箒「GS箒 極楽大作戦?」 (25)

「この世の未練に迷うのはあんたの勝手だけど……

ちょっと悪さが過ぎたようね。

この篠ノ之神社の娘、篠ノ之箒が――

極楽へ、行かせてあげるわ!」



「姉さん、私の声色使って何をのたまってるんですか」

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 シャアアアアァ──。
 いつもより早目に部活を終えた私は剣道着から制服に着替えて手を洗う。熱のまだ残った手の甲を流れる水が心地良い。

「あ、篠ノ之さんもう上がり?」

 声をかけられた方を見ると、同じ一年生の部員。今から部活に参加するのだろうか。

「ああ。紅椿の整備があってな」

「ほほう。専用機持ちは大変ですにゃあ」

 彼女は軽い調子で笑う。
 入学当初、ほとんど幽霊部員であった私だが、今では部員達とも打ち解けて自然に話ができるようになっていた。

「……そういえばさ、噂知ってる?」

 彼女は少し真顔になって私に聞いてきた。

「ん? 何の噂だ?」

「幽霊が出るって噂。学園の地下に」

 なんでも地下の整備科の区域で、茶色とも白ともつかないふわふわしたものが夕方から夜にかけて目撃されるようになったのだ、という。
 見かけた人間がそれに声をかけたり凝視したりすると、キラリと光を放って消えてしまう、らしい。
 その噂はここ数日で急に広まっていて、私も何度か聞いていた。

「下らん。ただの噂だろう」

「でもでも。もう使われなくなったISが、寂しさから幽霊を呼んでるんだってさ」

「馬鹿馬鹿しい。信じられんな」

「篠ノ之さんは気にしないか、さすがだねー。まっ、気をつけてねー」

 彼女はそう言うと部のロッカーへと向かって去って行った。

「何がさすがなのか……」

 私は神社の娘だから、神や霊魂の類いは生まれた時から身近な存在だった。良くある幽霊話というのも、どこか作りものに思えて怖くはない。
 ……そういえば昔、実家の篠ノ之神社が地元の夏休みのレクリエーションで肝試しの会場になったことがあったな。その時、私を『男女』などと呼んで悪口を言った男子を、巧みに暗がりに誘導して怖がらせてやったりしたっけ。

(懐かしいな)

 ふと郷愁に襲われる。
 そして念入りに洗った手をタオルで拭いて、私はその場を後にした。

◇◇◇
「……データ取得完了。OKです。装着解除許可。篠ノ之さん、お疲れ様でした」

「了解」

 オペレーターの声を聞いて私は紅椿の装着を解除した。紅椿は待機形態の紐と鈴に姿を変えて私の左手へと戻る。チリリ。体に開放感と涼しさを覚えた。

(今までよりも動きが軽くなっている)

 部活を早目に切り上げたのは、紅椿の展開装甲用最新データのアップデートと調整のためだ。
 先日、姉さん――IS開発者である篠ノ之束博士から送られてきたデータは、整備科では解凍するのにも数日を要した厄介な代物だったそうだ。
 今までよりどれだけ数値が向上しているか──どれだけ強くなっているのか。取得されたデータをじっくり確認したくてアリーナを出ようとすると。

「よう、箒」

 一夏――。

「あれ、箒じゃない」

「やっほぉ~」

 ……の他に凰鈴音と布仏本音もいた。

「箒も訓練か?」

「いや、今日は紅椿の稼働データを取っていた」

 部活の後にデオドラントスプレーをしっかりかけて腕は丁寧に洗ったものの、ISを展開してまた少し汗をかいてしまった。一夏にはなんとなく半身で距離を置いて近付いてしまう。

「へえ。あたしたちは特訓で息ピッタリだったわよ。ねー、一夏」

 鈴は一夏の腕を取らんばかりの勢いだった。むう。
 より強くなりたいと願う一夏に、専用機持ちが当番制で特訓に付き合うことにしていた。今日は鈴の番で明日の当番は私だ。だから離れろ。

「ね~。篠ノ之さんはこの話、信じる~?」

 空気を読まない布仏が話を振ってきた。

「何だ? また幽霊の噂か?」

「じゃなくて、学園の伝説の話をしてたのよ。あたしは信じないけど」

「伝説?」

 布仏は茶色い頭とだぶついた制服の白い袖を、ずずいと突き出して話を始めた。

「このIS学園には一つの伝説がありま~す」

「ほう?」

「学園に眠るとあるISの前で告白して結ばれたカップルは、永遠に幸せになれるという伝説で~す」

「のほほんさん、それ俺に前話した学園祭のキャンプファイアーのとほとんど同じじゃないか」

 なんだ。やっぱり下らん噂か。

「ちっちっち。おりむー、これはね~代々伝わる霊験あらたかなる伝説なのだよ~」

「でも、ここほぼ女子校だよな?」

「だいたいISができて何年も経ってないのに伝説とかあり得ないわよ」

「コアの数が限られているのに眠ってるISがとか現実的ではないぞ」

 しかし布仏は三連続の突っ込みにも堪えていないようだ。

「ふふん。相手が教職員や女の子同士っていうのもアリなんじゃないかな~?」

 ……それは女子校などに良くあるという、禁断の関係、というやつだろうか。

「ビビっと来たら、年数や相手がどうだろうと、来ましたわー、だよー!」

「……」

 今日の布仏はいつになく押しが強いな。

「でもとあるISってどれのことなんだ? 専用機を入れても学園には三十くらいあるだろ?」

「それが良く分からないんだよね~。整備エリアやハンガーでどれなのか探してるんだけど~」

 言いながら布仏は制服の袖の中からするりと紙を取り出した。

「裏新聞でも『学内の伝説については調査中』だって~」

 学園新聞部の発行している裏新聞の最新号だった。生徒の恋愛の心配まで扱うとはなんとまあ優しい新聞部だ。

「だから~……おりむー、私と一緒に伝説を探しに行こっ!」

「「!」」

 ええい! 余計な噂をばら蒔きおってけしからん新聞部だ!

「なッ! なら、い、一夏、あたしと一緒に探しましょ! その、専用機持ちの方が役に立つわよ、たぶん」

 とんでもないことを口走った布仏、続いて鈴が一夏の腕を掴んで、引っ張りっこが始まった。

「え!? 鈴は伝説信じてないんだろ?」

「信じてないのは伝説の存在についてよ! 伝説の中身についてはべ、別……」

 ……一夏! 二人に挟まれて鼻の下を伸ばすなっ!

「いや、ほら、最近は幽霊が出るとかで何かあったら……」

「心配してくれるんだー。おりむーやさしー」

「大丈夫よ……ほら! 箒って神社の娘だから、お祓いとかできそうだし、そっちは任せてあたしとは伝説を」

 こら。何故そこで私にその話を持ってくる。そして一夏は一刻も早く二人の腕を振りほどかんか。

「……フン、漫画の見すぎだ」

 話に入りそびれた上に、取るべき一夏の腕も左は布仏、右は鈴に取られてしまっている。私はどうして良いか解らずに踵を返していた。

「あ、箒!」

 後ろから一夏の声が掛かる。フン、今更何を言い訳しても遅いわ。

「明日の特訓、よろしく頼むな」

 ……なんだ、ちゃんと覚えていたのか、そうかそうか。

「あ、ああ。うむ」

 どんな顔をして良いか解らない私は、一夏に返事だけをして足はそのまま前に進めた。

◇◇◇
 寮の部屋に戻った私はシャワーを浴びる。すると気分がだんだんと落ち着いてきた。
 そして次の特訓に使う予定の、ISでも応用できそうな剣術の指南書を一夏に持っていってやろうと考えた……別にあの二人の話の行方が気になったわけではおそらく、ない。

「一夏。私だ」

「おー。ちょっと待って」

 幸い一夏は部屋に一人だった。

「悪いな箒。そうだ、お茶飲んでけよ」

 本を渡してお茶をご馳走になりながら、私は先ほどの話の続きをを聞いてみた。

「んー。万一、幽霊が不審者だと困るし何とか断ったよ」

 うむ。さすがは一夏。賢明な判断だ。

「先生とか警備の人の見回りも増えてるみたいだからすぐ治まるだろう」

「そうだな」

「……」

「ところで、篠ノ之神社って幽霊のお祓いとかしないのか? 箒はそういうの似合いそうだけど」

 お互いにお茶を啜って間ができた後に、今度は一夏から質問が来た。

「……神社というのは神の居場所。そして我々は神に仕えて人々との間を繋ぐものだ。寺と違って、人間の生き死にには本来直接の関係は無い」

「そうなのか」

「まあ色んな考え方があって、うちの実家はお盆祭りもやるがな。人間に悪さをするのは霊ではなくて穢れ、それに厄だ。祓うならそっちだな」

 篠ノ之神社では祭りの時に神と霊魂へ神楽舞を奉納する。
 それ以外でも合格・安産・交通安全・健康祈願や厄除けの申し込みは年間を通して受付中だ。

「だから退治とかはせん。私にとって霊とは、いて当たり前の存在だからだ」

「ふーん。てっきりそういうのやるのかなと思ってたよ。ほら、この間のきつねの巫女みたいな格好して」

 一夏の誕生日の時にした……あれを覚えていたのか。

「あ、あれは……もしかして一夏、また、見たいのか?」

「え……ああ、ん」

 一瞬、妙な沈黙が訪れる。

『へえぇー。ならいっくんのために着てあげたらー? 箒ちゃん』

 が、すぐ破られた。この忘れようの無い声は……。

『のっぴょっぴょ──ん!』

 突然、私の左手の鈴から何かが飛び出す。そしてその何かは、目の前で人の形をとり始めた――。

「やあやあ! 私は篠ノ之束! この学園に出入りを許された唯一の天才科学者さ!」

「いや、許されてないでしょ……」

「ただの不法侵入では……」

 この幽霊よりも怪しい何かは私の実の姉だった。

「姉さん、どこから出てきたんですか」

「んー。この間送った紅椿のデータに、束さんが新開発したリアルタイム立体映像データが紛れ込んじゃってたみたいなんだよねー」

「立体映像?」

 そういえばさっきからふよふよと宙に浮いている。試しに手を伸ばすと、姉さんの体には触れずに突き抜けてしまった。どうやら本当にただの映像のようだ。

「そそ。紅椿のデータが機体にアップされたからやーっと出てこれたのさぁ。ちなみに束さん本体はラボにいるよん」

「じゃあさっさと消えてください」

「箒ちゃんクールぅ。でも紅椿のデータとこんがらがってるから、無理に立体映像データを消すと紅椿まで初期化されちゃうんだなー」

 ……なんという事態を引き起こしてくれるんだこの人は。

「遠隔操作で私のデータだけ削除するから、それまで辛抱しててちょ」

 あの紅椿の最新データは学園の整備スタッフの手には余るものだった。忌々しいが姉さんに任せた方が早そうだ。全くもって忌々しいが。

「んでんでんで。いっくんは箒ちゃんの巫女さん姿を見たいんだって?」

「いえ、もともとは学園に幽霊が出るって話で」

「……まさかとは思いますが、姉さんの仕業ではないでしょうね」

 この人ならやりかねない。

「やだなー。現代科学の申し子、束さんが白くてふわふわした幽霊なんてそんな非科学的な。この立体映像だってさっきデータが紅椿に移されたばっかりだよ?」

 幽霊よりこの人の方が遥かに扱いに困るんだが。どうしてくれようか。

「あ! 今、私のぬか味噌色の脳細胞にビッグプロジェクトがカミングイヤー!」

 うわ、凄い嫌な予感。

「私たちで幽霊騒ぎを解決しよう! 名付けて『ゴーストスイーパー箒 極楽大作戦!』」

「え? 俺たちで?」

「ご、ごーすとすいーぱー?」

 何を言い出すんだこの人は。たった今、非科学的とか言ってたばかりなのにもうこれだ。だから姉さんには昔から付いていけないんだ。

「いっくんと私は箒ちゃんの巫女姿が見られてハッピー。んーナイスアイデア! イエス・ドクタータバネ!」

 姉さんはキメ顔でそう言った。

「解決って……俺どうすれば?」

「そだねえ。まずはお祓いだね。いっくんは介添えをお願い」

 現代科学の申し子はどこへ行ったんですか姉さん。

「形式って大事な時があるんだよ。馬鹿馬鹿しいとも思うけどさ。お祓いしたっていう事実で他人は安心するんだよ」

 確かに生徒達の不安は解消されるかもしれない。

「でも私、お祓いの作法は……」

「あ、それは束さんに任せて! 私だって神社の娘だから覚えてるよ。完璧に」

 私はこの人が神社の手伝いをしている姿が記憶にない。天才と謳われる姉とはいえ、いつの間に覚えたのだろうか。
 一応手順を聞いてみると、かなり正確に形式に則った作法のようだ。姉の記憶は確かに思えた。

「そしてお待ちかねの幽霊探しだよ! これはいっくんと箒ちゃんに頑張ってもらわないとね!」

「つまり、見回り?」

「そだね。何も無ければつまんないけどそれで良し。あっても無問題」

「どういう意味ですか束さん?」

「いっくんは可愛いなあ。まあ仮に幽霊が不審者だったとしてだよ。専用機持ちが二人もいて敵うもんかね?」

「普通なら相手になりませんね」

「私は敵がISや銃器以外なら竹刀一本あれば良い」

 戦力としては軍隊も相手にできるレベルだ。

「そそ。IS学園内の出来事だしぶちのめしたってオールオッケー!」

「もし、万一だけど、悪霊とかだったら?」

「篠ノ之神社直伝のお祓いで充分だろうし、もしもの時でも大丈夫。私がついてる。心霊現象には慣れてるから」

 初耳だ。姉さんにそんな経験があったなんて。

「学生時代は『神社生まれのTさん』ってちょっと有名だったんだよっ!」

 ……初耳だ。十四歳でISを発表した姉さんにちゃんとした学生時代があったなんて。

「というわけで、お祓いと見回りで万事解決ぅ!」

「本当に大丈夫だろうか……」

「ふふん。箒ちゃん。これは箒ちゃんにも耳寄りな大作戦なのだよ」

 すると姉さんは私だけに語りかけるように厳かに口を開く。そしてその風情に、私は思わず身を乗り出していた――。

「放課後の学園の見回り、人気の無い廊下、いっくんと二人っきり……」

「え? 姉さんは?」

「私は気まぐれだから、箒ちゃんといっくんを残して程よいところで消えちゃうかもしれないなー」

 なんて姉さんだ。

「危なくなったら呼んでくれれば良いし、いざとなったらちーちゃんを連れて来るよ!」

 なんて頼もしい姉さんなんだ。

「では私と一夏、ふ、二人っきりで……?」

「そう、二人っきりで。きつね巫女の箒ちゃんの魅力の秘密をいっくんに教えてあげるんだよ」

 姉さんの呟く言葉の意味を想像して、思わず唾を飲み込む。

「わ、わたしの秘密が一夏に見られて……!?」

「静かな廊下、暗い倉庫、空き教室、机の上……」

「ももももしその状況で私と一夏の間で、な、何かあったとしたら………?」

「そんな状況で何かあったとしても――それは事故として済まされるのだ! 箒ちゃん!」

「事故おおおぉぉ──!?」

 その時、私の中の何かが弾け飛んだ。

「箒?」

「ダメ……!! それ以上は大人になってからああああ」

「おい、箒っ!?」

「ハッ……! すまん、少し取り乱した。う、うむ。事故が事後でも大丈夫だ」

「?」

 どうやら姉さんとの会話は一夏には聞かれていなかったようだ。

「とまあこんな理由で、お祓いと見回りやったっていう事実で噂も治まるだろうし、いっくんも協力してくれるかな?」

「あ、それは勿論です」

 既成事実を作るための話が進みつつあった。

「よーし、んじゃ早速準備に掛かろっか。箒ちゃんっ! 神社生まれってスゴイことを広めるよっ!」

『ゴーストスイーパー箒 極楽大作戦』始動――。

◇◇◇
 その後、寮の食堂で夕食を済ませてから再び一夏の部屋を訪れ、お祓いと見回りの具体的な打ち合わせを始めた。
 予定日時は明日の放課後、私との特訓が終わってから。早目に切り上げれば時間は充分にあるし、誰かに邪魔される可能性も低くなるだろう。

「で、装束についてだが……」

 必要そうな道具類を私の部屋から幾つか持ってきていた。
 実家から送ってもらった刀、銅鏡、御札を書くための紙と筆……などに囲まれた私は、いつかのきつねの巫女の装束を身に付けていた。
 一夏の誕生日の時はあまり時間もなかったので、せっかくだからゆっくり見てもらおうと着てみたのだが。

「うーん、立派に育ったねえ箒ちゃん。見事なちち! しり! ふともも!」

「セクハラですよ姉さんっ!」

 ……何故か姉さんの方が食い付いていた。

「よいではないかよいではないかーっ! 私は初めて見るんだよおーっ」

「限度がありますっ!」

 実力行使をして黙ってもらいたいところだが、相手は本体を世界のどこかに隠した立体映像だった。やり場の無い怒りがもどかしい。
 肝心の一夏はというと、ちらちらとこちらに視線を送っている。

「ねー。いっくんも良いと思うよねー?」

「え? あ、はあ……」

 体に一夏の意識を感じる。ぐっと開いた肩に、開放的な胸元に、ミニ丈のスカート袴とハイサイソックスの間の素肌に……熱いものを。

「い、一夏! じろじろ見るなっ!」

「あ、ああ。すまん」

 一夏に見て欲しくて着たものの、向けられる視線と姉さんの言葉が相まって恥ずかしくなってしまった。ううう。

「でも巫女さんかわいいよねー。束さんも着てみたいかも」

「え?」

「立体映像の表示データを変えればっと……ぱんぴれぽにょーん!」

 空中でキーボードを叩くような仕草をした姉さんの体から光が溢れる。そしてそれが数秒で収まると、服がエプロンドレスから巫女装束へと替わっていた。

「はっはっはー。さっすが私も篠ノ之神社の娘。なかなかいい感じじゃない? 似合う? 似合う?」

 姉さんの巫女装束は白の小袖に緋袴、白足袋に草履という伝統的なものだった。何故かウサギの耳はそのままだが。何という謎技術。

「どうかなー、いっくん? 箒ちゃんのきつね巫女と束さんのウサギ巫女、どっちが好き?」

「え!? えっと」

 言いながら姉さんは、一夏に近付いて次々とポーズを取っていった。その度に胸を強調する。
 ……姉さんのは大きい。それはそれは大きい。私よりも大きいのだ。知る限りで対抗できるのは山田先生くらいしかいないだろう。
 和装であれば目立ちにくい筈のそれが、小袖の上からでもはっきりと存在を誇示して一夏の目を釘付けにしていた。私の方は見ないのにだ。むむむ。

「一夏! 私を見ろっ!」

「見るなって言ったじゃないか!」

「い、いやらしい目で見るからだ! 心の眼で見ろ! 心眼も使えんのかお前はっ!」

「普通は使えないぞ!」

「えー、束さんは使えるよー? 今日の箒ちゃんの下着はリボン付きの白っ!」

「姉さんっ!」

 話がどんどんややこしい方へと向かい、ぎゃあぎゃあと応酬するハメになってしまった……ああ。
 すると。

「何だ、騒がしいぞ!」

 ドアを開けて千冬さんが部屋に入ってきた。

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