ライナー「俺は人として生きていきたい」(89)

某WJマンガのネタ

ベルトルト「それはつまり…」

ライナー「ああ」

ベルトルト「いつかこうなることは予測していたよ」

ライナー「なら何故忠告してくれなかった」

ライナー「クリスタの作った菓子が傷んでいたことを!」
ベルトルト「何度も言ったさ人間と仲良くしすぎるなと!」

ライナー「ん?」
ベルトルト「は?」

ベルトルト「君は兵士と戦士の狭間で揺れて居るんじゃないのかい?」

ライナー「なんだそれ?俺は今猛烈な腹痛と便意に悩まされているんだが」

ベルトルト「便所行って来いよ糞野郎」

ライナー「上手いが、冗談を言っている場合じゃない」

ベルトルト「」イラッ

ライナー「男子は個室を使うとウンコマンと渾名がつくだろ。ただでさえゴリラ顔で悩んでるのに、ウンコマンなんてつけたら間違いなく『ゴリラがウンコ投げてくるぞー』ってからかわれる。嫌だ!そんなの俺には耐えられない!」

ベルトルト「分かったライナー君が悩んでいる事はとても重要なことだねそこで親友の僕が助言をするよいいかい兵舎裏のトイレは人通りが少ないから誰に見られることもないだろうほら気兼ねなく排便しておいで」

ライナー「表情がないのが気になるが助かった!行ってくる!」

ライナー(こんな人通りの無いトイレでも個室が4つもあるのか。念のため見えにくい一番奥に入るか)

ライナー(ふう、これで俺はウンコマンとしてではなく兵士ライナー・ブラウンとして生きていける)

ライナー(クリスタの愛情を感じて居たかったとはいえ、貰ってから一月も保存していたのは失敗した。カラフルな斑点が見えていたけど気にしなかったのも敗因の一つか)

ライナー(さて尻を)

ライナー「なん……だと…」

ライナー「紙が無い」

ベルトルト(あのゴリラ、何を言い出したかと思えばトイレに行きたいなんて。兵士として生きていきたいとかじゃなくてよかったけど)

キュルルルー

ベルトルト(ん、僕もトイレ行きたくなってきた。丁度ライナーも行っているし、僕も行ってくるか)

スタスタスタ

ライナー(む、誰か入って来た。まさかウンコの気配を感じた誰かが俺をからかいに!?)

ベルトルト(あれ、静かだな。奥の個室閉まってるけどライナーじゃないのかな?まあいいや、連れションって年でも無いし)ガチャコ

ライナー(入って来た奴もウンコか?仲間だ!よし、紙を恵んでもらうように言ってみよう)

ライナー「あのー」

ベルトルト「ライナー?やっぱり居たのか」

ライナー「おお!ベルトルトか!良かった!すまんが今ピンチなんだ。助けてくれ」

ベルトルト「またかい?今度は何なんだよ」

ライナー「紙が無いんだ。尻を拭く紙が。このままじゃあ俺はここで一生過ごさなくてはいけなくなる」

ベルトルト「大げさな。分かったよ。僕が終わったら持って行くから」

ライナー「ああ頼む」

ベルトルト(紙紙、っと……)

ベルトルト「嘘…だろ?」

ライナー「どうした?」

ベルトルト「はは、すまないライナー」

ライナー「何が起こった!ベルトルト!まさかお前まで…なんてことは」

ベルトルト「迂闊だったよ」

ライナー「この世には神も仏も居ないようだ」

ベルトルト「紙だけにね」

ライナー(!!)

【少し遡る】

ミカサ「エレン。料理の味見をして欲しい」ドロー

エレン「それ食えんのか…?」

アルミン「それは…何て料理でしょうか」

ミカサ「東洋の料理で味噌汁という」

ジャン「おー、ミカサ旨そうなもの持ってるなー。一口でいいから食べてみてぇなぁ」チラチラ

アルミン(ジャン…)

エレン「お前これ食いたいのか?」ジトー

ミカサ「申し訳ないがこれは全てエレンとアルミンの為のもの。あなたの分は無い」

アルミン(僕の分もあるのか!)

アルミン「ミカサ、そんなこと言わずにさ、ジャンにも分けてあげなよ。な?エレン?」

エレン「ん?ああ、食いたいなら食っていいぞ」

アルミン「ね!エレンもこう言ってることだし、ね?」

ミカサ「分かった。二人がそう言うのならジャンにも食べて貰おう」

ジャン「お前ら…感謝するぜ」ズズーズルズルズー

ギュルルルル

アルミン(今ジャンのお腹から変な音が)

ジャン「ミカサ、凄ぇ旨かった。これはエレンにも食って貰いたいな」マッサオ

ミカサ「そのつもり」

ジャン「俺は用事を思い出したから、じゃあな」ダッシュ

アルミン(逃げた)

ミカサ「エレン、ジャンもああ言っていたので、早速食べて欲しい」

エレン「あいつ何か青かったぞ?不味かアルミン「エレン!そんなにがっつくなよ!」ミカサカラウバッテゼンブナガシコム

ミカサ「エレン…そんなに」ポッ

ギュルルルルル

アルミン(エレンも来たか)

エレン「も……漏れ…」ダッシュ

ミカサ「走り出すほど美味しかったなんて」ウルウル

アルミン「喜んでくれて良かったね」

ミカサ「それはとても嬉しい。しかしアルミンの分がなくなってしまった」

アルミン「気にしないで」

ミカサ「また作るので落ち込まないで欲しい」

アルミン「」

【トイレ】

エレン「ってことがあって駆け込んできた」

ジャン「まさか紙が無いなんて」

ライナー「紙を持ってきて貰おうと頼む前に」

ベルトルト「用を足されてしまった」

エレン「お前らの制止の声なんて全く聞こえなかった」

ジャン「それくらい強烈な便意だったんだ」

エレン「気付けなくてすまん」

ライナー「謝るな」

ベルトルト「確認を怠った僕らの自業自得だよ」

エレン「そうか」

ジャン「ところで」

四人「どうやってここから脱出するんだ」

間があいてしまってすみません
支援保守感謝します
最後まで一気に投下します

ジャン「うろたえててもしょうがねぇ。まず現状の把握から始めよう」

ライナー「ああ。流石、アルミンとマルコに次いで冷静な判断が出来ると名高いジャンだ」

ジャン「……馬鹿にしてるのか?」

ライナー「褒めてるさ」

ジャン「ホントかよ」

ライナー「ああ」

エレン「立体起動も上手いしな。そこは素直に凄いと思うぜ」

ジャン「まじかよ気持ち悪ぃな」

エレン「なんだと!せっかく褒めてやったのに!」

ジャン「頼んでねぇよ」

ライナー「こんな所(トイレ)でこんな状態(尻丸出し)で争ってる場合か!」

ジャン「言葉の裏が透けて見えたぜ」

ベルトルト「ねぇ、始めない?」ドンッ

ライナー「うお!ここまで振動が来た」

エレン「俺は直だ」

ベルトルト「ねぇ」

ライナー「すまん。始めよう。まず各々が持っている情報を開示しよう。俺からするぞ?」

ジャン「ああ」

ライナー「俺はここに一番初めに来た。そして一番奥の個室だ。知っていると思うが紙が無い」

ベルトルト「その次が僕だ。一番手前に居る」

エレン「俺とジャンは来たのはほぼ同時だ。俺が前から2番目でジャンがその隣だ」

ジャン「で、皆紙が無いと。どうする?どうやって紙を取ってくる?」

ライナー「通常だと掃除用具入れに紙の予備が置いてあるはずだが、女子トイレと共用の為にトイレ外に設置されている」

ジャン「ハッ、絶望的だな」

エレン「尻を拭くために尻にウンコつけたまま歩かないといけないなんて…万が一感づかれてみろ。ウンコマンの汚名を一生背負っていくことになる」

ベルトルト(お前もウンコマンとか子供じみたことを言うのか)

ジャン「ああ、ウンコマンだけは避けたい」

ベルトルト(もう一人居た。え?僕少数派?もしかして皆言ってるの?)

