七咲「先輩!」中多「好きです!」橘「ええっ!?」(81)

橘「ふ、二人とも、急にどうしたんだい?」
七咲「ですから・・・」
中多「先輩のことが・・・」
橘「ちょ、ちょっと待った! それはわかったけど、い、一体どっちの話なんだ? 七咲か? それとも中多さんが?」
七咲「鈍いですね・・・ですから私達二人とも」
中多「先輩のことが、好きなんです!」
橘「ええ~っ!?」

橘(何てことだ・・・まさか僕に告白・・・それも二人同時だなんて)
橘(お盆と正月がいっぺんに・・・いや、お宝本の発売日が重なったような気分だよ)
橘(でも・・・二人とも美也の大切な友達だ)
橘(ここでどちらかを選んだら、美也たちの関係にヒビが入るよな・・・)
橘(残念だけど、ここは・・・)

橘「いや~、ははっ。妹の友達から慕われるなんて僕もやるなあ。僕も二人のことが・・・」
七咲「そうやってごまかそうとしても無駄ですよ」
橘「うっ!」
七咲「どうせ、二人とも後輩として好き、とか言うつもりだったんでしょう?」
橘「さ、さすが七咲・・・」
七咲「私か中多さんか、選んでください!」
中多「私達も覚悟してます・・・どちらを選んでも私たち恨みっこなしだって決めて、二人でここに来たんです・・・」
橘「ううっ、僕の方は全く覚悟できてないよ・・・ど、どうすれば・・・」

?「あ~! にぃに! また何か変なことしてるでしょ~!」
橘「っ! この空気を全く読めてない声は、美也!」
美也「二人ともいないと思ったら、まさかにぃにが連れ出してたなんて」
橘「いや、むしろ僕が呼び出されたんだけど・・・」
美也「大丈夫? 逢ちゃん、紗江ちゃん。えっちなことされてない?」
橘「人の話を聞けって! ・・・いや、待てよ」

橘(美也が入ってきたおかげで、話がぐだぐだになったぞ)
橘(ひとまず、この場を切り抜けるためには・・・!)

橘「ちぃっ、美也に見つかってしまったか!」
七咲「!?」
橘「中多さんのふかふかボディと七咲のスレンダーボディ、じっくり調査させてもらおうと思ったが、バレてしまっては仕方がない!」
美也「ばかにぃに! やっぱり、ろくでもないこと考えてたんだ!」
橘「ははっ、ここはひとまず退散! さらばだ!」
中多「しぇ、しぇんぱい!?」
七咲「待ってくだ・・・!」
美也「ダメだよ二人とも! せっかく美也が助けた命! 無駄にしないで!」
七咲「み、美也ちゃん、離して・・・」

橘「ふぅ、何とか離れることができたよ」
橘「何だか、これだけでも嫌われそうな逃げ方だったけど・・・」
橘「それにしても、まさか二人から告白されるなんて」
橘「うれしいけど、どっちか一人を選ぶなんて、僕には無理だよ」
橘「そういうつもりで今まで接してきたわけじゃないし・・・」
橘「何とか、二人とも傷つけずに断る方法はないかな・・・」

梨穂子「~♪」

橘「あれは梨穂子! のん気に鼻歌なんて歌ってるぞ」
橘「まったく僕がこんなに悩んでるっていうのに・・・梨穂子には恋の悩みなんて無縁なんだろうな・・・」
橘「そうだ! 梨穂子に協力してもらおう!」

梨穂子「あれっ、純一? どうしたのそんな真剣な顔で」
橘「梨穂子・・・今、彼氏いるのか?」
梨穂子「えっ、ええっ!? いきなり何!? い、いないよ彼氏なんて!」
橘「良かった・・・」
梨穂子「えっ!?(ドキッ) ど、どういう意味・・・?」
橘「いや、実はさ・・・(カクカクシカジカ)」
梨穂子「えっ、純一・・・告白されたの!?」
橘「いや、それで困ってるんだよ。今までそういう目で見たことないし、まさか告白されるなんて思ってなくて」
梨穂子「そうだよね・・・純一って鈍感だもんね・・・」
橘「梨穂子に言われたくないけど、実際そうかもしれないな・・・」
梨穂子「OK、するの・・・?」
橘「問題はそこなんだ。だから、さっき梨穂子に彼氏がいないかどうか聞いたんだ」
梨穂子「わ、私に彼氏がいるかどうか、関係あるの?」
橘「うん。いや、いなくて良かったよ。いたら、ちょっと言えなかったことがあって」
梨穂子「い、いなくて言えることって・・・ど、どんなこと?」
橘「梨穂子」
梨穂子「う、ぅん・・・!」
橘「彼女に・・・なったふりをしてくれないか」
梨穂子「うん・・・って、ええっ~!!」
橘「やっぱり、実は彼女がいたって話が一番誰も傷つけないと思うんだよね」
橘「幸い、梨穂子は二人と交流がないから、ボロも出ないだろうし」
橘「って、聞いてるのか梨穂子」
梨穂子「聞いてる・・・聞いてるけど~」
橘「梨穂子? 何で涙目なんだ?」
梨穂子「本当に純一は人の気持ちを勉強した方がいいよ・・・」
橘「ええっ、この作戦じゃダメかな・・・? いけると思ったんだけど」
梨穂子「それはそうかもしれないけど・・・何で私にそんなこと頼むのよ~」
橘「それは、梨穂子が一番だからな」
梨穂子「えっ・・・?」

橘(何しろ小さい頃から知ってる幼馴染だしな)
橘(彼女のふりをしてくれ、なんて他の人には頼みづらいけど)
橘(今回は、梨穂子に頼むのが一番だよ!)
橘(・・・と思ってたんだけど)

梨穂子「ねぇ・・・純一?」
橘「な、何だい・・・」
梨穂子「私が一番って、どういう意味なのかな・・・」
橘「そ、それは・・・」
梨穂子「純一の中で私が一番だって、思っていいのかな・・・?」

橘(な、何かさらにマズイ事態を引き起こした気がする・・・!)

橘「や、やっぱり・・・」
梨穂子「純一?」
橘「梨穂子はウソが苦手だから、こういうのは向いてなさそうだよね!」
梨穂子「純一!? どこ行くの!?」
橘「悪い梨穂子! 他の人を探すよ!」
梨穂子「ま、待ってー!」

初投稿なので慣れてなくてすみません。
ちょっと改行入れてみます。

棚町「・・・で、あたしのところに来たってわけ?」

橘「・・・ああ、薫なら変なことにはならないかなって・・・」

棚町「ったく、揃いも揃って、あんたみたいな唐変木のどこが良いのかしらね」

橘「普段なら怒って言い返すところだけど、今はその薫の反応がうれしいよ・・・」

棚町「うわっ、気持ちわるっ。罵られて喜んでるわ・・・で、あたしのところに来たってことは、あたしに彼女役をやれってこと?」

橘「さすが薫。飲み込みが早くて助かるよ」

棚町「却下」

橘「ええっ!?」

棚町「イヤよ面倒くさい。その子たちに恨まれたくないし」

橘「そんな・・・」

棚町「大体、人の恋心もてあそんでるみたいで気乗りしないわ。その子たちだって、真剣な気持ちでアンタに告白したんだから、きちんと応えるのが筋ってもんでしょ」

橘「ぼ、僕はただ・・・(ショボン)」

棚町「・・・アンタの立場もわかるけどね。まあ、他を当たってよ」

橘「・・・5000円」

棚町「へっ?」

橘「前に、貸した5000円をチャラにして良いから!」

棚町「ば、バイト代が出たら返すって言ったじゃない」

橘「先月もそう言って返さなかっただろ! 今すぐ返すか手伝うか、二つに一つだ!」

棚町「くっ、やるわね純一。あたしが今月、金欠なのを見抜いた上で・・・」

橘「どうする、やるのかやらないのか」

棚町「っ! わかったわよ。だけど、彼女のフリをするのは一回だけだからね! 後は自分で何とかしなさいよ!」

橘「助かるよ薫!」

棚町「はぁ~、何であたしがこんなこと・・・」

橘「おっ、ちょうど二人が来たぞ!」

棚町「え、ええっ、ちょっといきなりすぎ!」

七咲・中多「先輩!」

橘「七咲・・・中多さん・・・」

中多「先輩・・・どうして逃げたんですか・・・?」

七咲「返事、聞かせてください」


棚町(うわっ、重いわね・・・あたし、これに混ざるわけ?)

橘(きついのはわかるけど・・・たのむよ・・・!)

中多「・・・先輩、どうかされましたか?」

橘「いやっ、何でもないよ!」

棚町「あはは・・・」

七咲「・・・棚町先輩」

棚町「あれっ、私のこと知ってるの?」

七咲「ええ、橘先輩や美也ちゃんから何度かお話を聞いてますから」

七咲「それで、すみませんが棚町先輩は、席を外していただけないでしょうか」

七咲「今から、先輩と大事な話がありますので」

棚町「・・・」

橘(あっ、薫の奴。今イラッとしたな)

棚町「あ~ら、大事な話って何かしらね?」

橘(か、薫の奴、ケンカ売るモードに入ってる!)

七咲「棚町先輩には関係のない話ですので」

棚町「いーえ、関係あるわね。あんた達、純一に告白したんだって?」

中多「ど、どうしてそれを・・・」

七咲「っ! ・・・知っているなら、邪魔しないでもらえますか」

棚町「邪魔するに決まってるじゃない。だって純一と付き合ってるのは、あたしだもん」」

書き溜め分ここまでにつき、小休止します。
少しでも読みやすくなってればうれしいです。

すみません。所用で一日留守にしてました。
コメントありがとうございます。最後までがんばりたいです。

棚町「邪魔するに決まってるじゃない。だって純一と付き合ってるのは、あたしだもん」」

橘(薫! いきなりすぎるだろ!)

七咲「あなたが!?」

中多「ふ、ふぇっ!?」

棚町「純一とは、中学の頃から馬が合ってね。二年に入ってから付き合いだしたんだけど、ちょっと照れくさくて、周りには内緒にしてたのよ」

棚町「でも、こういうことがあるなら、もっとハッキリ言っておけば良かったかな。ね、
純一?」

橘「う、うん・・・」

橘(気まずい)

橘(自分で選んだ道とはいえ、耐えられないほどの空気の重さだよ)

橘(でも、これで二人とも、諦めてくれるはず・・・)

棚町「そういうわけだから二人とも・・・」

七咲「・・・認めません」

棚町「はあっ!?」

七咲「あなたでは先輩にふさわしくありません。別れてください」

棚町「なっ! 何であんたにそんなこと言われないといけないのよ!」

七咲「あなた、相当ひどい遅刻癖があるみたいですね。そんないい加減な人が彼女じゃ、
橘先輩の評判だって悪くなります」

棚町「うっ!?」

七咲「それに、その襟を立てた、だらしないシャツの着こなし方。みっともないですよ」

棚町「みっともない!?」

中多「ふぇ・・・逢ちゃん・・・」

橘(何て争いだ・・・中多さんが完全にモブ化しているよ・・・)

橘(それに、この二人がこんなに相性が悪いなんて)

橘(人選を間違ったような気がするよ・・・)

七咲「そもそも本当に付き合ってるんですか? どうせ橘先輩から『一日だけ彼女のフリをしてくれ』とか言われて、報酬目当てに乗っかっただけなんじゃないですか」

棚町「そんなことないわよ!」

橘(七咲が鋭すぎる・・・)

棚町「付き合ってることは隠してるけど、あたしと純一との仲は有名よ! 恵子からも『またバカップルになってるよ』って何度注意されたことか・・・」

七咲「バカップルと言われるほど、ひどい付き合い方をしてるんですね。やはりあなたに
橘先輩は任せておけません。潔く身を引いてください」

棚町「なっ・・・!」

棚町(純一・・・)

橘(ど、どうした薫)

棚町(あんた、あたしと本当に付き合いなさい)

橘(何でそうなるんだよ!)

棚町(うるさいわね! 引っ込みつかなくなったのよ! ここまで言われて、実は言うとおりウソでしたなんて、無様な真似できないわよ! 本当に付き合って、この子をギャフンと言わせてやるんだから!)

橘(そんな理由で・・・!)

絢辻「・・・あなた達、何をしてるのかしら?」

橘「あ、絢辻さん!?」

橘(・・・よりにもよって、一番まずい人に見られてしまった)

棚町「あ、いや、これはその・・・ちょっとおしゃべりを・・・」

絢辻「もう放課後よ。用の無い生徒は早く帰った方が良いんじゃないかしら?」

絢辻「それに橘君。今日は創設祭実行委員の仕事がある日よ」

橘「あ、あれ、そうだっけ?」

橘(いや、確かに今日は仕事がない日だ)

橘(こ、これは絢辻さんの助け舟に違いない!)

橘「い、いけない! 早く行かないとだね!」

橘「それじゃ、みんなまた!」

七咲「あっ・・・」

中多「ふぇ・・・」

棚町「ふん・・・」

橘「・・・ふぅ、絢辻さん。おかげで助かったよ」

絢辻「いったい、あれはどういうことなの?」

橘「え?」

絢辻「え、じゃないわよ! 入っていった時のあの暗い雰囲気。殺人現場かと思ったじゃない!」

橘「それは言いすぎだと思うけど、実は・・・」

絢辻「何々、後輩二人に告白されて、うまく断ろうとしたら、余計おかしな事態になった?」

橘「さすが絢辻さん。的確な状況把握だよ」

絢辻「・・・本当、あなた頭が沸いてるんじゃない?」

橘「ど、どうしてさ」

絢辻「桜井さんにしろ、棚町さんにしろ、人をうまくだますなんてこと、出来るわけないじゃない。よくもまあそんな人ばかり選んで・・・」

橘「ひ、ひどいよ。絢辻さんみたいな人をだます天才からしたら、そうかもしれないけど」

絢辻「何か言った?」

橘「い、いえ、絢辻さんは裏表のない素敵な人です!」

絢辻「ふん! 大体、あなたが八方美人なことしてるから、こんなことになったんじゃない」

橘「そんなつもりは・・・」

絢辻「猛省しなさい」

橘「はい・・・」

絢辻「わかったなら、さっさと行くわよ」

橘「ええっ、どこへ? 実行委員の仕事はないはずじゃ・・・」

絢辻「違うわよ、あの三人のところよ」

橘「な、何で、そんな爆心地に戻るような真似を!」

絢辻「あの調子じゃ、明日もまた修羅場になるわよ。人前であんな空気になったら、あなたこの学校にいられなくなるわよ」

橘「確かに、はたから見たら三股かけてる最低男だよね・・・」

橘「でも行ったところで、解決できるとも思えないけど・・・ま、まさか絢辻さんが彼女のフリをしてくれる、とか・・・!」

絢辻「二度も同じネタが通用するわけないじゃない。いいから、私に任せて」

橘「う、うん・・・」

中多「・・・先輩! 戻って来てくれたんですね」

棚町「まあ、彼女であるあたしのところに戻ってきたんだけどね」

七咲「そういうウソはもういいですから・・・」

橘(やっぱり最悪の空気だよ・・・)

橘(絢辻さんが何を言ったところで変わるとは思えないけど・・・)

絢辻「ええ・・・確かに棚町さんが彼女というのはウソね」

棚町「!?」

七咲「やっぱり・・・」

橘(絢辻さん!? 一体何を・・・!?)

絢辻「でも、それは橘君にとっても仕方の無いウソだったの」

中多「ウソが、仕方ない・・・?」

七咲「どういう意味ですか?」

絢辻「橘君はね・・・」

橘(僕が、どうだって・・・?)

