ほむら「燃えろ!ウルトラ6兄弟」(240)

ウルトラマンとまどマギのクロスSSです。
ウルトラ6兄弟がメインの話になります。

編集しながらの投稿なので、遅くなると思います。

楽しんでいただけたら幸いです。


M78星雲
 ~光の国~



セブン「…それで、『インキュベーター』と呼ばれる宇宙人が、地球に潜み」

セブン「密かに、地球人からエネルギーを搾取している話は本当なのか?ゼロ」

ゼロ「ああ、しかも、今に始まった話じゃない、親父たちが地球の平和を守っていた頃よりも」

ゼロ「ずっとずっと前から、地球人の了承もなしに、不当なエネルギー搾取をしてたらしいぜ」

セブン「…なぜ、それが今の今まで、我々に気付かれなかったのだ…」

ゼロ「まあ、そのインキュベーターの目的は地球の侵略じゃないからな」


ゼロ「ゾフィ隊長も前から知ってたらしいんだけど…暗黙の了解ってやつ?」

ゼロ「それで、黙認されてたって話だぜ」

ゼロ「まあ、俺も詳しくは知らないがな、噂だし…」

セブン「……」

セブン「…それが事実なら、本当にこのままでもいいのだろうか」

ゼロ「そりゃあ、本当なら俺も許せねえけど、こればっかりは、俺一人の力でどうこうすることもできねーからな」

ゼロ「俺の予想じゃ、何か理由があるんだろうけどな、秘密にするだけの…」


セブン「……」


その後



セブン「ゾフィー」

ゾフィー「ん?」

ゾフィー「お、セブンか、どうしたんだ?」

セブン「…少し、話したいことがある」

ゾフィー「……」


…………


ゾフィー「…やはり、そのことか」

ゾフィー「最近、他のものからもその話を聞く…」

ゾフィー「我々も、このままでいいものか、慎重に議論した」

セブン「それなら…!」

ゾフィー「心配には及ばん、時期にわかる…」


数週間後

~地球近くの宇宙空間~




新マン「今日も地球は平和なようだな」

新マン「しかし、6兄弟で、また地球に来る作戦を立てるなんて…」

新マン「インキュベーターの所業に、ゾフィー兄さんも堪忍袋の緒が切れたってやつだな…」


新マン「…それで、皆が忙しいからって、なぜ私だけが、最初に」



新マン「…仕方ないか、とりあえず地球に…」



同じころ
地球 見滝原市
 ~魔女結界内部~



まどか「間に合ってよかった」

マミ「無茶し過ぎ…って怒りたいところだけど、今回に限っては冴えた手だったわ、これなら魔女を取り逃がす心配も……」

まどか「え?あっ」


…スタスタ

マミ「言ったはずよね、二度と会いたくないって」

ほむら「今回の獲物は私が狩る、貴女達は手を引いて」

マミ「そうもいかないわ、美樹さんとQBを迎えに行かないと」

ほむら「その二人の安全は保証するわ」

マミ「信用すると思って…?」

…シュルル!
ガシッ!


ほむら「ば、馬鹿…!こんなことやってる場合じゃ…!」

マミ「もちろん怪我させるつもりはないけど、あんまり暴れたら保障しかねるわ」

ほむら「今度の魔女は、これまでの奴らとはわけが違う」


マミ「おとなしくしていれば帰りにちゃんと解放してあげる」

マミ「行きましょう、鹿目さん」

まどか「え…はい」

ほむら「待っ……くっ」


ほむら(こんなとこで、躓いてるわけにはいかないわ…!私は…)

ほむら(まどかを…必ず…!)


~見滝原市~


…スタッ

新マン「…地球か、俺が守っていた頃とはだいぶ変わったようだ…」

新マン「とりあえず、見つからないように、誰かの身体を借りたいが…」



新マン「!」

新マン「なんだ!この感覚は…!?怪獣?」

新マン「近くに何かいる!」


新マン「…こっちか!」


~魔女結界内部~


マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせて…もらうわよ!」

さやか「やったぁ!」


マミ「ティロ・フィナーレ!!」

ドーン!


………


マミ「あ」

まどか「あっ、あっ」

さやか「あぁ!」


…ガプッ

モグモグ…


まどか「」ブルブル

さやか「」ガクガク


______

カシャ…

スタッ

ほむら「!」

ほむら「まさか…」


シャルロッテ「グオオオ!」


QB「2人とも今すぐ僕と…」


シャルロッテ「!」

シャルロッテ「グウワアア!」

ジタバタ!
ドタバタ!


…ピカアッ!


QB「!」

QB(どうして魔女が苦しんでいるんだ!?)



…ブウオオォン


まどか「…あっ」

さやか「ぐすっ…ひくっ」



ほむら「!?」


ほむら(どうして…!どうして魔女の結界が勝手に消えたの!?)

ほむら(私はまだ倒していないのに…)

ほむら(まあいいわ…)

ほむら(どうせ…巴マミは救えなかったようだし…)


さやか「あぁ…っ!」

ほむら「命拾いしたわね、貴女達」

ほむら「目に焼き付けておきなさい、魔法少女になるって、そういうことよ」

さやか「はぁ…!くっ…」

さやか「そ、んな…そんな…!」

さやか「どうしてよ…!どうして、マミさんが…!!」

ほむら「…これが魔法少女の運命よ」
スタスタ…



QB「……」

QB(それにしても、さっきのような現象は普通ありえない)

QB(魔女が勝手に消滅してしまうなんて)


~数分後~



マミ「……」

コソコソ…
キョロキョロ…



マミ「……」

スタスタ…


___その瞬間_____



さやか「あっ、ああ…」

まどか「ああっ…」


マミ「…あっ」

マミ(私の油断だった、完全に浮き足だっていた私のせいだった…)



……ガプッ



新マン「また、私は尊い命を救えなかった…」

新マン「私が間に合ってさえいれば…!」

新マン「そうだ、この少女を助けよう、この子の身体を借りて…」

新マン「この子を助ければよいのだ!」


______



マミ(私は死んだんだ、あの子たちの目の前で………)

マミ(いえ…死んだはずだったの…)


…………


~白い光の空間~


マミ『あ…』

マミ『こ、ここは…?』

マミ『あ、あなたは、誰…?』

新マン『私は、宇宙人だ…M78星雲の』

新マン『地球の平和を守るためにやってきた…』

マミ『えっ?』

マミ『そ、そんな!宇宙人だなんて…!』

新マン『信じられないかもしれないが、今死んだはずの君を、こうして助けている』

新マン『これで信じてもらえるかな』

マミ『…あ、い、言われてみれば…』

新マン『私たちは今、ある目的のために、この地球に来ている』



新マン『だからその間だけ、私にこの身体を貸してもらえないか?』

マミ『ええっ!?』

新マン『私はこのままの姿では、地球上で活動できない』

新マン『承諾してくれたなら、君の命も必ず助けると誓おう』

マミ『……』

マミ『わ、わかりました…』

新マン『そうか、それは良かった』

新マン『君もかつて私が愛した地球人のように』

新マン『自らの命も省みず、たくさんの命を救ってきたようだ』


新マン『しかも…人知れず、たった一人で』

新マン『私はまたも、地球人に感動した』

新マン『では悪いが、その身体借りるぞ』


シュイーン…


キイィ…
…ピカアア!


シュウウウン!


新マン「シュワッ!」

シャルロッテ「!」


新マン「ティアッ!」
ビイー!

ドカーン!

シャルロッテ「グワアアアア…」


新マン(ん?この生物は怪獣のような見た目だが、人間と同じように感じるぞ…)

新マン(どういうことだ?)


シャルロッテ「…グググ」


新マン「!」

新マン(スペシウム光線でも倒れないのか!?)

新マン(仕方ない、ブレスレッドで…!)

新マン「シュアッ!」


ピカッ!

シュイン!


新マン「ヘアッ!」

新マン(とりあえず、この生物は調べてみる価値がありそうだ)

新マン(ブレスレッドに閉じ込めておく)


~マミの家~



マミ「そして、私はこの少女の身体を借りて、地球に潜入した」

マミ「しかし、この少女は死んだことになっているはずだ」

マミ「仕方ないか…ここで密かに調査を続けよう」

マミ「インキュベーターにも見られているはずだ、下手に動いて我々の存在が発覚してしまうと厄介だろう…」

マミ「ここを拠点とし、調査を続行と…」



マミ「まずは、ゾフィー兄さんに報告を…」


今日はここまでにします。
続きは明日投下できれば、明日投下します。

>>1です。
再開します。


…………


マミ「あ、ゾフィー兄さんですか?」

マミ「はい、ええ」

マミ「無事に地球に潜入しました」

マミ「それと、インキュベ-ターについてですが、私が同化した少女の記憶によると」

マミ「インキュベーターは地球の少女たちに接触し、魔法少女を生み出していたようです」

マミ「『魔法少女』とはインキュベーターとの契約によって、特殊な能力を身に付けた少女のことのようで」

マミ「『契約』とは、対象の少女の願いを一つ叶えることにより、少女に特殊能力を授け」

マミ「『魔女』と呼ばれる、怪獣のような生物と戦う使命を課せられることのようです」

マミ「はい…はい」

マミ「また、インキュベーターと思われる存在もわかりました」

マミ「彼らは、動物のような姿で少女たちに接触し、契約を促していたようです」

マミ「…はい」


マミ「…はい」

マミ「えっ?インキュベーターには一切干渉せずに、調査を?」

マミ「…わかりました」

マミ「それと最後に、その『魔女』と呼ばれる生物についてですが、先ほど私が、一体生け捕りにしました」

マミ「今は私のブレスレッドに幽閉してあります」

マミ「はい、はい…」

マミ「…そうです」

マミ「え?その生物の正体を調べるために、タロウをこちらに?」

マミ「…わかりました、引き続き調査を続行します」




マミ「タロウ…なぜ、アイツが…」


シュイン!
…シュタッ!


マミ「!」

タロウ「やあ、兄さん」

マミ「タロウ!」

マミ「やけに早い到着だな」

タロウ「いえ、ちょうど地球の近くを飛んでいたもので」

タロウ「ゾフィー兄さんからのウルトラサインを確認して」

タロウ「テレポートでちょちょいと…」

マミ「お前、テレポートなんていつ覚えたのだ」

タロウ「僕だって、ちゃんと毎日特訓してるんですから、今は教官ですよ!」

タロウ「どころで兄さん、なぜ少女の身体と同化したんですか…?」

マミ「そんなこと、今はどうでもよかろう」


マミ「インキュベーターの作戦の話は、ゾフィー兄さんから聞いているな?」

タロウ「はい!」

タロウ「久しぶりに6兄弟だけでの作戦ですね!」

タロウ「いやあ、僕も久々に暴れることができるなあと思って!」

マミ「昔のように、自分を過信し過ぎるなよ、タロウ」

タロウ「わかってますよ、昔の僕と同じにされちゃあ、困るなあ、兄さん」


マミ「お前は永遠の末っ子だからな」

タロウ「相変わらず酷いなあ、兄さんは」


マミ「それよりも、例のものだが…」

タロウ「ああ、人間かも知れない怪獣ですね」

マミ「今は私のブレスレッドの中に閉じ込めてある」

マミ「お前が、どうにかできるのか?」

タロウ「はい、任せてください!」

マミ「…わかった、じゃあ任せるぞ」


シュイン!

ピカア!

シャルロッテ「グオオ!」


タロウ「今だ!リライブ光線!」

ビイィー!


マミ「…この、光線は何なのだ?」

タロウ「リライブ光線は、生命エネルギーの光線です」

タロウ「今まで何度も使ってきました、治療したり、傷ついたものや命を元の姿に戻す光線です」

マミ「…なるほど、つまりこの生物がもし人間だったなら、元の姿に戻してやるわけだな…」

タロウ「そういうことですね」


ビイィ…


タロウ「って、あっ!!」


マミ「こ、これは…!!」


マミ「バカな…!」

マミ「さっきの生物が、少女に…!?」


タロウ「…どういうことですか!これは!?」



なぎさ「……」



マミ「気を失っているようだが、命はある…」

タロウ「…信じられない」


マミ「とりあえず、ゾフィー兄さんに報告してみる、待ってろ」

タロウ「……」



…………



マミ「…タロウ、指示が降りたぞ」

タロウ「なんですか?」

マミ「お前は、この子と同化してもらう」

タロウ「ええっ!?なぜですか!?」

マミ「インキュベーターの目的を確実に知るためだ」

マミ「インキュベーターは地球の少女たちを扇動、『魔法少女』と言われる特殊能力をもった人間にし」

マミ「『魔女』と呼ばれる怪獣のようなものと戦わせてることは知っているな?」

タロウ「はい」



マミ「しかし、エネルギーの不当な搾取については、ゾフィー兄さんたちもまったく見当がついていないらしい」

マミ「その『契約』と言われるシステムの中で、どのようにエネルギーを搾取しているのか」

マミ「また、『魔女』と呼ばれる存在のことも、よくわかっていないらしい…」

マミ「どこから『魔女』が発生するのか、なぜ存在しているのか…」

マミ「ゾフィー兄さんたちも、まだ知らないことが多いようなんだ」

タロウ「はあ」

タロウ「それで…どうして私がこの子と同化する話になるんですか?」

マミ「わからないか?あの少女は、さっきまで魔女だった子だぞ」

マミ「私たちは同化すれば、その人間の記憶をすべて共有することができる」

タロウ「ああ!」


マミ「つまり、お前があの子と同化すれば、あの子がなぜ魔女であったのかわかるし」

マミ「魔女の正体を知る大きな手がかりになるだろう」

マミ「それに、お前だって、地球で活動する以上は誰かの身体を借りなければならんだろう?」

マミ「ちょうどいいじゃないか」

タロウ「それは、そうですけど…」

マミ「できないのか?」

タロウ「…男の子ならともかく、女の子とはちょっと…」

マミ「…タロウ」

マミ「そんなことを言ってるから、お前いつまでたっても末っ子のままなんだぞ」

タロウ「う、うう…」

マミ「地球の平和を守るより、お前は自分のプライドを優先するのか?」

タロウ「…わかりましたよ」



…ピカー

シューン…


~白い光の空間~


なぎさ『…あ』


なぎさ『こ、ここは…どこなのですか?』

なぎさ『あ、あなたは誰ですか?』

タロウ『私の名はウルトラマンタロウ…』

なぎさ『ウルトラマンタロウさんですか』

タロウ『そうだ、地球の平和を守るためにやってきた…』

なぎさ『えっ!地球の平和ですか!?』

タロウ『ああ、そしてもちろん、君の命を助けるためにも』

タロウ『しかし、私は地球ではこのままの姿で活動できない』

タロウ『だから、私たちが地球で活動する間だけ、君の身体を借してほしい』


なぎさ『で、でも…そんなことできるのですか?』

タロウ『大丈夫だ、心配はいらない』

なぎさ『…わかったのです、なぎさも地球の平和を守るために頑張ってほしいのです!』

タロウ『ありがとう』

タロウ『君を必ず助けると誓おう』

タロウ『では、その身体借りるぞ…』


シュイーン…

キイィ…
…ピカアア!


タロウ「タロウ~!!」

ピカー!
シュウウウン!


なぎさ「…兄さん」

マミ「よし、同化したか」

マミ「何かわかったか?」


なぎさ「ええ、わかりましたよ」

なぎさ「魔女の秘密が…」


なぎさ「とりあえず、ゾフィー兄さんに連絡してみます!」

マミ「ああ」


M78星雲
 ~光の国~


ゾフィー「…それで?」

ゾフィー「なるほど…」

ゾフィー「つまり、『魔女』の正体は『魔法少女』であり、魔女も元は人間であったと?」

セブン「え!?」

エース「そんな…!」

マン「つまり、人間同士が…」

ゾフィー「そして、インキュベーターたちは、魔法少女たちが魔女に変わる瞬間に発生するエネルギーを搾取していたわけか…」

ゾフィー「よく報告してくれた、タロウ、ジャック」

ゾフィー「そのまま、調査を続行してくれ、時期を見はからいセブンとエースを地球に派遣する」

ゾフィー「私とウルトラマンは、直接インキュベーターの惑星に赴き、交渉をしてみよう」

ゾフィー「それと、魔女が元は人間だった事実がわかったのだ」

ゾフィー「これ以上、魔女との接触は極力避けよ」

ゾフィー「あくまで我々は人間たちに知られぬように隠密に行動するのだ」


セブン「我々は、このまま地球に?」

ゾフィー「いや、まだだ…今はまだあの2人だけでいい」

エース「しかし、あんな事実を聞かされて黙っているわけには!」

ゾフィー「待て、エース…」

ゾフィー「気持ちはわかるが、今は落ち着いてくれ」

ゾフィー「インキュベーターも我々に対して、何か手を打ってくるかもしれない」

ゾフィー「もし何かしらの動きがあったら、私がウルトラサインで指示をする」

ゾフィー「そのときは、すぐに地球に向かってくれ」

エース「…わかりました」



ゾフィー「では、私とウルトラマンはインキュベーターの惑星に向かう」

マン「はい、ゾフィー兄さん」



マン「シュワッチッ!」

ゾフィー「シュワッチ!」


翌日
 ~見滝原中学 屋上~




さやか「マミさん、本当に優しい人だったんだ、戦う為に、どういう覚悟がいるのか、私達に思い知らせる為に…あの人は…」

さやか「ねえQB、この町、どうなっちゃうのかな?マミさんの代わりに、これから誰がみんなを魔女から守ってくれるんだろう」

QB「長らくここはマミのテリトリーだったけど、空席になれば他の魔法少女が黙ってないよ」

QB「すぐにも他の子が魔女狩りのためにやってくる」

さやか「でもそれって、グリーフシードだけが目当ての奴なんでしょ?あの転校生みたいに」

QB「確かにマミみたいなタイプは珍しかった、普通はちゃんと損得を考えるよ、誰だって報酬は欲しいさ」

さやか「じゃあ…」

QB「でも、それを非難できるとしたら、それは同じ魔法少女としての運命を背負った子だけじゃないかな」

さやか「……」

まどか「……」


QB「はぁ、君たちの気持ちは分かった、残念だけど、僕だって無理強いはできない」

QB「お別れだね、僕はまた、僕との契約を必要としてる子を探しに行かないと」

まどか「ごめんね、QB…」

QB「こっちこそ、巻き込んで済まなかった」

QB「短い間だったけど、ありがとう、一緒にいて楽しかったよ、まどか」

まどか「…ごめんね」


QB「……」

スタスタ…


~マミの家~



マミ「話はゾフィー兄さんから聞いたとおりだ」

なぎさ「わかりました」

マミ「それと…私は死んだことになっている」

マミ「だから、堂々とこの街を歩くわけにはいかない、以前の私のように周りに衝撃を与えかねないからな」

マミ「そこで、この街での調査活動をタロウに任せたい…」

マミ「私と同化した少女の記憶によると、インキュベーターに契約を迫られている二人の少女がいるようだ」

マミ「その少女たちの警護と調査を任せたいが…」

マミ「いいか?」


なぎさ「任せてください!」

マミ「…本当に大丈夫か?」

なぎさ「心配ないですよ!」

マミ「本当か…?」

なぎさ「はい!」

マミ「…心配だ」


なぎさ「いくらなんでも心配しすぎですよ、兄さん」





スウッ…

??「…なるほどね、そういうことか」


マミなぎ「!!」

マミ「お前は…!」


??「名前はもう知っているはずだろう?」

なぎさ「っ!」

マミ「…インキュベーター」


QB「まさか、君たちが来るとはね」

QB「それで、今回の目的は何だい?」

QB「僕たちの邪魔をしにきたのかい?」


マミ「……」

なぎさ「……貴様!」
バッ!


マミ「待て!タロウ!」

なぎさ「っ…」
ピタッ…


QB「…まあ、話してくれないならいいよ」

QB「君たちの目的はだいたい予想がついているからね」

QB「マミを助け、それにその子まで人間に戻してるんだから、大方の察しはつくよ」


QB「はあ…」

QB「君たちは、どこまで他の星や、この宇宙に干渉すれば気が済むんだい?」



マミ「……」

マミ「…我々の目的は調査だ」

マミ「お前たちとは何も関係ない…」


QB「それならいいんだ」

QB「君たちも僕らの目的を知っているなら、僕たちに手は出せないし、何もできなくて当然だからね」

QB「僕たちも、いつもどおり行動させてもらうよ」

QB「もしも、君たちが僕たちの邪魔をするときは、僕たちもそれなりの対応をさせてもらうからね」


QB「じゃあね」


…スウッ


マミ「…っ!」

なぎさ「なぜ倒さないのですか!?兄さん!」

なぎさ「兄さんが同化した、その子の知り合いもアイツに狙われてるんでしょ!?」

なぎさ「それを…!」

マミ「…インキュベーターへの干渉は、原則として禁止…」

マミ「ゾフィー兄さんからの厳命だ…」

なぎさ「し、しかし!」

マミ「おそらく、彼らを倒したところで、何の解決にも繋がらないからだろう…」

なぎさ「…そ、それじゃあ私たちは!」


マミ「待て、ゾフィー兄さんにウルトラサインを送ってみる」

なぎさ「……」

時間の都合上、今日はここまでとします。
明日にまた投下します。

>>1です。再開します。



~宇宙空間~



宇宙を飛行するマンとゾフィーの姿。




マン「えっ?協定ですか?」

ゾフィー「そうだ」


ゾフィー「彼ら”インキュベーター”は、我々宇宙警備隊が発足するより以前から、宇宙各地で活動をしていた」

ゾフィー「彼らは、宇宙規模で物事を捉え、この収縮している宇宙全体の寿命を延ばそうとしている」

ゾフィー「そして、そのために科学を発展させ、様々な技術を開発し、他の惑星へと干渉することでエネルギーを搾取していたのだ」

ゾフィー「だが、我々が活動を始めるようになり、我々もその行為を黙って見過ごすわけにはいかなくなったのだ」

ゾフィー「いくら宇宙の寿命を延ばすためとは言え、他の惑星の者の尊厳を傷つけ、命を犠牲にさせるなど許せない、と…」

ゾフィー「知っての通り、初代宇宙警備隊隊長であるウルトラの父が彼らの惑星へと向かい、警告した」

ゾフィー「しかし、彼らがしていることは惑星の侵略とは違う上に」

ゾフィー「皮肉なことに彼らの干渉により、その惑星の科学技術や文明の発展に貢献してきたこともあったようだ」

ゾフィー「彼らの言い分にもあるように、宇宙全体のエネルギーを考えると、彼らの行いは仕方のないことだったのだ」

ゾフィー「それに彼らも融通がまったく利かない相手ではなかった、争いを好まず、どの民族とも友好的な関係を築いていた彼らは」

ゾフィー「我々とも、協定を結ぶことで合意したのだ」

マン「……」


ゾフィー「その協定では、干渉する惑星の制限を主な内容としてある」

ゾフィー「干渉する銀河系の順番を決め、対象の惑星を順次、回していく」

ゾフィー「そして、期間を設け、制限する」

マン「なるほど…」


ゾフィー「地球は既に彼らに干渉されていたのだ、そこで我々はこの協定を既に干渉されていた惑星にも設けた」

ゾフィー「つまり、彼らは地球に有史以来干渉してきたことになる」

ゾフィー「だが、つい最近、この協定による期限が切れたのだ」

マン「それで、今回の作戦が…」



ゾフィー「我々も、極力期限が切れた惑星には、すぐに向かい、インキュベーターの干渉を終わらせてはいるのだが」

ゾフィー「各惑星に派遣されたインキュベーターの個体には、協定自体を知らないと言い張るものが多く」

ゾフィー「ことが穏便に済むことは、ほとんどない」

ゾフィー「もちろん、その場合は強制的に彼らを撤退させる条件もインキュベーターとの協定で許可されている」


ゾフィー「しかし、彼らは宇宙でも異質な存在だ」

ゾフィー「また、彼らを英雄視するものや、力まで貸す者もこの宇宙にはいると聞く」

ゾフィー「過去には、インキュベーターが他の宇宙人に呼びかけ、我々と戦闘になった事例もあった」

マン「ま、まさか…!」


ゾフィー「そうだ、今回もその可能性がある」

マン「だから、6人で…」

ゾフィー「…うむ、それで私たちは説得のために、インキュベーターの惑星に向かうのだ」

ゾフィー「無事に説得できれば、ことは穏便に解決する」

ゾフィー「我々も無益な戦闘は、可能な限り控えたい」

ゾフィー「もし戦闘になれば、地球にも被害が出かねないからな」

マン「でも、どうしてそんなことを、私たちには黙っておいたんですか?」

マン「ゾフィー兄さんは、前からそのことを知ってたんでしょう?」

ゾフィー「……それは、悪かったと思っている」

ゾフィー「しかし、お前たちに話してしまえば、おそらく誰かが飛び出して」

ゾフィー「地球にいるインキュベーターを殲滅してしまうだろう」

マン「……」


ゾフィー「実は、私が宇宙警備隊に入隊して間もない頃、同じような事件が起きたのだ」

ゾフィー「自分が愛していた惑星がインキュベーターの干渉を受けていた事実を知った、あるウルトラ戦士は」

ゾフィー「すぐその惑星へと向かった、しかし…インキュベーターが連れていた他の宇宙人と戦闘になり」

ゾフィー「彼はその戦いで命を落とした…」

マン「そんなことが…」

ゾフィー「そこで、当時の隊長であったウルトラの父が、インキュベーター専門の部隊を組織した」

ゾフィー「この部隊は秘密組織とされ、インキュベーターの干渉協定期限が切れた惑星から巡回し」

ゾフィー「期限が切れた惑星に直接赴き、干渉を終了させている、現在も密かに活動している部隊だ」

ゾフィー「この事実は、宇宙警備隊でも隊長にしか知らされない事実なのだ」

マン「……」


マン「だったら、どうして今回だけは、我々が」

ゾフィー「…お前たちが、あれほど愛した地球だ」

ゾフィー「…一度は身を挺してまで助けた地球だ」

ゾフィー「そんな星に、彼らが干渉していると聞いて、それを黙ってみていられるか?」

マン「…ゾフィー兄さんの配慮なんですね」

ゾフィー「お前たちが下手に事実を知って、飛び出してもらっても困るからな」

マン「ありがとうございます」

ゾフィー「あくまで目的は穏便に彼らの干渉を終わらせることだ」

ゾフィー「最悪の事態になるまで、ことを荒立てるなよ…」

マン「はい!」


…ピッ!


ゾフィー「!」

マン「ウルトラサインです!」



ゾフィー「…インキュベーターに発見される」

ゾフィー「我々のことも既に発覚の可能性大」

ゾフィー「指示を乞う、ジャック…か」


マン「…どうするんですか?」

ゾフィー「彼らは、おそらく我々の存在に気付いていたはずだ…」

ゾフィー「目的までは…知られていたのかわからんが…」

ゾフィー「だが、間違えなく彼らも私たちの存在を確認したはず」

ゾフィー「下手に刺激するのは避けたほうがいい」

マン「しかし、万が一ということも…!」

ゾフィー「わかっている…」

ゾフィー「ウルトラの星に待機させている、セブンとエースを地球に派遣しよう」


…ピ-ッ!


ゾフィー「よし、これで伝わったはずだ」

ゾフィー「我々は急ごう、ウルトラマン」

マン「はい!」





マン「シュワッチッ!」

ゾフィー「シュワッ!」


~マミの家~


マミなぎ「!」


マミ「ウルトラサインの応答だ」


マミ「…これ以上のインキュベーターへの干渉を避け、可能な限り待機を続けよ…か」

マミ「仕方ない、ここで待機しよう…」

なぎさ「……」

マミ「だが、セブン兄さんとエースが地球に来るそうだ」

なぎさ「おお!それは心強いですね!」


同時刻

M78星雲
 ~光の国~




エース「セブン兄さん、ウルトラサインです!」

セブン「うむ、すぐに地球へ行こう!」




エース「ヘアッ!」

セブン「デュアーッ!」


数日後
 ~見滝原中学~



ほむら「……」


ほむら(…巴マミは死んでしまったし、美樹さやかの契約を許してしまった…)

ほむら(でも、今回の時間軸は何か不思議な違和感を感じるわ)

ほむら(今まで、いなかったような存在の気配を…)

ほむら(このまま、何もなければいいのだけど…)




スタスタ…

ほむら「…?」

まどか「あ、あの、ほむらちゃん…」

まどか「放課後、時間あるかな…」


放課後
 ~ショッピングセンター~



ほむら「…話って何?」

まどか「あのね、さやかちゃんのこと、なんだけど…」

まどか「あ、あの子はね、思い込みが激しくて、意地っ張りで、結構すぐ人と喧嘩しちゃったり」

まどか「でもね、すっごくいい子なの、優しくて勇気があって、誰かのためと思ったらがんばり過ぎちゃって」

ほむら「魔法少女としては、致命的ね」





…………



ほむら(…この子は、美樹さやかのために…)

ほむら(そんなことはさせないわ、必ず…)


~さやかの家~


自らのソウルジェムをグリーフシードを使って浄化するさやか。



QB「これでまた暫くは、大丈夫だ」

さやか「あー、真っ黒」

QB「もう、危険だね、これ以上の穢れを吸ったら、魔女が孵化するかもしれない」

QB「大丈夫、貸して」
ヒョイッ
パクッ…

QB「これでもう安全だ」

さやか「食べちゃったの?」

QB「これもまた、僕の役目の一つだからね」


…………


QB「まあ、君が杏子やほむらを倒すためには、グリーフシードを集めないとね」

QB「それとも、まどかに頼んでみる?」

さやか「ううん、ダメ!これは…私の戦いなんだ、あの子を巻き込むわけにはいかない」

QB「そう言うと思ったよ」

さやか「……」


QB「…じゃあ、僕はちょっと用事があるから、いくよ」

さやか「えっ?どこにいくの?」

QB「別に遠くにいくわけじゃないよ」

QB「用事があるだけさ」

スタスタ…


~見滝原市某ビル屋上~



月明かりに照らされたQB。



QB(”暁美ほむら”彼女はやはり、僕の目的を邪魔しているようだね)

QB(でも、今の問題は彼女じゃない…地球にやってきている宇宙警備隊だ)

QB(彼らは密かに活動しているようだ、僕たちもまだ彼らの目的は、はっきりとわからない)

QB(でも彼らが動き出すと厄介だ、保険をかけておくに越したことはないからね)


QB(…仕方ない、不本意ではあるけれど)


ツーッ……


QB「やあ、聞こえるかい」

??「ん…貴様は…」

QB「まあ、僕のことはどうでもいいよ」

QB「知っているはずだろうからね」

??「…ふん」

QB「君にいい話を持ってきたんだ」

QB「宇宙警備隊が現在、地球に来ているよ」

??「!」

??「…それで?」

QB「君はかつて一族を彼らに倒され、彼らを酷く恨んでいると聞いたんだけど…」

QB「違ったかな?」


QB「それとも、まだ地球を侵略しようとしてるのかい?」

??「…ウルトラ兄弟か?」

QB「そうだね、どうやら地球に来ている宇宙警備隊は、太陽系の保護を任されていたウルトラ兄弟のようだね」

QB「まだ全員きているわけじゃないようだけど」

??「…地球など、どうでもいい」

??「私の目的は、ウルトラ兄弟の抹殺だ」

QB「そうか、それなら僕たちの利害は一致したわけだね」

QB「じゃあ、伝えるだけのことは伝えたよ」

QB「後は君たち次第だ」



…プツッ




QB(これで、彼らもわかるだろう)

QB(僕たちがしていることの正しさにね)


~マミの家~


マミ「……」


なぎさ「……」

ウロウロ…


マミ「おい、落ち着け、タロウ」

なぎさ「いくら兄さんからの命令でも、こうずっと待機では!」

マミ「私たちが動いたとしても何も変わらんだろう」

なぎさ「っ…」


なぎさ「しかし…アイツらは今でも、私と同化したこの子のように少女たちを扇動し」

なぎさ「死ぬとわかっている契約を世界中で行っているんですよ!」

なぎさ「それに、兄さんが言ってたインキュベーターに契約を迫られている少女だって!」

なぎさ「それをこれ以上黙ってみていろと言うんですか!?兄さんは!」

マミ「違う!!」


マミ「…飛び出していきたい気持ちは私も同じだ…!」

マミ「だが、我々が今動いたところで根本的な解決には何もならない…」

マミ「お前もわかっているだろう…!タロウ…!」

なぎさ「……っ」

マミ「今はとりあえず、エースとセブン兄さんが到着するまで待とう…」

マミ「それに、ゾフィー兄さんからの指示がない限り、私たちは大きく動くわけにはいかない…」


~宇宙空間~



地球へと向かうセブンとエースの姿。



セブン「…我々が地球にまで行くことになったということは、何かあったのだろうか」

エース「行ってみればわかるでしょう」

セブン「うむ…急ごう」

エース「はい!」




……ビビイィ!


セブン「!」

エース「危ない!」


バッ!
ヒュッ!


セブン「…これは!!」

エース「誰だ!?」



??「これを避けるとは、さすがだな」

セブン「お、お前は!」





エース「ヒッポリト星人!」



ヒッポリト星人「ふはははは!お前らを地球には行かせんぞ」

セブン「貴様…!」

ヒッポリト星人「地球にいる兄弟を助ける前にここで殺してやる!」

セブン「…仕方ない、戦うぞ!エース」

エース「はい!」




セブン「デュアッ!」

エース「ヘアッ!」


数日後
 ~見滝原中~



仁美「…さやかさん、放課後に少しお時間よろしいかしら」

さやか「え?うん、いいけど…」

さやか「あたしだけ?」

仁美「はい、さやかさんだけにお話したいことがありますの…」


その後
 ~ショッピングセンター~



さやか「それで…話って何?」

仁美「恋の相談ですわ」

さやか「え?」

仁美 「私ね、前からさやかさんやまどかさんに秘密にしてきたことがあるんです」

さやか「……」

仁美「ずっと前から…私…上条恭介君のこと、お慕いしてましたの」

さやか「そ、そうなんだ」

さやか「あはは…まさか仁美がねえ…あ、なーんだ、恭介の奴、隅に置けないなあ」

仁美「さやかさんは、上条君とは幼馴染でしたわね」

さやか「あーまあ、その、腐れ縁って言うか何て言うか」

仁美「本当にそれだけ?」


仁美「私、決めたんですの、もう自分に嘘はつかないって」

仁美「あなたはどうですか?さやかさん、あなた自身の本当の気持ちと向き合えますか?」

さやか「な、何の話をしてるのさ」

仁美「あなたは私の大切なお友達ですわ、だから、抜け駆けも横取りするようなこともしたくないんですの」

仁美「上条君のことを見つめていた時間は、私よりさやかさんの方が上ですわ」

仁美「だから、あなたには私の先を越す権利があるべきです」

さやか「仁美…」

仁美「私、明日の放課後に上条君に告白します」

仁美 「丸一日だけお待ちしますわ、さやかさんは後悔なさらないよう決めてください、上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」

さやか「あ、あたしは…」


~マミの家~



なぎさ「何をやっているんだ!エース兄さんとセブン兄さんは!」

マミ「確かに遅いな…」

マミ「なにかあったに違いない…」

なぎさ「……もう我慢できません!」

なぎさ「私だけでもいきます!」

バタン!



マミ「おい!よせ!タロウ!!」


~見滝原市内~


ダダダダッ!

なぎさ「……」


なぎさ(この姿で活動していれば、地球人にもばれないし、問題はないはずだ)

なぎさ(インキュベーターの奴らめ、見つけたらぶっ潰してやる!)




なぎさ(ん?こっちに何かいる!?)

なぎさ(なんだ、この感じは?)


同時刻
 ~影の魔女 結界内~



まどか「さやかちゃんっ」

まどか「あっ…うぅ?」

キラッ!
ザシュシュッ!

杏子「まったく、見てらんねぇっつうの、いいからもうすっこんでなよ、手本を見せてやるからさ」


…スッ

杏子「オイッ」

さやか「邪魔しないで…一人でやれるわ」

バッ!
ザシュッ!


まどか「さやかちゃん!?」


さやか「…ふふっ…はは…」

杏子「アンタ、まさか…」

さやか「あははは、ホントだ、その気になれば痛みなんて…あはは、完全に消しちゃえるんだ」

ザシュッ!
ザシュッ!
ズシュッ!



まどか「やめて…もう…やめて」


なぎさ「…あ、あれは!」

なぎさ「魔女か…!」

なぎさ「そ、それに…戦っているあの二人の少女は…」

なぎさ「魔法少女…!」

なぎさ「インキュベーターも!」


なぎさ「今なら…!」

なぎさ(ま、待て…しかし、今飛び出していけば、私の正体が…!)




………ブウオオン



なぎさ「ん?だが、あの少女たちは魔女を倒したようだ…」


なぎさ(…わざわざ命令違反までして、飛び出してきたのだ…)

なぎさ(このまま、バレないように彼女たちのことをもう少し調べてみよう、何かわかるかもしれない)

今日はここまでとします。
続きはまた明日投下します。

>>1です。再開します。



~宇宙空間~



………



エース「どうだ、ヒッポリト星人!」

エース「俺たちが昔と変わっていないと思ったら大間違いだ!」

セブン「エースの言うとおりだ、俺たちだって昔の俺たちとは違う!」


ヒッポリト星人「くっ…はあ、はあ、はあ…!」

ヒッポリト星人「また私は貴様らに…!」

ヒッポリト星人「ふ、ふふふ…ふふっはっはっはっはっはっ!」


エース「何がおかしい!」

ヒッポリト星人「い、いいだろう、最後に教えてやろう、私を遣わせたのは、テンペラー様だ…」

セブン「何!?」

エース「テンペラー星人が!?」

ヒッポリト星人「フフフッ、私がここで死んでも、地球も、お前たちもお終いだ…!」

ヒッポリト星人「すべては…テンペラー様の計画通り…」

セブン「!?」

エース「おい!どういうことだ!」

ヒッポリト星人「ふふふ!ははは…はーはははっ!」


…ドガーン!


エース「どういうことでしょう、兄さん」

セブン「地球が危ない…!」

エース「えっ…」

セブン「エース、ゾフィー兄さんたちとジャックたちにウルトラサインを送れ!」

エース「はい」

セブン「地球へ急ぐぞ!」

エース「はい!」


~マミの家~



マミ「…タロウの奴…」


マミ(しかし、私もタロウを全力で止めれなかった…)

マミ(命令とは言え、私も行かせてやりたい気持ちでいっぱいだった…)

マミ(私も命令違反同然だ)




…ピッ!


マミ「ウルトラサイン!?」

マミ「!」

マミ「セブン兄さんとエースがヒッポリト星人と…!?」

マミ「地球に危機が…」


~宇宙空間~


ピッ!


マン「ゾフィー兄さん、あれを!」

ゾフィー「これは!」

マン「エースからのウルトラサインです!」




ゾフィー「…やはり、インキュベーターは、テンペラー星人と…!」

ゾフィー「ウルトラマン、我々もすぐに地球へと向かうぞ!」

ゾフィー「地球の危機だ!」

マン「はい!」


ゾフィー「ウルトラマン」

マン「はい」

ゾフィー「セブン、ジャック、エース、タロウにウルトラサインだ!」

ゾフィー「私たちが到着するまで原則として待機!」

ゾフィー「テンペラー星人からの攻撃があった場合のみ、戦え、と」

マン「はい!」


…ピーッ!



ゾフィー「よし、地球に行くぞ!」

マン「はい!」



ゾフィー「シュワッ!」

マン「シュワッチ!」



~見滝原市内公園~




スタスタ…

なぎさ「さっきのウルトラサインは、やはり兄さんたちだ」

なぎさ「ヒッポリト星人と戦ってたから、セブン兄さんたちは到着が遅れたんだな」

なぎさ「テンペラー星人め、また我々を狙ってるってわけか」

なぎさ「インキュベーターも倒さなくてはならないのに…」

なぎさ「まったく…」


…スタスタ


なぎさ「ん?確かあの少女は…」

なぎさ「魔女との戦いにいた例の少女だ…」

なぎさ「!」

なぎさ「インキュベーター!見つけたぞ!」

なぎさ「…いや、でも待て…」

なぎさ「何か話しているのか?」


まどか「私があなたと契約したら、さやかちゃんの体を元に戻せる?」

QB「その程度、きっと造作もないだろうね」

QB「その願いは君にとって、魂を差し出すに足る物かい?」

まどか「さやかちゃんのためなら…いいよ、私、魔法少女に…」


なぎさ「!」


なぎさ(このままでは、彼女は契約してしまう!)

なぎさ(しかし下手に動くわけには!仕方ない!)


なぎさ「ハンドビーム!」コソコソ


…ビビビッ!


ブチュチュッ!

QB「」


まどか「わっ…!?」

まどか「えっ」

まどか「な、なに…!?ど、どうしたのQB!?」


まどか「だ、誰!?誰かいるの?」





なぎさ「ま、まずい!見つかってしまう!」

なぎさ「隠れないと…!」

ガササッ…


…スタスタ


ほむら「……」

ほむら(インキュベーターの気配を感じて、公園に来てみたけれど…)


ほむら「!」

ほむら「まどか…!」



まどか「ほ、ほむらちゃん…」

まどか「ほむらちゃんが…殺したの…?」

ほむら「え…」

ほむら「こ、これ…!」


ほむら(インキュベーターの死骸…)

ほむら(一体、誰が…!?)


まどか「ひ…ひどいよ、何も殺さなくても…」

ほむら「そんなことより貴女、もしかして…契約しようとしていたの…?」

まどか「…そ、それは…」

ほむら「貴女は、なんで貴女は…!いつだって、そうやって自分を犠牲にして…!」

まどか「え…」

ほむら「役に立たないとか、意味がないとか、勝手に自分を祖末にしないで!」

ほむら「貴女を大切に思う人のことも考えて」

ほむら「いい加減にしてよ!」

ほむら「貴女を失えば、それを悲しむ人がいるって、どうしてそれに気づかないの…!」

ほむら「貴女を守ろうとしてた人はどうなるの!」


まどか「ほむらちゃん…」


まどか「私たちはどこかで…」

まどか「どこかで会ったことあるの?私と」

ほむら「そ、それは……」

まどか「ごめん…私、さやかちゃんを探さないと」

ほむら「待って、美樹さやかは、もう…」

まどか「ご、ごめんね」



…スタスタ

ほむら「待って」

ほむら「まどか!」


………


QB「無駄な事だって知ってるくせに、彼らも君たちにそっくりだね」

QB「代わりはいくらでもあるけど、無意味に潰されるのは困るんだよね」

QB「勿体ないじゃないか」

モグモグ…
QB「きゅっぷい…」


ほむら「……」

ほむら「彼らって誰のこと?」

ほむら「今さっきのは、何?」

ほむら「誰があなたを殺したの?」

QB「…それを聞いたとして、君はどうするんだい?」

ほむら「どんな邪魔があろうと、私はまどかを助けるだけよ」

ほむら「お前たちの思い通りにはさせない」


QB「やっぱりね、何となく察しはついてたけれど、君はこの時間軸の人間じゃないね」

ほむら「お前の正体も企みも、私は全て知ってるわ」

QB「なるほどね」

QB「だからこんなにしつこく僕の邪魔をするわけだ」

QB「そうまでして、君は”鹿目まどか”の運命を変えたいのかい?」

ほむら「ええ、絶対にお前の思い通りにはさせない…QB……いいえ、インキュベーター」

QB「ふうん」

QB「まあ、安心していいよ、さっき僕の言った”彼ら”とは」

QB「少なくとも君たちの敵ではないよ」


~マミの家~



マミ「……」



…ガチャ!


なぎさ「ただいま戻りました」

マミ「タロウ!」

マミ「ばか者!命令違反だぞ!」



なぎさ「すいません…」

なぎさ「しかし、わかったことがあります!」



…………


マミ「…なるほど、その”暁美ほむら”と言う少女は」

マミ「”鹿目まどか”と言う少女の契約を阻止しようとしているわけだな…」

なぎさ「はい」

なぎさ「しかし、インキュベーターが”鹿目まどか”に目をつけ、積極的に契約させようとしているようです」

マミ「…うむ」

マミ「それと…私の同化したこの少女の記憶には、もう一人契約を迫られていた少女がいたようだが…」

なぎさ「…おそらく、私が最初に見た”美樹さやか”という少女だと思います」

なぎさ「しかし、その子は私が見たときには既に…契約を…」

マミ「……」



なぎさ「”美樹さやか”は隣の町からやってきたと言う魔法少女と行動を共にしてたのですが」

なぎさ「途中で見失いました…」


マミ「まさか…!魔女に…!?」

なぎさ「わかりません…」

マミ「……」

マミ「それはともかく、怪獣や宇宙人の発生は?」

なぎさ「いえ…それは、今のところはまったく…」

マミ「……何もなければいいのだが…」


翌日
 ~地球 見滝原市内~



セブン「デュアッ!」

エース「ヘアッ!」




セブン「…地球についたはいいが…」

エース「このままの姿では…」



セブンエース「!」

エース「…この反応は!」

セブン「怪獣か?」

エース「行ってみましょう!」



同時刻

~見滝原市内オクタヴィア結界内部~



…………


ガラン!
カラン!

ほむら「杏子…」


杏子「…よう」


ほむら「貴女……!」

杏子「その子を頼む…アタシのバカに付き合わせちまった」

ほむら「あ……」


…シュキン!


杏子「足手まといを連れたまま戦わない主義だろ?いいんだよ、それが正解さ」

杏子「ただ一つだけ、守りたいものを最後まで守り通せばいい」

杏子「はは…何だかなぁ、アタシだって今までずっとそうしてきたはずだったのに」


杏子「行きな…コイツはアタシが引き受ける」


ゴゴゴゴ!
シュイン!シュイン!


杏子「心配すんなよさやか」

杏子「一人ぼっちは…寂しいもんな、いいよ、一緒にいてやるよ…さやか」


シュキン…

ゴゴゴゴゴ…!


セブン「デュワッ!」

エース「ヘアッ!」



セブン「!」

エース「これは!」




セブン「魔女か!?」

エース「彼女たちを助けましょう!」

セブン「ああ!」


__その瞬間____



杏子(…アタシは確かに、さやかと一緒に死んだはずだ…)

杏子(でも、その瞬間、聞こえたのは声だった)





~白い光の空間~




杏子『…こ、ここは…?』

??『気がついたか…』

杏子『だ、誰だ!?テメーは!』

??『私の名はウルトラセブン』

セブン『M78星雲から、ある目的で地球にやってきた宇宙人だ』

杏子『はあ?セブン!?』


セブン『信じてもらえないのも、無理はないが…』

セブン『私は、君も含め地球人の平和を守るためにやってきたのだ』

杏子『地球人の平和って…』

杏子『そ、そんなことより!さ、さやかは!?さやかはどうなったんだ!?』

セブン『君と一緒にいた、魔女になってしまった魔法少女のことか?』

杏子『そうだ!テメーらが何者かは知らねー』

杏子『でも…アタシをこうして助けてるとこ見ると』

杏子『アンタが、ただもんじゃねえってことぐらいわかる』

杏子『だから、アンタらでもなんでもいい!アタシなんかより、さやかを助けてやってくれ!』



セブン『……』

セブン『自らの命も顧みず、仲間のために命を投げ打つその勇気…』

セブン『かつて私が地球に初めて来た時、モデルにした青年と同じだ』

セブン『…わかった、彼女も必ず助けよう』

杏子『ホントだな?』

セブン『ああ…』

セブン『だが、我々はこのままの姿では、地球上で活動できない』

セブン『私に、その身体を貸してくれないか?』

杏子『は、はあ!?』

セブン『安心してくれ、何も問題はない』

セブン『君の精神と心に立ち入ることはしない…』


杏子『……』

杏子『わ、わかったよ、仕方ねーな』

セブン『ありがとう、必ず君も、さやかと言う子も助けると約束する』

杏子『約束だかんな』

セブン『では悪いが、その身体借りるぞ』


シュイーン…

キイィ…

…ブウウン!


セブン「デュワッ!」


~同じ頃~



エース「セブン兄さんが、あの子は助けたか…」

エース「では、私はこの魔女になってしまった子を…」


エース「メディカルレイ光線!」


ビイイ…



~白い光の空間~



さやか『…あ、あれ』

さやか『あ、あたしは…確か…』

??『元に戻ったようだ、良かった』

さやか『ええっ!?』

さやか『あ、あなたは!?』

エース『私の名は、エース…ウルトラマンエースだ…』

さやか『う、ウルトラマン!?』

エース『そうだ、地球の平和を守るため、M78星雲からやってきた』

さやか『う、宇宙人なんですか!?』

エース『そう、だから君をこうして助けたのだ』


さやか『…あ、あたしは』

エース『君は、魔女になってしまっていたのだ』

さやか『えっ!?』

さやか『あ、あたしが魔女に!?』

さやか『ど、どうして…』

エース『だが、もう大丈夫だ』

エース『私が助けた』

さやか『え…あ、ありがとうございます…』

エース『私たちは今、君たち魔法少女を助けるためにこの地球に来ている』

さやか『そうなんですか、それであたしも…』

エース『うむ、しかし私はこのままの姿では地球上で活動できない』

さやか『ま、まあその格好じゃ、目立ちますしね…あはは…』


エース『そこで、少しの間だけ君の身体を貸してほしい』

さやか『え…えっ!?』

エース『安心してくれ、君の心には立ちいらないことを約束しよう』

エース『そして、君も、君の友達も助けることを約束する』

さやか『は、はあ…で、でも、そんなことできるんですか?』

エース『大丈夫だ』

さやか『…う、う~ん』

さやか『助けてもらったし、仕方ないっか』

さやか『いいですよ』

エース『ありがとう…』


エース『君が祈った願いごとは…立派な願いごとのようだ』

さやか『えっ!?』

さやか『な、なんで知ってるんですか!?』

エース『私たちに選ばれる人間は、皆そういう人間ばかりだからだ』

エース『約束する、君のその祈り、決して無駄にしたりしない』

エース『では悪いが、その身体借りるぞ』


シュイーン…

キイィ…
…ピカアア!

シュウウウン!


エース「ヘアッ!」


~見滝原市内~



杏子「……」

さやか「セブン兄さん」

杏子「エース、救出に成功したか」

さやか「はい、それに同化も納得してくれました」

杏子「うむ、ジャックたちのところへ急ごう」

さやか「はい!」


………


杏子「おい、エース」

さやか「はい?」

杏子「この子たちもインキュベーターのせいで大変だったようだな」

さやか「ええ、必ず助けてみせますよ」

杏子「うむ」


~ほむらの家~



ほむら「……杏子」



ほむら(これで、佐倉杏子も死んでしまった…)

ほむら(ワルプルギスの夜に対抗できるのは、また私一人だけ…)

ほむら(…いえ、くじけてはいけないわ)

ほむら(大切なのは、最後まで諦めないこと…!)

ほむら(私一人でも…必ず…!)


~見滝原市内ビル屋上~


QB「……」


QB(また宇宙警備隊の介入で、僕の計画に狂いが生じちゃったじゃないか…)

QB(まさか、さやかと杏子まで助けてしまうとはね…)

QB(せっかく鹿目まどかの膨大な魔力係数の謎も解け、後は契約してもらうだけだったのに)

QB(ワルプルギスの夜も、これでは役に立たないかもしれないね)

QB(ま、そのときはそのときで、僕が情報を教えた彼らが来るだろうからね)

QB(宇宙警備隊が敗北すれば、鹿目まどかが契約しないと、どのみち地球は滅びてしまう)

QB(君たちの実力を観察させてもらうとするよ、テンペラー星人)


~宇宙空間~



宇宙空間を飛行する、ウルトラマンとゾフィー。



ゾフィー「まずいな、このままでは地球に到着するのが遅れてしまう」

マン「…どうするんですか」

ゾフィー「仕方ない、エネルギーを消費してしまうが、テレポーテーションだ」

ゾフィー「いいか?ウルトラマン」

マン「わかりました」


~マミの家~



マミ「いやあ、まさかセブン兄さんとエースまで、魔法少女の子と同化してしまうとは…」

杏子「うむ」

さやか「我々が到着したときにちょうど彼女たちと遭遇したのだ」

なぎさ「ゾフィー兄さんとマン兄さんは?」

杏子「ゾフィー兄さんたちなら、もう到着してもいい頃だが…」

さやか「まさか、また邪魔が!」



ジジジ…


マミの部屋へとテレポートしてくる、ゾフィーとマン。


ゾフィー「遅れて申し訳なかった、皆」


マミ「ゾフィー兄さん!」

なぎさ「マン兄さんも」

杏子「遅かったな…何かあったのか?」

さやか「まさか、テンペラー星人が?」


ゾフィー「いや、我々はインキュベーターの惑星に向かっていたからな」

ゾフィー「彼らの惑星は遠い、だが途中でセブンとエースがヒッポリト星人からの襲撃を受けたと聞いて」

ゾフィー「おそらくインキュベーターが手を結び、地球と我々を狙っているものだと判断した」

ゾフィー「それで引き返し、地球に向かってきたのだ」

マミ「…なるほど」

杏子「しかし、今のところは、怪獣も宇宙人も現れていない…」

さやか「確かに、おそろしいほど静かですね」

ゾフィー「うむ、それで、お前たちが同化した少女の記憶による今の状況をまず聞きたい…」

マミ「はい」


………


ゾフィー「なるほど…」

ゾフィー「その”暁美ほむら”という少女は”鹿目まどか”という少女の契約を阻止しようとしているのだな」

なぎさ「はい、そのようですね」

マミ「しかし、インキュベーターが積極的に”鹿目まどか”への契約を迫っています」

マン「でも、なぜインキュベーターはその少女だけを積極的に契約させようとしているのだ?」

ゾフィー「……ウルトラマンの言う通りだ、インキュベーターがその少女へ拘る理由は何なのだ?」

マミ「とても大きな才能を持った少女のようです」

マン「それで、その少女の契約を阻止する別の少女か…」

杏子「それに”暁美ほむら”という少女は、この街にやってくる超大型の魔女『ワルプルギスの夜』を倒す準備をしていたようだ…」

ゾフィー「超大型の魔女?」

マン「そんなものまで存在しているのか」

杏子「ああ、その『ワルプルギスの夜』がこの街を襲うことを”暁美ほむら”は以前から知っていたようなんだ」

ゾフィー「……」



ゾフィー「とりあえず、状況から判断すると」

ゾフィー「インキュベーターの目的はわからないが、”鹿目まどか”という少女の契約を阻止する」

ゾフィー「そして、この街に襲撃が予想される、超大型魔女を倒すことだ」


全員「はい!」


さやか「しかし、テンペラー星人は…!どうするのですか?」

ゾフィー「もちろんテンペラー星人が攻撃を仕掛けてきた場合は倒す」

ゾフィー「それに、一番の目的は地球からインキュベーターを撤退させることだ、それを忘れるなよ」

ゾフィー「皆、いいな?」


全員「はい!」


ゾフィー「ウルトラマン、お前が”鹿目まどか”と同化し、彼女を守るのだ」

マン「わかりました」

ゾフィー「それと、これを…」
スッ…

マン「こ、これは…」

なぎさ「ウルトラマンボール!」

ゾフィー「そうだ、テンペラー星人の襲来に備え、ボール作戦だ」

マン「これを…どうすれば…?」

ゾフィー「接触が可能なら”暁美ほむら”という少女に…」

マン「わかりました」


ゾフィー「では、私は地球のインキュベーターと話をつけてくる」

ゾフィー「他の者は、ここで待機」

ゾフィー「テンペラー星人、もしくは超大型魔女の出現に備えよ」


マミなぎさや杏「はい!」


~ほむらの家~



…ピンポーン


まどか「入っていいかな?」


ほむら「……」



まどか「これが…『ワルプルギスの夜』?杏子ちゃんが言ってた」

まどか「一人で倒せないほど強い魔女をやっつけるために、ほむらちゃんと二人で戦うんだって、ずっとここで準備してたのね」

まどか「街中が危ないの…?」

ほむら「…今までの魔女と違って、コイツは結界に隠れて身を守る必要なんてない」

ほむら「ただ一度具現しただけでも、何千人という人が犠牲になるわ…」

ほむら「相変わらず普通の人には見えないから、被害は地震とか竜巻とか、そういった大災害として誤解されるだけ」

まどか「…なら、絶対にやっつけなきゃダメだよね」

まどか「杏子ちゃんも、死んじゃって…戦える魔法少女は、もうほむらちゃんだけしか残ってない、だったら…!」

ほむら「一人で十分よ…!」

ほむら「佐倉杏子には無理でも、私なら一人でワルプルギスの夜を撃退できる」

ほむら「杏子の援護も、本当は必要なかったの、ただ彼女の顔を立ててあげただけ」

まどか「ホントに?」


まどか「何でだろ、私、ほむらちゃんのこと信じたいのに、嘘つきだなんて思いたくないのに…」

まどか「全然大丈夫だって気持ちになれない、ほむらちゃんの言ってることが本当だって思えない…」

ほむら「本当の気持ちなんて、伝えられるわけないのよ」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「だって、私は…私はまどかとは、違う時間を生きてるんだもの…!」

スタスタ…
ギュッ…

まどか「えっ…?」


ほむら「…私ね、未来から来たんだよ、何度も何度もまどかと出会って、それと同じ回数だけ、あなたが死ぬところを見てきたの」

ほむら「どうすればあなたが助かるのか、どうすれば運命を変えられるのか、その答えだけを探して、何度も始めからやり直して」

まどか「それって…えぇ?」

ほむら「ごめんね…わけわかんないよね…気持ち悪いよね」

ほむら「まどかにとっての私は、出会ってからまだ1ヶ月も経ってない転校生でしかないものね」

ほむら「だけど私は…私にとってのあなたは…」

ほむら「繰り返せば繰り返すほど、あなたと私が過ごした時間はずれていく、気持ちもずれて」

ほむら「言葉も通じなくなっていく、たぶん私は、もうとっくに迷子になっちゃってたんだと思う」

まどか「ほむら…ちゃん…」

ほむら「あなたを救う、それが私の最初の気持ち…今となっては、たった一つだけ最後に残った、道しるべ」

ほむら「わからなくてもいい、何も伝わらなくてもいい、それでもどうか、お願いだから、あなたを私に守らせて」


~その帰り~


スタスタ…


まどか「……」


まどか(ほむらちゃんの言ってたこと、どういう意味なんだろう…)

まどか(まさか…)

まどか(私を助けることが、ほむらちゃんの願いごとなのかな…)



…ピカアー


まどか「えっ?」

まどか「な、なに!?」



…シュイーン


~白い光の空間~



まどか『…こ、ここは…』

??『驚かせて悪かった』

まどか『えぇ!?』

まどか『…あ、あなたは誰…?』

??『私の名はウルトラマン…』

まどか『…ウルトラマン』

マン『ああ、この地球の平和を守るためにやってきたのだ』

まどか『地球の平和…』


まどか『…じゃ、じゃあ、ほむらちゃんを助けられるんですか?』

まどか『助けてあげてくださいっ』

まどか『私の友達が困ってるんです!』

マン『うむ…私もそのためにやってきたのだ』

まどか『え…』

マン『しかし、私はこのままの姿では、地球上で活動できない』

マン『だから、君の友達を助ける間だけ、その身体を貸してくれないか?』

まどか『そ、そんなことできるんですか!?』

マン『大丈夫だ、君の精神には立ちいらないことを約束しよう』

まどか『……』

まどか『わかりました…ほむらちゃんを助けてあげてください』


マン『もちろんだとも…』

マン『君もまた、私たちが愛した地球人のように』

マン『誰にでも優しく、慈愛の心を忘れず、勇ましい少女のようだ』

まどか『そ、そんな…私はただ、友達が困ってるのを黙って見てられないだけです…』

マン『必ず、君たちを助けよう』

マン『では悪いが、その身体借りるぞ』



シュイーン…

キイィ…
…ピカアア!

シュウウウン!


マン「シュワッ!」


まどか「……」

ダダダッ…

_________


その後
 ~ほむらの家~



…ピンポ-ン



ほむら「……」

ほむら(誰かしら、こんなときに…)


ガチャ…


ほむら「まどか…」


まどか「ほむらちゃん、これ…」
スッ…

ほむら「…こ、これ」

ほむら「赤いボールが…6つ…」


まどか「…お守りだから、ほむらちゃんが絶対負けないようにするための…」

ほむら「まどか…」

まどか「もしもピンチになったときは、そのボールを投げて」

ほむら「う、うん…」


まどか「…絶対に諦めないでね」


ほむら「ううっ…ひくっ…うんっ…!」

ほむら「私、私…絶対に諦めない」

ほむら「たとえ、何度も失敗しても…!」

ほむら「必ずあなたを救ってみせるから…!」



~マミの家~



ガチャ…

まどか「…ただいま」

マミ「お、兄さん」

杏子「おお」

さやか「おかえりなさい」

なぎさ「同化したんですね」

まどか「…ああ、この少女も私たちが愛した地球人のように素晴らしい心の持ち主だった」

杏子「ははは、私たちも今、そのことを話していたんだよ」


マミ「私たちが同化した子たちは皆、素晴らしい心の持ち主だ」

さやか「優しさと勇気を忘れず、仲間がピンチになれば、自らの命も省みず助けにいく」

なぎさ「なんだか私たちみたいで、面白いですね」

マミ「あまり調子に乗るなよ、タロウ」

杏子「そうだぞ、末っ子め」

なぎさ「はあい」

まどか「だが、タロウの言うとおりかもしれないな」


まどか「…そう言えば、ゾフィー兄さんは?」

さやか「まだ戻ってきてないんです」

杏子「まあ、怪獣か星人でも現れればすぐに来るだろう」

なぎさ「ゾフィー兄さんのことですし、大丈夫でしょう」

マミ「そうだな」


まどか「それと、”暁美ほむら”という少女についてだが」

まどか「彼女は”鹿目まどか”を助けるために契約をし、何度も時間を繰り返しているようだ」

まどか「彼女もまた、希望を求めている」

マミ「…なるほど」

杏子「それで、”鹿目まどか”の契約を阻止しようとしていたわけか」

さやか「うむ、彼女もまだ頑張っているということですか」

なぎさ「彼女も助けてあげましょう!」

まどか「ああ、もちろんだ」


まどか「彼女も含め、この子たち皆を必ず助けよう!」

今日はここまでにします。
明日また投下します。

>>1です。再開します。
今日終われたらいいです。


翌日



_______ゴゴゴゴゴゴゴ_




研究員「雷雲がとんでもない勢いで分裂と回転を起こしています、明らかにスーパーセルの前兆です、直ちに避難指示の発令を!」



広報車「本日午前7時、突発的異常気象に伴い避難指示が発令されました」

広報車「付近にお住いの皆さんは、速やかに最寄りの避難場所への移動をお願いします、こちらは見滝原市役所広報車です」

広報車「繰り返します、本日午前7時……」


~見滝原市内中心部~



ほむら「来る!」

ほむら「今度こそ…」

ほむら「決着をつけてやる!」




ほむら(私一人でも…!)

ほむら(必ず!)


同時刻
 ~見滝原市内上空~


~テンペラー星人円盤~

テンペラー星人「時間は予定通りだ、異常気象に合わせ、この街を破壊する」

テンペラー星人「そうなれば、必ずウルトラ兄弟は誘い出されてくるはずだ」




テンペラー星人の円盤からテンペラー星人が投下される。



ヒュー…
ドガーン!!


テンペラー星人「ウルトラ兄弟、どこにいる!」

ドガーン!
ドカーン!


テンペラー星人「どこにいるんだ、ウルトラ兄弟!出てこい!!」

__

ほむら「な、何よ…アイツは…!!」
__


ドガーン!
ドカーン!

テンペラー星人「ふははははっ!」

テンペラー星人「どうしたのだ、ウルトラ兄弟!」

テンペラー星人「では、これならどうだ!?出でよ!」

テンペラー星人「我が怪獣軍団!!」

ゴゴゴゴゴ!

___

ほむら「きゃっ、な何!?地震!?」


ゴゴゴゴゴ…
ドガーン!
ドカーン!


ほむら「!!」


ほむら「何よ…あれ!!」



テンペラー星人「どうした!ウルトラ兄弟!このままこの街を我々怪獣軍団と」

テンペラー星人「ワルプルギスの好き勝手にさせてもいいのか?」

テンペラー星人「はっはっはっ、壊せ、壊せ、何もかも壊してしまうのだ!」


ザンボラー「ギャルルウ!ギャルルルウ!」

パンドン「ギギッ!ギュギッ!」

ブラックキング「ヴルルルル…!」

バラバ「キー!キイイイ!」

ワルプルギスの夜「キャハハハ!」

ドガーン!ドカーン!
ボオオォゥ…!


ほむらが見たもの。
それは、多数の怪獣を引きつれ、見滝原市を破壊する
テンペラー星人とワルプルギスの夜だった。


ほむら「そんな…!!」


ほむら「何よこれ…!」

ほむら「…こんな怪獣相手に私が一人で戦えって言うの!?」

ほむら「どうして…!」

ほむら「こんなの…!こんなの…!!」



ほむら「勝てるわけないじゃない…っ!」

ほむら「…ううっ…!ううっ!」



ほむらは絶望し、燃えさかる街に伏せる。
彼女のソウルジェムはそれに応えるように急速に色を変えていく。



ほむら「…もう、終わりだわ…」

ほむら「何もかも…っ!」




そのときだった。
ほむらの前に6つの赤いボールが転がってくる。



ほむら「…これは」

ほむら「まどかがくれた…ボール」

ほむら「こんなもの…」

ほむら「…こんなもの、いったい何の役に立つって言うのよ!」




ほむら「ううっ!」
ブンッ!



ほむらは怒りに任せて、ボールをテンペラー星人目掛けて投げつけた。
すると、赤いボールは空高くへと上昇した。


ほむら「…え?」



ヒュウウ

ヒュウ…
パキッ!
マン「ウルトラマン!」

ヒュウ…
パキッ!
セブン「セブン!」

ヒュウ…
パキッ!
新マン「ジャック!」

ヒュウ…
パキッ!
エース「エース!」

ヒュウ…
パキッ!
ゾフィー「ゾフィー!」

ヒュウ…
パキッ!
タロウ「タロウ!」


ヒュウ…

ピキーン!
キラー!

赤いボールから彼らが現れ、周りが見えなくなるくらいの激しい光が辺りを包む。

___

ほむら「…あ、あれは…!」
___




ウルトラ6兄弟「我ら、ウルトラ6兄弟!」

参考の動画があったので、貼っておきます。
このシーンが元ネタです。


http://www.youtube.com/watch?v=fXucHd-eyfw




ほむらの目の前にこんな光景が広がったと思ってもらえば助かります。


テンペラー星人「とうとう出たな!ウルトラ兄弟!」

ドカーン
ドガーン!


テンペラー星人「喰らえ!ウルトラ兄弟必殺光線ッ!」

ビビビビビ!

ドガーン!
ドガドカー!


ゾフィー「うわっ!」

マン「くっ!」

セブン「うっ!」

新マン「ぐっ!」

エース「うあ!」

タロウ「くッ!」


ゾフィー「みんな、敵は多い!」

ゾフィー「分散して戦うぞ!」

マンセブン新マンエースタロウ「はい!」



ゾフィー「テンペラー星人は任せるぞ、タロウ!」

タロウ「はい!ゾフィー兄さん!」



ゾフィー「私はあの大型の魔女を止める!」

ゾフィー「皆、一度戦った相手だ、負けるなよ!」


マンセブン新マンエースタロウ「はい!」


テンペラー星人「ふはははは!馬鹿め!」

テンペラー星人「その怪獣たちがかつて、貴様らに倒された怪獣と同じと思ったら大間違いだぞ!」

テンペラー星人「ふははははは!」



__


ほむら「あれは…一体何者なの…?」

ほむら「でも、あの人たちなら、勝てるかも知れない…」

__


~マン対ザンボラー戦~



マン「シュアッ!」

ザンボラー「ギャルルル!」



バチッ!バチチッ!

…ボオオオオ!


ザンボラーが熱線を放つと、辺りは一瞬にして燃え上がる。


マン「シュワッ!」
ビイイー!

ザンボラーにスペシウム光線を放ったウルトラマンだったが、避けられてしまう。


マン「!」


マン(ザンボラーはこんなに機敏なやつではなかったはずだ)

マン(テンペラー星人の言っていたことはこのことだったのか!)



マン「テアッ!」

ザンボラー「ギャルルル!ギャルルル!」




次第にザンボラーに苦戦するウルトラマン。


~セブン対パンドン戦~



セブン「デュワーッ!」


パンドン「ギギッ!ギュギッ!」



セブン「デュワーッ!」


ヒュッ
ガシッ!


アイスラッガーを放ったセブンだったが、パンドンに奪われてしまう。


セブン(前と同じか、では…!)


パンドン「ギギッ!ギギギッ!」

ヒュッ!

セブン「デュワッ!」


パンドンが投げ返したアイスラッガーを念力でもう一度跳ね返す。


パンドン「!」

パンドン「ギギッ!」

ガシッ!


セブン「!」


セブン(ば、馬鹿な!もう一度奪われたなんて…!)

セブン(くっ!)

セブン(このままでは!)


~新マン対ブラックキング戦~



ブラックキング「ヴルルルル…!」

新マン「ティアッ!」


新マン(またもブラックキングが…!)

新マン(しかし、私はもう負けない!)



ブラックキング「グルルルル…!」


新マン「ティアッ!」
ビイィィ!


スペシウム光線をブラックキングに放つが
ブラックキングは、手で受け止める。


新マン「!」


新マン(やはりスペシウム光線は効かない!)

新マン(仕方ない、ここはブレスレッドで…)



ブラックキング「ヴルルル!」

新マン「ヘアッ!」


ウルトラブレスレッドを使って、戦おうとするも
ブラックキングに邪魔され苦戦する新マン。



新マン(このままでは…)


~エース対バラバ戦~



エース「テアッ!」


エース(バラバとは言え、かつて倒した超獣だ)

エース(負けるわけがない!)


バラバ「キキー!キイイイ!」

エース「テェーッ!」


多数の剣と鎌に苦戦するエース。


エース「くっ!」

エース(以前のバラバよりも強い!なぜだ!)


バラバ「キキー!キイィ!」

エース「!」


バラバの鉄球の先から鉤が射出され、エースの首に巻きつき、締め上げる。


エース「イヤア!」


エース(このままでは!)


~タロウ対テンペラー星人戦~



タロウ「シュワアッ!」


テンペラー星人「ははは!末っ子の貴様など相手にならんわ!」

テンペラー星人「邪魔だ!ウルトラ兄弟必殺光線!」


ビイイイイ!

ドンドンド‐ン!


タロウ「ぐわっ!」


タロウ(兄さんたちも苦戦しているみたいだ)

タロウ(ここは僕だけでも、テンペラー星人に勝たないと!)



テンペラー星人「ふはははは!貴様たちはその怪獣に絶対に勝てん!」

タロウ「くっ!」


タロウ(やっぱり僕だけでは、テンペラー星人にも勝てないのか!?)




タロウもテンペラー星人に苦戦し
他の兄弟たちも皆、テンペラー星人が強化したかつての怪獣たちに苦戦を強いられていた。



~ゾフィー対ワルプルギスの夜戦~



ゾフィー「シュワッ!」


ゾフィー(これが大型の魔女か、確かに大きいが、私の敵ではない!)


ワルプルギスの夜「キャハハハ!」

ヒュッ!

ゾフィー「!」

ガシャーン!
ドガーン!


ワルプルギスの夜が宙に浮かせていたビルをゾフィー目掛け投げつける。


…ズドーン!
ドガーン…


ゾフィー「くっ…!」


ゾフィー(ならば、次はこちらの番だ!)


ゾフィー「M87光線!」

ビイィィ!


ワルプルギスの夜「フフフフフ!」

ヒュッ!
ドガーン!


ゾフィー「!!」


ゾフィー(ビルを盾代わりに…!)

ゾフィー(こんな力まで持っているのか!)

ゾフィー(これでは、攻撃の防ぎようも、当てようもない…!)



ほむら「そんな!」

ほむら「あの人たちも、勝てない…!」

ほむら「やっぱり、もう…!」


ザッ……


??「な~に諦めてんのさ!」

??「そうさ、大切なことは最後まで諦めないことだろ?」

??「信じる力が勇気になるのです!」

??「ええ、例え僅かな希望でも、勝利を信じて戦うことよ」

??「うん…信じる心、その心の強さが不可能を可能にするんだよ、ほむらちゃんっ」




ほむら「…え」

ほむら「ま、まどか…?」



ほむら「そ、それに…あなたたち…!?」


ほむら「ど、どうして!?」


さやか「あたしら、みんなあの人たちに助けられたんだ」

マミ「ええ、あの人たちのおかげでね」

なぎさ「なのです!」

杏子「でも、まさかマミや魔女まで助けてたとはなあ、さすがあの人たちだぜ」

なぎさ「なぎさは、もう魔女じゃないのです!」



まどか「ほむらちゃん…」


ほむら「…あの人たちは一体、何なの…?」

まどか「あの人たちはね…『ウルトラマン』」

ほむら「『ウルトラマン』…?」

まどか「うん、私たちみんなを助けるためにM78星雲から来てくれたんだよ」


さやか「さあって、あたしたちも助けてもらったお返ししなきゃいけないみたいだね」

杏子「ああ」

なぎさ「今度は私たちが助ける番なのです!」

マミ「さあ、行くわよ!みんな!」

バッ!


ほむら「えっ…!?」


さやか「何してんの、転校生!」

さやか「あんたが一番この絶望に討ち勝とうとしてたんでしょ!」

さやか「あんたが戦わなくてどうすんのさ、あんたが諦めてどうすんのさ!」

ほむら「…っ」


ほむら「そんなんこと、言われなくても…!」

バッ!


~タロウ対テンペラー星人~




テンペラー星人「ははは!このまま死ぬがいい!ウルトラマンタロウ!」

テンペラー星人「ウルトラ兄弟必殺光線!」

ビイイ!


タロウ「ぐわあああ!」

ドンドンドン!


タロウ(くっ!僕は兄さんたちも助けられずにここで死ぬのか…!)

タロウ(僕はやっぱり末っ子のままなのか…!)

ピキッ!
キラーン!

プー!
ブクブク!
ドカーン!ドカーン!


タロウを苦しめていたテンペラー星人の後ろから
小さなしゃぼん玉が膨れては破裂する。


テンペラー星人「!」

テンペラー星人「なんだ!?この泡は!」


タロウ「!」

タロウ「これは…!」



なぎさ「今助けるのです!ウルトラマンタロウさん!」

タロウ「なぎさか!?」


テンペラー星人「邪魔しおって!小娘が!」


なぎさ「危ないのです!」

ヒュンッ!


なぎさを探すテンペラー星人であったがすばしっこく動くなぎさに手を焼いている。



なぎさ「今なのです!タロウさん!」


タロウ「うむ」


タロウ「ストリウム…光線…!」
ビイイィ!


テンペラー星人「しまった!私としたことがあ!」

テンペラー星人「ぐわあああ」


ドガーン!


~エース対バラバ戦~



エース「イヤアアッ!」


エース(このままでは…!)


バラバ「キキー!キイイイ!」


キラッ!

…ザシュッシュッ!



バラバの鉄球から伸びていた鉤が切断される。



エース「こ、これは…?」


さやか「まあったく、やっぱあたしがいなきゃダメだなあ、エースさん」

エース「君は…!さやか!」

さやか「ふふ~ん、天下のさやかちゃんですよ~」



バラバ「キキー!キイィ!」


エース「!」

さやか「さあて、じゃあ、いきますか!」

エース「無茶はしないでくれ、さやか」




バラバ「キキィー!キイィィ!」


バラバは怒り狂ったように、頭部の剣をエースに向けて放つ。


ヒュー!

エース「!」


バッ!

さやか「はあっ!」
ザシュッ!

ガキン!
ガキキン!


しかし、さやかが放たれた剣を弾き返す。そして、バラバの剣は全て弾き返された。


さやか「さあ!今だよ、エースさん!」


エース「ヘアッ!」

ビイイィ!


エースはバラバにメタリウム光線を放つ。


ドガーン!


~新マン対ブラックキング戦~



ブラックキング「ヴルルルル…!」

新マン「ティアッ!」


新マン(どうすれば…!)



ピカー!
キラン!


マミ「ティロ・フィナーレ!」

ドーン!

ドガーン!


ブラックキング「ヴルルル!!」


新マン「なんだ!?」


バッ!
マミ「恩を返させてもらいます、ジャックさん!」


新マン「君は…マミ!?」

マミ「ええ、あなたのお陰で助かることができました!」



ブラックキング「ヴルルル!」


マミ「!」


マミ「どうやらゆっくり挨拶してる暇はないみたいですね」

新マン「うむ」

マミ「いきます!」

バッ!


シュルルル!

黄色の無数のリボンが展開し、ブラックキングを縛り固定する。
ブラックキングが暴れ出すがそれをさらに拘束し、抑える。


ブラックキング「グルルル!!」


マミ「今のうちに!ブレスレッドを!」


新マン「ヘアッ!」

キラッ!

ヒュゥッ
ザシュッ!ザシュシュ!


ブレスレッドは新マンの手を離れ、ブラックキングの首を切り裂いた。


~セブン対パンドン戦~



パンドン「ギギッ!ギュギッ!」


セブンから奪ったアイスラッガーを振り回しながら、牽制するパンドン。



セブン(このままでは…!)



パンドン「ギギッ!ギギッ!」

ヒュッ!


キラッ!
シュッ!
ガギンッ!


パンドンから投げ返されたアイスラッガーを何かが受け止める。


セブン「!」


杏子「ったく、何やってんだよ、セブン」

杏子「てめーの力はこんなもんかよ」


セブン「…杏子!?」


杏子「アイスラッガーが効かねーなら、こいつを使えっ!」


ブンッ!

…ガシッ!

杏子が投げ渡した槍は魔法で巨大化し、セブンがそれを受け取る。


セブン「デュワッ!」

パンドン「ギギッ!ギギッ!」


セブン「デュワーッ!!」


…ザシュッ!



セブンは受け取った槍を使って、パンドンを一刀両断にした。


~マン対ザンボラー戦~



ザンボラー「ギャルルル!」


バチッ!バチチッ!

…ボオオオオ!


ザンボラーの熱線を避け続けるウルトラマン。


マン(一体どうすれば…!)


ヒュー
ヒュー
ドガーン!


ザンボラー「ギャルルルルッ!」


マン「!」

マン(なんだ、この攻撃は!?)


ほむら「っ!」


ほむら(私だって、負けない…!諦めない…!絶対に!)


ガチャ…
バシュー!

ドガーン!


地上からザンボラーに向かって、RPGを発射するほむらの姿だった。



マン(あれは…!)

マン(ほむらか、彼女もまだ諦めていない!)

マン(私だって…諦めるわけには!)


ガチャ
バシューン!バシューン!

ドカーン!


ザンボラー「ギャルル!」


マン「シュワッ!」


マン(今だ!)

ビイイィ!


ほむらの放ったRPGを避けようとする、ザンボラーの退路を防ぐように
ウルトラマンがスペシウム光線を放つ。



ドガーン!

ほむら「や、やった…!」



ウルトラマン「後は、ゾフィー兄さんだけだ」



ウルトラマン「皆、行くぞ!」

セブン新マンエースタロウ「おう!」


~ゾフィー対ワルプルギスの夜戦~


ワルプルギスの夜「キャハハハッ!」


ゾフィー「…くっ」


ゾフィー(こうビルを持ち上げられていては、光線を撃ったとしても防がれてしまう…!)


ヒュー…
スッ
スッ
スッ
スッ
スッ

ゾフィー「お前たち…」


マン「助太刀します、兄さん」

セブン「後はこの魔女だけだ」

新マン「こんなに大きいとは…」

エース「皆で戦えば、大丈夫です」

タロウ「もちろんですよ!」




ゾフィー「皆!行くぞ!」


マン「シュアッ!」
ビイイィ!

セブン「デュワッ!」
ビイィ!

新マン「ヘアッ!」
ビイイ!

エース「テエエッ!」
ジジ!
シャキンッ!

タロウ「シュワアッ!」
ビイイッ!


ヒュッ!
ドガーン!


ワルプルギスの夜に戦いを挑む兄弟たちであったが
持ち上げたビルにより、光線をすべて防がれてしまう。


ゾフィー「やはりか!」

マン「攻撃が当たらない!」

セブン「どうすれば!」



ワルプルギスの夜「キャハハハハ!」



ゾフィー(何か、何か…策はないのか…)



………

ヒュー!
ドガガガガーン!


