モバP「楓と牙」 (46)




―都内居酒屋にて―



真奈美(今日は誰もつかまらなかったか。だがたまには1人で飲むのも悪くない)トクトク

真奈美(最近は皆忙しいし、意識してスケジュールを調整しないとなかなか集まれないな。
    嬉しいやら寂しいやら……)

真奈美(……寂しい?昔はむしろひとりで飲む事の方が多かったのに、いつの間にか私も
    すっかり誰かと飲むのに慣れてしまったのか。それを弱くなったとみるべきか、
    人間味が出て来たとみるべきか)フッ

真奈美「こうしてひとり酒を飲みながら、ゆっくり考えるのも悪くないな……」グビッ







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このタイトルは……もしかしてわざと?




 ガラッ ラッシャイマセー



楓「あ、真奈美さんだ」テクテク



真奈美「さて、そろそろ帰るか」スクッ




木場真奈美(25)
http://i.imgur.com/PaTFlpG.jpg

高垣楓(25)
http://i.imgur.com/8zuNycJ.jpg




楓「おひとりですか?私もご一緒しますそうします」ストン

真奈美「店主、勘定をお願いする」

楓「すみません、熱燗と梅干ください。それからこのお姉さんにビールをもう一本」

真奈美「……私は帰ると言ってるのだが?」ギロリ

楓「『こうしてひとり酒を飲みながら、ゆっくり考えるのも悪くないな……』って言ってた
  じゃないですか。おつきあいしますよ」ニコニコ




真奈美「私がそのセリフを言った時、お前は店の外にいなかったか?」

楓「こまけえことはいいんです。さあさあ、乾杯しましょう♪」スッ

真奈美「相変わらずマイペースな女だ。仕方ない、付き合ってやるよ」ハア

楓「かんぱーい」カチン

真奈美(明日の仕事はキャンセルしないといけないかもな……)カチン







―――



楓「おいしくなあれ…… おいしくなあれ……」チクチク

真奈美「熱燗に梅干か。それをやってる若い女を見たのは初めてだ」

楓「そうですか?こうやって梅干をお酒の中でつぶして飲むとおいしいんですよ」チクチク

真奈美「お前は本当に中身がおっさんだな」グビッ

楓「真奈美さんだって男前じゃないですか。おっさんアイドルです」チクチク

真奈美「お前と一緒にするな。私はおっさんじゃない」






楓「では真奈美さん、『おこ』の6段活用を言ってみて下さい。真奈美さんがおっさんじゃ
  なかったら言えるはずです」ジロリ

真奈美「 『おこ』だと……?」ピク



真奈美(なんだそれは?今時の流行語か?いや、ちょっと待てよ、確か事務所で誰かが
    そんな事を言ってなかったか?思い出せ、思い出すんだ真奈美……)








