ディケイド「ここが時の流れから外れた世界か」 (144)

大地が震えている。


轟々と唸り声をあげ、街が揺れる。


空は暗黒に染まり、そして頭上では月が笑っていた。


時を刻む塔から、終わりを報せる鐘が鳴る。


ゴーンゴーンと、終わりを報せる鐘が鳴る。


終末を迎える世界の中、世界を救えるはずの勇者は一人……


ただ空を見上げていた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398778553

ご覧のSSは

思い出と姫川明と先日押し入れから見つかった攻略本で構成されています

やりたくても我が家の64はもうお亡くなりになっているのです

なので

おのれディケイドォオッ!

細かいことはいいんだよ

失せろ小悪党の精神でお読みください

ただ、士達のお互いの呼び方などで間違いがございましたらご指摘いただけるとありがたいです


最後に月が落ちて来るまでのタイムスケジュールですが

最初の朝-AM6:00~PM17:59
最初の夜-PM18:00~AM5:59

次の朝-AM6:00~PM17:59
次の夜-PM18:00~AM5:59

最期の朝-AM6:00~PM17:59
最期の夜-PM18:00~AM5:59

となっていたはずなので

[あと○○時間]はこのスケジュールから逆算しています



それではよろしくお願いします

光写真館の背景ロールがまた降りて来る。


今回描かれていたのは、時計塔が聳える街。


祭りが行われているのだろうか、華やかな飾り付けが施されている。


しかし、その街に人々の姿はなかった。


士「次のこの絵は……なんだ、見覚えはあるんだが」


ユウスケ「俺も見覚えあるなあ……なんだっけこれ」


士「お前もか…?だったら余計に気になるな」


ユウスケ「夏海ちゃんは?」


夏海「私は……見覚えありませんね」


士「……役立たずめ」


夏海「むっ、士君だってわからないんでしょう!同じですよ!」


栄次郎「まあまあ!とりあえずコーヒーでもどうぞ」カチャ

ユウスケ「なんだっけなあ……」ズズー


士「モヤモヤするが、見覚えがあるなら外に出て見ればわかることだ」ズズー


夏海「おじいちゃんはどうですか?見覚えあります?」


栄次郎「う~ん、残念だけど……ん?この空に描かれているのは…《月》かな?昼間なのにおかしいね」


キバーラ「まぁ、怖い顔のお月様」ケラケラ


士/ユウスケ「「ッ!?」」ガタッ


士「なるほど…だいたいわかった」


ユウスケ「つまりこの世界は!」


士/ユウスケ「「ムジュラの仮面の世界!」」


夏海「え、何ですかそれ?というか二人ともなんだかワクワクしてません?」


世界の破壊者、ディケイド。幾つもの世界を巡り、その瞳は何を写す?

今日はここまで

今回は基本sage進行でやって行くつもりです

[最初の朝-あと72時間:クロックタウン探索]

士「……素晴らしい」


ユウスケ「というか懐かしい…マニ屋の隣に写真館があるんだな」


夏海「わぁ…!大っきい時計塔がありますよ士君!……ってその格好」


ユウスケ「ぶはっwww」


士「なっ…………最悪だ」チンクルチンクルクルリンパ


ユウスケ「今回ばかりは《何でも似合う》なんて言えないみたいだな」


士「うるさい。お前は一生タライとホースを求めて海を漂い続けろ」


夏海「あ!ちょ、ちょっと見てください二人とも!何ですかあの木でできたタコみたいな生き物!」


ユウスケ「あーデクナッツだね。この世界には人間だけじゃなくて色んな種族の人がいるんだよ」

夏海「な、なるほど……」


デクナッツ「何見てるッピ!ジロジロ見てもこの土地は簡単には渡さないッピよ!」


夏海「わっ!ご、ごめんなさい!」


士「わははは!怒られてやがる」


夏海「~~っ!笑いのツボ!」グッ


士「ぐ…!わ、ははは!ぐひゃははははははは!」


ポストマン「ぬおおおおお!」ズダダダダダ


士「はははは!ぐはっ!」ドカッ


ポストマン「失礼したぁあ!しかし急いでいるのでぇええぇぇぇ……」ダダダダ……


士「痛~っ!クソ!」


ユウスケ「しかし、ここでの士の役目ってなんだろうな……まさか、勇者がいないのか?」


士「ん…つまりこの服装は勇者の」


ユウスケ「絶対違う」


士「……まあ、まずはその辺りを調査するか」

[最初の朝-あと66時間:今後の方針]

キバーラ「おかえりなさ~い」


ユウスケ「おかえりって……外出てきたのかキバーラ。よく時計塔の下が待ち合わせってわかったな」


キバーラ「写真館にいてもつまらないんだもの~あと、この街で待ち合わせと言ったら逆にここ以外ないでしょう?」


ユウスケ「た、確かに…」


キバーラ「そ・れ・に…きっと私のチカラが必要になるわ」


士「相変わらず食えないヤツだ」


ユウスケ「士…夏海ちゃんもおかえり」


夏海「みんな揃いましたね。どうでしたか?勇者様は見つかりましたか?」


ユウスケ「それが……誰も知らないんだよ。見た人すらいないって」


士「俺も同じだ」


夏海「私もです……あ!でもおばあちゃんの荷物を盗ろうとした泥棒を憲兵に突き出して来ましたよ」


士/ユウスケ((さらばカーフェイ))

ユウスケ「でもこれは本格的に《いない》可能性も……」


士「いや、まだそうとは言い切れない」


ユウスケ「どうして?」


士「例えばまだ探していない場所…この時計塔とかな」


キバーラ「ここ開かないわよ~?」


夏海「本当だ。鍵が掛けられていますね」グッグッ


士「あーまて、まだある。《存在感を消すアイテム》を勇者が持っていれば誰も知らないことは説明が付く」


ユウスケ「そうか!月の高さ的にも今は最初の日だし《石コロのお面》を持っていれば……でも、なんでそんなことを」


士「そこまで知るか」


夏海「質問があります!」


士「……なんだ夏みかん」


夏海「街の人たちに聞き込みしていた時に《月が落ちてくる》ってみんなが話していたんですけど……本当なんですか」


士「ああその通りだ」


夏海「そんな!それにどうして士君達がこの世界について知っているんですか?」


ユウスケ「えーっと……じゃあ簡単に説明するとね」


~~
~~~

~~~
~~


夏海「つまりこの世界は《ゼルダの伝説》というゲームのシリーズの一つ、《ムジュラの仮面》の世界だということですか」


士「完全に同一な世界かどうかはわからないが、おそらく間違いない」


ユウスケ「多少街のスケールが大きくなってるけど、街に残っている人たちも同じだった」


夏海「じゃあ、本当にあの月が……」


士「落ちてくる」


夏海「落ちてくるって何落ち着いてるんですか!早く止めないと!」


士「だから!……そのために勇者を探しているんだ」


キバーラ「その勇者様が実在しているのかどうか確かめる方法ならあるわよ~」


ユウスケ「本当かキバーラ!?」

キバーラ「ええ、ダンジョンを攻略するの?」


士「なるほど、仮に勇者が時を巻き戻していたとしても、ダンジョンで取得した重要アイテムは消えずにヤツの手元にある」


ユウスケ「つまりダンジョンの宝箱の中身の有無で、勇者の存在と進行度合いがわかるってことか……」


夏海「攻略って……そう簡単にできるんですか?」


士「おいおい、俺達が何者なのか忘れたのか」


ユウスケ「とりあえず二手に分かれるか。士どのダンジョンに行く?」


士「スペック的に俺がグレートベイとロックビルに行った方がいいだろう」


夏海「あれ…私は?」


ユウスケ「あーでも楽器が無いと沼のダンジョンが」


士「だったら、海と沼は俺が回ろう。ロックビルはクウガの能力でゴリ押せばいい」


夏海「だから!私も手伝いますって!」

士「お前が~?」


夏海「な、なんですかその顔は…言っておきますけど、私は一度士君に勝ってますからね!」


士「はっ!アレは俺が《勝たせて》やったんだよ」


夏海「~~っ!」


ユウスケ「まあまあ!二人とも落ち着いて!」


士「それに夏みかんはこの世界に詳しくない。この世界にはモンスターだっているんだぞ。きけ……足手まといだ」


キバーラ「あら~?あなたこそ《彼女が何者なのか忘れた》のかしら」


士「ぐ…このコウモリ野郎」


キバーラ「それに私がついてるから大丈夫よ。闇の波動の中でだって弱点を教えてあげるわ」


ユウスケ「存在が闇みたいなも――」


キバーラ「ユ・ウ・ス・ケ?」


ユウスケ「いやぁ!キバーラはまるで妖精みたいに可愛いなぁ!ははは!」


士「……仕方ない。なら今日は一度写真館に戻って夏みかんにダンジョンの攻略法を仕込むぞ」


ユウスケ「よ、よぉし!ユウスケ君頑張っちゃうぞー!」

[最初の夜-あと52時間:みんなのトラウマ]

士「……悪いがお前達相手に手は一切抜かない。全力で狩らせてもらう」ブゥゥンッ


???『オレサマウシモッテカエル』


???『ツイデニオンナノコモモッテカエルデュフフ』


士「変身!」カシュンッ


【KAMEN RIDE・DECADE!】

今回は終了

このSSは攻略指南ではなく

あくまでディケイド本編風ムジュラの仮面です

ではまた後日

>>14

キバーラ「ええ、ダンジョンを攻略するの?」

キバーラ「ええ、ダンジョンを攻略するの?」

あー……

?の部分にハートマークを付けたかったんですが

無理そうですね

こういうテストが出来るのはsage進行のいいところ

ぐぬぬ……

クリミア

出来ません\(^o^)/


iPhoneだからか?