その時だった。
何者かの攻撃がワルプルギスの夜を直撃した。


ゾフィー「!」


新マン「この攻撃は!」


エース「なんだ!?」


タロウ「…あれは!」


~地上~



ほむら「私だって、最後まで絶対諦めない…!」

ガチャ!
バシューン!


地上から時間停止攻撃を繰り返すほむらの姿があった。








ゾフィー(そうだ!)

ゾフィー(彼女の力…!彼女の力を使えば!)


ゾフィー「暁美ほむら…」


ほむら「あ、あなたは…!」


ゾフィー「君のその力を貸してほしい」


ほむら「え…私の…」


ゾフィー「君の時間停止の力があれば…あの魔女に勝てる!」


ほむら「…ど、どうすれば…!?」


…シュルルル!

黄色いリボンが宙を舞い、ほむらとゾフィーの間に割り込む。



マミ「私がリボンであなたたちを繋ぐわ!これでゾフィーさんたちも動けるはずよ!」


ゾフィー「うむ」


ほむら「…わかったわ!」




ゾフィー「皆、話は聞いたな!」


マンセブン新マンエースタロウ「おう!」



ゾフィーたちはワルプルギスの夜の周りを取り囲むように配置した。


ゾフィー「今だ!」

ほむら「っ!」

カシャッ…!



ゾフィー「M87光線!」
ビイイイィ!

マン「シュアッ!」
ビイイイッ!

セブン「デュアッ!」
ビイイイッ!

新マン「ヘアッ!」
ビイイイッ!

エース「テアッ!」
ビイイイッ!

タロウ「シュワァ!」
ビイイイッ!


6兄弟それぞれが身構え
ワルプルギスの夜に6方向から必殺技を放つ。


それを確認したほむらは、盾を構え、呟くように言った。


ほむら「これで、終わりね…ワルプルギスの夜…!」


スッ…
ほむら「リリース!」

…カシャッ!


ビイイイイイィ!


ワルプルギスの夜「キャハハハ!」

ワルプルギスの夜「キャアアア!」


ドガガーン!


ほむらの時間操作により6兄弟の放った光線はワルプルギスの夜に直撃した。


ほむら「…はあ、はあ、はあ」

ほむら「勝ったの…?」




…ブウウン

ほむら「あれは…」



ほむらが一息つこうとしていた雲の隙間から、テンペラー星人の円盤が姿を現す。


……ビイイィ!

ドガーン!


6兄弟が一斉に光線を浴びせ、円盤は爆発した。


ほむら「…か、勝ったの…私たち…」
グラッ…

マミ「大丈夫!?暁美さん!」


魔力の消費と疲労で倒れそうになるほむらの肩をマミが支える。
その隣で、杏子とさやかが降り立ち、言った。


…スタッ
杏子「ああ、勝ったんだよ」


…スタッ
さやか「うん…あたしたちが勝ったんだ」


まどか「みんな~っ!」



勝利に浸る彼女たちのところにまどかが駆け寄る。


ほむら「…ま、まどか…」

まどか「大丈夫!?ほむらちゃんっ」

ほむら「…よかった、あなたが無事で…」


まどか「ほむらちゃん…」



フゥ…
スタッ…

ほむらを介抱するまどかたちの目の前に彼らが降りてくる。


ゾフィー「…ありがとう、君たちのおかげで、我々も助かった」

さやか「いいえ、助けてもらったのはこっちですから…」




ゾフィー「さあ、予定の時間はもう終わりだ、出でくるんだ」



ゾフィーがそう言うと、ゾフィーの手から、白い生物が姿を現す。



シュイン!

QB「きゅっぷい!」


マミ「QB!?」

ほむら「あ、アイツ…!」


ゾフィー「この星の協定による期限は終了した」

ゾフィー「今すぐこの星の魔女と魔法少女を人間に戻し、君たちも母星へと戻れ」



QB「はあ…君たちにはやっぱり敵わないね」

QB「僕も頼る相手を間違っていたよ」


QB「……」

QB「仕方ないね、そうさせてもらうよ」



フッ!


…ガシャン!
ほむら「あ…!」


…パキッ!
マミ「えっ…!?」


…パキキン!
さやか「おあっ!?」


…パキリッ!
杏子「なんだ!?」


…パキン!
なぎさ「へっ!?」



魔法少女たちのソウルジェムが一斉に砕け、少女たちは元の姿へと戻った。




ほむら「…こ、これは」


QB「君たちの契約期間は終了だよ」

QB「彼らが言った通り、僕たちは地球から退かせてもらうよ」

QB「君たちとももうお別れみたいだ」




QBはそう言うと煙のような姿となり、空に上昇して消えた。


ゾフィー「暁美ほむら…」


ゾフィー「君たちはもう十分に戦った、もう戦う必要はないのだ」

ゾフィー「君も、この地球で平和を享受し、幸福に生きてほしい」


ゾフィー「それが私たちの願いだ」



ほむら「あ、ありがとうございますっ…!」

ほむら「…ううっ、ぐすっ、うう…!」




ほむらは今までの孤独な戦いが終わった感動とまどかを救えた喜びに涙を流す。

その隣で、皆が最後の言葉を少女たちに残す。


マン「決して忘れないでくれ、まどか」


マン「友達を思い、自分の身を投げうってでも助けようとする、その気持ちを…」



まどか「はい!ウルトラマンさんっ」



セブン「決して忘れないでくれ、杏子」


セブン「仲間を思う『愛』とその『勇気』を…」




杏子「ああ、わかってるよ、セブン…」



新マン「決して忘れないでくれ、マミ」


新マン「どんな孤独が待っていようと、必ず誰かが傍にいることを…」




マミ「…はいっ、ジャックさん」



エース「優しさを失わないでくれ、さやか」


エース「どんな者でもをいたわり、互いに助け合い、友達になろうとする気持ちを忘れないでくれ」


エース「たとえ、その気持ちが何百回裏切られようと…」




さやか「うん…」

さやか「わかってるって!エースさん」



タロウ「決して忘れないでくれ、なぎさ」


タロウ「僕と同じように、末っ子のような君にも、必ず大きくなって輝く時がくることを…」




なぎさ「もちろんなのです!タロウさん!」


ゾフィー「君たちのその気持ちを決して忘れないでくれ…」



ゾフィー「この先も君たちが、どんな絶望にも立ち向かう『勇気』と」


ゾフィー「何事も最後まで諦めないという『希望』を持っている限り」


ゾフィー「我々と再び会える日が来るだろう」


ゾフィー「シュワアッ!」

マン「シュワッチッ!」

セブン「デュワーッ!」

新マン「シュワッ!」

エース「シュワッチ!」

タロウ「シュワーッ!」



そう言い残すと、ウルトラ6兄弟は飛び去っていった。




ほむら「あ、ありがとう…!ウルトラマン…!」


ほむら「ありがとう…本当にありがとう…!」


~宇宙空間~



光の国へと帰還するウルトラ6兄弟。



ゾフィー「よかったな、これで」

マン「はい!」

セブン「でも、彼女たちの記憶は消したんでしょう?ゾフィー兄さん」

ゾフィー「…魔法少女に関する記憶は段々と薄れていくであろう」

ゾフィー「覚えておいても、辛い記憶だろうからな…」

新マン「…それでは、我々のこともですか?」


ゾフィー「そうなるかも知れん…」

ゾフィー「だが彼女たちなら、私たちのことを忘れたとしても」

ゾフィー「どんな絶望にも立ち向かうだけの『勇気』と」

ゾフィー「最後まで諦めないという『希望』を忘れることはない」

エース「もちろんですよ」

タロウ「彼女たちなら、大丈夫だと僕も思います!」

ゾフィー「うむ、私も彼女たちを信じている」


マンセブン新マンエースタロウ「はい!」


~~~エピローグ~~~



________
______
____
__



まどか『あ、あれ…こ、ここは…?』



……ゴゴゴゴ!



ワルプルギスの夜『キャハハハハ!』


ドガーン
ドガーン!


まどか『あっ!ま、街が!壊されて…!?』


まどか『わ、私が…私が、どうにかしなきゃ…!』


まどか『え、ええ…っと』
ゴソゴソ…


スッ…
まどか『あ、これ…なんだろう…?』


まどか『白い筒…?ペン…?』

スッ…
ポチ…
ピカッ!

シュウウン!



ウルトラマン『…シュワッ!』



________
______
____
___

__
_



まどか「…はっ!」

…バサッ!



まどか「夢オチ…?」



_______




まどか「おはよう、パパ」

知久「おはよう、まどか」

まどか「ママは?」

知久「タツヤが行ってる、手伝ってやって」

まどか「はぁい」


………


知久「さあ、まどかも急がないと」

まどか「え、あ、うん」


まどか「いってきま~す」


知久「いってらっしゃい~」


タツヤ「いってらっしゃい~」


~まどかの家の前~



ほむら「…おはよう、まどか」

まどか「おはよう、ほむらちゃん、待った?」

ほむら「ううん、着いたばっかりよ」

まどか「そっか、じゃあ、いこっか」
スタスタ…


~通学路~


…スタスタ

さやか「お、きたきた」

杏子「おっはよ~お前ら~!」



まどか「あ、さやかちゃん、杏子ちゃん!」

まどか「おはようっ」

ほむら「おはよう」


スタスタ…


まどか「そういえばね、今日ね、変な夢見たんだ~」

さやか「変な夢?」

まどか「…うん、なんだかね、私が巨大ヒーローになって戦う話だったの」


さやか「ぷっ…あっははは!」

杏子「あはは、まどからしい夢だなあ~」

ほむら「ふふっ、まどかったら…」


まどか「えっ、ええ~みんなひぃどいよ~」


さやか「あ~でもそういう夢って、なんか一度は見たことあるもんだよね~」

杏子「言われてみりゃ、アタシも見たことあるな」

まどか「えっ?みんなそうなの?」

さやか「あたしの場合は、なんかそのヒーローと一緒に怪獣退治してたなあ」

杏子「アタシもそんな感じだった、よく覚えてねーけど、魔法少女?みたいなのになってた」

さやか「ぷっ!魔法少女だって!杏子もまどかのこと言えないじゃんっ」ニヤニヤ

杏子「なあ…!」

杏子「さやか!てめえなあ~っ」

ドタバタ!


まどか「…ほむらちゃんは?ほむらちゃんも見たことある?そんな感じの夢?」

ほむら「そうね、言われてみれば…確かに…」


さやか「あはっ、ごめんって、杏子っ」

さやか「でもさ~よく考えたらなんでだろうね」

さやか「男子ならともかくさ、あたしたち小さい時、ヒーローもんとか見てたわけじゃないのにね」

まどか「だよね、本当に不思議…」

さやか「あ、そうだ!放課後にマミさんにも聞いてみようよ、もしかしたら、なぎさにも聞けるかもしれないし」

杏子「とか言って、どうせケーキ食べたい口実だろ」

さやか「あはは、バレちゃいましたか」

まどか「うぇひひっ、さやかちゃんったら」

ほむら「ふふっ」



ほむら(そう、今となっては本当に曖昧…本当にあったことなのかどうかすらわからない…)

ほむら(だけど私は、今のこんな生活を求めて、ただひたすら一人で戦っていたような気がする…)


ほむら(そして、私たちを助けてくれたヒーローがいたことも、うっすらとだけど覚えている…)



ほむら(でも、そんな曖昧な記憶の中でも、はっきりと頭の中に残っているものがある)



ほむら(それは)


ほむら(この先にどんな絶望が待っていても、それに立ち向かうだけの『勇気』と)

ほむら(何事も最後まで諦めず『希望』を信じるということ)


ほむら(私はそれを絶対に忘れない…)

ほむら(この先もずっと…)


以上で終わりになります。


こんなSSですが、楽しんでくれる人がいたら幸いです。
支援くれた人ありがとうございました。

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