提督の日記(艦これ) (32)

まぁショートショートみたいなもんです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398605837

○月×日

今日は新しい軽巡洋艦がきた。先に来ていた龍田の姉妹艦らしい。
対面時の挨拶に面食らったが、その後の対応は間違えずにすんだようだ。
彼女が鎮守府に馴染みやすいよう、皆に呼びかけもしておいた。早くここの空気に慣れてくれるといいのだが。

夕張「提督、工廠の妖精さんから連絡です。新しい艦が就役できたみたい」

提督「そうか、艦種は?」

夕張「軽巡洋艦、だそうよ。龍田のお姉さんみたい」

提督「ふむ、ならば龍田に迎えに行ってもらおう。此処に連れてくる様に頼んでくれ」

夕張「了解です」



龍田「提督~? 入ってもよろしいですか?」

提督「ああ、構わん」

龍田「失礼いたします。新役艦をお連れしました。え~っと、私と同型艦の~」

天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」

龍田「あらあら~、天龍ちゃんったら~」

提督「……」

夕張「……はぁ」


提督「……」

天龍「……?」

龍田「あら~?」

天龍「おい龍田、あの提督どうしたんだ?」

龍田「う~ん……天龍ちゃん?」

天龍「ん?」

龍田「頑張ってね~」

天龍「はぁ? そりゃど--」

提督「うむ、わかった」

天龍「?!」

提督「天龍、と言ったな?」

天龍「お、おう」

提督「フフフ、怖いか」

天龍「……」

提督「……」

天龍「……は?」

提督「む? これは君流の挨拶ではないのかね?」

天龍「は?」

龍田「流石提督。これは天龍ちゃん流の挨拶なんですよ~」

天龍「はぁ?!」

提督「やはりそうだったか。天龍よ、着任の挨拶ご苦労だった。数日はこの鎮守府に慣れてもらうとする、龍田に部屋を案内してもらって今日は休んでくれ」

龍田「は~い、じゃあ天龍ちゃん、行きましょう?」

天龍「え、あ、ああ……」


提督「そうだな、そうしよう。夕張、総員に通達。内容は--」

夕張「了解です。まぁ自業自得よね」


鈴谷「ほぉーっ、提督じゃん、フフ怖ー!」
舞風「フフフ、怖いかぁ……って今何時? まぁいっかぁ!」
暁「司令官、フフこわようです」


天龍「--?!?!?!」

龍田「あらあら~、流行っちゃったわね~」

暫くの間、鎮守府での挨拶が天龍式となった。

×月○日
今日は夕張に艦隊の資料作成を任せた。
その一つとして、我が鎮守府に所属する全ての艦を艦種別に分け、錬度別に並べてもらった。
作業が終わったと思しき時間に夕張から詰め寄られた。こちらが目を白黒させているうちに正気に戻ったようだが……。
一体彼女は、何が気になったのだろうか。潮がなんだというのだ。


夕張「さて、と。後はこれだけね。艦種別錬度順……、ね。まぁすぐ終わるでしょ」

夕張「細かい住み分けはしなくていいって言ってたし、航空戦艦とか装甲空母とかは大まかにっと……」

夕張「空母は大鳳さんか。入って日も浅いのに凄いわね。次いで瑞鶴さんに翔鶴さんか」

夕張「軽空母は瑞鳳ね。次が龍驤と鳳翔さん?」

夕張「戦艦は……日向さん? 次が金剛型姉妹なのね。伊勢さんは?」

夕張「重巡洋艦は航巡の熊野っと。あら、次が古鷹なのね」

夕張「軽巡洋艦は私ね。次が阿武隈か」

夕張「潜水艦がシオイちゃん。え、その次がまるゆなの?!」

夕張「あ、駆逐艦は潮ちゃんなのね。次いで白露かぁ。残念、一番になりそこねたわね」

夕張「ふぅ、これで完成ね」

夕張「へぇ、トップ別に並べると、大鳳、瑞鳳、日向、熊野、夕張、401、潮かぁ」

夕張「んん? ……なにか、偏りがあるような」

夕張「…………あ」



夕張「どうして潮ちゃんなんですか!? そんなに私を安心させたくないんですか?!」
提督「何の話だ!」

△月○日
少し、夕張に負担をかけすぎていたようだ。
とりあえず明日の秘書艦を五十鈴に任せ、養生するように言い聞かせておいたが……。退出の際の力なく落ちた肩が痛々しい。
部下の体調すらも見抜けないようでは、上司失格である。これからは厳に注意せねばなるまい。


能代「阿賀野型軽巡二番艦、能代。着任しました。よろしくどうぞ!」

提督「ああ、これからよろしく頼む。こっちが秘書官の夕ば--おい?」

夕張「……」

提督「夕張?」

夕張「(大きい……!)」

提督「夕張!」

夕張「ひゃ?! あ、え、提督?」

提督「どうした。まるで能代を睨んでいるように見えたが」

能代「能代、何かお気に触ることでもしたのでしょうか……」

夕張「い、いえ! そういうことじゃないの! えーっと、その、そう!」

夕張「そこ(胸)に兵装まだ載りそうよね! うん!」

提督「……」

能代「……」

夕張「あ……」

提督「……すまない、能代。夕張は少し疲れているようだ」

能代「いえ、能代は気にしておりません」

提督「そうか。申し訳ないが、今日のところは下がってくれ」

能代「は! 失礼いたします!」

夕張「提督、あの……」

提督「夕張、すまなかった」

夕張「え?」

提督「体調が優れないのだろう? 無理を押して職務を果たそうとしたために、あのような……」

夕張「え、ええっと…………そう? かも、知れません……」

提督「今日はもう休め。明日は秘書艦の仕事を五十鈴に代わってもらうとしよう。出撃の予定もない。英気を養っておくように」

夕張「はい、すみません……」

□月△日
暁からレディーとして扱って欲しいと頼まれた。
そうは言われても、私は無骨で粗野な男だ。女子の扱い方など心得ていない。
頭を悩ませているときに、ふと一人の航空巡洋艦の姿が脳裏をよぎった。――これならば、いけるか。


暁「……ねぇ、司令官」

提督「なんだ?」

暁「暁、一人前のレディーとして扱って欲しいって言ったわよね?」

提督「うむ」

暁「司令官も頷いて、暁の手を引いてくれたわよね?」

提督「うむ」

暁「なら、どうして対潜装備をガン積みして鎮守府近海にいるのかしら……」

提督「うむ?」

暁「いや、うむ? じゃなくて」

提督「最近のレディーの嗜みは、MVPを取ることだと聞いたのだが」

暁「どこ情報なの?!」

提督「レディーの嗜みならば、MVPを取らせないわけにはいかんだろう。さぁ、存分にMVPを取ってくるがいい」

暁「うわーん、司令官のばかー!!!!」

……予想以上に書き溜め少なかった。
E5で資材溜めなおしてる時間まだまだありそうなので、また適当に投下していきます。
多分軽巡の子メイン。

□月○日
長らく資源や備品の補給をしてくれていた明石が、艤装を纏い戦線に加わった。
工作船の名に恥じない、彼女専用の艤装だ。
着任早々、使ってもらうことになってしまったのは遺憾だった。


提督「うむ、では、改めてこれからよろしく頼む」

明石「はい、艦隊のメンテならお任せください!」

夕張「敵の攻撃も激しくなってきているので、お世話になると思います」

明石「任せて。夜だろうと何時だろうと、この艦艇修理施設で、修理なら何時でも受け付けるわ」

バンッ!!

川内「夜?! 夜戦?!」

明石「へ?」

川内「やぜッ?!」

明石「ああ! ごめんなさい!」

提督「むぅ、クレーンでの見事な交差打撃。あれはしばらく目を覚ますまい」

神通「ああもう、最近は夜って単語だけで反応するようになっちゃって……はぁ」

明石「いやちょっと落ち着いてる場合ですか! ええっとこういう場合どこを修理すれば!?」

夕張「脳ですね」

提督「ああ」

某月某日
 久方ぶりに大型建造を試す。もうすぐ大規模な作戦があるので、戦力増強を図ってのことだ。
 結論から言えば新戦力はできなかった。そして鈴谷よ、そういうこともある。

