難波笑美「ウチの相方はPはん!」P「俺の相方は笑美!」 (43)




<レディゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー(ドゥン)


笑美「はいはーい!今日も張り切ってまいります~!」


P「はーい、今日も口パクでお送りするわけなんですけども~」


笑美「逆に難しやろ!」バシッ


P「………」パクパク…パク…


笑美「白目まで剥かんでええ!気持ち悪っ」


P「もうね、芸能界、口パクなんてあたりまえですわ。ニセもん、ぜーんぶニセもんです」


笑美「なによいきなり」


P「このスタンドマイクもそうや!!これね皆さん、電源入ってません!!!」


笑美「それはあれやん!ピンマイクっちゅうちっちゃいマイクが…ほらココ、襟元についてるんです!自分何年この世界やっとるん」


P「じゃあこのスタンドマイクいらへんやん!!」バシィ


笑美「マイクに当たるなや!!なんぼか漫才っぽくなってええやろ!!」


P「あーもうニセもんや!芸能界はぜーんぶニセもん!」


笑美「なんやコイツ…嫌なことでもあったんか…」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398937910



P「ウチの隣に居る笑美、実はこいつも今日はニセもんです」


笑美「ンフッ…何言うとんのコイツ」


P「騙されへんぞニセもん!!お前はいつもの笑美チャンやない!分かってんねん!!」


笑美「なんや、何が不満やったんや」


P「ホンもんの笑美ちゃんなら登場したらまず俺にキッスしてから漫才始めとったで」


笑美「頭おかしいんちゃうかコイツ」


P「先週も『はいはいはいー!…チュッ…よろしゅうたのんますー!』って始まっとたやん」


笑美「舞台両袖から各々登場した勢いを利用して真ん中でチューとか漫才界で誰もやってへん!」バシッ


P「パイオニアや!漫才界のパイオニアや!」


笑美「自分が言うと『パイオニア』も一瞬下ネタか思うわ」



P「そんでね、さっきからこのニセもんがペチペチ突っ込んでますけど、ホンもんは全くキレが違います」


笑美「それなりにバシバシいっとるわ。何が不満なんや」


P「いつもの笑美チャンなら突っ込みは基本的にみぞおちにヘッドバッドでしたわ」


笑美「一撃が重ない!?」


P「それでウッって俺の呼吸が止まって、突っ込みの度に漫才が30秒中断するのがお約束や」


笑美「テンポ悪っ!!その間ホンもんの笑美チャンは何しとるんや」


P「タバコふかして、うずくまる俺を見下してるやん?」


笑美「態度悪っ!尖りすぎやろ笑美チャン。舞台でタバコふかすなや」


P「俺が起き上ろうとしたら俺の頭で火ィねじり消してちゃんと携帯灰皿にポイーよ」


笑美「それでまた漫才中断してまう!!もうタダの公開拷問やん!!」

笑美「最初にPはんにチューしてくれたあの頃の笑美チャンはどこ行ってもうたんや!!」


P「よう考えたらそれも俺の下唇を噛み千切ろうとしとったのかもな…」



笑美「もうケダモンやんその笑美チャン…それやったらウチの方がええやろ?」


P「いやや!!俺はホンもんの笑美チャンがええんや!!」


笑美「ウチがホンもんや!…なんやこのもやもやした気持ち!」


P「自分がホンもんや言うんやったらアレ見せてみぃ!モノマネ!笑美チャンが得意やったわ」


笑美「おっ、ええで~!何気に今まで披露するタイミングなかったからな!やったるやったる!」


P「十八番のあれやって!天敵であるアシナガバチ等の肉食蜂類に怯えるアメリカシロヒトリの群れ!!」


笑美「………」グネ…グネ…

笑美「すまへん…もうちょっと簡単な奴ええかな?」


P「え、じゃああれやって!アブラムシ駆除のために欧米では一般的に100匹単位で売られてるテントウムシの群れ!!」


笑美「………」ウゾ…ウゾ…

笑美「あの、虫以外でええかな?…あとな、群れの真似ってどういうことなん?1匹をクローズアップしたらええん?」


P「じゃあ、じゃあ…大好物であるミミズを口いっぱいに頬張る…」


