獣少女「あ”いういあ”おー」 (21)

研究者「…ふむ、これは…」

獣少女「があ、う~」

助手「…凄いっすね、どっからどうみても人間の女の子にしか見えません…が。あの耳?や、爪も獣のそれにしか見えません」

研究者「だね…、捕獲時の時も、人間の比では無かったほど力も強かったらしい。それに、まだ調べてはいないみたいだが、聴覚、嗅覚…、も、人間の比ではないだろうね」

助手「人間の言葉は喋れないみたいっすね。」

研究者「そりゃ、人間が全くいない山の中に居たら…ね。赤ん坊は周りの生物の言葉を聞いて、真似をするんだから。」

助手「じゃあ教えたら喋れるようになりますかね?」

研究者「うーん…、多分」

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助手「じゃあ教えてあげましょうよ、話してみたいっす」

研究者「その前に…、僕たちは敵じゃない、って事を教えてあげなくちゃ。このままじゃずっと檻に入れられたままだからね。…こんにちは」

獣少女「…?…あー」

研究者「僕は、君のお世話係になった研究者っていうんだ。こっちは助手。お助け係…みたいな感じかな?」

助手「どうもー」

獣少女「…?…???」

研究者「言っても意味は分からないだろうけど…、僕たちは君を傷つけたりはしないから安心してほしい」

獣少女「…あー」

研究者「…」にこにこ

獣少女「…くぅ~、ん」

助手「…何か一気に大人しくなってません?」

研究者「おや、本当だね。きっと気持ちが通じたんだよ」

獣少女「くーん、くーん」

助手「(何というか恐ろしいなこの人)」

研究者「まぁ、まだ暴れないとは限らないからその手錠(もふもふタイプ)は取ってあげれないけど。檻から出そうか」

助手「何か普通の拘束なのにもふもふのせいでプレイじみてるんすけど…」

研究者「?プレイ?」

助手「いえ、何も。取り敢えず出してあげましょ」

研究者「そうだね。はい、出ておいで」ガチャ

獣少女「あ”-。うー」ピョンピョン

助手「喜んでる…のかな?」

研究者「多分ね」

研究者「ほら、こっちだよ」

獣少女「んー、うー」

助手「どこいくんすか?」

研究者「この子の部屋。防音で、かなり丈夫な部屋だよ。万が一暴れたりしたら普通の部屋だったら大変なことになるしね」

助手「成る程。…研究者さん、俺の部屋はいつ…」

研究者「後数年経ったらね」

助手「しょんぼり」

獣少女「うー」

研究者「………」ピタ

助手「?どうしました?」

研究者「…先にお風呂入らせないとかな…これ」

助手「え?………うわぁ、さっきは暗くてよく見えてなかったけどすごくきたねえ…。まぁ、山の中にいたんなら当たり前…だろうけど」

獣少女「あうー?」

研究者「よく見れば今まで歩いてきたところが泥だらけだし、お風呂場行かなきゃ。でも大人しく入ってくれるかなぁ…」

助手「研究者さんいれば大丈夫じゃないですか?俺は服用意してきますね、そんなぼろきれみたいな布じゃかわいそうだし」

研究者「うん、頼むよ。それじゃあこっちへ来てくれるかな?」

獣処女「あー」コクリ

研究者「お風呂場は…と、うん。ここだ。それじゃあその…布、一旦預かっておくよ」

獣少女「!…あああ」フルフル

研究者「…嫌なのかい?」

獣少女「あー!」

研究者「ふむ…、ただの古い布きれにしか見えないが…何かあるのかな?」

獣少女「…」

研究者「…大丈夫。後でちゃんと返すよ。それをあの中に持っていたら濡れてしまうし。」

獣少女「…う」

研究者「…ね?」

獣少女「…」ヌギヌギ スッ

研究者「うん、ありがとう。それじゃあ行こうか」

獣少女「あー」





助手「研究者さーん、もってきまし…!?」

研究者「あぁ、ありがとう。洗濯機の上にでも置いておいてくれるかい?」

助手「か、顔に凄い傷が…!それに…」

獣少女「…くー、くー」




研究者「はは、やっぱり嫌がられててね。すごく抵抗されちゃったよ。終わったら疲れて寝ちゃったみたい」

助手「笑いごとじゃないです!変な病気とか持ってたらどうするんすか!」

研究者「大丈夫だよ」

助手「何で大丈夫なんすか」

研究者「うーん、勘?」

助手「………俺、研究者さんのそういうところ尊敬してます…してるんですけど…」

研究者「照れるなぁ」

助手「褒めてないっす」

研究者「褒めてないの?…と、よし。体はふけた。次は服を着せないと。」

助手「でも、獣って服嫌がるって言うじゃないですか。違和感感じるらしいっすよ、大丈夫ですかね?」

研究者「…まぁ、無理にでも着せるしかないよ。いくら小さい女の子とはいえ、流石に此処で全裸はね…」

助手「そうっすね、目のやり場に困るっす」

研究者「…」

助手「…ロリコンじゃないですからね???」

研究者「…君は部屋を出ていってくれるかい?いや、別に君がこの子に欲情すると心配しているわけでは無いんだが一応ね」

助手「そのマジな反応やめてください」

研究者「ははは、冗談だよ。」

助手「研究者さんの冗談は冗談に聞こえないっす」

研究者「でも、出ていってほしいのは本当だよ。君には違う事をしてほしい、この子のベッドに…これを敷いておいてくれるかい?」

助手「これは…この子が身にまとってた布?汚いし、捨てた方が良いんじゃ…」

研究者「…それはどうやら、思い入れのあるものらしいからね。一応置いておいた方が良いだろう」

助手「…ん、分かりました。それじゃ、俺はこれを置いてきますね」

研究者「あぁ、頼むよ」

研究者「…」じい

獣少女「…くー…」

研究者「(身体中、痛々しい傷だらけだ…、かなり古い傷ばかりだから、捕獲時につけられた傷ではないだろう)」

研究者「(だとしたら…山の中に居る時につけられたもの。鋭利な何か…、動物は刃物は使えないから、歯、もしくは爪でつけられたもの…だろうか)」

獣少女「…くしっ」

研究者「おっと…ごめんよ、寒かったか。先に服を着せてあげないとね」

今日はここまで。黄金週間が終わるまでにできたらなと思っています。

おつ
史実はあんまりいい結果じゃなかったから、この子は幸せになれるといいな

>>15
実際にあったあれか?
獣に育てられて人間社会に戻したら数年で死んでしまった兄弟の話?

>>15 >>19
あの話を少し参考にした所もあります。作り話じゃないか、と言われていますけど私は本当にあったことじゃないかなと思った部分も有ったり。

助手「ふんふふふ~ん」

研究者「っと…、よし。助手くん、ありがとう。」

獣少女「…くー…」

助手「あ、研究者さん。よくここまで運べましたね。見掛けによらず力持ちなんすね~」

研究者「見掛けによらずは余計だよ。…この子、余り重くなかったし。」

助手「そうなんすか?結構重そうっすけど、この尻尾…?とかのせいで」

研究者「確かにかなりの量だね、この尻尾に大の大人ぐらいなら埋まりそうだ」

助手「…うっわ、やべえ。これすげえもふもふっすよ、もふもふ」モフモフ

研究者「こら、寝てる女の子に悪戯は…。…本当だ、ものすごくもふもふ、もふもふだね」モフモフ

助手「やばい、ずっと触っていたくなる。もふもふ、もふも…、と。…何だこれ」

研究者「?何か見つけたのかい?」

助手「これ…、何でしょう。紙…、ですね」

研究者「どれどれ、ちょっと貸してくれるかな」

助手「あ、はいどぞ」

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