桜「GJ部部室に遊びに行こう!」 真央「帰宅部をおもてなしするぞ!」 (262)

以前書いたSSのその後の話です。


桜「GJ部?」 真央「帰宅部?」桜「GJ部?」 真央「帰宅部?」 - SSまとめ速報
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第一話「ティーンエイジ・ミュータント・ハイスクールスチューデント・アザラシ・アンド・コヨーテ」

<GJ部部室内>


真央「あ~暇だ!キョロ何かやれ」


キョロ「無理ですよ急に」


真央「本当にSKBだなお前」


キョロ「えっと、「精神的に向上心が無いものは馬鹿だ」でしたっけ?」


真央「そうだ。だからすぐに面白いことができないのだ!」


キョロ「それができるならボクは芸人目指しますよ…」

キョロ「SKBといえば帰宅部の皆さんどうしているんですかね」


真央「帰宅部か、アイツ等は中々見所があったな」


キララ「牡丹…強かった…」


恵「花梨ちゃんと一緒に料理を作っている時はもう一人妹ができたみたいで楽しかったです~」


紫音「クレア君とは一緒にアイスの蓋を舐めながらチェスをする約束をしたからね」


キョロ「紫音さん本当にやるんですね」


紫音「あれは背徳感があって病みつきになるよ」

キョロ「部室内以外ではやらないほうがいいですよ紫音さん」


紫音「わわかっているよ」アセアセ


タマ「タマはあの人達苦手ですよ。あのボケの連続はもはや暴力の域です」


キョロ「ははは…あれには僕は何もできなかったよ…」


真央「最後は夏希にフォローされるなんて情けない!GJ部魂が足りん!」


キョロ「じゃあ部長はあのボケの連続を捌けたんですか?」

真央「う…それは…無理だ…」


タマ「夏希はある意味尊敬できやがるですよ。まあ、ああはなりたくはないですが…」


真央「そうだキョロ!あの中で交際するとしたら誰だ?」


キョロ「なななな何をいきなり聞いてくるんですか!?」


真央「おまえは相変わらずこういう話題になるとすぐにキョドりやがるな」

紫音「私もその話題は実に気になるね」


キョロ「紫音さんも便乗しないでくださいよ」


紫音「いやいや、キョロ君は私達以外の女性をどのように見ているか、興味深いね」


恵「四宮君なら誰ともお似合いですよ~」


キララ「キョロ…誰が好き?…」


キョロ「恵ちゃんにキララまで~」


タマ「早く言わないと神無月家統一王者のサブミッション地獄の刑をくらわすですよ~」


キョロ「わかった!分かりました!言いますよもう!」


真央「さすが平和的敗北主義。すぐに折れてくれる」


キョロ(もうやだ…)

真央「じゃあ誰について語って貰おうかな~」


恵「花梨ちゃんはどう思います四宮君」


キョロ「えっと花梨ちゃんか…可愛らしい子だと思うよ」


紫音「確かにあのお淑やかさや可憐さ、花梨君はある意味女性の理想像と言えるかもしれないね」


真央「そうか?女性の理想像はカッコいい女性だろう。ワタシみたいに」


タマ「だからあの時気絶しやがったんですよ」ボソ

真央「うるさいぞタマ!」ガブ


タマ「ニャー!痛いです」


タマ「タマは花梨と恵姉さんの女子力フィールドに耐えられたから部長より女子力は高いですよ」ガブ


真央「ウギャー!うるさい!ジャージの上にスカート履く奴が女子力高いわけねえだろ!」ガブ


タマ「ニャー!」


キョロ「部長もタマもいい加減にしてください!」

真央「黙ってろキョロ!これは女のプライドを賭けた戦いだ!」


タマ「男ごときが口を出すなです!」


キョロ(今の姿は女性要素ゼロだと思うけどな)


キララ「ケンカやめる…でないとキララ噛む…」


真央、タマ「はい。止めます」


恵「さすがキララです~すぐに仲直りしましたよ」


紫音「キララの噛むは冗談じゃすまなそうだからね」

恵「しかし花梨ちゃんなら男子からも人気だろうな」


キョロ「それはどうだろう恵ちゃん」


恵「え?何ですか?四宮君は花梨ちゃんが嫌いなんですか?」


キョロ「そうじゃないけど、夏希ちゃんから聞いたんだけど牡丹さんもクレアさんと
同じぐらいに溺愛しているんだって」


恵「そうなんですか。花梨ちゃんは人気ものですね~」

キョロ「仮にもし告白しようとしても、社会的に抹殺されるか、生命活動を止められそうな気がします…」


真央「ああ…確かに…怖えもんな牡丹…告白しようとした奴はワタシみたいに走馬灯を見せられるんだ…」ガクガク

紫音「クレア君も九重財閥の力すべてを使って花梨君への告白を阻止するだろうね。
それほどまでにクレア君の花梨君への愛情は凄まじいから」


キョロ「そういった意味である意味一番交際を申し込みたくないかもしれませんね。怖いですから…」

紫音「ではクレア君はどうだい?あれは正真正銘のお嬢様だ。何かの書物で男性はお嬢様に弱いと読んだのだが」


キョロ「確かにご令嬢だけあって立ち振る舞いや言葉使いに気品を感じますね」


タマ「でもあの人紫音姉さんと同じで一般常識が無くてぶっ飛んでいますからね。付き合ったら大変そうですよ」


紫音「タマくん、ぶっ飛んでいるは否定させてもらうよ」


タマ「じゃあ常識知らずについて認めやがるですね」


紫音「それは…多少認めよう」


キョロ「ででも!紫音さんは一般常識を知ろうと頑張っていますよ!」


紫音「ありがとうキョロ君、でも今の発言は私が一般常識に乏しいと暗に認めているよ」


キョロ「うっ…」


真央「ぷっ、墓穴掘ってやんの」

紫音「でもクレア君は一般常識を知らないことをまるで意に介していない印象を受けるね」


真央「ああ、まるでツッコミ前提でズレている感じだしな」


紫音「住んでいる世界が一般人と違いすぎてクレア君の常識は周りにとって非常識になってしまうのかもしれない。
それはそれで辛いのかもしれないね」


恵「でも楽しそうでしたよ~」


紫音「それでも自分の非常識を気にしない、それが彼女の強さなのだろう」


真央「我が道を突き進む!それはカッコいい女の条件の一つだからな」

キョロ「部長は突き進みすぎな感じですけど」


タマ「全くその通りですよ」


真央「うるさいぞ!そこの二人!」


真央「でも待てよ?それ依然に男に興味有るのか?花梨にゾッコンだぞアイツ」


キョロ「あ、そうなると交際できる可能性は皆無ですね」

キララ「キョロ…牡丹好き?」


キョロ「牡丹さんですか…印象はカッコいいですかね」


キララ「るる」


恵「そうですよね~スラッとして、背筋も良くて、あのサラサラな黒髪、憧れちゃいます」


紫音「あの容姿で牡丹という古風な名前、まさに大和撫子と言えるだろう」

真央「外見はな」


タマ「中身はとんでもねえ怪物ですよ」


キョロ「怪物だなんて大げさ…ではないですね…」


紫音「あの常人離れした運動能力は凄まじかった。是非研究して学会で発表したいものだ」


キララ「牡丹は…ニンゲン…牡丹…良い人の匂い…」


恵「キララはすっかり牡丹ちゃんを気に入ったみたいです」

真央「これはあれか?拳と拳で語り合ったってやつか?どうなんだキョロ先生よ」


キョロ「そこで僕に振りますか」


真央「そりゃお前は殿方だからな。一応」


キョロ「拳で語り合ったことないから分からないですよ」


真央「そうだな。聞くだけ無駄だったな」


キョロ「じゃあ聞かないでくださいよ…」

タマ「夏希についてはどう思ってやがるですか?」


キョロ「夏希ちゃんか…一言で言うなら大変そうだなって印象かな」


タマ「まあ、あれだけのボケボケ体質の人間に囲まれるなんて、そうはねえですから」


恵「でもあれは漫才って言うんですか?見ていると楽しいですよね。つい笑顔になっちゃいます~」


紫音「漫才というものはよく分からないが、需要と供給が一致しているということなのだろう」

タマ「仮にGJ部の中に夏希が居てもツッコミを生かせなさそうですし、ワタシ達の誰かが
帰宅部に入ってもボケを処理できない。これか適材適所というやつですか」


真央「お!難しい言葉知っているじゃねえか。エライエライ」


タマ「バカにしやがるなです!」


キョロ「それだと僕は夏希ちゃんとは上手くいかなそうだね」


紫音「どういうことだい?キョロ君」

キョロ「自分で言うのもなんですが、どちらと言えばツッコミ寄りですし、仮に付き合っても…」


真央「随分上から目線だなキョロ。まあ夏希はツッコミできないと死んでしまいそうだし、
ボケ属性じゃないと上手くいかないかもな」


キョロ「そんなマグロじゃないんですから」

恵「あとは桜さんですね」


キョロ「桜さんは何か部長似ている気がするんですよね」


恵「あ!四宮君もそう思います~」


紫音「私もそれには同感だね」


キララ「るる」


タマ「そう言われるとそうかもしれねえです」


真央「そんなに似ているか?」

キョロ「行動力があるところとか」


真央「帰宅部なんてよく分からない部活を作って活動する奴だからな行動力はあるだろう」


恵「オピニオンリーダーなところもですね」


真央「そういえば事の発端は大概あいつな気がするな」


紫音「変わっているところもそうだね」


真央「類は友を呼ぶなんて言うし、あの個性派な連中が帰宅部に集まったのは偶然じゃないだろうな」

キョロ「ほらそっくりじゃないですか」


真央「確かにそうかもな。桜は騒がしい奴だが一緒に居て退屈しないのは確かだな」


キョロ「それは部長も同じですよ」


真央「え?」

キョロ「いつも振り回されて大変ですけど、部長と居ると退屈しません」


キララ「るる」


恵「お姉ちゃんはお世話のしがいが有ります~」


紫音「真央の行動にはいつも驚かされている」


タマ「タマはもう少し静かにしやがれって感じです」


真央「お前等そんな褒めるなよ///照れるじゃねえか///」

真央「よし!このポッキー全員で食べていいぞ!タマは除外だけどな」


タマ「タマだけミソッカスよくねえです!よこしやがれですよ!」


<ギャーギャー>


キョロ「本当に退屈しないな」



<プルルル プルルル>


真央「ああ、ワタシのだ」


恵「お姉ちゃん誰からです?」


真央「いや、非通知だ」


紫音「真央 不審な電話にはあまり出ない方がよいと思うが」


真央「今流行りの振り込め詐欺の電話かもしんねえぞ、一度は電話応対したかったんだよな」


キョロ「また部長。それで引っかかったらどうするんですか」


真央「大丈夫だよ、もしもし」

?「わたしメリー…今校門前に居るの…(鼻声)」ブチ


真央「は?何言っているんだ?もしもし!もしもし!」


キョロ「どんな用件だったんですか?」


真央「さあ?「校門前に居る」って言って切りやがった」


キョロ「間違い電話ですかね?」


真央「いたずら電話だろ」

紫音「いたずら電話なら無言電話が一般的だね。では何故「学校の前に居る」と発言したのだろう?」


タマ「どうせイタズラですよ。深く考えるなですよ紫音姉さん」


紫音「そういうものかな……」


<ガヤガヤガヤ>


<オニダ!オニガイルゾ!>

恵「外が賑やかですね」


キョロ「何かあったのかな」


真央「他校のスケバンでも殴り込みに来たんじゃねえの?」ケラケラ


キョロ「部長何ですかスケバンって?」


真央「お前スケバンも知らねえのかよ!?」

タマ「スケバンというのは他校の生徒のボンタンを刈り取る恐ろしい種族のことですよ」


真央「それは下等不良にボンタンなどふさわしくないわー!とスケバンは次々とボンタンを刈っていったのだ!」


キョロ「ボンタン?またよく分からない単語が出てきましたね。紫音さん知っています?」


紫音「すまない。私も知らないね」


キララ「いのししの……おにく?」

タマ「それは牡丹ですよ。いいですか、耳かっぽじって聞きやがれです。スケバンは女の
不良のことです。ボンタンは当時の不良男子のオシャレアイテムです。ボンタン狩りは
ボンタンを奪い取ることです。ボンタンを奪い取られた不良は屈辱の極み!
世が世なら切腹ですよ」


キョロ「もの凄く殺伐としていたんだね……」


紫音「そのような行事があったのか、興味深いね」


恵「でも楽しそうですよ~」


真央「よし!今度は中等部の奴らを呼んでボンタン狩りでもするか!」


キョロ「部長本気ですか!?そんなこと女の子がすることじゃないですよ!」

<プルルル プルルル>


真央「また非通知だ」


真央「おい!何ださっきの電話!」ガチャ


?「ワタシメリー…今部活棟前に居るの…(鼻声)」ブチ


真央「また一言言って切れやがった!」


紫音「今度は何と言っていたのだい」


真央「部活棟前に居るだとよ!おいキョロ!窓開けて外の様子を見てこい!」

キョロ「はい。わかりました」ガラガラ


キョロ「それらしき人は居ないですよ部長」


真央「何がしたいんだ!?電話のやつは!」


タマ「そんなカリカリしやがるなですよ、まーちゃん」ボリボリ


真央「お前!さり気なく人のポッキー喰ってるんじゃねえ!」

タイショウモダンヲガンジルワネ>


キララ「!」ピクピク


キョロ「どうしましたキララ」


キララ「人がくる…三人…」


キョロ「珍しいですね。こちらに来るだなんて」

真央「ということはあれを用意するぞ!」


恵「お姉ちゃんあれですね~」


紫音「あれは確かあそこにあったはずだが数は足りるだろうか」


タマ「何なんですかあれって?タマに教えろです!」


真央「久しぶりで腕が鳴るな。キララも頼んだぞ」


キララ「キララ…頑張る…」

タマ「早くあれというのを教えろです!ミソッカスよくねえです……」


キョロ「タマは初めて部室にきた時どうなった?」


タマ「それは部室に止まったら、いきなり袋に詰められて、拉致されたです。全く有り得ねえです」


キョロ「今部室方向に人が来て、部室前に止まる可能性が高いよね。どうする?」


タマ「そしたら袋詰めにして拉致る…ああ!そういうことですか!あれじゃなくてもっとハッキリ言うです」


キョロ「まあ、これもGJ部式会話だから早く慣れたほうがいいよ」

<アリマシタヨ、……センパイ、……チャン>


真央「どうやら部室に来るみたいだな。自分でやろうと思ったが気が変わった。
よしキョロ!今回はお前が陣頭指揮を執って捕獲しろ!」


キョロ「ボクですか!?」


真央「来年になったらお前らでやるんだから今のうちに練習しておけ」


キョロ「部長は何もしないんですか?」


真央「ワタシはポッキー喰いながらソファーにふんぞり返って高みの見物だ」


キララ「キョロ……狩りの練習……ガンバル……」

キョロ「わかりました。ではボクとキララとタマで通りかかった人を捕獲します」


タマ「ガッテンです」


キララ「キララ……つかまえる……」


キョロ「恵ちゃんは接待用のお茶とお菓子を用意しておいて」


恵「わかりました~」


キョロ「紫音さんはさらった人への状況説明をお願いします」


紫音「まかされたよ」

<モシモシ ……センパイ>

キョロ「よし今ですタマ、キララ」ガチャ


キョロ「ごめんなさい」ガバッ


タマ「召し取ったりで~す」ガバッ


キララ「……」ガバッ


<キャー!ダイジョウブ……サン>


〈ズルズル― ガチャ!バタン!>

キョロ「ふー何とか捕まえました」


真央「ひい、ふう、みい、取り逃しは無しか。うむご苦労だったなキョロ」


紫音「お手柄だね。キョロ君」


恵「四宮君凄いです~」


キョロ「早く袋から出してあげないと」

<プルルル プルルル>


真央「んだよ、また非通知か」


真央「もしもし、いい加減にしろよ!」


?「ワタシメリー……今あなたの真後ろにいるの!(鼻声)」


真央「うしろ?……ギャー!!!!」

?「ドーモ チュパカブラです」ペコリ


?「ドーモ アザラシです」ペコリ


キョロ「どうしたんですか部長!?って何ですかこれ!」


真央「後ろ向いたら滅茶苦茶怖い怪物と巨大なアザラシがいやがったんだよ!」


キョロ「ここ二階ですよ!どうやって侵入したんですか!?」


真央「そんなものワタシが知るか!それよりあの怪物ガチで怖え!」

紫音「恐らくあの窓から侵入したんだろうね……」


紫音「そしてチュパカブラ、この生物によって家畜の血が吸われたという報告が相次ぎ、スペイン語で「吸う」という意味の「チュパ」と、「ヤギ」という意味の「カブラ」から、「チュパカブラ(ヤギの血を吸う者)」と呼ばれるようになった。英語では、これを直訳して「ゴートサッカー(Goatsucker)」と呼ばれる。
1995年2月頃に初めてプエルトリコでその姿が目撃され、チリやメキシコ、アルゼンチンなどの南米各地、さらにはアメリカにまでその目撃例がある。その被害は家畜に留まらず、人間も襲われている。これは現地でニュースとして扱われており、日本でも一部報道された。「チュパカブラによるものではないか」という推測を含めれば、被害件数は1000件を軽く超えるという話もある。そしてチュパカブラはコヨーテが突然変異したという説もあり……」


