侍コーチ☆元の身体に戻る!(89)

───体育館


銀平「今日からバスケ部の顧問になった銀平だ。31歳。若いぞ」

ルーク「……」

シャック「……」

銀平「ウチのスタイルはゴールデンルーキー、ルーク・アワーとシャック・ラッキーの潜在能力をフルに活かした戦い方だった。だがこれからはそれを捨て、ザルだった連携を強化していく」

ルーク「……」ピクッ

シャック「……」ピクッ

銀平「今まではどうだったか知らんが俺はビシビシいくからそのつもりでいろ」

ルーク「コーチ」ギロッ

銀平「ひっ、なんすか」ビクッ

シャック「センザイノウリョクッテナンデスカ?ワタシタチガイジンナノデヨクワカリマセン」

銀平「あ……ああ、すまないっす。ポテンシャルのことっす。ポトゥウェンシャー……」

ルーク「ソウデシタカ。アリガトウゴザイマス。ベンキョウニナリマシタ」

銀平「ほっ……あれ?そういえば他の3人はもう帰ったんすか?」キョロキョロ

シャック「バスケブヤメマシタ」

銀平「えっ?」

関連

侍コーチ☆マモル!
侍コーチ☆新学期からモテる!

の続き

───グラウンド


青木「停学が明けて、晴れて朝練に打ち込めるウホ」

グラサン「それもサッカー部のな」

道夫「バスケに未練はないのかよ」

青木「ないウホ。それよりなんでお前らもサッカー部に来たウホ?」

グラサン「お前、みーこがサッカー好きなの知ってサッカー部に入ったんだろ?」

青木「ウホッ///」

グラサン「みーこ……いい女だよな。俺の好みなんだ」

青木「!?」

道夫「俺も好みだ」

青木「ミッチー、この前ゴリのこと応援してくれなかったウホ?」

道夫「へっ、そんな過去のことは忘れたよ(……心の声はノーカンだぜ)」

青木「くっ……!」

グラサン「仕方ないよ。これは噂なんだが、みーこにはファンクラブもあるらしいぞ」

青木「!?」

道夫「ほう、だったら俺も入るとするかな」

青木「みーこは……みーこは誰にも渡さないウホ!」バキッ

道夫「ぐふっ」ドサッ

グラサン「青木!何するんだ!」シュッ

ポンッ

青木「ウホッ!?」ドサッ

グラサン「トチ狂いやがって。ミッチー、大丈夫か?」

青木「ボールは……人を傷つけるためにあるんじゃないウホ……」ムクッ

グゴゴゴゴゴ


グラサン「ええっ!?」

道夫「な……サッカーゴールを持ち上げやがった……」

青木「ボールは友達ウホ!」ポイッ

グラサン「こっちに投げた!?」

道夫「うわあああ!」

ズヒューン

グラサン「うわ!?横からも何か飛んできたぞ!」

道夫「あれはボールだ……サッカーボールだ!」

バコォン

パァン

グラサン「飛んできたゴールポストに衝突した!」

道夫「弾かれたゴールポストは俺たちの目の前で軌道を変え、ボールはその衝撃で破裂した!」

ズドーン

グラサン「あ……危ねえ……」ヘナヘナ

道夫「九死に一生を得たが……殺す気か!?青木!」

青木「はあ……はあ……誰ウホ!?邪魔をするやつは!?」チラッ

?「馬鹿野郎。神聖なグラウンドで暴れんなっつーの」

