怜「ウチらジオン国民こそ選ばれた民や!」 (67)

tesu

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怜「……セーラ、ちょっと500番取って」

セーラ「……ん、自分も後で使うから返せよ」

怜「……わかってる。あかんなぁ、今日中に仮り組み終わらんかも」

泉「あ、あのぅ先輩?」

セーラ「……」パキパキ

怜「……」カチャカチャ

泉「江口先輩!園城寺先輩ッ!!」

セーラ「おわっ!? 急にデカイ声出すなアホ!!」

泉「す、すいません」

セーラ[「見てわかるやろ? こっちは集中してるんや」

怜「泉、脅かさんといてぇな。 ほら、ゲート処理が雑になったやんかぁ」

泉「そら申し訳な… じゃなくってですね!」

竜華「…どうしたん? 廊下まで泉の声が聞こえてたで」

泉「あ、清水谷部長!? ええ所に来てくれましたわ」

ガンプラビルダー怜

竜華「もう自分は元部長やで。 で、そんなに騒いで何してたん?」

セーラ「ああ、人が折角集中してたのに泉が邪魔すんねん」

怜「そやで。部活中なのに、泉は騒々しいの全然直らんなぁ」

竜華「そうなん? あかんやん泉、これからは部を引っ張っていくんやからもっと落ち着きや」

泉「ちゃいますって! ほら、清水谷先輩も見ればわかりますわ…」

竜華「……何これ?」

怜「…見ればわかるやろ。ガンプラや」

セーラ「やっぱ部室は集中できるからなぁ。ガンプラ作るには最高やで」

竜華「あかんやん! そら泉が怒るのも当然や」

怜「皆の邪魔ならんよう静かにしてたからええやん」

セーラ「そやで。自分らはもう推薦決まってむっちゃ暇やし仕方ないやん」

泉「そんな訳わからん物は家で作ってくださいよ、全く…」

怜「……おぅコラ泉ィ、今何って言うた?」

セーラ「何が訳わからん物や? 自分、ガンプラ舐めたこと言うたらシバくぞ!」

泉「い、いや、別に自分はガンプラを馬鹿にした訳ちゃいますわ」

怜「じゃあどういう意味で言うたんや!」

泉「それはそのぉ、ザクなんてやられ役でカッコ悪いですやん」

怜「…ザ、ザクがやられ役でカッコ悪い?」ワナワナ

泉「ええ、それならガンダムとか作った方がまだええかなぁ、って…」

セーラ「何言うてん、むっちゃモノアイかっこええやん! なぁ竜華?」

竜華「…そ、そうやね(モノアイって何やろ?)」

怜「なら逆に聞くけど、泉はどんなのがカッコええ言うん?」

泉「そ、それはやっぱストライクフリーダムとかディスティニーみたいな…」

怜「……チッ、こいつ種厨やったんか。話にならん」

泉「あ、そういうの止めてくださいよ」

セーラ「ま、自分らに文句つけるんなら、せめてストライクフリーダムのPG組んでからにせぇ」

フナQ「…話は聞かせてもらったで」ガラッ

泉「あ、船久保先輩… じゃなくって船久保部長、ええとこに来てくれましたわ」


フナQ「ああ、これは泉が悪いですわ。すんません、先輩方。きっちり教育し直しておきますわ」

泉「何で自分が!?」

フナQ「…ところで先輩たちは部室で何してますん?」

怜「見ればわかるやろ? 普通にガンプラ作ってるだけや」

フナQ「はぁ、HGUCのF2ザクですか? ええキットですし別に構いませんわ…」

竜華「構わんの!?」

セーラ「お、流石フナQ! 実は結構イケる口か?」

フナQ「いや、自分は聞いてるのはそんなことじゃなくってですね…」

フナQ「なんで神聖な部室で連邦版でもない薄汚いジオンのF2なんて作ってるのか?ちゅうことですわ…」

怜「ちょい待ちいや、フナQ…… いま、『薄汚いジオン』って言うたよなぁ?」

竜華「怜…? アンタ、どないしたん?」

ネオナチだった怜を思い出す

フナQ「え? 宇宙移民の解放、言うて同胞をガスで殺してコロニーを落とした薄汚いジオンが何か?」

怜「……そっか、前々から気になっていたんや」

フナQ「何がですか? この際ですしはっきり言うてください」

怜「ああ… フナQ、アンタから連邦のくっさい狗の臭いがするなぁって…」

フナQ「園城寺先輩… 自分も薄々は気づいてましたが、やっぱりジオニストやったんですね……」

怜「そうやって地球の重力に魂を引かれた者たちのエゴが宇宙難民を生み出したちゅうのにアンタらは…」

フナQ「何言うてるんですか? そもそも一年戦争は宇宙移民者の私利私欲から始まったんとちゃいますか?」

セーラ「一年戦争ちゃう!ジオン独立戦争や!! ザビ家の暴走も元はと言えばお前らが追い詰めたからやろ!?」

竜華「…ええっと、アンタらプラモデルの話してたんちゃうの?」

セーラは兄がネオジオン総帥だからな

フナQ「ハッ、人類の未来を憂いる言葉を口にしても実際にジオンの連中が何をしたか忘れたとは言わせませんよ?」

怜「それは地球の連中が自分らの要求に耳を貸さんからやろ?」

フナQ「ほー、ジオンは自分らの要求が通らんかったからコロニー落とすんですか?」

怜「そういう姿勢が宇宙棄民者を生み出したのんやろ! 悪いのはアンタらや!!」

セーラ「そやな、デラーズ閣下も言うとったで。ジオン公国が要求していたのはただの自治権確立やで」

フナQ「ギレンザビの亡霊が何を言うとるんや。それでアンタらは何人殺した?やっとることはただのテロで虐殺や!」

怜「何を言うとるんや、地球を一番汚染させとるんは無能な連邦共やろ? そんな奴らは粛清すればええんや!!」

フナQ「上等や! 園城寺怜、その危険過ぎる考え改めさせたる!」

怜「吐いた唾飲まんとけや、船久保浩子! 崇高なジオンの栄光、貴様如きに汚させんわ!」

フナQ「よぉ言いましたわ… 元はガンプラから始まった話や、ここはガンプラで決着つけましょうか?」

セーラ「一向に構わんで… それなら一週間後、ここで勝負したるわ」

フナQ「そこの宇宙人共、纏めて淘汰したりますわ。精々首でも洗っておいてくださいな…」

怜「待ちや… アンタ、好き勝手言ってるけどまさか泉と組んで自分とセーラに挑む気か?」

泉「え、えっ?私も参加するんですか!?」

フナQ「……いや、アンタらシバくには泉じゃ役が足りんですわ」

泉「うぅ、勝手に入れられて駄目出しされてる…」

竜華「ええやん、あんなアホなことに巻き込まれんで済んだんやから」


セーラ「そうか。 なら我々は戦力不足なのでタイマンでお願いしますって土下座でもするか?」ニヤニヤ

フナQ「御心配には及びませんわ… こっちは知り合いにええBFが二人おりますんで纏めて地獄見せたりますわ」ニヤリ

怜「…ちゅうことは3対3のガンプラファイトやな。 まぁどんな助っ人呼んでこようとウチらには敵わんけどな」

フナQ「ハッ!宇宙人如きに連邦が敗れるなんて万が一も有り得ませんわ」

セーラ「ほぅ、そこまでデカい口叩いたんや、負けた時は覚悟しときや」

怜「そやね、じゃあ勝利の暁にはこの麻雀部をジオンガンプラ部として頂くで」

フナQ「構いませんわ。じゃあ自分らが勝った時には何をしてくれますん?」

こいつら楽しそうだな


怜「そうやなぁ… なら竜華を好きにしていいで。扱いも南極条約を無視しても構わんわ」

フナQ「ほぅ、元部長をジオン思想に染まった敗北者として晒すのもアリかもしれませんわ」ジュルリ

竜華「ちょ、なんで関係ないウチまで巻き込むの!?」ビクゥ

セーラ「冷たいなぁ竜華、ウチら中学からのジオン独立戦争の同士やろ?」

竜華「そんなん一度も聞いたことないわ!!」

怜「そんな重圧感じなくてもええで、素人の竜華はハンデみたいなもんやし

竜華「いや、そういうこと言うてるんちゃうし…」

怜「「まぁ安心しいや、我等ジオンが腐れ連邦共に負ける訳ないからな」

竜華「もぅ、そういう問題ちゃうわ、アホッ!!」

デスティニーの良さがわからんとは…これだからジオニストは。

種はまだしも種死はちょっと・・・

き…機体(デスティニー)はかっこいいから…

作品はあれだけど。

ユニバァァァァァス

~そして一週間後~


恒子『と、言う訳で始まりました千里山、連邦VSジオンのガンプラファイト!!』

健夜『えっ、なんで私たちこんな事をしてるの? ってガンプラファイトって何!?』

恒子『おっと会場が騒然とする中、まずは園城寺怜総帥率いる千里山ジオン軍の入場だァッッ!!』

健夜『ちょっとこーこちゃん、人の話をちゃんと聞いてってば!』

恒子『MS格闘戦はすでにMS-07Bが完成している!! 江口セーラ、1/100MGグフだァ――――!!!』

健夜『ますたぁぐれえど? ねぇこーこちゃん、私そういうの全然わからないんだけど…』

恒子『可愛さなら絶対負けん!! オリジナルMSのGF見せたる、HGベアアッガイIII・清水谷竜華だ!!!』

健夜『あ、なんか清水谷さんのはさっきのとは随分と雰囲気が違って可愛らしいね』

恒子『通院はどーしたッ 雀士の炎 未だ消えずッ!! 使用モデルは一切不明!!!園城寺怜だ!!!』

健夜『園城寺さんは試合開始まで使用モデルは秘密との事ですが何か凄く大きい物みたいですね』

セーラ「おぅ怜、間に合ったみたいやな」

怜「折角ド腐れ連邦を叩きのめすええ機会やからなぁ」

セーラ「…ほんで例のも間に合ったんか?」ボソッ

怜「バッチシや。 ま、気合入れて組んできたけど使う機会はないやろな」ボソッ

竜華「…ねぇ、何でこんな大がかりな話になってんの? 小鍛治プロとか来てるし…」

セーラ「細かいこと気にすんなや。お客さん入った方が燃えるやろ?」

怜「って言うか竜華のそれは何なん? アッガイにした聞いてたけど普通のちゃうやん…」

竜華「可愛いやろ? けっこう気に入ってるんやで」

怜「名機アッガイ汚されてるだけや…」

竜華「けどこれ、怜の言うたジオンのやってプラモ屋のおっちゃんに教えてもらったんやで」

セーラ「まぁええやろ、素人なんやし今日までにちゃんと組んだの褒めてやらんと」

怜「しゃあないなぁ。竜華はこれが終わったら一から教えんと…」

竜華「ウチは受験生なんやからこんなん遊んでる暇ないわ! …あ、フナQたち来たで」


恒子『さて続いて入場してきたのは船久保新部長の連邦千里山だァッ!!』

健夜『えっと手元の資料によりますと船久保選手はこの日の為に二人ゲストを呼んだそうですね』

怜「ちょ、あの水色と白のツートンカラーのジェガンってまさかあの!?」

セーラ「おいおい、フナQのやつ洒落にならんの呼んできたんか!?」

恒子『そう、ガンプラネットバトル“奇跡のエース”“無傷の撃墜王”で御存知のトモキ・シゴトアルネンだ!!!』

智紀「…よろしく」

恒子『ネット上ではフィンランド国籍でプレーしているが、その正体は龍門渕高校2年生の沢村智紀さんだそうです』

セーラ「う、嘘やろ、まさかあの化け物が日本人やったなんて…」カタカタ

竜華「むっちゃビビってるけど、あの人そんな凄い人なん?」

フナQ「ええ、沢村さんむっちゃ強いですよ。なにせGFでシールドを一度も使ったことないそうですから」

怜「ハ、ハッタリや… そや、適当な知り合いを有名ファイターだとでっち上げてるだけや!」カタカタ

フナQ「残念でしたね、先輩~ 沢村さんは正真正銘のトモキ・シゴトアルネンですわ」

智紀「…うん」コクコク

セーラ「フナQ、本物のガンプラファイター呼ぶなんて大人気ないんちゃうか?」

フナQ「いやぁ~、たまたま同人仲間に声かけたら有名人だっただけですし」

フナQ「…それに、誰でも呼んで来い言うたんはお二人でしたよねぇ?」

怜「ぐぬぬ…」

フナQ「ま、沢村さんたちには面倒かけんよう、自分だけで始末したりますから安心してくださいなww」


健夜『船久保選手は何やらジオンチームを挑発をしているようですね』

恒子『ジオン応援席から怒涛のブーイングも涼しい顔で更に挑発を続け、会場はヒートアップしています!』

健夜『怒号が響く中、審判に両者引き離されましたけどああいう態度はあまり宜しくない気がします』

恒子『紹介が遅くなりましたが、船久保選手の使用する機体は1/100MGガンダム ver.kaだそうです』

智紀「…無駄に熱くさせるのは無意味」

フナQ「ちょっと悪ふざけ過ぎましたわ。 まぁ、次の人の登場で会場は更に騒ぐんでしょうけどね』

智紀「…多分そうなる」

恒子『さぁ、そして連邦千里山、最後の一人は… えっ、この子って!?』

怜「あれは…、チャンピオンの妹…!? 宮永…咲……!?」

恒子『おおっと連邦千里山の刺客、最後の一人はこの夏のIHで大活躍した宮永咲だァッッ!!!』

咲「ガンプラって楽しいよね、いっしょに楽しもうよ……」ゴッ

健夜『宮永さんがガンプラも得意なんて話、私は初めて知りましたけど…』

恒子『私も恥ずかしながら初めて知りましたが、資料によりますとかなりのGFだとか』

健夜『GF界隈では通称“サキさん”の通り名がある程の有名プレーヤー、と資料にはありますね』

恒子『これはとんでもない豪華布陣だぞ連邦千里山ッ!! 千里山ジオン軍、一体どう立ち向かうのでしょうか!?』

健夜『なお、宮永さんの使用するモデルは1/100MGユニコーンガンダムだそうです』

つよい(確信)

怜「…あ、あのユニコーン持ってきといていっしょに楽しもうなんて大したタマやな」

セーラ「やっぱりアレって本物の“清澄の白い悪魔”なんやろか…」

咲「うん、そうだよ。私がジオンだけを塵一つ残さず[ピーーー]ユニコーン使いだよッ!」ニコッ

竜華「な、なんか麻雀の時とだいぶ雰囲気ちゃうでこの子…」

咲「今日は二度とガンプラに触れたくなくなるまで叩き潰してあげるから存分に楽しもうね!」キュフフ

怜「セーラ、ビビったらアカンで…  こんなとこでウチらが負けたらギレン総帥に顔向けでけへん!」

セーラ「でもな怜、あの超有名GF二人もいるんやで? 分が悪すぎや…」

怜「確かに戦局は厳しいけどこれは戦争や。どんな手を使っても勝てばええんや、勝てば…」

セーラ「…怜、まさか例のアレをやるつもりか?」

怜「……念のために用意した甲斐があったで。まぁウチに任せや」ニヤリ


怜「なぁなぁ竜華、ちょっと頼みあんねん」

竜華「何や怜、もうちょっとしたら試合始まるで」

怜「あのな、いま聞いた話なんやけど… この勝負に負けたら竜華だけでなくウチも罰ゲーム受けなアカンみたいなんよ」

竜華「嫌やわぁ、そもそもこの話ってウチ関係ないやん…」

怜「まぁ言葉の弾みちゅうか勢いで言ってもうて、正直竜華には悪い思うとるよ…」

怜「…そんでな、その罰ゲームの内容なんやけどあの助っ人たちってフナQの同人誌仲間らしいんやけど」

竜華「ああ、あの人たちもエロエロな漫画描いたりしとるんや」

怜「……竜華とウチ二人ですっぽんぽんにさせて、それをポスターにする言うてるらしいんや」

竜華「ちょ! そんなん嫌に決まってるやろ、今すぐ仲直りしてこんなアホなこと止めようや!!」

あのポスターはエロい

怜「いや、フナQはウチら全裸にして『これがホンマのフルフロンタルや!』って晒す気満々やから聞く耳もたんって…」

竜華「もぅ、アンタらの言うてること全然意味わからんわぁ…」

怜「だからもう手遅れやって… まぁ、言いだしっぺのウチが晒し者になるのはまだ構わんわ」

竜華「そんなん、ちゃんと謝れば許してくれるって。な? ウチも一緒に謝ったるから意地張らんと」

怜「もうええって… でもウチはともかく、竜華の裸を他のもんに見られるのは正直キツいわぁ…」グスッ

竜華「怜……」キュン

怜「だからな、この勝負絶対負ける訳にはいかんやろ? で、ウチのプラモをもうちょい調整したいんや」

竜華「そうは言うても試合はもう始まるんやで? そんな時間、もうあらへんやろ」

怜「いや、もうちょちちょいのちょいで済むからそんなに時間は要らへん」

怜「で、竜華に頼みたいことはな……」ゴニョゴニョ


竜華「待ってぇな! そんなん無理に決まってるやろ?」

怜「大丈夫やって! 審判やって只の男やし、竜華のムチムチボディに気を惹かれんモンなんている訳ないやろ」

竜華「嫌や! そんな恥ずかしいこと出来る訳ないやろ!!」

怜「…なら竜華はウチらが恥ずかしい目にあってもええちゅうの?」

竜華「それも嫌やけど、そんなんウチやりたくないわぁ…」

怜「なら竜華にはこの戦いに勝ったなら、ウチが全身全霊を賭けて愛したるで……」ボソッ

竜華「!?」

怜「……チュウより先もさせたる。ずっとしたかったんやろ? ウチの身体、竜華が好きにしてええんよ」ムニュッ

竜華「……ウチに任せや」キリッ

怜(ククク…… チョロいでぇ、竜華ぁ……)ニタァ


竜華「あ、あのぅ… 審判の人、ちょっとお願いがあるんですけどぉ……」///

審判「ん、君はジオンチームの清水谷選手? もうすぐ試合が始まるから席に着い……!?」

竜華「な、なんかぁこの会場むっちゃ暑くってぇ… ちょっと空調の調整をしてくれへんですかぁ?」チラッ

審判「ッッ!?(な、なんというおもちッ!?)」

竜華「でもぉ、寒くなりすぎても困るんで一緒に調整くれません?」ムニュ

審判「は、はい。じ、じゃあご一緒に見に行きましょうかッ!?」///

竜華「わぁ、御親切にありがとうございますぅ(これでええんか、怜?)」チラッ

怜「……(上出来や竜華!)」スッ


咲「何だか試合始まるの遅いね」

フナQ「……ん、清水谷先輩なにしてるんやろ?」

智紀「…ああ、あっちの席が暑いから審判に空調調整をさせてたって」

咲「ふぅん。別にこっちの方は全然暑くないんだけどね」

智紀「…そんなことより園城寺怜の使用モデルが気になる」

フナQ「ああ、もう始まるから発表したんか。園城寺先輩は、っと…」

咲「……HGUCシナンジュ? おかしいね、会場に搬送してきた時は最低でもMGの大きさだったよね」

智紀「…うん、かなり大きいモデルだった気がする」

フナQ「……(ウチらの布陣を見て急遽機体を代えたんか? 何か引っかかるな)」

恒子『皆さんお待たせしました。ただいま会場で空調調整を行っていましたが、それも終わり間もなく試合開始の様です』

健夜『私はこういうの全然わからないんですけど、見ていて何だか緊張してきました』

恒子『さぁ、ここで試合開始のホイッスルが吹かれましたッ! 果たして勝つのは連邦かジオンかッ!?』

健夜『各機体の特性が活きる様に複数のエリアで構成している、とありますが… ここは砂漠のようですね』

恒子『お、あの白い機体は船久保選手のガンダムでしょうか? やっぱり連邦と言えばRX78ですよね、小鍛治プロ?』

健夜『え、えっ? あーるえっくすななじゅうはち?? ごめん、わたし本当に知らないから振らないで!』

恒子『またまた~ あ、試合前の船久保選手の談話が入りましたが今回はver3.0のフレームをベースにしたそうです』

健夜『へぇ、バージョン3ってそんなに同じのが何個も出てるんだ』

恒子『はい。そこから徹底改修して自分の理想とするセンチ版ガンダムに仕上がったと自信溢れるコメントを頂いています』


フナQ「砂漠ちゅうことはこのフィールドにおんのはセーラやろ? 早よ出て来ぃや!」ザシュ

セーラ「……御名答や。でも少々迂闊やったんとちゃうか?」スッ

フナQ「…ウチの何が迂闊なのかさっぱりわかりませんわぁ」

セーラ「このグフの得意フィールドにわざわざ出張ってきて、生きて帰れると思わんことやなッ!」ビシュ

フナQ「ハッ、相手の得意とする場所で叩き潰して屈服させな意味ないですやん」ススッ

セーラ「チッ、大きな口叩くだけあってええ動きするやん」

フナQ「そら変形機構をオミットして可動域優先しましたから当然ですわ… その首貰うでッ!!」

セーラ「荒いッ!!」

フナQ「アホな! グフがあの体勢から屈んで避けたやと!?」

セーラ「こっちとらザクver2.0ベースやで。可動域に問題あるグフver2.0の弱点なんてとっくに修正してるわ」


フナQ「なかなかやりますやん… けど所詮はグフ、どんなに弄ってもガンダムの敵やない!!」ガシィ

セーラ「シャアも言うとったやろ? 機体性能の差が戦力の決定的な差ちゃうって!!」ガシィ

フナQ「こっちはガンダム。常に最新の技術を投入されてるモデルなんや!負ける訳ないッ!!」

セーラ「新しい技術だから強い訳ちゃうで! 見せたる、ウチのプラモスピリッツを!!」

フナQ「ヒードロッド程度で足止め出来るとでも… 何ッ、ガンダムシールドが抉られた??」

セーラ「甘いでフナQ、ウチのヒードロッドは糸ハンダを巻いた特別製やッ!!」

フナQ「なッ、そんな古臭い改造が何でこんなパワーを!?」

セーラ「だから言うたやろ、ガンプラファイトは性能や技術だけで決まる勝負ちゃう!大事なんは気持ちや!!」

フナQ「利いた風な口をッ! 連邦の象徴であるこのガンダム、そう易々と負けr… あらっ?」ズルッ

セーラ「貰ったァッッ!!」ズサッ

フナQ「こ、こんな肝心な時に足が滑るなん…て…… ついて…へんなぁ……」ギュゴゴゴ

セーラ「……運、不運ちゃうでフナQ。これは自分の過信が招いた負けや」

フナQ「……不運ちゃう、と?」ピゴゴゴ

セーラ「……そうや、そんなカトキスリッパ履いて砂漠に来た時点でオマエは負けてたんや」

フナQ「そ、そうでしたか… ま、正直調子のり過ぎました…わ……」ドカーン

恒子『これは大番狂わせ、なんと最初の脱落者は連邦千里山キャプテン・船久保選手だァ~!!』

健夜『戦前は連邦チームの圧勝と予想されていただけに意外な展開ですね』


智紀「…浩子の反応が消えたのは確かこの辺り。…ッ!?」サッ

セーラ「チッ、貰ったと思ったんやけどな。さすが無傷の撃墜王はん、ええ反応しますわ」スッ

智紀「…まさか浩子が貴女程度に負けるなんて正直意外」

セーラ「まぁ、フナQは調子こいてたからな。…でも、それはアンタも同じちゃうか?」

智紀「…どうして? 言っている意味がわからない」

セーラ「ジェガン程度でこのグフがホームとする砂漠に来るなんて舐めすぎ言うてんのやッ!!」バシュン

智紀「…別に舐めている訳じゃない」ササッ

セーラ「あの間合いで外した? なんちゅう反応や…」


智紀「…私は全ての攻撃を仕掛けてくる前に予知できる」

セーラ「笑えん冗談やな。そんな怜みたいな芸当、こんな展開の速いガンプラファイトで出来る訳ないやろ!!」バシュン

智紀「…なら試せばいい。自慢じゃないけど私はGFで一度もシールドを使ったことがない」スッ

セーラ「だからシールドを最初っから持ってないちゅうことか!大した自信やなッ!!」ビュン

智紀「…なるほど、糸ハンダで武器を強化していたとは面白い工夫」ススッ

セーラ「この距離のヒードロッドもかわした!? おいおい、嘘やろ……」

智紀「…これで貴女も理解できたと思う。じゃあそろそろ決着を着ける」ゴゴゴ

セーラ「う、うっさいわ、アホ! そんなこと信じられるかァッッ!!」


キュピィーン (ニュータイプ的な例のSE)


怜「……セーラ?」

竜華「怜、どないしたん?」

怜「…今、セーラがやられた感じがした。多分セーラを落とした奴はコッチに向ってる」

竜華「セーラが? ど、どないしよう怜!?」

怜「竜華はその辺りの岩陰にでも隠れておき。次の標的は恐らくウチのはず…」

竜華「隠れてろ言われてもウチかて一応は参加者やし、少しでも怜の役に立ちたいだけどなぁ」

怜「気持ちは有り難いけど、そんなつなぎ目も消してへんズブの素人がどうこうできる相手ちゃうしなぁ…」

怜(まぁ、一応はアッガイやから水中戦ならワンチャンあったかもしれへんけどここは宇宙やし… ん、この重圧は!?)

怜「チィッ、竜華はよ逃げや。敵さんそろそろ来るでッ!!」

竜華「う、うん。怜も無茶したらアカンで!!」ササツ


怜「水色と白の専用カラージェガン… アンタか、セーラをやったのはッ!?」ビシュン

智紀「…ヒョイッと。 うん、あのグフのプレーヤーを倒したのは私」

怜「セーラはええ奴やったのにッ! それをアンタは、許さへんで!!」ビシュン

智紀「…そんなこと言われても困る。ガンプラファイトは恨みっこなしがマナー」スッ

怜「そうやって連邦の連中はいつも上辺だけ綺麗な言葉を並べるから嫌いなんや!!」ブォン

智紀「…別に私は連邦だジオンだ、特に拘っていない」スッ

怜「拘りがないのなら、どうしてアンタは連邦側についてんのやッ!?」ブォン

智紀「…浩子に頼まれた、ただそれだけ。 気が済んだのならそろそろ落とす」ドォン

竜華「怜ィッ!?」

怜「チィィ、足に直撃受けてもうた! つか何ちゅう回避能力や、こんなんジェガンの動きちゃうやろ!?」


智紀「…ん、そんな所にもう一人いたんだ。手間が省けてちょうどいい」

怜「……あと一人残ってるってのにもう奥の手使わなアカンとはな。 …竜華、聞こえてるか?」

竜華「怜、無事やったんか!?」

怜「おかげさんで… ま、このままやとウチら二人ともアイツにやられるのも時間の問題や…」

竜華「勝負は最後まで諦めたらアカン! そんな弱気じゃ勝てるもんも勝てへんでッ!!」

怜「ええ気合や、それでこそジオン軍人や… あのな、ウチ最後に一つだけやりたい事あるんだけど…」

竜華「…まだ何かあるん? ウチはええで、それで怜が満足するならそれに賭けたるッ!」

怜「おおきにな、竜華… でな、むっちゃキツいと思うんやけどアイツをちょっと足止めしてくれへんか?」

竜華「……ええで。でも、ウチじゃ何時まで持ちこたえられるか分からんから早よしなアカンよ」

怜「……済まんなぁ、愛してるで竜華。 ほな、頼むで」ドシュゥ

竜華「怜、いま愛してるって……」


智紀「…あ、シナンジュが逃げた」

竜華「どこ見てるんや! アンタの相手はウチがしたる!!」

智紀「…どこからどう見ても初心者。相手にならない」

竜華「窮鼠猫を噛むって言うやろ? 素人だからって甘くみたら大怪我するでッ!!」

智紀「…見くびってるわけじゃない。これは客観的な事実」

竜華「何を舐めたことを! ウチと怜の裸がかかっているんや、ただでは負けへんでッッ!!」

智紀「……何それ?」

竜華「何をしらばっくれてるんや! …そ、そのぉアンタらは」///

智紀「…どうしたの、口ごもって?」

竜華「ま、負けたらウチらをアンタらのエッチなポスターにするんやろ!!」

智紀「…え? そんな話、聞いてない」キョトン


竜華「……それ、ホンマ?」

智紀「…そんなこと嘘吐く意味なんてない」

竜華「…じゃあ怜が言ってたことって何なん?」

ザザッ

怜「フフフ… 竜華、聞こえていたら自分の生まれの不幸を呪うんやな」

竜華「と、怜!? 不幸ってどういうことや??」

怜「そう、不幸や… 確かに竜華はええ友人やったけどウチはジオンの大義に生きる身」

竜華「……ゆ・う・じ・ん?」

怜「そや、ジオンの栄光のためなら竜華の一人や二人惜しくはないわッ!!」クワッ

竜華「」

智紀「…うわぁ、酷い仲間」

怜「まぁ、役に立ってくれたのは感謝してるで。 じゃ、ジオン軍人らしく最後の瞬間まで奮戦してな~ ジークジオン」

サザッ


智紀「……ええっとその、あんまり気落ちしないで」

竜華「な… 何がジオンや!何がガンプラやッ!! あのアホ怜ィッッ!!」

智紀「!?」ビクッ

竜華「ええ齢した女の子がアホちゃうか!? デートもすっぽかしていっつもガンダム、ガンダムって最低や!!」

智紀「…まぁ、気持ちは分かるから落ち着いて」

竜華「何が分かるんや、アンタだって怜と同類や! もう今度と言う今度は許さへんでぇ…」

智紀「…私も同類?」

竜華「ああ、もぅこんなんやってられへんわ! ほら、アンタもボサボサしとらんで早よ撃ちや!!」

智紀「……そう開き直られると何だかやり難い」

なかなかおもろいやん


怜「…竜華の識別信号が消えた。やっぱ連邦は血も涙もない連中やなぁ」

怜「セーラ、竜華… 今のウチはアンタらの尊い犠牲の上に立ってる。ホンマ、これで良かったんやろか?」

智紀「…ベアアッガイの人は尊い犠牲ってよりも貴女が見捨てた」

怜「あら、思ったよりお早いお着きやね。まぁ物の見方は色々あるってことで」

智紀「…軽っ。まぁ。私にはその辺は興味がない。この勝負も既に決着が見えているし早く終わらせる」

怜「…それはどうかな。さっきの戦いでアンタの回避能力のカラクリ、ウチにはわかったで」

智紀「…別に隠している訳じゃない。私は未来予知ができる、って説明しても誰も信じないだけ」

怜「いや、同じ様なことできるから信じるで。 …まぁ、ウチの場合はGFじゃなくって麻雀やけどな」

智紀「…へぇ、千里山の園城寺怜は数巡先を知ってる様な打ち方をするって話は本当だったんだ」


怜「そやで。 …でな、ウチと似た能力ならやり様もあるって思いついた訳や」

智紀「…無理ダナ。そんな半壊したシナンジュじゃ何もできない」

怜「…ウチはシナンジュで参戦したなんて一言も言ってないでッ!! 来いッ、ネオジオングッッ!!」ゴゴゴゴゴ

智紀「…ッ!? そんな、データ上では確かにシナンジュだったのどうして?」

怜「ハッ、こっちはシナンジュ部分も含めたフルスクラッチやから機械が故障したんとちゃうかッ!?」ビシュビシュ

智紀「…チッ、何て鋭い攻撃。でもこのぐらいなら何とか避けきれる」サッサッサッ

怜「何ちゅう回避運動や。ホンマもんのニュータイプみたいやな、ククク…」

智紀(おかしい… 試合前にセットして審判も確認した時点では間違いなくシナンジュだったはず)


怜「ほらほら一発当たっただけでHGUCジェガンの薄い装甲じゃお陀仏やでぇ!!怯えッ、竦めやッ!!」

智紀(変形だったらまだしも、あんな大型ユニットを一体どこから…)

怜「チィッ、ちょこまかと避けてからにッ! ならコイツはどうする?行けファンネルッッ!!」

智紀「…クッ、最初からファンネルを装備してると分かっていたら……」


キュピィーン (ニュータイプ的な例のSE)


智紀「…これは!?」

怜「……そや、奇跡のエースはん。未来を予測して回避してるんやろ?」

怜「なら、全方位から同時に撃って回避できる空間を潰せばええだけの話や」ニヤッ

智紀「ッッ……」

怜「どうや! これがジオン脅威のメカニズム・魔改造の威力やでッ!!」ドォォン


恒子『なんとォ! あの“無傷の撃墜王”トモキ・シゴトアルネンこと沢村選手、まさかの脱落ゥ!!』

健夜『で、でも園城寺さんの機体って最初はもっと小っちゃかったのにこれってどういうことなの?』

恒子『ああっと、連邦千里山の船久保主将が審判に猛抗議をしていますね~』

健夜『ああ、どうやらジオンチームの使用モデルに不正があるんじゃないかと訴えているようですね』

恒子『気持ちはわかりますが、ガンプラファイト国際条約 第14条があるので試合は続行します!』

健夜『えっ、国際条約? ねぇこーこちゃん、そのガンプラファイト国際条約 第14条って何?』

恒子『ええ、第14条とは一旦試合が開始された後は事故等の不測の事態が起きない限りゲームを続行する。と定めていますね』

健夜『なるほど、中断できないからこそ試合開始前にあんな厳密な審査をしているんですね。少し理解できました』


智紀「…浩子、落ち着いて。まだ不正していると決まった訳じゃないし」

フナQ「いや、でもあんなん有り得る訳ないでしょ!? あのネオジオングのユニットはどっから出て来たん??」

智紀「…正直私も腑に落ちない。でも、まだ私たちには彼女が残っている」

フナQ「……宮永さんかぁ。あの子、確かに強いんやけど方向オンチやから今の状況分かってないやろ」

智紀「…うん、まだ違うエリアで相手を探している。それにあの性格も少し不安」

フナQ「ああ、宮永さんGFになると性格変わるからなぁ… それに相手があの園城寺先輩なのも厄介やわぁ…」

智紀「…あの人は凄い。平気で仲間を見捨てていた」

フナQ「清水谷先輩もえらい難儀やったね… ま、あの人の勝負への拘りもあそこまで行けば尊敬しますわ」

清々しいクズっぷりでしたね


怜「ふぅ、しんどい相手やったで… で、残ってるのはチャンピオンの妹さんだけか」

怜「…ずいぶん離れたとこにおんなぁ。あの子、確かユニコーンやったからファンネル使えんしこっちから仕掛けるか?」

怜「って言うてもこのネオジオングじゃ奇襲に向かへんし、どないしよう…」

怜「…あっちは捕捉しとらんようやし、適当な位置にコイツを隠してシナンジュで誘い込む」

怜「ほんで一気にネオジオングの火力で殲滅。 …よっしゃウチの体力も限界近ししそれで行こか」

~別エリア~

咲「…うぅ、ここどこ? 船久保さんも沢村さんもいなくなっちゃうしどうしよう」

咲「あれっ、識別反応? 確かこれジオンのだよね。推進剤だいぶ減らしちゃったから逃がさないようにしないと」


怜「…よっしゃ、引っかかってくれたで。とりあえずはシナンジュでお出迎えや!」ビシュ

咲「……ッ!?」スッ

怜「ええ反応や。さすがはチャンピオンの妹さん、ガンプラファイトの方も得意のようやね」

咲「貴女は確かジオンの園城寺…さん…? 良かった、やっと敵と遭遇できたよ!」

怜「それは何よりや。そや、戦う前に聞いておきたいんやけど、何でアンタは腐った連邦に与してるんや?」

咲「…何で? う~ん、私は特にジオンとか連邦とかには興味ないです」

怜「何や、アンタもあのジェガンのお姉ちゃんと一緒でフナQに誘われたから戦ってるんか」

咲「…ううん、私は誘われただけが理由じゃない。ガンプラファイトをしたいから参加しました」

なんかの雰囲気のスレタイかと思ったら ナチトキ思い出したわ


怜「そっか、じゃあ純粋にガンプラファイトしたかったからってことか?」

咲「…そうですね。私、一生懸命足掻く人たちを踏み躙るのが好きなんです」ニコッ

怜「へっ!?」

咲「どうやっても勝機がないのに無駄な抵抗してた人が最後には絶望する時の顔って素敵ですよね!」

怜「アンタ… ええ、性格してんなぁ」ゾクッ

咲「ほんと、GFは楽しいですよね。 …だから園城寺さんもこの可能性の一角獣を満足させてくださいね!」ニタァ

怜「噂以上にヤバいやん… “清澄の白い悪魔”の異名は伊達ちゃうちゅうことかッ!!」ビシュ


咲「…何ですその攻撃? ちゃんと狙ってくださいよ」スッ

怜(余裕で見切ってくれるなぁ… あのジェガンのお姉ちゃんは気配を感じさせん恐さがあった)

怜(けど、この子は逆で重圧の塊… それもむっちゃ禍々しい重圧や……)

咲「ほらぁ、早く逃げないと撃墜しちゃいますよ? どうしたんですかァ!?」バシュン

怜(チッ、右腕持ってかれたか… まぁ、真正面から挑んでどうこうできる相手ちゃうのは最初っから分かってたし…)

咲「何です? 誇り高いジオンのガンプラファイターさんはそんな見苦しく逃げ回ることしかできないんですか?」クスクス

怜(……ま、噂通りの性格してくれてて有り難いわ。 舐めプしてくれんとこっちの策が無駄になってまうからな)

怜(ほな、始めましょか! まずは目くらましや)ポワンポワン

咲「ダミーバルーン? こんな物、全部壊しちゃえばどうってことないですし」パンパン

怜(よっしゃ、引っかかったで! …プラフスキー粒子撒いておいて正解やったな。ほなこの隙に行かせてもらうで)


咲「…壊したの全部ダミーだったよ。 園城寺さんどこに逃げちゃったのかなぁ。また探すの大変だよ…」

ザッ ザザザ

怜『そこの白い角つき! ジオン軍人は逃げも隠れもせぇへんわ、アホ!』

咲「通信…?」

怜『そこのずっと奥にウチはいるから早よかかってこんかい!!』

咲「フフフ、さっきまであんなに逃げ回っていたのにどういう風の吹き回しだろう?」

怜『なに怖気ついてんねん! ほら、さっきまでの威勢はどこいったん?』

咲「あからさまな挑発だなぁ… と、なるとこの先に罠でも仕掛けて誘い込みたがってるってことかな?」

咲「…けど、それ仕掛けが無駄になった時の顔を見るのも楽しそうだしどうしよう」

怜『ふぅ、やっぱおもちが貧しいと気持ちにも余裕なくなるもんなんかなぁ~』

咲「…!?」

怜『ま、あのお姉ちゃんよりも小さいから仕方あらへんかwwwwww』

咲「……殺ス!!」ゴゴッ


咲「どこに隠れているの!? お姉ちゃんより小さいっての、絶対に訂正してもらうからね!!」

怜「アホがッ!! くたばるのは自分じゃボケッッ!!」ビシュビシュ

咲「……ッ!? こんな火力、一体どこから!?」ドカーン

怜「チィッ、浅いか!? でもここまで誘い込めばネオジオングの火力で一気にッ!!」ビシュビシュ

咲「クッ… こんな場所じゃユニコーンの機動力が活かせない、このままだとやられる!?」

怜「ククッ、連邦の白い悪魔も遂に斃れる時が来たようやな? 数多の英霊達よ…、そして総帥、照覧あれッ!!」

咲「ここまで…か……」

ブブッー

咲「……あれ? 私…、まだ生きてる?」

怜「……手!? シミュレーション画面が消えていく?これはどういうことや!?」


フナQ「ええ、ちょっと問題がありましたんでジャッジングマシーンを作動させたんですわ」

怜「なに寝ぼけたこと言うてんのや!あと数秒でウチらジオンの勝利が確定してたちゅうのに!!」

智紀「…彼女が全部白状した」

怜「……え”?」

竜華「とぉぉきぃいぃ~ よぉ利用するだけしてポイ捨てしてくれたなぁ…」

咲「あ、シナンジュの他にネオジオングもある!?」

智紀「…試合前に隙をついて別に用意してた別機体とこのタイマーを紛れ込ましていた」

フナQ「何が魔改造や… タイマーをセットして2つの機体データをリレーさせとるだけやん」

咲「それでシナンジュからネオジオングに変形させているように見せる… そういうことだったんだ」

竜華「怜に試合前に審判の注意をそらす様に言われたのはこれを仕掛けるためやったんね…」

怜「」


セーラ「…アカン怜、もう全部バレとる。ここは素直に謝ろうや」

怜(なに言うてんのや、このアホぉ! ここでウチらの非を認めたら問答無用で罰ゲームやろが!!)

怜(何より腐れ連邦共に頭を下げるなんて絶対に嫌や… この絶体絶命の危機、どうすれば…)

フナQ「…園城寺先輩、まず何か言う事があるんとちゃいますか?」

怜「……」ボソボソ

智紀「…え?」

怜「…ノーカンや」

咲「…ノーカン?」

怜「そうや、このGFはノーカンや!! ネオジオングが紛れてたのは… そう、アクシデント!アクシデントや!!」


怜「当然ウチが意図したことやないし、第一これは見逃した審判の責任や!! そや、何もかんも審判はアカンのや!!」

怜「そ、そして試合はまだ決着しておらん! つまり、この試合も成立しとらんのに中止になった。だからノーカンや!!」

怜「ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!」

フナQ 智紀 咲 セーラ 竜華「……」

怜「ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!ノーカン!はい!!」

フナQ 「と、通るか、そんなもんっ…… このドアホッッ!!」

咲「…ふぅん、じゃあ同じシステムを私たちも使ってもう一回やろうか? 存分にGF楽しませてあげるよ…?」ニコッ

智紀「…うん、じゃあ次はクシャトリア使いの純も呼んであげる」

怜「……ごめんなさい。全面的に私が悪うございました」ドゲザ


――――この戦いの後、連邦千里山と千里山ジオン軍の間に終戦協定が結ばれた。

――――千里山ジオン軍総帥・園城寺怜は敗戦の責を負い非公開の条件つきながら

――――お風呂ポスター(単身)の撮影をされ、ネガは連邦千里山及び清水谷竜華の両者共有の“箱”に保管された。


そしてこの戦いから煤年後……


怜「あと一息!諸君等の力をウチに貸して頂きたい! そしてウチは、総帥のもとに召されるであろう!!」

怜(フナQ、ウチはあこぎなことをしとる… 近くにいるのならこの私を感じてみぃ!)





洋榎「絹は死なん!その前に取り戻すわッ! そのためにGFだって習ったんや!!」

フナQ「そんなことじゃあ洋榎だって死人に引っ張られるで!!」





フナQ「これでは地球が寒くなって人が住めなくなりますわ! 核の冬が来るでッ!!」

怜「…ウチ、園城寺怜が粛清すると言うんやフナQッ!!」



 ガンプラファイト ~逆襲の怜~




に続かないでおしまい。

続こう 乙

おつおつ

そこそこ量の2本投下とは乙
フナ連邦のイデオロギー闘争面白い 小ネタも好き

乙 そういやマリーダさんと純君は中の人同じだったな

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