真「あだ名入れ替え戦」 (26)


亜美「まこちん~。おはおは~」

真美「今日も、さわやか王子だね、まっこち~ん」

真「……」

亜美「あれれ?」

真美「どったの? まこちん」

真「ねえ、ふたりとも……。その呼び方やめてくれない?」

真美「え!? まこちん、『まこちん』って呼ばれるのイヤなの?」

亜美「うあうあ~。ショックだよ! いままでサンサン呼んじゃってたよ!」

真「嫌というか……なんか『ちん』で終わるのがおさまりが悪いというか」

亜美「それって、やっぱりイヤってことなんじゃ?」ウーン

真美「『まこと』って名前だから『ん』で終わる時『ち』が言いやすいんだよー」

真「それはそうだけど……。できれば他の呼び方にしてもらえないかな?」


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亜美「どうする? 真美~」

真美「ここは、こういう手でどうだろう亜美隊員」ゴニョゴニョ

亜美「お! それはメイちゃん!」

真「名案ね。呼び方でも決まった?」

真美「ジャーン! まこちんには『あだ名入れ替え戦』に挑戦してもらいまーす!」

真「『入れ替え戦』?」

亜美「そうそう! 亜美たちが呼んでいる765プロのみんなのあだ名と『まこちん』とを入れ替えることができます!」

真美「ただし! 入れ替えたい相手に勝負で勝ったら、というジョーケン付きでね!」

亜美「入れ替えたいあだ名の人の出した『条件』で勝つこと!」

真美「もちろん相手もあだ名をヤスヤスと奪われる訳にはいかないだろうから、トクイな勝負を持ち掛けてくるはず!」

亜美「もしまこちんが勝ったら、その相手みたいな呼び方に変えてあげるYO!」

真「ふーん、結構厳しそうだけど、難しいほどボクは燃えるんだよね!」

真美「んっふっふ~」

亜美「頑張ってね! 『まこちん』!」


春香「で、私と勝負することに?」

真「そうだよ。春香は『はるるん』って呼ばれてるから、ボクが勝てば『まこるん』になるね!」

春香(それでいいんだ……)タラー

春香「真美からみんなにメールが来てたけど、そういうことだったのね」

春香「ハッ!? 待って! じゃあ私が負けたら……」

真「『はるちん』になるね!」

春香「えええええ!」

春香(なんとしてもそれだけは避けたいよ!)

真「春香の好きな勝負でいいよ! 腕相撲?」

春香「そんなので、真に勝てるわけないじゃない!」

春香(ここはやっぱり……)

春香「クッキー作りで勝負するよ! 勝負!」


貴音「ん? このくっきぃは?」

真「ボクが作ったんだ……。ちょっと生焼けで、形もいびつだけど、食べる?」

貴音「いただきます」ヒョイパクヒョイパク

真「春香には負けたけど、貴音なら!」

貴音「『あだ名入れ替え戦』ですね。ですが、わたくしも『お姫ちん』で同じ語尾なのですが…」

真「ボクが狙うのは『姫』だよ、貴音! 『真姫』。いい響きだなぁ~」エヘヘ

貴音「して、私はどう呼ばれるように?」

真「『たかねちん』だね!」

貴音「なんと!」

貴音(いにしえのあにめで似たように呼ばれていたものがいたような…ここは負けられません!)

貴音「らぁめん大食いにて勝負です! 真!」


律子「ちょっと真! 大丈夫?」

真「律子か……。貴音の胃袋ってどうなってるんだろうね?」ゲップ

律子「アイドルがそんな事してちゃ、だめよ。亜美や真美の遊びに付き合うのもいいけど、程々にしなさい」

真「貴音には勝てなかったけど。律子なら……」

律子「ん? 何? 私にまで『入れ替え戦』を挑むの?」

真「『りっちゃん』だから『まこちゃん』かな? 無難なところで……」

律子「それじゃ、私は?」

真「『りっちん』」

律子(冗談じゃないわ! えーと、私が真に勝てば諦めてくれるのよね?)

律子「真、エビフライ大食い競争よ!」


あずさ「あらあら、真ちゃん。ソファに横になっちゃって具合でも悪いの?」

真「律子の策にやられた……。二連続で大食い勝負ってこんなにきついんですね」ウップ

あずさ「もしかして、メールで来てた勝負? あまり無理しないでね」

真「ありがとうございます。でも、ボクは進まなくちゃならないんだ!」ガバッ


あずさ「うふふ、もしかして私にも勝負を?」

真「『あずさお姉ちゃん』だから『真お姉ちゃん』かぁ……。ちょっと照れくさいけど」

あずさ「私は『あずさちん』になっちゃうのかしらねぇ?」

真「何で勝負します?」

あずさ「そうねぇ。じゃあ、こんなのはどうかしら?」


千早「あら? 真、なんで落ち込んでいるの?」

真「未成年だからお酒の勝負なんてできないよ! ひどいやあずささん」

千早「あだ名を賭けた勝負をしているのね?」

真「千早も『お姉ちゃん』だったよね。その呼び方、ボクがもらうよ!」

千早「私が負けたら……『ちっちん』?」プッ

真「笑ってるけど、負けたらそうなっちゃんだからね!」

千早「くくっ……。それは大変だわ、くふっ」

真「さぁ! 何で勝負するの? 千早!」

千早「そうね。じゃあ、カラオケ採点勝負なんてどうかしら?」


伊織「今日はなんか暗いわね、真」

真「千早が91点でボクが72点……」ブツブツ

伊織「アンタらしくないわね。いつもみたくシャキッとしなさいよ!」

真「伊織!」バッ!

伊織「な、何よ!」

真「『まこりん』になりたいんだ! 『いおちん』になってくれない?」

伊織「ちょっと! 嫌よそんなの!」

真「だよね……」

伊織「例の勝負ってやつね。にひひっ、私が勝負の内容を決めてもいいのよね?」

真「なんか嫌な予感……」


雪歩「真ちゃん? 顔が真っ青だよ……大丈夫?」

真「伊織の怪談10話聞けるか勝負って……3つでギブアップだよ!」

雪歩「真ちゃん、あきらめてなかったんだね……」

真「雪歩……ボクたちは親友だ……でも、真の親友となるためには勝負をしなければならない時もある!」

雪歩(真ちゃん……少年マンガの論理だよぅ!)

真「『まこぴょん』と『ゆきちん』になるように……勝負だ!」

雪歩(……。真ちゃん、本当にそのあだ名でいいのかな?)タラー

真「さぁ、勝負の内容を決めて! 雪歩!」

雪歩「そこまで言うなら……掘鑿勝負ですぅ!」


真「雪歩に穴掘りで勝てるわけがなかった……」

美希「真クン。泥だらけで何やってるの?」

真「美希! 美希のあだ名『ミキミキ』はボクがいただくよ!」

美希「あはっ! 『マコマコ』になるの? なんか変なの」

真「そして『ミキちん』にね! さぁ、何で勝負する?」

美希「真クンはミキには絶対勝てないって思うな!」


やよい「あれ? 真さん。美希さんを膝枕してどうしたんですか?」

真「やよいか……。早寝勝負ってどういうことなんだよ!」

やよい「いいなー、美希さん」

真「やよいにも勝負を挑まなければならないんだ……」

やよい「うっうー! いいですよ! 『やよいちん』には、させませんからねー」

真「『まことっち』を賭けて! やよい……勝負の内容を!」

やよい「はい、野球で!」

真「え? 野球?」

やよい「野球選手の名前当てクイズですー! 伊織ちゃーん! このプロ野球選手名鑑から問題出してもらえる?」

真(終わった……)


亜美「で」

真美「結局誰にも勝てなかったと……」

真「うん、でも、みんなと勝負できて充実した一日だったよ!」

亜美「そっかー」

真美「やっぱり、まこちんは、まこちんだよ!」

真「へへっ、そうだね!」

響「おい! 真~!」

真「何? 響」

響「なんで自分には勝負を挑まないのさー。卓球台も持ってきたのに!」

真「だって……『まこきん』だよ……」

響「『ひびちん』か……」

真「ないでしょ?」

響「ないな……」

真「でも一応勝負してみる?」

響「お! さすが真。そうこなくっちゃ! じゃ、卓球勝負スタートだぞ!」

亜美「亜美達もやるよー!」

真美「ダブルスでごーごー!」

ワイワイ








小鳥「『ピヨちん』か……」グフフ



おわり



最後まで読んでいただき、ありがとうございます

まこちんって女性アイドルとしては衝撃の呼び名だよね

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