日向「強くてニューゲーム2」 (472)

これは日向「強くてニューゲーム」の続きです


前回は最後の方で荒らしが湧いたりしましたが気にせず書き続けていきます

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スレ立て乙

日向「……あ…れ…?ここは……」

日向「そうだ!狛枝の爆弾に巻き込まれて、それでっ!」

日向「……死んだ……のか…」

「いいえ、まだアナタは死んではいませんよ」

日向「うわっ!…お前誰だよ」

「僕の名前はカムクライズルです」

日向「カムクライズル?」

カムクラ「……アナタに少し聞きだいことがあるのですが」

日向「なんだよ?」

カムクラ「なぜアナタは他人のために、自分に害成す人間のために、クラスメイトのために、知人のために、データのために、恋人のために、ツマラナイことのために、自分が傷付いてまでそれらを助けようとするのですか?」

日向「それはみんなのことを言ってるのか?」

カムクラ「十神 白夜、花村 輝々、小泉 真昼、九頭龍 冬彦、澪田 唯吹、七海 千秋、弐大 猫丸、終里 赤音、辺古山 ペコ、西園寺 日寄子、ソニア ネヴァーマインド、左右田 和一、田中 眼蛇夢、罪木 蜜柑…………この人たちをなぜそうも助けたがるのか……助けあいなんてツマラナイ……」

日向「それは……」


神奈川県平沢市立菊谷中学校
3年A組クラス名簿

 

Now 1 student remaining.

students' profile→■

男子1番 和泉直正
(いずみ・なおまさ) 女子1番 麻生咲
(あそう・さき)
男子2番 井上稔
(いのうえ・みのる) 女子2番 斎藍
(いつき・らん)
男子3番 尾花哲也
(おばな・てつや) 女子3番 川上理映子
(かわかみ・りえこ)
男子4番 門脇吉孝
(かどわき・よしたか) 女子4番 国本弘美
(くにもと・ひろみ)
男子5番 坂出慎
(さかいで・しん) 女子5番 黒沢星子
(くろさわ・せいこ)
男子6番 閑谷邦康
(しずたに・くにやす) 女子6番 佐久間佳江
(さくま・かえ)
男子7番 鈴木明也
(すずき・あきや) 女子7番 仙道桜子
(せんどう・さくらこ)
男子8番 勢多翼
(せた・つばさ) 女子8番 高田なつみ
(たかだ・なつみ)
男子9番 高橋良太
(たかはし・りょうた) 女子9番 津川麻保
(つがわ・まほ)
男子10番 堤良樹
(つつみ・よしき) 女子10番 土井雫
(どい・しずく)
男子11番 富田宗
(とみだ・そう) 女子11番 徳永礼子
(とくなが・れいこ)
男子12番 仲山行人
(なかやま・ゆきと) 女子12番 内藤真依子
(ないとう・まいこ)
男子13番 野口素明
(のぐち・もとあき) 女子13番 中野尋代
(なかの・ひろよ)
男子14番 廣岡誠
(ひろおか・まこと) 女子14番 西智美
(にし・ともみ)
男子15番 藤岡照昌
(ふじおか・てるまさ) 女子15番 能勢杏奈
(のせ・あんな)
男子16番 皆川玉樹
(みながわ・たまき) 女子16番 原田千秋
(はらだ・ちあき)
男子17番 美祢達哉
(みね・たつや) 女子17番 日生吹雪
(ひなせ・ふぶき)
男子18番 村山晋一郎
(むらやま・しんいちろう) 女子18番 緑沢風美(みどりさわ・かざみ)
男子19番 吉井英(よしい・すぐる) 女子19番 武藤萌(むとう・もえ)
男子20番 和田純直(わだ・すみなお) 女子20番 矢矧彩乃(やはぎ・あやの)
  

以上40名

地図  会場の地図。禁止エリアのチェックはここで。
席順  出席番号順に座ったときの座席表。
 

試合開始?序盤戦
Now 40 students remaining.

0?1)書置き 0?2)3年A組
1)プログラム 2)試合開始
3)ずっと一緒に 4)普通の友達
5)事故 6)参加しない方法
7)優しい彼女と 8)勝たなきゃ
9)多重人格 10)守るんだ
中盤戦
Now 30 students remaining.

11)大丈夫 12)子猫と少年
13)ベゴニア 14)優等生
15)狂いゆく少年 16)兄の遺言
17)委員長の義務 18)再会
19)あなたは獲物 20)探してる奴
21)賭け 22)大和撫子
23)人探しデート 24)恋バナ
25)武器入手 26)化け物
27)急襲 28)喧嘩するほど…
29)言いたい事(上) 30)言いたい事(下)
31)裏人格出陣 32)なんでやねん
33)ゴメン 34)死ぬな
35)追いかけっこ 36)信じなきゃ
37)殺してやる 38)涙
39)初めての恐怖 40)もしも…
41)支え合い 42)友との再会
43)誓ったのに 44)仲直りしよう
45)軍人1名変態化 46)ソフト部4番の女
47)殺意
終盤戦?フィニッシュ
Now 11 students remaining.

48)絶対死なない 49)お前だけは
50)うそつき 51)捨て身の戦法
52)世界中の誰より 53)ラッキーボーイ
54)仲間たちの集い 55)狂ったトモダチ
56)みんな狂ってる 57)もう、休もう?
58)ラストバトル
エピローグ・後書き

59)後悔させてやる 60)手紙
61)戦いはこれから   あとがき

3年A組席順

   

教卓

和泉直正

麻生咲

鈴木明也

高田なつみ

廣岡誠

能勢杏奈

井上稔

斎藍

勢多翼

津川麻保

藤岡照昌

原田千秋

尾花哲也

川上理映子

高橋良太

土井雫

皆川玉樹

日生吹雪

門脇吉孝

国本弘美

堤良樹

徳永礼子

美祢達哉

緑沢風美

坂出慎

黒沢星子

富田宗

内藤真依子

村山晋一郎

武藤萌

閑谷邦康

佐久間佳江

仲山行人

中野尋代

吉井英

矢矧彩乃―――仙崎桜子野口素明西智美和田純直―――

プログラム参加にあたって。男子1番・和泉直正マジかよオイ…女子1番・麻生咲人を[ピーーー]なんて出来るわけない…男子2番・井上稔記入なし女子2番・斎藍あたしまだ死にたくない!!男子3番・尾花哲也なんでこんなことに?女子3番・川上理映子いや…怖い…助けて…男子4番・門脇吉孝オレ、まだ死にたくないのに!!女子4番・国本弘美あたしが何か悪いことしたんですか?男子5番・坂出慎クソ政府!!!絶対ブッ[ピーーー]!!!女子5番・黒沢星子どうしよう男子6番・閑谷邦康記入なし女子6番・佐久間佳江

行人くんどうしよう…男子7番・鈴木明也なんでこんな事に…女子7番・仙崎桜子パパ、ママ助けて!!男子8番・勢多翼怖い!怖い!怖い!こわい!女子8番・高田なつみふざけないでよ!!冗談じゃない!!男子9番・高橋良太こんなゲーム無意味だ!!女子9番・津川麻保みんなを止めなきゃ…男子10番・堤良樹みんな殺そうなんて思ってないよな?

  
女子10番・土井雫怖いよ…男子11番・富田宗絶対に殺さない女子11番・徳永礼子いやだ…逃げたい…男子12番・仲山行人人生こーでなくっちゃな

女子12番・内藤真依子この国狂ってる

  
男子13番・野口素明行人くん、助けて女子13番・中野尋代だから政府って嫌いなんだ男子14番・廣岡誠夢…じゃねーんだな…女子14番・西智美

先立つ不幸をお許しください男子15番・藤岡照昌いやだいやだいやだイヤダイヤダ女子15番・能勢杏奈記入なし男子16番・皆川玉樹人殺しなんてしたくないよ女子16番・原田千秋最悪なbirthday男子17番・美祢達哉誰とも会いませんように女子17番・日生吹雪記入なし男子18番・村山晋一郎「お母さん…」ってか?ザケンナ政府!女子18番・緑沢風美ウチって不幸な少女やわ男子19番・吉井英誰か助けて女子19番・武藤萌やっぱり来なきゃよかった男子20番・和田純直オレは絶対に乗らない女子20番・矢矧彩乃記入なし

1995年6月7日午後。
修学旅行も何事もなく最終日を迎え、神奈川県平沢市立菊谷中学校の3年生たちは、帰りのバスに乗り込み、学校へ帰る途中だった。
もちろん、3年A組の生徒40人もだ。
 

サービスエリアに着き、トイレ休憩となった。
バスの中から一斉に生徒たちが出て行く。

「おう、良樹!
 ジュース買いに行こうぜ!」

堤良樹(男子10番)は親友の富田宗(男子11番)に誘われ、バスを出た。
新鮮な空気と爽やかな風が気持ちいい。

「あー…今すっげぇポカリ飲みてぇなぁ…宗は?」

「オレはミルクティ、大人だろ?」

どこがだよ、と2人でゲラゲラと笑いながら自販機に向かっていると、突然後ろからタックルされた。
何なんだ、と良樹が振り返ると、そこにはサッカー部でFWを務めている勢多翼(男子8番)がいた。

「ワリ、今追われてんだよ!」

翼の後ろに目をやると、猛スピードで藤岡照昌(男子15番)が迫ってきていた。
さすが陸上部、素晴らしいフォームだ。

「良樹、宗!
 どっちでもいいから翼を押さえててくれ!!」

「そうはいくかってんだ!!」

翼はするっと良樹と宗の間を抜け、照昌に劣らないスピードで走っていってしまった。

「照昌、こっちだこっちー!」

左を向くと、バスケ部コンビの和泉直正(男子1番)と村山晋一郎(男子18番)が、右を向くと男子委員長の高橋良太(男子9番)と『ラッキーボーイ』という異名で有名な廣岡誠(男子14番)がいた。
なるほど、鬼ごっこね。

 

良樹と宗は自販機の前に着いた。
良樹が飲みたがっていた清涼飲料水は売り切れていたので、どれにするかと迷っていると、後ろからトントン、と肩を叩かれた。

「ねぇ、良樹君…これ、食べない?
 風美のおごりだって」

その声は、良樹の幼馴染の土井雫(女子10番)だった。
その手にはたこ焼きが10個ほど入った箱が乗っていた。

「へぇ、緑沢のおごり?
 景気でも良いのか?」

「ちゃうちゃう、うちの心が海よりも深いだけやって!」

宗の視線の先にいた、大阪からの転校生、緑沢風美(女子18番)がひらひらと手を振った。
しかし、その顔にはしっかりと書いてある。
ジュースの1杯でもおごるんが筋ってモンやろ?、と。
それに先に気づいた宗が苦笑し、ジュースをおごってやっていた。

 

「あ、咲!
 見て見て、これすっごい可愛い!」

「え…あ、ホントだぁ!すごい可愛い!
 玉樹、達哉、見てよこれ!」

お土産コーナーで騒いでいるのは、派手な外見とは裏腹に、とても心優しい麻生咲(女子1番)と、市内でも有数のお嬢様で、大和撫子という言葉がとても似合う仙道桜子(女子7番)。
その後ろで首を傾げているのは、咲の幼馴染だという皆川玉樹(男子16番)と、玉樹とは部活で知り合ったという美祢達哉(男子17番)。
この4人はとても仲がよく、いつも一緒にいる。
咲たちが可愛いと絶賛している物、それは奇妙な形をしたキーホルダー。
玉樹・達哉は何が可愛いんだか…、という顔をしている。

背後でドスのきいた声が聞こえ、良樹たちはビクッと体を震わせ振り向いた。
そこには、クラスの不良問題児ペアの井上稔(男子2番)と坂出慎(男子5番)が眉間にしわを寄せて良樹たちを睨みつけていた。

「ごごご…ごめん!」

良樹たちは慌てて前を空けた。
この2人に目をつけられれば、次の日には傷だらけで学校に行く羽目になる、という噂もあるほど2人は強暴だ。

「ったくよ…ってポカリねぇし!」

「うわ、最悪…じゃあ、オレコーラでいいや」

慎が100円玉を入れようとした時だった。

「ねぇ、ミノ!!」

「慎も聞いてよ!!」

叫び声が聞こえ、慎は100円玉を落とした。
「だーっ!」と声を上げる慎を横目に、稔は声のしたほうを見た。
そこには咲と玉樹がいた。

「…何なんだ?」

首を傾げる稔に、咲は先ほどの得体の知れないキーホルダーを突き出した。

「これ、絶対可愛いよね、ね!?」

「可愛くないよね、稔!!」

「え…はぁ…!?…あぁ……」

2人に見上げられた稔はどもってしまった。
何とか100円玉を見つけた慎も、そのキーホルダーを見て絶句してしまった。
不良問題児ペアの唯一の弱点、それが玉樹と咲だ。
稔たちに普通に接しているのは、玉樹と咲だけで、達哉と桜子は遠くで怯えて見ている。

 

いそいそとその場を離れた4人は、挙動不審にしている尾花哲也(男子3番)を発見した。

「おう、尾花、どうしたんだ?」

「あ、あ、堤!
 あのさ、頼みが…金貸してくんない?
 英が酔ったみたいでさ、茶とか飲ませたほうが良いかなって…」

見ると、哲也の後ろでは、大柄な哲也とは対称的に小柄な吉井英(男子19番)が蹲っている。
困っている人を放っておけないのも、どこか抜けているのも、哲也らしくて笑いが込み上げそうになるが、本人は必死なので、何とか堪えた。
とりあえず金を貸し、4人はバスに戻ることにした。

 

戻って最初に目に付いたのは、バスの最後部座席で騒いでいた行人グループの面々だ。
グループリーダーである、恐らくクラス1の美男子、仲山行人(男子12番)を中心にして、右で騒いでいるのはクラス1明るい佐久間佳江(女子6番)と、佳江と同じバレー部の内藤真依子(女子12番)。
行人の左側で行人と会話を交わしているのは、クラス1の優等生の鈴木明也(男子7番)と、その左には大人しそうな野口素明(男子13番)。
佳江は行人が好きらしいが、今は明也に行人を取られ、不機嫌そうだ。

 

その前の席で迷惑そうにしながらも、自らの顔に化粧を施し直しているのは、ギャル3人組だ。
リーダーの日生吹雪(女子17番)は最も不機嫌そうにしながら吊り上がる眉を描いている。
その横で矢矧彩乃(女子20番)はマニキュアを一生懸命付けている。
補助席ではクラス1の美少女と言われている中野尋代(女子13番)がビューラーで睫毛を上げている。良樹が話し掛けられるのは、尋代だけだ。あとの2人ははっきり言って怖い。
その斜め前では、門脇吉孝(男子4番)が閑谷邦康(男子6番)に話し掛けている。おそらく吉孝の自慢話だろう。聞いている邦康が気の毒だ。その前にいるのは、大人しい川上理映子(女子3番)と黒沢星子(女子5番)。星子は横にいる無口な国本弘美(女子4番)に必死に話し掛けているが、弘美は無視して読書をしている。その横で楽しそうに話をしているのは、クラス公認ほのぼのカップル、和田純直(男子20番)と原田千秋(女子16番)だ。

「はいはーい、ちょっと道塞がないでくれないかねぇ!」

はっと我に返った良樹が振り向くと、そこには女子委員長の津川麻保(女子9番)をはじめとして、ソフトボール部員の八重歯が印象的な高田なつみ(女子8番)、なつみにしがみ付く、決して男を寄せ付けようとしない徳永礼子(女子11番)、女子バスケ部キャプテンの西智美(女子14番)がいた。

「あ、ワリ、ゴメンな委員長!」
「いえいえ、でも邪魔だからとっととのいてちょうだいな」

何か今日はやたら邪魔者扱いされてる気がする。良樹は苦笑し、自分の座席に着いた。

「そーいやぁ…」宗がトントンと良樹の肩を突いた。

「彼女、もう苛められてないみたいだな」

「ああ、よかったよな」

2人は斜め後ろの武藤萌(女子19番)に目を遣った。
萌は吹雪らギャルグループに苛められ、3年になったころから不登校になっていたが、修学旅行は担任に勧められて来たようだ。
今は小柄な斎藍(女子2番)と、いつも笑顔を浮かべている能勢杏奈(女子15番)と楽しそうに話をしている。

 

 

「よし、誰かいないやつはいないかぁ?」

担任の中岡が点呼を取り、バスは出発した。

最初はがやがやとざわついていたが、徐々に静まり返っていった。

…あれ、何か眠いぞ…

違和感を感じた良樹は、横の宗を見た。
宗は気持ちよさそうにすやすやと眠っている。

重いまぶたを必死に上げ、前を見た。
ミラーに移るバスの運転手は、ガスマスクのようなものを付けている。

何で……?

眠いせいで頭が働かない。

「何だよ、こりゃ…」

後ろでそんな声が聞こえたような気がした。
相槌を打ちたかったが、そのまま良樹は意識を失ったので、それはかなわなかった。

全員が眠ったころ、バスは他のバスから離れ、山奥へと向かっていった。

堤良樹(男子10番)は違和感を感じて目を開けた。
壁を見ると、この部屋には1つも窓がついていない。

周りを見ると、クラス全員がパイプ椅子に腰掛け、机に寄りかかって寝ている。
良樹の前には、男子委員長の高橋良太(男子9番)、右隣は大人しい感じの徳永礼子(女子11番)、左隣はいつも暗い国本弘美(女子4番)…この並び方は、出席番号順、テストとかの時の並び方だ。

あれ…? 今日ってテスト…?

少し考え、目を見開いた。
おかしい、テストのはずがない。
なぜなら、今日まで修学旅行だったのだから。

慌てて立ち上がり、右斜め前で眠っている幼馴染の土井雫(女子10番)の肩を揺すった。

「雫! 雫! 起きろ!!」

雫はゆっくり顔をあげ、眠たそうに目を擦った。

「あ…れ? 良樹君…? どうしたの…?」

「おかしい!ここはどこなんだ!?」

良樹は辺りを見回す雫の首を見た。何かがついている。

自分の首を確かめると、やはりついていた。首輪が。
金属製のそれは、あるとわかると重苦しく感じる。
こんな物はつけた記憶がないし、こういう趣味もない。

なんだ…?なんなんだ…?

すると、部屋の前方のドアがガラッと開き、男が4人入ってきた。
桃印の記章がついている、政府の人間だ。 一人は筋肉質で、Tシャツにジャージ。 残りの3人は軍人のようだった。 3人とも弱そうだったけど。 軍人じゃない男の方がよっぽど強そうだ。
軍人の弱体化、これからは役人も筋トレをかかさずに、何かのキャッチフレーズみたいだな。とにかく、筋肉質の男に睨まれたので、良樹は席についた。

「さーあ、みんなぁ! おはよう! 起きたまえ!!」

筋肉質の男は教室を見回し、手をパンパン叩きながら叫んだ。 その声で全員が目を覚ました。 当たり前だ。 鼓膜が破れそうなほど大きい声だったのだから。やがて教室がざわつき始めた。

「あれ?なんで寝てたんだ?」

「ここどこなの?」

「あのマッチョだれだ?」

あちらこちらから声が聞こえた。

「みんな、静かに、静かにー!」

筋肉質の男が再び叫んだ。 部屋は一気に静かになった。その様子を見て、男は爽やかに笑った。 どうでもいいことだが、歯が白かった。 役人も歯が命。

「えー…、オレは今日から君達の担任となりました、名前は進藤幹也!
 幹也先生と呼んでくれたまえ!
 ちなみにこっちのモヤシのような軍団は、先生の補佐だ!
 皆から見た左から順番に、田中、足立、西尾だー!
 よろしくな!」

進藤は親指をぐっと立て、笑った。

…担任?担任って…?

「これはどういうことですか!? 担任って…」

女子委員長の津川麻保(女子9番)が立ち上がった。いつものはっきりとした口調だった。進藤が「あっ」と言った。

「そうだ、大事なことを言ってなかったな! 先生どーも何か抜けてるんだ、ごめんな。 えー…このクラスは、今年のプログラム対象クラスに選ばれたぞ!
 ちゃんとご両親にも伝えておいたからな! 安心したまえ!」

誰かが「うっ…」と呻いた。

何が安心したまえ、だ。安心できるわけがない。プログラム、正式名称、戦闘実験第六十八番プログラム。全国の中学校から任意に選出した三年生の学級内で、生徒同士を戦わせ、生き残った一人のみが、家に帰ることができる、わが大東亜共和国専守防衛陸軍が防衛上の必要から行っている戦闘シミュレーション。この国の、中3なら誰もが知っていて、誰もが恐れているものだ。それが…オレら…? マジかよ…良樹は相変わらず爽やかな笑みを浮かべている進藤を睨みつけた。

親にも伝えたということは、それに反抗した親は既に逝っているはずだ。 政府の連中は気に入らないことがあると、すぐに発砲するから。 カルシウム不足?

「あの…」

麻保が再び口を開いた。先ほどより弱々しい声だった。

「担任って…な、中岡先生…は…?」

進藤は、横にいた足立に合図をした。すると、足立は一旦廊下に出て、袋を持ってきた。

そして、教卓の上に置き、袋の口を開けた。

「いやあぁぁぁぁぁ!!」

「うわあぁぁぁぁぁ!!」

教卓の正面に座っていた高田なつみ(女子8番)と鈴木明也(男子7番)が同時に叫んだ。

「何だ?」

「何、どうしたの?」

教室がざわめき、袋の中身を見ようと身を乗り出した生徒達が、ガタガタと机や椅子を動かす音がした。そして、その袋の中身を見て、次々と悲鳴が上がった。

良樹は息を飲んだ。

中に入っていたのは、担任の――いや、“元”を付けた方が正確だ――中岡だった。 全身に穴が開き、変わり果てた姿になっている。 中から出てきた中岡の頭の右半分は消失していて、残った左側の顔には赤黒いものが大量についている。 残った右側の目はぼんやり生徒達の方を見ていた。 中岡が着ていた灰色のスーツも黒く変色していて、ちぎれた右腕がボタッと教卓の前に落ちた。

生徒達の叫び声、泣き声はやまなかった。

「もー…このクラスは騒がしいなぁ。
 まあ、元気なことはいいことなんだけど…」

進藤は困った顔をして、頭を掻いていると、進藤の右側にいた田中が教卓のもとに歩み寄り、中岡の死体を持ち上げた(それでまた悲鳴が大きくなった)。 そして、元いた位置に戻り、丁度正面にいた和泉直正(男子1番)と麻生咲(女子1番)の方に投げつけた。 そのせいで、中岡の残った部分の骨がいくつか砕けたらしく、ベキッと鈍い音がした。

「きゃあああああ!!」

咲とその後ろに座っていた斎藍(女子2番)は泣き叫び、横の明也や良太の席の方へ逃げた。 直正は硬直し、ガタガタと震えていた。 直正の後ろの席に座っていた井上稔(男子2番)もただ呆然と中岡の方を見ていた。

「こら!田中ぁ!」進藤が怒鳴った。

「レディーの方にに死体を投げつけるなんて、君は将来お嫁さんがこないぞぉ!」

「す…すいません…」

「ほれ、さっさと片付ける!
 ごめんよ、えっと…麻生さん、斎さん!」

田中が中岡を片付けて(物扱いされていて良樹は気に食わなかったが)、廊下に出した。
咲は黙って席に着いた。 顔色はかなり悪かったが。 

「よし、じゃあ、ルールの説明だ!
 至極簡単なことだ、最後の一人になるまで殺しあってくれたまえ!
 反則などない!
 仲間を作るもよし、殺し歩くのもよしだ!
 建物に入るのも自由、物も取っても構わない!
 優勝者には、総統様のサイン色紙がもらえるぞ、うらやましいなぁ!」

だったらテメェも参加しやがれってんだ!

堤良樹(男子10番)は心の中で叫んだ。

「ただ、素手で戦うファイトではない!
 いや、それも好きなんだがね。
 そこで、このデイパックを君等に渡す!」

田中が中岡を廊下に出したついでに、デイパックが大量に乗った大きな台車を教室に入れた。

「この中にはな、水と食料、時計と磁石、そして武器が1つ入ってる!
 武器は一人一人違っている!
 銃器が入っているのもあれば、ハズレ武器が入っているものもある!
 これはどれを誰に渡すか決まっていないから安心してくれたまえ!
 さて、じゃあみんな机の中に入っている物を出してくれ!」

生徒達はガサガサと机の中のものを出した。

中にはボールペンと紙切れ、そして地図が入っていた。

「ここはな、来たことある人もいるかな?神奈川県の相模野原中央公園だ!」

相模野原中央公園。神奈川県の相模野原にある、大きな森林公園だ。

良樹は、この森林公園に来たことがあった。 たしか、小さいころ、土井雫(女子10番)の家族と一緒に。 楽しい思い出を沢山作ったこの場所が殺し合いの会場だなんて――

「正確には中央公園とその周辺だな。
 まあ、詳しくは地図を見てくれ、そこで、殺し合いをするんだ!
 ちなみに、今いるのはI=07エリアにある、プレハブだ!
 えっと、それから…、禁止エリアというものがある!
 皆がちゃんと動き回るように、2時間ごとに1つずつ、入れなくなるエリアを作るんだ。
 これは、1日4回、午前0時、6時、午後0時、6時の4回に放送で知らせるから聞き逃さないようにな!」

そこまで言って、進藤が一息ついた。

それと同時に、後ろの方でガタッと音がした。 良樹が、というよりクラスの全員がそっちの方を見た。

1番端の後ろの席、閑谷邦康(男子6番)が震えながら立っていた。

「ん?君、どうしたんだい?トイレかい?
 尿意とは自然の生理的欲求の1つだからね!
 いいよ、行ってきたまえ!」

進藤が勝手にそう解釈して笑顔でドアを指差した。

「オレ…オレ…」

邦康はガタガタと震えながら消えそうな声で言った。

「オレ…怖い!いやだ!いやだあぁぁぁ!!」

そう叫ぶと、邦康は部屋の後ろの方のドアをガラッと開け、部屋を飛び出した。

進藤はため息をついた。

「なんだ、トイレではなかったのか。
 足立、捕まえてこい。
 殺したらいけないぞ」

足立は頷き、教室を出た。

ドアの方を向いていた進藤は、また前に向き直った。

「はい!注目!
 えっとな…どこまで言ったっけか?…あ、そうだ。
 その禁止エリアには入ってはいけないぞ。
 もし入ると…その首輪に注目!」

進藤に言われて初めて首輪の存在に気づいた生徒もいたようだった。

「その首輪が、生きている人間を認識して…ドッカーン!!と爆発するぞ!
 はっはー!
 あと、首輪を外そうとしても爆発するからな!気をつけろぉ!」

「え…? な…何だよ…何だよ、この音……」

近くにいた、廣岡誠(男子14番)と目があった。 誠は目を見開き、体を震わせていた。 邦康はゆっくりと誠の方に歩み寄った。

「ねぇ…なんでそんな顔するんだよ…ねぇ…廣岡ぁ…」

誠は何も言えなかった。
僅かに口許が動いていたが、声帯が麻痺したかのように、声が出なかった。

「能勢さん…ねぇ…この首輪…何なの…?」

能勢杏奈(女子15番)は、段々速くなっていく電子音を聞いて、ただぼーっと邦康を見つめていた。

「ねぇ…怖いよ…何で誰も教えて…くれないの…? 藤岡ぁ…」

「う…うわあぁぁぁ…よ…寄るなあぁぁ!!」

藤岡照昌(男子15番)は席を立ち、邦康から離れた。

「え…?どうして逃げるんだよぉ…原田さん…」

原田千秋(女子16番)は体をガタガタ震わせ、「あぁ…」と声を漏らした。

ピピピピピピ、と電子音はさらに速くなっていく。
邦康の表情が引きつったものから、泣き顔へと変わっていく。

「ねぇ!なんなんだよ!君なら教えてくれるよね!?皆川!!」

皆川玉樹(男子16番)は、「邦康…」と震えた声で、泣きそうな顔で、邦康を見つめた。

「いやああああああ!!」

恐怖の頂点に達した千秋が泣き叫んだ。

それと同時にピーッと電子音が鳴り響いた。

ぼん、とごもった爆発音がし、邦康の首が胴から離れた。 先に頭が床に落ち、それからゆっくりと胴も倒れた。 邦康の目はぼんやり天井を見ていた。 胴体は、ビクビクと痙攣していたが、それもやがて止まった。

部屋中が静まり返った。

そして、ソプラノとテノールのコーラスが教室中に響き渡った。

「はい! 静かに! わかったかー!
 こうなるから、決して禁止エリアには入らないようになぁ!」

進藤が手をパンパン叩きながら叫んだ。またあの爽やかな笑顔を浮かべて。

「もしも最後に誰かが死んでから24時間以内に誰も死ななかったら、
 そこで終了!
 生き残ってる人の首輪は、一斉に爆発するぞ!
 まあ、例は少ないから安心してくれていいぞ!」

そこまで言って、進藤が咳払いをした。

「他、質問は?」

誰も何も言わなかった。

良樹は邦康の死体が転がっている方を見た。 誠も照昌も玉樹も顔色が悪い。 当たり前だが。

「質問はないようだな! では、順番に出て行ってもらうぞ!
 あっとその前に…みんな、紙切れがあるな?
 それにプログラムに参加するにあたって、何か書いてくれ!」

良樹はボールペンを右手に持った。

「何でもいい!
 ゲームに参加する意気込みでもいい、親に向けた言葉でもいいぞ!」

生徒達はそれぞれペンを走らせた。

『みんな殺そうなんて思ってないよな?』

良樹は、不安に思っていることを書いた。
少なくとも、オレは絶対に乗らない…そう思いを込めて。

「よっし!じゃあ、出て行ってもらうぞ!」

そう言うと、進藤はポケットから封筒を出し、手で封を切った。 そして紙切れを1枚取り出した。

「えー…1番最初は…君だ!
 男子16番、皆川玉樹君!」

生徒達の視線が進藤の指差した先、玉樹に集中した。

「ぼ…僕…?」

玉樹の少女と見紛うような表情が引き攣り、体が震えていた。 しかし、側に置いてあったショルダーバッグを持ち、立ち上がった。 バッグを持つ、細い白い手がガタガタと震えていた。

玉樹は部屋中を見回していた。 震えている幼馴染の麻生咲(女子1番)と目が合った。 咲の目には涙が溜まっているようだった。 玉樹は安心させるように笑顔を作っていた。 クラスメイトが目の前で死んだ後だったのでかなり無理があったが。

「そうだ!」

進藤が叫んだ。

「気をつけろよ!
 ここのエリアは、最後のヤツが出て行って20分後に禁止エリアになるからなぁ!
 さあ、皆川君、出発だ!」

玉樹は前に出た。デイパックを受け取ると、そのまま走って出て行った。

2分のインターバルを置いて、進藤が名簿に目をやった。

「次は…女子16番、原田千秋さん!」

千秋の体がビクッと震えた。邦康の死体を避けて、前にゆっくり出て行った。
デイパックを受け取ると、それをしばらく凝視したあと、進藤に投げつけた。

「あたし、いらない!!
 こんなゲームになんか、絶対乗らないんだから!!」

それだけ言い捨てて、千秋は部屋を走って出て行った。

進藤は、千秋を撃ち殺そうとした足立を止めた。

「いいじゃないか、元気で!」

そういうと進藤は爽やかに笑った。

  

次々と生徒達が出て行った。

泣きながら出て行く者、何故か誇らしげにデイパックを掲げる者、何も言わず走り去るもの、名残惜しそうに部屋中を見回す者、政府の連中を睨みつけるもの。

男子6番・閑谷邦康(しずたに・くにやす)

卓球部。いつも大人しく自己主張をしない。
門脇吉孝(男子4番)の自慢話の聞き役。


支給武器:なし(出発前に死亡)
kill:なし
killed:進藤幹也(担任)
凶器:首輪
 

プログラム参加に怯え、逃げ出す。すぐに軍人につかまり、進藤によって首輪を吹き飛ばされ死亡。

麻生咲(女子1番)は、一人ずつ教室を出始めてから24分後、デイパックをもらい部屋を出た。
時計を見ると、3時24分を指していた。かなりの時間、寝ていたらしい。

生まれて初めてだ。 人間の死体を見たのは。 それも身近な人間の。

中岡先生…あの人の死に方はひどかった…
あの兵士は狂ってる…普通、死んだ人を人に向かって投げつける?
そのせいで、近くで見てしまった…
頭が半分なくなっていた。顔についてたもの――あれは血と脳味噌だろうか? とにかく、それも見てしまった。

そして、閑谷邦康(男子6番)。 あまり親しくはなかったものの、ショックだった。
教室を出るとき、その死体を見てしまった。 見ないつもりだったのに。 胴から外れた頭。 うつろな瞳は、天井を睨んでいた。 怖かった。

 

外へ出た。

ここが、このふざけたゲームの会場になる。 ゲームと呼ぶこと自体がふざけているけれど。 緑あふれるこの場所で、クラスのほぼ全員が死ぬ。 考えただけで恐ろしかった。

みんな死ぬ…

そう、中岡や邦康のような死体がゴロゴロ転がる。
頭が半分なくなった死体、腕がもげた死体、首が胴から離れた死体…

胃の中のものが突き上げてきた。

咲は茂みの方へ入った。

「うぇ…かは…っ」

ダメ…あの2人の死体が目に焼きついている…

咲は、胃の中の物を出した。 目に涙が滲んでいた。
デイパックのジッパーを開け、ペットボトルを手探りで探した。 ペットボトルのふたを開け、水を口に含み、口を濯いで吐き出した。 まだ口の中に酸の味が残っている。

「もう…ヤだよぉ…」

どうしてこんな目に会わないといけないの?
どうしてウチのクラスなの?
どうして…?

そうだ…こうやっていつも私が泣いているときは…絶対に駆けつけてきてくれて…優しく抱きしめてくれた…
クラスのみんなは知らないだろうけど、一応付き合ってるんだよね、あたしたち。
本当に大好きだから…あたしは…会いたい…会いたいなぁ…

「咲!」

咲は慌てて振り返った。 聞き覚えのある、男子にしては高めの声…

「た…まき…?」

そこにはきゃしゃな体つき、そこらの女子よりも可愛らしい、いつもの皆川玉樹(男子16番)の姿があった。 月の光で白い顔と手がぼんやりと浮かんで見えた。

「咲、よかった…」

玉樹は優しく咲を抱きしめた。咲の茶色の髪を優しく撫でた。

「玉樹…玉樹…会いたかったよぉ…怖かったよぉ…うわあぁぁぁぁ!!」

咲は玉樹の胸の中で、泣いた。
きっとこれは危険行為だ。
それでも玉樹は何も言わず抱きしめていた。 さっきまでの一人きりの恐怖はどこかへ行ってしまっていた。 今あるのは、幼馴染であり恋人でもある、玉樹に会えた事による安堵感、それでいっぱいだった。

咲は大分落ち着いてきた。フウ、と一つ小さなため息をついた。

「咲、気分は大丈夫?」

「あ…うん、ゴメンね。 こんなところで…こんな場合じゃないのに…」

そうだ、ついさっき吐いちゃったんだ。そんなトコで…

玉樹は首を横に振った。

「いいよ。出しちゃった方がすっきりするでしょ?
 僕もホント…吐きそうだよ。こんな事になって…」

咲は「そうだ」と呟き、自分のデイパックを引っ張り、ジッパーを開けて中を漁り始めた。中には色々入っていた。食料、水、コンパス、懐中電灯…そして、果物ナイフ。そんなものが入っているとは聞いていないから、これが支給武器、というものだろう。

咲は玉樹の方を見た。ズボンのベルトにはベレッタM92Fが差し込まれていた。

これが銃…初めて見た…

ゴクッと唾を飲み込んだ。

玉樹は立ち上がった。

「とにかくここから離れよう?禁止エリアっていうのになっちゃうし…」

「でも…誰かに会うかも…」

「大丈夫だよ」

玉樹が座って自分の方を見ている咲に手を差し伸べた。そしてにっこり笑った。

「大丈夫。咲は僕が守るから」

咲は自分の顔が真っ赤になっているのがわかった。夜だから玉樹には見えてないよね、よかった。何とか立ち上がり、デイパックとショルダーバッグを持った咲は、玉樹に手を引かれ、移動を始めた。

坂出慎(男子5番)は、デイパックとショルダーバッグを担ぎ、部屋から出た。
逆立てた金髪を生やした頭を掻きながら、外の緑いっぱいの空気を吸って、吐いた。
やっぱ外っていいよな?…あの部屋、血の匂いが充満していやがった…

慎は唇を噛んだ。

ふざけんな、あの進藤とかいうマッチョ野郎…

「慎!」

聞き覚えのある声を聞き、その方向を向いた。 不良仲間で短めの茶髪にパーマをあてている、井上稔(男子2番)が茂みから顔を出して、こっちにこい、と合図をしていた。 慎は稔の方に駆け寄り、再会の喜びを表して、右手同士をパンッと合わせた。

「良かったぜ。待っててくれないと思ってたよ、稔」

「何いってんだバーカ。 お前は信用してるぜ?」

2人はハハッと笑い声を上げた。

  

少し移動し、I=07エリアを抜け、森林公園の入り口付近まで来た。 そこで腰を下ろした。

「慎…どう思うよ?」

稔が口を開いた。

「あの進藤とかいうふざけた野郎…」

慎は拳を強く握り、地面を思いっきり殴った。

「オレはあいつをブッ[ピーーー]!
 許さねぇ…あのマッチョ…中岡殺しやがって…」

ニッと稔が笑った。

「オレも同意見だ。さっすが、同じこと考えてたか」

担任の中岡は、パッと見はさえないおじさんだったが、慎にとっても稔にとっても大切な人だった。 小学生時代から荒れていた2人は、親にも見離され、先生達からも呆れられていた。 どの大人も、自分達を構わなかった。 むしろ、存在していないかのように扱った。 そのくせ、何か悪いことがあったらすべてを2人に押し付けた。 そのため、2人は’大人’という存在が大嫌いだった。

しかし、中岡は、そんな2人に他の生徒と同じように接してくれた。 時には叱ったりもするが、何かが出来たときは褒めてくれ、悩んでいるときは相談に乗ってくれた。 これは他の生徒達から見たら何の変哲もない事だったと思うが、2人にとってはそれがとても嬉しかった。

そんな中岡を、政府はあっさり殺した。

許せなかった。

「ブッ[ピーーー]…のはいいけどよ、どうやって…?」

慎は訊いた。許せない、だけど報復の仕方がさっぱりわからない。

「とりあえず…武器、見ようぜ。」

2人はデイパックのファスナーを開けた。

稔のデイパックから出てきたのは、クマデ(あの潮干狩り、とかいうくだらない遊びで使うやつだな)だった。 慎の支給武器は、スコップ(こっちは芋ほりで使うような鉄製の物)が出てきた。

溜息を吐いた。

「おいおい…オレらに砂遊びでもやれってのか?」

「いや…宝探しじゃねぇの?」

プログラムに参加した男子生徒2人が会場で金銀財宝を発見! 新聞のトップ記事はもらったぜ、イエイ! …おいコラちょっと待てよ? これでは復讐なんて出来るわけがない。 返り討ちだ。

「どーするよぉ…」

慎が頭を抱え込んだ。稔はしばらく考えた後、口を開いた。

「仲間…探すか?」

「仲間…かぁ…
 でも、オレらみたいなヤツ信用してくれそうなのって…誰だよ?」

そう、2人はケンカもする、カツアゲもする、タバコも吸う、根っからの不良だった。 クラスでも浮いた存在だった。 そんな2人に、しかもこの状況で、誰が信用してくれるだろうか? おそらく、ほとんどの生徒は、この2人はやる気だ、と思っていることだろう。 ちくしょう。 こんなことになるんだったらボランティア活動でもやっとくべきだったぜ。

正義感の強い、男子委員長の高橋良太(男子9番)と女子委員長の津川麻保(女子9番)なら、きっとこの状況でも戦おうとはしないだろう。 それに、差別とかは嫌いだから、きっと受け入れてくれるはずだ。 しかし、逆に危険因子だからとかいって殺される可能性がないわけではない。 正当防衛だから仕方がない、とか? まともなヤツほど狂うんだよな、こういう場合。 まぁ、簡単にやられたりなんざしないけど。

「それか…あのへんどうだ?ほのぼのカップル」

今度は慎が言った。

ほのぼのカップル、和田純直(男子20番)と原田千秋(女子16番)は争いごとは嫌いな人間だ。 千秋は、デイパックを進藤に投げつけるほど、このゲームに乗らないと主張していた。 しかし、この2人が自分達を受け入れてくれるかはわからない。

まあ、あとはごくプレーンな堤良樹(男子10番)とか富田宗(男子11番)あたりだろうか。 でも、サービスエリアで少し脅したからな…無理か。

「…やっぱ、咲と玉樹くらいだな…」

「だよな、あの2人なら…」

皆川玉樹(男子16番)と麻生咲(女子1番)は、クラスで唯一自分達に自然に接してくれていた。

 

中2の校外学習の班決めの時だったような気がする。

8人グループを作る、という事になったが、クラスで浮いていた存在の稔と慎には誰も声をかけてこなかった。 どうせさぼるつもりだったから、誰でもよかった。 余ったところにでも適当に入ろうと思っていた。

「ねぇ、井上君、坂出君。 一緒の班にならない?」

教室中が静まり返った。 担任の中岡もこっちの方を見つめていた。

2人に声をかける人間なんていないと思っていたので、驚いて振り返ると、咲が笑顔で立っていた。 外見はいささか派手だけど、誰にでも優しく、よく知らないがクラスメイトにはとても好かれているらしい。

「は?お前バッカじゃねーの?」

稔が咲を鼻で笑った。 すると横から幼馴染とかなんとかいう玉樹が咲の後ろから出てきた。 女みたいなヤツだ、と陰で笑ったことがある。

「バカじゃないよ。
 僕たち今、6人グループで、男子2人足りないの。
 だから、ダメかな?」

慎が玉樹の後ろを見ると、美祢達哉(男子17番)、川上理映子(女子3番)、黒沢星子(女子5番)、仙道桜子(女子7番)が震えているような感じで立っていた。 なんだよ? オレらは妖怪かってんだよ。

実際に校外学習に行ってわかった。 あの2人は本当に自分達に普通に接してくれていた。 本当にこのクラスには悪い人はいない、と思っている。 それ以来、玉樹と咲には普通に会話もするようになった。 時々、玉樹に『ちゃん』を付けてからかったりもした。 玉樹はそのたびに怒っていた。 どれもこれも懐かしい思い出だ。

「あの2人ならオレらを信用してくれるはずだ!」

「…でもさ、あの2人生きてるのか…?」

「稔…どういう事だ?」

稔は真剣な顔で慎を見つめた。

「あの2人は、このクラスに悪い奴はいない、と思ってるんだぜ?
 だったら、もしもこんなクソゲームに乗った奴に出くわしても…
 全く疑ったりしない…って事だろ?」

慎は目を見開いた。

そうだ! ヤバイ! あの2人ならどんな奴にでもだまされて殺されるかもしれない! 例えば…あの不良ギャル女の日生吹雪(女子17番)とかはやる気になるかもしれない。 そんな奴らに会ったとしても絶対に疑わないだろう。 しかも仲間にしようとするかもしれない。 ヤバイ…マジでヤバイ…

「稔、行くぞ」

慎が立ち上がった。

「行くって…どこにだよ?」

「バカかテメェ! 咲と玉樹を探しに行くに決まってるだろ!」

しばらく慎を見つめていた稔も、頷いて立ち上がった。 どこにいるかはわからないけど、まだそんなに遠くには行っていないはずだ。 まだこの辺にいるかもしれない。

土井雫(女子10番)はその小さな手にボウガンを持っていた。
 

教室を出て、雫はすぐにデイパックのジッパーを開けた。

怖い…怖いよ…誰かが襲ってきたらどうしよう…?
その時、丸腰だったら危険だから、とにかく何か武器を…

中から何かゴツい感じの弓に銃とかの引き金がついたような物が出てきた。 最初はよくわからなかったが、少し明かりがついている廊下で説明書を読むと、なかなか扱いやすそうなものだった。 扱いたくはなかったけれど。

「早く行け!」

見張りの兵隊が雫にマシンガンの銃口を向けた。

「ひ…っ!」

雫は慌てて荷物をまとめて、立ち上がった。

 

この武器を使う機会がありませんように…

雫は必死に祈った。祈りながらゆっくりと廊下を進んだ。
出口が近づいてきたあたりで、雫は足を止めた。

誰かがいる…誰…?

