ユウ・カジマ「……765プロ?」(69)

需要あったりする?

じゃ、頑張るよ~

ユウ「……765プロ?」

「そう、地球のアイドルプロダクションの護衛任務。貴官を名指しで指名している。……あぁ、今回は単独の任務だ。正直、アイドルプロダクションを襲うテロリストなどいるとは思えないのでね、休暇と思ってくれていい」

ユウ
「……了解」

自室

ユウ(ついこの間、地球の存亡が掛かった戦争があったというのに、呑気なモノだ……)

ゆう

誤爆した。


自室

ユウ(ついこの間、地球の存亡が掛かった戦争があったというのに、呑気なモノだ……)

ユウ(……それだけ、民間人にとって戦争は遠い事になったと考えれば喜ぶべきことか。……明日に備えて寝よう、任務に支障がでる)

地球~765プロ最寄り駅

ユウ
(……賑やかな街だ)

P「あ、こっちですよー!お迎えにあがりました!」

ユウ「っ、申し訳ない。地球連邦所属、ユウ・カジマだ。よろしく頼む」

P「あ、はい、こちらこそ」

P(なんか、堅そうな人だな……でも、社長は絶賛してたし、凄腕の軍人さんなんだろう)

P「事務所までお送りしますね、どうぞ後ろに」ガチャ

ユウ「……あぁ」

ブウゥゥンン……

ユウ(……そういえば、俺は何からこの765プロダクションを守ればいい?……全く聞いていない)

P「もうそろそろ着きますよー」

765プロ~社長室

高木「お、キミがユウ・カジマ大佐か、噂は聞いているよ」

ユウ「……任務の事を聞きたい」

高木「あぁ、ごめんごめん。実はだね、近々ライブがあるんだが……脅迫文が届いたんだよ。それで護衛を地球連邦に要請したんだ」

ユウ「……それだけか?たったそれだけで地球連邦が兵を寄越すとは……」

高木「古い友人が連邦軍の中にいてね。ついでにキミを指名してしまったよ」

高木「ユウ君に任せれば安心だ。なんせ、EXAMシステムを使いこなした男らしいからね」

ユウ「ッ!? 何故、アンタがそれを……!?」

高木「こう見えても色んな知り合いがいてね。まぁ、頑張ってよ」

ユウ
(……何者だ、この男は)

P「えー、地球連邦から俺たちを護衛する為に来てくださったユウ・カジマさんだ。失礼のないようにな」

ユウ「……よろしく頼む」

春香(無口そうな人……少し怖いかも)

美希「ハニー、脅迫文っていってもイタズラみないなものなんでしょ?別に護衛なんて要らないと思うな」

律子「コラッ、例えイタズラだとしても安全が保証されなきゃライブは中止なのよ?」

美希「それは嫌なの……それより眠いの」

P「全く、すいません……あっ、床で寝るなソファで寝ろ!」

ユウ(……騒がしいな)

雪歩「男の人……」

真「雪歩、まだ男の人ダメなの?」

雪歩「そ、そういう訳じゃ……少し苦手だよぅ」

伊織「アンタねぇ……番組とかどうしてるのよ、男性もいっぱいいるでしょうに」

雪歩「うぅ……どうしよう響ちゃん」

響「え!?自分に振るのか!?え、えーっと……」

響「男の人の顔を、カボチャだと思うとか?」

真「……なんかそれ、違うくない?根本的な解決になってないというか」

響「うぅ、やっぱりかー……」

ユウ(……仲は良いんだな)

やよい「ユウさんユウさん!」

ユウ「……ん?」

やよい「ハイターッチ!」

ユウ「……?」パンッ!

やよい「いぇい!」

ユウ「……い、いぇい?」

やよい「うっうー!今日からよろしくお願いします!」

ユウ「……あぁ、よろしく」

ユウ(モーリンより元気だな……これが若さか)

律子「アンタ達、レッスンに行かないと。ライブが近いし、プロデューサーと私も同伴よ」

亜美「え~!律ちゃんも~!?」

真美「兄ちゃんだけでいいよ!」

律子「二人とも、覚悟しなさいよ……」ゴゴゴゴ

春香「あはは……律子さんから凄いオーラが」

千早「………」

春香
「あれ?千早ちゃんどうしたの?具合悪い?」

千早
「……?別にそんなことないわ。気のせいよ」

春香
「そう?少しいつもと違うなって思って」

千早「そう……本当になんでもないわ」

~レッスン場

春香「ぜぇ…ぜぇ……」

真「春香大丈夫?ちょっとペース落とそうか?」

春香「ぜぇ、なんのこれしき!まだまだ頑張るよー!」

律子「ほら!真美は半テンポズレてる!亜美は腕の振りが甘い!」

亜美「うあうあ~!鬼だ~!」

真美「この鬼軍曹!」

伊織「なんでこの二人は自分から煽りに行くのよ……」




ユウ「……ハードな練習だ。彼女達は毎回このメニューを?」

P「はは、これでも減らしたんですよ?ライブが近くなると、あいつら張り切り過ぎちゃって……」

P「最初は自分達に練習量を決めさせてたんですけどね…確認したら明らかに量が多過ぎて」

ユウ「これよりハードな練習を自主的に、か……」

ユウ(……認識を改めないといけない。この子達はちゃんと信念を持っている)

ユウ「…………春香」

春香「え、あ、なんですか?」

ユウ「腰を中心に動いてみるんだ。それしかアドバイス出来ないが、それだけでも少しは早く動ける筈だ」

春香「は、はい……わ、本当だ!凄いですユウさん!」

ユウ「……軍人に必要な動きの基礎を応用しただけだ、俺が言わなくても出来るようになっていた筈だ」

あずさ「あの~私にもアドバイスをお願いします~」ボインボイン

ユウ「……別にダンスが得意な訳じゃない。すまないが、無理だ」

あずさ「あらあら~残念です」ボインボイン
ユウ「……申し訳ない」

春香(凄い、あずささんのアレに無反応だ……)

律子「一回、通してやってみるわよ!気合入れなさい!」

一同「はいっ!」

期待

CCA終わった後?

>>16
終わった後、ユウが退役する直前ぐらいかな。

ユウ(……それからも彼女達はハードなレッスンを行い、それが終われば歌のレッスン……)

ユウ(そして俺は、アイドル達が帰った事務所で暇を潰している)

小鳥「はいどうぞ、お茶です」コトッ

ユウ「……すまない、いただこう」

小鳥(……プロデューサーさん以外の男の人と二人きりになるの初めてだわ、変な風に見られてないかしら…)

ユウ「……小鳥、といったか?」

小鳥「ひゃ、ひゃい!?なんですか!?」

ユウ「……彼女達は何故あんなに努力をしているんだ?」

小鳥「あー……春香ちゃん達はライブになるといつも張り切るんですけど、今回は特別です」

ユウ「特別……?」

小鳥「少し前……といっても一ヶ月くらい前ですけど。戦争みたいのがあったじゃないですか」

ユウ(……第二次ネオジオン抗争か)

小鳥「あんまりテレビとかで報道されなかったんですけど、やっぱり不安じゃないですか。それに、大きい隕石みたいのも押し寄せたり……やっぱり、不安になっちゃったんですよ。765プロの皆だけじゃなくて、世界の皆が……」

小鳥「だから、私達が不安になって暗いままの皆を笑顔にしようって」

ユウ「……そう、か。ありがとう」

ユウ(笑顔、か……)

ユウ(……地球に迫るアクシズを包んだ光)

ユウ(あれを見た時、意識が統一されていくのを感じた)

ユウ(形は違えど、沈んだ人間を笑顔にするという意志の統一……)

ユウ(彼女達はそれと同じ事をしようというのか……?)

ユウ「……約束しよう、どんな敵が彼女達を攻撃しても、必ず俺が守る」

小鳥「えぇ、よろしくお願いします♪」

数日後、

千早「~~~♪」

ユウ(……良い声だ。あの細い体からどうやってあの声を出しているのか……)

ユウ(しかし……引っ掛かる物がある。微かだが……)

ユウ「……千早、悩みでもあるのか?」

千早「え……?」

ユウ「俺に話難い事なら、春香にでもプロデューサーにでも……」

千早「……自信が、ないんです」

ユウ「……自信?」

千早「はい……みんな、今回のライブを絶対に成功させて、皆を笑顔にすると意気込んでいます。勿論、私もそのつもり……でも、自信がありません」

千早「私も昔、笑うことを忘れていました。でも…春香や高槻さん、それに他の皆のお陰で……」

千早「でも、私は人を笑顔にだなんて……」

千早「…………」

ユウ「……少し、昔の話をしよう」

千早「え……?」

ユウ「まだ一年戦争が勃発していた時、君達は覚えていないだろう。その時俺は、通称モルモット隊という隊に所属していた」

千早「モルモット?」

ユウ「あぁ。正に実験動物のよつな扱いだった。毎日人が死に、補充される。現地の友軍からは手柄泥棒と煙たがれる」

千早「そんな部隊に……?」

ユウ「あぁ。そして、俺の運命を変えた日……蒼い死神と会ったのもその部隊に所属していた時だ」

ユウ「俺はMSの操縦には自信があった……それがどうだ。その蒼いMSは友軍のMSを薙ぎ倒し、見たことのない程の速度で迫ってくる」

ユウ「……死を覚悟した」

ユウ「だが、人生何があるかわからない。俺はその蒼いMSを撃退し、そのMSのパイロットになった」

ユウ「自信なんてなかったさ。出会いが強烈過ぎてな」

ユウ「だが……こうして俺は生き延びてる。その後の戦争でもだ」

千早「…………」

ユウ「自信なんてなくて良い。やれる事をすれば、結果は自ずと付いてくる」

千早「……はい!」

P(……ドア越しに様子を伺っていたけど、出るタイミングを見出せない……言いたい事を全て言われた……)

その夜……

高木「悪いね、急に呼び出してしまって。だが、緊急な連絡だからよく聞いて欲しい」

ユウ「……緊急?」

高木「まぁ、詳しくは車の中で話そう。乗ってくれたまえ」


ブゥゥウンン……


ユウ(……あれがライブ会場のドームか。西の道以外は海で囲まれた出島……)

高木「それでだね、緊急の連絡なんだが……」

高木「ここから最寄りの港に、MSが密輸されたとの情報が入ったんだよ」

ユウ「……MS?敵はわざわざMSまで使って彼女達を殺そうというのか?」

高木「まだ分からないよ。でも、予防として……着いた」キィィ

ユウ「ここは……倉庫?」

ギィィイ……


高木「現代の通常兵器じゃMSに対抗出来ないんだろう?だから、譲ってもらったよ」

ユウ「これは……ネモ?旧型の機体だな……」

高木「そう言わないでくれたまえ。これでも頑張ったんだよ?」

ユウ「……武装は一通りあるな。ネモはホバー移動可能……海の上でも戦える。充分だ」

高木「なら良かった。ライブは今日含めて三日後、よろしく頼むよ」

ユウ「……了解した」

ユウ(……とは言いつつも、敵が襲ってくる気配もなければ、怪しい人影の類もない……本当に襲いかかって来るのか?)

真美「ユウ兄ちゃんがカード引く番だよー?」

ユウ「……あぁ」

ユウ「……アガリだ」

亜美「えー!?強過ぎるよユウ兄ちゃん!もう10連勝じゃん!」

P「おーい、レッスン……って、ユウさんすいません!子守させちゃって!」

ユウ「いやいい……俺も楽しんでいる」

亜美「そー→だYO!兄ちゃん硬すぎるYO!」

ユウ(……上官に言われた通り、唯の休暇になるかもな)

P「たくっ……ライブは明後日で今日の夕方には出発するんだぞ?気を引き締めてだな……」

ユウ(……いや、明後日だ。脅迫文にはライブを潰すと記されていたらしい……来るならライブ当日の可能性が高い)

ユウ(……何事も無ければそれに越した事はないんだがな)

そして、ライブ前日ドーム到着。

春香「プロデューサーさん!ドームですよドーム!」

P「春香はドームに来る度に言ってるな、それ」

春香「てへっ☆」

響「あざといぞ……うぅ、少し緊張してきた」

貴音「それはいけません。ここはらぁめんでも食べて一息……」

律子「そんな暇無いわよ。〆のレッスンに打ち合わせに予行にと予定はぎっしり」

ユウ(全員、良い顔をしている。若さとやる気が感じ取れる……千早も吹っ切れたか、先日の顔とは大違いだ)

千早(私は、いつも通りの歌をファンの皆さんに届ける……春香やみんなと一緒に)

真「一発目はボクと響のペアからだもんね、大事な一番」

響「さ、さらにプレッシャーが!うぅ、失敗したら空気が……」

雪歩「ダメだよ響ちゃん、失敗することを考えたら。もっと前向きに考えないと」

美希「ゆ、雪歩がポジティブなの、槍が降るの」

雪歩「ひ、ひどいっ!?」

春香「とにかく!みんな頑張るよー!」

一同「おー!」

ユウ「俺も応援している。護衛として、ファンとして」

亜美「お!ユウ兄ちゃんのエールですぞ真美隊員!」

真美「これは更に張り切らざるおえませんな!」

ユウ(……俺も精々頑張るとしよう)

ミスった( ;´Д`)

そして、停泊ホテルへ……

ユウ「プロデューサー。俺はどの部屋に泊まればいい」

P「あぁ、アイドル達を3グループにして、俺と律子とユウさんを一人づつ割り振ります」

P「ユウさんと一緒に寝るのは……」

ユウ(出来れば静かに寝たい)

P「亜美と真美と伊織とやよいですね」

ユウ(……なんで……年少組なんだ……)

真美「うわー!広ーい!」

真美「このベッドフカフカだよ!」

伊織「まぁ、悪くない部屋ね」

やよい「一人一泊3万円、もやしが744個買える……きゅ~……」パタン

伊織「やよいー!?」

ユウ「騒がしい……」

ユウ「明日ライブだろう…早く寝たほうが……」

亜美「はいはーい!千早お姉ちゃんのモノマネしまーす!」

亜美「……くっ」

伊織「似てるじゃない、評価に値するわ」

ユウ(伊織、お前までそっち側なのか)

ユウ「……早く寝ろ、お前達の寝不足が原因でライブが失敗するような事があれば……」

やよい「あぅ…ごめんなさい、友達と一緒に泊まってワイワイするのが楽しくて……」

真美「しょうがないよ、せっかく人生ゲームの準備したけど……片付けようか」

やよい「うん……」

ユウ「え、いや楽しむなと言った訳じゃ……」

亜美「うん、もっと遊びたかったけど、ちかたないね……」

伊織「まだ9時にもなってないけど、ユウさんが言うならね」

ユウ(こいつら……)

ユウ「……人生ゲーム一回だけだ。それが終わったら絶対に寝ろ」

真美「わっほーい!」

亜美「ユウ兄ちゃんも入って入って!赤い駒はもらったー!」

やよい「うっうー!私は黄色の駒ですー!」

ユウ(はぁ……軽く終わらせるか)

数十分後、


やよい「1、2、3、4……アガリです!」

伊織「おめでとう、やよい。次はユウさんね……」

ユウ「…………」カラカラ…

ユウ「5か……」

亜美「えっとなになに……職業が政治家なら汚職がバレて無職になって開拓地に行く…ユウ兄ちゃんの職業って」

ユウ「……政治家だ」

真美「あはははは!悲惨だ!悲惨過ぎる!」

伊織「……よし、私もゴールね。4番なのが悔しいところだけど」

亜美「ビリはユウ兄ちゃーん!おめでとー!」

やよい「ちょっと亜美、失礼だよ……」

ユウ「…………もう一回だ。勝つまでやってやる」

亜美「受けてたちましょー、掛かってこーい!」

一時間後……


やよい「すー……」

伊織「んっ……」

亜美「くか~……」

真美「すや~……」

ユウ「……やっと寝たか……」

ユウ(……結局、また俺は開拓地に行ってしまった)

ユウ(職業はやはりサラリーマンだな、安定している……医者、弁護士はなれたら幸運だと思った方がいいだろう)

ユウ(政治家とタレントはスキャンダルが怖い…発生したら開拓地に一直線だ)

ユウ(…………)

ユウ「いい歳した大人が真剣に何を考えているんだ……」ズーン

ユウ「……俺も寝るか」

……♪…………♪

ユウ「この、声は……?裏庭から聞こえてくるが…」

ユウ(用心に越したことはない…銃も携行している)

ユウ「……見に行くとしよう」

裏庭

千早「~♪~~♪」

ユウ「やはり千早か」

千早「っ!?あ、ユウさんでしたか……」

ユウ「驚かせてすまない。声が聞こえたんで様子を見に来たんだ。眠れないのか?」

千早「はい…少し緊張して」

千早「最高の歌を届けるって決心したんですが……失敗するんじゃないかって」

ユウ「……分かるな」

千早「え……?」

ユウ「俺も敵の拠点を叩く時、先に失敗するビジョンが頭に浮かぶ」

ユウ「最初こそ、自分一人で溜め込んだが……俺は仲間に頼ることにした」

千早「仲間、ですか」

ユウ「フィリップ、サマナ、モーリン……癖のある奴等だったが、何回も救われた」

ユウ「千早にもいるだろう?助けてくれる仲間が」

千早「……ありがとうらございます、ユウさん。絶対に、成功させます」

ユウ「あぁ……その意気だ。いい顔をしている」

翌日 倉庫

ユウ(コクピットは落ち着く。職業病だな)

ユウ(……ライブが始まる頃か。出来ることなら、この目で見て応援…)

高木「……ユウ君、ドームに向かって数機のMSが向かってる。……迎撃を頼んだよ」

ユウ「……任務了解。敵機を迎撃する」

ユウ(あぁ……そうだったな。俺には仕事がある。頑張れよ、765プロ)



ユウ「流石にジェガンと比べると重いか……仕方が無い」

ゴォォオォオ……

ユウ「ここがドームから20km地点、これ以上敵機が近付けばライブは中止……させるものか、絶対に」

ピコーン……

ユウ「……!敵機発見、これより迎撃する…!」

ユウ(ドライセンが四機。俺一人では辛いか……)

「ネモ……?まさか護衛機がいたのか、聞いてないな……」

ユウ「目的はなんだ。この先にお前たちの目標は無いと思うが?」

「……我らジオンは総帥の指揮の元、命を賭して地球の塵を粛清する為に戦った」

「……それがどうだ?何も変わろうとしない地球の人間たちはアイドルだのと偽りの笑顔を振りまく少し容姿が優れた人間に踊らされている」

ユウ「…………」

「消すべきだ、人類の先を見ようとせず、偶像の幸せに縋ろうとする者どもなど……」

ユウ「……お前達は」

「……ん?」

ユウ「お前達は、何を知っている。765プロの努力を、力を、意思を……!」

「甘ったるい言葉だ。連邦の兵士は貴様のように甘ったれなのか?」

ユウ「俺は連邦の兵士としてではなく!765プロのファンの一人として!お前達を倒す!」

バシュウゥゥゥッ!

「……真正面からか、無謀な攻めだ」

ユウ「うぉぉお!!」

「3番機4番機は援護!2番機は俺と来い!」

ゴゥ!シュンゥ!!

ユウ(囲まれたら終わる…先ずは一機……!)

ダダダダダダッ!

ユウ「ッ!!ぐぅ!」

「チッ、避けやがった。旧式のネモでよくやりやがる」

「ほう……認識を改めなければな。各機、本気で仕留めに掛かれ。手を抜けば噛み付かれる」

ユウ(くっ……強い。だが、堕とされる訳には……!)

バシュゥッ!バシィィイ!

ユウ「もらった!」

「おっとぉ!外れだ外れぇ!」

ユウ「チッ……流石に速い…っ!?」

「隙を見せたな!」

ザンッッ!

ユウ「ぐっ……!!」

「……仕留め損ねたか…だが、左腕を切り落とした。これで、貴様の勝ち目は限りなく低くなったな」

ユウ「はぁ……はぁ……まだ、終わらない」

「その強がりも、どこまで続くか見物だな!」

ユウ(冷静になれ……俺は、絶対に負けられない。765プロの意思を踏み躙られてたまるものか……!)

バシュウゥン!バシュウゥン!

カチッ、カチッ……

ユウ「何っ!弾切れだと……!」

ユウ(しまった……!残弾の確認を怠った……!)

「各機!手負いの獲物は絶好の隙を見せてくれた!一気に仕留める!」

「了解ッ!!」

ゴオォオォオ!!

ユウ「……ッ!!」

ユウ(皆……すまない。俺は……)

……ど……て……

ゆう
「ッ!隊長、何者かが通信を割り込んで音声を送っています」

血…流……たっ…

「……確かに。ノイズでほとんど聞こえないが声が聞こえる。それも、歌姫と言っても差し支えのない声だ」

……心…まま……

「……聞き惚れてしまいそうだ。ノイズに紛れてしまっていても、手負いとはいえ、敵機が目の前にいても

……ど……て……

ユウ「……!?」

「ッ!隊長、何者かが通信を割り込んで音声を送っています」

血…流……たっ…

「……確かに。ノイズでほとんど聞こえないが声が聞こえる。それも、歌姫と言っても差し支えのない声だ」

……心…まま……

「……聞き惚れてしまいそうだ。ノイズに紛れてしまっていても、手負いとはいえ、敵機が目の前にいても」

ユウ(俺は…何をしている。敵が止まっている、体制を立て直すチャンスだ。それだと、いうのに……)

ただ……羽ば……よ……

ユウ(この声が、俺を離さない……!)

蒼い鳥─────

ユウ(千早……!!)

ライブ会場

千早「もし幸せ───」

シン……

春香「千早ちゃん凄い……ファンの皆さんを釘付けにしてる」

伊織「真と響のダンスユニットで、少し前までは大歓声が響いていたのに……」

貴音「それに、この声……いつも以上に美しい…いえ、本質的な何かが違います」

雪歩「ち、違う……?」

貴音「私にも、分かりません。ですが……」

千早「未来を信じて──

貴音「目が、耳が、心が……あの歌声を捉えて離しません」

千早「あなたを忘れない───」

千早(ユウさん……貴方にこの声が聞こえているのでしょうか)

千早「でも…昨日には帰れない───」

千早(聞こえているなら……)

千早「窓から見る光る海より───」

千早(どうか、負けないで……!)

E…M……

ユウ「……?」

「隊長……敵機のメインカメラが……」

EX……タ…バイ

「赤く……発光している……?」

EXAMシステム スタンバイ

ユウ「………ッ!!」

ブシュッゥ!ゴォオォオォオ!!

「敵機が動き始めました!さ、先程とは比べ物にはならない動きです!」

「狼狽えるな!敵は手負いのネモだ!陣形を取り、隙を見つければ……!」

「ぐぁぁぁ!!じ、しにだくねぇ!」

ドガァァアァア!!

「な、何……!?」

(今の一瞬で、何が起こった……!あのネモが、何をした……!?)

「畜生!ぶっ殺してやる!」

「馬鹿野郎!無策に突っ込みやがって……俺が援護してやる……!」

ゴォオォオォオ!!ゴォオォオォオッ!

ユウ(何が、どうなっている……!)

ユウ(EXAMシステムは、あの戦いで消滅した筈……!それが、このネモに搭載されている筈が……!)

ユウ(もし……このEXAMシステムと千早が関係しているのなら……!)

ユウ「千早!君はEXAMじゃない!」

ヒュンッ!ザンッ!ブウッン!

「た、隊長ぉおおお!」

「畜生がぁぁあ!!」

ドガァァアァドガァァアァア!!

「…………」

ユウ「はぁ…………はぁ…………」

「……俺達は、貴様に負けていない」

ユウ「…………」

「……あの歌姫に負けた。さぁ、一思いにやれ」

ユウ「……投降する気は?」

「微塵も無い」

ユウ「…………」

ザンッ……

ドガァァアァア……!

ユウ「……終わった。任務、成功だ」

ピッ……

ユウ「こちらユウ。任務を完了した、今からそちらに帰投する」

ユウ(……ライブは、まだ続いているだろうか)

ユウ(身体も、精神も、極限まで疲労している。だが……)

ユウ(今は、彼女達が輝いている姿を見たい……)

ライブ会場

春香「みなさーん!もっともっと!盛り上がっていきましょー!!」

ワァァァアァァア!!

ユウ「…………」

ユウ(……素晴らしいな。もし、俺に守るべきモノが無かったら早々に諦めていたかもしれん)

ユウ「…………」

ユウ(……別れが名残惜しいな。来る前はアイドルに良いイメージは無かったが……容易く虜にされた)

ユウ「……ふっ、フィリップとサマナも誘って、今度は観客として見に来るか」



ライブは言うまでもなく大成功。

彼女達は戦争で沈んだ人類の心に、少なくとも笑顔と感動を与えた。

会場を襲おうとしたジオン残党、彼等は連邦ともジオンとも関係無いテロリストとして処分された。

彼等が独断が作戦を決行したのか、それとも捨て駒として切り捨てられたのか、それは分からない。

録音されていた筈の音声も、千早の歌声と共に消滅していた。

何故、千早の歌声が俺達に届いたのか。そして……何故、EXAMが起動したのか。

分からない事が多過ぎる。

帰還した瞬間にオーバーヒートを起こしたネモに、EXAMシステムは組み込まれておらず、特殊な部分も無かった。

正直、気味は悪くない。

アクシズを押し返したガンダムが放った光、それと似たオカルト的な力なのだろう。今更、驚きはしない。

とにかく、色んな事があったが俺は仕事を終えた。

そして……

空港

千早「ユウさん…ありがとうございました」

春香「ライブが無事に終わったのは、ユウさんのおかげですよ!」

ユウ「あぁ……俺は君達がこの事を知っていたということが驚きなんだが」

社長「はは……すまないね、彼女達に問い詰められてしまって。白状してしまった」

ユウ「……百歩譲って、それは理解出来る。だが、それを知った上でライブをしていたなんて……」

雪歩「ほ、本当はとても怖かったですぅ。でも……」

真「ユウさんを信じようって決めたんです、ボク達みんなで」

律子「私としてはアイドルの安全を優先したかったんですけどね。こうも信じきっていたら私も信じるしかありませんよ、あはは」

響「それぐらいでビビるようじゃ、何十万人という観客の前でライブなんて出来ないぞ、うん」

亜美「えー?一番ビビってたのひびきんじゃなかったー?」

真美「な、なんで皆そんなに冷静なんだー!って騒いでたよねー!」

響「うがー!それを言うなー!」

貴音「ふふ……涙目で縮こまっていた響は正に小動物でした」

響「た、貴音まで弄るの!?」

ユウ(最初は騒がしいと思ったが……悪くないと思えてきた)

ユウ「ふっ……俺はもう行く。君達も目立つ顔だ、流石にバレるだろう」

千早「……あの、ユウさん!」

ユウ「……?」

千早「また、来てくれませんか……?お礼だって、ちゃんと言いたいので……」

亜美「うんうん、ユウ兄ちゃんならいつでも大歓迎だよ!」

伊織「ま、事務所には誰かいるだろうし、いつ来ても大丈夫よ」

やよい「うっうー!賑やかな方が私は好きです!」

ユウ「……約束する。いつか必ず訪ねよう。…また会おう」スタスタ

春香「約束ですからねー!絶対に来てくださいね!」

ユウ「…………」ヒラヒラ

─────────
──────
───


「任務ご苦労だった。まさかMSが四機で襲いかかってくるとはな。もう、地球は懲り懲りだろう?」

ユウ「……いえ、休暇と合わせて地球に降りるつもりです」

「ん?何か地球でやりたいことでもあるのか?」

ユウ「……えぇ」

ユウ(次に会う時、彼女達は成長しているのだろうか)

ユウ(……いや、765プロならきっと成長しているだろう。千早の胸は変わらないだろうが)

ユウ(次に会うのが、楽しみだ)

おわり。

一番好きなのは春香さんです。春香さん可愛いよ春香さん。

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