モバP「パラメーター」 (44)



ゆる~いシリーズです。ここからでもどこからでもどうぞ。

前回

モバP「パラドックス」




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―AM10:00事務所―



加蓮「おはよー」ガチャ

まゆ「おはようございます」

加蓮「まゆだけ?」

まゆ「さっきまで菜々さんと早苗さんがいましたけど、今はまゆだけですねえ」







北条加蓮(16)
http://i.imgur.com/1tH3F3P.jpg

佐久間まゆ(16)
http://i.imgur.com/Fj4QiTm.jpg




加蓮「裕子はいないの?」ストン

まゆ「まだ来てないと思いますよ。会う約束でもしてたんですか?」

加蓮「別にそういうワケじゃないけどさ、今日はアタシとあの子オフだから」

まゆ「ああ、昨日は京都で撮影でしたか。そういえば菜々さん達もでしたねえ」



加蓮「そうなの。CDのプロモーションとカブって大変だったよ。奈緒と紗枝と輝子は
   今日もイベントだけど、アタシと裕子はお休み」フウ

まゆ「お疲れ様でした。まゆはお茶を飲みますけど加蓮さんのも淹れましょうか?」スクッ

加蓮「お願いしてもいい?冷たいやつで」

まゆ「わかりましたぁ」スタスタ







 ガチャ



P「おはようございまーす」スタスタ

まゆ「あらぁPさぁん♪ おはようござ…………」ピタ

加蓮「どしたのまゆ?Pさんが来たんじゃ…………」ピタ

P「おう、ふたりともおはよう!ちょっと事務所の前で会ったからさ」ニコッ

裕子「おはようございます…………」カアア ←お姫様だっこ






堀裕子(16)
http://i.imgur.com/kZmlbHh.jpg





P「よっこいしょっと。ここでいいか裕子?」ストン

裕子「あ、ありがとうございます…………」ドキドキ

P「あまり具合が悪かったら病院に行けよ。とりあえずマストレさんに連絡は入れて
  おいたから、昼過ぎには様子を見に来てくれると思うからな」ナデナデ

まゆ「」

加蓮「」

P「よし、それじゃこの書類とこの資料と…… それじゃイベント行ってきま~す!」

裕子「いってらっしゃい…………」モジモジ





 バタン



まゆ「……………………はっ!」

加蓮「いけない、つい衝撃映像を見て放心状態になってたよ」ブンブン

裕子「ふぅ。あ、ふたりともおはようござ……」

まゆ「どういうことですか裕子さぁん!? どどどうしてPさんにお姫様だっこを!! 」ガシッ!!

裕子「いだだだだだだだっ!? もっとやさしくしてくださいよっ!! 」ビキビキビキビキッ!!

加蓮「ん?あんたもしかして……」








―――



まゆ「全身筋肉痛ですかぁ?」

裕子「撮影で2時間ワイヤーで宙吊り状態になってましたから、いつもと違う筋肉が
   緊張しちゃったみたいです……あいたたた」ギシギシ

加蓮「あんたの撮影やけに長引いてたもんね。でも2時間はかかりすぎじゃないの?」

裕子「予定では1時間ほどで終わるはずだったんですけど、妙なトラブルが連続して
   起きて思った以上に時間がかかりまして……」

まゆ「トラブル?機材の故障でもあったんですか?」





裕子「それが私がさいきっくポーズを構えたら監督さんのイスがすーっと滑ったり、
   私が宙吊りになると上にあった照明の向きがくるっと変わったりしたんです。
   誰も触ってないのに不思議だなあってみんな首を傾げてましたよ」

まゆ「」

加蓮「」





裕子「しまいには私にカメラを向けていたカメラさんの髪とヒゲがぶわーって伸びて、
   カメラさんが現代のベートーベンさんみたいになっちゃったんですよ。薄毛で
   悩んでいたみたいだから喜ばれましたけど、何だったんでしょう?」ウ~ン…
   
まゆ(信じたくはないですけど……)

加蓮(どう考えても原因はあんたのサイッキック的な何かでしょ……)






加蓮「ねぇ裕子、今ならスプーン曲げられるんじゃない?」

裕子「私はそんな気はしませんけど、一応やってみましょうか?」サッ

まゆ「……」ドキドキ

裕子「ではいきます…… むんっ!」グワッ!!

