サシャ「カツ・ドン?」(263)

※進撃の巨人で、ベン・トーのパロディです。
※進撃の巨人10巻までのネタバレがあるかもしれません。
※ジャン「カレー・ライス?」の続きです。
前回(ジャン「カレー・ライス?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372947537/))


サシャ 「マルコが入院したんですか?」
アルミン「実はマルコは、薬物による幻覚の症状にずっと悩まされていたんだ」
サシャ 「え、そうなんですか!? 本当に……?」
アルミン「残念だけれど。でもマルコが悪いわけじゃないんだ」

サシャ 「でもそんな、入院するほどだなんて……」
アルミン「いや、直接の原因は、コニーと獲った"腐った豆"らしいんだけれどね」
サシャ 「あぁ、あれですか。酷い話でしたねぇ」
アルミン「でも、それより前から、ジャン達に混乱して"間違った植物の話"をしたのを、
ずっと気にしていたんだ」

サシャ 「そんなことあったんですか?」
アルミン「僕はその場にいなかったけど、そうらしいよ」
サシャ 「もしかして、魔女の大釜のときですかね。"カンテンの草"がどうとかって話すのが聞こえました」
アルミン「"壁の中にありもしない植物を、さも当然のように語ってしまった"って言ってたよ」

サシャ 「ちょっとした勘違いだったんでしょうね」
アルミン「でも、それを気にしすぎて、マルコは心を病んでいたんだよ。
     この間、コニーが気分転換に連れ出したんだけど、
     タイミング悪く、"腐った豆"の臭いで止めを刺されて心が折れたんだろうね。
     入院するまでになってしまったんだ」

サシャ 「マルコは生真面目ですからね、そんなことを気にしていたんでしょうか」
アルミン「僕がマルコに、外の世界の植物辞典なんて貸さなければ、こんなことには」
サシャ 「アルミン、気にし過ぎるのは良く無いですよ」
アルミン「そうだね。気にしすぎても、何も良いことが無い」
サシャ 「そうですよ、気にしたらダメです」

アルミン「食糧事情が厳しいはずなのに、肉やバターや餡子を普通に食べたり
     麻婆豆腐が普通にあるのに、カレーライスが一般的でなかったりしてるけど、
     そんなことを気にしていると、また誰かが入院してしまうから」

アルミン「気にしてはいけないんだ。いいね?」

サシャ 「誰に言ってるんですか?」
アルミン「気にしてはいけないよ」
サシャ 「そうなんですか」

エレン 「二人で何の話してるんだ?」テクテク

サシャ 「気にしたらダメですよ」

エレン 「?」



サシャ 「そういえば、アルミンにお願いしたいことがあるんです」

アルミン「僕に?なんだい?」

サシャ 「アルミンは、エレンの特訓をしているんですよね?」

エレン 「あぁ、そうだな」

アルミン「うん、ミカサと三人で、山の中でやってるよ」

サシャ 「私も、それに混ぜて欲しいんです」

エレン 「俺は構わないぞ」

アルミン「僕もいいけど、なんでまた」

サシャ 「私、夕市で"大猪"って呼ばれてるじゃないですか。
     でも、人に迷惑かけちゃうのは良くないし、
     お腹が空いても、自分を保てるようになりたいんです」

アルミン「なるほど、前にエレンが暴走しているのを見たからだね」

サシャ 「ミーナに聞きました。エレンは力を制御できるようになってるみたいだって」

エレン 「まだ完璧じゃねえけどな」

アルミン「女の子って、噂が広がるのが早いね」

サシャ 「私も、そういう風に、なりたくて……」ヘヘヘ

アルミン「わかったよ、一緒に訓練しよう」

エレン 「アルミンに任せれば大丈夫だ。俺だってうまくいったんだから」

サシャ 「ありがとうございます!」

アルミン「じゃあ、明日からやるからね」

次の日 山中

アルミン「まず、最初に気をつけるのは、エレンとサシャは逆だってことだよ」

エレン 「逆って、どういうことだ?」

ミカサ 「エレンは、力の制御に腹の虫の加護を使っている」

アルミン「そう。エレンは空腹によって、自我を保つ手段を手に入れたんだ」

サシャ 「私は、お腹が空きすぎて自我を失ってますから……」

エレン 「確かに逆だな」

サシャ 「やっぱりアルミンにも無理なんでしょうか」

アルミン「そんなことないさ。エレンも最初は手探りだったんだ。まずはやってみよう」

サシャ 「私はどうすればいいですか?」

アルミン「"大猪"になる空腹のボーダーラインを探そうか。その手前で踏みとどまれるように」

サシャ 「わかりました!お腹をすかせれば良いんですか?」

アルミン「そうだね、お昼まで対人格闘訓練をしながら、その辺りを探っていこうか」



ガサッ

ミカサ 「そこにいるのは誰!」

オルオ 「!」

アルミン「あれ、確か、"双頭の鷲"のオルオさん?」

サシャ 「……?」

エレン 「オルオさんって、調査兵団の人ですか!?」パァアア

オルオ 「お前ら、こんなところで何してやがるんだ?」

ミカサ 「貴方の知るところではない」キッ

エレン 「やめろよ、ミカサ」

アルミン「僕達は、ここで自主訓練中です」

オルオ 「随分と熱心な訓練兵だな。憲兵団狙いか」

エレン 「いえ、俺は調査兵団に入りたいです!」

オルオ 「お前、見込みがあるな」フフン

サシャ 「あの、前にどこかで……?」

オルオ 「げっ、"時限装置"じゃねえか」

サシャ 「あ、前に夕市でご迷惑を……」ヘヘヘ

オルオ 「迷惑どころじゃねえ!お前に、腹を食い破られそうになったんだよ!」

エレン 「今それを克服しようと、一緒に訓練しているんです!」

オルオ 「それが出来るならいいけどよ」

ミカサ 「サシャは、やれば出来る子」

サシャ 「ミカサ……」ジーン

アルミン「オルオさんは、何でここに?」

オルオ 「最近、ここに蜂が巣を作ったらしくてな、駆除しにきた」

エレン 「なんで、調査兵団の人がそんなことを?」

オルオ 「……蜂の巣には、ハチミツがある」

サシャ (ハチミツ……!)

ミカサ 「それを取りに来た、と?」

オルオ 「俺が食うわけじゃねえ。が、な」

アルミン(多分、リヴァイ兵長にあげるんだ……)

サシャ 「あの、私もお手伝いします!」

オルオ 「あぁ? 別にいらねぇよ」

エレン 「俺も行きます!調査兵団の人から、勉強させて貰いたいです!」

オルオ 「チッ、仕方ねえな。邪魔はするなよ」

ミカサ 「エレン、やめたほうが良い。蜂に刺されたら危険」

エレン 「蜂が恐くて巨人が駆逐できるかよ」

サシャ 「ハチミツ、沢山取れたらみんなで食べましょう!」

アルミン「ミカサ、僕も止めたいけど、言って聞く顔してないよ」

ミカサ 「はぁ……わかった、私とアルミンは先に戻っている」

アルミン(エレン、君は気づいていないけど、ミカサは君が怪我をすることを見越してるよ。
     その後のお説教と、次に何か言うことを聞かなかった時に、この話を持ち出すところまで予想できる)



エレン「蜂の巣、見つからないですね」

サシャ「ハチミツの匂いもしないです」

オルオ「もう、誰かに駆除されちまったのかもしれねえな」

エレン「あ、いた。蜂を見つけましたよ!」ガサガサ

オルオ「おい、あまり近づきすぎるな!」


ブーン

チクッ


エレン「うっ、蜂に刺された!」

オルオ「チッ、人の話を聞かねからだ」

サシャ「針は無いですね」スゥーペッ

エレン「サシャ?」

サシャ「刺したのは蜂じゃないかもしれないです。
    一応、吸い出しましたけど、出来れば軟膏が欲しいですね」

オルオ「近くに温泉施設がある、人がいるから、薬もあるだろう」

サシャ「温泉ですか、私も汗かいたんで、お風呂はいりたいです」

※素人判断は大変危険です。必ず医者に行きましょう。

3時間前のペトラ

ペトラ「雑誌にあった、美肌の湯はここね!」

"病気は肌の乱れから!?肌荒れは乙女の大敵!!"