グラサン「お、お前は我がサッカー部のエース、新二!」

道夫「お前が助けてくれたのか。サンキュー」

新二「馬鹿野郎。おめーらを助けたつもりはないぜ。ボールはゴールに蹴るもんだろ?」

グラサン「かっこいい……」

道夫「これがサッカー部エースオーラ……まさか、みーこはサッカーうんぬんよりも新二のことが好きなんじゃ?」

青木「なに許せんウホ!殴ってやるウホ!」ドタドタ

ガシッ

青木「ウホッ?」クルッ

山藤「お前、今殺人未遂したな?」プハー

青木「ウホウホウホ!」

山藤「停学だ」プハー

青木「ウホホ……」ガックリ

───音楽室


キーンコーンカーンコーン

こむぎ「はい。じゃあ今日の授業はここまででござる」

生徒1「ありがとうございましたー」

生徒2「はあ……男のはずなのになんで……侍先生を見てるといつもハートドキドキするんだろ?」

生徒3「あのさあ……俺いけない道へ走りそうだ……」

こむぎ「ふふ、さようならでござる」ファサァ

生徒たち「「「侍先生……」」」ポー

───


コソコソ

侍「こむぎ殿、こむぎ殿」コソコソ

こむぎ「あら?侍先生」

侍「心配になって授業の様子を見に来たのでござるが、何をしているのでござる?」

こむぎ「何って、あなたに変装してあなたの代わりに普通に授業をしていましたけど」

侍「それは感謝感激でござるが……生徒にふぇろもんを発するのはやめてほしいでござる」

こむぎ「フェロモンって……私そんなつもりじゃ……」シュン

侍「こむぎ殿はもっと自覚するでござる。このままではあらぬ噂が立つでござる」

こむぎ「そんなこと言われても私どうしたらいいか……でも、男の子同士っていいと思いません?」

侍「バカでござるか!?」

侍「はあ……せっかく見分けがつきにくいように拙者も髪を伸ばして、髭も生やして……」

こむぎ「私が付け髭とグラサンしていれば顔も隠せますものね」ペリッ

侍「声も真似て、拙者に完璧に変装しているというのに……ゆえにいつ掘られるか怯え続けなければならぬとは……はあ……」

こむぎ「……」ニコニコ

侍「……」

こむぎ「……」ニコニコ

侍「……」

こむぎ「……」ニコニコ

侍「声!?」

こむぎ「ええ。変装するなら完璧にしなくちゃ」

侍「そんな器用なこともできたでござるか!?」

こむぎ「ふふ。変声機ですよ。あー、あー」

侍「変声機?それで拙者と声が同じになるでござるか?」

こむぎ「ござるよ。あー、あー」

侍「やっぱり金持ちはいいもん持っているでござる」

こむぎ「違うわ。私もう親の力は借りないの。これは知り合いの博士に頼んで作ってもらったんです」

侍「博士とな?」

こむぎ「昔そこでバイトしていたんです」

侍「ひょっとしてそのようなからくり道具を色々作っているのでござるか?」

こむぎ「はい。押したら生意気な小学生が爆発するスイッチとか」

侍「だったらふぇろもんを消す装置を作ってもらうでござる!さっそく案内するでござるよ!」グイッ

こむぎ「きゃっ、私これから工場のバイトがあるのにー」

こむぎかわいいよこむぎ

まさか最終回か?