ボウガンを握った手がガタガタ震えた。

「だ…誰?誰なの…?」

雫は震える声で訊いた。

女の子、女の子ならいい…。女の子なら大丈夫だ、きっとやる気じゃない…

「その声…お前、土井か…?」

雫は目を見開いた。

女の子ではなかった。 男の子だ。
しかも、幼馴染の堤良樹(男子10番)ではない。
良樹より6分前に、震えながら慌てて出て行った、勢多翼(男子8番)だ。

「おい…お前、何持ってるんだよ…?」

翼がゆっくり近づいてきた。雫はゆっくりと下がった。「嫌だよ…来ないでぇ…」震える手でしっかりと握ったボウガンを翼の方に向けた。 翼が足の動きを止めた。「土井…オレを…[ピーーー]…のか…? やる気なんだな…?」翼の右手に握られたカッターナイフの刃が月の光に反射して、鈍く光った。「ち…違う! やだ…! 違うよぉ…!」どんなに言っても翼の耳には届いていなかった。「やる気なんだろ? そうなんだろ…? う…うわあぁぁぁぁぁぁ!!」翼がカッターを振り上げ、雫に向かってきた。「きゃあああああ!!」雫は泣き叫び、翼の横を抜けて外へ出た。 その時にカッターの刃が雫の頬をかすめた。 翼が振り返り、再び雫の方へ向かってきた。「オレは死にたくない! 死んでたまるかあぁぁぁぁ!!」カッターを振り上げ、走ってくる。 さすがサッカー部FW、速い。距離がだんだん狭くなる。襲ってくる。あたしを[ピーーー]ために…「やだあぁぁぁぁぁぁ!!」雫は無我夢中でボウガンの引き金を引いた。 その反動でしりもちをついた。勢多君は…?ゆっくり視線を翼の方へ向けた。翼の首に何かが刺さっている。あれは…あたしが撃ったボウガンの矢!?「土…井……や…っぱ…り…」それだけ言うと、翼は前のめりに倒れた。雫は恐る恐る翼に近づき、そして目を見開いた。 首にはしっかり矢が刺さっていて、地面にはゆるゆると血が流れ出していた。「いやああああああ!!」雫の目から涙がぼろぼろ流れた。あたしは…あたしは人を殺した…!あたしは人殺し!人殺し!人殺し!ヒトゴロシ!!「雫!」茂みから幼馴染の堤良樹が出てきた。良樹君は見たんだ!あたしが勢多君を殺したところを!どうしよう!どうしよう!まさかあたしを[ピーーー]気なんじゃ…

スレ立ておつおつ

おっつ

ID:fX5a1w8N0 [ピーーー]よ。

大東亜共和国の中ではトップクラスの歴史と偏差値を誇る、大東亜国民であるなら知らないものはいない有名な学校であり、初等部から大学部までの一貫教育を行っている共学校である。
初等部から大学部までをずっと帝東学院で過ごす生徒もいるが、中等部・高等部・大学部から推薦入試や一般入試を経て入学する者も少なくない。
初等部からの生徒には、政治家の子息息女や経営する会社の跡取や社長令嬢などの比較的裕福な家の子どもや、“帝東学院出身”という肩書を与えたいと願う親にわけがわからないままお受験をさせられた子どもが多い。
一方中等部からの生徒は、難関と言われる通常入試を勝ち抜いての入学を果たすため学力が総じて高い。
同時に部活動が盛んなため、通常入試で合格するには学力が及ばなくとも、何らかの特技を活かして一芸入試で合格して入学する者も多い。
つまり帝東学院とは、家柄、学力、スポーツなど、何か1つは秀でているものを持つ者たちが集う場所である。

そのような学校ではあるが、朝登校して授業を受け、授業の後に部活動を行う――このサイクルは他の学校と大差ない。
財前永佳(帝東学院中等部三年A組女子六番)も6時間の授業を終えた後は部活動のために美術室へ向かい、キャンパスと油絵用の画材を用意し、前方に置いた果物たちを描くことに没頭していた。
美術が好きかと言われれば、普通、としか言えない。
中等部に上がった時、あまり人と関わらずに時間を忘れて取り組めることがしたいと思い、それが叶うだろうと最初に思いついたのが美術部だった、というだけだ。
人と関わることが嫌いというわけではないのだが、初等部の後半から中学1年生の頃にかけてはとある事情で女子の中で浮いた存在になっており、そんな中で例えばバレーボールやバスケットボールのようなチームプレイができるとは思えなかった。
もっとも、ほとんどが全国クラスである帝東学院の運動部で活躍できるような能力が自分にはないことは自覚しているのだが。

どれくらい時間が経っただろうか。
一応満足できる絵が完成して我に返ると、いつの間にか日は傾き、赤い日差しが永佳を背中から照らしていた。
時計に目を遣ると、長針と短針が真反対を指して午後6時を示そうとしていた。

今日も、あと6時間…か。

ちらり、と美術室の端に置いている鞄に目を遣った。
教科書類はほとんど教室に備え付けられた個人ロッカーに置きっ放しにしているので1,2冊程しか入っておらず、いつもはぺちゃんこに近いのだが、今日はいつもより少し膨らんでいる。
いつもは入れていない“ある物”が入っているのだ。

…多分、無駄になるんだろうな。
しょうがないか、タイミング逃しまくったし、もうすぐ下校時刻だし…
…大体、キャラじゃないよね、そんなの。

小さく溜息を吐く。
“しょうがない”という言葉で色々な理由を作ってやるべきことから逃げる悪い癖。
治るどころか年々捻くれて助長されていくこの癖を持つ自分が、永佳は嫌いだった。

「ひーさかちゃんっ」

心の中に渦巻き始めていた黒い靄を優しく包み消していくような柔らかく温かい声が永佳の名前を呼び、永佳は顔を上げた。
きっちりと着こなした制服、胸元まで伸びた艶やかな黒髪、小さな口とすっと通った鼻筋、大きく優しい瞳――クラスメイトでもあり部活仲間でもある上野原咲良(同・女子二番)がにっこりと笑みを浮かべて永佳を見下ろしていた。
初等部の頃から類い稀なる愛らしい容姿をしていた咲良は、今や中等部どころか高等部にまでファンクラブができている程異性からの人気が高く、帝東学院のマドンナと称されているのだが、当人は自分の人気の高さを自覚していない。

赤みがかった茶髪のボブヘアとブラウスの袖から覗くごついブレスレット、そして吊り上がり気味の勝気さが満ちた瞳――まだ修学旅行の行きしなだというのに既に土産物のまんじゅうの箱を手に取っていた朝比奈紗羅(女子一番)だ。
身長は150cmにも満たない小柄な体格だが、その身の軽さもあってか新体操部のエースの座に君臨する、ややきつい性格をしているが気軽に話せる女の子だ。

「迅と優人がバス酔いしたから、食えそうなモン探しに来たんだよ。
 そっちこそ、土産はまだ早いっしょー」

「いーのぉ。
 せっかくだから、普段食べないこういうのみんなでバスで食べようってなったの」

卓也のツッコミに対したのは、猫っ毛の短めの髪の一部を赤いの飾りのついた髪留めで留めた髪型が愛らしい、いつも眠たそうにしている鳴神もみじ(女子十二番)。

「だからって甘ったるいのばっか食えねぇよ、もっと小さい箱にしろよな!」

もみじが手にしていた大きな箱を後ろから取り上げたのは木戸健太(男子六番)。
男子の中で最も小さいが熱気が身体から噴き出さんばかりの熱血家で努力家の少年漫画の主人公になれるタイプの性格で、卓也とはテニス部でダブルスを組んでいる仲の良い相棒だ。
紗羅ともみじと健太は幼馴染トリオで全員が中等部から帝東学院に入学して非常に仲が良いので、3人をまとめて“庶民トリオ”と陰で呼ぶ者もいる。
小柄な3人がじゃれあう姿は、小動物を見ているようで微笑ましい。

「バス酔いって大丈夫なの?
 あ、飴とか舐めたらいいって聞いたことあるんだけど…どうかしら、瑠衣斗くん」

「あ、確か相葉も日比野も席が後ろの方だったね。
 前の方が揺れがマシらしいから、席替ってもらえば?
 望月たちから離れて、静かに寝てしまうのが1番じゃない?」

それぞれ手に地域限定のお菓子を持った上野原咲良(女子二番)と真壁瑠衣斗(男子十六番)が、バス酔い対策を話し合ってくれていた。
咲良は類い稀なる愛らしい容姿と誰にでも優しい性格で異性人気が非常に高い帝東学院のマドンナ的存在だ。
ここに入る前にちらっと姿が見えた時には、同じサービスエリアに居合わせた他の学校の修学旅行生に声を掛けられていたが、咲良の隣にいた強面で大柄の池ノ坊奨(男子四番)にじろっと一瞥されて彼らはそそくさと逃げて行ってしまっていた。
まるで奨は咲良のボディーガードのようだった(実際は幼馴染らしいのだが)。
本当なら恋人の健太が護ってやるべきだと思うのだが、小さな健太が睨みをきかせてもあまり効果はなかったようだ、お気の毒に。
瑠衣斗は学年一の天才児で、あらゆる試験で常に学年トップの座をキープしている。
表情を表に出さないことが多いのだが、何故か卓也を見る目つきは他の者を見る時とは違い嫌悪感が滲み出ている。
その理由は卓也には見当もつかないので、対処のしようがない。

「あれ、咲良ちゃん…お宅のキングは?」

卓也の問いに、隣にいた英隆がぷっと噴き出した。

女子の集団の中から覗いている茶髪は明らかに城ヶ崎麗(男子十番)のものなのだが、麗は常に満ち溢れる自信とエベレスト級のプライドの持ち主ながら身長は決して高くないので、その顔は卓也たちからは確認できない。
帝東学院中等部の生徒会長でもあり卓也や健太が所属するテニス部の部長でもある麗は、生まれつきの茶髪と白皙の肌と赤みがかった目が特徴的で、口許のほくろが非常に端正な顔立ちに更に色気をプラスさせていることもあり、女子人気は非常に高く今もその容姿に魅かれた他校生に捕まっているのだ。

麗には、カリスマ性が備わっていると卓也は思っている。
卓也は部活での付き合いがあるのだが、彼以上に部長らしい部長はいないと思うし、いつでもつい姿を追ってしまう。
咲良と奨は幼い頃から常に麗の傍から離れないし、紗羅は『麗に憧れて入学した』と豪語しているし、もみじは異様なまでに麗に心酔しているし、健太は麗をライバル視しながらも常に行動を共にしているし、深い人付き合いをしなさそうな瑠衣斗ですら常に麗に付き従っている。
それぞれが、麗に対し何かを感じているのだろう。

「城ヶ崎さん、何をされているんです?
 そんな庶民たちの相手をされるなんて、やはりお優しいですね」

麗に群がる女子たちの間に割って入り麗の腕を引っ張ってその中から救い出したのは、麗を取り巻くグループの最後の1人、高須撫子(女子十番)だ。
麗に群がっていた女子たちが非難の声を上げるが、撫子に勝ち誇った笑顔を向けられると萎縮し、そのままどこかに行ってしまった。
撫子は華道の家元を祖母に持つお嬢様で、艶やかな長い黒髪に上品な言葉遣いと物腰、狐のように吊り上がった目元にキツさを感じるが“大和撫子”と呼ぶに相応しい咲良とは違うタイプの容姿に恵まれた女の子なのだが、恐らくこのクラスで最も家柄に対する偏見が酷い。
中等部から入学した人間に対して、普通に“庶民”という言葉を遣い見下している。
それはいつも行動を共にする健太・瑠衣斗・紗羅・もみじも例外ではなく、特に紗羅との折り合いが悪いように見受けられる。

「お前ら、買うモン決めたか?
 とっとと買って、あっちにある喫茶店にでも入ろうぜ」

麗は髪を掻き上げながら仲間の元に戻ってきた。
クラス1の家柄で育った麗には、外の屋台やフードコートでご飯を食べるということは考えられないらしく、競合店がないからか値が張っているサービスエリアの喫茶店に入ることを当然のように提案していた。
健太たちの財布には少しきついのではないのだろうか、何となくそう感じたが、健太たち“庶民”も異議を唱えることはなくそれぞれ土産物の会計に向かったので、卓也と英隆は麗たちとは別れて胃に優しい物を再び探し始めた。

結局梅干しおにぎりを2つと自分たちの昼食を買ってから売店を出た。
ふとフードコートに目を遣ると、奥の方では恒祐たちが騒いでいたのだが、手前側にも見慣れた顔があった。
先に気付いたらしい英隆が、既にそちらの方に向かっていた。

「あ、ハルカワー!!」

最初に英隆に気付いて大声を上げたのは、クラス1小柄で小学生のように幼い広瀬邑子(女子十五番)、英隆の幼馴染だ。
その手元にはたこ焼きが置かれている。

「へー、たこ焼き売ってるんだ、おいしそうじゃん、邑ちゃん」

「じゃあ1つおすそわけ、どーぞ!」

邑子は持っていた箸でたこ焼きを1つ持ち、英隆の方にやった。
それは所謂“あーん”なのだが、英隆もさして気にも留めない様子で差し出されたたこ焼きを口に入れ、美味しさに顔を綻ばせた。それを見ていた小石川葉瑠(女子五番)と平野南海(女子十四番)と山本真子(女子十九番)がにやにやしながら「おおー」と声を上げた。

くつくつと蓮井未久(女子十三番)が笑い、その隣で阪本遼子(女子八番)が頬杖をつきながら呆れた表情を浮かべていた。

「阪本さんも、圭にやってあげたら?」

英隆が意地悪く言うと、遼子は顔を真っ赤にした。

「はぁ!? 意味わかんない、何であたしが横山にそんなことしなきゃいけないの。
 熱いおでんなら突っ込んでやっても良いけどさ」

「どっかのお笑いタレントか!」

遼子の後ろでツッコミを入れたのは、遼子の相手役に挙げられた横山圭(男子十八番)、遼子とは9年連続同じクラスの腐れ縁だという。
9年連続クラスメイトということもあり、2人は言い争いを続けているのだが、それは息がぴったりの夫婦漫才のようにしか見えず周りはそれを見て笑っている。

「横山テメェ水汲んだら戻ってこいよ」

「そんなの両手に持って喧嘩して、零しても知らないぞ」

離れた場所から圭を呼んでいるのは、いつも圭と一緒にいる原裕一郎(男子十三番)と宍貝雄大(男子八番)だ。
特に裕一郎は圭とはサッカー部で同じポジションを争ったライバル同士ということもあってか日頃から口喧嘩が絶えず、今も圭を睨みつけている。
それでも一緒にいるというのは、雄大がいつも間に入って仲裁してくれるということもあるだろうが、何か通じるものをお互い感じているのだろう。

早く優人と迅のところに戻らなければいけないと思い、背中に遼子と圭の声を浴びながら卓也と英隆は外に出た。
優人と迅のいるベンチには先客がいた。

「…顔色悪っ」

「バス酔いかぁ、お気の毒ねぇ」

「あ、カリカリ梅ならあるよ、これ食べたらすっきりしないかな、迅!」

財前永佳(女子六番)、湯浅季莉(女子二十番)、水田早稀(女子十七番)のギャルグループの面々だった。
永佳は卓也の顔を見ると、ふいっと顔を背けた。
永佳とは彼氏彼女の関係なのだが、永佳は人前では絶対に卓也に寄り付かない。
卓也の周りはそれを変だと言うが、人前で寄り付かないのも悪態付くのも全て永佳の照れ隠しなのだ。
季莉と早稀も永佳のそんな性格をわかっているので、永佳と卓也を交互に見て苦笑を浮かべるだけで、せっつくような真似はしなかった。
ちなみに英隆は永佳とも幼馴染なのだが、永佳は邑子のように英隆に対して親しげに話しかけたりはしないし、英隆もそれに対しては何も言わず、どこか余所余所しい。

青白い顔をしている迅の彼女である早稀は、リュックからカリカリ梅を取り出した。
早稀は無類のお菓子好きで、初等部の頃に遠足で“お菓子は300円まで”と決められた中でも大量のお菓子を持ってきた上に、教師に注意されると真顔で『飴は喉が痛くなった時に痛みをマシにするためのお薬だし、ガムとかグミは噛む力を鍛えるものだし、バナナは果物だし、ビスケットは動物にあげるエサだから、お菓子じゃないです』と言い放ったつわものだ。

「早稀ちゃん、俺には?」

「えーあたしの大事なおやつをどうして優人なんかにあげなきゃいけないのー?
 1個は迅のでしょ、もう1個はあたしのだもーん!」

「そんご無体な…!!」

凹む優人を見かねて、迅は溜息を吐いて早稀の手からカリカリ梅の入った袋を取り、1つを優人に手渡した。
そしてもう1つを自分が齧った。

「ちょっと迅、あたしの…――ッ!」

批難の声を上げた早稀の口に、迅は自分が齧ったカリカリ梅を入れた。早稀は目をぱちくりさせていたが、何が起こったのかを理解すると頬をぽっとピンク色に染めた。

この場にいない永佳たちの仲間である星崎かれん(女子十六番)は非常に大人びた容姿と性格をしており、同い年の人間との付き合いにはあまり関心がないらしい。
援助交際をしているという噂が立っており、交友関係を広げることが得意な卓也ですら少し敬遠してしまっているクラスメイトの1人だ。

卓也は購入したばかりの鮭おにぎりを頬張りながら、周りを見回した。
まだ5月末で冷たい物を食べるには時期が早い気がするが、ソフトクリームを売っている屋台の前には、荻野千世(女子三番)・佐伯華那(女子七番)・鷹城雪美(女子九番)・室町古都美(女子十八番)といった文化系女子グループの面々がいた。
確かに“濃厚ミルクソフトクリーム”と書かれれば食べたくなる気持ちはわかる。
卓也の傍でも、早稀が物欲しそうに屋台を見ている。

視線に気付いた雪美がこちらを見て怪訝そうな表情を浮かべたので卓也は慌てて視線を逸らし、反対側に顔を向けた。
目に入ってきたのは、芥川雅哉(男子二番)と奈良橋智子(女子十一番)という世にも奇妙な組み合わせだ。
智子はA組の副委員長で大人しく人と関わっているところをあまり見ない程に人付き合いが良くないが、とても真面目な優等生だ。
一方雅哉は銀髪に赤メッシュを入れた奇抜な髪形に着崩した制服が物語っているように真面目とは正反対の問題児で、授業の大半は寝ているし体育も参加しているところを見たことがない。
2人に共通しているのは、普段親しくしている友人がいないことくらいだ。
声は聞こえないが、智子が心配げな表情で雅哉に何事かを話し掛けるが、雅哉はへらへらと笑いながらそれを受け流してバスの方へ戻って行った。
智子が卓也の視線に気付き、びくっと身体を振るわせるとお手洗いの方へ掛けていってしまった。

「何きょろきょろしてるの、気持ち悪い」

永佳にぼそっと呟かれ、卓也は周りを見回すのをやめた。
ふと腕時計に視線を落とすと出発時間の10分前になっていたので、風に当たったことで体調が回復してきた優人と迅も連れて、卓也たちはバスへ戻った。

慌てて飛び乗ってきた恒祐たち男子主流派フードコート組が席に着いたところで担任である国語教師の塚村景子が人数点呼を行い、40人全員がバスに乗り込んだことを確認した後、バスは発車した。
高速道路の本線に戻る頃には車内は騒がしくなり、後部座席を陣取っている麗たちのグループは土産物を広げ始め、卓也の後ろの席に座っている恒祐と龍輝は子どもの頃に見ていた少年向けアニメの主題歌を歌い出し、その音程の外れっぷりに葉瑠や南海といった女子主流派の騒がしい面々からブーイングが飛んだ。
圭と裕一郎は恒例の口喧嘩を始め、雄大がそれを止めている。
何か楽しいことを話していたのだろう、早稀と季莉の高笑いが車内に響く。
卓也もバス酔いから復活した迅や英隆と話に花を咲かせた。

30分程経った頃、卓也は車内の異変に気付いた。
随分と、車内が静かになっていたのだ。
隣に座っている英隆はこくりこくりと舟を漕いでいるし、酔い止め薬の効果があったのかもしれないが迅と優人も完全に寝入っている。
立ち上がって見渡すと、最後列ではもみじと健太が麗に寄り掛かり麗も健太に体重を預けるように眠っていたし、前の席の瑠衣斗の手がだらんと通路に伸びていた。
前方を見ると、錬、堅物の榊原賢吾(男子七番)、委員長の芳野利央(男子十九番)といった普段から寡黙なトリオも眠っているし、先程何事かを話していた雅哉と智子それぞれの隣に座る林崎洋海(男子二十番)と如月梨杏(女子四番)も窓に身体を預けて眠っていた。

まーた変なのが沸いてんな

新スレキター!!
>>1おつです

てかコイツもしかして少し前に禁書スレ荒らしたのと同じ奴か?

ここ最近はロンパスレ荒らすのに夢中になってるキチガイだよ
相手するだけ無駄だから現れたら黙ってNGして焼き依頼出せばいい

BBSバーボン規制解除、焼きまたはあぼーん依頼スレッド

まあ最近は焼き依頼スレすら荒らされてて対応遅いけど、依頼出さないよりはいい

クライマックスまで頑張ってください

カムクラ「愛だとか友情だとか……僕はそんなもの信じていません。人間なんて簡単に他人を騙し、平気で嘘をつきます。君も薄々気がついてるんですよね?」

カムクラ「自分たちが『絶望』であるということに」

日向「……あぁ」

カムクラ「ならなぜ助けようとするのですか?世界を壊した絶望たちを」

日向「……約束、したからだ」

カムクラ「約束?」

日向「俺を信じて、命をかけてまで助けてくれた友達と約束したんだ。だから俺はみんなを助ける!絶望も希望も関係ない」

カムクラ「ここから出た後はどうするつもりなんですか?未来機関からの追っ手は?自分たちがしてきた罪は?」

日向「そんなものはここから出てから考えればいい」

日向「今は俺の意志で、やりたいことをやるだけだ!」



カムクラ「…………ぷ」

日向「……?」

カムクラ「ククク…なるほど、これはオモシロイ」

日向「はぁ?」

カムクラ「僕もオモシロそうな君を信じてみたくなりました。だから、少しだけ力を貸します」

日向「それはありがたいけど……ッ!」

日向(急に……眠気が……)

カムクラ「また、会えたなら会いましょう」

カムクラ「おやすみなさい」


クソスレ

〔倉庫〕

狛枝「…これだけやれば十分だと思ったんだけどね」

狛枝「はぁ…ボクの周りの人はね、ボクの才能のせいかかなりの確率で死んでいったんだ。ボクの大切な人も、両親でさえも」

狛枝「憎いと思ったこともない人たちだよ。ましてや殺したいなんて一度も思わなかった。それなのに、死んだよ」

狛枝「そんなボクがこの島に連れて来られて初めて人を殺そうと本気で思ったんだ!その人を殺すために計画を練って、使えるものはすべて使ったつもりだよ」

狛枝「なのに……なんで生きてるのかな?」

狛枝「日向クン」

日向「お前を…助けるためだ」フラフラ

狛枝「アハハ!お腹にパイプが刺さってるんだよ?凄い生命力だね!」

日向「狛枝…寂しいのなら、助けてほしいなら俺たちを頼ってくれよ」

狛枝「…助けが必要なのは日向クンのほうじゃないかな」

日向「お前が希望に縋るのは、希望だけが自分を助けてくれると思ったからだろ」

狛枝「……で、そうだとしたらどうなのかな?」

日向「俺はお前を支えてやれる」

狛枝「アハ……アハハハハハ、ハハハハハハハハ!ボクを支えられる?絶望に染められたボクを絶望であるキミが助ける!?」

狛枝「ボクが求めてるのは希望なんだ!『絶望』であるキミには」

日向「ならその絶望を希望で打ち砕けばいい」

狛枝「絶望が希望を抱けるわけないよ!」

日向「過去がどうだったかは知らない。だけど今の俺たちは絶望に染まってるか?」

狛枝「…うるさい」


マイナスとマイナスをかければプラスになる理論でなんとかなる(確信)

期待

日向「もう一人で悩まなくていいんだぞ」フラフラ

狛枝「うるさい!」

日向「お前は、俺たちの……仲間なんだか……らな」ドサッ

狛枝「ーーーーッ!!うるさいうるさいうるさい!ボクは希望が見たいんだよ!絶望がボクを惑わすな!そうだよ……ボクは一人でも平気なんだよ。馴れ合いなんかで絶対に希望は生まれない!」

罪木『創さん!』ドンドン

七海『日向くん!』

九頭龍『おい狛枝ぁ!いるんだろうがよぉ!ここ開けろやッ!』ドンッ

終里『どいてろ!はぁぁぁぁ…おりゃ!』ゴシャ

十神「日向!大丈夫か!?」

弐大「これはどういうことじゃ?説明してくれんかのう、狛枝」


左右田「お、おいおい。なんで日向の腹にパイプが刺さってんだよ!」

狛枝「はぁ……ぐ…うぇ…」フラ

弐大「答えんか狛枝ぁ!」

十神「放っておけ!今は日向の傷の方を優先しろ!」

十神「弐大はパイプを抜け!罪木は傷の治療を!九頭龍や辺古山、終里はありったけのタオルを持って来い!」

狛枝「く……くそ」フラフラ

小泉「…………」カキカキ

小泉『どこに行くつもり?』

狛枝「……小泉さんか」

小泉「…………」カキカキ

小泉『なにがアンタをそうさせるの?』


今回はここまでにします

更新遅くてすみません!

大学が想像してた以上に忙しくてまったく書けてないです…

良かったら前スレのリンクお願いします

(⌒-⌒; )

>>45
日向「強くてニューゲーム」
日向「強くてニューゲーム」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380701157/)

七海が極端に低いのは割と新しい気がする

ごめん誤爆った

続きがあってよかった

狛枝「…………」

小泉「……」カキカキ

小泉『ねぇ狛枝…』

西園寺「おいそこの陰険野郎!小泉おねぇの話聞いてる?」

狛枝「……」

西園寺「無視すんな!」

狛枝「11037」

西園寺「はぁ?」

狛枝「遺跡のパスワードだよ。知りたいことはたぶん遺跡の中にある」

左右田「それってどういう……」

罪木「創さぁん!」

左右田「なにかあったのか!?」

罪木「創さんの血が……止まらないんですよぅ!」

左右田「おいおい、それってヤバいんじゃねぇのか!?」

十神「そんなことはわかっている!おい、どうすればいい!」


酉間違えた?

罪木「血さえ……止まれば……」

十神「だからその方法を聞いているんだ!」

罪木「止血する道具がないんですよぅ!」

終里「タオル!タオル持って来たぞ!」

花村「それに水も持って来たよ!」

十神「タオルで早く押さえろ!」グイ

罪木「止まって……止まってくださぁい!」

「……やっぱりオモシロイ」

九頭龍「誰だよ……なにがおもしろいってんだコラァ!」

「叫ばないでくれませんか」


罪木「!!…創さん!」

「僕はあなたたちの知っている日向 創ではありません」

澪田「創ちゃんだけど創ちゃんじゃない?あ、わかった!多重人格ってやつっすね!」

「詳しいことは後で……」

「焼けた鉄はありますか?」

左右田「ちょっと待ってろ……熱っ!」

十神「これを使え」バサッ

左右田「おぉ、サンキュー。つうかこれでなにすんだよ……」

九頭龍「もしかして……おいペコ!罪木以外の女共を全員外に出せ!」

辺古山「わかりました。さぁ、ここから出るぞ」

七海「でも日向くんが……」

辺古山「私たちがここにいてもなにもできることはない。だから私たちは包帯や薬を取りに行こう」

九頭龍「弐大と十神は日向を抑えていてくれ」


弐大「なにをする気なんじゃ?」

九頭龍「ただの応急処置だ」ビリビリ

九頭龍「罪木!焼いて傷口だけは止める。その後の手当ては任せたぞ」

罪木「はい!」

「こんな仲間に恵まれて日向くんが羨ましいですね」

九頭龍「あん?」

「いえ、なんでも」

九頭龍「左右田は足を抑えてろ。花村は日向が舌を噛まないようにタオルを巻いとけ!」

左右田「おう」

花村「うん、わかったよ」

九頭龍「しゃあ、いくぞ」ジュウ

「ーーーーーー!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁあ゛あ゛!!」

十神「くっ!暴れるな」

弐大「ふん!」

罪木「創さん!」

「ぐぅぅぁぁ!ーーーー」

九頭龍「もう少しだ……よし、罪木!」

罪木「はい!」

辺古山「ぼっちゃん!薬を持って来ました!」

罪木「あとは……」



今回はここまでです

乙~

乙。
正しい方向に行ったカムクラは頼りになるねぇ。公式で江ノ島に正面から対抗し得る唯一の存在と言われただけある

乙乙!

このシリーズ大好き!

これからもがんばってください!

〔森〕

狛枝「はぁ……はぁ……」

モノクマ「失敗しちゃったんだね、狛枝クン」

狛枝「モノクマ……」

モノクマ「狛枝クンはホント役に立たないよね。変なところで幸運だし、人望はないし、希望にもなれないし、言動は一致してないし、殺す対象だった日向クンに簡単に揺さぶられるし、最後まで読み切れてないのに先走るし」

モノクマ「あのファイルだけで全部わかった気になってたの?」

狛枝「……どういうことだ」

モノクマ「うぷぷ、もうそろそろこのゲームも終わりだよ」

狛枝「おい、モノクマ!」

モノクマ「遺跡には後からでも入れるようにしとくから」

モノクマ「ま、来なくてもいいんだけど」

モノクマ「じゃあボクは日向クンの所に行こうかな」

狛枝「…………」



〔倉庫〕

罪木「応急処置、終わりましたぁ!」

十神「よし、すぐに病院に連れて行くぞ!」

モノクマ「喚ばれて飛び出て!」

ソニア「どうやって運べばよろしいのでしょうか?」

弐大「ワシの背中に乗せればよかろう」

モノクマ「おいオマエら!ボクを無視するな!」

花村「も、モノクマ!?」

九頭龍「今はてめぇに関わってる時間はねぇんだよ」

モノクマ「しょぼん……仕方ないからせっかく呼んだ救急車は帰ってもらおうかな」

九頭龍「……今なんつった」

モノクマ「フフン、ボクはカワイイですよ!」

九頭龍「救急車があんのか?」

モノクマ「ツッコんでくれない」

十神「茶番はいらん。あるのかないのかどっちだ」

モノクマ「あるよ」

左右田「あんのかよ!」

モノクマ「ちゃらららっちゃらー、救急搬送車ー!」

モノミ「きゃー!これがあれば日向さんを助けられまちゅね!」

左右田「増えたぁっ!」


モノクマ「使わせてあげるからさ、日向クン。少しボクの質問に答えてくれないかな」

「…………」

モノクマ「いや、カムクライズル」

カムクラ「お久しぶりです」

モノクマ「覚醒したんだね」

カムクラ「いえ、ここには長くいられません。すぐに消えてしまいますよ」

モノクマ「そうなんだ」

終里「なんの話してんだ?」

モノクマ「まぁいいや。さ、乗りなよ」

カムクラ「では遠慮なく」フラ

罪木「創さん!」ガシッ

カムクラ「すみません、迷惑をかけてしまいました」


今日はここまでにします


そろそろ書きためないと…

乙ー
希望に目覚めたカムクラ君期待

次は、いつかなぁ……。

まだ?

十神「フンッ!これで一安心といったところだな」

カムクラ「…………」

九頭龍「おい日向?日向!?」

罪木「創さん!……眠っているだけみたいです」

九頭龍「脅かすなよ……」

モノクマ「もういい?それじゃあ出発するよ」


〔病院〕

ソニア「日向さん、起きませんね」

十神「罪木が付いている。大丈夫だろう」カッカッカッ

西園寺「そう言いながらも貧乏揺すりしてるよね。本当は心配なんじゃないの?」

十神「フンッ!」カッカッカッ

左右田「……てかよぉ、結局日向って何者なんだ?」

七海「どういうこと?」

左右田「お前らだって見ただろ?あのモノクマと仲良さげに喋ってたんだぜ?」

左右田「しかも今さっきの雰囲気……普段の日向じゃなかったしよぉ。もしかして裏切り者って……」

ソニア「ありえません!だったらなぜわたくしたちをここまで助けてくださったのですか!?」

左右田「小説とかでもあるじゃないですか。最後の最後で仲間だと思ってたやつが実はスパイでした、とかそういう話が」

九頭龍「日向のこと裏切り者だって疑ってんのか?」

左右田「……あぁ、疑ってるよ」

九頭龍「てめぇ!日向がどんだけ俺ら全員を助けようとしてたか知ってんだろ!?それなのによくそんなこと言えるな!」ガシッ

左右田「俺だって思いたくねーよ!だけどよぉ……さっきのもそうだし日向がモノクマと関係があるのは確かだろ!」

七海「ストップ」

九頭龍「あぁ?!」

七海「もうやめようよ。今私たちがケンカしてどうするの?」

九頭龍「……チッ。頭冷やしてくる」ガチャ

辺古山「ぼっちゃん!」ガチャッ

終里「あ、おい!」

十神「放っておけ。九頭龍のことは辺古山がどうにかするだろう」

十神「それよりもこれからのことが重要だ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『そういえば狛枝が言ってたんだけどさ、あたしたちの知りたいことは遺跡の中にあるって』

澪田「遺跡の中っすか?でも遺跡に入るにはパスワードがわかんないっすよ」

西園寺「それも狛枝が言ってたよ。11037だって」

左右田「それって信じられんのか?狛枝が言ってたことだぞ?」

十神「嘘をついていたのなら俺が気づいている」

弐大「左右田よ、さっきからどうしたんじゃ?」

左右田「……どうした、じゃねぇよ。なんで平気でいられんだよ!日向が裏切り者で俺たちがモノクマの手のひらで踊らされてただけかも知んねぇんだぞ!?」

十神「落ち着け。なにをそんなに怯えている」

左右田「日向に裏切られるかもって思うとこえぇんだよぉ……」

花村「……ねぇ左右田くん」

左右田「なんだよ」

花村「日向くんが記憶のこと話してくれたときのこと覚えてるかな」

左右田「……あぁ」

花村「あのときの日向くんもきっと怖かったと思うよ。もしみんなが記憶のことをことを信じてくれなかったらどうしようってさ」

花村「それでも話してくれたのはぼくたちを信じてくれたからじゃないかな」

左右田「…………」

花村「ぼくは日向くんが信じてくれるなら、ぼくも日向くんを信じるよ」

左右田「……日向が悪いやつじゃねぇってのはわかってるよ……でもよぉ……怖いんだよ……どうしようもなく怖いんだよ」

七海「だったら日向くんが起きたら聞いてみない?私たちをどう思ってるのかって」

左右田「口ではなんとでも言えるだろ」

七海「そうかな?」

左右田「そうだよ!」

七海「でもさ、信じてみないと前には進めないと思うよ。友達なんだし」

左右田「……それができねぇやつもいるんだよ」ボソ

七海「なにか言った?」

左右田「なんでもねぇよ」

今日はここまでにします


GWももう終わりかぁ……

学校行きたくない……


学校くらいサボっても問題ないさ。
左右田君の過去混ぜてきたか、うまいね。
おつ

遅いけど乙

左右田って過去に親友に裏切られたんだよね……。

糞スレ

>>75 黙ってROMってろ

糞だと思うなら来なくていいんじゃないかなあ?

〔ライブハウス前〕

九頭龍「…………」

辺古山「ぼっちゃん、ここにいたんですか」

九頭龍「ペコか」

辺古山「隣、座っても?」

九頭龍「……あぁ」

辺古山「では失礼します」スッ

九頭龍「いつものお前らしくねぇな。普段はそんなこと気にしねぇで抱き付いてくるだろうが」

辺古山「私も空気くらいは読みますよ」

九頭龍「ハッ!全っ然読めてねぇだろ」

辺古山「フフ」

九頭龍「…………左右田の話もわかるんだよ」

辺古山「日向がモノクマの仲間だという話ですか?」

九頭龍「あぁ。さっきの日向は雰囲気が日向のモンじゃなかった。それにモノクマにはカムクラと呼ばれてやがったしよ」

辺古山「ですがぼっちゃんは日向のことを信じているのでしょう?」

〔ライブハウス前〕

九頭龍「…………」

辺古山「ぼっちゃん、ここにいたんですか」

九頭龍「ペコか」

辺古山「隣、座っても?」

九頭龍「……あぁ」

辺古山「では失礼します」スッ

九頭龍「いつものお前らしくねぇな。普段はそんなこと気にしねぇで抱き付いてくるだろうが」

辺古山「私も空気くらいは読みますよ」

九頭龍「ハッ!全っ然読めてねぇだろ」

辺古山「フフ」

九頭龍「…………左右田の話もわかるんだよ」

辺古山「日向がモノクマの仲間だという話ですか?」

九頭龍「あぁ。さっきの日向は雰囲気が日向のモンじゃなかった。それにモノクマにはカムクラと呼ばれてやがったしよ」

辺古山「ですがぼっちゃんは日向のことを信じているのでしょう?」

〔ライブハウス前〕

九頭龍「…………」

辺古山「ぼっちゃん、ここにいたんですか」

九頭龍「ペコか」

辺古山「隣、座っても?」

九頭龍「……あぁ」

辺古山「では失礼します」スッ

九頭龍「いつものお前らしくねぇな。普段はそんなこと気にしねぇで抱き付いてくるだろうが」

辺古山「私も空気くらいは読みますよ」

九頭龍「ハッ!全っ然読めてねぇだろ」

辺古山「フフ」

九頭龍「…………左右田の話もわかるんだよ」

辺古山「日向がモノクマの仲間だという話ですか?」

九頭龍「あぁ。さっきの日向は雰囲気が日向のモンじゃなかった。それにモノクマにはカムクラと呼ばれてやがったしよ」

辺古山「ですがぼっちゃんは日向のことを信じているのでしょう?」

九頭龍「…………」

辺古山「ぼっちゃん?」

九頭龍「俺に左右田を責める権利なんてなかったんだよ」

辺古山「どういうことですか?」

九頭龍「俺も最初は左右田と同じで日向が裏切り者じゃねぇかって思ってたんだ。だけどあいつが裏切り者だろうがモノクマの仲間だろうが俺たちを助けようとしてたのは本当だ」

九頭龍「だからどんな結果だろうが日向を信じようと思った矢先に左右田にあんなこと言われてな……」

辺古山「ですが今は日向を信じているのなら」

九頭龍「いや、俺が日向を信じてるのは……信じようとしたのは日向が裏切り者かも知れないって考えから逃げただけなんだよ……」

九頭龍「左右田に図星をつかれて腹が立ったんだ。そんな弱い俺に左右田を殴ろうとする権利なんてなかったんだ……」

辺古山「ぼっちゃん……」

九頭龍「それに比べて左右田はつえぇな。臆病なだけかもしんねぇけどよ、あんなに自分の思ったことを言えるなんてな」

辺古山「……」

九頭龍「完璧な妹のことも、極道の組のことも、日向のことからさえ逃げ出した弱い俺に仲間を語る資格もあそこに戻る資格もねぇ」

辺古山「それは違いますよ」ギュッ

九頭龍「……」

辺古山「ぼっちゃんは強い方です。さっきだって日向を救ったのはぼっちゃんです」

九頭龍「違う。あれは日向がやろうとしたことを手助けしただけだ」

辺古山「それは誰でもできることではないですよ」ニコ

九頭龍「……ありがとな。またお前に甘えちまってる」

辺古山「人は一人ではできないこともあります。でも……ぼっちゃんには私が付いていますよ。私がぼっちゃんを支えます」

辺古山「だからぼっちゃんはぼっちゃんの信じている人を支えてあげてください」

九頭龍「……なぁペコ」

辺古山「はい」

九頭龍「少しだけ俺を抱きしめたままでいてくれ」

辺古山「……はい」ギュッ

九頭龍「今だけは、甘えさせてくれ」

辺古山「はい」


九頭龍「……」

辺古山「…………」ナデナデ

九頭龍「…………」

辺古山「ハァ……ハァ……」ギュウゥゥ

九頭龍「……ペコ」

辺古山「なぁ……今何色のパンツ履いてるん?」ハァハァ

九頭龍「どこでそんな変な知識身に付けやがった!!」

辺古山「ジョークですよ」ジュルリ

九頭龍「嘘つけ!」

辺古山「なぁ、すけべしようや……」

九頭龍「もう意味わかんねぇから離せ」グググ

辺古山「力なら私の方が上ですよ」

九頭龍「ふざけんな!てめぇになんか負けるか!」グググ

辺古山「私が満足するまでは抱きしめさせてもらいますね」ニコ

九頭龍「クソがぁぁぁぁ!」

今日はここまでにします



ペコがこんなキャラになってしまうのは嫌いだからじゃなくて好きだからですよ!


……一番好きなのは罪木ですが

おつん

忠誠心は鼻からと言うやつか

そんな>>1にオススメの動画
http://www.youtube.com/watch?v=5J2VVtalC6Y

なんか感情的な面での話の流れが適当やな

今日更新予定です

待ってます

来てくれるんですね。更新が待ち遠しいです。

はよ

希望なんてなかった・・・

〔病院〕

澪田「日寄子ちゃんなに食べてるんすか?」

西園寺「グミだけど……なに、欲しいの?」

澪田「欲しいっす!」

西園寺「あげるから顔近づけないで!はい」

澪田「うはー!日寄子ちゃんは優しいっすねー!」

十神「なんだこのフワフワした雰囲気は」ソワソワ

小泉「…………」カキカキ

小泉『落ち着きなよ。アタシたちがピリピリしたって仕方ないんだから』

十神「フンッ」

九頭龍「すまねぇ、今戻った」ガチャ

辺古山「みんなすまない」

左右田「…………」

七海「おかえりー。もう大丈夫なの?」

九頭龍「あぁ。おい左右田」

左右田「な、なんだよ。言っとくけどな、俺は謝らねーからな!」

九頭龍「いや、あれは俺が悪かった。すまん」

左右田「だいたい……はっ?」

九頭龍「俺もあんな大層なこと言ってたがよ、心の奥底では少し日向を疑ってた。見透かされたみたいでついカッとなっちまった。すまねぇ!」

左右田「……あー、いや……俺も悪かったわ。全然場の空気とか読めてなかったしな。悪い」

七海「じゃあ仲直りの握手でもする?」

左右田「いやいやいや!そんなの必要ないって!そもそもこいつがやりたがらないだろ」

九頭龍「ちっ……仕方ねぇな」スッ

左右田「すんのかよ!」

九頭龍「んだよ、文句あんのか?」

左右田「ひぃぃ!ごめんなさい!なんでもないです!」

九頭龍「ほら、これで手打ちだ」スッ

左右田「お、おう」ギュッ

九頭龍「だがよ……」

左右田「へ?」

九頭龍「日向は俺のダチだ。日向がどんな奴であろうが信じる。テメェが日向の敵になるってんならそのときは遠慮なく潰すからな」ボソッ

左右田「ぎゃあぁぁぁ!!握られた手が痛い痛い痛い!」バタバタ

ソニア「ふふ、左右田さんも九頭龍さんと仲直りできた嬉しさのあまり歓喜のダンスを踊られてますね。これが真のマブタチってやつですね!」

左右田「ソニアさん違いますから!気づいてください!」

辺古山「ぼっちゃん」

九頭龍「けっ」パッ

左右田「…………羨ましいな」

七海「左右田くん」

左右田「ん?」

七海「ちゃんと仲直りできたんだね」

左右田「まぁ、俺も悪かったしな……って背伸びしてなにやってんだ?」

七海「少ししゃがんでくれない?」

左右田「なんでだよ」

七海「いいから」

左右田「しゃーねぇな、ほら」スッ

七海「ん、仲直りできてえらいえらい」ナデナデ

左右田「お……おぅ?」

西園寺「むー!」バシッバシッ

左右田「いってぇ!なにすんだよ!」

西園寺「べっつにー?誰かさんが頭撫でられて鼻を伸ばしてたような気がしたから気合いを入れてあげようと思っただけ」

左右田「伸ばしてねーよ!つうか伸ばしてたとしてもお前には関係ねーだろ」

西園寺「やっぱり伸ばしてたんだ!」

左右田「だから伸ばしてねーよ!」

西園寺「男なのに言い訳するの?ま、仕方ないよねー、左右田おにぃってチキンだもんねー」


左右田「チキンじゃねーよ!俺だって勇気くらいあるっての!」

西園寺「ぷぷぷ、子ども相手に本気になっちゃってダサーい。だから左右田おにぃはモテないんだよ?」

左右田「ぐぐぐ……ちくしょう」

西園寺「ま、まぁ……誰にも貰われなかったらわたしが貰ってあげても……」ボソボソ

左右田「まだ悪口言ってんのかよ!」

西園寺「なんでもないよハゲ!」

左右田「ハゲてねーし!」

罪木「み、みなさん……創さんが意識を取り戻しましたぁ」

九頭龍「本当か!?」

罪木「でも、あの……傷の方は重傷だから本当はゆっくり寝かせてあげないといけないんですけど……」

西園寺「あーもう!まどろっこしいな、ハキハキ喋れよゲロブタ!」

罪木「す、すみませぇん!」

七海「怒鳴っちゃったら相手が怯えちゃうよ」

罪木「あ、あの……創さんがどうしてもみなさんに話しておかないといけないことがあるみたいで……」

十神「わかった。日向の容態が悪くなったら無理やり休ませればいいだろう」

罪木「はい、お願いします」

終里「だったら早く日向のとこに行くぞ!」ダッ

罪木「病院内では走らないでくださぁい!」

花村「走ってくれた方がぼくは嬉しいな。だって風圧でスカートが捲れるよね?……あとは言わなくてもわかるでしょ?」

九頭龍「くだんねーこと言ってねぇでいくぞ」


〔病室〕

十神『日向、入るぞ』コンコン

カムクラ「どうぞ、鍵は開いてますよ」

十神「調子は……悪いみたいだな」ガチャ

カムクラ「はい。もう僕には時間がないみたいです」

ソニア「時間がないとはどういうことでしょう?」

カムクラ「もうすぐ僕は消えてしまいます」


十神「……お前が消えれば日向はどうなる。まさか……死ぬのか?」

澪田「イズルちゃんも創ちゃんも死んじゃうんすか!?」

カムクラ「死ぬというよりも今までみたいにまた眠りにつくといったほうが正しいですね」

カムクラ「つまり今まで通りの日向 創に戻るだけです」

十神「そう……か。だったら早く話すがいい。時間もないみたいだしな」

カムクラ「話しが早くて助かります。それと僕だったときの記憶は日向 創のほうでは覚えていません。だから僕が消えたあとは誰か彼に説明してあげてください」

七海「わかったよ」

カムクラ「ではあなた達に言わなくてはいけないことが3つあります」

カムクラ「まず最初にここは現実の世界ではなく、バーチャルの世界だということです」

十神「!?」

七海「…………」

カムクラ「未来機関は僕たちの記憶の一部を消し、意識だけをこの電脳世界に飛ばしました」

弐大「ここで未来機関が出てくるとは意外じゃのう」

九頭龍「意外でもなんでもねぇだろ。そういう仮定はあっただろ」

終里「俺たちをここに閉じ込めたのは未来機関なんだよな?だったら悪いのは全部未来機関のやつらじゃねーか!」


カムクラ「いえ、むしろ未来機関……未来機関の一部の人が僕たちを助けるためにここに送ったんです」

十神「コロシアイをさせることが俺たちを助けるとでもいうのか?」

カムクラ「それは全てモノクロがやらせたことです。モノクロが介入してくることは未来機関にとっても予想外のことだったみたいですよ」

カムクラ「彼らは僕たちがちゃんと更正したらここから出すつもりだったようです。1人を除いて、ね」

七海「…………」

ソニア「なぜその1人さんだけを未来機関さんは出そうとしないのですか?それにその1人って誰なんですか?」

カムクラ「それが誰かも、理由もすぐにわかるよ」

花村「でもなんでぼくたちを更正させる必要があるのさ?ぼくたちは何も悪いことしてないよ」

カムクラ「それは2つ目の話に関係するのですが……とりあえずここが現実の世界ではないことは理解していてください」

ソニア「だったら……だったら田中さんはどうなるのですか!?」


今日はここまでにします


昨日更新できなくてすみません!

いよいよ核心かぁ。楽しみ。

超高校級の糞ss作者

お疲れ様でした
次はいつになるかねえ

今週は病院実習につき更新できないかもです

期待

やっと病院実習終わったので明日くらいから更新していきます

やったー 期待♪

弐大「ここが現実の世界ではないとしたら田中は死んでいないということか?」

カムクラ「ここの世界は脳に深く関係しています。その状態で死んでしまう、この世界で死ぬということは……現実世界でも『死』を意味します」

ソニア「そう……ですか……」

十神「プラシーボ効果か」

カムクラ「それに似たようなものです」

カムクラ「ゴホッ……」

罪木「カムクラさん!」

カムクラ「僕にはもう時間が残っていないみたいです。その前に…」

十神「……わかった、続けてくれ」

カムクラ「……2つ目は……現実の世界は秩序も法律も国家も全て破壊されているということです」

カムクラ「世界を破壊したのは」

カムクラ「僕たち『絶望』です」

〔モノクマ劇場〕

モノクマ「ボクはね、朝起きると目の前はどこかの漫画の世界だったらって妄想をよくするんだけどさ」

モノクマ「ボクならどこの世界に飛ばされてもやっていける気がするんだよね」

モノクマ「ボクのこの甘いフェイスとダンディーな魅力で誰でも骨抜きにしちゃうからさ」

モノクマ「でもね、そんなボクもホラー系の世界には行きたくないなぁ」

モノクマ「だってあいつらにはボクの魅力が伝わるかわからないもん」

モノクマ「ホラー系の世界に飛ばされたらもう物理的にやっつけるしかなくなっちゃうよね」

モノクマ「ボクの爪の餌食にしちゃうぜ」

モノクマ「え?幽霊に物理攻撃が当たるのかって?」

モノクマ「そりゃあ当たるよ」

モノクマ「ボクが妄想する世界なんだからね」


〔病室〕

終里「オレたちが……世界を壊した?」

花村「嘘だ!ぼくは絶対に信じないぞ!」

左右田「……なぁ、その世界を壊した絶望ってよ……元は学生運動をしてた学生だったりするのか?」

カムクラ「はい。よく知っていますね」

左右田「まじかよ……」

九頭龍「どういうことだ?」

左右田「いや、さっき狛枝を捜してたときに見つけたメールによ……コイツの言ったことと同じような内容が書いてあったんだよ」

左右田「だからよぉ……」

左右田「本当に世界は壊れちまってるってことだよ!」

十神「フンッ……本当かどうかなどここから出て自分の目で確かめればいいだろう」

十神「それよりもなぜ俺達は絶望になった?そんな要素などなかったはずだ」

カムクラ「江ノ島 盾子……彼女のせいです」

澪田「ここであの盾子ちゃんが出てくるんすか!?」

辺古山「江ノ島 盾子は私たちになにをしたんだ?」

十神「どんな才能があれば世界を破壊できるんだ」

カムクラ「単純ですよ。彼女は超高校級の絶望。その気になれば周りを絶望に染めることなんて簡単なことです」

左右田「そんなチートみたいな才能なしだろ……」

九頭龍「だがよぉ、俺達はその江ノ島とやらに会ったこともないんだぜ?なのにどうやって絶望にするんだよ」

カムクラ「それは……」

澪田「更正プログラムは盾子ちゃんと会った記憶を消すことだったりして!」

左右田「そんなわけねーだろ」

カムクラ「その通りです」

左右田「マジかよ!?」

澪田「今日の唯吹は冴えまくりっすね!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『もしかして絶望だったころの記憶も消されてるの?』

カムクラ「はい、みなさんは生まれたときから悪人ではありませんでしたから。絶望だった記憶を消し、この島で更正した人格を上塗りしようとしていました」


今日はここまでです


まだだ!
まだ希望を失っちゃダメだ!!
http://i.imgur.com/RSqKsfa.jpg
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=38911816

無断転載きえろよ

終里「だったらよ、なんでその未来なんとかって奴らはオレらに記憶を上塗りしねーんだ?そうすりゃこんなことしなくてもいいんじゃねーのか」

カムクラ「それはできません。今この空間の権利はほとんどモノクマが握ってしまっていて、未来機関も助けにこれないのです」

九頭龍「つまりここから出たいなら俺たちだけでなんとかしろってことか」

カムクラ「そうなりますね」

九頭龍「だったらやることは一つだろ。モノクマをぶっ潰すぞ」

カムクラ「……え?」

九頭龍「え、じゃねぇだろ」

罪木「そ、それで創さんが助かるなら……私、やります!」

弐大「まぁ、仕方ないわな」

十神「フンッ、俺に任せておけ」

澪田「久しぶりに本気出すっすよー!」

ソニア「田中さんの分まで……ッ!」

花村「みんながやるならぼくまも手伝うよ!」

七海「うん。みんなでならできるよ」

西園寺「めんどくさいけどやらないとだよね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『みんなで力を合わせれば大丈夫だよね』

辺古山「ぼっちゃんがやるのなら私もやります」


左右田「マジでやんのかよ……はぁ」

終里「おっしゃぁ!燃えてきたぞ!」

カムクラ「なんで……みなさん本気で勝つつもりなんですか?」

九頭龍「当たり前だろ。お前が言い出したんじゃねーか」

九頭龍「俺たちを島から出すって」

カムクラ「現実の世界には絶望しかないとしてもですか?」

終里「なんのための仲間だよ。オレ達は助け合うためにいるんだろ」

罪木「私は創さんがいるのなら、どこへでもついて行きます!」

カムクラ「……あぁ」

罪木「え……あ!カムクラさん!?」

澪田「なんで泣いてんすか!?どこか痛くなったんすか!」

カムクラ「いえ……日向さんが本当に愛されていて……羨ましいと思うとなぜだか涙が……」

九頭龍「お前も俺たちの仲間に入ってんだからな」

カムクラ「僕も……ですか」


九頭龍「お前がどんなやつかは知らないけどお前だって日向なんだ」

九頭龍「それに日向だったらどんなやつでも仲間なら絶対に助けるはずだ」

カムクラ「……あなたたちならモノクマにも、彼女にも勝てると……ゴホッ!」

罪木「カムクラさん!!」

カムクラ「だから……」

十神「おい、もう喋るな!」

カムクラ「どんなことをされても、希望を忘れないでください……ゴホッゴホ!」

七海「カムクラくん!」

カムクラ「…………」

罪木「カムクラさん、カムクラさん!」

十神「もう時間だったというのか」

モノクマ「おしい!あとちょっとだったのに!」

花村「モノクマがいる!」

モノクマ「いやー残念だね。最後の一つは聞けずじまいだったね」

西園寺「アンタなにしたの」

モノクマ「失礼だなー、ボクは何もしてないよ。もううっとうしいから排除したりなんかしてない!」


ここまでにします

カムクラ君かわいい

>>45
日向「強くてニューゲーム」
日向「強くてニューゲーム」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380701157/)

終里「うるせぇ!お前がなんかやったんだろ!」

モノクマ「だからボクじゃないってば」

九頭龍「にしてはタイミングがよすぎんだよ」

モノクマ「本当にボクじゃないんだけどなぁ……まぁいいや、そろそろあれの時間がなくなるよ」

澪田「なんの時間っすか?自由時間?」

モノクマ「中央にあるあの時間だよ。あと一時間くらいだったかな?」

十神「それがなくなるとどうなるんだ?」

花村「爆発しちゃうの!?」

モノクマ「それは0になったときのお楽しみってことで。じゃあねー」

十神「おい!……クッ!」

左右田「おいおいおいおい……頼みの日向もこんなだし俺たちどうなるんだよぉ」

辺古山「泣いている場合じゃないだろう。今は遺跡に行くべきだろう」

西園寺「行くのはいいけど日向おにぃはどうするの?」

弐大「日向はワシが運ぼう。罪木よ、日向は背負って連れて行っても大丈夫か?」

罪木「揺らさなかったら大丈夫だと思います……」

九頭龍「なら早く行くぞ」


小泉「…………」カキカキ

小泉『狛枝はどうするの?』

九頭龍「あいつのことだ。ほっといても大丈夫だろ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『でも……体調悪そうだったし』

西園寺「大丈夫じゃない?ゴキブリ並の生命力ありそうだしそこらへんからひょっこり出てくると思うよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『心配だし捜してくるね。時間までには戻るから』タッ

左右田「あ、おい!」

十神「小泉はお前と違ってしっかりしている。心配しなくてもいいだろう」

十神「それに今俺たちがバラバラになるのはまずい」

左右田「……なんか引っかかる物言いだな」

十神「事実だろう?」

左右田「このやろう……」

九頭龍「遊んでねぇでそろそろ遺跡に行くぞ」


今回はここまでにします

希望が輝くのを楽しみにしているわ

あはは、そろそろみんなの希望が輝いて来ているね!

〔遺跡〕

日向「……んん……あ……イテテ」

罪木「創さん!」

十神「やっと目が覚めたか」

日向「蜜柑に十神……」

罪木「心配したんですよぉ!」

日向「ごめんな」

田中「心配かけおって」

日向「ごめん、田中」

田中「まあいい。お前はがあmgwpjt5ohn~o3」

日向「え?」

七海「ねぇ、日向くん」

日向「七海か。お前にも心配かけたな」

七海「その話は後にしようよ。今は時間がくる前に遺跡の中に入ろ?」

日向「そうだな。みんないるのか?」

狛枝「心配i3w/なくてv

縲秘⊆mj

あれ?ちゃんと書き込めてない?

〔遺mul5h〕

日向「……ん……痛ッ……」

罪木「創さん!」

十神「目が覚めたか」

日向「蜜柑に十神……」

罪木「ずっと心配してたんですからぁ!」

日向「ごめんな……痛……」ナデナデ

罪木「あ……ご、ごめんなさぁい!」

日向「大丈夫だよ」

田中「心配かけおって」

日向「ごめん、田中」

田中「まぁいい。お前はmur

あれー……なぜか途中で切れる


途中で書き込みしてないのになぁ

〔遺mti5〕

日向「……ん……痛ッ……」

罪木「創さん!」

十神「目が覚めたか」

日向「蜜柑に十神も……」

罪木「ずっと心配してたんですからぁ!」

日向「ごめんな……痛……」ナデナデ

罪木「あ……ご、ごめんなさぁい!」

日向「大丈夫だよ」

田中「心配かけおって」

日向「ごめん、田中」

田中「まぁいい、お前はmtp2nqecjv9xg」

日向「え?……あれ?」

七海「ねぇ、日向くん」


日向「七海、ごめん。お前にも心配かけた」

七海「ううん、別に大丈夫だよ。それよりも今は時間もないし、中に入ろうよ」

日向「あぁ。他のみんなは?」

狛枝「あは、そんなに心khoap7zmjが2h」

小泉「ちょっと聞いてよ日向!今さっきも狛枝が突然いなくなっちゃってさ、捜すの大変だったんだから」

辺古山「ぼっちゃん!一緒に海で泳ぎましょう!さぁ早く!」

九頭龍「おおお俺はおjo3ijhaqvふn5ba」

日向「よかった」

カムクラ「本当に君は愛されていますね」

日向「ただ心配されてるだけだよ……あれ?お前って……」

カムクラ「今は僕が誰かということはあまり重要ではありません。早く行ってください。もう時間もありませんから」

日向「……そうだな。11037、と」ポチポチ

 ガシャン

十神「フンッ、やっと開いたか」


西園寺「ホント豚足ちゃんって偉そうだよね」

澪田「そこもカッコい……あ。ブヒ、ブヒヒ、ブヒヒヒブヒブヒ!」

十神「……ついに日本語も話せなくなったか?」

澪田「日寄子ちゃんが教えてくれたっす!白夜ちゃんはブタ語で褒めらjc3hjmopq59uz!」

澪田「今はそこもカッコいいって言ったっす!」

十神「解説せんでいい」

弐大「なにを遊んどる。早く中に入らんか」

花村「ぼくが中に入れてあげてもいいんだよ?」キリッ

九頭龍「そこらへんにしとけや……」ハァ


ソニア「さぁ、田中さん。ご一緒に行きませんか?」

田中「ふははははは!俺様の時代の幕開けだ!」

左右田「お前の時代なんてこねーよ!ソニアさん、俺と一緒に行きましょう!」

ソニア「田中さーん」

左右田「あのー……聞こえてますー?」

ソニア「恐れ、ひれ伏し、崇め奉りなさい!」

左右田「あ、はい!すみませんでした!」

終里「行くぜ、弐大のおっさん」

弐大「あまり急ぐと転んでしkoug6fbc5xvkなわ68t」

罪木「創さん」

日向「……あぁ。今行いいいがががm8hmpl」



〔マーケット〕

小泉(ここにもいない……どこにいんのよ、狛枝)

モノクマ「あれあれー?そこにいるのは小泉さんじゃないのかな?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アンタは逃げなくていいの?』

モノクマ「うぷぷ、ボクは大丈夫だよ。それより誰か捜してるみたいだけど誰を捜してるのかな?」

小泉「…………」フイッ

モノクマ「冷たいなぁ。向こうで狛枝クンを見かけたよ」

小泉「…………!」カキカキ

モノクマ「うぷぷ、そんなになってどうしたの?もしかして日向クンにフられたから次は狛枝クンに乗っかえですか?」

小泉「…………」シュッ

モノクマ「うわっ!石を投げるなんて危ないだろ!本当のこと言われたからって怒らないでよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『急いでるから邪魔しないで』

モノクマ「でもなんで狛枝クンなのかなぁ。あー!ボクわかっちゃったよ!」

モノクマ「小泉さんってさぁ……」



モノクマ「まだ日向クンが好きで日向クン離れできてないんじゃないの?」


今日はここまで

初めなんかよくわからないことばっかでなかなかちゃんと書き込めてなかったけど

あれがなければもう少し進めてたはず……


ごめんなさい、言い訳です

おつ

なんか不気味なシーンっぽい所がさらに不気味になったからこれはこれで

バグってるのかと

そういう演出なのか、って思って読んでた

小泉「!」

モノクマ「日向クンを振り向かせたいから狛枝クンを頼っているように振る舞ったんじゃないの?」

モノクマ「日向クンも危険だと思っている狛枝クンに関わっていれば日向クンが心配してくれるかもしれないって思ってる?」

小泉(……違う)

モノクマ「みんなの世話を焼いてるのだって日向クンに少しでもいいように見られたいから?」

モノクマ「狛枝クンを捜しに来てるのも日向クンに心配されたいからじゃないの?」

小泉(やめて!)

モノクマ「そんなことしたって無駄だってことがわかんないのかなぁ?」

狛枝「そこまでにしない?」

モノクマ「……ちぇ」

小泉「…………」パクパク

狛枝「落ち着いて、ね?」

モノクマ「あれぇ?小泉さんに利用されてる狛枝クンじゃん。もしかして愛に飢えてる狛枝クンは小泉さんの偽りの恋心に騙されちゃった?それで助けに来ちゃった?」

狛枝「別にそういうわけでもないんだけどね」

モノクマ「だったらなにさ。小泉さんがまた絶望堕ちしようがどうなろうが狛枝クンには関係ないことだろ」

狛枝「ボクはね、モノクマ」

狛枝「純粋に才能が、ボクたちの希望が汚されるのが嫌なんだよ。希望を守るため、より強い希望の光のためならボクはなんだってするつもりだよ」


モノクマ「……そういえば狛枝クンはそういうキャラだったね。はぁ……なんだかやる気なくなっちゃったなぁ」

狛枝「それはボクとしてもありがたいかな」

モノクマ「ま、いつまでその『幸運』が続くかな」テクテク

小泉「…………」カキカキ

小泉『ありがと』

狛枝「あはは、たいしたことはしてないよ。他のみんなはどうしたの?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『あの……アンタが心配だったから……アタシが捜しに来たの』

狛枝「ふぅん。そうなんだ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『別にモノクマが言ってたみたいにアンタを利用しようだとかそんな考えで捜しに来たわけじゃなくて』

狛枝「大丈夫、ボクは小泉さんを信じてるから」

小泉「…………」カキカキ

小泉『……なんで?なんでそう簡単に信じられるの?』


狛枝「他の人に言われたら信じてなかっただろうけど小泉さんに言われたらね。ボクが知ってる小泉さんはこんなときまで嘘をつかない人だから 」

狛枝「……なんてね。まだ君たちを殺そうとしてるボクが言えたことじゃないんだけどね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『まだ諦めてなかったの?』

狛枝「ボクが求めてるのは希望だからね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『呆れた……またアンタが暴走したらアタシが止めてあげる』

狛枝「小泉さんが?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アタシもアンタを信じたいから』

狛枝「へぇ……」

小泉「…………」カキカキ

小泉『なによその顔』

狛枝「小泉さんがボクを信じたいなんて言うのが興味深くてね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アンタはアタシをなんだと思ってるのよ!』



狛枝「ごめんごめん」

小泉「…………」カキカキ

小泉『もう……時間もないしみんな待ってるんだから早く行くよ』

狛枝「わかったから引っ張らないでよ!」


〔遺跡〕

狛枝「みんなは先に入っちゃってるみたいだね」

小泉「…………」カキカキ

小泉『早くしないと間に合わないよ』

狛枝「ちょっと待って。1、1、0、3、7」

ガシャン

モノミ「待ってくだちゃい!あちしももももも文3gf4a」ドンガラガッシャーン

狛枝「はぁ……なんで転ぶかな」ザッザッ

小泉「…………」カキカキ

小泉『狛枝!?』

狛枝「一応あとでなにかに使えれrnx5c4h7u」

モノミ「ごめんなちゃい……」


今日はこれで終わりです

文字化けひどいけど内容はすごくオモシロイ
続き期待してます!

投稿がまったり過ぎるのは、読者を絶望させようとしているのか…
まあ、1のペースで投稿してください!!気長に待ってます!!

狛枝「世話が焼け……ッ!これは…」ガチャン

モノミ「ほぇ?」

狛枝「小泉さん!」ヒュッ

モノミ「なんで投げるんだちゅかぁぁぁ!」

小泉「!!」

狛枝「ごめん、先に行っててくれるかな?」

モノクマ「獲物が引っかかってたー!……ってなんだよ狛枝クンかよ」

モノミ「モ、モノクマ!」

モノクマ「いやー、たまたま置いてあったモノミ用トラップに引っかかるなんて」

モノクマ「狛枝クンも運が悪いよねぇ」

狛枝「ホント……白々しいね」

モノクマ「いくらボクでも数が多いと処理しきれないんですわ。だから少し足止めされててくれない?」

小泉「…………」カキカキ

小泉『今助けに行くから!』

狛枝「もう間に合わないよ。あとで必ず追いつくから先に行ってて」

モノミ「狛枝さん、今助けまちゅ!」

狛枝「モノミは小泉さんに付いててあげてよ」


小泉「…………」ダッ

狛枝「小泉さん!?来ちゃダメだ!」

モノミ「小泉さん!」

モノクマ「あれ?なんで来たの?」

狛枝「扉が閉まる前に早く戻って!」

小泉「…………」カキカキ

小泉『あたしは一緒にいるから』

モノミ「狛枝さん!小泉さ」

ガチャン

狛枝「……はぁ……ボクの努力が水の泡じゃないか……」

小泉「…………」カキカキ

小泉『たいした努力なんかしてないでしょ』

小泉『それにアンタにはあたしが付いてないと、ね』ニコ

狛枝「……これじゃ幸運なのか不幸なのかわからな………………………………………………………………………………………………………………

〔教室〕

日向「……あれ?……教室?」

罪木「創さぁん!」ギュッ

日向「うわ!いるのは蜜柑だけか?」

九頭龍「俺たちもいるけどな」

辺古山「邪魔だったなら席を外すぞ。さぁぼっちゃん!向こうの影で……げへへへへ」

九頭龍「怖いから真顔で言うな!」

辺古山「つまり下心ありありな顔ならいいのですか?」

九頭龍「ふざけてる場合か!」

辺古山「ふざけてなどいません!私はいつでも真剣です!」

九頭龍「なお悪いわ!つうかここはどこなんだよ」

ぴんぽんぱんぽーん

モノクマ『オマエラ、今すぐ体育館に集まってください。卒業試験についての説明を行います』

日向「卒業試験?」


九頭龍「体育館、か」

罪木「絶対罠ですよぅ」

九頭龍「罠だろうがなんだろうが俺たちには進むしか選択肢はねぇんだよ」

罪木「で、でもぉ……」

日向「大丈夫だ。俺が守るから……ッ!」

罪木「無茶しないでください!本当は絶対安静なんですからぁ!」

日向「これくらい……」

九頭龍「……日向、てめぇはここで罪木とペコと待ってろ」

辺古山「ぼっちゃん!?なにを言い出すのですか!」

日向「そうだ!一人になるのは危険すぎる!」

九頭龍「手負いのてめぇ連れてるほうが危険だっての。俺がモノクマに要件聞いて戻ってくりゃそれでしまいだろ」

日向「ここがどこかもわからないしなにが起きるかもわからないんだ。単独行動は危険だ!」

九頭龍「モノクマが俺たちを直接攻撃することはあったか?あいつは俺たちのコロシアイをさせようとするだけでなにもしてこねぇよ」

九頭龍「それに体育館に集まれと言ったのはモノクマだ。その途中でなにかしてくるとは考えにくい」

日向「それなら辺古山も連れて行ったほうがいいだろ」

九頭龍「ペコは保険だ」


日向「でも……」

九頭龍「いいか、日向。俺を信じろ。お前が信じる俺を信じろ!」

日向「九頭龍……」

九頭龍「……なんてな」

日向「パクリはよくないと思うぞ」

辺古山「それに少し変えてきてる所がずる賢いですよね」

罪木「な、なんでドヤ顔なんですか?」

九頭龍「……うるせぇよ!なんでもいいだろうが!大人しく俺を信じろよ!」

日向「でもパクリは……」

九頭龍「もういいだろ!行って来る!」ガラガラ

日向「九頭龍……」

辺古山「ぼっちゃんは不器用だから許してやってくれ」

日向「……ありがとな」






狛枝「あはは、>>1は来週テストだなんだ言って忙しいみたいだからボクが変わりに言うね」

狛枝「今日はここまで。もしかしたら明日も更新するかも、だって」

狛枝「でもテストか……ボクの幸運を分けてあげたいね」

狛枝「じゃあね」

乙。頑張ってくれい

九頭龍「まったく……言いたい放題言いやがって」

十神「九頭龍か。日向がどこにいるか知っているか?」

九頭龍「日向ならペコと罪木と教室に待たせてる。あの傷でムリはさせたくないからな」

十神「そうか」

モノミ「…………」ガラガラ

弐大「モノミ?」

七海「どこにいたの?」

モノミ「小泉さんと狛枝さんの所でちゅ」

十神「!」

西園寺「だったら小泉おねぇはどこにいるの?ねぇ!」

モノミ「二人は……爆発に巻き込まれてしまいまちた……」

花村「そんな……」

西園寺「あ……ぅ……なんで……」

モノクマ「ホントなんだよねぇ。狛枝クンはそこの使えないモノミを助けるために、小泉さんは狛枝クンを助けるために逃げ遅れたんだよ」

モノミ「アンタの作った罠のせいじゃないでちゅか!」

モノクマ「でもオマエが逃げ遅れたせいで狛枝クンがモノミの代わりに罠にかかったんだよ?元々はオマエを捕まえるためだったのに」


左右田「もういい……」

モノミ「え?もういいって……」

左右田「お前らのせいで大切な仲間が消えていくんだよ!!もうほっといてくれよ!」

モノクマ「ところがどっこい!卒業試験があるんだよね」

左右田「ふざけんな!」

十神「左右田、今は抑えろ。おいモノクマ。ここはどこだ?」

モノクマ「来てない人もいるみたいだけどネタバラシしちゃうよ。ここはねぇ」

モノクマ「希望ヶ峰学園だよ」

九頭龍「どうやって俺たちを希望ヶ峰学園まで連れてきたんだ」

モノクマ「連れてきたんじゃなくて作ったんだ。遺跡の扉と遺跡の中の間にね」

澪田「な……なんでもありっすね」

十神「なるほど」

七海「お父さんとお兄ちゃんの学校ってこんな感じだったんだ」


モノクマ「……しょぼーん」

終里「なんかアイツしょげてやがんぞ?」

モノクマ「だって全然驚いてくれないんだもん。カムクラが先にネタバレしちゃうから」

九頭龍「……お前とカムクラは」

モノクマ「はい、今から卒業試験についての説明を始めまーす」

九頭龍「おい!」

モノクマ「そんなに焦んなくても大丈夫だって。ちゃんと説明するから」

十神「どういうことだ?」

モノクマ「ボクはね、オマエラが卒業することを嬉しく思う反面、不安でもあるんだ」

モノクマ「だから卒業するかこのジャバウォック島に残るかを決めてもらおうと思います!」

花村「ぼくたちが決める?」

モノクマ「ここのどこかに学園のこととか知りたいこととかの資料をおいておいたからさ、それを読んでから決めてよ」

左右田「……もう誰も死なないのか?」


モノクマ「死なないよ」

左右田「なら……さっさと探して卒業するぞ」

西園寺「あ、待って!わたしも行く!」

ソニア「最後の生存戦略ですね!」

澪田「むっほー!希望ヶ峰学園を探索するっすよー!」

十神「だから1人で先走るなと言っているだろう!」ダムダムダムダム

終里「いくぜオッサン!」

弐大「元気じゃのう」

九頭龍「俺は一度日向の所に戻るぞ」

花村「ぼくは探してくるよ」

モノクマ「みんな行っちゃったよ?キミは行かないの?」

モノクマ「裏切り者の七海さん」

七海「何を考えてるか知らないけど、みんなの希望は消えないから」

モノミ「アンタの思い通りにはさせないでちゅからね!」

モノクマ「…………」

モノクマ「希望と絶望は紙一重なんだよねぇ」

モノクマ「うぷぷ、ぶひゃひゃひゃひゃ」


今日はこれで終わります



明日テストなのになにやってんだろ

俺も明日ってか今日テストだけどむしろここ見たりして起きてるぜ

私だってテストだよ?大丈夫だよ

〔教室〕

辺古山「そういえば日向と罪木はどこまでいったんだ?」

日向「ぶはっ!」

罪木「え?どこまでって……ビーチまで?」

日向「それはボケてるのか素なのかどっちだ」

辺古山「つまりもうヤッたのか、という意味だ」

罪木「はぅッ!……うぅ……そ、そんなことしてませんよぅ!まだ……その……」カァァ

辺古山「ほうほう。お姉さんにもっと詳しく教えてくれないか?」

罪木「あぅ……」カァァ

日向「辺古山、そのへんにしとけ。蜜柑も答えなくていいぞ」

罪木「まだ……キスまでです!」

日向「答えなくていいって言ったのになんで言うんだよ!?」

辺古山「なるほどなるほど。そのキスは舌を絡めてのキスなのか?それとも触れ合うようなキスなのかどっちなんだ?」

日向「いい加減にしろって!」


罪木「その……触れる」

日向「もういいから!」

辺古山「日向から告白したのか?それとも罪木が告白したのか?」

九頭龍「そのくらいにしとけや」ポンッ

日向「九頭龍!助かったよ……」

九頭龍「すまねぇな、ペコが迷惑をかけた」

辺古山「ただのガールズトークですよ。ぼっちゃんもどうです?」

九頭龍「ほら、行くぞ」ガシッ

辺古山「まだ!まだ詳しく話を聞いてません!ぼっちゃん!」ズルズル

罪木「うー……」

日向「蜜柑も落ち着けよ。俺も行くよ」

九頭龍「日向はまだ動くな。すぐにみんな戻ってくる」

日向「……ごめん。みんなに迷惑かけっぱなしで」

辺古山「気にしなくていい。今まで日向に迷惑をかけてきたのだからな」


九頭龍「それによ、お前がいなかったらペコや小泉たちも死んでたんだろ?」

罪木「えへへ……私もみなさんも創さんには感謝しているんですよ」

日向「……そうか」

九頭龍「さてと、そろそろ行くか」

十神「その必要はないぞ。もうこの階のものは集め終わったからな」

九頭龍「いつの間に来てたんだよ。全然気づかなかったぜ」

左右田「あれだけ騒いでりゃ気づかねーわな」

弐大「しっかしなぜモノクマのいう資料は漫画になっておるのかのぅ」

七海「たぶん終里さんみたいな人がいるからじゃないかな」

終里「オレに気をつかったってことか?案外いいとこもあんだな」

西園寺「バカにも分かりやすくってことだよね」

日向「……狛枝と小泉はまだ戻ってきてないのか?」



左右田「あいつらは……死んだよ」

日向「……いや、その冗談は笑えないぞ……冗談だろ?」

辺古山「…………」

罪木「な、なんで死んじゃったんですか!?」

左右田「逃げ遅れたモノミを狛枝が助けたらしい。それがモノクマの罠だったみたいでな……狛枝を助けようとした小泉も間に合わなかったらしい」

日向「モノクマのせいかよ……!」

モノミ「あちしがもっとしっかりしていれば……ごめんなちゃい」

罪木「創さん……」

日向「……進むぞ。狛枝たちの分まで生きるんだ」

十神「フンッ!当たり前だ」

左右田「……お前の意志はわかった」

左右田「さっそくで悪いけどよ、俺は希望ヶ峰学園の歴史についての本を見つけた」



今日はこれくらいにします



また明日更新します

希望は前に進むんだ!!(訳:いつまでも楽しみにしてるぜ!!)

終里「オレは希望ヶ峰学園史上最悪の事件についてらしいぞ」

ソニア「わたくしは『マンガで分かる人類史上最大最悪の絶望的事件』という本を見つけました」

日向「最大最悪の事件?なんだよそれ」

左右田「その2つについてはこれに書いてあったな」

日向「教えてくれるか?」

左右田「……覚悟はしとけよ。要点だけ言うとだな、カムクラ イズルは希望ヶ峰学園に作られた人類の希望だったってことと、予備学科は才能研究の資金集めのためだけに作られたこと」

左右田「カムクラ イズルが希望ヶ峰学園の生徒会の生徒13人を殺す最大最悪の事件を起こしたこと。その最大最悪の事件がきっかけで世界が破壊される絶望的事件が起こったってことだな」

左右田「それに日向……誰も言わねーみてーだから言うけどよ、カムクラ イズルは希望ヶ峰学園がお前に刷り込んだもう一つの人格かもしれないってことなんだ」

日向「……はぁ?また左右田の冗談なんだよな?」

十神「おそらく左右田の言っていることは正しいだろう」

日向「……なんだよ……それ」

日向「つまり俺は13人も……それも才能ある希望ヶ峰学園の生徒会の人を殺してるサイコ野郎ってことかよ」

左右田「いや……それは……」

日向「だってそうだろ!?なにか違うことが言ったか?」

九頭龍「…………」

七海「…………」

終里「でもよー日向、なんかおかしくねぇか?」


日向「……なにがおかしいんだよ」

終里「カムクラはなんのためにその生徒会のやつらを殺したんだ?」

日向「それは……」

花村「そ、そうだよ!殺す理由がないじゃないか!」

終里「それにこっちの本に書いてあったんだけどさ、学園はその事件を隠してたみてーなんだよ。でも予備学科はそのことを知って暴動を起こした」

九頭龍「つまり学園が隠蔽してた情報を誰かが予備学科の連中にチクったってことだろ?」

終里「たぶんそうだと思うぞ」

十神「たしかに怪しいな。その情報を流したやつはカムクラ イズルと仲間だったのか、それともカムクラを唆したのか」

日向「!?」

罪木「で、ですけど……その人はいつカムクラさんと仲良くなったんでしょう……」

花村「あ、そうだよ!カムクラが刷り込まれた人格だったら急に仲良くなるのは無理なんじゃないかな!」

十神「だとしたら洗脳でもしたのかもしれんな」

辺古山「どちらにせよカムクラが本意でやったことではないのだろうな」

日向「たとえそうだとしても俺が人を殺したのは事実なんだろ……」

ソニア「ならばわたくしたちも同じ人殺しです」




日向「なにが同じなんだよ!」

ソニア「おそらくわたくしたちもカムクラさんと同じか……それ以上に人を殺してしまっています……」ギリ

日向「そんなわけないだろ!?お前らが人殺しなんて」

ソニア「いえ、わたくしが見つけた本には『絶望』が市民を虐殺した、自殺を強要した、などの記述がありました。カムクラさんはわたくしたちを『絶望』だったと言ってましたからおそらく……」

日向「……それをさせた『絶望』がソニアたちだとは限らないだろ」

ソニア「はい、その可能性もあります。ですが『絶望』だったわたくしたちが人を殺さなかったということにもなりません」

日向「…………」

ソニア「罰ならここを出た後にわたくしたちも一緒に受けます。だから一人だけが悪いなんて抱えこまないでください」

七海「進むって決めたんでしょ?だったら前に進まなきゃ」

日向「……そうだな」

モノクマ「さぁさぁ盛り上がってきましたよー!」

十神「また貴様か」

モノクマ「本物の『超高校級の絶望』について聞きたくない?」





今日はここまでです


更新遅くてすみません(´・_・`)

遅くても、ちゃんと更新してるんだから楽しみに待てるんだよ

ソニア「それはわたくしたちのことではないよですか?」

モノクマ「オマエラなんかただの量産型なんだよ。本物はすごいぞー、通常の三倍……いや、それ以上の力を持ってるんだからね」

澪田「体が真っ赤なんすかね!」

モノクマ「どれくらいすごいかと言うと『超高校級の絶望』は日向クンを除く2357人の予備学科の生徒を集団自殺させれるくらいだよ」

九頭龍「二千だと!?」

終里「三倍じゃ済まなねーじゃねぇか!」

日向「俺が除かれたのは……」

モノクマ「そ。日向クンがカムクラ イズルだったからだね」

日向「…………」ガシッ

モノクマ「うわっ、なにするんだよ!それ以上は暴力行為だとみなすぞ!」

罪木「創さん、落ち着いてください!」




日向「お前が誰かは知らないけど絶対に倒してやる」

モノクマ「うぷぷ、日向クンにできるかな?カムクラじゃないキミが通常の三倍であるボクに勝てるかな?」

日向「まるでお前が江ノ島 盾子だとでも言いたげだな」

モノクマ「どうだろうね」

日向「待ってろ。すぐに行く」

モノクマ「うぷぷ、だったらホラ。エイッ!」

日向「うわっ!」

モノクマ「すぐに進めるように一つにまとめておいたよ。ボクって太っ腹だよねー」

左右田「なぁ日向。もうそんなやつほっといて先に……アレ?」ガラガラ

日向「どうしたんだ?」

左右田「なんか廊下の景色が変わってたような……あはは、んなわけねーよな」

九頭龍「いや、実際かなり変わってんだろ」

モノクマ「ほらほら早く早く。残りはまとめてあげてるんだから早くしてよ。終わったら赤いドアに入ってね」


日向「……ずいぶん優しいな。なに考えてるんだ?」

モノクマ「もうこっちの準備は終わってんだよ」

日向「準備?」

モノクマ「いいからいけって!」

澪田「このドアでいいんすか?」

モノクマ「そうそう」

澪田「うわー、いっぱいあるんすね」

日向「これは……電子メールか?」

西園寺「これわたし?すっごく綺麗になってない?」

花村「背も胸も……いろいろ成長してますなぁ」


『苗木君、君は今どこにいるんだい?』

日向(未来機関からのメールか?)

『早く始末するんだ。絶望の残等、いや……カムクラたちを残していてもメリットはない。君が匿う意味もないんだ』

日向「なっ!?」

七海「どうしたの?」

日向「このメールを見てくれ」

七海「これは……未来機関からのメールだね」

日向「それだけじゃない。なんで苗木は俺たちを庇ってるんだよ。なんでこんな……」

七海「私たちを絶望から解放したかった、からじゃないかな」

日向「それだけで見ず知らずの俺たちを守るために未来機関を裏切るなんてどれだけお人好しなんだよ」

七海「そうだね。でもそういう所は日向くんも一緒だよ」

日向「え?」

七海「自分を犠牲にしてまで私たちを助ける所とかさ」

日向「それは……みんなが仲間だからだ」

七海「この人も同じだよ。日向くんたちを仲間だと思ってるから未来機関を裏切った……未来機関からみんなを救ったんだよ」


今日はここまでです


ようやく私の苗木君が登場しましたね!

いいえ、私の苗木君です

違うわ。私のよ!

そういうの寒いんでいいです

そうだ!苗木君は僕のものだぞ!

あなたは黙っててちょうだい!!苗木君は私のよ!!

そのノリはきもい


Sビート版逃走中第7弾!

ゲームマスターが準備を進めていた「逃走中ライジング」がついに開催!
舞台となるのは「エリアS」。
このエリアは、かつて第1回逃走中が行われた場所をゲームマスターが手を加え、
逃走中専用エリアとして生まれ変わらせたものとなっている。

今回ゲームに挑むのは、各界から逃走成功者、自首に成功した者、終了直前で確保された者など、
身体能力や経験値・戦略性に優れた逃走者、さらに注目すべき新たな逃走者を中心に集められた、
過去最多となる45名の逃走者達。

彼らを待ち受けるのは様々なミッション、そして、ハンター。
果たして、200分間逃げ切り、史上最高額の賞金を手にする者は現れるのか!?


?逃走者?
1.
2.
3.
4.
5.エレン・イェーガー(進撃の巨人)(2)
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
14.
15.
16.
17.
18.
19.
20.
21.
22.Troyhorse(募集参加)(4)
23.
24.
25.初音ミク(VOCALOID)(初)
26.
27.
28.
29.
30.
31.松風天馬(イナズマイレブンGO)(4)
32.
33.
34.
35.緑川なお(スマイルプリキュア!)(2)
36.
37.モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)(3)
38.
39.
40.ゆうやん(募集参加)(初)
41.
42.
43.
44.ららら(募集参加)(3)
45.両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所)(4)
(50音順・敬称略)


ぷちどる大サーカス

大量発生したぷちどるを有効活用できないか、人々は今日も考える……

:プログラム
?第一部?
ぴよぴよの空中曲芸みうらさんのテレポートショーたかにゃの大食いイリュージョンはるかさんの分身組体操

?第二部?
あふぅとブラッド・スポーツちびきと猛獣ハンティングちっちゃんのモグラ叩き
やよのヨーヨータイム


ワーワー、ピューピュー……

ここはとあるサーカス場。ショーを観ようと、大勢の客が詰め寄せています。

律子(調教師)「戻れぇーーーーー!!」
はるかさん「ヴぁ?い」「ヴぁ?い」「ヴぁ?い」「ヴぁ?」シュンシュン
P(司会)「はい以上の演目が、はるかさんの分身組体操でしたー。一度休憩時間を挟んでから、第二部の方をスタートさせたいと思います……」

ぷちどるの存在が知られた現在、連中を利用した見世物は数多いです。そして中でも、765プロサーカス団はその扱いが特に上手いことで有名です。

P「――お待たせしました。これよりぷちどる大サーカス第二部を始めます。まずは我がサーカス団が誇る調教師、真に登場してもらいます!」
真「イエーイ!」

ワーワー、キャーキャー……

マタドールのような格好をした美人調教師の登場に、会場が沸き立ちます。ほのぼの系の演目が多かった第一部と比べ、第二部はより過激な内容になります。

P「この時世の新しい娯楽、闘牛ならぬ闘ぷち! 真が相手をするのは、この淫獣どもです!」ガラガラ
あふぅ「はにいぃぃぃぃぃぃ!!」「ナノォォォォォオオ!!」「はあにぃぃいいいいい!!」

檻車の中に、興奮状態のあふぅ達が詰め込まれていました。精力剤を打たれ、季節に関係無く発情期を迎えています。

真「準備オッケーです」

赤い布をはためかせ、真がその時を待ちます。Pが檻車のドアを開けました。

P「いざ、あふぅとブラッド・スポーツ!」ギイイ
あふぅ「「「「「はぁにいぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいい!!」」」」」ドドドド

一斉にあふぅ達が、真に目がけて飛びつこうとしていきます。この群れの猛アタックをかわしてみせるのが、調教師の腕の見せどころです。

真「よっ、ほっ!」サッ、サッ
あふぅ「「「「「はにぃぃぃぃいいいいいい!!」」」」」ピョーン、ピョーン

ひらりひらりと避け続けますが、あふぅ達もあきらめようとしません。一瞬でも集中力が途切れれば、捕まってしまうでしょう。

ハニ、ハニイイイイイ!!

しかしいつまでもやられっ放しではありません。ある程度時間が経ってから、調教師も反撃に出ます。

P「ここで取り出したるは伸縮式のサーベル! 引き続き華麗な技をご堪能ください!」

そうです、古式的な闘牛同様、最後はあふぅ達を[ピーーー]のです。
ドスッ!!
あふぅ「バニャァアアアアアアアアアア!?!?」

脳天にサーベルを突き刺され、あふぅが絶命します。間髪入れず剣を引き抜き、真が身を翻します。
真「ヤー!」シュッ
あふぅ「ナニョォォォォォォオオオオオ!?!?」ブッスリ
次々と、あふぅがサーベルで突き殺されてゆきます。すでに舞台は、殺戮劇の場と化していました。ブラッド・スポーツでは、殺し尽くすまでがショーの一部なのです。ヒュンヒュン、ブスブス! ナノオオオオオ!?
あふぅ「ナァァアアアアアア!?」
仲間の死を目にした一匹が、色欲も吹き飛んで我に返りました。背を見せて逃げようとします。しかし真は素早く腰から短剣を抜き出し、あふぅの後頭部へそれを投げつけました。ヒュン、ブスッ!
あふぅ「ニャビャッ!!……」逃がしはしません。そうして現れたあふぅ達は、すべてに真に始末されたのでした。

あふぅ「「「「「」」」」」P「これぞ匠の技! 彼女は一滴も返り血を浴びておりません!」ワーワー、パチパチパチ……
客席に向け一礼し、真が去って行きます。あふぅ達の死骸も片づけられ、次の演目の用意が始まります。

P「準備が整うまで、ちひゃー合唱団の汚い歌をお楽しみください」

ちひゃー「くぅぅう!」「くっくー!」「くにゃー!」「くぅ、くぅう!」ゾロゾロ

入れ替わりで舞台に上がったのは、ちひゃーの群れでした。大勢の観客に向け、自分が自分がとアピールしています。

ちひゃー「くくくくぅぅぅぅう♪」「くうう?んにゃ♪」「くっくっくぅ?♪」「くくぅぁあ?♪」フキョウワオン

まるで合唱になっていません。自己顕示欲の強い個体同士では、協調できないのです。ひどい出し物ですが、次の展開がわかっている観客は、野次を飛ばしませんでした。


そうそう必ずしも力があるからって強いとは限らない
自分の持ち味を理解してて、そしてためらわずそれを使えるかだな

ぷち共の殺し合いだけど、お気に入りのちっちゃん、ぴよぴよ、みうらさんが
生き残るように正々堂々と手を貸してあげたい

たかにゃ『覚悟』スッ

P「あ?と、手が滑った」ドゴ!!

たかにゃ「ぐぎょっ!?」『何故』サッ

P「悪い悪い、朝オリーブオイル使っててそれが手に残ってたみたい、続けて」

たかにゃ「………みう!」『参る』スッ

P「ああ、こんなとこにバナナの皮が?」ドス!!

たかにゃ「へごっ!?し、しじょ????::!!!」『激怒』

P「俺が悪いんじゃない、悪いのは床に落ちてたバナナの皮だ!!」マガオ!!

P「さあ、俺を気にせず戦え!!」メキョ!!ドゴッ!!バコ!!

たかにゃ「ひぎ!!ふごっ!!はべぇ!!たす!たす!たす????;;!!!」『助けて!!』スッ!

とかね

高坂・天海
園田・千早
綾瀬・律子
東條・三浦
星空・菊池
小泉・雪歩
真姫・伊織
ことり・真美
にこ・やよい

「私の名前は八日真名子」
「話によれば、ここでとあるゲームが行われ、それに優勝すれば大金を得られるそうだけど……」

騙し合いハウス

「すみませーん、『騙し合いハウス』はここで合ってますかー?」
「秋山さん!……じゃない。 誰?」
「え、はっ?」


「私、秋山みなねさんって人から代理で参加するよう頼まれたんですけど……」

ハウスシリーズの今後の展望もついでに。
殺し合いハウス:終
騙し合いハウス:終
殺し合いハウス2:桐生、柚木など+新:現在五日目
盗み合いハウス:生き残ったキャラ+新
殺し合いハウス3:たぶんファイナル?
現在、殺し合いハウス2までは脚本終わってます! お楽しみに!

睨み合うこあみとこまみ。
その近くに……

ちひゃー「くっ……」

二匹を狙うちひゃ。
二匹はちひゃには気付いていない。
そしてーー。

ちひゃ「くっ!」

こあみの背中の番号が見えた。




残り13匹

富山県△△市古木中学校3?A男子名簿

1.赤井大介(あかいだいすけ)

2.大内龍(おおうちりゅう)

3.死亡(きとうきょういち)

4.近藤一彦(こんどうかずひこ)

5.死亡(さいとうようすけ)

6.死亡(たむらよしつね)

7.死亡(たむらよりとも)

8.戸田佑介(とだゆうすけ)

9.死亡(にしえだよしき)

10.長谷川三咲(はせがわみさき)

11.宮村健治(みやむらけんじ)

12.目沢正樹(めざわまさき)

13.矢沢一樹(やざわかずき)

14.死亡(ゆのせいや)

15.死亡(よねざわみきひさ)

16.渡邊健介(わたなべけんすけ)

当日参加17.木村誡(きむらまこと)

女子
1. 死亡(うちだみん)

2.江口香奈(えぐちかな)

3.死亡(かわいきりこ)

4.霧島愛(きりしまあい)

5.死亡(くらきまこと)

6.小林静(こばやししずか)

7.佐藤美鈴(さとうみすず)

8.須藤和歌子(すどうわかこ)

9.死亡(たかすぎあゆこ)

10.辻里美(つじさとみ)

11.死亡(とおやまさとみ)

12.死亡(ぬまたかおり)

13.死亡(のざかのぞみ)

14.死亡(ひらいいくみ)

15.前田佳澄(まえだかすみ)

16.矢口由美(やぐちゆみ)

当日参加17.大平里香子(おおひらりかこ)

高見広春 著 「バトル・ロワイアル」

┌───────────────────────────────────
│【ν速高校 3-D 生徒名簿】

│男子1番 阿部 高和              男子13番 渚 カヲル
│男子2番 碇シンジ               男子14番 入速 やる夫
│男子3番 伊藤 誠                男子15番 派亜速 できない夫
│男子4番 エドワード・エルリック     .男子16番 平野 コータ          ..
│男子5番 キル夫                男子17番 美筆 やらない夫
│男子6番 球体紳士               男子18番 ベジータ
│男子7番 ギャル夫              .男子19番 前原 圭一
│男子8番 ギャラない夫             男子20番 マリオ・マリオ
│男子9番 ケロロ軍曹              男子21番 ムスカ大佐
│男子10番 高峰 清麿          男子22番 夜神 月   .

│男子11番 高須 竜児          男子23番 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア

      _,,..,,,,_ オハヨー
     / -ω⊂ヽ゛  なんか進展あった?
 .( ̄)l     _ノ⌒⌒⌒ヽ.  
 ⊂ニニニニニニニニニニニニニ⊃

fate
バゼット・言峰
ライダー・セイバー
慎二・バーサーカー
アーチャー・バーサーカー
バーサーカー・セイバー
葛城・キャスター
キャスター・ギルガメッシュ
ランサー・ギルガメッシュ
ギルガメッシュ・セイバー
言峰・シロウ

WBF
バゼット・言峰
ライダー・キャスター
バーサーカー・ギルガメッシュ
イリヤ・ギルガメッシュ
キャスター・アーチャー
葛城・アーチャー
言峰・ランサー
ランサー・言峰
アサシン・セイバー

HF
ランサー・ハサン
ギルガメッシュ・桜
アーチャー・桜

北海道上見市立狛楠中学校 3ーB
男子
01飯塚空(いいづか・そら)
02石黒隆宏(いしぐろ・たかひろ)
03鵜飼陽平(うかい・ようへい)
04江口修二(えぐち・しゅうじ)
05梶原亮(かじはら・りょう)
06鎌城康介(かまぎ・こうすけ)
07鎌城裕斗(かまぎ・ゆうと)
08菅野優也(かんの・ゆうや)
09死亡(さかうち・ほうせい)
10死亡(しげまつ・つかさ)
11豊永正和(とよなが・まさかず)
12名取準(なとり・じゅん)
13死亡(のざわ・ともはる)
14日笠進一(ひがさ・しんいち)
15藤岡圭太(ふじおか・けいた)
16星山拓郎(ほしやま・たくろう)
17町田耕太(まちだ・こうた)
18村上幸太郎(むらかみ・こうたろう)
19矢部樹弘(やべ・みきひろ)
20死亡(わだ・れいじ)

女子
01秋山奈緒(あきやま・なお)
02尾方朝子(おがた・あさこ)
03死亡(きたじま・ともみ)
04紺野美香(こんの・みか)
05佐藤千夏(さとう・ちなつ)
06死亡(そのべ・ゆうき)
07高原乃慧(たかはら・のえ)
08死亡(つきもと・あつこ)
09土屋直美(つちや・なおみ)
10死亡(にのみや・さきえ)
11能登谷紫苑(のとや・しおん)
12蠅田水透(はえだ・みずき)
13橋本亜美(はしもと・あみ)
14堀川やよい(ほりかわ・やよい)
15真中みどり(まなか・みどり)
16美島恵(みしま・めぐみ)
17南小夜(みなみ・さよ)
18三好里帆(みよし・りほ)
19死亡(ゆきひら・はな)
20横森真紀(よこもり・まき)
21渡辺凪(わたなべ・なぎ)

レミ・生還・生還・生還
冴木・Death・生還・Death
タクト・Death・生還・Death
エリカ・Death・Death・Death
ユキ・Death・Death・生還
カエデ・Death・生還・生還
アヤ・Death・Death・Death
アキ・Death・Death・LOST
ルカ・LOST
カリン・Death・Death・生還
ジェイ・Death・Death・生還
カイ・Death・Death・Death
サキト・Death・不参加
クレア・Death・生還
下村・生還・不参加
テッカン・Death・不参加
アキコ・Death・不参加
カケル・LOST
リク・?・Death
シズク・?・生還
染水・Death・不参加
チサ・?・Death

「もう……もう、いや!!」


大中寿美礼は必死に走る。
背後には此方を追いかけてくる仮面の人物がいた。

ーー何よ、あいつ!



「あ……!」

背中に

ネタバレ
石川県立笹谷中学校3年2組
男子
01青葉馨(あおば・かおる)
02片桐友喜(かたぎり・ともき)
03死亡(かやま・のぶゆき)
04北山誠(きたやま・まこと)
05草野親幸(くさの・ちかゆき)
06近衛公孝(このえ・きみたか)
07佐倉祐樹(さくら・ゆうき)
08迫田雄一(さこだ・ゆういち)
09椎名淳(しいな・あつし)
10死亡(すさ・なおと)
11橘椿(たちばな・つばき)
12鶴野丞(つるの・すすむ)
13野田茂樹(のだ・しげき)
14久賀潤(ひさか・じゅん)
15間宮礼司(まみや・れいじ)

女子
01藍田愛(あいだ・あい)
02死亡(いがらし・もえこ)
03上坂陽子(うえさか・ようこ)
04死亡(えざわ・なみこ)
05大中寿美礼(おおなか・すみれ)
06死亡(かわい・もみじ)
07木下莉乃(きのした・りの)
08死亡(さいとう・ひろこ)
09死亡(さえき・りな)
10佐藤怜子(さとう・れいこ)
11高城亜紀(たかぎ・あき)
12死亡(なかた・なほ)
13町田三四子(まちだ・みよこ)
14死亡(むらかみ・みおこ)
15茂木由子(もぎ・ゆうこ)
16森山加奈子(もりやま・かなこ)
17死亡(やお・いくえ)
18死亡(やまる・としみ)
19由井貴美(ゆい・たかみ)
20死亡(ゆがわ・のぞみ)
21死亡(よこえ・さわこ)
22死亡(よしだ・まゆこ)
23冷泉紗代子(れいぜん・さよこ)
24和野理恵(わの・りえ)
25和山麗香(わやま・れいか)

やめて! 欲しいものなら何だってあげるから!!
ーーわかってる。 こんな命乞い、無駄だということに。


[ピーーー]よ、ばーか。
ーーバカなのは、私なのにね。


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!
ーー私は一体、誰に、何を謝ってるの?



どうして? 決まってんじゃん。 生きたいから。
ーーでも、何の為に生きてるのか、さっぱり分からない。



死んでよ! 私の夢の為に!!
ーー夢なんか、ホントはないくせに。



私たち、ずっと友達だよ!
ーー嘘。 あなたを友達だと思ったことは、一度もないの。



あっははは!! [ピーーー]、みんな死んじゃえ!!
ーー狂ってるフリなんて、もうやめたい。



私はね、あんたより彼氏が好きなの!



そんなこと言うなんて……死んじゃえ!!
ーー

プログラムに選ばれた生徒の大半は一人で行動し、ギリギリまで隠れてることが多い。
久賀潤(男子14番)もそのうちの一人だ。
潤は住宅街で一番小さな家の中に隠れていた。

ーー何で、何でこんな目に会うんだよ……
もう嫌だ、家に帰りたい。

悲鳴、銃声、放送で呼ばれる名前。
潤の精神はそろそろ限界に達しようとしていた。

「もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ」

何度も呟きながら武器のゴルフボールを握り締めた。



潤が潜んでいる家から少し離れた所には10人の女子達が再び合流していた。

「ねえ、麗華がいそうな場所、分かる?」
「分かったら苦労しないって」

そう言ってこのグループをまとめてる




「誰かいるぅ? 私、麗華よぉ!」



「麗華ちゃんだ!」

殆どの女子が表情が明るくなった。
しかし、亜紀だけは違った。
何か、嫌な予感がする。

「私、行ってくる!」
「私も!」

奈美子と菜穂が玄関へ走って行った。

「……亜紀? どうしたの?」

亜紀の不安そうな表情に気づいた加奈子が話しかけてきた。

「ううん、何でもーー」

「きゃあぁああ!!」
「嫌ぁああ!!」

突如、玄関から二人の悲鳴が聞こえた。
同時にババババッ、と分校で聞いたあの音も聞こえた。

「あーー」

亜紀の予感は的中した。
亜紀は自分のデイパックを掴むと、裏口へ走った。

「亜紀!?」
「みんな、逃げよ! 早くしないとーー」
「奈美子と菜穂は!? 私、助けなきゃ!」

莉奈はテーブルに置いてあった包丁を掴むと、玄関の方へ走っていった。
亜紀は思った。
莉奈ももうすぐ死ぬ、と。

少しして、悲鳴、そして連射音が聞こえた。

「そんな、莉奈ちゃん……!」
「わ、私逃げる!」
「私も!」




女子4番江沢奈美子 死亡
女子9番佐伯莉奈 死亡
女子12番中田菜穂 死亡

【残り

ゾディアック殺人事件
睦月節雄(むつき・せつお)

如月聖子(きさらぎ・せいこ)

弥生

卯月有香(うづき・ゆか)
4月生まれ

皐月叶(さつき・かなえ)
5月生まれ

水無月敏郎(みなづき・としろう)
6月生まれ

文月翔(ふみつき・かける)
7月生まれ

葉月颯太(はづき・ふうた)

長月春恵(ながつき・はるえ)

神無月省吾(かんなづき・しょうご)

霜月

師走友里恵(しわす・ゆりえ)
12月生まれ

「はぁっ……はぁっ……!」

息が切れる。
足がもつれる。
心臓が早鐘のように高鳴る。

「はっ……く、はぁっ……!」

まだまだ気温の低い朝だというのに、どんどんと滲み出てくる汗。
朝食を入れていない胃がきゅうと縮こまり、吐き気が込み上げてくる。

「はあっ、はあっ、はっ……!」

それでも、荻原結衣は歩き続けーー

「うっ……わあぁっ!?」

木の根につまずいて、地面に手をつきながら倒れたところで、ようやくその足を止めた。

「はぁっ、はぁっ……痛ったぁ……」

掌を見てみると、泥の向こうに僅かながら赤色。
どうやら、擦り剥いてしまったらしい。

「ああもう、やっちゃった……」

ぬかるんだ地面に突っ込み、泥だらけになってしまった手をブルブルと振るう。
制服が汚れなかったことは不幸中の幸いだが、とても少女はその幸運を喜ぶ気にはなれなかった。
それよりも、早く歩かねばと、再び立ち上がるべく足に力を込める。

「っ……!」

しかし、歩き続けた体は低い木の根に引っかかるほど限界で、休憩を挟まねば動けないと訴えかけていた。
仕方なしに、なるべく濡れてない木の膝元に腰を落ち着け、息を潜めながら周囲を伺う。

「もう、大丈夫かな……?」

先ほどまで追いかけてきていた人影は、もう見当たらない。
耳を澄ましてみても、聞こえてくるのは自身の鼓動の音ばかりで、それ以外は草木が風に擦れる音だけ。
それでようやく、少女はホッと息をついた。

「なんだったんだろ、あの人……」

膝を抱えて縮こまりながら、結衣が先の出来事を思い出す。
ウトウトとしていた中、突然にPDAが鳴り出し、ステージがどうこうと意味不明なアナウンスを聞かされたのが昨夜。
それから、不安を胸に一人で夜を明かしていると、唐突に山小屋が襲撃された。
もちろん、一人取り残された結衣に迎撃する手段はない。
暴力に取り付かれたような怒鳴り声と足音に、半ばパニックになりながらも、辛うじて山小屋から逃げ出した。
一応ながら練習した銃も、逃げ出すにはただの重りでしかなく、とても持ち続けてなどいられなかった。
余計な荷物は全て捨て、ただひたすら、見えない恐怖から逃げるために一晩中走りーー後に歩き続けた。

「……何が起こってるの?」

結衣の記憶が確かならPDAの音声は、クリア条件が変更されたと言っていた。
どうしてそうなったのかは、よく分からない。
ただ、何か途轍もなく重要なことが起きてることは、何となく理解していた。

「悠奈さん、早く帰ってこないかな……」

悠奈がいてくれれば、誰かに襲われたとしても守ってくれる。

「修平くんも……戻ってきてくれないかな……」

悠奈と共に、修平や琴美も来てくれれば、まさに鬼に金棒だろう。

大中寿美礼(女子5番)は名簿にチェックし終えた後、静かに笑った。
呼ばれた。
あの見てるだけで不快なギャルグループのメンバーが。
ここでリーダーの和山麗香(女子25番)が呼ばれればもっと気分が最高だったのだが、仕方ない。

「ふふ……ざまーみろよ」

あのグループはホントに最悪だ。
先生には私語で話す、椅子ではなく机に座る、お菓子を持ってくる。
存在するだけで吐き気がした。

「さて、と……後残ってんのは……」

名簿を改めてチェックし、生き残ってるギャルメンバーを確認する。

侍リーマン

仲の悪いふたり
のもまりの

「いいえ。その必要はありません。」
「………」
後ろを向くと、そこには大量のモノクマ。
そして、ハンマーを持ったセレス。
「……どうしたのかしら?」
「よく、平気でいらっしゃいますわね。」
「苗木君は、貴女を庇って死んだのに……貴女は少しも悲しまなかった。」
「……貴女も、気づいてたのね。黒幕の罠に。でも、あれは仕方なかった。私はここで死ぬわけには」
「死にたくないから


「ひっく……ふぅえ……ぐずっ…」

井上優子(女子5番)は道路の真ん中で一人泣いていた。
優子は出発してからずっと泣きながら歩いていた。
時々、親友の岩石水姫(女子6番)の名前を呼びながら歩いていたが、公園で水姫の死体を見つけてますます泣き声が大きくなった。
こんな事をしてれば誰かに見つかる可能性が大きくなるが、今の優子に泣き止む事は出来なかった。

優子は昔から泣き虫だった。
些細な事でも泣いていた。
例えば、給食の時間でお箸を落としたり、読みたい本が図書館になかった時に、おねしょをしてしまった時に、誕生日ケーキやクリスマスケーキがチョコレートケーキじゃなかった時に。
大声で泣いていた。
中学生になってもその泣き虫は治らなかった。

「どぉしてぇ!!!どぉしてなのぉ!!!」

もう、頭の中がパンク寸前だった。

どうしーーーー。

後頭部に激痛が走った。
痛みに耐え切れず、地面に倒れる。

「い、だい………いだ……」
「あれ?まだ生きてたんだ。」

低い声。
この声は黄山登(男子4番)だ。
あの時、自分を突き飛ばし、殴った男だ。
女の子に暴力を振るう最低なゴミ人間だ。

「き、や……ま」
「黙れ。」

金槌を振り下ろす。
金槌は優子の頭部にまた当たり、今度はゴキッ、と骨が折れる音がした。

「全く……うざいんだよ、君は。」

頭部が陥没した優子の体を蹴ると、優子のデイパックを漁った。
少しして、手に硬い感触があった。
それを掴み、デイパックから取り出す。




女子5番井上優子 死亡

エピソードA

大祐 5人(まり子、結衣、黒河、悠奈、修平)
初音 2人(充、玲)
黒河 1人(真島)
はるな 1人(初音)
修平 1人(大祐)


エピソードB

瞳 5人?(まり子、初音、真島、玲、充?)
充 3人(はるな、琴美、司)
初音 2人(大祐、修平)
司 1人?(充?)
まり子 1人(悠奈)
玲 1人(瞳)


エピソードC

瞳 5人(結衣、真島、まり子、はるな、悠奈)
はるな 3人(初音、充、黒河)
黒河 2人(大祐、瞳)
修平 1人(司)


放送を聞き終えた四葉幸子(30番)はますます男子に対する嫌悪感が増した。

許せない!
非力な女の子を[ピーーー]なんて絶対に許せない!
[ピーーー]!
男子全員殺してやる!

放送で友人の幽々子は呼ばれなかったが、怒りでいっぱいになった幸子はそれに気づかなかった。
そして、幸子に近づく者がいたが、彼女はそれにも気づく事はなかった。

「ゆっちゃん?」

突然の声に驚き、振り返る。
そこには友人の雪原幽々子(女子29番)がいた。

「幽々子ちゃん!幽々子ちゃんだ!!」

あまりの嬉しさに涙し、駆け寄ろうとしたが、途中で止まった。
幽々子が、コルトパイソンの銃口をこちらに向けていたので。

「幽々子、ちゃん?」
「こ、来ないで!私を[ピーーー]つもりだったんでしょ!!」

[ピーーー]?
私が、幽々子ちゃんを?
そんなまさか。

「違うよ。私は」
「じ、じゃあその手で握ってるのは何よ!」

幽々子は幸子の握ってる斧を指差す。

「ち、違う!違うの!誤解よ!」
「嘘!そう言って私を[ピーーー]んだ!」

言い終えるのとほぼ同時に銃口が火を吹いた。
弾は斧を握っている右腕に当たり、幸子は斧を落とした。

「ゆゆ」
「気安く呼ばないでぇ!!」

幽々子がもう一度引き金を引こうとした時だった。
突然、幽々子が倒れた。

「幽々子ちゃ、ん?」

倒れている幽々子に近づく。
首に、銀色の矢が生えていた。

「ひっ!」


振り向くとそこには委員長の黄山登(男子4番)がいた。
隣には、赤嶺智(男子3番)がいた。

「……あ……」

幸子は直感で分かった。
この二人はゲームに乗ってる。
純粋に、楽しんでる。
二人だけじゃない。
男子は全員、ゲームに乗ってる。

「じゃあね、自己中女。」

智が銃口を幸子に向け、撃った。
弾は幸子の額を貫き、幸子は幽々子と折り重なるように倒れた。




【残り:27人】


「それじゃ、俺は行くから。」

それだけ言って藍河高貴(男子1番)は公園から去って行った。
高貴を見送ると赤嶺智(男子3番)と緑先望(男子9番)はこれからの事について話し合った。

「んで、どうする?俺としては単独行動したいんだけど。」
「うん、それでいいと思うよ。」

特に否定する事もせず、望は頷いた。

「よし決まり。それじゃ、望、死ぬなよ!」
「赤嶺君もね。」

智が公園から走り去るの見届けると望も歩き出した。



紀田林檎(女子13番)は暗い道路を一人で歩いていた。
少し歩き、後ろを向く。
誰もいない。
そして、また歩く。
この繰り返しだった。

「うう、限界……」

体力が無くなったのか、林檎は地べたに座り込んだ。
デイパックから水の入ったペットボトルを取り出し、一気に飲む。
温くて美味しくなかった。
全部飲み干すとまた歩き始めた。

「……!!」

暫く歩いて、歌声が聞こえた。
低い声、多分、男子だ。
ヤバイ、と林檎は思った。
銃とかあれば、反撃したり、攻撃できるが、林檎の武器は爪楊枝だった。
ここは逃げるが勝ち。
早く、逃げよう。
逃げようとした時だった。
バシュッ、と風を切る音が聞こえた。
そして、それが林檎の聞いた最後の音だった。



「よし、一匹。」

望は林檎のこめかみに刺さったボウガンの矢を引き抜くと、素早くその場から走り去って行った。



斉川美波(女子18番)は目の前にいる赤嶺智にどう対処すれば必死に考えていた。
どうしてこんな事になったのかと言うと、数分前、美波は紀田林檎の死体を見つけ、悲鳴を上げてしまい、敵の智を呼び寄せてしまった。



今だ!

チャンスと思った美波は智に背を向け、全速力で走った。行ける!そう思った時だった。パァン、と乾いた音が響いた。瞬間、右足に激痛が走った。

「あっ…ぐぅう!!」

痛みに耐え切れず、倒れる。右足を見ると、太腿から血が大量に流れていた。

「う…そ………」

私、死ぬ?死ぬの?い、や。嫌!死にたくない!

「あああああぁあぁぁあ!!」

逃げようと立ち上がろうとしたが、もう遅かった。また、銃声が鳴り響き、そこで美波の視界は暗転した。



「ふ~ん、まあ、こんなもんか。」

何でみんな殺しちゃうの?
そんなことしても、虚しくなるだけなのに。



仲山行人(男子12番)の襲撃で、親友の仙道桜子(女子7番)を失い麻生咲(女子1番)はもうどうすればいいのか、わからなかった。




「誰かいるの?」

声がした。
その声を聞いて、咲は思わず大声を出した。

「玉樹!!」
「咲!?」

声の主はどうやら皆川玉樹(男子16番)のようだった。

「玉樹!玉樹!!」

ようやく恋人に出会え、咲は安心し、玉樹を抱きしめた。

「玉樹!!私、私、もう、どうしたらいいのかわからなんないよ!井上君も、桜子も、みんな死んじゃった!!」



その時、近くの茂みから音が聞こえた。

「誰!?」

咲がそう言った瞬間、ぱららら、と古びたタイプライターのような音が聞こえた。
瞬間、玉樹の全身に穴が開いた。

「うあああぁあ!!」
「玉樹!!」



駄目!!
もう、大切な人を失いたくない!!

「やめてぇ!!!」

咲は弓を引き、矢を放った。
矢は、藍のこめかみに当たり、藍は仰向けに倒れた。

「玉樹!玉樹!」

咲は必死に玉樹の体を揺する。
しかし、もう、玉樹の反応はなかった。

「い……や……なん、で……」

武藤萌(女子19番)には殺したい人がいた。
いや、少し違う。
正しくは、殺したい人“たち”だ。
どうして、殺したいのか。
それは、復讐だ。



萌のイジメが始まったのは中学一年からだ。
入学式が終わってから数日後、放課後に彼女たちに呼び出され、暴力を受けた。
その日から、イジメが始まった。
上履きをゴミ箱に捨てられたり、教科書に落書きされたり、悪口を言われたりした。
何回もリストカットをした。
何回も自殺しようと考えた。
でも、自殺はしなかった。
[ピーーー]なかった。
あいつらに復讐するまでは。



その殺したい人たちが目の前に、いる。
その人達は、まだ、自分の存在に気づいていない。
復讐するなら、今だ!

「あああああ!![ピーーー]ぇ!!」

萌は支給武器の彫刻刀を日生吹雪(女子17番)と矢矧彩乃(女子20番)に投げつけた。
後ろを向いた二人は間一髪で彫刻刀を避けた。

嘘!?
避けられちゃった!
どうしよう!!

「おい、いい度胸してんじゃん!」
「ブスの分際で!!」

二人は銃、コルト・ガバメントとコルト・パイソンを構えた。

「い…いゃあ!!やめてぇ!!」

萌の言葉と同時に銃声が二発、鳴り響いた。
二発とも、萌の体を撃ち抜き、萌は倒れた。

「は!私達を殺そうなんて百年早いよ!」
「あの世で出直して来な!」

二人は笑いながら萌の体を蹴ると、


女子19番武藤萌 死亡

【残り:


Aはエイミー かいだんおちた
Bはベイジル くまにやられた
Cはクララ やつれおとろえ
Dはデズモンド そりからなげられ
Eはアーネスト モモでちっそく
Fはファニー ヒルがきゅうけつ
Gはジョージ じゅうたんのしたじき
Hはヘクター ごろつきのえじき
Iはアイダ おぼれてふびん
Jはジェイムズ アルカリごいん(誤飲)
Kはケイト まさかりぐさり
Lはリーオ がびょうをごくり
Mはモード もくずときえて
Nはネビル のぞみもうせて
Oはオリーブ キリがつきぬけ
Pはプルー けんかのまきぞえ
Qはクェンティン おちたのはぬま
Rはローダ あわれひだるま
Sはスーザン ひくつりえいみん
Tはタイタス どかん!こなみじん
Uはウーナ げすいにらっかし
Vはヴィクター せんろであっし(圧死)
Wはウィニー さむいさむいこおりのなか
Xはザクシーズ いたいいたいねずみのは(歯)は
Yはヨリック のうてんわられ
Zはジラー ジンをふかざけ

上の訳は柴田元幸版?絵本本本絵本本!!!より

1963年 エドワード・ゴーリー作 アルファベット順に子供たちが死んでいく絵本「ギャシュリークラムのちびっ子たち」が公開されてるよ
もうひとつ&こっちにも 読み手のこころを塞ぐようなユーモアにチャールズ・アダムスの影響を強く感じます 



裏表紙は26の墓石

銃音とほぼ同時に右腕に激痛が走った。

「あ、ぁあああああ!!」
「桜子!!」

仙道桜子(女子7番)は自分の右腕を見る。
二の腕から血が溢れ出ていた。

「あ…あぁ、桜子……」
「大丈夫!それより、誰!!隠れてないで出てきたら!!」

桜子が怒声を出す。
すると、近くの茂みからガサッと音がした。
そして、また銃声が響いた。
今度は桜子の右足を貫き、桜子は倒れた。

「いやぁ!!!桜子ぉ!!やめてぇ!!桜子を殺さないでぇ!!」
「うるせえよ。」

低い声がした。
瞬間、桜子の頭が大きく揺れた。

「さ、くらこ?」

咲は桜子を見る。
桜子の額に穴が開いていた。
その穴から血が大量に溢れていた。

「さく……嫌ぁぁあああああ!!!!!」

咲は叫び、

「お……て……」

声が聞こえる。
誰だろう?

「お……き……」

まだ、眠い。
もう少し、寝よう。



「起きろぉ!!!」
「うぉ!!?」

突然の怒鳴り声で和泉直正(男子1番)は目を覚ました。

「あ~もう!やっと起きた!」

そう言うのは同じ部活仲間で幼馴染の西智美(女子14番)だ。

「智美?ここ、何処だ?」

周囲を見回すと教室のようだったが、自分達の教室ではなかった。

「さぁ、今、調べてるんだけど扉とか窓とか開かないの。」
「は?マジかよ!?」



「今日は君達に、殺し合いをしてもらう!!」


【残り40人】

01綾迫町枝
日山徹
07要田陽子
13伊達健太
04遠藤麻帆
笛野仁
06型山万里(がたやま・まり)
本田章
02伊佐美波(いさ・みなみ)
12寿丸光(じゅまる・みつ)
09近藤八重(こんどう・やえ)
理山紡
松崎直美
野田将生
05小河加奈
派原哲司(ぱはら・てつし)
08旧野恵美(きゅうの・えみ)
蓮山梅夫(れんやま・うめお)
10佐藤聖子(さとう・せいこ)
14田中昴(たなか・すばる)
03植山日子(うえやま・びこ)
馬場義人(ばば・よしと)
渡辺切子(わたなべ・きりこ)

吉野美奈(よしの・みな)
11座山龍人(ざやま・りゅうと)

佐々木瑞穂(女子16番)はとても不気味な女生徒だった。
いつも一人でぶつぶつと何かを呟いていたり、授業中にいきなり奇声を上げたり、校長先生の事を悪魔だと叫ぶなり校長先生に掴みかかったり、とにかく不気味すぎる生徒だった。
しかし、彼女は元々こんな性格ではなかった。
一年前は普通に友人と喋ってたり、勉強したりしていた。
ある日、一人で買い物をしてる途中、あるものを見つけた。
それは、占いの館。
占いに興味を持った瑞穂は館に入った。




ーーー今だ!

果物ナイフで志穂の背中を狙う。
後少し。
その時だった。

「えっ?」

志穂が振り返らず、腕を挙げ、銃をこちらへ向けた。

「なん」

言い終える前に銃口が火を吹いた。
頭に凄まじい衝撃を受けた。
それが瑞穂の最期の感覚だった。



「死んだ?」

志穂は倒れている瑞穂の身体を軽く蹴る。
反応は無い。
間違いなく死んだ。

「……駄目ね。まだ手が震えてる。こんなんじゃ、すぐにやられちゃう。」

震える手をぎゅっと握り、深呼吸する。

落ち着こう。
私は[ピーーー]。
みんなを[ピーーー]んだ。
残酷になれ。
非道になれ。
心のない殺人鬼になれ。

与一達は数十分かけて一美を探したが、結局、一美を見つけることが出来なかった。

「一美ちゃん、何処行っちゃったんだろ……」

溜息をつきながら、愛子が言った。

「……あーもう!だからガキは嫌いなんだよね!」

22名のプレイヤー
彼らの運命は残酷に変わっていく。
0・愚者・
1・魔術師・
2・女教皇・先原奈々
3・女帝・大添三枝
4・皇帝
5・教皇・桃園時智太郎
6・恋人・田崎愛子
7・戦車
8・正義・角山与一
9・隠者
10・力
11・吊された男・
13・死神・
14・節制・春影司馬太郎
15・悪魔・
16・塔・
17・星・
18・月・村山和輝
19・太陽・
20・審判
21・世界

一方、二階では。

「うう……どうしたら……いいんだろ……」

階段付近で村山和輝はどうすればいいのか、悩んでいた。
和輝に配布されたPDAは「月」。
クリア条件は「自分のプレイヤーナンバー、または、クリア条件を知られてはならない。」。
恐らく、このクリア条件は外れだ。
難易度が高すぎる。

「他のプレイヤーに会ったら、僕はお終い……」

和輝は嘘が下手くそだ。
嘘をついてもすぐにバレる。
そのせいで家族に怒られたことも屡々あった。

「それにしても……」

和輝はバッグから、黒い塊ーーー。
コルト・ガバメントを取り出し、じっと見つめた。
この銃を見つけたのは目が覚めてからすぐのことだった。
枕元に、置いてあった。

「ホンモノ……かな?」

試しに撃ってみようか。
そう考えたが、やめた。
もし、ホンモノだったらーーー。
そこで、思考が止まった。

「…………え?」

風を切る音がした。
瞬間、和輝の足元にカーボン製の矢が突き刺さった。

「え?え?え?」

ーーー何これ?これ何?どうしてこれが?

二発目の矢が和輝の髪を掠め取った。

「ひっ……!」

ーーーもしかして、死ぬ?

「や……や、だ……!!」

生まれて初めて死の恐怖を感じた和輝はバッグを捨て、PDAと銃を握りながら、全力で走った。

兵器人間究極部について。
政府非公認の訓練場。
ランクがあり、CからSランクまである。
ランクによって訓練内容が変わる。
Cランク・普通の訓練場の訓練と変わりない。
Bランク・それぞれ部門があり、「格闘部門」、「知識部門」、「技術部門」、「医療部門」に別れている。
Aランク・Bランクでそれぞれ学ぶ部門を全て学ぶ。
Sランク・このランクだけは政府公認である。Sランクにつくためには人間をやめる覚悟がある人のみ。

「やっぱり使えるものはないわね」

ふう、と近藤美穂は溜息を吐いた。
美穂がいるのは6号館2階のパソコン室だ。
もし、パソコンがあれば助けを呼べるかもしれない。
そんな期待をしていたが、現実は甘くない。
パソコン室で使えるパソコンは一台も無い。
電源のボタンを押しても起動しなかった。

「あーあ、どうしよう」

なーんてね。
……政府の皆さん、バレバレよ。
この首輪に、盗聴器がついてんのを。

Mr. かったるい


『親睦を深めるために、オフ会をやってみませんか?』
『オフ会? 何それ?』
『オフ会ですか。 いいですなぁ。 一度でいいからやってみたいものです』
『私やりたーい♪』
『もしやるんなら8月にしない? 私、学生だからさ』
『俺も賛成(≧∇≦)ノ』
『↑男がそれをやってもキモい。 オフ会は……ま、興味あるね』
レイン『……私も行きたいです』
『あれ? 君確か中学生じゃなかった?』
『はい、中学生です! えーと、私の両親、基本的に放任主義なんですよ。 だから、多分大丈夫、と思います』
『私も行くわ! オフ会やりたい!』
『何か必[ピーーー]


『場所は○×港です。

『うっそ!? めっちゃ近く!』
『おー、そこか。 何回か行ったことあるな』
『行くわ! 絶対に行く!』

22人
金見希(かなみ・のぞみ)
17歳・私立高校に通うごく普通の女子生徒。最近ハマったSNS「タロット」のオフ会に参加することになった。甘い物が好き。

禾坂彩名(のぎさか・あやな)
18歳・大学一回生。黒髪長髪の女性。口数は少なく、表情が乏しい。

橘百合子(たちばな・ゆりこ)
25歳・金見希のクラスの副担任。貧乳なのを悩んでいる。

渡辺知裕(わたなべ・ともひろ)
42歳・数ヶ月前に会社をリストラされ、数週間前に妻と離婚した。

柳津喜子(やなぎ・つきこ)
34歳・主婦。スーパーでパートとして働いており、夫は数年前に蒸発。
8月18日、午後11時頃、何者かによって射殺される。

田崎芳佳(たざき・よしか)
16歳・とあるアイドルグループの研究生。立派なアイドルになるため、日々勉強中。

中尾晴美(なかお・はるみ)
21歳・大企業の社長の娘。甘やかされて育ってきたため、我儘な性格。
8月19日、午後1時頃、何者かによって射殺される。

吉田啓介(よしだ・けいすけ)
21歳・中尾晴美と同じ大学に通っており、晴美の彼女。しかし、晴美にはいいようにこき使われている。
8月19日、午後1時頃、何者かによって射殺される。

徳井由芽子(とくい・ゆめこ)
14歳・少し暗めの少女。SNS「タロット」を知るまでは不登校ぎみだった。

日畑香苗(ひばた・かなえ)
28歳・中小企業に勤めてるOL。出会いを求め、オフ会に参加したらしいが……。

昭島ゆりん(あきしま・ゆりん)
24歳・秋葉原の中でかなり有名なメイド喫茶の店員を勤めてる。

仏原隆(ほとけばら・たかし)
35歳・ニート。アニメ、ゲーム、漫画、ラノベ、フィギュア等が好き。かなり太めの体型。
8月15日、午前1時頃、何者かによって撲殺される。

津々島智己(つつしま・ともき)
37歳・元軍人。オフ会参加者の中で一番身体が大きい。あまり喋らず、なぜオフ会に参加したのかは不明。

早瀬正則(はやせ・まさのり)
17歳・金見希の元クラスメイト。ガタイがかなり良く、喧嘩っ早い。数ヶ月前に教師に暴行した理由で退学。今はどうやって生活してるのか不明。

野村さとみ(のむら・さとみ)
21歳・大学四年生。よく小学生と間違われている。本人もそのことを気にしており、毎日牛乳を飲んでるが、全く成果が出ない。

関原彩未(せきはら・あやみ)
20歳・女子アナ。入社二年目。どうやらコネで入社したらしく、社内では孤立している。

佐藤宏(さとう・ひろし)
54歳・医者。暇があればしょっちゅう眠ってる。その気になれば24時間眠ることも可能(本人だん

間田真純(まだ・ますみ)
41歳・会社員。大企業に務めるエリートOL。だが、最近になってやりたいことを見つけたらしい。
8月20日、午前0時頃、何者かによって絞殺される。

青島礼二(あおしま・れいじ)
23歳・土木工事員。金髪でニット帽を被っている。見た目的にチャラいと思われがちだが、根はいい奴。

原塚亜弓(はらづか・あゆみ)
16歳・高校一年。流行りの物が大好きな女子。週末にはよく渋谷へ行く。
8月15日、12時頃に毒死。

石倉香織(いしくら・かおり)
16歳・高校一年。東大を目指す女子。原塚亜弓とは中学の頃からの仲で亜弓の勧めでSNS「タロット」を知った。

如月千景(ちさらぎ・ちかげ)
13歳・中学一年生。見た目でよく女の子と間違われるが、れっきとした男。オフ会の中で最年少の参加者。

8月15日・午前9時17分船内

船内のベンチに腰掛け、私は持参したペットボトルのお茶を一口飲んだ。




さーて、どこに行こうか?
1、デッキ


デッキに行くと、何人かがいた。
誰に話しかけようか……?

1、柳津喜子
2、橘百合子
3、昭島ゆりん
4、禾坂彩名

8月15日・午前8時12分 ○×港

「……よし、ここで会ってるよね」

私の名前は金見希。
どこにでもいる高校生だ。
今回、私は生まれて初めてのオフ会に参加する。
親には何とか説得して行かせて貰えた。
集合場所の○×港から家の距離は徒歩で十分程度だったので、すぐに着いた。
ーー確か、9時に船に来るんだよね。
ーーそれまで何して過ごそうか?
そう考えてたときだった。

「……あ、あのぉ」
「ひゃっ!?」

背後から突然声をかけられ、思わず、飛び退いた。

「あ、す、すいません!!」

その子は慌てた感じ、自分に謝った。

「あ、えーと……あなたは……」
「あ、は、はい『レイン』です!本名は徳井由芽子です!」

「由芽子ちゃんって、どこ中?」
「学校、は辻原中学校、て所なんですけど……」
「嘘!? 私も辻原中学校に通ってた!」
「え、ほ、ホントですか!?」
「凄ーい、こんな偶然あるんだ」

まこちー「まきょ?」

他のぷち達を密告しようと動き回っていたまこちーはあるぷちを見つけた。
メガネ、三つ編み。
この二つに当てはまるぷちは一匹しかいない。
ちっちゃんだ。

まこちー「やー……(密告してやる……)」

幸いにもちっちゃんはまだまこちーの存在に気付いていない。
まこちーは慎重にちっちゃんに近づいた。
少しずつ、少しずつーーそして。

まこちー「まきょ!(765!)」

まこちーの声に気付いたちっちゃんが振り向き、驚いた顔をする。

ちっちゃん「め、もっー!?(いつの間に!?)」

まこちー「やー!やー!!(ごめんね! でも、死にたくない!)」

ちっちゃん「もー!!」

まこちー「やー!まきょー!(ちっちゃん765)」

ちっちゃん・まこちーの密告により退場。

残り10匹

二日目の朝は小鳥の鳴き声で目を覚ました。

「うっ、うーーん……」

思い切り背伸びする。
それから目をこすり、ベッドから立ち上がった。

ーーああ、そうだ。昨日は


食堂につくと、殆どの人が集まっていた。

「あら、金見さん、お早う」

真っ先に自分に気づいた橘百合子が挨拶した。

「あっ、お早うございます」
「昨日はよく眠れた?」
「はい、おかげでグッスリです!」
「ふふ、それは良かった」

それから私は他の人達にも挨拶し、自分の席についた。

「ねえ、仏原さんと由芽子ちゃん、遅くない?」
「えっ?」

芳佳さんの言葉に私は周囲を見回す。
確かに、二人いなかった。

「どーせ寝坊でしょ? それより早く朝食食べよーよ。 私お腹すいたー」

ソファーでマニキュアを塗ってる晴美さんが足をバタバタさせながら言う。

ーー寝坊、か。

それならいいのだが……どうも胸騒ぎがする。
何なのだろう、これは。

「あの、私、起こしてきましょうか?」

柳津喜子がそう言ったときだった。



「きゃああああぁあぁぁああ!!!」



「!?」
「な、何!?」

突然の悲鳴に周りはざわめいた。


「あっ……!」

角を曲がって、見つけた。
床にうつ伏せになって倒れてる由芽子ちゃんを。
私は、彼女に駆け寄り抱き起こした。

「由芽子ちゃん!由芽子ちゃん!」
「…………うっ……」

由芽子ちゃんはゆっくりと瞼を開けた。

「由芽子ちゃん、どうしたの?何があったの?」
「……へ、や……」

彼女は震える腕を押さえながら指を差す。
その先には、一つだけ開いてる扉。

ーー確か、あの部屋って、仏原さんの部屋?
入ろうか……でも、由芽子ちゃんを放ってはおけない。

どうしよう?
1、入る。
2、先に由芽子を食堂へ運ぶ。

ゴスッ!
ドゴッ!

「ガッ!」
「あがっ!」

二体のホームレスが同時に俺と滝の急所を蹴り上げた。

「いって、くそ!


「へぇ、与一君って言うんだぁ」

そう言うのは先程PDAを持ってオドオドしていた女性だった。最初は与一の事を警戒していたが、自分達と同じ首輪、同じPDAを持っていたことに気づき、自分達と同じ境遇と知り、信用して貰えた。それから、自己紹介するため、他の部屋へ移った。

「あ、私の名前はね、田崎愛子(たざき・まなこ)って言うの。職業は、メイド喫茶のメイドさんやってます。よろしくね」「あ、ど、どうも」

愛子がお辞儀をし、与一も反射的にお辞儀してしまった。「あ、次は私!」

そう言って手を挙げてブンブン振り回すのはギャルっぽい女だった。

「風見友梨(かざみ・ゆり)っていいまーす。17の女子高生でーす!よろしくー!」「あ…あぁ。よろしく……」

友梨の自己紹介が終わると今度は小さな女の子が立ち上がった。

「わたしも、じこしょうかいするね!よしやま、かずみっていうの!しょうがくいちねんせいなんだ!」

かずみは無邪気に笑った。それをみて、与一も愛子も他の人たちもつられて笑った。しかし、そうでない人もいた。

「次は俺だな。」今度は体格のいい男が立ち上がった。
「俺の名前は、津和野俊之(つわの・としゆき)。職業は……工場の作業員だ」

それだけ言って、男はまた座った。何だか恐そうな人だな……。与一はそう思った。

「えーと、じゃあ、次は僕でいいかな?」「うん、どうぞー。」

愛子がそう言うと眼鏡をかけた少年が立ち上がった。

「僕の名前は、桃園時智太郎(とうえんじ・ともたろう)。中学三年です」

軽く頭を下げ、智太郎は座った。そう言えば、自分のクラスにもあんな奴いたな。与一がそんなことを思い出してたとき、智太郎が言った。

「ねえ皆さん。自己紹介も終わりましたし、これからルールについて確認してみません?」「ルール確認?」

愛子と一美が首を傾げた。「ああ、二人はまだPDAの電源を入れてませんでしたね。」

智太郎は上着のポケットからPDAを取り出した。

「下部分にボタンがありますよね。そこ押してください。」「えーと、こう?」「えい!」二人はPDAのボタンを押す。すると、二人のPDAの画面が光った。「あ、電源入った!」「では、次に「ルール閲覧」ってところを軽くタッチしてください。」「ここかな?」ピッ。ピッ。愛子と一美がルール閲覧のボタンを押すと、画面が切り替わった。

「あっ!出来たよ!「わたしも!」「二人とも出来たようですし、僕たちもルール確認してみましょうか。」



「ほら、PDAの裏ををみて」

女に言われ、与一はPDAを裏返す。
そこには、見たこともない絵が描かれていた。

「……その絵は、タロットカードの『正義』だね。」

与一のPDAを覗き込んだ愛子が言った。

「え?」「あれ?タロットカード知らないの?」「えと、聞いたことはあるんですけど、詳しくは……」

ドォォオオオン!!

「なっ!?」「きゃっ!!」

突然、大きな音が聞こえた。


「そ……その人……」

死体を見て、愛子は震える声で言った。

「知ってんのか?」

津和野俊之の問いに愛子はゆっくりと頷く。

「その人……春影司馬太郎(はるかげ・しばたろう)……私が勤めてる喫茶店の常連客なの」「ちょ、首から上がないのに何でわかんのよ!」「ネクタイ……」
「はっ?」


「と、取り敢えず、もどーー」

一旦、もとの部屋へ戻ろうとして、与一は気づいた。宜山一美が、何処にもいないことに。

「あ……れ?一美ちゃんは?」「え?あっ、一美ちゃん?」


生き残りプレイヤー・残り21人

三階の戦闘禁止エリアで仮眠を取っていた桃園時智太郎は目を覚ました。
起き上がり、PDAの電源を入れる。

「………二十分しか寝てないのか。結構寝たと思ってたんだけど」

次に特殊機能のボタンを押す。
ピッ。
「特殊機能・特殊機能を使用したプレイヤーの人数を表示する」

「はい、と。」

使用しますか。の問いに智太郎ははいのボタンを押した。

『特殊機能を使用したプレイヤーの人数・5人』

「………これは、厳しいかもね。」

智太郎は溜息をついた。
智太郎のPDAは教皇。
クリア条件は「全プレイヤーに特殊機能を使わせる。死亡したプレイヤーは除く。」



PDAをポケットに入れ、戦闘禁止エリアから出ようとしたときーーー。
扉が開いた。

「!」
「きゃ」

「聞きたいことがある。いいか。」
「は……はい……」

突然の女の登場に、与一はただ頷くことしかできなかった。

「お前達は、悪魔か、死神のPDAを持ってるか?」
「い、いえ、持ってません!」
「……PDAを見せろ。そこの女もだ」

一瞬、愛子が目を見開くが、すぐに頷き、PDAを女に渡した。

「………PDAは恋人、か。次はお前だ。早く見せろ。」
「は、はい!」

ポケットからPDAを取り出し、女に渡した。

「……PDAは正義か。……疑って済まなかった。」

女は謝ると、PDAを二人に返し、バールを下ろした。

「えーと……貴女は……」
「名前は阪原青菜(さかはら・あおな)。聖堂学園に通ってる」

そして今度はPDAを取り出した。

「私のPDAは「戦車」。クリア条件は「死神」と「悪魔」のPDAを持ってるプレイヤーを殺害する」

一方その頃。

「何だい全く!おばちゃん、早く帰って夕飯の準備をしなくちゃいけないのに!」

与一達とはかなり離れた位置にいる場所では一人、叫んでるプレイヤーがいた。
彼女の名前は大添三枝(おおぞえ・みつえ)。
何処にでもいる、ちょっとケチなおばちゃんだ。
ブツブツと運営への文句を言いながらPDAを弄る。
彼女のPDAは「女帝」。
クリア条件は「女教皇か、教皇のPDAを持ってるプレイヤーのクリア条件を達成させる。」
これを見ても三枝は理解出来なかった。

「ホント、訳がわかんないよ!何でおばちゃんが「ゲーム」なんかしなきゃいけないのさ!ゲームなんかしてる暇があったら、勉強とかしなさいよ!ゲームばっかしてるからこの国が馬鹿にーーー」

それ以上は、言葉が続かなかった。

「ぎっ!」

風を切る音と同時に、三枝の後頭部に、銀色のアンテナが生えた。

「ぎゅ……」

何が起こったのか、三枝は理解出来なかった。
視界が傾き、体もゆっくり傾き、床に倒れた時には、もう死んでいた。



『貴女はクリア条件を満たせませんでした。ただちに首輪を爆破します』

PDAからそんな音声を聞いて、先原奈々(さきはら・なな)は、その場にへたり込んだ。

「嘘……もう、教皇か、女帝のプレイヤーが死んだの……?」

奈々のクリア条件は「女帝と教皇のプレイヤーと共に、ゲーム終了まで生き残る。」
女帝のプレイヤーだった大添三枝が死んでしまった以上、もう奈々にクリア条件を満たすことは不可能だった。

「や……いゃ……」

まだ死にたくない!
今年に入ってようやく教師になれたのに、こんなところで終わりたくない!
誰か、誰か助けーーー。

ボン!!

首輪が爆発し、奈々の身体は大きく揺れ、崩れ落ちた。

生き残りプレイヤー・残り20人

「……ん」

ベッドしかない部屋で、角山与一は目を覚ました。

「……あ、れ?」

ここは何処だ?

起きた与一が最初に思ったのはそれだった。
ベッドから起き上がると与一はグルリと部屋を見回した。
床も、壁も、天井も。
みんな真っ白だった。

「……何だよ、ここ。」

軽く一歩を踏み出したときーーー。

「うっ!」

頭に激痛が走った。
が、すぐに収まった。

「……何なんだ……」

二日酔い?
いや、今まで酒なんて飲んだことはない。
頭を軽く抑え、与一は眠る前までのことを思い出しそうとする。
確か、学校が終わって、バイトに行って、バイトが終わって、家に帰ろうとしてーーー。
そこから先は思い出せない。
多分、家に帰ろうとしたところで、自分は眠ってしまったようだ。
いや、眠ってしまった、は恐らく違う。
自分は今まで居眠りなんてしたことがないし、道のど真ん中で寝てたら車に轢かれる。

「何で、俺は……」

頬を軽く掻きながら与一は考える。
暫く考えて自分は拉致された、という可能性を思いついた。

「拉致、されたのか……俺は?」

でも、何のために?
拉致する人の目的は大抵は金目当てだ。
でも、自分の家は金持ちでも貧乏でもない。
いわゆる普通の家庭だ。

「一体、犯人の目的は、何なんだ……?」

うーん、と軽く首を傾げたときーー。

「んっ?」

首に違和感を感じた。
首に何かが巻きついてるような、そんな感触がした。

「なん、だ?」

恐る恐る、自分の首を触る。
ひんやりとして、そして硬い感触を指から感じた。

「……何だよ、これ」

今度は掌で首を押してみる。
すると。

『ピーピーピーピー!!』

「うわぁ!」

突然、大きな音が部屋中に響き、与一は手を引っ込めた。
すると、さっきまで鳴っていた音が止まった。

「な、なんなんだ…?」

もしかして、携帯の着メロ?
いや、自分の携帯の着メロはこんな音じゃなかった筈。

「えーと、携帯は……」

上着のポケットを弄る。
すぐに硬い感触を感じ、与一はそれを引っ張り出す。

「……何だこれ?」

しかし、それは携帯ではなかった。
それは黒くて、掌サイズでボタンの数が少ない。

「PDA……だっけ?」

ボタンを押すと、メニュー画面になった。
メニュー画面には三つのボタンがあった。
「クリア条件」
「特殊機能」
「ルール閲覧」

「……ふぅん」

取り敢えず、一番上のボタンから押してみた。
ピッ。
音と同時に画面が切り替わった。

「……は?」

切り替わった画面にはこう書かれていた。

『プレイヤー名・角山与一』
『クリア条件・『恋人』のPDAを持つプレイヤーと共にゲーム終了まで生き延びる』

「……恋人?」

何がなんだかさっぱり分からない。
一先ずこれは後回しにし、戻るのボタンを押した。

「……次は……」

今度は「特殊機能」と書かれたボタンを押した。
メニュー画面が切り替わり、今度はこう書かれていた。

『特殊機能』
『恋人』のPDAのアラームを鳴らせる。
特殊機能を使用しますか?
はい・いいえ』

「……使って、大丈夫かな?」

少し考え、『はい』のボタンを押した。
するとーー。

『ピーピーピーピー!!』
「きゃあ!」

すぐ近くからさっき与一が聞いた音と同じ音が聞こえた。
そして、悲鳴も聞こえた。

「っ!!」

一瞬、どうしようか考えたが、部屋を出ることに決めた。
扉もドアノブも白くて見つけるのに少し時間が掛かったが、与一は何とか扉を開けた。

「……あ」
「誰?」

そこには、PDAを持ってオドオドしてる見知らぬ女性と数人の男女がいた。

生き残りプレイヤー・残り22人

「……おっさん、その冗談笑えない」

静かになった食堂で真っ先に口を開いたのは晴美さんだった。

「冗談なんかじゃない。 さっき、仏原君の部屋のベッドの下から彼の死体を見つけた」
「あ、あの……」

椅子に座っていた芳佳が立ち上がった。

「あの、日畑さんは?」
「彼女は気分が悪いからとトイレに行ってる」
「一人にして大丈夫なのかしら?」

コーヒーミルクを飲みながら石倉香織が言った。

「大丈夫だと思う。







カシャン!
食器の割れる音がした。
殆どの人が音のした方を見る。
そこには、割れた食器とーー。

「あっ……」

身体を震わせた原塚亜弓の姿があった。

「あっ、ぅ……あ……」

彼女は何か口をパクパクをしてる。
どうしたのだろうか?

「あ、あの、原塚さん……?」

由芽子ちゃんが彼女に近寄った。
瞬間ーー。

「ごふっ!」

亜弓ちゃんが、血を吐いた。


「えっ……?」


「ねーこれからどーすんの?」
「うーん……私としては……この首輪を外したいなぁ……」

そう言って、愛子は人差し指で自分の首輪をトントン、と軽く叩いた。

佐藤怜子(女子10番)はアスレチック公園の公衆トイレの個室の中に隠れていた。

「……追いかけて、こないよね……」

怜子は恐る恐る、支給された己の武器の探知機の電源を入れる。
画面には自分の出席番号。
幸いにもこの近くには誰もいないようだった。

「……良かった」

ホッと息をつき、直ぐに電源を切った。
この武器はとても便利だが、電池が一つしかない。

悩みに悩んで考え出した答えはーー。

「……探そう、麗華さんを」

自分と同じグループのリーダー的存在の和山麗華を探すことにした。
きっと、麗華ならこの状況を何とかしてくれる。
自分を助けてくれる。
そんな希望を持ち、移動を始めた。

36
もう、決めた。
俺は誰も信じない。



遠藤誠治(男子5番)はふらふらと覚束ない足取りで道を歩いていた。

ーー死んだ。
牛原も、小沢も、浮田も、他のみんなも。

「死んだ」

ポツリと呟き、立ち止まり、空を見上げる。
だんだん、空が曇ってきてるのが分かった。

「雨、降るかもな」

そして、また歩き出した。



それから歩き続けた誠治はあるものを見つけた。
それはーー死体。
若村朋美(女子20番)と渡辺弘(男子20番)、木原燎子(女子8番)の死体だった。

「残りは……何人だっけ?」

名簿を取り出そうとしてーー辞めた。
無意味だからだ。
どうせ、自分は生き残れないのだから。

また、歩き出そうとしたとき、背後から銃声が鳴った。



長谷佑磨(男子12番)はブローニング・ベビー(光井春奈(女子15番)の支給武器だった。)を降ろした。
佑磨が放った銃弾は見事に誠治の後頭部を捉え、誠治は崩れ落ちた。

「楽勝」

佑磨はニヤリと笑った。

楽勝だな。
このまま行けば優勝は間違いない。

自分の優勝を確信した佑磨は誠治のデイパックを拾い上げた。
瞬間ーーブワッと風が吹いた。

「うわっ!」

大きな風に思わずデイパックを落とす。
デイパックが地面に落ちたとき、カチッという音がした。

「ーー?」

ーー何だ?
デイパックが光ってーー。

次の瞬間、佑磨は光と轟音に包まれ、跡形も無く、吹き飛んだ。



「男子5番、男子12番の死亡が確認されました」
「ふふ、凄いペースだこと」

五十音は微笑み、凄い早さで報告書を書き上げた。





【残り7人】

新垣美和は、慎重に歩きながら、デパートを目指していた。
あそこなら、美和の支給武器のカッターナイフよりマシな武器があるだろうし、食料も大量にあるはずだ。

「もう少し……」

その時、近くから足音が聞こえた。
しかも、複数だ。

「っ!」

美和は走った。 足音から少しでも遠ざかるために。



「……んっ?」
「あいてっ!」

目の前を歩いていた茅原慎が急に立ち止まった為、堤香奈枝は彼の背中にぶつかった。

「いっつつ……もう、急に止まんないでよ!」
「……ちょっと静かに」
「え……?」

よくわからないが、慎の言う通りに口を閉じる。
すると、何処からか、足音が聞こえた。
足音はどんどん遠ざかり、やがて聞こえなくなった。

「……誰だったんだろ……」
「さぁな。 さて、動ーー」

再び移動を開始しようとしたときだった。
何処からか、悲鳴が聞こえた。



「ぁ……ああああ……」

結城潤は握り締めてた包丁を落とした。
目の前には、もう動かない新垣美和の変わり果てた遺体。
そう、自分は彼女を殺した。
殺して、しまった。

彼女を[ピーーー]気は無かった。
ただ、驚いただけだ。
歩いていたら、急に飛び出して。
だから、咄嗟にやってしまった。

「にい、がき……さん」

みんな馬鹿だ。
ホント馬鹿ばっか。
私のことを友達だと思ってる。
馬鹿じゃないの?
私があんたらのこと友達だと思ってんの?

成島由子は地図を見ながら、森の中を歩いていた。
もう少し歩けば、小屋がある。
そこで休憩をとって、作戦を練ろう。
そう考えていた。
やがて、森を抜け、

「ごべんなざい! もう襲ったりしまぜん!! しまぜんがらだずげーー」

??は容赦無く引き金を絞った。
至近距離で撃たれた由子の頭部は半分以上が吹き飛び、地面に汚い赤い花を咲かせた。

「汚い。 ホント、あなたは汚いわ」

水原透子
四十宮綴子
深山由紀子
西園唯
月島織姫
朱崎寧々

ゆきぽ
値段が安く、五百円あれば簡単に手に入る。
穴掘りスキルはやっかいなものの、躾さえ出来れば

ちひゃー
こちらも同じく安い値段で

やよ
あふぅ、ちひゃー、ゆきぽに比べ、躾は楽ですが、小銭の音に反応してしまうのは

はるかさん
水をかけると増えたり、体が大きくなり、暑いのかなり苦手。
梅雨や夏の季節はかなり注意が必要。

いお
上級者向け

ちびき
こちらも同じ、上級者向け。

こあみ、こまみ
一匹だけで飼うのもいいですが、高い確率で情緒不安定になる為、二匹一緒に飼うのがオススメ。

たかにゃ

まこちー
他のぷちに比べ、太りやすい体質のため、餌の量には注意。

ちっちゃん
ぷちの中で最も賢く、善良なぷち。
そのためか、値段が高い。

ぴよぴよ
ちっちゃんには劣るものの、それでも中々優良なぷち。値段もちっちゃんに比べ、少し安い。

みうらさん
結構なお値段はするものの、ワープ機能のおかげでかなりの人気。
一家に一匹みうらさん。


【千鶴】 「……兄さんは何もなさらなくても構いません。私が、全て……致しますから――」

兄の身体にそっともたれ掛かると、簡単に布団の上へ倒れ込んでしまった。
千鶴の身体のすぐ下に、兄の下腹部がある。
今まではついぞ意識したこともない兄の男としての部分が、浴衣の布地を内から押し上げていた。

【千鶴】 「……今すぐ、お出ししますね……」

千鶴は兄の浴衣の内側へ手を差し入れた。

【文弥】 「や、やめっ……!」

指先が硬く、暖かいものに触れる。
自らの身体にはない部位。

【千鶴】 「ああ……これが、兄さんの――」

浴衣の合わせ目から、赤黒い肉塊が飛び出す。
先端は朱く色付き、竿の部分は血管が膨らんでいた。

【千鶴】 「……このままではお辛いのでしょう……?」

千鶴は胸元を開け拡げると、乳房の間に肉茎を挟み込んだ。

【文弥】 「ううっ……」

胸で包み込んだ途端、兄が呻き声を発する。
熱く脈動する肉塊は、千鶴の豊満な乳房の中に埋没した。
普段は重くて邪魔で――恥ずかしいものでしかないと認識していたこれが、こうして役に立っている。

【千鶴】 「んっ……どうですか、兄さん……?」

乳房を両脇から手で挟み込んで圧迫し、兄に問い掛ける。
兄は何も答えず、両腕で顔を覆っている。
――恥ずかしいのだろう。
千鶴も顔から火が出てしまいそうなほど恥ずかしかった。
しかし止める訳にはいかなかった。

【千鶴】 「んっ……兄さんの、とても硬くて、熱いです……」

抑え付けていた乳房をゆっくりと動かす。
どう刺激を与えれば気持ちよくなって貰えるのか――それを考えながら千鶴は肉棒を弄んだ。

【千鶴】 「んっ……ふ、は……あ、こ、こすれて……んっ、ふぁ、ああっ……」

乳房が捩れ、痺れるような快感が奔る。

【千鶴】 「んっ……ちゅ、んう――っ」

滑りを良くするため、胸の谷間に唾液を垂らす。

【千鶴】 「んっ、ふ――は、あ、んうっ――これで、いかがですか……?」

唾液はすぐに泡立ち、肉茎が濡れそぼつ。
先端部が艶めき、更に淫靡さを増す。

【千鶴】 「は……あ、んっ、ふ、ふぁ、あ、熱くなってます……ああっ……」

乳房で肉棒を上下に扱く。
額から汗が垂れ、丸みを帯びた乳房の上へ落ちる。

【千鶴】 「……は、あ、んっ……ふぁ、あ、んぁ、あっ、んっ――」

自分の手の指が勃起した乳首に触れ、千鶴は身体を震わせた。

【千鶴】 「んっ、あ……は、くぅ、んっ、ふ――ふぁ、あんっ――」

自らの意志で千鶴は乳首を愛撫する。
兄のものを慈しみながらの自慰行為に興奮していた。
兄と同じ快楽を味わっているような気がした。

【千鶴】 「は、あ、んぁ、に、兄さんっ……何も、我慢なさらなくてもよろしいのですよ……?」

何も答えてくれぬ兄にやや苛立ちつつ、千鶴は舌を伸ばし、真っ赤に充血した先端部を舐めた。

【文弥】 「ううっ――」

びくん、と兄の腰が跳ねた。

【千鶴】 「うふっ――兄さん、気持ちいいのですか……?」

ガッ!

「うっ!?」

股間に激痛が走った。
股間を見るとホームレスが傘の取ってを俺の股間に引っ掛けていたのだ。

「う、おっ、いてえ!」

ホームレスはそのまま傘を上に上げ、俺はつま先立ち


「ぐお!!」

ホームレスが放った強烈なパンチが

占い研究部
露木理恵(つゆき・りえ)
占い研究部部長。
主にタロットカードを使う占いをしている。

斧寺真須美(おのでら・ますみ)
副部長。
様々な占いをしているが、どれも当たらない。

石崎未来(いしざき・みらい)
一週間前に入部したばかりの新人。

金木志穂(かなぎ・しほ)

沓見凛花(くつみ・りんか)

長内那美江(おさない・なみえ)

卜部直枝(うらべ・なおえ)

東上臨(とうじょう・のぞみ)

豊郷繭子(とよさと・まゆこ)

今宮心奈(いまみや・ここな)

曲直瀬丸絵(まなせ・まるえ)

占観神子(うらみ・かみこ)
占い研究部顧問。
教師をやるまでは占い師をやっていた。
しかし、才能は全く無い。

「えっ、嘘!?」
先生の授業が余りにも退屈で居眠りをしてしまった私ーー相坂未知は眠りから覚め、そして驚いた。
教室には、誰もいなかったから。
外を見ると、太陽はもうとっくに落ちて真っ暗になっていた。
今度は時計を見る。
時刻は7時を過ぎていた。

「やだ、見たいテレビ始まってんじゃん! 何で誰も起こしてくれなかったのよ!」

イライラが募り、机を蹴飛ばそうとしたが、時間が無駄になるため、私は急いで、鞄に教科書や、ノート、筆箱を入れると教室から出た。

(はぁ、もう最悪だよぉ!)

階段を降りると、下駄箱まで一気に走った。
そして、足を止めた。
誰かがいたから。
その誰かは、下駄箱付近をうろちょろ歩き回っていたけど、私の存在に気づくと、此方へ走り寄ってきた。

「丁度良かった! ねぇ君さ、この扉開けれる?」

走り寄ってきた人物は指を指す。
その先には、玄関の扉があった。

「えーと、鍵が掛かってるんですか?」
「うーん、そうみたい。 押したり、引いたりしたけど、ビクともしないの」

試しに私も扉を開けようと心みる。
しかし、誰かに言われた通り、ビクともしなかった。

「開きませんね…」
「うう…早くご飯食べたいのに…」
「あ、窓からは……」
「あ、その手があった!」

私達は近くの窓を開けようとする。
しかし、窓も扉同様、ちっとも開かなかった。

「どういうことなの……?」
それから全ての階の窓を調べたが、開く窓は一個も無かった。
それだけでは無い。
外へ通じる扉も全て鍵が掛かっていた。
「……あ」
「どうしたの?」
「職員室に行きませんか? もしかしたら先生が残ってるかも」
「あ、その手があった!」
私達は職員室へ向かおうと歩き出す。
そのときだった。
ジャー!

「ひっ!?」
近くから水を流す音が聞こえた。
「あ、この女子トイレからだ」
彼女がまた指を指す。
指した先には女子トイレがあった。
「誰かいますかー?」
そう言って彼女は女子トイレの扉へ手を伸ばした。
そのときーー。
ガチャ。
女子トイレの扉が開き、二人の女生徒が出てきた。
「あ……」
「っ……」
二人とも驚いたのか、目を見開き、此方を見ている。
「あ、驚かせてごめん! 水を流す音がして、気になったからつい……」
「あ、いえ! 此方こそ、なんか、その……すみません……」
「…とにかく、ここで話すあれだし、近くの教室で話さない?」
「あ、はい。そうですね」

それから私達は近くの教室へ場所を移し、自己紹介をした。
「私の名前は相坂未知です。 ちなみに2年A組に所属してます」
「赤里涼子。 3年D組です」
「き、黄瀬優香です……えと、2年B組です…」
「青山伶奈、優香と同じ2年B組です」
自己紹介は終えた私達はこれからどうするか話し合った。
と、言ってもどうするべきかはとっくに決まっているけれど。

「んじゃ、さっき言ってたけど、職員室に行くわよ」
「はい」
「うん」
私達は
ガラッ!
突然、教室の扉が開いた。
「そこにいるのは誰!」
「きゃ!」
「ひっ!」
思わぬ展開に、私は一瞬だけ怯んだが、扉を開けた人物の顔を見てすぐに安堵した。
何故ならーー。
「紫原先生!」
そう、その人は紫原唯香先生だった。
紫原先生は私のクラスの担任だ。
今年この学校に就任したばかりなのに、生徒達からは結構信頼が厚い。
私も勿論、先生のことはそれなりに信頼してる。
紫原先生は私達の姿を確認すると、ホッとした表情で此方にきた。
「あなた達だったのね。 不審者かと思った」
「先生、あの…」
「言わなくても分かるわ。 扉と窓のことでしょう?」
「は、はいそうなんです! 何処も開かなくて…!」
「落ち着いて。 職員室に行けば鍵があるからそれで出ましょう」
「あ、はい!」

それから私達は警備員室へ向かった。
「あの、先生……」
「どうしました?」
「他の生徒や先生達は…?」
「恐らくですが……多分、この校舎にいるのは私達と警備員の人だけかと思うわ」
「何故?」
「……実はね、帰りのホームルームが終わった後、気分が悪くなって保健室で横になっていたのよ。 そしたら眠くなって…そのまま寝ちゃって……起きたら真っ暗。 職員室とか行っても誰もいなかったし、正直不安だったわ」
「あ、そういや、私もそうだ。 優香と補修やってたら眠くなって、起きたらそうだったの!」
「…えと、私も伶奈ちゃんと同じです…」
「私は図書室で本を読んでて……私って文字ばかりの本を読んでると眠くなるの。 だからそのまま寝ちゃって…気づいたら夜。 そんで図書室から音を出さないようにこっそりと出て…」
「こっそり…?」
「うん、起きた時にさ、私の隣に誰かが気持ち良さそうに眠ってたからさ。 だからーーあっ!」
「まさか置いてきたの?」
「私、呼んでくる!」
「待って、一人では危険よ。 みんなで行きましょう」
「はーい」

それから私達は軽い雑談をしながら図書室まできた。
紫原先生が図書室の扉に手をかけ、開けた。
中は薄暗かった。
「えーと……あ、いた!」
涼子さんはその眠ってた人物に駆け寄り、肩を揺すった。
「おーい、起きて!」
「んっ……」


「橙田勇介。3年B組です」


「これから警備員室に行くの。 君もついてきて」
「は? 警備員室?」
「うん。 実は扉も窓も全部開かなくて…」
「そんな馬鹿な……いや、ありえるかもな…外はもう夜だ」


二人の男女だった。
男子の方は知ってる。
生徒会長の藍原智己だ。
ルックス良し、成績良し、運動神経良し。
まさに完璧な人間だ。


「村崎真苗、1年C組に所属してます」
そう言って彼女は丁寧にお辞儀をした。


そこには、大量の死体があった。

先生や、警備員さんの死体まであった。

「……け、警察!」
先生の言葉に私達はハッとする。
そうだ! 早く警察と救急車を呼ばないと!
しかしーー。
「何で…?」
「どういうことなの!?」
ケータイのモニタ画面には、アンテナは立っておらず、圏外の文字だけが映し出されていた。







午後7時48分
「あのぉ……」
涼子さんが手を挙げた。
「どうしたの?」
「えと、トイレに行きたいんですけど……」
「うーん……単独行動は出来れば謹んで欲しいのだけれど……仕方ないわ。どうぞ」
涼子さんは立ち上がると、早足で教室から出て行った。
「他にトイレに行きたい人は? これからもっと暗くなるからなるべく早く行った方がいいと思うわ」
「……じゃあ、僕も」
「私も」
橙田さん、村崎さん、青山さんも続いてトイレへ向かった。

午後7時53分
「先生、大変!」
青山さんが慌てた様子で教室に戻ってきた。
続いて、村崎さん戻ってきた。
「何かあったの?」
「赤里さんがいないんです!」
「何ですって!?」

「個室とか、ロッカーとか調べたんですけど、いなかったんです!」
「他のトイレに行ったんじゃないの?」
「そ、そうね、その可能性もあるわ。 皆、悪いけど手分けして探すわよ」
「はい! あ、橙田君は……」
「私が伝えておくわ」
「はい、お願いします!」
それから話し合った結果、私、青山さん、緑山さん。
そして、黄瀬さん、藍原さん、村崎さんの二つのグループに別れた。
「それじゃあみんな、気をつけて」
先生はそれだけ言って、橙田君の元へ行った。
「それじゃあ行こうか」
私、青山さん、緑山さんは上の階へ向かった。

「静か、だね」
「ああ。 でも油断しない方がいい」

私達は慎重に歩き、女子トイレの前まで辿り着いた。
「それじゃあ、私達は

しかし、そこには信じられない光景があった。
「……あれ? 緑山君?」
緑山君の姿が何処にも無かった。
「もしかしてトイレかな?」
村崎さんが男子トイレの扉を開ける。
「……おーい、緑山くーん!」
「……いませんね」
「全く、何処行っちゃったのよ…!」
そう言って村崎さんが勢いよく、扉を閉めたときだった。

「ぎゃああぁあああ!!!」

「!?」
「な、何今の!?」
「い、行こう!」

午後8時
悲鳴は下の階から聞こえた。
私達が階段を降りると丁度、先生の姿を見つけた。
「先生!」
「相坂さん!村崎さん!あぁ良かった、無事だったのね!…あら?緑山君は?」
「それが、突然いなくなったんです」
「え、彼も?」
「彼もって…どう言うことですか!?」
「…実は、橙田君も、急にいなくなったの」
「そんなっ!」
これで、行方不明者は三人になった。
彼らは一体何処へーー
いや、そんなことより。
「先生、さっき悲鳴が聞こえましたよね!」
「あ、そう言えばそうだったわ…確か、こっちの方よ」
私達は先生と共に悲鳴の元へ急いだ。
「あ、あれって…!」
暫く走り続け、私達は黄瀬さん達のグループを見つけた。
「みんな! さっき悲鳴が……」

美術室の中を覗くと、そこにはーー。

「赤里さん……!」

そこには、血塗れになって横たわっている赤里さんの姿があった。
私は恐る恐る、彼女に近づく。
もしかしたら、私達を驚かせようと死んだフリをしてるのかもしれない。
そんな淡い期待を持っていたが、すぐにそんな期待は打ち砕かれた。
頭部が完全に陥没していて、死んでることは一目瞭然だった。

「あ、かさとさん…、何で……」

「赤里さん……」

そこには、血塗れになって横たわっている赤里さんの姿があった。
私は恐る恐る、彼女に近づく。
もしかしたら、私達を驚かせようと死んだフリをしてるのかもしれない。
そんな淡い期待を持っていたが、すぐにそんな期待は打ち砕かれた。
服の上から何度も刺され、死んでることは一目瞭然だった。

「あ、かさとさん…、何で……」

「ゆっ……?」



「やべでぇえええ!!」

れいむは必死に命乞いするが虐待鬼委惨は首を横に振り、包丁を容赦無く振り下ろした。

「ぐぴっ!!」
「ゆんやぁあああ!!」
「でいぶぅうううう!!!」
「ぼうやべでええええ!!」

既に三匹殺され、残りのゆっくりれいむ、まりさ達は泣き喚き、逃げ纏う。
鬼委惨は笑いながらゆっくり達を追いかけた。



「ばでぃざぁ! どこにいけばいいのぉ!?」
「しずかにするんだぜ!みつかっちまうぜ!!」

とあるゆっくりれいむと、ゆっくりまりさはアリーナ4階通路を慎重に歩いていた。

「……いないのぜ!れいむ、いくのぜ!」
「うん!」

二匹は走り出す。
しかしーー。

「うーうー!」
「あまあまさんだどぅ!」
「ゆんやぁ!! どぼじでぶらんがいるのぉおおお!!」
「いやだぁああ!!ばでぃざじにだくなぃいい!!」



ビー!ビー!ビー!

「ゆっ!?」
「なんなんのぉ!!この音ゆっくりできないぃいいい!!!」

『残り95匹』

「ゆびっ!!」
「いやだいやだいやだぁあ!!れいむじにたくないいい!!」
「れいみゅちにちゃくにゃいぃ!!」

 慎也は竜二の襟首を掴むと、頭突きを鼻っ柱に叩き込んだ。喧嘩においての最初の一撃は、頭突きが良い。威力があるし、相手の戦意を喪失させる事が出来る。だが、竜二も喧嘩に関しては百戦錬磨だ。決してひるまず、逆に頭突きを返してきた。

 慎也と竜二は、同時に鼻腔から血を噴き出させた。間髪入れず、慎也は右ストレートを放つ。が、クロスカウンターで竜二の拳を顎に喰らってしまう。脳髄まで衝撃が響き渡り、一瞬、意識が飛びそうになった。

騙し合いハウス
微妙すぎだったわ……
女は根野しか死ななかったし、

青木愛・脱落 吉野
石田エレーヌ・脱落 いとう
いとうあさこ・優勝
おのののか・脱落 いとう
高山一実・脱落 吉澤
橋本マナミ・脱落 おの
まちゃまちゃ・脱落 青木
山川恵里佳・脱落 おの
吉澤ひとみ・脱落 ラブリ
吉野紗香・脱落 山川
ラブリ・脱落 おの
遼河はるひ・脱落 おの

11月15日。
もうすぐ受験なのだが、3年2組大半の生徒達がそれぞれの時間を楽しんでいた。






このクラスの女子の大半が麗香がリーダーのギャルグループだ。
藍田愛(女子1番)、五十嵐萌子(女子2番)、上坂陽子(女子3番)、江沢奈美子(女子4番)の4人は黒板に色々な落書きをしていた。
そのすぐ近くでは河合椛(女子6番)、木下莉乃(女子7番)、斎藤紘子(女子8番)、佐藤怜子(女子10番)、町田三四子(女子13番)が下品なトークを繰り広げている。



「あーもう!あんたら静かにしてよ!勉強に集中出来ないじゃない!」

クラス委員長の大中寿美礼(女子5番)がバンッと両手で机を叩き、ギャルグループを睨んだ。

「なーに怒ってんのよ。彼氏出来ないからってカリカリすんなって。キャハハハ!」

麗香が笑い、それにつられて他のメンバーも一斉に笑った。

08
渡辺弘(男子20番)は出発後、1号館のすぐ近くに生えていた草の茂み(数分前に近藤美穂(女子9番)達が隠れ、そして和英智樹(男子17番)に襲われた場所だが弘の知る由ではない。)に隠れた。
腕時計を見て時刻を確認する。

ーーー後少し。

少しして、1号館から一人の少女が出てきた。
弘は茂みから飛び出し、懐中電灯のライトを少女に当てた。
ライトを当てられた少女は最初は驚いた表情を見せたが、すぐに安堵し、こちらへ駆け寄ってきた。

「待っててくれたのね弘!」

そう言って最後に出発した若村朋美(女子20番)が涙目で弘に抱きついた。

「朋美、すぐに離れよう。もしかしたら誰かが待ち伏せしてるかもしれない」
「う、うん……でも」

朋美は周囲をキョロキョロと見回している。
恐らく、朋美と同じグループの

二人は手を繋ぎ、走り出した。



暫くして、二人は2号館を見つけた。

「朝まであそこに隠れよう」
「そう、だね」

二人は中に入る。
取り敢えず、手前の教室に入った。

「……いない、な」

教室に誰もいないことを確認すると、すぐに鍵をかけた。



「……ねえ、これからどうする?」

少し落ち着いて、二人はこれからのことについて話し合うことにした。

「どうする、か……朋美はどうしたい?」
「んー……そうだね、燎子と美穂と友里と実里を探す」

朋美は俯き、そう答えた。
多分、自分と同じグループの彼女達のことを心配してるのだろう。
さっき銃声やマシンガンのような音も聞こえた。
暫く間を置いた後、弘は言った。

「俺は……ここから脱出したい」

弘の考えを聞いて、朋美は顔を上げ、目を見開いた。

「何だよその顔」
「え、だ、だって……脱出なんて……」
「無理と決まったわけじゃない。過去にもプログラムから抜け出した例がいくつもあるんだ。だからここから逃げる方法は必ずあるはずなんだ」



でも、もし脱出が無理だったなら、俺はーー。
いや、やめよう。
もっと前向きに考えなければ。

「朋美、今の内に眠っとけ。 最初の放送が終わったら動く」
「うん、わかった」

朋美はコクンと頷き、デイパックを抱えたまま、目を閉じた。
少しして、寝息が聞こえた。

いける。
絶対にいける!
今度こそあいつに勝てる!



朝倉和音(女子2番)はコルト・パイソンに握り締め、静かに笑った。
最初に明石美雨(女子1番)を襲ったときは鎌だけだったが、今は違う。
今は若佐真樹夫(男子18番)を殺して奪ったコルト・パイソンと木嶋影郎(男子7番)を殺して奪ったM1911がある。
これさえあれば簡単に勝てる。

あの女を殺したら次はどうしよう?
このまま殺し回るのもいいけど……そうしたら疲れちゃうし、


曲がり角を曲がった瞬間、動きが止まった。
そこにいたのはーー。

ーー明石美雨!!

後姿の明石美雨がいた。
思わず顔がにやけた。
今度こそ仕留める。
絶対に出来る。

和音は銃を両手で握り、銃口の狙いを美雨の背中に定めた。

ーーばいばい、おバカちゃん。

そして、銃声が鳴った。
しかし、銃声は和音の銃からでは無かった。

ーー誰!?

そう思った瞬間、右脇腹に激痛が走った。

「がっ!」

痛みに耐え切れず、崩れ落ちた。

ぱぁん!

倒れた所でまた銃声。
それと同時に和音の身体から血飛沫が巻き散った。

「あぅ! ぐ、ぅあ!」

ーー痛い、痛い!
誰、誰なの!?
誰が私をーー。

振り向こうと首を動かそうとするが殆ど動かない。
そして、再び銃声。
同時に和音の頭部が大きく揺れ、血と脳髄が辺りに飛び散った。



銃声が聴こえた瞬間、明石美雨は咄嗟に後ろを振り向いた。
そこには地面に倒れてる朝倉和音とーー。

「こんにちは、明石さん」

銃を握り締めた柳瀬美蘭(女子18番)だった。


女子2番朝倉和音 死亡

【残り3人】

20
6号館の5階には図書室が存在する。
中はとても広く、個人で読書をするためにプライベートルームも存在する。
鍵もついており、隠れるにはうってつけの場所だ。
そして、そこには4人の女子が隠れていた。

「残りは……31人……」

近藤美穂(女子9番)は名簿はじっと眺め、小さく呟いた。
死んだ人には申し訳ないが、幸いにも友人の河瀬美希(女子7番)や若村朋美(女子20番)が呼ばれずホッとした。

「美穂、みんな、ちょっといいかな?」

木原燎子(女子8番)がその場にいるみんなに声をかける。
美穂を含め、みんなが燎子の方へ視線を向けた。

「そろそろさ、私達図書室から出ない?」
「え、何で?」

斎藤実里(女子10番)が疑問の声を上げる。
実里の隣にいる田中友里(女子11番)も実里と同意見らしく、首を傾げた。

「んー……だってここさ、入り口が一つしかないじゃない。逃げるのに不便じゃない?」
「不便って……鍵が掛かってるし平気よ」
「ううん、鍵を壊されたら終わりよ。そして殺されるわ。こんな風にーーー」

燎子はスカートに差し込んでたデザートイーグルを実里に向け、そしてーーー。
ぱんっ、と乾いた音が部屋中に響き渡った。

「え……?」

実里がぱたりとその場に倒れた。
額に穴を開けて。
そこから血がどくどくと溢れ出した。

「ひっ、あーーー」

友里が悲鳴を上げようとした瞬間、また銃声が鳴り、友里の左胸から血が噴き出した。
友里が倒れ、燎子は美穂に銃口を向けた。

「り、つこ……? ……何で……?」

震える声で美穂は燎子に尋ねる。
燎子はふふっと微笑んだ。

「馬鹿ね。生き残れるのはたった一人だけよ。じゃあね」

三発目の銃声が鳴り、美穂は倒れた。
美穂が最期に見たのはーーー燎子の姿をした悪魔だった。



終わった。
燎子はデザートイーグルを再びデイパックに仕舞った。

ホント、バカで助かったわ。
美穂も、友里も、実里も。
ホントに三人とも、私を信じてくれてありがと。
あんたらのことを美談にして親達に伝えるわ。
私を庇って死んだとても友達思いの女の子達だ、ってね。
ま、生き残れたらの話だけど。

ふふ、と微笑み、燎子は図書室を後にした。


女子9番近藤美穂 死亡
女子10番斎藤実里 死亡
女子11番田中友里 死亡

【残り26人】

07
「女子9番近藤美穂さん」

近藤美穂(女子9番)は暗い表情で席を立ち上がり、デイパックを受け取った。

何で、私達がこんなことしなきゃいけないんだろ?こんなの、絶対に間違ってるのに。

担当教官に何か言ってやりたい。でも、恐怖が上回り、言えなかった。美穂そのまま外に出た。



外に出た美穂は何処に行けばいいのか迷った。「何処、行ったらいいんだろ?」

取り敢えず左方向へ一歩進んだとき、近くの茂みからガサガサ、と音を立てた。

「っ!? 誰!!」「美穂!私よ!」

数分前に出発した木原燎子(女子8番)が茂みから飛び出してきた。「燎子!良かった!何処か行っちゃったって思ってた!」「待ってて当然よ!それより早く!」

燎子は美穂の腕を掴み、先程の茂みに突っ込んだ。

「ここね、以外と見つかりにくいのよ。 だから隠れるには売ってつけの場所だわ」「へぇ、そうなんだ」

それから少しして斎藤実里(女子10番)、田中友里(女子11番)とも合流することが出来た。「後は朋美だけだね」「そうだけど、確か最後に出発するんだよね」

友里が不安そうに言った。確かにその通り、若村朋美(女子20番)は最後に出発する。朋美が出発するまでかなりの時間が掛かる。それまで自分達は待っていられるだろうか?その時、燎子が口を開いた。

「ね、一応さ武器を確認しとかない?」
「武器、か……そういやそんなものも入ってたんだっけ」「私の何だろ?」「えーと、私の武器は……」

少しして美穂達はお互いの武器を見せあった。美穂の武器は縄跳びだった。外れだと落ち込んだが、燎子が「鞭とか足を引っ掛けるトラップに使えるかもよ」と言ってくれたので、取り敢えず当たりと思い込んでおくことにした。
実里の武器は風邪薬だった。燎子が「これで風邪になっても安心ね」と喜んでいた。友里の武器はアイスピックだった。燎子は「無いよりマシ」と言ってくれたが、苦笑していた。

「それじゃ、最後は燎子だね。 武器見せて」「……うん、私のは、これ」

燎子はデイパックから銀色に輝く塊ーーーデザートイーグルを取り出した。
それを見た三人は目を見開いた。

「り、燎子……それ……」

実里が震えた声で燎子に問う。
燎子は俯いたまま言った。

「本物。説明書と銃弾も入ってた」

四人に沈黙が訪れた。
これを人に向けて撃てば、間違いなく死ぬ。

「ちょ、ちょっとみんな、黙らないでよ! 私がやる気になってるって思ってるの!?」「い、いや、違う! 違うからね!」「わ、私も疑ってないよ! ただ、その、銃を生で見たの初めてだったから……」「そうそう! 誤解しないでーー」

その時、ズドン、と大きな音がした。瞬間、友里の足元の土が抉り取られた。

「ひっ!?」

突然のことに友里は咄嗟に飛び退く。そして、銃声。今度は燎子のすぐ近くに生えている木に命中した。

「嘘、何!? 何よこれ!?」
「みんな!逃げよ!!」

燎子の言葉に全員が頷き、一斉に走り出した。その後も何発か銃声が鳴ったが、幸運にも誰にも当たらなかった。



「皆逃がしちゃった」

和英智樹(男子17番)は残念そうにマイクロウージーを下ろした。

「ま、いいかどうせ生き残るのは僕なんだし」

ウージーを見つめ、ふふ、と笑った。

これさえあれば僕の優勝は確実。
見てて、パパ、ママ。絶対に生きて帰るから。安心してね。

こうして智樹はゲームに乗った。智樹はデイパックを担ぎ直し、クラスメイトを[ピーーー]ため歩き出した。


【残り38人】

35
俺はーーとんでもないことをしてしまった。
取り返しのつかない、大変なことを。



佐倉大貴は北西エリアの端っこで膝を抱えながらガタガタと体を震わせていた。

「俺は……匠を……」

何度も蘇るあの光景。
友人の小沢直己を射殺した浮田匠。
そして、その匠を撃ち[ピーーー]自分。



背後から声がした。
咄嗟に振り向きーー目を見開いた。
そこには、クラスで大人しい部類に入る和英智樹がマシンガンを構えていた。

「とも、き……」
「ここにいたんだ。 随分時間がかかったよ」

智樹の目を見て、大貴は確信した。
智樹も、殺し合いに乗ってる。
無意識に銃を向け、引き金を引こうとしたが、一瞬だけ早く、智樹が早く引き金を引いた。
マシンガンの銃口が大量の鉛玉が放たれ、全弾、大貴の体に命中した。

「あーー」

銃が手から零れ落ち、視界がグニャリと揺れた。

ーー直己。

最期に友人の顔を思い浮かべながら、大貴の体は崩れ落ちた。



「……ふぅ」



【残り9人】

34
大下弥生(女子5番)は3号館付近にある草の茂みの中に隠れていた。

数時間前に幼馴染の伊月伴太(男子2番)に声をかけられた。
伴太は武器を持っていなかった。
でも、信用出来なかった。
もしかしたら武器を隠してるかもしれない。
そして、油断してる隙に殺されるかもしれない。
そう思うと、幼馴染でも怖くなり、逃げ出してしまった。

「もう……もう、誰も信用出来ないよ……」

蹲り、ポロポロと涙を零した。



それからどれくらい泣き続けていたんだろう。
突如、足音が聞こえ、弥生は顔を上げた。
草の隙間からそっと伺う。
そこにいたのはーーー。

「嘘……」

幼馴染の伊月伴太だった。
伴太は相変わらず武器を持っていない。

ーーーどうして?
どうして武器を持たないの?
……もしかしたら、私、勘違いしてた?

そう思った瞬間、一気に伴太に対する罪悪感がのしかかってきた。

……私、謝らなきゃ!
許してくれるか分からないけど、謝らなきゃ!

伴太を信じることを決意した弥生は草むらから飛び出した。
瞬間ーーー。

「ぎっ!!」

伴太の腹部に細長い棒のような物が生えた。

え……?
何、あれ?

あり得ないものを目にした弥生は動きを止めた。
しかし、それが命取りになった。

「あぐっ!!」

弥生の下腹部に激痛が走った。
恐る恐る、下を見る。
そこには、伴太と同じ、細長い棒が生えてーーーいや、突き刺さっていた。

「な、に……こ……れ……」

震える手で棒に触れた瞬間、風を切る音がした。
それと同時に左太腿にまた棒が突き刺さった。

「ぎゃ!!」

二度もくる激痛に、弥生は耐え切れず、地面に倒れた。

「や、よい……」

幼馴染の声がする。
でも、動けない。
誰が、こんなことーーー。

「ふふ、二人共、生きてるわね」

声が、した。
女子の声が。
あの声、もしかしてーーー。

「二人共、まだまだ死ぬのは早いわよ」

弥生の視界に柳瀬美蘭(女子18番)の姿が映り込んだ。

「み……らん……」
「名前呼ばないでくれる?」

美蘭は弥生の下腹部に刺さったボウガンの矢を引き抜くとそれを伴太の右腕に突き刺した。

「がぁああ!!!」
「煩い」

美蘭は弥生の靴と靴下を脱がせ、靴下を伴太の口へ突っ込んだ。

「ぅっ、ううぅうう!」
「まだ煩いわね。でも多少はマシになったわ」

美蘭は満足そうに笑うとデイパックから新たなボウガンの矢を取り出した。

「や……やな、せさん……ど、どうして……」
「……復讐、かな」

ニッコリ笑い、そう答えると、矢を弥生の右腰に突き刺した。

「ぅあああ!!」
「だから煩いっての」

美蘭は弥生の顔面を思い切り蹴り飛ばすと、弥生の腰に突き刺さったナイフを引き抜いた。

「次、悲鳴上げたらあんたと伊月君[ピーーー]から」

伴太の首元に矢を突き付けると、顔面全体が血塗れの弥生は震えながらコクコクと頷いた。

「さあて、お次は……」

美蘭がデイパックへ目を向けた瞬間ーーー。
伴太が両足で美蘭の身体を蹴り飛ばした。

「きゃ!?」
「殺されて、たまるか!」

腕と腹部に刺さった矢を引き抜き、美蘭に飛び掛かった。

「あ、伴太!!」
「弥生、逃げろ!こいつは危険だ!直ぐにーーー」

伴太の言葉は続かなかった。
突如、ぱんっと乾いた銃声が鳴り、その直ぐ後に伴太が倒れた。

「え、と、伴太?」

名前を呼ぶ。
しかし、返事はない。
その数秒後、気づいた。

伴太の額に穴が開いてることに。
額からは真っ赤な血が噴き出していた。

「あぁ、ああぁあ……」
「あーあ、もっと苦しめようと思ったんだけどなぁ……ま、いいや。時間ないし」

伴太の命を奪った犯人、美蘭はコルト・ガバメントの銃口を弥生に向け、撃った。
銃弾は弥生の心臓を正確に撃ち抜いた。

「あぶっ」

血を吐きながら、弥生は倒れた。

「さぁて、

クスリと笑い、美蘭はその場から去って行った。


男子2番伊月伴太 死亡
女子5番大下弥生 死亡

【残り10人】

33
「あっ……」

休憩しようと公園へ立ち寄った本戸麻耶(女子13番)は動きを止めた。
目の前で、誰かが倒れていた。

「あの、大丈夫ですか?」

声を掛けながら麻耶は近づく。
そして、分かった。
倒れてるのは光井春奈(女子15番)だということに。

「光井さん……」

彼女の顔は苦痛に歪んでいた。
きっと、苦しみながら死んだのだろう。

ーー私も、こんな風に死んじゃうのかな?

そう思うと少しだけ怖くなった。



それから少しして麻耶はコンビニへ移動した。
理由は単純、お腹が空いたから。

「あ……」

そして、また見つけた。見つけてしまった。
櫓冬明人(男子16番)と司馬祐樹(男子11番)の遺体を。
二人とも、春奈と同じく苦しんだ顔だった。

「やっぱり、死ぬのは苦しいんだ」

二人の死体を見て食欲を失った摩耶はコンビニを後にした。



それから暫く歩いて、麻耶は立ち止まった。
この先は進んでは行けない。
そんな気がする。
どうしてだろう?
そんな疑問を持った瞬間、後ろから誰かに突き飛ばされた。

「えーー?」

よろけた摩耶は後ろを向く。
そこには、


女子13番本戸麻耶 死亡

【残り12人】

32
二回目の放送後、ようやく河瀬美希(女子7番)は動き出した。

ここでじっとしてても仕方ない。
燎子と朋美を探さなきゃ!

今回の放送で自分と同じグループの近藤美穂(女子9番)と斎藤実里(女子10番)と田中友里(女子11番)が呼ばれた。
もう自分達のグループで生き残ってるのは若村朋美(女子20番)と木原燎子(女子8番)しかいない。
友人達を失うのは、もう嫌だ。

「お願い、燎子、朋美、無事でいて……!」

美希は走る。
友人達に会うために。
そして数十分後、見つけた。

「あ……ぁあ……」

既に事切れた若村朋美の遺体を。
すぐ近くに渡辺弘(男子20番)の遺体があったが、美希の目には朋美しか映らなかった。

「と、朋美……う、そ……こんな、こんなのって……!」

美希は膝をつき、泣きじゃくった。

どうして、どうして!
何で朋美が!
美穂が!
実里が!
友里が!
何の罪もない子供達が死ななきゃいけないの!!

「許せない……!」

朋美や友人達の命を奪った人物が許せない。
でも、それ以上にこんなことを自分達に強要させた政府はもっと許せない。

「[ピーーー]、政府全員、殺してやる……!」

美希が拳を握り締め、強い決意をしたときーー。

「美希?」

背後から声が聞こえた。
咄嗟に振り向くと、そこには木原燎子が怯えた表情で美希を見ていた。
もし、朋美を見つける前に燎子に会っていたら、美希は政府に憎しみなんて抱かなかっただろう。
しかし、今の美希にとって、燎子は政府への復讐を邪魔する存在でしかなかった。



美希を見つけた燎子は自分の勝利を確信した。
美希はグループ内でもかなりの馬鹿だ。
大丈夫、勝てる。

「美希! 無事だったの!」

燎子は目に涙を浮かべ(勿論演技だ。)、美希に抱き付いた。

ーー後は銃を抜いて、引き金を引くだけ。

スカート内に隠してる銃を取り出そうとしたときーー首に圧迫感を感じた。

「えーーー」

燎子は驚愕の表情(これは演技ではない。だって想定の範囲外だから。)で美希を見る。
その顔はとても冷たかった。

ーーどういうこと?
こいつ、何でーーー。

美希の身にどんな変化があったのか。
それが分からないまま、燎子の意識は途切れた。



「一人……」

燎子の首を締めてから数分後、ようやく美希は手を離した。
燎子はドサリと倒れ、糞尿を撒き散らしながら暫く痙攣していたが、少しすると直ぐに治まった。

「ごめんね、燎子。 私、優勝を目指すことにしたから。 優勝した後政府の奴全員[ピーーー]ことにしたから」

倒れた燎子に美希は軽く手を振った。

「じゃ、バイバイ」


女子8番木原燎子 死亡

31
光井春奈(女子15番)は特に目的もなく、エリア中央にある公園の中にあるベンチに座っていた。

「はぁ……これからどうしよ」

春奈は先程、レストランで手に入れたチーズを一口囓り、これからのことについて考えた。

誰かを探す?
いや、自分には特に親しい相手はいない。
脱出を考える?
いや、脱出なんて不可能だ。
こんな高性能な首輪を無効果できる人がいれば、その人は神様だ。

じゃあ、どうする?

「……ま、考えても仕方ないか」

チーズを食べ終え、立ち上がった。
瞬間、ズブッと肉を刺す音がした。
少し遅れて背中に激痛が走った。

「ぎっ!?」

春奈はその場に崩れ落ちた。
何とか立ち上がろうとするが、痛みで全く力が入らない。

一体、誰が、こんなことーー。

「まだ生きてんだ」

低い声がした。
その声を聴いて、春奈は目を見開いた。

ーー何で、どうして君が?
君はこんな下らない物、絶対にやらないと思ってたのに。

「何驚いた顔してんだよ。俺が殺し合いに乗ったのがそんなに以外か?」

そう言って彼ーー長谷佑磨(男子12番)はニヤリと笑った。

「は……せ、君……」
「俺が殺し合いに乗った理由、教えようか?」

佑磨の右手が動いた。
そして、春奈は見た。

ーーあれは、包丁?
そっか、私、あれで刺されたんだ。

そして、春奈の意識は永遠の暗闇に飲み込まれた。



振り下ろした包丁は春奈の心臓に見事に命中した。
包丁を引き抜くと血飛沫を浴びたが、佑磨は気にせず、もう何も言わない春奈に言った。

「理由は特にないよ。ただ[ピーーー]だけ」



女子15番光井春奈 死亡

【残り13人】

30
六木成美(女子16番)と本島誠太(男子15番)は保健室から移動し、2号館3階の教室へ隠れていた。
桃園歩美(女子17番)が死んでから成美はずっと泣き続けていたが、今は泣き止んで眠っている。
しかし、目が覚めれば、きっと、また泣き喚くだろう。

「俺は、どうしたらいいんだ……」

本当なら慰めてあげたい。
でも、不器用な自分はどんな言葉をかけていいのかさっぱり分からない。

「くそっ!」

拳を握りしめ、壁を殴る。
少しして痛みを感じたが、成美が受けた痛みに比べれば対したこと無かった。

「……んっ」

壁を殴った音に反応したのか、成美が目を擦りながら起き上がった。

「あ、ごめん。 起こした?」
「ううん……ね、トイレ行って来ていい?」

その言葉に「行ってこい」と言いそうになったが、止まった。
歩美のときを思い出したから。
歩美は一人になってしまったから殺された。
もし、

「……駄目だ」
「えっ?」

成美が目を丸くした。

「途中で襲われたらどうするんだよ」
「……んじゃ、トイレまで着いて来てよ」

顔を赤くしながら成美が言った。

「はっ?」

今度は誠太が目を丸くした。

「だ、だって、その……なんか漏れそう、なんだもん……嫌でしょ? 漏らすとこ……見るのは」
「んっ……」
「……ちょ、何悩んでんのよ!」

ボカッと成美の鉄拳制裁を受けた。

「全く……」
「ごめんごめん……んじゃ、途中まで行くよ」
「……ありがと」

少しだけ



二人は教室から出ると慎重に歩き、一階へ目指した。
2号館にはトイレは一階しか存在しないからだ。
人の気配はしないが、それでも不安だった。

「……よし、いない」


扉を開けようと手を伸ばしーー一瞬だけ後ろを見た。
成美は目を見開いた。
誠太の後ろに、

誠太を力一杯突き飛ばし、言った。

「ありがとう」



突然、成美に突き飛ばされた誠太は倒れた。

「ありがとう」

そんな彼女の言葉とほぼ同時にぱららら、と耳が劈くような音がした。

「っ……な、にが……」

立ち上がろうとして、止まった。
成美が、血塗れの死体と化していた。

「なる、み?」

何で成美が倒れてる?
何で成美が血塗れなんだ?
何でーー。

そこで誠太の意識も暗闇に飲み込まれた。



智樹はマイクロウージーを下ろす。
目の前で倒れてる男女はもう息をしていなかった。

「馬鹿な二人だ。 生き残れるのは一人だけなのに」

鼻で笑うと、智樹は2号館から立ち去って行った。


男子15番本島誠太 死亡
女子16番六木成美 死亡

【残り14人】

29
二回目の放送を聞き、禁止エリアを書き込んだ渡辺弘(男子20番)はちらりと隣に座っている若村朋美(女子20番)を顔を見た。
朋美はもう泣いていなかったが、ずっと暗い表情のままだった。

まあ、無理もないよな……。
友達を失ったんだからな……。

「ねえ、弘……」

ずっと黙っていた朋美が口を開けた。

「私ってさ、生き残る価値あるのかな?」
「あるに決まってるだろ、だってお前はーーー」

途端、外から銃声が聞こえた。
音の大きさからして、すぐ近くだ。

「……朋美、離れよう」
「うん……」

二人は手を握り、外に出た。
周囲に人は見えない。
もう何処か行ってしまったのか。
そう思ったときーーー。

「こんにちは」

何処からか声がした。
瞬間、風を切る音と同時に、朋美の腹部に銀色の矢が突き刺さった。

「ぁ……」

小さな声と同時に、朋美が倒れた。

「朋美!」

弘は咄嗟に朋美を抱き起こす。
腹部から血がゆるゆると流れ、朋美のシャツを血の色に染めた。

「朋美!くそ!誰だ!!」
「私だよ」

近くの茂みから柳瀬美蘭(女子18番)が姿を現した。

「柳瀬……お前……どうして」
「復讐」

ボウガンを二人に構えた。

「みんな、苦しみながら[ピーーー]ばいいのよ」
「っ……俺は……こんなところで死なない……朋美も、絶対に死なせない!」

弘はデイパックからスタームルガーを取り出し、美蘭に向けた。
美蘭は一瞬だけ、顔を強張らせたが、また、いつもの表情になった。

「……撃てるの?」
「ああ、勿論さ」

美蘭の頭に狙いを定める。
しかし、引き金を引くことは出来なかった。

「だめ……だ、よ……弘……人殺しに、なら、ない……で……」

朋美が弘の袖を引っ張った。

「朋美……でも」
「嫌なの……弘が……人を[ピーーー]、な、んて……」
「お喋りしてる暇はあるの?」

矢が発射され、朋美の右腕に矢が突き刺さった。

「あうっ!」
「朋美!!」

もう迷ってる暇はない。
弘はスタームルガーの引き金を引いた。
しかし、銃弾は大分逸れ、美蘭には当たらなかった。

「……貴方も苦しませながら逝かせようと思っていたけれど……それを持ってるなら話は別ね」

そう言って美蘭はボウガンの矢を放った。
矢は弘の眉間を見事に捉えた。

「あっ……」

朋美が素っ気ない声を出す。
弘は身体を半回転させ、地面に倒れた。

「い……嫌ぁああああ!!」

朋美が悲鳴を上げる。
しかし、それも数秒で止まった。
美蘭が放った矢が、こめかみに突き刺さったので。

「……矢を抜いてる暇はなさそうね」

美蘭はスタームルガーを弘の手からもぎ取り、デイパックに入れると、急いでその場から離れていった。


男子20番和田弘 死亡
女子20番若村朋美 死亡

【残り16人】

28
「きゃあ!」

青島帝(男子1番)と小倉由美(女子6番)の遺体を見つけた明石美雨(女子1番)は尻餅をついた。

「あ、青島、君……小倉さん……」

帝は

みんな、何で……?
何で殺し合うの?
こんなの、おかしいよ……
絶対に間違ってるよ!



『死亡した人は、男子

27
「待てぇええぇええ!!!」

背後からまだ怒鳴り声が聞こえる。
青島帝(男子1番)はどうすれば小倉由美(女子6番)から逃げ切れるか必死に考えた。

説得する?
いや、あの状態の由美では絶対に説得は無理だ。
じゃあ、戦う?
駄目だ。自分はあまり体力には自信がないし、武器はストラップで外れだ。

クソ!
こんなとこで死にたくない!
まだ、生きたいんだ!

「[ピーーー]ぇええぇええ!!!」

その時、背後からブンッと何かを投げる音がした。
瞬間、背中に激痛が走った。

「がっ!」

激痛でその場に崩れ落ちる。
背後から由美の笑い声が聞こえた。

「あっはははははははは!!大当たりぃ!!」

由美は帝の背中に刺さった斧を引き抜いた。

「がはっ!」
「あ、まだ死んでなかったんだぁ。とっとと死んでよね」

歪んだ笑顔で由美は斧を振り上げる。

ーーー俺は、ここで終わり、なのか?
……せめて、あの人に会いたかったな……
明石さん……

次の瞬間、目の前が暗くなった。



「あは!あっははは!!死んだ!死んだぁ!!」

由美は殺した喜びで何度も斧を帝に振り下ろした。
振り下ろすたびに嫌な音がしたが、今の由美にとってはとても心地の良い音色だった。

あははは!!
楽しい!
[ピーーー]ってこんな気持ちのいいことだったんだ!!
もっと殺さなきゃ!
もっと!
もっと!!
もっと!!!

「やっと見つけたわ」

背後から声がした。
振り向こうとしてーーー動きが止まった。
首に、何かが絡まったから。

何、これ?
ってか、誰?

そんな疑問を持った瞬間ーーー。

「ぐうっ!?」

急に首が締まった。

「苦しい? 苦しいよね。首を締められているんだもん。まだまだ貴女には苦しんでもらうわ」

どんどん首を締める力が強くなる。
抵抗しようとするが、全く腕が動かない。

誰……?
誰なの?
もしかして、あいつ……?
あり得るけど……でも……。
あいつ、こんなに力強かったっけ?



柳瀬美蘭(女子18番)は由美の首に巻いたベルト(脇村和人(男子19番)の物だ)を緩める。
由美はドサリと地面に倒れた。

「……残念ね。出来ればもっともっと苦しませて上げたかったんだけど……」

残念そうな顔しながら美蘭はその場を後にした。


男子1番青島帝 死亡
女子6番小倉由美 死亡

【残り18人】

中盤戦終了

26
朝倉和音(女子2番)は中華レストランに辿り着き、中にある厨房で食料を探していた。
しかし、あるのは材料だけしかなく(調理しようと考えたが、ガスも電気も水も止められていることに気づき、諦めた。)、無駄に終わった。

「ったく……レストランなんだから美味しいもの残してけばいいのに……」

ぶつぶつ文句を言うが、言っても仕方がない。
そう言えば、この近くにコンビニがあったはずだ。
そこなら、何か美味しいものが手に入るかもしれない。
和音はデイパックを担ぎ、コンビニに向けて走り出した。



「な、何だ……これ……」

食料を求め、コンビニに入った木嶋影郎(男子7番)は目の前の光景を疑った。
影郎の目に入ったのは血塗れになって死んでいた司馬祐樹(男子11番)と櫓冬明人(男子16番)の遺体だった。

「櫓冬……司馬……お前ら、こんなとこで死んだのか……」

二人の顔はとても苦しそうだった。
きっと、苦しみながら二人は死んだんだ。

「櫓冬、司馬……ゴメンな」

二人に謝り、その場から離れようと扉へ向かいーーー動きを止めた。
目の前に、少女がいたから。
あれは、朝倉和音ーーー。
そう認識した瞬間、和音が何か、黒い塊を此方へ向けた。
何だ、あれ?
そんな疑問もった瞬間ーーー。
ぱんっ、と大きな音が響いた。
それと同時に額に衝撃が走り、それっきり何も感じなくなった。



「お、大当たりだ!」

朝倉和音はもう動かない影郎のデイパックから武器を取り出した。
デイパックから出てきたのは大型拳銃M1911だった。
和音は大喜びで


男子7番木嶋影郎 死亡

【残り20人】

25
小倉由美(女子6番)はフィールドハウスの倉庫内で体育座りをしながらガタガタと肩を震わせていた。

怖い……もう5人も死んでるんだ!
私もそのうち殺されちゃうんだ!
だって、だって……斧じゃ、絶対に銃に勝てっ子ないもん!
あぁもう!誰か助けてよ!

恐怖と苛立ちが募る中、少し遠くからぱんっ、と銃声が鳴り響いた。

「ひっ!」

もう嫌!
誰か助けて!
私、死にたくない!

「殺さなきゃ、殺さなきゃ、殺さなきゃ……」

ぶつぶつと何か独り言を言い、デイパックから斧を取り出し、ゆっくりと立ち上がった。

「[ピーーー]、[ピーーー]、[ピーーー]、[ピーーー]、皆、[ピーーー]……!」

斧を握り締め、倉庫から出た。



「……?」

何処から音が聞こえ青島帝(男子1番)は足を止めた。

何だ、今の音?
何処から聞こえたんだ?

ふと、背後からただならぬ殺気を感じた。
咄嗟に振り向くと、そこには物凄い形相の小倉由美がいた。

「なっ!?」
「[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]ぅうううぅう!!!」

奇声を上げながら由美は斧を振り下ろした。
帝は間一髪でそれを避け、デイパックを由美に投げつけた。

「ぎゃぅ!!」

デイパックは由美の顔面に直撃し、由美は勢いよく転倒した。
その隙に、帝は全速力で走った。

「ま、待ちやがれ!!」

背後から由美の罵声が聞こえたが、構わず走り続けた。



「あいつ……あいつぅ!!」

由美は悔しそうに地面を殴る。
拳から血が出たが、由美は殴り続けた。

「もう許さない……みんな、ぶっ殺してやる!!」

由美は斧を握り直し、帝が走って行った方向へ走りだした。


【残り21人】

24
私は負けない。
絶対に優勝する。
このプログラムで優勝して、楽に過ごすんだ!



木原燎子(女子8番)は大学全体が見渡せる高台で他の生徒達を探していた。

「……んー見つからないなぁ」

ま、当然かも。
外には隠れられるとこなんてあんまなさそうだし。

溜息をつき、腰を下ろすと鞄からいつも持ち歩いてる飴玉を取り出し、口に入れた。

「ん~美味い」

飴を舐めながら、燎子はこれからのことについて考えた。

ーーやっぱ演技で騙して[ピーーー]のが一番ね。



【残り21人】

23
きもーい![ピーーー]よ、ブス!

ブスに生きる権利なんて無いと思いまーす!

きゃはは!言えてるぅー!

うわぁ……関わりたくねえ……

話しかけないでくれる?私までイジメのターゲットにされるから



「……[ピーーー]」

昔の記憶を思い出し、柳瀬美蘭(女子18番)は呟いた。
許せない。
私を虐めたあの糞女達を。
許せない。
私を見て見ぬ振りをして、イジメから助けてくれなかった傍観者達を。
みんな、[ピーーー]。
醜く[ピーーー]。
みんな生きる価値のないクズどもだ!

「……?」

移動中、誰かの声がしたような気がした。
足を止め、耳を済ませる。
やはり、声がした。

「殺さないとね」

ニヤリと笑い、ボウガンに矢を装填した。



「あーもう!マジイライラするぅ!!」

プログラムの理不尽さに吉山瑛里華(女子19番)はゴミ箱を蹴り飛ばした。

あーマジイラつく!
もうわけわかんない!
何でウチがこんなのやんなくちゃいけないんだよ!

「くそ!」

またゴミ箱を蹴ろうとしたとき、右肩に衝撃と激痛が走った。

「ぎゃっ!?」

思わず尻餅をつく。
一体何が起こったのか。
瑛里華は自分の右肩を見る。
そこには、銀色のアンテナーーーボウガンの矢が刺さっていた。

「ぁ……ぎぃ!」

痛い!
痛い痛い痛い!!
誰が、誰が私を傷つけた!?

「こんにちは、吉山さん」

背後から声がした。
瞬間、今度は背中に激痛が走った。

「ぁあああ!!!」
「どう、苦しい? 苦しいよね。でもまだまだこれからよ」

そう言って、瑛里華を襲った人物ーーー柳瀬美蘭はニヤリと笑った。

「ぶ……ブス……!」
「ブスじゃないわ。私の名前は柳瀬美蘭よ」

美蘭はナイフを瑛里華の右腕に突き刺した。

「ぎゃ、ぁああああ!!!」
「うふふ、いい声。もっと聞かせて」

美蘭はナイフを引き抜き、何度も振り下ろす。
ナイフが瑛里華に刺さる度に瑛里華は悲鳴をあげる。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度もーーー。



「あ……」

また瑛里華の身体を刺そうとしたが、手を滑らせ、彼女を首を引き裂いてしまった。

「ぎっ!」

そんな声と同時に血飛沫が巻き散った。

「……まだまだ苦しませたかったのに」

瑛里華の死体を蹴り、自分のデイパックから名簿を取り出し、瑛里華の名前に線を引いた。


女子19番吉山瑛里華 死亡

【残り21人】

22
朝倉和音(女子2番)は考えていた。
どうすればあの女ーーー明石美雨(女子1番)を[ピーーー]ことが出来るのか。
鎌では無理だ、避けられた。
やっぱり銃が欲しい。
マシンガンだったら
しかしーーー。

「問題はどうやって手に入れるか、よね」

マシンガンを持ってる人が素直に渡してくれるとは思えない。
殺して奪うのが手っ取り早いが、鎌では圧倒的に不利だ。
しかし、もしマシンガンの持ち主が貧弱だったら?
例えば臆病者の青島帝(男子1番)や若佐真樹夫(男子18番)だったら?
お人好しの本戸麻耶(女子13番)や光井春奈(女子15番)だったら?
もしかしたら、可能性があるかもしれない。
そう思うと少しだけ気が楽になった。

「待ってなさい明石美雨。貴女を殺して私が女子1番になるんだから」

鎌を強く握りしめ、和音は歩き出した。



少ししてすぐに見つけた。
若佐真樹夫の姿を。
真樹夫はベンチに座り、ムシャムシャとパンを食べてる。
ーーー不用心ね。
心の中で嘲笑い、気づかれないよう、後ろに回り込み、慎重に近づく。
真樹夫はまだこちらに気づいてない。

良かったわね、真樹夫君。
苦しまないで終われるんだから。

そして和音は鎌を振り下ろした。
カッ、とヒールのような音がした。
鎌は深々と真樹夫の後頭部に食い込んだ。
真樹夫は一瞬だけ、ベンチから立ち上がりかけ(その際手からジャムパンが落ちた。)、地面に倒れた。

「やっちゃった……」

生まれて初めて人を殺した和音は右手で胸を押さえる。
周囲に聞こえるんじゃないかと思うぐらい心臓の鼓動がバクバクと鳴っていた。

ーー落ち着け。
大丈夫。私は悪くない。
だって、これがルールなんだから。
私がやったことは正しい筈だ。

「こいつの武器は、と」

少しして幾分か落ち着いた和音は早速ゴソゴソと真樹夫のデイパックを弄る。
そして、出てきたのはーー。

「お、当たり」

コルト・パイソンだった。
マシンガンに比べれば対したことはない。
でもこれで、あの女ーー明石美雨を[ピーーー]事が出来る。

「さぁ、待ってなさい、明石美雨!殺してあげるから……でもその前に」

和音は地図を取り出し広げた。

「そろそろお腹が空いてきちゃった」

何処か食べ物がありそうな場所を探して和音は歩き出した。


男子18番若佐真樹夫 死亡

【残り

21
浮田匠(男子3番)は3号館の男子トイレの個室の中でガタガタと身体を震わせていた。

ーー殺した、殺したんだ。
俺は、この手で友達をーー拓也を殺したんだ!

思い出すあの光景。
出刃包丁で襲いかかる拓也。
そして、変わり果てた拓也の姿。

「っ……!」

耐え切れず、また吐いた。

「う……もう……い、やだ……」

もう限界だった。
早く楽になりたい。
そう願ったとき、近くから足音が聞こえた。

ーーああ、そうだ。殺されてしまおう。
もう、何もかも終わりにしよう。

匠は個室の扉を開けた。



小沢直己(男子9番)と佐倉大貴(男子10番)は3号館を探索していた。

「んー……ここも他の建物と同じだな。教室ばかりだ」
「パソコン室って何処にーー」

大貴は咄嗟に直己の口を防いだ。
そして、そっと耳打ちをした。

「……そのことはあまり喋るな。気づかれる」

大貴の言葉にはッとし、直ぐに頷いた。

大貴は気づいていた。
この首輪に盗聴器が仕組まれてることに。

「よし、この階調べ終わったらすぐに移動ーー」

ガチャリ、と扉が開く音がした。
二人は咄嗟に音のした方を見る。
そこには、浮田匠がいた。

「あ、たくーー」

直己が匠に近づこうとしたとき、大貴が直己の腕を掴んだ。

「大貴?」
「気を付けろ、もしかしたらあいつは、やる気かもしれない」

その言葉に、直己は目を丸くした。

「な、何でさ?」
「お前も見ただろ? 拓也の死体を。 時間的に考えて、あいつが拓也を殺した可能性が高い」

そんな、まさか。
直己は思った。
匠は怖がりだけど、人殺しなんてーー。

そこで、直己はある可能性を思いついた。

きっと、そう。
彼は怖いんだ。
だから、殺してしまった。
本当はやる気じゃないんだ!

その可能性を考えた直己は直ぐに匠に近づいた。
大貴の静止する声がしたが、構わず匠に駆け寄り、言った。

「……匠、大丈夫だよ。僕達はやる気じゃないよ。 だから信じーー」
「殺して」
「……へ?」

突然、何を言ってるのか理解出来なかった。

「えと、匠?」
「もう生きたくないんだ。 だからーー」
「だ、駄目だってーー」

そう言った瞬間、匠の目が変わった。

「ふぅん、そっか。 殺してくれないんだ。 ならいいやーー[ピーーー]」

匠が自分のベルトから何かを抜いた。
黒い塊だった。
そして、それを直己の額に押し付けーー銃声が鳴った。



銃声が鳴った瞬間、直己の頭部が弾け飛ぶのを大貴は見た。

「な、おき……?」

一瞬だけ混乱したが、すぐに理解した。
匠が、直己を殺した。

「ぅああああああ!!!」

殺した!
直己を殺した!
あいつが!
匠が、直己をぶっ殺した!
許さねぇ!!

「匠ぃいい!!」

怒りに任せ、大貴は引き金を何回も引いた。


大貴は知らない。
匠を殺害した様子を遠藤誠治(男子5番)に見られていたことに。


男子3番浮田匠 死亡
男子9番小沢直己 死亡

【残り24人】

19
どうして、どうしてこうなっちゃったの!?
私、私そんなつもりなんて、なかったのに!



三浦沙奈(女子14番)は血塗れの彫刻刀は握りしめながら階段を駆け上がっていた。
私、私、とんでもないことしちゃった!
どうしよう!どうしよう!
どうしたらいいの?
お願い、誰か教えて……!



数分前。

『それでは、頑張って下さい』

放送が終わり、沙奈の顔はさあ、と青ざめた。
先程の放送で何人かが亡くなった。
その人達が自[ピーーー]るなんて、とても思えない。
きっと、誰かが殺したんだ。
そう思うとますます恐くなった。

「ど、何処か隠れなきゃ……」

周囲をぐるりと見回す。
そして、4号館の建物を見つけた。

「あそこなら……」

一気に走り、建物に入る。
入って直ぐに、教室を見つけた。
あそこならーーー!
沙奈は扉に手をかけた。
と、そのとき、ギィ、と音を立て、扉が開いた。
沙奈は目を見開いた。
目の前に、瀧口龍人(男子13番)が立っていた。
龍人はクラスで唯一の不良だ。

不良ーーー私、殺される?

そう思った瞬間、沙奈は咄嗟に彫刻刀を突き出した。
龍人は避けようとしたが間に合わず、彫刻刀は龍人の首を引き裂いた。

「あーーー」

沙奈が声を出した瞬間、血飛沫が舞い、沙奈の身体が血まみれになった。
龍人は目を大きく見開きながら床に倒れた。

「ぁ……あぁ」

そんな、私、[ピーーー]つもりなんてなかったのに!

その場から逃げ去るように沙奈は階段を駆け上がりーーそして、今に至る。



ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!

沙奈は何度も謝り続ける。
もういない龍人に向けて。

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめーー。

「あっ!」

階段を駆け上がり、後一段というところで、足を滑らせた。
グルリと視界が反転する。
少しして、首からゴキッと骨の折れる音がした。
それが沙奈の聞いた最後の音だった。


男子13番瀧口龍人
女子14番三浦沙奈

【残り29人】

17
知らなかった。
命を狙われるのが、こんなにも恐いだなんて。



「ぁああ……し、死にたく、死にたくねえよ……!」

脇村和人(男子19番)は必死に走っていた。
時々、転び、手を擦りむいたが、構わず走り続けていた。

「あ……!」

走り続けていた和人はレストランを見つけた。
あそこに隠れよう!
そう思い、ドアノブに手をかける。
しかしーー。

「え……」

扉は開かなかった。
押しても、引いても、ガチャガチャと音を立てるだけで、開くことはなかった。

「嘘だろ……」

他の場所を探そうとして振り向いた瞬間、動きが止まった。
ボウガンを構えた柳瀬美蘭(女子18番)がいたので。

「また会えたね」

美蘭が微笑み、矢を放った。
矢は和人の左膝に命中し、和人は倒れた。

「ぅああああ!!いた、痛い!痛いぃいい!!!」
「煩い」

美蘭は和人に駆け寄り、顔面を思い切り蹴り飛ばした。
美蘭の蹴りは想像以上の威力で、鼻の骨が折れ、歯が何本か折れた。

「ぎっ!」
「私が虐められた痛みはこんなもんじゃないわ」

和人に刺さった矢を引き抜き、今度は右肩を突き刺す。
そして、また引き抜くと、今度は左腕に突き刺した。

「がはっ!がっ!」
「まだよ、まだまだなんだから……!」

その後も拷問は続いた。
腕や足や肩を刺され、顔や股間や腹部を何度も蹴られ、そしてーーー。



「ふう」

終わった。

美蘭は微笑み、名簿を取り出した。

「これで4人……でもまだまだ足りないわ……もっと殺さないと……特にーー」

自分を虐めた小倉由美(女子6番)、中谷香里奈(女子12番)、吉山瑛里華(女子19番)。
そして、その三人に自分を虐めるように指示したーー木原燎子(女子9番)。
この4人は何としてでも自分の手で殺したい。
お願い、4人共。
私に合うまで死なないでね。

ふと、空を見上げる。
もう、太陽が登っていた。


男子19番脇村和人 死亡

【残り31人】

序盤戦終了

02
周囲のざわめきに柳瀬美蘭(女子18番)は静かに目を覚ました。

ーーいつの間に眠ってたんだろう?

美蘭はゆっくりと体を起こし、周囲を見回した。
薄暗くてよく分からないが、自分はどうやら教室にいるらしい。
でも、自分の教室ではない。

次に何人かの生徒を観察した。
右隣の席に座っている明石美雨(女子1番)は委員長の木原燎子(女子8番)と話してる。
前の席ではギャルグループの小倉由美(女子6番)と吉山瑛里華がぎゃあぎゃあと喚いていた。

ーーホント、煩い女達。

美蘭はギャルグループが嫌いだ。
何かあったらすぐ暴力に走る。
平気で他人を傷付ける。
美蘭もその被害者の一人だ。

「あ、柳瀬さん起きた?」

保険委員の六木成美(女子16番)が話しかけてくれたが、正直鬱々しい。
誰かといるより、一人でいる方が幾分かマシだ。
でも、無視するのも悪いのでとりあえず、「うん、まぁ」とだけ言っておいた。
成美は「そっか」と言って、幼馴染の桃園歩美の元へ走って行った。

ーー何やりたかったのよあの女。

はぁ、と溜息を零した瞬間、ガラッと教室の扉が開いた。
それから一人の女性と兵士達が入って来た。

「だ、誰ですか、あなーー」
「皆さん、席に座って下さい」

燎子の言葉を遮って女は言った。

「十秒以内に座りなさい。 ……でないと」

一人の兵士が銃を天井に向け、撃った。
パァン、と弾けた音と閃光と同時に天井に穴が開いた。

「さ、早くなさい」



「さて、自己紹介が遅れましたね。 私の名前は五十音お子と申します。 皆さんの新しい担任です」
「あの!」

燎子が手を挙げた。

「えーと……あなた、木原燎子さん? 質問なら後で……」
「あ、篠塚先生は……っていうかこの状況を説明して貰えませんか?」


ふふ、とニッコリ笑いーー言った。

「あなたたちは今年のプログラムに選ばれました。 おめでとうございます」

04話
青島帝(男子1番)は教室から出た後、すぐに階段を降り、1号館を出た。
首を左右に振り、取り敢えず右方向へ走った。

少しぐらいして、ある建物を見つけた。
2号館だ。
帝は2号館へ入ると、4階まで一気に駆け上がり、男子トイレの一番奥の個室に入り、鍵をかけた。

「ぜぇ……はぁ……」

一旦呼吸を整え、デイパックを開けた。
デイパックにはあの担当教官の言う通り、地図、名簿、ペン、懐中電灯、食パン、水のペットボトル、そしてーーー。

「ん、ん……?」

指に何かが当たった。
それを掴み、引っ張り出す。
ーーークリップだった。

「は、ぁ……?」

帝は唖然とした。

何、これ?
クリップ?
クリップ、だよね?
何で?
もしかして、これが、俺の武器?

そして、一気に絶望に包まれた。
帝は野球部に所属しており、体力や身体能力にはそこそこ自信がある。
しかし、殺し合いとなれば話は別だ。
銃やマシンガンでは絶対に勝てない。

「どうしたらいいんだよ……」

もうどうしようも出来ず、うずくまる。
そのときだった。

銃声が鳴った。



浮田巧(男子3番)は腕が震え、大型拳銃、S&Wをカシャンと落とした。
足元にはクラスメイトのーーー枝地拓也(男子4番)が額から血を流しながら倒れていた。

そう、殺した。
殺してしまった。

俺は、ただ、話かけただけなのに。

そう、話かけただけ。
しかし、拓也は巧の持ってる銃を見て、巧がやる気だと勘違いした。
そして、出刃包丁を取り出し、襲いかかってきた。
巧は、拓也を咄嗟に撃ってしまった。
銃弾は、運悪く、拓也の額を貫いてしまった。



「お、俺は悪くない!」

そう、自分は悪くない。
話かけただけだ。
話かけただけなのに拓也は自分を殺そうとした。
これは、正当防衛だ。

「悪くない、悪くない、悪くない、悪くない……」

何度も呟きながら、落としたS&Wを拾い、巧は何処かへ走り去って行った。


男子4番枝地拓也 死亡

【残り39人】

05
浮田巧(男子3番)が枝地拓也(男子4番)を撃ち殺した音は残りの生徒達を一気に不安にさせた。
しかし、五十音は何事もなかったかのような表情で次の生徒の名前を呼んだ。

「次、女子4番牛原奈美さん」

奈美は涙を流しながら席を立ち上がり、デイパックを受け取った。
教室を出る際、一瞬だけ、誰かを見た。
きっと、恋人の海堂和巳(男子6番)だろう。
少なくとも遠藤誠治(男子5番)はそう思った。

「男子5番遠藤誠治君」

自分の名前が呼ばれ、誠治は立ち上がった。

「ふふ、頑張って下さい」

誰が頑張れだ。
俺は絶対にこんな糞な殺し合いやらねえからな。

デイパックを受け取り、誠治は外に出た。
そして、直ぐに見つけた。
見つけてしまった。
数分前に出発した枝地拓也の遺体を。

「……っ!」

さっきの銃声……まさかこれで拓也が死んだのか!?
いや、今優先することはーーー。

誠治は後方を一瞥すると、全速力で走った。
それから数分して誠治は3号館へ辿り着いた。
扉をそっと開け、中に入る。
人の気配はしない。
ホッと息をつくと、すぐに階段を駆け上がり、3階の教室へ入った。

「はぁ……取り敢えず、最初の放送までここでーーー」

少しだけ安心しかけてた誠治は目を見開いた。
誰かが、倒れていた。
少し距離があったので誰かは分からなかったが、スカートを履いてるから女子だという事は分かる。

寝てる?
気絶してる?
死んだフリ?

恐る恐る、近寄る。
そして、分かった。
倒れていたのは先程出発したばかりの牛原奈美(女子4番)だということに。
右手にはカッターナイフが握られており、首を切ったのか、首から血がどくとくと溢れ出ていた。
もう、手遅れだった。

「嘘、だ……そんな、……」

何でだよ。
どうして、自[ピーーー]るんだよ。
お前、確か海堂と付き合ってたよなぁ……
なのに、どうして海堂より



女子4番牛原奈美 死亡

【残り38人】

06
「奈美……?」

1号館に出た直後、海堂和巳(男子6番)はポツリと呟いた。
何処かで恋人の牛原奈美(女子4番)が死んだ。
そんな気がした。

俺の気のせい、かな?
でも、何だろうこの胸騒ぎは。
いや、あり得ない。
奈美が死ぬはずないんだ!

「奈美が、死ぬわけないんだ!」

何度もそう言いながら和巳は走った。
奈美を探すために。



和巳は走り続けた。奈美を探すために。奈美に会うために。それから数十分程走り続けたが、奈美は見つからなかった。

「奈美……何処にいるんだ……?」

奈美、お願いだから無事でいてくれ……!

その時だった。

ーーー和巳。

「奈美!?」

奈美の声が聴こえ、周囲を見回す。しかし、奈美の姿は無かった。

「気のせい、か?」

ーーー違うわ、和巳。私はここにいるわ。

「奈美!? 一体何処にいるんだ!」

ーーー和巳、私はこっちにいるわ。こっちに来て。

「こっちって……」

暫くすると北の方から奈美の声がした。

ーーー和巳、こっち。北よ。 北の方よ。

「北、だな。 よし」

奈美の言葉を信じ、和巳は北へ走った。

ーーーそう、和巳。こっちよ。



首輪から変な音がしたが、和巳は気にせず歩き続けた。

奈美、待ってろ。もうすぐ会えるからな。だからーーー。

ドン、と首輪が爆発



「男子6番の死亡が確認されました」

海堂和巳の死の報告を受け、女は素早く報告書を書き上げた。

「それにしても……」

一人の兵士が言った。

「男子6番は何がしたかったんでしょうね。 何か女子4番の名前を何度も呟いてた見たいですけど」「ふふ、知らないの? 海堂君はね。 薬物依存症なのよ。 ここ暫く薬物はやってなかったみたい。 だから聴こえたのよ、牛原奈美の幻聴が」

ふふ、と笑い、女はカップに残ってるコーヒーを全部飲み干した。


男子6番海堂和巳 死亡

【残り37人】

09
青嵐大学には三つのレストランがある。
一つは和食を中心とした料理が自慢のレストラン。
もう一つは洋食を中心とした料理が自慢のレストラン。
そしてもう一つは中華を中心とした料理が自慢のレストラン。

その中の一つ、和食レストランの中に伊月伴太(男子2番)がいた。
ここに来た理由は特にない。
ただ、何となくだ。
鍵は掛かっておらず、すんなりと入ることが出来た。

「それにしても……これが俺の武器か……」

椅子に腰掛け、武器のナイフを見つめる。
外れではないが、当たりとも言えない。
微妙な武器だ。
これでは幼馴染を守ることさえも出来ない。
と、そこで自分が幼馴染を待たなかったことを後悔した。

あーあ、何で待たなかったんだろうな。
ちょっと我慢すりゃ、すぐにあいつに会えたのに。
いや、仕方ない。

伴太は首を振った。
どんなに後悔してももう遅い。
それよりも早く幼馴染を見つけるべきだ。

「んっ?」

ふと窓を見ると、誰かが歩いているのが見えた。
あれはーーー。

「あいつ……!」

間違いない。
伴太は急いでレストランを飛び出した。
そして、その人物の名を呼んだ。

「弥生!」

話しかけた途端、幼馴染ーー大下弥生(女子5番)の肩がピクッと跳ね、そして、振り向いた。

「あーーー」
「良かった、無事だったんだーーー」
「来ないで!」

伴太は目を見開いた。
弥生の手には銃が握られていた。
弥生はマイクロウージーを伴太に向けた。

「や、よい? 何の冗談ーーー」
「私、もう誰も信じないんだから!」

そう吐き捨て、弥生は引き金を引いた。
銃口が火を吹き、銃弾は伴太の足元に命中した。

「や、弥生!」
「煩い、煩い煩い!!私、死にたくない!! 枝地君みたいになりたくない!!」
「なっ、枝地!?」

意外だった。
枝地拓也(男子4番)はああ見えて、結構運動神経はいい。
そんな彼がこんな早々に死ぬなんて思いもしなかった。

「信じない! みんな私のこと[ピーーー]んだ!!」
「違う!俺はーー」
「黙れぇえええ!!!」

弥生はもう一発撃ち(目を瞑りながら撃ったためか、今度は全く見当違いな所に命中した。)、走り去って行った。

「なん、でだよ……」

伴太は膝をついた。

わからなかった。
何故、弥生は逃げたのか。
何故、幼馴染の自分を信じてくれなかったのか。

沢山の疑問が生まれるが、考えても分からなかった。
そして、その疑問が分かることは二度となかった。


【残り38人】

10
朝倉和音(女子2番)は明石美雨(女子1番)を探していた。
理由は一つ。
彼女を[ピーーー]ため。



和音は小学校でいつも女子1番だった。
1番。
和音はそれを誇りに思っていた。
しかし、6年の夏休みになる前だった。

「みなさん、初めまして!明石美雨です!」

あの女が転校してきた。
そして、その日からあの女は女子1番に、自分は女子2番になってしまった。



「[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]」

鎌をギュッと握りしめる。
この鎌を、あの女に振り下ろすんだ!
取り戻すんだ!
女子1番は、私のもんだ!

「!!」

ふと足を止めた。
そして、ニヤリと笑った。
少し遠くで、明石美雨の姿が見えたので。



明石美雨は出発した後、誰かを待たなかったことを後悔していた。
もし待ってたら親友の牛原奈美(女子4番)と合流出来た筈なのに。
でも、後悔しても仕方ない。
奈美が生きてることを祈って美雨は歩き続けた。

「……はあ」

溜息をついた。
と、同時に反射的に後ろを向いた。
人の気配を感じたので。
そして、そこにいたのはーーー。

「[ピーーー]えええええ!!!」

物凄い形相で鎌を振り上げてる朝倉和音だった。

「きゃっ!?」

咄嗟に飛び退き、鎌を避ける。
鎌は美雨のすぐ近くにあった木に食い込んだ。

「ちっ!避けんじゃないわよ!」
「か、ずねちゃん!? 何で……」
「あんたが気に入らないからよ!」

鎌を引き抜き、また振り下ろす。
これも何とか避けた。

「お願い、もうやめて!」
「嫌よ!あんたが死ぬまでやめないわ!!」

もう一度、鎌が美雨を襲う。
美雨は避けず、デイパックで鎌を防いだ。
「いい加減、死になさいよ!」
「……ごめんね、でも、私、ここで死ぬわけにはいかないの」

美雨は回し蹴りを繰り出した。突然の動きに対応出来ず、和音は後方に吹き飛ばされた。美雨はすぐに和音に背を向け、走り出した。背後から自分を罵倒する声がしたが、構わず走り続けた。


「ぅ……う……あの女ぁああ!」

逃げられた!絶対に仕留められると思ってたのに!!くそ!くそ!くそぉおお!!

悔しさのあまり、何度も木を鎌で刺す。そして、デイパックを掴むと、何処かへ走っていった。


【残り38人】

03
プログラム?
嘘だろ?
おい、嘘だって言ってくれよ



若佐真樹夫(男子18番)は自分の耳を疑った。
認めたくなかった。
自分が、殺し合いに、巻き込まれるなんて。

「嫌よ!」

桃園歩美(女子17番)がバンッ、と机を叩き、立ち上がった。
そして、担当教官を睨みつけた。

「私、嫌!どうして殺し合いなんかしなきゃいけないのよ!」
「決まりだからです。貴女も早くこのプログラムを受け入れなさい」
「嫌よ!絶対に嫌!私帰る!」

歩美が叫びながら扉へ駆け寄ろうとした。
しかしーー。

「大原野君、彼女を撃って。殺しては駄目よ」

女がそう言った瞬間、銃声が鳴った。

「きゃ!!」

歩美が腕を押さえ倒れた。

「歩美!」

委員長の木原燎子(女子8番)が歩美に駆け寄り、彼女を抱き起こした。
歩美の腕からは血がどくとくと溢れ出ていた。

「歩美!歩美!」
「ぅ……う……この、糞女……!」

歩美は腕を抑えながら担当教官を睨みつける。
担当教官は涼しい顔でクラス全員に言った。

「さて、これで皆さん分かったでしょ? 逆らう生徒はそれなりの対処をするつもりなので変な考えは持たぬように」

担当教官のその言葉で誰もが黙り込んだ。
いつも騒がしいギャルグループの小倉由美(女子6番)、中谷香里奈、吉山瑛里華も青ざめて、歩美を見ていた。


担当教官はコホンと咳払いをした。

「さて、ルールについて説明しましょうかね。えーと、はい、ご存知の通り、皆さんには殺し合ってもらいます。基本的に生き残れるのは一人だけです。生き残れるためであれば何をしても構いません。制限時間は特にありませんが……24時間死亡者が出なかった場合はその時点でプログラムは終了、生き残ってる皆さんの首輪を爆発させて貰います。ああ、そうそう、皆さんがつけてる首輪は高性能で、首輪を無理矢理外そうとしたら爆発しますよ」

五十音のその言葉に何人かの生徒が慌てて首輪から手を離した。

「コホン、次に、デイパックの説明ですね。 東崎さん、あれを」

東崎と呼ばれた兵士は教卓にデイパックを置いた。

「このデイパックの中には、生徒名簿、地図、ペン、懐中電灯、食料、水、コンパス、そして、武器が入ってます。 武器は当たりもあれば、外れも入っておりますので、武器が気に入らなければ他の人の武器を奪っても構いません」



「それでは出発して貰いましょう。男子1番青島帝君」

名前を呼ばれた帝は一瞬、顔を強張らせたが、すぐに立ち上がり、デイパック係の兵士の元へ向かった。

「では、ご健闘をお祈りします」

担当教官の言葉と同時に帝の姿は外へと消えて行った。


【残り40人】

11
僕は決めた。
このプログラムを生き残ることを。
理由は単純。
ただ、死にたくないだけ。



栗本克(男子8番)は中華レストランの厨房で中華包丁を手に入れた。
克の武器はスプーンだったので、これで少しマシになった。

「さて、と」

克はデイパックから名簿とペンを取り出した。

「取り敢えず、拓也は死亡、と」

枝地拓也(男子4番)の名前に線を引いた。
克は出発してすぐに拓也の遺体を発見した。
拓也の額には小さな穴が開いており、そこから血が溢れ出ていた。
克は拓也の遺体を見ても何とも思わなかった。
別に親しくもなかったので。
親しくないのは拓也だけではない。
クラスの殆どと親しくなかった。
だから、克は決めたのだ。
クラスメイトを殺して生き残ろうと。

「……?」

ふと背後から気配を感じた。
振り向こうとしたときーーー。
ババババッ、と掃射音が響き渡った。
それとほぼ同時に克の背中に激痛が走った。

「がはっ!」

克はその場に崩れ落ちた。

「ぅ……い、たい……」

立ち上がろうとしたが、ちっとも力が入らない。
このまま自分は死ぬのだろうか?
そう思ったとき、声が聞こえた。

「まだ生きてるんだ」

ーー嘘だろ?
何で、どうして?
お前は絶対そんなことする奴じゃない、と思ってたのに。

「ごめん、今、楽にしてあげる」

そう言って、彼ーー和英智樹(男子17番)は克に近づき、ウージーの銃口を克の頭部に向けた。

「や、めーー」

何とか命乞いしようとするが、その前にウージーの銃口から大量の弾が放たれ、克の頭部を貫いた。


男子8番栗本克 死亡

【残り37人】

12
六木成美(女子16番)はうーんと背伸びし、ソファに座った。

成美がいるのは8号館1階の保健室だ。
保健室にはたくさんの薬と医療器具が備わっており、多少の怪我ならここで処置出来そうだ。
そして、ベッドには先程応急処置を終えた桃園歩美(女子17番)がスヤスヤ眠っている。
出血多量で死ぬと思ったが、どうやら間に合ったようだ。

「お疲れなっちゃん」

応急処置を見届けた本島誠太(男子15番)が缶コーヒーを差し出した。

「ありがーーってこれブラックじゃん!」
「ごめんごめん、自販機で売ってるのそれしかなくて」

軽く謝るが成美は首を横に振った。

「悪いけど、歩美を見てて。ちょっと飲み物探してくる」
「は? ちょ、成美」
「大丈夫だって!すぐ近くなんだし、すぐ帰ってくるよ!」

成美はウィンクすると保健室から出て行った。

「あいつ大丈夫かな?」

後を追いかけよう考えたが、歩美のことを考えるとここを離れるわけにはいかなかった。

「全く……まあ、あいつは多分大丈夫だろ……」

そのときだった。
成美の悲鳴が聞こえた。

「成美!?」

悲鳴を聞いた誠太は思わず保健室から飛び出した。



「成美!!」
「あっ……」

誠太は悲鳴の現場に辿り着く。
そこには怯えた顔でへたり込んだ成美の姿があった。

「成美!大丈夫か!?何があった!?」
「……き、…り……」
「はっ?」
「ご、ゴキブリが出たの!」

成美は震える手で指を差す。
その先にはカサコソ動く小さな生命体ーーゴキブリがいた。

「ゴキ……ああ、なるほど……」

そういや、こいつゴキブリが苦手何だっけ。
すっかり忘れてた。

溜息をつき、成美の腕を掴み、立ち上がらせる。

「あ……」
「ほら、戻るぞ」
「う、うん。 ありがと」

一瞬、成美の顔が赤くなったが、誠太は気づかず、保健室へ戻った。

「それにしてもまだ苦手なのか」
「無理無理!あれだけはホント無理!」
「ハハ、」

そう言って誠太は保健室の扉へ手を伸ばしーー動きを止めた。

あれ?
俺、保健室のドア閉めたっけ?

「どうしたの? 早く入ろ」
「あ、うん」

成美に急かされ扉を開ける。
そして、見た。

「えーーー」

血塗れに染まった桃園歩美の遺体を。


女子17番桃園歩美 死亡

【残り36人】

13
一人目。
長谷佑磨(男子12番)は名簿に桃園歩美(女子17番)の名前に線を引いた。



佑磨が保健室を訪れたのは本島誠太(男子15番)が保健室を飛び出してからすぐのことだった。
保健室のベッドには歩美が気持ち良さそうにすやすやと眠っている。
ーーー呑気な女だ。
佑磨はデイパックから包丁を取り出し、歩美目掛けて包丁を振り下ろした。



「……あーあ、


【残り36人】

14
あーもうムカつく!
こんなのってないじゃん!
あんまりだよ政府!



河瀬美希(女子7番)は5号館の3階の女子トイレに隠れていた。
美希はイラついていた。
理由は三つ。
まず一つ目は、こんな理不尽なことを自分達に強要した政府。
最後の一人になるまで殺し合う、馬鹿げたルール。
こんな下らないものはやりたい人達だけでやればいいのに。
二つ目は友達を待たなかったこと。
あの時奈緒は恐怖で一号館から出た後、直ぐにその場を離れたが、少し待てば、友人の木原燎子(女子8番)に合流出来た筈だ。
そして、自分の支給武器だ。

「こんなんでどうやって戦えっていうのよ……」

溜息をついて、爪楊枝を見つめる。
そう、この爪楊枝こそが、美希の武器だ。

「もう、もぅ……死にたくないよ、私……」

どうしてこんなことになったんだろう?
どうして私達が殺し合いなんかしなくちゃいけないんだろう?
どうして、どうして、どうしてーー。



一方、その下の2階の教室ではーー。

「ぅ……うう……おしっこ、したいよぉ……」

岩峰奈緒(女子3番)が尿意を抑えようと必死に我慢していた。
奈緒は
でも、もうそろそろ限界が近かった。

「も、もう駄目!」

我慢出来ず、教室から飛び出す。
瞬間ーー。

「えーーー」

ずぶりと何かが奈緒の腹部に刺さった。
これはーーー何?
そこで奈緒の思考は停止した。



長谷佑磨(男子12番)は奈緒の腹部に刺さった包丁を引き抜く。
もう奈緒は死んでいた。

「ふうん、人ってこんな簡単に死ぬんだ」

奈緒の遺体をジッと眺める。
が、すぐに顔を顰めた。

「臭っ!こいつ漏らしてやがる!」

奈緒の股間からジョボジョボと尿が垂れ、床と自身のスカートを濡らしていった。

「汚ねえ女。殺して正解だな」


女子3番岩峰奈緒 死亡

【残り35人】

15
「え、何ここ? コンビニ?」

出発してからずっと動き回っていた櫓冬明人(男子16番)はコンビニを見つけ、少し驚いた。
青嵐大学はとても広く、とてもお金持ちな大学だと聞いてはいたが、まさかコンビニまであるなんて。

「お、自動ドアじゃない。ラッキー」

周囲を見回し、誰もいないことを確認すると、中に入った。
そして、また驚いた。
レジの近くで、人が倒れていたので。

「お、おい!大丈夫か!?」

声をかけるが、返事はない。
明人は恐る恐る近寄る。
そして、分かった。
倒れてる人物が司馬祐樹(男子11番)だということに。
祐樹はサッカー部のエースだ。
運動神経抜群で、彼が死ぬだなんてあり得ないと思っていた。
その祐樹が血塗れになって倒れている。
祐樹の腹部にはナイフのような物が深々と突き刺さっており、そこから血が緩々と流れていた。

「酷い……誰が、こんな……」

そのとき、祐樹の指が僅かに動いた。

「!? ゆ、祐樹!」
「っ……そ、の声……明人、か……?」
「ああ、そうだ!祐樹、誰にやられたんだ!?」
「ぅ……や、なせ……気を、つけーーー」

パンッと乾いた音が響いた。
同時に祐樹の頭部が大きく揺れ、祐樹は物言わぬ死体となった。

「ゆ、ゆう、き?」

明人は祐樹の身体を揺するが、もう祐樹が動くことはなかった。

「な、なんーーー」

また、銃声が鳴った。
そして、背中に激痛が走り、明人は倒れた。

「っ……ぅ……」
「うん、まだ生きてるね」

声が聞こえた。
女子だ。
きっと、これはーーー

「や、なせ?」
「正解」

また銃声が鳴り、右脇腹に穴が開いた。

「がっ!!……っ!」
「どう? 苦しい? でもね、私の受けた痛みはこんなもんじゃないわよ」

美蘭は祐樹に刺さったナイフを抜き、明人の腰を突き刺した。
そして、また引き抜き、右脹脛を突き刺す。
次に左脛、右手の甲、左踵。
そしてーーー

「とどめよ」

ナイフを首に突き刺し、そして、一気に引き裂いた。
鮮やかな血が美蘭の身体を赤色に染め上げた。

「うふふ、まだまだよ。こんなもんじゃ、私の気はすまないわ」

美蘭は明人のデイパックからボウガンと矢を取り出し、それを自分のデイパックに入れ、コンビニから去っていった。


男子11番司馬祐樹 死亡
男子16番櫓冬明人 死亡

【残り33人】

16
殺し合いに乗る者が現れる中、脱出を目指そうとする生徒もいた。
脇村和人(男子19番)もその中の一人だ。

「待ってろ糞政府め……これさえあれば……」

和人は支給武器の手投げ弾をギュッと握りしめた。



「あれ? あいつ何してんだ?」

武藤丈朗(男子14番)は隠れられそうな場所を探してる途中、和人の姿を見かけた。
和人は丈朗の存在には気づいていない。
このまま離れようと考えたが、やめた。
何か嫌な予感がしたので。
丈朗はばれないよう、慎重に和人の後を追う。
そして、見た。
和人が、1号館に入ろうとしてるところを。

「やめろ!」

気づいたときには叫び、和人の腕を掴んでいた。

「ちょ、いたっ!何すんだよ!」
「馬鹿か!死ぬつもりか!」
「違うって政府の奴らをぶっ[ピーーー]んだ!」
「はあ!? どうやって!?」
「これだよ!」

そう言って和人は手投げ弾を丈朗に突きつけた。

「これを使って政府の奴らを[ピーーー]んだ。どうだ、いい方法だろ!」

自信満々に和人は言った。

……こいつは本気で言ってるのだろうか?

「……なあ、それをどうやって彼奴らに投げるんだよ」
「え? そりゃ、普通に中に入って……」

「アホか。1号館はもうとっくに禁止エリアだ。中に入ったら即首輪が爆発するぞ」
「あ……」

和人の反応を見る限り、どうやら、ルールについてはあまり聞いてなかったらしい。
思わず、溜息をついた。

「兎に角、ここにいたって今は無意味だ。何処か離れーーー」

そのとき、風を切る音がした。
何だーーー?
そう思った瞬間、足元に棒が生えた。

「えっ?」
「はっ?」

どうして棒が?
いや、これは棒、なのか?

丈朗は棒を引き抜く。
あっさりと抜けた。
抜けた物は棒ではなく、矢だった。

「嘘、だろ……」

和人が言った。

何で急に矢が……?
もしかして、狙われてる?

「う、うわああああ!!!」

突然、和人が叫んだ。
そして、物凄い速さで逃げていった。

「ま、待て、待ってくれ!」

呼び止めるが、もう和人の姿は消えていた。
追おうとしたが出来なかった。
何故ならーーー。

「こんにちは、丈朗君」

女子の声がした。
瞬間、風を切る音と同時に首元が熱く感じるのが分かった。
でも、すぐに感じなくなった。



柳瀬美蘭(女子18番)は丈朗の首に突き刺さったボウガンの矢を引き抜き、またボウガンに装填した。

「脇村君、逃がしちゃったけど……ま、いいか」

クスリ、と笑い、美蘭は立ち去って行った。


男子14番武藤丈朗 死亡

【残り32人】

01話
六限目の授業が終わり、3年A組の生徒達はそれぞれの時間を過ごしていた。



「ねぇ、この間言ってたケーキ屋、潰れたってホント?」
「そーなんだよ!残念だなぁ、めっちゃ美味かったのに」

六木成美(女子16番)は桃園歩美(女子17番)と楽しくお喋りしていた。
少し離れた所では小倉由美(女子6番)、中谷香里奈(女子12番)、吉山瑛里華(女子19番)が雑談していた。
この三人は通称、ギャルグループと呼ばれている。
このグループは平気で悪いことをする。
カツアゲ、万引き、援助交際、その他色々。
勿論、イジメもしょっちゅう行っている。
ターゲットは月に変わるが、ここ最近になって三人と同じクラスの柳瀬美蘭(女子18番)へのイジメがどんどん酷くなっている。
その美蘭は三人とはかなり離れた席で文庫本を読んでいた。

「な、直己は修学旅行の自由時間誰誘うんだよ?」
「は? 聞くかそれ?」

小沢直己(男子9番)と佐倉大貴(男子10番)は来週行う修学旅行で誰を誘うか話していた。
この二人は幼馴染でよく一緒にいる。

「燎子ーお土産って何円までだっけ?」
「5000円までよ」
「嘘!? 安!」

教室の前側では委員長の木原燎子(女子8番)を始めとした委員長グループも修学旅行の話をしていた。

「ねーまだ先生来ないの? あたし見たいテレビがあるんだけど」

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出席番号1番浅瀬瑠衣子
出席番号2番天野岳
出席番号3番伊藤露子
出席番号4番上島忌引
出席番号5番江藤佐喜雄
出席番号6番大間倫太郎
出席番号7番貝山蓮
出席番号8番加川勇太
出席番号9番笠井露樹
出席番号10番風見友信
出席番号11番木下健一
出席番号12番来宮藍子
出席番号13番近藤真樹夫
出席番号14番斎川麗華
出席番号15番佐久間由花
出席番号16番佐伯良悟
出席番号17番設楽佑都
出席番号18番田中陣
出席番号19番千葉綺音
出席番号20番長井名子
出席番号21番那波多目千鶴子
出席番号22番波沢
出席番号23番縄田
出席番号24番羽尾美智
出席番号25番長谷部純夏
出席番号26番前田歩美
出席番号27番三崎佳菜美
出席番号28番邑田繭
出席番号29番雪咲あや
出席番号30番若宮秋郎

「……風見君遅いな」

佐久間由花は小さい声でポツリと呟いた。
彼女は今、廃校になった中学校で同窓会

「おーい、風見何処行った?」
「知らなーい、トイレじゃない?」



その後、風見君の遺体は隣の教室に運ばれた。

「……誰が、殺したの

渇望スル島

フィリップ殺害/中庭に出た者
ジョルジュ殺害/頭痛薬を所持
デヴィッド殺害/喫煙者

中庭に出た者・ジェレミー、クロード、ロネット、イザベル、カイル
6人

頭痛薬所持者・クリスピン、イザベル、ジャン
喫煙者・ジェレミー、イザベル、ジャン

ロネット、クリスピン、ポーラ・禁煙者
ジェレミー・喫煙者

12:00・ジャン到着/廊下の絵画
12:30・応接室に隠しごと
13:00・からくり時計/ジェレミー、ロネット到着
13:30・中庭の影
14:00・ジェレミー中庭
14:30・クロード、デヴィッド、ロネット中庭
15:00・イザベル、カイル到着
15:30・イザベル喫煙
16:00・フィリップ、ミレーユ到着/イザベル、カイル中庭
16:30・ミレーユ入浴中/大広間南の絵画
17:00・中庭ロック後、クリスピン、ポーラ到着
17:30・階段の紋章
18:30・ディナーの歌
19:00・最初に着席
19:30・発見取り消し
20:00・ジョルジュの部屋の絵画
20:30・ジョルジュ死亡/南の階段火事
21:00・ペンダント入手
21:30・ジョルジュはフィリップが殺害
22:00・殺人の記憶
22:30・記憶喪失

カイルの両隣がデヴィットとイザベル

だとすると五人並ぶのは合ってます?

ジャンとジョルジュは向かい合って、6時と12時の方角
ジェレミーは5時
クリスピンは1時か11時の方角だけど五人が入るから1時かなと・・・

62
ジョルジュ

生徒名簿
男子
01青島帝(あおしま・みかど)
02伊月伴太(いつき・ともた)
03浮田巧(うきた・たくみ)
04枝地拓也(えだち・たくや)
05遠藤誠治(えんどう・せいじ)
06海堂和巳(かいどう・かずみ)
07木嶋影郎(きじま・かげろう)
08栗本克(くりもと・すぐる)
09小沢直己(こざわ・なおき)
10佐倉大貴(さくら・だいき)
11司馬祐樹(しば・ゆうき)
12長谷佑磨(はせ・ゆうま)
13瀧口龍人(たきぐち・たつと)
14武藤丈朗(むとう・たけろう)
15本島誠太(もとじま・せいた)
16櫓冬明人(ろとう・あきと)
17和英智樹(わえい・ともき)
18若佐真樹夫(わかさ・まきお)
19脇村和人(わきむら・かずと)
20渡辺弘(わたなべ・ひろむ)

女子
01明石美雨(あかし・みう)
02朝倉和音(あさくら・かずね)
03岩峰奈緒(いわみね・なお)
04牛原奈美(うしはら・なみ)
05大下弥生(おおした・やよい)
06小倉由美(おぐら・ゆみ)
07河瀬美希(かわせ・みき)
08木原燎子(きはら・りつこ)
09近藤美穂(こんどう・みほ)
10斎藤実里(さいとう・みのり)
11田中友里(たなか・ゆうり)
12中谷香里奈(なかや・かりな)
13本戸麻耶(ほんど・まや)
14三浦沙奈(みうら・さな)
15光井春奈(みつい・はるな)
16六木成美(むつき・なるみ)
17桃園歩美(ももぞの・あゆみ)
18柳瀬美蘭(やなせ・みらん)
19吉山瑛里華(よしやま・えりか)
20若村朋美(わかむら・ともみ)

和英智樹は家に帰ったら何しようか考えていた。
まず、


「ただいま!」

元気よく言った。
瞬間、ザクッと肉を切る音がした。
そして、痛み。

「えーー」

何が起こったのか理解出来なかった。

何で自分は血塗れなんだ?
何で父はそんな恐い顔をしてるんだ?
何で父は包丁なんか持ってるんだ?
何でーー。

「[ピーーー]、愚息子」

父のその言葉を最期に、智樹の視界は暗転した。


和英智樹 死亡

【残り0人】

男子
安斎史生
大久保忠教
奥村進太郎
小沢康郎
加納雅行
久我豊
熊谷学
児玉秀之
後藤克洋
坂田謙二
佐々義博
白井竜彦
白柳良成
田部明久
土屋広幸
根本敏夫
藤井潔
掘野聡
三原真一郎
宮本浩明
吉本茂

女子
岩松由紀江
浦上泉
及川奈津子
金沢直子
真田美和
橋本梓
林小織 さおり
横山明日香

「ぁああ……」

突然起こった惨劇に明石美雨(女子1番)は尻餅をついた。
自分の目の前には血塗れになって倒れてる朝倉和音(女子2番)と銃を持った柳瀬美蘭(女子18番)がいた。

「ねえ、明石さん」

美蘭が微笑んだ。
瞬間、銃声が響き、美雨の右腕に穴が開いた。

「あう!!」
「うふふ、まだ死なせないわ」

今度は風を切る音がした。
同時に、美雨の左太ももにボウガンの矢が生えた。

「あっ……ぎっ!!」

ーーやだ!
やだ、いや、死にたくない!

「や、やめーー」
「やめないわ」

美蘭は美雨の顔面を思い切り踏み付けた。
グチャ、と潰れる音と同時に美雨の鼻が折れ、鼻血が噴き出した。

「ぅあ……」
「ふふ、いい顔ね。もっと苦しんで」

美雨の太腿に刺さった矢を引き抜くと、今度は右肩を突き刺した。

「ぎゃっ!!」
「いいわ……もっともっと苦しんで!」

歪んだ笑顔でまた矢を引き抜いた。
瞬間ーー。

ぱららららっ!!

「いぎっ!?」

掃射音と同時に美蘭の身体から血飛沫が舞った。
そのまま美蘭は地面に倒れ、ピクリとも動かなくなった。

「やっと一人目だよ」

近くの影から和英智樹が姿を現した。

「わ……和英君……」
「死んで」

智樹は笑いながらマイクロウージーを美雨に向けた。

「あ、や、やめーー」

命乞いしようとしたが、もう遅かった。
掃射音が響き、全身に激痛が走った。
でも、その痛みも一瞬だけだった。
次の瞬間、美雨の意識は無くなった。

そして、終わりを告げる放送が始まった。


女子1番明石美雨 死亡
女子18番柳瀬美蘭 死亡

【残り1人・ゲーム終了】

近藤澄子(女子14番)は出発してから今まで誰にも会えずにいた。
でも、それでいい。
だって、自分には信用出来る人物はいないのだから。

「ここって……」

暫く歩き続けた澄子はとある建物を見つけた。




「あっーー?」

足を、踏み外した。



「い……い、やぁ……」

澄子は必死にもがくが、結果は変わらなかった。



澄子が抵抗しなくなったのを確認すると、渉は手を離した。

間宮礼司(男子15番)はある人物をずっと探し続けていた。
その人は誰にも優しくて、そして、正義感が強い人だ。
自分はきっとーーーいや、絶対に生き残れない。
だから、死ぬ前に伝えよう。
大好きだと。

「……何処にいんのかなぁ……」

ずっと歩き続けているが、出発してから誰にも会えない。
自分は方向音痴なのだろうか?
いや、修学旅行では一度も迷子になったことはないし、地図だって何回も読み、何回も確認した。
間違いない筈だ。
……多分。

「あーあ、腹減った」

ずっと歩き続けたせいか、腹の音が鳴った。
その場に座り、デイパックからパンを取り出し、一口齧る。
……あまり、美味しくなかった。

「んー……政府最悪」

パンをデイパックに仕舞おうとしたときだった。

ガサガサ

「っ!?」

近くの草の茂みから音が聞こえた。

「誰だ!」

礼司はデイパックから果物ナイフを取り出し、構えた。

「十秒以内に出て来い! 出て来なかったらやる気と見なすぞ!」
「ま、待って!」

草の茂みから誰かが飛び出した。
その人物を見て、礼司は目を見開いた。

「冷泉……」

冷泉小夜子ーー礼司が探していた想い人


ズドン!

「えーーー?」

大きな音がした。
そして、右腕に違和感を感じた。
ゆっくり自分の右腕を見る。
そこには、ある筈の腕がなかった。
そして、激痛。

「が、ぁあああぁああ!!!」

痛い、痛い、痛い、

「煩い」

何処かで誰かの声がした。





男子15番間宮礼司 死亡

【残り

「そ……その人……」

死体を見て、愛子は震える声で言った。

「知ってんのか?」

津和野俊之の問いに愛子はゆっくりと頷く。

「その人……春影司馬太郎(はるかげ・しばたろう)……私が勤めてる喫茶店の常連客なの」
「ちょ、首から上がないのに何でわかんのよ!」



「と、取り敢えず、もどーーー。」

一旦、もとの部屋へ戻ろうとして、与一は気づいた。
宜山一美が、何処にもいないことに。

「あ……れ?一美ちゃんは?」
「え?あっ、一美ちゃん?」

ワケあり生徒会
きっと僕ら恋人になる

ブラックロビニア

自分達のグループに殺し合いに乗る人なんか一人もいない。
横枝爽子(女子21番)はそう考えていた。

しかし、ホントにそう言い切れるのだろうか?
もしかしたら、あの中の誰かが襲撃者と手を組んで自分達を殺そうとしたかもしれない。
だとしたら、一番怪しいのはーー。

「爽子、どうしたの?」

和山麗香(女子25番)が心配そうにこちらの顔を見ていた。
爽子は少し微笑み、言った。

「ううん、何でもない。みんなを心配してただけ」



爽子と麗香が合流したのは逃げて直ぐの後だった。
合流した後、住宅街へ逃げようとしたが、悲鳴が聞こえたため、諦め、南の灯台へ向かった。
灯台に鍵は掛かっておらず、すんなりと侵入することが出来た。
それから二人はずっと隠れることにした。
そして、数時間後、仲間達の死を知った。
その中には新たに河合椛(女子6番)と矢丸俊美(女子18番)の名前が加わった。

「椛……俊美……」

麗華が二人の名前を呟き、涙を流した。
しかしーー爽子は思った。
本当に麗華は、仲間達の死を悲しんでいるのだろうか?
もしかしたら、自分を油断させるための演技なのかもしれない。

「そ、んじゃ私、見張りに行くから何かあったら直ぐに呼んでね」

麗香は軽く手を振ると扉を開け、外に出た。
バタン、と扉が締まったとき、爽子は自分の荷物を纏め、窓を開けた。

ーーーごめんね、麗香。
私、あんたのこと信用出来ない。

音を立てないようにゆっくりと外に出る。
そして、再び窓を閉じると全速力で走った。



それからどのくらい走ったんだろう。
走るのをやめたときには南の住宅街にいた。

「ここなら大丈夫、だよね」

そう安堵したときーーー。

「こんにちは」

声がした。
咄嗟に振り向くと、そこには大中寿美礼が笑顔で手を振っていた。

「あんた……大中……」
「どうしたの? そんな恐い顔して」
「別に」

寿美礼はギャルグループ全員に嫌われている。
勿論、爽子も寿美礼が嫌いだ。





「ぁ……」

全身に激痛が走った。
同時に身体中の力が抜け、爽子は倒れた。

「い……たい……」

一体、誰がーーー。
まさか、麗華が?
いや、麗華の武器はこんな強力なものじゃない。
だとしたら、これはーー。

そのときになって、ようやく人の気配に気づいた。


ごめんね、麗華。
貴女を疑って。
ごめんね、みんな。
私、ここまでみたい。
みんな、どうか生き延びてーー。

再び、イングラムから大量の銃弾が放たれ、爽子の顔面をグチャグチャに潰した。


女子21番横枝爽子 死亡

【残り

五十嵐萌子(女子2番)は襲撃者から逃げ切った後、K=4にある小学校の屋上に隠れていた。

一人になっちゃったけど、きっと、みんな無事だよね!
大丈夫、みんな強いもん!
私と違って。

そう信じていた。
一回目の放送を聞くまでは。

「嘘……俊美ちゃん……椛ちゃん……」

ああ……殺されちゃったんだ!
あの襲撃者に殺されちゃったんだ!