~回想・事務所~



里奈『ねーねーななみっち~、『おこ』の6段活用ってゆえる~?』

七海『もちろんいえますよ~。そんなの常識れす~♪』ニコニコ



~~~







藤本里奈(18)
http://i.imgur.com/cwdAdVy.jpg

浅利七海(14)
http://i.imgur.com/XZUELM6.jpg




真奈美「フッ、見くびってもらっては困るな楓。アイドルたるもの常に流行の最先端を
    知らなくてはならない。もちろん完璧に答えられるさ」ニヤリ

楓「おお、意外です。でははりきってお答えをどうぞ♪」

真奈美「『オコゼ』『オコジ』『オコシ』『オコジョ』『オコノジン』『アカオコゼ』だ。
    地方によって呼び名は違うが全てオコゼという種類の魚で、味が良く年間を
    通して市場に入荷されるが背びれに毒のある棘を持っているので、調理には
    注意が必要………… って何だこの魚の豆知識は!? 」バンッ!!

楓「くくくくく…… ふくくくく…… やっぱり、真奈美さんは、とっても、と~っても
  おもしろいですね……」プルプル…





真奈美「ああもう!だからお前と一緒に飲むのは嫌なんだよ!」ゴクゴクゴクゴク!!

楓「一気に飲むのは体に悪いですよ。さあさあもう一杯♪」トクトク

真奈美「そう言いつつ何故すすめる!? 言葉と行動が一致してないぞ!! 」グワッ!!

楓「だからゆっくり飲みましょうって言ってるんです。お酒は楽しまないと」ニコ





真奈美「そうなのか……?私が間違っているのか……?」グルグル

楓「ふぁーんふぁーんうぃーひっざせーっせー♪」グルグル

真奈美「目の前でぐるぐる回るな。気持ち悪くなってくる……」ウップ







***



楓「最近どうですか真奈美さん?」チビチビ

真奈美「んん……、どう、とは……?」ヒック

楓「アイドルのお仕事ですよ。楽しくされているのかなって思って」

真奈美「仕事は仕事だ…… プロとして完璧にこなすだけさ……」グビッ






楓「そういう話ではありません。お仕事は楽しいですか?」

真奈美「だから私はぁ、プロとしてだな……」ヒック

楓「やっぱり真奈美さんは『ファング』さんとして、アメリカでボーカルトレーナーを
  やっていた方が楽しかったんですね……」



真奈美「…………ちょっと待て。どうしてお前がそれを知っている?」ピクッ






楓「あれ?真奈美さんさっきまでぐでんぐでんだったのに」キョトン

真奈美「今ので一気に酔いが醒めた。もう一度聞くぞ。それをどこで知った?」ガシッ!!

楓「痛いです真奈美さん。もうちょっと優しくしてもらえると嬉しいです」ギリギリ…







~回想・5年前のアメリカにて~



真奈美(20歳)「木場真奈美だ。本業はスタジオボーカリストだがトレーナー経験もある。
       私のレッスンは厳しいから覚悟しろよ』

真奈美『ん?ニックネーム?そうだな、今まで特にあだ名はなかったのだが……』



真奈美『私のラストネームは木場だから、『ファング(牙)』と呼んでくれ―――――』フッ



~~~




真奈美「ぐうううぅぅぅぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお~~~~~っ!! 」ジタバタ!!

楓「木場と牙をかけてファング(fang)。アメリカンジョークですか?」クスクス

真奈美「あの頃はフリーになって働き始めたばかりだったから、とにかく周りの人間に
    舐められないように色々と痛々しかったんだよ!すぐに自分が恥ずかしい事を
    言ったのに気付いて訂正したのに、どうしてお前が知ってるんだ!? 」グワッ!!

楓「ちひろさんから聞きました。真奈美さんが私を避けるんですって相談したら、今度
  一緒に飲む時にこの話をしてはどうですかって教えてくれました」

真奈美「どうやって調べたんだあの人は…… ちなみにその話は他に誰が知っている?」





楓「瞳子さんが一緒に聞いてました。とても微妙な顔をしてましたよ」チビチビ

真奈美「せめて笑ってくれた方がマシだ。でも瞳子なら言いふらしたりはしないだろう。
    これ以上情報を拡散しない為にもきっちり口止めしないと……」ブツブツ

楓「レナさんや早苗さんには?」

真奈美「絶対に言うなよ。わかったな」ギロッ!!

楓「わかりました。では私の口止めにもう一杯付き合ってください♪」トクトク

真奈美「お前と一緒だと、酒がいつもの倍以上になるんだよな……」ハア







―――



真奈美「う~ん…… 」グデー

楓「どうして真奈美さんは、私と飲むとすぐに潰れちゃうんでしょうか?」ハテナ

楓「……」

楓「えいっ」ツン ←真奈美の頬

真奈美「むぅ?」ピク







楓「ふふっ、かわいい♪」ツンツン

真奈美「むんっ」バシッ

楓「いたい……」ヒリヒリ

真奈美「ふっ……」スヤスヤ





楓「……」

楓「真奈美さん」

楓「真奈美さんはお仕事楽しいですか?」

真奈美「……」

真奈美「……さびしい」

楓「え……?」




真奈美「いままで…… さびしかった……」

真奈美「いまは…… たのしい……」

真奈美「みんながいるから…… たのしい……」ムニャムニャ

楓「……」

楓「そうですか」クス





楓「私も楽しいですよ」

楓「毎日とても楽しくて、いつまでも皆さんとこうしてアイドルをしたいです」

楓「そしてお仕事が終わった時は、こうして皆さんと楽しく飲みたいです」

楓「ですからまた一緒に飲みましょうね」ナデナデ





真奈美「……」

真奈美「…………ふんっ」パシッ

楓「いたい……ふふっ」

楓「さてと、もったいないから真奈美さんのお酒も私が飲んじゃいますね♪」トクトク







***



 ガラッ ラッシャイマセー



P「迎えに来ましたよ楓さん。起きてください」ユッサユッサ

楓「はれ?ぷろりゅーさーさぁん?」パチ

瞳子「真奈美もすっかり潰れちゃって。いつもの威厳がゼロね」マジマジ

真奈美「すぅ……」スヤスヤ






服部瞳子(25)
http://i.imgur.com/S1caEsL.jpg





P「真奈美さんも最近仕事続きでお疲れだったみたいですからね。そんな状態で1人で
  楓さんの相手をするのはさぞ大変だったでしょう。よっこいしょっと」セオイ

瞳子「ほら楓、あんたも肩貸してあげるから。全く、あんたまで潰れてどうするのよ。
   迎えに来てよかったわ」ヒョイ

楓「おふたりはどうしてここに~?」グイッ

P「瞳子さんの取材帰りですよ。真奈美さんが瞳子さんにSOSメールを送ったんです。
  たまたま俺も瞳子さんと一緒だったので、こうして迎えに来たんです」





瞳子「私だけで酔い潰れたあんたと真奈美の面倒を見れるとは思わなかったから、Pさんに
   協力を頼んだのよ。でもこの子どうして私にメールしてきたのかしら?レナさんや
   夏美の方が頼りになるでしょうに」

楓「ふぁんぐのはなしをしたからかなぁ~?」フラフラ

瞳子「……ああ、あの話ね。そっとしといてあげなさいよ」ハア

P「なんの話ですか?」キョトン

瞳子「知らない方がいいと思うわよ。真奈美に首を絞められたくなかったらね」クス





真奈美「うぅん」グググ…

P「何となく真奈美さんの腕に力が入った気が…… ではその話はまた今度聞くとして、
  今日は帰りましょうか」スタスタ

楓「シメはながさきちゃんぽんです~♪」フラフラ

瞳子「はいはい今度ね。今日はもう諦めなさい」スタスタ



―――――こうして真奈美の秘密は守られた。はずだったのだが……








―後日・都内居酒屋にて―



レナ「ごめんね真奈美ぃ~、この前あんたをひとりにさせちゃって~。あんたとっても
   寂しかったのよねぇ~?」ニヤニヤ

夏美「まさかあんたがそんな事を言うなんてねぇ~。今日はあんたが寂しくないように
   とことん付き合ってあげるから、遠慮しなくてもいいのよ~?」ニヤニヤ

早苗「今夜はお姉さんの胸の中で思いっきり甘えてもいいのよ?あたしと真奈美ちゃん
   20センチくらい違うけど、しっかり抱きしめてあげるから!」ウェルカム!!

真奈美「楓ぇぇぇぇぇぇええええええっっっっっっ!!!!!!!!!!!! 」



―――――真奈美は新たなネタでしばらくいじられる事になった



おわり







兵藤レナ(27)
http://i.imgur.com/gBOg9p3.jpg

相馬夏美(25)
http://i.imgur.com/mzVjVpw.jpg

片桐早苗(28)
http://i.imgur.com/GOisJyz.jpg





 楓さんチャレンジSSです。しかしダジャレを言わせる事が出来なかった。なんか
掴み所が無くて難しいんだこの人。あまりストーリーを練らずにふわふわさせた方が
いいのかなあ。誰か楓さんをうまく書くコツを教えてください。では




おおう、そんな名前の成年漫画家がいたのか。やっちまった……
ようやく>>2の言った事がわかりました。楓牙さんにもごめんなさい。
次は気を付けます。

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