冴島清美「天使と悪魔とプロデューサー」 (23)


清美「今日もお疲れ様ですプロデューサー!」

清美「撮影は恙無く終わりましたよ、ご心配なく」

清美「学園生活は学びの礎です。浮かれることなく、アイドルとしてビシバシいかないと」

清美「その役目を与えてくれたプロデューサーには、感謝の言葉もありませんよ!」

清美「あ、教室見ていきますか? 掃除が終わったところなんです」

清美「よりよい風紀作りのために、ぜひアドバイスが欲しいんです」

清美「さあさあ、遠慮なくどうぞ?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398234369


清美「ふふ、私の席はここですよ」

清美「一番前じゃなくてびっくりしてますか?」

清美「実は、真ん中の端っこくらいが、教室中を見渡せて便利なんです!」

清美「居眠り、私語、早弁……何一つ見過ごしません!」

清美「プロデューサーはもちろん、そんなことしませんよね?」

清美「……え!? 学生の頃はしてたんですか!?」

清美「むむ、これは超☆風紀委員として詳しく聞かなくてはいけませんね……」

清美「い、言っておきますけど! 別にプロデューサーの学生時代を知りたいとか、そういうのじゃありませんから!」

清美「ましてやプロデューサーのこともっと知りたいなとか、微塵も思ってませんからね!」

清美「あくまで参考のためです、ええ!」


清美「ふむふむ……学生時代は意外と不真面目だったんですね」

清美「今の姿からは想像も出来ません。少なくとも私から見て、プロデューサーはしっかりしてますから」

清美「なるほど、昔は寝坊があったんですね。これは周りの生徒でもよく見かけますね」

清美「まず寝坊は、普段の生活がたるんでいる証拠です! 規則正しい生活をしていれば、まず治せます!」

清美「な……なんなら、プロデューサーを毎朝起こしに行ってあげても……か、構いませんけど?」

清美「あ、い……今は治ってるんでしたね! いえ、再発の危険が! 超☆再発するかも!」


清美「ま……まあ、これからはモーニングコールで様子見といきましょう!」

清美「生活を超☆風紀委員の私とシェアすれば、自ずと清く美しい生活が実現します!」

清美「次に居眠りですが……プロデューサーは午後の授業に弱かったんですね」

清美「分からなくはありませんよ? ご飯を食べた後はどうしても眠くなってしまうというものです」

清美「そういえば、今日の午後の撮影、ちょっと眠そうにしていませんでしたか?」

清美「まさか昼食を食べて、ちょっぴりウトウしていたんじゃありませんか……?」

清美「いけませんよ! プロデューサーたる者、常に自分のアイドルの姿を目に焼き付けておかなくては!」

清美「せ、せっかくあんなに可愛い衣装を着ているのに……も、もったいないじゃないですか!」

清美「そもそもプロデューサーが着て欲しいと頼み込むから、私は超☆アイドルとしてですね、その……」



───。


超☆天使「プロデューサーはプロデューサーだから、ああ言ってるんですよ!」

超☆悪魔「違う違う、プロデューサーは清美に気があるんですよ!」

超☆天使「違います! あくまでお仕事なんです!」

超☆悪魔「フフフ。悪魔のお仕事なら、もっと風紀を乱してもいいんですよ?」


───。


清美「ごほんごほん! えっと、プロデューサーは早弁もしていたんですよね?

清美「正しい食生活には食べる種類と、量、時間が大切なんです。それを乱すといくら食べても健康にはなれません」

清美「あ、そういえば。お昼は私のお弁当、食べてくれましたか?」

清美「プロデューサーは、いつも不健康な食事ばかりしていましたからね。私の食生活、見習ってもらえましたか?」

清美「……あれ、なんで目を逸らすんですか? あの……もしかして美味しくありませんでした……?」

清美「……」

清美「……塩と砂糖を間違えてた?」

清美「…………」

清美「す……すす、すみません! なんて初歩的なミスを!?」


清美「不味かったですよね! お、お弁当箱見せてください!」

清美「……え? カラだ……」

清美「あの……お塩とお砂糖を間違えてたんですよね?」

清美「食べられるような味じゃなかったと思うんですけど……」

清美「わ、私が作ったお弁当だから、ですか……?」

清美「……」

清美「あの、ありがとう……ございます……」



───。


超☆天使「これはプロデューサーの気遣いに過ぎないわ。鵜呑みにしちゃダメ」

超☆悪魔「何を言ってるんです。これはプロデューサーからのアプローチですよ!」

超☆天使「そんなはずがありません! こんな失敗をする女の子なんて……」

超☆悪魔「プロデューサーは、そんな清美が大好きかもしれないでしょう?」

超☆天使「プロデューサーが好きなのは、超☆風紀委員である清美のはずです!」


───。


清美「そ、そういえば! プロデューサーは私語もたくさんしてたそうですね!」

清美「確かに、日ごろの会話とコミュニケーションは大切です……」

清美「しかし! お仕事中に私語は慎むべきです!」

清美「私が撮影をしている最中に、お喋りに夢中になっていましたよね!?」

清美「まあ、あれぐらい綺麗な女性を見ると声を掛けたくなるのも、分からなくはありませんけども……」

清美「大事なアイドルが頑張っているのに……余所見は許せません!」

清美「……仕事の打ち合わせ? 新しい衣装の? むしろ飲みのお誘いを断った、って……」

清美「あ、あの。そこまでしなくても……別に私は、仕事中にちゃんと見てもらえるだけで、その」

清美「……は、はい。私もプロデューサーとお話したかったです」

清美「う……嬉しい、です。プロデューサー……」



───。


超☆天使「言っておきますけど、アイドルとして手が掛かるってだけですからね!」

超☆悪魔「いいえ、ちゃんと女の子として扱ってくれているんです!」

超☆天使「そんなはずがありません! プロデューサーはもっと女の子らしい子が好きなんです!」

超☆悪魔「だったら、女の子らしいところを見せてアピールしていきましょう?」


───。


清美「と、ところで! プロデューサーは……どんな女の子が、えっと、好き……なんですか?」

清美「いえ特に意味はなくて! ただ気になったというか、興味があるというか!」

清美「あ、き、興味といっても別にプロデューサーの好みが知りたいとか、そういう意味じゃないですからね!」

清美「ほら、千奈美さんとかプロデュースしてますから!」

清美「ああいう人が好みなのかなって!」

清美「つまり……ええと」

清美「プロデューサーの好きな、アイドルのこと……教えて欲しいかな、と」


清美「第一印象は……堅物だったんですか?」

清美「女の子なのに、それは珍しいですね。よほど生真面目な女の子なんですね」

清美「メガネでおさげで地味な……ふふ。私が言うのも変ですが、アイドルには向いてなさそうです」

清美「肩肘張ってて……面倒くさそうな子だったんですね」

清美「こう言うと怒るかもしれませんけど、よくそんな子をプロデュースする気になれましたね……」

清美「でも、そんな子がアイドルになれたのは、他でもない、プロデューサーのおかげですね!」

清美「大丈夫です、きっとその子はプロデューサーに感謝してるはずですよ!」

清美「だって、こんなに素敵な世界を見せてもらえるんですから。超☆幸せ者、です。ふふっ」

清美「……あ、もうこんな時間に?」

清美「プロデューサーと雑談するのも結構楽しいものですね!」



───。


超☆悪魔「どう? ずっと二人きりでお話していたいでしょう?」

超☆天使「何言ってるの? 自ら風紀を乱すなんて許さないわ!」

    「何にしても強気でね! ガンガン押してリードする!」

超☆悪魔「え? でも相手はプロデューサー……」

    「関係ないわ! 手綱はこっちが握るべき!」

超☆天使「なるほど……」


超☆全員「あれっ千奈美さん!?」


───。


清美「そこかッ!」

千奈美「あらっ」

清美「ぬ、盗み聞きなんて風紀違反です!」

千奈美「いや~良い雰囲気だったから、つい」

清美「つい、じゃありません!」

千奈美「そ・れ・に~……」

清美「な……なんですかっ」

千奈美「風紀が乱れそうな雰囲気だったから、ちょっとお手伝いしようかと……」

清美「ど、ど、どこがですかー!?」

千奈美「超☆アイドルが、Pさんと超☆風紀違反……皆に伝えちゃおうかしら」

清美「ち、千奈美さんっ! もう、プロデューサー! 笑ってないで千奈美さん捕まえるの手伝ってください!」

千奈美「うふふ。できるのかしらね?」

清美「風紀を乱す人は、この冴島清美が許しません!」


清美「超☆アイドルと、超☆プロデューサーですから! そうですよね、プロデューサー!」

おしまい
超☆SR可愛い

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom