変化球を投げない投手の話(5)

俺のチームには一人変わった投手がいる
そいつはいつでもストレートしか投げない
そのストレートも別段速い訳ではないからよく打たれた
それゆえそいつが登板すると諦めのムードになる
それでも何故か監督はそいつを登板させる
チームメイトの殆どが不服だが監督には従うしかない

そいつは今日の試合でも
打たれて結局5-7で負けた

一「またアイツの炎上で負けかよ」

遊「監督もいい加減にしろよな」

右「なあ補、お前もう少し上手くリードできないのか?」

右「ストレートしか投げられないと言っても緩急工夫して詰まらせるとかコース散らすとかさせないのか?」

補「アイツにそんなことができると思うか?」

補「俺だって釣り球を投げさせたりしたいさ」

補「でもアイツはコントロールも悪いんだよ」

二「右、お前この前の試合の最後覚えているか?」

右「確かフォアボールでランナー出した後ホームラン打たれたよな」

二「その時補が出してたサインは盗塁警戒で一球外せだ」

右「なのにアイツど真ん中に投げて打たれたのか」

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