げどうに剣心-明治人斬残酷譚- (68)

幕末の動乱のなか、修羅さながらに人を斬り
まことの修羅に成り下がった外道がいたという

その名も、『人斬り抜刀斎』

維新後の文明開化されたこの明治の時代になってなお、人斬りの感覚が忘れられず
その男はどこかで外道をはたらいているという


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【神谷活心流道場】


ヤクザ「今日こそこの道場から立ち退いてもらいましょうか」

薫「何度来たって、ここは出ていかないわ!」

ヤクザ「なるほど、ならば仕方ない。オイッ!」

大男「ククク、愚かな娘だ・・・」ぬっ

薫「な、何をする気なの!?」

ヤクザ「このお嬢さんは痛い目にあわないとわからぬらしい、人斬り抜刀斎よ」

薫「ひ、人斬り抜刀斎!?」びくっ

大男「この人斬り抜刀斎様が相手をしてやろう」ニヤニヤ

薫「くっ・・・!」

剣心「待つでござるよ」ザッ

大男「ッ!誰だてめえは!!」

剣心「やれやれ、人斬り抜刀斎の噂を聞いてやってきてみれば。やっている事はただの地上げでござるか」

薫「る、流浪人!危ないわよ!」

ヤクザ「いきなりやってきて何のつもりだいお兄さん?関係無いヤツはすっこんでな!」

薫「そうよ流浪人!アンタは関係無いんだから、下がってなさい!」

大男「そうだ小僧。それとも、この抜刀斎様に斬られたいか?ん?」

剣心「まったく。こんな事に拙者の名を使って欲しくないでござるよ」

キンッ

べぎっ!

大男「ぐっ、ぐぁああああああっ!!腕がッ!腕がぁああああ!!」ゴロンゴロン

ヤクザ「な、なんだと!?」

剣心「剣客の名を騙るにしても、騙る相手を間違えたでござるな、ヤクザ共」

ヒュンッ

べぎぃ!!

大男「ぐぎゃああああああああ!!!」ビタンビタン

薫「ど、どうなっているの・・・!?」


剣心「どうしたでござるか人斬り抜刀斎殿?早く拙者を斬って見るでござるよ!」

バキッドカッ!

大男「ぐあああっ!もうやめでぐれぇ!!」

ヤクザ「ひ、ひいっ!」ブルブルガタガタ


薫「流浪人、アンタ何者なの!?」

剣心「拙者でござるか?」ニヤリ

剣心「拙者の名は人斬り抜刀斎。振るうはこの『逆刃刀』でござるよ」

薫「刃が・・・逆?」

剣心「いかにも。本来刃があるべき場所の刃をひいて相手をよりいたぶる為に。
そして本来峰がある場所にとどめの首刈り用の刃を付けた最凶の刀でござる!」

薫「そんな・・・それじゃあ、あなたが本物の!?」ブルブル

剣心「拙者こそが抜刀斎でござるよ」ニコッ

ガトリング斎か!?

                          /.:.:/ヽ.:.:.ヽv'´.:.;ヘ:.:.\
                           /.:.:.:.:////\:.:.:.:.://∧ヽへ
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                       ,ィヘ/∧/)「^¨´ ̄ ̄ ̄ ̄`¨¨ミ:.:.:.:.:`、
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                    ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:i「 ̄ ̄`ヽ   /⌒ヽ〉:.:.:.:.ト、:!
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    へvル’         丶       | //> 、        .:'
  ∠__ y'⌒ヽ、          \      |'//////> 、   j′
ィ⌒ヽjレ゙     /⌒ヽ ¨´    ハ    rヘ '///////,`ー‐t´
ミtv/  /⌒Y     〉      } /  V\          ト、_
 レ゙ ⌒7   /    /      ,'"    V/\      〉ヘ\__
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剣心「・・・などと話している間に」

大男「」ビクビクン

剣心「おろろろろw死んでいるようでござるなw」

薫「ひっ!」ビクッ

ヤクザ「そ、そんな・・・!」ブルブル

剣心「さて、次は・・・」ギロッ

ヤクザ「ヒイッ!!」ブルブルガタガタ

剣心「抜刀斎の名を騙った罪は、拙者自らの手で断罪するでござるよ」

ヤクザ「や、やめてくれ!許してくれぇ!」

剣心「おろろ、ヤクザが命ごいとは。ずいぶんと小物に名を騙られたようでござるな」

剣心「ますます許せんでござる」ギラリ

ヤクザ「ヒイッ!」ガタガタブルブル

ヤクザ「そ、そうだ!」ガサゴソ

ヤクザ「これをアンタにやる!だ、だから見逃してくれ!」サッ

剣心「ほう。この道場の抵当権利書でござるか」

ヤクザ「お、俺はこの件から手を引く!債務も抵当もアンタに全部委ねる!だから、許してくれぇ!」ペコペコ

薫「そ、そんな!それをこの男に渡されたら・・・この道場は・・・!」ブルッ

剣心「おろろ。なかなか謝り方を心得ているようでござるな」キンッ

ヤクザ「あ、ああ。だから勘弁してくれ」

剣心「いいでござるよ」ニコッ

ヤクザ「そうか!わかってくれるか!?」

薫「そんな・・・」

剣心「ただ、念書を書いてもらうでござる」

ヤクザ「も、もちろんだ!」サラサラ

ヤクザ「ほら、これでこの道場の借金はアンタの自由だ!」

剣心「ありがたく頂戴するでござるよ」

ズバッ

ヤクザ「ぐぇ!?」ぼろん ブシャァ!

剣心「お礼に一瞬で殺してやるでござる」ニッコリ

薫「ひゃぁあっ!首がっ、首がぁ!!」ジョロロロ ガタガタブルブル

剣心「おやおや、神聖な道場で汚いでござるよ薫殿」

男「」
ヤクザ「」

剣心「さて、晴れて拙者がこの道場の借金の債務回収の権利を得たわけでござるが・・・」

剣心「薫殿、どうやって金を返してくれるでござるか?」

薫「ひっ、ひいっ!」ブルブルブルブル

剣心「まさか逃げようなんて思っていないでござるな?」

薫「お、お金なんてありません・・・門下生たちも、いなくなってしまって・・・」ブルブル

剣心「そうでござろうなぁ。こんな小娘一人で後継ぎもいない道場は、ヤクザ共が来なくてもいずれは誰も居なくなったであろう」

剣心「で、どうやって金を返してくれるでござるか?」ギロリ

薫「やめてぇ、殺さないでぇ・・・」ガタガタ

剣心「殺さぬでござるよ」ぐいっ

薫「ひいっ!な、何を!?」ブルブル

剣心「拙者、名案を思いついたでござる」ニッコリ

剣心「拙者がここの道場主となれば、万事解決でござるよ」

薫「そ、それって・・・」ブルブル

剣心「借金はチャラ!おまけに神谷活心流の看板もそのままでござる。一石二鳥でござるなぁ」ニヤニヤ

薫「う、うぅ・・・」

剣心「おまけのおまけに後継ぎまで生まれれば、将来も安泰でござろう?」

薫「いやぁ・・・」ポロポロ

剣心「抵抗しても無駄でござるよ」ビリッ、ビリ

薫「うぅ・・・あぁあっ・・・」ポロポロ

剣心「どうせ他の方法などありはしないでござる」ギシッ

剣心「さ、薫殿。たっぷり子を仕込んでやるでござるよ」ニッコリ

薫「う、ぁ、ゃぁ・・・」ポロポロ

ギシギシギシギシ

剣心「おろろろろw」

【翌朝】


剣心「昨夜は眠れなかったでござるなぁ、我が妻薫殿」ニヤニヤ

薫「はい・・・旦那様・・・」

剣心「さて薫殿。道場再興の前に一仕事でござる」

薫「な、何でしょうか旦那様っ!」ビクッ

剣心「庭に穴を掘るでござる。なるべく深く」

薫「穴・・・?」

剣心「そこの死体を埋めねばならぬでござるよ」ニコッ

大男「」
ヤクザ「」

薫「ひゃっ!」びく

剣心「そうでござるなぁ。場所は薫殿の部屋の目の前の庭が良かろう」

剣心「部屋からようく見えるように」ニヤリ

薫「やめ、やめてください旦那様・・・もっと、他の場所に・・・」ブルブル

剣心「二日以内にお願いするでござるよ。それ以上は死体が臭うゆえ」

薫「いやぁ・・・」ポロポロ

剣心「その頃になったら戻るでござる。では、頑張って掘るでござるよ」ニッコリ

第一話・終

第二話

剣心「良い天気でござるなぁ」てくてく

弥彦「おっとごめんよ」ドンッ

剣心「おろ?」

弥彦「悪いなお侍さん」タッタッタ

剣心「わっぱ、待つでござるよ」ガシッ

弥彦「な、なんだよ!?」

剣心「お主、スリはいかんでござる」チャリッ

弥彦「なっ!?」ゴソゴソ

弥彦「スリ返されてるだと!?」

剣心「感心せんでござるなぁ」

弥彦「ケッ!てめえがフラフラ歩いてっからだ!」

剣心「なるほど」

剣心「そら、わっぱ」ひょいっ

弥彦「・・・は?」パシッ

剣心「お主が盗った物でござる。好きにすると良い。それを持ってとっとと逃げるでござるよ」ニッコリ

剣心(そして逃げたところを後ろからバッサリでござる)

弥彦「・・・っ!」ポイッ

剣心「おろっ?」ゴチンッ

弥彦「舐めんじゃねえ!東京府士族、明神弥彦は同情される筋合いなんかねえんだよ!!」

剣心「おろろ、これは失礼したでござる。ところで弥彦よ。お主は何故士族なのにスリなんかを?」

弥彦「そ、それは・・・父上も母上も死んで、ヤクザの使いっ走りに・・・」

剣心「なるほど、なるほど。そのような事情でござったか」

ヒュンッ

ゴキャッ!

弥彦「ぐぇっ!?」ベチョ

弥彦「」ドサッ

剣心「やれやれ、面倒をかけてくれるでござる」ぐいっ

剣心「よっこら、せっと!」ヒョイッ

ドボンッ!(川)

剣心「身寄りの無いスリのガキ一匹、川から上がったところで誰も気に留めぬでござろう」ニコッ

剣心「うむ、本当に良い天気でござるなぁ」

剣心「さぁて、帰って薫殿でもイジメるでござるか!」てくてく

第二話・終

このSSまとめへのコメント

1 :  緑雪   2014年08月08日 (金) 17:17:57   ID: rx_Cnx1U

こーゆー小説好きだなあwww

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