絢辻「男性しか愛せない人なの・・・」

橘(そ、そうだったのか!? って、そんなわけないよ!!)

中多「だ、男性しか愛せない!?」

橘(中多さんが食いついてる!?)

棚町「ちょ、ちょっと。さすがにそれはないんじゃない」

七咲「はあ、彼女だと言ってみたり、同性愛者だと言ってみたり。二年生って、ウソつきばかりなんですね」

絢辻「ウソじゃないわ。これを見て」

七咲「何ですか、この写真・・・って橘先輩と・・・梅原先輩?」

絢辻「そう、二人が抱き合ってる写真よ」

橘(あれは通学途中で梅原にヘッドロックされてる写真!? そんなもの一体いつ!?)

七咲「抱き合ってる・・・というより、じゃれあってるようにしか見えませんが」

絢辻「そう、じゃれあうぐらいの仲ってことなの。考えてもみて。橘君がどうしてこれまで誰とも付き合っていないのか」

絢辻「私の調べたところによると、あなたたち以外にも、橘君に思いを寄せている子が何人もいるの。普通の男なら、とっくに手を出しているわ」

棚町「確かに、そういう子がいるってウワサもあるわね・・・」

絢辻「なのに、彼は誰とも付き合っていない・・・となると」

中多「そんな・・・先輩が男の人を・・・」

七咲「私達を避けた理由も、それなら理解できるというか・・・」

棚町「気づいてあげられなかったなんて、友達失格かしらね・・・」

橘(無茶苦茶な話なのに、絢辻さんの説得力のせいで、何故かみんな信じだしてる・・・)

橘(でも、こんなのひどすぎるよ絢辻さん!)

絢辻(何言ってるの! こうでも言わなきゃみんな諦めないわよ!)

絢辻(それに、これがウワサになれば、もうこんな揉め事は起きないわ)

橘(逆に、女の子から避けられるじゃないか!)

絢辻(いいじゃない。私さえ本当のことをわかってれば)

橘(えっ)

絢辻(橘君は、私が管理します!)

橘(ま、まさか絢辻さんまで・・・って!)

橘「う、うう・・・!」

橘「僕は、女の子が好きだああああ!!」

棚町「ちょ、ちょっと純一どこ行くのよ!」

絢辻「こ、こら、人がせっかく!」

橘「はぁ、はぁ・・・」

橘「結局、事態は解決してないけど、後悔はしていない」

橘「あのまま男が好きなんてウワサを流されたら、一生押入れから出てこれなくなるよ」
橘「もう、七咲か、中多さんか。どっちかを選んでも良いような・・・」

橘「いや、ここで折れるようなら、はじめから選んでおけば良かったんだ・・・」

途中まで書いてハーレムでもいい気がしてきたので書き換え中です。
終わり次第、書き込ませていただきますー。

森嶋「どうしたの橘君。浮かない顔しちゃって」

橘「森嶋先輩!」

橘(そうだ、僕には森嶋先輩がいた・・・!)

橘(今まで、告白されたり、彼女のフリしてもらったり)

橘(受身でいたり、人に頼ったりしたから、事態が解決しなかったんだ)

橘(これじゃ、押入れに閉じこもっていた今までの僕と変わらないよ!)

橘(そうだ、勇気を出して!)

橘「森嶋先輩! 好きだああ!!」

森嶋「えっ、橘君!?」

橘「何度もすみません・・・でも、どうしても諦めきれないんです!」

森嶋「橘君・・・」

橘「ご迷惑でしょうか・・・」

森嶋「ううん、そんなことない! とってもうれしい!」

森嶋「返事は、OKよ」

森嶋「というか、いつ告白してくれるのか、ずっと待ってたんだからね!」

橘「そ、そうだったんですか!?」

橘(森嶋先輩と両想いになれたなんて・・・夢みたいだ)

橘(色々あったけど・・・今はそれが後押ししてくれたって気分だよ)

森嶋「あ、でも・・・」

橘「な、何か問題でも?」

森嶋「後ろの子たちはどうする?」

橘「えっ・・・ああっ、みんな!?」

女の子一同「・・・」

橘「絢辻さんに薫、七咲に中多さん・・・それに梨穂子まで・・・」

絢辻「橘君・・・これはどういうことかしら?」

橘(絢辻さん、黒い。みんなの前なのに黒くなってるよ・・・)

絢辻「あなたに告白してる人たちを放置して、他の人に告白なんて、非常識にも程があると思わない?」

橘「えっ、絢辻さん! そっち側に立つの!?」

絢辻「当たり前でしょう。人の協力を拒んだ以上、敵に回られても仕方ないと思いなさい」

絢辻「あなた達からも、この厚顔無恥に何か言うことはないの?」

全員「・・・」

絢辻「あれ・・・?」

薫(ここであたしが怒るのも変な話だし・・・)

七咲(森嶋先輩と仲違いしたら、塚原先輩が悲しむ・・・)

梨穂子(よりにもよって森嶋先輩が相手だなんて・・・)

中多(きれいな人・・・勝てない・・・)

絢辻「ちょ、ちょっと泣き寝入りするつもり!? このバカを調子に乗らせたら・・・」

森嶋「う~ん、怒ってる姿が猫ちゃんみたいでかわいいわ~!(抱きっ)」

絢辻「うっ!?」

森嶋「髪の毛もさらさら~、私もこんな風に前髪ぱっつんにしてみようかな~」

絢辻「や、やめてください・・・」

橘(絢辻さんが押されている・・・)

橘(さすがの絢辻さんも、森嶋先輩の独特なテンションにはついていけないのか・・・)

橘(絢辻さんのお姉さんと似たテンションだからな・・・苦手なのかもしれない・・・)

絢辻「ハァハァ・・・」

森嶋「落ち着いてくれたみたいね!」

絢辻「疲れたんです!」

森嶋「まあまあ、言いたいことはわかるわ」

森嶋「ズバリ! あなたも橘君のことが好きなのね!」

絢辻「へっ!?」

森嶋「赤くなった! 私の名推理が炸裂ね!」

絢辻「私はその、クラスメートとして、モラルのない人を・・・」

森嶋「だったら、こうしましょう」

絢辻「話を聞いてください!」

森嶋「みんなで橘君と付き合えば良いのよ!」

絢辻「だから聞いてって・・・えっ!?」

森嶋「確かにこんなかわいいワンちゃんを、私だけで独占するのはもったいないわ」

森嶋「みんなでかわいがってあげればいいのよ!」

中多「先輩をかわいがる・・・」

七咲「中多さんの目が光ってる・・・」

七咲(でも、橘先輩が犬・・・似合ってるかもしれない・・・)

梨穂子(ご主人様と犬・・・ただの幼馴染よりは、前進したよね?)

薫(犬ってことは、パシリに使っても良いってこと? ラッキー)

絢辻(確かにこの駄犬には、しつけが必要ね・・・)

絢辻「はあ・・・無茶苦茶な提案ですけど、良いわ。乗ってみましょう」

森嶋「ふふっ、オーキードーキー!」

橘「ぜ、全然オッケーじゃないですよ!」

橘「それに犬扱いって・・・彼氏からランクが下がってる気が・・・」

森嶋「当然よ。女の子たちを放っておいて、私に告白なんてしたんだから」

橘「め、面目ない・・・」

森嶋「良いわ。おかげですっごく楽しいことになりそうだもの!」


~ しばらくして ~

森嶋「橘君、はい、あ~ん!」

梨穂子「せ、先輩! それ私が作ったお弁当なんですよ~!」

中多「それが終わったら、私のお弁当も食べてくださいね・・・」

七咲「食べ過ぎです。後でプールに来てください。一緒に泳いで、カロリー消費しないと」

薫「良いから早く食べ終わってよね。ジュース買いに行きましょうよ」

絢辻「ダメよ、食事が終わり次第、創設祭の仕事をしてもらうわ」

橘「は、ははっ・・・」

女子A「ねえ、あれ何?」

女子B「知らないの? 二年の橘先輩よ。ああやって女の子はべらせてるの」

女子A「うわっ、最低~」


橘(ううっ、女子からの目が冷たい・・・)

橘(それに梅原とか、男友達からも最近、距離を置かれてる・・・けど)

森嶋「それで、今日はどうする? また泊まりに行っても良い?」

梨穂子「だ、ダメです! 森嶋先輩、昨日も純一の家に泊まったじゃないですか~!」

森嶋「ふふっ、だってワンちゃんの様子が心配なんだもん」

絢辻「回数が多すぎます。このままじゃご両親にも気づかれますよ」

薫「あっ、じゃあ純一。今日はウチに来ない? お母さん、出張でいないんだ」

中多「あっ、じゃあ・・・土日はウチの別荘に来てもらえれば・・・」

七咲「男の人と旅行なんて、信じられません!」

森嶋「逢ちゃんこそ、この前、温泉で何してたのかな~?」

七咲「あれはその・・・泊まってはいませんから!」

絢辻「温泉・・・報告されてないわ。抜け駆けね。ペナルティとして、今日は私が橘君をもらいます」

梨穂子「ええっ、ずるいよ~!」


橘(・・・)

橘(何てことだ・・・犬ライフ・・・最高、かも・・・)


おしまい

まさか・・・塚原先輩を忘れてはいないよな!?

何とか書ききれました。
初投稿なので、改行頻度だったり、1書き込みの長さ分量がわからなかったり、
いろいろ不備があってすみませんでした。
アマガミ好きなので、SS書けてよかったです!

>>44

えっ!?

とりあえずひびきさん書きます! 忘れていてすみませんでした!


橘「・・・というわけで、毎日、幸せなような、自堕落なような」

橘「複雑な気分なんですよ」

塚原「・・・はあ・・・」

橘「すみません、こんな相談・・・呆れて物も言えないですよね」

塚原「まあ、言い出したはるかも悪いけど」

塚原「橘君には止めて欲しかったな」

塚原「はるかは元々あんな子だから、周囲の目も気にしないだろうけど」

塚原「七咲はちょっとね・・・水泳部でもちょっと目立っちゃってるし」

橘「どうしたらいいでしょうか・・・」

塚原「本当は今すぐ、誰か一人に絞ってもらうのが良いんだけど」

塚原「そういうわけにもいかないわよね」

橘「やっぱり、そうですよね・・・」

塚原「うん、だってあなた・・・その・・・」

塚原「全員と、その・・・」

橘「塚原先輩? 何ですか?」

塚原「え、えっちなことしちゃってるんでしょう?」

橘「え、ええ、まあ・・・」

塚原「っ! してるんだ・・・」

橘(塚原先輩が真っ赤な顔してる・・・)

