まゆ「Pさんがたおせない」 (78)

モバマスssです

前回の反省を生かして展開を早く短文を意識していきたいと思います。

また途中でクロスらしきものが入ります。苦手な人はご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368453386


・とあるデパートの地下駐車場


まゆ「うふふ。Pさんがイケないんですよぉ。まゆを放っておいて他の女とお話ししたりするから………」

まゆ「………だから、そんな悪いPさんにはお仕置きしちゃいますねぇ」スチャッ

P(小振りなバタフライナイフか。まゆには似合ってるが、刃渡り十センチくらいの立派な違法品だな)

まゆ「………どうして何も言ってくれないんですかぁ」

P「その理由はまゆ自身が一番よく分かってるんじゃないか?」

まゆ「ッ!!」


まゆ「Pさん!」ダッ




P「まゆ………」










P「いつも言っているだろう、そんなものじゃ俺は殺せない」ボキン


まゆ(あぁ、ブレードが………)




P「はぁ。これでまゆが俺を襲ってきたのは今月何回目だ?」

まゆ「………知らないですよぉ」

P「質問を変えよう。俺がまゆ以外のアイドルと(まゆ視点から見て)過剰なスキンシップをとったのは何回目だ?」

まゆ「十二回目です」キリッ

P「………今月に入ってまだ四日しか経ってないぞ。まぁ、最近は俺でもどうかと思うぐらい接触過多な奴とかいるしなぁ。まゆが怒るのも無理はないか」

P(俺から接触してるのがほとんどだけど)

まゆ「そうですよ。Pさんとまゆは恋人なのに浮気しようするからぁ」

P「………相変わらずまゆは一途だな」




P「うん、いいことだぞ。誰かをそれだけ強く思えるのはまゆの強みだ」

まゆ「なら、」

P「相手を間違わなければ、な」ポンポン

まゆ「Pさん、頭を撫でたくらいでまゆの機嫌が治ると思ったら大間違いです」

P「俺が撫でたいから撫でてるんだ。我慢してくれ」

まゆ「………それなら仕方ないですねぇ」




P「それから、いつも言っている通り」

まゆ「………………」ポワポワ

P「まゆ?」

まゆ「なんですかぁ?」

P「テレビとかで流せないレベルを通り越してアイドルがしちゃダメな表情になってるぞ」

まゆ「Pさん以外には絶対に見せないので大丈夫ですよぉ」ニヘラー

P「まぁ、聞こえてるならいいか」


P「あのな、まゆが襲撃をかけてくるたびに注意してるけど、俺に普通の刃物は効かないからな。陰陽博士辺りが呪術的処理を施したものなら掠り傷くらいはつけられるけどな」

まゆ(………これが冗談ならいいんですけどねぇ。)




まゆ(さっきバタフライナイフで切りつけた頬には傷一つついてませんし、逆にナイフが折られてしまいました)

まゆ(その後に事故に見せかけてキスしようとしたのも避けられましたし)

P「あ、あと名工が玉鋼から鍛えた刀なら………………うん。作られて四百年以上経っていればいけるぞ。おそらく妖刀に変化してるからな」

まゆ「どうやって手に入れるんですかぁ、そんなの」

P「んー、まゆには陰陽師の知り合いとかいないのか?」

まゆ「お知り合いになったことはないですねぇ」

P「なら、諦めるんだな。ナイフなんて持っていても職質されたときに困るだけだぞ」

まゆ「はぁーい。Pさんの言う通りにします」

まゆ(本当にPさんは何者なんでしょうか? 本当に………………)


P『アイドルとプロデューサーは一蓮托生! ずっと一緒だ』



次の日


蘭子「煩わしい太陽ね! かようなもの打ち滅ぼしてしまえ、下僕よ!(おはようございます! 今日も一日がんばりましょうね、プロデューサー!)」

P「おっすおっす。今日も朝から絶好調だな」

蘭子「世界の理よ。我が下僕も変わらず漆黒より暗き波動を纏っておるぞ。(当たり前です。プロデューサーもお元気そうでなによりです)」

P「ははは。そうか」


P「ときに、」


P「我が主は魔を寄せつけず釈然と天に輝く太陽が嫌いと見える」

蘭子「む? 如何した? 我が下僕よ。(え? どうしたんですか? プロデューサー)」




P「なあに、たまには主のために我が隠された力を解き放つのも一興よ」

蘭子「ほぅ………。おもしろい。(へぇ………。何かしてくれるんですか?)」

P「あぁ。漆黒より黒き魔術を以ってあの煩わしい天体を消し去ってくれる」

蘭子「なっ!? なにを申しておる!?(な、何を言ってるんですか!?)」

P「案ずることはない。我が黒魔術にかかれば一瞬にして太陽を消し去りこの世に常夜を築くことなぞ、赤子の手を捻り切るよりも簡単だ」

蘭子「しょ、正気か!? そのような強欲なる守銭奴の所業は許されぬぞ!!(ほ、本気ですか!? そんなちひろさんみたいなことしちゃダメですよ)」

P(無意識なんだろうけど蘭子も結構キツイ事言うよなぁ)

P「これは異なことを言う。我が主は悪鬼や羅刹ですら恐れおののく全ての悪の根源たる悪魔統一王、千川 ちひろを手本とするのを非難するおつもりか?」

P「……………もしやとは思うが、まさかあの忌々しき天体をかばうのではあるまいな」




P「我にも主を選ぶ権利がある」キイィィィィィン

蘭子(プロデューサーの手の平から黒いモヤモヤが!?)

P「さぁ、選べ。我が主よ」

P「ここであの天体を消し去る号令を発するか、それとも我を主のもとから永久に追放する命令を下すか」

蘭子「げ、下僕よ………。戯言を申すな………。(プ、プロデューサー………。冗談ですよね?)」

P「…………………………」キイィィィィィィィィィィィィィィィン

蘭子「ぷ、ぷろでゅーさー………」

蘭子(いつもの悪ふざけだよね。でも、もし本気だったら早く止めないと太陽が消されちゃう。でも、ここで止めたらプロデューサーがいなくなっちゃう………)

蘭子「あう」

P「…………………………」キイィィィィィィィィィィィィィィィン

蘭子「………だ、だめ」ボソッ




P「ん?」

蘭子「ダメですーっ!! 太陽がなくなっちゃうとお洗濯とかできなくなっちゃいます! お花だって育たないし!」

P「じゃあ、俺はいなくなってもいいのか?」シュン

蘭子「えっと、その、」テッテッテッテッ

蘭子「えいっ」ダキツキ

P「おっ」

蘭子「プロデューサーがどっかにいっちゃうのは嫌だから」

P「ん?」

蘭子「こうやって捕まえておけばプロデューサーはいなくなったりしないですよね?」

P「おー。蘭子は賢いなぁ」




蘭子「えへへ」

P「ふっふっふっ。流石は我が主だ。敵の為す業を許容する器を持っておられるばかりではなく、眷属を御す手管にも長けておられる」ギュッ

蘭子「造作もなき事!(当たり前です!)」ギュッ

P「ふっふっふっふっふっふ」

蘭子「くっくっくっくっくっくっく」


P・蘭子「わーはっはっはっはっはっはっはっは!!」


凛「おはよう」ガチャッ

P・蘭子「あっ」

凛「………こんな朝早くから事務所でなにやってるの?」

P「り、凛! 今日も相変わらず綺麗だな!」

凛「とりあえず、抱き合うのやめたら?」

蘭子「い、凍てつく先駆者よ………(り、凛先輩………)」

凛「抱き合うの、やめたら?」

P・蘭子「あっ、はい」




凛「ふーん。つまりいつもの悪ふざけだったわけね」

P「はい。ですからあの、お怒りを鎮めていただけると嬉しいかな、と………」

凛「プロデューサー、私はまだ正座をやめる許可は出してないけど」

P「すいません」

P(くそっ。なんで蘭子は椅子に座って俺は正座なんだ………)

凛「そんなの蘭子の服装じゃ厳しいからに決まってるでしょ。プロデューサーはあの絹みたいに綺麗な肌に傷をつけるつもりなの?」

蘭子「え?」

P「俺、声出してた?」

蘭子「きょ、虚無が支配していたはず………(わ、私にはなにも聞こえませんでしたけど………)」

凛「プロデューサーが考えそうなことぐらい表情を見てれば判るよ」

P「ないそれ怖い」




凛「それに私は別に蘭子と抱き合ってたことに怒ってるんじゃない」

P・蘭子「え?」

凛「私の記憶が確かならプロデューサーは朝から美嘉の送り迎えだったはずだけど」

P「あぁ。それなら心配ないぞ。書類整理が忙しかったから美嘉の方には分身を送ってある」

凛「は?」

蘭子(ぶ、分身?)

凛「プロデューサー………」








凛「分身はできるだけ使わないでって言ったよね?」

P「あっ」

凛「前にプロデューサーが楓さんの温泉ロケについて行きたいとか駄々をこねて分身使ったとき、どうなったか覚えてる?」

P「あはは。凛、目が怖いぞ?」

凛「野次馬がとってブログにアップしたプロデューサーの写真と、ありすちゃんの付き添いでテレビ局のスタジオにいたプロデューサー、事務所で次のライブフェスの打ち合わせをしてたプロデューサー」

凛「雑誌記者の人に気づかれて特集記事を書かれそうになってたよね」

凛「まだ懲りてないの?」

蘭子「い、凍てつく波動が………!!(凛先輩、本気で怒ってます!!)」




P「マッジスイマセンでしたぁ!! 自分チョーシくれてたんです!! でも、百五十人をプロデュースとか正直分身の一、二体使わないと厳しくて」ドゲザー

凛「………はぁ。まぁ、仕方ないかな」

凛「今日は蘭子と私が同じスタジオで撮影でしょ? 都内だし二人で行くからプロデューサーの付き添いはいらないから」

P「お? そうか。じゃあ、ちょっくら杏の家で………」

凛「書類整理。頑張ってね?」

P「………はい。了解しました」

凛「そろそろ出発しないとヤバいかな。蘭子もすぐに準備して」

蘭子「は、はいっ」




凛「いってきます」
蘭子「新天地へいざ行かん!(お仕事にいってきます!)」ガチャッ

P「おー、頑張ってきてくれー」



凛「少し遅くなっちゃったし急ごっか」

蘭子「うむ。(はい)」

まゆ「凛ちゃんと蘭子ちゃんじゃないですか。おはようございます」

凛「おはよう。まゆ」

蘭子「煩わしい太陽ね!(おはようございます!)」

凛「あ、聞いてよ。プロデューサーがまた分身使ったんだ。まゆからも一言注意しておいてくれない?」

まゆ「………」ドキッ

まゆ(あ、あれ? なんでしょう。胸が………)

まゆ「………うふふ。そうですねぇ。まゆからもお仕置きが必要でしょうか」

凛「? 私から言っといてなんだけど、程々にね」

まゆ「分かってますよぉ」

凛「じゃあ、私たちは撮影があるしもう行くね」

まゆ「はぁい。いってらっしゃい」

凛「いってきます」

蘭子「いざ行かん!(行ってきます)」タッタッタッタッタッタッタッタッタッタ




まゆ「…………」クルリ




十時ごろ


裕子「うーーーーん。浮け! 浮けぇ!」

P「あーダメダメ。そんなんじゃ簡単な念動力も身につかないぞ」

裕子「うぅー。こんなに努力してるのにまだダメなんですか………。トホホ………」

P「身もふたもないことを言うようだけど、裕子。お前才能ないわ」

裕子「えぇっ! プロデューサーがサイキッカーにしてくれるって言うからこの事務所に入ったのに!」

P「だって俺がこれだけ指導してコイン一枚浮かせられないとか………」

裕子「うっ。そ、それはプロデューサーの教え方が悪いんじゃないんですか?」

P「はぁ!? お前なぁ、大体超能力なんてのは新しい領域と自我の橋渡しを獲得することなんだから、既存のイメージに拘泥して………」

ピピピピピ ピピピピピ

P「おっ。すまん。電話だ」

裕子「お説教は嫌なので私はあっちで練習してますね」




P「はい、もしもし」

≺ウオー、ウケー

P「………なんだお前か。前に電話してきたときはまだ封印中じゃなかったっけ?」

≺ウケー。グヌヌ。ウニャー

P「今も封印中? ははっ、ざまぁ」

≺オネガイシマス。ウイテクダサイー

P「………謝るので、百個ぶち込みはやめてください。事務所壊れるから」

≺ン?

P「で、用件は? ………………はぁ? プロデュース業を教えてほしい?」

≺オォッ

P「別にいいけどよ。今度はいったいどんな暇つぶしをするつもりだ? ………………ステージクリア報酬と予行演習? 相変わらず意味わかんねぇな」




P「で、目的は分からんけど、俺はとりあえずプロデュース業のノウハウを伝授すればいいのか?」

≺ミ、ミテクダサイヨ! プロデューサー!

P「………アイドルの名前は、すきなさ? ………なんだそのひどい名前。芸名にしてもセンスなさすぎだろ」

≺プ、プロデューサー!

P「二重人格系俺様アイドル? 特技は洗脳? なにそれふざけてんの? うちの事務所も大概だけどそこまでのキワモノはいねぇよ」

‹プロデューサー! ハ、ハヤクシナイトオチチャイマス!

P「というか、他のお前に頼めよ。プロデューサーくらいいんだろ」

‹ハ、ハヤクシナイト。ハ、ハヤクゥ。

P「その手があったか、じゃねぇよ。最初に気づけバカ。………あぁ、俺も久しぶりに喋れてよかったよ」

‹アッ、アッ。コインガ・・・・・・・

P「あぁ。お前の相方にもよろしく言っといてくれ。じゃあな」




裕子「うぅ。コインが………」

P「すまん、裕子。今電話終わった」

裕子「プ、プロデューサー! 聞いてください! やっと、やっと⒈枚だけだけどコインが浮いたんですよ!」

P「へぇ………。良かったじゃないか。やって見せてくれよ」

裕子「ふっふっふっ。括目せよ! これが私の超能力だ!」


シーン………



裕子「………………あ、あれ?」

裕子「も、もう一度………。えいっ!」


シーーーーーーーーーン………………


P「………………裕子」

裕子「ち、違うんです。さっきは確かに浮いて………」

P「そんな嘘つかなくても、俺は裕子を見捨てたりしないから」

裕子「………」

P「地道に行こう。裕子」

裕子「プロデューサーのバカアァァァァァァァァァァァァ!!!」タッタッタッタッタッタッタッタッ

P「あ………」

P「まぁ、あいつは今日オフだし。放っとこう」

P「さーて書類整理の続きだ」




昼休み


有香「押忍! プロデューサー、今日も稽古をつけてくれてありがとうございました」

P「道場稽古でも常に次の攻撃に繋ぐことを意識しろよ。じゃ、明後日のグラビア撮影で」

有香「はいっ。失礼します!!」ガチャッ、バタン

凛「ただいま。今日も有香来てたんだね」

P「おかえり。蘭子は午後から補修行くから直帰するらしいな。有香とは飯食いながら稽古してただけだぞ」

凛「有香の攻撃を箸で受け止める、あれ?」

P「言っておくが、橋は反対側を使って受け止めてるからな。有香の汗なら舐めても平気だけど有香の奴が嫌がるし」

凛「あれは………恥ずかしがってるんだけど」ボソッ

P「ん?」

凛「なんでもない。あと汗を舐めるとか気持ち悪いから冗談でも言わない方がいいよ。下手したらセクハラだから」

P「オッケー」

凛「あと、念動力でパソコンを操作するのもやめて。急にお客さんが来たらどうするの」

P「へいへーい」

凛「プロデューサー?」

P「はい今すぐやめます。はい」




おやつの時間帯


P「長者饅頭うまい」モグモグ

凛「そういえば、大丈夫だった?」

P「なにがだ?」

凛「なにって………。まゆからお仕置きされなかったの?」

P「あぁ。昨日のやつか。別にいつも通りだったから平気だぞ」

凛「いや、昨日じゃなくて今日のことなんだけど………」

P「んー、今日は折檻どころか会ってすらないぞ。そもそもまゆはオフじゃなかったか?」

凛「……………………………へぇ」

P「あ、そうそう。凛からもナイフ持つのやめるようにそれとなく伝えてくれないか? アイドルが職質で銃刀法違反発覚とかマジシャレにならないから」

凛「うん。やってみるけど………」

凛(まゆが事務所に来たのにプロデューサーに会わずに帰った。いや、オフに出勤したってことは確実にプロデューサー目当て)

凛(なのにプロデューサーと会っていない?)




凛「確認だけど、今日プロデューサーは事務所から一歩も出てないよね?」

P「弁当を買いに行くとき以外は出てないよ。その弁当すら向かいのコンビニで買ったやつだし」

凛「………そっか」

凛(そもそも私たちは出かけに事務所の廊下でまゆと会ってる。普通ならあのあと一分もせずにプロデューサーと会ってるでしょ)

凛(考えられる可能性は………………)

P「りーん。さっきから考え込んでどうかしたのか?」

凛「………………………………これしかないよね」

P「おーい。凛ちゃーん。凛わんわーん」

凛「ねぇ、プロデューサー」

P「どわっほい! いや、今のはほんの出来心というか………」

凛「? なに言ってるの?」

P「いや、聞こえてないならいいんだ………」




凛「………まぁ、なんでもいいけど。プロデューサーは今から杏の家にでも行って遊んできてくれない?」

P「へ? やっぱりさっきの怒ってる?」

凛「別に怒ってるとかじゃないから。今からまゆを呼んで少し真剣なお話をしなくちゃならなくなっただけだよ」

P「真剣な話なら俺がいた方がよくないか?」

凛「へー。プロデューサーは女子同士の赤裸々なガールズトークに加わりたいんだ」

P「杏の家でスマブラやってきます」

凛「ワープじゃなくて車で行ってね。夕方から和久井さんのドラマの収録もあるでしょ」

P「了解、了解」ガチャ


凛「よし、行ったかな」



凛「もしもしまゆ? 結構大事な話があるから事務所に来てほしいんだけど。四時くらいに二階のミーティングルームね」




二階ミーティングルーム


まゆ「失礼しまぁす」ガチャッ

凛「ごめんね。急に呼び出したりして」

まゆ「あ、凛ちゃん。別にいいんだけど………」キョロキョロ

凛「プロデューサーはいないよ。和久井さんを迎えに行ってるから」

まゆ「そうですかぁ」ホッ

凛「………やっぱり」

まゆ「え?」

凛「単刀直入に訊くけど」

凛「プロデューサーの横にいるの嫌になった?」




まゆ「………………そんなことないですよぉ」

凛「あんなにプロデューサー一筋だったまゆがせっかく事務所に来たのに会話もしないで、あまつさえプロデューサーが他のアイドルの送り迎えに行ってこの場にいないことに安堵する」

