CA「お客様の中に>>4な方はいらっしゃいませんかー!?」 (186)

その日、女は久しぶりのニューヨーク行きに浮かれていた。



女「んー♪ 会社の出張とはいえ、役得よねー。タダで海外に行けるんだから」

女「仕事が終わったら、とりあえずミュージカル観てー」

女「で、頼まれてたブランド物を買い込んでー」

女「あ、あとはアレよね。エンパイアステートビルで夜景見て写真撮ってー」

女「あー、楽しみー♪」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397551166

ところが!

飛行機に乗って一時間後、まさかのトラブル発生!!

NYに辿り着くまでは十二時間! なのに、いきなりのトラブル!!

この飛行機は無事にNYまで辿り着けるのか!?

女は無事でいられるのか!?



CA「皆様、申し訳ございません。緊急事態です。どうかご協力下さい」ペコリ

CA「お客様の中に>>4な方はいらっしゃいませんかー!?」

上 またはいし

CA「繰り返します! お客様の中に航空保安官な方と、お医者様はいらっしゃいませんか!?」


ザワザワ……!!


女(航空保安官……!? それに医者……!?)

女(やだ、やだよお……ひょっとしてハイジャック……!?)

女(それで、誰かが大ケガしてお医者様がいるとか……!?)

女(怖いよ……! 一体、何があったの……!?)ガクガク、ブルブル



ガタッ

「!?」



航空保安官「私は航空保安官だが……」

医者「あの……私、医師免許を持ってますが……」


CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ……

CA「お二人ともすぐにこちらに来てもらえませんか」

CA「出来るだけ急いで」キリッ

航空保安官「……それは構わないが、一体何があったのか状況を先に伝えていただきたい」

航空保安官「まさか、ハイジャックが……?」ヒソヒソ

医師「それで、誰かが怪我を?」ヒソヒソ

CA「いえ、そうではありません。実はうちの副機長が……」ヒソヒソ

医師「急に具合が悪く?」ヒソヒソ

CA「いえ、すこぶる元気なんですけど、今、少し弱気になっていまして」ヒソヒソ

航空保安官「?」
医師「?」

CA「もしも、ハイジャックがあった時にお二方が側にいたら心強いなあと、先程、ぼやいていましたので」ヒソヒソ

航空保安官「…………」
医師「…………」

CA「なので、どうしても操縦席まで来て欲しくなっちゃって。ほら、離陸して、彼、ちょっと不安になってしまったみたいなんですよお」

CA「もう…// 彼ったら、あの歳になっても、いっつも心配性なんだから…// おバカさん♪」テヘッ

航空保安官「…………」
医師「…………」

CA「さ、お二人とも。すぐにこちらに」キリッ

航空保安官「断る」

医師「結構です」

CA「おや、あなた方、そんな事を言っても宜しいのですか?」

航空保安官「あ?」

医師「どういう事ですか?」

CA「彼は副機長なんですよ。不安になってしまって、操縦をミスしてしまう可能性も十分にあるんですよ」

CA「彼は昔から、緊張すると手足が極端に震えだす人ですから。ひょっとしたらとんでもないスイッチを押してしまうかもしれませんよ?」

航空保安官「……まさか」

医師「……そんな訳は」

CA「いえ、私はいいんですよ。私の言葉を信じようと信じまいと。仮にこの飛行機が墜落したとしても、私は愛する彼といつまでも一緒にいられるんですから、それでいいんです」

CA「さて。その上で、お二方にお訊きしたいのですけど……。本当に、断ってしまってもいいんですか?」

航空保安官「行きます」

医師「喜んで」

CA「ご協力、ありがとうございます」ニコッ

女「…………」

女「あれから一時間……」

女「特に何か起こる訳でもないし、フライトは順調だし……」

女「トラブル……解決したのかな?」


と、思った矢先!

またも新たなトラブルが!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>12な方はいらっしゃいませんかー!?」


果たして、女は無事にNYまで辿り着けるのか!?



(二次創作、実在する人物は禁止で)

カカロット

CA「繰り返します、お客様の中に筋トレマニアな方はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……!!


女(筋トレ…だと……!?)

女(一体、何があったのよ!?)

女(どこをどうしたら筋トレマニアな人が必要になるのよ!?)

女(一体、何が……!?)



ガタッ

「!?」



マッチョ「毎日、プロテイン飲んでます」ムキッ

CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ

CA「時間がありません。急いでこちらに」キリッ

マッチョ「ブルーワーカー。あ、いや、失礼。オールオーケー」ムキッ


女(どんな言い間違いー!?)


マッチョ「」ムキッ、ムキッ♪

マッチョ「」ニカッ♪


女(そして、何でいちいちポージングしながら歩くのー!? 儀式なん!? 何かの儀式なん!?)


マッチョ「HAHAHAHA」ニカッ


女(つか、笑顔似合うな、おいー!!)

二次元創作だと「デュエリスト」や「ボーガー」にしても安価下になるの?

CA「では、あちらに。出来るだけ急いで下さい」

マッチョ「ダンベル」ニカッ♪


女(オーケーの意味なんだろうか……)

女(ていうか、何するか疑問に思わないんですかー……もしもーし)


ガチャッ、バタン……


女(去っていってしまった……)

>>17
なります
申し訳ないが、知らない可能性があるのは全部まとめてパスさせてもらいます

女(…………)

女(…………)


女(……ダメだ、やっぱり気になるよお)


女(こっそりCAさんに聞いてみよ……)


女「あの……すみません」

CA「はい? どうされました、お客様」

女「いえ、あの……さっきの人、何のために呼ばれたんですか?」

CA「ああ……あのマッチョな方ですか?」

女「はい。ちょっと気になって」

CA「いえ、大した事じゃないんです。ちょっと正体不明な戦闘機から機銃攻撃を受けていたので」

女「はいー!!?」

CA「それで筋トレマニアの方がどうしても必要になってしまって。お恥ずかしい話ですけど」クスクス

女「いやいやいや!! 筋トレマニアの方がそれで何の役に立」

\ ハッハー!! 俺の筋肉は銃弾より固いぜー!! /

カキン、カキン


女「…………」

CA「流石♪」


CA「ああ、それでは失礼しますね。副機長、ちょっと今、精神がかなり不安になってるんで慰めてあげないと。うふふ//」

女「Oh……」

女「…………」

女「あれから一時間……」

女「正体不明機からの攻撃がどうなったのかは知らないけど、マッチョさんは普通に帰ってきて、普通に今、機内食を食べてる……」

マッチョ「HAHAHAHA♪」モニュ…モニュ……

女「というか、あれだけの事をしたっていうのに、エコノミークラス扱いは酷いような……」

女「まあ、でも……トラブルは解決したのかな……?」


と、思った矢先!

またも新たなトラブルが女の安心を奪い取る!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>23な方はいらっしゃいませんかー!?」


NYに辿り着くまで、あと、十時間!

この調子で、果たして女は無事にNYまで辿り着けるのか!?

テロリスト

CA「繰り返します! お客様の中にテロリストの方はいらっしゃいませんかー!?」


女「いるかーっっ!!」


ザワザワ……!!

ザワザワ……!!


ガタッ

「!?」


テロリスト「あ、あの、すいません。お、俺でよかったら……。いや、あのてーした者じゃーねーんですがね。爆弾とかそんな程度のチャチな男でして、へへっ」

CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ……


女「良くないから!! 何この状況!!」

CA「失礼ですが、今、爆弾はお持ちですか?」

テロリスト「あ、はい。てーした威力はないんですけど、小型の手作りのやつでしたら」

CA「そうですか。助かります。では、申し訳ないですけど、あちらに。急いで下さい。あまり時間がありませんから」キリッ

テロリスト「あ、はい。すぐに行きやす。へへっ」ペコペコ


女「ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっとおおっ!!」

CA「何ですか、お客様。少し落ち着いて下さい。今、精神安定剤を」ササッ

女「違うでしょ! 何でテロリストが必要なのよ! 何で爆弾を持ってないといけないのよ!! ダメでしょ!! おかしいでしょ!!」

CA「いえ、あの、大した事ではないんです。本当に。わざわざ話す様な事では」

女「大した事よ!! 説明しなさいよ!!」

CA「そう。あれは昨日の事でした」

女「話す気がないのか、話す気満々なのかどっちよ、この女!」

CA「明日は記念すべき副機長との六回目のフライト。そう思ったら何だかとっても嬉しくなってしまって//」エヘッ

女「六回目ってすごく中途半端なんだけど。ていうか、そんな仲だったの、あなた達」

CA「それで、明日はどんな楽しい事をして副機長と戯れようかと、私は色々想いを馳せながら、明日の用意をしていたのですね」

女「仕事は」

CA「本当ならお弁当を作ってあげて、あーんとかこーんとか色々したかったんですけど」

女「こーんって何よ? すごく気になるんだけど」

CA「機内食があるので、やはりそういう訳にも行かず」

女「てか、副機長とかも機内食を食べてるの?」

CA「仕方なく、私は副機長の好きなビスケットだとか練り飴だとか角砂糖だとかを沢山用意して」

女「チョイスが昭和の子供っぽい。というか、角砂糖はおかしい」

CA「その中には桃缶もあったんです」

女「ますますレトロ臭が」

CA「ところが!」

女「うん」

CA「なんという悲劇!」

女「早く」

CA「缶切りを持ってくるのを忘れてしまったんです」

女「それで?」

CA「なので、桃缶がどうしても開けられなくて、困った私は……」


BOMB!!


\ ミッションコンプリート! ヒャッハー!! 桃だ、桃だー!! /


CA「…………」

女「…………」


CA「どうしたと思います?」

女「もういい。本当に大した事じゃなかった。ちくしょう」クルッ

CA「あのですね。答えは……」

女「もういいってば。それより、桃臭いから、そこ閉めてよ。もう!」

女「…………」

女「あれから一時間……」

女「テロリストさんは少し恥ずかしそうに帰ってきて、桃を美味しそうに食べていた」

テロリスト「す、すいやせん、へへっ//」

女「というか、航空保安官、何でその場にいて逮捕しないの、ねえ? ねえ? おかしくない?」

女「まあ、でも……これでテロやハイジャックは未然に防げたし、もうこれで良かったのかな……」ハァ


と、思った矢先!

またも新たなトラブルが発生!!

女に心休まる時間を与えようとはしない!!

なんたる不運!! なんたる不幸!! 悲惨な運命の女!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>33な方はいらっしゃいませんかー!?」


NYに辿り着くまで、あと、九時間!

果たして女は無事にNYまで辿り着けるのか!?

>>24

CA「繰り返します! お客様の中に風俗嬢の方はいらっしゃいませんかー!?」

女「だ・か・ら!!」


ザワザワ……!!


ガタッ

「!?」


風俗嬢「あの……私、その……そうですけど//」テレッ

CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ……

ザワザワ……!! ザワザワ……!!


アノコガ……

フウゾクネェ……


風俗嬢「////」カァッ

風俗嬢「あ、あの……恥ずかしいので、早く用件を///」

CA「申し訳ありません。ではあちらで少しお話をしましょうか。今回はそれほど急いではいませんので」ニコッ

風俗嬢「はい……///」コクッ

風俗嬢「//」ササッ


ガチャッ、バタン……



女「うーん……」

女「可愛いっていうか……純情っぽい子だったけど……」

女「あんな子が風俗とかしちゃうんだ……」

女「何か訳ありなのかな……?」


女「っていうか、何で風俗嬢が緊急で呼ばれるのよ……」

女「おかしいでしょ、絶対……。どうせ、またろくでもない事に決まってるだろうけど」

【操縦席】


CA「機長。……呼んできましたよ」

機長「すまない……」

風俗嬢「!?」

機長「久しぶりだね、風俗嬢」ニコッ

風俗嬢「機長……!? あなたが、そんな……!?」

機長「ああ、良かった。覚えていてくれたんだね。もう二年も前の事だから忘れられているんじゃないかと心配していたんだが……」

風俗嬢「忘れられる訳ないわ……。あんなに通いつめてくれてたんだもん……。私には好きな人がいるって知ってて、それでも来てくれたお客さんなんだから……」

機長「はは……。その為に、ずいぶんお金を使ってしまったがね。キャバクラなんてものは慣れないものだから、右も左もわからなくて……」

機長「ああ、いや、すまない。こんなどうでもいい話をするつもりはなかったんだ。まずは久しぶりに会えた事を嬉しく思うよ」

風俗嬢「やめて……! 今の私は……」

機長「知っているよ。風の噂で聞いた。風俗に……行ってしまったんだろ……? こんな事しか言えないけど……君も大変だったんだね……」

風俗嬢「やめてよ! それに、知らないわよ! 私がしてきた苦労を貴方は何も知らない!!」

機長「…………」

風俗嬢「どうせ、腹の中ではさぞかし笑ってるんでしょう!」

風俗嬢「バカな男に貢いで、借金までして、挙げ句の果てにはその返済の為に風俗嬢にまでなって!!」

風俗嬢「そうなってから男に捨てられて!」

風俗嬢「その時、初めて利用されてる事を知ったバカな女なのよ!!」

風俗嬢「貴方は何も知らないのよっ!!!」


機長「……知っているよ」

機長「君が今、その持っているバッグに遺書をしたためているのも知っている」


風俗嬢「!?」

風俗嬢「どうして、それを!?」


機長「やっぱりか……」ハァ……

風俗嬢「え……?」

機長「そうじゃないかと思ってカマをかけただけさ……。君が借金に追われているのは知っていたから、NYに旅行に行くのは不自然だと思ってね」

風俗嬢「う……」

機長「自殺するなら海外とは思いきったものだけど、それも君らしいと言えば君らしいと思う」

風俗嬢「だって……」グスッ

風俗嬢「もう、どうしようもなくなって……」グシュッ、ヒック

機長「…………」

機長「大丈夫だ……。心配いらないよ」

風俗嬢「気休めなんか……やめて……!」グシュッ

機長「気休めなんかじゃないさ、ここに八千万円の小切手がある。これだけあれば借金を全部返してお釣りがくるはずだ」

風俗嬢「……え」

機長「これを君にあげよう」スッ

風俗嬢「あ、あの、でも、そんな大金……」

機長「それで、風俗嬢をやめて普通の仕事を探して欲しい。私のわがままだよ。きいてくれないだろうか」

風俗嬢「あの……でも、なんで……」

機長「君が好きだからさ。決まってるだろう?」ニコッ

風俗嬢「…………」


CA「」ヒューヒュー

副機長「」ピーッ


航空保安官「あの、操縦しないとまずいんじゃ……」

医師「高度、さっきからガンガン下がってるんですけど……」

機長「不意にキャバ嬢を辞めてから、ずいぶん君の事を探したんだよ。しかし、見つからなかった」

風俗嬢「…………」

機長「その時、気づいたのさ。私は君をどうしようもなく愛していたんだと」

機長「だが、私と君とでは歳が違いすぎるし、何より君がこんなオヤジを好きになる訳がない。それについてはもう諦めている」フッ

機長「だけど、君には幸せになって欲しいんだ。そう思って私の全財産をいつでも渡せる様に用意はしていたんだ」

機長「そんな時に、君とこうして偶然会えた。私の操縦する飛行機に君がたまたま乗っていたんだ」

機長「運命だと思ったよ。そのおかげで、私は君の自殺を途中で止め、そして君が幸福になる手伝いが出来るのだからと」フッ

機長「この運命を、君にも受けて欲しい。この小切手は素直に受け取って欲しいんだ。君自身の幸せと、そしてこの私のささやかな幸せの為に」

風俗嬢「機長……」

機長「呼び出しの仕方はすまなかったね……。CA君や副機長とも相談したんだが、上手い呼び出し方が思い付かなくて……」

風俗嬢「いえ……あの……」

機長「NYに着いたら、早速、振り込みをするといい。そして、NYの春を楽しんでくれ」フッ

風俗嬢「機長……//」


CA「惚れてまうやろがー!」ヒューヒュー
副機長「機長、カックイー!!」ピーッ


航空保安官「……操縦を」
医師「高度が……」

風俗嬢「あの……機長//」

機長「どうした?」

風俗嬢「その……私の人生はこの飛行機に乗った事で一度終わったんだと思います……。だから……//」

機長「……?」

風俗嬢「二度目の人生は……機長の隣で過ごさせて下さい/// ずっと……///」

機長「……それは」

風俗嬢「嫌……ですか?」ウルウル

機長「まさか、そんな! いや、しかし、あまりに嬉しいからこれが夢なのかと思うぐらいに!」

機長「CA君、副機長! 今の言葉……聞いていたか!?」


CA「」コクッ
副機長「」コクッ


CA「パパパパーン♪」

副機長「パパパパーン♪」

CA「パパパパン♪ パパパパン♪ パパパパン♪ パパパパン♪」

副機長「パパパパーンパーン♪ パンパンパンパン♪」

CA「パパパパン♪ パパパパーーーン♪♪」


機長「すまない! ありがとう! ありがとう!!」グスッ

風俗嬢「機長……!///」ギュッ


航空保安官「」
医師「」

女「……あれから一時間経ったけど」

女「……なんか、誰も出てこないし、一体何だったのかな……?」

女「あと、やけにさっきから耳がキーンって……」

女「もう……。何なんだろ……?」


海に墜落寸前でギリギリ高度は持ち直したが、まだまだ高度不足状態の飛行機……!

果たして女は無事でいられるのだろうか!?

と、ここでまた、トラブルが発生!!

ついてない時はとことんまでついてない法則!!

このピンチを乗りきれるのだろうか!?


ガチャッ

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>44な方はいらっしゃいませんかー!?」


NYに辿り着くまで、あと八時間!!

まだ先は長いが大丈夫か、女!?

2度目の人生(終了間近)

スーパーマンはすまん。二次創作の一つとして扱う
安価下

>>51
漫画とかアニメとかがダメってことじゃない?
スーパーマンなんて元々アメコミじゃねぇか
あとメ欄どうにかしろ

CA「繰り返します! お客様の中に司会が上手な方はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……!!


女(……何で司会? この一時間の間に、何があったの、一体?)

女(ていうか、乗客みんな落ち着いてるよねー……。テロリストとか乗ってんのに……)

テロリスト「へへっ//」テレッ

女(ていうか、あの人、どんだけ照れ屋なのよ……)



ガタッ

「!?」



司会者「失礼。私、若輩者ですが、これまで幾つか司会進行役を務めた経験がございます。もし、私で良ければ……」

CA「ありがとうございます! 助かります!」パアッ


女(何でお客も名乗り出る……? もう放置しとけばいいのに……)

失礼
>>52みたいな感じでお願いします
なんで、幽霊とかそこら辺はOKです
あとまあ、ハゲとかデブとか、小指の爪だけがやけに長い人とかそんなんでも大丈夫ですね

司会者「それで、私は何をすれば宜しいのですか?」

CA「あ、はい。実はですね。機長と風俗嬢が結婚する事になりましたので」

女「さらっとすごい事を言ったよ、この人。ていうか、その急展開なに!? 何があったの、この小一時間の間に!?」

司会者「それはおめでとうございます。陰ながら幸福をお祈りさせて頂きます」ハハハ

女「その前に、何か他に言う事ないの? あるよね? あるでしょ?」

CA「ありがとうございます」ニコッ

CA「でね、それでね。CA、頼みがあるんだけどお」シナッ

女「オンオフ切り替えるポイントじゃないでしょ、そこお!」

司会者「ははっ。何でも言うたってやー。おいちゃん、全部聞いたるでー」ニコニコ

女「お前もか、司会者ああ!!」

CA「でね、機長もー風俗嬢もー、記念すべきここで結婚式挙げたいって言うからー」シナッ

女「機長はダメでしょおお!!」

司会者「若えなあ、ははっ。いや、ええでー。おいちゃん、そういう青くさい話大好物やねん」ニコニコ

女「常識考えてええ!! 操縦者いなかったら落ちるよ、この飛行機落ちちゃうから!!」

CA「ほんとお? 司会引き受けてくれるの? CA、嬉しい♪」

司会者「ははっ。CAちゃんの為なら、おいちゃん色々ハッスルしちゃうでえー」サワッ

CA「やだもう。司会者さんのH//」パンッ!

司会者「ぐおおおおっ!!!」ゴロゴロ

女「ピストールーー!!!」

CA「それじゃあこっちはこっちで色々と準備あるから、司会者さんは進行とスピーチ考えておいてね♪」

女「医者は!? 医者は呼ばないの!?」

司会者「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかー!?」ゴロゴロ


ザワザワ……!!


ガチャッ

「!?」


医者「呼びましたか?」

司会者「すみません! 撃たれました。直ぐ様応急処置を!」

医者「なんと……!? 落ち着きなさい。とにかく傷口を見せて」

司会者「それと、私のノートパソコンと、紙とボールペンを! 段取りを決めなくては!」

女「何でそんな結婚式に意欲的なの!? おかしい!」

マッチョ「ハッハー! 俺の筋肉は銃弾より固いぜー!」ムキムキッ

女「話ややこしくなるから出てこないで!!」

マッチョ「」ショボン……

テロリスト「あ、旦那。これ、頼まれてたノートパソコンと紙とボールペンで。へへっ//」

女「お前も出てくんな!!」

テロリスト「す、すいやせん……へへっ」テヘペロ

女「なんなのもうおおお!!」

【三十分後】


司会者「それでは新郎新婦の入場です。皆様、拍手でお出迎え下さい!」


パチパチパチ!!


CA「パパパパーン♪」

副機長「パパパパーン♪」

CA「パパパパン♪ パパパパン♪ パパパパン♪ パパパパン♪」

副機長「パパパパーンパーン♪ パンパンパンパン♪」


機長「//」ハハッ

機長「流石に照れてしまうね……//」

元風俗嬢「そう?// 私は嬉しくてたまらないけど……///」

機長「そうか……///」テレッ

元風俗嬢「ふふっ♪//」



女「お客様の中に飛行機の操縦が出来る方はいらっしゃいませんかあああああ!!?」

ガタッ

女「いた!?」


パイロット「あ、自分、少しだけなら出来るっす。チィーッス」

女「何かチャラいの出てきた!?」

パイロット「飛行機の操縦っすよね? ま、免許はねーんすけどー。まー、でも、やれなくはないっていうかー」

女「すごい不安……。大丈夫なの、君?」

パイロット「ちぃすちぃす。つーかー、そんな事言ってる間にー、ヤバイ感じになると思うんでー、早くー、案内した方がー、いいと思うんすけどー」

女「何で他人事っぽいの? あなたも含まれてるのよ、わかってる?」

パイロット「まあー、人間いつかは死ぬんでー、それが早いか遅いかの違いー、みたいなとこあると思うんすけどー、自分はー、そこら辺ちょっと極めたっつーかー、アレなんすよねー、わかっちゃったー、みたいなー」

女「訳がわかんないけど、妙に達観してるよ、この子。と、とにかく早く操縦席へ!」

パイロット「ちぃすちぃす。ウィース。チョリーっす。ウェース」テクテク

女「何が何だか」

【操縦席】


パイロット「ウィース、あ、どもども。パイロットチェンジングっす。チョリーっす」

無線『チャーっす。リョッカイッス。どもども。チョリーっす』ガガッ


ピッ


女「もうこの航空会社ダメでしょ……。どうなってんの……」

航空保安官「……それで、女さん。撃たれたという司会者の容態は?」

女「あ、かすっただけらしいんで……。包帯ちょっと巻いたぐらいでピンピンしてます」

航空保安官「そうか……」フーッ

女「何でそんな司会者さんの心配を? お知り合いですか?」

航空保安官「いや、あれ、私の銃だからね……」

女「Oh……」

航空保安官「CAに奪われてしまったのさ……」フッ

女「涙目になってるけど、一体何があった」

航空保安官「聞かないでくれ……」グスッ

女「どうなってんの、ホントにもう」

女「」ハァ……

女「あれから三十分……」

女「結婚式はまだ終わってないみたい……」

女「ちょっと覗いてきていい?」


パイロット「ウィー」

航空保安官「こっちは構わないそうだ」


女「…………」


航空保安官「?」

女「あ、いえ、何でも」

女「それじゃあ、お言葉に甘えて……」クルッ、トコトコ


しかし、この時、女は気がつかなかった!

このドアの先ではまたトラブルが起きているという事に!!


ガチャッ

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>63な方はいらっしゃいませんかー!?」


飛行機がNYに到着するまであと八時間!

本当は七時間の予定が、色々とロスしてしまい八時間!!

大丈夫なのか、こんなに長い時間!?

もうかなりのピンチだぞ、女!!

この事態を乗りきれるのか!?

ちくわ大好きなjk

安価了解
今日はここまでで

CA「繰り返します! お客様の中にちくわ大好きな女子高生はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……!!

ザワザワ……!!


女(何があった……)

女(そんな女子高生がいるかっていうか、それ以前にどうしてそんなピンポイントな人材が呼ばれる事に……)



ガタッ

「!?」



JK「私、ちくわ大好きだけど? 何か用があるん?」ハムハム

女(いたーーー!?)

女(ていうか、片手にちくわ持って食べてるーーー!!)

女(まるでクレープを食べるようにーーーー!!)

CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ

JK「うん。どしたん?」モグモグ

CA「実は司会者が……」

JK「司会者? ああ、あのちょっとダンディーなオジサマ?」

CA「ええ。大変な事に……!」

女(だから、何があったの!?)

CA「その前に、あなたに質問しても宜しいかしら?」

女(その前に、大変な事を教えなさいよ!!)

JK「いーよ。何?」

CA「ちくわは日に何本ほど食べるのかしら?」

女(それ、そんなに大事な事ー!?)

JK「んー……多い時は15本ぐらいかな? 食べるんじゃなくて吸うなら5、6時間はいってるけど」

女(タ・バ・コ・かーーー!!?)

CA「あなた、ちくわを吸うの?」

JK「うん。毎日かなりの本数を」

女(どんな会話、これー!!)

CA「素晴らしいわ。食べるだけじゃなく吸う事もするなんて!」パアッ

女(いやいやいやいや、おかしいおかしい!)

JK「ちょ、やめなよ、もう//」

女(何でアンタも照れるん? おかしいおかしい!)


CA「あなたこそ私が探し求めていた人!」ドンッ


CA「正に!」カシャッ (1カメ)

CA「うってつけの!」カシャッ (2カメ)

CA「人材!!」カシャッ (3カメ)


CA「パーフェクトだわ!!」ババンッ (正面アップ)


女(いいから! 早く用件を言えー!!!)


JK「そ、そうかな……。何か照れるね……//」エヘッ


女(お前も乗せられんな! どんだけチョロいの、アンタ!!)

JK「えっと……// それで、ちくわ好きの私に一体どんな用なん?」エヘン

女(ちょっと得意気になってるけど、それ自慢になんないからね!)

CA「ああ、そうそう。実は、さっき司会者がお餅を喉に詰まらせちゃってねー……」フゥ……

女(悠長過ぎだろ、お前ー!! 緊急事態だぞ、それー!!!)

JK「あちゃー。そりゃ大変だね……。でも、お餅って……そんなの機内食にあったっけ?」

CA「私が持ってきたの。ほら、私の彼ぇ、きな粉餅も好きでしょ?」エヘッ

女(知・る・かー!!!)

CA「それで、この結婚式って和洋折衷でしょー? おめでたいなあって思って、お餅置いといたら、まさかこんな事になっちゃって」エヘッ

女(笑うとこじゃないから、ここー!! 緊急事態ー!!)

JK「大変だよねー。正月とかにはよくあるみたいだけどー」アハハ

女(お前もだー! 笑う場面じゃないー!!)

CA「それでね、助けようと思ったんだけど、お医者様は結婚式でワイン飲み過ぎてぐでんぐでんになってるでしょ?」

医師「酔ってまへんよお、わたひ、これっぽっちも酔ってまへんから///」フラフラ

女(医者ー!!!)

CA「これじゃちょっと頼めなくって、困っちゃってね。だから誰かに口でお餅を吸い出してもらおうと思ったんだけど……」モワモワモワーン


【回想】

マッチョ「エキスパンダー。あ、いや、失礼。ノープロブレム♪ 俺に任せておきな」ニカッ

司会者「んー!!! んんー!!!」ブルブル

司会者「」カキカキ、バッ!!