はよ

───街


グラサン「青木のやつ、また停学か。でもサッカー部は部員たくさんいるし全く影響ないな」

道夫「だな(……寂しくなるな)」

新二「馬鹿野郎。おめーらも反省しろよ。ゴールとボールが一個ずつおじゃんになっちまったんだぞ」

グラサン「ゴールは青木が壊したんじゃないか」

新二「馬鹿野郎。おめーらが喧嘩するから悪いんだろが。連帯責任だ」

道夫「ボールはてめえが……」

新二「馬鹿野郎。あれはおめーらを助けたんだよ」

グラサン「さっき助けたつもりはないって言ったじゃないか」

新二「馬鹿野郎。真実はいつも一つとは限らないんだ」

道夫「くそ、弁償する金なんかねえってのに」

新二「馬鹿野郎。だから楽なバイト紹介してやるって言ってんだろ」

グラサン「まあそれは助かるよ」

新二「馬鹿野郎。だったら文句言うなっつーの。ほら、もうすぐそこだ。行こうぜ」

道夫「ふん(……ありがとう。新二)」

今回はコナンかwww期待

───博士の家の前


侍「ここでござるか……」

侍「案内はさせたがバイトに行ってしまったでござる」

侍「こむぎ殿がいないと意味がないのに……まあいいでござる。装置だけもらって明日使わせるでござる」

スゥ

侍「博士殿ー!博士殿ー!」

ガチャ

新二「うるせーな馬鹿野郎。チャイム押せよ」

侍「お主が博士殿でござるか?」

新二「いや、俺は隣の家の……って侍先生じゃねーか」

侍「む?拙者の寺子屋の生徒でござるか?」

新二「ああ、サッカー部の新二。ポジションはエースだ。たまたま博士の家に用事があって来ていたんだ」

侍「なるほど。それはそうと博士殿に会いたいのでござるが、在宅でござるか?」

新二「ああ、いるよ。上がりな」

侍「では失礼つかまつるー」スタスタ

───博士の家


?「なんじゃ新二。誰か来たのか?」

侍「お初にお目にかかる。拙者、侍でござる」

?「侍じゃと?本物の……?」

新二「馬鹿野郎、あだ名だよ。俺たちの学校の先生なんだ。あんたに用事があって来たらしいぜ。黒幕博士」

黒幕「そうじゃったか。わしが博士の黒幕です。よろしく」

侍「よろしくでござる。さっそくだが拙者、こむぎ殿の紹介で来たでござる。黒幕殿にからくり道具を作っていただきたく」

黒幕「ほう、こむぎ君の……だったらお安くしておきますぞ」

侍「お金とるのでござるか!?」

黒幕「そりゃわしも慈善事業でやっとるわけではないのでね」

侍「お金……ない」

黒幕「はあ?」

侍「ど、どうしよう……新二殿~」

新二「だったらここでバイトすりゃいいんじゃないか?」

黒幕「おお!さすが新二じゃ!」

侍「バイトとは……?」

黒幕「なんじゃ、こむぎ君から聞いておらんのか。ただの人体実験のモルモットになってくれればいいんじゃよ」

侍「人体実験!?」

黒幕「安心したまえ。失敗さえしなければ人体に影響がある薬じゃありゃせんよ」

侍「こむぎ殿もここでバイトしていたのでござったな。どんな結果だったでござる?」

黒幕「身体がゲル状になったり、マンボウになったり、眉毛がご飯のおかずになったり……」

侍「失敗しかしていないでござる!あの娘もはや人間ではないでござる!」

黒幕「侍先生にはなんの薬を試そうかの……」

侍「遠慮しておくでござるよ」

黒幕「あっ、これはどうじゃ?耳が聞こえなくなる雰囲気になる薬じゃ」

侍「いらんでござる」

黒幕「ならばこれはどうじゃ?虚言癖になる薬」

侍「間に合っているでござる」

黒幕「では恩を仇で返したくなる薬なんてどうじゃ?」

侍「なんでそんなクソみたいな人間にする薬ばかり作ったでござる!?」

黒幕「わしの発明が……クソじゃと……?」

侍「な、なんでござる……この凍りつくような目は。平気で何人も人体実験してきたような……」ゾクッ

黒幕「うおおおお!」バキッ

侍「ぎゃふん!」ドサッ

黒幕「若造が、舐めた口をききおって!」バッ

ガシッ

新二「マウントをとった!」

黒幕「わしの!科学力は!世界でも随一ィ!」バキッボコッ

侍「痛っ痛っ!やめるでござる!」

黒幕「お前が!泣くまで!やめんわい!」バキッボコッ

侍「うええん……やめてほしいでござる」グスッ

黒幕「ふん、まあいい。お前さんにはこの失敗して効果不明となった毒薬を飲んでもらおうかの」

侍「や、やめるでござる……」フラフラ

黒幕「おら、口を開けるんじゃ。そりゃ」グイッ

侍「んが、んん」ゴクリ

新二「あーあ、知らねえぞ」

黒幕「ふう、効果が現れるまで待っているとするかの。久々に運動して喉が乾いたわい」グビグビ

新二「博士!それは……!」

黒幕「あ……しまった!」

新二「馬鹿野郎!俺が買ってきたジュースじゃねーか!なに勝手に飲んでんだよ!」

黒幕「うう……すまん新二……」

新二「ったく、後で金払えよ」

黒幕「か、代わりに青酸カリの味がわかるようになる薬をやるぞ!」スッ

新二「馬鹿野郎。舐めたら死ぬじゃねーか。金払えって」

黒幕「じゃ、じゃあ好きな女の子に角が生える薬を……」スッ

新二「馬鹿野郎。人外じゃねーか」


ワーワーギャーギャー


侍「今のうちに逃げるでござる……こんな危険な所にはいられんでござる」コソコソ

───外


侍「か……身体が熱いでござる……」フラフラ

侍「まるで骨が溶けているような……」フラフラ

侍「一体なんの薬を飲まされたのでござる……?」フラフラ

侍「いかん……意識が……」バタッ

侍「」

───


「ボク、ボク、大丈夫?」

侍「う、うーん……」パチリ

みーこ「あ、よかった。目が覚めたんだね」

侍「みーこ殿……?そうか、拙者は怪しげな薬を飲まされて……」

りん「なにこのガキんちょ、みーこのこと知ってんの?」

みーこ「私知らないけど……」

侍「なぬ?」

りん「しかもさむちゃんと口調が被っているし」

侍「なに言っているでござる?りん殿」

りん「げ、私のことも知っているのかよ」

みーこ「侍先生の親戚の子かな?」

侍「は?」

りん「そういやどこか似ているかもなー。さむちゃんが私のことを話したかもしれないし、あり得るな」

侍「さっきから一体何を……って、あれれー?二人ともいつの間にそんなに成長したでござるかー?」

みーこ「ボク、お家どこだかわかる?」

侍「……これは!?」

りん「私のことはりんお姉様とお呼び。オーッホッホッホ!」

侍「拙者の身体が小さくなっている……まさかあの薬のせいで……」

みーこ「ちょっとまだ混乱しているみたいだね。どうしよう……警察に連れていくのは可哀想だし」

りん「さむちゃんの親戚なら明日さむちゃんに引き渡せばいいじゃん」

みーこ「そうだね。でも今日はどうしよう」

りん「みーこん家に泊めてやりなよ」

みーこ「えっ?私?」

りん「前から弟が欲しいって言っていたじゃん」

みーこ「そうだけど……」チラッ

侍「拙者、みーこ姉ちゃん家がいーでござる」

りん「まー可愛い。ほら、ガキんちょも乗り気じゃん。一晩だけだし遊んでやりなよ」

みーこ「……うん、わかった。じゃあ行こっか」

侍「(拝啓母上殿。拙者、何日か帰らないでござる。よろしくでござる。)送信っと」ピッ

みーこ「何やっているの?」

侍「なんでもないでござる。行くでござるよ」ゴソゴソ

みーこ「ボク、名前はわかる?」

侍「マモルでござる」

りん「どこかで聞いたような……」

マモル「よ、よくある名前でござるから!」

みーこ「それもそうだね」

りん「あ、私こっちだから。しっかり面倒見てやれよ、みーこ。じゃあなガキんちょ」

みーこ「うん。じゃあね」

マモル「バイバイでござる。りん姉ちゃん」

───電柱


スッ

黒ずくめの男「……」

黒ずくめの男「あのガキ……」

黒ずくめの男「まさか……」

黒ずくめの男「まさか……そんな……」

黒ずくめの男「まさかみーこの家にお泊まり……?なんて羨ましいウホッ!」

───次の日・放課後・音楽室


りん「え?さむちゃん今日休み!?」

こむぎ「そうみたい。職員会議が終わっても来なかったから……」

りん「お前、職員会議まで出てんのかよ」

みーこ「どうしよう……マモル君……」チラッ

マモル「こむぎ姉ちゃん、おやつが欲しいでござる」バタバタ

こむぎ「はぁい。今日のおやつは鯖缶よ」ゴトッ

ゆっこ「おおー!」キラキラ

マモル「なかなか風情でござるな。茶も淹れてほしいでござる」

こむぎ「はぁい。ちょっと待っていてね」

ゆっこ「ひーふー……?ひーふーみー……?」

マモル「早く食べたいでござる」

りん「食い意地はってんなー。さてはろくなもの食わさなかったな?」

みーこ「そんなわけないだろ」ゴン

りん「痛い」

ハハハ

ゆっこ「ご、五人分しかないんだよ!子供にやったら一人食べれないんだよ!」ガンガン

マモル「……」

こむぎ「あらあら……ごめんなさい。私がバイト先でもうちょっとくすねてこられたら……」

みーこ「そんな……」

マモル「……」

りん「……今日のおやつは沢庵だ」

こむぎ「えっ?」

ゆっこ「やだよー!」ガンガン

りん「今いないあんずにはそう言うんだ。それ以上は何もない……何もなかったんだ」

こむぎ「そうね。そうしましょ」ペリッ

みーこ「さすが知将だな」フフッ

ゆっこ「ど・れ・に・し・よ・お・か・な?」

マモル「拙者、真ん中のがいいでござる」

こむぎ「どれも一緒よ」

りん「あんずが来る前にさっさと開けて食っちゃおうぜ」ガキガキ

ゆっこ「うまうま」モグモグ

みーこ「あ、ゆっこ!それ私が食べようと思っていたやつ!」

こむぎ「どれも一緒よ」

みーこ「……ってそうじゃないだろ!マモル君のこと考えようよ!」

りん「じゃあ、職員室でさむちゃんの住所調べてさ。ガキんちょ届けるついでに見舞ってやろーぜ」モグモグ

みーこ「……そうだな」モグモグ

ゆっこ「さすがちしょうなんだよ!」ペロペロ

こむぎ「そうね。怪しまれないように侍先生に変装するわ」シュバッ

みーこ「じゃあ私たちは職員室に行ってくる。マモル君はここで待っていてね」

マモル「御意」

───


マモル「拙者の家に行っても意味ないけどでござる」

マモル「まあ勝手に泳がせておくでござる」

ガチャ

あんず「今日のおやつはなんじゃらほい」

マモル「おや、あんず姉ちゃん」

あんず「誰ですにゃん?」

マモル「マモルでござる。お見知りおきを」

あんず「あんずにゃんだにゃん。よろしくにゃん」

マモル「今日のおやつは沢庵でござるよ。ほれ、姉ちゃんの分二切れ」スッ

あんず「沢庵……今日はハズレにゃん」

マモル「……」クックック

あんず「……あんまりうまくないですにゃん」ボリボリ

マモル「そんなバッサリ言ってはこむぎ姉ちゃんに失礼でござるよ」

あんず「そうにゃん……」ボリボリ

マモル「……」クックック

あんず「……」ボリボリ

マモル「……」クックック

あんず「……にゃ!?」

マモル「どうしたでござる?」

あんず「くんくん。魚の匂いがするにゃん!」

マモル「なっ!?おおお落ち着くでござるるる。そんなわけないでござるるる」

あんず「これが落ち着いていられますかにゃん!さては私に内緒で魚食ったにゃん!」

マモル「まずいでござる……」

あんず「ゴミ箱に鯖の空き缶が捨てられているにゃん!」ゴソゴソ

マモル「目ざといでござるなあ」

あんず「うう……おやつが沢庵なんておかしいと思ったにゃん……」ペロペロ

マモル「残った汁をペロペロしているでござる……哀れ」

あんず「君が食べたのにゃん……?」ゴゴゴゴ

マモル「ち、ち、違うでござる!なんでギターを手に取ったでござる!?」

あんず「犯人は君しかいないのにゃん……」ゴゴゴゴ

マモル「小学生相手に暴力でござるか!?」

あんず「これは躾だにゃん……」ゴゴゴゴ

マモル「……証拠はどこにあるでござる?拙者が鯖缶を食べたという証拠は」

あんず「しょ、証拠?」

マモル「ふん、証拠もないのに犯人扱いとは酷い話でござるなあ」クックック

あんず「う……ううう……」



「往生際が悪いぜ、馬鹿野郎」

どこをどう突っ込めばいいのかwww

まずりんは律なのか園子なのか蘭なのか

マモル「何者!?」クルッ

新二「新二。サッカー部エースさ」

マモル「新二兄ちゃん……」

新二「この難事件、俺が解決してやる」

マモル「なんでござると……?」

新二「その前に一つ問題を解決しておこう」

マモル「問題?」

新二「あんたは 侍先生だな?」

マモル「ど、どうしてそのことを……!」

新二「昨日あの後調べたら、博士 があんたに飲ませた失敗作は身体が幼児化する毒薬と判明した」

マモル「やはりそうでござったか……」

新二「昨日、侍先生は家に帰っていないらしい。それで、みーこの家には得体の知れな い 侍少年が一人居座ったと聞いた」

マモル「」

新二「つまり、その得体の知れない侍少年であるあんたが侍先生なんだよ!」ドヨーン

マモル「ふん、それはただの想像というものでござるよ。拙者は侍先生の親戚の子供でござる」

新二「……」

マモル「証拠を見せるでござる。証拠を」

新二「やれやれ……仕方ねーな」

マモル「なに?」

新二「今日のおやつ……どれも同じであるはずの缶詰なのに、あんたは迷わずそのうちの一つを選んだんじゃないか?」

マモル「よくわかったでござるな。ええと、これでござるか?」スッ

新二「ああ、それだな」

マモル「うわ、あんず姉ちゃんがペロペロしたからべちょべちょ……」

あんず「ごめんだにゃん」

マモル「これがどうしたでござる?」

新二「よく見てみな」

マモル「……!?」

新二「気づいたか?」

マモル「缶に……侍と名前が書かれている……」

新二「その通り。でかでかと自分の名前が書いてあったから、あんたのブレインはサブリミナルされてシグナル的な何かがヒプノシスをコンフュージョンうんぬんのうちに手に取ってしまったというわけさ」

マモル「だ、だとしてもこれが証拠などと……!」

ドクン

マモル「!?」

新二「……」ニヤリ

マモル「か、身体が熱く……」フラッ

新二「やっと解毒薬が効いてきたか」

マモル「解毒薬……?そんなもの拙者は……」

新二「まだわからないか?」

マモル「はっ!?」

新二「その鯖缶こそが解毒薬だったんだよ」

マモル「なん……でござると……?」

新二「缶詰工場でバイトしていたこむぎはおやつに鯖缶を持ってくるだろうと推理した。それで博士に本物そっくりの鯖缶風解毒薬を作ってもらい、今朝こっそりすり替えておいたのさ」

マモル「し、しまったあ!」

ボワン

まわりくどいわ
バカばかりか?

侍「……」

新二「元の身体に戻ったな。あんたが侍先生であり、そしてあれを食べた証拠だ」

侍「お、おのれ……よくも……!」

あんず「そんな……まさか……」

侍「ちっ」

あんず「まさか……」

新二「……」ニヤッ

あんず「まさか鯖缶はまだ生存しているのにゃん!?」

新二「ああ、すり替えておいた本物の鯖缶はここにあるぜ。ほらっ」ポイッ

あんず「ありがとうだにゃん!」ガブッ

新二「これで本当の解決だ」フフッ

侍「……」

新二「軽音部が帰ってきたらマモル君の正体をバラしてやる」

侍「……くくく」

新二「ん?」

侍「くっくっく……これで勝ったと思ったでござるか?」

新二「……どういう意味だ?」

侍「お主を口封じすれば、拙者は助かるという意味でござるよぉ」ニヤリ

新二「な……てめえ……!」

侍「その前に、拙者がなぜみーこ殿の家にお泊まりに行ったか教えてやるでござる」

新二「みーこしか頼る相手がいなかったからだろ?」

侍「りん殿もいたのにでござるか?」

新二「そういやそうだな……」

侍「答えは……りん殿では売れないからでござるよ」

新二「売れない?何がだ?」

侍「子供の特権というものをご存じでござるかな?」

新二「そりゃおめー、堂々と女湯に入れたり……はっ!?」

侍「くっくっく、みーこ殿には頭も洗ってもらったでござる」

新二「な……な……」

侍「いやあ、まさかあのみーこ殿があんなどす黒い───」

新二「やめろ!」バキッ

侍「ぎゃふん!」ドサッ

新二「卑劣だぜ……馬鹿野郎」

侍「そんな台詞がいつまで言っていられるでござるかな?」ピラッ

新二「それは……!」

侍「お風呂の盗撮写真でござる。みーこ殿を慕う男児は山のようにいるでござるからなあ。これは高く売れるでござる」

新二「まさかそれを……」ゴクリ

侍「口を封じていてくれるなら譲ってやってもいいでござるよ?」ピラピラ

新二「お……俺は……」ゴクリ

侍「ほれほれ」ピラピラ

新二「俺は……」ゴクリ

侍「くっくっく」ピラピラ

新二「俺にはそんなもの必要ない」

侍「は?」

新二「残念だったな先生。やっぱり俺の勝ちだよ」

侍「ホモでござるか!?」サッ

新二「馬鹿野郎。ケツを隠すな。俺はノーマルだ」

侍「ほっ……」

新二「そして、みーこが好きだ」ドヨーン

侍「!?」

新二「俺がサッカー部に入って、博士にサッカーがすごくなる靴を作ってもらって、エースにまで上り詰めたのはみーこの気を引くためだった」

侍「だったらなおさらでござる!写真が欲しくないでござるか!?」

新二「思い出してみな。同じ缶詰のはずなのに、あんたの他にもう一人自分のを主張したやつがいたんじゃないか?」

侍「もう一人……はっ!?」

新二「みーこの名前も書いておいたのさ」

侍「どういうことでござる?みーこ殿の缶詰にも仕掛けを……?」

新二「ああ、鯖缶風惚れ薬を博士に作ってもらった」

侍「なんでござると!?」

新二「薬が効き始めてから最初に目が合った男を好きになる薬だ」

侍「そんなものが……」

新二「みーこはウブだから男と目を合わせることはない。後で無理矢理目を見てやれば、みーこのぴゅあぴゅあはーと俺のもんだ」

侍「な……なんて卑劣な……」

新二「だからごめんな先生。俺にはそんなもの必要ないんだよ」ニヤリ

侍「く、くそおおお!」

新二「はーっはっはっは!」

侍「なんちゃってでござる」

新二「は……?」

侍「バカ笑いしおってからに。お主の負けでござるよ」

新二「なんだと……?」

侍「何しろあの缶詰は……」

なんかわからんがすげえw
バカバカしさが超越しとるw

何がどす黒いんですかねぇ?

ナニ

───職員室


こむぎ「あった。侍先生の住所は……ここから近いわ」

りん「お、それじゃあすぐ行けそうだな」

みーこ「は、早く出ようよ……先生全員に見られているような気がして怖い」ブルブル

りん「みーこは本当ウブだなー。私なんて先生全員の目をガン見しているぜー」

ゆっこ「りっちゃん!りっちゃん!」

りん「どーしたー?」

ゆっこ「身体が熱くなってきたんだよ!」

こむぎ「あら大変。風邪かしら?ゆっこちゃんはもう帰った方がいいわ」

ゆっこ「うん!」

───


?「あー、腹減ったな……何か食いもんねえか?闇彦」

闇彦「もうですか?お昼にいっぱい食べたでしょう、鰻太君」

鰻太「そんなこと言ってもよー、やっぱりあれを食べなきゃ力出ねえんだよ」

闇彦「はあ……仕方ないですね。じゃあ帰りに買い食いしていきますか」

鰻太「おお、それでこそ心の友よー」

ガラガラ

ゆっこ「ん?」チラッ

鰻太「お?」チラッ

闇彦「あ、ゆっこちゃん。職員室で何か用事でもあったんですか?」

ゆっこ「……」ボー

闇彦「ど、どうしたんですか?顔色が悪いですよ」

ゆっこ「……好き」

鰻太「おう、俺もアナゴ好きだぜ」

ゆっこ「違うんだよ!」ギュッ

鰻太「うわなにをする!?」

ゆっこ「ゆっこ!鰻太!好き!」

鰻太「や、やめろよ。俺はお前みたいなバカ……」バッ

闇彦「そんな……あの不細工な鰻太君が女に抱きつかれるなんて……」

みーこ「お、おい……ゆっこ?」

こむぎ「まあまあまあ。ゆっこちゃんの男の子の趣味は謎だったから新鮮ね」

りん「それにしてもまさかの鰻太に首ったけかよ」

ゆっこ「鰻ぃー太ー!」

鰻太「うわあああ!助けてくれー!」

タッタッタッ

闇彦「……」

みーこ「ちょっとゆっこ!具合悪かったんじゃなかったのか!?」

りん「いいよ。放っておこーぜ。バカは風邪引かないって言うしな」

こむぎ「そうね。邪魔しちゃ悪いわ」

闇彦「……あ、皆さん。良かったらこの後お食事でも……」

こむぎ「暇じゃないの。ごめんなさい」

みーこ「早く行こう。マモル君を待たせちゃっている」

りん「闇彦、お前は疫病神ってことをもっと自覚しろよ」

タッタッタッ

闇彦「……」

闇彦「……なんで僕だけ」

───音楽室


新二「なんやて……みーこの缶詰はゆっこが食うてしもうたやて……?」

侍「詰めが甘かったでござるな。ゆっこ殿の食い意地の汚さを計算に入れなかったとは」

新二「そ、そんな……」ヘナヘナ

侍「ゆっこ殿は人見知りなどしないから、今頃はどこぞの不細工にホの字でござろう」

新二「……ワイの負けや……煮るなり焼くなり好きにしたらええ……」ガックリ

侍「……最後まで、希望を捨ててはいかんでござる」

新二「え?」

侍「みーこ殿に薬など必要ないでござる。恋とは己の力で成就させるものでござるよ」

新二「せやかてくど……口説き方なんてワイ……」

侍「拙者も協力するでござる」

新二「先生……」

侍「黒幕殿に頼んで、また小さくなる薬を作ってもらうでござるよ」

新二「そうか!それでワイがみーこの家に居候して、観察し続けて、みーこに相応しい男とはどんなもんか知るっちゅうわけやな?


侍「うむ」ニコッ

新二「わかったで。ほな早速博士んとこに行ってくるわ」

タッタッタッ

侍「拙者にこっそり盗撮写真を流すでござるよ」フフッ

ザッ




おとこ同士でなければわからない。
しつこい女が嫌い?
まじめな女が好き?
いい身体している女が結局一番ですか?
???

おしまい?

鰻ー太www
ゆっこが可愛く見えてきた

病院行ってくる

あんず「……」

新二「あっ」

侍「あっ」

あんず「……」

侍「……聞いていたでござるか?」

あんず「にゃん」コクリ

新二「まずいで先生。こいつはみーこの手先や」

侍「口封じの策を考えるでござる。えーと、えーと」

あんず「鯖缶1000万個用意するにゃん」

侍「!?」

新二「なんやて!?」

あんず「さもないと全部バラすにゃん」

新二「1000万……どないせえっちゅうねん。工場襲ってもそんな数ないやろ……」

侍「こうなったら……」

あんず「実力行使ですかにゃん?」

侍「お主が……お主が悪いんでござる……!全部バラすなんて言うから……!」

新二「ワイもついカッとなってもうたわ」

あんず「ふん、返り討ちにゃん」

侍「……」ジリ

新二「……」ジリ

あんず「……」ジリ

侍「天誅でござる!」バッ

新二「往生せえや!」バッ

あんず「殺ってやるですにゃん!」バッ

ドクン

あんず「!?」ドクン

侍「おや?」

新二「様子が変やで」

あんず「か……身体が熱い……にゃん」フラッ

侍「拙者と同じ症状でござる」

新二「何?っちゅうことはあいつも博士の薬を飲んだんかいな?」

侍「そういえば意地汚く空き缶の残った汁をペロペロしていたでござる」

新二「どっちや……?まさか両方か?」

侍「惚れ薬入りの鯖缶はゆっこ殿が全部ペロペロしていたから残っていなかったでござる」

新二「っちゅうことはあんたの方の薬か。でもあれただの解毒薬やで」

侍「まさか……今のあんず殿も薬の効能で変わった仮の姿?」

あんず「あ……あああ!変身が解ける……!」

ボワン

侍「!?」

新二「!?」

タッタッタッ

バッ

パリーン

ヒューン

ドサッ

ムクッ

タッタッタッ

侍「……」

新二「……」

侍「……」

新二「……ここ3階やんな?」

侍「うむ」

新二「……窓割って落ちて、平気で走って逃げよったな?」

侍「うむ」

新二「あいつの正体って───」

侍「何も見なかった……我々は何も見なかったでござる」

ガチャ

りん「あれ?さむちゃん!?」

侍「あ、ああ……」

りん「どうしたんだよ疲れた顔して。やっぱり具合悪かったのか?これからお見舞いに行こうと思っていたんだぜ?」

侍「うむ……忝ない」

みーこ「それに……私の幼馴染みでサッカー部エースの新二」

新二「お、おう……奇遇やな」

みーこ「大丈夫?新二も顔色悪いよ?」

新二「色々あってな……」

こむぎ「マモル君はどこに行っちゃったのかしら?」キョロキョロ

侍「マ、マモルなら家に帰ったでござる。皆によろしくだそうでござる」

みーこ「そっか……」

りん「あれー?みーこちゃん寂しいんでちゅかー?」

みーこ「……ちょっとな。本当の弟みたいだったから……」

りん「みーこ……」

侍「みーこ姉ちゃん……」グスッ

みーこ「え?」

侍「な、なんでもないでござる。そのうちまた別の弟のような子が現れるでござる。元気出されよ」

新二「せやで」

りん「ぷっ、なんだそれ。励ますにしても、もっとましなこと言えよー」

侍「す、すまぬでござる」

みーこ「ううん。ありがとう先生、新二」

侍「へへ」

新二「へへ」

こむぎ「それで……先生はなんでそんなピチピチの服を着ているのかしら?……っていうかよく着られましたね」

侍「あっ!これは///」

こむぎ「よく見たらそれマモル君の服じゃ?」

みーこ「本当だ。私が昨日買ってあげたやつ」

侍「え、えーと……」

りん「どういうことだー?さむちゃん!」

侍「ひえー!内緒でござるよー!」

みーこ「待てー!」

こむぎ「ふふ。まてー」

ワイワイガヤガヤ




お姉ちゃんとの思い出は写真の中に。
死ぬまでどす黒い秘密は言わないから
また一緒にお風呂入ろうね。
いくつになっても甘えん坊のマモル君なのでした。




新二「……おいおい」タラー


クソワロタwww

最終回かとおもた

続きマダー?

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