ニック司祭「見知らぬおじさん・・・か。」(進撃の巨人)(13)

ニック司祭の過去の物語を書いてみます
自分の妄想が少し入ってるのでご注意を。

 私には、妻がいたが、一人娘が1歳2か月の時に離婚することになった。

 酒癖の悪かった私は暴力をふるうこともあり、幼い娘に危害が及ぶことを恐れた妻が

子供を守るために選んだ道だった。


 私は自分がしてしまったことを心の底から悔んでいる。そして今では付き合いといえ

ども酒は一滴も飲まないことにしている。

 もちろんだからといって「よりを戻してくれ」なんて言うつもりもないし、言える立場

でもないことは分かっている。

 ただ元妻と娘には本当に幸せになってほしいと思う。その気持ちに嘘はなかった。

 離婚するとき、私と妻と2つの約束をした。ひとつは年に一度、娘の誕生日だけは会い

にきてもいいということ。もうひとつは、そのときに自分が父親であるという事実を娘に

は明かさないでほしいということ。


 自分が父親であるということを言えない。それは私にとってつらい決まり事ではあったが、

娘にとってはそれが最良の選択であることも分かっている。年に一度、娘の誕生日を一緒

祝えるだけでも感謝しないといけない。

 それ以来、娘の誕生日にはプレゼントを買い、ふだんは着ないスーツを着て母子に会い

にいった。

 元妻は、私の事を「遠い親戚のおじさん」と紹介した。娘も冗談なのかなんなのか、私の

事を「見知らぬおじさん」と呼んだ。

 娘は人見知りだったが、少しずつ打ち解けていって、元妻と3人で近所の公園へ遊びに

行く事も出来た。まわりから見れば、きっと仲睦まじい家族に見えていたかも知れない。

 そして、それは私にとって何にも替え難いほど幸せな時間だった。これが平凡な日常なら

ば、どれほど素晴らしいことだろうか。

 年に一度のこの日の事を思うだけで、酒を遠ざけることができた。

 だが、幸せは長くは続かなかった。娘が小学校にあがる年のことだった。


 例年通り彼がスーツを着てプレゼントを持って母子のもとを訪れると、元妻から「もう

会いに来るのは最後にしてほしい・・・」と言われた。

 そろそろいろんな事を理解してしまう年頃だからと。

 それが理由だと言う。

 私にはわかっていた。

 新しい事が始まろうとしているのだ。
 
 娘にもやがて誕生日を祝う同級生が出来るだろう。

 元妻は、再婚を考えているのかも知れない。

 そんなところに「見知らぬおじさん」がいてはいけないのだ。


 私だけが、過去の世界の中にいた。

 年に一度、家族の様な時間を繰り返せば、いつか二人が彼を「お父さん」と呼んで

くれる日が来るかも知れないと、本気で信じていた私は愚かだった。

 どれほど切実に願っても、一度壊れてしまったものは、元には戻らない。

 娘に会った最後の日は、いろんな意味で最後の至福の時間だった。最後の別れる

時に、

「ごめんね、元気でね・・・」

私は目を見開いて、手を振る幼い娘の姿を、まぶたの裏に焼き付けた。

 「ばいばい!」 

 それが、母子とあった最後の時間だった。

 しかし、娘の誕生日だけはどうしても忘れられず、毎年プレゼントだけを贈り続けた。筆箱

や本と言ったささやかな物を、差し出し人の欄にはなにも書かずに贈った。

 それを元妻が娘に渡してくれているかどうか分からない。ただ、このささやかな行為が、彼

の小さな楽しみになっていた。


 それも、娘が12歳になる年には辞めようと決めていた。


 娘からすれば、送手先不明のプレゼントがずっと続いても迷惑だろう。

 娘には新しい未来がある。私も別の道を進まなければならない。

 ただ娘の幸せだけを願い、辞書を贈って最後にすることにした。

 それから、1ヶ月ほど経ったある日、彼の住む家に郵便物が届いた。

 差出人の欄には何も書かれていなかったが、その日に付くように期日指定郵便だった。

 小さな箱を開けて見ると、中から出てきたのは、水色のネクタイピンとメッセージカード。・・・

 メッセージカードを開くと、そこには初めて見る可愛らしい文字が並んでいた。

 <いつもすてきなたんじょうびプレゼントをありがとう。わたしもおかえしをしようとおもったのだけど

たんじょうびがわからないので、きょうおくることにしました。きにいるかなあ・・・みしらぬこどもより。>

 
その瞬間はっとした、

今日は、父の日だ。

            ~the end~

今晩は、>>1です、今回はニック司祭のお話を書いてみました。
まぁ書いてみたというよりは元の原作をちょっとアレンジ?したって
感じです。ニックさんのお話少ないので書いてみましたって感じでした。

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