慕「おじさんと結婚したい」 耕介「無理だな」 (636)

シノハユで、民法の親族に関するお勉強をするスレです。
>>1自身の勉強も兼ねているので、法律に関する間違いがあったらバンバン指摘してください。

ちょっとキャラが崩壊してます。慕がリチャキチだったり。
シノハユは単行本派なので、原作と矛盾が生じたりするかもしれません。

春の日差しのような温かい目で見守っていただければ幸いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397812961

しの『わたしねー、おーきくなったらおじさんとけっこんするー』

耕介『おー、そりゃうれしいなぁ。慕はきっといいお嫁さんになるぞ~?』

しの『えへへ~』













耕介「あれから7年……慕の年齢も二桁になり、そろそろ子供から大人になろうとする時期なわけだが………」

慕「結婚式……結構お金かかるんだなぁ…」

慕「……なるほど。挙式だけなら外国のほうが安いのか………これはおじさんにも朗報だね」

慕「……ふむふむ……外国なら道端の人たちも祝福してくれる…ノリがいいんだね……」





耕介「…………これは……どうすりゃいいんだ?」














耕介「………いや、今の俺は慕の親なんだ。傷つけるためじゃない…慕の未来を守るためにも、俺が正しい知識を教えなければ!!」

耕介「慕、大事な話があるんだ」

慕「!? 何々!?」ガタッ

耕介「あのな……慕……もう知ってるかもしんねーけど…」








「俺とお前は…結婚できないぞ?」










慕「……………………」

耕介「……………………」

慕「……………………」

耕介「……………………」









慕「…………私……なにか嫌われるようなこと……したかなぁ……」ポロッ

耕介(泣き出したっ!?)

慕「ねぇ…なにかダメなことがあったら直すから……だから私のこと…嫌いにならないで………」ボロボロッ

耕介「いや…ダメなところというか、その発言がダメというか、このままじゃむしろ俺がダメになりそうというか……」



耕介「ええい、とりあえず落ち着け慕!! 俺は別にお前を嫌いになったわけじゃねえ!!」

慕「…………そうなの?」

耕介「おう! 俺がお前のことを嫌いになるわけねーだろ? 可愛い、飯もうまい、性格もいい! お前には文句の付けどころもねえよ」

慕「でも……私と結婚できないって……」

耕介「あのな? 好きとか嫌いとかじゃないんだよ。俺とお前は結婚できない、これは法律で決まってることなんだ」

慕「………そうなの?」

耕介「あぁ、民法734条から736条にそう書いてあるんだ。これは仕方ないことなんだ」




慕「……民法?」

耕介「おう、民法。民法734条は近親者間の婚姻を、736条は養親子間の婚姻をそれぞれ禁止してるからな」

慕「……きんしん? きんし?」

耕介「あ、その辺もわからないか。よし、それじゃあ細かいところから一つずつ説明していくぞ」

慕「うん!!」






~婚姻~





耕介「まずは婚姻についてから説明していくぞ」

慕「うん! 婚姻って、要は結婚のことだよね?」

耕介「まぁ、その認識でいいだろう。じゃあ慕、婚姻に必要なものって何かわかるか?」

慕「え? ……う~んと、結婚式でしょ? 指輪でしょ? お家でしょ?」


耕介(…こういう発言をみてると、やっぱ小学生の女の子なんだなぁ…)


慕「既成事実に、愛情に、婚姻届に、あとは……」

耕介「ちょっと待て」





耕介「ゴホン! まぁその辺は置いといて…民法が定める婚姻に必要なものはちょっと違う」

慕「そうなの?」

耕介「あぁ。婚姻の成立に必要なのは、実質的要件である婚姻意思の合致ならびに婚姻障害がないこと、それと形式的要件である戸籍上の届け出だ」






はやりんチェック.01
◆婚姻の成立には、『実質的要件』と『形式的要件』が必要だぞっ☆





慕「…?」

耕介「まぁ、いきなり言われてもわからないよな。一個ずつ説明していくぞ」







耕介「えっと、まず実質的要件ってのは、本当に結婚する資格があるか……的なやつだ。ぶっちゃけ俺にもよくわからん」

耕介「この実質的要件ってのには二種類あって、それが『婚姻意思の合致』と『婚姻障害がないこと』の二つなんだ」

慕「ふむふむ…」メモメモ




耕介「婚姻意思の合致ってのはわかるな? お互いが結婚したいと思っていることだ。これを決めれるのは本人同士だけで、本来は他の人の指図によって決められるものじゃないんだ」

慕「じゃあ、漫画とかでよくある、親が勝手に決めた結婚っていうのは……」

耕介「本来なら無効になるはずだな。まぁ、そこには家計の問題やらなんやらがあるだろうから、子自身も納得せざるを得なかったりするんだろ。そこに愛があるかは知らん」

慕「なるほど…。じゃあとりあえず、私たちは第一段階はクリアだね!」

耕介「…………え?」






はやりんチェック.02
◆実質的要件には、『婚姻意思の合致』と『婚姻障害がないこと』の二種類があるぞっ☆



はやりんチェック.03
◆『婚姻意思の合致』ていうのは、お互いが「この人と結婚したい」って思うことなんだねっ☆





耕介「ま、慕はそもそも第二段階をクリアしてないから、その時点で論外なんだけどな」

慕「え!? 第二段階って……『婚姻障害がないこと』のこと?」

耕介「おう。婚姻障害ってのは、『こういう人は結婚しちゃいけませんよ~』ってやつだ。ここで慕はアウトなんだ」

慕「え~? なんで?」

耕介「例えば民法731条。男は18歳、女は16歳以上じゃないと結婚できない」

慕「そ…それなら時間さえ経てば……」

耕介「どうしようもないのは民法734条…最初のほうで言ったやつだな。近親者間の婚姻の禁止、これはまぁ後でじっくり説明するか」

慕「む……むぅ……」

耕介「あと、原作での俺らの位置づけがどうなってるのかは知らんが、もし俺とお前が養子関係なら、民法736条にも引っかかるな」

慕「ぐぬぬ……」

耕介「そんな丸い目で睨まれても全然怖くないぞ? まぁこれらをひっくるめて、『婚姻障害』っていうんだ。これがあると結婚できない」






はやりんチェック.04
◆『婚姻障害』があると結婚できないんだっ☆ ……………抜け駆けなんて、絶対に許さない…………。



はやりんチェック.05
◆主な婚姻障害は。民法731条から737条に書かれているぞっ☆


ちなみに、
731条は「婚姻年齢」の制限。
732条は「重婚」の禁止。
733条は「女性の再婚禁止期間」の設定。
734条は「近親者間の婚姻」の禁止。
735条は「直系姻族間の婚姻」の禁止。
736条は「養親子間の婚姻」の禁止。
737条は「両親の同意のない未成年者の婚姻」の禁止。




ああ、勿論『適正な年齢の男女なら』ってことっすよ?(焦り)

耕介「話を続けよう」

慕「これはあくまで日本の法律……これはあくまで日本の法律……」ブツブツ…

耕介「? お~い、慕~、聞いてるか~?」

慕「え? あ、うん、そうだね。早くパスポートとらなきゃね」

耕介「パスポート? なして?」






耕介「あ。次の話する前に、ちょっと別の話挟んでいいか?」

慕「どんとこーい!」

耕介「今挙げた二つの要因なんだがな。これらは扱いがちょっと異なるんだ」

慕「?」

耕介「えっとな。もし今挙げた二つの要因(婚姻意思の合致・婚姻障害がない)が欠けている状態で結婚した場合、当然その結婚はなくなるわけだ」

慕「うん。残念ながらそうみたいだね」

耕介「………で、こっからがちょっとややこしいんだが…『婚姻意思の合致』が欠けている状態で結婚した場合、その結婚は『無効』になる。対して、『婚姻障害がある』状態で結婚した場合は、その結婚は『取り消す』ことができるんだ」



慕「……? その二つはどう違うの?」

耕介「これが全然違うんだなぁ。民法における『無効』ってのは、『そもそもなかったこと』になるんだ」

慕「ふむふむ…」

耕介「対して『取り消し』ってのは、『あったけど、なかったことにする』ことなんだ」

慕「うん? わかるような、わからないような……」

耕介「つまりだ。『婚姻が無効』ってのは、そもそもそんな婚姻は存在してないって扱うんだ。だから誰でも無効を主張できる」

慕「うんうん」

耕介「『婚姻を取り消し』ってのは、その婚姻はあったけど、取りやめにするって考えればわかりやすいか。こっちは取り消しできる人も限られてる」

慕「!?」

耕介「具体的に言うと、婚姻できる年齢に満たない者の結婚(731条)ならびに近親婚(734、735、736条)は、当事者本人、その親族、検察官によってしか取り消しできない」

慕「ほう……ほうほうほう………!!」

耕介「重婚(732条)と女性の再婚禁止期間内の婚姻(733条)は、当事者本人、親族、検察官に加え前の配偶者…つまり前に結婚してた相手だな……も取り消しを主張できる」

慕「ふ~ん(そっちはどうでもいいや……)」



耕介「あと、詐欺や脅迫による婚姻も取り消すことができるんだが、これは騙されたり、脅されたりした当事者本人しか取り消すことはできない。しかも詐欺や脅迫が終わってから3か月を経過したら、取り消しができなくなっちまうんだ」

慕「詐欺や脅迫で結婚って……恐ろしいね」

耕介「あぁ、恐ろしいな。ちなみに脅迫や詐欺は婚姻に限らず、物の売買なんかでも取り消しにできたりするから、覚えておけ」

慕「は~い」

慕(つまり私とおじさんが結婚しても、誰も取り消さなかったら問題ないってことだよね?)




>>1はちょっとわからないんですけど、実際はどうなんですかね?
やっぱ検察官が取り消してくるのか?
だれか詳しい人、教えてくれ。






はやりんチェック.06
◆『婚姻意思の合致』がかけた婚姻は『無効』。対して、『婚姻障害』がある状態での婚姻は『取り消し』。間違えちゃダメだぞっ☆



はやりんチェック.07
◆『無効』っていうのは、そもそもそんな取引はなかったってこと。『取り消し』ってのは、あったけど、なかったことにするってこと。これは婚姻に限らずよく使うから、覚えておいてねっ☆





はやり「ちなみに。婚姻が取り消されたとしても、その二人の間に生まれた子は摘出子として扱われるよっ☆」

はやり「これは、取り消しの効果が過去には向かわず、将来に向かってのみ効力を生じるからなんだっ☆ ちなみにこれは例外で、基本的に取り消しっていうのは過去に向かって効力を生じる…つまり、契約時まで戻って契約をなかったことにするから注意してねっ☆」

はやり「あ、あと詐欺や脅迫による婚姻は、一度追認(取り消しできることを取り消さずに、有効な契約とすること)したら取り消せなくなっちゃうんだってっ☆ これは使えるねっ★」

耕介「っとと。だいぶ話が逸れちまったな。何の話をしてたんだっけ?」

慕「えっと…>>18あたりからかな?」

耕介「そうだそうだ。婚姻に必要な実質的要件の話が終わったあたりで話が逸れたんだったな。んじゃ、次は形式的要件の話だ」



耕介「とはいっても、こっちは簡単だ。ぶっちゃけ婚姻届が出てないと結婚できないってだけだから」

慕「あ、そうなんだ」

耕介「おう。だから婚姻届を出したやつらが、実質的要件を満たしてるかをチェックってのが基本になるんじゃねーかな? よくわからんけど」

慕「なるほどね~」






はやりんチェック.08
◆『形式的要件』っていうのは、『婚姻届』を出すことだぞっ☆










~親族関係~





耕介「さて、それじゃあ最初に慕と結婚できないって言ってた理由についてだが…これはさっきも言ったように、民法734条に規定があるからなんだな」

耕介「この話をする前に、親族関係とはなにかという話をしよう。これがないと734条、735条は意味不明だからな」





耕介「親族っていうのは、そういう家族に対する法律要件を明確にするために日本が決めた一種の枠組みだ。婚姻以外にも、相続なんかでこの話は出てくるぞ」

慕「ふむふむ……」

耕介「親族にはまず、配偶者と血族と姻族ってのがある。配偶者ってのは結婚した相手のことだ。婚姻っていうのは、互いに配偶者の立場になることであり、配偶者ってのはそいつにとっては一人しかいない」

慕「なるほど…つまり私はおじさんと配偶者になれば…」

耕介「(無視して)続けるぞ。血族ってのは、自分の親とか子とか、血の繋がった人たちのことだな」

慕「なるほど…つまり私とおじさんも血族なわけだね」

耕介「あぁ。そして姻族ってのは結婚した相手方の家族のことだな。ほら、血は繋がってなくても家族だろ?」

慕「なるほど……あれ?でも、私とおじさんが結婚したら、お母さんは姻族で血族に……」

耕介「だからそれが無理だって話を今からするんだろーが」






はやりんチェック.09
◆親族には、結婚した相手である『配偶者』、自分と血の繋がった『血族』、結婚した相手の家族である『姻族』があるぞっ☆ 私も配偶者募集中だよ~☆





耕介「さて。一括りに血族や姻族と言っても、その中でさらに細かい分類がある。それが直系と傍系、尊属と卑属だ」

慕「ふむふむ」メモメモ

耕介「まずは直系と傍系の話からしていこう。ばっさりいうと、姉貴はお前の直系血族で、俺はお前の傍系血族だ」

慕「……なんで?」

耕介「直系血族ってのは、その人がいなかったら自分は生まれなかっただろうなって人たち。例えば姉貴がいなk……えっと、俺の両親がもしいなかったら、俺も姉貴も生まれないんだから、当然慕も生まれないだろ?」

慕「あ! わかったかも。よくタイムスリップ系の話でアレコレなるやつだ」

耕介「そ。対して俺が生まれてなくても、姉貴はお前を生めるだろ? そういうこと」

慕「……でも、おじさんがいない世界なんていやだよ…?」

耕介「…………ありがとな、慕」ナデナデ

耕介「ちなみに、兄弟や姉妹も傍系血族になる点は要注意だ。あくまで直系になるのは縦のつながりだけだからな」

耕介「あ、あと上では血族の話しかしてないが、姻族も同じような感じだ。配偶者の両親は直系姻族、配偶者の兄弟なんかは傍系姻族、って感じだ」






はやりんチェック.10
◆『直系』っていうのは縦一直線の繋がり、『傍系』っていうのは横にずれたつながりだよっ☆ 一気通貫と対々みたいな感じかなっ?





耕介「さて、直系と傍系の違いは分かったな? 次は、尊属と卑属の話だ」

慕「はーい」

耕介「とはいっても、こっちは単純なんだけどな。自分の上の代が尊属で、下の代が卑属だ」

慕「ん? ちょっとよくわからなかったかも……」

耕介「えっとだな。親の代と同じかそれよりも上の世代は尊属で、自分の子の代と同じかそれより下だと卑属だ。わかるか?」

慕「うーんと…微妙にわからないかも?」

耕介「えっと、姉貴はお前のお母さんだろ?」

慕「うん」

耕介「で、俺は姉貴の弟。つまり姉貴のお母さんの子供だ。これはわかるか?」

慕「うん、だからおじさんなんだもんね」

耕介「そうだな。んで、まずは慕と姉貴を見比べてみると、姉貴はお前の親なんだから、お前よりも一つ上の世代だってのはわかるか?」

慕「うん。なんとなくわかるよ」

耕介「んで、俺と姉貴は同じ親から生まれた子なんだから、同じ世代だってのもわかるか?」

慕「う~ん…おばあちゃんの目線で見たら、確かに同じ世代だねぇ」

耕介「そうそう。だから慕からすれば、俺も姉貴も尊属になるわけだ」

慕「…………?」



耕介「えっとだなぁ……ほら、家系図ってあるだろ? あれを思い浮かべてみればわかりやすいかもしれん」

慕「あ、わかったかも」

耕介「そう。家系図を見て、自分より前に名前が書いてある人は尊属、自分より下に名前が書いてあるひとが卑属だ。ちなみに兄弟やいとこは尊属でも卑属でもないぞ?」

慕「へぇ~…いとこもなんだ」

耕介「おう。一つ上の世代の一つ下だからな」

慕「なるほどなるほど…。私、いとこいないからピンと来ないけど」

耕介「悪かったな、独身で」






はやりんチェック.11
◆『尊属』っていうのは、自分より上の世代のこと。卑属っていうのは自分より下の世代のことだよっ☆ スーファミ世代? ちょっと何言ってるかわかんない。










~近親婚の禁止~





耕介「で、なんで血族の話をしたかというとだ。これが民法734条に規定される、近親婚にあたるかあたらないかって話につながるからだ」

慕「むむ…憎き民法734条だね?」

耕介「(無視して)民法734条が定める近親婚ってのは、『直系血族および三親等以内の傍系血族』の婚姻のことを言うんだ」

慕「………三親等?」

耕介「あ、その説明もしないとな」

耕介「親等っていうのは、親族間の遠近を図るための尺度のことだ。その数え方を教えるぞ」

慕「ばっちこーいっ!!」

耕介「まず、自分を基準にします。これが0だ」

慕「私が0だね」

耕介「んで、慕から見て、上か下に一つ数える。今回は、親である姉貴に向かってだな」

慕「1!」

耕介「んで、次は姉貴を基準に線を見てみる。姉貴から直接つながっている線は、姉貴の両親と慕だけだな。今回は姉貴の親、つまり慕の爺ちゃん婆ちゃんに向かって数えるぞ」

慕「2!」

耕介「よし。んで、今度は慕の爺ちゃん婆ちゃんを基準にする。すると、俺の爺ちゃん婆ちゃん、姉貴、俺へと線が直接繋がっているな」

慕「そうだね」

耕介「つーわけで、親から俺へ向かってもう一つ数える」

慕「3!」

耕介「こうやって親等は数えていく。兄弟姉妹であれ、一度線の合流地点まで上がっていき、親を経由してから下に降りていくという形だな」

慕「ふむふむ」

耕介「でだ。これが三親等以内だと結婚できない」

慕「ふむふ…………1…2……3…………………1………2………………3………………ソンナバカナ…オジサンガワタシノサンシントウイナイダナンテ……SOA……」

耕介「お~い……慕さ~ん………」











慕「実はおじさんは私のいとこだったりしない?」

耕介「するわけねーだろ。でも、いとこって点に目を付けたのは誉めてやろう」

耕介「そう。順番に親等を数えていくと、いとこは四親等。つまり傍系血族でありながらも結婚できたりするんだ」

慕「ぐぬぬ…いとこがいいならおじさんでもいいのでは………」

耕介「いいわけねーだろ」

耕介「ちなみに直系血族だと、何親等離れてようが結婚はできない。ま、四親等離れた血族って曾々爺ちゃんとかそんなレベルだから、まずないと思うけどな」

慕「うぬぬ……実はおじさんが拾われた子供だった展開はよ」

耕介「話聞けよ。つかキャラ壊れてんぞ?」






はやりんチェック.12
◆親等は自分を基準に縦の繋がりだけで数えていくよっ☆



はやりんチェック.13
◆民法734条では、「直系血族」と「三親等以内の傍系血族」の婚姻を禁止しているよっ☆ 言ったでしょ、慕ちゃん? 抜け駆けは許さないって★





耕介「ちなみに、735条や736条も近親婚の禁止を定めてるもんだ。735条は直系姻族間の婚姻の禁止…つまり、配偶者の直系血族との婚姻の禁止だな。これは仮に離婚が成立した後でも、婚姻できない効果は持続するから気をつけろよ」

慕「………じゃあ、傍系姻族とは結婚できるの? 結婚した人の姉妹とか……」

耕介「ソロ婚……だっけ? そういうのもあるってのはどっかの小説で読んだな」






はやりんチェック.14
◆民法735条では、『直系姻族』との婚姻を禁止しているんだっ☆ 義母と結婚って考えたら、昼ドラのようなドロドロ展開になっちゃうからねっ☆ 仕方ないね





耕介「んで、736条では養親子館での婚姻を禁止している。これは養子だけでなく、養子の配偶者や養子の直系卑属…つまり養子の子供や孫だな……の間でも結婚することを禁止しているんだ」

慕「……なんだろう。今、どこかの未来で清澄高校の副会長がちょっとガッカリしたような気配が……」

耕介「風評被害だから。やめてやれ」





耕介「つーわけで、もし俺とお前が養子関係にあるようなら、それも結婚できない理由になるな」

慕「よ…養子じゃないよ!! ただの居候だよっ!!」

耕介「どっちにしたってお前は三親等以内の傍系血族だからな?」

慕「ぐぬぬっ………」

慕「ねぇおじさん! 私にもっと民法のことを教えてっ!!」

耕介「お? なんだ、そんなにおもしろかったか? 俺の民法」

慕「うん! もっともっと民法のこと勉強したいな、私!!」

耕介「よし、じゃあ次回は他の婚姻障害、婚姻の効果、婚姻の解消あたりを勉強していくか!」

慕「うんっ!!」








耕介(慕が麻雀以外にも興味を持つとは珍しいな。勉強するのはいいことだし、俺もいろいろ勉強して、教えてやるか)



慕(敵と自分を知ってれば百回勝てるって諺もあるもんね。法律を変えるためにも、まずは法律のことをいっぱい勉強しないと!!)

というわけで、今日はここまで。

次回は重婚、女性の再婚禁止期間、婚姻適齢あたりの話。
余裕があれば、婚姻の効果や婚姻の解消(いわゆる離婚ですね)の話もしていきたいです。

婚姻、親子、相続までは書く予定。
物件とかはないです。



次はいつになるかわかりませんが、今日はこの辺で。
さようなら。






あ、感想や疑問、間違いの指摘は大歓迎です。
「ここが分かりにくかった」、「ここは違うよ」、「はやりんは宇宙一可愛いよ」等ありましたら、書き込んでいただければ幸いです。

ttp://i.imgur.com/sSlmIAC.png
ttp://i.imgur.com/M2SHXPy.png

こんなシノリチャ
ところで仮に慕がどっかの家族の養子になったりしたら結婚OKになるの?母親捨てるってことはありえないだろうけど

>>50
なんやこれ可愛いぃいいぃいぃいぃいぃいっ!!!!

結婚は無理ですね。
養子には2種類があったりするんですけど、普通養子だと前の親との血族関係も併存しますので…。
特別養子は6歳未満の子にしか適用されませんし…。


そろそろネカフェ退出時間なので、返答もできなくなります。
他に質問ありましたら、次の投下の日にまとめて返します。

結婚に関する話題のアシにはやりんを起用する鬼畜さ

>>63
小鍛治健夜さんも出てほしいですよね☆

血が濃いと奇形の確率が上がる……とよく言うけど
何代にも渡って近親してなければ誤差レベル
むしろいまはアラフォー高翌齢出産リスクのがやばい

高翌齢出産のリスクはもっと喧伝したほうがいいわな

35くらいから母体の死亡率跳ね上がるらしいからね
あと女性の方ばっかり注目されてるけど、男の方も精子が劣化してくるとかで染色体異常の原因になるとかなんとか

こんばんわ。
とりあえず質問の答え。


>>17、他多数
えっと…とりあえず、近親者間でゴニョゴニョすること自体は犯罪ではないです。
近親姦に対する罰則規定が日本にはないので。
ですが、外国ではアウトな場合も結構あるみたいですね。
日本でも過去には罰則があったようですし、尊属殺が違憲となった判決の際に、近親姦に罰則規定を設けるべきだという話も出ていたようですね。
ちなみに尊属殺の規定が違憲になった事件は、割と胸糞な話だから見ないほうがいいかも。

あと子供に関してですが、近親姦によって生まれた子は当然ながら摘出子としては認められません。
ですが、父親が非摘出子として認知することはできるみたいですね。
摘出子、非摘出子、認知あたりは『親子』の章で取り扱っていきますので、それまでお待ちを。
そこまで書けたらいいなぁ……。


ちなみに近親者間に生まれた、父親に認知された非摘出子の戸籍欄には、近親者同士が「父」「母」としてそれぞれ名前を連ねるそうです。
…………ん?
もしかして今俺、すごく重要なこと言った?


まぁそんな感じで。


>>63>>68
はやりんは未婚枠での採用ではなく、教育者枠での参戦ですので……。
というか、はやりんは普通に平均メガオーバーの超優良物件だと思いますよ。
はやりんからすれば俺なんて眼中にすらないだろうし。

>>69
倫理観の問題ですからね~。
逆に、近親ばっかしてる小さな村なんかでは、遺伝子が変化していてあまり近親によるリスクがなくなっているという話も聞いたりしますね。

>>69>>70>>71
その辺は、政策だったり経済だったりが関わってたりもしますからね。
幸せの最大公約数を求めるのはいつだって難しいものです。




時間の許す限り投下していくよ~。

はやり「さて、今日は>>68さんの要望にお応えして、特別ゲストをご招待しておりますっ☆ ささ、どうぞどうぞー」

健夜「え、えっと~…こんばんわー……」

はやり「さて、すこやんこと小鍛治プロには、前回の粗筋を説明してもらうポジションを押し付けよっかなっ★」

健夜「今押し付けるって言ったよね!? 全く、こーこちゃんといい…どうして私に面倒押し付け来るかなぁ………って、そういえば私一人? こーこちゃんはいないの?」

はやり「あいつはアラサーをバカにするからダメだ」

健夜「★すら付かない!?」






健夜「というわけで、前回の粗筋というか、前回の復讐ですね」

健夜「えっと…前回は、そもそも婚姻とはなんなのか。婚姻の条件。親族関係。そして、親族であることを条件とする、婚姻の取り消しあたりをやったみたいだね」

健夜「はっはっはー。見事に私には関係のない話だねー」

健夜「それでは、本編をお楽しみください」






~重婚の禁止~





耕介「さて、今日も民法を教えるぞ~」

慕「は~い」



耕介「前回、近親間での婚姻は取り消しうるって話をしたよな」

慕「だね。残念ながら、まだ突破口は見つかってないよ」

耕介「見つけんでいい。さて、今回は近親婚以外の取り消しうる婚姻についてみていくぞ」

慕「は~い」







耕介「さて、まずは重婚の禁止だ」

慕「銃痕?」

耕介「名探偵コ○ンの見過ぎだ。重婚、要は二人以上と結婚することだな。さらに正確に言うと、配偶者がいる状態で別の人と結婚することだ」

慕「あ~。ライオンとかそうだよね?」

耕介「そうだな。動物だと全然問題ない話なんだが………どうでもいいけど、マクロスFのライオンって、もしかしてそういう意味なのか……?」






はやりんチェック.15
◆重婚っていうのは、誰かと結婚している状態で、別の人と結婚することだぞっ☆





耕介「話を戻そう。重婚は取り消せるってのはなんとなく分かるよな?」

慕「うん」

耕介「だが、これも細かく話していけば割と面倒なんだ。ま、一つずつ話していくか」




耕介「まず、重婚と禁止と言っても、実際に禁止されているのは法律婚だけだ」

慕「法律婚?」

耕介「そ。この前言った、婚姻届を出すことで認められる結婚のことだな」

慕「? 婚姻届を出さない結婚があるの?」

耕介「あぁ、事実婚と言っ………いや、これは難しい話だから慕に話すにはまだ早いなうんまだ早いそうに違いないだから今の話は忘れろ忘れたな俺は何も言ってない何もお前には関係のない話だだからすぐに忘れてくれ」

慕「え? ……え?」

耕介(危ねぇ!! こんな話、絶対に慕にするべきじゃねえや)

耕介(慕には説明できねえが、要は事実婚の場合はこの規定には引っかからねぇってことだ。つまり配偶者とは別に事実婚している相手がいたとしても、その事実婚を取り消したりはできねぇってことだな)



耕介(慕に事実婚の存在なんて知られたら、どんな風に迫ってくるか………想像もつかねえや)






はやりんチェック.16
◆重婚として禁止されているのは法律婚だけ。事実婚と法律婚の両立は別に禁止されてないよっ☆ ドロッドロの昼ドラ展開になりそうだけどねっ★





耕介「さて、次の話だ」

慕「う……うん……」

耕介「重婚の取り消しってのは、法律上かなりのイレギュラーだ。日本では届出がないと結婚できないんだから、婚姻届がすでに受理されている状態で次の婚姻届ってのは普通受け付けてもらえない。だから、基本的には重婚の取り消しなんて起こりようがないんだ」

慕「ほうほう」メモメモ

耕介「例外的に、間違えて婚姻届が受理されてしまった場合。前の配偶者と離婚したから新たに婚姻届を出したが、その後離婚を取り消した場合なんかにのみ、重婚の取り消しってのは起こり得る」

慕「なるほどね…」

耕介「この場合、後婚に取消原因が生じる。つまり、後に結婚したことが民法に引っかかり、その婚姻を取り消されちまうわけだ」

耕介「そして、これは同時に前婚の離婚原因にもなるとされる。つまり元の配偶者は、この後の婚姻が浮気によるものだったりした場合に、それを理由として離婚の訴えを起こすことができるんだ」

慕「う~ん……ま、私たちには関係ない話だね」

耕介「なんで断言できるんだよ……」

耕介(ちなみに。慕には言えないが、失踪宣言を出された者が実は生きていた場合などにも、重婚の取り消しは起こり得る)

耕介(これにはまず失踪の話をしないといけねーんだけど、音信不通となってから7年以上経った場合、その人は死亡したものとみなされ、婚姻などが解除される。いわゆる普通失踪ってやつだ)

耕介(んで、婚姻が解除されるってことは再婚ができるってことだ。そして、再婚した後に失踪者が見つかった場合、それも重婚となる)

耕介(さらにめんどくさいことに、普通重婚となると後の婚姻が取り消されるんだが、失踪宣言の取り消しによる重婚は後の婚姻が優先される。ま、条件はあるんだけどな)

耕介(……………ま、こんな感じだ)







耕介(…………姉貴………本当にどこいっちまったんだよ…………)






はやりんチェック.17
◆重婚っていうのは、普通は起こらないものなんだっ☆ 基本的には法律上のトラブルでしか発生しないんだねっ☆



はやりんチェック.18
◆基本的には、重婚は後の婚姻が取り消されるけど、失踪後の再婚の場合は原則として前の婚姻が取り消されちゃうんだ。お母さん、早く見つかるといいね





耕介「んで、もう一つ重婚に関しては重要な話がある」

慕「重要な話………?」

耕介「あくまで今までの話は民法なんだけどさ。刑法にも、重婚の話があったりするんだ」

慕「刑法…?」

耕介「刑罰に関する法律だな。『こういうことをすると、逮捕しちゃうぞ』みたいなやつだ」

慕「フルスロットルなんだね」

耕介「そうそう。んで、刑法184条では重婚罪ってのが設定されてるんだ。配偶者のあるものがさらに婚姻をしたときは……確か、2年以下の懲役だったはずだ」

慕「懲役って…牢屋に入れられちゃうことだよね」

耕介「まぁ、その認識でいいだろ。ちなみに、これは故意の場合に限る」

慕「恋?」

耕介「字が違う、故意だ。だから、戸籍事務所の間違いとかで、二重に婚姻届がでてたりした場合には、罪には問われない」

慕「なるほど…つまりわかっててやった浮気はダメってことだね」

耕介「そういうこと。ちなみに、浮気の相手方にもこの犯罪は適用されるんだが、これは相手が配偶者持ちであることを知っていたときに限る」

慕「つまり、相手が結婚してるって知らずに結婚した場合は……?」

耕介「罪には問われないってことだな」






はやりんチェック.19
◆民法とは別に、刑法でも重婚は禁止されているよっ☆ 浮気するようなやつは、逮捕しちゃうぞっ☆










~婚姻適齢~





耕介「重婚についてはこんなもんか。次は婚姻適齢についてだ」

慕「婚姻適齢?」

耕介「おう。この前言ったやつだな。男は18歳、女は16歳まで結婚できないってやつだ」

慕「なんで男女で違いがあるの?」

耕介「なんでだろうな? これは国ごとに違ってたりするし、日本でも男女で差をつける意味はないってことで、見直しもされてるらしい」

慕「なるほど。………つまり私は、あと4年で結婚できるわけだね!?」

耕介「できないんだな、それが」

慕「にゃにゃっ!?」







耕介「未成年の婚姻は、両親の同意が必要なんだ」

慕「むぅ…お母さんなら同意してくれるかも……」

耕介「いや、絶対無理だろ。どこに自分の弟と娘を結婚させようとするやつがいるんだよ」

慕「ぐぬぬ………」

耕介(ちなみに、これも慕には非常に言いにくい話なんだが。父母の一方が死亡、行方不明の場合などには、片方の親の同意だけで婚姻は可能だ)

耕介(……だから、もし慕が16歳になっても姉貴が見つからなかった場合、慕の父親の同意のみで慕は結婚できるようになる)

耕介(…………もちろんそんなことは認めない。絶対に、姉貴は俺が見つけ出してみせる)





耕介(つーか、俺の義兄ってどうなってるんだろうな?)

耕介「あ、もひとつだけ話して今日は終わるか」

慕「なになに~?」





耕介「未成年でも親の同意があれば結婚できるって言っただろ?」

慕「うん。言ってたねぇ」

耕介「んで、未成年ってのは20歳未満の人のことを言うんだが……結婚すると、20歳未満でも成人として扱うんだ」

慕「そうなの?」

耕介「おう。結婚したら、いろいろやらねえといけないことも出てくるし、そん中には未成年だとできないことも含まれる。だから、特別に結婚したやつはもれなく成人として扱うんだ」

慕「なるほどなるほど」メモメモ







耕介「ちなみに。20歳以下であろうが一度結婚すると、離婚したあとでも成人として扱われるから、そこは要注意だ」

慕「へぇ~。一度大人になると、もう子供には戻れないんだね」

耕介「なにちょっと深いこと言ってんだよ」

耕介「ん…そろそろ腹減ってきたな。今日のところはこれくらいでいいか?」

慕「は~い。えっと、なんかもう一つ話しが残ってたよね?」

耕介「再婚禁止期間についてだな。それはまたそのうち話すよ。ちょっとややこしいし」

慕「は~い。それじゃあご飯作るね」

耕介「よろしくっ」













慕「♪~」←料理作ってる



耕介(…………慕、普通に料理は美味いんだよなぁ)

耕介(前も言ったけど、性格だっていいし。姉貴とはあんま似てないけど、普通に可愛いしなぁ)

耕介(…………これからの生活も、気張らにゃならんね)








耕介「油断してたら、惚れちまいそうだ」

今日の投下はここまで。

すいません、再婚禁止期間までいけませんでした、
次回やるので、許してください。

あと、自分でも説明下手糞だという自信がありますので、分からないことがあればどんどん書き込んでくださいね。


ちょっと今週末から来週にかけて忙しくなるので、しばらく投下ができなくなります。
もしかしたら二週間後くらいまで伸びるかもしれませんので、適当にお待ちください。



それでは、さようなら。

乙。慕ちゃんの逆レ作戦期待


近親婚は世界中で色んな判決出てるよね
異父だか異母だかの兄妹での婚姻に有効判決出したのはスウェーデンだっけ?

長年実態としての夫婦生活送ってたら性行為がなく片方が否定したとしても内縁認定されたりするけども・・・
ウィキペディア見たら近親者間の内縁関係に関して記述あるな

成人として扱われるけどお酒は飲めないよ☆

シノチャーが実は旦那さんの連れ子だったりしたら……

こんにちは。

前回の投下から随分空けてしまい、申し訳ありません。
待ってる人がいるかはわかりませんが、自己満足のために投下していくよ~。





>>96,>>97
外国の判例についてはちょっと把握できてませんねぇ。
また調べときます。

近親間での内縁は、学説にも争いがあるようですね。
慕ちゃんが民法を勉強することで、そこに一石を投じる可能性もあるわけで…。



>>100
説明不足の補足、ありがとうございます。
成年擬制が私法上にしか適用されず、公法関係に影響を及ぼさないからですね。
要は未成年でありながらも成年と同じような契約ができるが、飲酒、喫煙、選挙権などは認められないということですね。



>>104,その他いろいろ
慕父に関しては、個人的にいくつか仮説的なものが。

説1.慕両親はすでに離婚が成立している説
・ナナさんの名字が白築(婚姻の解除による名字の復帰)。
・お母さん働いてなさそうなのに生活が成り立っていたっぽい(離婚解決金、教育費)。
・ナナさんの発言「私と同じで、男を見る目はなさそう」(離婚が成立するような旦那さん)。

説2.慕お父さん、流浪のギャンブラー説
・ナナさん行方不明なのに父の出番なし(そもそも連絡が付かなければアクションは取れない)。
・ナナさん働いてなさそうなのに生活(ry(安定した収入でなく、一攫千金。通帳の中はいっぱい)。
・ナナさんの発言「私と同じで、男を(ry(ギャンブラーが真っ当な職とは言い難い)。
・慕は牌に愛されてるっぽい?

説3.慕は、実はコウノトリであるナナさんが運んできてくれた子説
・慕は一索(鳥ちゃん)に関連する能力っぽい。
・周藤がナナ先輩の結婚を知らなかった(そもそも本当は結婚していない)。
・行方不明になっているのも、実はナナさんの正体は昔白築夫妻に助けられたコウノトリで、恩返ししている姿を見られたためどこかに行ってしまったため。

う~ん……説3が濃厚かな?



>>95,その他いろいろ
たぶんですが、普通に慕に逆レされるだけならリチャが捕まると思います。

刑法の話になるのですが、作為犯と不作為犯というのがありまして。
作為犯というのは、人を殺す、モノを奪う等、自らアクションを起こす犯罪のことですね。
対して不作為犯というのは、危険物の撤去を命じられたのに撤去をしない等、アクションを起こさないことが犯罪となるパターンです。
で、例えば殺人ですと、人をナイフで刺して殺した場合は作為犯となりますが、目の前で溺れている子供を助けられる状態なのに見殺しにした場合、不作為による殺人が成立したりしちゃうんですね。

なので、たぶん13歳未満の慕ちゃんの逆レも同様に、耕介さんが逃げられる状態なのに逃げなかった場合などは、不作為による強姦罪が成立するんじゃないですかねぇ?
もちろん、緊縛されていた、薬によって昏睡させられていた等の場合は違法性が阻却される可能性もありますが。



めっちゃ長くなってしまった。
時間の許す限り投下していきます。

あ、あと今回の話題は、>>1もよく理解していなかったりします。
間違い、説明の足りない部分にはどんどん突っ込んできてください。

健夜「こんにちは。前回からレギュラー(?)に抜擢された小鍛治健夜です」

健夜「さて、前回は重婚の禁止と婚姻適齢について勉強しましたね」

健夜「ちなみに、日本での女性の婚姻適齢は16歳から35歳までだそうです」

健夜「35!! 歳!! まで!! みたいです!!」

健夜「みんな私のことバカにするけど、四捨五入すれば私だってあと10年は婚姻適齢なんですね~」

健夜「というわけで、今日の話題に移りましょう」

耕介「ちなみに。今回の内容はなんというか、割と不快感を覚える人がいるかもしれない内容だ」

耕介「特に女性の方は不快に思うかもしれない。でも、だからこそこの法律においては前もって知っておくべきだと俺は思うんだ。知らずに、後で不快な思いをするよりはきっといいはずだ」

耕介「…と、予防線を前もって張ったところで、本編に移ろうか」

慕「おじさん、さっきから誰と話してるの?」

耕介「………さぁ? 俺にもよくわからん」






~再婚禁止期間~





耕介「はぁ……どうすっかなぁ。再婚禁止期間について、慕に教えるか……?」

耕介「まだ慕は小学生だもんなぁ…健全な内容とも言い難いし。ま、それを言ったら今までの内容もグレーゾーンなんだが……」

耕介「……でも、慕には教えるって言っちまったもんなぁ。慕が忘れるのを待って、そのままなかったことにするか……」





慕「おじさ~ん。今、時間あったりする?」

耕介「ん、慕か? おう、大丈夫だぞ」

慕「それじゃあ、また民法について教えて貰ってもいい? 今日は……再婚禁止なんとかだっけ?」

耕介「……………」

慕「……………………」wktk

耕介「…………しょうがない。なるようになれ、だ」

耕介「まず、再婚ってのはわかるか?」

慕「うん。一度結婚した人が、もう一度結婚することだよね?」

耕介「そうそう、そんな感じだ。前回言ったけど、重婚は禁止されてるから、再婚する前には一度離婚する必要があるけどな」

慕「そうだね」

耕介「でもな。民法では女性に対してのみ、再婚禁止期間ってのが設けてあるんだ」

慕「再婚禁止期間ってことは……再婚しちゃだめな期間ってことだよね?」

耕介「そそ。具体的には、離婚してから六ヶ月だな。この間、女性は再婚してはいけないんだ」






はやりんチェック.20
◆女の人は、離婚してから再婚するまでに六ヶ月空けないといけないんだっ☆ ちなみに男の人はすぐに再婚できるよっ☆ ま、そんな軽い男、私は絶対許さないけど





慕「なんで男の人にはないの?」

耕介「うん、まぁ当然その疑問が出てくるよな」







耕介「その前にいくつか訊きたいことがあるんだが、いいか?」

慕「いいよ、ばっちこーい!!」



耕介「慕は、子供がどっから来るかは知ってるか?」

慕「? お母さんから生まれてくるんだよね?」

耕介「さすがにそれは知ってるか」


耕介(コウノトリが連れてくるとか言われたらどうしようかと思った)


耕介「んじゃ、どうやったら子供が出来るかは知ってるか?」

慕「? 結婚したらできるんじゃないの?」

耕介「なるほど……まだその先は知らない感じか。わかった、訊きたいことは以上だ。民法の話に戻るぞ」









耕介(…………あれ? でもこいつ、最初の方で既成事実とか言ってた気が………気のせいかな?)

耕介「では、まずはなんで女性にしかないのかって話なんだが…これは子供を産めるのが女性だけだからだ」

慕「? それが再婚禁止と関係あるの?」

耕介「まぁ、あるんだ。一つずつ説明していくから、よく聞いとけよ」

慕「うん!!」





耕介「まず、子供ってのは結婚したら必ずできるってわけではないんだ」

慕「そうなのっ!?」

耕介「おう。なんつーか…えっと……あれだ………お互いのことが好きな男女が……えっと……一緒に暮らしてるとできる………みたいな感じなんだ」

慕「え? じゃあ私ももうすぐおじさんとの子供…」

耕介「大人限定だ」

慕「むぅ……」

耕介「で、だ。まぁ……普通結婚したら一緒に暮らすだろ? だから結婚したら子供ができたりするんだ。そう理解しろ」

慕「つまり……逆に考えると、一緒に暮らしてる私とおじさんは結婚してるということに……」

耕介「ならないから。…………ならないからっ!!」

慕「むぅ……」

耕介「で、一緒に暮らしてたら子供ができたりするんだが…その後に離婚して、別の人と再婚するとするだろ?」

慕「ふむふむ……」メモメモ

耕介「そん時にさ。女の人はおなかの中に子供がいるだろ? その状態で別の人と結婚した時に、おなかの中の子供のお父さんは誰? ってなるのは分かるか?」

慕「……子供ができた時のお父さんと、今のお父さんがいるから?」

耕介「そうそう。まだこの例なら、お母さんが既に妊娠してるから、この子はきっと前のお父さんの子供だろうなってわかるけど、もっとややこしい場合もあるんだ」

慕「例えば?」

耕介「前のお父さんと離婚した後すぐに再婚して、その後に子供を妊娠してるのがわかった場合だな。この場合、妊娠したのが離婚前なのか、再婚後なのかわからないだろ?」

慕「なるほど……」

耕介「と、まぁ。こういう場合を想定しての再婚禁止期間なわけだ」

慕「ふむふむ」メモメモ






はやりんチェック.21
◆再婚禁止期間は、生まれた子のお父さんを確定させるためにあるんだねっ☆





慕「でも、なんで六ヶ月なの?」

耕介「う~ん。一応、妊娠してから子供を産むまでが大体300日だかららしい……」

慕「へぇ~」





耕介「ただ、この規定には色々疑問というか、反対の声もあってな」

慕「そうなの?」

耕介「あぁ。例えば、医学理論上は100日もあれば十分だって意見。DNA鑑定を使えばそんな期間を設けなくても誰が子供の親かわかるんじゃないかって意見」

慕「ふうふむ…」

耕介「なんといっても、女性にだけそんな期間を設けて、男には制限なしってのが不平等だって話だわな。だからこの法律は違憲だって意見も割とある」

慕「違憲だって意見があるんだね」

耕介「あぁ。違憲だって意見があるんだ」






はやりんチェック.22
◆再婚禁止期間の取決めには、いろんな問題もあるんだねっ☆





耕介「ま、大切なのはこんなところかな。いや、ぶっちゃけ俺の理解が全然足りてないだけなんだけど」

慕「むぅ…民法って難しいね」

耕介「あぁ。再婚禁止期間についてだって、ホントは妊娠推定期間の重複や嫡出子の話みてえにややこしい話がまだまだあるしな。ま、その辺の話は子ども関係の話につながってるし、後々やればいいだろ。とりあえず婚姻障害の話はこれでおしまいだ」

慕「ふむふむ……」






慕「でも…一緒に暮らしていれば子供ができるのかぁ……。最悪、結婚できなくってもおじさんの子供が出来ちゃったら私の勝ちだよね」

耕介「」

慕「なんかの偶然で、私にも子供できたりしないかなぁ…。一緒に暮らしてるんだから、可能性はあるよね?」

耕介(………なんだろう。この、どんどん逃げ道がふさがっていくような感覚は……)



耕介(慕が性知識を身に着けるのが先か……慕の倫理観が目覚めるのが先か……)

耕介(…………俺の明日は、どっちだ!!!)












耕介「終わりだと思ったか? 残念、今日は二本立てだ」

健夜「はい、前回という名の今回の復讐です」

健夜「再婚禁止期間ってのがあるよ! そんだけ」

健夜「今話したばっかのことだし、詳しい説明はいらないよね?」

健夜「というわけで、後半スタート!」







耕介「さて。前回でとりあえず婚姻障害の話は一通り終わったわけだが……」











慕「子どもの名前は何がいいかな~♪」








耕介「一緒に住んでたら子どもができる可能性がある、と話したら、慕が子どもの名前を考え出した」

耕介「………いや、しょうがなかったんだよ。本当のことを教えるわけにもいかないし……なぁ?」

慕「う~ん…鳥に関する名前がいいよねぇ…。………鳥……鳥………小鳥ちゃんなんて、女の子の名前にピッタリじゃないかな!」

慕「あとは…男の子なら……鳥………飛鳥君なんてかっこいいかも! 白築小鳥ちゃん、白築飛鳥君。どっちもゴロもいいね」メモメモ

慕「他には……鳥……鳥かぁ………う~ん……………白築バード君とか?」

耕介「なんだその全自動卓で天和しそうな名前は」







慕「あ、おじさん。ちょっと大事な話があるんだけど、いい?」

耕介「おう。子どもの名前以外ならなんでもいいぞ?」









慕「今日は婚姻について教えてほしいなっ♪」

耕介「」

耕介「ん…いやまぁ、確かに婚姻は民法を学ぶにあたって避けられない道だが……」

慕「でしょ?」

耕介「…………くそ、断る理由が見つからねぇ……」



耕介「よし、じゃあ今日は婚姻の効果について教えていくぞ」

慕「は~い♪」






~婚姻の効果~





耕介「さて、婚姻の効果だが…婚姻には身分上の効果と、財産上の効果がある」

慕「身分上と、財産上?」

耕介「あぁ。身分上の効果ってのは、一般的なみんながイメージしてるような効果だな。一緒に暮らす、とか名字が一緒になる、とかだ」

慕「ふむふむ…」

耕介「対して財産上の効果ってのは、夫婦の財産をどう扱うかってやつだ。ま、これはまた後で説明するよ」

慕「は~い」






はやりんチェック.23
◆婚姻の効果には、「身分上の効果」と「財産上の効果」があるんだねっ☆ はやりんの財産は、この笑顔かなっ☆





耕介「さて、まずは身分上の効果からだ。慕が聞きたいのはこっちの方だろ?」

慕「うん!!」






耕介「まず、一番有名なのは氏の共同だろうな。結婚したら名字を揃えることは慕も知ってるだろ?」

慕「うん!」

耕介「この時、勝手に新しい名字を作ったりしちゃダメだぞ? あくまでどちらかの名字に揃えるだけだ」

慕「なるほどなるほど……勝手にアニメキャラの名字とかを名乗っちゃだめなんだね」

耕介「あぁ。例えファースト幼馴染が好きだからって、篠ノ之慕とか名乗っちゃだめだぞ」

慕「しのののしのっ!」

耕介「ちなみに、最近は結婚したいが名字は別姓のままがいいという人も結構いてだな。こういう人たちは事実上結婚していても、婚姻届を出さなかったりするな」

慕「ふむふむ……ま、元から名字が同じな私たちには関係ない話だね」

耕介「だから慕はそれ以前の問題だと……」






はやりんチェック.24
◆結婚したら、夫婦で同じ姓を名乗らなくちゃいけないんだねっ☆ 白築はやり、周藤はやり、向村はやり、杉谷はやり、古川はやり、須賀はやり、萩原はやり、三科はやり、内木はやり………あ、なんでもないよっ☆





耕介「後は…同居、協力、扶助義務なんかが発生するな」

慕「? 同居と協力はなんとなくわかるけど……扶助義務って?」

耕介「扶助義務ってのは、一緒に住むもの同士で助け合いましょうって義務だ。家事の分担や家計の維持なんかは家族みんなで協力しましょうってことだな」

慕「ふむふむ…」

耕介「よく似てるけど違うのが、扶養義務ってやつだな。こっちは介護や経済的援護が必要な人を、家族の人はちゃんと助けましょうってやつのことだ」

慕「なるほどなるほど……」

耕介「つまり、俺が慕が学校にいけるように金を出したりするのが扶養。対して、慕と俺が家事を分担して、家庭の調和を維持しようとしてるのが扶助ってことだな」

慕「ふーむふむふむ……つまり私とおじさんは扶助義務をちゃんと果たしてるわけだね!!」

耕介「そうだな」

慕「同居もしてるし協力もしてるよねっ!!」

耕介「そうだな。それはおいといて、次の話題に行くぞ」

慕「むぅ……」






はやりんチェック.25
◆結婚すると、お互いに家庭をよくする為に頑張る義務が発生するんだねっ☆



はやりんチェック.26
◆扶助っていうのは助け合い、扶養っていうのは養うことだねっ☆ 似てるから気を付けようっ☆





耕介「あとは、貞操義務ってのも発生するんだが……これは慕にはよくわからんよな」

慕「?」

耕介「ま、要は浮気とかそういう夫婦として許せないようなことはするなってことだ」

慕「ふ~ん…」

耕介「ちなみに、これはちゃんと文章として記されているわけじゃない。でも、不貞行為は離婚原因になることから、そういう認識をするのが普通だとされている」

慕「なるほどねぇ~」







慕(ちゃんと愛し合ってる私たちには関係ないけどね)フフン

耕介「だれに対してドヤ顔してんだよ」






はやりんチェック.27
◆結婚した夫婦には貞操義務があるよっ☆





耕介「あとは、この前言った成年擬制だな。結婚したら、未成年でも成人として扱われるってやつだ」

慕「あ、それも婚姻の効果なんだ」

耕介「そそ。詳しくは>>114に書いてあるから読んでくれ」

慕「は~い」






瑞原はやりチェック(28)
◆結婚したら未成年でも成人として扱われるんだねっ☆ 18歳のはやりんも結婚したら成人扱い……ってあれ~? ここだけなんかナンバリングが違うよ? ……………少し……頭、冷やそうか。





耕介「あとは、夫婦の間だと契約をいつでも取り消すことができるようになるな」

慕「夫婦間の契約? おじさんは週に一回はちゃんとトマトを食べることとか?」

耕介「いろいろ突っ込みたいところだが、今は置いておこう」





耕介「夫婦間の契約ってのは、例えば『浮気をしたら、慰謝料として1000万円払う』みたいなのだな」

慕「へぇ~」

耕介「んで、こんな契約結んどきながら、夫婦だといつでも取り消せちまうんだ。これ」

慕「え? それじゃあ、全然意味がないんじゃ……」

耕介「それがそうとも言い切れないんだ。これはまず、なぜ夫婦間での契約が取り消せるのかって話からしないといけなんだけど」

慕「ふむふむ」

耕介「夫婦間での契約を取り消せるのは、夫婦間の契約は、道徳心に委ねられているからなんだ」

慕「ほうほう…」メモメモ

耕介「『法律は家庭に入らず』って言ってな。家庭内のことにまで一々法律を無理やり介入させるべきではないって考え方があるんだよ。兄弟の殴り合いに、やれ暴行罪だのやれ傷害罪だのって言っても、キリがないだろ?」

慕「ふむふむ…なるほどなるほどなるほど……」

耕介「他にも、親の財布から金を盗んだからって、それを一々警察に突き出したりはしないだろ? 親が拳骨一発して怒って終わりでいいじゃん」

慕「そうだね。私はちょっと経験ないからわからないけど」

耕介「でだ。夫婦間の契約もこれと一緒で、わざわざ法律を介在させたりはしねーんだ。本人たちの道徳に任せときゃ、普通変なことにはならないだろうしな」

慕「なるほどね……。でも、それとさっきの話にどんな関係が?」







耕介「つまりだ。道徳心に反するようなことがあった場合、もはやこの規定を守る必要はなくなるんだ」

慕「?」



耕介「浮気とかしてるような奴が、『この慰謝料契約は無効で~す。契約は道徳心に委ねられているんだから、法律なんて関係ないよん』なんて言って、許されると思うか?」

慕「あぁ…なるほど」

耕介「そそ。この場合、もはや契約を解除することはできないんだ。つまり」

慕「浮気した旦那さんは、契約に従って医者料を支払わないといけないってことだね!」

耕介「そうだな。医者料じゃなくて慰謝料なんだが、まぁどうでもいいな」






はやりん(宇宙一可愛い)チェック.29
◆夫婦間の契約は自由に取り消せるよっ☆ これは、夫婦間の契約は道徳心によって支えられているからなんだねっ☆



はやりん(配偶者にしたい雀士ランキングNo.1)チェック.30
◆婚姻状態が破綻した夫婦間だと、契約は取り消せないぞっ☆





耕介「さて。身分上の効果はこのくらいだな」

慕「ふむふむ……じゃあ次は財産上の効果だね」

耕介「あぁ……と言いたいところなんだが、腹減ったし今日はこのくらいでいいか? 財産上の効果は、また次の機会ってことで」

慕「え~? まぁ、いいけどさ」

耕介「悪いな」

慕「その代わり、今日はちゃんとトマト食べてね?」

耕介「うっ……れ、冷蔵庫にトマトがあればな」

慕「そういうと思って、今日買ってきときました~」っトマト

耕介「」






耕介「…やれやれ……この抜け目なさは、姉貴そっくりだな………」

今日の投下はここまでです。

ペース配分ミスりまくってますね。
なんもかんもはやりんが可愛すぎるのが悪い。



前回からめっちゃ時間空けちゃって申し訳ないので、お詫びと気分転換を兼ねて、民法に関係ない安価でも取っちゃいます。
↓1,2の人、なんかお題ください。
>>1はシノハユは単行本派なので、本誌の方のネタはわかんないです。
あと、法の規定に引っかかりそうなネタ(グロいのとか、エロいのとか)はやめてください。

できればシノハユ関係のネタだと嬉しいです。
書くのは次回。



それでは今日はここまで。
次回は婚姻の財産上の効果についてやる予定です。

間違いの指摘は大歓迎です。

それでは、さようなら。

乙でした。

安価は
高校生になりいろいろ知った場合の慕ちゃん

おじさんがトマト食べる契約とか

乙です
>>144で「大沼はやり」が出なかったことにはやりんの残りわずかな理性を見た


高校生の名字を上げてる時点で理性ってもう…
むしろ欲望丸出しだからこそ抜かしたんじゃないですかね…

民事はクリーンハンドの法則とかあったっけな
不真面目な学生時代を送ったから忘れてしもうた

こんにちは。
またも時間が空いてしまいましたが、今回は財産上の効果について書いていきます。

貰ったお題(>>157>>158)は次回にまとめて書いていきますね。



>>160>>161
大沼プロは既婚者の可能性があったので外したらしいです。
はやりんにも越えられない一線はあります。


>>163
クリーンハンズや信義則はとても人間らしい考え方ですよね。
とってもすばらだと思います。



それじゃあ書いていきます。
いつも通り、疑問や間違いの指摘はどんどんしちゃってくださいね。

健夜「小鍛治の復讐コーナーだよ」

健夜「前回は婚姻の身分上の効果とかいうのをやったらしいよ。私には全然関係ない話だね」

健夜「それじゃあ民法講座、始めるよ~」






恒子「投げやりだね」

はやりん「だねー☆」

耕介「ほら、今月のお小遣いだ。大切に使えよ?」

慕「はーい。ありがとう、おじさん」

耕介「分かってると思うが、食材に使った金額は隠さず、全部報告するように。レシートはちゃんとチェックさせて貰うからな」

慕「もぉ、分かってるよ~」

耕介「お前はまだまだ子どもなんだから、変な気遣いなんてしなくていいんだからな?」

慕「は~い」





慕「あ。お小遣いで思い出したんだけど………この前の婚姻の効果の続きの『財産上の効果』っていうのはどんなのなの?」

耕介「たった一度の発言で九回も『の』って言ったな。すごいぞ慕」

慕「のののののののののーっ!!」

耕介「まぁそんなどうでもいい話は置いといて、財産上の効果だな。………うん、今は時間もあるし、教えてやろう」

慕「うん!」






~婚姻の効果:財産編~




耕介「前回は身分上の効果を説明したよな」

慕「うん! 名字が一緒になるとか、そういうのだよね?」

耕介「そうそう。んで、民法ではそれとは別に、夫婦の財産についても取決めがしてあるんだ」

慕「ほうほう……」メモメモ





耕介「まず、『婚姻費用分担義務』というものがある」

慕「ふむふむ……長いからメモするのも大変だ……」メモメモ

耕介「婚姻費用てのは、夫婦としての共同生活から生じる費用のことだな。生活費や子どもの養育費なんかだ」

慕「なるほど…」

耕介「それを分担する義務……つまり夫婦は、資産や収入などの事情を考慮して婚姻によって発生する費用を分担しなければならないということだ」







慕「………………」

耕介「…………………どうした、慕?」

慕「……やっぱ食材関係は私がお金出すよ」

耕介「……夫婦には分担義務があるってだけで、分担したら夫婦ってわけじゃねえからな?」

慕「どうして私が考えてることがわかったの!?」

耕介「いや、なんとなく」






はやりんチェック.31
◆婚姻したら、婚姻生活に必要な費用を夫婦で分担しないとダメだよっ☆ お金のことなら私に任せてー☆(バリバリ)





耕介「あと、財産上の効果としてもう一つ。『日常家事債務の連帯責任』っつーのもある」

慕「だから長いよっ!? ちょ、ちょっと待って……」メモメモ

耕介「…………書けたか~?」

慕「う~ん……っしょっと! 書けたっ!」





耕介「『日常家事債務の連帯責任』ってのは、夫婦の片方が法律行為……例えば家電なんかを買った場合だな。この時に生じた債務、つまりお金を払う義務は夫婦のもう一方にも発生するんだ」

慕「………ん? つまりどういうこと?」

耕介「旦那さんが家電買ったけど金払えない場合、奥さんにお金があるなら奥さんが金を払わないといけないってことだ」

慕「あ、なるほど」

慕「つまり、私が買った食材のお金をおじさんが後で払ってくれてるってことは………!?」

耕介「いや、それは単なるお使いだな」

慕「えー?」





耕介「ちなみに、この時に物を売ってくれる人…いわゆる第三者に、前もって相方が責任を負わないということを予告していた場合、この『日常家事債務の連帯責任』は適用されないから、注意するように」

慕「はい!」






はやりんチェック.32
◆夫婦の間では、片方が負った債務はもう片方も負担しないといけないんだねっ☆ 最初から予告していた場合は例外だよっ☆





耕介「ここまでの話は、夫婦ではお金などを共有してるって話だな」

慕「だね」

耕介「だが、それとは別に『夫婦別産制』ってのがある」

慕「ふむふむ…」メモメモ

耕介「これは夫婦間でも、夫婦の共有物としてでなく、自分だけの財産を所有できるというものだな」

慕「ほうほう…」

自分無学なもんでちょっと聞きたいんだけど
夫ないし妻に内緒で買い物した場合でも発生するんだよね?それで相手が支払い能力が無くて自分が負担した場合でも、離婚時には夫婦の共有財産って扱いになるの?ようわからん

耕介「例えば、結婚前から集めているコレクションなどだな。分からない人からすれば、邪魔なだけだろ?」

慕「だね。よくガ○プラとかを勝手に売られた、みたいな話は聞くけど」

耕介「そう。問題はそこだ」

慕「?」

耕介「夫婦間ですべての財産を共有しなければならないなら、夫の物を妻が勝手に売ったり、逆に妻の物を夫が勝手に売ったりしてもいいことになっちまう」

慕「……あ~、なるほど」

耕介「この前、俺が慕の牌を勝手に売っただろ? あれは実質メガネに預けてただけだが……ああいうことが起こりまくっちまうわけだ」

慕「それは辛いね………」





耕介「だから、それを守るための夫婦別産制だ。結婚したとはいえ、結婚前から所有する財産や、婚姻中に自己の名前で得た財産は、共有されず個人の特有財産になるんだ」

慕「勝手に売ったりしたらダメなんだね」

耕介「そそ。逆に、夫婦のどっちが所有してるのか明らかじゃない財産は、共有財産として扱うぞ」

慕「なるほど……」













>>175
えっと…>>1もちょっとよくわからないです。
ただ、夫婦別産制を定めた民法762条では、1項に『婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする』。
同条2項では『夫婦のいずれかに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する』とあるんですね。

つまり買い物をしていない方が支払いした際、その物の所有権をどのように認識しているかで変わるんじゃないかと。

例えば旦那が自分用のパソコンを持っていて、妻専用だということを認識して支払いに応じたのであれば妻の特有財産。
妻の名義で買ったとしても、支払いを旦那がし、共有して使っていたのであれば共有財産になるんじゃないですか?

正しいこと言ってる保障はないです。
また調べときます。

教えて偉い人。






はやりんチェック.33
◆夫婦でも、結婚前に買ったものや個人の名前で買ったものは共有されないんだねっ☆ 勝手に売ったりしたら、夫婦でも弁償させられちゃったりしちゃうぞっ☆





耕介「……と、まぁ。こんなところだな」

慕「必要なお金は共有するけど、自分のために買った物は共有しないって感じだね」

耕介「まぁ、大体そんな感じの認識でいいだろ」



耕介「ちなみに、ホントは表見代理とかややこしいのもあるんだけど、今回はなしだ」

慕「難しいの?」

耕介「難しくはないんだろうが、単純に時間がないのと、俺が説明出来る自信がないだけ。そのうち余談としてでも話すさ」

慕「はーい」







慕「よしよし…夫婦に関する情報もだいぶ集まってきた……」

慕「結婚は最終目標として、それまでにより夫婦っぽい生活ができるように心がけなきゃ………」





耕介(……何も聞こえなかったことにしよう)

すいません。
短いですが時間がないので、今日はここまでです。

一応17:10までは質問とかに答えれるので、何かあれば言ってください。
夫婦間の表見代理の話は次回します。


あと、>>175さんは一応次回まで答えを待ってもらっていいですか?
出来るだけ正確な答えを返したいので。

わざわざありがとうです
その知識を使う機会がないことを願うけど

>>181
いえいえ、こちらこそ勉強不足で申し訳ないです。




質問もないようですので、さようなら。



質問や指摘はどんどん書き込んでくださいねー。

こんばんわ。

いつもより遅い時間だけど、投下していきます。
書きながらの投下になるんで、かなりゆっくりになると思いますが、ご了承ください。


>>175
すいません、もうちょっと待ってください。
なかなか確証ある結果が得られないので…。

健夜「さて。久しぶりというか、初めて活躍しそうな今回の復讐コーナー」

健夜「前回は、夫婦別産制とかの話をしたわけですが…前回の最後の話を覚えていますか?」

健夜「そう、『表見代理』というものが、名前だけ出てきて終わりましたよね?」

健夜「今回はその、表見代理の話になるそうです」

健夜「なので、あまり夫婦の話には関係ないですけど、前回の続きだと思って読んでください」






~夫婦間の表見代理~





耕介「さて。今日はちょっと時間もあるし、前回の話の続きをしよう。表見代理の話だ!!」

慕「む…? いきなりなんの話?」

耕介「家族の話にはあんま関係ないんだが、民法ではちょっと大事な話だ。夫婦間の話にも関わりあるしな」

慕「ふむふむ…メモ取ってくるからちょっと待ってて」

耕介「はいよー」






慕「準備オッケー!」

耕介「よし、じゃあさっそく話していくぞ」

耕介「まず、代理ってのは契約とかを自分の代わりに別の人にやってもらうことだ。代理人って言葉くらい聞き覚えがあるだろ?」

慕「あぁ、あれだね。麻雀の代打ち!」

耕介「ずいぶん物騒な例えだが、近いな。身近な例だと、お使いなんかも代理になるんじゃないかな?」

慕「あぁ、なるほど。自分の代わりにモノを買ってきてもらうわけだね」

耕介「そうそう。で、代理を任せたり任されたりすることを、代理権と言うんだ」

慕「そのまんまだね」

耕介「凝った名前つける必要もないしな。例えば俺が慕に晩飯のお使いを頼む場合、慕に食材の購入という契約を代理してもらってると言えるわけだ」

慕「なるほど……難しそうな話にみせかけて、カンタンな話だね」

耕介「これが代理権の基本だな。んで、次に無権代理ってのがある」

慕「ヒョーケン代理の話はまだ?」

耕介「もうちょっと待ってくれ。順番にお説明しないと意味不明だと思うから」

慕「はーい」

耕介「無権代理ってのは、代理権がないのに、まるで代理人であるかのように振る舞い、勝手に契約をしちゃうことだな」

慕「…………え? それ、大丈夫なの?」

耕介「大丈夫じゃないぞ? 極端な話すると、俺がいきなり『周藤に買ってこいって言われたので、この壺ください』とか言って何十万もする壺買ったりするってことだからな。そしてその請求は周藤の元に行くという」

慕「うわわ…酷い…。……周藤って……?」

耕介「ほら、牌を預かってたメガネだよ」

慕「あぁ、あの人かぁ。……いくらなんでもそれは可哀想だよ……」

耕介「そう、これは流石に酷いだろ? だからこの場合、周藤は別にお金を払わなくてもいいんだ」

慕「……あれ? でもそれだと、今度は壺を売った人が可哀想だよ?」

耕介「まぁそうだよな。だからこの場合、代理権なんて最初からないんだから、俺が自分の意思で売り手と契約したことにするのが基本なんだ。つまり俺が金を払わないとダメなんだな」

慕「なるほど……」

耕介「んで、無権代理っつってもいくつかパターンがあるんだよ。さっき言った、まったく代理権が無い人がいきなり嘘をついて代理するパターン、本を買ってくるという代理権を持った人が、本だけでなくなぜかテレビまで買ってきたというパターン、過去に代理を任された人が、もうその代理権を失っているのに代理人のようにふるまうパターンなんかだな」

慕「ふむふむ……」メモメモ

耕介「そんで、そんな無権代理の中でも例外的に、代理権があるとして扱うパターンがあるんだ。それが表見代理ってわけ」

慕「ふむふむ……ん? つまりどういうこと?」

耕介「さっきの周藤の例で言うと、俺が勝手に周藤の代わりに契約したにも関わらず、周藤が契約をしたとして扱う場合だな」

慕「そんなのあるの!?」

耕介「おう。それを今から説明するぞ

耕介「表見代理ってのは、見た感じ代理権があるっぽかったら代理権があることにしちゃえってやつだ。『無権代理人がした無権代理において、その責任が本人にもある場合』に、契約の相手方を保護するための制度だな」

慕「………? よくわかんないよ……」

耕介「ざっくばらんに言うと、『紛らわしいことしたんだから、無権代理人だけでなくお前にも否があるぞ』ってことだ」



耕介「さっきの例をちょっと変えて見てみよう。周藤が普段から俺にお使いを頼んでいて、俺が周藤の代わりに買い物をしてるということを誰もが知っている場合だな」

慕「ふむふむ……」

耕介「この場合、俺が『今日も周藤に頼まれて、高級国産牛を買いにきましたー』って言ったら、みんな信じるだろ? 普段から俺は周藤の代わりに買い物してんだから」

慕「まぁ……そうだね」

耕介「この場合だと、俺が無権代理をしたとはいえ、周藤に全く責任がないとは言い切れねえじゃん? 俺に普段から買い物任せてるんだから」

慕「………そうかな? そうなるのかな?」

耕介「民法ではそうなるんだよ。この場合、肉を売った人を一番に保護すべきだって考えるのが表見代理だ」

慕「……つまり、普段は勝手に代理をされた人を一番に保護するべきだけど、その人にも問題があった場合は保護する優先度が変わるってこと?」

耕介「そんな感じ。この場合一番可哀想なのは、周藤の普段のグータラのせいで俺に代理権があると信じてしまった、騙された売り手だからな」





耕介「んで、この表見代理が成立する場合、売り手は選べるんだ。表見代理による保護を受けるか、無権代理による保護を受けるか」

慕「へー、選べるんだー」

耕介「おう。紛らわしいやつだって悪いけど、あくまで一番悪いのは無権代理人だからな。好きな方から保護を受けれる」






咲キャラ中最も頭のいいはやりさんによる、ありがたいはやりんチェック.34
◆代理権っていうのは、契約なんかを自分の代わりにやってもらう権利だよっ☆ よくあるのは、その契約について詳しい人に契約や手続きを任せるってパターンじゃないかなっ☆



科学者の道を蹴って麻雀界に舞い降りた天使による、すばらなはやりんチェック.35
◆無権代理っていうのは、代理権がない人が勝手に代理人を名乗って契約をしちゃうことだよっ☆ 無権代理は原則として無効だよっ☆ ………これって勝手に婚姻届とか書いちゃうのもアウトかなぁ★



どれほどの言葉で褒め称えてもなお言い表せない、大天使によるはやりんチェック.36
◆表見代理っていうのは、無権代理の中でも代理権があると誤解してしまうようなシチュエーションの場合、代理権を認めちゃうっていう制度だよっ☆ もちろん騙された人は、無権代理人の方に責任を追及することもできるよっ☆





耕介「さて、長い補足だったが、本題に移ろう」

慕「本題?」

耕介「あぁ。この代理権の話なんだがな、実は夫婦間では特殊な取決めがあるんだ」

慕「特殊な取決め?」

耕介「この前言った『日常家事債務の連帯責任』に関係する話なんだがな。夫婦間では、互いに日常家事に関する代理権が認められているんだ」

慕「ふむふむ……」

耕介「日常家事ってのは分かるだろ? 買い物とかそういうのだな。それについて、夫婦は互いに代理権を持っているとされるんだ」

慕「…………つまり…旦那さんは奥さん、奥さんは旦那さんの代わりに買い物することを任されてるって考えるわけだね」

耕介「概ねそんな感じだ。ここで問題となるのが、日常家事の範囲を超える法律行為をした場合だ」

慕「?」





耕介「例えば、旦那さんが奥さんの代理人として、奥さん名義でモノを勝手に買ってしまった場合だな」

慕「お金がなかったのかな? でもこれって…」

耕介「そう。これが夫婦でなければ、代理権なんてないんだから、この代理は無効となる……これは分かるだろ?」

慕「うん」

耕介「だが、夫婦間では代理権があるものとして考える。つまりこれが日常家事であるとするならば、この代理行為は有効になってしまうんだ」

慕「なるほど……」

耕介「そこで問題となるのが、どの程度までが日常家事と考えるかだ」

耕介「例えば、家の売買について考えてみよう」

慕「家?」

耕介「そう。家ってすっげぇ高いだろ?」

慕「高いらしいねぇ。何百万円もするんでしょ?」

耕介「いや、何千万とするな。まぁ高いってことだけ理解出来てれば問題はないんだけど」

慕「うん!!」





耕介「ここでだ。例えば夫婦の片方が、今の家に飽きてたとする」

慕「ふむふむ…家に飽きるってすごい表現だねぇ……」

耕介「まぁな。そこで、勝手に新しい家を買っちまったとするだろ? 当然、夫婦の名義でだ」

慕「大変だねぇ……」

耕介「この場合にだ。まぁ、家を買った本人はいいじゃねぇか。新しい家が欲しくて、家が手に入ったわけだからな」

慕「うんうん」

耕介「でも、もう夫婦のもう一人からすればビックリだろ? いきなり新しい家が手に入ってるわけだからな。金とか用意しねぇといけねえし」

慕「ふむふむ…」

耕介「ここで問題だ。この家の売買が、勝手に認められていいのかという話だ」

慕「えっ? う~ん…ちょっと無茶苦茶だけど…夫婦で代理権が認められてるのなら……しょうがないのかなぁ?」

耕介「そうだな。この場合、夫婦間に代理権が認められていることを重視するなら、たとえ無権代理だとしても、表見代理が成立するだろ?」

慕「そうだね。ちょっともう一人の方が可哀想な気がするけど…」

耕介「そう、そこがポイントだ」

慕「ぇ?」





耕介「慕はなんでこの人が可哀想だと思った?」

慕「えっと…そりゃあ、いきなり家を買わされて、いきなりお金を払えなんて言われたら……可哀想でしょ?」

耕介「…この夫婦がすごいお金持ちで、別荘を10個も20個も持ってたとしたら?」

慕「え? ………うーん…それならまぁ、一個くらいはいい気もするけど………それでも、勝手に買っちゃうのはよくないよ」

耕介「それじゃあ………………この夫婦が普段から、お互いに家の売買を相方に任せていたとしたら?」

慕「えっと………うーん…まぁ、それなら……どうなんだろ?」

耕介「ここで、>>197で言ったことを思い出してほしい」

慕「>>197の話?」





ポワンポワンポワンポワンポワーン(思い出す時の音)



耕介『ここで問題となるのが、日常家事の範囲を超える法律行為をした場合だ』



ポワポワポワポワポワポワ(回想が終わる音)






慕「日常家事の範囲の話!!」

耕介「そう。夫婦間での表見代理が認められるのは、日常家事の範囲においてだ」

慕「つまり?」

耕介「普通の家庭なら、家の売買は流石に日常家事とは言えないからな。無権代理となる」

耕介「しかし、お金持ちで、普段から家の売買を互いに任せているような場合だと、これを日常家事としうて考える」



慕「なるほど……家を売る人からしても、普段から買いに来てる人だったら、売っちゃうもんね」

耕介「そゆこと。これが夫婦間における表見代理が成立するかどうかの基準だ」








耕介「と、いうわけで。一応これで夫婦間の財産の話は一応終わりってことになるんじゃねぇかなぁ」

慕「ふむふむ…他にはどんな話があるの?」

耕介「ん? 家族の話だと…あとは離婚とか、子どもとか、相続の話かなぁ」

慕「むー…あまり面白そうじゃないね」

耕介「まぁ、お前からしたらなぁ……」

耕介「ほれ、明日テストあるんだろ? さっさと歯ぁ磨いて寝なさい」

慕「むぅ…もっと夫婦の話聞きたかったなぁ」

耕介「そのうち小ネタ的な話題を仕入れたら、また教えてやるから」

慕「はーい……おやすみなさい」

耕介「はいよ。おやすみ」





耕介「……やれやれ。また周藤から民法ネタを仕入れないとな」

周藤は質屋経営してるから、きっと民法について詳しいと思います。

とりあえず、婚姻の話題はここまで。
あとは婚姻ネタを仕入れたらまた書いていくかも?




このままの流れで、>>158も書いてきます。

次の日





慕「みてみて、おじさーん。今回のテスト、頑張ったんだよー」フンスッ

耕介「おー、すげえな慕! 97点とか、一問間違いじゃねえか!」

慕「うん。ちゃんと勉強した甲斐があったよー」

耕介「偉いぞー、慕。麻雀ばっかだと思ってたけど、ちゃんと勉強もしてたんだな」

慕「ぶんぶりょーどーだよっ!」

耕介「偉いなー、慕は。……よし、じゃあご褒美だ。今日はなんでもわがまま言っていいぞ?」

慕「ホントに!?」

耕介「おう。あ、もちろん俺にできることだけだぞ? 結婚とかそういうのは無…」

慕「トマト食べて!!」

耕介「理だからな………………………………え?」









慕「トマト食べて!!」

耕介「あ~…トマトかぁ…………あ~………なるほどなぁ…………」

慕「好き嫌いはダメだよ?」

耕介「………あ~……そ、それよりも、なんか欲しい物とかないか!? 自転車でも洋服でも、なんでも買って…」

慕「じゃあ、トマト買ってきて! おじさんの今日の晩御飯に使うから」

耕介「あー……うー…ん………そ、そうだ! たまにはちょっと遠出してみないか!? 遊園地とか」

慕「あ、それもいいね」

耕介「お!? だ、だろ? よし、それじゃあ明日にでも遊園地に……」

慕「お弁当は残さず食べてね? もちろんトマト入れるけど」

耕介「」

耕介「………どうしても食べなきゃ、ダメ?」

慕「好き嫌いはよくないよ?」

耕介「う~ん…でも、わざわざ嫌な思いをしてまで食べる必要も……」

慕「私はあまり勉強好きじゃないけど、それでも頑張ったよ?」

耕介「あ~……それもそうだなぁ………」

慕「………………だめ?」





耕介「…………そうだな。大人がこんなわがままばっかり言っちゃだめだ」

慕「!?」

耕介「よーし、食ってやろうじゃねえか!! あのにっくきトマ公をなぁ!!」

慕「やったぁ!! それでこそおじさん!! それじゃあ、契約成立だね!!」

耕介「おう。契約成立だ」

晩飯





耕介「……………ちょっと待ってくれ」

慕「ん? どうしたの、おじさん」

耕介「いや、確かに俺はトマトを食べると言った。それは間違いない」

慕「うん! だからこうして晩御飯を…」

耕介「そう、問題はそこだ」




アミューズ:ミニトマト
オードブル:トマトサラダ
スープ:トマトスープ
肉料理:牛肉とトマトのオムレツ
魚料理:鱈のトマト煮込み
肉料理:豚肉とトマトの炒め
麺飯:トマトピラフ




耕介「………トマト大すぎじゃね? しかもなぜコース料理風?」

慕「えへへ~。記念すべきおじさんのトマトデビューを豪華に飾ろうかと」

耕介「いや、デビューは結構前にしてるからな? 食わず嫌いじゃないぞ?」

慕「あ、そうなんだ。じゃあ、トマトいっぱい食べる記念ってことで」

耕介「いや、『トマトを食べる』と『トマト尽くし』は全然違うんじゃないか? アミューズとかオードブルとか、ぶっちゃけ手つかずのトマトじゃん」

慕「え、でもトマト食べるって」  

耕介「言ったよ? 確かにトマト食べるとは言ったよ? でもこんないっぱい出てくるなんて、そんなん考慮してねーよ」

慕「う~ん…私はおじさんが食べるって言った時点で、トマト尽くしにする予定だったんだけど……」







耕介「ちなみに。このように、契約者同士の意思と違った形で契約をしてしまうことを、民法では『錯誤』と呼ぶ」

慕「いきなり勉強が始まった!?」

耕介「例えば慕が、急に本誌で掲載されてる『シノハユ』を読みたくなって、本屋に『ビッグガンガン』を買いに行ったとするだろ?」

慕「『シノハユ the dawn of age』と『咲日和』。どちらもビッグガンガンで好評連載中だよ!!」

耕介「ところがだ。慕は『ヤングガンガン』を買ってしまったわけだ」

慕「『咲-Saki』本編はヤングガンガンにて好評連載中!!」

耕介「さっきから誰に言ってるんだよ……」





耕介「お金払って、レシートもらって、家に帰って、袋を切って」

慕「ふむふむ…」

耕介「読んでビックリ!! 『シノハユ』も『咲日和』もやっていない!! なんとヤングガンガンでやってるのは『咲-Saki』本編の方だったのだ!!」

慕「なんとっ!?」

耕介「慕の貯金は残り400円。これじゃあ『ビッグガンガン』が買えない!!」

慕「あわわわ、大変だ。いっぱいおじさんの肩叩きしてお小遣い貰わないと……」

耕介「………慕、お前はホントにいい子に育ったな」

慕「?」

耕介「と、まぁ。こんな状況が『錯誤』に当たるわけだな」

慕「なるほどねぇ……」

耕介「ここで問題となるのが、じゃあ『錯誤』による契約は無効になるのかという点だ」

慕「ふむふむ……」

耕介「じあ、ここで問題。錯誤による契約は無効にできるでしょーか? はい、慕さん!」

慕「え!? いきなり問題!? え~っと……買う人の方が勘違いをしてたんだよね? それじゃあ買う人が悪いってことに……いやでもそれだと買った人が可哀想だし………でも、そうやって買ったのに取り消されると、今度は売った人の方が可哀想……うむむ………」

耕介「これはちょっと意地悪な問題だったかな。正解は、『無効に出来る場合とできない場合がある』でした」

慕「え~っ!? そんなのずるい!!」

耕介「ははっ、悪かったって。簡単に言うと『要素の錯誤』は無効に出来て、『動機の錯誤』は無効にできないと覚えておけばいい」

慕「動機? 要素?」

耕介「『要素の錯誤』ってのは、その要素がなければ契約もしなかっただろうなって感じのやつだ」

慕「?」

耕介「さっきの『ガンガン』の例で行くと、『ヤングガンガン』で『シノハユ』が連載してると思って買った場合が要素の錯誤だな。慕が読みたかったのは『シノハユ』なんだから、『シノハユ』がやってないとわかったら、『ヤングガンガン』は買わずに、『ビッグガンガン』を買っただろ?」

慕「まぁ私は本編も好きだけどね」

耕介「今してるのはそういう話じゃないから。これが『要素の錯誤』だ」

慕「じゃあ、動機の錯誤っていうのは?」

耕介「買う目的の錯誤、かな? 慕が『シノハユ』は『ビッグガンガン』でやってるってことを分かったうえで、『ヤングガンガン』でやってる本編に『白築耕介』という名前のキャラが出てくるかもと思って『ヤングガンガン』を買った場合?」

慕「凄い例だねぇ」

耕介「スマン、実は俺もあんまよくわかってねえんだ。多分これで間違ってねぇと思うんだけど…」

慕「え~?」

耕介「ま、そういうことだ。『錯誤』はかなり間違えやすいところだから、気を付けねえとな」



慕「……………おじさんは、このトマト料理について錯誤があったって言ってるんだよね?」

耕介「ん? うん…まぁ」

慕「……要素の錯誤だと、無効に出来るんだよね?」

耕介「あ、あぁ……そうだな」

慕「要素の錯誤っていうのは、それがなかったら契約しなかっただろうなってことなんだよね?」

耕介「い…イエス」



慕「じゃあ、私が頑張っていっぱいトマト料理作るって知ってたら、おじさんはトマト食べるって約束しなかったのかなぁ……」ショボン







耕介「…………………………」

慕「…………………………」

耕介「…………………………」

慕「…………………………」

耕介「………分かったよ。お前が頑張って作ってくれたんだもんな。俺も頑張らねえといけないよな」

慕「!? それじゃあ……」

耕介「おう。錯誤無効なんてしない。ちゃんと全部、食い切ってやるよ」

慕「ありがとう!! おじさん!!」













耕介「……………………………………………………………」

慕「お…おじさん。無理しなくても……」

耕介「…………だ、だいじょぶ……………………」プルプル













慕(……………涙目のおじさん、かわいい……)

というわけで、今日の投下はここまでですー。
>>157はもう少しお待ちくださいませ。


次回からは、子どもの話にな入りたいと思います。
養子の話とか、この二人がするにはちょっと重そうだけど…。

結局慕は養子なのかな? ただの後見人?
>>1は単行本派ですので、もし本誌の方で明らかになってたら教えてください。



>>1がニワカであることがバレてしまった……。
ま、雑魚なりに頑張りますので、アドバイス・指摘お願いします。


それでは、さようなら。

ビッグガンガンが欲しかったんだけど間違てヤングガンガンを買うのが要素の錯誤

それがヤンガンであると認識したうえで、シノハユが載ってると勘違いして買うのが動機の錯誤では?

こんにちは。

長い間放置してしまって申し訳ありません。
慕と耕介での親子に関する会話が全然書けず、気付けば一か月経ってました。

とりあえず今日はすこはやによる婚姻復讐(復習)編でお茶を濁させていただきます。


親子はまだ頑張るとしても、慕リチャで相続の話はちょっとダークすぎるので、多分相続は南浦さん家か龍門渕家か原村家か愛宕家にでも投げ捨てます。
もし親子の話題があまりに書けなさそうだったら、親子の話題も原村家か愛宕家に投げるかもしれないです。

あ、あと>>222さん。

>>1が持ってる本には例として、

・要素の錯誤→Aは、甲土地が駅前にあると聞いて買ったのに、駅前ではなかった
・動機の錯誤→Bは、乙土地の近くに駅が作られると聞き、値上がりを予想して買ったが駅の開発はなかった

みたいなことが書いてあったんですよ。


なのでより安全(多分間違いないだろうなというよう)な例を出して説明させていただきました。
>>1の理解不足ですね、申し訳ありません。

すこ☆やん「ん? なんか名前のところがいつもと違わない? 見た目もなんか三頭身になってるし…」

はや★りん「ほら。私たちって、このスレのマスコット的存在でしょ? だから偶にはこういうのもいいかなって☆」

すこ☆やん「あー、確かにねー。私たち、マスコットだもんね。可愛いマスコットだもんねー」

はや★りん「というわけで、ちょっと毒吐いたりしても、可愛いマスコットだと思って許してねっ★」

すこ☆やん「なお、現在会話している『すこ☆やん』並びに『はや★りん』と、『咲-saki-』の登場人物である『小鍛治健夜プロ』ならびに『瑞原はやりプロ』はなんの関係もありません。あらかじめご了承ください」

はや★りん「というわけで、婚姻の復讐。はっじまっるよー★」

>>7

~婚姻~


すこ☆やん「一番最初のところだね、あったあった。要は結婚のことだよね?」

はや★りん「そそっ、婚姻には必要なものが3つあったよね☆ すこ☆やんちゃんは言えるかな~?」

すこ☆やん「えっと…確か既成事実はいらないんだよね? えっとえっと……婚姻届は覚えてるんだけど……」

はや★りん「まずは一つ、ピンポーンっ☆ 婚姻届がないと結婚はできないよっ☆ これを『形式的要件』っていうよっ☆」

すこ☆やん「そうそう! 形式的要件と実質的要件だ!!」

はや★りん「ピンポンピンポンっ☆ そう、婚姻には形式的要件と実質的要件が必要だったねっ☆ それじゃあすこ☆やんちゃんは実質的要件を二つ、言えるかなっ?」





すこ☆やん「う~ん…思い出せない……。教えて、はや★りんちゃん!」

はや★りん「りょーかいっ☆ 実質的要件には『婚姻意思の合致』と『婚姻障害がないこと』の二つがあるんだっ☆」

すこ☆やん「あー、あったあった!! 確か、お互いに結婚したいと思ってることと、結婚する条件が揃ってることだよね?」

はや★りん「ピンポンピンポンっ☆ 大正解!! さっすが可愛くて美人で若々しいすこ☆やんちゃんだねっ☆」

すこ☆やん「これも全部、可愛くて綺麗で若々しいはや★りんちゃんがヒントをくれたからだよ!!」

はや★りん「ありがとーっ☆」

すこ☆やん「どーいたしましてっ!」

>>15

~婚姻障害~



すこ☆やん「ねぇねぇはや★りんちゃん! 婚姻障害ってどんなのだっけ?」

はや★りん「婚姻障害っていうのはね? 『こういう人は結婚しちゃだめ!』ってやつだぞっ☆」

すこ☆やん「もー、それは分かってるよぉ! 具体的にはどんなのがあるの?」

はや★りん「んー、例えば近親者間…つまり三親等以内の婚姻の禁止だね。叔父と姪とか、叔父と姪とか、叔父と姪とかっ★」

すこ☆やん「なるほど、確かに叔父と姪は丁度三親等だから、ギリギリ結婚できないね!! やったね!! …じゃなくて、残念だね!!」

はや★りん「まぁ、詳しくは>>16に書いてあるよ。そこを読んで」

すこ☆やん「そんな『名前を呼んで』みたいに言われても……そういえば今のなのはさんの年齢って……」

はやり「それ以上言ったらすこやんでもタダじゃおかないよ?」

健夜「あ、うん……ごめん………」

はや★りん「ちょっと取り乱しちゃった。ごめんね? すこ☆やんちゃん」

すこ☆やん「大丈夫! よくあることだよ!!」





はや★りん「さてさて。婚姻の実質的要件だけど、この扱いにはちょっと違いがあったよね?」

すこ☆やん「そうだっけ? ………そういえば、なんか取り消しと無効がなんとかって…」

はや★りん「その通りっ☆ さっすがすこ☆やんちゃん!!」

すこ☆やん「えへへ~、はや★りんに褒められちゃった」



はや★りん「具体的にはね? 『婚姻意思の合致』が欠けている状態で結婚した場合、その結婚は『無効』になるの。対して『婚姻障害がある』状態で結婚した場合は、その結婚は『取り消す』ことができるんだよっ☆」

すこ☆やん「プリティーはや★りん! 無効と取り消しってどう違うんだっけ?」

はや★りん「教えてあげようキューティクルすこ☆やんちゃんっ☆ 無効っていうのはね、、『そもそもなかった』こと。取り消しっていうのは『あったけど、なかったことにする』ことなんだっ☆」

すこ☆やん「なるほど! 遊戯王で発動したカードをカウンター罠で無効にするのが『取り消し』。友達同士のプレイでカードの発動を『やっぱ今のなし!』ってするのが『無効』だね!」

はや★りん「その通りっ☆ 『取り消し』の場合、使ったカードが墓地に行ってるから『発動した』っていう事実は残ってるけど、『無効』の場合は『発動自体』がなかったことになるんだね☆」

すこ☆やん「ちなみにはや★りんちゃんが持ってる一番のレアカードは何?」

はや★りん「青眼の白竜3体連結」

すこ☆やん「いいなー。私も欲しかったなー」

>>35

~近親婚の禁止~


はや★りん「さてさて、一回目では婚姻障害の例として近親婚の説明したよねっ☆」

すこ☆やん「そうだったねはや★りんちゃん! 近親婚が許されないのは三親等以内の親族、養子関係、尊属だったよね!」

はや★りん「親族のついては>>27>>30>>34あたりで説明してるよ☆」

すこ☆やん「確か一度結婚しちゃうと、離婚したとしてもその家族の人との結婚はできなくなっちゃうんだよね?」

はや★りん「そうそうっ☆ 直系姻族との婚姻の禁止だねっ☆」








すこ☆やん「ここまでが一回目のことだねっ! こっからは二回目の復讐だよ!」

はや★りん「小鍛治健夜プロが登場した記念すべき回だねっ☆」

すこ☆やん「えへへ~」

>>74

~重婚の禁止~


すこ☆やん「重婚だって~。これはちょっと許せないよね~」

はや★りん「そうだねっ☆ こんないい女を二人も置いといて、他の女を囲うなんて許せないよねっ☆」

すこ☆やん「まだ男が女を囲ってるならいいよ! 問題は女が男を囲ってる場合だよ!!」

はや★りん「二人くらいわけろっ★ って感じだよねっ☆」

すこ☆やん「というわけで、重婚なんて許されません。圧倒的犯罪です。誰が何と言おうが犯罪です」

はや★りん「世間がお前を許しても、私たちはお前を許しはしない。ちなみに重婚は刑法でも禁止されているぞっ☆」

>>87

~婚姻適齢~



すこ☆やん「私たちはまだ婚姻適齢です。いわれなき誹謗中傷はやめましょう」

はや★りん「婚姻適齢に満たない人は結婚できないぞっ☆ これは国によって違うけど、日本の女性だと16~35歳くらいだと言われているねっ☆」

すこ☆やん「ちなみに、未成年だと親の同意がないと結婚できないんだよね?」

はや★りん「そうそうっ☆ あと、未成年でも結婚したら成人として扱われるぞっ☆ とはいっても、タバコやお酒はダメだけどねっ☆」

>>118

~再婚禁止期間~


すこ☆やん「確か女の人は、離婚してから半年の間は再婚できないんだよね?」

はや★りん「Yes! これはもし女性が妊娠してしまった場合、再婚前の子か後の子かをはっきりさせるためのものだねっ☆ とは言っても、最近はDNA鑑定があったり、男性だけすぐに再婚できるのは不平等だって意見があったりで、この取決めには疑問の声もたくさんあるんだっ☆」

すこ☆やん「そうだね~。女性だけ再婚に制限があるなんて、不平等だよねー」

はや★りん「男女差別反対ーっ☆」







すこ☆やん「………まぁ結婚してない私たちにはなんの関係もない話だけどね………」

はや★りん「………そうだね…………」

すこ☆やん「ま、まぁここまでが婚姻障害の話だったよね?」

はや★りん「そ、そうだったねっ☆ えっと、次は何の話をしたんだっけ?」

すこ☆やん「えっと…次は、>>139の婚姻の効果の話じゃないかな?」

はや★りん「あ、そうだったねっ☆ それじゃあ婚姻の効果について、復讐していくぞーっ☆」

>>139

~婚姻の効果~


はや★りん「婚姻には、二種類の効果があったよね? すこ☆やんちゃんは覚えてるかな~っ☆」

すこ☆やん「えっと…なんだっけ? 確か名字とかが一緒になるのと……」

はや★りん「そう、名字が一緒になったり、同居、協力する義務が発生したりするねっ☆ これを『身分上の効果』っていうよっ☆」

すこ☆やん「えっと、もう一つはなんだっけ?」

はや★りん「『財産上の効果』だねっ☆ 夫婦の間での財産をどういう風に扱うのかっていう取決めのことだよっ☆」

すこ☆やん「なぁるほどっ! さっすがはや★りんちゃん!!」






すこ☆やん「えっと…まずは『身分上の効果』の話からしたんだよね?」

はや★りん「そうだったねっ☆ 『身分上の効果』はさっきも言った『氏の統一』、『同居、協力、扶助義務、貞操義務』などの発生だったねっ☆」

すこ☆やん「『扶助義務』と『扶養義務』が似てるんだっけ?」

はや★りん「そうそうっ☆ 『扶助義務』は、一緒に住むもの同士で助け合いましょうっていうことっ☆ 対して『扶養義務』は、介護や経済的援護が必要な人を家族はちゃんと助けましょうってやつだねっ☆」

すこ☆やん「『貞操義務』は確か、浮気とかはダメってことだよね?」

はや★りん「いぐざくとりーっ☆ あと、結婚したら未成年でも成人として扱われるっていうのも、一種の『身分上の効果』だねっ☆」

>>167

~婚姻の効果:財産編~



すこ☆やん「次は『財産上の効果』?」

はや★りん「だよっ☆ 『財産上の効果』の主な効果は、夫婦で共有する財産や費用と、夫婦で共有しない財産や費用の区別だねっ☆」

すこ☆やん「どういう財産とか費用は夫婦で共有するんだっけ?」

はや★りん「生活費や子どもの養育費みたいな、夫婦としての生活で発生する費用は基本的に共有するよっ☆ これを『婚姻費用分担義務』って呼ぶんだっ☆」

すこ☆やん「夫婦は自分たちの財産とか収入を考慮して、これを賄うわけだね!」




はや★りん「あと、似たようなのに『日常家事の連帯債務』っていうのがあるよっ☆」

すこ☆やん「なんだっけ? 夫婦の片方がした買い物で発生した費用は夫婦で負担するんだっけ?」

はや★りん「そんな感じっ☆ あくまで家事の一環として行われた買い物についてはねっ☆」

すこ☆やん「ってことは、例外もあるの?」

はや★りん「あるよー☆ それが『夫婦別産制』だねっ☆」





はや★りん「例えば婚姻前から個人的に所有してたものや、婚姻中でも自分名義で買ったものは、自分の固有財産になるよっ☆」

すこ☆やん「家族のための買い物は共有財産、自分のために買ったものは固有財産ってわけだね!」

はや★りん「そういうことだねっ☆ そしてその話をややこしくしたのが『表見代理』だったね」

>>189

~夫婦間の表見代理~



すこ☆やん「表見代理ってなんだっけ?」

はや★りん「>>196を読んでくれたら早いんだけど、要は『俺が代わりにやってやるよ』→『お金はお前が払えよー。俺は代わりにやっただけなんだから』って状態で、代わりにやられた人がお金を払わないといけない、みたいな?」

すこ☆やん「なるほど!」



はや★りん「それで、夫婦間だと代理権が認められてるから、この『表見代理』がすぐに成立しちゃうんだよねっ☆」

すこ☆やん「ふむふむ。それは大変なことだね!」

はや★りん「そこで、夫婦間でも『表見代理』が成立しないための条件があるんだっ☆ なんだったか覚えてる?」

すこ☆やん「うーん…なんか家を買うとかなんとかって話をしてたと思うんだけど…」

はや★りん「そう、家を例に出して説明したねっ☆ 要は『日常家事の範囲』でのみ『表見代理』は成立するって話だったんだけど…」

すこ☆やん「あー、そうだったそうだった! 確か普通の家族だと、家を買うなんて特別なことだから『表見代理』は成立しないけど…」

はや★りん「すっごくお金持ちさんで、普段から別荘の売り買いしてたりする家族だと、日常家事として『表見代理』が私立するかもって話だったねっ☆」

すこ☆やん「というところまでが、婚姻に関しての復讐だったね」

はや★りん「さてさて果たしてこのスレで親子関係の話は書かれるのか? 賭けたらいーねー」

すこ☆やん「というわけで、今日はここまで。ばいばーい!」

はや★りん「バイバーイっ☆」

というわけで、復習編でした。

親子の話も書けるように頑張ります。
それではさようなら。

勉強になるのは良いんだけど、たまには民法全然関係無いギャグ話を見てみたい。
ま、出来たらだけど

こんばんわ。
月一更新がデフォになってしまった…。

なんか血の繋がってない子供との実演関係が認められるという判決が出たらしいですね。
それで書いていこうとも思ったんですが、今日は>>247のどうでもいい日常の話を書いていきます。





耕介「なぁメガネ。これ買ってくんね?」

瞬斗「あ? なんだこれ……スカジャン?」

耕介「高校でバンドしてた時に使ってたやつだな。もういらねえし、見てたらなんか胃袋のあたりが締め付けられて苦しくなるし。買ってくれ」

瞬斗「そういうのはリサイクルショップに持ってけよ…お前質屋がどういうところか分かってる?」

耕介「何らかの物品を質(担保)に取り、流質期限までに弁済を受けないときは当該質物をもってその弁済に充てる条件で金銭を貸し付ける事業を行う事業者あるいは店舗のことだろ?」

瞬斗「どっから引用してきた文だよ…」



※Wikip○diaより引用、改変




瞬斗「しかもこれ、特注品だろ? 背中の刺繍、よく見りゃ『Richardson』って書いてあるじゃねえか」

耕介「まぁまぁ、そこをなんとか。200円くらいでもいいからさ」

瞬斗「質屋は自分の黒歴史を葬るための場所じゃないぞ?」

耕介「知ってるよ。質屋ってのは何らかの物品を質(担保)に取り、流質期限までに弁済を受けないときは当該質物をもってその弁済に充てる条件で金銭を貸し付ける事業を行う事業者あるいは店舗のことだろ?」

瞬斗「だからどこからの引用文だよ」



※Wiki○ediaより引用、改変




瞬斗「まぁ、200円なら買い取ってやるか。正確には金貸すだけだけど」

耕介「使う予定もないし、3ヶ月待たずに売っちまっていいぞ?」

瞬斗「あいよ」

耕介「んじゃな~」

瞬斗「あいよ~」










瞬斗「とは言っても、こんなスカジャン誰が買うんだよ…? 黒歴史ならさっさと焼くなり捨てるなりすればいいのに…それが出来ないから俺に預けてんだろうけど…」ガチャッ

瞬斗「ん? いらっしゃいませ~…って、子供?」




慕「すいません。欲しいものがあるんですけど…」





瞬斗「…あ~…お嬢ちゃん。ここには多分君が買えるようなものは……」

慕「あ、あった!! あの、あの上着が欲しいんですけど……」

瞬斗「ん? あの上着って……リチャードソンがさっき売ったやつじゃねえか」

慕「あの…200円で買えるって聞いたんですけど……買えますか?」

瞬斗「ん~…まぁ、子供だしなぁ……。よしっ! じゃああの上着、200円で売ってあげよう」

慕「ありがとうございます!!」





耕介「さて、200円とはいえ臨時収入があって、慕も喜んでたな。金あげてすぐにどっかいったみたいだし、よっぽど欲しいもんがあったんだろう」

耕介「黒歴史を葬りつつ、慕を喜ばせれる。まさに一石二鳥だ」

翌日



耕介「…………あれ? なんであのスカジャンがここにあるんだ?」

耕介「……昨日売ったと思ったが……気のせいか?」

耕介「ま、また売りに行けばいいか」






瞬斗「あ? お前、同じスカジャン二個も作ったのかよ…どうせなら一緒に売ってくれりゃあいいのに」

耕介「いや、一着しかねえはずなんだけど……また買ってもらっていいか」

瞬斗「200円なー」





耕介「じゃあな」

瞬斗「あばよ」







慕「すいません。昨日私が勝ったやつと同じ上着、ないですか?」

瞬斗「あ、いらっしゃい。そうだね、昨日のやつと全く同じやつがあるよ? 一着しかないけど」

慕「じゃあそれ下さい」

瞬斗「あいよ。200円ね」

慕「ありがとうございます」

さらに翌日




耕介「…………? あれ? 昨日は確かに売ったはずだよな?」

耕介「…………」





瞬斗「また? 何着持ってんだよ?」

耕介「いや、一着しかねえんだけどなぁ」

瞬斗「はいはい。200円な」






慕「すいません」

瞬斗「あ、また同じ上着が手に入ったよ? 一着だけど」

慕「あ、じゃあそれ下さい」

瞬斗「はい、200円ね」

さらにさらに翌日



耕介「??? あれ? あれれ?」





瞬斗「おいおい…お前どんだけそのスカジャン好きなんだよ…」

耕介「いや、マジで俺にも分かんねえんだけど……」






瞬斗「いらっしゃーい」

慕「あ、いつものやつお願いします」














耕介「…………………」カタカタ





耕介「ど、どうして? 売っても売っても、次の日には帰ってきてやがる……どういうことなんだ……?」

耕介「の、呪い? 祟り? そそそそんなオカルトありえません!!」

耕介「ね、ネットだ!! こういう時こそネットを頼るんだ!!!」





耕介「『悪い憑き物 解除』っと……」



耕介「慕ー。この土日でちょっとした旅行に行くんだけど、お前も一緒にくるよな?」

慕「旅行!? どこ行くの?」

耕介「鹿児島」

慕「鹿児島って……九州だよね? 何しに行くの?」ワクワク












耕介「お祓い」




ギャグ…になってるよね?

鹿児島ではメガネとか幼女とか黒糖ばっか食べてる人とか童顔なおもち持ちとか霞さん、18歳とかがいたりいなかったり。
16年前ってことは、ちょうど姫様が生まれた年なのか…。



というわけで、今日はここまで。
次こそは民法の話をする!!


おやすみなさい。

あ、また酉間違えました。
すいません。

こんにちは。
書くと言ってからだいぶ時間が経ってしまいましたが、とりあえず書けたところまで投下していきます。





耕介「俺の出番…2コマって……2コマって……しかも背景って………」

慕「で、でも『><』←こんな目をしてるおじさん、可愛かったよ?」

耕介「姪に可愛いと言われて喜ぶおじさんがどこにいるんだよ…っつか、今のどうやって発音した…?」

慕「細かいことは気にしないっ! ささ、先生。今日はいったい何の勉強をするんですか?」

耕介「ん…そうだなぁ……親子関係の話とか……は………や…めといた方がいいな」









慕「………ううん? 大丈夫だよ?」

耕介「え? でも……」



慕「大丈夫だよっ! 私だって 、お母さんを見つけるために出来ることはちゃんとやってるし。いつまでもウジウジしてられないよっ!」

慕「それに、おじさんと家族になるために避けては通れない道だしねっ!」

耕介「二つ目がなけりゃあなぁ……」








耕介「………よしっ。それじゃあ民法、親子関係編…始めるか!」

慕「うん!!」






~親子関係編~





耕介「親子関係には、大きく分けて二つある」

慕「結婚できる親子と結婚できない親子?」

耕介「違う。婚姻の話の最初の方でちょろっと話したと思うが、実親子関係と養子関係だ」

慕「……あぁ、そういえば養子がどうのとか言ってたねっ! だいぶ前のことだから忘れてたよ」

耕介「俺は悪くない」






耕介「まず、実親子関係の話からしていくぞ」

慕「よ~し…ばっちこーい!!」






~実親子関係~





耕介「実親子関係の中には、さらに2つの種類がある。それが、『嫡出子』と『非嫡出子』だ」

慕「ちゃ…ちゃく……? え、なんて…?」

耕介「『嫡』と書いて『ちゃく』、出 と書いて『しゅつ』、子供の『子』で『し』。『ちゃくしゅつし』と『ひちゃくしゅつし』だ」

慕「ふむふむ……この民法メモを使うのも久しぶりだ……」メモメモ…

耕介「民法とはあんま関係ねえけど、『嫡出』は『摘出(てきしゅつ)』と勘違いしやすいから気をつけろよ? 俺も昔は『てきしゅつし』って読んでた」

慕「ふんふむ……誤字注意だね」






耕介「さて、『嫡出子』の説明だが…その前に。婚姻については覚えてるか?」

慕「えっと……このスレの一番最初の方で話してたやつだよね?」

耕介「スレとか言うなっての。法律に触れずに結婚するためには、 いくつかの条件が必要だったよな? なんだっけ?」

慕「え~っと。メモの前の方、前の方………あったあった。えっと…実質的要件……つまり婚姻意思の合致と、婚姻障害がないこと。それと…形式的要件の…戸籍上の届け出!」

耕介「その通り。お互いに結婚したいという意思があること。民法734条を初めとする、結婚出来ない条件に当てはまらないこと。婚姻届が出されていることの3つだな」

慕「む、出たね! 憎き民法734条!!」

耕介「憎むな憎むな」

耕介「でだ。これらの条件を満たした夫婦の間に生まれた子供を『嫡出子』と呼ぶんだ」

慕「…………………………………………………………………………………………………………………………………………」

耕介「……? ど、どうした? 急にそんな黙りこんで」

慕「…………つまり、『非嫡出子』っていうのは、その条件を満たしていない夫婦の間に生まれた子供ってことだよね?」

耕介「お、おう……その通り。嫡出子を定める条件があって、その条件に合致しない、夫婦間に生まれた者を全て非嫡出子と呼ぶんだ」

慕「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ふむふむ、なるほどね?」










耕介(パンドラの箱を開けてしまった気がするが、気にしないでおこう)






はやりんチェック.37
◆ま~ふふっ☆ 実親子関係には『嫡出子』と『非嫡出子』があるよっ☆ 『嫡出子』と『嫡出子以外の子ども』のことだねっ☆



瑞原はやりさんじゅうはっさいチェック
◆『嫡出子』も『非嫡出子』も、親から直接生まれた子供のことだよっ☆ 養子には関係ないからねっ☆ ……おい、ちょっとカメラ止めろ







耕介「まずは嫡出子について勉強しよう。嫡出子がどんな子かを分かっておけば、非嫡出子はすぐに分かるからな」

慕「消去法だね!」







~嫡出子~





耕介「さっきも言った通り、嫡出子ってのは法律上で認められた夫婦から生まれた子供のことだ」

慕「ほうほう」

耕介「ここで重要なのは、一旦生まれてしまえば、その後の状況は関係ないということだ」

慕「? どういうこと?」





耕介「つまり、嫡出子として生まれた後に両親が離婚したとしても、その子は両親の嫡出子として扱われるんだ」

慕「へぇ~」

耕介「例えば、例えばだぞ? ここにM永という夫婦がいるとするだろ? その二人にはTとSという、二人の娘がいるわけだ」

慕「なんだかとっても麻雀が強そう。きっとお父さんの頭文字はKだね」

耕介「んで、仮にだぞ? 仮にこの夫婦が離婚して、TとSがそれぞれに引き取られたとしても、TもSも父親の嫡出子であり、同時に母親の嫡出子であることに変わりはないんだ」

慕「ま、まだ離婚はしてないから……」






はやりんチェック.39
◆一度嫡出子として生まれてしまえば、離婚した後も嫡出子のまんまだぞっ☆







耕介「と、嫡出子の大まかな意味は分かったな? 次はすこし具体的に説明していくぞ」

慕「うん!」




耕介「嫡出子をより具体的に説明すると、次の二つの点が挙げられる」






耕介「まず一つ目に、『母親と父親が婚姻関係にある』こと。そして二つ目に、『父親と子供の間に親子関係がある』ことだ」

慕「? 一つ目はまぁ…さっきまで言ってたことだよね。……二つ目は……どうしてお父さん限定なの? お母さんの方は?」

耕介「お母さんの方は親子関係があることが明確だからだな。お母さんが生んだ子が、お母さん以外の子供なわけないだろ?」

慕「まぁ…それもそうだね。……でも、それはお父さんの方も同じじゃないの?」

耕介「う~ん…まぁ、そこがちょっとややこしいんだよな。これは次の話で詳しく説明するよ」






はやりんチェック.40
◆嫡出子の条件は両親の婚姻関係と、お父さんとの間の親子関係なんだねっ☆ ややこしい話は次でしていくよっ☆







耕介「さて。ややこしい話をする前に、少しだけ復習だ。慕、再婚禁止期間って覚えてるか?」

慕「えっと……女の人は離婚したら、半年は再婚できないんだよね?」

耕介「そうそう。その理由は?」

慕「えっと………ちょっとメモ見るね? ………ふむふむ……えっと、離婚後にすぐに再婚できちゃったら、お父さんが誰かわからなくなっちゃうから……だね!」

耕介「その通り。その再婚禁止期間は、まさに今から勉強することのために設けられているんだ」

慕「ほうほう……」





耕介「まず、嫡出推定の話からするんだが……まぁ普通の夫婦であれば、お父さんと生まれてきた子の間に親子関係があるのは当たり前だよな?」

慕「まぁ、そだよね?」

耕介「だから、民法には嫡出推定という制度が設けられている。妻が婚姻中に妊娠した子は、その夫の子供だと推定するんだな」

慕「推定もなにも、それ以外あり得ないよ?」

耕介「まぁ普通はそうなんだけどな。だが、ここに離婚が絡んでくるとめんどくさいんだ」



耕介「さっきも話した通り、離婚・再婚することによって、お父さん候補が二人出てくる可能性があるよな?」

慕「そだね」





耕介「その時にお父さんをはっきりさせるために、嫡出推定では、まず『婚姻成立から200日以後に出産した子』はその婚姻中に妊娠したと考えるんだ。」

慕「ふむふむ……出産ってことは、子供を産むことだよね?」

耕介「そうだな。そして離婚した人の場合、『婚姻の解消から300日以内に出生した子』は、前の旦那さんとの子どもだと推定する」

慕「ふむふむ…一緒に暮らしてるからってすぐに妊娠しちゃうわけじゃないもんね。私もまだだし」

耕介「(華麗にスルーしつつ)じゃあ、この二つの期間が被ってしまった場合、どうすればいいのか…となるわけだ」

慕「被る…って?」




耕介「例えば、離婚した一か月後…つまり離婚して30日後の女の人が再婚して、その八か月後…240日後に出産した場合だ」

慕「えっと…まず再婚、つまり婚姻してから200日後に出産してるから…新しい旦那さんとの子どもだね? …でも、離婚してから30日と240日…つまり270日で子どもを産んでるわけだから……前の旦那さんとの子どもでもあるわけだよね……?」

耕介「そゆこと。離婚後にすぐ再婚してしまうと、新しい旦那さんの嫡出子とする条件と、前の旦那さんの嫡出子にするという条件が重なっちゃうんだ」

慕「なるほど……めんどくさいねぇ」

耕介「それを防止するための再婚禁止期間ってわけだ」

慕「なるほど!」








はやりんチェック.41
◆『嫡出推定』っていうのは、その子供が誰の嫡出子なのかを決めるための制度だよっ☆ ドロッドロな修羅場が見れそうだねっ★



はやりんチェック.42
◆『離婚してから300日の間に出生した子』は前の旦那さんの、『婚姻してから200日後に出生した子』は新しい旦那さんの嫡出子だと推定されるよっ☆



はやりんチェック.43
◆この二つの期間が被らないための『再婚禁止期間』なんだねっ☆ 長い長い伏線の回収だったねっ☆





耕介「だが、全てが想定通りに進むほど現実は甘くない」

慕「いきなり何っ!?」





耕介「例えば、再婚禁止期間内であるにも関わらず、誤って婚姻届が受理されてしまった場合だな」

慕「え…そんなことあるの?」

耕介「さぁな? 俺は経験ねえけど、まぁないとも言い切れないねぇ」

慕「なるほど……もしそういうことがあるなら、私にとっても好都合だね」

耕介「もし間違って婚姻届が受理されてしまった場合、さっき言った、嫡出推定の期間が被っちまう可能性があるだろ?」

慕「……そうだね(またスルーされた…)」

耕介「これを『二重の推定が働く場合』と言うんだ。この場合には、父親が誰かを定める訴えを起こして、父親を明確にしないといけない」

慕「ふ~ん…なんかドロドロした関係になりそうだね」

耕介「でもこうしないと、生まれてきた子供が不利益を被ることになるからな。民法ってのは、基本的に子どもに優しくできてんだよ」

慕「ふ~ん」






はやりんチェック.44
◆誤って婚姻届が受理されちゃった場合なんかは、お父さんが誰かを明確にする裁判を起こす必要があるんだねっ☆ ………争え……もっと争え……。









耕介「とりあえず、ここまでが嫡出子の推定の話だ。かなり詰め込んで話したけど、分かるか」

慕「えっと…なんとなくは…」

耕介「まぁ、わからないことがあったら何でも訊いてくれ。分かる範囲で調べて答えるから」

慕「うんっ!!」

耕介「次回は、嫡出否認の話あたりからしていくぞ。今日はここで終わり」

慕「? どうして? まだ時間はあるけど」






耕介「今日、近くで真深ちゃんのサイン会やってるらしいんだよ! 慕も一緒にいこうぜ」

慕「真深ちゃんって…牌のお姉さん?」

耕介「そうそう! 可愛いよなぁ~、真深ちゃん」

慕「む……」








慕「そだね。敵情視察も兼ねて、一緒に行こっか」

耕介(慕から何やらドス黒いオーラが……)

書き溜めてた分がなくなったので、今日はここまで。

この辺りは>>1もあんま勉強してないので、手探りで書いてます。
なにか間違ってるところとかあったら、バシバシ指摘しちゃってください。


それでは、さようなら。




どうでもいいけど、新刊のリチャの出番が少なすぎてめっちゃ笑ってしまった。
京ちゃんの方が出番が1コマだけ多かったってのも笑えた。


俺は早くおじさんとは服別々に洗うねって言われて曇るリチャが見たい

>>299
一瞬で「あ、この子パンツ確保する気だ」って思った自分はもうだめかもしんない

おつ
DNA鑑定なぁ…結構前だけど親子関係が無いにも関わらず子供の籍が抜けないみたいな判例だかが出てたのがその後どうなったんだか

親権とかでも思ったけど、子供の権利に対して男親は色々と立場弱いのなー

少しだけ夜中にこんばんは。
早く寝すぎて、逆に目が覚めてしまった。


>>301
その判例は>>1も目にした記憶がありますね。
あれって、自分の子供じゃないにも関わらず実子として扱われたという、悪い言い方をすると元旦那さんが損をしたパターンと、自分と血がつながっていない子どもに対して親権を主張した元旦那さんが現夫婦に勝って親権を認められたという、元旦那さんの希望が叶ったパターンとの二種類があったんじゃなかったでしたっけ?
自信はないです、間違っていたらすみません。

>>300
パンツ…? パンツって……なんだ…?

前にちょろっと記事を目にした程度だったのでぐーぐる先生に聞いてみたが、なるほどねって感じ。不勉強でしたわ
現代社会だと人工受精とか第三者のDNAが出てくるケースも今後十分に有り得るわけで…そういったことも考慮した上での判決だったのね

色々と複雑な気分なのでラブラブなシノリチャください

おはようございます(寝てない)。


>>303
眠れなかったので、ラブラブの代わりにダラダラなシノリチャ書いてきたよー。
シノハユSSって少ないから、多分すぐに分かると思います。




みんなももっとシノリチャ書いてくれー。


つーわけで、今度こそ寝ます。
おやすみなさい。

耕介「っれー? おっかしいなぁ……いつもこの辺りに置いてたと思うんだが……」

慕「おじさーん! 今日も民法を………って、あれ? 探し物?」

耕介「おう、ちょっとな」

慕「う~ん…忙しい感じ?」

耕介「忙しいわけじゃねえけど…なんか俺に用事?」

慕「うん。今日も民法を教えて貰おうと思って……」

耕介「あ~…すまん、今はちょっとキツい。友達とでも遊んで来たらどうだ?」

慕「ん~…わかった! それじゃあ閑無ちゃんのお家で麻雀してくるねっ!」

耕介「おう、いってらっしゃ~い」

慕「いってきまーすっ!!」

耕介「最近は暗くなるのも早いし、早めに帰ってくるんだぞ~。もし暗くなっちまったら、電話くれたら迎えに行く」

慕「はーい、ありがとっ!」







耕介「……くっそ~、どこに置いたんだ? 民法の教科書。あれがねえと俺も教えれねえ…」

耕介「…慕が言ってたように、普段からどっかにまとめて置いとかねえからこうなっちまうんだろうなぁ」

耕介「……でも、慕に言ったらなんかごちゃごちゃ言われそうだし、教科書無くしたことはもうちょい黙っとこう。最悪、同じものを買いなおせばいいよな」

耕介「…くそ~、本当にどこ行っちまったんだ? もしかして捨てちまった……? いやいや、そんなことはねえはず……もっとよく探せ……」









慕(……あ、そういえば。おじさんの本とかを仕舞ったこと、おじさんに言ってないや)

慕(仕事の書類とかもあるのに、あんなゴチャゴチャ置いてたらすぐに無くしちゃうよ…)

慕(どうしよ…)





閑無「おーい、早くツモれよー」

慕「あ、うん! ごめんね」





慕(……ま、いっか。わかりやすいところに置いてるし、きっとおじさんにも分かるよね?)





というわけで、教科書無くしました。
給料が入ったら教科書買いますので、あと一週間くらいお待ちください。

ちょっとオカン入った慕と、子供理論で片づけした気になってるリチャでお茶を濁しつつ、今日はこの辺で失礼します。

杏果「そういえば、昨日気が付いたんだけどね。お母さん、お父さんの下着と私たちの下着を別々に洗ってたの。私はそういうの全然気にしてないんだけどね」

閑無「へぇ~? そういうのって普通、娘の方から言うもんじゃねーの?」

杏果「年頃になった娘に言われたらダメージ大きいから、前もってバラバラに洗っといてほしいっていう、お父さんの要望みたい」

閑無「ふぅん? そういうパターンもあるんだな…慕は?」





慕「え? 何の話?」

杏果「下着を洗うときの話だよ」

閑無「慕は叔父さんと一緒に住んでるんだよな? じゃあ『叔父さんの下着、別々に洗って』とか、言ったことねぇ?」

慕「う~ん…それはないかなぁ……」

閑無「ま、普通はそうだよな~。やっぱみんなまだまだ全然ガキだn……」

慕「『洗濯するから早くパンツ脱いで』ならよく言うけど…」









閑無「……………………」

杏果「……………………」

慕「でもおじさん、恥ずかしがってなかなか脱がな………どうして距離をとるのかな?」

というわけで、給料入ったし教科書買ってくるでー。
でもその前に>>299>>300あたりを見てたら、あるパロネタを思いついたのでそれを書いたでー。

今日教科書買って、それから書き溜めを始めるので本編はもう少し遅くなりそうです、ごめんなさい。
それではさようなら。

唐突な彼岸島とマルティストの発生に草不可避

お久しぶりです。
ごめんなさい、投下すると言ってから一か月くらい経っちゃいましたね。
嫡出子、全然分からなくてこんな時間経っちゃいました。

全然理解していないっぽいので、間違いがあるかもしれないです。
もしも間違っている部分があったら容赦なく指摘してください。


それでは投下していきます。



>>324
ちなみに>>1はバイトで丸太を運んでた時代があったり。
あれ重いとかじゃなくて、後ろに長く出っ張るから、フレンドリーファイアしまくりそうなのが怖い。

健夜「みなさんこんばんは。このスレでは久しぶりの小鍛治健夜です」

健夜「一か月以上前のことを復讐させられる私の身にもなってほしいよね、まったく……」

健夜「……………今のところ、私に関係なさそうな話ばっかだし………」






健夜「えっと…前回はパンなんとかっていう下着が……あ、これは違う? えっと……嫡出子の話だったね?」

健夜「嫡出子っていうのは、普通の夫婦の間に生まれた子供のこと。そうじゃない子は『非嫡出子』になっちゃうんだって」

健夜「なんかドロドロな感じだね。結婚は人生の墓場とはよく言ったよ、本当に。ザマァみろだね」

健夜「……いなくなって分かる、こーこちゃんのツッコミセンス」

慕「ほら、おじさん。洗濯するから早くパンツ脱いで!」

耕介「洗濯機に入れるだけだろ!? 俺がやっとくからいいよ!」

慕「でも、洗剤いれたりなんやかんやしないと……」

耕介「それも俺がやっとくからいいって!」

慕「それはおじさんに悪いよ。お仕事で疲れてるのに…」

耕介「じゃ、じゃああれだ!! 風呂上がったら民法の勉強しよう!! 今日は晩飯食うの早かったし、慕はなんか勉強しながら軽くつまめるものでも作ってくれ!」

慕「なるほど! それじゃあ……サンドイッチでいい?」

耕介「オッケー! んじゃ、洗濯機は俺が回しとくな」








耕介「……わざとじゃねえんだよな? 天然なんだよな?」














耕介「んじゃ、Let`s 民法!!」

慕「レッツ民法!! あ、サンドイッチはトマト入ってるやつが私のだからね?」

耕介「サンキュー。えっと…前回は嫡出子云々の話をしてたんだよな?」

慕「さっき小鍛治プロが言ってた部分だね!」

耕介「時空がねじ曲がっている……まぁ、それはおいておいて。今日は嫡出否認の話からするぞ」サンドイッチムシャムシャ







~嫡出否認の訴え~





耕介「さて。嫡出子の話は復習した通りだが、では嫡出否認はどんな時にするのか…まずはそこから見ていこう」

慕「はーい」






耕介「嫡出否認の訴えを起こすのは、生まれた子供のお母さんの夫…つまり普通に考えたら『お父さん』になるべき人だ」

慕「お母さんはできないんだね?」サンドイッチムシャムシャ

耕介「前も言ったと思うけど、親が誰か分からないのはお父さんだけだからな。お母さんは自分で産んでいる以上、確定してるから」

慕「そういえばそんな話もしたねぇ」






耕介「嫡出否認の訴えってのは、わかりやすく言うと『その子供が自分の子ではない』っていう訴えだ。だから、男親にしか訴えを起こすことはできない」サンドイッチムシャムシャ

慕「なるほどね~」





はやりんチェック.45
◆嫡出否認の訴えを起こせるのは、お父さんだけだぞっ☆ なぜならば、お母さんが子どもと血がつながってないことはありえないからねっ☆




耕介「では、どんな状況でこの訴えを起こすことが出来るのかという話だが、これは例え話で説明していくぞ」

慕「ドントコーイ」ツブツブドリアンジュースゴクゴク










耕介(ちなみに、慕は結婚して一緒に住んでると勝手に子どもが出来ると思っているらしい)

耕介(なので、その辺りの話は適当に誤魔化しながら説明していきたいと思っております)

耕介(慕が相手なので子供向けに説明してるけど、これ、かなりドロドロした話だからな)サンドイッチムシャムシャ

耕介(……やっぱ慕が作るベーコンサンドは美味いな……)ムシャムシャパクパク




耕介「あ。あと、今からする例え話は『推定の及ばない嫡出子』の話でもするから、ちょっと覚えておいてくれ」

慕「推定されない嫡出子?」

耕介「詳しいことはあとで説明するよ」



耕介「ここに、Aという男とBという女がいます」

慕「はい」

耕介「AとBは結婚しました」

慕「わーい、おめでとー」

耕介「ですが、すぐにAは転勤しないといけなくなりました」

慕「お引越しだね」

耕介「ところが、Bは今の家から離れたくないといいました」

慕「私も前の友達と別れるの辛かったし……その気持ちは分かるかも…」





耕介「なので、Aさんは単身赴任することにしました」

慕「たんしんふにん?」

耕介「旦那さんだけ引越して、仕事することだな」

慕 「…つまり、AさんとBさんは結婚してるのにバラバラに生活するってこと?」

耕介「まぁ、そういうことだな」

慕「なんか、寂しいね」

耕介「大人ってのは、そういうもんだ」






耕介「でだ。Aさんが引越してから一年が経った頃、BさんがCちゃんという子どもを産みました」

慕「……………? ……………??? え、それっておかしくない?」

耕介「だな。Aさんがたまに家に帰ってたとかなら分かるが、そんな事実もない」

慕「…………まさか!?」

耕介「そう、そのまさかだ。Bさんは近頃Dさんという男せ…」

慕「コウノトリさんが運んできた!?」

耕介「……………お前のそういうとこ、心配もしてるけど安心するよ。俺は」

慕「?」

耕介「まぁ、つまりだ。AさんからすればCちゃんは知らない子どもなわけだろ? それを自分の子供だとか言われても、ちょっと困るよな?」サンドイッチムシャムシャ

慕「まぁ、そうだねぇ」サンドイッチムシャムシャ

耕介「そこで、嫡出否認の訴えを起こすわけだ」

慕「なるほど!」









耕介「ただ、嫡出否認の訴えを起こすには、厳しい制約がある」

慕「どうして?」

耕介「子供の嫡出を否認するってのは、子供の権利を著しく侵害するからな。そんなポンポコ通っていいもんじゃねえんだ」ギュウニュウゴクゴク






はやりんチェック.46
◆嫡出否認の訴えっていうのは、起こすのに厳しい制約が存在するよっ☆ 最初は低い打点からしか和了れないとか、ドラが切れないとかねっ☆

 

はやりんチェック.47
◆嫡出否認の訴えによって、その子供が自分の嫡出子じゃないことを証明できれば、その子の嫡出性を否定できるよっ☆ しゅっらば~、しゅっらば~…しゅばらっ☆








耕介「さて。制約の話だが、まず一つ目。これはさっきも言ったことだが、嫡出否認の訴えを起こせるのは夫だけだ。母親が産んだ子の親になりたくないからって嫡出否認することはできない」

慕「ふむふむ」







耕介「二つ目は、訴えられる相手方のことだ。相手方は子供かその母親、母親がいない時は家庭裁判所が選んだ特別代理人だ」

慕「? ごめん、ちょっとよくわかんない。これってそんなに厳しい制約なの?」

耕介「ごめん、俺もちょっとよくわかんない。これってそんなに厳しい制約なの?」ポテチバリー




※これってそんなに厳しい制約なんですか?
ちょっとよくわかんないので分かる人いたら教えて下さい

耕介「んでだ。三つ目に、『提訴期間』っつーのがある。要は訴えを起こせる期間だな」

慕「食べ物でいう、賞味期限みたいなものだね!」

耕介「そうそう、そんな感じ」

慕「ちなみに我が家の規定では、表示してある賞味期限+二日までを賞味期限に設定しています」ボテチポリポリ

耕介「消費期限じゃなけりゃあ別にいいよ」




耕介「話が逸れた…。嫡出否認の訴えを起こすのには、夫が子どもの出生を知ってから1年以内である必要がある。それを過ぎたらもう訴えを起こせないんだ」

慕「どうしてそんな期間があるの?」

耕介「生まれてきた子が嫡出子か非嫡出子なのか分からない期間が長いと、色々めんどくさいからな。あと、生まれてからあんま時間が経ちすぎると、そのこが嫡出子か非嫡出子かを決める証拠の保存が難しくなるからってのもある」ポテチパリパリ

慕「ふ~ん?」

耕介「ちなみに、これはあくまで夫が出生を『知って』からだからな? 子供が生まれた瞬間から一年じゃないから、間違えないように」









耕介「そして四つ目、最後の条件だな。一度夫が子どもを嫡出子として認めてしまうと、否認権は消滅する。つまり、一度認めてから自分の子供じゃないことがわかっても、嫡出否認の訴えはもう起こせなくなるわけだ」

慕「どうして?」

耕介「そんなころころ子供の状態が変わるとめんどくさいし、不都合が多いからな。それで一番不利益を被るのは子供だろうし」

慕「ふーむ、なるほどね」





はやりんチェック.48
◆嫡出否認の訴えをするうえで、必要な条件は全部で四つあるよっ☆




はやりんチェック.49
◆一つ目は『お父さんにしか出来ない』こと。二つ目は『訴えの相手は子供、お母さん。それがいない場合は代理人になる』ことだよっ☆



はやりんチェック.50
◆訴えを起こせるのは、子供が生まれたのを知ってから一年後まで。一度嫡出子であることを認めちゃうともう否認することはできないよっ☆




耕介「…っと、まぁ。ここまでが嫡出否認の話だ」ポテチノフクログシャグシャー

慕「なるほど…ちょっと覚えることが多いね……」







耕介「さて、次は>>333でちょろっと話した『推定の及ばない嫡出子』の話をしていくぞ」

慕「はーい」

耕介「『推定の及ばない嫡出子』の話をするうえで、まず>>334の例え話をもう一度見てほしい」

慕「AさんとBさんがなんとかってやつだね………334?」

耕介「この話を見ると、明らかにBさんが産んだ子供はAさんの子供じゃないって分かるだろ?」

慕「うん……まぁ、そうだよね? 一緒に住んでないんだから、子供なんてできないよね?」

耕介「そう。一緒に住んでないからな」






耕介「でだ。さっきは嫡出否認の話をする上で色々話したけど、こんなの嫡出否認云々の話をする以前の話じゃねえか。Aさんの子供じゃないことは誰が見ても一目瞭然なんだから」

慕「まぁ、…そうなのかな?」

耕介「なのに、法律で見るとこの子は二人の嫡出子として扱われる。これってちょっとおかしいだろ?」

慕「まぁ、そうだよね? 嫡出子のはずがないのに、法律で嫡出子になっちゃうってことだもんね?」

耕介「そう。嫡出子であるはずがないのに、子供が生まれたのを知ってから一年経ってしまったら、嫡出否認の訴えが起こせなくなってしまうんだ。これもおかしいよな?」

慕「そうだね」


耕介「だから、このような状態の子を『推定されない嫡出子』として、例外にしているんだ。そしてこの場合、『嫡出否認の訴え』以外に『親子関係不存在確認の訴え』というのを起こすことができる」

慕「ふむふむ…つまり、その名前長いのを使えば、わざわざ『ちゃくしゅつひにんの訴え』を起こさなくてもいいってこと?」

耕介「ん~、それが実はそうじゃないんだよなぁ」






耕介「この訴え…『親子関係不存在の訴え』を起こすための条件は一つだけ。『他に適切な手段がない場合』にのみ、この訴えを起こすことができるんだ。……つまり嫡出否認の訴えが起こせるのなら、そっちから起こさないといけない」

慕「ふ~ん? じゃあ、どんな時に名前長い方の訴えを出来るの?」

耕介「さっきも言ったように、子供の存在を知ってから一年経ってた場合とかだな」







耕介「ちなみに、この『親子関係不存在の訴え』を起こすための条件が一つだけってことは、他の条件は『嫡出否認の訴え』に比べてかなり緩くなってるってことだ」

慕「ふんふん…例えば?」

耕介「訴えの期間がなかったり、夫以外の人でも利害関係がある人であればだれにでも訴えを起こせたりだな」





はやりんチェック.51
◆子供が嫡出子じゃないことが確定してる場合、『親子関係不存在の訴え』っていうのを起こすことができるよっ☆ 例えばお父さんが海外で単身赴任してたり、捕まってたりして○○○できないことが分かり切ってる場合だねっ★



はやりんチェック.52
◆『親子関係不存在の訴え』は、それ以外に手段がない場合にしか起こせないよっ★





耕介「と、まぁ。ここまでが『推定の及ばない嫡出子』の話だ。大体分かったか?」

慕「う~ん…? あんま自信ないかも…?」







耕介「さて、嫡出子の話ももうすぐ終わりだ。最後は『推定されない嫡出子』の話だ」

慕「ま、また辺な単語が出てきたよぉ……」

耕介「『推定の及ばない嫡出子』と『推定されない嫡出子』はややこしいから気をつけろよ? >>1もここがごっちゃになったせいで投下が遅くなったし」

慕「何の話?」

耕介「言い訳の話」

耕介「『推定されない嫡出子』は、『推定の及ばない嫡出子』の反対だ」

慕「反対?」

耕介「『推定の及ばない嫡出子』ってのは、嫡出子の条件が整っているのに嫡出子にならない子どものことだったろ? 『推定されない嫡出子』ってのは、嫡出子の条件はそろってないけど、例外的に嫡出子として扱う子どものことなんだ」

慕「ふんふむ……」







耕介「『推定の及ばない嫡出子』ってのは、結婚してるけど実質的には子供を産めるわけがないって状態だ。その逆の『推定されない嫡出子』っていうのは、結婚はしていないけど、生まれた子供が嫡出子として扱われてもおかしくない状況のことだ」

慕(あ。おいしい話の気配)

耕介「結婚する前から一緒に暮らしてたりすると、結婚前や、結婚してから200日以内に子供が生まれてしまったりするんだ」

慕「ふんふん……」

耕介「この子は法律上は嫡出子ではないけど、結婚前から夫婦同前の生活をしてた親の子供なんだし、もう嫡出子にしてもいいんじゃね? って感じだな」

慕「私たちのことかな?」

耕介「今はまだ分からないと思うけど、この場合、判例では『認知』を待つ必要はないとしているんだ」

慕「認知? (またスルーされた……)」

耕介「これはまた別の機会で説明するけど、子供に関する云々だ」

慕「ほえ~?」







はやりんチェック.53
◆『推定されない嫡出子』っていうのは、嫡出子の要件を満たしてないけど例外的に嫡出子として扱われる子供のことだよっ☆



はやりんチェック.54
◆『推定されない嫡出子』は、認知するまでもなく嫡出子になるよっ☆ 認知





の話は多分次回でするよっ☆

耕介「………さて、次は………」

慕「………………」

耕介「…………いや、今日はこの辺にしとくか」

慕「えっ!? まだ私は大丈夫だよ?」

耕介「無理すんなって。眠いだろ?」

慕「…………うん、眠いのと、ちょっと頭がパンクしそう……」





耕介「んじゃ、おやすみ。ちゃんと歯磨いて寝ろよ?」

慕「はぁーい……」

今回の投下はここまでです。
俺の脳が民法についていけてない。

それでは、さようなら。

お久で支援だ

>>327
>健夜「一か月以上前のことを復讐させられる私の身にもなってほしいよね、まったく……」
>健夜「(中略)復讐(以下略)」
狙って誤字ったとしか思えないw

おつおつ

耕介「明けましておめでとう」

慕「あけましておめでたです!!」







耕介「………………」

慕「………………?」

耕介「…………わざと?」

慕「何が?」

耕介「いや、分からないならそれでいいよ」

慕「?」





みたいな?


そんなこんなで、新年あけましておねでとうございます。

お久しぶりです。

全然投下できず、本当に申し訳ないです。

一応キリがいいとこまでできたので、そこまで投下していきます。

健夜「はいみなさんこんにちは。健やかなる夜の化身、小鍛治健夜です」

健夜「前回の復讐です。前回は年明けしましたね!!」

健夜「……ウソです。嫡出子について細かくみたところでしたね」

健夜「『推定の及ばない嫡出子』や『推定されない嫡出子』などです。紛らわしいので気を付けましょう」

健夜「というわけで。今回はガラリと変わって、非嫡出子の話のなります。それでは!」









耕介「さて。民法の勉強も大分進んできたな」

慕「そうなのかな? まぁメモはいっぱいになってきたけど」

耕介「多分、今の小学生で慕よりも民法詳しい人はいねーんじゃねえかな? ……いやまぁいるかも知れねえけど」

慕「上には上がいるからね~。のどぱいを上回る霞っぱいとか」

耕介「……………なんの話だ……?」







耕介「つーわけで。今日の民法、始めるぞ~」

慕「今日のというか、今月のというか………」

耕介「俺は悪くない。俺のせいじゃない」

慕「そうやって、すぐに人のせいにしちゃいけないんだよ?」

耕介「悪い大人の見本だからな。慕はこうなちゃだめだぞ」










~非嫡出子~




耕介「前回までは嫡出子の話をしてたよな」

慕「だね!」



耕介「では慕。嫡出子ってな~んだ?」

慕「え、えっと確か……普通に結婚した夫婦の子供………みたいなのだよね?」

耕介「まぁ、その解釈でいいだろう。つまり『非嫡出子』っていうのは?」

慕「……普通に結婚してない夫婦の子供?」

耕介「その解釈でいいぞ。もっと単純に言うと、婚姻関係にない夫婦の子供だな」



慕「!? つまり私とおじs…」

耕介「!? 嫡出子でないってことは!! つまり父親と子供の間に法律関係が!! ないってことだな!!」

慕「…そ…そうだね……(上からかき消された……)」



耕介「ん…ゴホン。だが、民法では嫡出子でない子…つまり非嫡出子に対しても親子関係を生じさせる方法が用意してある」

慕「………つまり、普通の夫婦の子供じゃなくても、親子になれるってこと?」

耕介「ん……ん。まぁ…そういうことだな」





慕「…………………………………」カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

耕介(もの凄い勢いでメモを取り始めた…)







耕介「ま、まぁ……これを法律用語で『認知』と言うんだ」

慕「『にんち』だね!」カリカリカリカリ

耕介「えっと…『認知』ってのは、意思表示や裁判によって、非嫡出子と親との間に法的な親子関係を発生させるという制度だ」

慕「ふんふん……」カリカリカリカリカリカリ



耕介「えっと…えっとだ………認知には二種類あってだな。親が自主的に子を認知しようとする『任意認知』と、子供から父親に対して行われる『強制認知』だ」

慕「ふむふむ………ん? 子供から父親にって……子供にそんな難しいことできるの?」

耕介「子供が小さい場合は法定代理人とかがやるんだろうな。まぁその辺りの話もおいおいできたらいいな」

慕「はーい」カリカリカリカリカリカリカリカリ





耕介(鬼の形相でメモを取ってやがる……)






はやりんチェック.53
◆みんな~、久しぶり~☆ さっそくだけど『非嫡出子』っていうのは、普通の婚姻関係にない夫婦間の子供のことだよっ☆ 事実婚とかだねっ☆



はやりんチェック.54
◆『非嫡出子』と法律上の親子関係になるためには、『認知』をする必要があるんだねっ☆



はやりんチェック.55
◆『認知』には、親から子にする『任意認知』と、子供が親にする『強制認知』があるよっ☆ 強制子づく……ゴホンゴホン。









~任意認知~




耕介「さて、ではこれらを細かくみていこう。まずは『任意認知』の方だ」

慕「お父さんお母さんの方からするやつだね!」

耕介「そうだな。しかし、親から子と言っても、誰でも彼でも認知ができるわけではない。いくつかの要件…まぁ4つなんだが…が存在しているんだ」

慕「そうなの?」

耕介「そうなの。それを今から説明していくから、しっかりメモを取るように」

慕「了解!!」








耕介「まず第一の要件。認知する人とされる人の間に、真実の親子関係があること」

慕「ふむふむ……」

耕介「この理由は簡単だ。人の子供を勝手に自分の子供にしちゃダメだろって話」

慕「まぁ、普通そうだよね?」

耕介「自分たちが産んだ子供じゃないと認知できない。そんだけの話だ」




耕介「次に第二の要件。父親か母親が認知すること」

慕「つまり?」

耕介「親以外の人が、他人に認知させたりすることが出来ないってことだな」

慕「へぇ~」




耕介「ちなみに。母親は認知するまでもなく親子関係があることが明らかだから、実質母親からの認知は不要だ。父親が認知しないとダメなんだな」

慕「ふむふむ…。……おじさんは、ちゃんと子供を認知してくr……」

耕介「ゴホン!! ゴホゴホっ!! ゴッホン!! ………あー、風邪引いたかなこれ」

慕(かつてないほど強引に流されちゃった……)






耕介「続いて第三の要件。認知するものに『意思能力』があること」

慕「石能力?」

耕介「意思能力。『自分で意思を決定しました』、『自分がしたことを自分がしたと認識できます』ってことだ」

慕「ふんふむ…」



耕介「そうだな……例えばお酒で見てみよう。お酒をちょっと飲んで、いつもより上機嫌になってる人がいるとするだろ?」

慕「おじさんのことかな?」

耕介「違うって。……まぁ、仮にこの人が何か意思を表示……そうだな。自分の車を誰かにあげる約束をしたとする」

慕「ほうほう」

耕介「この場合、意思能力は『ある』ものとする。つまり、車をあげる約束は成立するんだ」

慕「どうして?」

耕介「酔って上機嫌になっている程度なら、自分がどういう契約をしたかは認識できるからな。『あなたはそういう契約をしたでしょ?』と聞かれたときに、『はい』って言えちまう」

慕「なるほど……」




耕介「だが、お酒を飲んで、べろんべろんに酔っている人がいたとする。もう意識がほとんどなくて、何を言っても『うん』としか返さないような状態だ」

慕「ほうほう」

耕介「この人に『車くれ』って言ったら、当然『うん』って言うだろ? でも、この人はそんな契約をしてるって自覚はねえよな?」

慕「だろうね。話を聞いてるかもわからないもん」

耕介「この場合、意思能力は『ない』と言える。そして、この意思能力が『ない』ような人たちは、『認知』をすることができないんだ」

慕「なるほど!」

耕介「そして最後、第四の要件だ。基本的には認知される者からの承諾は不要とされる」

慕「基本的に……ってことは?」

耕介「当然例外が存在する。それが『成年に子供を認知する』場合と、『胎児を認知する』場合。そして『死亡した子を認知する』場合だ」

慕「………なんで?」

耕介「まぁ、いきなり言われてもわからないよな。一つずつ見ていこう」







耕介「まず、成年した子供の認知に関してだ。成年するまで認知されてないってことは、それまで親にほったらかしにされてきたってことだろ?」

慕「まぁ、そうだよね」

耕介「でも子供は、親が働けなくなったりした場合、面倒をみなくてはならない。いわゆる扶養義務ってやつだ」

慕「ほうほう……メモによると、>>145>>146辺りに書いてあるね」

耕介「そういえば昔にもこの話したなぁ。……まぁ何がいいたいかと言うと、成年になるまではほったらかしにしといて、子供がお金を稼げるようになった瞬間に認知。そして老後の面倒を見て貰おうなんて虫が良すぎるだろって話だ」

慕「確かに…それはちょっとズルいね」



耕介「だからこの場合、成年は選べるんだ。認知されることも、されないこともな」

慕「なるほど!! ズルをさせないためなんだね!!」

耕介「そういうこと!!」




耕介「そして次に胎児……つまり、まだお腹の中にいる赤ちゃんを認知する場合だな」

慕「? まだ生まれてない子どもも『認知』できるんだ?」

耕介「うむ。でも、この場合はお母さんの承諾を得なければならないんだな」

慕「どうして?」



耕介「だっていきなり知らない男の人に『それ俺の子供だから』とか言われても意味不明じゃん」

慕「……なるほど。言われてみればそうだね」

耕介「だから、生まれてくる前の子供を認知するには、お母さんの許可が必要になるわけだ」

慕「へぇ~」


耕介「最後に、死亡した子の認知についてだな。これは今やった二つの応用…というか合体バージョンみたいな感じだ」

慕「うん、これが聞いてて一番『ん?』ってなったよ。死んじゃった人から承諾……?」

耕介「これは胎児の認知と同じだな。承諾は本人から得るわけじゃないんだ。これが応用①」

慕「ふんふん……」






耕介「では、誰から承諾を得るのかって話なんだが……なんと、死亡した子の直系卑属なんだ」

慕「ふんふん……ん? 直系卑属って………>>30>>34の合体だよね? つまり……死んじゃった子の、子供や孫ってこと? なんで?」

耕介「そう。これが応用②で、成人の子を認知するときと同様の理由なんだ。認知したら親子関係が発生する…つまり、死亡した子の、さらに子供たちとの間に家族関係が生じてしまうんだ。これがさっきの『直系卑属』にあたるわけだな」

慕「それだとどんな問題があるの?」

耕介「主に相続の関係。子どもが死んでしまった場合、財産は親や子、姉弟なんかで分けたりするんだが、世話をしてこなかった親が財産だけ貰おうってのはズルいだろ?」

慕「なるほど……。………じゃあ、もし死んじゃった子に、子供がいなかったら……?」



耕介「お、よく気付いたな。そう。直系卑属のいない子が死んでしまった場合、その子を認知することはできないんだ」

慕「ふむふむ……」

耕介「理由は当然、今まで親としてなにもしてないくせに、死んだ時だけ親だっつって財産をもらうのを防ぐため」

慕「なぁるほど……それも成人を認知するときと同じなんだね」

耕介「そういうことだ」






はやりん「スーパーはやりんタイム、はっじまっるよ~っ☆ はやや~☆」






はやりんチェック.56
◆『任意認知』には4つの要件があるよっ☆



はやりんチェック.57
◆まず一つ目っ☆ 認知する人される人が親子関係にあることっ☆ 親子じゃない人って、例えばどんな人なんだろうねっ★



はやりんチェック.58
◆『最初の要件が敗れたか……』『なに、やつは任意認知要件四天王のなかでも一番の小物……』とかいうのは置いといて。二つ目の要件は父親が認知をすることだよっ☆ お母さんの方から認知する必要は基本的にはないと言われているけど、最近話題の代理出産なんかの場合はどうするか、少し問題になってるみたいだねっ☆



はやりんチェック.59
◆三つ目の要件は、『意思能力』があることだねっ☆ 『意思能力』っていうのは、自分で決定し、それを把握できる能力……って感じかなっ? 4歳の子供とかには『意思能力』はないけど、15歳とかの子供には『意思能力』はあるんだっ☆



はやりんチェック.60
◆ちなみに、『意思能力』があれば認知はできるぞっ☆ 具体的には、『行為能力』のない未成年でも認知できるってことだねっ☆ 『行為能力』っていうのは、単独で法律行為ができる地位なんかのことなんだってっ☆




はやりんチェック.61
◆任意認知四天王のラスボスは、『認知される人からの承諾を必要とする場合がある』ことだよっ☆ 詳しくはそれぞれの項目を見た方が速いかな? 要は大人のズルを防止したり、お母さんの名誉なんかを守ったりするのが目的だねっ☆









はやりん「あ、ちなみに>>376の逆パターンもあるよっ☆ それが『遺言による認知』だねっ☆」

はやりん「遺言で誰かを認知する場合、遺言が効果を発揮するとき……つまり、遺言を書いた人が死んでしまったときに認知の効果が発生するんだよ」

はやりん「遺言が効果を発揮する前…つまり遺言を書いた人が生きてる間に遺言を撤回した場合、認知はなかったことになることも合わせて知っておこうねっ!! は~やや~っ☆」





耕介「さて、任意認知の話も終わりが見えて来たぞ。最後は認知の無効や取り消しについてだな」

慕「はーい」








~任意認知の無効・取り消し~




耕介「まず咲に結論を言っておく」

咲「え、呼んだ?」





耕介「間違えた。先に結論を言っておく。認知は取り消せないからな」

慕「………え、今誰かいなかった? 年下であり年上な、作品の先輩で人生の後輩みたいな人が……」

耕介「ん? 気のせいじゃないか?」

慕「……気のせいだったのかなな?」






耕介「……というわけで、認知は取り消せない。まぁこれも学説があったりするんだが、今はいいだろう」

慕「ふんふむ……」

耕介「次は無効の話だ」

慕「ん!!」



耕介「まず、認知は無効に出来るのかといった話からだ」

慕「まぁ…そこまで引っ張るってことは……多分出来るんだよね?」

耕介「メタな推理はやめろって。まぁ出来るんだけどさ」

慕「えへへ、当たっちゃった!」

耕介(可愛い)







耕介「まぁ無効に出来ると言っても、そんな簡単なことじゃない。ただ無効原因があるだけじゃダメなんだ」

慕「無効原因?」

耕介「認知する人とされる人間の間に親子関係がなかったり、さっき言った『意思能力』がないときに認知していた場合だったり、認知届が認知者の意思のよって出されたものでなかったりだな」

慕「なるほど……つまり、認知に必要なことが出来てない場合だね!!」

耕介「そうゆうことだ。今の説明で分かるなんて、慕はすごいな!!」

慕「えへへ~。褒められちゃった」

耕介(可愛い)

耕介「んでだ。無効原因があるからと言っても、それで一方的に無効にすることはできない。裁判を起こして無効を主張し、判決で無効が確認されることによってはじめて認知は無効になる」

慕「ふむふむ……なるほど」

耕介「まぁつまり認知を取り消しはできないけど、裁判すれば無効には出来るってことだ」

慕「簡潔にいうとそういうことだねっ!」






耕介「ちなみに、認知の無効を主張できるのは『子どもやその他の利害関係人』だから。これも覚えておいたらいいだろ」

慕「へぇ~」






はやりんチェック.62
◆認知は『取り消す』ことはできないけど、『無効』にすることはできるぞっ☆ 取り消しと無効の違いは>>229で可愛い女子プロ二人が説明してくれるぞっ☆



はやりんチェック.63
◆認知を無効にするためには『無効原因』がある上で、裁判を起こす必要があるんだねっ☆ ただ原因があるだけじゃ無効に出来ないから気を付けようっ☆




耕介「……と、まぁここまでが『任意認知』についてだな。大体分かった?」

慕「…だ、大体は………」




耕介「どうする? 続けて『強制認知』の話をしてもいいけど………」

慕「ご、ごめん…。ちょっと待って……? 頭こんがらがってきちゃった」

耕介「全然気にしなくていいぞ。別に今勉強しなくちゃいけないことでもないし。んじゃ、今日はこのへんにしとくか」

慕「はーい………」





耕介(……『認知』……なぁ。……まぁ、普通に生きてたらあんま使う機会はないと思うんだが………)チラ





慕「ふわぁ~あ……おやすみなさい、おじさん」

耕介「おう、おやすみ」





耕介(………やっぱ普通じゃないよなぁ……『それ』は。………俺も早いとこ恋人見つけねえと………)

というわけで今日はここまで。

次回は強制認知の話です。


おやすみなさい。

そろそろ生存報告が欲しいところ




>>395

死にました
おしまい









慕「お帰り~、おじさん」

耕介「ただいま。ご飯出来てる?」

慕「モチだよ!」








耕介「やっぱ慕の作るご飯は上手いなぁ」

慕「ふふっ。あ、そういえば今日ニュースでやってたんだけどね?」

耕介「うん」

慕「なんか民法が改正されるんだって~」

耕介「みたいだなぁ。敷金がどうちゃらとか言ってた気がするが…」

慕「そうそう。あとは少子化対策かなんかで、婚姻できる範囲を広げる案もあるみたいだよ。叔父さんとも結婚できるようになるんだってね」

耕介「へぇ~、そうなん…………」









耕介「はぁっ!?」





耕介「え、え、マジで!? なんだそりゃ!? そんなの初耳だぞ!!」

慕「ふふっ。今日はなんの日でしょう?」

耕介「今日? ……………エイプリルフールか」

慕「ピンポーン。嘘でした~」






耕介「………………。くそぅ、よくも騙してくれたな! この、このっ」ツンツン

慕「わわっ。指で作った輪っかでほっぺたを握って、丸くなった部分を指で刺すのやめて~」

耕介「ははっ、たこ焼き攻撃だこのこのこの~」
















耕介(ヤバい! 何がヤバいって、嘘って聞いて若干ガッカリしてる俺がヤバい!!)

耕介(慕に毒されてきてやがる!! 後でまふふ写真集で中和しなくては……)

というわけで、エイプリルフールネタでした。



辛うじて生きてます。
ちょっと時間が作れないだけで。

もう少しで強制認知の話も出来上がるので、あと少しだけお待ちください。


さようなら。

かわええwwつーか京咲スレと同じ人かよ!びっくりだ乙

夜遅くにこんばんは。


強制認知……全然わかんない。
なんもかんも>>1の頭が悪いのが悪い。

いつものように、間違いとかあったらガシガシ指摘してくださいね。
それでは、時間かけた割には短いけど投下行きます!!

健夜「みなさんお久しぶりです。小鍛治です」

健夜「私は単行本派なんですけど、なんかはやりちゃんの子供時代が思った以上にいい子で、ちょっと裏切られた気分です」

健夜「……いいもん。インターハイでは私が勝つもん」





健夜「……とかそういう話は置いといて。前回は任意認知についてやったんだよね?」

健夜「えっと…お父さんが認知したら子供を子供に出来るんだったっけ? 興味ない部分だからうろ覚えだよ」

健夜「…………どうせ私には縁のない話ですよ~だ……クスン…」






慕「おじさん! 民法の勉強しよう!!」

耕介「お? なんか今日の慕はやる気満々だな。なんかいいことあった?」

慕「ふっふ~ん。アリアリの大アリだよ~」

耕介「ほう。なんにせよ、勉強するのはいいことだからな。んじゃ、前回の続きでも勉強しますか」

慕「うん!!」










慕(ちょっと前にも話したけど、民法の改正があったらしいからね……。つまり、民法はまだまだ変えれるってこと……)

慕(勉強して、偉くなって、民法を変えて…………結婚するんだ!! おじさんと!!)





耕介(慕…勉強熱心だし、家事も出来るし、ホントにいい子だよな~)

耕介(…もし俺に娘が出来るとするなら、こんな子がいいなぁ……)






耕介(……『娘』だぞ! 『娘』!! 『嫁』じゃないからな!!)








~強制認知~







耕介「『強制認知』っていうのは、すごく分かりやすくいうと『任意認知』の強制版だ」

慕「まぁそんな感じだよね? 名前の響き的に」

耕介「じゃあ具体的にどこが違うのかって話だが、これは『任意認知』の場合と対応させながら勉強していこう。メモを見ながら話を聞いてくれ」

慕「は~い」







耕介「まずは>>368あたりで話した、誰が訴えを起こすのかという点だ」

慕「えっと……>>372のメモによると…『任意認知』は、お父さんやお母さんが訴えを起こすんだよね?」

耕介「そうだな。基本的には父親が訴えるのが『任意認知』だ」





耕介「対して、『強制認知』っていうのは子供や、その子供の直系卑属。あとは子供の法定代理人辺りが起こすものなんだ」

慕「ふ~ん。子どもなのにそんな難しいことできるの?」

耕介「子供といっても、親子関係的な意味での子供だからな。それに、法定代理人もいるしな」

慕「法定代理人……って、なんだっけ?」

耕介「法律によって決められた代理人だね。代理人ってのは覚えてる?」

慕「なんとなく……おつかいとかも代理人なんだっけ?」

耕介「そうだな。というか多分だけど、今まさに俺が慕の法定代理人なんじゃないか? 未成年後見人っぽいし」

慕「そうなの!?」

耕介「多分だけど。慕の親族で配偶者でも直系血族でも兄弟姉妹でもない……条件は一応満たしてるっぽいな」

慕「ふむふむ……」










はやりんチェック.64
◆『任意認知』と違って、『強制認知』は認知される側が訴えを起こすよっ☆ 『認知したい』って訴えじゃなくて、『認知してよ』って訴えなんだねっ☆





はやりんチェック.65
◆法定代理人っていうのは、法律で決められた代理人のことだよっ☆ そうじゃない代理人は『任意代理人』っていうんだっ☆







はやりん「ちなみに、耕介さんが言ってる条件っていうのは民法850条。『後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない』っていうやつだねっ☆」

はやりん「後見人っていうのは、未成年なんかの財産を代わりに管理してくれる人のことだねっ☆ 本来は両親が管理するんだけど、両親がいなかったり、財産を管理する能力がなかった場合に後見人が置かれたりするよ」

はやりん「耕介さんは慕ちゃんの配偶者じゃないし、直系血族でもないし、兄弟姉妹でもないから法定代理人になれるんだよっ☆」









耕介「まぁ、今回の話で大事なのはそこじゃない。あくまで法定代理人の話は『強制認知』を起こせる人の一人だってことが分かっとけばいいや」

慕「はーい」






耕介「あ、大事なこと言うの忘れてた。この訴えを起こす際は子供には『意思能力』さえあれば問題ないから」

慕「意思能力…なんかどこかで聞いたような……?」

耕介「>>373>>377のはやりんチェック.59あたりにメモってあるはずだ」

慕「ふむふむ……自分の意思で認知してほしいって思ったら、認知してもらえるってこと?」

耕介「ん~……認知してほしいと思うことが出来るなら、法律云々が自分で出来る必要がない……って感じなのかな? 悪い、俺もちょっと分からん」




耕介「あと、法定代理人は子どもに意思能力がある場合でも、代理人として強制認知の訴えを起こすこともできるぞ」

慕「ふむふむ……」









はやりんチェック.66
◆子供は意思能力さえあれば、強制認知の訴えを起こせるよっ☆








耕介「次に、提訴期間についてだ。提訴期間っていうのは、訴えを起こせる期間のことだね」

慕「えっと……『任意認知』の場合は、子供が生まれてから一年以内だったっけ?」

耕介「惜しい。父親が子どもが生まれたことを知ってから一年以内だ。間違いやすいところだから要確認だな」

慕「間違えちゃった……」ションボリ

耕介「ま、間違えやすい部分だから大丈夫!」






耕介「で、でだ。対する『強制認知』の提訴期間なんだが…実は明確な期限はないんだ」

慕「? いつでもいいってこと?」

耕介「期限がないといえば少し語弊があるな…。『強制認知』っていうのは、訴えを起こされる父親が生きている限りはいつだって起こすことができる」

慕「ふむふむ…」

耕介「そういう意味で『明確な期限』がないんだね」

慕「へぇ~……じゃあ、もし……もしお父さんが訴えられるより先に死んじゃった場合はどうすればいいの?」

耕介「その場合、父親の死が客観的…つまり、誰が見ても死んでいるって分かるようになってから3年以内であれば、検察官を相手とした認知の訴えを起こすことができるぞ」

慕「ふむふむ……こっちの場合はちゃんと期限が決められてるんだね?」

耕介「だな。あんまり時間が経ちすぎると、証拠が得にくくなって事実関係が分からなくなったり、身分関係の安定性が失われたりするからね」

慕「ふむふむ……」メモメモ









はやりんチェック.67
◆お父さんが生きている限り、子供からの『強制認知』の訴えはいつでも起こせるよっ☆ ただし、お父さんが死んじゃったことが誰の目から見ても明らかになってからは、3年という時間制限がついちゃうんだっ☆



はやりんチェック.68
◆訴えを起こす前にお父さんが死んでしまった場合は検察官を相手に訴えを起こすんだねっ☆ ……この辺は少し物騒な話が多くなっちゃうね…









耕介「次に、胎児の認知についてだな。まぁこれは簡単だから速攻で終わらせるぞ」

慕「ダブリー!! 一発ツモ!!」

耕介「速攻だなぁ」

慕「……今日は……いい天気だね」

耕介「天和はさすがにズルい」





耕介「任意認知については、母親の承諾があれば胎児でも認知できたよね?」

慕「そうだったね!」

耕介「だが、強制認知は胎児からはできない」

慕「なんで?」





耕介「子供が起こす訴えなのに、胎児にできるわけないだろ?」

慕「………言われてみれば、そうだね」









はやりんチェック.69
◆胎児…つまり、お腹の中にいう子は強制認知の訴えを起こすことはできないよっ☆ サスサス









耕介「さて。次で大事な部分は最後かな? 俺にもあんまわかってない部分なんだけど、いいか?」

慕「どんとこーい」

耕介「よし。最後は認知に対する反対事実の主張だな」

慕「反対事実…? …反対……反対………」



慕「『お父さん! 娘さんを僕にください!』」

耕介「『ダメだ!! お前のようなやつに娘はやれん!!』」

慕「おじさんって、なんだかんだでノリいいよね」

耕介「そう?」






耕介「話を戻そう。任意認知の場合は、認知に対して反対事実を主張することができるんだ」

慕「反対事実って?」

耕介「要は認知無効の訴えを起こすことことだね。親じゃない人が『私が親です』って認知しようとしてきたときに、『お前は親じゃない!!』って言い返すこと」

慕「ふむふむ……なんか前回やったような…」

耕介「だね。子、またはその利害関係人が起こせるやつだな」




耕介「で、だ。任意認知の場合だとこの反対事実の主張ができるんだが、強制認知の場合はできないんだ」

慕「? どうして?」

耕介「……………」

慕「……………」

耕介「…………………」

慕「…………………?」

耕介「…………………………」

慕「……ど、どうしたの? そんな、黙りこくっちゃって………」







耕介「………すまん。それについてもいろいろ調べてみたんだが……出てこないんだ。強制認知に対して反対事実の主張が出来ない理由っていうのが」

慕「え…? そうなの?」

耕介「なんでなんだろうな。見ず知らずの子供に『お前が親だ!!』って言われたら、『違う』って言っちゃだめってことだろ? それはおかしいよな~。証拠がないとそもそも訴えを起こせない? でも、その証拠に反対出来るんじゃ……? なんで?」

慕「わ、私に聞かれても……」

耕介「知ってる人がいたら教えてくれ(>>1の心の声)」











はやりんチェック.70
◆強制認知では、反対事実を主張することはできないよっ☆ ごめんねっ、無能な>>1でっ★









耕介「まぁ、こんなところかな」

慕「認知って難しいんだね」

耕介「単純に>>1の頭が悪いだけなんだけどな」

慕「>>1? 誰それ」

耕介「わからん」






耕介「あとは認知の効果がいつ発生するのかとか、まぁいろいろあるんだけど…その辺は別にいいか。多分言ってもややこしくなるだけだし」

慕「難しいの?」

耕介「説明するのがね。上手く説明する人はするんだろうけど」

慕「でもおじさん。物書きさんじゃなかったっけ? 説明とか得意なんじゃ…?」

耕介「職業だけで判断してもらっちゃこまるよ~?」

慕「それ、私のマネ……」



耕介「んじゃ、今日はここまでな」

慕「は~い」







耕介「……そういえば。どうして今日はこんなにやる気あったんだ?」

慕「ふっふ~ん。内緒だよっ!」

耕介「え~? なんだよそれ~、教えろよ~」

慕「教えてあげてもいいけど、その代わりおじさんの晩御飯がトマト尽くしになっちゃうよ?」

耕介「永久に胸の内にとどめておく方針でお願いします」









慕(法律を変えるのはまだ無理だからね…。…今は、今できることを積み重ねていこう!)

慕(……まずは、私の魅力に気付いてもらわないとね! ……お色気とかした方がいいのかなぁ……でも、はしたない女の子だと思われるのもなぁ……)


スミマセン。
これが今の>>1の精一杯です。


教科書読んでも全然分からないっス。
多分悪いのは教科書じゃなくて>>1の頭だと思うんだけどなぁ…。

間違いや補足があればバシバシ突っ込んでくださいね。



もしかしたら、次の『養子』で最後のテーマになるかもしれません。


あとは、実はまだ消化できていない>>157の安価を消化したりですね。
実はスレのオチ用にとってあるんですよね~。




それでは今日はここまで。
おやすみなさい。






>>401
なんのことだかサッパリわかりませんね。
そんな大学生の京咲のことなんてまったく知りませんよ。

ナナ「私と同じで男を見る目がない」
→好みのタイプが一緒
→私と同じ男を好きになるとは見る目がない
→慕の父はリチャ

まえにこんな説を見たことあったけどもし本当ならシノリチャは数え役満どころじゃないな

最初の「ダメだ 離さねぇ」が慕のセリフ説ってのは笑った

>>430
実の姉と実の娘で親子丼
罪深いってレベルじゃないな






慕「おじさん! お誕生日おめでとう!」





耕介「……あ。そいや俺の誕生日か」

慕「ホントは昨日なんだけどね。プレゼントが中々準備出来なくて、今日になっちゃった……ごめんなさい」

耕介「あ、謝らなくていいって!! 大体、慕に言われなかったら誕生日だってことすら忘れてたし…それに、慕が俺の誕生日を覚えててくれたことが俺は一番嬉しいよ」

慕「……えへへ~。ありがとっ、おじさん」

耕介「こちらこそな。慕」








耕介(そうか……なんか昨日から、リビングに見覚えのない箱が置いてあるから気になってたが……あれ誕生日プレゼントだったのか……)

耕介(…………ん? でも今、誕生日プレゼントが今日まで用意出来なかったって言ってたよな? どういうことだ?)










耕介「……で、その誕生日プレゼントって何だ?」

慕「ふふふ~。これを手にいれるのは凄く苦労したんだよ~? 市役所に行っても中々相手にされなくて大変だったんだ~」

耕介「……………市役所?」

慕「うん!! はい、これ」

















耕介「……………………どうみても婚姻届なんですが……まさか誕生日プレゼントって……これ?」

慕「ふふふ…驚くのはまだ早いよ~? そこに書いてある文字も見てみてっ!」

耕介「………白築慕って書いてあるな……」





慕「その通り! なんと誕生日プレゼントは、料理と麻雀の出来る奥さんだったのです!!」

耕介「………………」アタマカカエ

慕「ふふん」ドヤァ






耕介「あ~……まぁ、なんだ? 一応……その…ありがとう」

慕「どういたしまして!」





耕介「…………ちなみに、リビングに置いてあった箱はなんだ? てっきりあれが誕生日プレゼントだと思ったんだが……」

慕「ん……あっちは母の日のやつ。……多分、買ってなかったらお母さん拗ねちゃうから」

耕介「…………そうだな。姉貴はああ見えて子供っぽいとこあるからな……」

慕「でしょ?」











耕介「慕」

慕「ん? なに?」



耕介「勝てよ……大会」

慕「…うん」

耕介「……勝って、勝ち続けて。全国大会に出て、そのままテレビにも出て。優勝して、インタビュー受けて。……今は島根にいるって、ちゃんと言うんだぞ? ……姉貴、何もないときはずっとテレビ見てるしな」

慕「……うん!!」






耕介(姉貴がらみだと普通のけなげな小学生なのになぁ………)









慕(この婚姻届は意味がないものでもいいの………これは将来、『昔、結婚する約束したよねっ』って言うための布石……)



何も予定のない平日の午前。
幸せを噛みしめつつSS投下。


というわけで、一日遅れましたが耕たんいぇい~&母の日いぇい~。

時系列的にはまだ全国大会は出てない感じです。5月だし。



それではさようなら。
今の時間働いてるみなさん、頑張ってください。






>>430>>432
姉弟で近親婚(二親等)
その娘の慕と近親婚(一親等)
内縁とはいえ重婚。
娘と結婚はさすがにダブル役満だろうから、合わせてクアドラプル役満ですね。さすがにヤヴァイ。




>>431
一瞬何言ってるかわからなかった。

耕介「また慕が牌で遊んでる」
ナナさん「取り上げて」
赤ちゃん慕「ダメだ。離さねえ」

ってことか…慕ちゃんたくましすぎ。



数か月前







耕介「最近運動不足だなぁ」

慕「だめだね~。まだ若いんだからもっと運動しないと」

耕介「まさか小学生の姪に若者扱いされるとは……短時間でできて、あんま疲れない運動とかねぇかなぁ」

慕「う~ん……鬼ごっこ?」

耕介「小学生にとって鬼ごっこは疲れない遊びなのか……」





耕介「そうだ。バッティングセンターに行こう」

慕「バッティングセンター?」

耕介「そ。慕も一緒に行くか?」

慕「うん!」
















耕介「よっと、なんだかんだでまだまだ動けるもんだな」カキーン

慕「うわわっ!! 150キロなんてよく打てるね……私には全然見えなかったよ……」

耕介「……ん、低い……ボールだな」

慕「? なんで今振らなかったの?」

耕介「俺はボール球は振らない主義なんだ。……慕もやってみるか?」

慕「え~? 私には無理だよぉ……ここで見てるだけでいいや」

耕介「まぁ、打ったとしても前には飛ばせないだろうなぁ……帰りたくなったらいつでも言って」

慕「うん!!」





数か月後









耕介「……ボール…かな?」

慕「え~? 今のは多分ストライクだったよ?」

耕介「まじか。低いと思ったんだけどな」

慕「……あ、これは……」

耕介「よいしょ~!! ……あ~、打ち上げた……」

慕「今のはさすがに手出したらダメでしょ……高めのボール球だったし…………あ、これは真ん中…」

耕介「よいしょ!!」

慕「さっすがおじさん!! ストライクのボールはしっかり打つね!!」

耕介「まぁな……にしても、慕も150のボールでもかなり見えるようになってきたな。そろそろ打ってみるか?」

慕「え~? 遠慮しとくよ…変な筋肉がついたらいやだし」

耕介「最近の小学生はそんなことまで考えてるのか……」

シノハユ最新話の慕ちゃんの牌キャッチの裏にはこんな土台があった……? とかいう妄想。




民法の養子の話はもうちょっと待ってください。
もうちょっと時間がかかりそうなので。


それではおやすみなさい。

ストライクなら普通に150打てるリチャードソンナニモンだよwwww

耕介「麻雀をやるときのチソ訓練だ。150キロのボール、そこに書いてある牌の絵柄を当てるんだ」
耕介「三筒!」ガシッ!
七筒「やあ!」
耕介「うわああああああああああああああ」

相手の捨て牌が相手の手から放たれ河に流されるまでに手牌を轟盲牌とかで組み替えてロンするんだよ

生存報告的なあいさつ。

ごめんなさい。
養子なんですが、もうちょっと時間がかかりそうです。
普通養子縁組の取り消しの途中まで書けているので、あとは縁組の消滅と特別養子とをちょろろっとすれば出来上がりなのですが…。
次の投下で最後にしようと思っているので、かなり量が多くなっちゃってます。
もう少しだけ待ってください。



あと、どうでもいいけど高橋知代子ちゃんかわいすぎてヤバイですね。
あんなん反則やろう、と。






>>448
来るとわかってる150は素人でも割と打てたり。
ここに時速100キロのボールが一つ入るだけで面白いように打てなくなるんですけどね。


>>453
轟盲牌出来るのなら、そんな小細工せずに手牌全部白にしちゃえばよくない?(天地創造)

お久しぶりです。長い間放置してしまい申し訳ありません。
ようやく時間が確保できましたので、ゆっくりまったり投下していきます。

今日中に終わらせられたらいいなぁ。



多分間違いとかはないと思うんですけど、もし詳しい人が間違いとかに気付いたら遠慮なく指摘しちゃってください。

健夜「前回の復讐~……何か月前? …確か前回はグダグダだったんだよね」

健夜「まぁ最低限、任意認知と強制認知の違いだけ覚えてたらいいんじゃないですかね? 知らないけど」

健夜「強制認知は子どもから、任意認知は親から。まぁ私にはどっちも関係ないけど?」

健夜「……なんか毎回これ言ってる気がするなぁ…」






健夜「あと、今回と次回で一応このスレは終わりの予定なので? なんか特別ゲストを呼んでいるそうです。どうぞ」




美月「こんにちは~。はやりママこと、瑞原美月です」

はやり「私もいるぞっ☆」

健夜「お母さん若っ!? ……え、若くない? 若すぎない? ………え…お母さんはシノハユ仕様? ………それとも、もしかして……」

美月「ふふふのふ……」

健夜「沈黙が一番怖い……」





はやり「今日はお母さんがどうしても言いたいことがあるっていうから連れてきたんだっ☆」

健夜「あ、そうなんですか? なんだろう…若さの秘訣かな……」






美月「今日のお題は『養子』なのよね?」

健夜「あ、はい。そうです」









美月「『よーし』、それじゃあ今日は『養子』について勉強しちゃおう!!」

健夜「…………………」

はやり「…………………」

健夜「………もしかして、それ言うためだけに出てきたの?」

はやり「あの……その………ごめん……」




耕介「………やっぱ…慕に民法の話をする上で、この話題はどうしても避けられないよなぁ……」

耕介「…そりゃ、姉貴が見つかるってのが一番の解決法ではあるけど……。そうやって理想だけ追って、いつか来るかもしれない未来から目を背けるのは…大人のすることじゃねえよなぁ……」

耕介「…はぁ…バンドで何も考えずギャンギャンとギター鳴らしてた頃が懐かしいや……。いつから大人になっちまったんだろ…俺……」



耕介「……いつか慕も、大人になる……。…その時……俺は………」



















慕「何々? 私と結婚したいって話だったりする?」

耕介「…………いつからそこにいたのかな?」

慕「『………やっぱ…慕に民法の話をする』」

耕介「分かった、最初からだな?」

慕「その通り!」






耕介「……そうだな。これも、慕にこの話をする時がきたってことかな?」

慕「何かな? 何かな?」ワクワク





耕介「……いつか、慕が俺の本当の家族になるかもって話だ」

慕「!? ついに結こ…」

耕介「養子としてな」

慕「んし…………え?」






~養子~








慕「……養子って?」

耕介「簡単に言うと、他人の子供を自分の子供にすることだな」

慕「……人攫い?」

耕介「せめて誘拐って言えよ…いや、どっちにしろ違うけど」



耕介「まぁ、よくあるパターンとしては二種類かな? 子供が生まれなかったから養子を取る場合と、親がいなくなった子を養子として取る場合と。まぁ他にもいろいろあるんだろうけど」

慕「ふむふむ」メモメモ

耕介「その、気付けばメモを取ってる姿勢。嫌いじゃないよ」

慕「えっへん!」









耕介「あ、ちなみに。養子には二種類あってな。普通養子縁組と特別養子縁組ってやつなんだが、今からする話は全て『普通養子縁組』の話だと思ってくれ」

慕「は~い。特別養子なんとかの話は?」

耕介「また後でする」









はやりんチェック.71
◆養子には、『普通養子縁組』と『特別養子縁組』があるよっ☆ みんなが養子と聞いてパッと思い浮かべるのは『普通養子』のほうじゃないかなっ☆






はやりん「あとで詳しい説明が入ると思うけど、簡単に説明しておくと『普通養子縁組』は単に親子関係になるだけで、前の親とも親子関係は残ってる。対して『特別養子縁組』は6歳未満限定で、前の親との関係がスッパリ切れちゃうって感じかな?」









~普通養子縁組~







耕介「勿論、慕の今の保護者は俺だ。慕の面倒は俺が見てやるし、保護者参加と言われたら何が何でも俺が行く」

耕介「でも、養子ってのはそういうのじゃない。法律上、俺と慕が親子だってことになるんだ。もっと具体的に言うと、嫡出親子関係が発生する…嫡出子って覚えてるか?」

慕「>>282あたりでやったよね……普通の夫婦の間に生まれた子供?」

耕介「そう。養子は直接生まれた子供じゃなくても、『嫡出子』として扱われるんだ」





慕「なるほど! それじゃあ、さっそく私を養子に…」

耕介「ちなみに、一度養子になるとその親子同士では結婚できなくなる」

慕「しなくていいよっ!!! なしなしなし!! この話はなしっ!!!」

耕介「そう言うと思ったよ……ちなみに普通養子の場合、前の親との関係も残るんだ。つまり…実の親と養親、二面の親族関係が生まれるわけだな」

慕「へ~。変なの」








はやりんチェック.72
◆普通養子縁組をすると、子どもは嫡出子として扱われるんだねっ☆ ただし、前の親との関係も残るよっ☆ …………72(笑)。







耕介「さて。こうなると、一応法律上の要件としては俺と慕は養子縁組を結べないことになる。……まぁ俺らの場合は少し事情が違うけど」

慕「? どうして?」

耕介「婚姻のあたりでやったことを思い出してほしいんだが…婚姻には婚姻意思の合致、つまり『お互いに結婚しようという意思がある』ことが要件として必要だったよな?」

慕「そうだね。メモの>>10ページのところに書いてあるよっ!」



耕介「これは普通養子縁組の際にも必要なことで、養子を取りたいって意思と、養子になりたいって意思が合致することが養子縁組には必要なんだ」

慕「なるほど……まぁ普通といえば普通? なのかな?」

耕介「ただ、婚姻と違って、15歳以上であれば未成年でも養子になりたいという意思表示をすることが出来る点は大事だ」

慕「どうして?」

耕介「婚姻ってのは生まれてくる子のこととかもあるから、ある程度の年齢じゃないとダメだけど、養子ってのはそうじゃないからな」

耕介「それに15歳にもなれば、養子になることの重要さ、設定の意義なんかを理解できるからだな」

慕「そういうものなんだ…まだ私には早い話だね」







耕介「ちなみに、養子縁組は15歳以上であれば出来るといったが、それは本人の独立した意思である必要があるんだ」

慕「?」

耕介「分かりやすくいうと、両親の同意がいらないってことだな」

慕「そうなの!?」

耕介「そうなの」








はやりんチェック.73
◆一度養親子になると、その親子間では結婚ができなくなるよっ☆ >>16の736条の部分だねっ☆ ……ホントはこれ、>>467で言うところだったんだけどね。



はやりんチェック.74
◆養子縁組には意思の合致が必要だよっ☆ 15歳以上であれば親の同意なしでも養子になれるんだねっ☆








慕「……あれ? でも、私まだ15歳じゃないよ? この場合はどうなるの?」

耕介「お、鋭いな。鋭いぞ、慕」

慕「えっへへ~」テレッ





耕介「それがさっき言った『事情が違う』部分の一つでもあるんだが……その場合は、法定代理人が代わりに縁組の承諾をするんだ。民法797条にそう明記されている」

慕「あ……そうなんだ………(もっと褒めてほしかったな……)」

耕介「…………法定代理人って覚えてるか?」

慕「え? …おじさんのこと?」

耕介「よく覚えてたな。偉いぞ、慕」ナデナデ

慕「!? ……えへへぇ~」









はやりんチェック.75
◆養子になる子が15歳未満の場合は、法定代理人が代わりに承諾するぞっ☆








耕介「さて。まぁそんな感じで養子は取れたりするんだが……お互いの意思の合致さえあれば、誰でも養子を取れるというわけではない。養子を取るにはいくつかの条件があって、それが満たされていないと養子は取れない」

慕「ふ~ん。なんか婚姻でも似たような話があったよね?」

耕介「そうだな。これが『縁組障害』ってやつだ。今からその条件を見ていくぞ」








~縁組障害~






耕介「まずは792条。『成年に達した者は、養子をすることができる』」

慕「成年ってことは、20歳以上?」

耕介「そうだな。また、20歳以下でもすでに結婚している場合なんかは成人と同様に扱われるし、養子をとることも出来る」

慕「ふむふむ。つまりこれは……」

耕介「20歳未満で結婚もしていない人は養子を取れない……ってことだな。まぁ、あの無敵っ子がいきなり慕を養子にするとか言い出したら、ちょっとびっくりするだろ? そういうこと」

慕「無敵っ子? ……あぁ、閑無ちゃんね」






耕介「次に、793条。『尊属又は年長者は、これを養子とすることができない』だ」

慕「尊属って……>>31とか>>33でやったとこだよね? つまり…」

耕介「慕が姉貴を養子にしたりはできないってことだな。まぁ当たり前っちゃ当たり前のことだ」

慕「そっちはまぁ分かるけど……年長者って? 一番年上ってこと? 長男?」

耕介「うん。確かにこの書き方だとそういう間違いをするのも分かる。この『年長者』ってのは、分かりやすくいうと『年上』ってことだ」

慕「……あ、なるほど。年上は養子に出来ないんだね」

耕介「そゆこと。俺が慕を養子にすることはできても、その逆は無理ってことだな」






慕「……ちなみにさ? 尊属じゃない方……えっと………卑属? は養子に出来るの?」

耕介「出来るぞ」

慕「えっと……『直系卑属』でも?」

耕介「出来ちまうんだな、これが。おじいちゃんが子供の子供、つまり『孫』を自分の『子供』として養子にするってのは『アリ』だ」

慕「へぇ~。でもそんなことあるの?」

耕介「歌舞伎の世界とかではあるらしい。娘しか生まれなくって、その娘の子、つまり孫が男だった場合に、その孫を自分の『息子』にして、跡継ぎにするんだとか」

慕「難しいね」

耕介「難しいな」







耕介「続いては794条。『後見人が被後見人を養子とする場合は、家庭裁判所の許可が必要』なんだ」

慕「どうして?」

耕介「これは、俺らで例え話をするのが一番分かりやすいかな?





耕介「さっき慕は俺の養子には『なりたくない』って言ったよな?」

慕「うん……別におじさんのこと、嫌いになったわけじゃないよ?」

耕介「分かってるよ。………でだ、未成年の養子縁組は誰の許可が必要だった?」

慕「……ほーてーだいりにん」

耕介「だな。まぁ慕の場合は後見人である俺が法定代理人なわけだが……これ、どう思う?」

慕「?」






耕介「慕の後見人、つまり未成年者たる慕の法定代理人である俺が、慕を養子にしようとした場合。慕は15歳未満…つまり、慕が養子になるかどうかを俺が決められるんだから、慕を養子にするかどうかを俺の好きなようにできちゃうわけだよな?」

慕「!? ホントだ!?」

耕介「『慕の後見人』俺が慕を養子に取りたいと言い、それを『慕の法定代理人』俺が許可する…ちょっとズルイよな」

慕「なんだろ…『三浦投手コーチが番長を酷使』に近い何かを感じる」(横浜育ち)

耕介「……そうだな。そして、これを認めてしまうとすごく大きな問題が生まれてしまう」

慕「問題?」

耕介「例えば、姉貴の財産。慕を養子にしたいと俺が言い、それを法定代理人である俺が承諾。その後に慕の親として、慕に残された姉貴の財産を食いつぶすってことが考えられるよね」

慕「そ…そんな……!」




耕介「そうならないように、『被後見人と後見人が養子縁組を結ぶ』場合、家庭裁判所の許可を取らなければならないことになっているんだ」

慕「なるほど……」



耕介「あと、これの例外…? っつか、付け足しみたいなものがあるんだが」

慕「プラスアルファだね!」

耕介「そう、+αだ。後見人が後見人じゃなくなったとき……分かりやすくいうと、慕が成人した時だな」

慕「ふんふん」

耕介「慕が成人したら、それから二ヶ月の間に『管理の計算』っていうのをしないといけないんだ」

慕「管理の恵さん?」

耕介「のどパパ違う。俺が管理してた遺産とかを慕に返したり、そういうの」

慕「ふむふむ…」




耕介「でだ。慕が成人した場合でも、この『管理の計算』が終わるまでは、被後見人と後見人の縁組のように、家庭裁判所の許可がいるらしい」

慕「ふ~ん。なんで?」

耕介「被後見人じゃなくなったタイミングで、かつ管理の計算が終わる前に養子縁組することで、同じように財産を食いつぶされる可能性があるからじゃねえかな? よくわかんねえけど」










耕介「まぁ、養親になりたい人にも色々あるってこった。さっき言ったような悪いこと考えるやつもいれば、本当に養子のことを思ってってやつもいる。それを家庭裁判所に見極めてもらおうってわけだな」

慕「………おじさんは、どっちなのかな?」

耕介「……くっくっく。慕の財産を食いつぶしてやるぜーっ!」

慕「きゃー」

耕介「……なぁんて言わないから安心しろ。もし慕にそうやって近づく奴がいたら、しつこい左フックを肝臓に叩きこんで苦しめてやるぜ」

慕「そこは普通に『ぶっ飛ばしてやる』でいいのに……」





耕介「さて、どんどん行くぜ! 次は795条だ!」

慕「どんどん行くぞーっ!!」

耕介「配偶者…って覚えてる」

慕「結婚した相手のことでしょ? 忘れるわけないよー」

耕介「その『配偶者のいる者が未成年者と縁組する時は、その配偶者とともにしなければならない』んだ」

慕「ふむふむ…つまり?」

耕介「夫婦の片方だけが未成年の養子をとることはできないってことだな。夫婦揃って養親にならないといけないんだ」

慕「なぁるほど。未成年限定?」

耕介「そうだね。未成年の子どものことを考えるなら、夫婦そろって親になるのが望ましいからという理由らしい」







耕介「あ、でもこの取り決めにも例外もある」

慕「例外?」

耕介「おう。再婚ってあるだろ?」

慕「あるね」

耕介「再婚相手の連れ子を養子にする場合は、夫婦そろって養親になる必要はない」

慕「どうして?」

耕介「連れ子の親は実親だからな。それを改めて養子とするのなんておかしいだろ? だから連れ子の親は養子をとる意思が必要ない、つまりもう片方の親のみが養親になればいいんだ」

慕「なるほど!」

耕介「あとは、配偶者が意思表示できない場合なんかも例外らしいね。こっちは俺もちょっとよく分かってないんだけど」






耕介「次の796条は、795条の応用みたいなもんだ」

慕「ふむふむ」

耕介「795条は未成年の養子の話だったけど、796条は未成年以外の養子を取る場合の話だな。この場合、配偶者の同意を得なければ養子を取ることはできない」

慕「ふむふむ…つまり、夫婦のどちらかだけが『養子を取る!』とは言えないわけだね」

耕介「そういうこと。これは未成年の場合とは違って、夫婦なのに片方だけが養親だと、もう片方の親の法律上の立場などに影響を及ぼすことが考えられるから作られた取り決めだな」

慕「ふむ?」

耕介「お父さんには子供がいるのにお母さんには子供がいないっておかしいだろ? そうならないためのものだな」

慕「なるほどね!」






耕介「そして、これにも例外が存在する。まぁ内容は795条と一緒だ」

慕「連れ子の親は同意しなくてもいい?」

耕介「その通り!」






耕介「んで、797条……っといいたいところなんだが、これはもうやっちゃったんだよな」

慕「そうなの? 何々?」

耕介「『15歳未満の子を養子とする場合、法定代理人がその子の代わりに承諾する』ことだな」

慕「あ、確かに。>>470あたりでさっきやったね」

耕介「まぁ新たに覚えることがあるとすれば、第二項だな。『法定代理人が承諾するには、養子となる者の父母で、その監護をするものの同意が必要』だって続くんだ」

慕「? ……父母って、お父さんお母さんのことだよね? ……法定代理人とお父さんお母さんって、一緒なんじゃないの?」

耕介「まぁ、普通はそう思うよね。この取り決めは、例えば両親が離婚している場合なんかに意味があるんだ」







耕介「監護ってのは、監督や保護をする人のこと。当然親だよね」

慕「うん」

耕介「でだ。両親が離婚して、お母さんが監護者。お父さんが親権者…つまり法定代理人の場合なんかに、お父さんだけじゃなくてお母さんの同意も必要ですよってのが取り決めの意味なんだな」

慕「なるほど……。照ちゃんが養子になる場合、親権者(推定)のお父さんの許可だけじゃなくて、お母さん(東京暮らし)の許可も必要ってことだね!」

耕介「照ちゃんが誰かはしらないけど、多分そういうことだろ」





耕介「さ。今からやる798条で縁組障害は最後だ」

慕「よーし、どんとこい!」

耕介「いい返事だ。798条は『未成年者を養子にする場合、家庭裁判所の許可を得なければならない』だな」

慕「……なんか聞き覚えがあるような、ないような…」

耕介「794条になんとなく似てるかな? こいつと797条との合わせ技で、15歳未満の子を養子にする場合、家庭裁判所と法定代理人のダブルで許可が必要になったりするわけだ」

慕「ふむふむ……」

耕介「ただ、こいつにも例外がある。795条の例外や、793条でやったところみたいに『配偶者の直系卑属』や『自分の直系卑属』を養子にする場合は許可が必要ないんだ」

慕「へぇ~」








耕介「……と、まぁこんなもんだな。普通養子の縁組障害は」

慕「なるほどなるほどなるほど~」







はやりん「怒涛のはやりんチェック行くぞぉーっ!! はやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやはやーーーーーーっ☆!☆!☆!☆!」

閑無「はや……ゴホン」






はやりんチェック.76
◆養子を取る際には、婚姻と同じようにいくつかの制限がかけられるぞっ☆ これを『縁組障害』っていうんだって☆ 民法では792条から798条までに並べられてるねっ☆



はやりんチェック.77
◆民法792条では、成年しか養子を取れないことが決められているよっ☆ ただし、未成年でも結婚した経験のある人は『成年擬制』といって、成人扱いになるよっ☆ ……未成年は犠牲となったのだ……アラフォーの犠牲にな……。



はやりんチェック.78
◆民法793条は、尊属とか年上は養子に出来ないってことが書いてあるねっ☆ だから私を養子に出来るのは、大沼さん、トシさん、保護者のみなさん、シノハユ時点で大人のみなさん、あとは……すこやんくらいかなっ★
アラサーダヨッ!




はやりんチェック.79
◆民法794条が制限しているのは、後見人による養子縁組だねっ☆ これは家庭裁判所が介入することによって後見人が勝手に被後見人を養子にすることを防いでいるよっ☆ 被後見人じゃなくなっても、管理の計算が終わるまでは家庭裁判所の許可がいることも覚えておいてねっ☆



はやりんチェック.80
◆民法795条は、配偶者がいる場合、配偶者の同意がないと未成年の養子を取ることは出来ないよってやつだねっ☆ ……どうせ私には関係ありませんよ~だ。は~やや。



はやりんチェック.81
◆民法796条も似たようなやつだね。未成年じゃない養子でも配偶者の同意が必要だとかなんとか……………はぁ。



はやりんチェック.82
◆…ゴホン。気を取り直しまして……民法795条、796条には共通の例外があるよっ☆ 相手の連れ子を養子にする場合や、配偶者が同意できない状態の時なんかは同意は必要ないんだねっ☆ 連れ子はわざわざ養子にするまでもなく実子だから、養子にする同意がいらないんだねっ☆



はやりんチェック.83
◆民法797条は、15歳未満の子を養子にする時は法定代理人が代わりに承諾するってやつだねっ☆



はやりんチェック.84
◆最後は民法798条☆ 未成年を養子にする時は家庭裁判所の許可が必要だよっ☆ 私を養子にしたかったら家庭裁判所の許可を貰ってねっ★








はやりん「ずいぶん多くなっちゃったね。少し整理してみよっか」



はやりん「まず、どんな人でも養子に取れないのが年上、尊属の二種類っ☆ それとは別に、未成年が養子を取るのも不可能だよっ☆」

はやりん「次に、家庭裁判所の許可がないと養子に出来ないのが二種類っ☆ 後見人が被後見人を養子にする場合と、未成年を養子にする場合だねっ☆」

はやりん「配偶者がいる人の場合、いくつかの例外を除いて、誰を養子に取るにしても配偶者の同意が必要だよっ☆」

はやりん「15歳未満の子の場合はさらに法定代理人の許可…というか承諾が必要だよっ☆」






はやりん「こんなところかなっ☆ 未成年と15歳未満や、法定代理人と家庭裁判所なんかはゴチャゴチャになりやすいところだから、しっかり覚えようねっ☆」




耕介「さて。ここで慕には昔の話を思い出してほしいんだが…婚姻に必要なのはなんだった?」

慕「え? それは法律的な意味で?」

耕介「法律的な意味で」



慕「えっと……私とおじさんの婚姻意思の合致と、婚姻障害がないこと。あと戸籍上の届けだよね?」

耕介「一部おかしかったが、ほぼその通りだな。そして、これは養子にも同じように当てはまる」

慕「ふむふむ…」

耕介「つまり?」

慕「……つまり? ……ん~……婚姻意思と、養子縁組…婚姻生涯と縁組障害……ってことは…?」



耕介「そう。養子縁組の際には、今まで言ってきたことに加えてもう一つ。戸籍法が定める届出が必要なんだ」

慕「なるほど! けーしきてきよーけんだね!」

耕介「そう。形式的要件、一年も前のことなのによく覚えてたな」

慕「一年? そんなに経ってたっけ?」

耕介「外の時間の話だ。気にスンナ」

慕「?」







耕介「つまり、婚姻に必要なのは婚姻意思の合致、婚姻生涯がないこと、戸籍上の届出の三種類」

慕「養子縁組の必要なのは、縁組意思の一致と縁組障害がないこと! あと戸籍上の届出ってわけだね!」







はやりんチェック.85
◆養子縁組の時も、婚姻と同じように戸籍上の届け出が必要だよっ☆ 私の中の時間は止まったままだから、私は永遠の28歳だねっ☆








はやりん「ちなみに、養子縁組の届出を記した民法799には『婚姻届けに関する取り決めを養子縁組にも同じように適用しますよ~』って書いてあるんだよっ☆ この二つは似たような性質を持つ届出だってことがよく分かるねっ☆」




キーボードの調子がすっごく悪いので、ちょっと待ってください。


「ちょっと」って打とうとすると「ちょttttttっと」になる。



耕介「さて。ここまでは養子を取るために必要なことをやってきた…次は無効や取り消しについてだな」

慕「ラジャっ!」

耕介「この辺も婚姻に近い部分があるんだが…まずは養子縁組の無効から説明していくぞ」

慕「ばっちこーいっ!」









耕介「さて。その前に、まずは復習だ。無効と取り消しの違いは覚えてるかな?」

慕「えっと……確か、最初からなかったことになるか、あったことをなかったことにするかとかなんとかかんとか……。無効は最初からなかったことになるんだっけ?」

耕介「まぁ分かりやすくいうと、紙とエンピツと消しゴムの関係だな」

慕「紙とエンピツと消しゴム?」

耕介「エンピツで書いた文字を消しゴムで消しても、前に書いた文字がうっすら残るだろ? これが取り消し。『契約はあったけど、取りやめる』ことだな」

慕「うんうん」

耕介「対して、紙そのものを捨てたら書いた跡なんて残らないだろ? これが無効。『その契約自体が無かったことにする』わけだ」

慕「なるほどね」






~普通養子縁組の無効~




耕介「さて、養子縁組の無効についてだが……これは簡単だ。当たり前のことしか言ってないからな」

慕「そうなの?」

耕介「あぁ。無効原因は二つあるんだが、まずその一つ目は『人違いなどで、当事者たちに縁組をする意思がない』時だ」

慕「人違いって…そんなことあるの?」

耕介「人違いはあくまで一例だからな。婚姻の時にやった『婚姻意思の合致』の養子縁組バージョンだ。考えられるのは、『他人に勝手に養子縁組させられていた』場合とかかな」

慕「なるほど! ………いや、よくよく考えてみたらそれもおかしいよね?」








耕介「そして二つ目。『当事者たちが縁組の届け出をしない』時」

慕「それも婚姻と一緒だね! けーしきてきよーけん!!」

耕介「形式的要件だな。これができてないとその養子縁組は無効…婚姻の勉強をした慕なら余裕だろ?」

慕「うん!!」






はやりんチェック.86
◆養子縁組を無効に出来る条件は、『縁組意思の不存在』がある場合と『届出の不存在』がある場合の二種類だぞっ☆ 婚姻と一緒だねっ☆






耕介「ただし、この二つ目…『届出の不存在』が起こった際の無効については、例外が存在するらしい」

慕「例外?」

耕介「あぁ。それが『届出の不存在』が起こった理由が、民法799条において準用される739条第2項に定める方式を欠くだけであr」

慕「ちょちょちょっ!? 何言ってるか全然わかんないよっ!?」

耕介「うん、ぶっちゃけ俺にもよくわかってない。多分、親が一人でも養子が取れますよって言いたいんだと思うんだけど…」

慕「? どうしてそうなるの?」





耕介「民法799条ってのは、『養子縁組の届出は婚姻届けと同じように処理しますよ』ってことが書いてあるんだ」

慕「ふむふむ」

耕介「そして、婚姻届けについて書かれている民法739条の第2項には『婚姻届けは今から結婚する当事者2人と、成人2名以上の著名が必要』みたいなことが書いてある」

慕「なぁるほど」

耕介「つまり、799条が言う『養子縁組の時には739条を使うよ』っていう決まりに従うと、養子縁組をするための書類に『今から結婚する当事者二人』の署名が必要なことになるんだ。結婚するわけでもないのに」

慕「ほうほう」



耕介「だから、養子縁組の届出を出す時に『739条に書かれている、結婚する当事者の署名』の部分が満たせなくて書類が出せない…なんてことを防ぐ目的があるんじゃないかと、俺は思っている」

慕「はぁ~…なんとなく分かったような」

耕介「合ってるかは分からんけどね。調べても出てこねーんだ、これが」






はやりんチェック.87
◆『届出の不存在』の理由が『婚姻に必要な条件が満たされていない』ことの場合、例外的に届出が受理されるよって言いたいのかなっ☆ ちょっとよくわかんないやっ☆











~普通養子縁組の取り消し~







耕介「さて、次は養子縁組の『取り消し』についてだ」

慕「取り消しってことは…『その契約はあったけど、なかったことにする』んだよね?」

耕介「その通り」






耕介「では、どのような養子縁組を取り消せるのかという点だが…基本的にはさっきやった『縁組障害』がある縁組についてだと考えてもらえばいい」

慕「ふむふむ…『基本的』には?」



耕介「相変わらず鋭いな。民法では804条から807条までが縁組の取り消しについて書かれているんだが、その書き方はそれぞれ『民法○○条の規定に違反した縁組は取り消せる』みたいに書かれているんだ」

慕「ふんふん」

耕介「そして、『民法795条』…つまり『配偶者のいるものが未成年を養子にする場合』については取消事由になっていないんだ」

慕「どうして?」

耕介「多分、796条の『配偶者がいる場合』云々を取り消せる法律とかによって、包括的に取り消せるからじゃないかな? 知らんけど」

慕「知らんけどね~、わっかんね~」ケラケラ

耕介「………なんか見たことあるなと思ったら、あれだな。麻雀ではやりんに稼ぎ勝ってたチビっ子だな」



はやりんチェック.88
◆縁組障害のある養子縁組は、基本的に取り消せるよっ☆ 誰が取り消すのかとか、そういった話は次にするぞっ☆ …………咏ちゃんとかいうロリババァ(ボソッ)


















                                                                            「まだ24歳だけどねぃ」





耕介「では、この取り消しの訴え。いったい誰が、誰に対して出来るのかという話を今からしていくぞ」

慕「は~い」






耕介「まずは『誰に』の方からだが…これは全部共通だ。縁組取り消しの訴えはすべて『家庭裁判所』に対してする」

慕「大活躍だね、家庭裁判所」

耕介「そのための裁判所だからな。その辺は中学か高校の社会で習うと思うけど…まぁ今は置いておく」





耕介「対して、誰が訴えを起こすのかだが…これはそれぞれみていこう」

慕「今日の内容多くない?」

耕介「駆け足進行だからな」


耕介「まずは792条に対応する804条。未成年者が親となる養子縁組についてだが…これを取り消せるのは養親、もしくはその法定代理人だ」

慕「つまり…?」

耕介「養子の親になる人か、その親になる人の親になる人」

慕「こ…こんがらがってきた……」

耕介「未成年の慕が養子を取ろうとした場合、慕か俺がその縁組を取り消せるってこと」

慕「なるほど…」





耕介「これについての注意点は二つ。まず一つ目は、養子になる側からの取り消しはできない点だ」

慕「ふむふむ…」

耕介「そしてもう一点。この養親となった者が、取り消しをしないまま成年となり、六か月が経った場合。もしくは、成年になった後に追認…つまり、成年になったうえで改めて養子をとる意思を表した場合。この二つの場合には、もう縁組を取り消すことができなくなっちまうんだ」

慕「ほうほう」

耕介「これは、成年になった後も養子関係が継続出来ている以上、それを取り消す必要はないからだな。わざわざ一度取り消してからもう一度縁組とかするのも面倒だし」

慕「なるほどね!」




耕介「とまぁ、こんな感じで見ていくわけだ。次は793条に対応する805条」

慕「793条は…尊属又は年長者を養子に取った場合だね」

耕介「うむ。ぶっちゃけこいつが一番分かりやすいんだが、取消し権があるのは当事者たちとその親族だ」

慕「当事者ってことは…」

耕介「養子を取る側も、養子に取られる側も、取る側の親族も取られる側の親族も無効にできるってことだね」

慕「さっきのやつみたいに、取り消せる期間とかは?」

耕介「ない。変な言い方をすると、いつでもだれでも取り消せるとか、そんなレベルだ」

慕「ふむふむ…なるほどなるほどなるほど~」





耕介「問題はこの後からだな。ちょっと覚えにくいかも」

慕「なんで?」

耕介「今までの流れで見てたら、806条が794条を、807条が795条に対応しそうだろ?」

慕「だねぇ」



耕介「でも、こっからはバンゴリングが違うんだ。806条だけで794条、796条、797条に対応してる」

慕「そうなんだ。じゃあ806条はすっごく長い文章になってそうだね(バンゴリング? ………ナンバリング?)」

耕介「それがそうでもないんだよな。分かりやすいようにバンゴリングすると、806条の中でさらに①、②、③って感じで分けれるんだ。806条の①は794条…みたいな感じでな」

慕「ややこしいね(ナンバリングだね)」

耕介「というわけで、今からする話は全部806条だからな。間違えないように」

慕「は~い」




耕介「まずは806条の①。794条、つまり『家庭裁判所の許可を得ていない、後見人による養子縁組』だな」

慕「ややこしいね」

耕介「こいつの取り消しを請求できるのは、養子かその本来の親だ。792条とは逆に、子ども側が請求するわけだな」

慕「ふむふむ」





耕介「そして、これにも取り消し期間が用意されている。さっき言った『管理の計算』ってあったろ?」

慕「あったねぇ」

耕介「この『管理の計算』が終わってから六か月経ってしまった場合や、『管理の計算』後に被後見人じゃなくなった養子が追認した場合は、縁組を取り消すことができなくなってしまうんだ」

慕「へぇ~」





耕介「続いて806条の②。796条の『配偶者の同意のない養子縁組』に対する取り消しについてだ」

慕「795条は飛ばしちゃうんだね」

耕介「どっちも配偶者の許可がないってパターンだからな。わざわざ分ける必要がないんだろうな」





耕介「配偶者の同意のない養子縁組を取り消せるのは、当然『同意をしていない配偶者』だ」

慕「旦那さんが勝手に養子を取っちゃった場合、奥さんが取り消せるわけだね」

耕介「そゆこと。そしてもう一つ、配偶者の同意があったとしても、それが詐欺や脅迫によるものだった場合も取り消すことができるぞ」

慕「養子を取るのに脅迫って…なにそれ怖い」

耕介「怖いよな~。まぁ俺はそんなことしないけど」



慕「!? それは私と配偶者になってくr」

耕介「こいつにも取り消し期間がある!!!」

慕(掻き消された……)

耕介「…ゴホン。これも806条の①に似た感じだな。同意していない配偶者が養子縁組について知ってから半年、もしくは詐欺に気付いた、脅迫を免れた時から半年以上経った場合はもう取り消すことができなくなるぞ」

慕「なるほどね」

耕介「もちろん、配偶者が後から追認した場合ももう取り消しはできなくなるよ」






耕介「次で806条は最後だ。806条の③では797条の2項。15歳未満の監護者の同意がない養子縁組についてだな」

慕「797条の2項って…どんなのだっけ?」

耕介「>>481でやったところだな。15歳未満の子を養子にする場合、法定代理人だけじゃなく、養子になる子の監護者の許可も必要ってやつだ」

慕「あぁ。照ちゃんに例えてやったやつだね!」

耕介「そうだな。照ちゃんが誰かは知らんけど」





耕介「…とは言っても、これは簡単だ。806条の②と同じだと思えばいい」

慕「ほ?」

耕介「取り消せるのは同意していない、もしくは詐欺や脅迫で同意させられた監護者。取り消し期間も同じだ」

慕「知ってから半年間?」

耕介「その通り。簡単だろ?」

慕「うん!!」



耕介「…さ~て……長かった取り消しもようやく終わりだ。最後は807条。798条の『未成年を養子にする場合には家庭裁判所の許可が必要』ってのに対応する法律だ」

慕「長かったねぇ…」

耕介「家庭裁判所の許可を取らずに未成年を養子にした場合、取り消しが出来るのは養子方だ。養子本人やその実の両親といった人たちだな。両親以外にも、俺みたいに慕の代わりに承諾をするような人たちも取り消しを主張できるぞ」

慕「へぇ~? これには取り消し期間はないの?」

耕介「今までのと似たような感じだ。養子が成年になってから6ヶ月経ったり、成人後に追認した場合は取り消せなくなるぞ」









耕介「あとは808条に『詐欺や脅迫による縁組の取り消し』ってのもあるにはあるんだが、これは806条でやったしいいよな」

慕「は~い」



はやりん「はやりんラッシュは二度輝く。行くぞオラァー!!」







はやりんチェック.89
◆養子縁組の取り消しは家庭裁判所に対して行うぞっ☆ 取り消しを出来る人については場合によって違うから、よくおぼえてねっ☆



はやりんチェック.90
◆取り消しについては、ほとんどが取り消しを出来る期間を設けているんだっ☆ それを過ぎたらもう取り消すことができないよっ☆ ……まだ28……まだ28……まだ間に合う……まだ間に合う……



はやりんチェック.91
◆ゴホン…取り消し期間が設けてある場合、期間が過ぎた場合のほかに、追認をすることでも取り消しが出来なくなっちゃうよっ☆ 追認っていうのは、追って承認することだねっ☆ 未成年が成年になった時に追認したら、本来無効だったものが有効になったりするんだっ☆



はやりんチェック.92
◆未成年が養子を取った場合、養親側が取り消すことができるぞっ☆ 未成年が成人してから6か月たったり、成人したうえで改めて養子にする意思を示した場合は取り消せなくなっちゃうぞっ☆ 子供側は取り消せないのも要注意だねっ☆



はやりんチェック.93
◆尊属や年長者の養子は関係者なら誰でも取り消せるんだっ☆ 一番わかりやすいねっ☆



はやりんチェック.94
◆806条は一つで3つのパターンに対応してるのが紛らわしかったよね? 全てに共通してるのは、『誰かの許可を取っていない』場合の取り消しなんだっ☆ 後見人は家庭裁判所の、憎き結婚野郎は配偶者の、15歳未満を養子にする人は監護者の許可がいるからねっ★



はやりんチェック.95
◆後見人が家庭裁判所の許可を得ずに養子を取ったとしても、管理の計算が終わってる場合は取り消せなくなっちゃったりするよっ☆ これは、後見人が被後見人を養子にするのに許可が必要な理由が被後見人の財産を守るためであって、管理の計算が終わったら後見人が財産を使い込んじゃう心配がなくなるからだねっ☆



はやりんチェック.96
◆裁判所以外の許可が必要なやつは、たとえ許可を取ってたとしても、それが詐欺や脅迫によるものだと取り消せちゃうぞっ☆ ただし、詐欺に気付いたり、脅迫による危険が無くなってから6ヶ月以上経つと取り消せなくなっちゃうんだっ☆



はやりんチェック.97
◆未成年を養子にするのにも、家庭裁判所の許可が必要だったよね? これを取り消せるのは、養子側の人たちだよっ☆ これも、養子が成年になってから6ヶ月経ったり、成人してから追認した場合は取り消せなくなっちゃうぞっ☆













耕介「さて。ここで少し最初の話に戻すんだが…>>466あたりのことを思い出してほしい」

慕「えっと…養子したらちゃくしゅちゅしになるんだっけ?」

耕介「(噛んだな…)そう。それが一番分かりやすい養子縁組の効果なわけだが…今から話すのは、養子縁組にはほかにどんな効果があるのかって点だ」

慕「なるほどね!」








耕介「まずは名前についてだな。養子は養親の苗字を名乗らないといけない」

慕「ふむふむ…」

耕介「まぁ、これは分かりやすいよな。親子で苗字が違うってのも変な話だしな」

慕「そうだね。結婚してたりしたら親子で苗字違ったりもするけどね」





耕介「お! 相変わらず慕は鋭いなっ! そう、この取り決めには例外が用意されている。それが『婚姻による氏の変更』についてなんだ」

慕「おぉっ!! 私鋭い!!」

耕介「慕が言ったように、婚姻してたら親子で苗字違うこともある。民法では養親の氏と婚氏…つまり、婚姻で変わる苗字だな……では、婚氏を優先すると決められているんだ」

慕「なるほど!!」







耕介「ちなみに、離婚などで婚姻が取り消されたときは『養親』と同じ苗字に戻ることも気を付けておくようにな」

慕「ふむふむ…」

耕介「あと、婚姻しても苗字が変わらない…つまり、相手側の苗字が変わる場合も『養親』の苗字に統一だから。そこんとこも気を付けておいてくれ」

慕「はーい」










慕「ま、私とおじさんは苗字一緒だから全然関係ないね」

耕介「」




耕介「あとは親子関係についてだな。養子といえど嫡出子だからな」

慕「ふむふむ…とは言っても、いまいちピンとこないんだけど…」

耕介「例えば、養子が未成年の時には養親に親権があるし、養親には扶養義務だってある。相続権なんかも認められるぞ」

慕「なるほどなるほど」






はやりんチェック.98
◆養子は氏を養親と統一するぞっ☆ 結婚した時については今さら説明するまでもないよね、ていうかさせんな。



はやりんチェック.99
◆養子縁組を結ぶと養親には扶養義務や親権が発生するし、相続権なんかも出来るぞっ☆ 親子だからねっ☆








耕介「さてと、次の話題だ。さっき、縁組の取り消しについてやったよな?」

慕「そうだね」

耕介「今からやるのは養子縁組の『解消』ってやつだ。取り消しとは別のものだから間違えないようにな」

慕「養子縁組の解消だね。分かった!」メモメモ








~養子縁組の解消~






耕介「さっき、無効と取り消しの違いについては説明したよな?」

慕「うん!」

耕介「じゃあ、『取り消し』と『解消』はどう違うのか……分かる?」

慕「……? …う~~~~ん………わかんない」




耕介「取り消しってのは、縁組そのものに問題がある場合に、縁組をなくすってことだ。対して解消は、縁組そのものにはなんの問題もない」

慕「ふむ?」

耕介「縁組した時にはなんの問題もないけど、縁組後に問題が生じた場合なんかにするのが解消だ。取り消しは、そもそも縁組の時点で問題になってるんだな」

慕「なるほどね」

耕介「麻雀でいうと、配牌時に積み込みがバレるのが『取り消し』。対局中に抜き技がバレるのが『解消』だな」

慕「なるほど、分かりやす……くないよ? というか意味が分からないよ?」

耕介「言ってて俺も思った。意味わからんな」







はやりんチェック.100
◆縁組の解消は、一度は有効に成立した縁組が消滅することを言うんだよっ☆ 取り消しとの違いをしっかり覚えようねっ☆








耕介「さて。縁組の解消も基本的には戸籍上の届出と離縁の合意によってなされる。この辺は縁組時と同じだな」

慕「けーしきてきよーけん!!」

耕介「気に入ったのか、それ」




耕介「縁組の解消にも様々な取り決めがある。それを今から見ていくぞ」

慕「はーい」






耕介「まず、一番大事なことを言うぞ」



慕(プロポーズかな…)

耕介(タイミングがフリーダムすぎるだろ…)

慕(直接脳内に…?)






耕介「縁組の解消は、離縁でしか行われない。これが大前提だ」

慕「?」

耕介「まぁ、こう言われても意味分からないよな。要は、養親が亡くなることで養子縁組の解消は行われないってことだ」

慕「!」

耕介「分かったって顔だな。親が亡くなっても、親子関係はなくならないだろ? それは養子関係でも一緒ってことだ」

慕「なるほど!!」






耕介「つまり、縁組の解消の話ってのは、離縁の話なわけだな」








はやりん「ちょっと待っててね…はやりんチェックが100超えちゃったから………」





ゴソゴソ…………ゴゴゴゴゴゴゴゴ………ババーン…ハッヤリーン。






リィンカーネーション
輪 廻 転 生 『新星フェニックス★はやりん』 「ふぅ…また1から始めよう……はやりんチェックを!!」





健夜「…まさか、これが瑞原家の若々しさの秘密? …というか、デュエルマスタ-ズみたいな名前……」







新星フェニックス★はやりんチェック.01
◆縁組の解消は、離縁によってしか成立しないよっ☆ 








耕介「さて、ここからは離縁について話していくぞ」

慕「今日は本当に話題が多いね! 勉強してるって感じがするよ!!」







耕介「離縁と言えば二種類だ。『協議上の離縁』と『裁判上の離縁』があるぞ」

慕「『競技場の離縁』?」

耕介「競技場で何があったんだよ……」







耕介「協議上の離縁ってのは、話し合いで離縁することだ」

慕「ふむふむ…普通だね」

耕介「普通だな。ただし、養子が15歳未満の場合はちょっとややこしいことになる」

慕「ふむ?」






耕介「15歳未満の養子と離縁する場合は、養子と養親だけじゃなく、離縁後に養子の法定代理人になる人とも話し合う必要があるんだ」

慕「ほうほう」



耕介「まぁ、これは基本的には養子の本来の親になると思う。…もしこの夫婦が離婚している場合は、その親二人とも協議したうえで、どちらが親権者になるのかも決める必要が出てくるね」

慕「…すごいことになってるね」

耕介「この話し合いで終わればいいんだけどな。もし、この協議が上手くいかなかったり、そもそも協議の機会が設けられなかった場合なんかは、養親や実の両親が裁判所に訴えることで、競技場の離縁から裁判上の離縁にシフトすることもある」

慕「や…ややこしい……」

耕介「な? 裁判上の離縁の話はまた後でするよ」












耕介(あと、慕にするのは少し抵抗のある話なんだが…15歳未満の養子と養親が離縁する際に、もし法定代理人がいない場合は、養子の離縁後に養子の親族などの請求によって、養子の未成年後見人となるものを決めるんだ)

耕介(慕の場合は姉貴がいないから…俺が請求することになる……)









新星フェニックス★はやりんチェック.02
◆離縁には『協議上の離縁』と『裁判上の離縁』があるよっ☆ すこやんなんかは競技場で離縁しそうだよねっ★



新星フェニックス★はやりんチェック.03
◆15歳未満の子と離縁する時は、離縁後に親権者になる人とも話し合う必要があるよっ☆ 元の両親が離婚してる場合はどちらが親権者になるかも一緒に話し合うんだねっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.04
◆もし協議上での離縁が上手くいかない時は、裁判上の離縁にシフトすることもあるよっ☆ ちなみに、すこやんシフトとは、対戦相手を年上で固めることで敵対心をなくすもの。照シフトとは、対戦相手を貧乳で固めることで仲間意識を芽生えさせるもの。



新星フェニックス★はやりんチェック.05
◆15歳未満の子の法定代理人がいない場合、養子の親族なんかが請求して新たな親権者を探すんだっ☆ 慕ちゃんでいうところの耕介さんだね。








耕介「あ、あともう一つ。>>479でやった『未成年を養子に取る場合』のことを思い出してほしい」

慕「えっと…配偶者と一緒にってやつだよね?」

耕介「そう。これは協議上での離縁の場合も一緒で、未成年と離縁する場合には夫婦両方と離縁しなければならないんだ」

慕「へぇ~?」

耕介「これも796条と一緒で、配偶者が意思表示できない場合なんかは例外らしい」

慕「ふむふむ…」









新星フェニックス★はやりんチェック.06
◆未成年の養子と離縁する場合、夫婦が共に離縁しないとダメだぞっ☆ 結婚してない人には関係ないけど。







耕介「さて、ここでちょっと回り道。縁組の無効、取り消し。解消…その中で協議上の離縁ときて、次はなんだ?」

慕「裁判上の離縁!!」

耕介「…の前に、一つやっておきたいことがある」

慕「あれれーっ!?」ズコー

耕介「何年前のギャグマンガの転び方だよ……」








耕介「縁組の無効、縁組の取り消し、離縁による縁組の解消ときて……次は離縁による縁組の解消の無効・取り消しだ」

慕「や…ややこしい……」

耕介「取り消しを取り消すわけだな」

慕「そんなことできるの?」

耕介「できるぞ! これもいつも通り、戸籍上の届け出と離縁意思の合致が必要なんだ」

慕「ふむふむ」



耕介「ただ、この離縁意思ってのは、届出を出す瞬間までないといけない」

慕「? どういうこと」

耕介「書類作成時には離縁意思があったけど、そのあとやっぱ離縁したくないって思い、その意思を相手に伝えた場合。その後に出された届出は無効になるんだ」

慕「へぇ~」



耕介「ちなみにこれは離婚の際も同様だぞ」

慕「ふ~ん。まぁ私には関係ないね。離婚なんてしないし」

耕介「お……おう……」









新星フェニックス★はやりんチェック.07
◆離縁意思や離婚意思は届出を出す瞬間まで持続してないと意味ないぞっ☆ 離婚届なんて出させないからねっ★








耕介「よし、んじゃさっき慕が言ってた裁判上の離縁についてやっていくぞ」

慕「あれ? さっきの話題はもう終わり?」

耕介「うん。俺もよく分かってねえし…教えて偉い人」











耕介「裁判上の離縁ってのは文字通り、離縁とか親とかをどうするかを裁判所が決めることだな」

慕「裁判所さん大活躍だねぇ」

耕介「とは言っても、裁判所が自分から絡んでくることはない。縁組の当事者たちが訴えを起こす必要があるんだ」

慕「ほうほう」

耕介「ただ、この訴えを起こすのにも条件がある。それが次の三点で」






耕介「① 他の一方からの悪意で遺棄されたとき。② 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。③ その他縁組を永続し難い重要な事由があるとき。だ」

慕「い、一辺に言われても分からないよう……」

耕介「大丈夫。今から一つずつ見ていくから」






耕介「まずは①だ。これは例えば、親がわざと子供の世話をしなかったりしたら離縁できるぞってやつだ」

慕「ふむふむ…」

耕介「『悪意』ってのは『わざと』って意味だからな。普通に生活が苦しくて、働きづめで結果として世話がおろそかになってる場合とかだと、当てはまらないこともあ

る」

慕「なるほどね」




耕介「②は分かるだろ?」

慕「そのまんまだね」




耕介「③は、例えば経済的な余裕がなくなって、子どもを生活させるのが苦しくなった…とかだな」

慕「なるほどなるほど……」








耕介「そして、もう一つ大事なことが」

慕「何?」

耕介「この訴えは、養親が養子に対して起こすこともよくあるから」

慕「へぇ~? 例えば?」

耕介「一番分かりやすいのでいくと、養子が養親に暴力を振るうようになった…とかだな。③に理由で離縁することができる」

慕「あ~…なるほど……」









新星フェニックス★はやりんチェック.08
◆裁判上の離縁を起こすのには条件があるんだっ☆ それが、『悪意による遺棄』『3年以上の行方不明』『その他の理由』なんだねっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.09
◆『悪意による遺棄』っていうのは、扶養義務とか同居義務とかを、わざと果たさないことだよっ☆ その点すこやんは実家暮らししてて偉いねっ★




新星フェニックス★はやりんチェック.10
◆3年以上行方不明になっている人に対しても、裁判所を通じて離縁の訴えを起こすことができるぞっ☆ ただし、場合によっては離縁が認められないこともあるから注意だっ☆ ちなみに、『悪意による遺棄』による訴えも離縁が認められないこともあるぞっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.11
◆『その他の理由』っていうのは、経済的な都合や精神的な都合。暴力なんかも含まれるよっ☆ なかには養親が結婚を認めてくれないから離縁するてパターンもあるみたいだねっ★










耕介「長かった……長かったが、これで普通養子縁組の話は最後だ」

慕「おぉ…長かったねぇ」

耕介「最後は、縁組解消の効果だな。パパっとやってしまおう」

慕「うん!!」





耕介「養子縁組が解消されると、親子関係は全部なくなる」

慕「…え? ……全部?」



耕介「全部。嫡出子としての身分もなくなるし、法定血族関係もなくなる。養子が結婚してた場合なんかは、姻族関係だって消えちまう」

慕「ふぇ~…」

耕介「それだけじゃない。養子が子供を産んだりしてたら、その親族関係もなくなるから、養子の子供を養親は直系卑属と呼べなくなる。養子の配偶者だって、義理の子供じゃなくなっちまう」

慕「ほ…ホントに全部なくなっちゃうんだね」

耕介「だな……あ、でも一つだけ残るものがあるぞ」

慕「え? これだけなくなって、何が残るの?」






耕介「736条の婚姻障害『養親子間の婚姻の禁止』だけは離縁しても残り続ける。つまり養子関係じゃなくなっても養親とは結婚できない」

慕「どうしてそれだけ残るの!? それじゃあ離縁してもおじさんと結婚できないじゃん!!」

耕介「それは最初から」









新星フェニックス★はやりんチェック.12
◆離縁すると、それまであった親子関係は全部なくなっちゃうよっ☆ ただし、これは将来に向かってしか効果を発揮しないから、過去に嫡出子であった事実なんかは消えないけどねっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.13
◆ただし、>>45で説明した養親子間での婚姻生涯だけは残り続けるよっ☆ ま、三親等以内だから全然関係ないんだけどねっ★    抜け駆けなんてさせないよ?








耕介「あとは、苗字についてだな」

慕「私には関係ないも~ん」フーンダ

耕介「拗ねるな拗ねるな。ちゃんと勉強しないと、法律家とかになれないぞ?」

慕「……そうだった。私は法律を変えるために勉強してるんだった!!」

耕介「そんな大きい声で言わんでも……」

慕「よし、ばっちこいだよ!! おじさん」






耕介「基本的には、離縁すると前の苗字に戻る。復氏っていうんだけどな」

慕「ほうほう」メモメモ

耕介「これについての例外は2パターンだ」

慕「2パターンだね!!」メモメモ





耕介「まずは、夫婦が共同でした縁組において、養子が養親の片方のみと離縁した場合。この場合は離縁後も苗字は変わらない」

慕「…あれ? そんなこと出来るの? なんか養親はそろって離縁とかなんとかかんとかって…」

耕介「これは、例えば養親のうちの片方が亡くなっている場合なんかにあるらしいぞ。生きている方の親とは協議離縁になるが、亡くなっている方と離縁しようと思ったら家庭裁判所に申請する必要があるからな」

慕「ふ~ん?」

耕介「ま、俺もよくわかってないんだけどな」

慕「ぶっちゃけちゃったね」







耕介「もう一つは、養子縁組をしてから7年以上経過してる場合だな」

慕「?」



耕介「縁組から7年以上経過した後に離縁によって復氏する時、離縁から3か月以内に戸籍法にある届出をすることで、離縁前の苗字を名乗ることができるんだ」

慕「…へぇ~。そういう取り決めもあるんだぁ」

耕介「おう。多分だけど、職場とかで結婚したわけでもないのに苗字が変わったりするのがややこしいからだろうな。多分だけど」






新星フェニックス★はやりんチェック.14
◆離縁した場合、基本t系には前の氏に戻るよっ☆ 例外が二つあるけどねっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.15
◆一つ目の例外は、両親のうち片方とだけ離縁した場合だねっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.16
◆もう一つの例外は、離縁してから7年以上経った人が、離縁から3か月以内に届出を出した場合だよっ☆ いきなり苗字が変わるとびっくりしちゃうもんねっ☆ 白築はやり、周藤はやり、向村はやり、杉谷はやり、古川はやり、須賀はやり、萩原はやり、三科はやり、内木はやり………あれ? 前もこんなこと言ってた気がする……。







耕介「………というわけで、わずか一日にして普通養子の話を終わらせることに成功したな」

慕「長かったぁ~~~~」

耕介「あとは、特別養子縁組の話だけだな」

慕「ようやくゴールも見えてきた感じだね!」

耕介「特別養子縁組は今日ほどは長くないから、安心してくれ」

慕「うん!!!」





というわけで今日はここまで。
長いし読みづらいかもしれないですけど、出来れば読んで、間違いやらなんやらを指摘してもらえればと思います。

次で民法の話は最後です。


そのあとにちょろとオマケ的なのだけ書いて終わる予定です。


それでは、さようなら。



目が疲れた……。

長大な投稿乙。
法学は全くの門外漢だから当て推量になって申し訳ないけど、795条に違反した縁組にそれを取消す条文が無いのは、
>>496にあるような796条が包括するからというものよりは、そのような違反の場合は養父母のうち少なくともどちらかは
縁組をしておらずそうする意思がないわけで、802条1項によって縁組がそもそも無効になるからという理由によるのではと思う。

>>536 >>540
マジかと思って調べたら、ドイツ民法1307条で直系親族と兄弟姉妹間の結婚は制限されている
(養子縁組で親族関係が消滅した場合も同様) けどそれ以上の規制は無いから、叔姪婚は可能なんだな。





慕「昨日、夢を見たんだ~」

閑無「勿論、全国大会優勝だよな!」

杏果「どうしてこのタイミングで、そっちの夢だと思ったのか……」



慕「そっちじゃなくて…ほら、寝てる時に見る方」

閑無「あ、そっちか。昨日見た夢は………全国大会優勝する夢だったな、そういや」

杏果「そっちの夢でもかぁ…で、慕ちゃんが見た夢ってのは?」








慕「おじさんがね。私が嫌って言うまで、ずっとハグしてくれる夢!」







閑無(……悪夢?)

杏果(……悪夢?)




慕「勿論、私が嫌って言うはずないし、結局起きる瞬間まで夢の中でハグしてもらっちゃったよ! おかげで今日の目覚めは最高!」

閑無(悪夢じゃない!?)







杏果「まぁ、慕ちゃんのおじさん若々しいしね。あのおじさんに会うまでは、28歳ってもっと老けてるイメージだったわ」

はやり(12)「28歳なんて、まだまだ全然若いと思うよ?」

杏果「……いつからそこにいたの?」

はやり(12)「『28歳ってもっと老けてるイメージ~』のあたりから」

杏果「あ、今きたところなのね」



慕「よっし! じゃあメンバーも揃ったことだし、さっそく麻雀打とっか!」











耕介「……慕がどんどん大人になってる気がする……」

耕介「年相応に恥じらったり…行動範囲も広がってるし……」

耕介「…思えば、最初の大会の時だって、俺の手も借りずに一人で参加登録して、入賞までしてたんだよなぁ……」

耕介「……あいつだって、大人に向かって成長してるんだよな……」

耕介「……やっぱ、寂しいのかな? 親として…」





耕介「慕が、どんどん遠くにいってしまう気がする……」












慕「………私、大人になれてるのかな………」

慕「…料理は多分、一人前。…普通の料理なら大人にだって負けてないって、おじさんも褒めてくれた…」

慕「……それに、一人でできることだって多くなった! おじさんがいない日でも、なんとか生活できてる!」

慕「…私だって。私だって、大人に近づいてる…」

慕「……ふふっ。そう考えると、やっぱり嬉しいなっ!」





慕「おじさんに、少しずつ近づけてる気がする!!」



みたいな番外編。



ようやくシノハユの単行本が買えました。
これで本誌まで追いついたぜ!!



というわけで、今日の投下はこれだけ。
次は多分、法律の話をすると思います。


それでは、おやすみなさい。



>>542
なるほど…勉強になります。



こんばんわ。

すみません、今週までめっちゃ忙しくて投下できそうにないです。
来週からは少しマジになるはずなので、来週には投下できるように頑張ります、ごめんなさい。

それでは、おやすみなさい。

某スレとほぼ同じタイミングで生存報告しててワロタ
一体どこの>>1なんだ……(棒)

まあ急がず焦らず、落ち着いてからでよろしいですよ

こんにちは。

一応今回で法律の話は最後になります。
スレの締めはまた別の日に投下しようと思ってます。



>>554
どこの>>1なんでしょうね。
そんな酉を変え忘れるような>>1は知らないですね。



健夜「今回でついにこのスレも最後。いやぁ、ホントに長かったよ…」

健夜「つまり、私の復讐も今回が最後ということになります。今までお疲れ様」

健夜「さて、肝心な復讐内容…やっぱ最後くらいは復習にしとこう。…復習内容ですが」


健夜「養子縁組の中でも普通なやつ…『普通養子縁組』についてやりました。基本的には養子と言えばこれだね」

健夜「養子に出来ない条件や、養子にすることでどんな効果があるのかをやったんだよね? 覚えてるかな?」

健夜「…ただ、今回の話の内容は前回とは前提からして違うから、そこは気を付けようね!」





健夜「…久しぶりに復習っぽいことしてる気がする……」











慕「おじさんおじさん」

耕介「どうした? 慕」

慕「見てみて! 民法メモ帳。残りこれだけしかないんだ~」

耕介「おぉ~。いつの間にか、結構勉強したんだなぁ」

慕「えっへへ」

耕介「…よし、じゃあそのメモ帳。今日で使い切っちまうか」

慕「うん!」








耕介「前回の内容は覚えてる?」

慕「えっと…養子縁組だよね?」

耕介「養子縁組は養子縁組だけど…どんな養子縁組だった?」

慕「えっと……普通養子縁組!!」

耕介「その通り。となると、これから話すのは?」

慕「…普通じゃない養子縁組?」

耕介「そう。普通の反対といえば?」

慕「普通の反対? 普通じゃないなら……特別?」



耕介「いぐざくとりー。今日の内容は、特別養子縁組だ」








~特別養子縁組~








耕介「特別養子縁組ってことは…つまり普通じゃないってことだ」

慕「そういうことだよね」

耕介「同じ養子でも前回とは全然違う内容になるからな。そこを気を付けるように」

慕「は~い」






耕介「まず、特別養子縁組を行う上での大前提がある。特別養子縁組の一番の特徴と言ってもいい部分だな」

慕「ほうほう」

耕介「ここで、少し思い出してほしいんだが。養子縁組をした場合、前の親子との関係はどうなるんだっけ?」

慕「えっと…メモメモ………えとえと、前の親との関係も残るって>>466に書いてある!」

耕介「そう、それが普通の養子縁組だ。新しい親の子になること=前の親の子じゃなくなることじゃない」

慕「そうだよね! 親子だもんね!」





耕介「その、大前提を覆すからこそ『特別』養子縁組なわけだ」

慕「え? ってことは…」








耕介「前の親との関係を完全に断ち切ってしまうのが、特別養子縁組の最大の特徴だ」









慕「……なんでそんなことしちゃうの?」

耕介「特別養子縁組の目的が『養親と養子の間に実親子関係と同様の関係を結ぶこと』だからだな。関係としては養親と養子でも、限りなく実親子に近い関係を…ってことだ」

慕「……でも、わざわざ切っちゃう必要はないよね?」

耕介「お母さん大好きな慕からすれば、そう思うのも分かる。でも、これは子どものためでもあるんだ」

慕「?」






耕介「養子ってのは、基本的に前の親との関係が残る。でも、場合によっては前の親との関係を残すと子供のためにならないことがあるんだ」

慕「そうなの?」

耕介「例えば、親による虐待なんかだな。せっかく他人の養子になっても、前の親との関係が残ってたら、またいつ虐待されるか分からないだろ?」

慕「……なるほど……」

耕介「『親による虐待が行われている場合、実親の同意なしでも養子縁組が結べる』って決められてたりするくらいだからな。まぁこの話はあとでするけど」

慕「う~む……なるほどね……」








耕介(……ちなみに。慕にはまだ早い話だと思うので言えないが……この『実親との関係を断ち切る』ってのは、実親のための制度であったりもするんだ)

耕介(例えば、学生で子供を産むことになったり、その…諸事情によって、望まない妊娠をした人なんか…だな)

耕介(この人たちが子供を産んだ場合、戸籍に出産の記録が残ってしまう。それを残さないための制度という面も…というか、元はこっちがメインなんだよな)

耕介(まぁ、この辺りは『赤ちゃんあっせん事件』で調べてもらえると助かる。…非常に素晴らしい行いではあるんだけど、民法とはあんま関係ないので省略)







新星フェニックス★はやりんチェック.17
◆『特別養子縁組』は、普通養子縁組と違って前の親との関係を無くしちゃうんだぞっ☆ これは、子どもや親にとって関係が切れた方が都合がいいからなんだねっ☆ ちなみに、後で説明するけど、これは民法817条の②に書かれてるぞっ☆








耕介「まぁ、これが普通養子縁組との一番の違いだね」

慕「ふむふむ…」

耕介「他にも、『特別養子縁組』は普通養子縁組と違う部分がいくつもある。それを今から順番に言っていくから、普通養子縁組とどこが違うのかを考えながら覚えていこうな」

慕「うん!!」









耕介「あ、大事なこと言い忘れてた」

慕「プロポーズかな?」

耕介「だからタイミングがフリーダムすぎだって……。…>>501あたりでやった、民法806条ってあったろ?」

慕「えっと……806条は、一つで3つの意味があるんだっけ? >>502>>503>>504ページに跨って書いてある」

耕介「そうそう。それと同じように、今から学ぶ特別養子縁組も、一つの法律がいくつもの範囲をカバーしているんだ」

慕「ほんほん。どういう風に?」

耕介「民法817条が、『特別養子縁組の成立』、『養親の夫婦共同縁組』、『養親の年齢の制限』、『養子の年齢の制限』、『実親の同意』、『この利益のための特別の必要性』、『養子の監護期間』、『実親との関係終了』、『特別養子縁組の離縁』、『その離縁による実親との関係の回復』について定められているぞ」

慕「………へ?」






耕介「耳を疑いたくなる気持ちも分かる。だが、本当にこれだけの内容を、民法817条一つだけでカバーしているんだ。つか、民法817条だけでカバーしてるな」

慕「…なんだっけ。遊戯王のモンスターを思い出したよ」

耕介「そいつは……心当たりがあり過ぎるな」






耕介「というわけで、今から学ぶことは、全部民法817条だから。そこんとこも要注意ね」

慕「はーい」








新星フェニックス★はやりんチェック.18
◆特別養子縁組については、民法817条が一つでカバーしているよっ☆ ちなみに、どこかの遊戯王モンスターとは違って、牌のお姉さんは超優良企業だからねっ☆ 結婚相手としてもオススメだよ~っ☆










耕介「さて。まずは『特別養子縁組』の大前提、817条の②だ。ここは、さっき言った『特別養子縁組』が前の親との関係を完全に断ち切るってことが書いてある」

慕「ほうほう」

耕介「それともう一点。『特別養子縁組』の条件について定めているな」

慕「条件? 何々、どんなの?」

耕介「民法817条の③から⑦までの要件が満たせていることだ。そこについては今から順番に話していくよ」

慕「はーい」メモメモ









新星フェニックス★はやりんチェック.19
◆民法817条の③、④、⑤、⑥、⑦のすべてに当てはまっているときのみ、特別養子縁組を結ぶことができるぞっ☆








耕介「まずは養親となる人の条件だ。慕、普通養子縁組において、養親になれる人の条件ってなんだった?」

慕「えっと……>>474ページの…『成年に達した者』だよ!」

耕介「その通り。縁組障害がないのであれば、成年なら誰でも養子が取れるってことだよな?」

慕「そうだねっ!」




耕介「ところが、特別養子縁組の場合はそうじゃない。養親になる者にもいくつかの条件がつけられているんだ」

慕「条件? さっき言ってたやつかな?」







耕介「そう。例えば普通養子縁組の場合、配偶者がいれば、その配偶者の許可がないと養子を取ることができなかったよな?」

慕「そうだね」

耕介「それは逆を言うと、配偶者がいない場合は許可を取る必要がない。…つまり、配偶者がいない者でも養子を取ることができるということだ」

慕「…あ、なるほど。……そうなるよね」

耕介「だが、『特別養子縁組』は違う。特別養子を取るものは、配偶者のいる者でなければならないと決められているんだ。これが養親になるための最初の条件…民法817条の③だ」

慕「ほうほう…どうして?」

耕介「さっき言ったように、特別養子の目的が『養親と養子の間に実親子関係と同様の関係を結ぶこと』だからだね。実親子関係と同様ってことは、親も結婚してるべきだろ?」

慕「なるほどね…」







耕介「ちなみに。これは普通養子縁組でもやったと思うけど、夫婦の内、片方だけが養親になるってのはなしだ。二人ともが養親にならないと、養子はとれない」

慕「あ、あったねぇ。そんなの」

耕介「そしてこれも普通養子と同じ様に、例外として、片方の親の嫡出子をもう片方の親が特別養子にする場合は、養親になるのは一人だけでいい」

慕「? そんなことあるの?」

耕介「あるらしい。ごめん、俺にもよくわかんないや」










新星フェニックス★はやりんチェック.20
◆特別養子縁組は、普通養子縁組と違って配偶者がいないと取れないんだってっ☆ 私からすれば「……ふ~ん……で?」みたいな感じだよっ★





新星フェニックス★はやりんチェック.21
◆養親になるのは夫婦の両方だよっ☆ ただし実親はわざわざ養親にならなくてもいいけどねっ☆









耕介「続いては民法817条の④だな。ここでは養親の年齢について決められている」

慕「さっきも言ってたように、普通養子縁組だと成年なら誰でも養子を取れるんだよね?」

耕介「お、ナイスフォロー」

慕「えへへ~」





耕介「じゃあ、『特別養子縁組』はって話なんだが…これは、25歳以上と決められているんだ」

慕「25歳以上? じゃあ、おじさんは特別養子縁組を取れるの?」

耕介「年齢的にはね。配偶者がいないから取れないけど」

慕「そこで私の出番なわけですよ!」

耕介「…」








耕介「まぁ、それは置いといて。この取り決めにも例外が設けられているんだ」

慕「例外?(またスルーされちゃった)」

耕介「うむ。片方の親が25歳以上であれば、もう片方の親は20歳以上なら何歳でもいいんだ」

慕「へぇ~。私が20歳の時ってことは…おじさんは36歳だから全然問題ないね!」

耕介「…36と20って………叔父姪とか関係なく…その、アレだな……いやまぁ普通っちゃ普通だけど」

慕「?」









新星フェニックス★はやりんチェック.22
◆特別養子縁組を取れるのは25歳以上だよっ☆ ただし、片方が25歳以上なら、もう一人は20歳以上でもいいんだっ☆ どっちにしろ、私にとってはまだまだ先の話だねっ☆








耕介「…ごほん。続きまして、817条の⑤になります」

慕「なんでレストラン風?」

耕介「なんとなく?」

慕「なんとなくなら仕方ないね」





耕介「でだ。⑤は逆に、養子になる子の年齢についてだな」

慕「そっちにも制限があるんだね」

耕介「おう。とは言ってもこれは簡単だ。むしろ普通養子縁組の方が15歳以上やらなんたらがあってややこしいくらいだ」

慕「ほうほう」メモメモ





耕介「『特別養子縁組』を結ぶには、子どもが6歳未満でなくてはならないんだ。基本はこれだけ…簡単だろ?」

慕「ふむふむ…『未満』ってことは…6歳もアウトなんだよね……? ……『基本は』ってことは…?」

耕介「当然、応用があるってこと。例え6歳以上になっていたとしても、その子が8歳未満、かつ6歳になる前からずっと養親の監護を受けている子に限り、『特別養子縁組』で養子にすることができるぞ」

慕「なるほど…」








新星フェニックス★はやりんチェック.23
◆『特別養子縁組』の養子になれるのは6歳未満の子、もしくは6歳未満の頃から監護を受けている8歳未満の子だよっ☆ 









耕介「次にする内容は、民法817条の⑥。『特別養子縁組』の成立には、養子となる者の父母の同意が必要……ま、当たり前だよな。普通養子でも15歳未満の子は親っつか法定代理人の許可がいるんだから。それより小さい6歳未満の子もいるに決まってる」

慕「そうだよね。自分で養子になりたいとは言えないし…許可も取らずに養子にしちゃったら、誘拐と一緒だもんね」

耕介「うむ。…だが、これにも例外が存在する。さっき言ったこと、覚えてるか?」



慕「え…なんだっけ……? ……………あ!! 虐待を受けてた場合!!」

耕介「そう。さっきも言ったけど、実親が子供を虐待していた場合や、悪意ある遺棄…分かりやすくいうと、わざと子供のことを放っておくって感じだな。そういう、養子となる者の利益を父母が害している場合や、父母が意思を表示できない場合なんかは、実親の同意がなくても『特別養子縁組』を結ぶことができたりする」

慕「ふむふむ」メモメモ









新星フェニックス★はやりんチェック.24
◆『特別養子縁組』を結ぶためには、養子になる子の父母の同意が必要だよっ☆




美月「私も早く『お母さん! はやりさんを僕にください!!』とか言われてみたいな~」

はやり「まだはやりんチェック残ってるから、少し黙ってて貰っていい?」

美月「は~い」




新星フェニックス★はやりんチェック.25
◆ゴホン…。えっと…例外として、父母が意思表示できない場合や虐待、悪意ある遺棄、その他にも子供の権利を侵害するようなことを親がしている場合には、同意がなくても養子にできたりするぞっ☆








耕介「なかなかテンポよく進んでるな」

慕「そうだね。あんましややこしいことでもないから覚えやすいし」

耕介「だね。さて、次は817条の⑦。これは『特別養子縁組』そのものをするための条件みたいなものだな」

慕「ほ?」





耕介「ここには、『特別養子縁組をするには、父母による子供の監護が困難、あるいは不適当であることや他に特別な事情がある場合において、子どもの利益のために必要があると認められなければならない』ってことが書いてある?」

慕「…うん? 久しぶりに難しい話?」メモリンチョ

耕介「かいつまんで話すと、親が子供の世話ができないときや、その親に子供を任せられない時なんかに、子どもを守るためにするのが『特別養子縁組』ですよって感じ」

慕「なるほど。そう聞くと簡単だね」

耕介「だろ? 要は、『特別養子縁組』は前の親との関係を切っちゃうから、そういった事情が無い限りは特別養子にしちゃダメだよって言いたいんだね」

慕「なるほどぉ……そういうのがないのに養子にしようと思ったら…」

耕介「普通養子縁組を結ぶことになるわけだね」











新星フェニックス★はやりんチェック.26
◆『特別養子縁組』は、子どもの利益や両親になんらかの事情がないと認められないよっ☆ それ以外の時は普通養子縁組で対応するんだねっ☆








慕「よっし。次は817条の⑧だよね?」

耕介「と行きたいところなんだけど、ちょっとここで別の話を挟みたい」

慕「ふぇ?」

耕介「民法817条の③から⑦までと、そっから後の違い」

慕「違い?」

耕介「そ。817条②で言った通り、ここまでは『特別養子縁組』をするための条件だ」

慕「うんうん。言ってた言ってた」

耕介「特別養子を取るためには、夫婦かつどちらかが25歳以上、もう一人は20歳以上で、子どもは6歳未満か6歳未満の時から監護してる8歳未満で、虐待とかが無い限りは子どもの父母の同意が必要な上に、子供の権利を守るという事情がないといけない」

慕「こ…こう聞くと長い……」







耕介「でだ。ここまでは特別養子縁組を結ぶまでの話だってのは分かるよな?」

慕「うん」

耕介「対して、こっから話すのは、特別養子縁組を結ぶのが決まった後の話なんだ」

慕「…はぁ~……そういう違いがあるわけだねっ!」

耕介「そう。それだけ知っといた方が、混乱しにくいからな」

慕「分かった!」









新星フェニックス★はやりんチェック.27
◆民法817条は②で特別養子の定義を、③から⑦で条件を、⑧以降で養子を取った後のことについて定めているんだねっ☆ ……30までは前半戦だから……。








耕介「いい感じだね。次の817条の⑧に行くよ」

慕「どんどん行こーっ!!」




耕介「民法817条の⑧では、『特別養子縁組』をする上での、言わば試験期間のようなものについて定めている」

慕「試験期間?」

耕介「『特別養子縁組』を成立させるには、養親になる人が養子となる人を六か月以上監護した上で、その状況について考慮しなければならないんだとさ」

慕「ほうほう…」メモメモ




耕介「ちなみに、この六か月ってのは、817条の②が規定する条件をクリアした人が、特別養子縁組の請求をした時から数え始めるぞ」

慕「ふむふむ」メモリアチャン

耕介「例外として、請求まえから養親になろうとしてる人がずっと監護をしているということが明らかな場合、その期間を含めたりすることもあるらしい」

慕「へぇ~」









新星瑞原★はやりさんチェック.28歳
◆特別養子は、請求すればすぐに成立するわけじゃないんだねっ☆ 6か月以上の監護をして、問題がなさそうなら養子にできるんだよっ☆ ………いい加減年齢ネタにすんのやめろ?








耕介「さてさて。817条の⑨では、②で言った『実親との親族関係の終了』について書いてある」

慕「補足的な?」

耕介「補足的な。まぁここで書いてあることは『特別養子縁組が結ばれると、実親との関係は終了する』ってことだ」

慕「そのまんまだね…」





耕介「「例外として、817条の③でやった『片方の親が実親。もう片方が養親』って場合には、その片方の親との関係は終了しないぞ」

慕「ほうほう」



耕介「あと特別養子縁組が成立すると、実親は子供を認知できなくなるってことも、おまけ程度でいいから覚えといてくれ」

慕「はーい」






新星フェニックス★はやりんチェック.29
◆前にも言ったように、『特別養子縁組』を結ぶと実親との関係は終わっちゃうぞっ☆ ただし、片親が実親の場合は終了しないんだってっ☆




新星フェニックス★はやりんチェック.30
◆特別養子になった子に対して、実親は認知できなくなっちゃうんだって☆ これも関係を断ち切るためなんだねっ☆








耕介「もう少しで817条も終わりだ。最後まで気を抜かずに行くぞ!」

慕「ラストスパート! だねっ!」





耕介「817条の⑩では、特別養子縁組の離縁について話すぞ」

慕「…特別養子も離縁なんてあるの?」

耕介「まあな。…とは言っても、あれだけの条件をようやくクリアして、前の親との関係まで切って。それであっさり離縁されるってのはちょっとおかしいよね?」

慕「そうだね。そうだよね?」

耕介「なので特別養子縁組は、離縁の際にも条件を設けているんだ」

慕「ほうほう」メモメモ

耕介「それが『養親による虐待、悪意の遺棄、その他子供の利益を著しく害すること』かつ『実父母が相当の監護が出来る状態であること』だ」



慕「…なんかさっき聞いたような話だねぇ」

耕介「だね。これらの条件は、どれかではなく、全部満たしてる必要があるぞ」

慕「ほうほう」

耕介「これらの条件をすべて満たしていて、養子の利益のために必要があると認められたときに限り、家庭裁判所によって離縁が成立する」



慕「出た! 家庭裁判所!」

耕介「ちなみに。この離縁の請求を出来るのは、養子、実親、検察官のみ。養親から離縁を求めることはできないんだ」

慕「ふむふむ……」

耕介「さらに、これ以外に離縁する方法はないということも一緒に覚えておいてくれ」

慕「はーい……今、何気にさらっとすっごく大切なこと言わなかった?」

耕介「ん、そうかな」










新星フェニックス★はやりんチェック.31
◆民法817条の⑩は、『特別養子縁組』の離縁について定めているよっ☆ 特別養子は、この法律以外で離縁することはできないんだってっ☆



新星フェニックス★はやりんチェック.32
◆特別養子が離縁できるのは、『養親からの虐待や悪意による遺棄など、子どもの利益が侵害されていること』+『実親が子供を監護できること』の両方が満たされている場合だよっ☆ 片方だけだとダメなんだねっ☆ 



新星フェニックス★はやりんチェック.33
◆離縁は、家庭裁判所によって行われるよっ☆ この請求が出来るのは養子、実親、検察官だけなんだねっ☆










耕介「さて。次で特別養子も最後だぞ。最後は何か分かるか?」

慕「えっ? ……なんだっけ、最初の方にいっぱい言ってたはずなんだけど…」

耕介「順番に考えていけば分かるぞ? 養子になるには、、実親との関係終了、養子になった後、養子を終わらせる方法…次は?」

慕「え~? ……なんだろ…」

耕介「ヒントは、子どもの今後についてだな。離縁されて終わりじゃないだろ? 離縁に必要な条件はなんだった?」

慕「! 分かった!! 実親との関係!」



耕介「その通り。離縁が成立したら、実親の元に帰る……それができないのなら、離縁は成立しないからな」

慕「さっきやったばかりのところだね!」






耕介「民法817条の⑪の内容はこうだ。『養子と実父母およびその血族との関係は、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した関係と同じ関係が生まれる』」

慕「…ちょっとわかりにくい?」

耕介「要は、特別養子縁組の時に、実親との間の関係が終了するだろ? それが、養親と離縁したその日から復活するってことだ」

慕「完全に関係を切っちゃうのに、復活するんだねぇ……」

耕介「不思議だよな。…ま、子供の利益が一番ってことだ」








新星フェニックス★はやりんチェック.34
◆民法817条のラストは、実親との関係の復活についてだぞっ☆ この前でやった、特別養子の離縁をしたその日から、実親とか、その血族との関係が復活するんだねっ☆







耕介「これが特別養子縁組だ。普通養子縁組との違いを見比べながら、覚えていこうな」

慕「うん!!」

















慕「ちょうどメモも最後のページまでなくなったよ! おじさん」

耕介「お、ジャストか。…じゃ、キリもいいし親族の勉強はとりあえず今日で終わりにするか」

慕「………え?」

耕介「今まで家事や麻雀と両立しながら、よく頑張ってきたな。偉いぞ、慕」















慕「………イヤだぁ…」

耕介「ん?」








慕「…おじさんと民法の勉強ができなくなるの……イヤだよ………もっとおじさんと一緒に勉強したいよ……」















耕介「おいおい。まさか民法がこれで全部だと思ってるのか?」

慕「……え?」







耕介「親族なんて、民法全体からみればほんの一部だぞ? 民法の大部分は契約とかその辺なんだから」

慕「?」

耕介「というか、親族の話だって実際は全然終わってないんだぞ? 慕に分かるだろうって部分しか、まだ話してないしな」

慕「……えっと……?」





耕介「…まさか、法律に詳しくなったくらいで法律を変えられると思ってないよな? 慕の目的はなんだっけ?」

慕「…おじさんと結婚……」

耕介「だろ? じゃあ、もっと民法…いや、憲法や刑法だって勉強して、法律を変えられるような立場にならねえといけないよな?」








慕「…でも、おじさんは私と結婚するのは嫌だって……」

耕介「嫌というか……そりゃ、俺だって慕と結婚するのは法律的にもマズいと思うし、姉貴や父さん母さんに何言われるか分からねえし、世間の目だってアレだと思うけど……」










耕介「それでも俺は……慕が夢を持っているのなら、その夢を応援してあげたいと思うし………そのために俺にできることなら、なんだってやってあげるつもりだよ」

慕「おじさん………」













慕「じゃあ、さっそくこの婚姻届にサインを」

耕介「まだ法律変えてないだろ? ……というか、どこでそんなモン手に入れてきた……」

慕「ぐぬぬ…」









耕介「じゃ、今日はこの辺で。次からは……そうだな。民法の基本的な話をしていこうか」

慕「基本?」

耕介「婚姻の時あたりにやったと思うけど……錯誤や脅迫、詐欺、虚偽なんかだな。そっから契約の話をしていくぞ」

慕「う、うん…」

耕介「メモも新しいのを買わないとな。今度はもっと分厚い奴だ」

慕「…うん!!」









慕(おじさんに我が儘を言わないよう、今までいっぱい頑張って、我慢してきた)

慕(おじさんに迷惑かけたくないし、我が儘言って嫌われるのも怖かったから)






慕(でも……私だって我が儘になりたい。これだけは、譲りたくない)

慕(お母さん、ごめんなさい。こんな我が儘な子に育っちゃって…でも、私だって女の子なんだもん)










慕(お母さんも見つけ出す! おじさんとも結婚する! 麻雀だって負けたくない!!)




慕(欲しいものは全部手に入れる! ……私だって…………私だって!!)












私だって……我が儘な女の子なんだから!!












というわけで、一応民法の話はこれで終わりです。

あとは後日談だけ適当にやって終わり!!
でも今日はここまでです。


それでは、さようなら。



最新号のシノハユの内容があまりにもビックリだったので、投下はないけど来ちゃいました。


遂にナナさんが登場したわけですが……ニーマンはDrei Brillenじゃないのか。…この世界ってもしかしてオーバーワールドも普通にあったりするのかな?
ニーマンさん、ナナさんに負けたけど洗脳って……アンタはダークネクロフィアかよ。




最新号のシノハユの内容があまりにもビックリだったので、投下はないけど来ちゃいました。
最後の投下はできるだけ早くしたいです。
それではさようなら。



こんにちは~。

投下がだいぶ遅れてしまいました、ごめんなさい。
ちょっと病院のお世話になったりもしましたが、>>1は元気です。


今日で一応締めの予定。
未来の話なので、あくまで一つのパラレルワールド的なアレだと思っててください。


ほんじゃま、投下行くよ~。


>>157さん、お待たせしました!!!





慕ちゃん@高校生














閑無「あ~………二次方程式マジ死ね」

はやり(18)「はや? どこか分からないとこあった?」

閑無「こいつの存在意義。分かる分からないじゃなくて、ダルいんだよ……こんなの社会に出て使うことあるか? いや、ないね。ないんだから勉強する必要もない」

慕「おぉ、二重否定! より強い肯定だねっ!」

はやり「実際に二次方程式を使うかどうかじゃなくて、今まで見たこともない数式をどれだけ理解して応用できるかってことが大事なんだよっ☆ 社会に出ると、見たこともない作業をいっぱいすることになるだろうからねっ☆」

閑無「んなこたぁ聞いてない」

はやり「はやっ!?」

















慕「……よしっ! 生物の勉強はこれで終わり! 教えてくれてありがとうね、はやりちゃん」

はやり「どういたしましてっ☆」

閑無「あ~……歴史全然覚えらんねぇ。大体、過去なんて覚える意味ねえよ。過去じゃん」

慕「またそんなこと言って……過去があるから今があるんだよ? 過去を学ぶことで、現状の良し悪しが分かるようになるんだから」

閑無「そりゃそうだけどさぁ~。過去を学ぶっつったって、『戦争は怖いー』とか、『資源は大切にー』とかだろ? んなこと言われなくてもわかってるっての」

慕「閑無ちゃんだって昔の牌譜を読み直して、攻め方やオリの参考にしてるでしょ? 同じことだよ」

閑無「…ぐぬぬ…」








はやり「でも、慕ちゃんは本当に歴史…というか、社会が得意だよねぇ………社会系だけは全然勝てる気がしないよ…」

慕「学年一位の子に言われても…」

閑無「わ、私だって学年二位なら何回かあるけどなー?」

はやり「世界史なんかは普通に苦手だしなぁ……特にスペインあたりの王様とか、似た名前ばっかで覚えられないよ…」

閑無「おい、無視すんな」

慕「フェリペとかカルロスとかね。ちなみに、フェリペとフィリップって国によって呼び方が違うだけで、同じ名前らしいよ。カールとカルロスも」

はやり「へぇー」

閑無「おい、だから無視すんなって!」

慕「だから、カール五世って、スペイン国王カルロス一世と同一人物でしょ?」

はやり「あ、そうだっけ? ……なるほどね」











慕「ちなみにカルロス一世の息子で、スペインをすっごく強くしたフェリペ二世って人は、姪と結婚してるんだって」

閑無「!?」

はやり「!?」





閑無(しまった…叔姪婚の話だ!! 瑞原はやり、早く話題を変えろ!!)

はやり(なんでフルネーム!? というかダメだよ!! こうなった慕ちゃんは梃の原理でも動かないよ!)

閑無(叔父と姪の話題が揃った……来るぞ!! はやり!!)














慕「叔姪婚をした人には偉人が多いよね。フェリペ二世はスペインを大きく成長させたし。恵帝は、始皇帝が始めた焚書を中段させたって漢書に書かれてるらしいし」

閑無(それは叔姪婚をした人が偉人になるんじゃなくて、偉人のなかに偶々叔姪婚をしてた人もいたってだけだろ!)

はやり(A→Bだからって、B→Aとは限らないよ!?)





慕「マドリードのプラド美術館にあるコレクションって、ほとんどがフェリペ二世と、同じく叔姪婚したフェリペ4世が集めたものなんだよ? 叔姪婚する人は文化的だってはっきり分かるよね!」

閑無(お前スペイン好きすぎだろ!)

はやり(さっきからフェリペの話しかしてない……)





慕「日本でも、天智天皇こと中大兄皇子と、天武天皇こと大海人皇子の叔父さんにあたる孝徳天皇が姪と結婚してるねっ! 大化の改新だって孝徳天皇と中大兄皇子がやったことなんだよ? 中大兄皇子ばっかりが注目されてるけどね。……ちなみに、その弟の大海人皇子は壬申の乱で勝って天皇になったから『武力で天皇になった』→『天武天皇』って覚えるといいよっ!」

閑無(あ、今のは覚えとこ)

はやり(天武天皇は『武』で。天智天皇は大化の改新による『智』で天皇になったってことだね!)








慕「このように過去を学んだ結果、叔姪婚は問題にされることではなく、法律の改正が必要だと私は考えます」

閑無(ずいぶんと歪んだ過去を学んだな……)

はやり(というか、それと日本の法律とは全くの別問題……)









慕「ちなみに法律で三親等との婚姻は禁止されているけど、遺族年金給付に関する判例では…」

閑無(ついに歴史の話じゃなくなった!?)

はやり(ガラパゴス諸島の生き物が独自の進化を遂げたように、慕ちゃんだけがみんなと全く違う方向に進化してる……慕ちゃんと民法の出会いが、歴史、社会情勢、その他諸々への社会的関心を高めたんだね。まさに化学反応のように……っ!)

閑無(わざわざ理系キャラアピールせんでも……)









慕「!? おじさんからメールだ!!」






♪~♪♪~



閑無「音楽が鳴る前に!?」

はやり「もはや人間を超越した何かになろうとしてるね……」










慕「……ふふっ、おじさんったら。また『次はいつ帰ってこれる?』だって! しょうがないんだからぁ~……」




閑無「…………」

はやり「…………」

















アレクサンドラ『……はい。んじゃ今日の授業はここまでねー』

慕「はーい。先生、本日もありがとうございました。Danke schön.」

アレクサンドラ『Bitte.…それにしても、慕も大変ねー。普通に学校行って、麻雀もして、んでドイツ語の勉強でしょ? 寝る時間ある?』

慕「いや~。将来のためですから」

アレクサンドラ『偉いわね~。私が高校の時なんて、ずっと徹麻してたわ』

慕「それでちゃんと日本語も勉強して、麻雀部のコーチに内定してるんですからすごいですよ! しかもあの臨海女子に!!」

アレクサンドラ『いや~…今からすでにめっちゃ緊張してるわ……。外国人ばっかなんでしょ? コミュニケーションとれるかなぁ…』

慕「先生がそれを言いますか…」

アレクサンドラ『慕。臨海に転校しない?』

慕「二年前に言ってくれてたら考えましたね」

アレクサンドラ『あちゃー、それは残念』

慕「えっへへ~。それでは……Auf Wiedersehen.」

アレクサンドラ『Auf Wiedersehen.Tschüss.』




ピッ。







慕「……ふぅ~。ドイツ語って難しいなぁ…まぁ外国語なんてどれも難しいと思うけど……」

慕「……お母さん……おじさん……二人とも、元気にしてるかなぁ……」

慕「……はぁ…おじさんが最後に連絡くれてから、もう7時間かぁ………」

慕「…寂しいなぁ……」









慕「でも、これも全部おじさんと結婚するためだもん…すでに『効果』は出始めてるみたいだし……私が先に折れるわけにはいかないもんね!」



慕「今の私に出来ることは、少しでも多くの選択肢を作ること! 法律を変える。ドイツに移住する。……どんな方法を使っても、おじさんと結婚してみせるんだから!」







Side:慕→Side:耕介







耕介「……編集長」

編集長「…どした?」

耕介「……娘が帰ってこないのって……マジで辛いですね」

編集長「……だろ?」









耕介「……部屋が…家が、本当に広いんですよ……」

編集長「分かる…分かるぞ…」

耕介「一日中、家で仕事してて………ふと思うんです。…俺、今日誰にも声かけられてないなって」

編集長「寂しいよな…今まであったものがなくなるのって…」

耕介「美味い飯とか食べても……美味いとしか思わなくて。それはただの味でしかないんですよ…」

編集長「感動が足りないんだよな……」

耕介「…姉貴がいなくなるまでは、一人が普通だったのに……慕がいないことに、もう耐えられないんです」

編集長「俺も、家から娘が出ていったときはそんなんだったよ」










耕介「やっぱそうですよね……慕の部屋になんとなく入ってみても、まだ慕の香りが残ってて…」

編集長「うんうん…」



耕介「慕が使ってたシャンプーとかも使ってみるんですけど…違うんですよね。慕の匂いとは」

編集長「うんう……ん?」



耕介「車に乗ったとき、誰もいないのに『シートベルトちゃんとしたか?』って隣に声かけて……」

編集長「お……おい…?」



耕介「味も分からない飯を食って……ご飯を食べたかどうかすら思い出せない……」

編集長「ちょっ…それは……」



耕介「慕と一緒に麻雀してる夢をみるんですよ……起きて、慕を探してもいなくて……『あ、これ夢か』…って…早く起きて、慕を起こさないとって……」

編集長「もういい、休めっ!! 休んで……もっと慕ちゃんと連絡を取れ…っ!!」








耕介「慕といるときは幸せを感じることが多かった……それは、慕と一緒にいること自体が幸せだったからなんですね……」

編集長「…………」









Side:慕×Side:耕介









慕「……おじさんの下を離れて何年か経つけど……想いは全然変わらないなぁ……」



耕介「慕が俺の下を離れてから……嫌でも自覚させられちまう……」










慕「やっぱり、私……間違ってなかったっ!」



耕介「俺……ずっと間違ってたんだな……」










慕「おじさんとしてじゃない……『白築慕』という一人の女の子として…【白築耕介】っていう男の人が…」



耕介「家族としてじゃない……『白築耕介』という一人の男として…【白築慕】っていう女の子のことが…」













慕「大好きなんだっ!!」



耕介「…大好きなんだ…」






みたいな?


慕ちゃんは寮に入ってる感じ。
案外、慕ちゃんいなくなったらリチャの方が先に折れそうじゃない?


というわけで、一応これでこのスレは全部終わりでふ。
めちゃくちゃ長かったね、ごめんね。

このあと、慕ちゃんはドイツに行くのか、法律変えて結婚するのか、事実婚に落ち着くのか…それは神の味噌汁。



HTML化はもう少し後で出そうと思ってます。

なんか書いてほしいネタとかあれば、書いてくれたらそれでスレ建てする可能性が微粒子レベルで以下略。もちろん書かない可能性も。
ただ、シノリチャもっと増やしたいからね。みんなも書いてね。




これからも、シノハユ系のSS書くときはこの酉を使うつもりです。
たまに間違えるかもしれませんが。






というわけで、このSSはここまでー。
これまで長い間お付き合いくださり、誠にありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  nepper48   2014年10月13日 (月) 10:51:38   ID: STc5szIZ

これは
結婚講座ですか
wwww

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