とある携帯獣の世界物語 (13)

ポケモンと禁書のクロスSSです。

注意

誤字があるかもしれません。

HG・SS・金・銀・水晶が舞台です。

若干、上琴かもしれません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398580740

プロローグ

セキエイ高原、ポケモンリーグ

カントー又はジョウトバッジを全て集めた者が頂点(チャンピオン)の座を賭けてポケモンバトルを行う地。
そのポケモンリーグ、決勝戦。バトルフィールドの端には肩まである茶髪、前髪を花柄のピンで留めている少女と特徴的な赤髪の男性がいた。
中央にはオレンジ色の竜と全身の黄色の毛を逆立てている犬のような生き物が互を睨みつけていた。
両者共々、既に息は上がっており地を踏ん張る足も小刻みに震えている。
だが生き物たちから闘争心のオーラが溢れ出ている。

「・・・・・・今までいろんなポケモンを見てきたがここまで負けず嫌いなのは見たことがない」

「それはどうも、私とサンダースの負けず嫌さはすごいんだから!」

少女が言い終えたと同時に犬みたいな生き物サンダースが地を駆け、龍へ突っ込んでいく。
龍は目線を男性に向ける。一匹と一人が同時に頷く。

「やれ、カイリュー!」

男性の掛け声と共に龍、カイリューは大地を蹴り、少し浮上すると滑るようにサンダースへと突っ込んでいった。
二匹が交差する瞬間にカイリューは腕でサンダースをホールドした。そして何十mもの高さまで一気に浮上した。
二匹の障害物がなくなり両者の顔が見える。いや、正確に顔が見えているのは男性だけ少女の顔は項垂れていた。

「これで終わりだ。『地球投げ』!」

男の脳に勝利、という文字が浮かび上がった。が、すぐにそれは消えた。なぜなら

「ねえ、サンダースの毛が逆立つのか知ってる?」

少女は口元を歪めながら男の顔をしっかり見て言ったからだ。瞬間に男はサンダースの生体を思い出す。

(サンダースの毛が逆立つのは体内に電気が貯まるからだ!でもそんな簡単に貯まるはずはない。『充電』という技は覚えない、特性の『蓄電』のおかげか?いや、あれは敵から『電気タイプ』技を受けることで初めて効果が出る。
後は考えられるのは・・・・・・電気タイプの技を一回も使わずに電気を作り続けることだけだ!
この試合、あのサンダースは




一回も電気技を繰り出していない!)






そうこの試合少女のサンダースは一度も電気を使っていないのだ。

「全てはこの技に賭けるため!サンダース最大パワーで『電磁砲』!」

空中に浮上していたカイリューはサンダースの帯びる微弱な電磁波で麻痺をしていた。動きはぎこちない。
『電磁砲』、サンダースの耳に信頼する大好きな声が聞こえた。サンダースの全身の毛から電気が放出し一点に集まり球を作り出した。
ギン、と強く相手を見ると電気で出来た球を叩きつけた。直撃後、爆発が生じ二匹の姿が一時的に見えなくなる。
すぐに二匹は落下してきた。場の雰囲気が緊張と化する。

落下地点に目を回して仰向けで倒れているカイリューとフラフラな足取りのサンダースがいた

《カイリュー、戦闘不能!よって今回の頂点(チャンピオン)、マサラタウンの御坂美琴選手!》

観客席から歓喜の声が上がり、花吹雪が舞い上がる。
少女、御坂はサンダースの元へ行き、抱きしめた。

御坂「ありがとう。よく頑張ったわね」

サンダースは一度鼻先を御坂の頬につけると眠ってしまった。同じく自分のポケモンの側によってきた男性は一度、礼を言うと赤白ボールを取り出し二mはあるポケモンを収め、御坂に近づいた。

「おめでとう、御坂美琴。君は今年、ポケモンリーグのチャンピオンになった。心から祝うよ」

御坂「ありがとうございます。ワタルさんの手持ちには苦戦しましたが楽しかったです」

こうしてポケモンリーグの幕は閉じた。










3年後、マサラタウン
二十代後半に見える女性、上条詩菜と御坂美玲が庭でティータイムをしていた。が、美鈴の表情は明るくない。詩奈は不安になりどうしたの、と聞いた。

美鈴「・・・・・・美琴ちゃんから連絡が全然ないわ」

詩奈「まだ、美琴さんから連絡がないんですか?」

3年前のポケモンリーグで見事、チャンピオンになった美琴。
彼女は一年間はこの地、マサラタウンで子供たちにポケモンの触れ合い方やバトルの仕方などを教えていた。
しかし、翌年の8月中旬に突然姿を消した。美玲や旅丈、美琴の姉妹は最初のうちは連絡を入れて旅先の話をしてくれるだろうと思って探そうとはしなかった。
だが、一ヶ月、一ヶ月、また一ヶ月と過ぎても美琴から連絡は来ない。心配になった美鈴は近所のオーキド博士に相談をし、捜索を始めた。
旅丈、詩奈の夫、当夜や美琴の友人も捜査に加わり、現在全地方を駆けているが依然として見つからない。

美鈴「美琴ちゃん、元気にやってるんだったら連絡くらい頂戴よ」

美鈴頬に一筋の道ができた。詩奈はそんな美鈴を放っておけず何ができるか考え始める。そこでこの地から放れてジョウト地方に住んでいる息子の事を思い出す。

詩奈「美鈴さんもう一人、捜査する人を紹介します」

美鈴「・・・・・・これ以上捜査の人を増やしても意味はないと思いますけど」

詩奈「意味はありますよ。だってその子は一つの地方の隅々まで見て探し出すのよ」

美鈴「そんな人いましたけ?」

詩奈「ええ、いますとも。私と当夜さんの息子、上条当麻が」

第一話 上条当麻

カントーの近隣に位置するジョウト地方。地方の中心は都会化としているがその他の地域は自然が占める面積が大きい。
その後者に当てはまる、ジョウト地方の極東、ワカバタウン。

