洋榎「どうぞ」ﾁｬﾘｰﾝ


セーラ「……え？」

セーラ「お前がボケへんなんて珍しいなぁ」

セーラ「つまらんでー」


洋榎「……」

洋榎「ほな、忙しいんで帰るわ」

セーラ「？……お、おう…」


セーラ「(なんかおかしいな)」

セーラ「怜！こんなとこで奇遇やなぁ」

怜「セーラかぁ……今から病院やねん」

セーラ「大丈夫かぁ！怜ぃどこか悪くしたんか？」


怜「……いつもの検診やで」

セーラ「そ、そうか」

怜「ほなな」ｽﾀｽﾀ

セーラ「お、お大事にな」

セーラ「(あれ？)」

セーラ「お、竜華と泉やないか」

竜華「おお！奇遇やなぁ」

セーラ「さっき怜にも会ったんやで！偶然も続くなぁ」

セーラ「2人で何しとるん？」

竜華「それはなぁ……」

泉「清水谷先輩」ﾎﾞｿﾎﾞｿ


竜華「あ……そやったな」

竜華「部活の備品の買い出しやねん。泉は手伝いや」

セーラ「そうかそうか！なんなら俺も手伝うで」


泉「結構です」

泉「先輩がいるとかえって疲れるんで」

竜華「ちょっと泉！」


セーラ「……そうか」

セーラ「せやったら俺は帰るわ！買い出し頑張ってな！」



竜華「……」

竜華「……ごめんな」

セーラ家

ﾌﾟﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙ


セーラ「もしもし！船Qかー？」

浩子「江口先輩、どうしたんです？」

セーラ「こん前言ってた30円、洋榎から返してもらったでー！」

浩子「あぁ、良かったやないですか」

セーラ「……」

セーラ「それでな洋榎なんか元気なさそうやってん。何かあったんか？」

浩子「さぁ、知りません」


セーラ「……」

浩子「話はそれだけですか？」

セーラ「お、おう」


浩子「ほな忙しいんで切ります」

浩子「お疲れ様です」ガチャ

セーラ「(なんでやろ……)」


セーラ「(最近みんなが冷たいなぁ)」


セーラ「(なんかしてしまったかなぁ)」


セーラ「(泉、いつもあんな事思ってたんかなぁ)」


セーラ「(明日も一日部活かぁ……)」

セーラ「(行きたくないなぁ)」



セーラ「……」

セーラ「寝よ」

ｱｻｶﾞｸﾙﾃﾞｰ


セーラ「アカン！寝坊してもうた」

セーラ「間に合わへんなぁ」


セーラ「……」

セーラ「もういっそ休んでまうかー」


セーラ「いや、こんくらいでヘコたれてたらアカン！遅れてでも行くで！」

部室前


セーラ「(来たけど、どうしよ)」

セーラ「(うぅ、また冷たくされるんかな)」


セーラ「(……いや、怖がってても仕方ない)」


セーラ「（きっとみんな忙しかったり腹の虫が座ってなかっただけや）」

セーラ「(俺はみんなを信じとるで)」


ｶﾞﾁｬｯ

全員「誕生日おめでとう（ございます）！！」ﾊﾟｧｰﾝ



全員（ハッピバースデートゥーユー♪）合唱



セーラ「……」


竜華「セーラ、堪忍な。みんなでサプライズしかけようってことになっててん」


洋榎「なんや？嬉しくて喋れへんくなったんか？」


セーラ「う……うぅ……」

セーラ「うわぁああああああああああああああああん」


怜「セ、セーラ？」

セーラ「良かったわぁ……、てっきり俺みんなに嫌われてしまったのかと思ったわ……」


泉「江口先輩、ホンマすいません。昨日は言い過ぎてしまって」

セーラ「ええんやって。俺に知られたくなくて必死やったんやろ？」

セーラ「嬉しいで」

浩子「ウチらはケーキとか作ってて手が離せなかったんです。
みんなも今日の準備のために忙しかったみたいで……、許してあげてください」

セーラ「ええでー、こんな立派な飾りつけまでしてある誕生日パーティとか初めてや」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


セーラ「このケーキ、本当に旨いなぁ。ありがとうな船Q」

浩子「そのケーキ、実は洋榎も一緒に作ったんですよ」


セーラ「……」

セーラ「まぁまぁやな」

洋榎「なんでやねんっ！」ﾍﾞｼｯ

セーラ「特に洋榎には驚いたな」

セーラ「マジで関西人の魂なくしてしもたのかと思ったわ」


洋榎「甘いなぁ、返した10円玉よう見てみぃ」

セーラ「ん？」


セーラ「……これ、全部ギザ１０やん！！！」

洋榎「どうや」ﾄﾞﾔｧ


洋榎「それ、誕生日プレゼントやで」

セーラ「なんでやねん！！」ﾁｬﾘｰﾝ



カン！

お疲れ様でした

セーラの誕生日だから調子に乗って書いてみました
こういう誕生日前に冷たくされてのサプライズシチュ好き

セーラたんイェーイ