キョロ「ちょっと紫音さん百科事典モードになっていないで元に戻ってきてください!」


キララ「キョロ……あれ何のお肉?……」


キョロ「少なくともあれは食べれないですよキララ!」


タマ「タマはあのアザラシが妙な存在感を出して気になるですよ」


恵「こんにちはチュパカブラさん。アザラシさん。今お茶とケーキの用意ができていますので一緒にどうですか?」


キョロ「恵ちゃん全く動じてない!?」


真央「逆に平然とチュパカブラをお茶に誘ってやがる!?我が妹ながら恐ろしい子!!」


チュパカブラ「あ、はい、じゃあ頂きます」


タマ「意外とずうずうしいですあの怪物」

アザラシ「おい、チュパカブラはメキシコ出身だからスペイン語であいさつしないとダメだろ」


チュパカブラ「は!そうだった。ルチャ、ナチョス、タコス」


?「なんだそのスペイン語!単語並べただけだろ!というより何故その単語をチョイスした?
メキシコに偏見持ちすぎだろ!」


キョロ「今度は袋の中からツッコんできた!?」


タマ「あの触覚、見覚えがあるです。袋を開けてみるです」ガサゴソ

夏希「ぷはー!苦しかった!いきなり袋詰めにするなんてあんたら北の人間か!」


恵「あ、夏希ちゃん久しぶりです」


キョロ「ということは残りのふたつは」ガサゴソ


花梨「う~怖かったよ」


クレア「何がおこったの?」


真央「花梨にクレアか!何でこんなところにいるんだ?」

チュパカブラ「ハハハ!何で袋詰めにされているの夏希ちゃん!プレゼントはワ・タ・シって?」


夏希「うるさい!チュパカブラに言われたくないわ!」


キョロ「あの怪物って桜さんだったんですか!?」


キララ「アザラシ……牡丹?」


牡丹「久しぶりだなキララ、みんな」


キョロ「何がどうなっているんですかこの状況は!?」

一話はこれで終わりです。

次は六日ぐらいになるとおもいます。

今から投稿します

第二話「UMAがVTOLでやってくるかもしれない」



真央「とりあえず一から説明しろ桜」


桜「ええっとそれは……」


回想


夏希「昼過ぎから学校が休校になるなんて運が良いのかそうでないか微妙ですね」


クレア「これからどうしましょう?女子校生らしくクレープ屋でも行こうかしら?」


花梨「いいですね。クレア先輩」


桜「いいねそのアイディア。グッジョブだよクレアちゃん!…GJ…そういえばGJ部の皆は元気かな?」

牡丹「お前話の振り方雑だな!でもGJ部との交流は楽しかった」


夏希「先輩はバトル路線できましたからね」


花梨「ワタシも恵先輩とお菓子作りしたいな~」


クレア「ワタシも紫音さんとチェスを指す約束をしたわ」


桜「じゃあ今日の帰宅部は課外活動で!課外活動場所はGJ部の部室だ!」

夏希「ええっと。つまりGJ部のところに遊びにいくと」


桜「そうとも言うね」


クレア「いずれは行きたいと思っていたし、案外良い機会かもしれないわね」


夏希「でもいきなり行って大丈夫ですか?というより今日活動しているかも分からないですし、
他校の生徒が行くのも色々と面倒になるんじゃ…」


桜「まあ何とかなるでしょ!」


夏希「本当になるの!?せめて活動しているか連絡しましょう桜先輩」


桜「それはダメだよ夏希ちゃん!ここはいきなり行って相手を驚かすべきだよ!」


夏希「いいですよそんなの。もっと合理的に生きましょう」

桜「そんな合理的合理的と言っているとロボットになっちゃうよ」


夏希「こんなんでロボットになれたら日本国民全員ロボットだよ!」


花梨「え!?なっちゃんロボットになっちゃうの…そんなの嫌だよ…」


夏希「いや違うよ花梨。今のは桜先輩の例え話で」


クレア「そうなの…そこまでしてロボットになりたいのね夏希さん…それなら九重財閥が全面協力するわ!」


夏希「この人も人の話聞いてない!」


桜「脚にはローラは必須だよね。右手にはパイルバンカー!左腕にはロケットパンチ!
お腹にはガドリングガン!目からビームもはずせないよね!」


夏希「勝手に改造計画練りだした~!」


牡丹「そういえばロボットと戦ったことはないな。今度スパーリングしよう夏希!」


夏希「ロボットになる前提で話をすすめないでください!」

夏希「もう!何でこの人達は話を聞かないんだ!」


花梨「確か恵先輩が休日以外は活動していると言っていたよなっちゃん。」


夏希「急に話を戻すんだ!しかもそこの話は聞いていた!」


クレア「これで何も心配はないわね」


牡丹「それじゃ行くとするか!」


クレア「じゃあ速く行くためにVTOLを呼びましょうか」


夏希「まさかの垂直離着陸機!?」


夏希「そこは普通ヘリコプターだろ!それ以前にヘリでもVTOLでも迷惑かかりすぎです」


クレア「仕方ないわ。とりあえずリムジンを手配しとくわ」


牡丹「じゃあ改めて行くとするか」


桜「待って!ただ訪問するだけじゃ芸がないのでこれを持って行こう!」


一同「これは!?」

<リムジン内>


夏希「桜先輩、こんなのを持ってきて何に使うんですか?」


桜「それは秘密です」


夏希(まあ用途は限られているしあらかた予想つくけど)


牡丹「しかし帰宅部と同じような部活があるとは思わなかったよな」


クレア「ええ、こんな部活帰宅部だけだと思っていたわ」


花梨「しかも皆さん先輩達みたいに強烈な人でしたね」


桜「そんな褒めないでよ~」


夏希「いや。これは褒めているのか?」

牡丹「ワタシはキララが印象に残ったな。あれほどの戦闘力を持った者が居たのには驚いた」


クレア「ワタシ達もあんなに長く戦っている牡丹さんは初めて見たわ」


牡丹「ハンデを付けていたといえワタシとあそこまでやり合えるなんて凄い逸材だ」


桜「またまた牡丹ちゃん、全力で戦っていたくせに」ウリウリ


牡丹「いやサクラそれは違う。あの時は手足に10キロの重りをつけていたよ脳内で」


夏希「なんですかその言い訳!もっと説得力のある言い訳いいましょうよ!」


牡丹「いや人間の脳は思い込めば重さや痛さを感じることができるんだよ」


夏希「本当ですか~?」


桜「箸を熱い物と思いこませたら水膨れができたって話もあるし。案外できるかもよ」


夏希「そう言われるとこの人なら本当にやれそうだな…」

花梨「あとキララ先輩の髪型であの猫の耳みたいなところかわいいですよね~」


夏希「あ~あの部分か」


クレア「確かにただでさえ猫みたいなのにあの部分でさらに猫らしさを引き立てているわ」


桜「じゃあ今度ワタシ達も猫耳つけてみようか」


夏希「で、猫耳付けてどうするんですか?何を目指すんですか」


桜「ここは露骨なまでの萌え要素を取り入れて、人気獲得を狙ってみようと」


夏希「また安直な…それで人気獲得できるなら苦労はしませんよ」

花梨「でもなっちゃんなら凄く似合うと思うんだけどな~」


クレア「そうね。夏希さんなら花梨さんに匹敵するぐらい似合うはずだわ」


牡丹「夏希の猫耳姿にグッとこないやつはどうかしている!」


桜「猫耳姿の夏希ちゃんこそ帰宅部を救う救世主だよ!」


夏希「なんで皆して無駄にあげているんですか!?それにワタシじゃ似合わないやい///」


桜「あ!夏希ちゃんが照れてる!」


牡丹「ワタシは事実を言っているだけなんだが、なあ花梨」


花梨「はい!なっちゃんならどんな人でもメロメロです」


クレア「写真集とBDを出したほうがいいわね」


夏希「だからなんだその自信は!自信泉でも沸いているかよ!あとクレア先輩それだけはマジで辞めてください…」 


夏希「それより他の人の話をしましょう!」

桜「真央先輩を見た時は驚いたね。小学生かと思ったら部長だったなんて」


牡丹「と思って噛まれたんだよな」


桜「いくら地雷踏んだからって初対面の人に噛む普通?とんだ変人だよ真央先輩は」


夏希「あの部員に対してこの部長ありって感じですね」


クレア「でも真央さんは普通を嫌っているから変人は寧ろ褒め言葉かもしれないわね」


花梨「恵先輩から聞いたんですけど、真央先輩は多数決だといつも少数派になってしまうらしいですよ」

桜「普通を嫌い常に少数派。中々パンクな生き方しているね」


牡丹「パンクってあれだよな。買ったギターはレスポール、買ったその日に喧嘩で壊し、
ライブでは壊れたギターを喧嘩でボコった奴の歯で鳴らすんだよな」


夏希「それパンクじゃなくて唯の危ない人!」


桜「でも見た目はお人形さんみたいで可愛かったかよね。
クレアちゃんもしかして真央先輩を妹にしたいと思ったんじゃない」ニヤニヤ


クレア「今何て言いました桜さん!?」


桜「え!?」


クレア「ワタシがコロコロ浮気する尻軽女と思っているのかしら。ワタシが妹にしたいのは花梨さん唯一人!
わかりました?」


桜「はい…スミマセン」


クレア「やだ!花梨さんが居る前ではしたない」ポッ


夏希(相変わらずクレア先輩の愛は重たいな…)

クレア「紫音さんはあまり会ったことない人物でしたわね」


夏希「なんかミステリアスな感じで、ああいうのをクールビューティーって言うのかもしれませんね」


花梨「でも生徒会長も紫音先輩に雰囲気似ていませんか?」


桜「まあ、外見だけは似ている気がしないこともないかな」


牡丹「何か天才らしいから能力の一つや二つぐらい持っていそうだな」


夏希「いや!天才と能力持ちはそんな関係ないよ!会長みたいな能力持っている奴がゴロゴロ居てたまるか!」


牡丹「いや、あのオーラなら拘束手帳以上の能力を持っていても不思議は…」


クレア「花梨さんをたぶらかす雌の話は止めましょう…」バン!


牡丹「ああ…すまん…」


夏希(うわ~口悪いな、この人)

桜「でも天才なせいか、相当一般常識に欠けているみたいだね」


花梨「だからあんな服の着方をしていたんだ…ワタシが教えてあげればよかったかな…」


夏希「うん?服の着方って?」


花梨「え!?なっちゃん分からなかった?あのブレザーを肩までしっかりかけない服の着方だよ」


夏希「ファッションを常識知らずで片付けた~!」


夏希「花梨。あれは着崩しといった服の着方で、ちゃんとしたファッションなんだよ」


花梨「え!?そうなの?」


牡丹「おい、あれは自分の腕を動きづらくしている拘束服じゃないのか?」


夏希「この人も知らないの!?」


夏希「しかも何で拘束しているって発想になるの!?そんなこと考えるの牡丹先輩だけだよ!」

花梨「恵先輩は優しかったな~恵先輩みたいな人がお姉ちゃんに居たら良かったのに」


クレア「花梨さん!ワタシという姉がい…」


夏希「そのネタはもういいよ!」


牡丹「しかし恵が発するあの癒し系のオーラはすごかったな」


花梨「恵先輩みたいな人ばかりだったら世界は平和になるのに…」


夏希「急にスケール大きい話になった!?」

牡丹「あの能力を名付けるのなら「エア リフレッシュ オーラ」だな!」ドヤ


夏希「人を勝手に能力者に認定した!しかもドヤ顔で言った割には
エア リフレッシュ ロゴスをちょっと変えただけですか」

牡丹「厳しいな夏希は…」ショボーン


桜「でもあのオーラを感じていると何というか…自分の心の汚さや醜さを責められている感じがするんだよね…」


クレア「桜さんもそうなのね…ワタシも恵さんと接していると自分が如何に小さい人間か見せつけられる気がするわ…」


牡丹「無自覚の善のオーラが人を責めるか…真の邪悪はこういう事なのかもな…」


夏希「いや!その理屈おかしいだろ!恵先輩一つも悪くない!真の邪悪は心が荒んでいるあんた達だよ!」

花梨「タマちゃんとはあまり仲良くできなかった…同級生だし仲良くなりたかったんだけどな…」


牡丹「緊張していたんだろう。今日で仲良くなれるさ花梨」


花梨「そうですよね。よし頑張ります!」


クレア「でも花梨さんというより、帰宅部全員と距離を置いていた気がするわ」


桜「先輩だから緊張していたのかな?」


クレア「それだと花梨さんとみたいな素敵な人と仲良くしないのは不自然すぎるわ」


牡丹「確かにそうだ…謎が深まるな…」


夏希「………」


桜「どうしたの夏希ちゃん?黙っちゃって」


夏希「いや…何でもないです…」


夏希(おそらくだけど、タマは花梨達のボケ属性が苦手なんだろうな…あんなボケ倒す人たちはそう居ないからな。でも…)


花梨「タマちゃんの趣味って何だろ~聞いておけばよかった」ウキウキ


夏希(そんなこと言えないな)

桜「最後にキョロくんの印象は?」


花梨「普通です」
牡丹「地味」
クレア「無色透明」


夏希「見事に同じような印象ですね」


桜「ワタシも印象は草食系男子かな」


夏希「でもあの個性豊かな人達ならキョロ先輩みたいな普通の人が居たほうが集団のバランスが取れるんじゃないですか?」


牡丹「案外そういうものなのかもな」

桜「でも帰宅部には欲しくないな!だってツッコミもろくにできないんだもん!」


夏希「だぶんキョロ先輩から願い下げだと思います」


クレア「その点夏希さんのツッコミのキレは日本刀の如し!存在の大きさは計りしれないわ!」


夏希「何で急にアゲるんですか。やめてください///」


花梨「なっちゃんがGJ部に入ったらどうなるんだろう?」


牡丹「夏希は案外ピーキーな仕様だからな、操縦には苦労するぞ」


桜「夏希ちゃんを生かせるのはワタシ達だけ!」


夏希「なんですかその自分達アゲ!しかも人をマリカーのドンキーみたいに言わないでください!」

<キキッー>


桜「そうこう言っているうちに着いたみたいだね」



<GJ部高校前>


桜「文化部部活棟はあの木造物みたいだから早速行ってみよう!」


夏希「ちょっと桜先輩!そんな堂々とじゃなくってもう少しコソコソ行きましょうよ。
教師や生徒会に見つかったら大変ですよ」


クレア「大丈夫よ夏希さん。こんなこともあろうかと教師達には鼻くすりをきかせておいたわ」


夏希「なんだよ鼻くすりって!そんなこと言う女子校生初めて見たわ!」


牡丹「それにワタシが殺気を放出するから誰も声かけられないから」


夏希「もっと穏便な方法できないのあんたは!」

桜「でも勧誘の時に結界なんて貼れないって言っていたような」


牡丹「確かにあの当時はできなかった…だがキララとの戦いを通じてできるようになったんだ!」


花梨「凄いです!牡丹先輩」


クレア「そのうち殺気で人を戦闘不能にできそうね」


夏希(むしろ今までその程度のこともできなかったのかよと思ってしまった。ワタシ相当毒されている?)


桜「そうだ行く前に仕込みをしとかなきゃ」ガサゴソ


夏希「で、携帯持って誰に電話するんですか?」


桜「真央先輩にだよ」


夏希「結局するの!?サプライズはどうした!?」


桜「まあまあ見てなさい」ピポピポ


桜「わたしメリー…今校門前に居るの…(鼻声)」ブチ

牡丹「今のはなんだ?」


桜「え?メリーさんだけど」


クレア「メリーさんとは何なの?」


花梨「メリーさんというのは怖い話の一つで、人形が電話で話しかけて次第に近づいてくるですよ。
最後は「ワタシメリー…今アナタの後ろに居るの!」と言って終わるんですよ」


夏希「桜先輩はそのメリーさんを真似して真央先輩達を怖がらせようと」


桜「その通り!」


牡丹「でも今の話のどこが怖いんだ?」


桜「え!?怖くないの?人形が喋って、どんどん迫ってくるんだよ?」


牡丹「たかが人形が喋るだけだろ。いっこく堂でもできるし、それに人形に何ができる?」


桜「いっこく堂と同じにしないで!もっと心理的恐怖というかジャパニーズホラーを感じようよ」


夏希「ちょっと二人ともさっきから聞いていますが、いっこく堂をディスリ過ぎですよ。
あの人は世界に誇れる腹話術士じゃないですか!」

クレア「それで人形の代わりにこの持ってきたチュパカブラとアザラシの着ぐるみを使うのね」


桜「さすがクレアちゃん!察しが良い!」


夏希「チュパカブラは怖いからいいですけど、このアザラシは?
これはむしろカワイイ部類に入るんじゃないですか?」


桜「このチュパカブラはクレアちゃんがハリウッドに作らせただけあって凄く怖いから、
アザラシで中和しようかと思って」


花梨「こんなアザラシが真後ろに居たら可愛くて抱きついちゃいます~」


夏希「それ花梨だけ」


桜「話しは後にして部活棟に行こうよ!牡丹ちゃん殺気よろしく」


牡丹「ああ、任せておけ!」


夏希「そんなお手軽に殺気を出すな~!」

<オニだ、あそこにオニがいるぞ!みんな逃げろ!>


<部活棟前>


花梨「本当に誰も声をかけてきませんでしたね」


クレア「モーゼみたいに人混みを割りましたわねワタシ達」


桜「電話しとかないと」ピポパポ


桜「ワタシ、メリー…今部活棟の前に居るの…(鼻声)」ガチャ


桜「今頃恐怖に脅えて阿鼻叫喚しているだろうな。クックックッ」


夏希「ワタシは只のいたずら電話ということになっていると思います」


牡丹「しかしどうやって真央達の背後を取るんだ?壁ぬけとかワープしないかぎり無理じゃないか?」

桜「そこは抜かりないよ」


桜「まずクレアちゃん、花梨ちゃん、夏希ちゃんがGJ部の部室に訪問して部室の場所をワタシに教えます」


クレア「その後は?」


桜「その教えられた場所に牡丹ちゃんがワタシを担いで窓から飛び込む!うん!完璧!」


夏希「…何ですかその蜂の巣みたいな穴だらけな作戦」


桜「え?どこが?」


夏希「まず窓閉まっていたらどうするんです。壊してはいりますか」


花梨「それに真央先輩後ろをとる前に他の人に見られちゃうかもしれませんね」


クレア「窓が開いていたとしても不法侵入にあたるのではないかしら?」


桜「う~皆して揚げ足取って!ワタシは誉められて伸びる子なんだよ!もっと誉めてよ」


夏希「こんな杜撰な計画で誉めるのは超ゆとり教育ぐらいだよ!」

牡丹「桜はどちらの着ぐるみを着るんだ?」


桜「牡丹ちゃんがチュパカブラを着てワタシを担いでGJ部室までジャンプするから、ワタシはアザラシかな」


牡丹「ワタシも着るのか?というよりチュパカブラはヨゴレな桜だろ」


桜「な!?牡丹ちゃんだって充分ヨゴレだよ!」


牡丹「な!?黒髪でピュアなワタシがヨゴレだと!?」


桜 牡丹「ワーワーワー」


夏希「なんか言い争いになっていますね」


クレア「ワタシに言わせればどちらもヨゴレだわ」

花梨「二人とも着たくないならワタシがチュパカブラを着てみようかな~」


クレア「!」


クレア(アザラシなら兎も角花梨さんがチュパカブラを着る?ありえないわ!)


クレア「桜さんがチュパカブラを着てくださる?」


桜「それは牡丹ちゃんが…」


クレア「着てくださるわよね?」ギロ


桜「はい…」

桜「じゃあワタシ達は草むらに隠れているから電話よろしくね夏希ちゃん」


夏希「結局当初の作戦でいくんですね」


桜「窓が開いていなかったらしょうがないからハロウィン式で正面から行くよ」


牡丹「花梨。何か有ったらすぐに呼んでくれ。すぐに駆けつけるからな!」


花梨「はい。わかりました」


夏希(花梨のピンチに駆けつけるアザラシ…シュールだな)

<部活棟内>

クレア「しかしこんなほったて小屋みたいなところが部活棟だなんてかわいそう。改装工事してあげたいわ」


夏希「そこはもっとオブラートに包んでくださいクレア先輩。むしろ一般レベルなら普通です」


花梨「でもワタシはこの木造の雰囲気は好きですよ」


クレア「そうね!大正ロマンを感じるわね花梨さん!」


夏希「うわ!変わり身速いなこの人。」


クレア「二階の行き止まりに着きそうなのにまだ見つからないわね」


夏希「本当にあるか心配になってきましたね」


花梨「あ!ありましたよ。クレア先輩、なっちゃん」

クレア「丁度行き止まりに部室があるなんて」


夏希「立地条件悪いですね。そこがらしいと言えばらしいですけど」


花梨「早く桜先輩に連絡しないと」ピポパポ


花梨「もしもし。桜先輩ですか。GJ部室は二階の一番奥です」


クレア「あとはワタシ達が普通に訪問すればいいだけ…キャー!」


花梨「クレア先輩!モゴモゴ」


夏希「花梨!クレア先輩!モゴゴ」


夏希(ワタシ達は何をされたんだ?)

桜「花梨ちゃんの情報だと二階の端っこみたい…あ!窓が開いているラッキー!牡丹ちゃんよろしく」


牡丹「しょうがない…じゃあ跳ぶからしっかり捕まっていろ。トウ!」


桜 牡丹「……」シュタ


桜「みんな後ろ向いてワタシ達の存在に気付いてないみたい」ボソボソ


牡丹「早く電話しろ桜」ボソボソ


桜「了解」ピポパポ


桜「ワタシメリー……今あなたの真後ろにいるの!(鼻声)」

二話は終わりです。

次は明日ぐらいに投稿します。

第三話「突撃!隣のGJ部部室」


桜「と、まあこんなことがあったわけですよ」


真央「おまえな~一言連絡しろよ。まあ趣向が凝らしていて楽しかったがな」


紫音「クレア君たちを部室に向かわせたのは上手かったね。捕獲に夢中になっていて
君たちに注意が向かなかった。いわゆるミスディレクションというやつかな」


桜「ミスディ?ええ、そのミス何とかを狙っていたんですよ!」


キョロ「明らかに知っていない反応ですね」

花梨「いきなり袋詰めにされてびっくりしました」


恵「ごめんね花梨ちゃん。これはGJ部伝統の勧誘方法なんですよ~」


タマ「タマもやられたです。花梨達も我慢するですよ」


夏希「こんな過激な勧誘していて色々問題にならなかったの?」


紫音「部室は部活棟の奥地。目撃者も少ないし当人の口を封じれば噂は流れることはないね」


夏希「そうですか……」

クレア「もしもし、問題ないわ今すぐ撤収してちょうだい」


キララ「クレア……何の電話?……」


クレア「これは私設部隊に撤収命令を出していたのよ」


キョロ「私設部隊!?そんなのも持っているんですか?」


真央「どんな作戦を展開していてんだ!人質奪還作戦か?」


クレア「ワタシの体には発信機やバイタイルサインを知らせる機械がついていまして。
先ほど袋詰めにされた際に危険信号を出してしまったと思っていたら案の定そうでだったわ」


タマ「クレア姉さんハイテクです」


クレア「なのでワタシは大丈夫と連絡しておいたの」


キョロ「ちなみにクレアさんが連絡していなかったらどうなっていたんですか?」


クレア「私設部隊がGJ部部室を強襲していたわ」


キョロ「……連絡してくれてありがとうございます」

キララ「ぼたん……部室前にいたら……捕まえられていた?……」


牡丹「たぶん無理だろうな。不意打ちを受けるのは日常茶飯事だからな慣れている。
もしかしたら反射的に手を出していたかもしれない」


タマ「よかったですね牡丹姉さんが部室前にいなくて……」


キョロ「部長~この勧誘方法考え直しましょうよ!クレアさんや牡丹さんみたいな人がいたら
僕たち大変な目にあっていましたよ」


真央「ワタシは今年で卒業するから関係ねえし。来年考えてくれ部長候補」


キョロ「じゃあ来年と言わず今変えましょう!」


真央「それは部長権限で阻止する」


キョロ「オニー!」


タマ「アクマ―!」


恵「あいかわらずお姉ちゃんと四宮君は仲がいいですね。妬いちゃいます~」

牡丹「しかし部室広いな。帰宅部部室の二倍ぐらいありそうだ」


真央「自慢の部室だ!ただ夏だと凄え熱いのが難点だな」


花梨「色々ありますね。ポットにソファー、パソコンにブラウン管テレビ」


クレア「本棚もたくさん本がありますね」 


キョロ「主に紫音さんが持ってきた本やボクや部長が持ってきたマンガやラノベが主ですね」

桜「ちょっとキョロ君!「鋼の錬金術師」や「ソウルイーター」や「清村くんと杉小路くんと」
や「魔法陣グルグル」や「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」が無いってどういうことなの!?」


夏希「なんですかそのガンガン系推し!露骨なステマは控えてください!
一時期は色々と問題になったんですから注意してください!」


桜「夏希ちゃんこれはステマじゃないよ。只の宣伝活動!」


夏希「余計たちが悪いよ!」


真央「桜達が来ることを知らなかったから、何にも用意できてないぞ」


桜「いいですよ。ありのままの普通のGJ部の活動を体験しますから」


真央「じゃあ部活動開始だ」


第三話「突撃!隣のGJ部部室」 終わり



第4話「競技革命」



桜「GJ部の部室はきれいですね。真央先輩」


真央「まあな。メグが定期的に掃除してくれるからな」


恵「はい。お茶を飲むのでしたらキレイなお部屋でないと」


花梨「帰宅部の部室もそろそろ掃除しないといけませんね桜先輩」


桜「たしかにそうだね。よし次の部活動は大掃除だ!」


クレア「だめよ。それは業者にやらせるべきよ」

クレア「だめよ。それは業者にやらせるべきよ」


夏希「クレア先輩。面倒くさがらずにそれぐらいみんなでやりましょうよ」


クレア「違うのよ夏希さん。ただ面倒くさいから業者に頼もうとしているわけではないのよ」


夏希「じゃあどんな理由ですか?」


クレア「業者に頼める仕事を業者にやらせて仕事を与える。これはワタシに課せられたノブリジュよ」ドヤ


夏希「ノブリジュ?」


紫音「文脈から察するに「ノブレス・オブリージュ」持つべきもの義務という意味だね」


夏希「まあ金持ちが金を使わないと景気が良くならないですからね。
それでも部室の掃除を部員がやらないのはどうかと思いますよ」


紫音「だが「ノブレス・オブリージュ」は最近では主に富裕者、有名人、権力者が
社会の模範となるように振る舞うべきだという社会的責任に関して用いられており、
クレア君のは若干意味合いが違うようだ」


夏希「この人ドヤ顔で言って意味が違っていたの!?」

牡丹「大掃除するなら床のワックスかけもするか」


キョロ「でもワックスかけの掃除をすると他の遊びをやり始めてなかなか進まないんですよね」


桜「わかるわかる」


キョロ「僕の学校ではアイスホッケーやカーリングでしたね」


桜「ワタシもワックスかかっていたからフィギュアごっこしちゃったよ。ね!タマちゃん」


タマ「いやそんなことやらねえですよ」

桜「え!?じゃあ恵ちゃんは?」


恵「ワタシもやりませんでしたよ」


桜「真央先輩?紫音先輩?」


真央「やらん」


紫音「私もやったことはないね」


桜「キララ先輩は?」


キララ「キララの学校…掃除は…掃除の人やる…」


桜「欧米か!?」


夏希「欧米だよ!」


あざらし「氷上の妖精あざらし」

真央「話は変わるけど、牡丹やキララがフィギュアやったらテッペン取れそうだな」


キョロ「さすがにそこまで甘くはないと思いますよ」


花梨「キララ先輩がスピンしたら勢いで雪煙が舞って幻想的な風景になりそうですね」


恵「キララも牡丹さんもフィギュアやったらかっこいいですよ」


タマ「牡丹姉さんも普通に12回転ジャンプとかできそうです」


牡丹「まあできるかもな。でもスポーツ大会に勝てるうんぬんについては帰宅部裏サイトで語っているから見てくれ」


夏希「ちょっと宣伝露骨すぎません!」

紫音「しかし、曲に合わせての演技をしなければならないし、
表現力や芸術点などの身体能力ではカバーできない要素もあるから難しいかもしれないね」


桜「確かにそこらへんは普通のフィギュア選手に一日の長があるかもしれませんね」


牡丹「表現力に芸術点か、仮にワタシが鬼の形相で殺気を全開でやれば表現力にふくまれるのか?」


キョロ「そこは美しい演技をしようと思うべきじゃないですか…」


紫音「でも芸術とは心を揺さぶることだから、恐怖も表現力と認められて加算されるかもしれない」


桜「それでしたら阿鼻叫喚の地獄絵図なフィギア会場になりそうです」


真央「まさにフィギュアの暗黒時代の到来だな」


キョロ「嫌ですよ、そんなフィギュアスケート!」



第4話「競技革命」 終わり

第5話「裏の真実」


花梨「恵先輩のお茶は美味しいです」


恵「ありがとう花梨ちゃん」


花梨「そういえばワタシ小さい頃お稽古事で茶道をやりたかったんですよ」


キョロ「珍しいね。茶道は厳しいイメージだからみんな積極的には習わなそうだけど」


花梨「あの凛とした空気に憧れていたんです。でも色々あって習うことはできませんでした……」


真央「あんなのやるもんじゃねえよ。あれは拷問だ」

キョロ「茶道に何か恨みでもあるんですか?」


真央「幼稚園の頃茶道の真似事みたいなのやらされたんだが、お茶がとにかく不味い!」


キョロ「小さい子にはあの苦味はツライですからね」


真央「茶菓子は甘くて美味かったがな、それを差し引いてもお茶の不味さが勝っていた」


真央「しかも幼稚園児に正座させんなよ!足が痺れて痛えよ!しかも正座崩したら怒られるし」


キョロ「ハハ、大変でしたね部長」

桜「うん?ちょっと待ってください。チャドウ?サドウじゃないんですか?」


真央「何言っているんだチャドウだろ。なあメグ」


恵「ワタシもチャドウと呼んでいましたよ」


クレア「ワタシはサドウだわ」


牡丹「ワタシもサドウと呼んでいるがな」
 

キョロ「意見がわかれましたね」

桜「何言っているの!茶道はサドウ!大体チャラ男の「チャ」が入っているのは
日本のなになに道と呼ばれる日本の文化に相応しくない。
そんな退廃的で軟弱な思想は根絶やしだ!軟弱!打倒!進歩!革命!」


夏希「なんだその理屈と赤色の掛け声は!呼び方ぐらいで革命にまで発展させるなよ!」


真央「お前こそ何を言っている!茶道はチャドウだろ。お茶を「おさ」と呼ぶか?呼ばねえだろ。だからチャドウだ!」


キョロ「部長も落ち着いて。どっちでもいいじゃないですか」


真央「どうでもよくない!」


タマ「こういう時は紫音姉さんに聞くのが一番です。紫音姉~さ~ん」

紫音「なんだいタマ君」


タマ「茶道の呼び方は「チャドウ」と「サドウ」どちらが正しいですか?教えやがれですよ」


紫音「これはどちらも正しいと言えるね」


桜「どちらも……」


真央「だと……」


紫音「茶道には主に二つの流派に分かれており、表千家では「サドウ」裏千家では「チャドウ」と呼んでいる。
つまりどちらで呼んでも間違いではないのだよ」


キョロ「へ~そうなんですか」


花梨「勉強になります」

クレア「しかし裏千家の人は可哀そうね」


キョロ「どういうことですか?」


クレア「裏という単語はあまり良いイメージを抱かないじゃない。裏があるとか、日陰者的な」


キララ「日陰嫌い……ひなた暖かい……日光浴……」


夏希「確かにそうですね」


クレア「裏千家の人たちは何を思って裏なんて単語をつけたのかしら?裏とつく相応の理由があったのかしら?」


牡丹「きっとこういう由来があったんだろう」

牡丹「チャドウは本来の姿は暗殺拳だったんだ。現代に伝わる裏千家のチャドウは暗殺拳・チャドウから
戦闘的な要素を削って、礼儀作法やわびさびの心などの教えを広めることによって本来の姿を隠した。
それが裏千家だ!」


クレア「まあ、そうなの牡丹さん。暗殺拳を使っていたから自分たちで裏と名乗ったのね」


牡丹「ああ、だから裏千家の当主は暗殺拳チャドウを使えるんだ!」


夏希「なんですかそのコンビニにある都市伝説の本にも載らないようなクオリティーの低い嘘は……」

真央「違うぞ牡丹。本当の真実はこうだ!」


真央「江戸時代、徳川家の跡目争いで大きな戦が起こりかけたことがあったらしいんだ。
当時の将軍は争いが起きず、双方が納得するような解決方法はないかと考えた。そして思いついた。
双方が抱えている茶人を出し茶会を開く。お互いが相手にお茶を勧めるがそれには毒が入っているのだ!
相手のお茶を飲まず、いかに相手を毒殺するか。このデスゲームがチャドウの真相!
その黒歴史が裏と自分達で名乗っている由来だ!」


花梨「そんな恐ろしいことが起こっていたなんて……」


夏希「そんなわけあるか!殺伐としすぎだろ!」


キョロ「皆さん「裏」という部分に反応しすぎですよ。たぶん些細なことで裏千家になったんですよ。たぶん」


紫音「いや、真央の説はあながち間違ってはいないといえるかもしれないね」

夏希「え!?」


紫音「江戸時代、ある藩ではとてつもない失敗や罪を犯した武士達がいた。普通なら打ち首獄門だが、
最後のチャンスとしてある茶会が開かれた。その厳しい作法を間違えなくやり遂げれば無罪放免。
だが失敗するごとに指を自分で切り落とさなくてはならず、十回ミスすると殺されてしまう。
その様子を見て権力者達は楽しむ。これが忌むべきチャドウの隠された歴史なんだ……
そしてこのようなことがあってはならないと戒めとして裏と自分達でつけた。これが裏千家の由来だ」