「助けて……助けて、麗香ちゃぁん……」

その時、屋上の扉がガチャリと開いた。

「え……?」

俯きかけていた萌子の頭が再び上がった。
そして扉の方を見るとある人物が笑顔で手を振っていた。
その人物を認識した瞬間、萌子の顔は明るくなり、その人物に駆け寄った。

「由子ちゃん!」
「萌子ちゃん!無事で良かった!」

茂木由子(女子15番)は涙目になりながら萌子に抱きついた。

ーー良かった、由子ちゃんが無事で。
後は麗華ちゃんとそれからーーー。

ザクっと何かが切れる音がした。
瞬間、首元が熱く感じるのが分かった。

「えーー?」

何が起こったのか理解出来ないまま、萌子は倒れた。



由子は萌子の首元に刺さったハサミを引き抜くと、再びデイパックに入れた。

ーー楽勝ね。このままいけば優勝確実、かな。

由子はニヤリと笑った。
由子は初めからこのプログラムに乗る気だった。
理由は単純、死にたくないから。
出発した後、和山麗華が待ち伏せしてグループ全員で行動しようとしたときはどうしようかと思ったが、誰かが襲ってくれたお陰で一人になることができた。

「でも」

襲った人物も恐らく高い確率でやる気になってる。
しかも、大当たりの武器を持ってる。

「気をつけて行動しなきゃね」

由子は二人分のデイパックを担ぎ、下階へ降りて行った。


女子2番五十嵐萌子 死亡

【残り

確かに中は気になる。
けれど、やっぱり由芽子ちゃんを放ってはおけない。

「由芽子ちゃん、立てる?」
「あ……はい……」

由芽子ちゃんは震えながらも立ち上がった。
私は由芽子ちゃんを支えながら、みんなのいる食堂へ向かった。



「というわけなんです」

私はみんなに事情を説明した。

「ねえ、由芽子ちゃんは何処で倒れてたの?」
「ええと、確か……仏原さんの部屋の前、だったと思います」
「ふぅん、仏原さんの部屋、ねぇ」

日畑香苗はニヤリと笑い、部屋を出ようとした。

「日畑さん? 一体何処に?」
「ちょっと、仏原さんの部屋に、ね」
「なら、僕も行こう。 何だか、嫌な予感がするんだ」

日畑さんと渡辺さんは食堂から出ていった。



「みんな、大変だ!」

それから渡辺が焦った様子で食堂に戻ってきたのは丁度五分後のことだった。

「あの、どうしました?」
「……仏原君が死んでる」

その言葉で食堂中が一斉に静かになった。

私は意を決して、中に入った。

「仏原、さん……」

私は彼の名前を何度も言うが、返事は無かった。

ーーいないのかな?

そう思って何気無くベッドの下を覗き込んだ瞬間ーー動きが止まった。

「えーー?」

いた。
仏原さんが。
何で、こんなところに仏原さんが?
私がそんな疑問を持った瞬間ーー。

「ぎっ!」

後頭部に激痛が走った。
ーーいた、い、誰……?

もう一度、頭部に激痛が走ったが、すぐに何も感じなくなった。

もう、事切れていたため。


BADEND



出題NO.4430-★-tanuさんより出題
大石が苦戦している頃、赤坂もまた苦戦していた。裏口から犬飼少年を担いで逃走してきたもう一人の犯人に、いきなり○○を蹴られて悶絶してしまったのだ。さて、赤坂は何を蹴られた?
    正答● 急所

須佐直人(男子10番)は深いため息を何度もしながら歩いていた。

まさか、俺が殺し合いに巻き込まれるなんてね……。
俺、何かやったかな?

また溜息をつこうとしたとき、何処からか、ノイズのような音が聞こえた。



『男子は3番嘉山信之君。女子は6番河合椛さん。14番村上美央子さん。17番八尾郁恵さん。18番矢丸俊美さん。以上5人。次に禁止エリアです。今から一時間後にC=4、その二時間後にB=8、そして3時間後にF=2です。皆さん、地図にチェックは済ましましたか? では次の放送でお会いしましょう』



「くそっ!」

放送が終わった後、直人は地面を殴った。
誰も殺し合いなんかしないと思ってたのに。
なのに、どうして……。

「どうして[ピーーー]んだよ……!」

それが、直人の最期の言葉だった。

パパパパ!!

ふと、背後からあの音が聞こえた。



斎藤紘子(女子8番)は見てしまった。
須佐直人が殺される瞬間を。
殺した人物は仮面をつけていたから分からないけどーーー間違いない。
村上美央子(女子14番)と、八尾郁恵(女子17番)を殺した犯人はあいつだ。

「早く、みんなに伝えなきゃ!」

紘子は走り続けた。
少しでも早くみんなを救うために。


男子10番須佐直人 死亡

【残り34人】

矢丸俊美(女子18番)の悲鳴を聞いたのは他にも数名いた。
その中の一人、河合椛(女子6番)は逃げるように住宅街から離れていった。

「やっば!誰かわかんないけど絶対に死んだよ!」

椛はあの後、直ぐに校門まで戻った。
もしかしたら誰か逃げ遅れたメンバーがいるかもしれない。
椛は校門付近を探したが誰もいなかった。
代わりに、村上美央子(女子14番)と八尾郁恵(女子17番)の遺体を見つけ、改めて二人が死んだことを実感した。
それから椛は住宅街へ向かった。
この季節だ。
野宿すれば高い確立で風邪を引く。
そう考えた椛は直ぐに住宅街へ向かった。
しかし、途中であのマシンガンのような音を聞いて、怖くなり諦めた。
そして、今に至る。



それから少しして小屋を見つけた。
あそこで暫く隠れていよう。
小屋へ近寄り、ドアノブを回す。
しかし、ガチャガチャと音を立てるだけで、押しても引いても開かなかった。

「何よ、もう!」

開かない扉に腹を立て、扉を蹴った。
諦めて別の所へ行こうと回れ右をしたときーーー目を見開いた。
仮面をつけた人物がいたので。

「えーーー?」

仮面をつけた人物は右腕を上げた。
そこで椛は気づいた。
右手に黒い塊が握られていることに。

あれ、何ーーー?

瞬間、黒い塊から光が瞬いた。



仮面をつけた人物は倒れた椛に近寄る。
全身から血を流しており、一目で即死だと分かった。

「ひぃ!!」

後ろから声が聞こえた。
ゆっくりと振り向くと、そこには嘉山信之(男子3番)が怯えた目でこちらを見ていた。

「や、やめてくれ!な、何でもするから!!だからーーー」

仮面の生徒は黒い塊ーーーイングラムM11サブマシンガンを信之に向け、トリガーを絞った。

「ぎゃあぁあああぁ!!!」

大量の銃弾が信之に襲いかかる。
手を、足を、頭を、顔を、身体を銃弾が貫いた。
音が止むと、信之はドサリと地面に倒れた。
仮面の生徒は信之を一瞥すると森の中へ消えていった。


男子3番嘉山信之 死亡
女子6番河合椛 死亡

【残り35人】

この島には東西南北全てに灯台がある。
そのうちの一つ、南の灯台では吉田茉祐子(女子22番)と湯川希(女子20番)が隠れていた。

「ねえ、まゆちゃん……私達、生き延びられるかな……?」
「大丈夫だよ麗華がいれば何とかなるもん」

不安になる希を励ますも、茉祐子自身も不安になりつつあった。
というのも、今さっき銃声が聞こえたからだ。

ーー今の銃声……やっぱやる気の人がいるんだね。

そのとき、今まで椅子に腰掛けていた希が立ち上がった。

「希?」
「……まゆ、ちゃん……私、恐いの」

希はじっと茉祐子を見つめた。
茉祐子も希をじっと見てーー背筋が凍りついたような感覚が襲った。

ーー希?
まさか、そんな……。

そんなはずない。
希は気が弱いけど、心優しく、命の大切さをよく理解している少女だ。
その彼女がやるはずない。
そう、きっと自分の気のせいだ。
しかし、その淡い期待はすぐに消えた。

「……私……死にたく、ないよ……だから、まゆちゃん」

希は茉祐子に飛び掛かり、押し倒すと、首に手をかけた。

「っ!」
「死んで」

希は手に力を込めた。

ーー何で……希……
あんた、こんなことする奴じゃない、って思ってたのに……。
な……んで……?

何とか逃れようとするが、バレー部の希と無所属の茉祐子、どちらが勝つのか一目瞭然だった。



「……ごめんなさい、まゆちゃん」

茉祐子の首を締めてから数分後、ようやく希は手を離した。
茉祐子は白目を剥き、泡を吹き、もう生きてないことが分かった。

「……ごめんなさい、ホントにごめんなさい」

何度も謝りながら、希は立ち上がり、二人分のデイパックを掴むと、扉へ向かった。

「……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさーーー」

何度も謝りながら、扉を開けーー硬直した。
目の前に、仮面をつけた人物がいた。

「えーーー」

仮面をつけた人物は黒い物体を希に向けーーーその物体から光が瞬いた。
瞬間、物凄い音と共に全身に激痛が走った。

「あがっ……」

ぐるりと一回転し、希は地面に伏した。

「…………」

仮面の人物は倒れた希に目もくれず、二人分のデイパックを漁った。
出てきたのは火炎瓶と、手斧だった。
仮面の人物はそれらを人物のデイパックに入れると、灯台から去っていった。


女子20番湯川希 死亡
女子22番吉田茉祐子 死亡

【残り

和山麗香(女子25番)は校門から出ると近くの茂みに身を隠した。
麗華の目的はただ一つ。
政府を倒すことだ。
そのために必要なのは仲間だ。
仲間が入れば、絶対に何とかなる。
麗華はそう確信した。
そして二分後。

「あ、おーい愛!」
「麗華さん!」

次に出発した藍田愛(女子1番)と合流を果たした。
その後、五十嵐萌子(女子2番)、上坂陽子(女子3番)、江沢奈美子(女子4番)、河合椛(女子6番)、木下莉乃(女子7番)、斎藤紘子(女子8番)、佐藤怜子(女子10番)、高城亜紀(女子11番)、中田菜穂(女子12番)、町田三四子(女子13番)、村上美央子(女子14番)、茂木由子(女子15番)、森山加奈子(女子16番)、八尾郁恵(女子17番)、矢丸俊美(女子18番)、


「よし、みんな揃ったね」
「うん、早くここから離れ……ん?」

移動しようとした時、草の茂みの隙間から何か光が瞬いた。
瞬間、パパパパ、と大きな音が鳴り響き、美央子の頭部が弾け飛んだ。

「えっ?」
「な、何……!?」

突然のことにその場にいた全員が戸惑った。
当然だ。
いきなり仲間が死んだのだから。

「み、みお……嫌ぁあああ!!」

紘子が悲鳴を上げた瞬間、また連射音が鳴り、美央子のすぐ近くにいた郁恵の左胸に沢山の穴が開いた。

「ひっ!」
「や、やだあ!!」
「な、何なの!?」

戸惑う少女達に再び弾丸の雨が襲う。
しかし、今度は誰にも当たらず、地面の土を抉り取っただけだった。

「みんな!逃げよ!」

麗香がグループ全員に指示をする。

「逃げよって……何処に!?」
「何処でもいいから!早く!」

麗香の言葉で全員がバラバラに逃げ出した。



「チッ」

麗華達を襲った人物は舌打ちし、死んだ二人に近寄る。
死んだことを確認すると、今度は二人のデイパックを漁った。
少しして、郁恵のデイパックから刀が。
美央子のデイパックからは仮面が出てきた。

「……」

二人の命を奪った人物は仮面をつけ、刀をデイパックに入れ、その場から去って行った。



女子14番村上美央子 死亡
女子17番八尾郁恵 死亡

【残り38人】

早く、早くみんなに伝えなきゃ!
お願い、みんな無事でいて!



斎藤紘子(女子8番)は住宅街でグループメンバーを探し続けていた。
早く須佐直人を殺した仮面の人物のことをみんなに伝えなくてはならない。
でないと、みんな死んでしまう!

「きゃっ!」

次の曲がり角を曲がった瞬間、何かが紘子の足に当たり、紘子は転んだ。

「いったぁ……えーーー」

紘子は足元に転がってる何かを見て、硬直した。
それは、人間ーーーいや、人間だったものだ。
胸を赤黒く染めた、矢丸俊美(女子18番)の遺体だった。

「ぁあ……」

俊美の顔は苦痛に歪んでいた。
きっと、苦しみながら死んだのだ。
そして、紘子は思った。
みんな、俊美のように残酷に死んでしまうんだ、と。

「い、や……」

私も、死んじゃう?
俊美みたいに?
須佐君みたいに?
そんなの、嫌!

「し……死にたくない!」

紘子はデイパックから釘バットを取り出した。

「私、まだ生きたい……みんな、殺さなきゃ……!」

そのとき、背後から気配を感じた。
咄嗟に振り向く。
そこには、あの仮面の人物がいた。

ーーやらなきゃ、やられる!!

「ぁ……やっ……やだぁ!!」

紘子は釘バットを振り下ろす。
しかし、バットは空を切るだけで終わった。
それでもめげず、再び振り下ろす。
だが、どんなにバットを振り下ろしても結果は同じだった。
そしてーーー。

「あ……」

紘子は見た。
イングラムを構えた仮面の人物を。

やだ、死にたくない。
お母さん、お父さん、麗華ちゃん、みんな。
誰か助けーーー。

一筋の涙を零した瞬間、掃射音を共に、紘子の頭部が弾け飛んだ。



イングラムを下ろすと同時に頭部が右半分失った紘子が自ら作り上げた血と脳髄の海へ倒れた。
紘子を殺し終えた人物は直ぐに荷物を纏め、去って行った。


女子8番斎藤紘子 死亡

「はぁ……はぁ……!」

上坂陽子(女子3番)は道も分からずただ、必死になって走り続けていた。
時折後ろを向くが人の気配はない。
でも、走るのは辞めなかった。
あの襲撃者の事を考えると恐くて堪らない。
出来るだけ遠くへ逃げたかった。

麗香……みんな……大丈夫かな……?
うん、大丈夫だよね!
美央子と郁恵は死んじゃったけど、他のみんなはきっとーーー。

ガサガサ!

突然、近くの茂みが音を立てた。
そして、人が飛び出してきた。

「きゃっ!」
「ひっ!」

思わず、武器の文化包丁を構えるがすぐに降ろした。
何故ならーーー。

「三四子!」
「あ、陽子!」

茂みから出てきたのは町田三四子(女子13番)だった。
三四子は陽子の姿を認識すると、ボロボロ涙を零しながら陽子に抱きついた。

「良かった……!陽子が無事で……!」
「うん、私も三四子が無事で良かったよ……」



それから二人は他のメンバーを探すため住宅街へ向かった。

「みんな野宿は嫌だと思うからここにいると思うんだけど……」

二人は静かな住宅街を慎重に歩く。
きっと、他のみんなも野宿を嫌い、ここにくるはずだ。
自分達を襲った犯人も。

「ねえ、陽子……みんな、無事、だよね?」
「決まってるじゃん!」

陽子がそう答えた時だった。

「きゃああああああ!!!」
「!?」
「悲鳴!?」

そう遠くはない。
二人は急いで悲鳴がした方向へ走った。



「あぁ……」
「そん、な……」

少し走って二人は見つけた。
矢丸俊美(女子18番)の死体を。
俊美は仰向けに倒れており、左胸には刀が突き刺さっていた。

「俊美……」

俊美はいつも明るかった。
偶に空気が読めないところもあるけど、ギャルグループのムードメーカー的存在だった。
その俊美を[ピーーー]なんて……。

「私、許せない」
「えっ?」

俯いていた三四子が顔を上げた。

青野瀬里奈(女子1番)は出発してから直ぐに分校から離れた。
友人の野々村唯(女子30番)や日立香恵(女子32番)を待とうと考えたが、二人とは出席番号がかなり離れていたため、諦めた。

ふと、腕時計を見る。
自分が出発してからまだ、数分しか経ってない。
大丈夫、まだ数人しか出発してない筈。
冷静にならなきゃ。

「あ、青野、さん!」

突然声がした。
声のする方へ向くと、そこにはーーー。

「女木さん?」
「あ、そうです!女木です!」

そう言って彼女、女木真優(女子39番)は手を振りながらこちらへ駆け寄ってきた。

「青野さん、良かったら一緒にーーー」
「え、ちょ?」

訳がわからなかった。
プログラムで生き残れるのは一人だけなはずなのに。
なのに、一体彼女は何故ーーー。

「……青野さん? どうしました?」

真優が心配そうな顔でこちらの顔を見る。

「あ、いや別に」
「そうですか、じゃ、行きましょう!」

真優が瀬里奈の腕を掴んで、歩き出した。



真優は初めからゲームに乗る気だった。
死にたくないし、まだもっともっと色んなことを学びたい。
だからゲームに乗ることにした。
でも、生き残るためには仲間が必要だ。
だから、このゲームにやる気でない

人間電子レンジ
仮婚

01青野瀬里奈(あおの・せりな)
02阿部美紗子(あべ・みさこ)
03磯脇香織(いそわき・かおり)
04宇佐杉子(うさ・すぎこ)
05江野薫子(えの・かおるこ)
06大瀬弥生(おおせ・やよい)
07河合乃絵(かわい・のえ)
08木崎桜(きざき・さくら)
09久米誠子(くめ・せいこ)
10近衛千佳子(このえ・ちかこ)
11小宮由梨江(こみや・ゆりえ)
12西川繭子(さいかわ・まゆこ)
13榊美代子(さかき・みよこ)
14佐古茜(さこ・あかね)
15佐藤真希(さとう・まき)
16沢木悠子(さわき・ゆうこ)
17椎名千世子(しいな・ちせこ)
18鈴木有希子(すずき・ゆきこ)
19関松美(せき・まつみ)
20園田志帆子(そのだ・しほこ)
21田中由紀(たなか・ゆき)
22千葉麻里絵(ちば・まりえ)
23都築瞳(つづき・ひとみ)
24手塚麻衣美(てづか・まいみ)
25豊島亜美(とよしま・あみ)
26永瀬早子(ながせ・そうこ)
27二把俊美(にば・としみ)
28鵺野藍那(ぬえの・あいな)
29根岸有未(ねぎし・ゆうみ)
30野々村唯(ののむら・ゆい)
31浜野麻里奈(はまの・まりな)
32日立香恵(ひたち・かえ)
33風吹風美(ふぶき・かざみ)
34辺見江美里(へんみ・えみり)
35本田佐奈美(ほんだ・さなみ)
36間倉香穂子(まぐら・かほこ)
37水木星子(みずき・ほしこ)
38睦月和美(むつき・かずみ)
39女木真優(めぎ・まゆう)
40元重邦子(もとしげ・くにこ)

なんだこれ

あちゃーまた荒らしが来ちゃったかー

>>349
前スレ参照&NG推奨

おいチョン!そんなに河野談話が中身のないスッカスカだってのがバレて悔しいのか?

くっそ、また来やがったか…
誰か焼き依頼スレかあぼーんスレ紹介してくれない?

BBSバーボン規制解除、焼きまたはあぼーん依頼スレッド

はじめはブログの項目にそって自己紹介していく。
白死蝶の由来は、ブログを書いている本人は既にいないため
死んだあとは綺麗な蝶でいたいという願望のもと名付けたものらしい。

ブログ主は女子高生。
父に襲われ母に殺されたと話し、欲しいものは友達だと何度も繰り返す。
そのうち項目の質問を無視しだす。亡くなるまでのやり取りを生々しく告白。
父に襲われた直後に母親に殺されたことを恨んでいると話す。
そして画面で見ている貴方に対して幸せな姿が妬ましく
また寂しいから一緒に連れて行きたいと、殺してやると呪詛の言葉を吐きかける。
文字が一気に赤くなり上へスクロール。女の顔が映し出され悲鳴とともに消失する。

最後に友達三人にメールとしてこのページを送信すれば助けるという文面がでる。
「トモダチに回す」を選んだ場合でも「回さない」を選んでも
冗談でしたー。トモダチは大事にね☆ といった感じの文面が出てくる。
作成者のお茶目なネタサイトのようですな。

A√
河井晶
志賀真弓
岸根千代・Death
新田賢介・Death
内藤卓也・Death
露崎篤志

B√
河井晶
志賀真弓
岸根千代
新田賢介・Death
内藤卓也・Death
露崎篤志

潮見荘

今書きだめしてます

最後まで書きだめして一気に書き込もうかと

でもそれだとけっこう時間かかりますし、荒らし無視して書き込んでいったほうがいいですか?

あと焼き依頼ありがとうございますorz

荒らしは無視でいいよ。みんな黙ってNG突っ込むから

ありがとうございます!


わかりました

今日からまた書いていきます

日向「…………」

左右田「うぉぉぉぉぉぉ!?」

七海「左右田君がなにか見つけたみたいだね。さ、行こ」

日向「あぁ」

左右田「なぁ日向!見てみろよ、人工知能だぜ!」

アルターエゴ「はじめまして、『アルターエゴ』です」

日向「すごいな」

アルターエゴ「モノクマについて、伝えなければならないことがあります」

モノクマ「呼んだ?あ、そうそう。あまり余計なことを喋るとぶっ壊しちゃうからね」

モノクマ「だから監視死死死死死死死死死」

日向「え?」

モノクマ「死死死死死死死死…………」グニャ

日向「な、なんなんだよこれ!」


日向「おいアルターエゴ」

『………………』

日向「アルターエゴ!」

『………か………るの?』

日向「アルターエゴになにが起きてるんだよ……」

『アルターエゴの前に誰かいるんだよね?』

日向「お前は誰なんだ」

『アルターエゴがこうやって動いたということはそういうことなんだよね』

日向「こっちの声が聞こえてないのか?」

『ボクの名前は苗木 誠。希望ヶ峰学園の元生徒だ』

日向「苗木 誠!?」



http://www.youtube.com/v/vhm2wcnTsgg

↑荒らし

苗木『すぐにそっちに助けに行きたかったけど、ウィルスの妨害のせいで……できなかったんだ』

苗木『こっちからの命令も、シャットダウンも含めて一切受け付けなくなっていた……』

苗木『でもアルターエゴがボクに直接話をできる機会を作ってくれた』

苗木『それが動いてるってことはボクの話すべき相手がそこにいるって事だよね?』

日向「こっちの声は聞こえていないし……見えてもいないのか」

苗木『時間がないから一方的に喋らせてもらうよ。だけど……まずはみんなに謝らないとね。ごめん』

苗木『まさかこのプログラムにウィルスが紛れこんでるなだなんて』

苗木『謝っても許されることじゃないとは思うけど……これしか方法はなかったんだ……』

苗木『君たちを救うにはこれしか方法がなかったんだ!』

日向「…………」

苗木『なぜかはわからないけど覚醒したカムクラクンが教えてくれたよね?キミたちが絶望だったって』

日向「そんな俺たちを救うために……わざわざ未来機関を裏切ったのか」

苗木『だけど今のキミたちは絶望なんかじゃない。むしろ人類の希望だ。特に日向クン、キミだよ』

苗木『それにあいつを打ち負かす奥の手があるんだ!』

日向「そんな方法があるのか!?」

苗木『教師役の監視者が暴走した万が一のときに備えていた“特別な方法”を用意してたんだ』




キターー

苗木『それが……“強制シャットダウン”なんだ』

日向「強制シャットダウン?」

苗木『それはキミ達がキミ達自身で選べる終わり、だよ』

苗木『だからその……ご……人……』

日向「どうした!」

苗木『ごめ……時…………な』グニャ

モノクマ「シシシシ死死死死しし死死死死」

モノクマ「…………」

モノクマ「あれ?今のボクって変じゃなかった?」

日向「い、いや……別に……」

モノクマ「そう?まぁいいや。早く来てね」

アルターエゴ「君たちはいつも見られているよ」

日向「なぁ……今のって……」

アルターエゴ「ぼくが忠告することはもうないよ」

日向(秘密……ということか)

アルターエゴ「君たちは武器を手に入れた。とっても強力な武器だ。ぼくにできるのはその武器を使えるように体を張ってウィルスを止めることだけ……」

アルターエゴ「頑張ってね……」


左右田「なぁ、武器ってなんだ?」

日向「……仲間と勇気だよ」

左右田「へぇ……勇気か。ソニアさーん、勇気が不足してるみたいなんで俺に勇気くださーい」

ソニア「みなさん、最後の踏ん張りどころです!がんばりましょう!」

左右田「ソニアさーん、無視しないでー」

〔赤い扉前〕

十神「ここを通れば卒業試験とモノクマが待っているのだな」

終里「おっしゃ!一丁ぶちかましに行くか!」

日向「…………」

九頭龍「日向?傷が痛むのか?」

日向「いや、そうじゃないんだ。ここを通る前にみんなに言っておきたいことがあるんだ」

左右田「なんだよ、改まって」

日向「蜜柑」

罪木「は、はい!」

日向「蜜柑がいなかったら俺は途中で折れてたよ。蜜柑のおかげで頑張れたんだ、ありがとな」

罪木「そんな!私こそ創さんに助けられてばっかりで……」

罪木「でも、こんな私が少しでも創さんの助けになれてたならそんなに嬉しいことはないです……えへへ」


日向「十神」

十神「どうした」

日向「十神にはいつもみんなをまとめてもらってたな。いつか十神としてのお前じゃなくて素のお前と友達になりたい」

十神「フンッ!……うん。いつか本当の僕と友達になってね」

日向「七海」

七海「なにかな」

日向「いつも七海は俺たちを信じて励ましてくれたよな。俺たちはずっと……絶対に七海のことを忘れないから」

七海「!!……約束だよ?」

日向「九頭龍」

九頭龍「おぅ」

日向「不器用だけど九頭龍は優しいやつだ。その優しさは伝わってるよ。ここを出たらお前が言ってた兄弟杯をやろうぜ」

九頭龍「へっ……その言葉忘れんなよ」

日向「辺古山」

辺古山「なんだ」

日向「九頭龍が絡むとふざけてばっかだったけど、周りや九頭龍が暗くなったのを和ませようとしてくれてたんだろ?」

辺古山「わ、私はぼっちゃんが好きなだけだ。そんな意図など……」ゴニョゴニョ


今日はとりあえずここまでで


おやすみなさーい

日向「左右田」

左右田「お、おぅ」

日向「今更信じてくれとは言わない。けど、俺は絶対に左右田を裏切らないからな」

左右田「あ……俺も信じるからよ……絶対裏切んなよ!!」

日向「ソニア」

ソニア「はい」

日向「俺はソニアの凛とした態度や立ち振る舞いに憧れてた。いつもその姿に勇気を貰ってたよ」

ソニア「そんな……わたくしも日向さんから勇気を貰ってましたから……お互い様?ですね」

日向「花村」

花村「うん」

日向「誰よりもみんなを見てて、慰めてくれたよな。ありがとう」

花村「ぼくにはそんなことしかできなかったから……でも日向くんの役に立ててよかったよ」

日向「西園寺」

西園寺「なに」

日向「西園寺がいつも自分なりにみんなをリラックスさせようとしてるの、知ってるぞ」

西園寺「はッ!?バッカじゃないの!?そんなわけないじゃん!」


日向「弐大」

弐大「どうしたんじゃ」

日向「弐大がずっとサポートしてくれたからここまで来れたと思ってる」

弐大「急に言われるとむず痒いもんがあるのう」ポリポリ

日向「澪田」

澪田「はーい!」

日向「ずっと十神を支えてくれてありがとな。これからも頼んでいいか?」

澪田「白夜ちゃんの面倒なら任せるっす!」

日向「終里」

終里「なんだよ」

日向「終里が仲間のために本気で怒ってくれたおかげで我を忘れずに済んだと思う」

終里「ま、オレの大事な仲間のためだからな」

日向「モノミ」

モノミ「ふぇ!?あ、あちしもでちゅか!」

日向「先生として必死にみんなを守ろうとしてくれてありがとう」

モノミ「あちしは……なにもできてまちぇんよ」


左右田「あー……モノクマには毎度ボコられてたけどよ、お前が本気でモノクマを止めて俺たちを守ろうとしてたのは伝わったからよ……そう暗くなんなよ」

モノミ「左右田さん……あちし、最後までみなさんの力になりまちゅよ!」

日向「よし……みんな。この卒業試験が最後だ。頑張ろう!」

他のみんな『おう!』

日向「よし!」ガチャッ

日向「え?」



〔裁判所〕

日向「ここは……?」

モノクマ「コングラチュレイション!ようこそ、卒業試験場へ」

十神「前に学級裁判をした場所によく似ているな」




今日はここまでです

乙。てか小泉狛枝マジで死んだのか...あっさり過ぎる。

左右田「つーかここでなにするんだ?」

モノクマ「ボクはね、オマエラにがっかりしてるんだよ」

九頭龍「あぁ?いきなりなんなんだよ」

モノクマ「だから本当にすべてのことを理解してるのかを試験します!」

澪田「試験なんて聞いてないっすよ!?」

モノクマ「とりあえずそこのパネルに『卒業』と『留年』の2つのボタンがあるよね」

モノミ「あ、ホントでちゅ」

モノクマ「オマエは邪魔だからこっちこいや!」ガシッ

モノミ「いやぁぁぁ!!」ズルズル

モノクマ「オホン、少し中断しましたが説明の続きです。すべてを理解したオマエラがここを出て外の世界に行くか、ここに残って死ぬまでみんな仲良く過ごすかを選んでもらいます」

終里「ここまで来て誰がこんな所に残るか!」

罪木「わ、私は創さんに付いていきます」

モノクマ「うぷぷ、まぁそのときになったら決めてよ」

日向(モノクマはなにを企んでいる?)

モノクマ「それじゃあ学級裁判の始まり始まりー」



〔学級裁判開延〕

モノクマ「まず最初に裏切り者についてはっきりしておきたいよねー」

モノクマ「狛枝クンが炙り出そうとした裏切り者、気になるよね?」

ソニア「裏切り者なんていないはずです!」

モノクマ「いいや、裏切り者はいるんだよ。未来機関からのスパイがね。そうだよね、日向クン」

左右田「なんで日向の名前が出てくんだよ」

モノクマ「日向クンは知ってるはずだよ?裏切り者の名前を」

日向「……裏切り者じゃない。俺たちの仲間だ」

モノクマ「それは暗に裏切り者がいるって認めてるようなものだよ?」

日向「違う!」

モノクマ「それに日向クンはそう思ってても裏切り者はそう思ってるのかな?」

日向「なんだと?」

モノクマ「だって彼女、七海 千秋さんは人じゃないんだもん」

日向「……え?」

九頭龍「人じゃないだと!?」

罪木「そ、そうなんですかぁ!?」

七海「…………」

左右田「どうなんだよ、七海!」


七海「…………」

日向「違うって言ってくれよ。なぁ……七海」

七海「ごめんね、みんな」

日向「……七海」

七海「そうだよ。モノクマの言うとおり私は裏切り者で、みんなと違って人じゃないんだ」

花村「でも七海さんにはちゃんと触れたよ!?」

モノクマ「ここはゲームなんだよ?ゲームだったらそれくらいできるようになってるよ」

弐大「だが感情も……」

モノクマ「AIだからね、感情くらいお手のものなんじゃないかな」

日向「本当……なのか?」

七海「うん……私はみんなを見届ける監視者だったんだ」

日向「なんで言ってくれなかったんだよ」

七海「自分では言えないようにプログラムされてたから」

モノクマ「だからもしみんなが卒業しても七海さんは卒業できずに置いてきぼりなんだよね」

日向「だったら」

モノクマ「もうその話ばっかり飽きちゃったから終わり。あんまり時間も使ってられないんだから」

日向「なっ!?」

西園寺「そんなのムチャクチャだよー!」

モノクマ「じゃあ次いってみよー」



今日はここまでです


乙ね。

完走頑張ってください

まだ?

モノクマ「次は超高校級の絶望についてだよ」

モノクマ「超高校の絶望については知ってるよね?」

左右田「あぁ。信じたくねーけど俺たちのことなんだろ?」

モノクマ「その回答じゃ50点だよ。このままじゃ赤点で補習です!」

九頭龍「普通40点以下が赤点なんじゃねぇのか?」

モノクマ「ウチは満点以外全て赤点なんです!」

左右田「厳しすぎるだろ!」

罪木「もしかして江ノ島 盾子さん……ですか?」

モノクマ「正解!」

モノクマ「そう!元々超高校級の絶望は江ノ島 盾子、ただ一人のことだったんだよね」

辺古山「『そこにいるだけで絶望を振り撒く』のだったな」

九頭龍「だが奴は死んだはずだ!」

モノクマ「たしかに江ノ島 盾子は死んだよ。でもね、彼女を心酔してた他の絶望たちはね」

モノクマ「ずっと絶望を振り撒き続けたんだ」

ソニア「でも江ノ島さんは死んだはずじゃ」

モノクマ「死んでも絶望の因子は残るんだよね」

花村「そんな……」



モノクマ「それに彼らは凄いよ。飢えによる絶望を得ようと絶食し続けて骨と皮だけになったやつもいたよ」

モノクマ「コロシアイの実験の為に江ノ島さんに家族を差し出したヤツや」

モノクマ「死んだ江ノ島さんの後追い自殺を強要して一般市民を大量に虐殺したり」

モノクマ「江ノ島さんの目を自分に移植した人もいたっけ」

モノクマ「他にもねぇ、江ノ島さんの子孫を残そうと死んだ彼女の体から……」

日向「もう、やめろぉぉぉぉぉぉ!」

花村「うぷ……」

モノクマ「絶望した?これがオマエラなんだよ」

左右田「もうやめてくれよぉ……」

モノクマ「オマエラはずっと絶望なんだよ。これまでも、これからもずっとね」

「それは違うよ」

モノクマ「やっと来たみたいだね」

「モノクマ、お前の思い通りになんかさせない」

日向「誰だ?」

「ボクの名前は苗木 誠」

苗木「希望ヶ峰学園の生き残りだよ」


〔?〕

「おい、まだできないのか」

「少しくらい待てないの?……あら……これは」

「どうした?」

「この反応は……」

「なぜこいつらがいるんだ!」

「これなら私たちの出番はなさそうね」

「苗木一人に任せられるか!」

「それは彼を信用してないから?……苗木君を信じると言ったあれは嘘だったのかしら」

「……フンッ!……まぁいい、今回だけは苗木に花を持たせてやろう。こいつらがなにかできるとは思えんしな」



〔学級裁判〕

終里「苗木?……苗木……どっかで聞いたことあるんだよなぁ」

十神「未来機関の苗木 誠だ。さっきのメールにもちゃんと書いてあっただろう」


今回はここまでです



更新遅くなってごめんなさいorz
最近ずっと忙しくてあまり書けてないです


苗偽じゃないのか…?

まさか、小泉狛枝の復活フラグきたか…!?

あれ?田中は?

自殺したじゃん

30日まで合宿があり、更新は難しいですorz

申し訳ありません

それが終わればやっと休みなので頑張ります

来週からまた更新していきます


来週からまた更新していきます

了解、待ってるぜ

超期待して待ってます。

苗木「遅くなってごめん。新世界プログラムに侵入したウィルスのせいで今になっちゃった」

左右田「その未来機関の苗木がなんでここにいるんだよ」

苗木「キミたちを助けに来たんだ」

苗木「それに……おい、江ノ島!いるんだろ!」

西園寺「いきなり出てきて何言い出すの、この女男は?」

モノクマ「呼ばれちゃったら仕方ないなぁ……」

澪田「なにが仕方ないんすか!?」

モノクマ「ボクは思うんだ。やっぱりラスボスは変身できなくちゃね」

モノクマ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ゴゴゴ

日向「……ッ!?」

左右田「どうした、日向?」

日向「何か……もの凄く嫌な感じが……!ダメだ!モノクマを変身させるな!」

モノクマ「もう遅いよ。この“巨大な絶望”をしっかりとその目に焼き付けるがいい!」

モノクマ「ああああぁぁぁぁぁ!」ガシャン

「………………………」

日向「な、なんだよ……これ」

罪木「いやぁ…………!」

九頭龍「流石にこれはなしだろ……!」

澪田「あばばばば……」ブクブク

弐大「う、うおぉぉぉ!?」

「ふーん、LLサイズの女子高生を目の前にすると、人ってこんなリアクションするんだ」

終里「でかすぎだろ!」

「ふむふむ、バストは推定15メートルってトコかしら。絶望的に巨乳ねぇ……。ね、挟んであげよっか?」

花村「是非お願いします!」ガタッ

左右田「バカ!潰されちまうっての!」

花村「離してよ!男ならやらなきゃいけない時があるんだよ!」

左右田「それが今じゃないのは確かだけどな!」

十神「これは……規格外だぞ……」

九頭龍「オレらはこんなの相手にしねーといけねーのかよ」

「こんなの呼ばわりだなんてショックでーす!酷いですよセンパーイ!」

西園寺「もっとキャラ決めてから出直してきたら?」

「絶望的に飽きっぽいんだから仕方ないじゃん」

日向「お前が江ノ島 盾子か?」

江ノ島「ピンポンピンポーン!そうそう、大せいかーい!」


十神「江ノ島だと!?江ノ島はもうすでに死んだはずだぞ!」

江ノ島「まぁ確かに死んじゃったんだけどさ……イっちゃったんだけどさ」

ソニア「なんで言い直したんですか?」

左右田「そこは気にしなくていいと思いますよ」

花村「もう一回言ってください!」

左右田「お前はもう黙ってろよ!」

江ノ島「それでさ、アンタらは人工知能プログラム“アルターエゴ”って知ってる?」

弐大「さっき会ったあれじゃな」

江ノ島「アタシってさ、こんな性格だからすぐ死にそうじゃん?だから生前に予め作っておいたんだよね。自分の『人工知能プログラム』をさ……」

江ノ島「で、そんなアタシを誰かがこの新世界プログラムへと繋いでくれて……こうして江ノ島アルターエゴがアンタらの前に絶望的に現れたってわけよ!」

日向「それでなんで……」

江ノ島「ん?どうしたの?罪木ちゃんが無事なら仲間さえどうなったっていいと思ってる日向クン?」

日向「違う!!」

江ノ島「アンタらのデータはたんまりあるから何を考えてるのかだって簡単にわかるんだよね」

十神「耳を貸すな!ヤツにペースを持っていかれるだけだ」

日向「……それでなんで今ごろ出てきたんだ?」

江ノ島「あー、そういうつまんないこと?そこの苗木クンに呼ばれたってのもあるけど、最後のクライマックスくらいは出てあげようと思ったわけよ!」

江ノ島「それにラスボスなんだから変身の一つや二つくらいしとかなきゃね」


今日はここまでです



更新遅くなって申し訳ないです

キターーーーーーーーーーー!
乙です。

苗木「…………」

江ノ島「それに新しく改ざんしたことの報告もありまーす!」

九頭龍「改ざん?」

江ノ島「“卒業プログラム”の改ざんだよ。せっかくの『卒業』なのにご褒美成分が足りてないなーって思ってね」

江ノ島「本来『卒業』を選択したらここでの記憶が本体に上書きされ、死んだやつは死んだままだったよね」

江ノ島「だーけーどー、今回は記憶を本体に上書きされ、なおかつ『死んだみんなも生き返る』事にしました!」

九頭龍「い、生き返る……だと?」

江ノ島「そ!どう?アタシの提案する新しい“卒業プログラム”は?」

江ノ島「死んだ人も生き返ってみんなで外に出られる!みんな幸せハッピー!」

ソニア「田中さんたちが……生き返るって本当のことなんですか!?」

江ノ島「ホントホント。江ノ島ウソつかない」

苗木「それは違うよ!」

ソニア「なにが違うんですか!邪魔しないでください!」


苗木「違うんだ。死んだみんなが生き返るなんてウソだ!」

江ノ島「ウソじゃないもーん!」

終里「どっちだよ!」

苗木「江ノ島の目的は“希望更正プログラム”を“絶望再生プログラム”に変えることなんだ」

花村「絶望再生プログラム?」

苗木「この世界のアバターが得た記憶や意識を最後に“卒業プログラム”で本体に上書きするんだ」

苗木「だけどアバターが消滅してしまうなんてことは考えてなかったんだ。江ノ島はそこに目をつけた」

苗木「消滅してしまったみんなのアバターの代わりに、自分のアルターエゴをその肉体に上書きしようとしているんだ!」

日向「な……ッ!」

苗木「一度消滅してしまったものは元には戻らない……現実であってもこの世界であっても。それが復活するなんてことは有り得ないんだ」

江ノ島「でも、騙してた訳じゃないよ?だってー、アンタら全員のデータはアタシの中に蓄積されてるからどの人格でも演じられるはずたよ」


江ノ島「正直ここまでたくさん生き残ってるのは計算外だったけど」

ソニア「では田中さんや……狛枝さんたちは……」

江ノ島「あー、生き返んないよ?ゲームじゃないんだし、死んだ人間が生き返るわけないじゃん」

澪田「そんな……」

日向「“卒業プログラム”でみんなを乗っ取る為に、俺達に『卒業』を選ばせようとしてたのか!」

罪木「どうしてあなたは……そんなにひどいことができるんですか!」

苗木「それが江ノ島盾子なんだ……キミたちとは違う、真の超高校級の絶望なんだよ。そいつはどんな未来も望んでない……。関わったすべての人を絶望させてしまうんだ!」

江ノ島「さすがは苗木クン、アタシのことをよーく理解してくれてるんだね」

江ノ島「そう、アタシにとっての“絶望”ってのは、目的でも主義でも生き様でも本能でもなくて……」

江ノ島「アタシが江ノ島盾子である為の“定義付け”なの!だから、アタシはこうして、絶望だけ、を純粋に追求できるの!」

日向「それが……それだけがお前の目的だって言うのか?」

江ノ島「アタシを狂気的に愛してる予備学科のゴミクズ集団が、殺虫剤を浴びた虫ケラみたいにバタバタ死んでいく姿……」

江ノ島「思い出すだけで脳ミソが溶けちゃいそうなくらい」

江ノ島「最っ高だったわ」


今日はここまでです




おお、来てる来てる!!

しかしこの辺、本編と同じだな。

そろそろオリジナル展開来ないかな~…。

オリジナル展開を創るほど難しいことはない
ソースは同じようなダンロンSS書いてる俺

話の大体の流れが決まってても、
細かいセリフ回しや新展開への導入をどうするかでいちいち筆止まるもんなぁ。

乙ー

>>407
>>1以外が無駄に空白使って行数多くするのはマナー違反

セリフや展開はほぼ一緒だけど脱落者が三人しかいないってのがどう影響するか

九頭龍「く、狂ってやがる……」

江ノ島「そんなに驚かなくていいじゃーん。両親と恋人と親友がいっぺんに死んだみたいな顔でさ」

江ノ島「あ、失言しちゃいました……。みなさんにそんな人間関係が残ってる訳ないですよね……」

江ノ島「自分の絶望なんてとっくに味わい尽くしてますよね……」

花村「な、なにを言ってるのか全然わかんないなぁ」

苗木「江ノ島は関わった人間すべての未来を奪ってしまう……だから絶対にここから出しちゃダメなんだ!」

江ノ島「苗木クンがアタシを出したくないのは分かってるんだけどさぁ」

江ノ島「日向クンたちはそれでいいの?」

日向「なんで俺たちにそんなこと聞くんだよ」

江ノ島「だってー、みんなも外の世界に出られないんだよ?」

日向「なにが……あ」

左右田「なにがどうだっていうんだよ?」

七海「日向クンたちがここを出る為に『卒業』を選んだら“卒業プログラム”が起動しちゃうの」

十神「そうなれば江ノ島のアルターエゴは死んだ奴らの体に埋めこまれるということだな」

終里「じゃあどうすんだよ!」

辺古山「いや、まだ手はある」

ソニア「そうなのですか!?」


七海「うん。一つだけあるよ」

苗木「みんなだけここから出られて、江ノ島だけを出さずに済む唯一の方法がね」

江ノ島「いやいや、そんなに都合のいい方法が……」

江ノ島「えっ?マジであるの?そんなの初耳なんだけどっ!?」

日向「それって強制シャットダウンのことか?」

苗木「そう。ボクが“新世界プログラム”に仕掛けておいた、裏技みたいなものだよ」

江ノ島「ま、人数も足りてるみたいだし発動はできるみたいだね」

苗木「お前……強制シャットダウンを知ってるのか?」

江ノ島「まぁちょちょいとやってるときにね。それよりも発動はできるけどみんなに強制シャットダウンをする気があるのかっていうのが問題だよね」

左右田「やるに決まってんだろ!その為にここまで頑張ってきたんだからな!」

罪木「そうですよぅ」

江ノ島「必死だねぇ、でも一つだけ聞いて欲しいのよね」

江ノ島「強制シャットダウンを発動させればアタシも、この世界も、全てのデータが終わるの」



澪田「えーと、つまりどういうことっすか?」

江ノ島「強制シャットダウンはプログラム上にあるすべてが消去されるわけですから」

江ノ島「私はもちろん、あなた達のアバターもすべて消去されるわけです」

九頭龍「オレらも消えるって事か!」

苗木「消える訳じゃないんだ……ただ……アバターの記憶は上書きされないんだよ」

左右田「それって消えるってことだろ!」

西園寺「それに記憶も消えるんだよね……」

江ノ島「正しくは新世界プログラムに入る前、超高校級の絶望に戻るって事です」

ソニア「そ、そんなっ!?」

罪木「なんとかならないんですかぁ!?」

苗木「江ノ島を止めるにはこれしか……」

花村「それに……七海さんの存在も消えるってことだよね?」

日向「あ……」

七海「………………」

辺古山「七海も消えるのか?」

苗木「……うん」


日向「そんな……」

江ノ島「でもさ、それでいいんじゃない?誰もここでの記憶はなくなるわけだし」

江ノ島「誰かから愛されたって記憶も、理解されたって記憶も、絆を深めたって記憶も、友達との記憶も、その人が大切だって気づいた記憶も、その七海さんの記憶さえも」

江ノ島「ぜーんぶなかったことになっちゃうんだからさ」

江ノ島「それに部位欠損してた場合はそこもなくなったまんまだから」

弐大「ならここでしか存在できない七海は……」

江ノ島「消えてなくなるの。ジ・エンドってね」

日向「なんで……他には……」

九頭龍「クソッ!クソがぁぁぁぁ!!」

罪木「あー、いいこと思いついちゃいましたぁ」

終里「……言ってみろよ」

罪木「みなさんで『留年』しちゃえばいいんですよぉ」

罪木「そうすれば創さんやみなさんの記憶もなくならないで済みますし、七海さんとも一緒にいられます!」

終里「……なるほどな」

西園寺「ゲロブタのくせにいいこと言うじゃん」

花村「そ、そうだよ!今はとりあえず留年してさ……」

ソニア「そうです……もしかすれば田中さんにも会えるかもしれませんし……」


江ノ島「じゃあとりあえずおさらいしとこっかー」

江ノ島「えー、強制シャットダウンをすると、みんなは超高校級の絶望に逆戻り。そして死んだ仲間が生き返ることもありませんが」

江ノ島「アタシという絶望的な存在は消滅させられるので、外の世界の希望は保たれまーす!」

江ノ島「さぁ、どうなるの?『未来機関の希望』が勝つのかな?『アタシの絶望』が勝つのかな?」

苗木「待ってみんな!」

江ノ島「あ、今卒業を押すなら七海さんの外部アルターエゴも作ってあげられるよ。外見も七海さんそっくりにね」

七海「それだけはダメだよ!」

西園寺「もういいじゃん。アンタも生きられるんだし」

苗木「惑わされちゃダメなんだ!それ江ノ島の手なんだよ!」

江ノ島「これだけサービスしてあげてるのにダメなんですかせんぱーい」

苗木「どっちが本当の希望なのかよく考えてくれ!」

江ノ島「どっちが本当の絶望なのかもね!」

日向「…………………………」

十神「……どうする?」

九頭龍「どうするって……言われてもよぉ……」

花村「ぼくらが選ばなくちゃいけないの?」

日向「なんで……俺たちが」


今日はここまでです

たぶん月曜日かその次くらいには終わらせれるように頑張ります


























乙です。(なんでこんなにスペ―スが空いてんだろう。)

乙乙、ついにラスト一本勝負だな
そして改めて思ったが、盾子ちゃんって凄まじく恐ろしい

七海「日向クン……」

日向「………………ダメだ」

苗木「え?ダメって……なにが?」

日向「俺には……選べない。世界が滅ぶか自分を犠牲にするかなんて……いきなり言われても……」

日向「俺にはどっちも選べない」

苗木「……日向クン!」

日向「うるさい!放っておいてくれっ!」

罪木「私も創さんを犠牲にする選択なんて選べません……」

九頭龍「俺もペコがいなくなるのはムリだ……」

左右田「こんなの……どっちも絶望じゃねーか……」

ソニア「わ、わたくし達は……どこまで犠牲を払えばいいのですか?」

七海「みんな、しっかりして!」

花村「無理だよ……」

十神「……クソッ……」

西園寺「もうこのままでいようよ……」

澪田「……そうっすよ……それが一番楽なんすから」


弐大「ワシらには荷が重すぎるんじゃ……」

辺古山「私たちなんかには未来なんて選べないんだ……」

苗木「だけどキミたちしか……」

日向「希望だの絶望だの勝手にしてくれ!俺たちには関係ない!」

苗木「そんな……」


江ノ島「そして答えは出ない……それがアンタらの選ぶ答えなのね」

江ノ島「あーあ、またアタシの予想通りになっちゃった。こうやって何もかも予想通りってのもさ、絶望的に退屈なんだよね」

江ノ島「ま、アンタらのデータを持ってる以上、そうなるのは当然なんだけどさ」

苗木「……くッ!」

江ノ島「それこそ、絶望的に予想不可能なことでも起きない限りはね……」

江ノ島「ま、無理して選択肢を選ぶ必要なんてないんじゃない?希望を求めなければ、絶望に襲われることもないんだし」

江ノ島「だからさ、ここでみんな仲良く立ち止まってようよ!ずっとこの南国生活にどっぷり浸ってようよ…」

江ノ島「ずっとずっと……ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとね」

江ノ島「これが最高の選択肢なんだからさ」

「それは違うよ」

日向「……え?」

苗木「キミは……」

江ノ島「はぁ……?なんでアンタが……」

狛枝!

希望厨!

「こんなのは本物の希望なんかじゃないよ」

日向「狛枝……それに小泉も……」

狛枝「やぁ日向クン、久しぶりだね」

日向「久しぶりじゃないだろ!なんでここに……」

狛枝「いやぁ、モノミに助けられちゃってね」

日向「モノミに?」

十神「そういえばモノミの姿がないな」

江ノ島「アンタこれが狙いだったのね」

苗木「モノミが助けられるかどうかは賭けだったけど……成功してよかったよ」

小泉「…………」カキカキ

小泉『日向、今のアンタって最高にカッコ悪いよ』

日向「……うるさいな」

小泉「…………」カキカキ

小泉『日向言ってくれたよね。自己満足でも後で後悔する選択をするなって。日向は今の選択で後悔しない?ずっと立ち止まって後悔しないの?』


日向「…………」

小泉「…………」カキカキ

小泉『アンタがそうしたいならそれでもいいけど……』

小泉「ア……タシは……ゲホ……違う」

日向「小泉!?声が……」

狛枝「日向クン……ボクは希望が大好きなんだ。希望のためなら自分の命さえ捨てられる」

狛枝「だから前に進むよ。日向クンたちが……ボク自身が絶望だったとしても」

狛枝「ボクは希望を捨てないよ」

日向「…………」

小泉「この……バカでさえ…前を向いてるのに……ゲホ……アンタは…どうすんのよ」

日向「……でも怖いんだ……未来を俺が決めるのが……そのまま未来に進むのが怖いんだ」

七海「おいっ、いつまでウジウジしてるんだよっ!」

日向「な…なみ」

七海「みんなを助けるんじゃなかったのか?だからみんなを導いてきたんだろ!」

日向「だけど……」

七海「私は信じてるよ。日向くんは胸を張って未来へいけるって」

日向「だけど俺には…自信がないんだ」

七海「自信っていうのはね、自分を信じてあげることだよ」

日向「自分を……」

七海「もうキミは自分に胸を張ってもいいと思うよ」

日向「なぁ……俺はどっちを選べばいいんだ?」

狛枝「ボクたちの未来はボクたちだけに権利はあるんだよ」

日向「自分で選べってことか……」

七海「でも、どっちも選べないなら」

七海「創っちゃえばいいんだよ」

日向「創る?」

七海「ゲームなんかじゃないんだから……『選ぶ』だけじゃなくて『創る』ことだってできるはずだよ」

日向「だけど俺なんかにできるのか?」

狛枝「一人では無理でもボクたちがいるでしょ?」

苗木「キミ達は誰かのためにやるんじゃない。自分自身のためにやるんだよ」

日向「自分のために……」

七海「そろそろさ、日向クンのカッコイイところを見せてよ」

江ノ島「アンタたちがなに言っても無駄なんだよ!こいつら雑魚どもにそんなことなんかできっこない!こいつらはなにもできないんだからさぁ!」


江ノ島「どちらも希望でどちらも絶望!」

江ノ島「結論なんてでねぇんだよ!」

日向「それは……違うぞ!」

日向「絶望だってたくさんあるだろう……どんな未来になるかなんて、わからないけど」

日向「俺達の未来は俺達のものだ!もう誰にも渡さないぞ!」

江ノ島「…………」

江ノ島「は?アンタ誰?」

日向「俺は決めたぞ…もう逃げない。俺は自分の未来と戦う!」

日向「みんなが創ってくれた未来と戦う!誰かの為じゃない、自分の為にだ!」

江ノ島「ま、まさか…カムクラ?でもカムクラはもう……アタシが……」

日向「俺はカムクライズルじゃない」

日向「日向創だ!」

江ノ島「嘘だ嘘だ嘘だ!アンタたちなんかになにもできっこない!」

日向「それは違うぞ!」

江ノ島「な、なんなのよアンタ……なんでいきなりこんなバグが……」

日向「みんな、強制シャットダウンをしよう」

終里「え?だ、だけど……」


十神「わかっているのか?強制シャットダウンをすれば俺達は……」

日向「みんなが繋いでくれた未来には、もっと大きな可能性があるはずなんだ。まずは胸を張って外に出て、そこから俺達で創っていけばいいんだよ」

日向「俺達の思い通りの未来をさ!」

江ノ島「そ、そんなうまくいくわけないだろ!」

日向「奇跡くらい起きたっていいだろ?これはゲームじゃないんだ!未来はいくらでも変えられる!」

七海「日向クン!」

日向「ありがとう七海、もう俺は迷わないよ。胸を張って進んでいける!」

小泉「日向……」

狛枝「さすがはボクが信じた希望だね!」

日向「お前俺達を殺そうとしてただろ……」

江ノ島「強がったってここから出ればすべて忘れるだけじゃん!こいつらだって…」

罪木「私は……創さんを信じます」

江ノ島「……は?」

罪木「創さんが未来を信じて進むのなら、私だって止まってられませんよぉ」

江ノ島「だ、だからさ……それだって忘れちゃうんだって……」

十神「だからどうした?俺達の未来は俺達で決める」

遅くなりましたが今日はここまでです

おつ


クライマックスのフィナーレってところですかな。
がんばって完走してください!!

 福岡県立沼川第一中学校、三年一組のバスの中は騒がしかった。これからこのバスで向かう先は、博多駅。目的地は京都・奈良。その目的は、たいして興味のそそられることのない大仏や寺の見学がメイン。それでも気分が高翌揚し、テンションが高くなってしまうのは、やはり中学校行事の花形、“修学旅行”だからだろう。

 その中でも前日から興奮しすぎて眠れなかったのか、何人かは静かに眠りについていた。バスの座席の右側の列、前から三番目の通路側に座っている古山晴海(女子5番)もその一人である。クラスの中でも比較的小柄な部類に入る彼女の頭は、現在小刻みに前へと揺れている。そのたびに、彼女のトレードマークともいえる二つ結びの髪が、規則正しく機械的に動いていた。

 その光景を、座席の左側の列、前から五番目の通路側に座っている萩岡宗信(男子15番)は静かに見つめていた。飽きもせず、じっと見ていることなんてよくできるな、なんて我ながら思うのだが。

 

「おい、見すぎじゃないのか?」

 

 ふいに隣から声をかけられ、反射的に顔をそちらに向ける。声の主は友人の一人、白凪浩介(男子10番)だった。

 

「そうか?」
「そうだよ。そんなに分かりやすいと本人に気付かれるぞ。」

 

 ハーフっぽい整った顔立ちに、よく似合う少しだけ低めの声。成績も運動神経もよく、そして身長はクラスで一番高い。コンプレックスに思うほど身長がクラスで一番低く、顔もまぁ普通―中の中くらいの宗信にとっては“生まれ変わるならこんな風になりたい”。そう思うほど、大変羨ましい存在であった。

 

「ただでさえ、宗信はわかりやすいんだからさ。」

 

 浩介は一言付け加える。その意味はよくわかっていた。

 

 浩介の言っている意味――それは宗信が晴海に対して、“恋”とか“愛”とかそういう類いの”好き”という感情を抱いている。それが、目に見えてバレバレである。そのことだろう。

 

 確かに本人に知られては困るので、晴海の方を見るのはやめることにした。そして座席に座り直す。ふいにあくびが出た。

 

――やっぱ、俺も寝不足か。

 

「めずらしいじゃないか。」

 

 再び浩介が会話を続ける。あまりペラペラしゃべるほうではないので、宗信からすればそれもまた“めずらしい”。もしかしたら、普段クールなこの男も、“修学旅行”というイベントに興奮して眠れなかったのだろうか、なんて想像する。

 

「宗信が座席におとなしく座っているなんて。よっぽど寝れなかったのか?」
「まぁな。」

 

 正直に答える。浩介は大変勘が鋭く、嘘はあまり通じない。それがわかっているので、最近はあまりごまかしたりしないことにしている。

 宗信自身も思う。どちらかというと、座席におとなしく座っているよりも、狭いバスの中をせわしなく歩き回っている方が似合っている。“元気だけど、落ち着きがない”。それが大概の通知表に書かれる担任の感想であった。

 

「浩介こそ、いいのか?}

 そう言うと、視線で宗信自身が先ほどまで見ていた方を示す。

「いいんだよ。俺はお前と違って女々しくないからな。」
「ひでぇな?。まぁ、顔はそう言ってないけど?」

 軽く毒を吐く浩介に、皮肉をこめて返す。これはいつものことなので、宗信も慣れていた。最初の方は、少々カチンときたことがあることは、内緒だけれども。

「彼女、中々鋭いからな。あんまり露骨に態度に出さないようにしてるんだよ。」
「さっさと告っちまえばいいのに。浩介絶対OKもらえるって。」
「俺のこと、絶対何とも思ってないって。玉砕覚悟で告白するのは、卒業式とかそんな時だろ?今はまだ、このままの関係でもいいから続けたいんだよ。」

 それこそ女々しくないか?と思ったが、これは口に出さないことにする。宗信にしたって、人のことは言えないのだ。

「宗信こそ、告白は?」
「俺みたいな奴、不釣り合いだって。あんなに可愛いのにさ。」
「お似合いだと思うけどなぁ。」

 

 こんな会話をしているのは、他人が聞いたらどう思うのだろうか。浩介が“恋愛”の話をしているなんて。それこそ隕石が地球に衝突するとか、いやいや火星人が侵略してきましたとか、そのくらいのレベルで信じられないだろう。

 白凪浩介という人間のことを、”人間の姿をしたロボット”という輩もいる。浩介は秘かにファンが存在するほど人気があり、所属している剣道部には一時期黄色い声援が飛び交っていたことは、この時浩介と違うクラスであった宗信でも知っていた。ならば、当然告白されたことも数知れない。けれど、浩介はそういうミーハーな女子が大変嫌いなのだ。そんな子が告白してきても、優しくやんわりと断るようなことはしない。はっきり、ズバッと、「興味ないから」とか、「うっとおしい」とか、歯に衣きせぬ言い方で相手を傷つける。それ故に、大体の人間が浩介のことを「性格に難あり」とか「女の子には冷たい」と認識していた。浩介と親しくなり、好きな人を知るまでは、宗信もそう思っていた。

 

「お二人さん。恋愛話は終わった?」

 

 前の座席から、突然話しかけられる。いつのまにか聞かれていたのかと思っていたが、相手を見てほっとする。友人の一人、乙原貞治(男子4番)だったので。

 

「貞治、盗み聞きは趣味悪りぃぞ。」
「別にいいじゃない。俺もう知ってるしさ。大体バスの中でするような話じゃないって。そういうのは、修学旅行の部屋の中で、枕を並べてする話でしょ?」
「武田とかがうるさいだろ。」

 

 浩介が今挙げた人物、武田純也(男子11番)は宗信と同じ野球部に所属しており、クラスのムードメーカーともいうべき存在だ。ムードメーカ故なのかは知らないが、なかなかうるさく、宗信以上に落ち着きがない。そしてよく人をからかう。悪気があるわけじゃないので、腹はたたないが(それでもたまにはカチンとくる)、はっきり言うとあまり弱みを握られたくない人物ではある。宗信が晴海を好きなのは、野球部全員が知っているのであまり問題はないが、浩介の好きな人は宗信と貞治以外は知らない。浩介がそういうのも無理はなかった。

 その純也は、宗信達よりも大分後ろの座席に座っており、そしてやはりというべきか、会話の内容が分かるほど大きな声で話している。多分今の会話は聞こえていないはずだ。

 

「いつかはバレるって。浩介も結構分かりやすいよ。大体、俺の隣にもう一人いるの忘れてるでしょ?」

 

 そう言われて、宗信と浩介はほぼ同時に席を立つ。前の席の窓側に座っている貞治の隣、江田大樹(男子2番)はすやすやと寝ていた。どうやら本気で寝ているらしく、まったく反応がなかった。

 

「んだよ。脅かすなって。」

 

 ため息まじりで浩介がぼやく。大樹は浩介の好きな人も、宗信の好きな人も知らない。はっきりいってかなり焦った。

 

「でも、江田も同じ班だからね。多分この修学旅行でバレると思うけど。純也も一緒だしね。」

 

 このクラスの男子は二十一人いる。そして修学旅行の班構成は三つ。なので、一つの班が七人で構成される。宗信は浩介、貞治、そして話に出た純也と大樹、それから男子クラス委員の鶴崎徹(男子13番)と、浩介ほどではないがこちらも中々顔の整っている野間忠(男子14番)と同じ班だ。ちなみに宗信は浩介、貞治と仲が良く、純也は徹、忠と仲が良い。そして宗信と純也は同じ野球部、貞治と忠は同じ卓球部に所属している。そこでまず六人グループが出来上がった。大樹は特に親しくしてる人間がいないようだが、最近は席が近いからか貞治とよく話している。そこで貞治がこの班に引き入れたのだ。宗信にしても、大樹は悪くない奴だし、たまに話すこともあるので異論はなかった。

 

「聞く限りでは、二人ともこの修学旅行では進展なさそうだね。もったいないなぁ。華の修学旅行ですよ?」
「ほっといてくれよ。」

 

 浩介が心底勘弁してくれといった感じで返す。貞治も慣れているので、クスクス笑って「はいはい。」と言った。

 貞治は優しくて人当たりもよく、他クラスにも友人が多い。特に女の子には大変親切なせいか、クラスの大半に「いい人」だと言われている。貞治のこういう少々皮肉めいた部分を知っている宗信としては「違う違う、こいつそ結構ひねくれてるとこあるって。」と言いたい。まぁ、いい奴なんだけど。

「萩岡くん。」

 

 ふいに話しかけられて、ドキッとする。なぜなら宗信のすぐ隣の通路には、先ほどまで寝ていたはずの晴海が立っていたのだ。もしや聞かれた?と内心かなり、いやそうとう、心臓が破裂するくらい焦っているのがわかる。

 

「な、なに?」

 

 努めていつも通りに返そうとするが、やはり動揺は隠せていなかった。その証拠に、貞治が含み笑いするのがわかる。

 

「実は、飴持ってきてるんだ。本当はいけないんだけどさ。よかったら食べない?いっぱいあるし。」

 

 そう言って、その小さな手に握られていた飴を一つ差し出す。コンビニとかで市販されている、フルーツの味が何種類か入っているものだとわかった。宗信自身もよく食べている。

 

「あ、ありがとう。」

 

 そう言って受け取る。よく食べているはずなのに、なぜかこの世に一つしかない、貴重な宝石のような感覚がした。少なくとも、すぐに封を開けて、ポイッと口に放り込む気にはなれなかった。

 

「白凪くんや乙原くんもどうぞ。」

 

 宗信と同じように、浩介や貞治にも袋から取り出して一つずつ差し出す。

 

――なんだ、俺のために持ってきたんじゃないのか…

 

 少々拍子抜けしてしまった。勝手に期待したくせに、勝手に軽い失望感を味わってしまう。

 

「晴海、あんまり動くと危ないよ。」

 

 そう声をかけていたのは、彼女の友人の一人である矢島楓(女子17番)であった。大きめの眼鏡に、ショートカットがよく似合う女の子。見た目通りというべきか、成績は大変よく、クラスでも上位に入るほどであった。まぁ浩介にしたって成績は楓と同じくらいいいのだけれども。

 

――あ、浩介…

 

 ふと気になって、浩介の方に顔を向ける。案の定、先ほどとはまったく異なる表情。なんだか呆けたような、驚いたけどどうしていいのかわからない、そんな表情をしていた。これには宗信も思わず笑いそうになる。

 

――貞治の言う通りかもしれないな。

 

「大丈夫だよ。今あんまり揺れてないし。楓こそ、動いていいの?車酔いしちゃうよ。」
「酔い止め飲んだし、そんなに時間かからないでしょ?大したことないよ。」

 

 そんな宗信や浩介の心中を知ってか知らずか、二人はいつも通りの会話を繰り広げる。そのやり取りも、またなんだか別世界のようであった。そばにいるのだけれども、どこか違う世界のような感覚。やすやすとは踏み込めない、手の届かない領域。

 

「あ、邪魔してごめんね。じゃ!」


 そう一言残して晴海は後ろの座席の方へと立ち去っていった。正直なところ、もっと会話がしたかった。はっきり言ってしまうと、「いくらでも邪魔してくれ、いや邪魔じゃないからさ。」と言いたかった。

 淡々と出発を促す声が響く。そして次々と出ていくクラスメイト。そんな光景を萩岡宗信(男子15番)はじっと見つめていた。本当は先に出て行った古山晴海(女子5番)を追いかけたい気持ちであったが、そこはグッとこらえていた。

 

――くそ、まだ出発できないか…

 

 何度頭の中で計算しても、宗信は最後から三番目。宗信の後には女子不良グループのサブリーダー三浦美菜子(女子15番)と、今だに親友を失ったショックのせいか、微動だにしていない藤村賢二(男子16番)しかいない。したがって、大半のクラスメイトを見送ることになる。一刻も早く晴海の合流したい宗信にとっては、それはとてつもなく長い、永遠の時間のように感じられた。

 

――古山さん、どうか無事でいてくれよ。

 

 晴海だけじゃない。友人の乙原貞治(男子4番)や、同じ修学旅行の班であった江田大樹(男子2番)も安否も気がかりだった。早くみんなの無事を確認したい。内心宗信はあせっていた。

 そんな宗信をよそに、月波明日香(女子9番)も淡々と宣誓をし、比較的落ち着いた様子で出て行った。おそらく少し前にでた谷川絵梨(女子8番)が待っていると思っているのだろう。二人は仲がいいし、出席番号も近い。できればそこに晴海も加わってほしい。そう願っていた。

 そしてふと思った。明日香の次は、宗信の友人である白凪浩介(男子10番)が呼ばれる。二人の間には九人。時間にして約二十分後に宗信は出発する。浩介ほどの冷静さと度胸があれば、宗信を待つことも可能ではあるだろう。しかし、宗信は何となく、それはないような気がしていた。

 

「次、男子10番白凪浩介。」

 

 ついに浩介の名前が呼ばれる。宗信から離れた窓側から二列目、前から三番目の席に座っていた浩介がゆっくりと立ち上がった。傍目から見れば、落ち着いているように見える。けれども宗信には、浩介が内心かなり焦っているのをが分かっていた。浩介の想い人である矢島楓(女子17番)は、よりにもよって教室中に響いたあの銃声より前に出発している。宗信にしたって、楓のことが心配だった。浩介は、宗信以上に気がかりなはずだ。おそらくわざとゆっくり行動しているのは、自分を落ち着かせるためだろう。

 教室はとても静かだった。さっきの爆発のような音とクラスのみんなの悲鳴や大声の反響のせいなのか、静寂が耳に痛い。それでも視線は一様に里山元(男子8番)の方へとそそがれている。

 晴海の身体がガタガタと震える。両腕で抑え込もうとしても、震えは収まらない。それどころか、ますます身体がいうことをきかなくてついに地面に座り込んでしまった。元の首のあたりから、血がスーッと流れ出しているのがはっきりは見えてしまう。その身体はピクリとも動かない。それはまぎれもなく―死体だった。

 

――これは現実なのだ。自分達は殺し合いに参加させられるのだ。

 

「てめぇぇぇ――!」

 

 静寂を切り裂くかのような悲鳴に近い怒号。藤村賢二(男子16番)が押さえこんでいる白凪浩介(男子10番)の腕を振り切ろうともがいていた。しかし浩介がそうはさせまいと必死で腕に力を込める。その腕の中で賢二は暴れていた。今にも担任である栗井孝に掴みかかろうと、殴りかかろうと、必死で抵抗していた。

 

「離せ白凪!あいつが元を殺したんだ!生かしておけねぇ!」
「今行ったらお前まで死ぬぞ!」

 

 浩介の言う通り、今にも兵士が賢二に銃口を向けようとしている。浩介の腕から離れて栗井に向かっていこうものなら、迷わず賢二に向けて引き金を引くだろうということは容易に想像できた。それではダメだと、元の最後の優しさを無駄にしてしまうと、晴海はそう思った。だからこそ、賢二に向かって「止めて!」と言おうと思った。その時だった。

 

「やめとけ。」

 

 誰よりも静かな声色。賢二が今一番殺したい相手、栗井本人がすぐ近くまで歩み寄っていた。その顔は、威厳のある堂々としたものではなく、どこか寂しそうな、悲しそうな、そんな表情をしているように見えてしまった。

 

「それこそ無駄死にだ。それを里山が望むとでも思っているのか?」

 

 その言葉に賢二の表情がグッと強張る。けれどもまだ諦めきれない様子でいるのか、その瞳だけは今だに明確な殺意を示しながら栗井を睨みつけていた。

 シンとした静寂が再び訪れる。ややあって賢二が静かに「離せ。もう暴れないから。」と浩介に告げる。浩介がその腕を解くと栗井に向かって静かに、はっきりと、こう言った。

 

「てめぇは絶対に許さねぇ。覚えておけ。」

 

 そう言って後ろに振り返り、ガタンと自分の席に着席した。強がっているが、本当は辛いのだということが、大声で泣きたいのだということが痛いほどわかる。大事な親友を目の前で失うことがどれほど辛いことなのか。晴海には想像できなかった。いや、想像することはできるのかもしれないけど、その辛さはきっとそれ以上なのだと。

 

――もし、楓や絵梨や明日香や、あるいは萩岡君だったら…

 

 もし自分の親しい友人、あるいは好きな人だったら、どうなっていただろう。そう思うと、それだけでも辛い、苦しい、どうしていいのかわからない。もしかしたら、その辛さに耐えられず狂っていたのかもしれない。そう思うとゾッとした。

 これがプログラムなのだ。殺し合いとはそういうことなのだ。大事な人を目の前で失うことなのだ。

 

「では、これから一人ずつ出発してもらう。最初に出発してもらう人間はもうこちらで決めてある。その人間から出席番号順に、男女交互に出て行ってもらう形になる。このクラスは男子の方が多いから、最後の方の番号は男子が続く形になるな。一人出発してから、二分後に出発してもらう。」

 その一言で文島歩(男子17番) がスッと立ち上がる。先ほどの直子よりも、落ち着いていてしっかりとした足取りだった。そんな歩のことを、晴海はよく知らない。パソコン部に所属していて、津山洋介(男子12番) とよく話すところを見るくらいだ。まともに会話をしたこともない。どうなのかと推し量ることすらできなかった。

 そんな歩はデイバックを受け取り、先ほどの直子と同じように「私は殺し合いをする。やらなきゃやられる。」と感情のこもっていない淡々とした口調で宣誓した後、ゆっくりと教室を出て行った。

 そこでハッとする。次は女子17番、つまり楓だ。思わず楓の方へと視線を走らせる。待っていてくれと伝えたかったが、何せ席が離れすぎている。それに下手なことをしたら、今でも蛇のように睨む兵士に何をされるかわからない。結局じっとしているしかなかった。

 

「次、女子17番矢島楓。」

 

 そう呼ばれると、先ほどの歩を同じようにスッと立ち上がり自分のバックを持って歩き出した。ただし、出ていくべき廊下とは反対方向に。晴海のいる方向に向かって。

 

「矢島。方向が違うぞ。」

 

 栗井のその言葉が合図であるかのように、兵士が銃をかまえる。しかし楓は兵士の方ではなく栗井の方を向いて、はっきりとこう口にした。

 

「里山くん、亡くなったんです。少しくらい弔ってもいいですか?」

 

 口調は丁寧そのものだが、有無を言わさない威圧感があった。楓にどこかしらそんなところがあるのは、三年になってからの短い付き合いでも分かっていた。普段はあんまり自分の意見を言わないが、譲れないところは決して譲らない頑固なところがある。今の口調にはそんなところがありありと出ていた。

 晴海はそんな楓の優しさにホッとしつつ、兵士が今にも楓に向けて引き金を引くのではないかと気が気ではなかった。ここで大事な友人を失いたくはない。お願いだから何もしないでください、そう切に願った。

 楓に向けて銃口を向けている兵士を手で制しながら、先ほどよりも優しさのこもった口調で返事をした。その顔には、わずかながら微笑みが浮かべられている。その表情に悪意は含まれていないように見えた。

 

「いいだろう。矢島は優しいな。」

 

 楓はそれには答えず、再び歩を進める。スニーカーのつま先が血の海に触れ、ピチャッと音をたてた。元の遺体の近くまで来ると、しゃがみこんで静かに手を合わせていた。その心の中では何を思っていたのだろうか。死なせてしまったことに対する謝罪なのか、それともあなたの分まで生きるという決意だろうか、ふと気になった。

 楓は持っていたハンカチを元の顔にかぶせると、立ち上がって今度こそ出口の方へと歩いていった。その間、晴海とも、誰とも目を合わせることはなかった。晴海の中で、急に不安が津波のように押し寄せる。

 

――楓はこんなプログラムに乗ったりしないよね?待っててくれるよね?

 

 デイバックを受け取った楓が淡々と宣誓をし、そのまま教室を出ていくのを、晴海はただじっと見つめていた。

 年配の兵士、笠井がそう声をかける。その言葉に反応するかのように栗井孝は首だけ動かして、笠井の方を向いた。たった今荒川良美(女子1番)の死亡報告書を書き終えたところばかりだ。思わず心の中でチッと舌打ちをする。

 

 はっきりいって迷惑だ。現在AM05:30。もうすぐ第一回の放送。今からその為の準備をしなくてはいけないのに、この電話のせいで作業が滞る。大体こんな朝早くかけてくるなんて、どこの早起きの暇人だ。こんなことで電話するより、もう少し国をよくするために政治の勉強でもしたらどうだ?

 そんな心に浮かぶ文句を、頭の隅に押しやり黙って電話を受け取る。こいつのこともいささか気に食わないが、今怒鳴ってもただの八つ当たりだ。

 

「はい、栗井です。」
「おぉ、栗井君か!担当官の職務はどうだね?」

 

 ええ、大変気分が悪いです。何回やっても慣れません。一体何の為にあるのか、総統とやらに直接会って聞きたいものですね。戦闘実験なんて、ただの言い訳ですよね?こうやって先の未来を担っていく中学三年生の命が散っていくのを、安全な高台から笑って見学していて何が楽しいんですか?ホント、この国の政治家って腐ってますよね。

 

 洪水のように流れ出る、文句というより罵倒するような言葉をギリギリのところでせき止める。どうやら思っている以上に不機嫌らしい。腐っていても教育長。言葉には気をつけなくてはいけない。萩岡宗信(男子15番)に軽率なことをするなと言っておいて、自分が軽率なことをしてしまっては、人のことはとやかく言えない。

 

「まぁ何とか。しかし慣れないものですね。何せ初めてのケースなもので。」
「無理もないな。プログラム前から担当クラスに担任として配属されるなんて、あまりないケースだからな。」

 

 本来ならば、担当官はプログラム開始時に生徒と始めて対面することになる。しかし今回は、新学期開始時から担任として赴任しているのだ。メリットとしては、生徒の普段の行動を間近に見ることができるため、トトカルチョの為の資料を詳細に作成できること(これもかなり気の進まない仕事だった)。あとは、プログラムに参加が決まったクラスの担任には、政府に刃向かって命を落とす人間も少なくない。その無駄な仕事を減らす為でもあった。

 どうやらこの馬鹿な教育長は、トトカルチョで一番人気の白凪浩介(男子10番)に賭けたらしい。確かに頭脳も運動神経も上位クラス、加えて少々冷たい性格も相まってトトカルチョでも大変人気である。女子だけにとどまらずここでも人気だなんて、本人からしたら絶対迷惑に違いない。

 

「現在一人で行動していますね。目立った行動は取っていません。ただ、既に死亡している宮前直子の遺体を発見しています。もしかしたら、何か推測がたっているかもしれません。詳しいことは長くなるので、後ほど報告書で送ることになりますが。」

 

 教室で聞こえた銃声の正体。それで死んだのが宮前直子(女子16番)だと推理しているのならば、おそらく殺したのが矢島楓(女子17番)だろうと考えているのかもしれない。もちろん、その仮説の前提には、“開始早々人を[ピーーー]人間なんて、そうそういないだろう。ならば殺した人間は、個人的な恨みをもつ人間ではないか”という仮定がつくのだが。

 

「まぁ、開始早々から動くのが得策というわけではないからな。今は様子見をいうことで、体力を温存するのも一つの策だろう。」

 

 よく言うよ。これで白凪が積極的に動いて殺し回っていたら、“やはり私が期待した通りの人材だったか!その調子で突っ走ってほしいものだな!”なんて言うのだろうに。まったく、物は言いようだな。

 

「で、誰が積極的に動いているのかな?それと、くじで選ばれたのは誰なのかな?」

 

 こちらの気持ちなどお構いなしか。この時間ほど無駄なものはない。もうすぐ放送ですからと言って、電話をブチッと切りたい衝動に駆られるが、それを何とか踏みとどめる。

 

「くじで選ばれたのは、男子8番の里山元です。積極的に動いているはですね…。」

 

 ちょっとお待ちください、そう言ってから資料を再確認する。確認しなくたって、誰が動いているかなんて把握しているが、何だか言うのがはばかれた。なぜなら一番キルスコアを伸ばしているのが、そのくじのせいで乗った人間だからだ。それに、一人気になる人間もいるし。

 

「一番スコアを伸ばしているのが、三人殺している男子16番藤村賢二ですね。あとは一人ずつです。女子17番矢島楓、男子3番岡山裕介、女子15番三浦美菜子、男子20番米沢真。以上になります。」
「藤村君といえば、このクラスで一番運動神経が優秀だったな、それに里山君の友人だったそうじゃないか。やはり、あのくじはやって正解だったな。彼が乗るかどうかは未知数だったからな。」

 

 確かに里山元(男子8番)が選ばれなければ、藤村賢二(男子16番)は乗らなかった可能性が高い。だからなおさら後味が悪いのだ。いくら松川悠(男子18番)の発言に問題があるにしても、きっかけは友人の死であることは明確なのだから。現に運動神経は優秀であるが、性格的に乗らない可能性が高いからこそ、トトカルチョでは五位というパッとしない順位なのである。

 ただ、自分にはどうしても矢島がただクラスメイトを殺して回っているように思えなかった。宮前を殺した時にしたって、相手が分かってから引き金を引いている。もし無差別に[ピーーー]のだったら、物音をした時点で攻撃しているはずだ。おそらくいじめた不良グループ(しかしその中で、加担していなかった内野翔平(男子1番)のことはどうなのかは分からないが)のみ対象をしているのではないかと考えていた。もちろん仮説にすぎないのだが。

 

「まぁこれから朝になるし、他にも動く生徒が出てくるだろう。担当官という職務は大変だろうが、名誉ある仕事だからな。しっかりやってくれ。」

 

 心の中で溜息をつく。大体、名誉だなんて一回も思ったことはない。必死で生きようをしている子供たちをただ観察し、それをまとめて本部に報告する。それのどこが名誉なのか聞きたいくらいだ。個人的に言えば、この国におけるどの仕事よりも汚れた職務だと思うくらいなのに。

 けれど、敢えてこの仕事を選んだ。悲惨ともいえるプログラムで、自分なりにもがいてみたかったから。そう、今プログラムで必死にもがいている、沼川第一中学校の三年一組のみんなのように。

 

「そろそろ第一回目の放送の時間ですので、すみませんがこの辺で失礼します。」
「おぉ、忙しいところすまなかったな。では頑張ってくれたまえ。」

 

 迷惑だと思うくらいなら初めから電話してくるなよ。そう思ったが、その言葉ものみ込んだ。「失礼します。」そう一言そえ、ゆっくりと電源ボタンを押し電話を切った。切った途端、疲れがドッと押し寄せてくる。まったく、馬鹿を相手にするほど疲労感のたまることはない。しかし休む時間はない。今の電話で大分タイムロスしてしまった。急いで準備しないと―

 

「あの…、担当官…。」

 

 おずおずといった感じで<後ろから声をかけられる。まだ機嫌が悪かったせいか、いささか眉をひそめたまま振り向いた。そこにはまだ若い、二十代くらいの兵士が両手にカップを抱えて立っている。こちらの顔を見て、少々びっくりしたのか一瞬表情がこわばっていた。

 

「あの…、よろしかったらコーヒーをどうぞ。」

 

 大事そうに抱えられたコップの中には、真っ黒な液体がわずかに波を立てている。湯気は出ていないところからして、アイスコーヒーのようである。中々気がきく兵士だ。このくらいの気遣いを、さっきの教育長にも求めたいところである。

 

「あぁ、すまない。ありがとう。」

 

 カップを受け取ると、口をつけてコーヒーを流し込む。どうやら喉が渇いていたらしく、一気に飲みほしてしまった。気分がシャキッとする。さすがはブラック。目覚め効果はばっちりのようだ。

 

「すまないが、もう一杯もらえるかな?」

 

 そう言って差し出したカップを、「はい!」と兵士らしいキビキビとした返答で答える。その表情は、少しばかりホッとしているように見えた。まぁ一般の兵士から見れば、担当官なんて人間は雲の上の存在に近いのかもしれない。誰でもできる仕事ではないし、皮肉なことにそこそこ偉い立場である。

おやおや慰安婦捏造で朝日に梯子を外されて吊るされた韓国人がキムチフェイスで荒らしですかい?

男子一番 愛川優希(あいかわ・ゆうき)

支給武器 --(出発前に死亡)
被害者 なし
加害者 なし
死因 首輪による爆死

最終行動 乾楓(女子4番)が死亡したことによりランダムで自分の首輪が作動する。クラスメイトを巻き込まないように教室から出て、廊下の方へ走った。
友人関係 今村遥斗(男子2番)
所属部 帰宅部
備考 体力は普通。よっほどのことがないと怒らない。普段は笑って許せる。あまり存在感がないように見えるが、実はやる時はやる時に目立つタイプ。

男子二番 今村遥斗(いまむら・はると)

支給武器 カッターナイフ
被害者 なし
加害者 鈴木涼磨(男子10番)
死因 銃による左胸被弾

最終行動 内田真琴と遭遇。放送にショックをうけていたが、鈴木涼磨(男子10番)に遭遇。
友人関係 愛川優希(男子1番)
所属部 陸上部
備考 明るく、時にはおとなしくしている。そのギャップのせいか女子の間で人気者に。スポーツはまあまあ。テニスを楽しんでいたが鈴木涼磨(男子10番)に負け、スポーツに何でもかんでも挑戦するようになる。

男子3番 クズ田クズ男(クズ田・クズ男)

支給品武器RPGー7

被害者 日高「強くてニューゲーム2」のスレ
加害者 このスレを荒らしている奴もしくは相手のスレを自分のスレに書き換える奴
死因 なし

最終行動 勝手にスレを荒らし、暴走している奴らの別のSSを持ち込んでいるSSを荒らすために来た
所属部パソコン部
このスレを荒らしている腐女子を蹴散らそうと日々さくを練っている

あらしうざい

十神「俺を信じてくれたみんなが示してくれた未来だ。なら俺もその未来を信じるだけだ!」

澪田「唯吹はまだまだやりたいことがいっぱいあるっす。みんなと音楽して、遊んで……みんなとずっと一緒にいたい」

澪田「だからみんなと進みたい。白夜ちゃんたちとバカやって騒いでる、それが唯吹っすから!」

花村「ぼくはみんなみたいになにができるってわけじゃないけど……大切な人の笑顔が曇っているんだったら」

花村「ぼくはぼくなりのやり方でみんなを笑顔にしてみせる!」

西園寺「小泉おねぇや日向おにぃがあれだけ頑張ってくれたんだもん」

西園寺「わたしも少しは頑張らなくちゃね!」

九頭龍「たしかにオレらのメリットなんて見当たんねーな……だけどよ、いつまでもペコや日向にばっかり頼ってられねーんだよ」

九頭龍「へっ、いつまでもガキ扱いされてちゃ堪ったモンじゃねーよなぁ!」

辺古山「ぼっちゃんに仕え、ぼっちゃんに甘え、ぼっちゃんに尽くすことが私の使命だ」

辺古山「それを邪魔するのならば誰であろうと容赦はしない!」

弐大「大事なことを忘れておったわい。ワシはみんなのマネージャーだったのぅ」

弐大「この弐大猫丸のマネージャーとしての自信と誇り、信念は誰にも曲げられんぞぉ!」

ソニア「身動きが取れないほどの重圧に押しつぶされそうだったときに……一瞬ですが確かに見えたのです。厳しいけど、暖かい光が……あの光はきっと……」

ソニア「わたくし達がこれから作る未来は、みなさんが作ってくれた未来でもあるんですよね?だったら……止まれる訳ないですよね!」


おp

終里「やっぱゴチャゴチャ考えるのなんて、オレの性に合わねーや。つえーヤツがいたら戦うってのが、オレらしいよな?」

終里「それが胸を張るって意味なんだよな?だったら……オレはこっちだろ!」

左右田「あーあ、またメンドクセー事になっちまったな。けどオメーらがやるっつってんのに、オレがやらねー訳にもいかねーだろ」

左右田「どこにも居場所がねーなら、せめてこの場所は守らねーとダメだろ!」

江ノ島「ア、アンタらまで……どうして……どうして自分から絶望に飛び込むような真似ができんのよ!」

日向「信じてるからだ」

江ノ島「…は?」

日向「俺達は自分自身の未来を信じてるんだ。そこがお前とは決定的に違う」

日向「新しいことも困難なことも、やればできるって信じてるんだよ」

日向「未来だって創れるはずだって信じてるんだよ!」

江ノ島「そ、そんなの…希望なんかじゃないじゃん……絶望ですらない……」

江ノ島「な、なんなのよぉぉぉぉぉぉッ!?」

七海「日向くん、それにみんな……ありがとう。未来を信じてくれて……」


日向「…………」

日向「ありがとな、七海」

七海「え?」

日向「じゃあ、始めるか。いいか?」

罪木「創さんの、私の決めたことです。後悔なんてありませんよぉ」

十神「フンッ……くだらなかったな」

澪田「相変わらず白夜ちゃんはクールっすね!」

左右田「……こんな簡単に終わっちまうんだな」

終里「あ?終わりじゃねーだろ?」

ソニア「ここから始める為…ですよね?」

狛枝「みんなの希望を始める為だよね」

小泉「うん」

西園寺「でも家に帰るのやだなぁ」

花村「嫌なことがあっても、ぼくが笑顔にするよ」

弐大「ワシもサポートするぞ」

辺古山「そうだな……だがまずは」

九頭龍「この閉ざされた世界を終わらせて」

日向「そこから先は…俺達が創っていくんだ」

七海「みんな一緒に、ね」


カチッ

江ノ島(大)「………………」サラサラ

江ノ島「ぎゃは…ぎゃはははは……」

江ノ島「あーあ、こりゃ絶望だわ……また絶望に絶望して絶望を絶望しちゃった。あー、楽しい」

江ノ島「いっぺん“あんな絶望”を体験しちゃった以上はさ、もう戻れないのよねー」

江ノ島「あー、でも…これでもう…絶望を希望しないで済む」ジジジ

江ノ島「そ…んなの……絶望…的……」ブチッ

苗木「…………」

苗木「直にこの世界は終わるよ……もうボクは行くね?」

日向「あぁ、ありがとな」

苗木「これはキミたちみんなで創り出した結末なんだよ。胸を張ってね」ヒュン


終里「あーあ、崩れてくな…」

日向「そうだな…」

ソニア「あの……もしもの話で恐縮ですけど…外の世界で目覚めた時に、ここでの事を忘れてしまっていたとしても……無意味ではなかったのですよね」

七海「うん。私もみんなの決意も未来も全部、みんなにとって大切な事だよ」

西園寺「ま、七海おねぇがこう言ってるんだからそうなんじゃないの?」

左右田「適当だな!」

花村「でも……七海さんのこともみんなのことも忘れちゃうんだよね」

罪木「私は創さんがいるから平気ですよぉ」

辺古山「私もぼっちゃんがいるからなにも問題はない」

九頭龍「お前ホント変わらねぇな。それにさっきも変なこと混ぜてただろ!」

辺古山「なんのことですか?」

弐大「そう簡単に人は変わらんしのう」

狛枝「無意味かどうかは、これからのボクら次第じゃないかな」

小泉「アンタホントに……変わったね」

狛枝「絶望のまんまだったらボクが殺してあげるから安心していいよ」

花村「簡単に人が変わらないのって本当なんだね」

十神「そろそろ……タイムリミットみたいだな」

左右田「……やっぱこえーな」

罪木「……私も本当は……創さんを忘れたくないです……」

終里「でも、いいんだよな?怖くて当たり前なんだよな?」

七海「それが未来だからね」

左右田「オイッ!オレはオメーらのことも全部ぜってーに忘れねーからな!」

左右田「オメーらも覚えとけよ!オレの名前は…左右田和一だからなッ!」

十神「……絶対に忘れるものか……」

ソニア「もし忘れたとしても…意地でも思い出してみせますって!」

終里「後で日向が訳わかんねーこと言い出したら、オレが半殺しにして正気に戻してやるよ!」

罪木「駄目ですよぅ!その時は私が……えへへ……注射をしてぇ……付きっきりで看病するんですからぁっ!!」ハァハァ

日向「助かるけど……どっちも怖いな」

七海「みんな……頑張ってね。辛いことや悲しいこともあるけど……未来を信じて……」ポロポロ

日向「おいおい、泣くなよ」

七海「じゃあね」

日向「あぁ、俺は絶対に七海を忘れない」

七海「約束……だよ?」

日向「あぁ」




「ありがとう、七海」



「私の方こそ…ありがとう」

「みんなの事…忘れないよ…」

「ずっとずっと…忘れないよ…」

「この先も…どこかでみんなの事を応援しているからね」

「だって…ずっと仲間だもん」



終わりです


長い間ありがとうございました!


ツッコミ所もたくさんありますけどそこは暖かい目でスルーしてください!

あと地の文ありって書いてんのに地の文が行方不明になってる笑


とりあえず日向の強くてニューゲームはこれで終わりです

色々ありましたが見てくださった方、本当にありがとうございます!

前作

江ノ島「私の姉がこんなに強いわけかない」
きぼうがみねようちえん、ぜつぼうぐみ
桑田「舞園が挨拶ついでに刺してくる」
江ノ島「江ノ島 盾子ちゃんで苗木「ねぇ、江ノ島さん」
苗木「え?出演者の変更?」
日向「え?配役変更?」

乙でした

長い間本当にお疲れさまでした
色々あったけど、良い終わりだったよ。追いかけてきて良かった

もし気が向いたらエピローグ的なものも書いてくれると嬉しい

おつ
死んだのは田中だけか、仕方ないけどなんか寂しいな

完走乙! 結構アッサリ終わった印象

後日談が欲しくなるね

乙ー
田中...

HTML化依頼して書き込めなくなるのって何日くらいですかね?

スレ主に続ける意思があるレスがあれば処理は中断される、が…

3日ぐらいは持つよな?

わかりました

じゃあ書きます

明日か明後日には書き込みます

了解、期待してる

おつかれさまです!
ずっと前から追いかけてきてよかった!

しかも>>1の前作読んだことあるしこんなに書いてたんだ。

ーエピローグー

「…………」

九頭龍「なにやってんだ?」

「……島でのことを考えていた」

九頭龍「……少しはなにか思い出せたか?」

「いや、まったくだ」

九頭龍「だろうな。俺らの記憶からは完全に消されてんだからよ」

「…………」

九頭龍「お前はこれからどうすんだよ、日向。いや、今はカムクラか」

日向「どっちでもいいぞ。今の俺は希望ヶ峰学園に憧れていた日向でも全てに絶望したカムクラでもないからな」

九頭龍「……そうか」

日向「俺たちにはやらなくちゃいけないことがあるだろ?」

九頭龍「まぁ……な」


日向「なにかをするのはそれが終わってからでも遅くはないはずだ」

「船の用意ができましたよぉ」

九頭龍「悪いな罪木。日向、先行ってるわ」

日向「あぁ」

罪木「あのぅ……」

日向「罪木か」

罪木「あぅ……」カァ

日向「大丈夫か?」

罪木「大丈夫です!」

日向「……苗木から聞いたんだが俺たちはあの島で付き合っていたらしいな」

罪木「ふぇ?あ……そう、みたいですね」

日向「俺はお前のことを全然知らない。島でのこともまったく覚えてない」

罪木「…………」

日向「だから俺に罪木のことを教えてくれ」

罪木「はい……え?」


日向「お前自身のことをもっと知りたい。それで、ちゃんと知った上でもう一度俺と付き合ってくれ」

罪木「……わかりました!」

「フハハハハ、そろそろ俺様の新たな夜明けの時間だ。早く来るがいい!」

罪木「行きましょう、創さん!……あ」

日向「創でいいよ」

「恋……か」

日向「お前もすぐにわかるよ。あ、ソニアが来たぞ」

「なに!?ではな、日向!有意義な時間であったぞ!」ダッ

ソニア「待ってくださーい!なんで逃げるのですか」

十神「時間だ。行くぞ」

日向「そうだな。世界に希望を広げるために」

「進もう、俺たちも」



END

エピローグってどこらへん書こうか迷ったのですがこうなりました

物足りないかもですがすみません(;´Д`)

今度こそこれで日向の強くてニューゲームは終わりです

ここまで読んでくださりありがとうございました!


part1の最初、
七海が呟いてたのは何だったのですか?

本当にお疲れさまでした
田中も一緒に起きてくれて良かった
皆で一緒に始まりだな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月22日 (火) 14:12:52   ID: xMCAt1WM

結局荒らしが湧いたままだな

2 :  SS好きの774さん   2014年04月25日 (金) 14:11:19   ID: b_vI4MnX

荒しのせいで前スレの最後が見られない…荒しとか止めろ

3 :  SS好きの774さん   2014年04月25日 (金) 19:50:51   ID: S-zmo_65

ダンガンロンパのRPGの時と
同じ荒らしか 黙ってろよ

4 :  SS好きの774さん   2014年04月26日 (土) 00:54:11   ID: vyQJFjZZ

荒らしうぜえ。
頼むから黙ってろ

5 :  SS好きの774さん   2014年04月29日 (火) 11:55:16   ID: dpoax_FT

空気読めよ荒らし…。
お前の居場所ここじゃねぇだろ。

6 :  SS好きの774さん   2014年07月05日 (土) 12:19:56   ID: WcpiffOH

荒らしでスレ埋まるとか最悪…つづかないかなぁ。

7 :  SS好きの774さん   2014年07月22日 (火) 06:22:27   ID: 43r9MAUk

この荒らしの対策なんとかならないかな?
めっちゃ不愉快

8 :  SS好きの774さん   2014年07月26日 (土) 16:29:53   ID: BE7_C4Uz

荒らしうざいしー
なにが楽しいのさ。
荒らしでスレ埋まんないことを祈る。

9 :  SS好きの774さん   2014年08月01日 (金) 16:52:03   ID: ptc-AU-y

関係ない話が多すぎ(´・Д・)」
荒らしやめろ

10 :  SS好きの774さん   2014年09月18日 (木) 03:33:08   ID: sjniroYo

荒らし、元気だなぁ そんなに書きたいなら自分のためにスレ立てればいいのに...

荒らしにはイライラさせられたけど、本編はスッキリとまとまっていて、1週目とはどう違った展開が見られるのか気になりながら読んでいました。1乙でした。

11 :  SS好きの774さん   2015年01月20日 (火) 00:05:49   ID: jtApeL_6

荒らしカス過ぎ
次何かゴミ挟んだら自殺しろ

12 :  SS好きの774さん   2015年04月18日 (土) 10:58:50   ID: u6bv4inC

荒らしサイアク。せっかく本編がいい話なのになんで邪魔するかなー
そんなに書き込みたいなら自分のスレ立てたらどう?って思う。結構見るの大変だったんだよ?もう他人のスレの邪魔しないで。

13 :  SS好きの774さん   2016年11月02日 (水) 07:40:08   ID: tp8_d0em

荒らしまとめんな、ちゃんと仕事しろ。

14 :  SS好きの774さん   2016年11月22日 (火) 01:07:30   ID: UCViR2lw

良いssだった。
日向×罪木もええなぁ〜

15 :  SS好きの774さん   2016年12月18日 (日) 21:14:36   ID: K90UlKkU

あんまss詳しくないから知らないんだけどこういう荒らしの文って抜くこと出来ないの?
それはそれとして良いssでした

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