男「俺の日常」 (142)

男自室

PiPiPi…カチッ!

男「…ん、朝か」

男「さてと、着替えるか」ゴソゴソ

男「…親父、おはよう」


男(俺の1日は親父の遺影に手を合わせる事からはじまる)



ってな、感じで逝きます!


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リビング

母「あら、男おはよう」

義父「男君、おはよう」

男「義父さん。君付けはやめてください」

義父「すまん。それなら、男君も敬語をやめてほしいな」

男「俺のはクセです。義父さんは俺の恩人に変わりないんですから」

義父「しかし、親子になったんだ。いつか敬語をなくしてほしな」

男「分かってます。いつかなおりますよ」

男(義父は警官だ。親父が死んでから、俺は所謂不良というものになった。そんな、俺を立ち直らせてくれたのが義父さんだ。)

男(今は、俺だけじゃなく、ぼろぼろになってた母さんを救ってくれた。俺はそんな義父さんを尊敬している)


義妹「義兄さん、おはよう」

男「おはよう、義妹」

男(義妹は義父の連れ子で、俺の妹になった。かなりの美人だが…)

義妹「…なによ?朝から暗いわね」

男「いや、なんでもない」

男(俺に対して、かなり冷たい。まあ、仕方ないと思う。突然、元不良が義兄となったわけだし)

母「さぁさぁ、ご飯にしましょう!今日から新学期でしょ!」

義妹「早く食べないと遅刻しちゃう!」

全員「「いただきます」」


義妹「美味しい!義母さんのお味噌汁美味しい!」

母「本当!良かった、義妹ちゃんに気に入ってもらって!」パァ

義妹「今度、お料理教えてね!」ニコッ!

母「よろこんで!」ニコニコ♪

男(義妹は母さんとすぐに打ち解けている。母さんも娘ができて喜んでる)



義父「さてと、私は先にいってくるよ」

母「いってらしゃい、あなた」

義父「いってきます」

母「ほらほら、貴方達も急いで!」

男「いってきます」

義妹「いってきます!」


登校中

義妹「もうちょっと離れなさいよ!」

男「…分かってる。そこの公園で時間を潰すから、先に行けよ」

義妹「…フン!」スタスタ

男「…新学期か。俺がまともに高校に通ってるとはね」

幼馴染「お、おはよう、男」

男「ん?…幼か。おはよう」

幼馴染改め、幼「き、今日から、私達、2年生だね」

男「そうだな…」

幼「同じクラスになると良いね」

男「…俺と話してると、皆に何言われるか分からないぞ」

幼「そ、そんなこと…!」

男「俺の事はいいから、先に行けよ」

幼「気にしない!」

男「俺が気にするんだよ。ほら、先行けって、見られてる」

幼「…先、行ってるね」タッタッタッ

男「…俺も行こう」スタスタ







校舎前

ーガヤガヤー

生徒「俺はA組かぁ」

女生徒「あ、私も一緒!」


義妹「私は…B組かぁ。…ん?げっ!あいつと一緒!?」

妹友「あたしも一緒だよ、義妹!…あぁ、あの不良、義兄になったんだよね。同い年なのに」

義妹「家も同じなのになんで、学校でも同じクラスなのよ!!」

妹友「声が大きいよ!聞こえるって」アセアセ


男「…充分、聞こえてるって…。俺はB組か、確認する手間が省けた」

友「おぉい!男!」

男「友か、どうした?」

友「俺も同じクラスだずぇい!」

友「…前みたいに、バカやろうな!」

男「…いや、お前、俺は…」

友「や ろ う な!」

男「お、おう」

幼「わ、私も同じ!また3人一緒だね!」

友「思い出すな、昔の事…」

男「……」

幼「と、友!?」アセアセ

友「!す、すまん、男…」アセアセ

男「気にしてない。[あいつ]の事なら、大丈夫だ。…もぅ昔の事だ」


義妹(なんの話?…[あいつ]って誰よ)





教室

教師「では、皆さん。私がこの1年間皆さんの担任になります、教師です、よろしく!」

教師「質問は?」

生徒「先生!彼氏いるの?」

教師「プライベートな質問はスルーします!」

ーアハハー

教師「コホン!では、1年間頑張りましょう!」

教師「あっ、男君!ちょっと放課後残って下さい」

男「へ?」

教師「話があります」

生徒「いきなり居残りかよ、なにしたんだよ」

女生徒「やっぱり、不良よ。どうせケンカよ」

義妹「!」

義妹(ケンカ!?そんな、父さんとの約束を、あいつ!)



ーガヤガヤー

男「…分かりました」

教師「では、授業をはじめます!」

幼(…男、ずっと下向いてる)オロオロ



昼休み

友「男!メシ食うぞぉ!」

一同「「!!」」

男「バ、バカ!友!」

友「なんだよ、友達の誘いを断るのか?」

男「いやいや、空気を読めよ!」

友「ん?元不良だろうが、なんだろうが、男は男だろ?違うか?」

男「…友…お前…!」

幼「私も行く!」

男「…へ?」

幼「い く の!」ジッ!

男(目が座ってらっしゃる)

男「はい、ご一緒しませう」

幼「よろしい!…では、出発!」

友「ち、ちょっと待って!…どこいくのかな?」

幼「…ここは、空気が悪いから屋上か、中庭かな」チラッ

義妹(!今、こっち見た?)

友「よし、行こう!」スタスタ

男「ち、ちょっと、置いてくな!」タッタッタッ


妹友「最後のアレ、こっち見たよね?」

義妹「知らない!いなくなって良かったじゃない!これで美味しくお弁当が食べれる!」

義妹(なんなのよ、あの二人!あいつの何を知ってるのよ!)





屋上

幼「んー!やっぱり、空気良いね!」ノビー

友「確かに気持ち良いね!」ノビー

男「なぁ、二人とも。俺の事はほっといていいんだぞ」

男「皆に白い目で見られるのは、しかたない事だし、俺が悪いんだからさ」

幼「私は決めたの![あの時]は男の側にいられなかっから…。今度は、もう、男を1人にしないって!」

友「俺も同じだ。[あの時]、お前は俺達から離れていったよな。もう、[あの時]と同じはイヤなんだよ!」

男「幼、友。…ありがとう!」

DQN「おいおい、青春してるねぃ!」ヒョイ

友「…誰だよ、お前…?」

DQN「ん?あれ?」

男「あ!もしかして!」

DQN「おいおい、男じゃね!」ガシッ!

男「やっぱDQNかぁ!」ガシッ!

幼「男?握手していでさ…」

男「悪い悪い。こいつはDQN!俺の不良仲間だったヤツだ」

DQN「ちっす!よろしこ!」

友「…ども」

DQN「うわ!引かれてる!」

男「友。こんなヤツだが、悪いヤツじゃない」

男「俺の事も知ってる」

友、幼「!!」

DQN「色々と男に相談しててな、お互いの事情を知ってるんだ」

男「おまえも、一緒に食べないか?」

DQN「いいのか?」

男「…頼むよ、二人とも」

友、幼「男がそこまで言うなら」

男「ありがとうな」

DQN「男、おまえ、良い友達もってんな」

友、幼「!!」

友「DQN!すまん!俺は友だ!よろしく!」

幼「ごめんなさい!私は幼です!ご飯、一緒に食べよう!」




放課後 教室

友「男、大丈夫か?」

幼「待ってようか?」

男「大丈夫だって、先に帰ってろって」

幼「ん、分かった。また、明日ね」

男「おう!」


義妹「ねぇ」

男「うお!…いたのか」

義妹「なによ、いたら悪い?」

男「びっくりしただけだ。なんか用か?」

義妹「…ケンカしたの?」

男「は?」

義妹「ケンカしたのかって聞いてんの!?」

男「…してない」

義妹「ホントに?」

男「義父さんとの約束だ!破る訳ないだろ!」

義妹「!!…信じていいのね?」

男「当たり前だ!」

義妹「ふん!…じゃぁ、なんで居残りなのよ!」

男「こっちが聞きたいわ!」


教師「あら、義妹さんもいるの?」ガララ

義妹「先生!義兄はケンカなんてしません!だから、居残りする必要なんてないです!」

男「…義妹?」

教師「ケンカ?違うわ!指導するために残ってもらったんじゃないのよ」

義妹「…へ?」

教師「ふふふ、心配で一緒に残ったの?」

義妹「ち、違います!わ、私はただ…!」カァ

男「義妹、ありがとな」

義妹「違うって!あー、もう!先生!」

教師「…本題に入るわね。男君、ごめんなさい!」

男「い、いやいやいや、なんで謝るんですか!?俺、なにもされてないですよ!」

教師「そうね、なにもしなかった。君が苦しんでる時、我々、教師は救いの手を出さなかった」

教師「不良のレッテルを貼り、君を疎んでいた。だから、ごめんなさい」

男「…先生、頭を上げて下さい。俺は[あの時]、現実から逃げたくて、どうにもできなくて、周りにあたってただけです」

男「不良と呼ばれても仕方ないんです。そうでしたしね。今の状態だって、自分の責任ですから」

義妹「…義兄さん」

男「だから、信用がないのは当たり前なんです。俺はこれから、皆から信用してもらえるように、行動するつもりです」

男「支えてくれる、家族や友人もいます」

男「だから、大丈夫です。もし、道を間違えそうになったら、先生も指導して下さい。お願いします!」

教師「励ますつもりだったのに、なんか、励まされた気分よ」

男「これから、よろしくお願いします!先生」ニコ

教師、義妹(ドキッ!)

男「もぅ、帰っても?」

教師「え、えぇ、気を付けてね」

男「義妹は帰らないのか?」

義妹「」ポォー

男「義妹?」

義妹「ハッ!な、なによ!」

男「帰るぞ?」

義妹「う、うん」

男「…先に出るか?」

義妹「た、たまには、い、一緒に帰ってもいいわよ」

男「おぅ?」

義妹「ほら、帰るわよ!」グイグイ

男「おぉ?」


帰り道

男(…どうしてこうなった?)

友「…」

幼「…」

義妹「…」

男(く、空気が…重い…)

幼「…ねぇ、男。話はなんだったの?」

男「あぁ、これからも頑張れ…みたいな」

友「なんだよ、それ」

男「笑うなよ」

義妹「…かっこよかった」ボソ

幼「!」

男「なんか言ったか?」

義妹「な、なにも!…あんたでも、ちゃんとすることあるのね?」

男「義父さんとの約束だしな。ケンカはもうしない」

義妹「わ、分かってればいいのよ!」

幼「ちょっと!義妹さん!」

義妹「なによ」

幼「さっきから、男に対して冷たすぎない?」

義妹「はぁ?あなたに言われる筋合いないんだけど?」イラ

幼「なんですって!?」

友「お、おい、幼!」

男「義妹!」

義妹「ふん!気分悪い!先に帰る!」タッタッタッ

男「おい、義妹!すまん、二人とも、先行くわ」タッタッタッ

友「お、おう!またな!」

友「…いきなりどうした?」

幼「ゴメン、私も先に帰る!」スタスタ

友「…」ポツーン





男自室

男(帰ったと思ったら、義妹は部屋に籠ってしまった)

男(幼の気持ちは有り難いけど、義妹の事には触れてほしくなかった)

男(こうなることが分かってたから。突然義兄ができて、同級生で、元不良…)

男「…よし!行こう!」

義妹自室

義妹(また、やってしまった。頭では分かってるのに、言動が冷たくなる)

義妹「…素直じゃないな、私…」ポツリ

義妹(お義母さんの事も好き。お父さんが好きになる人だもん。凄い良い人。義兄…男だって…格好いい)

義妹(再婚の挨拶の時、凄い礼儀正しくて、優しい目をしてた。あの頃のまま。)

義妹(私は男の事を知っていた。名前は知らなかったけど、まさか、義兄になるなんて…)


ー回想ー
電車内

義妹(ッ!痴漢!)モゾモゾ

中年(…)ニヤニヤ

義妹(ど、どうしよう、怖いよ)

義妹(う、動けない)

???「…」グィ

義妹「あっ!」ヨロ

???「大丈夫?こっちは窓側だから」

義妹「あ、あの…」

???「俺の陰に隠れて」

中年「…チッ!」

???「あぁ?」ギロ!

中年(…)スゴスゴ

義妹「あの…」

???「もうすぐ駅だから、ちょっと我慢してくれ」

義妹(向かい合う形になってるし、ち、近い…あ…優しい目///)

アナウンス「注ぎは○○駅ぃ…」

義妹「…次で降ります」

???「俺も降りる駅。一緒に降りよう」



義妹「あ、ありがとうございます」

???「なにか飲む?」

義妹「あ…あの」

???「あぁ、俺は男。君は?」

義妹「義妹です」

男「オレンジにするよ」ガコン

義妹「ありがとうございます」

男「…落ち着いた?」

義妹「…少しだけ」

男「警察に行く?」

義妹「怖い」

男「こんなナリしてる、俺が言うのもなんだが、警察は一般人には優しいぞ」ニコ

義妹(ドキッ!)

義妹(よく見たら、この人…不良?けど、優しい目をしてる///)

男「警察に行かないなら、帰るかい?1人で大丈夫?」

義妹「だ、大丈夫です。親を呼びますから」

男「それは安心だ」




男「」

ー回想終了ー
義妹自室

義妹(あの後、お父さんが来るまで一緒にいてくれた)

義妹(あの時間の電車で、会えるかと思ってたけど、会えなくて。次に会えたら義兄さんになってて…)

義妹(向こうは覚えてなかったみたいだし…。そう考えたら、なんか空しくなったんだよね)

義妹(私、あの時から、男の事…)

コンコン!

義妹「!は、はい!」

男「ちょっと、話があるんだ」

義妹(はわわ!お、おかしな格好じゃないよね…って、制服だった!)

男「義妹?」

義妹「ち、ちょっと待って!」

義妹「…なに?」ガチャ

男「話したい事があるんだ」

義妹「…入って」

男「…ん」


義妹「話って?」

男「幼と友の事なんだけど」

男「あいつらは、幼稚園から一緒でな。昔はよく遊んだんだ」

義妹(仲良くないと、あんなこと言わないよね)

男「もう1人、いたんだ。昔からの友達が」

義妹(顔色悪くなってる?)

男「…[女]って言って、俺の…初恋の相手だった」

義妹(ズキッ!)

義妹「…さっきから、過去系だけど、別れたの?転校?」

男「…死んだんだ…」

義妹「ご、ごめん!」

男「いや、その事を話そうと思ったんだ」

男「…俺の親父が、俺が中学の頃、交通事故で死んだのは聞いてるよな?」

義妹「…うん」

男「女は、その、同じ交通事故で死んだんだ」

男「たまたま、同じ高速バスになってな。親父は仕事の帰りで。女は家族旅行の帰りの事故だったんだ」

義妹(男は大切な人を同時に失ったのね…)

男「俺は親父と彼女の死が受け入れられなくて、どんどん道を外れていった」

男「幼と友は、何かと気をかけてくれたんだけどな、それが煩わしく感じたんだ」

義妹(男の顔色が悪い)

男「疎遠になってたんだけど、俺が学校に行くようになって、また、昔の関係に戻れそうなんだ」

義妹「ちょっと、大丈夫?顔色悪いわよ。大丈夫よ、今日みたいな態度は取らないから」

義妹「ちょっと横になったら…」

男「…俺は最低だ。親父の事は受け入れられても、彼女の事は、今でも…」フラ

義妹「お、男!」

男「…死を認めたくない…んだ」

男「今も、彼女の話をするとこんな具合だ…」

義妹「いいから、横になって」

男「ゴメンな。義妹には知っててほしかったんだ」

義妹「どういうこと?」

男「家族には嘘をつきたくなかったんだ」

義妹「話してくれてありがとう」

男「…そろそろ、部屋に戻るよ」

義妹「も、もう少し、休んでいかなさいよ!」

男「…なら、ちょっと…休ませ…て」

義妹「寝ちゃった」

義妹(…寝顔。始めて見た///)

義妹「……はっ!」

義妹(見とれてない見とれてない)


義妹自室

男「…ん。はっ!」ガバ!

男(眠ってたのか。しかも、義妹のベットで)

男(…いい匂いがする///)クンクン

義妹「…他人の枕を嗅がないでくれる?」

男「うわぁお!」

義妹「なんて声だすのよ」

義妹「大丈夫そうね、ほら、もうご飯の時間よ」スタスタ

男「お、おう」

男(あれ?態度ってか、雰囲気が優しい?)

義妹(…私の匂い嗅いでた///)


廊下

義妹「あ、おかえり父さん。はやかったのね」

義父「ただいま。今日は、はやく帰れたよ。そうそう、男君を見なかったかい?」

義妹「そ、それは…」アセアセ

義父「…男君にあまり辛くあたるなよ。家族なんだからな。義兄妹ととして仲良くしてほしいんだ」

義妹「…分かってる」ギュ

義妹(…そうだった。何を浮かれていたんだろう、私と男は義兄妹…。男は義兄さんなんだから。それ以上でもそれいかでもない)

義妹(けど…なぜだろう。胸がイタイ)ズキン


義妹(イタイよ…。男ぉ)ジワァ



男「あ、義父さん、おかえりなさい」ガチャ

義父「ん?義妹の部屋にいたのかい?」

男「はい。少し、話してました」

義父「うんうん、仲良くすることはいいことだ」ニコニコ

義父「そうそう、ご飯ができている。行こうか」スタスタ

男「はい」チラ


男「義妹、大丈夫か?」

男(すごい辛そうな顔をしている)

義妹「…うん、大丈夫。行こうよ」

義妹(…心配かけないようにしなきゃ。この感情は誰にもバレないように…。義兄妹なんだから)



リビング

母「あら、皆、一緒ね!さぁさ、ご飯にしましょう!」

義妹「義母さん、今日のご飯はなに?」

母「今日は、義妹ちゃんが好きな、からあげよ!」バァン

義妹「やったぁ!」キラキラ


男(リビングに着くと、義妹は普段の表情に戻っている。)
男(さっきのは何だったのだろう。義妹にはあんな、辛そうな顔をしてほしくない。似合わない)

義父「男君、はやくしないと全部取られるぞ」

男「あ、はい」


男「…なんだと、山のようにあった、からあげが、半分ちかく無くなってるだと!?」

義妹「…おほい!」ハムハム

男(義妹のハムハムだとっ!…こっちの表情が良く似合うよ///)

男「…イヤイヤ、食べ過ぎだからね!」


男自室

男(今日は色々あった。幼達とも昔のように話ができるかも…)

男(…幼…)

男(女を亡くした俺を、幼は支えようとしてくれた。そんな幼を、俺は傷つけたんだ。…けど、幼はそんな俺を、また、支えようとしてくれている)


男(…女…、彼女はもう…いない…)ズキズキ



回想
男中学時代

女「男ぉ!いつまで寝てるの!ほら、起きて」

男「ん。あはよう、女」

女「ほらほら、はやく着替えて!」

男「ふぁ…。はいはい」


男(女が朝起こしに来てくれる。それが、俺の日常だ。)

男(ただ、昨日からちょっと変化があった)

男「愛しい、彼女のちゅーがあれば、すぐに目が覚めるんだけどなぁ///」

女「な、なんですって!し、仕方ないなぁ///」

チュッ!

二人「「///」」

女「リビングで待ってるね///」

男(女とは昨日から付き合い始めた。俺から告白した。この部屋で…)
男(初めてのキスも、この部屋。そして今も///)

男(俺は今、幸せに包まれている)

男「はッ!着替え着替え!」

リビング

男「おはよう!」

父「お前は、いい加減に自分で起きないか」

母「あら、あなた。そうなると、朝、女ちゃんに会えなくなるわよ」

父「なんと!男、これからもきちんと寝坊しなさい!」キッパリ

女「おじさまったら///」

男「大丈夫か、うちの親」ヤレヤレ



二人「「行ってきます!」」

父「行ってらしゃい!」

母「気を付けてね」

母「ほら、あなたも出張の用意はいいの?」

父「もちろんだよ、後は母さんの愛たっぷりのキスがあればね!」

母「あなたったら///」



通学路

幼「あ!二人ともおはよう!」

女「幼!おはよう!」ダキ

幼「こらこら、いきなり抱きつくな」
幼「そうそう、男君おめでとう!」

男「へ?」

幼「女から聞いちゃった♪」

男「あぁ、そうかぁ。うん。そうなんだよ///」

女「改めて言われると、照れるね///」

幼「はいはい、爆発しちゃえしちゃえ」

女「えぇ、なにそれぇ」

幼「ほら、先行くよ」スタスタ




幼「…女が羨ましいよ…」ボソ





教室

友「男!おめでとう!」

男「おぅ!色々ありがとな!」

友「いやいや、良かったよ。男の昨日の覚悟は相当だったからな」シミジミ

女「友君も知ってるの?」

男「親友だからな!色々相談していたんだ」

女「私も幼に相談してたから、お互い様だね」


幼「よし!友君、例のヤツ!」

友「幼ちゃん!やったろう!」

二人「「せぇの!」」

クラス一同「「リア充、爆発しろぉ!!」」

男「な!」
女「へ?」

生徒A「昨日、友からメールが来たんだ」ニヤニヤ

生徒B「私達は幼さんからね、ホント、やきもきさせてくらちゃって!」ニヤニヤ

生徒C「取りあえず、おめでとう!」ニヤニヤ

男「なんだよ、皆知ってるのかよ///」

女「うわぁ、恥ずかしいぃ///」

ワイワイ ガヤガヤ





男(…本当に幸せだった。こんな幸せが壊れるなんて、思いもしなかった…)











霊安室

母「何して…いるの、あなた?…起きて…下さい…」ポロポロ

男「と、父さん?…そだ。うそ…だよね。今日…帰るって…、おみ…やげあるって…」ポロポロ

母「あぁ…。こんなに、傷が…。痛かった…でしょ…。…あなた…ぁ…ッッ!!!」

男「と、とうさ…。うわぁぁぁああッッ!!」






男(…俺が彼女の死をしったのは、父の葬儀が終わって、数日後だった…)









女の部屋

男(女を含めた家族の葬儀は既に終わっていた…。…俺は女に会えなかったんだ。最期の言葉をかけることも、見送る事も出来なかった…)


女祖母「男君。君の事は、女ちゃんから聞いてるよ。いつも、嬉しそうに話してたよ」ポロポロ

男「……」グッ

女祖母「女ちゃんの遺品だよ。…君に、持っててもらえると、きっと、女ちゃんも…喜ぶから」

男「…女…。こんな事…って。女、女、女…ッッ!!」ギュウ

男「旅行から…帰ったら…、二人で、遊びに…行こう…って…、映画や、ゆう…えん…ちや、海にも…行こうって、約束…した、よな。や、く…ちや、そく…うぅ…」ポロポロ





男(俺の、いつまでも、いつまでも続くと思っていた、幸せな日常は、あっけなく、壊れてしまった…)





男(あれから、俺の日常は壊れたままだった。それでも、俺は、女と約束した高校に入るために必死だった…)

男(あの頃の俺は、どんな顔をしていたんだろうか…)



教室

幼「ねぇ、男君。顔色悪いよ。ちゃんと食べたりしてる?」

男「…大丈夫だ」

幼「けど…」
男「うるさい!」
幼「ッ!」ビク!

男「…俺にかまうなよ」

幼「男君…」



友「幼ちゃんでもダメだった?」

幼「友君…」ポロポロ

友「泣かないで!そんな顔されたら、俺、俺」

幼「ゴメンね。…私が男君、いや、男を支えなきゃ!女の代わりに…!」グッ

友「幼ちゃん…。俺も、俺も、君の側にいるんだよ」ボソ

幼「なにか言った?」

友「いや、なんでもないよ!」アセアセ

幼「じゃあ、行くね!」タッタッタッ



友「俺の事も見てよ、幼…」

合格発表

ワイワイ

母「どうだったの、番号はあった?」オロオロ

男「…あった!あったよ、母さん!俺、受かったよ!」

母「よかった!本当によかった!」ギュウ

男「か、母さん、ちょ、苦しいって…」

母「あんたは無理してたから、心配だったのよ」ポロポロ

男「母さん」グッ


幼「男ー!」

男「!…幼なのか?」

幼「うん。髪型変えたんだ!どうかな、似合うかな?」ドキドキ

男「う、うん」
男(女にそっくりだ。髪型も話し方も。それに俺の呼び方も…)ズキン

幼「エヘヘ///」
幼「私も受かったんだよ!来年からも一緒だよ!」

友「俺もいるぜ!これからも[三人]一緒だ!」

男(…三人?なに言ってるんだ?四人だろ?女も入れて…。女?女は…どこ…に?)ズキズキ

幼「…男?」

男(そうだ…。女はいないんだ…。あれ?おかしいな、視界がボヤけてる)

幼「男!」

男(あれ?女が目の前にいる…)

幼「男!大丈夫?私だよ、幼だよ、分かる?」

男「ッ!」

男「女の、彼女の格好をするなッ!」ガバッ

幼「!」

男「なんだよ、その格好!それにその話し方!真似するなよ!」グイ

幼「痛い!」

友「男!なにしてんだよ!」

母「男!やめなさい!」

男「放せ!放せよ!」

幼「…!」ダッ

友「幼!」ダッ


男(俺は、しばらくして、学校に行かなくなった。母さんの顔が見れなくて、家にも帰らなくなったんだ…)



男(そんなある日、突然幼から公園に呼び出されたんだ…)


男「悪いな、バイクで送ってもらって」

DQN「気にすんな。けど、こんな遅い時間に、しかも、女から呼び出しとは、やりますね旦那!」ニヤニヤ

男「茶化すな!…俺には迷惑なだけだ、あいつなんて…」

DQN「男!」

男「な、なんだよ、突然…」

DQN「そんな言い方すんな!」

男「DQN?」

DQN「相手は、何度も話に出てくるあの娘なんだろ?」

男「あぁ、そうだ」

DQN「だったら、しっかり答えてやれ!あの娘がなんで、あんな格好したかも、分かってんだろ?」

男「…おぅ」

DQN「しっかりやれよ、じゃあな!」


公園

男「…よぅ。久しぶり…だな」

幼「…来てくれたんだね」

男「呼び出したのはそっちだろ?…帰ってもいいのか?」

幼「待って!あの時の事謝ろうと思って…」

男「…もぅいいよ、あの事は」

幼「それとね、男、伝えたい事があって…」グッ

男「…」

幼「私ね、男の事が好きなの!」

男「!」

幼「ずっと前から、女が相談してくる前から、ずっと、ずっと好きなの!…ずっと、男の事、見てた」

幼「だから、男が女の事が好きって事も分かってた。だから、諦めようとした」

男「…」

幼「一度は諦めようとしたけど、今の男を見てると、気持ちを抑えられないの。今でも、女の事を想ってる事も分かってる…」グッ

男「分かってるなら…」

幼「だからよ!だからこそ、男…。あなたを支えたいの!」ジワ

男「ッ!」

幼「このままだと、男、壊れちゃうよ」ポロポロ

男「幼…」

幼「男。私の気持ちを受け取って下さい!私にあなたを支えさせて…!」






男(あぁ、このまま幼を抱き締められたら、どんなに楽に、幸せになるんだろう…)

男(…!女!)ズキン

男(…俺には…)ズキズキ


男「…俺に、支えなんていらない。女の代わりなんて、必要ない!」

幼「…」グッ

男「…おまえは…必要ない!」

幼「ッ!」ポロポロ

男「…もぅ、俺に関わらないでくれ…」スタスタ



男(俺は…後ろで声を殺して泣く幼を、その場に置いて、公園から…そう、逃げたんだ…)










今夜はこの辺で終わります。

回想修了
男自室 朝

男「…ん。朝か。いつの間にか寝ていたのか」

男「おはよう、親父」

男「さて、着替えるか」ゴソゴソ

男(いくら考えても、俺って最低だよな。幼にあんな酷いこと言っておいて、今更、仲良くなんて…)

男(けど、俺は…変わる。そう、変わるんだ!そうしたら、きっと、前に進める)

男(…進んでもいいよな、女…)


男(あれ、頭痛がしない。…少しずつ、変われているのか?)


