エレン「口が裂けた」(242)

以前SSnoteに上げていたものの内容を少し修正したものです。

エレンが原作より強いです。あと髪が少し長くて根暗な印象という設定

ご都合主義

捏造注意

キャラ崩壊注意

駄文

ユミルとクリスタとの絡み多め、後半ミカサの出番少ない、アニがほとんど出番なし。矛盾点とかあったらすいません。

845年

ーシガンシナ区ー


ガキA「おいっ!マスク女がいたぞ!!」

ガキB「石でも投げつけてやれ!!」

ガキC「わかってるよっおらっ!!」ブンッ


またか...

パシィッ

ガキA「チッ!キャッチされてるじゃねえか!?」

ガキC「うるせえ!あんなに遠くだと狙うので精一杯なんだよ!」

エレン「...」ギロッ

ガキC「お、おいもう帰ろうぜ...」ダッ

ガキA「し、仕方ねえ帰るぞ!!」ダッ

ガキB「クソッ!いつもマスクなんかつけてスカしてんじゃねえよ!」ダッ

...帰ろう

マスクというのは単行本4巻のジャンやサシャがつけているのと同じようなものを想像してください。

エレン「ただいま...」ガチャ

カルラ「お帰りなさいエレン」

俺は母さんと二人で暮らしている、父さんは腕利きの医者だから壁内のあちこちを移動しているせいでなかなか家に帰ってこない

エレン「薪...ここに置いておくから...」ドサッ

カルラ「ごめんなさいね、顔の傷のこと分かった上で手伝わさせてしまって...」

エレン「いいよ別に、筋トレがてらやってるようなものだし...顔の傷だって気にしてない」

カルラ「そう...エレンはやさしいのね」ニコ


そうだよ...顔の傷なんか...

ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー

844年

その日は雨が降っていた


コンコン

エレン「ミカサ?」

グリシャ「そうだ、お前と同い年の女の子だ。お前と同じで綺麗で長い髪型をしているぞ」

エレン「髪型が似ているからなんなんだよ...」ムスッ

グリシャ「...お前ももっと子供らしく愛想良くできないのか?」ハァ...

エレン「…」プイッ

グリシャ「まったく… アッカーマンさん?イェーガーです。診療に来ました」コンコン

シーン

グリシャ「留守かな…?失礼し...ます!?」ガチャ


ドアを開けて固まっている父さんを見上げて、何があったのかと部屋を覗くと大人の男女が無残な姿で倒れていた


グリシャ「アッカーマンさん!?」

グリシャ「......クッ、ダメか…エレン、辺りにミカサは居たか?」

エレン「居なかった…」

グリシャ「そうか…父さんは憲兵団を呼んで捜索を要請する。お前は麓まで戻ってなさい」

エレン「...」

―山小屋―

人攫いA「おい、本当に売れるんだろうなぁ?わざわざ親殺してまで連れ去ってよぉ...」

人攫いB「そいつの顔を良く見てみろ」

人攫いA「...」グイッ

ミカサ「…」

人攫いA「確かに上玉だがまだガキだな。俺の趣味じゃねぇ」ゲシッ

人攫いB「お前の趣味を聞いてんじゃねぇよ。そいつは東洋人って種類でな。今はもうそいつの一族しか残ってねぇ希少な人種だ。そいつを都の地下街で変態の旦那方相手に競りに懸けんのさ」

人攫いA「だがこいつの親父は普通の奴だったぞ?こいつは純血じゃねぇよ」

人攫いB「あぁそうだよ!本当に貴重だったのは母親の方だ!てめぇがビビって殺しやがるから!!」ダンッ

人攫いA「だ、だってあいつが抵抗するから!」

人攫いB「言いたいことはそれだけか?あぁ!?」


ガチャッ

人攫い「「!!」」

エレン「あの...」キィィ

人攫いA「おいガキぃ!どうしてここが分かった!?」バッ

エレン「え、あ...森の中で迷ってしまって小屋があったから無我夢中で...」

人攫いA「!...そうかそうか、でもダメだろう?女の子が夜に外をほっつき歩いちゃぁ...」

エレン「ご、ごめんなさい...」

人攫いA(顔も上等だな...さっきの奴と一緒に売り飛ばしちまおう)」ニヤ

人攫い「...今日はここに泊まっていけ」

エレン「ありがとうおじさん...お礼にいいこと教えてあげるよ」

人攫いA「ほう?なにか」ドスッ


エレン「俺は男だよ」スパッ

人攫いA「!?...っ.......」ドサァ

人攫いB「!?....お、おいガキ!!何しやがる!!」ガタッ

エレン「お前も...くたばれええぇぇぇ!!」ダァンッ


グサッ

人攫いB「...うっ」ドサァ

エレン「はぁっはぁっはぁ......もう大丈夫だ」

ミカサ「...!」

エレン「お前立てるか?」ブチッ、パサッ

エレン「…縄も切った、出るぞ」スクッ

ミカサ「……三人居たはず…」ボソッ


ガチャ

エレン・ミカサ「!」


人攫いC「…」

エレン(クソッ!)バッ

人攫いC「オラァ!」ドカッ

エレン「ぐっ!」ドシャ

人攫いC「オイ…お前がやったのか…?お前が!」ガシッ

エレン「!?…!」

人攫いC「よくも…、よくも仲間を...殺してやる!」グググ

エレン(クソッ、腕が抑えられた…!このままじゃ二人とも助からねぇ....)ググググ

人攫いC「...お前も味わってみるか?仲間のように刺し殺されてえか?」スッ

エレン(!ナイフまで持ってたか畜生......口の中がズタズタになる覚悟で噛み砕くか...?)

人攫いC「まずはその綺麗な顔から切り刻んでやるよ」ピッ

エレン(っ!今だ!!!)ガキィッ

人攫いC「うぉっ!?なんだこのガキッ!離せ!!」グイグイ

エレン「...っふ...んぎぎぎ...!!!!」ブシュッブシュッ

人攫いC「クソッ!離せッ!てのっ!」ブンッ

エレン「ンンンンッ!!!!!!!!」パキィン

人攫いC「なに!?」

エレン(...折れたはいいが口が裂けたな...クソいてぇしもう動けねぇ...)ガクッ

ミカサ「ぅぁ.......」

エレン(もう...ミカサに頼るしか...)

エレン「戦え…!」

ミカサ「え…?」ビクッ

エレン「戦うんだよ…!勝てなきゃ、死ぬ…!勝てば…、生きる…
!」

人攫いC「何訳わかんねぇこと言ってやがる!今殺してやるからな!」

エレン「戦わなければ…、勝てない…!!!」

ミカサ「!」


ミカサ(な、ナイフは持ったけど…!)ガタガタ、カチャカチャカチャ

ミカサ「そ、そんな...、出来ない!」ガタガタ

エレン(ああ畜生...ダメだったか...もう...視界が...暗く...)ドサッ

エレン(母...さん.......)

ーーーーーーーーー



...ン

エレン...

『エレン!!!』


エレン「っ!」パチ

グリシャ「エレン!意識が戻ったか!?良かった...」

エレン「ぁ...とう..さん.....みかさ...」スー

グリシャ「ミカサは無事だ...状況は全て彼女から聞いた、奴らは憲兵に捕まったよ...」

エレン「そ...か...」スー

グリシャ「そしてエレン、お前の状態だが口が裂けていて出血が酷い、肋骨も折れてしまっている...かなり危険な状態だ」

エレン「...」

グリシャ「麓まで降りている時間はない...」

エレン「どう...す..ば...」

グリシャ「......」

グリシャ「助かる方法が...一つだけある...。いいかエレン、今から私の言うことを黙って聞きなさい...」

エレン(この状態から助かる...?)

エレン「...」コクリ

グリシャ「いいか...落ち着いて聞いてくれよ...?」

父さんは何を言い出すかと思えば注射器を取り出すなり巨人化について語り始めた。

どうやらこの薬を打つと口からの出血は巨人の再生能力というやつで抑えられるらしい。

しかし”薬を打った後で負った怪我”なら再生能力で臓器でも骨でも大抵のものは再生できるらしいが”薬を打つ前に負った怪我”は傷口こそ塞げるものの再生はできないらしい。

つまり顔の傷は一生残るということだ。肋骨の方は自然治癒でなんとでもなるらしい。

それと巨人化のことも教えてもらった。これについては修練が必要だから壁外で練習しろとのことだ。人間が巨人になるなんてにわかに信じ難いけど...

グリシャ「エレン...本当にすまない...お前が生き残るためにはお前を化物にさせるしかないんだ...」

グリシャ「エレン...生きるために化け物になってくれるか?」

エレン「......」コクリ

グリシャ「そうか...わかった、こんなことでしかお前を救えない私を許してくれ...」

エレン「...」

ーーーーーーーーー


....くん

....ンくん

...エレン君起きて



エレン「....ん?(本当に血が止まってる、口は裂けたままだけど)」

ミカサ「何でこんな所で寝ているの?」

エレン「?俺は父さんに助けてもらってそれから...あれ?思い出せねえ...」

ミカサ「イェーガー先生が見当たらない」キョロキョロ

エレン「いや、もう父さんには会えないぞ?」

ミカサ「え?」

エレン(あれ?なんで俺はそう思ったんだ?)

エレン「いや...そんな気がしただけだ...それよりお前はこれからどうするんだ?」

ミカサ「私は...憲兵の人から開拓地に連れて行くって言われたから開拓地に...」

エレン「そうか...」

ミカサ「エレン君は...?」

エレン「エレンでいいよ...、俺は......こんな口が裂けた気持ち悪い奴を雇う所なんてあるわけないからな...3年後に訓練兵に志願するつもりだ」

ミカサ(3年後...)

ミカサ「あ...さっきはごめんなさい...私が早く行動していれば...」

エレン「過ぎたことは気にするな...そうだ、きっと開拓地は寒いはずだ」スルッ

ミカサ「!」グルグル

エレン「俺のマフラーやるよ...温かい...だろ?」

ミカサ「...うん!温かい...」ポロポロ


エレン「...じゃあな、これでさよならだ」タタッ

ミカサ「あ...」


ミカサ「待って!!」

エレン「!」ピタッ

ミカサ「私も...私も3年後に訓練兵に志願するから!!」

エレン「そっか...じゃあそれまでに体を鍛えておかないとな」

ミカサ「そうね」フフッ

エレン「それと」

ミカサ「?」

エレン「3年後に会うってことは...じゃあ...」



『またな』

ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー


再び845年

あれからしばらく経った...俺は時々夜中にこっそり壁外に出ては巨人化の修練に励んでいた。

巨人化は自分では完全にコントロールできるようになっていると思う

父さんのことは行方不明ということでハンネスさん達には伝えてある

母さんは俺が調査兵団に入りたいと言った時 真っ青な顔をしてものすごく反対されたけど顔の傷のこともあって許してくれた...いや、生きていくために許すしかなかったのかもしれない...

エレン「...」

エレン「アイツ元気かなぁ...」


ゴォォォン...ゴォォォン...


タッタッタッタ


アルミン「エレン!」ガチャッ

エレン「!...アルミンか、どうした」

アルミン「調査兵団が帰ってきたんだ!英雄の凱旋だよ!?早く見に行こう!」グイッ

エレン「お、おい、わかったから引っ張んなって...」

ーーーーーーーーー

ガラガラガラ ワイワイー

「でも息子は役に立ったんですよね!?何か直接の手柄はなくても息子の死は...人類の反撃の糧になったんですよね!?」

キース「もちろん...いや...今回の調査で我々は...いや、今回も...くっ!...」


キース「何の成果も得られませんでしたぁぁ!!」


キース「私が無能なばかりに...ただいたずらに兵を死なせ、奴らの正体を突き止めることが、できませんでしたぁぁ!!」

オイオイキイタカヨ...、

アア、ゼイキンノムダヅカイダ...

アルミン「...」


エレン「...」スタスタ

アルミン「あ!エレンどこいくの!?そっちは...」

オイナンダアノマスクノガキハ...サァ?


エレン「...」

キース「...」

エレン「おばさん...」

母親「...?」

エレン「気の毒だけど息子さんだって調査兵団に志願したんだからそれ相応の覚悟があったはずだ」

母親「...」

エレン「人類の反撃の糧にはなれなくても自由を求める調査兵団の一員として死ねたんだ、絶対に無駄死になんかじゃない...だから団長さんを恨まないでほしい」

キース(...)

母親「うぅ...」ポロポロ

母親「だい...じょうぶです」ポロポロ

ーーーーーーーーー

ー調査兵団本部ー

エルヴィン「団長、なんで子どもを本部に...」

エレン「あの...子どもが出過ぎた事をして申し訳ありませんでした」ペコッ

リヴァイ「ガキの割には随分と気の利いた言葉だったな」

キース「いや、謝る必要はない、助かった...礼を言いたかったんだ...名は?」

エレン「エレン・イェーガーです」

キース(!...まさかとは思うがグリシャの息子か?しかし見た感じ女だが...)

キース「...そうかエレン、助かった、ありがとう」

エレン「いえ、俺は調査兵団に入るつもりです...だから兵団の印象が傷つくのは嫌だったので...」

エルヴィン「調査兵団志望か...情けない所を見せてしまったな」

リヴァイ「まったくだ、あれじゃ公開処刑だ」

キース(...)

キース「エレン、年はいくつだ?


エレン「10です」

キース「そうか...」

エルヴィン「キース団長まさか...ここに呼んだのも...」

キース「ああ、まあな...」


キース「エレン、今から調査兵団に来るつもりはないか?」

リヴァイ「!」

エレン「...今からですか?」

キース「ああ...今から調査兵団の下で訓練してから頃合いを見て訓練兵団に入ってもらう...卒業後は絶対に調査兵団に戻ってもらうことになるが...」

エルヴィン「団長!?女の子になんてことを言うんですか!?」

エレン「?...俺は男ですよ、確かに女にしょっちゅう間違えられますけど...」

エルヴィン「そ、そうなのか...失礼した...」

キース「私も女だと思っていた...ところで何故マスクを?」

エレン「それは...いつかお話します...」

キース「そうか...ん?ということは...?」

エレン「はい、俺いきます」

キース「そうか、よく言ってくれた...ではお前を世話するやつだが....」


リヴァイ「俺が引き受けよう」

キース「む、元からお前に頼むつもりだったが...お前自らとはどういう風の吹き回しだ?」

リヴァイ「気に入った、それだけだ」

キース「...お前らしいな、わかった、エレンはお前に任せよう、エレン これからお前の世話役...訓練の指導や相手をしてくれるリヴァイだ」

エレン「よろしくお願いします...リヴァイさん」


リヴァイ「いや、リヴァイでいい」

キース・エルヴィン「「!?」」ガタッ

エルヴィン「どういうことだリヴァイ...?」

リヴァイ「こいつが俺より強くなった時のための保険のようなものだ...」

エルヴィン「...そこまで見込みがあるのか?」

リヴァイ「それはこいつ次第だ」

エレン「...」

キース「とにかくだ...エレン、今日は一旦家に帰った方がいいだろう、家族や親しい者としばらく会えなくなるのだから知らせておく必要もあるだろうからな」

エレン「はい」

エルヴィン「帰りの馬はこちらで用意しよう、明日の朝迎えにいく」

エレン「わかりました、あと団長、お願いがあります」

キース「なんだ?」

エレン「俺が訓練兵に入る時期ですが...2年後の104期にあててくれませんか?」

キース「それはどうしてだ?」

エレン「人との約束があるんです...」

キース「...リヴァイ、いけるか?」

リヴァイ「2年あれば十分だ」

キース「...だそうだ」

エレン「ありがとうございます」

リヴァイ「違うぞエレン」

エレン「......ありがとうリヴァイ」

リヴァイ「それでいい」

キース・リヴァイ「...w」プルプルプル

一旦家に帰った俺は母さんとアルミン、ハンネスさんにこのことを伝えた。

突然のことに母さんは不安を隠せていなかったが、訓練兵を卒業するまでは壁外調査に参加させないというキース団長の気づかいがあったので母さんは少し安心した風だった

アルミンにこのことを伝えるとかなり羨ましそうにしていた。

そしてアルミンも2年後に訓練兵団に入ると言ってきた、もともとアルミンと一緒に外の世界を探検するという約束があったから俺も止めはしなかった

巨人化のことはまだ誰にも話していない、というか話さない方がいいだろう

ー翌日ー

カルラ「息子を、エレンをよろしくお願いします」ペコッ

エルヴィン「まかせてください、息子さんは絶対に死なせませんので、それに休暇の時には会えますよ」

エレン「母さん...いってきます」

カルラ「いってらっしゃい、エレン」ニコッ

ーーーーーーーーー

ー調査兵団本部ー

キース「ようこそ調査兵団へ、エレン」

エレン「どうもです」

リヴァイ「エレン、早速だが立体機動の適性検査をする...荷物を自室に置いてこい...」

エレン「はい」

リヴァイ「...」

エレン「...わかった」

エルヴィン「で、では私が部屋へ案内しよう...w」

リヴァイ「...」

エルド「あ、エルヴィンさんおはようございます」

グンタ「おはようございます」

エルヴィン「ああ、おはよう」

グンタ「...失礼ながらその子は?」

エルヴィン「ああ、この子については後で話そう...そうだ、二人とも下に降りてリヴァイについて行って待っててくれないか?」

エルド・グンタ「?わかりました」タタタッ

ーーーーーーーーー

エレン「...」

リヴァイ「...では適性検査を始める、エルド、巻き上げてくれ」

エルド「...了解です(何故こんな子どもを...)」キリキリキリ

エレン「...っ」ギシッギシッ

エルド(揺れすぎだ...)


ギシッギシッギッ......ギッ.............


エレン「...」ピタッ

エルド(!?すぐに適応しただと!?)

リヴァイ「...悪くないな」

キース「うむ、適性検査は問題なしだ」

グンタ「団長、あの女の子は一体...?」

キース「奴は男だ」


グンタ「...え?」

ーーーーーーーーー

リヴァイ「ーと、立体機動装置の操作方法は今教えた通りだが...できそうか?」

エレン「できる」キッパリ

リヴァイ「ほう...面白い、やってみろ」

エルド「リヴァイさん!」

リヴァイ「どうしたエルド...」

エルド「どうしたもこうしたも!たった今教えただけで立体機動装置の使用許可を出すなんて!女の子に怪我でもさせたら...!」

リヴァイ「あいつは男だ」



エルド「...え?」

ーーーーーーーーー


バシュゥゥバシュゥゥ...イイゾエレン



エルド「おいグンタ」

グンタ「なんだエルド」

エルド「お前には何が見える?」

グンタ「何って...初日で立体機動装置を使いこなして飛び回ってる子どもの姿が見える」

エルド「俺もそうだ...」

グンタ「俺たちの3年間はなんだったんだろうな...」

エルド「さぁな...」

グンタ「そういやなんであいつマスクなんかしているんだろうな、立体機動中もつけたままだぞ?」

エルド「さぁな...調査兵団は奇人変人の巣窟と言われるぐらいだ...そこにマスクを常につけたがるやつがいても対して変じゃないだろう」

グンタ「...そ、そうか...」

エレン「リヴァイ」

リヴァイ「どうした」

エレン「対人格闘を教えてほしい」

リヴァイ「対人格闘など巨人には通じんぞ」

エレン「...これは必要なことなんだ」

リヴァイ「...どういう意味だ?」

エレン「今は言えない...でもそのうち話す時がくると思う」

リヴァイ「...そうか、では明日から対人格闘の訓練も入れよう、ただし手加減はできないからな」

エレン「わかった、ありがとう」

ー夕食-食堂ー


ワイワイガヤガヤ...


ハンジ「やっほーリヴァイ」

リヴァイ「ハンジか...何のようだ?」

ハンジ「ふふふ...例の子を一目見ておきたいと思ってね」

リヴァイ「エレンのことか、あいつならもうすぐ来ると思うんだが...」

ガチャッキィィ...


エレン「...」


シーン



リヴァイ「おいエレン、こっちにこい」

エレン「...」コクリ

ハンジ「君がエレンだね、君の話は調査兵団の中で持ちきりだから聞いているよ!」

エレン「どうも...」

ハンジ「ふーん...確かに第一印象は女の子だねぇ、綺麗な顔をしてそうだ」ジロジロ

エレン「っ....」

ハンジ「おっと、もしかして失言だったかな?悪気はなかったんだ、すまないね」

エレン「いえ...」

ハンジ「じゃ、今日は挨拶ということでこの辺で...リヴァイをよろしくね?」

リヴァイ「オイ、どういう意味だ...?」

ハンジ「べっつにー?じゃあねエレン!」スタスタ

エレン「...」

リヴァイ「...明日も朝早いから飯食って風呂入って寝ろ」

エレン「わかった...」

エレン「...」

リヴァイ「...風呂は時間をズラして入ればいい」ハァ

エレン「ありがとうリヴァイ」

前のは少し最後が適当だった
そこをしっかり書いてもらうと嬉しい

それから調査兵団での生活が始まった、先輩達は俺を避けることもなく話しかけてきてくれた。

性別やマスクのことは度々聞かれたが、マスクのことは察してくれたのか無理に聞かれることはなかった。

対人格闘だがセンスがあったらしく技を盗みまくった結果、リヴァイを越えて調査兵団トップになった、立体機動ではリヴァイと同等ぐらいだ


そして調査兵団での生活が始まってから数ヶ月がたったある日ー

エレン「援護班...ですか?」

キース「そうだ、今度の壁外調査の時に、お前に援護班の班員として参加してもらいたい」

エレン「しかしー」

キース「訓練兵に戻る時に調査兵団から来たっていうのに討伐補佐すら0ではな...兵団の印象が傷つく...とまではいかないが...」

エレン「まあ...それもそうですね」

キース「もちろん兵団の印象のためだけにお前をわずかな時間とはいえ危険な壁外に出すのではないぞ?チャンスがあるうちに巨人との戦いを経験しておくべきだと思ってな...」

エレン「そういうことなら是非参加させてください」

キース「そうか、ではお前も援護班に志願という形で登録しておこう...」

エレン「はい...」

キース「...エレン、私はもう仲間を無駄死にさせるようなことはー「団長!」

エレン「言ったはずです、無駄死にではないと...それに俺の心配は必要ありませんよ、信じてください」

キース(...)

キース「どうやら私が思ってたよりもお前は強いらしいな」ボソッ

エレン「どうしました?」

キース「いや、何でもない...いらない心配をしてしまったようだな、もう行ってもいいぞ」

エレン「はい、それでは...」


バタン

キース(グリシャ、お前の息子は立派な兵士に育っているぞ)

>>42 結構考えて終わらせたつもりだったんですけどね... 満足してただけにちょっとショックです...

ーーーーーーーーー

ー壁外調査当日ー

エルド「エレン、俺たちの班だが...」

エレン「...」

エルド「見ての通り俺とお前だけだ」

エレン「...何故ですか?」

エルド「お前の強さはリヴァイさんと同等かそれ以上だ、巨人に食われるよりも仲間を庇って死ぬ方がありえるからな、出来るだけお前の好きに動けるようにしたわけだ」

エレン「そうですか...」

エルド「俺も本当は壁外調査に参加する予定だったんだがリヴァイさんにお前を任せられてしまってな...」

エレン「すいません...」

エルド「いやいいんだ、リヴァイさんに任せられたんだから誇りを持って援護に務めるつもりだ」

カイモンサンジュウビョウマエー!!

エルド「おっと、お話はここまでだエレン、いくぞ」バシュゥ

エレン「はい」バシュゥ


ギュィィィィィ...

エルド「おお...初討伐おめでとうだな...」

エレン「ありがとうございます」


ドドドドドドド


エルド「調査兵団が出てきたな、エレン!巨人を近づけるなよ!」

巨人「」ズゥン...ズゥン

>>49 ミスです

エルド「...!いたぞ7m級だな、こっちには気づいていない...エレンできそうか?」

エレン「やります...」バシュッ


ギュイイィィィ....


エレン「...フッ!」ザクッ


巨人「」ズウゥゥン

エルド「おお...初討伐おめでとうだな...」

エレン「ありがとうございます」


ドドドドドドド


エルド「調査兵団が出てきたな、エレン!巨人を近づけるなよ!」

巨人「」ズゥン...ズゥン

エレン「わかってます...!15m級が隊列に近づいて行ってます!俺が腱を切るのでエルドさんがトドメをお願いします!」バシュッ

エルド「まかせておけ!」バシュッ


ギュイイィィィ


巨人「」ズゥン...

エルド(止まった?)

巨人「...」クルッ

エレン「!」

巨人「」ドドドォ!!

エルド「エレン!そいつは奇行種だ!こっちに来るぞ!!」

エレン「...」バシュッ

エルド「おいエレン!?(あいつ巨人の腹にアンカーを刺してどうするつもりだ!?)」

エレン「...」ギュィィィ...

エルド(巻き取りやがった!しかし巻き取りが遅いぞ...?あれじゃ地面に着いてしまう...)

エレン「...っ!」ギュイイイ!!!

エルド(一気に巻き上げた!)


ブオンッ!


エルド(な!?巨人の股下をくぐり抜けただと!?)

エレン「っ...」クルッ バシュッ


ギュイィィィィ...ザクッ


巨人「」ズドォン...


エルド(なんてやつだ...)

エレン「すいませんエルドさん、心配かけるような行動をしてしまって...」スタッ

エルド「まったくだ...次あの技を使ったら承知しないからな」

エレン「気をつけます...」

カンカンカンカンカン

エルド「...撤退の鐘だ、今から帰るがここは最も壁から離れている場所だ、巨人に十分気をつけろよ」

エレン「了解です」

ーーーーーーーーー

ー壁内ー

エルド「...まさか帰り際に10体も討伐するとはな、援護班での二桁討伐はお前が初めてだ」

エレン「そうなんですか...」

エルド「あまり興味なさそうだな?」

エレン「いえ...そんなことは...」

エルド「...まあいい、お前の戦果は討伐数12体、討伐補佐2体だ、素晴らしい戦果だから自信を持っていいぞ」

エレン「ありがとうございます」ペコリ

エルド「もう今日と明日は武装をした状態で待機だから自由にしていいぞ」

エレン「わかりました」

エルド「...そうだエレン!このあと援護班の奴らで犠牲者0の無事を祝ってローゼ内に食べに行くんだがお前もどうだ?」

エレン「俺はいいです...せっかくなので母さんや親友に久しぶりに会いに行こうかと...」

エルド「む、そうかそうか...親や友を大切にすることはいいことだ、気にせず行ってこい」

エレン「ありがとうございます!それでは」タタタッ

エルド「ああ、じゃあな...」ヒラヒラ

エルド「...」

エルド(マスクしてるから分かりづらいけど嬉しそうだったなあいつ...)

オォーイエレンジャネーカー

エレン「?...ハンネスさんか」

ハンネス「おいおい~『か』はないだろ『か』は~」ヒック

エレン「...また飲んでるのかよ」

ハンネス「仕方ねぇだろ?日中ずっとここで立っておくなんざ無理な話だ」

エレン「まあ...そうだけど...でも酒を飲むのとは別の話だろ」

ハンネス「まぁ、そう言うなよ...そうだエレン、お前も一端の兵士なんだ、一杯どうだ?」グイッ

エレン「いらない」

ハンネス「ハハハッ!お前ならそう言うと思ってたぜ」

エレン「なら最初から聞かないでくれよ...」

ハンネス「それもそうだが...そういやエレン、お前立体機動装置付けてどうしたんだ?」チラッ

エレン「これはさっきまで壁外調査の援護班でちょっとだけ壁の外に出てたから...」

ハンネス「おいおい、そりゃ本当かよ?...で?戦果はどうなんだ?いくらお前とはいえブルッちまったんじゃねえのか?」ニヤニヤ


エレン「討伐数12体、討伐補佐2体だよ...」


ハンネス「」

エレン「ハンネスさん?」

ハンネス「ハッ!すまんボーッとしてた...」

エレン「はあ...?」

ハンネス「エレン...お前は強い...その力でお前の母さんやアルミンを守ってやれよ」キリッ

エレン「急に調子良くなったな...」

ハンネス「え?いや...ハハハ...」

エレン「まあいいや...俺もう家帰るから」

ハンネス「ん?もう行くのか?」

エレン「ああ...」

ハンネス「じゃあカルラによろしく言っといてくれよ」

エレン「わかってるよ...」スタスタ


エレン(守る...)

>>59
素朴な疑問なんだけど
何でSSnoteじゃなくてここに投下してるんですか?
前作を読んでる人こそ読みたいだろうから、そっちでやれば良いのに…って思うんだけど

ーーーーーーーーー

空は太陽が傾いていて黄金色に輝いていた


ガチャッ


カルラ「!エレン...?」

エレン「母さん...ただいま」

カルラ「...おかえりなさい」ニコッ


ああ...この笑顔を見るたびに家に帰ってきたんだなって思う







ド オ オ ォ ォ ォ ォ ン!!!!

エレン「!?」

カルラ「爆発かしら...?」

エレン「母さん!外に!!」グイッ

カルラ「え?...ちょっとエレン!落ち着きなさい!」バタバタバタ


ガチャッ ダダダダ

エレン「!?あれは...巨人?」


ド ゴ オ ォ ォ ォ ォ ン!!!!

カルラ「巨人!?」

エレン「!母さん!!伏せて!!」バッ

カルラ「えっ?きゃぁ!」


ドゴオオン!!!ガラガラガラ....



エレン「う...母さん大丈夫か...?」

・・・

エレン「母さん...?」

母さんからの返事がない

そんな嘘だろそんなわけないだろ

さっき笑顔で俺を出迎えてくれたじゃないか

砂埃が収まるにつれ母さんの姿が露わになっていく


俺が目にしたのは頭から大量の血を流している母さんの姿だった

エレン「母さん!!!」

カルラ「ぇ...エレン...」

エレン「母さん!大丈夫か?俺が絶対助けて病院に連れていくからーズゥン

エレン「!」

ズゥン...ズゥン...

エレン(巨人が入ってきたのか...?)

カルラ「エレン」

エレン「な、なんだよ母さん...」プルプル

カルラ「私はもう助からないからエレン、あなただけでも早く逃げて...」

エレン「何言ってんだよ!母さんを置いて行けるわけねえだろ!!」

カルラ「エレン、聞きなさい...」

エレン「...」


カルラ「あなたは強いから...あなたには力があるから...あなたの大切な人を...これからできる大切な仲間を...守るために...その力を使いなさい...」

エレン「クソッ!母さんを守れないでそんなことを約束できるわけないじゃないか!!!」

カルラ「そう...やっぱりエレン...あなたは...」


優しいのね

>>63 SSnoteは見てもらったら分かりますけど閲覧者の年齢層が低いんですよね、嫌気が差してきてこっちに来ました。

ーーーーーーーーー

ー避難船ー

イソゲーオンナトコドモガユウセンダー


エレン「アルミン」

アルミン「!エレン...その大きな袋は何...?」

エレン「母さんだ」

アルミン「!...そっか...」

エレン「アルミン、俺はまだやることがあるから母さんを...預かっていてくれ」

アルミン「ええ?でもエレンも早く避難しないといつー


ド ゴ オ オ ォ ォ ォ ォ ン!!!

エレン「!」


鎧の巨人「...」シュウゥゥゥー


オイ...ウォールマリアガトッパサレタゾ...
キャアアアアアアア!!!
モウオシマイダアアア!!!


エレン「壁が......アルミン!」ガシッ

アルミン「な、何!?」ビクッ

エレン「母さんを頼んだぞ、後で必ず受け取りに行く」グッ


アルミン「うん...わかった、エレンはこのあとどうするの?」

エレン「俺は調査兵団が安全に帰れるよう巨人の進行を遅らせるためにマリアに残る」

アルミン「そんな!!君も避難しないと!!」



エレン「何言ってんだ!!!戦える力を持つやつが戦わないでいつ戦うんだ!!!」



アルミン「!」

エレン「あいつら...駆逐してやる!!この世から...一匹残らず!!」

アルミン「エ、エレン...」


エレン「...俺はもう行くぞ」バシュッ ギュィィ

アルミン「あ!...行っちゃった...」

ーーーーーーーーー

ーシガンシナ区ー

アルミン、さっきはあんな言い方してしまったけど母さんとの約束なんだ...

みんなを守ってみせるからな...

エレン「っ!」ガリッ


カッ!!ズドオォォン!!!!

エレン(巨人)「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ァァ!!!!」ズウゥン...

巨人「」ズシン...ズシン...

エレン(巨人)「...」ズゥン

やるしかねえよな...

エレン(巨人)「ッア"ァ!!!」ブンッ

ドゴオオオォォォォォォォォォン

ーーー
ーー

リヴァイ「おいエルヴィン...これはどうなってやがる...壁が破られたのか?」

エルヴィン「そう捉えるしかなさそうだ...それにしては巨人が見当たらないが....」

リヴァイ「シガンシナ区内にはちらほらいたんだが...マリア内に入った途端急にいなくなりやがった...」

エルヴィン「ああ...まるで何者かに進行を妨げられているような...」

リヴァイ「チッ、とにかくウォールローゼまで行くしかねえな...」

グンタ「エレンやエルド達は大丈夫でしょうか...?」

リヴァイ「あいつらは中途半端なことじゃ死なねえから大丈夫だ...」

エルヴィン「ああ...」

ーーーーーーーーー

ー巨大樹の森ー



エレン「はぁっ...はぁっ...っ...」

良かった...調査兵団のみんなはローゼに向かったようだな...

ああクソ...巨人化しすぎた...立体機動装置もガス切れしてしまったし木の上に上がれねえ...

エレン「っ...はあっ...ぅ...」ドサァ

早く行かねえと...ここ...だっていつ巨人が...来てもおかしく...ねえのに......


母さん...

ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
オイ、ダイジョウブカ
ーーー
ーー

ートロスト区ー

ハイキュウノパンダー!オレニー!ワタシニー!

ガヤガヤ

リヴァイ「おいエルド、エレンを知らねえか」

エルド「へ?あ...リ、リヴァイさん!壁外調査お疲れ様です!」ビクビク

リヴァイ「緊急事態だ、壁外調査などとほざいてられん、そんなことよりエレンはどうした?お前に任せたと言ったが...」

エルド「エ、エレンは援護班の任務が終わった後に母親のところに行くと言って別れたのが最後ですが...」ビクビク

リヴァイ「?...そうか、母親に聞くしかねえな...」

キース「奴の母親なら私が知っている...」

リヴァイ「そうか...」

エルヴィン「とにかく今はエレンか彼の母親を探そう」

リヴァイ「そうだな...」

ーーーーーーーーー

ん...

???「お、気がついたか?」

状態を起こすと黒髪で頬にそばかすのある女がこっちを見ていた

エレン「...ここは?」モソモソ

???「ウォールローゼの中にある空き家だ」

エレン「ウォールローゼ...?」

???「ああ?お前覚えてねえのか?壁が破壊されてー

彼女がそう言った途端に母さんを助けられなかったことを思い出した


ー私はもう助からないからエレン、あなただけでも早く逃げてー


エレン「!...うっ...」ズキィッ

???「おい大丈夫か?」

エレン「あぁ...」ズキ...ズキ...

???「そうには見えないがな...」

エレン「...それよりもなんで服を着ていないんだ俺は...?」

???「ああ、疲労と傷だらけであの締まった服じゃあな...」

エレン「...見たのか?」

???「まあな、私は女だが気にしてないからー「そっちじゃない」

???「あ?」

エレン「言い方が悪かったな、顔を見たのか?」

???「いいや?取ろうと思った時にお前が起きたからな」

エレン「そうか...それよりも服を」

???「ああほらよ、そこらへんで盗ってきたやつだ」パサッ

エレン「...」モソモソ

???「お前ウォールマリアの中で倒れてたんだぞ?私がいなきゃ巨人に食われてたな、感謝しろよ?」ニヤニヤ

エレン「そうなのか...礼を言う、名前は?」

???「人に名前を尋ねる時は自分からって知らないか?」

...可愛げのないやつだ

エレン「エレン・イェーガー...」

ユミル「ユミルだ」

エレン「そうか...ありがとうユミル」

ユミル「気にすんなって......さて、お前の正体についてだが...」ニヤッ

エレン「...」ピクッ


ユミル「巨人だろ?」


エレン「...」

いきなり核心に迫られて一瞬たじろいてしまった

エレン「...どうしてそう思った?」

ユミル「傷の治りが速すぎるからな、細かい傷ばっかりだったから蒸気は出ていなかったが...」

傷の治りで判断したと言うのなら、顔の傷を見ていないというのは本当なのだろう

エレン「俺が巨人だとしてどうするつもりだ」

ユミル「へっ、別にどうもしねえよ...私も同じだからな」

エレン「...ということはお前はあいつらの仲間なのか?」

ユミル「?...お前の言うあいつらというのはよくわからないな、私はさっき人間に戻ったようなものだからな」

とりあえず奴らの仲間というわけでもなさそうだ、しかしー

エレン「人間に戻る?」

ユミル「ああ、自分でもよくわからないが人間に戻った、お前はどうなんだ?」

エレン「俺は途中から人為的に...。!このことは誰にも言うんじゃねえぞ」

ユミル「へぇ...つまり秘密の共有ってわけだ」ニヤニヤ

エレン「...なんなんだよ」

ユミル「......お前鈍感なんだな」ハァ

エレン「コミュニケーションが苦手なだけだ...」

ユミル「まあいい、お前これからどうするんだ?」

エレン「俺は...親友に預けているものを受け取りに配給所へ行く」

ユミル「そうか、私も食べるものがないと困るからな...ついて行こう」

ーーーーーーーーー

ー配給所ー

ガヤガヤワイワイ

アルミン「うう...重い...」ズルズル

祖父「アルミン、わしが背負った方がいい気が...」

アルミン「おじいちゃん、エレンは僕に任せてくれたんだ...僕が最後までおばさんを背負うよ」

祖父「そ、そうかい...」

アルミン「よいしょっと...ん?あれは調査兵団?ということはエレンも戻ってきてるはず...」ズルズル

リヴァイ「チッ、人が多すぎる」

エルヴィン「ああ、エレンは兵団服を着ているからすぐに見つかるかと思ったのだが...」

キース「こっちも奴の母親は見つかっていない」


アルミン「あの」

リヴァイ「なんだガキ...」

アルミン「あ、いえ...調査兵団の方達ですよね?」

エルヴィン「そうだが、どうかしたのか?」

アルミン「エレンを探しているんですが...調査兵団の方ならご存知かと思って...」

エルヴィン「残念ながら私達もエレンを探している最中なんだ」

アルミン「え?ここに来る途中でで会わなかったのですか?」

リヴァイ「どういうことだ?...」

アルミン「エレンが別れ際に『俺は調査兵団が安全に帰れるよう巨人の進行を遅らせるためにマリアに残る』と言っていたので...」

リヴァイ・エルヴィン・キース「!」

リヴァイ「あいつ...それでマリアの中に巨人が少なかったわけだ...」

キース「しかし帰ってきてないと安否の確認がー

エレン「団長!アルミン!」タタタッ


キース「!...貴様無事だったか」

エレン「はい、彼女に危ないところを助けてもらいました」チラッ

ユミル「...」

キース「む、そうか...こちらからも礼を言おう」

ユミル「いえ...」

エレン「アルミン重かっただろ?ありがとうな」グイッ

アルミン「あ、うん...」

エルヴィン「ところでその大きい袋は一体なんだ?」


エレン「・・・母親です」

アルミン以外「「!!」」

ユミル「お、お前...受け取るって...」

エレン「...」

エルヴィン「...すまない」

エレン「いえ...」

キース「...そうか...貴様これからどうするつもりだ?」

エレン「もちろん今まで通りやっていきます...」

キース「うむ、わかった」

ーーー
ーー

ー夜、墓地ー

エレン「母さんごめんよ、本当はシガンシナに埋めてあげたいけどすぐにそうはいかないみたいだ...」

エレン「...母さんとの約束守りたいけど...俺、約束を守れるほど強くないみたいだ...だって母さんを守れなかったから...」

エレン「ハンネスさんに母さんを守ってやれって言われたばかりなのにな...」

エレン「俺、頑張るから...いつか二人でシガンシナに帰ろう...」


壁|ユミル(...)

ー朝ー

アルミン「エレンおはよう」

エレン「ああ...」ボーッ

アルミン「...そろそろ開拓地行きの馬車がくると思うから...」

エレン「そうか...」

アルミン「...」

エレン「...アルミン」

アルミン「!な、何かな?」

エレン「開拓地に行ったら...ミカサっていう黒髪の女の子の友達になってやってくれ...」

アルミン「ミカサ?」

エレン「ああ、エレンの友達だって言えばわかってくれるだろう...でも俺のことは友達だってこと以外は何も言わないでくれ」

アルミン「どうしてそのミカサって子の友達に...?」

エレン「あいつも...家族がいないんだ」

アルミン「!...わかった...馬車がきたみたいだからもう行くね?」

エレン「ああ...元気でな...」

アルミン「うん、エレンも頑張ってね」タッタッタッ

エレン「...いるんだろ?」

ユミル「...気づいてたか、盗み聴きするつもりはなかったんだがな...」スッ

エレン「気にするな...」

ユミル「私もそろそろ行くが...」

エレン「ああ...」

ユミル「...」

ユミル「あぁクソ!」グイッ

エレン「!?」


ギュッ

エレン「...なんのつもりだよ」

ユミル「...」ギュゥゥ

エレン「...」

エレン「...」

エレン「...」ポロ

エレン「うぅ...」ポロポロ

エレン「うあ...うわあ"あ"あ"あああああああ!!!!」ポロポロ

ーーー
ーー

エレン「...すまなかったな」

ユミル「気にすんなって、なんなら身体も貸してやってもいいぜ?」ニヤニヤ

こいつは...

エレン「...そういうのは軽々しく言うものじゃないぞ」

ユミル「悪かったって、じゃあまた縁があれば会おうぜ」

エレン「ああ...またな」

ーーー
ーー

その日から俺は死に物狂いで訓練に励んだ、仲間を守れるようになるために

だけどいくら訓練しても壁外調査に参加できない俺は次々減っていく調査兵団の先輩達をただ傍観するしかなかった



...俺は本当に仲間を守れるのだろうか?

そして訓練兵入団式の前夜

コンコン

<ハイレ

ガチャッ

エレン「失礼します...団長」

キース「今は教官だ」

エレン「すいません...」

キース「まあいい、明日のことだが...入団式には参加せず、夕食前に訓練兵の前で紹介するという形になる」

エレン「...あんまり注目を浴びるようなことは嫌なのですが」

キース「まあそういうな...これまでは貴様の周りには歳上しかいなかったがこれから貴様の周りにいるのは同期だ、支え合って訓練に励むべきだと思うがな...」

エレン「...」

キース「仲間を失うのが怖いのか」

当たり前だろ...

エレン「そんなつもりは...」

キース「いいかエレン...いや、イェーガーよ、何もお前が全てを守る必要はないのだ」

エレン「でも母さんは...これからできる仲間も守ってやれと...」

キース「むぅ...しかし貴様と初めて出会ったあの日、貴様は『自由を求める調査兵団の一員として死ねたんだ、決して無駄死になんかじゃない』そう言ってたであろう?」

エレン「団長」

キース「...なんだ」

エレン「無駄死にじゃなくても人の死であることに変わりはないんですよ...」

キース「...」

エレン「こればっかりは自分で考えさせてください...」

キース「そうか...わかった、今日はもう寝て明日に備えるがいい」

エレン「そうします...最後に教官」

キース「ん?」

エレン「...あの日団長を庇った俺はもういませんから」


バタン


キース(弱くなったということか...)

キース(グリシャ、こういう時お前ならどうするだろうか...)

訓練兵団編に入るので
キース→教官
に変えます

847年

トロスト区訓練兵団宿舎

キース「貴様は何者だ!!」

アルミン「はっ!シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!!..............!」


教官F「…懐かしいな お前もやっただろう」

教官G「えぇ しかしあの恫喝にはどんな意味が...?」

教官F「通過儀礼みたいなものだ 、これから訓練を受ける前にまっさらな気持ちで1から始めるという気持ちを持たせるためにな」

教官G「しかし、何も言われていない者達もいるようですが…?」

教官F「おそらく2年前の惨劇を見た者たちだろう…面構えが違う」


ーーーー
ーーー
フカシタイモデス!!
ーー

ー夕食前、食堂ー

ワイワイガヤガヤ

ミカサ「エレンが...いない...」

アルミン「ど、どうしたんだろうね?」

ミカサ「『またな』って言ってくれたのに...」


ワイワイガヤガヤー


ガチャッキィィィ...


!...シーン


教官「貴様ら揃っているか...楽な格好でいいから聞け......入れ」

ツカツカ


オ、オイ...アレッテリヴァイヘイチョウジャネエカ...?

エルヴィンダンチョウモイルゾ...

ソノヨコニイルマスクノオンナノコハ...サア?

教官「今から貴様らの仲間を紹介する」スッ

エレン「調査兵団からきました...エレン・イェーガーです...」

ミカサ「!」

ユミル「!」

オ、オイチョウサヘイダンカラッテドウイウコトダ?

ザワザワ

教官「静かに...イェーガーは調査兵団の優秀な人材だ、しかしまだ12だ、一度訓練兵に戻って同期との訓練生活を共にするためにここにきた」

エルヴィン「若き兵士達よ...エレンをどうかよろしく頼む」

訓練兵「は...ハッ!」バッ

教官「うむ...イェーガー、何か言うことはあるか?」

エレン「いえ...あ...1つだけやることが」

教官「許可しよう」

バサッ

エレン「リヴァイ」

訓練兵「!?」



リヴァイ「なんだ」

エレン「俺がここを卒業するまでジャケットと...マントを預かっておいてくれ」スッ

リヴァイ「わかった....ここで何かを得られるといいな」

エレン「...どうだろうな」

リヴァイ「...」

教官「うむ...では食事を始めていいぞ」

ザワザワ...

アノリヴァイヘイチョウヲヨビステダト...?

ワイワイ


アルミン「エレン!」

エレン「アルミンか、久しぶりだな」

アルミン「うん!」

ミカサ「エレン」

エレン「...ミカサか、アルミンと仲良くしてくれたのか」

ミカサ「うん...アルミンはとっても優しい...」

エレン「そうか」

ミカサ「それよりエレン、早く一緒に食べよう」

エレン「...」

ミカサ「?」

アルミン「ミカサ...」

ミカサ「あ...ごめんなさい...久しぶりに会えて嬉しかったから...つい...」シュン

エレン「気にするな、俺は外で食ってくる...スープは飲めないからどっちかが食べといてくれ、食ったらまたくる」スタスタ

ミカサ「あ...嫌われてしまったかもしれない...」シュン

アルミン「そんなことはないよ、エレンは優しいから大丈夫だよ」

ミカサ「そうだといいけど...」

ー外ー

エレン「...」

???「おい」

エレン「...誰だ?」クルッ

ユミル「おいおい...私を忘れたのか?」

エレン「!...ユミルか、暗くて分かりにくかったんだ、すまん」

ユミル「まぁ胸貸してやった仲だしな、大方そんなことだろうと思ってたよ」

エレン「...そのことは絶対に人前で言うなよ」

ユミル「じゃあ二人きりの時はいいのか?」ニヤ

エレン「はぁ....もういい、それより何故お前がここにいる?」

ユミル「あ?見りゃわかんだろ、私も訓練兵に志願したんだよ」

エレン「...そうか」

ユミル「私に会えて嬉しいのかぁ~?」ニヤニヤ

エレン「...そうだな」

ユミル「なっ!!///」ビクッ

エレン「なんだよ、お前が聞いたんだろ?」

ユミル「あ、いや...てっきり冷たくあしらわれるかと思って...」プイッ

エレン「?...お前はよくわかんねぇな...」

ユミル「お前が鈍感なだけだコノヤロー...//」

エレン「??...まあいい、俺はあいつにパン渡して食堂に戻るから」

ユミル「あいつ?」クルッ



サシャ「はっ...はっ...もうダメです...」タッタッタッ

ユミル「...芋女か、お前お人好しだな」

エレン「命を助けるほどのお人好しに言われたくない」

ユミル「ああ言えばこう言うとはこのことだな」

エレン「それも言えたことかよ」

ユミル「うるせっ///」


スタスタ


ユミル「はぁ......ん?」


クリスタ「...」キョロキョロ


ユミル「...」

ーーーーーーーーー

サシャ「はぁっはぁっ...っはぁっ」タッタッタッ

エレン「おい」

サシャ「は?はい?私ですか?」

エレン「お前もう走らなくていいからこれ食え」パァン

サシャ「そ、それは...パァン!!ありがとうございますうぅぅぅ!!!」ムシャムシャ

エレン「俺は教官と知り合いだからな、お前を止めておいたって俺が言っておくから安心しろ」

サシャ「神!!!」ムシャムシャ


クリスタ「あの~」

エレン「ん?」

クリスタ「私もパンと水持ってきたんだけど...」

サシャ「女神!!!」ゴクゴク

エレン「...こいつはもう大丈夫だろ、俺はもう食堂に戻るからな」スタスタ

クリスタ「あ...行っちゃった...」

サシャ「」ムシャムシャ

アルミン「あ、エレン戻ってきたんだね」

エレン「ああ...」

アルミン「じゃあ外に行って3人で話でもしようよ」

エレン「いいけど...」

ミカサ「わたしも構わない」

アルミン「じゃ、先に行って待ってるね」スタスタ

ミカサ「ええ、エレン、悪いけどあなたのスープの食器を持って行ってはくれないだろうか」

エレン「ああ、さっさと片付けにいこう」カチャ

ミカサ「そうね」カチャ


ジャン「な、なああんたら...!」

ミカサ「...何?」

ジャン「あ、いや...見慣れない顔立ちだと思ってな...その、二人とも綺麗な黒髪だ...//」

ミカサ「?...どうも」

エレン「...行くぞ」

ミカサ「ええ...」

ジャン(しゃあ!ファーストコンタクトとしては十分すぎるだろう!!)グッ

ーーーーーーーーー

アルミン「ーだったんだよ!?」

ミカサ「ふふふ...」

エレン「ん?ハンネスさん達だ」

アルミン「本当だ」

ハンネス「...」チラッ

ミカサ・アルミン「!」バッ

エレン「...」


ジャ、モウイッテイイゾ

ハンネス「あー、直っていいぞ」

アルミン「エレン、君もしなくちゃだめじゃないか...」

エレン「でも前まで調査兵団だったし、今更飲んだくれを敬えと言われてもな...」

ハンネス「おいおい、これでも今や駐屯兵の部隊長だぞ?」

エレン「はいはい、俺らはもう寝るから」

ハンネス「そうか、訓練頑張れよ」

アルミン「ありがとうございます」ペコッ

アルミン「さて、じゃあねミカサ、明日から訓練頑張ろうね」

ミカサ「ええ、二人ともおやすみなさい」

エレン「ああ...」

アルミン「おやすみ」

アルミン「...じゃあ僕たちは男子寮に行こうか」

エレン「部屋に誰がいるかわかるか?」

アルミン「ええと...部屋割りの紙には...ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、ジャン・キルシュタイン、そして僕とエレンだ」

エレン「そうか」

ー男子寮ー

ライナー「ジャン・キルシュタインだな、ライナーだ、よろしく頼む、こっちは馴染みのベルトルトだ」

ジャン「よろしくな、ライナー、
ベルトルト」

ベルトルト「よろしく」

ライナー「さて、あと二人来るはずなんだがあいにく名簿をなくしてしまってな、誰が来るのかー

ガチャッ


アルミン「お邪魔しまーす」ソーッ

ライナー「む、来たな」

アルミン「えーと...僕はアルミン・アルレルト、よろしくね」

ライナー「よろしくなアルミン、俺はライナーだ、こっちはベルトルトだ」

ベルトルト「よ、よろしく...」

ジャン「ジャン・キルシュタインだ、よろしく頼むぜ」

アルミン「3人ともよろしくね」ニコッ

ライナー「さて、あと一人なんだが...」

アルミン「さっきトイレに行ってたからもうすぐ来ると思うよ」

ライナー「そうか」

ガチャッ


エレン「...」

ライ・ベル・ジャン「!?」

ジャン(ふおおおおおおおお!!!これはまさかファーストコンタクトが功を奏したのか?)

ライナー「えーと...エレンだったか?ここは男子寮なんだが...」

エレン「...アルミン後は頼んだ、俺はもう寝る」ハァ...

アルミン「...わかった」

ジャン「おいアルミンこれはどういうことなんだ?」ハァハァ

ライナー「俺たちに説明してもらおうか...女が男子寮に寝泊まりなど...

アルミン「エレンは男の子だよ...」



ライ・ジャン「...え?」

ー朝、食堂ー

オハヨー、オハヨー

マルコ「ジャン、おはよう」

ジャン「ああ...マルコか...」ゲッソリ

マルコ「うわ!どうしたのその顔!?」

ジャン「なんでもねえよ、俺の朝食も持ってきてくれ...」

マルコ「え?うん、別にいいけど...」スタスタ

ジャン(...クソッ!一時とはいえ俺は男に顔を赤くしてたというのかよ!!)

ジャン(うおおおおおおお!!!猛烈に自己嫌悪だああ!!)グシャグシャ

ジャン(ハッ!でも俺にはもう一人あの子が!)チラッ

ミカサ「エレンおはよう」

エレン「おう」

ミカサ「今日は適性検査...」

エレン「ああ、頑張れよ」ポンッ

ミカサ「!!!!が、頑張る/////」モジモジ


ジャン(チキショオオオオオオ!!!)グシャグシャ

マルコ(ジャン...どうしたんだろ)

ユミル「よお」ポンッ

エレン「ん、なんだお前か」

ユミル「なんだとはなんだ、愛想がねえな」

エレン「...元からだ」

ユミル「はぁ...まあいい、ほら、お前の分の朝食も取ってやってるからこっちにこい」グイッ

エレン「お、おい...そんなに引っ張るなって、袖が破けるだろうが」

ユミル「いいから来いって」グイグイ

エレン「ハァ...」

クリスタ「ユミルどこに行ってたの?待ってたんだよ?」

ユミル「ん?ああわりぃな、ちょっとこいつをとっ捕まえに」ガタッ

エレン「...」ガタッ

クリスタ「あ、昨日の...エレン君だっけ?」

ユミル「そんな『君』なんかつけなくたってエレンでいいんだよエレンで」

クリスタ「もうユミル!初対面なんだから呼び捨てじゃ失礼でしょ?」

ユミル「私はここに来る前からこいつとは知り合いだ」

クリスタ「へ?そ、そうなんだ...」

ユミル「まあそんなことより飯食おうぜ」ニヤァ

エレン「!」ガタッ

ユミル「おっと、行かせねえよ」パシッ

エレン「...離せ」

ユミル「やだね、その素顔を拝ませてもらおうか」ニヤニヤ

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル...」

ユミル「クリスタだってこいつの素顔は気になるだろ?知り合いの私ですら見たことないんだからな」

クリスタ「え...まぁちょっとは...」イジイジ

エレン「...」

ユミル「見せねぇと私の胸貸してやったこと言っちゃうぜ?」ヒソヒソニヤァ

エレン「...別に...満更でもなかったしな」

ユミル「は!?/////何言ってんだいきなり!//」ドン

エレン「?」ヨロヨロ

ユミル「チッ、もういい!外で勝手に食ってろ!//」ポイッ

エレン「...?」パシッ


スタスタ


ユミル「...//」


クリスタ「ユミル?顔赤いよ?」

ユミル「うるせっ///」

ー立体機動適性検査ー

教官「今から立体機動の適性検査を行う!!これができなければ兵士もクソもなく開拓地に移ってもらうことになる!!」


教官「では今からイェーガーが手本を見せる!!それを見て一瞬で理解してみせろ!!」

エレン「聞いてねぇ...」

訓練兵「「ハッ!」」バッ

エレン「...」ハァ

ーーーーーーーーー

エレン「...」ギッ...ギッ......ピタ

オオ...サスガチョウサヘイダンダ

ピッタリトメタゾ...

教官「うむ、見事だイェーガー...ワグナー、降ろしていいぞ」

トーマス「ハッ!」キリキリ

教官「それでは改めて適性検査を始める!!」

ワイワイガヤガヤ

教官「次!アルミン・アルレルト!」

アルミン「ハッ!」

カチャカチャ

エレン「...息を深く吐いて腰を中心に構えろ」ボソッ

アルミン「!...ありがとう」


教官「よし、イェーガー、巻き上げろ」

エレン「はい」キリキリ

アルミン「...っ」ギシッ...ギィッ...

教官「うむ...合格だ、イェーガー、降ろしていいぞ」

エレン「はい」キリキリ


アルミン「ありがとうねエレン」

エレン「俺が教えたのはブレを抑える方法だからな、別に教えてなくてもお前は合格してたよ」

アルミン「ははっ、わざわざどうも」

教官「次!クリスタ・レンズ!!」

クリスタ「は、はい!」

ユミル「頑張れよ」

クリスタ「う、うん!ありがとうねユミル!」

カチャカチャ

エレン「ん?」

クリスタ「どうかしたの?」

エレン「いや...何も...」

クリスタ「そう...?」

教官「よし!イェーガーいいぞ!」

エレン「はい」キリキリ

クリスタ「っ!...っ...」ギィィ...ギシ...!ギシ...!

エレン「!」


パキィンッ


クリスタ「え?きゃぁ!」グルンッ

ユミル「クリスタ!!」
エレン「クソッ!」グオッ

ガシィッ

クリスタ「...」

クリスタ「....?」パチ


エレン「...おい大丈夫か」

クリスタ「へ?//あ...うん..///(お姫様抱っこ...)」

エレン「そうか、じゃあ降ろすからワイヤー掴んどけ」

クリスタ「うん...(よく考えたら適性検査失敗したんだ...)」

キリキリキリ


エレン「教官」

教官「どうしたイェーガー」

エレン「...レンズ訓練兵のベルトと俺のベルトを交換してもう一度やらせてください」

クリスタ「へ?」

教官「ふむ...他ならぬお前が言うのなら許可しよう...」

ーーーーーーーーー

クリスタ「...あれ?」ギシッギィッ...ギッ...

教官「...ベルトが破損していた」

クリスタ「え?そうなの?」ギシッ...ギシッ

エレン「ああ」

教官「ここが破損するなど聞いたことないが...新たに整備項目に入れる必要があるな...レンズ訓練兵は合格だ」

クリスタ「!!...よかった...」

ユミル「クリスタよくやったぞ!」

クリスタ「うん!」

クリスタ「エレンも助けてくれてありがとうね!」ニコッ

エレン「...」キリキリ

クリスタ「エレン?」

エレン「...ああ」

クリスタ「?」

ーーーーーーーーー

ー夕食、食堂ー

ガチャガチャワイワイ


アルミン「午後の座学は立体機動装置についてだったからエレンには必要なかったね」

エレン「まぁ...そうだな」

ミカサ「明日は基礎体力をつける訓練と午後に立体機動の訓練がある」

アルミン「そうだね...基礎体力は不安だなぁ...」ハハハ...


ライナー「ここいいか?」

アルミン「あ、ライナーとベルトルト、もちろんいいよ」

ライナー「ありがとうな」ガタッ

ベルトルト「ありがとう」ガタッ

ライナー「そうだエレン、昨日は気を悪くさせてすまなかったな」

エレン「別に気にしてない」

ライナー「そうか、それはよかった」

エレン「ああ...俺は外で食ってくるからスープは誰か食っといてくれ」

サシャ「では私が!!」シュタッ

エレン「ほらよ、片付けはお前がやれよ?」スッ

サシャ「お安い御用です!」ゴクゴクゴク

エレン「じゃあな」スタスタ


アルミン「...」

ライナー「食事中はマスクを外すとおもったのだがな」

ベルトルト「そうだね」

ミカサ「...」

ーーーーーーーーー

ー男子寮ー

ジャン「はー...長い一日だったぜ」

ライナー「明日から早速立体機動の訓練があるから早く寝た方がいいぞ」

ベルトルト「でもいくらなんでも早すぎないかな?立体機動の訓練は事故も多いみたいだし...」

アルミン「だからこそだよ、こういうのは『習うより慣れろ』の方が合ってるからね、早いうちからやっておくに越したことはないよ」

ジャン「なるほどな」

ガチャッ


アルミン「あ、エレンおかえり」

エレン「ああ...」

ジャン「おいおい...お前風呂から戻ってくるのが遅いぞ?覗いてるんじゃねえのか?」

アルミン「ジャン、やめなよ...」

エレン「俺はもう寝る」ドサッ

ジャン「あ、おい!待てよムッツリマスク野郎!!」

エレン「...zZ」

ジャン「チッ!」

ライナー「ジャン、まだエレンが覗いたと決まったわけじゃないのにムッツリはダメだろ...」

ジャン「じゃあマスク野郎か...」

アルミン「そういう問題じゃないと思うけど...」ハァ...

ライナー「しかしあいつは寝る時もマスクをしてるんだな」

ベルトルト「何でだろうね?」

ジャン「よし、奴の素顔を見てやろうじゃねえか...」

ライナー「...しかしわざわざ隠すってことは傷跡とかがあるってことじゃないのか?」

アルミン「...」

ジャン「ヘっ、どうせ顔の下は不細工すぎて隠してるだけだろ」

アルミン「まあ...無駄だと思うよ」

ジャン「は?脅しか?」

アルミン「そんなつもりは...」

ジャン「...とりあえずその顔を拝ませてもらうぜ?」ソー

エレン「...」

ジャン「...」ソー

エレン「...」パチ

ジャン「...」

エレン「...さっさと寝ろ」

3泊4日の修学旅行から帰ってきたぞ

それからは俺は周りの奴らとはそれなりに会話を交わし、物足りない訓練量に少し退屈しながらも普通に過ごしていた。

自ら声をかけるのはアルミンとユミルぐらいだが二人ともお互いにミカサとクリスタがいるため常に一緒というわけではなかった。

顔も相変わらず気にしてくる連中がいたがそういうのは無視していた。

特に仲間だの守るだのの考えに進展がないまま訓練兵として2ヶ月が過ぎようとしていたある日の夕食の時

ー食堂ー

アルミン「今日の訓練もエレンにはあまり関係なかったね」モグモグ

エレン「んー...まあな」ボーッ

ライナー「お前ほとんど空眺めてたじゃないか」

ジャン「へっ!できるから余裕ですよってか?気に入らねえ...」

マルコ「ジャン言い過ぎだよ...」

エレン「...俺は外で食ってくるから」ガタッ

ジャン「またそれかよ」ケッ


ミカサ「エレン待って」パシッ

エレン「...なんだよ」

ミカサ「やっぱりあなたもここで食べるべき」

アルミン「...」

クリスタ「そうだよ!エレンもここで食べるべきだよ!」

エレン「......俺がここで食うとみんなのメシが不味くなるからいい」グイッ

ミカサ「あ...」パッ

ジャン「今でも十分お前のせいで不味いがな!」ガタッ

マルコ「ジャン!」

ジャン「おいエレン!スカした態度でいつもかっこつけてんじゃねえぞ!!」ガシッグイッ

ナンダケンカカ?ザワザワ

エレン「...離せよ」

ジャン「うるせぇ!とにかく気に入らねえんだ!!舐めた訓練の受け方して自慢のつもりか?ああ?」グイグイ

アルミン「ちょ、ちょっと...」オドオド

エレン「そりゃ調査兵団の訓練の方が厳しいからな、舐めているように見えても仕方ない」

ジャン「っ!」イラァ

ジャン「二言目には調査兵団調査兵団って!!死に急げばかっこいいと思ってんのか??お前みたいな死に急ぎ野郎はさっさと巨人に食われちまえばいいんだよ!!」



シーン...


エレン「...お前確か憲兵団に入って内地で楽したいんだよな?」

ジャン「?...ああそうだが」

エレン「じゃあ俺が死に急ぎ野郎ならお前は内地に”引き篭もり野郎”だな」


ライナー「ブッwww」

クスクス...ヒキコモリヤロウダッテヨw

ジャン「ッ!テメェ!」ブン

エレン「!」サッ


イイゾヤッチマエー!ワイワイ


ジャン「クソッ!」シュシュッ

エレン「っ...」ヒュヒュッ

あ、ごめんね批判ではないんだ
面白いから厨二くさくていいんだ
ただこのエレンを読んでたらジャンが新鮮で魅力的に感じてなー

>>145
コメントどうもです。

設定がくさいのは承知してます。どちらにせよ訓練兵の年齢なら中二病もありえますけどエレンの性格は素でアレということにしておいてください。

後ろめたい秘密をもっているエレンに共感していく二人を書きたかっただけなんや。

クリスタ「ちょっと止めないと!」

ユミル「いや、もう少し様子を見た方がいい」

クリスタ「何で!?」

ユミル「...」

クリスタ「?」チラッ


クソッヨケンジャネェ!


コニー「なぁ、何でエレンは避けてばっかなんだ?」

サシャ「確かに、ジャンの攻撃が激しいわけでもないのに避けてばかりはおかしいです...何か様子を見ているような...そんな気がします」モグモグ

コニー「は?様子を見てどうするんだ?」

サシャ「それはわかりません」モグモグ

ジャン「オラッ!」ビュッ

エレン「...」サッ

ジャン「どうした死に急ぎ野郎!避けてばっかじゃねえか!」ブン

エレン「...」ヒョイ

ジャン「その程度じゃ自分の身は守れても仲間は”守れねぇ”よ!!」グオッ

エレン「!」ピタッ









バキィッ!!!!

一同「!?」


ジャン「...は?」

エレン「...」

ジャン「お、おい何で止まったんだよ...」

エレン「...」

ジャン「おい、つっ立ってねぇで答えろ」

エレン「...」ボソッ


ミカサ「!」

ジャン「あ?」

エレン「...」ギロッ


ミカサ「!」ゾワッ


ジャン「なんだその目は」

ミカサ「ジャン!早くエレンから逃げて!!」

ジャン「ミカサ?何で俺がこいつからー


ガシッ ズダァン!!

ジャン「ぐぉっ!!何しやがる!!」グググッ

エレン「フーッ!フーッ!」グッ

ジャン「ぎゃああぁぁぁぁぁ!」メリメリメリ

マルコ「ジャン!!」

ミカサ「まずい!エレンはジャンを殺しにかかってる!!」

アルミン「ミカサ!?エレンを止めないと!」

クリスタ「...ユミル、エレンが怖いよ...」

ユミル「あいつ...片手だけのアイアンクローで...どんな握力してんだ」

ライナー「とにかく止めるぞ!ベルトルト!」ダッ

ベルトルト「あ、ああ!」

アルミン「僕は教官を呼んでくる!!」ダッ

ライナー「クソ!エレン落ち着け!!開拓地に送られてもいいのか!?」グググ

ジャン「ぐぁぎぎぎぎっぐ」メリメリ

マルコ「ジャン!しっかりするんだ!!」

ミカサ「エレン!ダメ!!」



リヴァイ「落ち着けお前ら」

ライナー「!リヴァイ...兵長!!エレンを...!」グググ

リヴァイ「わかってる...おいエレン、こっちを向け」グイッ

エレン「フーッ!フーッ!フー...フー......」

リヴァイ「落ち着いたか」

エレン「...」パッ

ジャン「う...うぁ...」ガクッ

ライナー「ジャン!しっかりしろ!今医務室に連れていくからな」

リヴァイ「様子を見にきたら随分と派手なことになってるじゃねえか...」

エレン「...」

教官「イェーガー!!!」バンッ

エレン「!...」


エレン「.......団長...リヴァイ...俺やっぱり無理...です...」

教官「...」

リヴァイ「...」

教官「...明日の早朝、私の部屋に来い...」

エレン「はい...」

ーーーーーーーーー

リヴァイ「厄介なことになったな...」

クリスタ「...みんな寮にもどっちゃったね」

ユミル「...残ったのは私達だけだ」

コニー「おいジャンはどうなったんだ?」

ライナー「ああ、鼻の骨と頬骨が折れていたらしい...復帰するには時間が掛かる」

クリスタ「それじゃぁ開拓地に...」

リヴァイ「キルシュタインに関しては俺たちにも責任があるからな、ヤツが開拓地に送られることはないようにしておいた」

マルコ「良かった...」

サシャ「あの時のエレンの表情というか目は物凄く恐ろしかったです」

ユミル「そういや何であいつは急にジャンを攻撃したんだ?」

サシャ「そういえば...何ででしょうね?」

ミカサ「”守るために戦う”」

一同「?」

ミカサ「エレンはジャンに掴みかかる前にそう言ってた」

アルミン「なんでそんなことを...」

ミカサ「...」

ー...戦え!ー


ー戦うんだよ!勝てなきゃ死ぬ…!勝てば…生きる…!ー

ミカサ「...」

ー戦わなければ...勝てないー

ミカサ「エレンは...戦うということを殺すことだと思っている...かもしれない」

コニー「は?どうしてだ?」


ミカサ「...私が9才の頃、両親が殺されて私は人攫いに攫われた」

一同「...」

ミカサ「その時にエレンは私を助けるためにその人攫いを殺した」

アルミン「...」

コニー「は!?」

ユミル「黙ってろ...」

ミカサ「しかしもう一人の人攫いがいてエレンは殺されかけた、その時エレンは私にこう言ったの」

一同「...」

ミカサ「戦え、戦うんだよ、勝てなきゃ死ぬ、勝てば生きる、戦わなければ勝てない」

ミカサ「そして私もその人攫いを殺した」

ベルトルト「それって...つまり...」

ユミル「あいつとお前が殺人を犯したってことか?」

ミカサ「そう、エレンにとって戦うということは潜在的に殺すことになっているかもしれない」

アルミン「でも!その後僕がいじめられていたらエレンは戦って助けてくれたんだよ?」

リヴァイ「...あいつは恐らく”戦う”ではなく”守る”ためにお前を助けたんだろう...」

ユミル「守る...」

リヴァイ「シガンシナのあの日に母親を守れなかったと言っていたが、それと同時に母親が遺言に仲間を守ってやれと遺したらしい」

ユミル「...」

ベルトルト「...」

マルコ「じゃあさっきジャンが仲間を守れない言って...それから...」

リヴァイ「ああ...”守る”から”戦う”に切り替わったんだろう...」

コニー「ややこしいな...」

リヴァイ「お前らは...エレンがそういうやつだと知ってこのあとも変わらず接することができるか?」

ミカサ「私は大丈夫です」

アルミン「僕も大丈夫です」

ユミル「問題ねぇ」

クリスタ「怖かったけど...大丈夫です!」

マルコ「大丈夫です」

コニー「よくわからねぇが喧嘩を売らなければ問題ねえだろ!」

サシャ「エレンはスープをくれるので大丈夫です!」

ライナー「ああ、俺達も大丈夫だよな?」

ベルトルト「...うん、そうだね」

アニ「私は別に...」



リヴァイ「...そうか、じゃあ俺はもう行くからな」バタン

一同「...」


アルミン「...寝よっか」

ー早朝ー

ユミル「んー...水汲み怠いな...」


エレン「...」フラッ


ユミル「ん?」


コンコン

<ハイレ

ガチャッ

エレン「...」

教官「うむ、来たか...」

エレン「...」

教官「今回の件だが...お前が開拓地に送られることはないようにしておいた」

教官「そして、今後のことだが...まだここに居てもらう」

エレン「...」

教官「次にまた同じようなことがあれば調査兵団に戻ってもらうことになるがな」

エレン「...」

教官「今一度、入団式の前夜のことを考え直すといい...」

エレン「...」

教官「それと、今日は休め...お前の説明やらで忙しいからな、明日から訓練に参加しろ」

エレン「...」ガチャッ

バタン

教官(とりあえず様子を見るしかなさそうだな...)


ユミル「...」

二日後


教官「イェーガー、起きているか」コンコン

エレン「...」コンコン

教官「...貴様のことは既に訓練兵達に伝えている」

エレン「...」

教官「...では私は戻るからな」スタスタ

エレン「...」

ー朝食、食堂ー

ザワザワザワ

エレン「...」ガチャッ


シーン...


エレン「...」スタスタ

アルミン「あ、エレンおはよう...一昨日のことはー」

エレン「ああ...」スタスタ

アルミン「あ...」




ミカサ「エレンおはよう」

エレン「ああ...」スタスタ

ミカサ「...」

サシャ「エレン、パンだけ持って外に出て行ってしまいましたね」モグモグ

クリスタ「大丈夫かな...」

ユミル「大丈夫じゃねえからああなってるんだろ」

クリスタ「私、行ってくる」ガタッ

ユミル「やめとけ」

クリスタ「どうして!?」

ユミル「お前の表面上の”いいこと”なんてあいつからしたら反吐が出るだろうよ」

クリスタ「!!」

クリスタ「エレンはそんな風に思ったりなんかしない!大体ユミルの憶測だけでそんな酷いこと言わないで!!」

ナンダ...?クリスタガオコッタゾ...

ユミル「...どうだろうな」

クリスタ「もういい!...次の訓練の準備してくる!」スタスタ

今回はここまで、ジャンが好きな人すいません...

ー対人格闘術ー

エレン「...」

教官「分かってはいたが...さすがに昨日の今日で誰も組みたがらないか...?」

ユミル「...おい」

エレン「...」

ユミル「組むぞ」グイッ


コニー「おい...あれ大丈夫なのか?」
サシャ「さあ...?」


ユミル「...お前大丈夫か?」

エレン「...」

ユミル「訓練兵の仲には良く思っていない奴等もいるだろうが...私はお前の味方だからな、何かあったらいつでも言ってくれ」

エレン「...悪いな」

ユミル「大丈夫だって、さっさと訓練始めよう」

エレン「ああ...」

クリスタ(ユミルだって”いいこと”してるじゃない!)ムッ

ーーー
ーー


ー廊下ー

ライナー「格闘訓練中はヒヤヒヤしたが無事に終わったな」

ベルトルト「うん、ユミルが心配だったよ...」

ライナー「ああ...ん?」

ベルトルト「どうしたの?」

ライナー「いや、その二人組がな...」

ベルトルト「あ、ホントだエレンとユミルだね」

ライナー「こう見ると二人とも話してはいないがなかなか様になってるな...」

ベルトルト「確かに...」


クリスタ「...」ジッ


ライナー「...ん?」

ベルトルト「クリスタだね、あの二人に用があるのかな?」

クリスタ(ユミルだってエレンに”いいこと”をしてたんだ...私にだって!)

クリスタ「エレン!」タッタッタ

ユミル「ん?クリスタ?」

エレン「...」 クルッ

クリスタ「エレン!一昨日のこと私気にしてないから!」




ライナー「やっぱりクリスタは誰にでも優しい天使だ」コソコソ

ベルトルト「言い過ぎだけど優しいのは確かだね」コソコソ

クリスタ「だから私にできることがあったら何でも言ってね?」ニコッ

エレン「...」ジッ

クリスタ「?」ニコッ


エレン「...」クルッ

エレン「...」スタスタ

クリスタ「え?あ...ちょっと!」

ユミル「...はぁ」



ライナー「信じられん!あいつクリスタの好意を無視しやがったぞ!」グググッ

ベルトルト「落ち着いてライナー!それにユミルも何故か怒ってないしどちらかといえばクリスタに呆れてる感じだよ?」

ライナー「...」

ベルトルト「何かあるのかもしれないよ...?とりあえず落ち着こう」

ライナー「ああ...わかった、夕食の時に問いただそう」スッ

ベルトルト「...言い過ぎないようにね」

ライナー「ああ」

ー夕食、食堂ー

クリスタ「エレンに気に障ること言っちゃったのかな...」ウルウル

ユミル「...」ハァ


ライナー「クリスタとユミル、ここいいか?」ガタッ

クリスタ「う、うん...」

ユミル「...好きにしろ」




ガチャッ


ライナー「...来たか」ガタッ

クリスタ「ちょ、ちょっとライナーどこに行くの?」

エレン「...」スタスタ


ライナー「...」スッ

エレン「...」

ライナー「ちょっとこっちに来てもらおうか」グイッ

エレン「...」チッ

ライナー「座れ」グイッ

エレン「...」ガタッ

クリスタ「ライナー...」

ユミル「...」

ライナー「エレン、クリスタに謝るんだ」

エレン「...」

ライナー「エレン」

エレン「...」

ライナー「おい、いい加減に...」イラッ

エレン「なあライナー」

ライナー「!?...なんだ」

エレン「自分自身の顔が近づいてきたら気持ち悪いと思わないか?」

ライナー「?...まあそうだろうな」

エレン「それと一緒だ」

ライナー「お前まさかクリスタが気持ち悪いとでも言うのか?」

クリスタ「...」


エレン「ああそうだ」

ライナー「さすがに言い過ぎだ!!クリスタに謝れ!」


エレン「黙れ」ギロッ

ライナー「っ....」

クリスタ「...」


エレン「...こいつは俺と同じで顔を隠している」

クリスタ「!」

ユミル「...」

ライナー「は?」

エレン「自分自身を見ているみたいで正直気持ちが悪い」

ライナー「何が言いたい?」

エレン「...わからないのならもういい、俺は行く」ガタッ

ライナー「お、おい待て」

エレン「...」ギロッ

ライナー「っ!...」

クリスタ「いいのライナー...」

ライナー「ク、クリスタ?しかしあのままでは...」

クリスタ「エレンの言っている事は正しいから...」

ライナー「...そうなのか?」

クリスタ「うん、だからエレンを悪く思うのはやめてあげてね?」

ライナー「いや...クリスタがそう言うのならそうしよう」

クリスタ「ありがとう...」

ー外ー

エレン「...」ボーッ

ユミル「よぉ」

エレン「...」

ユミル「横座るぞ」スッ

エレン「...ああ」

ユミル「...」

エレン「...」ボーッ

ユミル「...クリスタのこと分かってたんだな」

エレン「...まあな」

ユミル「あいつのことどうするつもりなんだ?」

エレン「...別にどうもしねえよ」

ユミル「...」

ユミル「なぁ...」

エレン「なんだ」

ユミル「クリスタは...確かにお前の思っている状態かもしれんが、私にとっちゃお前と同じくらい大切な奴なんだ」

エレン「...」

ユミル「だからもう少し優しくしてやってくれないか?きっと素のあいつだって傷ついているはずだ...」

エレン「...」

ユミル「ダメか?」

エレン「...お前が言うなら...もう少し考えてから行動することにしよう」

ユミル「!...そうか、助かる...」

エレン「それと...」

ユミル「ん?」

エレン「お前さっき...『俺と同じくらい大切な奴』って...」

ユミル「っ!!///いや...その...//」

エレン「その?」

ユミル「だああぁぁ!こっぱずかしい!!」ダダダッ


エレン「...」


エレン「これが仲間なのかな」ポツリ

ー翌朝ー

アルミン「おはようエレン」

エレン「ああ」

アルミン「今日も早いね」

エレン「さっさとパン取って戻って訓練の準備しないといけないからな」

アルミン「そうか、じゃあ後でね」

エレン「ああ」ガチャッ

バタン


アルミン「...少し元気になったかな?」

ーーーーーーーー

とりあえず入団してすぐの事といえばこのくらいになるのだろうか

ジャンも戻ってきた。顔面を潰されかけても俺に怯えることはなく、しかし反抗的でもなく、少し落ち着いた雰囲気で戻ってきた。

もちろん俺は謝った。 返事は返ってこなかったが別に気にせずそのあともブラブラと訓練兵生活を送っていたー

ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー

ー雪山ー

ヒ ュ オ オ オ ォ オ オ オ オ ォ ォ


エレン「...」ザッザッ

ユミル「クリスタ...もう諦めろ」ザッザッ

ユミル「なぁって...」ザッザッ

クリスタ「イヤだ......」ズズズ

ユミル「ダズなら既に虫の息だ、自分の体調も把握できねぇ奴が評価欲しさに来ちゃいけねぇ訓練を受けちまった」

クリスタ「...」ズズズ

ユミル「...こいつの実力はここまでだったんだよ」

ユミル「このまま毛虫並みの速度でふもとまで歩いてたらこいつはもちろん助からねぇし私達もヤバイ、朝まで保たねぇ」ザッザッ

エレン「...」ザッザッ

ユミル「とすると選択肢は2つだ」


ユミル「ダズを置いて私達は生き残るか、4人共死ぬか...どっちにする?」


クリスタ「......3つ目にする」

クリスタ「ユミルの見立ては間違っていて、私はこのままふもとの施設に辿り着きダズも助かる...」

クリスタ「もちろん2人は先に行ってて助かる...これでいいでしょ?」

エレン「...」

クリスタ「あなた達には迷惑が掛からない」

クリスタ「私達は絶対に辿り着くから...先に行ってて」

ヒ ョ オ ォ オ ォ ォ オ オ ォ オ

ザッ ザッ
ザッ ザッ

ザッ ザッ

ハアッ ハアッ


クリスタ「ねぇ......何してるの?」

エレン「......」

ユミル「んん?」

クリスタ「早く行かないと危ないでしょ...早く先に行ってよ」

ユミル「...なぁ?」

ユミル「何でエレンや私に助けを求めないんだ? どうみてもガキみてぇな体のお前と私達じゃ...どっちかがそいつを引いた方が早いと思うだろ?」

ヒ ョ オ ォ オ ォ ォ オ オ ォ オ ォ ォ


ユミル「お前さぁやっぱダズを助ける気ねぇだろ?」

オ ォ オ ォ ォ オ オ ォ オ ォ ォ

ユミル「エレンがダズを引っ張って行こうとした時、お前が『自分がやる』と言い出しておかしいと思ったんだ」

エレン「...」

クリスタ「...」

ユミル「さっきお前...危ないって言ったが...このままじゃ自分も死ぬって自覚があるんだよな」

ユミル「......お前このまま死ぬつもりだったんだろ」

ユミル「なぁ?」

ユミル「そんで私達に女神クリスタ様の伝説を託そうとしたんだろ?イヤこれは考えすぎか」

クリスタ「...」

ユミル「ダメだろ...クリスタは良い子なんだから」

ユミル「こいつが助かるためにはどうすべきか...私に聞いたりする姿勢を一旦は見せとかないと...なぁ」

ユミル「自分が文字通り死ぬほど良い人だと思われたいからって人を巻き添えにして殺しちゃあ...そりゃ悪い子だろ?」


ガシッ


クリスタ「違う...私は...そんなこと...」

クリスタ「私は......」


クリスタ「どうしたらいいの...」

ユミル「...お前だろ?家から追い出された妾の子ってのは」

クリスタ「...何で...それを...」

ユミル「そうか...やっぱりお前だったか」

ユミル「たまたま耳にしただけだ...内地のとある協会で生活のために金品を借りて回ってた時にな」

ユミル「物騒な話だな、偉いとこの跡取りの位置にお前がいた...血は直系だが不貞の子に不相応だのでもめた挙げ句...」

ユミル「いっそ殺しちまえばすべて解決すると話は転んだが...せめて名を偽って慎ましく生きるなら見逃してくれてやろうと...そうやって訓練兵に追いやられた少女がいるって...」

クリスタ「...」

ユミル「必要とされていないと思っているから、良い子を演じて周りから好かれながら死に急いでたわけだ」

クリスタ「ち、違う!!」

ユミル「何が違うんだ?お前が偽って生活をしているのを見てエレンは気持ち悪いと言っていたよな?」チラッ

エレン「...」

クリスタ「っ!!...」

ユミル「...まぁ、この情報は誰にも話してないし売ったりもしない」

ユミル「こいつ(エレン)も喋るはずないしな」

クリスタ「...」

エレン「......お前は」

クリスタ「!」

エレン「本当に気持ち悪い奴だ」

クリスタ「!...」

ユミル「...」

エレン「妾の子だから周りから必要とされていないという考えに陥るのはわかる」

エレン「名前も偽らないといけないということもな」

エレン「でもな、それだけで自分を偽るというのが理解できない」

クリスタ「...私は自分自身でいられるほど強くないから...」

エレン「そうだ、全員が全員強いわけじゃない」

クリスタ「?...じゃあ弱い私はどうすれば...」

エレン「弱かったらどうなるんだ?」

クリスタ「え...?」


エレン「守ってもらうんだろ?」

クリスタ「守る...」

エレン「くさいことを言っているが弱い奴が強い奴に守ってもらうのは当たり前だ」

クリスタ「...」

エレン「自分を偽っている内は誰もお前を攻撃なんかしたりしない、でもな、それじゃここと同じだ」

クリスタ「ここ?」

エレン「壁の中だ、篭っていればしばらくは安全だ、しかしいつまでも壁があると思うな」

エレン「いずれ壁は壊される、安心だと思っていて壁が突然壊されるのを待つか、自分を偽らずに自ら壁から飛び出すか...」

エレン「もちろん壁の外...お前が自分を偽らなくなったら何が起こるかわからない」

クリスタ「...」

エレン「その時はユミルや俺...お前を本当に信用している奴らが守ってくれるだろう...今のお前を守る気は俺には毛頭無いがな」

ユミル「...」

クリスタ「...せめて...きっかけがあれば...」

エレン「きっかけか...そうだな...」

エレン「クリスタ、いつか俺はライナーに『こいつは俺と同じで顔を隠している』って言ったの覚えているか?」

クリスタ「...うん」

エレン「俺もお前のことを言えねぇが...俺も自分を偽っていることになる」

エレン「なら俺が...このクソったれな布切れを外す時が来たら、お前はその気持ち悪い仮面を外して自分を偽らずに生きると...そう誓ってくれないか?」

クリスタ「...」

ユミル「クリスタ...」

クリスタ「うん、いいよ」

エレン「そうか...ありがとう」

クリスタ「ううん」

ユミル「よし、ならさっさと行こう、エレン、ダズを頼む」

エレン「ああ」グイッ

ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー

教官「本日 諸君らは訓練兵を卒業する...その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する、呼ばれた者は前へ」


主席:エレン・イェーガー

2番:ミカサ:アッカーマン

3番:ライナー・ブラウン

4番:ベルトルト・フーバー

5番:アニ・レオンハート

6番:ジャン・キルシュタイン

7番:マルコ・ボット

8番:コニー・スプリンガー

9番:サシャ・ブラウス

10番:クリスタ・レンズ

教官「本日を以って訓練兵を卒業する諸君らには3つの選択肢がある」

壁の強化に努め各街を守る
「駐屯兵団」

犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む
「調査兵団」

王の元で民を統制し秩序を守る
「憲兵団」


教官「無論 新兵から憲兵団に入団できるのは成績上位10名だけだ」

教官「後日、配属兵科を問う」

教官「本日はこれにて第104期訓練兵団解散式を終える...以上!」

訓練兵「「ハッ!」」

ーーーーーーーー

ワイワイ ガヤガヤ

モブ「いーよなお前らは10番以内に入れてよ!どーせ憲兵団に入るんだろ?」

ジャン「ハァ?」

ジャン「当たり前だろ 何のために10番内を目指したと思ってんだ」ギシッ

マルコ「オレも憲兵団にするよ」

マルコ「王の近くで仕事ができるなんて...光栄だ!!」

ジャン「まだお利口さんをやってんのかマルコ...」ガシッ

マルコ「ぶッ!!」

ジャン「言えよ本音を...内地に行けるからだろ?」ニヤ

ジャン「やっとこのクッソ息苦しい最前線の街から脱出できるからだ!!内地での安全で快適な暮らしがオレ達を待ってっからだろうが!!」ドンドン!


ザワッ

マルコ「なっ......お前......」

マルコ「は...恥を知れよ!少なくともオレはー

ジャン「あ~すまん俺が悪かった、お前は優等生だったな」

ジャン「じゃあここで他の上位10名の奴らに所属兵科を聞いてみようじゃないか!」ニヤッ

ジャン「俺たちが内地に住める機会なんてそうそうないはずだ!!それでも人類の砦とかいう美名のためにここに残るのか?」

ザワザワ

ジャン「まずはクリスタだ!」

クリスタ「へ?私?...私は...その...まだ10番に入れた実感が湧かないからちょっとイメージしづらいかなぁ...?」

ジャン「へへっ、わかるぜ!まあ明日には決めないと行けねぇからさっさと喜びを噛み締めとけよ!」

クリスタ「う、うん...」



ガタッ

...シーン


エレン「...」

ジャン「...なんだよ」

エレン「いや、そろそろ寝ようと思ってな...」スタスタ

ジャン「あ!おい待てよ!」ガシッ

エレン「...」

ジャン「確かお前、調査兵団に行くんだよな?」

エレン「ここに来る前からそういう約束だからな」

ジャン「ならお前の考えを聞かせて欲しい、自殺志願者が内地志願者をどう思っているかをな...」ニヤ

ザワザワ

マルコ「ジャン!!」

ジャン「...ほら、言えよ」パッ

エレン「...」

...シーン

エレン「...俺には...内地志願者が...」

エレン「豚に見えるね」


ザワ...

ジャン「ほ、ほぉ...その訳を聞かせてもらおうか」イラァ

エレン「...確かに内地に行けば安全だろう...でもそんなものはひと時の安寧にすぎない」

エレン「目の前の『内地』という餌に釣られてその先にある出来事、結末を見ていない」

エレン「内地に行こうが次に超大型巨人が壁を壊したらどうなる?」

ジャン「そりゃあ...避難民が」

エレン「そうだ、そして壁の中は人で溢れかえり憲兵ですら口減らしに行く羽目になるだろう」

エレン「そして上位の実力者が憲兵に入り、せっかくの巨人殺しの技術を腐らせて巨人に食われるなんて笑い話にもならない」

ジャン「...」

エレン「巨人の餌になるくらいなら死を覚悟しても生き残る術を身に付けるべきだ。 憲兵になって内地に引き篭ったり、駐屯兵になって壁にセメント塗りたくってる暇なんてねぇんだ」

ジャン「...」


エレン「戦える力を持つやつが戦わないでいつ戦うんだよ」


アルミン「!」

エレン「俺が言いたいのはこれくらいだ」キイィィ バタン

...シーン


サシャ「...け、憲兵団に入るのが恥ずかしくなってきました...」

コニー「お...俺もだ...」

ジャン「...クソッ!!」ガタッ

ー外ー

エレン「...」ザッザッ

「おい」

エレン「!...リヴァイか」

リヴァイ「ああ...ちゃんと卒業できたようだな」

エレン「そうだな、問題を起こしたり手を抜いたりしたのに主席だと」

リヴァイ「妥当だろ」

エレン「そんなものなのか...で?何しに来た?」

リヴァイ「明日俺たちは壁外調査だから早めに渡しておこうと思ってな...」バサッ

エレン「ああ...」

リヴァイ「サイズも全部合わせておいた」

エレン「助かる」

リヴァイ「礼にはおよばねぇよ」

今日はここまで、支援コメありがとうございます。

少し間空けてすいません、ちゃちゃっと終わらせます

ー翌日、壁上ー

サムエル「エレン、腰についてるその袋は何だ?」

エレン「...昨日片付けるのを忘れて結びつけたまま来ちまったんだ...中身は人に預けていた物だ」

サムエル「そうか」


「え?調査兵団に?」


エレン「!」クルッ

コニー「ああそうだよ...」

ミーナ「でもコニーは8番なんだから憲兵団に行くって...」

コニー「ああ前はそうだったさ...」

トーマス「昨日のエレンの言葉が効いたんだよ」

ミーナ「ああ...」

コニー「あれだけ言われたらもっともな気がしてな...」

トーマス「コニーだけじゃない、多くの兵士達が今、所属兵科を調査兵団にするか悩んでいるはずだよ」

トーマス「それに俺だってー

サシャ「あのぅみなさん...」スッ

サシャ「上官の食料庫からお肉盗ってきました」

コニー「...!バカッ!お前独房にぶち込まれたいのか?」

トーマス「お前って本当にバカなんだな...」

サシャ「後でみなさんで分けましょう、スライスしてパンに挟んで...むふふ...」

コニー「戻してこいよ...」

ミーナ「そーだよ、土地が減ってから肉なんてすごく貴重になったんだから」

サシャ「.....大丈夫ですよ」ガコ

サシャ「土地を奪還すればまた...牛も羊も増えますから」

コニー「...」

トーマス「なるほどな、ウォール・マリアを奪還する前祝いに頂こうってわけか...食ったからには腹括るしかないもんな!!」

コニー「?」

サムエル「......」

サムエル「俺もその肉 食う!!」

ミーナ「わ...私も食べるから!取っといてよ...!!」

エレン「お前ら...」

サムエル「...ということはエレンは先輩になるな!」ポン

コニー「?...!?」

サムエル「よし!作業に戻るぞ!」

ミーナ「お昼はまだ先だよ」



カッ! ズドオオォォオォォオオ!!!!

エレン「!」


ブオオォッ!!!


コニー「熱ッ!うわああああ!!」

ミーナ「きゃぁッ!!」


エレン「チッ!全員立体機動に移れッ!!」

コニー「!」チャッ

パシュッパシュッ カッ カッ

トーマス「ふぅ...!」


ビュォッ


トーマス「サムエル!!」


ダッ

コニー「サシャ!?」

ダッダッダッダンッ! バシュッ

ザクッ!


サムエル「う...うっ...」ギィ...ギィ

サシャ「サムエル!動いちゃダメですよ!」

コニー「危なかった...」



ビシ ビキ ビキ ビキ


エレン「!?」



ドゴオオ!!オオオォォ...



トーマス「壁が壊された...」

コニー「畜生!また巨人が入ってくる!!」


エレン「!」ザワッ

駆逐してやる


この世から


一匹残らず!!


エレン「一匹...残らず!!」ドクン


エレン「サシャ!サムエルは任せた!!」

サシャ「はい!」

エレン「固定砲整備4班!戦闘用意!」ジャキン

ミーナ・コニー・トーマス「...!」

エレン「目標 目の前!超大型巨人!!」ギュイイィイィ ダッダッダッ

ダンッ ズザアァ...

エレン「......よう」

超大型巨人「...」

エレン「5年振りだな...」

超大型巨人「...」グググッ

ズガガガガガガガア!!!

エレン「っ!」ダンッ バシュッ

エレン(遅い!)ギュアッ

ゴオッ

エレン(そのまま削ぎ落としてやる!)カッ ギュイイィィィィ!


超大型巨人「...」ピシッ

ブ ワ ア ア ア ア ア ア!

エレン「っ!」ゴオォォォォ

エレン「クソッ!」カチッ

ギュイイィィィィ!

エレン(ここだ!!)ブンッ

スカッ

エレン「!?」

エレン(外した!?逃げたのか...くそッ!蒸気で全然見えねえ...)

トーマス「超大型巨人が消えた!!エレン!お前が倒しちまったのか!?」

ギュィィィ スタッ

エレン「いや...違う...逃がしただけだ...すまない」

トーマス「何謝ってんだ俺たちなんてまったく動けなかった...」

コニー「オイ...そんな話してる場合か!!」

コニー「もう壁は壊されちまったんだ!早く塞がないとまた巨人達がはいってくるぞ!!」

駐屯兵「何をしているんだ訓練兵!!」バッ

駐屯兵「超大型巨人出現時の作戦は既に開始している!調査兵団不在の今!我々先遣班が巨人を食い止める!ただちにお前らの持ち場に就け!」

ミーナ・コニー・トーマス「ハッ」バッ

エレン「...」ゴソゴソ

ミーナ「エレン...?」

駐屯兵「何をしている!早く行け!」

エレン「...調査兵ならここにいる」バサッ


駐屯兵「!」

コニー「自由の翼...」

エレン「コニー、悪いが俺は先遣班の人達と一緒に戦う、お前らは早く持ち場に行ってくれ」

コニー「あ、ああ...」

トーマス「エレン、死ぬなよ」

ミーナ「死なないでね...」

エレン「当たり前だ」ダンッ

ーーー
ーー

カン カン カン


ライナー「撤退の鐘だ...」

ベルトルト「...巨人がほとんど入ってきていない」

アニ「...私はちゃんと働いたよ」

ベルトルト「どちらにせよライナー...」

ライナー「ああ、わかっているさ」

アニ「とりあえず本部に行くよ」バシュッ

ベルトルト「そうだね、とりあえずガス補給が先だ」バシュッ

ライナー「...」バシュッ

ー本部ー

ザワザワ

ジャン「クソッ!」イライラ

クリスタ「...みんな不安そうにしているね...」

ユミル「巨人がほとんど入ってきていないのが救いだな」

マルコ「被害は少なかったみたいだ...」


ダダダッ


コニー「おいユミル!」

ユミル「なんだ坊主頭」

コニー「坊主頭...いや、そんなことよりエレンを見ていないか?」

ユミル「あいつは見ていないぞ?」

クリスタ「エレンがどうかしたの?」

コニー「あいつ...駐屯兵の先遣班と一緒に壁外で巨人を食い止めるって言ってたんだ!」

アニ「!...ベルトルト...」

ベルトルト「ああ......ライナー...上官が呼んでいたよ、行こう」

ライナー「...わかった、行くぞ」スタスタ


クリスタ「そんな...」

ユミル「そうか...それで巨人がほとんど入ってきていないのか...」


ガチャッ キィィィ


エレン「...」シュウゥゥゥゥ

チョウサヘイダンカ?

チマミレダガ...


クリスタ「エレン!」

ユミル「うおっ...お前それ巨人の血か?」

エレン「ああ」シュウゥゥゥゥ

ユミル「どんだけ殺したんだよ...」

エレン「門前の巨人はほとんど片付けた、後は駐屯兵がなんとかしてくれるから早いところ俺たちは壁の上に登った方がいい」シュウゥゥゥゥ

コニー「すげぇなお前...」

エレン「ほら、お前ら行くぞ」

アルミン「う、うん...」

ミカサ「ええ...」

ーウォール・ローゼ 壁上ー


ヒ ュ オ オ オ ォ ォ ォ


エレン「...」

ユミル「はぁ~...これからどうすんだ?」

エレン「...やることがある」

アルミン「やること...?」

エレン「ああ...その前にお前ら聞いてくれ」

ジャン「また説教かぁ?」

ミカサ「ジャン、少し黙ってて」

ジャン「お...おう...」

ユミル「...」

クリスタ「...」

コニー「...」

サシャ「...」

マルコ「...」


エレン「俺はな、もう偽るのを辞めるよ」

クリスタ「!」

ユミル「...」

ジャン「はぁ?なんだそりゃ?」

ミカサ「ジャン」

ジャン「...」

エレン「...どちらにせよもうすぐだ」

ヒ ュ オ オ オ ォ ォ ォ

ォ ォ ォ.......


カッ! ドオォォォン!!!


一同「!」


エレン「来たか...」

コニー「お、おいあれって...」


鎧の巨人「...」シュウゥゥゥ...


アルミン「鎧の...巨人...」

エレン「おいお前ら!」

一同「!」

エレン「俺は行くぞ...もう偽らないって決めたんだからな...!」バッ

ビュオオォォ

クリスタ「っ...」

ユミル「お前...その顔...」

一同「...」

エレン「...行ってくる」

クリスタ「行ってくるって...何をする気?」

エレン「...さあな」


ユミル「...おいエレン」スッ

エレン「...」

ユミル「どんな姿形であれ私はお前の”仲間”だ」

エレン「...ありがとう」

クリスタ「わ、私も仲間だよ!」

エレン「クリスタ...それは自分自身なのか?」

クリスタ「うん、もう大丈夫だから...」

エレン「そうか...ありがとう」

ミカサ「もちろん私も仲間」

アルミン「僕もだよ!」

コニー「俺もな!」

サシャ「私も仲間ですよ!」

マルコ「オレもだよ!...ほらジャン!」

ジャン「チッ...何の流れだよ...仲間って言えばいいんだろ!」

エレン「仲間か...なら」ダンッ

クリスタ「え?」

コニー「おい!」


エレン「守るしかねぇよな!!」

ガリッ! キイィィィィィィィィィィィン!!!

ーやっと分かったよ母さん


ただ近すぎて今まで気づかなかっただけなんだ


全てを知ってもそばにいてくれる...


偽る必要のなくなったこの世界に少しだけ


自由を感じた


ー終わりー

前回の蛇足部分を削って内容をスッキリさせました。個人的には満足してます。
続きとかも書きたいのですが13巻が中途半端でストーリーを作るのが難しいんですよね。まあまた続きを書くとしたら別スレにしますんでその時はよろしくです。

最後まで見てくださってありがとうございます!

そういえばこういう場でSSを投稿するのって初めてだったんですけどHTML化(?)とかそういうのはここにはあるんですかね。教えてくれると助かります。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの0716さん   2014年05月15日 (木) 07:01:18   ID: eav9tH9E

ねぇこれって別のサイトのコピーだよね
ゆっている人がちがうけど
(雨に刻まれた傷)だよね?

2 :  SS好きの774さん   2014年05月18日 (日) 07:44:05   ID: UljSCY1K

>>1
冒頭でちゃんと断り入ってるでしょ?
読んでないの?

3 :  SS好きの0716さん   2014年05月19日 (月) 19:15:02   ID: 7NhemtR4

2<<すみませんみていませんでした

4 :  SS好きの774さん   2014年08月05日 (火) 03:23:52   ID: s5J_bw8U

はまってしまいました面白かったです

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