夏希「また紫音先輩まで流れに乗っからなくていいですよ」


紫音「残念ながら事実なんだよ夏希君。その証拠にヤクザが失態を犯したらケジメと称して指を斬る儀式、あれはチャドウの名残だよ」


夏希「ででも、そんなことがあったら現代で裏千家として残っていないですよ!」


紫音「それは歴代の裏千家の数々の工作によって今の地位を築いたんだよ」


夏希「そんな事実があったなんて知らなかった……」

紫音「フフフ」


夏希「どうしたんですか紫音さん?」


紫音「いや、すまない。夏希君がここまで信じてくれるとは思ってもみなくて、ついね」


夏希「どういうことですか!?」


紫音「今までのは全部でたらめだね。裏千家の由来は表千家から見て裏にお茶を飲む場所があったという単純な理由だよ」


夏希「な!?」


紫音「夏希君以外は全員嘘だと知っていたみたいだね」

夏希「キョロ先輩やタマも!?」


キョロ「なんとなく嘘だなと」


タマ「タマも嘘だと分かってたです」ニヤニヤ


夏希「桜先輩も!?」


桜「うん。真央先輩に「シイは嘘をついている」と教えてもらった」ニヤニヤ


夏希「花梨も!?」


花梨「ごめんね、なっちゃん。わたしも桜先輩に教えてもらって知っていたんだ」ニヤニヤ

夏希「恵先輩。なんでワタシがからかわれているって教えてくれなかったんですか?
あなたは天使じゃなかったんですか!」


恵「からかう?みんなからかっていたんですか?」


真央「無駄だ夏希。メグの天使アイは物事のいい方面しか捉えない。からかわれていると微塵も思っていねえんだ」ニヤニヤ


紫音「夏希くん。君は本当にカワイイね」


夏希「//////」


夏希「ちくしょー!!!」


第5話「裏の真実」 終わり

第6話「ネーミングセンスsideG」




真央「しかしバトル系のマンガって登場人物に異名みたいなものがついているのが多いよな」


キョロ「確かにそうですね。でもそのほうが強そうというかキャラ付けがしやすいですからね」


花梨「桜先輩や牡丹先輩も持っていますよね、異名」


真央「そうなのか桜?」


桜「ええ、一方的に名づけられていますが」


キョロ「どんな名前ですか?」


桜「グレネード乱痴気」

真央「どんな意味だよ?」


桜「さあ?ワタシもわかりませんよ」


キララ「ぼたんは……名前なに?……」


牡丹「ワタシは漆黒の処刑台 ミッドナイトマーダーと呼ばれていたな」


真央「おお!かっこいい名前じゃねえか!」


キョロ「でも女性に処刑台というのはどうなんですか?」

牡丹「そうか?ワタシは中々気に入っているがな」


恵「いいですね~ワタシも異名欲しいです~」


桜「じゃあみんなの異名でも考えてみよっか」


真央「じゃあワタシの名前から考えてくれ。カッコいいの頼むぞ」


キョロ「魔王とかそんな感じの系統でいいんですよね」


真央「そうだ!魔王は強くてカッコいいからな!」

桜「核弾頭なんてどうですか?切り込み隊長みたいでかっこいいと思うんですが」


真央「核弾頭って核兵器じゃねえか!ワタシはそんなに危なくない!次!」


クレア「GJ部の火薬庫なんてどうかしら?」


真央「おいどういう意味だ!?」


紫音「バルカン半島の火薬庫を引用したのだね。怒りの沸点が低い真央には当てはまるりそうだね」


真央「そんなのワタシが只のキレる若者みてえじゃねか、次!」


牡丹「橙色の暴君なんてぴったりだろ」

真央「ほう……帰宅部の奴らはワタシのイメージが乱暴とか理不尽で固まっているみたいだな。
キョロ、ワタシってそんな乱暴か?理不尽か?」ワナワナ

桜「まずい!真央先輩が怒り始めてる」


キョロ「で、でも暴君って我が道を突き進む的な感じでカッコいいじゃないですか!」


真央「そうか?よしこれからは名乗る機会があれば「橙色の暴君」と名乗ってやろう!」


桜「助かったよ~キョロ君。真央先輩の機嫌を取ってもらって」ボソボソ


キョロ「真央先輩のツボは何となくわかってきましたから」ボソボソ

真央「次はキョロか、といってもな……」


桜「キョロ君ね~全然思いつかないな」


タマ「先輩の無個性ぶりは筋金入りです」


キョロ「そんな~何か思いついてくださいよ」


紫音「そういえば一つあるじゃないないか」


キョロ「え?何かありましたっけ?」


キララ「キョロ……サムライマスター……」

花梨「わあ!カッコいいですよキョロ先輩!」


夏希「なんかそれっぽいですね」


恵「俺マンもカッコいいですよ~」


クレア「俺マン?それは無いと思うわ」


恵「そうですか~カッコいいのに俺マン~……」


牡丹「サムライか、外人はサムライとかニンジャが異様に好きだからな」


クレア「そうね、日常でニンジャがビルの間を飛び回っているとか思っていそうね」


夏希「それは無いんじゃないですか……」

桜「サムライマスターと名乗るならそれっぽい技が欲しいよね」


真央「一応俺マン三段階変身があるけどな」


紫音「あれは中々のものだと思うよ」


タマ「それ以外にですか。う~ん」


花梨「キョロ先輩……あの……」


キョロ「どうしたの花梨ちゃん?」


花梨「切腹してください!」


キョロ「せせせ切腹!?」

真央「おい!とんでもないこと言っているぞ!?」


クレア「花梨さんどうしたの!?何で切腹?熱湯風呂でも入らせて、武士は食わねど高楊枝ぶりをみせてでいいじゃない」


夏希「やせ我慢という意味では合っているけど、何か違うよ!」


花梨「え?サムライマスターなら切腹できるかなと思ったんですが……できないんですか?」


夏希「できるか!!キョロ先輩何も悪いことしてないし、やったら死んじゃう!!」

真央「次はシイだな。ここは一つ考えてやるか」


タマ「というかあるじゃねえですか、しおんさ…」


紫音「タマ君それ以外を頼む」


桜「紫音さんですか、知的で、ロングヘアーで、ミステリアス。「GJ部の魔女」なんてどうです?」


夏希「確かに神秘的で人にはできない魔法みたいなことができそうですね」


キョロ「僕をからかうところなんてまさに悪戯好きな魔女みたいです」

紫音「もしかして私にからかわれるのは嫌だったみたいだね。すまない。知らずの内に
キョロ君を傷つけていたなんて私はヒドイ女だ。こんな私なんて
魔女裁判で火あぶりにされてしまったほうがいいのかもしれないね……」シクシク


クレア「キョロさんが紫音さんをいじめているわ」


真央「いじめっこだ!いじめっこがここに居るぞ!」


キョロ「しし紫音さん。僕は気にしていないですよ。むしろもっとからかって欲しいぐらいです!」


紫音「そうかい。言質も取れたことだしこれからは積極的にからかっていくよ」ニッコリ


キョロ「えっと…できれば積極的ではなく通常通りのからかいでお願いします」アタフタ


紫音「フフフ、キョロ君は本当にかわいいね」

真央「他に何かあるか?」


花梨「そうですね。紫音さんは物知りですから「物知り博士」なんてどうですか?」


桜「プッ」


真央「プッ」


夏希「昭和かよ!」


タマ「なんか物凄え古臭い感じがします」


キョロ「何とか博士ってあだ名久しぶり聞きましたよ」


桜「いいんじゃないですか「物知り博士」一週回って。アハハハハハ」


真央「よし。これからシイのあだ名は「物知り博士」だな。プハハハハ」


牡丹「なんか二人のツボに入ったみたいだな」

真央「よし次はキララのあだ名でも考えるか」


クレア「タイガーレディなんてどうかしら」


牡丹「タイガーマスク二世」


花梨「李徴子はどうですか?」


夏希「みんなトラに偏りすぎ!あと花梨、キララ先輩はポエマーじゃないし山月記ネタは分かりづらいから」


キョロ「でも僕もキララのことはトラをイメージするかな」

タマ「じゃあ「ネコ科霊長類最強」なんてどうですか?かっこいいですよ」


紫音「タマくん、人間は人科霊長類だから間違っているよ」


タマ「キャッチコピーなんて勢いでつけるもんですから、正しくなくてもいいんですよ紫音姉さん」


紫音「そういうものなのかい」


真央「もう「GJ部のトラ」でよくね」


桜「え~もっと捻りましょうよ」


紫音「シンプルイズベストという言葉ある通りあだ名も案外単純にしたほうが良いかもしれないよ」

恵「かっこいいですよ「GJ部のトラ」」


キョロ「これ以上になくキララを表現しているあだ名じゃないですか?」


桜「確かにそうかもしれないね」


真央「よしキララは「GJ部のトラ」だ」


キララ「キララ…トラ?…」


真央「ああ、GJ部内ではな」

真央「メグはどうすっか?」


夏希「まあベタなところだと苗字をもじって「天使」ですかね」


牡丹「ここは「天使」と書いて「ナイチンゲール」と読ませるのはどうだ?」


クレア「いいわねそういうの。あとは「聖母」とかどうかしら?」


花梨「恵先輩は優しいですから「仏」とかも良いと思います」


真央「あいつらメグだとめっちゃ褒めている感じのあだ名だな。ワタシの時は
  「核弾頭」や「喧嘩番長」や「キレたナイフ」とかヒドイあだ名ばっかだったからな」ムカムカ


キョロ「喧嘩番長とキレたナイフは無かったと思いますが」

牡丹「桜は何かあるか?」


桜「微笑みの爆弾」


夏希「なんですかその二つ○をつけそうなあだ名」


花梨「恵先輩に爆弾なんて物騒な要素がありませんよ」


桜「車の中で話したけど恵ちゃんのあの癒し系オーラはワタシの心をどれだけ責めたてたことか!
  恵ちゃんのあだ名は「微笑みの爆弾」しかありえない!」


恵「ワタシが桜ちゃんを苦しめていたなんて…ごめんなさい桜ちゃん…」

牡丹「別に気にしなくていいぞ恵。ただ桜の器が小さくて、出されたポテチをみんなの分を考えず
   一人で鷲掴みする性根の持ち主だから責められるのもしょうがない」


桜「ちょっとそこまで言うの牡丹ちゃん」


キョロ「メタメタに非難していますね」


夏希(そういえば家に泊まりに来た時そういうことあったな)


真央「よしメグのあだ名は「微笑みの爆弾」だ!」


キョロ「え~「天使」でいいじゃなですか。恵ちゃんにぴったりですよ」


真央「メグだけ神々しいあだ名なんてワタシが許さん!」

桜「あとはタマちゃんか」


タマ「さあ、タマにふさわしいあだ名を考えやがれです」


真央「生意気のタマ」


タマ「それ只の悪口ですよ」


牡丹「強欲のタマなんてどうだ?」


真央「はは、ピッタリじゃねえか」


タマ「タマは欲張りじゃないですよ!」


キララ「タマ…いつも…恵が作ったケーキを多く食べてる…」


タマ「うっ!」


花梨「じゃあケーキ大好きタマちゃんなんてどう?」


タマ「タマはケーキだけじゃなくてスイーツ全般が好きですよ!」


夏希「そこにツッコむんだ」


タマ「何ですかみんなして!もっとカッコいいあだ名つけやがれですよ……」

キョロ「タマがいじけちゃいましたよ」


牡丹「ちゃんとあだ名を考えてやるとするか、と言っても思いつかんな」


紫音「タマ君はマジックが得意だからそれに関することを引用するのはどうだい?」


クレア「なるほど。例えば神無月・カッパ―フィールド・環みたいな感じかしら?」


キョロ「カッパ―フィールドはミドルネームじゃないですよ」


桜「じゃあマギー環はどうかな?」


夏希「マギー一門じゃないのに勝手に名乗っちゃダメだろ!」


キョロ「あだ名というより芸名になってきましたね」


牡丹「そうだなマジックはモノを消したり隠したりするだろう。なら「バニシングマジックの環」何てどうだ?」


環「それです!タマはそれがいいです!」

桜「これで全員分のあだ名が決まりましたね」


真央「ええっとワタシが「橙色の暴君」でキョロが「サムライマスター」メグが「微笑みの爆弾」
   キララが「GJ部のトラ」タマが「バニシングマジック」シイが「物知り博士」だっけか」


夏希「決めたのはいいですが使い時はいつですか?」


桜「じゃあスポーツ漫画の強豪校的なところが登場してる感じで紹介してみよっか」

<おい!あれGJ部高校のメンバーじゃねえか!>


<あの緑髪は唯一の一年生レギュラーの「バニシングマジック」神無月環だ!>


<あれは天使姉妹の妹。二年の「微笑みの爆弾」天使恵だ!>


<二年の「サムライマスター」四宮京夜もいるぞ!>


<あの長身はGJ部の大黒柱!三年の「GJ部のトラ」綺羅々・バーンシュタイン!>


<あれは天使姉妹の姉。三年で部長のエース「橙色の暴君」じゃねえか!凄い威圧感だ>


<三年の司令塔「物知り博士」皇紫音も出るのかよ!>


<このメンバーもしかして歴代最強かもしれないぞ!>

牡丹「とまあこんな感じに紹介してみたがどうだ?」


タマ「なかなか良いじゃねえですか。タマはスーパールーキーですよ」


キョロ「なんかGJ部が本当にスポーツの強豪校みたいですね」


恵「四宮くんの「サムライマスター」かっこよかったですよ~」


キョロ「いや/////そうかな////」


キララ「キララ…大黒柱?……とにかくガンバル!」


紫音「でもこれだけだと私たちがどのようなプレイスタイルなのかわからなそうだね」


牡丹「そこはテキトウに言っただけだから気にするな」


桜「真央先輩どうでした?」

真央「うん。それっぽく聞こえるもんだな。ただ……」


桜「ただ……」


真央「最後にシイの「物知り博士」を持ってくるなよ!笑いこらえていて腹が痛てよ!プハハハハ!」


桜「確かにあれで台無しな感じがしますね…プハハハ!」


牡丹「おい…二人ともそんなに笑うなよ…ワタシまで笑っちゃうじゃないか、プハハハ!」


第6話「ネーミングセンスsideG」 終わり

第7話「ネーミングセンスsideK」


真央「あ~笑った!笑った!今度は帰宅部のメンツのあだ名を考えるとするか」


キョロ「僕たちのあだ名はほとんど帰宅部の皆さんが考えてましたね」


真央「今度はワタシ達が帰宅部のあだ名を考えてやるぞ」


紫音「牡丹君が漆黒の処刑台(ミッドナイトマーダー)桜君がグレネード乱痴気だったね」


恵「かっこいいですね~」


タマ「そうですか?何というかムズムズする感じですよ。高校生になってこのセンスは少しこぱっずかしいですよ」


真央「こういうセンスのヤツをドリームソルジャーって呼ぶんだっけキョロ?」


キョロ「えっと…まあ…少年漫画の敵キャラが言われてそうなあだ名ですね」


紫音「ではこの二つの傾向を踏まえて考えてみるかな」

キララ「キララ…思いついた…」


真央「珍しいな、よしキララ言ってみろ」


キララ「あんこう…そのピョコピョコで…餌を誘う…」


夏希「ワタシのくせ毛ルアーじゃないよ!それに光らないですし、何を誘って食べればいいんですか!?」


真央「お気に召さなかったようだな。他はあるか」

恵「チャッキー大好き夏希ちゃんなんてどうですか?」


タマ「何ですかチャッキーって?」


夏希「ななな////何でそれを知っているんですか!?」


恵「花梨ちゃんから聞きました」


夏希「花~梨~」


花梨「なっちゃんのカワイイところを知ってもらいたくて…ダメだった?…」


夏希「いや…ダメってわけじゃないけど…」


クレア「相変わらず花梨さんには弱いのね夏希さんは」


恵「カワイイじゃないですか、ワタシもぬいぐるみに名前つけていますよ」


タマ「チャッキーはぬいぐるみのことですか」


真央「中々乙女チックじゃねえか」


牡丹「そこがまたカワイイところなんだよ」

真央「チャッキーは保留しておくとして、他はねえかキョロ」


キョロ「え!?」


真央「とりあえず何か言ってみろ」


キョロ「え~と「ゼロカウンター」なんてどうです?」


真央「ゼロカウンター?どういう意味だよ」


キョロ「つっこみってボクシングのカウンターに似ていると思うんですよ。
    相手の攻撃に反撃するみたいで、夏希ちゃんはボケに対してほぼノータイムで
    つっこみを入れているのでゼロカウンターって思いつきました」


桜「中々かっこいいんじゃないキョロ君」


牡丹「あだ名というより能力名的な感じだな。でも良いセンスだ。キョロも中学生の頃ドリームソルジャーだったのか?」


キョロ「そそそんなわけないじゃないですか!」

真央「次はクレアだな」


キョロ「ミリオネアガールなんてどうですか?」


タマ「またベタな感じしてるですよ」


キョロ「タマは何かあるの?」


タマ「クレア姉さんは九重家の令嬢。つまり今流行りの「持っている」というヤツですよ。
   だから「持っている女」クレア!」


真央「そのまんまじゃねえか!」

真央「ワタシが手本を見せてやる。「リアルマリーアントワネット」なんてどうだ?」


恵「クレアちゃんはお嬢様みたいですしピッタリじゃないですか」


紫音「しかしマリーアントワネット「パンが無ければケーキを食べればいい」というセリフがあるね。
   この発言はねつ造という説もあるが一般的にはあまり良いイメージを持たれないんじゃないかい真央」