男「やべ!支度、支度!」ドタバタ







リビング

母「おはよう!」

男「おはよう、母さん。あれ、義妹は?」

母「なんでも、学校に用事があるから、先に行くってたわ」

男「用事?なんの用事だろ?」

義父「おはよう、二人とも」

男「おはようございます」

母「朝御飯にしましょう!さ、席ついて」


義父「所で、男君。最近、調子はどうだい?」

男「はい?…なんの調子です?」

義父「義妹との事だよ。昨日、二人っきりで話したそうじゃないか」ニコニコ

男「そんな、大した話しでは…」

義父「そうかぁ。私としては、二人には仲良くしてほしいんだよ」ジー

男「…仲良くですか?」
男(すごい見られてる。なにを期待されているんだ)アセアセ

義父「そうだよ、仲良く。二人は特にね」ニコリ

男「努力します」
男(義父さんの笑顔が…怖い)





通学路

義妹「はぁ…」トボトボ

義妹(男と顔合わせたくなくて、早くでてきちゃった)

幼「あ」ドキ
義妹「え」バッタリ

二人((…気まずい…))

二人「「あの!」」

二人「「え!なんですか!?」」

二人「「はい!」」

幼「…ぷ!」

義妹「…く!」

二人「「あはははっ!!」」

義妹「おはよう、幼さん」

幼「おはよう、義妹さん」

幼「私達、ハモりすぎ!」

義妹「あはは!そうですね!…あ、昨日はごめんなさい!」フカブカ

幼「こっこそ、ごめんなさい」フカブカ

二人「「ふふふ!」」

義妹「また、一緒」

幼「私達、気が合うのかも」

義妹「昨日、義兄から、色々聞きました」

幼「聞いたんだ。ってか、敬語!」

義妹「え?」

幼「仲直りしたんだし、こらからは敬語は無しにしない?」ニコリ

義妹「うん!じゃあ、幼って呼ぶね!」

幼「私は義妹って呼ぶよ!」

二人「「よろしくね!!」」

二人「「ふふふ!」」


義妹(早く出て良かった!仲直りできたし、友達も増えた!)





短いですが、今日はここまでです。

通学路

幼「そういえば、なんでこんな時間に?私は日直だけど」

義妹「そ、それは…」
義妹(言えない。男の事なんて…)

幼「…そうそう、今日のお昼一緒に食べようよ!」

義妹「え?」

幼「女同士、友情を深めましょうってね!」

義妹「なら、私の友達も誘ってもいい?」

幼「もしかして、妹友さん?勿論!私も仲良くなりたい!」

義妹「じゃぁ、決まり!…そう言えば、お弁当忘れた…。朝ご飯も…」

幼「じゃぁ、途中でなんか買っていく?」

義妹「うん、そうする」


幼「私ね、義妹の事、もっと気の強い人かと思ってた。今は、昨日と違って雰囲気っていうのかな、優しくなってる」

義妹「そう?いつも通りなんだけどなぁ」
義妹(もしかして、男とゆっくり話せたからかな?…もっと話したいな、男と…///)

幼「…」



教室

友「今日も楽しく勉学に励み…、ん、男?入口でなのやってんの?」

男「友。おれは夢でも見てるのだろうか?」

友「は?なに言って…。男、俺も夢を見てるかもしれん。俺の頬を殴ってくれ」

男「いや、友こそ、俺を殴ってくれ」


妹友「噂をすれば、本人がきたよ!」

幼「おはよう、男!友君も入って入って!」

義妹「…なにしてんの?早く入りなさいよ、邪魔になるでしょ?」


男「さ、三人でなにしてんの?」

義妹「なにって。友達とお話よ。見たら分かるでしょ?」

男「と、友達!?」

義妹「な、なによ、大声だして!」

幼「えへへ。やっぱりびっくりしたよね」

妹友「そりゃあさるよね。私もびっくりしたもん!」

男(多分、クラス全員びっくりしてると思うぞ)

クラス一同(そのとおりです)

男「そうだった。義妹」

義妹「なによ」

男「ほら、お弁当忘れたろ?あと、これ」

義妹「お弁当におにぎり?」

男「朝ご飯食べてないだろ?母さんが渡してくれって。俺から、受け取りたくないかもしれんが…」

義妹「そんなことない!…その、ありがと///」

男「お、おう」

友「おい!なにがあった!?」

男「俺が知りたい!」

教師「はいはい!騒いでないで席につく!」



幼「…」




改行、間違えた!

読みにくくて、すいません!

屋上
昼休み

DQN「今日は人数が多いな」

男「すまん、俺もびっくりしてる」


男(いつものメンバーでお昼なんだが、なぜか義妹と妹友さんがいる)


幼「ごめんね、実は朝に義妹と一緒になってね。仲良くなったんだ。それで、お昼も誘っちゃった」

男「そうなんだ、納得したよ。けど、幼と義妹が仲良くなってくれて良かったよ」

幼「男…。私も仲良くなれて良かった」

DQN「お前らも仲良いよな」ニコニコ

男「!」

幼「もう、DQN君///」


友「なになに、何の話?」

DQN「なんでもないなんでもない。お前はちょっと俺と向こうに行こうな」

友「へ?え?あれ?」ズルズル


妹友「あら、いらっしゃい!…DQN君だよね?」

DQN「あれ?どっかであった?」

妹友「去年、同じクラス」

DQN「なんと!こんな可愛い娘を見逃すとは!一生の不覚!」

妹友「あはは!DQN君って面白いね!」

DQN「俺も友人が増えて嬉しいよ!」



男(状況が俺にとって良い方向に動いてる?…そんなことないよな)





男「賑やかだなぁ」

幼「うん、そうだね」


男(昨日の夢のせいで、幼の顔がまともに見れない///)

幼「ねぇ、男」

男「な、なんだ」

幼「私ね、嬉しいんだ。こうして、男と話せる事が…」

男「…」


幼「あれから、男、学校にも、家にもいなかて…。会えなくてさみしかった…」

男「…ごめんな」

幼「大丈夫。また、こうして会えたから…」



義妹(…男、なに話してるんだろ?仲良さそうにしてる…)





教室

友「男、なにしてんの?」

男「なにって、予習だよ」

友「予習?今からするのか?」

男「俺は時間を無駄にしてきたからな。少しでも取り戻さないとな」

友「次は数学だからなぁ。特にあの先生は厳しいので有名だからな」

男「それもあるけど。最近、数学が楽しくてな」

友「…お前との友情も終わりそうだよ」

男「は?なに言ってんだよ」




数学教師「ーー…では、次の問題を。そうだな、男。答えてみろ」

男「はい」


生徒「あんな難しい問題…。できるかよ」

女生徒「私は無理。今回はアイツに同情すらよ」


男「答えはーです」

数学教師「正解だ。では、次…。いや、男」

男「はい?」

数学教師「今の問題をよく解けたな。きちんと予習してないと、解けない問題だ。頑張っているな」

男「…はい!」


生徒「あの、先制が褒めた!」

女生徒「凄くない?」


ザワザワ


義妹(当然よね。男は毎日、頑張ってたもんね)ウンウン



幼「…」




今日はこの辺で失礼します!

