棗恭介「バドミントンをしよう」 (51)

理樹・真人の部屋

真人「え? なんだって?」

恭介「だから、バドミントンをしよう」

謙吾「急だな……。どうしてまたバドミントンなんてやろうと思ったんだ?」

恭介「いや、俺たちリトルバスターズは今までずっと野球をやってきた。練習を通して青春の汗を流し、ついには部長チームを打ちのめした。そうだろう?」

理樹「まあそうだね」


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恭介「部長チームとの試合の後もずっと野球の練習をやってきたが、最近どうもマンネリ化しているような気がするんだ」

謙吾「確かに、明確な目標が無くなった今、練習する意義がないな」

真人「そうだな。目標のない筋トレほどつらいものはないな」

理樹(真人の筋トレには明確な目標があったのか!?)

恭介「そこで、だ。俺は考えた。ここらで一つ、何かスパイスを入れることで、リトルバスターズの面々に発破をかけてやる気を取り戻すことができる、と」

真人「それでバドミントンをするのか?」

恭介「その通り」

理樹「いやいや。やる気を取り戻すだけだったら、また試合の予定を組めばいいだけじゃない! なんでそんな回り道を選ぶのさ!?」

恭介「理樹、世の中には回り道を通らなきゃいけない時もあるんだぜ」

理樹「いやいやいや」

真人「どうせさっきの理由はこじつけで、単にお前がバドミントンをやりたいだけなんだろ?」

謙吾「そういえばさっきバドミントン雑誌を読んでたな……」

恭介「う、うるせいやい! 楽しいことならなんでもいいだろ!」

謙吾「まあ、別に断る理由もないがな」

真人「しょうがねえな、付き合ってやるか」

恭介「ありがとう二人とも! 理樹、お前もいいよな?」

理樹「心配だなあ……」


放課後・体育館

恭介「みんな、よく集まってくれたな」

葉留佳「体育館に集合なんて珍しいですねっ!」

来ヶ谷「いったい何が始まるのか、おねーさんわくわくだぞ。なあ鈴君」

鈴「フカー! 変なところ触るなー!」

来ヶ谷「ふふふ、鈴君に変なところはないぞ。ほらほら」

鈴「やーめーろー」

美魚「……私の埒外ではないですが、これはこれでいけますね」ポッ

小毬「きょーすけさん。何が始まるですかー?」

クド「始まるですかー?」

恭介「おう、今発表する。理樹、そっちを持ってくれ」

理樹「う、うん」バサッ

『第一回リトルバスターズバドミントン大会!!』


来ヶ谷「ほう、バドミントンか。これまた唐突だな」

葉留佳「それよりですね、どうして体育館に私たち以外誰もいないんですか?」

恭介「ああ、それな。偶然今日はバレーボール部、バドミントン部、バスケットボール部がすべて休みなんだ。集団で風邪を引いたらしい」

真人「全く都合のいいタイミングだぜ」

謙吾「まったくだ」

小毬「バドミントンなんてやったことないよ〜」

クド「ミートゥーです〜」

恭介「お前らルールは知っているか?」

謙吾「俺は全く知らない」

真人「俺もだ。筋肉と野球以外は俺のキャパティを超えてるぜ」

鈴「キャパティ?」

理樹「キャパシティだと思うよ。難しい言葉を使ってみたかったんだよ。あんまり突っ込まないで上げよう」

真人「うっ、うっ、間違えたんだよ。すみませんでしたあ!」

来ヶ谷「私は知っているが……、他の人はみんな知らないかな?」

小毬「うん、全く知らないよ〜」

クド「知らないです〜」

美魚「じゃあ、私は知ってるので、解説でもしましょうか?」

恭介「お? 助かるな、お願いするよ」

美魚「はい。じゃあまずバドミントンの来歴から話しましょうか。バドミントンの起源はイギリスと言われていて……」

理樹「ちょ、ちょっと待ってよ! そこから解説すると日が暮れちゃわない?」

美魚「ええ、三時間ほどお時間をいただければ終わりますが……」

恭介「うーん、勉強になるのだが、大まかなルールだけ説明してくれるか?」

美魚「わかりました」

……。
…………。
………………。


美魚の話の要約
・バドミントンは21ポイント先取のラリーポイント制
・先に2セット取った方が勝ち
・サーブは得点をとった方が打つ
・サーブの打つ位置は、サーバーの得点が偶数の場合は右から左に、奇数の場合は左から右に打つ

