幽霊「いやっ!やめて!」男「ほれほれ」パシャッパシャッ(29)

幽霊「写真とらないで!」

男「良いではないか良いではないか」パシャッ

幽霊「めっちゃ写真写り悪いからやめてってば!」

男「だってお前写真に写らないとはっきり見えないじゃん」

幽霊「見なくていいから!恥ずかしいから!」

男「えーなんで?」パシャッ

幽霊「やめろっつの!」

男「必死に手で顔隠そうとしてるけど、透けて写ってるからね?」

幽霊「いやあああああ!!」

幽霊「はぁ…はぁ…」

男「あれー、どこ行ったー?」

幽霊「言う訳ないでしょ!」

男「写真撮らせてよ」

幽霊「やだっ!」

男「いいじゃん減るもんじゃないし。むしろ増えてるし」

幽霊「増えてる!?何が!?」

男「お前の存在感」

幽霊「増やすなー!!」パチッ パチパチッ

男「ポルターガイストで抵抗するのはやめなさい」

幽霊「何で写真撮りたがるんですか!」

男「趣味かな」

幽霊「あれですか、オカルトマニアですか」

男「いや、死因マニア」

幽霊「何それ!?」

男「死因を分析して性的興奮を得る」

幽霊「とんだ変態の家に迷い込んでしまったああああああ」

男「お、今どんな顔?」パシャッ

幽霊「撮るなあああああ!!」

男「あー、何か赤い光の帯が写り込んでる」

幽霊「私の念が通じて、撮影を邪魔出来てるみたいですね!」

男「いや、これは……」

幽霊「え、何ですか?」

男「……いや、でもまさかな……」

幽霊「ちょ、ちょっと、何なんですか!」

男「……お前さ」

幽霊「は、はい」

男「赤くなっちゃって、ひょっとして照れてんの?」

幽霊「怒ってんの!!ていうかそんな風に映るんだ私!」

幽霊「ていうか、すっごい眩しいんでほんと勘弁してください」

男「でもなぁ」

幽霊「いや、分かりますよ?もう夜ですし、フラッシュたかないと写らないとか、分かるんですよ?」

幽霊「でも、私一応物の怪の類なんで、光はちょっと」

男「いや美白効果狙ってるだけだけど」

幽霊「元々白いの!幽霊だからね!!」

男「で、お前なんで死んだの?ハァハァ」

幽霊「変態モードに突入しやがったあああああ!!」

男「ねー、いいじゃん、教えろよぉ~」

幽霊「何ですか、その『お前の好きな子教えろよ』的なテンションは」

男「まあ簡単に教えて貰っちゃ物足りないからいいけど」

幽霊「人の死因を一体なんだと思ってるんですか」

男「そりゃ性的……」

幽霊「あーやっぱ聞きたくないですいいですホントに」

男「じゃあ教えてくれないみたいだし、もうちょっと撮るか」パシャパシャ

幽霊「だからやめてええええ!!」

男「だって撮らないと死因わかんないじゃん」

幽霊「もう結構撮ってたじゃないですか!!もういいでしょ?」

男「ダメ」

幽霊「どうしてですか!」

男「まだ服が透けてない」

幽霊「うおおい!!変態ポイント増やしてきたこの人!!」

男「ほら、刺し傷とかないかと思って」

幽霊「でもやっぱりそっちの変態だったあああああもうやだああああ」

男「じゃあちょっと脱いでみようか」

幽霊「嫌です!!」

男「大丈夫だって。ぼんやりとしか見えないから」

幽霊「写真撮ったら写っちゃうじゃないですか!」

男「透けるから大丈夫」

幽霊「大丈夫じゃないです!!」

男「何を恥ずかしがることがあるんだ?」

幽霊「裸撮られて恥ずかしくない方がおかしいんですよ!」

男「もう死んでるんだし、失うものは何もないぞ?」

幽霊「死してなお恥ずかしい思いとかしたくないの!!」

男「じゃあ脱がなくてもいいからポーズとって」

幽霊「どんだけ食い下がるんですか」

男「こんなチャンス滅多にないし」

幽霊「私としてはこんな稀なケースにぶち当たって最悪なんですけど」

男「俺は最高だけど?」

幽霊「こんな事になるなら死ななきゃよかった」

男「死んでこそ輝くものもある」

幽霊「お前のカメラの事かあああああ!!」

幽霊「もういいです。私寝ますから勝手に撮るなりなんなりしてください」

男「いいの?マジで?」

幽霊「意識が存在してるから写真に写っちゃうですよきっと」

男「へぇ、そうなんだ」

幽霊「だから意識さえなくなれば写る事もないはず……」

男「なるほど。それは困った」

幽霊「いい気味ですね」

男「寝顔の写真は昨日のこの一枚だけか……」

幽霊「ちくしょおおおおお寝てても駄目かあああああ」

幽霊「ていうかどんだけ撮ったんですか」

男「ざっと500枚」

幽霊「500!?」

男「そのうち、はっきり写ってるのが200枚位」

幽霊「心霊写真200枚とか狙って撮れる枚数超えてますよ」

男「さらにそのうちの50枚は恥ずかしい姿の隠し撮り」

幽霊「いつの間に!?」

男「カメラが一つだけだといつから錯覚していた?」

幽霊「全部出せええええええ!!」

男「やだ」パシャッ

幽霊「こいつもうやだあああああああああ」

幽霊「ほんともうやだ……」

男「観念して写真に写れ。主に致命傷部分を晒しながら」

幽霊「この変態が!死ね!呪われて死ね!」

男「うっ!」

幽霊「えっ!?」

男「……」ガクリ

幽霊「えっ……?何、なんですか」

男「 」

幽霊「まさか……私が死ねって言ったから……?」

幽霊「どうしよう……私、人を」

男「はい、悲しみの表情いただきます」パシャッ

幽霊「マジで死ね!!」

男「幽霊がそんな簡単に死ねとか言っちゃ駄目だよ」

幽霊「あなたに幽霊の何が分かるっていうんですか」

男「分かるよ」

幽霊「は?」

男「500枚も撮ってればさ、幽霊の気持ち色々分かるよ」

幽霊「……その割に私、気分最悪なんですけど」

男「幽霊が見えてるのって、幽霊の気持ちが大きく影響してるんだよね」

幽霊「幽霊の気持ち?」

男「そう、気持ちが昂ればはっきり見えるし、逆なら空気と一緒」

幽霊「へ、へぇ、そうなんですか」

男「特に怒りの感情ははっきりと存在をアピールするほどだ」

幽霊「……じゃあ、今までワザと私を怒らせたんですか?」

男「ああ、すまない」

幽霊「そうまでして私を撮りたいんですか?」

男「うん」

幽霊「一体なぜ?」

男「死因を知りたいから」

幽霊「やっぱり変態か!!」

男「死因を知れば、お前の人生を知ることが出来る」

幽霊「!?」

男「お前の人生を知れば、お前を成仏させてやれる」

幽霊「成仏……?」

男「お前がここに居るのは、うまくあの世にいけないだけなんだ」

幽霊「……」

男「だから俺は写真を撮る」

幽霊「そう……ですか」

男「だから服を脱いで致命傷見せて」ハァハァ

幽霊「台無しだこのド変態がああああああああああああ!!」

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絶対霊域好き?

>>23
知らないから調べたらかぶってるじゃないですかやだー!!

でもとりあえず書く

幽霊「そもそも傷を負って死んだとは限らないじゃないですか」

男「それもそうだ」

幽霊「だから脱ぐ必要はないと思うんです」

男「確かめてからでも遅くは無いだろ」

幽霊「確かめたら色々と終わると思いますけど」

男「じゃあ俺はどうやって興奮すればいいんだよ!!」

幽霊「そもそも幽霊に発情すんなああああ!!」

男「いや、幽霊じゃなくて死因にだな」

幽霊「うるさい黙れ」

男「じゃあせめて……せめて首とか手首とか撮らせてくれよぉ」

幽霊「……撮らせてあげたら脱げとか言いませんか?」

男「首とか手首とかに死因を認められれば言わない」

幽霊「脱げって言わないなら撮らせてあげてもいいです」

男「ぐぬぬ」

幽霊「ふふふ」

男「でもお前、首とか手首とかに致命傷がないからそうやって意地悪言ってんだろ」

幽霊「いや、知らないですから」

男「自分の死因を知らないと?」

幽霊「まぁ、そうですけど……何か?」

男「……」

幽霊「な、何ですか」

男「実に興味深い……」

幽霊「ちくしょう駄目だこいつ」

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