タクシー運転手「そうだ、お客さん765プロの如月千早ちゃんだ!」 (28)

書き溜めあり
かなり短いです

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運転手「お、降ってきやがったか...」

運転手「早速お客発見、っと...雨様々だわな」キキッ...ガチャ

千早「すみません、○○までお願いします」

運転手「あいよ。しっかし、急に降ってきましたねぇ」バタン

千早「えぇ、そうですね」

運転手「流石にこの雨の中○○までは遠いですもんねぇ」

千早「生憎傘を持っていなかったもので。それに、荷物も濡らしたくなかったですから」

運転手「そりゃ、大変でしたねぇ。まあ、私らにとっては恵みの雨ってところですがね、はっはっは」

千早「そうですね、雨が降らなければ私も利用してなかったですし」

運転手「ありがたやありがたや、ってね。そういえばお客さん、どこかで見たような...」

千早「...」

運転手「そうだ、お客さん765プロの如月千早ちゃんだ!」

千早「えっと、はい。如月千早です」

運転手「いやーこりゃたまげた!あの如月千早ちゃんを乗せれるとは本当に恵みの雨だった訳だ!」

千早「...」

運転手「ああ、すみませんね。私も長年この仕事をやってますが有名人を乗せたのは初めてなもんで、ちょっとビックリしちゃいまして」

千早「は、はぁ...」

運転手「いやぁ、いつもテレビで観てますが、本物の方が別嬪さんだねぇ!」

千早「あ、ありがとうございます」

運転手「実はね、娘が如月さんの大ファンでねぇ。『大きくなったら千早ちゃんみたいな歌手になるの!』ってずぅっと如月さんの曲を聴いてるんですよ」

千早「ありがとうございます。そう思ってもらえて、とても嬉しいです」

運転手「かく言う私も娘の影響ですっかり如月さんのファンになってしまいましてね。CDを買ったのなんざ数年ぶりですよ」

千早「ありがとうございます...あ、この辺りで大丈夫です」

運転手「あいよ...っと、そうだ」キキッ...ゴソゴソ

千早「...?」

運転手「あったあった!如月さん、これにサインお願いできますかねぇ?」

千早「あ、はい...あの、なぜ色紙とペンが車に?」

運転手「いやね、もしかしたら有名人を乗せるかもしれないと思ってね、ははっ」

千早「そ、そうですか...」サラサラ

運転手「あ、娘の名前も入れてもらっていいですかね...『優ちゃんへ』って」

千早「えっ...?」

運転手「あぁ、優しいって書いて優です。女の子にしちゃあ珍しいですかねぇ?」

千早「いっ、いえ、そういう訳では...優、ちゃんへ...っと」サラサラ

千早「...っ、どうぞ」

運転手「ありがとうございます!娘も大喜びですよ!こいつはすげぇや!!」

千早「...あの、お幾らですか?」

運転手「え、ああ、良いって良いって!お代は結構ですよ!」

千早「え?いや、そういう訳には...」

運転手「このサインだけで充分ですよ!寧ろお釣りが来るくらいだ!それに、如月さんにはいつも娘が元気貰ってますからね」

千早「...すいません、あの、ありがとうございます」

運転手「良いんですよ!これからも娘のために、とは言いませんが頑張ってください。私も応援してますんで!」

千早「はい。私に出来る精一杯の歌を届けられるように、頑張ります」

運転手「っとと、今ドア開けますね」ガチャ

千早「本当にありがとうございます。...その、優ちゃんに『いつも応援してくれてありがとう』と伝えていただけますか?」

運転手「そりゃあ、勿論!こちらこそありがとうございました、頑張ってくださいね!それでは、失礼します」バタン...ブロロロロ

運転手「いや、しかし、まさかあの如月千早ちゃんを乗せることになるとはねぇ...人生何があるか分からんもんだ」 

運転手「おっと、こうしちゃいられねぇ!さっさと仕事終わらせて帰らないとな。待ってろよ、優!」

運転手「あおいぃ~とりぃ~、っと!」


ブロロロロ...

以上です
短いですが読んでいただけたのなら幸いです
お目汚し、失礼しました

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