ベルトルト「ライナー、聞いてくれよ」(71)

ライナー「ん?何をだ?」

ベルトルト「僕の見た夢のはなし。」

ライナー「人の夢の話をきくのもな…まぁいい、どんな夢だったんだ?」

ベルトルト「えっとね」



・単行本10巻までのネタバレを含みます
・ベルユミです

ベルトルト「僕は壁の外にいたんだ。いや、実際そんなの分かんないんだけど、夢の中の僕は壁の外にいるって思ってたんだ。」

ライナー「まぁ夢だしよくあることだな。」

ベルトルト「それでね、見渡す限り、水の世界が広がってたんだよ!」

ライナー「ほう」

ベルトルト「そしてね、その水の中を沢山の魚が泳いでるんだよ。」

ライナー「でっかい川ってことか?」

ベルトルト「いや、違う。あれは川なんかじゃない。もっともっと大きいんだ。もっともっと」

ライナー「壁の中よりか?」

ベルトルト「ああ、夢だから確信はできないけど、きっとそうだ!」

ライナー「なんかそんな話アルミンがしていた気がするな…。なんか、ほら?外の世界がどーのこーの」

ベルトルト「!…アルミンならこれが何か知っているかもしれない」

ライナー「でも元はお前の夢の話だろう?アルミンのそれとは違うかもしれんぞ」

ベルトルト「うん…だけど、ききにいって損はしないだろうし…。聞きたいんだよな…。」

ライナー「…わかった。ベルトルトがそこまでいうならきくしかねーだろ!」

ベルトルト「っ、ラァアアイナァアア!!!」

ミカサ「アルミン、どうしよう。エレンが私を離れられないの。このままじゃエレンと私はずっと一緒にいるしかない。」

アルミン「そ、そうだね。でもまぁそれはそれでミカサは満更でもないんだろ?」(しかも僕の胃痛もなくなるヨネー)

ミカサ「…」コクッ

アルミン「ならわざわざ相談することでもないじゃないか…。」

ミカサ「それもそう。ありがとうアルミン。じゃあまた。」シュッ

アルミン「は、はや…。ていうかミカサはあんな質問をする意味があるのかな…。」

ライナー「おーい、アルミン」

アルミン「あ、ライナー。と、ベルトルト!」

アルミン「二人揃って僕に何か用でもあるの?」

ライナー「ああ、あるんだよ。コイツがみた夢のことなんだがな…」

アルミン「ベルトルトがみた夢?」

ベルトルト「うん。」

アルミン「へぇ、ベルトルトがみた夢か…興味あるなぁ。どんなの?」

ベルトルト「えっとね……」




ベルトルト「…ていう夢なんだけど」

アルミン「それは多分…『海』、じゃないかな?」

ベルトルト「うみ?」

ライナー「すごいなアルミン。夢の何かが分かるなんて。本当にあるのか?」

アルミン「ああ。壁の外はほとんどそれが広がっているらしいよ。その夢を見るなんて…ベルトルト、まさか君は見たことがあるのかい?」

ベルトルト「……壁の外に出たことないんだ。あるはずがないよ。」

ライナー「!…アルミン、その海について他にどんなことが分かるんだ?」

アルミン「あ、ああ。海の水はただの水じゃないらしいんだ。塩が混ざってるんだって!」

サシャ「し、塩ですか!?」

アルミン、ベルトルト、ライナー「!?」

クリスタ「ちょ、ちょっと!サシャったら。」

ユミル「すまねーな。声がきこえたんでちよっとだけ話聞いてたんだわ。」

クリスタ「盗み聞きなんてしちゃって…本当にごめんね。」

アルミン「全然いいよ!まぁ昼食前だし、そろそろここ(食堂)にも人が集まってくるよね。」

ライナー「ク、クリスタ!べべべべ別に!全然構わないぞ!!」

ベルトルト「うん。気にしないよ。」

ユミル「サシャとクリスタがお前らの話に興味津々なんだわ。」

アルミン「そうなんだ。一緒に話すかい?」

クリスタ「いいの?じゃ、じゃあ…ライナー、隣いいかな?」

ライナー「………いいぞ」(結婚しよ)

サシャ「じゃあ私アルミンの隣に。ユミルは勿論クリスタの隣ですよね!」

ユミル「勿論だ。女神が獣に襲われちゃ困るしな。」

ライナー「なんのことだ?」

ユミル「はっは、じょーだんだ。冗談。」

ベルトルト「…」

綺麗な青色。

向こうから水が来ては引いて、来ては引いて…。すごいな。

足元はサラサラした砂が広がってる。

あ、見たこともない魚が泳いでるな。

あれは…あの白い鳥はなんだろう?ねぇ、知ってる?

『私が知ってるはずねーだろ!』

『そ、そうだね。ごめん…』

『謝んなよ。ほれっ!くらえ』

『うわ、水かけないでよ!仕返しだぁ!』

『うわっ、ベルトルさん!ふざけんな服濡れたら、な?ほら、透けるだろぉ?』

『あ、あ、ごめんね』

『おいおい…冗談だってば。あーもう。くらえくらえ』

『うわっぷ!!ちょっ、ぷはっ、まっ、あっ!こけっ…』

『っ……ぎゃはははは!!!ベルトルさんびっちょびっちょじゃんかよ!!!ひ、ははは!』

『もお、ユミルっ…ふふっ』

ベルトルト(ユミルがその夢に出たなんて言えるはずないんだよな…)

アルミン「その海の中には巨人よりも大きい生き物が沢山いるらしいんだ。」

クリスタ「へぇ、スゴイね!」

アルミン「それに美味しい魚もたくさん…」

サシャ「本当に!!!!??」

ライナー「海って凄いんだな…。なぁ、ベルトルト。まさか夢の話が本当だとは思わなかっ…ベルトルト?」

ベルトルト(なんでだろう?海はすごくきれいだった。初めてみた。だけどなんでユミルなんだろう?なんで一人じゃなかったんだろ)
ユミル「おーい、ベルトルさんよぉ?」

ベルトルト「えっ?あっ!ゆ、ゆみっ!る?」ハッ


ユミル「くはっ…なんだよその反応!まーた夢の中にでもいってたのかこのやろ!ひひっ」

ベルトルト「あ、ごめんねユミル」

ユミル「おいおい、謝んなよ!つまんねーだろ」

『謝んなよ。ほれっ!くらえ』

ベルトルト「う、うん…」

ユミル「おいおい。もっと強く出ろよ……優男が…」

ベルトルト「ははっ…」(そんな関わりないのに。ていうかまともに会話したの自体今日が初めてな気もする。)

クリスタ「あ、そうだ。もしだよ!もし、巨人が居なくなったら皆で海にいこうね!」

サシャ「いいですね!ぜひ行きましょう!そしてぜんぶ飲んでやります!」

アルミン「うん。行きたいね!もし、じゃない。絶対行こう!」

ライナー「ああ、そうだな…。行きたいな。」

ベルトルト「うん…」

(…巨人が全部いなくなったらか。)

(クリスタが言った『皆』に僕らはずっと入れるだろうか?ねぇ、ライナー。)

クリスタ「ユミルも行こうね!」

ユミル「あ、ああ。まぁ…うん」

ベルトルト(ユミルの反応がおかしい…?)「……ねぇ、ライナー」

ライナ「……ああ、今のは俺もちょっと怪しいと思った。」

ユミル「…海行ったら釣りしよーぜ?」

クリスタ「わぁ!いいねそれ!」キラキラ

アルミン「釣りか…。確かに海だとまた違ったものが沢山釣れるかもしれないね!」

ベルトルト「…」(今の釣り発言間
は…素、なのかな?)

めしだめしー!
どうせかてーぱんとすーぷだろ
ザワザワザワザワ

アルミン「!いっぱい来たね。そろそろ昼食の配膳がはじまるんだ。」

ユミル「よし、じゃあいつもの席に戻るぞお前ら」

ライナー「えっ!?」

ベルトルト「え」

クリスタ「えー、今日はここで食べよう?いいでしょ?」

ライナー(くりす、くりすたぁああ!!!)ニヤァッ

ユミル「っ!………おまえは本当に可愛いな!!!!!!よし!ここで食おう!!!」

アルミン「僕もここで食べたいんだけど、エレンのとこに行くよ。あ、ベルトルト、また夢をみたら教えてね。」

ベルトルト「うん。ありがとうアルミン。」

サシャ「私も今日はここで食べます!ね!」チラッ

ベルトルト「ん?……!!」ハッ

ベルトルト「あの…サシャ……?パンは、あげないからね?」

サシャ「!!!!」ギク

クリスタ「もうサシャったら。私のパンあげるから。」

サシャ「女神!」

ライナー「!じゃあクリスタ…俺のをやるよ」

クリスタ「ありがとうライナー。でもそれもサシャにあげて。」

ライナー「お、おぉ…おおぅ」(でも優しい結婚しよ)



サシャ「それじゃあ、いただきまーす!!」
ユミル「げっ………やっぱ味薄いな。スープ。」

サシャ「わたしはおいひいとおおいあすけどね」もぎゅもぎゅ

クリスタ「そうだよ。食べれることに感謝だよ。」

ユミル「でもこの味の薄さはなぁ…な?ベルトルさん。」

ベルトルト「え!?あ、うん。そ、そうだね!確かに薄いかも。」

ライナー「だよな。なんつーか、塩が足りねーんだよな…」

ユミル「そういや海の水って塩が入ってんだろ?……それ聞いたら海行きたくなるな」

ベルトルト「…そうだね」

ベルトルト(僕だったら、簡単に行けるかもしれない。皆も連れていけるかもしれない。)

ベルトルト(でも、)

ベルトルト「…ごちそうさま。」

ライナー「なんかいつもより早いな。…お前、残してるじゃねーか」

ベルトルト「うん。嫌いなものが入ってて…サシャ、これどうぞ。僕は先に部屋に戻るよ。」

ライナー「?…おう。」

サシャ「ベルトルトも好き嫌いあるんですね~。」もぐもぐ

ユミル「…私も腹いてーわ。サシャ、このパンやるよ。ごちそうさん。」

サシャ「いいんですか!?」

クリスタ「大丈夫?」

ユミル「心配すんな!じゃ、三人で仲良く食っとけ。」

ライナー「ユミル…」

ベルトルト「海、か」

ユミル「おい」

ベルトルト「!!ゆ、みる?」

ユミル「そんなビックリすんなよ。」

ベルトルト「なんでここに?」

ユミル「聞きたいことがあんだよ。ひとつだけ。」

ベルトルト「えっ…」

ユミル「お前も好きなのか?」

ベルトルト「えっ、えっ、?な、何が!?」

ユミル「はぁーー?私の可愛いクリスタちゃんが、だよ。ったりめーだろ?」

ベルトルト「なんだ。それはない。」

ユミル「…は?」

ベルトルト「クリスタだろ?ないよ」

ユミル「ベルトルト…お前いい加減にしろよ」ゲシッ

ベルトルト「いたっ!!えっ?なん、いたい!!」

ユミル「クリスタがないってどーゆーことじゃ!!」バチンッ

ベルトルト「いたッ、あ、あ、可愛いとは!思う!よ!」

ユミル「……!なるほど。それならいいんだ。」

ベルトルト「痛いぃ…。そうだ、僕は答えたんだ。僕にもひとつ質問させてよ。」

ユミル「あー?別にいいけど…」

ユミル「あ、でもまて。お前本当にクリスタ可愛いって思ってるか?」

ベルトルト「うん。思ってるよ。見た目だけじゃなくて優しいとことかも可愛いと思うよ。」

ユミル「60点だな。納得いかない部分がある…。まぁいい。で、お前の質問は?」

ベルトルト「えっと…ゆ、ユミルはさ……ユミルは、海に、いきたいの?」

ユミル「…そりゃあ行きてーよ?壁の外なんて行ったことねーからな。」

ベルトルト「巨人を一匹残らず全部倒して?」

ユミル「そりゃあな。そうするしか行ける方法ないもんな。」

ベルトルト「そっか。………わかった、ありがとう。僕は部屋に戻るよ。」

ユミル「……なぁ。」

ベルトルト「?」

ユミル「私が昨日見た夢はな…」

ベルトルト「うん」

ユミル「…やっぱなんでもねぇ」

ベルトルト「そう…。じゃあね」

ユミル「…おう」

夢の中のユミルは笑顔だった。

本物の笑顔はみたことないからあれは僕の考えたユミルの笑顔だ。

そう考えると相当恥ずかしい夢である。

海はおおきく揺れて、音をたて、砂を誘い、砂を送っている。

割れた貝殻が砂に飲み込まれて見えなくなった。

太陽の光が水に反射し眩しくかんじる。


ベルトルト(ここまで鮮明に夢を思い出せるって不思議だ)

ベルトルト(………でもこの海は僕の妄想に過ぎないんだよな)

ベルトルト(………眠い。)

ベルトルト(ちょっとぐらい昼寝してもいいよね。)ムニャ

ベルトルト(……おやすみ)グゥ

ベルトルト(あの夢、もう一度見たいなぁ)

体が軽い 

きっと水中にいるんじゃないか

目の前をピンクの小さい魚が横切る

見上げると黄色い光がゆらゆら左右に揺れている。

息を吐けばコポリと音をたてて大きくも小さい白く透明な泡が上にいって消えた

ここはどこだ

考えてるうちに体はどんどん沈んでいって光も音も届かなくなる

体がどんどん潰されていくようで耐えられない

不意に呼吸ができなくなった

何を思ったのか僕は巨人になった

僕を閉じ込めていた水はなくなって、目の前には僕が壊したはずの壁があった

壁の中の人は皆濡れている

みんな服が濡れている

巨人の僕は濡れていなかった

ベルトルト「…~っ!?」ガバッ

(嫌な夢を見たな…。体が汗で濡れてる。気持ち悪い)

ライナー「あ、起きたか。」

ベルトルト「ら、ライナー!?昼食はどうしたの?」

ライナー「なにいってんだ?もう夕食も食べたぞ。」

ベルトルト「うそ!?僕そんな寝ちゃってた?」

ライナー「さっき夕食を食って帰ってきたところだからな。相当寝てたと思うぞ。」

ベルトルト「そ、そうか…」

ライナー「ああ。そうそう、そういえば」

ベルトルト「ライナー、なんで起こしてくれなかったの?」

ライナー「それは謝るから!話を聞いてくれ。」

ベルトルト「…うん」

ライナー「あのな、今度の休みにクリスタと町に出掛けることになったんだ!」

ライナー「楽しみだ!」

ベルトルト「…そう。よかったね」

ライナー「おう!」

ベルトルト「あのさ、話の途中で悪いんだけど水飲みに行ってきてもいいかな。」

ライナー「汗かいてるしな。行ってこい!」

ベルトルト「うん。ありがとう」


ベルトルト「………」
(もうライナーは戦士じゃないのか?)


ユミル「……ベルトルさん?」

ベルトルト「!!ユ、ユミル」

ユミル「いちいちそんな驚くなよな。ていうか…やっと起きたのか。」

ベルトルト「う、うん…。」

ユミル「何で食堂来たんだよ?」

ベルトルト「水を飲みにね…。ユミルこそ、なんでだい?」

ユミル「私はちょっと考え事をな。」

ベルトルト「へえ…あ、隣座るよ」

ユミル「あ?お、おう。」

ベルトルト「…」ゴク

(汗をかいたあとの水って美味しいな。なんか、満たされる感じがする。)

ユミル「…」

ベルトルト「…」ゴク

(……ユミルはどんなこと考えてるんだろ。)

ユミル「…」

ベルトルト「……」

(……………き、きまずい!!!)

ユミル「…」

ベルトルト(なんで隣に座ってしまったんだ僕のばか!!)

ベルトルト(こうなったら話しかけるしかないのか?でも、この沈黙を破るわけには…。そ、それにユミルは考え事をしてるし…でも、このままずっと隣でチビチビ水を飲んで立ち去るのもな…)ウーン

ユミル「……水、私にもくれよ」

ベルトルト「えっ」

ユミル「考えてたら喉がかわいてきたんだよ。」

ベルトルト「あ、うん。分かった。じゃあ取りに行くからちょっと待ってて」

ユミル「いや、あんたが飲んでるそれもらっていいか?そっちの方がベルトルさんも動かなくていいし楽だろ?」

ベルトルト「えっ、でっ、でもっ!それって」

ユミル「……間接キス」ボソッ

ベルトルト「!!」ビクーン

ユミル「ちょっ……まじか……。ベルトルさんもそんなこと気にすんだな……くくっ」

ベルトルト「いや、僕は、その…そ、そういうユミルは別にいいの!?」

ユミル「全然気にしてねーな。そんなことより早く水よこせ!」バッ ゴクゴク

ベルトルト「あっ…」

ユミル「んっ……んっ…………っはぁ!やっぱ水うめーわ。」

ベルトルト「……」

ユミル「あ、悪い。全部飲んじまった。」

ベルトルト「いや、別にいいよ…」

ユミル「……ベルトルさん?」

ベルトルト「なんだい」

ユミル「なんか怒ってねーか?」

ベルトルト「いや」

ユミル「その、悪かったってば」

ベルトルト「いいよ。喉、乾いてたんだろ」

ユミル「そういうことじゃねーよ」

ベルトルト「別にいいってば」

ユミル「あれだろ?……私との間接キスが嫌だったんだろ。」

ベルトルト「………ん?」

ユミル「コニーのやつは、飲んでも『お前はほぼ男だしいいや』って言うからさ…」

ベルトルト「……え?え?ちがっ……ていうかコニーとも間接キスして…え?」

ユミル「コニーと同じだと考えてベルトルさんの意見無視して飲んじまった。……ごめんな。」

ベルトルト「ち、ちがうんだ!そんなことで怒ってるんじゃないんだよ。」

ユミル「………私は別に間接キスとかそんなん意識しねーほうなんだ。だから悪意はねーんだよ。許してくれ。」

ムカッ

ベルトルト(あぁ、これだ。)