美魚「……ということですが、わかりましたか?」

葉留佳「zzzzzz」

クド「わ、わふ〜。難しいのです〜」

小毬「ふわあ。ちょうちょさんだあ」

鈴「うううう、頭が痛い……」

来ヶ谷「見事な説明だったぞ、美魚君」

真人「終わったか!? 終わったのか!?」

謙吾「長い戦いであった……」

理樹「あ、あはは」

恭介「ありがとう西園。みんな、分かっ……てなさそうだな。まあいい、実際にやってたら覚えるか。じゃあ始めるとしよう。ダブルストーナメント形式だ」

理樹「ダブルスってことは……、今いるのが僕、恭介、真人、謙吾、小毬さん、クド、来ヶ谷さん、西園さん、三枝さん、鈴の十人だ。となると、トーナメントにするのは少し面倒だね」

恭介「そうだな。だから、シード制にしよう。まずダブルス分けをして、一番強いと思われる組をシードにしよう。そうすればちょうどいい。と、いうことで、じゃあみんなこのくじを引いてくれ」

葉留佳「おお! 古典的なひもくじですね! それ! ……あ、私4番だあ」

クド「てい! 私は……わふ! 1番です!」

真人「理樹、お前は俺と組むんだ。わかるな? おりゃあ!!」

理樹「いやわからないから……」

真人「おう、俺は2番だ! 理樹も2番を引け!」

理樹「僕はエスパーじゃないから無理だよ……」

謙吾「次は俺が引こう。理樹のパートナーは、この俺だ!!」

謙吾「な、なにー!?」

真人「どうした? 何番だったんだ?」

謙吾「くっ……、2番だ……」

真人「はああああああ!?」

理樹「この二人がダブルスを組むなんて……」

クド「わ、わふー。これは強敵なのです」

来ヶ谷「さて……馬鹿二人はほっておいて、次は私が引こうか。ん? 5番だ。まだ5番は誰も出てないな」

小毬「次は私引くよー。ていっ。……あ、4番だあ。はるちゃんと一緒だね」

葉留佳「なにー!? 私のパートナーはコマリマックスか!? 私の足を引っ張ったら承知しないぞー」

小毬「うん、ガンバろ〜」

理樹「次は僕が引こう。……ん? 3番だ。3番はまだ誰も引いてないよね」

鈴「てい! おお、私も3番だ。じゃあ理樹と一緒だな」

理樹「鈴はバドミントン得意?」

鈴「いや、やったこともない」

理樹「だよね……、はは、まあ頑張ろうか」

恭介「みんな全員引いたかー?」

美魚「私がまだです。……ふむ、残っているのは1番と5番ですか。1番だとクドリャフカさん、5番だと来ヶ谷さんですね。さてどうなるか……」

美魚「1番です、よろしくお願いしますクドリャフカさん」

クド「わふっ、お願いしますです!」

恭介「よし、決まったな。じゃあまとめよう」

1 クド・美魚
2 真人・謙吾
3 理樹・鈴
4 葉留佳・小毬
5 来ヶ谷・恭介

小毬「5番が強すぎだよお!!」

クド「この二人はやばいです」

葉留佳「シードはこの二人で間違いないですね!!」

鈴「異論はないな」

恭介「じゃあ俺たち二人がシードでいいのか?」

全員「うん」

恭介「だとよ、来ヶ谷。お前はいいか?」

来ヶ谷「おねーさんは構わないよ」

恭介「よーし。じゃあ今から一時間後に第一試合を行う。第一試合は1番と2番だ。ラケットとシャトルはここに用意したから使ってくれ。ネットは張っておいた。じゃ、練習開始!!」


〜恭介・来ヶ谷組〜

来ヶ谷「さてと、うん!? 恭介氏、アークセイバーがあるじゃないか!?」

※アークセイバーとはバドミントンのラケットの種類のこと。そこそこのお値段のする質の良いラケットです。

恭介「ああ、バドミントン部の部室から拝借してきたからな」

来ヶ谷「そんなことをしていいのか?」

恭介「多分いいだろう。壊さなければ。じゃ、来ヶ谷、お前の実力が知りたい。軽くラリーをしよう。基礎打ちはなしでいいな」

※基礎打ちとはバドミントンの基本ストロークを打ち合うことです。野球で言うキャッチボールと考えていただければ良いです。

来ヶ谷「ふ、恭介氏。私に勝てるかな?」

……。

恭介と来ヶ谷はコートに入った。シャトルは恭介が持っている。

恭介「サーブは俺からでいいな?」

来ヶ谷「ああ」

恭介は深呼吸してから、ショートサーブの構えをした。来ヶ谷も軽く重心を落としサーブに備える。
恭介はサーブを打った。手前に落ちるシャトルを来ヶ谷は大きく右後方に打ち返した。
恭介はすぐさま下がり、ハイバックでクリアを打った。来ヶ谷はすかさず下がりジャンピングスマッシュをする。ラインぎりぎりの球を何とか恭介はショートレシーブでひろった。来ヶ谷はものすごいスピードで前につめ、えぐるようなクロスヘアピン打った。
恭介は態勢を立て直す暇もなくシャトルに向かった。

恭介「くっ……」

ぎりぎりのところでなんとか追いついた恭介は、大きくロブを上げた。
決まったと思っていた来ヶ谷は、恭介が追いついたことに驚きながらもすばやくさがり、大きくジャンプした。
スマッシュが来る……!
恭介は身構えたが、予想に反して来ヶ谷から繰り出されたのはドロップだった。
意表を付かれた恭介は一瞬固まってしまった。
前に出て取ろうとするも、固まってしまった時間が命取りとなり、シャトルは落ちた。

※雰囲気でわかると思うので用語は詳しく説明しません。もしわからなければ申し訳ないですがググってください。

来ヶ谷「恭介氏もなかなかやるな」

恭介「このざまだけどな」

……。

〜クド・美魚組〜

クド「わ、わふ〜、見ましたか今の」

美魚「ええ、あの二人の動きはすさまじいですね」

クド「私たちもあんな風に打てるのでしょうか!?」

美魚「無理でしょうね」

クド「ガーン」

美魚「私たちには私たちの戦い方があるでしょう。彼らは彼らです」

クド「なるほど……、でも、私たちの戦いとはどのようなものでしょうか?」

美魚「そうですね……、私たち二人ははっきりいって非力です。初戦の相手である井野原さん、宮沢さんとは対極的です」

クド「わふ、確かにそうです」

美魚「ない物ねだりをしてもしょうがないです。非力であることを利用して、戦略を立てましょう」

クド「わふっ! 頑張るのです。でもどうすればいいでしょうか?」

美魚「バドミントンのストロークには大きく分けて三つあります。前に落とすもの、奥に上げるもの、そしてスマッシュです。私たちはこの中で一つしかできません」

クド「前に落とすものですね」

美魚「そうです。奥に上げたりするクリアやスマッシュは、どうしても力が必要です。それは最初から捨てるべきでしょう。一時間しかない今、前に落とすドロップやカット、ヘアピンなどを重点的に練習すべきです」

クド「へあ、ぴん? 髪留めですか?」

美魚「ヘアピンとは……」

〜真人・謙吾組〜

真人「まったくよお、どうして俺がてめーなんかと組まなきゃならねーんだ」

謙吾「それはこっちのセリフだ。全くこんな筋肉バカと……」

真人「なんだとお? 筋肉はいいがバカは余計だ!」

謙吾「やるか?」

真人「おおいいぜ。幸い今ここにはラケットとシャトル、それにコートがある。練習がてら、バドミントンで勝負しようぜ!」

謙吾「よっしゃあああ!」

〜理樹・鈴組〜

鈴「練習はいいんだが、まずラケットをどう持つのかすらわからない。ラケットってどう持つんだ?」

理樹「うーんとね、一応調べてきたから大体わかるんだけど……ぎゅっと握るんじゃなくて、こう、うんそうそう」

鈴「こうか? なんか変な感じがするな」

理樹「じきに慣れると思うよ。じゃあ軽く打ってみようか」

理樹「いくよー?」パコーン

鈴「うあ、お、てい!」スカ

理樹「あちゃあ」

鈴「難しいぞこれ!」

理樹「……そっか、鈴は野球投げのまま振ってるんだ。鈴、言い忘れてたけど、バドミントンって腕で打つんじゃなくて手首で打つんだ。まあこれはインターネットからの聞きかじりなんだけど」

