希「ここが、うちの探偵事務所や!」真姫「それを言うなら私たちの、でしょ?」 (1000)

真姫「ここは音楽が鳴り止まぬ街、音都。おんと、と書いて音都ね。おっとっとじゃないから」

希「んで、うちらが今いるここが、東條西木野☆探偵事務所!うちと真姫ちゃんが経営する探偵事務所なの!」

凛「ちょっとちょっとー!ハブられるなんて凛聞いてないよ!っていうか凛が所長なんだからね!」

希「え…、うちの助手や思ってたわ…」

真姫「スレタイも長すぎで凛のセリフ入れられなかったし…」

凛「ヒドいにゃー!いや、そもそも元はここ『星空☆探偵事務所』って名前だったのに二人が勝手に書き換えたんだにゃ…」

希「もともとは凛ちゃんのお父さんが経営してた事務所やってんけど…、まぁ色々あって今はうちらが引き継いでんのよ」

真姫「で、ここで何をしているかというと…、街の人たちからの様々な依頼を解決して、生計を立ててる、ってところね」

希「でね…、ただの依頼だけやったらいいんやけど、そうはいかないんよ。それは…」

凛「最近街に現れるようになった怪物、だよね。それによりたくさんの人が怪我をして困ってる…」

真姫「警察は対応する部署が存在しないとかほざいて言い逃れる無能野郎ばっかりだから仕方なくうちに依頼が来ちゃうのよね。困ったものだわ」

希「うちらも突っぱねるわけには行かないからなんとか駆使して解決を目指してる!ってわけやー」

凛「うん…、で、世界観説明はこんなもんでいいかな。ここからはメタな話に移るにゃ」

凛「まぁ…、気づいた人は気づいただろうけど…、とある作品のパロディにゃ」

真姫「もちろん変身もしちゃうんだから。ふふふ、どうなるかはお楽しみにね」

希「で、まず最も言っておくべきことは…、この世界のうちらはアイドル全くしてない、ってことやね」

凛「もはや兼任でもなんでもなくただラブライブ!のキャラクターを使っただけの全く別の世界観のお話、ってことにゃ」

真姫「ついでにキャラ数稼ぐために名前が同じで苗字だけ違う子が何人も出てくるかもしれないわね」

凛「そこんとこご了承していただきたいにゃ」

希「で、一応一話完結の安価SSにするつもりやけど、いい感じのお話が途中で思いついたり思いのほか話が思いつかなかった時はその限りでもないよ」

希「そんでもって一応大筋のストーリーも存在してるんよ。まだなんにも考えてないけど」

凛「書いてるうちに思いつくだろ、っていういつもの見切り発車パティーンにゃ」

真姫「その性質上安価に縛りを付けることが多くなるかもしれないからそれも承知して欲しいわね」

希「んっと…、こんなもんかな?」

凛「まだ何かあったら後々書き足していくにゃ!それじゃ始めるにゃー!」

真姫「これで決まりね!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398434859

第一話「Mの旋律 / アイドル?なにそれおいしいの?」



東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…っと、サブタイトルを付けてみたはいいものの安価SSだから具体的な題名は付けづらいわよね…」

凛「…真姫ちゃん」

真姫「それに音楽が鳴り止まぬ街、って設定もどちらかというとスイ○リに近いし。同じニチアサだからってそれはどうかと思うわ」

希「…真姫ちゃん」

真姫「…なによ、なにか文句でも?」

凛「もう、始まってるにゃ…。メタなことは言わないで」

真姫「あっ…」

真姫「ゾクゾクするわね」 希「苦し紛れのキャラ付けやね」


-カット-


希「ふぅ…、今日もたくさんの依頼が舞い込んできて大変やね」

真姫「手紙やメールでの依頼が多いけど、時々直接頼みに来る人もいるわね」

希「そういう人は大体結構大事なことを依頼しに来ることが多いね。で、今日の依頼は…」

真姫「えーっと…、ペットの犬探し、ペットのネコ探し、それからペットのカメ探し、だったわね」

凛「そしてその全てを凛がやってるっていうね。お前ら仕事しろにゃ」

希「えー、ええやんっ。凛ちゃん一番探し物得意なんやしー」

凛「だからって任せっきりはひどすぎるにゃ…。所長なのにこの扱いだよ…」

凛「二人もちょっとは手伝うべきだにゃ!」

希「えー、そんなショボイ依頼で事務所空けて大口の依頼が舞い込んできたときどうすんの。うちはまだ見ぬドデカイ依頼を待つのに忙しいんよ」

凛「大事な依頼に対してショボイはあまりにも失言が過ぎると思うんですけど…」

真姫「私は…、まぁ、あんまり外出て探し物するタイプじゃないし。情報収集メインよ、私は」

凛「う…、それはまぁ、確かに…。真姫ちゃんの『音楽室』には助けられっぱなしだしね…」

希「そんなわけでそーいった仕事は凛ちゃんにピッタリなんやー。ネコな凛ちゃんがネコ探す…、ぷぷぷ…、お似合いやん」

凛「うおぉ…、ブン殴りてぇにゃ…」

ピロンッ♪

希「ん?あ、メール来た。お、どうやら新しい依頼やで」

真姫「お、本当?次はどんな依頼かしら」

凛「どうせまたペット探しなんだにゃ…、そんでもってこき使われるだけ使われてあとはボロ雑巾のように…」

真姫「凛うるさい」 凛「はい」

希「あ、これ…、このメールの差出人…」

真姫「知ってる人?」

希「うん、うちの昔の知り合いで…、>>3っていう子…」

にこ

希「うちの昔の知り合いで…、にこ、っていう子…」

凛「にこ…?変な名前だにゃー」

真姫「そう?可愛らしくていい名前だと思うわ」

希「昔同じ学校に通ってた仲で、結構深い友達づきあいもしてたんやけど…、最近会ってなかったんよね」

希「そんなにこっちが一体なんの…、しかもただのメールやなくて依頼、やなんて…」

凛「で?結局依頼内容は何なんだにゃ?」

希「あ、はいはい…、今読むね。…ふむふむ」

真姫「なんて書いてあったの?」

希「どうやら…、探し物、みたいやね」

凛「やっぱりか…、はぁ…、憂鬱、だにゃ…」

希「…凛ちゃん。心配いらんよ。今回は…、うちが行く」

凛「へ?」

真姫「あら、珍しいわね。どういう風の吹き回し…、あ、これ元ネタで使われてそうな言い回しだわ」

凛「どうでもいいにゃ」

希「うん…、今回の探し物、っていうのがね…、ペットじゃなくって…」

希「どうやら…、恋人、らしいの」

真姫「へぇ…」

凛「こ、恋人…?な、なんて名前の何してる人なの…?」

希「うん…。にこっちの恋人の名前は>>6、で>>8に勤めてるらしいの」

草加雅人

スマートブレイン社

希「にこっちの恋人の名前は、草加雅人…、そんでスマートブレイン社に勤めてるらしいの」

凛「な、なんか性格悪そうな名前にゃー…」

真姫「人を名前で判断しちゃいけないと思うわ」

凛「っていうか、スマートブレイン、って何…。何する会社なんだにゃ…」

真姫「私みたいな聡明な頭脳を持つ人間を発掘してるんでしょうね」 凛「はぁ…」

希「ま、そんなわけやから行ってくるね」

真姫「ん、行ってらっしゃい。私は作曲でもして待ってるわね」

凛「あ、凛も行くにゃ!」

希「ん、おっけー」



喫茶『魔法の音』 店内


希「確かここで待ち合わせ、って話やったね…、どこやろ…」

凛「そのにこって人は希ちゃんの同級生?」

希「うん、せやよ」

凛「じゃあ大人っぽい人なんだね!」

希「あ、いた!あれやあれ!」



にこ「…久しぶり」

希「ん、久しぶりやね」

凛「…え」

希「…どうしたん?」

凛「ほ、本当に…、同級生なの…?」

にこ「何この子…、何が言いたいの」

凛(ちっちゃ…、凛より年下じゃないの…?)

希「まーまー、気にせんでええよ。この子はうちの助手やから」

凛「所長だよ!」

にこ「…まぁいいわ。とりあえず、座って」


希「…そんで、恋人を探してる、って話やけど…、行方不明なの?」

にこ「うん…、連絡が取れなくて…。今、何してるかも…」

凛「あ!何してるかで気になってたんだけど、その恋人の草加さんの勤めてるスマブレって何してる会社なんですか!?」

希「なんか知ってる風な略し方やけれど…」

にこ「…スマートブレインは>>10してる会社よ」

何の肉かわからない缶詰を作ってる

にこ「スマートブレインはなんの肉かわからない缶詰を作ってる会社よ」

凛「な、なんだそりゃぁ…」

希「それ大丈夫な会社なん…?」

にこ「別に…、あんたも結構食べてると思うけど。ほら、カップ○ードルに入ってるお肉とかそれよ」

凛「マジで!?」

にこ「マジで」

にこ「…っていうかそんなのどうでもいいでしょ!今は…、彼の行方が知りたいのよ」

希「なにか…、手がかりになるもん、ないん?」

にこ「…これが、写真。見覚えは…、ないでしょうけど」

希「うん、確かにないけど…。うわ、結構イケメンやん。にこっちには勿体無いくらい」

凛「うわぁ…、やっぱり性格悪そうな顔…」

にこ「うるせぇ。性格は…、いい人よ、彼。本当、勿体無いくらいだわ」

希「ふぅん…、手がかりはこれだけ?」

にこ「申し訳ないけど…、これくらいしかないわ」

希「わかった。これで当たってみるね」

凛「もう、行くにゃ?」

希「うぅん、今度はにこっちのこと、聞いてみるわ。にこっちは最近何してるん?」

にこ「にこ?にこは…、まぁ、普通よ。普通に就職して、普通に恋して…」

にこ「…むしろあんたの方が驚きだわ。まさか探偵なんてやってるなんてね」

希「んふ、結構評判ええんよ?音の都のハードボイルド探偵、なんて呼ばれて」

凛「ハーフボイルドの間違いじゃないの?って真姫ちゃんには毎回突っ込まれてるけどね」

希「うっさいな、ここで言わんでもええやん。あ、就職って言ってたけど…、どこに?」

にこ「別に…、どこだっていいじゃない。なにか関係ある?」

希「あ、イヤ…、ただの世間話やけど…」

凛「なんかさっきから感じ悪いね…」ヒソヒソ

希「…まぁ、恋人がいなくなったんやもん。イライラするんは仕方ないよ…」ヒソヒソ

にこ「…はぁ、もう、いい?早く、見つけて欲しいのよ…、お願い」

希「あ、うん…、じゃあ最後に…」

希「にこっちって>>13なん?」

ファンガイア

希「にこっちってファンガイアなん?」

にこ「ふぁん…、がいあ…?なにそれ?」

希「…いや、わからんかったらええんやけど…」

凛「あ、あれでしょ?円谷プロの1998年に放送された…」

にこ「それウルトラマンガイアでしょ。っていうかあんた何歳よ、中学生のくせにそれ知ってるなんて」

凛「凛は20歳だよ!っていうかそっちのほうがちみっちょく見えるにゃ!」

にこ「な、なんですってぇ…!!」

希「ま、まぁまぁ…、あんま変わらへんって二人共…」

にこりん「「そんなことない!」」

希(むしろにこっちは変わらないくらい変わってへんな…、見た目)

希(だから他人の生命エネルギーでも吸ってるんか思ったけど…、ネタがマイナーすぎた?)

希「んじゃ、うちは依頼、こなしてくるね。凛ちゃん、行くよ?」

凛「にゃー」

希「見つけたらまた連絡するね。ほなね、にこっち」

にこ「…えぇ」


にこ「…頼んだわよ。希…」



凛「それで…、何するんだにゃ?」

希「もちろん、探偵の基本は聞き込みや。誰彼構わずこの写真の人見ませんでしたか作戦やよ」

凛「凛と変わんねぇにゃ…」

希「ま、誰だって似たようなもんやから、ね」

凛「じゃあまずどこに行くにゃ?」

希「せやなぁ…、だったら…>>15に行ってみよか」

ナニかイイことがあったのさ革ジャン着てにやにやしてる穂乃果がいるフルーツパーラー

フルーツパーラー『ソングオブフォーユー』


凛「こんなとこにあんな厳ついお兄ちゃんが来るもんかにゃ?」

希「人気なお店には人が集まるからね。それに…、ここに来たのにはもう一つ意味があるし」

凛「にゃ?」


穂乃果「もぐもぐ…、いやー今日もフルーツがうまいっ!」

凛「…誰にゃ?」

希「情報屋さんよ。怪しさマックスやけど」

凛「男物の革ジャンでフルーツパーラーにいるお姉さんとか違和感しかねぇにゃ…」

穂乃果「んー?あ、希ちゃんだ!えへへー、どったのー?」

希「欲しい情報があってね。この人、今どこにいるか…、知ってる?」

穂乃果「んー…?ごめんね、穂乃果男の人には興味なくて…」

凛「…マジ?」

穂乃果「んふふ、冗談だよっ♪そんなのじゃ情報屋やってけないよ!」

凛「そ、そうだよね…」

穂乃果「あ、キミかわいい顔してるね!名前は?年齢は?趣味は?好きな同性のタイプは?」

凛「うわぁ…」

希「今はいいから…、で?この人のことはどうなの?」

穂乃果「うーん…、どこにいるかまではわかんないなぁ…」

希「…そう」

穂乃果「でもでも!奥さん、ちょっと耳寄りな情報ならありまするよ…、くっふっふ…」

希「耳寄り?」

凛「え…、希ちゃんって結婚してたの…?」

希「いやしてないから…。耳寄りな情報っていうのは?」

穂乃果「えへへ、タダじゃあ教えられないね!それなりの対価が必要です!」

希「また、無茶ぶり…?」

凛「むちゃぶり…?な、なんの話…?」

希「…この子、変わった情報屋でね。気に入った子にならタダで情報渡すんやけど、代わりに…」

穂乃果「ちょーっと恥ずかしいことを往来の場でやってもらって気持ちよくなっちゃうお上品な趣味のお姉さんだよ!」

凛「クソすぎでしょ…」

希「それで…?今日は何すればええんかな…?」

穂乃果「んふふ…、今日は希ちゃんだけがターゲットじゃないよ!キミも!」

凛「ふぇ!?凛も!?」

穂乃果「うん、凛ちゃんにもやってもらうかも…?どうしようかなー…」

穂乃果「よし、決めた!>>17(希or凛or両方)ちゃん!今この場で>>19(法に触れそうなのはナシで)しなさい!」

相変わらずスレ立て直後は人少ないにゃ
安価なら上

ほっぺにちゅー

穂乃果「凛ちゃん!この場で穂乃果のほっぺにちゅーしなさい!」

凛「う、うわぁぁぁぁ…、やっぱソッチ系の人だったにゃー…」

希「ちゃうちゃう。そういうことやって喜んでるだけやからこの子」

穂乃果「ほらほら~、早くしないとド忘れしちゃうかも~?」

凛「ぐ、ぬぬ…、本当に、や、やらなきゃ…、ダメ…?」

穂乃果「ダメ」

凛「希、ちゃ…!たすけ…」

希「依頼人のためやと思って、ね?」

凛「ぐふっ…、そう言われると…」

穂乃果「さ、どうぞ?」

凛「く、くぅ~…、えぇいっ…、ままよっ!んちゅっ…」

穂乃果「やはー…、いただきましたっ!慣れてない子の新鮮な反応、いやこれまた最高ですね!」

希「ほら、さっさと情報。忘れないうちにね」

凛「う、うぅ…、ちょっとくらい勞ってくれてもいいんじゃないかにゃ…」

穂乃果「うん、おっけー。この人なんだけど…、『購入者』、だね」

凛「…『購入者』…?あ、もしかして…!」

希「…ガイア、メモリ…」

穂乃果「そのとおりっ!使用者を特別な力を持つ異形の超人『ドーパント』に変化させる不思議なアイテム、それが~?」

穂乃果「そう、ガイアメモリなんですっ!いやぁ、この人は見事にやっちゃってますね。もう顔からして」

凛「え、顔で判断…?まぁ確かに悪そうだけど…」

希「いや、不確かな情報を渡すような子じゃないから安心して。彼は間違いなく、ガイアメモリの購入者やね」

穂乃果「そう。なんのメモリかまではわかってないけど…、探すんならお気をつけてね?」

穂乃果「最近街で起こってる器物損壊事件…、あれ、この人の仕業かも…?」

希「…また厄介やね、それは…。…ありがとう。また何かあったら頼らせてもらうね?」

穂乃果「へへんっ、毎度有りっ!じゃーねー」



凛「どうするにゃ…。この人…、ドーパントなんでしょ…?」

希「せや、ね…。大変やね。これは…。思ってたより…」

希「でも、だからこそうちでないと解決できない事件やし、ね」

凛「…うち、じゃない。私たち、でしょ?…、って、真姫ちゃんが言いそうだにゃ」

希「…せやね。よし!もう少し聞き込みを続けよ!」

凛「うんっ!」

数時間後…


希「…なるほど、だいたい情報は集まった…」

凛「この人が最近の器物損壊事件の犯人だとしたら…、その事件も同時に追っていけば、いつか見つかる…、ってことだね」

希「そ。で…、その事件では大概自動販売機が破壊されてたんやったっけ?」

凛「うん…。しかも、凛がよくお世話になってるラーメンの自販機にゃ!ぐぬぬ…、悔しいにゃ…!」

希「そしてもう一つ…、今度は工場が複数襲撃される…。こっちにもラーメン工場があったね」

凛「なんなの!?犯人はラーメンに恨みでもあるの!?」

希「それと似たようなのかも…。でも、襲われたんはラーメンだけじゃない。ほかの食品工場もいくつか…」

凛「ん~…?だったら犯人は食べ物全般に恨みが…?」

希「それどんな人よ…。でも、そうだとしても色々と引っかかる…。もっと食べ物を扱う場所だっていくらでも…」

凛「やっぱこういうのは真姫ちゃんに調べてもらうのが早いにゃー…」

希「せやね…。頭のいい子は使っていかないと、ね」ピポパ

希「…、あ、もしもし、真姫ちゃん?どうやら今回の依頼、ドーパント絡みかもわからんって」


真姫『…へぇ、ムラムラするわね。村上だけに』


希「…だれ?」

真姫『何でもないわ。それで?何か要件があってかけてきたんでしょ?』

希「うん、それで、犯人の能力が知りたくて…」

希「…あ、やっぱいいわ」

真姫『ん?なんでやめるの?真姫ちゃんの聡明な頭脳なら一瞬で答えが導き出せたのだけれど』

希「目の前にご本人がいらっしゃるから、やっ…!!」



???「…ぐ、グルル…!!」



希「…ガイアメモリの正体は…」


希「>>23や」 真姫『>>24ね』


※双方とも英単語の名詞(カタカナ)

※コンマ以下大きかったほうが正しいってことで

ハングリー

ハングリー

希「…ガイアメモリの正体は…」

希「ハングリーや」 真姫『ハングル…、ハングリーね』


希「…なんか聞こえた気がしないでもないけどそんな感じ!」

凛「は、ハングリー、ってなによ!?」

希「多分…、なんでも食べちゃうような能力を持ってるんやと思う…!」

凛「曖昧なのに決めつけちゃうんだね…」


ハングリードーパント「グガァァッ!!」


希「ほら、ちゃんと名前欄にもそう書いて…」

凛「メタな判明方法だにゃ、おい!」

希「って言ってる場合やない…。なんか来るよっ…!?」


ハングリードーパント「ゴックン!!プットッティラーノヒッサーッツ!!」

ドガァァァァァッ!!


希「うぎゃぁぁっ!!」ダダッ



ハングリードーパント「…」スタスタ…



希「ふ、ふぅ…、なんとか逃げられたけど…、なんなん?さっきの…」

凛「何か食べるのかと思いきや口から光線吐いてやがったにゃ…」

希「こちらも思ったより厄介やね…。あ、凛ちゃんのおしり破れてる」

凛「え、嘘ぉっ!?あ、ホントだにゃ…」

希「さっきの光線で持ってかれたんやね…」

凛「ど、どうやって帰ればいいんだにゃ…」

東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「ふんふふん~…♪ん、できた。これで1487曲目…。さて、次は…」


凛「た、ただいまにゃ…」


真姫「あ、おかえり…、何その格好」

凛「お、おしりの部分が破けて…、仕方なくこうして…」

希「口じゃ説明できないけどけったいな格好やね」

真姫「面白いわ。凛、その格好でしばらくいてちょうだい。新しい曲のアイデアが…」

凛「や、やめて…。モーツァルトのアレみたいな曲は勘弁にゃ…」

希「それより真姫ちゃん。…調べて欲しいこと、あるんよ」

真姫「ん?何かしら」

希「…おそらくあのドーパントは、草加雅人と見て間違いない。だから…」

希「彼が、次に襲う場所。それが知りたいの」

凛「あ、それが分かればそこが襲われる前にそこへ行って事件を未然に防げる!ってことだね」

希「ついでに、草加さんにも会える、ってこと。それじゃ、お願いね」

真姫「…了解したわ。じゃ、今から『音楽室』に入るから。余計な音は立てないでね?」

凛「う、うん…。わかったにゃ」

真姫「…」


凛「…それにしても、いつ見ても不思議だよね…。真姫ちゃんの『音楽室』…」

希「真姫ちゃんの中にはこの世界のありとあらゆることをメロディに乗せた『楽譜』が存在する…」

希「だけど、それら全てを真姫ちゃんが理解しているわけじゃない…。一度心の中の『音楽室』に入り、複数のキーワードによって譜面を探し出す必要がある…」

凛「…まぁつまるところ地球の本棚の丸パクリなんだけどね」

希「それを言ったら元も子もないやん…」


真姫「…メモリは、ハングリーね…。ふんふん…、あまり聴き応えのなさそうな譜面ばっかりね…。見つかるといいけど」


希「準備はいい?…一つ目のキーワードは…、『草加雅人』」

真姫「…あら、一気に減った…」

希「まぁ…、人名やしね。そして二つ目…、『食品工場』」

真姫「…うん、オッケー…。まだ特定は難しそう…」

希「すかさず三つ目…、『カップラーメン』」

真姫「だいぶ減ったけど…、まだあるわね」

希「じゃあ最後…、最後のキーワードは…、『スマートブレイン』。草加さんが勤めてる会社やね」

真姫「…見つけた…。これは…、へぇ…、粗末な曲だけど…、うん、こういうの嫌いじゃないわね」

凛「ど、どうなの…?見つかったにゃ…?」

真姫「…えぇ、理解できたわ。彼が襲撃していた工場やカップラーメンの自販機。それらには全てスマートブレイン製の謎肉が使用されていたの」

真姫「そして…、この街でスマブレ製の謎肉を使用している工場はもうすでに他にはない…。残っているのはただ一つ…」

希「カップラーメン…、いや、日○カップ○ードルの自販機、やね。場所は…?」

真姫「場所は…、音里台二丁目駅前…、そこの自販機よ」

希「おっけー!行ってくるね!」

真姫「ふぅ…、じゃ、私は作曲に戻ろうかしら」

凛「あれ、真姫ちゃんは行かないんだっけ…?」

真姫「ん?行くわよ」

真姫「だって私たちは、二人で一人の探偵…、いえ、アイドルだもの」

凛「…相変わらず意味がわからんにゃ」



東條西木野☆探偵事務所前


希「よし…、やっぱりこういう作品にはバイクは必要不可欠やからね!バイクに乗っていくよ!」


にこ「あ、希…?」

希「ん?にこっち…、ふふ、行ってくるよ!」

にこ「う、うん…」


ブロロロロロ…


にこ「…」



音里台二丁目駅前


希「…着いた。さて…、草加さんは…?」チラッ、チラッ…



??「…うまそうだなぁ…、じゅるりっ…」



希「…あ、いた。相変わらず悪そうな…、ゲフンゲフンッ…、っていうか自販機ガン見してるし…」

希「あのー…、草加雅人さん…?ですよね?」

草加「…なんなのかなぁ、君は…。君も俺の食事を邪魔する気かい…?」

希「え…、あ、いや…、そんなつもりは…」

草加「…ん?よく見たらキミ…、なかなかうまそうじゃないか…。じゅるりっ…」

希「えぇっ…!?いや、うちそんな…、ごめんなさい…」

草加「ぐ…、なんだよ…!邪魔なんだよ…、俺に食べられない奴は全て…!!」スッ

希「あ、それは…!!」

草加「変身!!」\ハングリー!!/

希「え、それ主役より先言うの…?」


ハングリードーパント「グガァァァッ!!」


ウワーバケモノダーハイダラーラリルレカジダー


希「…しゃあないな。なら、止めてあげるわ…。うちが…」

希「いや、うちら、が…!!」スッ…



真姫「ふぅ…、ここは…、こうで…、こう…」

シュバッ

真姫「…あ、来たわね」

希「…ベルトを、装着っ!」

希「そして…!」スッ

希「メモリを押すっ!」ポチッ

\スター!!/

ハングリーD「…っ!?」


希「…真姫ちゃん!!」



真姫「…おっけー!」ポチッ

\クレッシェンド!!/


凛「何そのガイアメモリ…?」

真姫「あ、そういえば見せたことなかったっけ?」

真姫「…ちょっとぶっ倒れるけど、気にしないでね」


希・真姫「「変身っ!!」」



真姫「やっ!」ガショーンッ

シュバッ

真姫「うっ…」バタリ

凛「うわぁホントに倒れたぁっ!ま、真姫ちゃんっ!?」


希「…来た」シュピーンッ、ガショーンッ

希「うちも…!えいっ!」ガショーンッ

希「そして開くっ!!」ガショーンッ!!


\クレッシェンド!!/\スター!!/

デレレーンデレレデレレレーン


ハングリーD「…!?!?」



「さぁ、キミの罪を数えるんやっ!」
「さぁ、あなたの罪を数えなさいっ!」


「「…」」


「ちょ…、バラバラやん…」「だから掛け声は合わせましょうってあれほど…」


ハングリーD「…?」


「あ!自己紹介がまだやったね!」「私は…、いえ、私たちは…!」


「「仮面アイドルMuse!!」」



凛「…名前ダサッ!」

凛「あれ…、何も聞こえないはずなのになぜか突っ込んでしまった…」



ハングリーD「」

Muse「ふふふ…、呆気にとられて声もでーへんようやね…」「もしくはかっこよすぎて見惚れているのかしら?」

Muse「隙ありやで!」「喰らいなさいっ!」ゲシッ!!


ハングリーD「ゴフゥッ!!」


Muse「オラオラオラオラァッ!!」「無駄無駄無駄無駄ァッ!!」ゲシゲシゲシゲシ

ハングリーD「オグッ…、ゲフゥッ…!!」


ハングリーD「ぐ、グガァァァァ!!ゴックン!!」


Muse「反撃…!?な、何か来る…?」「まさか、こないだの光線…?」


ハングリーD「ゴァァァァァッ!!」ギンギンギン!!スキャニングチャージ!!


Muse「いや、これは…ちゃう!」「まずいわよっ!!」


ハングリーD「ガフゥゥッ!!!」グショァァッ!!


Muse「ひぃっ!!?空間が削り取られた!?」「序盤の敵が使う能力ちゃうやんこれ!」「むしろ次回作の主人公が使いそう!」


ハングリーD「グルルル…!ゴックン!!」


Muse「ま、また来るよ!?」「フッ…、でも一度見た技なら…!このメモリで!」ガショーン!!


\アレグリッシモ!!/

\アレグリッシモ!!/\スター!!/ デレレンレレーンデレレレーン


ハングリーD「ガフゥゥッ!!」グショアァッ!!

Muse「フッ!!」シュバァッ!!

ハングリーD「…っ!!?」

Muse「遅いっ!後ろよ!うりゃっ!」ゲシッ!!

ハングリーD「ご、ゴフゥッ!!」

Muse「へへんっ、どんなもんよっ!」「か、勝手にメモリ変えんといてよ…」

ハングリーD「グ、ググ…」

Muse「…大きな隙ができたわ!どうする?」「ふふ、もちろん…、メモリブレイクや!」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「いくよっ!」「えぇっ!」スッ

\スター!!真姫シマムドライブ!!/

Muse「くらえっ!」「スター…、名称未定キック!!」ドガァッ!!


ハングリーD「ぐ、グハァッ!!う、ぐふっ…!」ドカーン

草加「か、はぁっ…!これも…、全部乾巧ってやつの仕業なん、だ…!ぐっ…」バタリ


Muse「…あとは警察の仕事やね。はぁ、にこっちになんて言えば…」

Muse「おーい、大丈夫?怪我してな…」


ゴゴゴゴ…!!


Muse「な、なにっ!?」「地震っ!?」


???「グゴァァァァッ!!!」


Muse「なっ…、なんやあれ!?」「新手のドーパント!?」


???「グゴァァァァッッ!!」

草加「や、やめろぉっ…!!俺はまだ死にたくないっ…!!生きて…、生きていたいんだよっ!!」

草加「ぎゃぁぁぁぁっ!!!」


Muse「ちょっ…!!やめなさいっ!!」「痛がってるやろ!かわいそうやん!」


???「ゴガァッ!!」バシィッ!!

Muse「ひでぶっ!」「あべしっ!」

???「ガァァッ!!」ダダダ…


Muse「に、逃げられた…!草加さんも持ってかれて…!」「こっちも後を追うわよ!」ポピパ



東條西木野☆探偵事務所地下


ゴゴゴゴ…


凛「…ん?え!?何…!?なんか動いてる!?え、ちょっ…!うわぁっ!!」


凛「で、でっかい車っぽい何かになったにゃー!!ってわぁぁぁぁぁっ!!勝手に動くにゃぁぁぁぁっ!!」

凛「だ、だ、だ…!!」

凛「誰か助けるにゃぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!」




第一話 おわり

一応終わらせました
とりあえず一回目は元ネタ第一話をまんま再現しましたがだいたいこんな感じですよってわかってもらえたらいいね
多分二話も元ネタのまんまになる予定ですが三話以降は安価多めのオリジナル展開でいけたらいいなって考えてます
っていうかこの話は\真姫シマムドライブ!!/という言葉を思いついたがために書いてるんで特に筋書きなんてないです
でも色々元ネタと違う設定も考えてるんで後々説明したいと思います
それでは今日はこの辺で ここまで見てくれたらありがとうやで ほなな!

小説映画ならまだしも本編すら見てないのがあるレベルのクソニワカなんよ すまぬ
具体的に言えばクウガアギト555剣本編はほとんど見てなくてアギトにいたっては主人公の名字すら時々思い出せなくなる
響鬼もちょっと怪しいけど龍騎とカブト以降なら全部見た 映画はDCDからフォーゼくらいなら大体
まぁライダー作品からキャラ引用してもせいぜい口調位しか合わせないと思うけど
あ、小説は全く読んでねぇですサーセン

こんばんは 僕はオーズが好きです
なんかステマしてる人が何人かいますが財団Bの社員さんですかねぇ…
まぁいいや 始めていきますよ

音里台二丁目


???「ゴガァァァッ!!」


Muse「逃がさへんよっ!」「とっとと来なさいリボルマキー!」



リボルマキー内


凛「ほわぁぁぁぁっ!!早すぎるにゃぁぁ~~~!!」


ピタッ


凛「げふぅっ!き、急に止まるなんて…、ガクッ…」


Muse「追いかけなさい!」「草加さんを取り戻すんや!」


ギャルルルルッ!!


???「ゴガァァァッ!!」バキィッ!!


ドゴォッ!!


Muse「うわぁっ…、簡単にあしらわれてもた…」「くっ…、思いのほか役立たずね…」


???「ゴアァァァッ!!」ダダダダッ



Muse「ぐっ…、さらわれてもた…!」

第二話「Mの旋律 / アイドルは甘いもの」


東條西木野☆探偵事務所内


凛「うぅ…、一体なんだったの…?さっきの…、なんか勝手に地下から車的な何かが…」

真姫「あれは私の開発したリボルマキー2号よ。そしてさっき私たちが変身していたのがMuseよ」

凛「え、変身してたの!?」

希「見てなかったん?」

凛「中で気絶してたにゃ…。え、でも真姫ちゃんも一緒に気絶…」

真姫「もうそこらへんの説明は面倒だから省くわ」

凛「え、し、所長なんだから教えてくれてもいいじゃん!ねーねー、教え…」

希「…ちょっとまって。今、ラジオで…」

凛「にゃ?」


「…偶然怪我を負った草加さんと思しき男性を通行人が発見し、話しかけようとしたところ…」

「…突然身体が青い炎に包まれ灰になったとの証言から、警察は事件と頭おかしい人の妄言の両面から捜査を…」


希「…なんてこと…」

真姫「別のガイアメモリを持った共犯者が口封じ…、といったところね」

凛「し、死んじゃったにゃ…?」

希「そういうこと、みたいやね…。なんで灰になったかは知らんけど…」

真姫「あのガイアメモリ…、巨大な生物の見た目をしていたわね…」

真姫「おそらくアレは…、>>50(生物縛り)のメモリだわ」

オクラ(読者公募)

×真姫「あのガイアメモリ…、巨大な生物の見た目をしていたわね…」
○真姫「あのドーパント…、巨大な生物の見た目をしていたわね…」


いや…、うん、確かに植物も生物かもしれないけど…ってググったらオルフェノクかよ
動物が良かったけれどまぁ良しとします

真姫「あれはオクラの旋律が詰まったオクラメモリね」

凛「ものすごい…、緊張感のない響きのメモリだにゃ…」

希「いやしかし…、オクラのくせにあんな『ゴァァァァァッ!!』って叫ぶとかビビるよね…」

真姫「…しかもあのオクラ…、かなり巨大だったわ。本来市場で出回ってるメモリであれほど巨大化は…」


ピロリンッ


希「あ、メールきた…。ん、これは…」

凛「誰からにゃ?」

希「…ちょっと、行ってくるね」

凛「え?あ、希ちゃ…」

真姫「…行かせてあげなさい」



音門公園


にこ「…」

希「にこっち…」

にこ「うっ…、うぅ…、雅人…、雅人がぁ…!!」

にこ「どうして…、死んじゃったのよ…!!う、うぅ…!!」

希「…ごめん、にこっち…」

希(…高校の頃は…、悲しいことがあっても滅多に泣かんかったにこっちが…)

希「にこっちを泣かせてしまって…、ごめん…」


にこ「…ぐずっ…、ふふ、ありがとう…。泣き止むまで付き合ってくれて…」

希「うぅん、にこっちのためやったらいつまでも付き合うよ?」

にこ「…希は、変わらないのね」

希「…そう?うちからすればにこっちの(見た目の)ほうが変わってないと思うけど…」

にこ「私…、にこは…、結構、変わっちゃったかも…」

希「そう、かな…」

にこ「…ね、覚えてる?高校のころ…、二人でお揃いで買ったキーホルダー…」

希「ん…?あ、あぁ、にこっちが好きやった>>54を象ったキーホルダーのこと?」

バナナロックシード

希「にこっちが好きやったバナナロックシードを象ったキーホルダーのこと?」

にこ「…ロックシードっていうか…、まぁ、バナナなんだけど…」

にこ「『バロンくん』っていうキャラクターの限定商品だったのよ。それを二人で、ね…」

希「あぁ、確かにあったね、そんなん。あ、でもたしかその後…」

にこ「…うん、無くしちゃった、んだっけ…。それで、にこが必死になってあちこち探してた時…」

にこ「希は…、にこを手伝って、一緒に探してくれたっけ…」

希「…あぁ、そんなこともあったね。でも結局…」

にこ「見つからなくて…、希が持ってたやつ、くれたんだったっけ…。今も大切に持ってるわ」

希「…そっか。でも…」

希「うちは、また取り戻せなかったん、やね…」



フルーツパーラー『ソングオブフォーユー』


穂乃果「んんっ!やっぱここのフルーツうまー!たまらないよ!さっすがゴローちゃん!」

店長「いやだからゴローって名前じゃないって何度も…」

希「…穂乃果ちゃん」

穂乃果「うわ、また来た。何ー?」

希「…頼みがあるんや」スッ

穂乃果「わー!ランチパック!…ん、ゲフンゲフン…。ふ、ふんっ…、ランチパックなんて子供の食べるものだよ!」

穂乃果「穂乃果は高校で卒業したんだから!今はオトナー、なスイーツ(笑)しか食べないんだもんっ!」

希「…ならいいけど」スッ

穂乃果「で…、頼み?また何か情報が欲しいんすか?」

希「草加さんにメモリを売った人のこと、知りたいんや」

穂乃果「ふーん…、いいよ!」

希「あれ、見返りは…?いらないん?」

穂乃果「凛ちゃんのキッスで余りあるほどのキュンキュン頂いたからね!そのくらいはオッケー!」

穂乃果「売った人…、んーと、たしか特徴は…」

穂乃果「>>57色の髪に、黒色のスーツを着た女性…、だったかな」

希「金髪…、ね。ありがとう。あと…、客は草加さん一人やった?」

穂乃果「お、そうそう…、もうひとりいたっけ。暗がりでよく見えなかったけど確か…」



どこか


金髪の女性「…じっくりお選びください。安い買い物ではないので」

オッサン「こ、これで私は…、超人になれるのか…!?」

金髪の女性「…超人?陳腐なお言葉ですね…。どちらかと言えば神にチカ」

オッサン「…ん?」

金髪の女性「…失礼、噛みました。神に近い存在です」




謎肉生産工場跡地


希「ここが一週間前に襲われたっていうとこね…」

希「あ、缶詰すこし置いてかれてる。これがカップ○ードルに入ってるお肉…」

希「…誰も見てないし、少しくらい…。むっふっふ…」パキャッ

希「あむっ…、もぐ、もぐ…」

希「…?なんか…、前に食べたんと食感違う…?前はもっとガリガリした歯ごたえやったような…」


バタンッ!!


希「…!?な、なんやなんや!あ、倉庫のドアしめられてる!と、閉じ込められた…?」


「グルルルル…!!」


希「んー…?なんか…、イヤーな声…」


オクラD「グガガガァァァッ!!」


希「おわぁっ…!!オクラ来たぁっ!!」

希「こ、これ以上嗅ぎ回るなってこと…!?クッ…!ならこのギジメモリを使って…!!」

希「>>60メモリを>>63型のガジェットに挿入!」

希「ついでにコイツももってけ!>>61メモリを>>64型のガジェットに挿入や!」


※○○メモリを小型の生物、○○型ガジェットは小物?(カメラ、携帯など)縛りで

ケツァルコアトロスのギジメモリ

ネズミ

ガラケー

バウリンガル

希「小型の生き物や言うてるのに…、ケツァルコアトルスメモリを今時珍しいガラケー型ガジェットに挿入や!」

\ケツァルコアトルス/ <グエー


ドシャァッ


オクラD「ぐへぇっ…!!」


希「そんでもってラットメモリを…、なんで持ってんのかわからんけどバウリンガル型ガジェットに挿入!もうわけわからん!」

\ラット/ <ワンチューワンチュー


ガブッ


オクラD「い、いったー!!小指の先噛みやがったわね、この…!あ、グガァァッ…!!」


希「…な、なんか聞こえたような…」


オクラD「グァァァッ!!」スタコラサッサ


希「あ、逃げた…。ふぅ…、危なかった…。まさかベルト忘れたなんて口が裂けても言えへん…」

希「…ん?さっきのドーパントが落としていったこれ…、って…、あ!そ、そんな…!」


???


短髪の女性「…興味あるわね、その…、ガイアメモリの売人の子」

短髪の女性「史上最高の業績を上げたセールスマン。なにより…」

ゆるふわな女性「すっごいかわいいっ。んふふふ…」

長髪のホクロ「またあんじゅの悪いクセが…。色欲は押さえるべき」

あんじゅ「もー、人を性欲の塊みたいに言わないで、英玲奈~」

英玲奈「…はぁ」

あんじゅ「ふふ、でも彼女なら…、我らがUTXにふさわしいわ…。でしょ?ツバサちゃん…」

ツバサ「…もちろんよ、あんじゅ」

ツバサ「でも…、彼女がこのUTXでもやっていける女の子か…、ぜひ確かめなくちゃ。この眼で、ね…」



東條西木野☆探偵事務所チカ…、もとい地下


希「…真姫ちゃん、『音楽室』に、入ってもらえる?」

真姫「ん、おっけ。ふぅ…」スー…


真姫「…オクラ、ね。…調律を始めるわ。曲は…、草加さんを殺害した犯人の名前…」

真姫「キーワードは?」

希「まず一つ、スマートブレイン」

真姫「…うん、なるほどね」

希「二つ目は…、女性」

真姫「ん?女なの?へぇ…」

希「…」

真姫「ん?次は…?」

希「…」

真姫「あらあら…、もしかして、何か掴んでるわね?」

希「最後は…」

凛「…?」

希「…バロンくん、それも…、音ノ木坂店限定商品のや」

真姫「…見つかった。なるほど…、ポップでキュートなメロディ…。あの人らしいわね」

凛「バロン、くん…?あの、バナナをモチーフにしたお人形?」

希「…うん」

希(そして…、あれはもう…、既にどこも取り扱っていない…)

希(数も少なかったから、持ってる人も、かなり少数…、それを…)

希(…あのドーパントは、落としていった…。おそらくこれで…、『二度目』、やね…)

真姫「…ビンゴ。オクラメモリとの親和性も高い…。間違いないわね。草加雅人を殺した犯人の名前は…」


真姫「矢尻にこ、ね」


凛「…え、や、矢尻…?矢澤、じゃなくて…?」

真姫「何聞いてたのよ。間違いなく矢尻にこだわ。というかどこから矢澤なんて出てきたのよ」

凛「…いや、矢澤じゃないといけないような…、うぅん…」

凛「あ、でも…、つまり…、あの依頼人の人が…!?」

希「…たぶん、にこっちも…、スマブレの社員、やったんや…」

希「昔っから、謎肉が好きで…、あのガリッってした食感が堪らない、ってよくほざいてたから…」

凛「なんかちょっと酷い言い方じゃない…?」

希「でもさっき…、あの謎肉を食べたとき…、昔の謎肉と食感が違った…」

希「きっと、にこっちはそれを憎んで…、肉だけに…」

凛「もうシリアスなのか笑わせようとしてるのかわかんないんですけど…」

希「おそらく、草加さんとにこっちは謎肉の食感が好きで付き合ってた同士…」

希「けれど食感を変えられたことで二人は激おこ…、謎肉を扱ってるところを壊そうとしたんや…」

希「せやけど…、草加さんはハングリーメモリの力に耐え切れず暴走…、あらゆる謎肉を貪るように…」

希「だからにこっちはうちらに草加さんを探させて…、口封じのために、殺した…」

希「…」スタスタ

真姫「…その先の展開、言い当てましょうか?…希」

真姫「あなたは甘い考えを実行しようとして、悪意に満ちた犯人に殺されかかる…」

真姫「彼女はもう、オクラの力に飲まれている…。あなたをネバネバにするかもしれないわよ?」

凛「オクラのせいで緊張感台無しにゃ…」

希「それでもうちは…、信じたい」

真姫「あの子は始末するべきよ」

希「…。…やっぱ、真姫ちゃんとは意見があわへんね。のぞまきも…、そんな多くないカップリングやし」

真姫「おかしいわね。1期10話でそこそこ絡んでたのに。…まぁ、それは置いておいて、ハードボイルド探偵とか名乗ってたのはどこの誰だったっけ?」

真姫「やっぱり…、実際のあなたは甘々の甘ちゃん。いうなれば…、ハーフボイルド、もしくは>>67

激寒クソ[ピザ]オカルトタロットスピリチュアルハンドパワータレ目おっぱいツインテヤキニク淫乱盗撮セクハラワシが育てた神出鬼没大食いすっとぼけ音痴サイコガンダムmk-2副会長カメラマンストーカー家庭教師説得タダ乗り便乗入部お祈り一理ある一言多い土俵入りマッチポンプ妊婦棒読み猛虎巫女おうどんさんとダンスに自信ネキ

真姫「やっぱり…、実際のあなたは甘々の甘ちゃん。いうなれば…、ハーフボイルド、もしくは激寒クソデ(以下略)」

希「なんやとコラァァァッ!!」バキィッ!!

真姫「ごふぅっ!!」

凛「うん、これは自業自得でしかないにゃ…」

希「激寒クソデ(以下略)はいい…、せやけど…」

希「ハーフボイルドはないわ…、お母さんバカにされた気分やわ…」

凛「え、そっち?」

希「…もう、真姫ちゃんの力は借りない。自分ひとりで…、やったる…!」



音都スタジアム


にこ「…」


ピロリロリリ…


希「…いけ」


ケツァルコアトルスガラケー<グガー


ズバッ!!


にこ「ひゃぁっ!にこのバッグ…、ってあぁっ!!見た目クソなくせに結構高かったオクラメモリが落ちた!」


希「…にこっち」


にこ「はっ、希…!?い、いつから…」

希「見たよ、にこっち…。にこっちが謎肉生産工場破壊事件および…、草加雅人殺害の犯人や!」


凛「…希ちゃん」


にこ「…、そう…。そうよ、私は…、あの謎肉に憧れて…、スマブレに入ったのよ…」

にこ「…でも…、スマブレに最悪な重役がいた…。あの謎肉をコロチャーに変えようとか言い出すクソ上司…!」

にこ「あの歯ごたえも何もないようなイミフ肉に部下の意見も聞かず変更…。だから雅人と一緒に…、コロチャー工場をぶち壊してやった…!」

にこ「だけどあの雅人も…、途中で『あ、意外とコロチャーも美味しいんじゃないかなぁ…』とか言い出しやがって…!!」

にこ「でも…!匿名掲示板の評判は最悪よ!だから私は…!みんなの希望を叶えようとしただけ!」

にこ「ねぇ、希…!お願い…、見逃して…?あなただって…、あの謎肉が美味しい、って…、言ってくれたじゃない…!ねぇ…」

希「…」

にこ「にこ…、にこぉ…っ!」

希「>>74

前スレでバッドエンドを迎えてしまったチカが
今回は作中の中でもかなりかっこいい役で良かった

にこ「にこ、にこぉ…!」

希「…」ググッ

にこ「の、希…?」

希「…うち、焼肉以外はどうでもいいんよ」

にこ「え…」


ピーポーピーポー…


にこ「…こ、この音…!」

希「昔、言ったやん?…うちは、この街の誰にも泣いていて欲しくないんよ…」

にこ「き、聞いたことないけど…」

希「…」

希「…正直動機が理解できないわ。だから友人とかそんなんナシに捕まるべきやと思うよ?」


凛「あいつひでぇ奴だったにゃ…」


にこ「…のぞ、み…」

にこ「…ふ」

にこ「ふふ、ふふふふ…!」

にこ「あははははは!!」

にこ「…はぁ、思ってたとおり…、あんたに…、嘘泣きは通じない、か…」

希「にこっち、裁きを受けて、昔のにこっちに…!メモリ、捨てて…!」

にこ「昔の、にこ…?それって…」


にこ「こんな感じにこ~?にこにこっ!んふっ♪」


希「…」

にこ「でもでも~、メモリは捨てないにこよ~!だって…!!」

にこ「のんたんをぶちのめしたいからにこっ!!」\オクラ!!/

希「や、やめっ…!!」


オクラD「グガァァァァッ!!」


希「くっ…、意味がわからん!一旦引くか!」


警察「怪物が出たぞ!取り押さえろ!」

オクラD「うるせぇこの野郎!…にこっ!」バキッ

警察「グハッ!な、なんでオクラが…、斧…」



凛「うぎゃぁ~~!!た、大変にゃぁぁ~~!!」

希「凛ちゃん!?な、なんでついてきたん!?」

凛「き、気になって…!って、この状況どうするにゃ!?」

希「うちにいい考えがある…!凛ちゃん、ここで>>77するんや!」

バク転・側転・バク宙

希「ここでバク転・側転・バク宙するんや!」

凛「えっ…?お、おう!やったるにゃ!」

凛「はっ!たっ!やぁっ!」

希「おぉ~…」

凛「で、これが!?」

希「あ、いや…、見たかっただけやけど…。ホンマにできるとは…」

凛「こいつこそ捕まればいいのに」


オクラD「ゴァァァッ!!」


希「うわぁ来たっ!!」

オクラD「のんたん…、にこ、のんたん大好きラブにこっ…!」

オクラD「だから…、にこと…、R-18展開に持ち込むにこぉ…!」

希「この場合R-18っていうかR-18Gやろっ!!」

オクラD「その通りグガァァァッ!!」

希「噛み付いてきよった…!はっ…!イナバウアー避け!」サッ

オクラD「くっ…、こしゃくな…!ゴァァァッ!!」

グラグラ…

希「くっ…、地震…!?なんでこんなオクラに関係ない能力ばっかり…」

凛「って希ちゃん!上、上ぇっ!!」

希「上…?って、うわぁぁっ!!瓦礫が落ちてくるぅぅぅっ!!」

希「な、南無三…!」


ズガァッ!!


希「あ、あれ…?」

凛「あ、リボルマキーが間一髪助けてくれたにゃ!い、一体…」


ガチャッ スッ


凛「あ、真姫ちゃん…」

希「な、なんや今頃…」

真姫「…さんざん考えたのだけれど、どうしても理解できないのよ」

真姫「なんでのぞまきって少ないんでしょうね。いい組み合わせだと思うのに」スッ←手

希「…、はぁ。さて、なっ…!」ググッ

希「…半分、力貸して?…相棒さん」

真姫「…よろしくてよ」

オクラD「…な、なによ!世界はにこまきを望んでるの!のぞまきが少ないのは必然だわ!」


真姫「何を訳のわからないこと…。私たちは二人で一人のアイドルよ?」

希「…いくよ、真姫ちゃん」ポチッ

真姫「…えぇ」ポチッ

\クレッシェンド!!/  \スター!!/


希・真姫「「変身!!」」

ガシャーン!!シュバァァガションシガショーン!!

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


凛「う、うわぁっ…!?な、何あの見た目…!?」

凛「右半分真姫ちゃんの顔で…、左半分希ちゃんの顔になってる!?キモッ!」



Muse「…この間はバラバラだったし」「今回は、ちゃんと合わせるわよ?言い方は、そうね、偉そうな感じで!」「了解や!」


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!」」


オクラD「な、なにイチャイチャしてるのよぉぉっ!!許さないにこっ!!」


Muse「凛っ!私の身体、頼んだわよ!」

凛「えぇっ…、お、おう…、パトカーがあるしこの中にでも入れとくか…」


オクラD「グググ…!グガァァァッ!!」


ゴゴゴゴ…!!


Muse「な、なんや…!?」「ドーパントから放たれた粘着性の液体が周りの瓦礫を取り込んで…!」


凛「え、ちょっ…!なんかパトカーのタイヤにひっついてる!ねちょねちょしてる何かが!」


オクラD「これが…!オクラの真の力にこぉっ!!」


Muse「「で、でっかくなった!?」」「…オクラにそんな力ないやろ…」


オクラD「くらうにこっ!」バキィッ!!


Muse「う、ぐふっ…!!」「いったぁ…!!」

Muse「こ、このままやと…、アカン…!」「わ、私の側、変えるわよ!」「うんっ!」


>>81!!/


※説明しよう!
真姫ちゃんのメモリは全て音楽関係の外来語である!
そういうわけなんで音楽記号とか楽器とかそういうの自分で調べてどういう能力かも併せてお書きください。

やっぱこの時間に面倒な安価はキツいかにゃー
ksk

フォルテ

まぁヒート的な火力上昇で

\フォルテ!!/

\フォルテ!!/\スター!!/ テーレテテーッレデレレレーン


Muse「…強く!もっと強く!」

Muse「くらいやがれぇぇっ!!」バキィッ!!


オクラD「ごふぅぅっ!!」ドゴォッ


凛「ひ、ひぃっ!!?そんなに吹っ飛ばすとひっついてる凛も危ないにゃぁっ!!」


Muse「フォルテメモリは強さの旋律を持ったメモリ…!」「強くなれと思うほど、力が漲るんや!!」

Muse「「てりゃぁぁぁぁっ!!!」」バッゴォッ!!


オクラD「ゴガァァァッ!!!」ドッゴンドッゴン


凛「こ、こいつら容赦ないにゃ…!り、凛だけでも逃げないと!え、エンジンかけて…」ブロロロ…


オクラD「くっ…、強い…!逃げるっきゃないにこ!」ダダダダッ…


凛「え、ちょっ…!わぁぁぁぁっ…!!助けるにゃぁぁぁ~…」


Muse「え、なんであの子もくっついてるのよ!?」「なんでパトカーの中に…」



道路


凛「ど、どいてどいてー!よけないとオクラに殺される悲惨な人生の末路をたどることになるにゃー!!」ピーポーピーポー…


Muse「凛ちゃんっ!」「大丈夫!?」「そこからこっちに飛び移るんや!」「リボルマキーにね!」


凛「ほうほうなるほど…、ってできるかー!」


Muse「…仕方ないわね」「まずはパトカーのドアを剥ぎ取りっ!」バキッ! 「私の体を投げるっ!」ヒョイッ

Muse「凛っ!手、伸ばして!」「はよっ!」

凛「え、えぇっ…!!うっ…、ぐ、ぐ…!」


オクラD「こういう時のために練習した背面上り!うりゃぁぁっ!!」


凛「うわぁぁっ!!な、なんにゃこれぇ!!」


Muse「…あんなこともできるのね…」「こうなったらリボルマキーに搭載されてる…!」「マッキータービュラーに換装ね!」


-換装シーンカット-


Muse「換装完了!待ってなさいオクラ野郎!」「中の人は女の子やけどね」

オクラD「くっ…、空も飛べるとか卑怯よっ!このっ!このぉっ!!」


Muse「へへんっ!当たらへんよ!」


オクラD「く、くそぅ…!!」


Muse「オラァッ!タービュラー搭載ガトリングを喰らいなさいっ!」ガガガガ…


オクラD「あだだだ!痛い、痛いにこっ!やめてってば!」


凛「ちょぉっ!!?凛も危ないって!」


Muse「早く倒さないと凛が…っ!」「せやね…!」

Muse「もう、メモリブレイクしかないわ!」「わかってる!うちのメモリで!」


>>86!!/


※説明しよう!
希のメモリは全てタロットのアルカナである!
そういうわけなんでアルカナを自分で調べてどういう武器を使うか併せてお書きください。(今回は近接武器限定)

隠者
足刀

足刀って武器じゃないじゃん… 足についた刀って感じですかね

\ハーミット!!/


\フォルテ!!/\ハーミット!!/ テーレテテーッレドドーン


Muse「ハーミットメモリは隠者の旋律!」「右足の刃で音もなく敵を切り刻むんや!」

Muse「…ってこんなところで使うメモリじゃないような…」「イイやん別に!いくよ、真姫シマム!」


\ハーミット!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「くらえぇっ!!」

Muse「「ハーミットカンタータ!!」」


ハーミットカンタータとは!

キックと踵落としの二撃の蹴りによりfの字をなぞる必殺技である!


シュバッ!!ズバシュッ!!


オクラD「グガァァァァッ!!!!や、やられたにこぉ…」

ドガァァッ!!


凛「ってわぁぁっ!!おちっ…、落ちるにゃぁぁっ!!」

にこ「に、にこぉ~…」


Muse「にこっち!」「あなたは矢尻にこを救いなさい」「うんっ!」


\クレッシェンド!!/\スター!!/

Muse「ふっ!」バッ


Muse「にこっちー!」ガシッ 「よしっ!」

Muse「あとはタービュラーで凛を…!」ポピピ…


凛「うわぁぁぁぁ地面がぁぁぁぁ目と鼻の先にゃぁぁぁっ!!」

凛「…あれっ…、く、空中で静止したにゃ…。た、助かった…」


にこ「う、うぅ…」ニョニョニョ…、パキンッ

Muse「…安全にメモリブレイクできたみたいやね…」「これにて一件落着だわ」


凛「はぁ…、さ、散々だにゃ…」

???


「…ツバサ、絢瀬絵里さんだ」


絵里「…」


「あらあら~…、んふふ、おいしそうなカ・ラ・ダ…、ふふっ…」


絵里「これはこれは…、UTXの幹部は皆麗しい少女だと聞いていたけれど…」

絵里「ドーパントになるとこうも…、ふ、いえ、美しいわ」


「…これはUTXの幹部にのみ与えられるガイアメモリよ。これで、死ぬ場合もありうる…」

「言い残すことがあったら、聞くわよ…?絢瀬絵里さん…」


絵里「…」

絵里「私のことはこれから…」

絵里「かしこいかわいいエリーチカと呼んでいただきたいわね」


「ふっ…」


カチャッ!!パシューン…



東條西木野☆探偵事務所


にこっちは警察、草加さんは二度と戻らない…、それがこの街、音都の現実や…。

だけど、例えそれが現実だとしても、必ず変えてみせる…。きっとこのうちが…。


真姫「そこはうちら、とか、複数形であるべきだわ」

希「…ふふっ、わかった。う、ち、ら、が…っと」


真姫「…そういえば凛は?」

希「ん?凛ちゃんは…」




凛「にゃ、にゃぁ~…、怖くないにゃ、怖くな…、んぎゃぁぁぁぁっ!!引っかかれたぁぁぁっ!!」




希「…猫探し中や」

真姫「…そう。いつもどおりね」




凛「も、もっと凛にも甘くして欲しいにゃ…」



第二話 おわり

真姫「さて、あとがきね」

希「…なんでうちらが喋る形式に…?」

真姫「こっちのほうが長々喋ってても不快感少ないでしょ?」

凛「会話劇の続きだと思って読んどいて欲しいにゃ」

真姫「で…、思ったのだけれど…、擬音だけじゃシーンを想起させづらいかもね」

希「今回の場合は原作とほぼ一緒のストーリーやからまだわからなくもないけど、オリジナルにするとどこに誰がいるか、とか想像しづらいかもしれんね」

真姫「軽く地の文とか付け足したほうがいいのかしら…?」

凛「色々試してみるにゃ」

真姫「そうね、そうしましょう。それじゃあ次回以降の話だけど…」

希「次回はオリジナル展開…、のつもり。ストーリーは凛ちゃんとうちらが初めてあった日、とかにしようかな、って」

凛「ほうほう、なるほどにゃ。でも今回の凛の反応とかから凛はこの時点じゃ二人が変身することとか知らないわけだよね?」

真姫「そうね、その辺りも気をつけて作らないといけないわね。それから、使用するメモリなんだけど…」

凛「希ちゃんがタロット、真姫ちゃんが音楽関係、だっけ?」

希「せやね。別に3個だけに限定するつもりはないからどんどん考えていこ!」

真姫「後々このメモリとこのメモリは相性がいいんじゃ…、とか考えるとワクワク、いえ、ゾクゾクするわね」

希「じぶんだけのさいきょうのらいだー、とか考えてた小学生の頃思い出すね」

凛「それで、今あるメモリは…」 真姫「こんな感じかしら」


クレッシェンド:「成長」の旋律を持つメモリ。対となるメモリを安定させる能力。              スター:「星」の旋律を持つメモリ。武器は拳。
アレグリッシモ:「極速」の旋律を持つメモリ。ほんの一瞬だけメッチャ早くなる。              ハーミット:「隠者」の旋律を持つメモリ。武器は足に付いた刃。敵に気づかれず襲撃するのに便利。
フォルテ:「強さ」の旋律を持つメモリ。もっと強く、と念じることでその度攻撃翌力が上がる。イメージはドラグナー・ナグル。


希「おぉ…、まさに二次創作ライダーの設定そのものや…」

真姫「まぁ二次創作ライダーそのものだしね」

真姫「あ、あと必殺技は主に楽式(交響曲、鎮魂歌とか)から引用する予定だから、そっちにメモリの安価を取るのは遠慮してちょうだいね」

凛「記憶、じゃなくて旋律、なんだね」

真姫「そのほうがなんかカッコイイでしょ!特に意味はないわ!」

希「あ、なんかアレグリッシモとハーミットは相性良さそうやね!一瞬で近づき相手をズバッ!って!」

真姫「そういうの考えていくのとっても面白そうでしょ?しかも自分だけの案じゃないところとか!」

凛「みんなのアイデアで出来上がっていくライダー…、新しい!」

真姫「そうね。で、最後に次回のお話に出てくるドーパントメモリと、話の軸になるお題を安価したいと思うの」

希「こうした方がオリジナル展開でもわかりやすい話にできそうかな、って思ってね」

真姫「ただドーパントメモリはタイトルの頭文字…、今回だとMね、になることが多いから、今まで使ったタイトルの頭文字のつかないメモリにして欲しいの」

凛「お題は何かしらの単語でお願いするにゃ。こーこーこうして欲しい!はダメだからね!」

希「…それじゃあ、今日はここまで、かな?」

凛「また次回、次はどんな話になるかこっちもワクワクにゃ!」

真姫「バイバイ!これで決まりね!」



敵の使うドーパントメモリ(頭文字M以外) >>99

お題(W3話であればギャンブル、5話であれば親子といった感じ)  >>100

JACK  ジャックオーランタン
まあペテン師だし

(??????????????)?z???[

久々にこんな時間にこんにちは 始めていくよ ストーリー全く思いつかないけどナンクルナイサ

1年前



UTXビル



「お前は…、この子を連れて…、逃げろ…!」


希「おや、おやっさんは…!?」


「俺は…、もう、無理だ…!だから…、少しでも、時間を…!」


希「そ、そんなっ…!!」

??「ぁ…、うっ…」


「その子と…、娘を頼んだぞ…。希…!うっ…、うおおおおおおおおおおぉぉっ!!!」




希「お、おやっさあぁぁぁぁぁぁぁあああぁんんっ!!!」





星空☆探偵事務所内


希「…はぁ、…はぁ」


??「…ここは、どこ…?」

希「ここは…、星空☆探偵事務所よ…。あの人の…、おやっさんの…、事務所…」

希「おやっさん…、なんで…、なんでよ…。う、うぅ…!!」

??「…アイ、ドル…」

希「…え?」

??「あの人…、私を…、助け出してくれたとき…、『アイドルみたいに、かわいい』って…」

??「そう…、言ってくれた…」

希「アイドル…。…キミ、名前は?」

??「名前…、名前…」

希「…もしかして、覚えてない、とか…?」

??「…うぅん、覚えてる。マ、キ…、たしか…」


真姫「…西木野、真姫…、だったと思う…」


希「…西木野、真姫…。真姫ちゃん、やね…」

真姫「…あなたは?」

希「うちは…、東條希…。探偵見習いや」

希「…もう、見習うべき人も、失ってしまったけど…」

真姫「…へぇ、探偵…」

希「ごめん…、なんかもう…、疲れた…。色々ありすぎて…」

希「…寝させて、もらうね…?おや、すみ…」

真姫「…えぇ、おやすみなさい」




希「う…、あ、ぅ…、あっ!も、もうこんな時間、か…」


真姫「すぅ…、すぅ…」


希「…真姫ちゃん。うちは、一体どうすればええんよ…。おやっさん…」

希「…そういえば…、このアタッシュケース…、これ、一体…」


ガチャッ


希「…なにこれ。おもちゃ…、なわけないか…。よくわからんからとりあえずおいておこう…」カチッ


希「さ、て…。これからどうするか…、やね…。とりあえず真姫ちゃんをベッドまで運んで…、よい、しょっ…!」

真姫「んん…、むにゃむにゃ…」

希「もう、のんきやなぁ…」


ガチャッ チリンチリーン


希「えっ…、お客さん…!?あ、ちょっ…、まっ…」


??「お父さん…?お父さん、いる…?」


希「おとう、さん…?」


??「あっ…、えっと…、あの…、ここ、星空☆探偵事務所、ですよね…?」

希「え、あぁ…、はい、そうですが…」

??「ここに、その…、星空、凛太郎は…」

希(…おやっさんの名前や)

希「星空所長は…、その…」

??「…あ、あれ。もしかしてあなた…、東條さん…?」

希「は、はい…?うちのこと…、知ってるんですか…?」

??「あ、はい!父がよく電話で話をしてくれて…、とっても元気な関西弁の女の人、って…」

希「…ってことは、キミって…!星空所長の…、む、娘、さん…?」

凛「はいっ!凛…、あ、私は星空凛、って言います。自己紹介も遅れてすみません」

希「あっ…、うぅん、気にしないで…。うちは東條希…。星空所長の下で探偵見習いを…」

凛「ところで、今日父は…?」

希「えっ…、あ…」

希(…死んだ、なんて…、口が裂けても言えるはずがない…。な、なんて言えば…)

希「えっと…、その…、そ、そうそう!」

希「なんか>>105>>106しにいく、とかで…、と、当分戻ってこられないんやって!」

愛人の家

トマトケチャップを借りに

希「なんか愛人の家にトマトケチャップを借りにいく、とかで…、当分戻ってこれないとか…」

凛「は?愛、人…?」ピキッ

希(…アカン、咄嗟に出た言い訳がメチャクチャすぎる…。しかも凛ちゃん怒ってるし…)

希「あ、あぁ…ごめんごめん…。今のは探偵内での隠語ってやつで…、愛人は愛する人…、この街全てを愛する所長の観点からこの街の住人のことを指し…」

希「トマトケチャップは赤…、赤は危険、危険なお仕事、つまりかなり大きな依頼が舞い込んだ、ってことを意味してるんや!」

凛「あっ、そ、そうだったんですか!依頼、か…」

希(…かなり無茶なこじつけやったけど…、なんとかごまかせたみたいやね…)

凛「あの…、東條さんは、行かないんですか?その依頼っていうの…」

希「あ、あぁ…、うちはまだ見習いやからね。危険なお仕事には同行させてもらえないの…」

希「どこへ行くかも伝えられてない。ただ留守の間事務所を頼む、って…」

凛「そう、なんですか…」

希(…危険な依頼、か…。つい、昨日…、うちは同行したけれど…)

希(だけどおやっさんはうちを庇って…、敵の銃弾を…!う、っ…!!)

凛「東條…、さん?」

希「は、はいぃっ!?な、なにかな…」

凛「なんか…、とても暗い顔されていたから…。はっ!も、もしかして、父は…」

希「えっ…!」

希(ば、バレた…!?嘘ついてる、って…!)

凛「ち、父は…!」

希「…っ!」ゴクリ

凛「よくセクハラとかしてたんじゃないですかっ!?」

希「…は?」

凛「昔っからスケベな父親で…、体つき女らしくなったな、とか、それでも胸は成長しないな、とかデリカシーのないこと…」

希「へ、へぇ…、そうなんや…。あぁ…、まぁ確かにそんなんもあったっけね…。別に嫌じゃなかったけど…」

凛「ほ、本当…?東條さん、ってその…、すごい大人の色気ムンムンっていうか…。身体の凹凸がすごいっていうか…」

希「いやいや…、うちなんかぜんぜ…、っていうと失礼か…。あ、凛ちゃんはおいくつなの?」

凛「私、ですか?私は19歳です。…私、頭悪いから…、一浪して大学入れなかったらお父さんの手伝いをするつもりで…。あ、希さんはおいくつで…」

希「ん?うち?うちは21やよ。2歳差、やね」

凛「に、二歳差で…、このぼでーの差…!か、勝ち目無いにゃ…」

希「にゃ?」

凛「え、あぁ!いえ…、気にしないでください…。ああ、でも…父、いないんですよね…。はぁ、一体どうすれば…」

希「あ、そっか…。お手伝い、できなくなっちゃったんやもんね…。う、うぅん…」

希「…な、なら…」

凛「はい?」

希「…うちの…、手伝い、してくれる、かな?うち、所長が留守の間、所長に変わって依頼をこなしていくつもりやから…!」

凛「いいん、ですか?あ、じゃあ…、喜んで!」

希「うん…、ありがとう…!」

希(…もう、所長はいない…。これからはうちが…、この事務所を守るんや…!)

数時間後…


希「…」

凛「…」



希「…誰も来んね」

凛「来ませんね…」


希(メールも一通も来ないし…、まぁ、平和なのはいいことやねんけど…)

希「…暇や」

凛「もう掃除するところも残ってないです…。た、探偵ってこういうものなんですか…?」

希「いつもは日に何人か来るもんやねんけど…、おやっさんは人を惹きつける何かでも持ってたんかな…」



真姫「んにゅ…、ふわぁぁ~…、おはよ、希…。あれ、その子…、誰?」


凛「うわぁっ!?は、裸ワイシャツの女の子!?」

希「あ、真姫ちゃん…。起きたんやね」

真姫「うん…、って、もうお昼じゃない…。ふわぁぁ~…、寝すぎたわ…。で、その子誰」

希「あぁ…、この子は…、星空、凛ちゃん…。ここの所長の娘さんよ」

凛「あ、よろしくお願いします。えっと…、真姫、さん…?」

真姫「西木野真姫よ、たぶん。よろしくね。それと私を呼ぶときは真姫ちゃんかマッキーとお呼びなさい」

凛「は、はぁ…?たぶん…?マッキー…?」

希「あぁ…、まぁ、色々ある子なのよ…。うちも昨日保護したばっかりでよくわからんけど…」

真姫「うぅ…、寒っ…。流石にこの服装じゃ身体冷えるわ。あの…、シャワーない?」

希「ああ、シャワールームならあっちに…」

真姫「ありがと。一風呂浴びてくるわね」スタスタ…


凛「なんか不思議な子ですね…、真姫ちゃん…」

希「せやね…」


ガチャッ チリンチリーン


希「あっ…!」

凛「お客さんっ!?」



>>109「あの…、探偵事務所と聞いてきたんですけど…」

呉島光実

「探偵事務所、と聞いて…」


希「お、お客さんですかっ!?」


「え、えぇ…、はい」


希「ど、どうぞどうぞこちらへ!ささ、お座りください!」

「はぁ…、あ、えっと…、僕は呉島光実って言います。よろしくお願いします」

希「あ、うん…、光実さん、ね。あ、凛ちゃん、お茶を…」

凛「り、了解しましたにゃ!」タッタッタッ…


希(にゃ、って口癖なんかな…)

希「あ、それで…、光実さん。今日はどういったご要件でしょうか…」

光実「あ、その前に…、ここって女性しか居られないんですか?たしか…」

希「あ、あぁ…、星空所長は留守で…、今はうちが所長代理、みたいなものですかね…」

光実「あぁ、そうなんですか…。いえ、特に他意はありません。今日は調べて欲しいことがありまして…」

希「調べて、欲しいこと…?何をでしょうか」

光実「…兄を…、騙した人、です…」



希「…呉島高虎…。ユグドラシル・コーポレーションの主任、ね」

光実「兄はとても頼りになる人で…、社内からの信頼も厚いんですが…、その…、人を信じすぎてしまう悪い癖があって…」

光実「その癖のせいで、今回…、兄は…、兄は…」

凛「ど、どうなってしまったんですか…!?」

光実「…虚ろな瞳で…、>>111>>111と呟くばかりの…、放心状態に…!」

ことりちゃん

光実「虚ろな瞳で…、ことりちゃん、ことりちゃんと呟くばかりの…、放心状態に…!!」

希「それは…、その…、すごい危ない人になってもたね…」

凛「ことりちゃんが何かわからないけどただただ気持ち悪いにゃ…」

光実「その直前まで…、兄はとある人に会っていたんです…。とても信頼の置ける人物だと…!」

光実「ですが…!兄の忘れ物であるメロン色のスカーフを届けようとして、兄の職場に向かう途中…!」

光実「その…、化物に…、化物に襲われる、兄が…!その時、兄が叫んでいたのを聞いたんです…!」

光実「『俺を…、騙していたのか!』って…。その後、兄は化物が放った攻撃で…、先ほどの状態に…」

凛「化物…?ば、化物って…、その…、化物?」

光実「はい…。警察に言っても信じてもらえず…、仕事のストレスによる精神病だろう、と医者も…」

希「それで最後の頼みとしてここに来た、ってことやね」

光実「えぇ…。その…、受けていただけますか…?依頼料は払います!必ず…!」

希「…分かりました。お受けしましょう」

光実「本当ですか!?あ、ありがとうございますっ!」

凛「えぇっ!?い、いいの…?東條さん…」

希「…どれだけ信じられないことでも、まず第一に依頼人を信じる…。それが、星空所長…、おやっさんの口癖やったから」

光実「ありがとうございます!ありがとうございます…!」

希「それで…、色々と質問したいことがあるんですけど…」



希「うん…、こんなものかな…」

光実「僕の言えることはこれで全てです。どうか…、兄を騙したやつを…!」

希「えぇ、必ず。うちに任せて」

光実「はい、お願いします…」

凛「あ!最後に凛から…、私からも質問なんですけど、いいですか?」

光実「えっ…?あ、あぁ、はい、なんでしょう?」

凛「その…、ユグドラシル・コーポレーション、って何してるところ、なんですか…?」

希「なんや凛ちゃん、知らんの?」

凛「知らないです…」

光実「あぁ、ユグドラシルは主に>>114している会社ですよ」

植樹

光実「ユグドラシルは植樹を行っている企業です」

凛「しょくじゅ…?あっ…、女の子のカラダをまさぐる為に生まれてきたあのうねうねした…」

希「それは触手やね」

光実「植物との共存、をテーマにコンクリートジャングルと化した都会にも木を植えるボランティアを行っています」

光実「呉島家はそのスポンサーでもあって、兄は社内での信頼も厚く、更には会社にも様々な貢献を…」

希「あ、あぁ…、それはさっき聞いたから…。うん、じゃあうちはそのユグドラシルに聞き込みに行ってくるね」

希「何かあれば連絡して。これ、うちの名刺ね」スッ

光実「はい、分かりました。…お気をつけて」

希「うん。じゃ、凛ちゃん。行こか」

凛「え、凛も…?」

希「うん、うちのお手伝い、やしね」



ユグドラシル・コーポレーション


凛「ひ、ひゃぁ~~~~…、で、でかぁ…!」

希「まぁ大企業やし」

凛「植樹だけでこんなおっきな会社…、すごいね…」

希「別に植樹だけ、ってわけじゃないよ。植物に関する研究も行われてるらしいね」

希「植物を用いた新薬の発明にも多大な貢献をしてきたらしいよ」

希「それらで儲けた財力によって植樹を行ってるらしいね」

凛「ほ、ほぇ~…、すっごぉ…」

希「じゃ、入ってみようか」


ユグドラシル・コーポレーション受付


受付「おはようございます。今日はどのようなご要件でしょうか」

凛「え、あ、えっと…」

希「うちは探偵の東條といいます。研究職に就かれている>>117さんにお話があって…」

親鳥

希「研究職に就かれている親鳥さんにお話があって…」

凛「親鳥…?そ、それが名前なの…?」

希「うん、そうよ」

受付「親鳥、ですね…。アポイントメントはお取りでしょうか」

希「いえ」

受付「かしこまりました。少々お待ちください…」プルルル…


受付「…はい、探偵と名乗る方が…、えぇ、はい…」

希「…大丈夫かな」

凛「大丈夫じゃなかったらどうするんですか…?」

希「…不法侵入(ボソッ」

凛「おいおい…」

受付「…お待たせしました。許可が取れました。奥のエレベータからどうぞ」

希「おおきにー」

凛「…よかった」



エレベータ内


凛「なんでその…、研究職の人?」

希「貴虎さんも研究職やったからね。それに、光実さんの話から察するにおそらく…」

希「貴虎さんを騙し、そして襲ったのは…、貴虎さんが直前に会っていた『信頼のおける人物』のはず…」

希「ただ光実さんはお兄さんの職場に関してそれほど詳しくない、って言ってたし…、逆に貴虎さんは社内のみんなに信頼されてる、って話やったから…」

希「一番近いところにいる研究職の人間なら、貴虎さんの最も信頼する人物、っていうのがわかるかも、ってね」

凛「にゃ、にゃるへそ…」

希「それに…、もしかしたらその親鳥って人が、貴虎さんを襲った張本人かも…」

凛「お、ぉぅ…」

希「ふふ、安心して。もしそうでも、凛ちゃんはうちが守るから、ね?」

凛「う、うん…。お願いします…」

希(…おやっさんの最期の頼み、やもの…。絶対に、うちが…!)


研究室


親鳥「…こんにちは、探偵さん。私が親鳥、です」

希「こんにちは。早速なんですけど、呉島さんのことについて伺いたいことが数点…」

親鳥「…あぁ、ストレスで精神を病んだ、って話だったわね…。お気の毒に…」

希「いえ、そのことなんですけど…、もしかしたら…、あ、いえ…」

親鳥「…?」

希(下手に化物、なんて口に出すものやないね…。それなら…)

希「あの…、呉島さんが最も信頼を置いていた人、って…、誰かわかりますか?」

親鳥「最も、信頼…、そうねぇ…、あ、彼、かしら…?」

希「彼…?」

親鳥「えぇ…、特に仲がいいのは…、たぶん彼、かな…。戦極さん」

凛「戦極…?なにここ…、変な苗字の人しかいないの…?」

親鳥「ふふ、そうかもね」

希(…星空もそこそこ変な苗字やと思うけど)

希「戦極…、何さんですか?」

親鳥「戦極凌馬さん。呉島さんが最も信頼を置く人物、ならこの人しかいないわ」

希「なぜ、そこまで言い切れるんですか?」

親鳥「戦極さんは呉島さんと共同開発するような仲でね。色んなプロジェクトに二人で参加しているのを見るし」

親鳥「呉島さんは戦極さんの思いもよらない発想に一目置いていて、逆に戦極さんは呉島さんの開発力を頼りにしてる、って話だわ」

希「へぇ…、それだけ…」

親鳥「それに休日に二人で>>120に行くような間柄でもあるのよ」

USJ

親鳥「二人で休日にUSJに行くような間柄でもあるのよ」

凛「それはまた…、男性二人で…、ねぇ…」

希「間違いなく仲いいね」

希(…なるほど、貴虎さんが信頼のおける人物、というのにこれほどふさわしい人間も他にはいないやろ…)

希(…だけどまだ、この人が貴虎さんを騙し、襲った人物であるとはわからない…)

希「…戦極さんはどこに?」

親鳥「あぁ…、彼ならよく植物園にいるわ」

凛「…植物園?こんな…、高いビルの中に、ですか…?」

親鳥「えぇ、彼専用、と言ってもいいわね。彼以外が入ることはほとんどないわ」

希「呉島さんも…?そんな部屋があるなんて結構権力のある人なんですか?」

親鳥「権力…、っていうか、うちが自由すぎるだけかも。部屋が空いてるから使わせてくれ、って言えば、実績のある人なら、ね」

親鳥「実際、彼はそこで育てた独自の植物を研究にも役立ててくれているし」

希「へぇ…、あの、彼にお会いすること、って…」

親鳥「戦極さんに?うーん、どうだろ…、すこし話してみるわ。ちょっと待っててね…」プルルル…


凛「ねぇ東條さん…、どうしてあの親鳥さんに最初に会おうと思ったの?」

希「光実さんが唯一貴虎さん以外にも交流があった研究職の人らしいから。それにとても優しい人、とも言ってたしね」

希「彼女なら突然の訪問でも入れてくれると思ったし、そこから色んな人に会うにも最適かな、って」

凛「ほぇ~…、結構考えてるんですね…。さっすが探偵!」

希「よしてよ。うちなんかまだ見習い…」

希「…いや、せやね。うちはもう…、探偵。そうでないと、いけないね…」

凛「にゃ?」

親鳥「お待たせ。いいらしいわ。一階下の植物園で待ってるって」

希「そうですか、ありがとうございます。じゃ、凛ちゃん。行こうか」

凛「にゃ!戦極さん…、どんな人なんだろ」



植物園


希「うわぁっ…、見たことない花がいっぱい…、なんか毒々しいな…」

凛「うぅ…、趣味悪いにゃ…」

戦極「私の趣味だ、いいだろう?」

凛「うわぁっ!!い、いきなり目の前に!」

戦極「アハハハハ…、こんにちは。戦極です」

凛「お、驚かせないでください…」

戦極「いやぁ、ゴメンゴメン。初対面の人に驚きを与えるのが僕の一番の趣味でね。悪趣味だとはよく言われるよ」

希(…理解してるんやね)

希「初めまして。うちは探偵の東條希、って言います。すこしお話があって…」

戦極「まぁまぁ、立ち話もなんだし、座って紅茶でも飲みながら話し合おう。さ、そちらどうぞ」

希「え、あ、はい…」スワリ

凛「にゃっ」スワリ

凛「うぅ…、落ち着かないにゃ…」

希「こんなに植物に囲まれてることもそうそうないし、ね…」

戦極「どうぞ、うちの葉から作った紅茶です。なかなかの自信作さ」

凛「あ、ありがとうございます…、いただきます…」

凛(…うちの葉…、って、この毒々しい植物…?)

凛「う…」

戦極「アハハ!もしかして毒でも入ってるんじゃないか、って顔してるね。大丈夫大丈夫…、ゴクッ…」

戦極「フゥ…、美味しい。ね、平気でしょ。飲んでみてよ、さぁ」

凛「わ、わかりました…、んっ…、ゴクッ…」

凛「…っ!お、おいしい…!こんなおいしい紅茶、始めてにゃ…!」

戦極「でしょう?フフフ、キミ、いい顔して驚くなぁ。見ていて楽しいよ」

凛「あ…、な、なんか恥ずかしい…」

希「…あの、お話…、よろしいですか?」

戦極「ん?あぁ、そうだったね。話、か…」

戦極「…その前に、ちょっと自己紹介、しても構わない?」

希「はい?え、えぇ…、まぁ、いいですけど」

戦極「ありがとう。…私の名前は戦極凌馬。血液型はAB型で趣味は人を驚かせること、特技は>>126、好きな言葉は>>127だ。よろしくね」

合気道

ドライバー作り

戦極「私の名前は戦極凌馬。血液型はAB型で趣味は人を驚かせること」

戦極「特技は合気道、好きな言葉は『フルーツジュースにしてやるぜ!』だ。よろしくね」

希「は、はぁ…」

希(…なんか嘘っぽい)

凛(お、思ってたより熱血な感じのセリフが好きな人なんだなぁ…。言ってる意味はよくわかんないけど)

戦極「ではお話を…、どうぞ」

希「え、えぇ…、呉島貴虎さんについてのことなんですけど…」

戦極「あぁ、彼、最近来てないよね。何かあったのかい?」

凛「えっ…、知らないんですか?」

戦極「研究に夢中になると周りのことを気にする余裕がなくてね。すまない、教えてもらえるかな?」

希「…呉島さんは、今心神喪失状態で入院中です。そのことを弟の光実さんに依頼されて…」

戦極「なんと、貴虎がそんな…!一体どうして…!」

希「そのことについてお伺いに…。弟の光実さんからの話によると何者かに襲われて、ということなんですが…、心当たりは?」

戦極「…貴虎が、誰かに?いや…、わからないな…。恨みを買うようなことはしていないと思うが…」

凛「そうなんですか?あの…、誰かの研究を横取りした、とか…」

戦極「いや、彼は誠実な人間だからね。私が狙われるならまだしも…、彼がそんなことをする人間だとは思えない…」

希(自分はそういうことしたことあるの…?なんか気にかかるな…)

戦極「ん?おっと、別に私も誰かの功績を盗もうなんて考えたことはないよ?そう見られ得る、って話しさ」

希(怪しむ目線がバレたみたいやね)

戦極「いやしかし…、怪物が貴虎を襲う理由があるとするならば…、彼の弟、かもしれないね」

凛「弟?」

戦極「あぁ、彼の依頼を受けて調査に来たのだろう?呉島光実。貴虎は彼にご執心だからね」

希「…ご執心?お、弟に?」

戦極「あぁ、貴虎は光実くんを溺愛している。過保護、とも言えるかもしれないね」

戦極「この間なんか暇ができたからといって光実くんの高校に遊びに行ったくらいだ」

凛「うわ…、キモ…」

戦極「それに休日には二人で>>132に行くような仲でもあるしね」

仮面ライダーの映画

戦極「休日には二人で仮面ライダーの映画を見に行くような仲でもあるし」

凛「…あの歳で?」

戦極「あぁ、あの歳で。なんでも今やってるぶどうのライダーが貴虎はお気に入りだそうだ。あんまり出番なくて悲しいとも嘆いていたけれどね」

希「戦極さんは…、呉島さんとUSJに行く、って聞いてますが…、それは?」

戦極「ん?あぁ、それも本当だよ。光実くんも毎日暇じゃないからね。彼が友達と遊んでて貴虎に構ってあげられないときは…」

戦極「…仕方なく、私が付き合ってあげているんだ。さみしがり屋だからね、彼は」

凛「付き合うのもどうかと思うにゃ…」

戦極「まぁ…、私の知る限り、彼自身が襲われる理由は思いつかないが…」

戦極「…もし光実くんのことで何かトラブルがあったとするならば…、その限りではないかもね」

凛「トラブル…」

戦極「フフ、例えば…、『光実と付き合いたい…!?ふざけるな!貴様のようなクズに弟がやれるか!』とか言ってそうだし…」

戦極「それで恨みを買ってるなら、それは私のおよび知るところの範囲外だ。すまないね、役に立てなくて」

希「…」

凛「ど、どうする…?東條さん…。今度は光実さんの関係を当たってみる?」

希「…」

希(…確かに、貴虎さんを襲った人物が、必ずしも貴虎さんのいう『信頼のおける人物』とは限らない…)

希(彼は職場に向かう前に襲われている貴虎さんを目撃した…。ならば通り魔的な犯行であるとも否定できない…)

希(…でも、何か…、何か、引っかかる…。どこかで…、見落としをしているような…!)

希「…っ!!」

凛「…東條さん…?」

希(…わかった…!これや!犯人は…、間違いなく…、この人!戦極凌馬…!)

希(なぜなら…、彼は知りえないことを知っていた…!この事件を目撃した人物しか知りえない…、あること…!)

希(それを口にしていたんや!それは…>>136や!)



※どういうことか推理してください。当たってなくても普通に進行します。

※たぶんよく読めばすぐわかると思います。

ちなみに中の人はサッカーが好きで仕事が無ければWカップを見に行きたいと思っていたりする

「生き残る気はありません。皆無です。仮面ライダーカイムですねww」だそうな

なんつータイミングだよ!
まぁいいや、書いてる時間で推理してね 簡単だと思うから

希(事件を目撃した人物しか知りえない、あること…!それは…!!)



希「…戦極さん」

戦極「ん?なんだろうか。もうお話は終わりかな?」

希「…いえ、最後に、もう一つ。なぜ、あなたは…」


希「…貴虎さんを襲ったのが、『怪物』だと知っていたんですか?」


戦極「…え?」

希「これは…、光実さんが警察に言っても信用してもらえなかった、ありえないこと、です」

希「うちも…、できるだけ化物、だとか…、そういった類の言葉を使うことは避けてきました」

希「なのにあなたは…、なぜか貴虎さんを襲ったのが怪物、であると、そう言った…!」


(戦極「いやしかし…、怪物が貴虎を襲う理由があるとするならば…」)


希「この事実を知っているのは、目撃者である光実さん、その光実さんから話を聞いたうちら、被害者である貴虎さん、そして…」

希「…犯人しかありえない…!」

希「…ましてやあなたは、ついさっきまで貴虎さんが襲われていたことすら知らなかった…!」

希「誰かから噂程度で聞いた、なんて言い訳も、通用せんよ…!?」

戦極「…」

希「…呉島貴虎さんを襲撃した犯人…、それは…!」

戦極「…ハハハ、まいったなぁ…」

希「…!?」

戦極「いやはや…、久しぶりにこんな可愛らしいお嬢さんたちと喋ったせいか…」

戦極「…うっかり口を滑らせてしまったようだ。ハハッ…」

凛「そ、それじゃあ…!本当に…!?」

戦極「…うん。そうさ。私が貴虎を襲った犯人。…化物だ」

希「…なんで、こんなこと…!」

戦極「…ついこの間、彼と共同開発していたあるものが完成した」

戦極「かなりの繁殖力を誇る植物。これさえあれば植樹にかかるコストは90%も削減される…。まさに神の植物だよ」

戦極「コイツを発明した人間には…、それこそ神に匹敵する栄光が与えられる…!」

凛「だからって…、どうして…!?」

戦極「…要らないんだよ。神は二人も、ね…」

希「ま、まさか…!」

戦極「…この世紀の開発を、私一人のものとしたい…!ならば、貴虎は邪魔だ、消すしかない…!」

戦極「だけど殺害なんてしたら証拠が残る…!だったらもう証言できないようにすれば…!そう、魂を抜いてねぇっ!!アハハハ!!」

凛「そんな…、ひ、酷い…!!」

希「そこまで証言した、ってことは…、認めるんやね、罪を…」

戦極「…探偵さん。キミは若い…。だが、若いからこそ、やってはいけない過ちを侵してしまった…。それは…」

戦極「凶悪犯に立ち向かう力を、用意してなかったことさ…!!」 \ジャックオーランタン!!/

希「しまっ…!!」

ジャックオーランタン・ドーパント(以下ジャックD)「フハハハハ…!」


希「こ、これが…!化物…!?」

凛「ひ、ひぇぇ…!!」

希「くっ…、今は一旦…!」


ジャックD「…逃がさないよ?ここは私の庭だ…!」


シュルルルッ!!


希「くっ…!!植物が勝手に…っ!!?」

凛「う、動いてるっ!キモいにゃぁぁっ!!」


希「だったら、おやっさんが使ってたこのガジェットで…っ!!」\ラット/


ジャックD「甘いね!」ボファァッ!!


希「きゃぁっ!!ラットリンガルが…っ!」

カランカランッ…


凛「ひ、ひやぁっ…!!植物が絡みついてきて気持ちわるいよぉ…!!動け、ないにゃ…!」


希「凛ちゃんっ!!や、やめぇよっ!凛ちゃんには手出さんといてっ!!」


ジャックD「…そうはいかない。私の正体を知ってしまったのだからねぇ…」

ジャックD「君たちももう、証言できない体にしてあげよう…!」

凛「ひっ…!!」

ジャックD「…さっき言った自己紹介だけどね。あれ…、全部ウソなんだ」

凛「へ…?」

ジャックD「私の特技はペン回しだし、好きな言葉は『ここからは私のステージだ!』だし…」

ジャックD「ついでに血液型はB型で本名はリョウマ・レモネードなんだよ」

凛「えっ…、そ、そんな…、だ、騙したの?」

ジャックD「アハハハ!そう、騙したんだ!まぁ本名はウソだけれど。…ま、そういうわけだから」

ジャックD「キミの魂…、頂いていくね?」

凛「えっ…?あ、っ…!!う、ぐ…!ぅ…、ぁ…」


希「り、凛ちゃんっ…!?」


ジャックD「ハハハ!これはまた…、上質な魂だ…。あ、そうそう、趣味もウソなんだよ。私の本当の趣味は…」

ジャックD「…人を騙すこと。そして、このジャックオーランタンメモリは…、私のウソで『騙された!』と思った人の、魂を頂くメモリ…」

ジャックD「ランタンから炎を放ったり植物を操ったりする力は私が独自に改良を重ねた結果生まれた能力だよ!ハハハ、すごいだろう?」


希「そ、そんな…、凛ちゃんの、魂が…、ぬ、抜かれた…!?」


ジャックD「さぁ、キミも…、抜け殻の体にしてあげよう…!」

希「う、ぐ…、こ、このままやと…!!うちも…、やられる…!!」

希「今は…、に、逃げるしか…!!」


ジャックD「逃がすかァッ!!」ボファァッ!!


希「ぐぅっ…!!」サッ


パキーンッ!!


希「植物園の窓ガラスが…、割れて…!!」


ジャックD「フフ、どうする気かな?私を倒さない限り、エレベータへは近づけないわけだが…」

ジャックD「私に魂を奪われるのが先、かな?」

ジャックD「いや、そうだな…。その窓ガラスから不意に転落…、それもいいな…」

ジャックD「どっちにしろ、口封じさえできればそれでいい…!」


希「ぐ…!ど、どうする、うち…!!」

希(…アレを使えばここからの脱出も可能…、でも…!)

希(凛ちゃんの身体は…、持っていけない…!少なくともアイツに近寄る必要があるし…!)

希「ど、どうすれば…、どうすれば、ええんよ…!!」


凛「…て」


希「り、凛、ちゃん…?魂を抜かれたはずの、凛ちゃんが…」



凛「に…、げ…、て…、お…、ね…、が…、ぃ…」



希「…っ!!凛、ちゃん…っ!!」

希「…くっ!!ごめん、凛ちゃんっ!!」バッ!!



ジャックD「…っ!?自ら外に身を投げた!?ここを何階だと思って…!」



希「でも…、大丈夫…っ!!」

希「この>>144メモリ(小動物or昆虫)を>>145型のガジェット(小物的な何か)に挿入すれば…!」

タヌキ

ダイオウグソクムシ

希「このタヌキメモリを腕時計型ガジェットに挿入っ!!」\タヌキ/

希「超衝撃吸収タヌキのキン○マエアバッグやっ!」


ボヨンッ


希「あいてっ!う、跳ねた衝撃までは受けきれない…」


ジャックD「くっ…、逃げられた…!」


希「…今は、逃げるしかない…!アイツに、対抗する力を…!!」ダッ


ジャックD「…まぁいいさ」プルルル…


親鳥「はい、こちら親鳥」

戦極『やりやがった!あの探偵を名乗る少女、私の研究を盗んで逃げたんだ!』

親鳥「えっ…!?な、なんですって!?」

戦極『よくわからないがこの階から飛び降りても平気だったらしい。まるで怪盗だよ』

親鳥「な、なら早く警察に…!」

戦極『いや、警察沙汰は面倒だ。幸いあまり重要でないものだったし、被害も少ないからね』

戦極『それに…、色々と見られたくないものもあるし、ね…』

親鳥「そ、そう…。わかったわ、あなたの言うとおりにする…」

戦極『ただ、もう二度とあいつらを中へは入れないよう言ってくれ。頼んだよ?』

親鳥「えぇ、えぇ…、わかった…」



戦極「…全く、あなたは御し易い。優しすぎるよ…」

戦極「さて…、この少女…、どうするか…」

凛「ぁ…、ぅ…」

戦極「そうだなぁ…、殺害すれば証拠が残る…。なら…」

戦極「…キミは植物たちの養分となってもらおう。そうすれば跡形もなく消えるはずだ」

戦極「キミも、綺麗な花たちになれるなら、嬉しいだろう?アハハハハハハ!!」

凛「ぅ…、ぇ、ぁ…」

希「はぁっ…!はぁっ…!!」


(「その子と…、娘を頼んだぞ…。希…!」)


希「はぁっ…、はぁっ…!!」

希(うちは、うちはっ…!!)



星空☆探偵事務所内


ガチャァンッ


真姫「いらっしゃ…、おかえりなさい、希」


希「はぁ、はぁ…!」


真姫「どうしたの?息切らせて?」

希「凛ちゃんが…、凛ちゃんが…っ!!」



真姫「…そう、そんな、ことが…」


希「うちは…、また、守れなかった…!昨日はおやっさんを失って…、今日は、その娘の、凛ちゃん…!」

希「おやっさんの最後の頼みも、うちは…!う、うぅっ…!!なんて、なんてことを…、してしまったんや…、うちは…!!」

希「うぐっ…、うあぁぁぁぁ…、凛ちゃんっ…!!凛、ちゃん…!!う、うぐっ…!!」


真姫「…やめなさいよ、みっともない」


希「えぁ…?」

真姫「…泣いて凛が戻ってくるの?あなたのその涙はね、ただの甘えよ」

真姫「もう居もしないあなたの大切な人に、許しを乞う、愚かな行為よ」

希「な、なにを…!!あ、アンタに…、うちの何がわかるんよぉっ!!!」

真姫「わからない。何も…、わからないわ」

真姫「私には、大事な人も、何もいないから」

希「あっ…」

真姫「…あなたには、いるんでしょう?まだ、大事な人が」

真姫「なら、取り戻したい、って…、そうは、思わない?」

希「…真姫、ちゃん…。で、でもっ…、うちには…、そんな、怪物に対抗する力なんて…」

真姫「…あるわ」ガチャッ

希「…え?その、アタッシュケース…」

真姫「…これを使えば、あなたは対抗する力を得る…、だけど」



真姫「悪魔と相乗りする勇気、あなたに…、あるかしら?」



第三話「Jの探偵 / 始まりは涙から」

おわり

真姫「…今更だけどサブタイトルは「探偵のJ」にしたら良かったかしら、探偵の助手、的な…」

希「こっちは女性の探偵、って意味のJ、やからね。あ、サブタイは最初付け忘れてたけどやっぱり今度からは終わりのタイミングで付けることにするね」

真姫「一通り終わってからの方がどういうサブタイつけようか、って考えられるしね」

希「それから今回の登場人物について…、今回は現在放映中の仮面ライダー鎧武からユグドラシル関係の三人に東條してもらったね」

真姫「…登場の字が違うけれど、そうね。あ、ここで聞いておきたいのだけれど…」

真姫「最初に呉島光実が安価で来ちゃったからなんか流れで出しちゃったけど読んでくれている人はライダー系列から勝手に登場人物引っ張ってくるのに違和感ないかしらね?」

真姫「こちらとしてはラブライブ!だけだとどうしても登場人物を補えないから以降も出したいけれど…、どうなんでしょう」

希「ラブライブ!の主要メンバーは基本的に本編での主要人物、Wで言うところの照井や井坂さんに使いたいから、こういうところではどこからか引用する方が助かるんよね」

真姫「1,2話のにこちゃんの苗字が矢尻、だったのも、主要人物でない場合にラブライブ!キャラが出た場合は苗字を変えて、って考えてたからなのよね」

希「だからまだうちの昔の知り合いじゃないにこっちの、矢澤にこ、が登場する可能性もあるんよね」

真姫「えぇ、だから当初はそうやって何人も使いまわすことでストーリーを組み上げようとしてたのだけれど…」

希「もしライダーの登場人物を使ってもええんやったら、結構楽になるよね、って話やね」

真姫「別にラブライブ!のキャラが出ちゃダメ、ってわけじゃないけどね」

希「意見待ってるね」

希「それじゃあ今日は、終わ…」

真姫「…らないわ。3時くらいまで続けてやるもの」

希「え?」

真姫「ちょうど人も集まってきてるでしょ、たぶん。ならこのタイミングで安価多めの序盤やったほうが楽だわ」

真姫「ストーリー考えて安価しようとするとどこを安価にすればいいかかなり迷うしね。特に終盤は」

希「だから今のうちに、か…。でも今から始めても第四話は今日中には終わらないよね?」

真姫「もういいわよ別に。最初に1話完結とか言ったけどこれ2話完結だし!」

希「まぁ…、確かに…」

真姫「というわけだから、続けて第四話!サブタイは未定!始めて行くわよ!なるべく遅くまで付き合ってね!」

希「眠たい時に寝るのが一番やよ」

星空☆探偵事務所


希「なに、これ…。おもちゃや、なかったん…?」

真姫「…これは、ミューズドライバー、よ」

希「ミューズ、ドライバー…」

真姫「この、ガイアメモリと呼ばれるアイテムを含めた総称をミューズドライブギア…」

真姫「本来はドーパントとして肉体を変異させるガイアメモリも、このドライバーに通して使用することで…」

希「ちょっ…、まってまって…!意味わからん…、ガイアメモリ…?ドーパント…?」

真姫「あぁもう!もう一回説明させる気!?わかんないなら第一話から見てきなさいってば!」

希「いやだからメタすぎ…」


-説明カット-


希「な、なるほど…、あの怪物…、ドーパント、っていうんや…」

真姫「私を連れ出したビルにもドーパントがいたはずよ?覚えてない?」

希「いや…、ちょっとわかんないわ…」

真姫「そう。まぁそのドーパント以上の力を、このドライバーは使用者にもたらしてくれるのよ」

希「あ、だったら…、これを使えば…!」

真姫「…だけど、このドライバーの使用には危険も伴うわ。並みの精神力の持ち主じゃ…、耐え切れないかも」

希「う…」

真姫「それでも…、やる?」

希「もちろんよっ!」

真姫「あら、即決ね」

希「だって…、うちの…、うちの大切な人を取り戻すためやもんっ!…どんな危険だって、乗り越えてみせる!」

真姫「ふふっ…、そういう根拠のない強がり…。結構好きかも」

希「それじゃ、今すぐにでも…」

真姫「ユグドラシル、行く?」

希「うんっ!」



ユグドラシル・コーポレーション受付


受付「…申し訳ありません。東條様はもう通すな、と仰せつかっておりまして…」

希「そ、そんな…」

受付「…というか、どうして退出記録がないのに外に…?」

希「え、あ…、し、失礼しましたっ!」


真姫「…ダメ、だったわね」

希「対策済み、か…。なら…」

真姫「どうするつもり…?」

希「…不法侵入や」

真姫「…ゾクゾクする響きね」

フルーツパーラー『ソングフォーユー』


穂乃果「ねーゴローちゃん!ここの店名ダサくない?ソングフォーユーって…ハッ」

店長「だからゴローじゃねぇって…。じゃあどうすればいいのよ」

穂乃果「穂乃果的には間にオブをつけるとそれなりに…」

希「こんにちは」

穂乃果「おぉっ!のんたんっ!のんたんではないか!やーん、かわいいっ!」ダキッ

希「や、やんっ…、やめてよ穂乃果ちゃん…」

真姫「何この人…」

穂乃果「ん?そっちの人は?」

希「新しく探偵事務所に来た西木野真姫ちゃんよ。かわいいやろ?」

穂乃果「う…、うんっ!すっ…………………、っごいかっわいいっ!!なんなのよ!この子希ちゃんのなんなのよ!」

希「まぁ保護してる子、ってとこかな…」

真姫「…気持ち悪い、この人」

穂乃果「ぐっさー!今の冷たい言葉、胸に響くねっ!あぁ…、しあわせ…!」

真姫「うぇ…」

希「まぁそれはいいとして…、穂乃果ちゃん。お願いがあって…」

穂乃果「んにゃ?」




穂乃果「ほうほうなるほどねー…、ユグドラシル・コーポレーションへの侵入経路…」

希「わかる?入口以外に入るとこ」

穂乃果「強行突破じゃダメなの?」

真姫「…外から見た感じ、植物園があの高さまであると…、強行突破したら止められてエレベータが使えない、って考えると…」

真姫「階段を使うにしても途中で捕まる可能性もあるし。だいたい見つかれば希も一緒にブタ箱行きよ」

希「せやなぁ…、警察の厄介にはなりたくないね…」

穂乃果「うーん、だったらぁ…、うん!わかった、調べてみる!3時間、時間頂戴!」

真姫「3時間でいいの?」

穂乃果「うんっ!ビルの構造さえわかればあとはなんとか…」

希「お願いね」

穂乃果「たーだーし…、報酬はそれに見合うものでないとねぇ…、フフフ…」

真姫「何…?なんなの…?」

希「穂乃果ちゃんは女の子の恥じらいを見るのが大好きやねん…。それが報酬よ」

穂乃果「そう!そして今回は真姫ちゃん!あなたがターゲットです!」

真姫「ヴぇぇぇぇっ!?わ、私っ!?」

穂乃果「そうそう!真姫ちゃんが~…、>>160(ここにいる人物)に、>>161してるの見せてくれたら~…、やってあげるぅ~♪」

フルーツパーラーの女店員

キス

穂乃果「このフルーツパーラーの女店員さんに真姫ちゃんがちゅーするの見せてくれたらいいよっ!あ、ほっぺでも可!」

女店員「えっ」

真姫「は、はぁっ…!?ふ、ふざけてるわね…」

穂乃果「え、しないの…?なんだ…」

穂乃果「私、やめます…。調べるのやめます…」

希「あー…、こうなった穂乃果ちゃん面倒やよ…?ね、真姫ちゃん、お願いやから…」

真姫「え、えぇ…、わ、わかったわよ!別に皮膚の一部を相手と接触させるだけの行為でしょ?問題ないわ」

真姫「そ、それじゃあ…、行くわよ?」

穂乃果「おっ…?おっ…?」

女店員「う…」

真姫「んー…、ちゅぅ…」

女店員「んんっ…!?」

希「えっ…、ま、真姫ちゃっ…!?」

穂乃果「おっほぉっ…!」

店長「おやおやまぁ…こりゃあ…」

真姫「ん、ふぅっ…、しゅるっ…、こ、これでいいんでしょ?」

穂乃果「あ、っはぁ…、いいねぇ、真姫ちゃん…!」

希「ま、真姫ちゃん…、別にほっぺでもいいって言ってたのに…、なんで唇…?」

真姫「へ…?き、キス、って…、唇同士でするものじゃないの…?え、違うの…?」

女店員「///」

穂乃果「うぅんっ!いいんだよ!フヒィ…、いやぁ…、これはたまりませんなぁ…」

穂乃果「よっしゃぁっ!元気メッチャ出た!それじゃあ行ってくるねぃっ!!どひゃぁっ!」ダダッ


真姫「行っちゃったし…、なんだったのかしら…」

希「うちとしては真姫ちゃんのがなんだったのか、やけど…」

真姫「…それで?3時間、暇になっちゃったけど…、どうする気?」

希「もちろんその間で侵入の準備やね」

希「>>164に行ってみよう」

スポーツ用品店

スポーツ用品店『メロディア』


真姫「なんかこの街…、音に関する名前の店名ばっかり…。ここなんかスポーツ用品店なのに紛らわしくない?」

希「音の都、音都やからね。それだけ音に思い入れが強いんよ」

真姫「ふーん…、そうなんだ。で、ここに何買いに来たわけ?」

希「まぁ色々と…、ね。こういうのが役に立つんよ。フフフ…」

真姫「…よくわかんないけど、楽しそうね」



希「…戦極凌馬は真姫ちゃんの持ってるガイアメモリとは一風変わったメモリを持ってたけど…、こう…、もっとグロテスクな…」

真姫「それはドーパントメモリ…。最も単純な…、って言っていいのかわからないけど、まぁシンプルなモノ、っていうのかしら」

真姫「一般的なドーパントのメモリは地肌に直接付けられたコネクタにぶっ指すことでドーパントへと変異するけど…」

真姫「私の持っていたミューズのメモリは肌へ直接指すことは不可能、ミューズドライバーを介してでしか能力を発揮できないようにカスタムされているのよ」

希「へぇ…、なんやよくわからないシロモノ、やね…。なんでそんなモノ、戦極さんは…」

真姫「…密かに裏でガイアメモリの売人が動いてるのよ。きっとこれから、ガイアメモリ関連の事件は数を増すでしょうね」

真姫「売りたい人も、買いたい人も、多くなってくるでしょうから…」

希「…えらい詳しいんやね。ちょっと前まで何も知らなかった子やのに…」

真姫「暇だったからね。希が留守の間読んでいたのよ、『楽譜』を」

希「…『楽譜』…?」


3時間後…


フルーツパーラー『ソングフォーユー』


穂乃果「もうっ、しわけございませんっ!!侵入経路…、何の成果も得られませんでしたぁっ!!」

希「なにやってんのよ…」

穂乃果「うぅっ…、ビルの細かな構造までは調べてきたんだけど入口以外の出入り口がどうにも…、非常口はあったけど警備員に見つかっちゃうし…」

真姫「…」

穂乃果「あぁっ!!真姫ちゃん!ごめん!あんなことさせといてこんなザマなのは謝るからぁっ!!なんでもするから許して!」

真姫「別にいいわよ…。はぁ…、最初からこうしてればよかった…」

真姫「…すぅ」

希「…真姫、ちゃん…?」

真姫「…さぁ、調律を始めましょう…。曲名は…『ユグドラシルへの侵入経路』…」

希「真姫ちゃん…、一体なにを…」

真姫「…希、さっき購入したスポーツ用品の名前、なんでもいから3つ、言ってみて…」

希「えっ…?あぁ、3つだけでいいん?わかった…」

希「>>166と、>>167と、>>168、かな…?」

ジャージ

スニーカー

登山用ザイル

3時までやるとか言った手前申し訳ないが体力の限界だ… 何も考えられねぇ…
三話の展開考えるのに脳みそ使いすぎてどうしようもないです 侵入経路ってどうすればいいのよ…
まぁ明日までに考えておきます おやすみなさい ほなな!

そういや親鳥って理事長の事じゃないんかね

>>175
理事長のことだけど理事長って名前使えないじゃん 理事長じゃないから
なんかもじった名前にしようかと思ったけど思いつかないんで苗字:親鳥にしました 脳内で理事長に変換しておいてね

はい、じゃあやっていくよ ちゃんと大筋は考えたけど安価の使いどころがわからぬ
でもちょいちょい出していくかも知れないんでよろしくお願いしますね

希「ジャージとスニーカーと登山用のザイルがあるけど…」

真姫「…ふむふむ、なるへそなるへそ…」

希「…何がわかったん?」

真姫「ふっ…、調律は終了したわ。これが…、『ユグドラシルへの侵入経路』…」

穂乃果「…な、何やってるのですか、この子は…」

真姫「…本来こうやって使うものじゃないからメチャクチャな曲調だけど…、一応これで出来るはず…」

希「ちょっ…、ちょっと待ってよ。うちらにも説明してよ…。何が何だか…」

真姫「…私の頭の中にはこの世界のありとあらゆる事象が『楽譜』の形で記録されているのよ」

穂乃果「へ…?」

真姫「でも、その楽譜は探し出すまでとても曖昧な形で漂っている…。だから、複数のキーワードを紡ぐことで『調律』してる、ってわけ」

希「い、意味がわからない…、けど…、その行為で侵入経路、わかった、ってこと…、やんね?」

真姫「まぁね、天才真姫ちゃんにかかればこんなものよ」

穂乃果「お、ぉ…!なんか悔しいけどしょごい…!」

希「じゃあ教えて!どうやって…、侵入するのか!」

真姫「いいわ、私の調律した大胆かつ斬新な侵入経路…、それは…!!」



ユグドラシル・コーポレーション ××階 研究室


戦極「…」


あんじゅ「こんにちは、戦極さん」

戦極「また、キミか…、懲りないねぇ…」

あんじゅ「いいじゃない、あなたの腕を買ってる証拠ですもの」

戦極「…はぁ。で、要件は?まさかまた…」

あんじゅ「…UTXで働いてもらえない?」

戦極「…やっぱりそれか。何度言ったらわかってもらえるのかな」

戦極「私はユグドラシルを離れるつもりはない。帰ってくれ」

あんじゅ「あなたのメモリ改良の技術があればガイアメモリの性能は更に躍進する」

あんじゅ「名声だけじゃなく…、本当に神に匹敵する力を得られるようになるかもしれないのよ…?」

あんじゅ「もちろん報酬だってたんまりと…」

戦極「帰ってくれ!…私はここが気に入ってるんだ。ここ以外で働くつもりはない」

あんじゅ「…ふぅん。…わかったわ。惜しいけど、あなたのことは忘れてあげる…」

あんじゅ「…ところで、いつもはお気に入りの植物園で紅茶を飲みながら、なのに…」

あんじゅ「今日はどうして普通の研究室なのかしらね?ふふ…」

戦極「君には関係のない話だ。…いつまでも不愉快な声を発するようなら…」

あんじゅ「ハイハイ、帰るわよ。じゃあね、戦極凌馬さん」スタスタ


戦極「…はぁ。あぁいう女性は嫌いだ。それに比べたら、さっきの探偵の少女の方が…」

戦極「そういえば彼女を逃がしてしまっていたな…。ベラベラと自白してしまったが警察に通報でもされたら…」

戦極「…いや、問題はないだろう。警察もまさか怪物が人を襲うなんて信じるはずもない。まぁ、いざとなれば…」

戦極「あの子を人質に取ればいいだけのこと、さ…」

星空☆探偵事務所内


真姫「…そして、凛を救い出す。これが作戦よ」

希「…」

真姫「どうよ、私の完璧な作戦。恐れおののいたでしょう?」

希「…ちょっと、単純すぎる気もするんやけど…、大丈夫?」

真姫「作戦なんてシンプルなくらいが一番いいのよ。なに、不安なの?」

希「まぁ…、正直ね。それに…、やっぱり、警察に通報したほうが…」

真姫「…それだけはやめておきなさい」

希「な、なんで…?」

真姫「…今はまだ戦極凌馬が呉島貴虎を襲った証拠が自白しかない。ガイアメモリもまだ一般には知られていないでしょうし」

真姫「仮に、戦極が他の罪で逮捕されたとしても…、むしろそっちのほうがアウトだわ」

希「どうして…?」

真姫「戦極が刑務所に入れば、メモリを破壊することができなくなる…。そうなれば凛の魂は…」

希「あっ…!永遠に…、戻らない…!」

真姫「そういうこと。…警察に気づかれる前に、アイツを倒す必要があるわ」

希「…わかった。うち、やる…!それしか方法がないなら…!」

真姫「ふふ、よろしい。なら、準備するわよ…!」



ユグドラシル・コーポレーション 研究室


親鳥「…ね、ねぇ…、さっき、言ってたこと、って…、本当、なの…?」

戦極「さっき?あぁ、探偵の女が研究を盗んで逃げた、ってことですか?ハハ、疑ってるのかな?」

親鳥「いえ…、疑ってるわけじゃないけど…。も、もしあの…、知られたら、マズイことだったら…」

戦極「平気ですよ。なんの問題もないモノだ。…だが、もしかしたら警察が事情聴取に来ることくらいあるかもしれない…」

戦極「そのときは…、わかってますよね?親鳥さん…」

親鳥「う…」

戦極「私たち…、あなたと、私と…、そして貴虎は共犯者だ…。人を狂わせるクスリを密売しているという秘密を共有している…」

戦極「負い目を感じているとしても…、もう引けないんですよ。あなたにも家族がいるのでしょう?」

親鳥「う、うぅ…!で、でも…、その秘密を隠し続けたストレスのせいで…、呉島さんは…!」

戦極「貴虎?…あぁ、あのこと…。それに関しては不幸な事故だったとしか言い様がない。いずれああなる危険性を孕んでいたとしても…」

戦極「…暗い檻の中は…、イヤ、でしょう…?フフフ…」

親鳥「…う」

戦極「バカな気を起こさないうちに早く研究に戻ってくれたまえ。私は植物園で紅茶を飲んでくるよ」スタスタ



親鳥「…こんな、こと…、いつまでも隠し通せる、なんて、思えない…!」

親鳥「それに…、呉島、さんは…、あんな状態に…!彼にも…、大切な家族がいたはず、なのに…!」

親鳥「…たしか、光実くん…。きっと…、心細い思いをしているはず、だわ…。もし、私がああなっていたとしたら、娘は…」

親鳥「…やっぱり、いけない…。せめて…、このことを光実くんだけにでも…」


プルルルル…

ユグドラシル・コーポレーション 非常口前


警備員「ふわぁ~…、暇だなぁ…」


真姫「あ、お疲れ様ですー」

警備員「…ん?あ、あぁ…、お疲れ様…」

希「今やっ!」

警備員「んぐぅっ…!?ぐ、う、ぐ…、ガクッ…」


希「…警備員さんにジャージとスニーカーに着替えさせて…、ザイルで縛る…。しばらく眠っててね?」

希「そしてうちはこの警備員さんの服装を奪って変装や!」

真姫「ふふ…、やはり完璧すぎる作戦だわ…。古今東西あらゆる怪盗が使った手段でもあるもの…」

希「…まぁ、主にフィクションやけどね…」

真姫「フィクションの住人が何を言っているのやら。さて、私はまだやるべきことがあるから、侵入に関しては、あとは頼んだわよ?」

希「うん、了解。頼んだよ、真姫ちゃん」

真姫「おっけー」



ユグドラシル・コーポレーション内


希「…」ドキドキ

希(…こうやって警備員として潜り込むのには成功したけど…、ば、バレたら一巻の終わりや…。ススメを歌う羽目に…)

希(ってそれはBD一巻の最後のシーンが穂乃果ちゃんたちのススメ→トゥモロウであるから…、ってうちは一体なんの話を…)

希(と、とりあえず…、なるべく人に見つからないように…、慎重に、慎重に…)




あんじゅ「はぁ…、なんで私があんなキザったらしい男をスカウトしに来なくちゃいけないわけ…?」

あんじゅ「私は可愛らしい女の子の方がスキなのに…。はぁ、帰ったら英玲奈に慰めてもらお…、あぁ、英玲奈様ぁ~…麗しの英玲奈様ぁ~…」

あんじゅ「…でも最近英玲奈も飽きてきちゃったのよね…。いえ、英玲奈の麗しさは不動のものだけど…」

あんじゅ「でも高級料理でも毎日食べてりゃ飽きるっていうか…、はぁ…、どこかに可愛い女の子、転がってないかしら~…」



希「し、慎重に…、慎重に…」


あんじゅ「…はぁ」


希「…っ!」

希(…ひ、人がおる…。い、いや…、平然としていれば怪しまれずに…)

希「こ、こんにちは…」

あんじゅ「…えぇ、こんにちは」


希(…よ、よかった…、怪しまれてない…。うぅ…、真姫ちゃん、は、早く…!)



あんじゅ「…あれ、あなた…」

希「…っ!!」


希(も、もしかして…、ば、バレた…っ!?)

あんじゅ「あれ、あなた…」

希「ぅ…!」


希(いや…、き、聞こえないフリして…、こ、このまま行ってしまえば…)


あんじゅ「ねぇ、あなた…、ちょっと…、聞いているの?」

希「う…!」


希(アカン…、ごまかしきれない…!)


希「あ…、えっと…、うち、あ、いや…、私ですか…?」

あんじゅ「えぇ、あなた…」

希「ぅ…」ドキドキ

あんじゅ「…」ジー…


希(め、メッチャ見てくるやん…!やっぱり、これ…!)


あんじゅ「…そうだわ、やっぱり、あなた…」

希「う、ぐ…!!」


希(うぅっ…!!お、終わった…!)



あんじゅ「すっごくかわいいっ!!」



希「…へ?」


あんじゅ「ねぇ、あなたなんてお名前?キャー、こんなかわいい子が警備員なんて…!」

希「あ…、え…、な、名前、ですか…?」

あんじゅ「えぇそうよ。お名前。聞いてもいいかしら?」

希「え、えっと…、名前…」

希(流石に本名は名乗れない…、えっと…、偽名、咄嗟に出てくる偽名は…)

あんじゅ「ねぇ、ねぇ、教えてよ?」

希「あ…、>>181(苗字)>>183(名前)…、って言います…」

駆紋

ご飯食べるんで中断します

ことり

希「あ…、く、駆紋…、ことり、です…」

あんじゅ「くもん…?うふふ、変な苗字ね。…あ、ごめんなさい。気に障った?」

希「あ、いえ…、大丈夫です…」

希(自分でも変な苗字言ってもたって思ってるし…)

あんじゅ「何よもー…、ユグドラシルなんかには勿体無いくらいの美人さん。しかも警備員なんて…」

あんじゅ「ここの連中は一体何を考えてるのかしら…、いやぁそれにしても本当にかわいい…」

希(ん…?あ、この人…、ユグドラシルの社員やないんか…。それなら安心やね…)

あんじゅ「あ!ねぇあなた…。もしよかったらうちで働く気はない?」

希「へっ…!?」

あんじゅ「こんなところの、こ ん な と こ ろ、の警備なんかよりずっと楽しい職場よ?だから、ね?」

希「あ、いや…、うちは…」

あんじゅ「うち!?なにそれ、一人称?一人称うち、っていうの?キャー!ことりちゃん可愛すぎ!ますます欲しくなったわ!」

希(なんかこの子ノリが穂乃果ちゃんに似てるな…。合わせたら意気投合しそうや…)

あんじゅ「ね?いいでしょ?警備員じゃなくて私の専属マネージャーに迎えてあげてもいいわよ?」

希「え、っと…、実は…、うち、こ、ここの社員やなくて…」

あんじゅ「ん?別の警備会社の人なの?平気よ平気。どこからだって歓迎するわ」

希「ん、え、えっと…、あー、その…。ごめんなさい、実はこれは副業で、本業は既にあるんで…」

希「そっちは本当にやりたい仕事、なんで…、そういうのはちょっと…」

あんじゅ「あ…、そうなの…。それは…、うん、仕方ないわねっ。やりたいことをやってる人から無理やり仕事を奪うようなことはしたくないし」

あんじゅ(…そういえばあの男も…、そうなのかしらね…)

希「あ、そうですか…。じゃ、うちはこれで…」

あんじゅ「待って待って!ね、アドレス交換しましょ?私、あなたとぜひお友達になりたいの」

希「へぇっ…!?あ、いや…、今携帯は…」

希(…真姫ちゃんが持ってて…)

あんじゅ「あ、勤務中だから持ってない?じゃあ…、かきかき…、はいこれ!私のフルネームとアドレス、それと電話番号もおまけで!」

希「え、あ、その…、ご丁寧にどうも…」

あんじゅ「勤務が終わってからでいいから、メールかお電話、ちょうだいね?約束よ?」

希「あ、はい…」

あんじゅ「うん!それじゃ、また逢いましょう。ことりちゃんっ♪」スタスタ

希「はぁ…、な、なんや…、嵐みたいな女の人やったね…」

希「名前、…、優木あんじゅ…。もう名前からして可愛らしいやん…。すごいな…」


真姫『…希?希、聴いてる?』


希「あ、真姫ちゃんや…。小型インカムからの通信やね。うん、聞こえてる」

真姫『ならよし。じゃあ今から戦極を引き付けるわよ』

希「…うん」


(真姫「…おそらく戦極は植物園にいる…。そこに堂々と入っていってもバレるだけよ」)

(真姫「それに…、もし戦いになれば凛を巻き込む危険性もある…。だから一度一階まで引き付ける必要があるわ」)


希「それで…、引き付ける方法、って?」

真姫「ふふふ…、この真姫ちゃんに任せないさいな」

真姫「名前さえわかれば…、その人がどういう人物か、なんて手に取るように分かるわ…。すぅ…」

真姫「戦極凌馬…、ふんふん…、ハッ。小難しく飾ったようで意外と単純な曲調…。直情的なタイプね」

希『戦極さんが…?』

真姫「えぇ…、騙すのが趣味、みたいだけど…、反面、実に騙されやすい男、といったところかしら…」

真姫「だったら簡単…、彼に『こーこーこういう人が会いに来ましたよ』なんて言っちゃえばコロッ、っと出てきてくれるわ」

真姫「彼の好みのタイプの女性、とかだったら一発でしょうね」

真姫「そしてエレベータで一階に降りてきた戦極と入れ違い、希はそのエレベータに乗り込み凛のもとへ」

真姫「凛を救出し安全なところへ運んでから、戦極のメモリを破壊する、って算段よ」

希『なるほど…、思ったより考えてたんやね』

真姫「この真姫ちゃんを舐めないでいただきたいわね。…そして、いざ戦極と鉢合わせになったとき…」

真姫「ドライバーを使用する覚悟は、できてるでしょうね?」

希『…もちろんや。貴虎さんの…、そしてなにより、凛ちゃんの魂を取り戻すため…、あの怪物をぶっ倒す!』

真姫「うん、その意気よ。じゃ、私は戦極の好みの人が戦極に面会に来た、って受付に言ってくるわね。それまで希は怪しまれないように」

希『…オッケー』



ユグドラシル・コーポレーション 受付


受付「いらっしゃいませ。本日はどういったご要件で…」

真姫「あの…、研究職の戦極凌馬さんにお会いしたいという女性がいらっしゃって…、私はその代理として」

受付「かしこまりました。アポイントメントはお取りでしょうか?」

真姫「いえ、ですが…、>>186>>187、かつ>>188な女性が来た、と言っていただければ伝わると思います」

かわいい

今更だけど苗字「南」で良かったんじゃないかと思わない事もない
というか今日は早いな

胸の大きな

すまん

いきなりめっちゃ増えてビビるわ…、どうせどうでもいい安価なんで全部採用しますね

あと本当の苗字はレギュラーになる予定の人にしか使わない、って自分の中で決めてるんで南も使えなかったのよね
しかもことりちゃんはもう配役決めてあるし

真姫「かわいくて胸が大きく、クールで冷静沈着かつスピリチュアル、髪の毛くるくるの桃のような女性が来た、とお伝えください」

受付「えっ…、あ、はぁ…、かしこまりました。…もしもし、こちら受付ですが戦極さん…」



植物園


戦極「なんだって!?それは本当かい?も、もう一度言ってみるんだ!」

受付『で、ですから…、かわいくて胸が大きく、クールで冷静沈着かつスピリチュアル、髪の毛くるくるの桃のような女性がお会いしたいと…』

戦極「わかった!すぐ行く!」


戦極「かわいくて胸が大きく、クールで冷静沈着かつスピリチュアル、髪の毛くるくるの桃のような女性なんて…、まさに私の理想の女性!」

戦極「それがあっちからやってきてくれるなんて…!まさに夢のようだ!あぁ、今迎えに行くよマイハニー!」



ユグドラシル・コーポレーション 1階


チーン イッカイデス


戦極「はぁっ!エレベータで降りる時間も煩わしい!さぁどこだ!どこだ私の未来のワイフはぁっ!」


真姫『…降りてきたわ。すかさず乗り込んで』

希「…了解」


ササッ


希「…××階、と」ポチッ

希「さいなら、戦極さん…」





戦極「あれっ?どこだ…?どこにいるんだ私のワイフは!?」

戦極「おい受付!私のワイフを知らないか!?」

受付「へっ!?あ、奥さんだったんですか…?いえ…、代理の方が来られましたが奥さんのお姿は拝見しておらず…」

戦極「代理!?じゃあワイフはどこにいるんだ!?」

受付「えっ…、さ、さぁ…?あとは当人にお任せすると言って代理の方は帰られましたが…」

戦極「くっ…!!なら外にいるんだな!?待ってろ私のワイフ!」


受付「あ、あんな人だったのね…」



数分後…


ユグドラシル・コーポレーション前


戦極「どこだ!どこだい私のワーイフ!」

戦極「おかしい!かわいくて胸が大きく、クールで冷静沈着かつスピリチュアル、髪の毛くるくるの桃のような女性なんてどこにもいないじゃないか!」

戦極「…も、もしかして…、こ、これは…!?」

戦極「…」



戦極「騙、されたァッ…!!」

ユグドラシル・コーポレーション前


真姫「…これで時間は稼げたわね、あとは…」

プルルル…

真姫「ん?電話…?あ、はい…、もしもし…」

光実『あ、あれ…。その…、東條さんですか?』

真姫「あぁ…、あなたは…、依頼人の呉島さん?私は東條の…、助手の西木野真姫よ。どうしたの?」

光実「…実は、ユグドラシルの親鳥さんから…」


真姫「…なる、ほどね…」

光実『ど、どうすればいいでしょうか…。通報したほうが…』

真姫「あ、いえ、通報は…」

真姫「…いや、お願いしてもいいかしら?」

光実『わ、わかりました。では僕は警察にかけるんのでこれで…』ポチッ

真姫「…うまく、運んでくれるといいけど…。ん…?あ、あれれ…?」




植物園


希「はぁっ…、凛ちゃんっ!」

希「あれ…、凛ちゃんは…?」

希「凛ちゃんが見当たらない…、一体、どこに…?」

希「…あ、あれ…?ここだけ、なんか妙に植物が集まってる、気がする…」

希「いや…、それもあるけど…、なんか膨らんでる…。植物の中に…、何かが…!?」

希「まさかっ…!」ブチブチッ…!!

希「こ、これは…!」

希「り、凛、ちゃん…!凛ちゃんが…、植物に巻き付かれてる…」

希「多数の植物が凛ちゃんに絡みついて…、くっ!運び出せない…!」

希「ぐ、ぐっ…!このぉっ!!」ブチブチッ!!

希「うぐっ…、結構きつい…!全然植物がちぎれない…!!このままだと凛ちゃんが…!」

希「せや!ガジェットを利用して…」\ケツァルコアトルス/\ラット/

<グエー  ワンチューワンチュー>

希「頼む、凛ちゃんを…!!凛ちゃんを救い出して…!」

真姫『の、希っ!?聞こえる!?』

希「真姫ちゃん…?どうしたん、そんな焦って…」

真姫『…ま、まずい…!戦極が…、下からいなくなってる!電話に夢中になってて気付かなかった!』

希「えぇっ!ウソ…、まずい…!!早くしないと…」


ボファァッ!!


希「うぐぁっ!!」

ジャックD「もう…、遅いよ…!!」

ジャックD「東條…、そうか、やはり…、君の仕業かァッ…!!」

ジャックD「よくも…、よくもよくもよくもぉっ!!私のピュアなハートをコケにしてくれたねぇ…!」

ジャックD「かわいくて胸が大きく、クールで冷静沈着かつスピリチュアル、髪の毛くるくるの桃のような女性を騙った罪…!死刑でもまだ足りない!」

希「な、なによそれ…」

ジャックD「キミも魂を抜いて…、ふ、そうだなぁ…、人間を植物にする実験なんて…、一度やってみたかったんだ…!」

ジャックD「もし成功すればこの世界は全て植物で覆われる!コストもなにも要らない!!緑一色の最高の世界さ!」

ジャックD「その世界で私は唯一無二の神になる!植物を束ねる絶対の神…、いわばオーバーロードとでも名付けようか!アハハハハ!!」

希「なんやのこの人…、完全に…、おかしくなってる…!」

真姫『メモリの力に飲み込まれているんだわ…。はやく、メモリから開放してあげないと、この人も…』

希「手遅れ、か…」

ジャックD「さぁ、私の実験の礎となっておくれよ!ハッハァッ!!」


ボファァッ!!


希「ぐっ…!!」サッ

希(今手元にあるガジェットはタヌキウォッチのみ…、戦闘には使えない…)

希(あの二つのガジェットが凛ちゃんを開放してくれるまで、なんとか時間を…)

真姫『希』

希「な、なによ、真姫ちゃん…」

真姫『…ドライバーを、使いなさい』

希「つ、使うけど…、今使ったら、凛ちゃんを…!」

真姫『使おうが使わまいが、凛が危険な状況に変わりはない。それに、凛を守るには力が必要よ!』

希「で、でも…!」

真姫『…』

真姫『…やはりあなたは、恐れているのね』

希「…!」

真姫『ドライバーの力を恐れている。あの戦極を目の前にして、自分もメモリの力に溺れないかと不安になっている』

希「…せや、ね。そうかも、しれない…」

真姫『…だけど、きっと大丈夫。あなたなら…、出来る』

真姫『私を、信じて』

希「…根拠は?」

真姫『そんなもの、ないわ…。言ったでしょう?私、根拠のない強がり、好きだから』

希「せやった、ね…、ふふ…」

真姫『ふふふ…、さぁ、勇気を出して。あなたはひとりじゃない。私がついているわ』

希「…うんっ…!!だって…、うちらは…!」

真姫『私たちは…!!』


希・真姫『「二人で一人の探偵だからっ!!」』



ジャックD「何をわけのわからないことをっ!!はぁっ!!」


ボファァッ!!

希「っ!!」カチャッ!!

希「うあああああああああああああぁぁっ!!!!」ポチッ

\スター!!/

ガシャーンッ!!



ドガァァッン!!


ジャックD「ふふ…っ!直撃…助かるまい…っ!」



\クレッシェンド!!/\スター!!/



ジャックD「な、なんだ…!?」


デレレーンデレレデレレレーン



「…」


ジャックD「な、なぜ…!?なぜ、立っていられる…!?いや、というか…!」

ジャックD「お前…、誰なんだ…?」


「うちは…」「私は…」


「「Muse…」」


ジャックD「み、みゅーず…?まさか…、お前も…、ドーパントの力を…!?」



Muse「違う…!」「うちらは…!!」


Muse「アイドル…!」「そう、うちらは…!!」


Muse「仮面アイドル…!」「その名前こそふさわしい…!!」



Muse「「仮面アイドルMuse!!」」



ジャックD「んなっ…」

ジャックD「なんだよそれぇっ!!」



Muse「戦極凌馬…、貴虎さんだけではなく…」「凛ちゃんの魂まで抜いた罪…」

Muse「…いえ、それだけじゃあ、まだ足りないのかしらね?」「だったら…、今こそ…!!」



Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!!」」


ジャックD「ひ、ひぃっ…!!!」

ジャックD「何なんだよお前はぁっ!!意味がわからない…!!わからないぃっ!!」


シュルルルッ!!


Muse「植物が…っ!!」「邪魔やっ!!」


ズバシュッ!!


ジャックD「なんで…、私の植物が…!!く、クソォッ!!ふざけるな、ふざけるなぁっ!!」


シュルルルルッ!!シュルルルッ!!



Muse「ぐっ…、数が多すぎる…!!」「徒手空拳じゃ手に余る、ってね」

Muse「だったらこれしかないわね!」「な、何…?」

Muse「メモリチェンジ!」


\コン・フォーコ!!/


Muse「な、なにそれ…?」「これは『火』の旋律を持ったコン・フォーコメモリ」

Muse「これなら植物を一掃できるわ!」「で、でも…、これだけ多かったら近づけないよ?」

Muse「だったらアンタもメモリチェンジよ!」「え、えぇっ!?」


>>202!!/

※タロットに関係したメモリ・遠距離武器限定(火気、投擲武器など)

マジシャン

ガトリングガン

\マジシャン!!/


Muse「な、なんのメモリなんこれ!?」「『魔術師』の旋律を持ったメモリ…!効果は…」

Muse「使ってからのお楽しみ、よっ!!」


\コン・フォーコ!!/\マジシャン!!/ テレッテテテーレテレテンテーン



Muse「Museコン・フォーコマジシャン!!」「…って重っ!!左腕重っ!なにこれ…、ガトリング砲!?」

Muse「あら、なかなか面白いわね」「いや魔術師なら杖とかそんなんじゃ…」


シュルルルルッ!!


Muse「…って言ってる場合でもなさそう!ブチかますわよっ!!」「え、あ、うんっ!!」


ガガガガガガガッ!!

ボファァァ…


ジャックD「な、な、なぁ…っ!!?わ、私の植物が…、植物たちが…!?」


Muse「アハハハハ!燃えちゃえ燃えちゃえぇっ!!」「この子怖い…」



ジャックD「く、クソ…!だったらあの少女を人質に…!!」


Muse「ま、マズイ!凛ちゃんが…!!」「大丈夫!任せなさい!」


\アレグリッシモ!!/\スター!!/ デレレンレレーンデレレレーン


Muse「クロックアップ…、なんてね」


シュバッ


ジャックD「んなぁっ…!!?」

Muse「あんたのやろうとしてることなんて…」「お見通しやぁっ!!」ゲシッ!!

ジャックD「ぐ、はぁっ…!!」ドシャァッ


Muse「ありがとうね、植物をちぎってくれて」 <グエー <ワンチュー
 
Muse「凛ちゃん、安全なとこに避難や」「壁際に置いておけば大丈夫でしょ」ヒョイッ



ジャックD「ぐ、く、クフフ…!残念だがその少女の体内には体を蝕む植物が埋め込まれて…」


Muse「ハイハイ嘘乙」


ジャックD「んなっ…!?」


Muse「もう知ってるのよ…、アンタが人を騙すのが好きだってこと」「それでうちらを騙して魂を抜き取ろう、って算段やろうけど…」

Muse「それじゃ…」「通用せぇへんよ!!」



ジャックD「ぐ、ぐ、グ…、グ、あ、アァァァァァッ!!!!!」

ジャックD「な、なぜだ…!!私は…、私は神に…!この世界の神になる男なのに…!!」

ジャックD「こんなところで…、負けるべき男ではないィィっ!!」ダダッ


Muse「あっ、逃げるよっ!」「…平気よ」


ジャックD「ま、窓から飛び降りれば…!この身体なら…」

ジャックD「ん、なっ…!!?こ、これは…」


ピーポーピーポー…    ピーポーピーポー…


ジャックD「な、なぜ…!?なぜこれほどの警察が…!!」


Muse「…あなたたち、親鳥、戦極、呉島の三人は…、企業に内緒でとある薬を売っていた…」

Muse「植物から採れる、非常に依存性の高い麻薬…。さぞ大金で売れたのでしょうね」

Muse「だけど…、一度は手を貸してしまった親鳥さんは、そのことに深く後悔していたのよ」

Muse「そして今回…、貴虎さんが昏睡状態になった件…。親鳥さんは貴虎さんが倒れた理由を秘密の共有から来るストレスと判断した」

Muse「そのことがきっかけで、これまでの重責から逃れようと、親鳥さんは貴虎さんの弟、光実さんに自白…、罪を認めたわ」

Muse「…もちろん、あなたのことも含めて、ね」


ジャックD「そ、そんな…っ!!あの、女…、あの女ァッ!!」


Muse「あの女…?違うよ」「今回…、あなたを追い込んだのは、全てあなたのせい…」

Muse「貴虎さんを能力で昏睡状態にしなければ…」「親鳥さんは自白まではいかなかったかもしれない」

Muse「全ては目の前の名声に目がくらんだ…」「あなたが引き起こした結末なのよっ!!」


ジャックD「あ…っ、が、グ、ぐ、が、ぐ、あぁ…ッ!!」


Muse「行くわよ、希!」「うん、今こそ…!!凛ちゃんの魂を解放するんや!」


\スター!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「喰らいなさいっ!!」「これがうちらの…!!」

Muse「「スターフォルラーヌ!!」」


スターフォルラーヌとは!!

身体を左右に分離させたMuseが放つ、神速の連撃である!


Muse「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ…!!」」

Muse「「オラァッ!!!!」」


ドガァッ!!


ジャックD「あ、グ…、が、ふ…、ふふふ…!」

ジャックD「その力…、なかなかに…、興味、深い…!は、ッハッハハハハハ!!!」


ドカァァァァァン!!


戦極「ぐ、はぁっ…!」ニュニュニュ…、パリンッ


Muse「終わった…?」「みたい、ね…」

「ねぇ、お父さん…、凛ね、大きくなったら、お父さんみたいな立派な探偵になるにゃ!」

『ん?そうか…、でも凛には難しいかも知れないなぁ…』

「えぇっ!?なんでなんで?凛が女の子だから?」

『ははっ…、それもあるけど…、凛は泣き虫だろう?探偵なんか一人ぼっちの日が何日も何日も続くんだぞ?耐えられるか?』

「あ…、そ、それは…。ちょっと…、怖いかも」

『だろう?だから凛に探偵は無理だ!ははははは…』

「ひ、ひどいにゃー!凛だって…、お、お父さんの役に立ちたいんだもん…」

『って言ってもなぁ…、あ!でも…、そうだね。もし、凛が大きくなって、まだ探偵になりたい、って思ってたとき…』

『そばに、凛を支えてくれる仲間が居てくれれば、凛も立派な探偵になれるかもしれないね』

「そばに…?助手さん、ってこと…?」

『いや、助手よりも…、仕事の関係以上に深い絆で結ばれた、仲間に出会えたなら…』


『きっと、凛も…』




星空☆探偵事務所内


「…ん…、り…ってば」「…んちゃ…、りん…」


凛「ん…、んんっ…あ、ぅ…。お、お父さん…?」


真姫「凛っ!」希「凛ちゃんっ!!」


凛「ほわぁっ!!?な、何なに!?じ、地震にゃっ!?」

希「よ、よかった…。起きたんやね…」

凛「あ、あれ…?凛、一体今まで…、あっ!光実さんの依頼はっ…!?」

真姫「終わったわよ。無事解決、といったところね」

希(…あのあと、戦極さんは逮捕され…、そして親鳥さんも…、警察に連れられた…)

希(戦極さんは数度にわたって麻薬の売買を行っていたようやけど…、親鳥さんは一度、手伝っただけ、やったみたい)

希(魂が戻り、目を覚ました貴虎さんも、警察のもとへ…、彼も一度だけ、やったみたいね)

希(せやけど…、一度でも罪は罪…。刑務所へ送られるのは免れない。だけど…)

希(いつかその罪を償い、戻ってきたときは…、もう一度、あの人たちに会いに行こう…)

凛「…ってことは…、凛、ずっと寝てたの…?にゃ、にゃんてザマだにゃ…」

真姫「ねぇ、その『にゃ』っていうの…、口癖なの?」

凛「あっ…!うぅ…、この歳になっても治らないなんて…。変、だよね…?」

真姫「変?…いいえ、そんなことないと思う。とっても可愛いわよ、凛」

凛「えっ…?」

希「せやね。小動物系の凛ちゃんっぽくて、うちも好きよ?その喋り方」

凛「と、東條さん、まで…」

希「…あとその、東條さん、っていうの…、なんか他人行儀でイヤやなぁ…」

希「もう凛ちゃんはうちの仲間やねんから、気軽に、希ちゃん、って呼んでくれてもええんよ?」

凛「な、仲間…?」

希「うん」  真姫「そうね」

凛「…仲間、仕事以上に、深い絆で結ばれた…、仲間…!うんっ!希ちゃん!真姫ちゃんっ!!」

真姫「よぉし!なら本人の承諾も取れたってことで、これも問題ないわね!」

希「ははは…、せ、せやね…」

凛「…これ?」

真姫「…外、付いてきなさい」

凛「え?」



星空☆探偵事務所前 もとい…


凛「と…、東條西木野☆、探偵事務所ォォっ!!?」


真姫「へへっ、いいでしょ。最近のアニメっぽいフォントで音都の名所になりそうね」

凛「こ、これ…、ま、ま、真姫、ちゃんが…?」

希「うん…、一晩で…、どころか2時間くらいで…」

真姫「私にかかればこんなものよ。なんてったって天才だもの」

凛「え、ちょっ…、こ、これは…。か、勝手に書き換えるのは…、どうかと…」

真姫「でもこうしないとまた今日みたいに星空所長を訪ねて来ちゃう人もいるかも知れないでしょ?」

真姫「だったら今日からここは私たちの事務所。いない人じゃない、いる人の事務所なの」

希(…いない、人…、か…)

希「…」

真姫「…ま、帰ってきたら、また作り直せばいいだけの話、よ」

凛「う…、そ、そうだけど…、でもっ!凛は!?凛もしかしてあの☆!?もう誰かもわかんないよっ!」

真姫「ふふふ…、そういうと思って、凛には特別な地位をさずけてあげる!ジャジャーンッ!」

凛「な、なにこのワッペン…、しょ、所長…?」

真姫「凛をこの東條西木野☆探偵事務所の所長に任命するわっ!はい、拍手っ!!」パチパチパチ

希「わー」パチパチパチ

凛「え、えぇ…、あ、でも…、所長と言われて悪い気は…」

真姫「というわけで所長。リフォーム祝いに何か頂戴」

凛「は?」

真姫「所長なんだから、それくらいしてくれたっていいでしょ?」

凛「ちょっ…!そのために凛を所長にしたの!?ふ、ふざけんにゃぁ~~!!!」

真姫「ぷっ…、あははははっ!」

希「ふ、ふふ…」

凛「…はぁ、これから…、大変な毎日になりそうだにゃ…」

凛(でも…、いつか…)

凛(お父さんが帰ってきてくれたとき、胸を張って言うんだ…)


凛(凛にも、大切な仲間ができたよ、って…)

???


あんじゅ「ただいまっ!」


英玲奈「…遅い。それで…、彼は?」

あんじゅ「それがね、断られちゃった。はぁ~…、ザンネン…、可愛い子だったのになぁ…」

英玲奈「可愛い…?」

あんじゅ「あ…、うぅん、こっちの話。戦極さんもダメだったわ。またアプローチかけたほうがいいかしら…?」


ツバサ「…その必要はなくなったわ」


あんじゅ「ツバサちゃん?」

ツバサ「戦極凌馬は何者かによって倒された。…ガイアメモリの残骸も発見されたわ」

英玲奈「…っ!?戦極が…!?」

あんじゅ「ウソ…!?あのガイアメモリは流通しているものよりかなりグレードアップされてるはず…!それを…!?」

ツバサ「…厄介なことになってきたみたい。でも、心配はいらないわ」

ツバサ「戦極凌馬なんかに頼らなくとも、既にガイアメモリは次の段階へ進む…」

ツバサ「この街の人々全てが、ガイアメモリを持つ日も、近い…」

英玲奈「ふふ…、ならいい」

あんじゅ「ツバサちゃんが言うなら、間違いないわね…、んふっ…♪」


ツバサ「我らがUTXに栄光あれ…、フフフ…」ピロンッ♪



あんじゅ「あ、メール来た」

ツバサ「ちょっ…、人がいい感じに締めてるのにそれはないでしょ…」

英玲奈「空気よめてない」

あんじゅ「ごめんごめ…、あーっ!!こ、ことりちゃんからメール来てるー!キャーッ!」

ツバサ「…誰?」




第四話「Jの探偵 / 両手には二つの花」

おわり

真姫「色々あったけどやっと終わったわね。三話四話、どうだったかしら?」

希「三話時点ではストーリー考える頭残ってなかったけどすこしクールダウンさせれば意外といけるもんやね」

真姫「もう寝る前には大筋は浮かんでたしね。連続使用はいけない、ってわかったわね」

凛「真姫シマムドライブみたいなものにゃ」

真姫「そうね、体ボロボロになるわね。みんなもSSを読むときは休憩を入れつつ読みましょうね」

希「あ、そういえば結構早めにやったのにもうこんな時間やね」

凛「11時頃から始めてたら終わるの何時だよ、って話にゃ」

真姫「それは今回がかんなりシリアスな話だったからよ。っていうかもともと西木野☆星空クリニックみたいなシュール系にしようって前スレ書いてる時は考えて」

真姫「たんだけどなんか書いてる途中であ、これWパロも行けるんじゃね?とか思い出してだったら安価多めでどれだけいけるか、とか考えてたら思いのほかストー」

希「話長いってまた怒られるよ?」

凛「要約するとこんなはずじゃなかった、ってことにゃ」

真姫「これからは日常モノっぽい空気にちょいちょいドーパントとか絡めていく感じにするわ!」

希「探偵モノは考えるの疲れるしね。安価も少なくなっちゃうし」

凛「それで気が向いたらまた本編みたいなストーリーを書く、ってスタンスだね!」

真姫「そうそう。依頼ばっかこなしてるのが探偵じゃないしね」

希「それで、次回のメモリとお題、どうするん?」

真姫「そうね。メモリはM,J以外から何か選んでもらうとして…」

真姫「お題は探偵モノでない場合はナシにするわ。縛られるの嫌いだし」

凛「最初に提案したのどこのどいつだよ…」

真姫「私はクリニックみたいなシュールギャグに飢えてるのよ!あのイミフな空気を久々に味わいたいの!」

真姫「それには自由が必要だわ!縛りなんて必要ないものよ!」

希「そうですか…」

真姫「というわけで最後にドーパントメモリ安価をやってお別れね!」

凛「ばいばいきーんにゃ」


次回のドーパントメモリ >>214(M,J以外)


配役決まってないのも多いよ
もうこの際ネタバレするけどことりちゃんがアクセル枠です Wの二人が西、東、なんで南かなって
決まってないのは残りの海未、花陽、にこ、あとその他のキャラやね どれが井坂でどれが加頭になるかな
えりちが尻彦さんだから亜里沙は云々は言われて初めて気づいたよ まぁイエスタデイをやるとは限らないけど
むしろ名前有りキャラは貴重なので違うところに割く可能性の方が高いです

N

頭文字だけじゃなくてなんてメモリか、って書いて欲しいです… 説明不足やったね
まぁ頭文字Nで何か英単語↓

小アルカナもいいけどワンドやソードって名前で形限られすぎだしなぁ…
カップやコインもなんか響きしょぼいし使うとしたら限定的なところですかね
通常は大アルカナのみ、で、指定の時だけ小アルカナも、って感じ、かな 指定を忘れる可能性大ですけど

で、続けて何か頭文字Nの英単語↓

11時くらいから安価多めのやる予定なんで暇があればお願いします

うひゃあありがとう Wが見終わったらオーズもどうぞ ドクターのマキってキャラもいるよ!

じゃあまったりゆったり始めます
今回はなるべく一話完結を目指しますよ 無理なら二話まで伸ばす
で、キャラ安価もラブライブ!オンリーでお願いします 絵里でもことりでもにこでもなんでもオッケー ただしアライズ組はナシで
それじゃあやっていくんだぜ!

東條西木野☆探偵事務所内


希「う…、なんか昔の夢を見てた気がする…」

真姫「暇過ぎて?」

希「そんな感じ、かな…」

凛「うぅ…、平日は誰も来ないにゃ~…」

希「平和はいいことや…」

凛「それ何回目~…?はぁ…、別に依頼が来てもどうせペット探しで凛だけが奔走する羽目になるんだにゃ…」

凛「どうせそんなんなら依頼なんてこない方がマシだにゃ~…」

希「あかん…、凛ちゃんが完全にやる気を失ってる…。で、でも…、うちも、依頼来なくてもいいかなぁ…」

真姫「完全にだらけてるわね…。はぁ、…どうせやることがないならDVDでも見ておきましょ」パキャッ

希「DVD、って…またアイドルの?真姫ちゃん好きやね」

真姫「私は将来アイドルになるのよ。おやっさんさんが言ってくれたんだもの、アイドルみたい、って」

希「おやっさん、さん、ね…、はふぅ…」ピロリンッ♪

希「…あ、メールや」

凛「だれだれ~?依頼かにゃ?」

希「…いや、プライベート…。なになに…?『今度の日曜日、暇ができたから遊びに行きましょう。あんじゅ』…、マジか」

凛「…あんじゅ…?の、希ちゃん…、今…、あ、あ、あんじゅ…、って?」

希「…シー。真姫ちゃんに聞こえる…」

凛「え…?その…、あ、あんじゅ、ってもしかして…、ゆ、優木あんじゅ…?」

希「うん…、せやよ」

凛「う、嘘ぉっ…!?の、希ちゃんが、あの…」



『みんなーっ!!私についてきてーっ!!』


真姫「きゃーっ!!あんじゅっ!あんじゅーっ!!」



凛「す、スーパーアイドル、優木あんじゅと…、し、知り合い…、なの?」

希「…まぁ、一年ほど前から、ね…」

凛「な、なんで教えてくれなかったの!?ま、真姫ちゃんにも内緒…?」

希「…というか…、真姫ちゃんにこそ内緒やね。あの子熱狂的すぎるから…、あんじゅちゃんの迷惑になりそう」

凛「あ、あぁ…、なるほどにゃ…」

希「…しかし、今度の日曜日、か…。う…、着ていく服がない…」

凛「希ちゃん女の子っぽい服一切持ってないもんね。あ、だったら今から買いに行く?どうせ暇なんだし…、真姫ちゃんに留守番頼んで!」

希「…じゃあ…、そうしちゃおうか…、うん、そうしちゃおう!」

凛「おっけー!じゃ、決まりね!希ちゃんが優木あんじゅとデートか…。こっちまでワクワクだにゃ」

希「で、デートやなんて…、そんなん違うって」

凛「まーまー。で、希ちゃんはどんな服がお好みかにゃ?」

希「服、か…。せやねぇ…」

希「>>226な服、かな…」

わーお 10秒差…
First Nextはシリアス回でもムリっす わからないです
安価↓です

希「やっぱうちはハードボイルドな服が一番似合うよね!」

凛「そういうこと言ってるんじゃないよ!女の子とデートするんだよ!?それらしい服装ってものが…」

希「いや、女の子とデートするなら男の子っぽい服装でもええんやないの…?」

凛「ちっがーうっ!それじゃいつもの希ちゃんと変わんないでしょ!もっと女の子ー、な服装であんじゅちゃんを驚かせてあげようよ!」

希「せやなぁ…、たしかに、あんじゅちゃん可愛い女の子が好き、って言ってたし…」

凛「え…、そ、そうなんだ…。そ、それならなおさらだにゃ!」

凛「よし!だったらとりあえずデパートに行って服を見てみよう!」

希「お、おぅ…、あ、真姫ちゃーん?お留守番お願いっ!」


真姫「んー?よく聞こえなかったけどおっけー!あっ、あんじゅが回ってる!きゃー、可愛いっ!」


希「…聞こえてたかな。ま、いいや。じゃ、行こか…」

凛「んにゃっ!」



道中


凛「いやー、しかし…、まさか希ちゃんがあの優木あんじゅとねぇ…」

希「結構前から個人的に会ったことなら数度…、まぁ晩御飯を一緒に食べたり、くらいやったけど…」

凛「それなら希ちゃんのそのスーツでも様になるしね」

希「せやね。…でも、休日一緒に遊びに、ね…。こっちもびっくりやよ…」

凛「今まで一緒に遊びに行くことはなかったの?」

希「まぁ…、ね。あちらも忙しいし…」

凛「そうだよねー…、大人気スーパーアイドル、優木あんじゅ、だもんね…」

凛「そのあんじゅちゃんが、貴重な休みをまさか希ちゃんに使うなんて…、希ちゃんなんなん?」

希「な、何なんやろう…。うちもわからん…。初めて会った時からかなり気に入られて…」

凛「ほぇ~…、羨ましいにゃぁ~…。あ!じゃあテレビでは見れないあんじゅちゃんの性格!とか知ってるんじゃないの?」

希「ん?…うーん、って言っても…、うちテレビの方のあんじゅちゃんをそんなに見ないから…」

凛「何その贅沢っ!こっちはリアルで見れなくて困ってるのに!じゃあとりあえず希ちゃんが知ってるあんじゅちゃんを教えて!」

希「うちが知ってるあんじゅちゃん?んーと、せやね…」

希「一緒に食事してる時よく>>231してて…、不満を漏らすときはよく「>>233」って口に出したり…」

希「酔うと>>235して甘えてきたり…、>>237を舐めてきたことも一度…」

またミスった… 寝ぼけてるのか俺…


希「一緒に食事してる時よく>>233してて…、不満を漏らすときはよく「>>235」って口に出したり…」

希「酔うと>>237して甘えてきたり…、>>239を舐めてきたことも一度…」

ベロベロ

これが冷たくて美味いってことはわかる

ほっぺにキス

お尻の穴

希「一緒に食事してる時はペロペロしてて…」

凛「…、は?ぺ、ペロペロ…?って何…?」

希「あぁ…、アイスクリームとか食べてる時舌だけで味わってるってことや」

凛「へ、へぇ…、変な食べ方だね…?他は?」

希「不満を漏らすときはよく「これが冷たくて美味いってことはわかる」って口に出したり…」

凛「…そんなぶっきらぼうな喋り方なの…?っていうかそれアイス食べてる時の言葉じゃないの…?」

希「…違うかったっけ…?あ!でも酔ったらうちのほっぺにチューしてよく甘えてくるよ!」

凛「な、なにそれ!す、スキャンダラスだよ!全国のあんじゅファンが激怒するよ!」

希「一度はお尻の穴を舐められたことも…、あ!これは違う…、何でもない」

凛「…え?凛の聞き間違いでなければ今…お、お尻の…」

希「何でもない何でもない。あ!話してたらデパート着いたね!さぁ、買い物に行こう!」

凛「な、なんかごまかされた気がするにゃ…」



洋服店「Voice of Vice」


希「わ、わぁ…、オットナーな服が…。凛ちゃん、いっつもこういうところで服を…?」

凛「凛もいっつもじゃないけど…、でも!超一流と合うんだからちょっとくらい高級な服買ってもいいと思うにゃ!」

希「まぁ…、たしかに…。はぁ…、こんなんあるんやなぁ…」

凛「ねーねー希ちゃん!こういうの、良くない?」

希「え?い、いやいや!そんなドレスうち似合わへんって…、そ、それに…、あくまであんじゅちゃんはお忍びやねんから…」

凛「あ、そっか…。目立ちすぎるのも良くないよね…。んーと、じゃあねー…」

希「…はぁ。凛ちゃんうち以上に張り切ってるなぁ…」


キーン…


希「…ん?なんか…、変な音…?気のせい、かな…?」

希「…」

希「それにしても…、なんか…、お腹すいた…」

希「…>>242が、食べたい…」

冷奴

希「なんやろ…、うわ…、めっちゃ冷奴食べたい…。身体が豆腐を求めてる…」

希「と、豆腐…、豆腐…!」


スタスタ…


凛「んーと、んーとねー…、あ!」

凛「ねぇねぇ希ちゃん!こういうのどう?…、って、あれ?」

凛「い、いない…?の、希ちゃーんっ!」



デパート内


凛「の、希ちゃんが消えたにゃ!?お洋服さがす時間暇だったからどっかいったとか…?」

凛「それにしても何か言ってからでもいいんじゃ…、あ!電話すれば…」


ポピポ プルルル…


凛「希ちゃん…、何してるの…?」

凛「…って全然かからないし!電話無視してるなアイツ…!」

凛「こうなったら探すしかない…!で、でも…、こんな広いデパートをどうやって…」

凛「う、うーん…、だったらまずは…」

凛「…>>244に行ってみるにゃ!」

迷子センター

凛「やっぱり迷子の子を探すなら迷子センターだよね!」


迷子センター


凛「す、すいませんっ!その…、女の子とはぐれてしまって…、携帯にかけても通じないのでアナウンスしてもらえませんか?」

迷子センターの人「えぇ、お子さんですか?」

凛「お子さんいるようなボデーに見えます!?」

迷子センターの人「…失礼しました。ではお名前と、年齢を…」

凛「あ、凛は星空凛、20歳です」

迷子センターの人「…その、迷子の方の…」

凛「…あっ!す、すいません…、え、えっと…。東條希…、年齢は…に、二十二歳です…」

迷子センターの人「二十二歳…?は、はぁ…」

凛「ごめんなさいごめんなさい!二十二歳でも自分を律せられないダメな大人なんですあの子は!」

迷子センターの人「そ、そうですか…。あ、もしアナウンスしても反応がなかった場合周りの人が分かりやすいよう特徴を教えてもらえると…」

凛「と、特徴…、ですか…。えっとー…うーん、特徴…」

凛(希ちゃんは強烈な印象はあるけど…、いざ特徴を言葉にしようとすると難しいにゃ…。凛バカだし…)

凛「あ、っと…、そうだにゃぁ…。希ちゃんは…」

凛「目元が>>246で…、腰周りが>>247、あと胸のあたりが>>249な女の子です…」

凛(…なんか変な特徴しか思いつかないにゃー!)

人を殺しそうな感じ

意外と細い

バインバイン

凛「目元が人を殺しそうな感じで…、腰周りが意外と細くて…、あと胸のあたりがバインバインな女の子です…」

迷子センターの人「…そ、それで、よろしいですか…?」

凛「は、はい…」

凛(…なんか怒ってる時の希ちゃんの顔しか思い出せない…。いつもは優しい目だったはずなのに…)



『えー…、ご来店中のお客様に迷子のお知らせをいたします…』

『目元が人を殺しそうな感じで腰周りが細く、胸がバインバインであるのが特徴の東條希様…』

『繰り返します。目元が人を殺しそうな感じで腰周りが細く、胸がバインバインであるのが特徴の東條希様…』

『お連れ様がお待ちでございますので××階サービスカウンターまでお越し下さい』


凛(…希ちゃん、なんかゴメン…)

迷子センターの人「よろしかったでしょうか?それでは椅子にかけてお待ち下さい」

凛「あ…、はい。希ちゃん…、一体何してるのさ…」


キーン…


凛「にゃ?な、なんか聞こえたような…?」

迷子センターの人「…」

迷子センターの人「…食べたい」

凛「は?」

迷子センターの人「冷奴が食べたい…。じゅるっ…」

凛「え、ちょっ…」


スタスタ…


凛「ど、どこ行くのぉぉっ!!?」



凛「待って待って…!なんであなたが持ち場離れてるのさっ!?」


迷子センターの人「…」スタスタ…


凛「き、聞いてない…?っていうか聞こえてないの…?い、一体どうして…」

凛「ちょっ…!待って…」


「…」テクテク


凛「やばっ…!トイレから出てきた人とぶつかる…!」


ドンッ


凛「んにゃっ…!!い、いったたた…」

>>251「いたたた…」

海未

海未「あいたたた…、あ、あの…、申し訳ありません…。不注意で…」

凛「あ、こっちこそ…。凛が走っていたのが悪いんで…」

海未「いえいえとんでもない…。私が悪いのです…」

凛「いやいや凛が…」

海未「いえいえ私が…」

凛「凛が…」


数分後…


凛「…えっと、すいません…。さっき迷子センターの人がなぜかどこかへ行ってしまって…」

海未「迷子センター?どこか、とは…、どういうことですか?」

凛「さぁ、凛にも…、あ!でもなんか…、冷奴が食べたい、だとか…変な事つぶやいて」

凛「もしかしたらお豆腐屋さんに行ったんじゃ…」

海未「お豆腐屋ならうちですが…、案内しましょうか?」

凛「え、そうなんですか?あ、ならお願いします!」



豆腐屋『海未の家』


凛「んなっ…!?な、なにこれ…?」

海未「どうです?すごいでしょう!」

凛「なんじゃこの行列…。異常すぎるにゃ…」

海未「それだけうちの豆腐が大人気ということですよ!」

凛「いや…、冷奴にこんな行列ができるほどの魅力なんて…」

海未「失礼な!うちの冷奴は一味違います!色々な味が楽しめるのですよ!」

海未「例えば…、>>253味の冷奴ですとか、>>254味の冷奴もあります!」

オレンジ

バナナ

海未「オレンジ味の冷奴ですとか、バナナ味の冷奴もあります!」

凛「えぇっ!?そ、それは…、すこしゲテモノ…」

海未「そんなことありません!一度食べてみてください!その美味しさが理解できますから!」

海未「あ、ちゃんと並んでくださいね?」

凛「え、えぇ…。この行列を…?まぁ…、少しは興味あるけど…」

凛「…結構時間かかりそうだにゃ…」


1時間後…


海未「次のお客様ー!」

凛「う、うぅ…、メチャクチャ待ったにゃ…。これでマズかったら…」

海未「あ、先ほどのお客様!何味にいたしますか?」

凛「え、えっと…、じゃあオレンジとバナナ、お願いします…」

海未「はい、オレンジとバナナですね!オレンジとバナナです!」

凛「あれ…、海未さんが作るんじゃないんですか…?」

海未「えぇ、私はオーダーを聞いたり品物をお客様に運んだりして、冷奴を作るのは夫が…」

凛「あ、結婚されていたんですか…」

海未「はい!あ、紹介しましょうか?穂乃果ー!穂乃果ー!」

穂乃果「ん?何ー?」

凛「女っ!?」

海未「紹介します。夫の穂乃果です!」

穂乃果「あ、えっと…、こんにちは。も、もー…、海未ちゃんってばいきなり何ー?」

凛「えっと…、だ、旦那さん…、ですよね…?お、女の人…、に見えるんですが…」

海未「えぇ、穂乃果は女性ですが、何か?」

凛「…」

海未「ふふ、私の一目惚れだったのです!ね、穂乃果っ」

穂乃果「えへへ…、あ、でもお仕事中だから、また後でね。海未ちゃん」

海未「ええ、穂乃果っ!うふふふ…」

凛「し、幸せそうで何よりです…。えっと…、旦那さんのどこに惚れたんですか…?」

海未「どこに…、ですか?そうですね…」

海未「>>256な性格と、私に対して>>257なところ、ですかね…」

海未「あと名前です」

私を引っ張ってくれる豪快

デレデレで甘々

海未「私を引っ張ってくれる豪快な性格と、私に対してデレデレで甘々なところ、ですかね…」

海未「あと名前です」

凛「へぇ…、意外と豪快な性格なんですねー…。しかも甘々って、ふふ、羨ましいです。それから名前…」

凛「…って名前ぇっ!?な、名前に惚れたんですか!?」

海未「はい、私昔っから穂乃果、という名前の女性と結婚したくて…、そしたらいたんです!穂乃果が!」

凛「そ、それは…、まぁ…、よ、よかったですね…」

海未「はい!あ、お豆腐、ご用意できました!お席で座ってお食べ下さい!」

凛「わ、分かりましたにゃ…」



凛「どこに座ろう…、人多すぎだにゃ…」

凛「あ、あそこにさっきの迷子センターの人いるし…、その横には…」

凛「…の、希ちゃんっ!!?な、何してるんだアイツ!?」


凛「ちょっ…、希ちゃん!?何豆腐食べてるの…、って多っ!?な、何個、これ…」

希「あ、凛ちゃ…、もぐもぐ…、いやぁ、ここの冷奴美味しくてやめられへんのよ…、もぎゅもぎゅ…」

希「もう何個食べたかも覚えてないわ…、んんっ…、サイコーや…。はぁ…」

凛「そ、そう…、期待できそうだにゃ…。ところで…、おいくら使ったの…?」

希「ん…?あ、この財布が空っぽになるまで」

凛「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!それはお洋服買うためのお金だにゃぁぁぁぁっ!!!バカぁっ!!」

希「んー?そういえばそうだったような…、もぐもぐ…、まぁええやん。美味しいんやし…、もぐもぐ…」

凛「な、なんてことしてくれてんだにゃこのバカ…。しかし…」

凛「そ、それほどの美味しさ…?き、期待できるかも…。い、いただきますにゃ…」

凛「もぐっ…、もぐもぐ…」

凛「…」

凛「ま…、ま…」


凛「マズいっ!!め、メチャクチャマズいにゃぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁっ!!!」

凛「異常なまでにフルーツの甘さと大豆の風味がマッチしていない…!こ、これが大人気…?」

凛「おかしい…、いくらなんでもこれはおかしすぎるにゃ…。な、何か裏があるんじゃ…」

凛「真姫ちゃんに連絡にゃ!」

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…ふむふむ、なるほどね…」

凛『これ、おかしいよね?もしかしたらガイアメモリ関連のなにかじゃ…』

真姫「あ、ごめん。あんじゅのDVDに夢中で話聞いてなかったわ」

凛『おい』

真姫「冗談。そうね、それはおそらくガイアメモリの仕業だわ」

凛『やっぱり!』

真姫「なんのガイアメモリか分かればその適合具合から誰が使用者か特定できるかも」

凛『ってことは…、音楽室、だね!』

真姫「そうね…。すぅ…」

真姫「さぁ、調律を始めましょう。さぁ凛、キーワードを頂戴」

凛『キーワード、キーワード…、えっと…、じゃあ豆腐!』

真姫「…豆腐…、これじゃあ全然わからない…。何か具体的なものは?」

凛『具体的な…、えっと…、みんな取りつかれた様に豆腐に夢中になってたよ!』

真姫「取りつかれたように…、なるほどね。精神に干渉するメモリかも。でもまだ数が絞れない…」

真姫「他は?何か変わったこと、とか…。覚えてないかしら?」

凛『変わった、こと…?んーと…、えーっと…』

凛『…あ!そ、そうだにゃ!たしか、なにか耳鳴りのようなキーン、って音が聞こえた直後に…』

凛『迷子センターの人は冷奴を食べたくなって走り出したんだにゃ!』

真姫「…耳鳴りのような、音…。ふふ、凛、ナイスよ。使われたメモリ、わかったわ」

凛『本当!?』

真姫「えぇ、曲名は『ノイズ』…」

凛『ノイズ…?雑音、ってこと…?』

真姫「そう、本来は『雑音』の旋律を持つメモリね。だけどおそらくそのメモリに改良が加えられている」

凛『改良…?』

真姫「脳内にそれこそ雑音のように小さな音を送ることで、サブリミナル効果を生み出しているの」

真姫「ノイズメモリの雑音を受けた人間は異常なまでにあることに執着したくなる。それが今回の場合…」

凛『冷奴が食べたくなる、ってこと…?』

真姫「そういうこと。正確には『冷奴を食べろ』という命令を脳が下したと勘違いするの。…だけど」

真姫「運が良かったわね。こんなメモリ、ヤバイ人が使えばもっと悲惨な自体を引き起こしかねない…」

凛『た、たしかに…。で、だ、誰が…、メモリの使用者なの…?』

真姫「あなたの話と、メモリの適合率から推測するに…、そこにいる人物でメモリを使えるのは一人しかいない…」

真姫「それは…」

凛「…わかったにゃ。うん、うん…、希ちゃんに、…すれば、いいんだね。うん…」

凛「…おっけー。じゃ、あとで…」ピッ

凛「…」


凛「…海未、さん」

海未「…お客様?どうなさいました?あ、追加注文でしたらもう一度最後尾に並んでもらって…」

凛「海未さん…。あなたが…」

凛「あなたが、犯人、ですね」

海未「…はい?」

凛「あなたが…、ノイズメモリを持った…、この豆腐屋にノイズメモリを利用して人を集めている…」

凛「…犯人。そう、ですよね…?」

海未「…っ!」

凛「おそらくあなたは…、誰も見ていないところでメモリを使用して、このデパートに入ってくる人や、このデパートの従業員…、その人たちの脳内にノイズを送り…」

凛「この店に人を集めていた。ノイズを送られた人は自分から進んで来たものと思い込むから事件にもならない」

凛「豆腐店の収益を増やすために使用しているということは、間違いなくこの店の従業員が犯人。でも、穂乃果さんはお仕事に忙しくてドーパントに変身する暇はない…」

凛「だけどあなたは…!ちょうどノイズが聞こえた直後、あなたはトイレから出てきた…。あなたには、メモリを使える時間があった!」

凛「…どちらにしろ、どこかにあるメモリのコネクタが見つかれば、あなたは…」

海未「…」

凛「…メモリの不正使用は既に犯罪です。海未さん…、お願い…」

凛「…自主、して?」

海未「…くっ…、なんで…、なぜ、あなたには…」

海未「ノイズが…、聞こえたはずでしょう…?なんで…、なんであなたには効かないのですか…!?」

凛「…えっ?」

海未「…ぐっ!!」\ノイズ!!/

凛「あぁっ!!う、海未さんっ!!」


ノイズD「バレてしまっては仕方ありません…!!くっ…」ダダダッ


凛「あっ逃げるにゃ!希ちゃん!追いかけよう!」

希「えぇ~、うちはこのお豆腐が…もぐもぐ…」

凛「ダメにゃ…、まだ豆腐バカになってるにゃ…。こ、こうなったら真姫ちゃんに言われた通り…」

凛「>>269して目を覚ますにゃ!」

凛「はっ…、恥ずかしい言葉を耳元で囁いて水をさせば…!」

凛「って恥ずかしい言葉ってなんだよ!凛の方が恥ずかしい思いしちゃうにゃ!」

希「うまー豆腐めっちゃうまー」

凛「で、でも…、早くしないと海未さんが逃げちゃうにゃ…!くっ…、やるしかない!」

凛「…」ゴニョゴニョ

希「…ん?なにー?聞こえへん…」

凛「だ、だから…、ち…、…くす、…で、ま…、が、ぬれ…」

希「…」

希「…っ!!!?!?!?!?」

希「りりり…、凛ちゃんっ!!?ま、真っ昼間の往来でなんてことを…!!」

凛「あ、目が覚めた!話は後々!とりあえず逃げたドーパントを追って!」

希「ど、ドーパント…?わ、わかった!どっち?」

凛「あっちにゃ!」

希「おっけー!」ダダダ…

凛「…」

凛「…よく考えれば凛はなんてことを言ってしまたんだにゃ…!は、恥ずかしい…///」



デパート 屋上


希「…はぁ、…はぁ、お、追い詰めたよ…?」


ノイズD「ぐ…、あ、あなたは一体…!?」


希「ん?うち?ふっ…、うちは探偵や…。ハードボイルド探偵…、東條希っ!」

ノイズD「よくわかりませんが…、今ここで捕まるわけにはいかないのです!すみませんっ!!」


キーンッ…!!


希「…っ!!?ぐ、うぐっ…!!あ、頭がぁ…!!痛い…!!」

ノイズD「すみません…、すみません…!!」

希「くっ…、謝るくらいなら…!」チャキッ

希「最初からすんなやっ!!」\スター!!/



真姫「…あ、来た」

真姫「よいしょ、っと」\クレッシェンド!!/



希・真姫「「変身っ!」」



\クレッシェンド!!/\スター!!/

デレレンレレンデレレレーン



Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!」」

ノイズD「くぅっ…!!」

ノイズD「捕まりたくないっ…!!私は、私は…あの人と…!!」

ノイズD「うああぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


キキキキィィィィンッ!!


Muse「うっ…、がぁっ…!!音が…、音がうっさいっ…!!」「ぐ…、や、厄介ね…!!」


Muse「でもまぁ…」「やるしかないのよね…!」

Muse「音がうるさいなら!」「音よりも早く忍び寄るっ!」


\アレグリッシモ!!/\ハーミット!!/

デレレンレレーンドドーン


Muse「てやぁぁっ!!」


シュバッ!!


ノイズD「うぐぅっ!!」

Muse「フジヤマ!」「ゲイシャ!」


ズバズバ!!


Muse「スーシ!」「スキヤキ!」「愛してる?」「バンザーイッ!!」


シュバババババッ!!


ノイズD「あだだだだだっ!!」



Muse「行くわよ!」「メモリブレイク!!」

\ハーミット!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「ハーミットフーガッ!!」」


ハーミットフーガとは!!

鎌鼬を纏うほどのスピードで繰り出す一閃の蹴りである!!


ズバァァンッ!!


ノイズD「あ、ぐ、ぁっ…!!ほの、か…!」


ドガァァァァンッ!!


海未「くふぅっ…!!」バタリッ

パキンッ


Muse「悲しい、最後ね」「…いや、新しい始まり、やよ」

ピーポーピーポー…


海未「…」


凛「あ、刑事さん待って!あの…、海未さん…」


海未「あなた…、凛さん、でしたっけ…。すみません、ご迷惑を…」

海未「ふふ…、おいしく、なかったでしょう?あのお豆腐…」

凛「あ…、やっぱり…、わかってて…」

海未「…はい。穂乃果のことは…、大好きだったのですが、私も、あのお豆腐の味は…」

海未「でも…、お客さんがたまに来ると、彼女はとても嬉しそうな顔をするのです…」

海未「だから私は…、彼女に、いつまでも喜んでいて欲しくて…、だから…」

凛「海未、さん…」


穂乃果「…海未、ちゃん…」


海未「あ、穂乃果…」

穂乃果「あはは…、私のお豆腐が急に売れ出したのって…、海未ちゃんのおかげ、だったんだね…」

希「気づいてなかったんやね…」

穂乃果「私のお豆腐がやっとみんなに認められたのかな、って思って…、すごく嬉しかったけど…、違ったんだ…」

海未「あっ…、ほ、穂乃果…!すみません…、私が…、私が余計なことを…!!うぅっ…、ゆるして、ください…!」

穂乃果「許す?…あはは!許すもなにも、穂乃果は怒ってないよ?だって、私のためにやってくれたこと、なんでしょ?」

海未「え…?」

穂乃果「すこしやり方は違ってたかもだけど、でもまだやり直せる!私、海未ちゃんが戻ってくるまで、ずっとずっと待ってるから!」

穂乃果「その間に、少しでも腕を上達させて、ね?一緒にまた、お豆腐、作ろ?」

海未「あ…、ほ、穂乃果っ…!!んっ…」

穂乃果「はむぅっ…!?ふふっ…、ん、ちゅっ…」


凛・希「「お、おぉ…」」


海未「…んぷっ…、はい、お願い、します…。また、一から…」

穂乃果「ふふ、おっけー!あ、帰ってきたら、これの十倍きついの、お返ししちゃうんだから!」

海未「も、もう…!人が見てるんですよ…///」

警察「…」イライラ



希「はぁ…、色々とあったけど一件落着、かな…?」

凛「落着じゃないよ!まんまとお豆腐買いすぎちゃって!もう洋服買うお金残ってないよ!」

穂乃果「え?洋服が欲しいの?あ、だったら私のお下がりなんてどうですか?可愛いけどもうあんまり着る機会のなくなっちゃったのが一つ…」

凛「え?いいの?」

希「…っていうか食べたとは言え豆腐代は返してくれないんかな…」


希「ど、どうかな…?着替えてみたけど…」

凛「おぉっ!!め、めっちゃ可愛い!いいよ!すごく似合ってる!」

穂乃果「えへへ、さすが私のセンスだね!」

希「お…、なかなかいい感じ?よしっ!これで今度の休日、あんじゅちゃんに会いにいくよっ!」

???


絵里「…」スタスタ…


あんじゅ「あっれー…?ノイズメモリ、もう売っちゃったんだー」

絵里「…えぇ、何か?」

あんじゅ「あのメモリは使いようによっては街に大災害を齎せられるものよ?それを…」

絵里「…私の仕事はメモリを売り、そして利益を上げることよ。問題はないでしょう?」

絵里「それとも…、大災害を引き起こさないといけない理由でも?」

あんじゅ「べっつにー?私の趣味よ?」

絵里「…そう。いい趣味してるわね」

あんじゅ「あっはは。…ナマイキな子、キライ。顔は良くても性格がこれじゃあね」

絵里「あなたに言われるとは…、ふふ、逆に笑えるわね」

あんじゅ「…あぁ?どういう意味、かしら…?」

絵里「性格の悪さであなたの右に出る人間はいない、ってこと。…あ」

絵里「…もう、人間じゃない、か…」

あんじゅ「…」\アグリネス!!/

あんじゅ「コロス…」


英玲奈「…待て、あんじゅ」


あんじゅ「…英玲奈、様…」

英玲奈「絵里、口が過ぎる。一応、私たちは上司だ」

英玲奈「…思ったことでも、口に出すべきじゃないこともある」

あんじゅ「んなっ…、ひ、ひどいわよ英玲奈ぁ~…」

絵里「…ふふ、この人とはそりが合わないけど…、あなたとならいい付き合いができそうね。統堂さん」

英玲奈「…英玲奈でいい。あんじゅも、すぐに感情を外に出すな」

英玲奈「あの姿は…、キライ、なんだろう?」

あんじゅ「…うん。そう、ね…。ごめんなさい…」

英玲奈「わかれば、いい。じゃあ」スタスタ

絵里「…無口だけど、いい人ね。彼女」

あんじゅ「…いい人?英玲奈が…?ふふ、あなた…、何もわかってないのね」

絵里「え…?」

あんじゅ「いえ、別に…。思ったことでも口に出すべきじゃないこともある、だったし、ね…」

あんじゅ「これからも仲良くしましょ?絵里ちゃん…」

絵里「…えぇ、仲良…」オネーチャンダイスキッ♪

あんじゅ「…な、なによそれ、メールの着信音?き、きんもっ…」アンジュチャンソコハアカンッ♪

絵里「…」

あんじゅ「…」

絵里「…仲良くしましょう」 あんじゅ「うん、そうしましょう」



第五話「Nが好きだから / 服を買いに行こう」

おわり

真姫「な、なんとか今日中に完結できたわね…」

凛「もうこんな時間、だけどね…」

希「一回中断しようと思ったけど微妙やったからなんとか最後までやりきったね…」

真姫「…でも、戦闘でももっと安価を使おうと思ってたのよね…。戦闘のほうがメチャクチャできそうだったから」

凛「結局どうでもいい安価しか出せなかったにゃ…。難しいね…」

希「でもどうでもいい安価でもいっぱい見てくれてる人がいるって知れて嬉しかったよ!またよろしくね!」

真姫「そうね。じゃ、次回のドーパントメモリを安価して終わろうかしら」

凛「あ、次回って…」

希「あんじゅちゃんとデート、やね…。どうなるか…」

真姫「ん?何話してるのよ。終わるわよ?」

凛「お、おぅ…。わかったにゃ…」

希「それじゃ今日はここまでや!また次回もお楽しみにね!」

真姫「…なんか怪しい…」


次回のドーパントメモリ(頭文字M,J,N以外) >>277

HERO 英雄の記憶
フォーゼのキグナス回とかオーズの飛蝗ヤミー回とか好きなんだ

うわぁ…、なんや俺も好きな感じのヤツ来た… でも次のはだいぶ脇役で出す予定だったからなぁ…
というわけで次のシリアス話でそれ使うのでなんかしょぼそうなヤツ再安価します 気分で変わってごめんね

>>281 MJNH以外 なるべく単純な能力っぽいのでお願いします

今度こそHONOKICHI

Hもダメやねん!…けどまぁいいや HERO回を特殊ワードにすれば問題ないね
えりちの使うメモリの頭文字をタイトルに持って来ればいいか

女性的にQでクィンビーとか

あ…、でも原作だと尻彦さんのメモリの回って…
ごめん やっぱ安価下でお願いします…

あぁ更新してなかったぁ…
>>284にします… かなり雑な扱いになりうると思うけど

こんばんは
なんかお腹の調子が悪いのでちょくちょく間が空くかもしれませんが気にしないでね でも今日中に終わらないかも
とりあえず始めていきます

日曜 朝


東條西木野☆探偵事務所


希「…っと、これでいいかな…。うん、いい感じ」

希「ふふ…、うちがこんな可愛らしい格好やなんて…、あんじゅちゃん見たら驚くやろなぁ…」

希「もしかしたら抱きついてこられるかも…、今から身構えておかないと…」

希「…さて、そろそろ出かけるかな…。真姫ちゃんにはバレないように、そーっと…、そーっと…」

希(うちが女の子とデートするなんて真姫ちゃんにバレたら何言われるか…、その上それがアンジュちゃんだって知れたら…)

希「だからそーっと…、そー…」

真姫「…」

希「…っと」

真姫「…」

希「…」

真姫「…凛から聞いたんだけど」

希「…はい」

真姫「デート、行くんですってね?」

希「…はい」

真姫「あぁ、羨ましい。こっちは暇で死にそうだっていうのに…」

希「…すみません」

真姫「…だから、私にも参加させなさい」

希「…は?」



凛「の、希ちゃ…、ごめん…。喋っちゃった…。あの責め苦には…、耐えられなかったにゃ…、ガクッ…」

希「またこの小型インカム…?」

真姫「これをつけてデートに行くのよ!あなたたちの会話の内容から最もよさげな感じのセリフを考えて言ってあげるから!」

希「…そのセリフをそのまま相手に言え、と…?ロン○ンハーツの企画やないんやから…」

真姫「うるさいわね!私は暇だってのに自分ばっかりずるいのよ!私にも楽しませなさい!」

希「…はぁ。わ、わかった…」

希(…凛ちゃん。真姫ちゃんに相手があんじゅちゃんだってことは…?)

凛(バレてないにゃ…。でも会話で相手の名前を呼ぶと流石に気づかれると思うにゃ…。そこは何とかして)

希(わかった。あとで案を送るから凛ちゃんはその通りにしてね)

凛(了解にゃ)

真姫「何二人でこそこそ喋ってんの?私に言えないこと…?」

希「お、おぅ…。せやよ…」

真姫「…隠す気もないのね。はぁ…、別にいいけど。わざわざ目の前で隠し事される身にもなってみなさいよね」

凛「ご、ごめん真姫ちゃん…。でもどうしても言えないことだから…」

真姫「いいわよ。今はとりあえず希のデートに介入することだけ考えるわ」

真姫「フフフ…、希とデートする相手…、一体どんなボンクラなんでしょうね…」

凛(…真姫ちゃんが最も憧れてる子だなんて言えないにゃ)

希「そ、それじゃあちゃんとこれ、つけるから…、もうそろそろ待ち合わせの時間やし行っていいかな…」

真姫「えぇ、行ってらっしゃい。あなたの会話は逐一こちらに聞こえてるってこと、忘れないでね」

希「お、おぅ…。わかったわ…」

凛「け、健闘を祈ってるにゃ…」



同時刻


???


あんじゅ「ねー絵里、やっぱり髪型はこっちのほうがいいかしら…?」

絵里「たしかに可愛いけれど周りに気づかれる可能性は高くなるわ。それよりこうした方が…」

あんじゅ「ふんふんなるほど…。あ、サングラスはどのデザインがいいと思う?」

絵里「そうね…、私はこれが似合うと思うわ。かけてみて?」

あんじゅ「ふんふん…、よっ…、どう?似合ってる?」

絵里「ええ、とっても似合ってるわ。これでばっちりね」


ツバサ「…あ、あんたたち…、数日でどれだけ仲良くなってるのよ…」

あんじゅ「んふ♪すぐ仲良くなれるのも女の子の特権なのよ?それよりどうどう?いいと思わない?この服!」

ツバサ「まぁ…、いいんじゃないの?よくわかんないけど…、いえ、高そうなことだけは分かるわ」

あんじゅ「うふふふ~、でしょ?この日のためのとっておきのお洋服を用意しておいたんだから~」

英玲奈「あんじゅ、前からすごく楽しみにしてたものね。そんなに大事なお友達?」

あんじゅ「うんっ!一番のお友達よ!もう待ちきれなくて身体がソワソワしちゃう…!」

絵里「あなたがそれほどまでに恋焦がれるなんて…、よっぽど素敵なお嬢様なんでしょうね」

ツバサ「…でも、気をつけてよ?最近街でうわさになってる謎のドーパント退治…」

英玲奈「名前は…、Muse…。油断してうっかりメモリを破壊される、なんてないように」

あんじゅ「わかってるわよ。それじゃー…、行ってきまーすっ!」

喫茶『魔法の音』 店内


希「…ずずず」

希「…ちょっと早く来すぎたかな…」

真姫『早く来すぎるくらいがちょうどいいのよ。相手を待たせちゃ失礼でしょ?』

希「でもそれ相手方にも言えるんじゃ…、早く来すぎると相手がうちを待たせたってことになるし…」

真姫『だったら、ううん、今来たとこ!とか言ってればいいのよ。デートの鉄則でしょ』

希「…なんかすこし偏見が混じってる気もするわ」

希「…あ!来た!」

真姫『お、ど、どんな子かしら…、声、気になるわ…』


あんじゅ「希ちゃーんっ!待ったー?」


真姫『…っ!?な、なによ…!メチャクチャ声可愛いじゃない…!ふ、ふざけんな!』

希(うちが何をしたって言うんや…)

あんじゅ「やっほ、おはよう、希ちゃん」

希「ん、おはよう」

希(…一年前では偽名で名乗ったけれど…、度々食事もしてたしその時にちゃんと本名も名乗ったから今はちゃんと希ちゃん、やね…)

あんじゅ「…ん?の、希ちゃん、そ、その服装…!!」

希「え…、あ、ちょっとおめかししてみたんやけど…。変?」

あんじゅ「うぅんっ!!くぁいいよっ!!うっわぁー…、も、モデルみたい…!綺麗…」

希(…うちからしたらあんじゅちゃんのほうがよっぽど綺麗やと思うけど…)

希「あ…、えっと…、そ、そっちも、とっても綺麗やね…。いつもより服が…」

あんじゅ「んー?ねーねー希ちゃん、いつもみたいに名前で呼んでよ?そっち、なんて他人行儀な感じ止めて、ね?」

希「あ…、う、うん…」

希(…凛ちゃん、た、頼むで…!!)

希「あっ!UFO飛んでるっ!」

あんじゅ「え…?ゆーふぉー…?」


真姫「…うわっ!な、何すんのよ凛っ!!?」

凛「いやぁ…、な、なんかヘッドホンに汚れが付いてるにゃー…、あ、洗わないと…」

真姫「ヘッドホン洗ったら壊れちゃうでしょ!返しなさい!いいところなんだから!」

凛「いやぁ、そんなこと言われても…」

凛(「あ、UFO」のタイミングで真姫ちゃんからヘッドホンを取る、って打ち合わせだったけど…、い、いつまでこうしておけば大丈夫なの…?)


あんじゅ「ねぇ…、どこにUFO?見当たらないけど…」

希「あ、うちの見間違えかな…?それよりね?あの…、今日あんじゅちゃんお忍びで来てるんやん?」

あんじゅ「ん?えぇ、まぁそうね。だからこうしてなるべく私、ってバレないようなコーディネートで来てみたの!」

希「あー…、だ、だから…、うちもなるべく今日はあんじゅちゃんのこと本名じゃなくてあだ名で呼ぼうかな、って…。どうかな?」

あんじゅ「あだ名…?んー、そうね!でもどうせ付けるなら可愛らしいあだ名、お願いね?」

希「う、うん…。じゃあ、そうやね…。>>296、なんてどう?」

コヨミ

希「コヨミ、なんてどうやろか?」

あんじゅ「コヨミ…?どこから出てきたのよそれ…」

希「んー…、なんか響き的に可愛い感じやん?お人形みたいで」

あんじゅ「お人形ね…。でもコヨミ…、コヨミと希…、なんか似てるわね!うふふ…」

希「あ、気に入ってくれた?よかった。じゃあ今日だけあんじゅちゃんはコヨミちゃん!それでいい?」

あんじゅ「うん!あ…、でも私だけあだ名、っていうのもなんか不公平だわ!希ちゃんもあだ名で呼ばせて!」

希「え、うちも…?」

あんじゅ「うんうんっ!ほら、最初に会った時に名乗った名前、あったじゃない?ことりちゃん、だっけ?あれにしましょう!」

希「お、おぅ…。じゃあうちはことりちゃん、やね…」

あんじゅ「ふふ、ことりとコヨミもなんか似てる…。やーん、二人ってばやっぱり運命の赤い糸で結ばれた仲なのかしらー?」

希「いや言い過ぎじゃない…?」

あんじゅ「それじゃ、早速行きましょう、ことりちゃん。最初はどこへ行こうかしら?」

希「最初…?うーんと…」


真姫「はぁっ…、はぁっ…、やっと取り返せたわ…。えっと今は…」


『最初にどこに行く、かぁ…』

『えー、もしかして決めてなかったのぉ~?』

『いやいや…、そんなことないんやけどね…』


真姫「そうだったわ。あらゆる決定権は私にあるんだったわね」

真姫「…デートの最初に行く場所…、そんなの決まってるわ!」

真姫「>>298しかないでしょ!」

遊園地

真姫『遊園地と言いなさい』

希「えっと…、遊園地に行こうかな、って思ってるんよ」

あんじゅ「遊園地…、うーん…、遊園地ねぇ…」

希「あ、あれ…?遊園地、嫌い…?」

あんじゅ「えっ…?あぁ、嫌いってわけじゃないんだけど…、人がいっぱいいるところだとバレないか、って心配で…」

真姫『バレ…?』

希「…っ!!だ、大丈夫やて!意外と人って周りの人には無頓着やから!コヨミちゃんのことなんて誰も見てないって!」

あんじゅ「んー…、ふふ、わかった。せっかくことりちゃんが私のために考えてくれたデートプランだものね」

希(まぁうちが考えたんちゃうけどね…)

真姫『ことりちゃんって誰よ…』

あんじゅ「…それに遊園地なんていつぶりかしら…。小学生以来だわ。んふふ、楽しみっ♪」

希「せ、せやろ?ほな行こう!」

あんじゅ「うん。で、どうやって?」

希「え」

あんじゅ「遊園地まで、何で行くの?タクシー?バス?」

希「…あ、歩き」

あんじゅ「…」

希「あ、えっと…」

あんじゅ「うん、そういうのも悪くないわね。話しながらゆっくり遊園地までの道を楽しみましょ!」

希「うん…。よかった…」



真姫「な、なによこの子…!優良物件にも程があるわ!希には勿体無い!!」

凛(おそらく世界中のあんじゅファン誰もが思ってることだにゃ…)



道中


あんじゅ「遊園地までどれくらいかしら…?」

希「ここからやと…、歩きで1時間くらい、かな?」

あんじゅ「あれれ、結構時間かかるのね」

希「んー、でも遊園地までも道でも色々面白いとことかあるかもしれんし、寄り道とかしてたらもっとかかるかもね」

あんじゅ「寄り道…、うん、それもデートっぽい!ふふふ…、いろいろなもの買い食いとかしてみたいわ」

希「あん…、コヨミちゃんはあんまり買い食いとかしない?」

あんじゅ「うん。仕事柄楽屋に縛られるか車に縛られるかだからあまり自由に外出歩いたりできないのよね…」

真姫『楽屋…?芸能人の子か何か…?』

希「…」ドキッ

希「じ、じゃあうちのおすすめのお店とか紹介してあげよか?」

あんじゅ「ことりちゃんのおすすめ?なになに?おいしいの?」

希「うん、それはもう絶品よ。あ、ちょうどこの近くにお店があるの!」

希「あ、ここ、ここ!ここの>>300がおいしいんよ!」

虹色マカロン

希「ここの虹色マカロンが絶品やねんよ!」

真姫『な、なによそれ…!私たちには買ってきてくれたことないじゃない!プンスカ!』

希(ご、ごめん…、今日買って帰るわ…)

あんじゅ「あ、ここ知ってる」

希「え」

あんじゅ「有名なお店よね?よく差し入れで見るわ。へぇ…、ここにあったんだ」

希「あぁ…、食べたことあるんや…。な、なんかごめん…」

あんじゅ「え?あ、うぅん。一緒に食べましょ。ことりちゃんと一緒に食べるマカロンはきっと差し入れよりずっと美味しいと思うし!」

希「あん…、コヨミちゃんっ…!!な、なんてええ子なんや…!」

あんじゅ「あはは…、そんなことないわよ。あ、店員さん!虹色マカロン、ふたつ…、いいえ!一つください!」

希「え?」

あんじゅ「あ、出てきた。ふふ、ちっちゃくて可愛いわね。これを…、あむっ」

あんじゅ「ふぁい、ことりひゃん。反対側、どうぞ?」

希「は、はぁっ!?」

真姫『は、はぁっ!?』

あんじゅ「もー、はやくひないとコヨミちゃんがじぇんぶ食べちゃうわよ?むふふふ…」

真姫『な、な、な…!!』

希(こ、これはつまり…、ぽ、ポッキーゲーム的なものをマカロンでやれと…!?)

希「いやいやいやいや!もうこれは…、その…、く、くっつくやん…」

あんじゅ「…わたひは、ことりひゃんなら…、いいよ…」

希「へ…?」

あんじゅ「もーっ!はやくぅー!!」

希「う…!!」

希「え、えぇいっ!!あむっ!」


>>302
コンマ20以下でくっつく

WのDVD借りに行ったら6巻と12巻だけ無かった・・・!
聞いたらキズ入りで返却されてきたから省いてるとか・・・
どこのアホウだくそったれ!

希「あむっ…!」モニュッ

希「…」

希(い、今の、唇に伝わる柔い感触は…)

あんじゅ「…ん、んふ…、くっちゅいた…、えへへ…」

希「…っ!!や、やっへもは…、もぐもぐ…」

あんじゅ「んふふ…、私…、こ、ことりちゃんと…、き、き、き…」

あんじゅ「きしゅ…、しひゃった…!んっふ…!!」

希「い、いやいや!ちゃうからね!ちょっと触れちゃっただけやから!セーフセーフ!」

あんじゅ「も、もー…、ことりちゃんのいけずーっ!あれはキスなのっ!」

希「や…、違うって違うって!あー、だからぁ…」

あんじゅ「…んふ。なんて、ね?」

希「…へ?」

あんじゅ「ふふっ…、ことりちゃんの慌てた顔、すっごい可愛いからからかっちゃった」

希「うえぇっ…、ちょぉっ…!!」

あんじゅ「んふふ、怒った?それとも…、セキニンとって付き合う、とか考えたり…?」

希「…どっちもしてへんよ…。はぁ…、怖いわ…、この子…」

あんじゅ「えへへへー、ごめんね?ほらほら、早く遊園地行かないと閉まっちゃうわよ?」

希「…せやね」



真姫「…な、なんなのよコイツ…!!いくらなんでも希を弄びすぎでしょ…!!何様のつもりよ…!!」

凛(スーパーアイドル様なんですけれどもね)

凛(…それにしてもこんなに気に入られてるなんて…、予想外にゃ…。もうほとんど恋人じゃん…)

真姫「く、クッソー…、許せないわっ!!こうなったら…!コイツとのデート無茶苦茶に…!!」

凛「イヤ…、それはやめておこうよ…」



1時間後…

遊園地『音都ランド』


希「や、やっと着いた…。意外としんどいな…」

あんじゅ「そう?この程度なら全然楽勝よ!」

希「…いっつも体鍛えてるもんね…。ふぅ…、ち、ちょっと休憩…」

あんじゅ「休憩ならさっきしたばかりでしょ!さ、遊園地に来たんだから何かアトラクションに乗りましょう!」

希「え、何かアトラクション…、せやねぇ…」

真姫『待ちなさい希。私に決めさせなさいな』

希「…うん」

真姫『そうねぇ…、だったらぁ…』

真姫『>>304に行きなさい』

メリーゴーランド

真姫「メリーゴーランドに行きなさい」

凛「あれ、思ってたより普通なチョイス。滅茶苦茶にするんじゃないの?」

真姫「あっちは久々の休み、なんでしょ?…いっつも希と一緒にいられる私たちとは違うんだし…」

真姫「ま、まぁ今日だけ!今日だけ好きにさせてあげてもいいんだから!」

凛「まるで希ちゃんは真姫ちゃんの所有物かのような言い方だにゃ…」


希「メリーゴーランドやって」

あんじゅ「やって…?誰かから聞いたの?」

希「あ、いや…、メリーゴーランドがいい、って聞いた覚えがあって…」

あんじゅ「ふーん…。わかったわ。メリーゴーランド、行きましょう」

希「う、うん…」



メリーゴーランド


あんじゅ「きゃぁ~、結構大きいのね…。お馬さんもたくさん…」

希「まるでパレードやね…。じゃ、順番が来るまで並ぼか」

あんじゅ「さすが、人気あるだけあって人もたくさんだわ…。ただ回るだけなのに…」

希「な、なんで人気なんやったっけ…。たしかパンフレットに…」

あんじゅ「なになに…?『恋する二人が同じ馬に乗ると永遠に結ばれます』だって…、へー…」

あんじゅ「乗りましょう」

希「…本気なのか冗談なのか区別がつきにくいんやけど…」

あんじゅ「別に…、恋する二人、でしょ?恋してなかったら関係のない話じゃない」

希「ま、まぁ…、せやね」

あんじゅ「…でも」

希「…は?」

あんじゅ「もしね…?もし、だけど…」

あんじゅ「…私が、本当に…、ことり…、うぅん、希ちゃんのこと好きで…、付き合いたい、って言ったら…、どうする…?」

希「え…」

あんじゅ「もし、の話よ?ねぇ、どうするの?希ちゃん…。答えて…」

希「…」

真姫『ちょっ…!こ、断るって言いなさいっ!流石にこれはその…、ねぇ!?』

希「…う、うちは…」

希「…>>306

いいかも

今日人いなさすぎやん… こっちも眠気が限界なので今日は切り上げます…申し訳ない 
おそらく全く新しいであろうあんのぞとかいうカップリングで盛り上がってるのは自分だけなのだろうか

て言うかこのあんじゅは性格も口調もオリジナルから程遠い半分オリキャラみたいな子だけどね… でもオリジナルあんじゅも腹黒って個人的には思い込んでます
あと敵同士がそうとは知らずめっちゃ仲いいってシチュが大好きなんでそういう人の共感が得られたら嬉しいな

希「うちは…、コヨミちゃんほどの子が、うちを選んでくれる、って言うなら…」

希「いい、かも。うぅん、むしろ…」

あんじゅ「え…?」

希「…」

あんじゅ「の、希ちゃ…」

希「…なーんちゃって!」

あんじゅ「…へ?」

希「あはは、うちがコヨミちゃんと付き合うってそれ釣り合いがとれないわ~。もて余しちゃう」

あんじゅ「あ…、えっ…、あ、あーっ!!もしかして…、さっきの仕返しのつもりっ!?」

希「せやよー。二度とおんなじ手には引っ掛からんのやから。逆にやり返したった。うふふ、ドキドキした?」

あんじゅ「や、やぁっ…!!もうやだ…!ちょぉ…、もう…、なんか泣きそうになってるし…!」

希「ふふ、ごめんごめん。さ、そろそろ順番よ?お馬さん乗ろか。一緒に、ね?」

あんじゅ「…うん」



真姫「…」

真姫「やめた」

凛「はい?」

真姫「もうやめた。寝る」バンッ

凛「あぁっ…、そんな乱暴に扱ったらヘッドンホホ壊れちゃうにゃ…」

真姫「知るかボケ。クソっ…」スタスタ

凛「あぁ…、ついに真姫ちゃんがおへそ曲げちゃったにゃ…。相当我慢してたんだろうけど…」

凛「無視してイチャイチャしてたので限界が来ちゃったんだろうね…。ま、まぁ今は、盛大に楽しめばいいにゃ…、希ちゃん」

りん「ただし…、帰ったらかなり面倒なことになってると思うけど…」



遊園地内トイレ


「…」


>>319(今回のメモリ所持者)「…リア充爆発してほしいなぁ…」

はなよ

花陽「リア充爆発してほしいなぁ…」

花陽「一人で遊園地来てもなんにも楽しくないし…」

花陽「そこらでイチャコラするレズカップルだらけで見てて辟易するよ…」

花陽「挙句売店のおにぎりすっごく高いし…、お米の塊がなんで500円もするの…?意味がわからないよ…」

花陽「はぁ…。もう何もかも…、爆発しちゃえよ…。要らないんだよ、こんな場所…」ポチッ


\クイーンビー!!/




あんじゅ「あぁ…、メリーゴーランドがあんなに楽しいのなんて人生始まって初めてよ!うふふ…、ねぇ、次は何に乗りましょうか?」

希「ん?次…?」

凛『…真姫ちゃんは今おやすみにゃ。希ちゃんの好きに決めて』

希「…おけ。そうやね、次は…」


「ぎゃああああああああああああああぁぁぁっ!!!」


希「っ!!?な、何事…っ!?」

あんじゅ「何か、事故でもあったのかしら…。大変ね…」

希「…うち、見てくるっ!!」ダッ

あんじゅ「あっ、希ちゃんっ!?」



希「うわ、すごい人だかり…。ど、どうしたんですか!?」


にこ「そ、それが…、あそこにいるカップルの一人が…」

希「え…?」


海未「あ…、ぐぅっ…!!ほ、のか…!!」

穂乃果「海未ちゃんっ!!?どうしたの…!?なんで…、う、腕が…」

穂乃果「腕が一本しかないの…?」

海未「穂乃果ぁ…!穂乃果…、ぁ…」


希「ひ、ひどい…っ!!」

にこ「み、見てたけど…、なんか急に爆発して…」

希「爆発…?」


あんじゅ「はぁっ…、はぁっ…、と、突然走り出すなんて…、どうしたの、希ちゃん…」

希「来たらあかんっ!!」

あんじゅ「え…?」

希「見たら…、いけない。あ、でも…、うちから離れないでね」ギュッ

あんじゅ「ひゃぁっ…。な、何があったの…?」

希「…爆発事故…、いや、多分…。事件や…」

あんじゅ「事件…?」

希「誰かが…、この遊園地にいる誰かが…、爆弾か何かで人を…」

あんじゅ「爆、弾…」

ブーン…


にこ「ん…?蜂…?きゃぁっ!蜂だわっ!こ、こっち来ないでよぉ…!」


ブーン…!!


にこ「いやぁっ!!なんでこっち来るのよぉっ!!やめっ…」


ボガァァンッ!!


にこ「ごふぇぇっ!!!?」



希「んなぁっ…!!?な、何が…?」


にこ「あ、がっ…!に、にごの…、にごのお顔がぁぁ…!!嫌ぁぁ…」


希「うっ…!あんじゅちゃん、見たらダメ…!!」

あんじゅ「う、うん…」



「ぎゃぁぁぁっ!!」「がぁぁぁぁっ!!」 ボガァァンッ!! ドガァァンッ!!



希「っ!!?な、なんや…!至る所で…、ば、爆発…!?」

あんじゅ「こ、これって…」

あんじゅ「…クイーンビー…!」

希「…え?」

あんじゅ(…間違いないわ…。小型の蜂形爆弾を無尽蔵に生み出せるガイアメモリ…、クイーンビー…)

あんじゅ(その力は…、使用者の憎しみによって増大する…。持ち主によってはかなりの災害を引き起こせるメモリだけど…)」

あんじゅ(まさかよりによって…、こんな時にィ…!!)



『お客様にご連絡いたします!!今すぐ避難してください!繰り返します!今すぐ避難…ぐぎゃああぁぁああああぁぁぁぁっ!!!』ドガガァァ!!



「ひ…」


「うわぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



希「うぐっ…!!あかん、みんな恐怖で混乱してるっ…!!あんじゅちゃんっ!はぐれんように捕まっとくんやよ!」

希「…あ、あんじゅ、ちゃん…?あ、あれ…?どこいったんや!?あんじゅちゃん!あんじゅちゃんっ!!」

希「あ、あかん…、はぐれてもた…!り、凛ちゃんっ!!聞こえる!?」

凛『さっきから聞こえてるにゃっ!!なるほど、大体わかってる!凛はどうすればいい!?』

希「ど、どうすれば、いいんやろう…?わかんない…」

凛『ってちょっと!あんじゅちゃんを探すんでしょ!?』

希「せやけど、うち、うち…!もしあんじゅちゃんに何かあったら…!」

凛『だから何かある前に探さないと!そうだ、変身して…、あ!だ、ダメだにゃ…。今、真姫ちゃんは…』

希「…え?」

「う、うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!!!」



あんじゅ「…」

あんじゅ「…なんで、こんな時に…」

あんじゅ「私は…、私はただ…」

あんじゅ「…クソ、がぁぁぁぁあぁっ!!!!!」\アグリネス!!/


アグリネスD「…大っ嫌いなのに…!!この姿…っ!!」

アグリネスD「だから…!!私の手でぶち壊してあげるっ!!」




希「な、なんで真姫ちゃんがダメなん…?」

凛『う、うん…。とりあえず、ベルト装着してみるにゃ…、もしかしたら…』

希「わかった…。えいっ」スチャッ



真姫「…」

真姫「…ハッ」



希「…ま、真姫ちゃん…?お、おーい真姫ちゃん…。ベルトしてんねんから聞こえてるやろ…?め、メモリ挿入して…?」

真姫『…』

希「お、おい!どうしたん真姫ちゃん!」

凛『だめだにゃ…。今の真姫ちゃんはおへそグニャグニャ状態だにゃ…』

希「そ、そんなこと言ってる場合ちゃうよ!真姫ちゃんっ!!ひ、人の命がかかってるんやよ!?」

真姫『…だから、なに…?』

希「…っ!!な、なに言うてんねん…!おいコラァッ!!今なに言うたん!だ、だから何…やって…!?」

真姫『…はぁ』

希「ぐ…っ!!もう知らんっ!!真姫ちゃんの力は借りないっ!!」

凛『ちょっ…!!ダメだって希ちゃん!希ちゃ…』バキッ

希「…うるさい…っ!!うちが一人で…!!くっ…!」


\ケツァルコアトルス/\ラット/


希「…お願い、犯人を探して…!うちはみんなの避難を…!」


<グエー <ワンニャー

東條西木野☆探偵事務所内


凛「あ…、壊されちゃったにゃ…。ね、ねぇ真姫ちゃんっ!拗ねてる場合じゃないよ!?」

真姫「…」

凛「ねぇっ!!希ちゃんも言ってたじゃん!ひ、人の命がかかってるんだよ!?」

真姫「…」

凛「こ、これじゃあ…、関係ない人が、い、いっぱい死んじゃうんだよ…!?」

凛「助けられるのは希ちゃんと真姫ちゃんしかいないんだよっ!!?」

凛「ね、ねぇ…、お願い…!!このままだと…、このままだと…!」


凛「…また…、みんなが…、死んじゃうよぉ…!!お父さん、みたいに…!」


真姫「…っ!」

凛「誰かの…、大切な人が死んじゃうのは…、嫌だよ…!ねぇ、お願い、真姫ちゃんっ…!!」

真姫「…誰かの…、大切な…、人…」

真姫「…私にとっての…、凛や…、希…」

真姫「…希も、死んじゃうかも、しれない…か…」

真姫「…」

真姫「…まだ、大切な人がいなくなる、って…、どういう気持ちかわからないけど…」

真姫「もう…、あの時の凛の顔は見たくない、もんね…」

真姫「…わかった。いつまでも…、拗ねてる場合じゃないわね…」\クレッシェンド!!/

真姫「子供じゃ、ないんだから、か…」



遊園地内


希「はぁっ…!!押したらダメっ!落ち着いて!みんな!!慌てたら…!」

希「あかん…!誰も…、聞いてくれない…!焦ったらそれこそ…!!」


ドガァァンッ!! ズガァァァンッ!!


希「うっ…!また…!!く、クソぉ…!!うち一人じゃ…、何もできないの…?」

希「…ま、真姫ちゃ…!!うぅんっ!!うちは…、うちは一人だって…!」


シュピーンッ…


希「め、メモリ…?クレッシェンドメモリが…今頃…」

希「…くっ!…遅い、ねんっ!!」\スター!!/


ガショーンガショーンッ!!

\クレッシェンド!!/\スター!!/

デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「…」」

Muse「…真姫、ちゃん…」「…」

Muse「…何か、いうこと…、ない?」「…」

Muse(真姫)「…>>327

ごめんなさい(犠牲者にたいして)

Muse(希)「…何か、いうこと…、ない?」

Muse(真姫)「…1つ、ふてくされて変身しなかった」

Muse(希)「…へ?」

Muse(真姫)「…2つ、そのせいで凛を泣かせた」

Muse(真姫)「そして…、3つ、街も泣かせた」

Muse(真姫)「これが…、私の罪…。未熟な私が、犯してしまった…、罪」

Muse(真姫)「他に…、数える罪はあるかしら…?」

Muse(希)「…真姫、ちゃん…」

Muse(希)「…じゃあ、4つ目」

Muse(希)「うちを、怒らせたこと」

Muse(真姫)「あぁ…、それもあったわね…。ごめんなさい…」

Muse(希)「…でもね、誰だって…、罪は犯す…」

Muse(希)「その罪を犯した後、どうするかが大事なんや、って…、おやっさんも言ってたよ」

Muse(真姫)「…」

Muse(希)「…だから」


Muse「「…行こう」」

Muse「もうこれ以上…、誰も泣かせないために」「…せやね」




Muse「ガジェットの反応はこっちから…、だけど…」「なんか、おかしくない…?」

Muse「さっきから…、爆弾の気配がない…」「爆発音も聞こえなくなった…?」



ドガァァンッ!!


Muse「っ!!」「聞こえた!あっちや!」「ええ!」



遊園地 トイレ前


クイーンビーD「はぁっ…、はぁっ…!!くぅっ…!!なんで、なんでぇ…!?」

アグリネスD「…」

クイーンビーD「やめてよぉ…、私はぁ…!!リア充が嫌いなだけの善良な市民なんだよぉっ!?」

アグリネスD「…」


Muse「な、なんや…?」「ドーパント同士が…、戦ってる…?」


クイーンビーD「こっち来ないでぇっ!!」 ブーン!!

アグリネスD「…」


ドガァァンッ!!


Muse「直撃っ!?」「いや…、あれは…!」



アグリネスD「醜い…、醜い…!」

Muse「ば、爆発が効いてない…?」「違うわ…、ダメージが一瞬で治癒している…」



アグリネスD「…」


クイーンビーD「ヒィッ…!!?こ、来ないで…!!」


アグリネスD「ハァッ!!」グワンッ


クイーンビーD「うぎぃっ…!!?ぎ、ギギ・ガ、グゴギギギグエジャソイアジョsジャ・ああ、あ、あああああああああ」


Muse「な、なにこれぇ…!?」「ドーパントの身体が…、グチャグチャに溶けて…!」


クイーンビーD「ギャガ・ギギ。ゲ、ザjドイエアjヂ・shww…、アァ…っ!!」

ニュニュニュ…、パキンッ

花陽「が、あ、がぁ…っ!!」


Muse「んなぁ…っ!」「ドーパントのダメージが、直接使用者にも…!ひ、ひどい…!!」


花陽「痛いぃ…っ!手がぁ…、手が、変なところに生えてるよ…。お腹に手が生えてる…!」

花陽「耳が落ちて…、足がおしり…、目が、目…目?どこ…?どこ、どこどこ…?あれぇ…?アレェ…?」


アグリネスD「…」グワンッ


Muse「や、やめぇっ…!!」「やめなさっ…!!」


花陽「ご…、ギギ…、ぐ…、あ、あべゃっ」グチュァッ


ゴシャッ…


Muse「う、ぐぅっ…!!」「バスケットボール大の…、肉塊に…」


アグリネスD「…」


Muse「…こいつは…、マズい…!!」「今までのドーパントとは…、桁違いや…!」


アグリネスD「…あなたが…、Muse…。左右非対称のドーパント…」

アグリネスD「でも…、綺麗ね…。私とは大違い…。とっても…、綺麗…」

アグリネスD「…だから、グチャグチャに潰して…、私とおんなじにしてあげる…!」


Muse「く、来るっ…!」「…ッ!」

\フォルテ!!/\マジシャン!!/


Muse「うあああああああああぁぁっ!!」


ズガガガガガガガガッ!!


アグリネスD「…」グシャシャシャシャッ


Muse「なんなん、コイツ…!!」「まるで泥人形…!撃っても撃っても…、まるで手応えがない…!」


アグリネスD「…これが、Muse…?なにこれ…、てんでお話にならない…」

アグリネスD「こんなのに…、私のメモリが壊される…?英玲奈も冗談が過ぎるわ…」

アグリネスD「とっとと片付けて…、デートの続き…しなきゃ…」グワンッ


Muse「うっ…!!」「ヤバいっ!!!よけなきゃっ!!」ヒュッ

グチュァッ!!


Muse「ひぃっ…!か、髪の毛…、溶けてもた…!」「腕とかじゃなくて良かったわ、ねぇっ!!」\コン・フォーコ!!/


\コン・フォーコ!!/\スター!!/ テレッテテテーレデレレレーン



アグリネスD「…無駄。私にはどんな攻撃も…」


Muse「ゴメンやけど…、大切な友達が待ってるんよっ!!」「あんたが人を襲うつもりがないなら…!」

Muse「「逃げあるのみ!!」」 \スター!!真姫シマムドライブ!!/


アグリネスD「…」


Muse「「スターユーモレスク!」」ボファァァッ


スターユーモレスクとは!!

右半身から炎の分身を生み出し相手をめったうちにする必殺技である!!



アグリネスD「…邪魔っ!!」グワンッ


バシュゥッ!!


アグリネスD「ぐふっ…、ひどい煙…!こほっ…、こほっ…!」

アグリネスD「…Museは?」

アグリネスD「…逃げた、か…。まぁ、いいわ…」ピキュゥンッ


あんじゅ「…ふぅ。あんなヤツにも負けちゃうガイアメモリなんて失敗作みたいなものね…」

あんじゅ「もっともっと強いの…、作らないと…」



Muse「はぁっ…、はぁっ…!!」「…死ぬかと…、思った…!」ピキュゥンッ

希「はぁっ…、はぁっ…、あ!せや…、あんじゅちゃんは…!?」

希「蜂爆弾に巻き込まれてなければいいけど…!」

遊園地エントランス前


希「あんじゅちゃんっ!?あんじゅちゃん!!どこやー!」

希「い、いない…。どこに…」

あんじゅ「希ちゃーんっ!!希ちゃんっ!!」

希「おわぁっ!なんで遊園地の中から…」

あんじゅ「あ…、逃げ遅れちゃって…。あと希ちゃん探してたら…」

希「そ、そっか…。よかった…、あんじゅちゃん…。あんじゅちゃんまで巻き込まれたらどうしようかって…、うぅっ!!」ダキッ

あんじゅ「きゃぁっ!!も、もー…、私なら平気よ…。あ、それにあんじゅちゃんじゃなくてコヨ…」

あんじゅ「…あれ?ねぇ、希ちゃん…」

希「うん?何…?」

あんじゅ「髪の毛…、変になってる…。ドロドロに溶けてるみたい…」

希「おわっ!ホンマやね…、あぁ、さっきの…」

あんじゅ「さっき…」

希「あ!せや、早くここから離れよう!まだ危険人物が中にいるかも…!」

あんじゅ「…うん」

あんじゅ(…あの髪の毛…、さっき、私が…)

あんじゅ(…そんな、まさか…、希ちゃんが…?)

あんじゅ(だとしたら…、私は…)

あんじゅ「…」

希「…えっと、それであんじゅちゃん…、次はどこ行く?」

あんじゅ「え…?」

希「こんなことなっちゃったけど…、まだ夜までは時間があるし…、デートの続き、しよ?」

あんじゅ「あ、私…」

希「それに…、ホンマはあかんけど、警察が来ちゃったら面倒やし…、さ、行こ!」タッタッタッ

あんじゅ「きゃぁっ!の、希ちゃ…、引っ張らないでよっ!」

あんじゅ「…」

あんじゅ「んふ…、うふふふ…、あはははははっ!!ねぇ、希ちゃんっ!!」

希「ん?何?」

あんじゅ「私、私ねっ、次は…、次に行きたい場所はねっ…」





???


あんじゅ「たっだいまーっ!!」


あんじゅ「…あれ?誰もいない…」


英玲奈「…いる」

あんじゅ「あ、英玲奈。ただいまっ」

英玲奈「…あんじゅ。あなた…、使った?メモリ」

あんじゅ「え…?」

英玲奈「…遊園地で変死体が発見…。細胞の組織がドロドロに融解…」

英玲奈「これ、あんじゅの仕業でしょ?」

あんじゅ「う…」

英玲奈「…一般人にメモリを使用するのはいけない。おかげで、ツバサが今色々と動き回るハメに」

英玲奈「なぜ、使ったの?あんじゅのメモリは秘匿されるべきものよ。外で安易に使うべきものじゃ、ない…」

英玲奈「返答次第によっては…」スッ

あんじゅ「…う、ぐっ…!み、Museよっ!!」

英玲奈「…Muse?」

あんじゅ「そう…、Museがドーパントと戦ってるのを見て…、そ、それで…!」

英玲奈「メモリを使った、っていうの?」

あんじゅ「え、えぇ…、ドーパントに気を取られているうちに倒してしまおうと思って…、でも…」

あんじゅ「そのドーパントを盾に取られて…、逃げられちゃったの…。それで殺してしまって…、ごめんなさい…」

英玲奈「…」

あんじゅ「その…、メモリを使ったことは謝るわ…。それに、Museはそんなに強くなかったし…、放っておいても…」

英玲奈「…そう。わかった。それ以上はいい」スゥッ…

あんじゅ「あ、ありがとう…」

英玲奈「…ところで、Museと戦って、わかったこと、ない?」

あんじゅ「わかった、こと…?」

英玲奈「えぇ、例えば…、変身者が誰か、とか。分かれば直接始末出来るし…」

あんじゅ「えっ…、あっ…」

英玲奈「…知ってるの?」

あんじゅ「…」

あんじゅ「…うぅん、知ら、ない…。わからなかった…」

英玲奈「…」

英玲奈「…そう」




東條西木野☆探偵事務所


希「ただいまー」


真姫「…お帰りなさい」

凛「おかえりにゃっ!」


希「二人共、ご飯は?」

真姫「もう食べたわ。そっちは?」

希「うちも頂いてきちゃった。結構豪華な…」

真姫「…羨ましいわね」

希「…う。真姫ちゃん…、もしかして…、まだ拗ねてる?」

真姫「…えぇ」

凛「ストレートに来たにゃ」

希「うぅ…、せやかてなぁ…」

真姫「別に…、いいし。私のほうが希と一緒にいられる時間長いし…。だからいいの…」

凛「…と言いつつ頭じゃ納得できてない感じだね」

希「ん…、じゃあ今度…、ほら、あん…、コヨミちゃんと一緒に食べた虹色マカロン…、買ってくるから、ね?」

真姫「…本当?」

希「うん、しかもいっちばん高いやつにする。だから…、ね?」

真姫「…」

凛「真姫、ちゃん…」

真姫「…絶対、絶対?」

希「絶対の、絶対や」

真姫「そう。ならいいわ!よし!聞いたわね?凛!」

凛「バッチリにゃ!録音もしたよ!」

希「…へ?」

真姫「ふははははは!騙されたわね!しょんぼりしてたらご機嫌取りに何か言ってくれると期待してたのよ!」

凛「二度は同じ手は食わないんじゃなかったかにゃ~?」

希「…は、はぁ…、なんてこった…」

希「ま、いいか…」

真姫「あっ!ねぇ凛!虹色マカロンのホムペよく見たら期間限定で一個1万円のが…!!」

凛「うおぉぉぉっ!!これ!?うわぁっ…、ぱねぇうまそうにゃぁっ!」

希「それはムリやっ!!」



第五話「お忍びのQ / 音都の休日」

おわり

真姫「ふぅ、一旦終わったわね」

希「今日は危なかった…。下手すれば死んでたかもね…」

真姫「死ななきゃ安いわ。それにしても花陽は初登場ながらひどい扱いだったわね」

凛「凶悪犯でありながら肉塊となって死ぬとか…、今までで一番扱いひどいんじゃ…。かよちんカワイソス」

真姫「さて、第五話が終わったところだけど、すこし時間おいてから第六話、やっていくわね」

希「前回安価したHEROのメモリのお話、やね」

凛「まだ何にも考えてないけどね。まぁ…、なんとかなるにゃ。前回もそうなったし」

真姫「そして今回は2話完結のつもりよ。ライダーの登場人物も出してくれて構わないわ」

希「安価もあると思うからよろしくね」

凛「じゃあ後でね!バイバイにゃ!」

お話は思いついったっちゃついたがこんな序盤にこういうのやっていいものか…
あ、っていうかさっきの第六話じゃん…、ミスったんだぜ… まぁ気にしないで行くよ 眠いけど頑張る

ヒーローに憧れた。


テレビでよく見る、かっこいいヒーロー。

見た目は虫みたいなのに、子供心にはそれがとても勇ましく見えて。

だから、将来は自分も、こうなりたかったんだ。


だけど、現実は厳しかった。

まず、力がなければヒーローにはなれない。

ヒーローになれるだけの力を、自分は持っていなかった。

そして、もう一つ。

ヒーローには、悪役がいないと。

倒すべき敵がいないと、いくら力を持っていても、ヒーローとは呼べない。

この二つが、どうしても埋められなかった。

だけど、今なら。

これを手にした今なら…。

この街には、たくさんの倒すべき悪がいる。

だったら、もう。

ヒーローの真似事なんて、卒業できる。

本物の、ヒーローに…、なれるんだ。

東條西木野☆探偵事務所


希「ふわぁぁ~…、暇やね…」

凛「暇だにゃ…」

真姫「暇ね…」

希「…なんでこんなに暇なんでしょーか…」

凛「なんでかにゃぁ…」

真姫「なんでなんでしょうね…」

希「んー…、それはぁ…」


希「…コイツのせいやぁっ!!」バッ

凛「今朝も颯爽登場、謎のヒーロー、かぁ…」

真姫「ドーパント騒ぎは最近コイツのおかげで未然に防げている、けど…」

希「その分うちらの…、Museの出番がからっきしや…」

凛「でもいいことだと思うにゃー…。うんうん…」

希「せやけどぉ…、の、脳みそとろけるわ、こんなんやったら…」

真姫「そ、そう、ね…、はふぅ…」


ガチャッ チリンチリーン


希「!!」

凛「!!」

真姫「!!」

希「いらっしゃいませ!東條西木野☆探偵事務所へようこそ!」

凛「依頼のご相談でしょうか!?なんなりとお聞きします!」

真姫「お席に着かれましたらすぐに紅茶をお持ちしますね!」

「…っ!!?」



希「はぁ…、なるほど…。職業は警察官…」

凛「それで、今日はどんなことを…」

>>345「はぁ…、それが…」

かよちん

花陽「はいぃ…、それが最近肉塊になる夢を…」

真姫「それはまたエグい…。夢診断は受けられました?」

花陽「えぇ、欲求不満って…、じゃなくて!違うんですぅっ!!」

凛「欲求不満なんだ…」

花陽「そ、そうじゃなくてぇ…、えっと…、依頼です、依頼…」

希「いや知ってますけど…。どういったご依頼で?」

花陽「じ、実はぁ…、上司が汚職を働いてる、って噂が…」

希「汚職?一体どういった…」

花陽「なんか…、ガイアメモリ…?とかなんとかいう…、変なモノを売ってる人と取引をしてるとこを目撃した、って同僚がいたんですけど…」

真姫「ガイアメモリ…」

凛「最近、有名になってきたね…」

希「まぁ…、起きてる事件も多いしね…。それで…、その同僚の人は?」

花陽「…入院しました」

希「え?」

花陽「…夜道で、誰かに襲われて…、全身を骨折する大怪我を…!こ、これってやっぱり…」

凛「順当に考えたら…、その上司に口封じ、って感じ、かにゃ…」

真姫「でしょうね…」

花陽「だ、だから私…!同僚の敵を取りたくて…!でも…、わ、私警察だし…、私が警察に相談するわけにも…!」

希「…たしかにね。でもその上司がガイアメモリの取引をしてる証拠はないんやろ?」

花陽「うぅ…、ないです…」

真姫「まぁあるわけ無いわよね。それで私たちを頼ってここに来た、と」

花陽「はい…。お恥ずかしい限りです…。私、正義の味方に憧れて警察になったのに…、これじゃあ…」

凛「正義の味方…。ヒーロー、だね」

希「ヒーローか…。今はあんまり聞きたくない響きやね…」

花陽「へ?」

希「あぁいや何でもない…。それで、その上司と同僚の名前、教えてもらってもいい?」

花陽「あ、えっと…、上司が>>349、と言って…、同僚の名前は>>350、です…」

名護さん

にこ

花陽「上司は名護啓介と言って…、同僚は矢西にこちゃん、っていう子が…」

真姫「矢西…!?なんか…、うん、いい苗字ね」

凛「上司の人…、結構人の良さそうな名前なのに…、とっても最高なイメージのある名前だにゃ…」

花陽「わ、私もそう思ってたんですけど…!でもにこちゃんが理由なく嘘つくなんて考えられないし…!」

希「通り魔に襲われたのも偶然とは考えにくい、か…。よし、その依頼、受けさせてもらうわ」

花陽「本当ですか!?あ、ありがとうございます…!!」

希「とりあえず、今から数点ほど質問があるからそれに答えてね?で、そのあとは…」

凛「被害者の矢西さんのところ、だね」

真姫「いってらっしゃい。私は待機しておくわ」



音都総合病院 252号室


花陽「えっと、ここです。にこちゃん?私、入るね」

ガチャッ


にこ「あ、花陽…、お見舞い?あれ、その人たちは…」

希「探偵の東條希です。お話を伺いにきました」

凛「あ、凛は助手の…、じゃない!所長の星空凛です!危なかった…」

希「自分から認めるところやったね」

にこ「…探偵ぃぃ?また訳わかんないのがきたわね…」

希「訳わかんないってそんな…」

にこ「大体あんた!警察学校にも行けなかったクチでしょ!それでアニメや漫画の探偵気取ってこんなふうに取り調べごっこ?」

にこ「ハッ!素人が刑事事件に首突っ込んでこないでよね!怪我しても知らないわよ?」

凛「怪我してるのはそっちなんじゃ…」

にこ「ぐぬっ…!うるさいっ!探偵だかなんだか知らないけどそんな奴に何聞かれても一切話すつもりないから!ふんだっ!」


希「…なんか、すっごい怒ってるね」

花陽「実は…、にこちゃんと私は昔からのお友達で…、小さい頃から見るものも一緒で…」

花陽「二人共、特に特撮のヒーローものが大好きなんです…。それで、正義の味方は私たちの小さい頃からの夢だったの」

凛「それで警察官に?すごいにゃー!」

希「正義の味方、かぁ…。うちも憧れたもんやね。昔の昔、やけれど」

凛(…今じゃホンモノの正義の味方だけどね)

花陽「…でも、にこちゃんはすっごい苦労して警察官になれたから…、きっと探偵、って肩書きの東條さんが気に入らないんだと思います」

凛「むぅっ!ひどいよ!希ちゃんだって日々苦労してるのに!…あれ、でもよく考えたら凛のほうがペット探しで苦労してる…?」

希「まぁそれは置いておいて…、探偵を心良く思ってないのは間違いないみたいやね…。だったら…」

凛「どうするにゃ?」

希「まずは話しかけて打ち解けるところから始めよか」


希「な、にこちゃん…、やったっけ?なんか…、はじめまして、って感じしないね。昔からの友達みたい」

にこ「はぁ?そんなん言われて私が反応するとでも?舐めないでよね」

希「…ねぇにこちゃん。特に事件に関係することやないんやけど、質問、いいかな?」

にこ「…だから何にも答える気はないって…」

希「>>353

バストサイズいくつ?

希「バストサイズいくつ?」

にこ「帰れ」


希「…あかんかったわ」

凛「仲良くなるのにいきなりどんな質問ぶつけてるんだにゃ…」

希「やっぱりここはバストサイズが近しい凛ちゃんにやってもらうしかないね!」

凛「おっ、反省してないなコイツ」


凛「こ、こんにちは…」

にこ「今度は何?助手の子だっけ?」

凛「いや…、所長なんですけど…。まぁ助手みたいなもんですにゃ…」

にこ「探偵に頼まれて話を聞きに来たって感じ?はぁ…、手が狡いわねぇ…、さすが探偵だわ」

凛「むっ…!そ、そういう言い方はないんじゃないですか!」

にこ「…なによ。急に元気になって」

凛「希ちゃんは花陽さんに頼まれたのもあるけど…、にこさんを襲った犯人を捕まえようと思って…!!」

にこ「それも依頼金目当てでしょ?見つけられないと信用もなくすしお金も貰えない。そりゃ必死にもなるでしょ」

凛「ぐぬぅっ…!!そんなんじゃないっ!!」

にこ「うぉっ…、お、大声出さないでよ…。隣の部屋に迷惑でしょ…?」

凛「希ちゃんは…、希ちゃんはねぇっ!!命懸けで…、凛を救い出してくれたんだよ…!自分も危ないっていうのに…!!」

凛「死んじゃったお父さんの、最後の頼みだから、って…、凛を、凛をっ…!」

にこ「…死んじゃった、って?あなたの…、お父さん?」

凛「…うん。凛のお父さんも…、探偵だったの…。小さい頃から凛のあこがれで…、とってもかっこいい探偵さん…」

凛「にこさんの憧れのヒーローが警察官なんだとしたら…、凛の憧れのヒーローは…、お父さんみたいな探偵さんなの。きっと、希ちゃんもそう…」

凛「警察官になれなかったから探偵になったんじゃなくて…、最初から、希ちゃんは探偵になりたかったんだよ」

にこ「…」

凛「だから…、話してほしいな。凛を…、そして希ちゃんを、悪い奴を捕まえる正義の味方に、して欲しいの。ダメ、かにゃあ…?」

にこ「…ふ、ふふ。ねぇ、あんた…、凛、って言ったわよね…」

凛「にゃ?うん、そうだけど…」

にこ「あんた…、私が探偵はやり方が狡い、ってそう言ったら…、第一にあの希、って子のことに対して、怒ったわよね」

凛「うん?何が言いたいの…?」

にこ「あなたが憧れてたお父さんも、探偵だったんでしょ?…なのに、探偵を貶されて、最初に名前を出すのがあの子、ってことは…」

にこ「あなたの中で、そのお父さんに並べられるくらい…、あの子が大きな存在なんだ、って思ってね…」

凛「あ…」

にこ「…私にはよくわかんないけど、きっとそばにいるあなたには、その存在の大きさが伝わってるんでしょうね」

にこ「だから…、あなたに免じて、話してあげる。私が話せることなら、全部」

凛「え…?ほ、本当!?」

にこ「えぇ、もしかしたらこれも…、あの探偵の作戦なのかも、って思うと、ちょっと悔しいけれどね」

にこ「だから、頼んだわよ。絶対に…、あなたたちが、正義の味方になってよね」

凛「…うんっ!」

凛「おっけーだって!」

希「おぉ!よくやった凛ちゃん!」


希「…で、バストサイズは…」

にこ「やっぱコイツ外に出しておいてくれない?」

希「じ、冗談やって…」

にこ「じゃあ、言うわね。…花陽から、上司の汚職を告発した、ってことは聞いてるわよね?」

凛「うん…。ガイアメモリを売人から購入…、してたんだよね?」

にこ「えぇ…、だけど…、根も葉もないことを言うな、それより世界のために何ができるのか考えなさい、とか…、イミフなこと言ってごまかされちゃって…」

希「でも、証拠がないのはホンマなんやろ?」

にこ「…うん。だから、今度はこっちから出向いて、今度こそ証拠を…、って思って前に取引していた場所に行ったら…」

希「襲われた、と…。襲ったのはどんな感じのやつやった?」

にこ「うぅん…、よく覚えてない…。後ろからいきなり殴られたから…」

凛「そっか…」

希「…やっぱり、名護さんのほうにも直接聞いたほうが良さそう、やね…」

凛「うん…」

にこ「気をつけてね?いい人そうに見えるけど…、たぶん、あいつが…」

希「わかってる。用心は怠らへんよ。あ、それと取引してた、っていう場所も教えて?そっちにもなにかないか見てみるわ」

にこ「…わかった。取引場所は>>356よ」

もう誰もいなさげだにゃ…
取引場所とかどうでもいいから港とかにしておこ じゃ今日はここまでやで
明日中に8話まで終わるといいね ほなな

にこにーにちんちん生えた絵描いてたら遅くなった 上げどころが他にないんで話に全く関係ないけど今度うpします

で、取引場所書いてくれたのはありがたいんだが既に昨日港ってことでちょっと続き書いてしまって
その上カフェだとほんの少し都合の悪いことがあるので申し訳ないが今回は貴意に添いかねる結果と云々
今日は7話おわりもしくは8話ちょこっとやっておしまいくらいにします そろそろヒーロー・ドーパント出さねば
3,4話より話考えるのに苦戦中だけど頑張ってやっていくんだから!どうぞお付き合いくだしあ

にこ「取引場所は音都港近くのメロディービルの近辺よ」

希「めろでーびる?どこそこ…?」

凛「探偵なのに知らないの?」

希「うーん…、あんまり港の方には行かないからねぇ…」

にこ「あぁもう…、仕方ないわねー。行き方の地図書いてあげるわ!えっと…、ペン、ペン…」

希「あ、万年筆ならあるけど。はい」

にこ「お、サンキュ。えっとねぇ…、ここに音都タワーがあって…、で…ここが…、うん、でこう行って…、ここがメロディービルよ」

希「ふんふん…、ここから結構遠そうやね。ありがとう、よくわかったわ。あ、お礼にその万年筆あげるね」

にこ「え…?別にいらないんだけど…」

希「まぁまぁ。友情の証とお守りのようなもんやと思って。なにせその万年筆は…!」

にこ「え、何かあるの?」

希「護身用の武器にもなるんやよ!すごいやろ!」

凛「へ…?」

希「なんか真姫ちゃんが暇だったから無駄に開発してみたとかなんとか…。先っちょが鋭利な刃物に…」

にこ「なんつうもの渡してくれてんのよアンタ…。下手すりゃ指切れちゃうじゃない…」

希「まぁまぁ。警察官やしこういうの持ってると活用しやすいやん?」

にこ「動かせるの右手だけなんだけどね…。まぁいいわ。アンタからの不器用な愛情表現だと思って貰っておいてあげる」

希「おぉ、ぜひそうしていただけると助かるわ。じゃあ港は後にするとして…、まずは名護さんに話を聞きに行こか」

凛「わかったにゃ!にこさん、お大事にね!」

花陽「またお見舞い、来るからね」

にこ「うん、また。バイバイ」


ガチャッ バタン


にこ「…正義の味方、ね。久しぶりに聞いたわ…」

にこ「でも…、にこがヒーローに憧れて警察官になったのと同じように…、ヒーローに憧れて探偵になった奴もいる、か…」

にこ「おんなじヒーローでも、色々あるのね…。ちょっと考え方、変わったかも」

にこ「あ、そうだ…。あの希って子に謝るの忘れてたわね…。探偵だからって馬鹿にしてごめん、って…」

にこ「…ま、今度来てくれたとき、言えばいいか…」


ガチャッ


にこ「ん…?誰?お客さん…?あ、もしかして花陽が忘れ物…」

にこ「…え?」

音都警察署


花陽「…えっと…、ここが私の勤めてる警察署で…、名護巡査部長は多分今勤務中だと思います…」

希「ん、おっけー。直接話聞きに行ってくるね」

花陽「あの…、わ、私が依頼した、って…、言わないでくださいね…?」

凛「うん!もちろんだにゃ」

希「言っちゃったらにこさんみたいに襲われるかもしれへんしな…」

花陽「はい…。お願いしますね…」



署内


希「名護啓介さんに話があって来たものですが…」



希「…少々お待ちください、って言われたけど…」

凛「既に結構待ったにゃ…。何やってるのぉ…?」

希「なにか手の離せない仕事でもしてるんと違う?まぁ探偵は待つのが基本やしえぇやん」

凛「そうだけどさぁ…」


数十分後…


希「…遅い」

凛「くかー…、くかー…」

希「凛ちゃん既に爆睡やん…。うぅ…、うちも眠たく、なって…、うっ…」


名護「待たせてすまない。私が名護だ」


希「はっ!あ、あぁ…、どうも…、うちは探偵の東條希といいます…。急にお呼びだてして申し訳ない…」

名護「いや、こちらこそ…。連れの方も気持ちよくなるほど待たせてしまい…」

凛「くかー…、くかー…」

希「あ、あぁ…、凛ちゃん…。名護さん来てくれたよ、起き」

名護「いや、寝かせておいてあげなさい。実に幸せそうな寝顔だ」

希「あ、あはは…、そうですね…。あの…、失礼ですが一体今まで何を…?」

名護「…実は…、>>369をしていて…」

正義の味方(慈善活動)

名護「実は…、正義の味方をしていて…」

希「正義の味方?」

名護「あぁ、街に跳梁跋扈する魑魅魍魎どもをこの手で排除していた」

希「…はぁ…?え、と…、つまり…、犯罪者を捕まえていた、と…?」

名護「犯罪を行うものだけではない。街のマナーに反するもの、道徳のなっていないもの、そういった小さな悪をも見逃さない」

名護「なぜなら私が、名護啓介だからだ」

希(…なんやこの人…、意味わからん…)

希(しかし…、正義の味方、か…。今回の事件でよく聞くワードやね…)

名護「その他にもゴミ拾いや困った老人や子供を助けたりもしている。君もくだらないことをする暇があったら私を見習いなさい。ではこれで」

希「ちょいちょいちょいっ!!お、お話があってきたんですけど!?」

名護「あぁ、そういえばそうだったな。なんだ、早く済ませなさい。私は忙しい」

希(…こっちをひたすら待たせておいてよく言うわ…)

希「えっと…、この警察署に勤めている矢西にこさんが通り魔に襲われた件について調べていまして…」

名護「矢西くんか…。私は自分が情けない。名護啓介でありながらみすみす通り魔などという存在を許すなど…。しかも我が警察署の職員が襲われるとは…」

希(あんたの警察署ちゃうやん…)

名護「…許せないな。この事件に関しては我らが警察も全力を以て捜査に当たっている。君もくだらないことをやめて私たちに全て任せなさい。ではこれで」

希「いやいやいや!ま、まぁ…、警察の人たちも調べてくれてらっしゃるんでしょうけど…、うちらも独自の方面から調べてるんで…」

希「…っていうか名護さんはその捜査に当たってませんよね…?」

名護「私は管轄外だ。他に大事な職務を任されているのでな」

希(…街で不良退治や人助けが大事な職務…?)

希「あの…、そういうわけなんで質問いいですか…?」

名護「仕方ない、なんでも聞ききなさい。答えられることには答えよう」

希「えっと…、じゃあまず…、矢西さんは誰かに恨みを買うようなことは?」

名護「恨み…?さぁ、わからないな」

希「んと…、じゃあ…、矢西さんが襲われた夜何をしていましたか?」

名護「私がか?くだらないな。私はその事件に関係ない人間だ。答える必要はない」

希「いやいや…、関係ないかどうかはこっちが決めるんで…」

名護「何?君、失礼だぞ。この名護啓介を疑っているというのか」

希「いや疑ってるってわけじゃなくて…、何してたかいうだけなんですからいいじゃないですか…」

希「それとも、答えられないわけでも?」

名護「…そんなものがあるわけないだろう。仕方ないな、答えよう」

名護「矢西くんが襲われた夜は…、たしか>>373をしていた記憶があるな」

行きつけの店で食事

名護「その夜はたしか行きつけの店で食事をしていた記憶がある」

希「行きつけの店…、何を食べていたんですか?」

名護「焼肉だ」

希「焼肉ぅっ!!?」

凛「おわぁっ!?な、なに…?びっくりして起きちゃったにゃ…。あ、いつの間にか名護さんが…」

名護「どうした。私が焼肉を食べていたらおかしいとでも言うのか?」

希「え…、あ、いや…、うぅん…。そんなことないです…」

希(…焼肉食べたくなってもたやん…。くっ…、こないだのデートのせいで今月ピンチやのに…)

名護「ちなみに最初のオーダーはタン塩カルビハラミ特上骨付きカルビレバ刺しセンマイ刺し特上ハツ、ビビンバクッパわかめサラダ激辛キムチサンチュでサンキューだったな」

希「…」ゴクッ

希「も、もういいです…」グゥゥゥ…

凛「うわぁすごいお腹の音…」

希「えっと…、次の質問なんですけど…、名護さん、さっきあなたは矢西さんが襲われる理由に心当たりがない、とおっしゃいましたが…」

名護「あぁこれっぽっちも思い当たらないな」

希「ですがその日、あなたは矢西さんに汚職を働いていると言われたそうですが…、それは恨まれる理由にはなりえないと?」

名護「…ふっ、何を言っている。私は汚職を働いてなどいないし、ましてや私は犯人でないのだから当たり前だ」

希「しかしあなたが汚職を指摘された夜に矢西さんが襲われる…。少し出来すぎていると思うんですが」

名護「くだらない。やはり私を疑っているな?探偵と言ったな。誰に雇われてこんなことをやっている?」

希「いや、それは守秘義務というものが…」

名護「ありもしない罪をでっち上げて俺を陥れようという魂胆だろうがそうはいかない。さぁ言いなさい。誰に雇われた?」

希「いや、言えないって…」

名護「ふざけるな!俺は名護だぞ!俺に…、二度同じことを言わせるな!」

希「いやだから…」

凛「言えるわけないにゃ!」

凛「だって言っちゃったらにこさんみたいに花陽さんまで通り魔に襲われるかもしれないんだよ!?だから言えない!」

希「あ」

名護「…ほう、和泉花陽、か…」

凛「え、なんで…?」

希「アホ…」

名護「…私はこれで失礼する。忙しいのでね」スタスタ

凛「あ、行っちゃったにゃ…。な、なんでバレちゃったんだろう…」

希「ずっと眠らせておくべきやった…」

凛「ご、ごめんなさいっ!!」


花陽「い、言っちゃったんだ…。うぅ…、どうしよう…」

凛「凛が…、凛の頭脳がマヌケなせいで花陽さんに迷惑がかかっちゃうにゃ…。ごめんね…」

希「…いや、でも…、ある意味これはチャンスかもわからんよ?」

凛「へ?」

花陽「チャンス…?ど、どういうことですか…?」

希「もし名護さんが犯人やとするのなら、つまりガイアメモリ購入の場面を見られたことを告発したその夜ににこさんを襲ったことになる…」

希「そんなことしたらあからさまに怪しまれるにも関わらず、や…。つまり自分は絶対に捕まらない自信があるか、あるいは…」

凛「…そんなこと考えられないくらい、名護さんがアホ、ってこと?」

希「かもね。だから今回も花陽さんの依頼だとわかったその夜に花陽さんに危害を加えるかもしれへん…」

希「だったら花陽さんに囮になってもらって、襲われる寸前にうちらが助けに入れば…」

凛「おぉ!現場も抑えられて現行犯逮捕!ってことだね?」

花陽「え…、わ、私囮…?うぅ…、それは、ちょっと…」

希「お願い、にこさんを襲った犯人を捕まえられるかもしれないチャンスなんよ。それに、絶対に何かある前にうちらが助けたるから」

希「…うちらを、信じて」

花陽「…!」

花陽「わ、わかり、ました…!に、にこちゃんのため、だもんね…!うん、私…、頑張るよ!」

凛「ありがとにゃ!」

希「まぁでも…、確実に襲って来るとは限らへんし…、もしかしたら名護さん以外が犯人ってこともありうるから…」

凛「次は取引現場…、港に行って何か証拠がないか探す、だね!」

希「…うん!」



音都 港


希「えっと…、たしかこの辺…、この辺やった気が…」

凛「意外とめんどくさいところにあるね…」

花陽「あ、こっちじゃないかな。よいしょ…っと」

希「お、あれかな!…ん?誰かおる…」

凛「あ、ホントだ。人、かな?も、もしかして…、ガイアメモリの売人…?」

花陽「う、ウソ…!だ、誰かぁ…」

希「いや、あれは…、見間違いやなければ…」


希「…なんで、こんなところにいるん?」

穂乃果「ほぇ?おぉっ!?希ちゃん!?こっちこそびっくり!」

凛「へ…?穂乃果ちゃん…?」

花陽「し、知り合い…?」

穂乃果「なるほどねー…、希ちゃんもかー…」

希「も、っていうことは、穂乃果ちゃんも?」

穂乃果「うん。情報屋、だからね。こっちも依頼で調べてることがあって」

凛「え、なになに?教えてにゃー」

穂乃果「凛ちゃんが今ここで穂乃果の(不適切な発言があったことをお詫び申し上げます)したら教えてあげるよ!」

凛「う、うわぁ…」

花陽「この人…、気持ち悪いね…」

穂乃果「お、おぉう…、じ、冗談だから…。流石に他人の依頼内容教えるわけには行かないよ…」

凛「冗談にしてもキツ過ぎにゃ…。あ、そういえば今日は服装変わってるね!いつもの革ジャンじゃないんだ」

穂乃果「ん?あぁ、このパーカー?いいでしょー。雰囲気変えてみたんだ」

希「たしかにいつものイカツさが少し抑えられてる感あるね」

穂乃果「それに最近寒くなってきたしねー。厚手の素材に変えてみたの。でも冷え性だからまだポケットから手出せないやー」

凛「冷え性だったんだ…。冷たいスイーツパクパク食べてた記憶があるけど…」

穂乃果「それはほら…、別腹?」

希「全く冷え性と関係ないし…。たしかに最近冷え込んできた感はあるね」

穂乃果「だよねー。ふぃぃ…、さぶぅ…」

凛「そんな言うほどかにゃ…?」

希「…あ!それより…、ちょうど良かった!穂乃果ちゃんなら何か知ってるかも…」

穂乃果「ほぇ?」

希「えっと…、これ!この写真の…、名護さん、って言うんやけど…。この人について何か知ってない?」

穂乃果「何か、とは?」

希「例えば…、ガイアメモリ保持者、であるとか…」

穂乃果「…さぁ、どうだろうね」

希「知らない?」

穂乃果「まだ知らないなぁ。あ!でも今の依頼と並行していいなら一緒に調べておくけど…、どうする?」

希「本当に!?ありがと穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ふふふ…、だけどその前に…、まず前金として…」

凛「ゔっ…!ま、まさか…」

花陽「?」

穂乃果「>>378ちゃんが>>379ちゃんに>>380してるとこ見たいなー、なんて…、ウェヒヒ…」

じゃあ花陽で

穂乃果「希ちゃんがそこのおっぱい大きいお姉さんのお胸をわしわししてるところ…、見てみたいなぁ、なんて…」

花陽「え…?…えぇぇぇぇぇぇ!!?」

希「うぅっ…!やっぱりそんな…」

凛「この人こういう人なんだよ…!!お願い…、すぐ済むからちょっと我慢して…?」

花陽「が、が、我慢ってぇ…!!?」

穂乃果「んー?いやいや、すぐとは言ってないよー?そうだなぁ…、10回以上は揉んで欲しいなぁ…。グヘヘ…」

花陽「ひ、ひぃぃぃ…!!だ、誰が助け…!!」

希「穂乃果ちゃん…!流石にうちは依頼人には手を出せんよ」

穂乃果「うぐぐ…。…でもさぁ?意外とその子…、嫌がってないんじゃない?」

花陽「へ…?」

穂乃果「穂乃果にはわかる…!あなた、ズバリ欲求不満気味でしょう!」

花陽「んなぁっ…!な、なんで…!?」

凛「まさかの最初のアレがここで効いてくるとは…」

穂乃果「しかもその大きな胸…、おっぱい揉んでもらいたい願望とか持ってるんじゃないの?」

花陽「うぐっ…!」

凛「え、マジで?」

穂乃果「さぁさぁ、ここで発散しちゃいなよ。他人におっぱい揉んでもらうチャンスなんてそうそうないよ?」

花陽「う、うぅ…!!」

希「は、花陽、さん…?ま、まさか…」

花陽「…っ!お、お願いします!」

希「…ま、マジか…!」



花陽「んあっ…!くふぅっ…、はぁ、あ…、もっと…、強く…、その…、できれば乳首も…、ん、うぁっ…う(続きはwebで)」



花陽「はぁぁぁぁぁ…、き、気持ちよかったぁぁ…」

希「女の子の胸を一生分揉んだ気がするわ…」

凛「かなりの時間使ってたしね…」

穂乃果「んっふぅぅ…!大人しそうに見える女子の性に悶える姿…!!これまた眼福だよ…!!」

穂乃果「いいもん頂いた!じゃ、この人のことも調べておくね!バイバイ!」

希「あぁ…、ば、バイバイ…。はぁ…、穂乃果ちゃんと関わると大変やよ…」

凛「情報屋としては優秀なだけになおさら腹立つにゃ」

花陽「…まだちょっと物足りないかも…」

希・凛「え」

希「ふぅ…、貴重な時間を割いてしまった…。まだメロディービルに着けてないっていうのに…」

凛「でももう少しだよ!あ、あれじゃない?」

花陽「ん…?また人が…」

希「今度は二人いるね…。誰やろ…」

凛「流石にまた知り合いってことは…、ないか」

希「なんか話してる…?あれは…」



絵里「…えぇ、ではこれで…、えぇ、頑張ってね…」

「…」



希「あ、一人はどっかいったみたい。金髪の人の方が残ったね」

凛「うわぁ…、すっごい綺麗な人にゃ…」

花陽「…ん?あ!こ、こっち来る…?」


絵里「あら、こんにちは」

希「こ、こんにちは…」

絵里「こんなところに女性三人で、一体何を?…あまり洒落たお店がある地域ではないと思いますけど」

希「あぁ…、うちは探偵で…。少し調べ物を、ね…」

絵里「探偵さん…?へぇ…、彼女たちも?」

希「あ、いや…。この子はうちの…、まぁ助手みたいな子で…」

凛「…だから所長だって…」

希「こっちが依頼人さんです」

花陽「あ…、えっと…、い、和泉花陽って言います…!」

絵里「えぇ、花陽、さんね。ふふ、私は絢瀬絵里、って言います。よろしくね」

希「絢瀬さん、ですか…。ちなみに先ほど何をされて?誰かとお話されていたようですけど…」

絵里「あぁ…、商談、みたいなものです。以前取引した商品に不備がないかお話を聞いていたんですよ」

絵里「それで…、話していた相手の方は…、ふふ、そうですね…」


絵里「…英雄になりたい人、とでも言いましょうか…」


希「英雄…?」

絵里「…いえ、なんでもないです。忘れてください。では、私はこれで…」スタスタ

凛「なんだったのかにゃ…?」

花陽「さ、さぁ…?」

希「…もしかして、さっきの…」


ピリリリリリ… ピリリリリリ…


花陽「…ふぇ!?あ、あぁ…私のだ…」ピッ

花陽「はい、もしもし…、はい、そうですが…、えぇ…、えぇ…。…え」

花陽「…はい、…え、えぇっ…!!?ウソ…、そ、そんな…!!?あ、あぁっ…!!」

希「は、花陽さん…?ど、どうしたん…?何が…、あったの…?」


花陽「に、にこ、ちゃんが…、にこちゃんがぁ…!!」

音都総合病院 252号室


希「なに…、これ…」

凛「病室が…、ボロボロ、にゃ…」



花陽「にこちゃんっ!!目を覚まして!にこちゃぁんっ!!」

にこ「…」



希「…何者かに襲われにこさんは意識不明の重体…。このまま下手すると…」

凛「死ぬ危険性も、ある、んだってね…」

希「今から緊急手術…。その間花陽さんは付きっきりで…、にこさんに声をかけて…」

凛「うぐぅっ…!!なんで…、どうしてにこさんがぁっ…!?また、通り魔の仕業、なの…!?」

希「ありうる…、名護さんが花陽さんではなく…、先ににこさんを叩いたと考えれば…」

希「しかも…、この壁のふざけた傷…!『I am a Hero!!』…私は、英雄だ…、か…」

凛「部屋もめちゃくちゃだし…、あ、これ…。希ちゃんがあげた…、万年筆…」

希「護身用の…。先が折れてる…。きっと犯人と争ったんやね…」

凛「…あれ?でも…、折れたペン先が無いよ…?あ!もしかして…、犯人に刺さったまま…、とか?」

希「…それもあるかも…。だとしたら…、にこさんが残してくれた最後の一撃、かもね…」

凛「この部屋を襲った犯人には…、ペン先ほどの傷が残ってるはず…、ってことだね!」

希「うん…!にこさんのためにも…、絶対…!!絶対に犯人を…!!」



その夜


音都総合病院


希「…」

凛「…ぐぅ、…ぐぅ」

希(…にこさんの手術が終わるまで、うちらは待った)

希(花陽さんがにこさんを襲った通り魔にいつ襲われるかわからない…。うちらが護衛しないと…)


プルルルル… プルルルル…


希「…ん、電話…。穂乃果ちゃんからや」ポチッ

希「…もしもし」

穂乃果『遅くなってごめん!わかったよ!やっぱりこの人メモリ購入者だ!』

希「…ホント!?」

穂乃果『うん…、間違いない…。第三者が撮った写真に偶然ガイアメモリの売人と話してる姿が映ってた…』

穂乃果『そこから辿っていって、ちゃんとした証拠も掴んだよ!あ、でも…、今その人がどこにいるかまでは…』

希「うぅん!そこまでしてくれたら完璧や!…で、その人はなんのメモリを持ってるん?能力さえ分かれば対策も…」

穂乃果『わかった。じゃあ言うね…。この人が持ってるメモリは…』

音都総合病院前


花陽「…ありがとう、こんな夜遅くまで待ってくれて…」

凛「り、凛が言っちゃったんだもん…!待つのは当然だよ!」

希「まぁ凛ちゃんは寝てたけどね」

凛「ん、うぅ…。ご、ごめん…」

花陽「うぅん、待っててくれただけでも嬉しい。ありがとう、凛ちゃん」

凛「うぅっ…!!そ、そんなこと言われると…!感動しちゃうにゃぁ…!!ぐずっ…!」

希「涙脆すぎでしょ…。それで…、ここからやけど…」

花陽「…私が一人で夜道を帰って…、希さんたちは遠くから私を見守ってくれるん、ですよね…」

希「うん…、襲われる寸前に絶対に助けるから、安心して、ね?」

花陽「わかりました…。でも、絶対に…」

花陽「犯人を…、捕まえてください…!」



夜道


花陽「…」テクテク


希「…今のところ、現れる気配は、なし…」

凛「だ、大丈夫かなぁ…。その…、名護さんの持ってるメモリの能力って…」

希「うん、突然現れる可能性もある…。だけど、よく見てれば、わかるはず…!」

希「たぶん、現れるのは…」


花陽「…」テクテク


希「花陽さんが、街灯の下に入った瞬間…!」


花陽「…」テクテク


凛「あっ…!!花陽さんが街灯の下に来たにゃ!」


ズニュッ…

「…イズミ、ハナヨォォォ…」


花陽「ひぃっ…!!?」


凛「出たにゃぁっ!!」

希「…今やっ!」\ハーミット!!/



真姫「ったく…、出番なさすぎにも程があるでしょ…」

真姫「私も今度外出しようかしら…」\アレグリッシモ!!/



ガションガシャーンッ!!


\アレグリッシモ!!/\ハーミット!!/ デレレンレレーンドドーン


Muse「行くで!」「えぇっ!」

「ワタシガ…、セイギダ…!!グアァァァッ!!」


花陽「ひ、ひぃぃぃっ!!だ、だ、誰か助けてぇぇぇぇっ!!」

Muse「ちょっと」「待っててー!」

シュバッ!!


「グ、ハガァッ!!?ナ、ナニィ…!?」


Muse「「てやぁぁぁっ!!」」

ズバシュッ!!

「グファァァァァッ!!ナ、ナゼ…!ナゼオレガ…アラワレルト…!?」


Muse「あんたのメモリは「影」の旋律を持つメモリ…、シャドーメモリ」「街灯に入って花陽さんに影が出来た瞬間に襲うのは予想できた…!」

Muse「さぁとっとと白状なさい!」「あんたが…、にこさんを二度も瀕死に至らしめた犯人…!名護啓介やな!」


シャドー・D「ぐ…、た、たしかに俺は名護だ…!しかし…!」


Muse「なんや!言い訳は通用せえへんよ!」「証拠も挙がってるんだからね!…私は知らないけど」

シャドー・D「…いや、待て!聞きなさい俺の話を…!」

Muse「なによ、何か言いたいことでもあるの!?」「辞世の句なら聞いてやらんこともないよ…!?」

シャドー・D「いや…、君が何者かは知らないが…、さっきにこ…、矢西にこを『二度』も瀕死に至らしめた、と言ったな…?」

Muse「そうだけど…、それが何?」「一度全身の骨を折った相手をさらに襲うなんて…、許せへんっ!!」

シャドー・D「ま、待ちなさい…!い、一度は襲ったのは認めよう!だが…!」


シャドー・D「に、二度目というのは知らない!俺が矢西を襲ったのは…、一度だけだ!」


Muse「…え?」「う、ウソ…?う、嘘付いてるんやろ!?見苦しいよ!?」

シャドー・D「嘘ではない!もう自白してるんだからそんな嘘ついても意味ないだろう!」

Muse「た、確かに…」「じゃあ…、一体…?」

シャドー・D「そ、それは俺も知らな」


バキィッ!!


Muse「…え?」「シャドー・ドーパントが…」


シャドー・D「が、ハァッ…!!」


「…」


Muse「吹っ飛ばされた…?」「み、見えなかった…。一体、誰…?」


「…私は」


Muse「あ、こ、コイツ…!」「知ってるん真姫ちゃん!?」「新聞で見た…、こいつは…!!」


「…私は、ヒーローだ…!」



第七話「偽りのH / 正義の味方になりたくて」

おわり

真姫「うっひゃー!終わったわ!すごい続きが気になる感じで終わっちゃったわ!」

凛「まさかの名護さんはヒーロー・ドーパントじゃなかったっていうね…」

希「シャドーになったのは完全に話の流れだけで特に名護さんは関係ないよ」

真姫「まぁある意味、今回のドーパントの、光と影、的な対比にもなっていいんじゃないかしら」

希「あ、最後の方行数足りなくて説明入れられなかったけどシャドー・Dは影に潜める能力を持ってるって設定ね」

凛「だから街灯の下に行って花陽さんに影ができた瞬間に襲おうとした、ってことだにゃ」

真姫「他にも、え、ここのシーンどういう感じ?ってのがわからなかったら雰囲気で掴むか説明を求めるかしてちょうだいね」

凛「自分ではわかりきってるものと思い込んでて説明不足になってる箇所もあるかもしれないからわからなかったら遠慮なく言ってほしいにゃ」

希「あ、それと今回からドーパントの名前は○○・Dって書く事にしました。なんとなくやね」

真姫「さて…次回、どうなっちゃうのかしらね?」

希「もしかしたら色々気づいちゃった人もいるかもしれないけど、心のうちに秘めて書き込まずにニヤニヤしてて欲しいね」

真姫「それで予想が当たってたら次回全部終わったあとに反応して欲しいわね」

凛「全くなんの想像もしてないような人がいれば、…まぁ次回をお楽しみに」

真姫「じゃ、今日はここまで。次回、解決編をお楽しみに!」

希「これで決まりや!」

映像だとさりげなく映しておくだけで済む表現が文章だといちいち書かないといけないから難しいよね
まあ文章だからこそできることもいっぱいあるんだけど

というわけでアニメ最速も終わったことだし始めていくます
ストーリー決めるともはや戦闘でしか安価の使いどころがない 
久々にメモリ増やしたいんで音楽記号とか予め調べておいてよさげなの探しておいてね!

街道


Muse「…こいつ」

「…」

Muse「…知ってるの?」「えぇ、今朝も話したでしょう…。今街で噂になってる」

Muse「颯爽と現れドーパントを退治する…、謎のヒーロー…」「こ、こいつが…?」


「…」スタスタ


シャドー・D「ぐ、が…」


「…っは」

「うらぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ゲシィッ!!


シャドー・D「げはぁっ!!」


Muse「んなっ…!」


「ああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」ゲシゲシゲシゲシゲシ!!

シャドー・D「がぁっ!!ぐひぃっ!!あ、がぁっ…!!やめっ!うぐぅっ!!」


Muse「ちょっ…!やめぇや!もうその人は抵抗してへんやろ!」「それ以上はドーパント相手といえど暴行だわ!」


「…あ?」

シャドー・D「ぐ、うぐっ…、ぐ、ふぅっ…!」ピシュンッ

名護「が、はぁ…!」

「…ふんっ!」ゲシィッ!!

名護「ぐふぅっ!!」


Muse「おいっ!もう人間に戻ってるんやよ!」「ドーパントの力で人を傷つけたらどうなるかわからないわけないでしょ!?」


「…私が…、ヒーローだ…」

「私のやることが…、絶対の正義…!!」

「邪魔する奴は…、悪…!!」

「お前も…、悪者か…!!」


Muse「…っ!こ、コイツ…!!」「…メモリの力に、精神を汚染されてる…!?」


「うらぁぁぁぁっ!!!」

ヒュンッ!!


Muse「早っ…!!?」「くっ…!でもアレグリッシモハーミットなら…!!」

シュバッ!!

Muse「「てやぁぁぁっ!!」」


ガシィッ!!

「フン…!」


Muse「と、止められた…!?」「そんな…、こっちは最速のフォームなのに…!」

今のメモリこんなん


ソウルメモリ

クレッシェンド 「成長」の旋律 特に特徴はナシ
アレグリッシモ 「極速」の旋律 高速移動
フォルテ    「強さ」の旋律  念じるほど攻撃翌力アップ
コン・フォーコ 「火」の旋律  燃える


ボディメモリ

スター   武器・拳
ハーミット 武器・足についた刀
マジシャン 武器・ガトリング砲

Muse「ていやぁっ!!」

ヒュンヒュンッ!!

Muse「この速さなら…!」「見切れへんやろっ!!」


「フ…」


シュバシッ!!


Muse「ぐ、がぁっ…!?!」


ドサァッ…!!


Muse「んなぁっ…!!」「あの速さで動いてて…、見切られた、なんて…!」

Muse「クソ…、速さが通じないならぁ…!!」「次は力で…!!」


\フォルテ!!/\スター!!/ テーレテテーッレデレレレーン


Muse「…強く!」「強く!」「「もっと強くっ!!」」


Muse「「でりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」

ヒュンッ!!


「ぐっ…、だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

バキィッ!!


Muse「ぐっ…、な、なんてパワーや…!!」「フォルテの力でも、押されている…!?」

「フンッ…!!」

「てりゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ブンッ!!


Muse「ぐぁぁぁっ!!」「かはぁっ…!お、押し負けた…!そんな…」


「…」スタスタ


Muse「ぐ…、こうなったら…!!」ポチッ


>>404!!/


※真姫のメモリ・音楽関係の何かでどんな能力か

ビブラート 
攻撃に振動を加える


\ビブラート!!/


\ビブラート!!/\スター!!/ ディーデデディンッデデレレレーン


Muse「び、ビブラート、って何…?」「攻撃に振動を加えるメモリよ」

Muse「それ、使えるの…?」「まぁ見てなさいって」


「ふぅっ…、ていやぁぁぁぁっ!!!」


Muse「攻撃が当たらないなら…!!」「えっ…、そ、そっちは…」

Muse「…絶対に当たるようにすればいいだけのことよ!」「地面やよ!?」


ドンッ…!!


「…っ!?」


グラグラ…


「う、ぐぅっ…!!」


Muse「じ、地面が揺れ…!」「地面そのものに振動を加えた…!擬似地震、って感じかしら?」


「あ、うぅっ…!」


Muse「なるほど、これでコケてくれたら…!」「殴り放題ってこと!」


「…くっ!てやぁっ!」

ビュンッ!!


Muse「飛んだっ!?」「地面が安定しないってのになんてジャンプ力よ…」

Muse「せやけど…!」「空中でも身動きがとれないのは同じことよねっ!!」スッ



>>408!!/


※希のメモリ・タロットのアルカナでどんな武器か(遠距離武器)

ついでに後で近距離も使いたいんで安価でなくてもなんか案出しておいてください よさげだと思ったら採用します

釣られた男

釣竿

なんか募集しといてこういうこというとアレだけどストレングスは1話のときに誰かが言ったメイス型のハンマーがいいなって思ってます(マンゴーっぽいやつ)
今のところ近接が軽い斬撃のしかないから重い打撃が欲しかったので またいずれ募集するんでその時もよろしくお願いします

\ハングドマン!!/


\ビブラート!!/\ハングドマン!!/ ディーデデディンッデチャラリララー


Muse「千の偽り、万の嘘…!」「言葉の裏には針千本、ってねっ!こいつで一本釣りよ!」

Muse「せやけど…、かなりのジャンプ力やよ?あんな遠くの敵、正確に狙えるか…」「こんな時にもビブラートの力が役に立つのよ!はぁっ!!」


ビィィィィ…ン


「…っ!?」


Muse「空気に振動を伝えた…!」「ソナーみたいなもんやね!」

Muse「これで正確な位置はバッチリよ!」「あとは釣り上げるだけやぁっ!!」


ヒュンッ!!


「…!くぅっ!!」

シュルルルッ…、ガシィッ!!

「くあっ!」


Muse「獲った!!」「うおりゃぁぁぁぁっ!!!」



「うわぁぁぁぁっ!!」シュルルルルル!!

ドスゥッ!!

「ぐ、ふぅっ…!!」


Muse「また地面に逆戻り、やね…!」「さぁてと…!たっぷりやり返させてもらおうかしら…!」

Muse「実はこの釣竿はロッドとしても使用できるのよアタァァァック!!」「名前長っ!」

ブンッ!!


「くっ…!たぁぁっ!!」ヒュッ!!


ガシィッ!!


Muse「…くっ!パンチで防がれたっ!」「…いえ、よく見て」


「がっ…、うぐぅっ…!!」


Muse「お、思いのほか効いてる!」「ひるんだわね、よし、一気に決めるわよ!」

\ハングドマン!!真姫シマムドライブ!!/


「くっ…、うぐっ…!」



「…はぁ、仕方ないわね…。見守るだけにしておこうと思ってたけど」


\ディコーラム!!/


「少しだけ、手伝ってあげましょう」

Muse「くらえ!ハングドマン…」


「はぁぁぁっ!!」


Muse「…!?」「何っ!?」


「ていやぁっ!!」

ドゴォッ!!


Muse「ぐふっ…!!」「が、はぁっ…!」


「…っ!?」


「さ、今のうちに逃げなさい。まだやるべきこと、あるんでしょう?」


「…っ!クッ…」シュンッ


Muse「ぐぅっ…!逃げられた…!!」「何者よ、アンタ…!」


「そうね…、急に現れて名乗らないんじゃ、礼儀に反するわね。よろしい、答えましょう」

ディコーラム・D「私はディコーラム・ドーパント。礼儀を重んじるものよ」


Muse「ディコーラム…?な、なんのメモリ…?」「「礼儀正しさ」の旋律…!ふざけてるわね」


ディコーラム・D「ふざけてる…?何がかしら」

Muse「急に割り込んできて礼儀正しいもクソもあるものですか…!」

ディコーラム・D「ふふ…、失礼。だけど私の客がピンチなのだもの。助けないとそれこそ礼儀に反するでしょ?」

Muse「客…?」「アンタ…、まさか…!!」

ディコーラム・D「えぇ、私、ガイアメモリの売人なの。あの子にメモリを売ったのも、そこにいる人にメモリを売ったのも私」

Muse「アンタが…!!」「こんなものを一般人に売るなんて…!なんとも思わないの!?」

ディコーラム・D「なんとも思わないことはないけど…。でも私も仕事だから。それに…」

ディコーラム・D「力を欲している人間はたくさんいる。その人たちに、夢を売ってあげているのよ?」

ディコーラム・D「ふふふ…、ガイアメモリの売人って…、素敵な職業だと思わない?」

Muse「なん、やてぇ…!」「ガイアメモリによってどれほどの被害が出てるかも知っててその態度…!?」

ディコーラム・D「…この世界はバランスによって成り立ってる。だけど個人の力にはそのバランスに少し傾きがあるわ」

ディコーラム・D「だから私はそのバランスを覆してあげてるの!弱者が強者を倒せる力を授けているの!」

ディコーラム・D「私は人々に喜びを与えているのよ…。だから、その結果として…」


ディコーラム・D「少しくらい…、街が泣いたって…、仕方ないじゃない?」


Muse「「…っ!!」」

Muse「仕方ないわけ…っ!」「あるかぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ヒュンッ!!


ディコーラム・D「…ふぅ、もうやる気はないのだけれど…、いいわ、少しだけ付き合ってあげる」

\コン・フォーコ!!/\ハーミット!!/ テレッテテテーレドドーン


Muse「ふぅっ!!」「はぁっ!!」

ヒュヒュンッ!!

ディコーラム・D「おっと危ない…、そんなもの振り回しちゃ危ないわよ?」

Muse「うる…、さいっ!」

シュバッ!!

ディコーラム・D「んふっ…、無駄よ、無駄…」

Muse「くっ…、なんで…、なんでよ…!」「当たらへん…、全く…!」

Muse「速いってわけでもないのに…!」「まるでダンスのように…、空を斬るように避けられる…!」

ディコーラム・D「ふふ…、ダンスも紳士の嗜みですもの。じゃ、こちらの番ね。シャッ!!」

シュッ!!


Muse「くぅっ…!!レイピア…!」「しかも…、こっちもかなり速い…!」

ディコーラム・D「ふふ…、いいでしょ?この鋭さ…、なんだって貫ける高貴な力…!」

Muse「何が高貴な力や…!」「だったらこっちは…!!」

Muse「…剛毅の力よ!」 \ストレングス!!/


\コン・フォーコ!!/\ストレングス!!/ テレッテテテーレドンドンダーン


Muse「ぐぬっ…!お、重い…!!」「我慢しなさい、ってのぉっ!!」

ディコーラム・D「わぉ…、大きい…♪」

Muse「こんだけ大きけりゃ…!」「避けきれへんやろっ!!」


\ストレングス!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「くら…」


ディコーラム・D「…隙が大きすぎよ」

ズバシュッ!!


Muse「ぐ、あぁっ…!!」 ドサァッ…


ディコーラム・D「さて…、そろそろ私は帰るわね?遊びに付き合ってくれてありがとう」

ディコーラム・D「じゃあね、可愛いドーパントさん」

ヒュンッ


Muse「はぁっ…、はぁっ…!!誰がドーパントやねん…!」「くっ…、なんて攻撃の正確さ…!たった一点を突いただけで真姫シマムが破られた…!」

Muse「それにしても…、流石に二連続は…」「やり過ぎた、わね…!くっ…」ピシュンッ

希「ふぅっ…、はぁ…、はぁ…。ぐっ…」


凛「の、希ちゃん…!大丈夫!?」


希「うちは…、平気…。それより、花陽さんは…?」

花陽「あ…、私もここにいます…。凛ちゃんがちゃんとそばにいてくれて…」

希「そう…、よかった…」

希「ごめん凛ちゃん…、スタミナ切れや…。ちょっと…、肩貸して…」

凛「うん…、よい、しょっ…。お、重いにゃ…」

希「力でないんやもん…、仕方ないよ…。ふぅっ…!!」


名護「ぐ、ぅっ…!」

凛「…どうにゃ?」

希「やっぱり…、身体にペン先ほどの傷跡は見られない…。多分…、二度目ににこさんを襲ったのは、この人じゃない」

凛「そんな…、じゃあ、誰が…?」

希「誰が、か…」

希「…っ!」


(希「しかも…、この壁のふざけた傷…!『I am a Hero!!』…私は、英雄だ…、か…」)


(「…私は、ヒーローだ…!」)


希「まさか…、さっきのドーパント…!?」

凛「えぇっ…!?あ、あれって…、ドーパント退治してたヤツ、でしょ…?」

凛「どうしてドーパントと関係ないにこさんを襲う必要が…?」

希「わからない…、でも…」

希「アイツはもうメモリに精神を侵食されてる…!最初は純粋に正義のための力としてメモリを使っていたとしても…」

凛「…暴走して、関係ない人まで傷つけてしまってる、ってこと、かな…」

希「かも、ね…。ふぅ…、とりあえず…、凛ちゃん、警察に通報や…。名護さんを逮捕してもらって…」

凛「おっけーにゃ!希ちゃんは…」

希「う、うちは…、もう、限界や…」

凛「え…?そ、そんなぁっ…!さっきの戦いで…、傷が…!?」

グゥゥゥゥゥ…

凛「…は?」

希「夜…、何も食べてないから…、お腹すいた…。も、もう、ムリ…」

凛「はは、よかった…」



数分後…


ピーポーピーポー…


名護「ぐっ…、離せ!俺は名護だぞ!」

警官「だから逮捕してんだよバカ」


花陽「あ、ありがとう、ございました…。一応、これで私の依頼としては…、おわり、なんですよね…」

希「せやね…。だけど…」

凛「まだ、にこさんを襲ったもうひとりの犯人は…、捕まってない…」

花陽「あの…!不躾なお願いですけど…!!」

希「…わかってる。うちが絶対に…、あの犯人を捕まえる…!花陽さんは、安心してて…」

凛「うちじゃなくて、うちらが、だけどね!」

花陽「…!は、はいっ…!!お、お願いしますっ!!」

翌日 朝


東條西木野☆探偵事務所内


真姫「それじゃあ…、あの謎のヒーロー捜索隊を今ここに結成するわよ!」


凛「おー!」

希「真姫ちゃん…、朝から元気やね…」

真姫「最近出番少ないんだもの!解決編くらいは目立っていかなくっちゃ!」

希「せや、ね…。あ、じゃあうちは今回ここで体力を温存しておくから真姫ちゃんが代わりに…」

真姫「お、それいいわね!『音楽室』もすこし使いどころに困ってたからね!たまには自分の足で情報を集めるのも悪くないわ!」

希「ん…、じゃあ頼んだ…。ぐぅぅ…」

凛「寝るの早…。うちが犯人を捕まえるとはなんだったのか…」

真姫「それじゃあ早速謎のヒーローについて集めた情報を整理するわよ」

凛「え、いきなり?もう調べてたの?」

真姫「ネットだのなんだの使えば簡単に出てくるわ。全く便利な世の中になったものね」

凛「便利なのは真姫ちゃんも似たようなもんにゃ…」

真姫「…で、今まで謎のヒーロー…、ここでは便宜的にヒーローの頭文字をとってHにしましょうか」

凛「えっち…。あんまり緊張感のない響きだにゃ。むしろエロティック」

真姫「えっちじゃなくてエイチね。英知と同じ発音よ。…で、このHが今まで解決してきたドーパントの事件なんだけど…」

真姫「最初はなるべく穏便に済ませようとしていたみたいね。メモリの使用者を傷つけず、動けないように縛り付けてから通報。本人は警察が来る前に退散、ね…」

凛「まぁ本人もガイアメモリの使用者だからね…。直接会っちゃったらメモリを取り上げられちゃうしね」

真姫「うん。…だけどHが関わった最近の事件は…、ドーパントメモリによる被害は皆無と言って等しいんだけど…、メモリ所持者が…」

凛「どうなってたんだにゃ?」

真姫「…ボッコボコ、よ。およそ人間生活を二度と送ることができないような大怪我を負わされている」

凛「やっぱり…、希ちゃんの推理通り、あの人はメモリに精神を毒されてるんじゃ…」

真姫「かも、ね…。あのドーパントはかなりの強さだったし…、きっと精神に掛かる負担も並大抵のメモリと比べ物にならないのでしょう」

真姫「むしろ、それでも『悪者を倒す』という意思に囚われ続けているのは…、逆にすごいかもね」

凛「にゃ?どゆこと?」

真姫「最初に存在が確認された事件から見るに…、相当の期間、このHはガイアメモリを使用している…」

真姫「一般人がここまでメモリを、しかもかなり強力なものを長期間使って、未だに自我が残っていることの方が珍しい、ってことよ」

真姫「もはや無差別に人を襲ってもおかしくないほどなのに…。それだけ、Hの正義に対する信念、といいますか…、意思が強いのかしら」

凛「ほぇ~…、でも、それだとすると、きっとかなりいい人、なんだろうね…。なのに、メモリを使ってしまったばっかりに…」

凛「…あ!そういえば…、ネットには上がってなかったの?その…、Hさんの顔!」

真姫「…残念ながら、ね。Hはドーパントによる事件を未然といっていいほど、かなりの少ない被害で収めているから」

真姫「ネットですら目撃者が少数。昨日の朝新聞でドーパントの姿が撮られてたのも奇跡に近いわ」

凛「はー…、それこそ本当に…、ヒーローみたいだにゃ…。誰も正体を知らない、わからない…」

真姫「まぁ、私たちMuseも似たようなものね…。一応誰にも知られてない体でやってるから」

凛「結構知ってる人もいる気がするにゃ…。言ってないだけで…」

真姫「はは…、かもね…。…」

真姫(…ん?何か…、何か今、引っかかることが、あったような…)

真姫(くっ…、モヤモヤする…!一体、何が引っかかるっていうの…?)




東條西木野☆探偵事務所内


希「…くぅ、…くぅ、…んっ、んんっ…、ふぅ…」

希「んぁ…、うっ、もうこんな時間か…、結構寝てもたな…」

希「ふぅっ…、さて、じゃあそろそろうちも真姫ちゃんや凛ちゃんたちの手伝いを…」



凛「うおぉぉぉっ!!か、かっこいいにゃー!」

真姫「こ、これが特撮ヒーロー…!!今まで見たことなかったけど興味が湧いてきたわ!ぬふふふ…!」



希「…」

凛「あっ!希ちゃん!起きたー?今仮面ライダー見てるんだにゃー。一緒に見る?」

希「…捜査は?」

凛・真姫「「あーっ!!」」

希「…はぁ」



プルルルル… プルルルル…



希「ん?電話や…。はい、もしもし…」

希「…あぁ、花陽さん。どうしたん?」

凛「花陽さんから…?なんだろ…」

希「…えっ?それ…、ホンマ!?」

希「うんっ…、えぇ…、うわぁ…、よかった!」

真姫「なになに?何があったの?」

希「そ、それがね…!にこさんが意識を取り戻したそうや!」

凛「ホント!?」

希「うんっ…!!それで、うちらに話したいことがあるからぜひ来てくれって…」

真姫「でも…、いくら意識を取り戻したからって…、かなりの大怪我でしょ?話すのも辛いんじゃ…」

希「それもあるけど…、どうしても言いたいことがある、って…、それに…」


希「…にこさんを襲った犯人にたどり着く、決定的な証拠も、持ってるかも、って…」

音都総合病院 253号室


希「にこ、さん…」


にこ「こー…、ほー…」


凛「う、うわぁ…、いろんなチューブに繋がれてるにゃ…」

花陽「本当は今もなるべく面会者は来ちゃいけないんだけど…、にこちゃんのたってのお願いってことで…」

真姫「それほどまでに言いたいこと…、なんなのかしら…?」


にこ「…の、ぞみ…?いる…?」

希「うん、いるよ、ここ…」

にこ「うん…、今、から…、私、襲われたときのこと…、話す…ね…」

希「でも、なんで今…?もう少し落ち着いてからでも…」

にこ「…どうしても、ゆるせない、こと…、あった、から…」

希「許せない、こと…?」

にこ「う、ん…。あい、つ…、自分が、ヒーロー、だ…、って…。そう、言ってた…」

にこ「でも…、わたしの、知ってるヒーローは…、こん、な…、こと、しない…」

にこ「よわ、い…、人を…、助けて…、笑顔に、させ、て…、くれる、の、が…」

にこ「にこの、しって、る…、ヒーロー…、だか、ら…」

希「にこ、さん…」

にこ「あい、つは…、あんたたちが出て行った、すぐ、あと…、昨日、にこがいた、病室に、入って、きた…」

にこ「顔は…、フードを被ってて…、見えなかった、けど…。声は…、女、だった…」

希(…じゃあやっぱり、にこさんを襲った犯人はは名護さんじゃない…、ってことか)

にこ「あいつ、は…、私を、襲った犯人の、こと…、聞いたり…、取引、現場のこと、聞いた、り…」

希(…そうか、だからあのドーパントは昨日…、うちらと同じタイミングで名護さんに襲いかかることができた…)

希(にこさんのところに来たのは、ドーパントに対する情報を集めてた、ってことか…)

にこ「で、も…、信用、でき、なかった、から…、いや、だ、って…、言ったら…、あい、つ、は…」

にこ「化物…、ドーパントに、変身、して…、にこの、こと…、殴って、きた…」

にこ「それ、でも…、にこは…、口を割らなかった…。そした、ら…、もっと、もっと、殴ってきて…」

希「…」

にこ「だから…にこ…、観念して、喋っちゃって…、ごめん、なさい…」

希「いや、ええんよ…。むしろもっと早く喋ってたら…、にこさんがこんな目に会うことはなかったのに…」

にこ「でも…、許せなかった…。人を、殴って…、喋らせようとする、人が…、ヒーローを、名乗る、ことが…」

にこ「だから…、にこ…、最後に…、反撃を…」

希「…万年筆で、ってこと?」

にこ「うん…、満身創痍で、相手を…、切ったから…、どこに当たったかまでは、わからなかった、けど…」

にこ「当たった感触は、あった…、あいつは…、逆上して…、にこのこと…、さらに殴ってきたけど…」

にこ「これ、だけは…、手放さなかった…」

希「こ、これ…!」

にこ「犯人の血が、ついた…、ペンの、先…。これが、あれば…」

希「DNA鑑定で…、犯人が割り出せるっ…!」

にこ「にこ…、意識が、なくなっても…、手術中も…、これを、絶対手放さなかった…」

にこ「犯人に、繋がる…、証拠、だから…!」

希「…どこに行ったんやろうって思ってたら、まさか…、にこさんの手の中、やったなんて…」

にこ「へ、へ…、これで、も…、婦警、なんだから…。どう…?すごい、でしょ…?」

希「うん…、すごい、すごいやん…!にこさんは…、にこさんはまさしく…、ヒーローやんっ!」

にこ「う、ん…、え、へへ…。だけ、ど…、ここ、からは…、あんた、たちの…、仕事…」

にこ「この、ペンで…、犯人…、つか、まえて…。おね、がい…」

にこ「あん、な…、偽りの、ヒーロー、なんかじゃ、なくって…」

にこ「あんた、たちが…、ホンモノの、ヒーローに、なって…」

希「…うん!うちらが…、必ず犯人を…、捕まえる…!」

希「そして…、ヒーローに…、にこさんの思うヒーローに…、なってみせる!」

にこ「う、ん…。えへ、へ…、にこぉっ…」



希「…というわけやから、これ」

花陽「うん…、鑑識の人に、届けておくね…。にこちゃんが私たちに残してくれた、犯人へたどり着くための証拠…」

真姫「…だけど、DNA鑑定には対となるDNAも必要。その血が誰の血かわからなければ、意味がないんだから」

真姫「決定的な証拠にはなり得るけど、犯人までたどり着かなければどうしようもない、ってことよ…」

希「せや、ね…。まだうちらの仕事は終わってない、か…」

凛「それに、その犯人の人も…、メモリから開放してあげなくちゃ…」

真姫「これ以上続けたら…、取り返しのつかないことに、なるかもしれないし、ね…」

希「…うん。そうやね…、帰って、犯人の捜索の続き、やね」



東條西木野☆探偵事務所内


希「ただいまー…」

真姫「ん…?事務所の中から音が聞こえる…?なにかしら…」

凛「あれ、これもしかして…」


<おのれゴルゴム!!絶対に許さんっ!!


凛「わ、わぁっ!!い、急いで出てきちゃったからテレビつけっぱなしだったにゃ!」

希「DVD流しっぱなしやったんやね…。で、電気代が…」

凛「い、今すぐ消すからお給料から差し引きは勘弁…」


真姫「…こ、これよっ!!」


凛「…へ?」

真姫「わ、わかった…!今、全部…、繋がった…!!」

希「な、何が…?」

真姫「そんなの…、決まってるでしょ!!」




真姫「にこさんを襲い、そして数々のドーパントを退治してきた謎のドーパント…!」

真姫「その、正体が、よ…!」

今日はここまで
一応推理モノ気取ってはいますが見てる人全員「え?いやわかりきってますけど?」とかだったらどうしよう…
犯人にたどり着くまでのワクワク感を与えられることができてたら幸いです
犯人がなんとなく分かっちゃってる人もどういう風に確定していくのかとか考えてみてね なぜ真姫ちゃんがこのタイミングでわかったか、とか
またメモリ安価がちょいちょい入るかもしれないんでかっこよさげな武器とか能力考えていてね! ほなな!

ちんちん生えたのんたん描いてたら遅くなった このままいつか全員コンプだ

Museのイメージは言ったとおり真姫・希の顔を左右くっつけた見た目をしてます
あとは髪の毛の色と目の色が反転してるって感じかな 顔知ってる人にもバレないのは魔法少女が髪色変わっただけなのになぜかバレない現象みたいなもんだと思っててくだしあ
前にイメージ絵描こうと思ってうまいこと行かなかったのになぜかエロい絵はスラスラ描けるっていうね
それじゃあすぐ終わるかもしれないけど始めていきますよ

希「し、正体が…!」

凛「わかったのかにゃ!?」


真姫「えぇ…、この仮面ライダーの映像を見てピンときたわ…。おそらく、間違いない…」

凛「か、仮面ライダーを見てなんで分かるの…?」

希「というかなんで仮面ライダーの映像を見ていたのか疑問なんやけど…」

真姫「今回のドーパントは正義の味方…、いわゆるヒーローを指針として動いている…」

真姫「だからこそ実際にフィクションのヒーローを見れば何かヒントを掴めんじゃないかと思って見始めたのよ」

凛「それで…、ヒント、掴めたんだよね?ど、どういうことか凛たちにもわかるように説明してにゃ!」

真姫「えぇ…、わかった。なら説明してあげる。今回のドーパント…、その正体について」


真姫「まず凛…、あなた…、このドーパント、Hが他のドーパントを退治している、と聞いたとき、自分がなんて言ったか覚えてる?」

凛「にゃ?えーっと…、なんだったっけ…」


(凛「はー…、それこそ本当に…、ヒーローみたいだにゃ…」)


凛「あ!多分…、『本当のヒーローみたい』って、そう言ったの!誰にも正体が知られていないなんてすごいなー、って」

真姫「そう。確かにそう言ったわ。私たちMuseとも似てるわね、私もそう同意した」

希「それが…、どう犯人とつながるん?」

真姫「…このドーパントが、本物のヒーロー…?いえ、それは違うわ」

凛「へ?」

真姫「このドーパントは、この世界に存在する、あらゆるフィクションのヒーロー、そして私たちMuseとも異なっている」

希「ど、どういうこと…?何が違うって言うの?」

真姫「…出来過ぎなのよ」

凛「出来過ぎ…?ドラ○もんの登場人物…?」

真姫「このドーパントが誰にも正体を知られていないのは、他のヒーローとはわけが違う」

真姫「他のヒーローはおおそよ見た目では判別できない姿でいるからこそ、目撃されても正体がわからない」

真姫「でも、このドーパントは違う。外見では判断できない姿ではあれ、正体がわからない理由は他のヒーローとは一線を画しているわ」

真姫「その理由は…、目撃すらされないから、よ」

希「うん…、確かに、昨日の新聞に写真を撮られたことも奇跡や、っていうくらいすぐに事件を解決するのは知ってるけど…、それがどうして…」

真姫「なぜ目撃されないか、それは…、そう、事件が一瞬で終わるから」

真姫「…どうして?なんであのドーパントは、一瞬で事件を終わらせることができるのか」

真姫「力が強いから?スピードが速いから?それもあるでしょう。でも、本質は違う」

真姫「…あのドーパントは、事件が起きる前に、誰がドーパントであるか、知っていたからよ」

希「…っ!そ、そっか…」

凛「え…?ど、どういうこと?マッチポンプだったっていう意味…?」

真姫「違うわ。…あのドーパントが他のヒーローと違う最大の点、それは…」

真姫「事件が起きる前に怪人を倒してしまうこと。…そんなヒーロー、フィクションじゃ一切登場しないわ」

真姫「…だって、全く盛り上がらないんですもの。何も事件を起こさない怪人組織を、恨むこともない」

真姫「『おのれドーパント、絶対に許さん』…そんなセリフは、このヒーローは口にしない、ってこと」

凛「そっか…、だからあのシーンで…。で、でも…、それだけで誰が犯人か分かるの…?」

真姫「…これだけ、ではないけれど…、かなりの手がかりであるのは事実ね」

真姫「…事件が起きる前に、誰がドーパントであるか知っていた。さて、この事実が何を意味するか…」

真姫「希はもう…、わかってるんじゃないかしら?」

希「…」

希「…うん」

凛「の、希ちゃんは分かっちゃったの…?わかってないの…、凛だけ?」

真姫「わかってない凛のために説明するとね」

真姫「…このドーパントは…、ものすごく物知り、なのよ」

真姫「誰がどんなガイアメモリを持っているか、わかっちゃうような」

真姫「そんな、なんでも、知っているような、優秀な、情報通」

凛「え…?」

真姫「…あらゆる情報に精通している人物。これが、犯人の特徴、一つ目」

真姫「…そして、もう一つ。これは既にわかっていることだけど」

真姫「犯人には、にこさんが付けた、ペンによる傷跡がどこかにある」

凛「う、うん…、確かにそう、だけど…。で、でも…!」

真姫「この傷跡…、どこにあるか…?希、わかる?」

希「…いや、わからへん。真姫ちゃんは…、わかってるの?」

真姫「…えぇ。おそらく、だけどね」

真姫「あのドーパントは、Museのフォルテに力で押し勝てるほどのパワーを持っている」

真姫「なのに、あちらが反撃したにも関わらず、私たちの一撃で怯んだことが、あったわよね?」

希「…ハングドマンで攻撃した時…、やね…」

真姫「そう。あの時ハングドマンのロッドが当たった箇所。それは…」


(Muse「…くっ!パンチで防がれたっ!」「…いえ、よく見て」)

(「がっ…、うぐぅっ…!!」)


真姫「…拳。正確には、右手、ね」

真姫「おそらく犯人はにこさんの攻撃を右手に喰らってしまった。そのせいで、右手で私たちの攻撃を防いだ際、傷が開いて怯んでしまったのよ」

希「…」

真姫「ならば答えは簡単。右手に傷のある人物が犯人、ってこと。怪我をしたのは昨日なのだから、今日治癒してる、なんてことはありえない」

真姫「…ねぇ、凛、希。あなたたち…、右手に怪我をした人物に、昨日出会わなかった?」

凛「へ…?え、えっと…、会ってないと思うにゃ…。そんな人いたら普通気づくし…」

希「…確かに、右手に怪我、もしくは包帯などをしている人物には、会わなかった…」

希「…でも」

希「…全く、右手を見せなかった人物なら、いた。パーカーのポケットに、ずっと手を突っ込んだ、人物なら…」


(「でも冷え性だからまだポケットから手出せないやー」)


凛「え…?で、でも…、それ、それって…」

希「…」

真姫「…ここまで言えば、もうわかるでしょう?今回の、一連のドーパント退治事件のヒーロー、もとい犯人、並びに…」

真姫「矢西にこさんの病室を襲撃した、謎のドーパントの正体は…」



真姫「…高崎、穂乃果。あの、情報屋、よ」

凛「う、嘘…!?」


真姫「高崎穂乃果が犯人だとすると、様々なことに説明がつく」

真姫「まず、にこさんが目撃した犯人の特徴。女であり、フードで顔が見えなかった」

真姫「いつも革ジャンを来ていたはずの穂乃果が今回、珍しくパーカーに着替えていたことも、これが理由」

真姫「パーカーのフードを目深に被れば、誰かに顔を目撃されることもなく、色んな人物に接触を図れる」

真姫「どうしても口を割らない人物を、メモリの力でいたぶっても、変身者が誰かバレることもない」

真姫「さらに、犯人はにこさんからドーパントの特徴の他に、メモリの取引場所も教えていた」

真姫「そして、名護啓介と面会したあと、希と凛たちが取引場所に向かおうとした途中にも、穂乃果がいた」

真姫「これは、ただの偶然かしら?」

希「…」

凛「うっ…、そ、そんな…!ほ、穂乃果、ちゃん、が…?」

真姫「…おそらく、穂乃果は名護啓介のメモリを本気で追っていた。自分の力で排除するつもりで」

真姫「なぜ他のドーパントは未然に排除できたのに、名護啓介は不可能だったか。それは、彼が警察官であり、シャドーのメモリの持ち主であったから」

真姫「警察官ならば、日頃から周りには他の警察官が大勢いる。迂闊に近くでドーパントに変身することはできない」

真姫「さらにシャドーメモリは影に潜むことのできる力を持っている。姿を見せず一瞬で人を襲う能力に長けている」

真姫「おかげで穂乃果は名護啓介、シャドー・ドーパントの正体を探るのに苦労していた」

真姫「そこで被害者のにこさんの病室へ訪れ、力ずくで特徴や取引場所を聞き出した」

真姫「取引場所へ向かった穂乃果は、しばらくした後凛と希と出会う。そこで希も名護を追っているという情報を得る」

真姫「…ならば、あとは簡単。名護のメモリを調べつつ、あなたたちの後を追えば…」

真姫「…優秀な探偵は勝手に犯人を炙りだしてくれる。そこに自分が出ていき、退治すれば…、おしまい、ってわけ」

真姫「…これが、今回の事件の真相よ」

希「…」

凛「…の、希、ちゃん…、ど、どうするの…?」

希「…どうするも、こうするも…、ないやろ…」

希「…うちも、それが正解やと、思う…」

希「だけど…、だから、直接本人に、問いただすんや…!」

真姫「…そうね、行きましょう。相棒」

真姫「にこさんを泣かせた犯人を、捕まえるために」

希「偽りのヒーローを、捕まえるために…!」

フルーツパーラー『ソングオブフォーユー』


希「て、店長っ!」

店長「お、おぅっ…、なんだよ…、ご注文は?」

真姫「そうじゃなくて…、高崎穂乃果は来ていない…?」

店長「え、穂乃果…?いや…、最近見てないな…」

凛「最近、って…、どれくらい…?」

店長「えっと…、そうだな…。…~くらい前から…」

真姫「…ちょうど、謎のヒーローが巷を騒がせ始めた時、くらいから、ね…」

店長「えっと…、一体何があったんだ…?あいつ、何かやらかしたの…?」

希「…話はあとで。穂乃果ちゃんがいそうな場所、他に心当たりない?」

店長「えっと…、そう、だなぁ…。あ!アイツならあそこかも…」

凛「ど、どこにゃ…?」

店長「あいつがこの街に来たとき…、よく寄ってた場所があるんだよ。それが…」





音都タワー 入口前



穂乃果「…」



希「穂乃果、ちゃん…」


穂乃果「…ん?あ、希ちゃん。どったの?三人一緒なんて珍しいね。あ!もしかして依頼料追加でくれるの?」

希「穂乃果、ちゃん…」

穂乃果「…なにさ。なんか、怖い顔しちゃって。希ちゃんには似合わないよ?」

真姫「…高崎穂乃果。あなたが、にこさんを襲撃した犯人ね」

穂乃果「…」

穂乃果「…なに、言ってるのかさっぱり。私はしがない情報屋だよ?なんで怪我人を襲う必要が…」

真姫「…怪我人、なんて、一言も言ってないけど?」

穂乃果「…」

凛「ねぇ…、穂乃果、ちゃん…!右手に、怪我なんてしてないんでしょ?お願い…、そのポケットから、手、出して?」

凛「それで…、何もなかったら…!穂乃果ちゃんは無関係、ってこと、だから…!!」

穂乃果「…」

穂乃果「…はぁ…、お手上げ、かな」パッ

凛「…っ!!!」

希「…右手に、包帯。その傷、いつ、どこで?」

穂乃果「…立派な婦警さんに、やられちゃった。…やっぱ、ダメだね」

穂乃果「力を得られたからって…、油断してちゃあ、さ」

凛「なんっ…、で…?なんで、穂乃果、ちゃん、が…?」

穂乃果「あはは…、私もね…。あの婦警さんを傷つけたくて傷つけちゃったわけじゃないの」

穂乃果「最初は…、ただ力が欲しかっただけ。キミたちみたいな、カッコイイヒーローに、ね」

穂乃果「私…、昔っからヒーローに憧れてたから。悪者を退治する、特撮によく出てくる、ヒーローに」

穂乃果「だけど…、私には力がなかった…。あるのは…、人並み外れたコミュ力、だけ…」

穂乃果「警察官になろうとも思った。でも…、頭はお世辞にもいいとは言えなくて…、なれなかった」

穂乃果「…だから、私は…、情報屋、っていうのを選んだの。悪い人を情報で追い詰めて、手柄は誰かにあげちゃう、そんな脇役ポジション」

穂乃果「正直、嫌いじゃなかった。誰かと話して情報を手に入れるのは自分に向いてたし、天職だとも感じてた」

穂乃果「でも…、やっぱり、一度でいいから、この手で悪者を捕まえたかったんだ。本物の、ヒーローみたく…」

穂乃果「…そんな時、私は出会った。綺麗な…、ガイアメモリの商人さんと」

穂乃果「『力が、欲しいんでしょう?』って…、私の心を見透かしたように、語りかけてきて…」

穂乃果「…気づいたら私は…、ドーパントを退治するヒーローになってたの…」

穂乃果「その圧倒的力が、楽しくて、気持ちよくて…!そして…、長年の夢がついに叶った、って…!」

穂乃果「だから…、一度だけじゃなくって…、何度も…、何度も何度も何度もヒーローやってたら…、さぁ…?」

穂乃果「もう、私…、ヒーローでいた時の記憶が、ないの…。気がついたら、私の拳は血まみれで…」

穂乃果「ついに…、悪者じゃ、ない人まで…、この手で…」

希「…穂乃果、ちゃん…」

真姫「やはり…、メモリの精神汚染…。もう、手遅れ、ね…」

真姫「このままだと…、穂乃果は…」

凛「そ、そんな…」

穂乃果「だから…、今日、私…。自殺、しようとしてた…」

希「…っ!!」

穂乃果「この街に来て、最初に見た景色。とっても綺麗だな、って感じた音色」

穂乃果「それをもう一度、この身体で受け止めながら…、飛び降りよう、って思って…」

穂乃果「…もう、ここで何時間過ごしたか、わからない。やっぱり、怖いや…」

希「…穂乃果、ちゃん」

穂乃果「だから…、希ちゃん、真姫ちゃん…」

穂乃果「あなたたちを見たとき、私…、とても、嬉しかった…」

穂乃果「…きっと、この人たちなら…、私を、救ってくれる、って…」

真姫「…ま、まさか、あなた…」

穂乃果「お願い…、二人共…」

穂乃果「私の…、最後の願い…」

穂乃果「悪者を倒す、本物のヒーローを…」

穂乃果「…私に、見せて」\ヒーロー!!/

希「や、やめるんや…!!穂乃果ちゃんっ!!」

真姫「そんな精神状態でドーパントになったら…!!」

真姫「もう…、戻れなくなるわよっ!!」


穂乃果「さよなら、二人共」

穂乃果「さよなら、私の、憧れの、ヒーロー」ピチュゥゥンン


希「穂乃果ちゃぁぁぁぁんっ!!!!」

ヒーロー・D「…」


希「…ぐ、なんて…、馬鹿な、こと…!」

真姫「…来るわよ、希。もう、受け入れなさい」

真姫「私たちが今から、あの怪物を…、殺すの」

希「わかってる…!わかってるわっ!!」スチャッ


ヒーロー・D「ワタシガァァ…、ヒーローダ…!!」

ヒーロー・D「ヒーローコソ、コノワタシダァァァァァァ!!」


希「ふざ、けんなっ…!!」\スター!!/

真姫「ヒーローは…!!」\クレッシェンド!!/


希「うちらやっ!!」
真姫「私たちよっ!!」


ガションガシャーンッ!!

\クレッシェンド!!/\スター!!/

デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「…」」

Muse「さぁっ!!」「お前の罪を…」

Muse「「数えろっ!!」」



ヒーロー・D「ワタシガ…、セイギダァァァァァァァァッ!!!!」


シュバッ!!


Muse「うぐっ…!!」「やっぱり…、速いっ…!!」

ヒーロー・D「グガァァァァッ!!」


ヒュンッ!!

ガシィッ!!

Muse「ぬおぉっ…!!」「ぐぅっ…、なんて、力や…!!」

ヒーロー・D「ワタシハ…、ヒーローニ、ナルンダァァァァ…!!」

ヒーロー・D「ヒーローハ、コノワタシナンダァァァ…!!」

Muse「はっ!ヒーローってのはね!ヒーローになろうとした瞬間に失格なのよ!あなた、いきなりアウトってなわけ!」
   「なんかうちの心にズシズシ来るんやけどその言葉…、なんでやろ…」


Muse「さぁって…、ね!」\フォルテ!!/\ストレングス!!/


\フォルテ!!/\ストレングス!!/ テーレテテーッレドンドンダーン


Muse「今の穂乃果は理性を失ってる…!」「そのせいで攻撃も直線的や!」

Muse「ならばこいつで…」「押し勝つ…!!」

Muse「「てりゃぁぁぁぁぁぁあぁぁあああああぁっ!!!」」

ズドォォォンンッ!!!


ヒーロー・D「グオォォォォォ…!!」


Muse「「てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」


ヒーロー・D「ガ、ガァァァァァッ!!クアアァァァァァァァッ!!」


ググググッ!!


Muse「うぐっ…!!これでも、まだ…!」「押し負け…!?」

Muse「いや、まだ…!まだよ…!!」「うちらは…、託されたんや…!!」

Muse「最もヒーローに憧れた女の子に…!!」「最後に、悪者を倒すヒーローを見せて、って…!!」

Muse「だから…!!」「絶対に…!!」

Muse「負けるわけには…!!」「行かへんのよォォォォォォォォっ!!!!」


ズアアァァァァァッ!!


ヒーロー・D「グヌゥゥゥッ!!!?ガ、ウガ…!!マケ、ル…!?ヒーローガ、マケル…!!?」

ヒーロー・D「ソンナノ…!!アリエナイ…!!アリエナイィィィィィイイイィィィッ!!!」

ヒーロー・D「UGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」


Muse「強くっ!!」「もっと強く!!」

Muse「誰にも負けない!」「ヒーローのような力をっ!!」

Muse「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」


ドシャァァァァァッ!!



ヒーロー・D「G…、GAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」


Muse「…これで、最後よ、穂乃果…」「悪い夢から…、解放してあげる!!」


\ストレングス!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「ストレングスレクイエムっ!!」」


ストレングスレクイエムとは!

圧倒的な力で相手をねじ伏せ叩き潰す必殺技である!!


Muse「これで…!!」「終わりやぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」


ズドガァァァァァッ!!!


ヒーロー・D「グアァッ…!!がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」



ドガァァァァァンッ!!


穂乃果「が、ふぁっ…!!」バタッ


Muse「穂乃果ちゃっ…!!」「穂乃果っ!!」

穂乃果「が、はぁっ…!」

希「なんで…、なんでや…!メモリが排出されへん…!!」

穂乃果「もう…、ムリ、だよ…。私の、メモリ適合率は…、異常な程高かったから…」

穂乃果「こうなったらもう…、おしまい、かな…はは…」

希「う、嘘…!そんな…」

穂乃果「ありがと、希ちゃん…、最後に…、見えた、よ…。私の、夢見た、ヒーローの姿…!」

穂乃果「私は…、あんなヒーローに、なりたかった…!」

穂乃果「きっと…、生まれ変わったら…」

穂乃果「…うぅん、やっぱり…、私は…」

穂乃果「ヒーローをそばで見守る…、しがない情報屋で、いい、かな…」

穂乃果「だって…、ヒーローは…」

穂乃果「あんなにかっこいいヒーロー…、見れないん、だもんね…?」

希「せや…、ね…。うん、せやよ…!」

穂乃果「あはは…、そっか…、そう、だ…」

穂乃果「やっぱり…、バカ、だなぁ…、わたし…」

穂乃果「でも…、楽しかった…。今まで…、希ちゃんや、真姫ちゃんと、一緒に…」

穂乃果「悪者退治、できて…、とっても…、楽し、かった…」

穂乃果「また…、一緒に…、ね…、希、ちゃ…」


サァァァ…


希「穂乃果ちゃっ…!!あぁぁ…っ!!」

真姫「…高崎穂乃果は、既にガイアメモリと一体化していた」

真姫「真姫シマムを喰らったその身体は、もう…、耐えられない…」

希「穂乃果ちゃん…!う、うあぁぁぁぁぁ…!!!」

希「また、や…!うちは…、どれだけの大事な人を、亡くせば…!!」

真姫「…」

真姫「…それが、ヒーロー、ってもの、なんでしょう」

真姫「私たちは、悲しみも背負って生き続けなきゃ、いけないのよ」

真姫「その覚悟がないと…、ヒーローなんて…、つづけ、られ…あうぅっ…!!」

真姫「ううぅっ…!!あ、あぁっ…!!なん、っで…!!なんで、今頃…!!」

真姫「ぐずっ…、あ、あああああああああああああああああああああぁぁぁっっ!!!」

希「うああああああああああああああああああああああああああっ!!!」



凛「…希、ちゃん…、真姫、ちゃん…」

凛「…二人が、泣いてる…んだもん…。凛は…、泣いちゃ、ダメ…!」

凛「凛が…、二人を…、慰めて、あげるんだから…!」




その日音都に、二人の少女の泣き声が鳴り響いた…。

後日


音都総合病院 253号室


凛「…ってことで…、無事、事件は解決、しました」

にこ「…そう、ありがとう」

にこ「でも…、思ってたより…、嬉しくない、わね…。あの子たちの知り合いが…、犯人、なんて…」

凛「…そう、ですね…。凛も…、ちょっと、辛い、です…」

にこ「…凛ちゃんは、仕方、ないわね。でも…、あいつらには…、立ち直ってもらわないと…」

にこ「街を守る…、ヒーロー…、なんだもの」

にこ「…もし私が退院してまだ凹んでるようだったら…、ぶん殴ってやらなくっちゃ」

にこ「そのときは凛ちゃんも…、お願い、ね?」

凛「…うんっ!一緒に…、ぶん殴ってやるにゃっ!」



フルーツパーラー『ソングオブフォーユー』


希「…」

店長「…これで…、あいつがいなくなって、何日目…、かなぁ…」

希「…穂乃果、ちゃん…、もう一回…、ここで、一緒に…、スイーツ…、食べたか…」


「おおおおおおおおおおっ!!!!ここ…、ここフルーツがいっぱいだぁぁぁぁっ!!」


希「…っ!!?」

店長「だ、誰っ…!?」


「あ、申し遅れました!私、今日からこの街に引っ越してきた…」


穂乃果「高坂穂乃果と申しますっ!!特技は情報収集で、情報屋なんかもやってたりして!!」


希「穂乃果…、ちゃ…?」

穂乃果「ほぇ…?あ、あのー…、もしかしてどこかであったことあったり…?」

店長「お、おま…!高崎…!?」

穂乃果「こうさき…?違う違う!私は高坂穂乃果!20歳です!!あっ、あなた店長さん?んー…、なんだか…」

穂乃果「ゴローちゃん、って感じの顔!よし!今日から私、あなたのことゴローちゃんって呼びます!毎日お店にも通っちゃお!決めたっ!!」

店長「お前…!お前…、ちょっ…!!だから俺はゴローじゃないって…!!言ってるだろこのバカぁっ!!」

穂乃果「ほぇぇぇぇっ!?い、言われたの一回目ですけど…」 店長「知らんっ!!クソ…、ほら!これ食え!俺の奢りだ!」

穂乃果「え、いいんですか…?」 店長「いいから!」 穂乃果「わ、わかりました!いっただきまーすっ!!」


希「…」ポカーン

希「…そっか…」


この街には、別れもあれば、出会いもある。

だってこの街は、悲しみの声もかき消してくれる、音楽で溢れているのだから。



第8話「偽りのH / ヒーローは振り向かない」

おわり

真姫「今までよりだいぶ長かった7,8話、どうだったでしょうか」

希「思ってたより犯人に衝撃受けた人多そうやったね」

凛「まぁ…、準レギュラーだと思ってた子がいきなり7,8話の犯人だもの…。そりゃびっくりだにゃ…」

希「7話まえがきの『序盤にこういうのやっていいものか』の意味はわかってもらえたかな」

真姫「というか私たちもビックリよ。最初に穂乃果を犯人にしようって思いついたのは穂乃果のイニシャルがHだから、って理由ただそれだけだし」

希「サブタイの偽りのH、っていうのは偽りの穂乃果、って言う意味も含まれてるんよね。別にニセモノってわけじゃなくてウソをついていた、って意味やけど」

凛「そしてまさかの二人目の穂乃果ちゃん登場だにゃ。しかも今回はもう取り返しのつかない高坂性っていうね」

真姫「まぁ流石にもう穂乃果犯人はありえないでしょ。今度からも原作の風都イレギュラーズ全員を担ってもらっちゃんだからね!」

凛「かなりの仕事量にゃ…」

真姫「そして今回のトリック…?というか、犯人へたどり着くまでのロジック、どうだったかしら!そりゃもう自画自賛したいほどの出来栄えだと思うのだけれど!」

希「さすがにそれは言いすぎやと思うけど…、今までの作品で一番頭使ったらしいね」

真姫「正直犯人はわかるものだと思い込んでたわ。穂乃果のシーンだけ無駄にどうでもよさげな描写挟んじゃったし」

希「寒くなってきた、みたいなね。あと登場人物はどうしても少なくなっちゃうから消去法で分かっちゃう場合もあるかもね」

凛「面白い、って思ってくれたら考えた甲斐があったにゃ。もう一回見返してくれるともっと喜ぶよ」

真姫「さて…、次回からは当分こんな頭使うような内容は書きたくないわね。のんびりゆったりした内容をお届けしちゃうわよ!」

凛「前回もそう言った回でかよちんが肉塊になってお陀仏したんだけど…?」

真姫「まぁどうなるかは後のお楽しみ、ってことね。じゃ、メモリ安価しておさらばね」

希「そういえば今回は2話完結回だったけどお題ナシやったね。もういらないんじゃない?」

真姫「そうね。今度からはメモリ安価だけで十分でしょ。それじゃあ今日はここまで!」

凛「これで決まりにゃ!」


次回のメモリ
>>450 (頭文字M,J,N,Q,H以外)

R
リターン

にこにこスティックの話から読み始めてやっと追いついた…
前作との絡み回を楽しみに待ってる

乙~
このスレに触発されてW借りた者だが、今全話見終わったよ~
マジで面白かったわぁ

>>454
なんという猛者 感謝以外の言葉もないです
ただ前スレとのつながり話は書くか微妙 書いたとしても最後の最後だと思われる

>>455
俺もAtoZオヌヌメ 本編書き終わったら完全ストーリー踏襲して書く予定だからね!
そして自分はその次のオーズが一番好きだからオーズも見るんだ!

Museのイメージ図描いてたら遅くなった なんかライダーってよりなんちゃらキュアに見えるけど キュアMuseだけど
明日うpする予定です

やっとその「ヒーローは~」のセリフに触れてくれる人がいてくれて嬉しい
そのセリフに希が反応してるところまで一連の流れなんだけどね 使うならもうここしかないだろうってタイミングだったから
そんなこんなで始めていきますよ

Muse「ぐ、ぐぉぉぉぉ…!!」「この…、このぉ…!!」


「フフフフ…、その程度か…?」


Muse「なんのこれしき…!!」「うちらが…、諦めるわけないやろ…!!」


Muse「いくわよおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!!」「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!」






時を遡ること数時間前…



東條西木野☆探偵事務所内


希「え、えぇっ…!!?」

凛「それ…、ホント、ですか…!?」


にこ「はい…、う、うちの…、息子が…」

にこ「ドーパントになってしまったんです!!」



希(矢敷にこさん…、28歳、主婦…)

希(夫は実業家…、そして3人の子持ち…)

希(そのうちの一人、矢敷こたろうくんが…)

希(なんの冗談か、ドーパントになってしまったらしい)

希(ガイアメモリは高価なもの…、間違っても…)

希(…5歳の子供が手に入れられるものではないはず…、なのにどうして…?)




希「え、えっと…、その…、お子さんは…、いつごろからドーパントに…?」

にこ「うぅ…、つい一週間ほど前…、でして…」

にこ「庭でこころとここあ、そしてこたろうが一緒に遊んでいて…」

にこ「ここまではいつもと同じ風景だったんですけど…、ですが突然…」

にこ「こたろうがどこかからかガイアメモリ…?って言うんですか?それを取り出して…」

にこ「次の瞬間には…、ドーパントに…」

凛「えぇ…、そ、それじゃあ…、その…、他の娘さんたちは…、け、ケガとかは…?」

にこ「うぅん…、それがね…。見た目はおぞましい化物なんだけど…」

にこ「ここあとこころがふたりがかりで襲ったら簡単に尻餅ついて…、泣きべそかいちゃったのよね」

凛「へ…?ど、ドーパントが…?」

希「7歳の幼女二人に圧倒される…、これもまた前代未聞やね…」

希「…ところで…、なぜうちに…?警察の方にも最近ドーパント専門の部署が設立されたと聞きましたが…」

にこ「え?でもここってあれでしょ?ドーパント退治で有名な…、そのMuse?っていうヒーローのいるっていう…」

凛「…やっぱりバレバレだったにゃ」

希「まぁ…、いいけどね…」

東條西木野☆探偵事務所地下


希「…どう思う?真姫ちゃん」

真姫「なるほどね…。5歳の子供にも扱える…、だけど力は変わらず…」

真姫「これは意図的に出力を制限されているわね」

凛「出力を制限…?」

真姫「ガイアメモリが人間をドーパントへと変貌させうる限界ギリギリまで出力を下げられている」

真姫「そのせいで幼女にも力で負けちゃうような貧弱なドーパントが生み出された、ってことね」

希「せ、せやけど…、その矢敷さんの話を聞く限りやと…」

凛「能力は結構厄介らしいにゃ…。なんとか取り上げたいみたいだけど…」

真姫「全てその能力に阻まれる…。だから私たちに依頼が来た…、ってことね」

希「出力は下げても、その能力はそのまんま、なものなん…?」

真姫「いえ、そういうことではないと思うわ。ただおそらく…、その少年とガイアメモリの相性がいいんでしょうね」

真姫「本来メモリに備わっている能力程度なら引き出せるようになってるんでしょう」

凛「でも…!早くやめさせないと…、また、メモリに精神を毒されて…!」

真姫「…いえ、当分その心配はないわ。それほどまでに出力が下げられているなら、メモリの毒素もかなり抑えられていると思うし」

凛「そ、そうなんだ…。よかった…」

真姫「でも…、ずっとそのまま、ってわけにもいかないでしょうね。タバコや大麻と同じ…、目に見えなくても体の中で毒は確実に貯まり続ける…」

真姫「それに子供には過ぎたるオモチャだわ。とっとと取り上げちゃったほうが精神衛生的にもよろしいと思うわね」

希「せやね…。じゃあ行こか、矢敷さんの…」

真姫「屋敷に?」

凛「…」

希「…」

真姫「おや、やらかしてしまったわね」



矢敷邸


凛「にゃー…、なかなかいいお家だにゃー…」

希「確かに…、これはにこさんも幸せやろうね」

真姫「ふぅん…、これで大きい家なんだ…。基準がよくわからないわ」



にこ「あ、お待ちしてました!どうぞおかけください」

希「あ、ご丁寧にどうも…」

凛「それで…、今こたろうくんはどこなんですか?」

にこ「あぁ…、こたなら今庭でこころ達と…」



ここあ「こたろー、今動いた!」

こころ「うごいてたよ!ずるっこなし!」

こた「うごいてないよぉ~…」



にこ「…だるまさんが転んだやってるみたいね」

凛「ほうほう…、微笑ましいですにゃ~…」

真姫「それで…、こたろうくんが持ってるメモリの能力っていうのは…?」

にこ「えぇ、それが…」



こころ「はい、こたろー最初からー」

こた「う、うぅ…!うごいてないもん…!!」

こた「おねえちゃんのほうがぜったいうごいてるもん!」

ここあ「なにいってるの?ここあたちはうごいてないでしょ」

こた「う、う…!うごいたんだもん!!」\リターン!!/


希「おっ…、使いよるよ…?」

真姫「リターン…?」


リターン・D「うごぉぉぉ!」

ここあ「あー!こたずっこい!それなしー!」

こころ「それつかったらぜったいうごいちゃうもん!」

リターン・D「うるさい!てりゃ!」ホワンッ

ここあ「う、うわぁっ…!!」

こころ「からだが…、も、もうやめてよー!」



凛「あれは…」

希「身体が逆再生しているように動いてる、ね…」

真姫「なるほど…、リターンメモリ…。「回帰」の旋律を持つメモリね」

真姫「今言ったように、能力を使用すれば逆再生の如く、直前にやった行動を逆から行うことになる…」

真姫「…確かに、取り上げるには厄介な能力ね。どれだけ進んでも絶対に追いつかないんだから」

にこ「今のところ人に危害を加えるってことはしてないんだけど…、もしあれで誰か怪我でもしちゃったら…」

凛「親としては心配ですよね…。メモリの悪影響もない、ってわけじゃないんだし…」

希「とりあえず…、せやね。こたろうくんにメモリを返してもらえるよう言ってみよか」

凛「そう簡単に渡してくれるものかにゃ~?」

真姫「ま、無理でしょうね。知らない人からいきなりそれ渡せ、なんて言われて解決するなら私たちは呼ばれてないでしょう」

希「せやから…、まずは仲良くなるしかないね」






ここあ「あ、お客さんだ!いらっしゃい!」

こころ「お客さまでしたか。あいさつもせずにもうしわけありません。ようこそいらっしゃいました」


希「うわー、よくできたお子さんやね」

真姫「それに比べてこっちは…」


こた「…おばさん、だれ?」


真姫「…」ビキビキ

凛「真姫ちゃん、キレすぎ」

希「えっと…、じゃあ自己紹介するね。うち東條希、探偵をやってるの。好きな言葉は>>467やよ!」

ハードボイルド

希「うちの好きな言葉はハードボイルド、やよ!」

こた「…?」

こころ「はーどぼいるど、って…、なにかな…?」

ここあ「あれだよ!こころあたたまる話、みたいな?」

凛「それはハートウォーミングにゃ…。っていうかそのハードボイルド設定生きてたんだね…」

真姫「第三話あたりから全く使われてなかったからてっきりこだわりがないものだと思ってたわ」

希「いや、バイクの名前がマシンマッキーボイルダーの時点でもうこだわりもそんなないんやけどね…」

ここあ「おねえちゃんたちはだれさん?」

凛「にゃっ!あ、凛は星空凛だにゃ!この人が勤めてる探偵事務所の所長なんだよ!すごいでしょ!偉いんだにゃー」

こころ「あ、そのにゃー、っていうのかわいいです!にゃーにゃー!」

ここあ「にゃー!りんちゃんにゃー!」

凛「おおっ!早くも打ち解けてるにゃ!ふふ、嬉しいにゃー」

こた「…いい年してへんなの…」

凛「…は?」

真姫「凛、一瞬素が出てるわ。…えっと、じゃあ私も自己紹介するわね…」

真姫「私は西木野真姫。この希ちゃんの…、相棒、というか…、パートナーっていうか…、あ、いや…、人生のパートナーってわけでもなくて…」

真姫「あぁでも将来的にはそれも悪くないかな、なんて考えたりもして…、最近はのんたん、って呼び方もいいんじゃないかなぁ、なんて…」

こころ「…うわぁ」

ここあ「なんかこの人へんー」

真姫「な、なによっ!仲良くなるためにわざわざボケてやったんだから感謝しなさいよね!」

凛「真姫ちゃん、そのボケはものすごく通じづらいやつだにゃ。しかも幼女相手にするもんじゃねぇ」

こた「この人もおかしい…」

真姫「ぐぬぬ…!ガキは見てて腹が立つわね…!!」

希「まぁまぁ落ち着いて…。えっと…、うちらはこころちゃんやここあちゃん、それにこたろうくんとも仲良くなりたいんよ」

希「せやから、一緒におしゃべりとか、お遊びとかしたいな、って思って」

こころ「いっしょに遊ぶんですかー?えへへ、いいですよ!」

ここあ「遊ぼ!遊ぼ!」

こた「えー…、おばさんと遊ぶの…?」

真姫「お姉さんと言え」

こた「…おねえさん」

凛「気迫で言わせやがったにゃコイツ…」

こおあ「なにして遊ぶ?希ちゃんが決めていいよ!」

希「ん?せやねー…、だったら…」

希「>>472して遊ぼか!」

エクストリーム鬼ごっこ

希「エクストリーム鬼ごっこして遊ぼう!」

ここあ「…なにそれー?」

凛「いやこっちもナニソレだよ…。なんなの?エクストリーム鬼ごっこ、って…」

希「え、捕まったら服を一枚ずつ剥いでいく鬼ごっこやけど…。最初に裸になった人が負けな…」

真姫「こっちが逮捕されるわそんなん。幼女と幼年相手に何をやらせる気よ」

こころ「えっと…、普通の鬼ごっこならいいですけど…」

凛「じゃあもうそれで!鬼ごっこしようにゃ!」

希「う、仕方ないなぁ…。こたろうくんも、それでいいよね?」

こた「…うん」

真姫「よーし、じゃあまずは私が鬼ね!行くわよー!」

凛「お、真姫ちゃんが珍しく自分からやる気だにゃ」

真姫「じゃあ10秒待つから、みんなは逃げてね?はい、いーち、にー、さーん…」

ここあ「わー!にげろー!」

こころ「ここあ、いっしょに逃げよ!」

希「意外とこういうところ居れば捕まらなかったりするんや…」

凛「それあんまり運動したくない奴が言う奴だにゃ…」

こた「ふん…」スタコラサッサ


真姫「…きゅー、じゅー…。よし!じゃあ捕まえるわよっ!」

ここあ「鬼さんこーちらー、手ーのなるほうへー!」

真姫「…ッ!」キラーン

真姫「ハァッ!!」シュバッ!!


希「真姫ちゃん速っ!!」

凛「アレグリッシモより速くなかった…?今…」


真姫「ハイ、タッチ!次はここあちゃんが鬼よ!」

ここあ「うー…、じゃあ…、りんちゃんっ!えーいっ!!」

凛「お、おわぁぁぁっ…!!くっ…、このままだと追いつかれるにゃ…!」

凛「希ちゃんの脚を…、ていやっ!!」バシッ

希「あだっ!!な…!う、うちを転かした…、やと…!?」

凛「フン…、私のために存分に喰われてくれたまえにゃ…?フハハハハ…!」

希「ク…、クッソオォォォォォォォォ!!!」

ここあ「はい、たーっち。いぇいっ!」ペタンッ

希「う…、鬼や…。ある意味凛ちゃんこそが一番の鬼や…」

希「…じゃあそろそろ…、こたろうくん!覚悟…!」


こた「…ふん、おいつけるものならおいついてみてよ」\リターン!!/

希「っ!」

リターン・D「ていっ!!」

希「おわぁっ…!!あ、足が…!!」

凛「おぉ…、希ちゃんムーンウォークうまい」

真姫「いや…、ムーンウォークってそういうんじゃないから…」

こころ「ちょっとこたろー!!お客さまにそういうことしたら失礼でしょ!!」

ここあ「そうだよ!ズルはいけないんだよ!」

リターン・D「いいじゃん!これはぼくの力なんだから!」

希「ぐぬぬ…、ぬおぉぉ…、身体が…」

リターン・D「へへへ…、追いつけないでしょー」

希「ちょっ…、なら…!!頼んだ真姫ちゃんっ!」パシンッ

真姫「任されたわっ!!フフン…、もはやそのメモリの攻略法は見えた!」

真姫「能力を使われる前に一瞬で近づけばなんてこと…!!」シュバッ

リターン・D「う、うわぁっ…!えいっ!」

真姫「んぬっ…!ぐ…、だ、あぁっ…!!もう、すこし…、なのにぃぃ…!!」

凛「鬼じゃないけど凛も加勢するにゃ!おりゃぁぁっ!!」

リターン・D「やぁっ!」

凛「おわぁぁぁぁ…!!届かないにゃぁぁぁ…!!」

希「何人も同時に戻せるんか…。思ってたより厄介やね…」

真姫「…だったらぁ…!!希っ!!」

希「はいっ!?な、なんでしょう…」

真姫「フフ…!ガキ相手に本気を出すまでもないと思ってたけど…、やるしかないわね!」

真姫「アレをやるわよ!」

希「アレ…?」

真姫「決まってるわっ!!合体よ!!」

凛「ミューズドライバーでの変身を合体と呼ぶのは初めてだにゃ…」

希「え…、でも…、いくらなんでもそれは…」

真姫「少年と侮ってはダメよ!相手はあれでもドーパントなんだから!」

希「うぬ…、せやね。真姫ちゃんの言うとおり…!なれば…!!」スッ

真姫「行くわよ!」スッ


希・真姫「「変身っ!!」」


>>475!!/(ソウルメモリ(真姫のメモリ)) \>>476!!/(ボディメモリ(希のメモリ))

あ、新しいのじゃなくて今までのでお願いします
↓二つ

アレグリッシモ

\アレグリッシモ!!/\スター!!/ デレレンレレーンデレレレーン


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!」」



ここあ「うわぁ…!!すごい…!!」

こころ「かっこいい…!」


リターン・D「あ…、かっこいい…」


Muse「フフ…、見惚れているうちに…!」「[ピーーー]…!」


ヒュバッ!!


リターン・D「おわっ…!!」


Muse「ふふふ、捕まえたよ!」「観念しなさい!」

リターン・D「ていっ!」

Muse「え…?」「あわわわっ…!!」

凛「ちょっ…、何してるの!捕まえたのに戻されてるじゃん!」

Muse「あ、いや…」「くっ…、取り押さえた程度じゃ意味がないことを忘れていた…!!」


リターン・D「あ、あぶなかった…」


Muse「次こそはメモリブレイクしかないわ…!」「いや、でもさすがに子供を蹴るのは…」

Muse「じゃあどうするのよ!ドーパント体でいる間は近寄ることも困難なのよ!」「う…、せやけど…」

Muse「それに…、一発二発ぶん殴ってやらないと気が済まないわ…!!」「そっちが本音やろ…」

Muse「行くわよっ!!」


ヒュバッ!!


リターン・D「くっ…!えいっ!!」

Muse「ふふ、遅…」「いや待って、これは…!!」

Muse「ぐ…、くるし…、何、これ…!?」「風が…、風がうちらを、包み込んで…!!」


凛「あっ…!Museが高速移動することによって散る空気を…、元あった場所に戻してるんだ!」

凛「そのせいでMuseは空気の壁に阻まれて動けなくなってるんだにゃ…!」

ここあ「…な、なるほど…!」

こころ「ここあ絶対わかってないよね」


リターン・D「へへ…、こういう使い方もできるんだよ!」

Muse「くっ…、ふふ…、なかなか、やるじゃない…!」「うちも…、負けへんよ!」

Muse「次は…っ!」「これで決まりや!」



>>480!!/(ソウルメモリ) \>>481!!/(ボディメモリ)

コン・フォーコ

ハングドマン

\コン・フォーコ!!/\ハングドマン!!/ テレッテテテーレチャラリララー


凛「えっ…!こんな庭でコン・フォーコとか危ないでしょ!」


Muse「平気よっ!」「なぜなら…」

Muse「コン・フォーコハングドマンは…!」「火の力で加速するルアー付きの釣竿になるからや!」

Muse「というわけで…!」「おりゃぁっ!!」


ヒュンヒュンヒュンッ!!


リターン・D「ひぃっ…!!あ、あれ…?」


ここあ「あれれ…?全く別の場所狙ってる…?」

こころ「というか狙う気すらないように見える…」

凛「どこに投げてるんだにゃ…?」


Muse「フフフ…、こうすればどのタイミングにどこから狙ってくるかわからないでしょう…」「それが狙いや!」

Muse「あらゆるところに糸を張り巡らせ…!」「ここぞという時に狙いを定めるっ!!」


ヒュンヒュンヒュンッ!!


リターン・D「うっ…、速くて狙いが…、えいっ!えいっ!!」


Muse「ははっ!無駄や無駄!」「ルアーを狙わないとこの糸を戻すことはできないわ!」

Muse「さて、そろそろ…!」「行くわよっ!!」


ヒュルルルッ!!



リターン・D「うわぁっ!!」

ガシィッ!!

Muse「へへんっ!!」「殺った!」


凛「さっきから表現が物騒だよ真姫ちゃん…」

ここあ「あれ…?ま、まだっ!」

こころ「油断しないでくださいっ!」


Muse「え…?」


リターン・D「うぅっ…!」グイグイ


Muse「あ、アイツ!」「捕まっておきながら自力で逃げようとしてる!」

Muse「させるか!引っ張るっ!!」


シュルルルッ!!


リターン・D「わぁぁぁぁぁぁぁ…!!」ヒュンヒュンッ



ドタンッ

Muse「フフフ…、覚悟せえよ…!」「私たちはこの場から一歩も動いていない…!もう戻すことは…!」

リターン・D「えいっ!!」

Muse「へ…?」


リターン・D「わぁぁぁぁぁぁ…!!」ヒュンヒュンッ


Muse「あ、アイツっ…!!」「自分の方を戻して…、引っ張られる前にいた位置まで戻りよった…!!」


リターン・D「へへんっ!どんなもんだ!じゃあね!」タッタッタッ…



凛「あ、庭の外出て行っちゃったにゃ…」

Muse「ぐぬ…!」「しぶといやん…、なかなか…」

矢敷邸


希「はぁ…、疲れるわ…」

にこ「あはは…、ごめんなさい…。あなたたちでも大変だなんてね…」

希「なんとか分からせてあげたいんやけどね…。あのメモリが危ない、ってこと…」

にこ「私も…、何度か伝えては見たけれど、わかってもらえなくて…」

にこ「あの子…、自分が男の子なのに、お姉ちゃんに力で負けてるのが悔しかったみたいなの」

希「え?」

にこ「自分は男だから、お姉ちゃんを守れるように強くなる!って…、ちょっと前までは言ってたんだけどね…」

にこ「むしろあの子がお姉ちゃんに助けられることのほうが多くて…、自分が情けなくてベソかいてたこともあったわ」

希「あ、だから…」

にこ「うん…。あの力は、初めてお姉ちゃんより勝ってる自分の力だ、なんて言って…」

にこ「それが嬉しくて、手放したくないのよ。最初の、お姉ちゃんを守る、って目的も、忘れちゃって…」

希「この年頃の男の子なんて…、ほとんど女の子と力も変わらないやろうに…。しかも2歳も差があるんやからしょうがないのに、ね…」

にこ「それでも…、この年頃だからこそ、自分が男の子だ、って…、思いたいんじゃないかしら」

にこ「女の子を守れる、強い男になる、って…、思うようになる年齢なんじゃないかしら…」

希「そう、なんかな…。はは、うち女子やからあんまりわからないです…」

にこ「にこ…、ふふ、私だって女子よ。男の子のことなんて何にもわかんない」

にこ「でも…、わからないからこそ…、それを埋めるように、触れ合っていきたいのよ」

にこ「今のあの子は…、それをさせてくれないから…」

希「…お母さんとしては、辛い、っていうこと、ね…」

にこ「…ええ」

希「触れ合える、ように…、か…。なんとかお母さんの気持ち…、分からせてあげられないかなぁ…」

希「…そういえば、あの子はなんでメモリを…?誰かにもらった、とか言ってました?」

にこ「え…?あぁ、そうね…。なんでも…、金髪の綺麗なお姉さんに貰った、って言ってたわ」

希「金髪の…、お姉さん?」

凛「ま、真姫ちゃーん…、こたろうくんのこと、追わなくていいの?」

真姫「別にいいんじゃない?いつか帰ってくるでしょ」

凛「その慢心が事故や事件を生むと思うんだけどなぁ…」

真姫「だいじょぶだいじょぶ。念の為にラットリンガルに後を追わせているし」

凛「それならいいけど…」

真姫「そんなことより今は私は…、きゃっほーっ!そっち行ったわよ!」

ここあ「まきちゃんバドミントン上手ーっ!」

こころ「ほんとに初めてなのー?しんじられないよー」

真姫「ふふふ…、私ってば天才真姫ちゃんの異名で巷を轟かせちゃってるからね。なんでもできるのよ!」

ここあ「ほんとー!?じゃあこのホッピングもできる?」

真姫「もちろんっ!貸してみなさいっ!よっ…、ほっ…」

こころ「わー、上手上手!じゃあホッピングしながらなわとびは?」

真姫「え…、ら、楽勝よ!…え、えいっ!おわぁっ!!」ドンガラガッシャーン

ここあ「あー、こけちゃった…」

凛「慣れないことするからこうなるんだにゃ…」


真姫「あいててて…、顔擦りむいちゃったわ」

凛「もー、相変わらず無茶するなぁ…。消毒するから動かないでね?」

真姫「はいはい…、あ!そこは『そこを動くんじゃねえぞ!』でしょ!」

凛「元ネタ知ってる人でもわかりにくいネタ突っ込むんじゃないにゃ。…はい、目つぶって」

真姫「ん…、んふぅ…!染みるぅ…」

凛「はい、絆創膏。あはは、真姫ちゃん似合わないね」

真姫「そう…?へへ…、やんちゃガールな真姫ちゃんもたまにはいいんじゃない?」

凛「いっつも結構やんちゃしてると思うにゃ…。…そういえば、真姫ちゃんの子供の頃、って…、どんな子だったんだろうね」

真姫「え…?」

凛「あ、いや…、ただなんとなく思っただけ…。うん、ごめんね。変なこと言っちゃって…」

凛「…真姫ちゃん。事務所に来る前の記憶が、全部ないんだもんね…。わからない、よね…」

真姫「…さぁ、どうなんでしょうね。確かに、わからないけど…」

真姫「…でも、想像することはできるわ。やんちゃな私、物静かな私、社交性のある私、不良な私」

真姫「いくらでも可能性はある。記憶がなくても、うぅん、記憶がないからこそ、他の人より楽しめることだってあるのよ」

真姫「…今日だって、そう。こうして…、年下の女の子といっしょに、わーきゃーはしゃいで遊ぶのなんて、初めて」

真姫「本当は初めてじゃなかったとしても、初めて、って思える。これって、記憶を無くしてないと味わえない感情じゃない」

真姫「だから私は、今のままでも、いい。こうじゃないかなって予想できる、初めてに感動できる、そんな今の私が、好き」

凛「真姫ちゃん…。…うん、凛も今の真姫ちゃんが大好きにゃ!真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃーんっ!」

真姫「クハッ!そんなに呼ばれると照れるッショ!」

凛「そのまきちゃんじゃないにゃ…」


真姫(…過去の、私、か…)

真姫(この世のありとあらゆることが楽譜として記されてる、私の『音楽室』でも…)

真姫(…私の過去は、全く見つからなかった…。家族も、友達も…、どんな人間だったかも…)

真姫(今の、私、ね…。今の私、って…、一体、なんなんだろう…)

真姫(私は…、本当は誰なんだろう…)

街道


こた「あぅ…、出てきたはいいけど…、どうしよ…。帰りづらい…」

こた「くぅ…、お腹すいたし…」


絵里「…あら?」

絵里「あなた…、こたろうくん?」


こた「あ!金髪のお姉さんだ!お姉さん!」

絵里「ふふ、久しぶりね。メモリ、使ってる?」

こた「うん!すごいねこれ!今日もうちに来た探偵のおば…、お姉さんたちをたおしたんだよ!」

絵里「…探偵?探偵のお姉さん、って…、あ、もしかして…、関西弁の女の人?」

こた「うん、それと、赤い髪の怖い人と…、男みたいな髪型の女の人もいたよ!」

こた「それでね!探偵の女の人は変身するんだ!なんか変な…、半分こ怪人、って感じの…」

絵里「半分こ…、怪人…。へぇ…、あの子がそう、なんだ…」

こた「うん!」

グゥゥゥ~…

こた「あ…」

絵里「あ、こたろうくん、お腹すいてるの?」

こた「…うん」

絵里「じゃあお姉さんがご馳走してあげるわ。なんでも好きなもの」

こた「ホント!?じゃあねじゃあね…」

絵里「うん、でもそのかわり…」

絵里「おうちまで案内してくれる?」

こた「え?うん…、いいけど…」

絵里「…不意とは言え正体知っちゃったんだもの」

絵里「こちらも明かさないと、礼儀正しいとは言えないし、ね」

矢敷邸


ここあ「こた、帰ってくるの遅いね…」

こころ「何やってるんだろ…」


にこ「こた…、大丈夫かしら…。ちょっと心配…」

真姫「大丈夫よ!ラットリンガルがついて…」

希「…ラットリンガルならなんかネズミ取りに引っかかってたけど…」 <ワンチュー…

真姫「…お子さんはもう諦めた方がよろしいかと…」

凛「おいおい…」


こころ「あー!こたろー帰ってきた!」

ここあ「ホントだ!あれ、知らない人といっしょだー…」



にこ「知らない人…?」

凛「ま、まさか…、誘拐犯…!?」

真姫「誘拐犯が子を供家まで連れ帰ってくるわけないでしょ」

凛「あ、そっか」

希「誰なんやろ…」



こた「げふぅ…、もうたべられない…」

ここあ「あー!こたろーだけ何か食べた!?」

こころ「ずるいよー!ばかー!」

絵里「ふふ、ごめんね。今度何かあなたたちにも買ってきてあげるわ」

ここあ「本当!?」

こころ「いいんですか?」

絵里「えぇ、いいわ。なんなら…」


希「あ…、あなた…」

凛「この前の…、港にいた人?」

絵里「あぁ…、いた。探偵さん、だったわね」

真姫「…だれ?」


絵里「…っ!?ん、なっ…」


希「えっと…、この間の事件で…」

真姫「あぁ、言ってたわね…」

絵里「…あな、た…」

真姫「ん?私?なによ、もしかして真姫ちゃんの美貌に一目惚れとか?」

凛「初対面の人になんてこと言ってるんだにゃ…」

絵里「…真姫、というのね…。そう…」

真姫「…?」

絵里「いえ、今はそのことよりも…、探偵さん、お話があるの。すこし…、よろしいかしら」

希「うち…?いいけど…。なんやろ…」

希「…うちに、話って?」

絵里「えぇ…、その…、いきなりで驚かれても困るのだけれど…」

絵里「…自己紹介、してもいいかしら?」

希「え?は、はぁ…、いいですけど。この間名前聞いた気がしますが…」

絵里「そう、ありがとう。…改めて。…私の名前は絢瀬絵里。職業は…」

絵里「…ガイアメモリの売人をやっているわ」

希「…っ!!?」

絵里「この前、あなたと戦ったディコーラム・ドーパントは、この私」

希「な、なんで…、なんでそんなことを、うちに…?」

絵里「…だって、知ってしまったから。あなたが、UTXを邪魔する存在、そして、ミューズドライバーを盗み出した…」

絵里「…Muse。今は、仮面アイドルMuseと名乗っているんでしたっけ?」

希「…っ!」

絵里「このことがUTXに知れたら…、あなた、命無いわよ?探偵事務所を焼き払われ、あなたを知る人物全てが消され、…存在すらなかったことにされうるわ」

希「なんや…、脅し、ってこと…?」

絵里「いえ、知ってしまったから、礼儀として一応私の正体も明かしておこう、と思って」

絵里「これで私は商売がすこししづらくなる。あなたは、いつ狙われるか、という恐怖感を日々味わうこととなる」

絵里「ふふ、フェアでしょう?」

希「何がフェアよ…。UTXにうちの存在がバレたら…、もうこの街では暮らしていけなくなる…」

希「死ぬまで一生逃げ続けることも…、それが、フェア、やって?」

絵里「ふふ…、別に、UTXに関係する誰かに知られている、って感覚だけ持ってもらえればいいのよ」

絵里「だって私、言うつもりないから」

希「…え?」

絵里「…私、無駄に命を散らすのは好きじゃないから。UTXに言ったところで私の手柄になるわけでもないし」

希「命を散らすのが、好きじゃない…!?そんな、じゃあ穂乃果ちゃんのことは…っ!!」

絵里「高崎穂乃果のこと?…あの子の死は、無駄じゃないわ。だって、夢を叶えられたんですもの」

絵里「…夢も叶えられず、無意味に死んでいく命がどれほど多いか…、あなたは知らないで言っているのかしら?」

希「んなっ…!」

絵里「…まぁ、でも…。なんのリスクもなく告げ口を黙ってもらえる、なんて思って貰いたくないから」

絵里「今、ここで…、私はあなたを襲うわ。そして、ミューズドライバーを奪還する」

絵里「そうすれば、私の手柄にもなるし…、あなたも命を狙われなくなるかも」

希「…そ、それで…、もしうちがあなたを退けたら…?」

絵里「今度会うまで、見逃してあげる。告げ口はしないわ。それでどう?ここで戦ってもらえる?」

希「…No、とは言えない、よね…。UTXに追われるより数段はマシ、やし…」

絵里「…なら、いいの。ふふ…、あのヒーロー・ドーパントを倒したあなたと…、一度本気でやってみたかったのよね」

希「…なんか、おかしな人やね。掴みどころのない…、どこ向いてるかわからない感じやね」

絵里「あら、それは光栄だわ。何しろ…」\ディコーラム!!/


ディコーラム・D「掴みどころのないファイティングスタイルが…、私の戦い方なんだもの」

今日はこの辺で
明日はおそらく書けないです なので絵をうpするだけになると思う
一般人がMuse知ってるくせにUTXは知らねぇのかよってツッコミはアレ…、敵組織はなんだかんだポンコツ現象が働いてると思ってください
そろそろことりちゃんが出せたらいいな ほなな!

話の途中だけれども以前言ってたちんちん生えた絵スキャンしてきたのでうpするます
デジタル塗りは慣れてないんで完全アナログだけど 巨ちん注意
http://i.imgur.com/LUnlSTY.jpg
http://i.imgur.com/unpx3Nb.jpg

最近ラブライブのエロ出ないと満足できなくなってきた もっとハードめな同人増えろ

そしてこちらがMuseのイメージ絵です
色塗ろうかと思ったけど線画だけの方が設定画っぽくてかっこよさげだったんでこのまま
誰か塗りの上手な方が居れば塗ってくれるといいな

http://i.imgur.com/YZNDvyt.jpg

ふたなりものなら大抵なんでも好きだよ
というわけで続きやっていきます ものすごく眠たいのでかなりスローペースな予感
話も特に考えてないんでゆったりお付き合いください

ディコーラム・D「…さぁ、やりましょう。Museさん…!」

希「…」

希「…ちょっ…、ちょっとタンマ…」

ディコーラム・D「…?どうしたの?トイレ?だったら早く済ませなさいよ」

希「いや、そうじゃないけど…、真姫ちゃん、聞いてた?」

真姫『…えぇ、さっきから電話越しに聞こえてたわよ。とんでもないヤツね、あいつ』

希「…こたろうくんたちは、そこにいる?」

真姫『凛が付き合ってあげてるみたい。目を離さないようにとも言っておいたわ』

希「なら…、戦いに巻き込むこともなさそうやね…」

真姫『…準備はいい?』

希「…うん、準備できた。オッケーやよ」

ディコーラム・D「あら、そう。なら早く変身なさい」

希「言われんでも…、やったるわ!」スチャッ

希「…このベルトを奪われるんは、少し困るからね!!」\スター!!/



真姫「…来た」

ここあ「ねーねー、まきちゃんもりんちゃんと一緒に遊ばないの?」

真姫「私は…、ごめんね。少し眠たくなっちゃった。ちょっとの間、おやすみ」

ここあ「ふーん…」

こた「ねー、のぞみお姉さんはいま何してるの?」

真姫「…ないしょ、よ。じゃ、おやすみなさい」\クレッシェンド!!/

真姫「よっ」ガションッ

真姫「あうっ…」バタリ

ここあ「わー、まきちゃんねるのはやー」

こた「…」



希「…変身っ!!」


ガションガシャーンッ!!


\クレッシェンド!!/\スター!!/

デレレーンデレレデレレレーン



Muse「…」「ほな、やろか…」

ディコーラム・D「えぇ、死合ましょう」

ディコーラム・D「…てやぁっ!!」


ヒュヒュンッ!!


Muse「んぐっ…!!」「相変わらず…、精確すぎるほど精確な攻撃ね…!!」

Muse「せやけど…!」「一度見た攻撃なら…、対処は可能よ!」

シュバッ!!


ディコーラム・D「…へぇ、避けるんだ。適応が早いのね」

Muse「そして次は…!」「こっちの番や!」\ハーミット!!/

\クレッシェンド!!/\ハーミット!!/ デレレーンデレレドドーン


ディコーラム・D「またその武器?…もう当たらないことは実証済でしょう?」

Muse「それは…」「どうかしらっ!?」

ヒュンッ!!

ディコーラム・D「おや、危ない…」

ヒュヒュンッ!!

ディコーラム・D「でも…、私には当たらないわ」

ヒュヒュヒュンッ!!

ディコーラム・D「…っ!今、頬を掠めた…?攻撃が、精確になってきている…!?」

ヒュヒュヒュヒュンッ!!

Muse「捉えたっ!!」

ズバシュッ!!

ディコーラム・D「うぐっ…!!な、なぜ…!」

Muse「ふふ…、クレッシェンドは「成長」の旋律を持つメモリ…」「使えば使うほど、その精度は増してく、ってことや!」

ディコーラム・D「へぇ…、なるほどね…。そのメモリ、そんな力も…」

Muse「もう外さない…!!」「次からはフルボッコやよ!!」

Muse「「てやぁぁぁぁぁっ!!!」


シュバババババッ!!


ディコーラム・D「う、ぐぐっ…!!がふっ…!!」


Muse「ふふ…、どうかしら?」「意外と楽勝やったね」「格の違いというやつよ」

ディコーラム・D「ぐ…、格の、違い…?」

ディコーラム・D「…フフフ、何を…、勘違いしているのかしら…?」

Muse「…何?」「どういうことや…?」

ディコーラム・D「格も何も…、私はまだこのメモリの力を半分も引き出してはいない…」

ディコーラム・D「もしかして…、攻撃や回避の精確さがこのメモリの本質だとでも思っているのかしら…?」

ディコーラム・D「残念だけれど…、それは全て私自身の力…。メモリによって身体能力が多少向上しただけに過ぎないわ」

Muse「なん、ですって…!?」「今まで…、能力を使わずに戦ってきた、ってこと…!?」「かなりの戦闘センスね…」

ディコーラム・D「えぇ…、ありがとう。そう言ってくれてとても嬉しいわ。私自身の力をあなたで試してみたかったからね…」

ディコーラム・D「…でも、ここからは…、掛け値なしの本気で、行かせてもらうわよ…!!」

矢敷邸


こころ「りんちゃーん、次ははやぶさ跳びやってー!」

凛「任せるにゃ!うりゃりゃりゃっ!!」ヒュヒュヒュンッ

ここあ「うわぁー!!すごいすごい!初めて見たー!」

凛「えへへ、凛はこれをこころちゃんやここあちゃんの年齢の頃にはもうできてたにゃ!」

ここあ「うそー!?すっごいなー!」

こころ「私たちじゃ絶対むりなのにねー…」

凛「大丈夫だよ!凛でもできることなんだからこころちゃんたちにもできるにゃ!」

こころ「ほんと…?」

凛「うん!だから今から凛がご教授してあげるんだにゃー!こころちゃんたちは筋がいいからきっとできるようになれるよ!」

ここあ「やったー!早く練習しよ!」

凛「おー、やるにゃー!ほら、こたろうくんも一緒に…」

こころ「あれ…?こたは…?」

ここあ「あれれ…?いない…?」

凛「んぁ…!こころちゃんとの話に夢中で目を離してしまってたにゃ…!ヤバイ…!」

凛「…も、もし、二人の戦闘に巻き込まれでもしたら…」

ここあ「りんちゃん…?」

凛「ごめん!練習はまた後で!凛はこたろうくんを探しに行ってくるね!」

こころ「え…?じゃあわたしたちも!」

凛「こころちゃんたちはここで待ってて!凛が戻ってくるまではやぶさの練習しててね!じゃ!」タッタッタ…

ここあ「…行っちゃった」

こころ「こたのばかー…」


凛(…こたろうくん…、お願いだからあの二人の近くには行かないで…!)




こた「わ、わぁ…!!」



Muse「ぐ、はぁっ…!!」「桁違いの、強さ…!!」

ディコーラム・D「…やっぱり、この程度なのね…。Muse…」



こた「す、すごい…!」

Muse「くっ…、まだまだぁ…!!」

シュンッ!!


ズバュッ!!


こた「当たった…!?」


ヒュンッ…


ディコーラム・D「だから無駄なんだってば…、はぁっ!!」ゲシッ!!

Muse「ぐあぁっ!!」「うぐ、ぐっ…!!」


こた「あれ…、当たったと思ったのに…」


Muse「クゥッ…!!」「もういっちょっ!!!」

ヒュンッ!!

パシュゥッ…


Muse「ウグ…、手応えがない…!」「まるで…、霧を切っているよう…!」

ディコーラム・D「ふふ、こっち…」


こた「あ…、一瞬で後ろに…!あれ…?」


ディコーラム・D「いいえ、こっちよ」 

ディコーラム・D「違うわ、こっち」

ディコーラム・D「ここにもいるわよ」


こた「い、いっぱい…!?」


ディコーラム・D「これがディコーラムメモリの真の力…、実態をもつ分身といえばわかりやすいかしら…?」

ディコーラム・D「本体以外は切ったところで霧の如く実態はないけれど…」

ディコーラム・D「攻撃はできる…。本体と全く変わらぬ性能でね…」

ディコーラム・D「さぁ、ダンスの続きを踊りましょう…!」


Muse「なにが…、ダンスよ…!!」「ふざけんな…、やっ!!」

\ビブラート!!/\ストレングス!!/ ディーデデディンッデドンドンダーン


Muse「こいつで大地を揺らして…!!」「特大大地震やっ!!」

Muse「「はぁっ!!」」

ドガァァァンッ!!

グララララララ…


ディコーラム・D「おっと…、これは…」

ディコーラム・D「さすがに、ふらついてしまうわね…。でも…」

ディコーラム・D「…飛べばなんの問題もないわ」

ヒュンッ!!


Muse「アイツ…、空まで自由に飛べるの…!!?」「どれだけ能力持てば気が済むねん…!!」

ディコーラム・D「そろそろ舞踏会も終演といたしましょう」

ディコーラム・D「とどめよ!」


ヒュヒュヒュンッ!!

ズバババババッ!!


Muse「ぐ、うあああああああああああああっ!!!!」

Muse「ぐ、う、あぁっ…!!」ピシュゥゥンッ…

希「がはぁっ…!」


ディコーラム・D「…勝負、付いたわね」ピシュゥン…

絵里「…ミューズドライバーは、貰って行くわね」スッ



こた「あ…!あのおねえさんが…、さっきの…、怪物…?」



希「ま、待ちいよ…!」

絵里「…何?勝負は付いたはずだけど?」

希「ぐっ…、せや、けど…!!最後に…、聞かせて…!」

希「なんで…、それほどの強さを持って…、ガイアメモリの売人なんか…、やってんの…!!」

絵里「…どういうことかしら?」

希「そのメモリの力もあるやろうけど…、でも…、アンタの力は…、メモリなしでも存分に強かった…!」

希「なんでその力を…、街を泣かせる方に、使ってしまうんよ…?やっぱり…、もっと、それ以上の力が、欲しいからなん…?」

絵里「そんなこと…、決まってるわ」

絵里「…私は、この街を泣かせてでも…、人の夢を叶えてあげたいの」

希「…え?」

絵里「この世界にはね…、自分には不相応であるような…、とてもじゃないけど叶えられないような…」

絵里「…そんな、バカみたいな夢を持ってる人が、たくさんいるの」

絵里「そして…、そんな夢を持ったまま…、バカみたいに死んでいく人も、たくさん」

絵里「だから私は…、そんな人たちに力を与えてあげたくて…、その力で、夢を叶えて欲しくて…」

絵里「…この仕事をやっているの。…したいから、やってるのよ」

絵里「これが…、私のしたいことなの。したいことに…、理由なんて必要?」

希「なっ…!だ、だけど…!!その夢を叶えて…、無関係の人が死んだかもしれへんのよ!?」

絵里「…私は、なるべく人を殺めるような使い方はしないように、と、購入者にはいつも伝えているわ」

絵里「人は死ななければ夢を持つことができる…。どれだけ大怪我をしてもね」

絵里「だから多少人に怪我をさせてしまったとしても、それは別にいいじゃない。人の夢を叶えるためには必要な犠牲だと思っているわ」

絵里「怪我をした人がまた夢を持てば私がまたそれを叶えてあげる…。その繰り返し。ね?素敵な商売でしょう?」

希「お、お前っ…!!なんて、こと…!!」

絵里「なんてこと、だなんて…、悪いことをしているつもりはないわ。夢を叶えてあげているのよ?」

希「だからって…、それにガイアメモリを使うなんて…!あれが人間の精神にどれほどのことをもたらすか…、わからんわけないんやろ!?」

絵里「ガイアメモリの悪性については理解している。でも…、仕方、ないじゃない」

絵里「私は…、自分の夢が叶えば死んでも構わない、って…、自分ではそう考えているわ」

絵里「きっと本気で夢を叶えたい人は、みんなそう。ならばどれほどガイアメモリに精神を蝕まれようと…」

希「勝手なこと言うなや!そう思ってない人だって…、いるはずやろ!」

絵里「…それは、あなたと私の意見の相違に過ぎない。少なくとも私はそう思ってる、ってだけよ」

絵里「私だって…、そうだから。私の夢さえ、叶ってくれたら…」

希「…死んでもいい、って…?」

絵里「まぁ、ね。それに、人によっては出力を調整して販売しているし。なるべく精神に異常をきたさないように努力はしているのよ?」

希「だから、って…!」

絵里「…まぁ、仮に精神に異常をきたして、街の人の命を奪ってしまったとしたらそれは…」

絵里「…やはり、私としては仕方のないことだって…、そう、思うしかないわ」

絵里「私にとっては、人の夢、っていうのは…、それだけ大事なものなのよ」

絵里「…わかってほしい、なんて、思ってないわ。ただ、これは私の生き方、だから」

絵里「だから…、ごめんなさい。もう、行くわ。あなたと話してると…」

絵里「…いえ、何でもない。じゃあね…」

希「…っ!待てっ!」

絵里「…なによ、まだ、何か?」

希「やっぱり…、お前…、自分でも…、ダメやって思ってるとこ、あるんやろ…!」

絵里「っ…、…何を、馬鹿げたこと…!」

希「『あなたと話してると』…、その後は…、『気持ちが揺らいでしまうから』とか…、そういうこと違うん…!?」

絵里「…違うわ。断じて、違う…!だから…、もう、行かせて!」

希「…じゃあ、これが最後…」

絵里「まだ何かあるの…!?」

希「…こたろうくんにメモリを渡したのは…、お前、やんな…?」

絵里「え、えぇ…、それが?あの子も…、夢を持った人間の一人だったし…」

絵里「『姉より強くなりたい』…。可愛らしい夢じゃない。だから、叶えてあげたのよ」

絵里「ちゃんと…、出力も最大限抑えた…!メモリの毒素なんてたかが知れたものだわ!あなたに責められることなんて何一つ…!」

希「…何一つ…?だったら、なんで…」

希「…そんなに声を荒げて喋るんよ」

絵里「…っ!」

希「それは…、お前が心のどこかで矛盾を感じてる証拠や…。『夢を叶える』って仕事に、感じてる矛盾…」

絵里「な、なにがっ!何が矛盾だって…、いうのよ…!」

希「まだ、わからへんの…?なら、教えてあげる…!」

希「お前が何に囚われてるのかうちは知らんけど…、それに囚われすぎて…、何も見えてないお前に…、うちが…!」

希「こたろうくんに渡したメモリ…、なんやったか覚えてる…?」

絵里「リターンメモリ、よ。元々人を傷つける力のない、かなり弱いメモリね」

絵里「…だから、子供に渡してもなんの問題もないって、そう、思ったのよ」

絵里「結論、あの子は夢を叶えたわ!お姉ちゃん達にも負けない特別な力を手に入れることができたじゃない!」

絵里「それが…、ダメだって言うの!?」


こた「…そ、そう、だよ…。ぼくは…、だれもきずつけてないし…」

こた「あのおねえさんのやってることは…、まちがってなんか…」


希「人を…、傷つけない…?」

希「…違う、あのメモリは…、ある人を、深く傷つけた…」

絵里「え…?」

希「あのメモリはな…、ある人の夢を、奪ったんよ!」

絵里「そんな…、あのメモリに…、そんな力はないはず…。誰を…!?」

希「それはね…、こたろうくんの、お母さん。矢敷にこさんや」


こた「え…?お、おかあさんを…、ぼくが…?」


絵里「そんなはずはないわっ!だって…、食事した時に…、ちゃんと聞いたんだもの!絶対に…、誰も怪我させてないわよね、って…!」

絵里「なのになんで!深く傷つけただなんて…!」

希「…そのメモリは、ただ一点において、あらゆるメモリより優れてる」

希「それは、『他人から触れられない』、ってことや」

希「誰が近づいてきたとしても、無条件で自分から遠ざけることができる」

希「…それが、にこさんには、とても辛いことやったんよ」

絵里「え…?」

希「にこさんは、こう言ってた」

希「…『男の子のことなんて、何もわからない。だからそれを埋めるように、触れ合っていきたい』って」

希「親として…、息子に触れて、分かり合いたい、って…、そう思うのは…、当然のことやろう…?」

希「なのに…、なのに…!!」

希「あのメモリは…っ!!にこさんにそれを許さんかったんやっ!!」

絵里「っ…!」

希「たしかに…、強い力が欲しいと願った、こたろうくんの夢は叶えられたかもしれない…!でも、でもなぁっ…!」

希「この多感な時期に…、こたろうくんのお母さんは…、こたろうくんに触れることもできない…!!」

希「男の子のことなんて何もわからないから…、どうにかしてわかろう、って…、理解しようって…、こたろうくんに伸ばした腕は…!!」

希「わけのわからない力で突き放されるっ!!それが…、どれだけ辛いことか…、お前にはわからへんのかぁっ!!!!」

絵里「う、ぁ…!」


こた「お、かあ、さんが…?」

こた「ぼくのせいで…、つらい…?」


希「お前が誰かに夢を与えてると同時に…、それが誰かの夢を奪ってるってことにも…、お前は気づかへんのかぁっ!!!」

希「だとしたらそれは…、お前の罪…ッ!!夢を叶える仕事なんて綺麗事で着飾って…、本質を見ようとしないお前の…ッ!!」

希「…だからっ!!」

希「さぁ、お前の罪を数えろっ!!」

絵里「黙れぇっ!!」

絵里「私は…、私は…!私はずっと…、これが正しいって…!!」


(「私ね、将来は…」)


絵里「こうするしかないって…、そう信じて続けてきて…!!」


(「…夢を叶える仕事に就きたい」)


絵里「だから…、あなたにそんなこと言われたって…、しょうがないじゃないっ!!」

絵里「私だって…、私だって…、誰も悲しまずに済む方法があるなら…、それが…っ!!」

希「だったら!なんで…、なんでそれを求めようとしないっ!」

絵里「だって…、だって…!」


(「…うん、頑張って」)


絵里「これが…!」


(「…お姉ちゃんも、応援してるから」)



絵里「妹の、夢、だったんだもの…!!」

絵里「だから…、私が叶えるしか…、ないじゃない…っ!!それが、どんな方法でも…!」



希「…え?」

絵里「くぅっ…!!」ダッ

希「あっ…、に、逃げよった!ちょっ…、ベルト返せ!」

絵里「嫌よっ!絶対に…!これはっ…!!」


\リターン!!/

絵里「ぇ…?う、ぁっ…!!身体、が…!!」ググッ…

希「こ、これは…、リターン・ドーパントの、能力…?」


リターン・D「の、のぞみお姉さんっ!」

希「こたろうくん…!?ど、どうして…!」

リターン・D「ぼく…、ぼく…、お母さんのこと…、きずつけてたって…」

リターン・D「このちからは…、いけないもの、なんでしょ…?」

リターン・D「それを、きれいなおねえさんも…、わかってたんでしょ…?」

リターン・D「だから…、だから…、ダメだよ…、おねえさん…!」


絵里「余計な…、こと…!!」ググッ…

希「…ベルト、返してもらうよ」パシッ

絵里「う、ぐっ…!!」

希「…まだ、続ける…?そんな、心のままで…」

絵里「う、う…、あ…!!なん、で…、私が…!!くそぉっ!!」ダダッ

希「…」

希「…ふ、ふぅ…、助かった…。ギリギリ、やったな…」

こた「…おねえさん…」

希「…ふふ、希ちゃん、でいいんよ?」

こた「のぞみ、ちゃん…」

希「ん、何?」

こた「これ…、あげる…」

希「リターンメモリ、やね。いいの?」

こた「うん…。おかあさんを…、きずつけた力だから…、もう、いらない…」

希「…うん、そうやね。人を傷つける力は、こたろうくんには必要ないもの、やものね」

こた「…そ、そのかわり!」

希「…うん?」

こた「ぼく、ぼく…、のぞみちゃんみたいに…、カッコイイこと、いえるような…、そういう…、つよい男になりたい!」

希「力じゃなくて…、心の強い男になりたい、ってことかな?」

こた「うん…!なる…!それがぼくの夢!」

こた「それでこれは…、ぼくひとりで叶える夢!だれの力もかりない夢!」

希「…うん、それがいい。夢は…、誰かに叶えてもらうもの、違うもんね」

希「自分で叶える、夢、か…」



矢敷邸


こた「おかああああああさぁぁぁぁぁんっ!!!」ギュッ

にこ「わ、わぁっ…、どうしたのよこた…?なんで泣いてるの?」

こた「ごめんねぇ…、おかあさんきずつけて…、ごめんなさいぃ…!」

にこ「こた…、うぅん。私はこたがこうやって抱きついてきてくれたら…」

にこ「それで元気いっぱいにこ!ね?だからもう泣き止んでにこ~」

こころ「あはは!にこちゃんのくちぐせだー!ひさしぶりにきいたにこ~!」

ここあ「ホントホント!にこちゃんかわいいにこ~」

にこ「う、うるさいっ!いいでしょ…、別に…」

こた「…へへ、えへへへへ…、にこっ…、えへへへへ」

にこ「うん、にこっ!笑顔になれる魔法にこ!よく効いたでしょ?」

こた「うん…、うん…!おかあさんっ…!」


真姫「…家族、かぁ…」

凛「ん?どうしたにゃ?」

真姫「…なんでもない。依頼も完了したことだし、帰りましょ」

希「うん、せやね…。帰ろか」

真姫「…希、凛っ」ギュッ

凛「わわ、なんだにゃ。いきなり手掴んで…」

真姫「今日は手をつないで帰りましょう。こうやって」

凛「えー…、なんか恥ずかしいにゃ…」

希「…ふふ、ええやん。うちらはもう、家族やねんし」

凛「うーん、そう言われちゃ仕方ないかにゃー。いいよ真姫ちゃん!お手手ブンブン振りながら帰るにゃー!」

真姫「ふふ…、えぇ、そうね…。うん、帰りましょう。我が家へ…」

???


絵里「…」

英玲奈「お帰りなさい、絵里。…どうしたの?元気ない」

絵里「いえ、なんでもない、わ…」

英玲奈「そう…?でも、何か悩みがあるなら言うべきよ?」

絵里「え…?」

英玲奈「私が何か、絵里の力になれるなら…、悩みを言って欲しい」

英玲奈「私たちはもう、仲間でしょう?」

絵里「仲、間…」

英玲奈「えぇ」

絵里「…そう、ね。ありがとう、英玲奈。やっぱりあなた、いい人ね。…でも今はまだ、言えそうにないわ。ごめんなさい」

英玲奈「…そう。わかった。相談ならいつでも待ってるから。それじゃあ」スタスタ

絵里「…ありがとう」

絵里「はぁ…、私としたことが…。あんな女の言葉に惑わされるなんて…」

絵里「…でも、…」

絵里「…どうすればいいの?教えてよ…」

絵里「亜里沙…」



ツバサ「ふんふんふ~ん…、んふふ、おぉ…、いいんじゃない…?」

あんじゅ「もー、ツバサってばまた私以外のアイドルにお熱なの?」

ツバサ「いやー、最近はこの謎の新アイドル、HONOKAちゃんにはまっちゃってて…。最近デビューしたのに歌唱力も抜群で…」

あんじゅ「もういいわよ!ったく…、スーパーアイドルが隣にいるっていうのに贅沢な女の子なんだから…」


英玲奈「…」スタスタ…


あんじゅ「ん?あー、英玲奈さまー!ねーねー、英玲奈は私に構って…」

あんじゅ「ぁ…」

英玲奈「…ん?どうか…、した?」

あんじゅ「いえ…、なんでも…、ない…。あは、は…、あはは…」

英玲奈「…?…変なあんじゅ」スタスタ…


ツバサ「どうしたの…?あんじゅがたじろぐなんて…」

あんじゅ「…だ、だって…、あの英玲奈…」

あんじゅ「口元が…、笑ってたんだもの…」

ツバサ「あぁ…、それは…。そうね、怖いわね」

あんじゅ「うん…、怖い…」


英玲奈「…」スタスタ…

英玲奈「…フ」



第9話「Rを捕まえろ / キケンなオモチャ」


おわり

希「第9話でした。どうやった?」

凛「もうちょっと短くなるもんかと思ったらかんなり長くなっちゃったにゃー…」

真姫「希長いこと語りすぎよ。もっとコンパクトにまとめなさい」

希「あれはえりちも…、おっと、まだえりちなんて呼ぶほどの仲じゃないんやったね」

真姫「いつか呼べるようになるといいわね」

希「せやね。それじゃあもう眠たいし、メモリ安価して終わりにしちゃおうか」

凛「あとがきも毎回これくらい短かったらいいのにね」

真姫「言いたいこといっぱいあるんだもん!いいでしょ!」

希「そんなこと話してるとまた長くなっちゃうよ?ほなね、また次回、お楽しみにや!」

真姫「これで決まりよ!」


次回のメモリ
>>520(頭文字M,J,N,Q,H,R以外)

travel 旅行

今日の10時以降くらいにやりますよ
今度こそ安価多めにするんで何でもいいから書きにきてくだしあ

それじゃ始めます
人来てくれたらいいな

東條西木野☆探偵事務所内


希「あー…」

凛「にゃー…」

真姫「ヴぇー…」

希「暇や…」

凛「暇だにゃ…」

真姫「ヴぇー…」

凛「最近依頼が続いてたと思ったらこれだにゃ…」

希「ぱったりと何も来なくなったね…」

真姫「ペット探しなら何日かに一回は来るけど私関係ないし…」

凛「だったら真姫ちゃんもやれって話だにゃ…」

希「はぁ…、それにしても…、こんなに暇やったら…」

真姫「…暇だったら?」

希「…旅行にでも、行きたい気分やねぇ…」

凛「旅行かぁ…、いいねぇ…」

真姫「旅行…、そういえば私、音都以外の場所に行ったことないわ…」

希「そういえばそうやねぇ…」

真姫「音都の外、かぁ…。どんな風になってるんだろ…」

凛「旅行…、行きたいにゃぁ…」

希「行きたいなぁ…」

真姫「行きたいわね…」





一方その頃!


穂乃果「こんにちは!私高坂穂乃果!17歳じゃなくて20歳!今は情報屋をしています!」

穂乃果「ほ、ホントは定職に就こうと思えば就けるんだけど~、こっちの方が向いてるからやらないだけで~…」

穂乃果「まーそんなこんなで今もこうしてあっちへうろうろこっちへうろうろ、情報を探しているというわけであります!」

穂乃果「あー、どこかにお金になりそうな情報転がってないかなぁ~。ごろごろ~、ごろごろ~…」

穂乃果「ん…?おや!何か道端に転がっているではあーりませんか!これは…?」

穂乃果「わ、わ、わぁっ!これは希ちゃんが言ってた…、たしかガイアメモリ、ってやつですよ!」

穂乃果「なーんでこんなところに…?ま、まぁでも!これを希ちゃんに売れば当面の生活費は…」


\トラベル!!/


穂乃果「ほぇ…?え、穂乃果何にも押してないよ!?な、なんで…、わぁぁぁぁぁぁぁ!!」

希・凛・真姫「ガイアメモリが吸い込まれたぁ!?」


穂乃果「う、うん…、なんか勝手に…」

希「でも…、穂乃果ちゃんの体にはコネクタもついてないし…」

凛「コネクタなしにメモリを使うことってできるのかにゃ?」

真姫「…ドライバーを使えばいけるけど…、もちろん穂乃果はそんなの持ってないでしょうし…」

希「いや、というか…、一番の問題は…」

凛「穂乃果ちゃんガイアメモリを吸い込んだんだよね!?なんでドーパントになってないの!?」

穂乃果「さ、さぁ…、穂乃果にもさっぱり…」

真姫「これは…、ねぇ穂乃果。身体に取り込んだのは何のメモリかわかる?」

穂乃果「ほぇ…?んっと…、たしかぁ…。あ!とらべる?って言ってたような…」

希「トラブル…?」

凛「違う違う、トラベル、だにゃ。まぁこの場合トラブルでも間違ってないと思うけど…」

真姫「…トラベル…、なるほど、わかったわ」

穂乃果「お!真姫ちゃん解決案が浮かんだの?」

真姫「解決案ではないけど…、穂乃果が取り込んだメモリはトラベルメモリ、「旅行」の旋律を持つメモリね」

凛「「旅行」の旋律…?」

希「原作よりはるかになんでもアリになってきよったね…」

真姫「このメモリは身体をドーパントと化すことはしないけれど、その代わり…」

穂乃果「その代わり…?」

真姫「今の穂乃果は一日以上同じ街に居れない身体になってしまっているの!」

穂乃果「へぇあっ!?」

真姫「仮に一日以上同じ街に居続けたら、メモリの作用により…」

穂乃果「さ、作用により…?」

真姫「使用者のの顔面が>>531して、さらに全身の>>532>>533してしまうのよ」

可愛くなる

毛穴

詰まる

真姫「使用者の顔面が可愛くなって…」

穂乃果「えっ、なんだ、だったら別に…」

真姫「…さらに全身の毛穴が詰まっちゃうのよ!」

穂乃果「…え!?つ、詰まるの…?」

希「どんなガイアメモリやねん…」

凛「大変だよ穂乃果ちゃん!毛穴が詰まったら皮膚呼吸できなくて死んじゃうよ!」

希「えっ…、いや別に人間は皮膚呼吸してな…」

穂乃果「本当だよ!!い、いやだぁ…、穂乃果この齢でまだ死にたくないよぉ…!」

希「…まぁいいけど」

真姫「そうね、放っておくと大変だわ。だから今すぐこの音都から離れなさい」

穂乃果「お、おう…。でも、どこへ行ったら…」

真姫「行きたいと思うところへ早く早くゴーしないと毛穴が詰まっちゃうわよ?」

穂乃果「うっ…、元気な顔になったとしてもそれはやだなぁ…」

凛「じゃあ凛たちが考えてあげたらいいにゃ!」

希「ん?どういうこと?」

凛「さっきまで凛たち暇してたでしょ?だったら凛たちも穂乃果ちゃんについていってあげたらいいんだよ!」

凛「これも依頼の一つ、としてさ!」

希「なるほど…、凛ちゃん賢いね。これでうちらの旅行へ行きたい欲は解消され、穂乃果ちゃんもひとりで心細い思いをせずに済む…」

真姫「一石二鳥ってやつね!」

穂乃果「それ自分たちが行きたいだけだよね…。別にいいけど依頼料とか払えないよ…?」

希「問題なし!旅行が報酬みたいなもんやから!」

真姫「でも、そうね…、ただ一日違う土地にいるだけじゃ面白くないから…、何かそこでやるべきことを決めちゃいましょう」

穂乃果「やるべきこと?」

真姫「そ。目的地ごとに一つミッションのようなものを課して、それがクリアできれば次の街へ行ける、といった具合でどうかしら」

凛「おー、それならマンネリ化せずにどんどん他の街を巡ることができるにゃー」

穂乃果「それ達成できなかったら穂乃果が大変なことに…」

真姫「ハンッ、知ったことじゃないわ!」

穂乃果「ひでぇ」

真姫「それじゃあ早速第一の目的地を決めてしまいましょう!希、お願いね」

希「うちが?おっけー、了解や」

真姫「そしてその土地でやるべきことを凛、あなたが決めてね?」

凛「まかせるにゃー!」

穂乃果「もう私の意志の及び知らぬところで話が進んでいる…」


希「じゃあ最初の目的地は…>>537で!」

凛「そこでやるべきことは…>>539だにゃ!」



※架空の地名でも実在する地名でも可。ただし架空の地名はこちらが存ぜぬものが来たら扱いに困るのでそこらへん察してください

シベリア

UMA探し

希「じゃあ最初の目的地は…、シベリアやね」

穂乃果「はぁっ!?」

凛「そこでやるべきことはUMA探しだにゃ!」

穂乃果「」

真姫「これで決まりね」

穂乃果「決まりじゃないよ!なんでいきなり日本離れてるの!?」

真姫「いいじゃない、そろそろ半袖でも暑い時期になってきたんだし涼しくてちょうどいいわ」

穂乃果「3,4話前には冷え込んできたとかいう話してたでしょ!?今いつ!?」

真姫「そんなこと言っても…、トラベルメモリは一度目的地を決めるとそこにしか行けなくなっちゃう特性もあった気がするし…」

穂乃果「気がするって何!?勝手に新しい設定追加しないでよぉっ!!」

真姫「そんなわけでシベリアへ行く準備をしましょう。みんな、パスポートは持ったわね」

希「バッチシやで」

凛「にゃー」

穂乃果「荷造り早すぎるよ!穂乃果まだ何の準備もしてないっていうのに!」

真姫「よし、ならもう今すぐ出発よ。シベリア行きの超特急は今夜発射されるからね」

穂乃果「なにでロシアまで行く気!?まず飛行機でしょ!?超特急ってなんだよ!」

凛「穂乃果ちゃん元気だねー」

希「これならシベリアでも平気そうやね」

穂乃果「もうツッコミきれないよ!あぁどうにでもなれ!行ってやろうじゃんシベリアぁぁぁっ!!」

真姫「そうそう、楽しさは心の持ち方次第だからね。さ、行きましょ。目指すはシベリアへ!おー!」

希・凛「「おー!!」」




シベリア


穂乃果「あ、あ、あぁ~…、さ、さぶ…、これ、やばいやつだよ…、しぬ…」

真姫「着込んできて助かったわ」

凛「穂乃果ちゃん準備してないからこうなっちゃうんだにゃ」

穂乃果「準備させなかったのはどこのどいつだよ…、あ、あぅぅ…」

希「なんや穂乃果ちゃんだらしないなぁ。うちなんかフリース一枚やけど平気よ?」

穂乃果「それは希ちゃんが…、いや、言うまい…。叩かれそうな気がするから…」

真姫「それで…、シベリアに来て何をするんだったっけ?たまごかけご飯を食べるんだったかしら」

凛「違う違う!UMA探しにゃ!」

希「おー!それやったね!UMAってどうやったら見つかるんやろ…」

穂乃果「これってUMA見つからなかったら即穂乃果の毛穴が埋まっちゃう感じのやつですかね…?」

真姫「大丈夫。見つければ何の問題もないわ」

穂乃果「…」

凛「というわけでUMA探しに必要な道具を揃えてきたにゃー!」

希「お、これは…?」

凛「>>542>>543>>544だにゃ!」

ウォッカ

虫網

ロックシード

凛「まず体を温める為に必要なウォッカでしょー」

穂乃果「あぁ…、まぁそれなら…。いやでもUMA探しに全く関係ないと思うんだけど…。でもその前に穂乃果も身体温めたいから頂戴…」

凛「はい。度数強いから気をつけてね」

穂乃果「うん…、ゴクリ…。お、おぉぅ…、喉が焼ける…」

凛「で、次が虫網だね!これは必須だにゃ」

希「凛ちゃんはどんなUMAを想定してるん…?」

凛「そして最後にロックシード!」

真姫「ロックシード…、ってなんだっけ」

凛「ここの鍵をこうして開けると…、空間にクラックが現れてヘルヘイムの森からインベスが…」

希「聞いたことないワードだらけで意味不明やねんけど。どこの世界やのここ」

凛「まぁ強そうなUMAがいたらこれで弱らせてから捕まえればいいんだにゃ!」

真姫「あぁ…、つまりポケ」希「それ以上はいけない」

凛「とりあえずこんなもんかにゃー…、よし!それじゃあUMA探しに出発にゃー!」

真姫「おー…、あれ?そういえば穂乃果がさっきから静か…」

穂乃果「ほぇぇ…?真姫ちゃぁぁん…?呼んだかにゃぁぁ…?」

希「うわ…、穂乃果ちゃん顔真っ赤やん…。どうしたの…?」

凛「あ、もしかして…。ウォッカ飲みすぎた?」

真姫「本当だ…。瓶空っぽだわ」

穂乃果「ほへぇぇ…、美味しかったからじぇんぶのんじゃっら…、えへへ~…」

希「も、もう…、仕方ないなぁ…、穂乃果ちゃん、UMA探しに行くよ?」

穂乃果「ふひぃ…、ひくっ…、うぇぇ…、あい~…、いぐよ…、い、行かないでぇ~、ことりちゃぁぁぁん…っ」

希「な、なに言ってるんやこの子は…」

穂乃果「友達だっでいっだじゃん…ひぐっ…、なんでぇ…、うぇぇぇぇ…、いっちゃやだぁぁぁ…」

真姫「酔っ払ってもう滅茶苦茶ね。足取りもフラフラだし」

凛「これじゃあお荷物だにゃ…。あ!そうだ、いいこと思いついた!」

希「いいこと?」

凛「ふっふっふ…、これならきっとUMAが釣れるはずにゃ…」



数分後…


穂乃果「うぇぇぇぇ…、ことりちゃぁぁぁぁん…、だいすきぃぃぃぃ…、だいすきだぁぁぁぁぁ…」


希「ホンマに良かったんかなぁ…、穂乃果ちゃん木に縛り付けてUMAが引っかかるのを待つ、だなんて…」

凛「行けるいけるにゃ。穂乃果ちゃん可愛いしきっとどんなUMAだろうがその美貌に惹かれてイチコロだにゃ」

真姫「史上初でしょうね。美少女を囮に使ったUMA捜索なんて」

凛「いやぁ凛は天才すぎるから先人が思いつかないことをポンポンと思いついちゃうんだにゃー」

希「まぁそりゃあ誰も思いつかないやろうけど…」

真姫「…あれ、そんなこんなで穂乃果の近くに何か…、いるわよ」

希「えっ!?」

凛「UMAかにゃ!?」

真姫「あれは…、>>550かしら?」

ビッグフット

真姫「あれは…、ビッグフットかしら?」

凛「えっ、いきなり世紀の大発見!?」

希「ビッグフットって…、あれやろ!?毛むくじゃらの雪男みたいな…」

凛「それそれ!うおぅ、そんなの発見したら間違いなく凛たちは大金持ち…」

真姫「え?毛むくじゃらじゃあ…、無いわよ?」

凛「へ?」

真姫「なんか…、ツルツルした体表で…、白と黒のツートンカラーだわ」

希「白と…、黒…?」

真姫「えぇ、それで…、大きいのは右足だけね」

凛「え、えっと…、それどんなモノなんだにゃ…?」

真姫「あ、なんか穂乃果と話してる!」

希「話の通じる生き物やの!?」

真姫「んーと…、この指向性マイクで会話を拾ってみるわよ…。なになに…」



穂乃果「ほぇ…?だ、だれぇ…?」

「俺か?俺はロシアのみんなとも友達になる男だ!どうしたんだ木に縛られたりなんかして」

穂乃果「わ、わかんないれすぅ…」

「仕方ねぇ、困ってるんだったら俺が助けてやる!」 \ジャイアントフット、オン/

バゴォンッ

穂乃果「お、おぉっ!木が倒れた…」

「よし、これで大丈夫だ。お前、名前は?」

穂乃果「え…?ほ、穂乃果…。高坂穂乃果です…」

「わかった、穂乃果だな!今日からお前も俺のダチだ!ほら、手出せ!」

穂乃果「え…?こう…?」

ビシガシグッグ

穂乃果「お、おぅ…、なにこれ…」

「友情の証だ!じゃあな!」

穂乃果「う、うん…。バイバイ…」


真姫「…どうやらビッグフットじゃなくてジャイアントフットだったみたいね」

凛「なんじゃそれ!」

希「結局UMAではなかったみたいやね…」


穂乃果「ひどいよ!穂乃果を囮につかうなんて!」

真姫「まぁまぁいいじゃない。友達も増えたことだし」

穂乃果「良くないよバカぁっ!!あぁ…、変な夢見た気がするよ…」

凛「うぅ…、結局UMAは見つからなかったにゃ…」

希「それやねんけど…、凛ちゃんのロックシードでインベスを呼べばそれがもうUMAなんじゃ…」

凛「おぉ…、天才か…」 真姫「天才凛ちゃんとは一体何だったのかしら」

凛「じゃあインベスを召喚してみるにゃ!出ろ、インベス!」ジー…

穂乃果「おぉ…、これは…」

凛「>>555インベスが出てきちゃったにゃ!」

淫乱な

凛「淫乱なインベスが出てきちゃったにゃ!」

インベス「アミョムシャフォミジョエ」

希「なに言ってるんやこいつ…」

真姫「んなっ…///なんてこと言ってるのよこの化物!」

穂乃果「え、分かるの?」

インベス「ミョムシャフォミデョディハゴ!!」

真姫「ふざけるんじゃないわよ!」

インベス「エエジョンバデュシャデェシュボエ!!」

真姫「なんであんたにそんなことさせなきゃいけないのよ!」

インベス「フォボイバエシャジャデェガウ」

真姫「さらにお断りだわ!」

インベス「アビファジャンウジエオシンブショボ」

真姫「いらんわ!」

希「すごい…、会話が成立している…」

穂乃果「こ、これどうするの…?」

凛「とりあえずこの画を写真に撮ってUMAを探してる機関とかに売りつけているにゃ」

パシャリ



希「それじゃ、こんなものかな」

インベス「ミョジョオアウ!!シャシャバファジャミャガ!!」

真姫「えぇ、また会いましょう!」

凛「いつの間にか仲良くなってるし…」

穂乃果「っていうか放置して大丈夫なの…?」

真姫「えぇ、人は襲わない派のインベスだったみたいだから」

希「襲わない派とかあるんや…」

穂乃果「多分あのインべスがまた新しいUMAとして語り継がれていくんだろうなぁ…」

凛「あ!もう気づいたらこんな時間だにゃ!早く次の街に移動しないと!」

穂乃果「え!?もうそんな時間なの!?そんなに長く居た気はしてないけど!?」

真姫「楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまうものよ。さ、次の行き先を決めましょう」

穂乃果「それにしても早すぎないかなぁ…」


希「じゃあ次は…、>>561に行こうか」

凛「そしてそこで行うべきは…、>>563だにゃ!」

クスクシエ

欲望の解放

希「じゃあ次はクスクシエに行こうか」

穂乃果「どこそれ…?外国…?」

希「夢見町ってところにあるお店やよ。そこに居ながらにして様々な国の料理が楽しめる…」

穂乃果「だったらそこ最初にしてよ!なんで日帰りでロシアまで来なきゃいけないんだよ!」

凛「じゃあそこで行うべきは…、欲望の解放だね!」

穂乃果「よ、欲望の解放…?具体的に何を…?」

凛「行けば分かるにゃ!さ、レッツゴー!」

穂乃果「お願いだから行く前に聞かせてくれないかなぁ!?」

真姫「あ、ほら、もう超特急が出発しそうよ。行きましょ」

穂乃果「それは満州行きの鉄道だから!」



夢見町


穂乃果「つ、ついた…。ハードスケジュールにも程があるんじゃ…」

希「だらしないなぁ穂乃果ちゃん。うちなんかまだ全然元気やよ?」

穂乃果「心なしかウエストが…、いや、言うまい…」

凛「ところで…、クスクシエってお店はどこにゃ?」

希「ん?あ、せやなぁ…、どこやったっけ…。長いこと行ってないから忘れてもたわ…」

真姫「なによそれ。ど、どうするのよ。このままじゃ迷子だわ」

希「んー…、誰かに道を聞こうかな…。あ!あそこにいる人に聞いてみよか!あのー、すいませーん!」

>>567「ん?」

海未ちゃん

海未「はい?なんでしょうか」

希「あ、えっと…、クスクシエ、ってお店の場所…、知ってます?」

海未「クスクシエ、ですか…?あぁ、あのお店ですか。知ってますよ」

希「ホント?よろしかったら教えてもらえません?」

海未「えぇ、いいですよ。でしたら一緒にお店までついていきます」

希「いいんですか!?ありがとうございます」

海未「えぇ、構いません」

希「みんなー!この人がクスクシエまで連れてってくれるって!」

海未「…フフフ」ニヤリ



クスクシエ


凛「おー!ここがそのお店かにゃ!?すごい綺麗だにゃ…」

真姫「でも店員さんがいないみたいだわ。どこに行ったのかしら」

穂乃果「すいませーん!誰かいませんかー!?」

海未「…いないみたいですね。どうしたんでしょう」

希「仕方ないから座って待っておこか」


希「うーん…、何してるんかなぁ…」

凛「あ、ところでお姉さんのお名前、聞いてませんでしたよね?なんて名前なんですか?」

海未「私ですか?私は園咲海未と言います。よろしくお願いします」

真姫「園咲…?何やら不穏な名前ね…」

穂乃果「あ、そういえば…、ここで欲望の解放とやらをするんじゃなかったの…?」

凛「え、見知らぬ人の居る前でそういう話する?」

穂乃果「あ、な、なんかごめん…」

海未「なんなんですか…?」

希「いや、こっちの話だから気にしないで…」

真姫「まぁいいじゃない。別に聞かれて恥ずかしい話でもないし」

穂乃果「十分聞かれて恥ずかしい話だと思うけどね…」

希「でもまぁとりあえず気にせず話を進めよか。穂乃果ちゃんは今やりたいこととかあるの?」

穂乃果「やりたいこと…?」

真姫「それが一番わかりやすく欲望につながるしね。ここで盛大にやりたいことをやっちゃえばそれで目的達成よ」

凛「それですぐ終わっちゃえばあとは遊び放題だにゃ!」

穂乃果「お、おぅ…、そう聞いたら早めに終わらせたくなってきた…。よし、じゃあね…、今私のやりたいことは…」

穂乃果「>>570かな!」

とりあえずジュースが飲みたい

穂乃果「とりあえずジュースが飲みたいかな!」

真姫「ラブジュースが飲みたい、ですって…!?」

穂乃果「言ってないよ!」

凛「それくらいなら簡単だね!よし、店員さんが来たらお腹が満腹になるまでジュースを飲もう!」

希「そんなにジュースは飲めないと思うけどね…」

海未「…店員なら、もう来ませんよ…」

希「ハイ?」

海未「なぜなら…、私がもうメダルの塊にしてしまったからです…、フフフ…」

凛「な、何…!?なんかさっきと様子がおかしいにゃ…」

真姫「メダルの塊…!?」

海未「…あなたたちから欲望の匂いを感じたのでついてきてみれば…、フフ、あなたでしたか…」

穂乃果「え、え、えぇ…!?何なに…!?」

海未「ジュースを飲みたい、でしたっけ…?その欲望を、解放したいんでしょう?」スッ

凛「な、何?そのメダル…?」

海未「ならば存分に…、その欲望、解放してください…!」チャリンッ

穂乃果「ほわっ…!?頭にメダルが入った!?」

希「メモリの次はメダルかいな!?」

真姫「い、一体何が…!?」

穂乃果「う、うぅぅ…!!な、何か…、生まれ、るぅ…!!」ズニュニュニュ…

真姫「いけない!穂乃果がお茶の間に出産シーンを垂れ流しちゃってるわ!これはエロい!」

凛「うわぁ大きなお子さんですね…、って言ってる場合じゃないよ!なんかよくわからん生物が穂乃果ちゃんからはみ出してるにゃ!」

クズヤミー「ウゴォォォ…」

希「これは…、ドーパント…?とも違うし…、インベスでもないし…」

海未「フフフ…、これはヤミーです。人の欲望を糧として生まれる怪物…」

海未「そして私は実はこの人間の姿に擬態したグリードだったのです!ドヤァ」

凛「な、なんだってー!?グリードが何かわかんないけどなんかやばそうにゃ!」

海未「園咲海未とは仮の姿…、私の本当の正体、それは…!!」

海未「>>573系メダルのグリードだったのです!!どうです、すごいでしょう!」

甲殻類

海未「私はあの伝説の劇場版でのみ存在が確認された甲殻類系メダルのグリードその人だったのですよ!」

希「仮面ライダーコアの素材となって最終的にはメモリーメモリと共に破壊されたあの!?」

凛「詳しいなオイ」

海未「えぇ…、そのせいで本編では全く姿を出せず…、ついに3年の月日が経ってしまいましたが…」

海未「ひょんなことがきっかけでこの夢見町にて復活することができたのです!うぅ…、やった…!」

真姫「そ、それで…、穂乃果から出たこれはどういうことよ!それに、さっきもここの店員をメダルの塊にしたとかどうとか…」

海未「フフ…、そうです。完全態とまではいかずともこの私には人をメダルに変える能力が携わっているのです!どうです?恐ろしいでしょう!」

凛「さっきから自分スゴイアピールがうざいにゃ…」

海未「そしてこの穂乃果…、あ、よくみると可愛いですねこの子…、おっといけない。この穂乃果から生み出されたヤミーは際限なくジュースを求めます!」

海未「この街ならずとも全世界のジュースというジュースを吸い取ってしまうでしょうね!アハハハハ!!」

希「そ、それはアカン…!一大事や…!!ピザとコーラという黄金コンビが二度と味わえなくなるやなんて…!!」

凛「この期に及んで第一に心配することがそれかよ!」

海未「さぁ行きなさい!ヤミーよ!あ、そういえば人間から生み出されたヤミーはクズヤミーではなくて白ヤミーでしたね、間違ってました」

真姫「誰に向けての訂正よ…」

白ヤミー「ジュゥゥゥスゥゥゥ…」ゴクゴク

希「な、なんや…、この店のドリンクサーバーから直接ジュースを…」

海未「フフ、欲望から生み出されたヤミーはその欲望を満たそうと云々。つまりそういうことです!」

凛「説明めんどくさがるあたりどこぞの海未ちゃんと近しいものを感じるにゃ」

白ヤミー「グォォォォォ…!!」メキメキ…

真姫「な、何…!?身体が変異していくわ!」

海未「フフフ…、…まぁ、察してください。わかるでしょう?」

凛「もはや説明する気ゼロだにゃ」

希「多分成長するってことやな!」

海未「そういうことです!」

白ヤミー「ウ、グググ…」

>>577(甲殻類)ヤミー「ゴアァァァァッ!!」

サエコ(ラッキークローバーの)

サエコヤミー「ふぅ…」

真姫「な、なんかロブスターっぽい見た目になったけど…?」

希「なんか体表白いし…、何の生き物なの?」

海未「え…?わ、私もちょっとわからないです…。怖…」

凛「自分で生み出しておいてわからないってなんだよコイツ」

サエコヤミー「私は…、この世界のジュースを飲み干せばいいのね?海未ちゃん」

海未「え、えぇ…、はい…。お、お願いしま…きゃっ、恥ずかしいです…。初対面の人には緊張してしまいます…」

凛「なんだか敵のくせに可愛く見えてきてしまったにゃ」

サエコヤミー「お酒のほうが好きなんだけど…、いいわ。全部飲み干してあげる…」ダダッ

希「あっ!外に出よったよ!」

真姫「まさか…!」



サエコヤミー「シュゴゴゴゴゴゴ…」

希「うわぁっ!なんかあらゆるところからジュースが湧き出てる!?」

真姫「これは…、ありえないほどの吸引力でジュースを吸い上げているんだわ…!なんか画がキモイ…」

海未「す、すごいです…。さ、さすが私の生み出したヤミーといったところでしょうか!?」

凛「ねぇ海未ちゃん、多分だけど思ってたよりあのヤミーオーバースペックでしょ」

海未「…はい。なんですかアレ。ちょっとヤバすぎですよ…、何とかしてください…」

真姫「急にヘタレたわね…。仕方ないわ。逆にわかりやすくなったものね!」

希「せやね…!ああなったら倒すべきはドーパントだろうとヤミーだろうと変わらへん!」



\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

サエコヤミー「シュゴゴゴ…、ふぅ…、最後の乾杯は終わったかしら?」

Muse「抜かせっ!」「それはこっちの…、セリフよっ!!」

ヒュンッ!!

サエコヤミー「フンッ!!」ガシッ

サエコヤミー「私に歯向かおうなんてバカな女…。死になさい、ここで」

ヒュンッ!!

Muse「おぐふっ…!!」「なかなか、やるわね…!!」


凛「け、結構強いにゃ…!」

海未「が、頑張ってください!ファイトー!!」

凛「…」


Muse「頑張って、ね…」「なら頑張って…、やんよっ!」スッ


>>581!!/

※真姫のメモリ・音楽関係で能力も併せて

フェルマータ

伸びる・曲げる

\フェルマータ!!/\スター!!/ テレレンダダーンデレレレーン


Muse「はぁっ!!」ビョイーン


海未「手が伸びた!?」

凛「…なんか見たことあるにゃ…、あれ…。体も黄色いし…」


バシィッ!!

サエコヤミー「あぐぅっ!!ぐっ…、キサマァ!!」

シュバババ!!


Muse「よっ…、っと!」「当たらないわよ!てりゃぁっ!!」グニャニャンッ


バシバシッ!!


サエコヤミー「ぐ、ぐあぁっ…!!く、く、クォォォォォォッ!!!」メキメキメキッ!!


凛「な、何…!?まだ変身を残してた系!?」

海未「はぁっ!?私も知りませんよあんなの…!?なんですか私より変身回数多いって…」



サエコヤミー(激情態)「ぐ、グガァァァァ…!!」


Muse「な、なんやこれ…!」「原作ファンには喜ばれそうな怒られそうな感じになっちゃったわ…!!」


サエコヤミー(激情態)「ガウゥゥッ!!グゥッ!!」ジュバシュッ


Muse「うぐあぁぁっ!!」「攻撃の早さが…!!段違いに早く…っ!!」


サエコヤミー(激情態)「ガフゥッ!!グアガァァァァッ!!」ズバァンッ!!


Muse「が、ふ、ぐぅっ…!!」「手も、足も出ない…。このままやと…」「やられる…!?」



凛「そんな…!こんなよくわからないところで終わっちゃうのかにゃ!?」

海未「え、私のヤミーで最終回ですか?ちょっと責任重すぎません…?」


サエコヤミー(激情態)「ト・ド・メ…!!」


Muse「くっ…!!」


シュルルルルッ!!ガキンッ!!


サエコヤミー(激情態)「ウグッ!!?」


凛「な、何…!?なにか、飛んできたにゃ…!」

海未「あれは…、タカ…?の形をした…、おもちゃでしょうか…?」



「…ひさしぶりに帰ってきてみれば、大変なことになってるな」

「ちょうどいい、メダルの足しにはなりそうな相手だ。行けるか?」

「あぁ、もちろん!…変身!!」

凛「だ、だれ…!?」

海未「今二人がしゃべっているように聞こえましたが…、一人しかいませんね…」

凛「い、いや…、さっき、聞き間違いじゃなかったら…、あのお兄さんが持ってる赤いメダルから…声が…」


カチャンッ!!カチャチャンッ!!

チャチャチャンッ!!

タカ!トラ!バッタ!!タ・ト・バ!タトバタットッバ!!

「ハァーッ!!」


凛「何今の歌!?」

赤いメダル「歌は気にするな」

海未「本当にメダルが喋った!?」



「せやぁっ!!たぁっ!!!」ズバシュッ


サエコヤミー(激情態)「う、グゥッ…!!」


Muse「す、すごい…」「あのヤミーを圧倒してる…!?」


サエコヤミー(激情態)「オノレ、オノレェェ…!!」


「…とどめだ!」

チャリンチャリン、スキャニングチャージ!!

「セイヤーッ!!」

ズバァンッ!!


サエコヤミー(激情態)「ぐ、ギアアアァァァァ!!!」

ボカァァァンッ!!


Muse「すごい…、倒してもた…」「なんて強さなの…!」


「ふぅ、終わった…」


凛「す、すごいにゃ!カッコイイ!」

海未「おぉっ!!やりました!!ヒューヒュー!!」


赤いメダル「…おい、映司。そこの青いの、グリードだ。潰せ」

海未「え」

「わかった」

プテラ!トリケラ!ティラノ!プットティラーノザウルース


海未「え、いやちょっと…、ちょ…、ま、待ってくださいよ…、私悪いグリードじゃ…」

凛「人間をメダルに変えたくせによく言うにゃ」

海未「いやあれは実はウソ…」


プットッティラーノヒッサーツ!!

「セイヤーッ!!」ズバァンッ!!

赤いメダル「フゥ…、まだ体を維持できるほどのメダルはない、か…」

「仕方ないよ、生き返ってから日も浅いし。でも、きっといつかの明日…」

赤いメダル「フンッ、それはもう聞き飽きた。行くぞ、次の場所へ」

「はいはい…。あーあ、知世子さんは実家に帰ったって言うし、クスクシエで一休みもできない、か…」



凛「なんか海未ちゃんを盛大にぶった切って颯爽とどっかに行っちゃったにゃ…」

希「しかし…、すごい強さやったね…」

真姫「何者だったのかしら。名前すら聞けなかったわね」

穂乃果「…あれ?みんな…、どうしたの…?」

凛「あ、穂乃果ちゃん忘れてたにゃ。なんかスッキリした顔してるし」

穂乃果「うん!すっごいいっぱいジュース飲んだ気分だよ!ふふんっ♪」

真姫「あのヤミーって奴が飲んだ分穂乃果の欲望も満たされた、ってことかしら」

希「結構な量飲んでたしね。んじゃ、これで今回の目標も達成、かな」

穂乃果「おお!欲望の解放は達成ですか!よっしゃ!」

真姫「さて、じゃあ次は…」

穂乃果「えっ!?も、もう行くの!?ちょっとくらい休ませて…」

凛「何言ってるにゃ!もう夜なんだよ!早く行かないと!」

穂乃果「えぇっ!?さっきまでお昼だったじゃん!?」

希「時間が過ぎるのは早いからね」

穂乃果「は、早すぎやしませんか…?」

真姫「さぁ私たちも行くわよ!次の場所へ!!」




その日から私たちは、世界のあらゆる街を、日々転々とした。

しかし、滞在する期間が1日と限られていれば、休める暇もなく。

ついに、穂乃果の体力は、限界に達した…。



どこか


穂乃果「も、もう、ムリ…。一歩も、進めないよ…!」

真姫「歩きなさい!もう次の街は目の前なのよ!」

希「せやよ!穂乃果ちゃん…、このままやと…!」

穂乃果「うん、もう、いいんだ…。私…、もう、疲れたよ…」

凛「だ、ダメにゃ…!もう数秒で…、明日になるにゃ…!!」

真姫「そ、そんな…!!穂乃果ぁっ!!」

穂乃果「楽しかった…。今まで…、希ちゃんや、凛ちゃんや、真姫ちゃんと、一緒に…」

穂乃果「旅行、できて…、とっても…、楽し、かった…」

希「また、や…!うちは…、どれだけの大事な人を、亡くせば…!!」

穂乃果「また…、一緒に…、ね…、真姫、ちゃ…」



真姫「穂乃果ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

東條西木野☆探偵事務所内



真姫「ほのかぁぁぁ…、…あ?」

真姫「はぇ…?」

真姫「あれ…、ここは…」


希「どったん真姫ちゃん…?えらいうなされてたけど…」

凛「変な夢でも見てたのかにゃ?」


真姫「…」

真姫「…あぁ、夢…」

真姫「道理で時間が早く過ぎてると思ったわ…、はぁ…」


希「それにしても…、旅行かぁ…。行きたいなぁ…」

凛「うん…、行きたいにゃぁ…」


真姫「…いや、旅行はもう…、懲り懲りよ…」

希「へ?」

凛「にゃ?」


ガチャンッチリンチリーン


凛「んにゃっ!お、久しぶりの依頼人さんですかにゃ!?」

希「はい、どうぞこちらのお席へ座ってお話ください!」


真姫「…ふふ、やっぱり私は、こっちのほうが落ち着くわね」



凛「…せーのっ」

希・凛・真姫「「「東條西木野☆探偵事務所にようこそ!!」」」




第10話「Tは突然に / トラベルはトラブルつづき」

おわり

真姫「第10話、お届けしたわ!どうだった!?」

希「えらく久しぶりのシュールギャグやった気がするわ…」

凛「全てが不条理でしかなかったにゃ…」

真姫「いやぁ、やっぱりこっちのほうがやってて楽しいわね。シリアスなんて誰得って話よ」

凛「それを楽しんでくれないとここまでのお話ほとんど無駄になっちゃうにゃ…」

希「次回もどシリアスな予定やしね」

真姫「今回のメモリ、どう考えても戦闘の方面に持っていける気がしなかったからこんな感じになっちゃったわ」

凛「またいつかこんなノリのを挟めるといいね!」

希「また夢オチになる可能性大やけどね」

真姫「さて次回…、予告しておくと…」

希「…えりちのお話、やね」

凛「お、おぉ…、ついに…」

真姫「原作に比べて絵里のことはほとんど掘り下げてないからこんなところでやっちゃっていいのか悩むけど…仕方ないわよね」

希「このままやと下手すると完結まで3スレ使いかねないしね。なるべく2スレまでで抑えておきたいよね」

凛「リアルも忙しくなってきちゃったから進行具合も遅くなっちゃうにゃ。当分一話に二日かけることになる気がするにゃ」

真姫「最終回がいつになるやら…、でも見てくれる人が一人でもいるなら絶対に最後まで完結させてみせるわ!」

凛「どうしてもやめざるを得なくなったらちゃんとなにかしら言ってからにするにゃ。無言で消えたりはしないよ!」

希「じゃ、最後はメモリ安価で締めやね」

真姫「それなんだけど少し注文があるわ。…思い描いてるストーリーとしては今回のメモリ…」

真姫「なるべくエグイのにして欲しいの!その…、人をアレするのに特化してる感じの…」

凛「そんなん決めちゃったら安価の意味ないにゃ…」

真姫「で、でもしょうがないじゃない…。シリアス回はほとんど安価使えなくなっちゃうし…」

希「ちゃんと筋の通った話にしようとすると安価の使いどころが難しいんよね」

凛「何のための安価SSなんだにゃ…」

真姫「それはほら、今回みたいな変な感じの…」

凛「変って言っちゃってるし…。でもなるべく安価も使いたいから努力するにゃ」

希「それじゃあ今日はここまでやね!安価に付き合ってくれたたくさんの人たち、おおきにね!」

真姫「それじゃあまた次回!バーイ!」

凛「これで決まりにゃ!」



次回のメモリ
次回はえりちのメモリがサブタイトルになると思うんで頭文字はなんでもいいです(Dでも可)
>>589

ボマー

えりち回と言ったな あれは嘘だ
…というか原作見返してたらナスカ回の前にファング回あったんやな…
というわけでその前にファング回に当たるなにかをします まだ話考えてないんで今日できるかは未定ですが
えりち回で使用するメモリはボマーにしときます 若干クイーンビーと被るがまぁいいや ついでにボムメモリとも被るけどこれもいいだろう
で、その前にファング回にあたる回、つまり次回のメモリ安価をしておきます 今度も頭文字はなんでもいいよ
今日中に思いついたら触りくらいはやるかも 


次回のメモリ
>>596

A
アルケオプテリクス(始祖鳥)

こんな時間だけど体力の続く限り書いていきます まず間違いなく途中で中断するが
安価も使っていくかもしれないんでよろしくね

???


あんじゅ「…」

ツバサ「…あれ?あんじゅ、今日はお仕事の日でしょ?こんなにゆっくりしてて平気なの?」

あんじゅ「…ツバサちゃん。うん、まだ時間あるから平気。少し考え事してて…」

ツバサ「そう。あんじゅは昔から考えすぎる癖があるから、時間を忘れないように気をつけなさいよね?」

あんじゅ「…うん、ありがとう」



あんじゅ(…私が考えていたこと。それは…)


(あんじゅ「髪の毛…、変になってる…。ドロドロに溶けてるみたい…」)

(希「おわっ!ホンマやね…、あぁ、さっきの…」)


あんじゅ(…希ちゃんが…、UTXに仇なす敵、Museであること…)

あんじゅ(決定的な証拠、とまではいかなくても…、あれは間違いなく…、アグリネスの能力で溶けた痕…)

あんじゅ(直前にMuseにも同じ場所に疵を与えたことから…、ほぼ確定と言える…)

あんじゅ(どうして…、希ちゃんが…。初めて…、こんなに長く続いた一目惚れだったのに…)

あんじゅ(希ちゃんとはずっとずっと友達でいたい…。でも…、Museならいずれは敵対する運命…)

あんじゅ(どう、したら…。もしMuseが希ちゃんだってツバサちゃんや英玲奈に知れたら…、きっと殺される…)

あんじゅ(そんなの…、嫌…!希ちゃんを、何とかして助けないと…!)

あんじゅ「…」

あんじゅ「…そ、そうだわ…!」

あんじゅ(二人に希ちゃんがMuseだと知れる前に…、ドライバーを回収すれば…!!)

あんじゅ(そうすれば希ちゃんはMuseでなくなる…!二人から狙われる理由もない…!)

あんじゅ(Museの力を失った希ちゃんと、ずっと友達でいられるわ!)

あんじゅ(そうと決まれば即日実行…!あの子に電話を…!)

あんじゅ「…」ピポパ


プルルルルルル…ガチャッ


あんじゅ「…あ、私。頼みたいことがあるのだけれど…」

絵里「…」


(希「お前が誰かに夢を与えてると同時に…、それが誰かの夢を奪ってるってことにも…、お前は気づかへんのかぁっ!!!」)


絵里「…誰かの夢を、奪ってる、か…」

絵里「ずっと…、わかってたことかも知れないわね。それでも…、目を背けてきた事実…」

絵里「だって…、あの子の言う『夢を叶える仕事』って…、これくらいしか見つからなかったんだもの…」

絵里「力のない者に力を与える…、その命がそれで尽きようとも…、無駄で終わらせたりはしない…」

絵里「夢を叶えられずに…、無駄に散っていく命だって…、数え切れないほど、あるのだから…」

絵里(…ちょうど、あの子のように…)


英玲奈「…絵里?どうしたの?」


絵里「わっ!え、英玲奈…?びっくりしたじゃない…、後ろから話しかけるなんて…」

英玲奈「あぁ、すまない。気づいていないとは思わなくて。…それより、やっぱり悩み事?」

絵里「え…?」

英玲奈「暗い顔をしてる。そんな顔は私一人で十分よ。…なにか、抱え込んでるものがあるなら、私に相談して欲しい」

英玲奈「少しでも、あなたの拠り所になりたい」

絵里「え、英玲奈…」

英玲奈「…フフ、なんて、柄じゃなかったかな。でも、相談して欲しいのは本当。暗い顔を見るのは好きじゃないから」

英玲奈「私は笑ってる人の顔が好き。絵里も、そうでしょ?」

絵里「あ…」

絵里(笑ってる、顔…。そう、ね…。私は…、メモリを売った人の、喜んでる表情が好きだった…)

絵里(夢を叶えられる、って希望を持った表情が…、私の心の拠り所になってた…)

絵里(…きっと、この人も私と同じ…。この人なら…、信頼、できるかも…)

絵里「あ…、う…」

英玲奈「…絵里?」

絵里(…でも、探偵さんにMuseのことは話さない、って約束はしちゃったし…、説明が難しいわ…)

絵里(やっぱり…、この話は英玲奈にはできない…)

絵里(…でも、あのことなら)

絵里「…実は…、街で興味深い人を見たの」

英玲奈「興味深い…、人?面白い表現ね。どういうこと?」

絵里「…あのね…」




英玲奈「…へぇ、それは…」

絵里「信じられないかもしれないけど…、本当なの。確かに、見たのよ…」

英玲奈「…」

英玲奈「…いえ、信じるわ。少し、私もその人のこと探ってみる」

絵里「…そう」

英玲奈「情報ありがとう。…また、悩み事があるならなんでも言ってね?できる限り、相談に乗りたい」

絵里「…えぇ、ありがとう」


英玲奈「…西木野、真姫…、ね」

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…」


真姫「やっほぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉいっ!!」

凛「う、うるせぇにゃー…」

希「喜ぶのもわかるけどもうちょっと静かにお願い…」

真姫「はぁっ!?これが静かになんてできるものですか!なんてったって今日は…!!」

真姫「…優木あんじゅのトークライブイベントの開催日!!」

真姫「大人気のイベントかつ、定員数百人の少数でチケットは即日売り切れ、どころか数秒で完売の超激レア…!」

真姫「それを運命的にも手に入れることができたっていうのに!それを静かに喜べと!?不可能だわ!」

凛「ゲットできた日から毎日のように聞いてるにゃ…」

希「それほど嬉しいんやろうね…」

真姫「しかも今回は運がよければ直接あんじゅと話すことができるかもしれないのよ!」

真姫「チケットの整理番号を抽選して一人だけに3分間、あんじゅとの直接対話が許される権利がもらえるの!」

真姫「握手だってできる!サインだってもらえる!もしかしたらポッキーゲームだって出来ちゃうかも!」

凛(…希ちゃんは全部楽勝で手に入る権利だって真姫ちゃんが知ったらどんな顔するんだろうなぁ…)

希(…うちに至ってはポッキーゲームならぬマカロンゲームをした上に唇まで付いちゃったねんけど…)

希「でも、数百人のうちの一人やろ?…無理やん絶対」

真姫「最初から諦めてたら叶う夢も叶わないっての!叶って当然な顔してれば叶うもんなのよ!」

凛「そ、そんなものなんだ…」

真姫「そんなものなのよ!…あ!もうこんな時間だわ!早く行かないとグッズが売り切れちゃう!それじゃ行ってくるわね!」ドヒューン


凛「行っちゃったにゃ…」

希「…今日だけはなるべく変身を控えてあげよう…」

凛「そうだね…」

希「ま、依頼さえ来なければ何の心配も…」


ガチャッ チリンチリーン


希「…来たし」

凛「ま、まだ依頼と決まったわけじゃ…!」


>>602「あのー…、頼みたいことがあってきたんですが…」


凛「…決まってたにゃ」

希「…まぁ、うん…。なんとかなるやろ…」

ダディ

( 0M0)「タナビタイコドガアッデキダ」

希「えっ?」

凛「えっ?」

( 0M0)「ダカラ、タナビティコトガアテキタ」

希「はっ?」

凛「はっ?」

(#0M0)「ダァビダイゴトガッテギタイッデダロ!!」

希「へ?」

凛「へ?」

(#0M0)「ヒドォオチョグテルトヴットバスゾ!!!」

希「ほぇ?」

凛「ほぇ?」

( 0M0)「…」



橘「…頼みたいことがあってきたんだ」

希「あ、やっと聞き取れた…」

凛「ここではリントの言葉で喋れと言いそうになったにゃ…」

橘「すまない、テンションが上がると滑舌が悪くなると同僚からもよく言われているんだが…」

凛「その同僚の人も大変そうだにゃ…」

希「…えっと、それで、頼みたいこと、とは?」

橘「…人探しだ」

希「人探し…」

凛(よかったね、希ちゃん。どうやらMuseの力は使わずに済みそうだよ)

希(うん、真姫ちゃんの邪魔をせんでもよさそうやね)

橘「…いや、人探しというのは少し違うか…」

希「え?」

橘「正確には、鳥人間探し、だな」

希「」

凛「」

橘「…ここ数日同僚が鳥のような見た目の化物に襲われることが増えている。捕まえてどうにかしてほしい」

希「…えっと…、どうしてそれをうちに?警察へ通報は…?」

橘「…」

橘「…いや、していない。信用されないと思ってな」

希「はぁ…」

凛「えと…、ちなみに同僚、って言われましたけど…、どこにお勤めに?」

橘「…俺が勤めている会社は>>604というところだ」

希「あぁ…、たしか主に>>605をしてる会社やね」

素晴らしき青空の会

猿がシンバル叩くおもちゃを作りすぎて過剰在庫に悩まされてる

橘「俺が勤めている会社は素晴らしき青空の会、というところだ」

凛「え…、怪しい宗教団体かなにか?」

橘「またの名をBlue sky Of Air RiDer…、略してBOARDだ」

希「滅茶苦茶な名前やね…」

橘「で、何をしている会社かというと…」

希「あぁ…、猿がシンバルを叩くおもちゃを作りすぎて過剰在庫に悩まされてるところやろ…、知ってる」

(#0M0)「ゲゲゲー!!」

凛「うわぁびっくりした…。いきなり叫ばないで欲しいにゃ…」

橘「…すまん。事実だかそういう言われ方をするとどうしてもな…」

希「何をどうしたらそんなおもちゃを作りすぎるんや…。ま、まぁこの話は今はいいとしよう…」

希「同僚が鳥人間に襲われる理由とか…、犯行の動機について心当たりは?」

橘「…いや、全くこれといった覚えはない。うちは零細に零細を重ねたような極細の企業だからな…。他社に恨まれることもないと思う」

凛「社員さんが待遇の悪さにキレて襲った、とかは?」

橘「いや、それほど待遇は悪いつもりは…。だとしても…、全く関係のないヒラの社員を襲う理由が俺にはわからない…」

希「せやねぇ…」

橘「ぐっ…、あの鳥人間のせいで…、ケンジャキも、ムッキーも…、そして…、ザヨゴ…!!」

( 0M0)「ザヨゴォォォォォォォォォ!!!!」

凛「あー、うっさい…」

希「そのザヨゴさんっていうのは…?」

橘「…片思いの相手だ。鳥人間に襲撃され入院している。…当分は、営業にも出られないだろう…」

希「あー…、そりゃ大変やろうねぇ…。在庫が余ってるのにそれじゃあ…」

橘「だからどうか頼む!こんなことをされる謂れはない!どうか鳥人間をとっ捕まえて在庫を全部買わせてやれないか!?」

凛「それは多分無理だと思うにゃ…」

希「まぁでも…、捕まえるのは努力します…」

橘「ありがとう!恩に着る…!」

希「じゃあとりあえず…、その素晴らしき青空の会とやらに行ってみよか」

凛「おっけー!行くにゃー!」



希「…ん?」

橘「どうした…?」

希「あ、いや、なんでも…」

希(…橘さんの腰に…、黒い羽根…?)

希(アクセサリやろか…。でも、鳥人間に襲われた、って後に普通そんなもん付ける…?)

凛「どうしたにゃー?早く行くにゃー」

希「…ん、あ、あぁ…。せやね、行こか…」

橘「…」

あんじゅトークライブ会場


真姫「うわ、人多っ…。ムサいおっさんだらけだし…」

真姫「あ、でも女の子もちょくちょくいるわね。よかった、やっぱりあんじゅの人気は世代性別を問わないのね」

真姫「…っと、そんなこと言ってる場合じゃないわ!早くお目当てのグッズを手に入れないと…!」

真姫「…あ?」


「…」


真姫「な、なにあれ…。顔面包帯真姫の…、女?かしら…」

真姫「あれもあんじゅのファン…?おかしなのもいたものね…」

真姫「あ、もう見えなくなっちゃった…。何だったのかしら、アレ…」




素晴らしき青空の会


凛「うわぁ…、これが…、うわぁ…」

希「反応が生々しいよ凛ちゃん。いくら小さいからって…」

(#0M0)「フジャゲンナ!!」

希「うわぁごめんなさい…」

凛「急に叫びだすのどうにかならないかなぁ…」

橘「…すまない。癖でな」

希「えっと…、それじゃあ早速社員の方に話を…」

橘「は?話ならさっきしただろう」

希「え?だから他の社員に…」

橘「他の社員は全て入院しているが…」

希「先言ってよ!…え、ってことは…、あなた社長さん…?」

橘「社長は襲われたくないからって家でランニングマシーンの上で走り続けている頃だろうな」

凛「もう潰れるべきだよねここ」

橘「確かにもう限界が近いとは思うが…、ぐ…、それでも俺はこの会社が…!」

希「思い入れがあるんやね…」

橘「まぁ、な。だからなんとしてもここは俺が守って…!」


\アルケオプテリクス!!/


希「…え?」



「キョェェェェェ!!!」



橘「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ出たァァァァァァァァァ!!!!」

凛「橘さんが驚き過ぎて変な顔になってる!」

希「い、いきなりドーパントのお出ましか…!くっ…」

希(…まだトークライブは始まってないにしろ…、せっかくの真姫ちゃんの楽しみを邪魔するわけには…!!ここは…!!)

希「久々にガジェットの出番や!>>609(小動物・虫など)メモリを>>610型のガジェットにセット!」

ネザーランドドワーフ

ゴキブリ

希「ネザーランドドワーフメモリをCBR1000RR(の模型)型のガジェットにセット!!」\ネザーランドドワーフ/

凛「何もかもが長くて何言ってるのか意味わからんにゃ…。ネザーランドドワーフって何…?」

希「こんな感じのやつ」 <ピョンピョコピョンピョン

凛「か、かわいい!うさぎかにゃ?」

希「せやよ。本物はむにゅっとした丸みを帯びたぼでーにふわふわの毛並みで…」

凛「あ、橘さんやられたにゃ」

希「え」


アルケオプテリクス・D「クェェェェェェ!!」 シュババババ!!

橘「グオオオオオオオッ!!」


凛「説明に時間を取りすぎて橘さんのこと放置しすぎたにゃ」

希「ご、ごめん…。入院費は依頼代から差し引いとくから…」


アルケオプテリクス・D「クアァアアアアァァァァ!!!」


希「ぐっ…!今度はこっちを襲ってきた…!!行けっ!ネザーランドドワーフ1000RR!!」

凛「ガジェット名にセンスの欠片もないにゃ…」


<ピョンピョンッ


アルケオプテリクス・D「クエアァァッ!!」バキッ


<ピョエーッ


凛「一瞬でやられたにゃ…」

希「ぐ…、やっぱりうさぎじゃ鳥には勝てないか…」

凛「なんでそれ選んだの…」


アルケオプテリクス・D「クアアアアアァァッ!」バッサバッサ


凛「あ!逃げる!」

希「逃がすか!追うんや!」


<ピョンピョン!! カシャンカションシャキーン


凛「おお!足の部分だけ二輪になったにゃ!」

希「こいつは追跡能力が他のガジェットより秀でてるからね!公道も高いところも楽勝や!さ、追っかけろ!」


<ピョンピョン!! シャカー


凛「おぉ、速いにゃ!」

希「さて、こっちも追いかけるか…」ポピポ

希「久しぶりの登場や!リボルマキー!!」


ドルルルルル…、キキーッ!!


希「マッキーボイルダーに乗って追いかけるよ!凛ちゃんは橘さんのこと頼むね!」

凛「了解にゃ!」

ブロロロロロ…



凛「行っちゃったにゃ。ちゃんと追いつければいいけど…」

橘「…」スクッ

凛「あ、橘さん。立っても平気?怪我とか大丈…」

橘「…」

凛「橘、さん…?」

橘「…」スッ…


ガンッ!!


凛「あ、がっ…!?な、なん、で…?ぐぅ…」ガクッ

凛「…」

橘「…」ダキッ

橘「…」スタスタ…




???


ツバサ「…チェック」

「…あら、これは…」

ツバサ「…メイト、かしら?」

「…みたいね。はぁ、また負けてしまったわ」

ツバサ「ふふ、まだ全然本気も出してないくせによく言うわね」

「そんなことないわよ。結構本気だったんだから」

ツバサ「本当…?ま、いいけど…。じゃあ次、何やる?」

「はぁ…、もう暇つぶしにも飽きちゃった…。なにか…、他に楽しいこと、ないかしら…」

ツバサ「…楽しいこと…。あ、そうだ…。英玲奈から聞いた情報なんだけど…」

「…?」

ツバサ「…赤い髪でつり目の、西木野真姫、って名乗る少女がいたそうよ」

「…ニシキノ、マキ…」

ツバサ「んふ…。ねぇ、どう思う?」

「…どう思う、ね…。別に…、どうも思わないけど」

ツバサ「…そう?」

「…ただ…、そうね。やっと…、やっと、外でものうのうと暮らしていけるようになったんだ、って思ったわ」

「…UTXから逃げ出した…、『器』風情が…、ね」

今日はここまでです
思いのほか安価使えて良かったよ そして設定もちょこちょこ小出しにできてなんか乗ってきた
ワクワクしてくれたら幸いです それじゃあまた次回 ほなな!

今618ってことはことり出てくる頃にはもう700超えちゃうんだよね… 下手すると800くらいいってるかも
ホントに2スレで終わるか不安になってきた まあなるようになるだろ 始めていきますよ

アルケオプテリクス・D「クェェェェ!!」バッサバッサ


希「ぬおぉぉぉぉぉ!!!どこまで逃げよるんやあの鳥公ー!!」<ピョンピョン!!


アルケオプテリクス・D「クェェェェェ!!」バッサバッサ


希「いい加減諦めて降りてこんかいやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」



一方その頃…

あんじゅトークライブ会場


真姫「…」ドキドキ

真姫「そ、そろそろ開演だわ…!欲しいグッズも手に入ったし…、近くで生あんじゅも体験できる…!」

真姫「これで一対一で話せることができたら…!!きゃーっ!想像しただけで…、胸の鼓動が…!!」


ヴィー…


真姫「…来た!」


ざわ…
       ざわめ…



真姫「…」ドキドキ



あんじゅ「…みんなー!!今日は私のトークライブに集まってくれて、どうもありがとーっ!!」



ウォォォォォォォォォォォォォ!!!!!

真姫「きゃーっ!!あんじゅーっ!あんじゅーっ!!かわいいいいいいっ!!!」



あんじゅ「わー、みんな元気ー!みんなの声援で私もたくさんの元気、もらっちゃいました!」

あんじゅ「えー…、それで、今日はトークライブ、ってことでー…、お歌は残念だけど披露できないんですがぁ…」

エー…

あんじゅ「あはは…、ワンコーラスくらいなら歌っちゃうかもですけど…」

オー!!

あんじゅ「か、かもだからね!未定だからね!あははは…、あ、でー、トークライブ、ってことなんで、お歌の代わりにみんなとお喋りしていきたいんですけど…」

あんじゅ「でもでもぉ~、あんじゅ一人じゃ寂しいなー…、ってことで!トークの相方としてスペシャルゲストを用意しました!」


オー!!?


あんじゅ「私のお友達の…、>>621(女子)ちゃんです!どぞ!」

若菜

あんじゅ「なんと!あの若菜姫こと、園咲若菜ちゃんにゲストとして来てもらっちゃいました!はくしゅー!」


ウォォォォォォォォォォ!!!


真姫「そ、園咲若菜って…!あの…!?す、すごい…!こんな小規模なイベントに有名アイドル連れてきちゃうなんて…!」


若菜「どうもー!園咲若菜です!今日も130%の元気でみんなを癒してあげちゃいます!」


ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!


あんじゅ「今日は私のためだけに若菜ちゃんに音都まで来てもらっちゃって…、ごめんね?なんか、ごめんね?」

若菜「うぅん、うぅん!あんじゅちゃんのためだったらいつだって駆けつけるって!」

あんじゅ「え、そう?だったら今度から毎回ライブの時は呼んじゃおうかしら?」

若菜「え、いいよ!全然オッケー!」

あんじゅ「…裏方として」

若菜「ゲストじゃないのかよ…、チッ」

あんじゅ「え、舌打ち?」

若菜「あ、いやいや今のは…、って漫才師じゃないんだから!」

あんじゅ「あはは、お決まりの流れでノルマは達成したところで…、今日は若菜ちゃんと一緒に、あんじゅの色んなこと、お話していっちゃおうかな、って思ってます!」

あんじゅ「みんなー!あんじゅについてきてくれるー!?」



オォォォォォォォォォ!!

真姫「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!あんじゅーっ!!きゃーっ!!きゃーっ!!!」



あんじゅ「あーりがとーっ!!それじゃまず最初のお題はー…」



一方その頃…


アルケオプテリクス・D「クェェェェ!!!」バッサバッサ


希「おいっ!!はよ降りて来いっつうの!!」


アルケオプテリクス・D「クェェェェ!!!」


ガソスタ店員「ア、レッギャーアンタンハイリヤシター、アーゼンオヒャッエンナリヤース」

希「あ、はい、じゃあ5000円からで…」

ガソスタ店員「ウィース、ゴセーハイリヤーッス」


アルケオプテリクス・D「クェェェェェ!!!」


希「なんでガス欠なったからって上空で待機してんねん!めっちゃナメプされてるやんムカつくわー!!」

ガソスタ店員「オツィーゼーオヒャッエンナリヤース、アリヤッシター」

希「あ、はい、どうも…」


アルケオプテリクス・D「クェェェェ!!!」バッサバッサ


希「あ、この…!ちょうど給油終わったタイミングで逃げ出しよって…!!鬼ごっこやってんとちゃうぞコラァッ!!」

あんじゅトークライブ会場


あんじゅ「…えーと、じゃあこの中で、この前のライブに来てくれたよー、って人…、どのくらいいる?」


ハイハイハイハイ…

真姫「え…、あ!はいはいはい!コワセールモーノサー」←行けてないけどとりあえず手を挙げておきたい派



若菜「わー、こんなにー、すごぉい…。あんじゅちゃんやっぱり大人気なんだねー…、私なんてまだまだ…」

あんじゅ「えー、そんな若菜ちゃんには全然敵わないって!あ、でもみんなの愛情はきっと世界中のどんな人に向けられるものより大きいって信じてるからね!」


オォォォォォォォォォ!!


あんじゅ「あははー!ありがとねーっ!!」


あんじゅ(…なんて、別に暑苦しいオッサンの愛情なんていらないんだけど…)

あんじゅ(でもでもー…、同年代の可愛い女の子の愛情なら一人でも多くの子から貰いたいなー、なんて…)

あんじゅ(んふふふ…、今日はどんな美味しそうな女の子が来てくれてるのかしら…。ふんふん…、なかなか上玉揃いじゃない…)

あんじゅ(お、あそこのあの子結構タイプ…、あの子にしようかな…。でもその向こうの青い服の子も…)

あんじゅ(…ん?)



真姫「きゃーっ!あんじゅー!!愛してるーっ!!ばんざーいっ!!」



あんじゅ「…え?」スルッ…

ガコンッ…


若菜「…あんじゅちゃん?ど、どうしたの?急にマイク落として…」


あんじゅ「ぁ…」

若菜「…あんじゅちゃん?」

あんじゅ「…あ!あぁ、いえ…、何でもないわ…、えぇ、なんでも…」

若菜「そう…?」


あんじゅ(…ウソ。何かの見間違い…?でも、でも、あれは間違いなく…)

あんじゅ(さっきの子…、絶対…)

あんじゅ(で、でも…、なんで…?訳がわからない…)

あんじゅ(…いや、いいわ。あれこれ考えるより…)

あんじゅ(今日の一対一トークは…、あの子に決まりね…!)



一方その頃…

廃工場


アルケオプテリクス・D「クェェェ…」バッサバッサ


希「はぁっ…、やっと追い詰めたよ…!このクソ鳥がぁ…!!」

アルケオプテリクス・D「…追い詰めた?ノンノン、違いまぁす…」チュピィィンン

ことり「…あなたが私に連れられただけ、なんだから」

希「…女…!?」

ことり「ん?別に珍しいことでもないでしょ?」

希「うん…、まぁ…」

ことり「えへへー、私、あなたと一度話してみたかったんだー。あなた、Museなんでしょ?」

希「…なんでそれを」

ことり「んー、ある人から聞いたの!それでぇ…、あなたをこの廃工場まで連れ込んで…」

ことり「…少しの間動けなくしておいて、って頼まれちゃって」

希「なん、やて…」

ことり「んふふ…、そ・れ・にぃ…、私も少しあなたに興味があってぇ…」

ことり「Museの力…、どれだけのものか試してみたいんだよねぇ…。どうやら見た目も可愛いって聞くし…。だから、ね?早く変身してよぉ~」

希「…それはちょっと…、事情があってね…」

ことり「ふぅん…、なんの事情か知らないけど…、変身しないって言うんだったら…」\アルケオプテリクス!!/


アルケオプテリクス・D「…ことりのおやつにするけど…、いいの?」


希「…ぐっ!」\ケツァルコアトルス/\ラット/\ネザーランドドワーフ/

希「行けっ!ガジェットたち!!」


アルケオプテリクス・D「無駄なんです…!クェェェェェッ!!」シュバババババッ!!

<グエー <ワンチュー <ピョンピョコー


希「おぉう…、一撃かよ…」

アルケオプテリクス・D「伊達に力比べしたがってないんだからね?ねぇ、早く変身してってばぁ~」

希「…くっ、仕方ないな…!」スチャッ

希(…真姫ちゃん、聞こえる…!?)



あんじゅトークライブ会場


真姫「…おわっ!な、なんでドライバーが…」

希『真姫ちゃん、聞こえる…?』

真姫(…希。もしかして…、今ピンチ?)

希『まぁ…、そんな感じや。変身しないとこっちがやられるかも…』

真姫(…そう)


あんじゅ「えーっと、それじゃあここで一旦休憩でーす!あ、若菜ちゃんはこれからお仕事でいなくなっちゃいます、ごめんなさーい」

若菜「はい!えーっと…、二日連続、音都でのヒーリング・プリンセス公開録音やってるんで、みなさんも明日はぜひ…」

あんじゅ「えーっ!私のためだけに音都に来たんじゃなかったってことー!」

若菜「あっはは、そりゃそうだよー!っていうか知ってたでしょー?」

あんじゅ「うん、知ってました♪でもひどいよー。うん、だけど気にしない!じゃ、休憩入ります!トイレは混雑が予想されますから…」


真姫(…ちょうど休憩入った。今なら問題ないわ。でも…、なるべく早く済ませてよね)

希『…了解や!!』\スター!!/

真姫「…ふぅ、こんなところでも、ね…。探偵は忙しくてならないわ」\クレッシェンド!!/


希・真姫「「変身っ!!」」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!」」


アルケオプテリクス・D「きゃっ!かっこいい!ね、今のもう一回!おねがぁい!」

Muse「え…」「あ、決め台詞…?」

アルケオプテリクス・D「うん!さぁ、お前の罪を数えろ!っての!ね、ね!」

Muse「もう…、仕方ないなぁ…」「一回だけだからね?」

Muse「んんっ…」「行くで…、せーのっ…」

Muse「「さぁ、お前の罪を…」」


アルケオプテリクス・D「隙有りちゅんっ!!クェェェェッ!!」


シュババババッ!!


Muse「ぐふぁぁぁぁっ!!」「んなっ…!!」

アルケオプテリクス・D「あっはっはっは!!ざまぁwwwwwwwwww」

Muse「このクソ鳥がァ…!!」「卑怯者!恥ずかしいとは思わないの!?」

アルケオプテリクス・D「卑怯もらっきょうも生地がパリパリのクレープも大好物ちゅんっ!てやぁっ!」


ヒュンッ!!


Muse「のわぁっ!!」「結構素早い…!」

アルケオプテリクス・D「え?wwwwwwwwwwwwwwその程度?wwwwwwwwwwwwwwwwよっわwwwwwwwwwwwwwwww」

Muse「…っ!!」「ブッ殺…!!」


\マジシャン!!/


\クレッシェンド!!/\マジシャン!!/ デレレーンデレレテレテンテーン


Muse「撃ち落としてやるわよぉぉぉぉぉっ!!!!!」「このクソ鳥がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


ババババババババババババッ!!!


アルケオプテリクス・D「うわわっ…、危ないって!死んじゃうちゅん!」

Muse「元より…!」「そのつもりやぁぁっ!!!」


ババババババババババババッ!!


アルケオプテリクス・D「ひやぁっ!ほわぁっ!!よっ、とっ…!」


Muse「ちょこまかと器用に避けるわね…!」「だったらこれやっ!!」


\アレグリッシモ!!/\ハングドマン!!/ デレレンレレーンチャラリララー


Muse「こいつでどうやっ!!」


シュルルルルッ!!

アルケオプテリクス・D「な、何この…、釣竿!?よっ!!」


Muse「逃げるなぁっ!!」「とっとと捕まれっ!!」


アルケオプテリクス・D「捕まれ言われて捕まる鳥はいませんよー、だ!えへへー!」

シュルルルル!!

アルケオプテリクス・D「へへんっ!無駄無駄ー!どれだけ追いかけたところで逃げちゃうんだから!」


Muse「フフ…」「それはどうかしら…?」


アルケオプテリクス・D「…えっ?う、うわぁっ!!」

ガバッ!!

アルケオプテリクス・D「あ、網っ…!?いつの間に…!動けないぃ…!」


Muse「ふふふ…、ただ無鉄砲に追い掛け回してただけ違うよ!」「同時に釣り糸で網を織っていた事に気付かなかったようね!」


アルケオプテリクス・D「うぅ…、無駄に器用ちゅん…」

Muse「さて…、もう動けないでしょうし…!」「メモリブレイクや!」

アルケオプテリクス・D「おっとタイム!」

Muse「は…?」「何?命乞いでもする気…?」

アルケオプテリクス・D「うぅん!悔しいけど私の負け…。実力じゃ敵わなかったよ…」

アルケオプテリクス・D「でもぉ…、手段さえ選ばなければ勝つのなんて簡単なんだけど!」

Muse「…なんですって…!?」「どういう意味や!」

アルケオプテリクス・D「おーいでっ♪凛ちゃーんっ」

Muse「「なっ…!」」


凛「う、うぅ…!希ちゃん、真姫ちゃん…。捕まっちゃったにゃ…」

橘「…」


Muse「んなっ…、橘さんっ!裏切ったんか!?」

アルケオプテリクス・D「んーん、違うよ?裏切ったんじゃない、操ってるの」

Muse「操ってる…?」

アルケオプテリクス・D「私の羽根はある程度人を操れるの。あの人の腰についてる黒い羽根…、あれはことりの羽根なのです」

アルケオプテリクス・D「あの人をあなたたちの探偵事務所へ向かわせたのも私。こうしてここまでおびき寄せるためにね」

Muse「なっ…!」「じゃあこの人の会社を襲ったのは…!」

アルケオプテリクス・D「…別に誰でもよかったちゅん。反省はしていない」

Muse「この…ッ!!」「やっぱりアンタ…!!最低ね…!!」

アルケオプテリクス・D「何とでも呼ぶがいいの。でもいいのかなぁ?私が指一本動かすだけで…」


橘「…」スッ

凛「ヒィッ…!」


アルケオプテリクス・D「…あの子の命はおさらばちゅんなんだけど」

Muse「ぐっ…!」「この…、卑怯者…!」

アルケオプテリクス・D「…さ、もう力比べは終わり。だから…」

アルケオプテリクス・D「変身を解除しなさい」

あんじゅトークライブ会場


あんじゅ「…ねぇ、今日のファンとのトークの件なんだけど…」

スタッフ「あぁ、誰かいい子は見つかりました?」

あんじゅ「…うん。A席の…、左の方、前列近くの…、赤い髪の子、って言ったらわかる?」

スタッフ「え…?あぁ…、あ、今眠ってる子ですね。えっと…、あぁ、西木野真姫、って名前で登録されてます」

あんじゅ「…西木野…、やっぱり…」

スタッフ「え?」

あんじゅ「いえ、何でもないわ。今日はその子、お願い。何番?」

スタッフ「えーっと…、252番ですね…。あ、違った、これはその隣の矢善林にこって子の番号でした」

スタッフ「この子は…、312番ですね」

あんじゅ「わかった。312番を引くように設定して頂戴ね?」

スタッフ「了解デース。よいしょ…」

あんじゅ(…直接あって…、話を聞いてみないと、どうにもならないわ…)

あんじゅ(あの女の子、一体…)



「休憩時間、まもなく終了します。再開をお席に座ってお待ちください。…繰り返します…」



廃工場


Muse「…ぐ」

アルケオプテリクス・D「さ、早くぅー。待ちくたびれて間違って変な命令しちゃうかもー?」


橘「…」ググッ…

凛「あぐぅっ…!!え、うぐ…!」


Muse「…凛、ちゃん…」


希(…真姫ちゃん)

真姫(えぇ、わかってる。変身を解除すると見せかけて…、フェルマータで凛を助け出す…!)

希(うん…!行くよ…!!)


Muse「…」カチャッ…

Muse「…」スッ


アルケオプテリクス・D「ちゅんっ!!」シュバッ!!


Muse「今やっ!!」\フェルマータ!!/

Muse「やぁっ!…あれ?」「メモリスロットが…!羽根で塞がれてる…!?」


アルケオプテリクス・D「…はぁ。やめてほしいなぁ…。卑怯はこっちの専売特許なのに…!てりゃぁっ!!」シュバババッ!!


Muse「うっ…!!ぐあぁぁぁぁぁっ!!」チュピィィィン

希「うぐっ…、ぐはぁっ…!!」


凛「の、希ちゃんっ…!」

あんじゅトークライブ会場


真姫「…はっ!」

真姫「の、希っ!くっ…、もう一度、変身…!」

真姫「だ、ダメ…!もうドライバーが出てこない…!」



あんじゅ「それじゃあ行っくよー!私とトークできる幸運に選ばれちゃった唯一のファンの人の番号はー…?」



真姫「え…?あ、もう始まってる…?今は…、あんじゅとのトークの抽選…?」

真姫「私は…、312番だけど…。いや、まさか…」



あんじゅ「…312番っ!312番でーすっ!312番の幸運な方ー?どこですかー?」



真姫「…え、嘘…!?わ、私…?」

真姫「私が…、あのあんじゅと…、一対一で…、話せる…?そんなの…」

真姫「…」



あんじゅ「あれー?312番さーん?おーい、返事してくださーい!312番さん?あれぇ…?」

あんじゅ「あ…」





会場外


真姫「…はぁっ…!はぁっ…!!もう、バカぁっ…!!」

真姫「なんでこんな日に限って…!苦戦なんてしちゃってんのよ…!!」

真姫「そして何よりも…、あいつらを見捨てられない私が…!」

真姫「…ふふ、一番の大馬鹿かもね…!」

真姫「待ってて…、今行くからっ!!」


「…やっと、見つけた。西木野真姫」


真姫「…っ!だ、誰…?」

「…私は、統堂英玲奈。UTXの幹部よ」

真姫「UTX…!」

英玲奈「…西木野、真姫…」

英玲奈「…戻ってきなさい。UTXへ」

真姫「…なんですって…?」

英玲奈「あなたは…、UTXで生まれた存在…」

英玲奈「さぁ、おいで…、真姫…!」

真姫「…っ!」



第11話「Wをこの手に / 初めてのトークライブ」

おわり

真姫「第11話だったわ。どうだったかしら」

真姫「…二人が囚われていていないから今日は私だけでエンドトークね」

真姫「終盤の展開はまんまファング回、第15話『Fの残光 / 強盗ライダー』のパクリだったわね…」

真姫「原作を見てしまうとそっちに意識が囚われてしまうからなるべく見たくなかったんだけど…」

真姫「…やはり素人が考えられる話には限界があるからね。少しくらいパクらないと頭が持たないわ」

真姫「で、さて…、話の中ではなぜか私が重要人物として語られているけど…、一体どんなポジションなのかしら」

真姫「順当に行けば…、まぁ、アレよね。あの…、井戸に落ちちゃった系女子?的な?」

真姫「でも…、私UTXの誰とも家族じゃないし…。なぜか私の姿を見て驚いてるのも意味がわからないし…」

真姫「まぁそこらへんは後々わかってくることでしょ。さて次回、だけど…」

真姫「今回のサブタイトルは『Wをこの手に』、だけど…。今までWの頭文字のメモリは出てこなかったわよね…?これは…」

真姫「…まぁ、そういうことね。何のメモリになるか…、予想してくれると嬉しいかも」

真姫「ヒントは…、ファングメモリはボディメモリ側がジョーカーで固定されていたわね。このメモリもそうなの。…これでヒントになったのかしら?」

真姫「あ、あとアレね。既に照井枠として決まっていたことりがモブ悪役として初登場ね!パチパチ」

真姫「もう照井枠で出しちゃったらこれ以降出せる場所がないな、と踏んでここで出しちゃいました。えらくウザいキャラになっちゃったけどね」

真姫「そしてなにげに橘さんが洗脳されて裏切る役、という思いもよらないハマリ役を手にしてしまったわ」

真姫「いつか誰かに言わせたいものね。例のセリフ」

真姫「さて、このくらいでいいでしょう。早く二人を助けないと口が渇いて仕方ないわ」

真姫「じゃ、次回をお楽しみにね。これで決まりよ!」

昨日やる気満々だったんだけどなんか異常に眠たくて11:30には寝てしまってた
今日の夜起きていればやるます おそらく

うぃ 眠たいけれど根性でやっていきます
Wのメモリにはトリプルミーニングくらいあるよ ちなみに音楽関係ないです
あとことりと凛ちゃんの濃厚な絡みも予定してるぞいや そちらもお楽しみにねむふふふふ

真姫「…UTXで…、私が…」

真姫「生まれた…?」

英玲奈「えぇ、覚えていないだろうが、あなたはUTXによって生み出された」

英玲奈「あなたのその名前は、UTXの総帥が名付けた名前なの」

真姫「この…、私の名前が…」

英玲奈「…総帥は、あなたのことをずっと心配している。一年前、UTXビルの研究所から失踪したあの日から…」

英玲奈「…だからおいで、真姫…。UTXはあなたを…、家族として迎えてくれる…」

真姫「…家族」

真姫「…」

英玲奈「真姫…」

真姫「…ハッ」

真姫「お断りね」

英玲奈「…。…なぜ?」

真姫「いまさら顔も知らないやつに家族面されても嬉しくもないし、私には仲間と呼べる人たちも、もういる」

真姫「今はその人たちが困ってる時なの。今すぐその人たちの元に向かわなきゃいけないの」

真姫「…だから、どいて。あなたみたいな…、冷たい目をした人と、UTXに戻るつもりはないわ」

英玲奈「…そう」

真姫「ん?納得してくれるのかしら?」

英玲奈「…フフ、まぁ…、私が言って正直に付いてくるような子ではないと思ってたけれど」

英玲奈「困っている人…、というのは、…Museのこと?」

真姫「…」

英玲奈「あなたがミューズドライバーの適合者であることはわかりきっている。あなたの仲間と呼べる人がいるならそれは…」

英玲奈「…Museの変身者であることは間違いない。少なくとも、一人は」

真姫「…えぇ、そう。そのとおりだけど。…わかってるなら、早くそこ…」

英玲奈「…そこに言って、あなたはどうするの?」

真姫「え…?」

英玲奈「Museの変身者が囚われて動けないというのなら…、あなたがそこに行ったところで何ができると言うの?」

英玲奈「あなた一人じゃドーパントに抗うことはできない。無力だ。…ただのひとりの少女のように」

真姫「…くっ」

英玲奈「Museに変身できず、生身で戦っても無駄に命を散らすだけ。…聡明なあなたなら既にわかりきっていること」

真姫「…」

英玲奈「…だったら、今は私たちに…、UTXに頼っても…」

真姫「…それだけはお断りよ。…街を泣かせるモノを作ってる奴らに頼るなんて…、死ぬよりヤダ」

真姫「無力でも…、私は私の力で…、なんとかしてやる…!」

英玲奈「…そう。強情なのね」

英玲奈「でも…、総帥はあなたがここで死ぬことを由とはしていない」

英玲奈「だから力ずくでも…」\ドロレス!!/

英玲奈「…呼び戻させてもらう」

真姫「…くっ…!!」

ドロレス・D「あまり痛めつけるようなことはしたくない。…おとなしくして」

真姫「…それも、お断りよっ!」ダダッ

ドロレス・D「…なら、仕方ない。はぁっ!」


バシュゥッ!!


真姫「あぐっ…!!が、ぁっ…!!」


ドロレス・D「はぁー…、てやぁっ!!」

バシュゥッ!!


真姫「う、ぐぅっ…!!」


ギャルルルルルル…!!

バシィンンッ!!


真姫「や、やっときたわね…、リボルマキー…!!」


ドロレス・D「くっ…、邪魔しないで!」

バシュゥッ!!バシュゥッ!!


バキィッ!!バキィッ!!


真姫「へへんっ…!リボルマキーの耐久性を舐めないことね…!よし、今のうちに乗り込んで…!」

ギャルルルルルルルル…!!



ドロレス・D「…逃げられた、か。もう追いかけても無駄、そうね」ピチュゥゥゥン


英玲奈「…でも、あなたならわかっているはず。ただ生身でドーパントに立ち向かうことの愚かさが」

英玲奈「痛ましいほど、わかりきっている。あらゆることを知り尽くしているがゆえに」

英玲奈「…どうするつもり、なのかしら」



リボルマキー内


真姫「はぁっ…、はぁっ…!うぐっ…、直撃を食らったのは一発だけ、だけど…!」

真姫「…さすがは幹部のドーパント…、あぐぅっ…!!痛すぎ、じゃない…!くぅっ…」

真姫「く、はぁっ…、でも、今から…、どうすれば…、この状態で助けに行ったとしても…、さっきの二の舞を喰らうだけ…」

真姫「…悔しいけど、あいつの言っていたとおり…。今の私には…、ドーパントに対抗するだけの力がない…」

真姫「力…、か…」

真姫「…私も…、ガイアメモリを…」

真姫「…って!なに、考えて…!そんな…、そんなこと…」

真姫「…でも…、最悪…、それでも…」

真姫「…あの子たちを、救えるのなら…」

あんじゅトークライブ会場


あんじゅ「それじゃ、次はー…」



『もしもーし、聞こえてますかー?』



あんじゅ「…えぇ、聞こえてる。でも、まだイベント中だから、静かにしてて」

ことり『えへへ、りょうかーい。じゃあ簡潔に伝えますね?』

ことり『あんじゅちゃんが言ってたMuseの変身者の子…、ちゃんと捕まえたよ』

あんじゅ「…ホント?…よく、やったわね」

ことり『うふ♪褒められちゃった。えへへ~、嬉しいなぁ~…』

あんじゅ「…私が行くまで、絶対に逃がさないでね。そして、手を出すことも絶対に禁止」

あんじゅ「…出したら…、コロスから」

ことり『んふ、わかってる~♪…あ、でもでも…』

ことり『もうひとりの方…、関係ない子のことは…、どうする?』

あんじゅ「…希ちゃんじゃない子…?…かわいいの?」

ことり『うん、すっごく!…こっちも…、ダメ?』

あんじゅ「…いえ、好きにして頂戴。私は希ちゃんさえ無事なら、他はいいわ」

あんじゅ「そっちになら…、何しても文句は言わない」

ことり『りょーかいっ♪えへへ~…、楽しみだなぁ~…』



あんじゅ「…相変わらず、趣味の悪い…。まぁ、似たようなモノだけどね…」




廃工場


希「う、ぐっ…!かなりキツキツに縛ってあって…、動けへん…!」

凛「の、希ちゃん…、凛たち…、どうなっちゃうのかにゃ…?」

希「だ、大丈夫…!うちが絶対に…!」


ことり「えへへー、絶対に…、なにかな~?」


希「…絶対にお前をぶっ倒して…、ここから脱出する、ってことよ!」

ことり「ふーん…、ナマイキだなぁ…。でも、私のお友達からあなたには手を出すな、って言われちゃってるから…」

ことり「…ふふ、あなたには何もしないであげる」

希「お友達…?そういや、ここにおびき寄せるのも頼まれたって…」

ことり「でもその代わり!んふふ~…♪あなた…、とってもとっても私のタイプ…♪」

凛「ひぃっ!?り、凛のこと、かにゃ~…?」

ことり「うん、あなた!ふふ…、とっても柔らかそうなお肌して…、食べごたえがありそうちゅん…。れろぉっ…」

凛「うひぃっ!!ほ、ほっぺ舐めないでぇ…!」

ことり「えへぇ…?この程度で怯んでちゃあ…、この先どうなっちゃうか…。うふふふ…」

凛「こ、この先…!?一体何をする気なのぉ!?」

ことり「んー…、そうだなぁ…。まずはぁ~…、>>649なんて、しちゃったり…」

手足を縛る

ことり「じゃあ身動きできないようにー…、手足を縛っちゃいます!」

凛「ふ、ふぇぇぇ…!」


ことり「はい、縛っちゃいました!」

凛「あうぅ…!一瞬だった気がするにゃ…」

希「ちょっ…!凛ちゃんにひどいことせんといて!凛ちゃんは関係ないやろ!」

ことり「んー?別にあなたを狙ってたわけでもないし…、むしろ好みとしては凛ちゃんの方が私的にはタイプなんだけど…」

凛「にゃぁっ!?」

ことり「ふふ、平気だよ。何もそんないきなり痛いことや辛いことする気は…、多分ないから」

凛「た、多分って何!?そしていきなり、ってことは後々やる気はあるの!?」

ことり「んふふー、それはどうかなー?んじゃあねー…、どうせ身動きができないことだし…」

ことり「凛ちゃんの柔肌にイタズラ…、しちゃおうかな」

凛「い、イタズラ…?」

ことり「んふふ…、例えばー、ことりの羽根で凛ちゃんのおへそ…、こうやってこちょこちょしたり…。こちょこちょー」

凛「んひぃっ!あひゃっ…、あははははは!こしょばいにゃ!やめてぇっ!」

ことり「可愛らしいお鼻を…、ん、れろぉっ…」

凛「ん、にゃぁっ…!!?ひぃっ…、あ、穴に舌、入れられたにゃ…!!?気持ち悪…」

ことり「んふふー、こうやって舐めちゃったり…?色々辱めちゃおうかなぁ、なんて…」

希「んなぁっ…!ヘンタイかお前!」

ことり「ん?ヘンタイだよ?」

希「…じ、自覚ありなんや…」

ことり「いいんです!さ、凛ちゃんも一緒にヘンタイさんになっちゃおっか♪」

凛「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃっ!!!ご勘弁を!ご勘弁をぉぉぉっ!!」

ことり「やーだよっ!じゃあまずはねぇ~…」

ことり「凛ちゃんの>>651をことりの>>652でいじっちゃお♪」

大事な所

始祖鳥の羽

ことり「凛ちゃんの大事なトコロを~…、私の羽根でいじっちゃいます!」

凛「だ、だ…」

希「大事な…、トコロ…!?」

ことり「うん」

凛「ま、まって…、そ、それは…!」

希「やめてあげて!まだ凛ちゃん処女やから!そういうの早いから!」

凛「なぁんで希ちゃんが凛が処女とか分かるの!?」

希「え、でもそうやろ…?」

凛「え…、そ、そう…、だけどさぁ…」

希「ほら、本人も肯定したやんっ!凛ちゃんにはまだ早いよそんな高度なプレイはぁっ!!」

凛「やめて希ちゃんっ!既に結構な精神的ダメージは喰らっちゃってるにゃ!!」

ことり「…何さっきから二人で盛り上がってるの…。ずるいちゅん…」

希「あ、ごめん…。でも…」

ことり「んー…、むしろ初モノをいじれるなんて滅多にないチャンスだからそんなこと言われてもなぁー…」

凛「ううぇぇぇ…、キモイにゃぁぁ…」

ことり「ん…、あ、そうだ!じゃあ凛ちゃんにチャンスをあげる!」

凛「ち、ちゃんす…?」

ことり「うん!私の出す簡単な問題に答えられたら、別のところにしてあげるから!」

ことり「でも間違えちゃったら容赦なく…、んふふ、わかってるね?」

凛「うっ…!わ、わかったにゃ…。凛にはその選択肢しか猶予は残されてないし…」

希「凛ちゃん…、頑張るんや…!」

凛「うん…、ど、どんな問題が来ようと絶対に答えてみせるにゃ…」

ことり「そんな見構えなくても、本当に簡単だから問題ないよ!じゃ、問題、行くよ?」

凛「こ、来いにゃ…」

ことり「ジャジャン!…ことりが今からいじろうとしている、『凛ちゃんの大事なトコロ』って、どこのことでしょうか?」

凛「…え?」

ことり「これに正解できたら別のところに変えてあげるよ!さ、答えて?」

凛「そ、そんなの…、そんな…」

凛「…///」カァーッ

凛「こ、答えられるわけないにゃぁっ!!!恥ずかしすぎるわ!」

希「え、でも答えないとそこいじられちゃうんやよ…?あ、堅い言い方ならいけるんと違う?」

凛「おお、それなら…、じゃあ答えは…」

ことり「んー?ダメダメ!ちゃんと、ことりの考えてる言葉と一緒でないと認められまちぇん!堅い言葉禁止ちゅん!」

凛「ぬ、ぬおぉぉぉぉぉぉぉ…!そんなのってないにゃぁ…」

ことり「さ、答えをどうぞ!」

凛「ぐ、ぐぅ…!!こ、答えはぁっ…!」

凛「…>>654、にゃ…」


(ことりの思う凛の大事なトコロ・>>655

りんまげ

ヴァギナ

凛「こ、答えはぁ…!!」

凛「お、お、ぉ…!」

希(が、頑張れ凛ちゃん…!)

凛「ぉ、ま…!!」

凛(や、やっぱりムリにゃぁっ…!!恥ずかしいっ!!)

凛「り、凛のチャームポイントのりんまげだにゃっ!あ、あははははは…」

ことり「…へぇー」

凛「は、はは…」

希「凛、ちゃん…」

凛(や、やっちまったにゃ…)

ことり「じゃあ正解発表ー…、だらららららららら…、正解はー…」

ことり「ヴァ・ギ・ナ…、でした!」

凛「あぅぅ…、耳元でいい声で囁かないでぇ…!」

ことり「じゃ、約束通り…。いじらせてもらうね?んふふふ…」

凛「あ、やめっ…、やめてぇっ!!スパッツずらしちゃヤダぁっ!!や、やぁっ!!」

希「ちょっ…、うちもまだ見たことのない凛ちゃんの柔肌が…」

凛「ヤダ…!!いやぁっ…!!やめて…、やめてぇ…。お願い…、お願いします…。他になんでもするからぁ…」

ことり「なんでも、する…?本当?」

凛「うん、うん…、だから…、ぱ、パンツをずらすのだけは…、やめ…」

ことり「うん、それ無理♪なんでもしなくていいから、ことりのやること黙って見ててね?じゃ、最後の一枚、行くね~…」

凛「嘘…!う、うわぁぁぁぁっ…!!や、や、やぁぁぁっ!!バカぁっ!!ふざけないでよぉっ!!うあぁぁぁんんっ!!」

ことり「あは、御開帳~…。わぁ…、綺麗…」

凛「あ、あぁっ…!し、知らない人に…、み、見られて…、凛の…、あ、アソコ…」

ことり「ほらほら、希ちゃんもどう?綺麗でしょ?」

希「え…、あ、あぁ…」

凛「やめて…、見ないでよぉ…、希、ちゃ…。お願いだから…、目、閉じて欲しいにゃ…」

凛「お願い、します…。見ないでください…、希さん…。お願い、お願いぃ…」

希「…う、うん…。目、つぶってるから…。見てないよ、凛、ちゃん…」

凛「…う、うぅ…、ぐずっ…。あり、がど…、あう、うぅぅ…」

ことり「もー…、本番はこれからなのに…、じゃ、行くよ?指で広げて…、あは、穢れを知らないサーモンピンクだぁ…、じゅるっ…、おいしそ…」

凛「うっ…、うっ…。えぐっ…、ひぐっ…、もう、早く…、してよぉ…。早く、終わらせて…」

ことり「えぇ~…、焦らすのが楽しいのにぃ~…。仕方ないなぁ、そんなにしてほしいなら…、はい、してあげます♪こちょこちょ~…」

凛「…う、ぎひぃっ!!あひぃっ!!あひゅっ!ふ、ふーっ!はんっ!ほ、ほふふぅぅぅっ!!」

ことり「あははっ!変な声っ!!あぁ、たのしー…、もっと激しくこちょばしちゃうから…、覚悟しててね?凛ちゃん?」

凛「はぁっ…、はぁっ…!も、もぅ…、やめ、て…」

ことり「やーだ!はい、こちょこちょ~…」

凛「ははぁっ!あんひぃっ!!こひっ、こひぃっ!!く、くくふふっ、おひょぉっ…、は、はみひふぅっ!!くひゅひゅひゅひゅぅっ!!」

希「り、凛、ちゃん…。ごめん、うちが、不甲斐ないばっかりに…」



希「あ、やば…、鼻血が…。いやぁ…、エロいなぁ…。子供には見せられな、あ、いや、うちも見てないから、うん、心の目でしか見てないから…」

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「…はぁ」


真姫(…どう、しよう…)

真姫(ずっと考えて…、答えがでないまま、時間だけが無意味に過ぎていく…)

真姫(こんなことをしている間にも…、二人があの女にどんなことをされているか…)

真姫(今すぐ二人のもとへ向かいたい!…だけど、私には対抗手段が、ない…)

真姫(行ったところで…、無意味にやられて…、死ぬ、だけ…)

真姫(その考えの堂々巡り…、すぐに答えを導き出せたいつものかしこい私はどこへ行ってしまったのやら…)

真姫(でも…、どうしても足りない、私には…。そう、力が…)

真姫(やっぱり…、ガイアメモリ、しか…、手段は…)

真姫(…一回、だけ。そう、一回だけなら、きっと…)


(「だから…、一度だけじゃなくって…、何度も…、何度も何度も何度もヒーローやってたら…、さぁ…?」)

(「もう、私…、ヒーローでいた時の記憶が、ないの…。気がついたら、私の拳は血まみれで…」)


真姫「…っ!」ゾクッ

真姫(…ダメ、ダメ、ダメダメダメダメ…!もう、あんな思い…、したくない…!させたくない…!!)

真姫(だったら…!だったらどうしたらいいのよ!ねぇ…、どうしたら…!)

真姫(だれか…、だれか…、答えてよ…。ねぇ…)


<ギャオォォォォ!!


真姫「…は?」

<ギャオォォォォ!!

真姫「な、何、これ…?トラ型の…、メモリ、ガジェット…?でもこんなの作った覚えないし…」

真姫「それに…、ガジェットにメモリが刺さってるっていうよりも…、これ、ガジェット自体が…、メモリ…?」

真姫「一体、これって…」



「…それは、ワイルドメモリ」



真姫「…っ!だ、誰…!?あっ…!」

「…」

真姫「あなた…、トークライブ会場で見た…、包帯真姫の…」

「そのメモリは、私が作りました。それは…、あなたのためのメモリです」

真姫「わ、私の…?」

「それさえあれば、あなたはMuseになれる。ドーパントに対抗できる力を得られます」

「ですが…、強大な力には危険が伴います。メモリの力に精神が耐え切れず、暴走してしまうかもしれません」

「そして、大事な人を傷つけてしまう可能性も、大いにあります。それを理解した上で、それでも力を欲するのならば…」

「…どうか、使ってください。では、私はこれで」

真姫「え、あ、ちょっ…!あなた何者…!?」

真姫「…い、行っちゃったし…。…ワイルド、メモリ…、『野生』の旋律…?これは、一体…」

<ギャオォォォォォ!!

真姫「…こ、これ…、触っても平気、かしら…?」

<ギャオォォォォ!!

真姫「う…、ちょん、ちょん…」

<ガウッ!!