読んで頂けてると幸いです

放課後

友「終わったぁ!今日一日の勉学が終わりましたよぉ!」ノビー

男「どこかに寄るか?」

友「お!行っちゃう?そうだなぁ、久しぶりに、ゲーセンでも行くか?」

男「よし、なら急ごう…」

女生徒A「あ、あの男君…」

女生徒B「やめときなって!」

男「なにか用?」

女生徒B「あんたから言いなよ、私は知らないから」

女生徒A「あ、あの、今日、掃除当番…」

男「そうだった!忘れてたよ!声かけてくれてありがとう!」ニコ

女生徒A「じ、じゃぁ、教室の掃除をお願いするね」

男「了解!友、すまんが、先に帰ってくれ」

友「しっかりなぁ!」


女生徒B「なんか、男君って初めのイメージと違うよね」

女生徒A「今日の数学の問題もスゴかったよね」

女生徒B「今だって、普通に重いもの持ってくれたりしてるよね」

女生徒A「よく見たら、イケメンだし///」

女生徒B「そうそう!イケてるよね///」


義妹「なによ!今更、手を返したように!」

妹友「私はあんたの変わりようにびっくりだよ」

義妹「へ?」

妹友「あんなに毛嫌いしてたのに、今日になってお昼とか一緒に食べてるし、幼とも仲良くなってるし。…デレ期か!?」

義妹「ち、ちが…!そ、そう!父さんから仲良くするように、言われたのよ!」

妹友「親にまで言われるって、どれだけ嫌ってたのよ」

義妹「なによ!」

妹友「はいはい、帰るよ!」

義妹「ちょっと待ちなさいよ!」


義妹(…男と帰りたかったなぁ…)チラ

幼「義妹!」ポン

義妹「ぎゃぁッ!」

幼「あぁ、びっくりした!なんて声だすのよ!」

妹友「心臓止まるかと思った!」

義妹「それは私のセリフよ!」

幼「ぼーっとしてたから、ちょっと悪戯したくなったの。ごめんね!」

義妹「ほんとにびっくりしたよ!」


幼「…ぼーっとするまで、男を見てたの?」ボソ

義妹「え?」ギク


男「義妹ッ!」ガラ

義妹「ぎゃぁッ!」

妹友「あ、二回目」

男「すごい声がしたけど、大丈夫か!?」

義妹「 あ ん た ね !」

男「…え?なぜ、そんな顔…?」チラ

妹友「…」フイ

幼「御愁傷様」ナムー

男「ち、ちょっと待ちたまへ!話し合おうじゃないか!な、義妹よ」

義妹「問答無用!」

男「ぎゃぁッ!」

妹友「…三回目」ナムー


義妹(…男が駆けつけてくれた///)



幼「…」




ちょっとだけ再開

公園前

妹友「じゃぁ、私はあっちだから、またね!」

義妹「また後でメールするね!」

幼「バイバイ!」


幼「ねぇ、ちょっと、公園によってかない?」

義妹「うん、いいよ!」



幼「…風、気持ち良いね」

義妹「…そうだね」
義妹(なんだろ、真剣な顔してる)


幼「…今日一日、見てたよね」

義妹「なんのこと?」



幼「…男の事だよ」

義妹「!」



義妹(なんで、そんなことを知ってるの?まさか、幼は…)

幼「今日だけじゃなくて、いつも、男の事みてる。…私と同じ。同じ人を見てた」

義妹「!」
義妹(あぁ、幼は…同じなんだ。私と…)

幼「…私は男が好き…。今でも…」

義妹(今でも?)


幼「私ね、フラれちゃったんだ。…去年の今頃、この場所で…」

義妹「ッ!!」


幼「私はそれでも、男の事が好き!」


幼「…義妹は…」


義妹(…それ以上…)


幼「…男の事が…」


義妹(…ダメ…)


幼「…好き…なの…?」


義妹(…聞かないで…!)


義妹「…」
義妹(…言えないよ。この想いは。誰にも…)


幼「答えてよッ!」


義妹(…隠せない!こんな真剣な目をしてる人に…)

義妹「私は…。義兄、うぅん、男が…好きです」

義妹(…言っちゃった。私の秘密。…これで、男の傍には…もう…)




幼「…良かったよぉ」グス








義妹「…え?」

幼「良かったよぉ。男の事を見てくれる人がいてくれて。…本当に良かった」ポロポロ

義妹「…義理の妹なのに、義理の兄を好きになったんだよ?…ダメな事なのに、それなのに、良いの?」ジワァ

幼「人を想う気持ちに、間違いなんてないよ」


義妹「幼ぁ…」ダキ

幼「義妹ぉ…」ギュウ


幼「男の事を好きになってくれて、ありがとう。私は支えられなかったけど、義妹なら…」

義妹「それは…」

幼「私も、フラれたままじゃないよ」

義妹「…なら、ライバルだね私達!」

幼「…そうなるのかな?」

義妹「ライバルで友達…うぅん、もぅ、親友だね」

幼「…負けないよ」

義妹「うん、私も負けない!」


二人「「あははは!」」


幼「話せてよかった」

義妹「私も、この想いを、話せてよかった!気持ちが、胸が軽くなった気がする」

義妹「あっ!この事は秘密ね!」

幼「分かってる!二人だけの秘密ね!」

義妹「なんか、響きが恋人みたいね」

幼「私達、気が合うみたいだから、うまくいくかもよ」

義妹「あはは!言えてる!」



義妹(今日は本当に良かった!私の想いを理解してかれる人に会えた!)


義妹(これからは、幼に色々相談できる!…幼からも、相談もしてほしいな…)







今日はこの辺で。


なんか、主役が変わってきてるような気がするのは、気のせいです。…多分。


これから、ちょっと、雰囲気が変わるかも…。

一個だけ投稿

幼と義妹が公園を後にした頃

校門前

男「ずいぶん、遅くなったな」

男「女生徒と話し込んでしまったな…。あんなに話したのは、本当久しぶりだな」

男(…変われているのかな、俺)


男「…モテるのかな、俺」ニタリ

男(いやいや、浮かれてる場合じゃない!気を引き締めないと!)ブンブン

男「義妹にはメールしたけど…」パカ

男「心配かけたくないから、急いで帰ろう」スタスタ


男「そういえば、こっちの道が近道になるって、昔に聞いた覚えがある」


男「…行ってみるかな」




男「あれ?こんな所に、洋館なんてあったかな?」

男「…いや、ここは昔、お化け屋敷で有名な建物があった所じゃ…!」ゾク


男(けど、外観がきれいになってるな…)

男「…誰か住んでるのか?」コソコソ


男(あ、誰か門の所に…。ッ!そ、そんな!あれは!)


???「…」



男「…女!」









???「…誰かいるの?」









やって思った。

男、独り言多すぎですね。

少しずつ投稿していきます。

駄文なのに、遅筆。

こんなヤツですが、最後までお付き合い下さると幸いです。

洋館前

???「そこにいるの?」

男(似ている、女に。笑っていた、あの頃の女に…)

???「大声出します」

男「ま、まって!あ、怪しい者じゃないです!」

???「怪しい人はそう言います!」

男「そりゃそうだ!あ、いや、待って!俺は男と言います!」


男「驚かせてごめん!…君が、俺の、とても大切な…。大切だった人にそっくりだったから…」


???「…そうなんですね。分かりました、信じます」

男「ありがとう!けど、どうして?」

???「そんな、目をしている人を疑うはずないです」

男「目?」

???「はい。とても優しい目。それでいて、とても哀しい目…」

男「…優しいんだね、君は」

???「少女です。…名前で呼んで下さい」


男「少女さんか。驚かせてごめんね。…もう、行くよ」

少女「まってください!…もう少し、話しませんか?」

男「…いいの?」

少女「はい。貴方の事、もっと知りたくなりました」

男「俺も…。君の事を知りたいよ」






男(なぜだ?さっき会ったばかりなのに、ずいぶん前からの知り合いの様な感覚だ。…女に似ているから?…違う、彼女の雰囲気、そのせいだ…抗う事ができない…)



洋館
玄関

少女「そんなに似ていますか、女さんに?」

男「双子のように似ているよ」


男(不思議だ。自然に女の事を話している…。親しい人にしか、話したことないのに)


少女「…男さんは、お強いのですね」

男「そんなことないよ。彼女の事を受け入れられなくて、前に進めないんだ。それで、また、親しい人を傷つけたんだ…」


少女「それでもです。必死に前に進もうとされてます。その親しい人の為に。だから、頭痛も治まったのでは?…その親しい人は大切な方なのでしょう?」


男「…そうなのかな。俺は楽になりたいから、その為に、彼女を選ぼうとしているだけなんじゃないかな?…彼女なら、俺を支えてくれると分かっているから…」


少女「それで、ダメなんですか?」


男「…え?」

少女「それでも良いと思います。支えてもらって、それで前に進めるなら、その方の為にもなるじゃないですか」



男(俺は、傷つけてしまった彼女と、一緒に歩んでもいいのか?女も許してくれるのか?…許す?そもそも女は怒っているのか?)


男(怒る?何に?誰に?)

男(あの事故に?犯人に?)

男(女の事を受け入れない俺に?忘れようとしている俺に?)

男(…いや、女は怒らない。女なら、きっと励まして…)


男「…ひとつ、聞いてもいいかな?」

少女「なんですか?」


男(少女なら答えを知っているかも。…俺は他人に答えを求めるのか?…俺は…)


男「…もし、少女の大切な人が、苦しんでいたら、どうする?」

少女「…私なら、泣きます」

男「え?」

少女「一緒に泣いて、泣くのに疲れたら、傍にいます。それで、もし、相手が堕ちるなら、どこまでも、一緒に、堕ちていきます」


男(…そうか…)


男「…ふ、ふふ。そうだよ、そうだよな…」ポロポロ

少女「…男さん、泣いてるんですか?」

男「…俺は、何をしていたんだろな…。そうなんだよ、君は、少女は女もじゃない…。女はもういないんだ。…いないんだよ…」


男「女は…死んだ…」


男「…死人は答えない。答えてくれるのは、…生きている人間だ」

少女「…男さん?」

男「…答えはあったんだ。…もう、出ていたんだよ」

少女「男さん!」ギュウ

男「うぅ、…女。…女、うわぁぁあああッ!」






男(俺は泣いた。女がいないという事。その哀しみを…受け入れて…はじめて泣けたんだ…)










少女「…落ち着きました?」

男「なんか、ごめん」


少女「ふふふ。ねぇ、男さん。女性におっぱいがあるのは、なぜだか知ってます?」クスクス

男「へ?///」

少女「男性を包み込んであげるためですよ」

男「つ、包み込む?///」

少女「ふふふ。男さん、かわいいですね」

男「か、顔が近いよ、少女さん!」

少女「呼び捨てで良いですよ」ズィ

男「も、もう遅いから、そろそろ帰るよ!」

少女「それは、残念。また、来てくださいね、男さん」フリフリ

男「じ、じゃぁまたね」スタスタ





少女「…できれば、ここには来ないで下さい」

???「それは困りますよ、少女」

少女「!…お父様」

少女父「あれは、逃がす訳にはいかないのですよ」

少女「分かっています。…今日はご機嫌がよらしいのですね」

少女父「そうみたいです。何年も、一途に男を想い続ける健気な娘を見付けまして、少しアドバイスをしてきました。私好みになるように…」ニコリ

少女「!」ゾクゥ

少女父「人間とは愚かな生き物です。絶望の中にも希望を見出だす。打ち砕かれるとは知らずに…」クスクス




少女「…」












今日はこの辺で…。

また、お付き合い下さい。

ちょびっと再開!

男自室

男(今日は大変だった。けど、心が軽くなってる。少女のおかげだな…)


少女『―包み込むためですよ』


男「///」

男「いかん!俺はそんな事を考えてる暇はない!予習復習!予習復習!」


男(…女、俺は前に進むよ。…いいよな、女)

男(女の写真を見れた。俺は、もう大丈夫なのか?)

男(…幼!俺は前に進む!今度は俺が、お前を追いかける番だ!)


男「…やるぞぉッ!」



義妹「!」ビクッ


義妹「お、男?」コンコン

男「義妹?ごめん、うるさかったね」ガチャ

義妹「平気。そ、それより…さ///」

男「どうした?…そういえば、さっき名前で…」
義妹「思い出したぁっ!」


男「びっくりするだろ、突然大声をだすなよ」

義妹「なに、昼間のおかえしよ!」

男(あの時、既におかえしされたけど、黙っとこう)

義妹「そんなことより、し、宿題みせてよ」

義妹(い、言えた!自然だったよね///)

男「え?」

義妹「なに、間の抜けた顔してんのよ、見せてくれないの?」

男「い、いや、そうじゃないけど。俺も今からだしさ、よかったら、一緒にやるか?」

義妹「…し、仕方ないわね」

義妹(むしろ好都合///)

すみません。
煮詰まりました。

また、出直してきます

少しずつ、投稿していきますね。

数時間後

男「…」クス

義妹「なに、思い出し笑い?」

男「あ、いや、なんだか懐かしくなって」

義妹「懐かしい?…勉強が?」

男「昔な、こうして並んで女と宿題したなぁってね。そのうしろで、テーブルを出して、幼いと友が宿題をやってるんだ」

義妹「へぇ…」
義妹(私の知らない出来事を、幼は共有してるんだ…。分かってた事だけど。…妬けちゃうな)


義妹「…ん!ちょっと、男!」ガシッ!

男「うわ!人の顔を掴むなよ!」ムググ

義妹「今!あんた、自然に女さんの事話してる!」

男「…本当だ!自然に話してた!」

義妹「良かったじゃない!あんたも、少しずつ…」ポロポロ

男「義妹?」

義妹「あれ、泣くつもりないのに、勝手に。やだな、止まらないよ///」

男「ありがとな」ナデナデ

義妹「…うん///」


教室

男「―幼が休み?」

友「そうなんだ。連絡もとれないんだ。なにか知ってるか?」

男「いや、なにも…」

男(あとで、メールでもしてみるかな?)ソワ

男(いや、風邪なら、文面は辛いよな)ソワソ

男(だからといって、電話はなぁ)ソワソワ

男(どうしよう…)オロオロ


義妹「…なに、ソワソワオロオロしてんの?」

男「なに?俺は冷静だぞ?」ソワソワ

妹友「明らかに、ソワソワしてるよ」

男「だ、大丈夫さ!俺は大丈夫だ!さ、さぁ、席につこう!」オロオロ

妹友「なんか、あっやしいなぁ」


義妹「…」





友「心配だなぁ、幼大丈夫かなぁ」ソワソワ

友「しかし、あの男が幼の事でここまで動揺するとは…。良かったな、幼。想いは通じてるよ」

友「しかし、そうなると俺のこの想いはッ!…むぅ…、むはぁっ!」ガッデム!


妹友「あっちはあっちで、悶絶してるし。…ちょっとキモいし…」



昼休み

DQN「おや?一人足りないな。休みか?」

男「そうなんだよ、メールしても返ってこないんだ!やっぱり、文面は辛かったんだよ」オロオロ

DQN「心配そうだなぁ」ニヤニヤ

男「そりゃ心配さ!」

DQN「お!素直じゃないか!いいねぃ。それに、なにかあったか?えらいすっきりしてるが…」

DQN「ハ!スッキリ!…お前、朝まで?それで休みとか!」

男「違うわ!」

DQN「ははは!…今、心配しても始まらん。学校が終わったら、お見舞いでも行ったらどうだ?それに、そんなに心配してたら、向こうのお嬢が余計に心配するぞ」


男「向こう?…いや、義妹は関係ない…」

DQN「男!」ガシッ!

DQN「いいか。どちらにせよ、選択するときは、責任とスジは通さないとな」

男「なんの選択をするのか分からないが、選択する以上、責任は果たす!」

DQN「…ま、お前なら、大丈夫だな」ポンポン




義妹(明らかに、今日の男は様子がおかしい。…幼がいないから?)

義妹(男は…。幼の事を?)ズキ

義妹(胸がイタイ。…けど、私も負けてらんない!)

義妹「帰りだ!うん!一緒に帰ろう!」

妹友「びっくりした!なに?大声を出すのが流行りなの?」

義妹「へ?声に出てた?」

妹友「おもいっきり!」

義妹「マジで?」

妹友「マジで。…で、誰と帰りたいの?」

義妹「…妹友とだよ」

妹友「ま、そういことにしとくかな。…私で良かったら、相談にのるよ」

義妹「うん。ありがと」




放課後

男「幼に連絡して、家に行こう!考えてたって…」

ヴーンヴーン

男「ん?幼から返事が来た?」

『一人で家に来て』

男「…一人で?皆とじゃなく?」


義妹「男!」

男「義妹?…どうした?」

義妹「あ、あのさ。い、いい一緒に帰らない?///」

男「すまない。今から、幼の家に行くんだ」

義妹「そ、そうなんだ。…なら、私も心配だから、行っていい?」

男「それが、一人で来てほしいみたいなんだ」

義妹「そっ…か。そうだよね、…なら、家で待ってるね」

義妹「…男…」ソデヲギュッ

男「義妹?」

義妹「…帰って…くるよね?」

男「当たり前だろ?ちゃんと帰るさ」

義妹「うん。…いってらっしゃい」フリフリ




義妹(私には、帰ってこない気がしていた。…もう、男に会えない。そんな気がしてならなかった…)







少しだけ投下!



男(あそこの角を曲がれば幼の家だな)

ドン!

男「うわっ!」

???「おっと!」グイ!

???「大丈夫かな?」

男「ありがとうございます!それと、すいませんでした。ぶつかったのに、支えてもらって…」

???「おや、君は男君」

男「え?どこかでお会いしました?」

???「これは、失礼。私は少女父。少女の父です」

男「あぁ!昨日は突然お邪魔して、失礼しました」

少女父「いえいえ。奥から見ていたのですが、あんなに楽しそうな少女を見たのは、久しぶりでした」

男(少女。不思議な感じだったな…)

男「…また、お邪魔しても?」

少女父「それは大歓迎ですよ!なんなら、今からでも…」

男「すいません。今から、友人のお見舞いに行く所でして」

少女父「それは、引き留めて悪かったですね。友人は大切にね。…特にあの娘はね」ニコリ

男「!」ゾク

男「そ、それでは失礼します」

男(な、なんだろう、突然寒気が…。あの人の顔が見れなくなった…。イヤな感じだ…)






少女父「くふふ…、もう少しですよ。その顔が絶望に歪むのは…」









 

幼の家

ピンポーン!


男(呼び鈴より、メールした方がよかったかな)

ヴーン!

男(ん?…幼からメールだ)



『カギは開いてるから、入ってきて』


男(入ってこい?ん?ご両親は不在?)


男「…お邪魔します」ガチャ


男「誰もいない?」

ヴーン!


『部屋まで来て』


男(幼の部屋///)

男(確か、二階の奥だったな)スタスタ


男「…幼、入るぞ?」ガチャ

男「…。あれ、幼?どこだ?」スタスタ




幼「いらっしゃい、男ぉ」バタン








幼自室

男「幼…?」クル

幼「来てくれてぇ、ありがとぉ。嬉しいよぉ」

男「と、取り合えず、上着を着てくれないか///」クル

男(なんて格好だ!薄着すぎる!色々見えそうってか、見えてるよ///)


幼「なんでぇ?せっかくだからぁ、振り返って見てよぉ」


男(俺は意を決し、振り返った!俺だって健全な男子だ!そりゃ見たいさ///)


男「…」ポケー


男(そこには、夕陽にあたり、優しくオレンジ色に輝く幼の裸体があった)


男(けっして大きくはないが、綺麗な形をした胸。そして、視線を落とすと、柔らかそうな太もも…。すぐにでも押し倒したい衝動を無理矢理押さえ、出た言葉は…)


男「…綺麗だ」


幼「おはぁ、ありがとぉ男ぉ!でもぉ、見てるだけでいいのかなぁ」


男(…今のしゃべり方、なんか変だ。すごい違和感がある。なんだろう、興奮するどころか、冷静になっていく…)


幼「おとこぉ…」

男「お、おい、幼ちょっとま…」


男(幼とキスをした。…嬉しいハズなのに、確信してしまった…)





男「…あんた…誰だ?」



男(俺は、目の前にいる幼の姿をした別人に問いかけた。…そもそも、これは人なのか?)

男(そう思えるほど、目の前のモノに違和感を感じていた…)






今回はここまでです。

これから、こんな感じになります。

…すいません。エロにはならないですよ

更新します!

いつものペースでやっていきます。
少しずつのペースで申し訳ないですが、このペースが合ってるみたいなので…。

幼「なに言ってるのぉ、わたしだよぉ?」

男「幼は!そんな目で!そんな目をしない!あいつは、そんな顔で笑わない!」


幼「!」


男「お前は誰だ!?幼はどこにいる!?」

幼「わたしはぁ、ここにいるよぉ?そんなことよりぃ、続きを…」

男「やめろ!俺には…俺には心に決めた人がいるんだ!」


幼「!!」


男「…幼…?」

男(急に座り込んだ?…それに、雰囲気が…変わった?いや、戻ったの方が正しいのか?)


幼「ー…男?」

男「幼!」

幼「ち、ちょっと待って!…裸だし、ふ、服を取ってくれる///」

男「そ、そうだな。…大丈夫か?///」

幼「うん、ありがと。…向こうむいてて///」

男「お、おう///」

男(うしろで、服を着る生々しい音が…///)


幼「…もういいよ///」

男「…良かった、いつもの幼だ!…なんだったんだ、さっきのは?」

幼「それが、…分からないの、昨日からの記憶が曖昧…な…の」クラァ

男「だ、大丈夫か!?」

幼「触らないで!」

男「お、幼?」

男(震えてる…。そうだよな、もう少しで、俺、幼の事…!)


幼「…ゴメンね、今日は帰って。少し休めば、きっと、大丈夫だから」

男「…側に居させてくれないか?」

男「こんな事、勝手だって分かってる!けど、
幼の事心配なんだよ!…側に居たいんだ!」

幼「…男…」グス

幼「!」クラァ

幼「…ダメ…帰って!…お願い、大丈夫だから」

男「幼…」



男(俺は、それ以上なにも言えなかった。情けなくその場を去るしかなかった…)

男(家を出たとき、何故かあの人の顔が浮かんだ。激しい怒りと共に…。少女父の顔が…)






幼自室

幼「…ゴメンね、男。けど、そうしないとまた、私は…」

『くふふ、残念だねぇ。あのままわたしに任せてくれたらぁ、男とひとつになれたのにぃ』

幼「誰!?声が頭の中で響く!」

『くふふ、わたしなら、男はぁ、カンキンしちゃうのにぃ』

幼「ふざけないで!誰なの答えなさい!」

『怒ってもダメよぉ、わたしはぁ、もう一人のおなたぁ。あなたの願望ぉ』

幼「が、願望!?そんなの嘘よ!」

『くふふ、隠してもダメよぉ。分かるのよぉ、あなたはぁ、男に抱かれたいはずぅ、昨日だってぇ、切なくてぇひとりでぇ…』

幼「やめて!」

『だからねぇ、分かるのよぉ。さっきのあの言葉にぃ、戸惑っているのもぉ』

 
幼「!」


男『ー…俺には、心に決めた人がいるんだ!』


『…だからねぇ、わたしに任せてよぉ』


幼「あ…、視界が…揺れ…て」カクン


『このぉ、絶望を使ってぇ…』






幼「わたしがぁ、義妹ちゃんをぉ、きれいにケシてあげるねぇ、くふふ…」










再開します!
この前は、見事に寝落ちしました!

すいませんでした!

洋館前

男(…ここに来てしまった。けど、なぜか確信がある。あの幼の異変は、少女父が関係していると…)

男「よし!行くぞ!」グッ

少女「…あら、男さん?」ガチャ

男「少女?…ちょうど良かった。親御さんはいるかな?」

少女「ッ!…いません」

男「いるんだな、邪魔するよ」グイ

少女「ダメ!」

男「…少女?」

少女「ダメです!この家に入らないで下さい!」

男「ゴメンな、少女。あの人にどうしても、聞きたい事があるんだ」

少女「だからです!…だからこそ、ここに来てはダメなんです。今すぐに帰って!帰って下さい!」グス

男「…なにか、知ってるんだな。なにが起こってるんだ?教えてくれ!」

少女「…話したら、帰ってくれますか?」

男「あぁ、分かっ…」


少女父「そこまでですよ!」






少女「…お父様」

少女父「おしゃべりが過ぎますよ、少女。…ようこそ、男君。幼さんはお元気でしたか?」

男「やっぱり、あんたが!?」

少女父「おっと、うっかり名前を言ってしまいましたね」ニヤリ

男「!」ギロ

少女父「くふふ、中へどうぞ、ゆっくりと話し合いましょう」






洋館 客間

少女父「さて、どこから、お話ししましょうかね」

少女「…」

男「どこからもなにも、幼に何をした!?」


少女父「…おや、そこですか?」

男「…なんだって?」

少女父「くふふ、まぁいいでしょう。結論から言いますと。あの娘には、ちょっとした、アドバイスと、おまじないをしてあげました」


男「ふざけるな!おまじないだと!?」

少女父「…まぁ、信じる、信じないは自由ですよ。くふふ、今はね」ジー

男(なんだ、あの目は。暗い?いや、真っ黒だ。…吸い込まれそうに、真っ黒だ…)



少女「もう帰って下さい!」グイ!

男「少女!?」ハッ!

男(今の感覚。…まさか、おまじないって、本当に…?)


少女父「…本当におしゃべりが過ぎますよ、少女」

男「!」ゾク!

少女父「…男君、君はなかなか、カンが鋭いようですね。今のやり取りで、なにかを勘づきましたね?」ニヤリ


男「あ、あんた何者だ?」

男(マズい!この雰囲気は本物だ!…信じられないが、この人は危険だ!)

男(逃げるか!けど、どうやって…)


少女父「…おや。くふふ、どうやら、あの娘が動き出したようですよ。どうです、男君。ここで、あの娘が手土産を持ってくるのを、待ちませんか?」


男「なんの事だ…?」

少女「そんなのダメ!」

少女「男さん!はやく幼さんの所へ!今なら、まだ間に合う!」グイ!




少女父「少女!」ガタ!

男「幼?ーッ!おまえ!幼になにをしたぁッ!」

少女「ダメ!」

男「少女!放せ!」

少女「ダメです!今は、はやく、幼さんの所へ!」



少女父「…お仕置きが必要なようですね、少女!」ザワザワ


男「な、なんだあれ!?」ゾク

男(少女父が真っ黒な霧につつまれていく!)


少女「男さん!はやく!」


男(俺は、少女にてを引かれるまま、客間を飛び出した…)


男(俺が最後に見たのは、あれは、なんだったんだ?…あれは、ヒトなのか…?)







洋館 玄関

男(俺は、少女にてを引かれ、玄関まで逃げてきた)


少女「男さん!幼さんは、丘の上の公園にいるはずです!はやく行ってあげて下さい!」

男「けど、少女はどうするんだ?」

男(そうだ。このままだと、少女はあの化物に…)


少女「…私は大丈夫です。…少しですが、あなたと話せて、触れ合えて良かった」


少女「ー…ありがとう」トン



男「ー少女!」



男(俺は、少女に外に押し出された。その直後、後で何かが弾ける音がした…)

男(俺は、慌てて振り返り、洋館のドアを開けた)


男「…ウソ…だろ…?」



男(そこには、少女の姿はなく、あったのは埃をかぶった廊下と、真っ暗な玄関だけだった…)









前回は、昼間にまさかの寝落ちですみませんでした。

今回はここまでです。

ほそぼそとやっていくんで、よかったらお付き合い下さい。

再開します!

こんなものですが、お付き合い下さい。

ー洋館前

DQN「うん?あの廃墟の前にいるの男か?」

DQN「おぉい、男ぉ?お前こんな所で何やってんの?」

男「DQN!」グイ!

DQN「ど、どうした?」

男「ここは、洋館だよな!?」

DQN「そうだが、確か、何年も人は住んでないはずだぜ?」

男(そんな、今までのは…夢?)



少女『はやく、男さん!』



男(夢なんかじゃない!)


DQN「どうした、大丈夫か?」

男「DQN!力を貸してくれ!」

DQN「…なんか、あったんだな?乗れ!どこに行けばいい!?」

男「ー…丘の上の公園だ!」







ー丘の上の公園

義妹(幼がこんな所に呼び出すなんて…。男と一緒じゃないのかな?)

義妹(ま、まさか!二人っきりで良い感じになって、そのままの勢いで…)

義妹(いやいや、幼はそんなタイプじゃない!仮に男が迫っても拒否する…ハズ!)



幼「おまたせぇ、義妹ちゃん、くふふ」

義妹「…話ってなに?」
義妹(名前にちゃん付け?…それに、幼の様子がおかしい?)


幼「簡単な相談なのぉ。わたしとぉ、男のためにぃ。…死んでちょうだい?」ヒュン!


義妹「え?…きゃあッ!」

義妹(包丁で斬りかかってきた!?)ゾク!


幼「避けたらぁ、ダメだよぉ。余計にぃ痛くなるよぉ」ヒュン!

義妹「きゃあ!…な、なんでこんな事を!」

幼「なぜってぇ?男がぁ、あなたをぉ、選んだからよぉ」ヒュン!

義妹(な、なんの話?男が、私を?///)


幼「…その顔ぉ、気に入らないなぁ」ブン!


義妹「きゃあ!」ドシャア!


幼「くふふ、いい気味ぃ。私とぉ、男のぉ、邪魔するモノはぁ、キエちゃえぇ!」


義妹「…違う!」




幼「…なにが違うのぉ?」

義妹「ー…じゃない!」グッ!

幼「?」

義妹「私じゃない!」

義妹「男が選ぶのは、私じゃない!」ポロポロ

義妹「選らばれるのは、あなたよ。…幼…!」


幼「!!」


義妹「私は分かってたの。認めたくなかったけど、男が、いつも、幼の、あなたを見ている事に…」


義妹「授業中、ふと、男が見るのはいつも、幼の方。もしかしたら、男自身も気付いてないのかもしれないけど、幼を見つめる、その目はいつも優しかった…」


義妹「この前も、一緒に勉強した時に、昔の事を話してくれたけど、幼の事になると優しい目をしていたの…」


義妹「私は、幼と公園で話した時に、この人に敵わないって分かっちゃったの。恋のライバルに、あんな事言うんだもん。敵わないよ…」グッ


義妹「幼はね、そんな人なの。それだけ芯の強い人!そんな人が、こんな事するわけない!」


義妹「男が、あの人が惚れる程の人だもん!こんな卑怯な事しない!」


義妹「あんたは、幼じゃない!」


義妹「あんたは誰なの!?幼を返しなさい!」



今回はここまで。

こんな感じですすめて行きます。

こっそり再開…。

幼?「…一日のうちに、二度も見抜かれるとは…、まいりましたね」

義妹(幼の顔に、別人の…。あれは男性の顔が浮かんで見える!…こいつが!)

義妹「あんたの顔、見えてるよ!幼を返しなさいよ!」


幼?「ほぅ。私の顔まで見えていますか。ハンターでもない、ただの素人の小娘に…」チッ

幼?「…まぁ、いいでしょう。ここで死んでもらう事に、変わりはないのですから…」

義妹「幼!目を覚まして!お願い!負けないで!」


幼?「くふふ、愚かな。言葉など、届きはしない。さぁ、男に絶望を与えるため、我が悲願の為。死んでいただきますよ!」


義妹(負けない!負けるもんか!)キッ!



男「やめろぉ!」ズザァ!


義妹「男ぉ!」パァ


幼?「バイクで突っ込んでくるとは…。無謀ですね」


DQN「こうでもしなきゃ、止められなかったからなぁ…って、幼ちゃん?…マジで!?」

男「大丈夫か、義妹?」

義妹「男ぉ、怖かったよぉ…」ギュウ

義妹「男!幼を!幼を助けて!…うまく言えないけど、あれは幼じゃないの!」


男「分かってる。あれは幼じゃない。あれは…少女父だ」





DQN「話は分からないが、あれが幼ちゃんじゃないってのは分かった」

男「DQN。すまんが、義妹を頼む」

DQN「男?…分かった。うしろは任せとけ!」


少女父「くふふ、あなた一人でどうにかできるとでも?」

男「分からないけど、やらなきゃいけないんだよ!」

少女父「この体は、あの娘のものですよ。暴力はお勧めしませんよ」ニヤリ


男「…。幼、聞こえるか?」

少女父「なにをするかと思えば。先程の小娘と同じですか。…正直、落胆しましたよ…」


男「そのまま聞いてくれ…」

男「今までゴメンな。おまえの気持ちに、向き合ってなかったよ」

男「おまえの優しさに甘えていたよ。…久しぶりに会った時、おまえから声をかけてくれて、すげぇ嬉しかったんだ」

男「無視されても仕方ない事をしたのに、おまえは声をかけてくれた」

男「学校でも。正直、辛い時、傍にいてくれた」

男「おまえの優しさが…暖かったよ」

男「今だからこそ、言えるんだ…」




男「幼…おまえが好きだ!」



男「だから、戻ってこい!戻ってきてくれ!」


男「おまえが好きだぁ!幼ぁッ!!」




少女父「…残念ですが、時間切れです。この際です。皆さん、一緒に死んでもらいましょうか」

男「…幼ッ!」

少女父「無駄な…こ。そ…な、わた…意識…消え…」



幼「ー…男ぉッ!!」



男「幼ぁ!」

男「戻ったのか!?」


幼「ダメ!来ないで!」


男「…幼。こっちを向いてくれよ…」

幼「ダメだよ。こんな事しちゃったのに、今更、男の顔見れないよ…」



男「…なら、そのままでいいよ」ギュ

幼「あ…」


男「振り向いてくれるまで、待ってる」

男「今度は俺の番だ。…幼がしてくれたように、今度は、俺が待つよ」

幼「…男…」



義妹「…さて、と。いいかげん暑苦しいから、帰ろうかな」

義妹「送ってくれる?」

DQN「ん?…乗りな。ほれ、メット」

義妹「…ありがと」グス

DQN「…ちょっと、遠回りしますかね」



義妹(ほらね、男は幼を選んだよ)

義妹(おめでとう、幼。…男もね)

義妹自宅

DQN「ほれ、着いたぞ」

義妹「…ありがと」

義妹(わざわざ遠回りしてくれた?)

義妹(…この人も、優しいんだな。男の周りの人は優しい人ばかり…)

義妹(私も…これから、優しくできるかな。私の気持ちは…)


DQN「…男のヤツは…」

義妹「…え?」

DQN「あいつは、きちんと、答えを出した。気持ちを相手に伝えた」

DQN「人ってのはさ、言葉にしなきゃ分からないもんだぜ」

DQN「大切な気持ちなら、尚更さ。あいつは、きっと答えてくれる」

DQN 「…たとえ、それが辛い答えでも。今のあいつなら、きっと答えてくれるさ」

義妹「…」

DQN「…ま、どうするかは、自分で決めるのが一番だ」

義妹「…うん」

DQN「じゃあな。男によろしくな」

義妹「…行っちゃった」

義妹「…言葉で…伝える…か」

男「幼を送ってたら、随分遅くなったな」

男「心配してるかなぁ」スタスタ

男「…ん。家の前に誰かいる?」



男「義妹?」

義妹「あ、おかえり」

男「まさか、待っててくれたのか?」

義妹「…話がしたくて」

男「話?」

義妹(勇気を出して!)

義妹(結果は分かってるけど、自分の気持ちを伝えなきゃ!)

義妹「…男」

男「ど、どうした?真剣な顔つきで…」

義妹「…私は、貴方が好きです!」

男「…え!」

義妹「私が男と初めて会ったのは、電車の中よ」

男「電車?…も、もしかしてチカンの?」

義妹「やっぱり、忘れてた?」

男「え、けど、顔合わせの時なにも…」

義妹「言える訳ないじゃん。覚えてない相手にさ」

男「そ、そうだね」

義妹「…で、答えを聞いていい?」

男「ごめん。俺は義妹の気持ちに応えられない」

義妹「…うん。ちゃんとフッてくれてありがと」

義妹「先に家に入るね。できれば、ちょっと時間を空けてくれると…」

男「…あぁ、ちょっと歩いてくるよ」


男「…義妹が、そんな…。俺はまた、家庭を…」

義父「男君?」

男「と、義父さん」

義父「…ちょっと、いいかな?」

男「は、はい」

義父「そんなに構えなくていいよ。私達は家族…だろ?」

男「!」ズキン

義父「義妹の事なんだが…」

男「ま、まさか」

義父「…聞く気はなかったんだけどね」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月29日 (火) 21:07:36   ID: 0-CruTil

なんか急に変なファンタジー物になったんだけど?普通の日常物として楽しく見てたこっちの期待が削がれたんだけど?

2 :  SS好きの774さん   2014年08月07日 (木) 15:49:48   ID: FbYwMdYA

SFみたいなのいらないよね。

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