「ちっくしょーーーーー!久しぶりにワカバに帰ってきて名物のワカバ饅頭を呑気に食べようと思ってたのに何なんですか。この不幸は!」

街の中を黒色ツンツン頭の少年、上条当麻が走っていた。その後ろには柄の悪い男八人が上条の後を追っていた。
上条当麻は追われる原因は3年間の間に四つの地方に足を運び、その度に偶然にも悪の組織の計画を知り壊滅さしてきた少年らしい。
曖昧な表現になっているのは1年前にとある少女を鎖から解き放つ際に記憶を無くしてしまったからだ。
その壊滅してきたという噂が知らず知らずの内に各地方のトレーナーの耳に入っていった。
そこで一部のトレーナーは『こいつを倒したら最強になれるんじゃね?』と思ったわけである。だが、当の本人はその答えを導くことはできず

当麻「本当にいい加減にしてくれ!俺が何をしたって言うんだよ!!」

必死に逃げる中、男達に向かって叫ぶ。

男「うるせえ!てめえが様々な地方で組織を壊滅してきたのは割れてるんだよ!つまりそのお前を倒した奴が最強ってなる訳だよ!」

当麻「んな訳あるか!最強になりたかったらチャンピオンでもぶっ倒してろ!」

男「勝てねえからてめえを倒してだな!」

当麻「理不尽すぎるだろうが!」

男「うるせえ、出て来いマタドガス!『大文字』」

男は腰についている赤白のモンスターボールを掴み、中央にあるボタンを押し中から紫色、目と口がある球状が二つにくっ付いているポケモンが出現した。
出現してから約2秒ほどでマタドガスの口から炎にまとった『大』の文字が発射された。
咄嗟に上条は反応し自分のポケットから男と同じ物を取り出し中央のボタンを押し、二足歩行で顔がワニに似たポケモンを出す。

上条「ワニノコいっちょ頼むわ」

ワニノコと呼ばれたポケモンは口から水流を発射し、大の炎にぶつける。
バン、と水蒸気爆発が起こる。男達と上条の間の視界が見えなくなる。

上条(今のうちに逃げるか)

上条はワニノコの頭を撫でてからボールに戻し駆けだした

上条「や、やっと部屋に着いたか。ああ、疲れた」

ワカバタウンにあるアパートの一室で上条は大の字になって寝転がっていた。開放感が彼を包み込む。無理もない今の今まで他の地方で組織と対立していたのだから。
だが、今の上条には二つの組織を壊滅させた記憶しかない。残り二つの組織をも壊滅させたらしいがそれは過去の自分が行ったことだ。

上条(記憶破壊か。ディアルガとパルキアの技がぶつかり合った影響で起こった現象)

とある少女を開放した同時に暴走を始めたらしい伝説ポケモンの名前を呟く。
少女をすぐにあの場から遠ざけ自分一人だけが記憶を失う結果になってよかったと心の底から思う上条。自分みたいに自分を偽る必要な人がいないためだ。

上条(それにしても俺の手持ちはワニノコ、エビワラーの二匹だけ。よくここまで戦って生き残れたよな。レベルもあまり高くなかったし)

上条は腰に付けていたボールを取り、先ほどと同じ動作で自分の仲間を出す。

上条(けど、苦楽を共にしたこいつらと何処で会ったかも覚えてないのは辛いな)

眠気が襲い目を閉じる瞬間、彼のポケットから電子音が鳴り響いた。眠気が一気に吹き飛んだ。ポケットを探ると黒色のポケパゴス携帯が出てきた。
表示画面には母と記されていた。上条は躊躇した。出ていいのだろうか、しかし出なければ不審に思うのではないのか悩んでいる最中、上条の指は動いていた

ピッ、

『あ、もしもし。当麻さん?』

当麻(これが母さんの声か)「ああ、どうしたんだよ。急に電話なんかしてきて」

詩奈『当麻さん何かあったの?緊張しているみたいですけど』

上条の肩が大きく震え上がった、本人はいつもの感じで喋っていたつもりだったからだ。心の中で平常心、と何度も唱えて何もない、声を出すがどこか震えていた

詩奈『そう。ならいいのだけど』

当麻「それで要件はなんだよ。電話代が高く着いちまうだろ?」

詩奈『あらあら、当麻さんは家族サービスを忘れたのかしら?』

当麻「そういばそんな機能付いてたな。ゴメン忘れてた」

これだけでは記憶喪失のことはバレはしないと思う。

詩奈『その要件ってのはね。ある人を探して欲しいのよ』

当麻「・・・・・・はい?」

翌日の早朝、冷たい風が一人の少年に当たる。

当麻「全く、この一年はゆっくりしようと思ってたんだけどな。不幸だ。でも」

上条はポケガラ(ポケパゴス携帯)を取り出し一つの画像を見る。それは昨日、詩奈から送られてきた写真。

当麻「この写真を見たとき、ほっとけないって思っちまったからな」

画面にはカントー・ジョウトチャンピオンの御坂美琴が映し出されていた。

当麻「過去に俺はコイツに会ったことがあるのか」

ブツブツと独り言を言いながらワカバを離れていく上条であった。


行間1

こんな姿になって

山に引きこもって

もう幾つ経ったのだろうか。

一ヶ月?
半年?
一年?
それ以上かな?

わからない。分かりたくない。

ザザザ・・・・・・

痛い。頭が痛いよ。誰か助けてよ。

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