ペトラ「それは大変!すぐに治療しないと!」スルスル

カッポーン

男子脱衣所

オルオ「軟膏貰ったから、塗っとけ」ポイッ

エレン「え、何でズボンを、脱いでるんですか!?」

オルオ「俺は風呂に入るんだよ。……お前は入るなよ」

エレン「刺されてなければ、温泉に入れたのに」

オルオ「また来れば良いだろう。お前らは近いんだからよ」

エレン「まぁ、そうなんですけど……」

女湯

サシャ「」

ペトラ「」グデーン

サシャ「大丈夫ですか!?こんなになるまで!?何時間入ってたんですか?」

ペトラ「ここ、美肌の湯でね、あんまり来られないから」ハァ

サシャ「長く入れば良いってもんじゃないですよ!?」

ペトラ「アンモニアがね!アンモニアが効くからね!」ハァハァ

サシャ「わかりましたから、一回出ますよ」



ペトラ「助かったわ、サシャ。ありがとう」ホカホカ

オルオ「お前、前に威厳がどうとか言ってたけどよ、普段の行動に問題があるんじゃねえか?」ホカホカ

ペトラ「うるさいオルオ!」

サシャ「湯船で人が倒れてたら、誰でも助けますよ」ホカホカ

ペトラ「それでも助けてもらったんだから、何かお礼をしないとね」

サシャ「いえ、別に、そんな、気にしないでください」

ペトラ「あ、そうだ。そこに行きましょう」

オルオ「あぁ、それならいいかもな」

エレン「?」

サシャ「?」

温泉施設 特設会場

サシャ「ここは?」

エレン「竹のハーフパイプ?」

オルオ「お前らガキは知らねえだろうが、これは」

ペトラ「これはね、流しそうめんっていうの」

サシャ「流しそうめん……?」

エレン(そうめんって何だ?)

オルオ「説明するよりも、食ったほうg」

ペトラ「まぁ、やってみるのが早いわよ」

ペトラ「すいませーん、4人お願いします」

オルオ「いいか、この竹の上から、水と一緒n」

ペトラ「そうめんが流れてくるから、それをお箸で受け止めて、食べるの」

オルオ「俺の発言を食うな」


スゥー

サシャ「お、流れてきましたね」ヒョイ

エレン「流す意味ありますか?」ヒョイ

オルオ「エンターテイメントだ」ヒョイ

ペトラ「食を獲得する醍醐味よ」ヒョイ

サシャ「このガラスの器が、涼しげで良いですね」

チュルル

サシャ(さっぱりした味ですね、冷たい汁に、冷たい麺が良く合います。
    麺自体に味はあんまりないですけど、汁のダシが汗をかいた体に染み込みます)

エレン「美味いですね!」

オルオ「やっと俺の域まで達したか」ズルズル

ペトラ「オルオ、意味分からない」チュルル

エレン「この葉っぱは何ですか?」

ペトラ「薬味のシソね。良い香りよ」

サシャ「入れてみます」


パパッ

サシャ(シソの爽やかな香りが広がりますね。元々のさっぱりした味に加えることで、
    清涼感を強調させます。鼻腔に広がる風味が、食欲を刺激しますね)

オルオ「お前ら、食ってるのに夢中になると、そうめんを獲り損ねるからな」ヒョイ

サシャ「危なかったです」ヒョイ

ペトラ「中々、気が抜けないのよね」ヒョイ

エレン「え、あ、獲り損ねた!」スカッ

ペトラ「あとで、獲り損ねた分は、まとめて貰えるから大丈夫よ」

エレン「流す意味ありますか?」

オルオ「エンターテイメントだ」

ペトラ「食を獲得する醍醐味よ」

サシャ(他の薬味も試して見ましょうか)

サシャ「これは、生姜ですか?」

ペトラ「苦手でなかったら、入れて見なさい」フフフ

サシャ「好き嫌いは無いので、入れて見ます」


チュル

サシャ(清涼感の中に、コクが生まれました!さっきまでは食べたんだか、あやふやな感じでしたが、
    薬味を増やして、どんどん味が変わることで、少しずつ胃袋を満たしていきますね!)

サシャ「中々、味わい深いです」ムムム

ペトラ「別で頼んだトッピングが着たわ。これも食べてみなさい」

サシャ「蒸した鳥のささ身ですか?」

サシャ(ささ身は、脂身が少なくて、筋っぽいんで、あんまり肉らしく無いんですよね)ガッカリ

チャプ

パクッ

サシャ「!?」

ペトラ「びっくりするほど、よく合うでしょう?」

サシャ(さっきは脂身が無いと思いましたけど、この汁には脂身の無いささ身がピッタリです!
    蒸した肉は、筋張ってるわけでもなく、柔らかく口の中でほどけていきますし、
    肉の隙間にダシの良く効いた汁が染み込んで、さっき入れた生姜ともよく合います!)

エレン「あー、これも美味いなー」パクパク

ペトラ「そうめんだけだと、すぐお腹空いちゃうからね」ヒョイ

オルオ「気を抜くなよ」ヒョイ

サシャ「そうめんって、どんな具でも合うんじゃないかと思えてきました」ヒョイ

エレン「今度こそ」ヒョイ



チリーン

エレン「何だか、涼しい気分になってきました」

サシャ「ここ、風通しが良いですね、気持ちいいです」

オルオ「お前ら、これも入れてみろ」ニヤリ

サシャ「赤い……タレですかね? 入れてみます」

エレン「俺も入れる」

チュルルル

エレン「酸っぱぁぁあ!」

サシャ(確かに酸っぱい!これは梅ですか!?でも、シソの香りもします!そして酸っぱい!

    酸っぱいけど、美味しい!胃袋にギュンギュンくる刺激です!

    汁のダシと酸っぱさがマッチして、そうめんの素朴な味を十二分に引き立てます!

    酸っぱい!美味しい!そして酸っぱい!やけど旨ぁぁあああい!!)

チュルチュル

フゥ

サシャ「身も心も、爽やかにリフレッシュしました」

オルオ「俺の思惑通りだな」

ペトラ「私が誘ったんだからね?」

サシャ「ハチミツを取りに来て、思わぬ収穫でした」

ペトラ「ハチミツ? あんた何してたの?」

オルオ「フッ・・・俺を束縛するつもりかペトラ?」

ペトラ「」イラッ

エレン(今度、ミカサとアルミンを連れて来よう)

ペトラ「それじゃあ行きましょうか、ちゃんとオルオにご馳走様って言うのよ」

エレン「オルオさん、ご馳走様でした」

サシャ「とっても美味しかったです。ご馳走様でした」

オルオ「お、おう? こ、これも先輩としての務め、だから、な……?」

ペトラ「オルオ、ご馳走様」

オルオ「まてペトラ、お前は自分で払え」

(つづく)

今日はここまで。続きは明後日の予定です。
最初、改行入れ忘れました。スミマセン。

あと、某所で聞かれたので、前に書いたのをタイトルだけ書いておきます。
ここでなくて、速報で書いた奴なので、スミマセン。

アルミン「意地があるんだよ!男の子には!」
アルミン「異議あり!」
アルミン「夢を買う」

夕市 "マリオ・トロスト"