スプーン「」シーン

裕子「やっぱりダメですね。あいたたた、変に力んだら筋肉痛が……」ビキビキ





加蓮「あんたってさ、もっとこうなんて言うか、要領よく出来ないワケ?」ハア…

まゆ「むしろどうしてスプーンを曲げられないのか、まゆもわかりませんよ」ハア…

裕子「な、なんですかふたりとも、どうしてそんなかわいそうなものを見るような目で
   私を見るんですか……?」オロオロ







***



加蓮「ちひろさーん、シップとかある?」ガチャ

ちひろ「すみません。さっき来た菜々さんと早苗さんが全部持って行っちゃいました。
    菜々さんは無重力空間での撮影で体に変な力が入って筋肉痛になっちゃって、
    早苗さんはツバメ返しのやりすぎで腱鞘炎になったみたいです」

加蓮「どれだけボロボロなのよウチのアイドルは。カラダ弱いのはアタシだけだった
   はずなんだけどなあ。それじゃ冷えピタ何枚かもらっていくね」ゴソゴソ

ちひろ「加蓮ちゃんはすっかり強くなりましたね」クス

加蓮「うふふっ、昔とは違うんだよっ♪なんてね」ニコッ








―――



加蓮「おまたせー。大丈夫?」スタスタ

裕子「すみません加蓮さん…… 」グッタリ

まゆ「やっぱり今日は寮に戻って、大人しく寝てた方がいいんじゃないですかぁ?」

裕子「せっかくの貴重なオフなのにそんなの悲しすぎます…… 迷惑にならないように
   しますから、せめて事務所にいさせてください……」ウルウル

まゆ「べ、べつに帰れとは言ってませんよ。でもまゆは午後からレッスンですから、
   それまでですからね……?」アセアセ






裕子「ぐすっ、ありがとうございますまゆちゃん……」キラキラ

加蓮(え?誰この美少女?)

まゆ(いつものサイキックのアレな雰囲気が抜けてやり辛いですねえ……)





加蓮「とりあえず冷えピタ何枚かもらってきたよ。どこが痛い?」ペリペリ

裕子「それじゃあ背中と腰に……」

加蓮「このあたりかな…… サイキックひんやり!なんちゃって」ペタッ

裕子「ぁんっ……」

加蓮「ちょ、ちょっと!変な声出さないでよ!」カアア

裕子「す、すみません、冷たかったからつい……」カアア





加蓮「もう…… それじゃもう一枚、今度は腰に」ペタッ

裕子「ゃんっ……」

加蓮「だ、だからさあ!」カアア

裕子「そ、そんなことを言われても……」カアア

まゆ「何をやっているんですかあなた達は……」







―――



裕子「すぅ…… すぅ……」

まゆ「冷えピタが効いたみたいですっかり寝ちゃいましたねえ」ナデナデ

加蓮「しおらしくなっても周りを振り回してくれる子だね。今の裕子はエスパーユッコ
   じゃなくて『越前の堀さん』って感じだよね」クス

まゆ「何ですかその例え。何となく分かる気がしますけど。これだけサイキック度が
   下がって美少女度が上がれば、もう別のアイドルですねえ」

加蓮「そりゃこんな美少女がよろよろ歩いてたらPさんもお姫様抱っこしたくなるよ。
   サイキック路線を捨てて正統派路線で行けば裕子は強敵になるかもね」






まゆ「でも裕子さんは捨てないでしょうねえ。サイキック路線があってこその裕子さん
   ですから。ですがこのギャップは少々要注意ですねえ……」ジロリ

裕子「さいきっく~……」ムニャムニャ

加蓮「男の人はギャップに弱いからね。そういえばPさんも水辺の撮影の時にいつもと
   違って恥ずかしそうにしてたけど、あれって少しは効果あったのかな?」

まゆ「なんですかその『あれ』というのは。 詳しく教えてくれませんかぁ……?」ギロリ




加蓮「やーだよー。まゆも食虫植物みたいなねばっこいアプローチばかりしてないで、
   たまにはギャップ狙ってみたら?ワンパターンだとPさんも飽きちゃうかもよ?」

まゆ「まゆにはそんな小細工は必要ありません。ワンパターンで結構です」フン

加蓮「可愛げのない女は嫌われるよ?まゆって1人でも大丈夫そうに見えるんだよね。
   もっと智絵里みたいな守ってあげたくなるというか、そういう一面が見えたら
   Pさんもギャップにやられてぐらっと来ちゃうかも」

まゆ「む、そこまで言うならやってみましょうか?同じキュートのアイドルですし、
   まゆだって少し儚さのパラメーターをいじれば……」





まゆ「あの、プロデューサー、いなくならないでください…… 見捨てないでください。
   いなくなったらチョップでおしおきです。ふんっ!ふんっ!」シュッ!! シュッ!!