『女子高生じゃなきゃ、嫌やー!! 絶対に嫌やー!!』

マッチョ「HAHAHAHA! 困ったものだねえ」ムキムキ

司会者「うーっ!!! うーっ!!!」


モワモワモワーン……

CA「てな感じでえ、司会者さん、ちょっとわがままでね、女子高生がいいって言い張ってるから……」

JK「ああ、それで……」

女(死にかけてるのに結構余裕あるなあ……)

CA「でも、直接口で吸うのは流石にねえ……。あなたもアレでしょ? だから……」

JK「ああ、なるほど! それでちくわを使って、間接キス的な!」ポンッ

女(合点がいくのはおかしい!!)

CA「お願い出来ないかしら? 何せ人の命がかかってる事なの。あなたにしか頼めないの」キリッ

JK「わかった。いいよ。それにちくわ越しならノーカウントだし」キリッ

女(アンビリーバボー!! アンビリーバブルやー!!)

JK「それじゃあ……」

CA「ええ、お願い」コクッ

司会者「あぐぐぐ//」ドキドキ

女(何かこのオジサン喜んでないか? まだまだ余裕ありそうだなあ……)

JK「まずは口を開けさせて」グイッ、ドゴッ!!

司会者「ぐはあっ!?」ビクッ!!

女(予想だにしなかった手荒さ……)

JK「そして、喉奥にちくわを突っ込んで」ズボッ!!

司会者「ふぐおっ!!?」ビクンッ!!

女(うわあ……)

JK「で、思いっきり吸うと」ジュルルルルルル!!

女(驚きの吸引力!)

司会者「ふがっ!! ごはっ!! ぐはあっ!!!」ビクンッ、ビクンッ!!

女(お、おおう……)


ジュポンッ!!


司会者「ぐぼっ!!」ゲホゲホッ


コロ……コロ……


CA「餅が出たわ!」


司会者「た、助かった……!!」ビクッ、ビクンッ


女(ビクビクいってるけど……うん……)

CA「流石、私の見込んだ人ね♪ カッコイイわー!」パチパチ

JK「や、やめてよ//」エヘッ


司会者「……良かった。……死ぬかと」ハァハァ……


機長「Congratulations!」

元風俗嬢「おめでとう♪」

副機長「おめでとう」ニコッ

マッチョ「おめでとう」ニカッ

テロリスト「お、おめでとう。へへっ//」テレッ

航空保安官「おめでとう」ニコッ

医師「おめでへとほ//」フラフラ

パイロット「おめッス。チィーッス」


司会者「あ、ありがとうございます!」グスッ

JK「へへっ// もう……//」テレッ


女「飛行機が落ーちーるー!!!」アセアセ

【一時間後】


女「」ハァ……

女「なんか、何もしてないのに酷く疲れた……」

女「機長は何か二次会とか言って、まだパーティーやってるし……」

機長「ははっ。すまないねえ、みんなありがとう、ありがとう//」グスッ

女「司会者のオジサンはもうピンピンしてビスケット食べてやがるし……」

司会者「いやー、美味しいですねえ。生きてるって素晴らしい」モグモグ

女「で、JKは隣でちくわ吸ってるし……」

JK「」プハーッ

JK「ああ、やっぱ食後のちくわは美味いわ……幸せだなあ♪」フーッ

JK「あ、そうそう。良かったらアンタもちくわぶ吸う? ちくわはダメだけどちくわぶならあげ」

女「いらないってば!」

JK「んだよ……。人が折角親切で勧めてあげてるのに」ブツブツ

女「何かもう泣きたい……」グスッ

こうしてどうにかこうにか災難を乗りきった女!

だが、特に理由のないトラブルが執拗に彼女を襲う!!


ガチャッ

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>79な方はいらっしゃいませんかー!?」


飛行機がNYに到着するまであと七時間!

それまで耐えきれるのか、女!?

頑張れ、女!! めげるな、女!!

熟練パイロット

できればキャラが被らないようにおジイちゃんで

CA「繰り返します! お客様の中に熟練パイロットはいらっしゃいませんかー!?」

女「遂にキターーー!! 恐れていた事がキター!!!」


ザワザワ……!!

ザワザワ……!!



女「ああああああああ……!! そうだよね。あんなチャラそうなパイロットで今まで大丈夫だった事の方がおかしいもんね!」ウルウル

女「短い人生だったなあ……」グスッ

女「ごめんなさい、お父さん、お母さん。私の命はここまでかもしれない」シクシク

女「そんな都合よくパイロットが二人も乗り合わせている訳が……」


ガタッ

「!?」


熟練パイロット「ほっほっほ。ワシに何か用かのう?」


女「いたーーー!!! 何かスゴいそれっぽい人がいたーーー!!!」

女「きーーせーーきーーー!!! イッツミラコー!! Hooooooooooo!!!」イェイ♪


CA「……おおう」


熟練パイロット「おやおや、騒がしいのう」ホッホッホッ

熟練パイロット「それで、嬢ちゃん。ワシに用でも?」

CA「は、はい。いらっしゃって助かりました」ホッ

CA「それではあまり時間もありませんので、どうかこちらに。飛行機の操縦を変わっていただけないでしょうか」

熟練パイロット「ふふっ。頼まれれば断れん性格でのう。それはやぶさかではないが……」

CA「はい?」

熟練パイロット「ワシが変わる理由を教えてもらえんかの? 何せこれまであの若僧がそれなりに操縦をしておったからの」

CA「ええ、確かに……」

熟練パイロット「かかっ。理由もなく依頼を受けるのは性に合わなくてなあ。それで何故に熟練パイロットが必要かの?」

CA「実は……」


シーン……


女(なに、何なの……?)

女(どういう事、この重苦しい雰囲気は何? 一体、何があったの……? いつも通りのバカな理由じゃないの……?)

女(なに……? 何か怖い……。鳥肌が……! いや……! 何かすごく嫌な予感が……!!)

張り詰めた空気の中。

CAは絞り出す様に重い口を開いた。


CA「実は……このすぐ先の空域に……」


そう言って、彼女は窓の外をふっと眺める。

乗客全員がつられてそちらを見て。


「!!」


思わず、誰もが息を飲んだ。

そう、機長でさえも。

次の言葉を失った。

その場にいた人物の中で、息を飲まなかったのは、ただ一人だけ。

熟練パイロットだけだった。


熟練パイロット「巨大積乱雲か……。あれは通称、竜の巣じゃな……」

熟練パイロット「中に入ったが最後。激しい落雷と乱気流によって機体の制御を奪われ、墜落するという魔性の雲じゃ」


誰もが声を出さなかった。

CAが震えながら、わずかにうなずいただけ。

窓の外に映る巨大な黒い雲は、まるで竜が口を開けている様にも見えた……。

熟練パイロット「ふむ……」


一人、熟練パイロットが呟く。


熟練パイロット「つまり、あの雲を避けて通る為にワシの腕が必要じゃと」


CAはわずかに首を振った。


CA「いえ、うちの副機長が、あの中にラピュタはあるんだ、父さんは嘘つきじゃない事を証明するんだ、と子供の様に興奮してまして」

CA「是非ともあの竜の巣の中に飛び込みたいと」

女「おいいいーーー!!!! こらぁぁぁっ!!!!」


熟練パイロット「」フッ


その返答に熟練パイロットは笑った。それは小気味良い笑いだった。そう、まるで戦場に赴く前の戦士の様な笑み……!!


熟練パイロット「かかっ! 良かろう。人間いつかは死ぬ身。ならば夢にかけて華々しく散る最後も悪くなかろうて。かかっ!」

女「オッサンーー!!! ちょい待てこらあ!!!」

熟練パイロット「止めるな、女。男のロマンは女にはわからん。命と引き換えに追い求める夢もあろうて。ワシはこんな終わり方も満足しておるよ」フッ

女「オッサンは良くても、私が困るのおおお!!! まだ二十代よ、私!! こんなアホな事で死にたくないのお!!」

CA「いけません、お客様。興奮なさっては」ササッ

女「お前も頭どうかしてるだろ、おいいい!!!」

CA「くっ! こうなっては仕方ありません! ここは私が抑えますので、熟練パイロットさんは急いで操縦席に!」

熟練パイロット「うむ……。頼んだぞ、CA。信用しておる」

CA「お任せください!」キリッ

女「ちょっとおおおおおお!!!」ジタバタ

CA「落ち着いて下さい、お客様!」パシンパシン!!

女「痛っ! 痛い!! 何で私がビンタされるのっ!!」

CA「機内では私の指示に従ってもらいます。それがここのルールです。特に今の様な非常時の場合には!」キリッ

女「アンタらが非常時にしてるんでしょおが!! ふざけないでよっ!!」

マッチョ「ハッハー! 落ち着きたまえー! さあ、皆、この肉体美を見て!!」ムキムキッ


オオッ……!!

スゲー……!!


女「お前ら全員アホかー!!!」


ガチャッ

パイロット「チィーッス。パイロットチェンジングっす。ちぃすちぃす」

女「うっらぎりものー!!!」

パイロット「いやいや、ネーサン、人間いつかは死ぬんす、ちぃす。細かい事はいいんす、ちぃす」


JK「ラピュタかー。ちくわあるんかなー//」ドキドキ

女「お前の頭はそれだけかー!! ちくわビッチがー!!!」


医師「ふへへへ……///」ムニャムニャ

女「起きろ、オッサン! 数少ない常識人!! 起きろ!!」


ピンポンパンポーン♪

『あー、諸君らに告ぐ。これより当機は竜の巣へと突入する』

女「ダメーーー!!!」

『無論、諸君らとてこの判断が百%正しいなどとは思ってもいないだろう』

ザワザワ……!!

ザワザワ……!!