サシャ 「ここは、どんなお店なんですか?」

アルミン「やたら長い名前の弁当が売りに出る店だよ」

ミカサ 「今日は、104期生の餓狼もいないみたい」

アルミン「それじゃあ、お弁当を見に行こうか」

サシャ 「はいっ!」

サシャ (お弁当は2つ。どうしてもかち合いますね)チラッ

サシャ (残っているのは、2種類で、どっちもから揚げですね)

     "男ならから揚げだろ!貪り食え!から揚げ弁当"

     "女でもから揚げだろ!肉食系だ!から揚げ弁当"

サシャ 「中身は一緒ですよね? 何で名前が違うんでしょうか……?」

アルミン「男弁当の方が、お米の量が多いみたいだね」

ミカサ 「それに、女弁当は肉が小さく切ってあって、食べやすくなってる」

エレン 「お前ら凄いな」

サシャ 「アルミンたちは、組んでお弁当を取ってるんですよね?
     こういうときはどうするんですか?」

アルミン「変わらないさ、僕達は4人で2つの弁当を奪取する」

エレン 「3人で1個を分けたこともあるぞ」

アルミン「……あれは?」

サシャ 「どうしたんですか、アルミン?」

アルミン「キッツ・ヴェールマン隊長が来ている」

エレン 「誰だ? あのオッサン」

ミカサ 「駐屯兵団の精鋭部隊隊長。一応、偉いヒゲ」

アルミン「あの人は、僕と同じ作戦を元に動くタイプだ」

エレン 「アルミンよりも頭が良いのか?」

ミカサ 「エレン、それは無い」

サシャ 「なんだか小心者の顔をしてますね」

キッツ 「そうだな、"小鹿"などという二つ名が付く始末だ」ヌッ

サシャ 「た…大変…失礼…しました……」ビクン

アルミン「二つ名の"小鹿"は、ご自分で流布されているのではないですか?」

キッツ 「私は、恐いよ。力を持つ物、意思を持つ物。それと頭の良い奴も恐い」


バタン

キッツ 「半額神が来たようだ」スタスタ

エレン 「何だったんだ、あの隊長」

アルミン「僕らに、宣戦布告したんだよ。潰してやるぞってね」

ミカサ 「何時も通り、やるだけ」

サシャ 「そうですよ、特訓してきたんですから、見せてやりましょう!」

アルミン「そうだね。序盤、エレンが突っ込んで。サシャは腹の虫の加護が高まるまで待機。
     ミカサはサシャが動けるまで護衛をお願い」

サシャ 「わかりました」

エレン 「任せろ」

ミカサ 「何かあれば、私が止める」


ギィ

バタン

ドドドドド

アルミン「エレン、早速だけど行くよ!」

エレン 「ああ!」


カッ

キッツ 「これは……!?」

アルミン「腕と上胸だけ変身した"騎士"から、更に両脚、腹部まで変身を可能にした」

      ダークナイト
アルミン「"闇騎士"だ」

エレン 「やっぱ、その名前は恥ずかしくないか?///」カァァ

アルミン「名前は、大事だよ!?」

ミカサ 「変則ルールのチェスには実在する駒、何も恥ずかしくない」

サシャ 「きますよっ!」

キッツ 「小賢しい! 変更は無い、実行せよ!」

餓狼a 「うおおおおお」
餓狼b 「うおおおおお」
餓狼c 「うおおおおお」

エレン 「何だこいつら!?共闘してるのか!?」

アルミン「エレン、君の敵じゃない!蹴散らすんだ!」

サシャ 「……」

ミカサ 「どうしたの、サシャ?」

サシャ 「何だか、動きがおかしくないですか?」

ミカサ 「確かに、攻撃をするわけではなく、周りを逃げ回っているだけ……」

アルミン(疲れさせる作戦か……? それなら無視して弁当を)


エレン『オオオオオオオオオ』

アルミン「え、何で!? ……これは?」

キッツ 「おぉ、理性を無くした様だ。矢張り、恐ろしい」

アルミン「やってくれましたね!」

キッツ 「勝手に暴れただけだ。私が仕組んだというなら、証拠を出せ」

アルミン「証拠は必要ありません!」

キッツ 「何だと!?」

アルミン「注意しなければ、気づかないけれど、これは花の香り」

キッツ 「」チッ

アルミン「キンモクセイの香りですね、食欲減退の効果があると聞いたことがあります」

キッツ 「頭が良い者は、恐ろしいな」フン

アルミン「エレンの周りの餓狼は、匂いを振りまいていたんだ」


エレン『ウォオオオオオオオ』

キッツ 「気づいたから、どうにかなるものでもあるまい。
     さぁ、その女が暴走を止めるんだろう。早くするんだな。
     そうでなければ、また出入り禁止になるぞ」

アルミン(クッ、最初からミカサに止めさせるのが目的か!)

ミカサ 「アルミン、エレンを止めてくる」

アルミン「あぁ、仕方ないけど、そうしないと本当に出入り禁止になってしまう。
     サシャも、動けるなら……サシャ?」

サシャ 「パァン?」

アルミン「何で"大猪"になってるの!?」

ミカサ 「そういえば以前に、ハチミツの用途を聞いたら、
     自家製のキンモクセイの蜂蜜漬けの話をしていた」

アルミン「食欲減退どころか、腹の虫が刺激されちゃったんだね……」

サシャ 「パァアアアアアアン!!」

エレン 『ウオオオオオオ』ガツン

サシャ 「パアア!!!」

キッツ 「そうだ……もっと潰しあえ!」

アルミン「ミカサ、サシャがエレンを止めている間に、弁当を獲るんだ!」

ミカサ 「わかった」ダッ

キッツ 「させはせんぞ!止めろ!」

餓狼a 「うおおおお」

ミカサ 「邪魔」ヒュン

餓狼a 「」カクン

アルミン「並みの餓狼で、ミカサの相手になるわけが無い!」

キッツ 「クソッ、駒が弱すぎる」

ミカサ 「女弁当は獲っ」

ガツン

アルミン「ミカサが、吹き飛ばされた!?」

ミカサ 「」ガク

サシャ 「パァアアアアアアン」フゥウウウ

キッツ 「どういうことだ?」

アルミン「……獲物を、横取りされると思ったんだ」

キッツ 「ハッ、まるで弁当の守護神だな」


サシャ 「パァン?」



アルミン「動けばサシャに襲われるから、サシャとエレンと潰し合うのを待つしかなかった」

アルミン「そして、サシャがエレンを食い破り、キッツ隊長が動いた」

アルミン「襲い掛かる無名の餓狼を、サシャが相手取っている間に、キッツ隊長が弁当を奪取」

アルミン「サシャは全ての餓狼を討ち倒し、自身も倒れた」

アルミン「僕は、残った女弁当を手に取った」

アルミン「僕の負けです、キッツ隊長」

キッツ 「弁当は獲っただろう」

アルミン「獲ったけれど、それだけです。この弁当に、"勝利の一味"は無い」

キッツ 「ならば、獲らなければ良かろう」

アルミン「この味を、忘れないためです。この屈辱の味を」

キッツ 「私は、そういう目をする奴が、一番恐い」

アルミン「キッツ隊長、教えてください。何故、弁当の数以上の餓狼が協力したのですか。
     自分が協力しても、弁当を得られるという確証など無いというのに」

キッツ 「簡単だ。貴様らが恐いからよ」

キッツ 「手を組まなければ、確実に負ける。手を組むしかない。全員で潰すしかない」

アルミン「どんな話をすれば、全員を説得なんて……」

キッツ 「説得など、無駄なことはしない」

アルミン「では、どうやって……」

キッツ 「恐怖は簡単に伝播する、人は恐怖に抗えないのだ。
     強い者が恐い、一人で戦うのが恐い、考えるのが恐い、人と違うことをするのが恐い。
     その恐怖に漬け込むと、人は簡単に肉を持たない兵士となる。言いなりに動く骸骨だ」

アルミン「洗脳……ですか」

キッツ 「理論や理屈は知らん。私は"小鹿"だからな、誰よりも怯えることに長けている。それだけだ」

アルミン「そんなことを、僕に教えてしまっても、良いんですか?」

キッツ 「言っただろう、人は恐怖に抗えない。知ったところで、どうしようもない」

アルミン「そんなことは……!」

キッツ 「今日の貴様の弁当の味、それが事実だ」

アルミン「……」クッ

キッツ 「そうだ、ついでに一つ教えてやろう。
                  タイムボカン
     その女の二つ名は"時限装置"だったな。恐ろしい名前だ」

アルミン「蔑称です」キッ

キッツ 「私の二つは"小鹿"だが、私と共に戦うものたちは、暫定的に二つ名が付く」

      ドクロベー
     "髑髏兵"

キッツ 「最も恐怖する者達が、恐怖に支配され、最も恐れぬ兵士となる」

アルミン「……次は、絶対に負けません」

キッツ 「やってみろ、恐怖に勝てるなら、な」スタスタ



アルミン「皆、帰ろう」

エレン 「ん……」

ミカサ 「エレンを守れなかった……」

アルミン「お弁当は1個しかないけど、皆で……サシャは?」

エレン 「いや、どこにも……」

ミカサ 「私が目覚めたときには、もう」

アルミン「サシャ!どこにいるんだ!」

ミカサ 「サシャ、出てきなさい!」

エレン 「おい、帰るぞ、サシャーーー!!」

アルミン(サシャは、それから、夕市に姿を見せなくなった)

(つづく)

調査兵団 詰め所

オルオ「おい、ペトラ。犬やネコは勿論だけどよ」

ペトラ「……」

オルオ「よりにもよって、大猪を拾ってくるこたぁねえだろ?」

サシャ「」

ペトラ「だって、仕方ないじゃない! 倒れてるの見つけちゃったんだから!」

オルオ「どうせ、拾い食いでもしたんだろ」

サシャ「エレン、ミカサ、ゴメンナサイ……」

オルオ「……奥に寝かせとけ」チッ

ペトラ「オルオ、おかゆ作っときなさい。起きたら食べさせるから」

オルオ「何で俺が作るんだよ!?」

ペトラ「リヴァイ兵長も食べるかもね」

オルオ「仕方ねえ……」

ペトラ「オルオ、おかゆ作っときなさい。起きたら食べさせるから」

オルオ「何で俺が作るんだよ!?」

ペトラ「リヴァイ兵長も食べるかもね」

オルオ「仕方ねえ……」



サシャ「」クンクン

グルルルル

サシャ「はっ!?」

ペトラ「匂いで起きたのかしら?」クスクス

サシャ「ペトラさん……?」

ペトラ「ここは調査兵団の詰め所よ」

サシャ「なんで、私ここに……?」

ペトラ「夕市の近くで倒れてるのを、私が見つけたのよ」

サシャ「ご迷惑を、おかけしました。すぐに出て行きますので」

ギュルルル

ペトラ「凄い音ね。いま、オルオにおかゆ作らせてるから、食べていきなさい」

サシャ「そんなに、お世話になるわけには」

ペトラ「良いじゃない。私も前に助けてもらったんだもの」

サシャ「でも、そうめんをご馳走してもらいましたし」

ペトラ「あの時は、結局オルオに払わせたしね」

オルオ「また今回も俺が飯担当だ」ガチャッ

ペトラ「あんた、ノックくらいしなさいよ!」

サシャ「あの、私、大丈夫ですから」

オルオ「おら、食えよ、もう作っちまったんだ」コトッ

サシャ「はい……すみません」カパッ

フワァ

サシャ「ミルクの香り……クリームリゾットですか?」

オルオ「リゾットなんて上等なもんじゃねえ。ミルク粥だ」

サシャ「ミルクの香り……クリームリゾットですか?」

オルオ「リゾットなんて上等なもんじゃねえ。ミルク粥だ」

ペトラ「オルオの癖に、美味しそうじゃない」

オルオ「サシャ、ペトラの分も食って良いぞ」

ペトラ「なんでよ!私の分も出しなさいよ!」

サシャ「頂きます」ハフハフ

サシャ(温かいミルクにコンソメの味で、よく合ってますね。
    体の芯まで温まるみたいに、染み込みます)

ペトラ「カルボナーラを優しくしたような味ね」ハフハフ

オルオ「ホットミルクみたいなもんだからな、体も温まる」ハフハフ

サシャ(塩と胡椒がアクセントになって、食欲を刺激しますね!
    それに、ちょっとだけ入ったチーズもコクを出して美味しいです!)

サシャ(ご飯の真ん中に、卵黄だけが置いてありますけど、これは……?)

ペトラ「卵黄は混ぜるの?そのまま?」

オルオ「好きにしろ。好みで食うもんだ」

ペトラ「じゃあ、混ぜる」

サシャ「私は、そのまま行きます」アーン

オルオ「俺の域に達すると、粥の熱で半熟にさせてから食う」

ペトラ「先にそれ言えよ!美味そうだろ!もう混ぜちゃったじゃないか!」

サシャ(口に入れる前でよかった。私も半熟にしましょう)ソッ

オルオ「いいじゃねえか、混ぜたのも美味いんだからよ」

ペトラ「くっそぅ、覚えてろよ」ハフハフ

サシャ「ふふふ」

オルオ「何が面白いんだよ」

サシャ「いえ、お二人は仲が良いんだな、と思って」

ペトラ「サシャ、あんまりふざけたこと言うと、手がすべるわよ?」
サシャ「ひぃ」
オルオ「ガキの言うことだろう、もっと大人の余裕を持てよ」フフン

ペトラ「おかわりしていいわよ、サシャ」

サシャ「本当ですか!?」

オルオ「おい、勝手に!」

ペトラ「大人の余裕を持ちなさいよ」

オルオ「くっ」

サシャ「あの、他の方の分なら、私は……」

オルオ「構わねえよ、食え」

ペトラ「リヴァイ兵長は、自分の分を食べられるより、
    サシャをお腹を空かせて帰した方が、きっと怒るわ」

オルオ「もっと作っておくんだった」

サシャ「あ…りが、と……ざ…ます…」グスグス

ペトラ「サシャ?」

オルオ「泣くほど美味かったのか?」フフン

ペトラ「オルオ、少し黙ってて」

ペトラ「オルオが何か嫌だった?」

サシャ「いえ、違うんです」グスグス

ペトラ「どうしたの?」

サシャ「お粥、美味しくて、ペトラさんも、優しくて
    それで、私みたいのに、こんなに良くして貰って……」グスグス

ペトラ「ゆっくりでいいから、話しごらんなさい」

サシャ「はい……」グスグス




ペトラ「それで、友達を攻撃して全滅させちゃったのね」

サシャ「はい……私からお願いして、特訓して一緒に特訓してきたのに、
    全然、そんな甲斐なく、暴れちゃった……私、合わせる顔が……」

オルオ「気にするこたぁねえだろ」

サシャ「そんな」

ペトラ「オルオに同意するのは癪だけど、私もそう思うわ」

サシャ「ペトラさんも?」

ペトラ「そのくらいで、サシャを嫌いになるなら、最初から一緒に特訓なんてしてないわよ」

オルオ「お前と組む時点で、想定の範囲内だ」

サシャ「でも、私は……」

ペトラ「サシャは、どうしたいの?」

サシャ「私は……夕市に行くのを、やめようと思います」

オルオ「……」

サシャ「私が行くと、暴れて誰かに迷惑をかけますから」

ペトラ「……そう」

サシャ「あの、お粥、ありがとうございました」

オルオ「結局、5杯も食いやがって」フン

サシャ「すごく、美味しかったです」ニコッ

オルオ「……仕方ねえな」

ペトラ「仕方ないわね」

サシャ「?」

オルオ「サシャ、次の休暇日を明けておけ」

ペトラ「一緒に出かけましょう?」

サシャ「え、な、何でですか?」

オルオ「口で言っても分からねえよ」

サシャ「は、はい」

オルオ「予定、入れるなよ」

サシャ「どうせ、行くところありませんし、大丈夫です」

ペトラ「じゃあ、楽しみにしててね」フフフ

途中でスミマセン。今日はここまで。
続きは明日の予定です。

休暇日

サシャ「おはようございます!」

オルオ「遅えぞ、先輩を待たせるんじゃねえよ」

ペトラ「女の子は、準備に時間がかかるのよ。そんなだから、オルオなのよ?」

オルオ「意味わからねえよ」

サシャ「今日はどちらに行くんですか?」

ペトラ「サシャは狩猟で生活してたのよね?」

サシャ「はぁ、そうですけど」

ペトラ「それなら、行くのは初めてじゃないかしら」

オルオ「今日行くのは、牧場だ」



マダム牧場

サシャ「ここ、マダムって……?」

ペトラ「トロスト・マムのマダムの牧場よ」

オルオ「自分の店で出すものは、全てここで育成している」

サシャ「……凄い人なんですねぇ」

ペトラ「ここにきたら、とりあえずソフトクリームよ!」

サシャ「クリームを舐めるんですか?」

オルオ「その様子じゃ、後で腰を抜かすぞ」フフン

売店

ペトラ「ソフトクリーム2つください」

オルオ「俺の分はどうした」

ペトラ「お粥の半熟卵の仇よ」

オルオ「まだ覚えてるのかよ、それ」チッ

ペトラ「はい、サシャ。溶ける前に食べてね」

サシャ「おぉおお、確かに柔らかいクリームみたいですね!」

ペトラ「一気に食べると頭痛くなるから、ちょっとずつ舐めるのよ」ペロ

サシャ「はい、頂きます」ペロ

サシャ(ひんやりと優しい冷たさです!そして後からやってくる甘さ!
    一気に全身に広がるような芳香と甘み、これがソフトクリーム!?)

サシャ「凄く、美味しいです。確かに腰が抜けちゃいそうですね……」

オルオ「お前がまだ、俺の域に達していないからだ」

ペトラ「オルオ、そのフレーズ気に入ってるの?気持ち悪いからね?」

サシャ「はぁ……この甘い匂いが凄いですね。全身甘ったるくなりそうです」

ペトラ「バニラの香りはケーキにも使われるけど、香りをここまで堪能できるのはソフトクリームだけよ」

サシャ「なんとも不思議ですね、雪とも違うし、冷たいのに柔らかくて、
    濃いミルクの味に、包み込まれる香りと甘さ。うっ、頭がっ!」キーン

ペトラ「あんまり急ぐからよ」フフフ

オルオ「このクリームが、クリームよりもクリーミーで、訳が分からなくなる」

サシャ「本当に、ソフトクリームとは良く言ったものですね」シミジミ

オルオ「くっちゃべってると、溶けるぞ」

サシャ「あわわわわ」ペロペロ



ペトラ「この牧場ね、リヴァイ兵長が連れてきてくれたの」

サシャ「へ?」

ペトラ「夕市に出たての頃、私とオルオって、酷い二つ名を付けられて、
    二度と市場には行かないって思ってたの」

オルオ「ある日、リヴァイ兵長に"休暇日を空けておけ"って言われてな」

ペトラ「有無を言わさずに、この牧場に連れて来られたのよ」

サシャ「そんなことが、あったんですか」

ペトラ「到着して、いきなりソフトクリームを渡されたのよ。"美味いぞ"って言って。
    うふふ、笑っちゃうでしょう?人類最強がソフトクリーム食べてるのよ?
    私、今でもあの光景を思い出すだけで、ご飯三杯はいけるわ」ハァハァ

サシャ「は、はぁ。でも、意外ですね。人類最強なんて呼ばれてるんで、
     もっと恐い人なのかと思ってました」

オルオ「素晴らしい人だ」

ペトラ「相談に乗るわけでも、お説教するわけでも無いし、ただ連れてきただけなの」

オルオ「ほぼ放置だった」

サシャ「何がしたかったんでしょうね?」

オルオ「分からん。俺たちの思慮の及ばないところだ」

ペトラ「リヴァイ兵長も、良く分からなかったんだと思うわ」ウフフ

サシャ「そんなもんでしょうか」

ペトラ「ソフトクリームは美味しかったしね。それだけなのかも」フフフフ

オルオ「リヴァイ兵長はだなぁ、もっと深い意味を」クドクド

ペトラ「オルオは放っておいて、あっちのハーブ園行きましょ?」

サシャ「は、はい」

オルオ「まてペトラ、話を聞け、置いていくな!」



夕方

サシャ「いやぁ、楽しかったです」

ペトラ「そう言ってもらえると嬉しいわ」

オルオ「当然だ、リヴァイ兵長の連れて来てくれた場所だからな」

サシャ「今日はありがとうございました」

ペトラ「何言ってるの?」

オルオ「何言ってるんだ?」

サシャ「え?」

ペトラ「今までは前菜。今日のメインディッシュは、これからよ」フッフッフ

オルオ「覚悟しておけ、腰じゃなくて、度肝を抜かれるぞ」フッフッフ

サシャ「??」



食事処 フラム・マム

サシャ「あの、何か、高そうなお店なんですけど」

オルオ「ガキが金の心配をするな」

サシャ「いえ、余計に心苦しいというか、その」

ペトラ「良いのよ。私たちも、リヴァイ兵長に同じことをしてもらったの」

オルオ「お前が、どこの兵団に行くか分からんが、いつか後輩が出来たら同じことをしろ」

ペトラ「それが今日の代金」

サシャ「……はい、ありがとうございます」

オルオ「メニューだけは、任せてもらうけどな」

ペトラ「このお店は、全部美味しいんだけれど、初めて来たなら注文は一択よ」

オルオ「この、"マダム牧場のせいろ蒸し"を3つ」

サシャ「せいろ、ですか?」

ペトラ「竹や木で編んである、蒸し器のことよ」

サシャ「蒸すっていうと、普通はマンジュウみたいなものだと思うんですけど」

ペトラ「ここのは、牧場で育てた、お肉と野菜を蒸すだけ」

オルオ「それ以外に何のひねりも無い」

ペトラ「着たわね」

サシャ「おっきいお鍋ですね」

オルオ「鍋は水が入ってるだけだ」

ペトラ「その上に、せいろを2段乗せるの」



シュウシュウ

サシャ「蒸気が出てきましたね」

ペトラ「蒸されると、せいろから木の香りがしてくるのよね」

オルオ「俺はもう、腹が減ってたまらん」グゥゥ

シュ---

ペトラ「もういいんじゃないかしら」

オルオ「ふた取るぞ」

カパッ

サシャ「おおおおおお!!!!!」

サシャ(綺麗に並んだ薄切りの豚肉ですね!
    ショーケースに並んだ宝石みたいにキラキラしてます!)

ペトラ「冷めないうちに、召し上がれ」

オルオ「ゴマだれか、味つきの酢を付けて食べろ」

サシャ「頂きます!」

サシャ(まずは、味つき酢の方から)

パクッ

サシャ(ふわっ!? ふわっふわですよ、このお肉!

    あぁ!お肉が!柔らかいのを通り越してます!蒸すだけでこんなになるんですか!?

    私が今まで食べてたお肉は、これに比べれば石みたいに硬いですね。

    それに、せいろで蒸されたから、木の香りが漂って、臭みなんてこれっぽっちもありません!)

サシャ(もう一口!)モグモグ

パクッ

サシャ(酢の酸味と味付けした塩気、それから仄かに漂う柑橘系の香り、それがお肉に絡み合って、

    味覚にビリビリと刺激を与えてくれます! お肉の旨味もビリビリと脳髄に直撃する!)

モグモグ

サシャ(……ゴマダレのほうも食べてみましょうかね)

パクッ

サシャ(ひぃいい!まろやかっ!まろやかの限界突破しとる!

    ゴマダレの香りと豚肉の甘みが組み合わさって、新次元の旨味や!

    同じお肉なのに、付けダレが違うだけで、こんなに異なる衝撃が!?

    たまらん!何で今までこれ食べてなかったんや!?嬉しいのに悔しい!)

ハフゥ

サシャ「私、もし豚に生まれ変わっても、このくらい美味しく食べてもらえるなら、後悔は無いです」シミジミ

ペトラ「ふふふっ、サシャって面白いこと言うのね」

オルオ「そのくらい美味いっていうのは、分かるけどな」フフン

サシャ「蒸されたときに余分な脂が、全部落ちたんですね。凄く、サッパリしてます」

オルオ「そうだ。だが、余分な脂じゃねえ。必要な脂だ」

サシャ「?」

ペトラ「オルオ、2段目開けて」

オルオ「ふふふ、驚けよ」

カパッ

サシャ「これは、野菜が下段に入れてあったんですか!?」

ペトラ「何も言うことは無いわ、食べてみて」

サシャ「はい」

サシャ(じゃあ、輪切りになった人参を…)

パクッ

ビカッ!

サシャ(!?!?)

サシャ(雷が!頭の中に、雷が!?)

サシャ(何が起きたか、分からんかった。これ、人参が、柔らかくて、甘い!
    土臭さなんて微塵もない!何で、人参なのに、こんなに旨味が!?)

オルオ「顔に出やすいな、お前」

ペトラ「上段にお肉が入れてあるからね。脂は下に落ちるのよ」

サシャ(そうや!脂がシャワーみたいに降り注いで、蒸されて!

    茹でると、どうしても中に閉じ込めてしまう臭みが一切無い!

    全て蒸気と一緒に外に出て行ってる!その代わりに、脂が染み込んで、

    前代未聞の甘みになっとる!)

サシャ「野菜って、こんなに美味しいんですね」ガクゼン

オルオ「元の味の170%くらいの美味さになっているな」

ペトラ「適当なこと言わないでよ、信じちゃうじゃない」

サシャ「何倍か分かりませんけど、知ってるはずなのに、未知の野菜の味です」

オルオ「冷めても美味いが、熱いほうが美味い。さっさと食え」

サシャ「はいっ、頂きます!」パクパク

ペトラ「ふふふっ、落ち着いてね」



サシャ「今日は、本当に、ありがとうございました!!」ペコーリ

ペトラ「そんなに、頭下げなくて良いから!」

オルオ「俺たちは、リヴァイ兵長から貰ったものを返しただけだ」

ペトラ「そうよ、だからサシャも、いつか誰かに返してね」

サシャ「それは勿論です!でも、それを差し引いても、
    食事でこんなに感激したのは初めてだったので!」

オルオ「安心しろよ、こんなに美味いものは、そうそう無い」

ペトラ「でも、サシャが元気になってよかったわ」

サシャ「済みません、色々、お気遣い頂いて……」

ペトラ「私ね、今でもリヴァイ兵長に連れて来て貰ったこと思い出すと、楽しくなっちゃうの。
    だから、サシャも今日のことを思い出して、楽しくなってもらえれば嬉しいな」

サシャ「それは、間違いなく」ニコリ

オルオ「良い顔だ。次の休暇日、久しぶりに夕市に行くか?」

サシャ「それは……」

ペトラ「オルオ、急ぎすぎよ」

サシャ「いえ、行ってみます」

ペトラ「無理しなくて良いのよ?」

サシャ「もう一度、自分で考えて見ます。今までは、逃げてただけですから」

オルオ「よし、それなら夕市に行く前に詰め所に顔を出せ」

サシャ「はいっ」

(つづく)

今日はここまで。

続きは1時間半後です。

夕市 "マリオ・トロスト"

オルオ「行くぞ」

サシャ「は、はい……」

ペトラ「辛かったら、言ってね?」

サシャ「ペトラ、お前は甘やかしすぎだ」

オルオ「お前の同期の奴らも来てるな、例の3人組だ」

サシャ「ミカサ、エレン、アルミン……」ズキッ

ペトラ「お弁当、見てきたら?」

サシャ「……はい」

サシャ(お弁当は二つ)

    "集え!全ての肉を愛する者共よ!揚げた肉は美味いぞ?トンカツ弁当"

    "あえて、語らないことで、より雄弁に語ることがある。
               今が、そうだ!   これが、それだ!  カツ丼弁当"

サシャ(トンカツに、カツ・ドン? カツ丼って、確か卵でとじた奴ですよね? 
     ただのカツが乗っかってるだけに見えましたけど、何か違うんでしょうか?)

サシャ(方向性は見失ってないのに、何がやりたいのか、サッパリ分からないですね)ムゥ

エレン 「サシャ!」

サシャ 「」ビクン

ミカサ 「もう、夕市には戻らないかと……」ジワァ

アルミン「夕市に、戻ってきてくれたのかい?」

ミカサ 「前のことなら、何も気にする必要は無い」

エレン 「俺たちは、サシャと一緒に弁当を食いたいんだ」

アルミン「その為には、あれくらいのことじゃ引き下がらないよ」

サシャ 「皆さん……」ウルウル

ハッ

サシャ 「いえ、まだ、分かりません。今日はとりあえず来ただけです」

エレン 「そうか……」

ミカサ 「私たちは、いつだって待っている」

サシャ 「はい、ありがとう、ございます」

キッツ 「ふん、恐怖に勝てない者が、何人増えようが変わらん」

アルミン「キッツ・ヴェールマン……隊長!」

キッツ 「"時限装置"いや、サシャ・ブラウスだったな」

サシャ 「……はい」

キッツ 「暫く見なかったものでな、調べさせてもらったぞ」

サシャ 「!」

キッツ 「ダウパー村出身の狩猟民族、そして故郷では」

サシャ 「それは…!」

キッツ 「全ての夕市で、実質的な出入り禁止だったそうだな」

サシャ 「……」

エレン 「そうなのか?」

アルミン「いや、だからと言って、今は違う!」

ミカサ 「過去の話は関係ない!」

キッツ 「本人がどうであるかは、関係ない」

サシャ 「まさか……アレは、やめてください!」

キッツ 「魂に染み付いた恐怖に、勝てるものはいない」


キッツ 『あぁ!!恐ろしい!!!"時限装置"がいる!!俺は退くぞ!』

アルミン「!?」
エレン 「?」
ミカサ 「?」

ザワザワ
「おい、"時限装置"が来てるらしいぞ」
「どうする? 最初から行くか?」

ガヤガヤ
「嫌だよ、おれは、食われたくない」

ザワザワ
「正気なうちに、弁当一つ獲らせて、帰ってもらおう」

ヒソヒソ
「そうだな、一つ弁当は減るが、仕方ない」

コソコソ
「はやく、どっかいっちゃえば良いのに」


バタン

キッツ 「ふん、半額神が来たようだ」スタスタ


アルミン「なんて、姑息な……!」

エレン 「何だ?何が起こったんだ?」

ミカサ 「周りの餓狼に、"大猪"の恐怖を思い出させた」

アルミン「恐怖した者は、戦うことを恐れて、獲物を差し出す。

      誰も、半額弁当を取りに行かない。最低の作戦だ。

      半額弁当を取りに行けば、妬み、僻み、あらゆる悪意の視線をぶつけられる」ギリリ 
 
エレン 「そんな弁当を取ったとしても、美味いわけが無いだろう!」

ミカサ 「それが、実質的な出入り禁止の正体」

エレン 「アルミン、どうするんだ?」

アルミン「一旦戻ろう、タイミングを見て場が動くはずだ」

ミカサ 「サシャ、無理にとは言わないけれど、私達は待ってる。
     それだけは、忘れないで」

スタスタ

サシャ 「あのぅ、私、やっぱり、帰っても、いいです、か……?」ハハハ

オルオ 「そうだな、お前が決めろ」

ペトラ 「……オルオ」

オルオ 「俺たちは誰かに命じられて、弁当を獲っているわけじゃない」

ペトラ 「それはそうだけど……」

ギィ

バタン

サシャ (半額になっても、誰も動かない……私がいるから……)ジワァ

オルオ 「俺は自分の決めた通りに動く、今までも、これからもだ」

サシャ 「それじゃあ、私、その」ヘヘヘ

オルオ 「サシャ、帰るのは自由だが、その前にこっちに来い」

サシャ 「? ……はい」

ペトラ 「オルオ……?」

オルオ 「ふんっ」ガスッ

サシャ 「ふぎゃっ」

ペトラ 「何してるの!?」

オルオ 「痛いか?」

サシャ 「いえ、それほど……」

オルオ 「だろうな。俺の拳がイカレそうだ」

ペトラ 「……?」

オルオ 「腹、減ってるんだろ。腹の虫の加護がハンパねえぞ」

サシャ 「……」ギュルルルル

ペトラ 「……ふふふ」

サシャ 「ペトラさん?」

ペトラ 「後輩が、お腹をすかせてるんですものね、一肌脱がなきゃ!」ウフフ

テクテク

ザワザワ
餓狼a 「なんだ? "双頭の鷲"の片割れだぞ」

スゥ

ペトラ 『お前らは、頭の中が空っぽの"髑髏兵"だ!』

ザワ……

ペトラ 『だが思い出せ!お前らの胃袋は誰の物だ!』

ザワザワ

ペトラ 『私の胃袋は、私だけの物だ!人に委ねたりは、しない!』

ザワザワ ザワザワ
  ザワザワ  ザワザワ

      オオカミ    ブタ
ペトラ 『餓狼は食え!家畜は死ね!』ビシッ

ザワザワ
ザワザワザワ ザワザワ

餓狼a 「何だ? どこを指差して……」

餓狼b 「おい、アレ……月桂冠じゃねえか!?」

ガヤガヤ
ザワザワ ザワザワザワ

サシャ (気づかなかった……あれは、カツ丼弁当?)

餓狼c 「おい、俺は行くぞ!大猪だろうと関係ねえ!」

餓狼d 「俺もだ!誰にも取らせねえ!」


ドドドドド

エレン 「アルミン、まだ待つのか?」ガクガク

アルミン「聞かないでくれよ、武者震いが止まらないんだ」ガクブル

ミカサ 「私も、今日は、二人を守れそうに無い、ふふふ」ブルブル

アルミン「二人とも、全力だ! 作戦は……無い!」

ドドドドドドドドドドドド
ドドドドドド

オルオ 「帰るというなら、これ以上は何も言わない。お前は、どうする?」

サシャ 「私は……」



サシャ 「私はっ……!」

サシャ 「私は、お腹が、減りましたっ!!」グゥゥゥゥウウウウウ

ペトラ 「サシャ!」

オルオ 「なら行け、サシャ!戦って、食え!」

サシャ 「はいっ!!」

キッツ 「恐怖に勝ったと言うのか……!?」

アルミン「違いますよ、キッツ隊長」

ミカサ 「私たちは」

エレン 「腹が、減っただけだ!」バキィ

キッツ 「ぐぬっ!」

アルミン「もう、誰も貴方の言うことは聞かない!恐怖に支配された骸骨ではなく、
      誇りを賭けた、餓狼なのだから!」

キッツ 「私が、恐怖だけで、弁当を取っていたと思わぬことだな!」ブォン

アルミン「ぐっ」グラァ

キッツ 「"時限装置"は空腹だ! じきに"大猪"になる!」

アルミン「だからどうした!」

キッツ 「恐怖がなくても変わらぬということだ!」ガシン

アルミン「ぐふ!」

エレン 「アルミン!」

キッツ 「貴様も潰してくれる!」



サシャ 「パァン?」

エレン 「!」

ミカサ 「!」

キッツ 「フハハハ、矢張りだ。懲りずに大猪になったぞ!元の木阿弥だ!
      さぁ、止めるなら早くしろ!」

アルミン「エレン……」グググ

エレン 「アルミン!無事か!?」

アルミン「いや、もうダメだ。
      特訓中で、名前も無いけど、アレをやってくれ」

エレン 「アルミン……」

エレン 「………お前の作戦、確かに受け取った!」

キッツ 「小賢しい、また何か企んでいるのか!?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アルミン「名前は、大事だよ!?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

エレン 「そうだったな、アルミン」

キッツ 「何をしようと、その前に潰してくれる!」

エレン 「これは、オレの、親友が遺した、最後の力だ!!」

      アルレルト
     "賢者の意思"ッッ!!!


カッ

キッツ 「ぐぅうう」

エレン 『うおおぉぉぉぉお!!!』

キッツ 「全身が、変身したの、か……?」

エレン 『ウォォォオォオ』

キッツ 「ただの暴走か。代わり映えの無い」フンッ

エレン 「どうかな?」バゴッ

キッツ 「なっ!?」

エレン 「全身が変身しても、意思を保っていられるんだ!」

キッツ 「そんなものを……!」

エレン 「ただ、15秒しか持たないからな!終わらせてもらうぞ!」

ガツン

キッツ 「ならば、耐えるのみ!」グッ

エレン 「うおおおお」ガシッ

キッツ 「うう!」ググッ

エレン 「だあああああ」ズバシ

キッツ 「ぐうううううう!」グググッ

エレン 「う……」バタン

キッツ 「はぁ、私の忍耐勝ちだな」

サシャ 「少し、気が早いんじゃないですか?」

キッツ 「貴様……!?」

サシャ 「エレンの声が聞こえました。アルミンの声も。
      ペトラさんと、オルオさんも、みんなの声が」

サシャ 「空腹なのに、こんなに穏やかな気持ちになったのは初めてです」

キッツ 「貴様……貴様は何者だ!?」

サシャ 「とっくにご存知なんでしょう?
     私は、弁当を取るためにダウパー村からやってきた少数民族…」

サシャ 「激しい空腹を持ちながら、穏やかな心に目覚めた狩猟民族……」

     超サシャです!」ドヤァ

キッツ 「何が超だ!ただ、正気になっただけだろう!」

ガガガッ

サシャ 「今、何か、しましたか?」

キッツ 「え……?」

サシャ 「少し寝ててください」ヒュッ

キッツ 「」カクン

サシャ 「ふぅ、お腹空きすぎて、倒れそうですよ」

サシャ 「でも私、初めて、大猪でなく自分で、お弁当を取れました」ポロポロ

ミカサ 「おめでとう、サシャ」ゲット

サシャ 「え、ミカサ?」

ミカサ 「そっちはオトコノコの世界だったので、何となく出番がなかったから、
     無名の餓狼を蹴散らしていた」

サシャ 「そういえば、ミカサの声だけ聞こえませんでしたね」ハハハ

ミカサ 「サシャに伝言、調査兵団の人たちから」

サシャ 「あ、ペトラさんとオルオさん……!?」

ミカサ 「"俺たちはうどんを食べに行くから、お前は仲間と弁当を食え"」

サシャ 「オルオさん……」ウウウ

ミカサ 「"今度は、私たちとお弁当を食べましょう"」

サシャ 「ペトラさん……」グスグス

ミカサ 「二人とも、サシャが参加してすぐに出て行ってしまった。
     お弁当を取るかも分からないのに。貴方を信じていた」

サシャ 「ぅぅううう、ミカサぁああああ」ボロボロ

ミカサ 「サシャは良い子」ヨシヨシ

エレン 「取り込み中悪いけどよ、腹減ったから帰ろうぜ」

アルミン「今はまずいよ、エレン。良いところなんだから」

ミカサ 「エレンは、もう少し空気を読む能力を持つべき」ムゥ

サシャ 「いいですよ、ミカサ。私たちも帰りましょう!」ウフフフ

訓練兵団 食堂

ミカサ 「サシャとエレンとアルミンに、カツを一切れずつあげよう」

エレン 「ありがとな」

アルミン「ありがとうミカサ」

サシャ 「頂きます、ミカサ」

サシャ 「それでは、頂きます」

サシャ (まずは、ミカサに頂いたカツから)

ザク

サシャ (カラっと揚ったカツ衣の歯ごたえが堪らないですね!

     外はザクザクの食感なのに、中は柔らかくて……?)


エレン 「随分、柔らかい肉だな、これ」

アルミン「違うよ、エレン。これは」

サシャ 「薄く切ったモモ肉を、何枚も重ねて1枚の肉にしてあります」フルフル

ミカサ 「本来は薄い肉だから、肉が柔らかく、火も通りやすい」ザクザク

アルミン「これは、料理人の知恵だね」

サシャ 「うーん、驚きましたけど、これは良いですねぇ」

ミカサ 「肉が冷えても、硬くならない」ザク

エレン 「旨ければ何でも良いや」ザクザク


モグモグ

サシャ (肉の間から流れ出る脂と、フルーティなソースが舌の上にこぼれてきて

     後から後から涎が止まらないですね!

     衣の食感に、肉とソースの甘み。完璧な取り合わせです!)


エレン 「美味いなー。この黄色いのはマスタードか?」

アルミン「これは、ワカラシっていうマスタードの仲間だね」

サシャ 「ちょっとだけ、つけてみましょうか」

チョイチョイ

ザク

サシャ (!!!)スパーン

サシャ (目から星が出るかと思いました!)ジワァ

サシャ (でも、この疾走感のある辛味は癖になりますね!)

サシャ 「も、もうちょっと、多めに付けましょうかね」フヒヒヒ

ヌリヌリ

ザクリ

サシャ 「っはッーーー!!??」

アルミン「!?」ビクン
エレン 「!?」ビクッ
ミカサ 「?」

サシャ (ちょっと付け過ぎましたけど、このソースとワカラシのコンビネーションが

     私の食欲を挑発して止まないです!)ザクザク

サシャ (肉、ソース、カラシ! この組み合わせが完璧すぎます!)パクパク

サシャ (口の中でパーティーが開かれてるみたいに、色々な味が踊り狂ってますよ!

     これは、美味しい味じゃないです!旨い味!人を惹き付けて止まない旨味です!)

ザクザクザクザク

エレン 「おれも、ワカラシ、付けてみようかな」

ミカサ 「エレンがつけるなら、私も」

アルミン「それじゃあ、僕も」


ハッーーーー!!??

アルミン「辛いけど、美味しいね。涙出てきた」ジワァ

エレン 「鼻から突き抜ける!」ジワァ

ミカサ 「美味しい」モグモグ


フゥ

サシャ 「カツ丼に、いきます」

サシャ (見た目は、さっきのカツがご飯の上に乗って、タレが掛かっただけなんですけどね)

サク

サシャ (柔らかい!さっきのカツとは揚げ方からして違います!

     さっきは堅い衣の歯ごたえが良い食感でしたけど、これは甘噛みするだけで

     簡単に噛み切れるくらいの柔らかさです。衣も薄くて軽いですね!)

サシャ (多分、下ごしらえで予め煮込んだ豚肉に……)

サシャ 「!?」ガタン

ミカサ 「?」

エレン 「どうしたんだ、サシャ?」

アルミン「舌でも噛んだの?」

サシャ 「このお肉、チャーシューや。チャーシューを揚げとる!」ワナワナ

ミカサ 「!」
エレン 「!」
アルミン「!」

サシャ (柔らかいチャーシューに衣を着けとるから、口に入れた瞬間にほろほろに崩れる!

     甘辛のタレは、サクサクの衣にもチャーシューのお肉にも良く合う!

     付け合せの半熟卵!これをカツに絡めると、黄身のねっとりとした甘みがカツを包み込んで、

     さらにカツの旨味を増強させるわ!)

フ、フフフ

サシャ (あぁ、酷い。全く酷い!何て仕打ちや!)

フフフフフ

サシャ (顔がにやけるのが止まらん!)エヘヘヘ

ミカサ 「サシャ、貴方は私たちにも、それを分けるべき」ソワソワ

エレン 「一切れでいいから!」ソワソワ

アルミン「ぼ、僕も!」

サシャ 「うふふ、いいですよぉ」ニヘラニヘラ

エレン 「美味めぇえぇ!何だこれ!?」

ミカサ 「今までに無い組み合わせの味。これは美味しい」

アルミン「顔の筋肉が緩んでしまうね」エヘヘ

サシャ (出来立ての、温かいときも美味しいんでしょうけれど、これはむしろ

     冷めて温度が下がったほうが、味の真価を発揮するんじゃないでしょうか。

     チャーシューに染み込んだ深みが、じんわりと染み出てくるようですね!)

サシャ (付け合せの千切りキャベツ!脂っぽさとタレの甘辛を流しさってくれます!

     はぁ、せいろ蒸しは、上品な美味しさでしたけど、これは大衆の味です!

     元気の出る美味しさ、庶民の味ですね!あぁ、大好きですよ!」

ミカサ 「私も、サシャのことは大好き」

アルミン「僕もだよ」

エレン 「俺もだ」

サシャ 「え、もしかして声に出てました?」

ミカサ 「鮮明に」

サシャ 「違うんですよ。いえ、違わないんですけど、今のは違うというか」

ミカサ 「分かってる」フフフ

サシャ 「もう、からかわないでくださいよ!」ウフフフフ

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キッツ・ヴェールマン
 予想できないもの、理解できないものが恐いと、強く思う。
 次からは、そういうものは徹底的に排除することを決意する。

-------------------------------------------------
マルコ・ボット
 無事に退院した。薬も抜けたので、幻覚も見ないはずだ。

コニー・スプリンガー
 食べてみたら、意外と納豆がイケたので、毎日食べている。
 そのせいか分からないが、最近体の調子が良い。
 今度、マルコにも薦めてみようと考えている。

-------------------------------------------------
ペトラ・ラル
 うどんを食べに行ったら、リヴァイ兵長が先にいて、
 一緒の席に呼んでもらえたので、ご満悦。

オルオ・ボザド
 尊敬する人がいる。あんな風になりたいと思う。
 守るものがあれば、少し近づけるのではないかと、
 最近ふと思った。
-------------------------------------------------

(おわり)

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