笑美「虫以外言うたやろ!!」


P「前川みく」



みく「Pチャンどこいくのー?…にゃ!?魚釣り!?そんな下らないことはすぐさま止めるにゃ!!」

みく「あ、でもその手に持ってるのは…やーっぱり餌のミミズだにゃ!やったー!ちょっとちょーだーい!」

みく「ちゅる…モグ…泥抜きされた生ミミズは最高だにゃあ…ぢゅるるる…モグモグ…」

みく「やっぱりミミズは踊り食いに限るにゃ!!ヂュルヂュルズゾゾゾゾゾゾーーーー!!!」


笑美「気持ち悪いんですけどーーーー!!!!」

笑美「前川さんにこんな食性あらへんのですけどーーーー!!!!」


P「めっちゃ似てたわ」


笑美「似てるも何もあらへん!!比較の元が存在せぇへん!!」


P「まぁまぁ、な?最近は『もしも~だったら』ゆうモノマネ流行っとるからな」


笑美「え、あ、まぁな?ウチもそう言うネタ持っとるけど」


P「あ、あれ、生きたカブトムシの幼虫の頭だけ食べて残りは捨てる輿水幸子やって!」



幸子「カワイイボクは当然幼虫の食べ方もカワイイですよ!」フフン

幸子「ほぉら見て下さい…この幼虫もボクに食べられて光栄でしょう…グニュウ…ブチッ(ウゾゾゾゾゾ)」

幸子「…いてて、口の中に噛みつかれちゃいました」

幸子「まぁ、痛がるボクの姿というファンサービスを提供できましたね!」残りポイー


笑美「やっていて段々ディテールが分かってきて気持ち悪いんですけどーーー!!!」

笑美「ほんまに食べてる気分になってくるんですけどーーーーー!!!!」


P「今の見てたら幸子にそういう仕事あげてもええか?思えてきたわ」


笑美「多分バッチリこなしてくれる思うけどやめたげてな?」


P「しっかしモノマネ上手いなー。幼虫の食べ残しの体が地べたでウネウネ動き続けてる様子まで鮮明に見えたわ」


笑美「評価ポイント気持ち悪っ…ほら、もうウチがホンもんやって分かったやろ?」


P「うーん…なんかまだパチもんくさいなぁ…何が足らへんのかな…」


笑美「…なんやあれか?…ウチがPはんにチューしたら満足なん?」



P「嫁入り前の女の子がそんなに簡単にキッスしたらあきませんよ。芸人とはいえ、な…」


笑美「ウチ厳密には芸人ちゃうし、芸人関係あります?」


P「ほら、よくあるやん、芸人のオッサン同士がキスせざるを得ないみたいな流れ」


笑美「あー…罰ゲームとか、仲直りのくだりやね」


P「罰ゲームでおばちゃんとキッスするやつとか、アレいつも思うんですけど、おばちゃんの方はキッスしてる間何を思ってるんでしょうね」


笑美「もう哲学やな…フィロソフィーや…」

笑美「まぁね、人間生きていたら結構、避けられない流れに巻き込まれることありますよね」

笑美「皆さんの中にもダチョウ倶楽部はんの『俺がやるよ!』に巻き込まれて怪我された方おるんちゃいます?」


P「避けられない流れなぁ…今の世の中そんなんばっかや…」


笑美「おっ!社会派!大人っぽく見えるな」


P「大人かぁ…大人になってまうのも避けられない流れの一つやな…」


笑美「なんや、しんみりしとるん?」


P「ああ…どうして俺は大人になってまうんや…」


笑美「Pはん…?」



P「ほんま…どうして俺は………」グスッ


笑美「ぴ、Pはん…そんな思い詰めんと…」


P「どうして俺は中学生ん時、女子大生の家庭教師とかとらへんかったんや!」


笑美「心配して損したわ!!返せ!ウチの心配!!」


P「じゃあ俺中学生やるから、笑美エロッエロの家庭教師やって!!」


笑美「Pはんの青春の心残りってそれなん!?」


P「エロッエロの家庭教師やって!」


笑美「…ええで」

笑美「…いや、ちょい待ち。具体的にどうエロエロなんよ」



P「そらもう、登場と同時におっぱいボロンよ」


笑美「そんなら残念やけど、アイドルのウチには出来ませんね」


P「ボロン言うほどあらへんからな」


笑美「…」バッシーン


P「…おっぱいボロンしたら次はあいさつ代わりのキッスよ」


笑美「それさっきのホンもんの笑美チャンの話やろ!流行っとんのか!!」

笑美「あともう『キッス』言うんやめや…めっちゃイラつくから」


P「そこまで終わたらタイマーが鳴って『お時間ですー』言うて帰りよるんよ」


笑美「それデリヘルや!!!めっちゃマニアックなやつや!!!」


P「そったら『すまへん!延長します!2次関数コース2時間でお願いします!!』言うて授業開始や」


笑美「授業がオプションなん!?…でもまぁちゃんと勉強はするんやな。それはええわ」


P「じゃあまぁ、笑美はおっぱいボロンでけへんから基本コースは飛ばして延長タイムからでええわ」


笑美「その言い方やめぇよ」



P「あ~早く家庭教師のねぇちゃん来ぃひんかなー」


笑美「ピンポーン!」


P「あ、来た!」


笑美「よろしゅうたのんますぅ!笑美チャンですぅ!」


P「…」ジー


笑美「?」


P「チェンジ」


笑美「…」ゴッ


P「痛った!!拳骨やめや!!」


笑美「現役女子高生アイドル掴まえて何チェンジ晒しとんねん!!」


P「チェンジしたらおっぱいボローンできる子来るかも知れへんやろ!!雫とか!!」


笑美「笑美チャンよりおっぱいボロンが大事なんか!?あと雫はんはボロンあらへん!もう…ザッブーンや!!」」

笑美「…はい、じゃあもうおっぱいボロンしました、チューもしました…というテイで追加コースから?やるで」



P「先生!!」


笑美「なんや?Pクン?」


P「『性』って英語で何て言うんですか?」


笑美「…辞書で調べぇ」


P「辞書は飼っとる犬のリンちゃんが食べました」


笑美「あんな分厚いの絶対食えへんやろ」


P「これが分からないと明日のテストで留年なんです!教えてください!何でもしますから!」


笑美「…セックスや」


P「スペル!スペルを!!」


笑美「エス!イー!エックス!でセックスや!!」


P「う、うひょおおおお」ゾクゾク


笑美「完全にプレイの顔になっとるやん!!!」バシィ


P「漫才の建前で公然と女子高生にセックス言わせるプレイ最高や!!」


笑美「この漫才自体に悦び見出だすなや!!コイッツ…最低やわ」



P「あとですね、この流れやと俺が『何でもしますから!』言うた後に『…セックスや』返されるからそこらへんも最高ですね!」


笑美「…もうね……その才能を何か、世界平和のためとかに使えへんの?」


P「俺はだいぶ平和になったわ」


笑美「……まぁね、皆さん、許してあげて下さい。コイツももう40時間くらい働いた状態で漫才出とります」

笑美「今日の漫才のネタ出しの時ももう、完全に2徹明けのテンションで話し合ってました…」

笑美「この漫才自体、完成したんもさっきそこの楽屋でです。……もうね、許してあげて下さい。彼を解き放ってあげて下さい」


P「なんや自分、俺がギリギリみたいに…24時間働いたら次の新しい24時間が始まるから、40時間労働とかありえへんで?」


笑美「なんで日付変わったら労働時間リセットされよるんよ…あかんわ…」


P「自分ニセもんのくせに俺の労働環境に詳しいなぁ」


笑美「まだウチニセもんなんかいな!あれやで、せっかくここで漫才始めてから今回で一周年やねんで!」


P「おー、もうそんな経つ?」


笑美「最初のネタはウチの誕生日が近い~言う話やったなぁ」


P「懐かしなぁ…」

P「それやのにこんな日にホンもんの笑美はどこぞに監禁され、俺の隣にはニセもんの笑美チャン…」


笑美「いつの間にか監禁されとる事に!?」


P「返せーー!!!俺の笑美を返せーーーー!!!!」



笑美「どないしたら信じてもらえるんよ…」


P「じゃあもう一回登場やりなおそっ!そこでホンもんの笑美チャンを証明したらええ!!接吻とかしてな!!グヘヘ」


笑美「セップンって…キッス言うの禁止された次の表現がセップンて!!」


P「じゃあ俺はPやるから、笑美チャンは笑美チャンやって!」


笑美「いや、だからさすがに…」


P「笑美チャンは笑美チャンやって!」


笑美「…ええで」


P(よし、あとは舞台両袖から各々登場した勢いを利用して笑美が俺にヘッドバッドをかまし)

P(俺が「こ、このヘッドバッドは…ホンもんの笑美チャンや!!誕生日おめでとう!!」…で、笑美が「そんで今日がお前の命日や!!」でオチだな)


笑美「…ウチがPはんの相方やってこと証明したるわ!」


P「よっしゃ!じゃあ一回舞台袖戻るでー!」










<レディゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴーゴー(ドゥン)


P「よろしゅうー!」タッタッタッ


笑美「はいはいはーい!」タッタッタッ




<…チュッ…




笑美「よろしゅうたのんますー!」


P「……………ほぇ?」




http://www.youtube.com/watch?v=ITfTTV_6zoQ




P「な、な、何晒してくれとんじゃあ!!!おまっ…」


笑美「このサプライズは読まれへんかったやろ!!コンビやからってツーカー思たら大間違いや!!あっはっは!」


みく「な、何やってるにゃあーーーーーー!!!!」ガタッ


笑美「みく!?なんでここに…」


幸子「プロデューサーのファーストキスが…なんてことを…」


P「ファーストて決まってへんやろ!!…サプライズで誕生日祝おうと思てな、アイドル呼んどったんや」


笑美「うっわー…あ、やばい、恥ずかしなってきた…」




笑美「結構な人数来てくれとるな…あ、じゃあもしや…」


まゆ「はぁ…」


笑美「ひぃぃ…」


智絵里「ふぅ…」


凛「へぇ…」


笑美「ほ、ほんますいませんでした!!!」


まゆ「…」

まゆ「………まぁ、漫才の中の出来事、要はお芝居ですからノーカウントですよ…ね?」

まゆ「今日はお誕生日ですし!ね、もう忘れてお祝いしましょう…?」


P「笑美はなんやあそこからネタに繋げるつもりやったんやろうけど、お前らが出てきて全部おジャンやな」

P「しかしあそこでドリフのオチの曲をとっさに流すサウンドさん、優秀やわぁ…」

P「アイドルがドバー雪崩れ出てくるんも中々スケールのあるオチになったな!!豪華や!!」


笑美「あ、さ…左様ですか…」


凛(ここで下手に笑美さんを制裁するよりも、キスをなかった事にする方が得策…さすがまゆだね)


智絵里(三葉のクローバー…花言葉は…)


笑美「…!!」ゾクッ



P「ほーら皆!ケーキあるでー!みくもホラ、ミミズあるで」


みく「モンブランにゃ!!なんか食べづらくなるからやめるにゃ!!」


P「幸子もホラ、カブトムシの幼虫」ヒョイッ


幸子「何で本当に幼虫があるんですか!?た、食べませんからね!そんなお仕事もしません!!」


P「大丈夫、ほら、和菓子の練り切りで似せて作っただけやから」ウネ…ウネ…


幸子「嘘です!!!う、動いてる!!!」


笑美「いける、いけるて!頭かじったら動き弱なるから!」


幸子「頭が一番嫌です!!」


P「笑美は幸子好っきゃなぁ」


笑美「好きやわぁ…CGプロでいっちゃん芸人魂感じるわ…」


幸子「そんな魂ありませんから!ただのカワイイアイドルです!」



まゆ「ねぇPさん?まゆもPさんと漫才したらキスしていいんですかぁ?」


P「笑美くらいキレッキレの突っ込み出来るなら漫才してもええで」


まゆ「………ぼてくりこかすぞぉ!」ポスッ


P「んはは、あかんな!謎の語彙力に恐怖感じるけど」


まゆ「うぅ…笑美さん並みなんて無理に決まってるじゃないですかぁ…いじわるです…」


凛「じゃあ逆にPさんがドラマとか出ればいいんだよ。私達と共演すればいいじゃん」


P「何で俺にそんなオファー来るんよ」


凛「ほら、もうプロデューサーはCGプロの名物Pだし。秋元康みたいなものだよ」


P「何かその例えめっちゃ嫌!最後に事務所のアイドルかっさらっていきそうで嫌!!」


智絵里「はい…行為は合意の上でした…」


P「暗い瞳で言うのやめて!!」



P「まぁ俺はプロデューサーで裏方やから、ドラマとかにはとてもとても…」


智絵里「じゃあなんで漫才を?」


P「俺の生業はCGプロのプロデューサーと笑美の相方の二足のわらじやから」


凛「…私達のプロデュースと並ぶくらいなんだ…」


P「そらもう、俺の相方ができるのは笑美だけやからな!」


まゆ「…うふ」


笑美「…あんな、嬉しいんやけど、あんまり皆を刺激せんでくれへん?」


P「…おん?」眉クイッ


笑美「…」バシッ

笑美「でもまぁ…Pはんの相方はウチ、か…」


P「俺にとっての初めてのアイドルやしなぁ…」

P「笑美がおらんかったら、俺はプロデューサーも出来てへんやろ…」



―数年前―









P「父さん、母さん…あんたらの顔を立てて、言われた通りの大学は卒業した。だから後は俺の好きにやらせてもらうよ」

P「俺な、ずっとアイドルのプロデューサーがやりたかったんだ」


P父「お前…何言って…!」


P母「お兄さん達は皆、勉強して立派なお仕事に就いたのよ?お医者先生、政治家先生、赤ペン先生…あなただけそんな下世話な…」


P「うっさいんじゃボケェ!!」バリーン!タッタッタッ


P父「窓を割って逃げるじゃない!!父さん、お前をそんなブルースウィリスみたいな子に育てた覚えは…!」


P母「Pちゃーーーん!!Pちゃーーーーーん!!!」


近所の人「ピーチャン?オウムでも逃げたのかしら…」


P「はーっははは!!自由だ!俺は自由だ!」










ちひろ「ふふっ、こんな優秀な人材がウチみたいな新興プロダクションに入ってくれるとは…」

ちひろ「安い給料で使い潰…じゃなかった、いっぱいお仕事頑張りましょうね!」


P「はい!頑張りましょう!」


ちひろ「じゃあまずはアイドルのスカウトからお願いします!(早よカネヅル引っ掛けて来いや)」


P「はい!…なにかオペレーションのようなものは無いでしょうか…なにぶん新人なもので…」


ちひろ「そんなもん作るのにいくらかかると思ってんだ!!全部自分でやるんだよォ!!(自分のやり方で自由にやっていいんですよ!)」


P「あ、やばい、入るプロダクション間違えたかも…」






P「…とりあえず1週間で50人位の現役アイドルプロデューサーとアポ取ってテクを聞いたが…」

P「『探す → ティンとくる → 話しかける → 警察には逆らわない』という情報しか得られなかったな…」

P「ティン!とくる…という審美眼がプロデューサーとしての最低条件か」

P「とりあえず街に出てみたが…」


薄い少女「アオイートリー♪」


P「!」ティン!

P「やぁキミ!歌が上手だね!やっぱりこう、肺が邪魔されず広がるからかな!胸が」


薄い少女「…」ケータイトリダシ ポパピプペ





警察「…キミね、免許証でまでこんな被り物して…」


P「免許証返して下さい!オナシャス!」










P「はぁ…あれからもティンと来る子は居たけど中々スカウト成功しないなぁ…」


ちひろ「2カ月は色々試行錯誤して下さい!ただし、2ヵ月経ってもアイドルがスカウトできなければ…」

ちひろ「ギルティ!!」


P「!?」


ちひろ「アイドルかクビか…まさにAlice or Guiltyというわけです」


P「961プロより黒い…」


ちひろ「まぁ大丈夫ですって!なんだかあなたには眠っているものがある気がします」


P「勉強なんか出来たって意味無いんです…スカウトで分かりましたよ」


ちひろ「そんな上っ面のものじゃないですよ!」


P「…?」










P「東京の子は警察に厚い信頼を寄せているようだからスカウトの手を全国に広げてみるぞ!!まずは大阪だ!!」

P「…小学校までは俺も大阪に住んでたんだよなぁ…。それがやれ勉強だ、やれ受験だと東京に移り住んで…」

P「小学生の時は俺、何になりたかったのかな…忘れちまった…」


笑美「…でな~!そん時、アメリカシロヒトリがアシナガバチなどの肉食蜂類に………」スタスタ


P「!!!」ティン!

P「やぁキミ!アイドルに興味ないかい!?」


笑美「…なんやこのオッサンおもろいなぁ。難波ちゃんをナンパかいな」


P「難波って言うのか」


笑美「ボケたんやから突っ込まんかい!素直か!!」


P「お、おう…」



笑美「路上でいきなりアイドルがどうとかボケてくるからお笑い分かるかと思たわ」


P「あ、アイドルは本気だぞ。スカウトだ」


笑美「何言うとんのコイツ…まぁ芸能界にはウチ興味あんねんけど…」

笑美「でもアカンわ。どっちにしろな、ウチはおもろない人と組む気はあらへん。さいなら」


P「あ!ちょっと待ってくれ!怪しい者じゃないんだってば」


笑美「怪しい方がなんぼかマシや!おもろないくらいやったらな!」

笑美「お笑いDVDでも100本見て出直して来ぃよ!まっとるで~」


P「くっ…そうか…」


笑美(なんやねんコイツ…『いっつもなんか押し殺してますー』みたいな顔して…)

笑美(パッと見た時はウチと同じ空気感じててんけどな…)

笑美(なんやろ、ちょっと気になるわ…でもま、もう会わへんやろ。残念やけどな)





P「…難波ちゃんか…芸能界には興味あるって言ってたな…」

P「アイドルを目指す子の芽を俺が面白くないばっかりに潰してしまったのか………」

P「くそう…くそう……」ポロポロ










P「………そういや、お笑いなんて大阪出て以来見てなかったな。バラエティすら禁止されてた…」

P「そうだよ、もう俺は自由なんだし、あの子の言う通り借りてみるかな…」

P「まぁとりあえず一本…」





<~……何で2回言うねん!何で2回言うねん!……


P「…」ボー

P「…うん、もう5本くらい借りようかな…」





<~……あんね、猫のおしっこ焼いたことあります?あれ、世界でいっちゃん臭い!……


P「…ンフッ」

P「あ、30本くらい借りてもいいかな。お金あるし」





<~……ドッ ワハハハ


P「んはははは!」

P(あ、せやったわ…俺小学生ん時はお笑い芸人なりたかってん…)

P(その後受験の時、アイドルの歌が俺を何とか生かしてくれた…だから今は本気でアイドルをプロデュースしたいと思てる)

P(…でもせや、俺は元々人をわらかしたかってんな…ずっとずっと昔は…)


P「…よっしゃ!次は100本借りよ!研究や!!」

P「……もしもし、あ、ちひろさん?ええ、期限いっぱい大阪で頑張ります。どうしてもスカウトしたい子がいまして…はい…」










P「自分、ハンカチ落としたで」


笑美「あ?なんや…って、アンタいつぞやの…!いやいや、それウチのハンカチあらへんよ」


P「あ、ほんまや、これハンカチあらへん」ピラッ

P「ドミニカの国旗や」


笑美「マニアックすぎるやろ!!この街にドミニカの国旗持った奴絶対おらへんわ!!自分のやろ!!」


P「ちゃうわ!失礼やな…俺のハンカチはほら」

P「ドミニカ共和国の国旗や」


笑美「ドミニカとドミニカ共和国って別なん!?何?国旗ハンカチが流行っとんのこの街!?」

笑美「…って言うかまたあれやろ!スカウトとか何とか言ってナンパしにきたんやろ」



P「せやで!CGプロダクションという名のタイタニックが座礁してこう…縦に沈んでくんや」


笑美「それ難破や!!そんな不吉な事務所行きたない!!」


P「じゃあ難波ちゃんはディカプリオやって!俺は…」


笑美「最後死ぬ役をウチに押しつけんといて!!おかしやろ配役!!」


P「俺はセリーヌ・ディオンやるから」


笑美「主題歌!!!」


P「ニァー ファー フェ…エェェェェーーーーーーーバァ ユッアーン♪」


笑美「ディカプリオだけやったらラブロマンス始まらへんわ!!ただの海難事故映画やわ!!!」


P「アイ ビッリー ザッガボガボガボガボブクブク」


笑美「ディオンも乗ってたんかい!!」


P「ドミニカ沖で起こった悲しい事故やったな…」


笑美「この国旗ディオンのかい!!もうええわ!」


P・笑美「「どーも!ありがとうございましたー!」」



笑美「…って、なんや自分、荒削りやけど見どころあるやん!ちょっと、ちょっとだけな」


P「まぁな、難波ちゃんのおかげで自分を取り戻せたいうかな…」

P「そんなんはええんや!アイドル、興味あらへん?」


笑美「……うーん、まぁ、アイドルはよく分からへんけど、あんたとおったらおもろそうやわ!ええでっ!」


P「よっしゃあ!!じゃあさっそく東京に殴り込みや!!」グイッ


笑美「え、いや、家のモンの許可とか要るやろ…って新幹線連れ込もうとすなや!」

笑美「ちょ、ま…け、警察!!警察の方ーーーー!!!!」





警察「…(ザーッ)ええ、はい、東京の変質者、大阪に潜伏しとったみたいで…はい…」


P「すぐ事務所帰らないとクビなんです!!帰して下さい!」


笑美「ほんまおもろいなコイツ…」










P「そっから何とかスカウトも軌道に乗ってCGプロもここまで大所帯になれたわけや」

P「最初のころは笑美にスカウトに付いて来てもろたなぁ。女の子居ると怪しさ減るから」


笑美「なつかしなぁ…毎日連れ出されとったわ」


まゆ「羨ましいですねぇ…」


P「せやからな、笑美は俺の相方や。笑美がおらんかったらきっとクビになっとって、まゆとも会えてへんしなぁ」


まゆ「もう!笑美さんがいなくてもきっとPさんはまゆを見つけてました!」

まゆ「でも、そうですね…やっぱり笑美さん、ありがとうございます…」


笑美「なんや、照れくさいわぁ」


まゆ「他は譲れなくても、漫才の相方だけは奪えそうにありませんね…」


笑美「………せや!相方だけは譲れへんで~!!」

笑美「でもな、他も譲る気あらへん!お笑いもアイドルも……それに…」

笑美「Pはん!」


P「…なんや」




< チュッ




P「…………ほぇ?」




笑美「今のはお笑いやない、アイドルでもない、ホンもんの笑美チャンのチューや!」

笑美「ウチら絶対これからも仲ようできる。わかんねん!せやからウチとPはんで、ずっと…ずっと一緒にやってこな!」ニコッ




<漫才「ホンもんの笑美チャン」・漫才「ホンもんの笑美チャン」事務所パート 終わり>


(笑美チャン誕生日おめでとう!!
と言うことで最後は漫才と事務所パートを混ぜた感じにしましたので、ここで終了です。
回想パートは芸人さんがたまにやるええ話の結成エピソードみたいなあれです。


笑美チャンの漫才SS、過去スレはこちら

難波笑美「おー!漫才の仕事取ってきたんか」 P「おう、ちなみに相方は…」
難波笑美「おー!漫才の仕事取ってきたんか」 P「おう、ちなみに相方は…」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397913737/)
難波笑美「Pはんと漫才することになるとはなぁ」P「せやな」
難波笑美「Pはんと漫才することになるとはなぁ」P「せやな」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398346645/)


あと関係無いですが、過去に書いた主なSSはこちら

白菊ほたる「ふ、不幸が移りますから!」 茄子担当P「幸も不幸もキミ次第だ!」
白菊ほたる「ふ、不幸が移りますから!」 茄子担当P「幸も不幸もキミ次第だ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397651948/)
白菊ほたる「不幸のその先に」
白菊ほたる「不幸のその先に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1397831825/)


お付き合い下さってありがとうございました。
また時間を見つけて、今度はもっとテレビ番組っぽいギャグSSに挑戦出来たらな、と思ってます。

それでは、HTML化依頼を出してきます)

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