ユミル「本当にすまなかった。」

ベルトルト「………意識してくれたっていいんじゃないか?」

ユミル「は?」

ベルトルト「ん?」

ベルトルト「あ」

ベルトルト「」

ユミル「…」

ベルトルト「…」

(どうしようまたきまずくなった…空気重すぎ…誰でもいいから来てくれ…この際教官でもよし)

ユミル「…………おい。」

ベルトルト(うわぁ…ユミルの声が分かりやすくさっきより低い…)「なんだい…………

ユミル「今のは…………どういうことだ?」

ベルトルト(もうやだ……ユミルの顔見れない……素直にお喋りできない……)「………今のは、えっとね」

ユミル「……顔あげろよ」グイッ

ベルトルト「う、うわっ!!」

ユミル「さっさと教えろ!」メキメキ

ベルトルト「いたいいたいいたい頭蓋骨割れちゃう!」

ユミル「うるせぇ!教えろ!」メキメキメキィ

ベルトルト「そ、そのまんまの意味だよ。だからはなしっ…いたたたた!!ラストスパートかけないでっ…!」

ユミル「っ……考え事の続きする。」パッ

ベルトルト「え?あっ。うん。」

ユミル「お前水飲んだんだしもうそろそろ戻れよ。ライナーが待ってるんじゃないか。」

ベルトルト「そうだね。もう一杯飲んでから戻るよ。」

ユミル「あっそ」フイッ

ベルトルト「取りに行ってくるね」ガタッ

(気のせいかな…ユミルの耳が若干赤かった。)

(なんていうか)

ベルトルト「……気のせいじゃなきゃなきゃいいな」ボソッ



ベルトルト「ユミル、また隣いいかな」

ユミル「……別に」

ベルトルト「ありがとう。」ストン

(ダメだ。こっちの顔を見てくれない。怒ってるのかな。それとも……照れてる、なんて)ジー

ユミル「…」

ベルトルト「…」ゴク

ユミル「…」

ベルトルト「…」チラッ

ユミル「…」チラッ 

ベルトルト「!?」

ユミル「!!?」フイッ

ベルトルト(目、合った…。)

ベルトルト「…」ゴクンッ

(あ、あと少しで水なくなっちゃう)

ユミル「…」

ベルトルト「…」チビチビ

(……ゆっくり飲もう。)

ユミル「…部屋戻る。」スッ

ベルトルト「えっ!?ま、まってよ!」グイッ

ユミル「!……袖つかむな。伸びる」

ベルトルト「あっごめん。でも、どうして急に…」

ユミル「眠くなった。考え事も済んだし。」

ベルトルト「…そっか」パッ

ユミル「そうだ。じゃあな、おやすみ」

ベルトルト「……うん。おやすみ。いい夢見てね。」

ユミル「夢、な…」

ユミル「昼食の後のあれさ」

ベルトルト「ん!?…あ、ああ。あれか。あの言いかけてやめたやつ?」

ユミル「そうだ。」

ベルトルト「それがどうしたの」

ユミル「あれな、私も海の夢見たって言いたかったんだ。」

ベルトルト「えっ、それってどういう…」

ユミル「言いたいことも言ったし戻る。改めておやすみ」バタン

ベルトルト「ちょっ!……あぁ、行っちゃった。」

ベルトルト(ユミルも海の夢を見た?まさか)

ベルトルト(そんなこと、偶然だとしてもありえるものなのか?)

ベルトルト(僕たちが知らないはずの海の夢を、関わりも少ない二人が、同じ夜にみることって……)

ベルトルト(………そういえば、僕の夢にはユミルが出てたけど、ユミルの海の夢に僕は出てたのかな?)

ベルトルト(……ああ、ダメだ。きっと僕は疲れてるんだ。これ飲んでさっさと寝なきゃ。)ゴク

ーーーーーー




ベルトルト「……ふぅ」

ライナー「おう、おかえり。随分と時間がかかったじゃないか。皆寝ちまったぞ」

ベルトルト「ライナー、起きてたんだね。」

ライナー「まぁな。だって話の続きしてないだろ!」

ベルトルト「あー、クリスタと出掛けるんだったよね?でもごめん、僕は寝ないと。」

ライナー「さっきまでずっと寝てたじゃないか。眠い訳じゃないんだろ?ちょっとだけでいいんだ。クリスタと何処にいけばいいか一緒に考えてくれ。」

ベルトルト「仕方ないなぁ…。クリスタは何が好きなのかということから考えていこう」

ベルトルト(本当は『戦士だろ、今すぐ出掛けること自体やめろ!』って言いたいんだけどな。今の僕にそんなこと言う資格がない気がする。)

