にこ「にっこにっこにー♪」その4【ラブライブ!】 (1000)

・にこ中心でいきます

・書き溜め無しです、すみません

・恐らくゆったりペースになります

・ちょくちょく安価が出ます


前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398759586

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399360351

前スレではあまり本編的に進展しなかったので、前回のラブライブは書かず、普通に本編からスタートします

にこ(…って、この曲ってにこが得意なやつじゃない。偶然なんだろうけど、ついてるわ)トン、トン

にこ(……というか、負けたら罰ゲームなわけで…正直、この胸…じゃなくて、体型でセクシーポーズとか……絶対に嫌)

にこ(絵里には悪いけど、本気でやらせてもらうわ…!)トトトトンッ


希「うわー、にこっち、大人げない……って、大人やないけど…」

海未「目が本気ですしね…」

―――――

にこ「……で、結果が…」

希「にこっちがAで」

海未「絵里もAですね。ただ、スコアの上ではにこのほうが少し上ですね」

絵里「意外と難しいのね……ちょっとビックリしたわ」

希「いや、初めてでこれならいいほうちゃうかな」

にこ(ぎ、ギリギリ勝った……さすが絵里、やっぱり化物じみてるわね)

希「にこっち、大人げないなぁ」

にこ「さっきも聞いたわよ、それ。けど勝ちは勝ちでしょ!」ドヤッ

海未「本当に大人げないですね…」ジト

にこ(希と海未の目が痛いけど、無視しよう……にこだって罰ゲームは嫌だし)

絵里「まぁいいわ。言いだしたのは私だし」

絵里「……ただ、罰ゲームは今度でもいいかしら?」

にこ「今度?」

絵里「ええ。さすがにこんなに人がいる場所でするわけにもいかないでしょ? 私たちはスクールアイドルなんだから、イメージダウンは避けたいし」

にこ「…まぁそれもそうね」

にこ(小さい子も多いし、こんなとこで変なポーズとったら、変人扱いされそう)

にこ「ただし、今度絶対やってもらうからね」

絵里「もちろん。今度…二人きりの時にゆっくりね」

にこ「ええ」

希「…にこっち」ハァ

にこ「なに?」

希「いや、なんでもないけど…」

にこ「?」

海未「……にこ」クイ

にこ「ん?」

海未「…私ともやりませんか、対戦」

にこ「え、別にいいけど……希はやらなくていいの?」

希「あー、ウチはあとでええよ。もうちょい平和になってから」

にこ(平和? ……ああ、一人プレイがいいってことかしら)

にこ「じゃ、やりましょうか」

海未「はい。……あの、私も、罰ゲーム、提案していいですか?」

にこ「え? うん、いいけど…」

にこ(海未がそんなこと言うなんて珍しいわね)

にこ「で、罰ゲームって?」

海未「えっと……>>9


(罰ゲームの内容)

あすなろ抱き

海未「負けたほうが勝ったほうに、あすなろ抱きをする…とか」

にこ(あ、あすなろ抱き……って、なに?)

絵里「海未、あすなろ抱きってなに?」

希「あー、エリちは知らんでも無理ないかもね」

にこ(にこも知らないんだけど…)

海未「えっと、あすなろ抱きというのはですね……こう、後ろからギュッと抱きしめる形のハグのことです」

絵里「ああ、なるほどね……って、hug!?」

にこ「無駄に良い発音…」

にこ「というか、にこが負けたら体系的に色々としんどそうなんだけど…」

希「まぁにこっちがする側になったら、抱きしめるというよりは、抱きつくって感じになりそうやね」

海未「わ、私はそれでもいいですけど…」

にこ「そう。じゃ、それでやりましょ」チャリン

海未「は、はいっ」

希「じゃ、曲はウチが決めるね」

絵里「ハグ……ま、まぁでも、ハグくらいなら…」ブツブツ

希「エリち、しっかり」

絵里「う、うんっ」


【勝敗決め】

コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=にこが勝つ

5.6.7.8.9=海未が勝つ


―――――

希「海未ちゃんがAで、にこっちがBやから、海未ちゃんの勝ちやね」

絵里「そうね……私はにこが負けて喜ぶべきなのかしら、悲しむべきなのかしら?」

希「悟るべきやないかなぁ」

希「ところで…」チラ

にこ「」ゼェハァ

希「にこっちは大丈夫?」

海未「す、すみません…やはり二連続はキツかったですか…?」

にこ「い、いや……大丈、ぶ……」

にこ(いくら二曲目がテンポの速い曲だったからって、これだけでバテるなんて……やっぱり朝のランニング、毎日やるべきなのかな…)

海未「本当に大丈夫ですか? ジュースでも買ってきましょうか?」

にこ「いや、平気…。それより、ほら」バッ

海未「え?」

にこ「後ろ向いて」

海未「何故ですか…?」

にこ「いや、罰ゲームでしょ。もう忘れたの?」

海未「あ、いや、その、ですね…」

にこ「?」

海未「…私も、絵里のように二人きりのときにしてもらいたいんですけど…」

にこ「え、なんで?」

海未「な、なんでって……いや、その…」

にこ「別に後ろからギュッてするくらいなら、イメージダウンにもならないし、今やっても一緒じゃない?」

海未「それはそうですけど……、…」

にこ(なんかすごい言いづらそうにしてるけど、他にわけでもあるのかしら)

にこ(…どうしよう)


>>22

1.今やる
2.海未の意向に従う

にこ(まぁ勝ったのは海未だし、海未の意向に従うべきよね)

にこ「じゃ、また今度にしましょ」

海未「は、はい、すみません…」ペコ

にこ「いや、別に。よく考えれば、こんなとこで抱きつかれるなんて、人見知りの海未には高いハードルだっただろうし」

海未「………あっ、そ、そうですね、そういう考えもありましたね」コクコク

にこ(? …というか、ならなんで提案したのかしら)

希「じゃ、次はウチとエリちでやろか」

絵里「ええ、そうね。やりましょ」チャリン

にこ「…って、罰ゲームは決めなくていいの?」

絵里「え? にこ以外とはしないわよ」

にこ「えっ」

にこ(なにそれ、にこに対するいじめ…?)

―――
――


にこ(あの後、ダンスゲームにはまったらしい絵里が延々プレイして、AAとか連発しまくるようになってたけど、徐々にギャラリーが集まって来てたので、ほどほどのところで止めてゲームコーナーを出た)

にこ(で、なんとなく行く場所もなくて、何か食べようってことになってフードコートに来たんだけど…)

にこ「めちゃくちゃ広いフードコートね…」キョロキョロ

海未「そうですか?」

にこ(にこの感覚がおかしいだけなのかしら…)

にこ(しかし、こういうとこでこんな風にアイス食べたりするのも久々かも)パク

にこ「……おいしい」

海未「美味しいですよね、このお店のアイス。最近人気なんだって、穂乃果たちが言ってました」

にこ「へー…。あ、海未の一口もらっていい?」

海未「うぇあっ!?」

にこ「な、なによ、その声…」

海未「あ、い、いえ……どうぞ」スッ

にこ「ありがと」パク

にこ「あ、これもおいしい! じゃ、にこのも一口」スッ

海未「う、あ…は、はい。いただきます…」パクッ

にこ「どう? 海未にはちょっと甘すぎるかもしれないけど」

海未「いえ、すごく美味しいです」

にこ「ならよかった」

絵里「……」

希「エリち、目つき怖いよ」


希「ところでもうすぐお昼やけど、これからどうする?」

にこ「どうするって?」

希「別のとこ行くかってこと」

にこ「あー、なるほど」

にこ(どうしよう…)


>>30

どこかに行く(場所指定)orショッピングモールのまま

自宅に呼んで手料理を振る舞う

にこ「……そういえば、絵里はゲームでかなりお金使ってたわよね?」

絵里「え? あー……そうね。リズムゲームもかなりやったし…ぬいぐるみは、まぁ、とれなかったけど…」

にこ「じゃぁ、今からにこの家に来ない?」

絵里「…え?」

にこ「いや、今日付き合ってくれたお礼に、みんなにお昼ご飯でも作ろうかなって思ったんだけど……やっぱり外で普通に食べたほうがおいしいだろうし、この案は無かったことに

絵里「喜んでお邪魔させてもらうわ」ガシッ

にこ「そ、そう……希と海未は?」

海未「にこが迷惑じゃなければ、ぜひ」

希「右に同じく」

にこ「じゃ、決定ね」

―――
――


海未「にこのご家族は出かけられてたんですね」

にこ「うん。だから遠慮なく上がって」

海未「はい、おじゃまします」

にこ「じゃ、にこは台所でお昼作るから、みんなは適当にテレビでも見て待ってて」

絵里「手伝うわ」

にこ「え? まぁ助かるけど…」

海未「あ、じゃ、じゃぁ私も」

希「ならウチも」

にこ「ありがたいけど、四人もいたら逆に邪魔になるわよ。台所、そんなに広くないし」

絵里「それじゃぁ、じゃんけんね」

海未「そうですね」

希「あ、じゃぁウチは遠慮…」

絵里「じゃーんけーん」

希「って、聞いてへんし…」ガクッ



(手伝う人)

>>35

1.海未
2.絵里
3.希

2



絵里「私が勝ったから、私が手伝うわね」

にこ「えっ、勝った人が手伝うの?」

絵里「そりゃそうでしょ」

にこ(普通こういうのって、負けた人ってのが王道な気がするけど…まぁいっか)

にこ「ならお願いするわ。希たちは向こうでテレビ見て待ってて」

海未「分かりました」

希「了解。よーし、にこっちの昔のアルバムでも探そかな」

にこ「探したら追い出すからね」

希「はーい」

にこ(ホントに大丈夫かしら……ま、海未がついてるから大丈夫よね)


絵里「さて……ところで、何を作るの?」

にこ「ミートスパ。前にママが大量に買ってきたパスタが余ってるから」

絵里「了解……って、それって割と何もすることなくない?」

にこ「まぁ正直ね。ソースも前に作ったのを使うし、正直サラダくらいしか手伝ってもらうことないかも」

にこ「だから別に希たちのところに行っててもいいわよ。今更なんだけど」

絵里「…遠慮しとくわ。せっかくじゃんけんしたんだし」

にこ「そう? なら一緒にサラダでも作りましょうか。どうせならサラダに全力注ぎましょ」

絵里「そうね」

にこ(ま、全力って言ったって、出来ることは限られてるけど…)ガサゴソ

絵里「なにしてるの?」

にこ「いや、確かここに……あ。あったあった、はい」

絵里「エプロン?」

にこ「一応ね。ミートソースで服汚すのも嫌でしょ」

絵里「ありがと。………、さすがにちょっと小さいわね」

にこ「悪かったわね、にこのサイズで。どうせにこにはこれくらいがピッタリよ」スルスル

絵里「……」

にこ「…よし。じゃぁエプロンもつけたし、早速料理を…


グイッ、ギュッ


にこ「……あの、なんで今、にこは引っ張られたの…?」

絵里「抱き寄せたって言うほうが正しいわ」

にこ「言い方はどうでもいいから。さっさと離れなさいよ」

絵里「…ねぇ、にこ」

にこ「なに」

絵里「にこは年上が好きなのよね?」

にこ「は?」

絵里「前に言ってたでしょ。お姉さんみたいな人が好きだって」

にこ「……あー…」

にこ(そういえばそんなことを言ったような……よく覚えてるわね)

にこ「それがどうかしたの?」

絵里「だったら、海未は対象外なはずよね? 年下だし、どっちかというと、可愛い方だし」

にこ「まぁ確かにお姉ちゃんって感じではないわね」

にこ(どっちかというと妹って感じ)

にこ「というか、何が言いたいわけ?」

絵里「今日、海未にばかり優しくしてたじゃない」

にこ「……そうだっけ」

絵里「そうよ。荷物持ってあげた時の海未の顔見た? すごく可愛い顔してたわよ」

にこ「残念ながら見てないけど」

絵里「…にこって海未のことが好きなの?」

にこ「なんでそうなんのよ…」

絵里「だって…今日のは誰が見たって嫉妬するわよ…」ギュ

にこ(……どうしよう。早くお昼作っちゃいたいんだけど…無理やり引っぺがすわけにもいかないし…)

絵里「……」

にこ(…まぁ、絵里の気が済むまでこのまま抱きしめられてればいいのかな…)


―――――

絵里「……」ギュ

にこ(…長い。もう十分くらいはこのままなんだけど……やっぱり何か言ったほうが…)


ピリリリリッ


絵里・にこ「!」ビクッ

にこ「あ、ごめん、にこの携帯だ」

絵里「いや、私こそ長々と抱きしめちゃって…」パッ

にこ(にしても、なんて絶妙なタイミング……誰からかしら)ピ



>>45

(人物名でお願いします)

かよちん

にこ(あ、花陽からメール……なにかしら)ピッ


【件名:休日の昼間にメールしてごめんなさい】


にこ(何がごめんなさいなのかは分からないけど……律儀な件名ね。で、本文は…)ピ、ピッ


【あの、もしもの話なんだけど、もしも誰かがA-RISEのツバサさんの写真を待ち受けにしてたら、にこちゃんならどう思う?】


にこ(謎の質問……一体どういう意味…?)

絵里「…メール、誰からだったの?」

にこ「花陽から」

絵里「花陽? そう、ならいいわ。私、作り始めておくから、返信できたら手伝ってね」

にこ「うん、ありがと」

にこ(とりあえず返信を……普通に、ツバサのファンなんだなーって思うけどっと)ピッピッ

にこ(よし、送信完了)

ピリリリリッ

にこ(早っ……よほど深刻な質問だったのかしら……えっと)ピ


【そっか。分かった、ありがとうにこちゃん!】


にこ(何が分かったの…? ま、まぁ、ありがとうって言ってるし、可愛い絵文字つきだし、別にいいのかな)

にこ(…いつもなら適当な世間話に持っていくけど、これ以上絵里を待たせるのも悪いしね)


にこ「絵里、メール返せたから手伝うわ」

絵里「え、もう? 早すぎない?」

にこ「よく分からないメールだったから」

絵里「花陽からよく分からないメールって……珍しいわね。海未ほどではないけど、いつもすごく丁寧な文面なのに」

にこ「それもそうよね……何かあったのかしら」

にこ(…ついでだし、月曜日に聞いてみよっかな)


―――――

にこ「希ー、海未ー、お昼出来たわよー」ガラ

希「うわっと……」サッ

希「にこっち、ありがとう! お疲れ様!」ニコーッ

にこ「……今、後ろに何か隠さなかった?」

希「あはは、なんでもないよ」

にこ「…」チラ

海未「…」サッ

にこ(怪しすぎる…)

希「あ、そうや、にこっち。卒業アルバムって、目に見える本棚に置いてあったら見たくなるから、違う場所に置いたほうがええよ」

にこ「それもそうね。今度から場所かえるわ」

希「うん」

にこ「…怒っていい?」

希「ごめんなさい」

海未「す、すみません…私も止めることが出来ず…」

にこ「いや、まぁ……別にいいけど。海未は悪くないから」

希「せやね。海未ちゃんは何も悪くない」ウンウン

にこ「一番悪いあんたがうんうん頷いてんじゃないわよ!」

希「ご、ごめんて。だってこれ見よがしに置いてあって気になったんやもん」

にこ「ったく………とにかく、ご飯運ぶの手伝ってよ」

希「はーい。あ、にこっち」

にこ「ん?」

希「にこっちは小さい頃から可愛いね」ナデナデ

にこ「なっ…」

希「まぁ今も小さいけど」

にこ「なんですって!?」

希「エリちー、運ぶの手伝うよー」テクテク

にこ「ちょっと希! 待ちなさいよ!」

にこ(珍しく褒めたと思ったら、やっぱり冗談だし……なんなのよ、もう…)

海未「…あ、あの、にこ」

にこ「ん?」

海未「にこは…その…小さくても可愛いですから!」

にこ「う、うん……」

にこ(褒められてるのよね…?)

―――――

「「「「いただきまーす」」」」


希「…おお、美味しい。さすがにこっちとエリちやね」

にこ「まぁ簡単な料理だしね」

海未「けどすごいですよ。私は同じ麺類でも蕎麦やうどんなどしか打てませんし…」

絵里「えっ、まさか一から自分で作ってるの…?」

海未「はい」

にこ「すごすぎでしょ…」

海未「いえ、しかしまだスパゲティにはたどり着けていませんし……鍛錬が足りません」

にこ(どこまで本気で言ってるんだろう…)

ちょっと間隔あきます
夕飯食べ終えたらまた再開すると思います

ゆったり再開していきます

海未「いつか完璧なスパゲティが作れたら、ぜひμ’sのみんなに食べてほしいものです」

にこ「そ、そう…楽しみだわ」

絵里「海未の作るパスタ……すごくレベルが高そうね」

希「海未ちゃん凝り性っぽいもんねぇ」

絵里「……あ、それより、ご飯食べ終わったらどうする?」

希「んー……ウチはなんでもええかな」

海未「私も特に希望はありません」

にこ(…にこが何か提案すべきかな)


>>77

(この後の予定。行きたい場所、人を呼ぶ、解散する等なんでもいいです)

希がアルバム探して海未の注意を引いてなかったら修羅場になってた可能性があったと思うと

にこ(……特に思いつかない)

絵里「にこは何かしたいことある?」

にこ「えっと……特に」

にこ(…って、これじゃ何もすることなくなって暇な思いさせちゃうわね。とりあえず適当に…)

にこ「あ、じゃぁ、にこのアルバムでも見る? なんて…」

絵里「見る」

海未「あ、わ、私ももう一度見たいと思ってました!」

にこ「えっ」

希「…にこっち、やっぱりアルバム見てほしかったん?」

にこ「ち、違うわよ!」

―――――

にこ「……というか、にこのアルバムだけ見るの? 不公平じゃない?」

絵里「だってわざわざアルバムだけ取りに戻るのもちょっと…」

海未「私は別に戻ってもいいのですが…」

希「そんなことしたら、にこっちのほうが逆に気使ってしまうんちゃうん?」

にこ「まぁそうだけど……、…分かったわよ。元々にこが言い出したんだし」

にこ「この可愛いにこにーを好きなだけ見るがいいわ。はい」

絵里「あ…ほんとに可愛い」

海未「可愛いですよね。この写真とか、特に」

絵里「これも可愛いわよ。ほら、今のにこと笑い方が一緒」


にこ「……可愛いにこにーって部分にね、ツッコんでほしかったのよ」

希「うん、そうやろうね…」

にこ「ボケ殺しとはこのことよね…」

希「あはは……」


絵里「あ、見てこれ。可愛い。にこって泣き顔似合うわよね」

海未「そうですね、可愛いです…」


にこ(なんか寒気がする…)

希「にこっちは愛されてるねぇ」

にこ「あんまり嬉しくない愛され方だけど……というか、希は見ないの? あの二人、離れた場所で見てるからここからじゃ見えないでしょ」

にこ(あの二人が離れてるというよりは、にこが離れたんだけど)

希「いや、ウチはさっき十分見たし」

にこ「ふーん。……今度、あんたのアルバムも見せてよ」

希「ウチのは見たって面白ないよ?」

にこ「んなことないでしょ。あんたも小さい頃なら可愛いだろうし」

希「わ、その言い方は傷つくな~」

にこ「まったく傷ついてなさそうな言い方だけどね」

希「それより、にこっちこそ向こう行かんでええの?」

にこ「何が悲しくて自分のアルバム見なきゃいけないのよ」

希「まぁそうやろうけど。ウチと二人でいたら、エリちたちに嫉妬されてまうよ」

にこ「さすがにこのくらいで妬いたりしないでしょ」

希「いやいや、海未ちゃんも結構やろうけど、エリちは相当やから」

にこ「……あんたってホント、絵里のことよく分かってるわよね」

希「まぁ長い付き合いやし。にこっちとも同じくらいやけど」

にこ「ふーん……やっぱさ、二人は一緒の大学に行くの?」

希「なに、いきなり」

にこ「なんとなく気になって」

希「まだ決めてへんよ。…でも、一緒におれたらいいなぁとは思うけど」

にこ「仲良いもんね」

にこ(…にこのほうが逆に嫉妬しちゃいそうだわ)

希「…もちろん、にこっちともやけどね」

にこ「え?」

希「みんな一緒におれたらええのにね」

にこ「………そうね」

にこ(みんな一緒に…)

絵里「……にこ、希。なんで二人だけ離れた場所にいるのよ」

海未「すみません、二人で盛り上がってしまって……退屈でしたか?」

にこ「あ、いや、別に。それよりアルバム見終わった?」

絵里「ええ、あらかた」

海未「あまりアルバムばかり見るのもなんですし、他に何かしますか?」

にこ(ま、またにこが提案するのかな…)



どうしますか?

>>89

まきちゃん家に凸

にこ「えっと……誰か呼んだりする?」

希「えぇっ」

にこ「えっ?」

希「あ、あー……あはは…ちょっと驚いてしもて、ごめん」

にこ「希も大勢のほうが好きでしょ?」

希「…まぁ……うん、そうやね」ヨシヨシ

にこ「…なんで撫でんの?」

希「いや、気を使ってくれたんかなぁと…」

にこ「別にそういうわけじゃ…」

絵里「…それより、誰かって誰呼ぶの?」

にこ「え? えっと……」

にこ(考えてなかった。けど、そういえばこの場に一年生だけいないのよね……凛とは今朝別れたばっかだし、花陽とは明日の朝会うし…)

にこ「真姫ちゃんとか?」

絵里「…」

希「あー、な、なんで真姫ちゃんなん?」

にこ「いや、なんとなく一年生がいないなって思って」

絵里「……それであえて真姫なのね」

にこ「あえてってわけでは…」

海未「とりあえず、一度真姫に連絡してみませんか?」

希「そうやね……というか、真姫ちゃん家に直接行ってみよか」

にこ「え、直接?」

希「うん」

希(真姫ちゃんには悪いけど……いきなり行ったほうが断られる確率も高なるし。……今度何かお詫びせなあかんけど)

絵里「…そうね。直接お邪魔してみましょうか」

海未「でも、いきなり行ったら迷惑になる可能性が…」

希「もー海未ちゃんは真面目やなぁ。ほら、早くいこ」グイッ

海未「し、しかし…」

希(ごめん海未ちゃん…!)

にこ(なんか今日の希、やけに積極的ね。そんなに真姫ちゃんと遊びたかったのかしら)


―――――

―西木野宅前―


希「じゃ、じゃぁ、押すで」

にこ「うん……というか、なんでインターホン押すのにそんな緊張してるの?」

希「いや、ちょっとタイミングを計ってて……」

にこ「…?」

希「…………今や!」ポチッ

にこ「!?」ビクッ


ピーンポーン



コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=真姫がいる

5.6.7.8.9=真姫がいない

『はーい』

にこ(真姫ちゃんの声とトーンじゃないわね……ってことは、お母さんかな)

希「あの、私、真姫さんのお友達の東條希と申します。真姫さんはいらっしゃいますか?」

にこ「希が標準語で喋ってる…!」

絵里「にこは希をなんだと思ってるのよ…」

海未「けど、なんだか新鮮ですね」

『あー…ごめんなさい。真姫ちゃんは今ちょっと、病院のほうに行ってしまっていて……帰りは遅くなっちゃうの』

希「あ、そうですか…分かりました、ありがとうございます」

『本当にごめんなさいね。何か伝言があるなら伝えておくけど…』

希「あ、いえ、平気です。また学校で話しますから。では、失礼します」ペコリ

ピッ


希「……というわけで、真姫ちゃんはいいひんみたい……って、なんかにこっち、ニヤけてへん?」

にこ「いや、気のせいよ…」

にこ(希の標準語にウケたとか言ったら、怒られそう)

絵里「で、どうする? またにこの家に戻る?」

希「いや、せっかく外出たんやし、このままどっか遊びにいかへん?」

海未「それはいいのですが…どこに行くんですか?」

にこ「んー……昼からでも無理なく遊べる場所といったら…」


>>113

海未ん家でうどん打ち

にこ(……こういうときとっさに良い場所が思いつかないのって、にこがあんまり友達と遊んだことないからなのかしら…)

にこ「えっと…」

希「にこっち、そんな無理して考えんでもええねんで」

にこ「いや、別に無理してるわけじゃ………あ、海未の家でうどん打ちとか!」

希「にこっち…やっぱり無理してるやん…」

にこ「うっさいわね…冗談よ、冗談」

絵里「え、冗談なの?」

にこ「へ?」

海未「私は別に構いませんよ、うどん打ち」

絵里「私も面白そうだと思うけど」

にこ「ええぇ……」

希「…エリちと海未ちゃんって、ほんまにボケ殺しやなぁ…」

にこ「というか、ドがつくほどの天然なのね…」

海未・絵里「?」

―――――

にこ(というわけで、何故か本当に海未の家に来ることになったんだけど…)

にこ「で、でかい…」

海未「まぁ道場も経営してますから」

絵里「さすがというか、なんというかって感じね」

希「園田道場は地元でも有名やしね」

にこ「海未ってやっぱりお嬢様なのね…」チラ

海未「…そういうことはあまり言わないでください。私はいたって普通なんですから」

にこ「そうね。海未は……まぁ、普通、よね」

海未「何故言い詰まるんですか…」

希「セヤネ」

海未「何故片言なんですかっ」

絵里「二人とも、あまり海未をいじめないのよ」

にこ「ごめんごめん。じゃ、お邪魔してもいい?」

海未「はい。今日は父も母も道場に出ていますから、家には誰もいませんので気楽にしてくださいね」

にこ(とは言われても、これだけ広いとさすがにちょっと緊張するわね…)



にこ「…ところで、自分から言い出しといてなんだけど、本当にうどん打つの?」

海未「嫌ですか?」

にこ「嫌じゃないけど……未知の体験すぎてちょっと戸惑いが」

海未「大丈夫ですよ。慣れると簡単ですから」

にこ(慣れるまでが大変なんだと思うけど…)

希「まぁ乗り掛かった舟ってことで。ここまできたら楽しまな損やん」

絵里「そうよ。いい体験だと思って」

にこ「…それもそうね」

海未「では、私は台所で材料の準備をしてきますので、三人は部屋で待っててください」ガラ

にこ「ここが海未の部屋…」キョロキョロ

にこ(広い…けど、もしかしたらこれは普通なのかもしれないし…)

絵里「広いわね」

にこ(あ、やっぱり広いんだ)

希「海未ちゃん、準備手伝おか?」

海未「いえ、一人で大丈夫です。あ、ただ、くれぐれも、部屋の中を詮索したりしないでくださいね」

希「分かってるよー」ヒラヒラ

海未「では、ちょっと行ってきますね」

パタン

すみません、普通に入浴にいってました

再開します

希「さて……なにか探そか」

にこ「あんた鬼畜すぎんでしょ…」

希「いやー、だって気になるやん? 他人の部屋なんて、それこそ好奇心そそられるし」

にこ「否定はしないけど…」

絵里「ダメよ。海未も嫌がってたじゃない」

希「エリちは真面目さんやなぁ。ま、ウチも鬼やないし、さすがに冗談やけど」

にこ(本気かと思ってた…)

希「あ、そういやエリち、この間のことなんやけど…」

絵里「ああ…この間下級生の子が言ってたやつ?」

にこ(なんかよく分からない会話始めちゃった……生徒会のことかしら。とりあえず、邪魔しないようにしないと)

にこ(…しかし海未の部屋って、イメージ通り綺麗に整頓してあるわね)

にこ(……あ、そうだ。海未が買ってた本、一応机の上に置いとこう)ガサ

にこ(袋から出して、と……って、分厚っ! こんなの読んでんの…?)

にこ(とりあえず机の上に置いて……、ん?)

にこ(……なにこれ……ああ、よく写真とか入ってる紙袋みたいなやつね…正式な名前知らないけど)

にこ(…コンビニの名前書いてあるし、そこのプリンタで印刷した写真かしら)

にこ(…………なんの写真だろ。希じゃないけど、妙に気になるわ)

にこ(ここに置いてあったってことは、見られてそんなに困るものってわけでもないのかな……いや、でも人の物を勝手に見るのは……)


どうしますか?

>>128

1.さすがに見ない
2.好奇心には勝てないから見る

2

にこ(………ご、ごめん、海未! やっぱり人間好奇心には勝てない…!)ペラ

にこ「………ん?」カサ

にこ(これって、昨日海未が遊びに来た時の写真? 律儀にわざわざプリントアウトしてたのね…)

にこ(…やっぱりこうして見ても、こころとここあは可愛いわね。さすがにこの妹。天使だわ)

にこ(海未もやっぱり可愛いわね。…この一人で写ってるやつとか、特に可愛いかも…)ジー

希「にこっち、なにしてんの?」ヒョコ

にこ「うわあぁ!!」サッ

にこ(って、思わず写真ポケットに入れちゃった…)

希「そ、そんなに驚かんでも」

にこ「いや、ちょっとボーッとしてたから……、話はもう終わったの?」

絵里「ええ。ごめんなさい、にこを置いて二人で話してしまって」

にこ「いやいや、別に」

絵里「…ところで、なに見てたの?」

にこ「えっと…ほら、これ。海未が買ってた本。すごい分厚いなぁってビックリしちゃって」

希「わ、ほんまや。海未ちゃん、ようこんなの読めんなぁ…」

にこ「さすが海未よね……はは」

にこ(この隙に、写真を元に戻して、と…)サッ

絵里「…なんだかにこ、挙動不審じゃない?」

にこ「そんなことないわよ」

絵里「ホントに?」

にこ「ホントホント」


ガラッ


海未「すみません、お待たせしました」

にこ「あ、海未、待ってたわ」タッ

絵里「…?」


―――――

海未「では、まず塩水を作るところからはじめます」

にこ「塩水?」

海未「はい。しっかり食塩と水の量を計ってください。ここをおろそかにすると、後々面倒なことになりますから」

にこ「は、はい」

希「これはなんというか、想像以上に地味な作業になりそうやな…」

絵里「ま、まぁともかく、頑張りましょう」



にこ「で、次はどうするの、海未」

海未「はい、次はですね、このうどん粉を水の中に少しずつ入れていって、ダマがあればちゃんとほぐしてあげるんです」

希「よいしょっと……」マゼマゼ

絵里「それで、この次は?」

海未「待ちます」

絵里「えっ?」

海未「袋に入れて、一次熟成です。一時間ほど待ちましょう」

にこ「そ、想像以上に、時間がかかりそうね…」

絵里「ま、まぁ、頑張りましょう」



にこ「しかし、一時間とはね…」

絵里「見事にやることがなくなっちゃったわね」

希「んー…どうする?」

海未「どうしましょうか…」

にこ「何か話でもして時間つぶす?」

絵里「そうね。一時間じゃ、どこかに出かけるわけにもいかないし」

希「ゲームとか漫画とかは、海未ちゃんの家とは縁遠そうやしね」

海未「申し訳ありません……」

希「いや、全然責めてるわけやあらへんのやけど」

にこ「それより、なんの話にする?」

絵里「じゃぁ>>138とか」


(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

留年

絵里「じゃぁ…留年の話でもしましょうか」

にこ「りゅ、留年って…」

海未「それはまた…自分と後ろ向きな話題ですね」

希「それに、にこっち以外には関係なさそうな話題やね」

にこ「ちょっと! にこにだって関係ないわよ!」

絵里「けど、冗談は抜きにして、にこは結構危ないんじゃないの?」

にこ「そ、そんなことないわよ」

絵里「この間のテストは?」

にこ「………赤点は、とってないわ」

にこ(どの教科も限りなくギリギリだったけど)

希「にこっち…」

海未「にこ…」

にこ「や、やめてよ、その憐れんだような目」

絵里「そのことについてだけどね、ちょっと考えてることがあるの」

にこ「考えてること?」

絵里「ええ。また明日にでも言うわ」

にこ(別に今言えばいいような気もするけど…)

絵里「大丈夫よ。にこは留年したりしないから」

にこ「大丈夫って……元々心配してなかったのに、あんたが不安にさせたんでしょ…」

絵里「反省はしてるわ。けど、そろそろ本気で勉強しないと危ない頃だと思うわよ。受験的な意味でも」

にこ「わ、分かってるわよ」

にこ(受験……さっきも希との会話で出てきたけど、正直、あんまり考えてないのよね…)

にこ(にこの夢は小さいころからずっとアイドルだったし。大学でやりたいこととかも、特にないし…)

絵里「…絶対に、私たちと一緒に卒業してもらうからね」

にこ「そんなに何度も念押さなくても、分かってるってば」

にこ(…しかし、絵里の考えてることって何かしら。……また変なこと言いださなきゃいいんだけど」

にこちゃん、心の声漏れてるよ

>>145

すみません、普通に間違えました、お恥ずかしい


―――――

にこ「ようやく一時間ね…」

海未「話題を見つけることがあれほど難しいとは思いませんでした……穂乃果たちはすごいです」

希「結局、しりとりが一番長く暇をつぶせるってことが分かったね」

絵里「それで海未、この後はどうするの?」

海未「あ、はい。次はですね、この生地を大きな袋にうつして…」ガサガサ

海未「踏みます」

にこ「あー…あの、テレビとかでよく見るやつね」

希「コシを出すためやっけ」

海未「そうです。とりあえず右・左と踏んでいって、たいらになったら折りたたんで再び踏む…を繰り返します」

絵里「どれくらいやればいいの?」

海未「それは私が生地の具合を見て決めます」

希「で、踏んだらそれで完成?」

海未「いえ、そのあとに二次熟成を行うため再び一時間ほど待ち、また踏みます。それからめん棒で薄くのばし、折りたたみ、細かく刻んでいきます」

にこ「…まだ先は長そうね」

海未「頑張りましょう!」

にこ「う、うん」

にこ(心なしか楽しそう……やっぱり好きなのかしら、こういうの)


―――
――


にこ「……で、」

絵里「無事完成したのはいいんだけど…よく考えたら私たち、もうお昼は済ませちゃったのよね」

希「すっかり失念してたなぁ…」

海未「…なので、作った分のうどんを小分けしてみましたので、よかったら持って帰って食べてみてください」シュン

にこ「ありがと。…あの、そうシュンとしないでよ。感想は学校で会ったときにちゃんと言うから」

海未「はい…ありがとうございます」

絵里「しかし、気が付いたらもう夕方なのね」

希「うどん作りに想像以上に時間かかったしね」

絵里「あまり長居するのも悪いし、そろそろ解散しましょうか」

にこ「そうね。あ、海未、本屋で買った本は海未の部屋の机の上に置いておいたから」

海未「えっ」

にこ「? ダメだった?」

海未「あ、いや……あの、机の上のもの、何も見てないですよね…?」

にこ「へ? あ、う、うん」

にこ(ひょっとしてあの写真のことかしら……だとしたらごめん…。絶対に誰にも言わないから)



海未「では皆さん、また明日」

絵里「ん、またね」

希「また」

海未「あの、そろそろ辺りも暗くなり始めますし、気を付けて帰ってくださいね」

にこ「とても先輩にかける言葉とは思えないわね」

海未「す、すみません」

にこ「いや、別に心配してくれてるわけだから、いいんだけど。じゃ、また学校で」

海未「はい」ペコリ

―――
――


こころ「にこにー、おかえりー」タッタッ

にこ「ただいま。もう帰ってたのね」

こころ「うん。あのね、おたんじょーび会、楽しかったー」

にこ「よかったわね」ナデナデ

にこ「じゃ、ご飯のときに詳しい話聞こうかしら」

こころ「うんっ」

にこ「あれ? そういえばここあは?」

こころ「向こうで寝てるー」

にこ「ありゃ。よっぽど疲れたのね」


ここあ「……」スースー

にこ「ホントに寝てる……珍しい」

にこ(とりあえず風邪ひかないように毛布かけて、と…)

こころ「にこにー、向こうでテレビ見よ」クイクイ

にこ「あ、はいはい。ちょっと待ってね」

こころ「はーい……ん?」カサ

にこ「どうかした?」

こころ「にこにー、ポケットになにか入ってるよ?」

にこ「へ? あ……ほんとだ。なんだろ…」カサ…

にこ(…って、海未の写真? ……あ、そっか。あのとき一枚だけ元に戻し忘れたんだ…)

にこ(どうしよう……返そうにも、返したらなんで持ってるのかって話になっちゃうし…)

にこ(…というかこれ、海未の単体の写真……やっぱり可愛いわね)

こころ「にこにー、それ、うみちゃん? きのうのやつ?」

にこ「あ、うん、正解」

こころ「かわいーね!」

にこ「ん、可愛いわよね」

にこ「こころのほうがもっと可愛いけど」ナデナデ

こころ「えへへ……その写真、どうしたの?」

にこ「あ、えっと……げ、現像してきたの」

にこ(まさか取ってきたとは言えないしね…)

こころ「げんぞー?」

にこ「あー……つまり、にこがゲットしてきたってこと」

こころ「げっと!」

にこ「うん。とりあえず、ほら、テレビ見に行きましょ」

こころ「はーい」

にこ(とりあえず、写真は海未に指摘されたら返す方向でいこう)

―――
――


にこ「……眠い」テクテク

にこママ「あら? にこ、今日はやけに早くない?」

にこ「ああ……今日はちょっと、友達とランニングする予定があるから」

にこママ「まぁ朝から大変ね。あ、昨日はごめんね。急に仕事が入っちゃって…」

にこ「ああ、いや、平気。あ、昨日のうどん、食べてくれた?」

にこママ「机の上に置いてたやつ? 食べたわよ。美味しかったけど……あれどうしたの?」

にこ「作った」

にこママ「作った!?」


―――――

にこ(これでよし、と……集合時間三十分前。すごい眠いけど、完璧ね)

にこ(でもここは先輩として、花陽よりも早く集合場所に…)タッタッタッ

花陽「あ、にこちゃーん」ヒラヒラ

にこ「なんでもういるのよ!?」

花陽「えっ!? ご、ごめんなさい!」

にこ「いや……ごめん、ついビックリしちゃって怒鳴っちゃった。ごめんね、待ったでしょ?」

花陽「ううん。私も今来たばかりだから」

にこ「ならいいんだけど……じゃ、早速始めましょうか」

花陽「うん。どういうルートで走る?」

にこ「んー…ほら、小学校の頃、冬にマラソン大会があったじゃない?」

花陽「あったね……私、苦手だった」

にこ「にこもよ」

にこ「そのルートでいいんじゃない?」

花陽「そうだね。じゃぁいこっか」

にこ「ええ。…あ、なにか話しながら走った方がいいのかしら? それとも黙々と?」

花陽「うーん……どっちでもいいんじゃないかな?」

にこ「…それもそうね」

―――――

―十分後―


にこ「……こうしてただ走ってるだけなら、あまり息は切れないものなのね」タッタッタッ

花陽「そうだね。どうして練習になると、あんなにすぐバテちゃうのかな…」タッタッタッ

にこ「謎よね…」

今日の更新はここまでにします
また今日の夜にでも再開出来たらと思います

最近、展開を安価に委ねっぱなしだったりするので、修羅場だったりほのぼのだったりブレブレですが、ご了承ください


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
エロ展開は正直考えてませんでしたが……安価次第だと思います
正直へたくそなので、自分から書くことはあまりないと思いますが、ご了承ください


昨日は更新する詐欺ですみませんでした

今度こそ、ゆったりと更新再開していきます


―三十分後―


にこ・花陽「」グッタリ

にこ「さすがに……四十分は…キツかったわね…」ゼェハァ

花陽「う、うん……途中何度か休んだけど、それでもキツかったね…けど、いい運動になったよ…」

にこ「まぁそうだけどね。……って、花陽、水は?」

花陽「え? ……あっ、忘れた…」

にこ「花陽も意外とぬけてるとこあるわよね……。はい、にこのあげるわ」

花陽「そ、そんな、悪いよ」

にこ「何言ってんの。水分補給を怠ってると、倒れちゃうかもしれないでしょ。そのほうがこっちに迷惑かかるってば」

花陽「…それもそうだね。じゃぁ…ごめんね、いただきます」

にこ「うん」

花陽「…」コクコク

にこ「……しかしさ、今更なんだけど」

花陽「ん?」

にこ「にこたち、結構汗かいたじゃない」

花陽「うん」

にこ「…このまま、学校に行くの?」

花陽「………あっ」

にこ「朝シャン決定ね」

花陽「だね…。あ、じゃぁそろそろ家に帰ったほうがいいかな?」

にこ「それもそうね。あんまり遅くなりすぎると、遅刻しちゃいそうだし」

にこ「じゃ、帰りましょ」

花陽「うん……って、あれ? にこちゃんのお家、こっちじゃないよね?」

にこ「送ってくわ」

花陽「い、いや、それはさすがに…」

にこ「ちょっと話もあるから。そのついでに」

花陽「話?」

にこ「ん。とりあえず歩きながら話しましょ」

花陽「うん」



花陽「それで、話って?」

にこ「えっと……妹たちのことなんだけどね」

花陽「こころちゃんたちの?」

にこ「うん。実は二人が、花陽に会いたがってて…」

花陽「え、私に?」

にこ「ほら、前に何度かメールしてくれたでしょ? それですっかり懐いちゃったみたいで…」

花陽「そうなんだ……な、なんか、その、恐縮です」

にこ「恐縮って…」

花陽「いや、すっごく嬉しいんだけど……私、そういう風に好かれたこととかないから、なんか緊張しちゃって…」

にこ(凛はめちゃくちゃ好いてるように見えるんだけど…あと、真姫ちゃんとかも。小さい子にって意味かしら)

にこ「緊張なんて、そんな大げさに考えなくても、気楽でいいのよ。ちょっと会ってくれるだけでもいいから」

花陽「でも、私は凛ちゃんや穂乃果ちゃんみたいに明るくもないし……こころちゃんたちをガッカリさせちゃわないかな…」

にこ「そんなの平気よ。テンションの差なんて人それぞれ違って当たり前なんだし」

にこ(むしろ凛や穂乃果みたいな子が何人もいたら疲れるし…)

にこ「それに花陽は優しいじゃない。小さい子って、意外とそういう根本のとこちゃんと見てるのよ」

花陽「…じゃぁ今度、遊びに行っていいかな? 私も、二人に会ってみたいし」

にこ「そうしてくれると助かるわ。その時はにこにーが全力でおもてなしするから」

花陽「うん、楽しみにしてるね」

にこ(よかった、オッケーしてもらえた……、ちょっと無理やり感はあったけど…)

にこ「あ、そういえば花陽、もう一つ聞きたいことがあったんだけど」

花陽「なに?」

にこ「昨日のメール、なんだったの?」

花陽「えっ……あ、あれは、その……」

にこ「ツバサの待ち受けがどうこう書いてあったけど…」

花陽「えぇっと…」

にこ「……あ! ひょっとして、携帯の待ち受けをツバサの写真にするかどうか迷ってるとか?」

花陽「えっ」

にこ「気持ちは分かるわ。いくらスクールアイドルの人気が出てきたとはいえ、さすがに待ち受けにしてるとヒかれちゃうかもしれないし…」

花陽「あー……う、うん。そうなんだよね…」

にこ「けど世間のそんな目、気にすることないわよ。好きなものは好きでいいじゃない」

花陽「そ、そうだね!」

にこ「……あ、じゃぁいっそのこと、にこも待ち受けツバサにしようかしら」

花陽「えっ!? いや、別に私に合わせてくれなくてもいいよ…?」

にこ「いや、にこもツバサのファンだし。本当は生写真がいいんだけど……撮れっこないし、公式サイトので我慢するわ」ピッピ

にこ「ほら、これでにこも一緒だから、花陽も恥ずかしくないでしょ」

花陽「にこちゃん……ありがとう。あ、あと、なんか…ごめんなさい…」

にこ「?」

にこ(なんで謝られたのかしら…)


―――
――



ここあ「にこにー、どうして朝におふろ入ったの?」

にこ「ちょっと汗かいたから。それより早くご飯食べちゃわないと、遅刻しちゃうわよ」

ここあ「はーい」モグモグ

にこ(さてと、にこのほうは支度も済んだし……って、ん? 携帯が光ってる…なんだろ)ピッ

にこ(メール? しかも二通も……あ、穂乃果と真姫ちゃんからだ)

にこ(とりあえず穂乃果のほうから…)ピ


【今日の昼休み、あいてるかな? ちょっと話があるんだけど…】


にこ(穂乃果にしては珍しく顔文字のないメール……よほど深刻な話なのかしら)

にこ(返信する前に、真姫ちゃんのほうもチェックしとこう)ピ


【今日の放課後、音楽室で待ってるから来て】


にこ(予定も聞かずに……。まぁそういうとこ真姫ちゃんらしいし、どうせ暇なんだけど)

にこ(二人ともに了解のメールをうってっと……よし、送信完了)ピッピッ

こころ「にこにー」クイクイ

にこ「あ、こころ。朝ごはん食べ終わった?」

こころ「ん」コクリ

こころ「ここあのも持ってきた」

にこ「ありがとう。じゃぁついでに食器洗っちゃうから、それが終わったら学校行きましょうか」

こころ「うん」


―――――

にこ「おはよー」ガラ


ザワッ


にこ「?」

にこ(なんか、にこが入った瞬間、急に周囲がざわついたような……そういえば、廊下でも時々変な視線を感じたけど…)テクテク

希「にこっち、おはよー」ヒラヒラ

にこ「あ、おはよう、希。絵里もおはよ」

絵里「……おはよう」

にこ「……ちょっと、希」チョイチョイ

希「ん?」

にこ「絵里がなんか不機嫌そうなんだけど、なにかあったの?」ヒソ

希「あー……それが…ほら、あの噂覚えてる?」

にこ「噂?」

希「にこっちが花陽ちゃんと真姫ちゃんと海未ちゃんをとっかえひっかえ云々ってやつ」

にこ「ああ……それがどうしたの?」

希「この度、めでたくその噂が四股になったんよ」

にこ「はぁ!? なんでよ!?」

希「いや、それはウチが聞きたいくらいなんやけど……にこっち、凛ちゃんに何かしたん?」

にこ「凛? ……え、まさか凛が四人目…?」

希「うん。これで一年生コンプリートやね」

にこ「まったく嬉しくないんだけど…」

希「ウチもやで」

希「噂では、にこっちが廊下で堂々と凛ちゃんとイチャついてたらしいけど。んで、それを見て嫉妬した真姫ちゃんが云々ーとかなんとか」

にこ「イチャついてたって………あー…ひょっとしたら、体操服を借りに行った時の話かも」

にこ「けど、なんで今更…」

希「噂が広まるのに少し時間がかかっただけちゃうかな」

にこ「あ、そう……」ガクッ

にこ(噂がなくなるどころか、悪化するなんて……凛にも悪いことしちゃったわね)

希「とりあえず、くれぐれも安易な行動はとらんようにせなあかんよ」

にこ「努力はしてるんだけどね…」

希「まぁ凛ちゃんの場合はしょうがないような気もするけど……そもそもああいう性格の子やし」

にこ「大体、ちょっとじゃれたくらいですぐに噂になるってのもおかしい話じゃない? あれくらい、友達同士ならしてそうなもんだけど…」

希「んー…にこっちの場合は、積極的に噂を流されてるからとちゃうかな」

にこ「積極的にって…誰がそんなこと…」

希「そりゃ、海未ちゃんに告白してきたっていう下級生の子やろ」

にこ「あー……というか、あの子は一体なにがしたいのかしら…」

希「海未ちゃんに、にこっちを諦めてほしいんとちゃうかな。やから、にこっちの悪い噂を流して、イメージダウンをはかってる」

希「……けど、あんまり周囲には効果ないみたいやねんなぁ…」

にこ「そうなの?」

希「前も言った気がするけど、この噂でμ’sやにこっちの評価が下がってるわけでもないし」

にこ「けど、ヒソヒソ言われたり、変な視線感じたりするわよ?」

希「それは興味があるからやないかな。女の子って、他人の色恋が大好物やん」

にこ「なるほど……って、納得してる場合じゃないんだけどね…」ハァ

にこ「ま、とりあえずμ’sのイメージが下がらないならそれでいいわ」

希「にこっちはμ’s思いやねぇ」

にこ「そりゃね」

希「じゃぁそんなμ’s思いのにこっちに一つ、頼みたいことがあるねん」

にこ「なに?」

希「あちらにおられますは?」スッ

にこ「? …絵里だけど?」

希「正解。あんな、エリちさんな、すごい不機嫌なんよ」

にこ「まぁ…うん。この距離からでもそれは感じ取れるけど」

希「機嫌、なおしてあげてくれへんかな?」

にこ「……どうやって?」

希「そこは自分で考えて」

にこ「えぇー…………まぁ、やれるだけやってみるけど…」

希「ありゃ、いいの? てっきり断られるかと思たのに」

にこ「まぁ、にこのせいでもあるしね……あんまり無責任なことも言えないでしょ」

希「きゃー、にこっち、かっこいー」

にこ「その棒読み、妙に腹立つわね…」

希「まぁ冗談はさておき、申し訳ないけどエリちのことは任せるね」

にこ「はいはい。…というか、あんたはあいつの保護者かなんかなの?」

希「まぁ会長と副会長なんて、そんなもんやて」

にこ(絶対違うと思うけど…)


にこ(しかし、機嫌をとるといっても……)

にこ「絵里」

絵里「……なにかしら?」ニコー

にこ(笑顔なのになんか恐い…)

にこ「えっと……」

にこ(こんな状態の絵里相手に、どうやって機嫌とればいいのよ……)



どうしますか?

>>189

(言動・行動なんでも)

絵里も含めて五股にでもなる?…なーんて

にこ(……ええい、もうとりあえず会話してればそのうち何とかなる…はず)

にこ(正直、にこはあんまり頭よくないんだし、考えるよりまず実行よ)

にこ「え、絵里!」

絵里「…なに?」

にこ「あー……ほら、あれよ。噂なんて、ただの噂なんだから気にしなくったって…」

絵里「本当にただの噂ならいいんだけどね」

にこ「えっ」

絵里「…前にも言ったでしょう? 真姫は分かりやすいって。…さすがに花陽や凛とのことは疑ってないけど、残りの二人とは本当に何かあったんじゃないの?」

にこ(さ、さすが絵里、鋭い……)

絵里「……黙るってことは図星なの?」

にこ「えっ! あ、いや……その…」

にこ(と、とりあえず適当に何か言って、この答えははぐらかさないと……今は何を言っても逆効果な気がするし…)

にこ(えっと……でもなにを言おう。えっと……そ、そうだ!)

にこ「あ、もう四股まできたことだし、いっそのこと絵里も含めて五股にでもなる? ……なーんて…」

絵里「……」

にこ(な、なに言ってんのよにこおおおおおおおおおおおお!!)

にこ(いくらテンパってたからって今のはありえないでしょ……! にこが絵里の立場なら絶対キレてるわ…)

にこ「あ、あの、絵里、今のは…」

絵里「……なりましょうか」

にこ「えっ?」

絵里「噂。いいじゃない、私は大歓迎よ」

にこ「え、で、でも、変な噂が流れたら絵里も困るんじゃ…」

絵里「にこと噂になって私が困ることなんて一切ないわよ」

絵里「…ただ、五股っていうのはやっぱり気に入らないけど」ガシ

にこ「あ、あの、エリーちゃん…なんで、にこの腕をつかむのかな…?」

絵里「ここでキスしたら、本当に噂になるんじゃない?」

にこ「なななに考えてんのよ! そんなことしたら…」

絵里「にこのほうから誘ってきたんでしょ。ほら、目閉じて」

にこ「と、閉じるわけないでしょ」

絵里「じゃぁ開けたままでもいいから、ジッとしててね」ズイ

にこ「っ……」

にこ(ど、どどどどうしよう……避けないとほんとにキスされそうだけど……でも確かに、変なこと言ったのはにこのほうだし…)ギュッ

絵里「……」

希「はーい、ストップ」ペシッ

にこ「痛っ」

にこ「の、希…」

希「にこっちに任せたウチが間違いやったわ…」

にこ「なっ……、い、いや、今回は何も言い返せないけど…」

希「ん。エリちもエリちやで。こんなとこで変なことして、ほんまに噂が流れたらどうすんの」

絵里「いいじゃない、別に」

希「よくない。生徒会長が堂々と不純行為したら他の生徒にしめしがつかへんやろ」

絵里「分かったわよ……もう、希は厳しいんだから…」

希「いや、普通やって」

にこ「……」

希「ん? にこっち、どうかした?」

にこ「あ、いや……希って、すごいなぁと思って…」

希「よう分からんけど、褒めてんねんな…?」

にこ(絵里をたしなめられるのって、希くらいなんじゃ……さすが副会長…)

希「じゃ、もうすぐチャイム鳴るやろうし、二人ともじゃれるのもほどほどにしときや」テクテク

にこ「あ、うん」

にこ(助かった……)ホッ

絵里「……」ジッ

にこ(…すごく見られてる…)

にこ「えっと、じゃぁにこも自分の席に戻…


ガシッ


にこ「…な、なに?」

絵里「今回は希がああ言うから何もしないけど。次、同じようなこと言ったら、分かってるわよね?」

にこ「は、はい……すみませんでした」

絵里「…そんなに怯えなくてもいいのに」パ

にこ(今の目は怯えるなってほうが無理だと思うけど…)

にこ(……まぁでも、にこがバカなこと言っちゃったせいだし……次からは気を付けよう…)


―――――

―昼休み―


にこ「さて、昼休みだけど……」

にこ(そういえば、穂乃果に呼び出されたはいいけど、どこに行けばいいか聞いてなかった…)

ピリリリリッ

にこ(ん? ……あ、穂乃果からだ。いいタイミング)ピッ


【屋上で待ってるね】


にこ(屋上ね。了解っと…)ピッピ

絵里「にこ、一緒にご飯食べましょう」

にこ「あ、いや、今日はちょっと先客が…」

絵里「先客?」

希「じゃ、エリちはウチと二人でお昼やね」

絵里「そうね。…ところでにこ、先客って…」

にこ「じゃぁにこ、急ぐから!」ダッ

絵里「……また誤魔化された…」ハァ



―屋上―


にこ「穂乃果!」タッ

穂乃果「あ、にこちゃん…」

にこ「ごめん、待った?」

穂乃果「ううん…今来たとこ…」

にこ「…そう」

にこ(なんか穂乃果、元気がないような…)

穂乃果「私の方こそごめんね。急に呼び出しちゃって…」

にこ「いや、別に。…にしても、見事に誰もいないわね」キョロキョロ

穂乃果「お天気があんまりよくないからね。明日は雨ふるらしいし」

にこ「あ、なるほど」

穂乃果「…じゃぁ、とりあえず食べよっか」

にこ「そうね」

にこ「いただきます」パカ

穂乃果「いただきます」パリッ

にこ(またパン……よほど好きなのね)

にこ「…それで、話って?」

穂乃果「……あの、この間の写真のこと、なんだけど…」

にこ「写真?」

穂乃果「…海未ちゃんとの、ポッキーゲームの」

にこ「あー……ごめんね、妹が送る相手間違えちゃって…」

穂乃果「ううん、それはいいんだけど……」

穂乃果「……あのね、海未ちゃん、顔がすごい真っ赤だった」

にこ「そりゃ、恥ずかしがりだからじゃない?」

穂乃果「……そう、だよね」

穂乃果「……にこちゃん」ジ

にこ「ん?」

穂乃果「……あの、一回だけでいいから、好きって言ってくれないかな…」

にこ「え、な、なんで?」

穂乃果「…だって私、言ってもらったことないんだもん」

にこ「いや、そりゃ普通、あんまり言わないでしょ」

穂乃果「……それもそうだね。じゃぁいいや」

にこ「なんなのよ一体…」

穂乃果「あ、じゃぁ、可愛いって言って。可愛いって」

にこ「えぇっ」

穂乃果「お願い。一回だけでいいから…」

にこ(ど、どうしよう…)


>>216

1.言う
2.言わない

いおう

にこ(…なんか切実な顔してるし、可愛いって言うくらいなら…)

にこ「……恥ずかしいし、本当に一回しか言わないからね」

穂乃果「うんっ」パァッ

にこ「っ……か、可愛いわよ。穂乃果は可愛い」

穂乃果「……えへへ、ありがと、にこちゃん」

にこ「いや、別に…」

穂乃果「にこちゃん優しいよね。結局二回も可愛いって言ってくれたし」

にこ「と、というか、まさかこのために呼び出したんじゃないでしょうね」

穂乃果「んー……まぁそうかな」

にこ「なによそれ…」

穂乃果「…迷惑だった?」

にこ「……別に迷惑ってほどじゃないけど…」

穂乃果「…えへ」ヘニャ

にこ「な、なによ」

穂乃果「やっぱり私、にこちゃんが好き。…大好き」

にこ「…穂乃果、本当に何かあったの? なんか様子おかしいわよ」

穂乃果「ううん、ちょっと色々考えちゃってただけ。でも、今ので吹っ切れたから大丈夫だよ」

にこ(吹っ切れたってなにが…?)

穂乃果「にこちゃんは迷惑かもしれないけど、私、にこちゃんのこと諦めないからね!」

にこ「…普通、そういうこと面と向かって言う?」

穂乃果「こうやって宣言したほうが、ちょっとは意識してもらえるかなーって」ニコー

にこ「……そんなことしなくても、十分意識してるんだけど…」

穂乃果「えっ?」

にこ「あああ、いや、なんでもない」

にこ(思わずぽろっと言っちゃったけど、なに言ってんだろ…)パクッ

穂乃果「にこちゃん、にこちゃんっ」ギュッ

にこ「……あの、抱きつかれると食べにくいんだけど…」

穂乃果「にこちゃん大好きっ!」

にこ「…はいはい」ナデナデ

穂乃果「えへへー」

にこ(というか、屋上に誰もいなくてよかった……こんなとこ見られたら、希にまた怒られるし…)


―――――

穂乃果「じゃぁにこちゃん、また放課後にね!」バイバイ

にこ「ん。またね」



にこ(結局、穂乃果の用事ってなんだったのかしら……まさか本当に可愛いって言わせるためだけに…?)テクテク

にこ(……あ、でも確か最初に海未との写メのこと言ってたわよね。あれがなにか関係が…)

ポンッ

にこ「!?」ビクッ

にこ(か、肩になんか感触が…)クルッ


>>226

(人物名でお願いします)

一番胃を痛めてるノンタンは特に幸せになってほしい

すみません、本当にこれはどっちなんでしょうか…

人物名だから、ことりちゃんなのかなと思ってたのですが…

希「あ、ごめん。驚かせてしもた?」パ

にこ「希……いや、ごめん。ちょっと考え事してたから気づかなかっただけ」

希「そか。ならよかった」

にこ「なんでこんなとこに?」

希「ちょっとジュース買いにね」

希「にこっちも今から教室帰るんやろ? 一緒に帰ろ」

にこ「うん」

希「……」テクテク

にこ「……」テクテク

にこ(…なんか、希と二人だとなに話したらいいか分かんないわね…って、誰が相手でも大抵は言葉に詰まってる気はするけど)

にこ(……でも、やっぱりそこは長年の付き合いなのか相性なのか、会話がなくても不思議と気まずい感じはしないのよね)

希「…あ、そうや、にこっち」

にこ「ん?」

希「エリちが言うてたけど、部活のときに何か提案があるんやて」

にこ「提案って?」

希「さあ。そこまでは聞いてへんけど…」

にこ「変なことじゃなきゃいいんだけどね…」

希「それは……まぁ、多分ないと思うけど…。ああ見えて、エリちも会長さんやから」

にこ「…それもそうね」

にこ(時々変になるけど、絵里って基本的にはしっかりしてるし、大丈夫よね)ウン

希「ところで、エリち寂しがってたよ。にこっちがいいひんから」

にこ「あー……いや、でも仕方ないじゃない。先約があったんだし…」

希「それはそうなんやけどね。ずっとショゲてたから、励ますの大変やったんよ」

にこ「なんかごめん……ってか、希っていつも絵里の話するわよね」

希「え、そう?」

にこ「自覚なかったの?」

希「いやー……まぁ、エリちとはしょっちゅう一緒におるしね」

にこ「ふーん…」

にこ(…まさか希って絵里のこと……いや、まさかね…)ジ

希「にこっち、どうかしたん?」

にこ「いや…、……希って、好きな人とかいないの?」

希「へっ? な、なん……ど、どうしたん、急に」

にこ「なんとなく気になったんだけど…」

にこ(よく考えれば、ここで絵里とか言われても気まずいだけよね…)

にこ「ごめん、忘れて。あ、ほら、教室ついたわよ」ガラッ、テクテク

希「あ、にこっち……」

希「……」ハァ


―――――

―放課後―


絵里「さて…全員集まったわよね?」

穂乃果「集まってるけど……なになに? なにかお話?」

絵里「ええ。…にこ」

にこ「なに?」

絵里「実はこの間ね、先生に頼まれたの」

にこ「何を?」

絵里「にこの勉強を見てあげてほしいって」

にこ「はっ?」

絵里「この間のテスト、散々だったんでしょう」

海未「ああ、そういえばそんなことを言ってましたね」

ことり「え、海未ちゃん、いつ聞いたの?」

海未「えっ、あ……ゆ、夢の中で!」

ことり「夢の中で!?」

にこ「海未の夢はさておき。この間も言ったけど、赤点はとってないわよ」

絵里「それでもどの教科もギリギリだったらしいじゃない」

にこ「それはそうだけど…」

にこ(ってか、誰が教えたかは知らないけど、教師が生徒の成績を他の生徒に教えるってどうなのよ…)

にこ(まぁ絵里とは友達だし同じメンバーだし、軽い気持ちで言ったのかもしれないけど…)

絵里「というわけで、にこにはしばらくの間、放課後に自主勉強をしてもらうわ」

にこ「ちょ、ちょっと! なんでそんな話になるのよ!?」

絵里「にこの成績が芳しくないからよ」

にこ(事実なだけに言い返せない…!)

にこ「で、でも、穂乃果や凛だって、そんなに成績がいいほうじゃないはずだけど…」

穂乃果「まさかの飛び火…!?」

凛「にこちゃん酷いにゃー…」

絵里「平気よ、二人はまだ大丈夫だから」

にこ「なにが大丈夫なのよ」

絵里「にこ、言っておくけどあなたは受験生なのよ」

にこ「…………あ!」

希「完全に忘れてたって顔やね…」

にこ「い、いや、さすがに覚えてはいたけど…」

にこ(そっか…受験生って勉強しなきゃいけないんだ…)

絵里「というわけで、決定ね」

にこ「あ、いや、でも、にこの家にはこころとここあがいるし……あんまり帰りが遅くなるのは…」

絵里「その点については私が交渉にいくわ」

にこ「交渉って、誰に?」

絵里「にこのお母さん」

にこ「え、なんで?」

絵里「とりあえず、事情を説明して仕事を早く切り上げてもらえるか聞くつもりだけど……恐らく無理だろうし、あまり迷惑はかけたくないから、一つ提案をしに」

にこ「提案?」

絵里「私がにこの代わりに妹さんの面倒を見てあげる」

にこ「……えっ?」

絵里「ほら、前にくじで穂乃果に決まった時があったじゃない。そのときみたいな感じで」

にこ「い、いやいや、でもそれは悪いし……」

絵里「遠慮は禁止」

にこ「う、うん…」

にこ「……あ、でも、家に帰ってちゃんと勉強すればそれで…」

絵里「家にいるときは妹さんたちのお世話で大変だって前に聞いた気がするけど」

にこ(た、確かに言った気がするけど…)

絵里「…決定でいいかしら?」

にこ「……お願いします」

にこ(確かに勉強はしないと、そろそろまずい頃合いだしね…)

絵里「じゃぁ決定ね」

穂乃果「ちょ、ちょっとストップ!」ハイッ

絵里「はい、穂乃果」

穂乃果「あの、それって、絵里ちゃんじゃなくてもいいんだよね? 前みたいに私が作りにいくのもアリだよね?」

絵里「ええ、アリだと思うわ」

穂乃果「じゃぁ私、行きたい!」

絵里「…ということは」

穂乃果「くじだね!」サッ

にこ(用意がよすぎて、事前に知ってたんじゃないかってレベルね…)

穂乃果「さ、にこちゃん、ひいて」

にこ「やっぱりにこが引くのね……あ、というか、そのくじって全員分入ってるんじゃないの?」

穂乃果「そうだけど?」

にこ「じゃぁ穂乃果と絵里だけにしないと、他のみんなには迷惑かけたくないし…」

絵里「…まぁ、私は確率が上がるからそれでもいいんだけど」

希「あ、あー! いや、全員そろった状態で引こ、な?」

にこ「え、でも…」

希「大丈夫やから。ほら、箱の中に手いれて」ギュ

にこ「あ、う、うん」

にこ(…希に手握られるのって、なんか珍しい…)

にこ(……まぁ、もし当たっちゃった人が嫌そうな素振り見せたら、すぐ断ればいっか。みんな優しいし、はっきりとは断らないだろうから)ス

にこ「じゃぁ、これ」ヒョイ


>>248

結果

(μ’sメンバーの名前でお願いします)

これは希は誰に配慮したんだろうか?
安価ならのんたん

穂乃果「あ、希ちゃんだね」

希「えっ」

にこ「えっと……希、予定とか大丈夫?」

希「あ、うん。それは大丈夫やけど…」

絵里「…まぁ希なら安心ね」

穂乃果「え、それって私だと不安だったってこと?」

絵里「ごめんなさい…正直、主に料理面が」

穂乃果「もーっ、こう見えてもちゃんと料理できるんだよ!」

海未・ことり「えっ」

穂乃果「二人ともなにその反応! ひどいよー!」

凛「大丈夫だよ、穂乃果ちゃん。凛もお料理は苦手だから」

花陽「あ、私も……おにぎりと、ご飯にあうおかずくらいしか作れないから…」

真姫「それって、ほとんどのおかず作れるってことじゃないの…?」


にこ「…なんか一気に騒がしくなったわね」

希「平和やねー」ノホン

にこ「……迷惑なら断ってくれていいんだからね?」

希「え?」

にこ「いや…正直、あんたって感情読み取りにくいし、どう思ってるかよく分かんないから。…あんまり迷惑かけたくないし」

希「…にこっちは良い子やね」ナデナデ

にこ(また子供あつかいして…)

希「大丈夫。ウチ、嫌なことは嫌ってちゃんと言うし。そもそも、にこっちのお家でご飯つくるのはむしろ楽しそうやしね」

にこ「…ならいいんだけど」

希「ふふ」ナデナデ

にこ「…というか、いつまで撫でてんのよ」

希「いやー、にこっちの髪って結構さらさらしてて、触ってて心地ええから」

にこ「そりゃお手入れには時間かけてるしね」フフン

絵里「……二人とも、そろそろ練習始めるわよ?」

希「あ、うん」パ

にこ「了解ー」

にこ「…って、今話してた自主勉強っていつからはじめるの? まさか今日ってわけじゃないでしょ?」

絵里「そうね、今日からっていうのはいきなりすぎるし。とにかく、にこのお母さんに話をするのが先でしょうし」

にこ「あ、それはにこが言っとくわ。さすがにそんなことまで、絵里の手を焼かせるわけにもいかないし」

絵里「…私は全然かまわないけど、にこがそう言うなら従うわ」

にこ「ん。じゃぁ希、明日よろしくね。妹たちにも話しとくから」

希「りょーかい」


―――
――


―練習後―


にこ(さて、と……絵里と希の誘いを断って、なんとか音楽室に来たけど、真姫ちゃんもう来てるかしら)ガラ

にこ「あ、真姫ちゃん」

真姫「……来てくれてありがとう、にこちゃん」

にこ「ううん。それよりごめん、待った?」

真姫「別に。練習終わってからそんなに時間も経ってないでしょ」

にこ「言われてみればそうね…」

にこ「で、なんでわざわざ音楽室に? 新曲でも聞かせてくれるの?」

真姫「残念だけどそういうわけではないわ。音楽室にしたのは、ただ単にここが落ち着く場所だから」

にこ「ふーん」

にこ(てっきり新曲のことだとばかり思ってたんだけど…)

真姫「…とりあえず、にこちゃんに質問」

にこ「ん?」

真姫「私に隠してることとか、ない?」

にこ「え?」

にこ(隠し事って……そりゃ、ないとは言い切れないけど…)


どう答えますか

>>257

1.ない
2.ある

1

にこ(……バカ正直にあるって言ったら、その内容まで聞きだされそうだし…)

にこ「ないわよ」

真姫「……、そう」

にこ「で、今の質問はなんだったの?」

真姫「ねぇ、にこちゃん。にこちゃんは私がどれだけにこちゃんのこと好きか、ちゃんと分かってくれてる?」

にこ「…まぁ、そりゃ、何度も聞いたし…」

真姫「だったら分かってほしいんだけど」

にこ「なにをよ」

真姫「にこちゃんが他の人とああいうことしてたら、嫌な気持ちにならないわけないでしょ」

にこ「ああいうこと?」

真姫「海未」

にこ「海未…? ………ああ、ひょっとして、あのポッキーゲームの…」

真姫「そう、それ」

にこ「あー…いや、あれはちょっとした遊びで…」

真姫「遊び? 遊びでああいうことするの?」

にこ「す、するんじゃないの? ほら、友達同士でのおふざけとか…」

真姫「……そう。だったら私ともしてよ」

にこ「えっ」

真姫「友達なんでしょ? 私たち」

にこ「え、あ、や、けど……ほら、ここにはポッキーとかそういうのもないし…」

真姫「じゃぁ買ってくるから」

にこ「わ、悪いじゃない、わざわざそんなこと…」

真姫「悪くないわ。私がしたいんだから」

にこ「ええっと…」

にこ(ど、どうしよう……なんとか止めないと、本当に買ってきそうな勢いだし…)

ちょっと間隔あきます
多分近いうちにまた再開します

再開します

にこ「…あのね、真姫ちゃん」

真姫「なに」

にこ「あれは妹たちと一緒のときにやったものだから、本当にただの遊びなの。にこにも海未にもそういう…変な気はないから」

真姫「………ほんと?」

にこ「こんなことで嘘つくと思う?」

真姫「……じゃぁ、信じる」

にこ「うん」

真姫「……にこちゃん」ギュッ

にこ(…ま、まぁ、抱きしめられるくらいなら大丈夫よね)

真姫「……ねぇ、海未とは何もないのよね?」

にこ「ないわよ。あの日は海未が妹たちと一緒に遊んでくれただけだし」

真姫「……ん」

にこ(しかし、真姫ちゃんはなんか、本当に子供っぽいというか……拗ねるの早い分、機嫌治るのも早いけど)

真姫「……、にこちゃん」

にこ「んー?」

真姫「今って二人きりよね」

にこ「まぁ、そりゃ。あそこの影とかに誰かが隠れてたら怖いでしょ」

真姫「……うん」ギュ

にこ「…あの、ところで話ってその写真のことだけ?」

真姫「そうだけど」

にこ「えっと…」

にこ(話が終わったならそろそろ帰りたいんだけど……でも、今変なこと言ってまた機嫌損ねたら大変だし……どうしよう…)


>>272

1.帰りたいと言う
2.言わない

にこ(いや、今言わないとずっとタイミングをつかめない気がするし…)

にこ「あー……あの、真姫ちゃん」

真姫「ん?」

にこ「にこ、そろそろ帰ってもいい? 夕飯の支度とかしなきゃいけないし…」

真姫「………そう。まぁ、家の事情じゃ仕方ないわね」パ

にこ(あ、意外とあっさりでよかった…)

真姫「じゃぁ帰りましょう」

にこ「え?」

真姫「私も一緒に帰るの」

にこ「あ、だ、だよね」

―――――

真姫「……」キョロキョロ

にこ「どうかしたの?」

真姫「いや、なんでも。帰りましょ」ギュ

にこ「う、うん」

にこ(なんで手を繋ぐのかってツッコんだら、多分負けなんだろうな…)

真姫「…そういえば、明日は希がにこちゃんの家に行くのよね」

にこ「あー…うん。申し訳ないけど」

真姫「で、にこちゃんは勉強すると」

にこ「うん」

真姫「ところで自主勉強ってなにするの?」

にこ「さあ…? そこらへん、絵里からまったく聞いてなかったわね…」

真姫「大体、エリーは先生に、にこちゃんに勉強を教えてくれって言われたのよね」

にこ「多分ね」

真姫「……もしかして、自主勉強ってエリーとマンツーマンだったりしないわよね?」

にこ「えっ……いや、それはさすがに…」

にこ(あ、でも普通、教えるってそういうことよね…)

にこ「もしかしたらそうかもね」

真姫「…ふーん」

にこ「まぁでも、違うかもしれないけどね。絵里のほうに教えてくれる気があるかは分からないし。絵里も絵里で、受験生なわけだし」

真姫「…………そんなの、あるに決まってるじゃない」ボソ

にこ「え?」

真姫「なんでもない」グイッ

にこ「…?」

真姫「…にこちゃん」

にこ「なに?」

真姫「私、頭いいの」

にこ「……嫌味?」

真姫「違うわよ。家で予習してるから、三年の範囲も手が届いてるわ」

にこ(嫌味じゃなかったら自慢…?)

真姫「…私を呼んでね」

にこ「え?」

真姫「もしもエリーとマンツーマンだったり、一人でやってて分からないことがあったら、私を呼んで」

にこ「え、いや、でもそのとき真姫ちゃんはもう家に帰ってるんじゃ…」

真姫「にこちゃんのためならすぐ来るわ」

にこ(それはさすがに気を使うんだけど…)

真姫「…とにかく、エリーと二人きりだけはダメよ」

にこ「う、うん」

にこ(二人きりだからって、別に普通に勉強するだけだと思うけど…)

すみません、眠いので更新ここで止めます

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

ゆったり再開していきます


―――――

にこ「あ、にこはこっちだから」

真姫「…うん」

にこ「じゃぁ……、あの、真姫ちゃん、手を離してくれないと、帰れないんだけど」

真姫「……うん」パ

真姫「……また明日」

にこ「ん。じゃーね」



にこ(…さて、今日帰ったらママに明日からのこと言わなきゃいけないのよね。……絶対怒られる気がする)テクテク

にこ(まぁにこが悪いから仕方ないんだけど……やっぱりあんまり怒られたくはないから、なんかワイロでも買って帰ろ)

にこ(確かママって、あのお菓子が好きだったはずだから……近くのスーパーに売ってるでしょ、多分)


にこ(多分もうここあたちは家に帰ってるだろうから、ちょっと急いで行こう)タッタッタッ

にこ(……って、あ。あれって…)


>>298

(真姫がいるとシュールなので、彼女以外の人物名でお願いします)

ことりちゅん(・8・)

にこ(ことり? なんでこんなとこに一人で……って、よく見たら私服だし、また買い物か何かかしら)

にこ「ことり」ポン

ことり「わっ……あ、に、にこちゃん? 今帰り?」

にこ「ええ。ことりは買い物?」

ことり「うん。ただ、今日は衣装は関係なくて、ただの私用」

にこ(衣装っていえば、前に約束したことりのブローチも買いに行かないと…)

ことり「にこちゃんもどこかに買い物? 確かにこちゃんの家、こっちの方向じゃなかったよね?」

にこ「ああ、うん。ちょっとワイロを買いにね」

ことり「ワイロ?」

にこ「ママ用に」

ことり「あー……ひょっとして、勉強のこと?」

にこ「そ。絶対怒られるから…」

ことり「あはは……大変だね」

にこ「まぁ仕方ないんだけどね。あ、ことりの家確かこっちよね。じゃ、また」

ことり「あ、あーっ、あの!」

にこ「なに?」

ことり「どこに買いに行くの? その、ワイロ」

にこ「この近所のスーパーだけど」

ことり「じゃぁことりもついてっていいかな?」

にこ「え? まぁいいけど…」

ことり「ありがとう!」パァッ


―スーパー内―


ことり「ところで、買うものは決まってるの?」

にこ「ママの好きなお菓子があるの。で、ことりはなに買うの?」

ことり「え?」

にこ「いや、なにか買いたいものがあるからついてきたんじゃないの?」

ことり「……本気でそう思ってそうなのが、にこちゃんのすごいとこだよね…」ハァ

にこ「どういう意味よ…」

ことり「別に。じゃぁことりもなにかお菓子買おうかな」

にこ「…ちなみに、その私用だっていう買い物袋の中には何が入ってるの? 正直、うっすら透けて見えてけど」

ことり「お菓子だよ」

にこ「……あんまり食べすぎると太るわよ」

ことり「それは女の子には禁句ワードなんだけどなぁ…」

にこ「にこも女の子だからノーカンよ。じゃ、お菓子売り場に行きましょ」

ことり「はーい」



にこ(あ。あった、ママの好きなやつ)ヒョイ

ことり「……二人でこうやって買い物するの、二回目だね」

にこ「そういえばそうね」

ことり「つまり、放課後デートも二回目ってことだよね」

にこ「い、いや、ことりは一度家に帰ってるし、放課後とは言えないんじゃないの?」

ことり「気分の問題だよ」

にこ「あっそ……ほら、ことりもさっさと選んでレジに行きましょ」

ことり「うん。じゃぁこれ」ヒョイ

にこ「んじゃ、行くわよ」

ことり「はーい。ね、にこちゃん、手繋いでいい?」

にこ「…にこの手はお菓子で埋まってるから」

ことり「もう片方は空いてるよね?」

にこ「…」スッ

ことり「無言で両手持ちにしないでよ」

にこ「女子高生二人がスーパーで手繋いで歩いてたら変でしょ」

ことり「大丈夫だよ。仲良いねーくらいにしか思われないって」

にこ「ええぇ…」

ことり「…ね、ダメかな?」

にこ(……ことりってホント、お願い上手というか…断れない雰囲気があるのよね…)

にこ「…レジについたら離すからね」ギュ

ことり「うんっ」

にこ(…やっぱり不自然よね、色々と。そんな子供でもない女二人が手繋ぎながら店内歩くのって…)

ことり「えへへ。こうしてるとほんとにデートみたいだね」

にこ「どっちかというと、迷子にならないように手繋ぎ合ってる姉妹みたいだと思うけど」

ことり「えー…にこちゃんが妹?」

にこ「いや、あんたが妹に決まってんでしょ」

ことり「それはないと思うけど…」

にこ「どーいう意味よ!」

ことり「まぁ姉妹でもいいけど。じゃ、レジまでゆっくり行こ」

にこ「早歩きで行くわよ」

ことり「にこちゃんのケチ…」

にこ「ケチもなにもないでしょ。大体、こういうとこ他の誰かに見られたら…」

にこ(まぁここは学校外だし、大丈夫だろうけど)

ことり「確かに、ここってここら辺では一番大きなスーパーだから、利用する人多いもんね。よく知り合いとも会うし、音ノ木坂の制服も見かけるし」

にこ「えっ、そうなの?」

ことり「あれ、知らなかったの?」

にこ「…手、はなしていい?」

ことり「ダメ。ほら、早歩きでいけばバレずにレジにつけるって」

にこ(そこまでして手を繋ぐ意味もない気がするんだけど…)

―――――

ことり「お菓子一品だけでレジにいったの、初めてかも」

にこ「にこもよ。…ところで、どうしてお店を出たのに、にこたちはまだ手を繋いでるの?」

ことり「ことりの左手と、にこちゃんの右手が空いてたからじゃないかな」

にこ「空いてたからって繋ぐ必要はないでしょ」

ことり「さ、帰ろう」

にこ「無視された…」

にこ「というか、ことりの家ってこっちから帰ったほうが近いんじゃないの?」

ことり「うん。けど、もうちょっとにこちゃんと一緒にいたいから」

にこ「うぇっ!?」

ことり「今、真姫ちゃんみたいな声出たね。というか、スーパーについてきたのだって同じ理由だったんだよ?」

にこ「あ、そ、そう…」

ことり「にこちゃんはニブいよね、ほんと」

にこ「…悪かったわね」

ことり「別にことりはいいんだけどね。こうして直接伝えれば、にこちゃんは分かってくれるし」

ことり「…それに、そのたびに顔真っ赤にして照れるにこちゃんも可愛いし」

にこ「べ、別に赤くなってないし、照れてもいないわよ」

ことり「えー、赤いよ。自分で分からないの?」

にこ「分かるわけないでしょ……ってか、さっさと帰るわよ」グイッ

ことり「うん」

ことり(手は繋いだままでいいんだ…)

にこ(ことりって急に変なこと言うから、たち悪いのよね…)

にこ(…とりあえず無心で歩こう)テクテク

ことり「……ねぇにこちゃん」

にこ「なに」

ことり「熱いお茶とかって、なかなか冷めないよね」

にこ「そうね……、急になんの話?」

ことり「いや、真っ赤になった顔もね、なかなかすぐには元に戻らないものなんだなぁって」

にこ「……だから赤くなんてなってないってば」

ことり「…あ、写真撮ってあげよっか? それなら分かるかもしれないし」

にこ「」サッ

ことり「やっぱり自覚あったんだね」

にこ「に、にこは、ほら、あれよ。照れ屋だから、すぐに赤面しちゃうのよ」

ことり「そんな海未ちゃんじゃないんだから」

ことり「…にこちゃんってストレートに言われるのに弱いよね」

にこ「んなことないわよ」

ことり「えー……好きとか、愛してるとか、言われると恥ずかしくない?」

にこ「べ、別に平気だけど」

ことり「そっか……じゃぁこれからはもっとたくさん言っていくことにするね」

にこ「ごめんなさい、本当にやめてください」

ことり「にこちゃんって分かりやすい嘘つくよね」

にこ「…嘘が下手ってことは、正直者で良い子ってことでしょ」

にこ(自分で言うのもなんだけど…)

ことり「…ふふ」

にこ「なによ、急に笑って…」

ことり「いや、こうして手繋ぎながら歩いてると、なんか恋人同士みたいだなぁって」

にこ「……だから、よくて姉妹だってば」

ことり「ケチ」

にこ「だから何がケチだってのよ…」

ことり「あーあ、いっそ知ってる人に見られてたらよかったのに。そしたら姉妹とは間違われないし」

にこ「あんたまで嫌なこと言わないでよ」

ことり「あんたまで?」

にこ「あー…いや、なんでも…」


―――――

コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=(知人に)見られてた

5.6.7.8.9=見られてない


―――――

ことり「じゃぁにこちゃん、また明日ね」

にこ「ん。また」

ことり「…あ、そうだ」

にこ「ん?」

ことり「明日は浮気しちゃダメだからね?」

にこ「浮気って……にこは誰かと付き合った覚えはないんだけど…」

ことり「まぁ細かいことはさておき」

にこ「細かくはないでしょ……ってか、明日って?」

ことり「希ちゃんのことだよ」

にこ「は? 希? ……ないでしょ」

ことり「え、ないの?」

にこ「むしろなんであると思ったのよ…」

ことり「だって仲良いし」

にこ「ただの友達に決まってるじゃない」

にこ(…希はにこに色々よくしてくれるけど、それも友達だからだろうし)

にこ(そもそも希はもしかしたら絵里のことを……)ムゥ

にこ「…ん?」

ことり「どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでも…」

にこ(今なんでムッとしたんだろ…)

ことり「……まぁそれなら安心かも」

にこ「安心って…そんな大げさな」

ことり「大げさじゃないよ。…にこちゃん見てたら、何となく分かるもん」

にこ「なにが?」

ことり「色々と。まぁそれはさておき、」

にこ(また、さておき…)

ことり「勉強、頑張ってね」

にこ「…まぁ、出来る限りでね」

ことり「ことり的には、にこちゃんが留年してくれても全然いいんだけど」

にこ「嫌なこと言わないでよ…」

―――
――


にこ(さて、と……こころたちも寝かしつけたし、あとはママが帰ってくるのは待つだけね)

にこ(……とはいっても、まだ十時だから、まだまだだけど)

にこ(……テレビでも見よう)ピッ


ピ、ピ、ピッ


にこ(…こんな日に限って、面白いものやってないのよね)

にこ(どうしよっかなぁ…)



何をして時間をつぶしますか

>>316

希にメール

にこ(希にメールでもしよっかな…)ピッ

にこ(とはいっても、どんな……、明日のことでいっか。なんとなく決まっちゃったけど、希にはちゃんとお願いしてなかったし)ピッピ

にこ(……よし、送信っと)ピ

にこ(…って、よく考えたらメールだと返信が来るまで待たなきゃいけないのよね)


ピリリリリッ


にこ(あ、早い。えっと…)ピッ


【明日はウチにお任せやで~。にこっちの妹さんたちとも、もっとちゃんとお話ししたいと思ってたし、ちょうどよかったわ。ただ、料理のほうの味は保証できひんけどね】


にこ(保証できないって…あんた一人暮らしだし、料理得意でしょうよっと)ピッピ


ピリリリリッ


にこ(早い…)ピッ


【一人暮らしがみんな料理できるとは限らへんのよ…】


にこ(なんでこう不安になることばっか言うのかしら…)

にこ(…ま、どんなに不味くてもありがたくいただくけどね)ピッピッ

にこ(希の作るご飯ならどんなものでも大丈夫だけどね…っと。送信)ピッ

ピリリリリリッ

にこ「本当に早いわね……って、電話?」ピッ

にこ「もしもし? どうしたの?」

希『にこっち、メールってな、会話と違って相手の表情が見えへんやん』

にこ「それが?」

希『やから安易なこと書かんほうがええよ。今後のためにも』

にこ「はあ……よく分からないんだけど」

希『…にこっち、お願いやから少しは鋭くなろう…』

にこ「悪かったわね、ニブくて」

にこ(さっきことりにも言われちゃったし……やっぱりにこってニブいのかしら…)

にこ「というか、本当になんで電話してきたの?」

希『やから、今のメールはちょっとどうかなぁって思ったからやて』

にこ「今のメールって、今送ったメールでしょ? 何か悪かった? 希の作るご飯ならなんでもありがたく食べるってこと言いたかっただけなんだけど…」

希『……まぁ、友達同士やと考えると、確かに変なとこはないかもしれへんね』

にこ「でしょ」

希『じゃぁ一つ聞くけど、それってウチに対してだけ?』

にこ「え?」

希『たとえば、エリちや真姫ちゃんとかと同じ会話したとしても、同じようなメール送るん?』

にこ「そりゃそうでしょ」

希『………にこっち、ウチもう心が折れそうやわ…』

にこ「どういう意味よ…」

すみません、ちょっと間隔あきます

今日は土曜日なので、眠くなるまで更新すると思います

レスありがとうございます

無理しない程度にゆるりと更新再開していきます

にこ「…というか、最近なんか希、疲れてない?」

希『……それは分かるんやね』

にこ「いや、さすがにね。理由は分からないけど、大丈夫?」

希『にこっちにそれ言われるのは複雑やけど、大丈夫やから。…にこっちこそ、平気? 明日から自主勉強もはじめなあかんし、家のこととかと含めて、体壊したりせんといてよ』

にこ「多分平気。まぁぶっ倒れたときは、希に介抱頼むから」

希『なんでウチなん。エリちたちなら喜んで看てくれるで?』

にこ「それは気まずいでしょ。希と一緒が一番気楽だし」

希『わー…光栄なような、嫌なような、複雑な気分や』

にこ「安心しなさい。その代わり、あんたがぶっ倒れたらにこが介抱したげるわ」

希『……、それは光栄やわ』

にこ「でしょ?」

希『まぁお互い倒れへんようにすんのが一番なんやけどね』

にこ「それはそうね」

希『というわけで、くれぐれもよろしくね、にこっち』

にこ「え、どういう意味?」

希『心配かけんでって意味』

にこ(心配って……やっぱり絵里とかとのことなのかしら)

にこ「…善処するわ」

希『ほいほい』

希『ところで、にこっちがこんな時間にメールしてくるなんて珍しいね。しかもあんな内容で』

にこ「あんな内容って……失礼ね。にこだってちゃんと礼儀くらい通すわよ」

希『まぁそうなんやけど。大方、暇やからやろ?』

にこ「ご名答」

希『にこっちにとってウチは暇つぶし相手なんやねー』

にこ「いや、そういうわけじゃ…」

希『ええよ、別に。じゃ、適当になんか話そか』

にこ「ん。……あ。A-RISEの話とかどう?」

希『にこっちはホンマA-RISEが好きやね』

にこ「μ’sを始める前からのファンだしね。なんたってA-RISEは、」

―――――

希『にこっち……もう十一時なんやけど…』

にこ「えっ!? あ、ご、ごめん、つい夢中になっちゃって…」

にこ(一時間も経ってたなんて気づかなかった…)

にこ「ごめん、長々と…つまんなかったわよね」

希『いや、結構勉強になったよ。同じスクールアイドルとして。それに、ウチもA-RISEのこと好きやし』

にこ「…ありがと」

希『どういたしまして…って、なにも感謝されるようなことは言うてへんけど』

希『じゃぁごめんやけど、そろそろ切ってもええかな? ちょっと今日は眠くて…』

にこ「あ、うん。じゃぁまた明日」

希『うん。また』

ピッ


にこ(希にはちょっと悪いことしちゃったわね……にしても、ママはまだ帰ってこないのね)

にこ(かといって、こんな時間に誰かにメールや電話するわけにもいかないし…)

にこ(仕方ない、ここは大人しくテレビでも見て…)ピッ


ノコイコロシテヤルウウウゥゥゥーッ!


にこ「!!??」ビクゥッ

にこ「な、ななななんでこんな時間にホラー番組なんて…!」ピッ

にこ(ビックリした……今の映像は、ショッキングすぎてしばらく忘れられそうにないわ…)


ピリリリリリッ


にこ「!? な、なに…電話…?」

にこ「こんな時間に誰から……」ピ



>>332
相手

穂乃果

にこ「穂乃果…?」ピ

にこ「もしもし?」

穂乃果『あ、にこちゃんごめんねー、こんな時間に』

にこ「い、いや、別に…」

穂乃果『? なんか声震えてない?』

にこ「ふ、震えてないわよ!」

穂乃果『そう? ならいいんだけど…』

にこ「それより、何か用?」

穂乃果『あ、うん。あのね、ただ声が聞きたかっただけなんだけどね』

にこ「は?」

穂乃果『いやー、なんかね、にこちゃんのこと考えてたら、にこちゃんと話したいなーって思って。あ、今忙しかった?』

にこ「いや、別に平気だけど…」

にこ(それだけの理由でこの時間に電話をかけられるなんて、さすが穂乃果ね…)

穂乃果『そっか、よかった。じゃぁちょっとお話しようよ』

にこ「…まぁいいけど」

にこ(穂乃果の能天気な声聞いてたら、怖いのも吹っ飛んでいきそうだし)

穂乃果『じゃぁにこちゃんの好きな話でいいよ。電話したの私だし』

にこ「好きな話…」

にこ(と言われても、A-RISEの話はさっき希に散々聞かせちゃったし……他に、にこが好きなものっていえば…)

にこ「……みゅ、μ’sのこととか?」

穂乃果『いいけど……自分たちのこと話すのは、なんか恥ずかしいよね』

にこ「にこもそう思うわ…」

穂乃果『にこちゃん、本当にスクールアイドル以外好きなものないんだねー』

にこ「アイドル一筋なのよ」

穂乃果『好きなものには一筋になるタイプってこと?』

にこ「まぁ多分そうね」

穂乃果『そっかぁ……』

にこ「…なによ、その含みのある返しは」

穂乃果『あー、いや……にこちゃんに好きになってもらえた人は、幸せだろうなぁって』

にこ「…そう?」

穂乃果『そうだよー。…それが私だと、すごく嬉しいんだけど』

にこ(……なんて返せばいいか分からない)

穂乃果『なんてね、そんなに黙らなくても、本気じゃないから大丈夫だよ』

にこ「…ごめん」

穂乃果『謝らないでよ。…返事は本当にいつでもいいからさ。私がにこちゃんを大好きって気持ちは変わったりしないし』

にこ「う、うん…」

にこ(胸がすごい痛むんだけど…)

穂乃果『…………あ!』

にこ「な、なによ、いきなり大きな声あげて…」

穂乃果『ごめん、忘れてた。にこちゃんに言うことあったんだった』

にこ「言うこと?」

穂乃果『明日、くじ引きするからよろしくって絵里ちゃんが言ってた』

にこ「え、言ってたっていつ?」

穂乃果『今日の帰り道、みんなで帰ったとき。……あれ? そういえばにこちゃんと真姫ちゃんいなかったよね? 何か用でもあったの?』

にこ「あ、あー、うん、ちょっとね」

穂乃果『? まぁとにかく、そのとき話したんだけどね。明日の勉強会、誰か一人がにこちゃんの手伝いをすることに決まったの』

にこ「え」

にこ(決まったって……にこ、聞いてないんだけど…って、あ、いや、今聞いてることになるのか…)

にこ「けど、絵里と希はともかく、他のみんなは年下だし、さすがに手伝いとか無理なんじゃないの?」

にこ(そもそも悪いし。…というか、希には家でこころたちの面倒見てもらうんだから、付き合ってもらうのは無理じゃない)

穂乃果『あ、手伝いって言っても直接的なお手伝いじゃなくてね』

穂乃果『……私たちも一緒に勉強するという…手伝いだよ』ズーン

にこ「そ、それって手伝いっていうの? どっちかというと罰ゲームなんじゃ…」

穂乃果『にこちゃんが一人だとサボっちゃうかもしれないから、それを阻止するためだって』

にこ「ああ、そう……って、それってみんな納得してるの?」

穂乃果『まぁ、うん。凛ちゃんはちょっと嘆いてたけどね』

にこ「そりゃそうよね…」

にこ(というか、他のメンバーはどんだけ良い子なのよ…)

にこ「なんかホントごめんね…巻き混んじゃって」

穂乃果『仕方ないよ、三年生なんだし。……勉強は嫌だけど、私はくじ引きが私に当たればいいなって思ってるよ』

にこ「え、なんで?」

穂乃果『だって、放課後の教室でにこちゃんと一緒に勉強するんだよ?』

にこ「うん」

穂乃果『だからだよ』

にこ「えっ、ごめん、分かんないんだけど…」

穂乃果『それくらいは自分で考えて。じゃ、μ’sの話に戻ろっか』

にこ「あ、そういえばそんな話題だったわね…」


―――――

穂乃果『自分たちの話題でも、意外と話せるものだね…』

にこ「そうね……というか、そろそろ切ったほうがよくない? 時間も時間だし…」

穂乃果『んー…そうだね。明日も学校だし、そろそろ寝るよ』

にこ「ん。じゃ、またね」

穂乃果『うん。……あ、にこちゃん、にこちゃん』

にこ「なに?」

穂乃果『好きだよ』

にこ「っ……な、なにを…」

穂乃果『えへへ、じゃぁまた明日ねー』ピッ

にこ「……言うだけ言って、切っちゃうし」

にこ(好き、かぁ……ほんと、いつまで問題を先延ばしにしてんのかしら…)ハァ

―――
――


にこ(結局、ママの許可はあっさりおりた。くれぐれも友達には迷惑かけないことっていうのが条件だけど……正直もうかなり迷惑かけてる気がする…)

にこ「……はぁ」

こころ「にこにー、どうしたの?」

にこ「いや、なんでもないわ」

ここあ「元気ないの? おそと、雨だから?」

にこ「あー……確かにすごい土砂降りね。ニュースでも一日中雨だって言ってるし」

にこ(雨の日ってなんか憂鬱になるわね…)

すみません、眠いので更新ストップします

土曜日は暇だったら朝か昼から更新再開すると思いますので、よろしくお願いします

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます

朝ですが、案の定暇なのでゆったりと更新再開していきます


―――――

ガラ

絵里「あ、にこ、おはよう」

希「おはよー」

にこ「おはよ」

絵里「穂乃果から聞いた? 勉強会のこと」

にこ「あー、うん。というか、あれ本当にいいの? にこの勉強に付き合わせる形になるけど…」

希「まぁウチらもウチらで、一人やとあんまり勉強する機会もないし。真面目なエリちたちは別として」

にこ「だからって…」

絵里「もう決まったことなんだから、今更言っても仕方ないわよ。それより勉強のことだけ考えないと、本当に留年しちゃうわよ」

にこ「…笑えない冗談ね」

希「それを笑える冗談にするために、ファイトやで、にこっち!」

にこ「…希、なんか活き活きしてない?」

希「いやー、ウチはくじには参加しーひんし。凛ちゃんたちと違って、勉強嫌ーって嘆く必要もないから」

にこ「ああ、なるほどね…」

にこ(穂乃果はああ言ってくれたけど、凛は本当に勉強とか嫌いそうだしね……そもそも、にこと凛の二人で勉強がはかどるとは、あんまり思えないし…)

にこ(やっぱり一緒に勉強するなら、絵里とか真姫ちゃんとか海未みたいに真面目な…)チラ

絵里「…どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでも…」

にこ(よく考えたら、それは別の意味で勉強がはかどらない気がしてきた…)

にこ(ま、まぁとりあえず、くじの結果なんて操作しようがないんだから、成り行きに任せることにしよう)ウン

―――――

―昼休み―


希「にしても、雨全然やまへんねぇ…」

にこ「多分明日の朝くらいまでずっと降ってるわよ」

希「うわー…帰りたくないなぁ…」

にこ「夕方あたりに特に荒れるらしいって、テレビでも言ってたしね」

希「ウチ、学校に泊まろかな…」

絵里「そんなわけにはいかないでしょ。傘があるんだから平気よ」

希「傘があっても濡れそうな勢いやけどね」

絵里「…そこは根性でなんとか」

希「ならへんのが、現実やねん」

絵里「…あきらめましょう」

希「せやね…」

絵里「まぁ本当にひどいときは学校に雨宿りでもして時間をつぶせばいい話なんだけどね」

にこ「確かに傘さしてるとはいえ、大雨の中帰るのは気が引けるしね」

希「うん……って、ん?」

にこ「? 希、どうかした?」

希「あー、いや、後ろ。扉んとこ」

にこ「え?」クル

にこ「あ。あれって、>>351



(絵里、希以外のメンバーの名前でお願いします)

かよちん

にこ「花陽? 一人で三年生の教室に来てるなんて珍しいわね…」

希「せやね。ウチ行ってこよか?」

にこ「あー、いや、にこが行くわ」ガタ

にこ(ついでに話したいこともあったし)

絵里「ん。じゃぁいってらっしゃい」

にこ「はーい」テクテク


にこ「花陽」

花陽「わっ……あ、に、にこちゃん。よかったー、見つかって」

にこ「見つかったっていうか、にこたちが見つけたんだけどね。こんなとこでどうしたの? 凛たちは?」

花陽「凛ちゃんたちには教室で先にご飯食べてもらってるの」

にこ「ふーん、花陽が一人なんて珍しいわね」

花陽「本当はついてきてもらおうと思ってたんだけど……私の用事で二人を動かせるのも申し訳ないなって思って…」

にこ「花陽の用事って? あ、ひょっとして絵里に部活のことで何かあるとか?」

花陽「あ、ううん、そうじゃなくて。にこちゃんに話があるの」

にこ「にこに? なに?」

花陽「あの……昨日話した、待ち受けのことなんだけど…」

にこ「ああ、携帯の」

花陽「うん。あのときは黙ってようと思ったんだけど……やっぱりだんだん悪いなぁって思ってきて…」

にこ「悪いって?」

にこ(何か悪いことあったっけ…?)

花陽「あの……実は私の待ち受け、ツバサさんじゃないの! ごめんなさい!」バッ

にこ「い、いや、頭下げないでよ。なんかにこが下級生いじめてるみたいじゃない」

花陽「あ、ごめんね」パ

にこ「というか、待ち受けツバサにするのやめたの? やっぱり恥ずかしい?」

花陽「いや、そうじゃなくて……そもそもツバサさんにする予定はなかったというか、その…」

にこ(…つまりにこが勘違いしてたってこと?)

にこ(しかし、わざわざそれを訂正するためだけに教室に来るって……どんだけ律儀なの)

花陽「もちろん、私がツバサさんのファンだっていうのはゆるぎない事実なんだけど…」

にこ「いや、それは分かってるから大丈夫」

花陽「そ、そっか。……あの、だからね、にこちゃんの待ち受けのことなんだけど、戻したほうがいいんじゃないかなぁと思って…」

にこ「あ、そっか。ツバサに変えたんだったわね。……というか、それを伝えるためにここに?」

花陽「うん」

にこ「それならメールでもよかったのに」

花陽「……………あっ」

にこ「忘れてたのね……まぁ花陽らしいわ。けど、わざわざありがとね」

花陽「ううん、そんな。元々にこちゃんが待ち受け変えたのは、私のせいだし…」

にこ「私のせいって、そんな大げさな…。でも、にこはしばらくあの待ち受けのままでいいわ」

花陽「えっ、な、なんで?」

にこ「いや、ほら、なんかツバサを待ち受けにしてるとご利益がある気がするじゃない。もしかしたら本人に会えたりするかもしれないし…!」

花陽「そ、そうなったらすごいけど、どうかな…」

にこ「ま、ご利益がなかったとしても、携帯を開くたびにツバサの顔が見れるっていうのは幸せだし」

花陽「……にこちゃんは本当にツバサさんが好きなんだね」

にこ「そりゃね。花陽だって同じでしょ?」

花陽「…うん。そうかも」

にこ「ツバサだけじゃなく、A-RISEは理想のアイドル像だしね。まぁだからといって、負けるつもりはないけど」

花陽「でも確か、にこちゃんってツバサさんにファンレター送ってたよね?」

にこ「えっ、何で知ってるの!?」

花陽「前にこちゃんから直接聞いたんだけど…」

にこ「……あっ」

にこ(忘れてた…。今まで同じアイドル好きの後輩っていなかったから、つい花陽にはペラペラと色んなこと喋ってたんだった…)

にこ「ま、まぁ、A-RISEはほら、ライバルであり、憧れだから。それはそれ、これはこれってことで」

花陽「う、うん。その気持ちはちょっと分かるけど…」

花陽「……けど、私は…あの…」

にこ「なに?」

花陽「あ、アライズより、今はにこちゃんのほうが可愛いって思ってるよ」

にこ「………えっ、あ、そ、そう?」

花陽「う、うん」

にこ「……」

にこ(な、なんて言えばいいか分かんないんだけど……というか、他のメンバーならともかく、花陽にそんなこと言われるなんて完全に予想外だし…)

にこ「…に、にこも、花陽は可愛いって思ってるわよ」

花陽「い、いや、それはないと思うけど…」

にこ「なに言ってんのよ。このにこにーが言うんだから間違いないって」

花陽「………う、うん…ありがとう…」

にこ「…えっと、じゃぁそろそろ教室に戻ったほうがいいんじゃない? あんまり遅くなりすぎると、お昼食べる時間なくなっちゃうだろうし」

花陽「あ、うん。ごめんね、昼休みにお邪魔しちゃって」

にこ「いや、全然」

花陽「……あ、にこちゃん」

にこ「ん?」

花陽「あの……、携帯の待ち受けはあんまり人に見せないほうがいいと思うよ」

にこ「え?」

花陽「じゃぁまた放課後に」タッタッタッ

にこ(見せないほうがいいって……そりゃ積極的に見せたりはしないけど、なんでそんなこと…?)


―――
――


ザアアアァァァーッ


穂乃果「放課後だね」

海未「そうですね」

穂乃果「雨、やまないね」

ことり「むしろ朝より激しさを増してるね」

穂乃果「これじゃ練習は…」

希「屋上では難しいやろね」

穂乃果「だよねー…」ハァ

凛「でも、雨にうたれながらの練習も悪くないんじゃないかにゃ?」

真姫「体冷やして風邪ひく未来しか待ってないだろうけどね」

花陽「えっと…じゃぁ今日の練習は屋内ってこと?」

絵里「そうなるわね」

にこ「でも、前も似たような話した気がするけど、圧倒的に場所が足りないと思うんだけど」

海未「まぁ確かに、音楽室と空き教室以外、使用できるような場所がありませんしね」

穂乃果「じゃぁここは絵里ちゃんたちの生徒会権限を利用して…!」

絵里「職権濫用はダメよ」

穂乃果「ちぇー…」

ことり「なら、どうする? また何組かに分かれて練習する?」

希「場所の問題もあるし、それが一番かもね」

絵里「じゃぁ各自適当に何組かに分かれて練習しましょう」

にこ(って、また適当になのね……なんで屋内で練習するときはくじで班分けしないのかが謎なんだけど…)

にこ(一体誰を誘えば……とりあえず適当にキョロついて、最初に目にとまった人にしよう)キョロキョロ


>>361

誘う相手

かよちん

にこ(…花陽ね。あれ、というか凛たちが近くにいないなんて珍しい…)チラ


凛「屋上で練習したいにゃー! 凛ちょっと雨乞いしてくる!」ダッ

穂乃果「あ、じゃぁ私も行く!」ダッ

真姫「ちょっ、雨乞いは逆に雨を降らせる行為でしょ!? というか、なにバカなこと言ってるの!」


にこ(真姫ちゃんも大変だなぁ……とりあえず今のうちに声かけとこう)

にこ「花陽、ちょっといい?」

花陽「あ、にこちゃん。なに?」

にこ「よかったら一緒に練習しない?」

花陽「うん、いいけど……珍しいね。にこちゃんが誘ってくれるなんて」

にこ「まぁ花陽と一緒なら体力の限界で倒れることもなさそうだしね…」

花陽「え?」

にこ「い、いや、こっちの話」

花陽「? あ、それじゃぁどうする? 誰かもう一人誘う?」

にこ「えっと…」


>>363

1.二人でやる
2.誰かもう一人誘う(相手は再安価)

1

にこ「いや、二人でやりましょ。そのほうが調整しやすいし」

花陽「調整?」

にこ「ああ、いや、それもこっちの話」

にこ(正直、今日はあんまり体力使いたくないとか言ったら怒られそう…)

にこ(けど今日の練習に全力出したら、絶対勉強か、雨の中の帰り道の途中で倒れる気がする…)

花陽「よく分からないけど、じゃぁ二人で練習しよっか」

にこ「うん」

花陽「場所はどうする?」

にこ「あー……花陽はなんの練習したい? ボイトレ以外ならどっか適当な空き教室とか廊下とかでいいかなーって思ってるんだけど」

花陽「私はとにかく基礎練習がしたいかなぁ……やっぱり体力がちょっと不安だから…」

にこ「にこも同意……ってことで、廊下でしましょうか」

花陽「そうだね」



穂乃果「うぅ……真姫ちゃんにすっごい怒られた…」

凛「真姫ちゃんの鬼ー…」

真姫「凛たちがバカなこと言ってるからでしょ。しかも本当に屋上に出て行こうとするし…」

海未「すみません、真姫。穂乃果が迷惑をかけて…」

真姫「いや、別に。……海未って穂乃果のお母さんみたいね」

海未「あまり嬉しくないのですが…」

穂乃果「あ、ところでにこちゃん、よかったら私と一緒に練習しない?」

にこ「いや、もう花陽と一緒にするって決めちゃったから、今日は遠慮するわ」

穂乃果「えぇっ……まぁそれなら仕方ないかぁ…」ガクッ

にこ「な、なんかごめんね」

穂乃果「いやいや、いいよ。また今度誘うから。あ、じゃぁ海未ちゃんことりちゃん、一緒にやろうよ!」

ことり「うん、いいよー」

海未「では久しぶりに全力でレッスンしましょうか」

穂乃果「えっ、こ、この間も全力だったじゃん…」

にこ(あの三人はいつ見ても仲良くて微笑ましいわね…)

真姫「……」ジ

にこ「…な、なに?」

真姫「…いや、別に。凛、一緒にやりましょ」

凛「えぇー、凛は真姫ちゃんよりかよちんたちとのほうが…」

真姫「行くわよ」ズルズル

凛「強制連行なの!?」

にこ(あれもあれで微笑ましい…のかもしれない)


ピリリリリッ

にこ(ん? あ、ママからメールだ)ピ


【今日のシフトちょっと増えちゃったから帰るのはいつも以上に遅くなるかも。ごめんね。あと、勉強頑張ってね】


にこ(了解っと…)ピッ

にこ(しかし、ママも大変ね…)

絵里「じゃ、各自練習をはじめましょう」

「「「はーい」」」

にこ(あ、やば。早く行かないと。えっと、タオルと水持ってっと…)カタ


―――――

にこ「とはいえ……人気の少ない廊下ってあんまり見つからないものなのね」テクテク

花陽「今日は意外と校内に残ってる人が多いからかな…?」

にこ「多分ね。まぁ雨だし、みんな帰るのが億劫なんだろうけど」

にこ「……と、ここなら人通りもないし、いいかもね」

花陽「じゃぁここにしよっか」

にこ「ん。ところで、屋内で出来る基礎練って…筋トレとか?」

花陽「前に凛ちゃんと練習したときは、ランニングもやったよ。先生たちも部活のためなら廊下走ってもあんまり怒らないみたい。ただ、人が少ないところ限定だけど」

にこ「じゃぁ準備運動してとりあえずランニングからはじめましょうか」

花陽「うん。あ、荷物ってここに置きっぱなしでいいのかな?」

にこ「いいんじゃない? というか、荷物持ってきてたの?」

花陽「水筒と携帯とタオルだけ、念のために」

にこ「へえ…」

にこ(って、そういえばにこは携帯部室に置きっぱなしだった……行くときバタバタしてたから忘れてたけど、多分机の上よね。……まぁいっか。部室だし、変な人が入ることはないでしょ)

にこ「じゃ、とりあえず…一応校内だから軽く走りましょ」

花陽「うん」


―――
――


にこ・花陽「」グッタリ

にこ「な、なんで軽く走ったのに……こんなにグッタリしてるんだっけ…?」

花陽「途中で、ソフトボール部の練習を見て……それに対抗した結果じゃなかったかな…?」

にこ(ああ、そういえば……にこって変なとこで負けず嫌いだったのね…)

にこ「ごめんね、花陽。変にペースあげて、それに付き合わせちゃって」

花陽「ううん、大丈夫。私もいい運動になったから」

にこ「…たまには怒ってくれてもいいのよ。そんなんじゃストレスでいつかはげちゃうわよ」

花陽「は、はげたくはないけど……本当に怒ってないから、大丈夫だよ」

にこ「ならいいけど……、とりあえずちょっと休みましょうか。はい、水筒」

花陽「ありがとう」

花陽「……ちょっと疲れたけど、凛ちゃんたちと一緒のときよりは少しマシかも」

にこ「あー…凛もハードそうだもんね。海未たちとはまた別のベクトルで」

花陽「うん。あれはあれで楽しいからいいんだけどね」

にこ「た、楽しいの…?」

花陽「楽しいよ。凛ちゃんね、走るときすごく楽しそうな顔して笑うから」

にこ「走るの好きなのね」

花陽「元々は陸上部だったから。あと、真姫ちゃんはボイストレーニングしてるとき、すごく楽しそうなの。本人は顔に出してないつもりらしいんだけどね」

にこ「ああ…それはなんとなく分かるわ」

にこ(前に見たことあるし)

花陽「相手が楽しそうにしてると、こっちまで楽しくなっちゃうから」

にこ「なるほどね…」

にこ(…にこもちょっとは楽しそうにしたほうがよかったかも)

にこ「というか、花陽ってホントあの二人のこと好きよね」

花陽「凛ちゃんと真姫ちゃん?」

にこ「うん。今も二人の話するときはすごい嬉しそうだったし」

花陽「それはちょっと気づかなかったけど……やっぱりお友達だからかな。特に凛ちゃんたちは特別だから」

にこ「まぁ、やっぱり同級生の友達ってちょっと特別な感じあるしね」

花陽「うん。二人がいなかったら、私はμ’sに入れてすらいなかっただろうし、特にね」

花陽「……あの、そのつながりで、にこちゃんにちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

にこ「え、なに?」

花陽「にこちゃんは、その……私たちが、ずっと一緒にいたいって言ったら迷惑?」

にこ「…えっと、ごめん。ちょっと意味がよく分からないんだけど…」

花陽「つまり、私と凛ちゃんと真姫ちゃんが、ずっとにこちゃんと一緒にいたいって言ったら迷惑かなって…」

にこ「え、いや、それは……もちろん迷惑ではないけど」

花陽「ほ、ほんと?」

にこ「そりゃ」

にこ(後輩が懐いてくれてるってことだし…)

にこ「むしろ嬉しいわよ」

花陽「…そ、そっか」パァッ

にこ「…?」

花陽「えへへ……そう言ってくれると、私も嬉しいよ、すごく」

にこ「うん。じゃ、少し休んだら練習再開しましょうか」

花陽「はーい」

にこ(なんか機嫌良いわね……まぁテンション高い花陽って珍しいし、可愛いからいいんだけど)

花陽「あ、ちょっとタオルを……って、あれ?」

にこ「どうかしたの?」

花陽「凛ちゃんからメール来てたみたい」

にこ「凛から? 練習中に珍しいわね」

花陽「そうだね……なんだろ。……」

にこ「…見ないの?」

花陽「あ、いや…ごめん、にこちゃん、ちょっとだけ向こう向いててくれる?」

にこ「へ? まぁいいけど…」サ

にこ(なんでわざわざ……あ、ロックでもかけてるのかしら)

花陽「うん、もういいよ」ピッ

にこ「ん。で、なんて?」

花陽「えっと……真姫ちゃんのしごきが厳しすぎて干からびそう、だって…」

にこ「目に浮かぶわね…」

花陽「あはは……。けど真姫ちゃん、なんだかんだで優しいから大丈夫だよ、きっと」

花陽「頑張ってって返信しとくね」ピッピッ

にこ「ん」

にこ(しかしあの凛が悲鳴をあげるなんて、そんなに厳しいのかしら)

にこ「よし。じゃぁ凛たちに負けないように頑張りましょ」

花陽「うんっ」

―――
――


絵里「…で、頑張りすぎた結果が、」

希「この状態ってことやね」

にこ「あ、足がガクガクするわ…」ゼェハァ

花陽「」グタッ

凛「か、かよちん、大丈夫!? 真姫ちゃん、かよちんが息してない!」

真姫「いや、してるわよ」

海未「でもかなり疲れてるみたいですね……二人とも大丈夫ですか?」

にこ「なんとかね…」

絵里「まったく……花陽にあまり無理させちゃダメでしょ。にこは一応先輩なんだから、無理だと思ったらちゃんと止めてあげないと」

にこ「一応って……いや、でも悪かったわ…つい熱くなっちゃって…」

花陽「ううん…にこちゃんは悪くないよ……。私も、つい熱中しちゃって…」

ことり「二人はアイドル関連のことになると時々周りが見えなくなることあるもんね。練習も同じなのかも」

穂乃果「まぁそれだけ熱心ってことだし、いいんじゃないかな」

海未「そうですね。途中で練習を抜け出した穂乃果とは大違いです」

穂乃果「うっ……だ、だって海未ちゃん厳しいんだもん…」

真姫「…そういえば、凛も途中で何度もお手洗いに行ってたわよね。不自然なくらいに」

凛「だ、だって真姫ちゃん鬼のようだったんだもん!」

真姫「あれくらい普通でしょ」

凛「あんなの絶対普通じゃなかったにゃ!」ウワーンッ

にこ(どんだけ厳しかったのよ…。しかし、前に海未が言ってた通り、別々に練習するのも結構効率いい方法なのかもね)

穂乃果「じゃぁにこちゃん、お疲れのとこ悪いけど、はい」スッ

にこ「……なにこれ。ティッシュ箱?」

穂乃果「を、改良して作ったくじ引きだよ。勉強会の相手決め」

にこ「…ああ」

にこ(正直忘れかけてた…)

穂乃果「あ、希ちゃんはにこちゃんのお家に行かなきゃならないから、くじからは外してあるからね」

希「うん」

穂乃果「さ、引いて引いて」

にこ「はいはい」

真姫「ちょ、ちょっと。くじってどういうこと?」

穂乃果「え? …………ああっ! 真姫ちゃんに言うの忘れてた!」

絵里「穂乃果…ちゃんと頼んだのに…」

穂乃果「ご、ごめん、私あんまりもの覚えよくなくて…」

にこ(そういえば、にこに伝えるときも最初は忘れてたって言ってたっけ)

穂乃果「あのね、一人じゃにこちゃんがサボっちゃうかもしれないから、誰か一人がにこちゃんの勉強に付き合うことにしたの。で、その相手をくじ引きで決めようってことになって」

真姫「誰か一人…」チラ

絵里「…これなら、誰に当たっても恨みっこなしでしょ?」

真姫「…まぁそうね」

凛「凛に当たったら凛はにこちゃんを恨むけどねっ。勉強嫌いだし、今日はもうへとへとだし」

にこ「プレッシャーかけるのやめてよ…」

にこ(誰に当たっても、当たった人に恨まれそうで怖いけど……)

にこ(グダグダ考えても仕方ないし……)ガサゴソ

にこ「よし、じゃぁこれ!」ヒョイッ



>>381

結果(希以外のメンバーの名前でお願いします)

絵里

にこ「えっと…」カサ

穂乃果「あ、絵里ちゃんだね」ヒョコ

にこ「ちょっと勝手に……って、絵里か…」

絵里「私が相手じゃ不満そうね」

にこ「いや、そういうわけじゃないけど…」

にこ(昨日の真姫ちゃんの言葉を考えると、ちょっと気まずくはあるわよね)

真姫「……」

にこ(…すごい視線を感じるけど、怖くて振り向けない)

希「あー…まぁくじやし、仕方ないやん。ほら、みんなは帰り支度しよ」

穂乃果「そうだねー。まぁ勉強しなくて済むからラッキー…なのかな」

海未「穂乃果も来年同じことにならないように、きちんと勉強しないとダメですよ」

穂乃果「分かってるよー…ほんとにお母さんみたいなことばっかり言うんだから」

にこ(そうだ。にこも着替えないと……って、あれ? そういえば、ここに置いといたにこの携帯がない…?)キョロキョロ

>>389「あ。あの」

にこ「?」クル



(諸事情により、花陽以外のメンバーの名前でお願いします)

海未

にこ「海未? どうしたの?」

海未「その……これ、にこのですよね?」

にこ「あ、にこの携帯……ありがと。どこかに落ちてた?」

海未「落ちてたというより……電源がついたまま、机の上に放置してありましたよ」

にこ「えっ……あれ、電源切るの忘れてたのかしら…」

海未「さあ…? …あの、それよりその待ち受け…」

にこ「ああ、ツバサにしてみたの。可愛いでしょ!」ドヤッ

海未「は、はい、可愛い、ですけど……」

海未「……あんまり、よくない、と思いますけど…」

にこ「え、海未ってツバサのこと苦手だっけ?」

海未「い、いえ、決してそんなことはないのですが……今、そういう待ち受けにするのは、色々と誤解が…」

にこ「え、誤解ってなにが…」

絵里「…にこ」グイ

にこ「あ、絵里、なに?」

絵里「そろそろ着替えないと、遅くなるわよ。海未もほら、穂乃果たち待ってるわよ」

海未「あ…はい、そうですね。では、にこ、絵里、勉強頑張ってください」テクテク

にこ「うん、ありがと」

絵里「…海未となに話してたの?」

にこ「なくしてた携帯、海未が見つけてくれたらしくて、そのことについてちょっと」

絵里「そう」

にこ(しかし、結局誤解って何のことなのかしら…、…携帯、待ち受け……あ、ひょっとして)

絵里「じゃ、早く着替えてきて。あんまり遅くなると希にも悪いでしょ」

にこ「あ、それもそうね。ごめん、ちょっと待ってて」ガチャ

にこ(…あのおまじないのこと言ってんのかしら。けど、ツバサは憧れの対象であって、芸能人みたいなものだし……ノーカンだと思うんだけど。そもそも写メでもないし)


―――――

にこ「で、勉強ってどこでやるの?」

絵里「教室…って言いたいところだけど、部室が妥当じゃないかしら。鍵は私たちが管理してるし、先生にも迷惑かからないし」

にこ「そうね。じゃぁ始めましょうか」

絵里「ええ。あ、分からないところあったら遠慮なく聞いてね」

にこ「りょーかい」ガタ

絵里「じゃ、私も適当に宿題とかやっておくから」ガタ

にこ「……あの、なんで隣に座るの?」

絵里「教えるとき、隣のほうが便利だから」

にこ「あ、なるほど」

にこ(まぁ絵里相手だったら、同級生だし色々聞きやすいし、助かるっちゃ助かるけど)

にこ(よし。じゃぁまずは数学からはじめよっかな)ペラ



にこ(……しかし、勉強って黙々とやってると眠くなるわね。…こんな発想だから成績悪くなるんだろうけど)カリカリ

にこ(けど、今日は思った以上に練習で体力使っちゃったから、そのせいもあるかも…)カリカリ

絵里「……にこ」

にこ「んー?」

絵里「ノートに可愛いうさぎが描かれてるけど、集中力切れちゃった?」

にこ「……ごめん、無意識だった」

絵里「少し休憩しましょうか。あまり根を詰め過ぎても、逆効果かもしれないし」

にこ「ん」コクリ

にこ「にしても、ごめんね。付き合わせちゃって」

絵里「それはもう何度も聞いたわ。そんなに気にしなくてもいいのに」

にこ「いや、だって…」

絵里「…私は嬉しいわよ。にこと二人きりだし」

にこ「………そ、そう、ですか」

絵里「ホント、いつまで経ってもこういうのには慣れないのね」

にこ「そりゃ、普通そういうものじゃないの…?」

絵里「もうしばらく経つんだし、そろそろ慣れてもいいと思うけど」

にこ「……仕方ないでしょ。家族以外の人に好意向けられることとか、今までなかったし」

にこ(…というか、告白されたのだって絵里が初めてだったし)

絵里「そうなの? にこ、可愛いのに」

にこ「そ、そりゃまぁ、にこにーはパーフェクト美少女だけど、それはそれ、これはこれよ」

絵里「ふーん。…普段は、自分はみんなに好かれていて当たり前みたいな態度なのに」

にこ「まぁ、そういうキャラだし」

にこ「…大体、本気で自分が他人に好かれてるって思う奴なんてそうそういないでしょ。よほどの自信家でもない限り」

絵里「それもそうね」

絵里「じゃぁ、その分たくさん伝えないとね」

にこ「なにを?」

絵里「それはもちろん、私がどれだけにこのことを好きか」

にこ「い、いや、もう十分伝わってるから」

絵里「そうとは思えないけど。現に今だって、付き合わせてごめんとか言ってたし」

にこ「それは……また違う話でしょ」

絵里「違わないわ。さっきも言ったけど、好きな人と二人きりなんだから嬉しくないわけないじゃない」

にこ「そ、そう」

にこ(絵里がじっとこっち見てくるから、なんか目を合わせにくいのよね…)ソラシ

絵里「…ね、こっち見てよ」

にこ「い、いや、ほら、外の景色が綺麗だなぁって」

絵里「私には雨しか見えないんだけど?」

にこ「あ、雨の中にも情緒ある景色が…」

絵里「……にこ」

にこ(絵里のほうを見たら負けな気がする……なにに負けるかはよく分かんないけど…)

絵里「…ねぇ、顔だけずっとそっち向いてるの辛くない?」

にこ「つ、辛くないわよ」

にこ(とりあえず何か適当な話題ではぐらかそう…)

にこ(えっと……たとえば…)


>>402

(話題。ざっくりとしたものでも大丈夫です)

真姫との関係

にこ「あ、あー! そ、そういえば、真姫ちゃんのこと、どう思う?」

絵里「……なによ急に」

にこ「いや、今ふっと真姫ちゃんのこと思い出して…」

にこ(って、なんで本当に真姫ちゃんのこと思い出したのかしら……やっぱり絵里と真姫ちゃんってどこか似てるからかな…)

絵里「…どう思うも何も、にこと同じだと思うわよ。可愛い後輩兼メンバー」

にこ「そうよね、うん。絵里と真姫ちゃんってさ、やっぱり似てるなぁって思うことがあって」

絵里「似てるって……そうかしら」

にこ「うん。ほら、性格とか言動とか、いろいろ」

絵里「自分じゃよく分からないけど……」

絵里「…まぁ確かに、考えてることはたまに一緒だろうなぁって思うことあるけど」

にこ「あ、やっぱり」

絵里「ただ、にこのこと限定だけど」

にこ「え?」

絵里「たとえば、今ここにいるのが私じゃなくて真姫だとしたら。きっと一緒のこと考えるわ」

にこ「一緒のことって…」

絵里「…手、出したいな、とか」

にこ「は…いや、手って、どういう…」

絵里「……分からない?」ス

にこ「っ、な、なんで手握るの、かな?」

絵里「…それより、なんでいきなり真姫の名前が出てきたのか聞きたいんだけど」

にこ「い、いや、だから真姫ちゃんと絵里が似てるから…」

絵里「それでも二人きりのときに他の子の名前出されるのは嫌なんだけど。特に真姫って…わざとやったんじゃないかって思ってしまうわ」

にこ(な、なんか絵里が怒ってる……気がする)

にこ(出した話題がまずかったのかな……よく考えれば、確かに真姫ちゃんはないわね…。絵里には真姫ちゃんとのこと、ちょっとバレてる可能性があるし…)

にこ(な、なにか別の話題のほうがいいわよね…)

絵里「…にこって顔が見えなくてもなに考えてるか大体分かるわね」

にこ「え……ホントに?」

絵里「ええ。…話題がないなら、私が提案してあげるわ」

にこ「え、あ、ありがとう」

にこ(まぁ絵里から提案してもらっても一緒よね。とりあえず変な空気を払拭できればいいわけだし)

絵里「じゃぁ、>>407の話とか」

にこの好きな人

絵里「にこの好きな人の話とか」

にこ(全然一緒じゃなかった……!)

にこ「い、いや、それは……絵里は知ってるでしょ。…前に絵里に言われたじゃない」

絵里「あのときから変わってないの?」

にこ「……うん」

絵里「そう。…つまり、八人同時に好きってことね」

にこ「いや…まだ好きかどうかは、はっきりとは分からないんだけど…」

絵里「なんだかこのままじゃ、卒業するときにも同じこと言ってそうで怖いわね…」

にこ「情けないけど、にこもそう思うわ…」

絵里「……ねぇ、なら試してみない?」

にこ「試すってなにを?」

絵里「キスしましょう」

にこ「はっ!?」グルッ

絵里「あ、ようやくこっち見てくれたわね」

にこ(しまった…思わず……)

にこ「い、いや、でも、き、キスって…」

絵里「キスしたら分かるんじゃない? にこが私に抱いてる好意が友情なのか、それ以上なのか」

にこ「い、いや、でも…」

絵里「…前に言ってたじゃない。嫌じゃないんでしょ?」

にこ「い、嫌ではないけど……で、でも、ほら、その、こういうことはもっと大人になってからって、前にママが言ってたし…」

絵里「大人って……あと三年もしないうちに、私たち二十歳よ?」

にこ「それはそうだけど…」

絵里「大丈夫。一瞬、触れるだけだから。それでドキドキしたら私のこと好きって分かるでしょ」

にこ(正直、誰が相手でも少なからずドキドキはすると思うんだけど…)

絵里「ほら、目閉じて。すぐ終わるから、ね」

にこ「っ……」

にこ(ど、どど、どうしよう…)



どうしますか

>>413
(言動、行動、何か起こる等、ありえる範囲ならなんでも)

手を出した所も見たい

なかなか進展しませんねぇ・・・

にこ(ここで流されたらなんか後々大変なことになる気がする…!)

にこ「ご、ごめん、絵里! やっぱ無理!」

絵里「……やっぱり私のこと嫌いなんじゃない」

にこ「いや、そうじゃなくて、気持ちの整理とか色々ついてないし……そ、そもそも…」

絵里「…そもそも?」

にこ「……き、キスって、その、顔と顔との距離が近いじゃない」

絵里「まあ、ゼロ距離だけど」

にこ「……恥ずかしくない?」

絵里「」

絵里「……子供じゃないんだから」

にこ「わ、悪かったわね」

絵里「まぁいいけど。…ああ、でも、それなら無理やりされるほうが向いてるんじゃない?」

にこ「え」

絵里「たとえば、こうやって」グイッ

にこ「わっ…」

にこ(って、ち、近い…)

絵里「…無理やり引っ張っちゃえば、そういうこと気にしてる余裕もないでしょ?」

にこ「そ、そうだけど…そんなことされたら怖いでしょ」

絵里「怖いだけ?」

にこ「は?」

絵里「嫌とか、気持ち悪いとかは?」

にこ「……そんなの、絵里たちに対して思うわけないでしょ」

絵里「…なんというか、色々と生殺しよね」パ

にこ「な、生殺しって…」

にこ「…と、とりあえず、勉強再開しましょうか」

絵里「…そうね」

にこ(結局、普通に勉強してるのが一番平和な気がしてきた…)ペラ

絵里「……ねぇ」

にこ「なに?」

絵里「ちょっと触っていい?」

にこ「………なに言ってんの?」

絵里「いや…やっぱり、なんか我慢できないというか…」

にこ「我慢って……そんな男子中学生じゃないんだから」

絵里「そのたとえはすごく嫌だけど……私、ずっと待たされてるのよ。色々悶々としたって仕方ないじゃない」

にこ「真面目な顔で悶々とか言わないでよ…」

絵里「キスしろとまでは言わないから。ダメ?」

にこ「だ、ダメというか……と、とにかく勉強! 勉強しましょうよ、ね?」

絵里「……、分かったわ。まぁ、元々それが目的だし…」

にこ(よかった…)ホッ

にこ(……確かに、絵里にはずっと待ってもらってるのよね)

にこ(…みんなのことが好きかもしれないなんて、曖昧すぎる返事しかできてないし……それだって、絵里に指摘されただけで、自分で気づいたわけですらないし…)

にこ(……にこって最低…)ハァ

絵里「……」

―――
――


絵里「そろそろ帰ったほうがいいかもしれないわね」

にこ「そうね。遅くなりすぎると、絵里の親御さんも心配するかもしれないし」

絵里「じゃぁ片づけましょうか」

にこ「はーい」

絵里「…しかし、見事に雨やんでないわね」

にこ「そうね。まぁ今のうちなら何とかなるだろうし、これ以上ひどくならないうちに帰りましょ」

絵里「ええ」



ザアアアアアァァァーッ


にこ「……なんでにこたちが出て行こうとした瞬間、こんな激しく降ってくるの…?」

絵里「さあ…?」

絵里「…どうする? この雨の中帰る?」

にこ(あんまり遅くなると希にも迷惑かかるかもしれないし…)

にこ「トライしてみましょう」

絵里「けど、風もすごい吹いてるけど…」

にこ「平気よ。あ、絵里は雨弱まるの待ってからのほうがいいわよ」

絵里「いや、にこもそうしたほうがいいと思うんだけど…」

にこ「だから平気だってば。にこね、こう見えても大雨には慣れてるのよ」バサッ

にこ(って、傘さした瞬間すごい風が……! ひ、引っ張られ…!)


バササササササッ、バサッ


絵里「……やっぱりちょっと待ちましょう?」

にこ「そ、そうね…」

にこ(飛ばされそうになった傘をなんとかたたみ直せたのはいいけど……ちょっと制服が濡れちゃったし…最悪だわ)


―部室―


にこ「で、結局部室に逆戻り…」

絵里「まぁ仕方ないじゃない。それより、服とか髪の毛とか、タオルで拭いたほうがいいんじゃない?」

にこ「そうね……」ガサゴソ

にこ(しかし、さっきの姿はなかなかカッコ悪かったんじゃないかしら…)ゴシゴシ

絵里「…髪の毛、拭いてあげよっか?」

にこ「あ、うん、お願い」

にこ(って、思わずお願いしちゃったけど、自分で拭けるんだから自分で拭いたほうがいいような気も)

絵里「じゃぁタオル借りるわよ」ヒョイ

にこ「あ、でもそのタオル、汗ふくのに使ったから汚いかもしれないし…」

絵里「汚いなんてことないわよ。前も言ったけど、にこはいい匂いなんだから、自信もって」

にこ「汗の匂いに自信をもてと言われても…」

絵里「はいはい。とりあえず拭くから、リボンほどくわよ」スル

にこ「あ、やっぱり自分で…」

絵里「はい、拭くから大人しくしててね」

にこ「あ、うん」ギュ

絵里「…」ゴシゴシ

にこ(…人に頭拭かれるのって久しぶりかも。なんか変な感じ)

絵里「………ほら、終わったわよ」

にこ「ありがと」

絵里「…にこの髪ってほんとサラサラよね。手ですいても引っかからないし」

にこ「髪はアイドルの命っていうしね」

絵里「それって歯じゃなかった?」

にこ「どっちでも一緒よ」

絵里「違うと思うけど。……それより、寒くない?」

にこ「まぁ濡れちゃったし、ちょっとはね。けど別にこれくらい平気よ」

絵里「そうやって油断して風邪でもひいたら大変でしょ」

にこ「それはそうだけど……自販機でホットドリンクでも買って来いってこと?」

絵里「そんなことしなくても、私があっためてあげるわ」ス

にこ「え」

絵里「人肌ってあったかいって言うし」

にこ「い、いや、気持ちはありがたいけど…」

絵里「心配しなくてもギュッとするだけだから。ほら、おいで」

にこ(お、おいでって……犬じゃないんだから…)

にこ(けどなんだろう、この飛び込みたくなる感じ……これが年上の包容力…って、同い年だった…)

にこ「……ホントに抱きしめるだけよね?」

絵里「ええ」

にこ「…じゃ、じゃぁ」ギュッ

絵里「……珍しく素直ね」

にこ「…あんまり断りすぎるのも可哀想かなって思っただけよ」

絵里「まぁそれでもいいけど。…やっぱりちょっと体冷えてるわね」

にこ(前も思ったけど…絵里のほうこそ、なんかいい匂いするのよね……身体もやわらかいし、髪もふわふわだし…うらやましい)ギュー

絵里「……ね、やっぱりちょっと触っていい?」

にこ「変なとこ触った瞬間勢いよく離れるけど、それでいいなら」

絵里「……やっぱり生殺しじゃない」ギュッ

絵里「…じゃぁ髪なら平気?」

にこ「まぁそれくらいなら」

絵里「なら遠慮なく」サラ

絵里「……」ナデナデ

にこ(……無言はやめてほしいんだけど)

絵里「…なんかこうしてると、にこが犬のように思えてきたわ」

にこ「怒るわよ」

絵里「だって、そうでもしないと、変な気分になりそうだし」

にこ「……あんた、今日は変なことばっかり言ってない?」

絵里「好きな子と二人だと誰だってそうなるわよ」

にこ「そ、そんなものなの?」

絵里「そんなものなのよ。あ、首筋触ってもいい?」

にこ「…触って楽しいの?」

絵里「ええ。今は隠れちゃってるけど、にこって普段は髪あげてるじゃない。うなじとか見えて結構ドキドキするのよ」

にこ「……」グイ

絵里「ああ冗談冗談。ごめんね。嘘だから」

にこ「あんまり変なこと言わないでよ」

絵里「ごめんね」ギュ

ちょっといったん更新ストップします
また夜に再開するかもしれません

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったり再開していきます

にこ「……」

絵里「……」スリ

にこ(あ、結局首は触るのね)

絵里「……」ナデナデ

にこ(無言で触られるのもなんか嫌だなぁ…)

にこ「あの…楽しい?」

絵里「ええ。なんというか、触り心地がいいわ」

にこ「ああそう…、…にこはちょっとくすぐったいんだけど」

絵里「あ、ごめん。えっと、どうすればくすぐったくない?」

にこ「そんなこと言われても分からないけど……えっと、触るのやめない?」

絵里「やめない」

にこ「あ、そう…」

にこ「……」

絵里「……」

にこ「あ、あの、そろそろ温まったから離れてもいい?」

絵里「もうちょっと」

にこ「……まぁいいけど」

にこ(首がくすぐったいのはおいといて、あったかいのは事実だし)

絵里「…ねぇにこ」

にこ「んー?」

絵里「首以外も触っていい?」

にこ「首以外って?」

絵里「……お腹とか…胸とか」

にこ「………」グイ

絵里「う、うん…今のはヒかれると思ったわ。ごめん、忘れて」

にこ「あんた、今日は本格的におかしいわよ」

絵里「にこと二人だからテンションが上がってるのよ」

絵里「…それに、これでも相当我慢してる方なのよ。ちゃんと許可とって、ダメだって言われたら何もしてないし」

にこ「それはそうだけど…」

絵里「良い子でしょ?」

にこ「い、良い子って……子供じゃないんだから」

絵里「ふふ、冗談よ。じゃ、そろそろ雨も弱まってきたみたいだし、帰りましょうか」

にこ「あ、うん」

にこ(……相当我慢してる、か…。確かに絵里のことは拒否してばっかりだしね…)

絵里「ほら、早く行くわよ、にこ」

にこ「……ん」スッ

絵里「…なに?」

にこ「手」

絵里「手? …タッチ?」パン

にこ「じゃなくて! ああもう、さっさといくわよ!」ギュッ

絵里「え、あの、にこ、なんで手繋いで…」

にこ「悪い?」

絵里「いや、悪くないし、むしろ嬉しいけど…なんで…」

にこ「……にこだって、別に絵里とくっついたりするのが嫌なわけじゃなくて…その、ただ恥ずかしいだけだから。けど、いつもしてもらってばかりじゃ悪いかなって思って、その…」

絵里「………」

にこ「な、なにか言いなさいよ」

絵里「…今口を開いても、にこが好きってことしか伝えられないと思うけど…」

にこ「…じゃぁ黙ってていいわ。ほら、さっさと帰るわよ」

絵里「うん」


―――――

絵里「じゃぁにこ、気を付けてね」

にこ「絵里もね。くれぐれも風に飛ばされないように…」

絵里「それはこっちのセリフ。にこ、軽そうだし。油断するとすぐ飛んでいきそう」

にこ「さすがにそんな軽くないわよ…。ま、とりあえずまた明日」

絵里「うん、じゃ」テクテク


にこ(…しかし、本当にすごい雨ね。さっきよりマシとはいえ、傘差してても濡れるような勢いだし……なんかまた寒くなってきたし…)

にこ(さっきまではあんまり寒くなかったのに……絵里が隣にいたからかしら)

にこ(……意外と人の体温ってバカにできないのかもね)


―――――

ガチャ


にこ「ただいまー…」

希「あ、にこっち、おかえりー」テクテク

にこ「…なんか、希に出迎えられるのって変な感じね」

希「ウチもなんか新鮮な気分やわ。はい、タオル」

にこ「あ。ありがと。こころたちは?」

希「今お風呂入ってる」

にこ「え、今? 早くない?」

希「帰ってきたらずぶ濡れやったから、急いでお風呂に入れたんよ」

にこ「あー……多分面白がって傘差さずに帰ってきたわね…」

にこ(なんで子供って雨とか雪とか好きなのかしら)

(^_^)「せりですっ」

(^_-)-☆「なずなっ」

(-_-)「すずな……」

(≧-≦)「ごぎょうです」

(^▽^)「はこべらっ」

(^_^)「すずしろです」

(^q^)「ほおおえーーーのあうおおおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

(^_^)「あなたは?」

全員「春の七草カッコカリッ!!!」

(^_^)「Wikipediaで検索検索っ!」

「夏の七草も遂に出た」

すまん誤爆

希「にこっちも体冷えたやろ? こころちゃんたち出たら、先にお風呂入ったら?」

にこ「ん。そうする」ワシャワシャ

にこ「……しかし本当に寒いわね」

希「大丈夫?」

にこ「うん、多分」

希「…よしっ、じゃぁにこっちに希パワーを注入してあげよう!」ギュッ

にこ「…手握ってるだけじゃない」

希「けどあったかいやろ?」

にこ「……まぁ、うん。…ありがとう」

希「いえいえ。じゃ、暖房つけてるし、向こうでちゃんとあったまり」パッ

にこ「あ……」

希「ん? どうかした?」

にこ「い、いや、なんでも。ほら、行きましょ」

希「うん」

にこ(手を離されて一瞬寂しかったとか……なんなのかしら…人肌恋しくなる季節なのかしら…)


―――
――


にこ(やっぱりお風呂入ると落ち着くわね…)ガラ

希「あ、にこっち、おかえりー。ちゃんと温まった?」

にこ「うん。…って、ごめん。夕飯の支度まったく手伝えなくて…」

希「いやいや、全然。ここあちゃんたちが運ぶの手伝ってくれたし」

ここあ「手伝ったー」

こころ「たー」

希「二人とも良い子やねぇ」

ここあ「えへへー」

こころ「にこにー、早く食べよ」

にこ「はいはい。じゃ、いただきましょっか」

こころ・ここあ「いただきまーす」

希「はい、めしあがれー」

にこ「いただきます。…ハンバーグね」

希「ケチャップかデミグラスか迷ったんやけど、二人の希望でケチャップにしてみてん」

にこ「うん。にこもケチャップのほうが好き」

希「そっか」

にこ「…言っとくけど、子供舌とか、そういうのじゃないからね」

希「なんも言ってへんやん。ウチもケチャップ好きやし」

ここあ「あーんっ」パクッ

ここあ「……おいしい!」パァッ

こころ「ホントだ。すごくおいしいよ、のぞみちゃん!」

希「ならよかった。ウチ、ハンバーグだけは自信あるねん」

にこ「…」パク

にこ(…あ、ホントに美味しい。やっぱり料理苦手とか冗談だったのね)

希「にこっち、美味しい?」

にこ「……ま、まぁね」

希「ふふ、ならよかった」

にこ「…」

にこ(絵里といい希といい、にこの同級生ってなんでこうみんな大人っぽいのよ……。…まさかにこが子供っぽいだけとか…い、いや、そんなバカな…)ガツガツ

希「あんまりガツガツ食べるとお行儀悪いで」

にこ「別にどんな食べ方しようとにこの自由でしょ」

希「ここあちゃんたちが真似してもええの?」

にこ「……気を付けます」

希「良いお姉ちゃんやねぇ」

ここあ「にこにー、いいお姉ちゃーんっ」キャッキャ

こころ「ちゃーん!」キャッキャ

希「…なんというか、ホンマ可愛いね」

にこ「にこもそう思うわ」

希「というか今更やけど、ウチも一緒にご飯いただいてよかったん?」

にこ「希が作ってくれたんだから、いいに決まってるでしょ」

希「なんか逆に申し訳ないなぁ…」

にこ「なんでそうなんのよ。感謝してるのはこっちだっての」

希「…ありがとう」

にこ「いや、だからなんであんたがお礼言うのよ」

希「なんとなく。まぁこれ食べ終わったらすぐ帰るから」

ここあ「え、のぞみちゃん帰っちゃうの?」

こころ「おとまりじゃないの?」

希「勘忍ね、今日はお泊まりやないんよ」

ここあ「えー、つまんなーい」

にこ「こら、あんまりワガママ言って困らせちゃダメよ」

ここあ「はーい…」

にこ「しかし、今かなり雨強いけど大丈夫?」

希「んー、多分大丈夫やないかな。多少の雨ならなんとか帰れるし」

にこ「そう」

―――――

ザアアアアァァァアアアアーッ


にこ「……多少の、雨?」

希「これは大雨やねぇ…」

こころ「にこにー、のぞみちゃん、三時くらいに雨やむんだって」

にこ「三時って午前三時よね…」

希「せやろね」

にこ「えっと……どうする?」

希「どうすると言われても…根性で駆け抜けていくしかないんやないかな」

にこ「根性って…」

にこ(それで風邪でもひいたらどうすんのよ…)



>>459

どうしますか?

1.家に泊める
2.家まで送っていく

さすがに1

にこ「…あの、希がよかったらだけど」

希「ん?」

にこ「うちに泊まってく?」

希「……えっ」

にこ「ほら、雨の中帰るのも大変でしょ。風邪ひいちゃうかもしれないし」

希「あー、いや、けど……ほら、明日の授業で使う教科書とか、うちに置きっぱなしやし…」

にこ「なら明日の朝は早く家を出て、希の家を経由して学校に行けばいいじゃない」

希「でも……」

にこ「…嫌なの?」

希「い、嫌なわけないやん!」

にこ「じゃぁいいでしょ。はい、けってーい」

希「いや、でも…」

にこ「こころ、ここあ、希泊まってくってー」

こころ「ほんと!?」

ここあ「やったー!」

希「ちょ、にこっち…」

にこ「決定だって言ったでしょ?」

希「……まぁ、そういうんなら、ありがたく泊まらせてもらうけど…」

にこ(ちょっと強引すぎる気もするけど、さすがにこの雨の中帰らせるのは問題あるしね…)

ここあ「じゃぁのぞみちゃん、一緒にあそぼ!」グイッ

希「うん、ええよー。何して遊ぶ?」

ここあ「えっとね、えっとね……ヒーローごっこ!」

こころ「ここあ、それは危ないからダメだよ」

にこ「そうよ。ここあはいつも跳び蹴りかますんだから…」

希「跳び蹴りて…随分バイオレンスやね」

ここあ「だって体動かして遊ぶほうがたのしーんだもん…」シュン

希「んー……よし、じゃぁやろっか」

ここあ「ほんと!?」

にこ「ちょっと希、無理して付き合わなくてもいいってば」

希「平気平気。ウチもこういうの嫌いやないし。ただ、危ないから二人で遊ぼうな」

ここあ「うんっ」

にこ「まったく……。じゃぁこころは、にこと一緒に折り紙でもおろっか」

こころ「うんっ、折り紙好きー」

にこ(なんで同じ双子なのにこうも趣向が違うのかしら…)


―――
――


ここあ「むにゃ……ぱーんち…」クカー

こころ「……」スースー

にこ(でもやっぱり双子だけあって、寝顔はそっくりなのよね…)ナデナデ


ガチャ


にこ「二人とも寝たわ」

希「うん。しかし十時にはもうおねむなんて、なんか可愛いなぁ」

にこ「まぁ子供だしね。それより希、お風呂入ってきたら?」

希「…あー、そ、そのことなんやけどね」

にこ「ん?」

希「…あの、着替えが…ないんやけど……」

にこ「………ああ、それは盲点だったわ」

希「ウチも今思い出したんやけどね」

にこ「えっと……にこのパジャマ、着る?」

希「…サイズあうかな」

にこ「多分大丈夫だと思うけど…」

にこ(いや、けどひょっとしたら胸がキツいかも………やっぱりキツいと息苦しかったりするものなのかしら)チラ

希「……にこっち、目線」

にこ「あ、ごめん」サ

にこ「とりあえず貸すだけ貸すから、着てみたら? 無理だったら……まぁ、そのとき考えましょう」

希「随分行き当たりばったりやけど………分かった。とりあえず入ってくるわ」

にこ「うん」



にこ(そういえば、真姫ちゃんの時も同じようなことになったっけ。真姫ちゃんは普通に着れてたけど……希となるとチョイスが難しい)ガサゴソ

にこ(……とりあえずこの、デザインが好みだったけど大きめのサイズしかなくて、けどどうしても欲しいから買ったはいいけど、やっぱり大きすぎて結局一度も着れていないこれでいこう)ウン

にこ(……さて、希があがるまで何かしようかな…)



>>469

1.寝る
2.電話をかける(相手再安価)
3.テレビでも見る
4.ひたすら待つ

裸ワイシャツですね?(錯乱)

にこ(まぁたまには、一人でボケっとする時間も必要だし、何もせずに待ちましょう)

にこ(こうやって一人で過ごすのって久しぶりだし…なんか和む)

―――――

にこ(とはいえ、さすがに何十分も経つと、ちょっと飽きてくるわね)

にこ(……いっそ寝て待とうかな…いや、それは希に悪いし、ちゃんと待とう)

にこ(そもそも、希ももうすぐあがる時間だろうし)

テク

にこ「ん?」

にこ(なに今の、足音? …けど誰が……ま、まさか泥棒…!?)

テクテク

にこ(し、しかもなんかこっちに近付いてきてるし…!)

ガラ

にこ「!」ビクッ

希「あ、あの、にこっち」ソロ

にこ「って、の、希? いつの間にあがって……というか、なんでそんな隠れるように顔だけ出してんの?」

希「い、いや…服」

にこ「え?」

希「バスタオルは置いてあったけど、服おいてなかったから…」

にこ「……あ! あ、ご、ごめん!」

にこ(服選ぶのに夢中で持っていくの忘れてた!)

にこ「…えっ、じゃぁ今って裸で…」

希「いや、さすがにバスタオル巻いてるから…」

にこ「あ、そうよね、そりゃそうよね。えっと、じゃぁはい、これ」ス

希「うん、ありがと。……って、あの、にこっち」

にこ「ん?」

希「えっと……非常に言いにくいんやけど、ウチ、替えの下着とかも持ち歩いてへんくて…」

にこ「あ、そ、そりゃそうよね、うん。えっと、じゃぁこの間買った新しいやつを…」ガサゴソ

希「ご、ごめん。ちゃんと新しいの買いなおして返すから」

にこ「いや、別にいいわよ、そんなわざわざ。普通に返してくれれば」

希「い、いや、それはちょっと……ウチのほうが気まずいというか…」

にこ「そう? じゃぁ新しいのでいいけど……あ、ごめん。下はともかく上は我慢して」

希「あ、うん、大丈夫。さすがに厳しいものがあるし…」

にこ(事実だけに言い返せないのが悔しい…)

にこ「はい」ス

希「ありがと。じゃぁ向こうで着替えてくるからちょっと待っててね」

にこ「うん、ごゆっくり」

ガチャ

にこ(……な、なんか、無駄にドキドキした…希相手なのに…)


―――――

ガチャ


希「改めてお待たせー」

にこ「あ、うん。そんな待ってないから、だ、大丈夫」

希「? なんかソワソワしてるけど、どうかしたん?」

にこ「あー、いや、別に。それよりパジャマ、無事着られてよかったわ」

希「うん。にしてもこれ、可愛いデザインやね。さすがにこっち」

にこ「まぁね」

にこ(……しかし似合ってるわね。…やっぱり胸はちょっとキツそうだけど、普通に可愛いわ)

希「よし、じゃぁテレビでも見よっか」

にこ「あ、うん」

希「こころちゃんたち寝てるし、音は小さめで。にこっち、なに見たい?」

にこ「あ、別になんでも」

にこ「……希は何か話でもしようとか言わないのね」

希「にこっちが話したいなら、話でもいいよ?」

にこ「いや、話したいってわけじゃないけど」

にこ(……なんか最近の過ごし方とは全然違う感じで、新鮮だわ)

希「じゃぁバラエティー番組でいいや」ピ

にこ「最近面白いのやってるっけ?」

希「んー、前に比べたらあんまりやけど。でも、ウチお笑いとか好きやねん」

にこ「あー……元々関西方面にいる期間のほうが長かったんだっけ?」

希「うん。せやから関東に住んでる今はちょっと変な感じ。まぁもう三年も経ってんねんけどね」

にこ「ふーん……にこは逆に関西行ったことないから、想像できないわ」

希「ここと同じくらいええとこやで。今度連れてったげよっか?」

にこ「あ、行きたい」

希「よし、じゃぁμ’sみんなでいこか」

にこ「あれ、みんなで行くの?」

希「そりゃね。…にこっちかて、みんな一緒が好きやろ?」

にこ「まぁそうだけど……希と二人で出かける機会もあんまりなかったし、面白そうだなって思ったんだけど」

希「そう言ってくれるのは嬉しいけど、ウチと二人きりで旅行になんて行ったら、エリちたちが妬いてまうよ?」

にこ「だ、大丈夫でしょ、希なら」

希「…でもウチはエリちたちに恨み買いたくないから、パスで」

にこ「恨みって、そんな大げさな…」

希「あ、そうや。エリちたちつながりで、一ついい?」

にこ「なに?」

希「今日、ウチがにこっちの家に泊まったことは、あんまり口外せんでほしいんよ」

にこ「まぁいいけど……なんで?」

希「さっきと同じ理由。あんまり嫉妬させたら可哀想やろ」

にこ「けどメンバー同士で泊まりなんて、もう何回も経験したような気が…」

希「回数は関係ないんやないかなぁ」

にこ「そんなもんなのかしら……」

希「そんなもんやて。にこっちもいつか分かる日がくるよ」ナデナデ

にこ「……あんまりきてほしくないけどね」

希「ウチはにこっちには早く鋭くなってほしいけどね」

にこ「…精進はしてるんだけどね」

希「んー…ファイトやで!」グッ

にこ「…うん」

にこ(って、なに素直に“うん”とか言ってんのよ、にこらしくもない)ブンブンッ

にこ「の、希に言われなくても分かってるわよ」

希「ありゃ、珍しく素直やと思ったのに」

にこ「残念ながら、あんた相手に持ち合わせる素直さなんてないわ」

希「それは残念。あ、ほら、この芸人さんとかおすすめやで」

にこ「あ、この人たち知ってる。結構好き」

希「面白いやんなー」

にこ「うん」

にこ(……なんか和むなぁ)

―――――

にこ「さて、じゃぁ寝ましょうか」

希「うん。…あの、にこっち」

にこ「ん?」

希「お布団が一組しかないんやけど…」

にこ「え?」

希「…一緒に寝るん?」

にこ「………あ! い、いや、敷き忘れただけ!」

にこ(今までのことですっかり麻痺してたけど、普通は一緒の布団で寝たりしないんだった…)

にこ「今お布団出すから」ガラ

希「あ、手伝うわ」

にこ「ありがと」

希「よいしょっと……、よし。ごめんね、わざわざお布団出してもろて」

にこ「いや、別に。無理に泊まってけって言ったのはこっちだし」

希「…にこっちはホンマ、優しいなぁ」

にこ「普通でしょ。ほら、明日は早いんだしさっさと寝ましょ」

希「はーい」


にこ「じゃ、電気消すわよ」

希「うん」

パチ

にこ「……ね、希」モゾモゾ

希「んー?」

にこ「……いや、なんでもない」

希「? 変なにこっちやね」

にこ「うっさい」

にこ(一瞬、絵里たちのことを聞こうかと思ったけど……さすがにそれはダメよね)

希「……ホンマはね」

にこ「ん?」

希「女の子同士なら一緒に寝てもいいと思ってたんよ。前に友達とお泊まり会したときとかは、一緒に寝たりもしてたし」

にこ「そ、そうなの?」

にこ(全然知らなかった……にこが友達少ないから…?)

希「…けど、にこっちとそういうことすると、やっぱり色々あかんやん」

にこ「……なんでよ」

希「なんでって…ほら、エリちたちが」

にこ「…あんたってホント、いつも絵里絵里って、絵里のことばっかよね」

希「そりゃエリちは親友やからね」

にこ(なによそれ……じゃぁにこは親友じゃないっての…?)

にこ「……」ムクリ

希「? にこっち、どうしたん? トイレ?」

にこ「違うわよ、子供じゃないんだから。…希と一緒の布団で寝る」

希「へ?」

にこ「ちなみに拒否権はない」モゾモゾ

希「ちょ、待っ、す、すとっぷ!」グイッ

にこ「」

にこ(希に押し返されるとか……え、初めてじゃない…? 地味にショックなんだけど…)

にこ「い、嫌なの?」

希「いや、嫌とかそういうんじゃなくて、ほら、バレたら大変やから」

にこ「バレないわよ。なんなの、この部屋を誰かが覗いてでもいるの?」

希「そんなホラーなことはないやろうけど…」

にこ「じゃぁにこたちが人に言わなきゃ誰にも知られないでしょ。ほら、布団入れてよ」

希「あー…いや、でも、ほら、ウチにも罪悪感ってものが…」

にこ「罪悪感ってなによ……大体、にこたちは友達でしょ。友達同士なら一緒に寝ることもあるって言ったのは希じゃない」

希「いや、そうやけど…」

にこ「……それとも、にこのこと、友達と思ってないの?」

希「そ、そんなわけないやん! にこっちは大切な友達で……大切な……、」

希「……はぁ」

にこ(溜息つかれた…!)

希「そやないと、こんなめんどくさい子、構うわけないやろ」

にこ「め、めんどくさい子って……酷い言いようね」

希「事実やん。……まぁでも、一緒に寝るだけならええよ。はい」

にこ「え、ホントにいいの?」

希「ええよ別に。今思えば…友達なら、普通のことやし」

にこ「ありがとう!」パァッ

希「…うん、どういたしまして…って、いうのも変やけど」

にこ(……というか、冷静になって考えてみると、こんな必死に布団に入れてもらって……なんかそれこそ子供みたい…)

にこ(…恥ずかしいから、希に背中向けて寝よ)ゴロン

希「…じゃ、おやすみにこっち」

にこ「…ん」

にこ(まぁ……希もあんまり気にしてないみたいだし、いっか。というか、なんか布団入ったら眠くなってきたし…)ウトウト

希「……」

にこ(……)スースー

希「寝つき早っ……さすがにこっちというか、なんというか…」

希「……ごめんね、にこっち。にこっちのこと、本当に純粋に、ただの友達と思えたらよかったんやけど…」ナデナデ

希「ウチな……本当は、にこっちのこと…」

にこ「ん、にゃ…」ゴロン

希「……寝顔はさらに子供みたいやね」クス

希「ホンマ、なんでこんなめんどうな子、好きになってもうたんやろね…」


―――
――


希「にこっち、にこっち」ユサユサ

にこ「んー……?」パチ

にこ「あ、希、おはよ」

希「はい、おはようさん。朝ごはんの支度できてるから、起きや」

にこ「えっ、作ってくれたの?」

希「うん」

にこ「ご、ごめん。夕飯も作ってもらったのに…」

希「いや、泊めてもらったお礼やから。あと、このパジャマとか」

希「じゃぁここあちゃんたち起こしてくるから、にこっちはその間に顔でも洗ってきて」

にこ「あ、うん。ありがと」ムクリ


にこ(そういえばママ、何時くらいに帰ってきたのかしら…)テクテク

にこ「……ん? 洗い終わった食器がある……ってことは、ママが朝食用に使ったのかな」

ここあ「にこにー、おはよーっ」ドンッ

にこ「わっ……と、ビックリした…。おはよ、ここあ」

こころ「にこにー、おはよ」テクテク

にこ「こころもおはよ。二人ともよくすぐ起きたわね」

こころ「のぞみちゃんが起こしにきてくれたから」

ここあ「迷惑かけちゃいけないかなーって思って」

にこ「にこが起こしに行った時もそれくらい殊勝な心がけで起きてほしいんだけどね…」

こころ・ここあ「しゅしょー?」

にこ「ああ、いや、なんでもない。じゃ、一緒に顔洗いにいこっか」

こころ・ここあ「うんっ」


―――――

こころ「じゃ、いってきまーす」

ここあ「にこにー、のぞみちゃん、またねー」ブンブン

希「はーい、またねー」ヒラヒラ

タッタッタッ

にこ「…若い子は朝から元気ね」

希「にこっち、発言がおばさんくさいで」

にこ「仕方ないでしょ。眠いのよ」

希「寝れへんかったん? ぐっすり寝てたように見えたけど…」

にこ「いや、朝はいつも大体眠いから。ぐっすりは寝れてたわよ。やっぱり人が近くにいると安心して寝れるみたい」

希「とことん子供体質やねぇ」

にこ「うっさいわね…。希こそちゃんと寝れた? 今日はやけに早く起きてくれてたみたいだけど…」

希「その点についてはご心配なく。ちゃんと寝れたよ。にこっちって抱き心地いいから、ウチもぐっすりや」

にこ「え、抱き付いてたの?」

希「ううん、抱き付いてへんけど」

にこ「だったら抱き心地なんて分からないんじゃ…」

希「まぁ冗談やしね。ウチに抱き付かれたら、にこっち苦しくて眠れへんやろ?」

にこ「苦しいって……まぁ、そうだろうけど…」ジ

希「……あの、別に胸がどうとか言いたかったわけやないからね? 普通に身長差があるから苦しいやろってことで…」

にこ「わ、分かってるわよ!」サッ

希「…にこっちって時々男子中学生みたいやんな」

にこ(まさかにこがそんなこと言われる日がくるなんて…)

希「さて、じゃぁウチは自分の家に寄ってくから、にこっちは先行ってて」

にこ「いや、にこも付き合うわよ」

希「え、いいよ、悪いし」

にこ「別にこれくらいいいわよ。ほら、行きましょ」

希「……うん」

希「………まぁ、大丈夫やんな、多分」ボソ

にこ「なんか言った?」

希「ああ、いや、なんでも」

にこ「?」



コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰かに会う

5.6.7.8.9=誰にも会わず、無事登校する

希「……なんか嫌な予感がする」

にこ「なによ、急に」

希「いや、ウチのスピリチュアルがそう告げてて…」

にこ「よく分かんないんだけど…」



>>510

会う人

ここで亜里沙ちゃん颯爽と登場

「あれっ?」

希「!」ドキッ

にこ「ん?」クル

にこ「あ、確か絵里の妹の…」

亜里沙「亜里沙です!」ズイッ

にこ「あ、うん、そう、亜里沙ちゃんだ」

希「なんや、亜里沙ちゃんか…」ホッ

にこ(誰だと思ったのかしら…)

希「亜里沙ちゃん、随分早い時間に登校してんのやね」

亜里沙「あ、今日は日直で、早めに学校行こうと思ってて……けど、まさかこんなところでμ’sのにこさんと希さんに会えるなんて感激です!」

にこ「そ、そう?」

亜里沙「はいっ」パアアァッ

にこ(こんなに純粋に喜んでくれるなんて……なんかにこ、アイドルになったみたい…! いや、スクールアイドルだけど)

希「亜里沙ちゃんは朝からテンション高くて、落ち着くわ」

亜里沙「そりゃぁ憧れのお二人に会えましたから。…それにしても、お二人って仲良いんですね。一緒に登校してるなんて」

にこ「あ、いや、これは…」

希「たまたまそこで会ったんよ。いつもは別々に登校してるけど、たまたま。今日はたまたま一緒なだけやから」

にこ(そんなたまたまを強調しなくても…)

亜里沙「あの、途中まで亜里沙もご一緒していいですか?」

にこ「うん、いいわよ」

にこ(もう希の家にも寄った帰りだし、あとは学校行くだけだし)

亜里沙「ありがとうございます!」ペコリ

にこ(礼儀正しい……やっぱり絵里の妹って感じね。こころたちもこんな子に育ってくれればいいんだけど)

亜里沙「夢のようです…」

にこ「そんな大げさな…」

亜里沙「そんなことないですよ! 亜里沙、本当にμ’sが大好きで…!」キラキラッ

にこ「目がキラキラしてて、まぶしいわね…」

希「こう素直に好意をぶつけられると、やっぱり嬉しいもんやね。荒みかけた心も回復していく感じ」

にこ「心荒んでたの?」

希「おかげさまで」

にこ(おかげさまって…?)

ちょっと間隔あきます
眠くなければまた再開するかもしれませんので、よければ見てもらえると嬉しいです

乙レスありがとうございます
眠くなるまでゆったりと更新再開していきます


―――――

亜里沙「それでですね、そこで雪穂が助けてくれて助かったんです」

にこ「へー…雪穂ちゃんって穂乃果の妹とは思えないほどしっかりしてるのね」

希「あはは……その言い方は穂乃果ちゃんが可哀想やん」

にこ「事実じゃない」

亜里沙「あ、でも穂乃果さんもやるときはやるんだよって、いつも雪穂が言ってますよ」

にこ「さすがに妹の前ではしっかりしてるのね」

希「誰かさんたちと一緒やね」

にこ「…誰のことよ」

希「にこっちとエリち」

亜里沙「え、にこさんにも妹さんいるんですか?」

希「小学校低学年の可愛い双子ちゃんがね」

亜里沙「わーっ、いいなぁ、双子ちゃん! にこさんに似て可愛いんだろうな~」

にこ(…なんか、本当に純粋な良い子って感じで…だんだん絵里の妹とは思えなくなってきた。…って、こんなこと言うと絵里に失礼だけど)

希「いやー…平和っていいなぁ…」シミジミ

にこ(それにしても希はなんか辛いことでもあったのかしら…)

―――
――


希「あ、そうや」

にこ「ん?」

希「ウチ、ちょっと職員室に用があるから、にこっち先教室入ってて」

にこ「了解」

希「じゃ、またあとで」

にこ「はいはい」

にこ(しかし、職員室に用事ってなんなのかしら。…生徒会のこととか?)ガラ

絵里「あ、にこ。おはよう」

にこ「おはよ、絵里」ガタ

絵里「…希は?」

にこ「え? あ、今職員室に…」

にこ(…って、しまった。希がうちに泊まったことは言わない方向なんだから、一緒に来たことも内緒にしなきゃいけないのよね)

絵里「職員室がどうかしたの?」

にこ「あー…いや、なんでもない。というか、なんでにこに希のこと聞くの?」

絵里「だって一緒に登校してきたんでしょ?」

にこ「えっ、な、なんで知ってるの?」

絵里「亜里沙からメールがきたから。μ’sのにこさんと希さんと一緒に登校しちゃったって」

にこ「あー…なるほど」

にこ(亜里沙ちゃん……よほどテンションが上がってくれてたのか、シスコンなのか…まぁどっちもかもしれないけど)

絵里「たまたま会ったんでしょ?」

にこ「あ、うん。そうなの、たまたま」

絵里「で、希は? 一緒に来るとばかり思ってたんだけど…」

にこ「今ちょっと職員室に行ってるわ」

絵里「職員室? なにか用でもあるのかしら…」

にこ「あれ、生徒会の仕事か何かだと思ってたんだけど…」

絵里「そんな用事はないはずだけど…」

にこ「じゃぁ何か悪いことでもしたんじゃない?」

絵里「にこじゃないんだから」

にこ「どういう意味よ…」

ガラ


にこ「あ、来た」

にこ(職員室に行ったにしては、やけに早いけど…)

絵里「おはよう」

希「おはよー、エリち。あと、にこっちも」

にこ「え、あ、おはよ」

にこ(改めておはようって言いなおす意味ってなに……あ、ひょっとして、一緒に来たこと隠そうとしてるのかしら。そのためにわざわざ嘘までついて教室に入るタイミングずらすなんて……どんだけ気にしてんのよ)

絵里「希、今日はにこと一緒に登校してきたんでしょ?」

希「えっ…なんで知ってるん?」

絵里「亜里沙からのメール…って、ついさっきにこにも言ったばかりだけど」

絵里「登校途中にたまたま会うなんてうらやましいわ」

希「あはは……まぁウチはほら、スピリチュアルやから」

にこ「なによ、その理由…」

絵里「そういえば私たちって、三人で登校したこととかないわよね」

希「まぁ集合して一緒に行くっていうような歳でもないしなぁ…」

絵里「たまにはそういう登校のしかたもいいんじゃない?」

希「うーん、どうやろ…」アハハ

にこ(…この二人ってたまに二人だけで会話始めたりするわよね。付き合いの長さ故というか、相性の良さ故というか……なんかちょっと疎外感)


ピリリリリッ

にこ(ん? メール……誰からだろ)ピッ



>>533

差出人

ほのか

にこ(穂乃果から……なんか前もこんな時間にメールもらったような気がするけど、流行ってるのかしら)

にこ(まぁ暇だったからちょうどよかったけど)ピッ



>>538

メールの内容(ざっくりとしたものでも大丈夫です)

今度は穂乃果と登校して欲しいな

にこ(えっと…)

【にこちゃん、にこちゃん! 今度は穂乃果と一緒に登校してほしいな!】

にこ(えっ、なんでナチュラルにバレてるのよ)

にこ(えっと……とりあえず、なんで知ってんのよっと……送信)ピッピッ


ピリリリッ


にこ(相変わらず早いわね)ピ

【亜里沙ちゃんが雪穂に話して、そのあと雪穂から私にメールがきたから!】

にこ(なんでみんなすぐメールで伝え合うのかしら…姉妹ってそんなものなの? まぁとりあえず、ああそうとだけ返しとこ)ピッピ


ピリリリッ


にこ(どんだけ打つの速いのよ…)

【ああそう…って、にこちゃん冷たいよー! あ、じゃなくて、一緒に登校しようよ! ダメ?】

にこ(その話本気だったのね。別にいいけど、いつにするのよ)ピッピッピ


ピリリリッ


にこ(えっと…)ピッ

【明日!】

にこ(うん、すごい穂乃果らしいわ。了解っと。詳しい時間とかは後で決めればいっか)ピッピッ


ピリリリッ

【やった! ありがとーにこちゃん! 明日楽しみにしてるからね!】

にこ(穂乃果はメールでも元気ね……なんかホッとするわ)

絵里「……随分楽しそうね?」

にこ「え、あ、ごめん。ちょっとメールしてて」

絵里「へえ、そう。誰から?」

にこ「穂乃果」

絵里「…そう」ニッコリ

希「あー、そろそろチャイム鳴るんやないかな! ほら、エリち、席戻ろ」グイ

絵里「…それもそうね。じゃぁにこ、また休み時間にね」

にこ「うん」

―――――

―昼休み―


希「ウチ、今日はちょっと隣のクラスの子とお昼食べるから」

絵里「そうなの? 珍しいわね」

希「まぁたまにはね。にこっちはくれぐれもエリちと教室で食べてな」

にこ「うん、そのつもりだけど…」

希「じゃぁまたあとで」タッタッ

にこ(…なんか希、様子がおかしかったような気が……、あ、そっか。お弁当が一緒だから、一緒に食べるとバレちゃうのね…忘れてた)

にこ(…希には悪いことしちゃったかも)シュン

絵里「…なんだか今日の希、全体的に様子がおかしくない?」

にこ「さ、さあ……まぁ希にも色々あるんじゃない?」

絵里「そうなのかしら……何か悩んでるとかじゃなきゃいいんだけど」

にこ「大丈夫でしょ。希なら本当に辛くなる前に相談してくれるわよ」

絵里「…だといいんだけどね。じゃぁ私たちもお昼にしましょうか」

にこ「うん」ガタ



絵里「いただきます」

にこ「いただきまーす」パカ

絵里「…? なんだか今日のにこのお弁当、いつもと違うような気がするんだけど…」

にこ「えっ、そ、そう?」

絵里「ええ。卵焼きの焼き加減とか、ちょっと変えた?」

にこ「あ、あー、うん、ちょっとね!」

にこ(というか、違いが分かるって、どんだけにこのお弁当見てんの…?)

にこ(とりあえず、希の作ったものだってバレる前に食べきろう)パク、パクッパク

絵里「そんなに急いで食べると喉につまっちゃうわよ」

にこ「ふぁいひょーふ」モゴモゴ

絵里「口にもの入れたまま喋らない」

にこ「っくん……大丈夫。いや、なんかお腹すいちゃってて、がっつきたい気分なの」

絵里「そうなの? あ、じゃぁ私のも一口どう?」ス

にこ「え、いいの?」

絵里「ええ。とはいっても、にこと違って私のはお母さんが作ったものだけど」

にこ「じゃぁ遠慮なく」

にこ(なんか罪悪感がすごいけど、お腹すいてるのは割と事実だし)パク

にこ「うん、おいしい。絵里のお母さんも料理上手ね」

絵里「まぁね」

絵里「……ねぇにこ、ところでちょっと話が

ガラッ


にこ「ん?」ヒョコ

にこ「あ、>>550



(人物名でお願いします)

穂乃果

にこ「あ、穂乃果」

絵里「穂乃果?」クル

にこ(なんでこんなとこに……あ、ひょっとして今朝のメールのことかしら)

にこ「ごめん絵里、ちょっと穂乃果のとこ行ってくる」ガタ

絵里「え、ちょっと、にこ…」


にこ「穂乃果」テクテク

穂乃果「あ、にこちゃん!」パァッ

にこ「どうしたの、昼休みに教室に来るなんて珍しいじゃない」

穂乃果「さっきのメールのことでちょっと。チャイムが鳴っちゃって、集合時間とか決められなかったから」

にこ「それならまたメールしてくれればよかったのに」

穂乃果「直接話したほうが早いと思って。それに、にこちゃんにも会えるし、一石二鳥かなーって」

にこ「ああ、そう」

穂乃果「わー、また“ああ、そう”だって……それ冷たいから嫌なんだけどなぁ…」

にこ「ごめんごめん。で、集合時間だったっけ」

穂乃果「うん。…ていうか、希ちゃんは? 絵里ちゃんの姿はあるけど…」

にこ「希は別のクラスの子と食べてるわ」

穂乃果「そうなの? めずらしーね?」

にこ「まぁちょっとね」

穂乃果「あ、じゃぁ絵里ちゃんと二人で食べてるんだね」

にこ「まぁね」

穂乃果「いいなぁ、絵里ちゃん…。同じクラスだし、いつも一緒だし…」

にこ「それより、集合時間を…」

穂乃果「…ねぇにこちゃん、やっぱり留年しない?」

にこ「しないわよ」

穂乃果「ケチー」

にこ「なんでよ…」


にこ「じゃ、時間はこれでオッケーね」

穂乃果「うん、そうだね」

にこ「ならそろそろ教室に…」

穂乃果「あ、あー! 私、他にもにこちゃんに用があったんだった!」

にこ「え、なに?」

穂乃果「えーっと……なんだったっけ?」

にこ「は? 忘れたの?」

穂乃果「う、うん。もうちょっとで思い出せそうなんだけど…」

にこ「じゃぁ思い出してから話してくれればいいから、とりあえず今は…」

穂乃果「す、すぐ言わなきゃいけないことなんだよ! だから、ね、ちょっと待って」

にこ「はあ……まぁ、そう言うなら」

穂乃果「ありがと! じゃぁじゃぁ、なんかお話しよーよ!」

にこ「いや、思い出すことに専念しなさいよ」

穂乃果「なんかお話してたら思い出すかも!」

にこ「……というか、用があるって嘘でしょ?」

穂乃果「………ご、ごめんなさい」

穂乃果「だってにこちゃん、用が終わったらすぐ戻っていこうとするんだもん…」

にこ「いや、だって今昼休みだし。穂乃果だってご飯食べなきゃいけないでしょ」

穂乃果「それはそうだけど……うー……」

穂乃果「……分かった。じゃぁまた部活でね」ショゲ

にこ「う、うん、また」

穂乃果「ばいばーい…」トボトボ

にこ(…なんか、しょぼくれた犬みたいな顔してたわね…ちょっと悪いことしたかも)

にこ(いや、でもあんまり長話してたら穂乃果だって困ることになってたんだし…仕方ないんだけど)



にこ「ただいま」ガタ

絵里「おかえりなさい」

絵里「…穂乃果、にこに用があったの?」

にこ「うん、ちょっとね」

絵里「……そう」

にこ「あ、それよりさっき、何か言いかけてなかった? 穂乃果が来る前」

絵里「ああ…いいの、大した話じゃないから」

にこ「ならいいんだけど…」

今のところそこまで険悪な雰囲気にはなってないなw
ここに同衾がどう響くか…ばれてほしいようなばれてほしくないような


―――――

にこ(そういえば最近、メールくること多いわよね。ちょっとメールボックスの整理でもしとこうかな)ピッ

にこ(えっと、まずは送信ボックスから………ん?)ピ

にこ(なんだろ、一つだけ未送信のメールがあるけど……こんなメール、作ったっけ?)

にこ(というか、件名がなんか変なんだけど……なんでにこ、誰かに対して送るメールを自分宛ての件名にしてんの?)

にこ(えっと、このメールの宛先人は……)


>>558
宛先人

にこ(希に宛ててるけど……なんなのかしら)ピッ

【えっと、ごめんにこっち。まず勝手に携帯いじってることを謝ります】

にこ(なんで敬語……ってか、これって希がうったのよね? 関西弁だし…。でもいつの間に…)

【あんな、にこっち。お説教みたいになるけど、携帯はあんまり机の上に放りっぱなしにしたらあかんよ】

にこ(机の上って………あ、もしかして昨日のこと? 海未が電源入ったままだったのを見つけたって言ってたけど、希がその前に触ってたのね。…しかし希が電源入れっぱなしで放置しとくなんて珍しい。何かあったのかしら)

にこ(…というか、希がにこの携帯勝手に見たってことになるの…?)

【あと、多分今にこっちは混乱してるやろうから、一から書いとくね。ウチがにこっちの携帯を見る前に、ある子がにこっちの携帯を見ちゃってたんやけど、ちょうどその子が見てたときにウチが部室に戻って来て、鉢合わせになっちゃって】

にこ(いや、ある子って誰よ)

【で、慌てて携帯を置いて部室から出て行っちゃったんやけど、多分にこっちの携帯の待ち受けを変な風に誤解したんやと思うねん。様子おかしかったし】

にこ(待ち受け? ……ああ、ツバサの。ということは、誤解っていうのは、あのおまじないってこと…? …ほんとに誤解する人いたんだ…)

【というわけで、その子は気にしてるかもしれへんから、なんとか誤解をといてあげてな。あ、ちなみにこのメールのことはあえてにこっちには教えへんから。読み終わったら普通に削除しといてな。じゃぁ、以上です】

にこ(……って、PSがあるけど。えっと……ツバサちゃんの待ち受けは、やっぱり色々と誤解をうむから出来ればやめたほうがいいよ……って、これってそんなに誤解うむようなものなのかしら…)

にこ(…というか、結局肝心の携帯を見た子の名前が書いてないし、どうやって誤解をとけってのよ…)

にこ(……仕方ない。あとで希に直接聞いてみよう)ピ

にこ(とりあえず希の言う通り、このメールは削除してっと)ピッピ

にこ(……ついでに、ツバサの待ち受けもかえとこ)ピ

にこ(…うん。やっぱりにこはこのスタンダード画面が落ち着くわ。これなら変な誤解もうまないだろうし)

中途半端ですが眠くなったので更新ストップします

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました

乙にこっ!

レスありがとうございます
朝ですがゆったりと再開していきます


―――
――


穂乃果「絵里ちゃんと希ちゃん、遅いねー…」

花陽「生徒会室に行ってるんだったよね?」

にこ「みたいよ。なんか仕事があるとかなんとか」

ことり「海未ちゃんは弓道部だし…」

凛「真姫ちゃんは日直だし…暇だにゃー」

穂乃果「先に練習はじめてる?」

ことり「うーん……でも、海未ちゃんも絵里ちゃんもいない状態じゃ難しいんじゃないかなぁ…」

にこ「それもそうね…。もうちょっと待ちましょう」

凛「でもやっぱり暇だにゃー。にこちゃん、何か面白い話して」

にこ「どんな無茶ぶりよ…」

凛「だって暇なんだもん」

にこ「じゃぁあんたが面白い話でもすればいいでしょ」

凛「無理だよ」

にこ「即答なのね…」

穂乃果「あ、そーだ!」ガタッ

ことり「どうしたの、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「どうせ暇ならと思って……あ。あった」ガサゴソ

穂乃果「はい、にこちゃん!」スッ

にこ「…えっと、勉強会のくじ引き?」

穂乃果「うん。暇だし、今引いてもらおうかなって思って」

にこ「でもまだ全員集まってないけど…」

凛「真姫ちゃんたちなら事後報告でも許してくれるにゃー…多分!」

にこ「…それもそうね。じゃぁ引くわ」ス

穂乃果「うん、どうぞどうぞー……って、ああ!」

にこ「な、なによ?」

穂乃果「忘れてた。先ににこちゃんのお家に行く人決めなきゃいけないんだった。こっちからどうぞ」ス

にこ「あ、うん」

にこ(穂乃果ってどんだけくじ持ち歩いてんのかしら…)

穂乃果「あ、さすがに二回連続は大変だろうから、昨日担当した希ちゃんの分は抜いてあるよ」

にこ「まぁさすがに二日連続は悪いしね」

にこ「えーっと……じゃ、これ」ヒョイ


>>576

結果

海未

にこ「…海未ね」

穂乃果「ありゃ。本当にここにいない人に当たっちゃったね。まぁでも、海未ちゃんならいっか」

ことり「そうだね。決まったって伝えたら「えぇえっ!?」って言いそうだけど」

穂乃果「あー、言いそう」

凛「にしても、海未ちゃんかぁ…。今日こそ凛がにこちゃん家に行こうと思ってたのに…」

にこ「けど凛ってご飯作れないんじゃ…」

凛「にこちゃん失礼にゃー…凛だって、カップヌードルくらい作れるもん!」

にこ「いや、それは作れてるっていうの…?」

花陽「あ、でも凛ちゃんが作ってくれるカップヌードル、すごく美味しいんだよ」

にこ「作るって言ったって、お湯注ぐだけでしょ?」

花陽「なのに美味しいの」

にこ「それは…逆に興味がわくわね」

凛「今度作ってあげるよ」

穂乃果「あ、私も私も! カップ焼きそばの湯きりは得意なんだよ! 時々中身を全部ぶちまけちゃうことあるけど!」

ことり「それって得意っていうのかな…?」

穂乃果「あ、そうだ。あと勉強会のほうのくじもしないと。えっと……これも一応昨日の絵里ちゃんと、あと海未ちゃんの分を抜いて、と」

穂乃果「はい、どうぞ」スッ

にこ「ん、ありがと。じゃぁこれ」ヒョイ


>>580
結果

にこ「希ね」

ことり「連続で三年生だね」

花陽「けど絵里ちゃんや希ちゃんなら、にこちゃんの分からないとこも教えられるし、ちょうどよかったんじゃないかな」

穂乃果「んー…確かにそうかもね」

凛「凛は勉強に当たらなくてよかったにゃー」

にこ(凛はどんだけ勉強嫌なのよ…)

穂乃果「しかし見事に、二つともまだ来てないメンバーに当たったね」

ことり「逆にすごい確率かも」

穂乃果「そうだねー……でもまた暇になったね」グダー

花陽「絵里ちゃんたちはそろそろ来そうな時間だけど…」

凛「うーん……あ、そーだ!!」

花陽「ど、どうしたの凛ちゃん、いきなり大きな声あげて…」

凛「えっとねー…」ガサゴソ

凛「はい、かよちん!」スッ

花陽「……飴?」

凛「うん。これ美味しいんだよー。クラスの子にいくつかもらったから、かよちんにもお裾分けー」

花陽「あ、うん。ありがとう」ス

凛「はい、みんなもどうぞ」

穂乃果「わー、ありがとー」

ことり「じゃぁ遠慮なくもらうね」

にこ(しかしなんでこのタイミングで…。というかこれって、よくコンビニとかで見かけるやつよね。どこにでもおいてあるイメージあったけど、そういえば食べたことはなかったかも)

にこ「じゃ、もらうわね」ヒョイ

凛「うん、どうぞー」

にこ「…」ペリ

凛「…」ジー

にこ「……あの、なにか用?」

凛「いや、おいしいかなぁって思って」

にこ「そんな感想を急かさなくても…」ヒョイ、モゴモゴ

にこ「……あ、うん。おいしいわよ」

凛「よかった~」

にこ(しかしこれ、結構小さめなのね。確か値段もお手頃だったし、質より量ってタイプの人用なんだろうけど……それにしては本当においしいわね)ガリガリ

穂乃果「って、にこちゃん、飴噛んでない?」

にこ「え、うん。小さい系の飴はいつも噛んでるから」

ことり「か、変わってるね」

にこ「そう?」

にこ(あー、でも確かにこころやここあはこういうことしないっけ…)

花陽「けど、飴ってかたいし噛むの大変じゃない?」

にこ「だから小さいやつだけだってば」

凛「ワイルドだねー。あ、でも前に、飴を最後までなめきれない人は短気だって聞いたことあるにゃ」

にこ「悪かったわね……小さい頃からの癖みたいなものなのよ」

穂乃果「ふぇー。噛むとすぐなくなっちゃうから、もったいない気がして私は最後まで舐めきる派かなぁ」

花陽「あ、私も」

ことり「ことりはある程度まで小さくなったら最後は噛むタイプかな」

凛「あ、凛も凛も。あんまり小さい状態の飴を口にいれてると、ちょっと邪魔だなーって思っちゃうから」

にこ(ってことは、やっぱりにこの食べ方って少数派なのかしら…)ガリ

にこ(…しかしこれ、本当においしいわね。今度買ってみようかな)


ガチャ


真姫「遅れてごめん……って、なんだ。海未たちもまだ来てないみたいね」

凛「あ、真姫ちゃーん! 真姫ちゃんも飴一つどう?」

真姫「え? あー、うん。ありがと」

穂乃果「あ、真姫ちゃんはどうやって飴舐めるタイプ?」

真姫「えっ? 普通に舐めるけど…?」

にこ「凛、これもう一個食べていい?」

凛「うん、どうぞー」

にこ「ありがと」ペリ、ヒョイ

真姫「……」ジ

にこ(……なんなの。飴食べるの見るのって流行ってるの?)ガリガリ

真姫「って、にこちゃんって飴噛み砕いて食べるの?」

にこ「うん」

真姫「…そうやって食べる人ってストレス感じやすい人らしいわよ」

にこ「そうなの? 全然そんなことないと思うけど…」ガリ

―――――

絵里「えっ、もうくじ引きすませちゃったの?」

穂乃果「うん、暇だったから」

絵里「そ、そう…」

希「で、結果は?」

ことり「えっとね、海未ちゃんがにこちゃんのお家に行くことになって、」

海未「えぇえっ!?」

にこ(あ、ホントに言った)

海未「わ、私ですか……」

穂乃果「うん、海未ちゃんだね」

海未「……」チラ

にこ「あ、えっと……悪いけど、お願いしてもいい?」

海未「あ、は、はい。任せてください」

穂乃果「で、勉強のほうが希ちゃん担当」

希「うん、りょーかい」

絵里「見事に外れちゃったわけね…」ハァ

穂乃果「絵里ちゃんはまだいいほうだよー。私なんて、まだ一回も当たってないんだもん」

凛「凛もだよー」

真姫「…まぁこればっかりは仕方ないでしょ。ほら、早く練習始めましょ」

穂乃果・凛「はーい」


―――
――


絵里「じゃぁにこ、ちゃんと勉強するのよ。くれぐれも希に迷惑をかけないようにね」

にこ「分かってるわよ…」

絵里「それじゃ、また明日」ナデナデ

にこ(子供あつかいしすぎじゃない…?)

絵里「希、にこのことよろしくね」

希「ほいほい。エリち、また明日」

絵里「うん、また」

穂乃果「にこちゃん、明日こそ私の引いてね! 待ってるからね!」

ことり「あ、じゃぁことりも」

花陽「な、なら私も…」

凛「凛も凛も! あ、でも勉強の方では絶対引かないでね!」

にこ「いや、そんな無茶な…」

海未「ではにこ、またあとで」

にこ「あ、うん。また。妹たちのこと、よろしくね」

海未「はい」ペコリ


パタン

にこ「……はぁ」

希「ふふ、にこっちは愛されてるね」

にこ「喜んでいいとこなの…?」

希「どうやろね。じゃ、勉強はじめよか」

にこ「うん」

さて…



希「で、ここがこうなるから……、にこっち、聞いてる?」

にこ「…う、うん」

希「…にこっちに必要なのは集中力やと思うよ」

にこ「分かっちゃいるんだけどね…」

希「じゃ、この問題解けたら何かご褒美あげる」

にこ「ご褒美?」

希「やったら頑張れるかなーって」

にこ「完全に子供あつかいね…」

希「嫌?」

にこ「…別に嫌ではないけど」

希「じゃ、決定」

にこ「というか、ご褒美ってなに?」

希「考えてへん」

にこ「なによそれ…」

希「にこっちが決めてええよ。お菓子とかジュースとか買ってあげる」

にこ「…じゃ、飴でもいい?」

希「飴? …ああ、さっき部室で食べてたやつ? 確か凛ちゃんから貰ってんな?」

にこ「うん」

希「よほどお気に召したんやね。まぁ美味しかったけど」

にこ「飴、久しぶりに舐めたから余計おいしく感じたのかもしれないけどね」

希「そか。じゃぁ解けたら飴買ってあげる。やから頑張って」

にこ「ん」

にこ(…って、これじゃ本当に子供みたいね…)

にこ「……というか、逆だと思うのよ」

希「なんやの急に。逆って?」

にこ「いや、にこが子供っぽいんじゃなくてね、希が大人っぽいんじゃないかなぁと」

希「…勉強中になに考えとんの…」

にこ「割といつも考えてることよ。大体、あんたと比べれば絵里だって子供っぽく見えるレベルなんだし。そう、断じてにこが子供っぽいとかじゃないと思うの」ウンウン

希「はいはい、そうやね。にこっちは子供っぽくなんかないなぁ。はい、勉強すんで」

にこ(軽く流された…)

―――――

希「よし、じゃぁちょっと休憩しよか」

にこ「疲れたわ……」グダッ

希「お疲れさん。約束通り、帰りに飴買ったげるね」

にこ「それより、さっきの話」

希「さっき? …ああ、このページの公式?」

にこ「そうじゃなくて、子供っぽい云々のことよ」

希「あー…それ、まだ続くん?」

にこ「続くわよ。大切な話だし」

希「ウチにとっては割とどうでもいいんやけどなぁ…」

にこ「なんか言った?」

希「いえ、なんでも」

にこ「希って大人っぽいじゃない。悔しいけど」

希「う、うーん……自分ではよう分からんけど」

にこ「それで分からないって……にこはどうなるのよってレベルじゃない…」ズン

希「いや、ほら、にこっちにはにこっちの良いとこがあるやん」

にこ「たとえば?」

希「……可愛いとこ、とか?」

にこ「それって子供っぽいってことでしょ…」

希「いや、そういうわけや………いや、まぁそういうことでええけど」

にこ(やっぱり子供っぽいのね…)ハァ

希「あー……まぁにこっちはあれやん。キャラとしてそういう可愛い路線で攻めてるんやからええんちゃう?」

にこ「……あ、それもそうね」パッ

希「立ち直り早っ」

にこ「…けどやっぱりうらやましいわ」

希「なにが?」

にこ「あんたよ、あんた。希は大人っぽいけど可愛いとこもあるし、どっちも兼ね備えてるじゃない」

希「か、可愛くはないやろ。ほら、ウチこんな変な喋り方やし、可愛いってタイプでもないし…」

にこ「喋り方は関係ないでしょ…。それに、十分可愛いと思うけど」

希「い、いや、そんなこと……」

にこ「なに照れてんのよ、らしくない。可愛いとか言われ慣れてないの?」

希「慣れてるわけないやろ…そんなん。…言う人もいいひんかったし」

にこ「ふーん…」

にこ(よほど見る目ない人ばっかりだったのか、それとも言われなかっただけなのか…よく分かんないけど。希が狼狽してるのってちょっと珍しいかも)

にこ「まぁそうやって狼狽えてるのは普通に可愛いわよ」

希「っ、そ、そういうことはエリちたちに……って、いや、そんなこと言ったらますますややこしいことになりそうやけど…」

にこ「なにが?」

希「いや、何でも…。それよりほら、もう休憩終わり。再開すんで」

にこ「えぇー、もうちょっと休んだっていいじゃない」

希「あかん。エリちに頼まれたし、ビシビシいく」

にこ「えええぇ……」


―――――

にこ「希の鬼……」

希「けど頑張った分、はかどったやろ?」

にこ「そりゃそうだけど……もうへとへとよ」

希「やから飴ちゃんも買ってあげたやん。ほら、これ食べて元気だし」

にこ「……」ペリ

にこ「…」パクッ、ボリボリ

希「…本当にボリボリ食べんのやね」

にこ「いや、なんかこれが落ち着くから」ガリ

希「けど、それじゃすぐ飴なくなってしまわへん?」

にこ「まぁね。でも普通のお菓子だってそうだし、あんまり気にしたことないけど」ペリ

希「って、食べきるの早すぎひん…?」

にこ「だって小さいし」パク

にこ「あ、希もよかったらどう?」ガリガリ

希「じゃぁありがたくいただこかな」

希「…」パク

希「…」コロコロ

にこ(……本当に他の人は噛み砕かないのね。なんか変な感じ)ガリガリ

希「そういや、今日は帰ったら海未ちゃんが待ってんねんな」

にこ「うん。ここあたち、大人しくしてたらいいんだけど」

希「大丈夫ちゃうかな。ほら、海未ちゃんは穂乃果ちゃんとことりちゃんの幼なじみやし」

にこ「確かに、昔からあの二人に振り回されてたし、慣れっこかもしれないけどね」ペリ

にこ「…でも、あんまり後輩に迷惑かけたくないじゃない」パク

希「まぁそういう気持ちは大切やと思うけどね」

にこ「ん」ガリガリ

希「うん……というか、飴食べ過ぎやない?」

にこ「いや、すぐなくなるから」

希「あんまり食べすぎると虫歯になってまうよ」

にこ「平気平気。ちゃんと歯磨きしてるから」ガリ

希「ならええけど…」

絵里「希、(私の時は勉強するつもりないから)よろしく」
希「(えりちは前の時も真面目にやってなかったやろうからうちは我慢して)ビシビシいく」
いいぞーこの信頼(?)関係


―――
――


ガチャ


にこ「ただいまー」

海未「あ、にこ」テクテク

海未「お、おかえり、な、さい…///」カアアァァッ

にこ「…あの、なんで照れてるの?」

海未「い、いえ……こうしてにこを出迎えてると、その、家族みたいだなぁと思いまして…」

にこ「そ、そう。えっと……とりあえず、ただいま」

海未「はい……あ、お荷物お持ちします」

にこ「いや、これくらい自分で持ってくから」

海未「そうですか…」シュン

にこ「あー…その、ここあたちは?」

海未「今、夕飯のお手伝いをしてくれてる最中です」

にこ「そう。じゃぁにこも手伝うわ」

海未「ありがとうございます」ペコリ

にこ「…というか、そのエプロンってにこのやつよね?」

海未「あ、はい。こころちゃんに出していただいたのですが……すみません、迷惑でしたか?」

にこ「いや、そんなことはないけど。似合ってるし」

海未「あ、ありがとうございます。あの、今日は肉じゃがを作ってみたんですが、にこのご家庭の味付けが分からなかったので、味見に協力してください」

にこ「あ、うん」

にこ(というか、味見ってことはもうほとんど完成しちゃってるのね…)


こころ「あ、にこにーおかえりなさい」

ここあ「なさいー」

にこ「ただいま。二人ともお手伝いしてたのね、偉いわ」ナデナデ

こころ「えへへ。うみちゃんにね、お野菜むくの上手ってほめられたよ」

海未「本当に上手でしたから。二人のおかげで随分助かりました」

ここあ「うみちゃんもお野菜切るの上手ですごかったよ!」

海未「ありがとうございます」

にこ(海未も子供のあつかい手慣れてるわね…。…やっぱり穂乃果たちの影響かしら)

こころ「あ、にこにー、肉じゃが味見してみて」

にこ「うん。じゃぁ一口もらうわね」

海未「はい」

にこ「いただきます」パク

にこ「……うん、おいしい。さすが海未ね」

海未「ならよかったです。では、後はおひたしを作れば完成ですので、ちょっと待っていてください」

にこ「いや、だからにこも手伝うってば」

こころ「こころも手伝うー」

ここあ「ここあも!」

海未「じゃぁみんなで作りましょうか」

こころ・ここあ「うんっ」

海未「ふふ……可愛いですね、本当に」ナデナデ

にこ(ここあたちも楽しそうだし、よかったわ)


―――――

海未「あ、にこ。お皿を取ってもらっていいですか?」

にこ「うん。……はい」カチャカチャ

海未「ありがとうございます。…? すみません、一つ多いです」

にこ「え、ほんと? ごめん」

海未「あ、それとお茶碗もお願いします」

にこ「はいはい」

にこ(今度こそ間違いないように……四つとって、っと)

にこ「はい」

海未「ありがとうございます。…って、あの、また一つ多いのですが…」

にこ「え? でもちゃんと四つ数えたんだけど…」

海未「え? いや、三つじゃないですか? にことこころちゃんとここあちゃんと」

にこ「え、それと海未じゃないの?」

海未「……え?」

にこ「あれ…?」


―――――

海未「すみません…私まで夕飯にお呼ばれしてしまって…」

にこ「いや、元々その予定だったし…」

にこ(希といい海未といい、まさかご飯を作るだけ作ってそのまま帰る予定だったなんて…)

にこ(こうなってくると、むしろこっちが無理やり付き合わせてるみたいで逆に悪い気がしてきた…)

こころ「肉じゃがおいしーよ」

ここあ「うみちゃんもお料理上手だね」

海未「ありがとうございます」

こころ「にこにーのお友達、みんなお料理上手なんだね」

にこ「あー…そういえばみんな結構普通に作れるわね」

海未「ああ…確かに希も上手そうなイメージがありますね。穂乃果もあまりやらないだけで、できますし。…味は少し独創的ですが」

にこ「ま、まぁそれも個性だしね…」

ここあ「ね、うみちゃんも今日泊まってくの?」

海未「いえ、帰る予定ですが……って、あれ? うみちゃん“も”…?」

にこ「あー! そ、それにしても海未の作ったおひたし美味しいわ!」

海未「え、そうですか?」

にこ「うん! なんかこう、落ち着く味というか、なんというか!」

海未「えっと、そう言ってもらえると嬉しいです…」

にこ(危なかった……)ホッ

―――――

海未「では、食器の片付けも手伝わせてもらいますね」

にこ「いや、さすがに悪いわよ」

海未「私が手伝いたいんです。…ダメですか?」

にこ「そりゃダメではないけど…」

ここあ「じゃぁここあも!」クイクイ

にこ「いや、こころたちはテレビでも見てて。ほら、うちの台所あんまり広くないし…水場は特に狭いし」

こころ「じゃぁここあ、テレビ見て待ってよ」

ここあ「うん」

にこ「じゃ、にこたちはちゃっちゃと洗い物すませちゃいましょうか」

海未「はい」



海未「ところで、希との勉強はどうでしたか?」カチャカチャ

にこ「あー、うん。すごくはかどった…けど、すごい疲れたわ」

海未「それはなんというか、お疲れ様です」

にこ「まぁ留年がかかってるしね」

海未「留年ですか…」

にこ「うん。さすがにアイドルが留年はちょっとね…」

海未「……でも、にこが留年したら、来年は私たちと同じ学年になるんですよね」

にこ「まぁそういうことになるわね」

海未「……そうですか」

にこ「そうならないために頑張るわ」

海未「…はい。頑張ってください」

にこ(……なんか、急に声のトーンが落ちたけど、どうかしたのかしら)

にこ「……あ、そうだ。飴舐める?」

海未「え? 何故急に…?」

にこ「いや、疲れた時は甘いものっていうから。にこも食べるし、そのついでに」

海未「あ、はい。では、いただきます」

にこ「うん。じゃぁごめん、ちょっと待ってて」



海未「……」コロコロ

にこ「……」ガリガリ

海未「あの、にこ」

にこ「ん?」ガリガリ

海未「その飴、何個目ですか?」

にこ「四個目」

海未「あの…虫歯になりますよ?」

にこ「さっき希にも同じこと言われたわ」

海未「にこって飴が好きなんですか?」

にこ「いや、そんなとりたてて好きってわけじゃないんだけど……なんかこれにはハマったみたいで」ガリ

海未「くれぐれも、ちゃんと歯は磨いてくださいね」

にこ「うん、分かってるって」


にこ「……よし、洗い物終了っと」

にこ「手伝ってくれてありがとうね、海未」

海未「いえ」


海未「では、私はこれで失礼しますね」

にこ「うん。あー…」

にこ(どうしよう…)



>>616

1.送っていく
2.いかない

1

にこ「家まで送ってくわ」

海未「えっ、い、いいですよ、悪いです」

にこ「ご飯まで作ってくれたのに、悪いも何もないわよ。こころ、ここあ、お姉ちゃんちょっと海未を家まで送ってくから」

こころ「はーい」

ここあ「うみちゃん、またきてね!」

海未「あ、はい。あの、にこ、本当に大丈夫ですから…」

にこ「はいはい。ほら、さっさと行くわよ」グイッ

海未「っ……は、はい」

―――――

にこ「海未の家って確かこっちよね?」

海未「……」

にこ「海未?」

海未「あ! は、はい、そっちです!」

にこ「どうかしたの?」

海未「いえ……あの、手…」

にこ「え? …あ、ごめん。掴んだままだったわね」パ

海未「あっ、いえ、嫌だったわけではないんですけど…」

にこ「?」

海未「っ……と、とりあえず帰りましょう!」

にこ「う、うん」

海未「……」スタスタスタスタッ

にこ「あ、あの海未、歩くの早いんだけど」

海未「あ、すみません……これくらいでいいですか?」テク…

にこ「うん、ごめんね」

海未「いえ……私も、その、ゆっくり歩くほうが、にこと一緒にいられて嬉しいですし」

にこ「え、あ……う、うん」

にこ(答えづらい…)

海未「……」テクテク

にこ「……」テクテク

にこ(会話ないなぁ……何か話しかけたほうがいいのかな)

海未「あ、あの、にこ」

にこ「ん?」

海未「さっきの留年の話なんですけど…」

にこ「ああ……それがどうかした?」

海未「…こう言うと怒られそうですが、私は…その、にこが留年してくれても、全然、嬉しいです」

にこ「……えっと、それは、どういう…?」

海未「…にこともう一年一緒にいられるので」

にこ「………う、うん」

海未「な、なんて……まぁ、本当は留年なんてよくないので、今のは忘れてください」

にこ「ぜ、善処します」

海未「お願いします…」

にこ(なんて答えるのが正解だったのかしら…)チラ

海未「っ……///」バッ

にこ(そ、そんな照れるなら言わなきゃいいのに…)


コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰にも会わず、家につく

5.6.7.8.9=誰かに会う


にこ「えっと…海未の家、こっち?」

海未「はい。ここら辺は道が複雑ですから、迷いやすいですよね」

にこ「にこも小さい頃はよく迷子になりかけたわ」

海未「迷子、ですか…」ソロ

にこ「まぁ小さい頃の話だけどね……って、海未?」

海未「あ、はい、なんでしょう」

にこ「いや、その、伸ばされた手はなんなのかなぁと思って…」

海未「い、いえ、これは……その…迷子にならないように、手を繋ごうと、思って…」

にこ「だから小さい頃の話だってば。今はさすがに大丈夫よ」

海未「そうですよね…」シュン

にこ「………ほら、さっさと帰るわよ」ギュッ

海未「え、あ、手…」

にこ「言っとくけど、にこじゃなくて海未が迷子にならないためにだから」

海未「は、はい」


―――――

にこ「じゃ、また明日ね」

海未「はい、また。気を付けて帰ってくださいね」

にこ「うん。今日は色々ありがとね」

海未「いえそんな。…また機会があれば、いつでも」

にこ「そう言ってくれると助かるわ」

にこ「じゃーね」ヒラヒラ

海未「あ、にこ……ちょ、ちょっといいですか?」

にこ「ん?」

海未「…すみません、失礼します」ギュ

にこ「?」

にこ(なんで急に手を…。さっきも繋ぎたいって言ってたし、海未も手とか触るの好きなのかしら)

海未「……、…あ、ありがとうございます」パ

にこ「よく分かんないけど……じゃぁ今度こそまたね」

海未「はい」


タッタッタッ

海未(……前に穂乃果が言ってた通り、本当に何をしても拒絶しないんですね…)

海未(…私にはそんな勇気ないですけど、あんな無防備で大丈夫なんでしょうか…)

―――
――


にこ(さて、と……今日は穂乃果と一緒に登校する予定だから、いつもより早く家を出て、集合時間の十分前に来たわけだけど……穂乃果はまだ来てないみたいね)キョロキョロ

穂乃果「あ、にこちゃーん!」テッテッテッ

にこ「って、穂乃果……え、もう来てたの?」

穂乃果「ううん、ちょうど今来たとこ。一緒のタイミングだったみたいだねー」

にこ「そう、よかった…」ホッ

穂乃果「よかった?」

にこ「いや、こっちの話」

にこ(やっぱり十分前行動くらいが普通よね。今までがちょっと特殊だっただけよ、きっと)

穂乃果「じゃ、学校いこっか」

にこ「そうね」

穂乃果「手、繋いでもいい?」

にこ「繋ぐ意味が分からないからダメ」

穂乃果「えぇーっ! そんなの繋ぎたいからに決まってるじゃん! ね、いいでしょ?」

にこ「…誰かに見られたらまたややこしいことになるわよ」

穂乃果「ああ、あの噂のこと? 言ってなかったっけ? 私はにこちゃんと噂になるのは全然いいんだってば。むしろ周りにそういう風に思われたほうが私的に嬉しいというか…」

にこ「じゃ、さっさと行くわよ」

穂乃果「って無視!? 待ってよにこちゃーん!」タッタッ


にこ「……」スタスタ

穂乃果「ねーにこちゃん、手繋ごうよ、ねーねー」

にこ「だからダメだってば」

穂乃果「にこちゃぁん…」シューン

にこ「っ………あああもう! 人が来たら離すからね」ギュ

穂乃果「やった! ありがとう!」パアアァッ

にこ(しょぼくれたり喜んだり、表情がよく動く子ね…)

穂乃果「えへへー」ニコニコ

にこ「…恥ずかしいからあんまりニコニコしないでよ」

穂乃果「だって嬉しくて。にこちゃんと二人で登校するなんて滅多にない機会だし」

にこ「まぁそれはそうだけど…」

穂乃果「しかも手まで繋いでくれるなんて、にこちゃん最近優しいよね」

にこ「いや、別に……にこは元々優しいわよ」

―――――

コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰にも会わず、学校につく

5.6.7.8.9=誰かに会う

穂乃果「……」スル

にこ「…穂乃果、何してるの?」

穂乃果「いや、ちょっと手を…」

にこ「手がなに?」

穂乃果「どうせ繋ぐなら恋人繋ぎがいいなーって」

にこ「…」パッ

穂乃果「あ、な、なんで離しちゃうの?」

にこ「変なこと言うからでしょ。ほら、行くわよ」

穂乃果「えぇー、ごめん、冗談だから。普通に繋ぐだけでいいから」

にこ「…次変なこと言ったら本当に離すからね」ス

穂乃果「はーい」ギュ

穂乃果「にしても、にこちゃんの手ってちっちゃくて可愛いねー」

にこ(…やっぱり離したほうがいいのかもしれない…)

―――――

ガラ


希「あ、にこっち、おはよー」

にこ「おはよ。…あれ、絵里は?」

希「下級生の子に呼び出されてどっか行ってしもた」

にこ「ふーん…呼び出しって、お礼参りか何かかしら」

希「かもね」

にこ「いや、冗談だったんだけど…」

希「さすがに分かってるよ」

希「…まぁ普通に考えて告白やろね」

にこ「絵里、モテるしね」

希「せやねぇ」

にこ(それこそ女の子でも男の子でもよりどりみどりって感じなのに…)ペリ、パク

にこ(……なんかすごい、罪悪感が…)ガリガリ

希「…にこっち、今すごい自然に飴食べたね」

にこ「マイブームなの」

希「虫歯には気を付けや」

にこ「昨日も聞いたわよ」

にこ「あ、それより希、聞きたいことがあるんだけど」

希「なに?」

にこ「にこの携帯に打ってくれたメールのこと」

希「ああ、見てくれたんやね。いつまでも話ふられへんから、気づいてへんのかと思ってた」

にこ「あれに書いてあった、にこの携帯を見た子って誰なの?」

希「あ、それは>>638


(既に待ち受けのことを知ってる海未・花陽・希以外のメンバーの名前でお願いします)

真姫

希「真姫ちゃん」

にこ「………えっ」

希「やから、真姫ちゃん」

にこ「いや、そんなサラッと…」

希「慌てて伝えたら伝えたで、なんか嫌やろ?」

希「まままま真姫ちゃんに見られてしもてん! ど、どうしよう! …とか」

にこ「まぁそうだけど…」

にこ(真姫ちゃんかぁ……今まで全然そんな素振り見せてなかったけど…。まぁ元々あんまり表情に出す子じゃないような…いや、そうでもないような……って、今はそんなのどっちでもいいわ)

にこ「とりあえず、後で誤解解いとくわ」

希「今行かんでもええの?」

にこ「今から一年の教室まで行ったら、チャイム鳴っちゃうかもしれないでしょ。ゆっくり話せないだろうし」

希「んー…それもそっか。でも早めに話したげてな」

にこ「分かってるわよ」

にこ(早めにってことは…昼休みとかかしら)

にこ(一応、真姫ちゃんにメールうっとこうかな…)ピ


ガラ


にこ「ん? あ、絵里」

絵里「あ、にこ。来てたのね、おはよう」

にこ「うん、おはよ」

にこ(えっと、真姫ちゃんにメールを…)ピッピ

絵里「?」

希「あ、エリち、結局なんのお話やったん?」

絵里「え? ああ、ちょっとね。多分、希が想像してる通りよ」

希「エリちは相変わらず人気者やねー」

絵里「茶化さないでよ」


にこ(とりあえず、昼休み空いてるなら一緒にご飯食べないって送ってみよう)ピッ

ピリリリリッ

にこ(…ひょっとしてこれくらいの返信スピードって普通なのかしら)ピ

【嫌】

にこ「」

にこ(な、なんて簡潔な一言…。ひょっとして真姫ちゃん、相当怒ってる…?)

にこ(…これは昼休みになったら直接誘いに行ったほうがいいかも…)


―――――

―昼休み―

希「にこっち、ウチら今日は生徒会室でお昼食べるから」

にこ「あ、うん」

絵里「…ねぇ希、別に生徒会室じゃなくても、少し急いで食べてから行けば間に合うんじゃない?」

希「念には念を入れてって言うやん。さ、いこエリち」

絵里「…分かったわ…。じゃぁにこ、ごめんね」

にこ「いや、頑張ってね」ヒラヒラ

にこ(…希、にこが行きやすいようにしてくれたのかしら)

にこ(……よし、真姫ちゃんのとこに行こう)



―一年教室―

にこ(えっと、真姫ちゃんは…)ソー

凛「あっ、にこちゃん!」タッタッ

花陽「どうかしたの?」テクテク

にこ「あ、凛、花陽。真姫ちゃんどこにいるか知らない?」

凛「真姫ちゃんなら、音楽室で作曲してくるって言って、チャイムが鳴ると同時に行っちゃったにゃ」

にこ「そっか。分かったわ、ありがと」タッ


凛「あ、にこちゃん……行っちゃった…」

花陽「真姫ちゃんに何か用だったのかな?」

凛「なのかな?」


にこ(しかし、なんで今日に限って音楽室に……まさか、にこが誘いに来るって予想して逃げたんじゃ…)

にこ(だとしたらかなりショックだけど……かといってほっとくわけにもいかないしね)



―音楽室前―

にこ(……とりあえず、ノックして、と)コンコン

にこ「…真姫ちゃん、いる?」ガチャ

真姫「……いるけど」

にこ「あ、えっと……にこもここでお昼食べていい?」

真姫「…別に。わざわざ私に許可とることじゃないでしょ」

にこ「それもそうね……じゃ、食べさせてもらうわ」

真姫「ん」コクリ

にこ(…なんか、メールで受けた印象よりは怒ってない感じがする…。どっちかというと、元気がないというか…)ガタ

にこ「いただきます」パカ

にこ(…って、ご飯食べてる場合じゃないわね。とりあえず真姫ちゃんと話さないと)

にこ「あの、真姫ちゃん」

真姫「……なに?」

にこ「ちょっと話したいことがあるんだけど……いい?」

真姫「……別にいいけど」

にこ「えっとね……えっと…」

にこ(どう切り出せばいいんだろ…。希から聞いたって言うのは、希に悪い気がするし……ここは普通に、)

にこ「あの、にこの携帯の待ち受けのことなんだけど…」

真姫「…」ピク

にこ「一時期ツバサにしてたんだけど…あ、今は変えてるわよ。ただ、ツバサにしてたのは特に深い意味はなくて…ただのファン心というか、なんというか」

真姫「………知ってたのね。私が勝手に、にこちゃんの携帯見たこと」

にこ「え…あ、うん。まぁね」

真姫「…怒らないの?」

にこ「え?」

真姫「勝手に見たことについて、怒らないのかって聞いてるの」

にこ「あ…」

にこ(そっか。これって普通は怒るとこなのよね……別に嫌な気はしてなかったから、忘れてた)

にこ「…別に怒ってはいないけど、次からは見るときは見るって宣言してからにしてほしいかも。ほら、にこにーにもプライベートってのがあるし」

にこ(正直、携帯にそんな大したものは入ってないけど)

真姫「………はぁ」

にこ「な、なんで溜息?」

真姫「いや…にこちゃんって誰にでもそうなの?」

にこ「なにが?」

真姫「怒るときは怒ったほうがいいわよってこと」

にこ「前もこういうこと話したけど、本当に怒ったときはちゃんと怒るわよ」

にこ「ただ、携帯見られることは別に……。たとえば真姫ちゃんが凛とか花陽に携帯見られたとして、怒るの?」

真姫「……怒るというより、戸惑うわね、多分」

にこ「にこもそれと一緒。それより、変に誤解されたままのほうが嫌なんだけど」

真姫「………じゃぁ、あの待ち受けはおまじないとは関係ないのね」

にこ「もちろん。大体、にこはアイドルとしてのツバサが好きなの。ツバサとどうこうなりたいなんて、あるわけないでしょ」

真姫「………にこちゃんがそう言うなら、信じるわ」

にこ「ん、ありがと。…あ、ただ本当に、今度から勝手に携帯を見るのはやめてね」

真姫「わ、分かってるわよ」

にこ「というわけで、無事誤解も解けたことだし、改めて一緒にご飯食べない?」

真姫「……うん、食べる」ガタ

にこ(意外とすんなり聞いてもらえてよかったわ。真姫ちゃんって素直なのか素直じゃないのかよく分かんないわね…)

真姫「…」イソイソ

にこ「…あ、トマトサンド以外も買うようにしたのね」

真姫「にこちゃんに言われたから。野菜サンドにしてみたわ」

にこ「トマトにさらに野菜…ダイエット中の女子みたいな食事風景ね…」

真姫「いいでしょ、好きなんだから」

にこ「まぁいいけど」

にこ(こういう食生活だから、ウエストとかも細いんだろうなぁ)

真姫「…いただきます」パク、モグモグ

にこ「おいしい?」

真姫「普通」

にこ「そ、そう」

にこ(やっぱりトマトのほうが好きなのね…)

真姫「……にこちゃん、ありがとう」

にこ「え、なにが?」

真姫「ここに来てくれて。私、あんなメール返したのに…」

にこ「ああ……あれは結構傷ついたわ」

真姫「ご、ごめんなさい…」

にこ「いや、別に責めてるわけじゃないんだけどね。…最近、あんまり人に拒絶されることってなかったから」

にこ(今思えば、前はそういうのが普通だったはずなのに。μ’sのみんなはなんだかんだで優しいから、そういう感覚忘れてたのかも)


―――――

にこ「ごちそうさま」

真姫「あ、うん。……もう教室帰る?」

にこ「いや、真姫ちゃんが食べ終わるまで待つわ。一緒に帰りましょ」

真姫「……うん。ちょっと待ってて、急いで食べるから」

にこ「別にゆっくりでいいわよ。時間もあるし」

にこ(さて……真姫ちゃんが食べ終わるまで、どうしようかな…。話しかけるのは邪魔になるだろうし)ガサゴソ

にこ(……飴でも食べとこ)ペリ

真姫「…また飴? ハマってるの?」

にこ「うん、まぁちょっとね」パク

真姫「そう。過度な糖分摂取は体によくないから、気を付けてね」

にこ「分かってるわよ」ガリ



真姫「……本当に分かってるの?」

にこ「なにが? あ、食べ終わったなら帰ろっか」

真姫「いや、帰るけど……というか、私がご飯食べ終わるまでの間、一体何個飴食べてるのよ」

にこ「おいしくて、つい」

真姫「ついじゃないわよ。そもそもなんで袋ごと持ってきてるの」

にこ「つい」

真姫「だから、ついじゃなくて……しかも噛み砕く音が気になってトマトに集中できなかったじゃない」

にこ「真面目な顔で言うにはちょっと間抜けなセリフよね…」

真姫「セリフはどうでもいいの。それより、そんなに食べたら本当に体に悪いわよ」

にこ「分かったわよ。ちょっと我慢するわ」

真姫「そうしたほうがいいわ」

にこ(まぁ確かにちょっと食べすぎだしね……なんでか食べるのやめられないのよね…)

にこ「じゃ、帰ろっか」

真姫「…ええ」

―――
――


穂乃果「はい、にこちゃん、くじ引いて!」

にこ「って、部室に入るなり早速ね…」

穂乃果「善は急げって言うからね」

にこ「なにが善かは分からないけど…」

にこ「あ、ちなみにこれってどっちのくじ?」

穂乃果「夕飯作るほうだよ。だから海未ちゃんのは抜いてあるの」

にこ「そう」ス

にこ「じゃぁこれで」ヒョイ


>>658
結果

エリチカ

にこ「えっと…」

穂乃果「あ、絵里ちゃんだね。にこちゃん三年生引く確率高いね」

にこ「まぁ偶然でしょ」

にこ(けど確かに絵里にも希にも何回も迷惑かけてることになるわけよね…なんか忍びない)チラ

絵里「…どうかした?」

にこ「あ、いや、なんでも。ごめん、よろしくね、絵里」

絵里「ええ。ちゃんと夕飯作って待ってるわ」

にこ「ん」

穂乃果「じゃぁにこちゃん、次こっちのお勉強用。希ちゃんと絵里ちゃんのは抜いといたから」

にこ「あ、うん」ス

にこ「えっと……じゃぁこれで」ヒョイ


>>663
結果

にこ「……あー」

穂乃果「どうかした?」ヒョコ

穂乃果「あ、凛ちゃんだね」

凛「えぇっ!? どうせ引くなら夕飯のほうにしてほしかったにゃー…」ガクッ

花陽「けど凛ちゃん、今日は宿題も出たし、ちょうどいいんじゃない?」

凛「それはそうかもしれないけどー…」

にこ(全身から嫌だってオーラが出てるわね…)

穂乃果「でもほら、凛ちゃん。にこちゃんも一緒に勉強するんだし、一人じゃつまんなくても二人なら楽しいんじゃないかな?」

凛「えー、一人でも二人でも嫌なものは嫌………って、ん? あ、そっか…にこちゃんと二人でやるんだよね…?」

にこ「そうだけど……あ、言っておくけど、にこは勉強とか教える立場は無理だからね」

凛「それは期待してないにゃ」

にこ「怒るべきなのかしら…」

希「まぁまぁ、事実やから」

にこ「キレていい?」

希「あかんよ」

にこ「というか、凛、本当に嫌なら断ってくれていいからね」

凛「ううんっ、凛、やる!」

にこ「そ、そう……急にやる気出たわね」

凛「えへ。だってにこちゃんと二人きりなんだよね? だったらやるよー」

にこ「ああ、そう…」

にこ(というか、今まで二人だってことに気がいってなかったってこと? …どんだけ勉強嫌いなのよ…)

にこ「ま、まぁとりあえず、よろしくね」

凛「うんっ」

穂乃果「もー、なんでにこちゃんはいつまでも私のくじ引いてくれないのっ」ペチ

にこ「いや、そんなこと言われても…」

ことり「ことりも早く引いてほしいんだけどなぁ…」

にこ「いや、だから…」

花陽「……」

真姫「……」

にこ(……無言で見られるのが一番気まずい)


―――
――


花陽「じゃぁ凛ちゃん、にこちゃん、頑張ってね」

凛「うん、かよちんまた明日~。あ、真姫ちゃんもまたね」

真姫「…ええ。二人そろってサボらないようにしなさいよ」

凛「大丈夫だよ、多分」

にこ「多分って…」

にこ(…まぁ、確かに保障はできないけど)



にこ「さて、じゃぁやりましょうか、真面目に」

凛「うん。真面目にやらないと、かよちんはともかく真姫ちゃんに怒られそうだし…」

凛「お互いがんばろーね!」

にこ「ええ」


にこ(と言って……開始早々、一ページ目から躓くっていうのは…情けなさすぎるわね…)

にこ「…」チラ

凛「……」カリカリ

にこ(意外と真面目にやってる……意外とって失礼だけど。しかしこう真剣な表情してると、なんか凛じゃないみたい)

にこ(というか、こうして改めて見てみると、凛も結構整った顔してるのね。穂乃果と同じで普段表情筋が働きまくってるから、目鼻立ちとか意識することなかったけど)ジー

にこ(どっちかというと今は可愛い系の顔だけど……一年だからかも。三年くらいになる頃には美人になってそうな気がする)

にこ(あと、化粧とかしたら映えそう……って、人の顔じっと見てる場合じゃなかった)フルフル

にこ(にこも真面目にやらないと…)


カツンッ


にこ「? …あ、凛、シャーペン落ちたわよ」

凛「あ、う、うん。ごめん、拾うね」

にこ「いや、にこが拾うわ」ヒョイ

にこ「はい」ス

凛「あ、ありがとう…」

にこ「…どうかしたの?」

凛「いや、だって……にこちゃん、視線分かりやすいから…」

にこ「え?」

凛「今、ジッと凛の顔見てたでしょ? なんかそれが恥ずかしくて…」

にこ「あ、ご、ごめん」

凛「ううん、凛が意識しすぎなんだよ。じゃぁ、えっと、勉強頑張ろうね!」

にこ「う、うん」

にこ(にこの視線ってそんなに分かりやすいのかしら……希にも何度も指摘されてるし)

にこ(…とりあえず、真面目に勉強しよう。仕方ないから分からないとこは飛ばしてっと)カリカリ

凛「……」チラ

にこ「……」モクモク

凛「……にこちゃん、真面目な顔も出来るんだね…」

にこ「…真面目にやってんだから、怒らせないでよ」

凛「ご、ごめんごめん」


―――――

にこ「よし……じゃぁちょっと休憩しましょうか」

凛「そうだねー…疲れたー…」ノビーッ

にこ「宿題、終わりそう?」

凛「うん、なんとか。にこちゃんのほうは順調?」

にこ「まぁ、多分」

凛「勉強って嫌になっちゃうよね…」

にこ「そうね……仕方ないんだろうけど、あんまり楽しくはないわね」ガサゴソ

にこ「まぁにこたちはまだ周りに教えてくれる人がいる分、マシなんだろうけど」ペリ、パクッ、ガリガリ

凛「それもそうだねー……というか、にこちゃん」

にこ「ん?」

凛「その飴、気に入ったの?」

にこ「………あっ!」

にこ(ヤバい、今完全に無意識で食べてた…)

凛「どうしたの?」

にこ「あー、いや、さっき真姫ちゃんに、飴食べ過ぎだから気を付けろって言われてたんだけど…」

凛「にゃ? そんなに食べてるの?」

にこ「多分。今も無意識で食べてたし」

凛「それは重症だね……そんなに美味しかった?」

にこ「おいしいのはもちろんなんだけど……元々、小さい頃から飴とか好きなのよ」

にこ(しかし、にこも真姫ちゃんのトマト好きのこと言えないわね…)

凛「飴が好きなの? なんか珍しいね」

にこ「そう? …まぁでも、飴が好きというより、なんか口寂しいって感じなんだけどね」

凛「口寂しい?」

にこ「なんかこう、常に何か食べたり飲んだりしてないと落ち着かない、みたいな」

凛「へー…凛にはよく分かんないにゃー…」

にこ「まぁ分からないほうがいいわよ。こういう癖があると油断して間食しまくって太っちゃうかもしれないし」

にこ(だからしばらくはそれを治すために飴とかガムとかは控えてたんだけど……まだ治ってなかったのね。すっかり油断してたわ)

凛「ふぇー、大変なんだねー」

にこ「うん」ガリ

にこ「とりあえず、飴食べそうになったら注意して」

凛「了解にゃー」

凛「あ、ついでに凛も一つ飴もらっていい?」

にこ「ん、どうぞ」

凛「ありがとー」パクッ

凛「うん、やっぱり美味しいね」コロコロ

にこ「……ダメだ。なんか人が食べてるの見てるとにこも食べたくなる」

凛「ほ、ほんとに大変だね」

にこ「さっさと治ればいいんだけどね…」

凛「んー…思うんだけどさ、飴じゃないとダメなの?」

にこ「どういうこと?」

凛「いや、口寂しくなるんだったら、飴を舐めるんじゃなくて、他のことで解消すればいいんじゃないかなって」

にこ「他のことったって………た、たばことか?」

凛「アイドルとしてその発想はどうかと思うにゃー…」

にこ「冗談よ、冗談」

にこ「でも代わりなんて…」

凛「んー……凛も思いつかないんだけどね!」

にこ「だと思ったわ…。まぁとりあえず、水飲んで紛らわしてみる」

凛「うん」

にこ「……」ゴクゴク

凛「…」ジー

凛「…というか、水飲むだけでもいいの?」

にこ「まぁマシにはなるわね」

凛「うーん……つまり飴の味は関係ないってことなんだよね」

にこ「うん。多分、味のないガムとかでも大丈夫だろうし。とりあえずなんか口に触れさせたいって感じなんだと思う」

凛「そっかぁ……」

凛「じゃぁひょっとして、唇に触るだけでもいいんじゃない?」

にこ「あー…それやってた時期もあるわ。こう、手の甲に軽く触れさせたらちょっとマシになったし」

凛「ふぇー」

凛「………ねぇにこちゃん」

にこ「ん?」

凛「それってさ、つまり他の人とキスしても治まるんじゃない?」

にこ「」

にこ「……そ、その発想はなかったわね」

凛「ねー、にこちゃん」

にこ「な、なに?」

凛「…凛でよかったら、試してみない?」

にこ「や、な、なに言ってんのよ」

凛「けど、飴食べ過ぎるとまた真姫ちゃんに怒られちゃうよ?」

にこ「だ、だからって……」

凛「んー……じゃぁこうしよう。はい」ス

にこ「……なに? 手なんか出して」

凛「いや、口に無理なら別の場所はどうかなって」

にこ「どうかなって……」

凛「試してみるだけ試してみよーよ。自分の手と人の手で効果が違うかも分かるし、一石二鳥!」

にこ(二鳥って……もう一鳥はなんなのよ)

にこ「………えっと…」


>>690

1.試す
2.試さない

よし希に解消させよう

にこ「じゃ、じゃぁ、試すだけなら……」ス

凛「うんっ」パァッ

にこ(す、すごい嬉しそう……なんかやりづらいけど、せっかく凛が協力してくれるって言ってんだし…)ギュッ

にこ(無心、無心で……)ソー

にこ「…」チュ

凛「ど、どうかな?」

にこ「……あ、うん。なんかいい感じかも。自分にするのとはやっぱ違う感じ」

凛「え、ほんとにっ!?」

にこ「なんでそんな驚いてんのよ…」

凛「いや、自分で言い出しといてなんだけど、効果があるとは思ってなかったから…」

にこ「思い付きで言ってたわけね…」

凛「そ、そんなことないにゃ。凛だってちゃんと考えて発言してたよ!」

にこ(絶対嘘だ…)

凛「……ね、ねぇにこちゃん。だったら今度はさ、場所かえて試してみようよ」

にこ「え、場所かえてって……く、口はしないわよ」

凛「さすがに分かってるよー。ほっぺたとか腕とか」

にこ「えええぇ…」

―――
――


凛「じゃぁにこちゃん、また明日ね!」

にこ「う、うん」

にこ(なんか恥ずかしくて凛の顔が見れないんだけど……なんで向こうは平気なのよ…)

凛「にこちゃん、にこちゃん」

にこ「なに?」

凛「また口が寂しくなったら、凛が協力してあげるからね!」

にこ「…か、考えとくわ」

凛「うんっ、じゃぁまた明日ー!」ダダダダダッ

にこ(って、速っ……なんであんな全速力で…。…凛も凛なりにちょっとは照れくさかったってことかしら)


ザッ


にこ「?」クル


>>702
(凛以外のメンバーの名前でお願いします)

外野からの壮絶なフリ

にこ「え、あ……真姫ちゃん? こんなところで会うなんて奇遇ね。買い物かなにか?」

真姫「……今の、凛よね? もう姿も見えないほど遠くに走り去ってったけど」

にこ「うん。今帰りなの」

にこ(というか、軽くスルーされた)

真姫「……凛ってね、照れたりしてると動きが速くなるの」

にこ「動物みたいね」

真姫「で、今全力疾走だったけど……何かしたわけ?」

にこ「いや、別になにも……」

にこ(まさか本当のこと言うわけにもいかないわよね…)

真姫「……じゃぁ、口が寂しくなったらっていうのは、なに?」

にこ「えっ、そ、そんなとこまで聞いてたの?」

真姫「聞いてたわよ。…で、なに? どういうこと?」

にこ「い、いや、それは……ほら、にこって飴ばっか食べてたでしょ? それって口寂しいからなんだって話をしてて…」

真姫「で、協力っていうのは?」

にこ「い、一緒に解決策を探してくれるための協力……みたいな」

にこ(嘘は言ってない…)

真姫「……そう。まぁ、信じるけど」

真姫「ところで、飴を舐めるのは口寂しいから、だっけ?」

にこ「え、うん」

真姫「それって口唇欲求じゃない?」

にこ「こうしんよっきゅー?」

真姫「幼少期に口唇の欲求が十分に満たされていなかったりすると、成長してもそういう症状が出ることがあるのよ」

にこ「う、うん…よく分からないけど、さすが真姫ちゃんね」

真姫「……治してあげるわ」

にこ「え、治せるの?」

真姫「いきなりは無理だけど、ちょっとずつなら」

にこ(さすが真姫ちゃん、お医者さんの娘…!)

にこ「じゃぁ頼んでもいい?」

真姫「……うん」グイッ

にこ「…って、な、なんで抱き寄せるの?」

真姫「目、閉じて」

にこ「へ?」

真姫「早く。目、閉じて」

にこ(な、なんで目? 治すのに必要なのかしら……どうしよう…)


>>720
1.閉じる
2.やっぱりやめる

もうあれだろ 廊下の窓からガン見してたんでしょ

にこ宅でこころあがお遊びで敷いた布団に
紫っぽい黒髪を見つけて帰宅したにこに詰め寄るえりちを期待していたが
これは

にこ(まぁいっか。真姫ちゃんが言うなら間違いないんだろうし)キュッ

真姫「……ごめんね、にこちゃん」

にこ「え?」

チュ…

にこ「……」バッ

真姫「…」

にこ「ま、真姫ちゃ……い、今、く、くち、に…」

真姫「…キスしたわ」

にこ「っ……な、なんで…」

真姫「そういう欲求を解消させるにはこういう手段が一番手っ取り早いのよ」

にこ(そ、それはなんとなく分かって来たとこだったけど……)

にこ「け、けど、何も口にしなくても……」

真姫「…抱き寄せて目を閉じてって言った時点で察してくれるかと思ってたんだけど」

にこ「察せないわよ……にこ、ニブいらしいし…」

にこ(ど、どどどうしよう……完全に予想外の出来事過ぎて頭が回転しない…)

にこ(というか今のってにこのファーストキスなんじゃ…)

真姫「……にこちゃん」ソ

にこ「っ…」ビクッ

真姫「…」

にこ「あ、ご、ごめ……」

にこ(思わず避けちゃったけど……で、でも仕方ないわよね…)

真姫「…ごめんなさい、変なことして」

にこ「そ、そう思うなら最初からしないでよ…」

真姫「でも、私、本当ににこちゃんのことが…好きで…」

にこ(それは知ってるし、それに対してにこが酷い態度をとっちゃってるのも自覚してるけど……でも……)

真姫「っ…に、にこちゃん」ピタ

にこ「っ、な、なによ…」

真姫「いや……泣いてるから」

にこ「は? な、泣いてなんかないわよ」ペシッ

真姫「でも今…」

にこ「気のせいよ。それよりにこ、用事思い出したからもう帰るわ」

真姫「え」

にこ「じゃ、じゃぁ真姫ちゃん、またね」

真姫「ちょ、ちょっと待って」パシ

にこ「……なに? まだ何かあるの?」

真姫「いや、その顔で帰るのはやめたほうがいいわよ……私が言うのも、変だけど」

にこ「その顔って……そんなひどい顔してる?」

真姫「酷い顔というか、涙出てるし……」

真姫「……ねぇ、私と一緒に来て」

にこ「来てって……どこによ」

真姫「そこらへんの公園とか、座れるとこでいいから。ハンカチ貸すから、せめて涙だけでも拭いていったほうがいいわ」

にこ(…って、ホントにいつの間にか涙出てるし。…そこまで嫌だったわけでもないのに、相当ビックリしてたのね)コシコシ

真姫「ごめんなさい……泣かせるつもりはなかったの…。もう何もしないから…」



どうしますか?

>>753

1.誘いを受ける
2.断る

2

にこ「……ご、ごめん、真姫ちゃん。やっぱり帰るわ」

真姫「でも…」

にこ「心配しなくても、これくらいなら拭けばバレないから」ゴシゴシ

真姫「……分かったわ」パ

にこ「……」

真姫「……」

にこ(…なんで真姫ちゃんまで泣きそうな顔してんのよ。……にこが泣いたからよね、普通に考えて)

にこ「あの……真姫ちゃん」

真姫「……なに?」

にこ「また明日。…みんなの前ではさっきのこと、忘れるようにするから、そのつもりで」

真姫「……うん」

にこ(…さすがに可哀想とか思うような場面じゃないわよね…)

―――――

ガチャ


にこ「ただいまー…」

絵里「にこ、おかえりなさい」タッタッ

にこ「あ、うん…ただいま」

絵里「ちょっと遅かったけど、そんなに勉強はかどったの?」

にこ「ま、まぁね…」

すみませんちょっと席外すので間隔あきます

なんか真姫ちゃんこんな役回りですみません
で、でも真姫ちゃんは終了しません、大丈夫です

レスありがとうございます
ゆったり再開してきます

絵里「そう、ならよかった」

にこ「うん」

絵里「…ねぇにこ、」

ここあ「にこにー!」タッタッタッ

こころ「おかえりなさーい」テクテク

にこ「あ、ただいま、二人とも。良い子で待ってた?」

ここあ「うん、待ってた! 今日もね、お料理のおてつだいしたんだよ!」

にこ「偉いわね」ナデナデ

ここあ「へへー」

にこ「あ、絵里。まだ夕飯手伝うこと残ってる? あったら手伝うから」

絵里「…ううん。もう食べるだけだから大丈夫。にこは手洗って来て」

にこ「ん、りょーかい。こころたちもご飯食べる準備しといてね」

こころ「はーい」



にこ(……にこ、真姫ちゃんにキスされたのよね。…そういえば前に、絵里にμ’sのメンバーにキスされたら嫌かどうかって聞かれたことあったっけ)

にこ(あのときは嫌じゃないって答えて……実際、そこまで嫌じゃなかったけど…)

にこ(でもだからって真姫ちゃんのこと好きなのかって言われると…やっぱりまだ自信はないし……)

にこ「どうすればいいんだろ……」

にこ(とりあえず手洗おう)バシャバシャ


真姫『でも、私、本当ににこちゃんのことが…好きで…』


にこ「っ……」

にこ(い、いやいや、真姫ちゃんのことはとりあえず忘れよう!)ブンブンッ

絵里「……どうかしたの?」

にこ「うわっ!? ……って、な、なんだ絵里……いつからそこに?」

絵里「さっきから。急に首振り始めて……何か悩み事?」

にこ「ああ、いや、なんでも」

にこ「ほら、早く夕飯食べましょ」

絵里「でも、なんだかにこ、様子が…」

にこ「絵里の夕飯、楽しみなのよ。早く食べたい」

絵里「っ……、じゃぁ行きましょうか。あんまりこころちゃんたちを待たせるのも悪いし」

にこ「うん」

にこ(絵里には悪いけど、深く聞かれると答えようがなくなっちゃうしね…)

―――――

ここあ「おいしい!」パァッ

こころ「おいしいよ、えりちゃん」

絵里「うん。ありがとう、二人とも。たくさん作ったからたくさん食べてね」

ここあ・こころ「はーいっ」

にこ「……」パク

絵里「…ねぇ、にこ。美味しい?」

にこ「あ、うん、おいしいわよ」

絵里「そう、ならよかった。にこもたくさん食べて大きくなってね」

にこ「うん」パク

絵里「……」

にこ(…って、いや、今のはツッコむとこよね)

にこ「に、にこはもう高三なんだから、これ以上大きくはならないわよ」

こころ「にこにー、もうおっきくならないの?」

ここあ「伸びないの?」

にこ「ざ、残念ながらね…」

絵里「…まぁ、にこは小さいままのほうが可愛いわよ」

にこ「あんたが言うと嫌味にしか聞こえないけどね」

絵里「そんなことないわ。本心百パーセントだから」

にこ(嘘くさい…)

―――――

ここあ「えりちゃん、一緒にあそぼ!」グイッ

絵里「えっと…」

にこ「ここあ、迷惑かけちゃダメだってば」

絵里「ああ……いや、いいわよ。ここあちゃん、一緒に遊びましょうか。こころちゃんも」

ここあ「やった!」

こころ「遊びたい!」

にこ「ちょっと絵里、付き合わなくてもいいって」

絵里「いいの。…私、今日は遅くなるってちゃんと家族にもメール入れてるから」

にこ「あ、そう…」

にこ(なんでそんな準備いいの…?)




にこ「『石の上にも三年』」

ここあ「うー……はいっ!」ペチッ

にこ「『仏の顔も三度まで』」

こころ「はいっ」

にこ(カルタ始めてからしばらく経つけど、絵里わざと取ってないわね。まぁさすがに小学生相手に本気出したりはしないか)

絵里「……」ジ

にこ(…ただ、こっちをジッと見るのはやめてほしい…。いや、読み札を聞いてるだけかもしれないんだけど)

こころ「? えりちゃん、ずっとにこにーのほう見てるね?」

絵里「え、あ…いや、そんなことないわよ?」サッ

こころ「そうかなぁ…」

ここあ「えりちゃんとにこにー仲良いんだねー」

にこ「ま、まぁ絵里とにこはお友達だから」

絵里「ええ、お友達お友達」コクコク

こころ「そっかぁ」

ここあ「あ、じゃぁえりちゃんも今日お泊まりするの?」

にこ「し、しない! しないわよね、絵里!」

絵里「……そんなに強く否定しなくても、ちゃんと帰ってあげるわよ」

にこ「あ、いや、別にそんなつもりじゃなかったんだけど……ご、ごめん」

絵里「冗談よ。あ、ところでにこ、私ちょっとお茶が飲みたいんだけど、いただいていい?」

にこ「お茶? じゃぁにこが淹れてきてあげるわ。ちょっと待ってて」スク

絵里「手伝うわ」

にこ「あ、うん、ありがと。じゃぁこころ、ここあ、ちょっと待っててね」

ここあ「はーい」

こころ「うん」



にこ「えっと……お茶でいい?」

絵里「うん」

にこ「じゃぁ悪いけどそこの湯のみとってくれる?」

にこ(えっと、確かお茶っ葉がここに……)ガサゴソ

絵里「……にこ」ソ

にこ「っ!?」ビクッ

にこ「い、いきなり首触るのやめてよ…ビックリするでしょ」

絵里「ごめんなさい。ねぇ、にこ。今日は帰って来てから様子がおかしいと思うんだけど」

絵里「……何かあった?」

にこ「…なにもないわよ」

絵里「じゃぁこっち向いて?」

にこ(……ここで拒否すると不自然よね)クル

にこ「これでいいの?」

絵里「…うん」ス

絵里「ちょっとほっぺ触るわよ」ペタ

にこ(許可とる前にもう触ってんじゃない…)

絵里「……泣いた後の目ってね、本人が思ってる以上に赤くなってるものなのよ」

にこ「え」

絵里「…帰ってきたときよりはマシだったけど、今もちょっと赤いわよ、目元とか」コシコシ

にこ「………ああ、そう。それは残念」

絵里「外で泣いてたの? …何かあった?」

にこ「まぁちょっとね。にこだって将来が不安になって泣く日くらいあるわ」

絵里「ふーん…。……私、にこが好きよ」

にこ「…し、知ってるけど」

絵里「だから、出来れば泣いてほしくないし、笑っててほしい。…もし泣くときは、私がそばにいるときにしてほしい」

にこ「……」

絵里「今回のことは深く追求しないけど、次なにかあったら、出来ればにこのほうから相談して来てね」

にこ「………考えとくわ」

絵里「ええ」ナデナデ

にこ「…」

絵里「じゃぁいきなりだけど、一つ質問」

にこ「ん?」

絵里「さっきここあちゃんが言ってた「えりちゃん“も”」っていうのは、どういうこと?」

にこ「」

にこ(聞き逃してくれたと思ってたけど、後回しにされてただけだった…!)

絵里「ねぇ、どういうこと?」

にこ「ええぇっと……」



どうしますか?

>>815

1.素直に言う
2.ごまかす

1

にこ「え、えっと……」

絵里「……にこ」

にこ(うぅ……ご、ごめん、希!)

にこ「実はこの間、希が来たときに……その、泊まってもらったの」

絵里「希が? ……ああ、あの日、雨だったから?」

にこ「うん。さすがにあの雨の中帰すわけにもいかないし」

絵里「そう……。…海未は泊めてないわよね?」

にこ「え、うん」

絵里「……なら、いいわ。希だし、雨だし……素直に話してくれたし」

にこ「う、うん」

絵里「…私に隠してること、何もないわよね?」

にこ「……ないわよ」

絵里「ん。…じゃ、お茶淹れて戻りましょうか」

にこ「うん」

にこ(……思わず嘘ついちゃったけど…まぁ仕方ないわよね。今日のこと言うってことは、真姫ちゃんも巻き混んじゃうことになっちゃうわけだし)

身を引いてるのんたんはにこの隣にいても咎められないっていうね
これで隣にもいられなくなったらのんたんの胃爆発するで…


―――――

こころ「あ、にこにー、えりちゃん、おかえり」

ここあ「聞いて聞いて! ここあね、新しいカルタのとりかた考えたの! こう、カルタにつっこむように……どーんって!」ズサササーッ

にこ「ちょ、それじゃただのスライディングでしょ! 危ないし、カルタも散っちゃうから禁止」

ここあ「ええー…」

こころ「だからダメだって言ったのに…」

絵里「なんというか……子供って見ていると癒されるわね」

にこ「でしょ。にこの心のオアシスよ」

絵里「素敵なオアシスね」ウン

―――――

こころ・ここあ「……」スースー

絵里「寝顔も可愛いわね」

にこ「そりゃにこの妹だから。というか、ごめんね。こんな時間まで付き合わせちゃって」

絵里「平気よ。私も楽しかったし」

にこ「ありがと。ホントに助かったわ」

絵里「どういたしまして」

にこ「……えっと、じゃぁそろそろ帰る? これ以上遅くなったら、さすがにあれだし」

絵里「うん、そうね。…本当は帰りたくないけど」

にこ「か、帰らないと、ご両親とか心配するでしょ」

絵里「……それもそうね。じゃぁ、そろそろお暇させてもらうわ」

にこ「うん…玄関まで見送るわ」

にこ(本当は海未のときみたいに送っていきたいんだけど……ちょっと今は頭の中ぐちゃぐちゃだし、今日はやめとこうかな…。ごめん、絵里)

絵里「…ええ、ありがとう」



にこ「じゃ、また学校で」

絵里「ええ。……ところで、にこ」

にこ「ん?」

絵里「泣いた顔はすぐ分かるって話をしたけど、元気がない顔もすぐ分かるのよ」

にこ「…ごめん。今日はちょっと色々あって…」

絵里「まぁ別にいいけど。……じゃぁ、元気が出るおまじないしてあげる」

にこ「おまじない?」

絵里「そう。私や亜里沙が小さいとき、よくお母さんがしてくれたの」

にこ「へえ…」

これはもしや
いや…

絵里「じゃ、目瞑って」

にこ「えっ」ビクッ

絵里「…どうかしたの?」

にこ「あ、いや……その、どうしても目瞑らなきゃダメ?」

絵里「別にどうしてもってわけじゃないけど……」

にこ「じゃぁ開けたままの方向で」

絵里「…まぁ、にこがそう言うなら…」

絵里「まずこうやってほっぺに両手を添えて、」

にこ「……」

絵里「あ、あの、本当に目開けたままでいいの?」

にこ「うん」

絵里「…じゃぁ、えっと、おでこ同士をくっつけて、」

にこ(近っ……あ、ああ、だから目閉じるのね、普通は)

にこ(というか、この状態って、なんかキスする前みたいで……あああもう変なこと考えないようにしよう…)

絵里「……」

にこ(にしても、絵里の目って、近くで見ると本当に青くて綺麗で…なんかキラキラしてる)

絵里「…Я люблю тебя」

にこ「……あ、あの、なんて言ったか、さっぱり分からないんだけど…」

絵里「ロシア語だもの」

絵里「で、手を肩のほうに移動させて、最後に……ちょっとごめんね」チュ

にこ「っ…」

にこ(って、あ、ほ、ほっぺね。そりゃそうよね。おまじないだし…)

絵里「はい、どう?」

にこ「ど、どうって聞かれても…」

絵里「元気出た? 私はこれでよく立ち直ってたんだけど」

にこ「げ、元気というか……顔が近くてドキドキしたというか…」

絵里「だから普通は目を瞑るものなんだってば。私だってにこと目があう状態はちょっと恥ずかしいんだから」

にこ「………まぁ、でも、うん。元気かは分からないけど、なんかちょっと楽にはなったかも」

絵里「そう。よかったわ」ナデナデ

にこ「…」

絵里「じゃぁまた明日ね」

にこ「うん」

絵里「ちゃんと寝るのよ。体冷やさないようにお布団もかぶってね」

にこ「分かってるわよ……ママみたいなこと言わないでよ」

絵里「心配してるんでしょ。…あと、あんまり考えすぎないようにね」

にこ「…分かってるわ」

絵里「じゃぁね」ヒラヒラ

にこ「ん、また」


にこ(……ほっぺたにキスくらいなら、まだドキドキで済むんだけどね…)


―――――

にこ(あーあ……明日から真姫ちゃんにどんな顔で会えば…)ガサゴソ

にこ(今日のことは忘れることにするなんて言っちゃったけど…正直そんな自信ないのよね…出来るだけ意識しないようにはしたいけど…)ペリ

にこ(…あー、なんであのとき、目瞑っちゃったんだろ……。多分断れば、真姫ちゃんだってあんなことしなかったのに…)パクッ、ガリガリ

にこ(はぁ………って、また飴も食べちゃってるし……あーもーやだ…)ボスッ


ピリリリッ


にこ(ん……なんだろ、メール…?)

ピリリリッ

にこ(あ、電話だ……誰だろ、一体)ピッ

にこ(…って、また相手確認せずに通話ボタン押しちゃった…)



>>846
相手

にこ「もしもし…?」

希『あ、にこっち? ウチやけど』

にこ「え、あ、希?」

希『うん…って、誰か確認せずに出たん?』

にこ「あー、いや、ちょっとボーッとしてて…。というか、どうしたの?」

希『いや、なんか、にこっちが元気ないって聞いて』

にこ「聞いたって…誰に?」

希『エリちと真姫ちゃんからメールきてた』

にこ「えっ……な、なんて?」

希『んー、二人とも似たような文面やったよ。にこっちが元気ないみたいやから、励ましたげてて。あの二人の中でウチってどんなポジションなんやろね…』

にこ「そう…」

にこ(絵里はともかく、真姫ちゃんまでそんなメールを…。…けど、なんで二人とも希に頼むのかしら…)

希『メールしてきたんがどっちか片方だけなら、やんわり遠慮しようかと思ってたんやけどね。にこっちって、こういうときあんまり絡まれたくないタイプやと思ってたから』

にこ「まぁ間違っちゃいないけど…」

希『ただ二人そろってとなると……さすがに流すわけにもいかへんし。にこっちのことも心配やったし』

にこ「…悪かったわね、心配かけて」

希『いや。……何があったかは、やっぱり言いたくない?』

にこ「……ごめん」

希『気にせんでええよ。…とりあえず、にこっちが元気出してくれなμ’s全体がお通夜みたいなことになるやろうから、ごめんやけどそれだけは覚えといてな』

にこ「分かってるわ。みんな優しいし、心配かけたくないしね」

希『うん。…よし、じゃぁ今日はとことんにこっちの話聞くわ』

にこ「にこの話って……前にA-RISEの話はしちゃったし…他に持ちネタないわよ?」

希『じゃぁにこっち自身の話とか』

にこ「にこ自身?」

希『昔のこととか、将来の夢とか、そういうの』

にこ「別にいいけど……聞いててつまんなくない?」

希『平気平気。ウチ、人の話聞くの好きやし』

希『…それに、何か悩み事があるときは、一人で考え込むのも大切やけど、人と話して気を紛らわすことも大切なんよ』

にこ「……うん、ありがと」

にこ「よし、じゃぁにこが初めてアイドルに憧れた日から高校生になるまで、ぶっ通しで喋るわ!」

希『最後まで付き合ってみせるで!』

にこ「あ、にこが話し終わったら希の話も聞かせてね」

希『えっ、いや、それは…』

にこ「はい、じゃぁまずはにこからね」

希『って、拒否権なしなんやね…』


―――――

にこ「それで、そのとき……」ウツラウツラ

希『にこっち、そろそろ寝たほうがええんちゃう?』

にこ「へーき…」

希『いや、でももうかなり眠そうな声してんで』

にこ「だから、平気、だってば……」フラ

希『あーもー……お願いやから寝てってば。よう分からんけど、今日は疲れたんちゃうの?』

にこ「けど、まだ希と話してる途中だし…」

希『ウチは元々、にこっちを元気づけるために電話したんやで。それが睡眠を邪魔することになったら本末転倒やん』

希『ウチのこと考えてくれるんなら、今すぐ通話を切って寝る支度』

にこ「……分かった…。じゃ、切る」

にこ(なんかだんだん、目の前がかすんできたし、本格的に眠いのかも…)コシコシ

希『うん、おやすみ、にこっち。ちゃんとあったかくして寝えや。今日はちょっと冷えるらしいし』

にこ「……ん。おやすみ」


ピッ


にこ(お風呂はもう入ったから……寝ないと……あ、明日のご飯、炊いてなかった…)

にこ(とりあえずご飯炊かなきゃ…)スク

グラッ

にこ「…って、あれ?」ドサッ

にこ(えええ……よろけて倒れるって、なに……ずっと同じ姿勢で電話してたから、足がしびれた、とか…)

にこ(とりあえず、起きないと……でもなんか急に、すごい眠気が……)

にこ(……)

―――
――



にこ「……?」パチ

にこ「え、あれ?」ガバッ

にこ(どこここ……って、家に決まってるわよね……あれ、でもにこ、いつの間に布団に入ったんだろ…? それに、こころたちのお布団は片されてるし……どういうこと…?)キョロキョロ

にこ(というか今何時……あ、携帯。)ピッ

にこ(…………えっ!? も、もうとっくに学校が終わってる時間なんだけど…)

にこ(あ、ママからメールきてる…)ピ


【起きましたか? 昨日、家に帰ったら廊下であなたが倒れてて心臓が口から飛び出ました。熱はないみたいですが、朝起こしてもまったく目を覚まさないし、多分相当疲れてるんだと思います。

なので今日は一日、ゆっくり休んでください。お昼は台所に用意してあるから、それを食べてね。

今日はこころたちの学校の用事で三人とも少し帰るのが遅れるけど、大人しく待っていてください。あまり無理しないように】


にこ(心臓が口から飛び出たっていうのは嘘だとして……相当心配かけちゃったわよね…)ハァ

にこ(それにしてもまさか、夕方近くまで寝ちゃうなんて…)

にこ(自分ではそんなに疲れてるつもりなかったんだけど…)

にこ(って、よく見たら、他にもメールが……穂乃果と希と、あと凛からね)ピッピッ

にこ(穂乃果は海未とことりの分も、希は絵里の分も、凛は花陽と真姫ちゃんの分も、まとめてって感じの文面ね。あとでみんなにもちゃんと連絡しないと…)ピ

にこ(……さすがに寝すぎで頭痛いから、ちょっと起きて顔でも洗おう)ムク

にこ(しかし、こんなに寝たのって小学校の夏休み以来じゃないかしら…)テクテク

ピーンポーン

にこ「!」ビクッ

にこ「お、お客さん……宅配便とか…?」テクテク

ガチャ

にこ「はい…」



>>860
(訪問者。μ’sメンバーなら一人でも何人でも)

学校ににこが来なかったから、真姫もショックがデカそう

真姫「あ、にこちゃん…」

にこ「え、ま、真姫ちゃん……あれ、なんでここに?」

真姫「学校終わったから……その流れで」

にこ「あ、そうなんだ……えっと、一人?」

真姫「うん。……悪いけど、凛たちには黙って来たから」

にこ「そ、そう。……あ、ごめん、ちょっと髪整えてくるね」

真姫「いや、そんなのいいわよ、わざわざ。それより、大丈夫? 体調とか…」

真姫「みんなすごく心配してたわよ……って、私に言われるのは嫌だろうけど…」

にこ「いや、別に嫌ではないけど…。体調は別に平気。というか、風邪ひいたとかでもないし、ただちょっと疲れがたまってたみたいで」

真姫「…それって私のせいよね」

にこ「…まぁ、真姫ちゃんのことで色々考えたのは否定しないわ」

真姫「……そう。ごめん、昨日はあんなことして……泣くほど嫌がるなんて、思ってなくて…」

にこ「…真姫ちゃん、ちょっと長くなるかもしれないから、中で話しましょ」

真姫「え……入ってもいいの?」

にこ「いいに決まってるでしょ。ほら、早く」

真姫「う、うん」

真姫ちゃん逆に暫くは安全な気もする
気がするだけかもしれない



にこ(…絵里が言ってたことってホントね。真姫ちゃんの目、ちょっと赤い)

にこ(この時間であれってことは、μ’sのみんなにはバレちゃってるんだろうなぁ……さすがに指摘したりすることはないと思うけど)

真姫「……」ソワソワ

にこ「…なにビクビクしてんのよ」

真姫「び、ビクビクなんかしてないわよ」

にこ「じゃ、普通にしててよ。…で、昨日のことだけど」

真姫「!」ビクッ

にこ(やっぱりビクついてるじゃない…)

真姫「あ、あの、あれは……泣かせるためとか、嫌がらせとか、そんなつもりじゃなくて…」

にこ「そんなの分かってるわよ、さすがに。……真姫ちゃんがにこのことどう思ってるかも、ちゃんと知ってたし」

にこ「それを知ったうえで、その、そういう雰囲気に気づけなかったにこにも責任はあると思うし…」

真姫「にこちゃんには責任なんてないわよ…。…私がしたいからしただけなんだもの」

にこ「けどその隙を作ったのはにこだもん。お互い様よ」

真姫「……許してくれるの?」

にこ「いや、元から怒ってはいないけど。ただ、かなり困惑してたというか……うん、さっき真姫ちゃんが言った通り、今日倒れちゃった原因の一部は、きっと真姫ちゃんにあるわ」

真姫「……ごめんなさい」

にこ「でも、にこも今まで曖昧な態度で真姫ちゃんを待たせてるし……真姫ちゃんだけが悪いわけじゃないから」

真姫「……」

にこ「…もうこの機会だし、真姫ちゃんには言っちゃうわね」

真姫「言うって…なにを?」

にこ「にこの気持ち……っていっても、まだハッキリとしたものじゃないんだけど」

真姫「にこちゃんの気持ち…?」

にこ「うん。にこね、もしかしたらμ’sのみんなのことが好きなのかもしれないの」

真姫「……? そりゃ、私もみんなのことは好きよ?」

にこ「ああ、いや、そうじゃなくて……その、恋愛感情とか、そういう意味で」

真姫「…………え?」

真姫「えっと……つまり、なに? にこちゃんには、八人好きな人がいるってこと…?」

にこ「まだ確証があるわけじゃないけど」

にこ「ずっと一緒にいたくて、大切だって思ってて。抱きしめたりとか、キスしたりとか、そういうことをするとしたら誰がいいかって考えた時、みんなの顔が浮かんだから」

にこ「もちろんこんなの全然一般的じゃなくて、ただでさえ女の子同士なのに対象が複数なんて、正直頭おかしいのってレベルなんだけどね」

にこ「……幻滅した?」

真姫「……」フルフル

にこ「…よかった」

にこ「……というわけで! にこもこんな感じにふざけたこと考えてるわけだから、真姫ちゃんももっと気楽でいいよ」

真姫「気楽って……」

にこ「そういう風に、情けなく眉歪めたりしなくていいよってこと。真姫ちゃんらしくないし」

真姫「……」ス

にこ(あ、元の表情に戻った)

にこ「よし、じゃぁこれで湿っぽいのは終わり! 真姫ちゃん、なにか飲む? 持ってくるけど」

真姫「いや、いいわよ。にこちゃん、病み上がりなんだし…」

にこ「だから別に病んでないってば。たくさん寝たから疲れももうとれたし」

真姫「でもダメよ。疲れて倒れたんだから、ちゃんと休んでないと」

にこ「真姫ちゃんは心配性ね」

真姫「…これでも医者の娘だもの。病人に無理させるわけにはいかないわ」

にこ「だから病人じゃないって」

真姫「過労だって立派な病気よ」

にこ「仕方ない……じゃぁお茶は諦めるわ」

にこ(かといってこのままでいるのも、手持無沙汰だし…)

真姫「……」

にこ「? 真姫ちゃん、どうかした?」

真姫「あ、い、いや、なんでも」フイ

にこ「…?」

真姫「……に、にこちゃんって、μ’sのみんなが好きって、言ったわよね?」

にこ「うん。まだ、かもしれないって感じだけど」

真姫「……そ、そう」ソワソワ

にこ(なんで急にまたソワソワし始めたのかしら…)

真姫「……」

にこ(しかし、真姫ちゃんも黙っちゃったし、ここはにこが何か言うべきなのかな…)ウーン

にこ(けど何を言えばいいか……)

ピーンポーン

にこ(え、またお客さん? 珍しいわね…)スク

にこ「ごめん真姫ちゃん、ちょっと出てくる」

真姫「あ、うん。いってらっしゃい」


にこ(今度こそ宅配かなにかかな)テクテク


ガチャ



>>880

(訪問者。先ほどと同じく、μ’sメンバーなら一人でも何人でも)

りんぱな

凛「あ、にこちゃん、おはよう!」ギュッ

にこ「!? り、凛?」

花陽「り、凛ちゃん、急に抱き付いたら危ないよ。あと、もう夕方だよ」

にこ「それに花陽も……なんでここに…?」

凛「そんなのにこちゃんのお見舞いに来たに決まってるにゃー」パ

花陽「にこちゃん、急に休んじゃったから心配で…」

にこ「あ、そうなんだ……ありがと」

凛「本当は真姫ちゃんも誘いたかったんだけど、今日は用があるからーってさっさと帰っちゃったから、仕方なく二人で来たの」

にこ「えっと、真姫ちゃんなら、部屋にいるけど…」

花陽「えっ、真姫ちゃん来てるの?」

にこ「うん、ついさっき」

凛「えーっ、じゃぁ用ってにこちゃんのお見舞いだったの? 言ってくれれば一緒にいったのにー…」

にこ「せっかく来てくれたんだし、上がってってよ」

花陽「いいの? にこちゃん、体調悪いんじゃ…」

にこ「いや、ちょっと疲れてただけ。ずる休みみたいなものだから、心配しないで」

凛「ずる休みって……海未ちゃんたちが聞いたら怒りそうだにゃー…」

にこ「だから内緒にしといて。ほら、上がって」

凛「じゃ、おじゃましまーす」

花陽「おじゃまします」

にこ「にこ、お茶淹れてくるからあの部屋で待っといて。真姫ちゃんもそこにいるから」

凛「はーい」

花陽「あ、手伝おうか?」

にこ「平気。すぐ終わるから」

花陽「分かった。じゃぁ先にお部屋にお邪魔してるね」

にこ「うん」

にこ(結局お茶淹れることにしちゃったけど……まぁいっか。真姫ちゃんも怒らないでしょ)


―――――

ガチャ

にこ「お待たせー」

花陽「あ。ありがとう、にこちゃん」

にこ「いえいえ」

凛「ねーにこちゃん、真姫ちゃんってばひどいよね! お家の大切な用事だって言って、自分だけ抜け駆けしてにこちゃんのお家に来てたんだよ?」

真姫「だ、だから何度も謝ったじゃない」

凛「凛ショックだなぁ…」

真姫「ああもう…」

花陽「凛ちゃん、あんまり真姫ちゃんを困らせちゃダメだよ」

凛「かよちんがそう言うんならそうする!」

真姫「あんたね…」

にこ「……三人は仲良いわね、ホント」

花陽「え、どうしたの、急に?」

にこ「いや、なんとなく。見ててホッコリするなぁって…」

凛「ホッコリって、なんだかにこちゃん、おばさんくさいにゃー」

にこ「いや、なんでよ…」

凛「あ、せっかくにこちゃんのお家に来たんだし、にこちゃんを看病してあげる!」

にこ「え、いや、だからにこはどこも悪いところなんて…」

凛「うん、知ってる。疲れてるだけなんだよね?」

凛「だから、えっとー……」ガサゴソ

凛「あ、あった。じゃーんっ」

真姫「なにそれ……ポッキー?」

凛「お見舞いにと思って買っといたの」

真姫「病人だと思ってた相手にポッキーって…」

花陽「一応止めたんだけど、何故かポッキーにすごいこだわりを持ってたらしくて…」

凛「これなら細くて食べやすいかなーって思って」ペリペリ

凛「はい、にこちゃん、あーんっ」ス

にこ「えっ?」

凛「食べさせてあげる!」

にこ「ええぇ…」

にこ「い、いいわよ、それくらい自分で食べるから」

凛「そう言わずに。はい、あーん」

にこ「けど…」

凛「……にこちゃん…」シュン

にこ「っ……あ、あーんっ」パクッ

凛「やったー! おいしい?」

にこ「う、うん…まぁ、普通のポッキー」

凛「よかった~。はい、じゃぁもう一本ー」ス

にこ「…」パク

凛「えへへ。なんかこうしてると、餌付けしてるみたい」

にこ「あんた、無邪気な顔でなんてこと言うのよ…」

凛「いや、なんかにこちゃんって小動物チックだから」

にこ「凛にだけは言われなくないわ…」

花陽「あ、あの、にこちゃんっ」

にこ「ん? …って、花陽はいつの間にチョコを取り出したの…?」

花陽「私もお見舞いにって思って…。あ、あの、あ、あーん、してくれると、嬉しいな…」ス

にこ「……あ、あーん」パク

花陽「!」パァッ

花陽「美味しい?」

にこ「う、うん。美味しい」

花陽「よかった~」

凛「あ、にこちゃん、凛ももう一回!」

にこ(…なんかホントに餌付けされてるみたいになってきた…)

真姫「……」

凛「あ、真姫ちゃんも一緒にやろーよ。にこちゃんの餌付……じゃなくて、にこちゃんに食べさせるの」

真姫「え、でも…」チラ

にこ(やっぱりまだ気にしてるのね…)

にこ「…いいわよ、別に。恥ずかしがりの真姫ちゃんに出来るなら、だけど?」

真姫「っ……で、出来るわよ、これくらい。凛、一本借りるわよ」

凛「うん」

真姫「……はい」ス

凛「真姫ちゃん、あーんって言わないとダメにゃ」

真姫「うぇっ………あ、あーん…」

にこ「ん、ありがと」パク

真姫「……」ドキドキ

にこ「おいしいよ」

真姫「っ、う、うん、ならよかった、けど…」

凛「あ、真姫ちゃん顔真っ赤にゃ」

真姫「あ、赤くなんてなってないわよ!」

凛「えー、赤いよー。ねーかよちん、にこちゃん、赤いよね?」

花陽「ど、どうかな…あはは…」

にこ「そうね、赤いかもね」

真姫「にこちゃんまで……」

すみません、眠いので今日の更新はここまでにします

次はまた暇なら、夜にでも再開したいと思います

お付き合いいただき、ありがとうございました

レスありがとうございます
ゆったりと再開していきます


にこ「…」モグモグ

凛「はい、にこちゃん、もう一本ー」

にこ「あ、あーん…」パク

にこ(ダメだ、だんだんチョコに飽きてきた…。ポッキーとチョコを交互に食べるのは色々と辛い…)

凛「美味しい?」ニコー

にこ(……けど、この笑顔を前にすると、飽きたとは言いづらいし…)

にこ(飽きたと言わずにチョコを回避する方法………そ、そうだ!)

花陽「にこちゃん、こっちももう一つどう?」

にこ「あ……いや、花陽、ちょっとチョコもらっていい?」

花陽「え? うん、どうぞ」ヒョイ

にこ「ん、ありがと。はい、あーん」ス

花陽「えっ?」

にこ「お返し。看病だからって、にこばっかりされるのはフェアじゃないから」

花陽「あ、う、うん。じゃぁ……あーん」パク

にこ(よし、これなら自然にお菓子を回避できる…!)

にこ「おいしい?」

にこ(って、まぁただのチョコなんだけど…)

花陽「う、うん……美味しい、です」

にこ(何故敬語…)

凛「にこちゃんにこちゃん! 凛も! 凛もあーんってしてよー」ユサユサ

にこ「わ、分かったから揺すらないでよ…」

にこ「はい、あーん」

凛「わーいっ」パクッ

凛「えへへ、おいしーにゃ!」

にこ「そ。ならよかったわ」ナデナデ

凛「にゃー」ゴロゴロ

にこ(本当に猫みたい…)

真姫「…凛、いつまでも撫でられてないで…ほら、看病するんでしょ?」

凛「あ、そうだった!」

にこ「いや、だからにこは疲れてただけで…」

凛「じゃぁにこちゃんに凛の元気をあげるね!」

にこ「あげるって、どうやってよ?」

凛「こうやって!」ギュッ

にこ「うわっ……と、り、凛…」

凛「どう? 元気出た?」

にこ「いや、これで元気出たって言うのも、正直どうなの…?」

凛「でも人にギュッとされると、なんか落ち着かない?」

にこ「……まぁ、そうだけど」

にこ(なんか温かいし…)ギュ

真姫「……」ジ

にこ(……真姫ちゃんがすごい見てるから、とりあえず離れておこう…)バッ

凛「あれ? もういいの?」

にこ「うん、ありがと」

凛「どういたしましてー」


―――――

花陽「じゃぁにこちゃん、また。今日はしっかり休んでね」

にこ「うん、今日はありがと」

花陽「ううん、元気な姿見れてよかった」

にこ(ホント良い子ね)

真姫「……」

にこ「真姫ちゃんも、またね」

真姫「う、うん、また」

凛「あ、そうだ、にこちゃん」チョイチョイ

にこ「なによ」

凛「キスのこと、我慢できなくなったらいつでも言ってね」ヒソ

にこ「っ、は、な、なに言って…」

凛「えへへ。じゃぁまたねー」ヒラヒラ

にこ「う、うん」

にこ(……やっぱり真姫ちゃんとのことは、誰にも言えないわよね…)




にこ(……というか、ママたちはまだ帰ってこないのね…)

にこ「お腹もすいたし、ママが作ってくれてたお昼ご飯でも食べようかな…」

ピリリリリッ

にこ「ん? メール…?」


>>921
差出人

にこ「あ、希から。昨日といい、最近やけに連絡してくるわね」ピッ


【にこっち、体調大丈夫? エリちもみんなもすごい心配してたよ。昨日は長電話に付き合わせてしもて、ごめんな】


にこ(付き合わせてしまってって……どう考えてもあれは、希がにこに付き合ってくれたって感じなんだけど)

にこ(体調は全然平気。明日は学校行けるから。昨日の電話のことは、むしろ感謝してるわよ……っと、送信)ピッピ


ピリリリッ


にこ(…早い)ピッ


【そう言ってくれると助かるわ。じゃぁまた明日、学校で】


にこ(……まさか、謝るためだけにメールしてきたの…? 希ってそんな律儀な奴だっけ…)

にこ(…とりあえず、心配してくれてありがと、とだけ返しとこ)ピッ


ピリリリッ

にこ(って、今のに対してなんの返事が…)


【うん】


にこ(これだけのためにわざわざ返信してくるって……なんか希、キャラ変わった…?)

にこ(……まぁいっか)

にこ「とりあえず早くご飯食べて、ママたちが来るまでもう少しだけ寝てようかな…」

にこ(明日はさすがに学校に行かないと、さらにみんなに心配かけちゃうし)


―――
――


にこ(結局、昨日はママたちが帰ってくる前に寝ちゃった…)コシコシ

にこ(…まぁでも、そのおかげで今日は早くに起きれたからいっか…)

にこママ「あら、にこ、おはよう。体調は大丈夫?」

にこ「って、ママ!? な、なんでこんな時間にいるの? 仕事は?」

にこママ「え? ……ああ、そういえば言ってなかったわね。今日はほら、こころとここあの学校でお泊まり会がある日だから」

にこ「ああ……そういえばそうだっけ…」

にこ(何故かママはそのお手伝いの係になってるんだっけ…。わざわざ仕事休んでまで…)

にこママ「というわけで、今日の朝ごはんはママが作ってみたわ」

にこ「あ。ありがと」

にこママ「ふふ、にこたちと一緒にご飯なんて久しぶりだから楽しみだわー」

にこ「はいはい。じゃぁこころとここあ起こしてくるわ」

にこママ「はーい」

―――――

にこ(さて、今日の準備はこれでよし、と…)

にこ(あとは登校するだけなんだけど……お泊まり会の準備だとかで、ママは学校に行っちゃうし、こころとここあもそれについていっちゃうし……一人か…)ハァ

にこ(しかし、金曜日とはいえ、わざわざ平日にお泊まり会することもないのにね…)

にこ(一人で登校って、久しぶりだなぁ…)


ピーンポーン


にこ「えっ?」

にこ(朝からお客さん…?)テクテク



>>930

訪問者
(μ’sメンバーの誰かでお願いします)

のんたん応援したくなる


ガチャ


希「あ、おはよ、にこっち」

にこ「希? …なんか前にも似たような時間に来たことあったわね」

希「あー、ケーキのときやっけ」

にこ「そうそれ。あのケーキおいしかった」

希「ならよかった」

にこ「うん。で、今日はどうしたの?」

希「にこっちを迎えに来たんよ」

にこ「迎えに?」

希「一緒に学校いかへん?」

にこ「……珍しいわね。あんたが誘ってくるなんて」

希「いやー、今日はお許しが出てるから」

にこ「お許し?」

希「エリちたちに頼まれたんよ。迎えに行ったげてって」

にこ「…希って、絵里の言うことならなんでも聞くわよね」

希「そういう言い方やと、なんか召使みたいで嫌やけど…」

希「それに、今回はエリちに頼まれただけやないから。海未ちゃんとか真姫ちゃんにも頼まれたし」

にこ「ふーん…」

にこ(しかし、なんでみんな希に頼むのかしら…)

希「というわけで、一緒に行かへん?」

にこ「うん、まぁいいけど…」

―――――

にこ「しかし、迎えに行ってあげてって……みんなにこを子供あつかいしすぎじゃない…?」

希「それだけ心配してるってことやん。途中で倒れられたら、シャレにならへんし」

にこ「だから別に体的には問題ないんだってば…。それに、昨日たくさん休んだから、今日はもう体力ゲージ満タンよ」

希「なら早く学校行って、みんなを安心させたげなあかんね」

にこ「そうね」

にこ「……希にも、心配かけて悪かったわね。昨日のメールも、ちょっと嬉しかったし」

希「……もー、にこっちってば、病み上がりやからって素直になりすぎやん」ナデナデ

にこ「……」

希「あれ? 嫌がらへんの?」

にこ「…別に、今くらいはね」

希「………」ササ

にこ「ちょっ、なんで距離とんのよ!」

希「い、いや、ちょっと素直すぎて……その、気持ち悪い、かなぁって…」

にこ「き、気持ち悪いって……失礼ね…」

希「…やっぱりにこっちは、少しくらい素直じゃないほうが心臓にええね」

にこ「なによ、心臓って…」

希「こっちの話」

にこ「…あっそ。いいわよ、じゃぁどこまでも捻くれた態度とってやるわよ」フイッ

希「…拗ねてる?」

にこ「拗ねてないわよ、子供じゃあるまいし」ムス

希「ごめんて。ほら、良い子やから」ナデナデ

にこ「……やっぱりあんたが一番にこを子供あつかいしてるわよね…」

希「そんなことないって。ただ、にこっちの頭ってちょうど撫でやすい位置にあるから」

にこ「あんたの背が呪いで縮めばいいのに…」

希「怖いこと言わんでよ…」



コンマ(一桁)安価↓1

0.1.2.3.4=誰にも会わず、学校につく

5.6.7.8.9=誰かに会う

希「にこっちは小さい方が可愛いて」

にこ「ならあんたもこの身長になってみなさいよ」

希「ウチが小さくても可愛ないやん」

にこ「可愛いわよ」

希「えっ」

にこ「可愛いから、ほら、さっさと縮みなさい」

希「に、にこっち、なんか目怖いで?」

にこ「大体、前々から気に入らなかったのよ……なんで希と絵里はそんな背高くてスタイルいいのよ…不公平じゃない?」

希「いや、ウチらが高いんやなくて…」

にこ「それ以上言ったら怒るわよ」

希「は、はーい……というか、そんなに気にしてたんやね」

にこ「そりゃね」

にこ(……にこがもうちょっと普通の背丈とスタイルで…あともうちょっとだけ可愛くて、要領よくて、それこそ完璧超人みたいだったら、もっと自信もてたのに…)

希「………可愛い、かぁ…」

にこ「? なんか言った?」

希「あ、ああ、いや、なんでもないよ」

にこ「…?」


―――――

ガラッ

にこ「おは

絵里「おはよう!」ズイッ

にこ「う、うん!」

にこ(ビックリした…)

絵里「にこ、大丈夫? 元気? 生きてる?」

にこ「大丈夫だし元気だし生きてるわよ。大げさね」

絵里「だって昨日急に休むんだもの……心配するに決まってるじゃない。だからちゃんと体冷やさないようにって言ったのに…」

にこ「いや、風邪ひいてたわけじゃないし…」

希「というよりエリち、にこっち、扉の真ん前で話し込んでたら、他の人が通れへんよ?」

にこ「……移動しましょうか」

絵里「そ、そうね」


絵里「そういえば、昨日はごめんね。お見舞いに行けなくて」

希「生徒会の用事がちょっと忙しくて、帰りが遅くなってしもたんよ」

絵里「それで、にこの体調が悪いなら、あまり遅くにお邪魔するのもどうかと思って遠慮したの」

にこ「いや、別に気にしないで。お見舞いなら凛たちが来てくれたし」

絵里「あ、そうなの? 凛たちが……ん? 凛たち?」

にこ「凛と花陽と真姫ちゃん」

絵里「……そ、そう」

希「あー…一年生はにこっちに懐いてるしね、うん」

にこ「まぁ人懐っこい子たちだしね」

絵里「凛と花陽はともかく、真姫って人懐っこいかしら…?」

にこ「最初はピリピリしてたけど、慣れれば懐っこいじゃない。凛とはまた違うベクトルで猫みたいだと思うけど」

絵里「…それって、にこに対してだけなんじゃ…」

希「いやいやいや、真姫ちゃんは猫っぽいよ。うん」

にこ「そうよね」

絵里「……まぁ、希もそう言うなら、そうなのかもしれないけど」

希「うんうん。あ、エリちも猫っぽいけどね」

にこ「あー…なんとなく分かるわ」

絵里「猫っぽいって一体どういう基準なのよ…」

―――
――


ガチャ


穂乃果「にこちゃーん!」ギューッ

にこ(なんか、いきなり抱きつかれるのにも慣れてきたわね…)

穂乃果「にこちゃん、にこちゃん、会いたかったよ!」ギュウウゥーッ

にこ「ちょっ…ほ、穂乃果、苦し……絞めすぎ…!」

希「穂乃果ちゃん、にこっちの顔青くなってきてるから、そこまでで勘弁したげて」

穂乃果「あ、ごめんね」パ

ことり「でも、本当に心配したよ、にこちゃん」テクテク

海未「はい。私たち、昨日はお見舞いにも行けなくて……すみません」

にこ「いや、こっちこそ心配かけてごめん。もう大丈夫だから」

穂乃果「よかった~。あ、でも本当は私とことりちゃんはお見舞い行こうと思ったんだけどね。海未ちゃんが弓道部で忙しくてどうしても抜け出せなくて」

ことり「ことりたちだけで行ったら海未ちゃんきっと拗ねちゃうから、やめちゃったの」

海未「だ、だからそれくらいのことで拗ねませんよ!」

穂乃果「えー、嘘だー。あ、でも凛ちゃんたちはお見舞いに行ってくれたんだよね?」

凛「うん。昨日の帰りに。そうだ、聞いてよ、真姫ちゃんってば抜け駆けして…」

真姫「ああもう! そのことは言わなくていいってば!」

絵里「抜け駆け…?」

真姫「な、なんでもないから。ね、凛、花陽」

花陽「う、うん…?」

凛「にゃー」

絵里「…何でもないなら、いいけど」

にこ(…あ、そうだ)

にこ「絵里、今日の勉強はちょっと休んでもいい?」

絵里「あ…そうよね。病み上がりだし」

にこ「いや、そうじゃなくて。今日はちょっと早めに帰りたいの」

希「なにか用事とか?」

にこ「今日家に一人だから」

希「え?」

にこ「こころたちの学校でお泊まり会があるの。で、ママもそれに付き添うことになったから」

穂乃果「あー…そういえば私たちも似たようなことしたね」

ことり「懐かしいね~」

海未「そうですね」

絵里「ということは、今日にこは家に一人なのね」

にこ「うん」

真姫「寂しくないの?」

にこ「子供じゃないんだから平気に決まってんでしょ…」

凛「でもにこちゃん、見た目は立派な子供だし…」

花陽「り、凛ちゃん……。見た目はともかく、一人はやっぱり寂しくないかな…」

にこ「だから大丈夫だってば」

にこ(…別に、いまだにあのホラー映画のことを引きずってたりなんてしないし…うん)


―――――

にこ「あ」ピタ

穂乃果「にこちゃん、どうかした?」

にこ「あ、いや、ちょっと屋上にリストバンド忘れてきたから、取りにいってくるわ」タッタッ



ガチャ


にこ「えっと……あ。あった」ヒョイ

にこ(ここあたち、今頃お泊まり会が始まってる時間かしら。楽しんでるといいんだけど……)

にこ(……そして、今日は一人か…)

にこ「ま、悔やんでても仕方ないし……、…」

にこ(……って、なんか唐突に飴が食べたくなってきた…。この症状って、やっぱり病気の一種なのかなぁ…)ハァ

にこ(とりあえず、さっさと部室に戻って水でも飲んで紛らわそう…)クル


ガチャ


にこ「え?」

>>958「あ」



(μ’sのメンバーでお願いします)

花陽

にこ「花陽?」

花陽「あ、にこちゃん」

にこ「どうしたの? 花陽も何か忘れ物?」

花陽「うん。水筒なんだけど……どこに置いたか忘れちゃって…」キョロキョロ

にこ「えっと……、あ、これじゃない?」ヒョイ

花陽「あ。ありがとう、にこちゃん」

にこ「うん」

にこ(……なんか口がうずうずしてきた)

花陽「…? どうかした?」

にこ「あー、いや……その中、まだ水残ってる?」

花陽「え? うん、残ってるけど…」

にこ「ちょっと貰っていい?」

花陽「えっ……い、いいけど…。あの…これ、私も飲んじゃったけど…」

にこ「え、うん、それは知ってるけど…」

花陽「……じゃ、じゃぁ、あの、どうぞ」ス

にこ「ありがと」

にこ「……」ゴクゴク

花陽「……」ソワソワ

にこ(なんでソワソワしてんのかしら…)

花陽「に、にこちゃん、そんなに喉乾いてたの?」

にこ「いや、そうじゃないんだけどね、なんか口寂しくて」

花陽「口寂しい?」

にこ「なんかこう、口になにか触れさせてたいって感じ」

花陽「へー……大変だね」

にこ「うん、まぁ。はい、ありがと」

花陽「あ、うん」

花陽「……」ジ

にこ「…あの、どうかした?」

花陽「い、いや………その、前に話した、こころちゃんたちのこと、なんだけど…」

にこ「こころたちのこと? ああ、花陽に会いたいって言ってるっていう、あれね」

花陽「うん。えっと……それ、今週の日曜日でもいいかな?」

にこ「あ、うん。花陽さえよければ、こっちは全然いいわよ」

花陽「よかったー」パァ

花陽「じゃぁ日曜日、にこちゃんの家にお邪魔させてもらうね」

にこ「ええ、待ってるわ」

花陽「うんっ」

にこ「じゃ、部室に戻りましょうか」

花陽「そうだね」

にこ「あ、そうだ」

花陽「ん?」

にこ「ありがとね。妹たちのわがまま聞いてくれて」

花陽「いや、そんな……私も会いたいって思ってたから」

花陽「…それに、にこちゃんの家に行くのも、楽しみだし…」

にこ「まぁ大したおもてなしは出来ないけどね」

花陽「そんなことないよ。私は……、…」

にこ「私は?」

花陽「…ううん、なんでもない」

にこ「? そう、じゃぁ今度こそ戻りましょ」

花陽「うん」

花陽(にこちゃんがいるだけで嬉しいなんて言ったら……さすがに、ヒかれちゃうよね…)

ちょっと早いかもしれませんが、ちょうど場面が変わるので、次スレに移行したいと思います

今から建ててきますので、建て終ったらまた書き込みます

次スレできました→http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399909087


このスレは埋まらなかった場合、後でHTML化依頼を出してきます

もう次スレに書くの?

>>967

ここからの展開の区切りまでが長くなりそうなので(予定なので分かりませんが)キリのいいところで次に移行しようかと思いました

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