まゆ「………それは」

凛「いつものまゆらしくないよね」

凛「もしかして、プロデューサーのことも嫌いになっちゃった?」

まゆ「……………………ッ!!」

凛「それもそうだよね。あんな適当に気味の悪い力をふるう化け物なんて嫌いになって当然だよね。いつもニヤニヤしてなにするか解んないしさ」

まゆ「………やめてください」

凛「だいたいどうしてあんな化け物がアイドルプロデュースなんてやってるんだろう。人間の真似事なんかして楽しいのかな?」

まゆ「………………やめて」

凛「あんな奴と一緒にいる人の気がしれない。あんな化け物を好きな………」

まゆ「やめてぇぇ!!」ドンッ




まゆ「凛ちゃんは何もわかっていません」

凛「………そんなことないと思うけど」

まゆ「Pさんは悪くないんです。まゆはPさんのことが大好きなのに、でもPさんはぁ、Pさんはぁ………」

凛「まゆに振り向いてくれない?」

まゆ「はい………」

凛「プロデューサーは私たちなんかよりずっと長い時を生きてる。比喩表現じゃなく永遠を生きてるかもしれない」

凛「だから、そういう親しい人を作らないのかもしれない。お別れが辛いから」

まゆ「そう思ったら、ずっと隣にいれるのか不安になって、胸が苦しくなって、Pさんを好きだった自分がわかんなくなって………」

凛「………」

まゆ「まゆだけのものにしようとしてもダメで」




凛「………本当にプロデューサーはこういうところに無関心だからなぁ」

まゆ「…………?」

凛「さっき私が言った悪口は全部この事務所をやめていった人たちの言葉。たくさんの人たちがプロデューサーのことを気味悪がってやめていった。中には私に陰口を叩くだけじゃなくて堂々とプロデューサーを罵った人もいた」