クソ!もういいよ!

キバーラたんのハートマークは無しだよ!

色々教えてくれた人ありがとうございました
ポンコツ>>1ですまんの

半角のアンド「&」の後ろに「hearts;」って打ち込みでも出ない?

クリミアさんにぎゅっとしてもらった

>>26さん

やってみましたが無理でした
どうもアンドの後ろが消えるみたいですね

助言してくださり感謝です!

[次の日の朝-あと48時間:ダンジョン攻略へ]

士「……ふぁあ」ゴキゴキ


ユウスケ「おいおい大丈夫か士」シパシパ


士「お前こそ……眠そうだな」


ユウスケ「色々あったんだよ」


士「俺もだ」


士/ユウスケ「「ふぁあ……」」


夏海「おはようございます…って夜更かしでもしてたんですか二人とも」


士「まあそんなところだ」


ユウスケ「さーて、じゃあ一先ず街の外に出るか」


夏海「おじいちゃん!いってきますね」

栄次郎「気を付けて行っておいで、今日の晩御飯は鶏の唐揚げだよ」


コッコ「コケーーーーッ!!!」バタバタバタバタ


夏海「ヒェッ」


士/ユウスケ「「ッ!?」」


キバーラ「暴れちゃダーメ…ちゅっ」


コッコ「コケコッコーーーッ!!!」パタリ


士「ヤバイ逃げろ!」タッ


夏海「え!?」


ユウスケ「夏海ちゃん早く!」ガシッ


夏海「ええ!?何なんですかぁあああ!!!」ズダダダダ



コケー!コケー!コケー!
コケー!コケー!コケー!
コケー!コケー!コケー!


ぐわあああああ!



~~
~~~

~~~
~~


士「ハァ…ハァ…」


ユウスケ「あー!眠気スッキリ!」


夏海「おじいちゃん…大丈夫かな」


キバーラ「大丈夫よ~たぶん」


門番「キミ達!この先はタルミナ平原…モンスターが出現するので武器も持たないキミ達を街の外に出すわけにはいかないよ」


ユウスケ「あ、平気です俺クウガなんで」


門番「は?」


士「めんどくさいな…ほら」シャキンッ


門番「なっ!いつの間に私の首筋に!?」


士「武器ならある……これで文句はないだろう?」


夏海「士君!すみません門番さん!この人態度は悪いですけど腕は良いのでどうか通してもらえませんか?」


門番「うーむ、仕方ない。ですがお気をつけてください」


夏海「ありがとうございます!」


~~
~~~

~~~
~~


夏海「もう、士君…ああいうのはよくないですよ。門番さんが優しい人だったからよかったものの」


士「……次からは気を付けるさ」


ユウスケ「お、素直じゃん」


士「うるさい……始めるぞ」ブゥゥンッ


ユウスケ「よしっ」ブギュゥウン


夏海「キバーラ!」


キバーラ「はいは~い……かぁぷっ、ちゅっ」


士/ユウスケ/夏海「「「変身!」」」


【KAMEN RIDE・DECADE!】


クウガ『はっ』シャキーンッ


キバーラ『んっ』ポワーン


ディケイド『さぁて、行くぞ!』

[次の日の朝-あと45時間:ウッドフォールの神殿へ]

キバーラ『(ここで笛を吹くのよ)』


キバーラ『ふ、笛!?そんなの私持ってませんよ!?』


キバーラ『(はい右手出して)』


キバーラ『え…こ、こうですか?』スッ


キバーラ『(えい!)』ポワワ


キバーラ『出てきた!?これって仮面ライダーキバが持ってるフエッスルですよね』


キバーラ『(それを私に咥えさせて?)』


キバーラ『ああ、なるほど……こうやって』


キバーラ『(目覚めのソナタ♪)』ピーリリリー♪


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


キバーラ『こ、これが…ウッドフォールの神殿!』

[次の日の朝-あと45時間:スノーヘッドの神殿へ]


ビュオオオオオオオッ


クウガ『寒ッ!ウルトラセブンなら負けてるぞこれ……』


ビュオオオオオオオッ


クウガ『えーっと確か見えないゴロン族が吹雪を起こしてるんだよな』ジッ


ビュオオオオオオオッ


クウガ『やっぱ視えないか……本当なら子守唄で眠らせるんだけど』グッ


ビュオオオオオオオッ


クウガ『超変身ッ!』ゴウッゴウッゴウッゴウッ…シャキーンッ


ダイゴロン「ビュオオオオオオオッ」


クウガ(緑)『ん…緑のクウガなら視えるな、思ったとおりだ』

クウガ(緑)『あとは行き道で適当に作った弓を変えて……』シューンッ

クウガ(緑)『ごめんな手荒なことして……』ググッ

クウガ(緑)『ハァッ!』シュパンッ


ギュオオオンッ


ダイゴロン「ゴロッ!?」ゴパンッ


クウガ(緑)『どうだ?』


ダイゴロン「ゴ…ロォォ……」ドォォォン


クウガ『っ……ふぅ、何とかなったか』

クウガ『何も悪くないヤツに痛い思いさせたんだから……ちゃんと調べて来ないとな』

[次の日の朝-あと45時間:グレートベイの神殿へ]

ディケイド(響鬼)『なるほど…だいたいわかった』ウソダ


ルル「…?」


ディケイド『音撃棒じゃ駄目だってことがな!』ウソダドンドコドーン!!


ルル「ッ!」ビクッ


ディケイド『まさか海賊のアジトも攻略してタマゴも全て集めたのに無駄足になってしまうなんて……轟鬼や斬鬼ならあるいは可能なのかもしれないが、無い物は仕方ない』ブゥゥンッ

ディケイド『手持ちのライダーのチカラを借りることにしよう』カシュンッ


【KAMEN RIDE・BLADE!】


ルル「ッ!?」カワッタ


ディケイド(剣)『そして…これだ』ブゥゥンッ カシュンッ


【FORM RIDE・BLADE・JACK】


ディケイド(剣J)『よし!』バァサッ


ルル「…?…?」ポカーン


ディケイド(剣J)『じゃあなルル。今度会う時にはお前の歌声聞かせてくれ』ダンッ


ルル「…………?」

[次の日の朝-あと41時間:ウッドフォールのボス戦]

ウッドフォールの神殿の最深部へと到達したキバーラは、神殿ボス《オドルワ》との戦闘を繰り広げていた。


オドルワ『キライジャナイワ!キライジャナイワ!』クネクネフリフリ


ボトボトボトボトボトボト


キバーラ『キャァアアアッ!む、虫!虫ィィイッ!』ゾワワワ


オドルワ『アタシノホウガオッパイオオキイワーーーー!!!』ガパッ


ブブブブブブブブ


キバーラ『イヤーー!このモンスター何なんですかぁあああ!口から蛾を吐き出すなんて!』


キバーラ『(ちょっと夏海落ち着いて……こんなのすぐ倒しちゃいましょう。ね?)』


キバーラ『ぐぬぬぬ……そ、そうですね!仮面ライダーキバーラ行きます!』チャキッ

キバーラがサーベルを顔の前に構えた。


彼女の背中から藤色の光が翼のように迸る。


サーベルは白銀に染まり、部屋全体を揺るがすようなエネルギーが彼女を満たした。


オドルワ『ナニゴトッ!?』


キバーラ『ハァアアアッ!』ダッ


白金の剣の切っ先をオドルワに向けて、キバーラは跳躍する。


オドルワ『ブットビィイイッ!』ボォオオオッ


己に真っ直ぐ向かってくるキバーラに、オドルワは灼熱の炎を吐き出した。


キバーラ『こんなもので!』

しかし、キバーラは止まらない。


迸る光の奔流がオドルワを覆った次の瞬間、キバーラはオドルワの背後に着地し、オドルワは自身の身体が切り裂かれていることに気付いた


オドルワ『クッ……ガハッ…!』

オドルワ『ァ…アアアアアアアアアッ!!!』ブシャァアアアアアッ


キバーラ『消えていく!』


ポワーン


キバーラ『さっきのモンスターが消えて青い光の柱が現れました……』


キバーラ『(その光に触れると神殿の外に出られるのよ)』


キバーラ『なるほど…親切設計なんですね』


キバーラ『(それじゃあ、一度戻りましょうか。それにあなたきっと驚くわよ~)』


キバーラ『え?よくわかりませんけど……そうですね、戻りましょう』

[次の日の朝-あと41時間:スノーヘッドのボス戦]

クウガ『ついた~!やっぱりクウガのチカラは偉大だな数時間でここまでこれた』ウンウン

クウガ『さて……』チラ


ゴート『』カチンコチン


クウガ『ずっと思ってたんだけどさ……これこのまま倒しちゃってもいいんだよな』ザリッ


グッと、クウガは右足にチカラを込めるよう腰を落とし、必殺キックの構えをとった。


ふつふつと燃え滾る闘志が右足に注がれていく。


クウガ『ハァアアア……ッ』タッ


氷に包まれた巨大な牛型のモンスター目掛けて、クウガは駆け出した。


ジュッ、ジュッ、ジュッ、クウガの熱く炎を纏った右足が降り積もった雪の上に落とされる度、雪は一瞬にして蒸発し音を立てる。

クウガ『オリャアアアッ!』ダンッ


氷結したゴートの数m手前で、クウガは大きく飛び上がった。


人間を遥かに上回る跳躍の勢いと、破壊のエネルギーが詰まったクウガの飛び蹴りがゴートを覆う氷を貫き、ゴート本体にまで突き刺さる。


ゴート『ゴァアアアアアッ!』


氷が砕け散り、姿を現したゴートが咆哮を上げる。


しかし、それまでだった。


ピシピシピシとゴートの体に亀裂が走り、その亀裂がゴートの顔面にまで及ぶと……


ゴートは自身の体の内側に打ち込まれたクウガのエネルギーに耐えることが出来ず遂に爆発してしまった。


クウガ『よし!』スタッ

[次の日の朝-あと41時間:グレートベイのボス戦]


ディケイド(RX)『水中のダンジョンで梃子摺るかと思ったが……案外なんともなかったな』シューン

ディケイド『さて……来たか!』


グヨーグ『ギョギョォオオオオッ!』ザパーンッ


ディケイド『ッ…!これに食われて生きてるなんてやっぱりおかしいだろ!』ブゥゥンッ カシュンッ


【KAMEN RIDE・RYUKI!】


ディケイド(龍騎)『モンスターにはモンスターってな』ブゥゥンッ カシュンッ


【ATTACK RIDE・ADVENT】


ドラグレッダー『ギャオオオンッ』


ディケイド(龍騎)『行け!』


グヨーグ『ギョギョギョッ!』


ディケイドが召喚したドラグレッダーと水中から飛び出した魚型のモンスターグヨーグがぶつかり合う。


一回、二回と衝突しあった二体は、お互いのチカラを把握したのか円形の部屋をグルグルと牽制するように回り始めた。

ディケイド(龍騎)『何してる炎で炙り出せ!』


ドラグレッダー『ギャオオッ!』ボッ


そんな二体のモンスターに痺れを切らせたディケイドが、ドラグレッダーに水面に炎を放つように命じる。


仮初めの主とがいえ主は主、ドラグレッダーはディケイドの命に従い煉獄の火球をグヨーグが潜む水の中へと撃ち込んでいった。


グヨーグ『ギョオオオオオオッ!』ザバァアアッ


それが何度か繰り返されると、段々と室温が上がって来る。


撃ち込まれた火球により、水が温まって来たのだ。


水温の変化と同時に水中のグヨーグの様子も変わって来た。


荒れ狂うように高速で部屋の中を泳ぎ回ると、異常を巻き起こす原因であるドラグレッダーに向かって跳び出す。


ディケイド(龍騎)『出たな!』ブゥゥンッ カシュンッ


【KAMEN RIDE・FAIZ!】


ディケイドがファイズに姿を変えたことで、ドラグレッダーはこの世界から消え去りグヨーグの攻撃は空振る。再び水中へ落ちて行った。

しかし、そこはすでに彼の楽園ではない。煮立った地獄へと様変わりした水中から逃れ、楽園を破壊した者を攻撃するためにグヨーグは三度ディケイドの前に飛び出した。


ディケイド(555)『水中ではお前の方が速いかもしれないが……』


【FORM RIDE・FAIZ・ACCEL】


ディケイド-ファイズの姿がさらに変わる。


それは10秒間だけ超高速移動を可能にするファイズのフォームチェンジ-アクセルフォーム。


【Start Up】


左手にある腕時計状のデバイスを操作し、ディケイドは超高速移動を始めた。


ディケイドがいたこの部屋の中心部のステージ、そのちょうど真ん中辺りでグヨーグは攻撃対象を見失う。


そして、グヨーグの頭がコンマ数秒前ディケイドがいた地点に通りかかった時、怪魚の顎は強力な上向きの衝撃によって強制的に向きを変えられ、グヨーグの巨体は縦に回転しながら空中に浮かび上がった。

こうして見ると、こいつらを生身&子どもの状態で攻略してた緑の勇者もとい時の勇者様パネェ
ムジェラの後のトワイライトじゃ自分の技を誰にも継承できない&勇者として名を残せないで骸骨さんになったけど
まともに継承出来るわけがない

リンク的には7年後の世界でゼルダとよろしくしてた方が幸せだったろうに

【FINAL ATTACK RIDE・fa、fa、fa、FAIZ!】


響き渡るその音声と同時に円錐状の赤い光が幾つも出現し、グヨーグを取り囲む。


その光がドリルのように回転しながらグヨーグに迫り、グヨーグが地上に向けて落下し始めるその瞬間――


【Time Out-Reformation】


ディケイドがまるで何事もなかったかのようにステージの上に現れた。


その直後、グヨーグは連続して小爆発を起こし、最後に大きく爆散して水面を揺らす。


ディケイド『地上でなら俺の方が速い』


こうしてディケイド達三人は、危なげなく三つのダンジョンを攻略し集合場所-最後のダンジョンへと向かったのだった。

>>47
生身と言っても
聖三角や大妖精の加護を受けたり
ゼルダ姫を筆頭とした賢者達からの協力もあったりするので
時の勇者としての役目を終えた後の話であるムジュラの仮面の時でもその片鱗が見えますね
やはり対魔物においては絶大なアドバンテージがあるのだと思います


あと、今日はこれで終わります

ロックビル編は短いですがまた明日

[次の日の朝-あと38時間:イカーナ渓谷]

士「待たせたな」


ユウスケ「いや、俺もちょうど来たところだよ」


士「あとは夏みかんだけか……」


ユウスケ「そんなに心配しなくても大丈夫だって」


士「心配なんてしてない。足を引っ張られるのは困るからな、それだけだ」


ユウスケ「はいはい……ってお待ちかね夏海ちゃんご到着」


士「待ってない」


キバーラ「ユウスケ~私疲れちゃった~!だから、かぁぷってさせて?」パタパタパタパタ


ユウスケ「嫌だからね!」

夏海「すみません。お待たせしましたお城で一悶着起こってしまって」


ユウスケ「あー……お姫様連れて行ったんだね」


夏海「はい、お前が誘拐犯だッピ!って全然話を聞いてくれなくて」


士「ぶはっ…いや、何でもない。やめろ、わかったから手を降ろせ」


夏海「……まあいいです。誤解は解けましたし景色は綺麗だったし。それでどうしてここだけ全員で行かないといけないんですか?」


士「全員必要な理由は単純に人手がいるからだ。あと、出発する前に一応探索の結果を聞いておこう」


夏海「ああ、えっと……少なくとも弓は見つかりませんでした」


ユウスケ「こっちも収穫ナシ。いや、勇者の存在確認だから収穫有ったのか?」


士「ま、ということは少なくとも勇者は存在し、既に三つのダンジョンを攻略していることはわかったな」

ユウスケ「でも次行くのヤダな~」


夏海「あれだけ楽しんでいたユウスケが……一体ここは」


ユウスケ「怪人とかモンスターなんかはいいけど、ゾンビとか幽霊はさすがにツライって」


夏海「え゛?」


士「ここは《そういう場所》なんだよ」


夏海「帰りましょう!」


士「おいおい、ゾンビも幽霊も怪人やモンスターと大差ないだろう」ポンポン


夏海「でもぉ…」


士「全く……」ポンポン

士「なんださっきから鬱陶しい!」クルッ











ギブド面『わぁッ!』














士「うあああああああああッ!」


ユウスケ/夏海「「ぎゃあああああ!」」




士「あああああああああッ!」ハラパン


ギブド面『うぐっ!?…ゲホッゲホッゲホッ……ひ、酷いな士』


士「っ……お前は!」


ユウスケ/夏海「「あああああ……って海東(大樹さん)!?」」


海東「やぁ」サスリサスリ


士「お前ここで何してる。というかそれどうやって手に入れた!」


海東「僕がいる理由なんて一つ、この世界のお宝を頂戴しに来たのさ。それに士と違って楽器(音撃戦士)には事足りてるんでね…簡単だったよ」バンッ

士「はん…それでお目当ての物はあったのかな?」ユビサスナウットウシイ


海東「……感謝したまえ、これでわざわざここを攻略する必要はなくなったんだから」


士「なかったのか!ははは!いい気味だコソ泥野郎!」


夏海(士君今日はいつも以上に辛く当たりますね)ボソボソ


ユウスケ(さっきのが相当悔しかったみたいだな)ボソボソ


士「お前ら聞こえてるぞ!」


海東「それで、君達はこの後どうするつもりなのかな?」


ユウスケ「え?あーそうだな一度写真館に戻って……最期の日に備える?」


夏海「私に聞かないでくださいよ!?」


士「なんだ、合流するつもりか?お前らしくない。盗る物がないならさっさと移動すればいいじゃないか」


海東「ふっ、気付いてないのか?僕達はこの世界に閉じ込められているんだよ」


士「なんだと!?」

海東「だから、今回はいつもみたいな成り行きじゃなくて、ちゃんと手を組みたいと思ってね」


ユウスケ「成り行きになるのは毎回お前か士かが単独行動するから」ボソッ


士/海東「「なんだ(なにかな)?」」


ユウスケ「いやなんでもない」アセアセ


夏海「でも大樹さんがいるなら心強いですよ!よろしくお願いします」


士「どうだか……あわよくばムジュラの仮面を手に入れようとしてるに決まってる」


夏海「また士君はそんなこと言って」


海東「はっはっはっ!さすが士…けれど安心したまえ、僕だってアレに精神を乗っ取られたくはないからね……手に入れるならアレを倒してからだ」

士「まあいい、協力したいなら好きにしろ」


海東「じゃあ、遠慮なく」


キバーラ「よろしくね~」


ユウスケ「よし!なら写真館に帰ろうか、俺お腹減ったよ」


夏海「そうですね、お昼食べてませんし街で何か食べませんか?」


ユウスケ「いいね!」


海東「ちなみにナベかま亭での食事はやめておいた方がいいよ」トオイメ


ユウスケ「食べたのか……逆に一度食べてみたいな」


夏海「ん~?って、あれ!?士君は?」


ユウスケ「あーー!アイツまた単独行動かよ…ったく仕方ないヤツだな」


海東(二日目……そしてこの時間…まさか士!)

[次の日の夜-あと36時間:ミルクの配達]


【Clock Over】


ディケイド(カブト)『ふぅ…』シュイーン


ロマニー「あー!バッタのお兄さん!今日も来てくれたの?」トタトタ


士「ああ、一応様子見にな。もう大丈夫か?あとバッタはやめろ俺は一号じゃない」


ロマニー「うん!バッタのお兄さんのおかげでオバケの心配はなくなったよ!」


士「そうか、それはよかった。あとバッタはやめろ」


クリミア「あら、ロマニーその人は?」


ロマニー「あ!おねえさま、この人はねオバケ退治を手伝ってくれたバッタのお兄さんなの!」


士「だからバッタ……聞けよ」

クリミア「ふーん……ねえ、ロマニー?」


ロマニー「はい?」


クリミア「夜更かししちゃダメって言わなかったっけ?」ニッコリ


ロマニー「」


クリミア「妹のワガママに付き合わせてしまってごめんなさい」


士「いや、問題ない。それに実際《オバケ》は出たからな」


クリミア「え…まさか、面白い人ねあなた。妹を庇ってくれてありがとう」


士「……そういうことにしておいてやるよ」


クリミア「ねえ、私これから街に配達しに行くんだけど、もしあなたも街に行くなら乗せて行ってあげるわ。妹がお世話になったお礼にね」



~~
~~~

~~~
~~



クリミア「到着!今日は邪魔されなかったしスムーズだったぁ……あなたのおかげかな?」


士「さあな……よっと」


クリミア「クールだね、かっこいい!」


士「よせ…俺がクールでかっこいいのは周知の事実だ」チンクルチンクルクルリンパ


クリミア「今のはちょっとアレだったけど……ま、ありがとう助かったよ」


士「じゃあな……妹と仲良くしろよ」


クリミア「言われなくても!案外…ううん、お節介なんだねキミ!」


士「お節介ぐらいしないと胸糞悪くなるんだよお前達のイベントは」ボソッ


クリミア「ん?」











ゴーマン兄弟「「配達を妨害しようとしたらカブトムシのモンスターに馬が逃がされていたでござるの巻」」









今回は終わり


また後日

今回で一区切りついて
私の中でストーリーも固まったので
ここからは普通に上げて行きます



[最期の日の夜-あと7時間:襲撃]


士達がこの世界に訪れて三日目。


邪悪な笑みを浮かべる月が落ちてくる日。


クロックタウンは、夜更けにイカーナ地方からの《敵》の襲撃を受けていた。


クウガ(紫)『フンッ!テリャァアアッ!』ブオンッ


スタル・ベビー『ギャアアア!』


タイタンフォームへと姿を変えたクウガの強力な剣の一薙ぎで、スタル・ベビーは粉砕される。


だが、敵はまだまだ尽きない。ギブドやリーデッド、青バブルにガロまでもがクロックタウンに進撃していた。


それも、数は無数に存在する。

ディエンド『気を付けたまえ』


クウガ(紫)『ごめん!助かった!』


ディケイド(キバ)『謝る必要はないんじゃないか?大方こいつのせいだろ。どうせくだらないことをして呪われたに決まってる』ジャラ


ディエンド『知らないね、それより士がイレギュラーな行動をしたからじゃないの?』


ディケイド(キバ)『なんだと』


ディエンド『何かな』


キバーラ『もう!こんな時にまでケンカしないでください!』


街に残った人達を避難させるため、今まで街の中で散り散り戦っていたディケイド達が時計台の付近に集う。


ゲームと同じ世界、同じような展開だったことで生まれた油断をつかれた襲撃だった。


しかしその程度のイレギュラーはディケイド達にとっては慣れたもの……

>>65>>66の間にこれを挟みます




クウガ(紫)『このッ!』ガキンッ


ガロ『ギヒヒ!』ガキンッ


その中でも、俊敏な動きでヒットアンドアウェイを繰り返すガロは、今の状況で最も厄介な相手となっていた。


ガロ『ギヒャァアッ!』シャッ


クウガ(紫)『くっ!このままじゃ!』


青バブル『ゲヒャヒャヒャ!』ゴォオオッ


クウガ(紫)『しまっ――』


【ATTACK RIDE・BLAST】


ガロとの打ち合いに気を取られたクウガに、青バブルは不意打ちを食らわせる。


しかし、青バブルの体当たりはクウガに届くことはなかった。


青バブルの怨念を掻き消すように、青白い閃光がクウガの真横を横切り、青バブルを吹き飛ばした。

ガロ『ギヒヒ』


ウィズローブ『ナハハハハ!』


【FINAL ATTACK RIDE・ki、ki、ki、KIVA!】

【FINAL ATTACK RIDE・di、di、di、DIEND!】


ディケイド(キバ)『ハァアアアッ!』バッ


ディエンド『フッ』カチッ


クウガ(紫)『オリャアアアッ』ブオンッ


キバーラ『セヤァアッ』シャキンッ


苦戦しようとも、彼らに敗北はありえない。


無数に思えた敵の数も残り僅か。

ボス・ガロ『…………』


スタル・キータ『…………』


イカーナ王側近1『…………』


イカーナ王側近2『…………』


イカーナ王『…………』


ディケイド『そら見ろ、このメンツを見れば海東が呪われていることは明らかだ』


キバーラ『まだ言ってるんですか……』


ディエンド『仕方ない。言われっぱなしというのも癪にだからね……ここは僕が引き受けようじゃないか』


クウガ『だったら俺も残るよ』


ディエンド『士についてないでいいのか?』


クウガ『そりゃいつも一緒にいるのは士が仲間だからさ、でも、今日はお前だって仲間だろ…な、士』


ディケイド『ふん、好きにしろ』


ディエンド『……仲間か』ボソッ


ドーン、ドーンとカーニバルの開始を告げる花火が打ち上がった。


同時に、時計台の内部に侵入出来る扉が開き世界の終わりもまた近づいている。


クウガ『バクダン屋の人も頑張るなぁ』


ディケイド『行くぞ夏みかん』


キバーラ『はい。二人とも後はよろしくお願いします』

[最期の日の夜-あと6時間:破壊者の仮面]

士達は時計台の中を駆け上がる。


その途中でオカリナの音色が響き渡り、ズシンズシンと大地が唸り声を上げた。


時計台全体が大きく震え、なんともいえない恐怖感が込み上げて来る。


それが《死》に対する本能的な感情なのか、それとも月の魔力がそう思わせるのか。


何にしろ、士達が時計台の頂上に登り詰めた時、今まさに月は地上に向けて落ちてこようとしていた。


???「お前がディケイドか」


士「時の勇者様にまで知られているなんてな……始めまして勇者《リンク》」


夏海「え、この子が!?まだ子どもじゃないですか」

リンク「ふーん、世界の破壊者なんて言われているわりには甘いじゃないか」スッ


バチンッ


士「何ッ!?目くらまし…デクの実か!」


夏海「きゃっ!」


士「夏みかん!!」


リンク「弱点を敵に晒すなんてさ」ガシッ


夏海「あぐっ……」グリッ


士「おいおい、なんのつもりだ勇者様」


リンク「この人を傷付けられたくなかったら……ディケイド、お前のカードを渡せ」


士「カードを渡せ……?これを手に入れてお前の何になる」


リンク「いいから……渡せ」グッ


夏海「痛っ」


リンク「ガキだからって舐めるなよ。組み伏した腕を折るぐらい簡単だし、それこそ喉元掻っ切るぐらい今の俺ならやってのけるぜ」ギラギラ

士(こいつ……完全にヤケクソだ。キバーラは何やって…!?)


キバーラ「捕まちゃった
~」フリフリ


チャット「邪魔はさせないわ!」


トレイル「よ、よくわからないけどお姉ちゃんを手伝うよ!」


リンク「さあ!カードを寄越せディケイド!」


夏海「つ、士君……ダメですよ」ググッ


士「……わかった。受け取れクソガキ」シュッ


リンク「っ!」パシッ

リンク「これがあれば…!」


士「もういいだろう。そいつを離せ」


リンク「言われなくても離してやるよ」ドンッ

リンク「ごめんなさい」ボソッ


夏海「え……?きゃあ!」ドサッ


士「夏海!……大丈夫か」


夏海「は、はい…すみませんやっぱり足手まといになってしまいました」

士「いや…気にするな」

士「それよりも、あいつはどうするつもりなんだ……」


ピカーンッ


士/夏海「「ッ!?」」


リンク「これが…これさえあればば!」チャッ


夏海「カードがお面に!?」


士「なるほど…こういうことか!」


夏海「え?」


リンク「が…!ぐっ…ガァアアアアアアアアッ!!!」バチチチチチッ


士「あいつはあの仮面の……ディケイドのチカラを使って月を破壊するつもりだ!」


破壊者リンク『ハァ!ハァ!……行くぞ!チャット!今度こそ《アイツ》を倒すんだ!』バッ


チャット「もう!待ちなさいよリンク~!」スイー

今日ちょっと間違い多くて申し訳ない……


間違い《ば》が多いです
リンク「これが…これさえあれば《ば》!」チャッ

正しくは
リンク「これが…これさえあれば!」チャッ




夏海「つ、月の中に入ってしまいました」


士「こうなったらもうどうしようもない」


夏海「あの子最後に私に《ごめんなさい》って……悪い子なんかじゃないんですよ」


士「ヤツがいい子であろうが悪い子であろうが、俺達にはヤツの勝利を信じるしか――」フラッ


夏海「士君!?士君!」


士(なんだ?急に目眩が……)


夏海「―――く――つか――――!」


グニャァアアア……


士(なつ…み……)

士(世界が……終わる……?)





[最初の日の朝-あと72時間]




というわけで
実際のゲーム的に言うと時のオカリナを取り返した辺りに相当するところで今回は終了です


ゲームならここから本当の冒険が始まりますが
チートとバグの塊であるディケイドと
すでに何ループもしている設定のリンクなので
冒険もダンジョン攻略もクソもありません

なので、次かその次ぐらいには終わると思います

士「ッ……ここは…どこだ?空も地面も、全ての景色が白い世界」


???「はっ!無様だなディケイド!」


士「お前は…鳴滝!何しに来た!」


鳴滝「何をしにだと?決まっている!貴様を笑いに来てやったのだディケイドォオオ!」


士「相変わらず暇なヤツだ……それで、あの世界で今度は何を企んでいる」


鳴滝「ふっ…今回私は何もしていない。いや、する必要などなかった」


士「どういうことだ」


鳴滝「あの世界はなディケイド……もはや勇者には救えない。狂わされたのだ」

士「またお得意のディケイドの所為か。くだらない話だったな」


鳴滝「驕るなよディケイド!お前に出来るのは破壊だけだ!これ程までに複雑に、完璧に世界を狂わせることなど貴様に出来るはずがないだろう!」


士「だったら!あの世界を狂わせたのは誰だ!!」


鳴滝「それは自分の目で確かめるがいい」


士「ーーーッ!?」ズキンッ

士(なんだ…頭が!)


鳴滝「悔しいが……あの世界を救えるのはお前だけだ」


士「っ…珍しいじゃないか……俺を頼るなんてな…くっ!」ズキンッズキンッ

士(意識が!視界が霞む……!)


鳴滝「おのれディケイドォオオオオオッ!!!せいぜいあの世界がお前の旅の終着点にならぬよう気を付けるんだな!」


士「ぅ……ぁ…」ドサッ

[最初の朝-あと72時間:終わらない物語]

士「がっ!」ハァハァ


夏海「士君!」


ユウスケ「士!よかった目が覚めたんだな」


士「夏みかん…ユウスケか。ここは…どこだ…?」


海東「時計台の中だよ」ムスッ


士「海東お前も無事だったか……何むくれてる」


海東「別に」


キバーラ「宝物がぜーんぶリセットされちゃったのよね~」ケラケラ


士「あー…なるほどな。それで、一体これはどうなってる?月はどうなったんだ?」


夏海「あの男の子が月の中に入って士君が倒れた後、私も意識を失って気がついたらここで目を覚ましました。他の人も同じようです」


ユウスケ「ゲームオーバーってことなんだと思う。それでまた最初の日に戻った。まあ、俺達もまだここから出てないから本当にそうなのかわからないんだけどな」

夏海「おじいちゃん…大丈夫ですよね」


士「まず外に出てみないことにはなんともいえないな」


海東「ところで士、キミ勇者にカードを盗られたそうじゃないか」


士「夏みかん!お前余計なことを!」


夏海「だ、だって大樹さんなら取り返してくれるかもしれないじゃないですか!」


士「へえ、それで取り返してくれたのかこの泥棒は」


夏海「ぐぬぬ……すみません」


海東「まあ、僕がわざわざ取り返す必要もなさそうだし」


士「どういうことだ?」


ユウスケ「あっちの奥にさ、いるんだよ」


士「誰が…お面屋か!」


キバーラ「勇者ちゃんよ~」

?
??
???

~~~
~~


士「よう…」


チャット「ちょ、何よアンタ!近づかないでよ!」ポコポコポコポコ


士「鬱陶しい……」グイッ


チャット「キャ!?」ベチャッ


リンク「…………」


士「部屋の隅で三角座り…えらく典型的ないじけ方だな」


リンク「うるさい」


士「おー怖い怖い……ん」クイクイ


リンク「……なんだよ」


士「貸したものを返してもらおう。どうせもう使わないんだろ」

リンク「ふん、返すよ。そんな役立たずなお面なんかいらない」ポイッ


士「おっと」パシッ


ピカーン


士「お前の手を離れれば元に戻るのか、なるほどな」


リンク「もう用事は済んだだろ……あっち行けよ」


士「そういうわけにもいかない。聞かせてもらうぞ」


リンク「は?」


士「月の中で何が起こったのかをな」

リンク「月の中は草原なんだ。そこにはお面をつけた子どもが5人いてさ、その中のムジュラの仮面を付けたヤツと話すと鬼ごっこが始まるんだ」


士「鬼ごっこ…ね」


リンク「始めは仮面、次は化身、最後は魔人……倒しても倒しても、ムジュラの仮面は姿を変えてどんどん強くなっていく」

リンク「何回やられたかわからない」


士「生きてるだけでも儲けものだ、そういう時はな」


リンク「はは…確かに、よく生きてたと思うよ。それでさ、最後には俺はこの鬼神の仮面のチカラを使ってヤツを倒したんだ」


士「倒した……?だったらなぜ終わらない」


リンク「わかんねえよ……そんなの俺だった知りたい」ジワァ

リンク「初めてアイツを倒した瞬間…気が付いたらここに戻ってた。まさかと思って外に出たら…月が……まだ笑ってたんだ」ポロポロ

リンク「それから何度も何度も何度も何度も!ずっと色々やってみたけどどうにもならなくて……」


士「そこに俺の話が舞い込んで来たってわけか」


リンク「……うん」

士「なるほど、だいたいわかった」


リンク「……ごめん」


士「聞きたくないな。負け犬の言葉なんて」


チャット「ちょっと!勝手なこと言わないで!あんたがこいつの何を知ってるっていうのよ!」


士「ああ…知らないな。俺の知っている勇者はこんな賢いヤツじゃなかった」

士「俺の知っている勇者はもっと諦めが悪くてどんな過酷な運命も切り拓こうともがき、そして仲間と力を合わせて邪悪を討ち倒す……」

士「友達想いの《普通の》子どもだよ」


チャット「……?」


士「それと、ある男が言っていたんだが…仮面ライダーってのは子どもの夢ぐらいは護れないといけないらしい」スッ


リンク「……あんた」


士「さあ、来いリンク。お前のために…俺はもう一度世界の破壊者になってやる」


~~
~~~

~~~
~~


キバーラ「あ、戻って来たわ~」


夏海「おかえりなさい士君」


ユウスケ「話はついたのか?」


士「俺を誰だと思ってる。舌先三寸で子どもを騙すくらいなんてことない」


夏海「またそんなこと言って……」


リンク「…………」コソコソ


ユウスケ「ん?」


海東「やあ、勇者くん」


リンク「おわ!?」


ユウスケ「おー!スゲえ本物だ!」

夏海「その反応は失礼ですよユウスケ」


士「そうだぞレッド、また不祥事で炎上か?」


ユウスケ「いや確かに赤いけどさ!それ世界違うからな!!俺クウガだから!!公務員戦隊じゃないから!!」


海東「これが大妖精の剣!!!素晴らしい!なんて神秘的なんだ!」


リンク「うわあ!お前いつの間に!?」


キバーラ「いらっしゃ~い妖精さん」


チャット「ど、どうも…あんた達いっつもこんなに騒がしいの?」


キバーラ「ん~今日はまだ控え目よ?」


チャット「そうなんだ……」


キバーラ(最悪500人くらい集まってドンパチやらかすんだからこのぐらいじゃ全っ然っ静かだわ~)

士「というわけで、この三日間で全てを終わらせる」


ユウスケ「終わらせるったって終わらないから困ってるんだろ?」


海東「まさか月を破壊して終わりだなんて言わないよね士」


士「それも考えたが……そう簡単にもいかないだろ。それに前回こいつはディケイドの仮面で戦ったんだぞ。月の破壊くらいその時にどうこう出来たはずだろ?」


リンク「いやだからお前の仮面使えねえって…いひゃいいひゃいッ!」


士「お前の使い方が悪いんだ仮面のせいにするな」グニィィィ


リンク「ひゃめろぉぉ!ひゃなしぇぇぇ!」

夏海「士君!いじめちゃダメですよ!」ギュッ


リンク「わぷっ」ドキッ


士「」イラァ


キバーラ「あらら~嫉妬かしらディケイド」ニヤニヤ


士「フンッ」ギュオンッ


チャット「なんで私を投げるのよぉおおおっ!?」ゴォオオッ


キバーラ「や~ん」サッ


チャット「みぎゃ!?」ベチャ

たしかWiiならダウンロードでムジュラがプレイできるんじゃ?
ムズくて何年もやってないけど

>>92
でもお高いんでしょう?




夏海「よしよし大丈夫ですよ妖精さん」ナデナデ


チャット「あいつ~!後で絶対足引っ掛けて転ばせてやるんだから!」キーキー


ユウスケ「ああそうそう、気になってたんだけどさ。ここお面屋いないの?」


海東「言われてみたら見ないね」


士「泥棒の匂いを嗅ぎつけたんじゃないのか」ムスッ


リンク「あいつなら俺が初めてアイツを倒した後にはもういなくなってた」


ユウスケ「なんて胡散臭い…やっぱりお面屋が黒幕なんじゃないの?」


士「……そういえば鳴滝がなんか言ってたな」


海東「鳴滝さんが?なんて言っていたんだい?」


士「この世界を狂わせているヤツがいるってさ」

夏海「ん、だったら案外話は簡単なんじゃないですか?」


士「なぜだ」


夏海「その世界を狂わせている人を倒しちゃえばいいんですよ!」


リンク「ハァ…どうやってだよ」


夏海「ウェイ!?」


リンク「そもそもそいつはどこのどいつで、どうやったらそいつは現れるんだよ」


夏海「ス、スミマセン…デシタ」


リンク「ホントに大丈夫なの?結局全員策無しっぽいんだけど……」


士「おいおい、誰が策無しだって言った?」


リンク「じゃあなんかあるの?言っとくけど、俺もうあんた達に甘える以外何も出来ないからね」ドヤァ


士「いばるな」


キバーラ「私をギュッとしてもいいのよ?」


チャット「ッ!?」


リンク「ヤだよ噛まれそうだし」

ユウスケ「それで、策ってなんなんだ士」


士「決まってるだろ」


海東「オールライダーキックで月を破壊する!」


士「毎回毎回そればっかりやってたら飽きられるだろうが!最後まで聞け!」


海東「なんだ…違うのか」


士「んん…策ってのはな、言ってしまえば目には目を歯には歯をってやつだ」


夏海「つまりどういうことでしょうか?」


士「相手が世界を歪めているっていうなら、こっちも歪めてやればいい」


ユウスケ「ッ!アジトに回転アタックか!?」


海東「つまり残像剣というわけだ」


士「お前らいい加減ゲームから離れろ!!」

今回は終わり

次で最終回のつもりです



書きながら音声確認のために
ディケイドライバーガチャガチャやってたら

ディケイドのカード
中で折れちゃってた(´;ω;`)

次が最終回だと言ったな

あれはウソだ




[最期の夜-あと5時間:想いを託して]

ボス・ガロ『…………』


スタル・キータ『…………』


イカーナ王側近1『…………』


イカーナ王側近2『…………』


イカーナ王『…………』


キバーラ『またこの人達…ってことは最後ですね』


クウガ(青)『ヨシ!じゃあここは俺達に任せて行ってくれ!』シャランッ


ディエンド『僕のお宝がかかってるんだ。絶対に成し遂げたまえよ』


キバーラ『いってらっしゃい二人とも…気を付けてくださいね』


ディケイド(アギト)『任せておけ』

リンク「ハァ…ハァ…」


ディケイド(アギト)『おいおい、今からそんなでどうするんだ』


リンク「お前達が…ハァ…異常なんだよ…ハァ…ハァ…」


士/ユ/海(お前に言われたくない)


リンク「…っし!行くぞ士!」


ディケイド(アギト)『ああ、掴まれリンク!一気に駆け上がるぞ!』ダンッ


リンク「うわああああ!」


~~
~~~

~~~
~~


スタルキッド「」ボロッ


リンク「やべぇ…ちょっとやり過ぎた」


ディケイド『ウィズローブぐらいの反抗はして来たからな、仕方ない』


リンク「ムジュラの仮面は月の中に入ったし俺達も急ごう!」


チャット「ね、ねえ!」


リンク「チャット、お前はここで待っててくれよ。スタルキッドのことだって心配だろ?」


チャット「でもさ…」


リンク「信じてくれ相棒、俺はアイツを倒して必ず戻って来る。その時に俺を迎えてくれる人がいるって思ったらもっと頑張れると思うんだ…だからさ」

チャット「わ、わかったわよ。私はあんたの相棒だから…信じて待ってるわ。あんたの勝利を…弟と、スタルキッドと一緒にね」


リンク「ありがとうチャット…いってきます」


チャット「いってらっしゃいリンク。あとそのピンク色!」


ディケイド『ピンクじゃないんだよマゼンタだ。……なんだ?』


チャット「リンクを、私の相棒のこと任せたからね!」


ディケイド『……行くぞリンク』


リンク「うん!行こう!」

[月の中:VSムジュラの仮面]

士「ここが月の中…」


リンク「綺麗だろ見かけはさ……ところで」


士「どうした?」


リンク「この三日間あんな過ごし方でよかったのかよ」


士「あんなと言ったが、お前だけじゃ決して出来ないイベントのフルコンプリートだぞ。カーフェイとかカーフェイとかカーフェイとかな」


リンク「確かに人助けもボス攻略も全部やったけどそれだけじゃないか……」


士「相棒がいなくなった途端コレか……どこぞのハーフボイルドに会わせてやりたい」


リンク「いいじゃん別に!こどもなんだぜ俺!」


士「今まで我慢していたのが解けたのか急激に《らしく》なりやがった……」


リンク「~♪」

オドルワ面「~!」


グヨーグ面「…?」


ゴート「」


ツインモルド「www」


士「あれが仮面のこども達か」


リンク「気味悪いんだよなあいつら……心の中を覗かれてるみたいでさ」


士「それで、あのデカい木の下で座ってるのが」


リンク「ああ、ムジュラの仮面……!」


ムジュラ面「また来たのか」


リンク「ッ!?」


ムジュラ面「何度来ても同じさ、お前は俺には勝てないよ」ウゾゾゾゾ

ムジュラの仮面を被ったこどもが立ち上がる。


その途端。澄んだ空気が一転して悪意に呑み込まれ、美しい草原は紫色に歪んだ異質な空間へと変貌した。


広々とした四角い部屋の、ヘドロが波打つような四つの側面に飾られた四つの仮面が笑う。


そして、四つの仮面よりも大声で、高々と笑い声を上げるムジュラの仮面が部屋の中心に降り立ち、士達をニヤニヤと見つめていた。


士「実物を見るのは初めてだが……ゲームで見るよりも生物的で気持ち悪いな」


リンク「違う……」


士「何…?」


リンク「いつもはあんなじゃない!」

リンクがムジュラの仮面の異常に気付いた瞬間、ムジュラの仮面から枯れた茨のような触手が伸び、リンクに叩きつけられる。


リンク「うわぁあッ!?」


士「リンクッ!」バッ


持ち前の動体視力と反射速度でリンクを抱え込んだ士は、間一髪で触手の叩きつけを転がるように避けた。


士「ボーッとするな!今まで通りだと思うなよ」ブゥゥンッ


リンク「う、うん……上等!」チャッ


士「変身!」カシュンッ


【KAMEN RIDE・DECADE!】


ディケイド『来いよムジュラ』


リンク「今日がお前の最期の時だ」

ムジュラの仮面『ヒャヒャヒャヒャヒャッ!!!』グチュグチュグチョグチョ


頭の中を掻き乱されるような嫌悪感のする笑い声。


ムジュラの仮面から手足が生え、おぞましい一つ目の頭が現れる。


ディケイド『最初から最終形態ってわけか……だったら!』ブゥゥンッ カシュンッ


【KAMEN RIDE・DEN-O!】


ディケイド(電王)『俺も最初からクライマックスでいかせてもらう!』


ムジュラの魔人『ゲヒャァアアッ!!!』グォンッ


ディケイド(電王)『ハァアッ!』


魔人の振り回す二本の触手を飛び越え、ディケイドは一気に魔人との距離を詰める。


そして、カメンライドと共に手に持っていたデンガッシャー・ソードモードを振り下ろし魔人を切りつけた。

ディケイド(電王)『硬い…!』


しかし、魔人の皮膚は恐ろしく硬い。


それを知っていた魔人は斬撃をわざと避けなかったのだ。


ゲラゲラと魔人はディケイドを嘲笑する。


ディケイド(電王)『おいおい、そういうのは勝ってからにしろ』


リンク「喰らえ!」シュッ


ムジュラの魔人『ゲゲッ!』


そんな隙だらけの魔人に向けてリンクが光の矢を放った。


触手状だった魔人の腕がシュルシュルと縮み人間の手のような形状に変わる。


その手を交差させて光の矢を防ぐつもりだったのだろうが、ディケイドはそれを許さない。

ディケイド(電王)『大人しく当たっとけ!』チャキンッ


ダメージは与えられずとも、ディケイドの斬撃は魔人の腕を弾き体勢を崩させた。


ガラ空きになった魔人の胴目掛けて、光の矢が突き刺さる。


ムジュラの魔人『ゲゲゲーーーッ!!!』


リンク「今だ士!」


【FINAL ATTACK RIDE・de、de、de、DEN-O!】


ディケイド(電王)『オオオオ!』


カードに封じ込められた電王のチカラが解放され、ディケイドの全身を満たしていった。


デンガッシャーの刀身が赤いエネルギーを帯る。

ディケイド(電王)『ァアアア!』ブンッ


ムジュラの魔人『ギュイイイッ!』


型も構えもない力任せに振り抜いた一撃が炸裂し、魔人を横一線に切り裂いた。


ブシャアアと傷口から緑色の体液が噴き出し、魔人が膝を着く。


ディケイド『リンク!とどめをさせ!』


リンク「わかった!」ググッ


瀕死の魔人にとどめを刺すために、リンクは弓の弦を引いた。


弦がピンと伸び切り、つがえた矢が光を帯る。


魔人を穿つ聖なる矢。それを放とうとしたその瞬間――

オドルワ『ヒャアアアア!!!』ブォンッ


リンク「なっ!?クソッ!」バッ


壁に飾られていた四つの仮面が外れ、肉体を取り戻して二人に襲いかかって来たのだ。


ゴート『ゴアアアアアッ』ダッダッダッダダダ


ディケイド『ぐああああ!?』ドカッ


リンクの弓はオドルワに妨害され、ディケイドはゴートの突進に跳ね飛ばされる。


そして、空中に浮かんだディケイド目掛けてグヨーグが大口を開けて飛び込んで来た。

リンク「お前はこれでも食ってろ!」ポイッ


グヨーグ『ギョギョ!?』パクッ


オドルワの攻撃を避けたリンクはバクダンを取り出し、グヨーグの口の中に放り込む。


その瞬間、グヨーグは口から爆発音と火を噴き上げながら跳ね飛び、地面に落下した。


リンク「士!まさかもう終わりだなんて言わないよな」


ディケイド『当たり前だ……おいリンク!これを使え!』ブゥゥンッ シュッ


リンク「これは…?」パシッ

ディケイドがリンクに渡したカードは《イリュージョン》。


ディケイドが使用すると自身の幻影を複数体生み出すライダーカードだ。


それをリンクが手にすることで、イリュージョンのカードはリンクの新たな仮面へと姿を変えた。


ディケイド『差し詰め《幻影の仮面》ってところだ』


リンク「いいぜ……使えるかどうか試してやるよ!」スチャ


幻影の仮面をリンクが被る。


二人のやり取りを警戒し様子を伺っていた四体のボスは、二人が動きを止めた今を好機と捉え一斉に飛び掛かって来た。

リンク「アアアアアアアッ!!!」バチッバチチチチッ


体を、魂を引き千切られるような痛みと苦痛がリンクを襲う。


それはボス達が二人に触れるまでの刹那の時間。


だが、リンクにとっては永い永い苦痛の時間だった。


そして、その苦痛から解放された時……


デクナッツリンク『ッピ!』チョコン


ゴロンリンク『ゴロォッ!』ムキッ


ゾーラリンク『フッ』チャキッ


巨人リンク『オオオオ……』ゴゴゴゴゴ


木人、岩人、魚人、巨人、四人のリンクの幻影が現れてそれぞれのボスと対峙していた。

リンク『ま、まあ……ぬけがらのエレジーよりは使えるかな』


ディケイド『意地っ張りめ』


ムジュラの魔人『グ……ガ…ギギギ…!』


ディケイド『また動き出すと厄介だ。早くとどめを』


リンク『よし!』ググッ


矢をつがえ、弦を引く。


矢尻が光を纏う。それは破邪の光。


今度こそ、リンクの想いと共に矢は放たれた。

デクナッツリンク『ッピィイイ!』クルクルッズバァアッ


ゴロンリンク『ゴラァアアッ!』ゴォオオッ


ゾーラリンク『ハァアアア!』バリバリバリバリバリバリ


巨人リンク『テリャアアアアッ』ブォンッ


ボスと対峙していた幻影達も、それぞれにとどめを刺すべく最大の一撃を繰り出す。


四方八方、部屋中から断末魔が飛び交い、不協和音を生み眩い光とともにボス達と幻影は姿を消した。


ムジュラの魔人『』シュゥゥゥ…


リンク「ハァ…!ハァ…!」


ディケイド『終わった…のか?』


リンク「わからない…いつもはこの後で最初の日に戻されるんだ」

ディケイド『もう一発くらい光の矢で射抜いてやったらどうだ?』


リンク「無茶言うなよ…さっきので矢を使い切っちゃって打ち止めだ。町の防衛戦とか聴いて無いし」


ムジュラの魔人『』ピクッ


ディケイド『残念だが…まだまだ休んでいる時間はないみたいだ』ブゥゥンッ


リンク「あ~ッ!もう!」チャキンッ


ムジュラの魔人『げ…ォ…ギ……ギギ…』グチュグチュボコボコ


ディケイド『おいおい……』


リンク「デカ…い……」


ディケイド『というかコイツは…!』


リンク「ガ…ノン!?」


ムジュラの邪獣『グォオオオオオオッ!!!』

今日はここでおしまいです

ではでは~

[月の中:勇者と破壊者]

ディケイド『避けろリンク!』


リンク「くっ!」


邪獣が振り下ろした拳が地面を砕く。


ディケイドとリンクは間一髪で攻撃を避けたが、拳が地面に当たった衝撃波までは避けられなかった。


ディケイド『ぐぁっ!』ドサッ


リンク「あああ!」ドサッ


ムジュラの邪獣『グルルルル……』ズシンッズシンッ


邪獣が巨体を引き摺りながら重々しく迫って来る。


左右に散ったディケイドとリンク、邪獣が狙うのはリンクの方だった。

ディケイド『舐められたものだ!』


【ATTACK RIDE・SLASH!】


ライダーカードのチカラが解放され、ディケイドのライドブッカーがマゼンタのオーラを纏う。


ディケイド『ハァアアア!』バッ


背を向けた邪獣に向けてディケイドは跳躍した。


上段に構えたライドブッカーの刃が、9つの強力なエネルギーのブレードに分裂する。


ディケイド『テリャアア!』ブオンッ


ムジュラの邪獣『ギャゥウウッ!?』


ディケイドが振り下ろしたライドブッカーの刃は、邪獣の背中を引っ掻くように九つの切り傷を作る。


邪獣は緑色の体液を噴き出しながら反射的に巨大な腕をディケイドに向けて薙いだ。


ディケイド『くっ…ガァッ!』ドガンッ


リンク「士ッ!」

ムジュラの邪獣『グゥゥ…』ズシンッズシンッ


リンク「あくまで狙いは俺ってことか…上等だッ!!」スチャ


迫り来る邪獣に対し、リンクが取り出したのは、白い、彼にそっくりな顔の仮面。


それは、リンクが持つ不思議な面の中で最もチカラのある、荒ぶる神を宿す《鬼神の仮面》。


リンク「ォ…ォ!ギィィッ!ガァアアアアッ!!」バチバチバチバチバチバチ


ムジュラの邪獣『ギュォオオオッ!!』ブンッ


ガキンッ。邪獣の鋭く尖った爪はリンクを引き裂くことは出来なかった。


邪獣の掌は、無限の記号のような刀身の両手剣によって遮られている。


刃が深くめり込んだ掌からは緑色の体液が滲んでいた。

鬼神リンク『ハァアアアッ!』ブオンッ


リンクは剣に魔力を込め、その身に宿る凄まじき剛力を以て邪獣の掌を半分に切り裂く。


だが、邪獣は痛がる素振りすら見せない。割かれた掌をジッと見つめ、握ったり開いたりを繰り返していた。


鬼神リンク(どういうことだ…さっきまでと様子が違う…)


ムジュラの邪獣『グゥゥ…』


ふと、邪獣は自分の掌から視線をズラしリンクの方に目を向けた。


ギョロギョロ。仮面に描かれたものと同じ黄色い瞳がリンクを映す。


ニタリと、邪獣の『眼』が笑った気がした。

ムジュラの邪獣『ぎゃははははッ!』ズォオオオッ


鬼神リンク『なんだと!?』


半分に切り裂かれた邪獣の手が槍のように鋭くになって伸び、リンクを貫こうとする。


リンクはなんとかそれを避けたが、絡め取るような邪獣の手に捕まってしまった。


ムジュラの邪獣『ゲゲゲ…馬鹿ナ奴、俺ガ与エタチカラデ俺ヲ倒ソウナンテ出来ルワケナイダロウ』ググッ


鬼神リンク『ガ…グゥ…!』ギリギリ


ディケイド『リンク!くそッ』


ムジュラの邪獣『オマエハ引ッ込ンデロ!』ブンッ


ディケイド『なんだ!見えない壁!?』


ムジュラの邪獣『アソビハオシマイダ……オマエノ顔ハ見飽キタゾッ!!!』バチチチチッ


鬼神リンク『アアアアアアアッ!!!!』


リンクを捕らえる触手から闇の波動が流れ込む。


それは人間には耐え切れないほどの激痛を伴いながら、リンクの精神を喰い荒らし始めた。

鬼神リンク(死ぬ…のか…?)


記憶が巡る。


この世界を旅したこと、チャットと出会ったこと、親友を探していたこと、親友と別れたこと、魔王を倒したこと、魔王を倒すために旅をしたこと、親友と出会ったこと。


様々な思い出が蘇る。


鬼神リンク(まだだ…まだ俺は死ねない!)ググッ


ムジュラの邪獣『ナンダト!?』


鬼神リンク『死んでたまるかぁああああああああッ!!!』ブチブチブチブチッ


ムジュラの邪獣『ギャアアアアアアアアッ!!??』ブシャァアッ


リンクは自分残されたチカラを振り絞り、邪獣の触手を引き千切って拘束を解いた。


邪獣は体液を噴き出しながら暴れ回る。その姿に先ほどまでの余裕はなく、まるで毒を打ち込まれたかのように苦しんでいた。


リンク「ハァッ!ハァッ!」


ディケイド『リンク!立てるか!』


邪獣が苦悶している隙に、弱まった結界を破壊しディケイドはリンクに駆け寄る。


無理やり仮面の力を解放したリンクは消耗し、もはや立ち上がることも出来ない。

リンク「士…ごめん……俺…くっ…また勝てないみたいだ」


ディケイド『そんなことはない。お前の努力は、苦労は、無駄なんかじゃなかった。お前が諦めなかったことで、俺たちは勝利を掴むことが出来る』スッ


涙声で弱音を吐くリンクに向けて、ディケイドはライドブッカーから3枚のカードを取り出して見せた。


1枚目にはリンクの姿が描かれ、2枚目にはリンクとマスターソードが描かれている。


3枚目は、ハイラルの紋章が描かれたカード。


リンク「それは……?」


【FINAL FORM RIDE・li、li、li、LINK!】


ディケイド『ちょっとくすぐったいぞ』グイッ


リンク「は?え?ちょ、ちょっと!?」


ディケイドは2枚目のカードをディケイドライバーに挿入すると、ドライバーを操作しカードの効果を発動させた。


リンクに背中を向けさせ、背骨から半分に割くようにして両手を広げる。


すると、リンクの背中が本当に半分に分かれてひっくり返ってしまった。



~~
~~~

~~~
~~



リンク「ここは…!?ツカサ!くそッどうなってるんだ!」


???「相変わらず元気いっぱいね」クスクス


リンク「え……ぜ、ゼルダ!?しかも、大人の方か」


ゼルダ「久しぶり…また会ってしまったわね」


リンク「ああ、久しぶり……って、なんか変な感じだ。子どものキミに会ってるからかな」


ゼルダ「その言い方だと、まるで自分は大人だって言ってるみたいよ」クスクス


リンク「ははは…まあ、正直ごちゃごちゃしてる。不思議な感じだよ……ゼルダはどうしてここに?」


ゼルダ「あなたに力を渡しに来たの。再び邪悪と戦う時の勇者に、時空を越えて退魔の力を」パァアアアッ


リンク「っ!」

ゼルダ「目を開けて…リンク」


大人リンク「これは…」


ゼルダ「これで、今度こそ勝てるかしら?」


大人リンク「ああ、もちろんさ。ありがとうゼルダ」


ゼルダ「いいの…ねえ、リンク」


大人リンク「ん、どうしたの?」


ゼルダ「また、会いましょうね。今度はあなたと一緒に冒険してみたいわ」


大人リンク「キミも相変わらずお転婆だな」ニコ


ゼルダ「ふふふ、それじゃあ…またね」


大人リンク「ああ、行って来る」



~~
~~~

~~~
~~



ディケイド『気分はどうだ』


ディケイドが手元の少し大きなマスターソード、リンクに話し掛ける。


リンク(ソード)『……何かがおかしい。どこで間違ったんだ?』


ディケイド『……よし』チャキッ


絶対おかしい。とぶつぶつ言っているリンクをよそに、ディケイドはリンクソードを構えて邪獣と向き合った。


ムジュラの邪獣『グォオオオオオオッ!』ゴォオオッ


邪獣の姿はもはやガノンですらない。潰れた肉と触手の禍々しい塊だ。


ディケイド『いい加減ごちゃごちゃ言うのをやめろ。終わりにするぞリンク!』カシュンッ


リンク(ソード)『ああ!こうなりゃヤケクソだ!』


ディケイドはリンクに見せたハイラルの紋章が描かれた3枚目のカードをドライバーに差し込み、カードの力を解放させる。


【FINAL ATTACK RIDE・li、li、li、LINK!】


ディケイドが構えるリンクソードに、10枚のカード型のエネルギーが宿り、刀身は神秘的な光を帯びた。

ディケイド『ハァアアア……ッ』ググッ


グッと腰を落とし、さらに力を溜めめ研ぎ澄ます。最大の威力と最高の斬撃を繰り出すために。


ムジュラの邪獣『アアアアアアアッ』ウゾゾッ


肉塊となった邪獣から、次々と触手が伸びてきてディケイドを攻撃しようとした。

しかし、触手はディケイドに触れる前に、ソードの光に掻き消される。


リンク(ソード)『おおおおおおッ!』


ムジュラの邪獣『ヤ、ヤメロォオッ!』


ディケイド『テリャァアアッ!!!』グァアッ


剣が帯びた光が一際強く輝いた。その瞬間、ディケイドはリンクソードを横に薙ぎ払うようにしてその場で一回転。


剣からは聖なる光の波動が放たれ、刀身の軌道上にある全ての邪悪なモノを斬りつけた。

ムジュラの邪獣『ガ…グ……ォォ』ジュゥゥゥ…


邪獣の成れの果ては真っ二つに裂かれ、強烈な悪臭と煙を出しながらゆっくりと消滅してゆく。


すでに言葉にもならない呻き声をあげていた邪獣だったが、最後の最期に、鮮明な悍ましい呪いの言葉を残して完全に姿を消した。


『大魔王様の封印は解かれた…だが、そこに時の勇者はいない……』


ディケイドが剣を手放すと、クルクルと空中回転しながらリンクは元の姿に戻る。


危なげなく着地したリンクは、邪獣が消滅したところまで行くと、その場にあった横に真っ二つに割れたムジュラの仮面を手にとって呟いた。


リンク「大魔王が復活した…?どういうことなんだ……」


ディケイド『……悠長に構えている時間はなさそうだ。ヤツを倒したことでこの空間も消えかけている』


リンク「そうだな、とりあえず脱出しよう。今は…とりあえずみんなに会いたいよ」


ディケイド『なら…行くぞ!』ガシッ


リンク「ちょ、待て待て待て!飛び降りは…うわあああああああああああッ!!!」

間違い
リンク「そうだな、とりあえず脱出しよう。今は…『とりあえず』みんなに会いたいよ」


訂正
リンク「そうだな、とりあえず脱出しよう。今は…みんなに会いたいよ」

[新しい日の朝:新たな旅の始まり]

士「……っ」


夏海「あ、目が覚めたんですね。おはようございます」


士「夏みかん…そうだ!リンクは!?」ガバッ


夏海「リンク…?寝ぼけてるんですか士君」


士「何を言ってるんだ…?」


夏海「んん?士君こそ何を言ってるんですか?もう、だから言ったじゃないですか夜更かしは良くないし寝るならちゃんとベットでって…全く、士君もユウスケも中古店でゲームを買って来たと思ったら徹夜するなんて」ブツブツ


士「お、おい…待て夏海……」チラッ


ユウスケ「ガー…グー…むにゃむにゃ」


士「まさか…夢だった…とでも言うのか?」


その時、士の腕がサイドテーブルに当たり、テーブルに置いてあったライドブッカーが地面に落ちた。


落下した衝撃でライドブッカーが開き、中のカードが一枚、士の足下まで滑り込む。


そのカードに写った絵を見て、士は頬を緩めた。

栄次郎「うーん…いつの間にこんな写真を撮ったんだい……?」


士のカメラに写されたフィルムを現像した栄次郎が、現像室から出て来る。


今しがた写真にした絵を見て、首を傾げながら。


士「……さあな。だが、よく撮れているだろ?」


栄次郎「確かに…ああ、見るかい?」


士「いや…見なくても俺は覚えてるからな」

『せっかくのカーニバルなんですし、みんなで写真を撮りましょうよ!』


『士に撮られてもどうせ歪むしな~』


『だったらお前だけ外れてろ』


『リンク…確か君もカメラを持っていたよね。士だけじゃ不安だから写してくれたまえ』


『よっし!どっちがキレイに撮れてるか勝負だぜ士!』


『ヒヒ…オイラも写っていいのか?アリガトな…ウレシイな』


『ねえねえ、トレイル?お姉ちゃんこの角度が一番可愛く写ると思うんだけど』


『割とどうでもいい!』


『『それじゃあ撮るぞ!』』


『『ハイ、チーズ!』』カシャッ


『ムジュラの仮面がぁああああああ!?真っ二つにぃいいいいい!?』

士(お面屋には申し訳ないことをしたな……)


栄次郎「ふむ…だったら、いつものところに貼っておこうか…ってうわ!?」ドンガラガッシャーン


ユウスケ「ッ!な、なんだ!?」ガバッ


士「おいおい…大丈夫か?」


夏海「お、おじいちゃん!?大丈夫ですか!」


栄次郎「いたた…大丈夫だよ。びっくりさせてごめんごめん」


夏海「ああ、よかった…」


ユウスケ「ビックリして目が覚めた…」


士「ったく…ん?」


光写真館の背景ロールが降りて来る。


今度の絵は寂れた映画館。


そして、士達がまだ見ぬ仮面ライダーが描かれていた。


士「新しい世界か…さて、今度はどんな世界なんだろうな」


次回、「蘇る激情」。


全てを破壊し、全てを繋げ!

おまけ

【FINAL FORM RIDE・li、li、li、LINK!】


ディケイド『ちょっとくすぐったいぞ』グイッ


リンク「は?え?ちょ、ちょっと!?」


ディケイド『気分はどうだ』


リンク(ソード)『……何かがおかしい。どこで間違ったんだ?』


リンクがリンクソードに変身するまでの時間は0.05秒


では、変身プロセスをもう一度見てみよう


開いた背中から刃が伸びる

四股を踏む感じで両足がマスターソード風な鍔に変化

両手を体の横にピンと伸ばし、胴体が握り、頭が柄頭の部分に変わる

リンクソードに変身完了


そして、たぶん生暖かい

やっと終わりました
書いてると実際にプレイしたくなって
64の本体買って十年ぶりくらいにムジュラを全クリしましたよ
そのせいで無駄に時間かかってしまいましたすみません

では、ここまで読んでいただきありがとうございました

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