ライナー「クリスタの好きなもの?確かクリスタは本が好きとか言ってたな。」

ベルトルト「ふーん、本か。なら図書館か本屋なんてどう?近くにいい本屋がある。そのあと適当に雑貨屋行ってなんか買ってあげなよ。」

ライナー「なるほど。確かにそれが一番シンプルでいいな。…よし、俺はそろそろ寝るぞ。わざわざありがとうな。」

ベルトルト「簡単な考えしか出せなくてごめん。おやすみ。いい夢見てね。」

ライナー「ああ、お前もいい夢見ろよ。おやすみ。」

ベルトルト「…うん。」

ライナー「……zzz」グゥ

ベルトルト「…やっぱ眠くないな。」ハァ

ベルトルト(………さっきからユミルが頭から離れない。もやもやする。)

ベルトルト(これはクリスタに対するライナーの気持ちとはきっと、いや、絶対違う。うん、絶対そうだ。だってここで僕が戦士じゃなくなったら…)

ベルトルト(……嫌だ。考えたくもない。最悪だ。絶対三人で故郷に帰ってやる。)

ベルトルト(でも………)

ベルトルト(……………たった一人の人間に興味を持つぐらい、いいんじゃないかな。)

ベルトルト(たった一人の人間に興味を持っても、まだ戦士でいられるんじゃないかな。)

ベルトルト「…………寝よう」

ベルトルト(……もう何も考えたくない。ダメになりそうだ。)

ライナー「…んがっ!……グゴォアア……スー……」zzz

ベルトルト「…」



ベルトルト「……………スゥ…」zzz

あ、体が軽い。また海の夢、かな

ヒレが大きくて縦長い…なんかボケってしててユラッてしてて可愛いなぁ。はじめてみる魚。

大きい。あれがアルミンが言ってた「巨人よりも大きい生き物」かな?でもせいぜい3m級ぐらい?まだまだ大きいやつがいるんだろうな

ぶくぶく
『助けてベルトルさん』

声がきこえる。ベルトルさん、か。僕のあだ名だ。このあだ名で僕を呼ぶ人なんて一人しかいない

(ユミルだ)


ぶくぶく
『助けて、苦しい、溺れちゃう、助けてくれ』

ユミルが喋るたびに彼女の口からは大量の泡が出ていて、手足も落ち着きなくずっとずっと動いている

(えっ、どうしたの、ねえねえ)

ぶくぶく
『足を引っ張られてる、ダメだ息が苦しい、溺れる、溺れる、助けて助けて』

残念ながら僕からはユミルの足が泡で隠されて見えなかった。誰に引っ張られてるのか、そんなの全然分からない

(今から、今からいくよ)

ぶくぶく
『もうだめ、しんでしまう、苦しい』

ユミルに向かって泳ぐ。初めて水を押して進む感覚。夢の中でもここは現実的で全然前に進まない。やっとのことで手をのばせばユミルに届きそうなところまできた。

(ユミル、ユミル!)

ぶくぶく
『ああ、苦しい。苦しい。』

手を伸ばした瞬間ユミルの足を隠していた泡がシュワシュワと音をたてて消えた。その泡に驚いて目をつむってしまう。体が若干後ろに下がった。

(誰が、誰が君の足をつかんでいるんだ!)

ぶくぶく
『べ…と…さ…』

視界にはいる大きい手。皮膚がなく筋肉が露出されている。ああ、これは。僕は兵士と偽って戦ってるとき、何人もの人がこれで握り潰されるのを見てきたんだ。これは巨人。巨人の手だ。

(その巨人は…?)

ぶくぶく
『べ…とる……さ…』

途切れ途切れのユミルの声にも耳は傾けていたが、その手が嫌に見覚えのあるもので全身が震えた。大きくて大きくて僕も一握りで潰せそうなその手。でもきっと、その手が僕を潰すことはないだろう。

(あれは、あれは、)

ぶくぶくぶくぶく

気づけば僕は右手に何かをつかんでいることに気づいた。目の前のユミルはどうやら僕の頭上に来たみたいだ。


ぶくぶく

あの手が忘れられる筈もない。あの手は、あの手は

『いたいよベルトルさん』


「超、大型巨人の……僕の、手。」




ベルトルト「っはぁ…………!!はぁ、はぁ」

ベルトルト「……最悪だ。最悪の夢だった。」

ベルトルト「………ライナーは起きてない、よね?」チラッ

ライナー「……ンゴァアアアア…スピー………スゥブルルルル……」zzz

ベルトルト「ふぅ……うーん。今からどうしよう。」

『いたいよベルトルさん』

ベルトルト「……二度寝はだめだ。」

ベルトルト「あの夢は本当になんなんだ。僕がユミルの足を引っ張って溺れさせようとしてる夢?」

ベルトルト(しかも巨人化した状態、だった)

ベルトルト「…………人を殺すのが戦士。」

ベルトルト「……っ」グスッ

ベルトルト「うぇ、……うっ、ぁ」ポロポロ

ライナー「グオオ…………ぬんお!?」ガバッ

ベルトルト「えぐっ…らいな、……ぼくっ、故郷…ぅんっ…帰りたいよ……」ポロポロ

ライナー「………ベル、トルト!?泣いてるのか?」

ベルトルト「……うぇ…ぅっ、」

ライナー「………こっちこい。」

ベルトルト「らい、なっ…」モゾモゾ

ライナー「怖い夢でも見たか。」

ベルトルト「……うん」

ライナー「ははっ、なんだ。同じ布団とかガキのころに戻ったみたいだな。」

ベルトルト「らいな、っ、あのさっ…」ズズッ

ライナー「おう。」

ベルトルト「僕達、戦士だよね。故郷に帰れるんだよね。」

ライナー「………ああ、絶対帰ってやる。」

ベルトルト「そっか。そうだよね。僕は戦士だ。ライナーも戦士。勿論アニも戦士だ。ふふっ…」

ライナー「………そうだな。」

ベルトルト「ライナー。クリスタとのおでかけ楽しんでね。戦士だけど、楽しむこともいいと思うよ。ふふ」

ライナー「ああ、ありがとうな。」

ベルトルト(なんだ…クリスタと出掛けてもライナーは戦士のままなんだ。)

ベルトルト「じゃあ僕もあの人を気にしていいよね…。」

ライナー「………おい。ベルトルト、それどういうことだ?」

ベルトルト「ううん、なんでもない。ライナーの言葉で落ち着いた。僕はもう一度寝るね。」

ライナー「なんでもない?そんなんですむか。おい、ベルトルト。ベルトルト!」

ベルトルト「もう…ライナーったら。大声出したら皆起きちゃうよ…。僕も眠れない…」ムニャ

ライナー「む、すまん…。朝聞くからな。絶対聞くからな。」

ベルトルト「ん。分かったから、言うから。もう……おやすみライナー………」

ベルトルト(僕は戦士、ライナーも戦士。あれは夢のはなし。人一人殺すのが怖くたって別に普通なんだ。ライナーは兵士を演じてる。きっと僕もどこかで演じてるんだ。……うん。)

ベルトルト「………すぅ」zzz

ライナー「………グオォオオオア」zzz

『ベルトルさん』

『あ、夢だ。また海か。でも荒れてるなぁ。風も強い。しかもまたユミル。』

『私巨人なんだ』

『何いってるんだユミル。面白くもない冗談はやめるべきだよ。』

『でもベルトルさんと海にいきたい。巨人のくせに夢ばかりは人間臭い馬鹿野郎なんだよ。私は。』

『僕と?海に?僕はここにいるし、ここは既に海じゃないか。夢の中だけど。』

『なぁ、ベルトルさん。ナイフかしてくれ。』

『ナイフなんてそんなの…あった。さすが夢の中ってかんじだなぁ。はい、どうぞ』

『海、いきたかったなぁ』

『……何に使うつもりなの?』

『こいつらを殺すんだよ』

『こいつらって……!?なんでこんな巨人がいっぱいいるの?さっきまで海にいたじゃないか』

『やだやだやだやだやだ』

『やだ…………』

『そんなはず、ない………のに』

ベルトルト…

『……ユミル?な、に?』

ベルトルト!!

『な、なんなのっ、ねぇっ』

ライナー「ベルトルトー!!朝だぞ!起きろ!!」

ベルトルト「うぇっっ!?」ガバッ

ライナー「……なんだ?また怖い夢でもみたのか?」

ベルトルト「怖くはない、かな……」

ライナー「そうか。」

ベルトルト「『あの』巨人がでたんだ。」

ライナー「!…後でその話聞かせてくれ。まずは飯を食いにいこう。ほら、顔洗ってこい」

ベルトルト「うん…。」

ベルトルト(ユミルが『あの』巨人。そんなわけがない…。絶対ちがう…。)バシャバシャ

ベルトルト(当たり前だけど食堂にユミルいるよね…………怖い。恥ずかしい。会いたくない。)バシャ

ベルトルト「…行こうか。」

ライナー「ん?おう。」

すいません。事情があって更新遅れました…。
今日からまた更新したいと思います。
続きを楽しみにしてくださる皆様方、ありがとうございます!

ーーーーーーーー
ーーーー

クリスタ「おはよう二人とも!」

ユミル「………おはよう。」

ベルトルト「あ、ああ。……おはよう。」

ライナー「く、クリスタ!おはよう!!」

クリスタ「うん、おはよう。もぉ、ユミルったら。元気よく挨拶しなきゃ!」

ユミル「はいはい分かってますよっと!ああもう……怒ってる姿も可愛いなぁ!クリスタは!!」

クリスタ「もー!そうやって注意を流そうとする!ほら、もう一回!」

ベルトルト「あ、その……僕たちは気にしてないし……ね、ライナー。」

ライナー「お?お、おう!そうだぞクリスタ!」

クリスタ「う~ん…挨拶は大事なんだよ?…よしっ!仕方ないなぁ。でも明日からはキチンと挨拶するんだよ!ユミル!」

ユミル「わかったわかった。よし、もういいなら早く席座るぞ。あっちいこう」グイグイ

クリスタ「わっ!ちょっとユミルッそんなグイグイ引っ張らないでよっ!」

ベルトルト「ねぇ、ライナー、僕たちも席につこう…」

ライナー「あ、く、クリスタ!一緒に食べない……か?」

ベルトルト「ライナー!?」

ユミル「はぁ?そんなの嫌に…」

クリスタ「あ、いいねそれ!ほら、ユミルもっ!ライナーとは今度の休日のことも話さないといけないし。」

ユミル「え、ちょっ……つーか休日がなんだ!?このゴリラとなんかすんのか!?」

ライナー「おい」

ユミル「で、でもっ絶対嫌だからな!」チラッ

ベルトルト「!」

ベルトルト(い、今ユミルこっち見たよね?ていうかなんか…)

ベルトルト(ユミルの顔赤い、ような……、)

クリスタ「休日のことも話すから。いいじゃん、座ろ!」グイグイッ

ユミル「くそっ……あぁっ、もう!好きにしろ!」

クリスタ「ふふっ!」

ベルトルト(なんか珍しいな。クリスタがユミルを言いくるめた。……ひっ!?どどど、どうしよう!ユミルが目の前だ!)

ライナー「ク、クリスタッ。その、休日のことだけど……」

クリスタ「うん。」

ベルトルト「……僕、皆の分の食事とってくるね。」

ユミル「あ、私も」

ベルトルト「えっ、ちょっ…」

ユミル「んだよ。悪いか?」

ライナー「すまん、ありがとな。頼む。」

クリスタ「二人ともごめんね。ありがと!」

ユミル「おう。じゃ行ってくるわ。ほら、いくぞベルトルさん。」

ベルトルト「あっ……う、うん!」

ユミル「あいつら…はじめて知った。一緒に休日過ごすんだな。」

ベルトルト「僕はしってたけど……。」

ユミル「は、知ってたのかよ……。」

ベルトルト「うん…。」

ベルトルト(ダメだ、昨日見た夢のせいでユミルがなんだか分かんない。話しづらいし、顔も見れない。)

ユミル「話は変わるけどよ、ベルトルさん。」

ベルトルト「うん。なんだい?」

ユミル「ベルトルさんは昨日、どんな夢を見たんだ?」

ベルトルト「えっ。あ、その…二度寝したから。二つ…みた」

ユミル「おいおい、マジか。私も二度寝して二つ見たんだ。どんな内容だった?」

ベルトルト「えっ、ユミルも二つみたのっ?」

ベルトルト(昨日の海の夢に続いて2つみたというのも同じ?もしかしてだけど、夢の内容も………いや、まさか、ね。もしそうだったら)

ベルトルト「………この話、今はやめないか?」

ユミル「あ?なんだ?ばれたくない内容か?はっ…まさかエロい夢でも見てたんじゃねーのかぁ?」

ベルトルト「違うよ。僕もユミルがみた夢の内容に興味があるだけだ。だからさ、ご飯食べ終わったら二人で話せない、かな?」

ユミル「おいおい、自分の意思がねーんじゃねぇのかよ…。まぁいい。食い終わったら寮の裏にいこう。そこで話す。」

ベルトルト「うん、分かった。」

ベルトルト(もし夢で見たあの巨人が本当にユミルで、僕とユミルの夢がリンクしているのなら)

ベルトルト(ユミルの夢の中で僕も…)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月10日 (水) 18:47:14   ID: z3dmMyDq

え!?ちょ!おい!また唐突だな!くっそー期待させて放置するぐらいなら、スレたてんなよぉぉ!!

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