タマ「でも金銭感覚はアントワネットと同じレベルじゃねえですか?」


クレア「小麦がなくてパンが作れないのにケーキが作れるわけないじゃない。そんなことワタシでも分かるわ」


クレア「だからパンが無ければフォアグラを食べればいいのよ」


真央「やっぱりアントワネットと同じレベルだ!」


夏希「フォアグラなんて炭水化物要素皆無じゃないですか!炭水化物をどこで補給するんだよ!」


真央「やっぱり「リアルマリーアントワネット」がぴったりだコイツ…」

恵「あとは花梨ちゃんだけですね」


クレア「そうね。花梨さんのあだ名なら「花梨さんは何故こんなにカワイイのかしら、
    その可愛さは世界上のアイドルよりも勝り、その慈愛に満ちた性格はブッタも裸足で逃げ出して…」」


真央「クレア!ストップ!ストップ!お前の花梨に対する思いはわかったから、とりあえず止まれ」


クレア「あ、ごめんなさい。つい饒舌になってしまったわ」


紫音「クレア君それだと普通の文章になってしまっているよ」


キョロ「え~と他に何かありますか?」

真央「そうだな「スーパー女子力人」なんてどうだ」


キョロ「女子力人ってなんですか?女性じゃダメだったんですか?」


真央「テキトウに言っただけだから女子力人については考えていない!」


恵「花梨ちゃんは本当に女の子らしいですよね。ワタシも見習いたいです。だから「大和撫子」なんてどうですか?」


花梨「見習いたいなんてそんな。恵先輩のほうが大和撫子にふさわしいですよ」


恵「いや~花梨ちゃんのほうが」


花梨「いやいや恵先輩のほうが」


真央「嫌味かお前ら!ワタシが見たらどっちも女子力オバケだよ!」

真央「他!」


紫音「花梨君は牡丹君の女子力の低さに痺れを切らして女子的行動についてレポートを求めたようだね。
   その逸話から「女子力学教授」なんてどうだろう?」


タマ「結局花梨のあだ名を考えると女子力関係のワードがついてしまいやがるです」


真央「よしこうなったらこの三つから花梨に決めてもらうか」


キョロ「真央…花梨になげた…」



花梨「う~んあえてあげるなら「女子力学教授」でお願いします」


真央「よしそれで決定!」

真央「夏希とクレアと花梨のあだ名を決めたが、どうだ」


花梨「マリーアントワネットなんてぴったりですよクレア先輩」


クレア「そう?ありがとう花梨さん」


紫音「ワタシも今後女子力強化のために問題でも作ってもらおうかな。真央とキララもどうだい?」


真央「それも面白そうだな」


牡丹「ちなみにレポート落第点を取ったら女性やめなきゃいきなくなるから注意しろよ」


真央「マジかよ!?やっぱりワタシはテスト受けるの止めとくわ…」


夏希「クレア先輩と花梨のあだ名は何となく人物像がわかりそうですが、
わたしのは由来を説明しない限りわかりそうになりですね」


牡丹「でも夏希のが一番かっこいいと思うぞ」


キョロ「あだ名を決めたのはいいですけどどこで使えばいいか」


真央「次会う時はお互いあだ名で呼ぶなんてどうだ?」


桜「いやそれは恥ずかしいんでやめましょう」



第7話「ネーミングセンスsideK」 終わり

第8話「あいかりん解散?」



真央「そういえば冷やしたコーラあるよな?」


キョロ「ええ、ありますよ部長」


真央「よし、みんなで飲むとするか」


一同「わ~い」


恵「せっかくお茶を入れたのに、コーラを飲むんですか?お茶が冷めちゃいます…」


桜「大丈夫、後で全部飲むよ。夏希ちゃんが」


夏希「ワタシ!?そんなに飲めませんよ」


桜「缶コーヒー六本飲めたしイケるよ」


夏希「イケるか!ワタシの血液がお茶に変わるわ!」


紫音「夏希君、血が他の液体に代わることはないよ」


夏希「そんなマジ返しをしないでください紫音先輩。反応に困ります…」

真央「GJ部のコーラは只のコーラではない!ビンのコーラだ!」


桜「これは珍しいですね」


牡丹「ビンでコーラを飲むなんて日常ではないからな」


クレア「でもこれはどうやって飲むのかしら?素手では開けられそうにないわね」


タマ「クレア姉さんが知らねえのも無理ねえですよ。普通代表の先輩が知らねえですから」


キョロ「ちょっとその話はやめてよ///」


真央「キョロ先生は力持ちだからな。栓抜き使わずに開けられるもんな」ニヤニヤ


キョロ「只栓抜きの使い方を知らなかっただけですよ」

花梨「ワタシも使ったことがないんでやり方知らないです」


夏希「ワタシもです」


桜「ワタシも同じ」


クレア「ワタシもだわ」


牡丹「ビンは手刀で斬るから使い方しらないな」


真央「お前らマジで言っているのか?」


桜「ゆとり世代を舐めたらいけませんよ!」

キョロ「ゆとりって自慢することなんですか?あと牡丹さんのビン斬りについてはスルーするんですか?」


タマ「牡丹姉さんなら当然ですよ」


真央「できるだろ牡丹なら」


紫音「牡丹君なら容易いだろうね」


キララ「ぼたん…よゆう…」


タマ「そんなことで一々驚いているなんて先輩はダメダメです」


キョロ「え~何で僕がダメだし受けてるの?普通できないですよ」

桜「むしろ真央先輩とタマちゃんは何でできるの?」


真央「それは王冠を集めるのに使えなきゃ話にならねえだろ」


タマ「タマは祭事の後にジージやバーバの酌を無理やりさせられて覚えちまったですよ」


夏希「祭事?タマの家は神社なの?」


タマ「そうですよ。タマは時々巫女さんです」

タマ「しかも巫女服のまま酌をさせられるですよ。人使い荒すぎです」


桜「じゃあタマちゃんはキャバ嬢だ!」


夏希「なんでその結論になった!?おかしいだろ!」


桜「だっておっさんの相手して酒の酌をしてるんでしょ、充分にキャバ嬢じゃない?」


牡丹「そう言われるとそうだな」


クレア「現役女子高生キャバ嬢の誕生ね」


真央「なんかスゲエ肩書だな現役女子高校生キャバ嬢」


あざらし「あざらしの指名料は高いよ」

花梨「この段ボールはなんですか?」


真央「ああ、歴代のGJ部部員が集めたもんが色々つまってるんだよ」


花梨「中に何が入っているか見ていいですか?」


真央「いいぞ、何なら荷物整理するか?」


キョロ「部長。客人に荷物整理させないでください」


真央「冗談だよ」


花梨「色々入ってますね……!」

花梨「ククククレア先輩!大変です!」


クレア「どうしたの花梨さん!」


花梨「こんなところに拳銃が!」


桜「まさか武器密輸!?」


牡丹「ここのインテリアも武器密輸で得た金で買っているんじゃ…」


真央「んなわけあるか!よく見てみろ!只のエアーガンだよ」

花梨「そうなんですか驚きました」


花梨(拳銃…ビンのコーラ…ビンの蓋…)


花梨「これです!」


紫音「今度はどうしたのだい?」


花梨「ええっと…タマちゃん!ちょっといい?」


タマ「なんですか?」


花梨「あのね…ヒソヒソヒソヒソ」


タマ「え~嫌ですよ!」


花梨「お願いタマちゃん。少しでいいから」

キョロ「花梨ちゃんがタマに何か頼み込んでいますね」


クレア「でも交渉は難航しているわ。何とかしてあげたいけど」


真央「タマ、何かよくわからないがやってやれ」


タマ「嫌ですよ。絶対やらねえです!」


真央「じゃあ次回のケーキは没収だな」


タマ「な!何でタマがケーキ食えねえなくなるですか!おかしいですよ!」


真央「そうなりたくなかったらやれ。いいな?」


タマ「……わかったですよ」


牡丹「さすがは「橙色の暴君」有無を言わさせないな」

花梨「ありがとうタマちゃん!」


タマ「ケーキの為です…」


クレア「ありがとうございます真央先輩」


真央「気にするな。実際花梨達が何をするのか楽しみだしな」


花梨「ここはこんな感じでお願い」ガラガラ


キララ「はいはい。わかったですよ」ガラガラ


恵「コーラとエアーガンを持って二人とも部室の外に出てしまいました」


紫音「この二つをどのような用途で使用するんだろうね?」


牡丹「ますます何をするかわかないな」

花梨 タマ《どうも~》ガラガラ


花梨《花梨です!》


タマ《タマです!》


花梨 キララ《ふたり合わせてタマカリンです!》

キョロ「なんですかこれ…」


夏希「あ~これか」


真央「何か知っているのか夏希?」


夏希「クラスメイトの古橋っていうのが居まして、何故か笑いのテッペン取るとか言って最近花梨と漫才やっているんですよ」


キョロ「その古橋という人の代わりがタマなのか」


夏希「そうだと思います。あとタマと漫才やって仲良くなりたいんじゃないですか?」


真央「普通の奴は漫才を好き好んでやらないけどな」


紫音「漫才というは見たことないから楽しみだね」


桜「まあとりあえず様子を見てみましょう」

花梨《タマカリンのニトログリセリンショートコント!「西部劇」》


花梨《お互い三歩歩いて三歩目の足が着いた瞬間に振り向いて拳銃を撃つ。いいな?》


タマ《わかった》


花梨《じゃあ、いくぞ1!》


タマ《2…》


花梨 キララ《3!》バキューン


花梨《う!さすが早打ちのタマ…見事だ…》ガクッ


タマ《ゴクッ ゴクッ ゴクッ イエス 炭酸飲料 イエス》


花梨《撃った弾丸瓶コーラの王冠かよ!》

花梨「どうでした!」キラキラ


恵「おもしろかったですよ花梨ちゃん」パチパチ


クレア「凄いわ!早くキングオブコントに登録しておかないと!」


夏希「いや、ショートコント一つじゃ出場資格すら無いと思いますクレア先輩」


真央「即興で考えたにしては中々だったぞ。ただ気になるところが有ったな」


牡丹「お、真央からアドバイスがあるみたいだぞ」


桜「第三者からの意見は貴重だよ。ちゃんと聞いておかないとね。花梨ちゃん」


花梨「はい」

真央「王冠の蓋を弾丸に見立てた設定だったが、蓋が花梨に当たってないからいまいち様子が伝わりづらいな」


花梨「なるほど」メモメモ


真央「実際ある程度の勢いで花梨に王冠の蓋を当てれば観客に伝わるんじゃね」


桜「確かに」


真央「だからこの芸当ができなりタマを選んだのは人選ミスだったな花梨」


タマ「まーちゃん!こんな恥ずかしいことやらせておいて、挙句に人選ミスなんてどういうことですか!」


クレア「では新品のコーラの蓋を勢いよく発射することができる牡丹さんかキララさんを選ぶべきだったということね」


タマ「無視するなです!」

真央「ここはキララにやらせるべきだ」


キララ「キララ?…」


紫音「どのような理由でだい?」


真央「あの「イエス 炭酸飲料 イエス」のイエスの部分をキララに物凄く発音良く喋らせればオモシロくなるとはずだ!」


桜「なるほどギャップを狙うんですね!」


クレア「確かにキララさんは帰国子女だからこの場の誰よりも発音良く話せるわ」


真央「よしキララ、とりあえずこのコーラの蓋を親指で思いっきり弾いて
   その後発音良く「イエス 炭酸飲料 イエス」と言ってみろ」

キララ「わかった」


キララ「ふん」パァン!


キララ「yes 炭酸飲料 yes」


紫音「尋常じゃないスピードで蓋が窓の外に飛んでいったね」


真央「どうだツッコミのプロ夏希?」


夏希「なんでワタシに振るんですか。まあ最初のよりオモシロくなりそうですね。ただ……」


真央「ただ?」


<バキバキバキ! >

<おい木の枝がへし折れて落ちてきてるぞ!>

<こんな太い枝が折れるなんて何がおこったんだ!?>


夏希「花梨が死ぬと思います」


真央「あ」


キョロ「ちょっと!?どんだけ威力あるんですか!」


桜「よかったね花梨ちゃん人選間違って……」


花梨「はい……」プルプル


第8話「あいかりん解散?」 終わり

第9話「乙女の禁忌」


恵「最近タマちゃん用のケーキ作りを夜の二時からしていたら体重が二キロ減りました。
  早起きするといいことありますね。まさに「朝起きは三文の得」です」


花梨「ダメですよ恵先輩。無理なダイエットは体に毒ですよ。それに寝不足はお肌の大敵です」


牡丹「そうだぞ恵。減量なんて一晩で富士山を行き帰れば一発だ!」


真央「そんなことできるのお前だけだよ……大体時速何キロだよ!」


桜「まずことわざって何でもオーバーに言い過ぎなんだよ」

桜「早起きは三文の得って言うけど恵ちゃんにとって良いことは一つだけ。これは明らかに誇大広告!JAROに相談だ!」


夏希「そんなことでいちいち動くなんてどんだけJAROヒマなんですか…」


キョロ「それに一つのサンプルで全体を語るのはどうかと」


紫音「そして三文の得の三文は金銭のことだね。三回良いことが起きるというわけではないよ桜君。ちなみに三文というのは60円相当だ」


桜「え!?ワタシは間違って覚えていたの恥ずかしい////」

タマ「それと「二度あることは三度ある」と「三度目の正直」ということわざ。
   どっちが正解なんですか。はっきりしやがれです!」


牡丹「どちらに物事が転んでもいいように二つのことわざを用意するか」


クレア「先人も案外姑息ね」


牡丹「それで事あるごとに使い分けてどや顔するのか」


真央「それ地味にムカつくな」

キョロ「でもことわざって物事を言い表すのに便利ですよね」


花梨「どういうことですか?」


キョロ「そうだね。例えば」


キョロ「部長は本当にかわいいですね」ナデナデ


真央「キョロ!人の頭撫でんじゃねえ!そしてかわいいと言うな!」カブッ


キョロ「今の僕の行動と言葉で部長が怒りました。これが「逆鱗に触れる」というやつですね。痛い痛い痛い」


桜「なるほど分かりやすい例えだね。身を削ってまでの説明ありがとうキョロ君」


キョロ「あの~部長そろそろ離してくれません?腕の肉が千切れそうです」


真央「フガフガフガフガ(うっさい!人が嫌がることすんじゃねえよ!お前はいじめっ子か!)」


紫音「真央そろそろ離してあげたらどうだい」


真央「フン!これぐらいで勘弁してやる!二度とするなよ」ペッ

桜「よし。ワタシ達もことわざ的なことをやってみよう!牡丹ちゃん」


牡丹「何だ?」


桜「ごにょごにょ」


牡丹「ああ、やってもかまわないぞ」


桜「よし真央先輩。ちょっとそこの鉄パイプ椅子を借りてもいいですか?」


真央「いいけど何に使うんだ?」

桜「こうするんですよ!」ゴン!


キョロ「ちょっと!牡丹さんをイスで殴るなんて何しているんですか!?」


恵「大変です~牡丹さんの頭にたんこぶができちゃいます」


キョロ「たんこぶじゃ済まないよ恵ちゃん!下手したら死んじゃう!」


牡丹「大丈夫だキョロ。羽毛でダイヤを叩いても傷はつかないだろ」


キョロ「そうですか……」


桜「さあ!今の行動は何のことわざを表現したものでしょう?」

タマ「この人おかしいですよ……友達の頭をパイプ椅子で殴るなんて……」


桜「大丈夫だよ。手加減したし、当たり所も考えたしプロレスみたいなもんだよ」ハァ ハァ


真央「嘘つけ!思いっきりフルスイングしてたじゃねえか!息がきれてるし」


桜「分かった人はワタシに耳打ちしてください」


真央「無視すんな!絶対手加減してねえだろ」

紫音「桜君の行動と牡丹君の状態から察するにこのことわざかな」ゴニョゴニョ


桜「流石紫音先輩。正解です」


紫音「似たようなことわざが有るから少し迷ってしまったね」


クレア「このことわざかしら」ゴニョゴニョ


桜「クレアちゃんも正解」


桜「他の人はどう?」


キララ「日本語……難しい……調べる……」ペラペラ


牡丹「あ!ズルいぞキララ、広辞苑を使うなんて」


タマ「わかんねえですよ」


花梨「う~んわからないです」


夏希「ちゃっちゃと答えを言ってください桜先輩」


桜「すぐ答えを聞くなんてゆとってるね夏希ちゃん。さすがゆとり世代」


夏希「先輩もゆとり世代でしょうが!」

桜「正解は「のれんに腕押し」改め「牡丹ちゃんに鉄パイプ椅子」でした」


キョロ「え!?今の「のれんに腕押し」だったんですか!?」


真央「どこがだよ!?」


桜「だって牡丹ちゃんノーダメですし」


花梨「そうですね。牡丹先輩がパイプ椅子でダメージを受けるわけがありません。まさに「のれんに腕押し」です」


キョロ「確か意味は効き目がないとうことも含まれていますけど、人の頭をパイプ椅子で殴って
   「のれんに腕押し」と言われても分かるわけありませんよ…」

桜「そこは脳みそ柔らかくして答えないと」


夏希「脳みそ柔らかくするにも限度あるだろ!これ答えられる人なんて脳みそ柔らかすぎて液体だよ!」


紫音「柔軟な考えをできる人物を脳みそが液体と比喩するか、中々に面白い表現だね。
   しかし液体の物体を高速でぶつけると液体はコンクリートと同等の硬さに変化することもあるので
   この表現はある意味正しくないと言えるね」


花梨「へ~液体ってそんなに固くなるんですね」


恵「ワタシも知らなかったです」


クレア「良かったわね夏希さん。一つ賢くなったわ」


桜「そうだよ紫音先輩にお礼言っておかないと、でなきゃドヤ顔で「脳みそ柔らかすぎて液体だよ」って
  間違ったツッコミするところだったんだよ」


夏希「なんでドヤ顔前提なんですか!今まで上手いこと言ったなんて思ったこと一回もありませんから!」


アザラシ「やわらかアザラシ」

タマ「タマもことわざ的なものを思いついたですよ」


真央「そうか、ならやってみろ」


タマ「やるには条件がありやがるですよ」


真央「なんだよ?」


タマ「正解できなかったヤツはタマにケーキを献上するです」


紫音「タマ君がそんなにケーキが欲しいというなら私の分を…」


キョロ「ダメですよ紫音さん。タマを甘やかしたら」

真央「ほほう。一年のくせに部長のケーキを奪おうとはいい度胸だ!面白い受けてたとう!」


桜「では帰宅部一同もその挑戦を受けよう」


牡丹「だな、売られた喧嘩は買わなきゃな」


クレア「でもこの条件、ワタシ達にとって得が無いわよ」


桜「クレアちゃん、人間時には利益不利益の世界から飛び出さないと、それに言うじゃない「狂気の沙汰ほど面白い」てね」


花梨「よくわからないけど何かかっこいいです桜先輩」


夏希(ケーキ一つで狂気の沙汰になる桜先輩の正気を疑いたくなる)

タマ「ではやるですよ…恵姉さんのバ~カ、アホ!雌豚!」


キョロ「!」


桜「タマちゃんが恵ちゃんを急にディスってきた!?」


キララ「タマ…メグミのこと嫌いになった?…」


キョロ「おいタマ!恵に何言ってんだ!」


タマ「ヒイ~怖ええですよ先輩」


紫音「今のはスーパーキョロ君かな?」


真央「ノータイムでスーパーキョロになれるようになったか、あいつも成長したな」


恵「フフフ、これは何の遊びですかタマちゃん?でもブタさんは可愛いですよね。
もしかしてワタシのことを褒めてくれているんですか?照れちゃいます~」


牡丹「タマのやつ恵に普通にあしらわれているな」


クレア「あしらわれているというより悪口に気付いていない感じだわ」

タマ「今の行動はどんなことわざが当てはまるか当ててみやがれです」


紫音「このことわざかな」ゴニョゴニョ
クレア「これね」ゴニョゴニョ
真央「これだろ」ゴニョゴニョ
夏希「これかも」ゴニョゴニョ

タマ「四人とも正解ですよ…あ~ケーキ四つが…」


桜「夏希ちゃん、クレアちゃん、ヒント頂戴!」


夏希「人にゆとってるって言っておきながら自分はヒントを要求するのかよ!」


タマ「夏希にクレア姉さんヒントを与えたらダメですよ。残りのケーキはタマのものです!」


夏希「というわけで頭を柔らかくして頑張ってください」


桜「う~~」

キララ「日本語…やっぱりムズカシイ…」


花梨「わからないです」


キョロ「これも分からないな」


タマ「はい。時間切れで終了ですよ」


桜「タマちゃんもう少しだけアディショナルタイムを…」


タマ「アディなんとか?そんなものはねえです」


タマ「正解は「馬の耳に念仏」改め「メグ姉さんに悪口」でした」


キョロ「そっか恵ちゃんの天使イヤーには悪口は認識できない。上手いこと言うねタマ」


タマ「もっと褒めてもいいですよ。そして約束通りケーキを献上しやがれです」

牡丹「まあ負けたからな」スッ


キララ「ケーキ…あげる…」スッ


恵「はいタマちゃん」スッ


花梨「恵先輩のケーキ食べたかったな…」スッ


桜「……」


タマ「桜姉さんなにやっているですか、早くケーキを献上しやがれです」


桜「敗北とは自分で負けを認めること、まだワタシは敗北を認めていない!負けていない!
だからタマちゃんにケーキを与えなくていいのだ!」


タマ「何ですかその理屈、早く献上しろですよ!」


桜「やだやだ!恵ちゃんのケーキを食べたい!」


キョロ「……」

キョロ「ねえタマ、今後ボクのケーキを食べていいから今日は自分の分で我慢しない?」


桜「キョロ君…」


タマ「ダメです!本当はやりたくないですがタマは泣く泣くケーキを食べるですよ」


キョロ「やりたくないならやらなくても」


タマ「ここでタマが答えられなかったやつに社会の厳しさを教えなきゃ誰が教えてやるですか」ニヤニヤ


夏希「ケーキ一つで社会の厳しさってずいぶんぬるい社会だな!」

真央「キョロはともかく客人のケーキを部員が奪うのは忍びない、助け舟を出すとするか」


紫音「どうするんだい真央」


真央「まあ見てろシイ」


真央「タマ!お前にケーキを奪う資格はない!」


タマ「何言ってやがるですかまーちゃん」


真央「お前の考えたことわざは間違っている。メグに悪口は通じるのだ」


キョロ「でも恵ちゃんの天使イヤーには悪口は通じないはずですよ部長」


真央「甘いなキョロ、メグには一つだけ反応する悪口があるんだよ、実際にやってやろう」

真央「や~い、メグの体重フェザー級~フェザー級じゃキョロも重いって言うよな」


桜「悪口というから恵ちゃんの心をへし折るぐらいのものだと思っていたけど、タマちゃんと同じレベルだね」


夏希「まあ妹の心をへし折る悪口を言う姉というのもドン引きですけど」


クレア「でも恵さんはそこまで体重を気にするような体形には見えないわ」


牡丹「フェザー級は55㎏から57㎏ぐらいだったな。でもワタシが見る限り恵の体重は50㎏だろう」


花梨「憶測でも女の子の体重を喋っちゃダメですよ牡丹先輩」


恵「お姉ちゃん!ワタシは重くありません!」


クレア「恵さんが反応したわ」

桜「体重のことで反応するなんて女子力高いね」


恵「それに牡丹さん。ワタシの体重は50㎏もないです!49,9㎏です!」


牡丹「そうなのか、すまん恵」


花梨「ダメです恵先輩!自分の体重を言ったら」


恵「あ」

牡丹「気にするな恵。ワタシの体重はピー㎏だ!」


紫音「なるほど鍛えているからピー㎏か、私は特に鍛えていないからピー㎏だね」


キララ「キララ…ピー㎏…」


クレア「キララさんは身長が高いからピー㎏なのね。ワタシはピー㎏よ」


夏希「なんでいつの間に自己申告暴露大会になってるの!?」


花梨「体重は女の子の最大の秘密なのに…はっ!」


花梨「キョロ先輩は聞いちゃダメです~」ギリギリ


キョロ「痛い痛い痛い!そこは普通耳を塞ぐことじゃない?何で耳を引っ張るの?」


牡丹「耳を引きちぎっても聴覚は潰せないぞ花梨。ここはイヤーカップを両耳に打って鼓膜を破って気絶させるべきだな。
  まず空気が漏れないように小さい皿を作って…」


キョロ「ちょっと目がマジですよ牡丹さん…止めてください!やめて~」


第9話「乙女の禁忌」 終わり

第十話「秘めたる思い 秘めたる力」


桜「紫音さんってゲームで負けたことがないんですよね?」


紫音「ああ、ゲームと分類されているもので負けたことはないね」


恵「紫音さん嘘はよくないですよ~ツイスターゲームではワタシが勝ちましたよ」


紫音「あれはその…羞恥心さえ捨てていれば/////いや何も言うまい」


キョロ「でもジャンケンみたいなものでも負けたところ見たことないですよ」


真央「身体能力を必要としないゲームでは負けることはないだろうな」

桜「紫音先輩…ワタシはずっと知りたい事があるんですよ…凡人が何千回、何万回死ぬ気になれば、
  天才に勝てることがあるのかって」


紫音「急にどうしたのだい桜君」


桜「勝負です!紫音先輩!ゲームで名のつくものであなたに勝ってみます!」


夏希「あの人何言っているんですか…」


牡丹「どうせ何かに影響されただろう」


真央「いやそれは無理だぞ。ワタシもそうやって挑んだものだがそのたびに負けたものだ」

桜「それで諦めたんですか?」


真央「あ!?」


桜「ではワタシが見せてあげますよ!凡人の意地を!」


真央「お前が勝てるのかシイに?」


桜「ワタシ一人じゃ無理でしょう…でも夏希ちゃん、花梨ちゃん、クレアちゃん、牡丹ちゃんの力を合わせれば。
  紫音先輩と戦える!皆となら紫音先輩を越えられる!」


夏希「かっこいいこと言っていますが一人じゃ無理だから数の暴力で何とかしようとしているだけですよね」


クレア「一人の天才を多数の凡才が叩く、現代社会の縮図だわ」

花梨「それで何で勝負をするんですか桜先輩」


桜「それは神経衰弱!」


タマ「神経衰弱ですか。よくチビどもとおやつを賭けて勝負して色々とむしり取っているですよ」


キョロ「タマ~小さい子と賭け事はよくないよ。そして色々とむしり取らない」


紫音「神経衰弱か、悪いが神経衰弱はカードゲームの中では得意な種目だ。それでも私と勝負するのかな」


桜「ええ。ワタシ達と紫音先輩で」


夏希「ワタシ達?……ちょっと待ってください。ワタシ達も参加しなきゃいけないんですか?」

桜「みんな一緒にやって。お願い!」


夏希「え~疲れるじゃないですか。お茶でも飲みながらダラダラ過ごしたいです」


桜「紫音先輩みたいな天才と勝負を挑める機会なんて滅多にないよ!その機会を生かそうよ」


牡丹「強者との戦いか…戦いにおいてワタシはずっと強者だからな、違う分野で弱者として強者に挑む。わるくないな」


桜「牡丹ちゃんさすが!少年力高い!」


クレア「頭脳派マンガのてこ入れの練習としてやってみてもいいかもしれないわね」


花梨「皆と一緒にゲームをするのは楽しそうですね桜先輩」


桜「花梨ちゃん!牡丹ちゃん!ありがとう」


桜「あとは夏希ちゃんだけだよ」


夏希「はぁ…わかりました。やりますよ。帰りに何か奢ってくださいよ」


桜「夏希ちゃん」ウルウル


花梨「なんだかんだでなっちゃんは桜先輩に優しいよね」


クレア「本当に素直じゃないんだから」


牡丹「これがツンデレというやつか」


夏希「違~う!」


あざらしジャパン「絶対に負けられない戦いがそこにある」

真央「じゃあここにあるトランプを使うとするか。どこにあったけ?」


桜「待ってください真央先輩」


真央「うん?なんだ」


桜「トランプは部室にあるモノ以外。できれば新品を使かわせてください」


キョロ「部室にあるのじゃダメなんですか?」


紫音「なるほど、部室にあるトランプじゃ私が不正をしやすいということだね」


恵「紫音さんはズルなんてしませんよ桜ちゃん」


桜「そういうことをする人じゃないことはわかっているけど、不安要素は少しでも無くしておきたいから」

真央「結構ガチンコで勝負するみたいだな」


夏希「あの人勝負事だと案外シビアなんですよね」


紫音「わたしはそれでかまわないよ。新品のトランプを使おうじゃないか」


キョロ「購買部か何かで買ってきましょうか」


タマ「購買部にトランプなんてありやがるですか?」


クレア「トランプはワタシが用意するわ。ワタシに任せて頂戴。もしもしワタシよ、ええ、今から用意して」


クレア「トランプについては問題ないわ」

桜「あとは金を賭けないといえど真剣勝負。第三者の立会人が欲しいところだけど」


真央「そんなのすぐに用意できねえ…いや、用意できるかもしれん」


桜「本当ですか!?」


真央「完全な第三者とは言えないが限りなく中立だ」ピポパポ


真央「もしもし、今どこに、すぐ近くにいる!?わかった、ちょっとすぐに部室に来てくれない?」


真央「こっちも用意できそうだ」


牡丹「ではそれまで待機だな」

<10分後>


?「失礼します」コンコン


真央「お!来たか!どうぞ~」


森「お待たせしましたお嬢様」


恵「あ!森さんこんにちは~」


キョロ「立会人って森さん!?というかわざわざこの為に呼んだんですか?」


真央「森さんなら公平に裁いてくれるだろうと思って呼んでみた」


キョロ「こんな遊びのために森さんをわざわざ呼ぶなんて、森さんも大変だな」

真央「遊び~?バカ野郎!」ペチ


キョロ「痛…くない。って何をするんですか!?」


真央「桜にとっては真剣勝負なんだよ!それに客人の要望には最大限答える!それがオモテナシ、
   それがGJ部魂だ!そんなこともわからないのか!」


夏希「うわ~理不尽」


キョロ「すみませんでした桜さん」ペコリ


桜「いや別にいいよ、キョロ君」


夏希「今のは別に悪くないですよキョロ先輩。少なくともワタシにとっては遊びなので」


キョロ「ありがとう夏希ちゃん、でも僕の発言が配慮を欠いたのも事実だし」


夏希(本当にいい人だなキョロ先輩)

森さん「四宮様、お気遣いありがとうございます。ですがお嬢様達の要望にお応えするのも私の職務ですので、
    お気遣いのお礼に一回りを」クルクル


キョロ「やっぱりいいな~メイドさん」


真央「お前!毎度毎度人のメイドさんを回しているんじゃねえ!」ガブッ


キョロ「痛い!これは完全なとばっちりですよ」


森さん「フフフ」


森さん「あのお嬢様こちらのお方たちは」


恵「そうでした。こちらは帰宅部の皆さんです。今日は遊びに来てくれたんですよ~」


森さん「これは失礼しました。私は天使家でお嬢様達の世話を従事しております森と申します。以後お見知りおきを」ペコリ

花梨「なっちゃん!メイドさんだよ!スカートの端をチョコンと持ってあいさつしてくれたよ!
   しかも凄いキレイな人だよ!」


夏希「ワタシもここまで典型的なメイドさんは見たことないな」


クレア「花梨さん!そんなにメイドが欲しいならワタシがあなたのメイドになってあげるわ!一生」


夏希「まさかの終身雇用!でも先輩家事とか何もできないだろ!」


牡丹「見た限り打撃より関節技や投げ技を得意とするタイプだな。あと飛び道具も使うな。指弾で距離を制し、
   関節と投げ技で相手の態勢を崩すか、制御してメイド服に仕込んでいる隠し武器でトドメをさす戦闘スタイルか」