『だが、もしも1%でも諸君らの心に、夢が、希望が、ロマンの欠片があったとしたなら』

『もしも、ほんの少しでも幻のラピュタを見たいと思ったとしたなら』

『こんな機会は、諸君らには二度と訪れないだろう』

『たった一度きりの人生なのだ。無駄にだらだらと数十年を過ごすよりも、今のこの一分一秒一瞬にどれだけの価値があるか。ほんの少しでいいから想像して欲しい』

『諸君』

『ラピュタは見たくないかね? あの幻の国を見て見たいとは思わないかね?』

『奇跡に次ぐ奇跡でも起きない限り、辿り着けない! そんな場所へ向かいたいとほんの少しでも思わないかね!』

『諸君らがそれを願ーーすまない、もう突入した』


女「おいいい!!!」

CA「アテンションプリーズ。アテンションプリーズ。当機は只今、ラピュタへと向かっております」

CA「途中、かなり機体が揺れて、下手したら墜落致しますので、皆様、シートベルトをしっかりお締め下さい」


女「もういい。もういいの……」グスン


JK「まあまあ、気落ちすんなって。特別にちくわ吸わせてあげっからよ。ほら」スッ

女「ありがとう……」シクシク


JK「」スパーッ

女「」スパーッ


グラグラ、ガタガタ……!!

ピカッ!! ゴロゴロ!!


JK「うめー♪」モグモグ

女「ううっ……はうう……」パクパク

【操縦席】


熟練パイロット「くくくくく……。血がたぎるわい。若い頃を思い出すのう……」

副機長「ジイチャン! ラピュタは竜の巣の真ん中にあるんだ! 父さんはそこに行って帰ってきた!」

熟練パイロット「わかっとるわい! このワシを舐めるなあ!!」ガカッ


副機長「さあ、でーかけーようー♪」

熟練パイロット「ひときーれのーパーン♪」

副機長「ナイフ、ランプ、かばーんにー♪」

熟練パイロット「つめーこんでー♪ ヒャホー!!」


航空保安官「」

【一時間後】


熟練パイロット「ふぅ……。やっとこの空域を抜けたのう」

副機長「いやあ、楽しかったです。ありがとうございます」ニコッ

熟練パイロット「なんの、なんの。ワシも楽しかったよ」ニカッ


熟練パイロット「さあて、それではワシは帰るかの……。久々に操縦したもんだから疲れてしまってなあ」フッ

副機長「そうですか。わかりました。お気を付けて」ペコリ


航空保安官「……あの、ラピュタは……?」


副機長「は?」

熟練パイロット「へ?」


航空保安官「いや、あの……ラピュタ……」


副機長「」ハァ……

熟練パイロット「やれやれ……」フゥ……


航空保安官「え、え……」


副機長「ラピュタは映画の話ですよ? 現実にある訳ないでしょう?」

熟練パイロット「ちょっと大きめの積乱雲があったんで、ノリで遊んでみたかっただけじゃわい」


航空保安官「おいいい!!!」

【機内】


CA「皆様ー。当機は只今、竜の巣を抜けてしまいました」

CA「残念な事にラピュタには辿り着けませんでしたが、しかし、皆様の中にはきっと心のラピュタが見えたのではないかと思います♪」

CA「誠に残念ですが、当機は予定通り、ニューヨークへと順調に航空しております」

CA「それではシートベルトを外し、皆様ごゆっくりお過ごし下さい」ペコリ


女「」ハァ……

女「良かった。一時はホントに死ぬかと……」フーッ


JK「ちぇー、残念だなあ……」スパーッ


女「いいのよ、これで! 普通が一番なんだから!」

だが、しかし!!

これまでの流れからいって、これだけで済むはずがなかった!!

一難去ってまた一難を具現化したような不幸な女!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。いきなり緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>104な方はいらっしゃいませんかー!?」


何度でも襲う無慈悲なトラブルの嵐!!

NYに辿り着くまで、あと六時間!!

ようやく半分だけど、大丈夫か、女!!

年収1000万以上の独身男性

安価了解
今日はここまで

CA「繰り返します! お客様の中に年収一千万円以上の独身男性はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……!!


女「だから、何でそんな人間が必要なの!?」

女「婚活でもしてるの!? 違うでしょ!? しかも、緊急でも何でもないでしょ!? どうなの!?」


ガタッ

「!?」


ミュージシャン「何だか知らねーが、俺の年収は三億円以上だぜ、ベイビー♪」


女「意外にも超大物ー!!?」


CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ

そういえば「ムスカ似の人」と書いたら採用されるの?
ムスカ自身じゃないからセーフ?それとも二次元創作キャラを例に出した時点でアウト?

ミュージシャン「それで何の用だい、可愛い仔猫ちゃん?」キラーン

CA「あの……その……//」モジモジ

女「この人、すごい昭和の匂いが……!! 地雷臭が……!!」


CA「お願い! 私を抱いて!//」ギュッ

ミュージシャン「おっと、こいつはあまりにサプライズ! 俺のハートが突然の恋を奏でるぜ!」ギュイーン♪

女「…………」


CA「もうどうなってもいいの! 私をメチャクチャにして!」ウルウル

ミュージシャン「Oh! 熱いビートが俺のマイハートをドラミングドラミング! Hoooooo!!」キュンッ

女「…………」

>>108
んー……アウトで
知らないキャラ出されて再安価、再安価とかが嫌なので
シュワちゃん似のとかも勘弁です
固有名詞系は遠慮して下さい

ガチャッ!!

副機長「待ってくれ! CA!! 俺が悪かった!!」

ミュージシャン「What!?」


CA「うるさい!! あなたなんか、もう知らないわよ! 私はこの人と幸せになるの!!」ウルウル

ミュージシャン「Hey you? youはsheの何?」

副機長「俺はその子の恋人だ! 彼女から離れろ!」

ミュージシャン「な、何だってー!!」

女「…………」

CA「やめてよ! もうあなたとは恋人でも何でもないわよ! 顔も見たくないわ!」シクシク

副機長「そんな事を言わないでくれ、CA! 俺が愛してるのは君一人だけだよ!!」

CA「だって! だってさっきから元風俗嬢ちゃんの話ばかり! ついさっき人妻になったばかりの女の話をするなんて!! それもブレゼントを贈りたいなんて言うから!!」

副機長「違う! 俺はただお祝いに何かを贈った方がいいかって!!」

CA「いいの! あなたが浮気するなら私も浮気してやるんだから!!」ギュッ!!

ミュージシャン「オー! この高鳴るときめき! 愛してるぜ、マイハニー!! 君とふーたりー、どこまででーも、歩いて行こーおー、イエーイ!!」ジャジャーン♪

副機長「くそう!! その子を離せっ!!」ボカッ!!

ミュージシャン「ぐふぅっ!!」ズサッ!!


CA「ミュージシャーーン!!」

副機長「CAーー!!」

ミュージシャン「痛ってーーー!!」ゴロゴロ


女「…………」

副機長「CAーー!! 俺はお前だけを見てるーー!! だからお前も俺だけを見てくれーー!!」

CA「副機長ーー!! その言葉が聞きたかったのー!!」ウルウル

ミュージシャン「くっ……そ、そんな……」


女「…………」


副機長「CAーー!!」ダキッ

CA「副機長ーー!!」ダキッ


ミュージシャン「くそっ……! くそうっ……!」


女「…………」

ミュージシャン「ははっ……。全く……俺の目の前で見せつけてくれやがってよお……」ムクッ……

ミュージシャン「そうかよ……。今、わかったよ……。元々、俺の入り込む隙間なんか……最初からありはしなかったんだな……」フッ

女「ちょっと待って。そのセリフおかしくない?」


CA「ごめんなさい、ミュージシャン。私、やっぱり副機長の事が忘れられないの!」

CA「彼じゃなきゃダメなの!!」ウルウル

副機長「CA! もう離さない!!」ギュッ!!

CA「副機長!!」ギュッ!!


ミュージシャン「ははっ……。あばよ、二人とも。せいぜい幸せにな……」グスッ

ミュージシャン「くそっ! 今日は玉ねぎがやけに目にしみやがる日だぜ!!」ゴシゴシ

女「そんな日はない。ここに玉ねぎもない」


CA「副機長、愛してる♪」チュッ

副機長「CA、俺もだよ」チュッ


ヒューヒュー、ヒューヒュー


副機長「こら、お前たちー// 大人をからかうな!//」


女「最後まで昭和の匂いが……」

【一時間後】


女「にしても、あいつ、何の為に呼ばれたの……?」

ミュージシャン「」ショボン……

女「しかも、かなり落ち込んでる……。どこに落ち込む要素が……」

女「相手、浮気するにも年収一千万以上を要求する女なのに……」

ミュージシャン「ふはははは……。大丈夫。俺にはロックが。ロックがあるさ……」グスッ

女「それにしても、年収三億円のくせしてちょっと誘惑されたらイチコロなんて……」

女「なんか、すごい童貞っぽいなあ……」

ミュージシャン「」グスン……


幸いな事にも!

今回は何もなかったが!!

しかし、まだまだ不思議とトラブルが続く!!


ガチャッ

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>119な方はいらっしゃいませんかー!?」


飛行機がNYに辿り着くまで、あと五時間!

トラブルが続出するこの飛行機内で、無事に過ごす事が出来るのか!?

女の運命や、いかに!!

騎士道精神を忘れぬ気高き女騎士

CA「繰り返します! お客様の中に騎士道精神を忘れない気高き女騎士様はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……!!

ザワザワ……!!


女「毎回、驚かされてきたけど……」

女「今回は本当に何があった……」

女「全く想像がつかない……。一体何が……」

女「まあ、でも流石にそんな人が現代にいる訳ないし……」フゥ……


ガタッ

「!?」


女騎士「問おう。私に何の用だ?」キリッ


女「いたー!? どうなってんの、この飛行機!?」


CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ


女「あなたも順応し過ぎじゃない? いる訳ないよ、普通!?」

女騎士「それで私に何用だ? 手短に説明を頼む」

CA「あ、はい。実は先程まで副機長とパイロットの二人で操縦をしていたのですが」

女騎士「うむ」

CA「私と副機長はこれから仲直りのセックスをしたいので、いえ、用事が出来たので」

女「ほぼ言っちゃってるけど、いいの、それ?」

女騎士「破廉恥な// 好き者め!///」カァッ

CA「それで操縦をパイロットさん一人にお願いしようと思って頼んだんですけど」

女「ぶれないのか……強いなあ……。というか機長は?」

CA「機長は先にトイレで元風俗嬢とお祝いのセックスをしているので、いえ、大事な用件で二人とも席を外しているので」

女「オブラートに包もう……。頼むからオブラートに包もうよ……。女騎士ちゃん、顔真っ赤になってるし……」

女騎士「くっ////」

CA「ですので、私達も一緒にそれに加わろうかなって♪」

女「あなた達に常識と理性というものはないのでせうか?」

CA「?」キョトン

女「よくわかんないけど、何か悔しい……。もう……!」

女「そもそも、あなたは何なの? 何でこの飛行機に乗ってるの?」

女騎士「何故かと問われれば、仕事の為だ。NYで取引の話があるのでな」キリッ

CA「へー……。じゃあひょっとしてOLさん? ううん、キャリアウーマンと言った方がいいかしら?」

女騎士「呼び方などはどうでもいいがな。とにかくそういう理由だ」

女「って事は私とおんなじ理由かあ……。んー……外見や中身は私とは大違いだけど……」

女騎士「元々私はイギリスの出だからな。自慢ではないが、有名な騎士を何人も輩出してきた家系だ。私もその血を受け継ぐ者として騎士の様に立派に生きていきたいと思っている」

女騎士「姿はこの様にスーツだが、心にはいつでも剣を差し甲冑をまとっているつもりだ。どんな時であろうとも」ニコッ

女(カッコいい……)

CA(ステキ……//)

CA「あ、そうそう。それで話を戻すんだけど」

女「いい話の流れが台無しになりそうな予感」

CA「あなた、お願いだからパイロット君のお世話をしてくれない?」

女騎士「世話……だと……?」ピキッ

CA「なんかねえ、パイロット君たら私達が目の前でいちゃいちゃしてるの見て羨ましくなっちゃったみたいでね……」フゥ……

女「困った子……、みたいな感じで言ってるけど、それ、原因は完全にあなた達よね?」

CA「だからあ……自分もちょーっとでいいからイチャイチャしてみたいー、みたいな事を言い出しちゃってね」

女「ちぃすちぃす言ってたあの子がそれを言い出すのは意外……。結構淡白そうな感じがしたんだけど……」

CA「あ、なんかあ、手違いで副機長用の媚薬入りジュースを飲ませちゃったから、いえ多分、たまたまちょっーと発情期に入っちゃったんじゃないかなーって……」

女「言っちゃいけない事をガンガン言っちゃてるけど、それどうなの?」

女騎士「媚薬……だと……?//」カァッ

CA「何で、ちょっとねえ……」フゥ……

女「ため息をつく資格はあんたにはない」

CA「少しでいいから、ほんのちょっとでいいから、プライドの高い女騎士をさんざんにいたぶって凌辱したいって言い出してね……」フゥ……

女「さんざんって言ったよね? 今、確かにさんざんって言ったよね?」

CA「それが出来ないなら、もう操縦とかしたくないッス、やる気出ないッス、って言ってすねちゃってね」

女「すねるとかそんなレベルじゃないよね、それ? 乗客全員巻き込む大惨事だよね?」

女騎士「言っておくが私は断るぞ! 騎士の誇りを汚されるぐらいならば自ら死を選ぼう!」

CA「そうよねー。そうなっちゃうわよねー。でもそれだと、みんな揃って墜落しちゃうのよねー……。困ったわー……」チラッ、チラッ

女「もう脅迫以外の何物でもないじゃない……。ていうか、あなた達がセックスしなきゃいいだけの話でしょうが!!」

CA「えー……やだー……。したいんだもん……//」

女「時と場所をわきまえて!!!」

女「だったら熟練パイロットのお爺ちゃんがいるでしょ! あの人に頼みなさいよ!」

CA「あのおジーちゃんなら、もう酔っぱらって寝てるわよ?」

熟練パイロット「//」ムニャムニャ

女「酒飲みがあ!!」ダンッ!!

CA「そもそも機長も副機長もついでに私も、もうお酒かなり飲んじゃってるしー……//」グビグビ

女「酔っぱらいがあ!! さっきから何かおかしいと思ったらそれかあ!!」

CA「細かい事は気にしちゃダメよー。それじゃ後はヨロシクねー♪」バイバーイ

副機長「頼みましたー♪」バイバーイ

女「待たんか、ワレコラァァ!!」

女騎士「くっ! 殺せ!!//」グビグビ

女「実はお前も酔っぱらいかあ!!!」

女騎士「おのれ、なんたる卑劣な罠を! 最早ここまでか! さあ殺せ!!///」フラフラ

女「目を覚ませ、おいいい!!!」パシン、パシン!!

女騎士「なんたる仕打ち! だが、私の誇りはそれぐらいでは折れぬぞ! さあ殺せ!!///」ヨロヨロ

女「ダメだ、この子、騎士どころか単なる酔っぱらいだ……! まずい、どうすればいいの……!!」


>>129
1、自分がパイロットのところに行って身代わりに
2、女騎士をパイロットのところに放り込んで放置

2

女「ええい! もう知らない!」グイッ

女騎士「む? おお!?」ヨロヨロ


ガチャッ

女「ていっ!」ドンッ

女騎士「くっ!! 何を!?」


バタンッ!!


女「ふう……」サッ


\ 開けろ! 開けないか! /

ドンドン!!


女「もうこれしか手がないの! 緊急事態なんだから諦めて!!」


\ なんて真似を! 卑怯な!! /


女「所詮、この世は弱肉強食の世界なのよ」フッ


\ くっ! 開けろ!! /

ダンダン!! ダンダン!!

JK「ん……」パチクリ

JK「なんだよ、もう……。さっきから騒がしいな……。眠れやしない」ムクッ……


女「チャーンス!」

JK「はあ?」

女「うりゃ!」グイッ

JK「え? ええ??」


ガチャッ

女「ていっ!」ドンッ

JK「ちょっ、何を!?」


バタンッ!!


女「」フッ……

女「あなたには隙がありすぎたわね、ちくわJK。一瞬の油断が命取りになる時もあるのよ?」


\ おい、コラ! 開けろ! 何の真似だ! /

ダンダン!! ダンダン!!

女「後は事が終わるまでここを開けなければミッションコンプリートね」フッ

女「ずいぶんと簡単なお仕事だったこと。拍子抜けね」フフ……


\ くっ! 貴様、何を!? /

\ ちょっとやだ、やめてよ! /

\ なっ! よせっ! 服を剥ぎ取るな!! /

\ おい待て! こんなところで何をするんだよ!! /

\ あっ! うぐっ!! くっ、やめろおおっ!! /

\ ちくわ、ちくわー!! /

女「?」

\ きゃあああああああっ!!! /

\ いやあああああああっ!!! /

その大きな二つの悲鳴の後は酷いものだった……。

それからずっと絶え間なく続く、叫び声と泣き声……。

許してくれ! もうやめてくれ!

助けてっ!!

誰か助けてっ!!

そんな言葉が何回も何十回も何百回も。

耳にこびりついて離れないほどに、いつまでも。

その間、私はずっとドアノブを押さえ。

何も考えない様にして、窓の外を眺めていた。

外は暗く何も見えなかったけれど。

ただ、ただ、ずっと……。

心を空っぽにして……。

ずっと……。

事が全て終わるまで、ずっと……。

そして、およそ一時間近く過ぎた頃……。

中から控え目のノックが聞こえた。

助けを求めるドア叩きとは、明らかに異質。

私は、全ての事が終わったと思いドアを開けた。


ドアからは重い顔をした女騎士と。

ちくわを吸っているJKが揃って出てきた。

二人とも、私には何も声をかけず、顔を合わそうともせず、ただ黙って。

自分の席へと帰っていった。


その後、艶々した顔の副機長とCAが揃って中に入り。

飛行機の操縦を代わったのだろう。どこか満足気な顔のパイロットが出てきて。

「最高だったッス! たまんなかったッス!」

とかなり興奮気味に、聞いてもいない事を語った。



そして、その後。



泣きながらお尻を押さえて航空保安官が出てきた。

女「…………」ズーン

女騎士「…………」ズーン

JK「…………」ズーン


航空保安官「汚されちゃった……」グスンッ

パイロット「はあ……良かったッス///」ツヤツヤ


女「ひょっとして……」ボソッ

女騎士「聞くな……! 背に腹は変えられなかったのだ……」ズーン

JK「緊急避難というか……うん……」ズーン


航空保安官「もうお婿に行けない……」シクシク

パイロット「安心するッス! 俺がもらうッス!///」ドキドキ


女「……心が痛い」ズキズキ

女騎士「……もういい。いっそ殺せ……」 ズキズキ

JK「……つか、アタシは完全に無関係だったのに……」ズキズキ

何とかピンチを乗りきった……? 何とかピンチを乗りきった女!!

しかし、犠牲者が一人、遂に出てしまった!!

だが、しかし!!

過酷なトラブルはこれで終わりではなかった!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>140な方はいらっしゃいませんかー!?」


NYまであと四時間!!

無事に辿り着けるのか女!?

かなりヤヴァイところまで来てないか、女!?

果たして大丈夫なのか!?

未来人

安価了解
今日はここまで

CA「繰り返します! ただの人間に興味はありません! お客様の中に未来人はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……!!

ザワザワ……!!


女「い・る・かーーーっ!!!」

女「そもそも何で未来人が必要なの!? 未来人が呼ばれる理由って何!?」


CA「」ハッ!!

CA「え? あれ? 何で……?」

CA「何で私は未来人を呼んだの……? 思い出せない……」


女「ふざけてんの、アンタ!?」

CA「違うの、本当に思い出せなくて……!」


ガタッ

「!?」


未来人「その理由は私から説明しましょう」フフッ

女「誰よ、あなた?」

未来人「名乗る程の者ではありませんよ」フッ……

女「もういい。座れ」

未来人「いや、あの……お願いだから聞いて……」グスン……

女「滅茶苦茶メンタル弱いな、おい」

未来人「実は、私は未来から来てまして」ドヤッ

女「もういい。座れ」

未来人「本当なんです……信じて……」シクシク

女「めんどくさいなあ、もう……」


CA「それで? それで?」ワクワク

女「アンタは何でそんな嬉しそうなの」

未来人「ふふっ……。それで、あなたに先程、催眠術をかけておいたのです。未来人を呼ぶようにと」ニヤリ

女「子供でも信じそうにない事をドヤ顔で言ったよ、この人」

未来人「……本当なんだってばあ」シクシク

女「泣くな、うっとうしい」

未来人「……」グスッ、ヒック

CA「で、で? 何で私にそんな催眠術を?」ワクワク、ワクワク

未来人「ふふふっ。それは[禁則事項です]。なので[禁則事項です]」

女「?」

未来人「くっ! どうも制限がついてしまっているみたいですね。この時空平面では言えないようです……」

女「もういい。座れ」

未来人「嘘じゃないんだってばあ!」エーンエーン

女「大人が子供泣きするな、もう!!」

女「そもそも未来人がわざわざ呼び出しをされなきゃいけない理由がないじゃない」

未来人「いえ、呼び出しをしてもらわないと、私が未来人だと信用してもらえないじゃないですか」

女「は?」

未来人「いや、ですから」ボリボリ

女「何でわかんねーんだ、こいつ、みたいな顔しやがった」

未来人「例えばですよ。あなたが未来人だったとして」

女「私が?」

未来人「そう。それでとある事情があって過去に行かなきゃならなくなったとするでしょう」

女「はあ……」

未来人「そして、そこでとある人物に自分が未来人だという事を信用してもらわないといけない」

女「へえ……」

未来人「そういう時、どうしたらいいと思います?」

女「……いや、まあ、何か予言とかすればいいんじゃないの?」
未来人「飛行機の中で呼び出しをしてもらうでしょう?」

女「は?」

未来人「え?」


女「…………」

未来人「…………」


女「……予言とかすれば……いいんじゃないの?」

未来人「…………」


女「…………」

未来人「飛行機の中で……呼び出しを……」


女「……うん」

未来人「…………」


女「…………」

未来人「呼び出しを……」


女「もういい……。座れ……」

未来人「はい……」シクシク

【30分後】


女「結局、あいつ何だったの……?」

未来人「」グシュッ

女「まだ泣いてるんだけど……」

未来人「」ゴシゴシ

女「あ、ちょっと立ち直った……」

未来人「…………」

女「天井見ながら物思いにふけって……」

未来人「」シクシク

女「何か辛い事でも思い出したっぽい……」

航空保安官「」シクシク

女「こっちはこっちでもらい泣きしてるし……」

マッチョ「HAHAHAHAHA!」ムキムキッ

女「お前はもう少し空気を読め」

女「ま、それはともかくとして……」

未来人「」グスン……

女「あの人、一体誰に未来人だと伝えたかったんだろ……?」


と、その時!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中にロケットランチャーをお持ちの方はいらっしゃいませんかー!?」


女「いるかーっ!! てか、マジで何があったああっ!?」

未来人「ああ、私が持っています。ご心配なく」ハハッ

CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ

女「ええええええ!??」

CA「それではこちらへお願いします。今かなりまずい状況ですので」

女「ちょっとちょっと! まずいって……一体何が……?」

CA「当機は現在、正体不明機によって撃墜される寸前なんです。前と違って、今回は周りがすっかり敵に囲まれていて逃げ場もなく……。かなりのピンチですね……」

女「本当の緊急事態いい!?」

未来人「参りましたねえ」ハハッ

女「笑い事じゃないでしょおお!!!」

未来人「いえいえ、ご安心下さい。その為に私は未来から来たのですから」

女「は……!?」

未来人「この飛行機を……いえ、あなたを[禁則事項です]する為に来たんですよ。私は」ニコッ

女「大事なとこ、台無し!」

未来人「さてと……。それでは急がなくては」カチャッ、バタン

未来人「CAさん。戦闘中はかなり揺れると思いますので、乗客の方がパニックにならないよう落ち着かせて下さい」

CA「はい。わかりました」キリッ

未来人「頼みましたよ」キリッ

CA「お任せを」コクッ


女「なにこの展開……。どうなってるの……?」

そうして、未来人は笑って扉の向こうに消え……。

そして、その数十秒後。

爆音と同時に、機体が激しく揺れた。

それも、かなりの長い時間。


私たちはCAの指示により、座席にしっかりと掴まって身を低くし……。

ただただ、揺れと事態が収まるのを神に祈りながら待つしかなかった。


今、何が起こって……。

そして、何が起きているのかは私にはわからない。


でも、窓の外を見ると……。

まるでオモチャの様に次々と落ちていく戦闘機の姿が……。


映画の様な光景だったけど……。

爆発音、爆発光は限りなくリアルで。

そう。これは紛れもなく現実。


一体、何故。


どうして、この飛行機は襲われているのだろう?

それに、私をどうする為に来たというの、あいつは……? あの言葉は何?


場違いな事にも私は。

生命の危機に瀕しているというのに。

そんな事をぼんやりと考えていた……。

【一時間後】


ガチャッ

未来人「ふう……。やれやれ、疲れました」フーッ……

未来人「奴等、かなりしつこかったのでね……」

未来人「だが、もう問題ないでしょう。彼等は戦力の半数を失い撤退していきました」

未来人「そのせいでこちらの手弾もずいぶん消費してしまいましたがね」

CA「すみません。ありがとうございます」ペコリ

未来人「いえいえ。これも私の仕事ですから」ニコッ

未来人「ああ、そうそう。マッチョも盾役ご苦労様。休んでいていいぞ」

マッチョ「ダンベル!」コクッ


女「あれ……? いつの間に……?」

女「ていうか、まるで上司部下……?」

女「何者なの……あの二人……?」

女「特にマッチョ。人間離れし過ぎでしょ……。機銃だけじゃなく、ミサイルまで筋肉ではじくの……?」

女「もしかして……本当に二人とも未来人……なの?」

女「うーん……」

謎の未来人!! そして、謎の敵!!

この両者の正体と目的は一体何だ!?

そして、この後、未来人の出番はあるのかっ!?


だが!!

そんな疑問に答えが出る前に、またも理由のない災難が女を襲う!!

気がつけば新たなトラブルが発生していたーっ!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>156な方はいらっしゃいませんかー!?」


NYまで、あと三時間!!

未来人まで加わって事態はよりややこしくなったぞ!!

果たして女の運命や如何に!?

大統領

CA「繰り返します! お客様の中に大統領はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……


女「……いる訳ないでしょ。専用チャーターにでも乗ってるわよ……」ハァ

女「ていうか、流石に周りの反応も薄くなったなあ……。今更、大統領ぐらいじゃあもう驚かないのかあ……」


ガタッ

「!?」


大統領「政治家とかけましてー」

大統領「学園ドラマに出てくる生徒役とときます」

CA「その心は?」

大統領「どちらもじゅうだい(重大・十代)なお仕事です」ドヤッ

CA「おおーっ……」

大統領「大統領です!」ニコッ

女「ずいぶん軽いやつが出てきたよ、もお……」ハァ……

女「それで今回は何? さっきのテロリストっぽいのから要求でも来たの?」

女「というか、あなたが乗ってるからこの飛行機、こんなに襲われてるんじゃないの!?」

女「何で専用チャーターで移動しないの!? どうなってるのよ!?」


ババン!!


女「?」


司会者「今、ノリにノッてるのはこの人達だー!!」

女「はい?」


大統領「おう、聞きたいか、俺の武勇伝♪」

女「へ?」

秘書「そのスゴい武勇伝を言ったげて♪」

女「は?」

大統領「俺の伝説ベストテン!」


JK「キャー♪ 大ちゃーん、ステキー♪」パチパチ


女「おい待てこら、ちくわ」

大統領「護身の為にカラテを習う♪」

秘書「スゴい、SP全員を病院送り♪」

大統領&秘書「武勇伝、武勇伝、武勇伝デンデデンデン♪」

秘書「レッツゴー♪」


大統領「経費削減をガンガン進める♪」

秘書「スゴい、次の日、専用チャーターが消えていた♪」

大統領&秘書「武勇伝、武勇伝、武勇伝デンデデンデン♪」

大統領「カッキーン♪」


秘書「スゴいよ、大ちゃんスゴ過ぎるよ!」

大統領「まあな」フッ

秘書「ところで、大ちゃん。この飛行機って実はリオデジャネイロ行きじゃなくてニューヨーク行きなんじゃ……」

大統領「…………」

秘書「あまり言いたくはないけど、大ちゃん間違えて乗ったんだよね? そうだよね?」

大統領「しゃらくせえー!!!」バキッ

秘書「ぐあっ!!」ドサッ

秘書「な、何するんだよ、大ちゃん!」

大統領「政治家は自分の間違いを絶対に認めねえっ!! 全部、秘書のせいにするんだよっっ!!」

秘書「大ちゃん、エゲツネー!!」


大統領&秘書「武勇伝、武勇伝、武勇デンデンデデンデン♪」


大統領「意味はないけれど、ムシャクシャしたからー♪」

秘書「全部、秘書のせいにしたー♪」

大統領「意味はないけれど、ムシャクシャしたからー♪」

秘書「消費税を値上げしたー♪」


大統領&秘書「ペケポン!!」



JK「キャー、キャー♪ 大ちゃんエゲツナーイ♪」ピーピー


女「ちくわのくせに、ノリノリじゃないかコラおい」

大統領「…………」

秘書「…………」

CA「…………」

女「…………」

司会者「…………」


JK「アンコール、アンコール♪」キャーキャー


大統領「あ、えっと……それで何の用かな?」

CA「ああ、はい……。無線が入っています。ロサンゼルスから。本来はそういう用途に使うものではないのですが、まあ、大統領ですし……」

秘書「それはどうも……。恐れ入ります。一旦私が承りますので……」

CA「ああ、そうですね……。わかりました。それではお二人ともこちらにどうぞ」


ガチャッ、バタン……


JK「ちぇー……つまんねーの……」


女「何かもう疲れた……。もうどうでもいい……」グスンッ

【一時間後】


女「」フーッ……

大統領「だから、そんなやり方じゃジリ貧になるのは目に見えてるだろ? 支持率も下がる一方だし。ここは一発、減税とか適当な事を言っといてだな」

秘書「しかし、その手は前も使いましたが……」

大統領「国民なんて一年もすれば忘れる忘れる。毎年毎年公約破ってるけど、誰も覚えてやしないだろ?」


女「政治って……何だろ……?」ハァ……


今回はトラブルでも何でもなかったが、世の中そんなに甘くはないっ!!

非情な事にも新たなトラブルが女を襲うーっ!!


ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に、>>166な方はいらっしゃいませんかー!?」


NYに辿り着くまであと、二時間!!

この調子ならどうにか無事に辿り着けそうか!?

どうなる、女の運命はー!?

タクシーの運転手

安価了解
今日はここまで

CA「繰り返します! お客様の中にタクシーの運転手はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……


女(何で今更、そんな普通の人を……)

女(そして、飛行機に乗ってる時に何でタクシーの運転手が必要なのよ……)


CA「いらっしゃらなければ、美容師の方でも構いません! ただし、どちらも男の方でお願いします!」


女「だから、何があったのよ、一体!」


ガタッ

「!?」


タクシー運転手(♂)「何やねん、一体。人が気持ちよう寝とるっちゅうんに」

カリスマ美容師(♂)「ふふっ。一体、私に何の用が?」


女「ああ……いたのね、やっぱり」


CA「良かった。いらっしゃったんですね」ホッ

CA「今回はあまり時間がありませんので、お二人とも急いでこちらに」

ガチャッ


タクシー運転手「急いで言われてもなあ……」

カリスマ美容師「何があったのか、何をするのかを説明してもらわない事には」

CA「操縦席に行けばわかります。それにお二人には危険は全くありませんので」

CA「とにかく本当に時間がないんです。お願いします。四の五の言わずにさっさと行って下さい」


女「CAとして絶対に口にしちゃいけない事を言ってるんだけど、いいの、それ?」


タクシー運転手「まあ、そういう事ならしゃあないか。行くで、そこのあんちゃん」

カリスマ美容師「仕方がありませんねえ……」


トコトコ、バタン……



CA「良かった。お二人がいてくれて」ホッ……


女「……どんだけ他力本願なの、この航空会社」

女「で、CAさん」

CA「何でしょうか、お客様」


女「何があったの?」

CA「ああ、聞いて下さい。危機一髪だったんですよ、今回は本当に」フゥ

女「なに、やりきったみたいな顔してるのよ。あなた、呼んだだけじゃないの」

CA「??」キョトン

女「腹立つなあ、もう……!」

女「で、何があったの?」

CA「あのね、うちの副機長がちょっと疲れちゃったみたいでね」

女「さっきお楽しみしてたからね」イラッ

CA「それで、お料理も沢山食べたから、何だか眠くなっちゃったみたいで」

女「子供か!」

CA「で、さっきからこっくりこっくり居眠り運転し始めちゃってね」テヘッ

女「大惨事ー!!!」

CA「だから、眠くならない様に話の上手い人を呼んできて欲しいって」

女「他に何か手段があるでしょうがー!!」


CA「それがさあ、ちょっと聞いてよ」

女「言っとくけど、私、お客だよ? 何でデフォでタメ口なの?」

CA「だって、副機長ったらね、最初はキャバ嬢を呼んでくれって言うのよ。酷いでしょ? 私、彼女なのに」ムスッ

女「何で私があんたの愚痴に付き合わなきゃいけないのよっ! ていうか、人の話をききなさいよっ!」

CA「お客様……。他のお客様の迷惑になりますので機内ではお静かに……」シーッ

女「私は悪くないーーーっ!!!」

【一時間後】


\ ハハハハッ、ソリャイイヤ /

\ オモシロー! ケラケラ /


女「……何か向こうでスゴい盛り上がってる」

女「……ああ、でもこれで何とか無事に辿り着けるかな」フゥ……



その安心も束の間ッッッ!!

非常事態はいつだって唐突に始まるッッッッッ!!



ガチャッ!!

CA「申し訳ありません。緊急事態です!」

CA「お客様の中に>>176な方はいらっしゃいませんかー!?」



飛行機がNYに辿り着くまであと一時間ッッッ!!

ここを何とか凌げば、無事に辿り着けるぞッッッッッッ!!

頑張れッッッ!!!!

CA「繰り返します! お客様の中に、正直この状況を異常だと思っている方はいらっしゃいませんかー!?」


ザワザワ……


女「……え? ……え???」


CA「いらっしゃいませんかー!? いらっしゃらないんですかー!?」


ガタッ

「!?」


女「あ、あの……わ、私……」

女「え? ていうか、他の人は? え? え???」キョロキョロ

JK「やれやれだぜ、全く……」フーッ

女騎士「こうまでされないと気がつかないとはな……。愚かな」フッ


女「ど、どういう事なの!?」


機長「決まっているだろう?」

熟練パイロット「これまでの事はな、全て」ホッホッホッホッ

未来人「私の催眠術なのですよ。お嬢さん」フフフッ


女「は? は? はあ?」


CA「では。そろそろお目覚め下さい。お・きゃ・く・さ・ま♪」

マッチョ「HAHAHAHAHAHA」


女「なっ……!」グラッ

女「きゅ、急に頭が……」フラッ……

女「ぐ……い、一体……なに……」ドサッ……


未来人「」ニヤリ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
ーーーーーー



CA「お客様、お客様……」ユサユサ

女「ん……?」パチクリ……

CA「ああ、お目覚めになられました? 当機はもうすぐ着陸致しますので、シートベルトをお締め下さい。危険ですから」ニコッ

女「あ……え……」キョロキョロ

女「夢……なの……?」ボンヤリ……

CA「お客様?」

女「あ、いえ、あの……。大丈夫です。すみません……」

CA「そうですか? それでは……」ペコッ

CA「」スタスタ……


女「」ハァ……

女「なーんか、変な夢を見たなあ……」フゥー

女「すごい疲れちゃった……」

【空港】


女「んー! 着いた着いた! 久々のNY!!」

女「無事に辿り着けて良かったあー!!」

女「さあて、それじゃ早速ホテルにチェックインしに行こっと!」テクテク




未来人「」フーッ……

JK「何とか誤魔化しきったね」スパーッ

マッチョ「ブルーワーカー」ニカッ

CA「苦労したわ、色々と。カオスにしないと、本当か嘘か、催眠術かそうでないのか、見破られてしまいそうだったものね」

熟練パイロット「全くじゃのう」ホッホッホッホッ

パイロット「ちょい疲れたっす。ちぃすちぃす」

航空保安官「だが、これでようやく我々の任務は果たせたな」


テロリスト「ああ。諸君、御苦労だった。これで我々の役目は終わりだ。後の護衛はNYの部隊に任せるとしよう」


CA「ええ、それでは」

未来人「未来へと帰りますか」

熟練パイロット「しかし、休まる暇がないのう。ワシらは」ホッホッホッホッ

JK「この後は、4年後の東京だっけ? ひい婆ちゃーーおっと……。あの女の人、狙撃されたんだよね?」

マッチョ「プロテイン。あ、いや、失礼。その通り」

航空保安官「ま、タイムマシンなんてものを作れば狙われるよな。まずは本人が。それが失敗したら次は両親が。そして……きりがないね」

パイロット「それを阻止する俺らもそっすね。きりがないっつーか、終わりがないっつーか」


テロリスト「未来で犯人達の組織が潰滅されるまでだな。歴史の改変など不可能だというのに、全く……」

テロリスト「変えようとする人間がいれば、阻止する人間が出てくる。変わる訳がないのだ」

CA「ホントですね。イタチごっこですよ」

マッチョ「HAHAHAHAHAHA」ニカッ





あなたも

ごく身近なところで

とんでもない事に巻き込まれていて

でも、それに全く気がつかないなんて事……

あるかもしれませんよ?




THE END

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