鈴「手首で打つのか?」

理樹「そうらしい。バドミントンのラケットって軽いじゃない? だから腕で振るより手首で振った方が早いんだって」

鈴「うーみゅ、難しいな」

理樹「まあ練習していけばわかるんじゃないかな」

鈴「そうだな」

〜小毬・葉留佳組〜

葉留佳「うーん、練習と言われても、はるちんは何をやればいいのか全く分からん」

小毬「私もだよ〜。バドミントンなんてやったことないもん」

葉留佳「そもそも左利き用のラケットってあるのかな」

小毬「ふえ? ああ、そっか。はるちゃん左利きだもんね」

葉留佳「そうなのデスヨ。誰かに聞いてみよう」

小毬「おーけーそうしよ〜」

葉留佳「姉御〜」

〜一時間後〜

恭介「さてお前ら、一時間経ったが、準備はOKか?」

全員「OK!」

恭介「よし、じゃあ始めるぞ。第一試合目は、能美・西園ペアVS謙吾・真人ペアだ」

クド「西園さん、頑張りましょう!」

美魚「ええ、練習の成果を生かしましょう」

真人「結局俺らは試合ばっかして練習はまったくしてなかったけど大丈夫なのか?」

謙吾「わからん。だがやるしかないだろう」

恭介「して西園よ。いまさら聞くのもなんだが運動はできるのか?」

美魚「激しい運動でなければ大丈夫です。それに……」

クド「私がメインに打って、西園さんには補助してもらうのです。だから心配いりません!」

美魚「能美さん……戦術をばらしてしまってどうするんですか……」

クド「わふっ! そうでした!」

謙吾「なるほど……、体力に自信がない西園の分を能美がカバーするのか」

真人「クー公が来ようが西園が来ようが関係ねーや。打って打って打ちまくるだけだ」

謙吾「それもそうだな」

恭介「じゃあ始めるぞ。まずはみんな中央に来て挨拶と握手だ」

クド「わふっ、お願いしますです!」

美魚「お手柔らかにお願いします」

真人「手加減しねーからな!」

謙吾「お互い精いっぱい頑張ろう」

恭介「じゃあ、じゃんけんをしてサーブを決めてくれ」

じゃんけんの結果クド・美魚ペアがサーブをとった。

小毬「クーちゃん美魚ちゃん頑張ってー!」

来ヶ谷「野郎どもなどギタギタにしてしまえ」

鈴「真人[ピーーー]!」

葉留佳「真人君鼻毛出てるー!」

真人「なんだこのアウェー感はあああああああああああ!!」

謙吾「理樹! 理樹は俺たちを応援してくれるよな!?」

理樹「うーん、と。あ、はは。どっちも頑張れってことで」

真人「うおおおおおおおおおおお!!」

理樹(だって正直この二人じゃ強すぎるよ)

恭介「おっと、言い忘れていた。本来は2セット先取制なんだが、それだと長いから1セットだけでやるいいな?」

真人「なんでもいいや」

クド「おっけーです!」

恭介「よし、じゃあ始めるぞ。ファーストゲーム、ラヴオール、プレイ!」

クド「行きますよお。てりゃ!」ポン

真人「うおりゃああああああ」パン、バス

シャトルはクド・美魚ペアのコートに落ちた

クド「うわあ、あっという間にとられちゃったです……」

恭介「ピピー。真人フォルト。よってクドチームに一点」

真人「なんでだよ!?」

美魚「サーバーがサーブを打つ前からレシーバーが動いてはいけないのです。井野原さんは能美さんがサーブを打つ前から突っ込んでいましたからフォルトです。それに、井野原さんラケットでネットをたたきましたよね? それはネットタッチと言って反則です」