夏希「初対面の人をどんな観点で見ているんだよ!
   しかもメイド服に武器を仕込んでいるとかそんな武装メイドがこの世にいるか~!」


森さん「………」ジー

夏希「ほら、牡丹先輩が事実無根なこと言うから睨んでいますよ」


森「よくお分かりになりましたね」ゴトゴトゴト


夏希「え?」


タマ「スカートの中から一杯武器や護身具が出てきやがったです!」


森「お嬢様達を狙う輩は少なくないですから、このぐらいの武装はメイドとして当然です」


恵「森さん。ワタシ達のためにこんなに重いモノをいつも持っていたのですね。ありがとうございます~」


夏希「そこに目をつけた!?」


森「参考までにどこが不自然でしたか?」


牡丹「まあ、身体の動きが不自然とか色々だな」



森「これに気付いたのは二人目ですね」


真央「もう一人は誰なんだ?」


森「キララ様です」


キョロ「そうなんですかキララ?」


キララ「森…沁みる匂い…していた…」


紫音「この防犯スプレーに反応したみたいだね」


夏希「この人は麻薬探知犬か!」


ストライダーアザラシ「お困りのようだな。サクラ=サン」

森「お嬢様、私は何をすればよろしいのですか?」


真央「シイと帰宅部が神経衰弱で勝負するみたいだから色々と取り仕切ってくれ」


森「かしこまりました」


<プルルル プルルル>


クレア「ワタシの携帯だわ。もしもし、ええわかったわ」


クレア「トランプの用意ができたみたいね。牡丹さん。窓の近くに近づいてくださる」


牡丹「ああ、わかった」


クレア「他の皆さんは射線上に入られないように壁によってくださる」

キョロ「……今射線上って言いました!?」


夏希「なんかヤバい予感しかしないよ!?」


<ピュン ピュン ピュン>


牡丹「!」パシッ パシッ パシッ


真央「どうした牡丹!?」


牡丹「いや、トランプが飛んできた」


一同「!」


キョロ「え~と今のは何ですか?」


クレア「スナイパーに牡丹さんに向けてトランプを撃ってもらったの」


夏希「何でそんな物騒な方法を取るんだよ!普通に誰かに運ばせればいいじゃないですか!」


クレア「そんな見知らぬ大人が学校に入ったら不自然に思われるでしょ」


夏希「なんだその気遣いは!それこそ金の力で何とかしろよ!
   これ一歩間違えれば牡丹先輩が大変なことになっていましたよ!」


牡丹「心配するな夏希。あれぐらい外野フライを取るぐらいに簡単だ」


夏希「そんなアホな!」


桜「ちょっと牡丹ちゃんそれは言い過ぎ。野球選手に失礼だよ。
  外野フライだって目線をボールから一度切ったりして案外難しいんだから」


夏希「野球選手のフォローをするの!?」

森「ではそちらのカードを見分させてもらいます」


真央「すげえな森さん。あんなことが起きても全く動じてねえよ」


キョロ「普通ならあんな光景見せられたら動揺しますよ」


森「全部にセキュリティーシールが貼ってあります。カードにも傷はありません…これはフフフ」


真央「どうした森さん!?」


森さん「かわいらしい絵柄のカードでしてのでつい」


恵「ウサギさんやネコさんやクマさんが笑っているイラストですね~」


花梨「本当だ、可愛らしいイラストです」


クレア「花梨さんが喜んでくれてよかったわ」


恵「どこで手に入れたのですかクレアさん?」


クレア「これは特注よ」

キョロ「特注!」


クレア「電話してすぐに作らせたわ、どうせなら花梨さんが喜ぶものを用意しないと」


真央「十分そこらでトランプ作って、スナイパーに渡して、狙撃させたのかよ…」


タマ「何かウサギだけヒャッハーとか叫んで世紀末的な雰囲気してやがるです」


牡丹「でもこのイラスト…どこかで見たような」


クレア「これは帰宅部裏サイトのイラストよ」


夏希「そこは使いまわしなんですね」

紫音「ではそろそろ始めようか」


森「お待ちください。皆さまの身体チェックが終わっておりません」


キョロ「そこまでやるんですか?」


森「カードや不正なものを隠し持っている可能性がありますからね。ただ皆さまは女子高生。
  出会ったばかりの人物に体を触られるのは不快に感じると思われますので嫌というなら実施しませんが」


紫音「私はかまわないが」


桜「さすが真央先輩が呼んだ立会人。見事な仕切りです。好きなだけワタシの体を思う存分まさぐってください!」


黒耳あざらし「二つ立派な凶器を持っていますが問題ナイデス~」

森さん「通常の神経衰弱のルールで、帰宅部の皆さまの取得合計カード数と皇様の取得カード数。
    取得カード数が多いほうが勝利とします」


森さん「最後に私がイカサマを感知した場合は即失格にさせてもらいます」


森さん「ではゲームを開始してください」


桜「あ、始める前に円陣的なことやっていいですか?」


森さん「どうぞ」

桜「みんな来て来て」


夏希「桜先輩やめましょうよ。何か恥ずかしいですよ/////」


花梨「やろうよなっちゃん。一度やってみたかったんだ~」ガシッ


クレア「本当に部活動って感じね」ガシッ


牡丹「全く何に影響されんだか」ガシッ


桜「みんな。この勝負勝ちにいくよ。ゲームの天才に普通の美少女女子高生の五人が勝つ。痛快と思わない?」


夏希「美少女の時点で普通じゃないですけどね」


牡丹「それに四人だろ桜は含まないし」


桜「え!?」


桜「まあいいや。なんなら勝つ為ならイカサマも許可します!ケツはワタシが持ってあげるよ」


花梨「桜先輩!」キラキラ


夏希「イカサマ推奨ってどうなんですか?しかも森さんもイカサマは認めないと言っているじゃないですか」


桜「甘いよ夏希ちゃん!イカサマはばれなきゃ反則じゃない。どうせ見つかっても命までは取られないよ」


夏希「ばれたら危害があるのは前提かよ!」


桜「まあ、時間がなくて仕込む時間はなかったからできないけどね」


クレア「時間があればイカサマをするつもりだったのね」


牡丹「で、どの掛け声で円陣を解くんだ?」


桜「掛け声は恥ずかしいからやんなくていいでしょ」


夏希「本当に形だけですねこの円陣」

森さん「そろそろよろしいでしょうか?」


桜「ええもう終わりました」


真央「よし帰宅部諸君!シイに勝てたらGJ部が好きな願いを叶えてやろう!」


桜「え!?本当ですか!?真央先輩太っ腹!」


タマ「大丈夫ですか?桜姉さんとかとんでもねえ願いをするんじゃねですか?」


真央「問題ないだろ。シイが負けることはありえん!」


桜「本当ですか!?何してもらおうかな」ワクワク


牡丹「こいつもう勝った気でいるよ」


夏希「何か策はあるんですか?」


桜「大丈夫。我に策有り!」


夏希(どうせしょうもない策なんだろうな)


クレア「花梨さんは何か願いはあるのかしら?」


花梨「一応あることは有るんですが…」


クレア「どんな願いなのかしら?」


花梨「それは…秘密です!」

森さん「改めて、試合開始です」


<神経衰弱勝負>


帰宅部VS皇紫音


森さん「ではカードを引く順番ですが塔野花梨様→安藤夏希様→道明寺桜様→大萩牡丹様→九重クレア様→皇紫音様
    とさせて頂きます。では塔野様どうぞ」



花梨「う~ん。どうしよっかな?これとこれにします」ピラ ピラ


<スペード2 ハート2>


キョロ「凄い!最初でカードを揃えましたよ」


真央「これは初めて見たな」

花梨「やった~次はこれとこれです」ピラ ピラ


<クローバー5 ダイヤ5>


恵「また当たりました。すごいです~」


タマ「二回連続なんてどんだけラッキーなんですか」


花梨「これとこれ、これとこれ、これとこれ」ピラ ピラ


<スペード3 ハート3 ダイヤK クローバーK ダイヤQ スペードQ>


真央「おいおい、五回連続って偶然にしては出来過ぎだろ!森さんこれイカサマだろ!」


森さん「今のところ塔野様がイカサマをした様子はございません」


紫音(私が見る限り花梨君の行動に不審な点は一切見られない…何をしているんだ花梨くんは?)

夏希「クレア先輩。カードに細工して花梨に判別方法を教えたんですか?」ヒソヒソ


クレア「ワタシが花梨さんのことが好きでもそこまで卑怯なことはしないわ」ヒソヒソ


牡丹「じゃあどうやってカードを当てているんだ?」ヒソヒソ


桜「なんかとんでも仮説を思いついたんだけど…」


牡丹「どんな仮説だ?」


桜「これも花梨ちゃんの高い女子力のせいなんじゃない?」


牡丹「でも花梨の女子力は低女子力の者を気絶に追い込むぐらいだろ。あんな透視能力みたいなことはできないはず」

桜「よく女の勘は鋭いって言うじゃん」


夏希「時々耳にしますが、それがどうしたんですか?」


桜「その勘の鋭さを女子力で極限に高めたのが今の花梨ちゃんの状態なんだよ!」


夏希(この人正気か……)


クレア「でもワタシ達と一緒に居る時はこんな勘の鋭さを見せていなかったわ」


桜「同じ高女子力の恵ちゃんという存在。かわいい絵柄のカード。メイドの森さん。
  GJ部が叶えてくれる願い。様々な要因が花梨ちゃんの女子力をあげたとしか考えられない」


夏希「いや、それはいくらなんでもトンデモすぎですよ!」


桜「じゃあ夏希ちゃんはこの仮説以外でこの状況を説明できるの?」


夏希「いや……それは……」

真央「おい聞いたか?」


タマ「聞きました。もし本当ならとんでもねえですよ…」


キララ「花梨…エスパー?…」


キョロ「確かにもうこれは超能力者の域ですね…」


恵「花梨ちゃん凄いです」


エスパーアザラシ「通信交換で進化するよ」

真央「とうとう13回連続で当てたぞ…」


花梨「これとこれです」ペラ ペラ


<ハート1 ダイヤ1>


森「これで塔野様が過半数以上を取ったので帰宅部の勝利になります」


紫音「まさか一回もターンが回ってこないなんてね。完敗だよ」


真央「気にするなシイ。あんな超能力者に勝てる人間なんて居ねえよ……」


桜「これが帰宅部みんなの力です紫音先輩!」


キョロ「帰宅部の力というより花梨ちゃん一人の力でしたね」


牡丹「ちなみに桜の策は何だったんだ?」


桜「変顔して紫音先輩の集中力を乱す!」


夏希「うわ!しょうもない!」


第十話「秘めたる思い 秘めたる力」 終わり

第11話「印度一番!」


紫音「まさか負けるとはね。女子力とはここまで凄まじいものなのか」


キョロ「もう能力モノの域に達していましたよ」


真央「じゃあ順々に願い事を言ってくれ」


夏希「ワタシはいいです。何もしてないので」


牡丹「願い事はあったが、私も何もしてないし今回は遠慮しておく」


クレア「ワタシも二人と同じだわ」


桜「え~とじゃあワタシは……」


夏希「桜先輩。空気読んでください」


桜「う~ワタシも辞退します…」

真央「わかった。それでは花梨。願い事を言ってみろ。できる範囲で叶えてやろう」


花梨「ええっと…それじゃあ真央先輩!恵先輩!森さんを一日だけワタシの専属メイドにさせてください!」


真央「なるほどそうくるか。それなら出来そうだな。森さんやってくれるか?」


森「申し訳ございませんがそれはできません」


花梨「そんな……」


クレア「どうにかならないのですか森さん?花梨さんの願いを叶えてあげてください!」


森さん「塔野様が私を指名してくれたことはありがたいのですが、私は天使家に雇われている身。
  一日でもお嬢様の世話を休むわけにはいきません」


花梨「そうですか……他を考えます」


森さん「大変申し訳ございません」

恵「何とか花梨ちゃんの願いを叶えさせたいねお姉ちゃん」


真央「そうだな。う~~~ん。そうだ!花梨は明日から天使花梨だ!」


キョロ「部長急にどうしたんですか?」


夏希「いきなりで話の流れが見えない」


クレア「それよりワタシより先に花梨さんを養子にしようなんて許しませんよ真央さん!」


真央「まあ落ち着けクレア。養子と言っても便宜上だ。花梨には明日天使花梨としてうちに泊まってもらう。
   そうすれば森さんも花梨を天使家の娘として世話してくれる」


桜「なるほど。とんちが利いていますね真央先輩」


真央「まあ専属というわけにはいかないがこれでいいか花梨?」

花梨「はい!」


真央「森さんもこれなら問題ないな」


森「かしこまりました。ではよろしくお願いします花梨お嬢様」


真央「そして花梨。これからはワタシとメグを真央お姉ちゃんと恵お姉ちゃんと呼ぶのだ」


紫音「そこまで設定を固めるのかい真央?」


真央「当たり前だ。天使家の娘たるもの礼儀はしっかりしないとな」


花梨「はい真央お姉ちゃん。恵お姉ちゃん」

クレア「そんなワタシより先に真央さん達を姉と呼ぶだなんて……」ションボリ


キララ「クレア…しょんぼり?……」


牡丹「クレアは姉を自称していたが、姉とは呼ばれたことはなかったからな」


クレア「………………」


夏希「本気で落ち込んでいますね」


真央「あー!クレアも一日だけ天使クレアだ!わかったなメグ、花梨」


花梨「クレアお姉ちゃんも一緒にお泊りなんて楽しみです」


クレア「か、花梨さん!いやここは花梨と呼ばせてもらうわ!」

桜「じゃあワタシ達もついでに天使家泊まりに行っていいですか?」


夏希「ちょっと桜先輩。ついでにしては要求デカすぎですよ」


牡丹「ほんとに図々しいヤツだな桜は」


真央「わかったもう帰宅部一同、いやむしろ全員うちでお泊り会だ!よし決定!異議は認めない!」


夏希「なんか有無を言わさず予定を入れられた…」


キョロ「何か予定入ってたの夏希ちゃん?」


夏希「そういうわけでは無いんですが、この強引さ、まさしく暴君ですね」


真央「じゃあ各自泊まり道具を用意して明日の16時に仙川駅に集合だ。いいか?
   あと夕食はこっちで用意するから抜いてこいよ」


一同「は~い」


真央「今日は解散」


キョロ(何か見落としている気がするんだけどな)

<翌日16時>

牡丹「遅い!」


クレア「GJ部部員は誰ひとり来てないわ」


桜「何かあったのかな?」


花梨「もしかして事故とか……」


夏希「それは無いと思うと花梨。たぶん時間を間違えただけだよ」


牡丹「もう帰るか」


夏希「落ち着いてください牡丹先輩。時間にタイト過ぎですよ。まだ16時回ったばかりですって!」


桜「ここは待ち時間を楽しむぐらいの雅な心を持たないと」


夏希「たぶん意味違うと思います」


クレア「良いこと言うわね桜さん。ここは穏やかな心で待ちましょう」

<16時30分>


桜「みんなは待ち人を何分待てる?みんな大体三十分が限界だよね!」イライラ


夏希「ちょっと自己完結してないで落ち着いてください!」


牡丹「一足先に天使家にカチコミしに行くか、クレア住所を調べられるか?」イライラ


クレア「まかせて、五分で調べられるわ」イライラ


夏希「クレア先輩も牡丹先輩も冷静になって!カチコミとか危なすぎだろ!」


夏希「花梨も先輩達を宥めるの手伝ってよ」


花梨「うん?誰かこっちに向かってきますよ」

?「遅れてすみません!」


花梨「あ!キョロ先輩」


キョロ「やっぱり誰も来ていないか」ハァ ハァ


桜「キョロ君。これはどういうことか説明してくれる?」イライラ


キョロ「え~とGJ部にはGJ部時間というのがありまして、設定時間から前後2時間以内に来ればいいという
    ルールがあるんですよ」アタフタ


クレア「つまり皆さんは18時ぐらいに来るということ?」


キョロ「そういうことになります」


牡丹「何だその初見殺しのルールは」


キョロ「本当にすみません」


花梨「GJ部の皆さんが来る時間が分かったことです。その時間まで駅周辺を探索しませんか?」


クレア「そうね。どのみち待たなくてはならないし、ここで待っていても退屈だわ。探索しましょうか」


牡丹「だな」


桜「よしレッツ仙ブラだ!」


夏希「何ですかその銀ブラみたいな言い方は。普通に探索でいいじゃないですか」


キョロ「僕はここで待っていますので、皆さんは行ってください」


桜「じゃあまた18時にね」

真央「よしみんな時間通りについたな」


キョロ「時間通りじゃありません!何で帰宅部の皆さんがいるのにGJ部時間で来ているんですか!」


GJ部一同「あ」


真央「やっべーすっかり忘れてた!あいつら帰っちまったか?」


キョロ「駅周辺を散策しています。そろそろ来るんじゃないですか」


恵「よかったです~」


紫音「まさか紫音さんまでGJ部時間で来るとは思っていませんでしたよ」


紫音「すまないキョロ君。しかし習慣というものは恐ろしいね。18時集合だと思い込んでしまったよ」


タマ「そういう先輩は16時に来たんですか?」


キョロ「それは…その…」


真央「何時に着いたんだキョロ?」

キョロ「16時30分です…」


真央「お前!自分だって遅刻してるじゃねえか!それなのに人を犯罪者みたいに非難しやがって!
   お前とワタシはつまりあれだよ!え~と」


紫音「五十歩百歩」


真央「それそれ!五十歩百歩!だからワタシ達とキョロは同罪だ!」


キョロ「え~何か違う気がする」


紫音「と言っている間にクレア君達が来たようだね」


クレア「お待たせしました」


桜「いやクレアちゃん。それはあっちのセリフだよ。全くGJ部時間なんてものがあるなら説明しておいてくださいよ」


真央「すっかり忘れてた。すまん」


夏希「本当ですよ。キョロ先輩が来てなかったら牡丹先輩達が真央先輩の家に殴りこんでいたところでしたよ」


真央「マジで?……」


牡丹「マジだ」


真央「サンキューな。サンキューなキョロ!」

<天使家>

真央「よし到着だ」


真央「ここが我が家だ。存分にくつろいでくれ」


一同「おじゃましまーす」


森さん「皆さまお待ちしておりました」


森さん「花梨お嬢様。クレアお嬢様。外での汚れをお取りしますので両手を広げてください」パタパタ


花梨「ありがとうございます」


クレア「ありがとう」


キョロ「部長や恵ちゃんはいつもこんなことされてましたっけ?」


真央「いや、されてない。勝負に勝った花梨とついでにクレアには念入りに可愛がってやれと
   森さんにお願いしておいたから、サービスの一つだろ」

桜「え!?かわいがり!?」


桜「ヒィ~この後どんな厳しい稽古が待っているか……」


夏希「そのかわいがりじゃないですよ!どんなオモテナシだよ!」


タマ「そのかわいがりって何ですか?説明しろです」


牡丹「かわいがりとは相撲界の隠語で兄弟子が弟弟子を鍛えることだな」


キョロ「だとしたら物凄い体育会系ですね」


真央「お前、人のメイドをどんな目で見てるんだよ」


クレア「森さん。ワタシのことはいいから、その分花梨さんのことを可愛がるようにお願いするわ」


森さん「かしこまりました。真心込めて可愛がらせていただきます。もちろんかわいがりでは有りませんのでご安心を」


紫音「桜君のボケを組み込んでの返し、これが大人の余裕なのかな」

森さん「食事を持ってきますので少々お待ちください」


恵「どんな料理ができるか楽しみですね」


牡丹「なんだ。恵は知らないのか?」


恵「はい」


キララ「肉がいい…」


牡丹「それはいつもだろ。ワタシは寿司がいいな」


夏希「こういう時に普通寿司はないんじゃないですか」


キョロ「森さんなら寿司を出すにしても自分で魚を釣るところから始めそうですね」


真央「森さんならやりかねないな」


森さん「皆さまお待たせしました。こちらが本日の料理になります」

キョロ「これは…カレーライスですか」


タマ「え~カレ~もっとフォアグラとか手がこんだものを用意しろですよ」


夏希「フォアグラは食材だから手が込む込まないは関係ないだろ」


キョロ「でもカレーを嫌いない人ってそんなに居ないですし、はずれは無いですよ」


牡丹「確かにそうだな」


桜「……」


真央「じゃあ食べるとするか」


一同「いただきます」


花梨「美味しいです!」


クレア「本当だわ!」


タマ「まあまですよ」パクパクパク


キョロ「そんなに急いで食べなくてもカレーは逃げないよタマ」


紫音「にぃにぃに以前作ってもらったカレーと同じぐらい美味しいね」


森さん「皆さまの口あって幸いです」


桜「……」


真央「どうした桜?食べないのか?」


桜「このカレーは食べられないよ」

一同「!?」

恵「桜ちゃんカレーが嫌いなんですか?」

桜「カレーライス。インドが発祥の地であり日本にも伝えられ、発展し、
  日本独自のカレーが作られ家庭でも多くの頻度で食べられるようになった。
  日本はインドと並ぶカレー大国になったと言っていいでしょう」

キョロ「突然カレーについて語り始めましたね」


桜「家庭内でもオリジナリティー溢れる美味しいカレーが作られました。自由な発想で作られたカレーですが、
  ある一点守らなければならないルールがあり、それを破るとカレーは途端にダメになります。
  森さんはそのルールを破ってしまった。残念です」


真央「何だよそのルールって!?」


桜「ワタシの口から言うのは簡単ですが、あえて言いません。森さん自身が気づくことに意味があるので」


真央「もったいぶらずに言えよ!」


タマ「メイド姉さんのカレーは普通にうめえですよ。何がダメなんですか?」


紫音「桜君は特別に鋭い味覚を持っていて、彼女にしかわからない欠陥が有るのかもしれないね」


クレア「桜さんにそんな設定があるなんて聞いたことがないわ」


花梨「ワタシもカレーを作ったことがありますが、そんなルール聞いたことないです」


夏希「……」ジー

キョロ「桜さんのカレーを見ているけど、どうしたの?」


夏希「桜先輩、もしかしたらそのルールって「カレーにニンジンを入れない」じゃないですよね?」


桜「え!?」


牡丹「そういえば部屋で焼きそば作った時もニンジン抜けって言ってたな」


桜「そそそんなこと言ったことないよ。牡丹ちゃんの気のせいじゃない」


真央「つまりあれか、自分がニンジン食べられないのを隠すためにそれっぽいこと言って
   森さんにイチャモンをつけたってことか」


桜「そそそんなことないですよ。なんか喉が渇くな~」ブルブル


紫音「緊張による喉の渇き。典型的な動揺のサインだね」


キョロ「しかも動揺のせいか手が震えてコップの水がこぼれています」


クレア「絵に描いたように動揺しているわ。この動揺ぶりならコンクール優勝確実ね」


牡丹「モンペもびっくりなクレーマーだな」


タマ「高校生になってもニンジンが食べれねえなんて恥ずかしいですよ」

恵「待ってください。もしかしてニンジンアレルギーで食べられないかもしれません」


夏希「この動揺ぶりを見て、まだ他の可能性を考慮できるなんて、本当にあなたは天使ですよ」


紫音「しかしニンジンアレルギーは実際にあるからね。それなら仕方がないが」


真央「で?どうなんだ?」


桜「ただの好き嫌いです……」


夏希「やっぱりそうですよね」


キョロ「じゃあニンジンだけカレーからどければ…」


桜「それでカレーが食べられれば苦労しないよ!ニンジンの風味がカレーに移ってダメなの!
  全く分かってないなキョロ君!」


真央「逆ギレかよ!」


タマ「メンドウな舌ですよ」


真央「しょうがねえから森さんに別の料理をつくってもらうか」


桜「それはダメです!カレーは食べたいです」


真央「でもニンジン入っているしカレー食べられないだろ」


桜「森先生…カレーが…食べたいです…」


キョロ「いくら森さんでも今からカレーは作るのは時間が掛かりますよ」


森さん「かしこまりました。少々お待ちください」


キョロ「え!?今から作れるんですか!」


森さん「こういうこともあるかと思いましてニンジン抜きカレーも作っておりました」


夏希「どんだけ用意が良いんだこの人!」


桜「森先~生~」ダキツキ


森さん「諦めたらそこで試合終了ですよ。道明寺様」


第11話 「印度一番!」

最終話「まだまだ続くよ!GJ部&帰宅部!」


夏希(食事の後はみんなで一緒に遊びました)


夏希(ゲームしたり)


真央「なんだよこのキリング・イレブンってゲーム!マジでクソゲーじゃねえか!」


キョロ「部長ダメです。PSPを投げたら」


桜「やっぱりつまんないですか」


真央「当たり前だ!なあキョロ!」


キョロ「正直…クソゲーですね」


夏希(映画観たり)


タマ「そこです!そこ!ボディ!アッパー!」


桜「よしダウン奪った!」


真央「そのポンコツをスクラップにしちまえ!」


クレア「凄く熱中しているわね」


紫音「高性能だからこその打たれ弱さ、シンプルな作りだからこその打たれ強さ。中々考えさせられるね」


キョロ「僕も少しだけ体が熱くなります」


牡丹「これが終わったらボクシング形式のスパーリングするか?」


キョロ「それは遠慮しておきます……」


夏希(そんなこんなで時間が過ぎて)

<午前2時>

真央「そろそろ寝るとするか」


桜「そうですね」


真央「上級生組は二階で寝るぞ。下級生組は一階だ。メグ案内してやれ」


恵「わかりました。夏希ちゃん、花梨、タマちゃん、四宮くん来てください」


桜「キョロ君!花梨ちゃんに変なことしないでよね!」


牡丹「変なことをしたら指導組手だからな」


クレア「変なことしたら経済封鎖するわ」


キョロ「しませんよ!」


真央「その点は大丈夫だと思うぞ」


桜「そうですか。あとついでに夏希ちゃんにも変なことしちゃだめだよ」


夏希「ワタシはついでかよ!」


真央「よし他の奴らは二階だ。ついてこい」

<一階>


恵「今日は楽しかったですね」


花梨「はい!またGJ部の皆さんと遊びたいです」


タマ「まあ悪くはないですね。でも帰宅部の三姉さんに加えてトラ姉さん、紫音姉さん、
   まーちゃんのボケが加わって夏希が過労死するんじゃねえですか?」


夏希「いや案外そうでもないよ。ツッコミはキョロ先輩がいるし、真央先輩もツッコミできるし今回は楽だったよ」


キョロ「僕は昨日今日で色々なことが起こってきつかったよ……」


恵「こういう時間がずっと続けばいいなって思います」


花梨「そうですね。……ウエ~ン」ポロポロ

夏希「ちょっと!?どうしたの花梨!?」


キョロ「どっか痛いの!?」


タマ「大丈夫ですか!?」


花梨「いや……クレア先輩、牡丹先輩、桜先輩が卒業したことを考えたら急に寂しくなって……でももう大丈夫です……」


夏希「当たり前ですけど先輩達も卒業するんだよね。今まで考えたことなかったよ」


キョロ 恵「……」


タマ「先輩達。なにしょげくれてやがるですか!」


花梨「ごめんなさい…真央先輩達は今年で卒業するんですね。それなのにワタシだけ悲しんで…」


キョロ「いや大丈夫だよ……心配してくれてありがとう花梨ちゃん」


夏希「でも真央先輩達なら卒業後も平気で部室に入り浸りそうですね!」


キョロ「紫音さんとキララはわからないけど、部長卒業後は来ないって言っていたからたぶん来ないよ…」


夏希(あちゃ~フォローしようと思ったら墓穴掘った~)

花梨「もしかしたらクレア先輩達も卒業したらもうワタシ達と会ってくれないんじゃ……」ポロポロ


タマ「あ~花梨がまた泣いてるですよ。元気出すです」


キョロ「そうだね。卒業後は二度と会えないかもしれないね」


花梨「そんな~」ポロポロ


夏希「キョロ先輩!花梨に追い討ちかけないでください!」


恵「四宮君!ヒドイですよ」


キョロ「でも花梨ちゃんがクレアさん達が卒業することを考えて落ち込んだら部活動していたらきっと楽しくないよ。
    まだ二年後のことだし、とりあえず今を精いっぱい楽しめばいいんじゃないかな。それで二年間ずっと楽しめば、
     もし会えなくなっても楽しい思い出が一杯残るし」


花梨「そうですね……ワタシが悲しんでいたらクレア先輩も悲しんじゃいますね!よし今を楽しむぞ!」


恵「そうです。その意気ですよ」


夏希「花梨を元気づけてくれてありがとうございますキョロ先輩」


キョロ「いやいや、元気になってくれてよかったよ」


夏希「キョロ先輩。もしも真央先輩がキョロ先輩に会いに来てくれなかったらどうするんですか?」


キョロ「会いに行くかな、強引に」


夏希「え?」


キョロ「部長が大学に居るなら大学に行くし、外国に行っているなら外国に行くし、
   部長が僕を避けているなら家に直接行きます!」


恵「四宮君情熱的です~」


夏希「でもそれ一歩間違ったらストーカーですよね。それ」


キョロ「え!?」


タマ「先輩ストーカーです!ストーカー!」


花梨「ストーカーはよくないですよ」


キョロ「なんでいつの間にストーカー認定されてる!?いや…それぐらいの意気込みということで…」


一同「ハハハハハ」

<二階>


<ハハハハハハ>



真央「あいつら全然寝てねえな」


桜「まあいいじゃないですか。若いモノ同士元気があって」


牡丹「お前も恵とキョロと同学年だろ」


キララ「昨日と今日…みんなで遊んで…キララ楽しかった…」


紫音「私もだよ。こんな大人数で騒ぐことは今までなかったからね」


クレア「今回でGJ部の皆さんと親しくなれた気がするわ」


紫音「そうだね。私としては今後も定期的に帰宅部と皆と交流を続けたいね」


真央「こういうイベントもあと何回できるかな……」


桜「そういえば真央先輩達は今年で卒業でしたね。進路はどうするんですか?」

キララ「キララは…進学…」


紫音「私も進学だよ」


真央「ワタシも進学だ」


クレア「みんな進学ですか」


紫音「クレア君達の進路はどうするんだい?」


クレア「進路ねえ。ワタシもとりあえず進学して、その後は社交界デビューかしら」


牡丹「ワタシは萩月流の後継者だが大学ぐらいは出ていたほうがいいかもな」


桜「やりたいことなし、とりあえず進学ですね」


真央「そうか」


牡丹「しかし、大学ってどういう感じなんだろうな?」


桜「どうなんだろう。でも案外ヒマらしいから、三人で予定合わせて定期的に帰宅部OGとして遊びに行ったりできるかもね」


クレア「それは名案だわ」


牡丹「大学デビューしたワタシたちを見せてやるか」


真央「ちょっと待て?お前ら卒業しても帰宅部に出向くつもりか?」


桜「そのつもりですけど?」

真央「卒業したら帰宅部のことは夏希達に任せて、卒業生は関与しないほうがいいんじゃねか?」


牡丹「でもな、夏希や花梨とも卒業後も帰宅部の活動を続けたいし」


クレア「真央さんは卒業したらGJ部に遊びに行かないのですか?」


真央「ああ、卒業したらGJ部には行かないし、連絡も取らない。
   それがGJ部のルールだ。先代部長もそうだったしな……」


紫音(真央……)


桜「何からしくないですね」


真央「あ!?」


桜「真央先輩の様子を見ているとキョロ君達とは卒業後に縁が切れる仲だとは思えません。
  なら卒業後も会えばいいじゃないですか」


真央「しかしGJ部の掟が……」


桜「そんなのは無視すればいいじゃないですか、ルールなんて破るためにあるんですよ!」


牡丹「いやそれは違うだろ」


真央「ルールは破るためにあるか…」


紫音「真央。正直ワタシも卒業してもキョロ君達と遊びに部室に足を運びたいと思っている。
   自分がやりたいと思ったことは素直にやればいいんじゃないか」


キララ「キララも…そう思う…」


真央「そうか…そうだな…」

<翌朝>

キョロ「じゃあ部長お邪魔しました」


真央「おう学校でな」


桜「じゃあワタシ達も帰ろう」


夏希「そうですね」


真央「帰宅部もまた会おうな」


桜「そうですね。近々合同合宿でもしましょうか!」


キョロ(この後もGJ部と帰宅部は定期的に一緒に活動しました。秋が過ぎて冬になって部長たちも卒業して。そして…)

<翌年四月>

タマ「明日は帰宅部の部室に遊びに行く日ですよね」


キョロ「そうだね。何だかんだで恒例行事になっているね」


恵「いいじゃないですか。帰宅部の皆さんと会うの楽しみですよ」


タマ「そうだ!センパイ!こっそり侵入して驚かせるなんてどうですか?」


キョロ「でもタマ、どうやって侵入するの?」


タマ「こういうこともあろうかと夏希に連絡入れて鍵の場所をおしえてもらったですよ。
   侵入して牡丹姉さん達をおどろかせるです」


キョロ「それも面白そうだし。そうしよっか恵ちゃん」


恵「部長の言うとおりにしますよ四宮君」


キョロ「その部長の肩書慣れないな」

<翌日 帰宅部部室前>


タマ「鍵はここに…あったです」


タマ「さあどうやって驚かしてやるですか」


キョロ「ほどほどにねタマ」


恵「四宮君も小道具一杯持ってやる希満々ですね」


キョロ「驚かすなら全力で。それもGJ部魂だと思うんだ」


タマ「そんなもんですか、じゃあ入るですよ」ガチャッ


タマ「…………!」ガチャン!


キョロ「どうしたのタマ?勢いよくドアを閉めて。入らないの?」


タマ「化け物が……化け物がいたですよ!巨大な二足歩行の亀で目のところにハチマキして武器を持っている化け物が!三匹も!」ガクガク


キョロ「そんなバカか」ガチャッ


キョロ「………!」ガチャン!


キョロ「何なのあれ!」


タマ「知らねえですよ!」

?「そこのゴボウみたいな男!入ってこい!」


タマ「なんか呼んでいるです…」


キョロ「無視するとマズイことになるしとりあえず入ろう。恵ちゃんは待っていてね」


恵「わかりました四宮君」


キョロ 「失礼しま~す」


?「そこに…座る…」


キョロ「はい!」


?「お前先輩が居ないからって調子乗っているらしいな!」


キョロ「別に調子乗ってないですないですないです!」


?「本当か?」


キョロ「本当です本当です本当です!だから食べないで~!」


?「キャハハハ!あいかわらずキョドってるなキョロ。お前部長やってけてるのか?」


キョロ「その喋り方。もしかして部長ですか?」


真央「部長じゃない。真央と呼べ!」パカ


紫音「今の様子は録画させてもらったよ」パカ


キララ「キョロ…怖かった?…」パカ


キョロ「紫音さんにキララまで!何でいるんですか?」


真央「それはだな…」


桜「どうでした真央先輩?」ガラガラ~


真央「おう!ばっちりビビってたぞ!クレアも着ぐるみサンキューな」


クレア「ハリウッドから急いで取り寄せてよかったわ」


牡丹「キョロのビビり映像を肴に菓子でも食べるか」


夏希「キョロ先輩ドンマイです」


花梨「こんにちはキョロ先輩」


キョロ「これは帰宅部の皆さんも一枚かんでいるんですか?」


真央「そうだ!部長になって調子乗っているキョロを驚かそうと思って考えた企画だ!驚いただろう」


キョロ「驚きすぎて心臓止まると思いましたよ…あと部長…じゃなくて真央はGJ部に関わらないんじゃないですか?」


真央「そう思ってたが、何だかんだでお前らとバカやるのもGJ部も好きだし、定期的に顔を出すからな!」


キョロ「掟はどうしたんですか?」


真央「知らん!ワタシはワタシのエゴを突き通す!」


紫音「というわけで私とキララも定期的に顔を出させてもらうよ」


キララ「キョロ…よろしくね…」


キョロ「…はい!」


桜「じゃあGJ部OGも来たことだしみんなで遊ぼう!」

最終話「まだまだ続くよ!GJ部&帰宅部!」 終わり

以上でこのSSは終わりです。

見てくれた方、レスをくれた方ありがとうございます。

帰宅部とGJ部は共通点が多いと感じて、勢いで書いたクロスSSですが完成させることができて良かったです。

今後 GJ部SSや帰宅部SSが増えてほしいですね

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