ジャン「なぁ?ベルトルト」

ベルトルト「ああ!もちろんだ!」

ベルトルト(糞、同意してしまった。ウンコマン以上の汚点だ。ウンコだけにな!ってやかましいわ)

ベルトルト(いやいや何言ってるんだ僕。落ち着け。いつもの冷静さを取り戻せ)フー

エレン「なぁ、いいこと思いついたんだけど聞いてくれるか?」

ライナー「何だ?」

エレン「紙が取りに行けないなら代用品を探すのはどうだ?」

ジャン「そんなもんどこにあるんだよ」

エレン「だから探すんじゃねぇか!」

ライナー「案を出したのは良い事だ」

エレン「だろ?」

ライナー「しかし、残念ながらそれは考えるだけ無駄だ」

エレン「なんだと」

ライナー「個室の中には何がある?」

エレン「便器に紙の入って無い紙入れ…」

ジャン「しか無ぇじゃねぇか畜生が!これでどうしろって言うんだよ!」

エレン「糞!良い案だと思ったのに!」

ジャン「この死に急ぎのウンコマンが!期待させやがって!」

エレン「あ?誰がウンコマンだ!」

ジャン「お前意外に誰が居る?」

エレン「何の案も出さねぇウンコマンには言われたくねぇし」ボソ

ジャン「てめぇ今聞こえたぞ!」

エレン「よく聞こえたなぁ?あ!お前馬だもんなぁ!馬にこそウンコがお似合いなんじゃねぇのか?」バンッ

ジャン「てめぇ!やりやがったな!」バンッ

ベルトルト「煩ぇ殺すぞ…」ドンッ!!

エレジャ「すまん」

エレン(今小っせぇ声で殺すって聞こえた)ガクブル

ライナー(またしても振動がここまで)

ベルトルト「ねぇ?どうしようか?ちゃんと考えよう?」

ライナー「エレンもジャンも緊急事態なんだから仲良くやってくれ。案を出し合おう。ジャン、何か無いか?」

ジャン「あー、無い事も無いが…」

ライナー「言ってみろ。何だって良い。今は少しでも知恵が欲しいんだ」

ジャン「服で…服で拭くってのはどうだ?」

エレン「おい!それをすると!」

ジャン「ああ、分かってる。服にウンコを付けたまま、少なくとも洗濯場まではそのままで居ないといけないことも、それがばれたら確実にウンコマンと呼ばれる事も」

エレン「そうか。お前にその覚悟があるなら俺は止めないよ」

ジャン「待て!俺がやるとは言っていない。これはあくまで一案だ。こんなことも考えられますよーっつう提示だ。誤解するな」

エレン「悪い」

ライナー「そうだな。これは一案として留めておこう。俺たちには、ウンコマンと呼ばれることを確実に回避する方法があるはずだ」

ジャン「ああ。そうしてくれ」

ベルトルト(なんでこんなに真剣にウンコマンを語っているんだ)

ライナー「ベルトルト。お前は何か無いか?」

ベルトルト「そうだね…」

ベルトルト(僕も考えていないわけじゃない。しかし僕の提案は確実に親友を傷付けることになる悪魔の方法だ)

ライナー「その感じだと何かあるな?しかも何らかの犠牲が生じるやつが」

ベルトルト「……」

ライナー「言っていいぞベルトルト。俺達には犠牲を払う覚悟がある」

エレン「ライナーの言う通りだ」

ジャン「犠牲がでかすぎるって言うんなら選考から外す」

ベルトルト「分かった。皆がそう言うなら提案をしよう」

ライナー「頼む」

ベルトルト「まず、犠牲になるのはライナーかジャンのどちらかだ」

ジャン「理由は?」

ベルトルト「この案は、二人にしか実行できないからだ」

ジャン「何を…すれば良い?」ゴクリ

ベルトルト「まず、裸になって貰う」

ライジャ「はぁ!?」

ベルトルト「質問は後で纏めて聞くから先に聞いてくれ。何故裸になるかと言うと、ライナーは野生のゴリラに、ジャンは野生の馬に見えるからだ。動物ならウンコが付いていても問題ないからそのまま紙を取りに行ける。あとはその紙を皆で分け合って尻を拭ってここから出ればいい。これなら(ライナーとジャン以外は)皆幸せだ」

エレン「なるほど!そんな案が」

ライナー「ちょっと待て!俺もジャンも動物に見えなかったらどうする?ただのウンコ付けた変態だぞ!」

ジャン「それに馬っつったら四つん這いだがな、俺は汚い便所に手を付くつもりは無ぇよ」

エレン「そんなの、ほんの小さな代償じゃねぇか」

ジャン「お前は…この便所の現状を正しく認識しているのか?」

エレン「していないと言いたいのか」

ジャン「めったに使われない離れの便所だ。勿論掃除も稀だ。床は何時零れたのか知れねぇ尿で汚染されている。そんなところに手を付いてみろ。ここから先は言わなくても分かるだろ」

エレン「すまん。俺の現状認識が甘かった」

ジャン「分かればいいさ」

ベルトルト(手洗えば良くない?)

ライナー「しかしジャン。これ以上の案が出せるのか?悪いが俺はもうお手上げだ」ガサゴゾ

ジャン「おい…その音はお前…服を脱いで…」

ライナー「俺はお前らの兄貴分だ。俺一人で行ってくる」

ジャン「ライナー!無茶は止せ!」

ベルトルト「ジャン、止めるな。ライナーの決意を無駄にしてはいけない」

ジャン「くっ」

ベルトルト「ライナー…。やるんだな!?今…!ここで!」

ライナー「ああ!!勝負は今!!ここで決める!!」バタンッ

ライナー「ウッホー!」ムキムキッ

通りかかった女訓練兵A「キャー!!男子トイレにビックフットが出たー!!」

通りかかった女訓練兵B「真性包茎のお粗末なモノぶら下げてるー!!」

ライナー「…」コシツニモドル

ジャン「…まぁ…」

エレン「…その…」

ベルトルト「紙持ってきた?」

ライナー「お前には!人の!心を!労わる!気持ちが!無いのか!」ゴウキュウ

ベルトルト「それより大切なことがあるからね」キリッ

ライナー「悪魔の末裔がぁ!!」

ベルトルト「それよりジャン」

ジャン「嫌だ」

ベルトルト「ジャン」

ジャン「無理だ」

ベルトルト「ジャン!君には何をすべきか分かるはずだ!」

ジャン「…畜生…俺の、現状認識能力を恨むぜ…」

ベルトルト「君の勇姿を僕達は忘れないよ」

エレン「お前は勇気がある。心底尊敬するよ」

ジャン「おいおい、お前本当にエレンかよ」

エレン「ジャン…」

ジャン「そんな事お前に言われたら行くしかねぇじゃねぇか」ガサゴソ

ジャン「俺の勇姿、ミカサにしっかり伝えてくれよな!」バタンッ

エレン「任せろ!」

ジャン「ヒヒーン!」バババッ

女見物人C「キャー!ってただの馬じゃない!」

女見物人D「ビックフットは何処行ったのよ」

A「えー、さっきは居たよー?」

B「うん。私も粗末なモノ持ってるの見たもん」

C「山に帰ったのかなぁ?」

D「見たかったのに残念。もう帰ろう」

A「そうだね」

チョーショック ウマトカミテモツマラナイシ

ジャン「…」ヨウグイレヲアケル

ジャン「…」カミヲトル

ジャン「…」トイレニモドル

ジャン「ほらよお前ら受け取りやがれ!」カミヲナゲイレル

ベルトルト「紙だ!よくやった!作戦成功だ!」フキフキ

エレン「やっぱりお前は凄い奴だったんだ!」フキフキ

ライナー「最初っからお前に任せて居れば良かったのにでしゃばってすまんな!」フキフキ

ジャン「俺の犠牲と勇姿を忘れんじゃねぇぞ!」フキフキ

エレン「当然だ!これはミカサにも伝える!」フキフキ

ライナー「そんな事知ったらお前に惚れるんじゃねぇか?」フキフキ

ジャン「止せよライナー」フキフキ

ライナー「ははは、照れるなって」フキフキ

四人「……」

ジャン「一つお前らに聞きてぇんだが」

エレン「俺もだ」

ベルトルト「多分皆同じだと思うよ」

ライナー「そうだな」

四人「……」

四人「ウンコが乾燥してて拭けない!」

第一章【紙が無い!神はいないのか!編】終了

第二章【水が必要だ!しかしここにあるのは…編】近日公開!※嘘予告

ひと月の放置すみませんでした。お付き合いありがとうございました。

予告書きましたが嘘予告なので、うん、これにて終了です。

反響がありましたら続きを書くかもしれません(チラチラッ)

賛辞ありがとうございます

続きを投下しますが、蛇足にならないと良いな

……シーン……

……シーン……

……ズッ

…グスッ

ズズッ

エレン「…ジャン…」

ジャン「…ウッ」

エレン「ジャン…」

ジャン「なんだよ!笑えよ!無駄な事したな!ってよぉ!」

エレン「笑うか。お前は格好良かったよ。姿は見えてないけど、あの瞬間誰より輝いていたのは間違いねぇよ」

ライナー「ああ。俺も成せなかった偉業をお前はいとも簡単に成し遂げたんだ。胸を張れ。それに最終的に紙は絶対必要な訳だし、断じて無駄では無い」

ジャン「お前ら…」スン

ベルトルト(なんだこの茶番)

ジャン「そうだな。スマン。気を取り直して、今、やるべきことをやるぞ」

ライナー「ああ!」ガタッ

エレン「俺達に今必要なのは絶望することじゃない!」ガタッ

ジャン「尻を拭くことだ!」ガタッ

ライナー「さぁ、早速作戦会議だ!」

エレジャ「おう!」

ベルトルト(終わったかな?)

ジャン「よし、じゃあ現状の把握を再度行うぞ。俺達がそれぞれ持っている物は、便器と紙と紙入れだ。異論は?」

ライナー「無い」

エレン「俺も」

ベルトルト「僕も」

ジャン「次に…俺たちには何が必要か、整理をするか」

エレン「水だ。これが無い事には乾燥したウンコを拭くことは不可能だ」

ライナー「そして、俺と、恐らくジャンもだろうが、着替えが必要だ」

エレン「ん?何で着替えが?」

ジャン「お前には分からねぇだろうよ」

ライナー「そう言うなジャン。仕方が無い」

エレン「な…なんだよ?分からねぇよ。なぁ?ベルトルト?」

反応&支援感謝です

続き書いていきます

ベルトルト「僕は理解したよ」

ベルトルト(ここに居るのは普段の皆じゃないことはもう理解した)

ベルトルト「二人が今どういう状況なのか」

ベルトルト(こんな極限状態(笑)で冷静な判断が出来なくなっているとすると簡単だ。着替えが必要な理由はあれしかない。本当、馬鹿らしい理由だけども)

エレン「なんだよ、俺だけ分からないなんて…これが三席と五席の差かよ。圧倒的過ぎて笑えてくる。はははっ、世界は……残酷だ」

ベルトルト(そんな大げさな事ではないんだけどな)

エレン「なぁ、教えてくれねぇか?対人格闘ではライナーに負けて、立体機動ではジャンに負けて、その上、ベルトルトには」

ベルトルト(エレンも悪くは無いけど座学は僕の方がずっと上だもんなぁ)

エレン「チンコのでかさで圧倒的な敗北をした惨めなこの俺に!」

ベルトルト「座学はどうした!なんでこの流れでチンコの話になるんだよ!対人格闘、立体機動ときたら座学だろ!なんでチンコ!丸出しだからか?僕が丸出しでぶらぶらさせてるのをあざ笑ってるのか?」ドンッドンッドンッ

エレン「あ…いや…」ビクビクビクッ

エレン(ヤバイ!ベルトルト=チンコがでかいイメージしかなかったけど、そういえばベルトルトって何事も上位に居たような気がする。糞、陰も印象も薄くて忘れてたぜ)

ベルトルト「言っておくけど君は僕に勝てる要素は何も無いんだからね!格闘も立体機動も座学も馬術も僕は君よりずっと上手いんだ!僕の方が背が高いし優しいし常識的だし筋肉質なのにスタイル良いし顔も格好良いしファンクラブだってある完全無欠のオールラウンダーなんだ!君なんかただの駆逐厨の死に急ぎ野郎の癖に(アニに好かれやがって)むかつくんだよ!」ドンドンドンドンドンドンドン

エレン「あ…悪かった。いや、申し訳ありませんでしたフーバーさん」グスッ

ライナー(振動で腹が刺激されて再び便意が襲ってきたが、今捻りだすのはタイミングが悪すぎる。それにウンコの音を聞かれたり臭いがするのは恥ずかしい)ウーン

ジャン(普段大人しい奴が切れると怖いって言うけど本当だったんだな。マルコにちょっかい出してたのを謝りに行こう)ハンセイ

ベルトルト(まずい。あんまりにもあんまりな物言いに思わず本音が漏れてしまった)

ベルトルト「なぁんてね。ははは、こんな状況だから冗談の一つでも言ってみようかと思ったんだけど、やっぱり普段から言わないから全然面白いことが言えなかったよ。この場は流して続きを考えよう。えーっと、どこまでいってたっけ?そうそう、二人に着替えが必要な理由だったね」

ベルトルト(我ながら苦しすぎる)

エレン「だよな!いやー焦ったよ。しっかし、お前の冗談つまんねぇな」

ベルトルト(がしかしエレンも馬鹿で助かった)フー

ジャン(冗談な訳ねぇだろ!それ以上煽るな!だからお前は死に急ぎ野郎なんだよ!って忠告はしてやらん。俺にまで飛び火してきたら敵わないからな)

ライナー(あ、ウンコ引っ込んだ。よかった)

エレン「で?なんで着替えが必要なんだよ?」

ベルトルト「ジャンが確認したようにここには便器と紙入れしかないんだ。そんな中で二人は全裸になり、脱いだ服は」

エレン「そうか!そういうことか!」

ベルトルト「ああ。この汚い便所の床に置くしか無い」

エレン「そんな服、俺なら二度と着れねぇ。ジャン、ライナー、俺が馬鹿だった。悪戯に二人を傷付けたことを許してくれ」

ライナー「謝らなくていい。こんな極限状態だから想像できなくても無理はない。アルミンだって足し算が出来なくなるレベルだ」

ベルトルト(そんなレベルでは断じて無い。断じてだ)

ライナー「それに、一番犠牲を払ったのは俺じゃなくジャンだ」

ジャン「よせよライナー」

ライナー「いや、今一度礼を言わせてくれ。お前の勇敢な行動で俺たちの人生が救われたんだ。ありがとう」

エレン「ああ。本当にありがとう」

ベルトルト(早く水が欲しいんだけどな)フキフキ

ベルトルト(ハッ!!)

ベルトルト(僕は…もしかして…)ゴクリ

エレン「おい、ベルトルト」

ベルトルト「な、なんだい」ビク

エレン「お前もジャンに感謝してるよな」

ベルトルト「ああ。勿論だ。ジャンの犠牲があったからこそ僕達の人生が守られたんだ」

ベルトルト(いやでも違ったらウンコマンの汚名を…って何空気に呑まれているんだ僕は。いくら意思が無いって言ってもそこはしっかりしとけよ!)ダンッ

エレン「うお、何だ!」

ベルトルト「あ、ごめん。手が当たってしまったよ」

ライナー「それで、どうやって水を手に入れたら良いか」

ベルトルト(以前アルミンに聞いたあの話に照らし合わせると、僕はここに居る理由は無い)

ジャン「~~ってのはどうだ?」

ライナー「いやそれは~~」

ベルトルト(でも…このおかしな空気の中で、妙な一体感が醸し出されてるのは事実。皆で出るぞ!なノリの中で一人だけ行ってしまうと後々角が立ちそうだ)ウーン

ライナー「ベルトルト、ずいぶん考えこんでいるが何か案は浮かんだか?」

ベルトルト「ああ、えっと手洗い場の水を持ってくるのはどうかな?」

ジャン「おいおい、それさっき俺が言った奴じゃねぇか。話聞いてなかったのか?」

ライナー「はは、ベルトルトは集中すると周りが見えなくなるからな」

ベルトルト(今ここでこうやって話してる時間が凄く無駄に思えてきたけど、脱け出すのは厳しいよなぁ)ハァ

エレン「おいおい、ため息吐くなよ。大丈夫だ、俺たち皆で協力して窮地を切り抜けようぜ!」

ベルトルト(余計な事を。一層離脱し辛くなったじゃないか)ドンッ

エレン「ああ!俺たちは一つだ!」ドンッ

ベルトルト(何コイツ)

ライナー「エレンは何かあるか?」

エレン「残念ながら俺には良い案は浮かばなかった」

ライナー「そうか」

エレン「でも、俺の出せる精一杯をお前らに受けて欲しい。この愚案を、お前らの力で名案に変えて欲しい」

ジャン「エレン…てめぇ…」ウル

ライナー「受け止めるのは兄貴の仕事だ。ドンと来い」ウル

ベルトルト(僕は何も言わないぞ)

エレン「俺の愚案は、唾液か尿を使うことだ」

ジャン「正気か!」

エレン「すまん。俺の精一杯がこれだ。お前らの力でも手に負えるか分からないけど、頼む、力を貸してくれ」

ライナー「なかなかに手ごわい案だな」

ジャン「無理だライナー!こんなのは手に負えねぇ!」

ライナー「強敵であればあるほど倒し甲斐があるってもんだ。それに、今の俺たちなら確実にやれる!」

ジャン「チッ、こんな時でも優等生の兄貴かよ。敵わねぇなぁ」

ライナー「協力、してくれるな?」

エレン「頼むジャン。お前が必要なんだ」

ジャン「ここで断るような屑じゃねぇよ。何が出来るか分からねぇけど、俺の全てを注ぎ込んでやる!」

ベルトルト(なんだこの茶番……あれ?デジャブ?)

エレン「じゃあ続けよう。唾液は製造が簡単だし尿は大量に取れる」

ジャン「だが問題が多いぞ?いや、寧ろ問題しか無いと言ってもいいくらいか。まずな、俺たちは下痢で、その下痢便が乾く程長い時間ここに居て喉がカラカラだ。口も渇いてるし簡単には唾液を搾り出せない」

ベルトルト(悪いけど僕は下痢じゃないんだ)

ジャン「次に、昼飯のニンニクのせいで今の俺たちの口は強烈に臭い。そんな臭い液を尻につけてみろ。ウンコマンを回避しても純粋に尻が臭い奴のレッテルを貼られるんじゃあ本末転倒だ」

ベルトルト(更に言うけど僕は女子同様にニンニクは回避した。ニンニク臭いなんてありえない)

ジャン「そしてこれが最大の問題だが、唾液を尻に付けるってことはつまり、自分で自分の尻を嘗め回すのと同義だ、ってことだ。お前にその覚悟があるのかエレン?」

ベルトルト(なんでそうなる)

エレン「無けりゃこんな提案はしない。俺が先陣を切る!って思ってたのにな。ニンニクの件をすっかり忘れてた。こんな重大なデメリットがあるなら唾液案は使えないな」

ジャン「こんな強烈な臭いを忘れれるなんてお目出たいな」

ライナー「ジャン、マルコでも平仮名が書けなくレベルだと言ったろう?」

ベルトルト(アルミンじゃなかったのか)

ジャン「だとしてもだ」

エレン「非難されるのは仕方ない。俺に力が無いんだからな。唾液案が駄目なら尿案はどうだ?尿案が駄目でも俺は提案を止めない。俺は考える事を放棄しない。お前らとここを出るために」

ジャン「今日のお前はなんか嫌いじゃねぇわ」

ライナー「今のお前とならベルトルトなんかより凄い友情を育めそうだ」

ベルトルト(ユミルにライナーのオカズ(クリスタパンツ)を献上しよう。親友でなくなった僕なんかにライナーを庇う義務は無いもんね)イラ

今日はとりあえずここまでで
後日、最後まであげていきます

前から大分空いてしまって申し訳ない

期待支援本当にありがとうございます

今日で完結です

ジャン「お前の新しい案に期待して尿案をぶった斬るぞ」

エレン「頼む。駄目ならバッサリ捨ててくれ」

ジャン「尿案が駄目な一番の理由は臭いだ。唾液案同様、尻から小便の臭いがしてみろ。たちまち小便小僧だの寝小便垂れだのの渾名が付いちまう」

エレン「だよな」

ライナー「そうとも限らんぞ?」

ジャン「何故だ」

ライナー「男は皆小便臭いものだろ?」

ジャン「そうか!」

ライナー「男は小便した後チンコを拭かずに振って尿を切っている。その時に飛び散った尿は大体ズボンに付いてるもんだ。多少の小便臭さは何ら問題無いと思わないか?」

エレン「ってことは…俺の案は…」

ライナー「採用だ。今から一番初めに尿意を催した者が脱出して水と俺たちの着替えを持ってくる。これで決まりだ」

エレン「その大役は俺に任せてくれないか?とんだ愚案をここまで昇華してくれた皆に恩返しがしたい。俺にも出来る所を見てて欲しいんだ」

ライナー「とは言ってもそんな簡単に尿意が沸くか?」

エレン「問題ない。今膀胱を押してたらちょっと出かけたんだ。多分もう一押しだと思うから待っていてくれ」

ライナー「そうか。じゃあこの大役はお前に任せる!」

ジャン「お前の働きに期待してるぜエレン」

エレン「任せろ!」

ベルトルト(ああ、やっと脱出の兆しが見えてきた。僕にとってはここに篭っていた時間は全くの無駄だったもんな)

ムニムニプニプニグツグッ

…チョロロロロ

ライジャ「来たか!!」

エレン「来た!紙に吸わせたぞ!今尻に当てた!」ピト

ライジャ「おお!」

エレン「…よし、ウンコがふやけた!これで拭きまくりだ!」ゴシゴシゴシ

エレン「うはははは、見る見るウンコが取れていく。俺はこの感動を忘れないためにこの紙をお守りにするぞ」

ベルトルト(例え巨人化して理性を無くしたとしてもエレンだけは絶対に食べない)

ライナー「あとで俺にもその紙分けてくれよ?」

ベルトルト(ライナーにエレンを殺させてその後ライナーを囮にして逃げよう。故郷に帰るのにライナーはいらない。アニにはライナーがおかしくなってしまったとだけ伝えておこう。このライナーの姿を見せるのは酷だ)ウンウン

ベルトルト(あれ?そうと決まればもうここに残るのは本当に無意味じゃないか。後々角が立とうが何しようが結局人類は滅ぼすんだ。なんだ、無駄な時間を過ごしたよ。さっさと帰ろう)ガサゴソ

ガチャ、バタン

エレン「ベルトルト?もしかしてお前外に出てないか?」

ベルトルト「ああ。もうここに居る理由は無くなったからね」

ライナー「ベルトルト、イカレちまったのか?ウンコがまだ付いたままだろう」

ベルトルト「付いてないよ」

ジャン「嘘付けよ。そんなはずはねぇ!」

ベルトルト「だって僕は」

~回想~

アルミン「ベルトルト、今日は排泄物についての新しい知識を持ってきたよ」

ベルトルト「排泄物?」

アルミン「ああ。巨人と人間の違いの一つである排泄行動を深く知ることで、巨人の謎の解明に役立てたいんだ。そこで得た知識を纏めたから見て欲しいんだ。その上で君の考察を聞きたい」

~いろんなウンコ~
*ゴーストうんこ  出たと思って下を見ると、便器には落ちてない。でも紙にはちゃんと付くうんこ。
*クリーンうんこ  出たと思って下を見ると、確かに出ている。でも紙はよごれないうんこ。
*ウェットうんこ  50回ふいても、まだ付いている気がするうんこ。万一のことを考えて、パンツにトイレットペーパーをあてがってトイレを出ることも。
*セカンドうんこ  終わってパンツを上げかけたところで、再びもよおすうんこ。試してみると、確かにまだ出る。
*ヘビーうんこ   食べ過ぎ飲み過ぎの翌日のうんこ。重くて流れにくい。
*ロケットうんこ  すごい速度で出てくるので、パンツをすばやくおろさなくてはならない、そんなうんこ。
*パワーうんこ   勢いがあるので、水がピチョンとはねかえってくるうんこ。広範囲を拭かなくてはならない。
*リキッドうんこ  液状で、一般に痛みと音がすさまじいうんこ。3日たっても肛門が痛いことがある。
*ショッキングうんこ  においが強烈なため、便後1時間は誰もそのトイレに入れない、そんなうんこ。
*アフターハネムーンうんこ  すぐそばに他の人がいても、平気で音とともに出せるようになる、そんなうんこ。
*ボイスうんこ  あまりにも固くて切れないので、出すのにかけ声が必要なうんこ。
*ブレイクうんこ  量が多すぎるため、休憩をとっていったん水を流さないとあふれてしまううんこ。
*バック・トゥ・ネイチャーうんこ  森の中や田舎のあぜ道、時にはビルの地下などにナチュラルにしてあるうんこ。
*インポッシブルうんこ  絶対にトイレに行けない状況のときにもよおすうんこ。すべてをあきらめるか、バック・トゥ・ネイチャーうんこしかない。
*エアーうんこ  出そうな気はするのに、何回やっても屁しか出てこない仮そめのうんこ。
*ノーエアーうんこ  屁だと思って軽く力を入れたら、出てきてしまったうんこ。多くの場合、取り返しのつかないことになる。

アルミン「どうだい?」

ベルトルト「こんなに種類があるなんて勉強になったよ」

~回想終了~

ベルトルト(まさかあの知識を使う日が来るなんて夢にも思わなかったけど)

ベルトルト「だって僕は」

ベルトルト「クリーンウンコだったんだから」

これにて本当に御仕舞です
4月からだらだらと2ヶ月御付き合いありがとうございました

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