鈴谷「提督、工廠から連絡だよ」

提督「む、建造が終了したのか?」

鈴谷「みたい。可愛い子、来てるみたいよ?」

提督「……それはともかく、確認しに行ってみるとするか」

鈴谷「はいはい」



妖精さん「あ、ていとくさん! あたらしいかんができましたよ!」

提督「うむ、何時もすまない。早速ですまないが、新造艦は何処に?」

妖精さん「あちらです!」

鈴谷「あっち?」

?「鈴谷だよ!賑やかな艦隊だね!よろしくね!」

鈴谷「」

提督「……まぁ、なんだ。間違ってはいなかったな」

鈴谷「て、提督!? 何言ってんの?!」

○月○日
川内を有無を言わせず入渠ドッグにぶち込んだ。どうやらこの間明石にやられた傷は、小破ではすまなかったらしい。


川内「やーせーん。夜戦したいー」

那珂「また始まった」

神通「姉さんたら……」

川内「あーあー、昔はこれぐらいお願いすれば、演習でなら夜戦させてくれたのになぁ」

那珂「慣れちゃってるんじゃない? 提督」

川内「慣れた……って、何に?」

那珂「そのおねだりの仕方」

神通「お、おねだりって……。提督と……夜戦……」

那珂「男の人の心をがっちり掴むには、飽きさせないことも大事なの! 常に新しい魅力を発揮していかないと、ファンはついてきてくれないんだよ?」

川内「いや提督は別に私のファンじゃないし」

那珂「まぁまぁ、那珂ちゃんがコツ教えてあげるから、試してみなよ」

四月二十三日

大本営より、南西海域を攻略せよとの通達が届く。
久方ぶりの大規模海戦である。総員、気を引き締めて出撃していく。無事に作戦が終了できればいいのだが。

サメワニ沖

提督「本作戦の初戦だ。油断などせぬようにしろ」

夕張「はい! 存分に新装備を試してきます!」

提督「……まぁ、いいが。奇襲や待ち伏せには十分に注意しろ」

利根「大丈夫じゃ、提督よ。我輩がいる以上、そのようなことはさせん」

提督「む?」

利根「ぬ? なんじゃその顔は?」

提督「いや、利根は第一艦隊にいなかったはずだが」

利根「なんじゃと?! では誰が索敵をするというのじゃ! 筑摩か?!」

提督「筑摩は我が鎮守府にいないだろう……」

鈴谷「ん? なに?」
大鳳「なにかしら?」
翔鶴「なんでしょう?」

提督「うむ、利根の活躍は次の機会に、だな」

利根「……提督よ、以前にもそう言って、半年以上活躍の機会が与えられていないのだが」

提督「…………すまん」

ズンダ海峡

翔鶴「提督、艦隊が帰投しました」

提督「うむ、ご苦労。報告は後で聞く、損傷の酷いものから順に入渠してくるように」

翔鶴「はい……では大鳳さんから順にお風呂、頂きますね」



提督「……ふぅ、果たしてこれで何度目の撤退であろうか」

夕張「敵主力艦隊の前で撤退することが大半ですね。うーん、潮ちゃんはともかく、榛名さんも鈴谷も大破多いわね……」

提督「一番は夕張だろう」

夕張「うぐ……ごめんなさい」

提督「責めている訳じゃない。ただ、編成は変えないといけないかもしれんな。火力不足かもしれん」

夕張「そうですね……」

ビスマルク「話は聞かせてもらったわ!」

提督「む?」

ビスマルク「火力が不足しているというのね。私、戦艦ビスマルクが出撃してもいいのよ?」

提督「潮の代わりに青葉を編入してみるか。次はこの艦隊で出撃してみてくれ」

夕張「了解しました」

ビスマルク「ちょっと?!」

ポートワイン沖

提督「榛名と金剛に水偵を積んでから、順調に敵を撃破できるようになったな。やはり索敵は大事ということか」

利根「……偵察機」

提督「……」

利根「我輩の、零式水上偵察機……」

提督「利根、部屋の隅から体育座りで睨み続けるのはやめてくれないだろうか。予備機が手に入ったら、優先して回すと約束しよう」

利根「ふん、偵察機が必要なら我輩に載せたまま出せばよかろうに」

提督「あ、あー、榛名が、利根の水偵妖精は優秀だと褒めていたぞ」

利根「……そうか? うむ、そうか! まぁ我輩の」

翔鶴「提督、私やりました!」

利根「ぬ?」

提督「翔鶴?」

翔鶴「艦載機の皆も、随伴艦の皆さんも本当に頑張ってくれました! 感謝です!」

利根「ほぅ? 翔鶴がMVPを取ったのか」

提督(制空権確保の為に、ほぼ艦戦しか積んでいなかったはずなのだが……)

翔鶴「あ、でも、敵旗艦を沈めたのは金剛さんですけど……」

利根「榛名はどうだったのじゃ?」

翔鶴「え、えっと……着弾観測がずれたのか、全弾外してしまってました」

利根「……そうか、そうなのか……」

中部太平洋海域

天津風「艦隊帰投よ。これでこの海域は突破したわね」

提督「ああ、この作戦もあと少しだ」

天津風「着任早々出撃に駆り出されて、しかも大破しても進撃させられて。正直、なんて場所に来たのかと思ったけど」

提督「だが、無事だっただろう?」

天津風「ええ、結局、誰も轟沈しなかった。あなたがくれたお守り、効果は確か見たいね。敵の魚雷、まるで大破した艦を避けているかのようだったわ」

提督「……うむ」

天津風「い、一応、お礼を言っておいてあげる。多分、あなたのお陰だと思うから」

提督(応急修理要員の効果は、そうではないのだが……まぁ、無事なのだからよしとしよう)

北太平洋海域

提督「……静かなものだな」

夕張「皆でばらっちゃいましたからね」

提督「敵艦隊は損耗なし。我が方の資源は枯渇寸前、か……」

夕張「空母三、戦艦三を連日フル稼働させてましたし。しょうがないですよ」

綾波「司令官、お茶をどうぞ」

提督「ああ、すまない」

夕張「白露は?」

綾波「一番に休む! って寝ちゃいました」

提督「そうか、対潜掃蕩戦では無理をさせたからな……綾波も休んでくれ。どうせ暫くは身動きがとれん」

綾波「はい。では、お茶をご一緒させていただきますね」

E5に30回ほど出撃して全く戦果あがらないのでそろそろ撤退しようかと思っている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
司令部レベルだけ無駄にあがって、戦艦ほぼ育ってないツケが回ってきました……。酒匂欲しかった。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom