貴音「へるぷゆあせるふ」 (46)

貴音「どうぞ」コト

響「貴音」

貴音「なにか」

響「肉じゃが、だけ?」

貴音「はい」

響「他には?」

貴音「四条家に伝わる単品という美学云々」

響「なんか焦げてる」

貴音「響」






貴音「召し上がれ」

響「はい」

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貴音「自分で料理を作るというのも乙なものです」

響「あむ」パク

貴音「素材を活かすにはどの調理法が一番か、また、その時その時のいんすぴれぇしょんを頼りに」

響「貴音」

貴音「お礼はいいのですよ、『ごちそうさま』という言葉が料理人にとって最高の」

響「まずい」

貴音「おかわりはいくらでも用意して」






貴音「えっ」

響「まずいぞ、これ」

貴音「響?」

響「びっくりした」

貴音「箸が止まっておりますが」

響「自分、これ嫌い」

貴音「えっ」






貴音「……肉じゃがは苦手でしたか?」

響「ううん、好き」

貴音「良かった、喜んでもらえたようで」

響「喜んでないぞ」

貴音「ふふっ、照れ隠しは伊織だけで十分ですよ?」

響「貴音これ味見した?」

貴音「実は響もつんでれだと話題で」

響「正直肉じゃがって呼びたくな」






貴音「はやああああ!!」ムギュ

響「いひゃあああ!!」

貴音「黙って聞いていれば!!」

響「だって」

貴音「面と向かって『まずい』などと言うばかものがどこにいますか!!」

響「ホントなんだもん」

貴音「第一、いきなり『焦げ』の指摘をするなんて!!」

響「身体に良くないって聞くし」

貴音「これだから……、これだからこのごぉや娘は……!!」

響「なんでこんな言われよう」






貴音「この味音痴が!!」

響「」

響「味音痴違う!!」

貴音「違くない!!」

響「絶対違う!!」

貴音「まったく、悪ふざけにも程があります」

響「我那覇さんは大真面目ですよ」



貴音「響」

響「はい」

貴音「わたくしは本音を聞きたいのです」

響「まずいかなー、って」






貴音「きーっ!!」バリバリ

響「うぎゃああああ!!」

貴音「いい加減にしなさい!!」

響「こんなの理不尽だ!!」

貴音「わたくしは四条貴音ですよ!? 『銀色の王女』なのですよ!?」

響「貴音はこれ味見したのか!?」






貴音「……はい」

響「嘘だ」

貴音「本当だぞ」

響「おだまり」

貴音「一口どころか一皿分」

響「はい、あーん」

貴音「あ、あーん」パク






貴音「」

響「ほら」

貴音「響、お茶を」

響「はい」コポポ

貴音「んぐんぐ」



貴音「ふぅ」

響「もう一杯のむ?」






貴音「失礼な!!」ギュ

響「いだだだだ!!」



貴音「この際、味のことは置いときます」

響「えっ」

響『いただきまーす』パク

響(ま、まずい……!! 貴音失敗しちゃったのかな……)

貴音『いかがですか?』

響『お、美味しいぞ!!』

貴音『では、わたくしも』パク

響『あっ』



貴音『っ!?』

貴音『ひ、響……、あなたはわたくしに気を使って……』

響『……ごめん』

貴音『いいのです……、友情というものはかくあるべき云々……!!』ポロポロ

響『貴音はやっぱり天才さー……!!』ギュッ






貴音「こうでしょうが!!」

響「」

貴音「ちっ」

響「おかしい」

貴音「本来ならば悲しみなどなかったのです」

響「いや貴音の料理が美味しかったら」






貴音「うるさい!!」ペチ

響「うぎゃあ!!」

貴音「……これを見なさい」サッ

響「手?」

貴音「わたくしのぼろぼろの手が、この肉じゃがへの思いを物語って」ドヤ

響「絆創膏小指だけじゃん」

貴音「数が問題なのではありません!!」






響「血とか入ってないよね?」クンクン

貴音「」

貴音「この小娘……!!」フルフル

響「衛生面はしっかりしなきゃダメだぞ?」

貴音「うがああああ!!」ギュギュ

響「いひゃいいひゃい!!」



響『っ!? 貴音どうしたのその手!!』

貴音『い、いえ、なんでも……』

響『嘘!! こんなにボロボロじゃないか!!』

貴音『わたくしの腕が未熟だった故』

響『貴音……、頑張ったんだね……』

貴音『ひ、響……!!』グス

響『やっぱり貴音は天才さー……!!』ギュッ



貴音「どうして分からないのですか!!」

響「茶番だ!!」

貴音「あぁ我那覇殿、おたくの娘はなんと悪い女に」

響「むきーっ!!」ポコッ

貴音「きゃああああ」






響「大体、人を呼んどいて肉じゃが一品って!!」

貴音「」

響「どういうことだ」

貴音「いや、その」

響「うぅん?」ズイ

貴音「で、ですから」






貴音「月の民は朝が弱く」

響「ただの寝坊でしょ」

響「どうして夜更かしなんかしたんだ」

貴音「べ、勉学に励んでおりました」

響「なんの」

貴音「……いんぐりっしゅ」

響「ほぅ」






響「Question」

貴音「お、おぅらい」

響「Is this Haruka Amami?」m9

貴音「の、のぅ、あいむはるかあまみ」

響「lol」

貴音「だぶりゅだぶりゅだぶりゅ」






響「答えは『No, it is a table.』でした」グイィ

貴音「いたたたた!!」

響「どうして嘘ついた」

貴音「申し訳ありません」

響「ホントは」

貴音「夜中の通販番組を……」

響「……まさか貴音」

貴音「い、いえ、観ていただけです」






貴音「包丁研ぎましぃんなるものが」

響「絶対買っちゃダメだからな」

響「結局、きちんと時間に余裕を持たないから料理も失敗したんでしょ」

貴音「返す言葉もございません」

響「それを人のせいにするなんて云々」

貴音「ここはどうか四条の名に免じてお見逃しを」

響「いいえ」

貴音「えっ」






響「じいやに報告します」

貴音「」

貴音「それだけは、それだけはぁ!!」ダキッ

響「ダメじゃ、自らの過ちを悔い改めるがよい」ポパピ

貴音「どうか……!!」

響「では師匠と呼べ」

貴音「」

響「出来ぬのか」






貴音「し、師匠……」

響「うむ」ニヤァ

貴音「ぐぬぬ」

響「良い響じゃ、自分だけに」

貴音「はい?」

響「い、いや」



貴音「あっ」

響「んん?」






貴音「どうしてじいやの番号を?」

響「」

貴音「響」

響「師匠と呼び」

貴音「答えなさい」ズイ

響「はい」






響「ホントは知らないです」

貴音「よろしい」ニコッ

貴音「出かける準備をしなさい」ムギュ

響「ひゃい」

貴音「765の友情とはどんなものか、思い知らせてあげましょう」






貴音「いざ、765へ!!」ガチャン

響「タッパー忘れてるぞ」

貴音「皆、遠慮せず感想をば」



美希「まずいの」

真「ボクこれ嫌いだな」

小鳥「えっこれ肉じゃがなの!?」

貴音「」






貴音「うわあん、あうあうあう!!」ポロポロ

響「はかない友情さー」ナデナデ

貴音「もうけむこぷろに移籍します!」

響「なんと紛らわしい」



美希「どうしようもなくまずいの」

真「お茶ありません?」

小鳥「今入れるわね」

伊織「なんで私まで……」パク



伊織「っ!?」






伊織(めちゃくちゃ美味しいじゃないの……!!)パク

美希「貴音には失望したの」

真「ちょっと意外だったなぁ」

貴音「」

伊織(えっ、本当に美味しいんですけど)パクパク






美希「あれ、デコちゃん?」

伊織「っ!?」パク

伊織「な、なによ」

響「まずくないのか?」

貴音「えっ」クルッ

伊織「」






伊織「ま、まずいに決まってるでしょ!!」パクパク

貴音「」

真「もうなにがなんだか」

伊織「……えぇそうよ、めちゃくちゃ美味しいわよ!!」バクバク

貴音「い、伊織……」ギュッ

伊織「アンタも自分の料理に自信持ちなさい!!」

貴音「いおりいずぷれいすおぶまいらいふ」ポロポロ

響「Good」



真「伊織が味オンチだったなんて」

美希「デコちゃんには失望したの」

ガチャン

小鳥「あっ」






やよい「伊織ちゃんが……、味オンチ……?」

伊織「えっ」

伊織「や、やよい?」

やよい「そ、そんな……」

伊織「違う、違うのよ」フルフル

やよい「私のなかの伊織ちゃんががらがらー、って」ポロポロ

伊織「お願い、違うの!!」






やよい「ばいばい、伊織ちゃん」タタタッ

伊織「いやああああああああ」

響「あーあ」

美希「デコちゃんサイテーなの」

真「追いかけてくる」ダッ

伊織「……あはっ」

貴音「やよいのことなど今は忘れてください」クイッ

伊織「貴音……」

貴音「わたくし達が765ぷろを美食の道へと導くのです」

伊織「……そうね」






伊織「今は貴音の料理が美味しければ良いのよ!!」パクパク

貴音「えぇ、たんとおあがりください……!!」

伊織「貴音、アンタの料理は最高ね!!」

貴音「気高き貴族の味……、とでも言いましょうか」ドヤ

響「なにがだ」

美希「そんなの全然うらやましくないってカンジ」

伊織「ほら、貴音も食べなさいよ!!」グイッ






貴音「えっ」

小鳥「んふっ」

貴音「い、いや、わたくしはその」

伊織「一人寂しく食べろって言うの!?」

貴音「と、とんでもない」

伊織「トクベツなんだから、あーん」

貴音「あ、あーん」パク



貴音「……うぐっ」

伊織「このコクと深みのハーモニーが、あーん」

貴音「むぐっ!?」






貴音「だ、誰か……、移籍届を……!!」

響「lol」

伊織「ほら、あーん」

伊織『ジャンバルジャンの家より小さい……』

やよい「私の家を見て、そういったんです」

やよい「伊織ちゃんだから、我慢できたのに」

やよい「そんな伊織ちゃんが……、ただのバカ舌だったなんて……!!」

やよい「許さない……、伊織ちゃんなんて許さない……!!」ギュッ

真「よしよし」






やよい「もうなにも信じられない……」ポロポロ

真(やよいの闇は深い)
今度こそ終

伊織『ジャンバルジャンの家より小さい……』

やよい「私の家を見て、そういったんです」

やよい「伊織ちゃんだから、我慢できたのに」

やよい「そんな伊織ちゃんが……、ただのバカ舌だったなんて……!!」

やよい「許さない……、伊織ちゃんなんて許さない……!!」ギュッ

真「よしよし」






やよい「もうなにも信じられない……」ポロポロ

真(やよいの闇は深い)

今度こそ終

ありがとう、お姫ちん
そしてごめんなさい、いおりん

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