凛「まゆはどう?」

まゆ「………・・・・・・・・・グス」

凛「私はさ、初めてプロデューサーからまゆを紹介されたときすごくびっくりしたよ。一目ぼれして仙台から単身上京してくるなんて度胸がある子だなぁとも思った」

凛「………ちょっと過激すぎる時もあったけど」

凛「でも、まゆならプロデューサーの隣にいれる。少なくとも私はまゆやプロデューサー、事務所の人たちと一緒にいたい」

まゆ「でも、まゆは………」

凛「あの適当で鈍感なプロデューサーだよ。謝ればすぐに許してくれるって」

凛「そもそも人の繊細な心の機微とか全く感づかない人だから。事務所を辞めていった人たちも笑顔で見送ってたからね」

まゆ「んっ………」ポロポロ

凛「まゆは好きな人の前で泣けるタイプじゃないから、今は泣いていいと思うよ」ギュッ

まゆ「…………………」ギュッ


≥≥32

おそらく誰も知らないと思うんですが。

凛「ちひろさんに直談判する」というやつを書いてました。

まとめサイトにも載ってなかったし。



まゆ「まゆの方がお姉さんなのに見苦しいところ見せちゃいましたねぇ」

凛「別にまゆの泣き顔は見苦しくなかったけど………。私もまゆと同じような状態に陥ったことあったしね」

まゆ「凛ちゃんも………?」

凛「うん。私もその時は同じようなことをその人から諭された」

まゆ「その人って………」

凛「たぶん今もどっかで私たちを見てるんじゃないかな? ライバルは必ずチェックする人だし」

まゆ「ふふっ。Pさんはモテモテですねぇ」

凛「本人は分かってるか怪しいけど」





まゆ「じゃあ、そろそろ帰りましょうか」

凛「そうだね。帰ろっか。帰りに知り合いの陰陽師の所に寄らなきゃいけないし」

まゆ「え?」

凛「本気で都合が悪くなるとプロでューサーってすぐ逃げるからさ。拘束用の術具を融通してもらう約束なんだ」

まゆ「………まゆも一緒に行っていいですか?」

凛「別にいいけど、あんまり面白くないよ」

まゆ「ふふっ。Pさんを勝ち取るためには陰陽師のお知り合いくらいいないと」

凛「まぁ、そうだね」



FIN

陰口を叩くって言わないんですね。今まで普通に使ってました。恥ずかしい。

現実的に百五十人もプロデュースできるのはどんなPかと考え始めたら、
全然普通じゃくなった。

あと、展開を早くしようとしたら短くなりすぎました。技量がほしい。

おまけを後2レスをほど投下して終わりにしようと思います。

››40 マジですか。見てきますね。



おまけ


ちひろ「て、同意しちゃうんかーい。これはプロデューサーが滅せられる日も近いですね」

P「随分とでかい独り言ですね。しかも、覗き映像に対して突込みって。趣味の悪い」ガチャッ

ちひろ「あれ、お早いお帰りで」

P「和久井さんから追い返されました。例え演技でも他の男といちゃつくシーンは見せたくないそうです」

ちひろ「よかったじゃないですか、モテモテで。うーらーやーまーしーいー」

P「相変わらず鬱陶しいですね。絶対悪たる『悪魔統一王』さん?」

ちひろ「うぐっ。そんな昔のこと掘り返さなくても………」

P「五千年前のしかも異世界での大戦争を若気の至りみたいに流そうとしないでください。あの頃の見ていて痛々しいちひろさんは脳裏に焼き付いて忘れそうにもありません」

ちひろ「なっ!! 痛さで言うなら現在進行形でキャピキャピしてるウサール聖神………じゃなかった、ウサミン星人こと安部 菜々さんじゅうななまんさい様の方が上ですよ!!」

P「それが元悪魔統一王さんのセリフですか。あと陰口ですよ、それ」

ちひろ「ぐぬぬ。かくなるうえは………………これでもくらえ! ポルターガイスト(極)!!」

P「なにおう!! くらえ、透過精霊の舞!!」




裕子「見てください! プロデューサー! やっぱり私の超能力は本物でしたよ! しかも、コインが三枚も浮きました!!」ガチャッ

P・ちひろ・裕子「あっ」

P・ちひろ・裕子「…………………」

裕子「うわーーーーーーーん! プロデューサーとちひろさんのスーパーサイキッカー!!」タッタッタッタッタッタッタッタッ

ちひろ「裕子ちゃん行っちゃいましたね。どうしましょう………?」

P「とりあえず散乱した書類を片付けますか」

ちひろ「そうですね」


裕子は放置プレイが似合うと思う。


本当に終わり。

これで本当に終わりです。

蘭子は一位、しぶりんは五位おめでとう。

ままゆは惜しくも六位だったけどもう一つままゆメインでssを書いてみようと思う。

次は蘭子の中二病絡みか今度ユニットを組む五人で書いてみようと思います。

それにしても、あの五人だとしぶりんぐらいしか意思の疎通ができなさそう。

あ、あと、前回と同じように拙文ゆえのしつもんがある方はお願いします。

今回は特に急ぎ足過ぎたので。

>>47
特に考えてませんでした。

>>48
ですね。僕ならこんな事務所には勤めたくありません

>>47

のあさんで思いついたことがあるので今日か明日あたりに投下するかもしれません。

口調把握から始めます。

明日の夜にこのスレでおまけを投下できそうです。

あれ?

IDが変わってる………。

››1の時と同じパソコンなんですけど。

おまけその2を投下していきます。

蛇足感が漂っているので嫌いな人は閲覧注意。



おまけ2


更に次の日


P「あーあ。昨日で書類整理は終わるはずだったんだけどなぁ。誰かさんが暴れたせいでやり直しだよ」

P「しかも、その誰かさんは『休日出勤はしない主義なんで(キリッ』とかふざけた事ぬかして普通に休日とったし」

P「まぁ、芸能プロダクションの社員なんて休みが不規則なうえにほぼ無いようなもんだからな。元悪魔統一王さんにはゆっくり休んでもらおう」

P「………………とはいっても、昨日終わるはずだった書類整理を今日に持ち越したせいでスケジュールはキツキツ」

P「千枝の子供向け番組の収録から始まり、美嘉の雑誌インタビューの最終校正、明日ある有香のグラビア撮影の打ち合わせ、新ユニット用の曲を作る作曲家さんの選考、バラエティの深夜収録に出演する菜々さんの付き添い」

P「どんなに工夫を凝らしたとしても普通の人間がこなせる仕事量じゃない」

P「………しゃーない。ここは分裂でもするか」

P「分身じゃないからコストはかかるけど凛にはばれないはず………」







凛「何が私にばれないの? プロデューサー」ガチャッ







P「り、凛! いや、あれだぞ、ばれないというのつまり………あれだ。俺の故郷の言葉で『今日もいい天気だな』みたいな軽い挨拶みたいなもんで………」

凛「あぁ、そういえば挨拶してなかったね。おはよう、プロデューサー」

P「お、おはよう。凛」

凛「ふふっ。おかしなプロデューサー。ばれないは挨拶なんでしょ?」

P(っべぇ。しぶりんの目が笑ってない。表情筋の力だけで作ってる完璧なアイドルスマイルだ)

P「そ、そうだな。仕事のし過ぎで疲れてるかもしれない」

凛「体が資本なんだからしっかり休まないとだめでしょ?」

凛「あっ。ごめんね、プロデューサー」

P「は? いきなりどうしたんだ? 急に謝ったりなんかして………」

凛「プロデューサーが仕事で忙しいのを知らずにお客さんを連れてきちゃったんだ。どうしてもプロデューサーに会いたいらしくて」

P「アイドル希望者か?」

凛「ううん。少し違うみたい。でも、その人はプロデューサーのことを詳しく知ってるみたいだよ」

P(嫌な予感しかしない………)


凛「とりあえずドアの前で待たせておくのも悪いから入ってもらうね」

凛「師匠。入ってきていいですよ」


ガチャッ


のあ「………………久しぶりね」




P「なん………………だと………………!?」

のあ「………貴方とこんな形で再開するとは予想していなかったわ。まさか私の弟子の知り合いだったなんて」

凛(私からプロデューサーの特徴を聞いて気付くのに三か月もかかったけどね)

のあ「凛。聴こえているわよ」

凛「ごめんなさい」

のあ「………不問にするわ。私は彼に再会できた………いえ、彼女に再会できる喜びで浮足立っているのだから」クルッ

のあ「さぁ、貴方には私の言いたいことがわかっているのでしょう」

P「その前に、一つだけいいか?」

のあ「………構わないわ」

P「お前は………………」











P「いったい誰なんだ?」

のあ・凛「えっ」




のあ「………冗談よね?」

P「いや、すまん。マジで見覚えがない」

のあ「………私が入ってきたとき大仰に驚いて見せたじゃない」

P「サイケデリックな着物を身にまとった美人が現れれば誰でもリアクションぐらいとるわ」

のあ「………び、美人………」

凛「………………」シラー

のあ「…………………はっ」

のあ「………と、とにかく貴方があのお方を監禁しているのは分かっているわ。今日こそ返してもらうわよ」

凛「プロデューサー?」

P「お、俺が監禁なんて犯罪行為するはずないだろ。俺との時間を信じてくれ、凛!!」

凛「うん。私はいつだってプロデューサーのことを信じてるよ」

P「あの、ならどうして小動物なら殺せそうな目で俺を見てるんですか?」

凛「ひどいなぁ。女の子に向かってそんな怖いことを言うなんて………これはオシオキが必要なのかな?」

のあ「……………凛」

凛「師匠。許可を頂戴」




のあ「the spirit and means. ………許可するわ」

P「………凛。その鞄から取り出した目が潰れそうなくらい眩い鎖はなんだ?」

凛「ふふっ。私には普通の鎖にしか見えないんだけど、プロデューサーにとっては眩しいくらい輝いて見えるんだ」

凛「それはね、プロデューサーが悪い子な証拠だよ」

のあ「その呪鎖は私の修行してきた集大成よ。魔の者である貴方がその鎖に捕まってしまえば絶対に抜け出せない」

P「俺が動けなくなれば今日の業務が滞るぞ。その意味が理解できない凛じゃないだろう」

凛「大丈夫。アイドルの付き添いだったら私がやるから。これでも業界で有名なんだよ? プロデューサーの懐刀だって」

P「………どうせ新ユニットの曲作成には付き合ってもらうつもりだった。でもな、凛」

P「未成年の深夜就業は法律違反だ。お前じゃ菜々さんの収録に付き合えない」

凛「え、まぁ、うん………そ、そうだね。そこは今日ものうのうと休んでるちひろさんにでもお願いするよ」




P「とにかく、俺も一端のプロデューサーだ。アイドルたちが活躍する場があるのにそれをむざむざと見逃すわけにはいかない」

凛「ふーん」

P「来い、凛」

凛「後悔しても知らないよ。今日こそはみっちりとお説教を受けてもらうから」グッ

P(ざっと観た感じだとあの鎖は自動追尾性能付きの投擲用だな)

P(言葉にすると厄介そうだが敵も一網打尽にできる方法がある)

凛「大人しくお縄についてね。プロデューサー!」ヒュン!

P「アポート!! 守銭奴ガード!!」

ちひろ「きゃあっ!!」




凛・ちひろ(ネグリジェ)「えっ」ドサッ

P「ふぅ。凛のことだから俺が分身体を逃がすのを想定して鎖の捕縛範囲を広げてるだろうと思ったんだが」

P「概ね予想通りだな。………ちひろさんがネグリジェ姿なのを除いて」

のあ「………この露出狂は誰かしら?」

P「千川 ちひろ———うちの事務所の事務員だ」

ちひろ「え? ちょっと待ってください。私はたまの休日をベットの上で謳歌してたはずなのに………気づいたら勤め先の所属アイドルと鎖で縛られてるなんて」

凛「ちひろさんは少し黙って。まだちひろさんの番じゃない」

のあ「………そう。私には関係ない人だわ」

P「お前の目的は一体何なんだ?」

のあ「………思い出せないのならそのまま忘却していなさい」

ちひろ「ちょ、ホントに待ってくださいって! 私を無視して展開を進めないでください!」ゴロゴロ

凛「ちひろさん暴れないで。ちひろさんの胸が顔に当たっちゃうから」ギュッ

ちひろ「ひゃうっ!? ど、どこを摘まんでるの、凛ちゃん!?」




P「ふんっ。答えないのなら仕方ない」

のあ「………乱暴ね」

P「そりゃ乱暴にもなるさ。うちのアイドルと事務員をこんなひどい目にあわせられれば、な」

凛「………」

ちひろ「凛ちゃん、落ち着いて。なんか把握できないけどプロデューサーにしてやられて悔しいのはわかっ、きゃ! 膝でグリグリしないでぇ!」

P「………………行くぞ」

のあ「………望むところよ」




菜々「おはよーございまーす☆ 安部 菜々十七歳、今日も一日がんばっちゃいますよー!」ガチャッ」

P「菜々さん、いい所に。加勢をお願いできますか?」ボロッ

菜々「へ? 火星? やだなー、ナナの出身はウサミン星ですよ?」

P「いや、今はマジそういうのいらないんで」

菜々「そういうのってなんですかー!」

P「事務所に不審者が侵入してるんですよ。だから手を貸してくださいとお願いしてるんです」

菜々「………不審者? 種族は?」

P「………さすがに冷静ですね。頼もしい限りです」

菜々「はっ。キャ、キャー。ナナ怖ーい。プロデューサー助けてくださーい(棒」ダキツキ

P「今さら遅いですよ。俺のデスクの前にいる銀髪のサイケデリック和服が不審者です」

菜々「もう………。だからプロデューサーはボロボロだったんですね。てっきりまた早苗さんに〆られちゃったのかと思いましたよ」クルッ

のあ「………………………」ボロボロ

菜々「見事にぼろぼろじゃないですかー。プロデューサーから聞かなかったら……………………あれ? なんか見覚えが………?」

P「菜々さんもですか。実を言うと戦ってる最中にですが俺にも既視感みたいなのが芽生えました」

菜々「うーーーん、ナナもなんとなく懐かしいような気が………」

のあ「………………聖神様」ポロポロ

菜々・P「へっ?」




のあ「………グスッ、聖神様。やっと、やっと会えた」ポロポロ

P「なんだ、菜々さんの関係者でしたか。それならお任せします」

菜々「ちょ、面倒くさくなったからって投げ出さないで下さいよ」

菜々「それにナナは思い出しましたよ。この子、のあちゃんです」

P「のあ………………? あぁって、はぁ!? 俺の知っているのあはお転婆で、走り回って転んでは泣いてる天真爛漫な幼女なんですけど」

菜々「あれから何年たったと思ってるんですか。軽く二十年は………ナナは十七歳ですよ!」

P「はは。マジ安部 菜々さんじゅうななまんさい」

菜々「それやめてくださいよ。この頃、高橋さんにまで敬語を使われ始めたんですからね」

のあ「………うぅ。グスッ、聖神様ぁ」

菜々「あぁ、待ってください祈らないでください! のあちゃんレベルの人が祈っちゃうと光っちゃいますから。栄光とかそんなのじゃなくて物理的に後光が差しちゃいますから!」

のあ「………古の神代よりわれらを見守りくださっている聖神様に名前を呼んでいただけるなんて」

菜々「菜々は十七歳ですよ! 今はのあちゃんより年下です!」

のあ「………ごめんなさい。………また貴女に会えたことがうれしくて」

菜々「うぅ。絡みづらい………」

P「イイハナシダナー」




P「さて、一通り片付いたみたいだし。俺も書類整理に戻るか」

まゆ「お手伝いしますよぉ」

P「おう。頼めるかって………いつからいたんだ?」

まゆ「最初からいましたぁ」

P「………ッ!!」ゾクッ

P(くっ!! 今日のまゆは底が知れないくらいヤンデレモードだぞ。この俺が恐れるなんて)

まゆ「だから見てましたよぉ」



まゆ「Pさんが千枝ちゃんの名前を呼んで優しい表情になったのも美嘉ちゃんを思い浮かべて楽しそうになったのも有香ちゃんの水着姿を想像してにやけたのも凛ちゃんと仲良しの夫婦みたいな会話をしていたのもちひろさんのネグリジェ姿を見慣れていたのも私の師匠と熱烈に愛し合っていたのも菜々さんから抱きつかれて嬉しそうにしていたのも」



まゆ「ぜんぶ、ぜーんぶ見てましたからぁ」

P(………今日、俺はクソ長い人生で初めて『死』を意識した)


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom