クリスタ「ライナーのおにくおいしいよぉ」(22)

クリスタ「今日はふともももらうね」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「ぎーこぎーこ」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「ぎーこぎーこ」

クリスタ「よいしょ!切るの大変だなぁ」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「ふぅ・・・・・・」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「なんとか言えよ」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「ねえ」

ライナー「・・・ああ」

クリスタ「ああじゃないでしょ、痛くないの?」

ライナー「痛いぞ」

クリスタ「じゃあうめき声あげるなりなんなりしたら?」

ライナー「そういう趣向を望んでたのか、今まで気づかなくて悪かったな」

クリスタ「・・・は?」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「・・・・・・は!?」

ライナー「・・・言ってくれなきゃわからん」

クリスタ「ちがうでしょ!?痛いから苦しいから叫んだりうめいたりするんだろ!」

ライナー「ああ、言い方が悪かったな・・・これからは耐えるのはやめて素直に痛がるさ」

クリスタ「ああああああああああああああああああああああ」

クリスタ「ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「私は!お前が!心の底から苦しんで!もうやめてくださいと!心の底から後悔して!私に縋りつくところが見たいんだ!」

ライナー「ハッ・・・」

クリスタ「・・・なにかおかしかった?ライナー?」

ライナー「なんというかな・・・俺はずっとそんな心境なんだが」

クリスタ「なにいってるの」

ライナー「まだ縋りついちゃあいないがこんなことはもう終わりにしたい死ぬほど後悔もしてる・・・もしかして縋りつくところが重要だったのか?」

クリスタ「何様のつもり?」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「ユミルを食っといてお前は何様のつもりなんだって聞いてるの」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「まさか自分が哀れだとでも思ってるの?」

ライナー「いや」

クリスタ「お前は人間のクズだ!心から信頼してくれていた仲間を裏切って!殺して!自分はのうのうと生き延びて!ああ人間じゃなかったねそういえば!ちっともかわいそうなんかじゃない!」

ライナー「ああ、その通りだ」

クリスタ「ん?エレンには言い訳したんじゃないの?私にはしないの?」

ライナー「・・・俺にも事情があっ」

クリスタ「もういいもういいもういいもういいもういいもういいやめてやめてやめてやめてやめてやめて!」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「はぁっ、はぁっ・・・はー」

ライナー「・・・俺が」

クリスタ「・・・・・・」

ライナー「俺が哀れだと思ってるのは・・・クリスタの、ことだ」

クリスタ「・・・え?は?なに勘違いしてるの?私はライナーを好きなだけ痛めつけることが出来るんだよ?」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「なのになんでお前に哀れだなんて思われなきゃならないの?」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「謝れ」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「謝って」

ライナー「大量殺人鬼の俺が命について語るのはおこがましいかもしれんが・・・命を奪ってきたことが俺の・・・上手い表現が見つからんが・・・俺の最大の罪だと思っていた」

クリスタ「なに急に語り出してんだよ」

ライナー「だがここで人間の・・・かつての仲間、ああ俺が裏切ってしまった仲間だそう仲間が壊れていくのを見て潰れていくのを見て甘かったと・・・そう感じた」

クリスタ「結局自分のこと哀れんでるんでしょそれ」

ライナー「そうかもしれん・・・俺にももうよくわからん」

クリスタ「で?」

クリスタ「それで?」

ライナー「・・・いや、それだけだ」

クリスタ「ふーん・・・」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「・・・確かにそうだね、みんな私のこと心配してるし」

クリスタ「ここでライナーの肉を切って焼いても誰かが生き返るわけでもない」

クリスタ「ユミルも私がここで立ち止まって・・・前に進もうとしないなんて、嫌がるよね」

クリスタ「あーあ、私いままでなにやってたんだろアホらし」

クリスタ「こんなことやーめた!」





クリスタ「ってなると思った?」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「期待しちゃった?」

ライナー「ぁぁ・・・」

クリスタ「なーんだ、ライナーってば私が壊れてくと苦しいんだ!」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「ろくに反応しないから全然堪えてないと思ってたんだけど・・・そっかー!苦しかったかー!あーすっきり!」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「あは!きょうのライナーのおにくがいちばんおいしいなぁ!」

ライナー「・・・・・・」

ライナー「・・・・・・」

ライナー「・・・エレンか」

エレン「ライナー、お前を殺しにきた」

ライナー「ありがとな」

エレン「言っとくがお前のためじゃない、つーか未だにそういうこと言うんだな反吐が出る」

ライナー「それでもだ」

エレン「フン・・・・・・」

ライナー「・・・・・・」

クリスタ「あれ、ライナーがいない」

クリスタ「・・・・・・?」

クリスタ「今日も肉を切らなきゃいけないのに・・・困ったな」

クリスタ「・・・・・・うーん?」

クリスタ「そうだ、探しにいこ!」



じゃんじゃん!

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