加蓮「怖い怖い怖い怖い、智絵里はそんなに鋭いチョップしないから」ストップ

まゆ「そうですかぁ?結構痛いんですよあのチョップ」

加蓮「それじゃ幸子とかどう?いつもPさんの後ろをついて行くんじゃなくて、たまには
   Pさんの前を歩いてPさんについて来させたいと思わせるような感じでさ」

まゆ「あの子のどこから来るのか分からない自信は、かえってしっかり見てあげないと
   いけないって思わせるんですよね。ああいうのも可愛さなんでしょうか……」




まゆ「フフーン!まゆはカワイイですから!プロデューサーさんもこんなにカワイイ
   まゆと一緒にいられることに感謝してくださいね!」フフ―ン!!

加蓮「何か違うね。幸子のキャラが特別なのかな?」バッサリ

まゆ「そんなに冷静に分析されると、まゆも恥ずかしいんですけど……」カアア





加蓮「あ、今の顔いいかも。ちょっと恥ずかしがってるみたいな感じ。まゆっていつも
   テンションあんまり変わらないから、そういうギャップありだよ」

まゆ「い、いやですよこんなの。プロデューサーさんの前ではいつでも可愛いまゆで
   いたいですから、取り乱したりしたくありません……」モジモジ

加蓮「あんたも凛と一緒で変にプライド高いよね。そのプライドが邪魔になってるって
   分からないのかな。それじゃアタシどころか奈緒や裕子にも負けるよ?」





ちひろ「二人とも、お昼ご飯はどうしますか?私は出前を取りますけど、二人の分も
    注文しましょうか?」ヒョコ

まゆ「まゆはお弁当を持って来ましたので大丈夫ですよ。加蓮さんはどうしますか?」

加蓮「アタシはコンビニでパンでも買って来ようかな。ついでに裕子が起きた時の為に
   この子の分も準備しておかないと」スクッ

まゆ「うふふ、優しいですねえ加蓮さんは」クス

加蓮「ただの気まぐれだよ。それに自分のお昼がなくて、お腹を空かせた涙目の裕子に
   見つめられたら罪悪感がハンパないしね。まゆとちひろさんも何かデザートでも
   買って来ようか?」





ちひろ「それじゃデザートは私がみんなの分出しますよ」サッ ←\2000

まゆ「えっ!? 」ギョッ!!

加蓮「守銭奴のちひろさんが珍しい……」ポカ―ン

ちひろ「た、たまたま2000円札もらって使い道に困っていただけですよ!それに私も
    裕子ちゃんを悲しませたくないですし……」アセアセ

まゆ「何ですかその照れ隠し。これもギャップでしょうかねえ」クス

加蓮「ちひろさんから現金を引き出すとは…… エスパーユッコ恐るべし」

裕子「さいきっくえがお~…… えへへ……」ムニャムニャ







***



加蓮「ただいま~。買ってきたよ~」ガチャ

裕子「ぎゃ―――――――――――――――――――――――――――っっっ!!!!!! 」

加蓮「な、何!? どうしたの!? 」ビクッ!!

マストレ「サイキック気合だ堀!サイキック我慢しろ!サイキック治療!ふん!」グリグリ

裕子「それもうサイキック関係ないたたたたたたたたたたたたたたたた!? 」ビリビリビリ!!







マスタートレーナー(28)
http://i.imgur.com/Y9h9hcm.jpg





まゆ「あ、加蓮さんおかえりなさい」パクパク ←お弁当

ちひろ「今さっきマスさんが来られまして、裕子ちゃんにマッサージしてるんです」

裕子「加蓮ちゃん助けて~っ!! さいきっく夜宴の白芙蓉召喚~!! 」ヘルプミ―!!

加蓮「アタシ妖精とかじゃないから。うん、いつもの裕子に戻ったみたいだね」



マストレ「おう北条。お前もマッサージしておくか?さっき菜々さんと早苗にもやったが、
   お前は大丈夫なのか?」グリグリ

加蓮「あ、大丈夫です。アタシはいたって健康なので」

マストレ「普通はそうだよなあ。LIVEならともかく撮影で筋肉痛になる意味がわからん。
   一体どんな現場だったんだ?」グリグリ

裕子「だから私はワイヤーで2時間宙吊りにいぃぃぃぃぃいたたたたたっ!! 」バタバタ!!





出前「ちわーす。出前でーす」

ちひろ「はーい。ご苦労様でーす」パタパタ

加蓮「はいまゆ。ゼリーで良かったよね」サッ

まゆ「ありがとうございます。わぁ♪ おいしそう♪」

加蓮「裕子の分も買って来たからね。ここに置いとくよ」トン、トン

裕子「あ、ありがとうございます…… じゃなくて!誰か助けてくださいよ~!! 」ビリビリ







―――



裕子「うう、ひどい目に遭いました……」グッタリ

マストレ「今夜はぬるめの湯にゆっくり浸かって体をしっかり温めろ。そうすれば明日には
   すっかり元通りになっているだろう」ハッハッハッ!!

ちひろ「すみませんマスさん、レッスン以外のことまでやって頂いて……」

マストレ「構わないさ。これも質の高いレッスンを行う為だ。特別にサービスしておくよ」





裕子「せめてルキさんかトレさんに優しくやって欲しかったです……」

マストレ「あいつらは体の疲れはをとれても、アイドルのパラメーターを元に戻す事までは
   出来ないからな。私に頼むとは流石P殿はよく分かってる」ウンウン

まゆ「美少女キャラがステータス異常になるなんて……」ホロリ

加蓮「まぁ確かに、いつまでも越前の堀さん状態だったらアタシ達も困るけどさ」







裕子「そもそも私がおかしくなっちゃったのは、筋肉痛じゃなくてプロデューサーに
   お姫様だっこされたからなんですけど……」ボソボソ

まゆ「せっかく忘れていたのに、不愉快なことを思い出させないでください……」イラッ

加蓮「まあまあ、あれは不可抗力みたいなものじゃん。いちいち目くじらを立てても
   しょうがないって」ドウドウ

まゆ「まゆはお姫様だっこなんてされたことないのに、ずるいです……」ブツブツ





加蓮「今度頼んでみたら?意外とあっさりしてくれるかもしれないよ」

まゆ「そんな恥ずかしいお願い出来ませんよ。『お姫様だっこしてください』なんて、
   面と向かって言ったら正気を疑われます……」ゴニョゴニョ

加蓮「普段はあんなに積極的なのに、あんたの基準がよくわからないよ」ヤレヤレ

マストレ「ん?なんだ佐久間。お姫様抱っこをして欲しいのか?」

加蓮・まゆ「「 え? 」」キョトン





マストレ「それくらいお安い御用だぞ。よいしょっと」ヒョイ

まゆ「え?あれ?いや、そうじゃなくて……」アタフタ

マストレ「そういえば佐久間は午後からトレのレッスンだったな。このままレッスン場まで
   運んでやるよ。今日は特別サービスで私も見てやろう」スタスタ

まゆ「け、結構ですから!おろしてくださ~い!」ジタバタ





マストレ「ははは、照れるな照れるな。では諸君、私はこれで失礼する」ペコリ

加蓮「お疲れ様です。まゆもマスさんのレッスン頑張ってね~」ヒラヒラ

裕子「よかったじゃないですかまゆちゃん。お姫様気分をたっぷり味わってください」ニヤリ







 <イヤ―――――ッ!! <カルイナオマエ。チャントタベテルカ?



ちひろ「これが噂のサイキックとばっちりですか……」

裕子「人を疫病神みたいに言わないで下さいよ!エスパーユッコのサイキックパワーは
   世の中の人達を幸せにするためのものなんですからね!」プンプン

加蓮「いいんじゃない?誰も損してないでしょ。まゆもレベルアップ出来るしね」



おわり






 ここまで。加蓮&ユッコ新SR化おめでとう!加蓮のSRは毎回気合が入ってるなと
しみじみ思いました。ユッコも輝子のキノコを増やす謎の能力を発揮していましたね。
そのうちスプーン曲げてる画とか出るかな?個人的にはあるのかないのかわからない
ラインが希望ですが。ウチのユッコは少しインフレ気味だから抑えないとなあ。では


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