真姫「ひっ!あ、でも…、頭下げて可愛い…。これって…、服従、ってこと?」

真姫「ちょっ…、持ってみるわ、ね…。よいしょ…」

<ガションッ

真姫「ひゃぁっ!?へ、変形した…。こ、これが…、メモリをドライバーに差し込む形態…?」

真姫「これで…、私が、Museに…?」

真姫「でも…、確かに感じる…。凄まじいメモリのパワー…。溢れんばかりの、凶暴性が…」

真姫「…こんなの…、私に扱いきれるの…?もし、力を手に入れたところで…、こんな…、こんなの…」

真姫「…あの子達までも、傷つけて、しまいそう…。いえ、きっと…、傷つける…!」

真姫「やっぱり…、こんな力…!使えないっ…!!くっ…」ストッ

真姫「う、うぅ…!でも、でも…!やらなきゃ…!やらないと二人は…!だけど、もし…、私が…!」

真姫「あああああああああああぁぁぁっ!!もう…、なんなのよ…!訳、わかんない…!」

真姫「力をもらっても…、こんなに悩むなんて…!はぁっ…、やっぱり私って…、思ってたより、バカ、なのかな…」

真姫「二人のこと、笑えないわね…。あははは…、はぁ…」

真姫「…私、どうしたら、いいのかな…。って…、ずっとこればっかり…」

真姫「はぁ…」


ガチャッ チリンチリーン


真姫「…え、客…?あ、もしかして、またあの女っ…!?」


穂乃果「やっほー!希ちゃ…、あれ?真姫ちゃんだけ?希ちゃんは?」


真姫「…なんだ、あなた」

穂乃果「ん、何?穂乃果じゃ不服ー?もー、せっかく美味しいケーキ買ってきて一緒に食べようと思ってたのに!」

真姫「え、そんな仲だっけ…?」

穂乃果「ま、今日は特別にねー、年末だし美味しそうなケーキが多かったからつい買っちゃった!あ、真姫ちゃんもいかが?」

真姫「…うん、後で…、いただくわ」

穂乃果「…?そう?…ねぇ、真姫ちゃん…。もしかしてだけど…、なんか、悩んでる?」

真姫「あら…、顔に出てた?」

穂乃果「…まぁ、そんな感じ。これでも情報屋だからね。他人の表情には敏感なんですよ!」

真姫「…ふふ、そうなんだ。すごい、わね…」

穂乃果「…ね、穂乃果でよければ…、相談、乗るよ?役に立つかはわかんないけど…」

真姫「そんなの…、別にいい…。…いえ、やっぱり…」

真姫「お願い、していい?…少しの間、相談に乗ってほしい…」

穂乃果「ふふ、オッケー!じゃ、ケーキでも食べながら相談、やっちゃいましょうか!」


真姫(…そんなに余裕あるかしら)

今日はここまで
当てられないかと思ってたけど最後の最後で当てられてしまった Wのメモリはワイルドでした スターとの兼ね合いでね
あと敵幹部(A-RISEやえりち)のメモリはテラーやタブーみたいな感情というか概念のようなあやふやなモノの英単語をテキトーに選んでもってきてます

アグリネス:ugliness⇒醜さ
ディコーラム:decorum⇒礼儀正しさ
ドロレス:dolorous⇒痛ましさ(本来dolorousだと痛ましいって形容詞で、痛ましさは正しくはdolorousnessだけど語呂の良さ優先でドロレスに)

本来の発音と若干違う感じのカタカナになってるかもだけど気にしないでください 他にもよさげな英単語があれば教えて頂きたい
それではまた次回をお楽しみに ほなな

久々に俺参上
最近リアルが忙しいのと11時超えると眠たくなるようになったせいで更新頻度下がってて申し訳ない
来週の月曜からは元に戻る…、と思う 多分 今もだいぶ眠いけど頑張ります
凛ちゃんの件は1年間も留守にしててお父さん死んでるの知らないってのもおかしいなと思ったんでいつかまた過去回やる予定です
そんじゃ最初からクライマックス、のちょっと前からスタートです 忘れられてませんように

穂乃果「じゃ、ケーキお皿に移し替えるから待っててねー」

真姫「あ、えぇ…」

真姫(…相談か。流れでそうなってはしまったものの…)

真姫(…なんて相談すればいいのかしら)

真姫(素直に全部話す…?でも、まだこの穂乃果とは知り合って日も浅いし…)

真姫(Museのことを全部打ち明けるのも危険かも知れないわ。UTXと繋がりがないとも限らないし…)

真姫(…それに、もし、この穂乃果も…)

真姫(…ヒーローに憧れているのだとしたら)

真姫(Museの力を私たちが持っていると知ったら、穂乃果はそれを渇望するかも知れない)

真姫(…また、力を欲して、イケナイものに手を出してしまうかも…)

真姫(そう考えたら、ありのままを話すのは少し危険だわ。そうね…)

真姫(…なら、とりあえずまずは穂乃果がどんな人物なのかを把握しておきましょう)

真姫(そうすればどこまでのことを話してもいいか、大まかな判断が付くかも知れないし)

真姫(この機会に乗じてまだキャラの曖昧な穂乃果のキャラ付けをしようとかそういうんじゃないんだからね)

穂乃果「…はーい、用意できたよー。真姫ちゃんはショートケーキかチョコレートケーキ、どっちがいい?」

真姫「ん、そうね…。ならショートケーキを頂けるかしら」

穂乃果「ほいほい、ん、どうぞ。じゃ、穂乃果はチョコケーキだねー。わー、おいしそー…」

真姫「えぇ、本当。それじゃ、いただいてもいい?」

穂乃果「うん、いいよ。じゃ、いただきます」

真姫「…いただきます。…あむっ、もぐもぐ…」

穂乃果「もぐもぐ…。んー!おいしー!」

真姫「…うん、美味しい。特にクリームが絶品ね」

穂乃果「えへへ、そうだよねー。ここのお店とっても美味しくて…、っと、そっか、相談だったんだ…。えっと…、何相談したかったの?」

真姫「あぁ…、その前に…、少しいいかしら?」

穂乃果「ほぇ?」

真姫「相談する前に…、穂乃果。あなたの人となりを知っておきたくて。質問、いい?」

穂乃果「んー、いいけど。うん、なんでも聞いて!大体のことは答えるよ!」

真姫「ん、そう…。じゃあとりあえず…」

真姫「…将来の夢と、休みの日はなにして過ごすことが多いか、それと、好きな人のタイプとか、教えてくれる?」

穂乃果「おぉ…、いきなり結構踏み込んだ質問ですな…。面接を思い出すよ…」

穂乃果「んー…、そうだなぁ…、えっと、だったらぁ…」

穂乃果「将来の夢は>>669で、休みの日は主に>>670して過ごして…、好きな人のタイプはぁ~…、>>671かな?」

決闘者

シャルモンのスイーツを食べる

カワイイ人

穂乃果「えっと…、将来の夢は決闘者で…」

真姫「…決闘者?」

穂乃果「あ、うん!プロデュエリストになるのが夢なの!それで食べていくんだ!」

真姫(…でゅえりすと…。言葉の響き的に戦ってる人っぽいわね)

真姫(となると…、やっぱり彼女に私たちの力のことをそのまま話すのは危険かも…)

穂乃果「で、休みの日はよくシャルモンでスイーツを食べて…」

真姫「シャルモン、っていうのは…?」

穂乃果「え、あぁ、ここに来る前によく通ってたスイーツのお店!ここのケーキも絶品でさぁ~…」

穂乃果「あぁ、今はもう行けないんだった…。代わりに今はフルーツパーラーにちょくちょく通ってるね!」

真姫「ふむふむ…」

真姫(この穂乃果も相変わらず甘いものがお好きみたいね。わかりやすいイマドキ女子って感じ)

穂乃果「で…、好きなタイプ、か…。そだね、カワイイ人、かな…?」

真姫「カワイイ…。えっと…、念のため聞いておくけれど、異性の話よね?」

穂乃果「ん?そりゃあまぁ…。カワイイ女の子も好きといえば好きだけど…」

穂乃果「男の人でカワイイと頼りなさげで守ってあげたくなっちゃうっていうか…、母性本能くすぐられちゃうじゃん?それがたまんないんだよね~」

真姫「へぇ…、いわゆる草食男子、ってやつかしら。逆に穂乃果は肉食女子?」

穂乃果「えへへ、かもね!ガツガツ行く時は行くよ!がおー!」

真姫「あはは…」

真姫(…前よりはかなり普通だったわ。少なくとも情報を渡す際に意味不明なムチャぶりを仕掛けてきそうには見えない…)

真姫(まぁ今のところ…、信用できなくはない、程度でしょうかね…)

穂乃果「…えっと…、この質問と相談に一体何の関係があるのかな…?」

真姫「え?あ、あぁ…、いえ、別に…。ただ穂乃果のことをもっと知りたかっただけよ」

穂乃果「ホントー?だったら今度一緒に遊びに行こうよ!そっちの方が互いのことがよくわかるって!」

真姫「え、えぇ…、今度ね。わかった。…じゃあ、ここからが本題。相談なんだけど…」

穂乃果「お、来たね!さぁ、なんでもどんと来い!」

真姫「えっと、どう言えばいいのかしら。少し難しいんだけれど…」

真姫「…今、希は少し大変な状況に陥ってるの。ついでに凛も」

穂乃果「ほぇ!?た、大変な状況…。それはまた物騒なお話だね…」

真姫「うん。それで…、今すぐにでも助けに行きたいのだけれど、私には助けるだけの力がなくて」

真姫「それで困ってたところに、よくわからない人が力をくれたんだけど…、その力はかなり危険なモノで…」

真姫「扱い方を間違えば…、助けるどころか、希や凛を傷つけてしまうかも知れない」

真姫「…だから、私はどうしたらいいんだろう、って…、それで悩んでいたの。考えれば考えるほど、よくわからなくて…」

真姫「穂乃果は…、どう、思う?私は、どうすればいい…?」

穂乃果「…うぅん…、そういう相談かぁ…」

真姫「うん…。率直な意見でいいから、聞かせて」

穂乃果「そうだなぁ…、私は…」

穂乃果「>>675

人が生まれながら泣くのは仕方ない事だよ、でも最期に笑ってられるのはその人次第
私は最期に笑えるようにしたいと思う

穂乃果「うーん…、そうだなぁ…、私は…」

真姫「…うん」

穂乃果「ぐぬぬ…、なんて言えばいいんだろう…。言葉が出てこない…」

真姫「へ?」

穂乃果「いや…、言いたいことはあるんだけど…、こう…、なんていうかその…、うん、あー…」

真姫「語彙力不足ってこと…?」

穂乃果「あうぅ…、えっと、なんていうんだろ、そう…」

穂乃果「…人は、産まれてくる時、って、みんな泣いて出てくるよね?だから、人が泣いてしまうのは運命づけられてるっていうか…」

真姫「うん?」

穂乃果「力不足だったり、悲しいことがあると泣いてしまうのはその…、仕方のないことだと思うの。誰だって自分の力のなさには痛感するっていうか…」

穂乃果「えーっと…、でも、最期に笑っていられるかどうかはその人次第なんだよ!その人がどうするかで運命は決まってくるっていうのかな…」

穂乃果「まぁつまるところ私は最期は笑って死にたいって感じ?みたいな…、そんなの!」

真姫「…。えー…、それは私の相談に対する回答、ってことでいいの、かしら…?」

穂乃果「え、えーっと…」

真姫「…まぁ、なんとなく言いたいことは伝わったわ。人を助けられる力があるのなら、悩むより先に動け、みたいな感じかしら?」

穂乃果「え?」

真姫「え?」

穂乃果「え…、あ、あぁ!そうそう!そんな感じ…、だよ!」

真姫(…どうやら少し違ったみたいだわ)

穂乃果「んあーっ!もう…、穂乃果バカだからこういう難しい質問にマジメに答えようとするのは向いてないよ…」

真姫「…別に、難しく考えず思ったこと言ってくれたらいいのに」

穂乃果「それを言葉にするのが難しいんだって…。…それに、真姫ちゃんにはもっと相談すべき相手、いるじゃん」

真姫「…希の、こと?」

穂乃果「うん。真姫ちゃんはここで一人でうんうん悩んでたんでしょ?それって…、多分いつもの真姫ちゃんと違うんじゃないかな」

真姫「いつもの…、私じゃない?」

穂乃果「うん、きっといつもの真姫ちゃんは、困ったことがあったらきっと…、希ちゃんにまず聞いてるんじゃない?」

真姫「…あぁ、かも、ね…」

穂乃果「でしょ?今、悩んでも答えが出ないのはきっとそのせい。今の真姫ちゃんには希ちゃんが足りてないんだよ!」

穂乃果「一人より、二人で考えたほうがずっと問題は簡単になる。…うぅん、この場合は…」

穂乃果「二人で、一人。きっと真姫ちゃんと希ちゃんって、そういう関係、なんじゃないのかな?」

真姫「二人で一人…。ふたりでひとりの、探偵…、そして、アイドル…」

真姫「…そっか。そう、なのかも。ふふ、そうね。きっと…、そうなんだわ」

真姫「…ありがとう、穂乃果。あなたのおかげで…、答え、見つけ出せたかも」

穂乃果「ん、本当?それならよかったよ!真姫ちゃんの役に立てて!」

真姫「…それにしても、あなた…、私たちのこと、よく見てるわね。二人で一人、なんて言葉が出るなんて…」

穂乃果「んふふ。伊達に情報屋、やってないからね!今後共ぜひ、よろしくね!」

真姫「…了解、希にも伝えておくわ」

真姫「今度の情報屋も、凄腕だ、ってね」

廃工場


希「や、やめろぉっ!!凛ちゃんに…、なんてこと…!!」


凛「う、あ…、あぁ…!ヤダ…!嫌だぁ…!!」


ことり「んふふ…!私の羽根の命令に逆らうことはできないの…!さぁ、抵抗はやめて、楽になろ…?」


凛「ぜ、絶対に…、いや…!そんな、そんなぁ…!!」

凛「素足をぺろぺろなんて絶対ヤダ!」


ことり「えー…、おねがぁいっ!ほら、綺麗に洗って来たし、汚くないよ?」

凛「汚いとかそんな問題じゃなくて…、人間としての尊厳がぶっ壊れちゃうから絶対嫌だにゃ!!」

希「せや!まだ多感な時期の凛ちゃんにそんな女王さまプレイ的なことやらせてもたら…!」

希「そ、そっち方面に傾倒しちゃうかもしれへんやん!うちはそんなドMな凛ちゃん見たくない!」

ことり「えー、えへへ…、絶対そっちのほうがいいよぉ…。凛ちゃんは人の素足を喜んで舐め舐めしちゃうマゾヒストさんがお似合いだとおもうなぁ…」

ことり「猫耳と猫しっぽつけてふさわしい場所で働かせたら絶対に人気出るって…!だから今私が調教してあげるちゅん…!!」

凛「ぬおおぉぉぉぉぉぉっ!!この齢で水商売は絶対にお断りにゃぁぁぁぁっ!!意地でも舐めないんだからぁぁぁぁっ!!」

ことり「んふふ…、でももうそろそろ精神力も限界のころじゃない?ほら、どんどん舌が足に近づいて…」

凛「ぐ、ぐ…、う、うぅ…、なんだか…、ことりちゃんの足が…、とっても美味しそうに見えてきちゃったにゃ…」

ことり「うん、そうそう…、ことりの足は美味しいよ?手羽先だよ?」

凛「そ、そうだにゃ…。手羽先だって思えば…、全然なんてことないにゃ…。足を舐めることくらい…」

希「あ、あかん…!凛ちゃん目を覚まして!手羽先はチキンでも足の方ちゃうから!どっちかといえばドラムやよ!」

凛「も、もうどっちでもいいにゃ…。あ、あー…」

ことり「うん来てぇ…。そのまま、ことりの足に…」


<ギャブゥゥッ!!


ことり「そう、ガブって…」

ことり「…え?」


<ガブ、ガブ…


ことり「い、い…」

凛「な、なにこれ…」

ことり「い、い…」

希「新型のガジェット…?」

ことり「い、い…!!」


ことり「いったあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!!!!」


ことり「痛い痛いいたぁいっ!!足噛まないでぇっ!!放して放して…、放せコラァッ!」ブンッ!!

<ギャフゥッ

ことり「はぁっ…、はぁっ…、一体、何が…」



真姫「…待たせたわね、二人共」

凛「まっ…、真姫ちゃっ…!」

希「なんで、ここに…!」


ことり「ふぅーん…、まさかのもう一人まで釣れちゃった、ってこと?んふふ、いいかも」

ことり「あなたも捕まえて…、私のペットにしてあげる…!」

ことり「どうせ…、あなた一人じゃ何もできないんだから…!」\アルケオプテリクス!!/


真姫「…何も、できない…?…そうね、何もできないわ。私一人なら」

真姫「でも、私はひとりじゃない。相棒が…、仲間がいる」


希「真姫、ちゃん…?」

凛「Museにも変身できないっていうのに…、どうする気だにゃ…?」


真姫「…だから、今は恐れない。私は、相棒を信じているから」

真姫「力に溺れた私を、きっと救い出してくれる、って」


希「…っ!ま、まさか…、あのガジェットは…!!」

凛「え…?」

希「あ、あかんっ!真姫ちゃん、それは…!!」


真姫「…わかってる。でもね…」

真姫「…私、根拠のない強がり、大好きだから。知ってるでしょ?」


希「真姫、ちゃん…」


真姫「…してくれ、なんて頼みはしないわ」

真姫「希。この私と…、悪魔と最後まで、相乗りしてもらうわよ、絶対にね」

真姫「来なさいっ!ワイルドメモリ!」

<ギャオォォォォォンンッ!!

真姫「これが…、私の切り札…っ!」スチャッ


\ワイルド!!/


希「あ、真姫ちゃんの腰に…、ミューズドライバーが…」

凛「希ちゃんのスターメモリも転送されちゃったにゃ…」


\スター!!/


真姫「変身っ!」


\ワイルド!!/\スター!!/  デーデデーデデーデレレレーン


希「真姫ちゃっ…、あ、うっ…」

凛「の、希ちゃんっ!?希ちゃんの方が…、気を失っちゃったにゃ…」



Muse「…」「…真姫、ちゃん…?」

Muse「ぐ…、ウグ…、GU…!!」

Muse「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」

アルケオプテリクス・D「ひぃっ…!?怖っ…」


凛「な、なにアレ…!毛が逆だってる…!鎧や衣装も…、刺々しくなってるし…」


Muse「GUGAAAAAAAAAAAAA!!!!!」「真姫ちゃん!!」

ヒュッ!!


アルケオプテリクス・D「速っ…!こ、来ないで!」シュババババッ!!


Muse「GAAAAU!!!!」

ズバシュッ!!


アルケオプテリクス・D「わ、私の羽根がぁ…、一撃で落とされたちゅん…!」


Muse「GA、GYAAAAAAAAAAA!!!!!」ガションッ!!


\シャイニングスター!!/


Muse「G、GYEEEEE…!!」



凛「左手から…、光り輝く爪が…、爪が生えたにゃ…」



Muse「GAA、GAAAAAAAAAAAAAAAッ!!!!」

ズバァッ!!


アルケオプテリクス・D「ひゃァっ!!?ひ、ひぃっ!柱の奥に隠れて…!!」


Muse「GAGAGYYYYYYYッ!!!」

バシュッ!!


アルケオプテリクス・D「ほへぇぇぇっ!!?て、鉄の柱が…、ま、ま、真っ二つ…!?」


Muse「GUUUUU…!!」「なんて破壊力…!こんなので攻撃されたら…!」

Muse「GUGAAAAAAAA!!」

ズバシュッ!!ズバシュッ!!


アルケオプテリクス・D「あぎゃぁっ!!!い、痛い…!痛いよぉ…!!」


Muse「G、GYEEEEE…!!GAAAAAAAAAAッ!!」

ヒュンッ!!


アルケオプテリクス・D「いやぁっ!!も、もうこうなったら…!」

アルケオプテリクス・D「逃げるが勝ちだよっ!」バッサバッサ



Muse「GGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」ガションッ!!


\ワイルドストーム!!/



凛「つ、次は右手に爪が生えたにゃ…!一体何が変わったの…?」

アルケオプテリクス・D「り、凛ちゃんっ!逃げるよ!」

凛「えぇっ!?逃げるなら一人で逃げてよ!凛助けられる側だにゃ!」

アルケオプテリクス・D「ダメぇっ!凛ちゃんは既に私の…」


Muse「UGAAAAAAAAAAッ!!!!」ヒュンッ!!

バヒュゥゥゥッ!!


アルケオプテリクス・D「ひっ…、ひょえぇぇぇっ!!?な、なにぃっ…!?」

凛「竜巻状の風が…、こ、こっち来るにゃぁっ!」


ズバババババッ!!

アルケオプテリクス・D「あがががががっ!!!あっ…、うぐっ…!」バタッ


凛「す、すごい…!今までとは比べ物にならないくらいの…、圧倒的な力…。だ、だけど…」



Muse「G、G、G…!!」「真姫ちゃん…!落ち着いて…!!」


希(あ、あかん…!真姫ちゃんは完全にメモリの力に飲み込まれてる…!)

希(まるで…、あの時の穂乃果ちゃんと、同じように…!)

希(このままやと…、メモリブレイクしたとしても暴走は収まらずに…、そのままことりを…!)

希(いや、下手すれば…!)


Muse「G、GYYYYYYYYYY!!!!!!!」ガションッ!!

\シャイニングスター!!/


Muse「GA、HAAAAAAッ!!」ダッダッダッ



アルケオプテリクス・D「ひ、ひぃっ…!!やめて…、こっち来ないでぇっ!!そ、そうだ…!」

アルケオプテリクス・D「凛ちゃんっ!私の盾になりなちゃいっ!」

凛「へ…?いや、そんなこと言われてなる奴が…、ってわぁぁぁぁっ!!体がぁっ!!そっか操られてるんだったぁっ!」

アルケオプテリクス・D「えへへ、これなら攻撃できないでsy…」


Muse「GAAAAAAAAAAAAッ!!」ダッダッダッ!



アルケオプテリクス・D「えぇっ!!?全然止める気ないみたいですけどぉっ!?」

凛「だ、ダメにゃ…!今のMuseに…、そんな手通じないにゃ…。このままだと…」


希(…凛ちゃんごと…、ぶった切られる…!)

希(止めないと…!でも、暴走状態のMuseを止める手立ては…!…あ!)


(真姫「…だから、今は恐れない。私は、相棒を信じているから」)

(真姫「力に溺れた私を、きっと救い出してくれる、って」)


希(…真姫ちゃん…!こうなること、わかってて…!)

希(…うちに、無茶を全部押し付けた、ってこと、か…!ふっ…、だったら…!)

希(絶対にうちが…!真姫ちゃんを救い出してみせる…っ!!)

Muse「UGAAAAAAAAAAAAAAッ!!!」


アルケオプテリクス・D「ひやぁっ!!!もうらめぇっ!!」

凛「真姫、ちゃんっ…!!」


希(…真姫ちゃんっ!!)


Muse「真姫ちゃん!!目をさましてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」






希「あれ…、ここ、ここは…」

希「音符が…、音符が空を飛んでる…。色んな音が響いて…、よくわからない…。けど…」

希「わかった…。ここが…、真姫ちゃんの心の中…。いわば…、『音楽室』やね…」

希「だけど…、荒れてる…。安らかな音じゃなくて…、不協和音が飛び交って…」

希「きっと真姫ちゃんの心が荒れてることを表してるんやね…」

希「…せや!ま、真姫ちゃんは…!真姫ちゃんを探さないと!」

希「真姫ちゃんはきっと…、この不協和音の中心にいるはず…!そこに…!」



希「ま、真姫ちゃんっ!」

真姫「…っ!あぁぁぁぁっ!!」ジャジャーンッ

希「真姫ちゃん…!狂ったように…、ピアノを…」

希「弾いてる…、っていうより、叩きつけるように…、壊すように…」

真姫「うぐっ…!が、あぁぁぁぁぁっ!!あああぁっ!!!」

希「…真姫、ちゃん…。とっても…、苦しそう…。悲しそう…」

希「ピアノは、…そういう風に弾くものじゃないって…、わかってるのやめられないもどかしさ…」

希「きっと、それを感じてるんや…」

希「…だったら」


ギュッ


真姫「…っ!」

希「うちが、こうして…、後ろから、真姫ちゃんの手を握って…」

希「正しいピアノの使い方、教えてあげる…。うちは…、ふふ、ねこふんじゃったくらいしか弾けないけど…」

希「それでも…、こっちのほうが聞いてて気持ちいいよ?それ、ね、こ、ふん、じゃっ、た…、ね、こ、ふん、じゃっ、た…」

希「あはは…、うち下手っぴやわ…。自然に不協和音出しちゃってるし…」

真姫「…でも」

希「ん…?」

真姫「…こっちのほうが、笑える。下手っぴでも、同じ不協和音でも、音楽を作ろうとしているほうが」

真姫「…ずっとずっと、楽しい」

希「うん、せやね」

真姫「…ごめんなさい。手、煩わせてしまったわ」

希「うぅん、ええよ。だって、うちらは」

真姫「…えぇ、行きましょう。そう、だって私たちは…」

アルケオプテリクス・D「うひぃぃぃぃっ!!」

凛「…っ!」


Muse「…」ピタッ…


アルケオプテリクス・D「と、止まった…?」


Muse「…ごめん、凛。驚かせちゃったわね」

凛「…うぅん。全然。だって…、信じてたからね」

凛「希ちゃんのこと。そして…、真姫ちゃんのことも」

凛「だから…、全然平気にゃ。早くやっつけちゃって」

Muse「…かしこまりました、お嬢様。なんてね。はぁっ!!」バシッ!!

アルケオプテリクス・D「おふぅっ!!?な、なんで…!なんで止まったのぉ…?」


Muse「それは…、私たちが…!」「うちらが…!」

Muse「「二人で一人のアイドルだから!」」


アルケオプテリクス・D「は、はいぃ…?」


Muse「私は一人じゃない…!悩んでも、苦しんでも、共に支えてくれる相棒が隣にいてくれる!」

Muse「うちらは二人…!一緒に悩んで、一緒に苦しんで、だからこそ最後には、笑っていられる!」

Muse「隣に歩む人を笑顔に…!」「一緒に生きる人を笑顔に…!」

Muse「それこそが…!」「うちらがアイドルたる証拠やっ!」

Muse「さぁ、そんなアイドルが生きるこの街に!」「涙の雨を降らせる大悪党!」

Muse「私たちはあなたを…!」「絶対に許しはしない!」


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろっ!」」


アルケオプテリクス・D「なっ…、なにそのプリ○ュアみたいな口上!?」


Muse「お、なんかうろたえてるみたいやよ?」「だったらもはやメモリブレイク以外の道はないわね」

Muse「…そうね、ワイルドメモリの必殺技だから…、名前はワイルドラプソディにしましょう」「…名前は勝手にすればいいんちゃう?」

Muse「ええ、これで決まりね!」ガションガションガションッ!!


\ワイルド!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「ワイルドラプソディ!!」」


ワイルドラプソディとは!

両手の爪を高速回転しつつ切りつける乱舞奥義である!!


Muse「「てりゃぁぁぁっ!!!」」

ズババババババッ!!ズバシュッ!!


アルケオプテリクス・D「ぐがはぁぁぁぁっ!!!あ、あうぅ…」


ドガァァァァンッ!!


ことり「うぅ…、足舐めてもらいたかったちゅん…」ニュニュニュ…、パキンッ

「…これは」


Muse「…ん?今、だれか…」


「っ…!見つかったか…!」ダッ


Muse「あ!今の…!」「知り合い?」

Muse「いえ…、ついさっき会っただけだけど…!そっか、あいつがことりに私たちをおびき出させた犯人ね!?」

Muse「追うわよ!」「う、うんっ…」

Muse「うっ…、うぅ…!」「…!ど、どしたん?急に足止めて…」

Muse「さ、さっき受けた怪我が今頃…!ごめんなさい、私は無理っぽい…」「…仕方ないな!選手交代や!」

Muse「凛ちゃん!うちの体持ってきて!」


凛「お!?お、おぅ…!よっ…」ズルズル…


Muse「…もっと丁寧に扱ってよ…」

凛「だ、だって重いし…」

Muse「あ゙?」

凛「ご、ごごご、ごめん…」

Muse「…怒ってる場合じゃないでしょ。変身解除するわよ」「お、おっけーや…」ピチュゥゥンン

真姫「ふぅ…、つ、疲れた…。あとは頼んだわよ…」\クレッシェンド!!/

希「…任せとき!」\スター!!/


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「おっしゃ行くよ!」「あの女…!さっきの仕返ししてやるんだから…!」



街道


Muse「待てゴラァッ!」「待ちなさいそこのドーパント!」ブロロロロロ…


ドロレス・D「…待てと言われて待つドーパントはいない」


Muse「じゃあ待たんでもええよ!」「手ずから撃ち落としてやるわ!」\マジシャン!!/


\クレッシェンド!!/\マジシャン!!/ デレレーンデレレテレテンテーン


Muse「吹き飛べぇぇぇぇぇぇっ!!!」ズダダダダダダダダダ!!!


ドロレス・D「うぐっ…!!」


シュバッ!!


ドロレス・D「…っ!?」



Muse「えっ…?」「に、逃げられた…?今のはもしかして…」

ディコーラム・D「…平気?英玲奈」

ドロレス・D「あなた…、絵里?どうして…」

ディコーラム・D「…知り合いが追われていたのだもの。助けるでしょ、それは」

ドロレス・D「…そうね。ありがとう」ピチュゥゥン

ディコーラム・D「ところで…、Museに追われていた理由は?」ピチュゥゥン

英玲奈「…さぁ、ドーパントとしての姿を見られた、からじゃない?」

絵里「…へぇ。ところで…、Museの姿は…、見たの?」

英玲奈「まぁ…、見たわ。他にもいろいろと…、ね」

絵里「…始末、するの?」

英玲奈「…いえ、それはしない。先ほど総帥から連絡が入った」

絵里「総帥から…?」

英玲奈「『もう少し、泳がせておいて』…、だそう。私たちが手を下すのは、まだ」

絵里「そう。…よかった」

英玲奈「ん…?」

絵里「あ、いえ…、なんでもないのよ。なんでも…」

英玲奈「…そう。まぁ、今はそれより…」



???


あんじゅ「…なんで…。一体どうして…?」

あんじゅ「あの後から、連絡が途絶えた…。まさか…」


英玲奈「…漣ことりは逮捕されたよ。あんじゅ、あなたのお友達、だったわよね?」


あんじゅ「…っ!!え、英玲奈…」

英玲奈「…英玲奈、様だ」

あんじゅ「英玲奈…、様…」

英玲奈「…あんじゅ、Museの正体を…、知っていたのね?東條希、だってこと…」

あんじゅ「…ぅ」

英玲奈「返事」パシィンッ!!

あんじゅ「うぐぅっ!!は、はいぃ…!」

英玲奈「…別に、あなたのお付き合いをどうこう言うつもりはないけど…、私に嘘を吐いていたのは…」

英玲奈「感心しないわね…。あんじゅ…」

あんじゅ「う…!英玲奈様…!ご、ごめんな、さい…!」

英玲奈「うぅん、いいの…。ただすこぉし…」

英玲奈「頭の中…、グチャグチャにしてあげるだけ、だから…」\ドロレス!!/

あんじゅ「あ、あ…、ぁ…!!」




あんじゅ「…ぇへ…、えへ、へ…、えれなさまぁ…、大好き…、大好、き…」

英玲奈「うん、偉いわね。あなたの一番大切な人は誰?」

あんじゅ「英玲奈様ですぅ…。英玲奈様以外の女は…、みんな…、ご、ゴミ…。あは、あははは…」

英玲奈「えぇ、そう…。そうよ…。ふふ、ウフフフフフフ…」

東條西木野☆探偵事務所内


真姫「はぁぁぁぁぁぁ~…」


希「…またや。またあの深い溜息や」

凛「仕方ないにゃ…。せっかく優木あんじゅと一対一で話せるチャンスを棒に振っちゃったんだから」

希「…今度紹介して…、いや、無理か…」

凛「さすがにあっちにも迷惑だよそれは…」

希「いや…、まぁそれもやねんけど…、最近ぱったり連絡が来なくなっちゃって…」

凛「え?」

希「多分忙しくなってきたんかなぁ…。メールの一通くらいくれてもいいのに…」

凛「何だかんだで希ちゃんもあんじゅちゃんのメール楽しみだったんだね」

希「まぁね…。はぁ…、メールは来ないし、依頼も来ないし、ついでに真姫ちゃんもご機嫌斜め…、これじゃ景気も悪く…」


真姫「きっ…」

真姫「きたああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


希「っ!!?な、なに…!?」

凛「どうしたの!?何が来たんだにゃ!?」

真姫「来た来た来たのよっ!あのデビューしたてながらカリスマ性の人気を誇る謎の新人アイドル『HONOKA』の…!」

真姫「初単独ライブチケットを購入できたのよォォォォっ!!!よっしゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

凛「そ、そうなんだ…。よかったね…」

希「あんじゅちゃんや無くてもいいんや…。まぁ…、楽しんできてね?」

真姫「ふふふ、何言ってるのよ!」

凛・希「「は?」」

真姫「もっちろん!3人分、買っておいたわ!今度は一緒に行きましょう!」

希「ま、マジで!?」

凛「よく3枚もゲットできたね…」

真姫「こうすればライブの途中で邪魔されることもそんなにないでしょ!うふふ、今から楽しみだわ!」

凛「…おや、もしかしてまた毎日毎日歓喜の声を聞かされる羽目に…?」

希「ま、ええんと違う?今度はうちらも…」

凛「…楽しみ、だしね!いやっほぅっ!」



第12話「Wをこの手に / 共に笑顔を」

おわり

希「第12話、いかがやったやろうか」

凛「まさかの凛のお色気シーンが挿入されちゃったにゃ…。お茶の間のお子さん大号泣だよ…」

真姫「大発情の間違いじゃないの?ねぇねぇ、どうだった?感想聞かせなさいよ」

希「え?あぁ…、あの後快楽に耐え切れなくなった凛ちゃんはついに…」

凛「やめぇっ!!もう過去のことを掘り返すのはナシにゃ!」

真姫「それにしても色々と日があいてしまって申し訳なかったわね」

凛「あと一週間は似たような感じになるからご了承くださいにゃ」

真姫「あ!そうだわ!今回の新メモリ、ワイルドメモリのことを説明しておきましょう!」

希「原作ではファングメモリにあたるガジェットで、トラの形?してるそうやね」

凛「こいつも勝手に動くのかにゃ?」

真姫「そうね、ピンチになったら助けてくれるんでしょう、たぶん」

凛「あと…、必殺技の名前なんだけど…」

希「アームファング、ショルダーファングに当たるやつのことやね」

真姫「シャイニングスターとワイルドストームね。名前の由来は『WILD STARS』の一番の歌詞からよ」

凛「そういえばメモリの名前も当てられちゃってたにゃ」

真姫「くっ…、最後まで当てられずに『おぉそういうことか!』みたいな反応を期待していたのに…!」

希「そんな秀逸でもないのに自信持ちすぎやと思うけど…」

真姫「そんなことないわよ!このワイルドにはトリプルミーニングくらいあるって言ったでしょ!」

真姫「まず一つ!スターと組み合わせることでμ'sの曲『WILD STARS』っぽくなる!」

真姫「二つ!ファングのような荒々しい要素を持ち合わせた単語である!」

真姫「そして三つ!さりげなくセリフにも入れたけど、ワイルドカード、つまりソウルメモリ側ながらこいつは私の切り札のような存在なわけ!」

真姫「どうよ!これだけの要素が揃ってるなんてすごいじゃない!これは私こそが真の主人公足り得る…」

凛「えー、次回のお話ですにゃ」

希「次回は今度こそ絢瀬さん回やね。どうなるか…。考えていたお話はもうだいぶ忘却の彼方やけど」

凛「いい感じにまとまるといいね」

希「またうまいこと安価使えると嬉しいです。ほな、今日はこれくらいかな」

凛「次回をお楽しみにね!」

真姫「これで決まりよ!」

こう何日も更新がないとゼロノスの変身を重ねていくがごとく忘れ去られるのが怖いのでこんな時間だけどやっていきます
って言ってもほんの少しだけだと思うけれど 安価もないと思うんで後で「あ、なんかレス増えてる」程度に思い出していただけると幸い
凛ちゃんのお父さんのイメージは鳴海荘吉よりだいぶ若い感じで物腰も柔らかめな人を想像してるんで別に吉川晃司ってわけでもないです
毎回話を書き始めるときはこれでいいのかと不安だけどやっていきますよ

Muse「…はぁっ!てやぁっ!!」

ディコーラム・D「ふんっ!はぁっ!!」

Muse「ぐっ…!やはり手ごわい…!」

ディコーラム・D「ふふ、その程度?ならば次はこちらから…!」



なんでいきなりこうしてうちらが戦っているのか…。話はほんの30分前にさかのぼる…。

それはまさに…、運命のイタズラやった…。




美容室『音』


にこ店長「久しぶりにこー、のんちゃん!」

希「ふぅ…、昔っから風向き…、もとい音向きの悪い日はなんかさっぱりしたくなって自然とここに足が運ぶんよね…」

にこ店長「ありがとー!ところでのんちゃん…、実は…」


「…私も同じね。こういう日は決まってこの店。もはや癖になってるわ。ね、マスター?」←顔の上にタオル


にこ「ん?お、おぉ、そうね」

希「ほぉ…、美容室『音』のファンとは…、なかなかの音都通やね…!こんなボロい店…」

にこ「え?ボロい…?」

希「…なんでもない」

顔面タオル女「フッ、音都通も何も…、あなた、バロンくんは知ってるわよね?」

希「ハッハァ!もちろんや!この街のイメージキャラクター…、え、そうやったっけ…?バナナのアレが…?」

にこ「何言ってるにこ。バロンくんといえば10年ほど前から音都のイメージキャラクターじゃない」

希「あ、あぁ…、なんかそう言われてみればそうやった気がしなくもないような…、で?それがどないしたんよ?」

顔面タオル女「実はあれ…!私が…!」

希「デザインしたの!?」

顔面タオル女「…私が愛してやまない妹がデザインしたのよ!小学3年生の頃のコンクールに入賞してね!どや!」

希「身内自慢かよ!…いや、でもすごいやん!うわー、うらやまやわー…」

顔面タオル女「ふははははは!そうでしょうそうでしょう!今度特性のキーホルダーをプレゼントしてやるチカ!」

顔面タオル女「ナイト、オブ、スピアー…!限定生産50個の超激レアものよ!」

希「ぜ、ぜひ!ぜひぃっ!あ、いま投獄中の友達の分も併せて二つお願い!…いやぁ、やっぱり音都はええよねぇ…」

顔面タオル女「あはははははは…」

希「あははははははははは…!」

にこ「あ、じゃあタオル取るにこー」ヒョイッ

絵里「あぁ、ありがと…、…って、あぁっ!!」

希「え…、あぁぁっ!!!あんたはぁっ!!」

にこ「え、知り合い?」

絵里「くっ!こんなところで出会うなんてね!表へ出なさい!」

希「望むところや!希だけに!」




絵里「まさかね…、まさかこんな場所であえるなんて…!」

希「いや、ホンマまさかやよ…。ここまで序盤の展開をパ…、オマージュするなんて…」

絵里「その話題はやめなさい。みんな敏感になってるんだから」

絵里「…この前、約束したはずよね?今度会うまで、見逃す、って。つまり、次会うときは…」

希「…また、戦う、ってこと?それより…、言うてないよね?うちが…」

絵里「まぁ…、私の口からは言ってないけど…。でも、正体バレてるみたいよ?」

希「え、マジで?」

絵里「あ、でもなんか…、まだ泳がせておけ、って言われてるらしいわ。命までは狙われてないみたいよ。よかったわね」

希「あぁ…、うん、せやね…。って、なんでそれをうちに…?」

絵里「…まぁ、いいじゃない。それより…!」スチャッ

絵里「久々にやり合いたかったのよ、あなたと…!」\ディコーラム!!/

希「…本気で、やるつもり?」

ディコーラム・D「えぇ、もちろん。さ、早く変身して?」

希「…仕方ない。そっちがその気なら…」スチャッ

ディコーラム・D「…でも、どうせだったらワイルドスターとやらに変身してくれない?どうやらそっちのほうが強いらしいじゃない?」

希「どこでそれを…。…どうする?真姫ちゃん?」


真姫「…」

真姫「…めんどいからパス。あんたらでやりあっときなさい」


希「…そうですか。イヤやって」

ディコーラム・D「あぁ、そう…。なら力づくでも引きずり出してやろうかしら?」

希「フン。うちらかて…、成長してるんやよ?」\スター!!/


真姫「…あのメモリ失くしたなんて言えない」\クレッシェンド!!/


希「えっ?失くし…」 真姫「なんでもないなんでもない」

希・真姫「「へ、変身っ…!!」」

\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「…」

ディコーラム・D「なんか慌ててるみたいだったけど…、成長がどうしたんだっけ?」

Muse「なんでも…!」「ないわよっ!!」ヒュンッ!!

ディコーラム・D「ふふ、そんなんじゃ…、当たらないわよっ!!」シュバッ!!

Muse「やってくれるじゃない…!」「なら次は…、これや!」


\アレグリッシモ!!/\ストレングス!!/ デレレンレレーンドンドンダーン


Muse「「うおりゃぁぁぁっ!!」」

ディコーラム・D「おっと…!」



…運命のイタズラ。

この偶然の出会いは、決して忘れられない別れの始まりやった…。

第13話「Dの別れ / 夢なき夢は夢じゃない」



Muse「うぐっ…!!」「こいつ…!前よりも強くなって…!」

ディコーラム・D「ふふ…、成長したのはあなたたちだけじゃないってこと!てやぁっ!!」ヒュンッ!

ディコーラム・D「出し惜しみなんてせずにっ!とっととワイルドスターに変身したらどう!?」

Muse「…したいのは山々なんだけれど…」「…なんか出来ない理由があるみたいやよ!…大方の予想は付いてるけど!」

ディコーラム・D「だったら…!惨めに散ってもらうしかないようね!はぁっ!」ヒュッ!!

Muse「うあぁっ…!」「くっ…、そうは、させへん…!アンタみたいな街を泣かせる最低のゲスに…!」

Muse「私たちは屈するわけにはいかないのよ!」「はぁぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

ディコーラム・D「甘いっ!!」ヒュヒュヒュッ!!

Muse「くっ…!また分身か…!」


「私に釣られてみる?」「私の力にあなたが泣いた!」「倒してもいいかしら?答えは聞いてないけれど!」「降臨!満を持して!」


Muse「あぁ鬱陶しい!」「でも…、こうなるとうちら…!」「敗色濃厚よね…」

ディコーラム・D「…なかなかに罵ってくれるじゃない…!でもね、私だって…!!」

ディコーラム・D「この街を…!…っ!!」

Muse「ん…?」「動きが止まった…?」「今やっ!ていっ!」ブンッ!!

バシィッ!!


ディコーラム・D「あぐぅっ!!」

Muse「よっしゃクリーンヒット!」「…でも、なんで動きが…」


ディコーラム・D「ぐ、う…、私、だって…!この街が…!この街のことを…」

ディコーラム・D「…愛して、る」

Muse「…ハッ!どの口がそんなことを!」「人の夢を叶えるためなら、街の涙は仕方ないなんてほざいとったのは誰やったっけ?」

ディコーラム・D「…ぅ」

Muse「アンタが街を泣かせてるなんて妹さんが知ったら…、どう思うかわかってるん!?」

ディコーラム・D「…」

ディコーラム・D「…それは、問題ないわ。絶対に、知られることなんて、ないし」

Muse「あ…?」

ディコーラム・D「…妹は」

ディコーラム・D「妹は、もう、この世にはいないから」

ディコーラム・D「夢を叶えることなく、無意味に死んでいった、多くの命の一つ」

ディコーラム・D「…それが、私の最愛の妹の末路よ」

Muse「え…?」「死ん、だ…?」

ディコーラム・D「…はぁ、ダメ、ね…。やっぱり私、メンタル脆いわ…」

ディコーラム・D「何もなければあなたなんか簡単に倒せるはずなのに…。だからあの大会の時も…」

Muse「…大会?」


にこ「おーい!のんちゃーんっ!のんちゃーんっ!!」


ディコーラム・D「…どうやら、あなたを探してるみたいよ?行ってあげたら?…私は、これで」シュバッ

Muse「あ、逃げた…」「な、何やったんや…」

絵里(…私だって、この街を)

絵里(…どうしても、その先が詰まってしまって、動けなかった)

絵里(私も、心からこの街のことを、愛していたはず、…なのに)

絵里(いつからだろう。街の涙を見て見ぬふりをするようになったのは)

絵里(…きっと、あの日から)

絵里(力がなければ、夢なんて何の意味もないと知った、あの日)

絵里(亜里沙が、夢を語ってくれた、あの日から)




4年前

絢瀬家


亜里沙「…お姉ちゃん」

絵里「ん?どうしたの?そんなにウキウキして」

亜里沙「だって!お姉ちゃん、今日…、フェンシングの決勝でしょ?私、応援してるから!」

絵里「ふふ、またそのこと?心配しなくても、亜里沙が見てくれてるなら負けることなんてありえないわ」


絵里(…あの頃の私は…、自分の才能に酔っていた。自分ほどフェンシングが強い人間はいない、なんて)

絵里(少なくとも、同年代には負けるなんて微塵も考えなかった。自分には、力がある、って思い込んでいた)


亜里沙「…でも、私お姉ちゃんが羨ましい。お姉ちゃんは自分の夢を叶えられそうだしさぁ」

絵里「プロになる、ってこと?そうね…、昔からそれだけを目指してやってきたから」

亜里沙「そうやって自信持って言えるだけでもすごいよ!私なんか具体的に何をやりたいかすら決まってないのに…」

絵里「亜里沙はまだ15歳じゃない。中学生なんて、みんなそんなものだと思うけど?」

亜里沙「で、でもお姉ちゃんは…」

絵里「私みたいに具体的に決まってるほうが珍しいものよ、きっとね。…でも、そうね」

絵里「具体的、じゃなくても、漠然と…、こういう仕事がしたい、なんてないの?」

亜里沙「漠然と…?そうだなぁ…、それ、だったら…」

亜里沙「…うん。ある、かも」

絵里「へぇ、どういうの?聞かせて?」

亜里沙「ふふ、笑わないでよ?…私ね、将来は…」


亜里沙「…夢を叶える仕事に就きたい」


絵里「夢を叶える、仕事?」

亜里沙「うん。これだけは…、昔からはっきりしてるかも。誰かの夢を叶えてあげる仕事」

亜里沙「自分だけの力じゃ成し遂げられないことの、お手伝いをしてあげる仕事。…なんて」

亜里沙「あはは…、おかしい、かな?」

絵里「…いえ。とっても立派な夢だと思う。亜里沙らしい…、夢に溢れるお仕事」

亜里沙「むっ!なんかその言い方…、ちょっと馬鹿にしてない?」

絵里「し、してないわよ。…頑張って。お姉ちゃんも応援してるから」

絵里「きっと亜里沙は、夢を叶えるお仕事に就ける。一緒に夢、叶えましょ?」

亜里沙「…うん!お姉ちゃんも、今日の決勝、頑張ってね!絶対に、負けないでよね?」

絵里「…えぇ、もちろんよ」

絵里(…今でも、はっきり覚えてる。これが、最後に亜里沙と交わした会話)

絵里(その後私は決勝の会場に向かい、その時が来るまで、精神統一やウォームアップを繰り返していた)

絵里(そんな折、決勝戦まで30分を切った頃、一本の電話が入った)

絵里(亜里沙が、事故に遭った、と)

絵里(カーブを曲がりきれなかったトラックに衝突され、意識不明の重体)

絵里(私の決勝を見に、会場へ向かっている最中の出来事だったらしい)

絵里(私は今すぐ、亜里沙のもとへ向かいたかった。だけど、この試合は大事な、そう…)

絵里(私の夢が掛かった、大事な試合だった)

絵里(…それに、亜里沙にも言われた。「絶対に負けないでね」って…。だから…)

絵里(そう自分に言い聞かせて、私は決勝を戦った)

絵里(…結果は、惨敗。当たり前だ。精神なんか統一できるはずもない)

絵里(だけど私は、悔しさなんて噛み締める前に会場を飛び出していた)

絵里(亜里沙に一刻も早く会いたかった。手術に苦しむ亜里沙の腕を掴んであげたかった)

絵里(でも、手術なんて、行われてすらいなかった。もう、亜里沙は、とっくに…)

絵里(…私は、後悔した。せめて、最後に亜里沙と…、一言でも喋りたかった)

絵里(決勝を放り出して亜里沙の元に向かって、叱られたかった)

絵里(いや、もう大会を放棄して、今日一日、亜里沙と一緒にいられたら)

絵里(そうすれば、亜里沙と、これからもずっと一緒にいられたのに)

絵里(そんな無意味な考えが、それから数日にわたって頭の中を駆け巡った)

絵里(…そこが病院でよかった、って母には言われた。もし、誰もいない場所だったら、私も死んでいたそうだから)

絵里(私は、ずっと泣き続けた。朝から、夜から。一ヶ月や二ヶ月じゃ、足りないくらい。ずっと、ずっと)

絵里(気がついたら、私はベッドの上で、点滴を挿しながら。相変わらず、涙を流して)

絵里(私には、亜里沙がいない日々がとても空虚に思えた。だから、その間ずっと考え続けた)

絵里(亜里沙は、何のために生まれてきたんだろう、って)

絵里(あの子は、叶うはずもない夢を語って、そして車に撥ねられて、無駄に死んでいくために生まれてきたのかな?)

絵里(そんなはずはない。でも、それはもう、紛れもない事実となっていた)

絵里(…少なくとも、このままじゃ)

絵里(だから私は)

絵里(あの子の夢を叶えるため)

絵里(あの子は、無駄に生きたのではないと、証明するため)

絵里(フェンシングの道を諦め)

絵里(そして、夢を叶えるための、力を手に入れるため)

絵里(ガイアメモリの売人へ、なったのだった)


絵里(私は、この仕事が、亜里沙の言う、夢を叶える仕事だと思った)

絵里(本来は、手に入らない力を、与えられる仕事)

絵里(私はこれで、数々の人を笑顔にしてきた)

絵里(売れない豆腐屋を救うためだったり、街のヒーローになるための力だったり…)

絵里(だから、私はこれで、亜里沙の夢は叶えられた、って…、そう、思った)

絵里(あの、探偵に会うまでは…)

絵里(誰かの夢を叶えると同時に、誰かの夢を奪っている)

絵里(…もしかしたら、ずっと分かっていたこと、なのかも)

絵里(それでも、私は見て見ぬふりをしてきた)

絵里(だって…、そうしないと…)

絵里(…いえ、それすらも、私の身勝手な自己満足に過ぎないのかもしれない)

絵里(私が亜里沙の夢を叶えたところで、結局それで、亜里沙の夢が叶えられたことにはならないのだから)

絵里(それに、亜里沙は、この街が大好きだった)

絵里(この街を絶えず包み込む、穏やかな旋律が大好きだった)

絵里(そんな街を泣かせている私が、亜里沙の夢を叶えている、なんて…、言えるだろうか?)

絵里(亜里沙は、この街を泣かせて、それで夢が叶った、なんて言うような子、だっただろうか?)

絵里(改めて考えて、また分からなくなる。私は、一体どうすればいいのか)

絵里(もはや、この仕事から離れたがっている自分がいることにも気づく)

絵里(だとしても、他に人の夢を叶えられる仕事って、なんだろう)

絵里(ずっとこの繰り返し。4年前から、何も変わらない)

絵里(…だから、今は何も考えない)

絵里(私は、私の仕事を行うだけ。夢を叶えたい人が、待っているんだから)

絵里(…だけど)

絵里(この一件が終われば、少し、長めの休みをもらおうかな、なんて、思ってたりもする)



所変わって


美容室『音』


にこ「のんちゃーん!探したにこー!」

希「にこ店長?どしたん?」

にこ「実はー…、のんちゃんに頼みたいことがあってぇ~…」

希「ん?依頼、ってこと?」

にこ「依頼っていうかぁ…、んーっと…」

希「じれったいなぁ。なんでもいいからとりあえず言ってみて?」

にこ「わ、わかったにこ。あのね?実は…」

にこ「のんちゃんに>>714してほしいの!」

従妹の面倒を見て

今日はここまで
まさかの二作連続亜里沙が死ぬっていうね そして下手するとふんふんふん…
えりちがフェンシングやってたとかまたオリジナル設定追加しちゃってもうなんだこれだけどまぁ、ええやん
それじゃあまた(いつになるかわからないけど)次回をお楽しみに ほなな

こんばんは お待たせしました やっとこさ用事も終わったのでこれからは更新ペースが元に戻ると思われます たぶん
大まかな筋は考えてありますがちょくちょく安価も使うかも使わないかも
大まかであるため細かなところはまだ考えてないけれど書いてるうちに勝利のイマジネーションが湧き出るはず
それでは久しぶりにやっていくぞいや

にこ「にこの従妹の面倒を見て欲しいの!」

希「は…?い、従妹…?」

にこ「うん…、地元からうちに遊びに来てるんだけど、お仕事が忙しくてあんまり構ってあげられないにこ…」

にこ「お仕事が終わるまででいいからのんちゃんに音都案内でもしてもらえないかな、って」

希「従妹、って…、店長の従妹やよね?おいくつなん…?」

にこ「結構年離れてて、まだ中学生にこ」

希「それはまた…、親子ほどの差があるんじゃ…」

にこ「そ、そこまではないわよ!まぁ…、昔から歳の離れた姉妹みたいな扱いだったけど…」

にこ「でも、しっかりしたいい子だし、迷惑かけることはないと思うから!ね、いいでしょ?」

希「いやでもうち探偵やし…。そういう依頼は受け付けてないっていうか…」

にこ「えーっ!にことのんちゃんの仲じゃなぁい!それにぃ…、理容代のツケ、たっぷり残ってるにこよ?」

希「う…、それを言われると辛いものが…。あー…、わかった。仕方ないなぁ」

にこ「うふふっ!それだからのんちゃんのこと大好きにこっ!」

希「はいはい。で…?その従妹さんのお名前は?」

にこ「うん。その子はね…」



東條西木野☆探偵事務所内


亜里沙「こんにちはっ!今日からお世話になります、小澤にこの従妹の、絢辻亜里沙といいます!よろしくお願いしますっ!」


真姫「…これはまた、行儀の良い子を拾ってきたのね。希」

希「拾い物違うから…。どちらかといえば借り物やし…」

凛「この子の子守…、というか、音都にいる間のお世話を頼まれたんだよね?」

亜里沙「はい!…私は大丈夫って言ったんですけど、にこお姉ちゃんが私に構ってあげられないのが心苦しいから、という理由で…」

希「美容室は一日中お仕事やからね。昼の間は知り合いもいないし、暇そうにしてるのをよく見るから、やって」

真姫「…うち、何でも屋になった覚えはないんだけれど」

凛「というか、こっちだってある意味一日中仕事だにゃ…。もはや暇だってことを前提に頼まれてるにゃ…」

希「まぁまぁ…。少なくとも店長より暇なのは確かなんやし…。ずっと一人なんも退屈でしょ?亜里沙ちゃん」

亜里沙「はい、正直…。でも、にこお姉ちゃんが信頼して預けてくれた人ならきっといい人だって信じてます!どうかよろしくお願いしますね!」

真姫「…ホント、よくできた子ね…」

希「真姫ちゃんも、この中では一番年近いんやから仲良くしてあげてね?」

真姫「わかってるー」

希「それで…、亜里沙ちゃん。音都でなんか興味あるところ、とか、回ってみたいところ、とかある?」

亜里沙「興味のあるところ、ですか?」

凛「なんでも言ってくれていいよ!音都は大抵のお店はあるから!なんなら凛行きつけのラーメン屋も紹介しちゃおうかにゃ?」

真姫「そうでなくても、好きな食べ物のお店や洋服売り場でも構わないわ」

亜里沙「そう、ですねー…。興味のあるところ…。あ、だったら…」

亜里沙「>>723に行ってみたいです!」

秘密基地(戦隊カフェ)

亜里沙「じゃあじゃあ…、無理なお願いかも知れないですけど…」

希「なになに?とりあえず言ってみて?」

亜里沙「はい!えっと…、戦隊モノを扱ってるカフェ、って…、ありませんか!?」

希「…え?」

亜里沙「店員の方や他のお客さんと戦隊モノのお話しながら、戦隊にちなんだメニューを頂ける…。そんな夢のような場所…!」

希「…あ、亜里沙ちゃん…?」

凛「戦隊モノが…、好きなの?」

亜里沙「はいっ!大好きです!特に私はスーパー戦隊シリーズ第十五作目のチャイナマ…、いえ!ダイレンジャー推しです!」

希「へ、へぇ…、そうなんや…。で、でも流石の音都でもそんなカフェは…」

亜里沙「な、ないんですか…?」

凛「う、うん…。それこそ東京秋葉原にでも行かないと…」

亜里沙「そ、そうですか…。残念です…」


真姫「え?あるわよ?戦隊カフェ」


希「え!?」

凛「あるの!?」

真姫「えぇ、こぢんまりとしたところだけど。でも店内はそこそこに豪華だったはず」

亜里沙「ホントですか!?やったぁー!」

希「な、なんで真姫ちゃんがそんなん知ってるの…?」

真姫「ふっ…。私の『音楽室』にはこの世すべての事象が綴られているの…。戦隊カフェの場所だって調べればすぐに…」

凛「いや調べればそれこそネットでも見つかると思うけど…。興味を持つまでのきっかけが知りたいにゃ…」

真姫「そんなことどうでもいいじゃない。さ、行きましょう。あなた、なかなか趣味が合いそうね」

亜里沙「はいっ!仲良くしましょう!」

希「いつの間に真姫ちゃんまで戦隊オタに…」

凛「いつもお留守番だからどこから知識を吸収してるかわかったものじゃないにゃ…」


戦隊カフェ『ひみつきち』


亜里沙「わ、わぁーっ!!すごいすごいすごぉいっ!!これ…、夢みたいですっ!」

真姫「でしょ?ほら、これなんか今じゃ手に入らないトイ○らすの限定アイテムよ」

亜里沙「ホントだ!それにこっちは…、マニアの間では数十万の値で取引されてる超激レア超合金じゃないですか!?わぁ…!実物が見れるなんて…」


希「ホンマにあったし…。つ、ついていけない…」

凛「うわぁ…、暑苦しそうなオジサマがいっぱいいるにゃ…」

希「あっちには変なコスプレしたおねえさんと宅配のお兄さんがいるし…。平日やのに仕事ええんかな…」


真姫「お久しぶりね、店長。いえ…、ハカセ、って呼んだ方がいいんだったっけ?」

ハカセ「あら、お久しぶり。そうね、常連さんはハカセさん、って言ってくれるわね。あら?その子は?」

亜里沙「あ、店長さんですか!?わ、私亜里沙って言います!スーパー戦隊シリーズは初代から欠かさず見てて…!」

ハカセ「まぁ、可愛らしいのにすごいコアなお客さんね。亜里沙ちゃんね、よろしく」

亜里沙「はい、よろしくお願いします!それにしても…、店長さんいい声してますね!声優さんみたい!」

ハカセ「え゙っ…、あ、いや…、あ、あはは…、ありがとう…。で、でも声優なんてしてないから。えぇ、絶対してないし」

亜里沙「…?」

亜里沙「…で、私が思うにですね!レオパルドンの成功が無くてもいずれ巨大ロボットは…」

真姫「いえ、あれは大きな転換期に間違いはないわ。あれがなかったら今のスーパー戦隊はなかったと言っても…」



街道


亜里沙「あーっ、楽しかったー!久しぶりに戦隊のことについてたくさん話せました!」

真姫「ふふ、私も久々に燃えたわ。また一緒に来ましょうね」

亜里沙「はいっ!」


希「…あー、あれやなー…」

凛「んー…?どうしたにゃー…?」

希「男の人が、彼女の服選びの時間が長くて辟易する、ってヤツ…」

凛「それがどうしたにゃ…?」

希「たぶん…、今のうちらの気持ちって…、それに近いものがあるんちゃうかな…」

凛「あぁ…、そうだね…。滅茶苦茶待たされたにゃ…」

希「今日がもう終わりそうやし…。意味のわからない話を延々聞かされるのは拷問に近いものがあるわ…」

凛「うぅ…、もう疲れたよ…」


亜里沙「えへへ…、話し込んでたらもうこんな時間ですね…。今日はありがとうございました!また明日、よろしくお願いします!」

真姫「えぇ、また明日。バイバイ」

亜里沙「さようならー!」


真姫「ふぅ…。行っちゃったわね」

希「どうやった?真姫ちゃん」

真姫「ん?…そうね。あの子、とってもいい子ね。友達になれそう」

凛「来週には帰っちゃうんだけどね…」

真姫「…それは少し残念ね。メアド交換しておかないと」

希「あはは…、ホンマに気に入ったんやね…。…それじゃ、うちらも帰ろか」

凛「うん、そうするにゃ!」

真姫「えぇ、帰りましょう」



帰り道


凛「…それでねー…」

真姫「ふむふむ…、ゾクゾクするわね…」


「…ぅ、グ…、が…」


真姫「…ん?今、その脇道の奥に…、だれかいなかった?」

希「奥…?」

真姫「えぇ…。それに、この臭い…。焦げ臭くて…、そして、血の臭いも…」


「…が、はぁっ…!」バタッ


希「…っ!こ、この人は…」

「…が、はぁっ…!」


希「…っ!こ、この人は…」


「あ…?あ、探偵…、さん…?」


希「…絵里、さん…」


絵里「ふ、ふふ…。こんなところで…、奇遇、ね…」

真姫「ガイアメモリの売人…!?どうしたのよ…、その傷…!?」

凛「お腹のあたり…、抉られてるにゃ…。出血量もひどい…」

絵里「う、ぐっ…!ちょっと、油断を、ね…。情けないところ、見せちゃった、かな…」

希「そんなん言ってる場合ちゃうやろ!今すぐ救急車…!」

凛「わ、わかったにゃ!」ピポパ

絵里「べ、別に…、いいわよ…。この、くらい…。う、ぎぃっ…!」

真姫「…非常時に強がりはやめておきなさい。その傷、放っておけば普通に死ぬわよ」

希「とにかく…、安静にして。それから、傷口は何かで防がないと…。なんか持ってない?」

真姫「…何も」

希「…仕方ないな。うちのジャケットを破いて…」ビリビリ



希「はい。これで応急措置は完了。あとは座って救急車を待っててね」

凛「もう少ししたら来るみたいにゃ。ちょっとの辛抱だからね?」

絵里「…」

絵里「…なんで?」

希「え?」

絵里「…どうして、私を助けたの?放っておけば、勝手に死んだ相手を…」

希「どうして、って、それは…」

真姫「それは、希は困ってる人を見かけたらそれが敵だろうがなんだろうが助けてあげちゃうとんだ甘々ハーフボイルドだからよ」

希「…」

絵里「…ハーフ、ボイルド、ね…。アハハ…、変なの…」

希「…別に、うちはお前のことが嫌いなわけじゃない。ただ、街を愛するものとして、お前のやってることは許せない、ってだけや」

希「嫌いでもない人が、目の前で死にかけてたら救うのは普通のことやと思うけど。違う?」

真姫「…そうかもね」

絵里「…」

絵里「…優しいのね」

希「普通よ」

絵里「…そう、ね。普通に、優しい人」

絵里「…ありがとう。こんな私を、救ってくれて」

希「礼は、今はいい。それより…」

希「病院についたら話して。何があったかを」

音都総合病院


凛「ふわぁぁ~…、また手術が終わるまで待つことになるとは思わなかったにゃ…」

希「今日は待つアンド待つの繰り返しやね…」

真姫「すぅ…、すぅ…」

凛「真姫ちゃんなんか喋り疲れて寝てるし…。凛も…、ふわぁ…、寝たいにゃ…」

希「…凛ちゃんも、寝てていいよ?うちが絵里さんから話聞いておくし」

凛「…うぅん。意地でも起きる。だって、私は東條西木野☆探偵事務所の所長だもん…」

凛「絶対に…、起き…、くぅ…。くかー…、くかー…」

希「…ふふ、仕方ないな。ゆっくりお休みね?」

希「…すみませーん、毛布、頂けますか?」



音都総合病院 病室


希「おはよう」

絵里「…おはよう。よく眠れたわ」

希「怪我は、大丈夫なの?」

絵里「…数週間は安静に、だって。でも、手術はとっても精確だし早いし、ここの医者は優秀ね」

希「せやね。…それより、その傷のことやねんけど」

絵里「あぁ…、そう、だったわね」

希「…どうしたの?何があって…」

絵里「…」

絵里「…私が」

希「え?」

絵里「…私が、やったの」

希「は…?ど、どういう、こと…?自分で…、自分を攻撃した、ってこと…?」

絵里「いえ、そうじゃ、ない…。でも…、似たようなものよ」

絵里「…この傷はね」



絵里「私がガイアメモリを売った客に、やられたものよ」

寝落ちだすまない 忙しい時期は終わったのにテッペン超えると眠たくなるのは治ってないみたいだ
ところでいまさら第8話見てたらえりちがアライズと一緒に映っててBiBiったよ あと来週がとても楽しみです
では今度こそ最後までやって行けたらいいね

絵里「…ガイアメモリの不具合のことで逆恨み、とか、そういうんじゃない」

絵里「売ったその場で、私は攻撃されたのよ」

希「な…!」

絵里「…まさか、こんなことになるとは思わなかったけどね」

絵里「私はね、これでも節度は弁えてる方の人間なのよ?あなたにはわかってもらえないでしょうけど」

希「…どういうこと?」

絵里「個人的な指標だけど、私はガイアメモリを売る人間は見極めるようにしてるの。この人には売る、この人には売らない、っていうの」

絵里「基準は、『この人は、ガイアメモリの力を自分の夢のために使おうとしているか』ってこと」

絵里「私、夢を見ている人、っていうのはなんとなく分かるの。みんな、目に綺麗な光が宿ってる」

絵里「自分の進みたい、確かな指針があることを感じるのよ」

絵里「それと、欲望のままに力を扱おうとしている人もわかる。邪な感情が身体から溢れ出てるのが見てわかるんだもの」

希「へぇ…、共感覚、ってやつなんかな」

絵里「分からないけど…、それと近いものはあるかも。濁った感情…、物欲や出世欲、そういった感情は、私の目には澱んだ空気のように見える」

絵里「そういう人には、私は今までメモリを売ったことはなかった。そんな人に力を与えても、ただ徒らに人の命を奪う結果になりかねないから」

絵里「…私には私のやり方、ってものがあるのよ。あなたには、理解されないでしょうけどね」

希「…まぁ、理解はしたよ。納得はできないけど」

絵里「…そう。でもこのやり方で、私は元いた会社ではトップセールスを誇っていたのよ。すごいでしょ」

希「…自慢がしたいん?」

絵里「…いえ、そういうことじゃないんだけど。まぁ…、私は私なりに、人の命を奪うことは極力避けてきた、ってこと」

絵里「…でも、今回の客は…、違った。あれは…」

希「目測を誤った、ってこと…?」

絵里「あは…、そうだと良かったんだけど…」

希「…?」

絵里「…彼女は、今までのどんな客とも違った」

絵里「初めてね、私があの子と会った時、私は確かに、その子から煌く夢を感じたの」

絵里「純粋で、無邪気で、子供のような無垢な夢を」

絵里「…だから、この人にはメモリを売っても大丈夫だ、って…、そう思ってた」

絵里「ガイアメモリ売買の話を持ちかけて、それを承諾されて、コネクタ移植を行って、いざメモリの取引、ってタイミングで…」

絵里「…その人の夢について、まだ一言も聞いていないことに気づいたの」

絵里「だから、何の気なしに、聞いてみたのよ。あなたの叶えたい夢、ってなんなのか、って」

絵里「そいつは、何か気に入ったメモリを見つけたのか、アタッシュケースの中にあったうちの一本を手にして」

絵里「初めて会った時から変わらない、純粋で、無邪気で、無垢な笑顔で、私に向けてこう、言った」




「私、人を殺したいんです」

「ただ殺すんじゃなくて、アリの群れを踏み潰すように、何の感慨もなく、それでいて盛大に」

「今まで積み重ねてきた、その人たちにとって大事な人生を、一瞬で無駄にしてあげたいんです」

「これが、私が子供のころから、ずっと想い続けてきた、追い続けてきた夢なんです」

希「…っ!!?」

絵里「…耳を疑ったわ。私が純粋だと思って商談を持ちかけた人の夢が…、まさか」

絵里「…人を殺すこと、なんてね」

希「それ、って…、サイコパス、ってこと…?」

絵里「そう、ね…。きっとそう。だって、私は確かに感じたんだもの」

絵里「その子の奥に、確固とした夢がある、ってこと」

絵里「決して見間違いなんかじゃなかった。彼女は、普通の一般人が、相応の夢を持つように」

絵里「公坂海未が、夫の喜ぶ顔が見たかったように」

絵里「高崎穂乃果が、ヒーローになりたかったように」

絵里「矢敷こたろうが、姉より強くなりたかったように」

絵里「ただただ、純粋に、無邪気に、無垢に」

絵里「そいつは、人を殺したかったのよ」

希「…」

絵里「…私は、予測できていなかった。そういう夢を持つ人間が、この世に存在している、ってことに」

絵里「予測できなかった私が、一番の加害者」

絵里「…その話に呆気に取られて、目の前でメモリを使用されても咄嗟に反応できず、無様に腹を抉られたのも、全部私の責任」

絵里「でも、ちゃんとお金は置いていってくれた。命までは取らない、とも。律儀な人だったわ」

希「…言ってる場合か」

絵里「そうね、言ってる場合じゃない。こうしている間にも、あいつは…」



「急患です!通してください!」「こちらも急患です!死の危険があります!優先してください!」「こっちも!」「こちらもです!!」



希「…っ!!街で…、人殺しを…!!」

絵里「…そういう、こと」

希「そんな…」

絵里「…ふぅ。あまり、こういうことは言いたくなかったんだけど…」

絵里「依頼が、あるの」

希「絵里、さん…」

絵里「…怪我で動けない私の代わりに、ヤツを…、ボマー・ドーパントを、倒して」

絵里「そして…、この街を…、私が、いえ、私の妹が大好きだったこの街を、守って」

絵里「…お願い、します。探偵さん」

希「…」

希「…その依頼、引き受けました。必ず、妹さんの好きなこの街を、守ってみせる」

希「その代わり、報酬は」

希「…ガイアメモリの売人は、もうやめる、って、約束して欲しい。それが、今回の依頼に対する報酬や」

絵里「…」

絵里「…商談、成立ね」

ブルルルルルルル…


希「真姫ちゃんっ!聞こえる!?」

真姫『えぇ、聞こえてる。被害者が襲われた場所は、ちゃんと調べておいたわ』

真姫『コイツ、自分の居場所、隠す気もないみたいね。襲う場所がかなり直線的に移動してる』

真姫『これから予測するに、今こいつがいる場所は…』

希「どこ!?早く教えて!」

真姫『ここは…!希!急いで!早くしないと…!』

希「え…!?」

真姫『次に…、ヤツが襲う場所は、おそらく…!!』




美容室『音』 周辺


ボガァァァンッ!!


にこ「あ、あぁ…!わた、私の…、お店が…!にこの、夢、が…」


ボマー・D「…」


にこ「いや、いやぁ…!」

亜里沙「にこお姉ちゃんっ!!急いで!早く逃げないと…、お姉ちゃんまで一緒に…!!」


ボマー・D「ふふ…、とっても可愛い妹さんですね。羨ましい…」

ボマー・D「そういうの見ると…、ぼーんっ、ってしちゃいたくなるんですよね」

ボマー・D「まずは…、そっちの子から、やっちゃおっかな」


亜里沙「えっ…!?」


ボマー・D「じゃね。バイバイ」


にこ「あっ、亜里沙ちゃんっ!危ないっ!!」バッ


ボガァァァッ!!

にこ「うぎゅぅっ…!!あ、がぁっ…!!いだぁぁ…!!」

亜里沙「にこ、お姉ちゃん…!!亜里沙を…、庇って…」



ボマー・D「あー…、また外しちゃった…。まだ慣れないなぁ…。力の使い方…」

ボマー・D「ま、いっか。何回も使ってたらいつか慣れるでしょ。じゃ、次は…」


亜里沙「ひぃっ…!!」


ズガガガガガガガッ!!


ボマー・D「痛っ!!な、なに…?」



希「…そこまで、や」

ボマー・D「…誰?」


亜里沙「の、希さんっ…!?ダメですっ!こっち来ちゃ…!!」


希「…うちなら、大丈夫。今のうちに逃げ…」


亜里沙「それが…、にこお姉ちゃんが…!私を庇って…!!」

希「…、遅かったか…!まだ、息はあるよね…?」

亜里沙「は、はい…。でも…、血が…、血が止まらない…!」

希「くっ…!真姫ちゃんっ…!!」

真姫『了解。リボルマキーをそちらに派遣したわ。急いで病院に運びましょう』

希「うん…!」


ボマー・D「だから…、誰なんですか?私の楽しみの邪魔するなんて…」


希「…そっちこそ、誰なんよ。顔見せてくれないん?」

ボマー・D「あぁ…、そうですね。ごめんなさい、私からは自分がどんな姿か見えなくて…」ピチュゥゥンン…


雪穂「…これで、いいですか?あ、私雪穂、って言います。号坂雪穂」


希「…」

亜里沙「こ、子供…!?しかも…、同い年くらいの…」

雪穂「もー、子供じゃないよ。私もう高校二年生だし。立派な大人だよ?」

希(…絵里さんの話には聞いてたけど…、まさか、本当にこんな…)

希「なんで…、こんなこと…?」

雪穂「こんなこと…?こんなこと、って、どんなこと?」

希「…なんで、人を傷つけるんや。人を殺したい、って言ったみたいやけど…」

雪穂「なんで…、って…、理由なんてないですけど?ただ楽しいからやりたい、それだけですよ」

雪穂「んー…、最初はゲームで人を殺しまくるので我慢してたんですけどね?でも画面の中のキャラクターって、みんな同じ反応」

雪穂「違うんですよ!もっとこう…、人それぞれに感じる恐怖ってあるじゃないですか!それがゲームの中にはないんですよ!」

雪穂「野良犬もなんか面白くなかったし…。やっぱり人じゃないとダメですよねぇ。あ、この気持ちわかります?わかんないですよねぇ…」

希「…あぁ、全ッ然、わからん。だから、そういう話はモノ好きな警官さんに、たっぷり話せばいい…」スチャッ

希「うちがやることは…、不良娘にキッツイお仕置きを食らわせてやることや!!」\スター!!/

真姫『同感っ!!ぶっ飛ばしてやるわ!!』\クレッシェンド!!/


希・真姫『「変身っ!!」』


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


Muse「「さぁ…、お前の罪を数えろっ!!」」


亜里沙「へ、変身、した…?」


雪穂「罪、かぁ…。いや、悪いことだってわかってるんですけどね…?」\ボマー!!/ ピチュゥゥンンッ

ボマー・D「こんなの、やめられないですよぉ…。だって、小さい頃からの夢だったんだもん…!」

ボマー・D「やぁっ!!」フッ!!


ボガァァッ!!


Muse「ぐっ…!!空間が爆発した…っ!?」「違う、小型爆弾を投擲してやがるのよ!」


ボマー・D「もう、逃げないでくださいよっ!!」ヒュンッ!!


ギャルルルルルルッ!

ボゴォォッ!!


ボマー・D「な、なに…?」


Muse「やっと来たわねリボルマキー!」「遅いねんっ!」

亜里沙「こ、これは…?」

Muse「亜里沙ちゃん、早くこれに乗って!にこ店長はうちが乗せるから!」「乗ってれば勝手に病院へ着くわ!あとは凛に任せて!」

亜里沙「わ、わかりました…!よいしょっ…」

Muse「店長も…、よっ…、っと。これでよし…」「さ、早く行きなさい!」


ギャルルルルルルッ!!


Muse「ふぅ…、にこ店長、無事やといいけど…」「…私たちは、祈るしかないわ」


ボマー・D「ちょっ…、なんだったの今の!?あ、あれあなたの?すごいですね!カッコイイ!」


Muse「…コイツ、調子狂うわね…」「きっと今も、ボス戦戦ってるような気分なんやろうね…」「…いや、雑魚戦かもね」


ボマー・D「うわー…、ね、今度私も乗せて!お願い!」


Muse「…どうやら、そうみたいやね…」「ふざけてるわね…、つくづく…!!」

Muse「「てりゃぁぁっ!!」」ヒュンッ!!

バキィッ!!


ボマー・D「うぐっ…!!痛ぁ…!やったなぁっ!!」ヒュヒュヒュッ!!


ボガガガァッ!!


Muse「ぐふっ…!!」「近距離戦は厄介ね…!距離を取って戦うわよ!」「おうっ!」スッ


\フェルマータ!!/\ストレングス!!/ テレレンダダーンドンドンダーン


Muse「伸びるメイスやっ!!」「こうやって根元を持ってヒュンヒュン振り回して…」ヒュンヒュン…

Muse「こうっ!!」ヒュンッ!!


バシィッ!!

ボマー・D「うぐっ!!」


Muse「てりゃてりゃてりゃてりゃぁっ!!」「喰らいなさいっ!!!」ヒュヒュヒュンッ!!

バキバキバキィッ!!


ボマー・D「う、がぁっ!!」

Muse「よし…!効いてるっ!」「こうやって弱らせて、止めは…!」


ボマー・D「う、うぅ…」フラフラ…


Muse「今やっ!」「真姫シマムよっ!!」


\ストレングス!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「くらえ…」ブンッ!!



ボマー・D「…なーんちゃって」



Muse「「え…?」」


ボッ!!

ヒュバッ!!


ボマー・D「捕まえた」ガシッ


希(足の裏を爆発させて…、推進力に…!!一瞬で距離を詰められた…!)

真姫(真姫シマム発動の隙を狙って…、腕を掴まれ…!マズ…っ!!)


ボマー・D「ぼーんっ」


ボガァァァッ!!

Muse「「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」


ボマー・D「ふふ!流石に直は痛いでしょ?ね、どう?」

Muse「あ、ぐぁっ…!!う、腕、が…!!」「これは…、マズい…!肉がズタズタに…!」

真姫(このまま放っておくと…、希の腕が使い物にならなく…!)


ボマー・D「油断はいけないですよ?」ガシッ


Muse「…っ!!あかんっ!!次は…」「太ももをっ…!!」

ボガァァァッ!!


Muse「がっ…!!あぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!あああああぁぁぁっ!!!」


ボマー・D「アハハハハハハ!!すごいすごい!痛がりようがおもしろーいっ!あー…、気持ちいい…」


Muse「あ、あぐ…!」「足まで…、う、動け、ない…!」


ボマー・D「…じゃ、そろそろ、終わりにしよっかな。次は首を…」


Muse「や、やられ…!」「うっ…!!」


ヒュンッ!! バシィッ!!


ボマー・D「痛っ!な、なに…?」


Muse「あ、あれは…?」「…>>740(空を飛ぶ生物)型の、ガジェット…?」

キバット二世

Muse「なんやあれ…、コウモリ…?」「いえ、あれは…」


ボマー・D「いたっ!痛いっ!やめ…!」

<ゼツメツタイムダ!!ゼツメツタイムダ!!


Muse「…キバット二世型のガジェットだわ…」「な、なにそれ…」

Muse「そんなことより…、ヤツに隙ができた…!」「今のうちにっ…!!」

\フォルテ!!/\ハングドマン!!/


Muse「てりゃぁぁっ!!」ヒュンッ!!


シュルルルルッ…、ガシッ!!


ボマー・D「な、なにこれぇ…!?い、痛いっ…!!腕に食い込んでっ…!!」


Muse「もっと強く…!もっと強く締め付けろっ!!」


ボマー・D「うあぁぁぁぁぁっ!!痛い痛いいたぁぁぁぁいっ!!!」ギリギリギリ…

ボマー・D「ぐっ…!このぉっ!!」

ボガァァァッ!!

ブチッ!!

ボマー・D「あ、がぁっ…、はぁ、はぁ…!う、ぎゅっ…!!まだ、痛いよぉっ…!痛い、痛い…!」

<ゼツメツタイムダ!!

ボマー・D「うぅっ…!この小さいのも意味わかんないし…!来ないでよぉっ!!やぁっ!!」タッタッタッ…


Muse「に、逃げた…?」「なんとか…、助かった、わね…」

Muse「で、でも…、この、ザマ、か…。うぅっ…」ピチュゥゥンン…

希「が、はぁっ…!腕、足が…!やられて、もた…。動け、ない…!」

真姫『…そっちにも、リボルマキーが必要みたいね。Museに変身してたおかげで、さほど重傷じゃないみたいだけど…』

真姫『でもその傷じゃ…、もう当分はまともに戦えないわよ』

希「うぐっ…、そ、そんなこと…!うあっ…!」

真姫「そら見なさい。動いちゃダメ。車が来るまで待っておきなさい」

希「…わかった」


希(…必ず、守る、か…。クソッ…)

希(結局うちは…、何も守れてない、バカ女や…)


真姫(…あのガジェット、一体…?私の作ったモノでは、ない…)

真姫(だとすれば…、元々希…、いえ、星空所長が持っていたガジェット、あれを作った人物の…?)

真姫(…知らないガジェット。それは、以前にも、一度…)

真姫(まさか…、あの包帯真姫…、アイツが…?)

音都総合病院 絵里の病室


絵里「…」

絵里(…売人を、やめる、か…)

絵里(前々から、少し考えてたことではあったけど…。ついに、実現することになるとはね…)

絵里(…問題は…、UTXを抜けることを、彼女たちが許してくれるかどうか…)

絵里(こればかりは、話し合わなければどうしようもないけれど…)

絵里(…だけど、売人を辞めたあとは、どうやって生きていけばいいのかしら)

絵里(また、夢を叶える仕事、を探す、か…。でも、夢を叶える仕事、って…?)

絵里(誰の夢も奪わず、悲しませず、夢を叶えるお手伝いができる、仕事…)

絵里(それって…、何なんだろう…)



「…えちゃんっ!しっかりして!お姉ちゃんっ!!」



絵里「また、怪我人が…。…これ全部…、ボマーメモリの…」

絵里「くっ…!私のせいで…、こんな…」



亜里沙「お姉ちゃんっ!!お姉ちゃんっ!死なないで!お姉ちゃんっ!!」

にこ「あ、うぅっ…」



絵里「…っ!!?」

絵里「今…、ドアの隙間から、見えた…、タンカで運ばれる人に、付き添ってた、子…」

絵里「あ、亜里沙…?」



第13話「Dの別れ / 夢なき夢は夢じゃない」

おわり

真姫「というわけで第13話だったわ。いかがだったかしら」

希「一回寝落ちしちゃってごめんね。今もすごく眠いけど」

凛「それもあるけど一話の間隔が空きすぎたのもごめんね。今度からは更新早くなる予定だから!」

真姫「さて、今回を振り返っていくけれど…、亜里沙と雪穂が初登場だったわね」

凛「亜里沙ちゃんは年齢も性格もそんなに変わってなかったからいいけど…」

希「雪穂ちゃんに至っては年齢も変わった上に性格はサイコパスにされるというとんでもないことに…」

真姫「セリフ多いキャラはライダーから出しづらいのよ。口調が難しいし」

真姫「それに…、サイコパス少女…、ゾクゾクするじゃない」

凛「それには肯定しかねるにゃぁ…」

真姫「今更だけど性格改変はもはや致し方のないことなので許してね」

希「それと、サブタイトルが穂乃果ちゃんのソロ曲のタイトルだったのは…?」

凛「そうだよ!穂乃果ちゃん一回も出てきてないし!」

真姫「なんか今回の話と妙に合致するからつけてみただけで特に穂乃果は関係ないわ」

希「適当やね…」

真姫「ふっふっふ…、なんか重要そうな回には曲のタイトルをつけるスタンスで行こうかしら、これからも」

凛「好きにすればいいんじゃないかにゃ…?」

希「じゃ、今日はここまで、かな…」

真姫「もう眠たいからお休みするわ!次回をお楽しみに!絵里の命運やいかに!」

凛「これで決まりにゃ!」

こんばんわ 更新早くなるとか言っておいてまた一日放置してしまった
そして明日も書けそうにないので確実に隔日になってしまう これが言いたかっただけです

ビギンズナイトってあれか、フィリップと会った日だったっけ?
でもそうすると今度こそ星空凛太郎とかいう完全オリジナルキャラメインのお話になってしまいそうなんですが…
ただでさえ半分オリキャラみたいなものなのに もしそれでも見てみたい人がいるなら書くかも書かないかも
今回は最序盤だけ安価使うかも それでは始めていきますよ

音都総合病院 希の病室


希「うぐっ…」

真姫「こら、動かないの。治療は済んだと言ってもまだ動けるような体じゃないんだから」

希「せやけど…、あの爆弾魔少女を放っていたら…」

真姫「そうならないように、フォルテハングドマンで縛っておいたんでしょ」

凛「ん?どういうことにゃ?糸で縛ると爆破できなくなるの?」

真姫「そういうことじゃないわ。フォルテハングドマンは釣り糸で対象を思いっきり縛るだけの能力だからね」

真姫「ただ…、糸が切れてもその効力はしばらく続く。今、あの爆弾魔は腕が痛くて痛くて仕方ないはずよ」

希「だから、他を爆破させるだけの余裕はない、ってことやね」

真姫「えぇ、あの年頃なら痛みにも敏感なはず。今はただ糸を千切るのに必死になってるんじゃないかしら」

凛「それまではこっちにも時間が残されてる、ってことかにゃ…」

真姫「まぁ…、かなりフラストレーション溜まってるでしょうからね…。切れた後のことを考えると恐ろしくなるけれど…」

希「…でも、うちが戦えるようになるまで回復するほどの、猶予はない…」

真姫「…」

真姫「…はぁ、やっぱり、アレしかないわよね…」

希「ワイルドメモリ、でしょ。…真姫ちゃん」

真姫「うっ…。ぐぐ…」

希「今朝、ワイルドメモリ失くした、って…」

真姫「えぇっ!失くしちゃったわよ!だって勝手に動くんだものアイツ!」

凛「事務所から逃げちゃったんだね…」

真姫「クッソ…、なら仕方がない…。このほんの少しの猶予の間に私たちができることはだった一つ…!」

希「ワイルドメモリを、見つけること、やね」

真姫「その通り!希はゆっくり休んでおきなさい!さ、凛!行くわよ!」

凛「了解にゃ!こういうのは凛にお任せ!なんたって…」

真姫「ペットの捜索は、大大大得意、なんだものね!」

第14話「Dの別れ / ありふれた悲しみの果て」



音都総合病院 絵里の病室


絵里「…」

絵里(さっきのは…、亜里沙…?)

絵里(いや、そんなまさか…)

絵里(で、でも…)

絵里「…」

絵里「と、とりあえず、部屋を出てみましょう…」


絵里「たしか…、タンカは集中治療室に運ばれていったはず…、そっちへ向かいましょう」

絵里「よっ…、う、ぐっ…!流石に…、まだ痛む、わね…」



集中治療室前


亜里沙「にこ、お姉ちゃん…。お願い、死なないで…」


絵里「あ…」

絵里(いた…)


亜里沙「…」

絵里「あの…」

亜里沙「は、はいっ…?え、あぁ…、ここ、邪魔でしたか…?」

絵里「あぁ、うぅん、そうじゃなくて…」

亜里沙「…?」

絵里「亜里、沙…?」

亜里沙「えっ…?なんで、私の名前…。あの…、どこかでお会いしたこと…」

絵里「え、いや…」

絵里(私はあなたのお姉ちゃんよ、なんて…、流石に言えるはずもない…)

絵里(それに…、仮に亜里沙が生きていたとしてら、今は19歳…)

絵里(対して、彼女はどう見ても中学生…。リビングデッドでもない限り、ありえない、か…)

絵里(でも…、似ている。亜里沙、私の妹に…。それに、名前まで同じ、だなんて…)

亜里沙「あの…?」

絵里「えっ…、あ、あぁ…。いえ、会ったことはないわ。ごめんなさい…」

亜里沙「え…?そうですか…?でも、だったらどうして私の名前を…」

絵里「え゙っ…。あ、あぁ…、そうね…」

絵里「え、えっと…、それはぁ…、そう!それは私が>>754だからよ!」

ロリコンレズ変態クソビッチ

絵里「それは私がロリコンレズ変態クソビッチだからよ!」

亜里沙「は…?」

絵里「えー、その…、小さな可愛らしい女の子を見るとその審美眼によって名前すら透視してしまう能力を持った…」

絵里「…あー…」

亜里沙「…」

亜里沙「え、えっと…、その…」

亜里沙「す、すごいですね!そんな…、の、能力を持ってるだなんて!」

絵里「いやいやいや!ごめんこれ嘘だから!本気にしないで!そして気を使わないで!」

亜里沙「い、いいんです!私全然引いてませんから!ロリコンレズ変態クソビッチなお姉さんでも立派に生きていらっしゃるんですから!」

絵里「もはやミジンコレベルと同程度に見られている!?違うの!今のはただのロシアンジョークで実は…」



亜里沙「あぁ…、そうだったんですか…」

絵里「え、えぇ…。ごめんなさい、わかりにくい冗談かましてしまって…」

亜里沙「あ、いえ…。でも、不思議な偶然ですね…。その妹さんと私がソックリで、それに名前まで一緒、だなんて…」

絵里「そうね、私も驚いたわ…。幽霊を見たのかと…」

亜里沙「そんなに、私とその、妹さんは瓜二つだったんですか…?」

絵里「えぇ、今でも信じられないくらい。ちょうど…、あなたくらいの歳の頃に…」

絵里「…ぅ」

亜里沙「…あ!えっと…、その…」

絵里「…うぅん、いいの。ごめんね、余計な気を使わせてしまって…、ぐずっ…」

亜里沙「いや…、あの…」

絵里「あなたを見ていると…、妹のことを思い出して少しセンチになっちゃっただけだから…」

絵里「…亜里沙」

亜里沙「え…、えぇ…っと…、その…」

亜里沙「…お、お姉ちゃんっ!」

絵里「えっ…?」

亜里沙「あの…、だったら、今だけ…」

亜里沙「今だけ、私を妹さんだと思って…、接してもらえませんか?」

絵里「亜里沙、ちゃん…?」

亜里沙「絵里さんの心が、それで少しでも安らいでくれるなら、って思って…」

亜里沙「…ダメ、でしたか?」

絵里「あ…」

絵里「…うぅん。ありがとう。とっても…、嬉しい。亜里沙…」

亜里沙「あっ…!お、お姉ちゃんっ!」

亜里沙「お、お姉ちゃん…!何か…、してほしいこと、ない?」

絵里「してほしい、こと…?」

亜里沙「うん…、私にできることなら…。なんでも言って?」

絵里「亜里沙…。そう、ね…。だったら…」

絵里「>>757、してくれない?」

絵里「私と…、料理店の経営をしてくれないかしら」

亜里沙「…今だけ、って言ったんですけど…」

絵里「知ったことじゃないわ。さぁ、私とともに下町の小洒落た居酒屋を…!!」

亜里沙「無理ですっ!わ、私にもにこお姉ちゃんって大事なお姉ちゃんがいるので…」

絵里「…」ションボリ

亜里沙「あ…、凹んでる…」

絵里「…一度だけでも…、飲食店、経営したかった…」

亜里沙「えぇー…、この人思ってたよりめんどくさい…」

亜里沙「あ!じ、じゃあ…、そういう設定のおままごとなら…」

絵里「やってくれるの!?」

亜里沙「ひぇっ!?い、いきなり大声を出さないでください…。っていうかおままごとでどれだけ喜んでるの…」

絵里「じゃあじゃあ私客ね!亜里沙が店員!」

亜里沙「え、一緒に経営するんじゃないの!?」

絵里「でもそうするとお客さんが来ないじゃない!そんな飲食店少しも面白くないわ!」

亜里沙「わ、わかりました…。じゃあお姉ちゃんがお客さんってことで…」

絵里「うん!…ちりんちりーん、やってるー?」

亜里沙「え、あ…、い、いらっしゃいませー。お一人様ですか?」

絵里「いえ、二人よ」

亜里沙「えっ」

絵里「妹の亜里沙も一緒なの、ね、亜里沙?」

亜里沙「あ、えっ…、あ、う、うん!今日はお姉ちゃんと一緒にご飯だー!楽しいなー!」

絵里「というわけで二人です」

亜里沙「あっ…、え、そ、そうですか…。ではお席にご案内します、どうぞこちらへ…」

絵里「何やってるの亜里沙。案内してもらってるんだから着いていかないと」

亜里沙「お、お姉ちゃんごめーんっ!そうだね、一緒に行くよー!」

絵里「あれ、店員さん。どうして途中で案内を止めるんですか?早く席に案内してください」

亜里沙「ひ、一人二役同時はキツすぎるよ…。せめてどちらかやってる時は他の役も動いてることにして…」

絵里「仕方ないわね。じゃ、席に着きました。メニューを頂けるかしら?」

亜里沙「えっと…、こちらがメニューとなります」

絵里「ふむふむ…、ね、亜里沙は何が食べたい?」

亜里沙「えっ…、あぁ…、お、お姉ちゃんが好きなものならなんでもいいよーっ!」

絵里「そう?じゃあねー…」

亜里沙(うぅ…、あっちのナースさんに変な目で見られた…。恥ずかしいよぉ…)

絵里「…亜里沙?もしかして、嫌だった?ご、ごめんなさい…、もうやめる?」

亜里沙「あ、う、うぅん!全然平気!お姉ちゃんが楽しければ、私も楽しいから!」

絵里「…そう。ふふ、ありがとう、亜里沙。えっと…、じゃあおままごとの続きだけど…」

絵里「>>759と、>>760をください」

カルボナーラ

冷奴(木綿、掴みやすい)

絵里「じゃあ私はカルボナーラで…」

絵里「亜里沙は冷奴ね」

亜里沙「えぇっ!?私だけお豆腐!?」

絵里「いいじゃない。木綿豆腐だから掴みやすいわよ」

亜里沙「知らないよ!別に豆腐掴んで食べないし!」

絵里「もう、そんな大声出したら店員さんに迷惑でしょう?ね、店員さん?」

亜里沙「えっ…、あ、あぁ…、そ、そうですね…。急に変えないでよ…」

絵里「…そんなに亜里沙がお豆腐が嫌なら亜里沙もカルボナーラにしてあげるわ」

亜里沙「うん、もうそれにしてよ…」

絵里「はい、じゃあ料理ができました。運んで来てちょうだい」

亜里沙「え、うん…。お、お待たせしました。カルボナーラです」

絵里「え、もう出来たの?少し早くないかしら…、芯が残ったパスタは好きじゃないんだけど…」

亜里沙「もう出来た、って言ったのはお姉ちゃんでしょ!」

絵里「うわぁ、亜里沙の料理美味しそうね。ちょっとだけ頂戴」

亜里沙「同じ料理だよ!」

絵里「じゃあ頂きましょうか。ズルズル…」

亜里沙「もう、なんなの…?ず、ずるずる…」

絵里「あら、亜里沙ってばパスタを素手で食べるなんて変わってるのね」

亜里沙「フォーク持ってるジェスチャーしてるでしょ!それだとお姉ちゃんも素手で食べてることになるよ!」

絵里「私はちゃんとスプーンで食べてるわ!」

亜里沙「スプーンで食べてるの!?どうやって!?」

絵里「こうやって先の割れたところでこうして…」

亜里沙「先割れスプーン!?」

絵里「そう、先割れスプーンよ!」

医者「あのー、うるさいんで他所でやってもらえませんか」

絵里・亜里沙「「はい…」」



絵里の病室


亜里沙「怒られちゃいましたね…」

絵里「えぇ、ごめんなさい…。私も調子に乗りすぎたわ…」

亜里沙「っていうか途中から完全に漫才だったじゃないですか…。あんなので良かったんですか?」

絵里「…うん。私はすごく満足。昔はこうして…、よく亜里沙とふざけあってたっけ」

絵里「とても懐かしい気持ちになれた…。ありがとう、亜里沙ちゃん」

亜里沙「あ、いえ…。絵里さんが楽しかったのなら、私も、嬉しいです…」

絵里「ふふ…、本当によくできた子ね。…あなたのお姉さんが羨ましい」

絵里「…あ、今は…、怪我、してるのだったわね…。ごめんなさい、変なことに付き合わせてしまって…。戻ったほうが…」

亜里沙「…うぅん、今は…、私にできることは祈ること、だけだから…。ただ集中治療室の前で座ってるよりも…」

亜里沙「今、絵里さんとお話する方が、いいことだって私は思うんです。ダメ、ですか?」

絵里「…いえ、全然、ダメじゃないわ。うん…、お願い」

絵里「…もう少し、私の話に、付き合ってもらえるかしら」

絵里「…初対面のあなたに、こんなこと話すなんておかしいと思うけれど…」

絵里「今、私とても迷っているの」

絵里「今の仕事をやめることにしたのだけれど、その先どうすればいいのかが決められなくて…」

絵里「これまで、私はね、妹の夢を叶えるために、生きてきた」

絵里「妹の夢だった『夢を叶える仕事』に就いて、他人の夢を叶えるためのお手伝いをしてきた、つもりだった」

絵里「…でも、それは誤りだった、って気付かされた。私のしてきたことは、同時に他人の夢を奪う行為でもあったの」

絵里「だから…、今のこの仕事は辞める、って決めたのはいいんだけど…。それからどうすればいいか…」

亜里沙「…」

絵里「…なんて、ごめんなさい…。10歳近くも年上の他人に人生相談なんかされても困るだけよね…」

絵里「…いいわ。今のは忘れて。それより、また何か楽しいことを…」

亜里沙「…絵里さんは、どうしたいんですか?」

絵里「…え?」

亜里沙「聞いてる限りだと、絵里さんが求めているのは、妹さんの夢…、『夢を叶える仕事』なんですよね?」

亜里沙「でも、それって…、妹さんの夢であって、絵里さんの夢じゃ、ないじゃないですか」

絵里「ぁ…」

亜里沙「死んでしまった妹さんの夢を追いかけて…、でも、それがダメだったから、また妹さんの夢を追い掛け直して…」

亜里沙「それだと…、絵里さんはずっと妹さんの夢に縛られ続けることに、なっちゃいます…」

亜里沙「だけど…、そうなると、ずっとずっと、絵里さんの夢は叶わないままじゃ、ないですか…」

絵里「私の…、夢…」

亜里沙「…これは、何の根拠もない私の、予想ですらない、ただの空想です、けど…」

亜里沙「きっと…、『亜里沙』さんは…、『お姉ちゃん』の夢を、叶えることも含めて…、『夢を叶える仕事』って、言ったんじゃないでしょうか」

亜里沙「何よりも…、一番大切なお姉ちゃんの夢を叶えてあげたいから、亜里沙さんは…、『夢を叶える仕事』がしたい、って、思ったんじゃないでしょうか」

絵里「…っ!」


(亜里沙「うん。これだけは…、昔からはっきりしてるかも。誰かの夢を叶えてあげる仕事」)


絵里(昔から…、はっきり、してる…)

絵里(じゃあ、亜里沙が、そう決めた、きっかけは…?)

絵里(どうして亜里沙は…、夢を叶える仕事をしたい、って思うようになったのか…)

絵里(妹の夢を追うことだけを考えて、それを考えたことすらなかった)

絵里(亜里沙の夢が、決まったきっかけ…。それって…、もしかして…)



絵里(10年前の、あの日…)

絵里(亜里沙と、二人で…、この街について、語った時の思い出…)

10年前



亜里沙「ねー!見てみてー!これ!」

絵里「ん?何これ…?」

亜里沙「んとね、音都のますこっときゃらくたー!」

絵里「マスコット…?あぁ…、たしか一般募集で優秀賞に選ばれたら本当に採用されるのだったかしら…」

亜里沙「どう?かわいい?」

絵里「えぇ、可愛いけど…。なんでバナナ…、バナ、バナナ?」

亜里沙「バロンくん!」

絵里「え?」

亜里沙「これはバロンくんっていうの!ただのバナナじゃないよ!ほら、頭のヘたのところが四分音符の形に…」

絵里「あらホント。へぇ…、思ったより考えられてるのね。うん、いいんじゃないかしら。とっても可愛いわ」

亜里沙「でしょー?えへへ~…、気に入ってもらえるといいなぁ~…」

絵里「…きっと、優勝するわ。だって、亜里沙ほど、この街を愛してる子はいないもの。でしょ?」

亜里沙「うん!亜里沙、この街の…、音都のこと、大好き!お姉ちゃんも好きだよね?」

絵里「…えぇ、もちろん。大好きよ。…この街を包み込む、柔らかな旋律が、とっても好き…」

絵里「それに、この音楽を聴いていると、自然と練習にも身が入って…、自分が強くなってる、って感じやすいのもあるかしら」

亜里沙「練習…。フェンシングの?」

絵里「えぇ。今度街の大会に出場するの。この間のフェンシング教室でも男の子より強かったんだから」

絵里「だから、大会でも優勝して、おばあさまやおかあさまに褒めてもらって…。ふふ、トロフィーは亜里沙にプレゼントしようかしら」

亜里沙「本当!?…あ、うぅん。そのトロフィーは…、お姉ちゃんのもの、だから…。お姉ちゃんが持ってて」

絵里「そう…?」

亜里沙「…その代わり!街の大会で優勝するだけで満足しちゃダメだよ!もっともっと、他の大会でも優勝して…、トロフィーをいっぱいもらって…」

亜里沙「二人の部屋にいっぱい飾るの!そしたら…、二人共、嬉しいでしょ?」

絵里「…うん。そうね…、うん!私…、街の大会で優勝したら…、今度は県大会…、地方大会…!そして、全国…!」

絵里「いっぱいいっぱい優勝して、トロフィーをたっくさん持って帰るわ!決めた!」

絵里「…これが、私の夢!二人の部屋に、トロフィーをたくさん飾る!」

亜里沙「あ、じゃあ私は…!それを応援する!お姉ちゃんの大会、全部見に行くから!大きな声で、応援するからね!」

絵里「うんっ!亜里沙がいてくれたら、私の夢なんてすぐ叶っちゃうわ!」

亜里沙「うん…!私が…、お姉ちゃんの夢を…。あ!そうだ!」

絵里「ん?どうしたの?」

亜里沙「お姉ちゃんの夢が叶いますように、って願いを込めて…、よいしょ…、かきかき…」

亜里沙「じゃじゃんっ!バロンくんに大きな剣を持たせてみたよ!これで応募してみる!」

絵里「あら…、いいの?これじゃあ剣じゃなくて…、槍に見えるけど…。まぁ、突くという意味ではそっちのほうが近いかもしれないけど…」

亜里沙「この大きな剣で、バロンくんはこの街を守る象徴になってくれるといいなぁ…」

絵里「…うん。きっとみんな、わかってくれる」

絵里「だって…、亜里沙は…、この街を、こんなにも愛しているのだから」

絵里の病室


絵里「…バロン、くん」スッ

絵里「そっか…。このマスコットには…、そんな意味が…」

絵里「亜里沙が叶えたかった、『夢を叶える仕事』って夢は…、このバロンくんという形で、遺されていた…!」

絵里「…亜里沙は、決して、無駄に生きたわけじゃなかった…っ!!」

絵里「彼女の思いは…!夢は…っ!確かに今、ここにある…っ!!」

絵里「亜里沙っ…!!うっ…、うあぁっ…!!うあああぁぁぁぁぁぁぁ…っ!!」

亜里沙「絵里、さ…、お姉ちゃん…」ギュッ

絵里「亜里、沙、ちゃん…」

亜里沙「…言ったでしょ?今だけは…、私は、お姉ちゃんの妹、だから…」

亜里沙「お姉ちゃんが泣いてる時は…、私が…、受け止めてあげたい、から…」

絵里「あり、がと…、う、うぅっ…、亜里沙ぁ…!亜里沙ぁぁ…!!」



絵里(あれからも私は、フェンシングの大会で勝ち続けて、トロフィーをいっぱい貰って、部屋に飾って…)

絵里(部屋がトロフィーで埋まった頃、私はプロを目指すようになっていた)

絵里(もっと大きなステージで勝利を。そして、栄光を…。そんなことを考えるうち、いつしかあの日のことは、記憶の片隅に追いやられていった)

絵里(だけど亜里沙は、どんな小さな大会にも必ず応援に来てくれた。私が忘れてしまった夢を、亜里沙はずっと覚えていた)

絵里(きっと、あの日から。あの日から、亜里沙の夢は、『夢を叶える』ことに、なったんだ…)

絵里(でも私は…、そんなことも知らずに…。自分の夢より、亜里沙の夢を叶えることに必死で…。本当に亜里沙が叶えたかった夢を、放り出してしまった…)

絵里(だったら…、だったら、今こそ…!)



絵里「ぐずっ…、うぅっ…、えぐっ…」

亜里沙「…」

絵里「…ふぅっ…、はぁっ…、ありがと…。もう、いい…」

亜里沙「大丈夫、ですか?」

絵里「うん、もう…、平気。ふふ…、格好悪いところ、見せてしまったわね…」

亜里沙「…いえ、そんなこと…」

絵里「それに、服をこんなに濡らしてしまったし。…これ、お礼になるかしら」

亜里沙「これは…?」

絵里「バロンくんキーホルダー。限定生産50個の超レアモノよ。それにこれは試作品だからさらにレアだわ」

亜里沙「え、そんな貴重なモノを…?いいんですか?」

絵里「…いいの。元々、お供えする予定のものだったから。それより、あなたが持っていてくれた方が…、きっといいわ」

亜里沙「…ありがとうございます。ずっと、大事にします。…亜里沙さんの分まで」

絵里「…ありがとう」

どこか



雪穂「ぐぎぎぎぎぎぎ…!!痛い、痛い痛いぃぃぃぃっ!!!」

雪穂「腕が痛いよぉぉぉぉっ!!この、このぉっ!!早くちぎれなさいよぉっ!!」

雪穂「許さない…!絶対、絶対に殺してやる…!!あの女ァ…!!」

雪穂「ぐぎぎぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」




さらにどこか



凛「こんなので本当に捕まえられるのかにゃ…?」

真姫「いいのよ…!トラといえば生肉が好物…!こうして生肉を餌として放置しておけば…!」

真姫「いずれワイルドメモリが食らいついてくるはず!」

凛「メモリが生肉食うわけないにゃ…。こんなことするより聞き込みの方が…」

真姫「あ、来たっ!!」

凛「はいはい、どうせカラスか何かがのパターン…、って本当に来てるぅっ!!?」

<ギャオォォォォォッ!!

真姫「凛っ!逃げられないうちに捕まえるのよ!」

凛「がっ…、がってん承知にゃ!うりゃぁぁっ!!」

<ギャォォォォンッ!!

凛「ひゃぁっ!!怖いにゃ!」

真姫「あっ、バカ!逃げちゃうじゃないっ!!追いかけなさいっ!」

凛「わ、わかった!うにゃぁぁぁぁっ!!!」



希の病室


希「…あの二人に捜索を任せて本当に良かったんやろうか…、心配になってきた…」

絵里の病室


亜里沙「…」

絵里「亜里沙、ずっと私と一緒にいるのもあなたのお姉さんが嫉妬しそうだし…、そろそろ集中治療室の前に行ってきたら?」

亜里沙「え…、でも…」

絵里「私のことなら、もういいから。それに、ここの医者は腕がいいから、そろそろ手術も終わるかも知れないわよ?」

亜里沙「…わ、わかりました。じゃあ…、行ってきます」

絵里「…えぇ、行ってらっしゃい」


タッタッタッ…


絵里「…行ったわね。そろそろ、来る頃だし…」



英玲奈「…来る頃、っていうのは、私のことかな?」



絵里「…英玲奈」

英玲奈「…さっきの女の子は、知り合い?」

絵里「いえ、ここで知り合ったばかりだけど…」

英玲奈「…そう。それで、話っていうのは?あ、これお見舞いのメロン」

絵里「あ、あぁ…、ありがとう。えぇ、そう。話があって呼び出したのだったわね」

英玲奈「まさか、お見舞いの催促ってわけじゃないんでしょう?」

絵里「もちろん。もっと、大事な話…。こんなこと、言っていいのか分からないけど…」



英玲奈「…UTXを、辞めたい、か…」

絵里「…えぇ。ガイアメモリの販売からも、手を引くつもり。あなたたちの情報を、他へ売るつもりもないわ」」

英玲奈「辞める、理由は?」

絵里「他にやりたいことが見つかった、じゃ、ダメかしら…?お願い、どうしても…」

英玲奈「…わかった」

絵里「えっ…?」

英玲奈「受理する。私の独断だが、絵里がUTXを抜けることを許そう」

絵里「い、いいの…?」

英玲奈「問題ない。ガイアメモリ流通のルートは、絵里のおかげでかなり磐石のものとなってきた」

英玲奈「見事に役割を果たしてくれた絵里が抜けたいというのなら、それを止める権利は、私にはない…、こともないが、今回は見逃そう」

絵里「本当に…?あ、ありがとう!」

英玲奈「礼を言われることのものじゃない。…でも」

絵里「…でも?」

英玲奈「退社の際は必ず、ガイアメモリを返してもらう」

絵里「…それは、承知の上よ。…ただ、まだ返すことはできないけれど」

英玲奈「…そう。それと、ツバサやあんじゅより先に、私に相談してくれてよかった。あのふたりならば、どうなるか分からなかったから」

絵里「そ、そうだったの…?あ、危なかったわね…」

英玲奈「えぇ、よかった。二人より先に、言ってくれて」


英玲奈「…本当に、よかった」

今日はここまでです
今回の話は書きたいことが多すぎてまだこれでも半分くらいだよ… たぶん
脚本家はすごいね 書きたい話をコンパクトにまとめられるとか
主役どもを差し置いて絵里が今回の話の9割を持っていってるけどいいよね! …今後の出番が絶望的なんだから
そんなわけで次回をお楽しみに!ほなな!

こんばんは 再開します
今日中に終わってくれるかな とにかくやっていきますよん

音都総合病院 エントランス


絵里「…」ソー…


希「…どこ行くん?」


絵里「ほわっ!?あ、あなた…、どうして…」

希「なんか胸騒ぎがしてね。うちの隣の病室の人が病院を抜け出す予感が」

絵里「…えらく具体的な胸騒ぎね」

希「ま、うちスピリチュアルやし。…で、どこ行くん?」

絵里「…決まってるでしょう。私がこの手で、ボマーメモリを破壊する」

絵里「最後にあれを破壊して…、私はこの街を出て行くの」

希「…やめとき。絵里さんの体は、今は戦える状態やない」

希「激しく動くだけでも傷口が痛むはず。戦闘なんて出来るはずもない」

絵里「…そんなの、わかってる」

絵里「でも…、でもね!私が…、やらなきゃいけないのよ。ボマーメモリを販売した責任は、私にあるのだから」

絵里「この街を、そして亜里沙ちゃんと、そのお姉さんを泣かせてしまったけじめは、私がつけなきゃいけない」

絵里「だから、邪魔、しないで」

希「…」

希「…気持ちは、わかった。せやけど…、了承は出来ない」

希「今のあなたを戦いに向かわせるのは、死にに行かせるようなものやから」

希「うちは、自殺志願者を見送る趣味はないよ」

絵里「自殺なんかじゃない。…絶対に、やってみせる」

希「決意は変わらない、ってことね…。だったら…!!」グッ…

希「…ぶん殴ってでも止めてあげる。うちにやられるようじゃ、爆弾魔には到底勝てないやろうし」

絵里「…本気?」

希「本気も本気、大マジや。…覚悟、しといてよ」

絵里「…」

希「…行くよ」

希「はぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ!!

絵里「…っ!!」


ヒュンッ!!


絵里「…」

希「…」

希「う、ぐ…!喉元に、手刀…。全く、見えなかった…」

絵里「…これでも、フェンシング全国決勝まで行った人間なのよ。舐めないで欲しいわね」

希「あ、あはは…、強いなぁ…。降参や…」

希「…結局、一度も勝てなかった…」

絵里「…当然よ。戦いのキャリアが違うんだもの」

絵里「…わかって、もらえた?もう邪魔しないでもらえるかしら」

希「…うん。うちには止める資格もないしね」

希「うちの代わりに、街を守って。お願い」

絵里「…えぇ、元より、そのつもりよ。妹が大好きだったこの街を、私が守るの」

絵里「それが、私がこの街でする、最後の仕事よ」

希「…」

絵里「探偵さん…、いえ、希…、さん、だったかしら」

絵里「あなたは、私に大切なことを思い出させてくれた。…街を、愛するということ」

絵里「あなたと、亜里沙ちゃんのおかげで、妹の生きた証に気づくことができた。感謝してるわ」

希「…別に、うちは本心で絵里さんと向き合っただけや。何かをしたつもりはないよ」

絵里「あなたの本心に、救われたのよ。…もう、今更遅いのかもしれないのだけれど」

絵里「…私は、あなたと友人になりたい。あなたのような人と、友人でありたいの」

希「…友達、か。…うん。この音都を愛する者は、みんなうちの友達や!」

希「もちろん、絵里さんもうちの友達。ね?」

絵里「…えぇ。あ、それと…」

絵里「私のことはかしこいかわいいエリーチカ、と呼んでくれて構わないわ」

希「…なにそれ」

絵里「親しくなりたい人にする挨拶よ。未だに呼ばれたことは一度もないけれどね」

希「まぁせやろね…。無駄に長いしイミフやし…。かしこいかわいい、エリーチカ、か…」

希「じゃ、縮めて…、えりちで。こっちのほうが呼びやすいでしょ?えりち」

絵里「…そうね。可愛い響きだわ」

希「うちのことも、呼び捨てで構わないよ。もしくはハードボイルドスピリチュアル探偵東條希様で…」

絵里「わかったわ。希」

希「…」

絵里「ふふ…」

希「あははは…」

絵里「…じゃ、行ってくるわ」

希「うん、行ってらっしゃい。そして、うちらの音都を守って。えりち」

絵里「えぇ。私が、この街を守ってみせる。心配は不要よ。希」

街中


雪穂「あっ…」

雪穂「ははははははははは!!取れた!やっと糸が千切れたぁぁっ!!」

雪穂「もう痛くない!少しも痛くない!これで思う存分人が殺せる!!」

雪穂「でも…、最初に[ピーーー]のはアイツ…!!この腕をこんなにしてくれたあの半分こ女…!!」

雪穂「お口の中にたっぷりの爆弾を詰め込んで顎を蹴り上げてあげたい!そしてぼーんっ、ってなるんだ!」

雪穂「あはははははは!!!そうと決まればあの女のいる場所に…!!」


絵里「そうはさせないわよ」


雪穂「…っ!…なんだ、売人さんじゃないですか。なんで私の居場所が?」

絵里「一応、ね。私の販売してるメモリは全て所有者の居場所がわかるように発信機が取り付けてあるのよ」

絵里「あまり公には言えないことなのだけれど」

雪穂「へー…、そうなんですか。で、そうはさせない、ってどういうことですか?私の邪魔、する気なの?」

絵里「…あなた、最初に出会った頃とは、まるで感じる色が違う。今のあなたは、どす黒い空気を放って見える」

絵里「殺人欲に取り付かれているわね。力を手にして」

雪穂「それの何がいけないんですか?だって私の夢なんだもん!夢を叶えてあげる、って言ってくれたのは売人さんじゃないですか!」

絵里「…あなたの夢を、否定するつもりはないわ。人を殺したい、まぁそれも、一種の夢ではあるんでしょう」

絵里「だけど、今のあなたは人を[ピーーー]ために行動しようとしてるんじゃない。憎しみを晴らすため、殺人という手段を行使しようとしているに過ぎない」

絵里「夢想してきた力を手にして、夢は既に欲望へと姿を変えた。…そんな人を、私は放っておくわけには行かないのよ」

絵里「夢を失った夢は、既に夢じゃない。夢を叶えるのが私の仕事なら、夢を壊そうとするものを止めるのも、また私の仕事なの」

雪穂「…意味わかんない。もういいよ。死んでよ。[ピーーー]」\ボマー!!/

雪穂「あんたを殺して、ついでにこの辺りぜーんぶ更地にしてやる。なんかムカつくし」ピチュゥゥンンッ

絵里「そんなこと、させるわけにはいかないわ。…あ、それとね」

絵里「あなたが行った爆破事件で、今のところ死者は一人も出ていないの。メモリとの適合率がそれほど高くないせいか、力を扱いきれてないのね」

絵里「よかったわね。…あなたの夢は、まだ叶っていないわよ」\ディコーラム!!/



ボマー・D「…じゃあアンタが、私の夢の犠牲者、第一号よ…!」

ディコーラム・D「いえ。…あなたの夢は、永遠に叶うことはない。私が粉々に潰すから!」

街中


雪穂「あっ…」

雪穂「ははははははははは!!取れた!やっと糸が千切れたぁぁっ!!」

雪穂「もう痛くない!少しも痛くない!これで思う存分人が殺せる!!」

雪穂「でも…、最初に殺すのはアイツ…!!この腕をこんなにしてくれたあの半分こ女…!!」

雪穂「お口の中にたっぷりの爆弾を詰め込んで顎を蹴り上げてあげたい!そしてぼーんっ、ってなるんだ!」

雪穂「あはははははは!!!そうと決まればあの女のいる場所に…!!」


絵里「そうはさせないわよ」


雪穂「…っ!…なんだ、売人さんじゃないですか。なんで私の居場所が?」

絵里「一応、ね。私の販売してるメモリは全て所有者の居場所がわかるように発信機が取り付けてあるのよ」

絵里「あまり公には言えないことなのだけれど」

雪穂「へー…、そうなんですか。で、そうはさせない、ってどういうことですか?私の邪魔、する気なの?」

絵里「…あなた、最初に出会った頃とは、まるで感じる色が違う。今のあなたは、どす黒い空気を放って見える」

絵里「殺人欲に取り付かれているわね。力を手にして」

雪穂「それの何がいけないんですか?だって私の夢なんだもん!夢を叶えてあげる、って言ってくれたのは売人さんじゃないですか!」

絵里「…あなたの夢を、否定するつもりはないわ。人を殺したい、まぁそれも、一種の夢ではあるんでしょう」

絵里「だけど、今のあなたは人を殺すために行動しようとしてるんじゃない。憎しみを晴らすため、殺人という手段を行使しようとしているに過ぎない」

絵里「夢想してきた力を手にして、夢は既に欲望へと姿を変えた。…そんな人を、私は放っておくわけには行かないのよ」

絵里「夢を失った夢は、既に夢じゃない。夢を叶えるのが私の仕事なら、夢を壊そうとするものを止めるのも、また私の仕事なの」

雪穂「…意味わかんない。もういいよ。死んでよ。死ね」\ボマー!!/

雪穂「あんたを殺して、ついでにこの辺りぜーんぶ更地にしてやる。なんかムカつくし」ピチュゥゥンンッ

絵里「そんなこと、させるわけにはいかないわ。…あ、それとね」

絵里「あなたが行った爆破事件で、今のところ死者は一人も出ていないの。メモリとの適合率がそれほど高くないせいか、力を扱いきれてないのね」

絵里「よかったわね。…あなたの夢は、まだ叶っていないわよ」\ディコーラム!!/



ボマー・D「…じゃあアンタが、私の夢の犠牲者、第一号よ…!」

ディコーラム・D「いえ。…あなたの夢は、永遠に叶うことはない。私が粉々に潰すから!」

ボマー・D「はぁぁぁっ!!!」ヒュヒュヒュンッ!!

ボマー・D「私の爆弾でグチャグチャに吹き飛んじゃえぇっ!!」


ディコーラム・D「…っ!」

シュシュシュンッ!!


ディコーラム・D「…」

ボファァァァンッ!!


ボマー・D「んなっ…、着弾前に全部…、切り落とされた…!?無数の爆弾が…!?」

ディコーラム・D「この程度で無数?…笑わせるわね」

ボマー・D「くっ…!ならこれはっ!」

カチャッ カチャッ カチャッ


ディコーラム・D「…!これは…」

ボマー・D「地雷だよ。踏んだら即お陀仏の強力な火力だよ?死ななくても足が吹っ飛ぶくらいはあるかもね!」

ディコーラム・D「へぇ…」

ボマー・D「どう?これなら近づいては…」

ディコーラム・D「だったら…」

ヒュバッ!!


ボマー・D「えっ…!?」

ディコーラム・D「…飛べばいいだけの話、でしょ」

ボマー・D「なっ…、そんなのアリ…!?反則よっ!!」

ディコーラム・D「あなたのメモリとは根本的に出来が違うのよっ!!てやぁぁっ!!!」

ヒュンッ!!


ズバッ!!


ボマー・D「うぎゅっ…!!」

ディコーラム・D「まだまだっ!!」ヒュヒュヒュンッ!!


「「「「分身攻撃っ!!」」」」


ディコーラム・D「喰らいなさい!せやぁっ!!」


ズバババババッ!!


ボマー・D「ぐぎゃぁぁぁっ!!!」


ボマー・D「あ、う、グゥ…!!」

ディコーラム・D「勝負、あったわね。死にたくなければ変身を解除してメモリを差し出しなさい」

ボマー・D「負け、る…?私が…、私が…?死ぬ…、イヤ…、イヤイヤイヤァッ!!」

ディコーラム・D「…聞き分けのない子供は嫌いよ。拒否するならば…!」

ボマー・D「ア、ウグゥゥ…!な、なら…、もう、これしか…」スチャッ

ディコーラム・D「…っ!!?そ、それはっ…!?なぜ、あなたが…!?」

ボマー・D「死にたくなければ…、これしかないの…!」\アップグレード!!/

ディコーラム・D「強制的に適合率を最大以上にまで引き上げ、メモリの性能すら向上する外部使用型メモリ、アップグレード…!」

ディコーラム・D「まだ試作段階ですらなかったそれを…、どうして…!!?」


ボマー・D「う、ぎ、ガァァァッ!!痛い痛い痛い痛い痛いィィィっ!!!身体がイタイィィィィィィッ!!」


ディコーラム・D「無理よ…!性能の安定にはまだ全然至ってないのに…!力は増大されても、身体が負荷に耐え切れない…!!」

ディコーラム・D「このままだと、本当に…!くっ…、そうなる前に、メモリごと…!!」

ディコーラム・D「せやっ!!」シュバッ!!


ボマー・D「ウギィィィィィィィィッ!!!!!」

ボガァァァンッ!!



ディコーラム・D「ぐ、あぁぁっ!!が、はぁっ…!!な、何もない空間が…、爆発した…!」

ディコーラム・D「彼女を攻撃するもの全てを…、爆破する力すら手にしてしまったの…!?」


ボマー・D「愚、戯、ギギギギギギギギギギギgggggggg!!!」


ボガガガガァァッ!!!



ディコーラム・D「うぐっ…!もはや無差別に空間を爆発させてる…!マズい…!」

ディコーラム・D「このまま力を増幅させられ続ければ…、この都市をまるごと爆破させられかねない…!」

ディコーラム・D「早く、止めないと…!でも…!!近寄ることすら…」


ボマー・D「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!」


ディコーラム・D「…っ!マズっ…、爆風がこちらに…!避けないとっ…!」


ズキィッ!!


ディコーラム・D「うぐっ…!!が、はぁっ…!さっきの爆風で、傷が…!!」

ディコーラム・D「動かないと…!で、でも…、痛みで…!!」

ディコーラム・D「や、やられ…っ!!」



ギャルルルルルルッ!!

ボガァァァンッ!!


ディコーラム・D「…!これは…」


ガチャッ スタッ


真姫「…ふぅ。間に合った、のかしら?ギリギリ間に合ってないようにも見えるのだけれど」

ディコーラム・D「あ、あなた…!」

真姫「話は、後。今は切羽詰まった状況なのでしょう?それに、こっちの相棒も、戦いたくてウズウズしてるみたいだし」

真姫「…ちゃんと、ウチの所長も、お仕事してくれたことだし、ね」 <ギャオォォォォォンッ!!

真姫「…行くわよ、希。変身っ!!」\ワイルド!!/


\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン

Muse「…なかなか、ヤバい状況みたいやね、えりち」

ディコーラム・D「…まぁ、ね…。想定外よ、これは…」

Muse「だからって、諦めるつもりはないんやろ?」

ディコーラム・D「…ふっ、もちろんよ。絶対に、止めてやるわ」

Muse「それでこそ、や」「…じゃ、気合入れるために…、アレ、やるわよ」

ディコーラム・D「アレ…?」

Muse「あぁ、こっちの話…、あ、いえ、どうせならあなたもやってみる?」「うちらが戦闘前にやってる奴」

ディコーラム・D「…あぁ、アレ、ね。いいのかしら、私なんかがやっても」

Muse「街を守りたい戦士の合言葉、みたいなものやからね!」「じゃ、行くわよ、私に合わせなさい!」

ディコーラム・D「…えぇっ!」


Muse・ディコーラム・D「「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」」



ボマー・D「グアァァァァァァァッ!!」



ディコーラム・D「…ふぅ。なかなか気持ちいいわね、これ」

Muse「さぁて、気合も入ったことだし…!」「どうするか…、やね!」

ディコーラム・D「今のボマー・ドーパントは攻撃するものを無差別に爆破して自分の身を守ろうとしてる…!」

ディコーラム・D「チマチマとした攻撃じゃ、はじかれた上に爆発によるダメージも食らってしまうわ」

Muse「…となると」「一点突破の、一発勝負、やね」

ディコーラム・D「力を最大限貯めて、爆風すら弾き飛ばすほどの力で、メモリブレイク…!!」

Muse「それだけではまだ弱い…!貯めた力を、一点に集中させるの!」「二人…、いや、三人の力を一つに、ってことやね!」

ディコーラム・D「力を、一つに…!」

Muse「そして、一点に力を集中させるなら、あなたのそのレイピアが一番適している」「えりちにうちらの真姫シマムの力を、全部預ける!」

Muse「その鋭い剣先で!」「アイツの暴走を止めるんや!」

ディコーラム・D「…!わかったわ!多少のダメージなら覚悟してる!最高潮の力を、私にぶつけて!!」

Muse「了解っ!!」「んじゃ、いくよっ!!」ガションガションッ!!

\ワイルドストーム!!/


Muse「はぁっ!!」バヒュゥゥッ!!

ディコーラム・D「く、うぅっ…!!凄まじい風の力…!」

Muse「この嵐にうちらの力の全てを集約する!」「こいつを剣に纏わせて、突撃しなさい!」

Muse「それじゃ仕上げ、ぶちかますわよっ!!」「これがうちらの、最大限やっ!!」ガションガションガションッ!!


\ワイルド!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「てりゃぁぁぁぁっ!!!」」


ゴォォォォォォォッ!!


Muse「さぁ行って!」「えりちのその剣に、全てが懸かってる!信じてるから…!さぁ!!」

ディコーラム・D「…えぇっ!!はぁぁぁぁっ!!!!」

ディコーラム・D「風を纏わせる…!この一つの身に…!!」

ディコーラム・D「いえ、違う…!五つの身体、全てで!!」


ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!


「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」


絵里(これなら、爆風にも耐えうる…!!ヤツを、貫けるっ!!)



ディコーラム・D「てりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ズバァッ!!


ボマー・D「グガガガアァァァァァァァッ!!!」

ボガガガガガァァァァンッ!!


ディコーラム・D「あ、うぐっ…!!がぁぁぁっ!!!」


絵里(ぐっ…、凄まじい爆風…!!!分身が、一体、二体…、崩壊していく…!)


ディコーラム・D「させ、るかぁぁぁっ!!!うあぁぁぁぁっ!!!」


ボガガガガガァァァァァッ!!!


絵里(くっ…、ついに、分身全てが崩壊…!残ったのは、私と、嵐の力だけ…!!)


ディコーラム・D「くっ…!!届け、届けぇぇっ!!この剣先で、ヤツを貫けぇっ!!!」


ボガガガガガァァッ!!


絵里(ぐがぁぁっ!!か、身体が…!身にまとった嵐も、力を失って…!!変身が…、解除、され…!)


ディコーラム・D「まだ、まだ…っ!!こんなところで、終わるわけには…!!」


ボガァァァッ!!


ディコーラム・D「うがぁぁぁっ!!!」ピチュゥゥゥゥンンッ…

絵里「あ、ぐ、うぅぅっ…!」


Muse「へ、変身が…!」「やっぱり、無理だったの…!?」


絵里「まだ…、まだよっ!!まだ私の剣は…、折れちゃいないっ!!」


Muse「あっ…!」「変身が解除されたのに、ディコーラムのレイピアは、まだ握られている…!」



絵里「この剣は、亜里沙の夢が託されているのぉっ!!」

絵里「そう易々と、壊されてたまるものですかぁっ!!」

絵里「私の、私のこの剣は…!!」

絵里「この街を守る、大きな剣なのよっ!!」

絵里「こんなチャチな爆風で、受けきれる、わけ、ないでしょうがァァァァァァッ!!!!!」

絵里「うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

バシュゥゥゥゥッ!!



Muse「剣が…!」「天を貫くほど、巨大に…!!?」



絵里「これが…、これが私の…!!!」

    マキシマム・ドライブ
絵里「 最 大 限 よぉぉぉっっ!!!!」


絵里「てりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」



ズバシュゥッ!!!



ボマー・D「ウ、グ、ア…!!」


絵里「…」

絵里「…ダスビダーニャ」


ボガァァァァァンッ!!


雪穂「あ、ぐっ…、あ…」ニュニュニュ…、パキンッ



絵里「…」

絵里「あ、うっ…」バタッ



Muse「え、えりちっ!!」「全く…、ムチャしすぎ、だっての…」

絵里「あは、は…、やった…。私…、できた、のね…」

Muse「うん…、すごかったよ」「あんな力…、どこに隠し持ってたのよ…」

絵里「…あれは、私たち四人の力が集約したからこそ、成せた技だから…」

Muse「…四人?」「…そっか」

絵里「…えぇ」



絵里「亜里沙…。見ていて、くれたかしら?」

絵里「お姉ちゃん、あなたの大好きな街を…、守れたかしら?」

絵里「私の大きな剣は、あなたにも届いたかしら…?」

絵里「私…、もう一度…」

絵里「フェンシングの道…、進んでみようと思ってるの」

絵里「そして、世界で一番強くなる…。私は、私の夢を叶えるの…」

絵里「…『夢を叶える仕事』。そうすることで初めて、亜里沙の夢は、本当に叶うって、思ったから…」

数日後


音都総合病院 絵里の病室


希「…号坂雪穂は、未成年ながら懲役の判決を。死者は出なかったにしろ、街に甚大な被害を与えたのは事実やからね」

絵里「…そう。できれば檻の中で、大事なことを学んできて欲しいものね」

希「これで、えりちの依頼は完了、やね。約束、忘れてないよね?」

絵里「えぇ。でも、退院まではまだ時間が掛かりそうね…。それまでは待ってもらえるかしら」

希「仕方ないなぁ…。ふふ…。あ、それとえりちにお客さんが」

絵里「お客さん?誰かしら」

希「うん。それじゃ、入って?」ガチャッ

亜里沙「あ…」

絵里「亜里沙、ちゃん…」

亜里沙「あの…、今日地元へ帰ることになりました。親からはもっと早く帰ってこいって言われてたんですけど…」

亜里沙「絵里さんの意識が回復して、お話できるまで戻りたくなかったんです」

絵里「え…?」

亜里沙「…ありがとうございました。希さんから聞きました。この街を、守ってくださったんですよね?」

亜里沙「その大怪我は、その時のもの、だって」

絵里「え…、いや…、でも元はといえば私が…」

希「余計なことは言わんでもええん、よっ!」ズビシッ

絵里「おぐぅっ!!?い、痛…!」

亜里沙「にこお姉ちゃんも大事には至らず、今では元気でいてくれています」

亜里沙「もし、絵里さんが街を守ってくださらなかったら、お姉ちゃんのように怪我をしていた人や、もしかしたら死人だって…」

亜里沙「…だから、私、直接礼を言いたかったんです。絵里さん…、本当にありがとうございました!!」

絵里「…」

絵里「えぇ…、どういたしまして」

亜里沙「…あと、それにですね!私、将来の夢、考えてみたんです!希さんに言われて!」

絵里「は…?ちょっと、希…」

希「てへぺろ☆まぁええやん。聞いてみてよ?」

絵里「…ったく。それで?亜里沙ちゃんの将来の夢、って?」

亜里沙「はいっ!その…、具体的に、何がしたい、って決まったわけじゃないんですけど…。考えているうちに、これかな?って思ったものがあって…」

絵里「へぇ…、なんなのかしら。教えてもらえる?」

亜里沙「はい!私の、将来の夢は…!」


亜里沙「誰かの夢を、叶える仕事ですっ!!」


絵里「…!」

亜里沙「…なんて、変ですかね?とても夢があって、いい夢かな、って思って…。あれ?夢があって、いい夢…?なんか変な日本語…?」

絵里「…」

絵里「いえ。とってもいい夢、だと思う。夢があってね。…ハラショー」

亜里沙「あっ…、はい!ハラショーです!」

数週間後


東條西木野☆探偵事務所前


希「…本当に、行くんやね?」

絵里「えぇ。UTXを辞めて、フェンシングのプロ選手を目指そう、って思って」

真姫「いいんじゃない?あれだけ強ければプロなんてあっという間だわ」

絵里「ふふ、ありがとう。そういえば…、もうひとりの子は?髪の短い…」

希「あぁ…、凛ちゃんなら…」

真姫「今日も逃げたワイルドメモリの捜索で忙しいわ」



凛「ぬおぉぉぉっ!!なんで毎日毎日逃げやがるんだにゃぁぁぁぁっ!!」



絵里「…それはまた、大変ね」

希「対策を練ってもすぐに逃げられてしまうんよね…」

真姫「強さには代償が付き物だからね…。今度はどうやって捕獲しようかしら…」

絵里「…あ、そうだわ。これ、渡そうと思っていたの」スッ

希「あ、これって…。バロンくんの、キーホルダー?」

絵里「えぇ、追加生産で、あなたたち一人ずつと…、あと、獄中のお友達の分も、作ってもらったわ」

真姫「ふむふむ…、なかなかいいデザインね…。これのグッズも収集してみようかしら」

絵里「ふふ、そう思ってくれると嬉しいわね」

希「グッズ収集なんてし始めたらまた大変なことに…」

絵里「それじゃ、もう行くわね。UTXを退社するために手を回してくれた人が待ってるから」

希「うん。また会おうね。えりちが夢を叶えた、その時にもう一度」

絵里「えぇ、また会いましょう、希。私の、最高の友達」

希「うん。…ずっと、友達やよ」

真姫「…むっ」

絵里「…相棒さんが拗ねてるみたいだから、そろそろ退散するわ」

真姫「すっ、拗ねてなんか…!」

希「バイバイ!元気でなーっ!!」

絵里「えぇ、そっちこそ!」

真姫「拗ねてないし…」

希「まぁまぁ。じゃ、事務所戻ろうか」

真姫「…拗ねてないし」

希「わかったから…」

音都大橋


絵里「ごめんなさい。待ったかしら?」


英玲奈「いえ、大丈夫。それより…」


絵里「わかってるわ。メモリ、でしょ?はい、これ」スッ

英玲奈「…確かに。これであなたは、UTXから存在を抹消された」

英玲奈「過去、未来、UTXに絢瀬絵里なる人物は存在していなかったことになる」

絵里「そこまで手を回してくれるなんて、申し訳ないわね。それにわざわざこんなところまで見送りにも…」

英玲奈「…気にしなくて構わない。私、ここからの景色が好きだから」

絵里「確かに…、とても綺麗ね。吸い込まれそうな青い海が広大に広がっていて…」

絵里「この橋が音都と本土を繋げてる。ここを超えると、ついに音都を出ることになるのね…」

英玲奈「…そうね」

絵里「…今までありがとう、英玲奈。色々と、私の悩みに親身になってくれて」

絵里「あなたがいなければ、私はこうしてUTXを出ることも…」

英玲奈「…別に、いい」

絵里「いえ、言わせて。私がこうして夢を目指せるようになったのも、あなたのおかげ…」

英玲奈「いい」

絵里「本当にありがとう、英玲奈。あなたも、まごうことなく私の友人…」


英玲奈「やめて」


絵里「…え?」

英玲奈「別にこれは、あなたのためにやったことじゃない」

絵里「え、いやそんな…、謙遜する必要なんてないでしょう?」

英玲奈「謙遜しているつもりもないわ。だって本当にあなたのためなんかじゃないもの」

英玲奈「これは全部、UTX…、いえ、私のため、なんだから」

絵里「え?」

英玲奈「…私、正直辛かった」

英玲奈「あなたのような人間の悩みに親身に付き合ってる振りをして、こうして誰にも内緒でUTXを抜ける手助けをする振りをしていることが」

絵里「は…?」

英玲奈「でも、それも今日でおしまい」

英玲奈「全ては、この時のために」\ドロレス!!/

英玲奈「さぁ…、とってもいい顔…、見せてちょうだいね?」ピチュゥゥゥンン…



キィィィィィィンッ!!




絵里「ぐぎっ…!!?!」


絵里「あ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」

キィィィィィンン!!


絵里「が、ぐっ…!!!?!げぇあぁぁっ!!!あだま、が…!!いだ、い…!!?」

絵里「いぎゃぁぁぁぁあああぁぁっ!!!いだいぃぃぃぃっ!!!!割れる、割れるぅぅぅぅっ!!!」



ドロレス・D「…あぁ、いい、顔…。色んな液体撒き散らして、整った顔、台無しね」

ドロレス・D「最期だから、言うけれどね。私、あなたのこと、大嫌いだった」

ドロレス・D「私のとっておきの、ノイズメモリをあんな無駄に使ってしまうなんて…」

ドロレス・D「だからそれから、いつか絶対殺してやる、って思っていたの」

ドロレス・D「…そしたらまさか、あなたの方から…、フフッ…、UTXを辞めたい、なんて…、クスクス…」

ドロレス・D「あぁ…、またとないチャンスだって思ったわ。そう、ツバサやあんじゅに邪魔されずに、私の好き勝手にあなたを処理出来るチャンス、だって…」

ドロレス・D「本当に…、あの二人より先に、私に話してくれてよかった…。アハハ…、おかげで…、ひさしぶりに滅茶苦茶、できそうなんだもの…」

ドロレス・D「あなたみたいなゴミと、仲良くするフリしてて、本当によかった…!」


絵里「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!ふぎぃぃっ!!あ、あ、あががぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


ドロレス・D「…なんて、聞こえてないかしら。仕方ないわね」

ドロレス・D「ドロレスメモリの真の力…。対象の脳を直接弄ることができる…。ノイズメモリの強化版、みたいな感じかしら」

ドロレス・D「でもノイズメモリのように無意識下に命令を下すことはできないのがネックだけれど…。ハァ…、アレは本当にもったいなかったわね…」

ドロレス・D「今は直接脳に痛み、って感情を植え付けてる。体を動かすことすら困難なほどの痛みを、ね」


絵里「いぎぃっ!!あ、げ、がぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドロレス・D「…それにしても…、本当に、滑稽な顔…。見てるだけで…、自然と、笑みが…、フ、フフ…」

ドロレス・D「フフフ…、ウフフフフフフ…」

ドロレス・D「アハハハハハハ…、アハハハハハハハハハハハハハッ!!」

ドロレス・D「アハーッハハハハハハハハ!!アハッ、アハハハハハ!!アーッハッハッハッハ!!!」

ドロレス・D「アヒッ…、フヒッ…、ヘ、ヘヘ…、ウフフフ…、私のこと…、感情をあまり表に出さない、って…、言ってくれたこと、あったわよね…?」

ドロレス・D「アハーッハ…!!違うの…、出さないんじゃ…、アハハハハハ!!出さないんじゃなくて…!!」

ドロレス・D「出せないのよぉっ!!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!だって…、ものすごい笑い上戸だから…!!アッハッハッハ…!!」

ドロレス・D「出したらほら…、エヘヘヘヘ…、変な…、グヒッ…、変な人だって…、思われちゃうでしょぉ…?ウヒヒヒヒヒヒヒ…!!」

ドロレス・D「あー、おかしい…!私を…、いい人…?アヒヒヒヒヒヒヒ…、とんだ勘違いも甚だしいわぁ…、アハッ…」

ドロレス・D「私ね…、ツバサちゃんやあんじゅちゃんたちに…、なんて言われてるか知ってるぅ…?ウフフフ…、きっとあなたも笑えると思う…!!」

ドロレス・D「なんとねぇ…、『ゴミ処理当番』ですって!!アハハハハハ!!おっかしい…!!アヒッ…、アハハハハハハハハハ!!」

ドロレス・D「でもこれ…、ウフフ…、悪口じゃなくて…!!アハハハハ!!ホントの私を端的に言い表してるんだもの!おっかしいでしょ!?アッハッハハハハハハハ!!!」

ドロレス・D「だって…!!あなたみたいなゴミを片付けるの…、アヒッ…、私、大好きだからぁ…!!あは、アハハハハハハハ!!アハハハハハ!!」



絵里「あがががががぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ドロレス・D「さぁって…、そろそろ…、ウフフフフフ…、お楽しみもおしまいかな…?アハハハハハ!」

ドロレス・D「最後の最期に、いい夢…、クスクス…、見させてあげるわぁ…!」



絵里「あがぁぁぁぁっ…、あ…?あ、頭…、痛く、な、い…?」

絵里「あ、あれ…?ここ…、ここは…」

絵里「私の…、家…?いつの、間に…?」

絵里「あれ、これ…。金、メダル…?なんの…?」

亜里沙「なんの、って決まってるじゃない!お姉ちゃんが、世界で最も強いフェンシング選手の証でしょ!」

絵里「あ、亜里沙…。あぁ…、そっか、私…、フェンシングの世界大会で、優勝して…」

絵里「それで…、亜里沙の夢が、叶って…」

絵里「あれ…?亜里沙…?どうして、亜里沙が…?」

亜里沙「ん?どうしたの?亜里沙が、何か変?」

絵里「だって…、そう、だって亜里沙は…、死んだ、はず…」

亜里沙「えぇー?何言ってるのお姉ちゃん?亜里沙はずっとずっと元気だよ?死んだりなんかしてないよ?」

絵里「そう、だったっけ…?」

亜里沙「そうだよ!…お姉ちゃん、きっとおかしな『夢』でも見てたんじゃないの?」

絵里「夢…、…あぁ、夢、か…」

絵里「うん…、そう、みたい…。ずっと、長い間…、嫌な夢を、見ていた、みたい…」

絵里「そうよ、ね…。亜里沙が…、死ぬはず、ないもの…。亜里沙が、死ぬ、なんて…」

亜里沙「うんうん!お姉ちゃん寝ぼけてるんだよ!ほら、目を覚ますために、一緒にプール入ろ!」

絵里「プール…?どこの…?」

亜里沙「うちのプールだよ。ほら、お姉ちゃんも脱いで?」

絵里「あれ…?亜里沙、いつの間に裸に…、あ、そっか…。プールだものね…。脱がないと…、私も…」

亜里沙「あはぁ…、お姉ちゃんの身体、綺麗…。ねぇ、抱きしめてもいい?」

絵里「えぇ…、いいわよ…。亜里沙なら、いつでも…」

亜里沙「うん…」ギュッ

亜里沙「ねぇ、このまま…、一緒にプールに飛び込もう…?そしたら、きっとお姉ちゃんの夢も覚めるよ」

絵里「…えぇ、そう、ね…。一緒に、この、吸い込まれそうな…、深い、深い、プールに…」ズルッ

絵里「…」

絵里「え…?」



ドロレス・D「バイバーイ。深い海の底で、永遠の夢を、お楽しみにね」



絵里「あっ…」

絵里「ああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」



ドボーンッ



英玲奈「…ハァ…、疲れた…、久々に笑ったから喉がガラガラだわ…」

英玲奈「んんっ…!!フゥ…、さて、帰ろう。あんじゅが待ってるだろうし」

英玲奈「今日の夕食は…、何がいいかな」

東條西木野☆探偵事務所内


「…遺されていた身分証から、服の持ち主は音都に在住の絢瀬絵里さんと思われ、警察は行方不明となった絢瀬さんの…」



希「…そんな、嘘、やん…」

真姫「嘘じゃ、ないわ。音都大橋の入口付近で、衣服だけが脱ぎ捨てられて、絢瀬絵里は行方不明。音都大橋から出たという記録もない」

真姫「事実だけいえば、音都大橋から、投身自殺、っていうのが一番濃厚ね」

希「そ、そんなわけあるかぁっ!!あんなに…、夢にあふれていたえりちが…、自殺、なんて…!」

真姫「…そうね。そして現実は、必ずしも事実だけでできているのではない、っていうのが真実よ」

希「え…?」

真姫「…UTXの登録者記録から、絢瀬絵里の名前の痕跡が一切消されていた。これが意味するところは…」

希「えりちは…、UTXに消された…?」

真姫「そういう、ことになるわね」

希「…っ!!UTX…!!クソッ…!!くそぉっ!!!」

真姫「…」

希「なんで…、なんで、うちは…!うちはいつも…!大事な人を…」

真姫「…この街を愛してくれた人が、また一人いなくなってしまった、わね」

真姫「…」

希「う、うぅっ…!!…っ!!あかん…。泣いたら、ダメ…!泣いたら…、負けを認めてしまう…!」

希「このどうしようもなく、クソったれな運命に…!!」

希「だから…、もう泣かないって決めたんや…!!どんなことがあっても…!!」

真姫「…えぇ、そう、ね…」

真姫「負けは、認めちゃいけない…」

真姫「…私たちは、ヒーロー、なんだから…」




音都大橋 音都側 出口


<ゼツメツタイムダ!!


「…そっか、ありがとう。よくわかったよ」

カシャンッ


「…あぁ、うるさい」

「相変わらず音都は、音楽で包まれてる」

「…だから、私はこの街が大っ嫌い」

「悲しいものばかり、運んでくるんだもん」




第14話「Dの別れ / ありふれた悲しみの果て」

おわり

凛「えー…、第14話だったにゃ。凛の出番少なくて悲しいにゃー」

希「…」

真姫「…」

凛「えっと…、ま、まさかの絵里ちゃんがまた海に飛び込んで死んじゃうっていう『おいおいまたそのパターンかよ!』ってやつだったね!」

希「…」

真姫「…」

凛「そ、それとUTXの人のうちの一人の性格がえらいことになってたけど…、ま、まぁブレの範囲内ですね!」

希「…」

真姫「…」

凛「あ、あー…、最後に出てきた人は誰なんでしょうかにゃ…?予想して当たった人には凛の濃厚なきっちゅを…」

希「…」

真姫「…」

凛「…ごめん、二人の落ち込みようがハンパじゃないから今日はここまでにゃ…」

凛「ちなみに絵里ちゃんのバトルシーンはとあるロボットアニメのオマージュだよ!分かる人は分かる!…と思うにゃ」

凛「それじゃあおやすみなさい!これで決まりにゃ!」


凛「…二人共、大丈夫かにゃ?」

希「…ごめん、今はしばらく放っておいて…。マジで元気でないわ…」

真姫「…」

凛「わ、わかったにゃ…。二人も早めに寝てね…?お、おやすみにゃ…」

希「うん…」

真姫「…」

希「真姫ちゃん…」

真姫「…ん?」

希「…お腹すいた」

真姫「…深夜だから我慢しなさい」

希「真姫ちゃんもお腹すいてるでしょ?」

真姫「…うん」

希「…なんか食べよ」

真姫「…太るわよ」

希「…寝ようか」

真姫「…寝ましょう」

希「…それじゃ、お休み」

真姫「えぇ、お休み」

英玲奈「…」

英玲奈「そういえばあの少女にアップグレードのメモリを渡したのは私だったわ」

英玲奈「まだ可動実験もしてないけれど試しに使ってみたらどうなるか見てみたかったの」

英玲奈「ちなみに絵里とあの少女を偶然を装って接触させたのも実は私」

英玲奈「私は絵里より人の思ってることの機微に敏感だから心の中で人を殺したいと思っていることに気づいていたの」

英玲奈「そんな彼女を絵里と合わせたらきっと面白いことになる、って考えてやってみました」

英玲奈「結果的に絵里を殺さない程度に痛めつけてくれたのは実にグッドだったわ」

英玲奈「…」


あんじゅ「ね、ねぇツバサちゃん…。また英玲奈様が変な電波受信してる…」

ツバサ「…時々あぁなっちゃうから放っておきなさい。たぶんメモリの副作用よ」

あんじゅ「う、うん…。ガイアメモリって怖いね…」

ツバサ「私たちがそれ言っちゃったらおしまいだと思うわ」

あっ、忘れてた なんか足りないと思ったらそれだわ
というわけで今安価 全く話考えてないからもうどんなんでもいいよ 今日中にあと一時間以内に思いつかなかったら一話完結の別の話にします
次回メモリ
>>809(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D以外)

A

Awake…、起こす、か…
…思いついたはいいもののコレ確実に一話じゃ収まらない
ついでに過去話になりそうなのでことりちゃん一切出ない …本当に2スレで完結できるのか心配で仕方がない
まぁいつかやらなきゃいけない話だと思ってたのでちょうどいいかな
そんじゃ適当にはじめて行きます 3,4話などとかの設定と食い違ってもそれはまぁ大目に見てください

ってなわけで、劇場版仮面アイドルMuse、始まるよー


※完全オリジナルキャラのオッサンがなかなかに出張る予定です。受け入れられない人は100レスくらい飛ばしてください

この街を愛してくれた人が、死んだ。

その事実は、否が応にも、とある事件を思い出してしまう。

うちが真姫ちゃんと出会い、そして尊敬する人物を失ったあの夜。

そして、もう一つ。

その事件から、数ヵ月が過ぎた、ある日のこと。

真姫ちゃんも凛ちゃんも、この街に馴染み始めた、ちょうどそんな時。

その事件は、起こった。

それは、凛ちゃんに、耐え難い事実を気づかせ、…そして。

うちに、再びあの人と出会うこととなった、事件やった。



劇場版(?)仮面アイドルMuse  ビギンズナイト(仮)




東條西木野☆探偵事務所内


穂乃果「メリ~~~~~~~…、クリスマースッ!!!」



希「…」

真姫「…」ポカーン

凛「…だれ?」


穂乃果「おやおや、誰とは失敬なお子さんだね!ほの…、もとい、私はサンタさんだよ!」

穂乃果「赤い服に白いおヒゲ、もうこれはどう見てもサンタさんに違いありませんね!」

穂乃果「やふー!いい子にしてる君たちにサンタさんからクリスマスプレゼントをプレゼントだ!プレゼントをプレゼントだ!」

希「…あ、あの…、穂乃果ちゃ…」

穂乃果「のんのんのんたん!私はサンタさんだよ!」

希「…あぁ、そうですか…」

真姫「…す」

凛「す…?」

真姫「すっ…、すごい!サンタさんがうちに来てくれたわっ!こ、こんな真っ昼間に!」

凛「え…、あ、そ、そうだね…。すごいね…」

真姫「し、しかも…!!」

真姫「まだ全然クリスマスじゃないのに!こんなことってあるのね!」

希「うん…、一番指摘すべきはそこやね…。なんでこの季節に…」

穂乃果「気にしないっ!なんかやりたくなっただけ!ちゃんとプレゼントもらえるだけラックィーだと思いなさい!」

希「は、はぁ…」

凛「…っていうかこの人結局誰なの…」

穂乃果「じゃあ真姫ちゃんには>>813を差し上げます!そして希ちゃんには>>814を!」

凛「…あれ、凛には?」

穂乃果「あー…、ごめんね!キミのこと知らなかったから用意できなかった!」

凛「…あ、そう…。いや別にいいけどね…」

穂乃果「代わりにほの…、サンタさんの>>815を触らせてあげよう!特別だよ!」

オウフ…、まさかのこのタイミングで…
下手するとことりちゅんのこのスレでの出番は一話分だけになるかもね…

下3つで

ピアス

穂乃果「では真姫ちゃんにはピアスを差し上げます!」

真姫「ピアス…?あ、可愛いわねこれ」

穂乃果「イマドキの女子はピアスでオシャレでもしないとやっていけないよ!ささ、耳でもへそでも舌でも下でも好きなところにどうぞ!」

真姫「ふーん…、なかなか面白そうね。試しにつけて…」

凛「だだだ、ダメー!!」

真姫「へ…?」

凛「ダメダメダメー!絶対にピアス穴なんか開けちゃダメだからね!」

真姫「な、なんでよ…。別にいいでしょ…?」

凛「ダメなの!真姫ちゃんの体をキズモノにするのは凛が許さないんだからー!」

真姫「な、なにそれ…、意味わかんない…」

穂乃果「おやおや、痴話喧嘩かなー?まぁまぁそれは置いておいて、希ちゃんには焼肉セットをあげよう!」

希「うわぁ…!特上のお肉が、こんなにいっぱい…?これ…、ええのん?」

穂乃果「いいよいいよ!日頃お世話になってるお礼みたいなものだから!」

真姫「え…?希って日頃からサンタさんをお世話してるの…?」

希「えっ…」

穂乃果「そうなのー!サンタさんがクリスマスに全世界の子供たちにプレゼントを届けられるのは希ちゃんがいるからといっても過言じゃないね!」

真姫「そ、そうだったのね!希って意外とすごい存在だったんだ…」

希(穂乃果ちゃんの嘘がとんでもないところまで行ってしまっている…)

穂乃果「そしてー!存在を知らなかったキミにはプレゼントの代わりにサンタさんのうなじをさすりさすりできる権利を…」

凛「いやいらないし…。そんな趣味はないにゃ…」

穂乃果「まぁまぁ、騙されたと思って!さ、どぞ?」

凛「…じゃあちょっとだけ…。さすさす…。お…?これはなかなか…」

穂乃果「でしょ?」

希「なにやってんの…」


穂乃果「まー今日はそんなわけで急遽パーチーをしに来たの!いぇいっ!」

真姫「サンタさんが急遽パーチーに駆けつけてくれる希って一体…!?」

希「うちの真姫ちゃんは純粋すぎていけないわ…」

穂乃果「じゃあ早速で悪いんだけど部屋の飾りつけをしよう!さ、希ちゃんはあっちを!真姫ちゃんはこれを!」

希「準備万端すぎやない…?…まぁ、たまにはこういうのも悪くないかもやけど…」

真姫「そうね。私なんて初めて!クリスマスパーティ!ふふ、楽しみだわ」

穂乃果「お、そうなんだ!そう言ってくれるとこっちも来た甲斐があるよ!」

凛「あの…、ところで凛は何をしてればいいんだにゃ…?」

穂乃果「ん…?そうだねぇ…、飾りつけの手伝いをして、って言いたいところだけど…」

穂乃果「ここは私たちのテンションを上げるためにー…」

穂乃果「>>819をしててもらおうか!」

濃厚なきっちゅ

穂乃果「濃厚なきっちゅをしてもらおうじゃないか!この私に!」

凛「えぇぇっ!!?や、やだよ…」

穂乃果「そんなこと言わず!ほらほら~…」

凛「やぁぁっ!ほっぺた押し付けてこないで!」

穂乃果「ねぇねぇ~、きっちゅきっちゅ~」

凛「こ、このサンタさんキモいにゃ…」

穂乃果「そう言わずに~…」

希「はいきっちゅ!」バコォ

穂乃果「ほげぇっ!な、何これ…」

希「サンタさんの望んだきっちゅ…、な美術品やよ!それともあばんぎゃるどな美術品の方がよかった?」

穂乃果「いやきっちゅってそういう意味じゃ…」

希「…これ以上凛ちゃんにひどいことしたらうちが黙ってないよ?」

穂乃果「…ごめんなさい」

凛「おぉ…、助かったにゃ…」

希「凛ちゃんはあっちでうちと一緒に飾り付けしよか」

凛「うん、そうするにゃ…」



希「ここは、こうして、っと…」

凛「うん、いい感じ。綺麗だにゃ」

希「いやぁ、こういうことするのも久しぶりやねぇ…。いつぶりやろか…」

凛「凛は毎年やってたにゃー。去年もやってたんだよ」

希「へぇ…、珍しいね。もうそんなことする年でもないのに

凛「むっ…、子供っぽいって思ったでしょ!」

希「いやいや、そんなことないって」

凛「…クリスマスには、お父さんが必ず家まで帰ってきてくれてたから」

希「…え?」

凛「毎年、クリスマスと凛の誕生日には必ず、お父さんが帰ってきてくれたの。ちゃんとプレゼントも用意して…」

希「…そう、なんや…」

凛「早く帰ってこないかなぁ…。お父さん…」

希「…」

希(…まだ、凛ちゃんにはおやっさん…、星空所長が死んだことは伝えていない)

希(いつまでも誤魔化しきれるものじゃない、けど…、でも、うちのせいで死んだようなもの、だから…)

希(言い出せずに、今まで…)

希(いつか自分の口から、伝えられる日は来るんやろか…)


ガチャッ チリンチリーン


凛「ほぇっ…?お客さんかにゃ?」



>>822「あの…」

城乃内

著しくモチベが上がらないので早いけど今日はここまでです ほなな

分かってもらえてないかもしれないから一応説明しておくとこのお話は一話より以前のお話となります
6話で既に凛ちゃんが父親の死について知っていたことについての説明的なお話です
そんなわけだからこの穂乃果ちゃんも高坂じゃなくて久しぶりの高崎の方なのだよ 普通よりハイテンション気味に書いてます
ビギンズナイトとほぼ同じ話を色んな縛りを入れつつ書いていくという面倒なことをしてますが900までに終わってくれるといいな
今日はモチベがダダ下がらないことを祈りつつなるべくハイテンションに書いていくつもりだよ!ひゃっほぅ!!
じゃあはじめまーす

城乃内「あの…」


希「あ、はい…」

城乃内「あれ…?ここ…、探偵事務所ですよね…?あ…、ごめんなさい!間違えちゃった…」

凛「いやいや!間違ってないから!変な飾り付けしてるけど探偵事務所ですここ!」

穂乃果「パーチーの飾り付けしてるから間違えたと思うのも無理ないよねー…、って、あらら…?」

真姫「ん、どうしたの?」

穂乃果「ほ、ほ、ほ…、ほぁーっ!!ひょえぇっ!!なななななな…、ななぁーっ!!」

希「おわぁっ!ど、どうしたん突然奇声上げて…」

穂乃果「こ、この人…!あの有名スィーツ専門店『シャルモン』の二代目店長…、じ、城乃内秀保さんっ!!?」

凛「えっ…!?あのシャルモンの…!?ホンモノ!?」

城乃内「え…、あぁ、まぁね。シャルモンの天才パティシエ、城乃内秀保とは何を隠そう僕のことさ」キラーン

希「うわっ…、メガネ無駄に光らせてウザい…」

真姫「…で?そんな城乃内さんがうちになんの用なのかしら?シャルモンってたしか音都にはなかったはずよね」

城乃内「それが最近、ここに二号店を建てようと下見に来ていたところだったんだけど…」

城乃内「…やっぱりやめよう、って考えていて…」

穂乃果「な、なんで!?近所にシャルモンができたら毎日でも通いますよ私!」

城乃内「うん、それは嬉しいんだけどさ…。ちょっとした、事件が起きて…」

希「事件…?もしかして今日来られたのは、それの調査、ってことですか?」

城乃内「うん。その事件、っていうのが、さ…」

城乃内「…出たんだよ」

凛「出た?」

真姫「何が?」

城乃内「…ゆ、幽霊…、いや、幽霊より確実に実体があった…。あれは…」

城乃内「…ゾンビだよ。ゾンビが出たんだ…。前店長、ピエール店長のゾンビが…!」

希「え…?」

穂乃果「前店長のピエールさんといえば…、凰蓮・ピエール・アルフォンゾさんのこと、だよね…?たしか事故で亡くなった…」

城乃内「あぁ…、店長からの指導もついに最後の最後ってなって、これからは店長と手と手を取り合って二人でこの店を大きくしていこうって約束をした矢先…」

城乃内「間違って装着したバカモンロックシードのせいで頭上から大きなタライが落下…。打ち所が悪くて即死…。享年40歳だった…」

城乃内「僕はそれから独学でパティシエとしての技術を学び、ついにピエールさんに勝るとも劣らないほどの技術を手に入れた!これでピエールさんに恥じることなく店長を誇れる、って…」

城乃内「…そう、思ってた。だけど…、つい前日、2号店としてオープンする予定の場所の下見に行ったとき…、出たんだ…!ピエールさんのゾンビが…!!」

城乃内「きっとこれは僕にまだパティシエとしての力がついていないから、ピエールさんは死んでも死にきれず、僕の前へ…!!」

城乃内「そしてきっと地獄でもスィーツを作ろう僕を道連れに…!!うわぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

希「お、落ち着いて…、いやいや…、ゾンビなんて流石にいるはずないって…」

城乃内「み、見てないからそんなことが言えるんだ!あ、あれは間違いなく死んだはずのピエールさんだった…!!」

真姫「どうやら、単なる見間違い、ってわけでもなさそうね。今回の依頼は、そのピエールさんのゾンビを探してきてほしい、ってことかしら?」

城乃内「あ、あぁ…。それで、出来れば僕に何を伝えたいのかも聞いて欲しいんだ…。もし僕を道連れにしようとしてるならそれは考え直してくれって言って欲しい…」

穂乃果「確かにあのスキンヘッドのオジサンが出てきて迫ってきたら死者じゃなくても怖いよねぇ…」

凛「…分かりましたにゃ!死んだはずのピエールさん…、彼を探せばいいんですね?」

城乃内「うん…。よろしくお願いします…」

シャルモン二号店予定地


穂乃果「ぶーぶー、急に依頼なんてパーチーが台無しだよー」

希「仕方ないやろ。依頼ほっぽり出してパーティするわけにも行かへんのやし」

穂乃果「仕方ないから穂乃果も捜索について来てあげたけどさー…。あ、こうして希ちゃんと一緒に捜索するのは初めてじゃない?」

希「あぁ、そういえばやね。いつもは情報だけもらってるパティーンだったし」

穂乃果「らんるらんるらーんっ♪そう考えると楽しくなってきちゃった!ほらほらー、一緒に聞き込みしよ?凛ちゃん真姫ちゃんペアに遅れとっちゃうよ?」

希「はいはい…。じゃあとりあえずこの近くの人らに手当たり次第に聞き込み、してみようか」


数分後…


希「…ふぅ、こんなもん、かな…」

穂乃果「やっほー、希ちゃーんっ!そっちはどうだった?」

希「ん、よくわからないけど…、一応一つの情報は掴んだよ」

穂乃果「んふっ、こっちも!じゃあ希ちゃんから言ってみて?」

希「うん。…どうやらこの辺りでは以前から死んだはずの人間が生き返ってた、なんてのが多数目撃されてるみたい」

穂乃果「ほうほう…」

希「そのことから、これらのことをこの近辺の人は『死人還り』って呼んでるみたい」

穂乃果「…なるほどね」

希「穂乃果ちゃんはどうやった?」

穂乃果「うん、私も大体同じ。あはは、これじゃあ手分けした意味ないね…」

希「…そっか」

穂乃果「あ!でもひとつだけ、有力かと思われる情報を得たよ!」

希「お?なになに?」

穂乃果「うん。なんでも死人還りが見られたタイミングは、教会の人がこっちへ出向いてたときのタイミングと合致するみたい」

希「教会…?こっから南っ側の方にあるとこの?」

穂乃果「そう。だからこの死人還りは教会の人が起こしてるんじゃないか、って噂が実しやかに囁かれてるらしいですよ旦那」

希「誰が旦那やねん。…そっか、教会、ね…」




教会前


希『…ってこと、らしいわ』

真姫「了解、ちょうどこっちも教会についたところ。話を聞いてみるわ」

希『頼んだ。それが終わったら一旦落ち合おうか』

真姫「おっけー。じゃ、切るわね」ポチッ

凛「教会、か…。確かに死人が蘇るにはピッタリにも程がある舞台だけど…」

真姫「とりあえず話してみないと始まらないわ。入りましょう」

凛「うん…」


ガチャッ


真姫「お邪魔しまーす…。どなたかいらっしゃいますか…?」


>>835(教会の人)「…おや?迷える子羊ですか?」

絵里

エリーチカ「おや、迷える子羊チカ?」

真姫「…あなたは?」

エリーチカ「んふふ、私はこの教会のシスターをしている、シスター・エリーだチカ。よろしくね」

凛「随分とポンコツそうな人だにゃ…」

エリーチカ「ところで…、お二人は迷える子羊?何か道に迷ってここにやってきた系女子チカ?」

真姫「いや、そういうわけじゃ…」

エリーチカ「あ、じゃあアレね。懺悔でしょう?悪いことしたからとりあえず吐き出して気持ちよくなっとく的な?」

エリーチカ「安心してください。神はあなたたちを許すでしょうチカ」

凛「そんなつもりもないです!」

エリーチカ「じゃあなによ!?ま、まさか…、私に乱暴する気でしょう!?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!!」

真姫「しないから…。ハァ、疲れるわこの人…。…少し耳にした噂のことをね、聞き込みに来たの」

エリーチカ「…聞き込み?なにあなたたち、警察かなんかチカ?」

凛「あ、いや…。探偵なんですにゃ。あ、知ってます?東條西木野☆探偵事務所って言うんですけど…」

真姫「とある人の依頼で『死人還り』なるもののことを調べているの。何か知っていたら教えてもらえないかしら?」

エリーチカ「…はぁ、死人還り、チカ…」

真姫「…ご存知ない?」

エリーチカ「いえ、聞いたことは。でも、実際に目撃したことはないチカね」

エリーチカ「大体、死人が蘇る訳ねぇチカ。いい?死者の蘇りなんて神に対する冒涜に他ならないのよ!?」

エリーチカ「生命は散るからこそ美しい…。かの有名なハムロフブビッチ17世もこう述べています」

真姫「いや誰!?」

エリーチカ「つまりそんなもん頭のイカレた人の見る幻覚かなんかに違いないってこと!そんなフザけたモン真剣に調べてる方がおかしいチカ!」

エリーチカ「それを教会のせいにするなんて意味わからんっての!ぷんぷかぷんチカ!」

凛「あぁ…、教会のせいにされてるってことは知ってるんですね」

エリーチカ「まぁね!だけどうちは全くこれっぽっちも関係ないから!そこんとこよろしくチカ!」

真姫「はいはい…、わかりました。関係ないのね。…凛、行くわよ」

凛「あ、うん…。ご協力ありがとうございました」

エリーチカ「ちゃんと他の奴らにもうちは関係ないって言いふらしておくチカよ!」


バタンッ


凛「…いいの?あからさまに怪しかったけど…」

真姫「まぁ、証拠があるわけじゃないし…。私たちだけじゃどうしようもならないわ」

凛「あ、じゃあ今度は希ちゃんも一緒に、ってこと?」

真姫「そ。今度は聞き込みじゃなくて潜入、ってところかしらね。そうと決まれば、早速希と合流するわよ」

凛「えっと、たしか待ち合わせ場所は…」

真姫「カフェ、だったわね。二人はもう着いてるはず。行くわよ」

凛「了解にゃ!」



エリーチカ「…」ジー

エリーチカ「…ふむふむ、カフェね…。そこに…」

喫茶『魔法の音』 テラス


穂乃果「ずずず…、んー♪ここのコーヒーとケーキもなかなかのお味なんだよねー…。美味美味…」

希「ホント甘いもの食べてる時の穂乃果ちゃんは実にいい顔をしてるね」

穂乃果「にゅふふ…。甘いものは人類の生み出した叡智にほかならないっすよ。もふもふ…、これがなくちゃ生きていけないね穂乃果は!」

希「たしか初めて会った時はランチパックが人生とか言ってたような…」

穂乃果「ランチパックもたまにはいいけどね!もう卒業したんだよ!穂乃果はオットナーなスイーツに進化したの!」

希「それじゃあ穂乃果ちゃんがスイーツそのものみたいやね…」

穂乃果「おほほ、まぁ穂乃果のカラダは甘々ですからなぁ~。ある意味スイーツって言っても過言では…、あ、ヒゲにクリームついた」

希「…さっきから突っ込むの避けてたけど、なんでずっとサンタ衣装なん?」

穂乃果「なんか今日は一日サンタの気分なんだよねー。あるじゃん?一年に一日くらいサンタになりたい日ってさ」

希「ないから…。…それにしても、凛ちゃんたち遅いね。まだかな…」

穂乃果「んー?まぁいいじゃん…。もう少し二人きりでも、さ…。もぐもぐ…」

希「え?」

穂乃果「…んーん、なんでもー。いやー、それにしてもやっぱりおいし…、…」

希「ん…?いきなり口止めてどないしたん?」

穂乃果「凰蓮・ピエール・アルフォンゾ…!」

希「へ?」

穂乃果「シャルモンの前店長…!ピエールさんが…!!い、いる…!!」

希「嘘っ!?え、どこどこ!?」

穂乃果「あ、あそこ!!道の向こう側!わっかりやすいハゲ頭の人!」

希「えっ…?あぁっ!!ホンマや!城乃内さんに見せてもらった写真のまんまや!」

穂乃果「あっ、行っちゃうよ!追いかけよう!」

希「おっけー!お会計は任せたっ!!」ダッ

穂乃果「おわぁっ!ずるい…、って希ちゃんコーヒーしか飲んでなかったや。じゃあ仕方ないね」



希「はぁっ…、はぁっ…!!くっ…、待って…!あなたに話が…」

希「…あれっ…?見失った…、一体どこに…」


グニャァ~…


希「な、なんや…?なんか不穏な空気が…」


「…」


希「っ…!?誰やアンタ…!!」


「我が名はアウェイク…、アウェイクドーパント…!」

「死者を呼び起こす、神にも匹敵する力を持つ、絶対なる存在…!!」


希「はんっ…!やっぱりドーパント絡み、ってわけね…。真姫ちゃん、いい?」スチャッ


真姫「…っ、ええ。ごめん、凛。先行ってて。私トイレ行ってくるから」

凛「…?わかったにゃ、先カフェ行ってるね」

真姫(流石にいきなり街中でぶっ倒れたら凛に迷惑だしね…)

希・真姫「「変身っ!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン


穂乃果「希ちゃーんっ!お支払いしてたら遅れ…、ってえぇっ!!?希ちゃんが変身してるぅっ!!?」


Muse「おっと…、見られちゃったか」

アウェイク・D「…あなたもドーパント…?」

Muse「うちらはドーパントやないっ!言うなれば…」「探偵で…、そしてアイドルよ!」

アウェイク・D「…知ったこと。てやぁっ!!」ブンッ

Muse「くっ…!どうやらうちらに嗅ぎ回られるのは困るようやね!」「なんのつもりかしらないけど…、そのメモリぶっ壊させてもらうわ!」

ヒュッ!! バキッ!!


アウェイク・D「うぐっ…、はあぁっ!!」ヒュンッ!!

Muse「おっと、その程度…」「これで受けきる!」


\マジシャン!!/


\クレッシェンド!!/\マジシャン!!/ デレレーンデレレテンテンテーン


Muse「はっ!」「てりゃぁっ!!」

ズガガガガガガ!!


穂乃果「ほわぁ…、カッコイイ…。いいなぁ…」


アウェイク・D「のわっ…、そんなんナシ…!くっ…」

シュンッ…


Muse「き、消えたっ…?どこいった…!!」

Muse「…の、希…!あ、あれ…?」「え…?」


「…」スタ、スタ…


Muse「…っ!!?そ、そんな…!!」


「…」


Muse「おやっ…、おやっさん!!?」

穂乃果「誰…?」

Muse「…凛ちゃんの、お父さん…。そしてうちの探偵の師匠…、星空、凛太郎…」

穂乃果「え、でもたしか希ちゃんの師匠さんって…」

Muse「…そう、死んだはず。惑わされないで希。あれは…」「…わ、わかってる…。ありえへん…。そう、ありえへんはずや…!」


星空「…」\ステラ!!/

星空「…変、身」


Muse「なっ…!」「あの、姿は…!!」


仮面ライダーステラ「…はぁっ!!」

ステラ「うらぁっ!!」ヒュンッ

Muse「うぐぁっ!!」「や、やめて、おやっさん…!!」

ステラ「ふんっ!!」バキュンバキュンッ

Muse「うっ…!」「うちが分からへんの!?」

Muse「くぅっ!!」\コン・フォーコ!!/

Muse「や、やめっ…!!戦うつもりか真姫ちゃん!?」「冷静になりなさい希!あれは星空所長じゃない!」


凛「はぁっ…、はぁっ…!あ、サンタの人!希ちゃんは…?カフェに行っても誰もいなくて…」

穂乃果「あ、凛ちゃん…。今はそれどころじゃ…」


Muse「ステラにも変身したんやよ!あれは、絶対…」「ありえないわ!だって、星空凛太郎は…!!」

Muse「もう死んだんだからっ!!」


凛「…え?」


ステラ「っ!」バキュゥンッ!!


Muse「うあぁぁっ!!!」ピチュゥゥン…

希「うぐっ…!!あ、がぁっ…」


凛「の、希ちゃんっ!?どうしたんだにゃ!?ドーパントに襲われてるの!?そ、それよりさっきの…」


ステラ「…フン」ピチュゥゥゥンン…

星空「…」


凛「お、お父さん…?」


星空「…言ったよな、希。半人前に帽子は似合わない、ってさ」

希「…っ!!」

星空「お前は進歩がねぇ。…やめちまえよ、もう」スタスタ…

希「ぅ、あ…!」


アウェイク・Dの声『わかってもらえた…?これで私が、死者をも自在に操る力を持っているということが…』


凛「死者…、ってことは、やっぱり…。嘘…、そんな…!」

穂乃果「凛、ちゃん…」

凛「…」

東條西木野☆探偵事務所内


一同「…」


穂乃果「…あの、私…」

真姫「ごめんね、サンタさん。変な空気なのにいつまでもいてくれて…」

穂乃果「あ、いや…。うん、いいんだけど…」


希「…」

凛「…」


真姫(…あのふたりは、色々とショックだったでしょうね)


希「…」

凛「…希、ちゃん」

希「…なに?」

凛「希ちゃんは…、知ってたの…?お父さんが、死んだ、ってこと…」

希「…うん。うちも…、その場にいた…。おやっさんが亡くなった、その場所に…」

凛「なんで…?なんで、言ってくれなかったの…?どうして今まで…」

希「…だって…、あれは…。あれは、うちが、死なせちゃったような、もの、だから…」

希「うちが足を引っ張って、死なせてしまったもの、だったから…。どうしても…、言い出せなかった…」

凛「…そんな…。そんなのって、ないよ…。じゃあ今まで…、ずっと私に、そのこと隠して…」

凛「…最低…!希ちゃんの…、バカっ!!」

凛「のっ…、希ちゃんが代わりに…、希ちゃんがお父さんの代わりに[ピーーー]ば良かったのに!!」

希「…」

凛「…も、もう…、いい…。私…、もうここから出てく…。ほんと…、信じられない…。う、うぅっ…!」


ガチャッ バタンッ


希「…」

真姫「…希。追わなくていいの?凛、悲痛な顔してたけど」

希「…うちな、もう…、探偵、今日限りで、辞める…。そして…、仮面アイドルも…」

真姫「…」

穂乃果「希、ちゃん…」

希「…」

真姫「…はぁ」



一方その頃…


アウェイク・D「やっほ」

城乃内「ひぃぃぃぃぃ!!出たぁぁぁぁぁぁぁ!インベスううぅぅぅぅぅぅ!!!」

アウェイク・D「いやインベスじゃないから…。でもピエールを生き返らせたのは私。言うこと聞かないとピエールにあなたの○○を××させちゃうわよ」

城乃内「それだけはご勘弁をぉぉぉぉぉ!!またあの頃の夜を思い出すのは嫌ぁぁぁぁっ!最近完治したばっかりなのに!!」

アウェイク・D「じゃあ私についてきなさい…。そうすれば…。フフフフフ…」

孤島


希「…」

希「…」ファサッ…


真姫「…星空所長の墓参りのつもり?そんな花束を瓦礫に添えて」ボウシクルクル


希「真姫、ちゃん…?どうして…」

真姫「全く出番のないマッキースプラッシャー。ここらへんで使っておかないと一生出番ないと思って」

希「あぁ…、そう…」

真姫「…死体も見つかってないのに、気休めね。ハーフボイルドなあなたらしいわ」

希「…別に、今更やん。自分でもわかってるし…。半人前、だってことくらい…」

真姫「あら、手応えのない。もしかして…、拗ねてる?あの星空所長に言われたこと」

真姫「…子供じゃないんだから、親…、のような人に叱られただけで凹まないの。全く、…可愛いわね」

希「え…?」

真姫「…そういえば、ここで初めてあなたと会った時も…、私、あなたのこと、可愛い、って思った気がする」

希「え、そうやったん…?…ごめん、うちここでの出来事…、ほとんど覚えてなくて…」

真姫「そうでしょうね。そしておそらく、これも忘れてるでしょう。…あなたが初めて変身したのは、ここだ、ということを」

希「えっ…」

真姫「まぁ…、あの時の希は満身創痍だったでしょうし…、それに…。なら…、今こそ二人の記憶を紡いで、思い出しましょう」

真姫「あの日…、初めて仮面アイドルとなった夜…、ビギンズナイトにあったことを…」

希「…うん。そうや、うちがちゃんと言われたことをしていれば…、おやっさんは死んでなかった…」


数ヶ月前…


希「運命の子…?」

星空「あぁ。地球の全てを背負い込んでしまった少女、らしい。敵はこの島で彼女の力を引き出して、悪事に利用しようとしている…」

星空「…その子はまさに生きた部品のように扱われてる。…彼女を救い出したい。それが俺の依頼人の願いだ」

希「…おやっさん!うちも…、力になりたい…!」

星空「…希。お前は半人前だってこと忘れるなよ。俺の命令は絶対に聞くこと。それが絶対条件だ」

希「こんなとこにまでいつもの説教?まったくもう…」

星空「こんなところだからだ。…わかったな?」

希「…うん。…わかりました。約束する」

星空「…それでいい。物分りのいい巨乳は好みだ」

希「も、もう…、また変なこと言って…」


ピリリリリリリ!!


希「…っ!!?なんや…」

星空「こいつは…!」


「どこだ!出てこい!!」「絶対に逃がすな!!」

ドロレス・D「…出てきなさいコソドロ。もしくは産業スパイ?どちらにしろ、脳ミソドロドロに溶かしてあげるから」


希「な、なにあれ…、バケモン…!?」

もうメガトロンなので今日はここまで 次回までに終われるといいね
ちなみに辻褄合わせるための縛りとしては、
・凛が穂乃果のことを知らない(穂乃果が凛のことを知ってるのはなんとかなりそう)
・凛が希がMuseに変身できることを知らない
などなど 他にもあるかもしれないけど多分忘れてます なんかあったら教えて
ここからはほぼほぼ映画と一緒です そいじゃお休み ほなな

遊戯王のデッキ考えてたら遅くなりました
映画とほぼ同じって言ったけど別世界に行く予定はないし時間軸が違うのでコッティーが出ることもないです
そしてことりのメモリはまだ何も考えてないわー もう安価か募集でもかけようかしら
とにかくやっていきますよ

星空「希、早速命令だ。これを持ってじっとしてろ」ズッ

希「これは…、アタッシュケース…?」

星空「ここを一歩も動くんじゃないぞ。わかったな?」ダッ

希「お、おやっさん…!正気なん!?」



「いたぞ!」「捕えろ!!」



星空「…フッ」

星空「俺の華麗な格闘術をお見舞いしてやるぜ!」


(数秒カット)


「うっ…、ぐぅ…!」「強い…!」


星空「…決まった」



希「おぉ…、カッコイイ…!」



ザコ「くっ…、こうなったら…!」\マスカレイド!!/


マスカレイド・D「うおー」

「うおー」「このやろー」「ぶったおすー」


星空「…囲まれた、か」



ドロレス・D「…コソドロにしてはよくやる。だけれど…、残念。ここでおしまい」ピカァァ…


星空「…撃っていいのは撃たれる覚悟のあるやつだけだぜ。お嬢さん?」


ドロレス・D「…っ!?」


星空「ふぅ…、ガイアメモリはあんまり使いたくなかったんだけど…、仕方ないな」カチャッ


ドロレス・D「ロストドライバー…!?なぜお前が…!!」


星空「…貰った」\ステラ!!/

星空「変身…!」ガチャンッ!!

\ステラ!!/


希「ほわっ…!!?」


ステラ「さぁ…、お前の罪を数えろ…、なんてね」

ドロレス・D「…っ!やれ…!!」


「うおー」「このやろー」「ぶっころすー」


ステラ「…!」


バキッ ズガッ ドガッ


ドロレス・D「…!!」ピシュゥゥ…

ドロレス・D「ハァァッ!!」ズダダンッ

バシュゥッ!!


ステラ「…ッ!!くっ…!!はぁっ!!」バンバン



希「うおぉぉ…、見ててヒヤヒヤする…!頑張っておやっさん…!!」

希「…ん?」


「…」スタスタ


希「だ、だれか、向こうで歩いてる…。女の子…?もしかしてあの子が…」テクテク…

希「あっ…」


(星空「…これを持ってじっとしてろ。ここを一歩も動くんじゃないぞ」)


希「…」

希「…うぅん。ここであの子を助けておけば…、おやっさんもうちのこと少しは認めてくれるかも…!」

希「…っ!」ダッ


希「ねぇちょっとキミ…、キミが、運命の子…?」

少女「…誰?」

希「え…、あぁ、うちは…」

少女「ここの人じゃなさそうね…。見るからにバカっぽそう…」

希「…は?な、なにいきなりdisってくれてんの!?年上に向かって失礼やと…」

希「…って、この部屋…。これ、ガイアメモリ…!?」

希「あ…、もしかして…、キミが作ったん!?」

少女「んぁ…?ん…?あ、これ…!!」サッ

希「え…?このケースが何か…」

少女「これは…」パカッ

少女「すごい…!!これ…、>>852じゃないの!」

番号が書かれたスイッチ

少女「こ、これは番号が書かれたスイッチだわ!」

少女「こっちはロケットモチーフで、こっちはドリル…、それにこれは…、二つ合体させると携帯電話になるやつよ!」

少女「うわぁ…、これを玩具化したら購買意欲が高まりそうだわ…」



真姫「…って、そんな話じゃなかったでしょ…」

希「あれ…?そうやったっけ…?」

真姫「記憶が混濁しているのね。正しくはこうだったわ」



少女「これは…、すごい。これを用いれば私の頭脳を兼ね備えた最強の超人が誕生する…!!」

少女「なんてモノを作り出したのかしら…!!これの考案者は誰!?」

希「…っえ?う、うちは知らんけど…」

少女「これをこうやってここのこれにこうズブッ、って挿してそれでこっちもやぁっ、ってやると…」

少女「もうなんかとんでもないことになるの!あはははは!すごいすごい!」

希「…っ!な、何がおかしいんや!この悪魔…、悪魔っ子!!」

希「お前たちが作ったメモリのせいで…、この街がどれだけ泣いてるのかわかってんの!?」

少女「…は?じゃあアレ?アンタは拳銃を作ってる工場の人間に今みたいに怒鳴り散らすの?っは!それこそ笑えるわ」

希「…っ!!」

少女「…使って悪事をする人間が悪いの。わたしはただより効果の強いメモリを見てみたいだけ、なの!ふふ…!!」

希「んなっ…!!このバカッ!!」バシッ

少女「おぅふっ!…って、これは…」シュバッ

希「あ、あれ…、変なとこに入ったせいで…、消えちゃった…?」


少女「…これは、あらあら…、ガイアタワーの中に転送されちゃったみたいね」



星空「バカがっ!!」バシッ

希「あうっ!!」

星空「…なんで、言われた通りにしなかったんだ…!あの子を抑えてたら今頃…!」



希(…うちのせいや…)

希(うちが…、約束を破ったせいで…)

希(おやっさんは…)

希(…凶弾に、倒れた)


バンバンバンッ!!


星空「あぐぅっ…!!」

希「おやっさん!!おやっさぁんっ!!」

星空「ぅ、ぐ…!」

希「おやっさん…!」

少女「…」

星空「希…!この依頼…、お前が、引き継いで、くれ…!」

希「ぁ…!」

星空「あの子を…、あの子を、頼んだぜ…!」ス…

希「…よしてよ…、うちに…、帽子は、早い…。まだ、早いってぇっ!!」

星空「…いんやぁ…、いい女だぜ…、希…。まだ、まだ…、半熟、だけど…、な…」ガクッ…

希「お…、おやっさぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」



バキバキバキ…ッ!!ガシャァァンッ!!



ドロレス・D「はっ…!えらく手こずらせてくれるじゃなぁい…?もう…、ウフフフフフ…!!全部ぶっ壊したげるんだからぁ…!!」

希「…っ!!」




真姫「…そこで、私と希は、初めて変身。…Museとなった、ってわけ」

希「え…、でも…、うち覚えてないし…」

真姫「えぇ…、初変身は負担が大きかったんでしょうね。二人共精神に大きなダメージを負ってしまったみたい」

真姫「特に希は…、ビルを抜け出して音都に戻ってきた時なんか…」




希「はぁっ…、はぁっ…!!なんなの…!?なにがどうしてこんなことに…」

少女「…、ちょっと、もう逃げ切れたのよ?そろそろ落ち着いても…」

希「…え?あれ…、ここ…、ここ、どこ…?私は…、今まで、一体何を…」

少女「…え?」

希「…っ!!あ、お、おやっさん…!!おやっさんが…!!おやっさんが危ない!!」

希「急いで、助けないと…!!」

少女「…もう、あの人は…、ぅ、あうっ…!!ぐ、こっちは、体にも、負担が…!う、くぅっ…!」

希「え、あ…、そう、や…。そう…、おやっさんは…、敵に、撃たれて…、そんで…、うちらは必死で逃げ出して…」

希「…ぁ、ちょっとキミ!大丈夫!?い、今すぐ事務所まで…」




真姫「…あの時のあたふた具合、今じゃ考えらないわね。…少し可愛かったわ」

希「あぁ…、それで可愛い、って…。そっか…、うち初めての変身で記憶を…、だから変に記憶に齟齬が…」

真姫「そうね。…まさか、ガイアメモリに関する記憶まで失ってるとは思ってなかったけど」

真姫「おかげで、ミューズドライバーについて二回も説明する羽目になったし」

希「…でも、今はほとんど思い出せてる…。そう、あの日、うちらは初めてMuseになって…、おやっさんを亡くして…」

真姫「…いいえ、まだよ」

希「え…?」

真姫「まだ、あなたの知らないビギンズナイトが、一つだけ残ってる」

真姫「星空所長に、ガイアタワーの中から、助け出して貰ったとき…」

真姫「星空所長は、私の心の中…、今で言うところの『音楽室』に入り込んできた」




星空「…ここは、一体…」

少女「…」チョコン

星空「…おや、アイドルみたいに可愛いお嬢さん。こんなところで何をするでもなく座り込んで、つまらなくないのかな?」

少女「…アイドル?」

星空「俺と一緒に、出て行く気はないかな?」

少女「…ここにいて、って、言われた…。とても、美しい人に…」

星空「あぁ、そう…。…ふぅ」スワリッ

星空「…なぁ、お前は何か今まで一つでも、自分で決めてしたことは、あるか?」

少女「…いいえ」

星空「じゃ、今日が最初だ。自分自身で決断して、この暗闇の牢獄を出るんだ」スタッ

星空「…で、自由になってから…、お前の罪を数えろ」

少女「…私の、罪…?」

星空「…お前、名前は?」

少女「…」

星空「じゃあ…、こう呼ぼう」


星空「…ニシキノ、マキ」


少女「ニシキノマキ…?」

星空「あぁ、この世のものとは思えないくらい、美しい女性の名前さ。もう、その人はいないけどね」

星空「…お前に、よく似ている。その人は、自分の決断で全てを成し遂げてきた」

少女「決断…」



希「お…、おやっさぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!」


少女「…」

少女「ぁ…、私の…、罪…」

少女「私の…」





真姫「あなたの罪は勝手な決断をしたこと、そして私の罪は、決断をせずに生きてきたこと、…って言っても、もう記憶もほとんどないのだけれど」

希「まさか…、真姫ちゃんの記憶がないの、って…」

真姫「…初めての変身の時、これまでやってきたことのほとんど全てを、忘却してしまった。覚えているのは、あの夜の出来事だけ」

真姫「だとしても、私の罪は消えない。私たちは一つになって二人の罪を償い続ける義務があるの」

真姫「だから、Museになったのでしょう?」

希「真姫ちゃん…、それを、うちに思い出させるためにここに…?」

真姫「あなたがいなければ、続けられないの。探偵も…、そして」

真姫「…アイドルも」

希「…せやね」

真姫「あの日と同じことを、今もう一度聞くわよ、希」

真姫「これからも…、悪魔と相乗りする勇気、あるかしら?」ボウシスッ…

希「…」パシィッ

希「もちろん」

真姫「それで、よし」


ティリリリ、ティリリリ


真姫「…おや、電話だわ。希、出なさい」スッ

希「うちが…?…はい、もしもし」


凛『…希、ちゃん…』


希「凛ちゃん…」

凛『…ごめん、なさい。死んじゃえ、なんか言っちゃって…』

希「え、いや…、そんなこと別に…」

凛『…大切な、仲間だって、お父さんに言うつもりだったのに、ね…。私、バカだなぁ…』

希「…」

凛『まだ、よくわかってないけど…、いつか希ちゃんの口から、真相が聞ける、って信じてるから』

凛『…それで、凛は今城乃内さんをつけてるんだにゃ。どうやら昨日から様子がおかしくて…』

希「えっ…、凛ちゃん一人で捜査続けてたん!?」

凛『あったりまえでしょ!城乃内さんは依頼人だもん!』

希「あ…」

凛『お父さん、凛が探偵になりたい、って言ったときは、必ずこう言ってた。「探偵にとって一番大事なのは依頼人、ってのが俺のモットーだ」って』

凛『だから、凛はそれを貫く。お父さんの娘だもん』

希「…っは。凛ちゃんは強いな」

真姫「星空所長の娘さんだもの、ね」

希「…せや、ね。…凛ちゃん、帰ったら、おやっさんのこと全部話すから」

凛『えっ…』

希「…待っててね」

凛『…うん』


希「…よし、犯人を検索や。音楽室に入って、真姫ちゃん」

真姫「いいけど…、もう大体絞れてるんだけど?」

希「え?」

真姫「…いえ、なんでもない。はいはい、やるわよ。すぅ…」

希「キーワードは…、Awake、蘇生、そして…、城乃内秀保」

真姫「もうそこまでは一度検索済みよ。だけど調律がうまくいかないわ」

希「そっか…。でもこれ以上の手がかりは…」

真姫「…そういえば、ここに来る前、高崎穂乃果が興味深いことを言っていたわね」

希「え…?なんて…?」

真姫「それが…、>>862、って」

男装する人って素敵だよね

真姫「男装する人って素敵だよね、って…」

希「…それうちのこと言ってるんかな…」

真姫「あぁ…、そういえばなんか希の話になると頬を赤らめていたような…」

希「…もしかしてうち、惚れられてる?」

真姫「あ、かもね。よかったじゃない」

希「良くないよ!あの穂乃果ちゃんに好かれたらめっちゃ面倒なことになりそう!」

真姫「でも希は渡さないんだから!」

希「まさかの真姫ちゃんもそっち!?…って!そんな話してる場合ちゃうやろ!犯人がだれか…」

真姫「あぁ、それならもうわかってる。教会のシスターよ」

希「…へ?」

真姫「あからさまに怪しかったし、アウェイクの適合率的にもありうるし、ドーパントの声加工されてなくてどう聞いてもCV:南條愛乃だったし」

希「なんかメタな推理が…。で、でもはっきりとした証拠があるわけでも…」


ティリリ、ティリリ


希「…はい、もしもし」

凛『うおぉっ!!城乃内さんが昨日教会で会った神父さんと会ってるにゃ!』

希「…」

真姫「決まりね。私たちも向かうわよ」

希「納得いかへん…」



教会


ギィィィ…、バタン


エリーチカ「じゃ、ここで待っててね」スタスタ

城乃内「う、うん…」


凛「…ささっ」


城乃内「…り、凛ちゃん…!?どうしてここに…」

凛「城乃内さん!ここから逃げよ!あのシスターはドーパントにゃ!」

城乃内「…それ、なんだけど…」

凛「…え?」

城乃内「ここから逃げて…、もしまた見つかっちゃったら…、ピエールさんにあの地獄の夜を味わわされるし…!」

城乃内「それに…、ここにいれば…、シスターは僕に…」

城乃内「>>864してくれるって約束してくれたんだ!だから行かない!」

エロいこと

城乃内「エロいことしてくれるって約束してくれたんだ!」

凛「え゙っ…、こんなイケメンなのに結局は性欲に負けるんだ…」

城乃内「だって仕方ないだろ!修行時代は毎晩毎晩40のオッサンに後ろを…」

城乃内「だから女性の魅惑には抗えないんだよ!!」

凛「男には散々やられといて女だったらいいの!?」

城乃内「当たり前だろ何言ってんだ!!男にやられるなんて…」


エリーチカ「おやおやぁ…、楽しそうチカね。私も混ぜてもらえるチカ?」


城乃内「ひっ…」




ドンッ

凛「きゃぁっ!!」

城乃内「な、何を…!!」

エリーチカ「フフフ…、ここは私による私のための楽園チカ…。ほら、ご覧なさい…」

凛「あ…、あの人、見たことある!有名なエステサロンの店長…、たしか行方を眩ませたとかで…」

城乃内「あ、あっちはフレンチの巨匠と呼ばれた超有名料理人…!どうしてみんな鎖に繋がれて目隠し…、しかも猿轡まで…」

エリーチカ「フフフ…、一流のプロ、ってのは大体誰もが何かしらを犠牲にして生きてるものチカ…。そしてその多くに人が関連している…」

エリーチカ「わたしはその人たちを蘇らせて、脅してるんだチカ…。そして私専用の奴隷として飼わせてもらってるの」

エリーチカ「毎日同じ時間に私のためだけに料理を作り、身体を満たし、メイクを施し、歯を磨かせ、子守唄を歌う…。それ以外の時間はただ鎖で繋がれる…」

エリーチカ「気まぐれに足で粗末なモノをちょいちょいしてやったりはしてるけどね」

城乃内「ま、まさか…、エロいことってそういう…!?」

エリーチカ「ザッツライト!!」

城乃内「そ、そんなのヤダぁぁぁぁ!!!」

凛「さ、させるか!うりゃぁぁぁっ!!」

エリーチカ「邪魔チカ」バシッ

凛「おうっ…、げふぅ…」ガクッ

城乃内「弱っ!!」

エリーチカ「さぁて、そろそろ…、甘いものも食べたいと思ってた頃チカ…。さ、私のために極上のスイーツを作り続けるチカ…」

エリーチカ「その広がりきった後ろの穴も…、時々使ってあげるから…、ね?」

城乃内「嫌ぁぁぁっ!!!だ、だ、だ…」

城乃内「だれか助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


<グガー  <ワンチュー


ヒュンッ!! バシッ!!


エリーチカ「おぐふっ!!いった…、何!?」


希「ちょっと待っててー…、ってね!」

真姫「そこまでよ!このゲスーチカ!」


エリーチカ「き、貴様ァ~~…!!」

希「各業界の一流たちを監禁して自分のためだけに働かせる…、まるで女王蜂やね!シスターエリー!」

真姫「…いえ、アウェイク・ドーパント」


城乃内「ひっ…、い、今のうちに…」ササッ


エリーチカ「…おのれ、ならば、死者を呼び起こす私の力…、見せてあげるチカ…!!」\アウェイク!!/

エリーチカ「アハハハハハハハハハハハ…!!」ピチュゥゥンン…


希「…消えた」


バタンッ…


星空「…」ノソッ


真姫「星空、所長…」


星空「…今度は加減しないぜ、希…」


アウェイク・Dの声『この男はあなたが絶対に逆らえない男のはず…。さて、どうするのかしら?』


希「…!」

星空「…変身」\ステラ!!/ガシャンッ

\ステラ!!/


希「…!城乃内さん、うちの陰に…!!」

城乃内「は、はいぃ…!」

ステラ「…希。お前はここにいる資格がない…」

希「お、おやっさん…、この人は…、うちの依頼人や!」

ステラ「それがどうした。また俺の言うことに背くのか。…また俺を、[ピーーー]気かぁ…!?」

希「…」


真姫「希…、聞いちゃダメ」


ステラ「どけ、希」

希「…」

希「…っ!!」

希「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」ブンッ!!


バキィッ!!


ステラ「うおぐっ!」

希「…うちは命懸けで、あなたの教えを守る。…それを邪魔するんがあなた自身なら、それとも闘う」

希「ホンモンは…、うちの胸の中で生きてるあなただけやっ!!」


アウェイク・Dの声『バカな…、貴様は一体…!!』


希「うちは…、いや…」

真姫「…私たちは」

希「…星空凛太郎の忘れ形見…!!二人で一人の探偵で…、アイドルや!!」\スター!!/

希「行くよ、真姫ちゃん!」

真姫「えぇ!!」\クレッシェンド!!/

希・真姫「「変身っ!!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/ デレレーンデレレデレレレーン



Muse「…」

ステラ「むっ…!」

Muse「「はぁぁぁぁっ!!」」バキィッ!!

ステラ「うぐぅっ…!!」


バゴォンンッ!!



城乃内「ひぃっ…!!?」


Muse「城之内さんは避難してて!」


城乃内「り…、了解!」ダダッ



Muse「てやぁぁぁっ!!」

ステラ「あぐぅっ…!!」

Muse「はぁっ!!」

ステラ「がっ…、ふ、ぁ…!!希…、お、俺が…、どうなってもいいのか…!!」

Muse「…」\フォルテ!!/

\フォルテ!!/\スター!!/ テーレテテーッレデレレレーン


Muse「もっと…、もっと強く…!!」「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」バキィィッ!!

ステラ「ぐがぁぁぁっ!!!あ、が…!」ピチュゥゥンン…


アウェイク・D「が、はぁっ…!!」


Muse「やっぱりアンタが…!」「化けてたんやな…!!」


アウェイク・D「くっ…、クソ…!わたしは…、私はぁ…!!」


Muse「あなたの正体なら既に掴んでいるわ、アウェイク・ドーパント。あなたの能力は、死者を呼び起こす力ではない」

Muse「人の記憶を呼び起こし、その心の奥に眠る人物に化けているに過ぎないのよ!」


アウェイク・D「ぐっ…!!く、クフフフ…!そうよ、そのとおり…!!」

アウェイク・D「私はあらゆる才能の持ち主になれるチカ!でも働くの面倒だし!」

アウェイク・D「だから一流の職人たちを脅したり騙したりして私に貢がせてやってるんだチカ!逆に感謝してもらってもおかしくない…」


Muse「とんでもないクズやね…」「そして力の使い道を盛大に誤ってるのもツッコミどころやね」

Muse「こんなやつ、とっととぶちのめしちゃうわよ!」「言われなくてもそのつもりや!」


Muse「「さぁ、お前の罪を数えろ!!」」

アウェイク・D「グ、グゥ…!!こ、こうなったら…!!」

凛「ん、むにゃ…」

アウェイク・D「フフフ…!この少女を…!!」ガシッ

凛「んぐっ…!!?にゃ、にゃに…?」



Muse「凛ちゃんっ!!」「凛!」



アウェイク・D「ふ、フフフ…!!この子を逃がしてなかったのが運の尽きのようね…!!覚悟しなさい…!!」

アウェイク・D「どうやらさっきの星空凛太郎ってのはこの子の父親のようチカ…!!ならば…!!」

アウェイク・D「思いが強ければ強いほど、私の力も増す…!!この子の脳内から直接、父親の記憶を読み取って…!!」ガシィッ…!!

凛「うグッ…!!い、痛いぃ…!!」

アウェイク・D「フフ…!!感じる、感じるわ…!!強い思念の力…!!これほどまでに強い想い、初めてチカ…!!」


Muse「くっ…、凛ちゃんを放せ!!」「放しなさい!!」


アウェイク・D「おっと…、近づけばこの子の命はないわよ…!?フフフ…、おとなしく私の力が漲るのを見物しているチカ…!!」


Muse「う、ぐっ…!」「凛…!!」


アウェイク・D「フフ…!!フフフフ…!!これで、私は…!!」

凛「う、うぅぅ…!!」


凛(お父、さん…!)

凛(お父さん…!!)

凛(凛の、大好きな…、お父さん…!!)



凛(助け、て…、お父、さん…!!)



アウェイク・D「ハハハハハハハ!!…ハ?」


Muse「え…っ!!?」「あれ、って…」



ステラ「…」


アウェイク・D「あれ?あれれ…?どうして私が化けるんじゃなくて…、実体化してるの…?」

ステラ「…」

アウェイク・D「ま、まぁいいわ!やっちまいなさい!!ほら!バンって!バンバンしなさいコラ!!」

ステラ「…」

ステラ「…あいよ」バンバンッ!!


バシバシンッ!!

アウェイク・D「おぐぅっ…!!?」

Muse「「え…?」」


凛「お父、さん…」

アウェイク・D「なんで…!?どうして、私を攻撃する、チカぁ…!?」


ステラ「…希」

Muse「え、は、はいっ!?」

ステラ「隙ができた。とっととやれ!」

Muse「え、えっと…、了解っ!!」

\スター!!真姫シマムドライブ!!/


Muse「「スターディテュランボス!!」」


スターディテュランボスとは!!

右半身にありったけの力を込め射出する必殺技である!!



Muse「うあぁぁぁぁっ!!!!もっと、強くっ!!」

Muse「ロケットォォォ…!!パァァァァンチィィィィッ!!!」バヒュンッ!!

ズゴォォォォォッ!!


アウェイク・D「おごぉおぉぉぉぉぉっ!!!体の右半身全体のロケットパンチとか…!聞いたことない、チカ…」

ズドォォォォォォッ!!

アウェイク・D「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

バゴォォォォォォォンッ!!


エリーチカ「が、はぁっ…!!」パキンッ



Muse「はぁっ…!なんとか、なったみたい、やね…」ピチュゥゥンン…

希「でも…、どうしてあの時…、ステラはドーパントを攻撃して…」


ステラ「…」


希「あ、あれ…?ドーパントがやられたはずなのに…、ステラは消えてない…?」


ステラ「…」ピチュゥゥンン…

星空「…」


希「おやっさん…」


星空「…いい顔をするようになったな、希」

希「…っ!!?」

星空「…帽子、良く似合ってるぜ。帽子が様になるのはいい女の証拠だ」

希「おや、っさん…!」

星空「あばよ、希。それから…、凛。また会えて、…嬉しかった。じゃあな」

サァァァ…


希「おやっさん…!!う、うぅうぅ…!」

真姫「今のは、一体…?」


凛「お父さん…、ありが、と…、うぅ…、ぅ…」

翌日

東條西木野☆探偵事務所内


希「帽子、様になってる、か…」

希「…ふふ、ホンモノは胸の中だけ、って言っといて、すぐに心動かされてるんやもん…。バカみたいやね…」

希「あ、凛ちゃん…、その…、お父さんのこと、やけど…」



穂乃果「メリ~~~~…、クリスマーッスッ!!いぇいっ!!凛ちゃんいぇいっ!!ハイタッチ!」

凛「いぇいっ!!だにゃ!今日はサンタの人トナカイなんだね!」

穂乃果「えへへー、いいでしょ~!サンタ衣装は凛ちゃんのために取っておいたんだ!はい!」

凛「わー!可愛いにゃー!!これ着ていいの!?」

穂乃果「もっちろーん!だって今日は…」



希「…聞いてないし…。まぁ、後でいいか…」




東條西木野☆探偵事務所前


真姫「あら、わざわざ外に出てきたの?」

希「中は凛ちゃんと穂乃果ちゃんでやかましいからね」

真姫「別に外でなくてもいいのに。寒いでしょ?雪降ってきそうだし」

希「いやいや…、全然季節違うやん…。雨なら降るかもしれへんけど」

真姫「ま、半年ほど早いかもね。…さて、そろそろ中に入りましょうか」

真姫「…今日だけは、イチゴ、譲ってあげるわ。あとチキンもね」

希「おや珍しいね。いつもなら凛ちゃんと競争しながらがっついてる気がするけど」

真姫「…そこまで意地汚くないし。…今日は、特別な日、だしね」

希「クリスマス、ってこと…?」

真姫「…中に入ればわかるわ。さ、行きましょ」

希「…う、うん…」

東條西木野☆探偵事務所内



穂乃果「メリ~~~~…、クリスマーッスッ!!」

穂乃果「…じゃなくて~~~…?」


凛「希ちゃんっ!!お誕生日~~…」

真姫「おめでとっ!!やぁっ!!」



パンッ!!パパンッ!!



希「あ…」ポカーン



凛「いぇいっ!!サプライズ大成功にゃ!!」

穂乃果「忘れてたでしょー?すっかり忘れてたでしょ?」

真姫「さ、特等席へどうぞ!」



希「…そっか、今日、やったっけ…。あは、あはははは…」

希「アハハハハハハハ!!忘れてた!!うわー…、嬉しい…。ヤバ、涙出そう…」



真姫「泣くのはロウソク消してから!」

希「うわ、これ22本あるやん…。無駄に凝ってるなぁ…」

凛「さぁ、ふー、ってするにゃ!ふー、って!」

穂乃果「電気消したよー!カウントダウーン!さん、にー、いち!」


希「…ふーっ!」


真姫「…せーのっ」

真姫・凛・穂乃果「22歳のお誕生日、おめでとーっ!!希(ちゃん)っ!!」


希「…うんっ!!やった!また一歩オバサンに近づいたっ!!」

穂乃果「そういうこと言わないっ!」

真姫「さ、ケーキを好きに切り分けていいわよ!ただし選ぶのは私だけど!」

凛「誕生日くらい謙虚になったらどうにゃ…?」

真姫「だからイチゴだけなら譲ってあげるつもりよ!」

凛「イチゴだけですか!?」


希「…ふふ」



うちらはここで生きている。この街、音都で。

これからもずっと、あの人の、思いを背負って…。




劇場版 仮面アイドルMuse ビギンズナイト

おわり

真姫「というわけで急遽劇場版となった第14.5話、どうだったかしら」

凛「数日早めの希ちゃんお誕生日回も一緒にやったったにゃ」

希「…って言っても最後の2レス書く寸前くらいに思いついたんやけどね」

真姫「それまで全く頭になかったという点では完全にサプライズではあるわね」

希「まぁ、なんだかんだ言っても祝われたのは変わりないからね。素直に喜んでおくわ」

凛「よーし!シャンパン開けるにゃーっ!」

真姫「あ、このエンドトークはパーティ中に録ってるって体よ」

希「一応穂乃果ちゃんもいるんよね…。酔いつぶれてるけど」

穂乃果「ほぇぇぇ…?もう飲めないれふ…」

凛「よくよく考えるとこんなところで穂乃果ちゃんの描写したら7,8話の別れがもっと辛いものになってきちゃうにゃ…」

真姫「一緒に希の誕生日を祝った仲なのに、ってことよね…。そう考えると来るものがあるわね…」

希「色々と時空を無視した話はこの辺にしておいて…。一気に仕上げるためにこんな時間までかかっちゃったけど楽しんでもらえたかな?」

真姫「途中誤字脱字がひどかったと思うけど脳内補完しておいてね。saga忘れも」

凛「じゃ、次回!ついに南ことりちゃん登場にゃ!」

希「そして話は未だ未定」

真姫「というわけで今日中に考えるから一旦メモリ安価はナシよ!ことりのメモリも考えるわ!」

希「最終的に思いつかなければ安価、って形にするってことやね」

凛「それじゃあ今日はここまで!」

真姫「また次回をお楽しみにね!」

希「これで決まりやっ!」



真姫「…さて、じゃあパーティの続きね。ほら、チキン食べなさいチキン」

希「言われんでも食べるし…、もぐもぐ…」

凛「ほらほらシャンパンどうぞどうぞ」

希「あぁどうも…、ってそんなに急かさんでも自分のペースで…」

真姫「いいからいいから」

凛「いいからいいから」

希「あぁ…、まぁいいけど…。っていうか、やけに積極的で怪しいなぁ…」

真姫(トコトンいい気分にさせて酒で酔わせて…)

凛(色んなモノ買ってもらうにゃ…)

希「…ま、いっか!よーし、いっぱい食べていっぱい飲むよーっ!うおー!」

余談だけど一度ことりちゃんのメモリはナイト(Knight)にしようとして、エンジンメモリに当たるものをポーン、ルーク、ビショップにして、
剣に挿入するメモリを交換することで戦い方に変化をつけよう、希ともスター(Star)とナイト(Night)で掛かってるし、と思ってたけど
クィーンメモリが既存のせいで使えないのと、チェスとことりに直接関連性がないこと、そして極めつけにメモリをナイトにしちゃうと必然的にそれが名前になっちゃうからそうなると…
ってことで没になりました また何か考えておきます

星に行く船ってなんだ…

考えてみたけれどどうもナイト以上のものが思い浮かばなかったのでもうそれでいいや、ってなりました
ただメモリ自体はKnightなのでKのメモリだからSNじゃないのよね それは残念 そして12星座は後々使うことになるかも知れないんでナシで
それで、次の話のメモリ安価は井坂先生枠の人との兼ね合いとか色々考えなきゃいけなかったんだけどだいたい解決したのでなんでもいいです(ただし能力を利用した高速移動が出来そうなヤツで)
さらに最終話のタイトルと、ラスボスが使うであろうメモリの頭文字は決めたので次回からその二つのアルファベットも安価には使わないことにします
ただもし運良く最後まで出なかったことも考えてその頭文字の安価が来た際のみネタバレして再安価ということで
そんなわけでメモリ安価して準備ができたらやっていきますよ

次回のメモリ(上記の縛りで)
>>883(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D以外)

スミロドン

確かに言ってはなかったけど既存のメモリはあまり使いたくないのでごめんだけど再安価させてください… 本編にちゃんとした形で出てきたのは特に
あとこの際だからついでに付け足すけれど物理よりのメモリよりか特殊能力(相手を凍らせるなど)持ちのメモリだと話が書きやすくなります
再安価>>885

conceal

東條西木野☆探偵事務所内



希「…うむぅ…」


チェス…、これぞまさに、スピリチュアルな女のゲーム…。

一進一退を繰り返す自分と相手の駒の動きを見極め、辛抱強く追い込んでいく様は、探偵の仕事に通じるものがある…。

ま、要するに…、

うちのためにあるようなゲーム、やね…


希「ぬ、ぬおぉぉぉぉ…!!詰めチェスむずぅぅ…!!どの駒を動かせばえぇんや…!?」


ガチャッ チリンチリーン


希「よ、よし、ならこのクイーンを…」

「もしもーし?」

希「いや…、こっちのナイトで…、…はい?…あ!えっと、その…」

「あのー…、ここって探偵事務所、だよねー?」

希「え…、あ、はい!せやけど…、あなたは…?」

「…依頼人、だよー。あ、ここで…、チェックメイトだね」カチャッ

希「うぇぇっ…?うわ、ホンマや…。スピリチュアルや…」

真姫「…っていうか一手詰めでそんな苦戦してたの…?」



希「刑事?あなたが…?」

ことり「うん、南ことり…、だよ」

凛「婦警さんなら前もあったけど…、若い刑事さんだにゃ…」

ことり「最近頻発してる不可解な傷害事件について調べて欲しいの」パサッ

凛「はっ…!この写真は…、間違いなくドーパントの仕業だにゃ…!」

ことり「得意分野、でしょう?」

希「はっ!残念やったなぁ!スピリチュアルな探偵は簡単に権力には…」

ことり「…」スッ…

希「…なびかない!とっととおうちへ帰るんやね!」

凛「ん…?何か手渡されたけど…、はぁっ!?こ、これは…、凛の大好きな>>887!?」

凛ちゃんも1度しか食べたことがないポイントで交換できる音都ラーメンの裏メニューチケット

凛「凛でも一度しか食べたことのないポイント交換で食べられる音都ラーメン幻の裏メニュー…!!」

凛「それの交換チケット…、だと…!!?」

希「さぁとっととおうちへ帰りなさい!あ、これやと30分後の世界っぽ…」

パシンッ!!

希「いたっ…!」

凛「さ、どーぞどーぞ!今後共ご贔屓に!」

希「ちょっ…、凛ちゃん!?買収されてどうするんよ!」

ことり「決まりだね。…所長さん」

凛「にゃ?」

ことり「早速東の人、借りていくね」

希「ひ、東の人ぉ…!?うちのこと!?」

凛「あ、はいどうぞ!こき使ってください!」

希「ちょっ…、ひどい…」


ことり「先行ってるねー」ブロロロロ…

希「あっ…、この!勝手に行くな!」



凛「なんか不思議な人だったねー…、掴みどころのない、っていうか。掴みどころだらけの希ちゃんとは大違い」

真姫「それは腹の肉的な…、いえ、何でもないわ。盗聴器でも仕掛けられていたら命がないもの」

真姫「それにしても…、南ことり…。音都署の刑事、ね…」

凛「あの人のこと、気になるのかにゃ?」

真姫「まぁ、ね…。でも、何が気になるのか…、それがわからないから気になるの」



ことり「…」ブロロロロ…

希(南ことり…。なんだか不気味な子…)ブロロロロロ…

ことり「あ、抜かされた…」

希(なんといっても一番気に入らないのは…)

ことり「私の方が先なんだから!」ブロロロロロ…

希(この子から妙にスピリチュアルな匂いがしてる、ってことやね…)


現場


ことり「みんな、ご苦労様」

警察「おっ、お待ちしておりました南刑事!ささ、現場はこちらです!」

「お荷物お持ち致します!」「暑くないですか?うちわ扇ぎます!」「上着お預かりします!」

希「おぉ…、なんや、このホントの意味での手厚い歓迎は…」

ことり「大丈夫だよー。それより、現場に、ね?これがうちのチームの初仕事なんだから」

警察s「「「「はいっ!!」」」」

希「まるで体制の整った軍隊みたいな動きやね…」


希「うっ…、この部屋、血の臭いがキツいな…」

ことり「…で、被害者のお名前は?」

警察「はい!芸能プロダクション社長の>>890という人物で…」

俊平

警察「芸能プロダクション社長の奈良俊平という男で…」

警察「この現場で、身体の至るところに穴が空いた状態で発見されました」

希「穴…、さっき南さんが持ってきてた写真みたいな…」

警察「怪我の特徴的に言って…、最近頻発している謎の障害事件と同一犯と思われます」

ことり「そう…」

希「う…、グロテスクやね…」


花陽「ぁ…、希ちゃん…!」

にこ「え…、あ!久しぶりね!」


希「え…、あ!花陽ちゃん!にこさん!」

ことり「知り合い?」

希「あ、うん。前に事件で知り合った婦警さんで…。なんでここに?」

花陽「そ、それが…、私たちも急にここに配属されることになって…、今来たところなんだ…」

にこ「あっ…!!南刑事!?お、お疲れ様ですっ!!遅れて申し訳ありませんっ!」

ことり「うん、お疲れ様♪そんなにかしこまらなくても大丈夫だよっ」

希「…ねぇ、にこさん。この南、って人…、そんなに偉いん?」

にこ「あ、あったりまえよ!…南刑事は、この音都署に新しく超常犯罪捜査課を設立しに来たエリートさんよ…!」

希「ちょーじょーはんざいそうさか…?」

にこ「まぁいわゆる…、ガイアメモリ犯罪課、ってとこね…。私たちは一度ガイアメモリ被害にあったこともあって、組み込まれたのよ…」

花陽「…南さん、すごい人なの…。私たちとほとんど年齢は変わらないのに、刑事だなんて…。憧れちゃうなぁ…」


ことり「…ん?これは…」

ことり「…」ササッ…

ことり「…ふぅん」

希「…ん、なんかわかったの…?証拠でも落ちて…」

ことり「…えっとね、先に言っておくけど」

希「…?あぁ、それ…」

ことり「っ!!」グイッ

ガタンッ!!

希「おうっ!!?な、なんでいきなり壁に…」


ことり「私に質問をするな」


希「え…?」

ことり「ふんっ」バンッ

希「いった…!何するんっ!?」

ことり「被害者の奈良は?」

花陽「えっ…、あ、音都総合病院に運ばれ…」

ことり「…」スタスタ…

希「あ、ちょっ…!なんなん…?さっきまでは穏やかな子やと思ってたのに…」

???


ツバサ「…やっと来たわね、あんじゅ」

あんじゅ「…一体、何?急に呼び出し、なんて…。お仕事キャンセルしてきちゃったわよ」

英玲奈「総帥から大事なお話だ。心して聞くように」

あんじゅ「総帥…?私、あの人なんかニガテ…」

ツバサ「そんなこというものじゃないわ。さ、総帥、こちらへ」


総帥「…みんな、おはよう。あんじゅ、わざわざごめんなさいね」


あんじゅ「…いえ、平気です。それで、お話、とは…?」

総帥「えぇ、とっても大事なお話…。きっとあんじゅも不思議に思ってる、あることについての、ね…」



あんじゅ「…!まさか…、そんな…。だから、あれは…」

総帥「…これが、UTXの真実…。あなたにとって、今日が本当の始まりとなるわ」

総帥「あんじゅ。あなたにも正式にUTXの中核を担ってもらうことになる…」

あんじゅ「あ、あの…、それは…」

総帥「…いいわね?ツバサや英玲奈から、色々学ぶように」

あんじゅ「ぅ…。わかり、ました…」



総帥「そういえば…、連続障害事件が巷を賑わせているそうじゃない」

ツバサ「…また、暴れだしたのかしらね。例の、ドーパント…」

総帥「…あれはなかなか興味深いメモリね。危険な相手だけど…、調べておいてもらえる?」

ツバサ「もちろんよ…。総帥…」



音都総合病院 駐車場


ことり「…」ブロロロロロ…

希「ふぅ…、ここも見慣れたものやね…」


キャー!!!バケモノー!!

「…」


希「…っ!ドーパント!?」

ことり「やっぱり…!また奈良を狙って…!!」

希「急いで助け…、って…、はぁっ!!?」


ことり「ぐ、ぎぃっ…!!ふん、ぬぬぬぬ…!!」グググ…


希「な、なんや、その…」


ことり「ふあぁっ!!」ブンッ

バゴンッ!!


希「と、特大バット…!!?」

ことり「…!!」ズルズル…


希「おぉ…、バイクから取り出した特大のバットを引きずって…。コンクリートえぐれてるやん…」



奈良「も、もう許してください!僕が何したって言うんですかぁ!?」

奈良「消えちゃってください」|<●> <●>  |←こんな目

「…っ」イラッ

「…その顔ムカつく…!死ねぇっ…!!」ブンッ

ガキンッ!!


「…っ!!?」

ことり「見つけた…!!てやぁっ!!」ブンッ!!

バキィッ!!


「おぐふぅっ!!い、いてて…」


ことり「はぁっ!!たぁぁっ!!」

ビュンッ!!ブンブンッ!!


ことり「何してるの東の人っ!!早く仮面アイドルになって戦いなさいっ!!」


希「えっ…、なんでそれを…!?」


ことり「質問は受け付けないって言った!!…っ!はぁぁっ!!んんっ!!らぁぁっ!!」ブンッ!!ブンッ!!



希「な、何なんや一体…。はぁ…、真姫ちゃん、変身や」カチャ

真姫『あぁ…、希?ちょ、ちょっと待ってもらえ…、うにゃぁ~~…、かわいいっ!ねぇ、これ飼っていいでしょ!?ねぇっ!』

希「な、何…!?何やってんの真姫ちゃんっ!?」


ことり「…っ!!不便な子たちっ…!!ふんっ!!」バゴンッ!!


「…きぃっ!!」グワァッ


ことり「…っ!あぶなっ…」ヒュンッ


バゴンッ!!


ことり「…!!駐車してあった車に穴が…!これは危険だね…」


希「…っ!もう…、そんな時間ないってのに…!」\スター!!/\スター!!/\スター!!/\スター!!/\スター!!/

真姫『あぁうっさい!しょうがないわね!…』\クレッシェンド!!/


希・真姫「「変身っ!!」」


\クレッシェンド!!/\スター!!/  デレレーンデレレデレレレーン

Muse「ふっ…、てやぁっ!!」ヒュッ

バキィッ!!

「おぐっ…!!いった…」


ことり「あれが…、仮面アイドル…、Muse…!」


Muse「はっ!そんなもんっ!?」「楽勝ねっ!」バキィッ


「うぅ…!攻撃が効かない…。だったら…!えいっ!」グワンッ


Muse「はぁっ…!…あ?」「え、え、えぇっ…!!?う、うちの右腕が…!!?」


ことり「…!なくなった…!?」


Muse「えっ…、ちょっ…、えぇぇぇぇっ!!?どうするのこれ…!?」「って言われても…」


「ふふっ…、今のうちに…!!やぁっ!!」バキッ!!バキィッ!!!


Muse「おぐっ…!!えぶぅっ!!」「み、右腕がないのなら…!!」\ハーミット!!/


\クレッシェンド!!/\ハーミット!!/ デレレーンデレレドドーン


Muse「左足で蹴るのみっ!!」「てやぁっ!!」ビュンッ!!

ズバァッ!!


「げはぁっ…!!い、痛ぇ…!もうヤダ逃げるっ!!」ダダッ


Muse「あ…、逃げた…」「追い掛け…」


ことり「逃がすかぁっ!!」ダダッ


Muse「うわ…、鬼の形相で追いかけていった…」「あんな重いバット持ってよく走れるわね」



ことり「…はぁっ…、はぁっ…!この角を曲がって…」


??「…っ!」


ことり「…っ!今の…!待てっ!!」



ことり「はぁっ…、はぁっ…。く、逃げられた…」

ことり「…ん?これは…、…」スッ…


希「はぁっ…、はぁっ…。…どうしたん?」


ことり「…東の人。キーワードは…、穴と…」

ことり「>>897(犯人が現場に落としていったもの)、だよ」

ねりわさび

ことり「…ねりわさび、だよ」

希「えっ…、ねりわさび…」

ことり「今度は西の人に調律を始めてもらおっか…」

希「…なんで、そのことを知って…」

ことり「…あれ、そういえば、腕は大丈夫なの?」

希「えっ…、あぁ、なんか勝手に出てきた…。何やったんやろう…」



東條西木野☆探偵事務所地下


ガチャンッ

ことり「…」


凛「ほぇぇっ!!?こ、この人ここに入れちゃっていいの!?」

希「この子が勝手に…」

凛「ら…、らっしゃーせー…?」


ニャンニャンニャニャーン


ことり「ふぅん…、こういうこと、ね…」

希「んなぁっ…!!?何、その格好…」


真姫「にゃん?」


ことり「猫のコスプレ…」

凛「捨て猫を拾ってきたみたいにゃ…。時々外へ出て行っては何か面倒なこと増やしてくるよね…」

真姫「見てよ希!このぶちゃいくな顔!お腹もでっぷりしててまるでのぞ…、ゲフンゲフン…。ね、可愛いでしょ?」

希「うちじゃ飼えないよ…、それは…。っていうかなんでコスプレを…」

真姫「見た目から猫になりきって仲間だと思ってもらうためにね!ねぇ、いいでしょ?飼ってにゃん!」

凛「その口調は凛とキャラかぶるにゃ!絶対ダメ!妖怪キャラかぶりが出ちゃうよ!」

ことり「…そんなことはどうでもよくて。Museの頭脳、西木野真姫、ちゃん…、か」

ことり「…こんな調子でよくこれまで生き残ってこれたね?二人共…」

希「は…?」

ことり「キミたちのことは…、この子で、調べてた…」


ヒュンッ <ゼツメツタイムダ!!

カチャンッ


真姫「あ、あの時のキバットバット2世…」

凛「…が、手のひらの上で携帯電話に変形したにゃ」

希「あなた、一体…?」

ことり「私はいずれ…」

ことり「…仮面アイドルになる女、だよ」スッ


希「…っ!三本の、ガイアメモリ…!?」

真姫「ルーク、ビショップ…、そして、ナイト…」

時間的にちょうど半分行ったので今日はここまで
ことりちゃんのアイドルはアクセルとも少し違う戦い方を考えてるので16話終わったらスレの残りで解説しようと思います
ちなみにエンジンブレードに当たる特大バットの名前は「ポーンバスター」です
それじゃまた次回 ほなな

のんたんの右手は無事です
Museと違ってことりのはアクセルを参考にできなさそうだから絵を書くのはムズイかも 余裕があればやってみますけれども
それでは再開

凛「こ、ことりちゃんもガイアメモリを…!?」


ことり「この街の人たちはドーパントを倒す超人のことを仮面アイドル、って呼ぶんでしょ?」


希「いや、まぁ間違ってはいないけど…」

真姫「…私たちが言い始めたのよね、これ。街の人が自然に言い始めてくれたら良かったんだけど」


ことり「…。…だったら私が変わる。Museじゃ力不足だよ」


希「なんやって…!?ふざけたこと…」

真姫「不愉快な子ね。私たちへの侮辱は許さないわ」

ことり「思ってたより感情的なんだね。…だったら腕、見せてもらえないかな?」

真姫「…むっ」

ことり「…」

真姫「…調律を始めるわ。…すぅ」


真姫「知りたい曲名は『犯人の居場所』。キーワードは、奈良俊平…」

真姫「…穴、…ねりわさび…。ふむぅ…」

真姫「被害者の交友が広くて、思ってたより絞り込めないわ…」


ことり「…キーワードを追加するね。真妻本わさびと、ソフトチューブ」


真姫「…絞れた。わさびだけに…」

真姫「…ねりねり本舗…。音都西区にあるわさびを専門に扱ってるお店の名前ね。得意先に奈良の芸能プロもあるわ」

凛「なぜ芸能プロダクションがわさびを…」

希「あれ違う…?わさび寿司的な…?」

凛「わざわざスーパーとかで買わずに本店から取り寄せるってどんな無駄な金の使い方なの…」

ことり「このねりわさびのチューブには特殊な技術が使用されてる。相当なものよ」

真姫「農園や加工場を持ち、独自の技術で様々なわさびを作っているらしいわね…」

ことり「真妻本わさびはそこの名物、ってわけだね」

凛「…あ!そういえば今朝の朝刊の一面に…、えっと、ゴソゴソ…」

凛「載ってるにゃ!この人でしょ?ねりねり本舗の社長さん…。名前は…」

ことり「>>909、だね」

北村君

ことり「北村雄一…、私が現場で見た男の人だね」

凛「この人…、結構有名だよ。テレビにも出てる。お金に汚いとか、ケチだとか、ホモだとか…、あんまり評判よくないけど」

ことり「Museも大したものだねー。…頭脳だけは」

希「は?」



ねりねり本舗


ことり「音都署刑事の南です。…北村雄一はどこに?」

店員「店長でしたら…」

>>912「父さんがどうかしたの?」

店員「あ、>>912さん」

ことり「誰?」

店員「店長の娘さんです」

かよちん

花陽「父さんが何かしたんですかぁ?」

ことり「それを今調べてるの。…何か心あたりはないかな?」

花陽「…冗談はよしてくださいよ。悪く言う人は多いですけどぉ…、うちの父は仕事に厳しいだけなんです…」

ことり「ただ話を聞きたいだけ。今どこにいるの?」

花陽「ぇ…、あ、多分…、音都ランドに…」

凛「音都ランド、って…、遊園地の?」

希「前うちがあんじゅちゃんと行ったところ、やね」

ことり「…」スタスタ…

希「あ、南さんもう行くん?待ってよ!」ダダッ

ドンッ

花陽「あいたっ…!!」

希「あっ…、ごめん!もう、南さんっ!」

凛「もうバカ…っ!あ、急いでるんで…、すいません!」

花陽「いたたた…」



遊園地『音都ランド』


ブロロロロロ…


希「ふぅ…、今日は移動が多くて敵わんね…」

凛「ゆ、遊園地だにゃ!ジェットコースター乗る!ヒャッホーッ!!」ビューン

希「って、おわっ!凛ちゃん…!行ってもた…。まだまだ子供やね…」

ことり「…。…っ!!」


「…」


ことり(あの包帯巻きの女は…!)

ことり「…東の人」

希「…うちの名前は東條希や」

ことり「東條さん。キミたちは北村雄一を探しておいて」

希「あぁ…、えっ…!?」

ことり「…」ダダッ

希「あ、おいっ!」



音都ランド内


希「なんなんや南さんは…。店長は見つからへんし…。凛ちゃんは…」


凛「いやほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


希「…ガッツリ遊びまくってるし」

凛「遊んでなんかいないもん!ちゃんと見つけたにゃ!」

希「嘘やん」

凛「嘘じゃないもん!ほら、あそこ!>>914に乗ってるにゃ!」

チューリップホッパー

凛「チューリップホッパーに乗ってるにゃ!」

希「えっ、そんなアトラクションあったっけ…。ってなにあれ!?チューリップみたいな形の何かがぴょんこぴょんこして回ってる…」

凛「結構前からあったにゃ」

希「そ、そうやったっけ…?あ、でもホンマや…。北村さん乗ってるわ…。あんな酔いそうなのよく平気やね…」


音都ランド近く 雑木林


ことり「はぁっ…、はぁっ…。やっぱり、あなただったのね…」

ことり「…シュラウド」


シュラウド「…それを」


ことり「…!このアタッシュケースは…!」カパッ

ことり「私のドライバーができたのね!?」

ことり「…、いない…」



チューリップホッパー前


北村「…」スタスタ


希「チューリップホッパー…、ですか?」

北村「…おかしいかな?こんなオッサンがオエェェェェェ…」ゲロゲロゲロ…

凛「やっぱり酔ってたにゃ…」


数分後…


希「…落ち着いた?」

北村「あ、あぁ…。…昔、親友とよく来てね…。何度も何度もせがまれてよく乗ったものさ…」



(北村「あははー!映司ー!!楽しいかい映司ー!」)

(親友「もう何回目だよ…。飽きたよ流石に…」)



凛「話を聞く限りだと親友の方がうんざりしてるように聞こえるんですけど…」

希「…ちょっとお話、いいですか?北村、雄一さん…」

北村「…なに、かな」

希「連続障害事件の犯人を探してます。…あなたを被害者の入院先で見かけた、って人がいて」

北村「君達…、警察か?」

希「探偵、です(キリッ」

北村「…街のノラ犬か。じゃあ無視…。とっとと消えてくれ」スタスタ

凛「ほわぁっ…!!感じ悪っ…!!」

希「…そうはいかへんな。ノラにはノラの矜持があるんでね。あんたが街を泣かす人間やったら、噛み付くしかない」

凛「どうなんだにゃ!?」

北村「…」

北村「ダッシュ!」

希「あ、逃げた!」 凛「追うにゃ!」

北村「…!」ダダッ


希「くっ、逃がすか!そこの角を曲がって…!」


「はぁっ!!」グワンッ


希「ひょわっ!!?…あ、危な…、足元に穴が…!」

謎のドーパント「…やっほ」

凛「へ、変身したにゃ!!」

希「凛ちゃんは下がってて!…真姫ちゃん、変身や!」\スター!!/


真姫「…こいつは…、近寄ると恐ろしいわね。いきなりフェルマータで行きましょう」\フェルマータ!!/


希・真姫「「変身っ!!」」

\フェルマータ!!/\スター!!/ テレレンダダーンデレレレーン



Muse「はぁっ!!」ビヨーン

バシィンッ!!


謎のドーパント「いてっ!このっ…!!」グワンッ!!

ズドンッ!! ズドンッ!!


Muse「ひぇっ…!そこらじゅうに穴が…。危ないわね…!!」「遠距離でひたすら叩くに限るっ!!」ビヨンビヨーンッ

バシッ!!バシィッ!!


謎のドーパント「はんっ…!!近寄ってこないならぁ…!!」

グワンッ!!


Muse「うっ…!!また腕が消えた…!?」「切断された感触は感じない…。まるで…、無いと錯覚させられているよう…!」

謎のドーパント「ふふっ…、お前の腕を『隠して』やった!これで攻撃は届くまい!!」


Muse「これだと…、いつかは右腕全体が切り取られるわよ…!」「その前に勝負を決めるんや!!」\ハングドマン!!/

\フェルマータ!!/\ハングドマン!!/ テレレンダダーンチャラリララー


Muse「はぁぁぁぁ…!!」「ちょいやぁぁぁっ!!」ブンッ!!

バシィンッ!!ズビシィンッ!!


謎のドーパント「くっ…、鞭のようにしなって…!!痛いっ…!」

謎のドーパント「だったら…、こうしてやるっ!!」グワンッ!!


Muse「んなぁっ…!!?」「ヤバッ…、足が消えたっ…!!ダルマ状態よこれじゃ…!」

謎のドーパント「これで存分に…、身体に穴開けてあげる…!!」

Muse「や、ヤバイ…!!」「寄るなぁ…!!」ブンブンッ

謎のドーパント「ふ、ふふふ…」


ズリ、ズリ…


謎のドーパント「…ん?何の音…?」

ズリ、ズリ…

ことり「…」


Muse「南、ことり…!?」「今までどこに…」


ことり「…ご苦労様。私が代わるね」

ことり「ふぅっ…、んんんんんんっ…!!」ググググ…!!

ことり「どあぁぁぁっ!!!」ズゴォォォッ!!


Muse「うおぉっ…、バッドが地面に突き刺さった…」


ことり「…」スチャッ


Muse「…っ!それは…」「ガイアドライバー…!?いえ、形がまるで違う…」


ことり「この日を…、待っていた…!!最強の力を得て…、コイツを倒す日を…!!」カチャッ!!

ことり「…」\ナイト!!/

ことり「変…、身…っ!!」

ガチャンッ!! \ナイト!!/ ヒヒーンッ!!

チャキーンッ!!


仮面アイドルナイト「…」


Muse「あれは…、…う、馬…?」「…の、意匠があしらわれた衣装ね」「真姫ちゃん…」「…衣装じゃなくて鎧と言うべきだったわね」


ナイト「さぁ…!!…チェックメイトだよ」ダダッ


ナイト「でやぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!

バキィッ!!バキィィッ!!


謎のドーパント「痛いっ!!重っ…!!くっ…、その足…、隠させてもらうっ!!」グワンッ!!


ナイト「…っ!!ぐっ…、足が…」


謎のドーパント「…フン、それじゃあ動けないよねぇ…?自分が貫かれる音を聞きな…、はぁっ!!」


ナイト「…ふんっ!!」ニョキッ


Muse「ほわァァァっ!!?」「う、後ろ足が…、生えたっ…!?」


謎のドーパント「そ、そんなのアリぃ…!?」

ナイト「だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ビュンッ!!

バキィッ!!

謎のドーパント「ごばぁっ!!が、ふぅっ…!!」


ナイト「…なるほど、こういう仕組みね。…じゃあお次は…」\ルーク!!/

ナイト「こちらに!」ガチャンッ!!

\ルーク!!プロモーション!!/


Muse「んなぁっ…!!?ば、バットが…!?」「突撃槍に変形…、いえ、『変身』、した…!」

ナイト「自分が貫かれる音は…、あなたが聞きなさいっ!!はぁぁぁっ!!」ダダッ!!

ズゴォォォッ!!


謎のドーパント「ぐぎゃぁぁぁっ!!い、痛い…!!」


Muse「あっ…、腕と足が治った!」「どうやらあのドーパントが一定のダメージを受けると解除されるみたいね、これ」


謎のドーパント「ぐっ…、くそぉっ!!ならこれはっ!!」グワンッ!!

ズドンッ!!


ナイト「…体に穴を開ける攻撃…。本質は局地的に圧力をかけることで貫通力としている…」

ナイト「なら、これで…!!」ガチャッ


Muse「あ、槍からメモリを抜いたわね」「またバットに戻ったけど…、今度はなにを入れるつもりやろ?」


ナイト「…入れるのは、こっちに!」\ルーク!!/

ガチャンッ!!

\ルーク!!/ ゴゴゴゴ!!


ルーク「はぁっ!!」


Muse「えぇっ…、武器の変身に使用したメモリで…」「今度は自分が変身…!?」「頑丈な鎧に変わった…!」


ガゴンッ!!ズゴンッ!!


謎のドーパント「か、堅いっ!貫けない…!!」


ルーク「…そして、これもっ…!!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!プロモーション!!/


Muse「今度は…、バットが杖に変形…、いや、変身したね…」「なんで変身、って言葉を使ってるかというと…、明らかに質量が変わってるからね」


ルーク「はぁぁっ!!燃えろぉっ!!」ボファァァァッ!!


謎のドーパント「あ、熱っ!!熱いよぉっ!!う、うぅぅう…、も、もう逃げるしか…」

謎のドーパント「ひゃぁっ!」グワンッ!!


Muse「うわ!あのドーパント、自らの足を消した!?」「でも、浮いたままね…。さしずめ幽霊状態だわ」


謎のドーパント「そいじゃさよならー!!覚えてろー!!」ヒュワンッ


ルーク「…逃がすかッ!!」\ナイト!!/

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「この状態で…、ふぅっ!!」ニョキッ

ナイト「これなら、馬のように速く走れるっ…!!てやぁぁっ!!」ダダッ!!



Muse「うおっ…!行っちゃった…」「…っていうか私たち、さっきからすっかり解説役ね」

謎のドーパント「はぁっ…、はぁっ…!!どこまで追いかけて…!!?」

ナイト「ああぁぁぁぁぁっ!!!」ダダダダッ!!

謎のドーパント「ひィィっ!!?怖いっ!!」


ナイト「ふんっ…!!追いついたよっ!!」ゲシッ!!

謎のドーパント「い、いてぇっ…!!」


Muse「はぁっ…、やっと追いつけた…」


ナイト「…これで、終わりっ!!」

\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/


ナイト「はぁぁぁぁっ!!でりゃぁぁぁっ!!!」

ヒュンッ…!!

バキッ!!バキィッ!!

謎のドーパント「ごぉっ…!!うがぁぁぁぁっ!!!!」


Muse「おおぉっ…!!後ろ足と前足の二連かかと落とし…!」「名前はまだ未定ね…」



ナイト「…絶望がお前の、ゴールだ」

バシュゥゥゥ…


ナイト「…ん?手応えが、ない…」


謎のドーパント「ひ、ひぃぃぃぃぃ…!!」


ナイト「…すんでのところで身を隠して逃れた、か…。小賢しい真似を…!!」ダダッ!!


ナイト「くっ…、どこへ逃げたの…!?」



北村「う、うぅぅ…!」


ナイト「…お前、その手に持っているもの…!ガイアメモリ…!!」

Muse「…あとは警察に連行するだけ、やね…」

ナイト「…貴様ァ…!!」スタスタ…

Muse「え…、おい!」

ナイト「貴様だけはァ…!!」

北村「ひ、ひぃぃぃっ…!!」

ナイト「生かしておくものかぁっ…!!」

Muse「あ、あのバカっ…!!」「変身解除した人間を攻撃するつもりなんっ!!?」ダダッ!


ナイト「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ


Muse「やめなさいっ!南ことりぃっ!!」



第15話「盤上のC / ことりテリブル」

おわり

凛「というわけで第15話だったにゃ」

真姫「とりあえず最初に言いたいことが一つ」

希「なに?」

真姫「…ことりが変身するアイドルの名前を変えたいわ」

凛「なんじゃそれ」

真姫「このアイデアだとメモリチェンジの度に名前変わっちゃうから一瞬だれか分からなくなりそうだからね」

真姫「よって仮面アイドル○○ナイト、○○ルーク、のように、変身するモノの前に固定名が欲しいと思ったのよ」

真姫「だからそれを募集するわ。なんかいいのがあったら採用させていただきたいわね」

希「あ、じゃあうち思いついた!えっとね、ことりちゃんと言えば鳥、やろ?でもバードやと安直やし…」

希「だから鳥と言えば羽根…、だから仮面アイドルウィングってどうやろ!?いい感じやと…」

真姫「却下すぎるわ!ナイトの時の問題がさらに悪化してるじゃないの!」

凛「次はアメリカまで行っちゃったにゃ…」

真姫「…まぁ、そんなわけだから何かいい感じのネーミング、考えてくれると嬉しいわね。何もなかったらこちらで適当に考えるわ」

凛「で、今回の内容だけど…、基本的に照井竜登場回のまんまパクリ、だね」

希「初登場回は基本パクリで進行してるね」

真姫「最初のキャラを安定させるには本編から引っ張ってくるのが一番かな、って考えたのだけれど…」

凛「照井の人格が濃すぎてもはやことりちゃんじゃないにゃ…」

希「まぁ…、ことりちゃんでも家族を殺害されたらこうなるんじゃないかなぁ…?」

真姫「それは仕方のないことと割り切ってもらいたいわ。…そして今回の目玉といえば」

希「二人目の仮面アイドル(名称未定)さんやね」

真姫「違うわ!シュラウドでしょ!」

凛「え、そっち?」

真姫「冗談よ。ちなみに名前はそのまんまだけど喋り方は全然違うからどうぞよろしくね」

凛「12話で真姫ちゃんにワイルドメモリを渡したのがそれ、だね」

希「それで…、ことりちゃんのアイドルの話は…」

真姫「あ、そうそう。そうだったわね。解説役に徹しまくって説明したけど、どんな感じかわかってもらえたかしら?」

希「特徴はアクセルメモリとエンジンメモリに当たるメモリが、変身にも武器に挿入にも使える、ってところやね」

凛「それぞれのフォーム、それぞれの武器の組み合わせで戦い方が変わってくる、って設定だから今後の活躍をお楽しみににゃ!」

真姫「それじゃ、今日はここまでね。何かことりにいい名前、考えてもらいたいわ」

希「じゃ、また次回!それまでお別れやね!」

凛「これで決まりにゃ!」

あぁ…、まさにモチーフはそれだわ
まさかわかる人がいるとは思わなかったけど

ことりちゃんの名前の件だけれどもあまりピンと来るのはなかったけど一番合ってるかな、って思ったのがマスターだったのでそれにします
というわけでこれからことりちゃんが変身するのは仮面アイドルマスター…、あれ?これもっとアウトじゃね? ま、まぁ基本仮面アイドルは上につかないからアリで!
選んだ理由はこれでレギュラー全員に何かしら星に関係する言葉が入るかな、と思ったという安直なものとなっております
まだしっくり来てないのでこれから本編書く数分の間にいい案出して頂ければ即座に採用もありうるよ!
それじゃあやっていきます

やっぱり書いててしっくりこなさすぎるので保留で
今はメモリぶっさす度違うアイドル(ライダー)になると思っててください

ナイト「あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ブンッ!!


Muse「くっ!!」ガキンッ!!


ナイト「なんで止めるの!?正気!?」

Muse「それはこっちのセリフや!」「早く逃げなさいっ!」


北村「ひっ…、わ、わかった…!!」ダダッ


ナイト「奴は私の全てを奪ったMのメモリの持ち主なのよ!?」

Muse「M…?」「Mのメモリって…?」

ナイト「私に…、質問をするなぁっ!!」バキッ!!

Muse「ぐぅっ…!!」「落ち着きなさいっ!!」

ナイト「うるさぁいっ!!」ブンッ!!

バキィッ!!


Muse「うぐぅっ…、あっ…!!」ピチュゥゥンン…

希「ぐぅっ…!」

ナイト「…」

希「ぐ、ぐぅ…!!いたたた…」

希「…キミ…、仮面アイドルになるんじゃないん…?」

ナイト「なに…?」

希「罪は憎んでも、人は憎まない…。それがこの街の人たちが仮面アイドルに望んでることや…」

ナイト「…!甘い…」

ナイト「そんな甘ったるいことを…、言わないでっ!!」ブンッ!!

希「っ!!」


凛「いい加減にするにゃぁっ!!!」バッ


ナイト「…っ!」ピタッ

凛「…ことりちゃん」

ナイト「…。くっ…」ピチュゥゥン…

ことり「…この街は腐ってる。だから人も腐るの…!」

希「なんやて…!?」

ことり「私は…、この街が大っ嫌い…!!」スタスタ…

希「なっ…!この…、南ことりぃっ!!」

希「う、ぐっ…。うあぁっ…!傷が…」

凛「あ…。…」

東條西木野☆探偵事務所内


凛「よい、しょっ…」

希「う、痛…!あいつ、手加減一切なしやよ…!うぅ…」

凛「ことりちゃん、別人みたいだったね…。あんな鬼神のような面もあるなんて…」

凛「…あの怒り、どこから来るんだろ…」

希「…一連の傷害事件…。なにか個人的に関係がありそうやね…」

真姫「…ハードボイルド」

希「は…?」

真姫「あぁ言う女性をそういうんじゃないかしら。冷徹なまでに一人で信念を貫き通す、鋼の女…」

希「え?あぁ…。そういえばそういう設定もあったような…。もはやうちそんなに拘ってないわ…」

希「星空所長も別にハードボイルドってわけでもなかったし…。むしろ三枚目イケメン枠やったような…」

凛「ここに来て作品の根底を覆すような発言が飛び出したにゃ…」

希「あはは…。…でも、そっか…。南さん…」


(ことり「…この街は腐ってる。だから人も腐るの…!」)


希「…街のせい、か…」

希(本当に、そうなんやろうか…)

希「うっ…、よっ…、と…」グイッ

凛「あっ…、起きちゃダメだよ!?どこ行くの!?」

希「…南さんは間違ってる。うちはうちのやり方でこの事件を追う…!」ダッ

凛「あ、ちょっ…。もう、所長を置いてっちゃダメにゃ!」


真姫「ふふ…」

真姫「…Mのメモリ、ね…。それって一体、なんなのかしら…」



音都署 会議室


ことり「…あれ、これだけ?」


にこ「…はい」

花陽「うぅ…、ごめんなさい…」

ことり「なんであなたが謝るの…?他の人たちは?」

にこ「…あいつらは超常犯罪捜査課のメンバーじゃない…、です」

ことり「あれ、そうなの?」

花陽「ただ南刑事のファンってことで捜査に協力してくれてるんです…。私たちが不甲斐ないばっかりに…」

にこ「今は別の事件に当たってるから本来のメンバーである私たちしかいないってわけ。…なのです」

ことり「…そう。まぁ、いいけど。じゃあ捜査してわかったこと、簡潔に伝えてもらえる?」

花陽「は、はいぃ…。えっと…、あ、ちなみに私の苗字は和泉です…」

にこ「何を今更わかりきったことを…?」

数分後


花陽「…えぇっと、つまり結局は…、未だ何もつかめず、全力を挙げて捜索中であり…」

にこ「わさび屋からも、メモリを使った証拠は見つかってないわ。…ません」

ことり「…」バンッ!!

花陽「ひっ…!?」

にこ「な、なに…?いきなり机叩いたりして…」

ことり「子供の報告ね…」

花陽「えっ…、あの…」

ことり「ご苦労様。あとは私が単独でやるね」スタスタ… ガチャ バタンッ

花陽「あっ…」

にこ「…なによ、感じ悪い」

花陽「でも、何の成果も出せなかった私たちにも落ち度があるし…」



東條西木野☆探偵事務所地下


真姫「すぅ…」


真姫「…Mole、Mr.Driller…?」

真姫「ってそんなわけないか…。曲を絞りきれない…」

真姫「イニシャルがMで体に穴を開けるメモリじゃあ、どうも今回の事件の能力が合わないわね…」

真姫「あの厄介な、身体を隠す力も…。ん…?『隠す』…?あっ、もしかして…。すぅ…」

真姫「…来た。これだわ…。今回の事件に使われたメモリは…」

真姫「だとすれば…。…過去の音都で起きた似たような事件を全て調律してみましょう…」



ねりねり本舗


花陽「こそ、こそ…」

花陽「こそこそこそ…、きょろきょろ…」

花陽「誰もいない…。ダッシュするなら今のうち…!やぁっ!」ダッシュ


ことり「…」




希「…なるほどね。それならあの親子はすぐ会うか…」

凛「それで…、二人が落ち合う場所は?」

穂乃果「うーん…。それなんだけど…」

希「まだわかってないの?」

穂乃果「あ、うぅん。わかってるけどさ…。でも…」

穂乃果「…こういうのをただで教えるのは旨みがないよね、って」

希「ま、まさかっ…!?」 凛「いや、この穂乃果ちゃんはあっちより大分マシなはず…!なら…」

穂乃果「この街の情報屋は無茶ぶりするのが流儀って聞いたからね!穂乃果もそれに従うよ!」

希「そのセリフは終盤にことりちゃんが言うべきセリフなんやけど…。先取りしよったし…」

穂乃果「>>945(希or凛)ちゃん!この場で>>946をするんだよ!(ただし法に引っかからず簡単に出来そうなこと)」

私とキス

穂乃果「希ちゃんお誕生日おめでと!」

希「はっ…?え、あ…、ありがとうございます…?いや、うち6月生まれやねんけど…」

凛「今そんな季節じゃないにゃ…。真冬だよ…」

穂乃果「なんか言わなきゃならない気がしたの!…それより無茶ぶりの内容だけどー…」

穂乃果「希ちゃんが私にちぅすること!それが条件だね!」

希「なっ…!穂乃果ちゃん女子には興味ないノンケだったはずじゃ…」

穂乃果「べっ…、別に好きだからやってほしいわけじゃないし!その…、希ちゃんの恥じらった顔をみたいっていうか…」

穂乃果「変、かなぁ…?そういう性癖…」

希「まぁ、間違いなく変やと思うけど…。き、キス…、すればいいんやね…?」

穂乃果「うん、お願い…。ほ、穂乃果目瞑って待ってるから!」

凛「目を瞑ったら恥じらった顔は見れないのでは…?」

希「まぁええやん…。すぐ終わらせるよ…?んっ…、ちゅっ…」

穂乃果「ほわぁっ…!おでこ…」

希「これでいい…?」

穂乃果「おで、こ…。おでこ…」

希「…穂乃果ちゃん?」

穂乃果「えっ…、あ、あぁっ!はいはいなんでしょう!?」

凛「いやだから、北村親子のいる場所だにゃ…」

穂乃果「え、あっ…、そ、そだったね…。えへへへ…」

凛「なんか、やけに嬉しそうだね…?」

穂乃果「そ、そんなことないもんっ!えっとね、二人がいる場所は…」



音鳴公園


北村「…」


花陽「…父さんっ!」


北村「あっ…、花陽…っ!!」

花陽「お、お父さんっ!何考えてるのっ!?」

花陽「無茶ばっかりして…!私がどれだけ心配したか…」


ことり「…」ジー…


北村「何言ってるんだ…!俺だって覚悟があって…」

花陽「でもこの先どうするのぉっ!?…も、もういいよ…。私もう知らないっ!!」ダッ

北村「は、花陽っ…!…はぁ」


ナイト「父親を庇う孝行娘にも愛想を尽かされた、かな…?」スタスタ…


北村「はっ…!!」

ナイト「てやぁっ!!」ブンッ!!

北村「ひっ…、ひぃぃぃぃぃっ!!!」

ナイト「どうして…!?どうしてあなたは、私の…!!」

北村「う、うぅぅっ…!!」


希「やめろぉっ!!」


ナイト「またなの…!?東條さん…!」


希「うちの話を聞いて!南さんっ!!」


ナイト「聞く耳なんてないっ!!たぁぁっ!!」ブンッ


<ギャオォォォォォンッ!!

バキィッンッ!!


ナイト「…っ!?」


真姫「…いい子ね。よくやったわ。なでなで」

<ギャオォォォォォンッ!!


ナイト「あなた、まで…!!」


北村「ふ、うっ…!!」ダダッ

ナイト「ま、待ちなさいっ!!」

希「させるかっ!」バッ

ナイト「…い、いい加減にして…!何度も何度も…!!」

ナイト「自分たちのしたことがわかってるのっ!!?」ブンッ!!

希「ひゃっ…!!あぶなっ…!」ヒュンッ


真姫「…見ていてハラハラさせてくれるわね。…希!」

真姫「彼女を止めるのは私の方が向いているわ!…根拠はないけれど」


希「…わかった。ワイルドメモリの販促ってわけやね」

真姫「販売されてないけれどね」

凛「そういうメタな話をこんなところでするのはやめてほしいにゃ…」

希「…頼んだよ、相棒っ!」\スター!!/

真姫「任せなさいっ!!」\ワイルド!!/

\ワイルド!!/\スター!!/ デーデデーデデーデレレレーン


Muse「はぁっ!!」バッ

ヒュンッ!! バキィッ!!


ナイト「ふっ…!ウロチョロと小賢しいっ…!!」

ナイト「なら、これで…!!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!/ パオーンッ!!


ビショップ「はぁっ!」


Muse「また変身っ!?」「今度は象をあしらった…、身軽そうな服で来たわね」

ビショップ「そして…、これで!!」\ナイト!!/

\ナイト!!プロモーション!!/


Muse「次はバットが…」「剣に変身したわね」


ビショップ「たぁぁぁっ!!」ヒュンッ!!

Muse「くっ…!!」ガキィンンッ!!

ビショップ「てりゃぁぁあっ!!」ヒュンッ!!

ズバシュッ!!


Muse「ぐ、うぁっ!!」

Muse「…あの武装に近距離は危険ね」「離れながら攻撃や!」ガションガションッ!!

\ワイルドストーム!!/


Muse「くらえぇっ!!」ズバッ!!

ビュオォォォッ!!


ビショップ「…フンっ!」\ルーク!!/

\ルーク!!プロモーション!!/


ビショップ「はぁぁぁぁ…、ていやぁっ!!」ブンッ!!


Muse「や、槍を投げたっ!!?」「突撃槍のくせに…!遠距離攻撃のつもり!?」

ヒュンッ!!

Muse「よっ…、と」「はっ!当たらないわよ!」


ビショップ「…キャスリング!!」シュバッ


ビショップ「ふっ!」ガシッ


Muse「なっ…!?う、うちの後ろに…!?」「投げた槍の座標に、瞬間移動ですって…!?」

ビショップ「たぁぁぁぁっ!!!」ヒュンッ!!

Muse「くっ…、だけど…!!」ガションッ!!

\シャイニングスター!!/

ガキィィンンッ!!


ビショップ「くっ…!防がれた…!!」

Muse「はぁっ!!」ズバシュッ!!

ズバッ!!


ビショップ「うっ…、ぐ、あぁっ…!!」


Muse「斬撃が大雑把過ぎる…。冷静さを欠いて本来の力を出し切れていないわね」「…それでも十分強かったんやけど…」「落ち着きなさい、南ことり」

ビショップ「なんで、邪魔するの…!!私は…、法の番人として当然の正義を行ってるだけよ!」

Muse「あなたの行為は正義じゃない!…個人的な、復讐よ!!」

ビショップ「…っ!し、調べたの…!」

Muse「…えぇ」

ビショップ「くっ…!」ピチュゥゥンン…

ことり「…」

Muse「…」ガションッ… ピチュゥゥンン…

真姫「…」

希「…復讐、やって…?」

真姫「えぇ、かつて音都で起こった、この事件と似たような事件を調律してわかったの」

真姫「彼女の家族は、全身に穴を開けられて殺されている」

ことり「…」スタスタ

真姫「…」

ことり「…」

ことり「…っ!!」ガシィッ

ことり「何が分かるのっ…!」

真姫「っ…」

ことり「あの日の出来事がどれだけわかるって言うのこの調律少女がぁっ!!」

凛「なんか可愛い響きだにゃ…。調律少女…」

ことり「私の心の叫び声まで調律してくれるって言うのっ!!?」

真姫「…いえ、人の心を調律することはできないわ」

真姫「だから…、教えてもらえないかしら?あなたの身に起こったことを」

ことり「なに…?」

真姫「だって…、それを解決するのが、あなたの依頼だったはずでしょう?」

ことり「っ…」


希「南さん…」

凛「…」



??? 応接室


英玲奈「うん、これでよし…。綺麗に仕上がったな、あんじゅ」

英玲奈「失礼のないようにするんだ。今日紹介する人は、我がUTXにとって最も重要な人物だから」

あんじゅ「ツバサちゃんは危険な相手だって言ってたけど…」

英玲奈「そうね…。音都を震撼させた、連続殺人事件の立役者、だもの」

あんじゅ「それは…、凄そうな人ね…。どんなメモリを…?」

英玲奈「イニシャルは…、M」



音鳴公園


ことり「私は遠の昔にお父さんを亡くしていて、お母さんに女手一つで育てられていた…」

ことり「辛いこともたくさんあったけれど、それでも母は私に優しくしてくれて、私はとても幸せだった…!」

ことり「私が警察に入った時も、自分のことのように喜んでくれて…、でも…!」

ことり「去年の八月…、家に帰り着いた私が目にしたものは…!!」

みなみけ


ことり「ただいまー…。あれ?暗い…。もう寝ちゃった…?」

ことり「…ん?くんくん…、うっ…!!」

ことり「なに、この臭い…!!血の、臭い…!?」

ことり「…っ!お母さん!お母さん、どこっ!!?お母さんっ!!」


ことり母「…こと、り…」


ことり「お、お母さんっ…!!…っ!!か、身体が…!」

ことり母「こ、と、り…」

ことり「やめてぇっ…!!もう喋らないで…!う、ぅぅ…!!」

ことり母「怪人、が…。Mの、ガイア、メモリを…」

ことり「お、お母さん…」

ことり母「ぁ…」ガクッ

ことり「お、お母さあぁぁぁぁぁぁんっ!!!」




ことり「それが全ての始まりだった…!!」

真姫「…そのあなたが、どうして3本のガイアメモリを…?」

ことり「そして彼女が現れた…」




ことり「…誰、あなた…」

シュラウド「私は、シュラウド…。あなたと同じ苦しみを味わったものです…」

ことり「シュラウド…?」

シュラウド「犯人が憎いのでしょう…?力を…、与えてあげましょう。これを」スッ

ことり「これは…、バット…?それと…、ガイア、メモリ…」

シュラウド「私は…、あなたの復讐を支えます…」




ことり「その女が誰かは知らない…。だけど、誰でも構わなかった…!!」

ことり「私から唯一の母を奪った…、悪魔に復讐できるのなら!!」

希「それがあなたの…」

真姫「…ビギンズナイト」

凛「ことりちゃん…」

ことり「この街は悪魔の巣よ…。私はようやく悪魔を…、私の母を奪った犯人を見つけたの…!!」

ことり「北村雄一を消す…!あなたたちにも、私を止める資格はない…!!」

希「…南さん。あなたの憎しみは痛いほど伝わった。…だけどそのせいであなたは…!!」

希「間違った相手を[ピーーー]ところやったんやよ!!」

ことり「…っ!なん、て…?」

希「…犯人は、北村雄一やない…!」

またやっちゃったぜ もうここら辺なってくるとsage外すのが面倒だからつい忘れてしまった まあ脳内補完お願いします
あ、のんたんお誕生日おめでとう こんなSS書いちゃってなんかごめんね これが完結したらまたそこそこスクールアイドルしてるSS書くから大目に見てください
そんなこんなで今日はここまで 16話はなんとかこのスレで、さぁ…、書ききるぜ 次スレで完結できますように AtoZは余裕があれば 多分ない
ではまた次回をお楽しみに ほなな

じゃあそろそろこのスレ最後の話を書いていこうか
最後までお付き合いくだしあ

何かクラブハウス的なところ


花陽「いぇーふー!!みんな盛り上がってるかぁーいっ!?」

イェー!!

花陽「今日もいっちょノリノリなナンバーでアゲていこうぜー!!」

イェー!!

花陽「あ、ワーン、トゥー、ア、スリーチェケラッ!!」


…シーン


花陽「…あれれ?」

ナンダヨーオンガクハー?オイトットトナガセヨ!!ハヤクシロヨー!!

花陽「早く音流せよっ!!コラッ!」


希「…お開きやで、お嬢ちゃん」


花陽「…っ!」

ダレダヨテメーデシャバッテンジャネェゾコラー

花陽「…あぁっ!!お前らとっとと帰れ!」

アー!?ナンデダヨー!!フザケンナー

花陽「あーうるせぇっ!!いいから帰れっつってんだよ!二度言わせんな!!」

…シャーネーナーナンダッテンダヨマッタクモー



花陽「…」


ことり「まさか、この子が…」

希「…そう、真犯人はこの子、娘の…、北村花陽や」

ことり「あなたが…、ドーパント…!!?」


花陽「…」

花陽「…は、はいぃ…。そうです…」

花陽「さっき公園でお父さんから返してもらって…」スッ


希「…穂乃果ちゃんの情報通り、やね…。本当に評判が悪いのは父親やない…」

希「裏でそのお金を使って遊び歩いてる、この子の方やってね…!」

真姫「…取引先の人たちはみんな、些細な事で彼女の怒りを買って襲われたのね」


花陽「…誰も彼もみんな、私のこと…、親のすねと白米が好物のダメ娘だって馬鹿にして…」

花陽「だからこれを手に入れて…、片っ端からムカつく人に穴開けてあげたの…!あの奈良って人も…!!」

花陽「そこのあなたもね!!」

希「え…、うち…?…あっ!」


(希「あ、南さんもう行くん?待ってよ!」ダダッ)

(花陽「あいたっ…!!」)


凛「ま、まさか…、そんなつまんない理由で…!?」

花陽「私の機嫌を損ねる人はみーんな、貫いてあげるの…」

ことり「じゃあ…、北村雄一は…」

希「あの人はただ娘を庇っただけや。…わざと現場にわさびを置いたりして、自分に注意を引きつけようと」

ことり「私は危うく…、別の人を…!?」

花陽「ふふ…、人の身体に穴を開けるのは楽しかったよ…!みんな子供みたいに泣き喚いてさぁ…!!アハハハハ!!」

ことり「きっ…、貴様ぁ…っ!!」


北村「ま、待ってくれ!!」


ことり「…っ!」

北村「時間をくれないか…!!この子は俺が止めるから…!」

希「北村さん…」

北村「花陽…、もうやめてくれ…!!」

花陽「あァン!?出てきてんじゃねぇっ!!」バンッ

北村「うっ…!!」

凛「あっ…!」

花陽「誰も庇ってくれなんて言ってねぇだろうがァ!!」

希「お、お前…!!父親に向かって何してんねんっ!!」

花陽「と、止められてたまるものか…!!」ダダッ ピチュゥゥン!!

謎のドーパント「ハァッ!!」グワンッ!!

ズドンッ!!


希「ぐっ…!!」

謎のドーパント「ふふ…、さよなら!」ダダッ


北村「うぅっ…、花陽…」

希「…彼女はうちらが止める。…あなたにもう、一人でチューリップホッパーには乗らせない」

北村「…!探偵さん…」


ことり「…っ!」


希「…花に乗ったあなたの切ない顔が忘れられなかった…。それだけや」

北村「…え、あぁ…。でも昔からあのアトラクション花陽は嫌がってたからどのみち…」

希「えっ…」

北村「乗るなら映司と一緒がいいな…。あぁ、花陽…、若干映司の面影を感じる…。いい感じに育ってくれた…」

凛「やっぱりホモだったにゃ…」

希「…聞かなかったことにしよう。行くよ真姫ちゃんっ!」ダダッ

真姫「えぇっ!」ダダッ


ことり「…甘いね」

凛「えっ…?ことりちゃん?」

ことり「甘ったるくて…、耐えられないよ…」

凛「…スピリチュアル、だからね」

ことり「…でも、彼女がそういう性格じゃなかったら…、今頃、私…」

謎のドーパント「はぁっ…、はぁっ…!!」ダダダダッ


希「…ほんなら、熱くいこうか…!!」

真姫「全く話の流れと関係ないけどね!!」\コン・フォーコ!!/

希「だって貫通攻撃に相性のいいメモリなんて思いつかんねんもん!」\スター!!/


希・真姫「「変身っ!!」」

\コン・フォーコ!!/\スター!!/ テレッテテテーレデレレレーン


Muse「「てりゃあぁぁぁぁっ!!!」」ブンッ!!

バキィッ!!

謎のドーパント「おぐぁっ!!」

Muse「燃えろ燃えろっ!!」「燃えてしまいなさいっ!!」バキッ!!バキッ!

謎のドーパント「うぎゃぁっ!!!」

Muse「もう一発…!!」「ドデカイのっ…!!」

Muse「持っていけぇぇぇっ!!!」ブンッ!!

バキィィィッ!!


謎のドーパント「うぎゅっ…!!こ、このぉ…!!何度も何度も…、よくも…!!」グググ…


Muse「ん…?力を溜めてる…?」「ま、まずい…、私の調律が正しければ…、このメモリは…!!」



謎のドーパント「たぁぁぁぁっ!!」ヒュンッ!!

ドズンッ!!


Muse「ごがぁっ…!!!」「広範囲に圧力をかけて…、『押し殺す』ことが出来…、うぐぐっ…!!」



謎のドーパント「ハハハハッ!!潰れちゃえ!!ぺっちゃんこに!!」



Muse「な、なにか…!この状況を打開するメモリ…!!」「だったら…、これをぉっ…!!」


>>965!!/(真姫のメモリ・音楽関係、能力も併せて) \>>966!!/(希のメモリ・タロット関係、武器も併せて)

ダル・セーニョ
dal segno

短距離の瞬間移動

ザ・タワー
バースのドリルアームみたいな

\ダル・セーニョ!!/\タワー!!/


Muse「ドリルは女の魂やっ!!」「ぐ、ぐぐ…、言ってる場合っ…!?こうしてる間にも潰されていって…!」

Muse「大丈夫…!せやから…!」「ダル・セーニョに変えたのよね!!ハァッ!!」シュンッ!!


se「てりゃぁっ!!」ギャルルルルル!!

謎のドーパント「んなぁっ…!!?」


Mu「ふっ…!ダル・セーニョはどちらかの半身のみ瞬間移動が可能になる力よ!」

se「圧力がかかってる地帯から抜け出すには最適、ってわけやね!」


謎のドーパント「そ、そんなのアリ…!?」

se「そしてぇ…!今必殺のォォォォ…!!」

se「ギガァ…、ドリルゥ…!!」

se「ブレェェェェェェ…」謎のドーパント「今のうちにっ!!ていっ!」グワンッ

se「あぁっ!!腕を隠されてもた!?」Mu「なにやってんのよ馬鹿ぁっ!!」

謎のドーパント「長々と技の口上垂れ流してるからだよ…!さぁ、覚悟はいい…?」

Muse「うっ…、もう半身瞬間移動も効果が切れちゃったし…!」「ま、マズイ…。どうするん…?」

謎のドーパント「自分の貫かれる音を聞きな…!!」

Muse「くっ…!!」「やられっ…」


ヒュンッ


バゴンッ!!


謎のドーパント「おグゥっ!!?」


Muse「なっ…、今飛んできたこれ、は…」「南さんの…、バット…?」


ことり「…はぁっ…、はぁっ…!」


Muse「南、ことり…」


ことり「…っ!」カチャッ \ナイト!!/

ことり「変っ…、身…っ!!」

\ナイト!!/ ヒヒーンッ!!


ナイト「さぁっ!!」

ナイト「…チェックメイトだよ」

ナイト「はっ!」\ルーク!!/

\ルーク!!プロモーション!!/


ナイト「だぁぁぁぁっ!!」ブンッ!!

バキィンッ!!

謎のドーパント「おぐふぅっ!!」

ナイト「はぁぁぁぁっっ!!」ヒュンヒュンヒュンッ!!

ズガガガガッ!!

謎のドーパント「ぐががががぁっ!!ぐっ…、く、クソぉ…!!はぁぁぁぁっ…!!」ググググ…


Muse「ま、また力を溜めてる…!」「気をつけなさいっ!!」


謎のドーパント「押し潰れろぉっ!!」グンッ!!

ドズンッ!!


ナイト「うぐっ…!!ぎ、ギギ…!!」

ナイト「なら、これで…!!」\ビショップ!!/

\ビショップ!!プロモーション!!/

ナイト「そして…、これを…!!」\ルーク!!/

\ルーク!!/ ゴゴゴゴ!!

ルーク「ビショップワンドで…、地面ごと…!!」グワンッ!!


ズ…、ゴゴゴゴゴゴゴ…!!


謎のドーパント「…っ!!?い、一体何が…!?」

Muse「地面が…、揺れて…!?」「まさか…、あの魔法の杖で、地面を…!!」


ルーク「だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドゴォォォォォォンッ!!


Muse「地面を隆起させたっ…!!?」「んなぁっ…!?滅茶苦茶やっ…!!」

謎のドーパント「う、嘘ぉぉぉぉぉぉっ!!?」


ルーク「フッ…!押し殺す力は…、地面が均等じゃないと使いづらいでしょう…!?」

ルーク「今のうちに…!一気に決めるっ!!」\ナイト!!/

\ナイト!!プロモーション!!/

ルーク「てやぁぁぁっ!!!」ダダダダッ!!

謎のドーパント「ひぃっ…!!?」

ルーク「だぁぁっ!!」ブンッ!!

ガキィンッ!!

謎のドーパント「うあぁぁぁぁぁっ!!!」


Muse「おぉっ…、ドーパントを高く打ち上げよった…」


ルーク「これで…、終わりよっ!!」

\ナイト!!真姫シマムドライブ!!/

ルーク「でりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ズバシュッ!!


Muse「す、すごいっ…!!馬の形をした衝撃波やっ!!」「つまるところセイバーストライクってことね!」


ヒヒィィィィィンッ!!

謎のドーパント「ひぃっ…!!」


ズゴォォォォォンッ!!


謎のドーパント「ごがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドサァッ

謎のドーパント「ぐ、がぁっ…!!」


ルーク「…絶望がお前の…、ゴールだ」


謎のドーパント「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


ドガァァァァァァァンッ!!


花陽「がっ…、はぁっ…!!」バタリッ



北村「はぁっ…、はぁっ…!…っ!花陽っ!!花陽ぉっ!」



ルーク「…」

ルーク「…」スタ、スタ…

ルーク「この子が、私のお母さんを…!!」

花陽「ひぃっ…!!?」


Muse「や、ヤバっ…!」



北村「ま、待って…!!」



希「やめて南さんっ!!やめるんやっ!!」


北村「待ってくれぇっ…!!花陽っ…!!花陽ぉぉぉっ!!!」



花陽「う、うぅぅっ…!!」

ルーク「…う、ぐぅぅぅっ…!!」

花陽(やられるっ…!!)


ルーク「はぁぁぁぁぁっ!!!」ブンッ!!


希「やめろぉぉっ!!」


北村「殺さないでくれぇっ!!」




花陽「誰か…、助けてぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

グッ カチャンッ


花陽「…えっ」


ことり「…行く先を変えてあげる。あなたのゴールは…、刑務所よ」

花陽「あ、ぅっ…」

ことり「立って。…歩ける?」

花陽「…はいぃ」


希「…南さん」

ことり「…スピリチュアル、って言うらしいね。キミの流儀」

希「へっ…?」

ことり「この街にいるうちは、その流儀に合わせる」

ことり「私も…、仮面アイドルだからね」

希「…いや、別に流儀ってわけじゃないんやけど…」

真姫「ふふ…、ハードボイルドはどこへ行ってしまったのやら、ね…」


北村「…花陽」

花陽「お、お父さん…」

北村「…」

北村「…っ」ギュッ

花陽「っ…!お、お父…、さん…」

花陽「…ごめんな、さい…!」

北村「…ふっ…、このぉっ…!!」グリグリ

花陽「うひゃっ…、い、痛いよぉ…」


希「…一件落着、やね…」

ことり「…ん?メモリが…」スッ

ことり「これが…、私のお母さんを奪ったMの…」


\コンシール!!/ ピシッ…、パキンッ!!

\コン…、シール…!!/


ことり・希「「…っ!!?」」

希「コン、シール…、conceal…!?『隠す』…!?」

真姫「…そして、『圧し殺す』という意味も内包したガイアメモリ…。やはり…、違ってたのね」


ことり「ねぇっ!!?」

花陽「はいぃっ!!?」

ことり「去年の八月…、私のお母さんを殺したのはあなたじゃないのっ!!?」

花陽「え、えぇぇっ…!?知りませんよそんなの…。流石に人殺しは怖くてできないし…。メモリを手に入れたのだって、二週間前…」

ことり「なっ…!?じゃあ…、お母さんを殺した真犯人は…」


ことり「別に、いる…!?」

??? 応接室


「…」スッ


あんじゅ「とっても綺麗…、だけど…、怖い人…。冷や汗が出ちゃったわ…」

英玲奈「…特殊な女性ね。言ってみればガイアメモリが生み出した突然変異の化物…」

英玲奈「ふ、フフフ…」

あんじゅ「え…、英玲奈…?」

英玲奈「今度こそ…、仲良く出来そうな人…!ウフフフ…、フフフフフフフ…!!」

あんじゅ「英玲奈…、こ、怖い…」

英玲奈「…ふ、冗談よ」

英玲奈「きっと…、彼女は誰にもなびかない。今大事なのは…、敵に回さないこと…」


「…」スッ… カチッ


\ミックス!!/




東條西木野☆探偵事務所内


希「…」


ことり「ふんふふんふふ~んっ♪もう少し待っててね~、希ちゃんっ、真姫ちゃんっ!」


希「あの…、ひとつ質問やねんけど…。いいかな…?」

ことり「んー?なんですかぁ~?あ、コーヒー、できましたっ!これ希ちゃんの分ねっ♪」

希「あぁ、どうも…。…やなくて!なんで南さんが自分の事務所みたいな顔してコーヒー入れてるのっ!」

ことり「それは希ちゃんに美味しいコーヒーを飲ませてあげたいからなんですっ!」

凛「それより先にキャラ変わりすぎなのを注意すべきだにゃっ!!」

ことり「えー、私家ではずっとこうだけどなぁ~。あ、私のことは気軽にことりちゃん、って呼んでくださいね?」

真姫「…ホント、いきなり丸くなりすぎでしょう…。全く、そんな子の作ったコーヒーなんか信用できるわけ…、ズズッ…」

真姫「うますぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」ドバボヒューン

凛「いやいやそんなそんな~…、大げさすぎるにゃ~…ずずっ…」

凛「うんめえにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」スピポロヒョーン

希「ちょっとオーバーリアクションがすぎるんじゃ…、いくらなんでもそんな…ずずっ…」

希「うっまああああ 真姫「いやぁ、これ本当に美味しいわね」 希「最後まで言わせろぉっ!」

ことり「そう?そんなに喜んでもらえたなら嬉しいっ♪またご馳走してあげますね?」

ことり「あ、でも真姫ちゃんの調律の力は希ちゃんには分不相応だから私がもらってあげてもいいよ?」

希「えっ…!?」

ことり「…うふっ、なんてね。じゃ、またねっ!ばいばーいっ」スタスタ…

希「…って、それ…!うちのこと力不足って言いたいんかコラァッ!!…な、なんつう腹黒女や…」

希「もう二度と来んなっ!!」



第16話「盤上のC / 仮面アイドルの流儀」

おわり

真姫「というわけでこのスレ最後のお話だったわ!」

凛「お話モロパクリだったから頭使わずにすんだね」

希「次回からはそうは言ってられないけどね」

ことり「次はどんなお話になるのかなぁ~?楽しみっ!」

真姫「えぇ、そうね。じゃあ今回のおさらいだけど…」

希「久々に新しいメモリが追加されたね。ダル・セーニョとタワー」

凛「変身音書くの忘れちゃったけどね…」

ことり「もうテキトーにティーリティティータギュルルンルーンとかでいいんじゃないかな?」

真姫「じゃ、それで。決定ね」

凛「適当すぎるにゃ…」

希「実は…、前々からドリル武器は欲しかったんよね。カッコイイし」

真姫「だけど次からはもっと早く攻撃しなさいよ?あの時隙だらけだったんだから」

ことり「私が助けに入ってなかったらどうなってたことか…」

希「ご、ごめん…。次からはちゃんと気をつけます…」

真姫「あぁ、そういえば今回のメモリ…。conceal、だっけ?…能力を考えるのに苦労したわ…」

凛「元ネタがIceage…、氷を使うメモリだったから、せめて火や雷のメモリとかなら楽だったんだけど…」

希「まさかの隠す、なんて単語が来るなんて…。まぁ、もっと属性よりにしてくれ、って言わなかったこっちが悪いんやけどね…」

真姫「ググったら『圧し[ピーーー]』って意味もなくはないみたいだったから、それを主軸にして作ってみたけど…」

真姫「ある意味『隠す』、は面白い話も作れそうだったから後回しにして再安価しても良かったかもね。あまり隠す能力を活かしきれてなかったし」

凛「今度からは元ネタ準拠の時はもっと使いやすそうなメモリになるように注意しないとね」

ことり「そういえばIceageってすごい単語だよね。アイスのエイジってそれもうプトティラだよね」

希「あ、そういえば最後にMのメモリ…、中身がミックスのメモリが出てきたけど…」

真姫「いわゆる井坂先生枠、ね。…さて、誰になるのかしら」

凛「もう決まってるんだけどね」

真姫「あ、ちなみにもうこのまま矢西にこと和泉花陽は警察枠として準レギュラー化することが決定したわ。パチパチ」

希「まさかの偽苗字の子が準レギュラーか…。まぁ前の穂乃果ちゃんもそんなものやったし今更かな」

凛「…まぁ、これでもう井坂先生が誰なのか言っちゃったようなものだにゃ」

ことり「ま、まさか…!私の幼馴染の…!?」

希「…、そういえば、なんでことりちゃんがおるの?」

真姫「あ、本当だわ。自然すぎて全く気にしてなかった」

凛「今更!?」

ことり「もう!私だって今回からレギュラーなんだよ!?だったらここに参加する権利だってあるでしょ?」

真姫「まぁ…、そうかもね」

ことり「そ・れ・に!まだ私が変身するアイドルについてひっとつも触れられてないじゃない!一番わかりにくいのはこれでしょ!?」

希「そ、そうやけど…」

ことり「と、いうわけで!次のレスから私の返信するアイドル…、その名も『仮面アイドルナイト』について説明していきます!」

凛「あれ…、名前の案の件は…?」

ことり「色々あってナシに!じゃ、ひとまずここで終わり、ってことで!締めの挨拶!」

ことり「これで決まりちゅんっ!」 希「あ、自分で言うんや…」

真姫「ちなみにこれを書いてる人が書くことりはおおよそ全てが腹黒化すると思ってくれて構わないわ」

凛「腹黒なことりちゃん…、そそるにゃ…」

ことり「勝手に腹黒にしないでくれるかな…。ことりは純粋無垢な少女なんですっ」

希「あかん…、もう何やっても腹黒にしか見えなくなってきた…」

ことり「ひどいちゅん…。ってそんなことより!仮面アイドルナイトの説明だよ!」

凛「あ、あぁ…、そうだったにゃ…」

真姫「何を説明するのかしら?」

ことり「とりあえず…、基本的なスペックとか見た目の解説で脳内のイメージを掴んでもらおうかな、って思って」

ことり「本当はできるなら絵にしたいんだけど、Museの時とは違って完全オリジナルデザインになりそうなので難しいの…」

ことり「だからだいたいこんな感じだよ!ってことを伝えるための紹介です!そういう訳だから早速行ってみよう!ヒアウィーゴー!!」



仮面アイドルナイト

南ことりが変身する第一のアイドル。身体のところどころに馬の装飾が施されている。
その他は騎士然とした無骨な鎧的ななにかを身にまとっている。顔や髪は相変わらず露出している。
特殊能力はホースオルフェノク(疾走態)のようにケンタウロスみたいになれること。
この状態からのルークランスでの突きの威力は絶大。


仮面アイドルルーク

南ことりが変身する第二のアイドル。レンガのような模様が描かれた超重量の鎧を身にまとう。モチーフは城。こちらは兜を装備。
防御力に特化していて、物理攻撃にめっぽう強い。ただし機動力はほとんどないのでビショップワンドでの魔法攻撃が主な攻撃手段となる。


仮面アイドルビショップ


南ことりが変身する第三のアイドル。象の装飾が象られた、身軽な術者の格好。脳内イメージは遊戯王カードの《星読みの魔術師》が近い気がする。
格好が魔術師のくせにビショップメモリが空いていないので魔法攻撃はできない。ただしナイトブレードに属性を付与したり、
投擲したルークランスの位置へ瞬間移動できる『キャスリング』が使用できる。



ことり「…と、いうわけで、開き直ってフォームチェンジとかじゃなくって全部違う仮面アイドルってことにしてみました!」

真姫「少し違うけど、バロンとバロンレモンエナジー、みたいな感じかしら」

希「あっちはベルトを変えてフォームチェンジ、だから、こっちは全く反対のことをしてるってことやね」

凛「いちいち名前の欄が変わってわかりにくいと思うけど…」

ことり「でも名前欄に今のフォームを書いておかないと、たたでさえ武器もポンポン変更して分かりづらいから、ってことでこうなったの」

希「ついでに名前欄はなるべく短くしたい、ってのもあってこれに落ち着いたみたいやね」

凛「結局基本フォームはロンになっちゃったにゃ…」

真姫「蓮だから」

真姫「そういえば…、アクセルと圧倒的に違う点と言えば、武器のスロットに変身にも使うメモリを挿入することね」

ことり「うんっ!そっちの武器も紹介するね」



ポーンバスター

南ことり専用武器。スロットに何も挿入してない状態。
基本的にただ重たいだけのバット。ポーンを模した形をしていて、サイズ的には某エスカリボルグみたいな感じ。
殴られると非常に痛い。


ナイトブレード

ポーンバスターにナイトメモリを挿入しプロモーション(変身)させた姿。形はエンジンブレードみたいな。
ルークが使うと重く、ビショップが使うと軽くなる性質がある。


ルークランス

ポーンバスターにルークメモリを挿入しプロモーション(変身)させた姿。形は突撃槍。
突撃槍の△の底辺部がルークの頭の形状をしている。
ビショップ時、投擲することで好きなタイミングで瞬間的にランスの座標に移動できる技『キャスリング』が使える。ナイト時は特に能力はない。


ビショップワンド

ポーンバスターにビショップメモリを挿入しプロモーション(変身)させた姿。形は最強の仮面ライダーのラウザーみたいな。
炎出したり地面動かしたりといろんな魔法が使える。フォームによる制限は今のところなし。



ことり「メモリは一本ずつだから、ナイトに変身しているときはランスかワンドしか使えなくて、ルークに変身してる時はブレードかワンドしか使えない、ってことだよ」

真姫「これの組み合わせで戦っていく、ってことね。なかなか面白いじゃない」

凛「おぉ…、厨二的黒歴史が生み出されていく瞬間を感じるにゃ…」

希「まぁ…、そんなこと言ってたら創作活動はできないからね…。厨二なのは認めるけど…」

真姫「痛さは強さなのよ!妄想力の強いブレイブなイマジネーションを持つシャバドゥビのみが新たなオンステージへとシャットダウンして宇宙キターなの!」

ことり「もはや日本語じゃないよねそれ…」

凛「要するにこういうノリの好きな人に喜んでもらえればそれでよしってことにゃ」

真姫「ノリのいいほうが勝つって桃の人も言ってたわ」

希「湊さんかな?…まぁそれは置いておいて、じゃあ説明は一応これで終わりでいい?」

ことり「うん。あと、モチーフがチェスなのにも一応意味があるけど…、これは後々わかってくることだから、今は…、ね」

凛「おや…、意味深な発言だにゃ」

真姫「じゃあ最後に、次回のメモリの安価だけして終わるわよ!あ、次スレのタイトルまだ決まってないからことり、もとい照井のセリフで好きなのがあれば教えて」

真姫「ビビっときたらスレタイに採用させてもらうかも!ただし『知らないのか?…俺は死なない』はナシで!」

希「というか映画じゃなくて本編のセリフでお願いね」

凛「そいじゃー安価してこのスレとはおさらば、だね!」

真姫「えぇ、次スレの世界へ、出発進行よ!」

希「これで決まり、やね!」


次回のメモリ
>>979(頭文字M,J,N,Q,H,R,T,W,D,C以外)

ECSTASY

あの素晴らしいお茶の間大発情をもう一度

振り切るぜ、も好きなんだけどこのセリフことりちゃん言わないんだよね… アクセルありきの台詞だと思ったから変身後の決め台詞は変えちゃったし
絶望がお前のゴールだ、も改変したかったけど特にいいのが思いつかなかったのでそのままになりました
今のところ俺に質問するな、がいいかな このスレのタイトルに載せられなかった凛ちゃんとも絡められるし

それと今週末は書けそうにないので新スレを建てるのは来週の月曜以降になります 待っててね
代わりに明日翔太郎フィリップ衣装ののぞまき絵をうpするかも 相変わらずアナログだけど

http://i.imgur.com/QJRsdiT.jpg

てなわけでのぞまき絵描いたよー
帽子が頭にちょこんと乗ってるだけとかツッコミどころ満載だけど気にしないでください

まえがきに試行錯誤してたら一時間ほどかかってしまったけど建てました


凛「そんなの凛聞いてないよ!?」ことり「私に質問するな」
凛「そんなの凛聞いてないよ!?」ことり「私に質問するな」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402929185/)

今日はあまり書けないかもしれないけど少しの間でもお付き合いください
それでは向こうのスレで ほなな

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