橘(かわいい、というか、そそられるというか・・・)

橘(何だか、いじめたくなってきてしまったよ)

橘「・・・森嶋先輩は、とにかく大胆で困るんです」

塚原「はるかが?」

橘「家に来た時も、下着もつけずにスケスケのネグリジェ一枚でうろうろするんです」

橘「この前なんてポンプ小屋に誘ってきて、いきなり僕の手をスカートの中に引っ張り込んだり・・・」

橘「あれじゃ森嶋ラブリーはるかじゃなくて、森嶋セクシー・・・いや、森嶋プッシーはるかですよ」

塚原「そ、そう・・・は、はるからしいのかな?」

橘(耳まで真っ赤にしてる)

橘「・・・七咲は七咲ですごいんです」

塚原「な、七咲も?」

橘「運動部だけあって、負けず嫌いなんですかね? この前、梨穂子が起こしに来た時」

橘「僕がなかなか起きないでいたら、いきなり僕の息子が暖かいものに包まれて・・・」

塚原「あ、暖かい?」

橘「え? 梨穂子が口でしてくれてたんですよ」

塚原「く、くち!?」

橘「梨穂子の奴、『えへへ、UMA捕獲作戦成功だよ~!』なんて言って」

橘「その話を聞いた七咲、対抗意識を燃やしたらしく」

橘「朝うとうとしていたら、また暖かいものに包まれる感触がして」

橘「梨穂子かなと思ったら、七咲が・・・」

塚原「七咲が・・・く、くちで?」

橘「僕もそうかなと思って、目を開けたら」

橘「七咲が自分から入れて、腰を振っていたんです」

塚原「入れるって・・・」

橘「それは」

塚原「わ、わかってる! 言わなくていいわ!」

橘「あの七咲が、自分から男にまたがるなんて、僕も衝撃的でしたよ」

橘「しかも、スクール水着を着て、股の部分だけずらして入れてたんですよ!」

橘「先輩は見ないでください、なんて言ってたけど、見ちゃいますよね~」

塚原「も、もういいわ橘君。知り合いのそういう話を聞くのは・・・」

橘(塚原先輩が逃げようとしている・・・)

橘「あの、塚原先輩に聞きたいんですが」

塚原「な、何?」

橘「女の子って、一度するとエッチになっちゃうんですか?」

橘「森嶋先輩も、七咲も、前からは想像もつかないぐらいになってしまって」

塚原「わ、私にはわからないわ」

橘「えっ、どうしてです?」

塚原「私にはそういう経験ないから・・・」

橘「そういう経験?」

塚原「だ、男性経験というか、その、付き合ったことないから・・・」

橘「もしかして、処女なんですか?」

塚原「しょっ・・・そ、そうだけど、そういう言葉、使わないでくれる?」

橘「そうか・・・塚原先輩は処女なんだ・・・」

塚原「だ、だから言わないでって・・・」

橘「でも、それマズくないですか?」

塚原「ど、どうして?」

橘「塚原先輩は、医学部を目指してるんですよね?」

橘「お医者さんになる人が、体のことをよく知らないんじゃマズいでしょう」

塚原「別に、そういうことだけが医学では・・・」

橘「甘いです。もしお医者さんになって、産婦人科にまわったらどうするんですか?」

橘「それに、泌尿器科で、男性を診ることになったらどうします?」

橘「処女で、男性器を見慣れてないようじゃ、まともに診察できないでしょう」

塚原「そ、それは・・・」

塚原「ぎゃ、逆に、どうしろって言うの?」

橘「簡単じゃないですか」

橘「経験してしまえば良いんですよ(脱ぎっ)」

塚原「た、橘君!? 何を出してるの!?」

橘「良く見てください。僕だって恥ずかしいけど塚原先輩のためですから」

塚原「わ、私は頼んでないわ!」

橘「いやらしいと思うからダメなんです。絵画のヌードモデルみたいなものですよ」

橘「勉強の機会だと思えば良いんです」

橘「ほら、さわってください・・・」

塚原「ちょっと手を引っ張らないで・・・あっ!」

橘「どうですか・・・」

塚原「い、言わなきゃダメなの?」

塚原「あ、熱くて硬い・・・わね」

橘「もっとちゃんとさわってください。手も動かして・・・」

塚原「こ、こうかな?」

橘「よくできました(なでなで)」

塚原「~~~っ!」

橘(おっ、怒って止めるかと思ったけど)

橘(手の動きがスピードアップした・・・これは気持ち良い・・・)

橘「自発的に学んでくれるようになりましたね」

塚原「こ、こうすればしゃ、射精して終わるんでしょう!? は、早く終わらせたいだけよ!」

橘「そうですね・・・塚原先輩に手コキされてるかと思ったら、すぐにでも出ちゃいそうですよ」

塚原「私はただ勉強してるだけだから・・・!」

橘「でもこれじゃ、男性側の勉強しか出来ませんよね」

塚原「どういうこと?」

橘「えいっ」

塚原「あっ! ど、どこ触ってるの橘君!」

橘「どこって、塚原先輩のアソコですよ」

塚原「アソコって・・・」

橘「医学的に言うと、ヴァギナですね」

塚原「そうじゃなくて、触るのをやめてって言ってるの!」

橘「これは勉強だって言ったじゃないですか」

塚原「これはもう勉強じゃ・・・」

橘「そうですね・・・」

塚原「あっ、指おしこまない・・・!」

橘「こんなに感じてるんじゃ、もう勉強とは言えないですね」

塚原「そんな・・・私・・・」

橘「手でしてるだけで、濡れちゃうなんて。女の子って処女でもエッチなんですね」

塚原「ち、ちが・・・」

橘「それとも、塚原先輩が特別エッチなのかもしれませんね」

塚原「だからちがっ・・・あっ! しゃ、しゃべろうとする時にいじるのやめて・・・!」

橘「男性器を触ってるだけで興奮しちゃうなんて、お医者さんになったら大変ですね」

塚原「そんなこと、ない・・・!」

塚原「あ、あなたのだから・・・」

橘「えっ?」

塚原「私も、た、橘君のこと好きで・・・」

塚原「い、いつもはるかや七咲がうらやましくて・・・」

塚原「だから・・・」

橘「塚原先輩・・・こんなにかわいかったんですね(チュッ)」

塚原「あっ、橘君・・・」

橘「先輩の気持ちもわかったことだし・・・もう手は止めて良いですよ」

塚原「えっ、う、うん・・・」

橘「残念そうな顔しないでください。そのかわり」

橘「横になってもらえますか?」

塚原「・・・っ!」

橘「どうしました?」

塚原「よ、横になったら・・・す、するんでしよう。その、最後まで」

橘「イヤなら、しませんよ」

塚原「・・・」

橘(先輩をじっと見つめていると)

橘(やがて先輩は無言のまま、ストンと横になった)

塚原「・・・・・・あっ!」


橘「・・・というわけで、塚原先輩とも付き合うことになりました」

塚原「よ、よろしく」

森嶋「わーお! ひびきちゃんも仲間入りね!」

七咲「・・・」

塚原「七咲? ご、ごめんね、こんなことになって・・・」

七咲「いえ・・・うれしいんです・・・」

七咲「私がこんなことになってから、塚原先輩はどこか私を避けてました」

七咲「でもこれで、塚原先輩も私と一緒です・・・」

塚原「七咲・・・」

森嶋「これでめでたしめでたしね!」


橘(・・・自分でやっといて何だけど)

橘(めでたい、のだろうか・・・)

絢辻「橘君・・・これはどういうことかしら・・・?」

橘(ほら、向こうで般若のような顔になってる人たちが・・・)

塚原先輩編、終わりました。
本編より長くなってしまった気がする・・・。
本編がラブコメなので、エロ要素は控えめにしましたが、
それでも本編とちょっとノリが違いすぎた気も・・・。

ちょっと一休みします。
また何かリクなどあれば、できるかぎりこたえられれば。
(結婚編は、難しそうなので検討中です、すみません・・・)

上崎(ふぅ~っ!)

上崎(許せないよっ!)

上崎(あの人がいくら優しいからって、みんなして・・・)

上崎(よってたかって、性欲処理に使うなんて!)

上崎(しかも公衆の面前でいちゃついて・・・)

上崎(あれじゃ、他の女の子は近寄れないよ)

上崎(待って、それって好都合なんじゃ・・・)

上崎(ううん、あたしが何とかしないと・・・!)

~ スト子編スタート ~

上崎(でも、どうすれば良いんだろう・・・)

上崎(いまさら、あたしの作ったキスシーンの偽造写真なんて)

上崎(あんなハレンチな人達相手じゃ、何の効果もないよね・・・)

上崎(そうだ! どうせ校内でもエッチなことしてるに決まってるよ)

上崎(現場を写真に撮って、匿名で職員室に送りつければ)

上崎(一発で退学だよ!)

上崎(あの人も退学になっちゃうかもしれないけど・・・)

上崎(そしたらあたしも退学して、ず~っと一緒にいてあげるね!)

上崎(さすがに退学になってまで、付いてくる子はいないよね)

上崎(そうと決まれば早速・・・)

~ 保健室 ~

絢辻「ちょ、ちょっと橘君! こんなところで何を・・・!」

橘「あ、絢辻さんが、こんなベッドのある部屋に誘うから悪いんだ!」

絢辻「私はただ、あなたが風邪っぽいって言うから・・・あっ!」

橘「運動して汗をかけば一発で治るよ!」

ギシギシアンアン

上崎(やっぱり・・・学校でもしてるんだ・・・)

上崎(こんなに簡単に見つけられるなんて)

上崎(チャンスだけど、許せないよ・・・!)

上崎(二度とこんなことが起きないように、決定的瞬間を撮るんだから!)

絢辻「・・・っ!? 人の気配がする・・・」

橘「大丈夫だよ、カーテン閉めてるし」

絢辻「何が大丈夫なのよ、こんなところ人に見られたら・・・」

橘「だったら、声を出しちゃダメだよ。つ・か・さ」

絢辻「・・・このバカ・・・ひんっ・・・」

上崎(危ない・・・バレるところだったよ)

上崎(絢辻さん・・・前に橘君のこと諦めてもらおうとした時)

上崎(すごく怖い目にあわされた・・・)

上崎(今度来たらって見逃さないって言われたけど)

上崎(こっちこそ、見逃さないんだから!)

上崎(はっ! いけない、つい見入ってたよ!)

上崎(それに・・・ううっ、見てるだけで下着がぐっしょり・・・)

上崎(家に帰ったら、すぐしないと・・・治まりそうにないよ・・・)

上崎(じゃなくて、写真!)

橘「だ、出すよ絢辻さん!」

絢辻「ちょ、ちょっと! さすがに中は・・・!」

橘「わ、わかってる! うっ!」

絢辻「ああっ!」

上崎(来た! シャッターチャンス!)

ドピュッッ!

上崎「え、ええっ!?」

上崎(な、何これ・・・前が見えないよ・・・!)

上崎(白くて暖かいものが、私の顔に・・・)

上崎(それに、どろどろしてて・・・この臭い・・・)

上崎(開かずの間で、橘君が落としてったティッシュと同じ・・・)

上崎(あっ・・・ぺろっ)

絢辻「・・・ふーん」

橘「絢辻さん・・・最高だったよ・・・」

絢辻「・・・ハァハァ、それはどうも・・」

橘「休み時間はまだあるし、このままもう一回・・・」

絢辻「ちょ、ちょっと! まだするの! 腰が限界よ!」

橘「お願いだよ、我慢できなくて・・・」

絢辻「そう、だったら・・・」

シャッ

上崎「あっ!?」

絢辻「この子に相手してもらうと良いわ!」

上崎(カーテンが・・・! ウソッ、バレてたの・・・!?)

上崎(どうしよう、うっとりしてたせいで、写真撮れてない・・・)

上崎(それに、腰が抜けて立てないよ・・・)

絢辻「それはカメラ? 貸してもらうわよ」

上崎「あっ・・・」

絢辻「何を考えてるか、大体想像はつくけど」

絢辻「自分の欲情を抑えられない人が、あたしに勝てるわけないでしょ」

橘「絢辻さんも大概だけどね」

絢辻「ギロリ」

橘「す、すみませんでした!」

絢辻「次は見逃さないって言ったわよね・・・(パシャリ)」

上崎(あっ、写真撮られた・・・)

上崎(橘君の・・・で、べとべとになったあたしの姿・・・)

絢辻「これをバラまれたくなかったら、あたしが望む時、橘君の相手をしなさい」

上崎「ええっ!?」

絢辻「橘君、この子を抱きなさい。口封じよ」

橘「そ、そんなひどいこと・・・」

絢辻「今更何言ってるのよ。いいから命令よ!」

橘「は、はい!」

絢辻「・・・あなたにとっても、願ったり叶ったりじゃないかしら?」

上崎「えっ・・・あたしが橘君に抱かれる・・・?」

上崎「本当に良いの!?」

絢辻「ええ、さすがに毎日これじゃ身がもたないもの」

絢辻(森嶋先輩とか、他の子に任せたら、そのまま奪われる危険もあるしね)

絢辻「それじゃ、あたしは仕事があるから。後はよろしくね」

橘「・・・」

橘「絢辻さんが、腰を抑えながら行ってしまった」

橘「え~っと、君。名前は何て言うのかな」

上崎「あっ・・・あたし、上崎 裡沙って言います」

橘「裡沙ちゃんか・・・かわいい名前だね」

上崎「そんな・・・」

上崎(橘君と、ちゃんと話せる日が来るなんて・・・)

上崎(夢みたいだよ!)

橘「それで、絢辻さんはああ言ってたけど」

橘「別に、無理にその・・・しなくていいからね」

橘「絢辻さんの方はごまかしておくからさ」

橘「初対面の人と、いきなりなんて、出来ないよね」

上崎「っ!?」

上崎「そんなことありません!」

橘「えっ!?」

上崎「あたし、この日が来ることを夢見て、いつも練習してきたんです!」

橘「練習って、何を・・・うわっ!」

上崎「・・・はむっ」

橘「そ、そんなところをアマガミするなんて・・・あっ、ああーっ!」


~ それから ~

絢辻「ねぇ、あの書類まだ?」

上崎「・・・今やってます」

絢辻「それ終わったら、こっちやってもらうから。早くしてよね」

上崎「それも!? 何で私ばかりに創設祭委員の仕事を・・・」

絢辻「あっそ。イヤなら別にいいのよ?」

上崎「や、やります! だから早く、橘君と次の機会を・・・」

絢辻「だから、仕事を全部終わらせたら、考えるって言ってるじゃない」

上崎「わ、わかってます・・・あ、あたし、がんばります!」

絢辻(勉強も出来る方だし、橘君をエサにすれば何でも言うこと聞くし)

絢辻(良い手駒が出来たものね・・・ふふふっ)

上崎(何でこんなことになってるのかわからないけど・・・)

上崎(でも、あたし、あの時、橘君と・・・)

上崎(考えれば、結構幸せなのかも)

絢辻「ほらっ、手が止まってるわよ。そのザマじゃ、橘君と会える日は遠のくわね」

上崎「はっ、はい! すみません!」

橘「(じーっ)絢辻さん・・・恐ろしい・・・」

~ おしまい ~

複数リクあったスト子編、書いてみました。
たぶん今日はこのぐらいです。

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