真人「うおおおおおおおお! そんなの知るかあああああああああ!」

謙吾「どんまいだ、真人」

クド「結果おーらい? です。次も私がサーブですよね?」

美魚「ええ、サーバーは得点をとり続ける限り変わりませんから」

謙吾「今度は俺がレシーブだな」

真人「しくるんじゃねーぞ」

謙吾「お前に言われたくはない」

クド「いきますよー、てい」パン 

謙吾「せいっ」パン

謙吾は後方に大きなロブを上げた

クド「西園さん、お願いします!」

美魚は小さくラケットを構え、力を調節してちょこんとあてた

謙吾「真人!」

真人「任せろ!」

真人は前に落ちるシャトルをすくいあげるようにして打った

シャトルは高々と上がるが、奥まではいかず手前で失速した

クド「いきますよー、おりゃあ」

クドはラケットの勢いに任せて水平に振った。ちょうど面の真ん中をとらえ、まっすぐ真人のふところあたりに飛んでいく

真人「うわ、うわ、うああああああああああああああああ」

シャトルが真人の体にポトリとあたった


恭介「ポイント、トゥー・ラヴ」

小毬「いいぞークーちゃんー」

来ヶ谷「真人少年の慌てぶりはいささか面白いな」

真人「くそう! 見てろよ!」

美魚「いいですね、この調子でどんどんいきましょう」

クド「はい!」

………………。

真人「よっしゃあ決まったああああ!」

恭介「真人、フォルト」

真人「なんでだよ!?」

恭介「オーバーネットだ。シャトルがまだ相手のコートにある状態で打ってはいけないんだ」

真人「そんなあああああ」

クド・美魚 8−3 真人・謙吾 

………………。

謙吾「よっしゃもらったあああああああ!!」パアン

シャトルはあらぬ方向へ飛んで行った

恭介「アウト」

謙吾「しまったああ!」

真人「どんまいだ、謙吾の先生」

クド・美魚 17−12 真人・謙吾 

………………。

クド・美魚 20−17 真人・謙吾

クド「わふっ、ついにマッチポイントです」

美魚「これをとれば勝ちですね」

真人「おい謙吾の先生、このままだと負けちまうぞ」

謙吾「それだけは嫌だあ」

美魚「じゃあいきます」ポン

謙吾「せいっ」パアン

クド「任せてください」パン

真人「おら!」パアン

真人の打ったシャトルは高々と上がった。

クド「行きますよ〜」

クドは小さい体を震わせてオーバーヘッドで打った
シャトルは水平に飛んで行き……

パスッ

ネットの上部にあたって、真人・謙吾ペアのコートに勢いをなくしてポトリと落ちた

恭介「ゲームセット! ゲーム、能美・西園」

クド「やりましたあ!」

真人「うあああああああ、ネットインかよおおお!」

謙吾「今のは……しょうがない」

美魚「すみません……」

※ネットインしたら、した方が謝るのが礼儀です

真人「納得いかねえええええええ」

恭介「ほら、最後も握手だ。真人、うなだれてないで、ほら」

真人「……おう」

……。

小毬「クーちゃんも美魚ちゃんもかっこよかったよ〜」

葉留佳「まさか勝つなんてねー」

来ヶ谷「ほら、ご褒美におねーさんがなでなでしてやろう」

クド「むぎゅ! 来ヶ谷さん、苦しいです……」

来ヶ谷「ほらほら。ああ、かわいい。汗のスメルと相まって、ああ、おねーさん興奮してきたぞ」

美魚「……」ポッ

クド「キュー」バタン

来ヶ谷「おやおや、ちょっとやりすぎたかな。……うん? 美魚君、君もやってほしいのか?」

美魚「いえ、見るだけでけっこうです」


謙吾「くそお、負けるなんて」

真人「よりにもよってクー公と西園ペアだぜ」

理樹「あ、はは。でも真人も謙吾もかっこよかったよ」

真人「本当か!? くう〜、それだけでもうやってよかったと思えるぜ!!」

謙吾「そうだな。理樹最高—。いやっほうー!」

鈴「馬鹿だこいつら」

書き溜め終了です
また書き溜め終わったらきます

〜二試合目〜

恭介「二試合目は3番と4番、理樹・鈴ペアVS小毬・三枝ペアだ」

真人「頑張れ理樹! 俺たちの分まで勝ってこい!」

理樹「うん、頑張るよ」

鈴「いこう理樹」

小毬「初戦は鈴ちゃんたちが相手か〜。気が抜けないね〜」

葉留佳「はるちんはいつでも全力全開デスヨ」

恭介「さ、両ペアとも握手して」

理樹「お願いします」

鈴「よろしく頼む」

小毬「楽しんでやろ〜」

葉留佳「絶対負けないですヨ」

恭介「じゃあじゃんけんをしてサーブ権を決めてくれ」

鈴「私がやろう」

小毬「いくよー」

鈴・小毬「じゃんけんぽい!」

鈴「よし勝った!」

恭介「じゃあ鈴、サーブかレシーブか選べ」

鈴「理樹、どっちがいいと思う?」

理樹「サーブをもらおう。サーブからやった方がリズムを作りやすいだろうから」

鈴「サーブをもらう」

恭介「OKだ。じゃあみんな準備はいいな? ファーストゲーム、ラヴオール、プレイ!」

鈴「いくぞ」フカー ポン

葉留佳「任せて!」パアン

葉留佳の打ったシャトルは後方の理樹のもとへ高々と上がった

理樹「よし、鈴、一回奥へ戻すよ!」パアン

小毬「わわ、こっち来たっ」パス

鈴「任せろ理樹」コン

鈴は小毬のひょろひょろとした打球に軽くラケットをあてて前に落とした

葉留佳「なぬー!? そんな芸当があったのか!? 届かないー!」

恭介「ポイント、ワン・ラヴ」

理樹「ナイス鈴!!」

鈴「今のうまかっただろう?」

理樹「うん良かったよ!」

恭介「……フ」




小毬「次はとるよー」

葉留佳「もちろんだともさ!」

鈴「いくぞ、ていっ!」ポン

小毬「とおりゃあ〜」ポン

理樹「そら!」パアン

理樹の打球は後方の葉留佳のもとへ飛んで行った

葉留佳「よっしゃあいくよー! 左利きパワーを見るがいい! てえい!」

葉留佳は勢いよくラケットを振った……が、

がすっ

シャトルはフレームに当たり、スイングスピードに反してひょろひょろとした球が繰り出された

理樹「な……!?」

鈴「何ぃ!?」

後方に飛んでくると予測していた二人の足は固まってしまった
シャトルは無情にも二人の目の前に落ちた

葉留佳「み、み、見たかー! これが左利きパワーだー!」

理樹「左利き関係ないし……」

鈴「葉留佳が一番驚いてるぞ」

…………。

鈴「ふにゃー! ライジングにゃっとショット!!」スパアン

小毬「ほわあ!?」

葉留佳「はや!!」

理樹「す、すごい。本当に打てた……」

鈴「わっはっは」

理樹・鈴 7−6 小毬・葉留佳

…………。

葉留佳「フォーメーションXだ!!」

小毬「おっけ〜い」

しゅぱん!!

鈴「なんだあれは!?」

理樹「いやいや、特に意味はないでしょ……」

理樹「……とか言ってるうちに点数とられた!!」

葉留佳「はっはっは。見たか」

小毬「わっはっは〜」

理樹・鈴 16−16 小毬・葉留佳

…………。

理樹・鈴 20−19 小毬・葉留佳

理樹「ここでとれば勝ちだよ、鈴」

鈴「お、おう」

理樹「何、緊張してるの?」

鈴「してないわボケ!」

理樹「……大丈夫だよ、僕がついてるから」

鈴「うっさい、いくぞ」パン

葉留佳「そいや」パアン

鈴「任せた理樹!」

理樹「オッケイ、せや!」パン

小毬「おっけいだよ〜」パン

小毬「ほわあ!? ミスったあ!」

小毬の打球は勢いがなく、ネット際にふわふわと上がった

理樹「もらったああああ!」スパアン

恭介「ゲームセット! ゲーム、理樹・鈴」

ちょっと休憩

さいかーい

鈴「やったぞ理樹!」

理樹「うん!」

葉留佳「やはは、負けてしまいましたね」

小毬「でもいい試合だったよ〜」

恭介「さ、さ、終わりの握手を」

小毬「次頑張ってね〜鈴ちゃん!」

鈴「うん。ありがとう小毬ちゃん!」

…………。

やばい頭が回らない……
続きは明日書くわ……
見てる人いたら(いないと思うが)すまん
明日絶対書くから!

すまん、昨日なんだかわからんがつながらんかった
みんなはどうだった?

じゃ、続きから書いてくね

真人「よくやったぞ理樹!!」

謙吾「素晴らしい試合だったぞ、二人とも」

理樹「あはは。ありがと」

鈴「うっさい、バカ!」

真人「なんだ、照れてやがんのか?」

鈴「〜! もういい!! あっち行ってくる!」

理樹「行っちゃった」

真人「かわいくねー野郎だぜ」

謙吾「次は能美・西園ペアと対戦か」

理樹「そうだね。謙吾たちさっき試合した感触ではどんな印象だった?」

謙吾「そうだな……、特段強いショットがあるわけじゃないが、小技がうまく粘り強い感じではあったな」

真人「謙吾の先生があそこでアウトにしなけりゃな〜」

謙吾「なんだとお!? お前こそさんざん反則したじゃないか!」

真人「なんだあ!! やんのかあ!!」

理樹「あ、はは」

小毬「負けちゃったよ〜」

葉留佳「惜しかったんですけどネ」

来ヶ谷「いやいや。いい試合だったぞ、二人とも」

クド「かっこよかったです〜」

鈴「小毬ちゃん……、ごめん」

小毬「いいんだよー鈴ちゃん! 勝負はいつでも真剣勝負! どっちが勝っても恨みっこなしだよ〜」

来ヶ谷「その通りだ。いいこと言うな、小毬君は。さあ、ご褒美としておねーさんがなでなでしてやろう」

小毬「〜!!」ムギュ

美魚「次は私たちとの試合ですね」

鈴「ん? そうだな」

美魚「勝った方が最強ペアと戦う権利を得るのですね」

鈴「あの二人か……、勝負したくないな。……でも、全力でやることには変わりない」

クド「そうです! みんなで頑張るのです!」



恭介(鈴も強くなったな)

〜第三試合〜

恭介「それじゃあ第三試合目を始める! 両ペア、前へ」

理樹「よろしく。いい試合にしよう」

鈴「負けはせん」

美魚「お手柔らかにお願いします」

クド「わふ! 頑張るのです!」

じゃんけんの結果、美魚・クドペアがサーブ権をとった

恭介「これに勝った方が俺たちと戦う。どっちが勝つか楽しみだぜ。じゃあ準備はいいな? ファーストゲーム、ラヴオール、プレイ!」


クド「いきますよ〜、てや!」ポン

理樹「奥にあげるよ、鈴!」パアン

クド「西園さん、お願いできますか!?」

美魚「わかりました!」

理樹(西園さんはそこまで力があるわけじゃない。あの奥の位置から打つのなら、おそらく前に落としてくるだろう)

理樹(やっぱり)

理樹「任せて鈴!」ポン

理樹は小さく相手コートの前に落とした

クド「バレバレです!」ポオン

クドは理樹がうつやいなやすぐに奥に返した。

理樹「な!?」

鈴「ふにゃー!」

鈴はめいっぱい手を伸ばすも、届かなかった

恭介「ポイント、ワン・ラヴ」

理樹「読まれていた……」

鈴「どんまいだ、理樹。モンペチ食うか?」

理樹「いやいや、僕猫じゃないし……」

鈴「次とればいいさ」

理樹「うん……」

クド「いきますよ〜」パン

鈴「ほい!」ポン

鈴は前に小さく落とした

クド「上げますよ〜」パアン

鈴「理樹!」

理樹「うん!」

理樹は飛んできた球をオーバヘッドでうった、が

パスッ

理樹の打球はあえなくネットにかかった

恭介「ポイント、トゥー・ラヴ」

理樹「やっちゃった……」

鈴「気にするな、カップゼリー食うか?」

理樹「いや、いいや……」

鈴「……」

クド「いいですね、このままガンガンとっていきましょう!」

美魚「ええ」



クド「いきますよ〜」ポン

理樹「ふっ……!」ポン、パス

理樹「あ……!」

恭介「ネット。ポイント、スリー・ラヴ」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月08日 (土) 23:05:54   ID: VQl2FB8U

バドミントン楽しいよな
テニスはきっついわー

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