろう。奴らがガミラスのことを知ってるということは、ガミラスの何らかの形でここに介入しているんだ」

ビーメラ市民「殺せ!殺せ!殺せ!」

百合亜「うう・・・」ブルブル

榎本「連中も容赦ありませんな。しかし、この縄、もう少し緩めてくれないものかね」ギュウギュウ

遠山「神殿みたいなところから誰か出てきたんだな」

アナライザー「服ヤ体ノ大キサ、模様ノ違イカラ、権力者ト推測サレマス」

伊東「やあ、情報長」

新見「・・・」

伊東「つれませんね。お顔が硬いですよ」

新見「・・・ビーメラ4に向かった古代くんたちから、連絡が途絶えたのよ」

伊東「その様子だと、あそこに住む異星人による仕業と考えていらっしゃるんですね」

新見「第2の地球候補だったのに・・・」

伊東「やはり、異星人は信用できないということがハッキリしましたね」

新見「そんなことは・・・」

伊東「ここを第2の地球にすべきです。異星人たちは隔離すればいいじゃないですか」

新見「・・・」


玲「出撃命令ですか」

加藤「戦術長に何かあったらしい。椎名と山本の両名はアルファチームに所属し索敵及び空中支援、俺たちブラヴォーチームは降下して調査班の捜索及び救出に当たることになった」

椎名「よろしくお願いします」

篠原「おっ、アキラ繋がりか。面白い組み合わせだなぁ」

加藤「お前たちは腕がいい。それに、椎名は篠原よりレーダーの扱いに長けるから、偵察技能が上だ」

小橋「言われてますよ、篠原さん」

篠原「うっせ!」

下級ビーメラ人長老「もう女王の支配には我慢ならんぞ!皆の者!起ち上がれ!」

ビーメラ過激市民「キキィ!」

女王「!?」

古代「何だか不穏な空気になってきたな」

百合亜「うう、もうダメかも・・・」ブルブル

榎本「いや、この混乱に乗じて逃げられるかもしれねえ」

古代「手はあるんですか?」

榎本「アナライザー、指のレーザーで縄を切ってくれ。バレないように、慎重にな」

アナライザー「オ任セクダサイ」ジー

ビーメラ過激市民「殺せ!殺せ!ガミラス人を殺せ!女王を殺せ!」

上級ビーメラ人3「鎮まれ!鎮まれ!」

下級ビーメラ人長老「かかれ!」

ビーメラ過激市民「キキィ!」ドドドド

榎本「今だ!逃げるぞ!」

百合亜「・・・」

古代「岬くん!どうした!?」

岩田「気を失ってる!」

古代「アナライザー、岬くんを!」

アナライザー「女性ヲ守ルノハ男ノ務メデス!」ヒョイ

ドゴォ!

下級ビーメラ人D「ガーが暴れ出したぞ!」

巨大昆虫「キシャァァ!!」

古代「!?」

榎本「ひえぇ、こいつはデケェな」

遠山「巨大昆虫なんだな」

ビーメラ過激市民「うおぉ!?」

アナライザー「コノ惑星ニ生息スル巨大節足動物デスネ。牙ノ形状ナドカラ肉食性ト推察サレマス」

榎本「悠長に分析してる場合か!」

アナライザー「仕方ナイデスネ。・・・岬サン?」

百合亜?「争いはやめて」

ビーメラ過激市民「キィ?」

巨大昆虫「・・・」

古代「ビーメラ人と昆虫が・・・」

遠山「大人しくなったんだな」

百合亜?「よしよし、いい子いい子」

巨大昆虫「」スリスリ

下級ビーメラ人D「すごい・・・」

下級ビーメラ人E「英雄だ!彼女は我々を救った英雄だ!」

ビーメラ市民「英雄だ!英雄だ!」

百合亜?「はてな?」

古代「岬くん、彼らは君を英雄として崇めているようだ。少し、彼らから情報を聞き出してくれないか?」

百合亜?「この人たち、ビーメラ人。ビーメラのゲートの秘密を守る者たち」

榎本「それも大和情報なのかい?」

古代「いえ、そんなことは一言も・・・」

百合亜?「お願い、制御装置の位置を教えて」

女王「・・・知らん、知らんぞ!」

古代「頼む。さもないと、我々の星が滅んでしまうかもしれないんだ!」

ビーメラ市民「慈悲を!慈悲を!」

榎本「この通りだ・・・」コク

女王「・・・ついて来い」スタスタ


古代「ここは?」

女王「神殿だ。ここでガミラス人と交信している」

古代「ガミラスと?」

女王「彼らは我々を奴隷として扱い、エキスを1年ごとに納入するよう言い渡した」

アナライザー「ビーメラ4ニ於ケル1年ハ500日デス」

岩田「エキスって、あの・・・」

遠山「もう考えたくもないんだな・・・」

女王「今度は私から質問をさせてもらう。お前たちは何者だ?見たところ、ガミラス人ではないな。ザルツ人か?」

古代「いや、我々は地球という惑星からやって来た。ガミラスと戦いながら、ある惑星に向かっている」

女王「敵ではなかったのだな。すまないことをした」

百合亜「よかったぁ」ヘナヘナ


女王「ここだ」

女王が連れてきたのは、球形の部屋だった。球形の中央まで桟橋状の足場が伸び、壁は全てモニターになっている。

アナライザー「ヤマトノ電算室ト似テイマスネ」

古代「全天球モニターか。そう言われるとそうだな」

女王「ここでガミラス人がビーメラのゲートを動かしている。最近はあまり使われていないが」

岩田「ちゃんと動くのか?」

女王「きちんと整備している。問題ない」ピッピッ

グィィィン

古代「これは・・・」

女王「ゲートシステムはバラン星を中心に大小マゼラン、銀河方面に多数配置されている。ゲシュタムの門とは別にスーパーゲイトというゲートシステムもあるが、それは一部を除いて使用不能になっている」

榎本「こりゃすごい。百はあるぜ」

アナライザー「全テノゲートノ位置情報ヲ記憶シマシタ」

女王「ビーメラゲートの稼働を確認した。これで使えるようになるだろう。裏手には放棄されたガミラス機もある。それも持っていくといい」

古代「何から何までありがたい」

バラン鎮守府

雪「いつまで、ここに閉じ込められるのかしら・・・」

大和「聞いた話によると、私たちはしばらくここで缶詰のようです」

雪「そう。早くヤマトが救助に来てくれないかしら」

大和「私ならここに・・・」

雪「違うわよ!」

衛兵「お前たち、これから観艦式が行われる。脱走などして邪魔をすれば、命の保証はできない」

雪「ガミラス人も観艦式をするのね」

大和「そうみたいですね。・・・このチャンス、使えるかもしれませんね」

雪「どういうこと?」

大和「ヤマトが亜空間ゲートを使用できるようになりました。これでヤマトを直接操縦できます」

雪「もしかして、観艦式を妨害するつもり?」

大和「妨害ではありません。観艦式というからには、相当数の艦艇が集結するでしょう。ここの亜空間ゲートを破壊すれば、バラン星に艦隊を置き去りにできます」

雪「無茶よ。ヤマトでも、大艦隊相手に戦いを挑むのは自殺行為ってこと、さっきの戦いで証明したでしょ?」

大和「成功すれば、この先がうんと楽になります」

雪「大和って意外とバクチが好きなのね」

大和「私は・・・早く地球を元に戻したいと思ってるからです。そして、平和な海を走ってみたいんです」

ビーメラ星上空

玲「まさか、こんなところにまでガミラスがいるなんて思わなかったわ!」ダダダダ

玲のコスモゼロがガミラスの戦闘機を撃墜する。

椎名『今ので最後です。母艦を叩きに行きましょう』

玲「了解」

椎名『ヤマトの損傷が激しい上、航空隊も私たちだけとは、運の悪いことですね』

玲「嘆いたって仕方ない。とっとと片づけるわよ」

椎名『・・・見えました。星型空母、ポルメリア級です。護衛はありません』

玲「言われなくたってわかる」シュウゥゥ ドゴォ

玲「敵艦撃沈」

加藤『ご苦労さん。こっちも古代たちを発見したところだ。土産物を持っていってやる』

椎名『やはり、この惑星にゲートシステムの制御装置があったんですか?』

加藤『それだけじゃない。ガミラスの戦闘機を分捕れた』

玲「ガミラス機・・・」

椎名『あのガミラス人のことが気になりますか?』

玲「・・・ちょっとね」

女王「しかし、気を付けろ」

古代「どうしたんだ?」

女王「ゲシュタムの門は、銀河側と大マゼラン側のゲートは行き来ができない。ここから大マゼランに行くには、中継点を通って大マゼラン側の門を通過する必要がある」

榎本「ハブステーションってことか。で、それはどこにあるんだい?」

女王「バラン星だ。あそこはアケーリアス文明が人工的に作り出した惑星で、門にエネルギーを送る発電所の役割を果たす。ガミラスはそこに鎮守府を置いている」

古代「鎮守府・・・大規模な戦力がいそうだな」

榎本「でも、突破しないとイスカンダルには行けないってわけだ。まるで、ゲームの中盤戦みたいだなぁ」

古代「榎本さん」

榎本「悪ぃ悪ぃ。まだ4分の1だもんな。それに、これはゲームじゃない」

岩田「はぁ、先が思いやられる」

古代「何にせよ、ミッションは完了だ。ヤマトに帰還する」

バラン星 国防総省裁判室

ドメル「私は、もう少しでヤマトを撃破できた!一体なぜです!?」

ヒス「未明に、総統の乗艦が何者かに爆破された。デスラー総統が暗殺されたのだ」

ドメル「・・・え?」

ギムレー「総統のバラン視察を把握していた高官は2名だけ。航宙艦隊総司令ガル・ディッツ大将、そして、もう一人は、あなただ」

ギムレー「ここに、あなたを総統暗殺の罪で告訴します」

ドメル「茶番はよせ」

ギムレー「ディッツ提督と共謀し、総統を亡き者にした後、帝国の主導権を握ろうと画策しましたね」

ドメル「ただの妄言に付き合うつもりはない」

ギムレー「国家の本質は秩序です。ただの妄言で動くなどありえません。しかし、疑うべきは罰する。これが鉄則です。あなたの奥さんも拘束させてもらいました」

ドメル「エリーサが!?ギムレー、謀ったな・・・!」

ヒス「判決を取る。陪審の諸君」

陪審員「「「死刑」」」

ヒス「当軍事法廷は、全会一致でエルク・ドメル上級大将に死刑を言い渡す」

ドメル「バカな・・・」


ディッツ『気を付けろ。総統の取り巻きには、君の成功を快く思っていない者が多い』


ドメル「・・・」ギリギリ

大和「・・・」

雪「どうしたの、浮かない顔して」

大和「いえ、その・・・何でもないです」

雪「あなた、嘘がヘタよ。すぐ目を逸らすし」

大和「そ、そうですか・・・」

雪「一体、どうしたの?」

大和「改めて考えてみると、ヤマトは色々な問題を抱えているんだな、と思いまして」

雪「日程の遅れの件?」

大和「それはもういいんです。それより、ユリーシャさんのことが艦内に知れそうで・・・」

雪「ユリーシャ・・・確か、1年前に地球にやって来たっていう・・・」

大和「はい。イスカンダル星の第3王女であり、イスカンダルのたった2人の生き残りです」

雪「彼女のお姉さんのことね?」カチャ

スターシャ『私たちの目的は、危機に陥った星々の救済・・・』

大和「そうです」

雪「・・・何とも思わないの?」

大和「何がですか?」

雪「私がこれを持ってること」

大和「いえ、特には・・・」

雪「・・・やっぱり、私のことをイスカンダル人って思ってるのね?」

大和「いきなり何をおっしゃるかと思えば、そんなことだったんですね」

雪「とぼけないで!ユリーシャが行方不明になったのは1年前、私の記憶が消えたのは1年前。それに、私はユリーシャのメッセージを持ってる!偶然とは思えない・・・」

大和「確かに偶然ではありません。あなたとユリーシャさんは同じ事故に遭遇しましたから」

雪「・・・え?」

大和「1年前、イズモ計画派の謀略により、あなたとユリーシャさんを乗せた車両が爆破されました。ユリーシャさんの排除を狙って。表向きには事故として処理されましたが」

雪「そんな・・・」

大和「事故の後遺症で、あなたは記憶を失い、ユリーシャさんは意識を失いました。本来なら、ヤマトをイスカンダルまで導く役目をする人でした」

大和「どんな医学的処置を施しましたが、彼女の意識は戻りませんでした。そこで自動航法室に収容し、イスカンダルの位置情報などの記憶を私にインプットしました。これが、自動航法システムの正体です」

雪「それって・・・」

大和「道義的に許されない、と人は言うでしょう。しかし、そうしないと地球は滅亡してしまいます。道義的問題を承知の上です。ヤマトの任務は、彼女をイスカンダルに送り届けるという任務も含まれているんです」

雪「それじゃ、今でもユリーシャはヤマトにいるのね」

大和「昏睡状態で、ずっと。しかし、魂の結びつきが弱くなっているせいか、幽体となって他の人に乗り移ることもあるようです」

雪「それが前に噂になってた幽霊の正体?」

大和「そうなりますね」

??「雑談は済んだかね?」

雪「誰!?」

??「君たちを迎えに来た者だ」

大和「あなたは・・・まさか、アベルト・デスラー・・・」

デスラー「君が大和か。会えて光栄だ」

ゼルグート2世 艦橋

将校「定刻通り、バラン星に到着しました。ゲルガメッシュが接舷を求めています」

ゼーリック「ゲールか。許可する」


ゲール「これはこれは国家元帥閣下。このような辺境の地にて盛大な観艦式をお開きいただけること、光栄の至りに・・・」

ゼーリック「この未曾有の混乱に際し、帝国を一つにまとめあげる。それこそがァ!この私に課せられた使命なのであるッ!」

将校「ルビー戦線跡地駐留艦隊・第47航空団、全艦到着を確認」

ゼーリック「何と素晴らしき光景であることよ・・・この威容!この壮観!これこそがガミラスッ!!」

将校「ゲール閣下、バラン鎮守府より浮上中の艦艇があります。味方識別信号では、UX-01となっています」

ゲール「知らない艦だな。どこの所属だ?」

ゼーリック「デスラー総統の直属艦であるな」

ゲール「左様でございますか。では、ゼルグートの近くに・・・」

ゼーリック「いや、この艦から離れて配置させよ」

ゲール「は、はあ・・・」

UX-01 艦長室

デスラー「君はどうやって私の情報を・・・いや、それは野暮な質問だ」

大和「全てリンケ特務官から聞きました。あなたがガミラスの総統であることも、地球に降伏勧告をさせるつもりだったことも」

デスラー「だとしたら、どうするかね?」

大和「あなたをここで殺害しても無意味ということはわかっています。あなたが本当に死ねば、後釜はヒスという男か、行方によっては、あのゼーリックという男になりますから」

ゼーリック『亡き総統の遺志を継ぎ、その死と不在を隠し続ける中央政府の乾物共に、正義の鉄槌を下すことを!』

デスラー「昔から野心溢れる男だったよ。それを隠そうともしない」

大和「・・・森さんのことが心配です。そろそろ戻ります」

デスラー「彼女によろしく頼むよ」

大和「その前に1つ、聞きたいことがあります」

デスラー「何か?」

大和「あなたは、何を考えていらっしゃるんですか?占領した星はろくに統治しようとせず、ただ領土を拡大するだけ。不毛な争いを生んで、何が楽しいんですか?」

デスラー「勘違いをされては困る。私は、あくまで宇宙を平和にしたいと考えている」

大和「・・・あなたは何もわかっていません。失礼します」バタン

大和「もう、あんな性格で、よく一国の元首なんてやっていられますね」プンスカ

衛兵「さあ、入れ」キィ

大和「・・・森さんはどうしたですか?」

衛兵「テロンの女なら、お前と入れ違いにデスラー総統の下へ行った」

大和「そうですか。少し間が悪かったみたいですね」


大和(このままじゃ、ヤマトに合流できないままガミラス星に行くことに・・・)

大和(もうそろそろ、ヤマトがゲート前に着く頃ね。どうにかして、この艦をヤマトに横づけしないと・・・)

霞『困ってるみたいね』

大和「今度は霞ちゃんなんですね」

霞『何よ、私が来たら困るわけ?』

大和「そういうわけじゃありませんけど・・・」

霞『ほら、俯かない!人と話をする時は目を見て話しなさいな!』

大和「ごめんなさい・・・」

霞『それにしても、おしくらまんじゅうね』

大和「え?」

霞『これだけ固まってたら、敵が侵入してきたら大混乱になるでしょうね。それに、出入口は開きっぱなし。危ないったらありゃしない』

大和「観艦式・・・密集陣形・・・」

霞『それに、敵地で律儀に停泊して回収してもらおうなんて、考えが甘いわよ』

霞『ま、せいぜい沈められないようにね』

大和「・・・ありがとうございます、霞ちゃん」

アナライザー『ツヴァルケ、発艦準備完了』

玲「・・・偵察機は戻ってくることが任務よ。必ず戻ってきて」

篠原「わかってるって」ビシッ


相原「3時間・・・」

古代「厳しいな。空母に遭遇したら逃げられないぞ」

加藤「しかし、篠原は自ら志願した。・・・元々、あいつは偵察志望だったからな」

ピピーッ、ピピーッ

相原「通信です。識別信号は・・・大和さんです!」

古代「無事だったのか!?」

大和『こちら大和!こちら大和!ヤマト、応答せよ!』

相原「こちらヤマト。お久しぶりですね」

古代「大和!雪は、雪は無事なのか!?」

大和『直ちに偵察機を呼び戻してください!今すぐです!』

相原「古代さん、ここはこらえてください!」

古代「・・・すまん」

大和『現在、バラン鎮守府では観艦式が行われています。総勢1万を下らない艦隊が集結中で、デスラー総統の座乗艦も確認しました。偵察機を送るのは自殺行為です』

古代「聞こえたか、篠原!」

篠原『はいはい、今戻りますよ』

大和『数は多いですけど、かなり密集しているので簡単に手出しはできないと思います。これから私に全コントロールを移譲してください』

古代「それは・・・副長と艦長の判断を仰がないといけない」

大和『迷っている時間はありません。現在、ガミラス艦隊は予期せぬ事件のせいで混乱しているので、突っ切るなら今しかないんです!』

沖田「・・・自信はあるのか?」グイーン

古代「沖田艦長、お体の方は?」

沖田「大丈夫だ」

大和『敵は密集していますが、戦艦1隻が通過できるほどの間隔はあります。艦の配置情報も手元にありますし、何より私と森さんを回収してほしいので』

古代「雪も無事なんだな。よかった」

大和『艦長、一刻も早い決断をお願いします』

沖田「・・・わかった。しかし、どうやって回収する?」

大和『移動中のヤマトに飛び乗ります。そのまま整備用のエアロックを通じて艦内に行きます。無事に回収できたら、波動砲でバラン星のコアを鎮守府ごと破壊、重力アンカーを解除してマゼランゲートに飛び込みます』

沖田「君に任せよう。全艦、戦闘準備。これより、亜空間ゲートに突入する」

古代「待っててくれよ、雪・・・」


大和「森さん、ちょうどよかったです。もう少しでヤマトが来るので、回収してもらいましょう」

雪「・・・いいえ、今は遠慮するわ」

大和「森さん?」

雪「やることができたの。あなたは先に行って、ヤマトのみんなを支えてあげて」

大和「しかし、古代さんは・・・」

雪「古代くんんは迷惑かけるわね。でも、ガミラスをこのまま放置できない。いえ、してはならないの」

島「ヤマト、発進します!第2戦速を維持!」

真田「波動防壁、展開準備完了」

沖田「これより、大和及び森専務長の回収、そしてマゼランゲートを通過する」

ヤマトがゲートを通過する。出た先には、大和の言う通り無数のガミラス艦がバラン星付近に蠢いていた。

古代「これ、全部ガミラスかよ・・・」

真田「全てのシステムを大和管制モードに切り替える。切り替え確認」

大和『ヤマトの出現を確認。さあ、久しぶりに暴れるわよ!』


ゼルグート2世 艦橋

通信長「ゼーリック元帥閣下、UX-01より通信です」

ジジ・・・

デスラー『ご機嫌のようだね、ゼーリック君。高説を賜り、感銘の至りだ』

ゼーリック「貴様!そんなバカなァァ!!」

デスラー『私の艦に仕掛けを施していたようだが、艦を1隻無駄にしただけだったようだ。しかし、退屈せずに済んだことはよしとしよう」

デスラー『さて、君の罪状は明白なわけだが・・・」

バンデベル「閣下、銀河方面のゲートより出現する物体を感知いたしました!ヤマトです!」

ゼーリック「神は私にヤマトを討てというのか・・・全艦、戦闘準備!潜宙艦もろともヤマトを成敗せよ!」

デスラー『絶好のタイミングだ。ゲール君、君はどうするかね?』

ゲール「もちろん、総統閣下についてまいります!」

ゼーリック「ゲール、貴様ァ!」チャ

ゲール「逆賊に従う気は毛頭ない!」チャ

大和「大分、艦隊も混乱してきましたね。ヤマトに狙いを定める艦はありますが、この艦は誰も狙っていませんね」

雪「ええ、そうね」

大和「さあ、早く脱出しましょう!」

雪「お願い、あなただけで行って。ほら、この艦も動き出してる。・・・動き方からして、マゼランゲートに突入する気よ」

大和「しかし・・・」

雪「行って!もうヤマトが来るわ」

大和「・・・私が知る森さんより、ずっと勇敢ですね」

雪「・・・え?」

大和「では、必ず迎えに行きます」ダッ

雪「・・・」


戦術長「ゲール少将!友軍の被害が拡大しています!このままでは、押し切られます!」

ゼーリック「今は我輩が指揮官だ!我輩の命令を聞けィ!」

バン!

ゲール「・・・」シュウゥゥ

ゼーリック「愚かなり、ゲール・・・」バタッ

ゲール「貴様はガミラスに不要な男だ。・・・艦を密集させすぎだ!散開させろ!」

戦術長「了解。全艦、散開せよ!」

大和「ヤマトまでの距離は1㎞、ギリギリ修正が効く範囲ね」タッタッタ

ハイニ「ん、どこかで見かけた顔じゃねェか」

大和「!?」

ハイニ「のわ!ヤマトの捕虜じゃねぇか!」

大和「見られたからには仕方ありません。やあっ!」バキッドカッ

ハイニ「」


UX-01 甲板

大和「ちゃんと、こっちに向かっていますね。目下のところ、損傷は第1展望室のみですね」

大和「・・・雪さん、無事でいてくださいね」

大和「やあっ!」

大和はUX-01からヤマトに向けてジャンプした。

大和「ッ!」ガシッ

大和「はぁ、はぁ・・・大和、無事ヤマトに帰還しました・・・」

大和「必ずです。必ず、雪さんを迎えに行きます」

ヤマト 艦橋

大和「大和、ただいま戻りました」

太田「やった!」

西条「お帰りなさい!」

古代「雪は、雪はどうした!」ガシッ

大和「きゃあ!あ、その、すみません」

古代「無事なのか?」

大和「雪・・・森さんは、ガミラスに残ることを選びました」

相原「えっ・・・」

古代「・・・本当なのか、それは」

大和「説得しましたが、ダメでした。総統に何か吹き込まれたんでしょう。ガミラスを放置できない、とおっしゃっていました」

古代「っ!」バン

大和「艦長、今はこの宙域からの脱出が最優先事項です。波動砲の発射許可を」

沖田「波動砲、発射用意。古代、席につけ」

古代「しかし・・・」

沖田「うろたえるな!今は、一刻も早くイスカンダルへ行くことが先決だ」

古代「・・・了解、しました」

古代がただの色ボケしたガキじゃないですかーw

>>289
旧版が完全にそのイメージだったww
2199はそうでもないけど

古代「波動砲、発射用意。ターゲットスコープ、オープン。総員、対ショック、対閃光防御」

大和「最終安全装置及び重力アンカー、ロック解除します。波動砲発射準備完了」

徳川「波動砲薬室内、エネルギー充填120%」

古代「電影クロスゲージ、明度20。上下角調整、マイナス3度」

真田「波動防壁解除。・・・どうした、大和。解除だ」

大和「・・・はっ、はい」アセアセ

西条「レーダーに感あり!マゼランゲートを通過する艦があります!」

大和「逃げましたね、デスラー総統・・・」

ドゴォ!

西条「敵からの反撃です!第1主砲に命中弾!」

大和「大丈夫です、波動砲に損傷はありません」

古代「波動砲、発射!」

波動砲はバラン星の基地を貫き、反動でヤマトをマゼラン側ゲートに突入させた。


大マゼラン銀河外縁部

大和「・・・っ」

西条「きゃぁ!大和さん、その恰好・・・」

大和「先のダメージと波動砲のせいですね、中破しちゃいました」

アナライザー「ウッヒョー!」

真田「ふむ、艦娘は艦が中破すると服が破れるのか。興味深い」

新見「先輩」ピキピキ

真田「島、航路確認を頼む。艦長、少し席を外します」スタスタ

島「やっぱり、遠くから見る銀河は最高だなぁ」

新見「大マゼラン銀河は探検家のマゼランが命名したことで知られる不規則銀河よ。局部銀河群を構成する主な銀河の一つでもあるわ」

古代「あそこに、イスカンダル星があるのか・・・」

沖田「そうだ。我々が目指すべき惑星だ」

真田「自動航法室の点検、終了しました」

沖田「ご苦労」


ヤマト 医務室

古代「なぁ、大和」

大和「はい?」

古代「ヤマトって自動航法室のデータを使って航海しているんだよな」

大和「いえ、私が航路を完全に記憶しているので、その通りに航行しています」

古代「それじゃ、自動航法室なんていらない場所じゃないか?」

大和「決していらない場所ではありません。むしろ重要区画です」

古代「ダメだダメだ、話がわからなくなる」

大和「うふふ、古代さんって面白い人ですね」クスクス

古代「僕から見たら、君は不思議な人だ」

デスラー「あの状況下で逃げ出すとは、ヤマトは随分と肝の据わった艦だ」

雪「・・・」

デスラー「しかし、君はスターシャそっくりだ。目を奪われるほど美しい」ス

雪「触らないでください」

デスラー「わかったよ、お姫様」


帝都バレラス 総統府

デスラー「君には不愉快な思いをさせた」

ドメル「いえ」

デスラー「君の奥方も既に釈放済みだ。しかし、少し頼みたいことがある。帰宅は後回しだ」

ドメル「私にできることがあれば」

デスラー「航宙艦隊がバラン星に取り残されたのは知っているだろう。合計1万3000の艦全てだ」

ドメル「伺っております。確か、ヤマトの波動兵器で破壊されたとか」

デスラー「そうだ。ヤマトとの距離は日数にして90日、決して追いつくことはできない。そこで、君に頼みがある」

ドメル「ヤマトの撃破、ですね」

デスラー「精鋭とはいえないが、君にとっておきの艦隊をプレゼントしよう。・・・やってくれるかね?」

ドメル「ご命令とあらば」ビシッ

ハイデルン「旧サファイア戦線の空母3隻、ゲルバデス級航空戦艦「ダロルド」ですか。在庫一掃セールで買ってきた艦隊ですかな?ハハハハ」

ドメル「冗談はよせ。まだ機動艦隊を分けてくれたことに感謝しなければならん」

ハイデルン「ところで、具体的な作戦は決まっていますかな」

ドメル「具体的にはまだだ。相手の出方次第では、完全に失敗することもあるだろう。だが、彼女なら私の読み通りに動くだろう」

ハイデルン「・・・例の『艦娘』のことですか」

ドメル「彼女は艦長以上に侮れない。たった一度の慢心で、艦隊の3分の1をやられた。今度こそ確実に沈めなければ、ガミラス本星が攻撃を受けるかもしれん」

ハイデルン「本土防衛艦隊を牛耳るギムレーも信用なりません。我々の責任は重大ですな」

ドメル「出し惜しみはしない。私の命に代えてもヤマトは沈める」

ハイデルン「そういえば、ダロルドにはドリルミサイルのほかに『秘密兵器』が投入されるようですな。それも閣下の命令ですか?」

ドメル「その件に関しては俺も初耳だ。兵器開発局から細心の注意を払うよう通達が来た。一応、後で目を通すつもりだ」


バレラス 兵器開発局専用換装ドック

兵士A「460mm三連装砲4基、330mm三連装砲6基、ミサイル発射管88門、その他兵装多数か。とんでもねぇ威容だぜ」

兵士B「それより、ガルントの整備手伝ってよ!」

兵士A「へいへい。それにしても、掘削用ドリルを兵器化するなんてな」

兵士B「上の考えは僕たちにはわからないよ。それに、今回の作戦立案者はドメル大将だし」

兵士A「ドメル大将が?気合入ってるな、航宙艦隊のお偉いさんも」

艦長室

沖田「すると、バラン星には大マゼランに展開する艦隊のほとんどが取り残されたわけか」

大和「はい。ですから、今までと比べて攻撃を受ける可能性は大幅に低くなりました。しかし、懸案事項があります」

沖田「何だね?」

大和「ガミラス星の位置です。ユリーシャさんの記憶を継いだ際に、その情報がありました」

沖田「・・・どこにある。話してくれ」

大和「イスカンダル星から、距離にして47万㎞の地点です」

沖田「同じ星系にある、ということかね?」

大和「サンザー星系第8惑星イスカンダル、同じく第7惑星ガミラス。これらは連星を形成し、主星のサンザーを周回しています」

沖田「我々は目的地に向かうと共に、敵の懐へ飛び込んでいたのか」

大和「そうなります。航宙艦隊のほぼ全てがバラン星に取り残されたお陰で、ガミラス本星は私だけでも殲滅できるほど弱体化しています」

沖田「しかし、安心はできん。敵にもまだ優秀な指揮官がいるはずだ。それに加え、総統自ら指揮を執ることも考えられる」

大和「総統も問題ですけど、警戒を厳にすべき人物がもう一人います」

沖田「誰だね?」

大和「カレル163で攻撃を受けた際の、敵の司令官です。採用する戦術、戦略共に決して油断を見せない優秀な指揮官です。名前は、エルク・ドメル。問題が起こり一時本星に戻っていましたが、今頃は艦隊に復帰されているはずです」

沖田「あの有能な指揮官ならば、次の手も既に打っているはず、そうだな」

大和「はい」

沖田「そうなると、次に仕掛けてくるとすればタランチュラ星雲だ。時間短縮のためには必ず通過しなければならない地点であると共に、星間ガスがコスモレーダーを阻害する難所だ」

大和「私もそう思います。後顧の憂いを断つため、ここでドメル艦隊を撃破することを具申します」

沖田「許可する。作戦立案は新見くんと君に任せる」

大和「ありがとうございます。それでは、失礼します」ビシッ

バレラス 兵器開発局

ヴェルテ「最高機密の瞬間物質移送機まで徴用してどうする?兵器開発局を説き伏せるのに苦労したぞ」

ドメル「感謝します。今回の作戦の要になる重要な兵器ですから、どうしても借りる必要があったのです」

ヴェルテ「例の『秘密兵器』を使えば、ヤマトは一瞬で殲滅できるだろう」

ドメル「あれは使い勝手が問題です。エネルギーの充填に時間がかかるほか、外せばダロルドが危険な状態に陥ることは明白です。あくまで、最後の切り札として温存します」


バーガー「精鋭ねぇ・・・」

クライツェ「年少兵と老兵しかいないな」

ハイデルン「バーレン!ダイヤ戦線以来だな」

バーレン「おぉ、ハイデルンか!」

ゲットー「この方は?」

ハイデルン「ヴァンス・バーレン、私の友人だ」

バーレン「聞いたぞハイデルン、ヤマトを討ちに行くんだろう!」

ハイデルン「ドメル司令も一緒だぞ」

バーレン「これは頼もしいわい!ハハハハッ」

リッター『シュデルグ、発進準備完了!』

ベスター『ランベア、発進準備完了』

ヴォック『バルグレイ、発進準備完了』

バレク『ダロルド、発進準備完了!』

ハイデルン「全艦、発進準備完了」

ドメル「・・・よし、これより我が艦隊は七色星団に向け出撃する。全艦、発進!」

バーガー『七色星団?冗談じゃねえ!』

ハイデルン「騒ぐなバーガー」

ドメル「大和は必ず七色星団に来る。艦長が読み通りの男なら、彼女に同意するはずだ」


大和「ドメル司令は、必ず七色星団に来ます。ヤマトの戦力を考えれば心許ないですが、ここで撃破しておかなければなりません」

島「確かに最短距離だけど、その分危険も大きいぞ」

大和「そうするほかありません。いつバラン星の航宙艦隊が追ってくるかわかりませんから」

真田「その懸念ももっともだ。しかし、既にタランチュラ星雲が発する強力なノイズによりレーダーが異常を来している。そんな状態で戦闘など危険だ」

大和「航宙艦隊との戦闘になれば、どこであろうと危険です」

沖田「これは決定事項だ。七色星団に待ち構えるドメル艦隊を撃破し、一気にイスカンダル星まで行く」

島「・・・了解しました」

沖田「解散後、ワープ準備に入る」

七色星団

大和「っ!」

ガタガタッ!

島「ジェットに巻き込まれた!制御不能!」

大和「私が操縦します!」

ガタン

太田「電離ガス帯より脱出。ふぅ」

大和「この辺りでしょうか。コスモファルコンの出撃を要請します」

古代「了解した。コスモファルコン・ブラヴォー隊、出撃せよ」

加藤『了解。ブラヴォー隊、出撃する!』

大和「全機、空中集合後は二手に分かれて敵艦隊の捜索をお願いします。小型の衛星や艦載機にもご注意を」


ドメラーズ3 艦橋

通信長「偵察機より入電。子羊は迷いの森に入った、とのことです」

ハイデルン「読みが当たりましたな」

ドメル「全艦載機、出撃せよ。ガルントはヤマトの索敵兵装を破壊次第、出撃せよ」

バーレン『腕が鳴るわい!早くわしらを出してくれよ!』

バーガー『ったく、うるせぇ爺さんだな』チッ

ハイデルン「ぼやくな、バーガー。これが終われば、しばらくは本星でゆっくりできる」

バーガー『そいつぁいい。酒でも浴びてぇや』

篠原『こいつぁすげえ。地球の空より雄大だ。一枚取ってくれ、ナビ子ちゃん』

ナビ子『外部のカメラは故障中です』

篠原『ちぇ、ちゃんと整備してくれよな』

加藤「遊びに来たわけじゃないんだぞ、篠原」

篠原『へいへい、わかってますよ』

小橋『はぁ、僕らだけで大丈夫かなぁ』

加藤「心配するな小橋。いざとなれば、山本がヤマトを守る」

大工原『お嬢は切り札ですからね』

加藤「そういうことだ」

椎名『隊長、こちらチャーリー隊!敵艦載機隊を発見しました!』


古代「これが、事実上のガミラスとの最終決戦か・・・」

大和「ドメル司令を突破すれば、もう弱体化した本土防衛艦隊しか残っていないはずです。今回は水盃を用意しましたので、せめて艦橋の皆さんだけでも」

アナライザー「ドウゾ」カラカラ

島「何だか死地に赴くみたいな雰囲気で嫌だな」

大和「いえ、私はまだ沈むわけにはいきません。決死の覚悟を決めるため、と言いましょうか」

沖田「せっかくだ、貰っておこう」

大和「では、勝利と帰還を願って!」

沖田「・・・」ゴク

相原「艦載機隊より通信です!敵機発見!」

大和「やはり、ここにいましたか」

沖田「主砲、副砲、対空機銃、射撃用意!」

大和「発見したのは戦闘機隊のようですね。しかし、戦闘機だけとは・・・」

古代「攻撃機は別方向から、ということか?」

大和「わかりません。ですが、嫌な予感がします。電離層近傍を離れ、できる限り見晴らしのいい場所に移動しましょう。島さん、1時の方角、Z軸プラス3度で上昇しつつ移動願います」

島「了解した」ガコン


バーガー『全機、ウィング隊形で集合!』

ハイデルン「集合を確認しました」

ドメル「よし、物質移送ビーム、照射」ピッ

ドメラーズ3世の艦橋に設置された瞬間物質移送機からビームが照射され、次々に攻撃機がワープする。

ドメル「続いて、ガルント発進準備。瞬間物質移送機の冷却急げ」


にゅにゅにゅ~ん

バーガー「ワープ成功っと。で、ヤマトはどこだ?」

副隊長「見つけました、あちらです。護衛機はありません」

バーガー「いたいた。たっぷり楽しませてもらうぜ。全機、攻撃開始!」

ドゴォォ!

大和「きゃぁ!」

古代「どうした!?」

南部「敵機直上!」

真田「第3デッキに被弾、ダメージコントロール!」

沖田「敵はどこから現れた?」

西条「わかりません、急に出現しました!」

南部「急に?どういうことだよ!」

西条「いえ、そこまでは・・・」

南部「敵機、再び直上!」

大和「アルファ2、直ちに出撃!対空機銃射撃開始!主砲三式、撃ち方始め!」ドゴォ

古代「ダメだ、当たってないぞ!」

ドゴォォォ!

西条「レーダーに被弾!」

古代「そんな、まさか・・・」

大和「坊ノ岬、いえ、ミッドウェーを自分自身で体験しているみたいですね・・・」


副隊長「敵レーダー破壊!行き足が遅くなっています!」

バーガー「これで仕事は終わりだな。攻撃が終了した編隊から母艦に戻れ」

副隊長「では・・・」

バーガー「ああ、お客さんにプレゼントをくれてやる」ニヤ

ハイデルン「ダロルドよりガルント発艦しました」

戦術長「瞬間物質移送機、冷却完了しました。故障は認められず、オールグリーンです」

ドメル「試作型とはいえ、さすが兵器開発局だな」

ハイデルン「ガルント、所定の位置に着きました」

ドメル「物質移送ビーム、照射」ピッ


大和「・・・っ」ガクッ

島「大丈夫か!?」

大和「平気です、まだ小破で済んでいますから」

古代「艦長、どう思われますか」

沖田「・・・ワープだ」

古代「え?」

沖田「敵機はワープしている」

南部「しかし、あんな小型機にワープができるとは思えません」

沖田「戦争は必ずしもセオリーが通用するわけではない」

大和「では、どういった対策を?」

沖田「早急に敵母艦を発見し、撃破せねばならん。目視による敵機及び敵艦発見に努めよ」

古代「艦長、自分は防空任務に就きます。南部、大和のバックアップを頼む」

南部「任せろ。必ず戻って来いよな」

大和「ワープする敵・・・そんなデータ、あのジレル人も持っていませんでした。まさか、秘密兵器・・・」

島「肩の力抜けよ。心配する気持ちはわかるけどさ」

大和「は、はい」

真田「マズいな・・・」

沖田「どうした?」

真田「波動防壁展開コンバーターが破損しました。直ちに修理に参ります」

沖田「了解した」

大和「一体どこから・・・あっ、敵機発見!大型爆撃機と思われます!山本さん!」

玲『わかってる!ガミラスめ!』


バーレン「デカいの食わしてやるわい!ドリルミサイル、発射ぁぁ!」ガシャン

ガコォン!

バーレン「敵ミサイル、艦首砲門に命中。戻るぞ!」

副隊長「ヤマト後方より戦闘機接近!追いつかれます!」

ダダダダ!

バーレン「っ、ここまでか・・・」ドゴォォォ


西条「敵機撃破!」

南部「ん、不発か?」

大和「・・・っ」

島「大和、どうしたんだ?」

ギュイイィィィィン!!

大和「いやぁぁぁぁ!」

新見「不発ではありません!削岩弾頭です!」

大和「やめてぇぇぇぇ!」プルプル

沖田「波動砲を封じるつもりか。新見、アナライザーを連れて削岩弾の除去しろ」

新見「はい」

ハイデルン「閣下!ドリルミサイルが命中しました!しかし、ガルントは未帰還・・・」

ドメル「残念だが、今は戦争中だ。雷撃隊、出撃せよ。攻撃隊は補給が済み次第、雷撃隊と入れ替わりに出撃する」

クライツェ『ドルシーラ隊、出撃します』


大和「いや、そこはらめぇぇ!」ビクンビクン

相原「・・・」///

南部「くそ、次は雷撃機かよ!全砲塔、三式弾に変更!各砲塔は指揮官の判断で攻撃!」

徳川「機関室、どうした!出力が下がっているぞ!」

山崎『機関室に被弾、現在復旧作業中です』

島「万事休すか・・・」

沖田「諦めるな。必ず突破口はある」


アナライザー「意外デスネ。簡単ニ中ニ入レマシタ。ヒック」

新見「元々、兵器じゃないのよ。多分、惑星開発用の削岩弾だったけど、兵器に流用された、ってところかしら。入口はその名残ね」

アナライザー「オ見事デスネ。ヒック」タッチ

新見「もう、どこ触ってるのよ!それに、何なのさっきから、そのヒックヒックって」

アナライザー「ヨッパラッテシマイマシタ。ヒック」

新見「何で酔っぱらう機能なんてつけたのかしら。情報技術部は変態の巣窟って聞いたけど、本当だったのね」

新見「できたわ!」カチリ

アナライザー「脱出シマス」ゴォォ

グィィン、ィイイイイイン

新見「削岩弾、後進開始。成功ね」

アナライザー「オ見事デス」


大和「はぁ・・・はぁ・・・しゅごいのぉ・・・」ビクビク

島「よし、削岩弾がとれたぞ!」

南部「でも、波動砲は撃てない!奴らも考えたな・・・!」

加藤『雷撃機のほとんどを撃墜した。だが、まだ安心できねえ』

沖田「ご苦労だった。敵艦の位置は特定できたか?」

加藤『目下、敵艦隊は発見できず』

沖田「そうか・・・」


古代『見つけたぞ!緑色の三段空母だ』

玲「今すぐ攻撃しましょう!」

古代『それには賛成だ。山本、俺について来い!』

玲「了解!」

バルグレイ 艦橋

戦術長「艦長、敵艦載機を捕捉!10時方向、仰角20度!」

ヴォック「対空射撃!撃ち落とせ!」

戦術長「敵機、ミサイル発射!ダメです、撃ち落とせません!」ドゴォ!

ヴォック「ダメージコントロール!」

船務長「第1、第2甲板に被弾、艦の形を維持できません!」

ヴォック「ここまでか・・・ガーレ・ドメル!」

ゴォォォォォ


戦術長「司令、雷撃隊が壊滅しました。クライツェ少将、戦死・・・」

バレク『ドリルミサイル、ヤマトを離れました。ミサイルは空中で爆発した模様』

ハイデルン「バルグレイ、撃沈されました!閣下!」

ドメル「天はこの手でヤマトを沈めよというのか。ダロルド、秘密兵器を使う。甲板展開!」

バレク『はっ、ダロルド、甲板展開します!』

ドメル「デスラー砲、発射用意!目標、ヤマト!」

バレク『デスラー砲、準備開始!エネルギー充填10%!』

ドメル「大和、君は死ぬには惜しい人だった。しかし、俺も祖国のために戦わねばならん。ここでお別れだ」

新見「ただいま戻りました」ビシッ

西条「敵艦発見!空母2、戦艦2!」

沖田「艦載機を収容せよ。砲戦用意!」

南部「了解。第1、第2主砲、ショックカノン発射用意!第1副砲、零式徹甲弾発射用意!」

真田『波動防壁コンバーター、修理完了!』

沖田「波動防壁展開。敵艦の攻撃に備える」

新見「そんな・・・敵戦艦のエネルギーが急上昇しています!波形パターン、波動砲と酷似!」

南部「まさか、敵の波動砲か!?」

沖田「急ぎこの場を離れる!取舵一杯!」

島「ダメです、避けきれま・・・」

ドゴォォォオォオオォオォ!!

相原「あっ!?」

新見「右舷に被弾!掠りましたが、外壁の一部が融解しています!」

南部「敵艦、砲撃を再開!主砲2基、旋回機構が融解し稼働しません!」

ガタン!

沖田「どうした!?」

太田「イオン乱流に突入!操縦不能!」

沖田「嵌められたのか、私は・・・ワープだ。ワープでこの空域を離脱する」

島「しかし、座標計算が・・・」

沖田「構わん!乱流に巻き込まれ自壊するよりはいい!」

島「・・・ワープします」

ハイデルン「デスラー砲、外れた模様です。ヤマトはイオン乱流に巻き込まれ、ワープに入りました」

バレク『申し訳ありません・・・』

ドメル「デスラー砲発射時は、艦の姿勢制御が難しくなるか・・・それがわかっただけでよしとしよう」

ハイデルン「追跡しますか?」

ドメル「一旦退く。再びヤマトは現れるだろう。今は艦隊の再編と兵士の休養が先だ」

ハイデルン「はっ。全艦、反転180度。現宙域を離脱する・・・」


兵器開発局

ヴェルテ「そうか、デスラー砲はまだ問題が残っていたか・・・」

ドメル『ええ。姿勢制御ができない限り、艦には命中しません』

ヴェルテ「わかった、できる限り解決しよう」

ドメル『では、バレラスで会いましょう』ピッ

ヴェルテ「これでは、第二バレラスと新型艦の竣工に大きな遅れが出そうだな・・・」

メルダ「タラン将軍、メルダ・ディッツ少尉、ただいま参上しました」ビシッ

ヴェルテ「やあ、メルダ嬢ちゃん。今回は君に折り入って頼みがある。頼まれてくれるか」

メルダ「将軍のご意向とあらば」

ヴェルテ「では、あっちで話そう。ここでは少々マズい」

・・・ィィィイイイイン グイイィィィン

大和「ここは、どこ・・・」

大和「皆さん、どうされました?皆さん!」

大和「よかった、気絶してるだけみたいね。他のセクションの乗組員も気絶、もしくは、死亡、か・・・」

大和「えと、ここは・・・」

「ここは、惑星オルタリア」

大和「その声、まさか」

ユリーシャ「久しぶり、大和」

大和「ユリーシャさん、いつの間に!」

ユリーシャ「ついさっき」

大和「そうですか。そういえば、先の戦闘の記憶がほとんどありあせん。何があったんですか?」

ユリーシャ「知らない。他の乗組員に聞いて」

大和「は、はい」

ユリーシャ「私たちは近づいている。私の生まれ故郷、スターシャ姉さんのところに」

大和「そうみたいですね。七色星団の重力影響が幸いして、かなり遠くまでジャンプできました」

ユリーシャ「けど、今のヤマトは満足に動けないわ」

大和「はい。あなたの記憶では、あそこにはガミラスに反抗的な民族が住んでいる、とのことですから、そこに寄ろうと思います」

ユリーシャ「・・・」

大和「艦長、独断専行してすみません。ヤマト、惑星オルタリアへ降下します」

惑星オルタリア 首都エメラルダ沖合

大和「何とか着水できましたけど、中破した姿で誰かに会うのは・・・」

ユリーシャ「私のを貸してあげる」

大和「ありがとうございます。それにしても、何気に露出度が高いですね」テレテレ

ユリーシャ「これはイスカンダルの正装。大事にしてね」ニコ

大和「はい」


大和「発光信号を確認。『貴艦の艦名・所属及び航行目的を通達せよ』ですか。当然の反応ですよね」

大和『こちら、国連宇宙軍日本艦隊所属、宇宙戦艦ヤマト。現在、重度の損傷を負い全力での航行及び一切の戦闘行動不能。修理と補給を願う』

大和「厚かましい上に博打ですけど、こうでもしないとヤマトは修復できそうにもありませんからね・・・」

ユリーシャ「返信が来たわ」

大和「えーと、『貴艦の寄港を歓迎する』ですって。皆さんを起こさないといけませんね!」

真田「・・・ん、ここはどこだ?状況確認をしてくれんか」

大和「ここはオルタリアという惑星です。ヤマトの艦体が維持できそうにありませんでしたので、ここで修理しようかと」

ユリーシャ「そうそう」

真田「ゆ、ユリーシャ・・・なぜ目覚めた?」

大和「私も気づかない間に目覚めていたらしくて・・・」

ユリーシャ「細かいことは気にしないの」

真田「そうだな。今はヤマトの修理が優先だ。ユリーシャのことは後に回そう」


古代「惑星オルタリア?そんなところがあったのか」

真田「航路からは大きく外れている。しかし、目的地には近づいた」

沖田「今回は賭けに勝ったが、攻撃を受けていた可能性も否めない。そこは評価できんが、よくやった」

大和「ありがとうございます」ペコリ

真田「では、上陸チームは私と古代、平田、岬くんだ。30分後に上陸する。シーガルを用意してくれ」

アナライザー「オ任セクダサイ!」

エメラルダ軍港

首長「ようこそ、惑星オルタリアへ。あなた方が宇宙戦艦ヤマトの皆さんですかな?」

真田「ヤマト副長、真田です」

首長「では、シティホールへご案内します」


原住民「うおおお!ガミラスを倒せ!」

ガミラス人移民「貴様らこそ隔離区に帰れ!」

真田「あれは?」

首長「我々はガミラスの属州惑星です。以前まで植民軍に支配されていましたが、地球から飛び立ったヤマトが次々にガミラスを破っているという話を聞き、原住民たちは義勇軍を組織して連中を駆逐することに成功しました」

古代「要するに独立運動ですね」

首長「ええ。そのヤマトがオルタリアに立ち寄ってくれて感謝しています。これで同胞たちは一層勇気づけられます」

百合亜「ちょっとボロボロですけどね・・・」

平田「岬くん」

百合亜「はーい」


シティホール

首長「なるほど、機動部隊の戦闘中、強力な破壊兵器の攻撃を受けた、というわけですか」

真田「完全に虚を突かれ、敗北しました。修理には時間がかかりそうです」

首長「わかりました。以前ガミラス軍が使用していた戦艦用の巨大ドックがあります。それをお使いください。食料、弾薬等もすぐに生産できると思います」

真田「何から何まで有難い」

首長「ですが、一つ頼みがあります」

古代「何ですか?」

首長「どうか、ガミラスを倒してほしい。そうしなければ、我々は真の独立を勝ち取ることはできない。それに、他の惑星に住む同志もそう望むだろう」

真田「・・・」

バレラス 兵器開発局

メルダ「父上がオルタリアに・・・?」

ヴェルテ「ああ。レプタポーダから帰還する際に立ち寄ったらしいんだが、そこで原住民の独立運動に巻き込まれたらしくてな。極秘裏に彼を救助する計画が決まった」

ヴェルテ「現在は親衛隊が本土防衛艦隊を牛耳っている。航宙艦隊が所有する戦力は、もう残り少ない。残っているのは、ドメルに託した機動艦隊と駆逐艦が数隻だ」

メルダ「その駆逐艦1隻を使って救助活動を行う、ということですか」

ヴェルテ「駆逐艦ではない。総統府直轄の特務艦を用意した」

メルダ「どのような艦ですか?」

ヴェルテ「UX-01という次元潜航艦だ。乗組員は荒くれ者ばかりだが、信用における者たちだ。頼めるか?」

メルダ「ご命令とあらば」

ヴェルテ「有難い。移民に紛れやすいよう、第442特務小隊も任務に入る。必ず帰ってきてくれ」

メルダ「ザー・ベルク」ビシッ


ヤマト 第1艦橋

大和「ドックに入れることになってよかったです」

太田「でも、敵対勢力の惑星だからな。上陸は禁止か・・・トホホ」

島「ボヤくなよ。修理できるだけいいじゃないか」

太田「そうですけど・・・」

西条「そういえば、警備に回っているはずの保安部が見当たりませんけど、どうしたんでしょうね?」

南部「沖田艦長も見当たらないな。どうされたんだ?」

大和「沖田艦長は先の戦闘で無理をしたらしく、艦長室で休養を取られています。睡眠薬を使ったので、数時間は起きません。保安部は露天甲板で何かしています」

伊東「・・・」ガラ

西条「あら、伊東さ・・・」

伊東「動くな」チャ

大和「どういうつもりですか」

伊東「見ればわかるはずだ。この艦は我々保安部が占拠した」

大和「愚かなことを・・・」

島「お前ら、自分が何してるのかわかってるのか!?」

伊東「これは仕方のないことです。我々はどこにイスカンダルがあるかわからない。そんな場所に地球を救う道具を取りに行く?夢物語も大概にしてほしいものです」

大和「イスカンダルはあります」

伊東「情報元は宇宙人だ。宇宙人など信頼できない!」

大和「・・・そうですか」

相原「で、では、これからどうするんですか?」

伊東「ここのデータを地球に持ち帰り、すぐに移民をすべきだ。ここは宇宙人の住む場所だが、これは致し方の無いことだ」

太田「こんなバカなことがあってたまるか!新見さん、何とか言ってやってくださいよ!」

新見「ごめんなさい、私も伊東くんの意見には賛成よ」

太田「新見さん・・・」

第2格納庫

篠原「あーあ、上陸したいなぁ・・・なぁナビ子ちゃん?」

ナビ子『敵地である以上、仕方のないことだと判断します』

篠原「そう硬いこと言わずにー」

加藤「無駄口叩いてないで、さっさと整備しとけ」

篠原「あいよ。ところで、お嬢と椎名は?」

加藤「二人で風呂に行った」

保安部員A「動くな!」チャ

加藤「何だ、お前たちは」

篠原「こりゃ、ただごとじゃなさそうだな」


艦内ジム

玲「ふぅ、さっぱりした」

椎名「お風呂は38度が適温ですね」

保安部員B「動くな!」チャ

玲「何よ」

保安部員B「ヤマトは我々が占拠した!指示に従え!」

玲「ふんっ!」バキッ

保安部員B「」

玲「行くわよ」タッタッタ

椎名「は、はい」タッタッタ

伊東「命令だ。ヤマトを発進させろ」

島「・・・」

伊東「聞こえないのか!」

大和「艦内の全システムは私が制御しています。私が動かさなければ何も動きません」

伊東「くっ!」チャ

大和「私に向けても仕方ありません。戦艦の主砲でも死にませんから。それと、他の人質を取れば艦は絶対に発進させません」

保安部員C『伊東さん、イスカンダル人と思われる女を発見、拘束しました』

伊東「連れてこい」

保安部員C『はっ』

大和「ユリーシャさんを拘束しましたね。もう艦は発進させません。全隔壁閉鎖」

ガシャン ガシャン ガシャン

伊東「何をした!」

大和「艦内の隔壁を全て閉鎖しました。あなた方の移動は全面的に禁止します」

伊東「小癪なマネを・・・!」

大和「これ以上、無駄な抵抗はやめてください。私たちと共にイスカンダルへ行きましょう」

伊東「ダメだ、宇宙人を信じたらみんな死ぬ・・・みんな死ぬんだ!」

島「そんなことはない!俺たちはイスカンダルを信じているんだ!」

太田「ああ、信じられなかったらこんなところまで来られないさ!」

伊東「お前たち、なぜだ・・・なぜそんなに宇宙人を信用できる!宇宙人は俺たちを攻めてきたんだぞ!」

大和「しかし、イスカンダルは私たちに希望を見出してくれました。そこに希望があるなら、進むべきです」

伊東「希望、希望って、罠だったらどうする?バラン星には銀河方面への侵攻部隊が配置されていたじゃないか!それが何を意味するか、わかっているんだろう?」

大和「そうですね。敵の母星は大マゼランにあります。いずれ、ガミラス星そのものと戦うことも考慮しなければならないと思います」

新見「いいえ、それは危険です。地球を滅亡寸前まで追い込んだんですよ?」

島「さすがに俺も擁護できないな。母星に残る戦力はどれほどのものかわからない以上、安易に突っ込むのは不用意だ」

大和「やはり、皆さんはそうおっしゃりますか」

伊東「当たり前だ!ヤマトが沈めば、もう地球は終わりなんだ!今すぐにでも、居住できる惑星に移住した方が・・・」

大和「では、地球を捨てるんですか?母なる地球を、大切な人が待ち、先祖が眠る大地を」

伊東「それじゃ、どうしろっていうんだ・・・」ガタガタ

大和「取り戻しましょう。青い地球を。そうするためには、あなた方の助けが必要です」

伊東「ふざけるな!」バン!

大和「っ!」

チューン!

新見「伊東くんっ!!」

伊東「そんな、効かない、だと・・・確かに心臓を狙ったはずだ!なのに・・・っ」

大和「艦娘は死にません。建造されることで生まれ、沈むことで死にます。私を葬りたければ、ヤマトを沈めなさい」キッ

伊東「・・・俺の、負けだ・・・煮るなり焼くなり、好きにしろ」

大和「では、そうさせてもらいます。それと、新見さんも拘束させてもらいます」

太田「何でだよ、新見さんは関係ないじゃないか!」

大和「新見さんもこの反乱の加担者、イズモ計画派の一人ですから。目立った動きをしないで助かりました」

太田「本当、なんですか・・・?」

新見「・・・」コク

太田「そんな・・・」

保安部員D「いたぞ!」ダダダダ

椎名「ふんっ!」バキッ

保安部員D「」

椎名「この辺りは警備が厳重ですね」

玲「隔壁も閉鎖されているし、ただごとじゃないわね」

保安部員C「ほら、さっさと歩け!」

ユリーシャ「強制されるのは嫌い」プイッ

椎名「あれは、森船務長ではありませんか?」

玲「そうとわかったら、さっさと助けるわよ」

保安部員C「あっ、お前たち、何をしている!」

玲「やあっ!」ベキッ

椎名「船務長、ご無事ですか」

ユリーシャ「私は大丈夫よ」

玲「何だかフワフワしてるけど、本当に船務長なの?」

ユリーシャ「私はユリーシャ、よろしくね」

椎名「聞き慣れない名前ですね。どこの所属ですか?」

ユリーシャ「所属なんて知らない」

玲「どうする?」

椎名「今はひとまず隠れて・・・」

大和『全艦に通達。反乱元の伊東保安部長を捕縛しました。保安部員または反乱に同調する乗組員は直ちに降伏してください。山本さん、椎名さんはユリーシャさんを連れて艦橋までお越し願います』

玲「やっぱり反乱だったみたいね」

椎名「艦橋に急ぎましょう」

星名「大和さん、反乱分子の制圧、終了しました」ビシッ

大和「お疲れ様です」

伊東「星名、お前・・・裏切ったのか!?」

星名「いえ、表返っただけですよ」

大和「彼は藤堂長官直属の部下です。艦内の全てを監視できる私と共にイズモ計画派の動向を監視するよう命令されていまして」

伊東「ここまで藤堂の計画通りか・・・ハハハ」

相原「大和さん、僕たち完全に蚊帳の外ですけど・・・」

大和「それもそうですね。その件については後でお話します。ですが、彼女も目覚めたことですし、この際に乗組員の皆さんには全てをお話しましょう。沖田艦長には後で報告します」


大和「彼女がイスカンダル人のユリーシャさんです」

ユリーシャ「こんにちは」ニコ

西条「森先輩そっくり・・・」

大和「イスカンダル王家の女性は美しいことで評判ですから」

アナライザー「イスアンダル人ニハ興味ガアリマス。是非調べサセテクダサイ」タッチ

ユリーシャ「やんっ、くすぐったい」

大和「今度女の子のお尻に触ったら本当にスクラップにするわよ」

アナライザー「ソレハコマリマス」ソソクサ

太田「いいなぁ・・・」

玲「っ!」ジロ

太田「ごめんなさい」

伊東「ここまで計画通りというわけだ。森雪としてヤマトに乗り込み、イスカンダルまで誘導しようとしていたんだな」

大和「いえ、森さんは確かに地球人です!私や藤堂長官、真田さんも知っています。それに、私は・・・」

沖田「バカモノ!」

艦橋要員「!?」

大和「艦長、起きていらしたんですか」

沖田「反乱の件は後回しだ。大和、わしの命令なしに機密を漏らすな」

大和「は、はい・・・」シュン

島「艦長、大和が言っていたのは、どういう・・・」

沖田「全て大和の言う通りだ。彼女はユリーシャ・イスカンダル、イスカンダル王国の第3王女であり、1年と5か月前に地球にやって来た使者だ。森くんは司令部で土方の秘書をしていた」

伊東「では、森船務長の記憶喪失の件はどうですか。森船務長が記憶を失った時期とイスカンダル人が行方不明になった時期が全く同じです」

星名「それは僕からお話します。イズモ計画派によって、ユリーシャさんを移送中だった車が爆破されました。表向きには事故として処理されましたが、彼女は意識を失っていたんです」

星名「その車には森さんも同乗していて、事故のショックにより記憶を失いました。同じ事故に遭っているんですから、2つの事実が結びつくのは当然ですよね」

沖田「ついさっき目覚めるまで、彼女は自動航法室の冷凍睡眠装置で眠りに就いていた。このことは人道的な問題で、国連宇宙軍の大部分はおろか、乗組員にも伏せられることとなった」

島「その人道的な問題とは・・・?」

大和「ユリーシャさんの記憶を、全て私にダウンロードしました。他人の記憶を探るのはもちろん人道上許されないことです。しかし、地球そのものと天秤にはかけられませんでした」

ユリーシャ「そうなの?」

大和「ええ。イスカンダルのことは全てわかります」

ユリーシャ「それじゃ、私の好きな食べ物は?」

大和「イカリカモメの卵焼きです。半熟が好みみたいですね」

ユリーシャ「すごーい。何でもわかるのね」ニコニコ

伊東「暢気な女だ・・・」

大和「イスカンダル人の思想は全てわかっています。放射能除去装置『コスモリバースシステム』もあります。彼女らは私たちを襲ってきたりしません」

沖田「彼女は最後に残された、たった1つの希望への道標を示してくれた。わしはそれを信じる」

島「そうだったのか・・・」

西条「何だか、信じられない話です。でも、私たちはそのおかげでここまで来れたんですよね」

伊東「冗談だろ・・・フフフフ」

星名「では、行きましょう」


右舷展望室

大和「ユリーシャさん」

ユリーシャ「なあに?」

大和「あなたのお姉さんは、私たちにコスモリバースシステムを渡さないと考えていらっしゃるんですね?」

ユリーシャ「そう。だって、あなたたちは波動砲を作ってしまった。あれは作り出してはならないものだった」

大和「あくまで自衛のためです。私たちは他人を侵略してまで幸せを掴みたくないと考えています。でも、身を守れないとどうにもなりません」

ユリーシャ「言葉ではなく、その行動で」ジロ

大和「それは・・・はい、言うと思っていました。どうか見届けてください。私たちの行く末を」

真田「ガミラスを倒してほしい、か・・・」

古代「俺も断固戦うべきだと思います。奴らは地球だけでなく、他の惑星にまで戦争を仕掛けています。それを止めることができるのは、ヤマトだけと信じます」

百合亜「はい、はい!私もそう思います!」

真田「俺はそう思わない。ガミラス艦は総じて戦闘力が高い。ヤマトが今まで生き延びられたのは、運と見て間違いないだろう。1人の英雄より100の一般人の方が強いんだよ」

真田「それに、最優先すべきは地球人の命だ」

古代「そんなことは、百も承知です」

真田「・・・ひとまず、帰還しよう。今できるのは、イスカンダルに向かうことだけだ」


島「ところで」

大和「はい?」

島「敵の母星は大マゼランにあるって言ってたよな」

大和「ええ」

島「場所を知っているのか?」

大和「詳しい位置を知っています」

島「教えろ!その詳しい位置を」

大和「座標コード、LM1057883の地点です」

島「・・・それ、イスカンダルから47万㎞しか離れてないよな。どういうことだ?」

大和「同じ星系、同じ軌道を周回する連星です」

島「お前、知ってて俺たちをこんなところまで!」

大和「これを最初から知っていたら、あなたはここまで来ましたか?」

島「それは・・・」

惑星オルタリア 静止軌道上

ハイニ「んだってんだよ!俺ら、やっぱり便利屋に思われてねェか?」

フラーケン「今回は事情が特殊だ。我慢しろ」

ハイニ「ドジ踏んで囚われの身になった総司令様を助けに行く話なんざ聞いたことねェよ」

ノラン「僕は面白いと思います。勇者みたいでかっこいいじゃないですか」

ハイニ「助けに行くのはオッサンだけどな」

フラーケン「それに加え、送り込むのは姫様だ」

ハイニ「あーあ、一度でいいから噂のヤマトとかいう戦艦と戦ってみたいぜェ。そうすりゃ気も晴れるってモンよ」

メッツェ「その願い、叶うかもしれませんよ」

ハイニ「どういうこった」

メッツェ「エメラルダ港の乾ドックに宇宙戦艦ヤマトと思しき艦影を確認」

ハイニ「ぃよっしゃぁぁ!!願っても無いチャンスだぜ!」

フラーケン「今回の任務はディッツ提督の回収だ。ヤマトじゃない」

ハイニ「見逃せってのかよ!」

フラーケン「そうは言っていない。目的達成後はヤマトと一戦交える」

ハイニ「そう来なくっちゃ面白くねェ!おらおら、さっさと任務終わらせて来い!」シッシッ

ベルガー「第442特務小隊、出撃準備に入ります」

首長「何、ガミラス艦の侵入だと?」

解放軍中将「はっ、狙いはおそらく航宙艦隊総司令官かと思われます」

首長「何としてでも追い返せ!」

解放軍中将「しかし、稼働可能な艦はありません。全てドックです」

首長「まさか・・・いや、手はある」

解放軍中将「と、言いますと?」

首長「ヤマトだ」


西条「未確認飛行物体接近!識別信号からガミラス艦と思われます!」

大和「この反応は次元潜航艦です。しかし、大気圏内での次元潜航は不可能なのに、なぜ・・・?」

南部「考えるのは後だ。主砲、副砲、射撃用意!」

西条「敵艦より小型の飛行物体が発進しました!次元潜航艦、ヤマト上空を通過、大気圏外に離脱!」

島「艦載機の射出が目的だったってわけか」

大和「反応の確認、出ました。小型の揚陸艇です」

南部「それじゃ、白兵戦の用意を・・・」

沖田「ならん。シーガルにて上陸班を収容、直ちにこの惑星を離れる」

南部「なぜですか!ここの人々を助けなくていいんですか?」

大和「艦長は戦いに積極的に介入しないようにしているんです。それに、あの小型艇程度の収容人数を考えれば、解放軍の戦力でも十分に処理できます」

榎本『シーガル、いつでも発艦できます』

大和「了解しました。シーガル、発進してください」

相原「オルタリアの議事堂より通信です」

首長『宇宙戦艦ヤマトの皆さん、聞こえますか』

大和「あなたは確か、オルタリアの首長さん」

首長『ええ。オルタリアに侵入した艦を撃滅していただきたく、この通信を入れさせていただきました』

沖田「・・・我々は戦うために来たわけではありません。攻撃の可能性が低くなった以上、無駄な争いをするべきではないと考えます」

首長『しかし・・・』

大和「艦長、私もあの艦を叩くことには賛成です」

沖田「何か理由でもあるのか」

大和「破壊するのではなく、鹵獲したいと思います。ゲシュ=ヴァール機関というエンジンを手に入れれば、ヤマトも次元潜航が可能になるかもしれません」

島「次元潜航だって?」

大和「はい。こちらからの攻撃はできないでしょうが、相手からの攻撃もできません。次元タンクが無い分潜航時間は短くなりますが、敵の攻撃をかわすには有効のはずです。それに、爆雷の開発も進みます」

太田「本当にできるのか?それ」

大和「そこは真田さんに全てお任せします」

沖田「了解した。機関の解析という名目で鹵獲を許可する」

大和「ありがとうございます」

島「ムチャクチャだなぁ・・・」

ヤマト 舷側第3格納庫

真田「ガミラス艦が出現したと聞いたが」

榎本「何でも、例の宇宙に潜る艦らしいですな」

真田「宇宙に潜る・・・次元潜航艦か」


島「ところで、どうするつもりだ?敵は攻撃の当たらないところにいるんだからな、勝負なんて見えてるぜ」

大和「そうですね。でも、それは単に土俵が違うというだけです。・・・西条さん、空間ソナーに自動航法補助システムを接続しました。動作は不安定ですが、亜空間ソナーの機能を果たすはずです。念のため、静止軌道上までのエリアをチェックしてください」

西条「は、はいっ」カタカタ

島「亜空間ソナーは開発中の代物だろ?ヤマトの装備を組み合わせただけで使えるはずがない」

ピコーン

西条「反応ありました!敵艦、静止軌道上に潜伏中!」

島「・・・・・・・・・・・」

大和「予想通りですね。島さん、ワープ準備を」

島「どこに?」

大和「同じ土俵に踏み込みに行くんです。座標データは入力しました。そこに跳んでください」

ピコーン

フラーケン「・・・?」

ハイニ「おいおい、携帯の電源は切っとけって言ったろ?」

フラーケン「違うな。次元波動振だ」

ハイニ「連中のソナーってわけか」

フラーケン「ソナーを装備しているということは、対潜装備も持っているということだ。全艦、戦闘配備。敵のピンガーを利用しつつ攻撃を行う」

ハイニ「っしゃァァ!次元タンクブロォォウッ!魚雷発射管、艦首魚雷、1番から8番まで装填!」

フラーケン「次元潜望鏡深度まで浮上。さあ、狩りを始めよう」ニヤ


南部「待て!どこに跳ぶって言ったんだ!?」

大和「敵艦を攻撃できないなら、攻撃できるところに移動するべきです。手をこまねいていたら、何もせずにやられます。そうですよね、艦長」

沖田「・・・」

島「それでいいんだな?」

大和「はい。私に任せてください」

島「わかった。ワープ!」

バレラス 士官居住区画

デスラー「雪くん、新居の居心地はどうかね?」

雪「・・・快適です」

デスラー「気に入ってくれて何よりだ」

雪「ところで、ヤマトはどうなったの?」

デスラー「そう遠くないところにいる。もうすぐ、ここに到着するだろう」

雪「ヤマトはここを目指しません。あくまで目的地はイスカンダルです」

デスラー「そうは思わないがね。君がここにいる限り」


兵器開発局 新型艦建造ドック

デスラー「これが次世代戦闘艦の艤装かね?」

ヴェルテ「は。新型航空魚雷や480mm陽電子砲を装備し、更にはデスラー砲も発射可能です」

デスラー「期待しているよ。それより、「あれ」はどうなっている?」

ヴェルテ「その件ですが、いささかデータ不足で開発が難航しています」

デスラー「じきにヤマトはここに来るだろう。それまでに何としても完成させるのだ」

ヴェルテ「ザー・ベルク」ビシッ


デスラー「・・・面白い。テロン艦、いや、ヤマト」

デスラー「戦う気が少しでもあるならば、私も「同じ力」で迎撃しよう」

メッツェ「ヤマト、ゲシュタムジャンプしました」

ハイニ「へっへっへ、奴ら尻尾巻いて逃げやがったぜ。追跡よォォい!」

フラーケン「そうだな。回収予定時刻までは間がある。それまで遊んでおくのも1つの手か」

メッツェ「ヤマト出現!後方です!」

ハイニ「ぁああ?!」

フラーケン「何だと・・・!?」


太田「じ、次元断層に突入しました!」

島「なんてこった・・・」

大和「さあ、これで同じ土俵に立てましたね」

南部「沖田艦長以上にメチャクチャだ・・・」

大和「重力アンカー射出!」

島「りょ、了解!重力アンカー射出!」

ガシャン!

大和「次元潜航艦への着弾を確認しました。巻き戻してください。これから私はシステムの制圧を行いますので、艦の制御は全て皆さんにお任せします」

大和「さて、もう逃げられませんよ。狼さん」

グラン「クソッ!アンカーが撃ち込まれた!逃げられないぞ!」

フラーケン「奴ら、捕まえに来たのか・・・」

ハイニ「魚雷だ!魚雷でぶっ潰せ!」

フラーケン「やめろ。巻き添えを食う」

ハイニ「このまま捕虜にされるのを待てってのかよ!」

フラーケン「時には潔く負けを認めることも大事だ。勝利ばかり重ねていると慢心が心を食いつくす」

ハイニ「ったく、よくやるぜアンタはよ・・・」プイ


桐生「目標物、左舷への接舷を確認」

大和「了解。敵艦のコントロールを掌握しました。これより通常空間に脱出します」

沖田「ご苦労」


惑星オルタリア 静止軌道上

沖田「保安部と技術科は敵艦に乗り込み、調査と武装解除を進めよ」

真田「沖田艦長!あれは一体どういうことですか!」

沖田「敵次元潜航艦を鹵獲した。これから技術調査に入るところだ。真田くん、君も同行してほしい」

真田「・・・はい」

古代「何てこった、敵艦を鹵獲しちまうなんて・・・」

星名「主要乗組員はヤマトの営倉へ、その他乗組員は技術者数名を残して敵艦の営倉へ収容しました」

大和「ありがとうございます。では、私も調査に行きますね」

アナライザー「女性乗組員ハイラッシャイマスカネ」

大和「ケホン・・・主砲発射用意」ウイーン ガシャコ

アナライザー「冗談デスヨ」


フラーケン「貴様が、噂に聞くヤマトの「艦娘」か」

大和「はい。戦艦大和です」

ハイニ「へへ、可愛いじゃねえか」

大和「え、あのぅ・・・」テレテレ

フラーケン「まさか、異次元に侵入してくるとは想定外だ」

大和「過去に次元断層に突入してしまったことがありまして、そのデータを基に空間測定を行いました。その後はUX-01が発する次元の歪みに強制的に割り込みました」

フラーケン「貴様はいい腕をしているな。敵にしておくにはもったいない」

大和「いえ、私はできることをしているだけです」

惑星オルタリア 捕虜収容所近郊

ダダダダ!

ベルガー「ノラン、ディッツ少尉をお守りしながら合流地点まで急げ!」

ノラン「しかし!」

ベルガー「命令だ!」

ノラン「・・・はい。ディッツ少尉、こちらへ」

メルダ「っ、仕方ない」ギリギリ


ヤマト 第1艦橋

相原「よし、通信回路は全て潜航艦とリンクしました。これで敵の通信を怪しまれることなく傍受できますよ!」

大和「お疲れ様です。

ピピーッ、ピピーッ

相原「お、早速来ましたね」

『猟犬に告ぐ、首都の天気は雹及び霧』

相原「何かの暗号でしょうか・・・?」

大和「私には・・・あら、この声、聞き覚えがあります」

『30分後に雨を払え。通信終了』ピッ

大和「でも、どこで・・・?」

右舷展望台

大和「誰、でしたっけ・・・?」

浜風「つい2か月前のことを忘れたんですか」

大和「浜風さん・・・はい、記憶の一部にモヤがかかったかのようになっていまして」

浜風「聞くに、典型的な健忘症の症状ですね」

大和「記憶喪失?私が、ですか?」

浜風「突然ですが、天一号作戦に参加した艦艇を全て答えてください」

大和「は、はいっ。大和、矢矧、雪風、浜風、磯・・・あら、磯・・・っ」

浜風「思い出せないみたいですね。磯風です。忘れましたか」

大和「すみません、本当に記憶の一部が欠けてしまったみたいで」

浜風「私たち艦娘は建造されてからの記憶を全て持っていると、三笠先輩がおっしゃっていました。つまり、今の大和は正常な状態ではありません」

浜風「思い出してください。一度でも、何らかのショックを受けたことがあるはずです」

大和「今までのショック・・・ドリルミサイル、ではありませんね。そこの記憶は鮮明に持っています。では・・・ヤマト制圧・・・あっ!」

浜風「ヤマトが支配された時からの記憶はどうですか?」

大和「はい。確かにヤマト制圧前の記憶に一部モヤがかかっています」

浜風「その通りみたいですね。では、さっきの通信の人の正体が知りたければ、山本玲に会いに行くといいです」

大和「玲さん?」

浜風「では、武運を祈ります」

大和「玲さんに会えば、わかるんですね」

ヤマト 第2格納庫

玲「・・・」フキフキ

大和「艦載機の清掃、お疲れ様です」

玲「仕事中よ、邪魔しないで」

大和「すみませんが、急用なので今の仕事を中断して聞いてほしいんです」

玲「何?」

大和「この声、誰だかわかりますか?」ピッ

『猟犬に告ぐ、首都の天気は雹及び霧』

玲「・・・メルダ・ディッツ少尉よ。あなたが尋問したのに、忘れたわけ?」

大和「ヤマトが敵に撹拌された際に、記憶の一部をもぎ取られてしまったらしくて・・・」

玲「ところで、これは何?」

大和「鹵獲した敵艦に送られてきた暗号です。どうやら、回収地点にて待つ、という内容みたいなんです」

玲「・・・」

大和「玲さん?」

玲「ちょっと考え事してた」

惑星オルタリア 第442特務小隊回収予定地点

メルダ「回収地点に到着した。オシェット、照明弾だ」

ノラン「はい。照明弾、打ち上げます」

プシュ ヒュー バン

ノラン「信号、来ました。回収を行う、その場で待機せよ、とのことです」

メルダ「・・・その通信、信用できるかどうか怪しいものだな」

ノラン「なぜですか?」

メルダ「上空からガミラス軍のものではない航空機が接近している」


コスモシーガル

メルダ「また貴様に会うとは思ってもみなかった」

大和「は、はい」アセアセ

メルダ「お前も元気そうだな」

玲「お陰様で」

ノラン「ディッツ少尉、彼らは・・・」

メルダ「宇宙戦艦ヤマトの乗組員だ。我々は捕虜にされた」

ノラン「そんな・・・!」

ヤマト 営倉

メルダ「・・・というわけだ」

大和「つまり、あなたのお父さんである航宙艦隊総司令を助けに行こうと、あんなところにいたわけですね」

メルダ「他の隊員も一緒だ。原住民の義勇軍に襲われ、我々2人だけ戦線を離れた」

大和「まだ、そこにあなたの仲間が・・・」

大和「わかりました。義勇軍に掛け合ってみましょう。もしかしたら、無事に解放してくれるかもしれません」

メルダ「その保証は無い」

大和「今の私たちは、反体制派や植民地の原住民にとっての英雄であり、反ガミラスの象徴です。何か理由をつければ融通が利くかもしれません」

メルダ「・・・流石だな」

大和「何がですか?」

メルダ「何でもない」

大和「?」

相原「~♪」

大和「相原さん、ちょっと通信機借ります」

相原「ちょっと、大和さん!」

大和「接続完了。こちら宇宙戦艦ヤマト、オルタリアの首長さんに用があります」

オルタリア軍通信士「は、はい。政府に掛け合ってみますので、少しお待ちください」

相原「・・・?」


数十分後

首長『ヤマトですか。用件は何ですかな?』

大和「そちらに拘束されているという、ガミラス軍航宙艦隊総司令官を引き渡してください」

首長『何をするつもりですか?』

大和「人質です。ガミラス軍上層部となれば、相当な交渉カードになりますから」

首長『・・・わかりました。あなた方の頼みとなれば、喜んでお受けいたしましょう』

大和「度々すみません。感謝しています。では」ピッ

メルダ「何から何まで済まないと思っている」

大和「私にできることといえば、このくらいですから」

メルダ「しかし、解せんな。人質にする気は無いのだろう。なぜ助ける?」

大和「そうですね・・・あなたとなら友達になれそうな気がするんです。尋問の時のテープを見返したら、そう思えました」

メルダ「お前はこの艦のテロン人の誰よりも面白い」

バレラス セレステラ邸

ヒルデ「どうぞ」カタ

雪「ありがとう」ニコ

ヒルデ「あっ・・・」テレテレ


セレステラ「あの子は、外で拾った子よ。あの子の父親は、ゾル星系のプラード基地司令だった。でも、最後は無残に殺された」

セレステラ「確か、宇宙戦艦ヤマトとかいう」

雪「・・・っ!」

セレステラ「総統によって名誉市民に格上げされたことまではよかった。それでも、現実は厳しかった。母親はノイローゼで死に、路頭に迷っていたところをミレーネルが助けたのよ」

雪「・・・」

セレステラ「戦争って残酷よね。人の命が簡単に奪われ、踏みにじられる」

セレステラ「イスカンダルやガミラスも願うことは一緒。『宇宙を平和に。戦争の無い世界を』」

セレステラ「でも、総統は違う。イスカンダルのように何もせず薄っぺらな言葉だけで宇宙を平和に、などという愚かな考えはない」

セレステラ「唯一絶対の支配者がいれば、国家同士での戦争は一切なくなり、人々は平和な毎日を過ごすことができる。それが、総統のお考え」

雪「そんなの、できっこない」

セレステラ「実現の道は遠いわ。デスラー総統のご存命中にできる仕事じゃないことは彼も重々承知している」

雪「そんなことじゃない。地球でも絶対の支配者や体制は現れた。けど、平和なんて訪れなかった。逆に戦争は増えるばかり。戦争が無くなっても、あるのは支配者のエゴと下級市民の不満ばかりだった」

雪「大和だって、その犠牲者なのよ。彼女が地球で一番よくわかってるわ」

セレステラ「大日本帝国、といったかしら。その大和をスケープゴートにした国家っていうのは」

雪「何で、それを・・・」

セレステラ「総統は大日本帝国とは違う。貧乏でもなければ、無茶な精神論を掲げたりもなさらない。彼は、ただ宇宙の平和だけを望んでいらっしゃるわ」

雪「・・・どうかしらね」

セレステラ「これから私は兵器開発局に行くわ。あなたは玄関で迎えを待ちなさい。ミレーネル、車を用意して。ヒルデ、行くわよ」スタスタ

雪「あっ」

セレステラ「最後に一つだけ忠告するわ。ヤマトはサンザーで倒される。圧倒的な力と、『同等の力』で」

雪「同等の、力・・・?」


兵器開発局 極秘研究施設

ドメル「馬鹿な!そんなもの、認められるはずがない!」

セレステラ「認めてもらうわ。さもなくば、ガミラスは確実に負ける」

ドメル「俺が指揮をすれば、現有戦力だけでヤマトを叩ける!」

セレステラ「無理よ。親衛隊は無能だから歯が立たないのはもちろん、あなたでさえ「大和」には勝てない。七色星団宙戦は運がよかっただけ」

ドメル「俺は絶対に認めない。こんな非人道的なものは!」

セレステラ「これは総統命令よ。誰にも変更はできない」

ドメル「・・・っ」ギリギリ

ヴェルテ「諦めたまえ、ドメル。私もこれには何が何でも反対したい。しかし、君にも私にも、止める権限はない」

あの後、オルタリアからガル・ディッツ航宙艦隊総司令官が解放されました。

彼は、あの惑星で地獄を見てきたとおっしゃっていました。

虐げられる原住民、食糧不足にあえぐ貧しい人々、それらに我慢できなくなり、移民に攻撃を仕掛ける義勇軍。

原住民はディッツ提督を、戦争を仕掛けて占領してきた敵国の人間としてではなく、搾取し差別してくる憎き民族の人間ととらえていたそうです。

元より政府に不信感を募らせていた彼は、反体制派として動くことを決意しました。フラーケン艦長やメルダさんは元より、同じく救出された第442特務小隊の皆さんも同胞である2等ガミラス人の惨状を見て、反体制派になる意を表明しました。

その後、私を含むヤマト上層部やユリーシャさん、ガミラス反体制派とで会談を行いました。やはり敵同士ということもあり、共闘するには至りませんでした。

しかし、ヤマトには連絡将校としてメルダさんが乗り込むことになりました。これは、ガミラスと地球の距離が少しではありますけど縮まったことでしょうか。

こうやってわずかながら分かり合えたんですから、ガミラス星に住む人々とも分かり合えます。

大和「それを、私は証明してみせたいです。なぜなら、それこそが平和への第1歩だと思うから」


UX-01 艦橋

フラーケン「本当にいいんだな?」

大和「はい。怒られるのは覚悟しています」

フラーケン「いいだろう。度胸のある女は嫌いじゃない」

ディッツ「いいのか?親衛隊に捕まったらただじゃ済まないぞ」

大和「私には自衛用の艤装がありますし、戦艦の砲撃でも死にませんから」

ハイニ「どーいう補正だよそりゃ」

大和「冷やかさないでくださいっ!」プンスカ

ヤマト 第1艦橋

古代「島、こいつを見てくれ・・・」

島「ん、ホログラムレコーダーじゃないか」

古代「いつの間にか起動したオルタが持っていた」

島「気になるな。どれどれ・・・」カチ

大和『私はガミラスに行きます。独断専行とわかっていますが、どうしてもそうしなければならないと思ったんです。可能であれば、本星に囚われているはずの雪さんの救出もします』

古代「雪・・・っ」ギリギリ

大和『皆さんはお気になさらず、イスカンダルへ向かってください。思念中継用にオルタを起動しましたので、私と通信したい場合は彼を使ってください。では、武運を祈っています』 

島「あいつ、何をする気なんだ?」

古代「わからない。ひとまず、この件は沖田艦長に報告する」


艦長室

沖田「そうか、1人で・・・」

古代「はい」

沖田「平時は大和撫子らしく、戦闘中は臨機応変に、大胆に。そして、自分に正直だ。流石、あの戦艦大和の艦娘だけある」

古代「しかし、これは独断専行では・・・」

沖田「以前、話したことがあったな。間違ったと思えば立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ。彼女は、それに従ったに過ぎない」

古代「自分を、貫く・・・」

沖田「補給が済み次第、本艦はイスカンダルに向かう。サンザー星系突入後は激しい戦闘が予想される。準備を済ませ、それまでしっかり休養しておれ」

古代「了解しました」ビシッ


沖田「おおっ・・・!」バタッ

沖田「まだだ、まだ倒れんぞ・・・」ハァハァ

サンザー恒星系 第5惑星アスタル軌道上

ディッツ「しかし、どうする?」

大和「何がですか?」

ディッツ「お前がそれを背負っていれば、悪目立ちしてしまうだろう」

大和「艤装ですか。これ、実は格納できるんです。こんな風に」

ガシャン キラキラ・・・

ディッツ「あれほどの鉄塊が光になって体に吸収されおったぞ・・・どうなっている?」

大和「艦娘だけが使える能力は2つあります。それは、自分の戦闘艦艇のコントロールと、艤装の展開です。艤装はいわば『心の鎧』で、主に自衛のために使います」

ディッツ「テロン人はこんなこともできるのか。数か月前にテロン人に関する資料を見せてもらったが、こんなことは一切なかった」

大和「私たち艦娘は世間一般のテロン人とは違いますから」

ディッツ「では、テロン人にも種族に違いがあるのか?」

大和「テロン人には外見の違いはありますが、全て同じ人間です。私たち艦娘は少し特殊な存在なんです」

ディッツ「・・・それ以上、詮索はしないでおこう。触れてはいけない部分のような気がする」

大和「触れてはいけない、というか、私たちにもよくわからないんですよね。艦娘の出自に関する情報はどの国家機密より厳重に規制されていましたから」

ディッツ「君たちも知らない、ということはないだろう。自分のことのはずだ」

大和「いえ、本当に『わからない』んですよね。進水式で目覚める以前の記憶が全くないというか、『記憶に封をしてある』というか・・・」

ディッツ「情報規制か。他人のことを信用できない小物は味方にまで情報を隠すという」

大和「・・・」

フラーケン『全艦に達する。5分後にバレラスへの航路に入る。ディッツ提督と大和はそこで降りてもらう」

大和「隠れるところはあるんですか?」

ディッツ「心配ない。ドメルの家にでも隠れているとしよう」

バレラス ドメル邸

ピンポーン

家政婦『はーい。どなたですか?』

ディッツ「私だ。ドメルを呼んでくれ。くれぐれも誰にも洩らさぬようにな」

家政婦『はっはい!今玄関までお迎えに上がりますっ!』

大和「ふふ、面白い方ですね」


応接室

ドメル「お久しぶりです、ディッツ提督。それに、大和もな」

大和「はい。この前は完全にやられました」エヘヘ

ディッツ「話は後だ。ひとまず、状況の報告と頼みごとを聞いてほしい」


ドメル「・・・提督は、帝国に反旗を翻すおつもりですか」

ディッツ「この星は変わらねばならん。今までのガミラスとも、ましてイスカンダルとも違う、真に平和を求める国家を築きたいのだ」

ドメル「私は政治に興味などありません。しかし、そんなことは無茶だと自分でもわかります。相手はガミラスという一国家、それも反逆者に対しては容赦ない粛清を信条としています」

ディッツ「私一人では無理だっただろう。しかし、今はヤマトがいる。それに、娘や帝国に虐げられてきた市民や植民地の原住民たちも味方につく。ヤマトのお陰で反ガミラスの気運が最高潮に達している。するなら今だ」

ドメル「・・・提督のお気持ちに変わりがないなら、私は止めません。私は軍人、戦うことが本分です。隠れ家には地下室をお使いください」

ディッツ「感謝する」

ドメル「それと、大和に話がある。来てくれ」

大和「は、はい」テクテク

2035年 坊ノ岬沖

榛名「大和さん、榛名、悲しいです」

榛名「政府の方々は、艦娘を『製造』するつもりです」

榛名「霧との戦いで後が無いのはわかっています。けど、また私たちのような悲しい存在を生んでほしくないです」

榛名「あの戦争の後、私たちは日本軍の機密事項を徹底的に調べました。軍が核兵器や生物兵器を開発していたこと、人体実験をしていたこと、そして、『艦娘を作っていた』こと・・・」

榛名「全てを知った時は、とても悲しくなりました」

榛名「私たちが、本当は人間だったこと。艦娘製造の際には、とてもリスクが伴うこと。仮に成功したとしても、艦娘になる以前のことは全て忘れてしまうこと・・・」

榛名「駆逐艦の皆さんは、まだ小学生だという方が大半でした。私たち戦艦娘も、今で言う大学生の年齢です」

榛名「・・・今は、生き残りの艦娘たちと人間の目を避けて暮らしています。もう戦いには出ませんから、安心してお休みください」ウルウル

伊勢「榛名、船出すよー!」

榛名「はい・・・」グスッ

墓地

ドメル「息子の墓だ」

大和「息子さん、亡くしていらっしゃったんですね」

ドメル「病気だ。医者からガンと言われた」

大和「・・・」

ドメル「その日から、エリーサはすっかり元気を失くした」

ドメル「・・・艦娘が、どうやって生まれるか知っているな?」

大和「いえ、ディッツ提督にもお話しましたが、私には艦娘の出自に関わる記憶が全くないんです。他の艦でも同じですけど」

ドメル「そうか。・・・艦娘は人間をベースに作られる。どこからか拉致してきた少女に特殊な薬品を飲ませ、頭に強力な電磁波を浴びせる。こうすることで艦娘ができる」

大和「人間から、艦娘が・・・?そんなこと、どこで知ったんですか!?」

ドメル「ミレーネル・リンケというジレル人の女の情報だ」

大和「まさか、あの時に!」

ドメル「心当たりがあるようだな。しかし、大和の進水式以前の記憶には強力なロックがかかっていて、プロテクトを解除するのに時間がかかったようだ。もちろん、故意にロックしたと思われるユリーシャ姫の記憶も奪えなかった」

大和「そんな、私は元々、人間・・・」ガクッ

ドメル「もちろんショックだろう。君は『生まれた』時からずっと艦娘として生きてきたと思わされていたわけだからな」

大和「ごめんなさい、矢矧さん、霞ちゃん、浜風さん・・・っ」グスッ

ドメル「実は、君と同じく不幸な女の子が艦娘にされようとしている」

大和「えっ・・・」

ドメル「ディッツ提督の言葉を聞いて、俺も立ち上がることに決めた。上官に刃向うなど軍人のすべきことじゃないのはわかっている。だが、俺にはやらねばならないことができた。手伝ってくれるか?」

大和「はい!」

バレラス 露天商店街

大和「とってもきれいで、賑やかなところですね」

ドメル「よく妻と買い物に来る場所だ。総統府近くのショッピングモールより活気がある」

大和「確かに、人の多さで言えば東京に引けは取らないかもしれませんね」ギュウギュウ

八百屋おじいさん「やあエルク!今日はピンズー草が安いよ!」

ドメル「こんにちは。では、それを一ついただきましょうかな」

八百屋おじさん「ぃよっ!ガミラス一!」

ドメル「ハハハ、ご冗談を」

八百屋おじさん「ところで、そちらのお嬢さんは誰だい?」

ドメル「友人の娘でね、一度バレラスの市場を見せてやりたいと思ったんです」

大和「こんにちは」ペコリ

八百屋おじさん「お行儀いいね。ザルツ人かい?」

大和「ザルツ・・・あ、はい」

ドメル「少しその辺りを見てくるといい。地図と携帯端末を貸そう。俺はここにいる」

大和「ありがとうございます。では、お買い物したら戻ってきますね」スタスタ

八百屋おじさん「いい子じゃあないか。親のしつけがなっている証拠だねありゃ」

ドメル「・・・そうですね」

ドン!

大和「おっと」

「きゃっ!」

大和「ごめんなさい。大丈夫でした?」

ヒルデ「私の方こそ・・・」

大和「すみませんでした。では失礼します」

ヒルデ「ま、待ってください!」

大和「はい?」

ヒルデ「あの、ここでザルツ人を見かけることなんて稀なので、つい・・・」

大和(ザルツ・・・あら、同族と間違われちゃったわね。でも、それくらいザルツ人と地球人って似ているのね)

大和「いいですよ。少し歩きましょ」


ヒルデ「それで、お父さんったらゲタとハイヒールを間違えて履いていっちゃって・・・」クスクス

大和「お父さんのこと、大好きなんですね。どこのお仕事をされているんですか?」

ヒルデ「・・・お父さん、もう死んじゃったんです。軍人さんだったんですけど、ゾル星系でヤマトっていう艦に撃沈されちゃった」

大和「ごめんなさい、そんなこと聞いちゃって・・・」

ヒルデ「いいんです。お父さんは私の誇り、デスラー総統と同じくらい尊敬してます」ニコ

ヒルデ「テロンって、、ひどいですよね。先制攻撃なんかしてきて、今もヤマトが侵攻してきてるって話ですし」

大和「そう、ですね。先制攻撃なんかして、戦争を仕掛けるなんてどうかしています。でも、全滅するまで攻撃する方もどうかしています」

ヒルデ「でも、それは平和のためじゃないんですか?危ない人を倒して平和を作るのが・・・」

大和「違います!」

通行人たち「・・・?」

大和「すみません、ちょっと熱が入っちゃって」アセアセ

バレラス 大きなアパート

大和「初対面なのに、上がり込んじゃって大丈夫でしょうか・・・」

ヒルデ「大丈夫です。ザルツ人はみんな同胞ですし、あなたは悪い人には見えませんから」ニコ

ヒルデ「あ、お茶用意しますね」

大和「いえ、お構いなく。それより、綺麗な部屋ね」

クラル「みゃおん」

大和「かわいいですね。あなたのペットですか?」

ヒルデ「はい。お父さんが誕生日に買ってくれたんです」

大和「よしよし。可愛いわね」ナデナデ

クラル「みゃー」

ヒルデ「そうだ、まだお名前聞いていませんでしたね。何ていうんですか?」

大和「わ、私ですか?」アセアセ

大和「えーと、あ、ムサシといいます」

ヒルデ「ムサシさん、ザルツじゃ聞かない名前です」

大和「私、生まれは違う星だし、ザルツには行ったことがないので・・・」

ヒルデ「そうだったんですか。私はヒルデ・シュルツ。よろしくお願いします」ペコリ

大和「こちらこそ、よろしくお願いします」ニコ

ピリリリリ

大和「あ、通信端末ですね。ちょっと席を外してもいいですか?」

ヒルデ「はい」ニコ


ドメル『今どこにいるんだ?そろそろ帰るぞ』

大和「えと、私はもう少しバレラスを見て回りたいので、先に帰ってください」

ドメル『待て大和、やまt』ピッ

大和「すみませんけど、もう少しだけ平和な時間を過ごしたいんです。ヤマトの任務もありますけど・・・ごめんなさい」

ヒルデ「・・・」

大和「宿泊先のおじさんでした。ちょっと小うるさいんですけど、かっこいい方なんです」

ヒルデ「さっきの声、聞こえちゃいました。ドメル将軍の声でしたよね」

大和「あ、はい。実はドメル将軍の家に泊めてもらっているんです。私のお父さんが彼の部下で、ご招待していただいたんですよ」

ヒルデ「あなたの本当の名前、聞こえちゃいました。ヤマト、って。それ、テロン人の名前ですよね・・・?」プルプル

大和「・・・!」

ヒルデ「何で騙してたんですかっ!私、信じてたのに・・・」

大和「・・・そうです。私の名前は大和、あなたのお父さんの仇、宇宙戦艦ヤマトと同じ名前です」

ヒルデ「あなたが、あの好戦的で恐ろしい民族だなんてっ!」

大和「やっぱり、そう思われちゃうんですね。テロン人は先制攻撃をした野蛮な民族だって」

大和「でも、それは違うんです。テロンの・・・地球の人は、あなた方と仲良くなりたかったんです」

ヒルデ「・・・っ」プルプル

大和「ヤマトはガミラスを攻撃するために旅をしているのではありません。ただ、イスカンダルへ地球を浄化してくれる装置を取りに行きたいだけなんです。ガミラスが何もしなければ、ヤマトは絶対に手出ししません。私がさせません」

大和「先制攻撃は、宇宙人とは相容れないと考えた1人の人間のエゴが生み出した命令でした。できるのであれば、ヤマト乗組員、可能なら、地球人みんなでガミラスに謝りたいと考えているんです」

ヒルデ「でも、ヤマトはお父さんの仇で・・・っ」グスッ

ぎゅっ

ヒルデ「?」

大和「ごめんなさい。あなたのお父さんを殺してしまったことは、絶対に許されることではありません。でも、地球の人もガミラスの人に殺されているんです。ヤマトの乗組員も何人か亡くなりました。悲しみに種族や星なんて関係ありません」

ヒルデ「・・・っ、うわぁぁぁぁん・・・」

大和「よしよし、きっとガミラスと地球は分かり合えます。その時になったら、一緒にご飯を食べに行きましょう」ナデナデ

うーん、まあ当時の日本は今考えるとおかしかったけど流石に人体実験やらかすような狂気の国にしたてるのはどうかと思うけどな。

>>390
確かに、創作であってもそこは自重すべきでした。
ご指摘ありがとうございます

ヒルデ「もう行くの?」

大和「はい。お仕事があるので」

ヒルデ「ドメル将軍と?」

大和「そう、ですね。人を殺すのではなく、1人の女の子を助けに行くんです」

ヒルデ「・・・?」

大和「では、また会いましょう」ニコ

ヒルデ「何だか、不思議な人だったなぁ。あ、そろそろ戻らないと・・・」


ドメル邸

ドメル「連絡もなしに、どこに行っていた」

大和「街中で可愛い女の子に出会って、彼女の家にいたんです。決して破壊工作はしていません」

ドメル「君はガミラスでは敵国の人間だ。捕まればタダではすまない」

大和「わかっているつもりです」

ドメル「本当に理解しているなら、軽率な行動は慎め」

大和「・・・はい」

プルルルルル

ドメル「もしもし・・・はい、只今」ピッ

ドメル「総統から緊急招集がかかった。君は家にいてくれ」

大和「はい。でも、何の用事だったんですか?」

ドメル「総統から緊急告知があるようだ。既に会場の設営が始まっている」

大和「緊急告知・・・ヤマトの件ですか?」

ドメル「恐らくそれだろう。俺はしばらく戻ってこないと思った方がいい」

大和「はい。もしヤマトと戦うなら、全力で受けて立ちます」

ドメル「ああ、期待している。女の子に関する書類は全て俺の書斎にある。兵器開発局のパスワードや偽造IDは既に用意してある。後は君が何とかしてくれ」

大和「お任せください」

ヤマト 第1艦橋

オルタ「超空間通信システム起動。通話可能です」

島「へぇ、普通に喋れるようになったんだな」

真田「以前から大和と新見くんが地球とイスカンダルの言語データのインポート作業をしていてね。それが役に立った」

ピロリン ピロリン チャ

大和『はい。何かご用事ですか?』

古代「オレだ、古代だ。今どこにいるんだ?」

大和『ドメル将軍、協力者の家です』

古代「ドメル・・・艦長から聞いたが、そりゃ七色星団で戦った敵じゃないのか?」

大和『今は彼も反体制派として動いています。ディッツ提督と私の隠れ家として提供してもらっています』

古代「いや、それより雪だ。雪は見つかったのか?」

大和『手がかりすら掴めません。総統なら何か知っていると思いますが・・・』

古代「・・・そうか。ありがとう。こっちが本題なんだが、敵の配備状況はわかるか?」

大和『いえ、全くわかりません。しかし、ついさっきドメル将軍や他の軍関係者、閣僚などが召集されたみたいです。多分、ヤマトに関連することです』

古代「やはり、敵も全力で迎撃するつもりだな」

大和『敵はあのドメル将軍です。気を付けて』

古代「そっちもな。切るぞ」ピッ

真田「敵の戦力がわからない以上、イスカンダルへの接近は難しそうだな」

古代「恒星系に入れば問答無用で攻撃されます。敵は各個撃破していきましょう」

真田「詳しい話は作戦会議で行う。1時間後に作戦司令室だ」

古代「了解しました」

作戦司令室

真田「大和が通信終了間際に惑星の詳細な配置と、想定される親衛隊及び航宙艦隊残存部隊の戦力・配備状況が送ってきた。まずはこれを見てほしい」ピッ

古代「最低でもハイゼラート級7隻は存在、場合によってはドメルの航空艦隊も前に出てくる可能性ありか」

西条「このガミラス近くにある巨大な衛星は何でしょう?」

真田「第二バレラスというスペースコロニーだ。研究施設や居住区が設置された非戦闘用の建造物だよ」

古代「放っておいても危険はなさそうですね」

沖田「わからんぞ。相手のことを全てわかったわけではない。油断してかかるのは危険だ」

古代「おっしゃる通りです」

島「やはり、ガミラスと戦う他ありませんね。航路はどうされますか?」

沖田「第6惑星エピドラ近くまでワープし、そこから亜光速で接近、速度を落としつつ敵本星に降下する」

古代「なるほど、敵の懐に突っ込めば、安易に手出しできませんね」

真田「しかし、大きなリスクを伴います。減速中に波動砲で狙われればおしまいです」

沖田「死中に活路を見出すのだ」

真田「・・・はい」

島「航路を策定しました。大和のデータを基にした結果、エピドラ、イスカンダル近傍を通過し、第二バレラスから死角になるルートを通れば安全と思われます」ピッ

沖田「これで行こう。これにて解散、総員第1種戦闘配置。白兵戦の可能性も考え、保安部と戦術科の一部は所定の位置で待機せよ」

全員「了解!」ビシッ

翌日 第3格納庫

オペレーター『これよりワープを開始します。乗組員は所定の位置につき、ワープに備えてください』

玲「これからガミラス本星に突入するわ。味方に引き金を引くことになるかもしれない」

メルダ「私の任務はユリーシャ様をお守りすることだ。彼女に引き金を引く輩は容赦しない」

玲「うわ、絶対敵に回したくない奴」

メルダ「何とでも言え」


百合亜「そろそろ、最終決戦なのね・・・」

星名「僕たちはここまで来たんだ。目指すイスカンダルは目と鼻の先。絶対に勝って、地球を救おう」

百合亜「うん!」


新見「とうとう来たのね・・・」

伊東『本当にあったのか、イスカンダルは。せいぜい頑張ることだな」

新見「守、私たちはここまで来たわ・・・」


徳川「待っておれ、愛子。ヤマトは、わしは必ず戻る。コスモリバースシステムを持ってな・・・」

藪「でも、大丈夫ッスかねぇ。敵の懐っていうからには、敵も大勢いるはずでしょ」

徳川「心配しても始まらん。今は全力でぶつかっていくしかないんだ」

藪「はぁ・・・」


ユリーシャ「近づいてくる。母なる星、そして、災いをもたらす星」

ユリーシャ「お姉さま、あなたはどんな気持ちで私たちを待っているの?」

ドメル邸 エルクの書斎

ディッツ「やはり兵器開発局か・・・」

大和「そのようですね。最深部の極秘開発セクションで実験が行われているみたいです」

ディッツ「しかし、艦娘を『作る』とはな」

大和「ええ。私から強制的に引き出した情報によると、日本は主に孤児院から人材を集めていたみたいですね。ガミラスでも同じように孤児を使っているのかもしれません」

ディッツ「ますます不憫な話だ」

大和「はい。絶対に救わないといけませんね」

ディッツ「だな・・・」ペラ

ディッツ「見つけたぞ。艦娘候補者の写真だ。彼女に決定されているようだ」

大和「どれどれ・・・そんな、彼女は!」

ディッツ「ヒルデ・シュルツか。ドメルの部下だった男の1人娘だな」

大和「・・・っ!」ギリギリ

ディッツ「どうした?」

大和「彼女は、さっきまで私といた娘です」

ディッツ「それは本当か!?」

大和「家もわかります。ディッツ提督はここにいてください」ダッ


ヒルデのアパート

大和「ヒルデちゃん!ヒルデちゃん!」ドンドン

大和「そんな、もう出かけたの・・・?」

兵器開発局 極秘開発セクション

技師A「実験開始。デウスーラ2世とのシンクロ率、現在0%」

デスラー「私は式典に出席する。終わるまでに準備しておくように」

技師A・B「ガーレ・デスラー!」ビシッ


ヒルデ『・・・』

技師A「実験、開始します」

ヴェルテ「ああ」

技師B「特殊溶液注入。意識レベル低下していきます。ステージ1に突入」

ヴェルテ「・・・これで記憶を完全に失くすんだな」

技師A「はい。しかし、言語や社会規律などの一部の記憶は残るようです」

ヴェルテ「しかし、思い出は全て消えるのだろう。あまりに辛いことだ・・・」

技師B「特殊溶液注入完了。デウスーラ2世とのシンクロ率、28%です。未だ上昇中」

ヴェルテ「テロンは遥か昔にこんなことをしていたのか・・・」

技師B「シンクロ率、41.3%に到達」

技師A「大和とヤマトのシンクロ率は93%だ。最低でも80%台を記録しなければ満足に動かないぞ」

技師B「はい」

ある程度>>1の自由に書けばいいよ。>>390とかは別に気にする程じゃない
SSスレなんてそんなもんだし


しかし薬物と電磁波だけで人間がおとぎ話に出てくるような生命体になるのは凄いな。エイジャの赤石とか賢者の石とかが涙目レベルだなw

>>400
ご助言ありがとうございます。SSには慣れていないので、あまり雰囲気がわからなくて・・・

一応、出てくる単語やギミックには大体モデルになっている小説やドラマがあるんです。全部わかる人は少数でしょうけど(汗

大和「ヒルデちゃんが連れて行かれたとすれば、兵器開発局・・・」

大和「地図では、ここの反対側のはずね。それにしても大きな施設。ドックもあるみたいだし、事実上の工廠かしら」

大和「でも、総統の演説会場を通らないといけないし・・・」

大和「でも、背に腹は代えられないわ。ヒルデちゃん、待っててね!」


デスラー『私は約束しよう。必ずやあまねく宇宙から災いの種を駆逐し、恒久の平和を手に入れることを!』

市民「「「ガーレ・ガミロン!ガーレ・デスラー!ガーレ・フェゼロン!」」」ワーワー

デスラー『しかし、我がガミラス帝星に災厄が訪れようとしている。テロンの艦、ヤマトだ!彼奴らは卑劣にも先制攻撃し、今でも我がガミラス軍を蹂躙する野蛮人だ』

デスラー『しかし、恐れてはならない。我々は襲い来る様々な困難を乗り越え、平和へ一途に進んでいかねばならない』

大和「それは違いますよ・・・!」

大和「ごめんなさい、ヒルデちゃん。ヤマトはすぐそこに接近しています。彼らを説得する機会は今しかないんです」ギリギリ

大和「どいてください!」ドン

市民1「んだよ、引っ込んでろ2等臣民!」

八百屋おじさん「おや、エルクが連れていた子じゃないか」


デスラー「今こそ立ち上がるのだ!ガミラスの未来、そして宇宙の恒久平和のために!」

大和「夢見事もここまでにしてください、デスラー総統」

親衛隊隊員「何者だ!」

デスラー「やめたまえ」ス

親衛隊隊員「は、はぁ・・・」

大和「ガミラスの皆さん、私はあなた方が『敵』と認識する民族、テロン人です」

市民たち「すっこんでろ畜生!」

大和「私たちは確かに先制攻撃という愚を犯しました。しかし、ヤマトが旅をする目的はガミラスの攻撃ではありません。荒廃した地球を取り戻すシステムをイスカンダルへ受領しに、そして第三皇女ユリーシャ・イスカンダル様を母星へと送り届けたいだけなのです」

大和「ガミラスが攻撃しなければ、私たち地球人は攻撃しません。戦争をする気など全くありません」

少年「嘘つけ劣等人種!」ポイ

大和「きゃっ!」ガン

少年が石を投げたのを皮切りに、次々と石が投げられる。

大和「・・・っ、先制攻撃は1人の男のエゴですが、不戦の意志は地球の総意です。まだ平和には程遠い地球ですが、そのための努力は200年前から行ってきました」

大和「このバレラスのどこかに、可哀想な女の子がいます。彼女は両親を失い、孤独に苛まれていました。恐らく、ザルツ人ということで不当な差別を受けていたはずです」

大和「彼女は私に救いを求めました。私は彼女を助けなければなりません。人1人を助けられないような人に、平和な世界なんて作れるはずがありません」

デスラー「気が済んだかね、大和」

大和「まだ話したいことはあります。でも、さっき言った通り女の子を助けに行きます。あなたが私と同じ存在にしようとしている子を」

デスラー「全く、君には呆れるよ。そのような事実は存在しない。それに、ヤマトの目的も嘘がある」

大和「どういう意味ですか」

デスラー「ここに『ユリーシャ様』がおられるからだ。さあ、こちらへ」

雪「・・・」

大和「そんな、森さん!」

デスラー「この方こそ、イスカンダル第3皇女、ユリーシャ・イスカンダル様であらせられる」

市民たち「嘘つきテロン人め!」

大和「図りましたね、デスラー総統・・・!」

デスラー「何事にも保険をつけておくべきだ。セレステラの働きには敬服する」

大和「今すぐ森さんを返してください。森さん、ヤマトはもうすぐ近くまで来ています。一緒に帰りましょう」

雪「・・・」

大和「雪さん?」

デスラー「もっと面白いゲームを見せてくれると思ったんだがね。期待した私が馬鹿だった」

大和「ゲームですって!ふざけないでください!」

デスラー「しかし、君には見どころがある。よければ、私と共に来ないか?」

大和「願い下げです」

デスラー「そうか。残念だよ。君には別の形でガミラスに貢献してもらおう」

大和「その必要はありません。ヤマト、ワープアウト!」

デスラー「!?」

警報『緊急警報!緊急警報!第6惑星エピドラ近辺に所属不明艦出現!』

大和「もう怒りました。あなただけは許しません」


ヤマト 第1艦橋

島「ワープアウトしました。誤差、プラス2.7度」

沖田「予定通りだ。全速力!」

島「了解。亜光速まで加速します!」

古代「主砲、副砲、ミサイル類発射準備完了!コスモファルコン隊、いつでも発艦可能です!」

真田「波動防壁、展開準備完了」

沖田「各員、一層の働きを期待する」

西条「航路上に敵艦多数!親衛隊の艦艇と思われます!」

島「ガミラス星、あと200万㎞!」

沖田「光速の20%まで減速。妨害する艦艇は全て無視せよ」

大和『皆さん、聞こえますか!?』

ユリーシャ「あ、久しぶりねー」

大和『ユリーシャさん、何で艦橋にいるんですか・・・いえ、それより。私がバレラスまで誘導します。雪さんも一緒ですので、安心してください。出来る限り街に被害は及ぼさないようお願いします』

古代「雪が・・・そうか、よかった」

沖田「気を緩めるな。まだ敵中だ」

古代「すみません」

島「速度、時速8万3000㎞まで落とします。大気圏突入開始」

大和『バレラスまで近いです。総統府付近に大きな広場がありますので、そこに白兵戦部隊を下してください」


ギムレー「敵地にまで攻め入る勇気、天晴と言っておきましょう。しかし、守るべきは新しい都。恰好だけでもつけておきますか」

ギムレー「適当な艦船5隻を向かわせなさい」

大和「あなた、帝都のど真ん中で艦隊戦をするつもりですか!?」

ギムレー「私の任務は『帝都の防衛』ですので」

大和「何てこと・・・」

西条「敵艦5隻、追跡してきます!」

沖田「撃ち落とせ」

古代「主砲、てーっ!」ドギャァ ピューン

南部「4隻撃沈!残存艦、撤退していきます!」

真田「引き際が良すぎる・・・どうなっているんだ?」

大和『気をつけてください。多分ですけど、ガミラス側はバレラスを守る気はありません!』

真田「どういうことだ?説明しろ」

大和『新しい帝都、つまり第二バレラスです。なぜかわかりませんが、あそこを重点的に防衛したいと考えているようで』

沖田「・・・」


大和「デスラー総統、どこに行ったんですか・・・」

セレステラ「総統・・・?総統!」

大和「閣僚の皆さんを置いて、まさか逃亡・・・?」

ドメル「その可能性は低い」

大和「ドメル将軍、軍の方に行かれたのでは?」

ドメル「ギムレーに俺の出る幕は無いと言われてね、仕方なく出席することになった」

大和「ところで、逃亡の可能性というのは?」

ドメル「総統は何の策もなく逃げる方ではない。何か隠し玉を持っているのだろう。それこそ、既に新造艦と『艦娘』を用意しているか」

大和「・・・あっ、ヒルデちゃん!」


レクター「デウスーラ2世、起動準備完了」

デスラー「艦娘の用意はできたか?」

レクター「実験は成功したようですが、シンクロ率が未だ低く、記憶もほとんど残っています」

デスラー「動くならいい。デウスーラ2世、直ちに発進せよ」

レクター「了解。デウスーラ2世、発進します」

大和「あれは・・・」

セレステラ「総統が・・・私を、置いて・・・?」

ドメル「とうとう発進したようだ。あれは恐らく新型艦、艦娘となった彼女も乗っているだろう」

大和「全部遅かった・・・っ」


島「広場上空に到着。投錨します」

沖田「白兵戦用意」

大和『その必要はありません』

真田「何かあったのか?」

大和『雪さんは一緒で、ここのガミラス市民たちに戦う力はありません。私たちを回収して、第二バレラスに向かってください』

真田「さっき離脱した艦艇が向かう先はそこなんだな!?」

大和『はい。シーガルを下してください』

古代「了解した。信じるぞ」


セレステラ「・・・」

大和「悲しいですよね。信じていた人が裏切るって」

セレステラ「・・・」

大和「あなたの過去、全てリンケ特務官の記憶にありました。お辛いとは思いますが、大事なのはこれからどうするか、ですよ」

セレステラ「あなたには、何もわからない」

大和「さっき言ったじゃないですか。私はあなたの全てを知っています。痛みを分かち合う人がいるって、それだけで安心できるんです。私たちと一緒に来ませんか?」

セレステラ「・・・!」


デスラー『私が君たちを救ってあげよう』


セレステラ「・・・っっ」

ヤマト 第1艦橋

古代「雪!雪っ・・・!」ギュッ

雪「・・・」

大和「今は強い精神攻撃を受けて、自我がほとんどない状態だそうです。連れてきたジレル人2名に治療をお願いするので、今はそっとしておきましょう」

古代「っ」ギュッ


デスラー「第633工区を切り離せ」

ヴェルテ「総統、何をするおつもりですか!?」

デスラー「攻撃、だよ」


大和「ドメル将軍、嫌な予感がします。バレラスの市民に避難命令を!」

ドメル『とっくにヒス副総統が出している。現在、全体の12%の避難が完了したところだ』

大和「まだ12%ですか・・・」

島「なぁ大和、嫌な予感って何だよ」

大和「七色星団での戦いで使用された敵の波動砲です。飛んでいった新造艦には、それが搭載されている可能性が高いんです」

南部「さすがに自分の星を攻撃するようなことはしないだろ」

大和「それが全く分からないんです。艦娘を作ろうとしていたくらいですし」

真田「艦娘を作る、だって?そんなことができるのか?」

大和「はい。私たちも作られた存在ですから」

西条「第二バレラスより落下物あり!想定重量、6000万トン!」

真田「その大きさとなると、スペースコロニーのようだな。奴ら、何としてでも我々を葬りたいようだぞ」

大和「マズいですね。スペースコロニーは運用事情上、頑丈に作られていますから、そのままの形を保って落下するものと思われます。最低でもバレラスは崩壊するでしょう」

古代「悪魔め・・・!」

沖田「波動砲、発射用意。何としてでも大気圏外であれを撃ち落とす」

大和「了解!波動砲、発射準備開始します!」


ガデル「副総統、第二バレラスの633工区が落下しております!」

ヒス「知っている。総統が意図的に落としたものだ。市民の避難状況はどうか?」

ガデル「現在、70%が避難完了。政府関係者の大部分が未だ避難できていません」

ヒス「私もすぐ行く。お前は逃げろ」


ヒス「これが指導者のすることか、デスラァァーッ!!」


徳川『波動砲への回路開きます。非常弁全閉鎖。強制注入器作動』

大和「波動砲、エネルギー充填120%です」

古代「最終安全装置解除。ターゲットスコープ、オープン」ガチャ

大和「艦体を地面に固定します。発射角の微調整完了。迎撃不能ラインまで残り30秒を切りました。これを過ぎると、仮にあれを破壊しても相当な被害がバレラスに出ます」

古代「・・・」

島「力を抜け、古代」

古代「ああ、わかってるさ」

大和「迎撃不能ライン通過まで、残り10秒です」

古代「カウント省略。波動砲、発射!」カチ

グイイィィィィン

ドゴォォォォォォォ!!!

オペレーター「第633工区、大気圏外で爆散!ヤマトの波動兵器と思われます!」

ヒス「ヤマトが、やってくれたのか・・・」


西条「落下物、消滅!迎撃成功です!」

島「よし!」

南部「やったな古代!」

古代「・・・」

大和「安心するのはまだ早いです。恐らくデスラー総統の虎の子である新造艦が出てくるはずです。それを叩かない限り、勝ったとは言えません」

南部「こっちには波動砲がある!逃げ回ってエネルギーを溜めれば、こっちにも勝機はある」

大和「相手も同等の装備を持っています。それに、個人的に新造艦を波動砲で吹き飛ばしたりはしたくありません」

真田「そうだとしたら、今すぐここから立ち去らねばならない。機関長、エンジンはどうですか?」

徳川『こちら機関室。いつでも飛べるぞ!』

大和「それなら、早めに宇宙に出ましょう。これ以上ガミラスの皆さんに迷惑はかけられません」

沖田「そうだな。島」

島「了解。大気圏を離脱します!」


レクター「ヤマト、大気圏外に離脱するつもりのようです」

デスラー「よかろう。デウスーラ2世の力、ここで証明する時が来た」

デスラー「ヒルデ、ゲシュタムジャンプだ」

ヒルデ「・・・はい、デスラー総統」シュン

大和「あれが・・・」

島「敵の新鋭艦か」

相原「敵艦より入電!」

沖田「メインパネルに回せ」


デスラー『ヤマトの諸君、君たちの強さには驚かされた。どうだね、私と共に来ないか?このデウスーラ2世とヤマトがあれば、宇宙を手中に収めることなど造作もないはずだ』

古代「ふざけやがって・・・」

大和「言ったはずです。私たちは宇宙征服なんてしません。どんな大義を持っていても、戦争は許されないことです」

デスラー『最後通牒のつもりだったが、聞く耳だけは意地でも持とうとしなかったようだな。では、よかろう。ヒルデ』

ヒルデ『・・・』

大和「ヒルデちゃん!まさか、艦娘になっちゃったんですか・・・?」

ヒルデ『大和さん・・・』

大和「お、覚えているんですか?」

ヒルデ『私、全部覚えてるよ。大和さんのこと、お父さんのこと。昔のことも・・・』

大和「本当によかったです・・・聞いてください。艦娘になったあなたは、その艦を自由に操れます。絶対にその艦を動かさないでください」

デスラー『ヒルデ、ヤマトを撃破するのだ』

大和「やめてください。ヒルデちゃん!」

デスラー『ヒルデ!』

ヒルデ『・・・ううっ、うわぁぁぁぁ!!』

西条「敵艦より高エネルギー反応!波動砲の波形パターンです!」

大和「そんな、何で・・・」

沖田「やむを得ん。本艦は直ちに戦闘行動に移る。総員、戦闘配置」

古代「了解。主砲、副砲、撃ち方始め」

南部「主砲、ショックカノンモードに切り替え完了。いつでも撃てます!」

加藤『コスモファルコン隊、いつでも出撃できる』

玲『アルファ2、待機中』

真田「波動防壁、展開準備完了」

大和「・・・許しません」

古代「何だって?」

大和「全武装をロック。全艦載機の発艦を禁止します。武装のロックを確認。システムロック完了。艦内のコントロールを全て掌握しました」

沖田「馬鹿者!」

大和「!?」ビクッ

沖田「ヤマトは倒れてはならん。倒れた後、地球はどうなる?帰りを待つ人々はどうなる?」

大和「それは・・・でも、彼女を攻撃できません」

沖田「我々は前に進まねばならない。たとえ前に何が立ちはだかろうと、進まねばならないのだ」

大和「そんな・・・」

西条「敵艦のエネルギー、増大中!」

沖田「デウスーラ2世を戦闘不能にしなければ、イスカンダルに行けない。それが何を意味するか、お前にならわかるはずだ」

大和「嫌なんです。もう、人を殺すのは・・・」シクシク

ウイーン

「どいて」

パチン!

大和「っ・・・!」ドサッ

雪「あんた、これまであたしたちがやってきたことをふいにするつもり?みんな、どれだけ大変な思いをしてここまで来たの?地球を守るためでしょ?」

大和「でも・・・」

雪「言い訳なんて聞かない!この戦いで、どれだけ人が死んだと思ってるの?地球もそうだけど、ガミラスの人だって傷ついたわ。死んだ人も大勢いた」

雪「今ここであたしたちが死んだら、ヤマトを建造した人や、ヤマトを守ろうとした人たち、それに、ユリーシャの努力やスターシャさんの好意、サーシャさんの死が無駄になるじゃない!」

大和「・・・」

雪「大和!」

大和「う、うわぁぁぁぁ!」

島「何をする気だ、大和!」

太田「ダメだ、敵艦にぶつかるっ!」

ガッシャァァァン

大和「っ!」ダッ

古代「くそ、無茶しやがるぜ」

デウスーラ2世 艦橋

ヒルデ「あっ!!」

デスラー「ヤマトめ、策に窮して自殺を図ったと見える」

ヴェルテ「総統、艦内に侵入者!」

デスラー「白兵戦か。ガミロイド兵を向かわせろ!」

ヴェルテ「それが、侵入者は1名です!それも、生命反応は艦娘のものです!」

ドゴォ!

ヴェルテ「!?」

大和「・・・」ガシャン

デスラー「君か。勇気と無謀は違・・・」

ドカァン

デスラー「!」

侍女「何をする!劣等種族め!」

大和「全て、あなたが悪いんです」

デスラー「ッ!」ドキャン

キィン

大和「お前だけは許さない」

ドカァン

親衛隊員「うわっ!」

ヴェルテ「いかん、コンソールの修r」

ドカァン

ヴェルテ「ぐはっ!」ドサッ

大和「ゼッタイニユルサナイ」

レクター「艦娘の生命反応が、黒く染まっている・・・?」

戦術長「ヤマトに変化あり!波動エネルギーが周囲に漏れ始めています!」

ヴェルテ「気を、つけろ・・・深海棲艦化、しようとしている・・・」

ヤマト

古代「っ!」

太田「そこら中に顔が生えてきてます!うわぁ!」

沖田「どうなっている?」

真田「わかりません!原因不明です!システムに異常発生!」

徳川『波動エンジン、エネルギー急上昇中!圧力、なお上昇中!』

アナライザー「アババババババ」ガタガタ


侍女「タラン様!直ちに応急処置を施せ!」

レクター「どういうことですか、それは」

ヴェルテ「彼女の、記憶にあった・・・恨みを抱えすぎた艦娘は、深海棲艦という、存在になる・・・」

ヴェルテ「仲間以外を、無差別攻撃する、危険な存在だ・・・ぐうっ」

デスラー「っ!」ドキャン ドキャン

大和「ワタシハ・・・モウ・・・ヤラレハシナイ」

ドカァン

デスラー「ぐっ」ガクッ

ヒルデ「やめて・・・」

戦術長「ヤマト外装に顔や砲のようなものが生えています!」

レクター「目から赤い光が・・・どうなっているんだ」

大和「キエロ!」ガシャン

ヒルデ「やめてっ!」ギュッ

大和「」

ヒルデ「もうやめて。もう、戦いなんて、やだ・・・」

大和「・・・」バタッ

戦術長「敵艦娘の反応、正常値に回復しつつあります」

デスラー「これが、艦娘の力なのか」

大和「・・・っ、うーん」

ヒルデ「あ、大丈夫?」

大和「はい、何とか。ところで、私はなぜ捕まっているんですか?それにヒルデちゃんも・・・」

ヒルデ「覚えてないの?ここで暴れて、それで捕まったんだよ。私は、危険だって言われて捕まっちゃった」

大和「危険?ヒルデちゃんは別に危険じゃ・・・」

デスラー「艦娘は危険な存在だ。私がそう判断した」

大和「デスラー・・・」

デスラー「艦娘の力は私の手に余る。力の使いどころを間違えば、宇宙を滅ぼしかねない」

大和「それは違います」

ヴェルテ「君は暴走して、ヤマトを異形に変形させようとした。影響は今でも残っている」

大和「ヤマト・・・ヤマトは!?」

ヴェルテ「親衛隊とヤマト乗組員の間でにらみ合いが続いている。どちらかが攻撃を仕掛ければ、白兵戦に突入するかもしれん」

大和「そうですか・・・」

レクター「デスラー総統、航宙艦隊の残存艦が我が艦を取り囲んでいます」

デスラー「何があった?」

レクター「総統府より入電。ヒス副総統です」

デスラー「繋げ」

ヒス『アベルト・デスラー及びデウスーラ2世乗組員に告ぐ、直ちに投降せよ』

デスラー「ヒス君、これは何かの冗談かね?冗談は嫌いだと言ったはずだが」

ヒス『冗談ではない。デスラーには殺人未遂、器物損壊の容疑がかかっている』

デスラー「くっ、デウスーラ2世、今すぐ発進させろ」

レクター「ダメです、全システム応答なし」

デスラー「ヒルデ、艦を動かすのだ」

ヒルデ「嫌です!」

デスラー「・・・っ!」

大和「諦めてください。あなたはもう終わりです」

ヴェルテ「総統、もうおやめください」

デスラー「黙れッ!」チャ

大和「あなたは、どうやら何もわかっていないみたいですね」バキン

大和「鎖なんかで私を捕縛できるわけがありません。銃も無駄ですよ」

デスラー「お前に何がわかる!」

ヴェルテ「もう時代は変わったのです。絶対的な力ではなく、別の形で平和を目指す時が」

デスラー「黙れ!」ドキャン


デスラー「!?」

大和「っ!」バタッ

ヴェルテ「大和、私をかばったのか?」

大和「銃を向けられている人を黙って見過ごせません」

デスラー「・・・」ガクッ

大和「まだやり直せます。あなたの言う平和を実現する手はいくらでもあるんですから」

デスラー「私は・・・約束したんだ」

デスラー「スターシャに、この宇宙を平和にすると・・・」

ヴェルテ「総統・・・」

大和「それが平和を目指す理由だったんですね。でも、やり方を間違ったんです。今度は力を振るわないことを願います」

デスラー「・・・」

ヴェルテ「ヒルデ、この艦を兵器開発局に降ろしてくれ」

ヒルデ「はい」

レクター「デウスーラ2世、投降に応じます」

総統府前広場

ヒス「済まなかった。これだけしか言えんが、許してくれ」

大和「あなた方が犯した罪は消えません。そして、私たちの先制攻撃という罪も」

大和「でも、私たちは復活します。必ず、元の地球と同じように。ですよね?」

真田「ああ。これから我々はイスカンダルへ行きます。そこでコスモリバースシステムを受け取り、地球へ戻ります」

ヒス「航海の安全を祈る。それと、ガミラスを救ってくれてありがとう」

真田「当然のことをしたまでです」

大和「ドメル将軍も、お元気で」

ドメル「君も元気でやってくれ。しばしの別れだが、こちらの混乱が落ち着いたら地球に遊びに行くとしよう」

大和「その時は、また」

ドメル「さらばだ」


ヒス「行ってしまったな」

ドメル「ええ。彼らには彼らの旅路がありますから」

ヒス「どうだ、君も新政府の一員としてやっていかないか?」

ドメル「残念ですが、私は政治には興味が無いので」

ヒス「そうか。ならば、その腕を存分に宇宙で振るうといい」

ドメル「そうですね。まだ小マゼランには蛮族が存在しますから」

ヒス「その蛮族だが、大マゼランへの侵入も確認された。早急に討伐しなければならん」

ドメル「彼らは大丈夫でしょうか・・・」

ヤマト 第1艦橋

雪「ガミラスとの戦いは決着したし、後はイスカンダルに向かうだけね」

沖田「ああ。しかし、これはまだ旅の半分にしか過ぎない。まだ目の前には、16万8000光年という距離が待ち構えていることを忘れるな」

古代「またまた。ガミラスの攻撃はもうありませんし、我々戦闘班の仕事は雑用しかありませんよ」

雪「そうね。ほら、もうこんなに近いわよ」


右舷展望台

玲「あれがイスカンダル・・・」

椎名「美しい惑星ですね。昔の地球を見ているようです」

ユリーシャ「地球は寂しくない。けど、イスカンダルは寂しい星」

玲「どういうことよ、それ」

メルダ「行けばわかる」


解析室

オルタ「女神様~」

大和「い、いえ、私は女神じゃないって前も言いましたけど・・・」

真田「似たようなものだろう。少し相手してやれ」カタカタ

アナライザー「ドラムヲ2ツ発見」ケツタッチ

大和「あぁもう・・・」

太田「風向きよし。海上に大きな波はありません。着水準備完了」

島「着水します」

大和「海に浮かぶなんて、久しぶりですね。255年ぶりでしょうか」

古代「復活して最初に浮かんだのがイスカンダルの海か。ロマンチックだな」

雪「あら、古代くんでもそんなこと言えるのね」

古代「どういう意味だ、それ」

大和「クリスタルパレスより誘導ビーコンをキャッチしました。イクス・サン・アリアの第17岸壁に着岸します」

島「あ、俺の出番取るなよ!」


イスカンドロイド「ヨウコソ、イスカンダルヘ」

大和「あら、オルタの同族かしら」

真田「そのようだな。ガミラスとある程度技術を共有しているのかもしれん」

雪「でも、女性の声ですね」

イスカンドロイド「水上バス、発進」


クリスタルパレス

スターシャ「ようこそ、地球の皆さん」

スターシャ「お帰りなさい、ユリーシャ、サーシャ」

ユリーシャ「いえ、こちらは・・・」

雪「ヤマト船務長、森雪です」

スターシャ「では、サーシャは・・・」

古代「地球に来る際、火星で墜落しました。地球の恩人です」

スターシャ「そう・・・」

スターシャ「暫く、2人で話をさせてください。地球の方々とお話しするのはその後です」

ユリーシャ「・・・はい」


大和「・・・」

百合亜「こんにちは、大和さん」

大和「あら、あなたは確か・・・」

百合亜「岬百合亜です」ペコリ

大和「戦艦大和です。今更ですが、よろしくお願いします」

百合亜「ところで、コスモリバースの件はどうなったんですか?」

大和「状況は芳しくありません。もしかしたら、全てがふいになるかもしれませんね」

百合亜「どういうこと?」

大和「波動砲ですよ。この交渉、波動砲が消し去ってしまうかもしれません」

百合亜「・・・??」


スターシャ「結論が出ました」

大和「はい」

スターシャ「あなた方には、お渡しできません」

古代「そんな・・・っ!」

大和「・・・」

真田「なぜですか」

スターシャ「あなた方は波動砲を作り出してしまった。波動エネルギーは平和のために使われるべきだと考えています」

古代「でも、そうしなければ・・・」

スターシャ「帰ってください」

真田「失礼しました」

古代「真田さん!」

大和「・・・」

スターシャ「帰ってくださいと言ったはずです」

大和「帰りません。ここでコスモリバースを貰えなければ、私たちの苦労や死んでいった乗組員たちの命が無駄になってしまいます」

大和「波動砲は確かに兵器として開発、製造されました。人も撃ちました。しかし、それは私たちの命を守るため、いえ、地球で待っている人々の希望を守るために使いました」

大和「過去のイスカンダルのように、侵略のための兵器には絶対にしません。何があっても、侵略戦争だけは私が止めます」

スターシャ「あなた方が波動砲を持ってしまった以上、アベルトと同じことになりかねません・・・」

大和「させません。私たち地球人の望みは、地球の平和だけですから」

スターシャ「・・・出て行ってください」

大和「はい。・・・私たちは、言葉ではなく行動で示します」


スターシャ「そうですか。アベルトは捕まったのですね」

ヒス『我々はヤマトに助けられました。その時使ったのは、波動エネルギーを使用した大砲であったと、申し添えておきます』

ヒス『どうか、ヤマトにコスモリバースをお渡しください』

スターシャ「・・・」

ヒス『ルード・イスカンダル』

ザバァン!

西条「ぷふー、やっぱり海よねぇ!」

古代「久しぶりに泳ぐな。訓練学校以来だ」

大和「そんな辛気臭い話、今はやめましょ。さあ、素潜りで勝負です」

加藤「大和と一緒に数百年も沈んでた奴に勝てるとは思えないな」

大和「そ、それもそうですね」


篠原「あわわわ、やめろやめろやめろ!」

玲「おりゃ」キックザシノハラ

篠原「ぁぁああああぁぁああぁああ!?!?」ザバァァァン

星名「ご愁傷様です」


伊東「ここがイスカンダルか」

新見「いいところじゃない。久々に営倉から出られたんだし、思いっきり遊びましょ」

伊東「僕は・・・泳ぎが苦手だ」

新見「ふーん。それじゃ、私だけで泳がせてもらうわ」

桐生「新見さん、あっちでビーチバレーしましょう!」

新見「いいわね。それじゃ、さようなら」

伊東「・・・」

墓地

スターシャ「・・・」

大和「そのお墓、日本語で書かれていますね。なぜですか?」

スターシャ「これは、ガミラスの輸送船がここに不時着した時に乗っていた捕虜のものです」

大和「地球でも捕虜が何人かいると聞きました。乗っていた艦の艦名はわかりますか?」

スターシャ「国連宇宙軍、駆逐艦『ユキカゼ』、そう言っていました」

大和「ユキカゼに捕虜がいたんですね・・・私たちもユキカゼの残骸を目にしました。生存者がいなかったのは、そのためだったんですね」

スターシャ「ええ。でも、ここでの事故が原因で大多数が死亡しました。運よく生き残った方も、怪我が原因で・・・」

大和「そうですか・・・できるなら、地球に連れて帰りたかったです」

スターシャ「・・・っ、うっ・・・」シクシク

大和「イスカンダルのことは存じ上げています。ユリーシャさんと共に、地球へ来ませんか?」

スターシャ「私はここを守らなければなりません。せっかくですが、お断りします」

大和「それがあなたの意志なら、尊重します」

スターシャ「・・・あの後、考えを改めました。あなた方にコスモリバースを渡します」

大和「本当ですか?よかった、これでみんなにいい知らせができます・・・」

大和「本当にありがとうございます。では、これで失礼します」ペコリ

スターシャ「待ってください。あなたはヤマトの全てを司っていると聞きました」

大和「はい。それが何か?」

スターシャ「あなたに伝えなければならないことがあります」

何か開けなかったけど
何かあった?

クリスタルパレス

大和「ですから、条約の正式な批准はできませんね」

スターシャ「そうですか・・・」

大和「地球がひと段落したらまた来るので、その時には必ず特使を連れて来ます」

スターシャ「はい。今はそれでよしとしましょう」

大和「でも、本当に波動砲の存在を嫌がっていらっしゃるんですね」

スターシャ「あれは、私たちが生み出した負の遺産です」

大和「それはわかりますけど、防衛目的なら持ってもいいと思いますが・・・」

スターシャ「それではダメなのです。人は必ず間違いを犯します。しかし、最初から大量破壊兵器など存在しなければ、過ちを犯すこともありません」

大和「そうですか。でも、今後ガミラスの軍事支援なしで困難を乗り切らなければならない時も来ると思います。この星に眠るイスカンダリウムを狙う連中が出てくる可能性だってあるんですから」

スターシャ「その時は、星と運命を共にします」

大和「・・・ただ、愚かですね」

スターシャ「そうしなければ、平和は保てません」

大和「自分たちだけで平和を作ってどうするんですか。そんなの、ただ逃げてるだけですよ。では、失礼します」スタスタ

スターシャ「そんなこと・・・」

大和「私が最初に沈んでからの地球は、『世界のみんなで』平和に暮らす努力をしてきましたよ。武力の行使は私たちが生き残るためにする最後の手です」

古代「よかった。これで地球に帰れる」

雪「ええ・・・」

大和「はい。現在、波動砲制御室にてシステムの核となる装置の設置作業中です」

太田「でもさ、何でコスモリバースを直接持ってこなかったんだ?」

島「それだそれ。ここまで時間をかける必要はあったのか?」

大和「はい。イスカンダルは星のエレメントを触媒にして惑星の記憶を解き放ち、その力で惑星をよみがえらせる装置です。システムはそのエレメント、つまりヤマトがここまで来なければ完成しないんです」

太田「ごめん、何が何だか」

雪「要するに、ヤマト自体がコスモリバースシステムになった、ってわけ?」

大和「はい。戦闘力は据え置きですが、波動砲が使えなくなるので巨大な敵と戦う時には不便ですね」

古代「いいじゃないか。もう戦わないんだし、地球に帰っても使うことなんて無いと思うけどな」

大和「それもそうですね」


波動砲制御室

オルタ「・・・」

真田「どうしたんだ?」

オルタ「・・・神様」

真田「またそれか。さっき散々ユリーシャと話をしていたじゃないか」

オルタ「・・・」

真田「妙な奴だな」

艦長室

古代「戦術長、古代進、参りました」

沖田「・・・よく来たな、古代」

古代「しかし、なぜ呼ばれたのか、全くわかりませんが」

大和「それもそうでしょう。ですが、あなたにはどうしても先に見てもらいたいものがあるんです」


守『私は、国連宇宙軍所属、駆逐艦『ユキカゼ』艦長、古代守だ』

守『私は捕虜となり、実験サンプルとして移送される途中、難破したところをイスカンダルの女性に助けられた』

守『そして、地球の艦がこちらに向かっていることを聞いた。このメッセージが届いているということは、君たちはここにたどり着いたということだ』

守『できるなら、俺も君たちの艦と帰りたい。だが、それまで俺の身体は持ちそうにない』

守『1つは、俺たちは異星人と分かり合えるということだ』

守『そして、もう1つは弟の進に伝えてほしい。進、生きて、必ず青い姿を取り戻した地球を目に焼き付けてくれ』

守『貴艦の航海の無事を祈る』

古代「・・・」

大和「彼とはメ号作戦直前に会ったことがあります。彼は自分が囮だということを最初からわかっていました。私をイスカンダルへ送り届ける手助けをしてくれた、恩人の1人です」

古代「兄さんは昔からそうだった。自分の身を犠牲にしてでも、他人の幸せを願う立派な人だった」

大和「はい・・・」

沖田「帰ろう、地球へ。それが、彼の願いだ」

大和「本当にいらっしゃらないんですか?」

スターシャ「私はこの星を守る義務があります。最後のイスカンダル人として」

真田「残念です。では、また機会があれば」

ユリーシャ「またね、雪」

雪「ええ。またね」

メルダ「元気でな」

大和「はい。それでは、失礼しました」

大和「それと、スターシャさん」

スターシャ「はい」

大和「宿命とはいえ、大切なものを奪ってしまい、申し訳ありません」

スターシャ「いえ。彼も、そう望んでいるはずですから」

雪「?」


徳川「波動エンジン、出力80%」

島「離岸します。フライホイール始動確認。いつでも飛べます」

沖田「これより、地球へ向かう。宇宙戦艦ヤマト、発進!」

大和「宇宙戦艦ヤマト、推して参ります!」

古代「さあ、帰ろう。地球へ!」


艦隊これくしょん外伝 ~宇宙戦艦ヤマト・遥かなる星イスカンダル篇~ 後編 了

地球滅亡まで、後172日

バンバンバンバンバンバンバン
バン     バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
   \/___/ ̄ ̄


  バン   はよ
バン (∩`・ω・) バン はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/
  ̄ ̄\/___/

    ; '  ;
     \,( ⌒;;)
     (;;(:;⌒)/
    (;.(⌒ ,;))'
 (´・ω((:,( ,;;),
 ( ⊃ ⊃/ ̄ ̄ ̄/
  ̄ ̄\/___/ ̄ ̄

       /\
      / /|
     ∴\/ /
     ゜∵|/
  (ノ・ω・)ノ
  /  /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチ
ポチ (∩`・ω・) ポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/
    /_/ ̄ ̄ ̄ ̄

イスカンダル ラグランジュ1地点

大和「あら、デウスーラ2世ですね」

相原「通信が入っています」

沖田「繋げ」

ドメル『やあ、ヤマトの諸君。ドメルだ』

ヒルデ『こんにちは!』

大和「こんにちは。今回はどんなご用件で?」

ドメル『せめてのお詫びとして、超空間通信デバイスと小型のゲシュヴァール機関を渡したい』

大和「それってガミラスの最高機密じゃないですか!いいんですか?」

ドメル『ああ。イスカンダルとも通信ができる。機関は敵から逃げる時に使うといい』

古代「でも、敵とは戦いませんよ?」

ドメル『念のためだ。それに、これはガミラスとの友好の証だ』

大和「ありがとうございます。恩に着ます」


艦長室

ドメル「失礼します」

沖田「君がドメル将軍かね。会えて光栄だ」

ドメル「私こそ、お会いできて光栄であります」

大和「そういえば、沖田艦長とは初対面でしたね」

ドメル「今まで話す機会がなかったからな。あの戦いで俺が負けていれば、こうやってゆっくり話をすることもなかっただろう」

大和「まさか、負けたら自爆でもしたんですか?」

ドメル「間違いなくそうしただろう。軍人としてあそこを通すわけにはいかなかったからな」

大和「でも、私がハッキングして止めちゃいました」

沖田「ゴホン」

大和「あわわ、すみません・・・」

ドメル「すぐに特使の者がやって来ます。それまで、酒でも飲みながら世間話でもしましょう」

沖田「そうだ。それがいい」

その後、特使を交えてガミラスと非公式な会談を行いました。

まず、ガミラスと地球は停戦状態を維持すること。地球側の復興がある程度済み次第、ガミラスと正式な和平交渉をすることです。

その前段階として、技術交流が行われました。我々地球からは、漏れてしまった艦娘の製造法だけでなく、ミサイルのシーカーや波動防壁の技術を。ガミラス側からは、次元潜航機関と超空間通信システムを受け取りました。

これが、地球とガミラスの友好の第一歩です。


新見「先輩、次元潜航機関の設置、完了しました」

真田「ご苦労。やはり君は優秀だな」

アナライザー「私モ優秀。褒メルトイイ」

大和「はいはい、よく頑張りましたねー」


ヒルデ「わぁ、可愛い!」

バァーニングラーブ! ズドーン

百合亜「地球のゲームなの。すごいでしょ!」

ヒルデ「いいなぁ、ほしいなぁ」ワクワク

西条「えへん、私、こう見えてもゲームの腕は艦内でもピカイチなのよ」

原田「えー」

西条「その目は何!?」


ドメル「もう行くのか」

大和「はい。一刻も早く地球に戻らないといけませんから」

ドメル「わかった。貴艦の航海の無事を祈る」ビシッ

大和「ええ。あなたこそ、お元気で」ビシッ

数日後

大和「ワープ10秒前に入りました」

島「空間座標固定。ワープします!」


大和「もう大マゼランの外縁部ですか。早かったですね」

古代「敵の妨害が無いからな。そりゃ楽だろうとも」グデー

雪「古代くん、怠け者にジョブチェンジした?」

古代「したらしい」グデー

大和「南部さんなんか、最近は射撃場で射的ゲームばかりしてます。本当に緊張感のかけらもないというか・・・」

太田「いいなぁ、戦術科は武器の点検だけしていればいいもんな・・・」

大和「ここから2万光年のところに銀河系外縁部に続くスーパーゲイトがあるらしいので、そこを通る前に球技大会でもしましょうか」

古代「そいつはいい考えだな」

雪「みんなだらけてきてるし、それもいいかもしれないわね。艦長に具申してみるわ」スタスタ

大和「さて、男子だけ恒例の柔道大会でも・・・」

西条「100㎞先にワープアウトする物体あり!空間歪曲反応検出。ガミラス艦ではありません!大型艦多数!」

大和「たまたま私たちと・・・いえ、広い宇宙でそんな確率はほぼゼロです。意図的に私たちの前に出てきましたね。総員、戦闘配備!」


艦隊これくしょん外伝 ~宇宙戦艦ヤマト・星巡る方舟篇~ 始

本編よりこっちのほうが早いwwわろすww

デスラー総統はどうなったの?

>>443
総統は逮捕、投獄されたという設定です
一応

大和「こちら宇宙戦艦ヤマト。応答してください。どうぞ」

『私はガトランティス軍グタバ遠征軍大都督、雷鳴のゴラン・ダガームだ。宇宙戦艦ヤマトに告ぐ、直ちに投降し、ヤマトを渡せ』

大和「お断りします。私たちは急ぎますので、さようなら」

ダガーム『行かせはせん。投降に応じぬなら、力づくで奪い取るまでだ』

大和「仕方ありません。戦うしかないみたいです」

沖田「敵襲か?」グイーン

大和「そうみたいです。敵はガミラスではなく『ガトランティス』と名乗っています」

島「ガトランティス・・・」

大和「ガミラスの記録にもありました。アンドロメダから飛来し、小マゼランに侵入してくる蛮族だ、と。どうやらドメル将軍が対処に当たっていたみたいですね」

沖田「敵の戦力は未知数だ。しかし、我々は一刻も早く地球に戻らねばならん。戦闘はせず離脱する」

古代「戦わないんですか?」

大和「後々のことも考えると、戦った方がいいのでは・・・」

沖田「ならん。我々の最優先事項は地球に戻ることだ。それを忘れるな」

大和「は、はい。直ちにワープに入ります。太田さん、直ちに座標の計算を。島さん、ワープの準備を行ってください」

太田・島「了解!」

雪「どうなってるの!?」

大和「敵襲です」

雪「またガミラスなの?」

沖田「いや、ガミラスではない。それより、席に着け」

雪「はい」

大和「敵艦の砲門、こちらを向いています。島さん、早く!」

島「今やってるよ!」

ドカァン!

大和「ど、どこから・・・?」

沖田「どうした!?」

雪「敵艦のレーザー、急に真横に出現しました!」

大和「そんな、レーザーまでワープするなんて・・・」

沖田「戦場ではありえないことも存在する。それは七色星団でわかったことだ」

大和「はい・・・」

古代「主砲ショックカノン、撃て!」ドギャァ ピューン

南部「駆逐艦級、1隻撃沈!」

大和「まずは1隻ですね。島さん、まだですか!?」

島「もう少し!ワープ10秒前!」

ドゴォォ!

大和「く・・・っ、大和は、沈みません!」ボロッ

アナライザー「アリガトウゴザイマス!」

大和「うう、見ないでください・・・」

島「ワープ!」

大和「はい、ワープします!」


ガタン!

大和「きゃあっ!」

島「ぐっ、機関部、状況知らせ!」

山崎『機関部に火災発生。出力、80%に減少』

島「こんな時に・・・」

大和「こんな時、ではないでしょうか」

真田「ああ、次元断層突入時の現象と同じだ。ワープ中の1ナノ秒を感知している。新見くん、解析頼む」

新見「はい、先生」カタカタ

大和「でも、少し変です。次元断層は海の中にいるような感じですけど、ここはまるで・・・お母さんの腕に抱かれているような、そんな感じです」

新見「空間の質が違うのかもしれません。次元断層は通常空間とリンクする有限空間ですが、ここは1つの独立した有限空間のようです」

太田「すみません、僕にはよくわかんないです」

真田「私たちが次元断層と呼ぶ空間は、成長しきっていない不安定な状態の亜空間だ。しかし、この空間は「空間として完成された」亜空間として存在している」

新見「つまり、本物の亜空間ですね」

古代「それって、次元断層に突っ込んだ時と同じように機関が働かなくなるんじゃないですか?」

真田「今のところ、エネルギーの流出はない。この亜空間は通常空間と同じ性質を持っているせいだろう」

ガタン!

古代「島、乱暴に操縦するなよ」

島「俺じゃない!」

大和「・・・レ、サ」

雪「大和、どうしたの?」

大和「テレサ・・・」

島「コントロールが効かない!大和、今すぐ解除しろ!」

大和「テレサ・・・」ポワー

アナライザー「シッカリシテクダサイ」ムネモミモミ

大和「テレサ・・・」ドゴォ

アナライザー「ギェェェェ!?」

新見「あなたも懲りないわね」

雪「前方400万キロ先に惑星を発見しました。直径1万3000㎞の地球型惑星です。生命反応あり」

沖田「大和はそこに向かっているようだな。上陸班を編成し、調査に当たれ」

古代「了解」


巨大渓谷

大和「・・・」

島「デカい谷だなぁ」

真田「火星のマリネス渓谷と同等、いや、それ以上だな」

雪「前方に人工物発見。探照灯を照射します」

ガシャン

南部「す、すごい・・・」

アナライザー「全長10㎞ノ巨大ナ十字架デス。金属製ノヨウデスネ」

新見「未知の文字が一面に彫られているようです。アナライザー、何かわかる?」

アナライザー「イエ、何モ」

新見「そう・・・」

ガタン!

島「おい、どこに行くつもりあ、大和!」

大和「・・・」

平原

島「平原の湖に着水しました」

雪「大気の解析結果出ました。窒素78%、酸素21%、アルゴン1%、その他わずかです」

大和「・・・あっ、えーっと」

古代「やっとお目覚めか」

大和「すみません、私、どうなっていました・・・?」

真田「一種のトランス状態に陥っていたらしい。ずっと『テレサ』と言っていたよ」

大和「テレサ・・・そ、そうです!ここにテレサがいるんです!」

島「そのテレサってのは何者だ?敵か?」

大和「それは、何も」

沖田「考えても仕方あるまい。この惑星の調査を行う。古代」

古代「はっ、既にメンバーは選抜済みです」

沖田「よろしい。何か発見したら真田くんに随時報告するように」

古代「古代進、惑星の調査に行ってまいります」ビシッ


古代「どうしても行くのか?」

大和「ええ。『テレサ』を見つけるまでは」

新見「そればっかりね。いつかみたいに操られているのかしら?」

大和「操られてなんか・・・私は自分の意志で動いています!」

第3格納庫

島「・・・」

篠原「おや、航海長。こんなところで何やってんですかい?」

島「テレサ・・・」

篠原「おーい」

島「・・・」ポワー

篠原「あちゃー、とうとう退屈病にヤラれちまったか」


大和「・・・」

古代「沢村は新見さんと桐生の護衛だ。相原と大和はオレについて来い」

相原「了解しました」

新見「本当に大丈夫かしら?」

沢村「新見さん、それはないですよー」

古代「冗談は後にしてくれ。早く調査を終わらせてしまおう」

大和「・・・」ポワー

桐生「大和さん?」

大和「第3格納庫解放・・・」

山岳地帯

大和「・・・」

古代「大和、どこに行くんだ!戻って来い!」

大和「・・・ここ」

相原「待ってくださいよ、もー」

古代「あれは・・・」

大和「星巡る方舟、永き眠りより目覚めん・・・」バタッ

古代「大和、大和!」


大和「ん、ぅ・・・」

古代「気がついたか」

大和「はっ、ここはどこですか!?」

古代「『星巡る方舟』の前だ」

大和「・・・!」

相原「全長、推定5㎞。まさに『方舟』と呼ぶにふさわしいサイズですね」

大和「あそこです、あそこにテレサがいらっしゃいます」

古代「わかった、行ってみよう。だが、罠だと判断したら逃げるからな」

キィィィィン

古代「シーガルじゃないか、誰が発艦命令を出した!?」

大和「すみません、いつの間にか出ていたみたいです。搭乗者は、恐らく艦内にいない島さんと思われます」

古代「島?何であいつが・・・」

方舟

古代「宇宙戦艦ヤマト、応答せよ。こちら古代」

真田『聞こえているぞ』

古代「山岳地帯にて巨大な宇宙船を発見。調査に当たります」

真田『気を付けてな』


大和「凄いです、地球の技術を遥かに超えていますよ」

古代「これを作った種族は、もう滅びているみたいだな」

大和「そのようです。中は木が生えるほど荒れていますし、壁に散見される文字はアケーリアス系文明のものです」

相原「亜空間ゲートを作った種族がこれを建造した、ということですか?」

大和「いずれにしろ、滅んでしまったものに変わりはありません。ひとまず、今は島さんとテレサを探しましょう」


方舟 船橋

古代「真田さん、方舟の船橋に到達しました」

真田『こちらも確認した。動きそうか?』

古代「やってみます。大和」

大和「はい。システムチェック。動くみたいですね」カタカタ

『ようこそ、アーク・テザリアムへ』

古代「誰だ!?」

「私はテレザートのテレサ」

相原「戦術長、上から人が!」

※ >>460 訂正
テザリアム × テレザリアム ○


大和「あなたがテレサさん、ですか」

テレサ「はい。あなた方をお待ちしていました」

古代「君がヤマトをここまで誘導したのか?」

テレサ「私はこの空間に突入したあなた方を誘導しただけに過ぎません」

大和「確かに、ワープ前と直後は何も感じませんでした」

相原「ところで、僕たちをここまで呼んだ理由は何ですか?」

テレサ「それは、このアーク・テレザリアムをガトランティスから守ってほしいのです」

大和「残念ですが、それはお受けできません。すみませんが、他を当たってください」

古代「話を聞くだけでもいいじゃないか」

大和「私たちは一刻も早く地球に帰らないといけないんです。そうしないと、地球は滅びてしまうんです。コスモリバースを受領したのに、見捨てるんですか?」

古代「それは一理あるが・・・」

テレサ「このアーク・テレザリアムは来たるべき戦いに向けて建造されてきたものです。ですが、その「来たるべき戦い」はまだ訪れていません。それが起こるまで、これは守らなくてはならないのです」

相原「来たるべき戦い?」

テレサ「まだ戦いは来ませんが、必ず起こります。それまで、これを守らなくてはなりません。悪しき者の手に落ちれば、それこそ『来たるべき戦い』の前に宇宙が破滅します」

古代「何が何だか・・・」

大和「っ!」

相原「古代さん、ヤマトが攻撃されています!」

古代「何だって!?」

大和「あの至近距離に出現するレーザーです!直ちに敵艦を撃破しないと、ヤマトが危険です!」

古代「仕方ない、戻るぞ!」


島「・・・」

テレサ「あなたは誰ですか?」

島「それより、ここはどこなんだ?気がついたらここにいるし」

テレサ「力が別の方にも働いてしまったんですね。失礼しました」

島「だから、ここは何さ?」

テレサ「ここはアーク・テレザリアム。来たるべき戦いに向けて建造された方舟です」

島「ふーん、確かに戦闘艦艇の艦橋とは少し違うな」

島「そうだ、君の名前は何て言うんだ?」

テレサ「私はテレサ。テレザートのテレサ」

島「いい名前じゃないか。その名前、大事にしなよ」

バレラス

ディッツ「・・・」

ドメル「お疲れのようですね」

ディッツ「ああ。デスラー元総統の処遇をどうするか、なかなか決まらんのだ。暫定議会は死刑と無期懲役で真っ二つに分かれている」

ドメル「政治の話はよくわかりません」

ディッツ「ハハハ、君らしい」

ドゴォ!

ディッツ「何事だ!」

兵士「申し上げます!バレラス上空にガトランティス軍が出現!攻撃を受けています!」

ディッツ「連中め・・・エルク、行ってくれるか」

ドメル「ご命令とあらば」


兵士「ゼルグート2世、戦闘不能!退避します!火焔直撃砲艦、未だ健在!」

ヒルデ「ど、どうすればいいの・・・?」ウルウル

ドメル『ヒルデ、前方の敵旗艦に集中して攻撃しろ!各艦に通達、デウスーラ2世が旗艦を撃破した後、散開して一斉攻撃を加える。鶴翼陣展開!』

ヒルデ「は、はいっ!」

地下牢

ゴォォ!

デスラー「・・・」

バルゼー「ガミラス総統、デスラーだな」

デスラー「前まではそうだったが、今となっては戦争犯罪人だ。その私に何か用かね」

バルゼー「君は有能な指揮官になれる。我々と共に戦わないか」

デスラー「戦争の惨禍を宇宙に広めるために、かね?」

バルゼー「全宇宙は大帝のものだ。それに刃向う者は容赦しない」

デスラー「・・・愚かな」

バルゼー「君に決定権は存在しない。今現在、我が艦隊はガミラスとイスカンダルの全市民を人質にとっている。貴様が従わないというなら、二つの星を宇宙から消してしまおう」

デスラー「貴様・・・ッ!」ギリギリ

バルゼー「さて、どうする?」

バン!

バルゼー「くっ!」

ガデル「総統、ご無事ですか!?」

バルゼー「まだ邪魔者がいたか・・・」タッタッタ

デスラー「私は無事だ。だが、ガミラスとイスカンダルの様子が気になる。戦況はどうなっている?」

ガデル「現在、我が軍は劣勢に立たされております。ドメルとデウスーラ2世が奮戦していますが、いつまで持つか・・・」

デスラー「私が出る。艦を貸せ」

ガデル「しかし、あなたは犯罪人の身の上・・・」

デスラー「この星を奴らに蹂躙されるのを黙って見ていろというのか」

ガデル「・・・このことはご内密にお願いします」カチャリ

戦術長「ドメル将軍!機関部に深刻なダメージ!航行不能です!」

ドメル「っ、ここまでか・・・」

ヒルデ『もう、ダメ・・・』

ハイデルン「まさか、ここで終わるとは・・・」

『全砲門開け!目標、敵旗艦!』

ドメル「!?」

ドゴォォ!

戦術長「敵旗艦、中破!援軍はダロルドです!」

ドメル「この声は、デスラー総統!」

デスラー『君が無事で何よりだ、エルク』

ドメル「総統、なぜここに」

デスラー『その話は後にしたまえ。今は敵艦隊の撃破が優先だ。ヒルデ、ダメージコントロール』

ヒルデ『は、はい!武装、機関に異常ありません!』

デスラー『では、戦線離脱しデスラー砲の発射体制に入れ。エルク、ダロルドが懐に入り込む。君はその援護をしてくれ』

ドメル「ざ、ザー・ベルク!」

バーガー『復活した総統との協力作戦か。燃えてくるじゃねえか!』

ハイデルン「はしゃぐな、バーガー」

ヤマト 第1艦橋

古代「状況は!?」

雪「敵艦、ワープビームの推定射程圏内に入ります!」

沖田「空間航跡を追って来られたか。総員戦闘準備」

大和「総員戦闘配置!主砲、副砲、ミサイル、対空火器、オールグリーン!FCS異常なし!」

南部「主砲、エネルギー伝達完了!零式徹甲弾の切り替え準備もオーケーです!」

大和「全火器を大和管制モードに移行!主砲照準、敵旗艦に設定!」


兵士「火焔直撃砲、発射準備完了しました」

ダガーム「ここまで来たからには、もう用はない。消せ」

兵士「了解!火焔直撃砲、発射!」

ゴォォォォ!


大和「っ!」

雪「至近弾!」

大和「ワープ準備です!徳川さん!」

徳川「どこに逃げる気じゃ!?」

大和「私にいい考えがあります!」

ダガーム「次弾装填」

兵士A「砲身冷却に時間がかかります。エネルギー充填30%にて待機」

兵士B「テレザート星地表にワープアウト反応!」

ダガーム「フン、逃げたか」

兵士B「いえ、我が艦後方にワープアウト反応!後ろを取られました!」

ダガーム「大気圏内からワープするだと・・・!」


大和「少々危険ですが、ゲシュヴァール機関で空間制御をしつつワープしました。敵はさぞ度肝を抜かれているでしょうね。ありがとうございます、真田さん」

太田「イテテ、無茶するなあ」

大和「ですが、相手の意表を突くことはできました。全主砲、薙ぎ払え!」ドギャァ ピューン

ドゴォォ!

雪「敵旗艦艦尾に着弾!効いています!」

古代「よし!一気に畳みかけるぞ!」

大和「はい。第1、第2主砲、斉射始め!」ドギャァ ピューン

ダガーム「フフ・・・面白い、面白いぞ」

兵士「艦尾損傷!このままでは航行不能になります!」

ダガーム「一時撤退だ。この空間への突入方法はわかった。後は『方舟』を手に入れるだけだ」


雪「敵艦隊、次々にワープアウトしていきます」

大和「逃げましたね。今のうちに島さんを回収しましょう」

古代「あの宇宙船のことも気になる。真田さん、一緒に調査しに行きましょう」

真田「もちろんだ。十分なデータを持ち帰りたい」

大和「問題ありませんね、艦長?」

沖田「反対する理由はない」

太田「惑星へ降下します。大気圏モードに変更」


テレサ「島さん、あなただけにお見せしたいものがあります。ついて来てください」

島「あ、ああ」


アーク・テレザリアム 大型兵器保管庫

島「これは・・・ロボット?」

テレサ「未知のエネルギーを使い稼働する機械です。原理は私にも理解できません」

島「こんな技術を持った種族が滅ぶなんてな・・・」

テレサ「滅びたわけではありません。これを作った種族、アケーリアスの民は水と螺旋の力を使って宇宙に大文明を築きました。その子孫は長い年月をかけて宇宙に根付いています」

テレサ「お見せしたいものは他にあります。こちらへ」

島「これは・・・大和じゃないか!」

テレサ「いえ、これは大和ではありません。大和型戦艦二番艦、戦艦武蔵です」

島「本物なのか?」

テレサ「紛れもなく本物です。レイテ沖海戦で撃沈され、海の底に沈んだ武蔵そのものです」

島「すまないが、中を調べてもいいか?」

テレサ「元々、これはあなた方地球人の艦です。許可など不要です」

島「っ!」タッタッタ


武蔵 第1艦橋

島「大和がいた時代は普通に艦娘がいた。ってことは・・・」

島「やっぱりだ、誰かいた」

「誰だ、名を名乗れ」

島「国連宇宙軍所属、宇宙戦艦ヤマト航海長、島大介一尉。そっちの名乗ってもらおうか」

武蔵「私は軍艦武蔵」

島「やっぱり、武蔵の艦娘なんだな」

武蔵「・・・どこでその情報を知った、貴様は何者だ」

島「君と同じ、地球人だ」

武蔵「さっき宇宙戦艦と言ったな。・・・なるほど、そういうことか」

島「どういうことだ?」

武蔵「何らかの拍子でこの空間に迷い込み、テレサに連れて来られた。ということだろう?」

島「そうだ」

島「ところで、何で武蔵がこんなところにあるんだ?」

武蔵「テレザート星にいた人々は、熱心に別の惑星の技術を集めていた。撃沈され、鉄クズに還るしかなかった私も、ここに連れて来られた」

島「さっき言ってた、大いなる戦いのことか?」

武蔵「その通りだ。あらゆる武器を集めておけば、戦術に幅が広がる。幸いにもテレザート人は空間制御技術に長けていた」

島「まだ起こっていない戦いとか、全くわけがわからない」

武蔵「それは私も同感だ。ここに連れて来られた時は混乱したものだ。あの世に逝けなかったことを呪いもした。まだ何もかもがわからない戦いに身を投じられることになるのだからな」

武蔵「なぁ、教えてくれるか。地球は今、どうなっている?」

島「太平洋戦争のことは聞かなくてもいいのか?」

武蔵「日本が負けたのだろう。大体の想像はつく」

島「わかった。地球は・・・滅亡の危機に立たされている」

武蔵「とうとう自滅を始めたか。私たちを無茶な作戦に連れ回し、挙句の果てに戦術的な特効までやらかした人間のことだ、いずれこうなることはわかっていた」

島「そうじゃない。宇宙人の侵略だ」

武蔵「それは意外だな」

島「そこで、宇宙戦艦ヤマトが星を蘇らせる装置を受け取りに、別の惑星まで航海していた」

島「今はその装置を受け取り、地球に帰るところだ」

武蔵「ヤマト・・・か。久しぶりに聞く名前だ。大和と肩を並べていた頃が懐かしい」

島「大和なら、会えるさ」

武蔵「そうだな。あの大和の名を継いだ艦だ、美しく素晴らしいに決まっている」

島「そうじゃない。君が知る大和に、さ」

アーク・テレザリアム 船橋

真田「まさにオーパーツだな。これほどの技術はガミラスも持ち合わせてはいないだろう」

大和「アケーリアスの流れを汲む遺産ですから、当然といえば当然なのかもしれません」

古代「それより、島とテレサはどこだ?」

真田「状況から見て、島はこの遺跡にいる可能性が高い。しかし、あまりに船内が広すぎるな。アナライザー、どこかわかるか」

アナライザー「生命反応、コノエリアニハアリマセン」

古代「あいつ、どこをほっつき歩いてんだ・・・」

テレサ「再び来られたのですね」

真田「・・・アナライザー、どうなっている」

アナライザー「ワカリマセン。急ニ出現シマシタ!」

大和「ここに地球の方が来られませんでしたか?」

テレサ「彼なら大型兵器保管庫です。迎えに行ってあげてください」

古代「はい。行きましょう、大和、真田さん」


大和「これは・・・武蔵?」

真田「ああ、機銃配置、艦橋形状、どれをとっても戦艦武蔵だ」

大和「武蔵・・・そんな、まさか」ダッ

古代「大和、待て!」

武蔵「そんなことはあり得ない。解体処分されているか、既に沈められているはずだ」

島「沈んでも生きていた。俺たちはヤマトに乗ってここまで来たんだ!」

武蔵「あり得ないと言って・・・」

大和「武蔵!」

武蔵「!?」

大和「やっぱり、武蔵だったのね・・・!」

武蔵「まさか、そんなことは・・・」

大和「武蔵っ!」ギュ

武蔵「あがっ!?大和、まだ徹甲弾の風帽を・・・」

大和「あっ、その、ごめんなさい。ついうっかり」テヘ

武蔵「それより、再び会えて嬉しいぞ。沈められずに済んだようだな」

大和「いえ、一度沈んだわ。でも、宇宙戦艦として生まれ変わったの」

武蔵「そうか、だから宇宙戦艦ヤマトか」

古代「島!」

島「やあ、古代」

古代「どこかに姿を消したと思ったら、ここにいたのか」

島「テレサさんに連れて来られてな」

真田「そのテレサはどこだ?」

武蔵「この人々が今の乗組員か?」

大和「はい。古代戦術長と真田副長です」

武蔵「ところで、何だ、他の艦も元気か?」

大和「ううん、武蔵以外の消息は全然わからなくて」

武蔵「そうか。地球に帰ったら仲間たちを探したいものだ」

大和「でも、艦娘なら一人だけ会ったわ」

武蔵「さっきは誰とも会わなかったと言わなかったか?」

大和「別の惑星で一人だけ、その星の艦娘に」

武蔵「なるほど、系外惑星にもいたのか。どんな奴だ?」

大和「両親を亡くした女の子。とても寂しがり屋さんで、でも元気な子なの」

武蔵「待て、両親を亡くした、だと?」

大和「私たち艦娘は人間に作られた存在だった。元々は人間だけど、日本軍の技術で艦娘という全く別の存在に変えられてしまったの。だから、私たちも本当は姉妹じゃないわ」

武蔵「馬鹿な・・・それでは、今まで消えていった者たちも・・・」ギリギリ

大和「そう、残念だけど・・・」

武蔵「わかった。私を地球に連れて行け」

大和「武蔵の艦体はどうするの?」

武蔵「このデカブツに運んでもらえばいい」

大和「それはできないの。ヤマトは半年以内に地球に帰らないといけない。じゃないと、地球が全滅するの」

武蔵「さっき航海長が言っていたのはそれか・・・では、艦体は後で運んでもらおう。私だけでもヤマトと共に行きたい」

大和「ええ。また一緒に組めるわね」

武蔵「嬉しい限りだ」

大和「というわけで、アーク・テレザリアムを地球に移動することにします」

テレサ「はい。信頼しています」

大和「ですが、ヤマトは護衛の任につけません。自力で地球まで航行してもらうことになります」

テレサ「それでは・・・」

大和「攻撃されても守れない、ということです。ヤマトが一刻も早く地球に戻らないと、この宇宙船も行き場を失うことになります」

テレサ「・・・わかりました。この艦にも自衛の能力はあります」

大和「勝手なことを言ってすみません。でも、これだけは譲れないんです」ペコリ

テレサ「・・・」


艦長室

沖田「そうか、武蔵はそこにいたのか・・・」

大和「はい。200年もあそこで誰かを待ち続けていたんです」

沖田「仲間に、妹に会えてよかったな」

大和「ただ、その一言に尽きます」

沖田「しかし、我々は地球に急がねばならん。そのことを忘れるな」

大和「はい」

イスカンダル連星軌道上

ヒルデ『デスラー砲、発射用意!エネルギー充填開始っ!』

デスラー「私の合図があるまで待機せよ。エルク、砲撃支援だ」

ドメル『ザー・ベルク!』

デスラー「ガミラスを蛮族に渡すわけにはいかん。ダロルド、全速前進」

バレク「了解。砲撃始め」

戦術長「敵艦隊、なお前進中」

デスラー「ヒルデ、状況報告」

ヒルデ『エネルギー充填90%、もうちょっとで発射できます』

デスラー「了解した。バレク君、砲撃を旗艦意外に集中だ」

バレク「はっ!ただいま・・・」

ドゴォォォォ!

デスラー「ッ!火焔直撃砲か」

技術士官「右舷装甲、融解!ミサイル発射不能です!」

デスラー「エネルギーの充填には時間がかかる。周囲の護衛艦艇を撃破し、奴を丸裸にしてしまえ」

戦術長「現在、敵残存艦は旗艦含め17隻!」

ヒルデ『デスラー砲、撃てますっ!』

デスラー「準備は整った。ゲームを再開しよう」ニヤ

真田「沖田艦長」

沖田「何だね」

真田「超空間通信システムの調整が完了しました。試験も兼ねて、地球とガミラスに通信を送りたいと考えています。よければ、後ほど第1艦橋へお越し願います」

沖田「わかった・・・ぐッ」ガクッ

真田「艦長、大丈夫ですか」

沖田「わしは大丈夫だ」


テレサ「アーク・テレザリアム、浮上!」


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

古代「こりゃ凄い」

真田「推定全長5㎞の超巨大輸送艦だ。ちゃんと武装や光学シールドも内蔵している、まさにオーパーツだよ」

大和「では、行きましょう。宇宙戦艦ヤマト、発進!」

島「次元潜航機関始動!ワープにより通常空間へ離脱します!」

徳川「次元潜航機関、異常認められず。山崎、調子はどうだ」

山崎『素晴らしい働きぶりです、さすがガミラスの技術ですよ』

島「ワープ5秒前!4、3、2、1、ワープ!」

島「通常空間へ突入。通常航行へ移ります」

真田「相原、機器の状態をチェックしてくれ」

相原「システム、オールグリーン。いつでもいけます」

真田「では、まず地球に状況を報告しよう」

太田「でも、旧式の通信システムしかない司令部と連絡がとれるんですか?」

真田「そこは問題ない。この通信システムは通常の通信方法と大きく違う。ワープの原理を利用し、空間を曲げて情報を地球に届けている。ワームホールが途切れない限り通信は可能だよ」

古代「そのシステムを使えば、ヤマトもすぐ帰れるのでは?」

真田「情報と戦艦1隻では質量が違いすぎる。電波だと遠距離の移送が可能だが、戦艦クラスの巨大な質量を持つ物体が移動できる距離は限られるんだ」

大和「要するに、大きいものは運ぶのが難しいんです」

相原「地球との回線、繋がりました。藤堂長官です」

藤堂『おぉ、無事だったか!』

真田「はい。現在、コスモリバースシステムを受領し、大マゼラン外縁部まで到達しています」

藤堂『それはよかった・・・ところで、沖田艦長はどこかね?』

真田「艦長は艦長室で休養中です」

藤堂『そうか、わかった。地球の帰りを楽しみにしているぞ』

大和「もう2つ、報告したいことがあります」

藤堂『大和か。君も元気そうで何よりだ。報告を聞こう』

大和「戦闘の末、ガミラスとの停戦が決定されました。今使っている通信機器はガミラス製の超空間通信機です」

藤堂『ガミラスとの停戦までしてくれるとは。さて、もう1つは何かな』

大和「途中で迷い込んだ異次元空間にて、過去に沈没した戦艦武蔵と、それを積載した超巨大輸送艦を発見しました。これをヤマトとは別行動で地球に向かわせます。それに加え、ガトランティスと名乗る謎の敵と遭遇。帰りも侮れません」

藤堂『いいニュースと悪いニュースだな。しかし、武蔵とは・・・わかった。新型戦艦のアンドロメダを派遣しよう』

大和「し、新型戦艦ですって!?」

藤堂『波動エンジンと波動コアのコピーに成功し、新型戦艦を建造した。波動エンジンを2基搭載し、連続ワープも可能になっている。ヤマトが地球に着くより早くそちらに行けるだろう』

真田「アンドロメダ・・・ヤマトと並行して建造されていた戦艦か。ヤマト計画により建造が頓挫したと聞いていたが」

大和「はい。私もそう聞いていました」

藤堂『アンドロメダと合流次第、コスモリバースを載せ替えてくれ。そこからヤマトは巨大輸送艦と敵の警戒に当たってくれたまえ』

大和「それは無理です」

藤堂『なぜだね?地球には時間的な余裕が無い』

大和「私の艦体自体をコスモリバースに改造しました。ですので、地球の復興はヤマトの帰還が条件となります。アンドロメダはひとまず、輸送艦の護衛に当たってください」

藤堂『むう・・・了解した。君たちの帰りを待っているぞ』

相原「通信、切断しました」

大和「・・・」

古代「どうした?」

大和「波動エンジンを2基搭載、ということは、波動砲も装備されているんですよね」

古代「そうだろうな」

大和「スターシャさんとの約束、守れるでしょうか・・・」

私は、愛する彼女のために宇宙を平和にしようと努力した。

だが、突然現れたテロンの艦に全て打ち砕かれた。

今の私は既に権力者ではない。犯罪者と判断された哀れな男に過ぎない。

宇宙を救うことはできなかったが、せめてガミラスとイスカンダルを、スターシャだけは守らなければならない。

それがガミラス臣民への、そして、彼女に対しての贖罪になるだろう。

ガデル「総統、敵旗艦が接近しております」

デスラー「デスラー機雷散布用意。奴を囲んで動けなくしてやれ」

ガデル「はっ!デスラー機雷散布開始!」

戦術長「デスラー機雷投射!」


バルゼー「従わぬ者には死あるのみ。艦隊、前進せよ!」

兵士「敵艦、機雷のようなものを散布しています」

バルゼー「掃討してしまえ。対空機銃、迎撃開始!」

兵士「ダメです、あれは連動機雷、1つでも破壊すれば全て爆発し、我が艦が粉々に・・・」

バルゼー「くッ・・・」

兵士「閣下だけでもお逃げください。ここは我々が何とかいたします」

バルゼー「この私に、逃げろと言うか・・・」


ガデル「総統、敵艦隊の6割を撃破いたしました」

デスラー「よろしい。ヒルデ、波動砲を旗艦に向けて撃て」

ヒルデ『は、はい!デスラー砲発射!』

ドゴォオォオオオオオォオオオォオォォォォォォオオオ!!


バルゼー「デスラー、この借りは必ず返す!」

総統府

ピピーッ、ピピーッ

親衛隊員「通信傍受、宇宙戦艦ヤマトです」

ディッツ「何かあったのか。メインパネルに回せ」

大和『ディッツ提督、お久しぶりです』

ディッツ「君か。何の用だ?」

大和『敵・・・ガトランティスのことを教えてほしいんです』

ディッツ「まさか、ガトランティスの攻撃を受けたのか?」

大和『はい。謎のワープするレーザーの攻撃も受けました。あれは何ですか?』

ディッツ「連中は相当高い技術力を持っている。ガミラスでさえ開発できなかった兵器が多数存在するが、その中でも強力なのが『火焔直撃砲』、君たちが食らった兵器の名だ」

大和『火焔直撃砲・・・』

ディッツ「デウスーラ2世クラスの防御力を備えていなければ、一撃で撃沈されてしまうほど強力な兵器だ。理論上では波動防壁も1回しか持たない」

大和『掠っただけでも中破という威力でしたから、大体察しはついていました。それにしても強力ですね』

ディッツ「連中は総統と違い、他の惑星を服従させるために侵略する。君たちの存在が知られた以上、地球のことも調べて侵略しに行くだろう」

大和『そんな・・・』

ディッツ「デウスーラ2世を天の川銀河までの護衛につける。それで手を打とう」

大和『いいんですか?デウスーラは主力艦のはずでは?』

ディッツ「それ以外にも強力な艦は多数残っている。航宙艦隊も帰還済みだ。それに、ヒルデの教練もついでに頼む」

大和『はい、感謝します!』ピッ

ディッツ「とうとう、彼らにまで手を出したか、ズォーダー」

士官室

セレステラ「・・・」

大和「少しは落ち着きましたか?」

セレステラ「大分、楽になったわ」

大和「それはいい知らせです」ニコ

リンケ「・・・」zZZ

大和「彼女も大丈夫そうですね」

セレステラ「最初は嫌がっていたわ。あなたはガミラスにとっての敵、つまり総統の敵だったから」

大和「では、なぜあなたはついて来たんですか?」

セレステラ「あなたが総統と同じ目を、いいえ、それ以上に優しい目をしていた」

大和「私が、ですか?」

セレステラ「結局、私は捨てられた。新たな希望に縋りたい気持ちもあったけど、それ以上にあなたに興味を持ったことが大きいわね」

セレステラ「だから、私に見せてちょうだい。あなたが進む未来を」

大和「はい。それでは、この辺で」ペコリ

島「空間座標固定。ワープ準備完了。テレサさん、後に続いてください」

テレサ『はい。こちらもワープの準備ができました』

島「了解。ワープ!」


武蔵「これが、わーぷというものか。不思議な気分だ」

大和「私はもう慣れっこですけどね」エヘ

雪「アーク・テレザリアム、ワープアウトを確認。前方500㎞地点に未知の物質反応を発見しました。データベースとの照合結果から、ナクアダ反応と思われます」

大和「地球に一番近いゲートに出ましょう。ダイヤルデータを送ります。真田さん、ダイヤルをお願いします」

真田「了解した。遠隔ダイヤルプログラム起動。艦内電源を非常用に切り替える」ガシャン

古代「電力切り替えだなんて、波動砲みたいですね」

真田「接続には膨大なエネルギーが必要だからな。ダイヤル完了、イベントホライズン発生を確認」

大和「通れるようになったみたいですね。では、行きましょう」


銀河系外縁部

島「空間座標特定。銀河系外周部、地球から1万光年の距離です」

南部「よし、余裕で地球まで戻れるじゃないか!」

雪「とうとう、戻れるのね・・・!」

古代「帰ってきたんだな、銀河系に」

サーベラー「大帝、ガミラスは降伏しないようです」

ズォーダー「そうだろうな。二つの銀河を支配する大帝国が、そう簡単に降伏するはずもあるまい」

サーベラー「しかし、政変でデスラーは捕えられています。政府が混乱している今なら、あの大帝国を我がものにできるかと」

ズォーダー「その点に関しては同意しよう。しかし、懸案事項がまた増えた」

サーベラー「と言いますと?」

ズォーダー「テレザート星捜索の任に就かせたダガームが、ヤマトの捕獲に失敗したとの連絡があった」

サーベラー「ヤマト・・・いえ、聞き覚えがありません」

ズォーダー「諜報部の情報によると、専用の装備無しで亜空間に突入できる艦艇らしい。それに加え、艦娘と呼ばれる存在が艦の全てを制御している、と」

サーベラー「艦娘?」

ズォーダー「詳細は不明だ。ジレル人の精神感応波に強く反応する、というデータも残っている。いずれにせよ、ダガームの艦隊を振り切ったほどだ、単艦でもかなりの実力を持っていると見ていい」

サーベラー「しかし、たかが1隻です。ゴーランドに任せれば、すぐにひねり潰せるでしょう」

ズォーダー「油断は敗北を招く。慢心は禁物だぞ」

サーベラー「・・・はい」

大和「幽霊騒ぎですか?」

アナライザー「ハイ、艦内ノ女性タチガ噂シテマシタ」

大和「いえ、心当たりなんてありませんが・・・」

アナライザー「フム、大和サンガ知ラナイナライイデス。武蔵サーン!素敵ナ連装砲塔デスネ!」タッチ

武蔵「大和、この破廉恥な物体を標的に使いたいんだが」ピキピキ

大和「ええ、どうぞご自由に・・・」

武蔵「艤装展開!撃ち方ァ、始めッ!!」ドゴォォォ

アナライザー「アッー!」


自動航法室

大和「勝手にうろつかれては困ります!うちには霊感が強い方だっていらっしゃるんですよ!」

守「そうだったね、すまない。でも、ヤマトを今のうちに見ておきたいと思ったんだ」

大和「そりゃ、興味がわくのもわかります。ユリーシャさんの件があるのに、また何か漏れると厄介なことになるんです。特に古代さんが黙ってませんよ」

守「それは困るな。あいつ、何が何でもオレを探しに来るだろうし」

大和「はい。余計に悲しみますよ。また自分を犠牲にするのか、って」

守「何でも知ってるんだな」

大和「この艦は私そのもの、嫌でも全て筒抜けですから・・・」

守「それもそうだった。今度は新見くんに挨拶しに行こうと思うから、慎重に行動しよう」

大和「あの・・・いえ、いいですけど」

雪「スーパーゲイトにイベントホライズン発生!何かが通過してきます!」

相原「通信が入っています。これは、デウスーラ2世のものです」

大和「意外と早いですね。繋いでください」

ヒルデ『大和さん、久しぶり!』

大和「お久しぶりです。艦娘としての生活は慣れましたか?」

ヒルデ『戦ってばかりで嫌。もっと楽しいことがしたいのに・・・』

大和「戦ってばかり、ということは、あのガトランティスという敵とですか?」

ヒルデ『うん。ガミラスが攻撃を受けて、今はデスラー総統が指揮を執ってるの』

古代「何だって、デスラーが?」

真田「彼は投獄されたと聞いたが」

ヒルデ『混乱の中で逃げ出して、自分から戦いに来たの。でも、そのおかげで助かったんだよ』

大和「彼も元は有能な指揮官だったんですね。今までは自分を見失っていたんでしょうか・・・」

雪「自分を見失っていた、ねえ。あたしにはそう見えなかったけど」

大和「と、言いますと?」

雪「確かに自分を見失っていたというか、何かに執着していた様子はあったわね」

島「ヤマトが気に入らなかったんだろ?」

雪「そうじゃないの。もっと別の何かよ」

古代「別の何か、ねぇ」

武蔵「随分と風変わりな形状だな、あの艦は」

大和「どうやら、コアシップに艤装を装備させるタイプの艦艇みたいです。互換の効くパーツを揃えれば、更なる改造もできるみたいですよ」

武蔵「その気になれば、地球産の装備にも換装できるのか。技術の進歩は留まることを知らないな」

ヒルデ『そっちの人、見たこと無いけど誰なの?』

大和「最初に会った時、偽名を使いましたね。覚えていますか?」

ヒルデ『えと、ムサシ?』

大和「はい。武蔵は私の妹艦です。ちょっと使わせてもらいました」

武蔵「お前、また勝手なことを・・・」

大和「その時は武蔵が遠い宇宙の果てにいるとは思ってなかったのよ」

武蔵「むう・・・」

ヒルデ『それで、大和さんの・・・っ!?』

大和「どうしました?」

ヒルデ『全天球レーダーに敵艦!ガトランティスの艦だよ!』

雪「こっちでも確認したわ!数、18隻!」

真田「追撃してきたか。総員戦闘配置!」

古代「戦闘配置!主砲、副砲、エネルギー充填!」

大和「戦闘準備完了しました!武蔵、バックアップをお願いします!」

武蔵「任せろ!」

沖田「島、ワープ準備だ」

古代「沖田艦長、よろしいのですか!?」

沖田「問題ない。今は逃げろ。地球には時間が無いのだ」

武蔵「彼は誰だ?」

大和「宇宙戦艦ヤマトの艦長です」

真田「・・・進路そのまま、ワープ準備」

島「了解しました。テレサ、ヒルデちゃん、しっかりついて来てくれ」

大和「ワープ準備、完了しました。空間座標固定、ワープします!」


ダガーム「逃げたか。戦力差を考えれば当然だが、今までのヤマトとは違うな」

ダガーム「これより、我が艦はヤマトに白兵戦を挑む。ザバイバル、準備をしろ」

ザバイバル「へい、提督」

ダガーム「これでヤマトは終わりだ。今度こそ渡してもらうぞ、アーク・テレザリアムを」


島「ワープ完了。地球から7000光年の地点です」

大和「どんどん地球に近づいていますね」

真田「残り2回といったところか。その間に敵が襲って来なければいいが・・・」

沖田「あそこまでしつこく狙ってくるのは、何か理由があるからだ。ヤマトか、それともアーク・テレザリアムか」

南部「僕はテレザリアムだと思います。最初に会敵した時はヤマトの引き渡しを要求していましたが、テレザート星では攻撃を仕掛けてきました。その時点でヤマトが必要無くなったからだと思います」

沖田「その考え方もあるか。真田くんはどう思う?」

真田「私もそう考えていたところです。一度、テレザリアムの艦内をくまなく調べてみた方がいいかと思われます」

武蔵「・・・狙うのだとしたら、テレザリアムそのものだ」

沖田「説明してくれ」

武蔵「あれは方舟を名乗っているが、実際は巨大な兵器だ。特殊な信号を送ることで変形することができる」

大和「変形する艦・・・」

武蔵「信号を送れる兵器は搭載されていないが、それの開発に成功すれば大きな戦力になるだろう。それこそ、ヤマトなど遠く及ばんほどの、な」

相原「ひえぇ・・・」

武蔵「テレサの話によれば、艦娘はそれに近い信号を発することができるらしい。テレザリアムはそれに反応し、ヤマトをテレザート星が潜む亜空間に飛ばしたのだろう」

古代「でも、あそこに転移したダガームたちは攻撃してきたぞ?」

武蔵「艦娘の存在は知らなかったのだろう。地球の艦はテレザートに突入できる、ということだけだ」

大和「その情報元はどこなのか、気になるところですね」

ピピーッ、ピピーッ

相原「通信傍受。アンドロメダからです」

沖田「繋げ」

土方『戦艦アンドロメダ艦長、土方だ。久方ぶりだな』

沖田「元気そうで何よりだ」

土方『それは私のセリフだろう。雪や大和たちも元気そうで何よりだ』

雪「お久しぶりです」

土方『そして、ガミラス艦と輸送艦か』

古代「え、えと・・・」

ヒルデ『ヒルデ・シュルツです。よろしくお願いします!』

テレサ『私はテレザートのテレサ』

土方『地球がヤマトの帰還を待っている。さあ、早く帰ろう』

大和「前方にワープアウト反応あり!ガトランティス艦の反応です!」

古代「どこまでも邪魔をする気だな・・・コスモファルコン隊、出撃準備!」

相原「敵艦より通信!繋ぎます」

ダガーム『アーク・テレザリアムを渡せ。これが最後通牒だ』

大和「まだ狙うつもりですか。なぜ、そこまであれに固執するんですか」

ダガーム『テレザリアムは宇宙を支配できる絶対的な力を持っている。アケーリアスが生んだ最高傑作だ』

真田「無意味に力を追い求めても、自分を破滅させるだけだ」

ダガーム『我々は滅びん。絶対の力を持つ我々はこれからも頂点に君臨し続ける』

真田「それが慢心だというのだ!」

沖田「やめたまえ真田くん、通じる相手でもなかろう」

真田「しかし・・・」

沖田「貴官の言うことはわかった。ならば、尚更方舟を渡すわけにはいかん」

ダガーム『艦長は賢い人だと思っていたが、そうでもなかったようだ。仕方あるまい、お前たちには消えてもらう』

相原「通信、切れました」

沖田「総員戦闘配置。ショックカノンモードに切り替えろ」

大和「了解。缶室よりエネルギー伝達終了。いつでも撃てます!」

雪「敵艦、真っ直ぐこちらに突っ込んできます!」

島「回避する!」ギュイイィィィン

ドゴォォ!

雪「いったたぁ・・・」

古代「どうなった!?」

大和「・・・ッ、右舷第3デッキ付近に亀裂発生、そこから兵士が侵入してきます・・・」ゼェゼェ

沖田「総員防護服着用、白兵戦用意!」

土方『敵も思い切ったことをするな・・・沖田、そちらに接舷し戦闘員を派遣する』

沖田「頼んだ。古代、陣頭指揮を執れ」

古代「了解しました」

大和「私たちは前衛に回りましょう。ヒルデちゃん、テレザリアムの護衛に回ってください」

武蔵「久々の戦闘か。腕が鳴るな!」

ヒルデ『はいっ!頑張ってね、大和さん』


第3デッキ

椎名「数が多すぎます!このままでは、押し切られてしまう可能性が!」ダダダダ

玲「ここは後退した方がよさそうね。第7班、ヤマト食堂前まで後退!防戦しつつ増援を待つわよ!」

武蔵「その必要はない!」ドゴォ

ガトランティス兵「うわあぁぁぁ!」

玲「あんた、確か・・・」

武蔵「私が前衛を務める。援護してくれ!」


第2主砲制御室前

大和「第1、第2主砲、斉射始め!」ドゴォ

篠原「さっすが女神様だ、つええー」

榎本「こいつぁスゲエや、昔にやったフルダイブ型のオンラインゲームみたいだぜ」ダダダダ

加藤「お前たちに緊張感は無いのか・・・」

大和「お願いですから、ちゃんと戦ってください!ここで負けたら、私たちは終わりなんですよ!」

第3デッキ

ザバイバル「機関室及び艦橋を制圧せよ。出来る限り無傷で奪い取るのだ!」

側近「今のところ、我が軍の優勢です。しかし、艦娘2隻が参戦し死傷者が多数出ております」

ザバイバル「例の女か。よろしい、拿捕しろ」

側近「しかし、巨大な武装を装備し、その戦力は戦車をも凌駕するほどです。拿捕は厳しいかと」

ザバイバル「人型である以上、拿捕は可能だ。どんな犠牲を払っても奴だけは確保しろ。これは命令だ」

側近「・・・はい」


第2デッキ

アナライザー「女性ニ手ヲ出ス輩ハ許サナイゾ!」ダダダダ

古代「お前が言うな、お前が」

大和『古代さん、気を付けてください。敵将軍の侵入を確認。小型車輛に乗って艦中央部に向かっていきます!』

古代「わかった。今すぐ向かう!」


ヤマト食堂(臨時治療室)

砲術科兵「ぐッ・・・!」

百合亜「大丈夫えすかっ!?」

真琴「もうダメ、右足を切るしかない・・・」

百合亜「そんな、もっと頑張って治療すれば!」

真琴「被弾箇所が多すぎて、止血が間に合わないの!切らないと失血死するからっ!」

百合亜「あぅ・・・」

星名「敵の小型車輛が近づいてきます!皆さん、早く避難を!」

伊藤「これだから奴らはッ!」ダダダダ

百合亜「患者が多すぎて時間がかかっちゃうよ!手伝って!」

雪「手伝うわ!」

真琴「ありがとうございます、その人を運んでください。慎重にお願いします!」

古代「敵の将軍はここか!?」

雪「古代くん!」

古代「雪、こんなところにいたのか!」

雪「こんな状態なのに、黙って見てられないわよ!」

古代「邪魔にならないようにな。敵の小型装甲車が来るまでに退避してくれ」

保安員A「伊東さん、すぐそこまで軽車輛が接近しています!」

伊東「くそ、何て奴らだ!古代、重火器は持っているか!?」

古代「今は無い。だが、大和と武蔵がこっちに向かっているはずだ」

伊東「あいつはいつもそうだ、肝心な時にいつも役に立たない」

保安員A「敵車輛を肉眼で確認!20m手前です!」

古代「チクショウ、撃て!」ダダダダダ

伊東「もう奴は止められない、食堂に入ったところで全方向から襲い掛かるぞ」

古代「けが人はどうなる!まだ避難は完了していない!」

伊東「奴がここに来れば、誰かが安全に車輛に乗り込める確率が上がる。より確実な手段を採るべきだ」

古代「ダメだ!認めない!食堂前に展開せよ!」

星名「時間がない!古代さん、一旦兵を下げてください!」

ドゴォォ!!

古代「何てこった、もう乗り込んできやがった・・・!」

ザバイバル「大人しく艦娘を渡せ。さもなくば、乗組員全員を轢いてやるまでだ」チャ

古代「ここにはいない。大人しく兵を引いてはもらえないか」

ザバイバル「任務を放棄するわけにはいかん。艦娘の捕縛とヤマトの鹵獲、もしくは破壊が任務だからな」

古代「俺たちは戦争をしたいわけじゃない。このヤマトを一刻も早く地球に送り返さなければならないんだ」

ザバイバル「こちらはただ、要求通りにせよ、と言っているだけだ。お前たちの都合など知らないし、知る必要も無い」

古代「俺たちは地球のために・・・」

ザバイバル「目障りだ!失せろ!」

雪「古代くん!」ガバッ

古代「雪!?」

バン!

雪「」バタッ

古代「雪、雪!ユキーーっ!」

ザバイバル「これもまた運命、お前は運がいいな。だが」チャ

ドゴォ!

大和「遅くなりました、すみません!」

運転手「将軍、履帯が切れました!走行不能!」

ザバイバル「情報通りだ、あれが艦娘『大和』か」

ドゴォ!

ザバイバル「ぐッ!」

大和「私たちは負けるわけにはいかないんです。何があろうと、地球に命を返さないといけないんです。それを邪魔するなら、全力で排除します」ガシャンコ

ザバイバル「ッ!」バンバン

大和「撃ち方始め、てーッ!」ドゴォ

ザバイバル「がああっ!」バタッ

大和「大将を撃破しました。あなた方の負けです」

ザバイバル「まだだ、俺は負けてなどいない・・・!」

大和「もうやめてください。私たちは誰も殺したくありません。早く地球に戻らないといけないんです」

ザバイバル「・・・ウラー、ズォーダー!」チャ

星名「っ!」バン

ザバイバル「」ガクッ


古代「雪、返事してくれ、雪っ・・・」

大和「原田さん、治療をお願いします!」

真琴「はいっ!・・・よかった、まだ生きてる!岬ちゃん、一緒に運んで!」


ダガーム「ザバイバルめ、しくじったか。こうなれば、艦隊戦で決着をつけるしかあるまい。火焔直撃砲、用意!」

兵士「了解。火焔直撃砲、エネルギー充填開始!」


大和「仕掛けてきます。テレザリアムはこの場から退避、ワープしてください!アンドロメダとデウスーラは単縦陣で私伊続いてください。丁字戦法を仕掛けます!」

土方『了解。ヤマト後方につき砲戦で援護する』

ヒルデ『はいっ!主砲発射用意!』

南部「弾種はどうする?この近距離なら零式徹甲弾も必中だ」

大和「では、徹甲弾に切り替えてください。特に集中して火焔直撃砲の発射機を狙ってください。あれを破壊しなければ、勝利は無いと思った方がいいでしょう」

ドゴォォォ!!

沖田「っ!」

西条「火焔直撃砲です!バイタルパートに直撃、装甲の一部が融解しています!」

大和「そうか・・・それじゃ、やるしかないわねッ!」ドゴォ

南部「敵艦への命中を確認!デウスーラ、アンドロメダ合計4発命中!」

真田「至近距離で徹甲弾とショックカノンの射撃を受けてもなお、戦闘能力に衰えは見えないな。何て強固な艦だ」

大和「次弾装填!不意の衝撃に備えてください!」

ドゴォ!

西条「敵艦、主砲発砲!第5デッキに損害発生!」

南部「このままだと撃破されるぞ!」

沖田「ここで諦めるわけにはいかん。地球のみんながわしらを待っておる。大和、まだ戦えるか」

大和「はい、ほんの数発でこの有様ですけど・・・っ」ボロッ


兵士A「第3主砲に被弾!使用不能!」

ダガーム「火焔直撃砲の再装填はまだか!」

兵士B「残り20秒です!」

ドゴォォ!

兵士A「火焔直撃砲に被弾!機構が完全に破壊されています!」

ダガーム「奴らめ、どこまでも邪魔立てしようというわけか・・・ここで終わりにしよう」

兵士B「・・・?」

ダガーム「特攻だ。ヤマトに突っ込め」

兵士B「そんな、無茶です!」

ダガーム「砲塔も半分が使えず、火焔直撃砲も使えない。こうなっては、採るべき手段は1つだ。今こそ大帝へ忠誠心を見せる時ぞ!」


西条「敵艦、真っ直ぐ本艦に突っ込んできます!」

太田「奴ら、特攻するつもりだ!」

大和「これで終わりにします。主砲零式弾、撃ち方始め!」ドゴォ

ゴォォォォォ!!

西条「全弾命中。敵艦、爆散しました・・・はぁ、助かったぁ」

集中治療室

佐渡「・・・」

古代「雪は、雪はどうなるんですか!?」

佐渡「ヤマトの設備では治療はできん。地球の専門施設で治療を受けん限り、助かる見込みは無い。ただ、地球に着くまで持つかどうかの話になるがな・・・」

古代「そんなっ、うっ・・・」シクシク

大和「でも、現状維持だけなら方法はあります」

古代「本当か!?何でもする、教えてくれ!」

大和「自動航法室です。そこでなら地球に着くまで生命維持が可能です」

土方「ユリーシャがいたところだな」

大和「ええ」

古代「早速連れていこう!」


自動航法室

古代「待っててな、雪。必ず地球に連れ帰ってやるからな」ナデナデ

大和「では、私と原田さん、佐渡先生の8時間体制で管理に当たります。地球に着くまで、ゆっくり休養してください」

古代「ああ・・・」キィ バタン

守「あいつにも、守るべき人ができたんだな」

大和「ええ。以前の彼とは大違いです」

守「・・・」

大和「古代さん?」

守「君に相談したいことがある」

波動砲制御室

真田「ふむ・・・」

桐生「どうされたんですか?」

真田「この波動パターン、複雑な連結構造を構成している。脳のニューラルネットワークのようだな」

桐生「では、これが地球の再生に必要な『記憶』ということ、ですか?」

真田「そうなる。使われているのは大和の記憶だろう。元々は人間で、しかも艦娘となって数百年も生きている。ほんのわずかとはいえ、地球の歴史を見てきたことに変わりないからな」

真田(大和、君が艦としての死を迎えてもなお生きていたことには、こんな意味があったのかもしれんな)


艦長室

佐渡「いい傾向にありますぞ。イスカンダルの綺麗な自然に触れたからか、かなり体長が安定している」

沖田「では、地球を見られますかな」

佐渡「向こうで本格的な治療も受けられるじゃろう。」

沖田「それはよかった。・・・ところで、森くんの容態はどうですか?」

佐渡「何とも言えん。努力はしたが、地球で治療しても植物人間になる可能性が高い」

沖田「そうか。若い者がこれからの地球を担うというのに、わしが生き残ってしまってどうする・・・」


武蔵「なあ、大和」

大和「そんなに思いつめた顔して、どうしたの?」

武蔵「人間とは、変わらないものだな」

大和「でも、いい方向には進んでるわ。あの戦争の時よりは、確実にね」

武蔵「そうではない。本質は何も変わらない。どれほど強い力を持っていたとしても、人一人を助けることはできないのだな、と考えてな」

大和「そう、ね。どれだけ頑張っても、どこかで人は死ぬわ。何としても止めたいけど、死ぬこと自体はどうしようもないもの。だって、私たちは神様じゃないし」

武蔵「運命には逆らえない、か・・・」

真琴「全くもう、サブちゃんったらホントに固いっていうか、何というか」ピッピッ

雪「・・・っ」ピクッ

真琴「どうにかしてほしいわよねー」

雪「・・・」トントン

真琴「も、森さん!ちょっと待ってください、佐渡先生呼びますからっ!!」


古代「・・・」

テレサ「地球にもそんな技術があるんですね・・・」

島「ま、オモチャみたいなモンだけどな。古代もなかなか気に入ってるんだぜ。古代、古代?」

古代「・・・ん、ああ」

武蔵「どうした?元気が無いな」

古代「大食い大会で食いすぎた。腹が重い」

バタン!

大和「古代さん、今すぐ自動航法室に来てください!」

古代「航法室?今更何の・・・」

大和「雪さんが目覚めました!あなたに会いたがっています、早く!」

古代「すぐ行く!」

自動航法室

古代「はぁ、はぁ・・・」

真琴「うっ、うっ・・・」シクシク

佐渡「亡くなる前に一度、森君の目が覚めてな。お前を呼んでおった」

土方「こんな結末になろうとは・・・!」

古代「・・・っ、そんな、雪ッ!!」

大和「っ・・・!」

古代「雪、目を覚ましてくれ、頼むから・・・」


古代「佐渡先生、お願いがあります。このことは秘密にしてもらえますか」

佐渡「しかし・・・」

古代「みんなは地球を目前にしています。ここまで来て、みんなに悲しい知らせを伝えたくない」

土方「わかった。内緒にしておこう。佐渡先生も、それでよろしいか」

佐渡「はい」

島『総員、ワープ準備に入れ。繰り返す。総員、ワープ準備』

土方「行くぞ、古代・・・」

古代「いえ、ここに残ります」

土方「そうか。最後まで彼女のことを頼んだぞ」

ガコン!

島「ワープ完了、通常航行に切り替える」

相原「見てください、地球ですよ!」

西条「ホントだ!地球です!」

沖田「とうとう帰ってきたんだな」

太田「ヒャッホー!俺たち、やったんだ!地球のヒーローだ!」


古代「覚えてるか、雪」

古代「同じ艦橋勤務になって、あまり話もしなかったよな」

古代「けど、君と知り合ってから色々話もして、君がさらわれた時は本当に悔しかった」

古代「また会えた時は、君のことを好きになっている自分に気が付いた。今まで言い忘れていたけど、」ウルウル

古代「俺は君のことが好きだ!世界の誰よりも、一番好きだ!」

グイイィィィィン


守「進、君にしてやれるのは、これくらいだ。艦を返そう、大和・・・」


桐生「コスモリバースが勝手に起動しています!何をしたんですか、大和さん!」

大和「・・・」

真田「現状を維持せよ!コスモリバースを止めるな!」

桐生「ダメです!波動パターン、虚数空間に消えていきます・・・再起動不能。これじゃ、地球に戻っても・・・」

真田「なぜだ、なぜ今動かした!」ガッ

大和「・・・」

真田「これがお前の答えか、大和!!」

古代「うっ・・・うっ・・・」シクシク

雪「・・・古代、くん?」

古代「雪っ!!」

雪「戦いは、もう終わったの?」

古代「ああ、戦いは終わった。これからは、みんなで平和を築いていこう」


武蔵「古代守といったか。お前は他人の『運命』となった。素晴らしい心意気だ」

武蔵「大和、今度もお前を守ろう。そして、平和な未来を繋いでやる。それが私の最後の任務だ」

武蔵「地球よ、私の命を使うがいい!そして、我が姉のことを頼んだぞ!」


ィィィ、グイイィィィィイイイン

桐生「コスモリバースシステム、再起動します!」

大和「!!」

真田「どういうことだ、大和!何をした!」

大和「やめて!せっかく会えたのに、もう行っちゃうの!?行かないで!」

桐生「波動パターン、以前と僅かに異なるものの、正常値を記録しています!」

大和「武蔵!一度でもいいから、私の話を聞いて!武蔵!!」ウルウル

真田「大和・・・」

大和「そんな・・・いや、イヤーーーーーッ!!」

桐生「出力、安定しています」

真田「何があった、説明してくれ」

大和「私がするはずだったのに、武蔵は、武蔵は・・・っ」グスッ

桐生「副長、今は・・・」

真田「落ち着いたらでいい、何か話してくれ」

大和「・・・」シクシク


第1艦橋

相原「とうとう、帰ってきたんですね!」

島「ああ、帰ってきたんだ」

太田「極東管区坊ノ岬沖基地まで6万㎞です。すぐそこですよ!」

古代「・・・」スタスタ

真琴「古代さ・・・あっ、あ・・・」

古代「立てるか?」

雪「ええ。大丈夫」

島「雪、元気になったんだな!」

雪「お陰様で」

佐渡「き、奇跡じゃ・・・!」

沖田「よく帰ってきたな、森船務長」

雪「森雪、ただいま帰りました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」ビシッ

沖田「堅苦しい挨拶など要らん。今は地球の仲間たちと祝福しようじゃないか」ニコ

雪「はいっ!」

大和「・・・あ」

古代「見てくれ、大和!雪が生き返ったんだ!ハハハハ!」

大和「ええ、よかったですね」ニガワライ

沖田「・・・大和、少し艦長室まで来てくれんか」

大和「? いいですけど」

沖田「少し、話したいことがある」


沖田「幽霊騒ぎを知っているかね」

大和「確か、アナライザーが言ってました。それが?」

沖田「わしも、幽霊を見たよ。古代守だった。あれが何か、説明してはくれまいか」

大和「・・・彼は、コスモリバースシステムの中核です。彼の記憶を糧にして、ヤマトがその触媒となってシステムは起動します。森さんが生き返ったのは、彼がコスモリバースを起動させたからです」

沖田「して、彼女は奇跡的な回復を遂げたというのか。そうか、守の命も無駄ではなかったか・・・」

大和「その後、彼の記憶はエネルギーとなって、コスモリバースは再起動が不可能になりました。その後は私の記憶を使って再起動させ、地球を蘇らせるつもりでした」

大和「ですが、武蔵が先にそれをしてしまって、武蔵は・・・」

沖田「彼女は君に生きてほしかったのではないか。守が雪に、いや、古代に希望を与えたのと同じように」

大和「でも、せっかく会えたのに、武蔵ったら、戦艦だった時からずっと私の話を聞かないで・・・っ」グスッ

沖田「大義というのは霞のようなものだ。漠然として、人一人が実感できるものではない。そんなものに命を捧げるなど、美徳でも何でもない」

大和「ですが・・・」

沖田「守や武蔵は、すぐ近くにいる人のために命を使った。武蔵は大和に生きてもらいたかったのだ」

大和「わがままで、でも、頼りになるお姉さんのように振舞って・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・」シクシク

沖田「さあ、地球に帰ろう。君と武蔵が守った地球へ」ナデナデ

大和「はい、はい・・・」グスッ



宇宙戦艦ヤマト

2200年4月7日 地球へ帰還


艦隊これくしょん外伝 ~宇宙戦艦ヤマト・星巡る方舟篇~ 終

百合亜「はーい、始まりましたYRAヤマトラジオ!お相手は岬百合亜でお送りしまーす!」

アナライザー「ドーモ、コンニチハ。アナライザーデス」

百合亜「これから各章終了ごとに放送するので、楽しみにしてくださいね!」

古代「わーわーパチパチ」

百合亜「もー、テンション低いですね」

古代「ザバイバル戦から何も食ってなくて腹減ったんだよ」グゥゥ

百合亜「あ、あははは・・・」

アナライザー「ヤロージャナクテ女ノ子ヲ呼ビマショウ!」

百合亜「あんたは黙ってて!」

古代「んー、んまい!」ガツガツ

百合亜「特上寿司っ、後で頼んで・・・いやいや我慢するのよ百合亜!」

百合亜「今回は怒涛の第1弾!宇宙戦艦ヤマト・遥かなる星イスカンダル篇と星巡る方舟篇を一気にお送りしました!」

アナライザー「本編トハ全然違ウ雰囲気デシタネ」

百合亜「今回はヤマトの動向を大きく左右する要素があったからねー」

大和「はい、それが私たち艦娘です。坊ノ岬組や武蔵、榛名先輩、伊勢先輩、何気に金剛先輩も出ていましたね」

百合亜「はい。みんな魅力的なキャラでした!私はやっぱり榛名さんが可愛いと思いました!」

アナライザー「清楚ナ娘!私モ好ミデス!」

大和「私も一応、艦これではお淑やかキャラですけど・・・」

古代「かなりアグレッシブだったじゃないか」

大和「それは、戦闘中の話でっ・・・むぐ」

武蔵「ああ、大和は確かに二つの顔を持っているな。本気を出した大和の気迫は、周りの駆逐艦を一瞬で黙らせるものだったと・・・」

大和「そんなことありませんっ!」

武蔵「全く、恥ずかしがり屋も少しは治ったかと思えばこれだ」

百合亜「えーと・・・」

カンペ平田(周りは無視して次回予告!)

百合亜「はっ、はい!さて、次は白色彗星とヤマトの直接対決!宇宙戦艦ヤマト・夢幻の彗星篇をお送りします!お楽しみに!」

アナライザー「次ハ駆逐艦ノ艦娘モオ願イシマス!ゼヒ!」

百合亜「あーもう、うるさいうるさい!YRAヤマトラジオの岬百合亜でしたっ!」

武蔵「私の出番が少なすg」

ブチッ ツーツー

古代「雪、君には苦しい思いばかりさせてきたね。でも、これからはずっと一緒だ」

古代「一緒に、星になって結婚しよう。大和、仲人になってくれ」

大和「はい。終戦記念に、とても大きな花火をお見せします。では、行きましょう」


国連宇宙軍本部

職員1「ヤマトが行くぞ!」

藤堂「行くんだな、大和よ。安心してくれ、地球は私たちが守ろう」

沖田「・・・」


ヤマト 第1艦橋

真琴『おめでとうございますっ!ほら、サブちゃんも』

加藤『お、おめでとう』テレテレ

斎藤『おめでとさん』

真田『おめでとう』

新見『おめでとうございます』

徳川『おめでとう。心から祝福しようじゃないか』

玲『おめでとうございます』

佐渡『めでたいのう、一杯やろうや!』

アナライザー『アーア、私ガ狙ッテイタノニ・・・』

デスラー『めでたいな。我が軍総出で祝福しよう』

ガデル『ええ、全くです』

ヒルデ『うー、結婚式なんて緊張するなぁ・・・』ドキドキ

武蔵『おめでとう』

土方『おめでとう。雪、古代』

大和「ほら、皆さんも祝福してくれていますよ」

古代「ああ、俺たちは幸せ者だな・・・」

雪「古代くん、まだ結婚式は終わってないわよ。泣かないでったら」

古代「そうだな。じゃ、行くか!」

大和「はい。宇宙戦艦ヤマト、出発します!ズォーダー、あなたも強制参加させますよ」


西暦2200年 8月⒖日 ヤマトは永遠の旅に旅立っていった・・・・・


艦隊これくしょん外伝 ~宇宙戦艦ヤマト・夢幻の彗星篇~ 始

2200年 6月3日 国連宇宙軍横須賀基地

大和「・・・はっ!?」

ヒルデ「どうしたの?」

大和「いえ、何でもありません」

ヒルデ「なら、いいんだけど。ちょっと顔青かったよ」

大和「そうですか。疲れが溜まっていたのかもしれませんね」

ヒルデ「大丈夫?」

大和「ええ、大丈夫です。ちょっとデウスーラの様子を見に行きましょう」


横須賀基地 大型艦専用ドック

大和「かなり外見が変わりましたね」

真田「地球製の50口径51㎝3連装砲6基、50口径35.6㎝3連装・4連装砲をそれぞれ6基ずつ、垂直発射装置280セル、127mmゴールキーパーCIWSを26基と、地球の技術のほとんどをつぎ込んで新たに艤装を製作した」

新見「それに加え、艦娘補助用にFCSも最新型に更新してあります」

ヒルデ「テロン・・・じゃなかった、地球の技術もすごいね。何言ってるのか全然わかんないよ」

大和「兵器の技術はガミラスより上ですから。ほとんど波動エンジンと霧の技術のお陰ですけどね」

ヒルデ「きり?」

大和「200年ほど前に地球を襲った謎の敵性組織のことです。それこそガミラスのように強大な強さを誇り、当時の人類を壊滅寸前に追い込んだみたいです。波動砲も霧が使った兵器『超重力砲』を基に製作されているんですよ」

真田「ああ。霧の存在がなければ、波動砲など1年間では開発できなかっただろう」

ヒルデ「お父さんに教えてもらったけど、戦争が技術を進歩させるって本当なんだね」

大和「そうですね。特に兵器は時代を左右し、また左右されやすい存在ですから・・・」

大和「それで、ヤマトの強化はどうなっていますか?」

新見「波動砲は封印プラグを挿入したままですが、外せばすぐに発射できます。主砲は46㎝52口径に換装、船殻とバイタルパートに強制波動装甲を導入、ミサイルの弾頭としてテルミットプラスエクストラという酸素不使用の広範囲焼夷弾を用意しました」

大和「かなり強化しましたね。ありがとうございます」

真田「ヤマト計画当時は資材不足に悩まされていたが、今はもう違う。これが本来施されるはずだったヤマトの装備と言っていい」

新見「強制波動装甲を導入した分、修理時のコストは上がっていますけど」

真田「それは・・・」

大和「でも、導入しないでやられるよりはいいですよ。ガトランティスも、いつ攻めてくるかわかりませんし」

ヒルデ「また戦わないといけないのかな・・・」

大和「大丈夫ですよ。この前もディッツさんが艦隊の整備を進めているっておっしゃっていました」

ヒルデ「だけどっ、死んじゃうかもしれないんだよ?」

大和「私たちは簡単には死にません。自分の故郷のために頑張ればいいんです」

ヒルデ「うん、ちょっと勇気出た。ありがと!」

大和「いえいえ。では、私たちは呉に行きます」

真田「ああ、古代たちによろしくな」


広島駅

ヒルデ「誰を待ってるの?」

大和「来てからのお楽しみですよ♪」

「大和さん、お久しぶりです!」

大和「こんにちは、榛名先輩」

榛名「はい。とってもお久しぶりで、どう声をかけていいのか・・・」

大和「前のままでお願いします。それより、他の方は?」

榛名「響ちゃんと伊勢さんがもうすぐ来るみたいです」

ヒルデ「このひとは?」

大和「戦艦榛名、私の先輩艦娘です」

榛名「高速戦艦、榛名です。よろしくお願いします」ペコリ

ヒルデ「ヒルデ・シュルツです」ペコリ

榛名「あまり聞かない名前だけど、外国の方ですか?」

大和「ガミラス初の艦娘で、同惑星最強の戦艦です」

榛名「艦娘だったのね。可愛い戦艦さんね。艤装はどうなっているのかしら?」

大和「デウスーラ2世の船体は換装式で、ヒルデちゃんは決まった武装を持たないんですよ」

ヒルデ「大和みたいにかっこいい艤装つけてみたいんだけどなぁ・・・」

「あっ、いたいた。榛名さんよ!」

「暁ったら、はしゃぎすぎだよ」

榛名「あっ、響ちゃんと、暁ちゃん?」

暁「どう?華麗に復活したんだから!」

響「久しぶりだね、榛名さん」

榛名「ええ。あなたたちも元気そうで何より。暁ちゃんはどうして?」

暁「国連宇宙軍に見つけてもらったのよ!」

大和「懐かしいですね。暁、響」

響「大和も・・・久しぶりだね」

ヒルデ「この子たちも艦娘?」

大和「ええ。駆逐艦の暁と響です」

暁「暁よ。海軍一のレディって呼ばれてたの。よろしく」

響「嘘はやめなよ。私は響、よろしく」

ヒルデ「私はヒルデ・シュルツ、よろしくね!」

伊勢「んーー、わっかんないなぁ」キョロキョロ

深雪「おっ、伊勢ー!」

伊勢「あっ、深雪じゃん!何で?」

深雪「失礼だなー、宇宙に出られるって聞いて蘇ったんだぜ!」

伊勢「ってことは、国連宇宙軍の招集を受けたの?」

深雪「そーそー。新造の駆逐艦を『深雪』って命名するから、それの艦娘になってくれないかって言われてさー。これから榛名に呼ばれて駅に行く途中なんだよー」

伊勢「それじゃ、やっぱり沈んだ艦娘も召集されたってことかな?」

深雪「みたいだなー。あのヤマトだっけ?も復活したって言うしさー」

伊勢「それなら話があるんだけどさ、いい?」

深雪「いいぜー」

伊勢「・・・集合場所、どこか知らない?」

深雪「知らねー」

伊勢「そうよねー」

深雪「ま、探せば見つかるっしょ!」

榛名「あら、伊勢さんに深雪ちゃん。こっちでーす」

深雪「ありゃ、見つかっちまったぜー」

伊勢「ま、これも僥倖ってことで!」

榛名「揃いましたね。それでは、行きましょう!」

国連宇宙軍呉基地 司令室

「こんにちは、お待ちしておりました」

榛名「お出迎えありがとうございます」ペコリ

霧島「相変わらずね、榛名」

榛名「霧島も元気そうでよかったわ。また一緒に組めるわね!」

暁「もー、そんなのはいいから、この人誰なの?」

小町「こ、この人っ・・・私は真田小町、国連宇宙軍呉基地司令です」

霧島「大和に乗艦していた真田副長の姉でもあるのよ」

大和「へぇ、お姉さんがいらっしゃったんですか!」

小町「もしかして、あの人は何も話をしていませんでしたか。普段から仕事一辺倒なもので、親しい人にしか自分のことは話さなくて」

霧島「ケホン」

小町「・・・第7ドックにご案内します」

伊勢「嫁の尻に敷かれる旦那さんって感じよね」ヒソヒソ

深雪「ウマイ、伊勢先生に座布団1枚!」ヒソヒソクスクス


小町「長官、艦娘たちが到着されました」

藤堂「ご苦労。下がっていいぞ」

小町「はい」

大和「お久しぶりです、藤堂長官」

藤堂「ああ、待っていたぞ。大和に、歴戦の艦娘たちよ」

榛名「今回はどのようなご用件ですか?」

藤堂「いい質問だ。今回、君たちには出撃任務が下されることになった。今はまだ艤装途中の艦もあるが、時間を要する事項だ。許してほしい」

深雪「ぃよっしゃぁぁぁ!!出撃だ!実戦だぜぇ!!」

響「暑苦しいよ」

深雪「だってさ、出撃だぜ?出撃!」

大和「そっか、深雪ちゃんは平和な海しか知らないんでしたね」

深雪「そーそー、戦うの楽しみだったんだけどなー」

大和「・・・そんなにいいものではありませんけど」

響「・・・」

榛名「あっ、あっ・・・」

藤堂「話を遮るようで悪いが、今回の任務はオールトの雲の哨戒だ。特に、大マゼラン方面への警戒に当たってもらう」

暁「哨戒なんて地味な任務、レディに押し付けないでよっ!」

藤堂「ただの哨戒任務なら艦娘がいない無人艦艇でもできる。ただ、今回はわけが違う。高確率で敵との戦闘があるだろう」

榛名「哨戒というより、防衛任務に近いですね」

藤堂「まあ、事実上そうなのだが。大和、以前にガトランティスという敵と戦ったと言っていたな」

大和「はい。あの時はヒルデちゃんや土方さんのお陰でしのげましたけど、かなり強い相手でした」

藤堂「ここ最近、所属不明の小型艦艇がオールトの雲付近で目撃されるようになった。発する電波や船体の外見などからガトランティスのデータと酷似しているのだ」

大和「つまり、ガトランティスが地球に攻めてくる可能性がある、ということですね」

ヒルデ「また戦うの?もう嫌だよ・・・」

藤堂「地球には連中が狙っていたとされる『アーク・テレザリアム』が存在する。それを狙っていると考えられなくもない」

伊勢「へんなの持って帰っちゃダメだって習わなかった、大和?」

大和「えと、あの時はしょうがなく・・・」

藤堂「何にせよ、大きな問題であることは確かだ。量産型波動コアや艦艇の数も揃ってきている。連中から地球を守り、真の平和を勝ち取るのだ。良いな?」

大和「はいっ!」

藤堂「では、大和とシュルツ君以外はエンジンを起動し、月面基地まで向かってくれ。その後の指示は月基地司令に従ってくれ。では、解散」

艦娘一同「了解!」


大和「はぁ、やっぱり忙しいですね」

ヒルデ「ゆっくり休む暇もないよねー・・・」グデー

セレステラ「ヒルデも相変わらずね」

ヒルデ「せ、セレステラさんっ!こんにちはっ!」

セレステラ「堅苦しい挨拶なんていらないわ。今の私は流浪の身、あなたは栄えあるデウスーラ2世の艦娘なのよ」

ヒルデ「あっ、は、はい!」

大和「地球に来てから艦娘を探していると聞きましたが、かなり成果があったみたいですね」

セレステラ「日本艦はほとんど国内にいるから、足取りを掴むのは簡単よ。あの大和が活躍しているって聞いたら、だいたいの艦は宇宙軍に合流する気になるし」

電「はわわ、ミーゼラさん、どこですか・・・?」

セレステラ「こっちよ」

電「見つけたのですっ!」

大和「あら、電ちゃん。元気だった?」

電「はわわ、大和さん!お久しぶりなのです!」

ヒルデ「セレステラさんのお連れさんですか?」

セレステラ「私と一緒に艦娘探しを手伝ってくれているわ。ミレーネルには雷という艦がついているわ」

大和「ふふっ、懐かしい子ばかりで嬉しくなっちゃいます」クスッ

4日後 呉基地第2ドック ヤマト甲板上

古代「今日からヤマトの艦長を任された、古代進だ。みんな、よろしく頼む」

古代「ヤマトには大きな任務が課された。ガトランティスという敵から地球を防衛することだ」

古代「ガミラスとの戦いを切り抜け、地球を救った乗組員も多い。今回も、必ずやり遂げてくれると信じている」

古代「では、解散。出港準備にかかれ!」

全員「・・・」ビシッ


大和「古代さんらしくない訓示でしたね。誰が書いたんですか?」

古代「秘密だ。言いたくない」

大和「なら、聞きませんけど・・・」

伊勢『こちら戦艦「伊勢」!出撃準備完了っ!』

暁『いつでも出られるんだから!』

ヒルデ『こっちも準備できたよ!』

大和「全艦、出港できます」

古代「よし。ヤマト、オールトの雲に向け出撃!錨上げ!」

島「補助エンジン始動!」

徳川「了解。補助エンジン、スイッチオン。出力20%を維持」

雪「レーダーシステムに異常なし」

南部「主砲、副砲、迎撃兵装、その他武装に異常ありません」

島「第1、第2フライホイール接続。波動エンジン始動準備」

徳川「カウント省略。エンジン始動!」

古代「・・・また、俺たちは戦いに身を投じるんだな」

相原『これより、本艦は冥王星軌道へのワープを行う。総員、ワープ準備にかかれ。繰り返す。総員・・・』

榎本「おっ、珍しいお客さんだな」

大和「お久しぶりです。今回も掌帆長をされるんですね」

榎本「何だかんだ言って、俺ぁこの艦が好きだからな」ニヤニヤ

大和「そう言っていただけると嬉しいばかりです」

榎本「ところで、だ。あんたが来たのは別の用事があったからじゃないのかい?」

大和「いえ、戦いの前に艦の最終チェックをしておこうと思いまして」

榎本「調べる必要なんざ、これっぽちも無いさ。俺たち甲板部がピッカピカにしてあるからな」

遠山「もうそろそろワープが始まるんだな!」

榎本「おっと、もう戻らないとな。じゃな」

大和「ええ。それでは、また後で」


第1艦橋

島「冥王星軌道へワープ完了」

雪「クリアリング開始。・・・敵影なし」

伊勢『航空戦艦「伊勢」以下、第3艦隊のワープ完了!意外と疲れるじゃないのさー』

大和「少ししたら慣れます。では、各艦は散開しオールトの雲をクリアリングしてください」

全員『了解!』

ガミラス星 新政府議事堂(元総統府)

ディッツ「現在、ガトランティス移動惑星はガミラス星より3万光年の位置に存在する。進路は天の川銀河η腕方面となっている」

ヒス「進路上にはテロンか・・・奴らめ、ヤマトに目をつけおったな」

ガデル「銀河二つを版図に収めるガミラスをたった1隻でねじ伏せたほどの艦だ、放っておかないわけがない」

ディッツ「その通りだ。だが、奴らの手はこちらにも伸びている。救援を出したいところだが、帝国再建と侵攻阻止で手一杯だ」

ヴェルテ「彼らには練度向上の名目でデウスーラを貸与している。ヒルデ嬢ちゃんのことが心配だが、艦自体の能力はヤマトより上だ。心配あるまい」

ディッツ「しかし、テロンは戦時のダメージが完全に癒えていない。戦時建造艦を数隻建造しているようだが、そのほとんどが艦娘座乗艦だと聞く。つまり、戦える兵がほとんど残っていない」

ガデル「由々しき事態ですな。いっそのこと、反攻作戦でも・・・」

ヴェルテ「不可能だ。ゼルグート級を数隻建造できていれば、嫌がらせ程度の攻撃は可能だっただろうに」

ガデル「兄さん、ダロルドには試製デスラー砲が搭載されているらしいな。それを使ったらどうだろうか?」

ヒス「ならん。イスカンダルから使用が固く禁じられている」

ヴェルテ「イスカンダルの姫様は相変わらず頑固なようだ」

ディッツ「いずれにせよ、戦力の増強が必要になってくる。ゼルグート級3隻と改ハイゼラード級4隻、できれば補助艦艇も多数欲しい」

ヴェルテ「資源的に難しいだろう。ここ最近、次々と資源採掘地の惑星が独立しているせいだ」

ガデル「苦しい局面だな。こんな時、デスラー総統ならどうされたか・・・」

ヒス「タラン君、その話は禁句だ」

ガデル「・・・失言でした」

ドメル邸

デスラー「・・・すると、君は私が在位していた頃から反政府活動をしていたわけだ」

ドメル「ただ、間違いに気が付いただけです」

デスラー「詭弁だ。軍は政府の命令に従っていればよい」

ドメル「人という存在を辱める真似だけは決してしたくなかったのです。たとえ、デスラー総統のご命令だったとしても」

デスラー「誇りも失くしたか、エルク!」チャ

ドメル「人間性を失うより、よっぽどマシです」

デスラー「・・・っ」ギリギリ

ドメル「スターシャ様の約束は別の形でも実現できます。武力に訴えることもなく、ただ何もしないわけでもない、真に平和を目指すための方法が、必ずあるはずです。私と共にやり直しましょう」

デスラー「・・・」


議事堂 休憩室

ディッツ「イスカンダルにいる娘から聞いたんだが、どうやらスターシャ姫が妊娠しているらしい」

ヴェルテ「何だって?確か、イスカンダル人に男はいなかったはずだが・・・まさか、ヤマトの乗組員に父親がいるのか?」

ディッツ「それは無い。懐妊はヤマト到着の二か月前と聞いている」

ヴェルテ「では、ガミラス人か?」

ディッツ「イスカンダルに渡航したガミラス人は、ここ2年誰もいない」

ヴェルテ「妙だな。では、誰が父親なんだ・・・?」

大和「全艦のクリアリングが完了したみたいですね。敵影は無し、安全です」

古代「ご苦労だった。地球に戻ろう」

島「了解。地球に戻ります」


解析室

真田「ふむ・・・」

新見「どうされたんですか?」

真田「スーパーゲイトの理論を応用した新型ワープ機関の開発をしていてね、どうも上手くいかないんだ」

新見「確か、ワームホールを形成するのはヤマトとゲイトで共通しているんですよね」

真田「だが、性質は全く違うものだ」


雪「ねぇ、大和」

大和「どうされました?」

雪「ちょっと聞きたいことがあるの」

大和「はい、いいですけど・・・」

雪「地球に海があった頃から、大和は司令部にいたんでしょ?」

大和「はい。正確に言うと8年前ですね」

雪「私の過去を、教えてちょうだい」

大和「過去というと、その、記憶を失う前ですか?」

雪「そう。全部、包み隠さず」

大和「わかりました。あなたと私は、一度会ったことがあります」

雪「本当?」

大和「はい。2192年の暮れに、あなたの父、森直之さんが司令部に連れてきたことがあったんです」

大和「とっても優しく、素直な子でしたよ」

雪「そう・・・それ以外にわかる?」

大和「土方さんに聞けば、何かわかるかもしれませんが、それ以外は何も・・・」

雪「うん、ありがと」


第1艦橋

太田「いやぁー、随分楽になったもんですよ。冥王星付近から地球まで半日で行けちゃうんですから」

島「それには同意だな。前代のキリシマは3週間かけて冥王星と火星を往復していたって聞くし」

古代「地球もそれだけ進歩したってことさ。色々あったけど、それでも地球は蘇った」

雪「そうね。でも、まだ敵はいるわ」

南部「・・・ガトランティス」

雪「ええ・・・ん?」

ピコーン

雪「6時方向に艦影!小型艦艇数隻を確認、艦型、波形パターンからガトランティス艦と思われます!」

古代「総員、戦闘配備!全艦、単縦陣展開!砲戦用意!」

大和「クリアリングに漏れたということは、ステルス艦の可能性がありますね」

古代「いいところに来た。早く戦闘準備を・・・」

大和「いえ、他の艦艇にやってもらいましょう。私は実戦を経験していますが、他の艦はこれが初めての戦闘ですから」

真田「シミュレーション演習なら何度もこなしている。無理に戦って被害を出すよりマシだと思うが」

大和「・・・今回の敵は小型艦艇です。各艦の能力をもってすれば、十分に戦えます。駆逐艦の連射力と機動力で敵艦を攪乱させつつ叩きます。駆逐艦の皆さん、前へ。大型艦は後方へお願いします」

深雪『ぃよっしゃぁ!撃てーっ!』ドギャァ ピューン

ドゴォ!

雪「敵艦1隻沈黙。残り2隻です」

大和「了解しました。暁ちゃん、響ちゃん、1隻ずつ撃沈してください」

暁『へっちゃらだし!』

響『さて、やりますか』

ドゴォ!

雪「全艦撃沈。残存艦なし」

古代「凄い威力だな、一撃だったぞ」

真田「駆逐艦とはいえ、ショックカノンと空間魚雷を備える艦だ。攻撃力はコンゴウ型宇宙戦艦を遥かに上回る」

南部「凄いじゃないか!こんな艦を多数生産すれば、ガトランティスとだって対等、いや、それ以上に戦える!」

暁『えっへん!』


ヴェルテ「ガトランティス要塞は大マゼラン銀河を通過、攻撃も嫌がらせ程度に落ち着いている」

ディッツ「そうか、やはり我々は眼中になし、か」

ヴェルテ「救援を送ろう。現在のテロンには防衛できるほどの力は無い」

ディッツ「罪滅ぼしのつもりか」

ヴェルテ「そもそも、我々は併合するつもりでゾル星系に足を踏み入れた。テロンをあのような姿にしたのは、我々に責任がある」

ディッツ「考えさせてくれ。結論はタム30の10までに出しておく」

最近忙しいので更新遅れてます。すんません。

艦艇設定(ヤマトより後の日本艦は漢字表記に変更)

ヤマト型宇宙戦艦(同型艦なし)
46サンチ52口径3連装陽電子衝撃砲 3基
15.5サンチ60口径3連装砲 2基
12.7サンチ4連装光線高角砲 8基
同3連装高角砲 4基
8.8サンチ連装高角砲 18基
魚雷発射管 28門
次元波動爆縮放射機(波動砲) 1基

暁型突撃宇宙駆逐艦(暁、響共通)
12.7サンチ連装陽電子衝撃砲 3基
ミサイル発射管 10門
7.5サンチ3連装光線機銃 6基

深雪型護衛駆逐艦(同型艦なし)
12.7サンチ連装陽電子衝撃砲 2基
ミサイル発射管 8門
7.5サンチ3連装光線機銃 5基

伊勢型宇宙戦艦(伊勢、榛名)
41サンチ50口径連装陽電子衝撃砲 4基
15.5サンチ60口径単装陽電子衝撃砲 12基
魚雷発射管 20門
12.7サンチ3連装高角砲 20基
8.8サンチ連装高角砲 8基

アンドロメダ級宇宙戦艦(同型艦1隻建造中)
51サンチ55口径3連装陽電子衝撃砲 4基
8インチ60口径単装陽電子衝撃砲 6基
12.7サンチ連装高角砲 14基
ミサイル発射管 30門

デウスーラ2世(地球型艤装装備)
ゲシュ=ダールバム(デスラー砲) 1門
48サンチ45口径陽電子衝撃砲 6基
30.5サンチ50口径3連装陽電子衝撃砲 12基
ミサイル発射管 56門

バレラス ドメル邸近郊

ゲール『よいな、デスラー総統を必ずやお連れするのだぞ!』

モンク「了解しました。このイデル・モンク、総統閣下を無事にゲルガメッシュへお連れいたします」

ピッ

モンク「さて、ここか」ササ


ドメル「私は兵器開発局へ赴きます。それまで、どうかお待ちを」

デスラー「・・・君はガミラスのためによくやっている」

ドメル「国を守ることが軍人の役目です。では」ガチャ


デスラー「永世総統として名を馳せた私も、今や身を隠す身・・・」

デスラー「人生とは、予測しえない出来事の連続だな」

ガタッ

デスラー「誰かね、私の部屋にノックもなしに侵入する輩は」

モンク「ゲール少将の密命でやってまいりました、イデル・モンクという者です」

デスラー「ゲール君の腰巾着かね。何の用だ」

モンク「少将は、いえ、帝国再興軍は総統の復権を願っております。どうか、ご一緒に」

デスラー「・・・」


数時間後

ドメル「只今、今戻った」

エリーサ「あなた、相当のお部屋からこんなものが」

ドメル「メッセージカプセルか?」

デスラー『どうやら、君と袂を分かつ時が来たようだ。私はここを去り、帝国を再興すべく旅立つ。さらばだ、エルク。君の武運長久を願う』

ドメル「これだけか?」

エリーサ「ええ、その他には何も・・・」

ドメル「何てことだ・・・」

テレサ「呼んでいる・・・」

テレサ「あの、悪魔の星が・・・」

テレサ「地球の皆さん、すみません・・・」


国連宇宙軍

藤堂「通信だと?」

土方「地球から3万光年の地点から発信されています。通信の送り主は『テレサ』となっております」

藤堂「テレサといえば、ヤマトが連れ帰った超巨大輸送艦にいた人じゃないのかね?」

土方「声紋解析を行ったところ、彼女と97%一致しており、更に電波の周波数もアーウ・テレザリアムの計器と同じ物が使われているとの結果が出ています。彼女と同じ種族と見て間違いはないかと」

藤堂「わかった。そのメッセージを聞かせてくれ」

土方「了解しました」カチ

『私は、テレザートのテレサ。地球に危機が迫っています。私は、テレザートのテレサ・・・』

藤堂「この声、確かにテレサだな。どう思う?」

土方「罠の可能性が高いと考えますが、そう考えると腑に落ちません。ヤマトが報告したテレザートは異空間に存在する惑星ですが、これは銀河系内に存在します」

藤堂「できれば地球に迫る危機とやらを聞いてみたいものだ。通信は繋がるか?」

土方「ガミラス星の超空間通信機により、安定した通信が可能です」

藤堂「えは、2時間後に通信を打ってくれ。返答次第では国連宇宙軍の緊急会議もあり得るかもしれん」

土方「ガトランティスに関係するとお考えで?」

藤堂「そうだ。君も出撃するかもしれんよ。そして、ヤマトもまた・・・」

ヴェルテ「そうか、総統はどこへ雲隠れされたのかと思えば」

ドメル「不用意でした」

ヴェルテ「大和のことといい、君の家はビックリ箱か何かかね・・・先ほど、所属不明の駆逐艦が大気圏で小型艇を収容し、大気圏に離脱したと報告があった。ゲールの指揮下にある艦だ」

ドメル「ゲールか・・・奴ならやりかねんな。私が追跡します、直ちにドメラーズの修理を中止してください」

ヴェルテ「ならん。現在、我々がなさねばならないのは、国家の安定化と蛮族の対処だ。他のことをしている暇はない」

ドメル「しかし!」

ヴェルテ「これは私からの命令ではない。ヒス総統の命令だ」

ドメル「・・・っ!」


ゲルガメッシュ 第1艦橋

ゲール「総統、ご無事で何よりです!これより我々は裏切り者めに報復すべく、ガミラス本星に・・・」

デスラー「やめたまえ、今はその時ではない。テロンへ向かえ」

ゲール「ぇ?しかし、バランのゲートシステムは既に崩壊しており・・・」

デスラー「ゲシュタムの門は崩壊したが、まだゲシュタムの輪は存在しているだろう。それを使え」

ゲール「はっ!総統のご命令とあらば!」

デスラー「全艦、全速前進。ヤマトよ、まずはお前に裁きの鉄槌を下そう」

『私はテレザートのテレサ・・・』

テレサ「はい、確かにこれは私の声です。ですが、このようなメッセージを流した覚えはありません」

藤堂「ということは、偽者の可能性が高いかもしれませんな」

テレサ「偽者かどうか、それまではわかりかねます」

藤堂「はぁ・・・」


土方「つまり、助けを求めているテレサと、今地球にいるテレサは別人、ということですか」

藤堂「そうだ」

土方「多元宇宙理論か・・・あり得ない話ではありませんな。だが、なぜ別宇宙からのメッセージが我々に届くんです?」

藤堂「それは全くわからん。調べてみるしか方法はあるまい」

土方「ならば、アンドロメダ率いる艦隊で・・・」

藤堂「いや、この任務はヤマトに任せる」


月面基地 大型艦専用ドック

藤堂『ということだ。君たちにテレザート星探索の命を与える』

古代「了解しました」ビシッ

大和「忙しくなりそうですね。もっと艦隊の子たちとお話したいのに、残念です」

古代「今回は救援任務だから大丈夫さ」

大和「そうですけど、嫌な予感がします」

大和「え、えーっと・・・」アセアセ

斉藤「第7空間騎兵連隊から転属した斎藤始だ。あんたが噂のヤマトの艦娘ってわけかい」

大和「は、はい」

斉藤「ちゃーんと耳に入ってるぜ。たった1隻でガミラスをねじ伏せたっていう、とびきりのバケモンだってな」

大和「ば、ばけっ・・・!」プルプル

斉藤「悪い意味じゃねえ、ちゃんと評価してるぜ」

大和「あう・・・」

斉藤「更迭された伊東や他の連中の後を継ぐわけだが、オレたちはあんな無能の集まりじゃねえ。ちゃんと働くから心配しなくていいぜ」

大和「先がとても思いやられます・・・」


徳川「波動エンジン、出力100%を維持」

古代「了解。ヤマト、テレザート星に向けて発進する!」

島「ガントリーロック解除を確認。ヤマト、大気圏外航行へ移行」

大和「各部チェック完了です。何が待っているかわかりませんが、行きましょう」


テレサ「もうすぐ、あの星が迫ってきます」

テレサ「どうか、ご無事で・・・」

霧島「・・・」ビシッ

山南「君か、新戦艦の霧島の艦娘というのは」

霧島「はい。4か月後に竣工、就役予定です」

山南「そうか、そうか・・・ヤマトの処女航海の際にも、見送った艦はキリシマだったよ。先代だったがね」

霧島「コンゴウ型宇宙戦艦の4番艦ですね。大まかなスペックは聞かされています」

山南「ああ、いい艦だったよ」

霧島「ところで、ご用件は何でしょう?」

山南「その件だが、少し困ったことになった。火星のアルカディア基地にて国連宇宙軍の緊急会議を開く。一緒に来てほしい」

霧島「了解しました」


島「・・・」

古代「どうした?」

島「今回の任務、何で無人艦にさせなかったんだ。それでなくても、波動エンジンを搭載した駆逐艦に行かせればいいじゃないか。オレには司令部の考えがわからない」

古代「わかってる。ヤマトはむしろ地球防衛のために残しておくべきだって、オレでもわかるさ」

雪「恐れているのよ」

古代「何だよ、それ」

雪「土方のおじさまがおっしゃっていたわ。地球が再生して、たった数か月しか経っていない。司令部はあの苦しみの記憶から解放されていないのよ。ヤマトが動けば全てうまく行く。そう考えているんじゃないかって」

島「苦い思い出と救世主か・・・」

古代「オレたちは特に忙しくなりそうだな」

大和「それだけではないと思います」

雪「あら、そうなの?」

大和「私ではなく、『艦娘』という存在が頼りにされているんです。司令部は第二次大戦の大本営などと全く同じ、力のある存在に縋っているんだと、そう思うんです」

サーベラー「テロンより艦艇が発進、恒星系を突破しました。ガミラスの情報を参照した結果、ヤマトと推定されます」

ズォーダー「とうとう出てきたか。第6機動部隊に追跡させろ」

サーベラー「了解」


藤堂「所属不明の敵艦か・・・」

土方「電波周波数、艦形共に地球、ガミラス、ガトランティスのものとも一致しません。全く別の勢力のものと見て間違いはないと思われます」

藤堂「友好的な種族であってほしいものだが、通信をよこしてこないなら違うのだろう」

土方「地球はまだ問題を抱えたままだ。できるなら、放っておいてほしいと願うばかりです」

ガタン!

島「ワープ終了。テレザート星から7000光年の地点だ」

古代「まだまだ先は遠いな」

大和「それだけではありませんよ。先が思いやられます」ハァ

古代「どうした?」

椎名『艦長、至急航空隊詰所までお越しください』

古代「何かあったのか?」

椎名『空間騎兵隊と航空隊の喧嘩です。私には止められません』

大和「もう、荒っぽい人たちで困ります!」


詰所

斉藤「オラッ!」バキッ

加藤「いい加減にしろ!」ドカッ

古代「何をしている、持ち場に戻れ!」

斉藤「こいつら、オレらに文句ふっかけてきやがったんだ!」

加藤「お前たちの態度が悪いからだ!」

古代「全く・・・お前たちには4日間営倉入りを言い渡す。艦内の秩序維持がお前たちの仕事だろう、規律を乱してどうする。加藤たちも同罪だ」

斉藤「チェ、艦長サマは頭が硬いや」

ガトランティス軍第1機動艦隊 旗艦メザルーバ

副司令「ゴーランド大将、本国のサーベラー丞相より極秘海戦で通信が入っております」

ゴーランド「出せ」

サーベラー『第1機動艦隊司令長官、『裂空』のドルフ・ゴーランド』

ゴーランド「は」

サーベラー『第6機動部隊に『ヤマト』の追跡を命ずる。目的が判明次第報告せよ。帝国にとって危険なものであった場合、拿捕し本国へ回航するように』

ゴーランド「承知しました」

サーベラー『必ず拿捕するのよ。撃沈は許されない』ピッ

副司令「拿捕、ですか」

ゴーランド「あの女も必死だな。ガミラスは劣等種族だ、ヤマトをたかが1隻の戦艦だと見くびったから敗れたのだろう。だが、我々にも質のいい戦艦は存在する。拿捕するなど時間の無駄だ」

副司令「そこまでヤマトは強い艦なのでしょうか」

ゴーランド「それを見極める。第6機動部隊はヤマトを追跡、その他の部隊は予測航路上に展開せよ」


ゲルガメッシュ

ゲール「総統、宇宙ホタルの大量生産、完了しましたぁ!」

デスラー「高速駆逐艦に積載したまえ。ヤマトを発見次第、すぐに作戦行動に移る」

ゲール「しかし、なぜ最初にヤマトを狙うのですか?戦力の整っていないテロンを先に狙った方が・・・」

デスラー「惑星1つを破壊するには時間がかかる。それまでにヤマトが戻れば、地理的に不利な場所で戦わざるを得なくなる。罠を仕掛け、先に撃滅する方がリスクが少ない。少しは考えたまえ」

ゲール「は、はいっ!」

ドメル「自分が、ですか?」

ディッツ「君ならば信頼できる。それに、大和とも仲がいいだろう」

ドメル「そうですが、総統のことは?」

ディッツ「あの方のことだ、ヤマトを討ちに行ったに違いない」

ドメル「ゲールの艦隊ごときでヤマトが討てるはずもありません。総統とて、そのことは理解しているはずです」

ディッツ「いや、ゲールの艦隊にはヤマトを倒せるかもしれない武器が存在している」

ドメル「まさか、デスラー砲・・・」

ヴェルテ「違う。兵器開発局から整備中の駆逐艦と共に、開発中の生物兵器が盗まれていたんだ。そいつはステンレスを侵食するバクテリアで、分解した際に発光することから『宇宙ホタル』と呼ばれている』

ドメル「それをヤマトの予想ジャンプ地点に撒くつもり、と?」

ヴェルテ「空間移動時の衝撃にも耐性がある。あり得る話だ」

ドメル「・・・行ってきます。私が止めねばなりません」

ディッツ「その意気だ。気をつけてな」

ドメル「ザー・ベルク」ビシッ


バーガー「ふざけるな!」バン

ドメル「わかってくれ、バーガー」

バーガー「認められるわけがねぇ、幾らテロンと停戦協定を結んでいたとしても、助けに行く必要なんざねぇ!奴らにクライツェを殺されたんだぞ!」

ゲットー「私も反対します」

ドメル「・・・反対は許されない。これは命令だ」

バーガー「チッ・・・」

デウスーラ2世の地球版の兵装だけど
>>536では
地球製の50口径51㎝3連装砲6基、50口径35.6㎝3連装・4連装砲をそれぞれ6基ずつ、垂直発射装置280セル、127mmゴールキーパーCIWSを26基

だけど
>>559では
デウスーラ2世(地球型艤装装備)
ゲシュ=ダールバム(デスラー砲) 1門
48サンチ45口径陽電子衝撃砲 6基
30.5サンチ50口径3連装陽電子衝撃砲 12基
ミサイル発射管 56門

になってる
559のほうが正しいのかな?

>>578
ごめん>>536はミスってことに
だから>>559が正しいわ

数日後 シリウス星系

篠原『100式、只今帰投っと』

大和「お疲れ様です。どうでしたか?」

篠原『敵どころか微惑星一つ見つかりませんよ』

大和「はい、了解しました。西条さん、データの上書きをお願いします」

西条「了解。コピーまで数秒お待ちください」ピッピッ

百合亜「綺麗ですよね、シリウス」

西条「あっ、はい?」

相原「おおいぬ座α星、全天で2番目に明るい恒星だよ」

百合亜「隣のシリウスBという星は、2番目に発見された白色矮星なんです。こう思うと、2番になじみが深いんですね」

大和「でも、太陽系からの距離は5番目です」

西条「あ、あはは・・・」ニガワライ

ピピーッ、ピピーッ

柏木『相原さん、交代のお時間です』

相原「了解。それじゃ、僕はこの辺で」

大和「んっ・・・?」

ピーッ、ピーッ

古代『総員、警戒態勢に入れ。繰り返す。総員、警戒態勢に入れ』

第1艦橋

相原「どうしたんだい?」

島「窓の外を見てみなよ」

相原「おや、これは・・・雪?」

アナライザー「生命反応感知。生物ノヨウデス」

古代「光っているな。奇妙だ」

大和「ホタルみたいですね。懐かしいです、昔は呉にもいたんですよ」

新見「宇宙空間で生きるホタルか・・・古代くん、ちょっと採集してくれないかしら?」

古代「了解しました。甲板部、未確認生物の回収を頼む」

榎本『了解しました、艦長。甲板部、出動だ!』

古代「榎本さん・・・」


斉藤「へへっ、やったぜ!」

桐生「あれっ、おじさんってばどこに行ったのかと思ったら」

斉藤「お前にも分けてやるよ、宇宙ホタルだ」

桐生「ありがとうございます!うわぁ~」キラキラ

南部「斉藤、お前!艦内に許可の無いものを持ち込んでもらっては困る!」

斉藤「おめーも他人のこと言えんのかよ?」

南部「う・・・こ、これは母さんへの贈り物なんだからな!」

大和「ん~~~~~」

徳川「どうしたんだい?」

大和「えと、その・・・お恥ずかしい話ですけど、体のあちこちがムズムズするんです・・・」

徳川「何かかぶれるものに触れなかったかね?」

大和「いえ、何も・・・」

徳川「そうか。一応、風呂に入ることを勧めるよ」

大和「は、はい」イソイソ


大浴場

大和「はぁ・・・体を洗っても、やっぱりかゆいです」ムズムズ

原田「うわぁ、綺麗ですねぇ!」

山本「航空隊総出で採りに行ったんです。少しお分けします」

原田「ありがとうございますっ!」

大和「あら、お二人もホタルをお持ちのようで・・・」

山本「綺麗だったもので、つい。大和さんも少しどうですか?」

大和「はい、ありがたく頂戴します」ペコリ

原田「せっかくだし、浴場の電気を消してみませんか?」

山本「いい考えですね」ニコリ

原田「それじゃ、行きますよ!」パチ

大和「凄いです、星の光みたいですね・・・」

原田「ふふ、あははっ♪」

山本「ええ、そうですね・・・」

大和「う、ううううううううううっっ・・・」

山本「!?」

大和「うわああああアアアアアアアアアアッッッ!!」

原田「どうしたんですか、大和さん!」

ガシャン ザバァァァ!

原田「きゃぁ!」

山本「慣性制御が切れた・・・?」

相原『緊急事態発生!総員、第4種警戒態勢!繰り返す、総員、第4種警戒態勢!』

山本「戻るわよ!」

原田「はい!」


医務室

大和「きゃあああぁぁぁァァァァアアアアアッ!」

佐渡「こら、暴れるんじゃない!」

原田「佐渡先生、大和さんの状態はどうですか!?」

佐渡「異常は見当たらん!じゃが、放っておくと周りを潰しかねん!」

大和「アアアアアアアアアアッッッ!!」ドゴォ

佐渡「ぬおぉ!」バタッ

原田「先生!」

真田「どうした!?」

雪「医務室で発砲!大和の主砲です!」

真田「大和が暴走を始めたということは、あの精神攻撃の類か?」

新見『先生、第3艦橋に著しい損傷が確認されました。目下のところ航行に異常ありません』

ガタン!

古代「どうした!」

島「コントロールが効かない!制御が大和に奪われている!」

古代「航路計算!どこへ向かっているんだ?」

太田「計算完了、このままだとシリウスBに真っ逆さまです!」

真田「何ということだ・・・直ちに大和から制御を奪い取れ」

相原「ダメです、一切のアクセスを受け付けません!」

徳川『こっちもダメじゃ、エンジンがヘソを曲げおった!』

新見『ウィルスを送信しましたが、コントロールは奪えませんでした』

雪「レーダー使用不能!大和、お願いだから正気に戻って・・・」


斉藤「おおう、ヤマトの操縦士はヘタクソだなぁ」

桐生「・・・」

斉藤「ん、どうした?」

桐生「ううん、何でも無い」タッタッタ

斉藤「おいおい、言った傍から逃げ出すなよ!」

解析室

桐生「アナライザー!きゃあっ!?」

アナライザー「△×◎□♂♯」ガシャンガシャンドゴォ

桐生「そんな、ホタルだらけ・・・」

新見「桐生さん!」ウィーン

桐生「先輩、これは・・・」

新見「やっぱり、何かあるんだわ・・・桐生さん、ホタルの解析急いで」

桐生「は、はい!」


太田「シリウスBまで残り1AUまで接近!あと20分で衝突します!」

古代「佐渡先生、大和の様子は!?」

佐渡『もうわしには手が負えん!鎮静剤を打つからの、少し待っとれ!』

ピピーッ、ピピーッ

大和『アアアアアアアアアアッ!!アアアアアmoldawmhewaefwhwhlwh/;a:@w@]]\p』

太田「くそっ、もうダメだ・・・」

古代「諦めるな!まだ、何か策はあるはずだ・・・!」

シリウスA近傍 ガミラス残存艦隊

ゲール「作戦は成功です!ヤマトめは宇宙ホタルの大群に突っ込み、完全に制御を失っております」

大和『イイイイイイアアアアアアアァァ!!』

デスラー「醜いな。これが、あの美しい女が放つ声かね」

ゲール「とてもそうには聞こえませんなぁ。ハッハッハ!」

デスラー「気を抜くな。まだ奴は死んでいないのだ」

モンク「ヤマト、依然ζ星に進路をとっております」

ゲール「いいぞ、そのまま突っ込め!」


ヤマト 第3格納庫

榎本「くそっ、こいつを除去しろ!」

遠山「増えすぎて除去が大変なんだな」

岩田「くっそぉ、こいつら台所に出てくるGかよォ!」

星名「保安部以下4名、応援に来ました。何か手伝えることは?」

榎本「こいつを瓶に詰めて外に捨ててくれ!」

星名「了解しました」

桐生「先輩、例のホタルの解析が完了しました!」ピッ

新見「鉄を分解するバクテリア・・・そんな、分解・増殖スピードが速すぎる」

桐生「とにかく、あれを全部除去すればどうにかなると思います!」

新見「無理よ、除去するまで時間がかかりすぎるわ・・・」

大和「ぬう、ううううううっ!」

桐生「大和さん!?」

大和「はぁ、はぁ・・・」

新見「ダメよ、安静にしていなさい!」

大和「鎮静剤のお陰で、少しは楽になりました。それより、このホタルをどうにかしないと・・・っ」

桐生「しっかりしてください!」

大和「全制御を乗組員に移譲、接続、カット・・・」バタッ


島「よし、制御が乗組員モードになった!」

古代「早く方向転換しろ!」

島「スラスター作動、回避行動!」ガタン

太田「ヤマト、シリウスBへのコリジョンコースを外れました・・・はぁ、助かった」

相原「ふぅ、死ぬかと思ったよ・・・」

真田「まだだ。やられた機能が多すぎる、復旧しない限り戦闘が起こればたちどころにやられるぞ」

新見『先生、異常の原因が判明しました。あの宇宙ホタルは腐食性バクテリア、主にステンレスを中心に侵食するタイプのようです。地球に存在するものより遥かに侵食スピードが速いので、一刻も早い対策が必要になるかと』

真田「了解。早急に抗生物質の作成に取り掛かれ。データのバックアップは自動航法システムを介し行うように」

数時間後

真田「艦の損傷率が60%を越えたか・・・」

南部「主副砲塔、使用不能!どうしろってんだ!」

徳川「こっちもマズいぞ。エンジンの腐食も進んどる」

新見「必要な抗生物質の2割を生産しました。外殻を優先して修理します」

真田「早いな」

新見「既存の抗生物質で何とかなりましたので」

真田「よし、すぐに作業に取り掛かれ」

新見「承知しました」


岩田『ハァ、もう二時間も作業してるのに、全然減ってる感じがしねぇよ』

椎名『つい先ほど、抗生物質が完成したそうです。そのうち楽に作業できるでしょう』

沢村『でもなー、何だかもったいない気もするな』

加藤『ファルコンが食われてもいいなら飼ってもいいぞ。その代り、お前が弁償するんだな』

沢村『うへぇ、それは勘弁スよ』

山本『・・・』

椎名『山本さん、どうかなさいましたか?』

山本『・・・いえ、何でもないわ』

デスラー「ヤマトの損害が大きくなってきた頃合いだろう。総員、戦闘配置」

ゲール「ははーっ!」

デスラー「横型輪形陣展開、一気にヤマトのバイタルパートを破壊するのだ」

戦術長「主砲、副砲、射撃用意完了」

デスラー「ここで終わりだ、消え果るがいい・・・」


ドオォ!

古代「どうした!?」

西条「左舷後方に被弾!被害軽微!」

太田「何てこった、また例の奴か!?」

真田「エネルギーの波形パターンからして、これはガミラス艦のものだ」

古代「馬鹿な、彼らとは和平交渉をしたんですよ!」

真田「何か理由があるのかもしれん。波動防壁展開。相原、通信を打て」

相原「了解。ガミラス軍に告ぐ。こちら国連宇宙軍所属、宇宙戦艦ヤマト。応答せよ」

ピピ、ピピ

相原「映像通信が送られてきました。メインスクリーンに投影します」

デスラー『ヤマトの諸君、元気そうで何よりだ』

古代「・・・ガミラスの総統、デスラー・・・」

デスラー『大和と森雪以外は初めてだったかね。私はガミラス帝国総統、アベルト・デスラーだ』

古代「我々地球とガミラスは休戦条約を結んでいる。直ちに戦闘行為を中止してほしい」

デスラー『それはできない』

真田「なぜだ、聞かせてもらおう」

デスラー『今や、ガミラスはまとまった組織ではない、ということだ。我々はヤマトを敵だと認識している』

雪「・・・っ!」

デスラー『ところで、大和はどこかね?個人的には彼女と話がしたいのだが』

古代「答える義務はない」

デスラー『そうか。おそらく、ホタルに身体を食われて気絶しているのだろう。艦娘と艦そのものは密接な繋がりがあるというからな』

古代「お見通しというわけか・・・」

デスラー『その通りだ。では、この辺でさらばだ。地獄で会おう』ピッ

相原「通信、切断されました」

古代「総員、戦闘配置。何としてでもガミラス艦隊を退けるんだ!」

南部「無理だ、砲塔は全て使えないぞ!機銃も半分ダメだ!」

古代「ミサイルで応戦するんだ。旗艦と思しきガイデロール級を狙え!」

南部「了解、艦首ミサイル発射管開け」

ドゴォ!

西条「敵艦隊から攻撃!第1主砲、左舷展望デッキ被弾!」

古代「波動防壁はどうした!?」

真田「コンバーターが腐食して機能しなくなっている。ダメだ、艦の損傷率が70%を越えてたぞ。これ以上の戦闘は危険だ」

古代「しかし、エンジンもやられて航行不能です!」

真田「何ということだ、ここで終わりとは・・・」

『いや、まだだ』

古代「・・・!?」

相原「11時方向から通信!ドメラーズ3世からのものです!」

ドメル『ゲール艦隊は我々が引きつける。その隙に逃げろ』

古代「現在、我が艦は航行不能。離脱不可能」

ドメル『そうか。では、退けるしかなさそうだな・・・』

おつ
ドメルの安定感やべえ
それとデスラー(元)総統から漂う小物臭ェ…

>>600
実を言うと、旧作より小物臭くなってるイメージがあるから・・・
部下より優秀ではない、って感じを出したかったら失敗した感じ

さすがに名前sagaはワロタ

ハイデルン「本当によろしいのですかな」

ドメル「ここで俺がやらねば、あの方は道を間違ったまま破滅することになる。・・・ここで止めなければ、誰がやる?総員戦闘配置、左砲戦用意」

ハイデルン「・・・了解。全艦、戦闘配置につけ!」

ドゴォ!

内務長『正面に被弾!被害なし!』

戦術長「敵艦隊、単縦陣に陣形変更しつつあり。どうされますか?」

ドメル「全艦に通達。鶴翼陣展開!」

ピピーッ、ピピーッ

ハイデルン「ゲルガメッシュより通信です」

ドメル「出ろ」

デスラー『どういうつもりだ、エルク』

ドメル「これ以上、テロン・・・いや、地球に手を出さないでください」

デスラー『それはできない相談だ。彼奴等はガミラスを崩壊へ導き、宇宙の平和を阻害する連中だ。そうでなければ先制攻撃など汚い真似はしないだろう』

ドメル「彼らはそんな野蛮な民族じゃない!それは直接戦い、触れ合った私が一番よく知っております!そもそも、我らが地球側の呼びかけに応じなかったことも一因でしょう!」

デスラー『だが、結果として彼奴等は先制攻撃を行った。それは塗り潰せない歴史だ。それが例え権力ある者の独断であろうと、政府の決定であることに変わりはない。危険な連中は叩くべきだ』

ドメル「・・・あなたは取りつかれている。スターシャ様の約束を盲信するあまり、本当に大事なことが見えていない」

デスラー『私は正常だ!』

ハイデルン「通信が切れました。あの様子では、もう正常な判断はできていないでしょうな」

ドメル「そのようだ。やはり、ここで叩いておくべきか・・・ッ」

大和「ん、う・・・」

磯風「その分だと、こっぴどくやられたようだな」

大和「磯風さん・・・」

磯風「浜風から聞いたぞ。私のことを忘れていたそうだな」

大和「う、それは、その」

磯風「大丈夫だ、わかっている」

大和「すみません・・・」

磯風「しかし、ホタルにやられるとは何とも情けない話だ。感染症でどれほど苦労したのか、他の艦に聞かなかったのか?」

大和「そ、それは、乗組員の方が拾ってきちゃうし、そもそも有害なものだなんて知りませんでしたし・・・」

磯風「そこが甘い。どこかと戦争をしている時は、誰かが常に狙っているということを忘れるな」

大和「はい・・・」ショボン

磯風「だが、元気そうでよかった。姿は変わっても、やはりお前のままだな」

大和「ええ。そういえば、磯風さんは引き上げられているんですか?」

磯風「いや、坊ノ岬沖に沈んでいる艦は手付かずのままだ。もし地上に戻れたら、また大和と戦いたいと思っている」

大和「また、一緒に出撃したいですね・・・」ホロリ

磯風「そうだな。では、またどこかで会おう」

大和「はい。その日を楽しみにしていますね」

医務室

大和「・・・っ、はぁ、はぁ・・・」

佐渡「おお、やっと目を覚ましおったわい」

大和「佐渡先生、今の状況はどうなっていますか?」

佐渡「古代たちが頑張っておる。今は心配せんと、ゆっくり休みなさい」

大和「ですが・・・」

佐渡「無理をすると治る風邪も治らんぞ!」

大和「は、はい!」


椎名『かなり腐食していますね』シュー

玲「ホント、手に負えないわね」シュー

榎本『こちら榎本、左舷バイタルパートの虫は粗方片付けたが、装甲はもうダメだな。つららみてえになってやがる』

真田『耐久力は80%も下がっている。一発でも貰えばひとたまりもあるまい。甲板部、早急に装甲板の換装頼む』

榎本『あーいよっと。航空隊、もうちょっとばかし手伝ってくれ』

篠原『はいよ、おやっさん』

ドゴォ!

ランベア戦術長「敵駆逐艦撃沈!」

バーガー「へっ、呆気ねぇや。なぁ、艦長さんよ?」

ベスター「そうですな」

バーガー「だが、あのヤマトの護衛とは気に入らねぇ・・・」チッ


ゲルガメッシュ

モンク「DX-440撃沈!我が艦隊の戦力、50%に減少します」

デスラー「クッ・・・」

ゲール「た、退避だ!全艦、後方陣形にて退避!」

デスラー「ならん!」

ゲール「エッ!?」

デスラー「敵艦隊はヤマトの防衛を目的にしている。そうだね」

モンク「は、敵の通信を解析した結果、そのように」

デスラー「ならば、私に考えがある。総員、白兵戦用意」

ゲール「な、何をなさるおつもりで!?」

デスラー「これより、最後の攻勢に出る。これが失敗すれば、我々は滅びると思え」

新見「艦の補修、30%が終了しました。機関も全力で回せます」

古代「了解。甲板部は船内に退避、これよりワープでこの宙域を離脱する」

島「総員、ワープに備えろ。波動エンジン、出力120%へ」

雪「待って、レーダーに反応があるわ・・・うそ、ガミラス旗艦、10時方向100メートルの地点にワープアウト!」

南部「何だって!?」

ガッシャァァァン!

アナライザー「敵艦、接触!何テ無茶ナコトシヤガル!」

古代「くそっ、ワープは中断だ。白兵戦用意!」


ゲール「虫食い穴だらけですな。機械もほとんど使い物になってないでしょう!ハッハッハッ!」

デスラー「・・・少しは静かにしたまえ。ここは敵地だ」

ゲール「は、はっ!」ビシッ

デスラー「2群は機関室を制圧しろ。1群は私と共に来い」

モンク「了解しました。では、また後で」

第4デッキ 主幹エレベーターホール

沢村「ちぇ、何てこったい」ダダダダ

加藤「奴らめ、直接乗り込んで内部から破壊するつもりか」

ゲール「くらえッ!」ポイ

ドゴォ!

沢村「嘘だろ、床が抜けたぞ!?」

加藤「それだけヤマトの耐久力が下がってる証拠だ。ホタルだって完全に除去したわけじゃない」バンバン

大和「なら、完全に壊される前に殲滅します!」ガシャン

加藤「大和、もういいのか?」

大和「はい。できるなら第2デッキの援護に向かってください。元総統が乗り込んでいます。できるなら生け捕りに!」

加藤「わかった!」タッタッタ

ゲール「貴様ァ!よくもガミラスをメチャクチャにしてくれおったな!」バン

大和「地球とガミラスの戦いは終わりました、もうやめてください!」

ゲール「黙れ!総統を戴く我らに敵など無いッ!」ダダダダ

大和「なぜわからないんですか?力で押さえつける政治は必ず破綻します!総統のやり方は間違っていたんです!」

ゲール「間違ってなどいない、総統の行いは絶対!圧倒的な力による支配こそ、宇宙のあるべき姿だ!」

大和「・・・言っても無駄なようですね。全主砲、薙ぎ払え!」ドゴォ

ゴォォォ!!

ゲール「グアアッ!」バタッ

大和「今すぐ艦に戻り、ガミラスへ引き返してください。まだ間に合います」

ゲール「まだ、だ。オレは、ゲール、グレムト・ゲールだぞ・・・ッ」バン

大和「っ!?」キィン

ゲール「」

大和「・・・それが、あなたの意志なんですね」

雪「確か、この辺に・・・」タッタッタ

デスラー「動くな」チャ

雪「っ、あなたは・・・」

デスラー「久しぶりだね、お姫様」

雪「そうね、元総統」

デスラー「肝の据わった女は嫌いではない。だが、お転婆過ぎるのは考え物だ」

古代「そこまでだ、デスラー!」チャ

デスラー「今度は君か・・・確か、古代進という」

古代「そうだ。お前の目的は何だ、もう少し詳しく聞かせてもらおう」

デスラー「分かったことを。私は自らの目的を達成する。宇宙の恒久的な平和、それが望みだ。ヤマトはその邪魔をする」

古代「だから、潰そうってわけか。オレたちは地球のために戦っている。地球に暮らす、全ての人類のために」

雪「そうよ、あんたなんかの歪んだ理想とは違う!」

デスラー「歪んだ・・・違う、決して違う」

古代「違わないさ。全ての人が幸せに暮らせる世界、オレたちの目指す世界は、そんな世界だ。だから、お前だけは許せない」チャ

戦術長「チッ!」バン

デスラー「!?」

古代「・・・!」バタッ

雪「古代くん!」

雪「古代くん、しっかりして、古代くん!」ユサユサ

古代「んっ・・・かはっ・・・オレは大丈夫だ、それより、逃げろ・・・!」

雪「ダメ、早く手当てしないと!」

デスラー「・・・」

戦術長「トドメを刺しますか?」

デスラー「やめておけ」

雪「古代くん、古代くん!」


10年前 バレラス郊外

将校「この次は兵器開発局にて・・・」

デスラー「待て」


リンケ「姉さま、姉さま!」

セレステラ「あなただけは、逃げなさい。私なんか、置いて・・・」

リンケ「ダメ、助けを呼んでくるから!頑張って!」

デスラー「君たち、何があった」

リンケ「おじさん、姉さまを助けて!ねぇ!」

将校「おじ・・・ッ!」

デスラー「この子か、重傷だな。君、応急処置はできるかね」

将校「は、軍学校で一通り訓練を受けております。しかし、彼女らは・・・」

デスラー「何でもいい。早く治療してやれ」

将校「・・・御意」

リンケ「姉さま、どうなっちゃうの・・・?」

デスラー「手当は施した。もう心配せずともよい」

リンケ「よかったぁ・・・」

デスラー「それより聞きたいのだが、あの子はなぜ大怪我をしていたんだね」

リンケ「いじめられたの。そこのヒゲのおじさんみたいな恰好の人が、姉さまをいじめたの。鉄の棒で思いっきり叩かれたりして、すごく痛かったの・・・」

将校「彼女らはジレル人です。身なりからして、家なしの孤児でしょう」

デスラー「そうか、わかった」


雪「古代くん、そんな、イヤ・・・!」グスッ

デスラー「・・・引き揚げだ」

戦術長「よろしいのですか?」

デスラー「全ての人が幸福に、か。どうやら、私はとんでもない間違いを犯していたようだ」

戦術長「しかし・・・」

デスラー「撤収だ!総員、ゲルガメッシュへ戻れ」

デスラー「古代、君にこれを進呈しよう。メディカルナノマシンだ。それを飲めば銃創程度の止血はできる」ポイ

雪「・・・どういうつもり?」

デスラー「何でもない。ただの気まぐれに過ぎん」スタスタ

大和「デスラー総統!」

デスラー「君かね。久しぶりだ」

大和「あなたは、また地球を・・・」ギリギリ

デスラー「やめたよ」

大和「・・・?」

デスラー「いいことを教えよう。これからは、ゲシュ=ダールバム無しでは戦うことも覚束ないはずだ。早めにスターシャと話をつけておくことだ」

大和「待ってください」

デスラー「テロンに未練はない。後はお前たちで解決すべきことだ」

大和「あ、あの・・・」

デスラー「さらばだ、大和」スタスタ


ハイデルン「ん、ゲルガメッシュが離れていくようですな」

ドメル「まさか、既にヤマトは・・・!」

ハイデルン「通信です」ピピッ

ドメル「出せ」

デスラー『エルク』

ドメル「総統、まさかとは思いますが」

デスラー『君の考えていることは、おそらく外れだ。私はガミラスへ戻る』

ドメル「ヤマトで何かあったのですか?」

デスラー『思い出しただけだよ。では、ガミラスで会おう』ピッ

ドメル「総統・・・」

副司令「提督、敵が戦闘を中止、一部がグダル方面へ移動していきます」

ゴーランド「グダル・・・デスラーめ、ガミラスへ戻るつもりか」

副司令「どうなさいますか?」

ゴーランド「ヤマトは傷ついている。これ以上の機会はあるまい。艦載機を出せ」

副司令「了解。全艦隊に告ぐ、ヤマトに航空攻撃を行う。全艦載機、発艦せよ」


大和「まさか、ドメルさんが助けてくれるとは思ってもみませんでした。ありがとうございます」ペコリ

ドメル『ああ、総統を乗せた駆逐艦の空間航跡を追ってみたら、偶然ヤマトを発見しただけだ』

古代「こちらからも礼を言うよ。あなた方がいなければ、我々もここで倒されていたはずだったからな」

ドメル『しかし、君たちはどこへ向かう途中だったんだ?地球にはヤマトが必要だろう』

大和「それが、この先にあるテレザートと名乗る惑星から警告信号が発せられているんです。それを調査するために出発したんです」

ドメル『話が見えんな。詳しいことを教えてほしいが、もう戻らねばならん。これで失礼させてもらう』

古代「わかった。元気でな」

ドメル『そちらも、武運長久を祈る』

ピーッ

雪「ん・・・?」カチカチ

大和「またですか」

南部「どうした?」

雪「レーダーに正体不明の飛行物体!波形パターン照合、ガトランティスの艦載機よ!」

古代「キリがないな。総員、戦闘配置!」

真田「待て。ヤマトの補修が追いついていない。今戦えば、間違いなく撃沈される」

大和「はい。大破したまま進撃すると、さすがの私でも・・・」

ドメル『いや、その必要はない。私が守ろう。バーガー!ゲットー!』

大和「ドメルさん・・・」

バーガー「チッ、またヤマトかよ・・・」

ゲットー『文句を言うな、権限はドメル将軍にある』

バーガー「気に入らねぇ」ドカッ

ベスター「ゴミ箱を蹴るなと何度言えばわかるんだ」ハァ


古代「ヤマトはワープ準備に入る。それまで防空任務に当たってくれ」

加藤『了解。お前ら、行くぞ!』

航空隊員一同『おおおおっ!!』

大和「主砲三式弾、装填完了。いつでも撃てます」

南部「対空砲、対空ミサイル共に準備完了!」

太田「軌道計算なら任せてくださいよ!」

ドメル『こちらの航空隊も展開を終えた』

古代「よし、必ず生き抜くぞ!」

椎名『敵機撃破』

山本「なかなかやるじゃない。鈍ってるわけじゃないみたいね」

椎名『訓練は怠りませんから』

加藤『そこ、喋ってないで敵を落とせ!ヤマトに接近してるぞ』

山本「了解、防空に向かいます」キィィィン


大和「第7デッキに被弾!被害大きいです!」

真田「ダメージコントロール!」

斉藤『ったく、人使いが荒いったらありゃしいねぇ』

南部「お前たちの仕事だ、しっかりやってくれないと困る!」

徳川「まぁまぁ、本来は保安部じゃないんだ。そんなに怒鳴らんでもいいじゃろう」

南部「彼らの普段からの行動は目に余ります!」

古代「喧嘩なんかしている場合か!」

雪「敵戦力、40%に減衰。壊滅です」

大和「了解しました。そろそろ敵が引き返す頃合いですね」


ゴーランド「何、壊滅だと?」

副司令「は、艦載機は38%を損耗しましたが、相手側の被害はガミラス軍戦艦1隻への対艦ミサイル1発のみです」

ゴーランド「認められん!何としてでもヤマトだけは航行不能にするのだ!」

副司令「しかし、現有戦力では・・・」

ゴーランド「ここまでか・・・いいだろう、撤収だ。敵はテレザート星に行くはずだ、そこで艦隊決戦を仕掛ける。第2戦隊を衛星軌道上に配置せよ」

副司令「只今」

雪「敵機が撤退していきます!」

大和「予想通り、ですね。今のうちに修理を済ませておきたいです」

ピピーッ、ピピーッ

山本『こちらアルファ2。ヤマト、応答してください』

相原「こちらヤマト。どうされました?」

山本『漂流中の敵機を発見。鹵獲しますか?』

大和「これは朗報ですね。古代さん、鹵獲しましょう!」

古代「ああ、そのつもりだ。山本、そいつを捕まえて右舷第3格納庫に放り込んでくれ」


第3格納庫

大和「この光景も2度目ですね」

古代「メルダの時か。彼女のように話の分かる人だといいんだけどな」

桐生「そうですね。戦いたくないですもん」

カチャ シュー

星名「両手を上げて、ゆっくり前に」

兵士「・・・」ス

古代「ヘルメットを脱いでもらおう」

兵士「・・・」カチ

桐生「男の人ですね。見た目からして、20歳くらい?でしょうか」

大和「そのようです」

古代「オレたちは国連宇宙軍所属、宇宙戦艦ヤマトの乗組員だ。まずは、貴官の官姓名を名乗ってもらおう」

兵士「・・・」

大和「通じていない、というわけでもないみたいですね」

桐生「無視されてるんじゃ・・・」ボソ

営倉

大和「まずは、あなたの所属と名前を教えてください」

兵士「・・・」

大和「あのー、黙っていたら何もわかりませんよ?」


斉藤「いけ好かねぇ奴だな」チッ

星名「そう言わないでください。彼だって自分の立場があるんでしょうし」

斉藤「ノンキなお子様だな」

星名「斉藤さんの血の気が多すぎるだけじゃないですか?」

斉藤「んだと、このガキ!」

桐生「おじさん、やめてってば!」プンスカ


大和「すみません、一言でもいいので、何か話してもらっても・・・」

兵士「・・・」

大和「ダメです、何も話してくれません」

星名『わかりました。では、一旦戻ってください』

大和「はい、そうします。・・・兵士さん、最後に聞かせてください。あなたの名前は何ですか?」

兵士「・・・メーザー。アルサール・メーザー」

大和「やっとお話してくれましたね、メーザーさん。では、また後でお会いしましょう」ニコ

数時間後 多目的室

星名「名前以上の収穫はなし、と・・・」

大和「とっても頑固です」

島「いっそのこと、自動航法室に入れて記憶をロードするってのはどうかな?」

真田「それは最大の禁忌だ」

島「っ・・・」

大和「もしかしたら、もう情報らしい情報は持っていないのではないでしょうか?」

星名「と、言いますと?」

大和「私見になりますけど、彼は一介の兵士に過ぎません。そんな末端の兵士には、何も知らされていないのではないでしょうか。帝国海軍でも、私のスペックは一部の高官にしか知られていませんでしたし」

真田「あり得る話ではある。だが、軍に全く関連のないことまで話さないとなると、徹底した情報封鎖を行っているのだろう」

大和「しかし、ここで少しでも情報を入手しないことには、敵の対処法もわかりませんし・・・」

真田「無論だ。特に、テレザート星で見た火焔直撃砲は掠るだけで大ダメージを受ける。あれだけは完全に封じねばならない」

島「難しいところだな。あんなの、俺でも回避できそうにないし」

星名「とにかく、引き続き尋問をします。何か得られた時は古代艦長に報告しますので」ビシッ

古代「わかった」

??「待ってよぉー!」

???「おじょうさま、いけませんよ!あなたが怪我をしたら、私悲しいです」

??「えーっ、けがしないよ?」

???「そのゆだんが命取りだって、お父様もおっしゃってらっしゃいましたよ」

??「あ、長門だ!おーい!」

戦艦長門「オオオオオオーーーーーーーーーーーッ」

??「あはは、返事してくれたよ!」


数年後

???「本気ですか、お嬢様」

??「はい。私はこのために生まれたのだと思います。あの新型戦艦と心を通わせ、日本を守る守護神になる。それこそ、私が今まで生かされた理由なのかもしれません」

???「私にはわかりません。あなたは戦場で命を散らされるお方ではないはずです」

??「せっかく頂いた命を無駄にすることはしません。私は日本を、いえ、世界を救う使命があると思っています」


???「おい、お前!」ガシッ

軍人「な、何だね!ここは立ち入り禁止区域だぞ!」

???「黙れ!それより、知っているぞ。ここで建造されている新型戦艦のことを」

軍人「それがどうしたというんだ・・・!」

???「私を、あれの艦娘にしろ!」

武蔵「大和型戦艦2番艦、武蔵だ。よろしくな」

大和「はい。同じく1番艦、大和です」

武蔵「ええ、久しぶりに・・・ケホン、我が姉よ、これからも頑張ろう」


1943年 夏

武蔵「司令部は何を考えているんだ!これでは遊兵だ!」

大和「落ち着いて、武蔵。いずれ艦隊決戦の機会は来るから・・・」

武蔵「何を言う。私たちが何と呼ばれているか知っているか?大和ホテルに武蔵御殿だぞ」

大和「ほ、ホテルっ・・・」プルプル


1944年 夏

武蔵「馬鹿な!空母を囮にするだと!それに、我々には空母の護衛もつかないとは!」バン

大和「そんな・・・」

森下「これが、大本営の決定だ。どうしようもない」

瑞鶴「何なのよ!そんな馬鹿みたいな作戦、成功するはずないじゃない!小沢っち、何か言ってやってよ!」

小沢「・・・」

瑞鶴「何か答えてよッ!」

羽黒「瑞鶴さん、これ以上は・・・」

瑞鶴「あんたは何とも思わないの?どっからどう見たって特攻じゃない!それを容認しろっていうわけ!?」

羽黒「それは・・・っ」

シブヤン海

大和「武蔵っ!」

武蔵『行け!私のことは構うな!米軍に一矢報いて来い!』

大和「嫌!栗田さん、今すぐにでも反転を・・・」

栗田「反転・・・」

宇垣「何を言うか、反転など認められん」

大和「そんな、だって、武蔵は・・・」

武蔵『心配するな。私はコロン島に行く。運が良ければ、また会えるさ。・・・いいぞ、当てて来い!私はここだッ!!』


ブルネイ泊地

大和「ううっ、武蔵・・・っ」クスン

長門「あの、武蔵までも沈むとは・・・くっ、もう日本は終わりなのか?」

金剛「こんな時こそ元気出すネ!ほら、戦争だってもうすぐ終わるカラ、その時はみんなで靖国にお参りしに行くネ!」

浜風「金剛さん」

大和「うっ、うっ・・・」シクシク

金剛「・・・そ、ソーリー。私だって、もう戦うのは嫌ネ。でも、泣いてばかりじゃダメな気がするノ。だから、最後まで、戦う、ネ・・・」クスン

浦風「そうじゃけ!」

大和「皆さん・・・」


医務室

星名「大和さん?」

大和「は、はい?」

星名「そろそろ時間です。それと、これを。乾いたハンカチです」

大和「はい、ありがとうございます」クスン

大和「では、メーザーさん。これから尋問を始めます」

メーザー「・・・」

大和「あなたは何も情報を持っていないと推測しましたが、それは間違っていると思います」

大和「あなたは、何かしらの特殊部隊に所属している。そうではないでしょうか」

メーザー「・・・」


星名「心拍数、僅かに上昇。脈ありですね」

佐渡「感心せんのう・・・」

星名「こうでもしないと、情報は引き出せません。それに、拷問しているわけでもありませんし」

佐渡「じゃがな、プライベートの問題があるじゃろうて」

真田「佐渡先生、今は少しでも敵の情報を入手する必要があるんです。私だってしたくありません」


大和「私たちは尋問はしても、拷問はしません。ですが、普通の兵士ならば絶望的な状態に陥った時、正常でない判断を下す時があるんです。例えば、自白がそうです」

大和「それでも、あなたは口を割ろうとはしません。多分ですが、拷問しても無意味でしょう。母艦とは別の意思で、恐らくガトランティス軍の上層部の意思で、あなたは動いている。そうですね」

メーザー「・・・」

大和「私たちは戦争をする気などありません。ガトランティスの前線基地を教えてくれれば、そこで解放することもしましょう。ですから、何でもいいので情報をください」

メーザー「・・・」

斉藤「おうおうおう!シケてやがんな!」

大和「さ、斎藤さん!?」

斉藤「テメーが捕虜さんか。ほら、こっち来い!」

私には、使命がある。

大帝のお力となることだ。それ以外には何も必要ない。この肉体さえも。

全てが大帝のためにある。この宇宙の全てが大帝のものなのだ。

だから、今の宇宙の在り方は間違っているとしか言いようがない。

しかし、ダガームがいい情報を持ってきた。

──艦娘。

テロンという未開の惑星で発見された、戦局すら左右しうる存在。

あのような惑星を落とすことなど容易い。だが、艦娘さえ手に入れることさえできれば、大帝の宇宙制覇という目標が近づく。

今となっては、テレザリアムすら霞んで見える。用途不明、起動不可能の兵器に比べれば、一隻で何百という敵を相手にできる上、我々の技術で制御可能な艦娘は有用という他あるまい。

それを大帝に献上すれば、さぞ喜ばれることだろう。

メーザー「オマエ、何を」

斉藤「いいところだ。ほれッ」ポイ

桐生「あれ、おじさん?それに、一緒にいるのって捕虜さんじゃありませんか!勝手に何してるんですか!?」

斉藤「・・・こいつぁ、この艦じゃ一人だ。あんなところに閉じ込めておけるかよ」

桐生「おじさんらしいや。でも、規則は規則です!」

斉藤「う・・・」

メーザー「もういいか、地球人」

斉藤「はぁ、きっついよなぁ」

大和「はぁ、はぁ、こんなところにいたんですね」ゼェゼエ

桐生「大和さん、一言言っちゃってください。もうちょっと大人になってくださいって!」

大和「斉藤さん」

斉藤「何だよ」

大和「少し、お腹が空きませんか?」

桐生「えっ?」

斉藤「別に減ってねぇよ」

大和「少し、食堂に行きましょう。メーザーさんも、ほら」

メーザー「ま、待て」ズルズル


ヤマト食堂

メーザー「何だ、これは?」

大和「ヤマト特製のカレーです。250年も続く、大和ホテルの人気メニューですよ!」

斉藤「んん、んぐんぐッ!」ガツガツ

大和「斉藤さんったら、そんなにがっつかなくても、お代りは幾らでもあります」ニコニコ

メーザー「・・・」

大和「食べないんですか?」

メーザー「食い物、なんだな」

大和「はい、もちろんです」

メーザー「・・・」パク

メーザー「・・・美味い」

桐生「もう、怒られても知りませんから!」

大和「これが私流です。ああやって営倉に縛り付けておくのは、どうしても嫌なので」

桐生「もういいですけど。あ、マゼランパフェください」

大和「はい、ただいま」


真田「はぁ・・・」

佐渡「あっちの方が気楽でいいわい。ほれ、真田くんも飲みに行くぞい!」

真田「いえ、私は職務g」

佐渡「いいじゃろいいじゃろ。ほれほれ!」


大和「どうでしたか、カレーのお味は?」

メーザー「・・・うまかった。あのようなものが、宇宙に存在していたとは」

大和「ありがとうございます。そう言っていただければ幸いです」

メーザー「では、これから営倉に・・・」

佐渡「飲みに来たぞぃ!」

大和「佐渡先生!それに、真田さんも」

真田「あ、ああ」

佐渡「ほれほれ、飲みねぇ飲みねぇ!」

大和「あっちょっと」ゴクン

斉藤「ヒィィックっ」

桐生「うそ、いつの間に飲んだの!?」

霧島「おかしいですね・・・」

山南「ああ、最低でも二週間はかかるはずだが」

霧島「ええ、私もそのように」

山南「なぜ今帰ってきた、ヤマト」


大和「・・・」

藤堂「どうしたんだね?かなり早かったようだが」

大和「・・・ここは、どこですか?」

藤堂「どこって、地球に決まっている」

大和「そんなはずありません!それじゃ、地球は勝手に復活したとでも言うんですか?」

藤堂「何の話をしている?君が救ってくれたんだろう」

大和「そんな、どうして・・・?」

藤堂「そんなことより、テレザート星の様子はどうだった?全て伝えてくれ」

大和「テレザート・・・?」

藤堂「頼む、見てきたことを全部話してほしい」

大和「テレザートなんて惑星、知りません」

大和「うう、あう・・・」シクシク

佐渡「どうしたんじゃいヒック、そんなに泣いてのぅ」

大和「私だってぇ、行きたくありませんでしたよぅ!」バン


1945年 4月6日

矢矧「ねえ、大和」

大和「はい」

矢矧「・・・怖く、ない?」

大和「怖くないなんて言ったら、嘘になっちゃいます」

矢矧「そう・・・」

矢矧「もし、来世があるんだったら、軍艦じゃない別のものに生まれ変わるってのもよくないかしら?」

大和「そうですね、人間に生まれ変わって、普通の生活をしたいです。こんな、救う価値など皆無な国なんか捨てて・・・」

矢矧「救う価値が無いなんてことないわ。日本が負けた後でも、日本はあり続けるのよ。その時には、平和な国になっていればいいわね」

大和「そうですね」


7日

朝霜『あたいのことは置いていけぇ!』

大和「できません!あなたを待ってでも!」

朝霜『気にすんなって。でもなぁ、あたいのこと、忘れんなよ!』

伊藤「・・・速度を緩めるな。対空警戒を厳となせ」

大和「そんな!」

磯風『敵編隊発見!対空戦闘開始!』

大和「うっ、くっ・・・対空戦闘用意」

矢矧『はぁ、はぁ・・・磯風、こっちに』

磯風『今行く・・・ッ!?』ドゴォ

浜風『うっ、はぁッ!』ゴォォォ

大和「こんな、ことって・・・」

矢矧『またね、大和。どこかで、会えるといいわね・・・』

大和「嫌、嫌、嫌・・・」

初霜『大和さん、お守りします!』

大和「もう、私はダメです。後は任せたわ・・・」


2192年 国連軍司令部

藤堂「ココアだ。飲みたまえ」

大和「・・・私は、生き残ってしまったんですね」

藤堂「辛かっただろう。我々も辛い」

雪「お姉さん、何で泣いてるの?」

森「雪、あっちに行ってような」

大和「雪・・・雪風ちゃん・・・うっ、うっ・・・」シクシク

今まで多忙で書く時間が取れませんでしたが、今日から数日置きに更新します
長らくお待たせしました
by >>1

テレサ「・・・やはり、現れましたね」

テレサ「しかし、今度は止めてみせます」

テレサ「地球の皆さん、どうか生き残ってください。この試練を何としてでも乗り越えるのです」

テレサ「あなた方には、未来を変える力が備わっているのだから・・・」


右舷第3格納庫

メーザー「・・・」タッタッタ

アビオニクス音声『コードを入力してください』

メーザー「認証コード、ウラー・ズオーダー。起動コード、イルン・エルバス」

アビオニクス音声『認証完了。デスバテーター600076号機、起動します』

真田「なるほど、コードはそれか」

メーザー「お前は、さっきの!」

真田「酔いつぶれて寝ていたのかと思っていたのかね?それの暗証番号を知るには、君が自分の意思でそのコードを入れるのを確認する必要があった。酒の席も、言ってみればそのためのカムフラージュだよ」

メーザー「だましたな、地球人め」

真田「記憶を強制的に引っ張り出すよりマシだ。アナライザー、進行はどうだ」

アナライザー『ハッキング完了。基礎プログラム、保存完了。任務記録、ダウンロード中』

真田「よくやった。さて、これでデスバテーターは一気に陳腐化した。制空戦で負けることは無い」

メーザー「地球人は野蛮な民族だと教えられたが、どうやらそうらしい」

真田「手段を選ばないだけだよ。特に、今は死活問題を抱えている。それを解決したいがためさ」

メーザー「その機を返せ。でなければ、自爆する」

真田「艦載機は自爆できない。大和を介して自爆装置を切らせてもらった」

大和『はい、まだ頭がクラクラしますけど』

メーザー「あの女・・・」

真田「大和の推測は、どうやら正しいらしい。なぜか君の機にはハッキング用ツールが備えてあった。それも、地球やガミラスの言語に対応したものを揃えている」

大和『そうですか。では、あれも偽装漂流だったわけですね』

メーザー「・・・その通りだ。私の任務は艦娘の調査にある」

真田「やはり、艦娘の情報もガトランティスにあるのか」

メーザー「ガミラス侵攻の際に入手した。製作方法も既に手中にある」

真田「何だと・・・!?」

大和『もう、私たちみたいな悲しい存在を増やさないでください!』

メーザー「悲しい、か。君がどれほど苦労をしたのか知らない。だが、これも国のためだ」

大和『あなたの国は、守る価値があるんですか』

メーザー「ある。少なくとも、私の命を引き換えにするくらいには」

大和『・・・私には、もう国家という存在が信用できません。私が今まで戦って来られたのは、守るべき人々がいるからです』

真田「守るべき人?」

大和『はい。それは、この艦の乗組員です。再び私を外の世界へ連れて行ってくれたことへの恩は、まだ返せていません。彼らを守るのが、今の私の使命なんです。メーザーさんには、そんな方はいらっしゃいますか?』

メーザー「決まっている。大帝だ」

大和『それでもいいです。けど、必ず本当に守りたい方が出てくると思いますよ』

メーザー「・・・」

真田「どうやら、アビオニクスを解析できたらしい。直ちに地球へ報告する」

大和『お願いします』

太陽系 ガニメデ基地

霧島「ヤマトの船体チェック完了。見たところ、ガミラス戦役時の武装と変わりません。ただ、違うのは」

山南「乗員数は115名と極端に少なく、波動エンジンの始動方法が補助エンジンをスターターとして利用する点だな。その他にも多数の違いがある」

霧島「波動エンジンそのものはイスカンダルの技術体系と酷似していますが、不思議ですね」

山南「うむ・・・」


藤堂「大和、君の航海日誌は全て読ませてもらった。そこで、私はある結論に至った」

大和「はい」

藤堂「君たちは、私が知る大和とは違う、ということだ」

大和「別の、私たち・・・?」

藤堂「現在、我々が知る『ヤマト』がテレザートという惑星の探査に向かっている。それの真相がわかるまで、君たち乗組員を司令部に軟禁させてもらう」

大和「そんな、なぜですか!」

藤堂「心配しなくともよい。一時的な措置に過ぎん。すぐに解除される」

大和「詳しい説明を求めます!なぜ軟禁なんてされなければならないんですか!?」

藤堂「そのわけは君たち全員に話す。今は混乱を避けたいのだ。わかってくれ」

大和「・・・っ」

技術士官「長官、失礼します。先ほど、ヤマトから敵航空機のデータが送られてきました。その他、ガミラス軍残党及びガトランティス艦隊との戦闘報告が来ています」

藤堂「わかった。では、後は頼んだぞ」

ヤマト 電信室

相原「冗談だろ・・・」

古代「どうした?」

相原「見てくださいよ、これ!地球にもう1隻のヤマトがいるって報告が来てるんです!」

古代「そんなバカな、分裂したとでも言うのか!?その他には?」

相原「予定を繰り上げて早めに帰還してほしい、との通達が長官付けでされています」

古代「航海班の連中とも相談しておく。ヤマトの詳細をもう少し貰ってくれ」

相原「は、はい!」


作戦司令室

島「同時に同一の艦が二隻も存在するなんて、あり得ることなのかい?」

新見「十分にあり得るわね。この艦はガミラスの技術で別宇宙へ転移することができるようになっているから。何かの拍子で別宇宙に抜けた、なんてこともあるわ」

雪「でも、そんな現象は航海中に観測されてないわよ?」

新見「一番可能性が高いのは、私たちがテレザートを訪れた際ね。脱出時に別宇宙に抜けたのかもしれないけど、その時はガミラス側含めて情報の錯綜はなかった。だから、その可能性は排除できるわね」

徳川「次元断層の時でもなさそうじゃな」

新見「ええ。一番考えられるのは、地球のヤマトがこちらの世界に転移してきた、ということね。スペックや乗員数、艦娘の艦への影響範囲も違うし、そう見るのが妥当よ」

古代「とにかく、今はテレザートへ向かおう。そこでハッキリするかもしれない」

大和「それには同意します。ですが、もう一人の私も少し気になったりしますね」テレテレ

相原「そういえばそうだなぁ。やっぱり僕のままなのかな」

古代「何だよ、それ」

大和「ですから、私たちはガニメデ基地を出ることが・・・」

古代「んだよそれ!ふざけんじゃねえ!」

雪「やめて古代くん!もう、やめて・・・っ」シクシク

佐渡「騒いでも何も始まらないわ。私たちは、大人しく指示に従うしかないのよ」

古代「そこのお前、何か言ったらどうなんだよ」

セレステラ「何も言うことなんてないわ。そもそもテロン人じゃないし」

雪「テロンって、地球のことですよね。でも、それって・・・」

セレステラ「元ガミラス帝星政府情報相、ミーゼラ・セレステラよ。訳あって、今はこっちに住んでるわ」

古代「テメエ、何でこんなところにいるんだよ、さっさと地球から出ていけ」

セレステラ「認めてくれないのはわかるわ。でも、大和やテロンは受け入れてくれた。こっちの古代進も、もちろんのこと」

古代「どんだけ甘いんだよ、こっちの俺」

セレステラ「甘いんじゃないわ。あなたみたいな乱暴者じゃないだけ」

古代「んだよコラ!」

雪「古代くん、やめてったら!」

古代「・・・すまん」

セレステラ「電、こっちに来なさい」

電「はい、なのです」

セレステラ「私は一度国連軍本部に戻るから、帰ってくるまで彼らの相手をしてあげなさい」

電「わかったのです!」

セレステラ「じゃ、任せたわよ」

古代「・・・嫌な奴」

テレザート星付近

島「ワープ終了。雪、周囲のチェック頼む」

雪「了解。コスモレーダー、スキャン開始します」

真田「艦長、少し気になることがあるのだが」

古代「はい、何でしょう?」

真田「先の戦闘を思い出してほしい。ガミラス艦隊はドメル側、デスラー側共にヤマトの所在を知っていた。それに加え、ガトランティス艦隊も展開していた。それが何を意味するか、君にならわかるはずだ」

古代「我々の予定航路は既にバレバレだと?」

真田「そうとしか考えられんのだよ。そして、予想が正しければ・・・」

雪「テレザート星を確認したわ。恒星から0.5AU、小惑星大の衛星が二つある地球型惑星よ。静止衛星軌道上には、ガトランティス艦隊を確認」

真田「やはりな」

大和『総員、戦闘配置。火器管制システム起動。宇宙戦艦ヤマト、推して参ります!』

相原「待ってください、旗艦と思われる艦から入電です」

古代「モニターに出せ」

ゴーランド『先の戦いでは苦汁をなめさせられたが、今度は違う。貴艦を拿捕する』

相原「以上です」

古代「自分の名前も名乗らないなんてな」

島「こりゃ、お仕置きが必要みたいだな!」

大和「左砲戦用意。敵旗艦に全火力を指向。艦載機の出撃願います」

古代「いや、艦載機はまだだ。敵戦力を半数まで減らしてから上陸支援をさせる」

大和「は、はい。ですが、制空権の奪取という点においても・・・」

古代「発艦作業中に攻撃を受けては危険だ。それより、ヤマト自身の機動力と攻撃力を活かして敵を翻弄するのがいい」

大和(古代さんも、もう立派な艦長さんね。時が経つのは早いわ)

新見「難しいわね。相手にはゴラン・ダガームの巨大戦艦級があるわ。恐らく、火焔直撃砲も搭載済み」

古代「何とか回避する手段は・・・」

大和「私にいい考えがあります」


ゴーランド「火焔直撃砲、発射用意開始。随伴艦は射程に入り次第自由射撃を行え」

副長「了解しました」

ゴーランド「まずは手始めだ。これで死ぬようならば、ガトランティスには要らぬ」

古代「あれを回避できるのか?」

大和「はい。幸いにも、発射機は外部に露出した状態で搭載されています。エネルギー充填の際に展開しますから、その際に副砲の一撃を当てれば大ダメージを与えられると思います」

真田「しかし、常に敵の前方に出なければならないという危険がある」

大和「敵は必ず使うはずです。火焔直撃砲だけでなく、持ちうる全兵器を使ってでも私たちを妨害したい理由があるはずですから、あの星には」

古代「わかった。第1副砲、敵旗艦に指向。大和の指示で発射しろ。それ以外の砲は艦橋から統制射撃を行う」

大和「そう言っている間に、敵も攻撃態勢が整ったようですね」

古代「島、懐に突っ込め。大和、すれ違い際に副砲の一撃をお見舞いする。できるか?」

大和「お任せ下さい」

島「最大戦速!右十二度に転進!突っ込むぞ!」


副長「敵艦、こちらに向けて突っ込んできます!」

ゴーランド「逃がすな!奴に艦首を向け続けろ!」


南部「主砲、正面の巡洋艦級を狙え!」

真田「波動防壁展開。残りニ十分」

雪「敵艦までニ十キロ!これ以上近づけば危険です!」

大和「問題ありません。むしろ、ここからが私の戦場です」

>>1です
いやぁスミマセン。艦これのイベントやらリアルで忙しかったりと、更新する時間が無いもので。

大和「副砲、砲戦用意」ィィィィン カシャ

南部「主砲射撃開始!目標、右舷前方の戦艦級!」

大和「あの星には、何かがあるはず・・・」

雪「敵戦艦からのミサイル発射を確認!方位306度、距離31キロ!」

南部「対空機銃、AMWオート!撃ち落とせ!」

古代「・・・」

太田「艦長、どうしたんですか?」

古代「いや、敵がやけに密集していると思ってな」

雪「確かに・・・ただし、旗艦を除いて、ですけど」

大和「警戒してください。敵はやはり撃つ気です」

ガシャン グイイィィィン

島「くそっ、敵の砲門が開いたぞ!」

大和「副砲、発射!撃てーー!」


ゴーランド「火焔直撃砲、発射!」

ゴオオオォォォオオォォ!


大和「・・・っ!」シュウゥゥ

真田「副砲を消し去ってなお、この威力か・・・ダメージコントロール!」

大和「被害報告、第4ブロック全滅。右舷舷側ミサイル発射管、溶融につき使用不能、第3砲塔、旋回不能。中破です・・・」ボロッ

真田「マズいな、このままではやられかねん。せめて、搭載を見送った強制波動装甲があれば・・・」

古代「見送ったんですか?」

真田「予算の関係でな。デウスーラに思い切った改造ができなかったのも、予算や資源が足りないからだ」

島「そういうのは聞きたくないなぁ・・・」

大和「こうなれば・・・徳川さん、次元潜航機関を使用します!」

徳川「ああ、わかった。山崎!エネルギーの一部を次元潜航機関に回せ!」

山崎『了解!』

大和「潜航開始!」


ガトランティス兵士A「ヤマト、異次元に消えました」

ゴーランド「次元断層に逃げたか。臆病者め」

ドゴォォ!!

ゴーランド「どうした!?」

戦術長「巡洋艦が爆発しました!航行不能!」

ゴーランド「対潜戦闘用意、駆逐艦は直ちに現場へ急行、爆雷攻撃を行え」

ドゴォォォ!

戦術長「今度は駆逐艦です!」

ゴーランド「なぜだ、データでは、奴らのミサイルで駆逐艦を一撃で沈めるなど・・・」


真田「テルミットプラス弾だけは無理に搭載してよかったな」

百合亜「何かこの展開ヤダ」

古代「岬くんじゃないか。持ち場を離れて何をしに来たんだ?」

百合亜「あっ、はい!電算室と艦橋の回線が切れちゃったので、直接データを持って来ました!」

古代「何の?」

雪「敵の解析データよ。写真解析だから詳しいことはわからないけど。岬さん、大和は手が離せないから、直接こっちにデータをインストールして」

百合亜「はいっ!」カチャカチャ

大和「そろそろ年貢の納め時ですかね・・・」

南部「そうみたいだな。もうミサイルの残弾が四発しかない。特殊ミサイル以外での攻撃は、空間を越えられないから不可能だ」

ガミラス帝星 帝都バレラス

ドメル「ただいま戻りました」

ディッツ「ご苦労だった。して、デスラーは?」

ドメル「戻られたのでは?」

ディッツ「いや、少なくとも我々の勢力圏内に入ったという報告はなされていない」

ドメル「そんな、まさか」

ディッツ「連れてこなかったのか?」

ドメル「・・・完全に信用した私が馬鹿でした」

ヴェルテ「元総統なら今戻られましたぞ。イスカンダルの近くにワープしたのを確認している」

ディッツ「そうか。直ちに彼を拘束、軍事裁判の用意をしろ」

ドメル「それと、もう一つ報告しておきたいのですが」

ディッツ「何だね?」

ドメル「タラン将軍、地球に2個艦隊程度の遠征艦隊を送りたいのですが」

ヴェルテ「今はそんな状況ではないだろう」

ドメル「ヤマトと合流した直後、ガトランティスの機動部隊と戦いました。敵は明らかにヤマトを狙っている様子でした」

ディッツ「ヤマトを、だと?」

ヴェルテ「そういえば、少し前にヒルデ嬢ちゃんから連絡があった。テレザートという惑星で、アーク・テレザリアムというものを回収したと」

ディッツ「テレザリアム・・・まさか、アケーリアス伝説の」

ヴェルテ「そうらしい。しかし、テレザートが本当にあったとは・・・」

ドメル「失礼ですが、何のお話ですか?」

ディッツ「君が知らないのも無理はないか。この話は政府の高官しか知らないからな」

ヴェルテ「簡単に言うと、宇宙神話の一つだ」

ドメル「神話、ですか」

ディッツ「イスカンダルとガミラスの成り立ちは知っているな?」

ドメル「ええ。銀河系からここへやって来た民族がイスカンダルに住み着き、やがてガミラスにも足を延ばして発展していった、と聞いております」

ディッツ「そうだ。では、我々の祖先が最初にいた星はどこだかわかるかね?」

ドメル「いえ、そこまでは・・・」

ディッツ「最近の研究では、地球の可能性が大きいと言われている。現生人類ではないらしいが」

ドメル「地球にも別の知的生命がいたのですか。しかし、彼らはそんな情報など・・・」

ヴェルテ「持っていない。大和の資料を隅から読み解いても、人類以外の知的生命の痕跡はなかった」

ディッツ「・・・霧の艦隊、というものがあってだな」

ヴェルテ「霧・・・そうか」

ディッツ「私見に過ぎないが、あれはアケーリアスの遺産かもしれん。ゲシュ=ダールバムに似た砲を使い、ガミラスのコンピュータに近い性能を持った演算処理装置が装備されている。失われた技術も多いがね」

ヴェルテ「水と螺旋を重んじるアケーリアスと同じく、水を想起させる『霧』をまとって現れる、という点もあるな」

ドメル「つまり、それは・・・」

ディッツ「地球にも、アケーリアスの手が伸びていた、ということだ。地球を経由し、サンザーに渡ったのだ」

ヴェルテ「話がそれているぞ」

ディッツ「・・・すまない。テレザート星だが、あれは『方舟』を保管するための星と考えていい」

ドメル「その、アーク・テレザリアムというものですか」

ディッツ「その通りだ。遥か未来に起こる戦争に備え、数多くの星から兵器を集め、内部に保管していると伝えられる。当然、地球製の武器もだ」

ヴェルテ「その『戦争』が起こった際は、正統なる所有者が現れ、真の姿に戻って戦うと記録されている。アケーリアスは惑星を渡り歩き、我々の祖先となった理由だ」

ドメル「しかし、戦争と言われても、どこの誰と戦うのですか?」

ディッツ「私にはわからん。だが、それをガトランティスが狙っていることはわかっている。それだけは何としてでも止めなければならん」

ドメル「では・・・!」

ディッツ「ああ。地球に艦隊を派遣する。ドメル、また行ってくれるか?」

ドメル「ザー・ベルク!」ビシッ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月22日 (土) 14:49:22   ID: OgBMk6pg

デスラー総統はもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっとかっこいいです。ガミラスは誇り高き国です。

2 :  SS好きの774さん   2015年01月06日 (火) 18:34:05   ID: m9Ue7pb_

艦コレとヤマト2199で初めてのアタリ作品です。
面白い人物が多数生き残ってたり配置の違いでイベントが旧作準拠だったり、予想も付かない展開だったりこの先の展開が楽しみです。
総統がアベルトの方なのでゲールといっしょに色々とはっちゃけて欲しいですね、ガトランに身を寄せるにしても新作版だとカルチャーショック受けそうです。

3 :  SS好きの774さん   2015年02月28日 (土) 02:17:06   ID: omU1uTQV

初めの会話は男たちの大和のやつかな?

4 :  SS好きの774さん   2015年08月29日 (土) 23:48:56   ID: FneGtpdj

途中までは面白かった

5 :  SS好きの774さん   2017年11月10日 (金) 18:04:20   ID: 7KWE65Uc

素晴らしい作品だったです

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください