希「えりちなんて本物のヘタレや!」 (87)

ラブライブSSです。

絵里を中心としたカップリングを扱います。

シリアスはほぼありません。

呼称はアニメ基準です。

よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399227257

放課後 教室



希「大丈夫?疲れてるならちょっと休んだ方がええよ」

絵里「大丈夫よ」

希「うーん…大丈夫そうじゃないんやけどなぁ…」

希「ウチな、えりちと二人で居るの好きだよ」

絵里「私も好きよ?」

希「む……」

希「えりちの手冷たいなぁ。ウチがあっためてあげる」

絵里「どうしたの?急に」

希「え!?いや、その、な?」

絵里「…そんなに見つめられても困るんだけど…」

希「ダメ…?」

絵里「え、あ…いや…」


希「えりち…」

絵里「の、希?ちょっと、近い、わよ?」

希「……」

絵里「……!!!」

絵里「わ、私、急用を思いだしたわ!ごめんなさい!」

希「へ…?ちょっ、ちょっと!?」

バタン

希「…………」

希「えりちの……えりちのヘタレー!!!!!」

部室


希「もう!!!」

穂乃果「どうしたの?」

希「どうしたもこうしたも!!」

希「えりちは何を考えとるん!?」

穂乃果「いや…だからさ…」

海未「希が怒るなんて珍しいですね」

希「ウチだって怒る時はあるんよ!えりちが、えりちが!!」

希「やっぱりあのヘタレっぷりがダメや!」

希「ウチがちょっと誘ってもなんにも相手にしてくれないし」

にこ「ちょっとどうしたのよ…」

にこ(誘うって一体何したのよ…)

真姫「…なんか希がやさぐれてるわね…」

海未「…疑問なのですが、絵里になにか断られたのですか?」

希「断られたっていうか……」

海未「……?」

穂乃果「ていうか?」

希「えりちがヘタレすぎてウンザリしたんよ」

花陽「……絵里ちゃんは…完全な受けタイプ、あれを攻めさせるには相当な労力が」

凛「かよちん何を言ってるにゃ?」

ことり「……凛ちゃんは知らない方がいいよ」

海未「……私も良くわかりません」

穂乃果「というか、絵里ちゃんと希ちゃんて、そういう関係なの?」

海未「……」

ことり「……」

にこ「知らなかったの?」

穂乃果「へ~……そうなんだ」

穂乃果「意外と多いんだねー。そういう人たち」

ことり「ちょっと穂乃果ちゃん…」




穂乃果「いや別にいいと思うんだけどさ」

海未「……」

ことり(海未ちゃん……)

真姫「……ていうかもう付き合ってるんならなんで遠慮するのよ」

希「うーん…………」

にこ「あ!もしかしてまだ恥ずかしいとか言うんじゃないでしょうねー」

希「……」

にこ「え…?」

にこ「え?マジで…?」

希「わ、悪いん!?ウチはにこっち達みたいにすぐベタベタなんて出来んの!!!」

真姫「はぁっ!?」

にこ「意味わかんないわよ!!」

真姫「いつ誰がにこちゃんとベタベタしたって言うのよ!!」

希「知らんもん!!知らんもん!ウチだってえりちと仲良くしたいんよ!!」

希「にこっちと真姫ちゃんはどうせ帰ったら二人でちゅっちゅしとるんでしょ!?ウチなんか!ウチなんか……!!」

凛「希ちゃんが壊れたにゃ……」


にこ「ちなみに希……手を繋いだりは…毎日してる、わよね?」

真姫「流石にそれは聞かなくても……毎日ふたりきりで帰ってるんだし」

希「うぅ……」


にこ「え……?」



希「うぇぇ…ひっぐ…ひっぐ…うぅ…」


にこ「ののの希!?ごめんね!?大丈夫!?ちょっと、泣かないでよー」

希「だって…だって…」

海未「お二人は…手を繋いだこともないということ、ですか?」

希「……一応あるんやけど……二回だけ」

海未「まあそれなら奥手なだけという気も…。奥手なのはきっと良いことですよ」


にこ「……あ、先に言っておくけど、この二人、くっついてから二年くらいは経ってるはずよ」


凛「oh…」

真姫「……」

穂乃果「へ~そんなに経ってたんだ、気がつかなかったよ」

花陽「ご愁傷様です」

希「ウチがいくら仕掛けてもなんにも反応してくれないし、向こうからのアクションはなんにもないし、もう終わりなんかな…」

真姫「二年も続いてて今更終わりなんてことはまずないと思うけど…」

希「じゃあどうして!?」

真姫「…そんなこと言われても…」

にこ「…でも基本的に受身じゃダメよ」

花陽「自分からせめていかないと始まらないよ!」

ことり「そもそも何で希ちゃんはアプローチはかけるのに自分からはいかないの?」

希「…だって…なんか…恥ずかしいやん…」

にこ「なによその抽象的な感想…小学生じゃないんだから…」

希「……」

ことり「そもそも、どっちから告白したの?」

希「…えりちからや」

ことり「そう、なんだ」

凛「なんだか意外だねー」


穂乃果「向こうからの告白だったんならもっと自信持とうよ」

希「無理や…二年も一緒にいて手を繋いだこともほとんどない。ハグなんて一度もないのに…」



希「それなのに、そんなウチの目の前でにこっちと真姫ちゃんはベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタ!!」

真姫「いや、だから人前じゃベタベタしてないって言ってんでしょ!?」

希「ウチが見てないとこじゃベタベタしとるってことやん!!」

真姫「人前じゃないんだから構わないでしょ!?」

にこ「ちょ…ちょっと何言ってんのよ二人共!冷静になりなさいよ!」

にこ「そもそも希だって、ずっと絵里とベタベタしてたじゃない!µ’s結成前に生徒会室に頼みに行った時もいつも二人で!!」

真姫「そんなのどうでもいいからにこちゃんは黙ってなさい!」

にこ「は、はぁ…?」

真姫「大体なんで私とにこちゃんがイチャイチャしちゃいけないってのよ!!」

にこ「ちょ、ちょっと真姫ちゃん……」

希「羨ましいんよ!!羨ましいくて…なんで…なんでそんなに二人でずっとくっついてるのかって……」


希「…やっぱりウチに魅力がないからあっちからはなんにもしてくれないんかな」

真姫「……それは……もう絵里に直接確かめた方が早いんじゃないの」



穂乃果「あ!いいこと思いついたよ!」

希「え?」

穂乃果「希ちゃんに対して特にアプローチをかけない絵里ちゃんは、希ちゃんに魅力がないから攻めないのか。それを確かめるんだよ!!」


花陽「それはもう魅力の有る無しじゃなくて、絵里ちゃんのヘタレ気質が……」

穂乃果「ううん!きっと絵里ちゃんも狼のような、心にウルフエリチカを飼っているはずだよ!!」

真姫「なによそれ…」

希「でもそんな方法…」

穂乃果「ある!!」

穂乃果「絵里ちゃんにここの何人かがアプローチかけるんだよ!!!」


希「は……?」

希「ななな何言ってるん穂乃果ちゃん!?えりちは、えりちはウチのもんだよ!!」

穂乃果「あれ?もしかして自信がないとか?」

希「……!?そ、そんなこと、ない…けど」


希「で、でも…もしえりちが他の人のアプローチにのっかっちゃったら…」

穂乃果「うーん、そしたら希ちゃんの言うとおり魅力が無かったってことしゃない?」



にこ「なによそれ…それはちょっと酷すぎるわよ」

穂乃果「でもこのくらいやらないと!」

凛「でもそんなの誰がやるにゃ?」

希「……じゃあ、まず穂乃果ちゃんやってくれへん」

穂乃果「え?え?私?」

穂乃果「うーん…」

穂乃果(女の子なんて恋愛対象に見れないし、アプローチなんか……)

海未(穂乃果……)


にこ「そうよ、言い出しっぺなんだからやるべきよ」

穂乃果「はー、分かった!じゃあ私が絵里ちゃんを落としても恨みっこなしだよ!」

穂乃果「でもその代わり、私が終わったら他の人もやってよー?」

希「……」

希「えりちはウチのもん…やれるもんなら、やってみたらええよ!」

翌日 生徒会室



穂乃果(はぁ…流れで引き受けたけど、めんどくさいなー。大体なんで私が女の子を誘惑しなくちゃいけないんだろう…)

穂乃果(まあ…絵里ちゃんは女の子の中でもかっこいい方に分類される、のかな?)


穂乃果(みんなが覗けるようにドアは開けておいたし……よし…)




絵里「どうしたの?なんだか落ち着いてないわね。それじゃ生徒会長としてこの先やれるのかしら?」

穂乃果「え!?そ、そうかな?」

絵里「何かあったの?」

穂乃果「ううん、なんでもないよ。それでさ、絵里ちゃん」

絵里「うん?」

穂乃果「私ってなし崩し的というかなんだか適当な感じで生徒会長になっちゃったでしょ?だから……」

絵里「不安…なの?」

穂乃果「……!……うん」

絵里「そう、よね。でも大丈夫よ。穂乃果は私が認めたんだから」

穂乃果「そう、かな……」

絵里「元気を出して?ね?」

絵里「私は元気な穂乃果が好きよ」

穂乃果「うん…ありがと」

穂乃果(な、なんで絵里ちゃんに攻められてる感じになってるの!?)

穂乃果「え、絵里ちゃん、だから不安だから、色々教えてくれない、かな?」

絵里「別に構わないわよ。じゃあ希も呼んで…」

穂乃果「絵里ちゃんと二人きりが、いいなぁ」

絵里「…え、あ、そう…」






にこ「穂乃果結構攻めるわね」

花陽「なかなか素晴らしい攻撃です!」

希「……」


海未(女の子との恋愛には興味がない穂乃果がここまでするなんてよっぽど楽しいんでしょうか…)

穂乃果「隣、座って?」

絵里「え、ええ……」


穂乃果「これはどうやって書くの?」グイッ

絵里「これはこうよ」

絵里(穂乃果…ち、近い…)

穂乃果「ありがと、絵里ちゃん」ニコッ





花陽「きてます!きてます!」

凛「どうしたにゃかよちん!」

花陽「絵里ちゃんのウルフエリチカ出現の予感です!」

にこ「全く…誘惑するって言って、言った通り誘惑するって中々の演技力ね」

穂乃果「絵里ちゃん……私ね、絵里ちゃんと二人きりでこうやっていること好きなんだ」

絵里「そ、そうなの?私も勿論、好きよ」

穂乃果「本当?」

絵里「ええ」

絵里(そんな!そんな!純粋な目で見つめられても私からはなにも出来ないの!やめて穂乃果!!)



穂乃果「私には絵里ちゃんが必要なんだなーって」

絵里「穂乃果……ちょ、ちょっと…近いわよ…穂乃果?」

穂乃果「顔、赤いよ?」

絵里「ほ、穂乃果だって!」カァァァァ

穂乃果「どうしてかな?……絵里ちゃんとこんなに近くにいるから、かな?」

穂乃果「私ね、絵里ちゃんといるとなんだかすっごく胸がドキドキするんだ」

穂乃果「どうして、なんだろうね?」

絵里「ほ、穂乃果…」





凛「ひゃぁー!!近いにゃぁー!!」


真姫「穂乃果って実は計算タイプ?」

にこ「恐るべし」

穂乃果「どうしたら、この胸のドキドキは収まるかな?」

絵里「えっと……」

穂乃果「お願い、絵里ちゃんが収めて…?」

穂乃果「……絵里、ちゃん」スゥ…




花陽「ここここここれは!!このままウルフエリチカが出現してしまったらその時点で絵里ちゃんと穂乃果ちゃんが!」




絵里(穂、穂乃果ぁー!?こ、これは、これはそういうこと!?そういうことなのよね?ダメ、ダメよエリチカ!!)

絵里「……」

穂乃果「……」

絵里(まつ毛が長くて綺麗、唇が扇情的で…なんだか…変な気分…」

絵里「穂乃…果……?」


穂乃果「来て…絵里ちゃん」





絵里「……!!!!ごめん!!!わ、私トイレに行ってくるのを忘れてたわ!!!!ま、また明日!!!!!」


穂乃果「ふぇ…?ちょ、ちょっと絵里ちゃん!?」

真姫「絵里が部屋から出てくるわ!隠れてみんな!!」

ことり「あの状況から!?」




穂乃果「……ぶぅ……絵里ちゃんの、ヘタレー!!!!」


穂乃果「みんな!入って来ていいよ!!!!」




にこ「惜しかったんじゃない?」

穂乃果「ぶぅ…」

希「やっぱりえりちはウチのこと忘れてなかったんやね!」

真姫「正直穂乃果があそこまでうまくやるとは思っていなかったわ」

真姫「もしかして、天然に見せかけた計算タイプ、なのかしら」

穂乃果「そんな大層なもんじゃないよー。でも、あそこまでしておいて絵里ちゃんは全然攻めて来なかったね…」


穂乃果「本当にヘタレなのか、それとも…私がいけなかったのかな…」

花陽「いいえ!穂乃果ちゃんは完璧だったよ!!」

穂乃果「そ、そうだよね!?私は悪くなかったよね!?」

にこ「あそこまでやってダメなら絵里は本物のヘタレなのかもしれないわ…」

穂乃果「うん…でもまだ確証は持てないよ……次!!!!」

海未「次?」

穂乃果「次は……えーと……じゃあにこちゃんがやってよ」

にこ「わ、私!?」

真姫「ちょっとどういうつもりよ!?」

真姫「にこちゃんは私のモノよ!もし何かあってにこちゃんが絵里とキスとがしちゃったら……絵里をどうするかわからないわよ!」

ことり「もうキスする前提なんだ…」

真姫「当たり前でしょう!?にこちゃんは可愛いんだから!!」

希「…ノロケるのもそのくらいにしとき?」ゴゴゴゴゴ

真姫「あ…そ、そうね…。と、とにかく!にこちゃんはダメよ!」

にこ「別に大丈夫よ!なんだか面白そうじゃない。いざとなったら、真姫ちゃんが助けてくれるんでしょ?」

真姫「当たり前よ」

にこ「ありがと、真姫ちゃん、好き」



凛「甘いにゃ……」

海未「……甘いものは多く取り入れるとよくないといいますが、本当のようですね」

希「」イライライライラ

希「あー!もう分かったから早くにこっちはえりちんとこ行ってきて!」

にこ「はいはーい」

にこ「あ…でも穂乃果と違って私、希と絵里が付き合ってること知ってたから知らないふりとか通じないんだけど…」

花陽「あえて、行く、とか…?」

にこ「なるほど……私の力を見てなさい」

にこ(真姫ちゃんと一緒できっとちょろいわよね!)

花陽「……にこちゃんも中々受け気質な気がするんだけど…」

真姫「……?にこちゃん、私との時は毎回攻めよ?」

花陽「え?え!?」

真姫「そんなに驚くこと?」

花陽「当たり前だよ!!」

希「なんか…真姫ちゃんが赤裸々すぎるよ…」

真姫「こういう貪欲さが足りないんじゃない?」

希「くっ…」

階段 踊り場

絵里「く…なかなか…穂乃果の天然ぷりにはやられそうになったわ…」

絵里「…しばらく穂乃果と顔を合わせたくないわ…」

にこ「あれ?なにしてんの?」

絵里「ん?ああにこ…」

にこ(ここなら階段の下からみんなが見れるわね……)

にこ「そんなやつれた顔して…一体なにがあったのよ」

絵里「いや、別に大したことじゃないのよ」


にこ「ふーんあっそー。まあ別にいいけど、体調だけは崩さないようにね」

絵里「ええ、分かっているわ」

にこ「あの時の穂乃果みたいになったら許さないんだから」

絵里「まだ根にもってるの?」

にこ「このにこにーが根になんて持っているわけないでしょ?」

絵里「どうかしら」

にこ「どういう意味よ。あ、そういえば絵里、そろそろ希と二年くらい?」

絵里「あー、そういえばそうねー」

にこ「なんだか反応薄いわね…興味ないの?」

絵里「あるに決まってるじゃない!別に人前で喜ぶことじゃないはずよ」

にこ「生徒会長だから?」

絵里「元よ」

にこ「人前で喜ばないのはまあ絵里らしいけど、人前じゃないとこではどうなの~?」

絵里「そ、そんなこと言う必要ないでしょ?」

にこ「希とイチャイチャイチャイチャして、ちゅっちゅっして、抱き合って、そのまま、色々なことしてるのかな?」

絵里「そそそそそそ、そんなこと!!するわけないじゃない!」


にこ「ふーん?そうなんだ。ヘタレなのねー」

絵里「はあ?ヘタレってどういうことよ」

にこ「普通のカップルなら付き合って一年も経ってれば色々済ましてるわよ?」


絵里「にこ達だってそんなことしてないでしょう!?」

にこ「え?してるわよ?」

絵里「え…?あ、あ…そう…」


絵里「私達はお、お互プラトニックな関係なの!」


にこ「ふーん、そういうことはしたことないんだ」

絵里「わ、悪い!?」

絵里「第一高校生のうちからそんなこと!!不純よ!!」

にこ「じゃあ、さ…………私と、しない?」


絵里「へ…?」





花陽「そう来ますかぁぁああ!!!!」

花陽「三年生三人という関係の中でくっついている希ちゃんと絵里ちゃん、でもにこちゃんは絵里ちゃんのことを諦めきれなくて…!!さしずめこんな設定かな…!!」


凛「かよちん大丈夫かにゃ?」

ことり「気にしない方がいいと思うよ…」

真姫「そんな…にこちゃんが……!!嫌、嫌よ!にこちゃんは私の!!今すぐ辞めさせる!!」

穂乃果「ちょ!!抑えて真姫ちゃん!」

絵里「い、意味がわからないんだけど?」

にこ「そのままの状態だと、いざその時が来たら希の満足行くような対応してあげられないわよ?」

にこ「だ、だから私で練習を……」


絵里「で、でも…」

にこ「れ、練習なんだから、希だって怒らないわよ…」

にこ「ね……?」


絵里「ちょっと、にこ…?ここじゃ他の人が…」

にこ「ならすぐ終わらせよう?」

にこ「私を希だと思って…?色々足りないのは自覚してるから」

絵里(ダメよ…!浮気なんて!で、でも…これは練習?練習しないと肝心な希に嫌われる?)


絵里「で、でもにこには真姫が…」

にこ「言ったでしょ?これは練習。私は絵里のこと友達だと思ってるの。だから、力になりたいの」

絵里(……!も、もう後ろは壁。逃げられない?)

にこ「まずは、ハグから始めよう?」

絵里「にこ……」

にこ「絵里……」

にこ(来い…!!来い…!!!)

絵里「……」

にこ(あ、れ……?)

絵里「」フルフルフルフル

にこ(な……嘘、でしょ?)

にこ(なんで、目閉じて、震えるてるの?これじゃあ私が襲ってるみたいじゃない…)

にこ(この状況で断りもせず、私に触れもせず、まさかの何も出来ないで震えているだけ?)

にこ「絵、絵里?」

絵里「」フルフルフルフル


絵里「ご、ごめんね!!わ、私ちょっと用事があるの!」

にこ「きゃっ!絵里!?」

にこ「逃げられた………」


にこ「この…ヘタレー!!!!」




海未「お疲れ様でした」


にこ「……」


海未「大丈夫ですか?」


にこ「まさか、ね。敗北するだなんて思わなかったわ。せめてちゃんと断られるかもとは考えたけども」

花陽「ちょっと重症だね」

にこ「異常よ異常!!!にこにーに攻められてあの態度はないわよ!」

にこ「希が自信無くす理由、わかる気がしたわ」

希「そうやろ!?」

希「ウチだって散々攻めたけど、反撃があったことが一度もないんよ」

凛「元気出すにゃー」

真姫「……」


にこ「あれ、真姫ちゃん?」


真姫「…さない…許さない!!」


にこ「えぇ!?」

真姫「どうして絵里にあんなこと言ったのよ!?もしかして普段から友達だからとか言って変なことしてるんじゃないでしょうね!?」

にこ「し、してないって!」

真姫「怪しい」

にこ「怪しくない」

真姫「いや、怪しい」

にこ「じゃあどうすればいいの!?」

真姫「キスして」

にこ「は?」

真姫「いまここでキスして」

にこ「いやだから、意味が――」

真姫「意味なら分かるでしょう?キスして欲しいの。それか、絵里にやったことと同じ様に私を踊り場で追い詰めて?」

にこ「いやいや…」

真姫「早く、キスしたい――」

海未「――あの二人はああしていないとダメなのでしょうか」

ことり「さぁ…」

花陽「あの二人は置いて、とりあえず行こうか」

希「行くってどこに?」

穂乃果「ここで終わったら、なんの解決にもならないよ」

穂乃果「次にまた誰か行って、そこでダメならもう一度希ちゃんがアタックしてみようよ!!」

希「えぇ?」

穂乃果「絵里ちゃんにもウルフがいるってのを確認しないと!!」

凛「ウルフウルフー!!」

ことり「でも、誰がいくの?」

花陽「やはりここは……」



海未「…え?わ、私ですか!?」


海未「む、無理ですよ!!私はそんなの!!」


花陽「究極の受け×受け。ヘタレ×ヘタレ。きっとこの結末は誰にも予測できないものになる…!!」



海未「無理です!絶対無理ですよ!穂、穂乃果も何か言ってやって下さい…!」

穂乃果「やってみれば?案外楽しいかもよ?」

凛「さあ海未ちゃん頑張ってー!」

ことり「あはは」

海未「うぅ…」

海未「無理ですって……」

穂乃果「いいからいいからー!!!」




希(海未ちゃんがそんな器用に誘惑なんて出来ると思えんよ…変なことにならなきゃええけど)

今回はここまでです。

次で終わります。昼か夜には投下します。

レスを下さった皆様ありがとうございます。

屋上


海未(はぁ……絵里はここにいるんですかね…ここならみんなも見えますし…)

海未「」キョロキョロ

海未「あ、いました!」



絵里「一体なんなのよ…にこまであんなこと…にこは私のことを…?」

絵里「そ、そんなわけないわね。真姫がいるんだし」


絵里「でも…不倫て可能性…?いやいやダメよ私には希がいるんだから!」


海未「…あの、一人で何してるんですか?」

絵里「ひぃ!う、海未!?」

海未「そんなに驚かなくても…」

絵里(もしかして海未も私を!?)

海未(先の二人で完全に警戒を強めている気がします…)



絵里「海未こそ、一人でどうしたの?」

海未「少し風を浴びに来ただけです」

絵里「なんだかオシャレね」

海未「…どういう意味です?」

絵里「こういう時にポエムとか考えてるのかしら?」

海未「な…な…!!なんで知ってるんですか!!!」

絵里「…………穂乃果って純粋で可愛いわよね…?」


海未「穂乃果…ですか…!誰にも言わないでって言ったのに!!」

海未「後で怒ります。説教です」

絵里「まあまあ、いいじゃない」


海未「よくないんですよ!」


絵里「全く、変なとこで維持張るわね。………あれ?」

ポツポツ

海未「雨…ですか」

絵里「おかしいわね、さっきまでいい天気だったのに」

海未「夕立でしょうか」

絵里「部室でも行きましょうか」

海未「ええ…そうしましょう」

ザー

絵里「ちょっ…強くなってきたわ!!」

絵里「走るわよ!」

海未「は、はい!どうしてこんな一気に強くなるんですかぁー!!」

にこ「なんで私たちを置いていくのよ!!!」

凛「真姫ちゃんとラブラブしてたからにゃ!」

真姫「それで、どんな状況なの?」

花陽「海未ちゃんは案の定何も仕掛けずにいたら、ベストなタイミングで土砂降りになってくれて、部室へ行ったよ」

希「なんだか雨って都合良すぎる気もするなー」

凛「運も実力!!」

ことり「じゃあ早く部室行こうよ!!」

部室


海未「はぁ…ビショビショです…」

絵里「そうね…」

絵里(水に濡れて……海未の下着が…)


海未「…なに見てるんですか?」

絵里「あ…いや…その……透けてる、わよ?」


海未「ふぇ!?」

海未「みみみ見ないで下さいー!!!」

海未「変態です!!」

絵里「いや……女の子同士じゃない…」

海未「それはそうですけど」

絵里「やっぱり青色なのね…」

海未「…!?」

絵里「海未らしくて可愛いわ」

海未「あ、ありがとう、ございます…」



にこ「やっぱり雨という最大の武器がプラスに働いてきてるわね!!!」

真姫「でも海未が攻められてるだけじゃない」

ことり「海未ちゃんに誘惑なんて出来ないよ…」

海未「絵里一ついいですか?」

絵里「ん?」

海未「……水色、なんですね」



絵里「な…なんで!?どうして分かるの!?」

海未「よく見ると透けてますよ」

絵里「もう!早く言ってよ!」


海未「仕返しです」

海未「それにしても水色だなんて絵里らしいです」

絵里「もう…どういう意味よ…」

海未(攻めないと…他の人になんて言われるかわかりません…少しでも私に出来ることを…)

海未「もうどうなっても知りませんよ!?」

絵里「え……?」

海未「えええええええ、絵里!!」


絵里「……どうしたの急に」


海未「お互い服が濡れてしまいました。着替えるべきだと思います!!!」

絵里「そうね~ちょうど着替えもあるし」

海未「それでですね、絵里……着替させ合いっこ、しましょう」





絵里「はい?」

絵里「な、何を言っているの?」

海未「ダメ……ですか?」

海未「絵里と着せあいっこしたいんです」



絵里「えっと、ダメ……じゃない、わ」






穂乃果「おぉ…海未ちゃんが最高の攻めを見せている!?」

希「いゃぁー!ウチのえりちとなんてことしようとしてんの!?」

希「そんなことウチもしたことないのに!?」

希「やめさせるー!!!」

穂乃果「クッ…みんなして暴れすぎぃ!真姫ちゃんも抑えるの手伝ってぇ!」

真姫「え、ええ…」

海未「では…私の服を脱がせて下さい」

絵里「ええ、分かったわ」

絵里「えと…本当に、いいの?」



海未「いいから早くして下さい」


絵里(あれ、なんだか海未の雰囲気が……)


絵里「あ、うん…ごめん。脱がせるわよ。力、抜いて?」


海未「はい…」

海未(なんだか変な、気分…)


絵里「海未も綺麗よ」

海未「ありがとう、ございます」

海未(いま、私は何をしているのでしょう…)

海未「ふぁ……」

絵里「ご、ごめんなさい!えっと触ろうなんて、思って無かったの!ちょっと手が滑って…」

海未「勝手に人の身体を触るなんて、いい度胸ですね?」

絵里「え…ごめんなさい」

海未「まあ悪い気はしなかったので……仕返しだけにしておきます」

絵里「仕返し…?」

絵里(やっぱりいつもの柔和な海未じゃない!?)

海未「ああ気にしないで下さい。時期に分かります」

絵里「……」


海未「では、次は私の番ですね」

絵里「えーと、先に着ないと風邪引くわよ?」

海未「黙ってて下さい」

絵里「え…?」


海未「では脱がしますよ?」

絵里「え!?ちょっといきなり!?」

絵里「ひゃっ…海未ちょっとおかしいわよ、そんな乱暴に!」

絵里「ん……お願い、あんまり、見ないで…」

海未「綺麗ですよ」

海未(私は何を言っているのでしょう?なんだか緊張しすぎて頭が回りません…)

海未「絵里、どうしたらこんなに胸が大きくなるんですか?」

絵里「そんなこと聞かれても…私はロシアの血もあるから…」

海未「羨ましいです」

絵里「海未がそんなこと悩むなんて思わなかったわ」

海未「一応…気にしてるんですよ?」

絵里「えっと…いつまで私を下着だけでいさせるつもりなのかしら?」



海未「絵里…!!!」バッ

絵里「え!?きゃあっ」

絵里「海未?どうしたの?なんでこんなことしてるの?」

海未「絵里…なんだか、変な気分になってしまいました…」



絵里(く…馬乗りされてる状態じゃ、動けない)


海未「仕返し、です!!絵里が悪いんですからね」モミモミ

絵里「え…!?ひゃんッ…ちょっ、ちょっとぉ……ぁぁん、やめ……」

絵里「ダメよ…やめて…私には希が……」

海未「ごめんなさい、もうとまれないです」モミモミ

海未「はぁ…はぁ…えりぃ…」

絵里「やめて…やめて…」

にこ「マズイんじゃない?」

希「ひっぐ…うぅ…やだぁ…辞めて…辞めて…えりちはウチと…うぅ」

真姫「穂乃果…流石にそろそろ…」

穂乃果「そ、そうだね…」



ガチャ‼︎



穂乃果「しゅーりょー!!」


にこ「ちょっとあんた何やってんのよ!?」

海未「ふぇ…?み、みんな」

花陽「失格!!失格ですよ!?」

海未「えっと…えっとこれは…私は、何を…?」

真姫「誘惑するはずがなんで思いっきり自分から襲ってんのよ…」

希「えりち、大丈夫!?」

希「えりちぃ…えりちぃ」ギュー


絵里「の、希!?えっと、あの、その、どど、どういうことなの?」

絵里「もしかして…ずっと覗いてた…?」

希「……」

ことり「まあ色々あってね…?」

絵里「なるほど…そんなことが……」



希「あの…みんなちょっと二人っきりにしてくれへん?」


凛「ええ?なんでー?」

凛「にゃ!?」

にこ「ほらいいから行くわよ」

にこ「あと、海未は後でお説教だから」

海未「は、はい……」

バタン


絵里「……」

希「……ごめん、えりち」

絵里「いや…私が悪いのよ…。希にそんなこと思わせてたなんて…」

絵里「希を泣かせて、私、最低ね」


希「そんなこと、ないって」

希「……」

絵里「……」

絵里「えっと…えっと…手繋いでいい?」

希「ここで?」

絵里「だ、ダメ?」

希「ここだと握手になる気がするんやけど」

絵里「そ、それでもいいから!!」


希「ふふ…不器用やなぁ」

絵里「……ごめんね」ギュッ



希「…ええんよ」

凛「いい雰囲気だねー」

真姫「で、なんで私達覗いてるの?」

にこ「そりゃ気になるからに決まってるでしょうが!!」

真姫「私達、大分最低よ」

にこ「うっさい!」

花陽「なんとも言えない雰囲気、最高です……」

穂乃果「三年生なのに、心は子供なんだね…!!」

希「手、繋いだのこれで何回目やと思う?」

絵里「えっと、三回目?」

希「せーかい。ちゃんと覚えててくれたんやね」


絵里「緊張したっていう記憶が、ね?」

希「緊張した、しか覚えてないん?酷いなぁ」

絵里「そ、そんなことないわよ!えっと、希が可愛くてえっとなんていうか……」

希「もーからかっただけやって。いちいち反応してくれるとこっちも面白くて」


絵里「もう…からかわないでよ」

希「ふふ……なぁ、いつまでこうしてるん?」

絵里「え?」

希「そろそろ練習もあるし、みんなにも悪いよ」


絵里「ごめんなさい、じゃあ辞め……」

絵里(ここで、このまま引き下がったらまた希に不安感を持たせるんじゃないかしら……)


希「ひゃっ!?」

絵里「」ギュー

希「え、えりち?」

絵里「み、みんなに悪いなら、ははははは早く終わらせましょ?」

希「う、うん……」

希「声震えてるよ?」

絵里「ハグなんて、は、初めてなんだから当然じゃない…!」

希「さっき流れでウチからしたけど?」

絵里「わ、私からするのは、初めて、だし!」

希「ふふ……そう、やね」ギュー

希「…好き」

絵里「わ、私、も」


絵里「……」

希「……」

絵里「……」


希「なぁ、時間なくなるよ?」


希「まさかこれで終わり、じゃないやろ?」

絵里「え……?」

希「……えりち」スゥ



絵里「ののののの、希!?」

絵里(こんな無防備な状態で、目を閉じるなんて!?そ、そういうこと、よね?でも……でも!!!

絵里「いや…えと…えっとでも……」

絵里「でも……でも」






絵里「そうだ!ごめんなさい!!急用を思い出したわ!!そうだ!!アリサが待ってるのよごめんね希!!!!」


絵里「いやーごめんね本当に!!風邪には気をつけてね!じゃあね!また明日!!」



希「え!?えりち!?ちょっと!!!どこいくん!?」

絵里「また明日!!!!」


バタバタガチャ‼︎

希「………」


希「……………」

希「………………………」

希「入ってきてええよ……」



にこ「うん…ドンマイ」

凛「oh」


にこ「まさかあそこまでとは…」

真姫「流石に理解に苦しむわね」

穂乃果「むぅー、絵里ちゃんはウルフを飼ってないんだ!!」

凛「な、なんだってー!?」

ことり「流石、生徒会長……!!!」


凛「でも新しいウルフ所持者を発見したにゃ!!」

海未「……え?私が何か?」


希「…海未ちゃんは後で、胸が取れちゃうくらい激しいのを御見舞いしてあげるから覚悟しとき…?」

海未「ひぃ…」



希「そんなことより…」


希「えりちの…えりちのヘタレー!!!!」







おわり

ここまで読んで下さった方ありがとうございました。
正直うみえりは全く思いつきませんでした。


真姫「は……?西木野真姫……君…?」
真姫「は……?西木野真姫……君…?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396438684/)

今回のとは関係ありませんが、お暇な方は目を通して頂けると嬉しいです。
次回はきっとまたにこまきです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月27日 (日) 19:17:47   ID: 7J_InXpL

のんたんカワイイ、のんたんカワイイ、のんたんカワイイ、のんたんカワイイ、

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